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2018年12月27日 第23回シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会 議事録

医薬・生活衛生局 医薬品審査管理課 化学物質安全対策室

○日時

平成30年12月27日(木)10:00~12:00

 

○場所

中央合同庁舎5号館 18F(国会側) 専用第22会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

○議題

・室内濃度指針値案の見直し等について
・その他

○議事

 

 

 

○小池補佐 それでは定刻になりましたので、ただいまから第23回シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会を開催いたします。本日、多数の傍聴者に御来場いただいております。構成員の皆様には、御多忙のところ、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日、本委員の検討会の総数12名全ての構成員に御出席いただいておりますので、よろしくお願いをいたします。なお、本日検討会を公開で行わせていただきますが、カメラ撮りについては、議事に入る前までとさせていただいておりますので、傍聴の皆様の御理解と御協力のほどよろしくお願いをいたします。
それでは早速会議に入らせていただきたいと思います。座長の西川先生に以後の議事進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いをいたします。

○西川座長 それでは議事を進行させていただきます。まず、事務局から配布資料の確認をお願いいたします。

○小池補佐 それでは確認をいたします。厚生労働省全体の方針に従いまして、本検討会からペーパーレスにさせていただきたいと考えております。お手元のタブレットを使用して行いますので、合わせて机上に操作説明の紙をお配りさせていただいておりますので、適宜御確認いただければと思います。初めてタブレット使わせていただきますので、簡単に基本的な操作について御説明をいたします。画面の暗い先生は下の丸いボタンを2回タッチいただくと画面が明るくなるのですが、画面は開いていただいてよろしいでしょうか。
開いていただきますと、PDFのファイルが8個ほど開いたマイプライベートファイルという表示がされているかと思います。例えば、表示したい資料を1回タッチいただくと、画面が開いて中身が見られるという形になっております。指をなぞるように下から上にずらしますと、ページが送られまして、上から下にずらしますと、ページが戻るような形になっております。戻りたいときは左上の左矢印とマイプライベートファイルを押していただくと、先ほどのページリストの一覧になるかと思います。ここまでで、動作等お分かりにならない方はいらっしゃいますでしょうか。大丈夫ですかね。ちょっと途中で操作が分からなくなったら呼んでいただければ事務局から人を出しますので、よろしくお願いをいたします。
資料の一覧にお戻りいただきまして、以下のファイル名が存在しているか確認をいたします。上のほうから座席表、議事次第、委員名簿となっておりまして、資料1として、前回、前々回の検討会後に行ったパブリックコメントに関する回答案、資料2として、本会議で議論いただく中間報告書案を入れてあります。参考資料1~3として、当会議の開催要綱、前々回のパブコメの意見募集の募集紙。資料3で前回のパブコメの募集紙となっております。ファイル等不足しておりましたら事務局までお申し付けください。よろしくお願いをいたします。
なお、傍聴されている方にお伝えいたしますが、カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。事務局から説明は以上です。

○西川座長 ありがとうございます。それでは、議事1、室内濃度指針値の見直し等について、資料に基づいて事務局より説明をお願いいたします。

○蓮見係長 それでは御説明をいたします。まず資料1番をお開きいただければと思います。こちらは、第21回検討会及び第22回検討会後に行ったパブリックコメントに関する回答案となっております。前回、前々回の検討会後に行った2回分のパブリックコメントについて、頂いた御意見の概要、それからその回答案についてまとめてお示ししている資料です。経緯を簡単に御説明をいたします。
まず、前々回、平成29年4月に開催された第21回検討会において、指針値の定められていない3物質、新規3物質の指針値案と、既に指針値の定められている物質のうち、既存4物質の指針値の改定案を提案させていただきました。それに基づきまして、平成29年6月から7月にかけまして、パブリックコメントを実施しましたところ、その設定に対しまして、多数の御意見を頂いたところです。それらの頂いた御意見を踏まえまして、平成30年8月に開催をいたしました第22回検討会において、指針値案の再検討をいたしましたところです。その検討会でお示しをさせていただいた方針としては、まず、新規3物質について、提示をさせていただいていた指針値案を再検討とすること。それから既存4物質のうち、エチルベンゼンについては、これも再検討とすること。既存4物質のうち、エチルベンゼン以外の残りの3物質、即ちキシレン、フタル酸ジ-n-ブチル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、この3つについては、指針値の改定に際して大きな反対意見などはなかったところですので、案どおりの改定を行うこと。このような方針を事務局のほうから示させていただきまして、御議論いただいたというのが前回です。御議論を頂いた結果として、本検討会において、その方針に御了解を頂きましたので、平成30年9月から10月にかけて、御了解を頂いた方針に基づく2回目のパブリックコメントを実施した次第です。
構成員の皆様方においては、2回分のパブリックコメントの概要と回答案について、2ページ目以降に掲載をさせていただいておりますので、これらについて御確認をいただければと思います。左上の矢印、マイプライベートファイルをタッチしていただいて、一旦資料の一覧にお戻りをいただけますか。
それでは資料2のシックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会、中間報告書案について、御説明をいたします。2回目のパブリックコメントで先ほど前回の検討会の方針のほうをお諮りしたと申し上げましたが、それにおいて、その方針に対して大きな反対の御意見は頂いていないと事務局としては認識しています。それを受けまして、キシレン、フタル酸ジ-n-ブチル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、この3つの指針値については、改定をさせていただきたいと考えています。そのため、これまでと同様に、この検討会における中間報告書を取りまとめたいと考えておりまして、その案を事務局で作成をさせていただいた次第です。
案の構成として、最初の段落で申し上げたとおり、キシレン、フタル酸ジ-n-ブチル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシルについて、指針値を改定する旨の記載をしています。それから2段落目、3段落目と続いている所では指針値の意味合い、趣旨等について解説をしておりまして、4段落目、なお書きの所ですが、こちらで一部の物質について、指針値の再検討をする旨の記載をしております。2ページ目に一覧表がありますが、今回改定をしたいと考えている3物質については、更新をする部分について、下線を引いておりまして、それらを含めて現在指針値を定めている物質等について、掲載している構成になっております。5ページ目以降に別添として、個別のリスク評価の詳細となっておりますが、今回改定をしたい3物質のリスク評価の詳細をお付けしている次第です。
つきましては、本日の進め方として、まず、先ほど御説明したパブリックコメントの回答案について、構成員の皆様に御確認を頂く時間を頂いて、その後、こちらの資料2の中間報告書案について御議論を頂くというように時間を区切って進めさせていただくことを考えております。事務局からの説明は以上です。

