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2018年11月9日 第33回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会港湾労働専門委員会

職業安定局建設・港湾対策室

○日時

平成30年11月9日(金)15:25~

 

○場所

中央合同庁舎5号館共用第9会議室

○出席者

公益代表

鎌田座長、小畑委員
 

労働者代表

玉田委員、柏木委員、松永委員
 

使用者代表

後藤委員、鶴岡委員
 

事務局

吉野建設・港湾対策室長、向山建設・港湾対策室長補佐

○議題

(1)新たな港湾雇用安定等計画の策定について
(2)その他

○議事

 

 

○向山建設・港湾対策室長補佐 それでは、定刻前でございますが、皆様おそろいでございますので、ただいまから、第33回「港湾労働専門委員会」を開催したいと思います。
私は、建設・港湾対策室長補佐の向山と申します。冒頭は事務局のほうで進行させていただきますので、よろしくお願いいたします。
本日、マスコミの方もいらっしゃっておりますが、もし撮影をされる場合は、議事が始まる前までに行っていただくようにお願いします。
まず初めに、配付資料の確認をお願いいたします。
お手元のタブレット端末をごらんいただきたいと思います。資料一覧の画面をごらんいただきたいのですが、今何か特定の資料をごらんになっている方については、左上に「マイプライベートファイル」という表示があるかと思いますが、それを押していただくと資料一覧の画面になります。その資料一覧の画面で、資料番号00議事次第から、資料番号07参考資料4まで、合計8つの資料になります。もし足りない資料がございましたらお申し出いただければと思います。
また、操作方法等不明な場合がありましたら、遠慮なく、挙手等によりお知らせいただくようお願いいたします。
続きまして、本日の委員の出欠状況を申し上げます。公益代表の渡邉委員、それから使用者代表の溝江委員の2名が御欠席となっております。
また、本日の専門委員会には、オブザーバーといたしまして、国土交通省港湾局港湾経済課の坂本港湾運送サービス活性化対策官に御出席をいただいておりますので、御紹介いたします。
それでは、以後の進行は鎌田座長からお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○鎌田座長 鎌田です。それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
議事に入ります。議事次第にありますとおり、議題は1つです。前回からの引き続きということで、新たな港湾雇用安定等計画の策定について、本日は御議論いただきたいと思います。
それでは、事務局より資料の説明をお願いいたします。
○向山建設・港湾対策室長補佐 事務局のほうから御説明いたします。まず初めに、前回10月9日に委員会を開催いたしましたが、そのときに御質問のあった点につきまして御回答したいと思います。
最初に参考資料4、資料番号07をごらんいただきたいと思います。
前回提出した資料の中に、港湾労働者の労働災害の発生状況といたしまして、港湾労働者の死傷者数が平成28年度から29年度にかけて増加しているという記載がございました。これについて、港ごとに偏りがあるのかどうかという御質問を頂戴いたしました。それについての資料が1ページでございます。
前回の資料の数字というのは、この資料の1ページの下から2段目の行になります。港湾運送業全体の死傷者数の状況でございました。平成28年が286人、平成29年が331人ということで、15.7%増加しているという数字を提出したところでございます。これを詳しく中身を見てみますと、その上の段、6大港全体で見ると、178人から182人ということで微増していると、2.2%の増にとどまっているということ。
また、この6大港の港別に見てみますと、その上の部分でございますけれども、港ごとに増減というものが見られますけれども、こちらにつきましては、ごらんのように、母数が非常に小さいものでございまして、どうしても少しの変動で振れ幅が大きくなってしまうということで、何か特別な要因があるというものではないと考えているところでございます。
それから、2点目に参ります。次の2ページでございます。前回もこの実態調査をお示ししたわけでございますが、その実態調査の結果の中に、港湾労働者の退職金が5年前と比較して減少しているというデータがございました。その要因としては何が考えられるのかという御質問がございました。
この2ページの資料については、港湾労働者のみならず、全体の退職金の状況、25年の調査と平成30年の調査、厚生労働省が行っております「就労条件総合調査」というものですが、こちらのデータをごらんになっていただいてわかるとおり、全職種におきましても、おおむね平成25年から平成30年にかけて金額が減っているといったことが見えると思いますが、この傾向と同じようなことであろうと考えておるところでございます。
前回の御質問への回答は以上でございます。
続きまして、新たな港湾雇用安定等計画の策定についてということで御説明いたします。まず資料一覧に戻っていただきまして、資料番号03、資料3、新たな港湾雇用安定等計画の策定について(案)でございます。こちらに基づきまして御説明していきます。
前回の専門委員会では、港湾労働を取り巻く課題につきまして6つのテーマに分けまして議論のポイントを事務局のほうで整理した資料を御提示させていただきました。今回の資料は、前回の委員会で委員の皆様からお出しいただいた御意見について、四角の枠で囲った形で追加して記載しております。さらに、それを踏まえた事務局としての今後の方針の案というものを、次のページになりますが、二重線の四角で囲って記載しております。今回はこちらについて御説明してまいります。
まず、1ページの2.の「(1)港湾労働法の適用港湾・適用業種について」でございます。四角の枠内でございますが、前回は、主な意見といたしまして、全港・全職種につきまして新計画の中にどのように盛り込めるのかという問題意識をお持ちでいらっしゃるという点。それから、2点目ですけれども、全港適用については、現状の調査を行っていくことが必要ではないか。それから3点目といたしまして、労使の間で合意した全港・全職種の適用については、総論は賛成ではあるけれども、各論が詰められていないので、もっと労使で話をすべきではないかという御意見をいただきました。さらには、専門委員会においては法令に定められた責務として新たな計画を策定することが必須であるということ。それから、最後ですが、専門委員会の中で細かなことまで議論していくことが果たして可能なのかどうか、これをしっかり見きわめていく、見定める必要があるという御意見を頂戴したところでございます。
次の2ページでございます。それを踏まえまして、事務局としての今後の対応方針(案)、議論のたたき台ということで御理解いただければと思いますが、この二重線の四角の中でございます。事務局といたしましては、今後の専門委員会におきましては、法令で定められた新たな計画策定に向けての議論を行っていくと。さらに全港・全職種適用についてはさまざまな課題があるということで、これに留意をしつつ、さらには労使の間での御議論も踏まえまして引き続き議論をしていくべきだろうと考えておるところでございます。
2点目、(2)港湾倉庫指定問題への対応ということでございます。こちらも、四角の中、前回の御意見でございます。1点目は、港湾倉庫の指定地域の範囲を検討するに際しては、港労法以外の他の制度において、埠頭用地であるとか、港湾関連用地であるとか、さまざまな定義があるけれども、他のそういった制度との整合性も図り、いずれにしても、取り扱う荷物量が増えて、港湾労働者の仕事量の増加につながるような方向となるように進めてほしいということでございました。それから2点目として、港湾倉庫の指定については、調査や算定の仕方を見直すべきではないかという御意見をいただきました。さらには、内貨・外貨などの荷物の種類や、あるいは指定地域の範囲、さらにはマルチテナント倉庫への対応などについて、平等・公正に競争できる環境を整備するという問題意識を持って整理してほしいという御意見を頂戴いたしました。
それを踏まえまして、事務局の対応方針(案)でございますけれども、二重線の四角にあるとおりでございますが、各港湾で事情が異なることから、新計画においては、現行計画においても「港湾倉庫など港湾区域における港湾労働法等の適用関係については、各港湾の実情を勘案して検討を行う。」と記載があるところでございますので、当然こちらの部分を見直しをしたりして工夫しながら記載し、さらには議論を検討していきたいと考えております。
次に3点目でございます。港湾区域における適正な雇用管理の推進への対応ということで、2ページの下のほうでございます。3ページのほうに参りますが、この問題につきましては、いわゆる港湾労働者証の色分けの問題でございます。前回の委員会では、こちらに関しての委員の皆様の御意見は出なかったところでございますが、事務局の対応方針といたしましては、この港湾労働証の色分けについては、新計画においてその実効性の確保ということを記載していくべきだろうと考えておりまして、計画においてはパトロールの際色分けされた港湾労働者証を確認するということ、それから、管轄の地方運輸局等と速やかに情報共有を行って、港湾区域内の秩序維持に努めるといった旨の表現を記載していきたいと考えているところでございます。
