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2021年10月15日 第13回重篤副作用総合対策検討会 議事録
日時
令和3年10月15日(金)
18:00~
18:00~
場所
TKP新橋カンファレンスセンター12D会議室
議事
- ○医薬安全対策課長 大変恐縮でございます。遅れてしまって申し訳ございません。
第13回「重篤副作用総合対策検討会」を開催いたします。
本日御出席の構成員、参考人の先生方におかれましては、お忙しいところ、どうもありがとうございます。また、大変夜分にかかわりましても、どうもありがとうございます。
本日の検討会は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、一般傍聴は制限させていただき、報道関係者に限り傍聴可としておりますが、カメラ撮りは冒頭から禁止とさせていただきます。御理解、御協力のほど、お願い申し上げます。
議事録につきましては、後日、厚生労働省のホームページに掲載いたします。
また、審議の方法につきましては、対面ではなくウェブ開催としており、構成員の先生方、参考人先生方には外部より審議に御参加いただくことになります。そのため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、議事に先立ちまして、審議の進行方法について御説明させていただきます。
○事務局 事務局より説明させていただきます。
まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御意見・御質問いただくときは、ミュートを解除し、初めにお名前をお知らせいただいた上で御発言ください。
発言のタイミングが重なったり、音声のみでの判別が難しいほど混雑したりした際は、一旦発言を控えていただき、座長から順に発言者を御指名いただきます。
会議中、マイクの調子が悪くなるなど、他の出席者にとって聞きづらい状況が続く先生におかれましては、音声の代わりにメッセージに御意見等を入力いただくよう事務局または座長からお願いする場合がございます。
その他、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしております事務局の電話番号まで御連絡をお願いいたします。また、もし事務局のサーバーがダウンする等のトラブルが発生した場合には、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認いただけますと幸いです。
御不便等をおかけすることもあるかもしれませんが、御理解・御協力のほどお願い申し上げます。
本日の構成員の出欠ですが、多賀谷構成員より御欠席との御連絡をいただいております。
また、議題2「令和2年度作成のマニュアル案について」の参考人といたしまして、予定しております御審議順で、日本精神神経学会より、堀輝先生。
日本血液学会より、西田徹也先生。
日本神経学会より、西岡健弥先生。
日本呼吸器学会より、花岡正幸先生。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会より、宇佐美真一先生。
日本口腔科学会より、星和人先生。
日本内分泌学会より、「偽アルドステロン症」について、田辺晶代先生、「甲状腺機能低下症」と「甲状腺中毒症」について、山田正信先生に御説明いただく予定です。
西岡先生におかれましては、30分ほど遅れるとの御連絡をいただいておりますので、適宜、審議順を調整させていただければと思います。その他の先生は御出席いただいております。
以後の議事の進行は、五十嵐座長にお願いいたします。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。
それでは、審議に入りたいと思います。
初めに事務局から、配付資料の確認をお願いします。
○事務局 あらかじめ資料をお送りさせていただいておりますが、議題1に関しまして資料1-1、議題2に関して資料2-1から2-37、議題3に関して資料3-1がございます。このほか、議事次第、配付資料一覧、参考資料として開催要綱と名簿をあらかじめお送りしております。
本日の資料は以上です。不足等がございましたら、お申しつけください。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。
皆さん、よろしいでしょうか。資料はそろっていますか。
では、議題1「重篤副作用疾患別対応マニュアルの新規作成・改定について」を審議したいと思います。
事務局から、資料の説明をお願いします。
○事務局 事務局より御説明いたします。
まず、資料1-1を御覧ください。
「1.平成28年度~令和2年度の5年計画におけるマニュアル作成・改定の状況」についてです。
平成28年度から令和2年度の5年間でマニュアルの新規作成・改定を集中的に行うこととしておりました。新規作成が必要とされた5マニュアル、既存の75マニュアルの計80マニュアルについて作業を行いましたので、最終年度である令和2年度末における状況を御説明します。
まず、表を御覧ください。新規作成または改定版の公表まで完了したものは42件、第2回検討会で削除とされたものが1件です。残りの37マニュアルについては、学会による作業が終了しておりますので、本日の議題2で御議論いただきます。
また、1の3ポツ目、第8回及び第9回において、「副作用発現臓器・領域別総論」及び「免疫チェックポイント阻害薬の副作用に関するマニュアル」の新規作成を御提案いただきました。「副作用発現臓器・領域別総論」については、第12回検討会にて御審議いただき、公表済みとなっております。「免疫チェックポイント阻害薬の副作用に関するマニュアル」については、作成作業が完了いたしましたので、こちらも本日の議題2で御議論いただきます。
続いて、「2.令和3年度以降の事業」についてです。
5年計画は終了いたしましたが、引き続き継続的な見直しを行うこととしており、2ポツ目のとおり、本年度は事前に構成員の先生方に御確認いただいた別紙3に記載の1マニュアルの新規作成、4マニュアルの改定を行っております。また、1ページ目に戻りまして、2の3ポツ目のとおり、今後は患者及び医療従事者の利活用に向けた活動を行うこととしており、本年度は動画の作成と公開を予定しておりますので、こちらは議題3で御議論いただきます。
資料1-1については以上です。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。
これまで行ってきた改定を振り返って、どのようなことをしたかを説明していただきまして、それから令和3年度以降の事業のこれからの方針を説明していただきました。ありがとうございました。
委員の先生方、何か御質問等はございますか。よろしいですか。
それでは、議題2に移りたいと思います。「令和2年度作成のマニュアル案について」の説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、まず議題2「令和2年度作成のマニュアル案について」、個別のマニュアルの御議論に入る前に、事務局より全般的な事項について御説明いたします。
本日は、マニュアルを作成いただいた各学会の参考人の先生方にお越しいただいておりますので、この後、各マニュアルについて参考人の先生方から作成または改定のポイントについて御説明いただきます。
各マニュアルについては新規作成、改定、時点修正のどれを行ったものかについて、資料1-1の3ページ、別紙2に記載をしておりますので、御参照ください。
また、全てのマニュアルに共通の参考資料について、資料2-1を用いて事務局から簡単に御説明いたします。
資料2-1を御覧ください。各マニュアルには、巻末に参考1から4がございます。資料2-1の23ページ目を御覧ください。参考1として、医薬品医療機器等法に基づく副作用報告件数を記載しております。
29ページを御覧ください。参考2として、ICH国際医薬用語集における関連副作用用語の一覧を記載しております。
37ページを御覧ください。参考3として、医薬品副作用被害救済制度における給付決定件数を記載しております。
39ページには、参考4として、医薬品副作用被害救済制度の解説を記載しております。
本日、資料としている全てのマニュアルについて、これら参考資料における副作用報告件数及び救済制度の給付決定件数の情報を最新のものに更新しております。
また、時点修正とされたマニュアルについては、これらの参考資料のみを修正いたしますので、資料においても参考資料のみを添付しており、説明も割愛させていただきます。
以上です。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。
では、御説明と御審議に入りたいと思いますが、参考人の御出席の予定がございますので、順番として、まず日本精神神経学会、日本血液学会、日本呼吸器学会、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会、日本口腔科学会、日本内分泌学会、そして日本神経学会につくっていただいたマニュアルを審議し、最後に事務局から資料2-37の「免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象対策マニュアル」の順番で審議を進めたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
