ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 保険局が実施する検討会等> 患者申出療養評価会議> 患者申出療養評価会議議事録(2022年9月22日)

 
 

2022年9月22日 患者申出療養評価会議議事録

○日時
令和4年9月22日(木)16:00~
 
○場所
オンライン開催
 
○出席者

【構成員等】  
福井座長 天野構成員 井上構成員 新谷構成員 田島構成員
辻構成員 手良向構成員 直江構成員 松井構成員 山口構成員
山崎構成員 渡辺構成員
 
【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 先進・再生医療開発戦略専門官
治験推進室長 研究開発政策課長 研究開発政策課長補佐 他

 
○議題
1 患者申出療養の中間報告について
 (患-1)(患-2)(別紙1)(別紙2)
2 患者申出療養の試験実施計画の変更について
 (患-3)(患-4)(患-5)
3 その他


○議事
16:00開会
 

○福井座長
 ただいまより、第34回「患者申出療養評価会議」を開催いたします。
 まず最初に、本年7月をもちまして宮川構成員が退任されました。これに伴いまして、今回より渡辺弘司先生に新たに構成員に加わっていただくこととなりました。
 渡辺先生、よろしくお願いいたします。先生、一言お願いします。
○渡辺構成員
 よろしくお願いいたします。日本医師会の渡辺でございます。
 先進医療のほうには関わってまいりましたけれども、患者申出療養評価会議は初めて出席させていただきます。臨床医のほうからの視点で発言しますので、先生方の御意見と多少異なる視点ですが、よろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、先生方の出欠状況です。本日は成川構成員より御欠席との連絡をいただいております。
 本日、成川構成員からは委任状の提出がございまして、議事決定につきましては、座長に一任するとされております。
 次に、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 頭撮りについては、ここまでにさせていただきます。
 本日もよろしくお願いいたします。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、構成員名簿に続きまして、「患者申出療養の中間報告について」として、患-1、患-2、別紙1、別紙2という資料がございます。
 続きまして、「患者申出療養の試験実施計画の変更について」として、患-3、患-4、患-5の資料がございます。
 資料の確認は以上でございますが、資料について不足、誤り等がございましたら、事務局まで御連絡をいただけますと幸いでございます。
 また、今回の患者申出療養評価会議におきましては、ウェブ上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等につきましては、送付させていただいている資料を閲覧していただきますので、発言される先生方におかれましては、会議資料のページまたは送付のみの資料のページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○福井座長
 資料等について、よろしいでしょうか。何か問題がありましたら、連絡いただければと思います。
 それでは、今回、検討対象となります技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について、事務局から報告をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。
 松井構成員より、「患-4」について報告がありました。
 松井構成員におかれましては、自らが所属する保健医療機関からの届出に係る医療技術であることから、患者申出療養評価会議運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術に関する検討結果の取りまとめ及び事前評価には加わらないことになります。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 そのほかの出席されている構成員の先生方におかれましては、このような事例はないということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、議題に入ります。
 議題1「患者申出療養中間報告について」でございます。資料が提出されております。2件ございますので、まず1件目から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 資料「患-1」につきまして御説明させていただきます。
 「患者申出療養『マルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療』に係る中間報告について」としている一枚紙を御覧ください。
 まず、1マル目でございますが、本技術については、第32回患者申出療養評価会議において、アフィニトール錠及びテセントリク点滴静注の医薬品について中間報告が行われました。その際に、アフィニトール錠、テセントリク点滴静注の継続が許容される理由として、無効と判断される5%未満の奏効割合を点推定値では超えていること、SD以上の奏効が得られる症例を一定程度認め、奏効維持期間も比較的長いことを根拠にしているが、これは研究実施計画書における無効中止の基準「無効中止を検討する症例数(事前分布の期待値30%、事後分布が閾値20%を超える確率が5%未満となる最大の奏効例数)」と異なるのではないかという指摘がございました。
