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2017年3月1日 薬事・食品衛生審議会 血液事業部会 議事録
○日時
平成29年3月1日(水)17:00~
○場所
厚生労働省専用第22会議室
○出席者
出席委員(18名)五十音順
稲 田 英 一、 薄 井 紀 子、 大 平 勝 美、 岡 田 義 昭、 |
小 幡 純 子、 倉 根 一 郎、 鈴 木 邦 彦、 千 堂 年 昭、 |
田野崎 隆二、 長 村 登紀子、 花 井 十 伍、○濱 口 功、 |
◎半 田 誠、 前 野 一 雄、 溝 上 雅 史、 三 村 優美子、 |
室 井 一 男、 山 口 照 英 |
(注)◎部会長 ○部会長代理 |
欠席委員(4名)五十音順
衞 藤 隆、 大 戸 斉、 益 子 邦 洋、 松 下 正 |
日本赤十字社
佐竹経営会議委員、井上経営企画部次長、旗持供給管理課長 |
行政機関出席者
一 瀬 篤(血液対策課長) 他 |
○議事
○一瀬血液対策課長 定刻となりましたので、ただいまから「平成28年度第3回薬事・食品衛生審議会血液事業部会」を開催いたします。
なお、会議は公開で行うこととなっておりますのでよろしくお願いいたします。
本日は、委員の改選後、初めての会議となります。委員の改選に伴いまして、本年1月27日に開催されました薬事・食品衛生審議会薬事分科会におきまして各部会長の選出が行われ、血液事業部会は引き続き半田誠委員に部会長をお願いすることになりましたので御報告いたします。
また、委員の交代がございましたので御報告いたします。
嶋委員、三谷委員が退任され、新たに東京慈恵会医科大学教授、同附属第三病院輸血部診療部長の薄井紀子委員、名古屋大学医学部附属病院輸血部教授の松下正委員に御就任いただいています。
次に、委員の出欠状況を御報告いたします。
本日は、衛藤委員、大戸委員、益子委員、松下委員から欠席との御連絡をいただいています。
また、大平委員、倉根委員、鈴木委員、花井委員におかれましては、所用により到着がおくれるとの御連絡をいただいています。
現在、専門委員を除く全委員21名中13名の出席をいただき、定足数に達していますので、薬事・食品衛生審議会令第9条により、本部会が成立しますことを御報告申し上げます。
また、本日は日本赤十字社血液事業本部から佐竹経営会議委員、井上経営企画部次長、簱持経営企画部供給管理課長に御出席いただいています。
まず、改選後、最初の血液事業部会ですので、特に御留意いただきたい事項などにつきまして担当者から御説明申し上げます。
○事務局 では、改選後最初の部会でございますので、私の方で御説明させていただきます。
それでは、本部会への御参加に当たっての留意事項を3点ほど、改めて御説明させていただきます。
第1に、守秘義務の関係でございます。国家公務員法第100条におきましては、「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする。」と規定されております。委員、臨時委員、専門委員は非常勤の国家公務員であり、この規定の適用を受けますので、職務上知り得た秘密につきまして漏らすことのないようお願いいたします。
続いて、第2に薬事に関する企業等との関係でございます。お手元に当日配布資料1「薬事分科会規程」、当日配布資料2「薬事分科会における確認事項」をお配りしております。
当日配布資料1「薬事分科会規程」の6ページをごらんください。第11条におきまして「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。」と規定されております。審議の中立性・公平性を確保する観点から規定されておりますので、これらに該当する場合、また、任期中に該当することとなる場合には、速やかに事務局まで御連絡いただきますようお願いいたします。
第3に、薬事分科会の審議事項でございます。1枚戻っていただいて、5ページをごらんください。第7条におきまして、「部会における決定事項のうち、比較的容易なものとして分科会があらかじめ定める事項に該当するものについては、分科会長の同意を得て、当該部会の議決をもって分科会の議決とする。ただし、当該部会において、特に慎重な審議を必要とする事項であるとの決定がなされた場合はこの限りではない。」と定めております。
このただし書きにありますように、「部会において特に慎重な審議を必要とする事項である」と決定された場合には、分科会において御審議をお願いすることとなります。
続いて、当日配布資料2「薬事分科会における確認事項」の3ページをごらんください。二つ目の「○」で、「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律に基づき審議会に諮問するものの取扱い」として、本部会に諮問を行うものの取り扱いについて定めております。
委員の皆様におかれましては、このような規定を御承知の上、御審議いただきますようお願いいたします。以上でございます。
○一瀬血液対策課長 議事に入る前に、「薬事分科会審議参加規程」に基づいて、利益相反につきまして報告いたします。
議題1及び2に関しましては松下委員、室井委員から、議題3に関しましては稲田委員、薄井委員、千堂委員、松下委員、室井委員から、議題4に関しましては千堂委員、松下委員、室井委員から、関連企業より50万円超500万円以下の寄附金・契約金等の受け取りの申告がなされています。
お名前を申し上げました委員におかれましては、それぞれの議題において意見を述べていただくことは可能ですが、議決には加わらないこととさせていただきます。
ほかの委員につきましては、対象年度における寄附金・契約金等の受け取りの実績なし、または50万円以下の受け取りでありますことから、特段の措置はありません。
これらの申告につきましては、厚生労働省のウエブサイトで公開させていただきます。
カメラの頭撮りは、ここまでといたします。
この後の進行につきましては、半田部会長からお願いいたします。
○半田部会長 皆様、こんにちは。半田でございます。今、御紹介にありましたように、私が引き続いて部会長を務めさせていただきますので、今後ともどうかよろしくお願いいたします。
先ほど、委員の改選があったということで、ここで改めて、また薬事・食品衛生審議会令第7条第5項の規定によりまして、私が部会長の代理を指名することとしたいと思います。私としましては、引き続き濱口委員にお願いしたいと思いますが、皆様いかがでしょうか。
(拍手起こる)
○半田部会長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。
では、濱口委員、どうぞこちらに。
(濱口委員 部会長代理席へ移動)
○半田部会長 それでは、まず最初に事務局からお手元の資料について確認をお願いしたいと思います。
○一瀬血液対策課長 それでは、お手元の資料の御確認をお願いいたします。
まず1枚目は、議事次第。
続きまして、座席表。
その次に、委員名簿がございます。
議題1関連としまして、資料1-1は「平成29年度の献血の推進に関する計画(案)について」。
資料1-2、「平成29年度の献血の推進に関する計画(案)に対するについて」。
続きまして、資料2の関連としまして「平成29年度の献血の受け入れに関する計画(案)について」。
その次が、議題3関連としまして、資料3-1で「平成29年度の血液製剤の安定供給に関する計画(案)について」。
資料3-2、「平成29年度の血液製剤の安定供給に関する計画(案)に対する意見募集結果について」。
議題4関連としまして資料4-1、「血液製剤の使用指針(案)について」。
資料4-2、「血液製剤の使用指針(案)に対する意見募集結果について」。
右肩に当日配布資料として先ほど用いました配布資料1、「薬事分科会規程」。
当日配布資料2、「薬事分科会における確認事項」となっています。
資料の確認は以上です。不足などございましたら、事務局までお申しつけください。
○半田部会長 大丈夫でしょうか。
それでは、早速議題1に入りたいと思います。議題1は、「平成29年度の献血の推進に関する計画(案)について」です。これは、血液法の規定によりまして、この計画の策定に当たっては厚生労働大臣の諮問を受けて当部会で審議し、答申することとされているものです。
委員の皆様には、昨年の12月の前回の第2回の部会において御議論いただいたところですが、その後、パブリックコメントの募集が行われ、意見が提出されております。したがって、本日改めてこの場で皆様の御意見を伺って部会としての意見をまとめ、答申したいと思います。
それでは、事務局から資料について説明をお願いいたします。
○事務局 では、議題1、資料1-1、「平成29年度の献血の推進に関する計画(案)について」を御説明します。
1枚おめくりいただいて1ページですが、献血推進計画を定めるに当たっては血液法第10条第3項の規定により、薬事・食品衛生審議会の御意見を聞くこととされておりますので、厚生労働大臣から審議会会長への諮問書を添付しています。
2ページ以降が、平成29年度献血推進計画(案)です。この推進計画(案)は、本日の部会で御了解いただいた後、薬事分科会に報告させていただき、その後、告示することになります。先ほど部会長から説明していただいたとおり、昨年12月21日に開催された前回の血液事業部会で一度御審議いただき、その後、後ほど御紹介しますパブリックコメントを30日間実施しました。このパブコメを踏まえた形式的な修正はありますが、12月に御審議いただいたものから内容変更を伴う修正箇所はありません。それを踏まえ、本日改めて全体の御審議をいただければと思います。
前回も御説明をさせていただいておりますが、平成28年度、昨年度の献血推進計画との主な変更箇所について改めて御説明させていただきます。説明は新旧対照表を用いたいと思いますので、御面倒でも11ページをごらんください。基本的には、昨年度の計画から大幅な内容変更を伴う改正はなく、数字のリバイス、文脈、文言の整理といった内容となっています。
まず、右下のページ数で申し上げますと、11ページの第1節「平成29年度に献血により確保すべき血液の目標量」についてですが、平成29年度に必要と見込まれる輸血用血液製剤の数量が記載されています。各都道府県に調査を実施して来年度の需要を予測したものであり、前回の部会ではペンディングとなっていたものです。
具体的には、29年度に必要な赤血球製剤が51万Lで前年度から1万Lの減、続いて血漿製剤が27万Lで前年度と同じ、血小板製剤が17万Lで、これも前年度と同じです。
続いて、二つ目の「・」で、原料血漿として確保する目標量をこれに加えると、全血採血では134万Lで前年度から4万Lの減、成分採血では61万Lで前年度から2万Lの減、合計195万Lで前年度から6万Lの減となります。
これは、一人当たりの献血量を400ml、0.4Lと仮定すると、約15万人分の献血に相当します。したがって、平成28年度との比較においては、前年度の献血者よりも15万人少なくても必要な量が確保できるという計算になります。