○西川座長 ただいま事務局より提案のあったとおり、まず資料1のパブリックコメントに対する回答案について確認をし、その後で資料2の中間報告書案について議論をするというのはいかがでしょうか。よろしいですね、ありがとうございます。では、そのように進めさせていただきます。
早速ですが、資料1のパブリックコメントに対する回答案について、構成員の皆様より何か御意見はございますか。御意見なしということで承ってよろしいですか。

○角田構成員 新しい知見を加えて再検討してほしいというものに、その知見を加えて再検討するということを明確に述べられていますので、回答案としては十分ではないかと見て思いました。

○西川座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。特に御意見ないようですので、事務局が作成した回答案に修正を要する点はないということです。このまま了承することとしたいと思います。よろしいでしょうか、ありがとうございました。
続きまして、資料2の中間報告書案について、御議論を頂ければと思います。構成員の皆様より何か御意見はございますでしょうか。

○田邉構成員 パブリックコメントの回答も、よくまとめていただいていると思います。まず冒頭の1ページの所で本指針値の持つ意味というのが、きちんと書かれている。これは規制値ではないということは、ここに明白になっていると思います。そこで実際に先ほどの科学的な知見の部分ですが、1ページの下から4行目、新規の3物質について「関係者が対策を講ずるに当たり」という部分なのですけれども。

○西川座長 すみません、どの資料。

○田邉構成員 資料2の1ページの「なお、第23回までの検討会の議論より」という部分です。

○西川座長 分かりました。

○田邉構成員 この2-エチル-1-ヘキサノールからの3物質について、これまでの議論のように長らくこのシックハウス検討会で議論がされていて、この物質が選定されたということに関しては間違いがないということ。この選定プロセスについて、科学的な問題があるとは思わないということ。ところが、まだ指針値を決めるには科学的知見が必要であるということが書かれていて、それでも2-エチル-1-ヘキサノールに関しては、ドイツの環境局では暫定指針値を同じように100μg/m3と決めていますけれども、ほかの2物質も含めて指針値についての知見が必要であると書かれています。一方でその後に「技術的観点から実効性に疑義のある値が提案されている」ということは、要は今回、提案されていた指針値の値では業界団体が守れないと言っていることを、暗に書かれていると思うのです。これは指針値が、知見が集まるまで定められないということが決して安心安全ということを示しているわけではないので、業界団体あるいは関係者で知見をきちんと定めて、できるできないではなく国民が安全で健康であることが最も重要です。従って、それに向けて皆さんで努力をしていく必要があるのではないかと思います。この部分は非常に明確に書いていただいていますので、取りまとめの案として、私は賛成させていただきたいと思います。

○西川座長 先生の御意見も盛り込まれていると理解してよろしいでしょうか。ありがとうございます。そのほかよろしいでしょうか。

○神野構成員 冒頭の所の2段落目の「現状では、居住者にアレルギー、中毒、未だ発生の仕組みがわからない症状を含めた様々な体調不良が生じ」いう一文がありますが、これに関して、そもそもシックハウス症候群の定義の中でアレルギーあるいは中毒に起因することが明確なものは、診断基準から除かれていると理解しています。これに関しては坂部先生が診断基準等にお詳しいと思いますが、この文章をそのまま読み解くと、アレルギー症状や中毒症状もシックハウス症候群に含まれることになるかと考えられますが、その辺りいかがでしょう。

○坂部構成員 それについては、今ちょうど、その新しい臨床分類と診断基準を決める厚生労働省のシックハウスの研究班で、田邉先生、角田先生に入っていただいていますけれども。今、それを2年間掛けて、新しい診断基準ガイドラインを決めようという真っ最中なのです。それが、この会のある程度、結論が出ていないと決めるのも難しい部分があるので、今、正にこの会議の結論をお聞きして、研究班で細かく分けていこうという形にはなっているのですけれども。
アレルギーに関しては、結局、アレルギーを悪化させる化合物のほうが、結構、指摘されています。そこをどう折り込むかというところがポイントだと思います。今、言われている1型、いわゆる急性中毒に関しては、狭義のシックハウス症候群ではなく、居住者の健康を害するという広い意味での、広義のシックハウスの中には入れておいていいのかなと思いますけれども、現在、そのぐらいしかコメントできません。

