ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働基準局が実施する検討会等> 平成29年度管理濃度等検討会> 平成29年度第1回管理濃度等検討会議事録(2017年5月23日)




2017年5月23日 平成29年度第1回管理濃度等検討会議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課環境改善室

○日時

平成29年5月23日(火)13:30~15:30


○場所

経済産業省別館 各省庁共用104会議室


○議題

(1)平成28年度第2回検討会の検討結果について
(2)相対濃度指示計の質量濃度変換係数(K値)の値の検討
(3)個別物質の管理濃度等の検討
  ○「マンガン及びその化合物」に関する管理濃度、測定方法及び局所排気装置の性能要件について
(4)その他

○議事

○寺島環境改善室長補佐 本日は大変お忙しい中御参集いただき、ありがとうございます。ただいまより平成 29 年度第 1 回管理濃度等検討会を開催いたします。なお、本日は明星委員が御欠席、名古屋委員が 10 分ほど遅れるとご連絡をいただいています。

 また、事務局に異動があり、環境改善室長補佐が奥野から寺島に、環境改善係長が工藤から小岸に、それぞれ交代していますので御報告いたします。

 本日の議題と資料の確認を行います。お手元にお配りしている資料を御覧ください。 1 枚目に、次第と資料一覧を付けております。

2 の本日の議事を御覧ください。 (1) 平成 28 年度第 2 回検討会の検討結果について、 (2) 相対濃度指示計の質量濃度変換係数 (K ) の値の検討について、 (3) 個別物質の管理濃度等の検討についてということで、マンガン及びその化合物に関して御検討いただく予定です。

 続いて、資料の確認をいたします。 3 の配布資料を御覧ください。次のページから通し番号でページを入れています。資料 1-1 「平成 28 年度第 2 回管理濃度等検討会の検討結果について」、資料 1-2 「新規の相対濃度指示計に係る質量濃度変換係数の検討について」、 5 ページはその別紙「新規粉じん計 LD-5R 型の K 値について」、 11 ページの資料 1-3 「検討対象物質の概要」、資料 1-4 「マンガン及びその化合物の管理濃度、測定方法及び局所排気装値の性能要件 ( ) 」、 15 ページの資料 1-4-1 「マンガン及びその化合物の管理濃度を定めるに当たっての論点について ( ) 」、 17 ページから資料 1-4-2 「管理濃度等を検討するに際してのポイント」これは前回提出資料の抜粋版です。 21 ページから資料 1-5 「平成 29 年度の管理濃度等の設定・見直しの検討について」、 23 ページは参考資料で「検討会開催要綱」、 25 ページは「検討会参集者名簿」、 27 ページは参考資料 1-2 「管理濃度・抑制濃度等一覧」、 31 ページから参考資料 1-3 「金属類に係る管理濃度・許容濃度等一覧」です。 35 ページ以降は机上配布資料で、参考資料 1-4 「許容濃度の提案理由書」、 43 ページから「 ACGIH の提案理由書」の原文、 61 ページから「 ACGIH 」の提案理由書の和訳文、 89 ページから参考資料 1-6 EC 科学委員会提案理由書」の原文、 113 ページから「 EC 提案理由書」の和訳版、 139 ページからは安衛研で行っていただいた「マンガン及びマンガン化合物の新たな測定法の検討結果報告書」です。以上ですが、落丁などがございましたら、お知らせを頂ければと思います。

 以下の議事進行については、座長の櫻井先生にお願いいたします。

○櫻井座長 本日の議題に入ります。議事 1 、平成 28 年度第 2 回検討会での検討結果について、事務局から説明をお願いいたします。

○寺島環境改善室長補佐  1 ページ、資料 1-1 、平成 28 年度第 2 回検討での検討結果についてを御覧ください。開催は本年 1 10 日です。 1 、前々回の検討結果報告がありました。

2 、個別物質の管理濃度等の検討として、「三酸化二アンチモン」に関する管理濃度、測定方法、局所排気装置の性能要件についての御議論を頂きました。 (1) から (3) まで書いているように、 (1) 管理濃度をアンチモンとして 0.1mg/m3 (2) 測定方法について、試料採取方法はろ過捕集方法、分析方法は原子吸光分析方法とすることが適当とされました。 (3) 局所排気装置の性能要件・稼働要件として、アンチモンとして 0.1mg/m3 とすることが適当とされたところです。三酸化二アンチモンの検討結果については、所要の告示改正を行っており、 6 1 日に施行となっている状況です。

 「マンガン及びその化合物」に関する管理濃度、測定方法、局所排気装置の性能要件について御議論を頂いております。前々回の平成 28 年度第 1 回検討会に引き続き、検討を行っていただきました。粒径に応じて有害性の異なる金属類の扱いや、管理濃度を定めるに当たっての論点等について検討を行っていただき、次回以降も引き続き検討とされたところです。以上です。

○櫻井座長 何か御質問、又はお気付きの点がありましたらお願いいたします。特にないようですので、先に進ませていただきます。

 議題 2 、相対濃度指示計の質量濃度変換係数の検討についてです。事務局から趣旨説明をしていただき、その後に調査レポートについて、名古屋委員から解説していただきます。

○寺島環境改善室長補佐 まず、 3 ページの資料 1-2 を御覧ください。この検討の法令上の位置付けについて説明させていただきます。 1 、趣旨です。ずい道等建設工事におけるじん肺の健康障害防止のため、「ずい道等建設工事における粉じん対策の推進について」というガイドラインが平成 12 年に策定されており、その中でトンネル建設工事の工事現場において、発じん低減対策や換気装置による換気の実施、換気の実施等の効果を確認するための粉じん濃度の測定といった措置を講じることを求めているところです。

 このうち、粉じん濃度の測定の具体的な方法については、この通達の別紙「換気の実施等の効果を確認するための空気中の粉じん濃度、風速等の測定方法」というものにおいて、光散乱方式による測定機器を用いるものとされており、その際の質量濃度変換係数 (K ) が下表の通りと示されております。

 今般、柴田科学株式会社より、新規粉じん計「 LD-5R 」型について、新たに K 値を規定する旨の要望があり、別紙のとおりの資料の提出がありました。

 今回の K 値の検討については、この通達の K 値について御検討いただくということで、ほかにも作業環境測定基準などに K 値の規定がありますが、今回はこのトンネルじん肺の関係ということで、検討事項として別紙の資料に基づき、 K 値を 0.002 と定めることとしてよいかという趣旨です。

 別紙を御覧いただきまして、名古屋先生から御説明をお願いいたします。

○名古屋委員  5 ページの別添資料を御覧ください。目的は、換気指針のガイドラインにおいて、ずい道で使用する新しい LD-5R 型の粉じん計の K 値が定められていないので、それを目的としたずい道で測定をしてきました。

 今回は新規の粉じん計ついて、 2 に書いてある LD-5R については、カラーパネルがきれいになり、ものすごく見やすくなっていることが 1 つです。それから、小型の吸引ポンプを採用したことにより、随分と軽量化したということです。 LD-5R 本体の性能は 1 つも変わっていないので、 LD-5 型と同等に扱っていただいて結構だと思います。

 そこで、ずい道に行きまして、 LD-5 LD-5R と併行測定して、どのような K 値が得られて、相関性があるのかを調べたということです。

 本来ですと、もう少しいろいろな所のトンネルを調べたかったのですが、昨年から環境改善室が検討している粉じん測定と混同されて、現場で受け入れてもらえなくて、測定現場がなかなか見付からずに苦労しまして、 1 社だけ許可が得られ、説明に行って、「委員会に使うデータではなくて K 値を求めるための測定だ」ということで、やっと 1 社だけ了解を得ましたので、申し訳ないのですが 1 社のデータという形です。

6 ページを御覧ください。切羽から 50 mの所で 3 点を取り測定を行うということにガイドラインではなっているのですが、昨今のトンネルの場合、大体 50 m付近は測定者は立入禁止になっています。同時に今回の場合は、機械掘進でしたし、重機によるずりの積出しでしたので、残念ながら中央の測定点は取ることができず、両サイドの測定点に併行測定点を設置、 2 つの併行測定点で併行測定を行いました。従来機種 LD-5 LD-5R 型で、どのような相対濃度カウントを示すかということを測定しました。 7 は測定図ですが、省かせていただきます。

9 ページを御覧ください。 LD-5 型の併行測定点で、右側が LD-5R です。見ていただきますと、ずり積みの左と右において、 0.0017 で同じ値です。右側については、 LD 0.0015 で、 LD-5R 0.0016 で、小数点の違いで上がりましたが、おおむねそこに書かれているように、平均としても LD-5 0.0013 で、 LD-5R 0.0014 という形です。全てのデータを取って、 LD-5 LD-5R を比べてみても、ほとんど 1 1 の相関性があるということで、もともと相対濃度計の本体の性能は変わっておりませんので、 LD-5 LD-5R は現場においてほとんど同等の濃度表示をするだろうと。ただ、 K 値について、指針の K 値は 0.002 ですので、それと 0.0013 というのは違うのではないかという指摘もあると思いますが、当然これは現場の濃度に応じて K 値は変わってくるということです。

 今回の場合は機械掘進だったのですが、余りにも岩盤が固くて、機械掘進をやめて発破掘進していますので、我々が 8 時に入って結果的にずり出しが始まったのが 11 時頃ですから、それだけ固いということです。発破掘進の後に機械掘進をしながら掘らないといけません。ということは、粉じん濃度が著しく低かったということもあって、 0.0017 ということになったのだと思います。ここのところの K 値は変わっても、求めているのは LD-5 LD-5R がどのような相関性があるかということですので、そこを見ると相関性があるということで、結論としては上から 3 行目で、 1 作業場ですが、新規の LD-5R 型は LD-5 と同等の性能を有していることから、ずい道建築工事における測定結果を踏まえて、ずい道工事において使用する LD-5R と同一の K 値を与えることは妥当と考えるという報告をしたということです。以上です。

○櫻井座長 ただいまの説明について、御意見あるいは御質問はございますか。

○菅野委員 小型軽量化というのは、電子回路とポンプだけということでよろしいのですか。

○名古屋委員 パネルの所が従来は暗くて、トンネルのような暗い所では見えませんので、パネルを明るくして読みやすくしたのと、ポンプを小さくすることによって少しサイズが小さくなり軽量化を図ったということで、検出器の性能そのものは変わっていませんので、相対濃度計の性能としては LD-5 LD-5R 1 1 になっているということです。

○菅野委員 つまり、光学系は全く変わっていないということですか。

○名古屋委員 全くいじっていません。

○小西委員 これは従来の測定ですよね。

○名古屋委員 そうです。

○小西委員 分粒装置は付けていないということですね。

○名古屋委員 そうです。

○櫻井座長 安全サイドになっているということですか。

○名古屋委員 現場によって違うのですが、一般的に濃度が高くて粒径が大きいと K 値は大きくなりますが、今回の現場測定時の現場の状況が、たまたま粒径が小さくて、粉じん濃度も低い現場で併行測定したので、 K 値としては従来より少し低めに出たということです。もう少し岩盤等が軟らかい現場でしたら粒子が大きいですから、 K 値が 0.002~0.003 などになるかもしれませんが、今回はそうでしたということです。

 でも、 K 値は若干上下するけれども、 LD-5 LD-5R で同じ値が出てくるので、いいのではないかとまとめています。

○中明委員 これは、ずい道用に開発したのか。

○名古屋委員 いや、一般の所でいいのですが、ずい道ではずい道用の K 値をもらわないと、ずい道の測定に使用できません。 K 値がないと、測れませんので。作業者がその K 値を使って換気指針に従った濃度測定をしますので、そのときに使うということで、全てずい道工事においては K 値をもらうのです。