続いて、1枚めくっていただいて13ページの「(削除)」となっている箇所ですが、献血制限の見直し及び採血基準の改正の周知については、施行された当初から5年以上の時間が経過し、その役目は終えていると考えておりますので、来年度の献血推進計画からは削除しました。
次に、15ページから16ページにかけてですが、献血セミナーの定義の記載に着目し、文脈から前後を入れかえております。
次に、16ページの「(削除)」となっている箇所ですが、28年度の計画では「50歳から60歳代を対象とした対策」がありました。この推進計画の制定当初から年代がシフトして、現在の50代は比較的献血率が高い傾向となっており、また、年齢の上限が上がったとする採血基準の改正も制定当初から時間が経過しておりますので削除いたしました。
次に、17ページの「丸3献血推進中央連絡協議会の開催」の箇所ですが、これは同協議会の設置要綱に合わせて都道府県献血推進協議会を追記いたしました。
次に、少し飛んで22ページの「(削除)」となっている箇所と、その下の文章については東日本大震災を受けての記載となっておりますが、これまで説明した削除する記載と同様に削除することとしました。
もちろん、削除したからと言って前回も申し上げたとおり、災害時の対応の例示として記載された東日本大震災震災を忘れてよいということではなく、一般的な災害時等の対策として生き続けているものと考えております。
それ以外の箇所については、文脈、文言の整理となっております。
献血推進計画については、以上となります。
引き続いて資料1-2ですが、献血推進計画(案)に関するパブリックコメントの結果についてです。1枚紙です。
行政手続法に基づき、意見募集として本年1月24日~2月22日の30日間、献血推進計画(案)に関する御意見を募集しましたところ、2名の方から御意見をいただいております。お寄せいただいた御意見と、それに対する回答は、めくっていただいた次のページに記載しております。
なお、いただいた御意見のうち、献血推進計画(案)に関する御意見のみを記載しました。
なお、回答については電子政府の総合窓口にて追って公開します。
では、番号1の御意見についてですが、記載のとおりの御意見をいただきました。御意見に対する考え方は、右側の回答欄にありますように、丸1と丸3については御指摘のとおり修正する旨、丸2の献血推進本部設置要綱については現在も有効である旨を回答する予定です。
なお、この資料に6ページとあるのは献血推進計画本体のページ数です。資料1-1の右下のページでは9ページ、先ほど使わせていただいた新旧対照表では21ページになります。
最後になりますが、先ほどの資料1-1に今回は参考資料を多数つけさせていただきました。これまでこの血液事業部会では、時間の制約もあって最低限の資料しか提示してこなかったことにつき、おわび申し上げます。いずれも、追加した資料は昨年12月に開催された献血推進調査会において提示した資料ですが、今回の献血推進計画を御議論いただく際の参考としてくださいますと幸いです。
以下、簡単ではありますが、参考資料を紹介させていただきます。
まず、参考資料1、参考資料2の献血者数、献血率の推移ですが、24ページになります。これは毎年提示させていただいているものであり、前回の部会でも提示させていただきました。このグラフを見ると、毎年献血者数が減少していることから御心配なさることもやむを得ないと思います。
しかしながら、直ちに危機的な状況が起こるわけではございません。まずは、高齢化が進んでいるにもかかわらず、ここ数年は輸血用血液製剤の供給量自体は減少しているようです。これは、内視鏡手術や腹腔鏡手術等の普及と術者の技術向上、また、ダヴィンチのような手術用医療機器の普及により、手術時の出血が抑えられている症例がふえてきていることによるようです。
また、私ども長い期間をかけて都道府県や日本赤十字社と協力し、400ml献血と成分献血を推進することにより、一人の献血者から採血できる量が多い献血方法へとシフトしてまいりました。これは、もちろん献血者の理解と協力によるところが大きいと思います。
また、日本赤十字社が全国を7つのブロックに分け、広域的な需給体制を整えたことにより、有効期限切れにより廃棄される血液が少なくなる等、計画的な採血により必要な量を賄えるようになりました。
これらの要因や取り組みが重なって、結果的に献血者数は減少を続けているものの、医療機関の需要に応じた安定的な供給を行うことができています。例えば、赤血球製剤は向こう3日分の供給量を確保することを適正在庫として日々の目標としており、全国の在庫状況について日本赤十字社より毎日報告を受けておりますが、全国的に見れば昨年は一日もこの適正在庫を下回る日はありませんでした。
毎年度の献血者数については、輸血用血液製剤における医療機関の需要が刻々と変化する中で、安定的に在庫を確保しつつ供給するという命題を解決するため、日々、各地域の血液センターが献血者に協力を求めることを続けている、この結果という側面があることは御理解くださいますようお願いいたします。
続いて、参考資料3の「献血推進2014」及び参考資料4の「献血推進2020」です。ページ数だと、28ページ、30ページです。献血推進2014の結果は昨年1月の部会に、献血推進2020の進捗状況は昨年12月のこの部会で提示したものであり、それぞれ2014は平成22年度~平成26年度までの5年間、2020は平成27年度~平成32年度までの6年間の中期的な目標を定めたものとなっています。
いずれも、主な指標として「若年層の献血者数の増加」を挙げて、10代、20代あるいは30代といった若年層の献血率を目標値として定めたものですが、残念ながら目標は達成できておりません。
その理由としては、それぞれの中期目標を立てたときのシミュレーションが今となってはそもそも過大であったようです。簡単に説明すると、シミュレーション当時の輸血用血液製剤の使用傾向が将来的に変動がないと仮定して、高齢化の進行による血液製剤を使われる患者の増加と、少子化による献血可能人口の減少という人口のファクターのみを用いたシミュレーションでした。
先ほど申し上げたとおり、輸血用血液製剤の使用量は減少していく方向にあることから、現在、日本赤十字社において、より医療現場の実態に即したシミュレーションを検討しており、早ければまずは年内の献血推進調査会で審議していただき、その後、こちらの部会でも御相談できるようにと考えております。
続いて、参考資料5-1、参考資料5-2は、それぞれ献血者確保対策にかかる厚生労働省と日本赤十字社の取り組みです。
その後は日本赤十字社作成の資料ですが、参考資料6は複数回献血者及び複数回献血クラブのデータ、参考資料7は高校献血を初めとした若年層のデータとアンケート結果、参考資料8は献血セミナーの実施状況、参考資料9は初回献血者と久し振りに献血を行った者に対するアンケート結果です。
続いて、参考資料10は厚生労働省が作成した高校生向けの献血の啓発資料である「けんけつ HOP STEP JUMP」のアンケート調査結果であり、最後の参考資料11は献血推進調査会の委員でもおられる浜松医科大学病院の竹下先生が行った静岡県内の高校生に対する献血意識に関する調査の結果です。
以上、簡単な説明で恐縮ですが、献血推進計画を御議論いただく際の参考としてくださいますようお願いいたします。
資料の説明は、以上となります。
○半田部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明に関しまして御意見、御質問がございましたらよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
では、どうぞ。
○稲田委員 ただいま輸血の供給計画に対するシミュレーションについてお話があったのですが、パブリックコメントなどを見ますと、フィブリノゲンの閾値が今まで100mg/dlであったというところ、かなり150mg/dlという県が多くなっていますので、そういった場合に新鮮凍結血漿等の多分使用量がふえるだろうという予測もぜひ入れていただきたいと思います。以上です。
○半田部会長 今の御意見に関して何か日本赤十字社、あるいは事務局から特にございますか。大丈夫ですか。
では、ほかにいかがでしょうか。何か御意見がございましたらどうぞ。
○小幡委員 2点お伺いしたいと思います。
16ページのところの前回のものから削除した「50歳から60歳代を対象とした対策」は、今、御説明があったのですが、要するにかなりこの年代層は取れているから書く必要がなくなったという理解でよろしいのでしょうか。念のため、確認したいのですが、それは、参考資料のどこかにありますか。
16ページの「50歳から60歳代を対象とした対策」について、これは不要になったというか、十分この層は取れているからということでしょうか。
○事務局 まず、年代別の献血者数については24ページのグラフ、同じ献血率の推移については26ページのグラフをごらんいただくと、50代についてはほかの年代と比べて非常に好調だというところは御理解いただけると思います。
○小幡委員 多分、年齢が上になっても若々しくなったということかと思うのですが、それ自体は特に重点を置かなくてもよいというのはわかるのですが、余り気を許しているとまた全体的に落ちてくるという可能性もあるので、重点から外すということ自身は構わないのですけれども、常に注意して減少しないようにという配慮は引き続き行っていく必要があるのではないかというのが1点です。
もう一点は、17ページの「複数回献血者対策」で、ここは非常に大事なところで複数回の献血者が一番たくさんボリュームが出てきてくれるとありがたいというのはよくわかるのですが、言葉の問題だけですが、ほかによい言葉がないのでやむを得ないかと思うのですが、「複数回献血者の組織化」というところの「組織化」ですが、これは参考資料を見ると恐らく複数回献血者クラブということを意味しているのですね。
要するに、複数回献血者についてそういう一つの組織をつくって、そこに入るといろいろなサービスが得られるし、複数回献血するとここに入れますからどうぞ繰り返しやってくださいという形で進めるというのは非常によくわかるのですが、組織化という言葉ですが、誰が組織するのか。恐らく、こういうクラブを採血事業者がつくって、そこに入ってもらうというのを組織化と呼んでいるのですね。
もう少し組織化よりもよい言葉があればいよいなと思ったのですが、具体的には趣旨は今の説明を受ければよくわかるのですが、何か組織化というと誰かが特定の目的をもって作為的に組織づくりをするかとか、そういうイメージがあるものですから、昨年もそういう言葉を使っていたのであればそのままでよいと思いますが、もう少しよい言葉があればまたお考えいただければと思います。以上です。
○半田部会長 ありがとうございました。今の小幡委員について何かございますか。
○事務局 貴重な御指摘、ありがとうございます。
