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2022年6月23日 患者申出療養評価会議議事録
○日時
令和4年6月23日(木)16:00~
○場所
オンライン開催
○出席者
【構成員等】
福井座長 五十嵐座長代理 天野構成員 一色構成員 井上構成員 上村構成員
新谷構成員 大門構成員 田島構成員 辻構成員 寺田構成員 手良向構成員
直江構成員 成川構成員 松井構成員 山口構成員 山崎構成員
【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官
医療機器審査管理課長 研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他
○議題
1患者申出療養の試験実施計画の変更について
(患-1)
2 患者申出療養の中間報告について
(患-2)(別紙1)(別紙2)(患―3)(別紙3)
3 患者申出療養の定期報告等について
(患-4)
4 患者申出療養の追加実施医療機関について
(患-5)
5 患者申出療養の終了に伴う取下げについて
(患-6)
6 その他
○議事
16:00開会
○福井座長
それでは、定刻になりましたので、ただいまより「患者申出療養評価会議」を開催いたします。
構成員の先生方におかれましては、大変御多忙のところ御参加いただきまして、ありがとうございます。
最初に構成員の先生方の出欠状況ですが、本日は、宮川構成員より御欠席との連絡をいただいております。
五十嵐先生が少し遅れて御参加との連絡をいただきました。
本日欠席されます構成員からは委任状の提出がございまして、議事決定につきましては座長に一任するとされております。
それでは、資料の確認を事務局からお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
頭撮りについては、ここまでとさせていただきます。
それでは、資料の確認をさせていただきます。
議事次第、構成員名簿に続きまして、患-1「患者申出療養の試験実施計画の変更について」という資料がございます。
続きまして、「患者申出療養の中間報告について」として、患-2、別紙1、別紙2、そして、患-3、別紙3の資料がございます。
続きまして、「患者申出療養の定期報告等について」として、患-4の資料がございます。
続きまして、「患者申出療養の追加実施医療機関について」として、患-5の資料がございます。
最後に、患-6「患者申出療養の終了に伴う取下げについて」としている資料がございます。
資料の確認は以上でございますが、資料について不足、誤り等がございましたら、事務局まで御連絡をいただけますと幸いです。
また、今回の患者申出療養評価会議におきましては、ウェブ上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等につきましては、送付させていただいた資料を閲覧していただきますので、発言される先生におかれましては、会議資料のページまたは送付のみの資料のページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○福井座長
資料等につきましては、よろしいでしょうか。
特に御意見ないようですので、次に進みます。
本日、検討対象となります技術等に関しまして、事前に利益相反の確認をしております。その結果について、事務局から報告をお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。
松井構成員より、「患-1」「患-4」について報告がありました。
松井構成員におかれましては、自らが所属する保険医療機関からの届出に係る医療技術であることから、患者申出療養評価会議運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術に関する検討結果の取りまとめ及び事前評価には加わらないことになります。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○福井座長
ありがとうございます。
ほかの参加されている構成員の先生方におかれましては、このような事例はないということでよろしいでしょうか。
(各構成員 首肯)
○福井座長
ありがとうございます。
続きまして、事務局から「患者申出療養の試験実施計画の変更について」の資料が提供されておりますので、説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
資料「患-1」につきまして御説明をさせていただきます。
今回、変更申請のあった技術につきましては、告知番号5番「マルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療」でございまして、適応症が、我が国で保険適用済み、あるいは、評価療養として実施された遺伝子パネル検査でactionableな遺伝子異常を有する固形腫瘍となってございます。
試験の概要につきましては、1ページ目の中ほどに記載させていただいているとおりでございます。
2ページ目にお進みいただきまして、今回の変更内容でございます。変更内容は4つございまして、まず1つ目でございますが、「薬剤追加に伴う医薬品リスト更新」でございまして、具体的には、ニラパリブという薬剤を追加するものでございます。
また、2つ目でございますが、「民法改正に伴う成人年齢の引き下げ」でございます。
また、3つ目でございますが、「治療中止時検査のアローワンスについて、追記をした」とのことでございます。
こちらに関しては、【変更を申請する理由】という項目において、中止時検査の実施について、試験治療を中止してから実施するまでの規定がなかった。施設によって実施時期にずれがあり、また、施設からの問い合わせが相次いだため、14日以内に実施することが望ましい規定を追記したとのことでございます。
最後に4つ目でございますが、その他、誤記などの修正を行ったとのことでございます。
なお、これまでの患者申出療養評価会議における御議論を踏まえまして、特にマル1の医薬品の追加につきまして、どのような起点から今回変更申請に至ったのか、事務局より確認を行ってございまして、今回の薬剤追加に係る変更申請については、実際に患者さんからの実施医療機関の医師にも、ニラパリブの投与に係る要望があったことを起点としており、このような声を踏まえて変更申請に至ったとのことでございます。
また、送付のみの資料といたしまして、新規薬剤を追加した理由や、海外での有用性を示唆する報告等についてもお送りさせていただいておりますので、併せて御確認をいただけますと幸いでございます。
事務局からの説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○福井座長
ありがとうございます。
本患者申出療養の実施計画の変更、この4点につきまして、何か御質問や御意見ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特に追加薬剤につきましては、お認めするという方向でよろしいでしょうか。
それでは、検討結果の取りまとめを行いたいと存じます。
大変申し訳ありませんが、松井構成員が利益相反の関係で一時御退席いただきますようお願いします。
(松井構成員 退席)
○福井座長
それでは、告示番号5の技術についての実施計画の変更を認めることとしたいと存じますが、よろしいでしょうか。
(各構成員 首肯)
○福井座長
ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
松井構成員にお戻りいただいてよろしいでしょうか。
(松井構成員 着席)
○福井座長
それでは、議題の2になります。「患者申出療養の中間報告について」資料が提出されております。2件ございます。まず1件目から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
資料「患-2」につきまして御説明をさせていただきます。
「『遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく複数の分子標的治療に関する患者申出療養(NCCH1901)』中間解析結果について」とする資料を御覧ください。
2行目から読み上げます。
御報告のとおり、アフィニトール錠及びテセントリク点滴静注においては、中間解析結果をもって、新規患者登録の継続について事務局で検討し、見解をまとめましたので、報告するとのことでございます。
国立がん研究センター事務局としては、この2コホートについて、以下の点から、引き続き継続が許容されると考えているとのことでございます。
1ポツ目でございます。無効と判断される5%未満の奏功割合を、点推定値では超えていること、SD以上の奏功が得られている症例を一定程度認め、奏功維持期間も比較的長いこと。
2ポツ目。有害事象として、新たな懸念となる事象を認めていないこととのことでございます。
なお、この国立がん研究センター事務局の見解については、効果・安全性評価委員会に諮問し、妥当な見解である判定を得ましたので、併せて報告するとのことでございます。
今後、当該コホートへの新規患者登録の可否について、御審議をお願いするとのことでございます。
送付のみの資料としまして、それぞれの薬剤の有効性・安全性を示した資料がございます。
続きまして、別紙1でございますが、こちら、令和4年5月31日時点での各医薬品のコホートの患者数になります。
また、別紙2でございますが、本試験の対象となっている医薬品のうち、以下の医薬品については、薬剤提供企業(ノバルティスファーマ社)より、本試験への提供が終了する旨の連絡があったとのことです。理由としては、次のとおりとのことでございまして、国立がん研究センター事務局としても、ノバルティスファーマ社の意向を踏まえまして、当該コホートへの新規患者登録は終了することを了承したので、報告するとのことでございます。
なお、今回御欠席である宮川構成員の意見をお預かりしておりますので、代読させていただきます。
別紙1の資料においては、症例数の情報に加えて、コホート開始からの時間も大切な情報であり、開始時期についても表に記載するべきではないか。
また、ジカディアが中止になったとのことだが、この残る2名の患者さんについては、今後の治療をどうされるのかが分からない。その点については伺いたい。
という意見を承りました。
事務局からの説明は以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいまの説明につきまして、いかがでしょうか。構成員の先生方から何か御質問・御意見がありましたら、お願いいたします。
手良向先生、どうぞ。
○手良向構成員
先ほどの中間解析結果についてという資料を出していただけますでしょうか。「患-2」ですね。この真ん中辺りの「無効と判断される5%未満の奏効割合を」という意味が分からないのですが、プロトコルを見ますと、無効と判断される域値は20%です。中間の時点で、域値を20%と定めて、それを超えていない確率が5%未満になったときに中止を検討すると書いてあるのですけれども、この文章の意味は、それとはかなり違っています。端的に言いますと、プロトコルで決めた中間解析の中止基準とこの文書は一致してないということですが、それについて、教えていただきたいと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
手良向先生、貴重な御意見ありがとうございます。
現時点で、手良向先生の御指摘に対しまして明確な答えは事務局としては持ち合わせておりませんので、こちら、会議終了しましたら、国立がん研究センターにお問い合わせするということでよろしいでしょうか。
○手良向構成員
