2025年9月3日 第17回重篤副作用総合対策検討会 議事録

日時

令和7年9月3日(水) 14:00~16:00

場所

厚生労働省 共用第9会議室(オンライン会議会場)

議事

○医薬安全対策課長 それでは、定刻になりましたので、第17回「重篤副作用総合対策検討会」を開催いたします。
 本日御出席の構成員、参考人の先生方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。
 本日の検討会の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしておりますので、御理解、御協力のほどお願いいたします。議事録については、後日、厚生労働省ホームページに掲載いたします。
 また、審議の方法につきましては、対面とウェブのハイブリッド開催としており、五十嵐委員、林委員は会場、そのほかの構成員及び参考人の先生方はウェブにて審議に御参加いただいております。対面での進行と一部異なる部分がありますので、議事に先立ち、審議の進行方法について説明をさせていただきます。
○医薬安全対策課課長補佐 事務局より御説明申し上げます。
 まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
 御意見、御質問をいただく際には、ミュートを解除し、初めに御自身のお名前をお知らせいただいた上で、御発言ください。
 発言のタイミングが重なったり、音声のみでの判別が難しい場合は、一度発言を控えていただき、座長から順に発言者を御指名いただきます。
 会議中、マイクの調子が悪くなるなど、他の出席者にとって聞き取りづらい状態が続く先生におかれましては、音声の代わりにメッセージに御意見等を記入していただきますよう、事務局または座長からお願いをする場合がございます。
 その他、システムの動作不良等ございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしております事務局の電話番号まで御連絡をお願いいたします。また、もし事務局側のインターネット接続が切れる等のトラブルが発生した場合は、事務局から一斉にメールにて御連絡いたしますので、御確認いただけますと幸いです。
 御不便等をおかけするかもしれませんが、何とぞ御理解、御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、事務局から本日の検討会から新たに御参画いただく先生を御紹介させていただきます。
 犬伏構成員の後任といたしまして、認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事の山口育子構成員が、齋藤構成員の後任といたしまして、国立医薬品食品衛生研究所医薬安全科学部室長の荒川構成員が、昨年度御退任された森田構成員の後任といたしまして、帝京大学ちば総合医療センター第三内科(呼吸器)教授の山口正雄構成員がそれぞれ着任されております。
 また、本日の構成員の出欠でございますが、藤原構成員より御欠席との御連絡をいただいております。
 また、現時点で多賀谷構成員、山口正雄構成員がまだ会議に参加されておりません。遅れて入られるものと思います。
 また、議題2「令和6年度作成のマニュアル案について」、参考人の先生方にも御出席いただいております。
 「アナフィラキシー」のマニュアルにつきまして、日本アレルギー学会より近藤康人先生、「血管性浮腫(非ステロイド性抗炎症薬によらないもの)」「非ステロイド性抗炎症薬によるじんま疹/血管性浮腫」のマニュアルにつきましては、日本アレルギー学会より加藤則人先生、「緑内障」のマニュアルにつきましては、日本眼科学会より生杉謙吾先生、「角膜混濁」のマニュアルにつきましては、日本眼科学会より堀裕一先生に御出席いただいております。
 事務局からの御説明は以上でございます。
 以降の議事の進行は五十嵐座長にお願いいたします。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
 皆さん、お暑いところお集まりいただきましてありがとうございます。
 早速議事に入りたいと思います。
 初めに、配付資料の御確認を事務局からお願いいたします。
○医薬安全対策課課長補佐 あらかじめ資料をお送りさせていただいておりますが、議題1に関して資料1、議題2に関しまして資料2-1から2-7、議題3に関しまして資料3がございます。このほか、議事次第・配付資料一覧、参考資料といたしまして開催要綱、構成員/参考人名簿をあらかじめお送りしております。
 本日の資料は以上でございます。不足等がございましたら、お申しつけください。
○五十嵐座長 ありがとうございました。
 皆さん、よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○五十嵐座長 それでは、議題1に入りたいと思います。「重篤副作用疾患別対応マニュアルの新規作成・改定について」、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料1を御覧ください。
 1ポツ、前回の第16回検討会以降のマニュアル改定または作成の進捗状況です。1つ目、第16回検討会では、別紙1に示しております3マニュアルが審議され、審議結果を反映の上、本年3月にマニュアルを公表いたしました。
 2つ目、第16回検討会で改定作業を実施中である旨、御報告しておりました。別紙2に示す6マニュアルについて、今般作業が終了いたしましたため、本日の議題2で御審議いただきます。
 3つ目、本年度は学会等に御意見を伺った上で、別紙3に示しておりますマニュアルの改定作業の実施を予定しております。こちらは次回以降の検討会で御審議をお願いする予定です。
 続いて、「2.第16回検討会以降のマニュアルの利活用に向けた取組みの状況について」です。1つ目、第16回検討会では、マニュアルの具体的な活用方法に関する情報も含めた周知啓発ポスターを作成する方針について御了承されました。その後、普及・啓発ポスターを作成し、作成したポスターを本検討会の先生方に御報告の上、本年3月から当該ポスターの配布、ホームページ掲載等を行っております。