まず、50代以上の献血について御意見がございました。先ほど申し上げましたとおり、現状必要な献血というのは現在の体制で十分賄えております。それで、私どもが危惧しているというのは、現状において先ほど見ていただいたグラフを見ればわかるとおり、40代、50代の献血が非常に好調なので十分な量が賄えている。それに対して、10代、20代、30代といった若年層の献血者数が減っている。ここについて、将来的なことを心配しているところでございます。
40代、50代の年代というのはこの年齢になって初めて献血をしたということではなく、もともと献血に対して協力をいただいていた率の高い年代がだんだんシフトしてきて、今は40代、50代の献血率が高いという状況になっています。
具体的に申し上げますと、この50代の人たちが健康上の理由で献血を引退するような、例えば10年後、60代になるとやはり何らかの事情があって献血を控えられる方が多くなってくるので、10年後にどうなるのかというところが私ども、あるいは採血事業者である日本赤十字社の危惧するところだと考えているところです。
それで、現状は賄えているわけですから、若年層の10代、20代、30代の献血者を増やし、40代、50代はそのままだとすると、多く取った分については、血液製剤は残念ながら生もので有効期限がございますので廃棄せざるを得ない。逆に言えば、今は40代、50代という比較的協力を得やすい年代に対して、求めやすいところから献血をお願いしていたというところも、残念ながら日本赤十字社さんの取り組みの中ではあると思います。
多く取って余らせてしまうのは献血者の善意に応えることにはなりませんので、これからは10代、20代、30代の献血を上げるとともに、逆に40代、50代についてはもちろん来ていただく分には歓迎するところではございますけれども、個別にお声をかけるのは少し差し控えるような時代になってきているのではないかと考えております。
あとは、複数回献血クラブの件に関しましては、日本赤十字社が組織しているものでございますので、日赤さんの方から先ほどの小幡先生の御意見について何か補足するところがあればお願いします。
○井上日本赤十字社経営企画部次長 日本赤十字社の井上でございます。
複数回献血クラブという名称で平成17年度からスタートいたしております。当時、国の国庫補助をいただきましてスタートいたしまして11年経過したわけでございますが、現在116万人の方に加入いただいております。後ほど詳細の資料はまたごらんいただければと思いますが、複数回献血クラブ会員とは申しましても、まだ年間でゼロ回、1回の方が60%近くいらっしゃるというところもございまして、年間2回以上やっていただく方、特に10代~30代の方に複数回やっていただくようなお願いの仕方を現在進めているところでございます。
○半田部会長 小幡委員、よろしいでしょうか。
○小幡委員 それは入会、退会などは赤十字の方からコントロールして、例えばその方がずっと献血をしなくなったら自動的に退会ということですか。
○井上日本赤十字社経営企画部次長 一度入会していただいていますと、御登録の御自身からの辞退がない限りは登録の人数という形にはなっておりまして、現在は延べで登録していただいている方が116万人となっております。献血の受け入れ現場でその場で登録していただく方と、それから御自宅にお帰りになって御登録いただく方と、スマートフォン、携帯電話、それからPCから御加入いただいているというやり方となっております。
○小幡委員 そうすると、定期的に、例えばスマホのメールとか郵便物とかでここのところずっと献血にこない方に対しても連絡がいって、そろそろ献血しようかという方向に持っていければという話ですね。
○半田部会長 よろしいでしょうか。組織化という文言がちょっとというところと、あとはこの年齢層をなぜ削除したのか。気を抜かないで中に入れておいたらどうかという御意見だと思いますので、今後また検討していただいてということでよろしいでしょうか。
特にほかにございませんでしょうか。
では、どうぞ。
○濱口部会長代理 ありがとうございました。先ほど御説明いただいた中で、実際には献血者数が減ってはいるんだけれども、需給を考えたときに比較的安定している。それは今、御説明いただいた資料ではなくて、後ろの方の資料に適正在庫とかという数字がグラフとしてあって、ここ数年間ほとんどそこを割るようなデータではないというところからもそれはうかがえると思うんです。
そうしたときに、やはり初めの参考資料の中に、現状としてどのくらい在庫がきちんと確保できているのかということも一方で資料としてないと、実際に人口がこれから減って献血者がどんどん減っていますということだけが資料として出ていると、我々もそちらをどうにかしなくちゃいけないということだけが先走ってしまうような感があるので、今後例えば技術が向上して必要量が減っていく見通しはどうだとか、在庫がどうだとか、そういうようなところを総合的にチェックできるような資料の出し方を考えていただけないかと思います。
○半田部会長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
では、手身近によろしくお願いします。
○三村委員 簡単なことなんですけれども、全体の計画案については特に意見はございません。
ただ、後半のところにちょっとおもしろい資料が出ておりましたので、それと関連して若干だけ質問させていただきたいと思います。
高校生に対しての献血の現状についてということで54ページのところにアンケート調査、あるいはその調査資料が出ております。その過程の中で、なぜそれがうまくいかないのかという問題の中で、例えば授業に差し支えるという意見と、それから管理が難しいからという意見の二つが出てきて、それがなかなかうまく浸透しない理由となっていたということなんですけれども、これをおやりになりました日赤の方のお考えとしては、これについてはどういうふうに考えようとされているのか。あるいは、あくまでもこれは問題として出てきた話なんですけれども、これについて何らかの対応があり得るのかということだけお聞きいたします。
○半田部会長 日本赤十字社、いかがでしょうか。
○井上日本赤十字社経営企画部次長 御質問ありがとうございます。
「高校献血の現状等について」という資料での御質問をいただいております。これは、26年から27年にかけて全国的な調査をさせていただいた内容となっております。現在、全国の高校、約5,000校ございますうち25%の毎年1,300校ほどの高校からの献血を継続していただいておりまして、ここ5年は同様の傾向が続いているところでございます。やはり養護教諭の先生方に御理解をいただき、また学校長先生の御理解をいただくことによって、この10代の献血推進啓発につながっていくものと考えておりますので、引き続き各県の献血推進協議会を通じて県内の高校献血の実施について前向きな御検討をお願いしているところでございます。
あわせまして、献血セミナーというものが今、平成24年度以降、厚労省、文科省の方から通知を出していただいているところでございますので、高校献血を実施させていただけないところにつきましてはできる限り献血に触れ合う機会を持たせていただきたいということで、献血セミナーのお願いをしているところでございます。
ただ、まだ現在高校での献血セミナーは平成27年度に約500校にとどまっているところでございますので、こちらにつきましても献血推進協議会等を通じましてお願いをして、10代の献血啓発に引き続き努めてまいりたいと考えているところでございます。
○半田部会長 ありがとうございました。
それでは、議決に移りたいと思います。当該計画案に関しまして、お認めいただけますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○半田部会長 ありがとうございました。今回了承されたということで、告示に当たりましては厚生労働省で法的な観点から形式的な修正があった場合、私、部会長に御一任いただければと思います。
では、続きまして議題2に入りたいと思います。議題2は、「平成29年度の献血の受入れに関する計画(案)について」です。血液法の規定によりまして、採血事業者が作成する献血受け入れ計画については厚生労働大臣の許可を受けることになっております。認可に当たっては審議会の意見を聞くこととなっており、本日計画案について審議し、答申いたしたいと思います。
それでは、日本赤十字社から説明をお願いいたします。
○井上日本赤十字社経営企画部次長 日本赤十字社の献血推進担当をしております井上でございます。日ごろから血液事業には大変御理解と御指導を賜りましてありがとうございます。
それでは、資料2の献血受け入れ計画につきまして御説明をさせていただきたいと思います。資料2の3/24ページをお開きいただければと思います。平成29年度の献血受け入れ計画につきましては、血液法の第11条及び同法律の施行規則の第4条にのっとりまして、各都道府県と協議を行いました上で当該年度の献血により受け入れる血液の目標量、その目標量を確保するための必要な措置といったもの、また重要事項について計画をさせていただいているところでございます。
まず1番目でございますが、「平成29年度に献血により受け入れる血液の目標量」でございます。全血献血で134万L、血漿成分献血で34万L、血小板成分献血で27万Lの合計195万Lを確保することとしております。
なお、都道府県別の目標値につきましては別紙1のとおりでございます。
献血者総数で申し上げますと、約479万人の方々の御協力が必要ということになります。日本赤十字社ではこれらの目標量を確保するために国、地方公共団体等との連携のもと、献血受け入れに取り組む予定でございます。
また、この後の御説明にもございますが、特に若年層対策につきましては各県の10代、20代、30代の採血比率を高め、前年度の実績を上回る年代別目標値を定めて、これまで以上に毎月のPDCAを行うことといたし、若年層の献血者数が前年を下回らないように増加に転じるよう、対応策を全血液センターで一丸となり、進捗管理を図る所存でございます。
続きまして、「前項の目標量を確保するために必要な措置に関する事項」でございます。
「献血受入の基本方針」でございますが、一つ目の「目標量の確保」、平成29年度に献血により受け入れる血液の目標量を確保するための各都道府県献血受け入れ計画の稼動数及び目標量については、別紙2のとおりとさせていただいておりまして、医療機関の需要に応じた採血に努め、特に400ml献血、全血献血及び成分献血を積極的に受け入れます。
二つ目といたしまして、「献血受入体制の整備」でございます。献血者の利便性に配慮しつつ、安全で安心かつ効率的に採血を行うため、具体的には立地条件等を考慮した採血所の設置、地域の実情に応じた移動採血車による計画的採血及び献血者が利用しやすい献血受け入れ時間帯の設定等、献血受け入れ体制の整備・充実を継続的に実施いたします。
また、採血所における休憩スペースの十分な確保や地域の特性に合わせた献血車に安心・安らぎを与える環境づくり等に努め、若年層の誘導に向けた一層のイメージアップを図ってまいりたいと考えているところでございます。
