ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(薬剤耐性(AMR)に関する小委員会)> 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 第3回抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(2017年2月21日)




2017年2月21日 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 第3回抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会

健康局結核感染症課

○日時

平成29年2月21日(火)18:00~19:00


○場所

厚生労働省専用第22会議室(18階)


○議題

(1) 抗微生物薬適正使用の手引きについて
(2) その他

○議事

○結核感染症課長補佐(高倉) 定刻となりましたので、ただいまより「第3回抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会」を開催いたします。

 本日は具委員、及び坂本委員より御欠席の御連絡を頂いております。現時点で10名中8名の委員の先生方に御出席いただいており、定足数以上の委員に御出席いただいておりますので、会議が成立しますことを御報告いたします。また、今回も笠井参考人と堀越参考人に御出席をいただいております。

 次に、事務局より資料等の確認をさせていただきます。議事次第、委員名簿、座席図のほか、資料1、手引きの第一版()です。その後、参考資料1から参考資料6です。参考資料1から5が設置要項や規則等、細則等、参考資料6がアクションプランです。不足の資料がございましたら事務局までお申しつけください。

 御確認いただきましたでしょうか。冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきます。御協力をお願いいたします。以降の議事運営については、大曲座長にお願いをいたします。

○大曲座長 国立国際医療研究センターの大曲です。本日はよろしくお願いいたします。

 早速始めてまいります。まず、議題を確認させていただきます。議題は2つありまして、(1)抗微生物薬の適正使用の手引きについて、内容を見てまいります。(2)その他の2点です。議事については私もベストを尽くしますので、御協力をいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 議論を始める前に、この審議の参加に関して遵守事項がございますので、事務局から報告をお願いいたします。

○結核感染症課長補佐(高倉) 審議参加について御報告いたします。本日参加された委員及び参考人の方々の過去3年度の関連企業からの寄付金・契約金などの受取状況について申告を頂きました。本日は各種抗菌薬等に関係する議論がある予定ですので、申告を頂いたものです。あらかじめ事務局で申告を頂いた内容を確認いたしましたが、現時点で審議や議決に不参加となる基準に該当する方、また薬事承認等の申請資料等の作成に関与されている方の該当はございませんでした。後日企業に確認させていただいた内容をウェブサイト上で公開させていただきます。以上です。

○大曲座長 ということですので、このまま議事を続けてまいります。議題の1つ目、抗微生物薬の適正使用の手引きについてディスカッションをしてまいります。最初に資料1の「1.はじめに」について、事務局から説明をお願いいたします。

○結核感染症課長補佐(野田) 資料1に基づいて説明いたします。内容につきましては目次にありますように、前回同様ですが、1.はじめに、2.総論、3.急性気道感染症、4.急性下痢症。そして、5.参考資料、6.引用文献の形になっております。資料1の右下にありますナンバーで1ページ目をお開きください。「1.はじめに」というページです。ここの章については、前回お示しさせていただいた、たたき台の所から大きくは変わっておりません。細かい文言修正について委員の先生方から御意見を頂きまして、修正を行っております。例えば2ページ目の(3)手引きの対象の部分で、3行目に、「また、専門家の判断が必要になるような事項は本手引きの対象外とした」という所など、細かい部分について修正しております。事務局からは以上です。

○大曲座長 御意見、御質問等ありましたら是非お願いいたします。

○宮入委員 成育医療センターの宮入です。小児の部分を担当させていただいております。前回の手引きには小児の部分が反映されていませんでしたが、今回、小児の部分について組み込んだような形になっております。総論の2ページの(4)想定する患者群の所で、一段落目の一番最後の文章で、「乳幼児は特殊な病態に配慮が必要であるため本手引きの対象外とした」と書いておりますが、基本的に学童以降の小児を対象として含めたということになります。

○大曲座長 ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。大きくは変わっておりません。専門家の判断が必要になるような事項は本手引きの対象外ということを書いてあります。要はよりプライマリケアを意識したということです。これによって更に位置付けがはっきりしたのではないかと思っております。よろしいですか。

 それでは議論もありますので、次に行きたいと思います。総論について事務局より御説明をお願いいたします。

○結核感染症課長補佐(野田) 総論について御説明いたします。資料14ページ目をお開きください。こちらも大きくは変更はしておりません。内容について委員の先生方からの御意見を踏まえて膨らませていただいたという状況です。例えば(1)抗微生物薬適正使用の所に、「抗菌薬の延長処方等」という文言を加えるとか、細かい部分で修正をさせていただいておりますが、大きく変更はしておりません。

○大曲座長 総論に関して御意見等いかがでしょうか。

○金子委員 前橋日赤の金子です。総論(2)の一番下のほうですが、「可能であれば適切な培養検査」うんぬんという言葉が出てくるのですが、最後に「望ましい」という言葉があるので、「可能であれば」という言葉は省いてもよろしいのかなと思うのですがいかがですか。

○大曲座長 ありがとうございます。表現として重なりがあるということですね。そのほかいかがでしょうか。特に予防の所も前回でもかなり議論がありましたけれども、基本的には先生方の御意見が反映されている形になっているかと思います。

