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2019年7月18日 第11回重篤副作用総合対策検討会 議事録

医薬・生活衛生局医薬安全対策課

○日時

令和元年7月18日(木)
17:00~

 

○場所

田中田村町ビル8階8F会議室
 

○議事

○医薬安全対策課長 定刻になりましたので、第11回重篤副作用総合対策検討会を始めたいと思います。本日出席いただいております構成員の先生方、そして、参考人の先生方におかれましては、お忙しい中、また、天候が不安定の中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。本日の検討会は公開で行っております。カメラ撮りは議事に入る前までという形でお願いしておりますので、その旨、傍聴の方におかれましては、御理解、御協力のほどお願いしたいと思います。また、傍聴の方に対して、あらかじめ留意事項をお配りしておりますので、その遵守についてお願いしたいと思います。
それでは、最初に、本日の検討会の開催に当たりまして、前回、昨年5月末に行っておりますけれども、それ以降、新たに御参画いただく先生がおられますので、紹介させていただきたいと思います。日本医師会の常任理事でおられました今村構成員の後任ということで、本日、城守国斗先生に出席いただいております。御挨拶をお願いできればと思います。
○城守構成員 日本医師会からまいりました城守でございます。今回から参加させていただくということで、何とぞ、よろしくお願い申し上げます。
○医薬安全対策課長 よろしくお願いいたします。もうお一方は、本日は御欠席ですが、東京女子医科大学の多賀谷悦子先生に構成員になっていただいております。前任の金澤構成員の後任ということで御着任いただいております。
続いて、本日の出席状況です。今、申し上げました多賀谷構成員のほかに、齋藤構成員、森田構成員の3名が、本日御欠席となっております。
次に、本日の議題の関係でお越しいただいております参考人の先生を紹介したいと思います。まず、国立病院機構相模原病院の海老澤元宏先生です。
○海老澤参考人 よろしくお願いいたします。
○医薬安全対策課長 よろしくお願いいたします。それから、浜松医科大学附属病院の須田隆文先生です。
○須田参考人 よろしくお願いいたします。
○医薬安全対策課長 よろしくお願いいたします。それから、東邦大学大森病院の堀裕一先生です。
○堀参考人 堀でございます。よろしくお願いいたします。
○医薬安全対策課長 よろしくお願いいたします。それから、埼玉医科大学の持田智先生です。
○持田参考人 よろしくお願いいたします。
○医薬安全対策課長 よろしくお願いいたします。そのほか参考人の先生として、埼玉医科大学の山内先生と、東京大学大学院医学系研究科の赤澤先生がお見えになる予定ですが、少し遅れるということで御連絡いただいております。山内先生の場合は、15分程度ということで、後ほどお見えになられるかと思います。赤澤先生におかれましては、到着が18時30分ぐらいと伺っておりますので、途中、議事の順番を替えさせていただくことになると思いますので、御了解いただきたいと思います。以上、参考人の先生方の紹介でしたが、議題の順番で、少しお待ちいただくことになる先生がおられますけれども、御了承いただければと思います。
また、事務局のほうの人事異動で、新たに着任した者を紹介したいと思います。私の向かって右隣に座っていますのが、安全使用推進室長の田中です。
○安全使用推進室長 田中でございます。よろしくお願いいたします。
○医薬安全対策課長 それから、その更に右側ですが、課長補佐の花谷です。
○医薬安全対策課 よろしくお願いいたします。
○医薬安全対策課長 以上、事務的な連絡をさせていただきました。これより議事に入りますので、冒頭のカメラ撮りは、ここまでとさせていただきます。
以後の進行は、五十嵐座長にお願いいたします。
○五十嵐座長 ありがとうございました。では、議事に入りたいと思います。始めに、お手元に置いてありますタブレットの操作方法と、配布資料の確認をお願いいたします。
○事務局(丸山) 事務局より、タブレットの操作方法と本日の資料について御説明いたします。厚生労働省では業務全体においてペーパーレス化の取組を推進しており、本検討会も昨年に続き資料はタブレットで閲覧する方式で実施いたします。各委員、参考人におかれましては、お手元のタブレット端末で資料を御確認ください。まず、始めにタブレット端末の操作方法について御説明いたします。
お手元にタブレットと操作説明書を配布しております。いずれも検討会終了後は、事務局にて回収いたします。また、タブレットにはカバーが付いておりますが、このカバーは取り外さないようにお願いいたします。それでは、タブレットの表面にある丸いホームボタンを押していただき、画面が表示されましたら、再度ホームボタンを押してロックを解除していただくと、ホーム画面が表示されることを御確認ください。続いて、ファイルブラウザと書かれた青いアイコンをタップし、資料一覧が表示されることを御確認ください。資料を閲覧する際は、各資料のアイコンをタップしてください。資料のページをめくる際は、指を画面上でスライドさせてください。資料を切り替える際は画面の左上のマイプライベートファイルの文字をタップすることで、資料一覧のページに戻ることができます。
また、本日はページ数が多い資料を取り扱いますので、参照したいページを表示する方法をお知らせいたします。例として資料2-1をお開きください。画面の左下に3本線のアイコンがあります。無い場合は、もう一度画面上をタップしていただければ現れるかと思います。続いて、3本線のアイコンをタップしまして、「ファイル印刷に注釈を付ける」の所をタップしてください。画面下部に小さい資料のページのアイコンが現れるかと思います。そこを横にスライドすることで高速でページを移動することが可能になります。
分からない場合は、事務局員にお声掛けいただければと思います。また、その他の操作方法については、操作説明書に記載しておりますので、御参照いただければと思います。なお、一定時間操作しておりませんと画面がスリープ状態になるよう設定しております。スリープ状態になりましたら、再度、起動の操作をしていただくようお願いいたします。また、誤って別のアプリケーションを開いてしまった際は、ホームボタンを押すことでホーム画面に戻ることができますので、再度ファイルブラウザのアイコンをタップしてください。御不明な点、不具合等がありましたら、事務局員にお申し出ください。
続いて、資料の御説明をいたします。構成員、参考人の皆様は、1番上の、議事次第・配布資料一覧のページを開いてください。傍聴の皆様におかれましては、議事次第、資料一覧の2ページ目を御覧ください。本日の資料は、議題1について資料1-1及び資料1-2、議題2について資料2-1から資料2-11、議題3について資料3-1から資料3-3となっております。また、参考資料として、重篤副作用総合対策検討会開催要綱、構成員及び参考人という資料も付けております。また、机上には紙で、座席表、タブレット操作説明書、また、議題2に関連しまして、御欠席の構成員から事前に頂いた御意見を配布しております。不足資料等がありましたら、事務局員までお申し出ください。御説明は以上でございます。
○五十嵐座長 何かありますか。よろしいでしょうか。それでは、議題1.「マニュアル改定・新規作成の進捗状況について」御説明いただきたいと思います。
○事務局(治田) 資料1-1「重篤副作用疾患別対応マニュアル改定・新規作成の進捗について」を御覧ください。。最初に、「1.マニュアルの作成・改定状況について」で、全体の状況についての表を示しております。「A:平成29年度着手予定」となっているものについては大半が作成終了しているものの、若干、まだ作成途中のものが残っている状況です。一方で、「B:平成30年度以降着手予定(優先度高)」とされたものについては、現在、半分弱ぐらいが作成終了しているところで、半分強が終了しておりません。今年度は、これらA、Bでまだ作成が終了していないものについて、引き続き御検討いただくとともに、改定スケジュール「C:平成30年度以降着手予定(優先度中)」となっているものについて着手していく予定です。また、「D:時点修正」となっているものについても可能な範囲で着手していく予定です。それぞれの状況については資料1-2の表に詳しい情報が載っておりますので、適宜、御確認いただければと思います。