三つ目といたしましては、「献血者対応の充実」でございます。献血者が安心して献血できるように、献血の受け入れに当たっては丁寧な対応を心がけ、不快の念を与えることのないよう、職員の教育訓練の充実強化を図るとともに、献血者の意見・要望を把握し、献血受け入れ体制の改善に努めます。
4つ目の「初回献血者等への対応」でございますが、高校生等が献血セミナー受講後に献血ルーム等へ来所する機会をふやすことから、初めて献血する方の献血に対する不安等を払拭することはもとより、献血の都度、献血の手順や献血後に十分な休息をとる必要性、気分が悪くなった場合の対処方法等について、映像やリーフレットを活用した事前説明を十分に行い、献血者の安全確保に努めます。
また、学校献血会場において採血後の献血者をケアする者を配置し、採血副作用の防止に努めます。
(2)の「献血者の確保対策」でございます。献血の意義等について、国民が広く理解できるように情報提供することが献血意識を高めることにつながることから、病気やけがのために輸血を受けた患者さんや、その御家族の感謝の声を伝える等により、血液製剤が患者さんに医療に欠くことのできない善意による貴重なものであることを含めた献血思想の普及啓発を図ります。
特に少子高齢化による若年層献血者の減少を踏まえ、若年層を対象とした取り組みとして体験学習の継続的な実施等、献血への動機づけとしての活動も積極的に推進いたします。
続きまして、「若年層を対象とした対策」の幾つかでございますが、まず全体的には若年層向けの雑誌、放送媒体、SNS等、インターネットを含むさまざまな広報手段を用いて同世代からの働きかけ、病気やけがのために輸血を受けた患者さんやその御家族の声を伝える等、効果的な広報に努めます。
「小学生、中学生を対象とした対策」、または「高校生を対象とした対策」につきましては、命の大切さ等を盛り込んだ資料、統一資材等を用いて学校へ出向いて研究セミナーを積極的に実施するよう努めます。この中で献血ルームの場所等を紹介し、高校献血以外のアプローチに努めるところでございます。
「大学生を対象とした対策」といたしましては、献血推進運動を行っている学生献血推進ボランティア組織等とさらなる連携を図り、大学生における献血や血液製剤に関する理解、献血体験の促進に努めます。
こちらにはございませんが、平成28年度、今年度新たに始まりました学生による献血セミナースライドの作成が終了いたしまして、同世代からの働きかけが新たに始まっております。この学生による献血セミナーも含めまして、来年度は1,800回を超える計画が現段階でなされているところでございます。
また、「カ」といたしまして、子育て中の20代~30代といった対象の方々に対しましても、地域の特性に応じて献血ルームに託児スペースを整備する等の受け入れ体制を整え、親子が献血に触れ合う機会や利用しやすい環境を設けるよう努めます。
「キ」といたしまして、「献血推進キャンペーン等の実施」でございます。将来の献血基盤となる10歳代、20歳代の若年層献血の推進は血液事業にとって最も重要な課題でございます。献血の普及啓発を図るため、通年で実施しております「Love in Actionプロジェクト」を基軸とし、「複数回献血者確保キャンペーン」「愛の血液助け合い運動」「赤十字・いのちと献血俳句コンテスト」「全国学生クリスマスキャンペーン」及び「はたちの献血キャンペーン」等を連動させながら戦略的な広報を展開します。
丸2としまして、「企業等における献血の推進対策」でございます。献血に協賛する企業や団体を募り、社会貢献活動の一つとして企業等における献血の推進を促します。また、企業等に対して社員研修や社内広報等の機会を利用して、献血セミナーや献血に関する情報提供等を実施し、正しい知識の普及啓発を図るとともに、特に20歳代、30歳代の労働者の献血促進について協力を求めるよう努めます。
それから、「複数回献血協力者の確保」でございます。こちらは、特に10歳代~30歳代への複数回献血クラブ会員への加入強化を図ってまいりたいと考えております。あわせまして、献血者登録制度を現在見直すとともに、SNS等の発信による献血者が望む情報の発信、献血予約の利便性向上等を目的といたしました一元的な献血者管理システムを現在構築中でございます。
続きまして、「その他献血の受入に関する重要事項」でございます。
「検査サービス等の実施」、または「血液製剤の安全性向上のための対策」、こちらは国及び都道府県と連携し、健康な献血者の確保に努めるところでございます。今後も、献血者本人確認を徹底するとともに、HIV等の感染症の検査を目的とした献血の防止のため、安全で責任のある献血の普及に努めます。
また、(4)でございますが、「200ミリリットル全血献血のあり方について」は、国のお示しされております献血推進計画と同様の200ml献血全血のあり方を記載させていただいているところでございます。
また、(6)の「災害時等における危機管理」、広域的な大規模災害の発生に備え、災害時等における献血血液の製剤化に支障を来さないよう、国と協議して必要な設備等の整備を進めます。
また、国、都道府県、市町村及び企業等と協力して、複数の通信手段の確保及び移動採血車の燃料の確保により、災害時に備えるところでございます。
全てお読み上げはできておりませんが、平成29年度の日本赤十字社献血受け入れ計画の御説明でございました。どうぞ御審議よろしくお願い申し上げます。
○半田部会長 ありがとうございました。
ただいまの説明に関しまして、御意見あるいは御質問をよろしくお願いします。
では、どうぞ。
○室井委員 日赤の添付資料の最初のところの「平成29年度献血により受け入れる血液の目標量」というエクセルの表があるのですけれども、その中で全血献血の各都道府県の件数の割合が出ておりますが、200ccの献血は極めて少ない県というのがあるんです。多分、島根県は5件しかないとか、福岡県は1件しかないとか、地域のアンバランスがあるのですが、この理由は何かということを教えてほしいというのが1点です。
もう一点は、やはりこの同じエクセル表で山梨県は血小板の採血を行っていないと書いてあるんですけれども、この理由は何なんでしょうか。この2点を教えてください。
○半田部会長 いかがでしょうか。日本赤十字社からどうぞ。
○井上日本赤十字社経営企画部次長 御質問ありがとうございます。
まず200ml献血の都道府県ごとのアンバランスでございますけれども、こちらは各県の輸血用血液、特に赤血球製剤の需要量に見合った献血計画といったものが立てられているところでございますので、その県の必要量をここに記載させていただいているといったことで、少しアンバランスが発生しているといったところでございますが、おおむね赤血球製剤における各県の400ml献血由来率というものは全国平均で現在97%に上っているところでございます。
それから、二つ目の御質問でございます。山梨県の受け入れ計画に血小板採血がゼロと記載がある点でございますが、こちらは平成24年度より広域事業運営体制が日本赤十字社は7つのブロックに分けまして広域的な需給管理が行われている中で、採血の役割分担といったものが施されているところでございます。
製造所から少し離れているところでありますとか、遠いところはそれぞれの採血種別をある程度絞り込みをするということで、山梨県につきましては東京都との一体的な運営をスタートした流れもございまして、血小板の採血をせずに血漿採血のみで成分採血を賄うということの役割分担を図っているところでございます。
御説明は、以上となります。
○半田部会長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
ほかに御意見、あるいは御質問はいかがでしょうか。
○室井委員 山梨県のドナーの方は血小板の提供ができないということになるわけですね。居住者の献血者の方は山梨県では血小板の採血はできなくて、東京に行ってやるという理解になりますか。
○井上日本赤十字社経営企画部次長 血漿成分献血はお願いいただいているところでございまして、いわゆる採血の製造をさせていただく血漿成分献血から製造される高単位の血漿製剤の確保でありますとか、原料血漿の確保を中心とした役割を山梨県の皆様にはお願いしているといったところでございまして、山梨県にお届けする血小板の確保というものは関東甲信越ブロック全域の中で行われているということでございます。
○室井委員 よくわかるんですけれども、山梨県の血小板提供を希望するドナーさんは山梨県内では提供できないというか、一応それで運用していくということですね。わかりました。
○半田部会長 よろしいでしょうか。ほかにいかですか。
では、どうぞ。
○濱口部会長代理 これはアイデアというか、きょうお話を聞きながらちょっと考えたのですが、例えば2月からプレミアムフライデーとかが始まりました。それで、できるだけ早い時間に切り上げていろいろな活動に使うということで、一つはこういうボランティアということになったときに、献血などもこういうところに合わせて少しアピールしていけば、今まで比較的難しかった労働者の方々にも参加いただけるのではなかろうかと素人ながらちょっと考えたんですけれども、日本赤十字社としては何か既にお考えはあるのでしょうか。
○半田部会長 いかがですか。
○井上日本赤十字社経営企画部次長 まだ現段階ではプレミアムフライデーの対応というものは検討されておりませんけれども、これが国民各層に浸透していく中では、その活用方法は検討したいと考えております。
○半田部会長 どうぞ。
○稲田委員 こういった総合的な対策を示していただいているのですが、実際の献血者数が若年層はずっと下がってきている。では、一体この対策はどこを目指しているか。内容をよく見てみますと、大体みんな理解を深めるとか、広報ということなのですが、本当にそれが献血をしない理由なのかどうか。その辺の分析ができているのかについてお伺いしたいと思います。無理解が献血をしないことの理由ということなのでしょうか。
○半田部会長 いかがでしょうか。
○佐竹日本赤十字社経営会議委員 一つは前の方の資料の1-1ですけれども、27ページをごらんいただければと思います。27/88ページのところに「年齢別献血率」というものがございます。ここでは、確かに16歳、17歳のところの献血率は低いですけれども、18歳、19歳のところは7.7%、7.8%と、ほかのどの年代よりも高い献血率となっております。
ですので、本質的にはこの年代の方々にはある程度理解を得られているところはあるのではないかと考えております。これは平均しますと五・数%になってしまうわけですけれども、このようなところの教育というものをしっかりやれば、この値になってくるのではないかという感触を我々は得ているところです。具体的にどのような証拠があるかというとなかなか難しいですけれども、ここのセミナーとか、いろいろなことを地道にやってきたことがこういったところに少し出ているのではないかという感じはちょっと持っております。
○稲田委員 先ほど高校生の献血のアンケートなどを見ますとかなり詳細な解析ができているので、やはりこういった具体的なところから対策を立てていく。先ほどPDCAを回しながらというお話があったのですが、PDCAがどうやって回るか、私には全然見えてこなかったので、その辺のところの御検討をぜひお願いしたいと思います。