 2つ目、本年度は、さらなるマニュアルの利活用に向けた取組として、昨年度に引き続き医療従事者向けも含めた周知啓発ポスターを作成することを検討しております。議題3で構成員の日本病院薬剤師会、林先生から御説明いただき、御審議いただきます。
 資料1については以上です。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。
 では、何か御質問、御意見ございますか。よろしいですか。
 それでは、議題2に移りたいと思います。「令和6年度作成のマニュアル案について」、事務局からお願いいたします。
○事務局 個別のマニュアル案の御審議に入る前に、事務局より全般的な事項について御説明いたします。資料構成として、資料2-1がマニュアル改定の概要、資料2-2から2-7が改定マニュアル案です。マニュアルの改定箇所について、項目内の一部変更の場合は変更箇所にマーカーを引いております。本日はマニュアル案を作成いただいた各学会の参考人の先生方にお越しいただいておりますので、この後、各マニュアル案について、参考人の先生方から改定のポイントについて御説明いただきます。
 今回のマニュアル案は、資料2-2「アナフィラキシー」、資料2-3「血管性浮腫(非ステロイド性抗炎症薬によらないもの)」、資料2-4「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs、解熱鎮痛薬)によるじんま疹/血管性浮腫」、資料2-5「緑内障」、資料2-6「角膜混濁」及び資料2-7「間質性肺炎(肺臓炎、胞隔炎、肺線維症)」は、いずれも既に作成されていたマニュアルを改定するものです。
 また、全てのマニュアルに共通の参考資料について、資料2-2を例に用いて事務局から簡単に御説明いたします。資料2-2をお手元に御準備ください。各マニュアルについては巻末に参考1から参考4がございます。資料2-2の35ページを御覧ください。参考1として医薬品医療機器等法に基づく副作用報告件数を記載しております。
 次に38ページを御覧ください。参考2としてICH国際医薬用語集における関連副作用用語の一覧を記載しております。
 続いて、40ページを御覧ください。参考3、医薬品副作用被害救済制度における給付決定件数を記載しており、41ページには参考4、医薬品副作用被害救済制度の解説を記載しております。
 参考3については、後日更新予定でございます。
 以上になります。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。
 よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○五十嵐座長 それでは、各論に入りたいと思います。まず、日本アレルギー学会の近藤参考人から資料2-2を御説明していただきたいと思います。よろしくお願いします。
○近藤参考人 資料は画面に出たりするのでしょうか。私、ダウンロードができていなくて、資料2-2が分からないのですけれども、申し訳ありません。
○医薬安全対策課課長補佐 2-2はアナフィラキシーのマニュアルになります。
○近藤参考人 では、アナフィラキシーのマニュアルについてお話しします。マニュアル全体についてお話しすればよろしいでしょうか。
○医薬安全対策課課長補佐 事務局でございますけれども、今回の改定のポイントにつきまして御説明をお願いできればと思います。
○近藤参考人 分かりました。
 今回改定した背景・理由についてお話しいたします。本改定は、アナフィラキシーに関する最新の知見を反映させることを目的として実施されました。特に2022年に改定された「アナフィラキシーガイドライン2022」において診断基準の一部が変更されたことと、並びに日本における最新のアナフィラキシー疫学データが報告されたことを受け、内容の更新が必要となったということです。また、臨床現場における初期対応や、患者指導の実践に即した記述の明確化も改定の重要な目的であります。
 主な改定点として、改定の基準の改定は、まずは診断基準です。これはマニュアルのP12の図2にありますけれども、皮膚症状を必須としない新たな診断基準というのを反映しております。
 次に、促進因子です。これは13ページから14ページになりますけれども、年齢や既往歴、併用薬など、発症、重症化のリスク因子を図で明示しています。
 次に、初期対応手順というのがP15ページにありまして、初期対応基準というのが図7になりますが、これが原因薬剤の投与中止、仰臥位保持などの初期対応基準に加え、成人・小児におけるアドレナリン筋注の具体的用量を明示しております。
 写真を幾つか新しく変えました。17ページからある写真ですけれども、実際の皮膚所見や浮腫の写真を追加して、視覚的な理解を向上させる目的で少し変えました。
 そして、検査所見、判別方法の基準の明確化ということで、これも不応期の検査時期とか、例えばそれを4週間以降と変えたりとか、あとプリックテストの手順など。これは学会の皮膚テストの手引きというのを引用して、実践的な事務的なアドバイスを開始しています。
 それから、アナフィラキシーの機序に関する図解の新設ということで、P20になりますけれども、これはガイドラインから取り出した図でありますが、IgE依存性、非依存性の機序を明確に分類して、視覚的に分かりやすくしておる。
 以上であります。
○五十嵐座長 御説明、どうもありがとうございました。
 それでは、資料2-2につきまして御質問、御意見をお願いしたいと思います。
 今回図が多用され、皮膚症状が必ずしも診断確定に必要ないとする新しい診断基準も導入されています。よろしいでしょうか。山口委員、どうぞ。
○山口(育)構成員 一般の方向けのところを見ていて、アナフィラキシーショックと言うと、どうしても皮膚とか、息がしにくいとか、そういった症状の意識があったのですが、今回胸痛や腹痛という、いろんな病気で起こる症状ということも加えられています。これは例えば腹痛だけとか胸痛だけという場合もあるのでしょうか。一般の方に腹痛や胸痛と書くときに、例えば何か随伴するような症状があるのか。単独で書いてあるととても判別が難しいという気がしたのですけれども、その辺りというのは、単独で起きるようなこともあって加わったのでしょうか。
○近藤参考人 貴重な質問、ありがとうございます。
