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2023年3月17日 患者申出療養評価会議議事録
○日時
令和5年3月17日(金)16:00~
○場所
オンライン開催
○出席者
【構成員等】
福井座長 五十嵐座長代理 天野構成員 磯部構成員 上村構成員 新谷構成員
田島構成員 辻構成員 寺田構成員 手良向構成員 直江構成員 松井構成員
山口構成員 山崎構成員 渡辺構成員 川村技術専門員
【事務局】
医療技術評価推進室長 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官
研究開発政策課長 研究開発政策課長補佐 がん・疾病対策課長補佐 他
○議題
1 患者申出療養に係る新規技術の科学的評価等について
(患-1)(別紙1)(参考資料1)(参考資料2)
2 小児がんのドラッグ・ラグに係る患者申出療養について
(患-2)(参考資料)
3 その他
○議事
16:00開会
○福井座長
それでは、定刻となりましたので、ただいまより、第38回「患者申出療養評価会議」を開催いたします。先生方におかれましては、お忙しいところ、御出席ありがとうございます。
最初に、構成員の皆様の出欠状況ですが、井上悠輔先生、成川衛先生の2名の先生方が欠席となっております。本日、お二人からは委任状の提出がございまして、議事決定につきましては座長に一任するとされています。
次に、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○医療課長補佐
座長、申し訳ございません。事務局の異動がありましたので、御紹介させていただければと思います。
3月1日付で事務局の異動がございましたので、御紹介させていただきます。
野村隼人研究開発政策課長補佐でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
頭撮りについては、ここまでにさせていただければと思います。
続きまして、資料でございますけれども、議題に沿って説明さしあげます。
「1 患者申出療養に係る新規技術の科学的評価等」につきましては、横置きの患-1がありまして、続いて縦置きの別紙1がございます。それに附属しまして、参考資料1、参考資料2を御準備してございます。
続いて、議題の2つ目「小児がんのドラッグ・ラグに係る患者申出療養について」につきましては、横置きの患-2、横置きの参考資料を御準備してございます。
資料の確認は以上でございますが、資料について、不足、誤り等がございましたら、事務局まで御連絡ください。
今回の患者申出療養評価会議におきましては、ウェブ上で行わせていただくこととしております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等については、送付させていただいた資料を閲覧していただきます。発言者は、会議資料(公開資料)のページ、またはタブレット資料(非公開資料)のページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上、助かりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○福井座長
資料等につきまして、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、今回、検討対象となります技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について事務局から説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
それでは、今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。
本日の検討対象となる技術等に関して、利益相反の対象者はございません。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○福井座長
ありがとうございます。
出席されている先生方におかれましては、このほか何か利益相反に関わる関係はないということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、続きまして、事務局から「患者申出療養に係る新規技術の科学的評価等について」の資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
それでは、議題1の「患者申出療養に係る新規技術の科学的評価等について」、説明さしあげます。
まず、患-1を御覧いただければと思います。1ページ目でございます。本日御審査いただく技術につきましては、整理番号15番、技術名は「胸部悪性腫瘍に対する経皮的凍結融解壊死療法の有効性・安全性に関する研究」となります。 適応症は、肺悪性腫瘍(転移性・原発性)、縦隔悪性腫瘍・胸膜悪性腫瘍・胸壁悪性腫瘍となってございます。使用します医療機器としましては、ボストン・サイエンティフィック株式会社による冷凍手術器(Visual-ICE)となっております。申請元となる臨床研究中核病院は、慶應義塾大学病院となってございます。費用等につきましては、資料にお示ししているとおりでございます。
審査担当構成員につきましては、主担当を直江構成員、副担当を田島構成員、上村構成員。また、技術委員としまして、帝京大学医学部外科学講座教授の川村先生にお願いしてございます。
事前評価の総評としては、「適」ということで御評価をいただいているところでございます。
続きまして、患者申出療養を実施可能とする保険医療機関の要件について御説明させていただきます。少し飛んでいただきまして、別紙1の32ページを御覧いただければと思います。保険医療機関の要件として考えられるものを記載いただいております。
まず「実施責任医師の考え方」としましては、診療科として呼吸器外科。資格は呼吸器外科専門医。当該診療科の経験年数及び当該医療技術の経験症例数は不要となってございます。
続きまして「医療機関の考え方」となります。診療科としましては、呼吸器外科、放射線診断科、放射線治療科、呼吸器内科。実施診療科の医師数が呼吸器外科2名以上、IVR専門医資格を有する放射線診断科医2名以上。他診療科の要件は放射線治療科2名以上、呼吸器内科2名以上。その他医療従事者の配置は、放射線技師、臨床工学技士。規模としましては、病床数といたしまして薬剤師が必要となってございます。規模としましては、病床数500床以上、7対1看護以上となっております。
「その他の考え方」としまして、頻回の実績報告は不要となってございます。
資料、別紙1の通し番号6ページ目にお戻りいただければと思います。本技術が、治験、拡大治験や先進医療といった他の制度で実施できない理由について、事務局より申請元である慶應義塾大学病院に確認しておりまして、次のような回答が得られてございますので、御紹介いたします。
凍結融解壊死療法で使用する機器(Visual-ICE)については、同一技術の類似製品(CryoHit)が「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」にて早期導入品目として選定されており、両機器の製造販売業者であるボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社が、日本インターベンショナルラジオロジー学会と連携し、海外における Visual-ICEの治験成績、当院における他社製品(CryoCare)による治療成績等をもとに作成した臨床評価報告書を使った適応拡大の薬事申請を準備中とのことです。今後PMDAと対面助言を実施し、2023年中に薬事承認申請を目指していると伺っております。
当院では、過去にCryoCareを用いた凍結融解壊死療法を受けた患者が複数存在し、現在本申出療養を希望している患者もそのうちの一人となっています。また、対象疾患の病態進行速度も比較的遅く、今後も本療法の施行を希望する患者が複数出てくる可能性が高いことから、Visual-ICEの適応拡大承認までの間、標準治療の適応ができない患者さんを救済する意味で患者申出療養での実施といたしました。
なお、今後、ボストン社が実施予定のPMDAの臨床試験要否相談にて臨床試験が必要と判断された場合は、治験等の計画が立案され実施可能となった段階で、本患者申出療養を取り下げます。との回答をいただいているところでございます。
事務局からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいま説明していただきました整理番号15の技術につきまして、事前評価について、主担当を直江構成員、副担当を田島構成員と上村構成員にお願いしております。また、技術専門員として川村委員に事前評価をお願いしております。
それでは、直江構成員より概要の説明と実施体制等の評価をお願いいたします。
○直江構成員
直江です。
それでは、今の別紙1の通しの1ページ目を御覧ください。申出の名称は「胸部悪性腫瘍に対する経皮的凍結融解壊死療法の有効性・安全性に関する研究」です。申請の機関は慶應義塾大学病院です。
今、既にお話があったように、この治療法は、局所麻酔下で、CTガイド下で、肺の悪性腫瘍。これは肺がんだけではなくて、転移性のものも、それから縦隔の悪性腫瘍、胸膜の悪性腫瘍、胸壁の悪性腫瘍等が含まれます。これに冷凍針を経皮的に刺しまして、それで腫瘍の凍結を行い、その後、融解を1サイクルとしまして、それを3回繰り返すということで、最終的に腫瘍の壊死を狙うという方法であります。
引き続いて、体制の評価に行ってよろしいでしょうか。
○福井座長
お願いします。
○直江構成員
それで、適応症としては、腫瘍一般に効果が認められるということで、妥当。
それから、有効性としましては、標準治療であります手術とか放射線の適応がないということ。あるいは、放射線とか手術に耐えられない。放射線の場合は2回3回とかけるわけにはいかないか、手術の場合には体力がない。そういう患者さんを主に対象にします。あと、今までの報告を見ますと、ほぼ手術に匹敵する効果が得られるようでございますが、大きなスタディーが非常に少のうございますので、十分なデータがあるかと言われると、まだまだ不足しているのではないかと考えました。
安全性に関しましては、経皮的に肺の腫瘍に針を刺しますので、例えば気胸であるとか、一定の合併症が生じますけれども、それは許容範囲と考えました。
技術的成熟度としましては、これは肺外科の先生と放射線診断医、IVRの専門医が協力して行うということで、このグループは数々の経験があるようでございますので、私はこれはBと判断いたしました。
社会的妥当性、倫理的問題は、特にございません。
現時点での普及性はC。この機械を使った、この治療法は、ごくごく限られたところでのみ行われておりますので、Cでございます。
将来の保険収載の必要性としましては、先ほど適応症のところでも言いましたように、標準的治療、手術、放射線の適応がない、あるいは治療法がかなわないという方を対象にしますので、治療のオプションが増えるということは大変いいことではないかと思いますので、保険収載を行うことは妥当と判断しました。ただ、適応とか手技については、まだまだ普及しておりませんし、米国のほうでも標準的治療という位置づけではまだないと思いますので、今後、ガイドライン等によって定める必要がある。それから、合併症も一定ありますので、施設基準というものを考えていただいたほうがいいのではないかということを書かせていただきました。