4点目、「港湾労働者の雇用管理改善について」でございます。こちらは、いわゆる労働時間や賃金、あるいは休日といった問題の部分でございます。4ページのほうをごらんいただきたいと思います。こちらの雇用管理改善の部分につきましても、前回の委員会では御意見はなかったところでございますが、皆様御承知のとおり、現行、社会全体で働き方改革の実現に向けた環境が整備されておるといった状況の中で、こういったタイミングでこの新しい港湾労働安定計画が策定されるということでもありますので、この港運業界の現状も踏まえて雇用管理改善の一層の促進、また、その実効性の確保等について記載していくべきではないかと考えております。皆様の御議論をお願いしたいと考えているところでございます。
それから、5点目、「日雇労働者問題への対応について」でございます。こちら、四角の枠の中、前回の委員会での御意見でございます。日雇労働者が減少しているという動きが見られないという状況ですが、それは港湾派遣労働の割合が低くて、また、許可事業所の割合も3割弱で横ばいで推移しているという状況にございます。そういった港湾派遣が低調ということもあって、日雇いがなかなか減らないのではないかと、この港湾派遣をふやしていくべきではないかという御意見を頂戴いたしました。
事務局の対応方針でございます。新計画においては、まず大原則として、今後とも常用労働者による対応を原則とする。常用労働者の雇用の安定に一層努めるということを引き続き記載するということがまず1点目。それから、2点目といたしましては、御指摘のありました港湾労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、国、あるいは安定センター、それから事業主が講ずる措置というものを引き続き記載していくということに加えまして、この港湾労働派遣制度のさらなる活用促進に向けた方策を何かしら記載していくべきではないかと考えておりますので、御議論をお願いしたいと考えております。
それから、5ページでございます。最後、6点目、「港湾労働者の職業能力開発について」でございます。前回の委員会では、港湾技能研修センターと港湾関係カレッジ、両者を活用するというイメージで議論してもよいのかという御指摘もいただきましたが、前回の委員会におきましても、両者の区分けはなく、しっかり行っていくという御回答をしたところでございますが、今後の事務局の対応方針といたしましては、この能力開発関係の現行の大きな動きといたしましては、港湾技能研修センターが来年10月に豊橋から神戸に移転され、敷地面積のみならず、訓練コースの大幅な拡大をしながら実施していくことを予定しております。したがいまして、このセンターの移転に伴う訓練の充実・強化について記載していきたいと考えているところでございます。
以上、事務局の説明でございます。
○鎌田座長 どうもありがとうございます。
それでは、特に項目、どれということを指定しないで、どこからでも結構ですので、自由に御発言をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○玉田委員 では、口火を切らせてもらいます。ポイントの1点目のところの港湾労働法の適用港湾・適用業種の関係ですけれども、前回出された意見を踏まえてということで対応方針がありますが、計画の性格の問題ですが、いずれにしても、港湾労働法でいうところの港湾労働者の雇用の改善、能力の開発云々となって、港湾労働者の雇用の安定、その他の福祉の増進を図るというのは目的としてありますよね。この限りでは、地方港も、いわゆる職種が変わっても、変わらないと思うのですよ。そういう意味で、全港・全職種適用という話をして労使で確認したところですが、それとの関係で言いますと、僕らは、前回の意見の中で、細かいところまでどこまで決められるのだという議論がありました。
これは計画ですから、このように具体的にしましょうということまで求められるものでないことはわかっているのです。とはいえ、この計画の性格からして、港湾労働者の雇用の安定という点をどのように考えるのか、この5年間でどのように前進させるのかという観点ですから、ここの計画の中に入れることは何となく無理なようなニュアンスに見えるのですけれども、別途議論するみたいに聞こえるのですけれども、具体的に書き込むことによって議論の促進を図ることになると思うのです。
そういう問題意識で計画の中に記載することが意義あると思うのです。いずれにしても5年間の計画ですからね。その進捗というのはチェックしていくでしょうから、そういう意味で、法律の改正の問題も絡みますから、細かなところまで書き込めというつもりは毛頭ありませんけれども、少なくとも法律に基づいて計画をつくります、計画に基づいて港湾労働者の安定、あるいは福祉の増進を図るという点で、全港・全職種にしていくことのほうがいいねというイメージを志向するような意味の盛り込み方というのはあり得るのではないか、あるいは、あったって全くおかしくないのではないかと思うのですが、そこのところ、一旦この対応方針(案)では、「新たな計画の策定に向けての議論を行う」、これ自身完結していて、なお、別に、さまざまな機会において議論していくということで分離されているので、ここは一体の中で取り扱っていかないとちょっと主張を理解してもらっていないのかなという気がするのですけどね。
○鎌田座長 では、事務局、お願いします。
○吉野建設・港湾対策室長 今の御質問ですけれども、まず、今回お示しした、今ごらんいただいている主な御意見ですとか、対応方針として我々事務局として書かせていただいたもの、特に全港・全職種のところに関しては、我々としましては、先ほど御紹介した主な意見、それぞれ皆さんから前回御意見をいただきました。それを踏まえた上でこの対応方針(案)というところを書かせていただきましたが、いずれにしましても、この短い文章の中で全てを網羅、御説明できるものだとは思っておりませんので、今、玉田委員が御指摘のように、何か分離したようなイメージがあるというところの御指摘は承りますけれども、いずれにしても、専門委員会の場、今般の主な眼目としましては、雇用安定等計画、新しい計画をつくるということをまずメインに考えたいという思いでこの文章を書かせていただいたというところは御理解いただきたいと思っています。
補足で、今のいわゆるこの計画ですね。これは法律に基づいてお話をして恐縮ですけれども、港労法上の解釈でいけば、定義として、港湾というのは政令で指定する港湾であるということになっています。そうなりますと、今現在、足元で申し上げますと、この計画の中での、法律上の中での港湾と言われたときには6大港を指すということになろうかと考えています。そして、そういった部分に関して、港労法の中では5年ごとに計画をつくりますということを述べています。先ほど玉田委員がおっしゃったように、その中には雇用動向の話ですとか能力開発の話ですとか、そういうことに関して今後5年間の計画をつくりますということは、これがいわゆる必須条件になっています。
ですので、ここは、本日の段階で我々事務局としてこの計画の中にどのような形で配慮するのかを含めて、それは公労使の皆さんの御意見もお聞きしながら、できれば次回の専門委員会の場では、もうこの時期ですので、計画のたたき台というものも御提示をさせていただきたいと思っておりますが、我々としましては、皆さんのお話、御意見もお聞きした上で、この部分に関してはまた引き続き御相談をさせていただきたいと思っている次第でございます。
○鎌田座長 まだ追加でありますか。
○玉田委員 今の考え方それ自身は全然否定するつもりはないのです。これは議事録もあるので余り露骨なことは言えませんけれども、いわゆる6大港、港湾労働全体の秩序を考えたときに、A港とB港が隣接している港において、片方が適用だと、片方が非適用だと。そこで起こる雇用秩序の混乱というのは、現実にはあるわけですね。法律全体から言えば、まさに趣旨は、北海道から沖縄まで変わらないわけです。そこは、そういう意味では労使で一致したわけですね。細かいところのいろんな適用の仕方はあると思いますよ。職種についても。だから、そこに着目をして、前回、松永委員がほかの港も調査したらどうだという提案をしました。そのように港湾労働の、港労法の趣旨を徹底する意味で、文字どおり、計画の中に、本当に全港・全職種や無理があるのだろうか、逆にいえば適用すべきなのではないだろうかという方向で何かを検討していくのだという踏み出し方を記述することは可能ではないかとは思っているのです。その中でどのようにしろというのは、これは法律問題もありますから、ここでは消化し切れないと思います。それは現時点でわかっています。そういう認識なのですがね。
だから、前回、鶴岡委員のほうから総論という議論がありました。労使関係上はちょっと議論ありますけれども、それは置いておいて、いずれにしても、総論のところで、この計画をどのようにつくっていくかという意味では盛り込むことは可能なのではないかという認識なのですがね。
○鎌田座長 どうぞ。
○吉野建設・港湾対策室長 繰り返しになりますけれども、本日の段階では皆さんの御意見をまずお聞きさせていただいて、この段階で判断するというものではないと思いますので、計画なのか、この専門委員会の5年に1回の計画策定の段階では、報告書というまた別の様式もございます。これは上部の委員会のほうに上げていく専門委員会としての決定事項の報告書になりますので、そちらのほうでもどのような書きぶりをすればいいのかということも踏まえて、これはまた引き続き御相談をさせていただきたいと思っています。
○玉田委員 そういう意味では、業側代表の委員、公益の委員にぜひとも御理解を賜りたいということしか、ちょっと言いようがないですね。今の議論との関係で言えばですね。
○鎌田座長 鶴岡委員。