 胸痛、腹痛に関しては、診断基準の1のほうに主に当たると思います。アナフィラキシーの診断基準の1というところで、まずは皮膚症状あるいは粘膜所見があって、それに加えて重篤な腹部症状、あるいは重篤な循環器症状、その他の重篤な呼吸器症状というふうになるので、腹痛でも重篤でない、あるいはそういった皮膚症状が伴っていないとか、そういう場合はアナフィラキシーとは判断しないというものでございます。
○山口(育)構成員 だとすれば、一般の方向けの文章のところに「皮膚症状を伴って」というようなことがあったほうが分かりやすいのではないかなと思いました。
○近藤参考人 ありがとうございます。最初のところですね。
○山口(育)構成員 そうです。
○近藤参考人 最初、アナフィラキシー、患者様へのところには「皮膚の赤み」「じんま疹」「ふらつき」などと。それぞれが単独で読み取れるという。
○山口(育)構成員 そうなのです。単独で読み取れないほうが分かりやすいのではないかなという気がいたしました。御検討いただければと思います。
○近藤参考人 分かりました。患者さんのところは確かにそうですね。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
 よろしいですか。
 ほかはいかがでしょうか。山縣先生、お願いします。
○山縣構成員 本質と違うところなので、これは問題にならないところなのかもしれませんが、1点だけ違和感があったところが13ページで、今回の改定とは全く関係ない、以前から入っている内容ですけれども、「患者側のリスク因子」という説明の中にある「喘息などの呼吸器疾患、心血管疾患、マスト細胞症、アレルギー性鼻炎、湿疹」という記載ですが、マスト細胞症がアナフィラキシーショックのリスクファクターだということは理解するのですが、かなり難病で超まれな疾患がここに並んでいるのはちょっと違和感があるなと。ただ、どうしても学会としてこれは必要だということであれば、もちろんこのままで構わないと思うのですが、やや違和感があったので、その点、御見解をお伺いできればなと思いました。
○近藤参考人 ありがとうございます。
 マスト細胞症を挙げているのはそのとおりで、一般的ではないのですけれども、蜂毒アレルギーでは、基礎疾患にマスト細胞症があると致死的なアナフィラキシーが高まるというふうにされていて、諸外国のガイドラインにもその点が明記されているので、一応今回のガイドラインには載せさせていただいたということでございます。
○山縣構成員 やはり外しがたい唯一の疾患であるということなのですね。そういう理解でよろしいですか。
○近藤参考人 はい。増悪に関わる因子になるということです。
○山縣構成員 了解いたしました。
○五十嵐座長 よろしいでしょうか。
 そのほか、いかがですか。よろしいですか。
 それでは、先ほど山口委員から少し御指摘がありましたけれども、そこは修正を検討するということにしたいと思います。
 そのほかに特に御指摘がないようですので、日本アレルギー学会作成のアナフィラキシーに関するマニュアル案につきましては、御了解をいただけますでしょうか。
(構成員首肯)
○五十嵐座長 ありがとうございます。
 では、そのようにしたいと思います。
○近藤参考人 ありがとうございました。
○五十嵐座長 今後の進め方につきましては、事務局に最後にまとめて御説明をしていただきたいと思います。
 近藤先生におかれましては、貴重な御説明、御意見をいただきましてありがとうございました。以後の課題につきましては、特に御意見を求めることはありませんので、ここで御退席可能です。どうもありがとうございました。
○近藤参考人 ありがとうございました。
(近藤参考人退席)
○五十嵐座長 続きまして、日本アレルギー学会の加藤参考人から資料2-3のマニュアル案につきまして、御説明をお願いしたいと思います。
○加藤参考人 よろしくお願いいたします。
 資料2-3「血管性浮腫(非ステロイド性抗炎症薬によらないもの)」であります。本マニュアルですけれども、イカチバントという治療薬に関する3つのランダム化比較試験のメタ解析の報告が出たこと、それから遺伝性血管浮腫に関する新たな報告などを受けて改定することにいたしました。
 主な変更点としまして、先ほどのAC阻害薬やDPP-4阻害薬による血管性浮腫に対してのイカチバントの有効性、3つのランダム化比較試験の結果、有効性が認められなかったというような。ごめんなさい。最初のは有効性が認められたのですが、残りの2つではプラセボとの有意差はなかったという旨を追記いたしました。これが22ページです。
 原因薬剤に関しまして、6ページと14ページに、ネプリライシン阻害薬及びアンジオテンシン受容体とネプリライシン阻害薬の合剤ということを追記いたしました。なお、14ページにおきましては、ネプリライシン阻害薬単独で挙げられていませんことに先ほど気づきましたので、これにつきましては、14ページにもネプリライシン阻害薬単独でも原因になり得ることを改めて追記させていただきます。
 そのほか、17ページではバルサルタンとサクビトリルの併用心不全患者での副作用発現頻度を記載しております。
 18ページですけれども、血管性浮腫に関係する8遺伝子を列挙いたしまして、その中で、日本ではプラスミノーゲン遺伝子(PLG)異常のみが報告されているということを記載いたしました。
 21ページには2023年の国際コンセンサス会議で提唱された新しい分類、DANCE分類というものと、その図を追記いたしました。
 昨日委員の方々からいただいた御意見の中で、22ページの一番上のところで、喉頭浮腫による気道閉塞の場合、救急処置を要するので、口腔、咽頭等に関わる自覚症状の有無を問診し、呼吸状態の把握に努めるという記載があるのですが、呼吸状態の把握だけでいいのか、アドレナリンの投与等は必要ないのかという非常に貴重な御意見をいただきましたので、これにつきましては改めて学会のほうで検討させていただきたいと思います。
 私からは以上です。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。
 それでは、資料2-3につきまして御質問、御意見がありましたらお願いしたいと思います。山口委員、どうぞ。
○山口(育)構成員 ありがとうございます。
