第1回精神医療に関する地域医療構想検討ワーキンググループ:議事録

日時

令和8年9月2日(水) 16:00~18:00

場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8F会議室
東京都千代田区内幸町2丁目2−3 日比谷国際ビル8階

議事

○塩崎室長補佐 定刻となりましたので、ただいまから第1回「精神医療に関する地域医療構想検討ワーキンググループ」を開会いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
 座長選任までの間、進行を務めさせていただきます、医政局地域医療計画課の塩崎と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、対面及びオンラインによる開催とさせていただいております。
 御出席の構成員のうち、会場での御出席は12名、オンラインでの御出席は6名となっております。
 議事に入ります前に、本来であれば、構成員の皆様方の御紹介と事務局の紹介をさせていただくべきところですが、時間の関係上、座席表及び構成員名簿の配付をもって紹介に代えさせていただきます。
 それでは、開催に先立ちまして、医政局長及び障害保健福祉部長より御挨拶を申し上げます。
○佐々木医政局長 先生方皆さん、こんにちは。改めまして、医政局長の佐々木昌弘です。
 このたびは、本ワーキンググループの構成員をお引き受けくださり、誠にありがとうございます。
 また、重ねてになりますが、本日はお忙しい中、第1回の会合に御出席いただきまして、心より御礼を申し上げます。
 加えまして、平素より厚生労働行政の推進に様々なお力添え、御指導をいただいていることにこの場を借りて厚く御礼を申し上げます。
 さて、2040年を見据えますと、医療と介護の複合ニーズを抱える85歳以上の高齢者の増加や人口減少がさらに進むことが予想されます。こうした中で、全ての地域、全ての世代の患者さん、また、住民の皆さんが適切に医療を受けることができる医療提供体制の確保を目指し、医政局におきましては、2040年に向けた地域医療構想の検討を進め、先々月、7月に地域医療構想策定ガイドラインを発出いたしました。
 加えて、精神医療を取り巻く様々な状況がございます。これに対応すべく、昨年、令和7年12月に成立いたしました医療法の改正法案、改正法によって地域医療構想に精神医療を位置づけることになりました。
 先生方皆さんにお願いするこのワーキンググループでは、地域医療構想に精神医療が位置づけられた趣旨やこれまでの精神医療に関する施策を踏まえ、精神医療を含めた地域医療構想の策定及び施策の実施に必要な事項等について具体的な検討、構成員の皆様の様々なバックグラウンドを踏まえて御議論いただくことを目的に開催しているところでございます。
 省内で申し上げますと、この後御挨拶さしあげる障害保健福祉部ときっちりと連携を取って、共催の下でそれぞれの分野に精通する先生方皆様に活発な御議論をいただきたいと考えております。
 このワーキンググループでよい結論をいただき、そして、それを広く国民に届ける政策に結実したいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○水谷障害保健福祉部長 続きまして、障害保健福祉部長の水谷と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は8月7日付で着任いたしましたが、前職が医政局の総務課長でございまして、まさに医政局の立場から、そして、今度は障害保健福祉部の立場からということで、このワーキングループは、まさに今、佐々木が申し上げたとおり、医政局と障害保健福祉部が連携して、この議論の場で皆様方からいい議論していただけるように努めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 精神保健医療福祉は、これまでも平成16年の精神保健福祉施策の改革ビジョンで「入院医療中心から地域生活中心へ」という理念をお示しして以降、精神病床の機能分化地域移行の取組を進めていただいてまいりました。そうした中で、近年、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を目指して様々な取組を進めております。
 こうした大きな流れの中で、今般、医療法の一部を改正する法律に基づいて、この精神医療も地域医療構想に位置づけられた。こうしたことを一つの奇貨としながら、これまでの精神医療に係る施策を踏まえつつ、2040年における精神医療の課題ですとか地域医療構想における取組の内容、こうしたものにつきまして、構成員の皆様から活発な御議論いただければと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