以上でございます。
○福井座長
その下もお願いいたします。
○直江構成員
ごめんなさい。ということで、先ほど事務局からありましたように、責任医師、実施医療機関については、いずれも適と判断したところでございます。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
続きまして、実施体制の評価の結果につきまして、技術専門員の立場から、川村先生より説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○川村技術専門員
川村でございます。
私も直江先生とほぼ同等の評価をさせていただいております。
適応症としては、妥当だと考えてございます。
そして、有効性のところでございますけれども、適応疾患の範囲が、いわゆるキュアが目指せるような小型の腫瘍に限定することなく、手術、放射線あるいは化学療法の適応外となっている、かなり大型の腫瘍を対象に含めておりますので、ここにおいて、従来の治療法との比較というのはなかなか難しくて、より有効であるというデータは多分出てこないだろうと判断いたしました。このような場合には、ある程度腫瘍が縮小すればいい、あるいは増大が止まればいいということになってこようかとも思いますので、そういう意味では、有効性としては、従来の技術より有効であることは期待できないまでも、その他として、より低侵襲であるということを付加すれば、同等の効果、プラス低侵襲という形が期待できるのではないかという書き方にさせていただきました。
安全性に関しましては、既に直江先生がおっしゃいましたように、合併症は一定のものが発生することは当然予想されますけれども、これまでの経過から見ましても許容範囲のものである。この手の治療に伴う副作用としては、許容範囲のものであると考えますので、Bで附帯条件をつけさせていただきました。
技術的な成熟度に関しましては、直江先生と同じでございまして、Bでございます。
社会的妥当性はA。
それから、現時点での普及性はC。これも同じでございます。
そして、将来の保険収載の必要性に関しましては、私もガイドラインのようなものがないと、こういう新しい技術というものの普及はなかなか難しいのではないか。あと、施設基準も、呼吸器外科医、そしてIVRを専門とする放射線の診断医の組合せというものはある程度必要ではないかと思いますので、施設基準の作成も必要だろうと考えた次第でございます。
そして、その次、同意に係る手続き、同意文書は飛ばしてしまったのですが、これはどちらも適ということにさせていただきたいと思います。
以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
続きまして、倫理的観点からの評価を田島構成員よりお願いいたします。
○田島構成員
田島でございます。
まず、同意に係る手続、同意文書につきまして、会議資料別紙1の10ページから11ページにかけまして、指摘事項2番から8番の内容の指摘をさせていただいております。
主立ったところを御説明いたしますと、10ページ、指摘事項2のところで、個人情報の保護に関する項目につきまして、個人と符号を結びつける対応表の保管者を特定していただきました。
また、プロトコルに記載がありながら、説明文書に記載がございませんでした、個人が特定できない形でデータを2次利用することがあり得ること、また、ボストン社に情報を提供する可能性があることを追記していただきました。
11ページの指摘事項4でございますが、補償内容に補償金の記載が漏れていましたので、これを追記していただきました。
また、次の指摘事項5で、試験参加の同意撤回時に、情報の利用に関する撤回もできるという記載が説明文書にありながら、同意撤回書のほうに、その選択の記載が漏れておりましたので、これを追記していただきました。
そのほか、記載に関します細かい点も修正していただきました。
その結果、全て適切に修正がなされましたので、適としております。
次に、補償内容でございますが、臨床研究保険に加入し、補償金、医療費、医療手当が適切に措置されておりますので、これも適といたしました。
以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
続きまして、試験実施計画書等の評価につきまして、上村構成員より説明をお願いいたします。
○上村構成員
よろしくお願いします。
それでは、今の別紙1の続きを説明させていただきたい。私のほうからは、6番から16番で、現時点で適とさせていただきました。しっかりとした計画に基づいて提案されていますので、特に問題ないのですけれども、実は10番の有効性と安全性の評価方法につきましては、一旦不適とさせていただいたものを適と訂正させていただいたという背景がございますので、そこも含めて御説明したいと思います。
コメントにも書いておりますけれども、今回想定している適応症としましては、肺の悪性腫瘍、転移性・原発性のもの。それから、3.5cm以下のもの。それから、縦隔悪性腫瘍、胸膜悪性腫瘍、胸壁悪性腫瘍、これらについては10cm以下、少しサイズが異なります。といったものが適応症になっているということです。いずれも標準治療の適応がない症例であるということが前提となります。
肺の悪性腫瘍については、海外の研究も含めてですけれども、先行研究で比較的良好な安全性、それから有効性が報告されておりますけれども、縦隔の悪性腫瘍、胸膜悪性腫瘍、胸壁の悪性腫瘍等についての報告は、より限定的なものであるかと思いますので、特にこの10cmに近いような腫瘍をお持ちの患者さんをこの研究に組み入れることが適切かどうかという議論は、この会議の中でもしておく必要があるかと思いました。
類似した研究を、この申請者の先生方は、慶應大学病院ですけれども、もう既になさっております。特に縦隔の悪性腫瘍等につきましても、一定の経験をお持ちということで、この研究をこの体制でなさることについては可能かと判断しましたが、これを施設要件として、ほかの施設、一度もこういった研究・診療をやったことがない施設にまで広げて一般化できるかということに対しても、少し議論していく必要があるかと思います。現時点では、慶應大学病院でなさるということですので、特に今までの経過、御経験もあるということですので、特に問題としてはおりませんけれども、ちょっと注意が必要な点かと思いました。
提案されている治療計画では、組入れの患者数は20例まで、観察期間につきましても1年ということです。下のほうに行っていただくとありがたいのですけれども、私、最初にこの研究の提案を拝見したときに、本来であれば患者申出療養ではなくて、しっかりと技術の安全性あるいは有効性について、より検証的なレベルで評価する必要があると感じましたので、企業治験とか、できないのであれば医師主導治験も含めて考慮すべきテーマであろうかと考えました。
申請者からの情報によりますと、製造元のほうでは、学会とも連携しながら、別のルートで承認を目指しているということでありますので、今回の申請者の立場としては、提案されている、この患者申出療養は、あくまでもこの技術が薬事承認を得られるまでの間のつなぎとして位置づけられているということかと思います。
そういった前提においては、少数の患者さんを対象として、1年までの短期間のデータ収集で収めておくということは妥当かと思いますけれども、一方で、先行研究等では、5年間の局所腫瘍制御割合、あるいは5年を超える全生存率等が報告されております。患者申出療養として1年までの安全性・有効性を一旦まとめていただくということは、適切なことだと思いますけれども、長期的な経過、特に全生存率、5年がいいかどうか分かりませんけれども、長期的な生存率とか長期的なレベルでの局所腫瘍制御割合についても評価しておくべきかと思いますので、ここについては、別途、観察研究等を組まれることが望ましいのではないかということで、意見をさせていただきました。
ちょっと細かいのですけれども、プロトコルの中で、局所制御ということについて明確な定義がされておりませんでした。そこについては、先行研究等では、直径が20%、これは直径ということですので、ボリュームという意味ではなくて長さということだと思います。直径20%を超える増大があれば、1回フェイルであり、それを超えていなければコントロールという考え方が一般的のようですので、そういったところも含めて、少し明確化してくださいということでお願いしております。
そういった指摘を、事務局を通して研究者のほうにさせていただきましたところ、研究者のほうからは、観察研究も含めて、しっかり別途、長期的な有効性と安全性についても評価していくということと、プロトコルの記載に関しての明確化をしていただくということが確認できましたので、全体として全ての項目に適をつけさせていただきました。
評価としては以上なのですけれども、追加のコメントとしては、構成員の先生方にも御承知いただきたいのですけれども、私の理解では、機械そのものは確かに米国のFDAの承認を得ているということだと思いますけれども、米国の場合は、多分、機器としての承認はしていても、それぞれの疾患に対して限定して適応を取っているということではないと理解しています。もしかしたら私の理解が違うのかもしれませんけれども、いずれにしても、例えば肺がんに対して、この治療法が有効である、あるいは安全性が確立しているかということについては、まだデータも限定的ということだと思いますので、しっかりとした評価は必要だということかと思います。
データを見てみますと、イメージとしては、割かし制御されていて、転移性の肺がんとかでもコントロールできるような時代が来たのかなということを感じるようなデータが出ていますけれども、限定されたデータであるということと。ほかにもこういった外科的な、あるいは非侵襲的な外科手技以外にも、分子標的薬の出現とかチェックポイント阻害薬の出現であるとか、いろいろな背景があって予後が改善していることもあると思いますので、この事実そのものの評価というのは難しいですけれども、しっかり見ていく必要があるかなと思っております。
今回、患者申出療養ということで、慶應大学を中心にしてやられるということなのですけれども、懸念材料としては、この技術をほかの施設でもやりたいという御希望をされるところは、多分、今後出てくるだろうし、そういったときに、今の制度設計上でありますと、申請されてくると複数の研究が立つということも十分考えられますし、あと、場合によっては、自由診療でやられたりすると、国内でいろいろな患者さんがいろいろな形でばらばらに評価されることになる可能性もあるかと思います。そこは、すごく大きな懸念かなと思っています。
なので、せっかくこういった研究を立ち上げてこられたわけですので、製造元ともしっかりと連携されて、学会ともしっかり連携して、国全体でこの治療法が本当に患者さんにとってのベネフィットがあるか、それから、安全に施行できるかというところを評価していくような努力をしていただきたいなと思いました。
私からは以上になります。
