- ホーム >
- 政策について >
- 審議会・研究会等 >
- 保険局が実施する検討会等 >
- 患者申出療養評価会議 >
- 第63回患者申出療養評価会議 議事録
第63回患者申出療養評価会議 議事録
日時
令和7年11月20日(木)15:00~
場所
オンライン開催
出席者
- 構成員等
- 福井座長 森尾座長代理 天野構成員 池田構成員 磯部構成員 井上構成員 上村(夕)構成員 大坪構成員
近藤構成員 佐藤構成員 新谷構成員 田島構成員 比企構成員 藤原構成員 松井構成員 山崎構成員
- 事務局
- 医療課長補佐 先進・再生医療迅速評価専門官 研究開発政策課長 他
議題
1 患者申出療養の実績報告について
(患-1)
(参考資料1-1)(参考資料1-2)
2 患者からの相談事例の現状について
(患-2)(参考資料2)
3 患者申出療養の総括報告書に関する評価について
(患-3)
(参考資料3-1)(参考資料3-2)
4 患者申出療養の試験実施計画の変更について
(患-4)(参考資料4)
5 患者申出療養の中間報告について
(患―5)
6 その他
(患-1)
(参考資料1-1)(参考資料1-2)
2 患者からの相談事例の現状について
(患-2)(参考資料2)
3 患者申出療養の総括報告書に関する評価について
(患-3)
(参考資料3-1)(参考資料3-2)
4 患者申出療養の試験実施計画の変更について
(患-4)(参考資料4)
5 患者申出療養の中間報告について
(患―5)
6 その他
議事
- 議事内容
- 15:00開会
○福井座長
それでは、ただいまより、第63回「患者申出療養評価会議」を開催いたします。
本日はお忙しいところを御出席いただき、ありがとうございます。
初めに、本評価会議の構成員についてでございます。これまで構成員として御活躍いただきました黒瀨巌構成員、辻邦夫構成員が御退任されました。これに伴いまして、藤原慶正構成員、大坪恵太構成員に新たに構成員に加わっていただくこととなりました。
一言御挨拶いただければと存じます。最初に、藤原構成員、どうぞよろしくお願いいたします。
○藤原構成員
ただいま御紹介いただきました日本医師会常任理事の藤原でございます。前任の黒瀨常任を引き継ぎ、この役割をいただきました。
あらかじめ、事務局からこの仕組みについて詳細に伺っております。その上で、大変重要な、意義のある仕組みで、なおかつ、この評価会議が大変重い役割を担う会議であるということも改めて感じております。微力ではありますけれども、皆様の審議の一端を担えるように、お役に立てるようにと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
続いて、大坪構成員、どうぞよろしくお願いいたします。
○大坪構成員
御紹介ありがとうございます。ただいま御紹介いただきました、日本難病・疾病団体協議会で事務局長を務めております大坪恵太と申します。今回から患者申出療養評価会議の構成員を務めさせていただくことになりました。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
私ども日本難病・疾病団体協議会は、大人や子供の難病や慢性疾患の患者会、地域で活動している地域難病連等の団体が計105団体加盟しております全国組織になります。難病や慢性疾患を抱えておられる患者さん、また、その他の疾病を抱えておられる患者さんの声を、この委員会のほうにも届けていけるようにしっかりと努めてまいりますので、皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
○福井座長
ありがとうございます。
次に、構成員の出欠状況ですが、本日、松山裕構成員が御欠席となっております。その他の構成員は御出席で、本日、御欠席の松山構成員からは委任状の提出がございまして、議事決定につきましては座長に一任するとされております。
次に、事務局の異動がございました。事務局より紹介をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。本日、どうぞよろしくお願いいたします。
事務局の異動がございましたので、御紹介させていただきます。江浪武志保険局大臣官房審議官(医療介護連携、データヘルス改革担当)、梅木和宣保険局医療課医療技術評価推進室長、野村由美子医薬局医療機器審査管理課長、片岡智子医薬局医薬品審査管理課長補佐が着任しております。どうぞよろしくお願いいたします。
○福井座長
よろしくお願いいたします。
続きまして、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
頭撮りについては、ここまでにさせていただきます。
それでは、資料の確認をさせていただきます。
「患者申出療養の実績報告について」として、(患-1)、(参考資料1-1)、(参考資料1-2)がございます。
続きまして、「患者からの相談事例の現状について」として、(患-2)、(参考資料2)がございます。
続きまして、「患者申出療養の総括報告書に関する評価について」として、(患-3)、(参考資料3-1)、(参考資料3-2)がついてございます。
続いて、「患者申出療養の試験実施計画の変更について」として、(患-4)、(参考資料4)がついてございます。
最後でございますが、「患者申出療養の中間報告について」として、(患-5)を付しております。