 6ページ、これは「患者の皆様へ」という文章が継続しているところだと思うのですけれども、真ん中辺りに「マスト細胞のメディエーターが関与するものと、ブラジキニンが関与するもの」というのがあって、これは一般の方に分かりにくいので、何か注釈を入れていただいたほうが患者の皆さんにはいいかなと思います。
○加藤参考人 承知いたしました。対応させていただきます。
○五十嵐座長 ほかはいかがですか。笠原先生、どうぞ。
○笠原構成員 あまり細かいことなので事前に連絡しなかったのですけれども、今のイカチバントの点ですが、15ページの下から4行目に「イカチバント(商品名:フィラジル、保険未承認)」ということが書いてありますが、これは前の改定のときにはまだ承認をやっていなかったと思いますけれども、その後、血管性浮腫に対して承認という形にはなっているのだと思いますが、これはこのままでいいのですか。
○加藤参考人 これにつきましては改めて確認して、現在の状況に合わせてよろしいでしょうか。
○笠原構成員 処方薬としては2018年11月6日に発売されているのですね。
○加藤参考人 改めて確認して対処いたします。
○五十嵐座長 御指摘ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、6ページに注を入れるのと、15ページは確認していただくということで対応していただきたいと思います。
○加藤参考人 承知いたしました。
○五十嵐座長 そのほかは特にありませんか。
 それでは、日本アレルギー学会作成の血管性浮腫に関するマニュアル案につきましては、皆様から御了承いただけますでしょうか。
(構成員首肯)
○五十嵐座長 ありがとうございます。
 皆様、オーケーということですので、御承認したいと思います。
 どうもありがとうございました。
○加藤参考人 ありがとうございます。
○五十嵐座長 今後の進め方につきましては、事務局に最後にまとめて御説明をしていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
 続きまして、日本アレルギー学会の加藤参考人から資料2-4のマニュアル案につきまして、御説明をお願いいたします。
○加藤参考人 よろしくお願いいたします。
 「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs、解熱鎮痛薬)によるじんま疹/血管性浮腫」の案です。今回の改定では、NSAIDs使用と皮疹の増悪のタイミングに関して詳細な問診を行い、NSAIDsによるじんま疹の合併を疑うことが重要であることということと、NSAIDsによるじんま疹を含むNSAIDs不耐症では、内服薬だけではなくて、貼付薬や塗布薬で症状が誘発されることがあるということを示唆しました。
 具体的には、患者さん向けのところでは、7ページの中ほど「湿布薬で、じんま疹がでたことのある患者さん」という形で書きました。及び14ページのところにも具体的に「ケトプロフェン湿布薬を貼付した際にじんま疹が悪化した」という症例を追記いたしました。
 以上です。
○五十嵐座長 どうもありがとうございます。
 それでは、資料2-4につきまして御意見、御質問がありましたらお願いいたします。薄井先生、お願いします。
○薄井構成員 慈恵医大の薄井です。先生、ありがとうございます。
 10ページの「早期診断に必要な問診」のところに「点眼薬」というのが入っているのですけれども、患者さんの説明文書にも点眼薬というのは入っているのでしたか。なかったような気がしますが。
○加藤参考人 承知いたしました。確認して対応させていただきます。ありがとうございます。
○薄井構成員 よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。飯島先生、お願いします。
○飯島構成員 これは我々、慣例的に習わしていることなのですが、14ページの6行目ぐらいのところに、普通抗ヒスタミン薬はH1ブロッカーなのです。時々H2ブロッカーも使うとやるので、抗ヒスタミン薬はH1で、こちらがH2も併用するよというふうにしたほうが親切かなと思いましたので。
○加藤参考人 承知しました。先生、13ページの中等症のところですね。抗ヒスタミン薬と全身ステロイド。
○飯島構成員 はい。抗ヒスタミン薬はH1だと僕は理解していますし、H2も併用しますので。
○加藤参考人 承知しました。抗ヒスタミン薬というところがH1受容体拮抗薬であるということを明記するようにとのことですね。
○飯島構成員 はい。
○加藤参考人 承知いたしました。ありがとうございます。
○飯島構成員 よろしくお願いします。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
 お願いします。
○山縣構成員 筑波大学の山縣でございます。
 8ページの「B.医療関係者の皆様へ」という四角の中で黄色く書いてある部分に「消化器症状」というのがあるのですけれども、ここは恐らく早期発見を目指したものであるならば、呼吸器症状も。あえて消化器を加えるのであれば、呼吸器症状も加えたほうが思ったものですから、いかがでしょうか。
○加藤参考人 貴重な御意見、ありがとうございます。前か後かに必ずそれを追記するようにいたします。消化器症状に加えて気道の症状というところですね。息苦しさ、せきなどを加えさせていただきます。ありがとうございます。
○山縣構成員 ありがとうございます。
○五十嵐座長 「のどのむくみ」という言葉はあるのですが、呼吸困難とかそういうのはないということですね。
 ありがとうございます。
 そのほか、いかがですか。よろしいですか。
 それでは、8ページの今、御指摘になった点、呼吸器症状あるいは気道症状を加える。10ページの点眼薬については、患者さん向けのほうにも入っているかどうか確認して、なければ追記をすると。13ページは抗ヒスタミン薬の説明を入れていただくということ。3つ御指摘をいただきました。それでよろしいでしょうか。
○加藤参考人 はい。
○五十嵐座長 それでは、ほかに特にないようですので、こういう修正を加えるということで、じんま疹/血管性浮腫に関するマニュアル案につきましては、御了解をいただけますでしょうか。
(構成員首肯)
○五十嵐座長 ありがとうございます。
