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2017年6月29日 第2回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」議事録

○日時

平成29年6月29日(木)9:00~11:30


○場所

全国都市会館第2会議室(3階)


○出席者

井出アドバイザー、岩崎アドバイザー、上條アドバイザー、千把アドバイザー、野沢アドバイザー、平野アドバイザー、二神アドバイザー、堀内厚生労働大臣政務官、堀江障害保健福祉部長、朝川企画課長、内山障害福祉課長、田原精神・障害保健課長、高鹿障害福祉課障害児・発達障害者支援室長兼地域生活支援推進室長、市川障害福祉課長補佐、照井障害福祉課長補佐 、高沢職業安定局雇用開発部障害対策課長補佐(オブザーバー)、全国身体障害者施設協議会、公益社団法人日本重症心身障害福祉協会、日本肢体不自由児療護施設連絡協議会、一般社団法人日本ALS協会、全国社会就労センター協議会、一般社団法人日本自閉症協会、特定非営利活動法人日本相談支援専門員協会、特定非営利活動法人就労継続支援A型事業所全国協議会、一般社団法人全国地域で暮らそうネットワーク

○議題

1.関係団体ヒアリング1
2.その他

○議事

○内山障害福祉課長 定刻となりましたので、只今から「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の第2回会合を開催いたします。

 議事に先立ちまして、本検討チームの主査であります堀内厚生労働大臣政務官から一言御挨拶を申し上げます。なお、堀内厚生大臣政務官におきましては、公務により途中で退席させていただくことを御容赦いただきたいと思います。

 では、お願いいたします。

○堀内政務官 皆様、こんにちは。本日はお忙しい中、障害福祉サービス等報酬改定検討チームにお集まりいただきまして、皆様方に心より厚く御礼申し上げます。

 障害福祉サービスの報酬改定に当たりましては、当事者の方々、そして、障害福祉サービスなどを提供してくださる側の方々、また、地方公共団体関係者の方々などから御意見を伺うことが大変重要ではないかと思っております。そのため、まずは大体50前後の関係団体の皆様方から直接御意見、御要望を伺った上で、その後、年末にかけて報酬改定に向けた議論を進めていくこととさせていただいております。

 前回、堀江障害保健福祉部長からもお話し申し上げましたとおり、今回の報酬改定におきましては、自立生活援助などの新サービスの報酬基準等についての検討に加えまして、既存のサービスについても制度の持続可能性を確保し、どのようにサービスの質の向上を進めていくかという観点から、メリハリのある報酬改定を行っていく必要がございます。これまで以上に大変重要な改定になると私どもも認識しております。

 社会保障全体といたしましても、現在大変厳しい財政状況にありますが、アドバイザーの皆様方から専門的な見地からの御意見をいただきまして、そしてまた、障害のある方が地域でも安心して生活をしていただけますよう、障害福祉施策を更に一歩も二歩も前進させていきたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 関係団体の皆様方からも、よりよい報酬改定とするために、いろいろなお立場から現場の実情というものを伝えていただきたい。そして、忌憚のない御意見を賜れればと思いますので、本日はどうぞよろしくお願いいたします。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 本日御出席いただきました団体、アドバイザーの皆様におかれましては、御多用のところお集まりいただき、誠にありがとうございます。

 本日のアドバイザーの皆様の出席状況でございますけれども、井出アドバイザーが遅れて出席されると伺ってございます。

 構成員につきましても、朝川課長などが遅れて出席をさせていただく予定でございます。

 また、30年度報酬改定におきましては、新たに創設される就労定着支援を含む就労系のサービスについて、労働政策とも密に連携して対応する必要がありますことから、今回より、オブザーバーとして職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課も出席をいたしますので、御報告させていただきます。

 撮影はここまでとさせていただきますので、カメラの方はここまででお願いいたします。

 次に、本日はヒアリングを行うため、関係団体の方々にお越しいただいておりますので、ヒアリングの順番に紹介をさせていただきます。

 全国身体障害者施設協議会より、白江副会長、三浦制度・予算対策委員長でございます。

 公益社団法人日本重症心身障害福祉協会より、木実谷理事長、池上事務局長でございます。

 日本肢体不自由児療護施設連絡協議会より、本目会長、市川事務局長でございます。

○日本肢体不自由児療護施設連絡協議会 車椅子で立てませんので。

 皆様、ねむの木学園、一番最初に肢体不自由児養護というのができて、それがねむの木学園でございまして、それがまた療護に変わりまして、ああ、これでお医者様が入れるからと喜んでおりまして、それがまた変わりまして、今のお仕事の名前になりました。

 皆様、最初にさせていただいた時の許可がおりた時の喜び、それが変わった時の喜び、そして、今また5年ぐらい前に変わった時の喜び、悲しみ、50年という月日がとうとう経ってしまいました。皆様、ありがとうございます。どうもありがとうございます。立てませんので、すみません。よろしくお願いいたします。

 この名前には、大きな大きな私の生涯が懸っています。50年、長かったです。またこれからも続けていこうと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 一般社団法人日本ALS協会より、岡部会長、川口理事、平岡常務理事でございます。

 全国社会就労センター協議会より、叶副会長、桑原制度・政策・予算対策委員長でございます。

 一般社団法人日本自閉症協会より、今井副会長、津田理事でございます。

 特定非営利活動法人日本相談支援専門員協会より、菊本代表理事、橋詰副代表理事でございます。

 特定非営利活動法人就労継続支援A型事業所全国協議会より、久保寺理事長、近藤事務局長でございます。

 一般社団法人全国地域で暮らそうネットワークより、岩上代表理事、伊藤事務局長でございます。

 以上の方々に御出席いただいております。

 続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます前に1点御連絡を申し上げます。

 厚生労働省におきましては、審議会等のペーパーレス化を推進しておりまして、本検討チームにおいても、関係団体ヒアリングを実施する第2回から第6回につきましては、ペーパーレスで実施をさせていただきたいと考えてございます。このため、会議資料については、事前に厚生労働省ホームページに公開し、一般傍聴の方は資料を印刷するか、あるいはお手持ちのノートパソコン、タブレット等の端末に保存の上、各自御持参いただくようにお願いをしております。構成員及びアドバイザーの方々につきましては、紙の資料の代わりにタブレット端末を配付しておりますので、資料についてはお手元のタブレットを操作して御覧いただくことになります。操作についての説明書をお手元に配付しておりますが、御不明な点がありましたら、適宜事務局がサポートいたしますので、御遠慮なくお申し付けください。

 なお、タブレットの操作について1点注意事項ですが、お手元のペーパーレス審議会等タブレット操作説明書を御覧ください。ローマ数字Iの1「参照する資料を切り替える」の右側にある米印に記載をさせていただいておりますが、タブの右側にあるバツボタンに触れてしまいますと、タブから資料が閉じてしまいますので、このバツボタンについては触れないようにお願いいたします。

 次に、本日の資料の確認でございます。ヒアリング資料の1から9として、先程御紹介した関係団体から事前に提出いただきました平成30年度報酬改定に関する意見の資料を、また、平成27年度障害福祉サービス等報酬改定検証調査の実施についての資料を用意してございます。過不足がありましたら、事務局にお申し付けいただければと思います。

 次に、本日のヒアリングの進め方でございますが、2ラウンドに分けて実施をさせていただきたいと思います。まず1ラウンド目といたしまして、前半5つの団体に意見を述べていただきまして、5つの団体に意見を述べていただいたところで、アドバイザー等からの質疑応答をまとめて行いたいと考えてございます。その後、2ラウンド目として、後半4つの団体に意見を述べていただきまして、再びアドバイザー等から質疑応答を行い、最後に全体、1ラウンド目、2ラウンド目を通じた9つの団体に関します質疑応答を行っていただきたいと思います。

 御意見については1団体10分とし、御説明時間が5分を経過した時点でベルを1回鳴らします。10分を経過した時点でベルを2回鳴らしますので、その場合、速やかに御意見をまとめていただきますよう、お願いいたします。

 また、御説明は、机上に配付、あるいはタブレット等に入ってございますヒアリング資料の概要ページを用いて行っていただきたいと考えてございます。

 それでは、早速でございますが、御出席の皆様から御意見を賜りたいと思いますので、全国身体障害者施設協議会様、よろしくお願いいたします。

○全国身体障害者施設協議会 おはようございます。只今御紹介いただきました、全国身体障害者施設協議会の副会長を仰せつかっております白江と申します。このような発言の場をいただきましたことに感謝申し上げます。ありがとうございます。

 資料につきまして、少し簡単に御説明いたしますが、資料の右肩、ヒアリング資料1になっております。この資料の中に使っておりますデータですけれども、毎年私どもが行っている基礎調査、それから、平成16年、26年に行いました、マン・ツー・マンで調査員がついて行うタイムスタディー調査、それから、28年に自記式のアンケートのような形で行った調査、そういったものを基に作成させていただいたデータでございますので、御了解いただければと思っております。

 まず最初に、私どもの施設協議会の実態といいますか、現在の様子につきまして、少し簡単に御説明させていただければと思っております。

 お手元の資料、3ページを御覧いただければと思います。そこに「I.本会 会員施設の現状と課題」というタイトルでお示ししている部分ですけれども、協議会の名称、身体障害者という名称が付いておりますけれども、重度の身体障害を中心とした方がたくさん利用されているのですが、現在は重複障害の方が非常に多くなっております。お手元の資料の8ページから11ページにかけまして、タイムスタディー調査における障害別の時間配分、ケア量のデータをお示ししておりますが、それを御覧いただいただけでも、非常に多様な方が利用されている、入居されていることが御理解いただけるかと思います。特に精神・知的障害の方、発達障害の方、高次脳機能障害等々、身体障害と重複して持っておられる方が多くなってきているという実態がございます。

 資料の3ページに戻りますが、まずそういった実態があるということを御理解いただいた上で、更に加齢による障害の重度化、それだけではなくて障害そのもの、二次障害も含めてですけれども、やはりどんどん加齢が進んでいくことによって、身体障害の場合、特に言えるかと思うのですけれども、加齢の速度が非常に速いという特徴があろうかと思います。そういう意味では、同じように60歳といっても、やはり全然その状態像が違ってきているという意味も含めて御理解をいただければと思っています。

 それから、難病を含む慢性疾患の方もたくさんいらっしゃいまして、そういった病気の進行が非常に進んでいるということがございます。そういうところから、重度化、重症化が極めて顕著に見られているという実態があります。

 Iの3のところに具体的にどういった形で進んでいるのかということを少し分かりやすく書かせていただきましたが、例えば今まで介護職員が1人でできたことが、その方の状態像が非常に重度化することによって、2人でやらなければならなくなった。あるいは、今まで10分で済んでいた介護が30分、1時間掛かるようになってきているとか、そういった実態がございますので、ただ単に障害名であるとか区分だけでは計れないような現場の実態があるということが御理解いただければと思っております。

 中でも医療的ケアを必要とする方が非常に多くなっております。具体的に医療的ケアでどういったことが行われているかというのは、5ページにデータとしてお示ししておりますので、御覧いただければと思います。介護職員だけではなくて、当然、看護職員も非常に重要な役割といいますか、どうしても不可欠な存在として配置しております。現在、私どもの施設で1施設当たり平均3.7人配置しております。前回の報酬改定におきまして、常勤看護職員加算をお付けいただいて、大変ありがたかったのですけれども、大体50人定員で言うと200万円ぐらいの加算額になりますが、介護職員を看護職員に置きかえたとしても、その差額を計算しても、看護職員2人の確保までは行かないような加算額になっております。4ページに看護師の配置の実態を書いておりますけれども、4割以上が4人以上の看護師を配置しております。そういった実態もありますので、ぜひその辺りも御配慮いただければと思います。

 私どもの施設は今、11名の看護師を配置しております。夜間体制もとっておりますけれども、非常に負担が大きくなってきていることが、ほかの施設でもたくさん見られているということがございます。

 もう一つ、そういった医療的ケアが必要な方が増えていることと同時に、機能維持のためにリハビリ関係の専門職の配置というのも非常に必要になってきているという実態がございます。この辺りの評価もきちっとしていただければと思っております。

 そういうところで、一つの感想でありますけれども、区分6ではもう計れない、区分7、8というような実態が、恐らく私どもだけではなくて、ほかのところでも見られているのではないかと思いますので、単に現在の支援区分の範囲で検討ということではなくて、今の実態を更に検証していただければと思っております。

 その上で、私どもはこの資料に11項目についての要望を出させていただいておりますが、今日はお手元の資料の3ページの囲みの中に書かせていただいております3項目についてお話しさせていただきます。

 1点目は、今、申し上げましたように、医療的ケアが必要な方が非常に増えているという実態をまず御理解いただいて、前回の常勤看護職員加算を付けていただきましたけれども、更なる評価、2人、3人、4人、5人という看護師配置を実態として行っておりますので、そういった実態に合わせて配置のための加算をぜひ検討していただきたいと思っております。特に夜間帯の配置というのも、夜間看護師の配置加算は既に付いておりますけれども、50人定員で大体1,000万円になろうかと思いますが、それでもやはり夜勤体制を入れるとすると8人以上の看護師配置がどうしても必要になってまいります。そういったことを考えますと、なかなか現実的には難しい部分もありますけれども、今後そういったことがかなりの施設で必要になってきていると思っておりますので、ぜひ御検討いただければと思います。

 2つ目には、人員体制の加算について、あるいは充実についてということでございますが、現在、障害者支援施設、私どものような施設におきましては、配置でいうと1.7対1が最高の加算対象の基準になっておりますけれども、私どもの加盟施設では、77%のところが既に1.7をクリアして、それを超えているという実態があります。平均的には1.6以上の配置をしておりまして、運営的にもかなり厳しい状態の中で、必要性があるから配置しているわけなのですけれども、その辺りをぜひ評価いただければと思っております。

 特に、持続可能なという時に、これは非常に御意見あろうかと思いますけれども、確かに財政的な面がなければ制度は持続可能ではないというか、続かないわけですが、それ以上に私どもとしては人材の確保といいますか、人材養成ということをやっておかないと、将来もしお金が何らかの形でできたとしても、その時に人材養成を始めても遅いと思います。人材養成は今から待ったなしで進めていかなければならないと思っております。介護職員が夢のある職場という言い方が適切かどうか分かりませんが、やはりもっと誇りを持って、意欲を持って取り組めるような環境、プライドを持って取り組めるような環境づくりをするという意味では、介護職員の評価というところをもう一度きちっと見ていただいて、その上で人材確保が将来的に見通せるような持続可能な制度として、ぜひ御検討いただければと思っております。

 最後、3つ目でございますけれども、短期入所の報酬についてであります。現在、施設入所等と比べますと短期入所の基本報酬の単価は非常に低いものがあります。6割ぐらいと思います。そういった意味でも、短期入所のニーズの高さというのは多分皆さんも御理解いただけているかと思うのですけれども、それがなかなかうまく進んでいかない理由というのは、ここにも一つあるのではないかと思っております。

 私どもの関係で言えば、重心のお子さんも含めてですけれども、やはり医療的ケアが必要な方のショートステイをどうやって進めていけばいいかというのは現場でも非常に苦慮しているところであります。