○角田構成員 ちょっと中毒と書いてしまうと、結構、高濃度での急性曝露で、それはもう影響が分かっているので、それをシックハウス症候群に余り入れないのです。ただ、ものすごく高濃度中毒の曝露があったときに、後で低濃度でもかかるのではないかという過敏症という主張もあるのです。そういう主張もあるのですが、それもまた別に捉えられていますので、ここは化学物質の中毒と書くのが適当かどうかは議論のあるところではないかなと思います。中毒だと、結局、急性中毒はほかのところで、このレベルだと起こるというのはやられていますので。

○西川座長 そうすると、角田先生の御意見は、「中毒」を削除。

○角田構成員 「中毒」は削除したほうが、「化学物質に起因される」。中毒という言葉が難しいですね。明らかな急性影響を指すものはシックハウスに、一応、入らないと考えたほうが。

○坂部構成員 大量中毒を指しているのか、低濃度のいわゆる高感受性の人たちに影響が及ぶような低濃度中毒を指しているのか。おっしゃるとおり、その中毒という定義がすごく難しいです。

○角田構成員 中毒という言葉は昔の言葉なので比較的。

○小池補佐 いろいろと御指摘ありがとうございます。ここの書き方は、昔、この書き方をしていたので踏襲をさせていただきました。いろいろと状況が動いている中でどこまで書くべきかというのは悩ましいのですが、現時点で適切な書き方にするのはいいかなと思います。ここで「アレルギー、中毒」と書かせていただいているのは、その後の「未だ発生の仕組みがわからない症状を含めた様々な体調不良」を受けての例示で書かせていただいているので、ここにどこまで入れるべきかどうかというので、大きく文意は変わらないかなと思います。そのような御指摘も頂いたので、どこまで入れる入れない、まだ明確に決まっていないという中ですと、「アレルギー」と「中毒」という2単語を落とさせていただいて、「居住者に未だ発生の仕組みがわからない症状を含めた様々な体調不良が生じ」という形で受けさせていただいて、病気の詳細については、最新の動きを見ていていただくような整理にさせていただければと思いますが、いかがでしょうか。

○西川座長 「アレルギー、中毒」という言葉を削除するということですが、それでよろしいでしょうか。

○池田構成員 その中に関連すると思うのですけれども、未だ発生のメカニズムが分からないという中にMCS化学物質過敏症は含まれているのでしょうか。この前の検討の私の記憶ですと、MCSというのが世の中にあるということは厚生労働省としても承知しているが、これにはそれは含まないというような論議がなされたような気もするのですが。それは、今でも生きているのでしょうか。
それから坂部先生にお伺いしたいのですけれども、MCSは未だにどれくらいあるものなのか。そういうことも踏まえて、その辺はちょっとはっきりしておいたほうが、このままだとMCSが明確に入ってくるのではないかという気もするのですけれども、いかがでしょうか。

○坂部構成員 なかなか難しい意見ですけれども、いわゆるシックハウスとMCSは、はっきり分けたほうがいいと思います。分けたほうがいいというのは、どういう意味かと言うと、臨床的に分けたほうがいいと思います。ただ、居住環境によってMCSが起こってくるということも、患者さんの中では経過としてはあるので、そこをこのガイドラインの中でどう捉えるかということだと思います。

○池田構成員 どう捉えるのでしょうか。除外するのか、それとも含めてもうちょっと詳しい検討をするのか。

○坂部構成員 いわゆる医療従事者からすると、ぼやっとでも入っているほうが、多分、患者さんには説明しやすいかもしれないです。

○小池補佐 私どもの理解としては、当然、症状として患者さんはかぶっていらっしゃる方がいらっしゃると思うのですが、すべからくここの定義とさせていただいているスコープのシックハウス症候群の中に全て包含されるかというと、ちょっとそれも違うのではないかなと思います。化学物質過敏症をターゲットにすると、では物質と濃度は本当にこれでいいのかという議論を、また別途しないといけないと思いますので、ここの枠の中で今すぐというのは、なかなか難しいのではないかなと思います。ですので、あくまでもこの指針値としてはシックハウス症候群をターゲットにしつつ、ただ当然そのシックハウス症候群の範疇と一部かぶる化学物質過敏症の患者さんが、もしいらっしゃるのだとすれば、その方々を明示的に除くという作業はしていない形になっています。基本的には、シックハウス症候群をターゲットにして、物質の指針値を定めさせていただいてという形で考えています。

○池田構成員 はっきり除くなら、除くとどこかで書かれたほうがいいような気もするのですけれども。

○小池補佐 除くだけの積極的な理由もないので。

○池田構成員 全然、値が違ってきますよね。入れるとしたら。

○坂部構成員 例えば、新築の家に入りました。少し臭いが気になります。普通の方だと、それほど気になりません。だけど非常に感受性の高い人だと、その臭いが気になって頭痛や動悸がしたりします。それを、シックハウス症候群と言うか言わないかということだと思います。