○塩崎室長補佐 続きまして、資料の確認をさせていただきます。
 本日の資料は、議事次第、省庁関係出席者名簿、配置図、資料1「開催要綱」、資料2「精神医療に関する地域医療構想について」です。
 冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまででお願いいたします。
 それでは、議事に移ります。
 議題1「座長の選出」でございます。
 資料1の開催要綱3の(4)に基づきまして、座長を決めさせていただければと考えております。座長は構成員の互選により選出いたしまして、座長代理は構成員の中から座長が指名することとなっております。
 座長につきましては、事前に事務局から各構成員の皆様に御相談をさせていただいておりまして、尾形構成員に座長をお願いしたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○塩崎室長補佐 ありがとうございます。
 それでは、本検討会の座長は尾形構成員にお願いいたします。
 尾形構成員におかれましては、座長席にお移りいただきまして、以後の議事運営をお願いいたします。
○尾形座長 こんにちは。このたび、精神医療に関する地域医療構想検討ワーキンググループの座長を仰せつかりました尾形でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私が指名されたのは、恐らく地域医療構想の議論をしているときに精神を入れないでいいのかということをずっと言っていたものですから、ではお前がやれということで座長ということになったのだろうと思います。大変難しい問題だとは思いますけれども、ぜひ構成員の皆様方の御協力をいただいて、当ワーキンググループの円滑な運営、さらには取りまとめに努めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入ります前に、開催要綱では座長は座長代理を指名することができるとされておりますので、私のほうから座長代理を指名させていただきたいと思います。
 私からは、医療政策、それから、精神保健医療福祉政策に大変造詣が深い松田構成員に座長代理をお願いしたいと思うのですが、松田構成員、よろしいでしょうか。
○松田構成員 はい。よろしくお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございます。
 それでは、皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、団体を代表して御参加いただいている構成員の方が欠席の際に代わりに出席される方につきましては、事前に事務局を通じて座長の了解を得ること及び当日の会合において承認を得ることにより、参考人として参加し、発言をいただくことを認めることとしたいと思いますが、いかがでしょうか。
(構成員首肯)
○尾形座長 よろしいですか。それでは、そのように取り扱わせていただきます。
 それでは、早速議事に入らせていただきます。
 本日の議題は「精神医療に関する地域医療構想について」ということでございます。
 それでは、本議題につきまして、事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。
○森地域医療構想推進室長 尾形先生、ありがとうございます。
 地域医療計画課地域医療構想推進室長を拝命しております森と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速本日の資料の説明をさせていただきます。
 資料2ですが、本資料のはじめに、構成についてお示ししております。こちらはまず2040年に向けた地域医療構想の概要、そして、2つ目にこれまでの精神保健医療福祉の経緯、最後に本ワーキングループの進め方としております。
 2ページ目を御覧ください。
 改めて地域医療構想について御説明させていただきます。地域医療構想は、中長期的な人口構造や地域の医療ニーズの質・量の変化を見据え、良質かつ適切な医療を効率的に提供できる体制を確保するため、地域の実情に応じて策定するものとなっております。
 85歳以上の高齢者人口の増加や人口減少が進む2040年とその先を見据えて、全ての地域・全ての世代の患者が適切に医療・介護を受けながら生活し、必要に応じて入院し、日常生活に戻ることができること。また、それと同時に医療従事者も持続可能な働き方を確保できる医療提供体制の構築を目指すものとしております。
 3ページ目には地域医療構想及び医療計画の策定の枠組みをお示ししております。
