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2023年9月21日 患者申出療養評価会議議事録

○日時
令和5年9月21日(木)16:00~
 
○場所
オンライン開催
 
○出席者
【構成員等】  
五十嵐座長代理 天野構成員 磯部構成員 井上構成員 上村(尚)構成員
上村(夕)構成員 新谷構成員 田島構成員 辻構成員 寺田構成員 手良向構成員 
直江構成員 成川構成員 松井構成員 山口構成員 山崎構成員 渡辺構成員
 
【事務局】
医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官 先進・再生医療迅速評価専門官
医政局研究開発政策課治験推進室長 研究開発政策課長補佐 治験推進室長補佐 他

 
○議題
1 「小児・AYAがんに対する遺伝子パネル検査結果等に基づく複数の分子標的治療に関する患者申出療養」の患者申出療養評価会議における事前評価等の取扱いについて
 (患-1)(別紙1)(参考資料1)(参考資料2)

2 患者申出療養の中間報告について
 (患-2)(別紙1)(参考資料1)

3 患者申出療養の試験実施計画の変更について
 (患-3)
 (患-4)

4 その他


○議事
16:00開会
 
 
 
○五十嵐座長代理
 それでは、ほぼ時間になりましたので、ただいまから、第43回「患者申出療養評価会議」を開催いたします。
 初めに、構成員の出欠状況ですが、座長の福井次矢先生が本日御欠席です。したがいまして、本日は、座長代理である私、五十嵐が座長を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 そのほかの先生方は、本日は全員御出席であります。
 次に、事務局の異動がありましたので、事務局から紹介をお願いいたします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 7月4日、7月10日及び9月1日付で、事務局の異動がございましたので、御紹介させていただきます。
 須田俊孝保険局審議官
 中田勝己研究開発政策課長
 木下栄作医療技術評価推進室長
 飯村康夫治験推進室長
でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○五十嵐座長代理
 ありがとうございました。
 続きまして、事務局から連絡がございます。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 弊省の組織再編に伴いまして、9月1日付で、「医薬・生活衛生局」の名称が「医薬局」に、「健康局」の名称が「健康・生活衛生局」に、局の名称が変更となりましたので、御報告いたします。
○五十嵐座長代理
 ありがとうございました。
 続きまして、資料の確認を事務局からお願いします。
○医療課長補佐
 事務局です。
 頭撮りについては、ここまでにさせていただきます。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 まず1につきましては、患-1、別紙1、参考資料1という縦置きの資料、参考資料2という横置きの資料がございます。
 2「患者申出療養の中間報告について」というところは、患-2の資料につきましては、それぞれ縦置きの資料が、患-2、別紙1、参考資料1とございます。
 3「患者申出療養の試験実施計画の変更について」というところでは、患-3、患-4という縦置きの資料がございます。
 資料の確認は以上でございます。資料について不足、誤り等がございましたら、事務局まで御連絡ください。
 今回の患者申出療養評価会議におきましては、対面とオンラインを組み合わせて開催させていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等につきましては、送付させていただいた資料を閲覧していただきます。発言者は、会議資料のページ、またはタブレット資料のページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上、助かりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○五十嵐座長代理
 資料等についてはよろしいでしょうか。
 それでは、ありがとうございました。
 今回、検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について事務局から御報告をお願いいたします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 それでは、今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。
 手良向構成員、成川構成員より「患-1」について、松井構成員より「患-1」及び「患-4」について御報告がございました。
 手良向構成員におかれましては、「当該技術の評価の公平性に疑念を生じさせると考えられる特別の利害関係」に該当するとの申告があったことから、患者申出療養評価会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術に関する検討及び事前評価に加わらないことになります。
 成川構成員におかれましては、対象企業(ノバルティス)から申告対象期間に年50万円超500万円以下の報酬の受領がございました。よって、本会議運営細則第4条の規定に基づき当該技術に関する検討に加わることはできますが、検討結果の取りまとめ及び事前評価に加わることはできません。
 松井構成員におかれましては、自らが所属する保険医療機関からの届出に係る医療技術であることから、患者申出療養評価会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術に関する検討結果の取りまとめ及び事前評価には加わらないことになります。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長代理
 ありがとうございました。
 本日出席されている先生方におかれましては、このほかに利益相反の御申告がありましたら、この場でお申し出いただきたいと思います。よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長代理
 ありがとうございました。
 続きまして、事務局から「小児・AYAがんに対する遺伝子パネル検査結果等に基づく複数の分子標的治療に関する患者申出療養」の患者申出療養評価会議における事前評価等の取扱いについての資料が提出されています。
 恐れ入りますが、手良向構成員におかれましては、御退出をお願いいただきたいと思います。
(手良向構成員 退席)
○五十嵐座長代理
 それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 それでは、「患-1」について、資料の説明をさしあげます。
 1.で「小児がん治療薬に係る患者申出療養の治療について」というところをお示ししてございます。
 最初のところからになりますが、海外において小児がんを適応として薬事承認されている医薬品が、日本国内で薬事承認されておらず使用できない、いわゆる「ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス」が顕在化してございます。
 患者申出療養評価制度を活用し、がん遺伝子パネル検査に基づいた遺伝子異常に対し、適応外薬を投与する臨床研究が開始されております。しかし、当該研究の枠組みは国内で用法・用量が定められている薬品を対象としており、小児を適応としたものは限られているところでございます。
 国内で小児の用法・用量のない医薬品について、海外の添付文書・治験データによる安全性・有効性の確認や、製販企業等との薬剤調達の交渉を行うことが医療機関の負担となっていると聞いているところでございます。
 このような課題を踏まえ、国立がん研究センター中央病院において、小児・AYAがんに対し遺伝子パネル検査を実施し、小児において一定の安全性を持つ適応外薬あるいは未承認薬の安全性及び有効性の評価を目的とした特定臨床研究の実施が計画されているところでございます。
 2「研究計画書の状況について」でございます。
 国立がん研究センター中央病院において、「小児・AYAがんに対する遺伝子パネル検査結果等に基づく複数の分子標的治療に関する患者申出療養」に係る研究計画書等が作成され、認定臨床研究審査委員会で承認されたところでございます。
 また、本技術に係る審査を迅速化するため、患者申出療養評価会議座長の了承のもと、患者からの申出が提出される前に、担当構成員に研究計画書等の事前評価をお願いしているところでございます。