では、初めに日本精神神経学会の堀参考人から、資料2-27から資料2-29にかけて御説明をお願いいたします。
堀先生、お願いします。
○堀参考人 日本精神神経学会の堀でございます。
今回我々はリチウム中毒と薬剤性せん妄、ベンゾジアゼピン受容体作動薬の治療薬依存の3つを新規で作成いたしました。
まず、最初にリチウム中毒についてでございます。リチウムは双極性感情障害治療の第一選択薬の一つでございますが、有効性が高いものの、治療域と中毒域が近接しているという問題点がございます。重度のリチウム中毒を起こすと意識障害、腎不全を来すため、生命の危機につながる可能性がございます。特に疾患に伴う自殺等による過量服薬のみならず併用薬、NSAIDsやACE阻害薬との併用でリチウム濃度が上がる可能性があり、また脱水などでも起こりますので、早期発見・早期対応ができるように本マニュアルを作成することとなりました。
作成のマニュアルの概要でございますが、本マニュアル作成に当たってのポイントは、リチウム濃度の適切なモニタリングのために血中濃度を定期的に測定するように複数回記載し、軽度リチウム中毒のときに対応できるように、気づくための臨床症状についても記載いたしました。あと、脱水や併用に注意を要する薬剤についても記載いたしました。
2つ目の薬剤性せん妄に関してですが、皆様御存じのようにせん妄とは、ほかの神経認知障害では説明できない急性に発症する注意・意識・認知の障害でございます。せん妄治療が遅れた症例は死亡率や院内感染のリスクが上がりまして、入院期間、医療費の増加が報告されております。
せん妄の原因については多因子なのですけれども、その中に医薬品の使用や中断により発症することが知られております。そのため、今回、医薬品が原因で生じるせん妄である薬剤性せん妄について広く注意喚起を行い、発症した場合、早期発見・早期介入に関する情報提供を行う必要があると考えて、作成に至りました。
概要でございますが、具体的にせん妄を惹起する可能性のある薬剤について触れた上で、早期発見のポイント、評価方法、判別、対処法などを述べました。特に薬剤性せん妄の治療は原因薬剤の中止・減量であるのですけれども、必要であればほかの安全性の高い薬剤で追加の薬物療法を行うこととしております。そういう発症に係る機序、中止・減量方法などを紹介して、エビデンスなどを記載いたします。
3つ目がベンゾジアゼピン受容体作動薬の治療薬依存に関してでございます。本マニュアル作成の背景と理由でございますが、ベンゾジアゼピン薬剤は精神科のみならず一般診療科の多くの医療機関で処方がなされております。我が国では諸外国と比較しても圧倒的に本薬剤の処方が多いことが指摘されております。
ベンゾジアゼピン薬剤は、長期・高用量使用によって、転倒・転落・認知機能障害などの様々な有害事象のリスクを増大させ、さらに依存形成がなされる。それによって減量・中止が難しいという課題があります。こういった背景から、ベンゾジアゼピン受容体作動薬の適正使用を目指すために、本マニュアルを作成いたしました。
概要でございますが、こういった背景がございますので、まず最初に依存形成などを起こさないよう、予防的な視点を含めて記載を行ってまいりました。また、患者さんに不必要な不安をあおることなく、主治医と相談の上、治療をしていこうという姿勢を重視しております。特に長期投与や高用量投与がなされないように、減量方法などについても触れさせていただきました。
以上でございます。
○五十嵐座長 御説明、どうもありがとうございました。
それでは、資料2-27から資料2-29の3つのマニュアルにつきまして、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。
飯島先生、どうぞお願いします。
○飯島構成員 資料2-27についてですが、7ページ、患者向けの説明と医療従事者向け説明、要するにリチウム中毒は有効域の幅が非常に狭くて、なおかつ有効域と中毒域が非常に近接しているという説明はよく分かるのですが、7ページでいきなり「有効な血中濃度はおよそ 0.6~1.2mEq/L狭く」という説明が患者向けにいいのか。むしろ、11ページの医療従事者向けの説明のところで「血中濃度の治療域と中毒域が隣接している」という説明があるのです。要するに、リチウム中毒というのは非常に難しいのです。有効域と中毒域が非常に近い、それから治療域も薬効濃度の幅が狭いということなので、患者向けと医療従事者向けにうまく説明がいくように書いていただいたらいいかなと思いました。コメントでございます。
○堀参考人 ありがとうございます。
これは一般の方向けのところをもうちょっと分かりやすくというような御指摘でよろしかったでしょうか。
○飯島構成員 さようでございます。
○堀参考人 それでしたら、多くの方に知ってもらうという意味でも、少し工夫して推敲いたします。ありがとうございます。
○飯島構成員 患者向けも、医療従事者向けも、内容が重なってもいいと思うのですが、リチウム中毒はそこがポイントだと思いますので、述べさせていただきました。
○堀参考人 ありがとうございます。
○五十嵐座長 どうもありがとうございます。
具体的には、7ページのところにもう少し治療域と有効域が近接しているという文言等を入れるということだと思いますが、飯島先生、それでよろしいですか。
○飯島構成員 結構でございます。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
どうぞ。
○城守構成員 城守です。
今の御意見と同じなのですけれども、8ページの最初の行なのですが、先生がおっしゃるように、血中濃度が有効濃度と中毒濃度の距離が近いということで、有効濃度を超えている場合には、中毒性の症状が出るということで、治療を開始することになると思いますので、主治医と相談するのはいいのですけれども、減量・休薬を検討しましょうという記載でよろしいのでしょうか。治療をしなければいけないという記載のほうがいいのではないでしょうか。その辺はいかがでしょうか。
○堀参考人 難しいところではあると思うのです。それは、どこかにも記載させてもらったのですけれども、有効域の中でも既に症状が出る人もいるし、そうではない人もいる。さらに、トラフ値を測定しなければいけないのですけれども、それを見逃されているようなケースもあるので、一応濃度と臨床症状と治療というか減量を検討するかどうかは、主治医としっかり相談しましょうというスタンスで、あえてグレーには書いてあるのですけれども、いかがでしょうか。
○城守構成員 先生の御意見はよく分かるのですけれども、患者さん向けということですので、注意喚起をするという意味においては、量の調節が大変難しいお薬ですよという意識をしっかり持っていただくという意味においては、もう少し踏み込んだ記載の仕方でもよいのかなとは思いますが、また御検討ください。
○堀参考人 ありがとうございます。分かりました。
○五十嵐座長 城守先生、ありがとうございます。
減量・休薬を含めた対応が必要などの文言を入れていただいたほうがいいと理解しましたが、それでよろしいですか。
○城守構成員 それで結構です。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
笠原先生、お願いします。
○笠原構成員 資料2-28の薬剤性せん妄なのですけれども、非常に詳しく書いてあると思うのですが、特に20ページからの「5.治療方法」で、20ページから27ページまで8ページぐらいにわたって代表的な原因薬剤を取り上げて書いてあるところはいいと思うのですが、治療方法のところでは、薬物治療で特に27ページからの薬物治療のところが3ページありますが、比較試験なども入れて、治療に有効性がなかったという記載などもありまして、ちょっと分かりにくいのです。これは専門の学術論文ではないので、マニュアルとしてはもう少しコンセンサスのある見解をまとめていただいたほうが、専門外の人には分かりやすいかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○堀参考人 ありがとうございます。
今回、我々がこのマニュアルをつくったスタンスとしては、薬剤によって惹起されるせん妄ですので、まず原因薬剤が処方されているかを確実にチェックするということが大事かなということが一つ。その先に関しては、エビデンスが少なかったものですから、それを羅列する形で参考にしてもらおうと思ったら、先生の御指摘のように少し盛り込み過ぎているということもあるのかもしれません。いかがしたらよろしいでしょうか。
○笠原構成員 2011年に厚労省がハロペリドール以下、4つの薬剤について保険の適用を認めています。エビデンスという意味では必ずしも海外の文献であるというわけではないのですけれども、薬物治療が必ずしもせん妄に必要かどうかという議論は別としても、その辺りのところを使うとすれば、ポジティブなエビデンスをつけたほうがよろしいかなと思います。
○堀参考人 そうしましたら、原因薬剤を中止して、さらに必要に応じて幾つかの薬剤を考慮するぐらいの書き方のほうが分かりやすいと。ただ、それが適用外であったりとかするという記載の流れでよろしいでしょうか。
○笠原構成員 この辺は私は専門家ではないのでお任せしますけれども、必ずしも治験のデータなどを細かく載せる必要はないかなと思いましたので、参考にしていただければと思います。
