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2017年2月17日 第17回目安制度の在り方に関する全員協議会 議事録

労働基準局

○日時

平成29年2月17日(金)
14:00~14:30


○場所

厚生労働省専用第21会議室(17階)


○出席者

【公益委員】

仁田会長、戎野委員、鹿住委員、武石委員、中窪委員

【労働者委員】

木住野委員、須田委員、冨田委員、新沼委員、萩原委員

【使用者委員】

小林委員、高橋委員、中西委員、横山委員、吉岡委員

【事務局】

藤澤大臣官房審議官、増田賃金課長、川田代主任中央賃金指導官
伊勢中央賃金指導官、由井賃金課長補佐、大野賃金課長補佐

○議題

目安制度の在り方について

○議事

○仁田会長
 それでは定刻でございますので、ただいまから第17回目安制度の在り方に関する全員協議会を開催いたします。本日はお忙しいところを御出席いただきましてありがとうございます。本日、土田委員、松井委員、渡辺委員は御欠席でございます。前回の全員協議会におきまして、ランク区分の見直しの基礎とする19の指標について御承認を頂きまして、続いて新しい総合指数に基づくランク区分について御議論を頂きました。
 本日の課題でございますけれども、第1に、ランク区分について引き続きの御議論を頂くということ。第2に、参考資料の在り方について御議論いただくということ。それから第3に、そのほか報告作成に向けて必要な御議論を頂くということで、一応3つの課題があるということで議論を進めてまいりたいと思います。
 それでは最初に、ランク区分について御議論を頂きます。前回の会議におきましては、事務局にランク区分振り分けの考え方についての案を御用意いただくようにお願いをいたしましたので、まずその資料の御説明をお願いしたいと思います。


○大野賃金課長補佐
 それでは、本日配付した資料の中で、まず資料No.1について御説明いたします。次のページを御覧ください。資料No.1は前回の御議論を踏まえ、ランク区分及び振り分けの考え方について、事務局で整理したものです。以下、読み上げます。
 新たな指標に基づく総合指数の状況(各都道府県の経済実態)を踏まえると、いくつかのランクに区分することが必要である。ランク数については、47都道府県の総合指数の差、分布状況に鑑みると4ランク程度に区分することが妥当であり、4ランクとすることについては、地方最低賃金審議会関係者の理解も得られるものではないか。各都道府県の各ランクへの振り分けに当たっては、以下の考え方に基づき、別紙のとおりA~Dの4ランクに分割することが適当ではないか。(1)総合指数を順番に並べ、指数の差が比較的大きいところに着目する。(2)各ランクにおける総合指数の分散度合いをできる限り小さくすることにも留意する。
 次のページの別紙は、前回お話した素案と同じものです。資料の説明は以上です。


○仁田会長
 それでは、ただいまの説明も踏まえまして、御意見を伺わせていただきたいと思います。いかがでしょうか。使用者側はどうですか。


○小林委員
 前回の全員協議会でも申し上げましたけれども、4ランクにするのは適当だということと、資料No.1の3つ目の○にも書いてありますけれども、各ランクの振り分けについては、指数の差が比較的大きい所、そして会長が御提案されている分散度合の大きい所について着目すると、別紙のとおりの区分が妥当ではないかと思っております。以上です。