分かりました。お願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
ありがとうございます。
○福井座長
ほかにはいかがでしょうか。
天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
御説明ありがとうございました。1点確認がございます。
別紙2で御説明いただいたジカディア錠の供給停止ということで、その趣旨もよく分かったのですけれども、今後、ジカディア錠については、何か開発の予定とか、ネクストステップは何か、企業もしくは研究グループから連絡というか、提案とか見込みは示されているのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
天野先生、御意見ありがとうございます。
天野先生に御指摘いただいている点は、今後、ジカディア錠に関して、再提供する見込みがあるかという点ではなくて、販売のことでございましょうか。ちょっと理解が浅く、すみません。
○天野構成員
いえ、とんでもありません。すみません。今後の開発の見込みとか、そういったことも含めて何か意向はあるのかという趣旨でございます。
○先進・再生医療開発戦略専門官
ありがとうございます。
今回の提供中止に関しましては、販売を中止したわけではなくて、ノバルティスファーマ社が本患者申出療養に薬剤を提供するのを中止したと、事務局からは承っております。
今後、研究開発は、新たな薬剤の研究開発ということでしょうか。
○天野構成員
いいえ、ジカディア錠についてということでございます。
○先進・再生医療開発戦略専門官
ジカディア錠に関しましては、販売はまだ継続されているということでございます。
○天野構成員
承知しているのですけれども、今後、追加で、例えば臨床試験とか治験等が行われるような見込みみたいなものは特にないという理解でよろしいのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
分かりました。ありがとうございます。
今後、臨床試験や治験が行われるかどうかにつきましても、今、事務局としては答えを持っておりませんので、国立がん研究センターに後ほど問い合わせさせていただいてもよろしいでしょうか。
○天野構成員
恐れ入ります。よろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
はい。ありがとうございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ALKインヒビターはジカディア以外のものもあって、使用可能だというふうには聞いております。
ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
山口先生、どうぞ。
○山口構成員
ちょっと質問です。
こういう中間解析の結果は、治験の参加者とかこれからリクルートされる人への情報は提供されるのでしょうか。分かりにくいので、もう少し分かりやすい形で表現しないと、この情報は、参加している人にも、これから参加しようとする人にも伝わらないと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
山口先生ありがとうございます。
こちらの中間解析結果を、今後参加される方々に分かりやすい形でフィードバックするかどうかにつきましても、国立がん研究センターにお問い合わせさせていただきたいと思います。貴重な御意見ありがとうございます。
○山口構成員
よろしくお願いします。ありがとうございました。
○福井座長
ほかにはいかがでしょうか。
直江先生、どうぞ。
○直江構成員
ありがとうございます。
別紙1、2で、今の各医薬品の登録患者数を報告していただきまして、ありがとうございました。結構な数が登録されて、2つの薬剤、メキニスト/タフィンラー、オプジーボに関しては、登録が終了になったということでございます。
私の質問は、これは確認ですけれども、登録症例が目標に達したということでの中止でしたでしょうか。
それから、第2点目は、登録終了した後、これはメーカーとしては、あるいは、国立がん研究センターとしては、今後の出口ですね。例えば、医師主導治験に行くのか、それともメーカーが治験を行うのか。この患者申出療養は通過点だと思うのですけれども、その後どうなるのかということについて、もし分かれば教えていただきたいと思います。
その2点です。よろしくお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
直江先生ありがとうございます。事務局でございます。
まず1点目の御質問でございますが、事務局としては、この登録終了となっているものに関しましては、目標に達したからという理解で認識しております。
2点目の御質問でございますが、直江先生のおっしゃるとおり、今後の出口としまして、医師主導治験や、また、メーカー主導の治験などにするかどうかを含め、国立がん研究センターがどのように考えているのかというのは、一旦、お問い合わせするべきかと思っておりますので、会議終了後に取りまとめて、指摘事項として、医療機関にお伺いしてみようと思っております。
よろしいでしょうか。
○直江構成員
ぜひお願いします。
それと、もう一つは患者さんのことを考えますと、これから患者申出をされた場合、この終了した薬剤が使えなくなってしまうということになりますけれども、そこについての方策というか、考え方を併せてお聞きしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
直江先生、ありがとうございます。事務局でございます。
併せて、こちらも国立がん研究センターにお問い合わせしたいと思います。
ありがとうございます。
○福井座長
ありがとうございます。
いずれにしましても、登録終了した薬剤につきましては、安全性とか有効性についてのデータを出していただくとともに、次のステップとしてどうするのかということは、この会議でも十分話し合った上で明確にしていきたいと思っています。
ほかには御意見ございませんでしょうか。
新谷先生、どうぞ。
○新谷構成員
先ほど、中間解析の結果を患者さん等にお知らせするかどうかという御意見があったのですけれども、そこは統計的に見て、通常それは知らせないというか、かなり慎重に議論を尽くしてからどうするかということを決められることになると思いますので、通常は知らせないという運用でやられている試験のほうが多いかと思いますので、そちらは、知らせる場合はかなり慎重にしていただいたほうがよろしいかと思います。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
また、ディスカッションを続けていきたいと思います。ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
ないようでしたら、2件目に移りたいと思います。事務局から説明をお願いします。以前からずっと引きずっている案件です。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、資料「患-3」につきまして御説明をさせていただきます。
「患者申出療養『パクリタキセル腹腔内投与及び静脈内投与並びにS-1内服併用療法』に係る中間報告について」という資料でございます。
まず1○目のところでございますが、本技術につきましては、先行して先進医療Bとして実施されたランダム化比較試験におきまして、標準治療に対する優越性が示されなかったことを受けまして、本患者申出療養についても中間報告を求めるべきという指摘がございました。こちらを受けまして、第16回患者申出療養評価会議におきまして、東京大学医学部附属病院より中間報告書が提出されております。
また、2○目のところでございますが、第23回患者申出療養評価会議におきまして、再度、現時点での中間報告を求めるべきという指摘をいただきました。
3○目のところでございますが、第25回患者申出療養評価会議において、中間報告書が提出され、その際に、
1ポツ目、多くの患者さんに適切なエビデンスを提供するという観点から、この試験自体の現時点の結果について早期に示すことを検討するべきではないか。
2ポツ目。試験治療継続中の8例においては、腫瘍増悪を認めていないとのことだが、この方々がどういう症例であったかを示していただきたいという指摘がございました。
4○目のところでございますが、この指摘を踏まえ、医療機関に指摘事項について照会を行い、第27回患者申出療養評価会議において、早期の解析結果の提示及び現在治療を受けている8名の患者について照会を行いました。
5○目のところでございますが、今回、医療機関より中間報告書が提出されたため、御確認いただきたいと思います。
続きまして、資料、別紙3につきまして御説明をさせていただきます。
こちらの2ページ目でございますが、目的は、腹膜播種陽性または腹腔細胞診陽性の胃がん症例を対象として、S-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内併用療法の安全性と有効性を評価するというものでございます。
「技術の内容」でございますが、S-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内併用療法は、標準治療であるS-1+CDDP併用療法を対照とした第III相試験において、腹膜播種陽性胃がんに対する有効性が示唆された新規治療法である。
本研究は、患者申出療養制度下に、腹膜播種陽性または腹腔細胞診陽性の胃がん症例を対象として、本療法の安全性と有効性を評価することを目的とするとのことでございます。審査腹腔鏡により腹膜播種陽性または腹腔細胞診陽性を確認し、腹腔ポートを留置する。21日間を1コースとしてS-1 80mg/m2/dayを14日間内服し、7日間休薬する。第1、8日にパクリタキセル50mg/ m2を経静脈投与、20mg/ m2を腹腔内投与する。本療法は腫瘍の進行が確認されるか、有害事象により継続困難となるまで反復するというものでございます。
主要評価項目は有害事象発現状況、副次評価項目は全生存期間、奏功割合及び腹腔洗浄細胞診陰性化割合とする。本試験には、先進医療制度下に腹腔内化学療法の臨床試験を実施中の腹腔内化学療法研究会の施設が参加し、研究期間は6年、登録症例数は121例を予定するとのことでございます。
次に、「患者数」でございますが、中間報告時は111人で、「考察」のところを読み上げます。
本研究は、2016年10月に患者申出療養として告示され、東京大学医学部附属病院において症例登録を開始した。その後、研究協力医療機関の参加が承認され、参加施設は計21施設となった。予定を上回るペースで症例が集積され、2017年3月に100例の登録を完了した。予定症例数の100例が本登録された時点で、既に説明、同意取得や仮登録が行われていた症例があり、特例として21例の追加登録が認められた。2017年6月までに追加で11例が登録され、試験治療を受けた。その後、腫瘍増悪や有害事象などにより治療が中止され、2021年10月14日時点で4例が治療継続中とのことでございます。
続いて7ページ目でございますが、「中間解析結果の要約」がございます。
2016年10月から2017年6月までに19施設より111例が登録され、109例に試験治療が実施されたとのことでございます。全治療例の患者背景は、年齢が34~38歳、パフォーマンスステータスは記載のとおりでございます。腹膜播種陽性96例、腹膜播種陰性・腹腔洗浄細胞診陽性が13例、前治療なしが23例でございました。
主な有害事象(Grade3以上)は、記載のとおりでございます。腹腔ポート関連合併症としては、ポート感染、カテーテル閉塞等の13件の既知の合併症を認めました。重篤な有害事象が37件報告されたが、全て既知の有害事象であり、治療関連死亡は認めなかったとのことでございます。