 では、そのようにしたいと思います。
○加藤参考人 ありがとうございます。
○五十嵐座長 今後の進め方につきましては、事務局に最後にまとめて御説明をしていただきたいと思います。
 加藤先生におかれましては、貴重な御意見、御説明をいただきましてありがとうございました。これ以降は特に先生から御意見を求めることはありませんので、御退席可能です。どうもありがとうございました。
○加藤参考人 お世話になりました。ありがとうございます。
(加藤参考人退席)
○五十嵐座長 続きまして、日本眼科学会の生杉参考人から資料2-5のマニュアル案につきまして、御説明をしていただきたいと思います。
○生杉参考人 よろしくお願いいたします。日本眼科学会の生杉と申します。
 今回重篤副作用疾患別対応マニュアルの緑内障の案を提案させていただきます。資料2-1の4ポツにお示しさせていただきましたように、今回令和元年9月の改定以来の改定ということになります。その間に緑内障診療ガイドラインの改定がございました。また、診断基準や治療方法など新たな知見も出てまいりましたので、その点を踏まえて改定させていただきました。
 主な変更点は3つございます。1に示させていただきましたように、副作用の概要に関しまして、従来から注目されております散瞳作用、毛様体の浮腫によるものに加えて、最近特に問題になることがある副腎皮質ステロイド薬に改めて注目いたしまして、記載を追加いたしました。
 また、2番ですけれども、隅角閉塞を原因とする以前から注目されている緑内障の治療方法として水晶体再建術、いわゆる白内障手術によって水晶体を取り除くことによって、眼内の房水の流れが改善される。手術の安全性が高まりまして、ガイドラインにも有効な治療方法としてかなり認知が進んでおりますので、その点を新たに加えさせていただきました。
 また、診療ガイドラインの改定に伴いまして用語の修正が幾つかございましたので、それを改定させていただきました。
 資料2-5を御覧ください。要点だけお話しさせていただきます。まず、患者様のところ、資料の5ページですけれども、黄色のバックに黄色の線で分かりにくいのですが、特に「副腎皮質ステロイド薬」について、ここに記載を加えました。
 また、患者さんの自覚症状ですけれども、視野の中に見えない部分があるというのは理解、分かるのですが、両眼で見ていると、片眼の視野障害に気がつかないことが多いということが最近言われておりますので、片眼ずつ検査してくださいということも少し追記いたしました。
 次の主な点ですけれども、資料の10ページの中ほどで、実際臨床でよく問題になるのは、アトピー性皮膚炎などで長期に副腎皮質ステロイド薬、外用薬が使用されている例で知らない間に眼圧が上がっていて、緑内障になっていたという例が問題になることが多いですので、ここの部分を改めて追記いたしました。
 発生機序に関しても、最近分かってきているような知見を11ページから12ページにかけて少し追記させていただきました。
 治療の方法ですけれども、16ページの部分になります。こちらのほうに「水晶体再建術(白内障手術)」ということを、以前からのレーザー虹彩切開術に加えて追記をさせていただきました。
 症例のページは以前からのものが非常に典型的で分かりやすいかなと思いましたので、これはそのまま残させていただいております。
 また、これは最後に御参考になればと思いますけれども、資料の27ページの部分ですが、令和元年から5年度、緑内障副作用による健康被害名の緑内障27件のうち25件が実は副腎皮質ホルモンのお薬になっているということで、散瞳による緑内障というよりは、知らない間に緑内障になっていた、自覚があまりないうちに進んでいたというのが実際は副作用被害救済制度の給付になっていることが多いということにも改めて注目していきたいと思っております。
 以上です。ありがとうございます。
○五十嵐座長 御説明ありがとうございました。
 それでは、資料2-5につきまして御質問、御意見、お願いしたいと思います。滝川先生、お願いします。
○滝川構成員 私、前もこれを質問したことがあるのですけれども、今回も「副腎皮質ステロイド薬」という言葉が何回か出てきて、前にお話ししたときも、もう十数年前に医師国家試験からは、それまで「副腎皮質ステロイド薬」というのはおかしいので、副腎皮質ステロイド」というふうに統一した。いろんな教科書とかでも「薬」がついていないほうが多いと思うのですけれども、この点はいろんなマニュアルで統一されているのかなということをお話ししたことがあるのですが、事務局のほうにそれをお聞きしたいと思います。
○医薬安全対策課課長補佐 事務局でございます。ありがとうございます。
 今回の緑内障のマニュアルでも「ステロイド」としているところと、「薬」がまだついているところもありますので、そこは全体を通して再確認させていただければと思います。
○滝川構成員 ほかのマニュアルとの整合性はいかがでしょうか。それを聞きたいのですけれども。
○医薬安全対策課課長補佐 ほかのマニュアルも含めて、そこは全体的に確認させていただければと思います。
○滝川構成員 例えば10ページの真ん中の黄色いところですと、「副腎皮質ステロイドの外用薬」という書き方をしているところもありますので、その辺も含めてお願いいたします。
○生杉参考人 御指摘いただきありがとうございます。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
 資料2-5のマニュアルの中だけでは統一することは絶対必要だと思うのですけれども、ほかのマニュアルまでそれが訴求するとなると、なかなか大変ですね。
○医薬安全対策課課長補佐 全体の整理はありますので、タイミングはそれぞれになるかもしれませんが、そこは整合性を取るような形で進めさせていただきます。
○五十嵐座長 滝川先生、「副腎皮質ステロイド」で止めて、「薬」はつけないほうがいいというお考えですか。
○滝川構成員 少なくとも医師国家試験の問題ではもう十数年前、20年ぐらい前から「薬」を取ってしまっています。それから私たちの自己免疫性肝炎とのガイドラインでも、「薬」は入れていませんので、少なくとも私どもは使っておりません。
○五十嵐座長 分かりました。どうもありがとうございます。