 お手元の資料、21ページになろうかと思いますけれども、医療型と福祉型という短期入所、2つございますけれども、当然、人員配置基準とかが全く違いますので、単純に比較は出来ませんが、やはり福祉型と医療型の格差が非常に大きい。同じような状態像のお子さんを医療型、福祉型で受け入れていても3倍の格差があります。中間的な配置加算とかいったものもあっていいのではないか。福祉と医療の中間的なものも一つ御検討いただき、そういったことによって地域での生活が維持されていく。これは生活介護、通所においても同様のことが言えるかと思いますので、ぜひ御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。

 続きまして、公益社団法人日本重症心身障害福祉協会様、よろしくお願いいたします。

○日本重症心身障害福祉協会 おはようございます。公益社団法人日本重症心身障害福祉協会を代表して一言お願いを申し上げます。

 私は、理事長の木実谷と申します。個人的には、多摩センターにあります島田療育センターの院長をしております。島田療育園という形で昭和36年に、まだ法律のない時に重心の施設として開設されまして、56年が経ちます。道なき道を行きながら道をつくってきたという自負がございますけれども、そういうところに勤務している者でございます。

 この日本重症心身障害福祉協会につきましては、平成25年4月1日に公益社団法人に移行が認可されております。重症心身障害児者の福祉の向上に関する事業を行い、その家庭の福祉の増進に寄与することを目的とした活動を行っております。重症心身障害児者施設は、重症心身障害の入所児者の年齢や状態に応じた適切な日中活動の充実を図るとともに、短期入所や通所支援などの事業において、超・準超重症心身障害児者を初め、医療的ケア児の受入れなどにより、在宅支援の中核的施設として機能強化を図っております。

 特に厚労省からこの度児者一貫ということを我々が主張しておりましたところ、それが恒久法として認められ、18歳で、法律は違いますけれども、そこで行き場のない重心の子供たちをつくらない。一貫した指導体制あるいは人員配置で一生そのお子様、あるいは大人になった方を見ていくということを認めていただきました。どうもありがとうございました。

 ただし、厚労省のほうからは条件がついておりまして、今ここに書いてあります活動目的及び活動内容の2行目でしょうか。入所児者の年齢や状態に応じた適切な日中活動の充実を図るということが前提になっております。その辺は今までもやっているのですけれども、なかなか外には見えていなかった部分もあるかと思いますので、この度の全国の施設協議会、施設長や関係者が集まる全国の大会でございますけれども、その中で特別に日中活動のあり方を考える一つのパスウエーを提示していこうということで、特別委員会を設置いたしたところでございます。

 加盟会員数は101法人、129施設ございます。このような団体でございますけれども、元々重心ということで、法律的には重心という規定がない時に始めたので、古い施設ではいろいろな方が入っております。私の施設でも、日本で最初にできた重心施設ですから、強度行動障害とかいろいろなタイプの障害児の方、あるいは合併障害を持っている方、目の見えない方、耳の聞こえない方、そういう合併症を持った方もたくさん入所しておるのが特徴かと思います。

 それでは、この要望を3ページの概要に沿って読ませていただきます。

 大きな項目としては2つございます。入所のほうの関係でございますが、(1)人員配置体制加算の継続及び増額をお願いしたい。近年、医療的ケア児に対してより多くの支援が必要となってきております。超・準超重症児は医療的ケア児の中の大きな割合を占めますが、その受入れ状況には、より手厚い職員配置体制を必要とします。今後、更に増加するであろう医療的ケア児の受入れを維持していくためには、サービス提供職員1.7対1の配置が可能となるように人員配置体制加算の継続と増額をお願いしたいと思います。

 一方で、サービス提供職員2対1の充足をし、継続して人員配置を維持するために、全国の各施設が保育士や介護福祉士を初めとする支援職員確保の努力を重ねております。しかしながら、これらの職種の人材は大変不足しております。サービス提供職員2対1が確保困難な状況に陥った場合、療養介護サービス費(I)から(II)になり、障害福祉サービス等報酬が激減し、利用者に提供できるサービスが大きく減少することになります。このようなリスクを避けるため、その中間の人員配置体制であるサービス提供職員2.5対1の配置が可能となるように人員配置体制加算の継続をお願いしたいと思います。

 (2)療養介護サービス報酬単価の引上げですが、入所利用者に対し、年齢や状態に応じた適切な日中活動を提供するためには、各利用者の状態をしっかり把握した常勤職員の配置による療育の質の確保が不可欠です。しかしながら、支援員の獲得競争は激しさを増しており、給与水準の問題から障害福祉分野に従事するサービス提供職員が離職することのないよう、職員の基本給や賞与の水準の確保のため、療養介護サービス報酬単価の引上げをお願いいたします。

 もう一つ、短期入所を中心とした在宅支援でございます。特別重度支援加算の増額をお願いしたいと思います。近年、在宅で気管切開や人工呼吸管理を必要としている超・準超重症児者を初めとする医療的ケア児の利用希望が急増しております。今後、更に短期入所の利用増加が予想される中、超・準超重症児者の短期入所を安全に受け入れる体制が整えられますよう、特別重度支援加算の増額をお願いいたします。

 医療的ケア児の中には、気管切開や人工呼吸管理を初めとする濃厚な医療行為を必要としながらも、立位や歩行可能な状態にあるケースもあるため、特別重度支援加算の算定条件である、運動機能が座位までである制限の緩和をお願いしたいと思います。これは医療のほうとも関係することでございます。

 以上、この要望を1枚、3ページにまとめさせていただきました。また、資料につきましては、その後に詳しい説明あるいはデータ的なものも載っておりますので、御覧いただければと思います。

 今、重症心身障害児の施設は重心ということで始まったのですけれども、元々は法律をつくる前からですから、いろいろなタイプの方が入っている。新しいところは重心ということで来たのですけれども、それが高齢化、それから医療の重度化ということで非常に手間が掛かり、その人の生活を充実させるために人員の配置に苦慮しているところでございますので、ぜひ今申し上げたようなところに配慮して、特別の御配慮を賜りますようにお願いいたしまして、発表とさせていただきます。どうもありがとうございました。

○内山障害福祉課長 どうもありがとうございました。

 続きまして、日本肢体不自由児療護施設連絡協議会様より、よろしくお願いいたします。

○日本肢体不自由児療護施設連絡協議会 よろしくお願いいたします。

 資料の1ページ目になります。日本肢体不自由児療護施設連絡協議会は、元々児童福祉法の肢体不自由児療護施設という種別が集まって、この協議会を平成8年1月から設立して運営しております。現在、法的な名称は福祉型障害児入所施設ということになっておりますが、継続して運営をしています。

 福祉型障害児入所施設とは、18歳未満の児童で児童相談所が施設において援護することが適当と判断した障害児を入所させて、保護、日常生活の指導及び独立自活に必要な知識技能の付与を行うことを目的とした施設でございます。重度・重複障害や被虐待児への対応のほか、自立のための支援の充実を目指しております。基本的に3障害を対象にしていますが、我々の協議会では、主たる障害を肢体不自由としております。全国的には知的障害を中心とした施設が数多くございますほか、盲ろうを対象とした施設もございます。

 我々の協議会は非常に数が少なくて、現在、6施設で運営をしております。

 3ページ目です。今回、報酬改定に関する意見については、大きく3ポイントにまとめております。

 1点目が「社会的養護、被虐待児への支援について」。要約しますと、児童養護施設同様、社会的養護が必要な子供たちが大変多くいるというようなところです。

 2番目は「重度・重複障害児、多様な障害への支援について」ということで、重度・重複障害の割合が高く、重心のお子さんもいらっしゃる。非常に多様な障害が数多くおるというところです。

 (2)としては、肢体不自由という点では医療の必要性も高く、医療ケアを必要としている子供もいます。基礎疾患の治療、リハビリテーション、そういったことも非常に重要であるということです。

 (3)は、学校への通学については、施設の設置状況や地域性によって異なりますが、複数の学校に通うということもあり、学校の送迎手段等、非常に多くの人手が必要になっているというところです。

 (4)は、幼児も全体の約1割在籍しており、日中の幼児療育の必要性が非常に高くなっているというところです。幼児療育の専門性の観点から見直しが必要であると思っています。

 3点目は「18歳以上の障害者の移行支援について」です。平成24年度の児童福祉法の改正において、18歳以上の障害者については、大人としてふさわしい適切な支援を行っていくために、みなし規定を設け、平成30年3月31日以降は、原則18歳以上の障害者は在籍できないとされています。この点については、今年度、3月8日の主管課長会議におきまして、3年間延長されるというところがございました。

 以上3点についてです。

 4ページ目です。まず基本的な考え方というところで、我々の協議会としては、本当に子供一人一人の成長におけるとても大切な時期に、お父さん、お母さん、あるいは兄弟姉妹の家族との生活が困難になり、在宅や緊急一時保護、病院、児童養護施設、乳児院などから入所してくる2歳から高校を卒業するまでの約16年間の成長を寄り添い、発達や自立を促し、生活の支援を行っております。

 大切なことは、職員との信頼関係を深めて、家庭同様に安心して暮らせる生活の場にしていくこと。一人一人の障害の特性を理解し、発達を促し、将来像を見据えながら、自立の支援を行うことと考えています。また、学校を初めとして、地域との関わりを持ち、社会性を育むこともとても必要なことだと考えています。そのためには、一人一人の心を支えながら、様々な社会経験を積み重ね、地域社会で生活できるようにしていかなければなりません。一人一人の必要な支援の内容に対してしっかりと応えられる体制を目指していくために、今回の要望を行いたいと思っております。

 5ページ目です。「社会的養護、被虐待児への支援について」になります。

 現在、社会的養護の必要性のある児童を対象とした施設の種別は、以下の6施設となっています。そのうち児童養護施設の虐待による入所の割合は60%となっています。我々、福祉型障害児入所施設の虐待による入所は約50%ということで、保護者のいない児童も合わせて、多数が社会的養護を必要とする児童が入所しています。被虐待児は年々増加傾向にあり、心のケア、個別の対応、親子関係の再構築化、児童相談所を含めた関係機関との連携には多くの時間と労力を掛けており、専従職員が必要と考えています。

 (2)小中高の普通学級に通い、普通高校への受験、大学・専門学校への受験を目指している子供もおります。障害や貧困により十分な教育を受けることのできなかった児童への教育的な支援も必要と考えています。

 (3)施設への入所になりますと、障害のない兄弟姉妹とは一緒に暮らせなくなるという現状がございます。児童養護施設などと分かれて生活している子もかなりおりまして、関わる機会が減少していくということになります。少しでも多くの交流が図れるようにならなければならないと考えています。

 以上、3点の部分では、児童養護施設と同様に、家庭支援専門相談員、個別対応職員、心理療法担当職員等が専従で関われる職員配置が必要と考えています。

 学習支援については、学習支援の導入が必要であると考えています。

 きょうだい支援の部分では、施設間が遠距離になることも多いので、必要経費の支給が必要だと考えております。

 6ページ目です。「重度・重複障害児、多様な障害への支援について」は、在籍児童の重度・重複障害児の割合は70%ということです。また、重症心身障害児の割合も10%となっております。介助の割合も、全介助が21%、一部介助が64%、全体の85%が何らかの日常的な介護が必要であるということになります。こちらについても人員配置基準の見直しが必要であると考えています。

 疾患、疾病の早期対応、予防的対応ということで、健康の維持を図り、リハビリテーションによって身体機能の改善を図ることは、将来の自立に向けてとても重要なことだと考えています。こういう点においても、看護師ほか理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が関わる必要がございます。

 通学先でも、1校から6校とそれぞれの施設における環境から異なっていますが、学校数が増えれば増える程、送迎、行事への参加等が大変になってきています。

 (4)幼児療育は、年度やその時々によって人数が変わったり、内部だけで外部との交流が図れないということがございます。義務教育ではないのですが、今、一般的に幼稚園、保育園、障害があれば通園施設等に通うことは通常に行っていることになっていますので、幼児のよりよい充実した発達を促す機会が必要であると考えています。

 以上の考えを基に、(1)現在の肢体不自由児の人員配置基準は3.5対1となっています。乳児院の1歳児レベルであれば1.6対1という現状もございます。そういったことを考えますと、重度・重複障害児の状況を考えて、2.0対1の人員配置基準が必要だと考えています。

 障害の特性により、必要な職種と人員数の配置が必要でございます。

 また、幼児に関しては、これは都道府県、市町村との連携が必要なのですが、児童発達支援センター、児童発達支援事業等への通所ができると、子供の療育が必要に潤うと思っております。また、幼稚園、特別支援学校に通うことも現在できておりますが、学校教育費の支給対象になっておりませんので、こういった支給ができることが望まれます。

 7ページ目です。「18歳以上の障害者の移行支援について」は、現在、都市部においては、成人施設あるいは重度身障者のグループホーム等のあきがなく、高校卒業からスムーズに移行できる状況ではございません。また、一番大事なところは、小さいころから育ってきた環境を年齢を区切って移行させるということは、本人中心に考えると大変無理があると思っています。本人の希望、進路の選択、障害の特性、新しい環境への適応、意思確認をしっかり行って進めていかなければなりません。本人との十分な相談と体験、こういった部分を考えていかなければなりません。

 また、今回、我々の協議会のデータにはなりますが、全国的なデータも今、厚生労働科学研究事業というのを昨年度から行っておりまして、そこの中でデータが公開されていますので、そちらも参照していただければと思います。

 以上です。

○日本肢体不自由児療護施設連絡協議会 ありがとうございました。

○内山障害福祉課長 どうもありがとうございました。

 続きまして、一般社団法人日本ALS協会様、よろしくお願いいたします。

○日本ALS協会 本日は、日本ALS協会の会長、岡部もおりますが、常務理事の平岡が代読いたします。

 まず御挨拶です。本日は、このような機会をいただいて、ありがとうございます。日本ALS協会会長の岡部と申します。今日は常務理事の平岡と理事の川口が参加いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 私たちを取り巻く環境は、以前に比べて格段に社会制度の整備と社会の理解が進んだとはいえ、患者と家族は常に深い困難と直面しています。社会保障費が削減される中で、持続可能な制度として必要なサービスを必要な人に届けて、サービスの質が確保・向上されることを切に願っております。よろしくお願いいたします。

 では、意見について申し上げます。

 昨年度、日本ALS協会は30周年を迎えまして、様々な活動をしております。その中で特に障害福祉の利用につきましては、少しずつですが、全国に広まってきているという状況です。30年度の障害福祉サービスの報酬改定に関しましては、昨年度も御説明を受けまして、重度訪問介護の利用促進ということで、入院中、病院、あるいは診療所などの場でも利用できるということを伺っております。3ページ目にそれらの項目を含めて意見を述べさせていただきたいと思います。

 1番目の「入院中の重度訪問介護の利用促進」ということでは、基本的に入院中も在宅と同じ時間数を利用できるようにお願いしたいと思います。現実には、病院や診療所などで実際にまだ十分にALSの方の在宅の実態を御存じないところもありますので、同じ時間数を利用して、きちんと医療スタッフとコミュニケーションがとれるようにしていただきたいと思っております。

 (2)ですが、病院の入院形態、病棟の形態などの区別なく、また、検査、緊急入院、あるいはレスパイト入院などの区別なく、全ての医療機関で利用できるようにお願いをしたいと思っております。