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、ただいまの項目でいうと、1~16の総評につきまして、主担当の直江構成員よりお願いいたします。
○直江構成員
総評としましては、今まで御説明がありましたように、今回、慶應義塾大学病院から出た、この技術に関しましては、適ということを判断させていただきました。
以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいま4名の先生方、直江構成員、田島構成員、上村構成員、川村技術専門員から説明を受けましたけれども、構成員の先生方から何か御質問がもしございましたら、最初にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
山口先生、どうぞ。
○山口構成員
どうもありがとうございました。
ちょっとお伺いしたいのですけれども、この治療法は日本では何か所かでやっていて、ホームページで見たのですけれども、自由診療でやっているところもありますし、全身麻酔でやっているところもあったり、技術的には非常にばらばらな印象を受けます。慶應の200例か300例、先行の症例がありますけれども、これは一体どういう形で行われたのか。幾つかの研究計画があって、それが取りまとめられたものなのか、あるいは自由診療としてやったものを単に取りまとめられたものか、その辺りはどうなのでしょうか。
○福井座長
事務局のほうで把握しておりますでしょうか。
○山口構成員
つまり、慶應で始めたときに、100例、こういう形でやって何を評価するという計画書をきちんとつくって、やった結果をペーパーにしているのか、あるいはずっと何となく続けていって、それをあるところで取りまとめたものなのかという辺り、はっきりしなかったので、ちょっと教えていただきたいのです。
○福井座長
お願いします。
○川村技術専門員
川村です。
私は、今、帝京大学で医学部長をやっておりますけれども、当時は慶應におりましたので見ていましたから、ある程度知っていますけれども、前向き研究でやっていまして、ある程度プロトコルを決めてやっていました。ですから、論文にまとまっている100例とか300例というものについては、プロトコルに従って行われたものですということはお答えできます。
○福井座長
ありがとうございます。
○医療課長補佐
すみません、事務局として、その辺り、しっかり承知してございませんので、改めて確認させていただければと思います。申し訳ございません。
○福井座長
どうぞ。
○山口構成員
もう一つ、技術的な成熟度について質問したときに、慶應は長いことやっていて、放射線科の先生に技術的に優れた人がいて、その人が中心にやっていたので、成熟度は問題ないという回答があったと思うのですけれども、むしろその人しかできないのであれば、成熟度はまだ低いと言わざるを得ないので、全く経験のない診療科と一緒にやって、全く経験のない人でもやってもいいという根拠にならないのではないでしょうか。結構な合併症も出ていますし、気胸も1%以上認められるので、必ずしも合併症の少ない技術ではないと思います。その辺りを、本当に技術的な成熟度を確認されないままやることがいいのでしょうか。
研究計画をしっかりしてやられたのであれば、例えば術者によっての合併症の差がなかったのかとか、今までの経験の中で技術的には大丈夫ということが担保されるのかどうかということも、一度聞いていただいたほうが安全じゃないかなと思いました。
○福井座長
ありがとうございます。
○医療課長補佐
改めて、その辺り、慶應義塾大学としっかり協議してお伝えさせていただきます。ありがとうございます。
○福井座長
別紙1の7ページの真ん中付近に引用論文がございまして、3)が慶應義塾大学で366件の肺腫瘍に対する凍結融解壊死療法を行った結果のようでして、retrospective cohort studyと書いてありますけれども、そこに有害事象が1.4%等のデータは一応発表されているようではあります。いずれにしても、今、山口先生がおっしゃったようなことについても、データがあるか、また問い合わせをするということはしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
どうぞ、山崎先生。
○山崎構成員
今の気胸について、ちょっとコメントというか、お伺いしたいことがございまして、1つは、事前に送っていただいた実施計画書、39ページまであるやつの27ページに有害事象が記載されています。その中では、気胸が6例のみなのです。このSolsticeという試験の論文も送っていただいたので、ちょっと見させていただいたのですけれども、実は気胸は6例ではなくて、ドレーン留置が必要な気胸が44例生じていて、そのうちの6例がグレード3以上と出ているのですね。なので、ドレーンが必要な気胸自体は20%以上に生じていますので、かなり有害事象が多いのかなという印象を持たせていただきました。この実施計画書には、そのことが触れられていないですね。
一方で、患者さんへの説明を見ると、気胸が20%生じるとか、ドレーン留置が11%生じるという記載もあって、これは自験例のようですけれども、それは恐らく先ほど御紹介のあった慶應大学の論文の中で紹介されているのだと思うのですけれども、ちょっと誤解を招くような有害事象の頻度になってしまっているので、この辺りを明確に記載していただければいいのかなと感じました。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
恐らくドレナージが必要な気胸であっても、許容範囲という言い方で恐らく。
○山崎構成員
そうです。グレード3未満だったということだと思うのです。ただ、ドレーン留置の気胸というのは相当なものじゃないかなと、臨床医としては感じるところもありまして、いずれにしても、それを明確に書いていただければいいのかなと思いました。計画書を見ると、3%しか気胸が起こらないようにも読み込めますので。
○福井座長
ありがとうございます。
上村先生、どうぞ。
○上村構成員
上村です。
気胸については、今、御指摘のとおりで、結構出ているのです。それで、海外のデータでもその辺はかなり、有害事象の中では注目すべき有害事象だと、当然認識されています。数字も、実は比較的ばらばらというか。ただ、かなり高率で出ることは当たり前といえば当たり前で、肺を突き刺すわけですから、出ているようです。
では、この技術がどうかということについては、もう少し検討する必要があるかと思いますけれども、針自体はちょっと小さくなっているらしいので、まだデータとしては出尽くしたところはないのかもしれませんけれども、先行の研究を参考にすれば、注意はすべきだし、かなりの高率で出るということは間違いないと思います。
○福井座長
ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、検討結果の取りまとめを行いたいと思います。いかがでしょうか。ただいま手技の安全性についての疑問が呈されまして、事務局で慶應義塾大学のほうに確認のデータを出していただくという手順を踏むということで、最終決定はその問合せの結果を踏まえてということにさせてもらうことになると思いますが、いかがでしょうか。そういうことでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○福井座長
それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
川村先生は、技術専門員として御多忙のところ評価していただきまして、ありがとうございました。これにて御退室ということになると思いますので、ありがとうございました。
○川村技術専門員
どうもありがとうございました。失礼いたします。
(川村技術専門員退室)
○福井座長
それでは、次の議題に移りたいと思います。事務局から「小児がんのドラッグ・ラグに係る患者申出療養について」の資料が提出されております。説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
それでは、患-2に沿って説明をさしあげます。「小児がんのドラッグ・ラグに係る患者申出療養について」というものでございます。
まず、現状と課題でございます。
海外において小児がんを適応として薬事承認されている医薬品が、日本国内で薬事承認されておらず使用できない、いわゆる「ドラッグ・ラグ」が課題とされているところでございます。
患者申出療養評価制度を活用し、がん遺伝子パネル検査に基づいた遺伝子異常に対して、適応外薬を投与する臨床研究が開始されているところでございます。こちらについては、国立がん研究センター中央病院によるマルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療というものになります。しかし、当該研究の枠組みは国内で用法・用量が定められている医薬品を対象としており、小児を適応としたものは限られているところでございます。
国内での小児の用法・用量のない医薬品について、海外の添付文書・治験データによる安全性・有効性の確認や、製販企業等との薬剤調達の交渉を行うことが、そういった申請医療機関の負担となっているというところを専門家の御意見として伺っているところでございます。
今後のスケジュールについてになりますが、上記のような課題を踏まえて、国立がん研究センターにおいて、小児・AYAがんに対して遺伝子パネル検査を実施し、小児において一定の安全性を持つ適応外薬あるいは未承認薬の安全性及び有効性の評価を目的とした臨床研究が開始予定です。こちらにつきましては、令和5年度からのAMEDの研究資金獲得のめどがたっているところでございまして、令和5年度から研究が開始されるところでございます。
本研究は、患者申出療養制度を活用して、同病院が国内での小児の用法・用量のない医薬品のプロトコルの確認を担い、同プロトコルを基に医薬品の投与を多施設において提供を可能とする多施設共同研究を予定しているところでございます。まさに研究資金につきましては、調達のめどが立ったというところになりまして、これから研究計画自体は策定されるところでございます。
また、具体的な研究計画について、国立がん研究中央センター病院における認定臨床研究審査委員会で審査を予定されておりますし、その後、本会議に申請がなされた場合には、本会議で適切に御評価、御審査いただければと思ってございます。国立がん研究センター中央病院としましては、可能であれば来年1月から実際の患者さんへの投与を開始するようなスケジュールで進めていければという考えであるということを聞いているところでございます。
続いて、参考資料がございますが、こちらは現時点の研究計画になっているところでございます。まだ、研究計画につきましては策定しているところでございますので、左上には「未定稿」とさせていただいているところでございます。
今、申し上げたようなところが特徴になりますけれども、1点、特徴でございますのは、薬物動態データというところも研究費の中で一部測定して、患者申出療養評価制度の中で実際の薬事承認に耐え得るデータもしっかり取っていきたいというという、国立がん研究センター中央病院の考えを伺っているところでございます。