 では、これは少なくとも資料2-5のマニュアルの中ではそのように統一をしたいと思います。そのほかのマニュアル全体となりますとなかなか大変だと思いますので、これはまた随時検討するということにしたいと思います。
 御指摘ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、滝川先生の御指摘については対応するということで、資料2-5、このマニュアル案につきましては了解をいただけますでしょうか。
(構成員首肯)
○五十嵐座長 ありがとうございます。
 皆さんからオーケーのサインをいただいています。
 では、今後の進め方につきましては、事務局に最後にまとめて御説明をしていただきたいと思います。
 生杉先生におかれましては、貴重な御意見、御説明をしていただきましてありがとうございました。これ以降の議題につきましては、特に御意見を求める予定はありませんので、御退席可能です。どうもありがとうございました。
○生杉参考人 ありがとうございました。
(生杉参考人退席)
○五十嵐座長 それでは、続いて、日本眼科学会の堀先生から資料2-6のマニュアル案につきまして御説明をいただきたいと思います。
○堀参考人 日本眼科学会の堀でございます。よろしくお願いいたします。
 資料2-6でございます。「角膜混濁」のマニュアルですが、平成23年3月に作成されまして、令和元年9月に改定しております。今回の改定ということになりました。
 改定の理由ですけれども、緑内障の点眼薬における角膜混濁というのがあるのですが、緑内障点眼薬がその後、新薬がたくさん出まして、そのこともあります。抗がん剤による角膜混濁もありますので、その部分を少し改定いたしました。
 主な改定点としましては、11ページと12ページに症例を出しているのですが、緑内障の点眼。ブリモニジン酒石酸塩の点眼ですけれども、交感神経α2作動薬でございます。この点眼を行って充血が改善するという理由で使われていたのですが、写真にございますような副作用の報告を追記いたしました。
 あとは細かい文言を修正して、今回の改定といたしております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。
 それでは、資料2-6につきまして御質問、御意見をいただきたいと思います。特にありませんか。ないですね。
 それでは、特に御意見がないようですので、角膜混濁に関するマニュアル案は御承認いただけますでしょうか。
(構成員首肯)
○五十嵐座長 ありがとうございます。
 では、そのようにしたいと思います。
 今後の進め方につきましては、事務局に最後にまとめていただきたいと思います。
 堀先生におかれましては、貴重な御説明、御意見をいただきましてありがとうございました。これ以降の議題につきましては、特に御意見を求める予定はありませんので、ここで御退席可能です。どうもありがとうございました。
○堀参考人 ありがとうございました。
(堀参考人退席)
○五十嵐座長 それでは、続きまして、資料2-7のマニュアル案に移りたいと思います。日本呼吸器学会から参考人の先生が御出席いただいておりませんので、代わりに事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料2-7を御覧ください。本マニュアルは、平成18年11月に作成された後、令和元年9月に改定されておりますが、前回の改定から5年が経過し、薬剤に関する情報を更新し、読みやすいマニュアルを目指し、全体的に分かりやすい表現に見直しが行われております。
 主な改定点といたしましては、健康効果が期待されるいわゆる健康食品によって副作用として間質性肺炎が引き起こされることが知られているため、その旨を追記して注意喚起が促されております。
 また、医療関係者向けには、間質性肺炎の診断には胸部CTが重要であるため、「早期発見と早期対応のポイント」にこの旨が追加されております。
 さらに、COVID-19による肺炎像が鑑別の対象になるため、この点も鑑別及び検査項目として追記され、加えて漢方による間質性肺炎に関して具体的な生薬成分が記載されております。
 また、構成員の皆様より事前にいただいた御意見につきまして、学会から回答をいただいておりますので、御紹介いたします。まず、11ページ上段の「SpO2測定」という文言について、13ページには「動脈血酸素飽和度(SpO2)の測定」という文言があるため、統一してはという御意見がございました。こちらにつきまして、学会からは11ページの「本症を疑い、血液検査、胸部単純X線写真、SpO2測定、動脈血ガス分析などの検査を直ちに行い」の部分と、13ページの「動脈血酸素飽和度(SpO2)の測定や血液ガス分析、胸部単純X線写真の撮影を行う」の部分について、「経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)」に修正するとコメントをいただいております。
 次に、15ページ下段の「KL-6が正常値であってもSP-Dは高値の症例もみられる」という部分について、KL-6が正常値であっても、SP-Dは高値の症例やその逆の症例もみられるという御意見がございました。こちらにつきまして、学会からは「KL-6が正常値であっても、SP-Dは高値の症例やその逆の症例もみられる」に修正するとコメントをいただいております。
 以上になります。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。
 2点修正することにいたします。
 それでは、資料2-7につきまして御意見、御質問がありましたらお願いしたいと思います。山口先生、どうぞ。
○山口(育)構成員 ありがとうございます。
 私は患者の立場なので、特に「患者の皆様へ」のところを重点的に見ているのですけれども、このところだけ非常にルビが多くて、ここまで必要かなというような内容までルビが振ってあったので、本当に読み方、「きょうひしょう」とか、そういうことに限定したほうがいいのではないかということと、漢字に重なっている、ぎりぎりかすっているので、非常に文字が見えにくいなという印象がございました。表記の仕方について御検討いただいたらどうかと思います。
 以上です。
○医薬安全対策課課長補佐 御意見ありがとうございます。