全生存期間中央値は19.6か月であり、腹膜播種陽性例では18.7か月、腹膜播種陰性・腹腔洗浄細胞診陽性例では37.0か月であったとのことです。腹腔洗浄細胞診陰性化割合は70%であったとのことでございます。
続いて11ページ目でございますが、「考察」がございます。中ほどの第3段落目でございます。
本研究において、本療法で頻度が高く、治療の忍容性に影響する好中球数減少を抑えられたことは、治療の継続性と有効性につながったものと推定される。本研究では、患者申出療養制度の趣旨に基づき、先行研究では対象外であった高齢者(75歳以上85歳未満)、PS2症例、2か月以上の前治療歴を有する症例等も登録可能とし、安全性確保のため担当医判断による投与量の調整を許容した。その結果として有害事象の発現を抑えることができたものと考えられるとのことでございます。
最後の段落でございます。本研究は、先行研究と適格基準が異なり、実際に登録された症例の背景が異なるため、結果の比較可能性はない。しかし、本研究には高齢者、PS不良例や既治療例等が含まれていたにもかかわらず、先行研究と遜色ない結果が得られたことは、本療法の有効性を改めて示唆するものと考えるとのことでございます。
先行する第III相試験において、本療法の標準化学療法に対する優越性は示されなかったものの、実施計画書に適合した対象集団における探索的解析、腹水量の不均衡を調整した解析及び追跡調査では、本療法の臨床的な有効性を示唆する結果が得られているとのことでございます。
最後に、「結論」でございますが、中間解析により先行研究と同様の結果が得られたことにより、S-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内併用療法は安全に実施可能であり、有効であることが示唆された。通常の臨床試験より実臨床に近い条件下で実施した本研究において、安全性と有効性が確認されたことの意義は大きいと考えるとのことでございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいまの説明につきまして、構成員の皆様から御意見・御質問ございましたら、よろしくお願いします。
天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
御説明ありがとうございました。
資料を拝読いたしまして、資料の説明部分で、結論と申しますか、本療法の有効性を改めて示唆するものであると考えるという考察を書いていただいているのですけれども、もともと先行する第III相試験で本療法の標準化学療法に対する優越性は示されていないですし、この患者申出療養でももともとそういうデザインになってないということは当然あるわけですが、標準化学療法に対する優越性等は示せるものではないということで、そうなってくると、結局、この本療法がどれだけの優越性があるのかということを明らかにするような臨床試験はかなり待たれていくと思うのですけれども、そういった試験をやる見込みとかやる予定は、事務局で何か把握しているのでしょうか。
こう申し上げますと、東京大学医学部附属病院は、以前にもこちらの会議で指摘いたしましたが、患者申出療養を行うのと並行して自由診療をされていて、患者さんとしてみれば、当然わらをもすがる気持ちで参加されている方が多数いらっしゃるものと聞いておりますので、患者さんは当然何かいいことがあるのだということを期待して入っているわけですので、そういった患者さんの思いに応えるためにも検証が必要ではないかと思うのですが、その辺りについて事務局で把握しているものがあれば教えていただければと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。天野先生、貴重な御意見ありがとうございます。
私たち事務局でも、天野先生が御指摘いただくような臨床試験は把握しておりません。
ただ、改めて指摘事項として東京大学医学部附属病院にお伺いしてみようと思います。
ありがとうございます。
○福井座長
いかがでしょうか。
手良向先生、どうぞ。
○手良向構成員
細かいことが気になるのですけれども、先ほどのカプランマイヤー曲線を出してもらえますか。生存曲線を細かく見ないといけないのですけれども、最低でも4年程度追跡されているはずです。その4年までに打ち切り(センサリング)が、数える限り8件くらいあるのですけれども、その理由が分からないので、なぜ4年以内に生存曲線に打ち切りがあるのかという理由を聞いていただけますでしょうか。
○福井座長
この研究者に尋ねないと分からないことですので、そのようにしたいと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。手良向先生、貴重な御意見ありがとうございます。
研究者の方に尋ねてみたいと思います。
ありがとうございます。
○福井座長
五十嵐先生、どうぞ。
○五十嵐座長代理
ありがとうございます。私も知りたいことが1つあります。
11ページの「結論」の上の3行です。「実施計画書に適合した対象集団における探索的解析云々」ということで、追跡調査では、「本療法の臨床的な有効性を示唆する結果が得られている」と記載されています。有効性を示すデータは、今回は示していただけなかったのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。五十嵐先生、貴重な御意見ありがとうございます。
このデータでございますが、これは以前の第III相試験のデータと思料いたします。
○五十嵐座長代理
今回は示していないけれども、有効性を示したデータがあるということですね。
○先進・再生医療開発戦略専門官
さようでございます。
○五十嵐座長代理
ありがとうございます。
○福井座長
これは、先行する第III相試験の説明でございまして、研究者の先生方は「有効性を示唆する」という言葉を使っていますけれども、統計学的な有意差は示されていなかったというふうに。
○五十嵐座長代理
そうですか。
○福井座長
そうなのです。
○五十嵐座長代理
そうすると、この書き方には誤解を招くような印象がございます。
ありがとうございます。
○福井座長
座長の私が申し上げて恐縮ですけれども、今回のこの報告書の、ただいま五十嵐先生が指摘された、この4行のパラグラフの上の文章、今回の患者申出療養での有効性を改めて示唆するものが得られたという文章ですけれども、実は、一番最後の「結論」のところでは、「安全性と有効性が確認された」という文章になっていて、恐らく研究者の先生方の思い入れもありまして、有効であってほしいという、そういう気持ちが文章の中に強く表れていて、統計学的な有効性を示すことはできなかったけれども、有効だということを主張したいという気持ちが籠もった文章のようには思われます。
統計学の専門の先生方から御覧になっていかがでしょうか。
何か御意見ほかにございませんでしょうか。
○新谷構成員
そもそも対象集団が違うというところからかなりずれているというところから、先行研究と同じであるからといって、有効性を示唆されたというのは、統計的な裏づけは全くないと思います。ですから、同じ対象集団の治療のコントロールがないといいますか、そもそも治療のものではあるというところをエデュケーションとして示していただきたいと思いました。
あとは、ちょっと個人的に思うことがあるのですけれども、天野構成員が言われた言葉を非常に重く受けとめております。といいますのは、私は最近、母を膵臓がんで亡くしまして、腹膜播種で苦しんでおりました。私も本治療を受けられないか考慮したのですが、そのときに主治医に言われたことが、試験に入ってしまうと、今の最新の治療を受けられなくなると。今は、高齢者にもっといいお薬が出てきているから、そちらを試してみたほうがいいと言われてやめました。もしも受けられたとしても、東京まで飛行機で行って、全て自己負担で、通常、一月1~2万円ぐらいの治療費が十数万円自分で払って、それも治療時間は、通常は2時間で済むところを3時間以上もかかる。また、お腹に大きなポートを3つも作らなければならないなど患者にかなりの負担がかかるというようなこともいろいろ言われまして、結果的に選ばない選択をいたしました。ですので、本当の意味で本治療を患者様に勧めるかどうかは、最新の治療と比較して有効かどうかというところだと思います。ですので、最新の治療法を比べるということは、そこは臨床試験の限界として難しいかもしれませんが、有効かどうかというところを議論されるときには、最新の薬と比較した場合はどうなのかというところの議論もしていただいたほうが患者様のためになるのではないかなと思います。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
山口先生、どうぞ。
○山口構成員
これもずっと長いことかかわっておりますけれども、以前行われたRCTでの、対照群の一部が試験治療を受けてしまって、それが結構効いたので、差が出なくなってしまったと、そういうふうな解釈されていました。結果としては差が出なかったのですが、試験者側の思い入れが強く、絶対いいはずだということになってしまっていると思います。
新谷先生もおっしゃいましたけれども、治療はかなり進歩していますから、本当に腹膜播種の形成されたものに対してIPでもいいかどうかというのは大きな問題なので、初心に戻って、もう一回試験をやり直すぐらいの気持ちにならないと、これはいつまでも続くのではないかと思います。今回の報告書は確かに思い入れが強過ぎて、ちょっと容認できるような内容ではないと私は思います。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
この患者申出療養評価会議でそのような御意見も出たことも含めて、研究者の先生方と相談をしたいと思います。報告書自体は、これはまだ中間報告ということで。
○先進・再生医療開発戦略専門官
さようでございます。
○福井座長
最終報告について何か話はあるのでしょうか。例えばいつ頃とかですね。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
今のところ、最終報告に関しましては、今現時点で111例ですので、このまま進みますと、121例をインクルードするまで続くということになります。
本会議におかれましては、この中間報告をもって、例えば、今すぐやめねばならないとかそういう点につきまして、もしございましたら、御教示、御明示いただけますと、幸いでございます。
○福井座長
現在、治療を継続中の患者さんもおられますので、いずれにしても、全部の患者さんについてのデータがそろったところで、早急に最終報告書を出していただきます。それから、今後どうするのか、できましたら、もうちょっとサイエンティフィックに説得性のある研究デザインを考えていただくということで相談したいと思いますが、その方向でよろしいでしょうか。
(各構成員 首肯)
○福井座長
ありがとうございます。
上村先生、どうぞ。
○上村構成員
コメントですけれども、サイエンティフィックな結論についての疑義が、天野先生のような患者さんのご意見とかを代表する非医師の構成員からの発言として出てくるということは、非常に重たいのかなと思いました。サイエンティフィックな議論があって、しっかりとしたサイエンスに基づいた結論を出していただくというのが絶対的に必要なわけで、そこの信頼性が揺らいではいけないのですけれども、それを非専門家からも指摘されるというのは好ましいことではないと思いますので、しっかりフィードバックをかけていただく必要があるかなと思います。
感想です。
○福井座長
ありがとうございます。大変重要な御指摘だと思います。