 それでは次に、急性気道感染症の所に移ってまいります。概要について事務局から御説明をお願いいたします。

○結核感染症課長補佐(野田) 急性気道感染症に関して説明いたします。資料17ページ目をお開きください。こちらに関しては先生方の御意見を踏まえ、ある程度修正させていただいております。8ページ目の所で、急性気道感染症の分類について整理をしています図1の、例えば、前回までは「急性……頭炎」としておりましたけれども、「急性咽頭炎」という形で用語を統一しております。9ページの表1についても同様に修正をしております。

 また記載についても、文献等も加えまして、大きく拡張しております。例えば11ページの危険兆候(Red Flag)についても十分に記載させていただいております。11ページの真ん中の段です。

 また12ページの図3の急性気道感染症の診断及び治療の手順という表についても、前回の議論、またその後の委員からの御意見を踏まえ、記載の修正をしております。Red Flagについてもこの表の中に十分書き込むという形で、この表を見ると大体診断についての考え方が分かるものにさせていただいております。

13ページの治療の方法について、まず急性鼻副鼻腔炎の四角に囲んでいる推奨事項の項目です。前回までペニシリンアレルギーなどについての記載がありましたけれども、委員などの御意見も踏まえ、今回はシンプルに、ファーストチョイスの抗菌薬のみに限定させていただく形で記載を変更しております。

14ページの表4ですが、小児の急性鼻副鼻腔炎に係る判定基準も付けております。これは前回まで小児の部分についての記載がなかったので、今回新たに加えております。これに伴い、下の文章の記載についても拡張しております。

 また前回、薬事承認の関係の整理も求められておりましたので、それについては15ページなどで整理をしております。

16ページの急性咽頭炎についても、成人・小児にかかる基本としてファーストチョイスの記載について整理しております。これに伴い、文章についても記載を拡張しています。

17ページの急性気管支炎については、「成人の急性気管支炎に対しては」という形で記載しております。

18ページ以降になりますが、患者・家族への説明についても記載の修正を幾つか行っております。前回まで、表5の後に表6の形でチェックリストを入れておりましたが、チェックリストの文章を推敲しますと表5に近づいてきたというところと、後ほど御説明させていただきますけれども、チェックリストを進化させていただいた形で、参考資料のチェックシートというものを35ページに載せておりますので、そちらにまとめる形で修正をしております。

 また、先ほども申しましたけれども、抗菌薬の延期処方という考え方についても19ページの真ん中に記載しております。この延期処方に関しては、詳しい記載を参考資料として34ページにも加えております。また、医師から患者への説明例として、薬剤師から患者への説明例の部分についても、前回の議論なども踏まえ、記載修正しております。

 特に21ページの薬剤師から患者への説明例の下に、外来薬局の薬剤師がどのような処方をされているかを知ることが、今回説明する上では必要という御意見を伺っておりましたので、この注釈にある記載を加えて、「処方箋の備考欄又はお薬手帳に病名等を記載することが、医師から薬剤師に処方意図が伝わるためにも望ましい」と記載しております。以上です。

○大曲座長 これを踏まえまして、御質問、御意見はいかがでしょうか。

○堀越参考人 都立小児の堀越です。ちょっと今見て思ったのですが、総論の所に「乳幼児を除く」と書いてあるのですが、みんなそこを読むとは限らないので、パッとこの治療のところを見たときに、「小児では」というような言葉になると、一般に小児だというと、全ての小児を含むというように理解してしまうので、括弧で学童以降とか、学童以降の小児とか、少なくともこの四角で囲んだ所だけでも、「学童以降」というのを明記したほうが誤解が少ないのかなと思います。

○大曲座長 ボックスの目立ちやすい所にあえて書いてしまうということですね。

○堀越参考人 説明の細かい所まで書くとちょっとしつこいかなと思いますけれども。四角の中だけでも、小児の前に、「学童以降の小児」としっかり明記したほうがいいのかなと思いました。

○大曲座長 ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。

○林委員 これはもう、ファイナルのかなり最終版に近いところまできているという理解でいいですか。

○大曲座長 そういう認識です。

○林委員 すごく細かいことで申し訳ないですけれども、団体の名前、米国内科学会とかが、例えば8ページでは、(American College of Physician:ACP)というように、多分この後何度も出てくるからACPというようにフルスペルの後に略語を付してあると思うのですが、その後も繰り返し、繰り返し米国内科学会と出てくるのと、あと、CDCに該当する、多分米国疾病何とかセンター、これは一度もCDCという略語が出てこないで、繰り返し日本語で出てくるので、これは多分少しシンプルにできるのではないかなと思いました。ほかのページにももしかしたらそういうことがあるかもしれません。

 後は、先ほど説明がありました11ページの「危険兆候(Red Flag)」とありますけれども、(Red Flag)が必要なのかなと、わざわざ英語で言い替える、括弧して英語を加える必要があるのかという。私たちは危険兆候という言葉よりもRed Flagという言葉を日常的にはベッドサイドで使うと思いますけれども、あえてこの日本語の文章にこの英語を入れる必要はないのではないかなと思いました。

○大曲座長 ありがとうございます。前半の点はごもっともでして、これは修正できる所だと思います。

Red Flagに対する語感の印象というのは確かに、ちょっと先生方の御意見を伺ってみようと思うのですが、いかがでしょうか。

○徳田委員 JCHOの徳田です。Red Flagに関しては、危険兆候とか、危険症候という言い方もあると思います。兆候というと、サインという意味になると思います。Symptoms and Signsというと、症状と兆候ということで、それを併せると症候という言い方をしたりするので、もし症状と所見を両方カバーするということであれば、症候のほうがいいのかなとも思います。兆候というのはどちらかというとサインという意味で、symptomという言葉もまあ含むということであれば、症候と言ったりすることが多いと思います。これは個人的な印象です。