 ルビと文字の重なり、見やすいように学会とも調整して修正・検討したいと思います。ありがとうございます。
○五十嵐座長 漢字と平仮名とが近過ぎて読みにくくなっている印象があります。では、表示の仕方について御検討いただくということにしたいと思います。
 ほかはいかがでしょうか。薄井先生、お願いします。
○薄井構成員 ありがとうございます。慈恵医大の薄井でございます。
 先ほど御説明があった14ページのKL-6とSP-Dの高値の件ですけれども、ここの書き方は良いと存じますが、保険診療という点ではKL-6とSP-Dを同一月に測定することはできないのですが、これは学会としてはなるべく早く両方測定するようにという推奨みたいなものなのでしょうか。私の理解ですと、SP-Dのほうが少し早めに上がるということで、どちらかを先にするかと言うとSP-Dかなと思ったのですけれども、今の御説明ですと、KL-6が正常値であってもSP-Dは高いということなので、両方の検査が必要という理解になるのでしょうか。そこのところをお願いいたします。
○医薬安全対策課課長補佐 ありがとうございます。
 こちらの詳細、背景につきましては現時点で確認できておりませんので、学会にお伝えさせていただきまして、追って御意見を共有させていただければと思います。
○五十嵐座長 薄井先生、よろしいですか。
○薄井構成員 はい。
○五十嵐座長 では、これは学会のほうに問い合わせて対応するということにしたいと思います。
 ほかは。滝川先生、どうぞ。
○滝川構成員 同じ話で、しつこくて申し訳ないですけれども、このマニュアルでは16ページは「副腎皮質ステロイド」になっているのです。「薬」はついていないので。マニュアルごとにいろいろ違うというのも将来的に考えていただいたほうがいいのではないかと思います。
 以上です。
○五十嵐座長 御指摘ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
14ページのKL-6とSP-Dの関係性についての記載です。これらの記載について学会に修正の必要性を伺うことにしたいと思います。それでよろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○五十嵐座長 それでは、ほかに特になければ、これはほかと違って少し学会と打合せをしなければいけない点があるのですけれども、それを含めて、このマニュアル案、基本的に御承認をいただけますでしょうか。
(構成員首肯)
○五十嵐座長 ありがとうございます。
 また、今後の進め方につきましては、この後、事務局に御説明をいただきたいと思います。
 それでは、予定していました令和6年度作成のマニュアル案につきましては、議論がこれで終了したということになります。
 全体を通して何か御意見や御質問ございますか。
 それでは、今日のディスカッションを踏まえて、事務局から今後の進め方について御説明をお願いいたします。
○事務局 本日の御指摘を踏まえ、文言修正が必要とされたマニュアルについては、学会及び事務局でマニュアルの修正を行い、座長への確認を行います。その上で、厚生労働省のホームページに掲載する等、マニュアルの周知を行います。
○五十嵐座長 そのような方針で行きたいと思います。
 よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○五十嵐座長 それでは、議題3に移りたいと思います。「マニュアルの普及啓発活動について」、日本病院薬剤師会の林先生から資料の説明をお願いいたします。
○林構成員 説明いたします。資料3を御覧ください。御存じのように、重篤な副作用は発生頻度が一般に低く、医療従事者の経験値が低いことや、処方医の皆さんが専門領域とする領域とは異なる領域に臓器障害が発生することが多く、早期発見・重篤化回避が難しい面がございました。
 この課題に対処すべく、従来の安全対策に加えてこの重篤副作用疾患別対応マニュアルを整備してきたところで、実際にマニュアルは全てPMDAや厚生労働省のホームページで公開しているところです。
 マニュアルをさらに利活用する方向を目指して令和4年度には患者さん対象のマニュアル周知啓発に関する調査を行って、この調査に基づいてポスターを作成し、病院や薬局の窓口に掲示するなどの周知啓発に取り組んでまいりました。
 令和5年度、令和6年度には医師・薬剤師等の医療従事者がマニュアルを日常業務の中で使用して、副作用の重篤化を防止することを周知啓発する目的で、直近に改定した重症高血圧症、また高血糖・低血糖のマニュアルを例示して、具体的に周知啓発に取り組むポスターの作成や周知啓発活動を実施してまいりました。
 今年度は昨年度に改定・公開したマニュアルの中から薬剤関連顎骨壊死・顎骨骨髄炎のマニュアルを取り上げて、マニュアルを作成した日本口腔外科学会の御協力を得て普及啓発ポスターを作成し、早期発見のため、歯茎や顎の腫れ・痛みなどの初期症状のモニタリングを啓発するとともに、医歯薬の連携の下、定期的な歯科受診の重要性を啓発するポスター作成をしていきたいと協議しておりまして、本日御提案するところでございます。
 御審議、よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 御説明ありがとうございました。
 いかがでしょうか。御意見、御質問がありましたらお願いしたいと思います。薄井先生、どうぞ。
○薄井構成員 ありがとうございます。
 今、先生の御説明があったように、高血糖と高血圧をポスター化したというのは非常によかったと思います。クリニックの外来のところに貼っておくと、患者さんの側から主治医にいろいろお話をしていただけますし、こういう分かりやすいものはぜひ出していただきたいと思います。今、御提案があった顎骨壊死についても、これはぜひやっていただきたいと思います。このポスターは歯科の先生のところにも貼っておいたほうが良いかなと思っています。
 これとは別に、私からこのマニュアルの使い方というところで1つお尋ねしたいことがあるので、意見を述べてもよろしいでしょうか。
○五十嵐座長 お願いします。