 新規の粉じん計が出ると、作業環境の場合は当然併行測定しますから K 値はなくてもいいのですが、ずい道ではそれがないので、トンネルの場合は新規の粉じん計が出ると必ず併行測定して、こういう形で申請して K 値をもらっているということで、その 1 つだと思っていただければいいと思います。

○松村委員 こういう光散乱計も、定期的にオーバーホールなどは掛けるのですか。

○名古屋委員 トンネルの場合は、 1 年に 1 回は必ず較正をすることになっています。一時期、間違えていたのは、較正してくださいといったときに、ビル管の較正に持って行って大変なことになってしまうのですが、そうではなくて、厚労省が行っているずい道関係の定期点検(※粉じん則第 26 条第 3 項に基づく 1 1 回の登録較正機関による較正)をしてくださいと。それをすることによって、 K 値はこれを使っていいという約束になっていますから、必ず較正はしています。

 ディーゼル粒子があって、結構バックアップフィルターが汚れるので、較正しないのではまずいので、それは義務付けています。

○小西委員 今、測定協会には年間にかなりの台数が戻ってきています。

○名古屋委員 必ずやってくれていますので。

○小西委員 通達の改正の表を見て、原理が同じものは、測定しても大体同じ値になって出てきます。 LD-1L などは感度が 10 倍違うので、 1 桁大きな数字です。原理的には同じなので、同じになるだろうと思います。

○名古屋委員 その括りの中に入れていただきたいということです。

○菅野委員  1 つ質問です。資料 1-2 の表で、今回の K 値の問題と違いますが、 LD-2 の質量濃度変換係数が 2 となっていますが、実用的な価値はあるのでしょうか。

○名古屋委員 これは製造中止しているのも全部載っています。

○菅野委員 削除したほうがいいのではないですか。

○名古屋委員 いや、削除できないのです。

○小西委員 持っている所は使えるわけなのです。

○菅野委員 でも、 2 ですよね。

○名古屋委員 ありますよ。

○小西委員 私の所にもありますよ。

○菅野委員 あるのはいいのですが、実質的に濃度の変化は分からないですよね。

○小西委員 変化を見ているわけではないので、ある時間の濃度の計測さえできればいいのです。

○菅野委員 でも、お示しいただいたのは、実際の濃度としては、 1 ミリグラム程度という濃度ですよね。これは変換係数が 2 だと、カウントは 1 以下ということですよね。

○小西委員  CPM を見ているだけですから。

○菅野委員 時間を長くすれば出てくるという意味ですか。

○名古屋委員 そういうことです。

○菅野委員 ですから、 0.002 だったら、 700 というのがカウント数として出るわけですが、変換係数が 2 だと、 1 出ると 2mg/m3 ということですよね。

○櫻井座長  1 カウントで 2mg になるのですね。

○菅野委員 ですから、実用的な価値はないというか、それで測ると。

○名古屋委員 いや、普通は大体 3 点の平均ですから、 10 分ずつ測りますから、そのトータルしたものの平均値を求めて書きます。これは 1 点を 1 分測るわけではありません。トンネルというのは、決められた時間の中で 10 分ずつ測って、その 30 分の平均値を求めますので、 1 とか 2 ということは滅多にないのです。

○菅野委員 質量濃度変換係数が 2 だと、幾つぐらいになるのですか。例えば 1mg/m3 だと。

○名古屋委員  1 だと 2 ですね。

○松村委員  1 なら 2 だけれども。

○菅野委員 いえ、そうではなくて、 1mg/m3 の濃度だったとして、そのように測ったときにカウントは幾つになるのですか。

○名古屋委員 私は使ったことがないので分かりませんが、小西委員は使われていませんか。

○小西委員 使用しています。今の議論の意味が分からないのです。

○松村委員 長時間吸引すれば。

○菅野委員 それは分かりますが、 10 分と決まっているわけですよね。

○名古屋委員 基本的には 10 分ずつなのだけれども、トンネルの操作が例えば 20 分だとしたら、それは 5 分ずつでもいいでしょうということで、重み付けは必ず一緒にしましょうという測定基準になっています。

 例えば 15 分測定した値が 100 だったら、それを 15 分で割ればいいわけです。その値が 4 になるのか 5 になるのか 1 になるのか、それは分かりません。それに換算係数を掛ければいいということです。

○小西委員 基準値が 3mg ですから、換算して 3mg/m3 が換気の指針としての基準値なのです。それに対応する数値を測っていますから。

○名古屋委員 平均値が 1.5 だったらクリアしているのです。

○菅野委員 ですから、どれぐらいで評価しているのかを聞きたいのですが、 1 桁ではちょっと。

○小西委員  1 桁ということはあり得ないです。

○菅野委員 デジタルの計測計で。

○小西委員 デジタル計測で、ずい道建設工事の中で測って、カウント数が 1 桁ということはあり得ません。

○名古屋委員  100 は普通にいきますね。

○小西委員 そんなきれいではありません。 50 m点というのは、切羽に当たって返ってきた風が戻ってきて、大きな粒子はそれまでに沈降して、集じん排気装置のほうに戻ってきたものの比較的小さな粒径が安定した濃度が得られる場所なのです。そこで測っても、過去の測定でいくと、 3mg/m3 を超えるチャンスというのは、例えばコンクリートの吹付作業だとかは超える可能性が結構ある所なのです。

 濃度としては、普通の作業環境と全然違います。普通の作業環境だったら、 1 カウントだ 2 カウントだというのは出てきますが、ずい道建設工事の中では、まずそのように小さな数字は出てきませんよ。

○菅野委員 ですから、おしまいのほうの結果を見たら濃度が低いので、そういう所は測定不可能だろうなと思ったのでお聞きしたのです。

○名古屋委員 質量濃度変換係数 K 値と 0.6 ㎛のラテックス粒子に対する係数は違いますよね。要するに、 0.6 ㎛のラテックスに対する係数は、相対濃度計により、 0.01 になのか 0.001 なのかということであって、質量濃度換算係数 K 値は違う話ですから。

 普通、相対濃度粉じん計というのは、 0.6 のラテックスを使ったときには 0.001 という、一番小さな係数を持っています。それに対して併行測定したときに打つカウントに対して、 2 の質量濃度変換係数を掛けたときにほかの相対濃度粉じん計と一緒になるということだけですから、低い濃度を打っているとか、そういう話ではないと思います。

○菅野委員 でも、 2 を掛けたらミリグラムパー立方メートルが出るのですよね。

○名古屋委員 何ですか。

○菅野委員 カウント数字にです。

○名古屋委員 そうです。

○小西委員 ミリグラムパー立方メートルが出るというのは、最初の較正の時点での質量濃度変換係数が既に仕込まれているということなのですね。それは今言われたように。

○菅野委員 いや、そういうことではなくて。

○小西委員 ただ表示がミリグラムパー立方メートルが出てきているだけであって、 CPM でも出ます。ミリグラムでも表せますし、 CPM でも出てきますよ。

○菅野委員 いや、デジタル粉じん計の変換する機能を聞いているのではなくて、実際の測定結果が 1 桁の数字しか出ないぐらいだと、実用的には濃度変換をきちんと示せないのではないかと思ってお伺いしたのです。ですから、それが示せるという話であれば結構です。

○小西委員 要するに、 1 カウントした 0.002mg/m3 ということが示せるかどうかということですか。

○菅野委員 いや、私が話しているのは今回のものではなくて、 LD-2 という変換係数が 2 というものです。

○奥村化学物質対策課長 カウンターの精度が余りにも悪いのではないかということで、桁が 3 つ違うというのは、桁を 3 つ見逃すことがあるという。

○名古屋委員  LD-2 の話。

○奥村化学物質対策課長 高濃度でないと使えないのではないかというご指摘。

○名古屋委員 当時は高濃度でして、指針ができてすぐのときの話でしたから、今はもう測れないことがあるかもしれませんけれども、当時としてはかなり。

○櫻井座長 でも、まだ持っている所があるからというのも、まあ。

○奥村化学物質対策課長 有効数字 1 桁ぐらいで測れるのかという。

○名古屋委員 本当は P-5 も、もともと生産中止で、 LD-1 なども 20 年前の測定機だけれども削れないというのもあって、置いておきましょうかと。

○櫻井座長 ここから外したほうがいいのかもしれませんね。

○名古屋委員 それもガイドラインの所にきちんと書いてあって、これは製造中止していると書いてあります。指針には書いていないのだけれども、ガイドラインを開けてみると、きちんと書いてあります。

○小西委員 公の測定協会で較正の対象機種でなくなったものについては外してもいいかもしれません。

○名古屋委員 そういうことですね。要するに部品もないのでということですよね。

○小西委員 較正対象機種として生きているということは、戻ってきているということですから、それについては製造中止になっても、そのまま較正は続けています。ただ、較正部品がなくなってくるので、そういったものは何年何月に中止になるということはあらかじめ通知していますから、そこは確認していただいて、表を見直してもいいかと思います。

○櫻井座長 そうですね。

○名古屋委員 前にガイドラインを変えるときに削ってもいいか聞いたら、作ったものは置いておいてくださいと改善室に言われたので、ずっと残っています。削れないということなのです。使えなくなってしまうのでということがあったので、害にならないから置いておきましょうということで置いてあるのです。

○小西委員 それでいくと、 3423 なども、中止になっていますよね。

○名古屋委員 なっています。 LD-1 も駄目だし、 3411 も使っていません。

○小西委員 上のほうの所は、結構製造中止になっている機種もあります。

○松村委員 今気が付いたのですが、 3 ページの質量濃度変換係数と 9 ページの変換係数の数値が違うのですが、 9 ページのほうは K 値が 2 桁書いてありますよね。 3 ページのほうは有効数値が 1 桁しか書いていませんよね。これはどちらが本当なのでしょうか。

○名古屋委員 先ほど言ったように、この濃度はあくまでも現場によって K 値が違うので、ここでは新しい機種と古い機種がどの程度同じかどうかということを見てほしいのです。

○松村委員 だけれども、結局この K 値を現場の人は使うわけですよね。

○名古屋委員 いや、この K 値を与えるわけではなくて、 0.002 という K 値を与えるという形です。

○小西委員  9 ページのものは実測値なのです。実測値なのですが、同じリードの中でも位置が変わっていったりすると、 K 値が変わるということなのです。

 ただ、前から K 値を決めるときは、実測値の例えば 0.001 幾つという形ではなくて、切上げをしているのです。ある程度安全側を見ているのです。それで資料を切っているのです。

○松村委員 そうですか。そうすると、 0.0014 より 0.002 のほうが高い濃度に出るわけですね。それで安全側という意味ですか。

○小西委員 そうです。

○櫻井座長 でも、場合によっては安全側でない場合もありますね。

○名古屋委員 幅が広いですから、あります。

○櫻井座長 全てではないけれどもということです。

○松村委員 分かりました。

○櫻井座長 ほかにはよろしいでしょうか。

○名古屋委員 ありがとうございます。

○櫻井座長 次に進みたいと思います。議題 3 、個別物質の管理濃度等の検討に移ります。前回に引き続き、マンガン及びその化合物の管理濃度、測定方法、局所排気装置の性能要件について検討いたします。事務局から説明をお願いいたします。

○寺島環境改善室長補佐 資料 1-3 11 ページ目を御覧ください。検討対象物質の概要でして、前回提出した資料とほぼ一緒ですが、時点修正を行っていて、輸入量 7 2,900 t余りとなっております。

 次ページ、資料 1-4 が御検討いただきたいということでの案ですが、これも前回とほぼ同様です。管理濃度の欄ですが、マンガンとして 0.02mg 、吸入性と書いてあるのが ACGIH 、又は 0.05 EC です。その下がマンガンとして 0.1mg 、インハラブルが ACGIH で、その下に 0.2 、インハラブルとあるのが EC と産衛学会の提案です。こういったことを基にして、どれを選んだらよろしいでしょうかという御検討を頂ければということです。