 また、2マル目でございますが、これらの指摘に対する回答を第33回患者申出療養評価会議において報告させていただきましたが、さらに以下のような指摘がございました。そもそも「無効と判断される5%未満の奏効割合」という点が誤りであり、実施計画書に定められた無効と判断される閾値は20%となっているため、その部分は継続の根拠として妥当ではないのではないか。アフィニトールコホートでは5.3%、テセントリクコホートでは7.7%であり、これは無効中止の基準に該当するが、効果安全性評価委員会で実際にどのような審議がなされて結論に至ったかということを、さらに詳しく議事録などを提示して説明していただきたいという御指摘でございました。
 3マル目でございますが、これらの指摘を踏まえ、医療機関に指摘事項について照会を行いまして、その回答が提出されたため、御確認いただきたいとするものでございます。回答に関しましては、送付のみの資料を御覧いただければと存じます。
 資料につきましては以上でございます。よろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 直江先生、どうぞ。
○直江構成員
 送付のみの資料に回答が載せてあるのですが、何ページかページ数を教えていただけますか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか。
○福井座長
 ちょっとお待ちください。すみません。
 手良向先生、どうぞ。
○手良向構成員
 手良向です。
 23ページから26ページなのですが、私が照会した内容ですので説明いたします。回答としては、効果・安全性評価委員会の評価意見が23ページにありますが、この内容を確認しました。研究代表医師の先生がこの委員会に少し誤った解釈で結果を伝えたのではないかという懸念があったわけですが、これを読む限りは、基本的に正しい情報を伝えた上で審議がなされていると思います。したがって、試験継続という結論はともかく、情報が正しく伝わった上で審議がなされているという理由で、私としては特に追加のコメントはありません。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 23ページと24ページということになりますでしょうか。
○手良向構成員
 23、24が効果安全性評価委員会の審議結果です。25、26が回答です。
○福井座長
 よろしいでしょうか。
 直江先生、いかがでしょうか。
○直江構成員
 内容に関しては特にコメントはございませんけれども、参考資料として出る場合と、参考資料ではなくて患-1、患-2、別紙で来る場合と両方分散しているのですが、事務局なのですけれども、この場合はどうして参考資料に入っているのでしょうか。そこを教えてください。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 直江先生、貴重な御意見、誠にありがとうございます。
 今回このように送付のみの資料とさせていただいておりますのは、医療機関側からこの回答の内容を公開資料として公開していただきたくないという申入れがございまして、特にこの国立がん研究センターの案件に関する指摘事項の回答というのは全てこのように送付のみの資料とさせていただいている次第でございます。ですので、運用上とても分かりにくいのですけれども、御理解いただけますと幸いでございます。よろしくお願いいたします。
○直江構成員
 直江です。
 よく分かりました。
 お願いなのですけれども、誠に申し訳ありませんが、参考資料が非常に膨大なものですから、目次をつけていただけると大変ありがたいです。よろしくお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 直江先生、貴重な御意見ありがとうございます。今後、運用面でできるだけ御利用いただきやすいように工夫させていただきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ほかには何か御意見、御質問はございますでしょうか。よろしいですか。
 手良向先生が御了解済みの内容とのことですので、もしほかに御意見がないようでしたら、異議がないということで了解したということにしたいと思います。よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、次に2件目の説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 資料「患-2」につきまして御説明をさせていただきます。
 「患者申出療養『パクリタキセル腹腔内投与及び静脈内投与並びにS-1内服併用療法』に係る中間報告について」とする資料を御覧ください。
 前回の会議での続きになりますので、途中から説明させていただきます。4マル目から説明させていただきます。
 4マル目でございますけれども、第32回患者申出療養評価会議において、現時点での結果をまとめた中間報告書、こちらを第1版とつけさせていただきましたが、提出されました。その際に以下のような御指摘がございました。
 1ポツ目、今後、本患者申出療養とは別に標準治療と比較して当該治療法の有効性を示すような臨床研究を行う予定があるかどうか。
 2ポツ目、中間報告書の結論の項では、有効性が「示唆された」のではなく「確認された」と結論された根拠は何か。
 3ポツ目、中間報告書の改版を行う予定があるかどうかという指摘でございました。
 5マル目でございますけれども、これらの指摘事項に対する回答及び修正した中間報告書(第2版)を、第33回患者申出療養評価会議において報告しましたが、さらに以下のような指摘がございました。