2枚目は、イメージ図になりますけれども、こういった研究の枠組みの中で複数の薬剤を準備し、患者さんが対象となった場合には、遺伝子異常があるお薬を小児がんの方に投与できるような研究体制を組むことを想定されていると伺ってございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、お願いいたします。
五十嵐先生、何かコメントございますでしょうか。
○五十嵐座長代理
ありがとうございます。
小児用薬一般に、大人に比べますと、日本では使用制限がかなりあります。いろいろ認められていない薬を実際には使っているという実態がありました。それに対して、未承認薬検討会議を厚生労働省が開いてくれまして、一般薬に関しては、海外と比較してもそれほど大きな差がなくなってきてはいるのですけれども、残念ながら小児がんの抗がん薬につきましては、そういう状況にありません。というのは、日本では15歳未満で血液の悪性腫瘍になる患者さんは年間1000人ぐらいです。同じく15歳未満で小児の固形悪性腫瘍、固形がんになるのが1000人ぐらいで、2000人ぐらいしか市場規模がないわけです。これを20歳までに延ばしたとしても3500人ぐらいですので、大人のがんに比べると患者さんが非常に少ないということがありまして、残念ながら日本でこの5年から10年ぐらいの間で小児用の抗がん薬の承認が非常に遅れています。
御存じのように、米国では新薬の承認の際には、小児での治験をすることが義務になっているわけですけれども、日本ではそういう状況ではありませんので、特に小児がんの薬がこの5年から10年ぐらいの間で、海外と日本で差が出てしまっているという状況ではないかと思います。
そういう中で、今回、国立がん研究センターが中心になりまして治験を始めていただける体制をつくっていただいたことは、小児がんの治療薬の選択が増えるということで、救命率も上がるのではないかと思いますので、大変期待しているところです。どうぞよろしくお願いいたします。
○福井座長
ありがとうございます。
天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
ありがとうございます。
小児がんのドラッグ・ラグに対する患者申出療養での今回の対応について、昨年の患者申出療養評価会議で私からも検討をお願い申し上げていたことですが、早速に御対応いただきまして、ありがとうございます。
いわゆる小児がんのドラッグ・ラグについては、昨年10月になりますが、小児がん患者会ネットワークから、小児がん治療薬剤の開発促進および、ドラッグ・ラグの解決を求める要望書が加藤厚生労働大臣に手交されておりまして、その中でも、がん遺伝子パネル検査で効きそうな薬が見つかった場合には、小児がん患者に対しても最適な分子標的薬を使えるようにしてくださいという要望も出されております。今回の患者申出療養は、こういった小児がん患者団体からの要望にも応えるものですし、また期待も大きいと思いますので、しかるべき審査を経た上で早期に実施していただきたいと願っております。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
松井構成員、どうぞ。
○松井構成員
先ほどの説明で研究をする必要があるということは分かっているのですけれども、これは多分、もともとAMEDで申請されたものですね。今後のスケジュールのところに書いてありますけれども、令和5年度からがんセンターの小川先生がAMEDの研究費を取ってされるのですけれども、このタイトルに既に「患者申出療養制度に基づく」ということが書かれているというのが、非常に奇妙な気がいたします。
というのも、もともと研究費を取ってやるのであれば、患者申出療養の枠でしなくて、本来、AMEDの研究費の枠でやるべき話ではないかと思います。なぜかといいますと、患者申出療養の場合は、もちろん研究の枠組みでやりますけれども、研究資金となる大半を患者が負担する、被験者のほうが負担するというスキームになりますので、もともと研究としてAMEDの研究費を取ってやろうと言っているのに、その研究費を患者さんのお金をそもそも期待して行うというのは、本来の患者申出療養の制度に反するものではないかと思います。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
いかがでしょうか。
直江先生、今の点についてでしょうか。お願いします。
○直江構成員
今、松井構成員から御指摘の点は、私もちょっと感じているところです。要するに、この患者申出の未定稿のスライドを見ても少し違和感があるなと思っているのは、結局、最終的にはPKデータを取得することを目的とすると2行目に書いてございますし、主要評価項目としてはDLT、つまり各薬品において、どこまで薬を上げていけるのかを調べましょうという。これは、要するにフェーズ1スタディーを小児でもやりましょうということで、私は小児でもドラッグに対するルートが開かれたということで、薬事承認に行くということは大変よかったのではないかと思いますが、今のお話のとおり、患者申出療養という制度を使いながらフェーズ1をやるというのは、そもそもの患者申出療養と言っている制度の趣旨から言うと大分ずれているのではないかと思っています。
私は、前から患者申出療養というものが制度的にちょっと無理筋のところがだんだん増えてきたなということを言うことが何回かあったのですけれども、この制度も内容はいいのですけれども、この療養制度の中でやるのかなということについては、ちょっとどうなのだろうと言わざるを得ないということで発言させていただきました。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいまの点につきまして、いかがでしょうか。ほかに御意見ございますでしょうか。
事務局から何かございますか。
○医療課長補佐
事務局でございます。
今、いただいた御意見のところ、また国立がん研究センター等ともしっかり調整しながら、お答えできるような内容で調整させていただきたいと思ってございます。貴重な御意見ありがとうございます。
○福井座長
辻構成員、どうぞ。
○辻構成員
ありがとうございます。
今回のパネル検査の件、以前より、大人のほうでも実施されていると思うのですけれども、少し先回りをして患者さんの申出を待つ、という形を取られているのかと思っております。この背景にあるのが、先ほど天野先生もおっしゃっていましたけれども、患者会からの要望が非常に強いというところもあると思いますので、そういう意味では、先回りをしてというところで、AMEDさんとの関係もあるかとは思うのですけれども、それなりの御要望をある程度見越して設計されたものというふうに考えて捉えております。
そういう意味では、私も患者会のほうで活動しておりますけれども、小児がんの患者会さんも入っており、要望が強いことを十分認識しておりますので、少し先回りしてというところが大人の設計と同じというところで、ちょっと前向きに考えてもいいのかなと思っております。
以上、意見でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
少し補足で申し上げたいと思います。先生方から貴重な御意見ありがとうございました。
今回の提案につきまして、これまでNCCH1901という受け皿試験において、小児のコホートが少なくて、小児の方にアクセスできないという問題があったかと思います。そのときに、現場の先生方の御意見としては、小児の用法・用量が設定されていないコホートについて、それを一から現場の医師が設定して進めることはなかなか難しいという意見をいただいておりました。今回の提案といいますのは、PKデータを収集すると、こちらの未定稿のポンチ絵には書かれているのですけれども、今回の提案の後に、企業治験や医師主導治験などが予定されております。ですので、あくまで企業治験や医師主導治験が後にあって、それで薬事承認を目指すというところは設定されているものになります。
一方で、そのような薬剤の投与量の設定に関するデータや根拠が何もない中で、NCCH1901のいわゆる受け皿試験という大人のものの中で、これまで小児のアクセスが悪かったということを踏まえて、どうやったら小児の方でもアクセスできるようにできるかというところで、このような案として提示いただいているものと事務局としては理解しております。
以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
どうぞ、直江先生。
○直江構成員
私は、やる内容については問題ないのだけれども、なぜ医師主導治験でできないのか、あるいは先進医療でできないのかという、そこはどうなのですか。ちょっとだけ説明していただけますか。
○医療課長補佐
事務局でございます。
こちらは、まだ国立がん研究センター中央病院からという回答ではないと思いますので、あくまで事務局の一私見と受け止めていただければと思いますけれども、個々の薬剤につきまして、用法・用量の策定について、また症例数も非常に少ないというところから、個別の先進医療であったり、医師主導治験、また治験を立ち上げるということが、製販企業との交渉ということもなかなか困難であるということは聞いているところでございます。そういうところにおきまして、こういった患者申出療養の中の枠組みを使って、国立がん研究センター病院がプロトコルの確認を一手に担っていただきながら、少なくともこの症例ベースでもデータを蓄積していくような研究が策定されているものと理解してございます。
詳細な正式な回答というところは、また研究計画を策定していく中でしっかり準備してまいりたいと思いますが、取り急ぎ、事務局の担当者としての考えを申し上げたところでございます。
以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、この案件につきましては、国立がん研究センターとも相談して、ただいま提示されました疑問点について回答を作成した上で、また御議論いただきたいと思いますけれども、そういうことでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○福井座長
ありがとうございます。それでは、この議題2については、そのような取扱いとさせていただきます。
本日の議題は、残りは「その他」となっております。事務局から何かございますでしょうか。
○医療課長補佐
事務局でございます。
特に案件、内容はございません。
○福井座長
構成員の先生方から、進め方でも結構ですし、何か御意見、報告なり、ございませんでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。
それでは、次回の開催について事務局から説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
次回は日程調整の上、後日連絡させていただきますけれども、本日、御審議いただきました新規技術につきましては、回答が届き次第、開催の仕方等につきましては、座長ともまた相談させていただいて連絡さしあげたいと思います。
以上でございます。
○福井座長
それでは、第38回「患者申出療養評価会議」を終了いたします。本日は、御多忙の中、ありがとうございました。