○大曲座長 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。

○本田委員 都立多摩の本田です。Red Flagという言葉は、やはり臨床でよく使われているので残したほうがいいのではないかというのが私の意見です。特に若い先生方が読む際に、Red Flagという話はよく使うので、余り一般の臨床で、「危険兆候とは」は会話の中では出てこないですよね。危険症候とはと。もちろん書いていていいのですが。なので、Red Flagという言葉を残したほうが明確であると思います。

○大曲座長 世代で切るつもりはないですけれども、この言葉がスパッと非常に伝わりやすい世代はあるということですね。ほかはいかがでしょうか。

○林委員 後は例えば、伝染性単核症(Infection Mononucleosis:IM)、これはIMというように略す必要はないのではないかなと思います。

○大曲座長 そこは確かにそうかもしれないですね。そこだけなぜIMなのだというのは確かにあると思います。このRed Flagはいかがでしょうか。

○堀越参考人 私も残したほうがいいかなと思います。どこかにRed Flagの解説を付ければいいだけかと思います。

○大曲座長 ほかはよろしいでしょうか。伺っている意見としては、やはり日本語の使い方としては私も徳田先生のおっしゃるとおりにしたほうがよいかと思います。症状も見ますし、サインも見るわけですので、大事であろうということで使わせていただきたいと思います。Red Flagは残すということで進めてまいりたいと思います。そのほかはいかがでしょうか。

○山本委員 神戸大学の山本です。3536ページのチェックシートですけれども、非常にきれいにまとめていただいて、見やすくてよいと思います。「バイタルサイン」の所ですが、せっかくなので、意識状態とか心拍数も記載できる欄があるといいのかなと思いました。

○大曲座長 そういうことですね、意識状態ですね。ありがとうございます。そのほかはいかがでしょうか。

○笠井参考人 兵庫県立こども病院の笠井です。先ほどのRed Flag問題に戻るのですが、同じページの下に「バイタルサイン(生命兆候)」とカタカナと漢字で書いてあるので、それに併せて、カタカナでレッドフラッグとして(危険兆候)にするのが割ときれいにまとまるのではないかと思いました。

○大曲座長 なるほどそういうことですか、並びの話ですよね。ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。

○結核感染症課長補佐(野田) ちょっと確認させていただきたいのですが、レッドフラッグに関してこだわりは全然ないのですけれども、アルファベットで書いたほうがいいのか、カタカナで書いたほうがいいのか、読み手の先生方である意味、読みやすさがあると思うので、そこをお聞きしておきたいと思います。

 

○大曲座長 ごもっともだと思います。一般的に言えば英語のままでいいのか、カタカナ表記がいいのか、いかがでしょうか。

○堀越参考人 読む人が医者なので英語表記でいいと思います。

○大曲座長 ほかの先生方はいかがでしょうか。それでは、英語のままということでよろしいですか。そういうことでお願いします。そのほかはいかがでしょうか。

○北原委員 長崎大学の北原です。抗菌薬の延期処方の所です。19ページでは抗菌薬の延期処方という所だけになっていますので、これでよろしいかと思うのですが、34ページの詳しく説明してあるほうは、ここでスペインの例が書いてあるのですが、処方箋のみを渡しておいて、患者さんの判断で薬を取りに行くという感じに受け取られた場合に、処方箋の有効期限が4日間というのがありますので、しっかり捉えてもらえれば何の問題もないのですが、ちょっと間違った捉え方をされて、処方箋を出すだけ出しておいて、患者さんに好きなときに薬局に取りに行ってくださいと言われた場合に、4日過ぎた後に取りに行っても、もう処方箋の有効期限が切れていますからもう一度処方してもらって来てくださいとなります。その辺りの説明を最後にでもいいので、日本においては処方箋の有効期限は4日間になっているのでというような何か一言あってもいいのではと思ったところです。

○結核感染症課長補佐(野田) 例えばこの下に、注釈という形を入れて対応させていただきたいと思います。

○大曲座長 背景としては大事な情報だと確かに思います。ほかはいかがでしょうか。

○本田委員 私たちが診療をしていて、4日間は原則的にされているのですが、これはルール上の決まりですか、例えば法的に決まっているとか、どういう状況なのでしょうか。

○北原委員 すみません、これはちょっと曖昧なことはこの会議では言えないのであれですけれども、確か決まりだったはずです。何の法律だったかちょっと覚えていないのが本当に申し訳ないのですが、これは確認していただくとして、4日間の決まりだったと思います。

○大曲座長 スペインの国内でということですか。

○北原委員 日本の処方箋が4日間の有効期限です。

○大曲座長 大変失礼しました。ほかはいかがでしょうか。

○山本委員 今のDAPの件ですけれども、これは1例としてスペインの例を挙げてあるのですが、日本の現状では処方箋だけ渡して後で取りに行ってくださいというよりは、調子が悪かったら再診してその場で評価をして、必要があればそこで抗菌薬を処方するというほうが現実的かなと思いますので、注釈でそういうのを入れるのもいいと思いますし、日本では再診して、再評価をするほうが望ましいなどというように書いてもいいのかなと思いました。