続いて、「2.平成30年度のマニュアル改定について」です。こちらは昨年の第10回の検討会において、平成30年度に新たに着手予定又は継続して検討としたマニュアルについて、各学会において検討いただいたものです。そのうち作成が終了したものが、資料2-1からページをまたいで資料2-11までの11マニュアルでして、本日、御議論いただくものになります。一方で、その下の12個のマニュアルについては、引き続き御検討いただいているところです。
次に、総論についてです。各分野の総論について、以前、この検討会において、作ったほうがよいだろうという御意見をいただきまして、各学会で、現在、そちらに載っている3つについて着手していただいているところです。このうち、これまでに学会での御検討が終わっているのが、神経・筋骨格系領域です。総論というのは、新規に作成するものですので、複数の総論マニュアルを学会で作成していただいた後に、それらを見比べるような形で総論としてどういった形がよいかということを御議論いただければと考えており、これについては来年度以降の検討会において御検討いただくことを予定しております。事務局からの御説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 では、資料1-1と、資料1-2の御説明について、何か御質問等はありますでしょうか。よろしいですか。
それでは、議題2.に移ります。「平成30年度のマニュアル改定案について」です。事務局から説明をお願いします。
○事務局(治田) それでは、個別のマニュアルの御議論に入る前に、まず、全般的な事項について御説明いたします。本日は、マニュアルについて作成いただいたそれぞれの学会から参考人の先生方にお越しいただいておりますので、のちほど、それぞれのマニュアルについて参考人の先生から改定のポイントについて御説明いただきます。その前に、全てのマニュアルに共通の変更事項について、昨年と同じように、事務局から簡単に御説明いたします。
具体的には、資料2-1はページ数が多いので、資料2-2で御説明いたします。資料2-2の「間質性肺炎」のマニュアルでは、31ページ以降が共通事項となります。31ページの参考1ですが、医薬品医療機器等法に基づく副作用報告の件数が記載されている箇所です。この数値を事務局のほうで更新しております。また、参考2として、33ページからになりますけれども、ICHの国際医薬品用語集日本語版における関連用語が記載されております。こちらも最新のバージョンに基づいて更新しております。また、今回のマニュアル改定から、医薬品副作用被害救済制度に関する記載を新しく追加しており、34ページの参考3が、過去5年間の実際の給付決定件数で、35ページの参考4が、救済の制度に関する解説です。事務局からの説明は以上でございます。
○五十嵐座長 何か御質問はありますか。よろしいでしょうか。
では、資料2-1の薬物性肝障害のマニュアル(案)について、本日は日本肝臓学会から持田先生にお出でいただいておりますので、御説明をお願いいたします。
○持田参考人 「薬物性肝障害」に関しては、日本肝臓学会の企画広報委員会でワーキンググループを立ち上げて検討させていただきました。前回のマニュアルを作成した当時から、治療薬のラインアップが大幅に変わっています。分子標的薬、生物学的製剤、免疫チェックポインなどが登場し、薬物性肝障害の動向は変化しています。また、この領域では、健康食品、サプリメントなどに起因する肝障害も重要ですので、これらを全て盛り込むように、マニュアルを大幅に改定しました。
エビデンスとしたのは、本日出席の滝川一先生が実施した薬物性肝障害の全国調査で、その成績がHepatol Resに掲載されました。また、重篤な薬物性肝障害に関しては、私が厚労省の研究班で実施している急性肝不全の全国調査で、2010~2015年の薬物性症例の動向がまとまって、J Gastroenterol誌に掲載されいます。それ以降の全国集計も含めて、エビデンスとする表を改訂しました。分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などに関しては、国内、海外の文献も参考にして、記述内容を追記し、新たな症例をモデルケースとして掲載しました。また、今回は薬物による直接的な肝障害のみでなく、B型肝炎の再活性化のような間接的な肝障害も、特殊なタイプとして加えています。これらによって、現在の薬物性肝障害で問題になるような内容は、全て網羅できたのではないかと考えています。
しかし、新たな薬物は次々と登場しており、例えば、小児の遺伝子治療で、今度、認可される可能性のあるアデノ随伴ウイルスベクターを用いた遺伝子治療による肝障害など、これまでにない機序による有害事象が発生することが推定されます。同様の新たな薬物性肝障害が発生するリスクがあり、このマニュアルもWeb上に掲載して、リアルタイムで更新する必要があるのではないでしょうか。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。本日は御欠席されている齋藤構成員から御意見がありますので、事務局から御紹介いただきます。
○事務局(丸山) 齋藤構成員から事前に頂いていた御意見を御紹介させていただきます。資料2-1について、75ページを御覧ください。「C.分子標的薬と生物学的製剤」の項目です。「生物学的製剤」について、臨床ではこの単語がよく使われているのは承知しており、臨床の先生方への文書である本マニュアルとしては適切と存じますが、行政用語としては「生物学的製剤」は生物学的製剤基準に記載のワクチンや血液製剤を指します。本項の記載を「生物学的製剤(バイオ医薬品)」と、(バイオ医薬品)という文言を追記できませんでしょうか、という御意見を頂いております。併せて御審議いただきたく存じます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 これは、74ページにもあるようなので、75ページと両方にあると思います。では、御質問、御意見はいかがでしょうか。齋藤構成員がおっしゃっている括弧付きの(バイオ医薬品)という言葉を加えるのは、これはよろしいですか、どうでしょうか。
○持田参考人 日本肝臓学会としては異存ありません。
○五十嵐座長 ありがとうございます。膨大な報告書になっていますが、これはいかがでしょうか。何か御質問等はありますか。滝川先生は何か追加でありますか。
○滝川構成員 特にこれは、私は関わっておりますので。
○五十嵐座長 よろしいですか。それでは、特段、構成員の先生方から御意見はなかったようですので、薬物性肝障害のマニュアル(案)については、先ほどの齋藤構成員の御指摘を踏まえた上で、了承してもよろしいでしょうか。ありがとうございます。今後の進め方については、事務局に最後にまとめてお伺いします。
持田構成員におかれましては、大変貴重な御意見を頂きまして、ありがとうございました。これ以降の議題については、特に先生から御意見を頂く予定はありませんので、もしよろしければ御退席いただいても構いませんので、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
続いて、資料2-2の「間質性肺炎」のマニュアル(案)について、今日は日本呼吸器学会から参考人として須田先生にお出でいただいております。御説明をお願いいたします。
○須田参考人 浜松医科大学の須田でございます。よろしくお願いいたします。前回の版においては、イレッサ、ゲフィチニブの間質性肺炎が非常に世の中で問題になっておりまして、それと漢方も少し報告例が出てきておりまして、そういったものを中心に作成されておりました。先ほど持田先生がおっしゃいましたように、免疫チェックポイントを含めまして新しい様々な薬が出てきておりますので、大幅な改定はしておりませんけれども、そういった新しい薬の薬剤性の肺障害も含めて改定させていただきました。