資料の確認は以上でございます。なお、資料について不足、誤り等がございましたら、事務局まで御連絡ください。よろしくお願いします。
○福井座長
資料等につきまして、よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○福井座長
ありがとうございます。
次に、本日、検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について、事務局から報告をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
それでは、今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。
松井構成員より、「患-5」に関して利益相反の御報告がございました。松井構成員におかれましては、自らが所属する保険医療機関からの届出に係る医療技術であることから、患者申出療養評価会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術に関する検討結果の取りまとめ及び事前評価には加わらないことになります。
以上でございます。よろしくお願いします。
○福井座長
ありがとうございます。
出席されている構成員の先生方におかれましては、このほか利益相反はないということでよろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、議事に入りたいと思います。事務局から議題1「患者申出療養の実績報告について」、及び議題2「患者からの相談事例の現状について」の資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
それでは、まず、お手元の資料、「患-1」を御覧ください。令和7年の患者申出療養の実績報告について御報告いたします。
令和7年の患者申出療養につきまして、患者申出療養技術数は5種類、患者申出療養機関数は13施設。なお、これらにつきまして保険外併用療養費の総額は約1億円、患者申出療養費用の総額は約0.7億円、総金額として約1.7億円でございました。
ページをおめくりください。令和6年度と令和7年度の患者申出療養の実績報告の比較でございます。令和6年度の患者申出療養の技術数は7種類でございましたが、2種類の実施取下げがございまして、現在、患者申出療養の技術数は5種類で推移しております。
3ページにお進みください。過去5年間の実績を示した表でございます。
続きまして、(参考資料1-1)を御覧ください。令和7年の患者申出療養の費用を告示番号別に整理した表となっております。
告示番号2「マルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療」、告示番号5「タゼメトスタット経口投与療法」、告示番号6「経皮的胸部悪性腫瘍凍結融解壊死療法」、告示番号8「ペミガチニブ経口投与療法」、告示番号9「遺伝子パネル検査結果等に基づく分子標的治療」、これらに要した総合計の金額を表としてまとめております。
次のページにお進みください。(参考資料1-2)でございますが、令和7年度の患者申出療養の開始年月日、終了予定日及び協力医療機関数と年間実施件数を示したものでございます。
告示番号2につきましては、協力医療機関数は12、年間の実施件数は151件。告示番号5につきましては、年間実施件数1件。告示番号6につきましては、年間の実施件数は8件。告示番号8につきましては、年間実施件数が1件。告示番号9につきましては、協力医療機関数が3機関、年間の実施件数は21件でございました。
「患-1」については以上でございます。
続きまして、「患-2」の御説明に参りたいと思います。制度の運用状況及び患者等からの相談事例の現状についてのフローチャートでございます。
平成28年4月から令和7年10月末までの特定機能病院等への患者等からの相談件数は199件でございました。前年度から14件の増加がございます。⑥としまして、医療機関等において患者申出療養として実施困難と判断したものは35件でございました。これらを除いて、患者申出療養として実施された医療技術の総数は18件でございます。
なお、次のページからは、参考資料としまして、「医療機関等において患者申出療養として実施困難と判断した事例(35件)」についての詳細を4ページにわたって記載しております。
続きまして、「患-2」(参考資料2)を御覧ください。現在、我が国に設置されております患者申出療養相談窓口設置病院の一覧でございます。なお、○印につきましては臨床研究中核病院を表しております。北海道大学病院、東北大学病院、千葉大学医学部附属病院、国立がん研究センター東病院、国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院、順天堂大学医学部附属順天堂医院、慶應義塾大学病院、東京大学医学部附属病院、名古屋大学医学部附属病院、京都大学医学部附属病院、大阪大学医学部附属病院、神戸大学医学部附属病院、岡山大学病院、広島大学病院、九州大学病院、長崎大学病院、以上が臨床研究中核病院でございます。
なお、7ページにつきまして、患者申出療養相談窓口設置予定病院の一覧、4病院を示しております。