 3「今後の対応について」でございます。
 審査期間の短縮を図るため、担当構成員の事前評価結果をもとに、現時点での研究計画書等の妥当性について、今回の患者申出療養評価会議において御意見をいただきたいと考えているところでございます。
 本会議からの指摘事項については、速やかに国立がん研究センター中央病院に照会した上で、研究計画書等の見直しについて検討いただきたいというところです。
 また、実際に患者からの申請がなされた際には、当該研究計画書等に基づき、本会議において御審議いただきたいというところでございます。
 事務局からの説明は以上です。
○五十嵐座長代理
 ありがとうございました。
 ただいま事務局から御提案されたように、本会議において、現時点での暫定的な評価を伺うこととしてよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長代理
 特に構成員の先生方、反対はございませんね。
 天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
 恐れ入ります。
 私はもちろん特段反対ございません。前回の患者申出療養評価会議でも申し上げましたが、この件に関しては、昨年、小児がん患者会ネットワークから加藤厚生労働大臣に対して、遺伝子パネル検査で異常な遺伝子が見つかった場合には、小児がん患者に対しての最適な分子標的薬を使えるようにしてくださいという要望が出されておりますし、また、前回の患者申出療養評価会議で、小児がんのドラッグ・ラグについての検討、本件についての検討がなされたその後に、複数の小児がん患者会の方々から、一日も早く推進していただきたいという要望を私宛てにもいただいております。もちろん当会議において臨床試験として適正に評価されること、また、患者申出療養であることについて、適正な審査が行われることは大前提でありますが、迅速に審査していただきたいと私からも改めて要望いたします。
 以上です。
○五十嵐座長代理
 ありがとうございました。
 そのほか、何か御意見はございますか。
 よろしいですか。
 では、今回の技術について、事務局から説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 続きまして、「別紙1」を御覧いただければと思います。16ページ目まで進んでいただければと思います。
 本研究はPARTNER試験と申しますが、概要図となります。
 対象は、標準治療がない、または標準治療に不応・不耐で、以下のいずれかを満たす0-29歳の小児・AYAがん患者となってございます。
 マル1が、遺伝子パネル検査でエビデンスレベルD以上と判定されたactionableな遺伝子異常を有することが判明している。
 マル2。本邦または海外(FDAまたはEMA)において薬事承認された分子標的薬の適応がん種と病理学的に診断されている。
 目的は、小児に対して一定の安全性情報があり、有効性が期待される適応外薬あるいは未承認薬の安全性及び有効性を評価する。必要な場合にはPKデータを収集し、薬物動態を評価する。医薬品の適応拡大などに利活用可能な形で情報を収集することも目的とするとなってございます。
 主要評価項目は、各医薬品コホートにおける用量制限毒性相当の有害事象発現割合。
 副次評価項目は、お示ししているとおりです。
 症例登録予定は、症例数見込みとして、医薬品コホートごとに最大30症例、6症例で中間解析を行うこととなっております。登録期間は3年、追跡期間は登録終了後1年となってございます。
 投与方法と評価スケジュール、または中間解析の実施については、お示ししているとおりであります。
 続いて、17ページ目を御覧いただければと思います。
 本研究の全体的なイメージ図となってございまして、対象は、小児・AYAがん患者(年齢:0-29歳)となってございます。
 左側のフローでございますが、遺伝子パネル検査を実施した患者につきましては、エキスパートパネルでエビデンスレベルD以上であれば投与を推奨され、本試験の説明・同意を受けた上で、複数の医薬品が対象となり得ることをお示ししてございます。
 また、右側のフローですが、分子標的薬、これは具体的には以下の医薬品となってございまして、本邦で成人において薬事承認されているが、小児では承認されていない(小児の用法・用量の記載がない)医薬品、また、海外で小児において薬事承認されているが、本邦で小児において薬事承認されていない医薬品の有効性が示されているがん種と診断された患者が、本研究の対象となり得ることをお示しするものでございます。
 続いて、18ページ目、ロードマップを御参照いただければと思います。
 本研究結果は、製薬企業がデータ提出し、企業治験、医師主導治験、公知申請等を経て薬事承認を目指すロードマップとなっております。
 また、本研究は、「特定臨床研究で得られた試験成績を医薬品の承認申請に利用する場合の留意点・考え方」、あるいは医薬局から出された事務連絡に沿って品質を確保していることが、特定臨床研究結果の承認申請を満たすことが示されているところでございます。
 続きまして、前後して恐縮ですが、「別紙1」の1ページ目にお戻りいただければと思います。
 本技術は、治験・拡大治験や先進医療等の既存の制度で実施できない理由について、事前に、事務局より医療機関に確認しております。
 回答となりますが、読み上げさせていただきます。
 参加可能な治験や臨床試験が極めて少ない小児がん患者では、海外で有効性が報告された医薬品の適応外使用や未承認薬の患者・家族による個人輸入をも含めた使用がなされることも少なくありません。本技術は、安全性に対する大きな不安を抱えながらも未承認薬を個人輸入して使用せざるを得なかった患者・家族からの「保険適用されていない薬を使用しなければいけないのであれば、医師の管理の下で安心して使いたい」という声や、使いたかった未承認薬を個人輸入したにもかかわらず薬が届く前に亡くなった患者の家族の「自分の子どもの経験を他の子どもたちのために役立ててほしい」という多くの要望などに基づき立案いたしました。多くの分子標的薬で、国内小児における用法・用量が承認されていないことから、現状の患者申出療養技術でも小児で使用可能な薬剤は限定的となっています。遺伝子パネル検査で有効性が期待できる薬剤が見つかり、患者・家族から要望があっても、各々の薬剤について治験や先進医療の計画・実施にかかる期間や、患者・家族のニーズに応じて対象とする医薬品を増やすことの難しさを考慮すると、国内小児がん患者が必要としている医薬品を幅広く迅速に届けることが最も優先すべき課題であると考え、患者申出療養制度に基づいて試験を行う必要があると考えました。
 治験・拡大治験または先進医療制度での実施を検討しましたが、現時点では下記理由により治験・拡大治験あるいは先進医療として早期に実施することは難しいと判断しております。
 1ポツ。各医薬品において、拡大治験の対象となる、小児を対象とした主たる治験の実施中(登録終了)または実施後の状況でないこと。
 各医薬品において、小児における企業治験を実施する予定がないこと。
 各医薬品において、品質が確保された医師主導治験を1試験ずつ実施するために必要となる運営体制が、費用面や人的資源などの問題から実質的に取れないこと。
 小児がんは症例数が少ないため、各医薬品において、治験のみならず、先進医療の枠組みでも、統計学的根拠や実施可能性をもって有効性をエンドポイントとして設定可能でないこと。
 本技術で安全性及び有効性に係るデータを収集し、今後必要に応じて将来的な企業治験や医師主導治験の実施、国際共同での開発や海外データ等も利用して開発などにつなげたいという回答をいただいているところでございます。
 続いて、2ページ目。こちらは事務局から照会したところでございますけれども、問2となりますが、「本研究は、AMEDの研究費を獲得しているとのことであるが、研究費はどのような費用に充てられるのか御説明ください。また、本研究における患者負担はどのようになるのか御説明ください」というところに対して、記載のとおりの回答をいただいているところです。時間の関係から、説明を割愛させていただきます。
 また、4ページ目を御覧いただければと思います。
 本研究について、現時点では医薬品提供企業がノバルティスファーマ1社になっているが、研究実施計画書には、「本研究には、企業との交渉により、無償提供される医薬品を複数含む」と記載されている。
 当該研究の対象となる医薬品はどのような基準で企業と交渉する候補としたのか。
 現時点での企業との交渉状況はどうなっているのか。
 なぜ、現時点で医薬品提供企業がノバルティスファーマ1社となっているか。
について回答をいただいているところでございます。