それでは、先ほど申し上げましたような方針で、また、研究グループと相談していきたいと思います。ありがとうございます。
それでは、次の議題に移りたいと思います。議題の3ですね。「患者申出療養の定期報告等について」の資料が提出されております。事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
「患-4」の資料を御覧いただければと思います。「患者申出療養『経皮的乳がんラジオ波焼灼療法』の実績報告について」でございます。
まず、「経緯」でございますけれども、本患者申出療養につきましては、第13回患者申出療養評価会議で承認された際に、申請医療機関である国立がん研究センター中央病院に対しまして、本技術の定期的な実績報告を求めるべきだという御指摘をいただいたところでございます。
今回、医療機関より、適用開始から3年時点での実績報告書が提出されましたので、こちらに基づきまして、本技術の継続の可否について御審議いただきたいと考えております。
実績報告書につきましては、お送りしている資料でございます。こちらにつきましては、最終ページに現在の状況が書かれておりまして、この試験が始まってから3年が経過した時点では、実施例が94例で、重篤な有害事象が発生した事例は認めていないとのことでございます。
事務局からは以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
いかがでしょうか。本患者申出療養の継続の可否について、何か御質問・御意見等ございましたら、お願いしたいと思います。
94例(96乳房)の治療につきまして、重篤な有害事象は認めていないということです。
天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
御説明いただきまして、ありがとうございます。
1点、事務局へ確認ですが、公開資料でないほうの資料を見ると、有効性の評価結果についても研究グループからコメントが出ているのですけれども、この部分の要約みたいなものを公開するように掲載いただくのは難しい理由が何かあるのでしょうか。ちょっと確認です。
○先進・再生医療開発戦略専門官
天野先生、事務局でございます。貴重な御意見ありがとうございます。
こちらの件につきまして、国立がん研究センター事務局に一度問い合わせておりまして、有効性の評価結果につきましては、公開はできないとのことでございます。理由について述べさせていただきます。
ラジオ波焼灼療法につきましては、早期乳がんに対して医療上の有用性が期待できると判断され、日本乳がん学会より、医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会に要望書が提出され、第32回同検討会の審議の結果、早期導入品目として選定されました。
現在、先進医療B制度を利用した短期成績での臨床試験データで薬事承認申請に向け準備を行っているとのことでございまして、その先進医療Bでの試験結果を待ちたいとのことでございまして、この有効性に関する患者申出療養の結果を公開資料としては提出できないという答えをいただいております。
以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
山口先生、どうぞ。
○山口構成員
有効性を公開できないということですけれども、この技術で心配されるのは、局所再発の危険性だと思うのですけれども、そういうことも公開できないのですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
山口先生おっしゃるとおりでございまして、公開できないとのことでございます。
○山口構成員
これは、普通のコンベンショナルな治療で治るべき疾患ですから、中途半端にやって再発すると最悪の結果になるので、少なくともそういうことで大きな間違いはないということを示さないと、大変失礼なことになるのではないでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
ありがとうございます。
今回の会議後に、改めて、事務局から国立がん研究センターにお問い合わせしたいと思います。
○山口構成員
よろしくお願いします。
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、検討結果の取りまとめを行いたいと存じます。
大変申し訳ありませんが、松井構成員は一時御退席いただきますようよろしくお願いします。
(松井構成員 退席)
○福井座長
それでは、少なくとも有害事象の件につきまして、その結果を踏まえて、本療養を継続していいかどうかの御判断はここでしていただきたいと思いますけれども、継続可ということでよろしいでしょうか。
(各構成員 首肯)
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
松井構成員にお戻りいただきたいと思います。
(松井構成員 着席)
○福井座長
それでは、議題の4「患者申出療養の追加実施医療機関について」の資料が提出されております。事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、「患-5」に従いまして、「患者申出療養の追加実施医療機関について」を御報告させていただきます。
告示番号4番「経皮的乳がんラジオ波焼灼療法」でございますけれども、既に患者申出療養として前例のある医療として、まだ実施医療機関として認められていない医療機関の患者様からの申出に基づきまして、申請元の臨床研究中核病院である国立がん研究センター中央病院におきまして審査がなされまして、今回、東京都立駒込病院が追加実施医療機関として認められました。
事務局からの説明は以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
この件につきまして、何か御質問・御意見等ございますでしょうか。
都立駒込病院が追加されるということです。よろしいでしょうか。
直江先生、どうぞ。
○直江構成員
追加に問題はないのですが、ちょっと確認になりますけれども、これは年間50例くらい入るだろうということでの、5年間300例ということで、先ほど九十数名既に登録されているという報告があったのですが、これは、施設を追加するということは、患者さんのリクルートが思ったよりも進まないということなのでしょうか。この追加される理由は、その患者さんの便利を考えているということなのでしょうか。そこらへん、ちょっと教えてください。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
その点につきまして、なぜ、この医療機関が追加になったということに関しましては、今のところ、患者さんの手挙げがその医療機関で行われたということは聞いております。それ以上の理由としては、今のところ持ち合わせておりません。
以上でございます。
○直江構成員
リクルートのスピードとしては、大体予想どおりで進捗しているということでよろしいでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
その点につきましては、国立がん研究センター事務局に一度問い合わせてみないと分からない点でございますので、この会議後に一度問い合わせてみようと思います。
○福井座長
それでは、そのように確認をさせていただきたいと思います。
ほかにはいかがでしょうか。
それでは、都立駒込病院を追加する件につきましては、お認めいただくということで、了承したということにしたいと思います。ありがとうございます。
それでは、次の議題「患者申出療養の終了に伴う取下げについて」の資料が提出されております。事務局から説明をお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、「患-6」に従いまして説明させていただきます。
今回、取下げの届出があった技術は、告示番号2番「リツキシマブ静脈内投与療法」でございます。
こちらは平成29年5月2日に告示適用された技術でございまして、臨床研究中核病院及び実施医療機関は慶應義塾大学病院となってございました。
「取下げ理由」のところでございますが、全ての症例についてプロトコル治療及び観察が終了したためとのことでございます。
なお、総括報告書については、提出準備中であるとのことでございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいまの説明につきまして、何か御質問・御意見等ございますでしょうか。
辻先生、どうぞ。
○辻構成員
ありがとうございます。
この患者申出療養の取下げについての事前資料が、ただ「取下げについて」と書いてあったので、「取下げ」という表現でちょっと誤解を招かないのかなと思ったのですが、今日、今、映していただいたのはたしか「終了に伴う取下げ」と書いていただいたので、非常に分かりやすくなったと思ったのですけれども、そういう認識で、事務局さんよろしいでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
辻先生がおっしゃっているのはタイトルのところでございましょうか。
○辻構成員
そうです。
○先進・再生医療開発戦略専門官
ありがとうございます。
実は、これまでにも、「患者申出療養の取下げについて」と書くのみですと、何となく悪い印象といいますか、そういうのが一部の方から御指摘を受けまして、今回から、「患者申出療養の終了に伴う取下げについて」と変更させていただきました。
こちらでよろしいでしょうか。
○辻構成員
了解しました。ありがとうございます。
○福井座長
ありがとうございます。
そのほか、何か御意見・御質問等ございますでしょうか。
よろしいですか。
それでは、最終的な報告書は、今、作成中とのことですので、できるだけ早く出していただければありがたいです。
それでは、この件につきましてはお認めいただいたということにさせていただきます。
本日の議題は、残り「その他」となっております。事務局から何かありますか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
特にございません。
○福井座長
構成員の先生方から何か御意見ございましたら。
辻先生、どうぞ。
○辻構成員
すみません。「患-2」のところで、御欠席の先生から、お二人の方が対象になるということで、その後どうなるのでしょうか、という御質問があったかと思うのですけれども、私もちょっと気になっておりまして、その答えを聞き漏らしていたら申し訳ないのですけれども、別のいい薬があるということで、そちらに移ると考えていいのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
辻先生が今御指摘いただいた点は、ジカディア錠が中止になったことに伴って2人の患者様をどうするかということでよろしいですか。
○辻構成員
そうです。その御質問があったかと思うので。
○先進・再生医療開発戦略専門官
こちらに関しましても、会議終了後、国立がん研究センターにお問い合わせしたいと思います。
御指摘ありがとうございます。
○辻構成員
分かりました。すみません。
○福井座長
ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
よろしいですか。
ありがとうございます。
それでは、事務局から次回の日程についてお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
次回は、日程を調整の上、後日連絡させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○福井座長
それでは、第32回「患者申出療養評価会議」をこれで終了したいと思います。本日は大変お忙しい中御参加いただきまして、貴重な御意見をいただきました。ありがとうございました。