事務局からは以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいまの説明について、何か御質問等ございましたら御発言お願いしたいと思います。いかがでしょうか。
天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
御説明ありがとうございました。
すみません、細かいのですが、資料「患-2」の予定病院で4病院を上げていただいていたのですけれども、今、47都道府県中、青森県だけ恐らくない状態になっていると思うので、弘前大学におかれましては、より検討を進めていただけるよう、事務局からお願いいただければと思います。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
本件につきましては、既に問合せをこちらからもしておりまして、進捗状況等について、こちらからフォローしている状況と認識しております。
○福井座長
ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
藤原構成員。
○藤原構成員
確認なのですけれども、資料「患-1」の3ページで過去5年間の実績ということで、あえて書いていただいています。これを見る限りは、あまり大きな傾向がないというか、例えば年の推移でどんどん増えているとかいうことではなく、あまり傾向としては変化がないということを説明したくて過去5年間というのを提示されたのかなと、確認といえば確認です。
もう一つは、「患-2」の資料でフローチャートを示していただいています。これは平成28年というのは、制度が始まってからの累計ということでよかったのか。括弧のプラス14件というのが今年度ということでよろしいでしょうかの確認です。
特定機能病院等での患者等からの相談件数ということで199件で、いろいろ抜けるところがあって、最終的にこの会議における審議を経て、患者申出療養として実施されたものが18件で、今年はゼロになるということでしょうか。それと、令和7年度の患者療養の実績報告5種類というのと、これはどういうふうに結びつくのか、ちょっと理解が不十分で申し訳ないですが、そこを説明していただけますでしょうか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
藤原構成員、御発言ありがとうございました。
まず、1点目の「患-1」の過去5年間の実績ということでございますが、こちらはあくまでも推移を示しているところでございます。患者申出療養のこの制度につきまして、要した総金額については、おおむね2億円前後で推移しているところでございます。また、技術数につきましては、本年度、告示削除が2件ございましたため、技術数としては現在、令和3年度以降では最も少ない件数となっているという御説明の表でございます。
続きまして、「患-2」の制度の運用状況及び患者等からの相談事例の現状についてでございますが、まず、1点目の特定機能病院等への患者等からの相談件数につきましては、藤原先生がおっしゃっていらっしゃるとおり、これは平成28年4月、制度開始以降からの累計でございます。これは本年度の件数の増加がここでプラス14件と。これにつきまして、②、③、④、⑤、⑥、⑦というところで除外されていきまして、最終的に患者申出療養として実施できるというところが、この①に示したところでございますが、本年度としては、新しく患者申出療養として実施できた臨床研究はなかったという御説明になるかと思います。
それで、この5件の患者申出療養で現在行われている技術につきましては、告示番号2、5、6、8、9のそれぞれの患者申出療養の技術が現在、我が国で行われておりまして、それに要した金額と平均入院期間とか実施件数を表にしたものが(参考資料1-1)でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
いかがでしょうか。
○藤原構成員
分かりました。要するに、開始されたものということですね。今、5種類動いているのは、一番古いのは開始が令和元年ということなので、令和7年の間に申出として実施されたものが、今回はゼロだというふうに。
○先進・再生医療迅速評価専門官
おっしゃるとおりです。これは令和7年といいますか、令和6年7月から令和7年6月までの累計というふうに計算しているところでございます。
○藤原構成員
分かりました。ちょっと勘違いしました。整理できたので、よかったです。ありがとうございます。
あともう一つだけ、今、最初に御質問があった弘前大学についてですけれども、そうすると、青森で例えば申し出したいとなったときには、青森の人はどこで申し出すればいいことになるのですか。それは県をまたいで別の県でということになってしまうことになるのでしょうか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
現在の運用ですと、そうなろうかと思われます。
○藤原構成員
今、進捗状況というのは、具体的には、例えば今年度中には何とかなりそうだとか、そういうところまでは把握できているのでしょうか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
具体的な期日につきましては、最新の医療機関との連絡の中でも明示的なものは示されておりません。
○藤原構成員