 回答のところの詳細はお読みいただければと思いますが、かいつまみますと、C-CAT リアルワールドデータの解析をもとに医薬品を選定しているところ、先行する患者の申出療養NCCH1901試験に既に参加いただいている企業を中心に交渉を始めたこと。ノバルティスファーマ以外にも8社と交渉し、うち2社から医薬品の提供可能な旨返事をいただいているところを御紹介してございます。
 事務局からの説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○五十嵐座長代理
 ありがとうございました。
 事前評価につきましては、主担当を山口構成員、副担当を山崎構成員と上村尚人構成員にお願いしているところであります。
 それでは、山口構成員から概要の説明と実施体制等の評価をお願いいたします。
○山口構成員
 概要は、今、担当課から御説明があったとおりでございますが、小児・AYA世代の疾病は症例数が非常に少なくて、普通に検討して、用法・用量が決まってというのはなかなかルートに載らなくて、しかも、標準的な治療ではない疾患もたくさんあるわけで、新しい薬を待ち望まれているのに、なかなかそこに届かないということは、今説明されたとおりです。したがって、これは、極めて患者申出療養として行われるのにふさわしいと思います。
 先ほど、ノバルティスファーマ1社しかないかというのは、私がちょっと聞いたのですけれども、開発が行われていたということが確認されましたので、研究全体としては、今はこういう状態ですけれども、いずれ複数の会社からも医薬品の提供が行われて、さらに広がることが期待されると思います。
 参加施設は、北大とか東北大学、名古屋大学を初めがん拠点病院、がんゲノム医療中核拠点病院、小児がん拠点病院など幾つかの施設が参加する予定で、多施設共同研究ということで、これも全国に患者さんがおられるわけですから、体制としてもいいのではないかと思います。
 研究内容全般に関しては、今の時点ではこういうやり方しかないのではないかと理解いたしました。
 概要は以上のとおりです。
○五十嵐座長代理
 さらに、実施体制の評価についていかがでしょうか。
○山口構成員
 評価のほうですが、まず、適応症は、妥当であると考えます。
 有効性に関しても、従来の技術より有効であるものが幾つか出てくるのではないかということが強く期待されます。
 安全性に関しましては、十分に検討されたものではありませんので、一定の安全性は担保されていますけれども、まだ十分ではないということで、「その他」といたしました。この研究の一つの目的でもありますけれども、安全性については十分注意しながらやる必要があると思います。
 技術的成熟度ですが、これはまだ一般化しておりませんので、当該分野を専門とし数多く経験を積んだ医師、または医師の指導下であれば行えるという、Bといたしました。
 社会的妥当性については、倫理的な問題はないと考えます。
 現時点での普及性も、まだほとんど普及してないということで、Cといたしました。
 問題は、将来の保険収載の必要性でありますが、先ほどちょっと御説明にありましたように、18ページのスキームを見ても、有効なものがあれば保険収載されることは当然ですけれども、あまり普通のやり方でやると、患者さんの手元に届くまでに時間がかかることが予想されますので、安全性が確認され、有効性が強く期待できるものに関しては、迅速に保険収載につながるような道筋を模索すべきであると思います。
 「患者申出療養を実施可能とする保険医療機関の考え方」につきましては、実施責任医師についての考え方は「適」、実施医療機関についての考え方は「適」、その他を「適」といたしました。
 以上です。
○五十嵐座長代理
 どうもありがとうございました。
 続きまして、倫理的観点からの評価につきまして、山崎構成員から説明をお願いいたします。
○山崎構成員
 山崎でございます。
 今の「別紙1」の9ページにありますように、特に問題ないという判断をいたしました。私からお聞きしたのは、「別紙1」の5ページから6ページにかけてのところです。書類等は本当に実績のある施設できちんとつくり込まれていて、問題ないと思っているのですが、2.の質問は、私、以前から何となく思っていたので、親権者のことについて伺いました。治験であっても、診療全般でやっていることなので、問題ありませんという御回答で納得いたしました。
 3.は、この申出療養に関しては、恐らく半年くらい前に一度この会議で議論になったのを記憶していまして、その折も、今日も事務局からのお話にもありましたけれども、通常の申出療養とちょっと形が変わっていて、将来、企業治験あるいは医師主導治験などの可能性が高いということを知っておりましたので、それについての記載をいかがでしょうかとお伺いしましたけれども、これも納得のいく回答をいただいたところで、納得しております。
 そういったところで、私からは、倫理的観点からは問題ないと判断いたしました。
 以上です。
○五十嵐座長代理
 どうもありがとうございました。
 続きまして、試験実施計画書等の評価につきまして、上村尚人構成員から説明をお願いいたします。
○上村(尚)構成員
 よろしくお願いいたします。
 私からは、
 「期待される適応症、効能及び効果」は「適」
 「予測される安全性情報」は「適」
 「患者の適格基準及び登録方法」は「適」
 「治療計画の内容」は「適」
 「有効性及び安全性の評価方法」は「適」
 「モニタリング体制及び実施方法」は「適」
 「被験者等に対して重大な事態が生じた場合の対応方法」は「適」
 「試験に係る記録の取扱い及び管理・保存方法」は「適」
 「患者負担の内容」は「適」
 「起こりうる利害の衝突及び研究者等の関連組織との関わり」は「適」
 「個人情報保護の方法」は「適」
とさせていただきました。
 その上で、少し私見を含めたコメントを書かさせていただいております。
 まず、内容につきましては、繰り返しになりますけれども、この試験は、AYAがんに対して複数の既存の遺伝子パネル検査結果等に基づいて複数の分子標的薬を評価するものです。研究実施計画書ですけれども、私は、非常によく丁寧に書かれていると思いました。分子標的薬の有効性が示されているがん種に対して本邦で成人において薬事承認されているが、小児では承認されていない。(小児の用法・用量に記載がない)医薬品、あるいは分子標的薬の有効性が示されているがん種に対して、海外(FDAまたはEMA)で薬事承認されているが、本邦で小児において薬事承認されていない医薬品が使用される予定であります。これらの医薬品は海外あるいは国内の成人を対象にした先行する臨床試験があるはずでして、それらの試験において一定の安全性が担保されていると言えると思いますが、そうは言っても、本邦の小児においては未承認あるいは適応外ということですから、それを臨床で使用することについては、これは早期臨床開発試験と同じようなレベルでの特に安全性に関する管理は重要になってくると思います。今回の試験の対象の患者さんの年齢は、0~29歳までのAYAがんの患者さんであります。これは必ずしも古典的な小児患者というところに限定されているわけではありません。担当診療科に関しての要件として、これは今回小児科のみの申請とお見受けしましたけれども、当然ながら、周辺の関連する診療科、例えば内科とか腫瘍内科とか、その他臓器別の診療科の連携が当然あるものかと想像しております。
 下に、そのほかの施設要件として、これはがんゲノム医療中核病院、小児がん中央機関、または小児がん拠点病院であることが求められておりますので、これは我が国が誇るトップレベルの医療機関でありますので、小児科だけでやっているというような病院ではないことは十分理解しておりますので、安全性の管理としては、十分な体制が取られていると理解しております。
 安全性の管理に関しまして、私、先ほど、これは早期の臨床試験と同じようなレベルで管理する必要があると申し上げましたけれども、研究計画書の中でも、重篤な有害事象が発生した場合、24時間365日適切に対応できる体制が要求されております。当然、こういった大きなしっかりとした医療機関ですので、救命救急の専門施設あるいは専門医師というところも配備されてありましょうから、この試験を安全に実施していくというところに関しては、十分な体制があると考えられます。
 ただ、試験の特殊性というところで、複数のがん種の患者さんが対象になりますので、それぞれの患者さんの評価は非常に難しいと思うので、特に適格基準等についての混乱があってはなりませんが、今回のこの計画書を見ますと、患者選択に関する問い合わせ先が設置されていて、そこに問い合わせができるような体制を築かれていることがあります。そこは非常に大きく評価できることだと思います。何かあったときに、そういったしっかりした窓口があって、情報を中央で管理しながら、情報共有されるということだと思いますので、しっかりとした体制があると判断しました。