これで閉会といたします。
令和4年6月23日(木)16:00~
○場所
オンライン開催
○出席者
【構成員等】
福井座長 五十嵐座長代理 天野構成員 一色構成員 井上構成員 上村構成員
新谷構成員 大門構成員 田島構成員 辻構成員 寺田構成員 手良向構成員
直江構成員 成川構成員 松井構成員 山口構成員 山崎構成員
【事務局】
医療課長 医療技術評価推進室長 医療課長補佐 先進・再生医療開発戦略専門官
医療機器審査管理課長 研究開発振興課長 研究開発振興課長補佐 他
○議題
1患者申出療養の試験実施計画の変更について
(患-1)
2 患者申出療養の中間報告について
(患-2)(別紙1)(別紙2)(患―3)(別紙3)
3 患者申出療養の定期報告等について
(患-4)
4 患者申出療養の追加実施医療機関について
(患-5)
5 患者申出療養の終了に伴う取下げについて
(患-6)
6 その他
○議事
16:00開会
○福井座長
それでは、定刻になりましたので、ただいまより「患者申出療養評価会議」を開催いたします。
構成員の先生方におかれましては、大変御多忙のところ御参加いただきまして、ありがとうございます。
最初に構成員の先生方の出欠状況ですが、本日は、宮川構成員より御欠席との連絡をいただいております。
五十嵐先生が少し遅れて御参加との連絡をいただきました。
本日欠席されます構成員からは委任状の提出がございまして、議事決定につきましては座長に一任するとされております。
それでは、資料の確認を事務局からお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
頭撮りについては、ここまでとさせていただきます。
それでは、資料の確認をさせていただきます。
議事次第、構成員名簿に続きまして、患-1「患者申出療養の試験実施計画の変更について」という資料がございます。
続きまして、「患者申出療養の中間報告について」として、患-2、別紙1、別紙2、そして、患-3、別紙3の資料がございます。
続きまして、「患者申出療養の定期報告等について」として、患-4の資料がございます。
続きまして、「患者申出療養の追加実施医療機関について」として、患-5の資料がございます。
最後に、患-6「患者申出療養の終了に伴う取下げについて」としている資料がございます。
資料の確認は以上でございますが、資料について不足、誤り等がございましたら、事務局まで御連絡をいただけますと幸いです。
また、今回の患者申出療養評価会議におきましては、ウェブ上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等につきましては、送付させていただいた資料を閲覧していただきますので、発言される先生におかれましては、会議資料のページまたは送付のみの資料のページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○福井座長
資料等につきましては、よろしいでしょうか。
特に御意見ないようですので、次に進みます。
本日、検討対象となります技術等に関しまして、事前に利益相反の確認をしております。その結果について、事務局から報告をお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。
松井構成員より、「患-1」「患-4」について報告がありました。
松井構成員におかれましては、自らが所属する保険医療機関からの届出に係る医療技術であることから、患者申出療養評価会議運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術に関する検討結果の取りまとめ及び事前評価には加わらないことになります。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○福井座長
ありがとうございます。
ほかの参加されている構成員の先生方におかれましては、このような事例はないということでよろしいでしょうか。
(各構成員 首肯)
○福井座長
ありがとうございます。
続きまして、事務局から「患者申出療養の試験実施計画の変更について」の資料が提供されておりますので、説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
資料「患-1」につきまして御説明をさせていただきます。
今回、変更申請のあった技術につきましては、告知番号5番「マルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療」でございまして、適応症が、我が国で保険適用済み、あるいは、評価療養として実施された遺伝子パネル検査でactionableな遺伝子異常を有する固形腫瘍となってございます。
試験の概要につきましては、1ページ目の中ほどに記載させていただいているとおりでございます。
2ページ目にお進みいただきまして、今回の変更内容でございます。変更内容は4つございまして、まず1つ目でございますが、「薬剤追加に伴う医薬品リスト更新」でございまして、具体的には、ニラパリブという薬剤を追加するものでございます。
また、2つ目でございますが、「民法改正に伴う成人年齢の引き下げ」でございます。
また、3つ目でございますが、「治療中止時検査のアローワンスについて、追記をした」とのことでございます。
こちらに関しては、【変更を申請する理由】という項目において、中止時検査の実施について、試験治療を中止してから実施するまでの規定がなかった。施設によって実施時期にずれがあり、また、施設からの問い合わせが相次いだため、14日以内に実施することが望ましい規定を追記したとのことでございます。
最後に4つ目でございますが、その他、誤記などの修正を行ったとのことでございます。
なお、これまでの患者申出療養評価会議における御議論を踏まえまして、特にマル1の医薬品の追加につきまして、どのような起点から今回変更申請に至ったのか、事務局より確認を行ってございまして、今回の薬剤追加に係る変更申請については、実際に患者さんからの実施医療機関の医師にも、ニラパリブの投与に係る要望があったことを起点としており、このような声を踏まえて変更申請に至ったとのことでございます。
また、送付のみの資料といたしまして、新規薬剤を追加した理由や、海外での有用性を示唆する報告等についてもお送りさせていただいておりますので、併せて御確認をいただけますと幸いでございます。
事務局からの説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○福井座長
ありがとうございます。
本患者申出療養の実施計画の変更、この4点につきまして、何か御質問や御意見ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特に追加薬剤につきましては、お認めするという方向でよろしいでしょうか。
それでは、検討結果の取りまとめを行いたいと存じます。
大変申し訳ありませんが、松井構成員が利益相反の関係で一時御退席いただきますようお願いします。
(松井構成員 退席)
○福井座長
それでは、告示番号5の技術についての実施計画の変更を認めることとしたいと存じますが、よろしいでしょうか。
(各構成員 首肯)
○福井座長
ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
松井構成員にお戻りいただいてよろしいでしょうか。
(松井構成員 着席)
○福井座長
それでは、議題の2になります。「患者申出療養の中間報告について」資料が提出されております。2件ございます。まず1件目から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
資料「患-2」につきまして御説明をさせていただきます。
「『遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく複数の分子標的治療に関する患者申出療養(NCCH1901)』中間解析結果について」とする資料を御覧ください。
2行目から読み上げます。
御報告のとおり、アフィニトール錠及びテセントリク点滴静注においては、中間解析結果をもって、新規患者登録の継続について事務局で検討し、見解をまとめましたので、報告するとのことでございます。
国立がん研究センター事務局としては、この2コホートについて、以下の点から、引き続き継続が許容されると考えているとのことでございます。
1ポツ目でございます。無効と判断される5%未満の奏功割合を、点推定値では超えていること、SD以上の奏功が得られている症例を一定程度認め、奏功維持期間も比較的長いこと。
2ポツ目。有害事象として、新たな懸念となる事象を認めていないこととのことでございます。
なお、この国立がん研究センター事務局の見解については、効果・安全性評価委員会に諮問し、妥当な見解である判定を得ましたので、併せて報告するとのことでございます。
今後、当該コホートへの新規患者登録の可否について、御審議をお願いするとのことでございます。
送付のみの資料としまして、それぞれの薬剤の有効性・安全性を示した資料がございます。
続きまして、別紙1でございますが、こちら、令和4年5月31日時点での各医薬品のコホートの患者数になります。
また、別紙2でございますが、本試験の対象となっている医薬品のうち、以下の医薬品については、薬剤提供企業(ノバルティスファーマ社)より、本試験への提供が終了する旨の連絡があったとのことです。理由としては、次のとおりとのことでございまして、国立がん研究センター事務局としても、ノバルティスファーマ社の意向を踏まえまして、当該コホートへの新規患者登録は終了することを了承したので、報告するとのことでございます。
なお、今回御欠席である宮川構成員の意見をお預かりしておりますので、代読させていただきます。
別紙1の資料においては、症例数の情報に加えて、コホート開始からの時間も大切な情報であり、開始時期についても表に記載するべきではないか。
また、ジカディアが中止になったとのことだが、この残る2名の患者さんについては、今後の治療をどうされるのかが分からない。その点については伺いたい。
という意見を承りました。
事務局からの説明は以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいまの説明につきまして、いかがでしょうか。構成員の先生方から何か御質問・御意見がありましたら、お願いいたします。
手良向先生、どうぞ。
○手良向構成員
先ほどの中間解析結果についてという資料を出していただけますでしょうか。「患-2」ですね。この真ん中辺りの「無効と判断される5%未満の奏効割合を」という意味が分からないのですが、プロトコルを見ますと、無効と判断される域値は20%です。中間の時点で、域値を20%と定めて、それを超えていない確率が5%未満になったときに中止を検討すると書いてあるのですけれども、この文章の意味は、それとはかなり違っています。端的に言いますと、プロトコルで決めた中間解析の中止基準とこの文書は一致してないということですが、それについて、教えていただきたいと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
手良向先生、貴重な御意見ありがとうございます。
現時点で、手良向先生の御指摘に対しまして明確な答えは事務局としては持ち合わせておりませんので、こちら、会議終了しましたら、国立がん研究センターにお問い合わせするということでよろしいでしょうか。
○手良向構成員
分かりました。お願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
ありがとうございます。
○福井座長
ほかにはいかがでしょうか。