分かりました。最初にもお話ししましたように、とても大切な仕組みなのだろうと思います。その上でということで。ただ、施設の事情というのもあろうかと思うので、拙速に進められるものではないということもあろうかと思いますが、青森県民の方に不都合が生じないようにというふうに思いました。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、大坪構成員、どうぞ。
○大坪構成員
ありがとうございます。
「患-1」の3ページに5年間の実績をお示しいただいておりますけれども、ここ数年間は患者数・技術数ともに減少傾向にあるということで、事前説明の際も事務局にも質問させていただきましたけれども、制度上の制約があるなど、少し使いづらいところも要因になっているのではないかということで、この委員会の中でも委員の先生方からも御指摘いただいているというお話がございました。そういったところも見直していくということも1つですけれども、難病や慢性疾患の患者さんは、罹患されて治らない病気なものですから、精神的な落ち込みも非常に大きく、本当にわらにもすがる思いで治療を探していらっしゃる方もいらっしゃいます。
ですので、こういった制度があることを知らないということで、その治療の機会を逃してしまうなど、そういったことがないように、周知にもぜひ力を入れていただきたいなと思っております。
意見になります。以上です。
○福井座長
事務局、何か。
○先進・再生医療迅速評価専門官
貴重な御意見ありがとうございました。
○福井座長
ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
○藤原構成員
すみません、もう一つだけ。日本医師会の藤原ですけれども、青森について、施設としてなかなかできない事情があるのであれば、そこを把握していただいて、仕組みとして大事なものであれば、国として支援するようなことは考えなければいけないのではないかな。さっきもお話ししたように、施設の事情が何かあるのだろうと思いますので、そこをただ頑張れ、頑張れじゃなくて、国として支援するようなお考えがあるのかどうかをちょっとお聞かせいただければと思いました。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
貴重な御意見ありがとうございました。個別の青森県弘前大学医学部附属病院についても、別個で確認できることがあれば、こちらから確認して進められることがあれば検討していきたいと思っております。
○福井座長
ありがとうございます。よろしいでしょうか。
○藤原構成員
ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
○福井座長
そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
ちょっと私から。今、見ていて思いついたのですけれども、「患-2(参考資料2)」に相談窓口設置病院の一覧がございますが、それぞれの病院でこれまで何件ぐらい、どういう案件というか、事例を扱ったのか、万が一、分かればいいのではないかなと思いました。
○先進・再生医療迅速評価専門官
大変恐縮ですが、本日は持ち合わせておりませんので、失礼しました。
○福井座長
もし可能でしたら。
そのほか、よろしいですか。
天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
すみません、本当に細かい事務的なことなのですが、「患-2」の資料についてですけれども、事例としては、平成28年4月から令和7年10月までに寄せられた相談の事例というふうに理解しているのですが、各ページに令和7年10月末時点という記載があって、この相談がいつあったのかが分かりづらくなっているのです。別に個別の相談がいつあったと書いてもらう必要はないのですけれども、ちょっと問題になるかなと思ったのが、5ページの31のパクリタキセル腹腔内投与で胃がんの腹膜播種のことに対して、経過が、左記治療は既に患者申出療養として組み入れが終了し、評価中の療養という記載があって、これも今の状況とは違うと思うのです。なので、ここだけ読んでしまうと、そうなのかと誤解を招くのではないかと、ちょっと危惧いたしました。
なので、例えば右上の令和7年10月末時点というのを、平成28年~令和7年までの事例なのだということに幅を持たせていただいたほうが誤解は少ないかと思いました。細かい指摘ですが、よろしくお願いします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
天野構成員、御発言ありがとうございました。
こちらにつきましては、事例と記載が当時のままとなっている箇所もございますので、個別の案件につき確認していきたいと思っております。
○福井座長
ありがとうございます。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、議題3に移りたいと思います。事務局から「患者申出療養 総括報告書に関する評価について」の資料が提出されておりますので、まず、説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
それでは、「患-3」の御説明に参りたいと思います。「患者申出療養 総括報告書に関する評価表(告示番号旧3)」になります。
患者申出療養の名称は「トラスツズマブ エムタンシン静脈内投与療法」でございます。