 4ページ目ですが、2040年頃に向けた医療の課題をお示ししております。生産年齢人口はほぼ全ての地域で減少します。高齢人口に関しましては、大都市では増加、過疎地域では減少、地方都市部では減少と増加する地域とがありまして、地域ごとの課題や地域に求められる医療提供体制の在り方はそれぞれ異なるものと考えております。また、生産年齢人口の減少に伴いまして、医療従事者の確保も課題となっております。
 次は5ページ目になりますが、5ページ、6ページにおいて2040年の医療需要についてお示ししております。要介護認定率は年齢が上がるごとに上昇するわけですが、2025年以降、85歳以上の人口は引き続き増加することが見込まれておりますし、医療・介護の複合ニーズを持つ者が一層多くなることが見込まれております。
 6ページにおいては、85歳以上の救急搬送が増加すること、85歳以上の在宅医療需要も増加すると見込まれているところでございます。
 今御説明した背景から7ページ目以降を御覧いただきたいのですけれども、2040年に向けた医療構想においては、入院医療だけでなく外来・在宅医療、介護との連携、人材確保を含めたあるべき医療提供体制の実現に資する地域医療構想を策定する必要があること。そして、2040年とさらにその先を見据え、医療機関の役割を明確化し、医療機関機能に着目した医療機関の連携・再編・集約化を推進することを掲げておりまして、分野ごとの取組を示すとともに、具体的に構想区域の見直し、医療機関機能報告の新設、病床機能報告・必要病床の見直しをお示ししております。
 8ページ目になりますが、地域医療構想の策定・推進に向けた整備スケジュールを示しております。2027年度の上半期を目途に現状・課題を把握し、区域を設定。設定した区域の課題を把握した上で、遅くとも2028年度末には急性期拠点知能を報告する医療機関の設定など、取組の決定を行っていただき、2029年から取組を推進していくこととなります。
 9ページ目ですが、地域医療構想と医療計画の進め方についてお示ししております。地域医療構想調整会議における協議を通じまして、2028年度末までに地域医療構想を策定し、その内容を踏まえた上で、具体の実行計画として2029年度頃に第9次医療計画を策定することとなります。
 2026年度の青囲みの下のところですが、こちらに精神医療に係る検討という形で本ワーキンググループが示されているところでございます。
 10ページ目は具体的な施策についてお示ししますが、医療機関機能についての御説明になります。医療機関機能に着目しまして、「治す医療」と「治し支える医療」という役割分担を明確化することで連携・再編・集約化が推進されるように、医療機関機能を報告することとしております。
 構想区域ごとに求められる医療機関機能としましては、高齢者救急・地域急性期機能、急性期拠点機能、在宅医療等連携機能、専門等機能の4つを、さらにより広域的な観点から医育及び広域診療機能というものをお示ししているところでございます。
 医療機関機能の報告については、11ページ目を御覧いただければと思います。
 次は12ページ目になりますけれども、12ページ目は病床機能報告についてでございます。病床機能分化・連携に向けまして、現在の病床機能と2040年時点の病床機能について都道府県に報告することとなっております。
 これまでの病床機能報告では、高度急性期、急性期、回復期、慢性期としておりましたけれども、回復機能を包括期機能として位置づけして見直すこととしているところでございます。
 13ページ目は病床整備の考え方でございます。入院医療需要が長期に減少していることが見込まれる中で、全体としてダウンサイジングを進め、今後、需要増が見込まれる包括期機能の病床を中心に整備していくことが重要である旨をお示ししておりまして、各医療機関が担う役割に応じた形で病床の機能分化・連携を進めることを求めているものでございます。
 なお、14ページ目には2025年度の推計値と実際の報告内容をお示ししておりますが、回復期が依然として不足していることが分かるかと思います。右端には2040年の病床の必要量について機械的試算の結果をお示ししております。
 15ページ目では連携・再編・集約化についてお示ししております。医療需要の減少や質的変化、医療従事者の減少や地域偏在に対応して、持続的に医療従事者の働き方の確保をすべく、地域ごとに効率的な医療提供体制の構築が必要であること、連携・再編・集約化の取組を進めていくということをお示ししております。
 16ページ目からは地域医療構想の区域決定についての資料となっております。形式的な決定を目的としておりませんので、実効的な取組が可能となるように一体的に検討することを求めております。