 (3)ですが、在宅で利用されていた方が入院して使うという場合と、長期入院でこれまで重度訪問介護を利用していない方についても、申請をすれば重度訪問介護の利用が可能と伺っております。長期入院の患者さんも定期的に外出や外泊ができるように、特に医療機関等への重度訪問介護の利用促進のための情報提供などをお願いしたいと思います。

 (4)サービスの提供事業所と医療機関との連携をより充実させて、この利用が促進するようにということで、基本的には情報提供書などによる情報の共有、それから、それぞれの入退院時の連携などに関わる業務というところに、何らかの報酬をお願いしたいと思います。これにつきましては、介護保険では医療機関に情報提供した時に、医療機関には介護支援連携指導料、介護保険では医療連携加算のような形での報酬があるかと思いますが、障害福祉の分野においても、その辺りを御検討いただきたいと思っております。

 2番目に「重度訪問介護の活用」をより充実させるということで、(1)にありますように、新人ヘルパーが患者さんとコミュニケーションをとりながら医療的ケアもきちんとできるようになるためには、先輩ヘルパーとの同行研修というのが必須であります。そのために、新人ヘルパーが一人立ちするまでの2人体制について、何らかの加算あるいは報酬をお願いしたいと思っております。

 (2)は重度訪問介護が基本的に原則、障害支援区分4以上という考え方があろうかと思いますけれども、難病の患者さんについては、障害の進行具合は一人一人違いますが、障害支援区分3というレベルぐらいであっても、長時間の見守り、あるいはコミュニケーションの支援等々の介護が必要な場合がありますので、この辺りについては少し柔軟に対応できるようにお願いしたいと思っております。

 (3)重度訪問介護の事業所の地域格差、地域によってはかなり格差がありますので、各都道府県あるいは市町村に最低1カ所、あるいは人口に応じての重度訪問介護事業所の設立などの後押しをしていただきたいと思っております。

 7ページに、2012年度ですけれども、ALSの会員患者さんの実態調査をした時に、重度訪問介護等々を含めた当時の障害者自立支援法による介護給付を見ますと、最低のところは4時間、最高のところは835時間という形で、非常に支給量に格差があるということが分かっております。ここを含めて、少ないというところは、事業所が少ないという回答がありましたので、この解消をお願いしたいと思います。

 3番目には「介護保険との併用の場合の自己負担の軽減」についてです。ALSの患者さんについては、40歳以下の発症の方は障害福祉サービスを利用しながら生活を支えられ、40歳から介護保険と併用するという場合がございますが、今回の法改正につきましては、65歳からということがありましたので、ぜひ今後、40歳からの負担軽減をお願いしたいと思っております。

 実際に、一番最後の8ページを見ていただきますと、2015年度の難病の医療費の助成を受けている患者さんの中で、10歳から39歳までという方を含めますと144名になっております。数は少ないということはありますけれども、この方たちの生活を40歳以降も支えるという意味で、ぜひ御検討をお願いしたいと思っております。

 私どもからは以上でございます。

○内山障害福祉課長 どうもありがとうございました。

 続きまして、1ラウンド、5団体のうちの5団体目となりますけれども、全国社会就労センター協議会様、よろしくお願いいたします。

○全国社会就労センター協議会 どうも皆さん、おはようございます。全国社会就労センター協議会、通称セルプ協と言っておりますけれども、副会長をしております叶と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 全国社会就労センター協議会には、現在約1,550の施設・事業所が加盟しておりまして、障害者の「働く・暮らす」ということの充実に向けて取り組んでいるところでございます。

 4ページを開いてください。私たちが「働く・暮らす」の充実を求める観点から、大きく言えば、次のような問題意識を持っています。1つ目が、就労継続支援B型事業については、全国平均工賃月額が今1万5,000円ぐらいで、地域で自立した生活を営むには程遠い水準にあるということです。我々の目指すところは、年金と合わせて地域生活が可能となる水準に引き上げていくということです。

 2つ目が、それを実現していくためにも、工賃の引上げに当たっては、意欲のある事業所を支える体制の整備が、職員体制等を含めてまだまだ十分ではないということです。その辺も非常に必要なことであると思っています。

 3つ目が、障害者雇用について、一般就労が今どんどん進んでいまして、このことに関しては我々もぜひ進めていきたいという立場をとっているのですけれども、一方で、就労継続支援事業の現場では、利用する方の高齢化や、企業等で働き続けることが難しくなった方々の受入れ等、支援の必要度が高い障害の重度の人たちが増えているという状況があります。その辺の対応も含めて、今、求められていることと思っているところです。

 大きな課題としてはこのような問題意識を持っておりますけれども、報酬改定の具体的な提案につきましては、制度・政策・予算対策委員会の桑原委員長の方から説明させていただきます。

○全国社会就労センター協議会 桑原です。

 セルプ協の意見ですけれども、概要版でというお話だったのですが、申し訳ありません、詳細版の方に趣旨が掲載されているのでこちらで説明させていただきます。

 全部で12項目あります。すべて重要なのですが、そのうち4項目を重点とさせていただきました。その4項目について説明させていただきます。

重点の1つ目は4ページの下のからです。Iの(1)「高工賃を実現しているB型事業所を適切に評価する。目標工賃達成加算に代わる仕組みの構築」という意見です。現在、時給を基本としつつも、目標の水準は月額で、できれば我々は年金と合わせて地域で生活できる最低基準を目指していますが、そういったインセンティブの働く仕組みが必要だと考えています。例えば最低賃金の3分の1以上を達成している事業所を評価する仕組みができないかということで考えています。ただし、体調だとか障害の特性で利用日数や時間が短くなってくる利用者等もいますので、そういった方は算定式から除くといった配慮が必要かと思います。

 次に、5ページになります。なぜそういった要望になるかといいますと、現在の仕組みでいきますと、前々年度の実績を上回る、目標工賃額を上回るといった要件になっていますので、例えば高工賃を出している事業所でも、5万円とか6万円出しているところでも、一円でも目標工賃額を下回ると支給の対象外になってしまいます。時給でも達成していればオーケーということなので、例えば月額換算すると工賃が1万円に達しない場合でも、目標工賃の達成加算が支給されてしまうという実態があります。

 6ページをお願いします。さらに、経済状況などで毎年毎年売上げを上げていくということは、本会が実施した調査の図表を入れていますが、かなりハードルが高くなっています。こういった実態がある中で、目標工賃額を上回る、前々年度の実績を上回るという要件は、利用者の支援と経済活動の両立が求められている就労系事業の評価には適さず、先程言ったような最低賃金の何分の1以上をクリアするといったことのみで評価するということが大切ではないかと考えています。このことが持続可能な制度としていくためにも必要であり、体調や障害特性等の理由で利用時間が短くなっている方を除いても工賃が月額1万円以下で加算対象になっている事業所に対する給付を、高工賃を支給している事業所に支給することで、質の高いサービスを提供している事業所を評価することに繋がるのではないかと考えています。

 次に重点の2つ目、1の(2)です。「高工賃を目指す事業所が職員体制を強化できるようにする」ということで、「目標工賃達成指導員配置加算の拡充、就労継続支援A型事業所への同様の仕組みの拡大」をお願いしたいという意見です。現在、目標工賃達成指導員の配置は非常に工賃向上に有効な手段です。そういったことからも、拡充、また、より多くの事業所が常勤で指導員を配置できるようにしていただきたいです。

 A型事業所についても、今は対象になっていませんが、かなり大事な職種なので、B型だけでなくぜひA型のほうにも対象を拡大していただきたいです。

 我々セルプ協が実施した調査で、前々年度より500万円以上の売上げ増を達成した事業所のうちの80.9%が目標工賃達成指導員を常勤で配置しています。さらに、工賃を20%以上増額した事業所のうちの63.1%も目標工賃達成指導員を常勤で配置していて、この職員の配置がかなり有効であるというデータも出ています。このことは、より高い工賃を求めている利用者に就労機会を提供できるように人員を配置しようという意見であって、ニーズに合った提供体制の確保に繋がると思います。

 次に7ページです。重点の3つ目である1の(3)、「障害の重い方を受け入れている事業所を適切に評価する。重度者支援体制加算の要件緩和と適切な指標の検討」という意見です。現在この重度者支援体制加算は非常に大事な加算であり、障害の重い方を多く受け入れている事業所での支援体制の構築に繋がっています。けれども、障害基礎年金1級の人が何人いるかということだけが条件です。これが始まった当初、指標としては、その他に適当な指標がないということで障害基礎年金1級が指標で出されたと伺っていますが、それだと精神とか知的の障害の方がなかなか該当しないという実態があります。そういったこともありますので、手帳の所有者の例えば1級、2級だとか、他の指標を何とか使えないかなというのがこのお願いになります。

 8ページになります、雇用率制度の中でも、そこに書いてあるような重度者の対象のスケールがあります。そういったものも使っていただきながら、何とか他の指標を開発できないかということも併せてお願いしたいと思っています。

 重点の最後、4つ目です。9ページです。2の(1)「食事提供体制加算の維持」という意見です。食事提供体制加算が廃止された場合には、提供体制そのものが損なわれる可能性もあります。それが結果として生活面での各種課題、例えば栄養のバランスが崩れるだとか、毎日インスタント食品やコンビニ食品になってしまうとか、そういった部分の課題を誘発しかねないと思っています。経過措置で今見直しが提起されていますが、その人の収入とか支出に応じた丁寧な検証を行った上での見直しをすべきであり、一律的な廃止は避けていただければと思っております。

 以上が重点項目で、その他については資料を見ていただければと思います。

 最後に、叶副会長から補足があります。

○全国社会就労センター協議会 後でアドバイザーの皆さんにお配りしたいと思いますけれども、セルプ協で就労継続支援B型事業の取組み事例集ということで『工賃向上・売り上げ拡大をはかる成功へのアイデア』という冊子を今年の4月につくりました。全国の40事例ぐらいを集めて、いろいろな作業種で高工賃を出しているところの事例を載せています。そこがどのようにして売り上げの拡大、工賃アップをしていったのかということも、少しポイントを絞るようにして分かりやすい形でつくっております。我々の願いは、何とかB型が働く場として地域にあり、障害のある人たちがそこで働いて、年金や手当と合わせて地域でその人らしく暮らしていけるようにすることです。セルプ協としても全力を挙げていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 以上です。

○内山障害福祉課長 どうもありがとうございました。

 前半の各団体につきましては、短い時間でしたけれども、概ねお時間をお守りいただきまして、円滑な議事の運営に協力いただきまして、重ねて御礼申し上げます。

 それでは、これまでの5団体からの御意見に対して、特にアドバイザーの皆様から御質問等があれば、お願いをしたいと思います。

 なお、今回のヒアリングに当たりましては、本日の政務官の挨拶、あるいは前回の部長の挨拶で触れさせていただきましたように、3つの視点をお示しし、各団体にはできるだけその視点について触れていただくようにお願いをしているところでございます。

 3つの視点とは、まず視点の1つ目は、より質の高いサービスを提供していく上での課題及び対処方策・評価方法。

 視点の2つ目は、地域において、利用者が個々のニーズに応じたサービスの提供を受けられるようにするための、サービス提供体制の確保に向けた課題及び対処方策。

 視点の3つ目は、障害福祉サービス等に係る予算額が、障害者自立支援法施行時から2倍以上に増加し、毎年10%近い伸びを示している中で、持続可能な制度としていくための課題及び対処方策でございます。

アドバイザーの皆様からは、できればそうした観点からも御質問をいただければと考えてございます。

 それでは、前半5団体の皆様に対して御質問等があればお願いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 では、野沢アドバイザー、お願いいたします。

○野沢アドバイザー 御苦労さまです。

 私から、最初の全国身体障害者施設協議会さんと、2番目の日本重症心身障害福祉協会さん、いずれも短期入所の加算についてを要望の中で挙げられているのですけれども、今どのぐらい短期入所が不足しているのかとか、今後どのぐらい必要となっていくのか。肌感覚で、地域で暮らす人たちのための短期入所、家族の高齢化に伴って増えていくだろうなということは分かるのですが、そういったニーズ調査のようなものはされているのか、あるいはそういうデータがあるのか。もしあれば紹介していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

○全国身体障害者施設協議会 身障協の制度・予算対策委員長の三浦でございます。

 今、短期入所が足りないという数値データは、私どもの協議会の基礎調査では持っていないのです。どれくらい使っているかという実数等は把握しております。地域によって、非常に足りていないといいましょうか、そういう状況と、地方などのエリアにおいて、都市部では足りていない。地方のほうではなかなか充足しない、介護保険との関係性もあるというような、優先されますので、そういうお話も委員会等では聞き及ぶところでございます。

 ただ、私どもの重点要望に挙げております、医療的ケアを必要とされる方々で短期入所を希望される場合の受け皿の体制の問題は大変大きなものがございまして、その受入れ体制のほうの整備、制度上の課題もございまして、受け入れたいけれども、非常に体制上のリスクがあるというような課題点はございます。

 以上です。

○日本重症心身障害福祉協会 日本重症心身障害福祉協会です。

 短期入所というのは、今、児童だけここにデータがあるのですけれども、日常の医療的ケアを必要とする在宅児童がこの資料の後ろの9ページに付いておりますが、1万5,000人。そのうち在宅の超重症・準超重症児が5,000から7,000人。非常に重度化しているということがありまして、呼吸器を付けて短期入所する方も年々増えております。そういったことで、あくまで短期入所は福祉ということで扱われておりますので、医療が非常に重度化しているということについては、医療費の請求がなかなかままならない。最近、人工呼吸器を付けたらどのぐらいとか、個別の状況については請求が認められておりますけれども、まだまだ日常的に再診料を取って、いろいろなケアをしていくというお金としては、やはり恒常的に短期入所中ずっと付けるということはなかなか難しい状況になっております。

 しかし、一方でそういうニーズが増えているということで、なかなか受入れが難しい状況。ニーズはあるのだけれども、人員配置などが十分ではないので、例えば人工呼吸器を付けている人は1日1人しかだめだとか、非常に制限をせざるを得ない状況でございまして、具体的な数字は子供以外のデータが今ここにはないのですけれども、ニーズは増えているけれども、それに応じ切れていないということが実情でございます。

○内山障害福祉課長 それでは、今のお答えを受けて何か。また、ほかの御質問でも。

○野沢アドバイザー 待機児童と似ているのかもしれませんけれども、つくればつくる程掘り起こすということはあると思うのです。ただ、先程課長が言われたように、ある程度財政的な制約のある中で、何を優先していくのかということを考えなければいけないと思うのです。その時に、どのぐらいの必要性とか量があるのかというのは、ある程度そういった指標があったほうが建設的な議論になるかなと思うのです。今後も報酬単価の改正だけではなくていろいろな場面で、制度改正等の時にもそういった場面があると思うので、できれば何らかの数値化。難しいかもしれませんけれども、分かりやすい形で、そのニーズがどのようなものなのかというのを提示していただいたほうがいいのではないかと思った次第です。