○仁田会長
 ありがとうございました。それでは、労働者側にお願いしたいと思います。


○須田委員
 前回、明確に返事をしなかったということも含めて、若干労働側が何を検討してきたのかということを説明させていただきたいと思います。まず結論としては、この示された4つのランク区分にすることについては受け止めたいと思います。その上で、最低賃金はここ数年上がってきたとは言いながら、いまだに低い水準にあるということと、改正法の施行というのもありましたけれども、いわゆる生活保護との乖離解消ということもありました。結果として、例えば現状でいうと、東京と沖縄、宮崎との差が拡大してきていると。絶対水準も拡大している、相対的なポジションも拡大しているという中で、正直に言って労働者側は地方も含めて、ランク区分を廃止して、目安をゾーンで示すということは考えられないかと議論してきました。
 ただ、40年間の、この目安制度というやり方が定着している中で、今言ったような、仮にゾーンで示すというようなことを言ったときに、地方は逆に混乱を引き起こすという意見が労働者側からも出ています。したがいまして、そういった格差拡大を解消したいという思いはあるのですけれども、地方最低賃金審議会が、より自主性を発揮してもらうと、あるいは参考資料を充実させるとか、いろいろなことを考えながら、ランク区分を設定していくということについて、受け止めたい。
 ただしということで、昭和52年当時の交通インフラに比べると、近県との行き来が大分スムーズになっていることもあって、例えば大阪と奈良の関係、あるいは福岡と佐賀の関係、通勤時間は20分、30分程度で、最低賃金の高いほうに若い人を中心に流れているというような状況もあって、近県とのランクが違うことによる最低賃金水準の違いというのを、どうやって解消するのだろうと。
 これは地方最低賃金審議会で頑張ってもらうしかないのですけれども、示された目安がキャップをはめられたような形になって、近県の格差の是正がなかなか進まないという現状について、毎年、目安を尊重しつつ、地域の自主性発揮をということは言っていますけれども、その自主性発揮について、もう少し中央最低賃金審議会サイドとして指導を強めるというようなことも含めて、その乖離解消、地域間の課題を解消できるような審議を充実していただきたい。
 これは毎年の夏の審議でいいと思うのですけれども、そういったことも留意しながら指導性を発揮しつつ、4つのランク区分を設定し、ランクごとに目安を示してきたこれまでの整理を続けていくというようなことでどうかなと思います。
 ただ、地方の労働者側の委員にも伝えますけれども、地域が抱える課題をきちんと地方最低賃金審議会で議論した上で、どうやって解消できるのか。それを地方最低賃金審議会でもきちんと議論してほしいという指導を中央の労働者側としては考えておりますので、そのことも意向として表明させていただいて、この4つのランク区分を了解したいと思います。よろしくお願いいたします。


○中西委員
 ランク数、ランク区分及び振り分けにつきましては、特段異論はございません。ただし、ランクが上昇する県があります。その上昇根拠につきまして、地賃向けに納得のいく説明をお願いいたしたいと思います。以上でございます。


○仁田会長
 どういうことを言えばいいのかということですが、一応、指標を決めまして、取り上げる数字を変えたことはありますよね。ですから、取り上げた数字が違うと、ランクが変わってくるということは起こり得ると思うのです。
 それから、5年前と現在で相対的な都道府県の経済力に変動があるということは分かるのですが、どういうことを説明すればいいのかということについて、つまり我々が意図してその3県を引き上げたわけではなく、結果としてその数字で切れて、こういうことになるという仕組みですので、どのようなことを説明申し上げればいいのかということについて、ちょっと補足的にお願いできますでしょうか。


○中西委員
 私たちは、全員協議会の委員として議論をしてきておりますので、ランクの区分の見直しについて、詳細を把握しておりますが、当事者である都道府県の皆様がランク変更の理由について、納得できるよう厚生労働省が説明を尽くしてほしい、と希望しております。よろしくお願いいたします。


○仁田会長
 事務局、いかがでしょうか。


○増田賃金課長
 ただいま、ランク区分について御議論いただいているわけですが、本年度中に報告をということで御審議いただいているかと思います。報告のほうは取りまとまりましたら、事務局といたしましても、地方の最低賃金審議会にも事務局はありますので、これまでの皆様方の議論の内容をしっかりお伝えするということで、どういう形で今回のランク区分というものが設定されたのかというのを、できるだけ丁寧に地方の労使、公益も含めて関係者の皆様方に地方最低賃金審議会の事務局を通して丁寧に御説明させていただければと思っております。


○仁田会長
 よろしいでしょうか。


○中西委員
 どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。


○仁田会長
 いずれ各都道府県に対しても、きちんと丁寧に御説明する必要があると思いますが、今、言われたように、ランクが変わる県については、より慎重にというか、十分、懇切丁寧に説明をお願いしたいと、私のほうからもお願いしておきたいと思います。ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、ランク区分振り分けの考え方という第1課題ですけれども、これについて各側から御意見を頂きました。それらに基づき、新たなランク区分につきましては、資料No.1の別紙のとおり、AからDに至る4ランクに分割するということで、まとめさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。