 17ページ目になりますが、構想区域の役割として、1つ目に医療提供体制の構築のためともう一つ、2つ目に必要病床数の運用のためという2つの役割をお示ししております。
 18ページ目でございますが、人口減少の度合いが地域によって異なることをお示ししております。医療構想における協議で前提とする構想区域の人口規模というものは、2040年時点における推計人口を用いることが基本であるということもこちらでお示ししております。
 19ページ目ですが、2040年に向けた医療提供体制の構築単位としての構想区域を見直すこと、第9次医療計画に向けて二次医療圏と構想区域を原則一致させる必要があるということをお示ししております。
 20ページ目からにおきましては、検討体制についての御説明の資料になっております。地域医療構想の策定に当たっては都道府県が主体となることになっておりますが、介護との連携やまちづくりなどの様々な観点が重要となりますので、県庁内の他部局との連携体制の構築など、必要な体制整備が求められるということをお示ししております。
 21ページ目では入院医療における協議体運営の例、22ページ目では外来医療における協議体運営の例をお示ししております。いずれも柔軟に体制を構築して、効率的に協議を進める柔軟な管理運営が求められるということをお示ししたものとなっております。
 2040年に向けた地域医療構想についての説明は以上となります。
 続きまして、26ページ目になりますけれども、これまでの精神医療保健医療福祉の経緯について御説明をさせていただきます。
 26ページ目では精神医療の歴史的経緯をまとめております。明治以降、精神医療の制度が整備されまして、公的精神病院の整備が目指されたものの、十分には進まず、民間医療機関を主体とする体制が形成されたことをお示しした資料でございます。
 27から28ページ目にかけましては、法制度の変遷についてお示ししております。明治25年に精神衛生法が制定されて以降、社会状況を踏まえて見直しが都度行われ、平成以降は精神障害者保健福祉手帳制度の創設、精神科救急医療体制の整備体制、退院支援の強化など地域生活を支える仕組みづくりというものが進められてきているところでございます。
 29ページ目を御覧いただきたいのですけれども、平成16年に示されました精神保健医療福祉の改革ビジョンの資料でございます。この中で「入院医療中心から地域生活中心へ」という理念が打ち出されておりまして、精神障害のある方が地域で安心して暮らせる社会を実現するため、精神医療の改革や地域生活支援の充実が進められてきたところでございます。
 30ページ目ですが、第6次医療計画から精神疾患を5疾病の一つとして位置づけ、精神医療についても医療機関の機能分担や連携体制の構築を求めるようになっております。
 31ページ目につきましては、平成26年に定められましたいわゆる「良質指針」を踏まえた新たな長期入院を防ぐため、精神病床の機能分化や地域移行の推進、多職種連携の整備などの取組をお示ししているところでございます。
 32ページ目は良質指針の概要としてお示ししたものでございます。
 33ページ目に移りますけれども、平成29年に精神障害にも対応した地域包括ケアシステム、いわゆる「にも包括」の構築を目指すことを新たな理念としてお示しさせていただいたところでございます。
 34ページ目ですが、第8次医療計画におけるにも包括の推進を大きな柱として、医療連携体制の構築を推進することをお示しした資料となっております。
 35ページ目ですが、医療計画において精神病床の基準病床数の算出を行うとともに、それと連動する形で、障害福祉計画において地域の基盤整備を行うことをお示しした資料でございます。
 36、37ページ目には、令和6年度に開催されました新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の課題等に関する検討プロジェクトチームについての資料となっております。
 こちらは37ページ目に取りまとめをしておりますけれども、地域の医療提供体制全体の中に精神医療を含めることが適当であること、中長期的な需要に基づく体制の推進、データに基づく協議・検討、一般医療との連携などの観点から地域医療構想の中に精神医療を位置づけることが適当と整理されております。
 38ページ目では、改正医療法により精神医療が新たな地域医療構想の対象となったことを受け、本ワーキンググループによって必要な議論を進めていくということをお示しした資料でございます。
 39ページ目におきましては、地域医療構想及び医療計画等に関する検討会で御意見いただいた精神医療に関する御発言をお示ししたものとなっております。
 ここまでが精神医療保健福祉の経緯の御説明となっております。
 最後に、本ワーキンググループの進め方について御説明をさせていただきます。