○堀参考人 検討いたします。ありがとうございます。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。
どうぞ。
○西谷構成員 製薬協の西谷です。
先ほど先生方に御質問いただいていたリチウム中毒の8ページの冒頭部分ですけれども、患者さん向けのところで、血中濃度が有効濃度を超えている場合はと言うのですけれども、患者さんにとってこれを知り得るというのはあるのかなという素朴な疑問で申し訳なかったのですが、患者さんが行動に移せる分かりやすい記載はできないものなのでしょうか。
素人で申し訳ないのですけれども、患者さん自身がリチウムの血中濃度を知り得るということはなかなかなさそうな気がしたのです。
○堀参考人 この薬を使うときは、定期的な採血が推奨されているというか義務づけられているので、数か月に1回は必ず採ってはいるので、受診のときに患者さんにお伝えするのが普通ではあるのです。
○西谷構成員 分かりました。ありがとうございます。
それであれば大丈夫かと思います。失礼いたしました。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
どうぞ。
○城守構成員 城守でございます。度々すみません。
誤字だと思うのですが、資料2-29のマニュアルの5ページの「患者の皆様へ」の黄色い中、上から7~8行目は「薬の量が増えたり」でしょうか。
○堀参考人 堀です。
そうです。「増えたり」だと思います。誤字です。ありがとうございます。
○城守構成員 これはコメントでございます。
○堀参考人 助かります。ありがとうございます。
○城守構成員 よろしくお願いします。
○五十嵐座長 「え」を入れるということですね。
○堀参考人 そうですね。ありがとうございます。
○五十嵐座長 分かりました。どうもありがとうございました。
ほかはいかがですか。
どうぞ。
○齋藤構成員 国衛研の齋藤です。
単純なお願いなのですけれども、資料2-27のリチウム中毒の16ページ目の真ん中の辺りに「腎毒性については」ということで、ADHという略語がございます。可能でしたら、専門外の先生向けに意味などを日本語で記載いただけると大変ありがたいと存じます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
「抗利尿ホルモン」というのを入れるということですね。
○齋藤構成員 よろしくお願いします。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
それでは、5つの御指摘をいただいていますので、その点を修正した上で、修正案を私が拝見して確認しておきますので、学会にも確認をいただいた上で、座長に一任していただくということで、承認していただけますでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございました。
それでは、修正の上、確認をした上で、最終的に承認ということにしたいと思います。どうもありがとうございました。
堀参考人におかれましては、大変貴重な御説明をいただきまして、ありがとうございました。以後の議題につきましては、特に先生から御意見を求める予定は本日はありませんので、御退席をしていただいて差し支えありません。どうもありがとうございました。
(堀参考人退室)
○五十嵐座長 それでは、次の議題に行きたいと思います。資料2-1から資料2-5にかけまして、日本血液学会の西田参考人から御説明をいただきたいと思います。
西田先生、お願いいたします。
○西田参考人 日本血液学会の西田と申します。よろしくお願いいたします。
日本血液学会におきましては、5つのマニュアルの改定作業を行いました。順番に御説明させていただきます。
まずは資料2-1、出血傾向のマニュアルに関しましては、前回のマニュアル作成時には使用されていなかった現在重要な薬剤であります直接経口抗凝固薬、direct oral anticoagulant、DOACと略しておりますけれども、そちらに関する記載を主に追加しております。具体的に申しますと、7ページや10ページ、15ページなど、個々の記載箇所に関してDOACの内容を記載しております。
また、昨今問題になっておりますCOVID-19に関する記載を少し加えているということで、こちらに関しましては10ページの一番最後、COVID-19では血栓症が問題になりやすいけれども、脳出血などの出血症状も見られやすいということで、抗凝固薬の出血の副作用に関しての記載を4行加えております。
前回、トロンボテストの記載がありましたけれども、そちらが現在、保険収載から外れておりますので、今回のマニュアルからは削除されているということになります。
今回の改定のポイントとしましては以上になります。
続きまして、資料2-2になりますけれども、無顆粒球症に関しての記載であります。こちらも前回の作成から14年が経過して、新たな薬剤も出てきたということで、そちらの見直しを含めて改定作業を行いました。
主な原因の薬剤としては、現在も甲状腺機能亢進症の治療薬でありますチアマゾールなど、主なところは変わってはおりませんけれども、最近問題となりますのは、統合失調症に対する治療薬としてクロザピンというものが発売されておりまして、そちらに関しては10ページの「早期発見に必要な検査と実施時期」に書いておりますけれども、かなり厳格な管理の下で投与を行わなくてはいけないということで、実際に副作用の報告の数としてもかなりの数が出ております。そちらの記載を追加しております。
あと細かいところになりますけれども、13ページの最後のほうに、以前は判別すべき疾患に慢性特発性好中球減少症に関しての記載がありましたけれども、今回少し整理をしまして、慢性好中球減少症によって、免疫性や周期性の好中球減少症という形での記載に改めております。
そのほかに関しましては、参考文献等の変更や最新の添付文書に従った改定という形で記載の変更をしております。
続きまして3番目、資料2-3の血小板減少症に関する改定の内容について御説明させていただきます。
こちらのマニュアルに関しましても、内容についてはほぼ変わっていないということになります。分かりやすい平易な言葉に改めたということが主ですけれども、この中で特に18ページに典型的な症例概要というものがありますが、こちらに関して、以前はC型慢性肝炎に対するインターフェロン治療が取り上げられておりましたけれども、現在はあまり使用されなくなっているということもありまして、バンコマイシン投与による血小板減少が認められた症例ということで、最近の状況に応じた症例への差し替えを行っております。
こちらに関しては以上になります。
続きまして、資料2-4の血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)に関しては、前回の改定のときから、TTPの疾患概念を大きく変更したことがありまして、主にはTTPというものが血小板減少と溶血性貧血に加えてADAMTS13の活性の測定が診断基準の中に盛り込まれておりまして、そちらが10%未満という基準が策定されております。一方、10%以上のものに関しましてはthrombotic microangiopathy、TMAと診断されるということで、こちらに関して、診断基準が定められたものに関して記載がされているということ。さらに、17ページから治療に関して記載がされておりますけれども、そちらに関しましても、血漿交換の回数に関する記載、最近保険適用になりましたリツキシマブの記載等の改定をしております。
続きまして、5番目のヘパリン起因性血小板減少症(HIT)に関する変更内容の説明をさせていただきます。
こちらに関しても、前回のマニュアル作成からの間で国際的なガイドラインの変更あるいは日本での血清学的、機能的な診断法の実施体制に変化が生じているということがありまして、その点に関する改定を行っております。
主なものとしましては、12ページに記載してありますけれども、HITを疑った際のスコアリングを用いての診断方法に関する記載や、そこで記載されておりますけれども、血清学的診断との組合せを行うことで過剰診断を防ぐということで、15ページにHIT抗体の測定に関する測定方法が記載されております。
19ページ、20ページ、治療に関しましては、アメリカ血液学会並びに欧米のガイドラインに即した形での最近のガイドラインにのっとった治療法の記載がされております。
5つのマニュアルに関する改定内容に関して、簡単ではございますけれども説明させていただきました。ありがとうございます。
○五十嵐座長 西田先生、どうもありがとうございました。
それでは、資料2-1から資料2-5につきまして、御質問、御意見をお願いしたいと思います。
齋藤先生、どうぞ。
○齋藤構成員 国衛研の齋藤でございます。
大変膨大な作業を頂戴いたしまして、本当にありがとうございました。
何点かございます。資料2-1の出血傾向でございますが、15ページ目の副作用の判別基準・判別方法でございまして、様々な所見から総合的に診断すると記載いただいておりますが、もう少し具体的な記載は難しいのでしょうか。
副作用の判別基準・判別方法でございます。