申請医療機関は慶應義塾大学病院でございます。
本医療技術の概要でございますが、HER2陽性の手術不能又は再発乳房外パジェット病の患者のうち、トラスツズマブ静脈内投与が行われた患者であり、かつ本患者申出療養の治療を希望し、適格性を満たした患者に対してトラスツズマブ エムタンシンを用いた単剤療法を1サイクル21日間として行い、有効性について評価する。その他、無増悪生存期間、全生存期間、全期間での最良総合効果、病勢コントロール率、腫瘍径変化率、奏効期間、奏効に至るまでの期間を評価する。安全性については、投与開始時を起点として有害事象の種類、頻度及び重症度を評価する、となっております。
医療技術の試験結果を御報告いたします。
まず、結果の要約でございますが、本技術は、2019年6月21日の申し出に基づき計画され、2020年6月18日に告示されました。同意取得した6例のうち、登録となった6例に対して試験治療を実施した。1例目は2021年3月25日に登録となり、最終症例の登録は2023年8月16日であった。全6例について主要評価項目である3サイクル後の効果判定、およびプロトコルで定めた観察期間における有害事象、無増悪生存期間、全生存期間、全期間での最良総合効果、病勢コントロール率、腫瘍径変化率、奏効期間、奏効に至るまでの期間について評価することができた。2024年3月9日の最終症例の最終観察を経て、統計解析を実施した。
実施した6例のうちわけは、男性2例、女性4例、年齢中央値60歳であった。全例が登録時に遠隔リンパ節転移および/または他臓器転移があり、HER2の発現状態はIHC 3+が5例、IHC 2+かつHER2遺伝子増幅を認めた症例が1例であった。全例においてトラスツズマブによる前治療歴があった。
結果、全6例が3サイクルのトラスツズマブ エムタンシン投与を完遂し、3サイクル後の効果判定後、4例が試験治療を継続した。治療サイクルの中央値は5サイクルであった。
主要評価項目および副次評価項目の評価結果については下記の通りである。
安全性の評価結果:
安全性評価は1回でも試験薬治療を受けた集団で行った。試験薬開始後の有害事象は、6例中6例に認められた。未知かつ重篤な事象の発現および治療関連死はみられなかった。主な有害事象は、AST上昇、血小板減少、ALT上昇、倦怠感、食欲不振、ALP上昇、胃腸炎、体重減少、発熱であった。
なお、Grade3以上の有害事象は2件、副作用は1件で、投与中止に至った有害事象は1件、副作用は1件でございました。
有効性の評価結果を御報告いたします。
有効性評価の主たる解析対象集団はFASであり,6例すべてがFASの解析に含められた。有効性の主要評価項目である3サイクル後の奏効率は33.3%で、奏効した2例はともに部分奏効であった。奏効率の信頼下限がプロトコルにて事前に設定した閾値を上回り、トラスツズマブ エムタンシン静脈内投与療法の有効性が示された。副次評価項目(全生存期間、無増悪生存期間、最良総合効果割合、病勢コントロール率)については以下の通りである。FASにおける中央値は15.7ヶ月、PFSの中央値は6.44ヶ月、BORRは50%、DCRは83.3%であった。その他、奏効期間中央値6.14ヶ月、奏効に至るまでの期間の中央値4.73ヶ月であった。
次に、発生した有害事象について御説明いたします。
試験薬開始後の有害事象は、6例中6例に認められた。未知かつ重篤な事象の発現および治療関連死はみられなかった。最も頻繁に観察された有害事象は、AST上昇、血小板数減少で、次いでALT上昇、倦怠感、食欲不振、ALP上昇、胃腸炎、体重減少、発熱であった。その他に、くしゃみ、γ-GTP上昇、咽頭炎、間質性肺炎、口腔内出血、口腔粘膜炎、高血圧の悪化、左上肢浮腫、注射時反応、動悸、鼻出血、蜂窩織炎、嗄声、疼痛、膀胱感染、蕁麻疹であった。Grade3の有害事象は、高血圧の悪化と血小板数減少が1件ずつで、いずれも回復を確認した。また、トラスツズマブ エムタンシンの注意を要する副作用として心障害の報告があることより、適正使用ガイドに準じ定期的な心エコー、心電図を用いた心機能モニタリングを行ったが、観察期間内において、投与延期や中止となるようなLVEFの低下はみられなかった。
結論でございますが、本患者申出療養は、国内外ともに標準治療が確立されていない転移性乳房外パジェット病に対し、世界で2番目に実施された臨床試験である。トラスツズマブ既治療のHER2陽性症例に対するトラスツズマブ エムタンシン静脈内投与法において、主要評価項目である3サイクル後の奏効率は33.3%で、奏効率の信頼下限が事前に設定した閾値奏効率を上回り、本療法の有効性が示された。また、病勢コントロール率は83.3%であり、この中にはドセタキセル単独療法を含む多くの前治療に対する不応症例も含まれていた。安全性について、本患者申出療養では治療関連死や未知・重篤の有害事象はなく、原病の増悪によるものを除く多くの事象は支持療法にて管理可能な安全性プロファイルを示した。
なお、本患者申出療養をきっかけに、トラスツズマブ未治療のHER2陽性乳房外パジェット病を対象とした医師主導治験が実施されている。結果は現時点で未公表であるが、その有効性・安全性に基づく薬事承認申請が期待される、となっております。
事務局からは以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