○大曲座長 もう少し日本の状況を踏まえて、具体的にプラクティスとしてはこうやるやり方もあるのではないかと、落とし込むという感じですかね。ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。

○笠井参考人 12ページの図3で、「肺炎のRed Flag」という書き方があるのですが、これはちょっと違和感がある言葉のような気がするのですが、かつ、本文にも特にRed Flagに関しては、咽頭炎のRed Flagはこうだと書いてあるのですが、本文の説明はないのに、いきなりここで肺炎のRed Flagというのはちょっと違和感があるので、そういう言い方は余り普段はしないと思ったのですがいかがでしょうか。

○大曲座長 ということですが、先生方、いかがでしょうか。

○山本委員 御指摘のとおりだと思います。ここは本来胸部レントゲンの撮影を考慮するべき条件という意味で本文中に書かれていて、それを恐らく咽頭炎と揃えるために肺炎のRed Flagという表記になっているのだと思います。ここはレントゲンを撮る、考慮する条件として替えてもいいかもしれないですし、あるいはそれが肺炎のRed Flagというように認識しても、もしかしたらいいのかもしれないと思いました。

○大曲座長 ありがとうございます。浅沼課長、お願い致します。

○結核感染症課長 ただいまの処方箋が4日間という根拠につきまして確認しました。処方箋の使用期間というのは、保健医療機関及び保健医療用担当規則というのが、昭和32年厚生省令で出されているのですが、その第20条において、原則として4日以内という規定をされているということです。古い規則ですけれども、これを根拠に原則4日以内となっています。ただ、例えば長期の旅行等の特殊な事情がある場合は、この期間の延長又は短縮ができるという旨は規定されているということです。

○大曲座長 ありがとうございます。先ほどの肺炎の話ですが、ちょっと悩ましい所でありますけれども、いかがでしょうか。

○笠井参考人 これは学童以降の小児も含まれるというように理解した場合に、このバイタルサインが少し、子供でこれで肺炎のRed Flagは、いわゆる重症肺炎で入院して、診療しなければいけないレベルかというとちょっと難しくて、ただ、レントゲンを撮るかどうか判断する所見としては、これならいいかなと、一応小児の3名で話し合って決めたところではあるので、ちょっとRed Flagというと重いなというのが正直な気持ちではあります。

○大曲座長 なるほど、そういうことですね。判断のポイントとしてはレントゲンを撮るかどうかというところが、小児のことを考えてもなじむのではないかということですね。そういう意味ではボックスの中の「あれば」以降を外に出したほうがいいわけですね。これらのいずれかに該当すればレントゲンを撮る。陽性所見があれば精査、なければ抗菌薬は不要に流れる、そういうイメージですかね。いかがでしょうか。

○林委員 話は違いますけれども、いいですか、まだ終わってないですか。

○大曲座長 ちゃんと整理しますから大丈夫です、どうぞ言ってください。

○林委員 アルゴリズム、図3にもちょっと関係しますけれども、9ページの感冒の所の一番最後のインフルエンザとの鑑別で、「迅速診断キットも用いることができることから、鑑別が可能」という表現があるのですが、これはここに必要ですか。私は余りプライマリケアはやらない立場なので、もしかしたら感覚が狂っているかもしれませんけれども。一方で、図3を見ると、別に迅速診断キットのことは出てこないので。私の理解では、インフルエンザの流行期で矛盾しない臨床症状があったら、そこに余り迅速キットの出る幕はないと思っているのですけれども。

○大曲座長 なるほど。いわゆるここでは感冒とインフルエンザの見分けというところですけれども、症状と身体診査との所見で、ある程度分けられるのではないかというところですね。そこに検査の入り込む余地はそれほどないのではないかということで、林先生からの御意見ですけれども、いかがでしょうか。

○山本委員 御指摘のとおり、典型的なインフルエンザであれば恐らく検査なしで診断してよいと思うのですが、迅速検査が役に立つのは判断に迷う場合、鑑別に迷う場合なので、この「検査として」の前に、例えば「判断に迷う場合は」とか「鑑別に迷う場合は」とか入れると、いいのかなと思いました。

○大曲座長 この点、ほかの先生方はいかがでしょうか。

○堀越参考人 私も山本先生と一緒で、少し条件を明示して、余りこのガイドラインが積極的に迅速キットを推奨する方向に取られても困ると思うので、条件を付けて。実際問題としてプライマリレベルでかなり普及してしまっている検査なので、ちょっと触れないのも不自然かなと思いました。

○大曲座長 ほかの先生方はいかがですか。私自身は伺っていて、確かに分かりやすいインフルエンザの方は本当に症候で分かりやすい。一方ファジィな事例もたくさんあります。最近はインフルエンザの人を調べてみると実際に熱があるのは半分しかないなど、いろいろ知見もあります。そういう悩ましい例を見分ける意味で、そこにこそ検査の意義があると述べるのは、検査の適正使用の観点でメッセージとしては非常にいいのではないかなと私も思いました。

○金子委員 検査のことですので付けくわえさせていただきますと、今は検査に頼りすぎているところが少しあります。インフルエンザキットも高感度を使うようになってきて、このキットが陽性でないとタミフルも出さないという状況も開業医の中では往々にあるようです。ここでは診断に悩む場合のみ使うという方向を示していただければ、適正な使い方になるのではないかと思っています。