天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
御説明ありがとうございました。1点確認がございます。
別紙2で御説明いただいたジカディア錠の供給停止ということで、その趣旨もよく分かったのですけれども、今後、ジカディア錠については、何か開発の予定とか、ネクストステップは何か、企業もしくは研究グループから連絡というか、提案とか見込みは示されているのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
天野先生、御意見ありがとうございます。
天野先生に御指摘いただいている点は、今後、ジカディア錠に関して、再提供する見込みがあるかという点ではなくて、販売のことでございましょうか。ちょっと理解が浅く、すみません。
○天野構成員
いえ、とんでもありません。すみません。今後の開発の見込みとか、そういったことも含めて何か意向はあるのかという趣旨でございます。
○先進・再生医療開発戦略専門官
ありがとうございます。
今回の提供中止に関しましては、販売を中止したわけではなくて、ノバルティスファーマ社が本患者申出療養に薬剤を提供するのを中止したと、事務局からは承っております。
今後、研究開発は、新たな薬剤の研究開発ということでしょうか。
○天野構成員
いいえ、ジカディア錠についてということでございます。
○先進・再生医療開発戦略専門官
ジカディア錠に関しましては、販売はまだ継続されているということでございます。
○天野構成員
承知しているのですけれども、今後、追加で、例えば臨床試験とか治験等が行われるような見込みみたいなものは特にないという理解でよろしいのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
分かりました。ありがとうございます。
今後、臨床試験や治験が行われるかどうかにつきましても、今、事務局としては答えを持っておりませんので、国立がん研究センターに後ほど問い合わせさせていただいてもよろしいでしょうか。
○天野構成員
恐れ入ります。よろしくお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
はい。ありがとうございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ALKインヒビターはジカディア以外のものもあって、使用可能だというふうには聞いております。
ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
山口先生、どうぞ。
○山口構成員
ちょっと質問です。
こういう中間解析の結果は、治験の参加者とかこれからリクルートされる人への情報は提供されるのでしょうか。分かりにくいので、もう少し分かりやすい形で表現しないと、この情報は、参加している人にも、これから参加しようとする人にも伝わらないと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
山口先生ありがとうございます。
こちらの中間解析結果を、今後参加される方々に分かりやすい形でフィードバックするかどうかにつきましても、国立がん研究センターにお問い合わせさせていただきたいと思います。貴重な御意見ありがとうございます。
○山口構成員
よろしくお願いします。ありがとうございました。
○福井座長
ほかにはいかがでしょうか。
直江先生、どうぞ。
○直江構成員
ありがとうございます。
別紙1、2で、今の各医薬品の登録患者数を報告していただきまして、ありがとうございました。結構な数が登録されて、2つの薬剤、メキニスト/タフィンラー、オプジーボに関しては、登録が終了になったということでございます。
私の質問は、これは確認ですけれども、登録症例が目標に達したということでの中止でしたでしょうか。
それから、第2点目は、登録終了した後、これはメーカーとしては、あるいは、国立がん研究センターとしては、今後の出口ですね。例えば、医師主導治験に行くのか、それともメーカーが治験を行うのか。この患者申出療養は通過点だと思うのですけれども、その後どうなるのかということについて、もし分かれば教えていただきたいと思います。
その2点です。よろしくお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
直江先生ありがとうございます。事務局でございます。
まず1点目の御質問でございますが、事務局としては、この登録終了となっているものに関しましては、目標に達したからという理解で認識しております。
2点目の御質問でございますが、直江先生のおっしゃるとおり、今後の出口としまして、医師主導治験や、また、メーカー主導の治験などにするかどうかを含め、国立がん研究センターがどのように考えているのかというのは、一旦、お問い合わせするべきかと思っておりますので、会議終了後に取りまとめて、指摘事項として、医療機関にお伺いしてみようと思っております。
よろしいでしょうか。
○直江構成員
ぜひお願いします。
それと、もう一つは患者さんのことを考えますと、これから患者申出をされた場合、この終了した薬剤が使えなくなってしまうということになりますけれども、そこについての方策というか、考え方を併せてお聞きしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
直江先生、ありがとうございます。事務局でございます。
併せて、こちらも国立がん研究センターにお問い合わせしたいと思います。
ありがとうございます。
○福井座長
ありがとうございます。
いずれにしましても、登録終了した薬剤につきましては、安全性とか有効性についてのデータを出していただくとともに、次のステップとしてどうするのかということは、この会議でも十分話し合った上で明確にしていきたいと思っています。
ほかには御意見ございませんでしょうか。
新谷先生、どうぞ。
○新谷構成員
先ほど、中間解析の結果を患者さん等にお知らせするかどうかという御意見があったのですけれども、そこは統計的に見て、通常それは知らせないというか、かなり慎重に議論を尽くしてからどうするかということを決められることになると思いますので、通常は知らせないという運用でやられている試験のほうが多いかと思いますので、そちらは、知らせる場合はかなり慎重にしていただいたほうがよろしいかと思います。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
また、ディスカッションを続けていきたいと思います。ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
ないようでしたら、2件目に移りたいと思います。事務局から説明をお願いします。以前からずっと引きずっている案件です。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、資料「患-3」につきまして御説明をさせていただきます。
「患者申出療養『パクリタキセル腹腔内投与及び静脈内投与並びにS-1内服併用療法』に係る中間報告について」という資料でございます。
まず1○目のところでございますが、本技術につきましては、先行して先進医療Bとして実施されたランダム化比較試験におきまして、標準治療に対する優越性が示されなかったことを受けまして、本患者申出療養についても中間報告を求めるべきという指摘がございました。こちらを受けまして、第16回患者申出療養評価会議におきまして、東京大学医学部附属病院より中間報告書が提出されております。
また、2○目のところでございますが、第23回患者申出療養評価会議におきまして、再度、現時点での中間報告を求めるべきという指摘をいただきました。
3○目のところでございますが、第25回患者申出療養評価会議において、中間報告書が提出され、その際に、
1ポツ目、多くの患者さんに適切なエビデンスを提供するという観点から、この試験自体の現時点の結果について早期に示すことを検討するべきではないか。
2ポツ目。試験治療継続中の8例においては、腫瘍増悪を認めていないとのことだが、この方々がどういう症例であったかを示していただきたいという指摘がございました。
4○目のところでございますが、この指摘を踏まえ、医療機関に指摘事項について照会を行い、第27回患者申出療養評価会議において、早期の解析結果の提示及び現在治療を受けている8名の患者について照会を行いました。
5○目のところでございますが、今回、医療機関より中間報告書が提出されたため、御確認いただきたいと思います。
続きまして、資料、別紙3につきまして御説明をさせていただきます。
こちらの2ページ目でございますが、目的は、腹膜播種陽性または腹腔細胞診陽性の胃がん症例を対象として、S-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内併用療法の安全性と有効性を評価するというものでございます。
「技術の内容」でございますが、S-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内併用療法は、標準治療であるS-1+CDDP併用療法を対照とした第III相試験において、腹膜播種陽性胃がんに対する有効性が示唆された新規治療法である。
本研究は、患者申出療養制度下に、腹膜播種陽性または腹腔細胞診陽性の胃がん症例を対象として、本療法の安全性と有効性を評価することを目的とするとのことでございます。審査腹腔鏡により腹膜播種陽性または腹腔細胞診陽性を確認し、腹腔ポートを留置する。21日間を1コースとしてS-1 80mg/m2/dayを14日間内服し、7日間休薬する。第1、8日にパクリタキセル50mg/ m2を経静脈投与、20mg/ m2を腹腔内投与する。本療法は腫瘍の進行が確認されるか、有害事象により継続困難となるまで反復するというものでございます。
主要評価項目は有害事象発現状況、副次評価項目は全生存期間、奏功割合及び腹腔洗浄細胞診陰性化割合とする。本試験には、先進医療制度下に腹腔内化学療法の臨床試験を実施中の腹腔内化学療法研究会の施設が参加し、研究期間は6年、登録症例数は121例を予定するとのことでございます。
次に、「患者数」でございますが、中間報告時は111人で、「考察」のところを読み上げます。
本研究は、2016年10月に患者申出療養として告示され、東京大学医学部附属病院において症例登録を開始した。その後、研究協力医療機関の参加が承認され、参加施設は計21施設となった。予定を上回るペースで症例が集積され、2017年3月に100例の登録を完了した。予定症例数の100例が本登録された時点で、既に説明、同意取得や仮登録が行われていた症例があり、特例として21例の追加登録が認められた。2017年6月までに追加で11例が登録され、試験治療を受けた。その後、腫瘍増悪や有害事象などにより治療が中止され、2021年10月14日時点で4例が治療継続中とのことでございます。
続いて7ページ目でございますが、「中間解析結果の要約」がございます。
2016年10月から2017年6月までに19施設より111例が登録され、109例に試験治療が実施されたとのことでございます。全治療例の患者背景は、年齢が34~38歳、パフォーマンスステータスは記載のとおりでございます。腹膜播種陽性96例、腹膜播種陰性・腹腔洗浄細胞診陽性が13例、前治療なしが23例でございました。
主な有害事象(Grade3以上)は、記載のとおりでございます。腹腔ポート関連合併症としては、ポート感染、カテーテル閉塞等の13件の既知の合併症を認めました。重篤な有害事象が37件報告されたが、全て既知の有害事象であり、治療関連死亡は認めなかったとのことでございます。