本技術の評価を佐藤構成員と山崎構成員にお願いいたしました。ありがとうございました。
最初に、佐藤典宏構成員から御説明をお願いいたします。
○佐藤(典)構成員
佐藤でございます。よろしくお願いいたします。
資料の評価のところを開いてください。
まず、「有効性」でございますけれども、E.その他と判定してございます。先ほど事務局から概要説明がございましたけれども、本疾患の対象となる患者さんにおきましては、現状、国内的にも国外的にも標準治療が存在してございませんので、従来の医療技術を用いるよりもということはなかなか評価しがたいものがございます。
また、先ほどの要約の中にはございませんでしたけれども、本臨床試験の症例数の設定は、統計学的な計算に基づいて16例というふうに設定されているところでございますけれども、実施できたのは6例ということでございます。6例の中の解析では、先ほどありましたとおり、33.3%ということで有効を示されたといいますか、示唆されるものかもしれませんけれども、この数ではまだ有効性を比較できるものではない、困難であるということで、その他とさせていただきました。
続いて、「安全性」のところでございますけれども、先ほどの要約にございましたとおり、重篤なものはございませんでしたけれども、6例中6例、有害事象がございましたので、Cというふうに判定させていただいております。
それから、「技術的成熟度」でございますけれども、当該分野に関しまして、数多くというところがどの辺を指すかというのは、ちょっと微妙なところがございますけれども、一定数経験が必要だというふうに考えてございます。一方では、一定数の経験があれば可能というふうに考えられます。本薬剤につきましては、再発難治の乳がんでは適応を取ってございますけれども、本疾患を診る医師が乳がんをどれだけ扱っているかという問題もあろうかと思いますけれども、それも含めて、本剤あるいは本剤類縁の薬剤に関しては一定の経験数が必要だろうということで、Bとさせていただきました。
「総合的なコメント」でございますけれども、先ほど申しましたどおり、16例というところ、様々な事情がございますけれども、6例で終了ということでございましたので、特に有効性につきましては、まだ十分な評価はできないだろうというふうに考えております。
また、先ほどございましたけれども、現在、本剤を用いた医師主導治験、トラスツズマブ未治療ということで、若干対象が違いますけれども、そこが開始されてございますので、そちらの最終的な評価に今回の患者申出療養が生かされることを期待したいと思ってございます。
薬事に関しましては、少数例でございますし、これをもって承認とか評価指標になることは難しいと思いますけれども、6例、しっかり主導していただきましたので、何らかの形で参考資料として利用し得る可能性があるのではないか。そういった形で活用されることを期待したいと思っているところでございます。
私からは以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
続きまして、山崎力構成員から御説明をお願いいたします。
○山崎構成員
山崎でございます。
今、共有されている資料で御説明ですが、主担当の佐藤構成員からお話がありました点と、ほぼ同一の意見と考えていただいてよろしいかと思います。
「有効性」については、Eとしましたけれども、これも繰り返しになりますけれども、16例のところが6例しか登録できなかったということで、統計的には90%信頼区間の下限を超えておりますけれども、この結果自体は探索的観察レベルにとどまるというふうに考えておりますので、Eといたしました。
「安全性」につきましても、6例ということで、特に言えることはないのですが、実際に6例、全症例で有害事象を経験しているということ。しかしながら、Grade3以上は高血圧悪化と血小板減少という2件ですけれども、いずれも回復している。それから、心障害のリスクが当初考えられたのですが、心臓のモニタリングをしたところ、特に駆出率の低下等の中止例はなかったといったところから、安全性に関しては、私はDといたしました。
「技術的成熟度」に関しても、特にAとBの違いはあまり考えておりませんでしたが、数多くのというところが違うだけなのですが、患者申出療養を始める際の事前評価をAと評価させていただいておりまして、それと特に変わりはないと思っておりましたので、Aといたしました。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいまの御説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。佐藤構成員と山崎構成員からの御評価の内容につきまして。
藤原構成員、どうぞ。
○藤原構成員
ちょっと確認なのですけれども、今の評価表の1ページの一番下のところで、全例においてトラスツズマブによる前治療歴があったと書いていますけれども、これはそもそもこういう人を選んでいるのではなかったのかという、つまらないことですけれども、そこをあえて書いている理由というのは何なのかなと思いましたということと。