 もう一ついいですか。日本ALS協会さんです。最近は割と若い患者さんや発症してから間もない方も結構表に出るようになって、自ら情報発信している。これは非常に社会にインパクトを与えて、先程発表があったように、外出外泊というのはもっともっとしていただいて、社会にいろいろな発信をしていただきたいと思っているのですけれども、ヘルパーさんの確保ですね。あと、いろいろなコミュニケーション手段の習得。先輩のヘルパーと一緒に同行研修することが必要だと思うのですが、どのぐらいの期間、おおよそどのぐらい一緒に同行研修すると一人前になっていくのかとか、あるいは定着率とかその辺りはどうなのかなと。ちょっと気になったものですから。

○日本ALS協会 お答えします。

 コミュニケーション支援には、具体的などういうツールを使っていくかということで随分違っていくと思いますけれども、今、岡部会長のところでヘルパーが口文字を読み取って会話をしております。最低3カ月から半年ということで、お一人ずつの技術の向上についても波はあると思うのですが、そのくらいは必要ということで、実際、岡部会長を初め患者さんのところでは、新人ヘルパーが完全に一人立ちするまでに同行者、先輩ヘルパーが同行したり、行き帰りだけきちんと注意事項を伝えたりというようなことをしながら徐々に独立していくという形になります。

○内山障害福祉課長 あと、定着率というか、どのぐらいで新しい方が入ってくるかというようなことについても何かあれば、お話しいただければと思います。

○日本ALS協会 これもかなり個人差はありますので、きちんとしたデータに基づいたお話はできませんけれども、コミュニケーションがとれればかなり、お互いによい空間ができて、活動性も高まるということが言えると思いますので、そこがきちんとできないと定着は難しいと考えます。

 今、岡部会長から、最低3カ月から6カ月という話がありましたけれども、安心できるところまでは1年掛かるだろうということです。

 少しお待ちください。

○日本ALS協会 3割ぐらいが感覚的ですが、定着率だと思います。

○日本ALS協会 今、申し上げたように、やはりコミュニケーションがとれるというのは一番の基本ですので、そこからしかケアの向上も始まりませんので、本当に一人立ちするまで1年間、お互いにどれだけ努力と我慢ができるかというところが課題になっていくかと思います。

○内山障害福祉課長 よろしいでしょうか。

 ほかにございますでしょうか。

 二神さん、よろしくお願いいたします。

○二神アドバイザー 横浜国大の二神と申します。今日は大変貴重な御意見をありがとうございました。

 2つの団体様に御質問、御意見をお伺いしたいと思うのですけれども、1つはセルプ協様のほうで、非常に貴重な御意見だったと思うのですが、今、全国平均、B型が1万5,000円余りということで、大変厳しい状況で、その中の御提案で、B型の工賃が3分の1以上達成している事業所を評価して、加算をしていただきたいという御意見だったと思うのです。そういったことをすることによって非常に事業所間の競争にもなりますし、そういう意味では、3つ目の視点である持続可能な制度の運営にも当たるのかなと思います。実際に最低賃金3分の1を実行している事業所がどのぐらいいらっしゃるのか。

 もう一つは、就労移行支援の高就職実績の事業所にも加算ということであったかと思うのですけれども、それが例えば60%でも評価加算ということの御提案だったのですが、それもどのぐらいいらっしゃるのかというのが質問でございます。

 2つ目は、日本肢体不自由児療護施設連絡協議会様の御意見で、これは地域のニーズという視点から、お伺いしていました。従来の枠組み以上に今、非常に家庭環境も複雑になっておりますし、育児放棄であるとか被虐待児、シングルマザーなども増えている中で、従来の枠組みでは捉え切れない部分も非常に増えているのかなというふうにお伺いしていました。実際に家庭のいない子供たちとか、非常に心のケアが必要であるということをおっしゃっていたのですけれども、それに向けてのサポートが具体的には特にどういうことなのか。もし具体例があればお伺いしたいと思いました。

 以上2点です。

○内山障害福祉課長 ありがとうございます。

 それでは、全国社会就労センター協議会、よろしくお願いいたします。

○全国社会就労センター協議会 申し訳ありません。就労移行の関係の質問、もう一度お願いします。

○二神アドバイザー 就労移行支援のほうは、高就職実績事業所を評価してほしいということが概要版にも書かれていて、資料のほうにもあったと思ったのですけれども、60%とおっしゃっていたかと思うのです。移行支援のほうは、非常に高く移行に繋がっているところを評価してほしいということかと思ったのですけれども、具体的な数値はどのぐらいなのか。例えば今まで40%なのを60%に引き上げてほしいとかいう場合は、60%はどのぐらいの全体比率でいらっしゃるのか、これは参考までにお伺いしたかったことです。3分の1の賃金も、達成しているのはどのぐらいいらっしゃるのかという数値的なことです。3ページの概要版のところで、移行支援のほうは(7)にありました。

○全国社会就労センター協議会 まず、最低賃金の3分の1のところなのですけれども、現行の目標工賃達成加算の要件が6ページの上の方の矢印のようなマークの2つ目のところにあります。加算I、加算II、加算IIIとありますが、加算Iは最低賃金の2分の1が条件で、加算IIは3分の1なので、この加算を取得している事業所が3分の1をクリアしていると思われます。

○二神アドバイザー 全体のこのぐらいの比率が、もう3分の1をクリアしていらっしゃるのでしょうか。

○全国社会就労センター協議会 はい。今回この件に関して我々が目指していることを先程も話しましたけれども、年金や手当と合わせて地域生活ができる水準にということを目指していったらどうかと考えています。今、目標工賃達成加算に関しては、前々年度の実績を上回るとか、目標工賃額を上回るという要件があるのですけれども、そうではなくて、3分の1以上、2分の1以上出した場合には加算を取得できるということにできないかと考えています。年によってどうしても波がありますので、そういう形でやっていったらどうかというのが我々の主張になっています。すみません。緊張していて申し訳ないです。就労移行は9ページの1の(7)の件ですね。

○二神アドバイザー そうです。

○全国社会就労センター協議会 これは現在、日払い方式ですから、たくさん就職させると、どんどん利用者の数が減るものですから、就職すればする程事業所の経営が苦しくなるという実態があるので、その辺を何とかできないかという課題意識からの主張です。例えば以前のような事業費と事務費を分ける2階建て方式にするとか、そういった部分で、就職する程経営が苦しくなるというような矛盾を何とか解決していただけないかというのがこの1の(7)の意見です。すみません。

○二神アドバイザー 移行率が高い事業所程評価してほしいということではないのですか。

○全国社会就労センター協議会 それもあるのですけれども、意見の内容は、移行率が高いということは就職した人数も多くなるので、そうなればなる程に利用者の数が減って、次にすぐ利用者が入ってくればいいのですけれどもそれも難しく、経営が逆に苦しくなるということです。

○二神アドバイザー 大体平均どのぐらいの何%とか、そういうデータはあるのでしょうか。

○全国社会就労センター協議会 それはあると思うのですけれども、今は用意していません。

○二神アドバイザー 分かりました。ありがとうございました。

○内山障害福祉課長 それでは、日本肢体不自由児療護施設連絡協議会。

○日本肢体不自由児療護施設連絡協議会 市川です。

 虐待における子供の心のケアというようなところの質問だったかと思います。

 まずは、入っている子供の虐待の内容ですが、身体的な虐待やネグレクト、性的な虐待、様々な要因によって入っております。健常で生まれたけれども、虐待によって障害になったという子も少なくはございません。

 まず、親子関係の部分については、やはりその状況によって、親子を全く会わせることができないという方もいれば、児童相談所が付かないと会えない、あるいは職員が付き添わないと会えないというようなこともございます。ですから、親御さんと子供との関係修復という点では、時間を掛けて、職員もかなりそこにつきながら一つ一つ進めていかなければならないというところもございます。

 子供自体も、親に対して、虐待を受けたことが理解できるお子さんは、非常に心のダメージが多くて、怖がって、親が来ても近寄らないという子もいますし、それでも親に甘えたいのだけれども、親のところに行くと、やはり冷たい態度をとられてしまうので、裏切られてしまう。そういったところで、心が育たない、自信がつかない、不安定になる、友達関係でもどうしてもコミュニケーションがうまくとれずに暴力的になってしまう。そういったようなことがございます。

 こういった部分については、今、心理的なケアをする担当職員もおりますけれども、定期的なカウンセリングをして、子供の心を受け止めて、自信を持たせるようにしていくとか、児童相談所で定期的に臨床心理士を派遣してもらって、カウンセリングを進めていくというようなこともございます。一番大事なのは、将来自立に向けて、やはり親との関係が非常に難しい場合、自信が持てずに心が育っていかないというところで非常に大きな問題があるのかなと思っています。そういう点では、日頃からその子に寄り添って、その子の話を聞いて、しっかりと自信を持たせていく。親ともしっかりと話を積み重ねていき、関係修復を図る。この部分については、大変な長い時間と日々の積み重ねが必要であると思っております。

 以上です。

○二神アドバイザー ありがとうございました。

○全国社会就労センター協議会 すみません。先程の最低賃金の3分の1の関係です。6ページのところです。目標工賃達成加算Iは最低賃金の2分の1以上が要件で取得率が7%で、3分の1が要件の加算2は21.9%という数字を示していますが、この数字は我々のセルプ協の会員の調査の数字です。その1行下のところで、加算Iが3.8%、加算II10.1%とありますが、これが国のほうの調査の数字です。セルプ協の方がかなり高い数字になっています。

 それから、就労移行です。資料が今ないと先ほどお話ししましたが、移行率は、第1回目の検討チームの資料ナンバー1の4の90ページに載っています。移行率20%以上の施設が51.9%という数字が出ています。

○二神アドバイザー ありがとうございました。

○内山障害福祉課長 ほかにございますでしょうか。

 では、岩崎さん、そして千把さん。

○岩崎アドバイザー 先程の二神さんの質問と重なるのですけれども、セルプ協の方に1点と、それから、一番最初に御発表された全国身体障害者施設協議会の方に御質問をお願いしたいのですけれども、セルプ協の方には、最低賃金3分の1以上を達成している事業所の層と、それから現在の達成加算をもらっていらっしゃるところの事業所の層に違いがあっての御提案なのかどうなのかということをお尋ねしたいと思います。

 工賃達成加算の目的は何かというと、職員配置を厚くして、もっと収益を上げられるような営業活動を展開したいということだと受け止めましたけれども、それをA型にも活用されたらどうかという御提案もあるのですが、その根拠となるような情報を何かお持ちだったら、ぜひ教えていただきたいと思います。

 また、年金の1級というものから手帳に切り替えたらどうかという御提案があったかと思うのですけれども、それもまた、特に中途障害でいらっしゃる方たち、精神障害の方たちなどは年金をお持ちでない方が多いですね。そういうことも踏まえてだと思うのですが、では実際、今のB型にどのぐらい手帳の1級をお持ちの方がいるかということをもし御存じだったら、教えていただきたいと思います。

 全国身体障害者施設協議会の方には、私、不勉強で分からなかったのですけれども、タイムスタディーのグラフがございますね。資料で言うと9ページでございましょうか。そこで、障害ごとにケアに係る時間数が出ているように思うのですけれども、こちらのほうで発達障害の方の時間数が非常に多くなっていて、多分、強度行動障害の方とかそういった方が含まれているのではないかと思うのですが、もうちょっと具体的なイメージが持てるようにどのようなケアが行われているのか教えていただければと思います。

 以上です。

○内山障害福祉課長 それでは、全国社会就労センター協議会、よろしくお願いいたします。

○全国社会就労センター協議会 1つ目のご質問ですが、はっきりしたデータは持っていないのですが、全国社会就労センター協議会の会員に対する調査で21.9%が目標工賃達成加算の2をもらっているという数字が出ています。しかし、最低賃金の3分の1以上をクリアしていても加算をもらえていないところはたくさんあると思います。例えば平均工賃を5万円出していても、前年度が5万2,000円であれば実績を下回ったとして対象外となります。こういうところは多分かなりあるので、この21.9%と最低賃金の2分の1以上の加算1を得ている7.0%を足した数字よりも、実際は3分の1以上を達成している事業所は多いと思います。

 今回この提案をしているのは、セルプ協は年金と工賃と手当で最低でも何とか地域生活をできるような基準をということを主張してきていますので、工賃が高いところが加算をもらえなくて、本当は月に1万円出していないようなところが時給換算で申請すると1円でも上がれば加算がもらえるという仕組みになっているので、そういった矛盾点はなくしてすっきりさせて、工賃額で仕切って加算制度をつくってはどうかという提案です。加算をもらえていなくとも、評価すべき層があるのではないかという課題意識が基にはあります。

 それから、A型の職員配置の関係ですが、B型以上にA型は最低賃金をクリアしなければならないという大きな目標があります。多分後で就労継続支援A型事業所全国協議会さんからも同じような提案があると思うのですけれども、A型に営業関係の職員配置をする加算がないのはやはりおかしいのではないかという課題意識があります。A型こそ本当に営業職員の配置は絶対に必要かと思っているので、A型にも同様の加算をといった提案をさせていただいています。

 あと、重度者支援体制加算の要件の障害基礎年金の1級のところですが、きちんとした数字を今日は持っていないのですが、年金1級の受給以外に障害者手帳の重度区分の方も要件に加えてはということを我々はこれまでも厚労省に意見をしているのですが、なかなかいい物差し、スケールがないということになります。労働能力の評価となると、仕事の数だけのスケールをつくらなければならないとか、すごく難しい部分があるのです。現行の仕組みが続くのであれば、やはり障害基礎年金1級の要件だけですと、知的と精神の障害の方がなかなか救えないという部分があるので、別な指標もプラスできないかというお願いであって、年金1級の要件をなくして手帳の要件に切り替えてほしいという提案ではありません。将来的には、これらに代わる適切な指標の検討が必要という認識ではおります。

 

○全国身体障害者施設協議会 資料の11ページに円グラフが出ているかと思います。その中にも発達障害があるのですが、具体的にこのような感じになるのですけれども、このタイムスタディーは、48時間のうちに掛かったケアとして使った時間ということで書かせていただいています。2人の介護職員が関わった場合はダブルカウントしていたりしますので、その辺でちょっと全体に違いが出てきます。

 発達障害の方ということで、食事介助等で非常に時間をとっているとか、その辺のコミュニケーションの問題とかで御本人の自主的な対応ということで多分とっているのだと思います。6人の方の平均値ですので、個々に私のほうでは把握していないので分からないのですけれども、私どもの知っている範囲で言うと、そういったことが考えられるかと思います。

○内山障害福祉課長 なお、堀内政務官につきましては、先程お話ししましたとおり、ここで公務により退席をさせていただきます。

○堀内政務官 ありがとうございました。

(堀内政務官退室)

○内山障害福祉課長 それでは、千把さん。

○千把アドバイザー 千把でございます。

 皆様の貴重な御意見をありがとうございます。

 私のほうから、時間も押していますので端的に御質問させていただきたいと思います。皆さんにお伺いしたいのですが、3つの視点がございました。そのうち制度として持続可能なものとしていくための方策、これはずばり何か端的にお答えいただきたいのですが、よろしくお願いします。

○内山障害福祉課長 こちらは各団体ですか。

○千把アドバイザー はい。

○内山障害福祉課長 それでは、全国身体障害者施設協議会さんから順にお願いいたします。

○全国身体障害者施設協議会 端的に言うと、やはり人、物、金という3つの視点から見なければいけないと思うのですけれども、お金の部分で言うと、どこまで無駄があるかというのは検証が必要であると思います。それから、やはり人材養成についてはしっかりお金をかけていくということが必要ではないかと思っております。少なくともその2つが回らないことには、制度自体は維持できないと考えております。