以上でございます。
令和5年3月17日(金)16:00~
○場所
オンライン開催
○出席者
【構成員等】
福井座長 五十嵐座長代理 天野構成員 磯部構成員 上村構成員 新谷構成員
田島構成員 辻構成員 寺田構成員 手良向構成員 直江構成員 松井構成員
山口構成員 山崎構成員 渡辺構成員 川村技術専門員
【事務局】
医療技術評価推進室長 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官
研究開発政策課長 研究開発政策課長補佐 がん・疾病対策課長補佐 他
○議題
1 患者申出療養に係る新規技術の科学的評価等について
(患-1)(別紙1)(参考資料1)(参考資料2)
2 小児がんのドラッグ・ラグに係る患者申出療養について
(患-2)(参考資料)
3 その他
○議事
16:00開会
○福井座長
それでは、定刻となりましたので、ただいまより、第38回「患者申出療養評価会議」を開催いたします。先生方におかれましては、お忙しいところ、御出席ありがとうございます。
最初に、構成員の皆様の出欠状況ですが、井上悠輔先生、成川衛先生の2名の先生方が欠席となっております。本日、お二人からは委任状の提出がございまして、議事決定につきましては座長に一任するとされています。
次に、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○医療課長補佐
座長、申し訳ございません。事務局の異動がありましたので、御紹介させていただければと思います。
3月1日付で事務局の異動がございましたので、御紹介させていただきます。
野村隼人研究開発政策課長補佐でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
頭撮りについては、ここまでにさせていただければと思います。
続きまして、資料でございますけれども、議題に沿って説明さしあげます。
「1 患者申出療養に係る新規技術の科学的評価等」につきましては、横置きの患-1がありまして、続いて縦置きの別紙1がございます。それに附属しまして、参考資料1、参考資料2を御準備してございます。
続いて、議題の2つ目「小児がんのドラッグ・ラグに係る患者申出療養について」につきましては、横置きの患-2、横置きの参考資料を御準備してございます。
資料の確認は以上でございますが、資料について、不足、誤り等がございましたら、事務局まで御連絡ください。
今回の患者申出療養評価会議におきましては、ウェブ上で行わせていただくこととしております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等については、送付させていただいた資料を閲覧していただきます。発言者は、会議資料(公開資料)のページ、またはタブレット資料(非公開資料)のページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上、助かりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○福井座長
資料等につきまして、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、今回、検討対象となります技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について事務局から説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
それでは、今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。
本日の検討対象となる技術等に関して、利益相反の対象者はございません。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○福井座長
ありがとうございます。
出席されている先生方におかれましては、このほか何か利益相反に関わる関係はないということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、続きまして、事務局から「患者申出療養に係る新規技術の科学的評価等について」の資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
それでは、議題1の「患者申出療養に係る新規技術の科学的評価等について」、説明さしあげます。
まず、患-1を御覧いただければと思います。1ページ目でございます。本日御審査いただく技術につきましては、整理番号15番、技術名は「胸部悪性腫瘍に対する経皮的凍結融解壊死療法の有効性・安全性に関する研究」となります。 適応症は、肺悪性腫瘍(転移性・原発性)、縦隔悪性腫瘍・胸膜悪性腫瘍・胸壁悪性腫瘍となってございます。使用します医療機器としましては、ボストン・サイエンティフィック株式会社による冷凍手術器(Visual-ICE)となっております。申請元となる臨床研究中核病院は、慶應義塾大学病院となってございます。費用等につきましては、資料にお示ししているとおりでございます。
審査担当構成員につきましては、主担当を直江構成員、副担当を田島構成員、上村構成員。また、技術委員としまして、帝京大学医学部外科学講座教授の川村先生にお願いしてございます。
事前評価の総評としては、「適」ということで御評価をいただいているところでございます。
続きまして、患者申出療養を実施可能とする保険医療機関の要件について御説明させていただきます。少し飛んでいただきまして、別紙1の32ページを御覧いただければと思います。保険医療機関の要件として考えられるものを記載いただいております。
まず「実施責任医師の考え方」としましては、診療科として呼吸器外科。資格は呼吸器外科専門医。当該診療科の経験年数及び当該医療技術の経験症例数は不要となってございます。
続きまして「医療機関の考え方」となります。診療科としましては、呼吸器外科、放射線診断科、放射線治療科、呼吸器内科。実施診療科の医師数が呼吸器外科2名以上、IVR専門医資格を有する放射線診断科医2名以上。他診療科の要件は放射線治療科2名以上、呼吸器内科2名以上。その他医療従事者の配置は、放射線技師、臨床工学技士。規模としましては、病床数といたしまして薬剤師が必要となってございます。規模としましては、病床数500床以上、7対1看護以上となっております。
「その他の考え方」としまして、頻回の実績報告は不要となってございます。
資料、別紙1の通し番号6ページ目にお戻りいただければと思います。本技術が、治験、拡大治験や先進医療といった他の制度で実施できない理由について、事務局より申請元である慶應義塾大学病院に確認しておりまして、次のような回答が得られてございますので、御紹介いたします。
凍結融解壊死療法で使用する機器(Visual-ICE)については、同一技術の類似製品(CryoHit)が「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」にて早期導入品目として選定されており、両機器の製造販売業者であるボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社が、日本インターベンショナルラジオロジー学会と連携し、海外における Visual-ICEの治験成績、当院における他社製品(CryoCare)による治療成績等をもとに作成した臨床評価報告書を使った適応拡大の薬事申請を準備中とのことです。今後PMDAと対面助言を実施し、2023年中に薬事承認申請を目指していると伺っております。
当院では、過去にCryoCareを用いた凍結融解壊死療法を受けた患者が複数存在し、現在本申出療養を希望している患者もそのうちの一人となっています。また、対象疾患の病態進行速度も比較的遅く、今後も本療法の施行を希望する患者が複数出てくる可能性が高いことから、Visual-ICEの適応拡大承認までの間、標準治療の適応ができない患者さんを救済する意味で患者申出療養での実施といたしました。
なお、今後、ボストン社が実施予定のPMDAの臨床試験要否相談にて臨床試験が必要と判断された場合は、治験等の計画が立案され実施可能となった段階で、本患者申出療養を取り下げます。との回答をいただいているところでございます。
事務局からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいま説明していただきました整理番号15の技術につきまして、事前評価について、主担当を直江構成員、副担当を田島構成員と上村構成員にお願いしております。また、技術専門員として川村委員に事前評価をお願いしております。
それでは、直江構成員より概要の説明と実施体制等の評価をお願いいたします。
○直江構成員
直江です。
それでは、今の別紙1の通しの1ページ目を御覧ください。申出の名称は「胸部悪性腫瘍に対する経皮的凍結融解壊死療法の有効性・安全性に関する研究」です。申請の機関は慶應義塾大学病院です。
今、既にお話があったように、この治療法は、局所麻酔下で、CTガイド下で、肺の悪性腫瘍。これは肺がんだけではなくて、転移性のものも、それから縦隔の悪性腫瘍、胸膜の悪性腫瘍、胸壁の悪性腫瘍等が含まれます。これに冷凍針を経皮的に刺しまして、それで腫瘍の凍結を行い、その後、融解を1サイクルとしまして、それを3回繰り返すということで、最終的に腫瘍の壊死を狙うという方法であります。
引き続いて、体制の評価に行ってよろしいでしょうか。
○福井座長
お願いします。
○直江構成員
それで、適応症としては、腫瘍一般に効果が認められるということで、妥当。
それから、有効性としましては、標準治療であります手術とか放射線の適応がないということ。あるいは、放射線とか手術に耐えられない。放射線の場合は2回3回とかけるわけにはいかないか、手術の場合には体力がない。そういう患者さんを主に対象にします。あと、今までの報告を見ますと、ほぼ手術に匹敵する効果が得られるようでございますが、大きなスタディーが非常に少のうございますので、十分なデータがあるかと言われると、まだまだ不足しているのではないかと考えました。
安全性に関しましては、経皮的に肺の腫瘍に針を刺しますので、例えば気胸であるとか、一定の合併症が生じますけれども、それは許容範囲と考えました。
技術的成熟度としましては、これは肺外科の先生と放射線診断医、IVRの専門医が協力して行うということで、このグループは数々の経験があるようでございますので、私はこれはBと判断いたしました。
社会的妥当性、倫理的問題は、特にございません。
現時点での普及性はC。この機械を使った、この治療法は、ごくごく限られたところでのみ行われておりますので、Cでございます。
将来の保険収載の必要性としましては、先ほど適応症のところでも言いましたように、標準的治療、手術、放射線の適応がない、あるいは治療法がかなわないという方を対象にしますので、治療のオプションが増えるということは大変いいことではないかと思いますので、保険収載を行うことは妥当と判断しました。ただ、適応とか手技については、まだまだ普及しておりませんし、米国のほうでも標準的治療という位置づけではまだないと思いますので、今後、ガイドライン等によって定める必要がある。それから、合併症も一定ありますので、施設基準というものを考えていただいたほうがいいのではないかということを書かせていただきました。