 1ポツ目、先行研究(第III相試験)において標準治療と比較して優越性は示されていない医療技術を、申請医療機関としては自由診療として継続していくのか。
 2ポツ目、修正された中間報告書(第2版)の「結論」において修正が加えられたものの、患者背景が異なるため、第III相試験の結果と本患者申出療養の結果を比較することはできないため、一部の文章の表現は不適切であり、削除が適切とされる箇所がある。
 3ポツ目、中間報告書(第2版)11ページ目の記載には、予後不良例が含まれているにもかかわらず成績が同等だとする記載があり、今回の患者申出療養は前回の先進医療よりも成績がよいことを示唆しているが、対象も異なり、この表現は不適切であると考えられるという御指摘でございました。
 6マル目でございますけれども、この指摘を踏まえ、医療機関に指摘事項について照会を行い、その回答及び中間報告書(第3版)が提出されたため、御確認いただきたいとするものです。
 なお、今回の「患-2」の資料には、別添として先進医療B及び患者申出療養の適応症、試験デザイン、試験期間、これまでの経緯、症例数、評価項目、試験結果などをおまとめさせていただいております。御参考にしていただければと存じます。
 別紙1に関しましては、前回の第33回患者申出療養評価会議の指摘事項及びその回答でございます。
 問1の回答におきまして、当院または研究グループの多い施設主導でさらなる臨床研究の実施が実現するまでは、現在の治療を継続する予定としているという点や、問2の回答におきまして、臨床研究を行う予定がないというわけではないが、問1で回答いたしましたとおり、臨床研究の開始までは自由診療として継続する予定であると回答いただいております。
 別紙2については、改版された中間報告書(第3版)となります。
 事務局からの資料の説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ただいまの説明につきまして、御質問等がございましたらお願いいたします。
 何回も本会議に上がっている研究でございます。いかがでしょうか。
 記述が適切ではないという指摘をした事柄につきましては、削除いたしますという回答ではあります。
 どうぞ。お願いします。
○天野構成員
 天野です。
 御説明ありがとうございました。
 記載の修正については適宜対応いただいているものと私自身は理解いたしました。
 前回の会議で構成員から指摘があったかと思うのですが、結局、研究が進められないということで、企業のサポートがないということを理由に挙げられていたかと思うのですけれども、そもそもこの技術もしくはサポート等について関連学会がどう考えているかを確認してはどうかという指摘があったと理解しているのですけが、その辺りは今回事務局のほうで何か進捗はあったのでしょうか。
○福井座長
 事務局と相談しておりますので、事務局からお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 天野先生、貴重な御意見ありがとうございます。
 前回の会議でたしか山口構成員が御指摘いただいた内容でございまして、胃がん学会に問い合わせるのはどうかという内容も含めた御意見だと理解しております。
 こちらを含め、課内で一度検討させていただいたのですけれども、現在、この患者申出療養に関しましてはまだ完全に試験が終了して最終報告書がまとまっておりませんので、今考えておりますのは、最終報告書が出た段階でその報告書の結果を胃がん学会等の関連学会に照会して、御意見をいただくということは考え得るかなと考えておりますが、いかがでございましょうか。
○福井座長
 天野先生、どうでしょうか。
○天野構成員
 御説明ありがとうございました。
 確かにおっしゃるように、最終の結果が出ないとなかなか学会等にも照会がしづらいという事情があるのは理解いたしました。
 ただ一方で、この研究グループのみに委ねていてもなかなか進まないようにも思いますので、今の事務局の御提案のように、少なくとも最終報告が出た段階で改めて関連学会等に照会等していただけると助かります。よろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 山口先生、御意見はございますでしょうか。
○山口構成員
 私は胃がんが専門なのでお話ししたいと思いますけれども、胃がん学会のガイドラインを見ると、このグループの研究については試験の結果どおりに有意な差が出なかったということがはっきり書いてあって、推奨されていない治療になっていますので、基本的な態度は問題ないと思います。
 ただ、やはりこういう治療を推し進めたいという意見の会員もたくさんいるようですが、具体的に学会としてどのように取りまとめるかというところはまだまとまっていない状況だろうと思います。これ以外に先進医療技術部会でもいろいろ議論がありましたし、いろいろなところで問題になっているので、やはり社会的な責任を果たすように、この結果がある程度まとまった時点で言うことも大事だと思います。しかし、事前にそういう議論があったということだけでも伝えておいたほうが良いと思います。終わってから議論を始めるのではなくて、今から議論を始めてほしいということは言ったほうがいいと思います。ちょうど理事長が変わって間もないと思いますので、ぜひそういうアプローチをしていただきたいと思います。
 以上です。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ほかには何かございますでしょうか。
 それでは、今、山口先生がおっしゃった方向で、事務局と相談して進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 どうでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 山口先生、貴重な御意見ありがとうございます。