○大曲座長 ベースラインのメッセージとしては、やはりお話を聴いてフィジカルを取ることだというところを前面に出すわけですね。そして先生方がおっしゃるように使う場面を限定的にというか書いて、ということですね。

○金子委員 そうです。

○大曲座長 ありがとうございます。そういう形でよろしいでしょうか。

○宮入委員 すみません、先ほどの肺炎のところに戻るのですが、このフローだと百日咳と、あとは小児のマイコプラズマのハイリスク者が外れてしまいます。「肺炎のRed Flag」というよりは、単に「Red Flag」あるいは「精査対象」などと記載し、バイタルサインの異常以外にも百日咳が疑われる症候あるいはマイコプラズマとの接触などを加味して精査の対象とすべきか検討する。精査内容としては、レントゲンや病原体検索になるのではないかと思いました。

○大曲座長 ありがとうございます。実際には鑑別すべきは肺炎だけでなくて、諸々の感染防止対策上、諸々考えて百日咳等も、当然、マイコプラズマ等も入ってきますし、その辺りも配慮したデシジョンツリーが必要と言うことですね。この点はいかがでしょうか。

 少し文案は検討はしなければいけないのですが、基本的には今のおっしゃったような分け方に関しては特に御異論はないと思いますので、少し書きぶりの整理をするということで進めたいと思います。

○北原委員 薬物の量の表記の仕方ですが、場所によっては(力価)という書き方をしている所と(力価)を付けていない所があって、ただ、全部これは成分量で書かれていると思いますので、例えば、「ここで書かれている薬物量は成分量です」と最初に書いてしまってはいかがでしょうか。確かに「力価」という言葉は添付文書には使われているのですが、そんなに臨床の現場で「力価」という言葉を使うのかなというのが1つあります。ですので、「成分量」と。要は製剤量ではなくて成分量ですというような書き方で、最初に注意書きを書いて、後は成分量として扱ってもいいのではないかと思います。

○大曲座長 ありがとうございます。余り普段の日常では使わない用語が入ってしまうと、逆に混乱もするし、エラーも生むかもしれないという意味で、最初から書きぶりを統一することを明確に打ち出して、そして1個、成分量として記載するということを統一させるということですね。

○北原委員 そうです。

○大曲座長 先生方としてはいかがでしょうか。エラーが起きないように、混乱しないようにという観点での書きぶりですが、そこはよろしいですね。ありがとうございます。

 そのほか、いかがでしょうか。一通り出ましたか。よろしいですか。

○北原委員 もう1つ、患者説明のところなのですが、先ほど御説明いただいたように、薬剤師のところを追加したところもあったので。これは金曜日のお昼ぐらいに厚労省のほうにはお送りしていたのですが、急性気道感染症の場合に、薬剤師からの説明を現在2つに分けさせていただいております。これは、医師が患者さんへ説明するところに少し習うような形で、特に副鼻腔炎と急性の気管支炎の場合は、ウイルスというよりは軽症などという場合において抗菌薬は必要ではないというように書かれていましたので、それに従って書いています。ここのところを、「ウイルスによる感染が疑われる場合」と書いて分けるというのも1つ、案としては出しています。

 もう1つは、鼻や咳の症状が強い場合などと分けずに、今回の診断によっては、今のところ抗生物質は必要ないようですということで、特にウイルス感染症うんぬんも言わないと。下痢のほうは1つにまとめているわけなのですが、同じような形で、特に分けずに言うというのも方法かと思っております。ここのところは、私自身も少し迷っております。もし先生方で、医師のほうで説明されたものと、薬剤師が説明することで少しずれてしまうと、診療上はやはり困るなどということがあるようでしたら御意見を頂ると大変有り難いと思っているところです。

○大曲座長 ということですが、先生方、御意見としてはいかがでしょうか。

○宮入委員 実際にウイルス学的な診断がなされたわけではないと思いますので、ウイルスによる感染症と断定的に書くのは難しいかなと思います。ですので、先ほど北原先生がおっしゃったように、そこは除いて、抗生物質が必要のない風邪というような表現でよろしいのかなと思います。

○大曲座長 ありがとうございます。ほかの先生方はいかがでしょうか。よろしいですかね。確かに事実としてはそのとおりですよね。薬が要らないというのは、そういう判断がされたというのは事実ですが、病原体に関して、かなり詰められてきてはいるけれども断定しているわけではないという意味では正しい言い方だと思いますし、シンプルだとも思います。

○北原委員 それでは、わざわざ分けずに1つの形で。今回は医師の診察の結果、現在のところ抗生物質の必要性はまだないだろうというような説明というような書き方でよろしいですか。

○大曲座長 先生方の御意見として、それでよろしいということですよね。そういうことです。

○北原委員 ありがとうございます。ここのところでもう1つだけ。今回加えさせていただいた※の所で、最初に枕詞に「急性気道感染症の診療では」と書いてあるのですが、ここの「急性気道感染症の診療では」というものを削っていただいてもよろしいでしょうか。要は、下痢のほうでも、「下痢では」と書いてあるのですが、特にこんな病気のときになるというのではなく、どんな病気であっても、医師からのインフォメーションがきちんとあったほうがいいということになりますので。