(異議なし)


○仁田会長
 どうもありがとうございます。それでは、引き続きまして、参考資料についての議論に移りたいと思います。事務局から資料を用意していただいておりますので、まず、その資料の説明をお願いしたいと思います。


○大野賃金課長補佐
 それでは、参考資料の関係で資料No.2と資料No.3を用意しておりますので、御説明します。まず資料No.2ですが、中間整理後の第10回全員協議会以降、参考資料の在り方に関して、委員の皆様から頂いた御意見の発言要旨をまとめたものです。これまでの御意見を踏まえ、大きく賃金改定状況調査、参考資料の整理・充実、それから次のページ、最低賃金引上げの影響の3つの項目で整理しておりますので、適宜、御参照いただければと思います。それから次に資料No.3ですが、こちらが平成27年5月に取りまとめていただいた中間整理です。第9回の全員協議会までの議論を整理したものですので、こちらも適宜、御参照いただければと思います。資料の説明は以上です。


○仁田会長
 それでは、ただいまの配付資料の説明も踏まえまして、参考資料の在り方について御意見を頂ければと思います。いかがでしょうか。


○須田委員
 資料No.2で、これまで発言した内容を整理していただきましたけれども、多分こう言ったのは事実なのですが、この文章だけ見ても、地方の審議会の人は多分分からないだろうと思いますので、少し補強させていただきたいと思います。
 まず1.の2つ目の○、名は体を表すみたいなことを言いましたけれども、在籍労働者の賃金上昇率も見るべきではないかという趣旨で言ったわけで、今の第4表の1も2もいいのですが、いわゆる各年の6月段階の1人当たりの総額人件費の伸びが、今の表に表れていると。それに対して、新年度の6月在籍者の前年からの伸びも見るべきではないかと言ったのが、この2つ目のことですので、補強をしておきたいと思います。
 それから、2.の参考資料は今回初めてですが、参考資料の棚卸しという言い方になっていますけれども、特にパート等々働く人の賃金が、外部労働市場に影響を受けているという点もあることから、例えばですが、民間が調査している新規募集の採用時給等々も参考資料にしてもいいのではないのかということです。
 それから、2011年の東日本大震災以降、震災影響を見てきましたけれども、目安審議の参考資料としては、もう見なくてもいいのではないかなという思いは労働者側としてはありますので、そのことを補強と追加で言わせていただければと思います。以上です。


○仁田会長
 ありがとうございます。


○須田委員
 具体的な資料でどうのこうのという話ではないのですけれども、働き方改革実現会議等々で、同一労働同一賃金というテーマもいろいろ議論されていて、法整備はどうなるかは置いておいても、いわゆる昨年の夏、会長のほうから補足説明で出していただいたような、働く人の4割がいわゆる非正規といわれている実態の中で、そのことをどう考えていくのかということも、全員協議会でまとめるという話ではないのかもしれませんが、そうした考慮要素を入れて、審議していくべきではないのかなと思っていますので、よろしくお願いします。


○仁田会長
 ほかにいかがでしょうか。使用者側、いかがですか。ここに書いてあるようなことでよろしいということであれば、一応こういうことをこれまでに発言されていますので。


○小林委員
 参考資料については、労働者側からもいろいろな御意見がありました。パート関係の方々のデータ、これもまた充実する必要があるのかもしれないと考えます。以前に申し上げたように、非常に参考資料の調査データが多いのです。これは中央最低賃金審議会の目安審議の中でも参考資料を御説明いただくのですが、これは要らないのではないかというものもかなり感じています。また、地方は地方でそれぞれ送られたものを全て読み、消化し切れないというようなことも地方の委員の方々から聞いています。
 ですから、一度やはり整理することが必要なのだと思います。これは、この全員協議会の中で報告をまとめる方向はあるわけですけれども、その期間の中で、個別にこれはどうだと検討していくのも非常に大変だと思います。整理していくとか棚卸しという言い方をしていますが、見直しをした上で、やる作業というのは、報告の後、次回の来年度になりますけれども、最低賃金に関する諮問・答申が始まる時期までに検討するか、その小委員会の検討の段階でも、引き続き検討していくのでもいいでしょうし、すぐどのような項目を追加する、どのような項目を削除するというのを決めるのではなくて、継続しながら、長い目で選別作業をしていく必要があるというのは感じているところです。以上です。