○鶴岡委員 玉田委員の言っていることはわかるのですよ。ただ、業側としても、全港というのが余りにも抽象的というか、漠然としていて、どういうものだという認識を持たなければいけないし、その辺が業側として、確かに組合さんの要望で、全港・全職種というのは合意しましたけれども、ただ、具体的な内容を、正直いうと、まだ何も話していない。そういう中で、あくまでもこれは港労法に基づく雇用計画ですから、僕の認識では、この議題に上げるのはまだ尚早というか、早いのではないかと思うのですけどね。
我々も、何をどうしたらいいのだという認識が全くないし、確かに労使の専門委員会が8月からやって、2回やったのかな。それで細分化して、これから進めていこうという中ですから、業側の中でも全く総論だけの話で、各論が全く何も議論されていないという中で、いきなりこの計画に上げられるのはちょっと我々としても時期尚早という気がします。
○柏木委員 今、鶴岡委員のほうから意見あったわけですけれども、あくまでもこれは計画なので、安定計画の中では施行令上の6大港という形になっていますけれども、少なくとも我々港湾の労使の中では、各論は確かに詰めていないですけれども、総論として適用拡大の条件の一つですよね。労使の合意というものが。我々はそれがあったという認識のもとで話が進んでいるわけですから、計画の中に適用拡大をしていくのだというような文言を盛り込んでいくべきだと思うよね。話が全て終わってからでないとだめだというと、これ、何年かかるかもわからないし、少なくとも一つのハードルは超えたという認識で組合側はいますのでね。やはり計画の中にそのような形で盛り込んでいけば、その5年後にはさらに進んだ形で進んでいけるというような感覚は私は持っています。
○鶴岡委員 僕はこの場でその詳細を議論するベースがまだないと思って。正直な話。確かに、全港・全職種適用、合意はしましたけれども、ではどこの港にどういう話で、一体何がどうなのだということが全くまだ議論されていないし、業側のほうのコンセンサスもとれていないわけですよ。全港、163だか164、全部に網かけるのかという話なのか、そういう話もわからないし、具体的に業の中のコンセンサスがとれていない中で、ここの中に議題に上げられるのは、業代表としては、今のこの段階ではイエスとは言えないです。これはあくまでも業側にも問いかけなければいけないので。まずは組合さんと、だから労使の専門委員会をつくったので、そういう話を詰めた上での業側のコンセンサスは僕はとるべきだと。組合さんのほうも、地方港の組合の方もいらっしゃるわけだから、当然これもコンセンサスとっていかなければいけないとは思うのですけどね。
○玉田委員 ちょっと深入りする議論ではなくて、いずれにしても、この間ずうっと労使の議論、あるいは行政との議論もしてきました。やはり大きな起点になるのが労使の合意なのですよということも言われ続けました。何とかちょっと半歩進んでここまで来たのですよね。そこで、今、業側のコンセンサスがないと言われたら、何だ、あの春闘はと、こうなってしまうから、そういう意味ではないですよ。細かな部分という意味でしょう。それは僕らもそうですよ。正直いって。細かなところをどうしようかと、これはあるのです。
しかも、この計画の性格からして、細かなことを書き入れようというのは、それは到底難しいのだと思いますよ。法律改正の問題あるわけですから。
ただ、港湾労働者の福祉だとか、あるいは雇用安定だとか、そのようなことを目指す、あるいは今着実にそれを進めていく計画において、一つの大きな要素として全港・全職種適用というものをにらむ必要があるのではないのかという意味では、書くことは可能だと思っているのですよ。それ以上、このようにして書きなさいとかいうふうになると、これは大変なことになります。細かな議論が要ると思う。ただ、今、6大港ではこのように計画を進めていきましょうねと。今の法律と、法律の規制する範囲の中でこうしている。
ただ、もう一つの問題意識として僕らが思っているのは、今本当にそこだけでいいのでしょうかという議論。ちらっとA港とB港の差みたいなことも言いました。そういったことを考えると、あるいは港労法の第1条の目的のところを着実に担うのだったら、そのことを目指しながら、どんな障害が起こったかということがあれば、それは検討すればいいと思いますよ。いずれにしても、その方向性で一致している労使の意見として盛り込むということは決して矛盾しないと思っているのです。
○鶴岡委員 お気持ちは十分わかります。ただ、我々としても、この計画の中にそういうものが盛り込まれた段階で、今こういう議論をしていることはわかっていますよね。ただ、やはり後ろに大勢の方がいらっしゃる。地方港の方も大勢いるわけですよ。そういう議論が全く日港協の中でされていないのに、いきなりこの計画にそれが、合意したからといってすぐ計画に上がってくるというのは、私は、正直、業の代表としては、ここでうんとは言えないですよ。今の責任としてね。だから、あくまでも、今、玉田委員がおっしゃった、そういう雇用、あるいは福祉というものを今後考えていこうと。一応港労法は6大港なので、今後その適用範囲を含めて議論していくことが必要かと思います。だから、全港・全職種という言葉を何が何でも今ここで載せようということは、今の段階では私はちょっと賛成しかねます。
○玉田委員 多くの方がいるのはみんな一緒ですが、だから、私たちが言うのは、確かに細かな部分ではいろんな議論が、それはあるでしょう。職種についてもそうですよね。とはいえ、大きな方向性として一歩踏み出した。この議論、これから5年間ないのですよ。計画というベースの中でですよ。それ以外ではいっぱいあるでしょう。労使もあるし、行政との話もあるし、いろいろあるから、ここでいうさまざまな機会を通じてと、これはあります。ただ、ここの共通認識として、そういうものを目指すと書いたら書き過ぎだという議論はあるかもしれない。少なくとも労使が一致した。そのことによって、全港・全職種適用という問題を具体的にどのように適用していくかということも含めて調査していく、検討していくということは盛り込んだって全く矛盾しないのではないですか。幹のところは一致したのですよ。ただ、枝葉をどうつけるか、どうやって水やるか、肥やしをどうするか、これはないけれども、幹がはっきりしたわけだから、その幹についてどんな検討をしていくかということ、これが盛り込まれることについては矛盾しないと思うのですよ。
○鶴岡委員 いや、確かに幹は決まりましたけれども、問題は、そこに何の枝がついて、どんな葉っぱがつくのか、これが一番大事なことなので。正直いって、我々業にとってね。ですから、そういうお話を日港協としてある程度皆さんと話し合っていく中で、では葉っぱは、色は何がいいのという話になってくるでしょう。枝はどこにつけるのと。そういう議論をしていかないうちに、余りにも抽象的な全港という、「全」という言葉がやはり僕は問題だと思うし。
○玉田委員 問題だと言われたって合意したではないですか。
○鶴岡委員 だから、労使の合意はしましたよ。しましたけれども、要するに、この専門委員会の性格とちょっと違うと思う。ここで今いきなりそれが出てくるのは。だから、我々としては、確かに総論はこの間も言いました。賛成で、合意しましたと。しかし、各論において何も話されていない中で、何がどうなのだという話を、ここで今その話がこの政策の中に計画に盛り込まれた段階で、我々、どう答えていくのだと。後ろに対して、業の方、地方の方にも。それはできないですよ、我々としては。ただ、お題目だけ乗せましたということでは済まないような気がします。議論を続けないということは言っていません。だから、さっき吉野室長がおっしゃった報告書なり何なりというほかの問題があるなら、そういう方法があるなら、そこで一応議題として上げておいて、計画は計画で従来どおりのものとして議論を今後重ねていくということについては、皆さん異議がないと思うのですよ。これは、我々も合意した以上、論議を重ねるということに反対しませんから。
だから、僕はあくまでも、この計画案の中にそれを盛り込むのはまだ時期尚早ではないですかと。ただ、議論は続けましょうと。いろんな意味で。我々労使の中での話し合いがいろいろ出てくるのであれば、それを再度持ち込んで、また厚労省にもいろいろな御意見を聞きながら、ではどのようにしていくのということは調査も必要でしょう。ただ、現段階では、ちょっと計画に盛り込むには時期尚早というのが我々の意見です。
○鎌田座長 どうぞ。
○後藤委員 玉田委員がいろいろ言われているけれども、今、港湾労働法に対してのどうするのだということで、港湾労働法というのは6大港を限定しているのですね、今。これを壊して、それでは全港・全職種に持っていくのかということ自体、これは非常に大きな議論が必要だと思う。その辺、我々労使では全港・全職種ということでの合意を得ているということだけれども、この専門委員会では、港労法で決められた中でどのようにやっていくかという中で、全港ということ自体では全然入っていないですよ。だから、その辺をここの専門委員会でやるということはちょっと難しいのではないかと僕は思いますけどね。
でなかったら、港労法、みんなやめなくては新たなスタートには立てないというように僕は考えております。あくまでもこれは6大港の専門委員会でやっているわけですよね。玉田委員のいう、それは僕も本当に理解している。だけど、この場で細かいそういうことを盛り込むとか、それはあくまでも6大港でのことで盛り込むのだったらいいけれども、全港ということではちょっと難しいのではないかなと僕は思いますけれども、どうですか。
○鎌田座長 松永委員、どうぞ。
○松永委員 松永です。