具体的にお話させていただくと、お手元で資料を御覧になっていただければと思いますが、まず、8ページの「A.患者の皆様へ」という説明の中で、間質性肺炎という病気自体は非常に分かりづらいものですから、少し理解の助けになるように簡単な慢画のような絵を追加させていただきました。それから11ページで、「B.医療関係者の皆様へ」として、早期発見と早期対応のポイントということで、患者側のリスク因子ですけれども、日本人は薬剤性肺障害を起こしやすいということがはっきり分かってきましたので、これを少し明記させていただきました。それから、実臨床では、リスクファクターというものを考えて我々は経過をみていくことになりますが、前回の版では、アミオダロンとメトトレキサートの2つしかありませんでしたので、これをゲフィチニブも含めて6剤にして、26ページにありますが、表1.で一覧にさせていただきました。この一覧の中で特に強調させていただきたいのは、既存の間質性病変の存在ということがどの薬においてもリスクファクターになっているということで、使う医師にとっても、ここは十分に気を付けておかなければいけないということを書かせていただきました。
続いて、薬剤側のリスク因子ですが、これは昨年、呼吸器学会のほうから「薬剤性肺障害の診断・治療の手引き」の第2版を出させていただきましたので、それに合わせてそこの資料を使いまして、これは12ページの図1.に載っておりますけれども、日本における頻度を少し出させていただきまして、26ページの表2.で代表的な薬剤を書かせていただきました。また、28ページの表3.は代表的な臨床病型とその臨床病型を起こしやすい薬剤、これも薬剤性肺障害の手引に載っておりましたが、そこは私も書かせていただきまして、それを載せさせていただきました。
副作用の概要の所で、また表になりますが、市販後調査等の資料を全部拾ってきまして、29ページの表4.で、それぞれの薬剤での頻度というものを一覧にさせていただきました。
17ページの5.治療方法ですが、前版では文言で書いてあっただけでしたが、これも手引に合わせまして分かりやすい図に変えさせていただきました。
最も変えたのは、6.典型的症例概要ということで、具体的な症例を提示する所です。前回は、先ほどお話しましたように、ゲフィチニブが非常に注目されていましたので、それから、インターフェロン、漢方の小柴胡湯、抗不整脈剤では薬剤性肺障害が起こしやすいアミオダロンについて症例を提示させていただきましたが、今回はゲフィチニブは残しまして、インターフェロンは今はインターフェロンフリーになってきておりますので、それほど実臨床では使われないのではないかということで削除しました。
それから、臨床でよく使われる抗菌剤の薬剤性肺障害に、もう1つ出したほうがいいのではないかということがありまして、ミノマイシン、それから殺細胞性の抗がん剤では比較的薬剤性肺障害を起こしやすいドセタキセル、そして、いわゆる免疫チェックポイント療法のPD1抗体ですが、オプジーボあるいはペンブロリズマブのほうを掲載させていただきましたが、実臨床で見ると10%ぐらいの人に薬剤性肺障害を起こしてくることが今分かってきておりますので、これも症例として加えさせていただきました。以上でございます。
○五十嵐座長 御説明ありがとうございました。資料2-2についても齋藤構成員から御意見を頂いておりますので、御説明をお願いします。
○事務局(丸山) 事務局より御欠席の齋藤構成員からの御意見を紹介させていただきます。13ページを御覧ください。先ほどと同様の御意見です。2.副作用の概要の5行目です。こちらに「生物学的製剤」という文言が用いられておりますが、先ほどと同様に、「生物学的製剤(バイオ医薬品)」と、(バイオ医薬品)の文言を追記いただけませんでしょうか、という御意見です。
もう1点は、23ページを御覧ください。(4)漢方薬による間質性肺炎の所ですが、黄芩及び甘草含有漢方薬が被疑薬として頻度が高いようですので、追記を御検討いただいてはいかがでしょうか、という御意見を頂いております。併せて御審議いただきますと幸いです。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 須田先生の御意見を最初に頂きたいと思います。
○須田参考人 まず、「生物学的製剤(バイオ医薬品)」、これも直させていただきたいと思います。それと、もう1つの御指摘ですが、黄芩と甘草は確かにそのように言われておりますので、文章で少し付け加えさせていただきたいと思っております。
○五十嵐座長 23ページの(4)の部分に、少し追記をするといった御対応を取っていただくということです。ありがとうございます。それでは、委員の先生方から何か御質問、御意見はありますでしょうか。
○笠原構成員 笠原です。この内容は情報が新しくなって役に立つと思いますし、非常によく改定されたと思いますけれども、1つは、これは多分勘違いだと思いますが、26ページの表1.の欄外にDMARDsというのがありまして、drug-modifying antirheumatic drugsと書いてありますけれども、これは、disease-modifyingの間違いではないかと思いますが。
○須田参考人 申し訳ありません。訂正させていただきます。
○笠原構成員 もう1点は、31、32ページです。これは後から厚労省で付けた表だと思いますが、28年と29年で、間質性肺炎の件数は2,497件と非常に多くて、その他が1,375件とあるのですが、実際に全部は出さなくても、その他の中でも10件とか20件以上あるものについては、むしろ個別の名前を入れたほうがいいと思いますが、これについてはいかがでしょうか。全部10件以下のものなら別なのですけれども。
○医薬安全対策課長 よろしいでしょうか。
○五十嵐座長 どうぞ。
○医薬安全対策課長 「その他」の所の中身を分解してみて、10件以上とした場合に、かなり数ページにわたるかどうか。
○笠原構成員 そうですね。
○医薬安全対策課長 その辺は判断します。
○笠原構成員 その辺は重要な薬剤があるかと思います。
○医薬安全対策課長 少し分解して示したほうがいいかなと思いますので、須田先生とも相談させていただきたいと思います。
○五十嵐座長 どうもありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。それでは、ほかに御意見がないようでしたら、齋藤構成員の御指摘や、ただいまの御指摘を含めまして、修正を少し加えた上で、このマニュアルを御了解、御承認いただくということでよろしいでしょうか。修正したものは、後でまた委員の先生方にお示ししていただけると思いますので、御確認いただけると思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。では、そのようにしたいと思います。
須田先生、今日は貴重な御意見を頂きまして、ありがとうございました。これ以降の議題については、特に御意見を頂く予定はありませんので、御退席されても構いません。どうもありがとうございました。
続きまして、資料2-3につきまして、今日は循環器学会のマニュアルですので順番からすると2-3ですけれども、まだ赤澤先生がお出でになっていませんのでこれを飛ばしまして、資料2-4の小児の急性脳症のマニュアル(案)につきまして検討したいと思います。今日は日本小児神経学会から参考人として山内先生にお出でいただいています。先生、御説明をお願いします。
○山内参考人 日本小児神経学会の山内でございます。よろしくお願いします。改定の内容は大きく分けて2つございます。1つは、2016年に我々の学会のほうで入れさせていただきました急性脳症のガイドラインがございますが、その中で意識のレベルに関する記載で明確な急性脳症のdefinitionがありましたので、それを「医療関係者の皆様へ」という中に組み込まさせていただいています。もう1つは、急性脳症を来す新たな関連する薬剤として、ピボキシル基を含有する抗菌薬が様々な背景、リスクファクターによっては急性脳症を発症することが、かなり知見、ペーパーとして出てきていましたので、それを加えさせていただきました。その2点でございます。
○五十嵐座長 ありがとうございます。では、構成員の先生方から御意見を頂きたいと思います。何かございますか。よろしいですか。特に御質問あるいは御意見はないようですので、この小児の急性脳症のマニュアル(案)につきましては、この委員会として了承するということで、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
山内参考人におかれましては、貴重な御意見を頂きまして本当にありがとうございました。これ以降の議題につきましては特に御意見を頂くことはありませんので、御退席いただいても差し支えございません。ありがとうございました。
続きまして、資料2-5から資料2-7まで、これはアレルギー領域のマニュアル(案)でございますけれども、今日は日本アレルギー学会から参考人として海老澤先生にお出でいただいております。海老澤先生、御説明をお願いいたします。