それから、2ページ目の真ん中のところでGrade3以上の有害事象、これはこの書きぶりの内容がちょっとよく理解できなかったので、事前に確認していただいて、Grade3以上の有害事象2件が、この3ページの真ん中ぐらいに書いているのですけれども、高血圧悪化と血小板減少が2件だということで、その後ろに書いてある副作用は1件というのが、これは有害事象として、この経過の中で2つはあったのだけれども、実際にはこの薬と関係するのが血小板減少が副作用というふうに捉えているということでいいのかの確認。その後、投与中止に至った有害事象は1件。これが間質性肺炎ということで、副作用は1件。それは薬との関係があるから、それを副作用として1件とカウントしましたというふうに書いているという理解で正しいですかという確認です。
最後にもう一つですが、「先-3」の(参考資料3-1)にもありますが、この患者申出療養が、その後の医師主導治験というのに移っているというか、それも行われているという説明があったかと思います。この6ページの佐藤構成員の御意見、薬事未承認薬の医薬品等を伴う云々の下のところ、その結果によっては、本患者申出療養の結果を参考資料として利用し得る可能性があるのではないかという御意見をいただいていますが、この医師主導治験の対象になるのは、トラスツズマブを前投与されていない人なのか、あるいは前投与しているかいないかにかかわらずということなのか、それはどちらなのでしょうか。
もし、かかわらずであれば、今回の患者療養制度の中で行われた症例も参考になるということかと思います。それを投与していないことが前提の対象が医師主導治験だとすれば、それはちょっと除いて考えなければいけないということになるかなと思ったのですけれども、いかがでしょうか。
○福井座長
前後しますけれども、佐藤構成員、最後の御質問につきまして御意見いただければありがたいです。
○佐藤(典)構成員
ありがとうございます。
医師主導治験の情報は、細かいところは入手できませんので、聞けている範囲でございますけれども、医師主導治験のほうは未投与の患者さんということになります。ですから、先生おっしゃったとおり、今回の患者申出療養とは対象が異なります。
それで、薬事上の参考資料といいますのは、あくまでも参考資料ですから、それ自体は薬事評価になりません。ですけれども、今回、対象が若干、先行投与があるにしろないにしろ、この単剤における有効性と安全について、医師主導治験でやってくるものの情報で判断するのですけれども、あくまでも参考資料。薬事上の言葉なのですけれども、少し参考になるかもしれない。せっかく患者申出療養を皆さん、頑張って、患者さんにもお使いいただいてということですから、私の気持ちとしては、少しでも参考で役に立てば、この制度があってよかったなと思えるという希望も含めて、そう書かせていただいたということでございます。
全く参考にならないということも十分あり得ます。それは規制側が判断されることですので、私が書いたのは、あくまでもなるといいなというレベルです。
○藤原構成員
なるほど。対象が異なるというところ。了解です。ありがとうございます。
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、最初の御質問などにつきまして、事務局からいかがですか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
藤原先生、ありがとうございます。
恐らく先生の御認識で、この本患者申出療養については、トラスツズマブが既に投与された患者に対してトラスツズマブ エムタンシン静脈内投与を行ったと。今、佐藤構成員からお話があったように、医師主導治験については、トラスツズマブの投与歴がない患者に対するトラスツズマム エムタンシンの奏効率を見ている医師主導治験が行われているという理解かと思われます。
○藤原構成員
ごめんなさい、今のところですけれども、1ページの一番下の行のところで、全例においてトラスツズマブによる前治療歴があったというのをあえて書いているじゃないですか。だけれども、これはもともと対象がそういう人ですね。
○先進・再生医療迅速評価専門官
おっしゃるとおりです。
○藤原構成員
ですね。何か理由があって書いているのかなと思って、ここの認識が間違っているのかなと思って、確認。別に書いていけないわけではないですけれども、もともとそういう人を対象にしていましたねということでいいわけですね。
○先進・再生医療迅速評価専門官
おっしゃるとおりです。
○藤原構成員
分かりました。
○先進・再生医療迅速評価専門官
有害事象については、藤原先生から事前に御質問もいただいておりまして、もう一度、我々のほうから御説明さしあげますと、「患-3」の3ページの中段のほうに書いておりますGrade3の有害事象に関するところですが、本件については、Grade3以上の有害事象は、まず血小板減少と高血圧悪化の計2件でございます。うち血小板減少が関連ありと判断され、副作用に上げられた1件となります。
それに加えて、投与中止に至った有害事象、副作用としまして、間質性肺炎Grade1がございましたという御説明になります。
○藤原構成員
ありがとうございます。その間質性肺炎は、この薬との関連があるということで副作用として分類したということでいいのですねという確認でした。
○先進・再生医療迅速評価専門官
投与中止に至ったということなので、そのとおりかと思われます。
○藤原構成員
分かりました。ありがとうございます。
○福井座長
ありがとうございます。