 右下41ページ目になります。精神医療に関する地域医療構想と医療計画の時間的関係をお示ししております。令和8年度において、精神医療を含む地域医療構想策定ガイドライン作成に向けて国で議論と記載しております。本ワーキンググループにおける議論がまさにこちらに当たるところでございます。
 この議論を踏まえて、令和8年度の末にはガイドラインの作成を目指すこととなっております。
 なお、ガイドライン作成の後には、令和9年度から都道府県において精神医療を含む地域医療構想の策定をいただきまして、令和10年からは地域医療構想の取組を進めることとなっております。
 42ページ目でございます。2040年を見据えた精神医療提供体制の視点としてお示ししております。上のポツから御説明しますと、2040年に向けた地域医療構想の議論が進められてきている中で、地域医療構想に精神医療が位置づけられたことを受けまして、これまでの精神保健医療福祉の歩みであったり実情を鑑みながら、精神医療を取り巻く課題について対応することが重要であることをお示しします。
 2つ目のポツでは、2040年を見据えた際、早期に精神症状の安定等を目指す医療というものや地域生活に向けた包括的支援を提供する医療というものが今後も必要となることが見込まれることに加えまして、高齢化の進展に伴い、身体疾患を同時に有する患者の増加が見込まれますので、精神科及び精神科以外の診療科が協力して必要な取組を進めることが重要であることをお示ししております。
 3つ目のポツですが、これまで以上に精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの取組推進及び連携体制の構築の加速が求められることをお示ししたものでございます。
 43ページ目になりますが、議論に当たっての具体的な視点という形でお示ししております。真ん中の青い太字になりますけれども、中長期的な医療ニーズの変化を見据えた良質かつ適切な精神医療の提供体制の確保、病床及び医療機関の役割の明確化を通じた地域での連携・機能強化、精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築の加速とまとめさせていただいているところでございます。
 最後に44ページ目でございます。以上の内容を受けまして、本ワーキンググループでは、2040年に向けた精神医療提供体制の基本的な方向性、そして、構想区域、必要病床数、医療機関機能、病床機能などの制度の枠組み、一般医療との連携をはじめとする個別の課題、取組についての協議の場の設定や方向性の確認というものを検討の対象としまして、一般医療における地域医療構想の内容を踏まえながら議論を進めることとしたいと考えているところでございます。
 その上で、具体的な施策や外来医療や在宅医療、介護・福祉との連携といった点については、実行計画である第9次医療計画を見据えながら検討を行いまして、構想全体の枠組みを踏まえた課題認識や方向性を位置づけることとしたいと考えているところでございます。
 下のベン図に関しましては、本ワーキンググループで優先的に議論すべきと考える内容として青囲みの部分でお示ししておりますが、議論の過程で現れてきました各論的な課題については、関係する審議会・検討会と連携しながら議論を深めることを想定しているものでございます。
 事務局からの説明は以上となります。よろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして構成員の皆様から御意見、御質問等をお受けしたいと思います。最初ですので、どういう視点からでも結構ですので、自由に御発言いただければと思います。
 いかがでしょうか。
 田中構成員、どうぞ。
○田中構成員 ありがとうございます。
私は日本総合病院精神医学会の立場から参加させていただいています。ふだんは国立病院機構の九州医療センターで総合病院の精神科医として勤務をしているところです。
 まず、事務局に2点質問を述べた上で、資料2において精神身体合併症に言及いただいているので、その観点でお話をしたいと思います。
 まず質問なのですけれども、このワーキンググループで扱うかどうかという観点をお答えいただければと思います。一つは、地方自治体における精神医療の担当者という観点においてです。前プロジェクトチームとかでも指摘はされていたと思いますが、また、本ワーキンググループ自体が医政局と障害保健福祉部の合同開催であるという観点も含めて考えると、従前指摘されているように縦割りの打破というところは必要な観点かなとは思います。それはもちろん国においてもそうですけれども、地方自治体においてもそうではないかとは考えるところです。