○池田構成員 そうです。ですから裁判だの何だので、そういうのは問題になったりするので、やはり私は、はっきりさせておいたほうがいいような気がします。

○坂部構成員 そういうことだと思います。ですから、そういう意味もあって入れるのか入れないのかということだと思います。

○西川座長 よろしいでしょうか。そのほか何かございますか。

○齋藤構成員 3段落目の「本検討会では」という段落の後半のほうなのですけれども、「このため指針値を設定することはその物質が指針値を超えた場合にいかなる条件においてもヒトに有害な影響を与えることを意味するのではないので、一般消費者をはじめ、関係業界、建物の管理者等におかれては、その旨を留意されたい。」という文が、今般、新しく付け加えられたのだと理解しています。私ども行政の立場でいきますと、その建物の管理側に当たるわけですが、この一文をどのように理解をすればいいのかについて、教えていただきたいので、お願いいたします。

○小池補佐 ここは完全に作文というよりは、今までの議論を踏まえて、文意を含めて、間違いがないように明確にしたというつもりで書かせていただいたところです。意図としては、私どもの体制になり、改めてこの指針値の値を変えようという話になったときに、企業の方々や一般の方からも大分強く言われたのですが、指針値が何の意味を持つのかというのが、今一まだ皆さんに浸透してないのではないかと。特に値を一瞬たりとも超えた瞬間に、何かしらの病気を発生するのではないか、若しくはその超えていること自体が禁止すべきと捉えていいのかなどの話が、少しあったというのが事実です。
先生方は御承知のとおり、この値については基本的に一生涯曝露のことを科学的に想定した上で、この値を超えつつ一生涯曝露したときに、人体影響にということですので、一瞬、短期間、10分など、それくらいの感じで超えたことを想定して値を決めたものではないと理解をしています。ただ、そうは言っても人によっては、感受性が高かった場合に、それで本当に大丈夫かどうかのような話があるので、完全に超えたら駄目、超えなければ大丈夫というわけではないというのは理解をしていますが、基本的にそういう趣旨で作らせていただいたということになっています。そのため、値の本質としては、長期的な影響を見させていただいたので、短期ですぐにという意味付けの値ではありませんが、個人ごとの個々の状況もありますので、あらゆるケースにおいて短期に超えたときに問題があるということではないです、という意味を明確にさせていただくために、このような形に書かせていただきました。ただ、これでも起こるのはゼロではないというのは確かですので、こういうような形で必ずこうなるというわけではないので、そのあたりの意味を御理解いただいた上で活用くださいという意味で書かせていただいたということになっています。

○西川座長 ありがとうございました。齋藤先生、よろしいでしょうか、今の説明。

○齋藤構成員 そういたしますと、短期で影響が起こるわけではないということですと、例えば、その指針値を超えた建物があった場合、やはり指針値以下に下げるようにという指導するに当たり、どれくらいの期間で下げてもらえるようなスパンと言いますか、そこがちょっと難しいかなと思うのですけれども。そういった目安などはありますか。

○小池補佐 そこが業界側からも強く言われて、こちらとしてもなかなか難しいところではあるのですが。今、御説明させていただいたように、もともと長期間の曝露の話で想定をしているのは間違いないのですが、個々人の感覚で過敏な方などもいらっしゃいますので、どれくらいだったら安全なのか、超えなければ安全なのかというのは、なかなか難しいと思います。それを個別ケースとして整理するのは、やはりなかなか現実的ではない。値設定において、そのバリエーションを踏まえてどれくらいなら大丈夫だという議論は、できないですし、してこなかったというのが現状だと思います。当然、同じ室内と言っても、住環境なのか、1日に数時間だけいる場所なのか、一生涯のうち一時期だけいる場所なのかどうかみたいな話でも、大きく違ってくるかと思いますので、あらゆるケースにおいて、どれぐらいがいいかみたいな目安というのは、値等の中においてこういう値ですと示させていただくのは難しいかなと思います。それについては個々のケースにおいて、自分たちの管理しているものが、こういう状況下なので、こういう考え方に従って値をコントロールしていますという話を、個別ケースで御検討いただくべき話かなと思っています。

○西川座長 指針値の意味合いにも関わることですけれども、一応、そういうような考え方になっているということです。

○神野構成員 恐らく、この「いかなる条件」の解釈の仕方が難しいのかと思いますが、今、おっしゃられたように、もしもその急性毒性が表れるわけではないという意味で、この文を書かれているのであれば、ここの部分を例えば、ただちに人に有害な影響を与えるわけではないというような形にしたほうが、趣旨が伝わると思いますが、いかがですか。

○小池補佐 それも考えたのですが、「指針値を超えた場合に」という条件の指定が、高濃度のケースもあり得るかなと思ったのです。余りにも高濃度だと多分、急性的な影響もあるのではないかなと思うので、時間と濃度を区切れないなと。いろいろ考えたのですが、その両軸がどこで区切っても、どちらかが舌をかみそうだったので、こういうような形でいかなる条件というか、「どういう組合せの場合でも」という形で書かせていただいたというのが現状になっています。

○東構成員 ここの書き方が「いかなる条件においてもヒトに有害な影響を与える」となっているのですけれども、本来、例えば時間的なファクターのみならず慢性毒性の場合であっても、この指針値というのは絶対的な値ではないというアセスメントの下に定められた数値になりますので、慢性影響であっても必ずしも、この指針値を超えたからと言って、有害な影響が人に出るというようなものではなく、人の個体差なども含めた形で安全側に指針値を定めるという意味で、大多数の人に対して健康影響が生じないであろうというような指針値に定められていると思います。ですから、ちょっと「いかなる条件においても」というような書き方になると、厳しすぎるというか限定すぎると言いますか、条件を付けるのが、非常に難しいような気がするのです。逆に環境において、健康影響を防止するに当たって望ましい数字であるなど、あるいは環境の目標となる数字だというような、健康影響を防止する上でのという意味合いが、もともとあるのではないかと思うのですけれども、ちょっとこの書きぶりが、もう少し逆接的に書いたほうがいいのかなという気がするのです。その辺り、事務局はいかがですか。