○海老澤参考人 よろしくお願いします。日本アレルギー学会のほうからは、今回、「アナフィラキシー」、そして「血管性浮腫(非ステロイド性抗炎症薬によらないもの)」と、「非ステロイド性抗炎症薬による蕁麻疹/血管性浮腫」の3つを出させていただいています。前回、平成20年のときには、「アナフィラキシー」、「血管性浮腫」、「咽頭浮腫」、「非ステロイド性抗炎症薬による蕁麻疹/血管性浮腫」と4編から構成されていたのですが、今回は先ほど申し上げた3つのものになっています。1つずつ説明させていただきたいのですが、3つあるので簡単にいきたいと思います。
まず、「アナフィラキシー」のほうから説明させていただきたいと思います。前回、平成20年のときには、まだ日本アレルギー学会としてアナフィラキシーガイドラインがなかったものですから、今回、2014年(平成26年)からアナフィラキシーガイドラインを発刊し、そこからの記載を非常に多くさせていただいたということが1つの特徴になっています。患者さん向けのところも見ていただくと、具体的には、エピペンの使い方などはかなり分かりやすいものになっているのではないかと思います。一般向けエピペンの適応とか、医療関係者の方にはアナフィラキシーの診断基準を図解していたり、特に早期発見と早期対応のところでは初期対応の重要性ということで、ガイドラインから引用させてもらったものが記載されています。重要度評価、そして副作用の概要、アナフィラキシーの症状等も写真とかを新しくしていますし、アナフィラキシーの機序ということで表4等は、世界アレルギー機構からの転用になりますが、4種類の機序のことが記載されています。
あとは、具体的に薬剤について個々に取り上げていまして、抗菌薬、NSAIDs、抗悪性腫瘍薬、局所麻酔薬、筋弛緩薬、造影剤、輸血等、生物学的製剤など、今回、かなりガイドラインから様々な情報を取り入れて、患者様、医療関係者の方には分かりやすいものになったのではないかと思っています。アナフィラキシーに関しては以上です。続いてやってしまっていいですか。
○五十嵐座長 どうぞ、お願いします。
○海老澤参考人 次に、「血管性浮腫(非ステロイド性抗炎症薬によらないもの)」については、これも日本皮膚科学会のほうから、2018年に蕁麻疹ガイドラインというものが出ています。それをベースにして、例えば4つの病型の分類が表1に示されていたり、薬剤が原因となる項目で新たな血管性浮腫の報告のあった薬剤でDPP-4阻害薬とか、あるいはTNF-α阻害薬などが追記されているのと、遺伝性血管性浮腫の診断については、これも国際ガイドラインで紹介されているアルゴリズムが図2に示されています。HAEの治療について、2017年に日本で承認されたイカチバントを追記し、引用文献をかなりアップデートしたとなっています。以上が、「血管性浮腫(NSAIDsによらないもの)」の説明です。
最後に、「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs、解熱鎮痛薬)による蕁麻疹/血管性浮腫」についてです。平成20年に出させていただいたものは現在でも通用するものですが、今回、特に変えたのは表1と図1を新しいものに入れ替えているという担当者からの報告で、あとは文言の微細な修正となっています。以上、3編について簡単に御説明させていただきました。ありがとうございました。
○五十嵐座長 ありがとうございました。資料2-6、2-7につきましては本日、御欠席の先生から御意見を頂いていますので、事務局から説明をお願いしたいと思います。
○事務局(丸山) 事務局より、御欠席の構成員の先生から事前にいただいた御意見を御紹介させていただきます。資料2-5についてもご意見いただいておりましたので、資料2-5、21ページの中段を御覧ください。先ほどと同様の御意見ですが、中ほどにございます「生物学的製剤」という文言につきまして、(バイオ医薬品)の文言を追記いただくことを御検討いただきたく存じます。もう1つ、資料2-6の血管性浮腫の9ページを御覧ください。森田構成員から御意見を頂いています。囲み記事があり、この内容は「アナフィラキシー」のものと同じですが、「NSAIDsによるじんま疹/血管性浮腫」のものに変更してはいかがでしょうかと御意見を頂いています。こちらも併せて御検討いただきますよう、よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 ありがとうございました。2点、御指摘を頂いていますけれども、これに対して何かありますか。
○事務局(丸山) 失礼しました。追加で資料2-7につきましても御意見を頂いていました。資料2-7の13ページを御覧ください。齋藤構成員より御意見を頂いています。「5.治療方法」の項目です。被疑薬となる非ステロイド性抗炎症薬の投与中止は不要でしょうかと御意見を頂いています。また、本副作用発症時の炎症治療法に関する追記をいただきますと、臨床現場の先生方には非常に有用な情報になるかと存じます。御検討をどうぞよろしくお願い申し上げますと御意見を頂いています。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 ありがとうございました。3点、御指摘いただいていますけれども、海老澤先生、順番にいかがでしょう。まず、資料2-5の生物学的製剤(バイオ医薬品)を追加するというのは。
○海老澤参考人 もちろん、結構です。
○五十嵐座長 よろしいでしょうか。
○海老澤参考人 はい。
○五十嵐座長 資料2-6の血管性浮腫の9ページですか、これについては。
○海老澤参考人 入れ替えていただいて結構だと思います。
○五十嵐座長 この文章は、先生、用意していただけますか。
○海老澤参考人 はい、分かりました。
○五十嵐座長 ありがとうございます。資料2-7、これはどうでしょう。
○海老澤参考人 これは急性期の治療について記載されているところなのですが、長期管理という観点から、当然、薬物については投与中止ということになると思います。ですから、そういったような書きぶりで追記するのが、よろしいのかなと思います。
○五十嵐座長 多少の文言の変更程度で済むということですね。
○海老澤参考人 そうですね。あと、炎症治療法に関する追記ということで、それについても担当者と相談してフィードバックしたいと思います。
○五十嵐座長 分かりました。ありがとうございます。そのような対応をいただくということを前提にしたうえで、その他、何か御意見等はございますか。
○飯島構成員 資料2-6、2-7、NSAIDsによるもの、よらないもの、きれいに分けていただいたのですが、記載の中でちょっと気になるのは、資料2-6の11ページぐらいにNSAIDsが紛れ込んでいます。資料2-6の13ページで原因薬の中にNSAIDsと抗菌薬というように、NSAIDsがここにちょろちょろっと入っていますが、これは必要があるかないか。わざわざNSAIDsを省いていますので。
○海老澤参考人 オーバーラップがあるということですね。
○飯島構成員 そういうことです。
○海老澤参考人 分かりました。
○飯島構成員 もうちょっと、当然、こういう疾患ですからこういうのがすぐ頭に浮かぶのですが、列挙してあるので。
○海老澤参考人 そうですね。了解いたしました。
○飯島構成員 すっきりさせていただいたほうが有り難いなと。
○海老澤参考人 ありがとうございます。
○五十嵐座長 ありがとうございます。そのほかはいかがでしょうか。
○笠原構成員 細かいことでお聞きしたいのですが、実は用語の使い方です。2-5、2-6、2-7でアレルギー学会が作られていると思いますが、じんま疹という文字が「じんま疹」と「蕁麻疹」が混合して使われています。この辺はなかなか統一しにくいのかもしれませんが、皮膚科のほうは漢字を使ったりしています。
○飯島構成員 最近は平仮名ですね。「疹」だけが大体漢字です。
○笠原構成員 ガイドラインには漢字で書いてあったりして、その辺は混乱があると思います。読んでいると平仮名が出てきたり漢字が出てきたり、ちょっと混乱するかなと思いますが、この辺についてはいかがでしょうか。
○海老澤参考人 皮膚科の先生が平仮名でいいということであれば、平仮名にさせていただきたいと思います。
○飯島構成員 ちょっと御検討いただければ有り難いところです。
○海老澤参考人 飯島先生がそれでよろしいということであれば。
○五十嵐座長 「じんま」というのを平仮名にするという方針に変えるということですか。統一するということですね。