 これから、この患者申出療養制度も含めた話ですけれども、根本的な課題が実はあろうかと思います。それは最終的に得られたデータをどういうふうに解釈すべきか、あるいはその方法論が確立していないということがあります。この研究で一定の有効性が示唆されるデータが仮に得られたとしても、AYAがんの中でも、それぞれのがん種に関しては比較的まれながんであったりするわけですので、例えば3年後、4年後に報告書が出た段階で、では、それぞれのがん種に対して次々と検証的なRCTを組みましょうという話にはなかなかならないと容易に想像できるわけです。こういった安全で有効な薬剤であれば、速やかに患者さんに届けることが重要になろうかと思いますので、効率的な審査を考えながら、早期の承認を目指す、これは制度上の工夫も含めて、工夫が必要かもしれないと思います。
 非常に限られたデータセットの中で有効性・安全性を評価していくことは非常に難しいわけですけれども、例えばヒストリカルデータとの比較であったり、これが海外で先行する臨床試験、RCT等があると理解していますので、そういったデータとの比較、あるいは、今回はノバルティスさんだけしか入っていないと理解していますが、まず、グローバルレベルでインテグレートされていると思います。そういった臨床データ、大きなデータセットにしようと思えば、グローバルなデータとのインテグレーションですね。そういったインテグレートされたデータセットの解析。そういった解析の中で、例えば、今回、薬物動態とかも測定し、評価されるとなっていますけれども、少し専門的な用語になりますけれども、いわゆる母集団での薬物動態解析、あるいは薬物動態と薬力学的な反応解析。こういった医薬品の開発の中では最も重要な評価のポイントとして、暴露量に対してのいわゆる用量あるいはエクスポージャーに関連した安全性が見られるのか。暴露量と有効性の関係性がどうなっているのかといったことを、モデルをつくりながら、これは数学的なモデルという意味ですけれども、数理的なモデルをつくった上で、その中で例えば日本人の患者での暴露量の推定とか、あるいは薬物動態学的な民族差の有無、用量あるいは暴露量と安全性・有効性の関係性を明らかにする。そういったことで本邦の小児あるいはAYA世代の患者さんのリスクに対するベネフィットフィーを最大化するための暴露量はどのぐらいなのか。あるいは、その暴露量を得るために必要な臨床用量あるいは用法・用量といったところがどういうふうになるのか、そういったところをシミュレートしていくという方法もあります。そういった薬効評価の工夫が非常に重要になってくる案件かと思いますので、これを進めていかれることは大いに結構だと思いますけれども、こういった新しい手法、モデル・インフォームド・ドラッグ・デベロップメント(MIDD)という新しい手法を最近ローカルな臨床試験で活用されていますけれども、そういったところも活用しながら進めていかれることを期待しております。
 私からは以上になります。
○五十嵐座長代理
 どうもありがとうございました。
 それでは、総合評価につきまして、主担当の山口構成員からお願いいたします。
○山口構成員
 総合評価は「適」といたしました。コメントは特に書きませんでしたけれども、今見ると、担当者3人に共通して言えるのは、こういう希少がんの臨床研究の進め方の難しさです。患者の手元に届くまでとか、プロセスについて、何か新しい試みが今後必要ではないか。その場で持っていかないとこいうものは実を結ばないのではないかということが共通した意見だったというのが非常に印象的でした。
 以上です。
○五十嵐座長代理
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいま詳細な説明をいただきましたけれども、構成員の方から何か御質問・御意見ございましたら、お願いしたいと思います。
 天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
 御説明ありがとうございました。1点確認させていただきたいと思います。
 前回、3月の患者申出療養制度評価会議で、小児がんのドラッグ・ラグについてということで、本件に関してディスカッションの際、複数の構成員から、患者申出療養は研究の枠組みではやるけれども、結局、研究資金の大半を患者が負担するスキームであり、本来、AMEDの研究費でやるべきではないかという御指摘があったと理解しております。その件については、今回、「別紙1」の2ページの資料を拝見しますと、研究の運営に関する必要な費用に対してはAMED研究費が充てられて、患者の薬剤負担については原則無償提供ということを説明していただいたと理解しました。
 その点に関して、1点、細かい質問で恐縮ですが、今、成人のほうでも、同様の受け皿試験が進んでいまして、そちらのほうもいわゆる薬剤費は原則無償提供になっていると理解しておりますが、原則ということですので、今まで、受け皿試験の中で有償提供になった事例があるのかどうか分かれば、教えていただきたいと思います。
 以上です。
○医療課長補佐
 事務局でございます。天野構成員、御質問ありがとうございます。
 原則となっているところでございますけれども、これまでの実績として有償提供した実績はないと承知しているところです。
○天野構成員
 分かりました。ありがとうございます。
○五十嵐座長代理
 それでは、松井構成員どうぞ。
○松井構成員
 今の天野構成員の御質問に関連するのですが、また、前回、私が指摘したと思うのですけれども、今回、AMEDの研究費を取ってやるという場合に、患者申出療養はそもそも研究費が取れないようなものについて、患者の希望に合わせて行うというのが制度設計上の本来であったはずであって、そうしますと、AMEDの研究費を取って、さらに、そこに患者申出療養の枠組みを載せるのは、かえって、これに参加する患者さん、被験者さんの二度手間というか、研究実施までに時間が相当かかると。しかも、既に患者申出療養に載せていると、特定臨床研究としての管理とこちらの患者申出療養による評価という二重審査の状態がずっと続くわけですよね。これはかえって患者さん、被験者さんの不利益につながると思います。そうすると、もともとAMED研究費を取って、なぜ患者申出療養という制度を使う必要があるのかという、そもそもこの研究計画の出発点が間違えていて、その後で、申請された方が患者申出療養というものの位置づけを理解されていなくて、AMEDに申請をしているけれども、患者申出療養の枠組みを理解せずに研究費を充てたのかと思っております。この研究そのものは評価されるべきで、行われるべきだと思いますけれども、この研究のことを考えると、患者申出療養の中で行うというのはすべきではないと私は思います。
 以上です。
○五十嵐座長代理
 御意見ありがとうございます。
 では、渡辺構成員お願いします。
○渡辺構成員
 ありがとうございます。
 評価をされた山口先生にお聞きしたほうがいいかなと思うのですけれども、本研究の目的は、当然、未承認薬とか適応外薬の安全性と有効性を評価すると書かれてございますけれども、主要評価項目に用量制限毒性相当の有害事象で、奏功割合は副次項目になっているのですけれども、先生のお話に書かれたように非常に希少疾患等で判断しにくいから、奏功割合を副次項目に出しておられるのか。何となく有効性というのも目的にあるのならば、主要評価項目に入ってもいいのではないかと思ったのですけれども、この研究の考え方に関して教えていただければと思います。山口先生の御意見がもしあれば、教えていただければと思います。
○山口構成員
 私もちょっと間違っているかもしれませんけれども、症例数が少なくて、エンドポイントをそこに持っていくと、結論を出すのがなかなか難しいという事情があるのではないかと推察しました。
○渡辺構成員
 ありがとうございます。
○五十嵐座長代理
 どうもありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 直江先生、どうぞ。
○直江構成員
 ありがとうございます。
 半年ほど前に、小児の分子標的治療薬の拡大を行うというお話が出たときにも、患者申出療養で、当時は、たしかもう少しファジーな制度というような話がちょっと出たものですから、私も発言させていただいたのをちょっと思い出しましたけれども、まず、今、いろいろお話がございましたけれども、私も立てつけのところでもう一つお聞きしたいのですが、事務局にお聞きしたほうがいいと思いますけれども、今回は、特定臨床研究ということで行うのだということで、その理由としては、データの利活用、今後の承認申請に向けた利活用のためという御説明がありましたけれども、そこで、改めてお聞きしますけれども、遺伝子パネル検査に基づく複数の成人に対する分子標的治療は現在行われていますけれども、これまでの試験は、特定臨床研究ではなかったように思いますけれども、まず、それでよろしいでしょうか。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 患者申出療養につきましては、基本的には、特定臨床研究、適応外薬あるいは未承認薬を使う研究が多いものですから、先生御指摘のようにNCCH1901、いわゆる成人の受け皿試験につきましても、特定臨床研究の枠組みの中で実施されているものと承知してございます。