私、率直にいって、事務局のほうの対応方針(案)の部分で余りにも切り離したようなやり方をされると、我々もちょっと戸惑うなと。確かに策定計画に向けてのこの専門委員会というのは理解するところでありますし、それについて異論を唱えるところではないとは私自身は思っています。ただ、港湾安定等計画の中に、この計画の目的なり背景なり書くところがあると思うのですね。その中で、私も前回言わせていただいたように、6大港に限定したときの背景と、今、日本の港の背景が違うのであるから、その背景の部分に盛り込むであるとか、これも十何年前から、この専門委員会の中で我々は港労法の全港・全職種適用について訴えをしてきたという経過もあるのですね。そのときに、いや、その話はこの計画とは違いますよという話はなかったと思うのですよ。ただ、前提として労使の合意がないとだめですよというような形で言われていたものだから、私は、この対応方針についてはもうちょっと書きぶりなりやっていただかないと、せっかく我々も、労使合意、総論での合意までこぎつけたという部分、ぜひともその辺も事務局のほうにお願いしたいなと思っています。
○玉田委員 後藤委員からの話で、確かに6大港なのですよ。この計画も6大港における計画であるということもわかっている。今、松永委員のほうから少し触れられたように、仮に6大港にすることによって、ほかの港が適用しないことによって障害があるとすればどうなるのですか。6大港で計画を推進したい、雇用秩序を大事にしたい、雇用改善も大事にしたい、進めようと計画をするのなら、全港・全職種適用になっていないがために障害が生まれているとすれば、当然それを除去するために全港・全職種適用という論理だってあり得るでしょう。それは狭くすることはない。何でかというと、第1条の目的がはっきりしているからですよ。
○後藤委員 確かに、いろいろ拡大するような、それは言葉では簡単にできるけれども、その中である程度枠をはめた中でのいろいろの秩序をつくらなくてはいかんと。これは全部一遍にやったら、いろいろとコストもかかるかもわからないし、時間もかかる。この場でのそういう、今度、玉田委員と我々とのいろいろの会議は必要。それで、いろいろみんなで総論を、これは順番に各論的なものになってきた場合には、公益の先生のほうでそういう議論をやって、その後に、もし取り入れることができるのであればそれを入れると。今、本当に、先ほど鶴岡委員が言ったように、まだまだ時期尚早なのです。総論より、全港・全職種というのは今年決めたわけでしょう。私は、それはもちろん入っていなかったですけれども、それでその後の、何もそういうものができていないのに、国のほうにそういうことをやれとか何か言うことはちょっとおかしいのではないかなと思います。
それともう一つ、隣の港とどうのこうのいういろいろな問題がある。そうすると、それを一遍に全港とかそういうことではなくて、少しずつこの港をやろうかという、そういうものを含めるような議事のほうがいいのではないかと僕は思う。全港というと、漁港とか、そういうところも全部入ってしまうわけですよ。今、魚を揚げているところだとか、我々は普通の海荷をやっているのですけれども、いろいろなところが入ってしまうから、全港自体の解釈の仕方もみんな違うから、我々使用者でも違うから、やはりもう少し慎重に議論はやるべきだと思っております。
○鶴岡委員 もう一つ、松永委員がさっき言った労使合意があればという話は、申しわけないけれども、この専門委員会では僕は聞いてないのですよ。組合さんが厚労省に直接行かれたときにそういう話があったのかどうか知りません。ただ、少なくともこの専門委員会で労使の合意があれば前へ進めますという話は、僕は長年委員をやっていますけれども、それは聞いていないです。ですから、あくまでも大前提は確かに労使の合意なのでしょう。ただ、その後に法律が来るのでね。で、港労法というものをどうするのだという議論の専門委員会だったらわかるのですよ。ただ、これはあくまでも、今、港労法の中での新計画ということなので。港労法を今後どうするという議論の専門委員会だったら、確かに組合さんが言っていることはわかります。ただ、今ちょっと内容が違うのではないかと。
○玉田委員 それは違いますよ。港湾労働法を適用している、そこの目的を達成するために、少しでも、一歩でも前進させるために計画を持ちましょうということですよね。だから、冒頭に後藤委員が言われたように、6大港の話でしょうと、これは会議ではそうなのです。ところが、本来、港労法それ自体の目的はこうこうというのがあって、適用港は6大港にすると、こうなるわけですよ。そうすると、目的それ自身は、ほかの港から見ても、特に漁港まで入るとは思いませんが、せいぜい指定港だと思いますけれども、そこのところも含めた、それで初めて港湾労働者の雇用、福祉の増進みたいなものが達成できるのではないか。
そういう意味では、具体論から言えば6大港のところになるかもしれないけれども、それをより高度なものに高めていくときの一つの要件として、そこに全港・全職種適用という考え方をこの5年間の中でどうやって消化していきましょうかと入れていくからこそ意味があるのですよ。細かいところは確かにしようがないと思いますよ。法律なのだから、無理なところがいっぱいあると思います。ここでは無理なこといっぱいありますよ。技術的には。しかし、計画というレベルにおいて、具体的にこういう目標を持とうね、あるいはこういうことをしていきましょうということを調査し計画として進捗させていくことは全く矛盾しないのではないですか。
○鶴岡委員 今この場で労使でこうやって言い合っているけれども、この話すら今までしていないのだよね。理解してくれますか。あくまでも港労法に基づく港湾雇用安定計画なのですよ。今のこのタイトルは。ということは、現行の港労法に基づいているものなので、組合さんの言っていることは我々も理解するから合意はした。したけれども、この専門委員会ではないのではないのと。
○玉田委員 計画を審議するからこそ意味があるのですよ。
○鶴岡委員 港労法に基づく計画だから、さっきから言っているように、この全港・全職種という問題は港労法そのものをどうするという専門委員会ならわかるのですよ。ただ、今これはあくまでも現行の港労法に基づく計画なのでね。だから、もしそういうことであれば、これは厚労省の考えもあるでしょうし、違う土俵で港労法について論議する土俵を設けないと、多分、この専門委員会では難しいと思う。
○玉田委員 そうなると、今、6大港に限られた議論に絞ってしまうことによって、僕ら自身が港湾労働者の福祉の増進をしましょう、秩序維持させましょうという大きな目標に向かっていく際に、あえて法律の限界の中で議論して、そこにとどまるから、それは僕らとしては、その限界を認めるのではなくて、ここに限界があるとすれば、どうやって一歩踏み出しましょうかという議論をしたって全くおかしくないではないですか。
○鶴岡委員 これはきのうきょう出てきた問題でなくて、もう何年も前に日港協で一度やりました。確かにそのときは労使合意していません。していませんけれども、僕は港労法の委員長を長年やっているので、はっきりいって、地方港の方も呼んで、正直いうと、地方港の方、港労法が何ぞやも知らない。一体どんなものなのかも。ただ、何となくお金とられるとか、何かで縛られるのではないかとかいうぐらいのことしかわからないので、当時、日港協にいた方に全国回ってもらって、港労法の説明もしていただきました。地方港に行ってレクチャーもしました。その上で、地方港を集めて、今後は港労法の精神に、要するに玉田委員が言っている労働者の雇用の安定と福祉の問題の趣旨を踏まえて、法律は変わらないけれども、精神的にその部分でやりましょうということで、それを合意した上で、組合さんもそのときは納得した。
ただ、最終的には法律的に変えましょうという話に今度議論が展開してきたという経緯があるので、ですから、あくまでも法律をどうするのという議論をもしするならすべきではないですか。これはわかりませんよ。この計画は、玉田委員が言っているのはわかる、6大港以外の人にも広げたいのだと。ただ、あくまでも現行の港労法に基づいているので、まず、この港労法自体をどうするのだという論議をしないと、ここにはちょっと違うと思うのだよね。
○玉田委員 だから、法律改正云々という議論に踏み込むと、ここは立法府ではないから、それは無理だというのはわかる。わかるけれども、港湾の労使、あるいは関係者が頭を寄せ合っていろんな知恵を働かせた結果、6大港の計画を議論する。そうしたら、そのときたまたま労使が、全港・全職種がいいねという合意をした。だったら、これを一つのキックオフの場にして、計画の中に何らかの形で盛り込んで、5年間という計画ですから、5年間の間にいろんな調査をすることだって可能ではないですか。6大港の計画をより推進するために地方港の実態も知るということだって、理屈としてはあり得るでしょう。私たち、法律まで議論できるとは思っていません。
○後藤委員 玉田委員の言うのは、それはもう拡大したいのはわかるけれども、昔の運賃表や何か、いろいろ御存じでしょう。その中で言っているのは、あとの二類港、三類港というのは6大港に準ずるというような言葉で昔の運賃表というのはできていたのですよ。ということは、2類港、3類港、それを云々するのではなくて、あくまでも6大港に準ずるということで昔の運賃表等は成り立っていたのだよね。そのような考えで、とりあえずこの6大港をどうするのだという議論を僕はきっちりとやるべきだと思っていますよ。
○鎌田座長 私、今、双方の御意見を聞いていて、労使合意をされた、これは間違いないと。あくまでも労使でそのような方向性を目指そうということは。問題は、それをどう実現するかの方法論だと思うのですね。その方法論の中で、組合はそれを計画に組み入れてやるという方法論だと思うのです。それに対して使用者側は、それはこの性格から言って違うのではないのという対立だと思う。だから、そこはそもそもがこういう議論はないと言っているわけではないのですね。