○内山障害福祉課長 ありがとうございます。

 日本重症心身障害福祉協会さん、お願いいたします。

○日本重症心身障害福祉協会 なかなか難しい質問でございますけれども、やはり人あっての仕事でございますので、人材の確保ということの中に、質の高い人材をいかに長く確保するかということが大事だと思います。今の人たちは、就職しても割にすぐ辞めてしまうとか、お金の問題もあるのですけれども、根気がないというか、そういうこともありますので、やはりきちっと育てて、質の高い労働を提供していただける人をいかに確保していくかというのがとても大事なことではないかと思っております。

○内山障害福祉課長 それでは、日本肢体不自由児療護施設連絡協議会さん、よろしくお願いいたします。

○日本肢体不自由児療護施設連絡協議会 今回の資料をつくる時もそこが一番難しいなと考えていました。持続可能ということを考えれば、限りある予算の中でどのように分配するかというような点が一番ポイントなのかと思っています。今回まとめた資料については、やはり一人一人の障害を持った子供が最低限、大人になるために必要な部分というふうに割り切らせていただき、考えておりました。

 以上です。

○内山障害福祉課長 では、日本ALS協会さん、よろしくお願いします。

○日本ALS協会 私どもは、病気の進行性と、それに伴う患者さんだけではなくて家族の悲惨さというのも十分理解しているつもりです。そのために、コミュニケーションから始まって、様々な介護にきちんと専門職がつくということで、広く捉えると家族の介護離職を予防するということが1つ、社会全体への制度の貢献になるかと思います。

 それから、当事者にとっては、先程アドバイザーの方からもありましたけれども、ネットを使っての様々な発信によって、人々との共感性を高めるということで、一つの制度だけではなくて、広く共生社会というものを目指した時に、これらの活動を支えるというところが制度そのものを支えていくのではないかと思っております。

○内山障害福祉課長 それでは、全国社会就労センター協議会さん、よろしくお願いします。

○全国社会就労センター協議会 今、就労継続事業B型には約21万人の障害者の人たちが働いているのですが、セルプ協が設立当初からずっと言い続けてきたのは、障害のある人の「働く・暮らす」を支えるということであり、障害があっても働きたいと思う人が働くことができて、社会に貢献することができて、それで生きていけるようにということです。そういう意味では、ぶれない理念というか、本当に必要なことを大切にし続けることだと考えます。もちろん、今回のヒアリングでも視点に入っているいかに無駄をなくしていくかということも考える必要があると思いますが、本当に必要で大切なことは、我々にとっては障害のある人の「働く・暮らす」を支えることを大切にし続けていくことだと思っております。

 以上です。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 まだまだアドバイザーの皆様から御質問等あるかと思いますけれども、時間の関係上、先に後半の4団体の皆様から御意見をいただきまして、後半の4団体の皆様に対する質疑応答を終えた後で、改めて全体を通じて御質疑をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、後半の4団体から御意見をいただきたいと思います。

 まず、一般社団法人日本自閉症協会様、よろしくお願いいたします。また、アドバイザーの井出アドバイザーがここから御参加をしていただきますので、よろしくお願いいたします。

○日本自閉症協会 日本自閉症協会の今井です。

 資料を開けていただきたいと思います。団体紹介のところは、2ページの下のほうでございますけれども、構成会員数が1万3,000名ぐらいです。

 その次の3ページ目で概要を説明させていただきます。

 障害者団体であっても、事業者団体では基本的にないので、お世話をしていただく、あるいはサービスを受ける、提供していただくという側です。そうしますと、そこにいるからこそ気が付くことがございまして、例えば日中活動といっても、Aだったり、Bだったり、いろいろあるわけです。生活介護。そのサービス間の矛盾みたいなものが見えてくるのですね。何でこちらのほうに誘導しているのだろう、無理にそちらに誘導しなくてもいいのにというような形がどちらかというと多くて、一つの事業を見ているわけではないということであります。

 もう一つ、構成メンバーが、親御さんが多いのですけれども、子供が小さい時から、あるいはもう7080という当事者もいれば、重度の知的障害を持った方もいれば、有名大学を卒業し、やっていると。いわば福祉で幸せを得るということがある程度必要な方もいれば、社会的な理解の中でやっていくほうがいいのではないかと思う人も全て入っているということ。そういう中から見えていることをお話ししたいと思います。今回は報酬改定ということに限定されておりますので、そこのところだけです。

 3ページ目の上のところですが、実は1カ所修正いただきたいところがございます。一番最初に「グループホームを利用している人」と書いていますが、実は後の説明でそこはそうなっていなくて、「グループホーム及び入所施設を利用している人」ということで、グループホームに限定しないでお話しさせていただくということであります。私のほうでポイントだけ申し上げます。

 1つが、主に重度の方なのですけれども、1の(3)にあるように、自分の自由な時間を一人で楽しむことができない人ということに関して、今の仕組みは、入所施設もグループホームも考え方が基本的におかしいのではないかと思います。つまり、平日、休日という考え方が本人の生活スタイルの中にないのに、そこのところの土・日・祝日の体制ができていないと思います。

 (4)入院している期間の報酬の問題でありまして、やはり病気をしたりけがをした時に、どうしても長引いたりするのですけれども、そうすると元に帰れなくなったりするということがございます。この辺の改善です。

 2の就労継続支援B型を使っている人ですけれども、先程もありましたが、工賃向上の加算の問題であります。これがなかなか仕組みとしてうまくいっていないのではないかと思います。特に高機能の人が使っている、そうではない人も使っている場合に、就職してしまうと、就職しやすい人のほうが就職するわけですが、そうした場合に結果的に工賃全体が下がったかのように見えてしまうということで、人員構成差の問題が出ていると思います。

 2の(2)就労移行支援でありますけれども、いわゆる就労移行支援事業所がやった場合の就労成功と、B型から直接行った時と、A型から行った時で、ルートによって結果報酬が違うというのは矛盾していると思います。

 最後に1つだけ、後程詳しく説明申し上げますが、実はこれに書けなかったことがあります。それは報酬単価にもなっていないことがありまして、それは重度で何々ができないから支援が必要だというタイプではなくて、行動そのものに問題行動が多くて、これは医療が救うのか、いや、福祉で救うのか、いや、警察沙汰になった時にそちらでやるのか、いずれも現在は支援事業者が受け入れようとしません。家で面倒を見ろと言わんばかりの仕組みになっていて、これは報酬単価で救うような話ではないのですけれども、やがてそこに手を付けなければいけないと思っております。

 では、津田のほうから。

○日本自閉症協会 それでは、私のほうから、細部につきまして少し御説明を申し上げます。

 まず、4ページでグループホームの関係でございますけれども、報酬単価の関係につきましては、現在の報酬単価に何が入っているのかということも、ややブラックボックス化をしているところがありまして、どう積み上げてみても今の報酬でいいということがよく分からないというところがございます。特に問題なのは、最近は重度の方も相当グループホームに入らないといけないという状態になってきている。施設のほうが御承知のとおり定員が増えない状況でございますので、そういう意味合いでは重度の方もグループホームに入居するという形になってきます。そうしますと、先程話が出ておりましたけれども、自分一人ではなかなか過ごすことができない人については、どうしてもグループホームのほうで対応していかなければいけないという問題が出てまいります。そういう意味合いで、いろいろなところで報酬の見直しが必要だと思っております。

 1つは、基本報酬単価の部分で見直しをしていただきたい。職員については、特に力のある職員が必要になっています。人数がいればいいというものではありません。正規社員で経験を積んでもらわないといけない部分がございますが、今の報酬単価はそういう意味合いでは相当厳しいかなという感じがいたします。特に自閉症のような特性を持った人の場合は、人とのコミュニケーション、社会性の問題で、グループホームの中でも、施設の中でも難しい問題がありますので、ぜひそういった支援ができるようなことをしていただきたいと思います。

 大規模減算ですが、現在は入居定員が8人以上になりますと減算になるようになっております。ただ、規模が小さいほうがいいかといいますと、小さいということは、例えば規模が小さい施設の中で2人の職員がいたとすれば、基本的なことを誰かがやっていれば動けるのはもう一人だけということになります。倍の人数規模になれば、2人ではなくて4人いれば、もうちょっと柔軟にいろいろな問題に対応できるという問題も出てきます。ですから、施設化をするわけではありませんが、余り小規模でないといけないという現在の制度については、もう少し見直しをしていただいたほうがいいのではないかと考えております。

 休日における日中加算は、先程のようなことで、現在の単価の中に休日も入っているという話も聞くことがあるのですが、どう考えても休日に支援をする費用が今の基本単価に入っているとは考えられません。1対1で1人付けば1万数千円の人件費が間違いなく掛かります。とても今の単価はそういうものではありませんので、ぜひ重度の方がこれから入ってくる、支援の必要な人が入ってくる、施設でも今は対応できない。また、グループホームだけではなくて、施設でも困っているのです。そういう意味合いで、重度の方の休日支援についてお考えいただきたい。

 1つの方法としては、グループホームや施設で対応するだけではなくて、就労継続支援B型や生活介護、この事業所も今、基本的に23日の支給しかありませんので、もうちょっとしているところもありますが、そうすると土日はやはりサービスが利用できない状態であります。そうなると、やはり何らかの形で土日の部分について支援をすることが必要になりますので、そうであれば就労Bや生活介護を土日にやる方法もあるわけですけれども、併せて、トータルで一つ検討していただきたいと考えております。

 それから、利用者が入院している場合は、先程もちょっと出しましたけれども、入院者が結構いますが、6ページのところに入院中の問題を記載しております。利用者が入院しているからといって職員を、利用者が減ったから、収入が少なくなるから、職員は休みなさいというわけにはいかないのですね。しかも、入院していれば病院とのやりとりも増えるわけですから、そういう意味合いでは、現在、入院していると報酬がなくなってしまう。長期入院の加算が若干付いておりますが、少し現在の加算体制では難しいと思っております。また、入院期間は3カ月に限るという、3カ月過ぎたら出なくなる、そうしたらグループホームから出てもらう。退院してきたら戻るところはないというわけにももちろんいかないわけですから、そういうことを考えましても、入院中の問題については少し考える必要があります。

 なお、ここには2分の1という案を出しましたけれども、区分の低い人だと、2分の1だと現在の単価よりも安くなるかもしれないので、ちょっとこの辺は考えなければいけないのですけれども、いずれにしましても、ゼロになるということは少し難しいと思います。

 次に、7ページ目になります。就労継続支援B型のところですけれども、先程から出ておりますが、工賃向上の取組みにつきまして、毎年上げていかなければいけない。福祉的なサービスにはちょっとそぐわないところもあるのですね。必ず企業が右肩上がりも大変なわけですから、ぜひそういう点で御検討をお願いしたいと思います。

 最後に、資料の10ページ目に参考資料を付けてございますが、児童発達支援、放課後等デイサービスにつきまして、現在、定員の関係について言いますと、10人以下ですと、一番上の児童発達支援ですと、10人来れば102,000円になるわけですが、定員が10人を超えますと、例えば14人来ても9万5,900円しか入らないのです。人数が増えたら事業所の面積を広げたり(当初から余裕があるところは別ですが)、職員も増やさなければいけないのに、報酬額は下がるという形になっております。ですから、今、多分10人の事業所が多いと思うのです。ぜひそんな点で、今の形ですと、結果として費用も余分に掛かっていると思います。定員が10人を超えると報酬単価が大幅に減額となる現在の仕組みを変えていただいたほうがトータルとしての費用も減らせるかもしれません。ぜひ御検討いただきたいと思います。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 続きまして、特定非営利活動法人日本相談支援専門員協会様、よろしくお願いいたします。

○日本相談支援専門員協会 日本相談支援専門員協会の菊本でございます。本日は、貴重な場で意見を述べさせていただく機会をいただきまして、誠にありがとうございます。本日は、副代表の橋詰とともに意見を述べさせていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。

 日本相談支援専門員協会は、設立をしまして、個人会員を中心に組織化されてきた団体でございますけれども、現在は全国の都道府県協会が設置されてきておりますので、現在、30の団体とネットワークをつくって活動してきております。そういった活動をしております相談支援専門員の協会でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、本日提出させていただきました資料に沿いましてお話をさせていただきますが、まずは総論というか、前提となるところでお話をさせていただきますと、相談支援専門員の位置付けにつきましては、抜本的な制度設計の見直しをお願いしたいという立場を相談支援専門員協会はとっております。例えたお話をさせていただきますと、相談支援専門員につきましては、独立性と公共性を担保するということがこれまでも強く求められて、行われてきた事業でございます。ですけれども、今、独立して事業が成り立つ報酬体系になってございません。直接サービスを提供する法人等に依拠しながら、現在、活動させていただいておりますので、そういう意味では、御本人の立場にしっかりと寄り添うというか、伴走型で支援をするといったことが基本になっております。そうしますと、今のような形での報酬体系ではなかなか独立した事業にならないという点がございますので、そういったことを前提としながらお話をさせていただきたいと存じます。

 次でございますけれども、これから先は、国から示されましたフォーマットに則って意見を述べさせていただきます。

 まず、視点1の「より質の高いサービスを提供していく上での課題及び対処方策」でございますけれども、1つ目に、基幹型の相談支援センターの設置と協議会の研修機能の強化をお願いしたいと考えております。これは協議会が設置されて大分時間が経っておりまして、特に市町村や都道府県の行政職員の担当者がこの協議会の意味をきちっと理解していないがために、そういう意味では福祉サービスありきといったような相談支援が展開されることが強まっております。ですので、いわゆる地域づくり、地域支援といった視点からも、相談支援専門員は単なる福祉サービスを繋げるということの活動だけではなく、住民の力とか地域の力を生かしていくといった時に、この協議会というような場を使わせていただいて、よりよいサービスを提供していくということになりますので、そのためには行政の方との連携が強く必要だと思っています。

 また、そういった活動を中心となって行っていくものとしては、今、設置が進められております基幹型の相談支援センターの設置促進が必要だと考えているわけでございます。

 2番目のところは飛ばしまして、3番目、6ページ目に参りますけれども、主任相談支援専門員の設置に向けて、今、御準備いただいているところかと存じます。こちらにつきましては、主任相談支援専門員の中身に関してはまだ確定している部分が少ないと聞いておりますけれども、高い専門性を身に付けた者が主任相談支援専門員に登用されてくることが予想されますので、その体制に即した加算体制の設定をぜひともお願いしたいと考えております。

 そして、視点1の6番目にございます、指定障害児相談支援事業所において緊急時に支援をした際の支援について、正当に評価をいただきたいと思っております。障害児相談支援においては、地域支援体制と緊急時支援加算がない状況にございまして、これは成人のほうではある考え方なのですけれども、地域定着支援同様の給付体制を整えていただきたいと思っております。

 続きまして、視点2は橋詰のほうから述べさせていただきます。

○日本相談支援専門員協会 そうしましたら、引き続き、視点2の「地域において、利用者が個々のニーズに応じたサービスの提供を受けられるようにするための、サービス提供体制の確保に向けた課題及び対処方策」ということで、まさにこのサービスが受けられるような体制整備というところに大きく利用者のニーズに応じてサービス等利用計画を基にサービスの調整を図らせていただくという相談支援専門員の給付の1番の部分と、それから、計画相談の単価設定とモニタリングという3点について、まとめて御報告させていただきます。