○小池補佐 おっしゃるとおり、そう書くのが適切だというのは十分理解をしています。その旨の話については、「一方」以下でこの指針値がどういう考え方で、どういう目的として作らせていただいたという話で書かせていただいています。これがいき過ぎてしまうと、では何でもかんでも超えてはいけないという話が逆に出てきてしまって、誤解を与えてしまったので、そちら側の方向からも逆接的に、わざわざ説明を丁寧にさせていただきたいので、こう書いています。当然、先生がおっしゃったように、こういう趣旨ですという形で説明をして、それで終わればそれが一番きれいなのですけれども、そういうわけにもいかなかったので、守るべき話だけれども趣旨として、長期的な一生涯曝露の話をしているので、極端に過敏に反応するべき値でもないですという話で書かせていただいたところです。確かに「いかなる条件においても」という形が、大分、どのようにも取られる形があるので、ちょっとセンシティブかなというので、「必ずしも人に有害影響を~」など、そういうような書き方にさせていただくとどうでしょうか。今、考えついたのですけれども。

○中井構成員 今のお話は、多分、前に指針値を決めたときにも、結構、いろいろな議論があって書かれているのではないかと、何か文章を見た気がするのですけれども、その辺との関係というのはどうなっていますか。先ほどおっしゃったように、これを超えたからすぐにどうのこうのという議論も、確かどこかで文章として見ているのですけれども。

○小池補佐 今、議次録を当たっていますが、おっしゃるとおりです。こちらもなかなか書くのが難しくて、前の記載を引っ張ってきて、確か前にこう書いてあったのだと思っていますので、今、確認しています。本質的には、多分、皆さんの考え方と事務局の考え方はずれていないと思うのですけれども、それをどう表現するかという話だと思います。基本的に私の理解では、同じような表現ぶりで書かせていただいたと認識していますが、この現時点のタイミングにおいて、もっといい言葉があるのではないかという話は、御意見いただけると有り難いかなと思います。

○池田構成員 おっしゃっている健康影響の中に、例えば臭いが不快とかといったものまで入るのでしょうか。例えばホルムアルデヒド0.08ppmを超えると、確かに鼻を突くような嫌な臭いがするのですが、それが健康に影響があったというのか、といって、ただ、そんな所に長くいるのは嫌だというのがあると思うので、その辺まで含んだ話かどうかというのが、ちょっと、余りはっきりしていなかったと思うのですね、前のディスカッションでも。

○小池補佐 基本的には値の指定の根拠となるという話の何かしらの人体への影響がという話がありますので、基本的に臭いを感じて不快でというような不快性がどうこうみたいな話は、少なくとも値として含めていません。

○池田構成員 入りません。

○小池補佐 入りません。

○池田構成員 何か私は入っていたような気もするのですが、だから少し厳しめになっている。だけれども、これを超えたからといって、法的にどうのこうのではないということで厳しめな値を幾つか決めたというように、ホルムアルデヒドを検討している辺りでそのような論議があったような気もするのですが、それは、では、私の誤解ということでよろしいでしょうか。

○東構成員 では、ちょっと補足で。

○西川座長 東先生。

○東構成員 通常、健康と、ディスコンフォート、コンフォート、快不快とは別途、別扱いしますので、この健康影響に関しては快不快というのは私は入っていないという認識でいいかと思います。
ホルムアルデヒドですが、0.08ppmよりも低い濃度でも実は快不快ということであれば、生じるというような報告があって、本当に快不快で考えるのであれば、もっと低い値にしなければいけないというようなことが、従来からホルムアルデヒドは言われていますので、そうではなくて、ホルムアルデヒドの場合は刺激性という健康影響の観点で作っている指針値ですので、快不快で作られたものではないということで御理解いただければいいかと思います。

○小池補佐 その点、確認いたしました。

○西川座長 ほかはよろしいでしょうか。

○酒井構成員 国立衛研の酒井です。事務的というか、行政的なところの確認をさせていただきます。これまでの13物質と同様に、今般の既存3物質の指針値改定に関しては、医薬・生活局長通知で出されて、決定という形になろうかと思います。本日の資料のまとめで、平成○○年○月○日等、あとは、指針値の改定の改定日の所に関しても、恐らくは次の通知をもって、この日にちが入る流れになるのだと思いますが、恐らく今回の承認決定をもって厚労省内で稟議が回って、通知になると思いますけれども、そのスケジュール感というか、今日の御参加されている方々も気になさっているところでもあると思いますので、そういった通知のスケジュール感のところを教えていただけますでしょうか。