そのほか、何か御質問等ございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、評価委員の評価結果どおりとさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○福井座長
はい。
山崎先生、佐藤先生、ありがとうございました。
それでは、議題4に入りたいと思います。「試験実施計画の変更について」の資料が提出されております。説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
続いて、「患-4」の御説明に参りたいと思います。「患者申出療養の試験実施計画の変更について」でございます。
【申請医療機関】は、慶應義塾大学病院。
【患者申出療養の告示番号と名称】でございますが、告示番号6、経皮的胸部悪性腫瘍凍結融解壊死療法でございます。
【適応症】は、肺悪性腫瘍、縦隔悪性腫瘍、胸膜悪性腫瘍又は胸壁悪性腫瘍でございます。
本患者申出療養の試験実施計画についてでございますが、【主な変更内容】として、1.関連学会への情報提供に伴う修正。2.その他記載整備を変更しております。
なお、この変更申請をする理由としまして、1は関連学会への情報提供のため。2.臨床研究法改正のためとなっております。
なお、【本試験実施計画の変更承認状況】につきましては、試験実施計画書の改訂は、慶應義塾臨床研究審査委員会にて2025年10月31日付で承認済みとなっております。
事務局からは以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
本患者申出療養の実施計画の変更につきまして判断が必要とのことです。本件につきまして、何か御質問、御意見ございますでしょうか。変更の内容と理由等ですね。
もしないようでしたら、実施計画の変更を認めるということにしたいと存じますが、よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○福井座長
ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
それでは、議題5「患者申出療養の中間報告について」、資料が提出されております。説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
続いて、「患-5」の御説明をいたします。「患者申出療養の中間報告について」でございます。
「背景」でございますが、患者申出療養「マルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療」については、研究実施計画書の規定に従い、医薬品コホート毎に中間解析を実施し、その結果に応じてコホート毎の有効中止や無効中止の要否を検討することとされております。
「2.報告の概要」でございますが、中間解析を実施したところ、ザーコリカプセルは、有効中止・無効中止いずれの基準にも該当せず、継続と判断した。
アイクルシグ錠は、無効中止の要否を検討する閾値を下回った場合に該当したと報告があった。
別紙の見解に基づき、ザーコリカプセルについては新規患者登録を継続し、アイクルシグ錠については新規患者登録を終了し今後追跡を行った上で統計解析を実施する予定とのこと。
「3.今後の対応について」でございますが、中間解析の結果に基づき、ザーコリカプセルについては新規患者登録を継続し、アイクルシグ錠については新規患者登録を終了し今後追跡を行った上で統計解析を実施することとしてよいか、御確認いただきたいと報告を受けております。
なお、別紙につきまして、その次のページ、2ページにつけております。
事務局からは以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。
もしないようでしたら、検討結果の取りまとめを行うに際しまして、最初のところで事務局からコメントございましたように、松井構成員におかれましては、利益相反の関係で事前評価に加わることができませんので、恐縮ですけれども、御退室をお願いしたいと思います。
(松井構成員退室)
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、事務局の提案どおりに認めるという方向で本件につきましては決定したいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○福井座長
ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
それでは、松井構成員にお戻りいただきますようによろしくお願いします。
(松井構成員入室)
○福井座長
ありがとうございます。
本日の議題は、残り「その他」となっておりますけれども、事務局から何かございますでしょうか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局からは特にございません。
○福井座長
構成員の先生方から、何か御意見なり、御質問なりございますでしょうか。
もしないようでしたら、次回の開催について、事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
次回は日程調整の上、後日連絡させていただきます。
○福井座長
それでは、第63回「患者申出療養評価会議」を終了いたします。
本日はお忙しい中、御出席ありがとうございました。