私は、この専門委員会に入ってそこそこ長くやっているのですが、労使合意があれば、それがそのまま計画の中に組み込まれるという合意というのはなかったと思うのですね。ただ、それが一つの議論する上での前提といいますか、労使合意がなければ、それはそもそもここでの議論ということも難しいでしょうというのは理解しています。
ただ、労使合意ができたから、それが計画の中で実現を図るのだというところまでは、そういう合意はなかったのではないかと思う。これは後で文章を事務局にも確認してもらいますけれどもね。
だとすると、労側の委員の皆さんは、方法論としてこの計画の中に位置づけて実現を図るべきだという御意見ということではないかと思いますが、それはもう一つ、今度は計画立案というこの委員会がどういう性格のものなのかということに立ち戻ってしまうと。その点については、今この計画のことについて双方の意見を聞いて、私としては、もう一度、事務局含めて考えてみたいなとは思っています。
ただ、前提は、これは使用者側が言っているように、港労法前提でできている計画だというその出発点の中で、この計画というのをどこまでその性格づけを考えることができるのか。その枠組みを超えるような話ができるのか。そこら辺のところも含めて少し検討させていただきたいなと思います。
○玉田委員 この計画に盛り込むことによって法律改正まで持ち込もうと言っているつもりはないのです。いろいろな場で議論する。この計画自身は立法しようという作業ではありませんから。ただ、港湾雇用安定等計画というものの認識の中に、本当に全港・全職種適用という形で法律の趣旨を拡大することの意味というものを考えたっていいじゃないのという話なのです。出発点は、だから、労使が合意する必要があると言われたのだと僕らも思っている。法律を改正する際に、全く違うレベルで議論しなければいけないではないですか。僕らが建議する場として与えられているのだったら、その上でもう一回議論することも可能だと思いますが、たまたま計画の議論なので、だからこそこの中に法律改正しろまで書けるかどうか、それは大変難しいことだと思いますよ。計画だから。
だがしかし、本当に港湾の労働者の福利厚生だとか雇用の安定とかを考える際に、今ある6大港に限って議論するレベルでいいのでしょうか。そういう計画だけでいいのでしょうか。せっかく労使が合意したのだから、その点も踏まえて、この5年間の計画の中で何か考えてみようよということを書くことは可能なのではないかという提案なのです。
○鎌田座長 具体的に、その場合の書く中身って何ですか。今想定されているのは。
○玉田委員 書く中身というのは、労使が、ここで言うと、計画なんかで言うと、国が講ずべき措置とか、いろいろありますよね。この審議会は常設ですから、この審議会の中で改めてその部分を継続して協議するということもあり得ると思っていますよ。
○鎌田座長 この専門委員会の中でということですか。
○玉田委員 専門委員会の中で。だって、立法それ自身はできないでしょう。
○鎌田座長 そのことを含めて、事務局含めて議論を。私もいろいろ、法律のたてつけの問題ということを考えなければいけないとは思っていますので。
○吉野建設・港湾対策室長 今まさに、労使の皆さん、それから座長のほうからもいろいろ御意見をいただきましたので、今、座長が一旦受けていただきましたけれども、我々のほうも今の御議論の内容も吟味した上で、最後のほうでまたお話しするつもりでしたけれども、次回の専門委員会を今月中にやらせていただきたいなと思っておりますが、タイミング的に、年内にはこの計画はこの専門委員会で(案)ということでとりまとめを我々事務局としては考えていますので、次回には計画のたたき台、それから、報告書のたたき台というものもお示しはしたいと思っています。
ただ、3回目で最終的に決定するのではなくて、もう一回、12月にこういった場を設けさせていただきたいと思っておりますので、皆さん方にまたそこで議論いただければと思っています。
それから、松永委員がおっしゃっていた対応方針のところは、繰り返しになりますけれども、あくまでも我々のたたき台として今回はお示しをして、冒頭申し上げましたが、文章短い中で全部あらわされていないところがあると、簡単に分離すればいいと思っているわけでないということだけは御理解いただければと思っています。
○鎌田座長 最初の話題にほとんど今時間を費やしていますので、本来のと言ったらちょっとおかしいかもしれませんけれども、雇用管理改善とかそういったところ、御意見をぜひいただきたいなと思いますので、どうですか、この点については。
では、話の口火を切るという意味で私から。御存じのように、働き方改革ということで、時間外労働の上限規制、同一労働・同一賃金、このものが法律としても成立いたしました。そして、時間外労働の上限規制は、港湾については適用除外になっていない。なっているものもありますけれども港湾はなっていないという中で、どうやって実現するのかと。36協定の設定の仕方の問題ですけれども、従前は36協定で特別規定をつけて働かせても、言ってみれば法的な処罰というのはなかったのですが、これからは刑事制裁の対象になると。事業主さんは特に。そういった中でどうやってこのいわば時間外労働制限、規制というものを図っていくのか。これは、私はほかの産業の人たちとよく話をするのだけれども、本当に大変な問題というか、不安になっているところなのですね。
あと、同一労働・同一賃金、これも本当にどのように図っていくのか。常用労働者が多いという実態の中でそれほど心配されていないということもあるのかもしれませんけれども、しかし、そうはいいながらも、均等な処遇を図っていくということは、組合のみならず、事業者さんとしても大きな課題だと思っているわけですね。そこのところを、今すぐにこうしろというのはなかなか難しいと思いますけれども、計画の中で最低そういったところの実現に向けた周知徹底、あるいはそのための行政としての支援、そういったことがやはり必要になってくると。私は、ほかの産業を見ると非常に心配をしていて、やはり行政もそういったところでしっかりと支援して周知を図っていくということが問われていると思いますので、その辺のところは大丈夫なのでしょうか、港湾は。
○鶴岡委員 いや、大丈夫でないです、正直いって。要は、我々の会社が使用者側として、要するに働いている人の労働時間を自分で決められないのですね。あくまでも本船ベース。ワールドワイドで動いている本船の寄航に合わせてタイムシフトをつくっていかなければいけないということは、フレックスやるにしても何にしても、スケジュールの立てようがないのですよ。正直いうと。ですから、船が入ってきたら、港を、それこそ全国、これは国交省にも話を聞いてもらわなければいけない。朝8時半から夜6時半とか7時までしか港はやりませんということが全国で起こるなら、我々も調整のしようがある。ただ、今はあくまでも船の入港ベースで、あるいは出港ベースで作業体制を組んでいる以上、どうにもならないです。やりようがないです。
では、人間を多く入れればいいではないかと。ところが、残念ながら、その人間も今、募集しても来ません。どんどん今、平均年齢が高齢化していく。こういう中で働き方改革を一律的に全職種に対してかけてこられてしまった。何の話し合いもされていない。今はもう24時間で船が出たり入ったりしているわけですから、これをどこか国として、もう日本の港はこの時間しかやらないのだと言ってくれる以外はやりようがない。正直いって、それ以外に逃げる方法がないのですよ。
○後藤委員 それでもう一つ、除外業種ってあるでしょう。これは建設事業、自動車運転業務、それから医師。自動車運転業務というのはタクシーなどですね。この辺は除外されている。我々港湾なんて、今、鶴岡委員が言ったように、ここに波動性があって、そうすると時間外が大幅に増えますね。休みもあるけれども、その辺は全然ノーカウントで。大幅に増えると、先ほど言ったように、そのときにもっと人を入れればいいではないかとか言うけれども、港湾もそんなお金もうかるような業種でもないし、我々もそう簡単には人を抱えるわけにはいかん。その辺の、なぜこのときに、建設事業だけがよくて、港湾運送事業がだめなのだというのが僕は非常にわからない。どのように法律が通っていったか知らないけれども、我々の意見を言う場所もなかった。港湾ほど本当に波動性があるこの業種で時間外を管理されるというのは非常に難しいと僕は、長らく見ていてそういう思いは今持っておるのです。まだ施行猶予が1年間あるでしょう。実施までね。だから、そういう部分で、何か見直しということはしていただけないのかどうかというのが、私としてはね。
○鎌田座長 適用除外を。
○後藤委員 適用除外。建設事業とか。
○鶴岡委員 それは、平成10年、36協定かなんかのときに除外されたのでしょう。建設と自動車と医者。そのまま引きずられているのです。だから、そのときに港湾は入っていないのです。
○後藤委員 だけど、36協定のそれがあったからいいけれども。
○鶴岡委員 適用業種がそのときに決まっているのです。それをそのまま引きずってしまったのです。
○鎌田座長 今の段階で適用除外するというのは、わかりませんけれども、それは困難だと思いますよ。
○玉田委員 とはいえ、別に僕は事業者の方を持ち上げるつもりはないけれども、労使で、それこそ1か月は45時間以内にしましょうねと、8時間労働の実労働は7時間ですよと、こういうルールを決めて、波動性がありますから、ここはもう年休にしろとか、そこは労使が協力してやっている部分があるのですよ。そういう点でいうと、ちょっと辛口言いますけれども、僕に言わせれば、民間に任せ切りなのですよ。長時間労働、長時間労働言いながら。そこは僕は、さっきの剣幕とは別に、大いに事業者の皆さんを評価しているのですよ。労使協定でそのようにしましょうねという点で言うと。