○仁田会長
 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。公益委員の皆さんも、もしあれば、お出しいただければと思いますが。
 それでは私から1点だけ。発言要旨を3つ項目で整理していただいて、これは適切な整理だと思います。1番と2番については、これまでも全員協議会で検討してきた課題だと思いますが、3番の最低賃金引上げの影響については、新しいテーマですので、必ずしも前例があるわけではないため、今回の審議の中でどこまで具体的な形で報告にまとめられるのかというのは、課題が残るのではないかと思っております。
 しかし、目安審議の際の補足説明にも書かれていることでもあり、何らかの形で検討していくことが必要ではないかと考えております。どういう形でするかということについては、報告取りまとめの中で、あるいは、今、小林委員からも御意見がありましたように、その後の経過の中ででも、具体的な取扱い等については考えていく必要があるのかなと考えております。
 参考資料につきまして、ほかには御意見いかがでしょうか。


○須田委員
 小林さんが言われたことは、我々もそのとおりだと思うのです。多分、参考資料というか、次回のランク区分の見直しをいつにするかなどのテーマも、毎回、報告を書いているわけですけれども、慣例的に言うと、ランク区分は5年ごとに見直すと。ただ、目安に関するその他のテーマがあれば、それには固執しないみたいな表現があったと思うのです。そういうことも含めて、どの段階でどう整理するかという幅を持つという受け取めもしたいなと思ったりするのですが、それは小林さんが言っている意味合いと違うのでしょうか。


○小林委員
 同様の考え方でございます。


○仁田会長
 この全員協議会は3年にわたって長々とやってまいりましたので、やや異例の全員協議会だと思います。それなりのインターバルを置いて、こういう検討を行うという体制も、やはり制度のことですから、必要かなと思うのです。他面、今、両委員が言われましたように、状況の変化が起こったときに、5年待ってくださいと言うから、その先、待ってからやりましょうということでは、不十分な場合が起こり得ますので、その辺はどのようにやるかは別にいたしまして、そういう心構えで臨むということにしておくのがよろしいのかなと、私も考えております。
 それでは、参考資料につきましては、一応この辺りでよろしいでしょうか。3点目の課題として挙げておりますのが、報告の取りまとめに向けてというようなことなのですが、次回の会議で報告案について、御議論を頂きたいと、スケジュール感として考えております。
 そこで、その報告案作成に向けて、今まで御議論いただいたことを踏まえて、更に付け加えるべき論点というか、報告作成に向けて議論しておくべき点というものが何かあれば、この際お出しいただければよろしいのではないかと思っております。この点はいかがでしょうか。よろしいですか。現在の段階では特にないということであれば、この点については、本日は一応それも踏まえて、報告案作成に向けて、次のステップに入っていくということとさせていただきたいと思います。
 次回の会議まで一定の日数がありますので、更にこういうことを意見として付け加えておく必要があるということがありましたら、本日以後で結構ですので、事務局又は私にお知らせを頂ければ、それが何らかの形で報告案に反映されるように努力してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、これまでの御議論を踏まえまして、事務局で報告案を御用意いただいて、次回の会議を行いたいと考えております。よろしいでしょうか。それでは、お手数ですけれども、事務局で次回までに報告案を御準備いただきたいと思います。
 それでは、次回の開催日程ですけれども、これにつきましては事務局で別途調整をお願いしたいと思います。以上をもちまして、本日の全員協議会は終了とさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。本日の議事録署名人ですが、冨田委員と吉岡委員にお願いしたいと思います。本日はどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

労働基準局賃金課
最低賃金係(内線:5532)

代表: 03-5253-1111

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