○西川座長 お願いします。

○小池補佐 先ほど頂いた御指摘を踏まえて、どの程度でこの会合で修正があるかという話にも関わってくるかと思います。ここの中間報告書○○日になっているのは、この中間報告自体はこの会議体における構成員の先生方の合意事項としてのアウトプットですので、本日、何もなければ本日付になりますし、もし、修正がありましたら修正させていただいて、また確認をさせていただいて、先生から御反対がなければ、その日付で確定させていただくことになろうかと思います。
酒井先生に御指摘いただいたように、当該指針値自体は局長通知を根拠に効力を発揮するような形で仕掛けておりますので、形としては、中間報告書を頂いたものを先生方から報告書で頂いたのを受けて、局長の権限において通知を出すということになろうかなと思います。
それについては、今日は27日ですので、年内にというのはなかなか厳しいかと思っておりますので、中間報告書を年末及び年始にかけて固めさせていただいて、それができたら、速やかに年明け早々にでも通知の形として出させていただいて、指針値の有効性としては、通知発出日以降に有効になるという形で整理させていただいているという形になっています。

○西川座長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。角田先生、どうぞ。

○角田構成員 先ほどのお話に戻ると、先ほど「必ずしも」という言葉を使われていましたが、それはほかの逆の意味で、許容濃度委員会などは、この以下でも必ずしも健康影響は起こらないことではないというような使い方もしていますので、「必ずしも」というのは結構良い言葉ではないかなと思いますので、逆説的な意味で使うと、必ずしもこの健康影響が起こるわけではないみたいな。今までも、例えば、建築物のもので、昔は室内粉じんのものが基準値をはるかに超えていたけれども、それは基準値を出していた例もあるので、特に目安として出すのは問題ないのではないかと思います。

○西川座長 ありがとうございます。そうすると、今の部分ですが、括弧書きは取るということになりますか。

○小池補佐 括弧書きは取らせていただいて、「必ずしも」と書かかせていただくと、字面としてきれいかなと思いますので、もし、よろしければ、それで修正させていただきます。

○西川座長 はい。広瀬先生、どうぞ。

○広瀬構成員 今の角田先生の意見で賛成したいと思います。

○西川座長 ありがとうございます。ほかはよろしいでしょうか。

○東構成員 1ページ目の一番下の所に「代替物の情報」というのがありまして、今回、指針値の特に新規物質に関してはパブリックコメントでも代替物というところでコメントが出ているかと思いますが、代替物の情報を引き続き収集するというのは、この検討会というか、厚労省といった所で進めていくという形になるのかということが1点と、代替物の考え方を、本来、もう少し整理するべきところがあるのではないかと思います。
もともとこの検討会が再開した目的とか、狙いの中に代替物に置き換えられている傾向があると。一旦、指針値を策定された場合にです。それによる新たなリスクというのが生じているということで、リスク評価を行って指針値を作っていくというプロセスを行ってきたわけですね。ですから、代替物にまた新たに指針値を作った場合に置き換えられてしまって、また新たにリスクが起こるということが繰り返されないように本来はすべきであろうと思いますが、それに対する何か対応といったものも合わせ持って検討していきながら、業界とのディスカッションも必要だと思いますけれども、少し代替物の情報というのがポンと出てしまうと、我々としてどうしていくべきなのかというか、どうすることになるのかというのが、ちょっと不明瞭な点があるのですが、その辺はいかがですか。

○西川座長 お願いします。

○小池補佐 この代替物の話については、正に業界のほうから御意見を頂いたのがメインになっていまして、大きく2つに分けて、1つは、言われても代替物の開発を含めて時間が掛かって、すぐに代替物があるわけではないので、それについてどういう代替物が可能なのかどうかという話の情報は集める時間が欲しいというのが1つです。
もう1つは、正に先生がおっしゃったように、言われても、代替物はなかなか使うのが難しく、代替物を探したけれども、またここで代替物を探すという話になったときに、代替先のものが同等以上な安全性を持つのかどうか。若しくは逆に、危険性を持つのかどうかみたいな話が分からないので、いたちごっこになってしまうのではないかという点を強く御懸念を頂いたところです。
それについては、正におっしゃるとおりだと思っているので、まず情報収集という話になると、企業側の方と情報共有させていただいて、今、使っているものの危険性がこの程度の話であって、代替物の可能性がどういうのか、若しくは、その代替先の物質についての危険性がどういうのかという話を厚労省のほうと各省に御協力いただいて、業界のほうと協力して、まず情報を集めるというのが重要だろうと思います。その上で、先生に頂いたように、いたちごっこになりかねないので、それについてどうするのか。ただ、今の指針値の構造だと、やはり新しくなったものを含めて、目に付いたものについて危険かどうかを、ある閾値で判断した上で値を制限していくしかなくて、そうすると、やはり使うのを忌避するので、新しい物質になるという話が、多分、構造上なってしまっているという現状があります。ですので、指針値の意味付けと活用の仕方ということで、この物質であったとしても、この以下でコントロールすれば、わざわざ変えなくてもという問題は当然あろうかと思いますので、その辺の使われ方という観点からの安全性を許容する形での物質のコントロールが現場において可能かどうかという話もセットで、業界の方々と相談させていただかなければいけないのではないかと思っています。