○半田部会長 よろしくお願いいたします。
では、どうぞ。
○鈴木委員 先ほどの御質問の中に、血小板献血が山梨県でゼロなのは東京と一緒にやっているから山梨県ではやらないんだというようなお話だったのですけれども、効率化というのはやる県とやらない県と分けるという意味なのでしょうか。そうすると、逆に言えば東京都の人は山梨県の分まで採血をされているという感じになるので、それを効率化と言うのかどうかちょっと疑問ではないですか。東京都の車が山梨県まで行ってやるというのであれば効率化かもしれないけれども、その辺の意図がよくわかりません。
それから、200mlの献血は推進しますということを言っていらっしゃるので、それはぜひ実行していただきたいと思うのですが、そうなるとその献血者数は福岡県が1とか、かなり人口比などを見てもアンバランスですので、それは是正されていくと理解してよろしいのかどうか。その2点についてお答えをお願いします。
○半田部会長 いかがでしょうか。
○井上日本赤十字社経営企画部次長 血液法によりますと、都道府県ごとに御提出をさせていただくという形にはなっておりますけれども、現在先ほどもお話をさせていただきましたが、広域事業運営体制という7つのブロックで、そのブロック内で需給管理を行うということがございますので、その中でもやはり採血の役割というものを明確化させ、しっかりと需給、需要を賄うような確保をしていくというのが今後も日本赤十字社のスタイルということで御理解いただければと存じております。
○鈴木委員 山梨で採血しない理由がよくわからないのです。
○井上日本赤十字社経営企画部次長 失礼いたしました。一つ目の山梨県の件でございますけれども、これは先ほどもお話させていただきましたが、確かに山梨県の方が血小板の献血ができないというのはいかがなものかという御意見もあろうかと思いますけれども、成分献血というくくりという考え方で献血者の方々には御理解をいただいていると、ここ5年理解をしているところでございますので、やはり需給管理という観点からいきますと、ブロック内の血液を医療機関にしっかりと供給するということで、それぞれの県の役割分担を定めながら100%医療機関に供給を図っていくというのが、まず1点目の御質問のお答えになろうかと思います。
○半田部会長 どうぞ。
○鈴木委員 移動できないというのは、献血ルームの話ですね。でも、献血車は移動できるから別に東京都の献血車が山梨県に行ってもいいのではないですか。それはしないということですか。
○井上日本赤十字社経営企画部次長 それは、現在は都道府県ごとの登録車両がございまして、地元の届け出をするというスタイルをとらせていただいておりますので、県内の需給については県内で確保するという考え方が移動採血の中では現在も踏襲されているところでございます。
○鈴木委員 そうすると、移動採血車は県内だけれども、献血ルームは県外もカバーするということで、整合性がとれなくなるのではないですか。効率化というのでしたら、その壁を取り払わなければいけないのではないですか。
○半田部会長 いかがでしょうか。
○佐竹日本赤十字社経営会議委員 血小板だけでなくて、いろいろな血漿の献血とか、実は製剤別に特性がございまして、血小板は取れましてから早期に22℃で振盪したところに置かなければならないとか、それから凝固因子の獲得を目的とする場合には数時間以内に冷凍しなければならないとか、いろいろ製剤によってかなり違います。
したがって、非常に遠隔な場合ですと、例えばそこから運んだ血漿等は凝固因子にすることはできません。ですので、そういった遠隔の地と、それから都心に近い地域においてある程度の採血種別の分担はせざるを得ない。製剤の特性によって、そういうことがございます。
ですので、血小板というものも山梨から東京というのは最近はよくなりましたけれども、時間的に東京まで持ってきてそこで適切な保存まで持ってくるというのはかなりの手数を要したものですから、そういったことを含めて製剤によって地域の分担を分けていくことが必要になったということが根底にはございます。
○鈴木委員 取って付けたような説明という感じがするのです。なぜなら、岩手県のような広大な県もあるわけですし、東京と山梨は岩手より交通混雑はあるかもしれませんけれども、距離は余り理由にならない気がします。他の都道府県のものは変えたくないというようなことが優先している気がするのですけれども、効率化というのでしたらそういう壁も壊していかないといけないのではないかと思うということが一つです。
それから、200ml献血の回答もよくわからなかったのですけれども、要するに推進するのですね。実際に、各都道府県別のデータをもう少し平準化していくわけですね。そのようなことも含めて、推進するということであるかどうかだけ、端的にお答えいただけますか。
○半田部会長 いかがでしょうか。
○井上日本赤十字社経営企画部次長 200mlも必要量をしっかりと確保していくといったお答えになろうかと思います。
○半田部会長 鈴木委員、よろしいでしょうか。
○鈴木委員 ぜひ各都道府県の人口比で見たアンバランスが是正されるという意味だと理解したいと思います。
○半田部会長 ありがとうございます。非常に貴重な御意見をいただきました。
それでは、大分、時間も過ぎましたので議決に移りたいと思います。
当該受け入れ計画案について、御了承願えますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○半田部会長 ありがとうございました。それでは、事務局におかれましては、部会のただいまの意見を踏まえまして、本計画の許可の手続を進めていただきたいと思います。
それから、日本赤十字社におかれましては、受け入れ計画に基づいて献血の受け入れの円滑な実施に努めていただくよう、よろしくお願いいたします。
それでは、続きまして議題3にいきたいと思います。「平成29年度の血液製剤の安定供給に関する計画(案)について」です。 これは、血液法の規定によりまして薬事・食品衛生審議会の意見を聞いて策定されるものであります。
皆様におかれまして、昨年 12 月の部会において本計画案について御議論いただき、原料血漿の確保目標量と需要見込み、それから製造目標量等につきましては事務局案で了承いただいたところですが、その後、パブリックコメントの募集が行われました。今回は、原料血漿の配分価格も含めて最終的に部会で審議して答申したいと思います。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、議題3の「平成29年度の血液製剤の安定供給に関する計画(需給計画)(案)について」を説明させていただきます。資料は、3-1になります。
平成29年度の需給計画(案)に関しましては、血液法第25条第5項の規定によりまして、本日の部会で御審議いただくものであります。既に昨年12月の血液事業部会におきまして、原料血漿の確保目標量と、日本赤十字社から国内事業者への原料血漿の配分量について御審議いただき、暫定的に御了承いただいておりますが、今回はそれに原料血漿の標準価格を加えた案となっております。
資料の1ページが「諮問書」、2~7ページが「需給計画(案)」の本体でございます。
3ページにありますように、「第3 平成29年度に確保されるべき原料血漿の量の目標」については、12月の部会で御了承いただきました93.5万Lとしております。
それでは、「平成29年度に配分される原料血漿の標準価格の考え方」について、9ページをご覧ください。
標準価格の算定の「基本的考え方」は、これまでの考え方と同様でございます。日本赤十字社では、輸血用血液の確保と原料血漿の確保が並行して行われており、人員や装置等が兼用されているため、明確に切り分けることが困難である中で、原料血漿の確保のために必要と考えられる部分について費用を積算し、価格を計算しております。
血漿成分採血については、献血全般に共通する事項とサービスに係る経費は除いて、必要経費を積算しております。また、全血採血及び血小板成分採血については、輸血用血液製剤の製造が主たる目的であることから、原料血漿の確保に係る費用としては一部に限定して積算しております。
積算は、これまでの年度と同様に、まず凝固因子製剤用の原料血漿について経費の積算を行っております。確保目標量の合計を93.5万Lとし、原料血漿の確保から供給までに必要な経費を積み上げ、1L当たりの単価を算出しております。
この積み上げに用いる経費につきましては、日本赤十字社の直近2年間である平成26年度及び27年度実績の平均の数値を使用しております。
費用の内訳につきましては、10ページの表をごらんください。費用は、採血から原料血漿を製造・保管するまでに必要な材料費、人件費、経費、原料血漿の凍結・一時保管費用等の管理供給費で構成されております。
採血種別ごとに積算する費用は、全血採血と血小板成分採血については、材料費は血液バッグ代と製品表示ラベル代、人件費は原料血漿の凍結・一時保管に係る職員の人件費、経費は原料血漿の凍結・一時保管に係る経費に加えまして、全血採血においては白血球除去の導入に伴い生じた経費を一部加算しております。管理供給費は、原料血漿輸送・貯留保管経費を積算しております。
一方、血漿成分採血につきましては、材料費は全額、人件費は原料血漿の凍結・一時保管に係る製造職員費及び検診や検査などに係る医師、看護師、検査職員、事務職員の必要経費、経費は原料血漿の凍結・一時保管経費のほかに成分献血登録者に対する依頼経費、処遇費、検査機器等の保守関連経費など、管理供給費は原料血漿輸送・貯留保管経費を積算しております。
次に、採血方法別の原料血漿の確保量については14ページにありますように、献血推進計画に則りまして日本赤十字社が策定しました平成29年度の事業計画に基づいて設定しております。
以上の内容を一覧表にしたものが、11ページになります。今、申し上げた方法によりまして一採血当たりに積算された単価を1L当たりの単価に換算した丸1に、それぞれ採血別に原料血漿確保見込み量丸2を掛けまして採血別の確保費用を算出し、その総額丸3を93.5万Lで除しまして、消費税を掛けて1L当たりの凝固因子製剤用の価格1万3,780円を算出しております。
その他の分画用原料血漿については、従来と同様に凝固因子製剤用の価格改定率を用いまして比例計算で算出した結果、1万2,700円となっております。
以上が、従来どおりの基本的な考え方に基づき、算出した結果となります。
次に、12ページをごらんください。今、申し上げました従来の原価計算方式に基づく価格を「I」に示しております。28年度と比較して200円近く上昇しておりますが、一採血当たりの費用負担は減っている一方で、輸血用血液製剤の供給が減少傾向となっているために、コストの安い400ml全血献血からでなく、よりコスト高の血漿成分献血から多くの原料血漿を確保しなければならないことによるものです。その結果が、原料血漿価格の更なる上昇に反映されております。