○飯島構成員 私は学会の現役を引退していますので、どっちでいくかというのは、現役の広島の秀先生に聞いていただければ有り難いです。
○海老澤参考人 一般の方向けというところは、もちろん「じんま疹」と平仮名でいくべきと思いますし、そこは医療関係者のところも統一して「じんま疹」のほうが分かりやすいのではないかと思います。
○飯島構成員 いいかなと思いますけど。
○五十嵐座長 平仮名ですね。
○海老澤参考人 はい。先生方がそれでよろしければ、そうさせていただきたいと思います。
○五十嵐座長 漢字を残したほうがいいという強い御意見の方がいれば、おっしゃっていただきたいと思いますが、よろしいですか。基本的には、「じんま」までは平仮名で統一していただくということでお願いしたいと思います。そのほかはいかがでしょうか。それでは、幾つか御指摘を頂きましたが、対応策を示していただきましたので、それを前提にアレルギー領域、3つのマニュアル(案)につきましては了承ということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
海老澤先生、貴重な御意見、ありがとうございました。これ以降の議題につきましては特に御意見を求める予定はありませんので、御退席いただいても差し支えございません。ありがとうございました。
続きまして、資料2-8から資料2-10まで3つの眼科領域のマニュアル(案)がございます。今日は、日本眼科学会より参考人として堀先生にお出でいただきました。ありがとうございます。早速ですが、御説明をお願いいたします。
○堀参考人 堀でございます。日本眼科学会からは3つ提出させていただきました。「網膜・視路障害(案)」、「緑内障(案)」、「角膜混濁(案)」です。「網膜・視路障害(案)」から御説明させていただきたいと思います。資料2-8です。前回は平成21年にマニュアルを出させていただきまして、その改定になります。10年弱たっていろいろ新しい薬剤が出てきましたので、それに伴う改定です。資料2-8の13ページを御覧いただくと、上のほうの「(3)眼底所見に乏しい網膜障害」に書いてある抗点頭てんかん薬であるビガバトリン、サブリルですが、これに関して視野障害がありますので、視野検査によるモニターが義務付けられています。こういうことを記載しています。あと、SLEに対してヒドロキシクロロキンが承認されていて、これも眼科のモニタリングを行っていますのでそれを記載しています。あと、強心配糖体(ジゴキシンなど)の網膜障害について記載して、メインはここが追記になったということで、ほかはこれに関連する追記を行っています。
次は、資料2-9になります。「緑内障」です。資料2-9の8ページを御覧ください。「(4)原因となる医薬品とリスク」は、1.散瞳作用によるもの、2.毛様体浮腫によるもの、この2つが緑内障になるリスクですけれども、これも前回(平成21年)から10年弱たっていて、それに対して新しい薬剤が増えましたから、この中では一番下の抗てんかん薬(トピラマート)を追記し、「その他、抗コリン作用を有する薬剤」を追記しています。緑内障に関してはこれくらいです。
次、資料2-10の「角膜混濁」です。角膜混濁に関しては前回、平成23年のマニュアルからの改定です。9ページを御覧ください。これも8年ぐらいたっていて新たな薬剤が承認されましたので、それを追記した形になります。角膜混濁は、大きく点眼による角膜混濁と内服薬による角膜混濁がありますが、点眼薬も例えばRhoキナーゼ阻害薬などが新しく点眼薬として上市されたりしていますので、それを追記しています。資料2-10の11ページを御覧ください。内服薬に関しては、「(4)原因となる医薬品とリスク」として抗がん剤などが追加されています。あと、精神活動改善・パーキンソン症候群の治療薬でA型インフルエンザウイルス感染症にも用いられるアマンタジンの角膜混濁(角膜浮腫)を追記しています。これに関連することの全体的な改定を行っています。眼科に関しては以上です。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 御説明、ありがとうございました。それでは構成員の先生方、何か御質問、御意見、いかがでしょうか。
○笠原構成員 眼科領域で、1つは資料2-8の網膜・視路障害です。例えば10~11ページに医薬品ごとの特徴というのが解説されていて、ここに挙げられている薬剤が前のバージョンとは、もちろん変わっていますけれども、27~28ページの所で実際に28年度と29年度でどういう薬剤が多いかというリストを見ると、もともと件数が少ないですけれども、例えばアピキサバン、あるいは遺伝子組換えのもありますし、プレガバリン、リバーロキサバンなどもあったですかね。こういう、いわゆるNOACとかOACと言われるようなものは、もちろん出血傾向を出しやすいものですが、こういう頻度の高いものについて本文ではほとんど説明されていないのですけれども、眼科領域ではあまり問題にならないからということでしょうか。
○堀参考人 恐らく治療の対象にはないもので、ただ、報告というものになります。なので、我々は眼科的に何か治療があるという感じではなくて、御紹介いただいて、例えば点状出血がありましたという御報告が載っていると思いますが、反映したほうがよろしいですか。どうでしょうか。
○笠原構成員 そうですね。実は同じようなことが緑内障の所でも、リストに載せられている医薬品については本文ではほとんど触れられていない。これはもともと後から厚労省が付けた資料なので、恐らくそれを見て作ったわけではないからだと思いますけど、比較的頻度の高い医薬品について本文でほとんど触れられていないので、その辺が少し違和感があるかなと思ったものですから。
○堀参考人 分かりました。それを鑑みて内容を変えるようにいたします。
○薄井構成員 それについてですが、先生が御指摘のように確かに副作用としては程度と頻度があり、何かその辺の臨床的に問題にならないようなものなども全部含んで、お薬の副作用として厚労省からのデータが出ているのか。あるいは先生が御指摘になったように、そういうことも含めて全部書いたほうがいいのか。つまり、たくさん書けば書くほど臨床の現場は混乱しますので、むしろ先生方が非常に問題とするところを書いていただいたほうが。
○堀参考人 よろしいですかね。
○薄井構成員 よろしいのではないかと、私は臨床家なものですから思いますが、いかがですか。
○堀参考人 そうですね。患者さんにも行きますので、あまりにも出過ぎてしまうとそうかもしれません。
○薄井構成員 やはり眼のことですから、非常に患者さんはナーバスになると思いますので、副作用についていっぱい書いてありますと。
○堀参考人 分かりました。
○薄井構成員 そういうことがありますので、先生方が御覧になって問題とするような副作用で大事であるというのをきちっと書いていただき、かつ、こういう報告にはこうありますけれども、その辺を切り分けてもいいような気がします。これは先生方の領域だけではないと思いますけれども、そのように思いました。
○堀参考人 分かりました。承知しました。ありがとうございます。もともとベースでマニュアルとしてあったものに対して追記という形で、全面改定ではありませんので。どうしたらよろしいでしょうか。
○薄井構成員 私はこのままでよろしいのではないかと思います。それとは別に、厚労省のほうのデータはデータとして把握することが必要です。普段、先生方が御覧になって、我々が照会したときに、これは重要な副作用だという形で読めればいいかなと思います。私はこれが一致しなくてもいいかなと思っています。
○五十嵐座長 恐らく本文をお書きになって、その後、厚労省のほうから副作用報告件数のデータ等が追記されたのだと思います。改めて副作用報告件数を一度見ていただいて、どうしても修正したほうがいいという点がもしあったら修正するという程度の変更でよろしいということですね。
○薄井構成員 そうですね。それでよろしいと思います。
○堀参考人 分かりました。
○五十嵐座長 では、その作業をされても大きな変更にはならないと思います。副作用報告件数を一度じっくり見ていただいて、変更する必要があるならば変更していただけますか。
○堀参考人 分かりました。御指導ありがとうございました。
○五十嵐座長 場合によっては、変更がないということもあり得るということですね。そのほかいかがでしょうか。よろしいですか。それでは先ほど御指摘を頂いた点を踏まえた上で、眼科領域のマニュアル(案)につきましては、この委員会で了承するということでよろしいでしょうか。ありがとうございました。