だから、そこは大事にしたいなと思いつつ、それと、常用派遣制度なんかでもやはりそういう規制があって、賃金なんかもある程度合わせましょうねということをやるから派遣をし合ってもそれほど矛盾は出てこない。ほぼ同一という言い方がいいのかな。そんなに極端な賃金の違いがないから、常用派遣制度もその部分ではスムーズにいきやすい。条件としてね。そういう点はあると思うのです。だから、均等待遇というレベルで言うと限りなくそうなる。
ただ、1個だけ違うのは、これから問題になるであろう倉庫ですよ。港湾のような仕事をしていて、実際は港湾労働法の対象になるような仕事をしていて、そこに来られる労働者が事実上かなり賃金が低い、これはあるのです。そのことによって実態的に港湾労働者の全体のレベルが抑え込まれているという実態がある。そういう意味で、ここからまた話戻すつもりはないですが、港湾倉庫にしてくれという話になりますが、そこまでの賃金の均等の問題と労働時間をある程度お互い調整しながらいいものにしていこうねという点で言うと一定の努力はしているので、かといって、先生が心配されているから、もうちょっと上げていかなければいかんとか、いろいろありますけれども。
○鎌田座長 この計画の中で盛り込むところは盛り込んで。
○玉田委員 そういう盛り込み方はぜひお願いしたいし、やはり労使が努力しなければいかん部分があると思うのですよ。
○鶴岡委員 はっきり言うと、国の働き方改革を見ていると、労使の合意はもうあってもないに等しいのですよ。36協定上、国が定めたもの以上のものは、労使の合意があろうとなかろうとだめだという言い方なのですね。玉田委員が言うみたいに、我々、何年もかけてそういう話をしてきている。で、現行それをやっている。それから、同一労働・同一賃金と言うけれども、我々の中に非正規雇用ってないわけですよ。全部正規雇用ですよ。ですから、外から入ってきた人間と正社員の間で同じ仕事させて賃金違うだろうという話はないのですよ。港湾にも。
○後藤委員 それはないけれども、ただ、定年になってから同じような仕事をやらせて給料を下げるというのはどうかという問題なのです。60なら60、61、62で給料下げるではないですか。そうでないと組織守っていけないもので、どうしても。そうすると、同じことをやっていて賃金が安くなっている。これはおかしいぞと。我々も何とかそういう面を改善したいとは思うのだけれども、どうしても今の60から70に延ばすのに、その財源、それではどこから持ってくるのだと。同じような給料を払ったら、とても会社成り立ちませんよ。どこの会社も。やはり給料を下げていくから、そうすると同一労働・同一賃金と逆行してしまうのだよね。その辺は非常に私も、どうしたらいいのかと。その辺が余り違うと労働基準監督署から非常に冷たいお言葉をいただきますものですから。
○鎌田座長 ですから、そういった問題を、今、御指摘いただいた部分も、同一労働同一、まさにどうするというのは今すぐには出てこないけれども、そういう課題があると。それはそうでしょう。
○後藤委員 財源がないもの。そんな財源がないのに、それではどうするのだと。
○鎌田座長 それは港湾だけでなくて、ほかのところもみんな一緒。今、製造業だって、言ってみれば、景気の動向で、自動車だって、生産台数ってすごい幅があるらしいですよ。それをどう調整するかというのは、今までそれを正社員の長時間労働で対応してきた。でも、それは考えなければいけないというのが国の政策であり、またそれが国会で通ったら国民の意思でもあるということなのです。
○鶴岡委員 先生の先ほどお話にあった、計画の中に何がしかのものを、今の働き方改革で我々のこの港湾においてとおっしゃいましたけれども、何かありますか。アイデア的に、それに対して助成できるようなシステムであるとか。
○鎌田座長 それはお金面で言うとちょっとピンと来てないけれども、今ここにいる人たちは十分わかっているわけね。だけど、本当に地方とかいろんなところに行ってわかっているかどうかという問題ですよ。例えば時間外労働の規制なんて言われて、ちょっと事情が変わったのだろうと思っている人がどれだけいるかですよ。
○後藤委員 コンテナ船が入ってこないような港は全然関係ないからね、はっきり言って。コンテナ船は、入ってきたらすぐ24時間で出すような作業体制をとるけれども、地方港でコンテナ船が入らないようなところは全然関係ないわけですよ。8時か9時から5時まで、そういうきちっとした作業時間になっているわけですよ。コンテナが入ってくる6大港とそれ以外にも清水だとか四日市とかいろんなところがあります。だけど、それは世界との競争に勝たなくてはいかん、船を早く出さなければいかんということでみんな24時間体制でやっているのですよ。先ほど鶴岡委員が言われたように、国が7時で港湾はみんなやめるのだと言ったら、日本へ入ってくる船がどんどん減りますよ。そうすると物流費が高くなって、日本でのものづくりが成り立たなくなってしまうというようないろんな問題があるのですね。
先ほどちょっと給料の件でいろんなことを言いました。確かに、この前、新潟かどこかで、運転手さんが、値段下げられたけれども、これはこれで正論だということでの判決が出ていますよね。我々はそういうあれでやっていこうと、今私は会社ではそういう思いでやっています。下げても全然法令違反ではないと。同一労働・同一賃金という言葉はあるけれども、それはそれまで雇用してきたのだから全然問題ありませんよというような判決が出ているから、ちょっと安心していますけどね。
○鎌田座長 どうぞ。
○吉野建設・港湾対策室長 今いろいろ多岐にわたる御議論をいただきまして、この短時間では解決できるとは到底思いません。ただ、今、労使、公益委員の皆さん方からいただいた意見というのはそれぞれのお立場で日ごろお感じになっている、まさに生の声だと感じておりますので、そこは我々行政としても真摯に受けとめつつ、ただ、1つ言わせていただければ、今の足元、現状を見た段階においては、これは座長とも少しお話しした中で、働き方改革ということが現実としては今世の中では動いていると。確かに長時間の話、同一労働の話、同一の話も、いずれまたこの専門委員会で御披露、御紹介、御説明させていただくと思っておりますけれども、いろいろ合理的な理由があればよいとか、いろんなまた解釈、ガイドライン等々も出てきますので、それは皆様方にもきちんと情報提供させていただきたいと思っています。
私が今いる部屋が建設・港湾対策室ということになっていますが、先ほど後藤委員からの話がありましたけれども、建設も確かに規制は除外、今されていますが、5年後には実は適用されるということになっております。建設は今非常に高齢化が、港湾よりもさらに進んでおりますし、担い手の確保は労使ともにまさに必死になって今は取り組んでいます。実は建設だけでなくて、御存じのとおり、介護もあるし、保育もあるし、要するに、人間が減っているわけですから働き手が減るというのも当然のことだと思います。そうなると、港湾の世界が、ここ何十年も今の状況でいけるかというと、やはりそれはなかなか厳しいだろうなと。当然人の取り合いになりますので。そうすると、港湾に入ってくる方々がどれだけいるのかというところになろうかと思います。
そういった懸念する材料も非常に多いということがありますので、この計画の中で具体的なことは書けないにしても、そういった危機感なりこれからの方向性なり、そういったものを少しでも我々としては書かせていただければなという思いでこの対応は書かせていただきましたので、次回までにまた座長とも御相談しながら皆さんにお示しできればなと思います。
○鎌田座長 あとほかにございますか。
○後藤委員 先ほど玉田委員が言った港湾倉庫の指定問題ね。これ、玉田委員は非常に関心を持ってみえるみたいですけれども、この場合のデータの取り方、海から来る海荷、これのデータの10%という縛りは何かというのが僕も実際問題危惧はしているのですよ。それは何かというと、はっきりいって、大きな外資系なんか、近くのところに倉庫をつくって、そこへ入っている荷物というのはみんなコンテナ関係ですよね。これはみんな外国から来た貨物ですよ。
それの統計を、昔は、財務省は外国産内国貨物と、それと内貨と外貨と3つの柱で我々若いころはやってきたのですよ。それが全て通関がコンテナターミナルで終わってしまえば、これは内貨だと。これは全然関係ないのだと。どこへ入れてもという世界ではないのです。外国産内国貨物なのです。こういう言葉を昔我々は使ったけれども、今使っておるかどうか知りませんけれども、そういうもので言ったら、10%か、そんな世界でなくて、もう100%近く、コンテナクラス、みんな入れているのですよね。これは何かなという思いは僕もあります。はっきりいって。
そうすると、港湾地域って何なのだと。この辺の定義も非常に難しいのですね。これはどこがどうするのだというのが非常に難しい。その辺を、我々もちょっとは港より離れている。だから、それは目つむろうかとかいろいろあるのですけれども、コンテナで来ておるやつは100%外貨だと。それを10%ルールでいくと、完全にこれは港湾倉庫になってしまうわけだよね。その辺が非常に難しい。僕も玉田委員らと同じような思いは持っておるのだけれども、そういうことも全て言うと非常に、それではどこがどのように港湾地域って決めるのだという難しさが今非常にあるのですよ。
この前も、道路の向こうとこっちで全然違うとか、そういう非常に矛盾したことも出てくるのだよね。だけど、港湾倉庫というのはこの後も非常に難しい課題だなと思って。これは2番目にありますが、これは僕もよく認識しています。確かに、今の少子化で港湾の労働力不足で、どっちかというと大目に見ざるを得ないというところがかなり大きいですね。我々はそこへ行って仕事をやるのかと。そんな世界でないの。人が足らないのだもの。そんなところの細かい仕分けや何かが、とてもでない、港湾でできませんよ。その辺をどうやってこの後、ある程度そういうのもやむを得ないという世界になるのかなあという思いがあるのですけれども、鶴岡委員、どうですかね。