 1番目は、担い手である相談支援専門員の確保、定着、そして事業所の安定運営のためには、現在、かなりの都道府県においてほぼ全利用者のサービス等利用計画が届けられている状況の中で、新たに障害福祉サービスの利用れる方たちについての初期加算の設定をお願いしたいと思います。

 2番目としましては、単価設定の中で、初期加算と同時に報酬単価においては相談支援事業所の適正な標準を確保するための総合相談の機能強化も併せてお願いしたいと思います。また、モニタリングについてですが、これについては標準モデルをお示しいただき、尚且つきめ細かいモニタリングをということで、資料も御提出していただいていると存じ上げていますけれども、実質的には市町村の支給決定はモニタリングがきめ細かく行われるような支給決定に繋がっているかということと、相談支援専門員の抱えている人数の問題から、なかなか御本人の望む生活の実現に向けてのモニタリングが進んでいないという状況について、ここを推進していただくような施策をお願いしたいと思います。

 4番目につきましては、地域相談の給付についてですけれども、地域移行の推進につきましては、入院中の退院支援に向けた利用者さんの望む生活に向けてということで、非自発的入院である措置入院とか医療保護入院者についても地域移行の対象にしていただければと思います。

 5番目でございます。地域定着支援ということで、地域相談の地域定着支援につきましては、なかなか施設から地域へ、それから病院から地域へということで、地域移行の対象者がこの地域定着支援の対象者であるというような制度設計当初の概念がなかなか、まだまだ浸透していないという状況があります。そんな中で、地域生活支援拠点の整備も現在はまだ進めている最中という状況の中で、まさに地域で暮らしている障害者のために、緊急時の加算の対象として夜間の電話対応、それからアウトリーチについての加算のあり方についても、再度御協議をいただきたいと思います。

 1番目にも出ましたけれども、重度障害児の地域移行の問題ですが、かなり早期から在宅に戻られるという状況が地域の中で生まれてきております。そんな状況の中で、一般相談支援事業所の皆さんが行っている地域移行、地域定着の給付体制を子どもにも対象となるよう検討していただくことによって、よりスムーズな地域生活を送っていただくための相談支援の活動ができるかと思います。

 7番目の山間僻地や外国人への対応についても、相談支援としては課題を感じていますので、資料の御確認をしていただければと思います。

 8番の乳幼児期の相談支援に関して、それから就労支援に関しても、詳細版に載せてありますので、御確認いただければと思います。

10番の地方自治への支援強化につきましては、現在ある障害支援区分認定調査の審査会の取組みについて、かなり地域格差が大きいと感じておりますので、認定の精度を上げるために、公平な配分の視点に立った財源や資源を適切に使うための施策をお願いしたいと思います。

 最後に、虐待対応の相談支援に対する協議については、かなり集中支援的な相談支援の介入が必要になってきているという状況の中では、虐待介入時の支援加算についても御検討願えればと思います。

○日本相談支援専門員協会 最後に、視点3の持続可能な制度についてのところでございますが、1番目に挙げさせていただいております包括的総合相談窓口と、これは現在、局を越えてということで厚生労働省内部でも「我が事・丸ごと」の議論が進められておりますけれども、元々共生社会の実現というのは2004年の障害者基本計画に位置付けられたものと私は認識をしております。ですが、現在の議論の中では余りその点は取り上げられておりませんで、障害者の相談支援事業というのがかなり隅に追いやられているように感じております。

 ですので、そういう意味では、元々障害分野から始まったこのことを実現していくためにも、その総合相談ということに対応できるような人材育成をしていくことが大事かなと感じております。

 そして、最後になりますけれども、2番目のところでは、障害者の意思決定支援・成年後見制度の利用促進のあり方について書かせていただいております。当然、意思決定支援につきましては、この点について、ここに述べたような形になっておりますけれども、最後に、いわゆる持続可能なというところでは、今までのように社会保障費や医療に頼るというような医療モデル中心の支援のあり方から、生活モデルといった考え方に移行していくというか、医療モデルへの偏重を少し整理するべきではないかと思っております。

 日本相談支援専門員協会としましては、ストレングスモデルなどの移行を図りながら、単なるサービス調整では終わらない、質の高い相談支援を目指していきたいと思っております。

 以上でございます。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 続きまして、特定非営利活動法人就労継続支援A型事業所全国協議会様、よろしくお願いいたします。

○就労継続支援A型事業所全国協議会 おはようございます。就労継続支援A型事業所の全国組織でございます。全Aネットと言っております。今日は理事長の私、久保寺と事務局長の近藤の2人で参りました。

 設立は平成27年2月28日です。2年と4カ月程です。まだ発展途上と考えております。

 活動目的でございますが、障害者が雇用契約を締結して働くA型事業所、労働性が担保された福祉的就労の場でのこのA型というのは必要だと我々は感じておりました。一部、余りよろしくないA型事業所があるということで、危機感を持って全国組織を立ち上げたわけでございます。

 加盟団体ですが、各都道府県窓口事業所39、それから、現在活動しているのは20都府県でございます。会員数200ということでございます。

 1枚めくっていただきまして、3ページですが、報酬改定に関する意見ということで、今回2つに大きく分けさせていただきました。1つ目は加算に関することでございます。A型事業所については、短時間減算措置、平成2410月、平成2710月というふうにされまして、27年9月には「適正な事業運営に向けた指導について」という通知がされました。昨年末、運営基準の見直しがなされました。一部不適切な運営をしている事業所に対するための措置と理解しております。我々も、このよろしくないA型については本当に危機感を持っております。しかしながら、よき運営をしている事業所に影響を及ぼします。したがって、よき運営をしている事業所に努力した分が報われる制度を強く望みます。それがよきA型事業所を増やすインセンティブになり得ると考えております。

 昨年、ヤマト福祉財団の助成を受けてA型事業所の実態調査を実施いたしました。そのデータを示しながら、下記のとおり要望をいたします。

 この加算に関しましては、3つ提案をさせていただきました。

 まず1つ目「社会保険加入者割合に関する加算の創設」ということでございます。A型事業所は最賃をクリアすることが目標でございます。しかし、週30時間以上の労働時間を提供するということは、事業運営上大変な努力が必要です。利用者の処遇向上に努力している事業所に対して、社会保険加入者割合に関する加算をお願いしたいということでございます。米印で示しましたが、雇用保険の対象者は事業所割合でいくと93.3%、社会保険対象者は18.8%でございました。

 2つ目「就労移行支援体制加算の増額」としました。一般就労への移行促進は、同時に生産性の低下を意味します。それでも促進の努力をする事業所においては、障害者のインクルーシブな視点での真摯な取組みをしていると考えております。就労移行支援事業所と比較しても同程度の実績を上げている事業所も多くあります。しかし、加算額はより低く、併せて移行準備支援体制加算、就労支援関係研修終了加算もありません。したがって、就労移行支援体制加算の増額を希望しますというものでございます。

 これについては4ページに示しました。上の右側です。就労移行支援体制加算の増額ということで、943事業所の中で一人も出していないというところもあるのですが、右側のほうに10名程出しているところも4事業所あるということで、ばらつきはあるのですけれども、かなり努力しているところもあるということでございます。

 3番目「賃金についての加算の創設」でございます。仮称としてこの2つを考えたわけですが、就労継続支援B型に関しては目標工賃達成加算、目標工賃達成指導員加算があります。しかし、A型には同額の加算はありません。最低賃金をクリアすることは、原則A型事業所に課せられています。しかし、賃金は労働時間掛ける時間単価です。短時間労働が問題視されているゆえ、時給ではなく月額あるいは週の総額での比較が大切です。一定の賃金を支給している事業所に、仮称の加算をお願いしたいということでございます。

 また、配置基準のない就労会計分の職員配置が就労支援会計の経費を圧迫しています。ゆえに、目標工賃達成指導員配置加算、仮称ですが、お願いしたいということでございます。

 これについても、4ページを見ていただければ、特に左下、就労支援会計の職員体制というところで474事業所の調査でございますが、これについては配置義務がないわけです。ところが、これだけの配置をしているということは、事業活動をする上で必要だから配置しているわけであります。これが就労支援会計の経費の部分を圧迫しているということでございます。

 大きい2番として「精神障害者の影響について」としました。精神障害などの障害特性により短時間業務しかできない利用者がいます。現在の減算要件を緩和していただきたいということでございます。

 現在の減算要件に関して、アセスメントに医師の診断や自立支援協議会等の意見を添えることを条件に、短時間利用が適当であると思われる利用者を除外していただきたいということでございます。

 これについては、5ページを見ていただければありがたいと思います。左のほうは、実員に占める精神障害者の割合別事業所数でございます。ゼロ%というところもあるのですが、50%から60%の方が精神障害者という事業所が一番多く、100%も31事業所ございました。

 右側のほうは、利用時間、実働時間に対する事業所数が縦に棒で示されているわけですけれども、折れ線グラフのところに精神障害者の比率を上乗せしました。時間が短い程精神障害者の比率が高いということでございます。

 これについては、まだ調査がこれから必要なものもあろうかと思っています。服薬の影響だとか、いろいろ精神障害者の根本的な理由です。これについては調査が必要だと思っております。

 以上でございます。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 それでは、今日のヒアリングをさせていただく団体の最後でございますけれども、一般社団法人全国地域で暮らそうネットワーク様、よろしくお願いいたします。

○全国地域で暮らそうネットワーク 皆さん、こんにちは。全国地域で暮らそうネットワークの岩上でございます。今日は事務局長の伊藤と参りました。このような機会をいただきまして、本当にありがとうございます。

 私たちは、主に精神障害者の方の長期入院の支援に力を入れる、医療と福祉と行政と連携して進めていくということを主な柱として運営しております。

 最初に、参考資料の11ページを見ていただくといいかと思うのですが、今、185,000人の方が1年以上入院されています。そのうち1年間で退院できる方は4万5,000人という数字です。ちょっと数字が大き過ぎて分かりにくいので、具体的に申し上げますと、このフロアに100人ぐらいいらっしゃるわけですね。今年退院できる方は、野沢アドバイザーから千把アドバイザーまでの25人は退院できます。厚労省の前に座っている皆さんは、今年は退院できません。傍聴の皆さんも、申し訳ないですが、今年は退院できない。これが全国の数字になります。しかし、この25人のうち、自宅に帰ることができるのは4人。グループホームをこれだけつくってきていただいていますけれども、グループに入られる方が2人、高齢者施設が3人ということで、実は25人、皆さんの中で、退院はされるのですけれども、転院される方が10人、そして、私と伊藤事務局長は死亡退院。ほかにあと4人程亡くなっていただかなくてはいけないのですが、ちょっとここで申し上げるわけにはいきませんので、これが実態なのです。これを今回の報酬改定も踏まえて何とかいい形に進めていきたいと思っていますので、ぜひ皆様方によろしくお願いしたいと思います。

 要望というか意見になりますけれども、持続可能なということになっておりますので、そのための方策といたしましては、サービスの利用は所得区分の再設定をそろそろしていただく時期ではなかろうかと思っています。もちろん応能負担を原則とした中で検討する必要があると思いますが、これについては参考資料の8ページを見ていただくと、上限額ぎりぎりまで御負担いただくとすると、550億の負担をいただくことも検討していく必要がある。ただ、この区分の再認定の仕方については、自立支援医療等をもとに出したものになります。

 しかし、御負担だけいただくわけにはまいりませんので、皆さんのお話を聞いていると、大変すばらしい活動をしてこられて、まだまだ御本人の支援を十分にしていかなくてはいけないという状況は私どもも同じように考えているところでございますけれども、主に通所と入所、あるいはグループホームの事業費から一定限度削減をする。1日20単位ぐらいで60万人が利用されていますので300億ぐらいになるかと思います。

 その削減したもの、利用者負担のほうではなく事業所のほうの削減したものを、新しいサービスや皆さんが求めていらっしゃるメリハリのあるところに充てていく必要があるのではなかろうか。そして、利用者負担をいただいたものについては、やはり利用者の方に一番還元する手立てといたしまして、利用者支援を通して地域づくりに貢献している事業者に対して、地域づくり加算という形で、その20単位分が主にそのままになるかと思うのですが、そういった考え方を導入する必要があると考えています。

 様々な障害福祉事業を通して利用者が町に出て、市民との触れ合いや地域交流を行うことで、「この子らを世の光に」等の社会福祉思想や哲学を普及する。誰もが活躍する地域づくりの構築に寄与する。これは皆様方にとって当たり前のことなのですけれども、私は個別給付についてはよかったと思っておりますが、個別給付にした以降、福祉思想が薄くなってしまったということがございますので、今回そのような提案をさせていただいているところでございます。

 (3)の自立生活援助サービスにつきましては、意見等を述べさせていただいておりますが、社会保障審議会の障害者部会の先日の資料を拝見したところ、主に私どもが申し上げていることを議論の中で掲載していただいておりますので、この辺りは割愛をさせていただいて、ぜひ進めていただきたいと思っているところです。

 地域相談支援、先程申し上げましたように地域移行支援に力を入れていきたいと思っておりますが、これにつきましては、参考資料の12ページを御覧いただくと、現在、多少前になりますけれども、305カ所の事業所が地域移行支援を行っているということになっています。現に障害保健福祉圏域が354カ所になりますので、東京は1カ所指定になっていますが、この辺は少し上乗せをするとして、366カ所の障害保健福祉圏域では必ずよりよい地域相談が受けられるということを目指していくべきかと思います。広く浅く、どこでもできるということは考えていたのですが、なかなか進まない現状を見ますと、そういったことで一般相談支援事業所用の特定事業所算定要件をつくって、そこにきちんと評価をして、一事業所で多くの方の地域相談を進めていただく。これが一番有効かなと考えているところです。

 (6)の自立訓練、生活訓練につきましては、なかなか今まで見直しもされておりませんけれども、大変重要な活動ができる事業だと思っておりますので、加配の職員を配置した場合の加算等を検討していただければと思います。

 (7)共同生活援助につきましては、これも視点3と思っているところですが、障害支援区分の非該当、区分1の利用者については、一定程度の年数で報酬を引き下げ、自立生活援助を利用した単身生活支援への移行を推奨してはどうか。また、重度対応型グループホームの推進もお願いしたいところでございます。

 ピアサポートは非常に有効なものですので、参考資料等も付けておりますので、また御確認をいただければと思いますが、特に地域移行支援、地域定着支援、自立生活援助、就労定着支援において報酬上の評価をして、ピアサポートを推進していただきたいと思っています。

 最後になりますが、相談支援専門員協会のお話になっておりましたけれども、モニタリングについて新たな標準期間を示していただきたいと思っております。これについては、昨年度の相談支援の質の向上に向けた検討会において、計画相談支援におけるモニタリングは利用者との一層の信頼関係を醸成し、新たなニーズや状況の変化に応じたニーズを見出し、継続的かつ定期的に実施することが重要であると、まさしくそのとおりですね。1年に1回しか会わないで、その人の本当に望んでいることが分かるかといったら、分かるわけがない。