15 ページ、資料 1-4-1 です。これまでの議論の結果と論点を事務局のほうで整理したものです。こちらに従って御議論いただければと思っております。まず、論点ですが、 2 つに分かれるかと思っております。 1 は吸入性粒子及びインハラブル粒子の両方の管理濃度を定めるべきか。まずはレスピラブルとインハラブル、両方定めるべきかどうかというところについてです。 2 番目は両方定めるのであれば、どのように定めるべきかという話に整理しております。

1 ですが、 1 ポツ目、 2 ポツ目を御覧いただくと、吸入性粒子は肺から、インハラブル粒子は鼻腔から喉までの粘膜及び消化器から、それぞれ吸収されるということで、 2 ポツ目にあるように、疫学調査の結果から、鼻腔、消化器系を通じた吸収と、肺からの吸収のどちらの寄与が大きいか考慮すればよいのではないかということで、吸収の経路と標的臓器などを勘案して、どちらを測るかということを決めれば、おのずと測定法は判断できるのではないかという御議論も頂いたところです。 3 ポツ目ですが、御意見として、やはり肺からの吸収のほうが主と考えられるので、吸入性粒子の測定を基本とすべきではないか。こちらは ACGIH EC のレビューにも吸入性エアロゾルについての言及があるとおりで、そういった御意見があったところです。 4 ポツ目、マンガンに関しては、現在の調査研究の結果から、吸入性とインハラブルのどちらかに限定することは困難ではないか。両方の臓器を管理の対象とするのであれば、両方の管理濃度を定める必要があるのではないか。 5 ポツ目ですが、いずれか一方のみの粒径の粒子の管理濃度を定めると、管理濃度を定められていない粒径の粒子の割合が高い作業である場合、当該粒子を過小評価する可能性があるのではないか。これらの点から、両方定めるべきか、どちらかに絞るべきかということについての御議論が 1 つあるかと思います。

2 番目として、吸入性粒子及びインハラブル粒子の両方の管理濃度を仮に定めるとした場合です。 1 ポツ目として、吸入性粒子とインハラブル粒子を分けてサンプリングを行うことが技術的に可能か。 2 ポツ目として、効率的、合理的な測定とするため、いずれか一方の省略は可能であるか。前回の会議では、インハラブルの粒子にはレスピラブルの粒子が含まれているので、インハラブルを測ればいいのではないかという御意見もあったところです。 3 ポツ目として、吸入性粒子とインハラブル粒子の構成比は、一般に取扱物質や作業によって異なると考えられるが、同一の原材料・作業については、おおむねその比率は一定と考えられるのではないか。 4 ポツ目、したがって、吸入性粒子とインハラブル粒子の両方を測定する場合、例えば初回の評価結果 ( 濃度比率など ) を活用して、以後の測定を簡略化することが可能か。その場合、管理濃度を超える又は管理濃度に近いほうを必須としてはどうか。

 少し論点が違いますが、 5 ポツ目、インハラブル粒子については、発散後すぐに空気中を落下することから、 A 測定による評価にはなじまないのではないか、発散源付近に限定して測定を実施することとしても差し支えないのではないかというお話があったところです。こちらの管理濃度をどうするかということです。前回は、技術的な課題としてインハラブル粒子をどのように測定するか、総粉じんとの関係性について御議論がありましたので、そちらについてもまとめております。

16 ページです。 1 ポツ目が 1 つのサンプラーで吸入性粒子とインハラブル粒子の両方を試料採取できることが望ましいが、どうか。 2 ポツ目として、インハラブル粒子を定点で測定する適切な方法が確立しているか。個人ばく露用サンプラーである IOM サンプラーを定点測定で適切に使うことが可能であるか。 4 ポツ目ですが、これまでの試料採取方法では粒径を限定していないため、総粉じんと言っても実際に捕集される粒径は異なっている。そういったことを踏まえて、ろ過捕集方法における面速によって捕集される粉じんの粒径が異なるため、標準的なサンプリング方法を定めることが可能か。これは総粉じん、あるいはインハラブル粒子、どちらの論点もあろうかと思いますが、何か決まった面速なりサンプリング方法なりを定めることが可能であるかということです。下のポツの所にあるように、インハラブル粒子との違いが分かるようにする必要があるということ。粉状のニッケルでは、もう既にインハラブルに相当する方法が定められておりますが、取扱物質の状態により異なりますので、これを一般論として流量等で測定方法を特定することは困難ではないかという御指摘もありました。

 以上を踏まえて、マンガンのインハラブル粒子の測定方法の流量等を定めることが可能であるかどうかといった技術的な課題も御指摘のあったところです。説明は以上です。

○櫻井座長 この論点についてどうぞ。

○松村委員 有害性情報は読めば大体分かるのですが、前回から引き続き、サンプリング方法というのが、今、測定士が普通に使っている方法と、インハラブル粒子の測定法とされている IOM サンプラーというものが、どうも名古屋先生や小西先生のお話を聞いていると、これは使いにくいとか、その辺の言外の判断がとても絡んでくるような気がして、その辺りがよく分からないのです。今、測定士が汎用しているサンプラーは、何を対象にして、どういうサンプリングをしているのでしょうか。

○小西委員 基本的には、従来から金属関係の測定はオープンフェイスで測定するということですから、一般的にやられているのは、鉛にしても何にしてもオープンフェイスのローボリュームエアサンプラーで、例えば 30 Lだとか、そんな形でサンプリングして分析をしてきているということなのです。粉じんの測定の場合には PM4 ですから、吸入性粉じんだけを取るという形での分粒はしてきていますが、金属測定では粒径を分けるという概念が今までほとんどなかったはずなのです。ですから、恐らくそういう形で言えば、 IOM のサンプラーを測定機関が、特殊に個人ばく露などを測っておられる所は別だと思いますが、通常の 65 条に基づく測定で、 IOM のサンプラーを使っている所はまずないだろうと思います。

○松村委員 そうすると、オープンフェイスでローボリュームサンプラーで 30 /min で引けば、一応インハラブルも含めて全部、測定対象になると。

○小西委員 いや、それはないのです。そういったものは規定がなくて、産業衛生学会がフィルターのサイズで面速何センチだと総粉じんと言いますよという定義付けをしているのです。

○名古屋委員 面速 50 から 80 で引けば、それを総粉じんにしましょうとなるのです。今、金属については、粉状ニッケルについて測定対象粒子がインハラブルということなので、面速 19cm/sec で引けば、インハラブルになりますよと規定されているのです。そこで、今、私は実験をしていて、多分、金属ヒュームですので、これがいいかどうか分かりませんが、マグネシウムリボンを燃やすとヒュームと一緒になりますので、面速で測ると大体 29cm/sec 前後で IOM と一緒になるのです。ということは、それが出てくれば、それを使ってやれば一般的にできるのではないかと思います。まだ実験途中なのでもうちょっと待っていてください。

 松村先生も知っていると思いますが、除染の委員会ときに内部被ばくを管理するためインハラブルを測りましたよね。粉じんのときは、そのときはインハラブルを測定するデータがなかったので、要するに粉状ニッケルと同じで、 19cm/sec 面速で引いてインハラブルにしましょうということで、除染のとき測定義務を掛けましたよね。それは要するに気管支などに沈着した粒子が、繊毛で消化器系に運ばれ、胃などの臓器を通って、便として排出される間ずっと内部被ばくをしながら運ばれていく。それは逃してはいけないよという形で、インハラブルを測定してもらいましょうという話をしました。そこは生きていたのです。ただ、ヒュームはちょっと違うと思ったので、マグネシウムリボンが一番身近かなと。その実験が終わったら今度は溶接現場へ行って測ってみたときに、それで IOM 1 1 の併行測定のときに 1 1 になるか見れば、それがもしかしたら使えるかもしれないねという。

○松村委員 もしかしたらという段階なのですね。

○名古屋委員 経験から言って、多分使えると思いますよ。

○松村委員 今まではやっていないわけですよね。

○名古屋委員 だって、そういう要望がどこにもありませんでしたから。これから金属ヒュームの測定が出てきたときに。

○松村委員 オープンフェイスの手前にくっつける分粒装置が必要ですか。

○名古屋委員 要りません。

○松村委員 というのは、インハラブルだけをフィルターに取るために、大きい粒子をそこで分離するという意味でしょう。

○名古屋委員 それはレスピコンという粉じん計だと思います。

○小西委員 レスピコンとか、例えばアンダーセンサンプラーもそうですが、粒子を粉じんの粒径別に分けて取るサンプラーはあります。それは何段、分級段数の少ないものとか大きいもの。ですから、逆に言うと、そのフィルターを分析すればいいわけですから、何もここで言っている IOM のサンプラーを使わなければいけないということではないと思うのです。ですから、そういう形のカスケードインパクターなどでフィルターを使えるものであれば、その分析でいくかもしれないです。

○名古屋委員 多分やっていないよ。

○松村委員 そういうのは使っていないわけですよね。

○小西委員 だから、難しいと思いますけれどもね。

○名古屋委員 日本ではなじまないですね。

○松村委員 だから、それをカスケードインパクターを 1 つの作業場で何十か所も取るというのはできないですよね。装置を全部持っていかなければいけないわけでしょう。

○名古屋委員 だから、先ほど言ったようにオープンフェイスして面速で決めてしまえば一番楽ですねという話です。

○松村委員 そうですよね。それで、オープンフェイスで面速で決めた場合に、どういう粒子が取れているという定義はできるのですか。

○名古屋委員  100 μ m50 %カットです。

○小西委員  PM100 というものです。

○櫻井座長 なっていればいいのですけれども。

○名古屋委員 そういうことです。

○名古屋委員  100 μ m50 %カットです。

○松村委員 なるほど。インハラブル粒子とそれより小さい粒子を含む全粒子ですね。

○名古屋委員 そうです。

○小西委員 ですから、カットをするということでも、そこに存在している粒子そのものの分粒ですよね。例えば 100 μ m を超える大きい粒子がたくさんある場合と、 100 μ m より小さい粒子がたくさんある場合とでは、違ってくるということ。例えば鋳物工場などですと粒子の大きいものが多いので、 PM7.07 だったものを PM4 に変えたときに、鋳物工場で管理区分が悪くなってしまった。評価が元へ戻ったということもあるのです。ですから、作業環境中に存在する粉じんの粒径によって管理濃度が決められると、管理区分は今まで一生懸命努力して 1 にしていたものが、また 2 になってしまったとかいうのは起こり得る。これは粉じんのところでそれが何回かあるのです。そういうことで、インハラブルと吸入性と両方、管理濃度を決めましたということになると、現場では両方測らなければいけないのですかという話が必ず出てくるのです。ただ、文章などだと、生産現場によってはインハラブル粒子を測ったほうがいい場合と吸入性で測ったほうがいい場合とがありますよということを書いていますよね。そうすると、自分たちでどちらかを判断して片方だけやるのか、あるいは必ず併行して両方測らなければいけないのかということによっても、全然違ってくるのではないかという気がするのです。

○櫻井座長 それが今日の最初の論点なのです。それで、先ほどのトータル粉じんとインハラブル粒子のポイントなのですが、例えばドイツの MAK 委員会などは、トータルと言っていたのを、この頃はソラシックに言い換えていますよね。それは分かりやすい。多分それが妥当なのですよ。今まで長く経験的にこれでいいだろうと思っていたのは、ソラシックを測っているのです。それは合理性があります。ここから上は余り測っていなかったのです。それでもよかった。ところが、ニッケルのように鼻のがんとかいうことがあって、やはりインハラブルも測らないといけないとなってきているわけです。 ACGIH なども、インハラブルがちょこちょこと出ているのは、ここから上のことを考えなければいけないということで追加されてきているのです。最初、トータルよりもインハラブルのほうが数値が大きいというのはおかしいなと素直に思っていましたが、実際はソラシックだから、それよりインハラブルのほうが数値が大きいのは当たり前なのです。