○鶴岡委員 前回もお話ししましたけれども、港労法適用地域と港頭地区、これが港労法という問題がない地方行政の定めた港頭地区ということで、港湾運送事業法にはないのですよね、基本的には、ですから、我々港湾運送事業者が頼りになるのは、地方行政が開発して指定した港湾地域、港湾用地というか。これに関して言うと、港湾運送事業者以外は進出できませんから。ただ、その外にある、東京で言えば、例えば辰巳のほうであるとかそういうところに関しては、確かに港労法適用範疇なのです。しかし、港頭地区ではないのですよ。そこに外資系のマルチテナント倉庫がいっぱいできている。今、後藤委員がおっしゃったように、そこにコンテナが直づけされている。これ、どうするのだという議論は、正直いってあります。ただ、縛りがない土地なので、もともと港労法適用地域に建てる倉庫についてはこうですよというものがあればいいですけれども、今ないですよね。現実、その規制が。
○柏木委員 法律でないのですか。
○鶴岡委員 ないです。
○柏木委員 水際から500メートルとか。
○後藤委員 500メートルってすぐではないですか。今なんかもっと、1キロ、2キロぐらい出ているではないですか。
○柏木委員 東京、大阪、200メートルで、ほかは500メートル。
○鶴岡委員 大概、水際から500メートルがほとんど港頭地区になっている。その先の話だよね、今言っているのは。
○後藤委員 どうしてもそういうところにそういう大きな倉庫をつくって、コンテナをどんどんつけて、デバンニングをやっておる。
○柏木委員 それは我々組合のほうでも、結局、コンテナでヤード通関してしまって、直に引っ張っていって、今度トラック同士でやると陸貨物という形になってしまって、もう内貨で、我々のテリトリーでないと。
○後藤委員 だって、外国産内国貨物という言葉を今みんな知らないもので。僕ら、昔は財務省からそういう指導のもとに通関をやっていたから、僕らの年代ぐらいしか知らないのではないかな。それは財務省がコンテナ通関やった荷物は保税地域でデバンしてはだめだというのが最初のスタートなのですよ。ドアツードアで持っていくのでしょうと。だからコンテナ通関やらせるというような世界で、今はもう全然関係なしになっているよね。
○玉田委員 ただ、港労法の前回の改正のときに改めて通達を出されていて、そこでたしか海からの入庫量プラス海への出庫量を総入出庫量で割って100掛けると、こういうのが基準になっているから。今、後藤委員おっしゃったような意味では、もう少し網のかけ方が広いと認識しているのですよ。外貨であるか内貨であるかというのは別としてね。そのように考えて、その先が、港湾倉庫にするか否かという、この問題はちょっと別として、僕らの考え方は、港労法が対象としている貨物は海から来た荷物、海に持っていく荷物ですよとすっきり考えればいいのですよね。そこで税関の関係で、いや、これも通関切っているからとかいう議論をすると複雑になるから、今みたいなシンプルな考え方でやって、それをさわるのは派遣労働者はだめですよとか、港労法に適用だから港労法の倉庫にしますよとかいうシンプルな考え方を港湾計画の中に具体的に入れていくと、もう少しパトロールもしやすいのではないですか。
僕らがパトロールすると、これは通関切られているから、内貨だから港湾労働者関係ない、関係ないという議論、結構言われるのですよ。そうでないでしょうと言ってもめることもあるので、今、仮に私が、前の厚労省からの通達をベースにした考え方でいくと意外とすっきりするのかなと。改めてそれを計画の中に入れていただいて、もう一声。よって、そういうところは10%であろうがなかろうが港湾倉庫にするというところに踏み込んでくれればもっとありがたしと、こんな感じがするのですがね。
○鶴岡委員 マルチを港湾倉庫にするの。
○玉田委員 マルチを一つの借り主ごとにきちんとやっていったほうがいいと思います。今の法律では無理。限定されているから。
○鎌田座長 事務局どうぞ。
○吉野建設・港湾対策室長 今の倉庫のお話、いろいろと御議論いただきましたけれども、これは前回、鶴岡委員からもお話があって、私のほうでも少しお話をしたつもりではあったのですけれども、いずれにしても、今回ちょっと期間が短い中でどこまで議論できるかというところは、正直いってございます。意見の中で主な意見ということで書かせていただいた中での、平等・公正に競争できる部分というところも、非常にきれいな言葉ではありますけれども、これを実際にどうやってやるかというのは非常に困難性は高い、ハードルは高いと思っています。
いずれにしましても、計画の中では、この部分の皆様方の問題意識等含めてどのように書けるかということはまた御相談させていただきますが、中身の細かいところですね。先ほど後藤委員がおっしゃったようなところは、我々もまだ勉強不足なところもございますので、そういったところも含めて今後またそこはどのように改善できるかというところは御相談したいと思っています。
○鎌田座長 港湾倉庫についてはいいですか。
あと御意見いただきたいところは日雇い、これも何度も議論になって、何かありますか。
○後藤委員 日雇いというのは、僕もほかの港のことは余り知らないけれども、名古屋では関連で日雇いを少し雇っている。例えばカーペンターだとかラッシングだとか、そういう面での日雇い。普通の港湾運送ではほとんどないのではないかと思う。名古屋はありません。簡単に船内作業へ日雇いが入ってやれるような仕事というのは、昔はほうきを持って掃除するぐらいしかできなかったのです。やはり技術が要りますからね。それと安全第一でいかなければいかんということで。だから、あくまでも関連関係での。ほかの港も、結構横浜が多いのはそれではないかと思います。その辺をどうしていくかということで。あとは、名古屋の場合だと港湾労働派遣。この辺もお互いに我々名古屋はやっています。港湾労働派遣の許可もとって、我々も人も出しています。横浜が多いのは、関連での日雇いの使用量が多いのではないかと思います。
○柏木委員 やはり港によって違いますよね。船内が多かったり沿岸が多かったりとか、いろいろあります。
○後藤委員 船内は名古屋はほとんど皆無ですよ。港湾労働派遣でやっているから、それは絶対あり得ない。船内はね。だから、あくまでも関連のほうでたまに使っているのかなという、統計上出ないぐらいの数字でということだと思います。
○鎌田座長 事務局、どうぞ。
○吉野建設・港湾対策室長 日雇いの関係につきましては、例の港湾労働派遣の話とも関連してきますので、そこに関しては、港湾労働派遣につきましてはやはり活用を図るということを我々は大前提に考えております。過去の計画の中でもいろいろとパトロール含めてさまざまな対策をしていきましょうということで書かせていただいていますけれども、正直いって、まだまだそこは足りない部分がある結果が今の状況なのかなとも認識しますので、そこはまた改めて、これは国としてやるべきこと、それから、今、港湾労働派遣は港湾労働安定協会、センターにもいろいろお願いしていますので、そちらにも御相談をし、そして、なおかつ事業主の方々にもやはり御理解をいただかなければいけない部分が非常に多いと思っておりますので、そういったところでの御協力もいただきながら、この港湾労働派遣の活用。そして、日雇いに関しては、今ほど皆さんの御意見もありましたとおり、港によっての差異が非常に大きいと思っておりますので、ここはやはり個々の状況も我々引き続き分析しながら対応を図っていきたいと思っています。
○玉田委員 ハローワークの方が努力されているのはよくわかるし、一緒にパトロールなんかすることもあるのですが、もうちょっと人増やしてくれと書けるのですか。ハローワークのパトロールの人。行政の人は大体2人以上でないと動かないではないですか。今、留守にできないから出られないとか。それを計画の中に、労働秩序守るためにも人を増やしてくれというのは書けないものですか。
○鎌田座長 それはだめだと思う。つまり、計画があって、計画を実行するための人数が必要だという理屈になるから。
○玉田委員 それを前提にした予算要求になるわけ。
○鎌田座長 そうそう。単に人が足りないから増やせという議論はできない。
○鶴岡委員 だから、いろんな部分の監視体制を強化していこうということでいいのではないの。そういう目的があった上で、厚労省としてこれでは足りないという話で、予算要求できるでしょう。
○吉野建設・港湾対策室長 人が足りないというお話がありましたけれども、正直、行政の組織としていろんな定員の縛りもありますので、今、鶴岡委員おっしゃっていただいたように、何をやるかによってどれだけのマンパワーが要るかということになりますので、正直いって、新しく人を増員すればいいというものでもないでしょうし、今あるマンパワーの中で何がほかにもできるのかという知恵を出す部分でもあると思いますから、そこはまた引き続き御相談させてください。
○鶴岡委員 そもそも日雇いは波動性の吸収のために存在するのですよ。それ以外に日雇いの存在する理由がないのですよ。現実は。ただ、実際はそうでないケースもあるように見受けられるという部分は是正すべきではないかなと私は思います。
○玉田委員 最終手段ですからね。
○鶴岡委員 それこそ今、港湾労働派遣が月に7日でしょう。だから、10日も15日も働いているのを日雇いですかというのは言いたいですね。それは言ってしまっていいですね。
○吉野建設・港湾対策室長 そこは御意見として承っておきますけれども。