○西田参考人 総合的に診断するというところですね。出血傾向ということになりますと、もちろん薬剤のこともありますけれども、薬剤投与に至った原疾患の可能性等もありますので、個々の細かい診断、判別の基準を記載するのは難しい点があるのかなとは考えておりますけれども、いかがでしょうか。
○齋藤構成員 例えば今、先生がおっしゃった原疾患の可能性を除外するとか、そういう簡単な点でも構いませんので、もう少し記載いただけるとありがたいのかなと思います。
○西田参考人 承知いたしました。臨床症状とかその辺りの原疾患の状況等もということで、少し詳しく記載するようにいたします。
○齋藤構成員 ありがとうございます。
資料2-3の血小板減少症と資料2-4の血栓性血小板減少性紫斑病でございますが、「患者の皆様へ」ということで御記載を頂戴しておりますが、それぞれ6ページ目の「早期発見と早期対応のポイント」で、可能な範囲で被疑薬の薬効群など具体名の情報を記載いただけないかなと思いまして、発言させていただきました。そのほうが患者様にとって分かりやすいのかなと思いました。
○西田参考人 6ページ、7ページでしょうか。
○齋藤構成員 そうですね。例えば出血傾向ですとワルファリンやDOACの御記載を頂戴しておりますので、同じような形でいかがかなと思いました。
○西田参考人 それぞれの被疑薬ということですね。
○齋藤構成員 はい。
○西田参考人 分かりました。
○五十嵐座長 具体的な被疑薬を6ページあるいは7ページに書いていただきたいということですね。
○齋藤構成員 そうです。薬効群でも構わないと思います。
○西田参考人 承知いたしました。
○齋藤構成員 以上です。ありがとうございます。
○五十嵐座長 どうもありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、資料2-1、資料2-3、資料2-4の3か所で御指摘をいただきました。それを修正いたしまして、学会にも確認をしていただいて、私がもう一度拝見させていただきたいと思います。そのような対応を取ることで、この5つのマニュアル案を御承認いただけますでしょうか。
ありがとうございます。
では、そのようにしたいと思います。
今後の進め方につきましては、事務局に最後にまとめてお願いしたいと思います。
西田先生におかれましては、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。これ以降の議題につきましては、特に先生から御意見を求める予定はありません。御退席をしていただいて差し支えありません。どうもありがとうございました。
(西田参考人退室)
○五十嵐座長 続きまして、日本呼吸器学会の花岡先生から、資料2-17から資料2-21にかけまして、御説明をお願いいたします。
花岡先生、よろしくお願いします。
○花岡参考人 日本呼吸器学会の参考人で、信州大学の花岡と申します。よろしくお願いします。
まず、日本呼吸器学会では、2018年に「薬剤性肺障害の診断・治療の手引き(第2版)」を発行いたしました。この中に最新の知見と新しい薬剤が盛り込まれておりますので、基本的にマニュアルの改定におきましては、この手引の内容を反映させるという方針でやってまいりました。
それでは、個々のマニュアルに関して簡単に御説明したいと思います。
最初に資料2-17、非ステロイド性抗炎症薬による喘息発作ですけれども、まずタイトルを変えました。というのは、従来、アスピリン喘息と呼ばれていたのですけれども、アスピリンのみによってこの病態が誘発されるわけではなくて、非常に誤解が生じておりますし、今後、誤解される可能性も十分ありますので、アスピリン喘息という名称をやめました。国際的にも既にこの名称は使われておりませんので、まずはこのタイトルを「非ステロイド性抗炎症薬による喘息発作」とさせていただきました。
その後、疫学のところ、病態生理のところは新しい知見がありますので、盛り込むようにいたしました。また、新たに表を追加しまして、例えば臨床像から疑うポイント、あるいは否定的な臨床像といったところを分かりやすくお示しするようにしました。
あと、使用可能な抗炎症薬、消炎鎮痛薬としてアセトアミノフェン、セレコキシブ、これらの薬剤は比較的安全だということで、非ステロイド性抗炎症薬に不耐の方、喘息発作が起きる方もこういった薬剤ならば投与していいということを追加しております。
続きまして、資料2-18急性呼吸窮迫症候群、肺水腫ですけれども、これは、前回は別のマニュアルでした。今回は急性呼吸窮迫症候群、いわゆるARDSと肺水腫を1つのマニュアルにまとめております。これはどういうことかというと、ARDSもいわゆる肺水腫なのです。ARDSというのは非心原性の透過性亢進型肺水腫になりますので、肺水腫の中に包括されますので、そもそもこの2つを分けてしまうと分かりにくい、誤解を生じる可能性があるということで、1つにまとめております。
書き方としては、まず、心原性の肺水腫、非心原性の肺水腫に分けまして、非心原性の肺水腫の中で重篤な経過、予後不良の病態がいわゆるARDSである。このARDSの病態を呈する薬剤が問題なのですが、特に抗悪性腫瘍薬、EGFR-TKIとかブレオマイシン、あとは抗不整脈薬といったところ、ARDSの病態を示す薬剤としてもう一度最後にしっかり明記させていただいて、病態の違いに関しても分かりやすく記載させていただいたつもりであります。
次に資料2-19の胸膜炎、胸水貯留は、大きな変更はなかったのですけれども、新しい薬剤を記載して、文献も新しくしております。
4つ目の資料2-20、薬剤性好酸球性肺炎もタイトルを変更させていただきまして、従来、急性好酸球性肺炎というタイトルだったのですけれども、薬剤性の好酸球性肺炎は急性の病態だけではなくて慢性の病態もありますので、薬剤性好酸球性肺炎というタイトル、診断にさせていただきまして、その中に急性のタイプと慢性のタイプがあるということを明記させていただきまして、まず薬剤性好酸球性肺炎の診断基準、そして急性のタイプ、慢性のタイプそれぞれの診断基準を明記させていただいて、こういった病態を引き起こす薬剤をもう一度整理いたしました。
最後、資料2-21、肺胞出血になります。こちらも大きな変更はないのですけれども、病態に関する新しい知見がありましたので、そこのところの変更と、新たに報告された薬剤の追加、あと鑑別診断のところに肺胞出血を起こす病態の鑑別をもう一度整理して、分かりやすく記載させていただきました。
以上、簡単ですが、説明を終わらせていただきます。
○五十嵐座長 花岡先生、どうもありがとうございました。
それでは、資料2-17から資料2-21にかけまして、御質問、御意見がございましたらお願いいたします。
どうぞ。
○笠原構成員 非ステロイド性抗炎症薬のところですけれども、この内容で非常に分かりやすいのですが、実は参考のほうに、PMDAへの副作用の報告の中には、副作用名として喘息とアスピリン増悪呼吸器疾患、いわゆるAERDで、喘息とAERDがその下の29ページからの表で見ると、喘息がPTになって、その下にLLTがずっといろいろな喘息や気管支炎を含めて入っているので、喘息という副作用の中には、必ずしもNSAIDsばかりではありません。実際にこの表を見ると、103の副作用のうちケトプロフェンとジクロフェナクナトリウムが1つずつあるだけで、その他が101となっていまして、恐らくこれが1つずつ全部違った医薬品による副作用で喘息が報告されてきていると思うのです。この辺りのところがどういう薬剤になっているのかが分かりません。下のほうのアスピリン増悪呼吸器疾患はNSAIDsで起きた副作用ということで報告されています。この辺りのことは本文とは別に後で厚労省のほうがつけていると思いますので、当然リンクはしていないと思うのですが、本文を読んだ場合の副作用のところとちょっとここがリンクしていないので、この辺については何かコメントはございますでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。
通常、ほかのマニュアルとそろえて「その他」という記載にしているのですけれども、御指摘いただいたとおり、この副作用名ですとマニュアルの趣旨とは沿わないところがございますので、その他の記載についてはもう少し細かく記載ができるかというところで、記載の修正をさせていただきます。
○笠原構成員 基本的には、これは全部同じ医薬品ではないということですね。
○事務局 そうですね。すぐにデータの確認ができずに申し訳ないのですけれども、「その他」というのは丸めています。
○笠原構成員 当然、喘息の中には、いわゆるNSAIDsのAERDを含むものもダブるのですか。
喘息の中には、薬物誘発性喘息、NSAIDsは除くとなっていればいいのですけれども。
○事務局 そのままPTで件数を引いていますので、その件数を記載しております。
○笠原構成員 分かりました。
○事務局 記載については、こちらで一度検討させていただきます。
○笠原構成員 特に本文とリンクさせることは必要ないということですね。
○事務局 そうですね。これは機械的に引いているものです。
○笠原構成員 分かりました。
○事務局 確認の上、修正については検討させていただきます。
○五十嵐座長 どうもありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、資料2-17の27ページあるいは29~30ページ辺りの参考資料の文言を少し修正するという条件の下で、5つのマニュアル案を御承認いただけますでしょうか。
ありがとうございます。