先ほどの14ページの下の表の「原料血漿確保量」の欄をもう一度見ていただきますと、右から3番目の欄に血漿成分献血による確保量の数字がございますが、こちらは28年度の確保量が21万3,514Lですので、29年度は約2万7,000L多く確保する計画となっております。
12ページの「II」に戻りまして、原料血漿価格につきましては血液法の基本方針、検討会の報告書及びワクチン・血液製剤産業タスクフォースにおいて原料血漿価格の低減について言及されております。
これらを踏まえまして、次の13ページの「III」の調整案としまして、28年度と同水準の価格として凝固因子製剤用は1万1,110円、これは対前年度から10円上昇しております。そして、その他の分画製剤用は1万170円、こちらは前年度から10円上昇しております。そのようにさせていただきました。
次に、15ページの「平成29年度都道府県別原料血漿確保目標量について」です。従来から、原料血漿の確保につきましては都道府県別に目標を定め御協力をいただいております。これは、全体の確保目標量案の93.5万Lを各都道府県別に割り当てたものでございます。
計算の考え方は従来どおりですが、29年度より下の「4.」としまして、事務局案を踏まえまして各都道府県と日本赤十字社血液センターが地域の特性を考慮して都道府県を越えた調整を行っていただきまして、29年度の都道府県別目標量を決定しております。
それから、17ページ以降は主に昨年12月の本部会で添付しました資料のリバイスで、参考資料となりますので後ほどごらんいただければと思います。
続きまして、資料3-2「平成29年度の血液製剤の安定供給に関する計画(需給計画)(案)に対するパブリックコメントについて」を説明させていただきます。1名の方から御意見をいただきましたが、需給計画(案)に関する御意見はありませんでした。
以上が資料の説明でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○半田部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明に関しまして御意見、御質問をよろしくお願いします。いかがでしょうか。今回は、前回から原料血漿の価格を具体的に入れたというところですね。
では、どうぞ。
○大平委員 今回は10円の値上げというになる形で表示されていますけれども、先ほど献血推進の計画の中とか受け入れ計画の中で効率化を目指しているというところで、いかにその効率化を目指して、そして原料血漿の価格を抑えるかということは極めて重要なことで、ずっと議論が重ねられてきたところなのですけれども、これを考えるとやはり年々上がっていくというのは傾向としては避けられないのかなということになります。
そうすると、海外からのいろいろなアルブミンですとかグロブリンの価格というのが、やはりなかなか国産の製剤というのが抑えられないというようなところで、国内需給の観点というのは抜けてしまうのではないかと危惧されるんです。
今後もこういった積算されていく中の値上げ傾向というのがつながっていくとしたら、やはりかなり危機的な状況に陥るのではないかということをちょっと考えまして、これをどういうふうに日赤の方は原料血漿の価格をコストダウンして、そして国内需給に向けて原料血漿を安価に提供できるようなことを考えているのかどうかということをお聞かせ願いたい。
それから、先ほどの献血の受け入れ計画ですとか推進のところでは、輸血用血液製剤については日赤の方の広報というのは至るところで出てきているんですけれども、血漿の使い方、原料血漿、そしてそれが血漿分画製剤として有効に使われているんだというような広報は日赤からこのごろ出ていないなというのが私たちは目につくんです。
献血を推進する中で、血漿分画製剤の原料としてこうしたアルブミン、それからグロブリン、いろいろな形で使われているんですよということをもっと広報して、そして献血者にわかっていただくということの重大さというのはあると思うんです。
そこは昔、献血だけやっていれば、輸血用血液製剤だけ供給していればいいというような日赤のあり方からずっと変わってきて血漿分画製剤の原料、そして血漿分画製剤をつくるというところまで日赤は歴史としては流れてきたわけですけれども、現在は輸血用血液製剤にかなり力を入れている。これは私のうがった見方かもしれませんけれども、そのような印象を受けて、分画用の原料血漿をいかに安価に、そしてまたそういった血漿を有効に利用するというような観点と、それから献血で原料血漿からこういった製剤ができて、そしてこれが多くの患者さんたちに役に立っているということをもっと広報してもいいのではないかと思うんです。
それは、日赤が献血では日本で一元化されていて、現在献血の受け入れ体制としては日本赤十字社1社のみなので、それは日赤の責務としても重要だと思うんです。そういった観点から、どうやったら値下げさせていく方法をとれるのかどうか。それからまた、そういう広報についてどういうふうに今後展開していくのかということを教えていただきたいと思います。
○半田部会長 日本赤十字社、いかがでしょうか。
○佐竹日本赤十字社経営会議委員 分画製剤の方への原料血漿についてのお知らせというものは、我々の方では今までと同じように行っているつもりですけれども、確かにそう思われるかもしれません。我々の方でもその広告といいますか、その説明の仕方等についてもう一回検証してみたいと思います。おっしゃる点は気をつけて、こちらで検討してみたいと思います。
それから、原料血漿の価格がなるべく下がるような工夫というのは、全社を挙げていろいろな方法を現在考えております。
一つは、一人一人からいただく血漿の量の増量とか、その製剤の中でどのようにしたらより多く血漿が分離できるかという方法の開発とか、あるいは日赤の内規での最大限の血漿の獲得量を引き上げるとか、そのようなことを内部で本当に検討しておりまして、一つずつこういったものを実行していく予定です。具体的にはそのようなことで、それ以外にもありますけれども、いろいろな方策は考えているところです。
○半田部会長 よろしいでしょうか。
○大平委員 ぜひそういうプランとか、そういうものがありましたら、どんどんこういう部会で出していただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
○半田部会長 どうぞ。
○鈴木委員 毎回同じような話が繰り返されている感じがするのですけれども、基本的に原価計算方式ですから言い値です。ですから、コストがかかっていますと言えばその分価格は上がっていってしまうわけで、それをそれだけ上がりましたけれども10円の引き上げに抑えましたという感じですが、結局は上がっているわけです。それでは、改善とは言えないと思いますけれども、こういうことが繰り返されていることは、結局、以前にも話したことがあるのですが、日赤の高コスト体質が背景にあるのではないかと思うのです。
これは最初に出ていますけれども、一般の医師がかなり安くても協力しているわけです。医師の人件費は、常勤の方がいらっしゃるのかどうか知りませんけれども、全体の人件費率はどのぐらいなのか教えていただけますか。人件費率でも、労働分配率でもいいです。
○半田部会長 いかがでしょうか。
○日本赤十字社 先ほどのお話の中でありましたとおり、原料血漿の価格がなかなか下がってこないというお話の中で、コストについては御存じのとおり単価として下げてきておりますけれども、14ページにあります採血確保量なのですが、先ほど来、推進計画の中でもありましたとおり、全血の供給量の需要が下がってきているということがございまして、どうしてもそこから得られる原料血漿ではなくて成分由来の原料血漿から確保していくということがございましたので、採血種別でいきますと高いほうの採血種類で確保していくということになってございますので、相場として上がってきてしまったということがございます。
ただ、先ほど佐竹の方からお話を申し上げましたように、原料血漿量の確保を増量するとか、そういったところの新たな技術的なことを踏まえてコストを抑えていく、下げていくという日赤の検討は進めてございますので、さらにこれからは上がるのではなくて下げていくことの検討をさらに進めていくということは考えてございます。
あとは、人件費といいますと労働分配率もございますけれども、こちらも確かに今の段階では50%から60%ということもございますので、それは当然ながら今もやっておりますが、改善をしていくということは継続して実施していきたいと思ってございます。
○半田部会長 ありがとうございました。いかがですか。
○鈴木委員 以前にもそういう話をして、平均的な給与などを出してもらったこともあるのですけれども、結構高いのです。公的病院などもやっていらっしゃるからでしょうけれども、大体は事務職員や医師以外のコメディカルの方の給与が高いのですが、そういうアバウトな数字ではなくて各職種別の平均の人件費など、もっと細かいデータを出していただけませんか。今日ではなくて、もちろん結構ですけれども。
○半田部会長 よろしいでしょうか。それでは、出していただくということでよろしいですね。
ほかに、いかがですか。
では、花井委員。
○花井委員 まさに先ほどの受け入れ計画のところでも議論になったことですが、日本赤十字社におかれましてはこれまで県単位でやってきました。それが広域ブロック化をして、先ほどの山梨県の件は過渡的な今の中ではある種それはいいこととも、つまり県単位で全部平準化するのではなくて全体の中で効率化を図っていくという過渡期であるとも言えると思うんです。
ただ、今、議論にあったように、やはりコストダウンについてはここまでくるのに相当時間がかかっているというのがあって、スピード感からすればもう5年ぐらい前にここにたどり着いてほしかったというのがあるんですが、今、大平委員や鈴木委員の方から議論があったように、やはりこれは喫緊の課題になりつつありますので、一つは日赤におかれましてはスピードアップをぜひお願いしたいと思います。
14ページのこの58万の全血献血由来がどんどん下がっていっちゃうと、今24万の成分献血由来が上がれば、これは多分もたないぐらい値段が上がるということになりますので、それをどう防ぐかということなんです。
それで、これは国にもお願いなんですが、やはり効率化するためにまず地域の効率化というのは人の問題、それから場所、ブロック別の供給体制とかを含めての問題は日本赤十字社なんですけれども、採血においてやはり成分は成分の基準、全血は全血の基準というので、ある種、効率化、つまり全部同じ基準で検査もやっているわけで、分画の場合はある程度そこは外すとか、ありとあらゆる手段が必要だと思うんです。ですから、国としましても、いわゆる成分採血の基準などは今ちょっとリッチなところがあるんじゃないか。それをもうちょっと簡素化してコストダウンするとか、そういうことと組み合わせてかなりスピードアップをして対応するということが大事だと思うんですね。