○直江構成員
 分かりました。ありがとうございます。
 続きまして、今後のこの活用ですけれども、それぞれの医薬品ごとに30例を目安として行うというところで、ちょっと計画書のほうに入るのですけれども、30例といいますと、いろいろな疾患があるわけで。そうしますと、試験で言うと、どちらかというとバスケット試験のような形になってくると思うのですが、これがどういうふうに利活用されていくのか、どのような形で申請資料につながっていくのかというのは、今後の問題だと思いますけれども、この辺は特定臨床研究を申請資料に使えるのは最近の動きだと承知していますけれども、これは今後どのように使われるかということは、現時点ではまだ分からないのでしょうか。いいかがでしょうか。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 こちらについては、多分、現時点でなかなか確定したことを申し上げることは難く、基本的には医薬局あるいはPMDAの判断というところだと思いますが、得られた結果というところの有効性・安全性、あるいはデータの品質というところ、また、研究自体の品質管理が十分にされているかということを総合的に勘案して、その時点時点での判断がなされるものと考えているところでございます。
○直江構成員
 恐らく、そこの出口をしっかり詰めておかないと、例えば、ばらばらといろいろな疾患が入って、ある遺伝子異常ということで使われたとしても、それが本当に利活用できるのかどうか。つまり、設定のところで何か少し筋違いであると、このデータは生かされないということになりませんか。
 だから、そこは、出口のところは規制当局と御相談されたのかどうかということをちょっと伺いたいのです。もし、されてなかったら、これが結局、出口につながるのかどうかということになりますので、そこは本当に30例必要なのかどうか。あるいは30例でも、疾患ごとに何例かでいいのではないか。そこをきちんと押さえていただきたいというのはそれです。
 もう一つは、薬剤提供は、一応期限を決めずに、研究期間中はずっと、あるいは承認がされるまで、もし有効でなければ、ずっと提供されるということでよろしいのですね。そこだけ確認です。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 無償提供の期間というところは、現時点でははっきりしたことは、企業とNCCの交渉というところですけれども、基本的には、事務局としては、研究期間中は継続されるものではないかと考えているところでございます。途中で終了されるというところを見込んでいるわけではなくて、予定症例数に到達するまで、いわゆる研究中は提供されるものと考えてございます。
○直江構成員
 ありがとうございました。
○五十嵐座長代理
 いろいろと御指摘をいただきましたけれども、ほかにいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 そういたしますと、検討結果の取りまとめをしたいと思います。
 恐れ入りますが、成川構成員と松井構成員におかれましては、一時御退出をお願いしたいと思います。
○松井構成員
 すみません。よろしいでしょうか。
○五十嵐座長代理
 どうぞ。
○松井構成員
 私が指摘した部分はどういうふうに考えておられるのかを、これは事務局にお伺いしてもいいのかもしれないのですけれども、臨床研究法に基づく特定臨床研究で研究費がついてできるのだったら、そちらでやったほうが、こちらでの評価会議での評価という上乗せの部分がない分、被験者にとってはそちらのほうが有利だと思うのです。研究費があるのに、なぜ、わざわざ患者申出療養を使うのかという、これは全然審議されてないと思いますけれども。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 こちらは、多分、構成員の先生方は経緯も含めて、患者申出療養制度自体が創設されたところの歴史的なところとなるかと思います。基本的な考え方のところですけれども、我が国においては、国民皆保険の理念の下で、必要かつ適切な医療を基本的に保険収載となっているところでございます。その上で、保険収載されていないものを将来的な保険収載を目指す先進的な医療等については、保険外併用療養制度として、安全性・有効性を確認するまでの一定ルールの下、保険診療との併用を認めているところでございます。
 先生御指摘の研究費があったとしましても、それ以外の部分、通常の保険診療で見られる部分は混合診療となりますので、その部分の自由診療、患者からの自己負担が発生し得るというような制度となっているところでございます。そういった背景もありまして、患者申出療養は困難な病気と闘う患者の思いに応えるために、先進的な医療について患者の申出を起点とし、安全性・有効性等を確認しつつ、身近な医療機関で診察を受けられるようにするものとなってございます。
 さらに、国において、まさにこの管理において安全性・有効性等を確認して、保険収載を目指すように実施計画書の作成を中核病院に求めているところになりますし、まず申し上げますと、研究費の活用というところは、この患者申出療養の中で別に否定はしていないというところ。また、この患者申出療養制度が創設される際には、漫然と行われた治療が保険外併用の枠組みの中で継続されることは望ましくないというところは、主に家族会の方からも強い御指摘をいただいたところでございまして、保険収載を目指すことからは、一定の品質のデータは重要であることから、特定臨床研究に位置づけるべきというところで、現状のこのような制度設計になっているところでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○松井構成員
 よろしいでしょうか。
○五十嵐座長代理
 どうぞ。
○松井構成員
 そのロジックからしますと、未承認・適応外の特定臨床研究を行うものはほとんどのものが患者申出療養に今度は申請されてくるという、そういうふうに理解される今の回答であったと思うのですけれども、違いますか。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 そちらにつきましては、個々の医療機関の判断という、患者申出というところはありますけれども、特定臨床研究の枠組みというところと保険外併用療法の枠組み、それぞれあるかと思っております。
 また一方で、先進医療といった点とか医師主導治験、保険外併用療法でもいろいろ種類がございますので、必ずしも患者申出療養を選ばれるものでもないと思いますし、また、患者申出療養は、ほかの医療機関あるいは企業のドライビングフォースとなるものではなく、患者申出が発端となるものというところでは、先進とか医師主導治験とか企業治験といったものとはかなり趣が異なるものというところは御理解いただければと思います。
○松井構成員
 よろしいでしょうか。
○五十嵐座長代理
 どうぞ。
○松井構成員
 そうしますと、最初にAMEDに対して研究計画があってというそのスキームに乗っている研究計画が、患者の申出が発端になっているのかというと、多分そうではないと思います。そうすると、患者申出の枠組みの中で、AMEDの研究費を取りに行っているものが持ってくるというのはやはりそもそもおかしいと思います。
 事務局の方は、保険外併用療養がどうのこうのとおっしゃっていますけれども、この評価制度そのものの位置づけが、もともと曖昧だったのが、さらに曖昧になっていく。その曖昧になった先が、ほとんどの未承認・適応外の医薬品・医療機器を用いたような特定臨床研究は、この患者申出に乗って来得るものになってきますので、そうすると、患者申出療養が扱う研究計画の範囲が途方もなく増えていくということになりかねないので、この枠組みで行うべきものかどうかということはよくよく考えないと。しかも、この枠組みに乗せるからには、中核病院での審査、プラス患者申出療養でのさらに上乗せの審査のような、評価のようなものが入ってきますので、そうすると、個々の被験者さんにとっては、研究の実施とか、検討も含めて、いろいろなものが時間がかかって、より不利な、あまり利益を生まないような状況の中で研究をするということになりますので、この患者申出療養の中に乗せるべき研究なのかどうかというところは、よくよく検討すべき課題だと思います。