○大曲座長 これは一般化される内容であるので、「急性気道感染症の診療では」というただし書きは要らないのではないかということですね。なるほど。そういうことでよろしいでしょうか。21ページの一番下のただし書きです。

○堀越参考人 小児の薬の投与量の書き方です。「mg/kg」と書かれているものと、「1kg当たり」と書かれているものと、2つ書かれているので、どちらかに統一してそろえたほうがいいのかなと思います。

○大曲座長 小児の投与量の記載ですよね。多分、小児科の先生方が指示される内容で統一ということが一番いいと思いますが、それでいいですかね。

○堀越参考人 多分、私たちは「mg/kg」と書くのが慣れているので、添付文書だと結構、1kg当たり何ミリなどと書かれていると、パッと入ってこない。

○大曲座長 ありがとうございます。

○笠井参考人 投与量のことなのですが、結局はこの手引きでは示さないという結論になったのでしたか。

○大曲座長 また私から説明してもあれなのですが、そこは基本的には今回の案では出していません。なかなか難しい面があるというのは前回の議論にもあったとおりです。ただ、やはり明確に意識しておきたいというか、申し述べておきたいのは、これは変えられない問題ではないと思います。用法・用量等について、診療の標準と添付文書の記載にずれがあるのは事実です。これは、添付文書はどうしても改訂が遅れがちなものですから、このような状況が起こってしまっています。正されるべきものは正されるべきだと思います。この問題点はやはり指摘していく必要がありますし、やはり変えていく必要があると思います。

 これまでも、私たちも自分たちで、例えば、公知申請に至るように未承認薬、あるいは既承認薬の適応拡大に関して学会などを通じて要望を出すということもやってまいりましたし。そこのところはやはり進めていくべきだと思います。ここはそのスタートということで位置付けてはどうかなと私としては思っています。

○笠井参考人 少しユーザーアンフレンドリーだなというふうに。結局、どれをどれだけ使ったらいいのかというのは、ここでは本文をかなり読み解かないと、それで自分で解釈して、ではアメリカのガイドラインどおり行こうというのを個々の診療医が決めるという形になるということですよね。

○大曲座長 最終的にはやはりそうなるのだと思います。処方量に関する諸々の判断は、最終的には処方されるドクターの専門的な知識と経験に基づいた判断でなされるということになろうかと思います。

 ただ、これは私の個人の意見ですが、その参考になるような情報の提供というものは、様々な媒体を使ったり、立場を使ったりという形で出すことができると思います。それがお耳に、目に届くような形にしてはどうかというのは、個人的には思っています。

○林委員 全体を通しての文を書くスタイルに関してなのですが、結構「何々とされている」「何々と報告されている」と、自分たちの、私たちの見解というところから少し距離を置いて、どこかの専門家たちはこんなことを言っていますという記載が、ものすごく連続していて、この文書を書いている私たちが主体でないような印象を与えるような気がするのです。

 これは引用文献もしっかりと付していますので、かつ、皆さんでディスカッションをして、こういう内容でいいというふうに、ある意味オーソライズしている内容ですから、この辺りをもう少し、「である」などとして、引用の番号があれば。例えば代表的な例では、17ページの最後から18ページの上の所で、「その必要性を支持する根拠に乏しいとされている」という日本語の書き方は、少し表現としてエレガントでないというか、もう少しリーダブルな修正を加えてもいいのではないかと思いました。

○大曲座長 事務局からお願いします。

○結核感染症課長補佐(野田) 事務局から説明させていただきます。基本的には、特にこの文章のほうで判断している部分と、引用文献を引かせていただいている部分については書き分けさせていただいたというところではあります。特に、判断している部分については、ちゃんと判断しているというところで書かせていただいています。

 一番明確な部分としては、例えばこのボックスに入れさせていただいている推奨事項の文章の部分については、完全に断定させていただいているという形で書き分けさせていただいているという趣旨です。

○大曲座長 ありがとうございます。この点、先生方はいかがでしょうか。

 私見を述べますと、読んでいて少し繰り返しのような印象が強い所は、例えば、少なくとも論文に基づくような事実の提示の所は、もう少し断定的な言い方というのか、それを考慮してもいいという所は確かにあると私も思います。

○本田委員 林委員がおっしゃられていることは、恐らく、文章に当事者意識があるかというか、こちらに主体性があるのかという話だと思うのです。総論に戻るのですが、2ページの「手引きの対象と想定する患者群」などの所で、最後の文章の、「適宜利用いただきたい」とか「ご一読いただきたい」というと、何かすごくこちらが主体的に動いているという印象を与えるので、ここは1回訂正が入ったのですが、私は「いただきたい」としたほうがいいと思うという話をしていて。いろいろあるとは思うのですが、確かにコミットメントを感じるような表現があったほうがいいというのは、読み手としては私個人的にはそう思います。

○大曲座長 ありがとうございます。この点、先生方はいかがでしょうか。

○堀越参考人 私も林先生、本田先生と同じ意見で、もう少し言い切ったほうが、やはりこの適正使用を進めていくときにはある程度この手引きが基準になるわけですから、もう少しメッセージを持たせるという意味で、しっかりとしたレファレンスがあるものに関しては、「である」などで言い切って構わないのではないかと思います。実際に論文などを書くときでもそういうふうに書きますし、そんなに大きくずれないのかなと。ただ、私も官僚的というか、そういう文書の作り方が分からないので、それに触れない範囲で直していただくのがいいかなと思いました。