以上でございます。
○福井座長
その下もお願いいたします。
○直江構成員
ごめんなさい。ということで、先ほど事務局からありましたように、責任医師、実施医療機関については、いずれも適と判断したところでございます。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
続きまして、実施体制の評価の結果につきまして、技術専門員の立場から、川村先生より説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○川村技術専門員
川村でございます。
私も直江先生とほぼ同等の評価をさせていただいております。
適応症としては、妥当だと考えてございます。
そして、有効性のところでございますけれども、適応疾患の範囲が、いわゆるキュアが目指せるような小型の腫瘍に限定することなく、手術、放射線あるいは化学療法の適応外となっている、かなり大型の腫瘍を対象に含めておりますので、ここにおいて、従来の治療法との比較というのはなかなか難しくて、より有効であるというデータは多分出てこないだろうと判断いたしました。このような場合には、ある程度腫瘍が縮小すればいい、あるいは増大が止まればいいということになってこようかとも思いますので、そういう意味では、有効性としては、従来の技術より有効であることは期待できないまでも、その他として、より低侵襲であるということを付加すれば、同等の効果、プラス低侵襲という形が期待できるのではないかという書き方にさせていただきました。
安全性に関しましては、既に直江先生がおっしゃいましたように、合併症は一定のものが発生することは当然予想されますけれども、これまでの経過から見ましても許容範囲のものである。この手の治療に伴う副作用としては、許容範囲のものであると考えますので、Bで附帯条件をつけさせていただきました。
技術的な成熟度に関しましては、直江先生と同じでございまして、Bでございます。
社会的妥当性はA。
それから、現時点での普及性はC。これも同じでございます。
そして、将来の保険収載の必要性に関しましては、私もガイドラインのようなものがないと、こういう新しい技術というものの普及はなかなか難しいのではないか。あと、施設基準も、呼吸器外科医、そしてIVRを専門とする放射線の診断医の組合せというものはある程度必要ではないかと思いますので、施設基準の作成も必要だろうと考えた次第でございます。
そして、その次、同意に係る手続き、同意文書は飛ばしてしまったのですが、これはどちらも適ということにさせていただきたいと思います。
以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
続きまして、倫理的観点からの評価を田島構成員よりお願いいたします。
○田島構成員
田島でございます。
まず、同意に係る手続、同意文書につきまして、会議資料別紙1の10ページから11ページにかけまして、指摘事項2番から8番の内容の指摘をさせていただいております。
主立ったところを御説明いたしますと、10ページ、指摘事項2のところで、個人情報の保護に関する項目につきまして、個人と符号を結びつける対応表の保管者を特定していただきました。
また、プロトコルに記載がありながら、説明文書に記載がございませんでした、個人が特定できない形でデータを2次利用することがあり得ること、また、ボストン社に情報を提供する可能性があることを追記していただきました。
11ページの指摘事項4でございますが、補償内容に補償金の記載が漏れていましたので、これを追記していただきました。
また、次の指摘事項5で、試験参加の同意撤回時に、情報の利用に関する撤回もできるという記載が説明文書にありながら、同意撤回書のほうに、その選択の記載が漏れておりましたので、これを追記していただきました。
そのほか、記載に関します細かい点も修正していただきました。
その結果、全て適切に修正がなされましたので、適としております。
次に、補償内容でございますが、臨床研究保険に加入し、補償金、医療費、医療手当が適切に措置されておりますので、これも適といたしました。
以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
続きまして、試験実施計画書等の評価につきまして、上村構成員より説明をお願いいたします。
○上村構成員
よろしくお願いします。
それでは、今の別紙1の続きを説明させていただきたい。私のほうからは、6番から16番で、現時点で適とさせていただきました。しっかりとした計画に基づいて提案されていますので、特に問題ないのですけれども、実は10番の有効性と安全性の評価方法につきましては、一旦不適とさせていただいたものを適と訂正させていただいたという背景がございますので、そこも含めて御説明したいと思います。
コメントにも書いておりますけれども、今回想定している適応症としましては、肺の悪性腫瘍、転移性・原発性のもの。それから、3.5cm以下のもの。それから、縦隔悪性腫瘍、胸膜悪性腫瘍、胸壁悪性腫瘍、これらについては10cm以下、少しサイズが異なります。といったものが適応症になっているということです。いずれも標準治療の適応がない症例であるということが前提となります。
肺の悪性腫瘍については、海外の研究も含めてですけれども、先行研究で比較的良好な安全性、それから有効性が報告されておりますけれども、縦隔の悪性腫瘍、胸膜悪性腫瘍、胸壁の悪性腫瘍等についての報告は、より限定的なものであるかと思いますので、特にこの10cmに近いような腫瘍をお持ちの患者さんをこの研究に組み入れることが適切かどうかという議論は、この会議の中でもしておく必要があるかと思いました。
類似した研究を、この申請者の先生方は、慶應大学病院ですけれども、もう既になさっております。特に縦隔の悪性腫瘍等につきましても、一定の経験をお持ちということで、この研究をこの体制でなさることについては可能かと判断しましたが、これを施設要件として、ほかの施設、一度もこういった研究・診療をやったことがない施設にまで広げて一般化できるかということに対しても、少し議論していく必要があるかと思います。現時点では、慶應大学病院でなさるということですので、特に今までの経過、御経験もあるということですので、特に問題としてはおりませんけれども、ちょっと注意が必要な点かと思いました。
提案されている治療計画では、組入れの患者数は20例まで、観察期間につきましても1年ということです。下のほうに行っていただくとありがたいのですけれども、私、最初にこの研究の提案を拝見したときに、本来であれば患者申出療養ではなくて、しっかりと技術の安全性あるいは有効性について、より検証的なレベルで評価する必要があると感じましたので、企業治験とか、できないのであれば医師主導治験も含めて考慮すべきテーマであろうかと考えました。
申請者からの情報によりますと、製造元のほうでは、学会とも連携しながら、別のルートで承認を目指しているということでありますので、今回の申請者の立場としては、提案されている、この患者申出療養は、あくまでもこの技術が薬事承認を得られるまでの間のつなぎとして位置づけられているということかと思います。
そういった前提においては、少数の患者さんを対象として、1年までの短期間のデータ収集で収めておくということは妥当かと思いますけれども、一方で、先行研究等では、5年間の局所腫瘍制御割合、あるいは5年を超える全生存率等が報告されております。患者申出療養として1年までの安全性・有効性を一旦まとめていただくということは、適切なことだと思いますけれども、長期的な経過、特に全生存率、5年がいいかどうか分かりませんけれども、長期的な生存率とか長期的なレベルでの局所腫瘍制御割合についても評価しておくべきかと思いますので、ここについては、別途、観察研究等を組まれることが望ましいのではないかということで、意見をさせていただきました。
ちょっと細かいのですけれども、プロトコルの中で、局所制御ということについて明確な定義がされておりませんでした。そこについては、先行研究等では、直径が20%、これは直径ということですので、ボリュームという意味ではなくて長さということだと思います。直径20%を超える増大があれば、1回フェイルであり、それを超えていなければコントロールという考え方が一般的のようですので、そういったところも含めて、少し明確化してくださいということでお願いしております。
そういった指摘を、事務局を通して研究者のほうにさせていただきましたところ、研究者のほうからは、観察研究も含めて、しっかり別途、長期的な有効性と安全性についても評価していくということと、プロトコルの記載に関しての明確化をしていただくということが確認できましたので、全体として全ての項目に適をつけさせていただきました。
評価としては以上なのですけれども、追加のコメントとしては、構成員の先生方にも御承知いただきたいのですけれども、私の理解では、機械そのものは確かに米国のFDAの承認を得ているということだと思いますけれども、米国の場合は、多分、機器としての承認はしていても、それぞれの疾患に対して限定して適応を取っているということではないと理解しています。もしかしたら私の理解が違うのかもしれませんけれども、いずれにしても、例えば肺がんに対して、この治療法が有効である、あるいは安全性が確立しているかということについては、まだデータも限定的ということだと思いますので、しっかりとした評価は必要だということかと思います。
データを見てみますと、イメージとしては、割かし制御されていて、転移性の肺がんとかでもコントロールできるような時代が来たのかなということを感じるようなデータが出ていますけれども、限定されたデータであるということと。ほかにもこういった外科的な、あるいは非侵襲的な外科手技以外にも、分子標的薬の出現とかチェックポイント阻害薬の出現であるとか、いろいろな背景があって予後が改善していることもあると思いますので、この事実そのものの評価というのは難しいですけれども、しっかり見ていく必要があるかなと思っております。
今回、患者申出療養ということで、慶應大学を中心にしてやられるということなのですけれども、懸念材料としては、この技術をほかの施設でもやりたいという御希望をされるところは、多分、今後出てくるだろうし、そういったときに、今の制度設計上でありますと、申請されてくると複数の研究が立つということも十分考えられますし、あと、場合によっては、自由診療でやられたりすると、国内でいろいろな患者さんがいろいろな形でばらばらに評価されることになる可能性もあるかと思います。そこは、すごく大きな懸念かなと思っています。
なので、せっかくこういった研究を立ち上げてこられたわけですので、製造元ともしっかりと連携されて、学会ともしっかり連携して、国全体でこの治療法が本当に患者さんにとってのベネフィットがあるか、それから、安全に施行できるかというところを評価していくような努力をしていただきたいなと思いました。
私からは以上になります。
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、ただいまの項目でいうと、1~16の総評につきまして、主担当の直江構成員よりお願いいたします。