 しかし、現状では、16ページの参考資料を見ていただくと、総収入を400万と相当低額に見込んでいるのですけれども、持ち事例100を行っていると、半年に1回か12カ月に1回モニタリングするようでないと、この100人の方の支援はできないことになるわけです。そうしましたら、相談支援専門員を1名増員していただくという形にして、持ち事例を半分にすると、毎月モニタリングの方や3カ月の方を増やすことができる。しかし、事業体としての運営は非常に難しいということになるので、総収入を上げてという考えになると、より毎月モニタリングに手が回る。手が回るということは、経営上の問題だけでなく、よりきめ細やかな、先程の検討会の取りまとめにあるような支援ができるということになります。

 この際、留意するところとして、特定事業所加算の対象者であるとモニタリングの件数が24件でなく19件ということになりますので、特定事業所加算の要件を現在よりも緩和していただくと、より相談支援の目指すべき方向性がつくれる。それによって地域相談も進めていけると考えているところでございます。

 以上でございます。ありがとうございました。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 それでは、後半の4つの団体からの御意見について、アドバイザーの方から御質問等があれば、お願いをしたいと思います。

 では、千把さん。

○千把アドバイザー 先程と同じ質問なのですけれども、制度として持続可能なものとしての方策というのを端的にお答えいただきたいと思います。

 なぜ私がこのようなことを申し上げるかと申しますと、中小自治体の厳しい財政事情がございます。中小自治体の多くは、予算全体が伸び悩んでおります。少子高齢化ですとか、人口減少ですとか、いろいろございます。ところが、民生費、福祉関係の予算ですが、群を抜いて伸びております。私の杉戸町でも、町の予算の3分の1はこの民生費にかけております。この民生費というのは、障害福祉サービスを含みまして、必ずお支払いしなければいけない、そういうものが主なのですね。そうすると、予算がないからやめたというわけにはできないのです。人材の育成・確保というのは極めて重要だと思うのですけれども、報酬の増額がその4分の1は市町村にはね返ってくるわけですね。

 ですけれども、それでもやはり皆さんによかったと言ってもらえる障害福祉サービスを提供していきたいと、小さい町の課長ですけれども、強く思っています。そこをどうしたらいいのか、皆さんの知恵を、アイデアを取り入れながら一緒に考えていきたい。そういうことが大事なのではないかと思って、どうしてもお聞きしたいということでございます。

 以上です。

○内山障害福祉課長 それでは、後半の団体4つの皆さん、それぞれお答えいただければと思います。

 まず、日本自閉症協会さん。

○日本自閉症協会 今井です。2つ申し上げます。

 1つは、福祉対象にならないで済むのではないかと。なぜ福祉が生まれたかということと関係するのですけれども、一般社会からはみ出されるのですね。受け入れないのですよ。何で受け入れないかと。つまり、それは福祉のほうでやれることではないというか、一般社会のほうでやらなければいけないことだと。

 2点目は、少しサービスが細かく分かれ過ぎて、結果的に不効率になっているのではないかと思われます。

 以上です。

○日本自閉症協会 すみません、もう一点、日本自閉症協会です。

 1つは、障害のある人たちが社会の中で生きていけるようにしなければいけないという点では、先程全国社会就労センター協議会さんのほうからあったこととも関係しますけれども、本人たちの収入で生きていけるようなことをどう考えるかということが1つはあると思います。グループホームと就労B型で生きていけるようにする。年金プラスで今やっていますが、これができないと生活保護というのが出てきているわけでありまして、非常に、何かを減らしたら何かが膨らむという関係になりますから、やはり基本的にはグループホームと就労Bで生きていけるような方法を考えていかないといけないのではないかと思います。

 それから、児童については、先程ちょっと申し上げましたけれども、結果として単価の高い事業者が増えるという格好になっておりますから、20人、30人のところの単価を見直しすれば、もう少し全体としては少ない単価でやる人たちが増えるのではないかと思います。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 それでは、日本相談支援専門員協会さん。

○日本相談支援専門員協会 よろしくお願いします。

 幾つか御提案の中でも、加算だとか単価の見直しという案を出させていただきましたが、詳細版のほうに少し記載させていただきましたけれども、少なからずサービス等利用計画やモニタリングについても、実際に地域生活を送っていただく皆さんのための相談支援を基本に置いておりますので、例えば入所施設の中で一律的にモニタリングやサービス等利用計画が作成されているという現状がある中では、もしかしたら単価設定のあり方については一律ということが本当に適切なのかということも含めて、財源の確保ということだけではなくて、現状の財源の中での整合性もきちんと見極めていただくということでの加算を検討していただければという資料にさせていただいたというのが一つです。

 もう一つは、相談支援がすごく大事で、サービスと結び付けるという、今回報酬改定が大きなテーマにもなっていますけれども、そもそも地域で暮らしていらっしゃる方が障害福祉サービスだけで暮らしているのかというとそうではなくて、その地域コミュニティーの中でインフォーマルな資源をどう活用して、どうこの社会資源をつくっていくということが実はかなり専門的な相談支援の中では充実を求めていかなければいけない。それが多分、主任相談支援専門員という新たな創設をされていく相談支援のすごく大きな専門性だと思っていまして、そうなると、基本相談の重要性が増して、地域の中でサービスを使うということだけではない、きちんとしたサービス等利用計画や応援をしていくためのコーディネーションを行っていくことが新たに必要になってくるのではないかと考えています。

○内山障害福祉課長 では、就労継続支援A型事業所全国協議会さん。

○就労継続支援A型事業所全国協議会 年度末の運営基準の見直し等が行われました。かなり厳しいという評価を聞いています。恐らく何割かの事業所が撤退をしていくのではないかと思っています。

 これはある意味、いい運営をしているところが残っていくということなので、根本的なところはよろしいと思うのですけれども、よき運営をしているところもやる気がなくなってしまうと、これはよくないので、ぜひ今回要望させていただいたことを検討していただければなと思います。

 それから、精神障害者の影響というふうに要望を出させていただきましたけれども、産業界も含めて、精神障害者の雇用というものが物すごく大きな問題になっております。福祉的就労の労働者性のA型というところがいいモデルをつくっていければなと思います。

 もう一点、福祉の予算だけだとなかなか難しいのかなというところもございます。労働関係の納付金等も上手に使っていかなければいけないのかなと思っています。今回、作業収入の中から就労支援の経費を除いた部分については賃金の総額を上回らなければいけないという話がございます。この作業収入の中に納付金等の収入も入れていいのではないかというような提案をさせていただいたのですが、これは却下をされました。しかし、納付金等を上手に利用していくということも必要ではないかと思っています。

 以上でございます。

○内山障害福祉課長 では、全国地域で暮らそうネットワークさん。

○全国地域で暮らそうネットワーク 将来性を見込んで持続可能などとなってしまうと、きっとまたもっと大きな話になって、社会保障全体でお考えいただくことかとは思っています。

 当面の持続可能なと考えた時に、やはり国民や市民の皆さんの理解があって成り立つということだと思いますので、先程申し上げましたように、地域づくり加算ということをお考えいただいて、共生社会の思想をいかに広げて、ともに生きる社会としてお金も使ってくださいということを理解してもらう。そうすることによって社会全体もよくなるのだという、この思想性を普及していくことが有効ではないかと。ちょっと時間は掛かると思うのですが、有効だと思っています。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 ほかに御質問等。

 では、平野さん、お願いします。

○平野アドバイザー まず、これは確認させていただきたいのですけれども、日本相談支援専門員協会さんのお話を伺っていて、いろいろ報酬のことがあるのですけれども、これは相談員そのもののあり方の部分に関わってくると思っていまして、今のあり方の定義を聞いていると、本来この報酬上は相談員の報酬は計画と計画管理の部分を想定しているのですけれども、今のお話を伺っていると、むしろ支援機能のほうを強化したいと。相談機能だけではなくて、支援機能を強化することによって、この隙間とか谷間の部分を埋めて地域の生活を支援したいという、そういう方向にそもそもの報酬上の位置付けを変えていきたいという意味があるのかというのが1つ。

 2番目ですけれども、精神障害のほうで、全国地域で暮らそうネットワークさんですけれども、私たちもよく現場で見ていると、せっかく病院から出て退院しても、なかなか地域で行き場がなくて、そこでこもってしまうという人がいっぱいいるわけですね。もう一つ、症状の変化が起きてしまう。こういったところで一番有効な対応というのをいろいろ挙げてもらっているのですが、どこが一番効果的なのかというのを教えていただければと思うのですけれども、2つです。

○内山障害福祉課長 ありがとうございます。

 それでは、日本相談支援専門員協会さん。

○日本相談支援専門員協会 日本相談支援専門員協会でございます。御質問ありがとうございます。

 今、御質問いただきましたように、相談支援専門員の言葉としましては、基本相談の位置付けが重要ということを長年訴えております。もしかすると介護保険の中のケアマネジャーの介護支援専門員のところには基本相談という言葉が見当たらないと私は認識しておりますけれども、いわゆるサービスありきということではなく、御本人がどんな暮らしぶりをイメージして、そこに対して足りない部分を我々が寄り添ったり、応援をしていくというようなスタイルで支援していくことになりますと、先程副代表からも話がありましたように、単に福祉サービスだけで生活が完結するとは思っておりませんし、また、そういったありふれた資源というか、社会で一般的に使われている資源を利用しながら生活をするということになりますと、その人の一生の財産にもなる可能性が高いと思っております。

 ですので、いわゆる支給決定のための根拠の計画というものが今、進められている計画相談部分で必要だと思っておりますが、そこに御本人の生きがいや内発的な動機ですね。いわゆるこういうふうに生きたいというような希望や夢みたいなものを載せ込むということが両方、今、日本の実践の中では求められているわけですけれども、一旦立ち止まって、両方をそこに求める必要があるのかどうなのかということも検証しながら、そういう意味では御本人が自分で一般的な資源を使いながら使っていく、ありふれた資源を使っていくことを目指すということが重要です。そして、その支援は基本相談部分になりますので、それはまさに地域支援、地域づくりに繋がっていく部分でございます。そこを強化したいということを重ねて申し上げ、公的なサービスだけに頼らない質の高い相談支援を提供したいと思っております。

○全国地域で暮らそうネットワーク 一番期待しておりますのは、今回、新しいサービスとしてできました自立生活援助がかなり有効であると思っています。相談支援やグループホーム、どういった方の事業体でできるかということは議論されていくのだと思いますけれども、定期的な訪問と随時の対応によって、御本人が安心した暮らしができる。それは、もちろんグループホームの生活が向いていらっしゃる方もいますし、尚且つ重度のグループホームも必要だとは思いますけれども、まだまだ幅広くひとり暮らしを支援していく方法として、自立生活援助が入ることによって、退院した後の安心感と自信を持って生活する道のりを歩めると考えているところです。

○内山障害福祉課長 では、野沢さん、お願いします。

○野沢アドバイザー 最初に、日本自閉症協会さんに聞きたいのですけれども、グループホームに対する要望を強く出されていたと思います。今の報酬ではなかなかやっていけないというようなことを言われたと思うのですが、その一方で、例えば北海道にある、はるにれの里とか、大阪の北摂杉の子会とか、かなり支援の難しい人たち、強度行動障害があって、自閉症で、支援区分6という人たちを結構見ていて、かなりいい支援ができているのですね。3年程前、はるにれの里に行った時に、グループホーム全体で151人いて、強度行動障害で支援区分6の人が102人いたのです。中も見せてもらいましたけれども、職員さんたちも非常にモチベーション高くて、確かに当時、ちょっと前までは経営が大変だったと言っていました。

 前回の報酬改定の時に、このグループホームの支援区分6の方の報酬は相当上げたのですね。それによって、私は、あのおかげで助かったとすごくほっとされて、これでできますということを聞いたのですが、そういう現場についてはどのようにお考えなのかということを聞きたいと思います。

 もう一つは就労継続支援A型事業所全国協議会さんです。悪しきAなんてよく言われて、私はちょっと過剰にバッシングされているなと思っていたのですけれども、その一方で、一般の企業就労や特例子会社はよくて、Aが悪玉みたいな感じでイメージ、印象操作されてきたように思うのです。ただ、私が見ていると、一般就労、特例子会社でも相当ひどいところはありますね。むしろ障害者のほうを、企業の側に強引にいろいろなルールを当てはめようとして、そこでストレスをためて、潰してしまって、どんどんひどい状況になって福祉のほうにまた戻してしまうみたいなこともいっぱい見ています。

 悪しきAがあるのは知っていますけれども、その一方で、中小企業で社長さんが継続的にずっと難しい障害者を生活面もフォローしながらやっているところとか、社会福祉法人できちんと最低賃金を守りながら障害特性に配慮してやっているところとかがあるわけですね。ここをきちんと評価して、支援していかなければいけないと思っているのです。

 先程、目標工賃達成加算とおっしゃいましたけれども、むしろ私、工賃で加算を求めるよりも、この一般企業でもできない、BでもできないものをやっているというところにAの存在感をアピールして、そこに加算を求めていったほうがいいような気がしているのです。例えば精神の方で短時間の利用ということを言いましたけれども、その短時間利用していた方が長時間働けるようになったという、その成果について加算を求めるとか、あるいは企業ではなかなか定着できない難しいと言われている知的や発達の人たちをきちんと受け入れて、定着できているところとか、Aならではの可能性みたいなものに対して評価を求めていったほうがいいように思うのですが、いかがでしょうか。

○内山障害福祉課長 まず、日本自閉症協会さん。

○日本自閉症協会 確かに、はるにれさんなど上手にやられているところがあるなと思います。私もはるにれさんのお話を聞かせていただいたことがありますが、現地を見学させていただいたわけではなく、詳しくは分からないところがありますが、上手にやられていると思います。大きな団体でやっていらっしゃって、グループホームに入る前の段階から、施設のような形の中でも一人一人のことをよく把握されて、ご紹介のような支援の形をつくられて、グループホームの中でやっていけるように工夫しておられ、上手につくられているなということは感じました。

 ただ、地域の中で小規模でやっていくところが、はるにれさんと同じようなやり方ができるかどうかというと、なかなかその辺りは私は難しいところだと思います。特に区分6のケースが今、お話にありましたけれども、区分3とか4の方も、この方たちは障害支援区分が低いから一人で土日に活動できるのかというと、やはりなかなか難しい。特に自閉症の人の場合は、社会性の問題やコミュニケーションの問題がありまして、2ぐらいの人でも結構難しいケースがありますけれども、やはり3、4の方でもなかなか難しいのです。ですから、そういう意味合いで、今の支援区分自身が低く出ている、発達障害系の人の場合は低く出る部分もあるような感じがいたしますけれども、いずれにしましても現実的には難しい部分があると思います。特にこれから保護者が高齢化してくる。それから、当事者も高齢化をしてきているということです。ですから、そういう中でグループホームの問題を考えていかないといけないのではないかと思っております。

○内山障害福祉課長 では、就労継続支援A型事業所全国協議会さん。

○就労継続支援A型事業所全国協議会 野沢さん、本当にありがとうございます。

 悪しきA型につきましては、特に大阪に関しては厚労省さんともやりとりをしながら、実は大阪支部の我々の会員の中にもかなり問題視をしているところもあります。それに対する今回の通知だと理解しているのです。