○鎌田座長 あと、ちょっと話変わりますけれども、職業能力開発の部分で皆さんの御意見を少し。今度は神戸に移るわけですよね。移って、機械もさまざまな設備も拡充して、だけど、本当に活用されるのかどうかという、その辺のところを心配しているのですけどね。
○後藤委員 今まで、豊橋にありましたよね。みんな、あそこの学校へ入って、教育はうちの作業員も受けておると。それが神戸へ変わっても当然利用させていただくという考えで私はおりますけどね。作業員は1か月ぐらい行くのかな。今、それと、技術なのですね。今、港湾は力仕事でない。なので、港湾労働者というよりも港湾技術者なのですよ。そういう時代に変わってきているから、ぜひ我々も盛り立ててやっていかなければいかんと思っております。
○鶴岡委員 今度の神戸の研修センターは女性の受け入れはできるのですか。
○吉野建設・港湾対策室長 今でも豊橋は女性も受け入れていますから、大丈夫です。
○鶴岡委員 人手不足で、後藤委員もおっしゃったように、今や力仕事でないのだよね。女性も活用していくしかないと思うのですよ。ただ、残念ながら、現状の港湾施設に例えば女性トイレがないとか、更衣室がないとか、現状あるのですよ。それで、それをつくるとなると大変なお金がかかってくるわけです。新鋭のところはつくっていますよ。ありますけれども、そうでないところはなかなか、女性を雇用しようとしても、そういうトイレもない、ロッカーもないというのが現状ですよね。
○鎌田座長 ちょっと失礼な言い方になりますが、女性で港湾労働に対する就職希望というのは調べられたことはあるのですか。
○鶴岡委員 倉庫内作業にはいますね。ただ、港湾作業員としているのか、倉庫作業員としているのか、わからないですけれども。
○後藤委員 今、ドライバーでもいるし、あとは倉庫関係のリフト作業も当然女性で十分できますからね。力仕事でないから。鶴岡委員が言うように、そういう時代が来ると思いますよ。だから、やはり教育を受けさせて、安全第一で作業をやるように。神戸の研修センターはみんな活用すると思います。
○鎌田座長 人手不足という場合、それをどう解消するかというと、結局は女性の活用と高齢者の活用ですよ。
○鶴岡委員 港湾は高齢者いっぱいいますからいいのですよ。
○鎌田座長 ところが、最近、地方に行くと、すぐ出てくるのは外国人。要するに、外国人を雇用したいという。港湾というのは外国人労働者に対するニーズというのはないのですかね。
○後藤委員 法律により外国人労働者は雇用したらだめですから。
○鶴岡委員 外国人って、どういう在留資格の外国人かという問題があるのだよね。
○後藤委員 それはイランだとかインドだとか、いっぱいおりますけれども、港湾では雇用してはだめなのですよ。今の法律で。
○鎌田座長 ごめんなさい。私、根本的なことを理解していなかった。
○後藤委員 外国人労働者を雇用してよかったら、今は募集しても人が来ないから、どこの会社でも雇用していますよ。
○鶴岡委員 外国人も在留資格によりいろいろいるではないですか。
○後藤委員 例えば、在留資格が「定住者」である日系はいいの。日系のブラジル人だとか。
○鎌田座長 それはどうしてだめというふうに。
○後藤委員 これは法律で決まっておるということで。
○鎌田座長 そもそもその立法理由といいますかね。
○吉野建設・港湾対策室長 私も、今の後藤社長からのお言葉にあれですけれども、港労法上、外国人労働者だからだめだという規定はなかったと思います。
○後藤委員 そうしたら、何で港湾で使ってないのかというのがちょっと。
○鶴岡委員 在留資格の問題ですよ。
○後藤委員 国籍は日本人しかだめと。
○鶴岡委員 いや、日本人でなくても、在留資格があれば、それはブラジル人だろうがイスラエル人だろうがいいのですよ。
○後藤委員 日本国籍がなくても日系の「定住者」は雇用していいというのが来たではないですか。日系ブラジル人は。
○鶴岡委員 日系の「定住者」は、在留中の活動に制限がないから。うちも何人か雇用しましたけれども。何年間という限定で。
○後藤委員 何しろ外国人の雇用はだめだと。そうでなかったら、もっと雇用されているよね。安く雇用できるとの誤解もあるし、非常に勉強している人もいるから。
○鶴岡委員 労働者証は国籍は関係ないか。
○吉野建設・港湾対策室長 関係ないです。ですので、今ちょっと話がいろいろと錯綜したのであれですけれども、基本的に外国の方で日本でちゃんと働く資格がある方で、例えば東海海運さんに就職して常用労働者として雇われている方がいれば、その方がアメリカ人だろうが何人だろうが中国人だろうが、働いていただくことには全然問題は今のところないと思っています。港労法でだめだということはない。
○鶴岡委員 国籍上は問題ない。労働者証の発行上は。
○吉野建設・港湾対策室長 要するに社員であればということですね。
○柏木委員 在留資格があればいいということですか。
○吉野建設・港湾対策室長 ええ。在留資格はなければだめですよ。そうでないと不法就労になってしまいますから。
○鎌田座長 だけど、日系人はどうなのだといったら、それはオーケーでしょう。
○鶴岡委員 日系人はオーケー。
○鎌田座長 ではやはり大丈夫なのですよ。
○後藤委員 外国人はだめだというのがずうっと続いて。
○鎌田座長 技能実習生もいないのでしょう。まあ余り深掘りしないで。
○吉野建設・港湾対策室長 外国人の話は、まさに今ちょっと入管法の改正の議論とか、いろいろ国会でやっておりますのでそういったこともありますけれども、1つ言えるのは、港労法で外国人だからだめよという縛りはないということだけはちょっと御認識いただければと思います。
○鎌田座長 そのほかありますか。
○玉田委員 テーマはこの中で終わりですか。ちょっとスケジュールの関係のことで、地域の方、これからある程度まとまったら、地方労働審議会港湾労働部会で議論しますね。そこは、今予定されているのは1回ですが、なかなか意見を出しにくい。専門委員会でやったことをオーソライズするだけ、説明受けたで終わってしまうのが通例だということなので、少しやりとりできて、地域の意見をきちっと反映できる何か工夫してもらえないだろうかというのが1つあるのです。
○吉野建設・港湾対策室長 今、御紹介いただいたとおり、資料の中でいくと、資料2、02がスケジュールになります。今、玉田委員のほうからお話があったと思いますが、10月9日に32回の専門委員会をやらせていただきました。きょうが11月9日です。それ以降、先ほど少し私がお話ししましたが、今の予定でいきますと、11月末にもう一度やらせていただき、12月の年末にもう一度開催させていただき、これによって専門委員会としての計画の案ということをお認めいただければと思っています。
それ以降、お認めいただいた段階で、12月からと書いてありますけれども、基本的には来年になると思いますが、来年に、6大港所管をします労働局で地方労働審議会の港湾労働部会というものがございます。こちらで意見照会をさせていただく。このときに我々本省のほうから赴いて皆さんとお話をさせていただきたいと思っているのが過去の例です。
今、玉田委員がおっしゃったように、そうすると、もう決まった案とはいえ、決まったものを何か地方のほうにお知らせして、それでということはいかがなものかという御指摘だと思っています。そこで、11月末の専門委員会に、計画のたたき台、それから報告案のたたき台というものをお示ししたいと、今、事務局としては思っています。
それを受けて、我々が赴くというのも困難なところがあるものですから、各労働局で港湾労働部会の公労使の委員の皆様に情報を提供していただき、そこで意見集約をしていただいた上で、我々としても対応できるものは対応させていただきながら、最終的には12月の最後の部会での御議論にも反映させたいと思っております。
ただ、これは正式な部会を開いてということではなくて、情報をまず一度提供させていただいて、それぞれの御意見を頂戴して、本省のほうにフィードバックできればいいのかなと今は思っているところであります。
○鎌田座長 玉田委員、いいですか。
○玉田委員 はい。特に各地区で事情が異なるためとか、幾つかあったではないですか。対策の中に。そういう意味では、その地域の意見がきちっと反映されるような形をつくってあげたいと思うものですから。
○吉野建設・港湾対策室長 どこまで反映できるかというのはいろいろあると思いますけれども、御意見は一度きっちり集約させていただきたいなと思っています。
○鎌田座長 ほかにございますか。
よろしいでしょうか。
それでは、本日予定されておりました議題は以上ということにしたいと思います。次回は、本日の議論で出された御意見などを踏まえ、事務局で資料を整理していただいた上でさらに議論をしていただければと思います。
それでは、今後の予定等について、事務局からお願いいたします。
○向山建設・港湾対策室長補佐 次回の日程でございますが、11月30日金曜日、午後1時30分から予定しております。場所のほうはまだ未定でございます。
また、その次が12月26日水曜日、同じく午後1時30分から予定させていただいております。こちらのほうも場所は未定でございますので、確定次第、御案内申し上げます。
事務局からは以上です。
○鎌田座長 ありがとうございます。それでは、皆さん、予定を確認しておいていただきたいと思います。
本日の委員会はこれで終了いたします。どうも本日はありがとうございました。
最後に、本日の会議に関する議事録の署名委員につきましては、労働者代表は柏木委員、使用者代表は後藤委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
本日は、活発な御議論、大変ありがとうございました。これで終わります。


 

(了)

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