では、そのようにしたいと思います。
今後の進め方については、事務局に最後にまとめをお願いしたいと思います。
花岡先生におかれましては、貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。これ以降の議題につきましては特に先生に御意見を求める予定はございません。御退席をしていただいても差し支えありません。どうもありがとうございました。
(花岡参考人退室)
○五十嵐座長 続きまして、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の宇佐美参考人から、資料2-22につきまして、御説明をいただきたいと思います。宇佐美先生、お願いいたします。
○宇佐美構成員 よろしくお願いします。
資料2-22、難聴に関して御説明したいと思います。
このマニュアル改定の背景ですが、このマニュアルが2010年にできて、すでに10年以上経ち、その間にいろいろなことが分かってきたということで、今回改定させていただきました。
遺伝子解析の進展によって、アミノグリコシド系の抗菌薬による難聴のハイリスク患者の遺伝的背景が分かってまいりました。すなわちミトコンドリアの遺伝子の点変異があると、アミノグリコシド系抗菌薬に非常に感受性が高くなるということが分かってまいりました。日本人においてハイリスクの人がどのくらいいるかについて、一般住民における頻度も分かってまいりましたので、その記載を含めました。主に9ページの「患者側のリスク因子」のところに記載してございます。
同じくシスプラチンという抗がん剤によっても難聴が起きますが、これも患者の背景因子としてどういう方がハイリスクになるかということが分かってまいりましたので、その記載をさせていただきました。これも同じく9ページに記載がございます。
そのほか、聴力像についての記載が、水平型とか高音漸傾型といった表現になっておりましたが、耳鼻科医以外にはなかなか分かりづらいということで、全周波数における難聴、高音がより高度に障害される難聴など、一般的な用語に書き改めました。
リスク因子の検査が2012年から保険診療でできるようになったということで、18ページの「遺伝学的検査」の項に記載を付け加えさせていただきました。
以上が主な改正点です。
○五十嵐座長 御説明、どうもありがとうございました。
それでは、資料2-22につきまして、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。よろしいですか。
特段の御意見がないようですので、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会作成のマニュアル案につきましては、了承するということでよろしいでしょうか。
ありがとうございました。
では、そのようにしたいと思います。
宇佐美先生、どうもありがとうございました。これ以降の議題につきましては、特に先生に御意見を求める予定はありませんので、ここで御退席していただいて差し支えございません。どうもありがとうございました。
(宇佐美参考人退室)
○五十嵐座長 続きまして、日本口腔科学会の星参考人から、資料2-23につきまして御説明をいただきたいと思います。
星先生、お願いします。
○星参考人 東京大学の星でございます。
日本口腔科学会で担当している薬物性味覚障害について報告させていただきます。
このマニュアルが策定されたのが約10年前ということで、その間、免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬といった新薬が本邦においても数多く使用されるようになりました。それに伴いまして、それらの薬剤による味覚障害などの有害事象の報告が見られるようになってきましたので、これらの新薬による有害事象のデータを基にしたアップデートを今回行ったということでございます。
具体的な改定点に関しては、資料2-23を御覧いただきながら、お話しさせていただきます。
まず、6ページですけれども、「1.味覚障害とは?」という患者向けの概説の欄ですけれども、原因となる薬剤に関して、免疫抑制剤を追記させていただきました。
続きまして、8ページは医療従事者に対してですけれども、「(3)患者側のリスク因子」のマル2、年齢の項に3剤以上を内服使用している高齢者の味覚閾値が上がる可能性が示唆されているというデータが出ておりますので、それを追記させていただいております。
続きまして、9ページの「2.副作用の概要」の「(1)自覚症状」と「(2)他覚症状」において、抗がん剤のレジメンによって生じる可能性を追記いたしました。
(4)についても、薬剤相互作用の可能性について追記させていただきました。
続きまして、12ページの「4.判別が必要な疾患と判別法」の項目に、味覚障害の原因別頻度に関する新たなデータが出されましたので、それを追記しております。
14ページの「5.治療方法」の項目で、亜鉛剤や人工唾液、漢方を利用した対症療法について新たに加えさせていただきました。
さらに別添の表におきまして、分子標的薬等の新薬で味覚障害を生じ得る医薬品を日本医薬情報センターのデータベースを基に新たに追加しております。このように、10年前と比べて新薬が出ておりまして、それに対する薬剤性味覚障害の情報が増えましたので、それをアップデートさせていただくような形で改定版案を作成いたしました。
以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 御説明、ありがとうございました。
それでは、資料2-23につきまして、御意見、御質問をお願いいたします。よろしいですか。
特段の御意見がありませんので、日本口腔科学会作成のマニュアル案につきましては、了承するということでよろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。
星参考人におかれましては、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。これ以降の議題につきましては、特に先生から御意見を求める予定はありませんので、ここで御退席をしていただいて差し支えありません。どうもありがとうございました。
(星参考人退室)
○五十嵐座長 続きまして、日本内分泌学会の田辺参考人から資料2-24、山田参考人から資料2-25と資料2-26、合わせて3つですけれども、これから御説明をいただきたいと思います。
初めに田辺先生、御説明をお願いいたします。
○田辺参考人 承知いたしました。
私からは、偽アルドステロン症のマニュアルについて御説明いたします。国立国際医療センターの田辺でございます。
本マニュアルに関しましては、昨年までの時点で時点修正ということでございましたが、前回の第1版がつくられたのが2006年で、もう15年経過していたということで、もう一度見直して、大きな改定はございませんけれども、細かい言い回し等を修正したということがございます。
本副作用に関しては、主に漢方薬に含まれます甘草や、その成分であるグリチルリチンを継続的に摂取することで、副腎から分泌されるアルドステロンが過剰になった状態と同じ状態がつくり出され、主に低カリウム血症、高血圧が起こるという疾患でございます。
市販の医薬品、風邪薬や漢方薬にも含まれるということで、一般の方への啓蒙が重要な疾患であると思います。
主な改定点ですが、大きな改定はございません。まず、9ページで医療関係者向けの「副作用の概要」に、偽アルドステロン症の名称は偽性アルドステロン症や偽性高アルドステロン症などという言い方をされる場合もございますので、用語の定義について追加しております。
主に漢方薬に含まれているということで、12ページによく使われます漢方薬あるいはグリチルリチンが含まれている薬剤を服用あるいは注射するときの1日当たりのグリチルリチン量を表にして新たに掲載したということと、13ページに、やはりよく使われます漢方薬等による副作用の報告件数、頻度として、これを掲載しております。
また、15ページに典型的な症例を2例掲載しておりますが、これは前版から新しい症例に変更して、より典型的な症例を掲載しております。
私の項目は以上です。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
それでは、山田先生、お願いいたします。
○山田参考人 内分泌学会から、甲状腺分科会の山田と申します。よろしくお願いいたします。
資料2-25、甲状腺中毒症についてですけれども、大きな改定点といたしましては、これは平成21年につくられて以降、例えば免疫チェックポイント阻害薬やチロシンキナーゼ阻害薬、さらにエポプロステノールなどが出てまいりまして、それに対する記載を変えたというのが大きな改正点でございます。
24ページにあるアミオダロンという抗不整脈薬は非常にいいお薬なのですけれども、頻回に甲状腺機能異常が来るのですが、アミオダロンそのものにヨウ素が大量に入っているものですから、そのときの判定がしづらいということで、表3にそのときのTSH並びにFT4の基準値を書かせていただきました。さらに、アミオダロンについて最近分かってきたことについても、文言として少し加えてございます。