 ただ、A型というものが福祉的就労の中で必要だと、労働者性を担保できるこの制度は必要なのだと我々は思っていて、今回の野沢さんの助言もそれに基づいたものだと理解しています。本当にありがとうございます。

 短時間の人の時間が延びたというようなデータを、実はこういう要望も一部ありました。ただ、データとしてなかなかないものですから、今回の要望に入れなかったのですが、これも厚労省さんにお願いをしたいのですけれども、先程言いました服薬の影響だとか、精神障害者の方の支援における成果だとかいうデータの調査をぜひお願いしたいと思っています。一般の雇用の企業の現場でも相当危機感を持っているということもありますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それから、A型の可能性について、実は日本財団の助成を受けて、今年度、中間的就労分野におけるA型の可能性とその研究というものをスタートさせました。ぜひよい提言をしていきたいと思っています。

 以上でございます。

○内山障害福祉課長 ありがとうございます。

 野沢さん。

○野沢アドバイザー もう一点だけ。先程千把さんからも3つの視点の特に3ですね。今日の皆さんの資料を見てみると、この3つの視点に沿ってといいますか、これに沿って報告されていたのが、全国地域で暮らそうネットワークさんと日本相談支援専門員協会さんだけなのですね。やはり右肩上がりの時には、当事者団体側はとにかく要望して、それに応えるのが厚労省の責任なのだと、これでいいと思うのですが、なかなかもう人口減少だとかいろいろなことを考えた時に、そうはいかなくなった時に、みんなで知恵を出し合ってよりよいものをつくっていくというのは、きれいごとではなくて、そういうものとセットでいろいろな要求をしてくるほうが説得力があると思いますので、今後、次の回から、もう一度厚労省さんのほうからそういうことを投げてやったらどうかと思います。

 中には本当にいろいろやられていて、ALSの方で、若い方でみずからすごくすてきな映像をつくって、ネットで流して、クラウドファンディングで何百万も集めて、そういう自助努力を非常にやっている方とか、あるいはAだとかBでも地域経済に貢献して、地場作業や特産品を見事に生かして再生しているようなところもありますので、そういうところをもっとPRして、直接の報酬にどう反映されるのか分かりませんけれども、これからの非常に建設的な意見交換ができるような場にできたらなと思っているので、その辺だけ、次回以降、どのぐらい応えてくれるか分かりませんけれども、再度要望していただきたいと思いました。

○内山障害福祉課長 ありがとうございます。

 事務局からも、次回以降の団体に関しましては、3つの視点を踏まえていただきますように、再度要請をさせていただきたいと思います。

 時間の関係もございますので、後半の4団体に限らず、前半に御意見発表いただいた5団体も含めて、全体を通じて御質問等をいただければと思いますけれども、上條さん、何かございますか。

○上條アドバイザー それでは、前半は時間がなかったのですけれども、全国身体障害者施設協議会さんの報告の中で、例えば通院でも看護師が必要というところがありました。これは途中の医療的ケアがあるからということかとも思うのですけれども、医療的ケアが介護職員というか施設職員でも研修を受けて対応可能ということにもなっているわけですが、そういったものの取組みというのでしょうか。職員の意向とか施設の意向といったところもあると思うのですけれども、そういったところが何かあれば教えていただければと思います。

○全国身体障害者施設協議会 ありがとうございます。

 まず、通院の時に看護師が必要という実態は、その途中の医療的なケアもそうなのですけれども、非常に疾病が重複されている方々が多いので、通院先の病院のドクターなどからの説明であるとか、注意点であるとか、付添いとしての専門性が必要であるというところで看護師が必要というところがございます。

 それから、たんの吸引は特定、不特定に関わらず、今は不特定のほうが増えてきているのですけれども47%、特定のほうで37%程の方々が資格を取得し、対応もしております。ですが、医療的ケアは非常に複雑で、また、たんの吸引のレベルもありますので、決してたん吸の資格を取った介護職員のみで安全に行えるものではないので、常に看護師がいなければならないという実態がございます。正直、介護職員だけではたん吸の資格を持ったとしても多くの不安を抱えながらでの医療的ケア行為ということになりますので、看護師の配置というのは必然の状況です。私どもは、ケアの質という部分で看護師の加配を、質の担保なのですけれども、求めているところです。

 以上です。

○上條アドバイザー ありがとうございました。

 あと、短期が増えている。これは日本重症心身障害福祉協会さんのほうもそうでしたけれども、要は結局、重度化とか高齢化等もあると思うのですが、短期で扱えるベッド数が増えていかない中で、短期が増えているという人は本来入所したい方々かなと思うのですが、そうも言っていられないので、かなり重度の方であっても、どうやって地域移行をしていかなければというところもあると思うのですが、その辺について何か現状とかお考えがあれば教えてください。

○全国身体障害者施設協議会 御指摘のとおりなのですが、今、私どもで取り組んでいるのは、やはり入所に繋がらないように、短期のレベルで短期入所を使いながら地域での生活を維持していただくということを常に考えています。短期の場合、いろいろな利用理由があるのですけれども、中でもやはり、御家族のレスパイトの関係というのが最近は増えているかと思うのです。その辺をきちんと御家族も含めてケアしていかなければいけない。例えば、いろいろな相談事とかも施設側にされてきている、その受け皿になっているということもあるかと思います。

 そういう意味では、御家族全体、御本人だけではなくて、できるだけ地域で生活していく、安心して受けられるような体制づくり。あと、通所の利用とかも併せていろいろ考えていったり、当然、いろいろな専門職がおりますので、看護も含めて、医療もそうなのですけれども、そういったことを含めながら、地域での生活をいかに維持していけるかということを総合的に対応しているという実態はあろうかと思います。

○内山障害福祉課長 岩崎さん、お願いします。

○岩崎アドバイザー ありがとうございます。

 「我が事・丸ごと」というふうに地域共生社会の実現ということを随分今言われておりますし、社会モデル的な発想に基づいた事業展開ということと、全国地域で暮らそうネットワークさんがおっしゃっていたピアサポートというのは非常に関連していると思うのです。支援してこられた人たちが、今度は支援をする側に回るということが双方のニーズの充足をもたらすこともありますし、また、地域で障害理解というのが実際に進んでいるのかというと、私はまだまだそうでもないと思っています。そこで、ピアサポートというものの有効性をどう考えるか。資料に書かれていたけれども、口頭で御発表がなかった日本相談支援専門員協会の方にちょっとお尋ねしたいと思ったのです。

○日本相談支援専門員協会 すみません。うちへの質問だと思っていなくてうっかりしていました。もう一度お願いできますか。ピアサポートのところですか。

○岩崎アドバイザー はい。

○日本相談支援専門員協会 ここにつきまして、こちらに書かせていただきましたように、やはり当事者同士の連帯というか、協働というものが必要だというところと、また、ピア性というものを重要視しているというところでここに挙げさせていただいて、報酬上の何らかの評価がないと、こういったものも実現できないかなというところで挙げさせていただいたわけです。

 そういう意味では、社会的な偏見というか、差別解消ということも併せて行っていくべきだと思いますけれども、なかなかシステム論というか広く周知をするということになりますと、非常に焦点がぼやけるところもあるのではないかと思っています。ですので、個別のケースにこだわるというか、個別のケースから理解を進めていきながら、障害のある方もない方も何も隔たりがなく同じ人間として生きているのだというところを、個別のケアの積み上げで周知し、理解を進めていくという点が必要だということで、ここに加算として挙げさせていただいたわけでございます。

○内山障害福祉課長 平野さん、お願いします。

○平野アドバイザー 時間もないので手短に2点だけお伺いしたいのですけれども、1点目は前半のほうですが、全国身体障害者施設協議会さんと日本重症心身障害福祉協会さんへの質問です。両団体からくしくも、現行の2対1を1.7にしてほしいという同じ数字が出てきたのですけれども、その背景には障害の重度化、高齢化、重複化あるいは重症心身が増えているという問題、そこは理解できるのです。現状、今もう既に1.7になっているから合わせてくれというのは分かるのですけれども、一方で仮に1.7にした場合、これまでできなかったこういうものができる、あるいはこういう新しいものができるというビジョンがおありだったら話していただきたい。野沢アドバイザーと同じで、やはり投資効果があるのかどうなのかというのが1つ。

 もう一点、日本ALS協会のほうにお伺いしたいのですけれども、重度訪問介護の適用区分を区分4から区分3に引き下げてほしいという要望があったのです。もちろんそれも一つの方策だと思うのですけれども、難病の方の認定に関わっている者とすると、今の程度区分の認定そのものが難病の方にうまくマッチングしていないのではないかという危惧感もあるのです。ですから、場合によっては区分の認定そのものをマッチングするようにしたほうが、より効果的ではないかというのもあると思うのです。その辺でのお考えをお伺いしたいというのがありまして、その2つです。

○内山障害福祉課長 ありがとうございます。

 では、全国身体障害者施設協議会さんから。

○全国身体障害者施設協議会 私ども、先程申し上げたように、既に1.777%の施設がクリアしておりまして、平均的に見ても1.6以上は既に配置しています。うちの施設では1.25対1という今ぎりぎりのところなのですけれども、効果的には資料の7ページに職員1人当たりの業務量のタイムスタディーの表を載せておりますが、業務的にかなり時間数もぎりぎりのところで目いっぱい動いて回っている。余裕はまずない。余裕というのは楽をするという意味の余裕ではなくて、一人一人向き合って話を聞くとか、あるいは本当に細かい部分ですね。本当にささいなことの積み上げではあるのですが、そういったことへの対応が今は十分できていないということで、後でねとか、また後で時間的に余裕ができたら来ますねみたいな感じでしているところが少しは改善されていくということは間違いありませんし、そういう意味で言うと、地域移行であるとか、そういった取組みも更に進んでいくということが考えられると思います。

○内山障害福祉課長 日本重症心身障害福祉協会さん、お願いします。

○日本重症心身障害福祉協会 ありがとうございます。

 もちろん食事とか排せつケアということは全介助に近い方を我々は見ているので、手間が掛かるので人数があったほうがいいに決まっているのですけれども、それ以上に、1.7対1というのを要求していますのは、厚労省からも言われている日中活動、特に療養介護になりますと学校教育から全く離れます。18歳未満は高等部まで小学校から非常に手厚い一人一人の状況に合わせた、本当にすばらしい、施設では見られない笑顔が学校では見られるというのもよく体験しますし、すごくきめ細かくやってくださって、その日中の状況が18歳を超えた時点で、高等部を卒業した時点で全くなくなってしまうのですね。施設に全部委ねられるわけです。

 それを何とか厚労省さんからも言われたように、質の高い日中活動を提供していきたいということがございます。ですから、特に療養介護事業に移行した時に、今までやっていた学校教育に代わるものを日中に提供していきたいと思っておりますし、それから、障害者の権利条約で教育というのが保障されているわけですけれども、教育が18歳を過ぎたところから本当に普通の子供だったら専門学校に行ったり、大学に行ったり、自分で選んで行く。そういう教育という視点がかなり重要な時に、障害を持っているというだけで施設では18歳を切れて全くなくなってしまいます。ですから、そこら辺を何とか権利条約にものっとって、きちっと日中活動を提供していきたいということを重心の福祉協会では最重点項目にして取り組んでいこうということでございます。それが1.7対1、それ以上が本当はいいのでしょうけれども、より要求する根拠といいますか、より質の高いものを目に見える形で見える化して、皆様方に提示していきたいと考えております。

○内山障害福祉課長 では、日本ALS協会さん。

○日本ALS協会 今のお話で、区分の審査と疾患の整合性ということになろうかと思いますけれども、非常に個別性が高い難病の場合に、今ある調査票の中ではなかなか埋め切れないといいますか、表現し切れない部分があると思います。そこをどうするかというところでは、例えばALSの場合は、歩行はできるのですけれども、転んでしまったら自力では立てない。そこの評価を「歩行はできる」で評価してしまった時に、転んだ時の対応については一切調査票に反映されないという問題があって、それが一日のうち1回転ぶのか、数回転ぶのかというところがなかなか反映されないというのが現状だと思います。転んでしまうと、家族が帰ってくるまで立ち上がれない。そこの評価などを定量的に評価するのがいいのか、難病の場合については、そこをもう少し細かく、日常生活と社会生活の部分での評価を入れていただくことがいいのかというのは詳細な検討が必要だと思いますけれども、進行によって1カ月後にはまるで違う状況になるという方もいらっしゃいますので、そこの辺りで柔軟な再評価を行うという意見を反映できるような、備考欄につくのか、調査票の中に難病の場合はそこを1個付け加えるのかというところは課題だと思いますけれども、そのような対応が必要だと思っております。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 井出さん、後半からですが、何かございますでしょうか。

○井出アドバイザー 遅れまして申し訳ありませんでした。

 全体を聞いていないので細かいところは省くのですが、野沢さんが先程おっしゃっていたように、この会はすごく、こういうヒアリングをするという、いい会で、言い方は悪いのですけれども、報酬改定とかに当たって、特に今日も話をお聞きして、いわゆる報酬に関わっての強弱で言うと、こういうことをしてほしいということはよく分かって、ただ、全体の中で制度が動いていく中で、もうそろそろ弱というか、濃淡で言うと淡のようなところを挙げていただくというのはなかなか難しいのですけれども、そういうこと。強いことを役所の方に私たちもアドバイスするということと同時に、そろそろ制度で淡のところを役所に後押ししてあげることも大事な気がするので、今後、先程の3番目の論点の今後の制度設計、持続可能なというところを、またいろいろな団体からお聞きしたいと思います。

 以上です。

○内山障害福祉課長 ありがとうございました。

 ほかにございますでしょうか。

 時間もございませんので、本日のヒアリングはこの程度とさせていただきまして、あと、事務局から1つ御報告がございますので、資料を御覧ください。

○照井補佐 資料1を御覧いただきたいと思います。「平成27年度障害福祉サービス等報酬改定検証調査の実施について」ということで、平成28年度から2回目になりますが、今年度も同様に調査を実施したいと考えております。

 こちらの調査は、前回、平成27年度の報酬改定におきまして、実際にサービスの利用状況であるとかのデータが少ないという指摘もあったことを踏まえて実施しております。経営実態調査では把握し切れないそれぞれのサービスの実態、あとは就労の事業であれば一般就労への移行率、工賃の状況、障害児通所支援であれば実際の支援の内容、障害児の障害の程度などの詳細な内容について調査を予定しております。

 調査の方法ですが、調査の実施時期は、平成29年7月を予定しております。実際に全国で約8,000の事業所に対してサービス別に調査票を配付させていただきますので、御協力をお願いしたいと思います。

 速報値につきましては、平成2910月を予定しております。

 資料の説明につきましては以上でございます。

○内山障害福祉課長 少し長時間になりましたけれども、本日のこの会は以上とさせていただければと思います。

 次回の検討チームでございますけれども、関係団体へのヒアリングの2回目ということで、7月7日金曜日の14時から16時半までを予定してございます。場所は、本日と同じこの全国都市会館でございますけれども、2階の大ホールとなります。

 それでは、本日はお忙しい中、長時間にわたりどうもありがとうございました。また、関係団体の皆様におかれましては、資料の準備等も含め御協力いただきまして、ありがとうございました。これをもちまして「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の第2回会合を閉会いたします。どうもありがとうございました。


(了)

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