○直江構成員
総評としましては、今まで御説明がありましたように、今回、慶應義塾大学病院から出た、この技術に関しましては、適ということを判断させていただきました。
以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいま4名の先生方、直江構成員、田島構成員、上村構成員、川村技術専門員から説明を受けましたけれども、構成員の先生方から何か御質問がもしございましたら、最初にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
山口先生、どうぞ。
○山口構成員
どうもありがとうございました。
ちょっとお伺いしたいのですけれども、この治療法は日本では何か所かでやっていて、ホームページで見たのですけれども、自由診療でやっているところもありますし、全身麻酔でやっているところもあったり、技術的には非常にばらばらな印象を受けます。慶應の200例か300例、先行の症例がありますけれども、これは一体どういう形で行われたのか。幾つかの研究計画があって、それが取りまとめられたものなのか、あるいは自由診療としてやったものを単に取りまとめられたものか、その辺りはどうなのでしょうか。
○福井座長
事務局のほうで把握しておりますでしょうか。
○山口構成員
つまり、慶應で始めたときに、100例、こういう形でやって何を評価するという計画書をきちんとつくって、やった結果をペーパーにしているのか、あるいはずっと何となく続けていって、それをあるところで取りまとめたものなのかという辺り、はっきりしなかったので、ちょっと教えていただきたいのです。
○福井座長
お願いします。
○川村技術専門員
川村です。
私は、今、帝京大学で医学部長をやっておりますけれども、当時は慶應におりましたので見ていましたから、ある程度知っていますけれども、前向き研究でやっていまして、ある程度プロトコルを決めてやっていました。ですから、論文にまとまっている100例とか300例というものについては、プロトコルに従って行われたものですということはお答えできます。
○福井座長
ありがとうございます。
○医療課長補佐
すみません、事務局として、その辺り、しっかり承知してございませんので、改めて確認させていただければと思います。申し訳ございません。
○福井座長
どうぞ。
○山口構成員
もう一つ、技術的な成熟度について質問したときに、慶應は長いことやっていて、放射線科の先生に技術的に優れた人がいて、その人が中心にやっていたので、成熟度は問題ないという回答があったと思うのですけれども、むしろその人しかできないのであれば、成熟度はまだ低いと言わざるを得ないので、全く経験のない診療科と一緒にやって、全く経験のない人でもやってもいいという根拠にならないのではないでしょうか。結構な合併症も出ていますし、気胸も1%以上認められるので、必ずしも合併症の少ない技術ではないと思います。その辺りを、本当に技術的な成熟度を確認されないままやることがいいのでしょうか。
研究計画をしっかりしてやられたのであれば、例えば術者によっての合併症の差がなかったのかとか、今までの経験の中で技術的には大丈夫ということが担保されるのかどうかということも、一度聞いていただいたほうが安全じゃないかなと思いました。
○福井座長
ありがとうございます。
○医療課長補佐
改めて、その辺り、慶應義塾大学としっかり協議してお伝えさせていただきます。ありがとうございます。
○福井座長
別紙1の7ページの真ん中付近に引用論文がございまして、3)が慶應義塾大学で366件の肺腫瘍に対する凍結融解壊死療法を行った結果のようでして、retrospective cohort studyと書いてありますけれども、そこに有害事象が1.4%等のデータは一応発表されているようではあります。いずれにしても、今、山口先生がおっしゃったようなことについても、データがあるか、また問い合わせをするということはしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
どうぞ、山崎先生。
○山崎構成員
今の気胸について、ちょっとコメントというか、お伺いしたいことがございまして、1つは、事前に送っていただいた実施計画書、39ページまであるやつの27ページに有害事象が記載されています。その中では、気胸が6例のみなのです。このSolsticeという試験の論文も送っていただいたので、ちょっと見させていただいたのですけれども、実は気胸は6例ではなくて、ドレーン留置が必要な気胸が44例生じていて、そのうちの6例がグレード3以上と出ているのですね。なので、ドレーンが必要な気胸自体は20%以上に生じていますので、かなり有害事象が多いのかなという印象を持たせていただきました。この実施計画書には、そのことが触れられていないですね。
一方で、患者さんへの説明を見ると、気胸が20%生じるとか、ドレーン留置が11%生じるという記載もあって、これは自験例のようですけれども、それは恐らく先ほど御紹介のあった慶應大学の論文の中で紹介されているのだと思うのですけれども、ちょっと誤解を招くような有害事象の頻度になってしまっているので、この辺りを明確に記載していただければいいのかなと感じました。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
恐らくドレナージが必要な気胸であっても、許容範囲という言い方で恐らく。
○山崎構成員
そうです。グレード3未満だったということだと思うのです。ただ、ドレーン留置の気胸というのは相当なものじゃないかなと、臨床医としては感じるところもありまして、いずれにしても、それを明確に書いていただければいいのかなと思いました。計画書を見ると、3%しか気胸が起こらないようにも読み込めますので。
○福井座長
ありがとうございます。
上村先生、どうぞ。
○上村構成員
上村です。
気胸については、今、御指摘のとおりで、結構出ているのです。それで、海外のデータでもその辺はかなり、有害事象の中では注目すべき有害事象だと、当然認識されています。数字も、実は比較的ばらばらというか。ただ、かなり高率で出ることは当たり前といえば当たり前で、肺を突き刺すわけですから、出ているようです。
では、この技術がどうかということについては、もう少し検討する必要があるかと思いますけれども、針自体はちょっと小さくなっているらしいので、まだデータとしては出尽くしたところはないのかもしれませんけれども、先行の研究を参考にすれば、注意はすべきだし、かなりの高率で出るということは間違いないと思います。
○福井座長
ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、検討結果の取りまとめを行いたいと思います。いかがでしょうか。ただいま手技の安全性についての疑問が呈されまして、事務局で慶應義塾大学のほうに確認のデータを出していただくという手順を踏むということで、最終決定はその問合せの結果を踏まえてということにさせてもらうことになると思いますが、いかがでしょうか。そういうことでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○福井座長
それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
川村先生は、技術専門員として御多忙のところ評価していただきまして、ありがとうございました。これにて御退室ということになると思いますので、ありがとうございました。
○川村技術専門員
どうもありがとうございました。失礼いたします。
(川村技術専門員退室)
○福井座長
それでは、次の議題に移りたいと思います。事務局から「小児がんのドラッグ・ラグに係る患者申出療養について」の資料が提出されております。説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
それでは、患-2に沿って説明をさしあげます。「小児がんのドラッグ・ラグに係る患者申出療養について」というものでございます。
まず、現状と課題でございます。
海外において小児がんを適応として薬事承認されている医薬品が、日本国内で薬事承認されておらず使用できない、いわゆる「ドラッグ・ラグ」が課題とされているところでございます。
患者申出療養評価制度を活用し、がん遺伝子パネル検査に基づいた遺伝子異常に対して、適応外薬を投与する臨床研究が開始されているところでございます。こちらについては、国立がん研究センター中央病院によるマルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療というものになります。しかし、当該研究の枠組みは国内で用法・用量が定められている医薬品を対象としており、小児を適応としたものは限られているところでございます。
国内での小児の用法・用量のない医薬品について、海外の添付文書・治験データによる安全性・有効性の確認や、製販企業等との薬剤調達の交渉を行うことが、そういった申請医療機関の負担となっているというところを専門家の御意見として伺っているところでございます。
今後のスケジュールについてになりますが、上記のような課題を踏まえて、国立がん研究センターにおいて、小児・AYAがんに対して遺伝子パネル検査を実施し、小児において一定の安全性を持つ適応外薬あるいは未承認薬の安全性及び有効性の評価を目的とした臨床研究が開始予定です。こちらにつきましては、令和5年度からのAMEDの研究資金獲得のめどがたっているところでございまして、令和5年度から研究が開始されるところでございます。
本研究は、患者申出療養制度を活用して、同病院が国内での小児の用法・用量のない医薬品のプロトコルの確認を担い、同プロトコルを基に医薬品の投与を多施設において提供を可能とする多施設共同研究を予定しているところでございます。まさに研究資金につきましては、調達のめどが立ったというところになりまして、これから研究計画自体は策定されるところでございます。
また、具体的な研究計画について、国立がん研究中央センター病院における認定臨床研究審査委員会で審査を予定されておりますし、その後、本会議に申請がなされた場合には、本会議で適切に御評価、御審査いただければと思ってございます。国立がん研究センター中央病院としましては、可能であれば来年1月から実際の患者さんへの投与を開始するようなスケジュールで進めていければという考えであるということを聞いているところでございます。
続いて、参考資料がございますが、こちらは現時点の研究計画になっているところでございます。まだ、研究計画につきましては策定しているところでございますので、左上には「未定稿」とさせていただいているところでございます。
今、申し上げたようなところが特徴になりますけれども、1点、特徴でございますのは、薬物動態データというところも研究費の中で一部測定して、患者申出療養評価制度の中で実際の薬事承認に耐え得るデータもしっかり取っていきたいというという、国立がん研究センター中央病院の考えを伺っているところでございます。