31ページに新たにエポプロステノールというプロスタサイクリン製剤があります。肺高血圧症の治療として使われているわけですけれども、頻回に甲状腺中毒症が報告されてくるということで、特に特発性の肺高血圧症の方にとりましては持続静注されている方がいて、非常に難しい問題で、それを切るわけにもいかないということで、ここのところは学会をやると何例も報告されてくるという状態がございますので、追記してございます。
33ページのtyrosine kinase inhibitorも、ここ10年間でいろいろなものが出てまいりましたけれども、思ったよりも多くの甲状腺機能異常が来るということで、さらに追記してございます。
34ページが、また新たに免疫チェックポイント阻害薬のirAEの一つとして甲状腺機能異常が非常に多いものですから、これを追記してございます。恐らくirAEの中で一番多いぐらいの頻度かと思います。重症化という意味ではそれほど重症ではないのですけれども、中にはクリーゼに至ったという症状もありますので、ここで挙げてございます。
典型的症例として、36ページにアミオダロンの症例を1例詳しく書いてありますし、38ページに免疫チェックポイント阻害薬による甲状腺中毒症から甲状腺機能低下症になっていった症例ということで、典型例として記載してございます。
以上が資料2-25の大きな改定点でございます。
続けて資料2-26の甲状腺機能低下症のほうも、ほとんど中毒症に似ているのですが、中毒症に続いて低下症になる方が多いものですから、どうしても免疫チェックポイント阻害薬、その他のTKI(tyrosine kinase inhibitor)によるものなどが入ってきています。
文言として付け加えたのが、ヨウ素について甲状腺学会のほうで詳しく調べましたので、17ページの表1についてヨウ素をどのぐらい含んでいるのかということを加えてございます。
18ページに、ヨウ素がどのぐらい必要なのかということが書かれてございます。表2です。
21ページに、先ほどのアミオダロンの中毒症も低下症も両方来るわけですけれども、その際のTSH、FT4の基準値ということで、表3に最近の知見として加えてございます。
ちょっと戻って29ページから、実は免疫チェックポイント阻害薬で甲状腺中毒症、機能亢進症として発見されてくるよりも、低下症として発見されてきてしまっている方のほうが多いのですけれども、本当に一つのものなのかどうか。最初に中毒症があって低下症になっているのか、それも分からないわけですけれども、低下症として発見される方のほうが多いということで、29ページから30ページにかけて、免疫チェックポイント阻害薬については頻度が高いものですから、かなり詳しく加えてございます。
33ページに行っていただいて、ベキサロテンといういわゆるRXR、レチノイドX受容体に対するお薬ですけれども、これが保険適用されましたので、中枢性甲状腺機能低下症を来しやすいということで、その辺は内容をもう少し拡充してございます。
40ページに典型例として免疫チェックポイント阻害薬による下垂体炎による下垂体機能低下症ということで、1例加えさせていただいて、tyrosine kinase inhibitor、チロシンキナーゼ阻害薬による甲状腺機能低下症ということで、1例、詳細に加えさせていただいております。
以上でございます。
○五十嵐座長 田辺先生、山田先生、御説明どうもありがとうございました。
それでは、資料2-24から資料2-26につきまして、御質問、御意見がありましたらお願いしたいと思います。
どうぞ。
○齋藤構成員 齋藤と申します。
大変詳細ですばらしいマニュアルをありがとうございました。
山田先生に、資料2-25の甲状腺中毒症で1つお願いを申し上げたく存じます。
7~8ページ目の「患者の皆様へ」のところで、被疑薬の薬効群や具体名の記載がございますと患者さんも使いやすいかなと思いますが、いかがでしょうか。
○山田参考人 資料の全体を見ていただく機会があると、被疑薬が相当多いものですから。
○齋藤構成員 代表的なものだけでも構わないと存じます。
○山田参考人 分かりました。免疫チェックポイント阻害薬を使用されて、おうちに帰られている方もいらっしゃるので、そういうところも書いたほうがよろしいのでしょうか。
○齋藤構成員 資料2-26の甲状腺機能低下症のほうには6~7ページ目にかけて記載がございますので、同じような形でお願いできないかなと思いました。
○山田参考人 承知いたしました。検討してみたいと思います。
○齋藤構成員 よろしくお願いいたします。
以上です。
○五十嵐座長 どうもありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
手を挙げていらっしゃいますか。笠原先生、どうぞ。
○笠原構成員 細かいところで申し訳ないのですけれども、甲状腺機能低下症のところで、最後のほうの54ページに別表があります。甲状腺機能低下症を誘発し得る薬剤ということでA、B、C、Dとありますけれども、「A)甲状腺ホルモンの合成・分泌を抑制する薬剤」が挙げてあって、最後、スニチニブのチロシンキナーゼ阻害薬まで入っています。せっかくここで述べているので、肝心の免疫チェックポイント阻害薬もここに入れたほうがいいと思うのですが、いかがでしょうか。
○山田参考人 免疫チェックポイント阻害薬は、破壊性の甲状腺炎を起こしてから低下症を起こしているのかどうか分からないという点もあるのですけれども、確かに両者に入れるべきかもしれないですね。どこにもないですね。分かりました。免疫チェックポイント阻害薬をどこかに入れるようにいたします。
○笠原構成員 一応、前のほうの説明ではAの低下というところで説明されています。
○山田参考人 そうですね。ただ、下垂体腺にも来ますので、中枢性にも来るので、分かりやすいような形でどこかに追記するようにさせていただきます。ありがとうございます。
○五十嵐座長 御指摘、ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、2つ御指摘いただきましたので、それを修正するということで、日本内分泌学会作成のマニュアル案3つを了承するということでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
では、そのようにさせていただきます。
田辺参考人、山田参考人におかれましては、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。これ以降の議題につきましては、先生方に特に御意見を求める予定はありません。御退席をしていただいて差し支えございません。どうもありがとうございました。
(田辺参考人、山田参考人退室)
○五十嵐座長 続きまして、事務局から資料2-37について御説明をお願いいたします。
○事務局 事務局より御説明いたします。資料2-37を御覧ください。
免疫チェックポイント阻害薬の副作用に関するマニュアルにつきましては、第8回検討会及び第9回検討会において、免疫チェックポイント阻害薬による副作用に関する重篤副作用疾患別対応マニュアル作成の必要性が指摘されました。免疫チェックポイント阻害薬の多様な副作用を理解する上で、その作用機序の解説を含めた総論の必要性も同一に指摘されたことも踏まえまして、免疫チェックポイント阻害薬の重篤副作用に関する総論のマニュアルが日本血液学会より作成されました。
また、本マニュアルの構成につきましては、通常の副作用疾患ごとのマニュアルと異なり、免疫チェックポイント阻害薬により引き起こされる免疫関連有害事象について横断的に概要をまとめていることから、免疫関連有害事象に関連するマニュアルを提示した上で、特に注意すべき情報がある場合には、その内容を記載することとしております。
本マニュアルに関しては、関連する学会が多岐にわたるため、本日、御議論いただきました御意見については、事務局で取りまとめ担当の学会に確認をさせていただきます。
資料2-37について、事務局からの説明は以上となります。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。
それでは、資料2-37につきまして、御質問、御意見がございましたらお願いいたしたいと思います。
どうぞお願いします。
○薄井構成員 慈恵医大の薄井でございます。
先ほど事務局から御説明がありましたように、免疫チェックポイント阻害薬の副作用については血液学会で作成をしたのですけれども、先ほど来も御指摘がありましたが、例えば甲状腺機能低下症や中毒症ということも個々に出てきていると思いますので、全般にわたって書かれていると思うのですけれども、常にリレートするような形の使い方ができるようにするとか、患者さんがお使いになっているお薬がちゃんと免疫チェックポイント阻害薬だということを分かっていただければいいのですけれども、必ずしもそうではないこともあるので、主にがんですが、そこはどの疾患においても免疫チェックポイント阻害薬を使ったということであれば、ここに何らかの形でリレートするように使っていただければいいのかなと思います。
意見です。よろしくお願いします。
○事務局 ありがとうございます。
御意見いただいた点につきましては、事務局でも検討させていただきます。
御意見につきまして、ありがとうございます。
○五十嵐座長 検討したいと思います。ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、1つ御意見をいただきましたので、これは検討するということで、免疫チェックポイント阻害薬の副作用に関するマニュアルの案につきましては、御了解をいただけたということでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