全生存期間中央値は19.6か月であり、腹膜播種陽性例では18.7か月、腹膜播種陰性・腹腔洗浄細胞診陽性例では37.0か月であったとのことです。腹腔洗浄細胞診陰性化割合は70%であったとのことでございます。
続いて11ページ目でございますが、「考察」がございます。中ほどの第3段落目でございます。
本研究において、本療法で頻度が高く、治療の忍容性に影響する好中球数減少を抑えられたことは、治療の継続性と有効性につながったものと推定される。本研究では、患者申出療養制度の趣旨に基づき、先行研究では対象外であった高齢者(75歳以上85歳未満)、PS2症例、2か月以上の前治療歴を有する症例等も登録可能とし、安全性確保のため担当医判断による投与量の調整を許容した。その結果として有害事象の発現を抑えることができたものと考えられるとのことでございます。
最後の段落でございます。本研究は、先行研究と適格基準が異なり、実際に登録された症例の背景が異なるため、結果の比較可能性はない。しかし、本研究には高齢者、PS不良例や既治療例等が含まれていたにもかかわらず、先行研究と遜色ない結果が得られたことは、本療法の有効性を改めて示唆するものと考えるとのことでございます。
先行する第III相試験において、本療法の標準化学療法に対する優越性は示されなかったものの、実施計画書に適合した対象集団における探索的解析、腹水量の不均衡を調整した解析及び追跡調査では、本療法の臨床的な有効性を示唆する結果が得られているとのことでございます。
最後に、「結論」でございますが、中間解析により先行研究と同様の結果が得られたことにより、S-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内併用療法は安全に実施可能であり、有効であることが示唆された。通常の臨床試験より実臨床に近い条件下で実施した本研究において、安全性と有効性が確認されたことの意義は大きいと考えるとのことでございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいまの説明につきまして、構成員の皆様から御意見・御質問ございましたら、よろしくお願いします。
天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
御説明ありがとうございました。
資料を拝読いたしまして、資料の説明部分で、結論と申しますか、本療法の有効性を改めて示唆するものであると考えるという考察を書いていただいているのですけれども、もともと先行する第III相試験で本療法の標準化学療法に対する優越性は示されていないですし、この患者申出療養でももともとそういうデザインになってないということは当然あるわけですが、標準化学療法に対する優越性等は示せるものではないということで、そうなってくると、結局、この本療法がどれだけの優越性があるのかということを明らかにするような臨床試験はかなり待たれていくと思うのですけれども、そういった試験をやる見込みとかやる予定は、事務局で何か把握しているのでしょうか。
こう申し上げますと、東京大学医学部附属病院は、以前にもこちらの会議で指摘いたしましたが、患者申出療養を行うのと並行して自由診療をされていて、患者さんとしてみれば、当然わらをもすがる気持ちで参加されている方が多数いらっしゃるものと聞いておりますので、患者さんは当然何かいいことがあるのだということを期待して入っているわけですので、そういった患者さんの思いに応えるためにも検証が必要ではないかと思うのですが、その辺りについて事務局で把握しているものがあれば教えていただければと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。天野先生、貴重な御意見ありがとうございます。
私たち事務局でも、天野先生が御指摘いただくような臨床試験は把握しておりません。
ただ、改めて指摘事項として東京大学医学部附属病院にお伺いしてみようと思います。
ありがとうございます。
○福井座長
いかがでしょうか。
手良向先生、どうぞ。
○手良向構成員
細かいことが気になるのですけれども、先ほどのカプランマイヤー曲線を出してもらえますか。生存曲線を細かく見ないといけないのですけれども、最低でも4年程度追跡されているはずです。その4年までに打ち切り(センサリング)が、数える限り8件くらいあるのですけれども、その理由が分からないので、なぜ4年以内に生存曲線に打ち切りがあるのかという理由を聞いていただけますでしょうか。
○福井座長
この研究者に尋ねないと分からないことですので、そのようにしたいと思います。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。手良向先生、貴重な御意見ありがとうございます。
研究者の方に尋ねてみたいと思います。
ありがとうございます。
○福井座長
五十嵐先生、どうぞ。
○五十嵐座長代理
ありがとうございます。私も知りたいことが1つあります。
11ページの「結論」の上の3行です。「実施計画書に適合した対象集団における探索的解析云々」ということで、追跡調査では、「本療法の臨床的な有効性を示唆する結果が得られている」と記載されています。有効性を示すデータは、今回は示していただけなかったのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。五十嵐先生、貴重な御意見ありがとうございます。
このデータでございますが、これは以前の第III相試験のデータと思料いたします。
○五十嵐座長代理
今回は示していないけれども、有効性を示したデータがあるということですね。
○先進・再生医療開発戦略専門官
さようでございます。
○五十嵐座長代理
ありがとうございます。
○福井座長
これは、先行する第III相試験の説明でございまして、研究者の先生方は「有効性を示唆する」という言葉を使っていますけれども、統計学的な有意差は示されていなかったというふうに。
○五十嵐座長代理
そうですか。
○福井座長
そうなのです。
○五十嵐座長代理
そうすると、この書き方には誤解を招くような印象がございます。
ありがとうございます。
○福井座長
座長の私が申し上げて恐縮ですけれども、今回のこの報告書の、ただいま五十嵐先生が指摘された、この4行のパラグラフの上の文章、今回の患者申出療養での有効性を改めて示唆するものが得られたという文章ですけれども、実は、一番最後の「結論」のところでは、「安全性と有効性が確認された」という文章になっていて、恐らく研究者の先生方の思い入れもありまして、有効であってほしいという、そういう気持ちが文章の中に強く表れていて、統計学的な有効性を示すことはできなかったけれども、有効だということを主張したいという気持ちが籠もった文章のようには思われます。
統計学の専門の先生方から御覧になっていかがでしょうか。
何か御意見ほかにございませんでしょうか。
○新谷構成員
そもそも対象集団が違うというところからかなりずれているというところから、先行研究と同じであるからといって、有効性を示唆されたというのは、統計的な裏づけは全くないと思います。ですから、同じ対象集団の治療のコントロールがないといいますか、そもそも治療のものではあるというところをエデュケーションとして示していただきたいと思いました。
あとは、ちょっと個人的に思うことがあるのですけれども、天野構成員が言われた言葉を非常に重く受けとめております。といいますのは、私は最近、母を膵臓がんで亡くしまして、腹膜播種で苦しんでおりました。私も本治療を受けられないか考慮したのですが、そのときに主治医に言われたことが、試験に入ってしまうと、今の最新の治療を受けられなくなると。今は、高齢者にもっといいお薬が出てきているから、そちらを試してみたほうがいいと言われてやめました。もしも受けられたとしても、東京まで飛行機で行って、全て自己負担で、通常、一月1~2万円ぐらいの治療費が十数万円自分で払って、それも治療時間は、通常は2時間で済むところを3時間以上もかかる。また、お腹に大きなポートを3つも作らなければならないなど患者にかなりの負担がかかるというようなこともいろいろ言われまして、結果的に選ばない選択をいたしました。ですので、本当の意味で本治療を患者様に勧めるかどうかは、最新の治療と比較して有効かどうかというところだと思います。ですので、最新の治療法を比べるということは、そこは臨床試験の限界として難しいかもしれませんが、有効かどうかというところを議論されるときには、最新の薬と比較した場合はどうなのかというところの議論もしていただいたほうが患者様のためになるのではないかなと思います。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
山口先生、どうぞ。
○山口構成員
これもずっと長いことかかわっておりますけれども、以前行われたRCTでの、対照群の一部が試験治療を受けてしまって、それが結構効いたので、差が出なくなってしまったと、そういうふうな解釈されていました。結果としては差が出なかったのですが、試験者側の思い入れが強く、絶対いいはずだということになってしまっていると思います。
新谷先生もおっしゃいましたけれども、治療はかなり進歩していますから、本当に腹膜播種の形成されたものに対してIPでもいいかどうかというのは大きな問題なので、初心に戻って、もう一回試験をやり直すぐらいの気持ちにならないと、これはいつまでも続くのではないかと思います。今回の報告書は確かに思い入れが強過ぎて、ちょっと容認できるような内容ではないと私は思います。
以上です。
○福井座長
ありがとうございます。
この患者申出療養評価会議でそのような御意見も出たことも含めて、研究者の先生方と相談をしたいと思います。報告書自体は、これはまだ中間報告ということで。
○先進・再生医療開発戦略専門官
さようでございます。
○福井座長
最終報告について何か話はあるのでしょうか。例えばいつ頃とかですね。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
今のところ、最終報告に関しましては、今現時点で111例ですので、このまま進みますと、121例をインクルードするまで続くということになります。
本会議におかれましては、この中間報告をもって、例えば、今すぐやめねばならないとかそういう点につきまして、もしございましたら、御教示、御明示いただけますと、幸いでございます。
○福井座長
現在、治療を継続中の患者さんもおられますので、いずれにしても、全部の患者さんについてのデータがそろったところで、早急に最終報告書を出していただきます。それから、今後どうするのか、できましたら、もうちょっとサイエンティフィックに説得性のある研究デザインを考えていただくということで相談したいと思いますが、その方向でよろしいでしょうか。
(各構成員 首肯)
○福井座長
ありがとうございます。
上村先生、どうぞ。
○上村構成員
コメントですけれども、サイエンティフィックな結論についての疑義が、天野先生のような患者さんのご意見とかを代表する非医師の構成員からの発言として出てくるということは、非常に重たいのかなと思いました。サイエンティフィックな議論があって、しっかりとしたサイエンスに基づいた結論を出していただくというのが絶対的に必要なわけで、そこの信頼性が揺らいではいけないのですけれども、それを非専門家からも指摘されるというのは好ましいことではないと思いますので、しっかりフィードバックをかけていただく必要があるかなと思います。
感想です。
○福井座長
ありがとうございます。大変重要な御指摘だと思います。
それでは、先ほど申し上げましたような方針で、また、研究グループと相談していきたいと思います。ありがとうございます。
それでは、次の議題に移りたいと思います。議題の3ですね。「患者申出療養の定期報告等について」の資料が提出されております。事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