何となく国も赤十字は頑張れと言うだけではなくて、これは国と赤十字、もしくはこの血液事業部会の共通の課題として、ミッションとしてちゃんと時間的なロードマップも考えて、何年後にはこのくらいまで到達するぐらいでやらないと、恐らく世界ではもうちょっとスピードが速いので、いろいろなところに悪い影響が出てくることは必定ですから、ぜひスピードアップというところを国並びに日本赤十字社に強くお願いしたいと思います。以上です。
○半田部会長 ありがとうございました。
では、どうぞ。
○岡田委員 6ページの「平成29年度に製造・輸入されるべき血液製剤の種類及び量」の中に、抗HBs人免疫グロブリンが国内血漿由来はゼロになっているんですね。これは、国内では製造に適する血漿がもう得られなくなってしまったのか。それとも、製剤の製法を変えたりとかということで29年度は製造しないということなのか。どちらの理由なんでしょうか。
○事務局 こちらはメーカーに確認しましたところ、今年度末時点の在庫で29年度の需要を賄えるということで、ゼロとして報告してきたそうなんですが、一方で、抗HBs人免疫グロブリンの件では、国の方でB型肝炎ワクチンを接種済みの医療従事者などを対象にワクチンを追加接種するという事業を予算措置しまして、日赤に委託して実施しています。
そういったことからも、メーカーの方に委託事業で採血した原料血漿を使って製造するようにしてほしいと働きかけておりまして、内々には、計画上はゼロになっているんですけれども、製造して医療現場に供給していくことで動いていると聞いております。
○半田部会長 よろしいでしょうか。いろいろ貴重な意見、それから今後の方向性というものを今、御意見いただいてきました。
それでは、当該計画に関しまして議決をしたいと思います。お認めいただけますでしょうか。よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○半田部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの御意見等々をよく参考にしていただいて、今後ますます検討していただきたいと思います。
それでは、今回の当該計画に関しましては、告示に当たりまして厚生労働省で法的な観点から形式的な修正があると思いますが、それに関しましては部会長に一任いただければと思います。
それでは、続きまして議題4に入りたいと思います。「血液製剤の使用指針(案)」についてです。これは、昨年12月の本部会において日本輸血・細胞治療学会の改定案が報告されましたが、その後、事務局修正案について本年1月18日に開催されました適正使用調査会で審議、パブリックコメントの募集が行われ、意見が提出されております。
これを踏まえまして、最終案について審議をしていただきたいと思います。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局より、議題4に関して説明させていただきます。
資料4-1、「血液製剤の使用指針(案)について」をごらんください。
まず、2ページに「はじめに」というのがございますけれども、ここには経緯が書いてありまして、平成17年に各領域における最新の知見に基づいて血液製剤の使用適正化の一層の推進を図るために大きく改定されました。
その後、医療の発展に伴って一部改正が重ねられてきたところですけれども、一部記載が古くなったことと、エビデンスがはっきりしない記載もあることから、全面的に見直す方針で研究班の方を立ち上げさせていただいて、日本輸血・細胞治療学会が中心となり、科学的根拠に基づく輸血ガイドラインの策定を進めていただきました。
この指針に関しては、日本輸血・細胞治療学会の最新の学会ガイドラインの案に準拠をする形で、科学的根拠に基づいた「血液製剤の使用指針」改定案を松下先生研究代表に御作成いただき、まず10月26日の第2回適正使用調査会で御発表いただきました。その案と今後の改定スケジュールに関しては、前回の第2回血液事業部会で御報告させていただいたところです。
その後、適正使用調査会の委員の先生方、座長及び松下研究代表者の御協力を得て指針改定案の修正を重ねてまいりました。血液製剤の使用指針の改定の事務局案というものを1月18日の第3回適正使用調査会で御審議いただきました。
調査会の意見を反映した後に、この案について広く意見募集を1月26日~2月24日までの1カ月間、電子政府の総合窓口を通して行いました。パブリックコメントで用いた改定案というものが、この資料4-1となっております。
パブリックコメントでいただいた御意見のうち、本指針の内容に関する御意見については資料4-2としてつけさせていただきました。資料4-2の表にございますように、合計18件の意見をいただきました。多くの皆様に御協力いただき、御意見くださったことを感謝申し上げます。
なお、本日はこの資料4-2に沿って御説明させていただきます。
最初に、大変恐縮ですが、訂正をさせていただきます。
まず、資料4-2の11ページの一番上の行に「心配停止」というところがあって、「心肺」の字が間違っております。「心肺」でございます。申しわけございません。
もう一つ19ページにもございまして、一番左が通し番号なのですけれども、39というところで、一番右のカラムの一番下、このページの一番右下ですが、「アミノ酸の投与」と書いてあるのは「タンパク質源の投与」の間違いです。
もう一箇所ございまして、裏の20ページですけれども、一番右に40番と書いてあるところで「タンパク質源としての栄養補給(P.30)」と書いてありますが、これは「(P.38)」の間違いです。以上、3箇所申しわけございません。
戻りまして、資料4-2の1ページから御説明をさせていただきたいと思います。
この表の見方ですけれども、左から通し番号が書いてあります。それで、2番目のカラムは「項目」名、3番目は「頁」で、これは4-1の資料のページ数が書いてあります。次の一番大きいカラムはいただいた「ご意見」、一番右のカラムはいただいた御意見に対する事務局の考え方について記載させていただきました。
本日は時間の関係上、全ての項目について説明させていただく時間がなく、申しわけありませんが、一部、割愛させていただき、主要なポイントに絞って御説明させていただきます。
では、3ページの7番に「重症または敗血症患者の貧血」というところがございます。敗血症の項目に関しては通し番号の33番、34番にもございますが、日本集中治療医学会と日本救急医学会が合同作成された日本版敗血症診療ガイドライン2016というものが発表されております。基本的にはそちらがごく最近に発表されたものですので、事務局としては最新のエビデンス、最新のガイドラインに準じたものをつくりたいと思っておりますので、敗血症診療ガイドライン2016に沿った、そごがないような記載にしていきたいと考えております。
次に下の8番ですけれども、抗D抗体の話が書いてありますが、これに関しては、Rhの陰性血液をRhプラスの方に使用しても問題がないということを書いてはどうか、という御意見をいただきました。
これに関しては、製剤の不規則抗体が実施されており、抗D抗体陽性のものは不適合品として供給されないことから、改めて指針に書いていただきたいという御意見をいただいております。
次の4ページは9番と10番ですが、サイトメガロウイルスに関しても御意見をいただいております。日赤の製剤に関しては白血球除去がされておりまして、こちらの効果に関しては御指摘を踏まえて、科学的根拠の精査検討を引き続き行っていきたいと考えております。
続きまして下の11番ですけれども、「血小板濃厚液の適正使用」というところですが、こちらは心臓血管外科手術に関して御意見をいただいております。人工心肺を使った手術では、血小板機能の異常を来たしやすいために特に出血傾向が強い。
さらに5ページの「ご意見」の真ん中ぐらいに書いてございますように、高齢者、長時間手術、長時間人工心肺手術、大動脈手術など、大量の出血が予測される手術や、腎臓、肝臓の臓器障害を有する患者、いろいろ出血のハイリスクな患者さんに対しては、十分な止血が得られるまでに、血小板輸血は10万以上を目標として輸血できるほうが、より安全であるというような御意見をいただいております。
事務局としても、血小板機能低下が強く疑われる場合には、出血が持続している場合に限って、血小板数を10万以上にするということを考慮して輸血を行っていただく、という変更を考えております。
続きまして7ページの15番ですけれども、15番から25番に関しましては、大量出血、大量輸血に関しての御意見をいただいております。
7ページの一番右のカラムの一番上にございますように、 大量出血症例に関しての最適な輸血療法については、厚生労働科学研究医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業で「大量出血症例に対する最適輸血療法の確立に関する研究」を平成24年度~26年度、その後日本医療研究開発機構(AMED)医薬品等規制調和・評価研究事業の「大量出血症例に対する血液製剤の適正な使用のガイドライン作成に関する研究」と引き継がれまして、平成27年度~29年度にかけては現在ガイドライン案の作成作業が行われております。
来年度末までの研究成果を踏まえて当指針を改正していくという段取りではありましたけれども、今回さまざまな御意見をいただいておりまして、こういう意見に関しては今回に関しては患者さんにとって不利益になることがないようにということで、できるだけ新しいエビデンスに基づいた記載にしていきたいと考えております。
こちらの伺っている御意見としては、9ページの17番にありますように、「産科危機的出血への対応指針2017」というものが5つの学会から出てございます。それとのそごがあるのではないかという御意見です。
1番目は、FFP投与のトリガーがフィブリノゲン値100となっているが、対応指針の方では150としているので、ここにそごがある。
2番目としては、希釈性凝固障害へのFFPの使用しか認められていないというところに関しても、こちらの対応指針とのそごがあるということを伺っております。
したがいまして、事務局の案としては、このフィブリノゲンの値を100から150に変更させていただくことを考えております。
大量輸血時の希釈性凝固障害に関しての記載については、9ページの一番右のカラムに「しかしながら」というところから書いてございますが、今回の改定案は、真ん中より下ぐらいの「ただし」というところから始まりますが、「ただし、産科危機的出血や外傷性出血性ショック、心臓血管外科手術などで、急速かつ大量の出血を来たしている症例、もしくはそのリスクの高い症例では、早期から消費性凝固障害、線溶亢進などによる凝固異常を伴うことが多い。また、凝固因子を含まない輸血、輸液による蘇生を行った場合には、希釈性凝固障害により凝固異常が増悪し、止血困難となる可能性がある。そのような症例に対し、早期から先制的に新鮮凍結血漿の投与を行うことで、予後の改善および早期止血が期待できることから、新鮮凍結血漿投与量を 10 ~ 15mL/kg 、 または新鮮凍結血漿 / 赤血球液の比率(単位あたり)を 1/1 ~ 2.5 として投与することを推奨する。やむを得ず新鮮凍結血漿 / 赤血球液の比率(単位あたり)を1以上 / 1で投与する場合は、輸血関連循環過負荷(TACO)などの合併症に十分留意するべきとの報告がある」。このような方向で記載整備をいたします。