○名古屋委員 ただ、レスピコンではソラシックも測れるのですが、どこの国もソラシックを規定していないから、ソラシック濃度の規定が出ていないのです。

○櫻井座長 出ていない。

○名古屋委員 測るときにインハラブル、ソラシック、吸入性粉じんで測るのです。

○櫻井座長 本当はそれが一番理想なのですけれども。

○名古屋委員 そうやって測るというと、分粒するための粒度のコントロールが難しくて、日本ではなじまないのです、欧米でも。結果的には何をしているかというと、オープンでインハラブルを測り、吸入性粉じんを測るというやり方をして、ソラシックのデータが何もないのです。実際はそうなのだと思うのですが、やはり測定が難しい。

○櫻井座長 だんだんそっちへ行くかもしれませんが、今の段階ではレスピラブルとインハラブルと両方測定する。インハラブルのほうは、今の面速でコントロールできるわけですね。面速を上げるわけですよね。

○名古屋委員 そうですね。

○櫻井座長 今までのトータルと称していたものを測るよりも、面速を上げれば。

○名古屋委員 今回のもので見ると、どちらも 30 Lに近い値ですね。前の粉状のときは 20 L前後のところがインハラブルだったのですが、溶接のような浮遊しているものを見ると 28 とか、その近辺に答えが出てくるのだろうと思うのです。そうすると、今まで皆さんが測っている 30 Lぐらいが意外と良い値なのかもしれない。

○櫻井座長 だから、それをちゃんと出していただく必要があるのでしょうね、決めたら。

○木口環境改善室長 作業のやり方というか、溶接みたいな出方と、例えば本当に粉状として扱っているときの出方と。

○名古屋委員 だから、マンガンが、どういうところで使っているかですよね。溶接で出てくるのが一番多いと思うのです。あとは粉状で扱っている現場がどんなところかですよね。現場が違ったら浮遊しているマンガンの粒径も違うと思うので、そうした時溶接現場とそうでない現場で扱いを変えてもいいのかどうか、ちょっと分かりませんけれども。

○小西委員 ただ、溶接マンガンというと、溶接は別表 3 ですよね。

○名古屋委員 そうなのです。そこがある。そこをお願いしようと。

○小西委員 別表 3 ですから、溶接そのものは測定の義務は掛かっていないではないですか。その中のマンガンだけ相手にするのですかという話になってしまいますので。

○名古屋委員 そこは整合性をお願いします。

○小西委員 そこのところはみんなマスク着用になっています。溶接の場合は、通常の JIS などでもそうですが、粉じん計で測っても、測った濃度を 3 倍にしなさいと。要するに粒径の大きな粉じんが沈降してしまうので。ブドウの房みたいになって、どんどんくっついていってしまって沈降してしまいますから、濃度を低く評価する可能性があるので、通常測定したものを 3 倍として扱いなさいなどというのは、 JIS の中には、溶接のヒュームの測定法の中にはあります。

○名古屋委員 作業環境で報告書を見ると、やはり溶接現場の多くが第1管理区分なのです。でも、屋外ガイドラインに従ったばく露濃度を測ると、ほとんどが第 3 管理区分になってしまうのです。思っている以上に熱気流の影響は少ないのです。

○小西委員 溶接というのは、基本的には B 測定すれば、みんな第 3 管理区分になってしまうのです。

○名古屋委員 ばく露測定で、個人ばく露をどうするかといったときに、一番濃度を間違えて測定しているのは、作業環境の中では溶接ヒュームの測定なのです。ばく露を測らないと正しい評価は出ないと思います。そこで、ばく露濃度を測定して作業環境測定の補完をしましょうと報告書に書いてあるのです。

○櫻井座長 溶接の場合、シリカが入っていませんよね。だから、 3mg/m3 が管理濃度になってしまっているわけです。ところが、そのうち何パーセントかマンガンが入っている。その比率によって、もし 10 分の 1 でも 0.3mg ですね。今マンガンだけだったら 0.2mg にしています。溶接の場合、マンガンは必ず入っているものなのですか。

○名古屋委員 いや、要するに母材によって違いますから。

○櫻井座長 違うでしょう。入っている場合は、測らなければいけないと思いますけれどもね。

○名古屋委員 ただ、普通の溶接のときはマスクをするのですが、最近は局排装置が付いている箇所で溶接をする現場もあるのです。そうすると、そこのところは当然、測定義務が掛かるので測定をしなくてはいけないので、要するに特化則、粉じん則でも、それを確認しなさいとなっていますから測定をしなくてはいけない。それから溶接のところの中で溶接やっている人の所へ行ったときに、別表 3 になっているから測定しなくていいと言わないでくださいと言われているのです。なぜかと言うと、それは確かに粉じん則ではそうなっているけれども、たぶん 22 条を見ると、全体の作業者の安全を確保するために局排装置を置きなさいと。局排装置を置くということは、それを確認しなくてはいけないから、測定しなくてはいけませんよということで、意外と溶接のところは皆さん測定しているのです。今、小西さんが言われるようにやってみると、意外と 1 とか B 測定とかをやっても 1 2 が多いのは、溶接のヒュームの飛散の仕方が違って作業環境が合わない測定だねという話は、前から分かっているのです。

○櫻井座長 だから、実際は基本的には呼吸用保護具を使うしかないのではないか。

○小西委員 だから、それが別表 3 ですよね。

○櫻井座長 そこへ行くと思います。測定義務を掛けると、多分ほとんどみんなクリアできない。だから、掛けてもいいと思うのです。どうせ呼吸用保護具。

○名古屋委員 いや、できたら業界としては、電動ファンでいいですよと思っているわけです。

○櫻井座長 電動ファンでいいと思います。

○名古屋委員 いいと思っているわけです。ただ、それまでは通達には書けないので、溶接協会としては電動ファンを勧めているのです。電動ファンを使ってくださいと。

○櫻井座長 そのほうがいいと思いますよ。

○名古屋委員 ということは何かと言うと、我々は測定してみると、要するにフィットチェックを行っていて 0.3 ぐらいの漏れしかない人が、実際、現場で防じんマスクの中の粉じん濃度を測ると管理濃度の 3mg を幾らでも超えるのです。作業姿勢によって全く違うので、漏れる率の測定が余りあてにならないケースが多々あるのです。作業姿勢に関係なく、漏れる率が 40 %を超える人でも、普通の溶接していると、ばく露濃度、防じんマスク内の濃度は管理濃度の 3mg より低い作業者も多々います。要するに作業姿勢と溶接の発生濃度によって違うので、できたら溶接をかがんでする作業は電動ファンにしてほしいということで、今、溶接業界としてキャンペーンをしているのです。そのために、できたら粉じん則との併用からマンガンの濃度測定に測定義務を掛けてもいいですから、防じんマスクをして作業をしているところは外していいという形にしてほしいなというように、整合性を取ってほしいとお願いしているところです。

○小西委員 あとは鋳物工場ですよね。鋳物工場は鉄結合のマンガンを入れていますから。

○櫻井座長 それも相当な濃度になりますか。

○小西委員 私も大分前ですが、鋳物工場全域で粉じんとか、そこで入れている鉄結合のほかの重金属などの分布を、工場内でマンガンも含め全部やったことがあるのです。ただ、その当時の例えば許容濃度などで評価をしたものと、粉じんの管理濃度で評価したもので、一番厳しくなるのはどれかということでやりましたら、工場全域で測ったときに粉じんでやれば、全部その中で管理が含まれてしまうという結論が出たことがありました。ですから、本来例えばマンガンのほうで引っ掛かるのだったら、マンガンを測らなければいけないのですが、粉じんで引っ掛かったものは確実にマンガンも全部引っ掛かると。

○櫻井座長 それならいいのですけれどもね。

○小西委員 ですから、鋳物工場の場合は、粉じんで管理しておけば何とかなるのかなという感覚は、今でも持っているのですけれども。

○松村委員 それは工学対策で何とかなるのですか。工学対策では難しい。

○小西委員 そこは鉄を溶かすキューポラがあるのですが、強力なリングフードを付けて、発散しないようにという対策を取っていましたから。

○櫻井座長 でも、それは大分前の話でしょう。当時は、例えばマンガンの許容濃度などというのは 1mg とか 5mg 。だけど、今は 0.02 などという数字を考えているから、やはり過去の話。今だったらどうなるか分からないですよ。

○小西委員 逆に言うと、今だったらマンガンなども厳しくなってきているのですが、粉じんの場合は今の計算式ではなくて、シリカの濃度として考えて比較したほうがいいのかなという気もしているのです。シリカ濃度そのものを測ってやるといいのかなと。総粉じんでいくと、どうしてもシリカの堆積じんを使うことが多いので、空中のものとは変わってくる可能性があるのです。

○名古屋委員 多分、今回 4 月に粉じん則改正になっていると思うのです。鋳物工場の中でノロ取りをするために鉱物性粉じんを投入します。委託研究で 3 年間現場測定を行っていて、その濃度を全部測っているのですが、そのとき確かに濃度は濃いのですが、その作業に測定義務を掛けて測定ができるかというと、できないので、そこの作業だけは別表 3 にしてもらっているのです。要するに一瞬で終わってしまうのです。熱気流があるから投入した粉体が熱気流によって上昇してしまうので、それを測定できるかというと、それでできないので、だったら防じんマスクしましょうということで、別表 3 の作業になりました。ヒュームそのもの自体についても、今言われたように測ってみているのですが、粉じんの管理のほうがかなり厳しくて、鋳物屋さんでは金属そのもの自体を測っているのは余りないですね。もともと銅合金だって鉛がいっぱい出ているのに、余り言えないのですが、 LBC-3 は鉛を 10 %含有しているので鉛の測定義務が掛かっているのですよね。一方、 5 %鉛が入っている BC-6 は、鉛則に該当しないので、鉛を一番発生させているけど測定義務がないのです。

○櫻井座長 鋳物の場合、金属を測ってみないと分からないことが多いですね。

○名古屋委員 金属がいっぱい出てくるから、なかなか難しいと思うのですよね。

○寺島環境改善室長補佐 ちょっとずれるかもしれないのですが、特定化学物質障害予防規則と粉じん障害防止規則の今ほど先生方から出ていた話なのですが、法令通りの従来からの話で言えば、マンガン、ニッケル化合物、コバルトといったものについては、粉じん則の適用があって、例えば溶接のマスクなどが義務付けられているものであっても、だからといって特化物の適用が除外になることではなくて、特化物の局所排気装置であるとか測定といったものが現行法令では掛かってきます。第 3 管理区分の所には、評価された場合に「直ちに改善しなければならない」という条文がありますが、その後の所に呼吸用保護具を着用して作業させることとなっているので、もし仮に先生方の御懸念のところを何かしていくとすれば、特化物のそこの部分が実際のところ難しい作業があるのではないかという御議論になるのかなと思います。

○名古屋委員 それは RCF のときに、そう言われたのです。 RCF は当然、特化則ですよ。要するに粉じんと絡んでいが、扱う物が違うので、当然別々にやってくださいと言われた。マンガンについてもそうだと思っているのですが、同じ作業でもマンガンは RCF とちょっと違うので、できたら粉じん則との整合性を何か取ってくれると有り難いねというお願いなのです。特化則が掛かったら、特化則をやらなければいけないということはよく分かっているのです。でもマスクしているから、ちょっと法令的に整合性が取れると有り難いということを前からお願いしていて、そこは分かっています。大丈夫です。