続きまして、資料2-6と資料2-7につきまして、日本神経学会の西岡参考人から御説明をいただきたいと思います。
西岡先生、準備はよろしいですか。
○西岡参考人 今、外来が終わったところで、遅れて申し訳ございません。
○五十嵐座長 それでは、御説明をお願いいたします。
○西岡参考人 今回、私のほうは薬剤誘発性のジスキネジアと薬剤誘発性のパーキンソニズムについてまとめさせていただきました。
○事務局 先生方、少々お待ちください。申し訳ございません。
○五十嵐座長 西岡先生とオンラインがつながりませんので、しばらく待ってもいいのですが、時間のこともありますので、議題3に移りたいと思います。「マニュアルの普及啓発活動について」、日本病院薬剤師会の林構成員から資料の説明をお願いいたします。
○林構成員 日本病院薬剤師会構成員の林です。よろしくお願いいたします。
資料3-1を御覧いただければと思います。
先ほども御説明がありましたように、マニュアル整備事業におきましては、マニュアルの改定、新規作成と同時に、普及・啓発事業を進めることとされているところでございます。資料3-1の資料を上段から見ていただきますと、出来上がりましたマニュアルはPMDAあるいは厚生労働省のホームページから医療従事者向けあるいは一般向けのものが御参照いただける状態となっています。
これら医療従事者向けマニュアル、一般向けマニュアルにつきましては、どのような周知・啓発がされているかというところを確認いたしましたが、医療従事者向けに関しましては、行政あるいは卒前卒後教育、そして職能団体、学会の活動を通じまして、周知・啓発の作業がされているところです。一方で、一般向けのマニュアルにつきましては、基本的に公開されている状態でございまして、これについての周知・啓発作業が少なめであるという点が課題になっているかと思います。
上段右側の課題を見ていただきますと分かるように、このために一般の国民、患者さんの目に触れることが少ないという課題が一つございます。
もう一つ、マニュアルへの声として、このマニュアルにたどり着いたとしても、どのように使うか分かりにくいという声をいただいているところかと認識しております。
そこで、下段の水色の枠の中を御覧いただければと思います。課題マル1、つまり一般の皆さんの目に触れる機会が少ないことに関しましては、病院あるいは診療所、薬局などで待ち時間を活用し、短時間に閲覧し、理解を深めていただけるような入門編の普及・啓発動画を作成し、公表して、利活用いただくという方策があるのではと考えているところでございます。もちろん動画配信サイトの利用も可能性としては考えられるところであります。
課題マル2、このマニュアルは分かりやすく書いてあるところではありますが、一般の方にとってどのように使うのだろうということが分かりにくいということもございますので、この点については動画を作成して、薬剤師が例えば服薬指導に用いている、患者さんのお手元にある医薬品情報提供書で疑問に思った点を、このマニュアルで参照して理解が深まるということとか、何らかの体調の変化、副作用の初期症状に該当するようなものを感じたときに、このマニュアルを参照すると解決につながるヒントが得られるようなことを解説した動画を作成して、同じように待合室等で公開することによって周知・啓発の一端となるのではないかという案を現在考えております。
こういった進め方について、本日、検討会の先生方に御確認いただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 林先生、どうもありがとうございました。
それでは、資料3-1につきまして、御質問、御意見がございましたらお願いいたします。
どうぞお願いします。
○薄井構成員 今御説明のあった取組は非常に重要なことで、これは賛成したいと思うのですけれども、実際に患者さんが使うのは、お薬を使ったときに、何かが出たときにこれは何だろうと思うときに、例えば簡単にアクセスできるような、若い人であればアプリみたいなものをスマートフォンなどに入れて、すぐクリックすれば、例えばPMDAや厚労省とつながるような、そういう工夫が必要ではないかと思うのが一つ。
それから、御高齢の方が利用するのはなかなか難しいので、お薬を取りに行った薬局で、薬局の皆さんが、こういうものがありますよ、あるいは聞いてくださいみたいな形で使いやすくするような、アプリのようなものをクリックすればうまく流れるような、そのような使い方ができるようなプログラムがあったほうが、厚労省あるいはPMDAをクリックして副作用に到達するというのは非常に難しいので、そういう副作用アプリみたいなものをつくったほうがいいのではないかと思うのですけれども、いかがでございましょうか。
○五十嵐座長 これは病院薬剤師会でしょうか。それとも、厚労省に伺ったほうがいいのでしょうか。
○薄井構成員 1つは厚労省、1つは病院薬剤師会。もっと言うと医師会の先生方にも、分かりやすい形をつくったほうがいいのではないかと思います。
○五十嵐座長 それでは、まず林先生、お願いします。
○林構成員 貴重な御指摘をありがとうございます。
私ども日本病院薬剤師会内のワーキンググループで検討した際にも、幾つかもう少しフレンドリーな到達できるような何かが必要だろうということは議論に出ておりまして、おっしゃるとおりかと思っております。今年度中に直ちに解決するかどうかはまだ確実ではないのですが、幾つかの方策をこの普及・啓発動画と並行して、水面下では検討しておりまして、例えばQRコードを医薬品情報提供書、薬局などで使うものに載せると、何か感じたときはこのQRコードを読んでくださいというような幾つかの方策でたどり着いて活用いただく方法ができないかは、現在考え中でございますが、いかんせん今年度のリソースの問題もございまして、まずはできることからやろうということで今回御提案させていただいています。
QRコードにとどまらず、アプリの開発等も重要な御助言、御指摘と認識しておりますが、それの実現のためには、今年度中というよりはもう少し厚生労働省の皆様とも相談して、今後の可能性を検討する必要があるかと思って御指摘を拝聴しておりました。
引き続き検討するという方向で、日本病院薬剤師会の立場では考えるような御助言をいただいたと認識しております。事業全体としてアプリの開発が可能かどうかは、厚生労働省の皆様と御相談しながらになるかと認識しております。
御助言、ありがとうございました。
○薄井構成員 よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 厚労省も、そのような方向で検討するということでよろしいですね。
日本医師会の先生方のほうにも、そのような要望があったということを御認識いただきたいと思います。ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
○川名構成員 日本薬剤師会の川名と申します。
今日はとても勉強になりました。ありがとうございます。
頂いているマニュアルは私が読んでちょうどいいというか、一般の患者さんに対して説明するのに薬剤師というワンクッションがあったほうがいいのだろうと思うような内容だったので、もし薬局で配付するような資料を作られる場合には、もうちょっとかみ砕いた表現などについて、私たちにも意見を言わせていただけたらなと思います。
あと、専門医療機関の先生方と違って、地域の診療所の先生方からよく言われるのは、薬剤師は副作用を強調し過ぎ、怖がって患者さんがお薬を飲まなくなるから、あまり言わないでというような御意見をいただくのです。そういったときに、待合室で動画を流すというのが果たして適しているのかな、どうなのかなということについて疑問はあるのですけれども、この点については医師の先生方、どのように考えられるのか、御意見を伺いたいなと思いました。
○五十嵐座長 これはどなたが御返事するのがいいですか。
○川名構成員 では、医師の先生方ではなくて病院薬剤師会の先生方に聞きたいです。すみませんでした。
○林構成員 御意見、ありがとうございます。
薬局に勤務する薬剤師の先生方におかれては、患者さんとの関係構築の中でベネフィットとリスクの兼ね合いを十分配慮しながら、服薬の説明や指導をされているところと思っています。そんな中で、有効性と安全性の情報バランスに関連することも含めて、今、コメントいただいたかと認識しています。
今回作ります動画につきましては、副作用そのものを解説するような動画ではございません。患者さんが薬局でもらった医薬品情報の中に、例えばあざができたときとか、声がかすれたときとか、気にかけてくださいというようなリーフレットやいわゆる薬情と言われている医薬品情報提供書に書いてあったときに、その内容をもう少し深く知りたいというときにこのマニュアルがあるのですよということで、マニュアル自身を紹介する3分程度の動画になります。具体的に副作用を表出しして誇張することもございませんし、このマニュアル自身の紹介動画と御認識いただければと思います。