○東構成員 第3段落の所の2行目ぐらいに、「安全かつ適正に使用することが目的」とあるように、正にここだと思います。ですから、今現在指針値を定めた物質が決して有害で、使ってはいけないものではないということを、是非とも関係業界の方とかに認識していただいて、適正に使用するというところも、是非、お考えいただくというのが、今後、大事であると思います。必ずしもこの指針値のリストに載っている物質は使ってはいけないとか規制された物質というものではなくて、その指針値の範囲内、適正に安全に使ってくださいということを示すための目標値というか、望ましい値というのを示したものであって、決して使用してはいけないというリストではないということを周知をお願いしたいというのがあると思います。
実はこの指針値、本来は数値があるほうが、どの程度の濃度で使用すべきかとか、どの程度製品にこの物質を含有すべきかというのが、逆に決められるという意味では、私は指針値があるというのは物質にとっては非常にいいと思います。ドイツなどが、20年かけて50物質以上の指針値を作っているのは、恐らくそういったこともあるのではないかと思いますし、今年はカナダが新たな指針値を作っているのですが、よく住宅で見付かる物質の10物質ぐらいには指針値を作って、それ以外はリファレンス・バリューという言い方を彼らはしているのですが、すぐには指針値は作れないので、既存の各国の有害作用を評価する機関、例えばアメリカのEPAとか、ATSDRとか、カリフォルニアとかが出しているような有害性の指針値というか基準値があるのですが、そういうものを集めて、参照値というか評価値みたいな形で、今すぐ指針値ができない物質で、例えば20物質ぐらいに、これぐらいの値が環境の目標値ですというようなリストを作っているものがあるのです。
そういう意味では、何らかの数値を作っていくということは、決してそれは規制をしているのではなくて、環境にとって望ましい値を示しているのだと。この範囲内で使っていただくのが適正ですといったことを示していることを、是非、周知していただければ、代替物質に必ずしも置き換えなくても、適正に使用する方法を検討するというように考えていただけるのではないかと思います。

○西川座長 ありがとうございます。その辺り、十分踏まえた上でのこの報告書と私は理解しておりますので。

○東構成員 そうですね。

○西川座長 その質問があった場合に、そのような回答をしていただければいいかと思います。よろしくお願いします。ほかはよろしいでしょうか。

○角田構成員 確認しておきたいのですが、先ほどのところに近いのですけれども、これはパブリックコメントだからそのまま書いても仕方ないかもしれませんけれども、技術的観点から疑義のある値がとなると、ちょっと管理濃度の健康影響を考えているのではなくて、管理濃度の考え方と非常に近くなると思うのですが、ちょっとそういう意味では、ここに合わないのではないかという気もしないでもないのですが。技術的観点と書いてしまうと、換気技術とかといった技術というような意味合いが強くなりすぎて、よく管理濃度のときに技術的可能性を考慮して定めるというところに非常に近い書き方だと思いますが、この基準値は、ちょっと管理濃度の考え方とは違う観点で作られていると思うので、この書きぶりが。

○西川座長 これは恐らく、頂いたコメントを踏まえて、その中にその技術的観点から実効性の意義があるというような指摘が幾つかあったものを織り込んだものと考えますけれども。

○角田構成員 それを織り込む必要が。科学的知見の更なる収集が必要であり、様々なパブリックコメントの意見を踏まえ、だけでもいいのかなという気もしないでもないのですけれども。

○小池補佐 ありがとうございます。頂いた意見をどこまで詳細に書くかという話ではあるのですが、実効性、科学的にできるできないも踏まえて、商売上、現実的にできるのかどうかも踏まえて、低減策を実行するに当たって、諸々技術的な限界というか、難しい点もあるのでというような御意見を頂いていると理解しているので、そういう観点で技術的観点から実効性に疑義があるというような話を書かせていただいたのですが、今、御指摘いただいた管理濃度との絡みの観点で、ちょっと表現というのが、すみません、今一ちょっとピンときていないのですが。

○西川座長 広瀬先生。

○広瀬構成員 角田先生の懸念は文章の表現が技術的観点に寄りすぎているために、管理濃度的な意味合いを強めるという指摘だとも思われますが、多分、日本語の問題だと思いますが。

○角田構成員 そうですね。

○広瀬構成員 この文は「パブリックコメントの意見」に掛かっているのです。ですので、検討会の意見としてではないので。

○角田構成員 そうですけれども。

○広瀬構成員 だから、そういう意見も解消するための検討を今後やるという意味では、やはり入れておいても私はいいと思います。

○西川座長 田邉先生、どうぞ。

○田邉構成員 同様の意見ですが、パブリックコメントでたくさん寄せられている意見は、今の技術的観点から、前に出ていた指針値は守れないということを自らおっしゃっているので、これはパブリックコメントの意見ですから、これは、やはりきちんと載せておくべきだと思います。我々が削る話ではなくて、パブリックコメントの意見の集約と考えたほうがいいのではないですか。

○西川座長 ありがとうございます。一応、そのようにしたいと思います。

○池田構成員 よろしいですか。

○西川座長 余り残り時間がないので、できれば中間報告書の修正が必要かどうかに係る点について。

○池田構成員 ではないのです。

○西川座長 ないのですか。では、この報告書の議論が終わった後でお願いいたします。そのほか、この報告書案について御意見をお願いいたします。よろしいですか。それでは、事務局が作成した報告書案について、文面上、修正が必要な所も一部ありますが、具体的には、1ページの2つ目の段落、「アレルギー、中毒」を削除するということ。それから、3つ目の段落の真ん中から少し下の、指針値を超えた場合に、必ずしもヒトに有害な影響を与えることを意味するのではないのでということで、この括弧を取るという2つの修正案が出ておりましたので、一応、そのように進めていただきたいと思います。そのほか基本的には御了承を頂けると思われますので、確認いたしますが、それでよろしいでしょうか。

                                   (異議なし)