 地域医療介護総合確保基金の活用であったり、また、広域の対応の可能性であったりを考えると、やはり障害福祉と医療の橋渡しをするような統括調整官のようなイメージの方を地方自治体には置いていただく必要があるのかなと思ったりもするのですが、そういう観点はこのワーキンググループで検討するところなのかどうかが1点目の質問です。
 もう一点が大学病院の精神医療機能に関してお伺いしたいと思います。特に本院に関しては、新たな地域医療構想のガイドラインにおいては医育医療機関であったり広域医療の文脈でというところで指定されておりますが、精神医療に関してはどのようにこのワーキンググループにおいて考えていくのか事務局にお伺いしたい点です。
 そして、日本総合病院精神医学会として、精神・身体の合併症という観点で意見を述べさせていただきます。精神障害を有する方が身体の疾患の程度にかかわらず、等しく最適かつ高度な一般医療であったり精神医療を受ける権利を確保することであったり、また、その逆として、身体疾患を有する方が何らか精神疾患、精神症状を有する状態になった場合、その有無、程度にかかわらずだとは思うのですけれども、等しく最適かつ高度な精神医療、一般医療を受ける権利を確保するというところは、やはり総合病院精神医学会としては検討しないといけないポイントと思っております。
 それに関しては、やはり病床の有無を問わずに精神医療と非精神医療とが高度に協働して、地域と切れ目なく橋渡しをされたような状態で最適な医療であったりケアであったりを提供できる環境と場を構築する必要があると思います。
 ですので、いわゆる総合病院精神科の病床、有床の総合病院精神科を確保することはもちろんなのですけれども、精神科リエゾンの観点、リエゾン機能という観点についても医療機関機能としては確保すべきものと考えております。これは仮称ではあるのですけれども、それらをまとめて「精神身体合併症診療機能」とフラグを立てることによって、一般の医療機関の機能として、今、急性期拠点機能であったり、高齢者救急、地域急性期機能とあると思いますけれども、そういった機能を有する医療機関に付加する形で医療機関報告を行ってみてはどうかというのが一つの提案です。
 また、総合病院精神科の病床に関しては、医療法施行規則において一般病床と同等の人員配置を求めているということも踏まえると、やはり精神身体合併症診療機能として報告されている医療機関の精神病床については、病床機能としても何らか特出しすることであったり、または精神科として、急性期を主として診療しておらずとも、やはり合併症を診ているという観点で精神医療における急性期機能に準ずるような病床機能を付加することというのも一つ検討されるべきポイントと思っております。
 また、現時点において医療計画などで使用されている精神と身体の両方において急性期の医療を要する者の発生率が平成19年の調査に基づいているという観点を考えると、やはり人口構造であったり疾病の構造であったりが変化している観点を踏まえると、何らかの形で今の状態に合わせたデータが必要なのかなと思っているところです。
 また、病床のことを考えていくに当たって、特に精神身体合併症のことを考えたときには、やはり人口が少ない都道府県においては何らかの形で、例えば都道府県の枠を超えたような広域対応が必要になる可能性があるというところも考えなければならないなとは思っている次第です。
 以上になります。
○尾形座長 ありがとうございました。
 後半は御意見として承るとして、前半で2点御質問がありましたので、事務局、お願いいたします。
○森地域医療構想推進室長 ありがとうございます。事務局でございます。
 本ワーキンググループでの各自治体に対する担当部署の縦割りのことですけれども、今回もまさに医政局と障害部の共管という形で開催していますし、このことは自治体のほうにもメッセージとしてお伝えをするものとなっております。ですので、これを受けて自治体のほうにも両方でちゃんと連携をするようにというメッセージを届けるということになるかと思っています。
 また、各自治体で統括を置くのかどうかということに関しては、各自治体の判断にもよるかとは思いますけれども、そういったことを妨げるものではないかなと考えているのが現状でございます。
 総合医療精神科の点に関しては、佐藤から回答いたします。
○佐藤精神保健医療統括推進官 障害部でございます。
 先ほど医療機関機能のほうのお話がございました。まさにどういった機能になっていくのかというのは、このワーキングの中において議論していただければと思っております。もちろんそういった視点は大変重要なのだろうなと思っておりましたが、これからまた第2回以降でそういったテーマごとにいろいろ深めていくことになろうかと思いますので、そういったことを踏まえて決めていくものかなとは理解しております。
○尾形座長 田中構成員、よろしいでしょうか。