「患-4」の資料を御覧いただければと思います。「患者申出療養『経皮的乳がんラジオ波焼灼療法』の実績報告について」でございます。
まず、「経緯」でございますけれども、本患者申出療養につきましては、第13回患者申出療養評価会議で承認された際に、申請医療機関である国立がん研究センター中央病院に対しまして、本技術の定期的な実績報告を求めるべきだという御指摘をいただいたところでございます。
今回、医療機関より、適用開始から3年時点での実績報告書が提出されましたので、こちらに基づきまして、本技術の継続の可否について御審議いただきたいと考えております。
実績報告書につきましては、お送りしている資料でございます。こちらにつきましては、最終ページに現在の状況が書かれておりまして、この試験が始まってから3年が経過した時点では、実施例が94例で、重篤な有害事象が発生した事例は認めていないとのことでございます。
事務局からは以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
いかがでしょうか。本患者申出療養の継続の可否について、何か御質問・御意見等ございましたら、お願いしたいと思います。
94例(96乳房)の治療につきまして、重篤な有害事象は認めていないということです。
天野構成員、どうぞ。
○天野構成員
御説明いただきまして、ありがとうございます。
1点、事務局へ確認ですが、公開資料でないほうの資料を見ると、有効性の評価結果についても研究グループからコメントが出ているのですけれども、この部分の要約みたいなものを公開するように掲載いただくのは難しい理由が何かあるのでしょうか。ちょっと確認です。
○先進・再生医療開発戦略専門官
天野先生、事務局でございます。貴重な御意見ありがとうございます。
こちらの件につきまして、国立がん研究センター事務局に一度問い合わせておりまして、有効性の評価結果につきましては、公開はできないとのことでございます。理由について述べさせていただきます。
ラジオ波焼灼療法につきましては、早期乳がんに対して医療上の有用性が期待できると判断され、日本乳がん学会より、医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会に要望書が提出され、第32回同検討会の審議の結果、早期導入品目として選定されました。
現在、先進医療B制度を利用した短期成績での臨床試験データで薬事承認申請に向け準備を行っているとのことでございまして、その先進医療Bでの試験結果を待ちたいとのことでございまして、この有効性に関する患者申出療養の結果を公開資料としては提出できないという答えをいただいております。
以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
山口先生、どうぞ。
○山口構成員
有効性を公開できないということですけれども、この技術で心配されるのは、局所再発の危険性だと思うのですけれども、そういうことも公開できないのですか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
山口先生おっしゃるとおりでございまして、公開できないとのことでございます。
○山口構成員
これは、普通のコンベンショナルな治療で治るべき疾患ですから、中途半端にやって再発すると最悪の結果になるので、少なくともそういうことで大きな間違いはないということを示さないと、大変失礼なことになるのではないでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
ありがとうございます。
今回の会議後に、改めて、事務局から国立がん研究センターにお問い合わせしたいと思います。
○山口構成員
よろしくお願いします。
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、検討結果の取りまとめを行いたいと存じます。
大変申し訳ありませんが、松井構成員は一時御退席いただきますようよろしくお願いします。
(松井構成員 退席)
○福井座長
それでは、少なくとも有害事象の件につきまして、その結果を踏まえて、本療養を継続していいかどうかの御判断はここでしていただきたいと思いますけれども、継続可ということでよろしいでしょうか。
(各構成員 首肯)
○福井座長
ありがとうございます。
それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
松井構成員にお戻りいただきたいと思います。
(松井構成員 着席)
○福井座長
それでは、議題の4「患者申出療養の追加実施医療機関について」の資料が提出されております。事務局から説明をお願いいたします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、「患-5」に従いまして、「患者申出療養の追加実施医療機関について」を御報告させていただきます。
告示番号4番「経皮的乳がんラジオ波焼灼療法」でございますけれども、既に患者申出療養として前例のある医療として、まだ実施医療機関として認められていない医療機関の患者様からの申出に基づきまして、申請元の臨床研究中核病院である国立がん研究センター中央病院におきまして審査がなされまして、今回、東京都立駒込病院が追加実施医療機関として認められました。
事務局からの説明は以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
この件につきまして、何か御質問・御意見等ございますでしょうか。
都立駒込病院が追加されるということです。よろしいでしょうか。
直江先生、どうぞ。
○直江構成員
追加に問題はないのですが、ちょっと確認になりますけれども、これは年間50例くらい入るだろうということでの、5年間300例ということで、先ほど九十数名既に登録されているという報告があったのですが、これは、施設を追加するということは、患者さんのリクルートが思ったよりも進まないということなのでしょうか。この追加される理由は、その患者さんの便利を考えているということなのでしょうか。そこらへん、ちょっと教えてください。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
その点につきまして、なぜ、この医療機関が追加になったということに関しましては、今のところ、患者さんの手挙げがその医療機関で行われたということは聞いております。それ以上の理由としては、今のところ持ち合わせておりません。
以上でございます。
○直江構成員
リクルートのスピードとしては、大体予想どおりで進捗しているということでよろしいでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
その点につきましては、国立がん研究センター事務局に一度問い合わせてみないと分からない点でございますので、この会議後に一度問い合わせてみようと思います。
○福井座長
それでは、そのように確認をさせていただきたいと思います。
ほかにはいかがでしょうか。
それでは、都立駒込病院を追加する件につきましては、お認めいただくということで、了承したということにしたいと思います。ありがとうございます。
それでは、次の議題「患者申出療養の終了に伴う取下げについて」の資料が提出されております。事務局から説明をお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
それでは、「患-6」に従いまして説明させていただきます。
今回、取下げの届出があった技術は、告示番号2番「リツキシマブ静脈内投与療法」でございます。
こちらは平成29年5月2日に告示適用された技術でございまして、臨床研究中核病院及び実施医療機関は慶應義塾大学病院となってございました。
「取下げ理由」のところでございますが、全ての症例についてプロトコル治療及び観察が終了したためとのことでございます。
なお、総括報告書については、提出準備中であるとのことでございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○福井座長
ありがとうございます。
ただいまの説明につきまして、何か御質問・御意見等ございますでしょうか。
辻先生、どうぞ。
○辻構成員
ありがとうございます。
この患者申出療養の取下げについての事前資料が、ただ「取下げについて」と書いてあったので、「取下げ」という表現でちょっと誤解を招かないのかなと思ったのですが、今日、今、映していただいたのはたしか「終了に伴う取下げ」と書いていただいたので、非常に分かりやすくなったと思ったのですけれども、そういう認識で、事務局さんよろしいでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
辻先生がおっしゃっているのはタイトルのところでございましょうか。
○辻構成員
そうです。
○先進・再生医療開発戦略専門官
ありがとうございます。
実は、これまでにも、「患者申出療養の取下げについて」と書くのみですと、何となく悪い印象といいますか、そういうのが一部の方から御指摘を受けまして、今回から、「患者申出療養の終了に伴う取下げについて」と変更させていただきました。
こちらでよろしいでしょうか。
○辻構成員
了解しました。ありがとうございます。
○福井座長
ありがとうございます。
そのほか、何か御意見・御質問等ございますでしょうか。
よろしいですか。
それでは、最終的な報告書は、今、作成中とのことですので、できるだけ早く出していただければありがたいです。
それでは、この件につきましてはお認めいただいたということにさせていただきます。
本日の議題は、残り「その他」となっております。事務局から何かありますか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
特にございません。
○福井座長
構成員の先生方から何か御意見ございましたら。
辻先生、どうぞ。
○辻構成員
すみません。「患-2」のところで、御欠席の先生から、お二人の方が対象になるということで、その後どうなるのでしょうか、という御質問があったかと思うのですけれども、私もちょっと気になっておりまして、その答えを聞き漏らしていたら申し訳ないのですけれども、別のいい薬があるということで、そちらに移ると考えていいのでしょうか。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
辻先生が今御指摘いただいた点は、ジカディア錠が中止になったことに伴って2人の患者様をどうするかということでよろしいですか。
○辻構成員
そうです。その御質問があったかと思うので。
○先進・再生医療開発戦略専門官
こちらに関しましても、会議終了後、国立がん研究センターにお問い合わせしたいと思います。
御指摘ありがとうございます。
○辻構成員
分かりました。すみません。
○福井座長
ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
よろしいですか。
ありがとうございます。
それでは、事務局から次回の日程についてお願いします。
○先進・再生医療開発戦略専門官
事務局でございます。
次回は、日程を調整の上、後日連絡させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○福井座長
それでは、第32回「患者申出療養評価会議」をこれで終了したいと思います。本日は大変お忙しい中御参加いただきまして、貴重な御意見をいただきました。ありがとうございました。
これで閉会といたします。
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