堀先生におかれましては大変貴重な御意見を頂きまして、ありがとうございました。これ以降の議題につきましては特に御意見を求める予定はありませんので、御退席いただいても差し支えございません。ありがとうございました。
続きまして、資料2-11の手足症候群のマニュアル(案)を検討したいと思います。事務局から御説明をお願いします。
○事務局(丸山) 資料2-11の「手足症候群」につきましては、日本癌治療学会、日本皮膚科学会及び日本臨床腫瘍学会の3学会により改定されたマニュアルです。本マニュアルの検討を主導された日本癌治療学会の参考人は、本日、御都合のため御出席できない旨の御連絡を頂いておりますため、マニュアル作成委員会よりお送りいただいた手足症候群のポイントを事務局にて紹介させていただきます。読み上げさせていただきます。
手足症候群のマニュアルについて。1.改定に至った背景、契機。現在、公開されている手足症候群マニュアルは平成22年3月に作成されたものです。その当時、手足症候群の原因となる抗がん剤はフルオロウラシル(FU系抗がん剤)がメインであったため、マニュアルもフルオロウラシル系抗がん薬を中心とした記載となっています。また、当時はチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)が登場した時期であり、ソラフェニブとスニチニブについての記載はあるが、その後、多くのTKIが登場しており、TKIの特徴を踏まえた改定が必要との要望が多く、今回、改定を行うこととなりました。
2.マニュアル改定のポイント。改定に当たり、前述に加え、以下の点を踏まえて改定作業を進めました。1つ目、TKIの使用により手足症候群のみならず、ざ瘡様皮疹や全身性皮疹が多く見られますが、本マニュアルではざ瘡様皮疹や全身性皮疹を含めず、手足症候群に絞って行うこととしました。2つ目、今回の改定作業は日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会、日本皮膚科学会の3学会合同チームによる改定作業を行いました。2.副作用の概要と診断法、3.判別が必要な疾患と判別方法は主に日本皮膚科学会が担当しました。3番目、また、早期対応のポイントでもある薬の塗り方や患者指導については、薬剤師、看護師、作業療法士が中心となり、より理解しやすいよう改定作業を行いました。以上でございます。
○五十嵐座長 ありがとうございました。それでは、資料2-11につきまして御意見、御質問等がございますでしょうか。
○滝川構成員 ざっと起因薬を見たのですが、これ、最新のものまで含まれているのか。例えばレゴラフェニブとかも起こすのですが、載っていないですね。今、林先生がおっしゃったのですが、後ろのほうの症例にはレゴラフェニブが入っているそうですけれども、18ページ、19ページには含まれていないみたいです。
○医薬安全対策課長 よろしいでしょうか。今、先生が御指摘の資料2-11の18ページに出てくる原因となる医薬品と頻度、この表が恐らく最新の薬までカバーしていないのではないかと、そういう御指摘だと思います。この場合も先ほどの1つ前の議題と同じように、後ろに付けたリストを、マニュアルを作成いただいた関係の学会の先生に見ていただいて、必要があればそこをアップデートしていただくというステップを踏みたいと思います。よろしいでしょうか。
○五十嵐座長 よろしいですか。18ページにもありますけれども、頻度などの詳細不明という薬も出ているので、確かに新しい薬で実際にそういう症状を起こしているようならば、追記すること検討していただくということですね。ありがとうございます。何ページですか。
○滝川構成員 これは、23ページのGrade1の最初の例がレゴラフェニブと。
○五十嵐座長 実例としては23ページに挙がっているのだそうですけれども。では、その検討をしていただくことにしたいと思います。そのほか、いかがでしょうか。
○笠原構成員 これも用語の問題で、例えば28ページの所でドキソルビシンのことですけれども、ドキソルビシンはリポソーム注射薬、注射製剤、あるいはリポソーマルドキソルビシンとか、こういう使い方が結構あちこちに出てきて、一度ここで、例えばリポソーマルドキソルビシンならば括弧で、他に使う使い方であるとか、一番後ろには薬としてはドキソルビシン塩酸塩という形になっていますから、それでリポソーマルドキソルビシンだとか、そこでいろいろ出てくるものは注を入れておけばいいと思います。いろいろな言い方が出てきていますので、その辺、ちょっと整理したほうがいいかなと思います。
○五十嵐座長 これは、事務局はいかがでしょうか。お考えはありますか。
○事務局(丸山) 今、いただいた御指摘を学会のほうにお伝えさせていただき、整理をさせていただきたいと思います。
○五十嵐座長 ありがとうございます。用語の問題ということですね。ほかはいかがでしょうか。では、今、御指摘いただいたことを踏まえた上で、この手足症候群のマニュアル(案)につきましては了解するということで、よろしいでしょうか。ありがとうございます。本来ならば資料2-3の「うっ血性心不全」のマニュアル(案)を検討が残っていますが、ひとまず置いて議題3.のほうに行ってよろしいですか。では、議題3.としまして、「医薬品等の副作用の重篤度分類基準の見直しについて」、事務局から御説明いただきたいと思います。
○事務局(丸山) まず資料3-1「医薬品等の副作用の重篤度分類基準の見直しについて」を御覧ください。背景から御説明いたします。医薬品等の副作用等報告については、製造販売業者及び医薬関係者に対して義務付けがされております。また、その報告に当たっての、副作用の重篤度の判断基準については、「医薬品等の副作用の重篤度分類基準について」(平成4年の通知。以後、「第80号通知」と呼ぶ)において示しているところです。製造販売業者及び医薬関係者は、第80号通知に示された考え方に沿って、医薬品等と関連が疑われる副作用のうち、死亡・入院相当以上の重篤な副作用を、その重篤度に応じて、当局であるPMDAに報告していただいています。
第80号通知については、資料3-3を御覧ください。平成4年の通知で、ご覧のようなものを示しております。3ページ以降に「副作用の重篤度分類基準」として、グレード別に示しております。第80号通知は、新たな薬剤の登場や疾患概念の変化により、現状にそぐわない記載もあることから、平成29年から平成31年度の日本医療研究開発機構(AMED)の医薬品等規制調和・評価研究事業「医薬関係者からの副作用等情報の活用方策に関する研究」の研究班において見直しをしていただきました。研究代表者は、国立大学法人東北大学病院薬剤部の眞野教授に行っていただいております。
それでは、研究班における検討を御紹介いたします。第80号通知の見直しに際し、新たな報告基準を策定するに当たり、「重篤度」と「重症度」をそれぞれ独立した概念として分類いたしました。重篤度というのは副作用の転帰、すなわち死亡であったり障害等であったり、それにより判断される結果に主眼を置いております。重症度というのは、副作用の症状の強さ、激しさにより判断される度合いとして定義付けていただいております。これまで「重篤度分類」と呼んでいたものを、「重症度」と「重篤度」として、独立した概念として分けることで提案を頂いております。研究班としては、これら重篤度と重症度の双方について、報告基準の中で触れる必要があると考えていただいております。
重篤度については、資料3-2を御覧ください。1ページの4.にある平成27年の「医薬品・医療機器等安全性情報報告制度」の実施要領の通知の中で言及しており、こちらの引用として重篤度をお示ししています。また、重症度については資料3-2の2ページ以降にございます。報告基準での重症度の検討に当たっては、有害事象共通用語規準(CTCAE)の日本語訳、JCOG版を基盤とすることが適切であると考えていただいております。CTCAEは、アメリカ国立がん研究所が作成した有害事象の共通用語規準です。また、CTCAEに記載のない有害事象(第80号通知に記載のある副作用約30種)については、MedDRAを考慮の上、報告基準に追記していただいております。さらに、重篤副作用疾患別対応マニュアルが作成されている副作用については、同マニュアルに記載されている医学関係者向けの早期発見のポイントを、報告基準に追記いただいております。