 今後検討してまいりたいと思います。今後ともよろしくお願いします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 それでは、この「患-2」につきましては報告を受けたということで、次に進みたいと思います。ありがとうございます。
 次に、事務局から患者申出療養の試験実施計画の変更についての資料が提出されております。3件ございますので、まず1件目から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 資料「患-3」につきまして御説明をさせていただきます。
 今回、変更申請のあった技術につきましては、告示番号1番、パクリタキセル腹腔内投与及び静脈内投与並びにS-1内服併用療法でございまして、適応症が腹膜播種または進行性胃がん(腹水細胞診または腹腔洗浄細胞診により遊離がん細胞を認めるものに限る)となってございます。
 試験の概要につきましては、1ページの中ほどに記載させていただいているとおりでございます。
 2ページ目にお進みいただきまして、今回の変更内容でございます。
 変更内容は実施期間の延長でございまして、もともと2022年10月までであったものを2023年10月まで延長を行いたいとするものでございます。
 変更申請する理由でございますけれども、2022年6月30日時点において、111例の登録症例中3例が試験治療が継続されていたとのことでございます。これらの症例につきましては、治療を終了することにより、腫瘍が進行する危険があるため、これら3例に限って治療の継続を計画するものであるとのことでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 先ほどの案件ということになりますが、ただいまの説明につきましていかがでしょうか。この変更につきまして、何か御質問あるいは御意見はございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。お認めいただくということにしたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、2件目の技術につきまして説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 それでは、「患-4」につきまして御説明をさせていただきます。
 今回、変更申請のあった技術は、告示番号5番、マルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療でございまして、適応症が我が国で保険適用済み、あるいは評価療養として実施された遺伝子パネル検査でアクショナブルな遺伝子異常を有する固形腫瘍となってございます。
 試験の概要につきましては、1ページの中ほどに記載させていただいているとおりでございます。
 2ページ目にお進みいただきまして、今回の変更内容でございます。
 変更内容は3つでございまして、まず1つ目でございますが、有害事象の評価に関する規定を研究実施計画書に追記したとのことでございます。
 2つ目でございますが、個人情報保護法改正に伴う説明同意文書の改訂というものでございます。こちらに関しては、「変更申請する理由」という項目におきまして、個人情報の保護に関する法律の一部改正に伴い、本試験において収集したデータを外国第三者への提供する場合の説明を説明同意文書に追記したと具体的に説明がなされております。
 3つ目でございますが、記載整備及び誤記の修正を行ったとのことでございます。
 また、送付のみの資料といたしまして、新旧対応表などもお送りさせていただいておりますので、併せて御確認をいただけますと幸いでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ただいまの実施計画の変更につきまして、何か御質問、御意見がございましたらお願いいたします。
 よろしいでしょうか。有害事象の評価に関する規定の追記、個人情報保護法改正に伴っての説明同意文書の改訂です。特に私は問題ないようには思いますけれども、お認めいただくということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○福井座長
 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
 ごめんなさい。松井先生には一時御退席という形をとらせていただきます。今、退席されているのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 退席されました。
○福井座長
 よろしいですか。
 それでは、松井先生が退席されたところで、お認めいただいたということにしたいと思います。
 では、松井先生にお戻りいただきたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、第3件目の技術について説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 資料「患-5」につきまして御説明させていただきます。
 今回、変更申請のあった技術は、告示番号6番、トラスツズマブ エムタンシン静脈内投与療法でございまして、適応症が乳房外パジェット病(HER2が陽性であって、切除が困難な進行性のものであり、かつトラスツズマブ静脈内投与が行われたものに限る)となってございます。
 試験の概要につきましては、1ページ目の中ほどに記載させていただいているとおりでございます。
 2ページ目にお進みいただきまして、今回の変更内容でございます。