2枚目は、イメージ図になりますけれども、こういった研究の枠組みの中で複数の薬剤を準備し、患者さんが対象となった場合には、遺伝子異常があるお薬を小児がんの方に投与できるような研究体制を組むことを想定されていると伺ってございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、お願いいたします。
五十嵐先生、何かコメントございますでしょうか。
○五十嵐座長代理
ありがとうございます。
小児用薬一般に、大人に比べますと、日本では使用制限がかなりあります。いろいろ認められていない薬を実際には使っているという実態がありました。それに対して、未承認薬検討会議を厚生労働省が開いてくれまして、一般薬に関しては、海外と比較してもそれほど大きな差がなくなってきてはいるのですけれども、残念ながら小児がんの抗がん薬につきましては、そういう状況にありません。というのは、日本では15歳未満で血液の悪性腫瘍になる患者さんは年間1000人ぐらいです。同じく15歳未満で小児の固形悪性腫瘍、固形がんになるのが1000人ぐらいで、2000人ぐらいしか市場規模がないわけです。これを20歳までに延ばしたとしても3500人ぐらいですので、大人のがんに比べると患者さんが非常に少ないということがありまして、残念ながら日本でこの5年から10年ぐらいの間で小児用の抗がん薬の承認が非常に遅れています。
御存じのように、米国では新薬の承認の際には、小児での治験をすることが義務になっているわけですけれども、日本ではそういう状況ではありませんので、特に小児がんの薬がこの5年から10年ぐらいの間で、海外と日本で差が出てしまっているという状況ではないかと思います。
そういう中で、今回、国立がん研究センターが中心になりまして治験を始めていただける体制をつくっていただいたことは、小児がんの治療薬の選択が増えるということで、救命率も上がるのではないかと思いますので、大変期待しているところです。どうぞよろしくお願いいたします。
○福井座長
ありがとうございます。
天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
ありがとうございます。
小児がんのドラッグ・ラグに対する患者申出療養での今回の対応について、昨年の患者申出療養評価会議で私からも検討をお願い申し上げていたことですが、早速に御対応いただきまして、ありがとうございます。
いわゆる小児がんのドラッグ・ラグについては、昨年10月になりますが、小児がん患者会ネットワークから、小児がん治療薬剤の開発促進および、ドラッグ・ラグの解決を求める要望書が加藤厚生労働大臣に手交されておりまして、その中でも、がん遺伝子パネル検査で効きそうな薬が見つかった場合には、小児がん患者に対しても最適な分子標的薬を使えるようにしてくださいという要望も出されております。今回の患者申出療養は、こういった小児がん患者団体からの要望にも応えるものですし、また期待も大きいと思いますので、しかるべき審査を経た上で早期に実施していただきたいと願っております。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
松井構成員、どうぞ。
○松井構成員
先ほどの説明で研究をする必要があるということは分かっているのですけれども、これは多分、もともとAMEDで申請されたものですね。今後のスケジュールのところに書いてありますけれども、令和5年度からがんセンターの小川先生がAMEDの研究費を取ってされるのですけれども、このタイトルに既に「患者申出療養制度に基づく」ということが書かれているというのが、非常に奇妙な気がいたします。
というのも、もともと研究費を取ってやるのであれば、患者申出療養の枠でしなくて、本来、AMEDの研究費の枠でやるべき話ではないかと思います。なぜかといいますと、患者申出療養の場合は、もちろん研究の枠組みでやりますけれども、研究資金となる大半を患者が負担する、被験者のほうが負担するというスキームになりますので、もともと研究としてAMEDの研究費を取ってやろうと言っているのに、その研究費を患者さんのお金をそもそも期待して行うというのは、本来の患者申出療養の制度に反するものではないかと思います。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
いかがでしょうか。
直江先生、今の点についてでしょうか。お願いします。
○直江構成員
今、松井構成員から御指摘の点は、私もちょっと感じているところです。要するに、この患者申出の未定稿のスライドを見ても少し違和感があるなと思っているのは、結局、最終的にはPKデータを取得することを目的とすると2行目に書いてございますし、主要評価項目としてはDLT、つまり各薬品において、どこまで薬を上げていけるのかを調べましょうという。これは、要するにフェーズ1スタディーを小児でもやりましょうということで、私は小児でもドラッグに対するルートが開かれたということで、薬事承認に行くということは大変よかったのではないかと思いますが、今のお話のとおり、患者申出療養という制度を使いながらフェーズ1をやるというのは、そもそもの患者申出療養と言っている制度の趣旨から言うと大分ずれているのではないかと思っています。
私は、前から患者申出療養というものが制度的にちょっと無理筋のところがだんだん増えてきたなということを言うことが何回かあったのですけれども、この制度も内容はいいのですけれども、この療養制度の中でやるのかなということについては、ちょっとどうなのだろうと言わざるを得ないということで発言させていただきました。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいまの点につきまして、いかがでしょうか。ほかに御意見ございますでしょうか。
事務局から何かございますか。
○医療課長補佐
事務局でございます。
今、いただいた御意見のところ、また国立がん研究センター等ともしっかり調整しながら、お答えできるような内容で調整させていただきたいと思ってございます。貴重な御意見ありがとうございます。
○福井座長
辻構成員、どうぞ。
○辻構成員
ありがとうございます。
今回のパネル検査の件、以前より、大人のほうでも実施されていると思うのですけれども、少し先回りをして患者さんの申出を待つ、という形を取られているのかと思っております。この背景にあるのが、先ほど天野先生もおっしゃっていましたけれども、患者会からの要望が非常に強いというところもあると思いますので、そういう意味では、先回りをしてというところで、AMEDさんとの関係もあるかとは思うのですけれども、それなりの御要望をある程度見越して設計されたものというふうに考えて捉えております。
そういう意味では、私も患者会のほうで活動しておりますけれども、小児がんの患者会さんも入っており、要望が強いことを十分認識しておりますので、少し先回りしてというところが大人の設計と同じというところで、ちょっと前向きに考えてもいいのかなと思っております。
以上、意見でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
少し補足で申し上げたいと思います。先生方から貴重な御意見ありがとうございました。
今回の提案につきまして、これまでNCCH1901という受け皿試験において、小児のコホートが少なくて、小児の方にアクセスできないという問題があったかと思います。そのときに、現場の先生方の御意見としては、小児の用法・用量が設定されていないコホートについて、それを一から現場の医師が設定して進めることはなかなか難しいという意見をいただいておりました。今回の提案といいますのは、PKデータを収集すると、こちらの未定稿のポンチ絵には書かれているのですけれども、今回の提案の後に、企業治験や医師主導治験などが予定されております。ですので、あくまで企業治験や医師主導治験が後にあって、それで薬事承認を目指すというところは設定されているものになります。
一方で、そのような薬剤の投与量の設定に関するデータや根拠が何もない中で、NCCH1901のいわゆる受け皿試験という大人のものの中で、これまで小児のアクセスが悪かったということを踏まえて、どうやったら小児の方でもアクセスできるようにできるかというところで、このような案として提示いただいているものと事務局としては理解しております。
以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
どうぞ、直江先生。
○直江構成員
私は、やる内容については問題ないのだけれども、なぜ医師主導治験でできないのか、あるいは先進医療でできないのかという、そこはどうなのですか。ちょっとだけ説明していただけますか。
○医療課長補佐
事務局でございます。
こちらは、まだ国立がん研究センター中央病院からという回答ではないと思いますので、あくまで事務局の一私見と受け止めていただければと思いますけれども、個々の薬剤につきまして、用法・用量の策定について、また症例数も非常に少ないというところから、個別の先進医療であったり、医師主導治験、また治験を立ち上げるということが、製販企業との交渉ということもなかなか困難であるということは聞いているところでございます。そういうところにおきまして、こういった患者申出療養の中の枠組みを使って、国立がん研究センター病院がプロトコルの確認を一手に担っていただきながら、少なくともこの症例ベースでもデータを蓄積していくような研究が策定されているものと理解してございます。
詳細な正式な回答というところは、また研究計画を策定していく中でしっかり準備してまいりたいと思いますが、取り急ぎ、事務局の担当者としての考えを申し上げたところでございます。
以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、この案件につきましては、国立がん研究センターとも相談して、ただいま提示されました疑問点について回答を作成した上で、また御議論いただきたいと思いますけれども、そういうことでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○福井座長
ありがとうございます。それでは、この議題2については、そのような取扱いとさせていただきます。
本日の議題は、残りは「その他」となっております。事務局から何かございますでしょうか。
○医療課長補佐
事務局でございます。
特に案件、内容はございません。
○福井座長
構成員の先生方から、進め方でも結構ですし、何か御意見、報告なり、ございませんでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。
それでは、次回の開催について事務局から説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
次回は日程調整の上、後日連絡させていただきますけれども、本日、御審議いただきました新規技術につきましては、回答が届き次第、開催の仕方等につきましては、座長ともまた相談させていただいて連絡さしあげたいと思います。
以上でございます。
○福井座長
それでは、第38回「患者申出療養評価会議」を終了いたします。本日は、御多忙の中、ありがとうございました。
以上でございます。
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