このほかに資料3-2の1ページの2番目と3番目で、報告における留意事項をお示ししていただいております。こちらの報告基準は、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会のほうで報告させていただき、最終的には厚生労働省の通知として発出する予定です。本日は重篤副作用総合対策検討会ということで、副作用に明るい先生方にお集まりいただいておりますので、この報告基準について御意見を頂きたく、議題とさせていただきました。御意見を頂けますと幸いでございます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 御説明にありましたように、今までは平成元年あるいは平成4、5年ですか、25年以上前に作られた重症度分類をずっと使っていたそうです。ところが米国のCTCAEの最新版が出たので、それを翻訳し、それに準じた形で重症度分類をしたい。それから、そこに載っていない重篤副作用もあるので、それはまた別に追記をした。以上の御提案を頂きました。何か御意見、御質問等はありますか。
○滝川構成員 例えば、2番目の資料の7ページに、私の関連した肝胆道系障害というのがあって、7ページの下の欄に、「関連する重篤副作用名『薬物性肝障害』」というのがあって、今回のマニュアルのテーマである一番大事な病気だと思うのですけれども、それがこのリストには載っていないのです。これが具体的にはどのようになるのでしょうか。2番目の資料の7ページから8ページです。
○五十嵐座長 資料3-2ですか。
○滝川構成員 資料3-2に肝胆道系障害というのが、7ページの下と8ページの上のほうにあって、7ページの下段の欄にそういう追記があるのです。具体的にどうなるのかなと思ったのです。
○事務局(丸山) 7ページの下の所で、重篤副作用疾患別対応マニュアルの言及がありますが、今回、御審議いただいたものをどう反映させていくかということですか。
○滝川構成員 そうではなくて、疾患名というか、それがもともとこの分類の中に入ってないですよね。それをどこかに取り込むのかという質問です。先ほどお話されたとき、そのようなニュアンスでお話されていたので。
○医薬安全対策課長 ちょっと確認ですが、マニュアルで付けているタイトルに当たる言葉が、今の一覧表に出てこないので、今後報告などをもらうときに、その辺りがミスマッチと言いますか、必ずしも一致しないことで混乱があるのではないかという御指摘だと思います。一応、資料3-2でお示ししている有害事象のところは、通常、これまでも副作用報告等で上がってきているものを基本に並べていますので、どうしてもマニュアルとの間では包含関係が出てくると思います。うまく整理が付くかどうか、内集合に当たるかどうかも含めて、どこからどこまでの有害事象がマニュアルで言うところの何に当たるかとか、この辺りの関係性は少しチェックさせていただきます。
○五十嵐座長 そのほかにはいかがでしょうか。
○上野構成員 今回示していただいたのは、医療関係の先生方への通知案ということですけれども、資料3-1と3-2について、企業側からの立場で感じたことを述べさせていただきます。まず資料3-1のほうです。この背景の所に、平成4年に出された第80号通知のことが書かれています。その8行目ぐらいに、第80号通知に示された考え方に沿って、企業なりが副作用報告をしているように書かれているのです。この重篤度分類通知が出た当時は、第80号通知のグレード3以上が重篤相当だということで、行政報告をしていたのですけれども、その後、ICHでグローバルに、日米欧で重篤性の基準が決まりましたので、その基準に基づいて報告することになりました。この第80号通知の位置付けは、あくまでも目安というのが現状の位置付けだと理解していますから、必ずしもこれに沿って全てが進んでいるわけではないということで、これを読ませていただいたときに、その辺で違和感を持ったというのが1点です。
あと、その下の2番の「研究班における検討」で、重篤度と重症度という2つの分類の言葉が用いられています。このように分類していただくのは非常に有り難いのですけれども、これも当時検討したところでは、重篤については度合いを示すものではない、重篤か否かを考えるところなので、「重篤度」という表現よりも「重篤性」という表現のほうがいいという話があったかと思います。しかし、またここで再び「重篤度」という言葉が出てきたのは、ちょっと違和感を持った次第です。
もう1つ、メインの資料3-2、どのような副作用を厚労省に報告するかという通知案のことです。現在、企業が薬機法及び薬機法施行規則で求められているのは、一部違うところはあるのですけれども、資料3-2で示されている4.がニアリーイコールだと。それ以外に今回、1.2.3という新たな3項目が加わっているということで、これはいままで求められている以上のものが求められるのか、それとも今、薬機法施行規則で決められている4.の内容を分かりやすくするために、1.2.3を加えているのか、また、これらは医療関係者に求められる通知ですけれども、企業側にも同じように求められる予定なのでしょうか。その辺をお聞きかせいただきたいのです。
○事務局(丸山) 御意見を頂きましてありがとうございます。第80号通知は現在、報告において余り使用されていないということで、ICHの基準にのっとって行っていただいているということですが、第80号通知も通知としては生きており、表現としてはこのような形にさせていただいております。現状とずれているところがあるということで、この度、検討させていただいたというところが背景としてあります。また、「重篤性」と「重篤度」という文言の違いですが、「重篤性」という言葉を使用することについても、また今後検討させていただきたいと思います。
最後に、資料3-2の1ページの1.から3.が新たに追加で求められるのかということですが、あくまでも現在は4.を基準に報告いただいているということかと思います。そこの包含関係ですが、4.の下に1.2.3.が来るのか、それとも1.2.3.4.が並列になるのかというのは、通知の今後の書き方になるかと思いますので、そちらも今後、検討させていただきたいと考えております。
医薬関係者だけではなく、企業にも求められるのかというところですが、当初、こちらの報告は、製造販売業者においても医薬関係者においても同様の基準を用いたほうが、より報告の精度と言いますか、並びが取れるのではないかというように検討させていただいておりました。今後、できれば製造販売業者においても適用できる通知として、ブラッシュアップしていければ、と考えているところです。また、いろいろ御相談させていただくかと思います。今後も検討を続けていきたいと考えております。
○医薬安全対策課長 追加というか、少し補わせていただきます。先ほどの資料説明の際に事務局からもありましたとおり、せっかくの機会ということですし、この場は副作用に関する検討をする場としてお集まりの先生方ということで、今回、研究班で行ってきた成果物について、忌憚のない御意見を頂くという捉え方でおります。手続上、これは薬機法に基づく報告制度等につながってきますので、基本的には薬事・食品衛生審議会の関係部会、安対部会あるいは調査会のほうで改めて御審議いただく形になります。ですから今日いただいた意見も踏まえ、また研究班と相談いたします。最終的にはあくまでも研究成果ということになりますので、これを制度上取り入れる際には、審議会のステップも踏みますし、当然ステークホルダーである産業界、医療関係者とも十分相談をしながら、「重篤度」あるいは「重篤性」という辺りの表現も含めて整理することになります。
こういう言い方をすると、研究班に対して申し訳ないのですが、研究班である程度自由度を持って研究いただいた結果について、それを制度の中に取り入れる際には、当然、表現ぶりも含めて適切な形に直すということはありますので、それはまた次のステップとして、きちんと今日の御意見等も踏まえて取り組んでいきたいと思います。また産業界にも御意見を伺う機会は、当然あると思います。
○五十嵐座長 今日は取りまとめを行うつもりはなく、専門家の先生方がたくさん御出席されているので、御意見を伺いたいという趣旨で御紹介いただいております。そのほかにいかがでしょうか。
○城守構成員 今回初めて参加させていただいて、専門家の先生にこのようなマニュアルのたたき台を作っていただいたことに、非常に感謝するわけです。副作用の病態からこのようなマニュアルを作られて、それぞれ現状に沿った形でアップデートをされているという内容です。そして症例が提示されて非常に見やすいので、臨床の現場からすると、非常に有用なツールになるなという形で拝見させていただきました。私が臨床の現場にいた頃は、確かこのマニュアルは出ているのではないかと思うのですが、余りアクセスできなかったのです。この広報というか、周知に関してはどういう形でしておられるのか教えていただけますか。