 溶接業界も測ることは多分分かってくれているのだと思うのですが、マスクしているのに、電動ファンぐらい付けてもいいと思っているのに測らなければいけないのというところは、業界としてちょっと思っているということが本音だと思います。今回のマンガンのような機会がないと整合性がなかなか取れないので、どうしても法律の中で整合性が取れなかったらしょうがないことだと思うのですが、もし取れるのだったら、整合性が取れると有り難いねと。多分これが一番最初の特例、解釈事例になるのではないかと思うので、特にお願いしているところです。

○松村委員 そういう溶接や鋳物などという特殊な作業はまた別にしておいて、一般的に B 測定に相当する発生源のそばの測定と、 A 測定の等間隔の測定で基準やサンプリング方法を変えるということは可能でしょうか。

○名古屋委員 大丈夫だと思いますが。

○松村委員 発生源のそばは粒子の大きいものもあり得ると考えたら、 A 測定に相当するような作業場全体への拡散は、大きい粒子は沈降していると考えれば、普通のサンプリングでいいとか、そういうことはあり得ますか。

○名古屋委員 測り方というのは、溶接などでも、 B 測定を襟元で測るので、 B 測定にしてもらえれば何も問題ないと思います。ただ、 B 測定の測り方がなかなか溶接作業者の呼吸域に近付けないのです。溶接作業時に飛散する火花などが恐いから作業者の後ろで測定を行うのです。そうすると、本来の意味での B 測定と違う測定になっているので、 B 測定で管理区分 1 になるケースが多いのです。現場へ行くとみんなそういう測定なのです。だから、化学物質もそうで、 B 測定というものを、呼吸域の胸元にサンプラーを付けて、 15 分で測れる形の B 測定にすれば、問題なく B 測定の正しい値が出るのですが、 B 測定が作業者の邪魔になるのでなかなか作業者に近付いていけないときには、 B 測定が緩い測定になってしまいますよということです。だからやはり、作業と測り方と、迷惑するなど、そこの辺りの問題だけであって、本来の B 測定を測れれば、ちゃんとした評価は出るのではないかと思います。

○松村委員 でも、そういう作業については、 B 測定のスポットを変えなさいということは、現場の判断でそうしてもいいですよと言うことはできないのですか。

○名古屋委員 以前に日測協で環境測定士さんがやった研究機関における測定がありましたよね。あのときの B 測定のときには、ばく露濃度測定のところで襟元で測るようにしたほうが正しい評価をするということで、そういうふうにしたらどうでしょうかという。それを B 測定に変えたほうがいいのではないかという。作業者の後ろで測定していると、どうしても濃度の違いが出てくるので、という話は書いておきましたけれども。

○木口環境改善室長  B 測定でも襟元に付けるというと、ポンプや何やらもその人が背負うのか、置いておくのかという。

○名古屋委員 タイマーをかけて 15 分で切ればいいわけですよね。

○木口環境改善室長 タイマーはできるのですが、本来、定位置でやる場合には、それなりの吸引量のあるポンプで測れますけれども、身に付けてやる場合に、それが負荷になるのか、あるいは、個人ばく露で 8 時間測るわけではないので。

○名古屋委員 ちょっと忘れてしまったのですが、パッシブだと付けますよね。

○木口環境改善室長 はい。

○名古屋委員 それから B 測定をやって、 15 分になったら作業を止めてもらって外すという形の、定量でできたかどうかはちょっと分からないです。多分、そのときはポンプを付けたと思いましたが。今は小さいポンプが出来ているので、多分そこに付けて、スイッチを入れて作業してもらって、 15 分で測定してという形の B 測定をしたと思うのですが、ちょっとそこを覚えていないのです。

○櫻井座長  15 ページの一番下のポツですが、インハラブル粒子は「発散後すぐに空気中を落下することから、 A 測定による評価にはなじまない」と。そのとおりだと思います。だから、 A 測定だけだと過小評価になりますよね。すぐそばで作業をしていれば。だから、今のような B 測定をするのか、あるいは、個人ばく露の測定をするか、どちらかになりますね。

 それで、 IOM サンプラーは、それを個人ばく露の濃度でインハラブル粒子を測定するわけです。今考えたのですが、面速を上げて個人ばく露濃度というのはちょっと難しくないですか。

○名古屋委員 そんなことはないです。小さいもので測れます。今、オープンサンプラーに使用するフィルターのサイズは各種あるので、流量でなく、面速にした方が、サイズごとに流量を決めなくて良いので、粉状ニッケルも、だから面速にしているのです。吸入流量にすると大きいものと小さいものがあるので、面速にしたほうがいいですよという形になった。

○櫻井座長 だったら、ここに付けて測ったほうがいいですよね。

○名古屋委員 測れます。だから、先生が言われるように、吸入性粉じんについては A 測定、 B 測定なのですが、インハラブルについては A 測定と B 測定をやったら大変だから、 B 測定だけでいいですよというやり方はあると思うのです。

○櫻井座長 それはありますね。

○名古屋委員 インハラブルを A 測定だと全部測らなくてはいけないけれども、今の状況でいくと、やはりばく露を測ったほうがいいよと。インハラブルに関しては B 測定を測りなさい。 B 測定は作業中に最も濃度が高くなる時間帯を測るから、高いと思われる作業時に測定してみて、測定結果の高い値を取ればいいわけですから、 B 測定を測りなさいという言い方をすると現場の負担は軽くなりますねということだと思います。それはあると思います。

○菅野委員 全面型のサンプラーのようなもので、流量さえ調節すれば、インハラブルは取れるという結論は出ていないと思うのですが。ですから、小さくして、面速は大きくなりますが、そうしたらインハラブルになるかというと、現時点ではその保証は全くないと思います。

○櫻井座長 根拠はないですかね。

○名古屋委員 要するに、今やっている大きいものと小さなものを現場でやればいいわけでしょう。

○菅野委員 いろいろな大きさの粉じんを出して、粒径ごとに捕集効率を決めなくてはいけないわけですよね。ところが、大きいほうのものはすぐに落ちてしまいますので、出すのが難しくて、現実には決めるのは非常に困難だということなわけです。ですから、ある特定の粒径の粒子を出して、それの捕集効率が IOM と同じだったというだけでは、インハラブルサンプラーであるということにはならないと思います。

○櫻井座長 ならないです。

○松村委員 でも、落ちてしまって、呼吸域から外れてしまうものは測らなくてもいいのではないですか。だからなるべく呼吸域の近くでサンプリングをすれば、吸入量の代理というか、代表値にはなるのでは。

○菅野委員 ですから、インハラブルサンプラーはどこに付けても、実際には口というか、顔の周りのほうがいいでしょうけれども、それではインハラブルの確率で取れるということであって、付ける場所と確率は関係ないわけです。つまり、インハラブルは粒径で捕集効率ということがありますよね。

○松村委員 そうですね。

○菅野委員 あの確率になるようにサンプリングをしているということを言っているだけですので、もちろん、人の吸入ですから顔の周りのほうがいいとは思うのですが。

○松村委員 そんなに落下が速いのだったら、何も床面の近くの粒子を測る必要はないですよね。作業者の呼吸域の濃度を測るのですよね。もともと個人ばく露というのはそういう測定ですが。

○菅野委員 ですから、もともとは個人ばく露で。

○松村委員 現場で B 測定をどう測るかというのは、そのぐらいは現場の判断に任せられると本当はいいのですが。多分、アメリカだったらインダストリアルハイジニストが全部その辺りを決めてやるのだろうと思うのですが。

○小西委員  B 測定点で、今言われたように、現場で実際に作業をやっている所を本当は近くで取りたいのだけれども取れないというケースが、やはりたくさんあるわけです。そうすると離れた所になって、結局 B 測定の意味をなさなくなってしまうというのがあるので、その代わりに、いわゆる屋外測定のガイドラインに出ているように、個人サンプラーを使って、そこを測定点にしてしまうという考え方はあるわけです。既にもうそういう。

○松村委員 そうですね。

○小西委員 ですから、 8 時間などということではなくて、個人を測定点にして、そこにサンプラーを付けるという形で、呼吸域の所で、例えば IOM サンプラー、もちろんあれは個人サンプラーですから、逆に言うといいわけですよね。

○櫻井座長 うん。

○小西委員 それで、例えばそこで、吸入性の粉じんを測りたければ、それ用の、例えば分粒装置の付いた粉じん計をそこに付けてしまえばいいわけですから、そうすれば、そんなに大変なことではないと思いますけれどもね。

○松村委員 そうすると、それでポンプも体に付けるようなものがあるわけですね。

○小西委員 最後のほうにある測定法の検討のときも、流量が少なくても、これぐらいあればできるという中には入ると思うのです。実際の測定は。

 もう 1 つは、マンガンで定量下限の問題が出てくるのであれば、 B 測定は 10 分でいいですよと。継続した 10 分になっていますが、それは定量下限から計算して何分とやりなさいよということは既にあるわけですので。管理濃度を十分に測るためには 10 分ではできませんよというのもありますから、それはちゃんと定量下限を計算して、個人に付けるときには何分間と。

○櫻井座長 時間を延ばせばいいのですね。

○小西委員 流量から何分間測定するということを決めればいいのだろうと思うのです。ただ、それはどんな工夫をして個人のここに付けるかということだけだと思います。やるのだったら両方測らないといけないですよね。インハラブルだけではなくて。

○櫻井座長 両方ですね。

○小西委員 やろうと思えば、できないことはないと思います。

○名古屋委員 多分それはできるのですが、ただ、菅野さんが言われているのは、要するに、インハラブルを IOM で測っても駄目でしょうということなのでしょう。

○菅野委員 いや、実際には文献ではあのグラフとずれるというのもありますが、現時点では IOM か、 SKC のドームサンプラーですか、あの 2 つのみがインハラブルによく似ていると言われていて、インハラブルを測定するときに広く使われていますので、工場の調査した文献もそういうものを使っていると思うのです。そういうデータが載っているものについては。ですから、それによる以外に、つまり、あれとずれているにしても、そのずれ方が同じもので測らない限り、比較はできないということになるのではないでしょうか。

○名古屋委員 ということは、例えば IOM と同じサイズの小さなオープンフェイスで取って、結果的に同じ値が出たとしても、オープンで取っているものはインハラブルではないとしているわけですよね。

○菅野委員 インハラブルかどうか検証されていないというふうに申し上げましょうか。

○名古屋委員 ただ、一般的に IOM でやっているものと同等とは扱えないということの評価ですか。

○菅野委員 ですから、扱えるかどうかは検証されていないということ。

○名古屋委員 ということは、使えないということではないですか。

○菅野委員 いや、ですから、現実的にも使えないので。

○小西委員 だから、取れた量ではなくて、その面速を変えたときに。

○名古屋委員 粒径でしょう。

○小西委員 まず粒径の問題と、トータルの、例えばマンガン量が一緒になるかどうかですよ。

○名古屋委員 それは無理ではないですか。比重が全部違うのですから。飛んでいる粒径が全部違うのだから、もともと再現性のない実験ではないですか。粉じんもそうではないですか。

○小西委員 ただ、同じ所ですよ。個人ばく露として測った所で。

○名古屋委員 だから併行測定ですね。

○小西委員 併行測定をしてやってみないと、何とも言えないということだと思います。

○名古屋委員 だからと言って、では同じ粒径かというと違いますよね。

○菅野委員 同じ所に付けても、吸引速度が違うと、どうせ同じ値にはならないと思うのです。

○櫻井座長 面速が違いますからね。

○小西委員 もう 1 つ問題なのは、例えばヒュームなどを取るというふうに考えていくと、今まで金属の測定をしている所では、粉じん量の中に金属がどのぐらいあったかという感覚があるのです。粉じんの遊離ケイ酸と同じように、含有率が何パーセントぐらいあるなどというのは、現場で管理している人たちは、粉じん総量をやると何パーセントぐらい入っているからなどというのは分かりやすいのです。ですから、頭の中ではそういうものがあるものですから、いわゆる粉じん量として測れるフィルターを使って測定をしているわけです。