 変更内容は実施期間の延長でございまして、もともと患者の登録期間が2022年9月末までであったものを、2023年8月まで延長を行いたいとするものでございます。
 変更申請する理由でございますが、当初2019年にこの患者申出療養を申し出た患者は、現在も2019年に開始していた治療が奏効しているため、継続し治療中でございまして、これまでトラスツズマブ エムタンシン静脈内投与療法を受けるに至っていないとのことでございます。一般的に抗がん剤治療における治療の目標は進行抑制であり、治療が無効になることや有害事象などによる治療中止により疾患の進行は不可避であることが通常であるため、現行治療においてもいずれは中止せざるを得ない状況が生じ得る。現行治療が中止となった際には本患者申出療養での治療を受ける必要が生じるが、現在の登録機関である2022年9月末を迎えてしまうと、患者申出療養に参加する機会が失われてしまうため、試験期間及び患者登録期間を延長するとのことでございます。ただし、2023年8月末までに増悪なく経過した場合は、登録期間は再度の延長はせずそのまま終了とするとのことでございます。
 こちらの案件に関しましては、会議の前に4つの指摘事項を医療機関に送付して御回答をいただいております。患者様の診察日などの情報もございますので、送付のみの資料としておりまして、公開資料にはなっておりません。
 この資料の中で、2023年8月までの延長となった理由の記載がございまして、こちらに関しましては事前に慶應義塾大学事務局に確認して、会議で紹介してもよいとのことで、口頭で紹介させていただきます。
 今回の期間延長は、薬剤無償提供元である中外製薬株式会社の協力により可能となっていますが、再度の期間延長においては協力が難しいという回答を得ているとのことでございます。そして、2023年8月末までに本療養を受けなかった場合には、その後に参加することができないことについて、申し出た患者様にはお伝えしているということでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○福井座長
 ありがとうございます。
 本患者申出療養の実施計画の変更につきまして、何か御質問、御意見はございますでしょうか。
 どうぞ。
○天野構成員
 天野です。
 御説明ありがとうございました。
 事務局から最後に口頭で御説明いただいた部分について確認です。今の事務局の説明ですと、企業から無償提供ができないから再度延長を行わないという御説明があったかと思うのですが、ただ、そもそも患者申出療養は申し上げるまでもなく患者さんの申出に基づいて行われるものでして、患者さん御自身は無償提供が行われないということであれば延長は希望しないということをおっしゃっているのでしょうか。この患者さんは非常に治療が減って難しい状態かと思うので、もしかしたら自費で負担するのであればぜひ受けたいという意向を持たれているのではないかと勝手に想像するのですけれども、その点は何か慶應から説明はあったのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 天野先生、事務局でございます。貴重な御意見ありがとうございます。
 今回の案件に関しまして、事前に慶應義塾大学の事務局と少し相談させていただきました。もし仮に有償でも行いたいという患者さんが申し出た場合といいますのは、8月末までの、今回仮に延長いただいた場合ですけれども、8月末までは無償で行う。それはこの患者申出療養に組み入れて無償で行うという御理解でよろしいかと思います。仮にその患者組入れ期間を超えて9月以降で行いたいという申出があった場合には、有償の患者申出療養を新たに立てるということになると御回答いただいております。
 よろしいでしょうか。
○天野構成員
 よく分かりました。ありがとうございました。
○福井座長
 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
 私も最初の届出のときには、2023年8月には増悪なく軽快した場合、登録期間は再度の延長をしないというところに疑問を持ちまして、いろいろやり取りをしていただきました。このような製薬会社の薬剤提供が理由だということでございました。
 よろしいでしょうか。本件、お認めいただくということにしたいと思います。ありがとうございます。
 本日の議題は、残りは「その他」となっております。
 事務局から何かありますでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 事務局からは特段ございません。
○福井座長
 それでは、構成員の先生方から何か御意見なり御質問がございましたらお願いします。
 直江先生、どうぞ。
○直江構成員
 遡って恐縮なのですけれども、「患-3」パクリタキセル腹腔内投与の継続で3例今認めたところでございまして、認めるのは私も賛成です。患者さんに効果があって、試験が継続されるべきだと思いますので、それはいいのですけれども、事務局に確認したいのですが、先ほどから最終報告書が出た段階で正式に胃がん学会にも照会しようという話なのですが、3例継続しているとこの試験はいつまでも終わらないという立てつけになっていましたでしょうか。その辺を確認したいのです。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 直江先生、貴重な御指摘ありがとうございます。
 今のところ、この3例の治療が継続されている限りに関して、増悪してこの治療が続けられない、もしくは何らかの理由で中止になるということにならなければ、試験自体は終了とならないと理解しております。
○直江構成員