○事務局(丸山) 御意見、ありがとうございます。重篤マニュアルの周知はどのように行われているかということですが、ここで御審議いただいたマニュアルについては、厚生労働省のホームページであったり、PMDAのホームページでも掲載させていただいています。また、PMDAの添付文書検索システムがありますので、そちらともひも付けをしており、関連するマニュアルにリンクするように設定しています。こちらのマニュアルがまとまったら、厚生労働省が販売しているわけではないのですけれども、冊子体として医療現場で活用いただけるような形態で販売させていただいているところです。
○城守構成員 ありがとうございます。これは基本的には医療従事者中心ということですけれども、「国民の皆様へ」という章立てもあるようですので、一般の方も見られるような形で構成されているようです。恐らく今後、国民の医療の上手なかかり方の問題で、医療に対してのアクセスの場所が割と改編され、統一化・集約化されていくことになると思いますから、これは見やすい形の所に周知していただきたい。それと、医療機関にはマニュアルとして、せめて無料で配布ないしダウンロードできるような形に、しっかりと周知していただけると、現場は助かるのではないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○医薬安全対策課長 大事な御意見をありがとうございます。その際は医療関係の団体のほうに協力を頂くということも、1つの周知の方法かと思っていますので、是非ともよろしくお願いしたいと思います。
○五十嵐座長 そうしますと、例えば最終案的なものができた場合、今日御意見を頂いた点も含めてまたフィードバックし、もう一度、この委員会で御紹介いただけることになりますか。
○医薬安全対策課長 今日、個々のマニュアル案について幾つか御意見を頂いています。関係学会とも相談させていただいて、少し修正が入ります。それらについては確認と言いましょうか、報告に近い形で本検討会の先生方にお送りします。また、ファイナライズしたものは、少し大部になるとは思いますが、関係通知等の形に加えて、検討会の先生方に個別にお送りしたいと思います。
○木村構成員 22ページ、資料3-2の副作用情報の基準案で、腎臓に関してのところです。慢性腎臓病に関しては、グレード1からグレード5まできちんと書かれているのですが、急性腎障害はグレード1と2がなくて、いきなりグレード3で「入院を要する」と書いています。急性腎障害に関しては日本腎臓学会から、急性腎障害の診療ガイドラインが出ていますので、それを参考にしていただいて、グレード1、グレード2も作っていただいたほうがいいのではないかと思います。いかがでしょうか。
○医薬安全対策課長 また、研究班とも相談をさせていただきたいと思います。今伺ったご意見の全てを把握し切れなかったので、個別に具体的なところを確認させていただき、それをまた検討班のほうに戻して、少し考えてみたいと思います。また後ほどというか、今後ともよろしくお願いします。
○五十嵐座長 そのほか、よろしいでしょうか。では、今日いただいた御意見を今後の検討に活用させていただくという方針にしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
参考人の赤澤先生が御出席されましたので、うっ血性心不全のマニュアル案についてこれから検討いたします。御説明をお願いいたします。
○赤澤参考人 日本循環器学会に、「うっ血性心不全」の改定作業をご依頼いただきました。この改定作業は8年ぶりになりますが、その背景には2つの事情があるかと思います。一つは、2017年に日本循環器学会/日本心不全学会から、「急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)」として改訂されました。約8年前には、急性心不全と慢性心不全には別々のガイドラインがありましたが、それらを統合する形で、今回大幅に改定されました。もう一つは現在、臨床の現場で非常に問題になっている、がん化学療法にともなう心血管障害が大きな問題となっているという点です。特に様々な分子標的薬で心血管障害が生じ、中でもうっ血性心不全を起こすがん治療薬に対する対応が非常に重要になってきています。これらの点に応じて、内容について加筆修正を行った次第です。
ガイドラインについては、例えば診断のアルゴリズムの中で、もちろん最初に患者の症状や、心電図やレントゲン検査を行うのですけれども、補助的にBNP、NT-proBNPという2つのバイオマーカーが非常に簡便で再現性よく用いられるということで、追記されています。前回のマニュアルはBNPだけだったのですが、今回はNT-proBNPを加筆してあります。また心毒性の機序や診断についても、最新のガイドラインに沿った形で適宜加筆してあります。例えば、心不全というと一般の方は、左室駆出率(LVEF)が低下したものとお考えですけれども、実はLVEFが保たれたHFpEFやLVEFが軽度低下したHFmrEFといったように、LVEFによって心不全の分類がされるようになりました。そういった情報も追加しております。
抗がん剤について、前回はアントラサイクリン系抗がん剤だけの記載でしたが、今回は乳がんや胃がんで用いられるHER2阻害剤、多発性骨髄腫で用いられるプロテアソーム阻害剤、固形がんで用いられる血管新生阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、免疫チェックポイント阻害剤についても加筆しております。そういった点で、内容もかなり充実したものになっております。私からは以上です。よろしくお願いします。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。それでは資料2-3について、何か御質問、御意見はありますか。時代とともに使用する薬も変わってきますし、疾病も変わりますので、それに適切に対応した結果であるという御説明だと思います。御意見等はありますか。よろしいですか。では、うっ血性心不全のマニュアル案について、この委員会としては了承するということでよろしいでしょうか。どうもありがとうございました。赤澤先生、どうもありがとうございました。
それでは、今日予定していた議題はこれで終了することになります。委員の先生方から何か御意見、御質問等はありますか。
○林構成員 意見というわけではないのですが、作成に若干関わらせていただいたことも含めて。各学会の先生方に具体的な画像イメージとか、医学的な判断のアルゴリズムとか、今回、いろいろなものを改定で盛り込んでいただいているので、医療現場で勤務する薬剤師にとっても、大変分かりやすい状況にアップデートしていただいたことに、一委員として心より感謝したいと思っております。こういうものを使って厚労省への副作用報告とか、患者の副作用の重篤化回避に、現場としても、例えば日本病院薬剤師会としても、啓発作業は引き続き各方面の先生方と連携して進めていきたいと思います。本当に感謝申し上げたいと思います。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。そのほかによろしいですか。では、事務局から何かありますか。
○事務局(丸山) 本日の議事録について御説明させていただきます。後日、議事録案を送付させていただきますので、内容の御確認をお願いいたします。なお、修正、御確認いただいた後、厚生労働省のホームページに掲載いたしますので、よろしくお願いいたします。次回の開催については別途、御連絡をさせていただきたいと思います。
○医薬安全対策課長 追加です。先ほど来申し上げておりますけれども、個々のマニュアルに関しては、少し直しが入りますので、軽微な所も含めて、そこは学会と相談させていただいて、座長の五十嵐先生とも相談の上、一旦、先生方にお送りしたいと思っておりますが、それでよろしいでしょうか。
○五十嵐座長 よろしいですね。では、そのようにしていただきたいと思います。その他、よろしいですか。では、今日の検討会はこれで終了としたいと思います。御協力、ありがとうございました。

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