 以上です。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 まず、そもそもこの背景、今回の患者申出療養、国がんからの提案について、限局して、事務局からの考えということでお答えいたしますと、「別紙1」の1ページ目にお示ししているような背景があったことから、研究費の獲得であったりとか、マスタープロトコルの策定というところで、患者申出療養として実施することが妥当であるというような判断がNCCにおいてなされていたというところが1つあるかと思っております。
 その上で、特定臨床研究としてのCRBでの承認であったり、まさにこの会議での承認というところになりますし、患者申出療養評価制度として適切かどうかというところは、まさにこの場で御議論されるものだと思いますし、そのためにこの会議そのものが設置されているものだと承知しているところでございます。
 以上でございます。
○五十嵐座長代理
 いかがでしょうか。松井構成員からの御指摘があるのですけれども、この枠組みでこの研究申請を行うことについて、やはり問題だと思う先生方はいらっしゃるでしょうか。
○直江構成員
 直江ですが、よろしいですか。
○五十嵐座長代理
 どうぞ。
○直江構成員
 問題というよりは、患者申出療養が始まったときからの議論だと思いますが、現在の、つまり療担規則といいますか、保険診療機関が行う医療として、治験を別としますと、私の理解では、先進医療か患者申出療養しかないと。もちろん特例なところはありますけれども、ということと、それから、今回、特定臨床研究が入ってきましたけれども、これはメーカーさんとのCOIの問題が出てきて、これは、また、別にそういう枠ができたのですが。
 それから、その研究費をどこから取ってくるかということについては、多分、これを実施する医療機関としては、膨大な人件費とその研究費をいただいたとしても、課題だと。これは、当方が研究費を取ってこなければいけないということで、多分、AMEDというのはそういう機関、お金の話になってきますね。
 だから、この今の話、皆さんが混乱している、私も少し混乱していますが、いろいろな規則とか法律とかお金とかそういうものが複雑に絡まっているので、最初は例外的な制度として始まった患者申出療養が、ここに来て、どうも、何か居心地の悪さといいますか、皆さんの中でしっくり来ないなというところにもはや来ているのだろうなという気がしますので、これはどこかもう少し上の会議で、こういうようなレンジを踏まえてどういう制度がいいのか。先進医療、患者申出のほかに、もう少しこういうものが、患者が申し出るということで本当に始まるのかどうかということで用意しておかなければいけない。それが研究仕立てだということで、今までも議論がございましたけれども、新しい制度を、先進・患者申出以外に考えていただかなければいけないと思うのですね。先進医療にならない理由は、先ほど事務局からの説明がございましたけれども、これが有効性という非常に高いハードルがあるということであれば、先進のA、BのCくらいにして何かやってもらわないと、こういう議論がずっと続くのではないでしょうか。
 これは個人的な意見ですが、以上です。
○五十嵐座長代理
 どうもありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
○山口構成員
 よろしいでしょうか。
○五十嵐座長代理
 どうぞ、山口先生。
○山口構成員
 山口です。
 ちょっとピントがずれているかもしれませんけれども、松井先生の御心配は、これ以外にもほかの研究もあって、時間がかかって、患者さんに不利益がある、経済的にも問題ではないかという御指摘だと思うのですけれども、それほど手間がかかる制度とはちょっと思えないですね。前例があるわけではないのですが、そんなに大きな負担ではないと思います。
 もう一つは、患者さんの負担ですけれども、病院としては結構大きな持ち出しになるので、そういうものを研究費でAMEDとかでもらって確保できれば、患者さんの負担分はむしろ減るのではないかと思うので、必ずしもマイナスのことばかりではないと理解しております。
○五十嵐座長代理
 松井先生いかがですか。
○松井構成員
 この研究そのものは別に悪くないと最初に申し上げていて、やるべき研究だと思うのですけれども、この患者申出療養、これを一回許してしまうと、いろいろな特定臨床研究がこの患者申出療養の必要性がないような研究もここに多々挙がってくるものがどんどん増えていくと思います。なので、この研究をここでするなと言っているわけではないのですけれども、すべきではないのだったら、それはこの患者申出療養制度を使った研究の範囲が増えてくると。それは、この評価制度そのものの根幹を揺るがす可能性があるということで、これをこの療養制度の中でやるということ自体をすべきでないと私は思います。これを個々の研究として見たときに、これは何らかの形で研究したらいいと思いますし、これはAMEDの研究費を取って、保険診療部分に関しては患者さんが保険診療部分を払うというスキームに乗せて何かをできればいいと思いますけれども、こういう研究を患者申出療養の枠組みで許してしまうと、同じようなものが必ずしもこの療養制度を使う必要がないような研究もどんどんこちらのほうに流れ込んでくることを懸念しているということです。
○五十嵐座長代理
 どうぞ。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局です。松井先生、ありがとうございました。
 松井先生の御懸念として、そういう未承認の医薬品等を用いた特定臨床研究がこの患者申出療養に流れてくるのではないかという御懸念ですけれども、今回のように、患者の起点となったものを患者申出療養として受け入れられているスキーム以外で、例えば医師が、新たな医薬品を適応以外の別の疾患に利用しようとして、有効性を確認したいとするような特定臨床研究については、基本的に先進医療等のこういう患者申出療養ではないスキームで受け入れるものが主であろうと認識しています。
 混合診療という言葉が先ほど出てきましたけれども、こういう特定臨床研究の枠組みで疾病を治療しようとする際に、保険診療と併用するスキームは先進医療とこの患者申出療養、そして、治験等がございますが、繰り返しとなりますが、基本的に、例えば、医師が発案して、こういう特定臨床研究において、有効性・安全性を確認したいというものは患者申出療養ではなくて、先進医療等のスキームが妥当であると事務局としても認識しているところです。
 今回のAMEDの研究費を取ったから、それはおかしいのではないかというところではございますが、これまでこのドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスの問題は様々言われておりまして、患者様から要望があって、患者申出療養のスキームを使いたいという要望が数多くございました。ただ、この患者申出療養のスキームは、臨床研究中核病院の先生に臨床研究を計画頂くことになっており、臨床実務が多忙な中で、かつ人員も不足している中で、どうしてもなかなか準備が難しいというところもございました。このように数多くの患者さんの声がある中で、今回AMEDを獲得されたとものと認識をしているところでございます。
 以上でございます。
○五十嵐座長代理
 どうもありがとうございました。
 いかがでしょうか。ほかに御意見はございますか。
 これまで、小児あるいはAYAがんの治療に関しては、近年海外では新しい薬が開発されて、利用されて、治療成績がよくなってきています。特に日本でも、確かに小児のALLの5年生存率は9割ぐらいに改善しているのですが、AYA世代のALLでは7割台で、改善が求められています。治療成績が良くない理由の一つとして、日本では使うことのできない薬があって、海外と大きなギャップが出ているのが現状です。そのほかのがんでも同じような状況が、特にAYAの世代に関しては大きな課題になっているところであります。
 そういう中で、現場の先生方がいろいろな制度を使って、こうした薬を我が国でも使えるようにしたいという強い思いを持って今回の申請につながっていると理解しています。今回、AMEDで研究費が取れたということで、この制度を使って研究をさせていただけないかという要望です。御指摘のように問題点があり、本制度を再検討しなくてはいけないことも課題です。しかしながら、現時点では総合的に考えてこの研究を認めていただきたいと座長代理としても思っているところです。
 いかがでしょうか。
 どうぞ、松井先生。
○松井構成員
 そうしますと、患者申出療養を考えて、負担を考えて研究費を頑張って探してきたというものは、患者申出療養から先進のほうに移すというような、そういう何かスキームを先進と患者申出療養の間に設ければいいのではないでしょうか。ただ、こういう研究費を取れたものに関して、この患者申出療養の枠組みの中でそのまま行うのは、患者申出療養としても、そもそもの制度のもともとの発想と相入れないものがあるので、そういう研究費が取れたものは先進医療Bのほうに流していくと、そちら側に所管を移すというような形はありだと思います。そうすると、先ほど直江先生がおっしゃったような、結局、患者申出療養はもともと当初は先進医療Cというような、そんな仮称的にも呼ばれていたようなものがあるので、研究費が取れていないものは患者申出療養、研究費が取れたものは先進医療Bのほうに流れるという、そういう枠組みに変えていく必要があるのではないかなと思います。