○薄井構成員 この副作用マニュアルはすごく良いマニュアルで、実際に副作用などに遭遇すると、これをよく読むと非常によく分かります。では、実際の臨床の現場でこれを取り出して読むかというと、医者の側からすると、なかなかアクセスが難しいのです。例えばスマホの中にこの副作用のサイトに飛ぶようなアプリを入れるとか。今の若い先生たちはタブレットみたいなものを使いますので、そこからアクセスが可能になります。同じように、患者さんも、副作用の項のところが患者さん用と医者用があって、それをクリックすればいろいろ情報が出てくると良いと思います。もう少しデジタルを使った形で副作用情報へのアクセスをしやすいようにしてはどうでしょうか。ポスターも大事ですけれども、そういうところにも一つ工夫をしたほうがいいのではないかと思うのです。アクセスの悪さというのは、このマニュアルの利用にはマイナスで、せっかくここまでつくって(すごく良いマニュアルなのに)使われていないというのは非常に残念なので、ぜひ考えていただきたいと存じます。いうこと。
 それから、先ほどお話もあったように、教育の現場でこういうマニュアルがあることを医者だけでなくて、看護師さん、あるいは薬剤師の方、医療従事者の方たちに皆さんにぜひ教えていただき、教育の機会を与えて頂きたいと存じます。そうしないとこのマニュアルの認知度は広がらないと思いますので、このポスターのことはぜひやっていただきたいと存じます。それ以外にも工夫が必要なのではないかと存じますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○五十嵐座長 どうぞ。
○林構成員 御助言、力強い前向きな御提案、ありがとうございます。
 実際に薬学教育の現場に従事することもございますが、今、薬学教育の現場でもこのマニュアルを利活用した教育は各薬科大学で進んでいる話は聞いておりますので、まさに医学、薬学、看護学、様々な医療従事者が使われていく方向で働きかけていくことはとても重要だと思いました。
 また、先生から御提案いただいたアプリについても、今の医療現場での利活用の考え方からすると、ホームページを参照しに行くというよりも、もっとアクセスのよい方法があるのかなということは、まさに私どもの日本病院薬剤師会のワーキングで議論していてもディスカッションには出てくる内容でございますので、考えは同じだなと思って拝聴しておりました。
 アプリ等の開発には予算も関係すると思いますので、本年直ちにということには手が届かない可能性もございますが、方向性として今日検討会でそういう御指摘、御意見を頂戴したことはきちんと残していただいていると思うので、事務局の皆さんと御相談しながら今後の方向に先生の御意見を生かしていけたらというふうに私自身は感じております。どうもありがとうございました。
○薄井構成員 ありがとうございます。
 もちろん、アプリはお金もかかるかもしれませんけれども、少なくともホームページをクリックしたらすぐに欲しい情報サイトに飛んでいくような工夫をPMDAや厚労省のホームページにして頂けると助かります。そんなに大変なことではないのではないかと思うので、ぜひ先生のほうからもプッシュしていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
○林構成員 ありがとうございました。
○五十嵐座長 貴重な御意見、ありがとうございました。
 では、山口委員、お願いします。
○山口(育)構成員 ありがとうございます。
 私も今のデジタル化ということには賛成で、ポスターはもちろんいいのですけれども、特に薬局へ行きますと様々なポスターが貼ってあって、なかなか目に入らないということもあります。私たちは病院探検隊という活動をしているのですが、見学をする者が医療機関に行ったり、薬局へ行くとポスターを一生懸命見るのですけれども、受診する立場の者もいて、そういう者の目にはほとんど入らないという現状があります。最近医療機関などでもデジタルサイネージがありますね。ああいうものであれば、待っている間に患者さんは読んでいますので、そういったところに流せるような情報の基みたいなものをつくっていただいたり、それから今、院外処方が全国平均で8割を超えてきていますので、薬局に行く機会が多いと思います。薬局の薬剤師さんはいろんな研修を受けていらっしゃるので、そういったところでこういうマニュアルをもう少し普及するように、研修の中に入れてもらうような働きかけをすることも有効なのかなと思いながらお聞きいたしました。
 以上です。
○五十嵐座長 どうもありがとうございます。
 いずれにしましても、PCとポスターという従来の宣伝活動の方法をもう少し改めるということは、皆さん、必要性を感じているのではないかと思います。ぜひ検討していただいて、次回か、あるいは来年か分かりませんけれども、何か方向性を示していただければいいのではないかと思います。
 お願いします。
○医薬安全対策課長 医薬安全対策課長でございます。
 様々な御意見ありがとうございます。この検討会自体はこういったマニュアル作成ということになるのですけれども、薬に関する様々な情報をいかに患者さんとか関係者に理解しやすく伝えるかというのは永遠の課題で、我々もいろいろ試行錯誤しながらやっているというのが事実でございます。その中で、こういったところをピンポイントに分かるように情報提供するかというのは、ホームページの掲載の仕方そのものも幾度となく議論しながら、改善しながら、やはりそこにまだ課題があるという状況ですが、今回のような御意見も含めて、どういった情報提供が可能かというのも整理したいですし、教育への活用とか、様々な職種の研修への活用というのも、現状薬剤師とかでもこういったマニュアルを使った研修なども既にやっておりますけれども、こういったのがさらに意識づけができるような形、いろいろ知ってもらうという機会を提供していきたいと考えております。ありがとうございます。
○五十嵐座長 普及啓発活動につきまして貴重な御意見、厚労省側からも方針を伺いました。
 事務局、追加でありますか。よろしいですか。
○医薬安全対策課課長補佐 はい。
○五十嵐座長 それでは、本日予定しておりました議題が全て終了いたしました。
 委員の先生方、もう一度御意見、御質問がありましたらお願いしたいと思います。よろしいですか。
 事務局のほうもよろしいですか。
○医薬安全対策課課長補佐 特にございません。
○五十嵐座長 それでは、本日の検討会はこれで終了したいと思います。御協力、どうもありがとうございました。