 ですが、合理的なことを言えば、例えばメンブランを使ってマンガンだけを分析測定をするなどという方向へいかないと、低濃度の所はできないと思うのです。その目的物質だけをきちんと分析すると。重さを測りませんよという形にしていかないと無理だろうなという気がします。

 ですから、粉じんについても、いずれはメンブランで取って、結晶質のシリカをちゃんと分析するというやり方に変わっていかざるを得ないのではないかという気がしているのです。どうしても、重さを測るというのは頭の中に、実際には現場の人は分かりやすいのですよね。

○櫻井座長 それはよく分かります。今までさんざん粉じん、粉じんと頭がいっぱいでね。

○小西委員 そうです。

○櫻井座長 事実、それ以外の粉じんが多い混合物であって、岩石系統の粉じんが多いようなものを扱っているけれども、その中に入っている金属。

○小西委員 そうですね。

○櫻井座長 考えをもう少し変えてもらって、本来はその金属をちゃんと別に測らなければいけないという方向へ持っていかないと。

○小西委員 そうすると、以前からヒュームに対しては、グラスファイバーのフィルターのようなフィルターだったら粒径の小さいものは抜けてしまうなどという問題は、昔から出たり入ったりしているわけですが、メンブランフィルターなどを使ったほうが、そういう問題はなくなっていくのではないかという気がします。ヒュームなどを取るときはメンブランのほうがいいような気はします。

○櫻井座長  IOM サンプラーは何に使っているのですか。

○中明委員 普通のフィルターです。

○小西委員 普通のフィルターですよね。

○名古屋委員 ガラスファイバーみたいので使っていますよね。

○松村委員  HEPA ということですか。 HEPA までいかない。

○名古屋委員 いいえ。

○松村委員 普通のね。

○小西委員 もともと IOM サンプラーというのは、粒径別の粉じんの濃度を測定するために最初に作られているので。

○櫻井座長 そうですね。

○小西委員 もともと粉じん用として作られてきているサンプラーですから。

○松村委員 逆に、小さいほうは抜けてしまうということですか。

○名古屋委員 あれは抜けませんよ。

○菅野委員 あれの場合、別にどのフィルターを使うかは大きな問題ではない。

○櫻井座長 面速ですよね。

○菅野委員 最後のところはフィルターが 100 %捕集するということでやっていますので。

○櫻井座長 そうですね。

○松村委員 だから 100 μ m50 %以下は、ほぼ全部取れると思っていいのでしょう。小さいほうも含めて。

○小西委員 基本的にはそうですね。

○松村委員 そうですよね。

○櫻井座長 いずれにしても完璧ということはないので、要するに、みんなが調べているものと同じサンプラーを使うべきなのです。国際的にたくさん使われているものと同じものを使うのが一番いいのです。データがそうなのだから。

○菅野委員 そうですよね。基になるデータがそうですから。

○櫻井座長 基になるデータがそれなのだから。

○名古屋委員 だから、吸入性粉じんは今までどおりに吸入性粉じんで測るのだけれども、ではインハラブルについては A 測定も大変だろうから、 IOM を使って B 測定だけでいいよという、話としては。

○櫻井座長 そのような気がします。

○名古屋委員 そうすると合いますよね。

○松村委員 だけど、実際には IOM サンプラーは何か入手も困難で使いにくいなどと、いろいろ出てくるではないですか。

○小西委員 入手が困難ではないのです。扱いが、周りの所に付着したものを全部落とさないと。

○松村委員 そうなのですか。

○小西委員 普通の粉じん測定とは違います。

○名古屋委員 こういうノズルが、口みたいな形のものが付いていますから。

○小西委員 そこを全部きれいに洗浄して、全部試料を一緒に合わせて分析しないと。結構小さいので、扱いが。

○名古屋委員 そう。厄介は厄介です。

○小西委員 今までの、ローボリュームサンプラーみたいなダイナミックなホルダーではないですから。

○松村委員 でも、それもまた問題ですよね。

○小西委員 アメリカ人や外国人が使っているのですから、手も大きな人がやっているわけですから大丈夫だと思います。

○菅野委員 問題ないです。

○松村委員 そうなのですか。

○菅野委員 そもそも酸に溶かすときに。

○松村委員 一緒に入れてもいい。

○菅野委員 かなり 50cc でも使えるから。

○小西委員 それは実際の操作上のことを。

○松村委員 日本で入手できるのですか。

○小西委員 はい。

○名古屋委員 すぐ買えます。

○松村委員 製造ができていないとか。

○小西委員 いやいや、日本でも販売していますから。ただ、余り今まで IOM のサンプラーというのは粉じんの分野では使われてきていないということ。

○名古屋委員 用途がなかったですからね。

○小西委員 日本は多段平行板式の分粒装置だったので、余りその用途はなかったということなのです。

○櫻井座長 日本独自のデータが、例えば健康影響のデータがあればいいのですが、データは外国のデータで。

○名古屋委員 そうですね。

○小西委員 逆に言うと、先ほど話に出たレスピコンというのは、欧州規格で作られたその 3 つを分粒する。あれは大きなポンプが要らないサンプラーだったので、個人サンプラー用ですから比較的流量が少なくて、小さいものだったのです。でもサンプラーを限定してしまうと、そういうものを持っている所が使えなくなってしまうのです。

○名古屋委員 今はもう売っていないです。

○菅野委員 あれは生産中止だと聞いています。レスピコンは生産中止になっている。

○小西委員 知っています。

○名古屋委員 それはもうなっています。私はたまたま、じん肺会議でポーランドに行ったときに、ドイツがレスピコンの発表して、その時に吸入性粉じんの定義をして、その定義がドイツ規格になり、最終的には欧州規格になって、世界規格になったのです。そのときにレスピコンを買って、それを使って慣性衝突型粉じん計 NW-254 型をメーカーと協力して作りましたから持っていますが、なかなか難しいですよ。扱いにくい。

○松村委員 だから、使えるものでどうやったらいいか考えましょう。そうでないと、ちょっと。

○名古屋委員 だから、今言ったように、吸入する分には何も問題ないのです。

○木口環境改善室長 分粒装置を付けて。

○名古屋委員 分粒装置を使えば。ただ、今はインハラブルを測らなくてはいけないというのが決まりになっているような話ですが、もしインハラブルを測るのだとしたら、 A 測定は多分、状況を余りきちんと把握していないから、インハラブルに限っては B 測定をしましょうと。ただ、 B 測定のときに。

○松村委員 それが分けてできるなら私も賛成です。

○名古屋委員 後々実験が出てきて、オープンで面速でも OK となるかどうか知りませんが。反対されていますが。もしそれが可能であったら、取りあえずは IOM で測ってやりましょうという形。

○松村委員 それで、 B 測定の中で現場の判断によっては、個人サンプリングもそれに相当すると。それがいい。

○名古屋委員  2 つやるのだと決まったら。

○櫻井座長  ACGIH では、このレスピラブルとインハラブル両方求めていますよね。

○松村委員 はい。

○櫻井座長 だけれども、結論の最後の所に、レスピラブルを測れと。それに加えて、インダストリアルハイジニストの判断で、必要に応じてインハラブルを測れと言っているのです。

○名古屋委員 ここで見る限り、みんな消化器系へ行って大丈夫だろうというのがほとんどですよね。

○櫻井座長 ただ、鼻から直接吸収されて、脳幹の嗅覚の中枢の濃度が一番高いというのです。蓄積している。

○名古屋委員 そうですね。そこが恐いですよね。

○櫻井座長 動物実験で、鼻の片方を塞いで吸わせると、それに相応した中枢の半分だけ高くなるということです。

○松村委員 すごいですね。

○菅野委員 では、やはり直接行っている。

○櫻井座長 直接行っているのです。

○名古屋委員 そこがやはり、この文章だけ見ていると大丈夫なのだけれども、それがあると、インハラブルを測るのかなと思ってしまう。

○櫻井座長 だから、そういうデータがあるから、人でもあると考えましょうと。

○松村委員 ただ、アメリカの法律の決まり方は、やはり余り細かく指定しないではないですか。現場のハイジニストの判断に任せるところがあるから。日本はそうはいかないので、細かく決めなければいけないのですよね。

○櫻井座長 だから、例えばレスピラブルで、それは義務として全員必ずやると。インハラブルは省略してもいいという形にすれば。

○松村委員 作業の種類によってはですね。だから、溶接や鋳物は別だけれども。

○櫻井座長 何回も測定して、安定していつも低かったら省略してもいいと。

○松村委員 余り発生源で作業がなければですね。

○櫻井座長 はい。むしろそういう所も多いのではないですか。

○松村委員 どうなのでしょうかね。

○櫻井座長 インハラブルの基準を決めて、それよりはるかに。

○小西委員 それは逆に言うと、外してもいい根拠として、今言われているようなサンプラーで測定しなければいけないのか、例えば粒径が分かる測定機で測ったときに、大きいものは余りないということが何らかの形で証明できれば外してもいいという形。

○櫻井座長 それもあり得るのですよね。

○名古屋委員 それは難しいのではないですか。例えば、木村先生がやったように、レスピラブル粉じんがあって、トータル粉じん分の幾つのときには大きい粉じんがあるという、その比がきちんと分かっていれば、そのことはできるけれども、今は総粉じんはやっていないではないですか。

○小西委員 ただ、逆に言うと、粉じんとして測定している多段分粒装置を付けた場合に、粒子の大きさによって分粒縞が出来るか出来ないかで、ある程度想像はつくのです。きれいに分粒縞が付くのと付かないのとで、粒子の大きさが本当に小さいものだけの場合と違うのです。鋳物工場など、ものすごくはっきり出ますよ。

 ですから、その方法がいいということではなくて、何らかの方法でそこのところの粒径の分布でインハラブルを測らなくても、吸入性だけでいいのだという何らかの形を、やはり考えておいてあげないといけないのだろうなという気がするのです。

○名古屋委員 でも、そのとき、縞というか、データですよね。

○大前委員 実際の吸入と、総粉じん、あるいはインハラブル、その実際の現場の比率はどのぐらいなのですか。一応、 ACGIH 1 5 とか、 1 10 などと書いてあるのですが、やはりこんな感じなのですか。

○櫻井座長 どうなのですかね。

○大前委員 というのは、多分、大きなサイズはみんな消化器系に回るのですが、消化器系からの吸収率は非常に小さいので、肺が 100 として、消化器系が例えば 5 だとしたら、それで 20 分の 1 ですよね。そうすると、例えば 20 1 ぐらいの比率だったらレスピラブルでこのぐらいにしておけば大丈夫ではないかという判断はできると思うのです。

○名古屋委員 先ほど先生が言われたように、消化器系を考えたら、私もそんなに要らないかと思っているのです。ただ、先生が言われたように、脳幹の所に直接行くというデータがあると、そこは恐いねということです。

○大前委員 脳幹のものはもっと小さい話で、実験をやられているのは、サイズがいわゆるナノなのです。だから、レスピラブルの中でどれぐらいナノが入っているかというのは、またちょっと別の話になってしまうのです。