また、今、薬局薬剤師の皆さんがワンクッション置いたほうが患者さんに伝わりやすいような内容まで具体的であるというコメントをいただきました。もちろん今日御覧いただいているものはワンセットで医療従事者向けに掲載しているマニュアルでございますが、その前半の2~3ページが患者さん向けになっています。ここについてはかなり平たい言葉で書かれていると思いますので、PMDAあるいは厚生労働省のホームページからは、直接患者さんに閲覧いただけることを前提として作ってございます。この内容について、よりかみ砕いたほうがいいという御助言がいただける場合には、検討会の場あるいは検討会でない場面でもそういったことについてコメントいただければ、今日の検討会でもたくさんの御議論をいただいたように、よりよい、分かりやすいものに反映させていけるのかなと感じております。
後半の部分は医療従事者向けでございます。この内容はさすがに患者さんに直接読んでいただくのは難解な部分が多いと思いますので、医師の先生方や薬剤師が何かの際に患者さんに質問されて、解説するときに参考書にするというような側面が強いのかなと思っております。
全てについて、御質問、御意見に回答しているかどうか、少し自信がありませんが、概略、コメントいただいた内容については以上のように認識しております。
○川名構成員 とてもよく分かりました。どうもありがとうございます。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。
ほかはよろしいですか。
それでは、貴重な御指摘をいただきまして、ありがとうございました。
林先生も、どうもありがとうございました。
今後の進め方につきまして、事務局から説明をお願いします。
○事務局 ありがとうございました。事務局でございます。
普及・啓発活動につきましては、本日の御指摘を踏まえて、日本病院薬剤師会へ動画作成等を行っていただき、周知を行います。
○五十嵐座長 どうぞよろしくお願いします。
それでは、西岡参考人は御準備よろしいですか。
○西岡参考人 すみません。本当にごめんなさい。
変なプロンプが出て、オーケーを押したらいきなりパソコンの再起動が始まってしまして、申し訳ございませんでした。
○五十嵐座長 それでは、改めて資料2-6と資料2-7を御説明ください。
○西岡参考人 資料2-6は薬剤性パーキンソニズムについて述べさせていただきました。
その土台となったものは、前回のものをベースにさせていただいて、できるだけ最新の論文のデータ、主に英語の論文になりますけれども、海外で出ているエビデンスの高いデータを基に内容を大幅に替えて作成いたしました。主に抗精神病薬の第一世代、第二世代に大きく分けて、それに対してどの程度、薬剤性パーキンソニズムが起きるのかどうか、あとはデパケン、高カルシウム拮抗薬がどのように影響を与えていくのかどうかを分かりやすく説明したつもりではございます。
あと、画像診断から薬剤性パーキンソニズムをどう判別していくのかとか、臨床実地の先生にも伝わるような内容にアップグレードさせていただきました。
資料2-7のジスキネジアのほうも同様に、最初、患者さんたちに分かりやすいようにジスキネジアとは何か、アテトーゼとは何か、専門用語について詳しく、分かりやすく解説させていただきまして、あとは抗精神病薬に伴うTardive dyskinesia、ドパミンの過剰投薬に伴うドパミン関連のジスキネジア不随運動、それらについて、最新のエビデンスをできるだけ加えるような形で、分かりやすく説明をしていったつもりではございます。
一応、その2件になります。
○五十嵐座長 先生、どうもありがとうございました。
それでは、資料2-6と資料2-7につきまして、御意見、御質問をお願いいたします。
どうぞお願いします。
○齋藤構成員 齋藤でございます。
最新のものにアップデートしたものを頂戴いたしまして、大変ありがとうございました。
まず、資料2-6の薬剤性パーキンソニズムでございます。7ページにリバプール大学の表が載っておりますが、患者さんがこの部分を読まれますので、この表をどのように使うかを書いていただくか、もしくは、例えば記載して医師の先生に持参くださいとか、そういうことを意図して記載されたのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○西岡参考人 齋藤先生、私は初版のときに実はこれを削っているのです。Liverpool University Scaleというのは、実際、僕ら神経内科医も臨床の現場でほとんど使いませんし、このスコア表を見て薬剤性かどうか。強いて言うとパーキンソンかどうかが分かるかなというぐらいかなと思うのですけれども、1回事務局に振ったときに、添付してくださいと言って、リターンが来たのです。なので、入れないといけないのかなというのが、私が逆に思ったところだったのです。このLiverpool University Scaleはどう解釈すればいいですか。
○五十嵐座長 事務局のほうは何か。
○西岡参考人 これは何で僕が削除したバージョンにまた添付して、リターンいただいたのか、それをお伺いしたいというところなのです。
○五十嵐座長 事務局に説明していただきます。
○事務局 事務局でございます。
現時点で確認できているところでは、特段こちらとしても必ずしも必要であるとは考えておりませんので、御検討いただいた学会・先生方のほうで必要ではないということであれば、削除いただくことでも構わないと思っております。
事前やりとりに手違いがあったようで、申し訳ございません。
○西岡参考人 そうなのですか。どうしましょうか。
つけていただいて、ひょっとしたらパーキンソンがあるかもしれませんということを担当の先生にお持ちいただくという意味ではいいのかもしれませんけれども、そんな感じです。このスコア自体は、臨床の現場ではほとんど使われていないものになるかなと。
○齋藤構成員 削除されるか、それとも説明を記載いただくか、どちらかと思いまして、御質問させていただきました。
○西岡参考人 では、もう使っていないスコアということで、削除のほうで対応したいと思います。
○齋藤構成員 事務局もよろしいでしょうか。
○事務局 問題ないと思います。修正の過程で必要に応じて御相談させていただければと思いますが、方針についてはこちらからは異論はございません。ありがとうございます。
○西岡参考人 たしかこのスコア表が、後のほうにももう一回出てくるところがあると思いますので、次の修正版のときに両方とも含めて削除いたします。
○齋藤構成員 ありがとうございます。
続けてよろしいでしょうか。
○五十嵐座長 どうぞお願いします。
○齋藤構成員 資料2-7のジスキネジアでございまして、細かい点で恐縮ですけれども、14ページ目の「発生機序と薬剤ごとの特徴」で、Raoらの2010年の論文の記載なのですが、「制吐剤であるメトクロプラミドはドパミンD2受容体作用を持つため」という記載がございますが、ドパミンD2受容体拮抗作用、アンタゴニストではないかと思いまして、誤植があるかなと思いました。
○西岡参考人 御指摘のとおりでございます。
○齋藤構成員 ありがとうございます。
続きまして、17ページなのですけれども、上から6行目にイチョウ葉エキス(Ginkgo Biloba)について記載がございます。科学的に文献が出ているということで正しいと思うのですけれども、欧州のほうでは医薬品もあると聞いておりますが、本邦ではイチョウの葉エキスは医薬品など品質の保証されたものはございませんので、こちらに記載するのはちょっとどうかなと思いました。
○西岡参考人 そうですね。医療関係者ではない方が御覧になったら誤解を招く可能性がありますね。
○齋藤構成員 患者様がサプリメントを買って飲まれるのもちょっとどうかなと思いまして。
○西岡参考人 分かりました。では、これは削除でお願いいたします。
○齋藤構成員 ありがとうございます。
以上でございます。
○五十嵐座長 どうもありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
そうしますと、資料2-6の7ページのリバプールの表は削除することにしたいと思います。資料2-7の14ページのドパミンD2受容体はアンタゴニストであるということを明記したいと思います。17ページのイチョウの葉エキスは削除ということでよろしいでしょうか。
その上で、2つのマニュアル案について了解するということでよろしいでしょうか。
どうもありがとうございます。
では、そのようにしたいと思います。
それでは、令和2年度作成のマニュアル案については議論が終了いたしましたので、事務局から今後の進め方について御説明をお願いいたします。
○事務局 ありがとうございました。
マニュアルの新規作成・改定版として御了承いただいたマニュアルについては、本日の御指摘を踏まえ、文言修正が必要とされたものについては、学会及び事務局で修正を行い、座長への確認を行います。その上で、ホームページに掲載する等、マニュアルの周知を行っていきます。
○五十嵐座長 よろしいですか。
そのような方針にしたいと思いますが、皆さん、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、全体を通して先生方から何か御意見、御質問はございますか。よろしいですか。
長時間にわたりまして御協力いただきまして、本当にありがとうございました。
以上で、本日予定しておりました議題は全て終わりました。
事務局から追加で何かございますか。
○事務局 御議論、ありがとうございました。
特にございません。
○五十嵐座長 それでは、本日の検討会をこれで終了したいと思います。
どうもありがとうございました。