○結核感染症課長 確認なのですが、例えば5ページの手指衛生(手洗い)の所だと分かりやすい例だと思うのですが、最後の「石鹸と流水が好ましいとされている。」というのと、「石鹸と流水が好ましい。」と言い切ってしまうのとがあると思うのです。多分、先生方が今おっしゃっているのは、「とされている」というのは切ってしまって、それは好ましいのは事実だと。これは分かりやすい例ですから。多分こういったことをおっしゃっていると思うのです。

○林委員 そうです。

○結核感染症課長 そういうことですよね。ですから、抗菌薬適正指導も、例えば最後ですが、「充実度により異なると考えられている。」の「考えられている」を切って、「異なる。」でもいいとか。それをもう少し中段、後半になってくると、実際の適応や抗菌薬不要のところの話なども、今みたいに言い切っていければ。ある程度言い切れるところは言い切っていこうということでよろしいですよね。

○大曲座長 それでいいですよね。言い切れば分かりやすくもなりますし、結果的にはその言葉に対する責任というものは伝わると私も思いますので、すみませんが改めてそういうことで、よろしくお願いします。

○結核感染症課長 では、それは一定の作業なので、この件については今、事務局のほうで預かって、やらせていただきます。

○大曲座長 ありがとうございます。そのほかはいかがでしょうか。よろしいですかね。

 次は急性下痢症に移ります。事務局から御説明をお願いします。

○結核感染症課長補佐(野田) 急性下痢症については、基本的には大きくは変わってはおりませんが、記載について膨らませていただいております。特に変わっている部分としましては、26ページの図4の「急性下痢症の診断及び治療の手順」という所で、ここについては多少、ロジックについて変更させていただいております。

 また、今回、小児の部分について記載を増やしております。「小児の脱水への対応」という所、さらに27ページの「小児に対する抗菌薬の適応」という所も、記載を加えております。

 また、28ページの腸管出血性大腸菌の所については、前回のたたき台の部分でも推奨事項という形で記載はしていなかったのですが、ボックスはあったのですが、推奨すべき事項という形では書かれていなかったというところで、削除をしております。また、これは急性気道感染症と同様ですが、「薬剤師からの」という所についても注釈を加えさせていただいているというところです。事務局からは以上です。

○大曲座長 急性下痢症ですが、御意見、御質問等はいかがでしょうか。

○宮入委員 1か所訂正があります。23ページの2段落目の最後の行です。「小児において腹痛などの症状が強く血便を呈する疾患の多くは重症で急変の可能性があり、原則的には入院しての精査加療が必要になると考えられる」という、かなり診療を限定するような書きぶりになっているのですが、これはもともと乳幼児も想定して書いていた文章ですので、学童となりますと幅がありますので、この1文は削ってもよいかなと思っております。

○大曲座長 ありがとうございます。最初にもありましたが、対象を限定していますので、その前提からするとこの記載自体は削ったほうがいいのではないかという宮入先生の御意見です。よろしいでしょうか。

 そのほかは、いかがでしょうか。

○金子委員 表6なのですが、原因微生物の名前が英語表記になったり、カタカナ表記になったり、漢字表記になったりと、ばらけているのです。統一したほうが見やすいかなと思います。

○大曲座長 微生物名ですよね。

○金子委員 はい。

○大曲座長 英表記かカタカナ、あるいは日本語表記かということですね。ありがとうございます。

 そのほか、いかがですか。よろしいですかね。もしあれば、2番目の議題のところでも復活はできますので、是非よろしくお願いします。それでは急性下痢症はここで区切ります。

 次に、参考資料に関して事務局から御説明をお願いします。

○結核感染症課長補佐(野田) 参考資料については、1つ目としまして、「抗微生物薬適正使用を皆さんに理解していただくために」という、いわゆるQ&Aというものを作っております。また、先ほども議論が入ってきておりますが、(2)で「抗菌薬の延長手法とは」というものを入れております。さらに、これも先ほど御議論いただきましたが、(3)という形で、「急性気道感染症及び急性下痢症の診療に係るチェックシート」というものを加えさせていただきました。以上です。

○大曲座長 参考資料についてですが、御意見、御質問等はいかがでしょうか。

○北原委員 言葉のところで、もし詳しい先生がいらしたらご教授いただきたいのですが、「バイ菌」という言葉です。「バイ菌」を単純に国語辞典で調べると、微生物になってしまって、結局、ウイルスも全て含む言葉になってしまうようです。そうした場合に、確かに患者さんなどは「バイ菌」は「細菌」と思っているかもしれないのですが、ここに表にまでして「細菌(バイ菌)」というような書き方を厚労省が出すものが書くかなというところが少し気になっています。

○大曲座長 ありがとうございます。この辺りは委員の先生方はどうでしょうか。お感じになるところをお願いします。

○堀越参考人 この参考資料のところは医者が読むのが前提、それとも一般の方も含まれる予定なのですか。

○結核感染症課長補佐(野田) 基本的には参考資料の(1)の部分については、患者さんなどが見るということを前提で作っております。

○堀越参考人 そうすると、ちょっと単語が難しいのか、この「細胞壁」や「細胞内器官」などと言われても、多分、一般の方は理解できなくて、かつ、「バイ菌」と一般的に使われている用語が混ざっている。少しアンバランスな感じがするので、少し用語を一般の中学生ぐらいが読んでも理解できるようなレベルに落とし込む必要があるのではないかと思いました。