○櫻井座長 ただ、マンガンでそういうデータが、ナノでなくても出ているのです。

○大前委員 動物実験はナノではなかったですか。

○櫻井座長 ナノではないです。

○大前委員 そうでしたか。あの鼻を塞いでいる実験はナノだったと。

○櫻井座長 ナノでしたか。

○大前委員 はい。ナノだったと記憶しているのですが。というのは、神経を通らなくてはいけないので、余り大きなものは通らない

○櫻井座長 それはそうですね。では、無視しますか。

○大前委員 鼻腔から神経が通っていて行く話と、レスピラブルはまたちょっと別な話になるので。だから、本当に神経を通っていくものを考えると、また全然話は別で、もっと細かいものを測らなくてはいけないではないかみたいな。

○櫻井座長 ただ、小さいものは、人の場合、余り鼻にくっつかないですよね。

○大前委員 くっつかないです。

○櫻井座長 それもあるので、やはり鼻からの吸収は多くないと考えてよいのかもしれませんね。ドイツの MAK 委員会も ACGIH も重く見ているのです。そこは少し重く見すぎている可能性はあると思います。

○大前委員 最近の動物実験のものは余り見ていないのですが、前に見たものだと、鼻腔にシュッと噴霧して、それでやったものだったのですが、そのときは嗅球までは行くけれども、嗅球から先は移動していないという、脳の中での移動です、それはないというような書き方がしてあったと思ったので、嗅球まで行って、その後はという感じがあったものですから、取りあえずはいいのかなという。

○櫻井座長 そうですか。正しいのかもしれない。ナノ粒子だったのかもしれませんね。

○中明委員 私も、どちらかと言えば個人サンプラーでやれよという派だったから、個人サンプラーにウエートがかかってくるのは当然だとは思っているのです。ただ、今、現実の問題と考えたときにどうかなと。余り細かくどうのこうのと決めて、実際の現場が動くかどうかというのは少し気になるのです。それが、どちらに行くのかは別として、ここで決めて、それでこちらも大丈夫ですかと言われたらきついかなということもあるのです。だから、ナノ粒子でうんぬんということでこの上に来るものは、当面しょうがないかなと私などは思うのです。入ってきてしまったもののほうを重点的に考えざるを得ないのかなと。

○櫻井座長 肺のほうを重点的にするというのは、そのとおりだと、誰も反対しないと思います。

○中明委員 だから、それでやってみるしかないような気もするのですが。

○櫻井座長 インハラブルは、では。

○中明委員 一応考えておくと。

○櫻井座長 一応考えるけれども、比重は小さいよということですね。

○中明委員 決め方としては、今どうのこうのということではなくてやったらどうですかということです。でも、そこもやはり、今後十分、状況を注意しておかなければいけないよみたいな。そういう決め方が本当にできるか。

○櫻井座長 管理濃度を、今回はレスピラブルだけでということですか。

○中明委員 まあ、当面ね。長い期間考えるのはね。

○菅野委員 ただ、 B 測定をインハラブルにするというお話だとすると、管理濃度を両方決めないと。

○名古屋委員 それはやらないです。

○菅野委員 やらないのですか。

○名古屋委員 インハラブルは測定しないよという話です。

○櫻井座長 やらないという御意見です。

○松村委員  B 測定はやらないのですか。

○名古屋委員 インハラブルは測定しないよという。吸入する分には全部、 A 測定、 B 測定やりますが、インハラブルは測定しませんよという。今は消化器系ばかりだからという形ですよね。それが一番だと思うのですが。

○櫻井座長 それでレスピラブルは大丈夫だけれども、それより大きいものは、かなり濃度が高いというような現場がたくさんあるかどうかですよね。

○菅野委員 それもあるのですよね。

○櫻井座長 もし、やたらにばく露しているような所があるのだったら、それはまた。

○菅野委員 それはまた考えなければいけない。

○櫻井座長 考えなければいけないのですが、その辺りの実態というのは何か見当がつかないものなのですかね。現に今、マンガンの測定は義務化されていますよね。どれぐらい。

○菅野委員 どれぐらいのデータがあるのでしたか。

○奥村化学物質対策課長 マンガンは健診対象事業場は 2,000

○櫻井座長 そんなにあるのですね。ただ、環境測定については、それ(労働衛生のしおり)には出ていないですよね。

○奥村化学物質対策課長 それには出ていないです。

○櫻井座長 だから、その中で、やはり場所によっては大きな粒子がたくさんあるという所もあると思うのです。

○菅野委員 あり得ると思います。ここには確か、比率が最大で 10 1 になっていましたが、多分、測定された所は両方ある所だと思いますので、圧倒的に大きいほうに偏っているとか、そういう所のデータが入っているかどうかは分からないと思うのです。

○小西委員 今までの測定は、吸入性と限定していませんから。

○櫻井座長 トータルの、通常の測定です。

○小西委員 何か分からないけれども、何となく入っているものがどれぐらいの濃度になっているかですよね。

○櫻井座長 そうです。それは一応、 0.2 でコントロールされているはずなのですよね。

○菅野委員 そうです。

○中明委員 それは昔のものでしょう。

○櫻井座長  0.2 というのは世界的に見て、結構低い濃度です。イギリスとフランスは現在まだ 0.5 1mg なのです。だから、それに比べれば 0.2 というのは随分厳しくコントロールしていたのです。ただ、最近、 EU の委員会( SCOEL )は 0.05 MAK 0.02 ACGIH と同様の数値を勧告しています。にもかかわらず、 EU 1 つの重要な国であるフランスは、確認してみましたが、まだ 1mg なのです。

○木口環境改善室長  1mg というのは吸入するとして。

○櫻井座長 トータルです。

○木口環境改善室長 これはトータルですよね。

○櫻井座長 はい。

○木口環境改善室長  EU 0.05 というのは吸入性。

○櫻井座長 吸入性です。それはもしかすると整合性はあるかもしれないです。トータルが。

○名古屋委員  4 倍だからね。

○櫻井座長 トータルが 1 で、 0.05 20 倍。だからやはり、 1 というのは高いですよね。

○中明委員  1 は高い。

○櫻井座長 はい。だから日本ではトータルで 0.2 ですよね。かなりいい線で頑張ってはきているのです。

○木口環境改善室長 これを例えば吸入性の 0.02 に切り換えとしたときに、その評価として厳しくなるのか、相対的にどうなるかという。

○櫻井座長 それは厳しさがどの程度かという。

○木口環境改善室長 というところが、まだデータがなくて。

○名古屋委員 大きい粒子がいっぱいあるところだったら比較的に有意かもしれないけれども、小さい粒子がいっぱいあるところだったらそれは厳しくなるのですね。

○中明委員 しょうがないね。そこら辺で、 0.2 ぐらいではないですか。

○櫻井座長 でも、データを見ると、 0.2 よりも低い濃度で何十年ばく露すると、いろいろ健康影響が起こっているのですね。そういう論文が結構重なっているから低いばく露限界値が ACGIH などで勧告されているので、そうだったら、低い濃度を採用して、呼吸用保護具を活用する。

○中明委員 ああ、そうか、それも手だね。

○小西委員 そういう規制の仕方ができるのですか。

○名古屋委員 インジウムはそうなっています。

○小西委員 インジウムはそうなの。

○櫻井座長 はい、なっています。

○名古屋委員 測定はマスクの選定のための測定ですから。

○櫻井座長 それでも環境はできるだけ下げて、その上呼吸用保護具を使う。

○松村委員 そうすると先ほどの話で、溶接とか鋳物のところのマスクに対する負担がというのか、期待がものすごく強くなりますね。

○櫻井座長 だから電動ファン付きになりますよね。あれはいいですね、最近は。

○名古屋委員 初期投資だけであとは教育も楽ですし、メンテナンスは多分あると思いますが。

○櫻井座長 吸入が楽だし。

○名古屋委員  1 回したらもう離せませんので。

○櫻井座長 離せないということですね。

○松村委員 でも、大体ルーズフィットでしょう、溶接で使っているのは、腰に箱の付いた。

○名古屋委員 いいえ、違います、半面も多いです。

○松村委員 ああ、半面もありますね。

○名古屋委員 ルーズフィットは、冬場は寒いからやらないのですよ。

○松村委員 ああ、そうかなるほどね。

○名古屋委員 夏は涼しいからやっていますけれども。あと止まったときに入ってくるので、なるべくはやはり半面体がいいという形になります。

○櫻井座長 これもかなり使っているでしょ。

○名古屋委員 はい、使っています。

○櫻井座長 初期投資になるのですね。

○名古屋委員 事業主の初期投資だけで、そこの問題だけですよね。

○櫻井座長  1 つ何万円になりますか。

○名古屋委員 今、 2 万か 3 万か、それぐらいだと。

○松村委員 エアラインでもいいのですね、溶接する場所が固定していれば、上からぶら下げてきて。

○名古屋委員 エアラインは作業が危なくて、天井にいっぱいになるから、エアラインは駄目ですよ。

○松村委員 駄目ですか。

○名古屋委員 ホースが付いているのでも嫌なので、やはり半面体です。トンネルもそうでしたから。誰も使ってもらえなかったと。要するに後ろにホースがあると邪魔になるし、バッテリーのここの線があるだけでも駄目で。

○櫻井座長 この頃はこの中に入ってしまっているのですか。

○名古屋委員 もう全部、リチウム電池はここに入っています。

○小西委員 私はよく使っていますけれど、楽ですね。全面体と半面体と、普通のこんな所は別に半面体でいいわけですから。

○櫻井座長 これでいいわけですよね。

○小西委員 そうです。

○中明委員 全体的にはやはり、作業環境測定法絡みの管理の問題でいくと、そろそろ今まで踏襲してきたことを、本当にこれでいいのかどうか少しチェックする必要があるのかなと思っています。どんどん新しい技術とか入ってきているわけですから、それに対応したものを、行政できちんと考えて、どういう方向がいいのか、少し頭に入れて、なるべく早い時期に変えていくことが求められるのではないかと。

○小西委員 これと同じことが、ほかのものでもまた出てくる可能性があるので、やはりきちんとどういう考え方を作っていかなければいけないと思います。

○中明委員 出てくるからね。私はどちらかというと、金属などはそれこそ粒子でトータルでボーッと集めて、それの量が多いか少ないかで、いちいち吸入性とかインハラブルとかそういう分け方はしてこなかったのです。だからそういう段階に入ってきたわけだから、それはそれなりに全体的な対応が、行政としてこういう方向でというのを出していかないと、きついのではないかと。環境管理の面からすると、やはり大事です。

 それと、本来働いている人のことだから、個人から見たのも、必要なところには入れていくというようなことが必要になってくるのではないかと思います。

○松村委員 その溶接作業場のような所は、全体の管理はするわけでしょう。 A 測定で一応、管理濃度以下に保てるように。発生源対策はもうしないで、個人用保護具に任せるということ。

○名古屋委員 発生源対策はできないから。溶接作業ではできない。

○松村委員 できないですね、どっちにしてもそうですよね。

○名古屋委員 欧米はほとんどヒュームトーチを使ってやっているのですが、日本はヒュームトーチを使わないのですよ。使わないので、結果的には局所排気装置と粉じん則でいった場合、(制御風速が) 1 mです。 0.2 m以上、 0.5 m以上になると溶接不良を起こす形で、それで局所排気装置がを付けられないから、別表 3 になっているわけです。ヒュームトーチもやはり嫌なのです。

○小西委員 それでなければ、溶接作業場はまとまって、形としてきちんとあるところについては、プッシュプルを使いましょうとかというのが出てくるのでしょう。プッシュプル一様流で取りましょうと。

○名古屋委員 それは 0.2 ですから、最低 0.2 ですから。

○櫻井座長 プッシュプルなら何とかやっていけますね。

○名古屋委員 ただ、プッシュプルも病理検査のような作業範囲が短い所は、いいのですが、プッシュ面とプル面の距離が遠くなってくると捕捉面のスピードではなくて、流量比の問題になっているのです。要するに噴き出しと吸い込みの流量比になってくると、今は一般的に補足面のスピードは約 0.5m ぐらいでやっているのですよ。そうしないと、大きい所は何メーターも離れているとなかなかできないのです。そうするとその技術が難しくて、多くの場合は、上から吹き出す下方流の形になるのです。初期投資はものすごく高いですから。