続きまして、13ページの24番に関しては、産科の方ではなくて外傷というところもございます。外傷においても、希釈性の凝固障害に先行して、線溶亢進とフィブノリゲン減少を中心とした凝固障害を合併するということで、文章の中に外傷性出血性ショックというような文言を入れさせていただいております。
これが25番まで続いておりまして、続きまして15ページの26番ですが、「アルブミン製剤の適正使用」というところをごらんください。いただいた意見は、栄養学的な観点から多くの意見をいただいております。
アルブミンの合成に関して、最近の治験によって手術後の侵襲期においてもアルブミンの合成は亢進している。あとは、アミノ酸を含む栄養管理を適切に行うことで、さらに生体内でのアルブミン合成が促進されるということがわかっているということを加えてはどうかという意見をいただきましたので、追記する方向にいたします。
アルブミンに関しては以上ですけれども、次に17ページの33番に「敗血症」のことが書いてございます。先ほど御説明いたしましたように、敗血症のガイドラインの最近のものが学会から出ておりますので、参考文献としてこちらの記載を書き直させていただいております。それが、33と34です。
あとは、18ページの36番と19ページの37番では重症熱傷という項目に関しても御意見をいただいておりますので、御指摘を踏まえ変更いたします。
最後に、21ページの43番に「アルブミン合成能の低下」というところがございますが、慢性だけではなく急性期においてもアルブミン合成能の低下を来しているのではないかという御意見をいただいております。御指摘を踏まえ、科学的根拠の精査検討を引き続き行ってまいります。
以上が、御説明です。
あとは、今後の指針の予定ですけれども、引き続き適正使用調査会の座長と研究代表者、事務局の三者で最後の改訂 作業を行い、今年度中に最終案を局長通知として発出することを予定しております。
なお、今回の改訂に関しては、小児の部分が少し学会のガイドラインの方の最終決定がおくれていた関係で反映されておりません。ほかの輸血・細胞治療学会のそういうガイドラインが新しく出るのにあわせて、指針の方も引き続き改正していきたいと考えております。
以上で説明を終わります。
○半田部会長 ありがとうございました。バブリックコメントに対する具体的な回答案今、説明していただきました。
いかがでしょうか。なかなか細かいところまではということもあるのですが、何かお気づきの点があればどうぞ。
○鈴木委員 パブコメというのは普通は余り出ないもので、この前まではほとんど出ていなかったわけですし、あるいは出ても同じ組織票のようなものがどっと出てきたり、ピント外の意見が含まれていたりという感じで、真っ当な意見は普通はそれほど出るものではないという気がするのですけれども、それが今回は非常に多いので、例えば使用指針を作成する委員の構成に偏りがあるとか、あるいは担当者が最新の情報を把握していないとか、そういう問題があるのではないかという気がどうしてもするのです。この血液製剤の使用指針は薬食審がつくるということでかなり信頼されていると思いますので、専門家を網羅してできる限り最新の情報を入れることを基本的にすべきではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○半田部会長 いかがでしょうか。事務局の方はいかがですか。
○事務局 貴重な御意見をいただいてありがとうございました。最新のガイドラインをもう一度チェックしながらよりいいものを、また皆様に使っていただけるような指針とさせていただきたいと考えております。ありがとうございます。
○半田部会長 どうぞ。
○薄井委員 確認なんですけれども、今、パブコメに対する整合表(資料4-2)を見せていただいていますが、中には文言がこれから入りますというものや、これから検討を行いますというのもあるので、この指針案(資料4-1)はかなり書きかえが入るということの理解でよろしいのでしょうか。
手元の指針案とパブコメに対する回答(意見に対する考え方)には非常に細かく対応するという文言や、逆に曖昧なところもあって、先ほども御意見がありましたが、こういうガイドラインをつくるときはいろいろな意見が出てくるので、対応すべき意見とそうでない意見を選りわけることも大切です。いろいろ意見を聞いていくうちにガイドラインができなくなるということもあります。
この指針の策定をかなりスピードアップして行うことを考えますと、この整合表に直すと書かれた対応部分は直され、それ以外のところは改めて書き換えた文章が入ってくるという理解でしょうか。
○半田部会長 いかがでしょうか。
○事務局 今後、これに間に合わないところというのは次の改正で対応していきたいとも考えております。それは一部御指摘のとおり、エビデンスがあくまでもこの指針に関しては科学的根拠に基づいたというところを一番のよりどころとしておりますので、それを最優先といたしまして、間に合わないものに関しては次の指針の改正で対応するという形になりますが、基本的には今回こちらで出させていただいた表では改正を行いますし、大幅に変わるということはないと考えております。
○半田部会長 どうぞ。
○稲田委員 追加のコメントなんですが、こちらの科学的根拠に基づいたガイドラインというのは恐らく2014年までの文献を参考にして作成されたもので、今回出てきたパブリックコメントの多くは2016年の敗血症のガイドラインであるとか、2017年の産科出血のガイドラインということで新しいものも含まれているというところから少し整合性がとれなかったというところと、もう一つは学会のガイドラインは非常に有用なものだと思うのですが、そのあたりの科学的根拠の見方ですね。
こちらで輸血・細胞治療学会、Mindsがきちんとした評価をされているんですが、ある程度、意見がないものに対してエキスパートオピニオンという形で入ってきているものも学会のガイドラインに入っていますので、本当はそのあたりのきちんとしたすり合せが必要だとは思うんですが、ただ、今後こういった輸血療法を行っている点で、こちらの学会、特に幾つもの他学会でつくっているものとの整合性をとっておくのは大変重要なことだと思いますので、今回の改訂の多くは認められるものかというふうに私は感じました。以上です。
○半田部会長 ありがとうございました。
実は私、適正使用調査会の座長としまして、一応事務局とともにこの改訂案については最終的なまとめを行いまして、今、稲田委員がおっしゃったように前回までは全くエビデンスベースが示されていなかったものを、今回は、エビデンスがあるものに関しては、そのエビデンスの程度というものをきちんと示したわけです。
でも、見ていただくとわかると思うのですが、多くがまだエビデンスがないという状態であるということです。ですから、それは専門家の意見にとどまるということで、それは今回の指針の最初に一応、緒言で述べております。
ですから、今後また研究が進んできて新しいエビデンスが出れば改訂していく。そういう姿勢で臨むということを最初の緒言で言っております。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
○室井委員 今の先生と全く同じ意見なのですが、今回エビデンスレベルで記述しているので非常にわかりやすいんですね。
ただし、1の「強く推奨する」と、2の「推奨する」と二つがありまして、なおかつエビデンスでA、B、C、Dと4つあって、どれが強いのかというのはちょっと臨床で戸惑うところがあるんです。1のDと2のBはどちらが優位かと思うと、ちょっとまごつくところがあるので、この8通りの重みづけは将来的にはもっと簡略化したほうがいいんじゃないかというのが私の意見なんですけれども、いかがでしょうか。
○半田部会長 いかがでしょうか。それは、私の方から適正使用調査会の座長としてお答えいたしますと、そういう意見があったということですね。それから、実は輸血・細胞治療学会の方でもガイドラインをつくられるときにそういう意見があったということです。ですから、AとBとCとDが全く同じ「推奨する」という言葉でひとくくりになっているということですね。それにちょっと違和感があるという意見は、実は適正使用調査会の中でもございました。
ただ、今回はこれにとどめて、またそれぞれのこれからの推移というもので書いていければと考えているということです。いかがでしょうか。
○室井委員 わかりました。
○半田部会長 どうぞ。
○溝上委員 学会のガイドラインに関与した者としてお聞きしたいのですが、新薬が出たときには、学会が責任を持ってガイドラインを作成するということでした。
今回は、この委員会もしくは本省や日赤が絡み、ガイドラインや使用指針をつくった場合、ほかのいろいろな学会のガイドラインとの位置づけはどのようにお考えなのでしょうか。
例えば、輸血療法学会が出すガイドラインと、産婦人科学会の大量出血の時に出すガイドラインと、もしディスクレパンシーが出るようなときはどのような形になるお考えでしょうか。
○半田部会長 いかがでしょうか。
○一瀬血液対策課長 事務局です。まずこの使用指針の内容に関する責任は作成した厚生労働省が持つことになります。
何らかの事件、事故が起こったときに、それぞれの学会のガイドラインや、この使用指針が、その時代、その時点で適正であったかどうかという争いは裁判の中証明していくことになると思います。専門家の中でコンセンサスがとれていたかどうかを調査した上でないと判断はつかないものだと思います。個別に適正であったか判断された上で、その責任はそれぞれの作成者がとるのではないかと考えています。
○溝上委員 我々がつくったときはあくまで学会がつくってくださいとのことでした。
今回の場合は厚労省がつくるということでございますので、そこのところの違いというのをお聞きした次第です。
○半田部会長 ありがとうございました。
それでは、もう時間が過ぎましたので議決に移りたいと思います。
当該使用指針案について、お認めいただけますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○半田部会長 ありがとうございました。それでは、御了承されたということで、今後は当該使用指針の発出に当たっては、先ほどたびたび申しているように、法的な観点からの修正があった場合には部会長、私に御一任いただければと思います。
こちらで用意した議題は以上ですが、何かほかに委員の皆様から特にございますでしょうか。いかがでしょうか。
それでは、次回の日程等々についてはまた後日、事務局から御連絡をお願いしたいと思います。
本日は、ありがとうございました。
※ 備考
本部会は、公開で開催された。
連絡先:医薬・生活衛生局 血液対策課 課長補佐 山本(2905)
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