 以上でございます。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 松井先生の御意見としては受け止めをさせていただきました。そのような御意見というところですが、まず、そもそもとして参考資料でお示ししているところを、また、繰り返し御紹介させていただきます。「患-1(参考資料2)」の3ページ目を御覧いただければと思います。基本的な患者申出療養に至るスキーム、フローをお示ししているものでございますが、患者からの相談があった場合には、まず、治験というところに該当するかどうか、先進医療として実施可能かどうかというところを御検討いただくというところになりますし、また、試験を実施するに当たっても、また、同様のスキームにおきまして、患者申出療養というところが妥当かどうかというところになります。
 また、通例、新規技術につきましては、今回の「別紙1」の1ページ目にお示ししているように、拡大治験や先進医療といったほかの制度で本技術が実施できない理由というところは御確認させていただいておるところでございます。まさに、この試験は患者申出療養として承認するか否かという観点では非常に重要なところだと思っております。もちろん事務局でもこの観点で確認しつつ、医療機関とも事前相談等をしているところでございますが、会議におかれましても、この観点で患者申出療養として「適」とすべきかどうかというところの御判断をいただいているものと承知してございますので、拡大治験、先進医療、ほかの制度で実施できるかできないかというところは、まさにこの会議で御審議いただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○五十嵐座長代理
 ありがとうございます。
 いかがでしょうか。
○上村(尚)構成員
 すみません、上村です。
○五十嵐座長代理
 どうぞ。
○上村(尚)構成員
 これは確かに根本的な話に戻ってしまうと、患者の申出が本当にあるのですかというところは、これは制度が始まったときからいろいろな場面で議論されてきたというのが、試験そのものは非常に複雑ですので、こういったものを、今回に至っては、特定の患者さんがいらっしゃるということではなくて、過去にいろいろな要望があって、それに応えるということで始まっていますので、厳密な意味で患者さんからの要望があったということではないのかもしれないですね。
 ですけれども、もともとこの制度が始まったのは、治験もやってないし、先進医療というところでもたどり着けないし、そういった患者さんに対して有効性、可能性があるのであれば、なるべく早く臨床を使ってさしあげる。そのデータをもって何らかの評価をして保険収載につなげていくような仕組みを構築すべきだろうというところに多分発端があったと理解しています。
 その中で、患者申出という言葉の使い方ですけれども、目の前にいる患者さんの要望に応えるという、そういう意味で多分患者申出というふうな言葉を解釈すれば、僕は、これが患者からの申出が聞こえてくるような気がするのですよ。目の前に、ある特定の患者さんがいるわけではないですけれども、こういったがんになった患者さんで、親御さんも含めてですけれども、actionableなドラッグが見つかったというときに、それが使えないのは、日本の制度の問題もあろうかと思いますけれども、非常に不幸なことだし、それが結果的に、今のドラッグ・ラグあるいはドラッグ・ロスというところまでつながってしまっているのですよね。
 制度の問題として、研究費の入り方とか、あるいは企業さんからの無償提供の問題とか、いろいろな制度的な問題はあろうかと思いますけれども、大きな枠組みとしては、僕は、これは患者申出療養の枠組みに入ると思います。その上で、制度的な問題を考えたときに、これは先進医療でやれますかというところです。治験はやってないですよね。これ一個一個を医師主導治験でやりますかといったときに、これはちょっとハードルが高過ぎてできないと思います。先進医療の枠組みに入るかというところですけれども、山崎先生おられますけれども、元先進の座長で、先進医療をマネージされてきたわけですけれども、基本的には、先進医療の枠組みは、エンドポイントが設定されていて、仮説設定がされていて、何らかの答えを出せるというようなことも一応前提にしています。なかなかちょっとグレーで、毎回その辺がちょっと曖昧になっているというところもあったかとは思いますけれども、一応そういった枠組みでやっています。
 今回の試験については、恐らく申請者のほうからも出ていますけれども、そこまでたどり着けないのではないかと思います。先ほど、何で30例なのですかという話が出ましたけれども、これも、また、物すごい根拠があるわけでは多分ないのだと思うのですね。30人ぐらいやれば、恐らく10%ぐらいの有害事象等を検出できる、そういう議論はできるかもしれませんが、恐らくがん種によっては3人しかいませんとか、がん種によっては5人しか、10人しかいませんという話でしか終わらない試験であることは最初から分かっています。であれば、何とかそこの10人なら10人の患者さんにこのactionableなドラッグがあるのであれば届けようと、そういうお話になると思います。
 では、これを特定臨床研究でやりましょうというと、臨床の立場からすると、これは厳密にこういった公的な場面で問われれば、全額自費という話になるのですね。つまり、混合診療はできませんので。現実的に患者さんの負担を考えると、非常に大変なことなので、研究費でそこが賄われて、実際のお子さんにそういった薬が使えるのであれば、それは許容範囲かなと私は思います。
 これからこういう患者申出療養がどんどん増えるかという懸念ですけれども、ありますかね。今まで、患者申出療養のこの会合自体が、案件がないということで流れたことも多々あるぐらいの調子でしか多分運用されていない制度です。そういった背景もありますので、どこにハードルがあるかというと、何でもいいので臨床試験をやります、だから、患者申出療養あるいは先進に行きますと、そういうふうな枠組みにはなってないので、保険収載というところの出口、戦略をもって、最終的には承認まで行くというところが前提にありますので、そうなると、今の制度で行くと、治験をやるか、先進に行くか、あるいは患者申出療養というところが評価系というところでありますので、その3つということになります。なので、そんなにたくさんのものがどんどん患者申出療養に来るとはちょっと思えないのですけれども、それは僕の個人的な感覚です。もしかしたら、皆さん御懸念されているところが感覚として違うのかもしれないのですけれども、明日からどんどん患者申出療養が増えるとはとても思えないのですが、いかがですかね。
○五十嵐座長代理
 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 辻先生、どうぞ。
○辻構成員
 一般の立場からというか、患者の立場からなので、専門的なところは分からないところはあるのですけれども、今回のパネルのところでは大人のほうで先にやっているところと同じで、先回りした対応ということかと思いますし、非常に例外的なところかと思いますけれども、大人のところでも議論があったかと思いますが、今回、患者の側からも、それから、医療の側から見ても、患者からの申出が当然予想されるところで、しっかりと先回りするというところで御提案があったものかと思っています。そういう意味で例外というところかと思っています。
 実際に、ほかの特定臨床研究がそのように利用されるのではないかという懸念もあるかとは思うのですけれども、もともと患者の申出がないとこの療養は使えないわけですから、そういう意味では特定臨床研究が患者の申出以外でこの場に流れてくるというのはあまり予想できないのかなという気もいたします。もし、そういうような流れがあれば、本当にこのような形で例外として扱うのかどうかをしっかりと審議する必要はあるかと思います。そういうことは、実際にあまりないのではないか。医療側からも患者側からもこういう要望が出ているというものが臨床研究としてあって、患者申出の制度に流れてくるというのはあまり予想できないという気もしております。
 それと、もう一つは、今回、研究費をAMEDからというところですけれども、研究費がAMEDから出るのか、大学の研究で独自でやるのか、あるいはどこかから出てくるのか、いろいろ資金があるとは思うのですけれども、資金の趣旨としておかしくないのであれば、患者のほうとしては、非常に負担があるわけですので、趣旨がおかしくなければ、そんなに問題がないのかなという気がしております。