○西川座長 ありがとうございます。それでは、報告書案については、基本的に資料2で示された内容を了承させていただきたいと思います。事務局におかれましては、構成員から頂いた意見を踏まえ、一部修正していただきたいと思います。最終的な報告書の確認については、座長に一任を頂きたいと思いますが、よろしいでしょうか。

                                   (異議なし)

○西川座長 ありがとうございます。それでは、事務局は、引き続き対応をよろしくお願いします。それでは、池田先生、お願いいたします。

○池田構成員 ここには触れられていないのですが、これは齋藤先生や神野先生の御意見も伺いたいのですが、測定法です。測定法は、確か20年ぐらい前に衛生研究所のアンドウ先生を中心に一生懸命まとめられたきりで、計測器もかなり進歩したと思いますし、新しいVOCとか、SVOCとなった場合、測定法についての検討を、もう一回しなければいけないのではないかというのがあるのではないか。
それから、田邉先生の御意見も伺いたいのですが、サンプリング方法、換気の仕方、それから新築時、居住時のいつサンプルするのか、それによって大分、値も違ってくると思いますが、その辺が余り詰められないまま、ずっと20年きてしまっているのですが、恐らくその辺が余り曖昧だと、いろいろ現場では困っているのではないかとも思うので、次回ぐらいに検討するときは、サンプリング方法と分析方法に関する検討も見直したほうがいいのではないかと思います。というのは、健康影響に関しては、かなり今みたいに精密な見直しをやっているのと、バランスがちょっと悪すぎてしまっている感じがするので、ちょっとそのことを申し上げたかったということです。

○西川座長 ありがとうございます。今後の課題だと思いますけれども、神野先生、お願いいたします。

○神野構成員 その件については、酒井先生のほうの研究班で、試験法を取りまとめられていらっしゃいますし、フタル酸エステルに関しては、香川先生が試験法の妥当評価も進められていると思いますので、その辺りは、いかがでしょうか。恐らく、それらの成果が近々ご提示頂けると思います。

○西川座長 田邉先生、どうぞ。

○田邉構成員 測定等に関して、厚労省がシックハウス検討会で最初から測定法を出されていたのですが、これはISOの原案をかなりベースにして、当時、日本でできる方法で定められています。その後、一部はJISになっておりますし、ISOでも規格化が進んでいます。私は今、ドイツの標準局(VDA)の下で、この室内室分野の標準化の議長をISOで行っています。なぜかドイツの下でやっているのですが、そこでも様々な物質に対応する測定法の規格が、次々と作られております。是非、行政の二重性とかもあるので、ISOをベースに日本で発展させる。あるいは、日本の測定法を海外に持っていくということも非常に重要な作業ではないかと思いますので、酒井研究班の成果を期待しているところです。
もう少しコメントしますけれども、そのために私は大体1年に1度ヨーロッパに出掛けて、その議長の仕事をしているのですが、日本の建材とか建築材料は、ほとんどが輸入あるいは国内生産なのです。この分野は海外に輸出というのが非常に少ないので、国内基準を非常に気にされるのです。けれども、今回のシックハウスの指針値が関係する自動車などは、国際的には実は非常に問題になっています。国によって規制が違うと困るので、統一試験法を考えていたり、あるいは中国はISO-TC146-SC6(室内空気質)に入っていません。中国規格GBはかなり強制的な力を持つので、国連の下に規格と測定法の統一化というのが行われています。日本だけの市場ではないのです。ここのところ、アメリカの例えばウェルビルディングスタンダードとか、リードとか、ヨーロッパの建材規格とか、日本より実はかなり進んできています。それらの情報をやはりきちんと見ながら国内でも安全なものが供給できるような、そういう指針値とか、考え方の在り方があるといいのではないかと思います。以上です。

○西川座長 ありがとうございます。是非、今後にいかしていただきたいと思います。
それでは、この検討会の今後の流れについて、事務局より説明をお願いします。

○小池補佐 年末のお忙しいところ、丁寧に御議論いただきまして、ありがとうございます。本日、御議論頂いた各資料については、先ほど座長からお話していただいたとおり、本日の議論を踏まえ、事務局にて修正した後、このように修正をということで御了解いただいたものですが、一応、このように直させていただきますというのを、改めて構成員の皆様にメールで御確認をさせていただきたいと思います。最終的には、座長一任で確認いただいて、確定させ、確定日の日付を入れた上で、この会議の報告書とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
また、資料1のほうで御確認いただいたパブリックコメントについても、e-Govの行政のホームページのほうにパブコメのページがありますので、そちらのほうに掲載をさせていただきます。中間報告書については、やはり従前の過去の資料と併せて厚生労働省のホームページに、それぞれ掲載したいと思います。
先ほど御説明させていただきましたが、それと併せて、局長通知のほうを、引き続き手続を進めまして、指針の改定をさせていただきたいと思いますので、御承知いただければと思います。事務局からは以上です。

○西川座長 それでは、議事2、その他について事務局より何かありましたら、お願いします。

○小池補佐 濃度指針に関する議論については、先ほどありました測定法の話を踏まえまして、引き続き本検討会で継続してまいりたいと思いますので、先生方におかれましては、今後とも、よろしくお願いいたします。本日は、ありがとうございました。

○西川座長 それでは、本日は、これで閉会とさせていただきます。構成員の皆様、本当にありがとうございました。良いお年をお迎えください。

 

 

 

(了)

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