○櫻井座長 高いですよね。

○名古屋委員 装置の大きさにもよりますが、溶接現場で 5 ラインの下方流型のプッシュプルでやって、 6 千万とか 7 千万ぐらいかかります。やはり難しいですから。確かに溶接不良は起こさないし、いいことはいいのですけれども、メンテナンスが高いですから、思っているより普及していなくて、一番は解剖室とか、病理検査などの小さいので、やりやすいのでやりましょうというのが実情だと思います。我々現場に行って見ていると。

○櫻井座長 そうすると論点ですが、上から、管理濃度、両方の管理濃度を定めるべきかということで、吸入性粒子は肺から、インハラブル粒子は鼻腔から喉までの粘膜及び消化器から、それぞれ吸収する。これはそのとおりですね。

 疫学調査の結果から、鼻腔、消化器系を通じた吸収と、肺からの吸収のどちらの寄与が大きいかを考慮すればよいのではないか。これはどちらを大きいと言うならば、肺からのほうが圧倒的に大きい。

○松村委員 肺からです。

○名古屋委員 そういうことです。

○櫻井座長 ただ、鼻腔辺りは無視できるかどうかは、ちょっとこれからの議論ですね。

○名古屋委員 そこなのです。

○櫻井座長  3 番目、やはり肺からの吸収のほうが主と考えられるので、吸入性粒子の測定を基本とすべきではないか。これはそのとおりでよろしいですね。

○松村委員 はい。

○櫻井座長 マンガンに関しては現在の調査研究の結果から、吸入性とインハラブルのどちらかに限定することは困難ではないか。両方の臓器を管理の対象とするのであれば、両方の管理濃度を定める必要があるのではないか。これはどちらかに限定する、本当に限定してしまうのか。当面限定してちょっと先に延ばすのか、今、両方決めるのか、どちらかですね。

○大前委員 これはターゲットが神経を考えていますよね。

○櫻井座長 そうです。

○大前委員 神経の場合だと、肺から入ろうが消化管から入ろうが、それで入ってしまうわけなので、だから 3 番の所は肺の吸収が主だと考えるのだったら、吸入性でいいということになりませんか。

○櫻井座長 吸入性がメインだから。

○大前委員 はい。

○櫻井座長 消化管からの吸収はコントロールされているのですね。

○大前委員 コントロールされていますし。

○櫻井座長 それと、鼻腔は。

○大前委員 それはちょっとまた別のというか。

○櫻井座長 過重に評価しているという感覚ですね。

○大前委員 ええ、はい。

○櫻井座長  ACGIH とか。 MAK もそうなのですが。そういう感じがしますね。

○大前委員 もう少し証拠がきちんと出てこないと、言いようがないということだと思います。

○中明委員 可能性としては全くないわけではないので、まだファクトとしては余り出てきてないようなので。

○櫻井座長 そうすると、吸入性粒子だけで当面いきますか。

○中明委員 はい、当面。

○大前委員 いいと思うのです。皆さんのお話を聞いていると、そんな大きな粉じんだけがある職場はなさそうなお話でしたので。例えば電池屋さんは、二酸化マンガンですが、電池屋さんは今、日本ないですよね。乾電池屋さん。

○名古屋委員 粉状ニッケルのところが燃料電池で使うので、粉状ニッケルが規制掛かったのです。

○大前委員 マンガンが。

○木口環境改善室長 ニッケルがです。

○名古屋委員 マンガンはないです。

○大前委員 もう日本では電池は作ってないですよね。マンガン電池。そうすると、あるかどうか。

○名古屋委員 今は分からないです。

○中明委員 まだあるのではないですか。

○木口環境改善室長 関係する業界団体に聞いてみましょう。

○櫻井座長 基本的には、今のような基本でいって、ちょっと調査していただきましょうか。

○木口環境改善室長 はい。

○櫻井座長 大きい粒子がメインで、相当ばく露している可能性があるような所があるかどうかですね。

○木口環境改善室長 あるかどうかですね、はい、分かりました。

○櫻井座長 そうすると作業環境測定の結果のデータは入手可能ですか。測定協会に聞いてみますか。

○小西委員 前のデータだと精度管理のときに全部データを集めていますので、毎年。それはちょっと古いかもしれないけれど、その中でどれぐらいの濃度だったかというのは、出ていれば調べられるので見てあげますけれど。

○名古屋委員  10 年ぐらい前だったですよね。

○小西委員 そうですね。

○中明委員 最近はやっているの。

○名古屋委員 やってないような気がします。

○小西委員 毎年調べていたのです。

○名古屋委員 精度管理やっていたときはありましたよ。

○小西委員 結構役に立ったのです。幾つにしたら管理区分はどうかとか、すぐ計算できたのです。

○名古屋委員 今はやってないだろうな。

○櫻井座長 基本的にはレスピラブルを中心とするということで、当面。今日はあと 15 分しかありませんので。

○木口環境改善室長 では、関連する情報を集めまして。

○櫻井座長 調査の結果を見て、次回最終決定をするという方向で。

○木口環境改善室長 はい、ありがとうございます。それと先ほど御指摘がありましたが、設備だけではなくてマスクでもよいとするとか、インジウム方式。それから環境濃度を測って、適切な保護具を使うという選択肢なども含めて、どういう対策と結び付けていくかという考え方も含めて整理をいたしたいと思います。

○櫻井座長 そうですね。それで 5 つ目のポツで、いずれか一方のみの粒径の粒子の管理濃度を定める。管理濃度を定められていない粒径の粒子の割合が高い作業である場合、当該粒子を過小評価する可能性があるのではないか。これは、可能性はあるでしょうね。余りないかもしれないけれども。これはちょっと留保しておくということですね。

2 番目の、吸入性粒子及びインハラブル粒子の両方の管理濃度を定める場合。定めるとしたら、必要ならば定めるけれども、ここはまだ、今はよろしいでしょうか。吸入性粒子とインハラブル粒子を分けてサンプリング。

○小西委員 それは大前先生が言われたとおりで、大体本当にどれぐらいの割合になっているのかというデータが何もないから、それが少し分かってこないとあれですね。

○木口環境改善室長 はい。

○櫻井座長 そうですね。ここは分かってからということで。

○木口環境改善室長 はい。

○櫻井座長  5 番目のインハラブル粒子、これはもし測定する必要があるならば、いろいろな。

○名古屋委員  B 測定とか。

○櫻井座長 個人サンプルとか B 測定などになりますので、次回に回すということで。

3 番目の技術的な課題。 1 つのサンプラーで吸入性粒子とインハラブル粒子の両方を試料採取できることが望ましいかどうか。

○木口環境改善室長 これは両方白紙。

○櫻井座長 余り要らないですね。それからインハラブル粒子を定点で測定する。これは次回に回す。

○木口環境改善室長 はい。

○櫻井座長 個人ばく露用サンプラーである IOM サンプラー、これも次回に。

○木口環境改善室長 はい。

○櫻井座長 それから、これまでの試料採取方法では粒径を限定していないため、総粉じんといっても実際に捕集される粒径は異なっている、これはそのとおり、今日議論したとおりですね。

 ろ過捕集で面速によって捕集される粉状の粒径が異なるので、標準的なサンプリング方法を定めることは可能か。

○木口環境改善室長 分粒装置を付けて測れば。

○櫻井座長 ですよね、それはいいのですね。

○名古屋委員 吸入性については、問題ない。

○櫻井座長 全く問題ないですね。

○木口環境改善室長 では、 3 番はインハラブル粒子の話なので。

○櫻井座長 絡みの話ですね。

○名古屋委員 できたら、 IOM と個人ばく露のほうの、粉じんニッケルがあったので、一応実験はしておきます。

○奥村化学物質対策課長 ニッケルのときには面速だけで一定になったのですね。

○名古屋委員 今回も面速ですよ。

○奥村化学物質対策課長 ええ、同等でやれという。

○名古屋委員 マンガンについても IOM と同等のものでやって。

○奥村化学物質対策課長 みなしでやって。

○名古屋委員 溶接現場に行ったりとかしてみて、同等な濃度が出るか見ますよという。それは否定されれば別かもしれませんが、研究は研究でやっていたほうがいいのかなと思っていますので。

○櫻井座長  1 つ重要な課題は、資料 1-4 の管理濃度案の数値をどうするかということです。

○木口環境改善室長 吸入性を採用して。

○櫻井座長 吸入性を採用する。

○木口環境改善室長 そして、 ACGIH の値か。

○櫻井座長  ACGIH 0.02 、あるいはスコーエルの 0.05 を、あるいはその中間の 0.03 というか。これは今日はどんなものですかね。

○名古屋委員 これはいつも先生方がやられているように、大前先生と櫻井先生が疫学調査を見ていて、どちらのデータが新しくて正しいかということで判断されることではないかなと思います。 RGF のときも欧州等を見たときに、本当は 0.2 だったけれども、新しいのを見たら 0.3 がよかったということで、先生方が採用してくれたので、先生方が疫学調査でどれが信ぴょう性があって、これはいいねという形でいつも決められているので、その流れでいったほうがいいのではないでしょうか。

○櫻井座長 現在までの疫学データを丁寧に評価するということですね。

○名古屋委員 申し訳ないです。結果的にはそこのところで判断されて。結果的にはその根拠を書いて決めますので、そこではないかと思います。

○小西委員 現行の測定法で検討されたものについては十分いけるとなっていますから。

○名古屋委員 そういうことです。

○小西委員 なっていますからね。

○名古屋委員 どちらになっても分析は大丈夫ですよと。

○木口環境改善室長 はい、分析は小さいほうで検証していただきますので、大丈夫です。

○名古屋委員 それは分かっていますので、大丈夫です。

○櫻井座長 決まった数字を抑制濃度にすると、そういうことでいいわけですね。

○名古屋委員 それで大丈夫です。

○櫻井座長 あと数値は次回までに宿題とさせていただきます。

○木口環境改善室長 はい。

○櫻井座長 でも、先生方にも考えていただきまして。では、これであとは今後の予定です。

○寺島環境改善室長補佐 資料 1-5 21 ページです。

○櫻井座長  21 ページですね。

○寺島環境改善室長補佐 裏側の 22 ページを御覧ください。本日の検討の結果もございまして、次回は平成 29 年度第 2 回です。予定としてはこの秋、第 3 から第 4 四半期に、今回のマンガンの続きと、それからリスク評価の関係などで新たに測定が義務付けられる化学物質がもし出てくるようであれば、こちらの管理濃度の検討ということをお願いしたいと考えております。また別途、日程調整させていただきますのでよろしくお願いいたします。

○櫻井座長 ということで、大分先になりますけれども、次回またよろしくお願いいたします。今日はどうもありがとうございました。

○寺島環境改善室長補佐 ありがとうございました。

○木口環境改善室長 ありがとうございました。

 

(事務局補足)会議後、委員から以下の補足がありました。

粉じん計には製造時にメーカーが基準粒子で較正した時の1 CPM 1 カウント)当たりの mg/m3 に換算する数値(感度係数)が示されている。 LD-2 の換算値は 0.01 mg/m3 である。換気のガイドラインに基づく測定での質量濃度変換係数( K 値)として2が採用されており、仮にトンネル内の測定で LD-2 1CPM であった場合は 1 × 0.01 × 2 0.02 mg/m3 が測定値となり、十分使用可能と言える。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働基準局が実施する検討会等> 平成29年度管理濃度等検討会> 平成29年度第1回管理濃度等検討会議事録(2017年5月23日)

ページの先頭へ戻る