 それと最後に、ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスの問題があるというところで、これも大きな原因の一つになっているとは思いますけれども、ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスの問題が患者申出療養で解決するべき問題とは思っておりませんが、一つの患者申出療養を利用する発端としては十分理由としてはあると思っております。
 以上です。
○五十嵐座長代理
 どうもありがとうございました。
 そのほか、御意見いかがでしょうか。
 それでは、検討結果の取りまとめをしてもよろしいでしょうか。
 恐れ入りますが、成川構成員と松井構成員におかれましては、御退出をお願いしたいと思います。
(成川構成員、松井構成員 退席)
○五十嵐座長代理
 ありがとうございます。
 データの取扱い、その他いろいろ御指摘はいただいたわけですが、基本的には、現時点で本技術の暫定的な評価としては、構成員の評価結果どおりとしたいと存じますが、よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長代理
 ありがとうございます。
 では、そのようにさせていただきます。
 それから、松井構成員を初め大変貴重な御指摘をいただきましたので、それに対する対応については、事務局のほうで、また検討をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 では、手良向構成員と成川構成員と松井構成員にお戻りいただいてよろしいでしょうか。
(手良向構成員、成川構成員、松井構成員 着席)
○五十嵐座長代理
 次に、事務局から「患者申出療養の中間報告について」の資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 「患-2」について説明さしあげます。
 患者申出療養「BRAF V600変異陽性局所進行・転移性小児固形腫瘍に対するダブラフェニブ・トラメチニブの第II相試験」に係る中間報告についてでございます。
 昨年12月22日に開催されました第36回患者申出療養評価会議における本技術の承認に際して、単施設での計画となっているが、予定症例数を確保するとともに、患者の利便性を向上させるため、早急に多施設共同研究に変更すべきであるとの御意見があり、半年経過時点での実施状況及び多施設共同研究へ変更手続きの状況を報告するべきとの指摘をいただいているところでございます。
 これについて、事務局より北海道大学病院へ照会を踏まえて、別紙のとおり回答をいただいたため、御確認いただきたいというところになります。
 「別紙1」御覧いただければと思います。
 事務局からの照会事項でございますが、問1「告示適用日から半年経過時点での、当該技術の実施状況を御教示ください」というところになります。
 8月20日現在、登録患者数は合計で4名となってございます。
 問2でございます。「多施設共同研究へ変更する準備状況について御教示ください」という質問に対して回答をいただいております。
 読み上げさせていただきます。
 多施設協力医療機関実施施設の追加に向けて、3月20日に参加予定施設である国立がん研究センター中央病院、京都大学医学部付属病院とカンファレンスを行い、いずれも参加希望の意向があり、多施設化に向けた試験実施体制の整備後に、正式な依頼を行うこととした。
 院内におけるデータマネジメント、モニタリングを含めた実施体制を整備し、5月より登録を開始。また、試験実施計画書・説明同意文書・アセント文書における手順・記載の明確化、その他の記載整備及び誤記の修正を行ったとあります。
 8月に国立がん研究センター中央病院へ、分担研究施設として参加を依頼し、責任医師と実務担当者を設定いただいた。今後、試験参加の準備を開始する。
という回答でございます。
 事務局の説明は以上でございます。御確認のほどよろしくお願いいたします。
○五十嵐座長代理
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
 よろしいですか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長代理
 ありがとうございます。
 続きまして、事務局から「試験実施計画の変更について」の資料が提出されております。2件ございます。まず1件目から御説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 「患-3」について説明さしあげます。
 「患者申出療養の試験実施計画の変更について」でございます。
 申請医療機関は北海道大学病院、患者申出療養としては、告示番号10。「ダブラフェニブ経口投与及びトラメチニブ経口投与の併用療法」。適応症としては、お示ししているとおりでございまして、「患-2」で御紹介した技術となってございます。
 試験の概要、実施期間、予定症例数、現在の登録状況については、記載のとおりでございます。
 変更内容でございますが、マル1「FDAで承認された以下の内容を追記するもの」。マル2「試験実施計画書・説明同意文書・アセント文書における手順・記載の明確化」。マル3「その他の記載整備及び誤記の修正」となってございます。
 変更申請する理由につきましては、マル1「FDAで、本療養が適応とする症例の一部が承認されたため」。マル2「多施設共同研究への移行に向けて、手順・記載の明確化、記載整備・誤記修正を行ったため」となってございます。
 御審議のほどよろしくお願いいたします。
○五十嵐座長代理
 ありがとうございました。
 本患者申出療養の実施計画の変更について判断が必要ということです。何か御質問・御意見はございますでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、告示番号10の技術につきましては、実施計画の変更を認めることとしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長代理
 ありがとうございます。
 もう一件資料がございますので、御説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 「患-4」について説明さしあげます。
 「患者申出療養の試験実施計画の変更について」でございます。
 申請医療機関は、国立がん研究センター中央病院。患者申出療養の名称としては、「タゼメトスタット経口投与療法」。適応症は、悪性固形腫瘍となってございます。
 試験の概要、実施期間、予定症例数、現在の登録状況については、お示ししているとおりでございます。
 主な変更内容としましては、併用禁止薬の変更。詳細は変更対比表を御参照ください。あと、付表の追加となってございます。
 変更申請する理由につきましては、企業からの指摘により変更となったものでございます。
 御確認いただければと思います。
○五十嵐座長代理
 ありがとうございました。
 本患者申出療養の実施計画の変更につきまして、何か御質問あるいは御意見ございましたら、お願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 では、検討結果の取りまとめを行いたいと思います。
 恐れ入りますが、松井構成員におかれましては、御退出をお願いいたします。
(松井構成員 退席)
○五十嵐座長代理
 では、告示番号11の技術については、実施計画の変更を認めることにしたいと存じますが、よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○五十嵐座長代理
 それでは、そのようにさせていただきます。
 松井構成員におかれましては、お戻りいただいてよろしいでしょうか。
(松井構成員 着席)
○五十嵐座長代理
 ありがとうございます。
 本日の議題は、残り「その他」になっております。事務局から何かございますか。
○医療課長補佐
 ありがとうございます。
 事務局からは特にございません。
○五十嵐座長代理
 全体を通しまして、構成員の先生方から何かございますでしょうか。
 それでは、次回の開催について、事務局から説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
 事務局でございます。
 次回は日程調整の上、後日連絡させていただきます。
○五十嵐座長代理
 それでは、第43回患者申出療養評価会議をこれで終了いたします。
 本日はどうもありがとうございました。

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