○大曲座長 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。

○本田委員 参考資料の中で、薬剤耐性対策(AMR)と抗菌薬の適正使用については、何か簡単に説明しておいたほうがいいのかどうか。何かそのような議論が以前にあったと思ったのです。その概念自体をきちんと分かっていただくというか、そのために、何か簡単に定義ではないのですが、総論に書かれているような定義よりももっと簡略化した形でのものがあったほうがよろしいのではないかと思ったのですが、皆さんの御意見をと思います。

○大曲座長 ありがとうございます。この点は先生方、いかがでしょうか。お見受けすると賛成なのかなと。

 私自身も親しい人への説明では大変困ります。なかなか簡単に理解はされにくいですよね。というか、現状では十分に理解されていない印象が強くいです。まずはそこから分かりやすくお伝えするというところは、入口として大事ではないかと私も思います。この辺りもQ&Aとして検討するということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

○笠井参考人 チェックシートなのですが、この使い方はどういったことを想定されているのかということと、もしここだけ見るという人がいた場合に、幼若乳児のことをここではチェックしないものであるとか、若しくは、幼若乳児は最初から小児科医に相談するべきであるなどといったものを入れておいたほうがいいのではないか。

 例えば、下痢のほうの「全身的な重症性」のところに、50歳以上も確かにそうですが、乳児は下痢ではかなり危ないと思いますので、やはりチェックシートの部分に入れ込むか、若しくは、最初からこのチェックシートは小さな子には適用されないという文言が入っていたほうが、これで何もチェックされずにセーフで、実は脱水で大変ということになってもよくないかなと思いましてコメントしました。

○大曲座長 ありがとうございます。2点ありまして、まずは、どのように使われるかというところ。恐らくは、診療の場でドクターが付けてもいいのでしょうが、あるいはその周りにいらっしゃるナースかもしれないし、事務補助さんかもしれませんが、そういった方々が補助的に使って報告をするなどといった形を私としては想定しておりますが、これは事務局から特段にありますか。

○結核感染症課長補佐(野田) さようでございます。基本的に、もちろんこの手引き自体を見ていただいた上でというところになりますが、手引きの考え方自体が、このチェックシートに沿っていくことによって、手引きに沿った診療ができるようにという形で作っております。

○大曲座長 ありがとうございます。この点に関してはよろしいですかね。

2点目ですが、笠井先生の御懸念の点は、実際にこの手引きのスコープから乳幼児は外れているという理解でいいですよね。そういうことを考えると、これを間違って使うという意味ではないですが、乳幼児に対してこれを使ってしまった場合に、エラーというか、誤判断につながる可能性もあるという意味では、そうならないように、例えば、ただし書きをするなどといったことが要るのではないかということですが、そういうことでよろしいですかね。これは私もしごくそのとおりだと思います。どこに書くかというのは検討がありますが、分かりやすい所であるのには間違いないと思います。ありがとうございます。

 そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。それでは、参考資料のところについての議論は一遍閉じたいと思います。

 これで一通りこの手引きについては議論してきましたが、今日も多くの指摘の点を頂きまして、ディスカッションもしましたが、おおむね意見が割れたままというところはなくて、全体としては大きな変更はなかったですし、細部の表現の多少の変更が必要なところはありましたが、それは事務局にお任せできるところだと思います。あとは、今後の修正に関しては事務局にお任せすると。その上で、親委員会の小委員会がありますので、これを上げるということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。これで1つ目の議題は終わりとさせていただきます。

2点目です。「その他」ということですが、何かほかに申し述べておくこと等々、いかがでしょうか。

○本田委員 本当に細かいことなのですが、誤字でも何でもないのですが、6ページの「うがい」の所の3行目の「3」のフォントが違うというのが1つ。あとは、Red Flagが文章中では「Red Flag」と、どちらも大文字で始まるのですが、図表は「flag」と、フラッグのエフが小文字になっている。あとは、「Vital Sign」もそうです。その辺り、細かい内容なので、適宜御変更をお願いします。

○大曲座長 ありがとうございます。この点は表記の整理をしていただこうと思います。

○北原委員 これも非常に細かいので申し訳ないのですが、27ページの上から2行目で、「制吐剤」「止痢剤」という言葉があるのですが、次の28ページを見ると「止痢薬」と書いてあるのです。基本的には、今回は「薬」というので統一されたほうがよろしいのではないかと思います。

○大曲座長 ありがとうございます。そのほかはいかがでしょうか。

○山本委員 これも細かいのですが、引用文献のところで、「Clinical Infectious Diseases」が、「Official Publication of IDSA」まで雑誌名として認識されて書かれているところがあって、これでもいいのかもしれないのですが、多分、「Clinical Infectious Diseases」まででよいのではないかと思います。

○大曲座長 ありがとうございます。そのほかはいかがでしょうか。よろしいようですね。今日は2つ議題がありましたが、この2つの議題に関しての議事は以上で終了とさせていただきます。

 事務局から連絡事項等、いかがでしょうか。

○結核感染症課長補佐(野田) 第4回の開催については、改めて事務局から御連絡をさせていただきます。事務局からは以上です。

○大曲座長 それでは、本日の部会はこれで終了させていただきます。ありがとうございました。

 


(了)

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