 たしか治療をしていて、その後しばらく観察をして終了というプロトコルだったかなと思って、改めて確認したのですが、そうしますと、最終報告書というのはいつ出るか分からないといいますか、患者さんにとってはそのまま効いていればいいのですけれども、そうしますと、今回の中間報告をもって学会等に問い合わせるというふうにはできないものでしょうか。この問題はいつまでも引きずっているので、私も何となくもやもやしているのですけれども、いかがでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 貴重な御指摘ありがとうございます。事務局でございます。
 そのような御指摘もある中で、一方で試験として最後に報告書が出ていない途中の段階のもので、学会がある程度のコンセンサスを出すというところに関しまして行っていただけるかどうかというところが問題かなと考えております。こちらも含めて、一度課内で整理させていただいて、また会議で御報告させていただいてもよろしいでしょうか。
○直江構成員
 そのようにお願いしたいと思います。2016年から始まった試験ですし、3例が継続されているということで、統計的にその症例がセンサーといいますか、今、生きていらっしゃってそこで打ち止めというところで、そこからその3例がどういうふうに統計的に影響を及ぼすものか、私もよく分かりませんけれども、恐らく大勢にはそんなにも影響しないのではないか。100例以上の症例があって、現在生きていらっしゃる、治療されている人はその3例のみですよね。ということで言うと、大勢に影響はないのではないかという気がしますけれども、よろしく検討をお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 貴重な御意見ありがとうございました。
○福井座長
 ありがとうございます。その方向で相談していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 ほかには何かございますでしょうか。
 どうぞ。
○天野構成員
 天野です。
 本日の議事は直接関係のないことなのですが、患者申出療養に関して1点お願いがございます。
 お願いしたいのは、小児がん患者さんが患者申出療養を使う上での障壁についてでございます。御承知のとおり、例えばパネル検査等でエキスパートパネルの検討を経て治療の候補薬が見いだされた場合、治験や先進医療がない場合は患者申出療養を使うということが方法としてあるわけで、そういったことを希望されている小児がん患者の親御さんもそれなりにいらっしゃると聞いていますが、なかなか患者申出療養につながらないと聞いています。
 どういった理由があるのかなということを私なりに小児がん診療に関わっている医療者の方に伺ったところ、患者申出療養に至るまでのプロセスの中に、いわゆる臨床試験として計画を立てる際に科学的根拠があるかを情報収集して提示することが必要だというプロセスがあると聞きました。しかし、特に小児の場合はもともと保険適用されている、保険適用されているような薬剤が極めて少ないということがあって、添付文書を参照することができないという事情があって、そもそも計画を立案するのが困難な状況にあるのだと聞きました。
 解決策としては、例えば科学的根拠として、日本人小児の情報のみでなく、海外の小児の情報もいわゆる科学的根拠の情報として参照できるようにしてもらえるとありがたいということがあると伺いましたが、ただ、もちろんそういった状態で海外の状況などを基に患者申出療養を実施するとなれば、当然、非常に小児の治療経験が豊富な中核的な医療機関で十分な安全性への配慮の下に行うことが必要になるとは思うのですが、いずれにせよ、現状は小児がん患者の親御さんがお子さんに患者申出療養を使いたいという声がそれなりにある中で、現状なかなか使いづらい状況があると聞きましたので、もしよろしければ、直接小児がんや小児領域の診療に関わっている医療者の方にどういった障壁があるのかというのを厚生労働省のほうで可能であればヒアリング等をしていただいて、解決に向けた何らかの方策を御検討いただけないかと思いまして、提案した次第です。
 以上です。
○福井座長 ありがとうございます。
 事務局から何かございますか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 天野先生、貴重な御意見ありがとうございます。そのような現場の御意見をこのような場でいただきまして、大変ありがとうございます。そのような御意見も踏まえて、今後検討してまいりたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
○福井座長
 いずれにしても、今、天野構成員がおっしゃった状況を確認して、次のステップをどうするかという議論はしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
○天野構成員
 ありがとうございます。
○福井座長
 事務局、そういう方向でお願いいたします。
 ほかには何かございますでしょうか。よろしいですか。
 次回の開催について事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
 事務局でございます。
 次回の開催につきましては、日程を調整の上、後日連絡させていただきたいと思います。
○福井座長
 それでは、これで第34回「患者申出療養評価会議」を終了いたします。
 本日はお忙しい中、ありがとうございました。
 

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 保険局が実施する検討会等> 患者申出療養評価会議> 患者申出療養評価会議議事録(2022年9月22日)

ページの先頭へ戻る