○田中構成員 大学病院の本院に関しては、どういうふうな扱いになるでしょうか。
○佐藤精神保健医療統括推進官 ごめんなさい。今、私が2つ目のほうを答えたつもりでして、先ほど御質問の中では大学病院が医育だとかそういった機能を一般医療のほうで担うことになっているけれども、今回精神のほうでどうなのかというお尋ねかなと理解いたしました。
 それに対して私が先ほど申し上げさせていただいたのは、まさにそういった医療機関機能というものを精神において大学を含めてどうするのかというのは、まさにこの場において御議論いただく内容かなと思っておりまして、我々のほうで決め打ちで何かこうということを今申し上げるものがあるわけではございません。なので、第2回以降、テーマの中において深めていければと考えております。
○田中構成員 ありがとうございます。
○尾形座長 よろしいですか。
 ほかはいかがでしょうか。
 長瀬構成員、どうぞ。
○長瀬構成員 ありがとうございます。日精協の長瀬でございます。
 私は日精協の理事をやっていまして、別の検討会でも参加させていただいて、それに続くということでこちらもということなのですけれども、資料2の44ページに精神医療に関する地域医療構想検討ワーキンググループということがありまして、主として取り扱う議題ということで挙げていただいているのですけれども、これはたくさん幾つもあるのですけれども、多少優先順位だとかステップとか、こういう順序で進めますよというようなある程度の道筋、これとこれは一緒に行きますよといったことというのは、事務局のほうで現時点で考えておられることはあるのでしょうか。それを少しお聞きしたいなと思います。
○尾形座長 これは御質問ですので、事務局、お願いいたします。
○森地域医療構想推進室長 ありがとうございます。
 事務局としましても、ある程度一緒に議論できるものと、一緒に議論すると時間がかかってしまうものがあるかとは考えておりまして、まさに構想区域全体の枠組みであったり、構想区域を議論するに当たっての調整会議の進め方といったものは一体的に議論ができるものかなと考えているところです。
 また、それとは別に、病床機能区分であったり必要病床数の議論、あとは医療機関機能や報告制度というものはまた別に一つ一つ分けて考えるべきものかなと思っておりますので、これを均等に1つを1個ずつ議題にするというよりは、説明できる内容、議論できる、深められるものはまとめてお話をさせていただく。それに関しては、本日の意見等も踏まえまして、次回以降にどのような形で進めていくかを検討させていただければと思っております。
○尾形座長 よろしいでしょうか。
○長瀬構成員 そうすると、手をつけやすい、一般医療でも既に進んでいる部分で地域医療構想はガイドラインまでできていますので、そういったものを少し参考にしながら、精神医療のほうでも手をつけやすい領域、議題について取り扱いながらという感じで理解してよろしいでしょうか。
○森地域医療構想推進室長 その御理解でいただければと思います。どのような形でお見せするかはまた要検討かと思っておりますけれども、基本的には一般で進められているガイドラインと比較をするような形で、それを踏まえながら議論をさせていただければと思っております。
○長瀬構成員 ありがとうございます。我々が不利益にならないような方向で進めていただければなと思っておりますので、ひとつよろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 岡構成員、どうぞ。
○岡構成員 ありがとうございます。日本病院会の岡でございます。
 私も新たな地域医療構想のガイドラインで2年間携わってきた関係で、精神医療の専門家ではないですけれども、この会に参加しております。
 意見を2つ述べたいと思いますけれども、44ページにありますこのワーキンググループの主として取り扱う議題については、特に異論ございません。
 その中で、まず意見としては、2040年に向けて、高齢化の進展に伴い、身体合併症を有する患者の増加が見込まれる中、一般医療との連携は重要になってきます。先ほど田中構成員もおっしゃっていましたが、やはり一般医療との連携においては、精神病床を有する総合病院だけでは対応し切れないと思いますし、現在も精神病床がなくても精神科専門医が在籍あるいは精神科医リエゾンチームを有する総合病院はこの部分をかなり対応しているということで、やはりこれらの総合病院を含めた連携体制の構築が必要になってくると思います。
 その点を考えますと、精神医療に関する構想区域が今後議論されると思いますけれども、やはり新たな地域医療構成で議論されている構想区域との整合性を考慮して設定することが重要であるように思います。そして、身体合併症を有する患者の診療体制については、地域医療構想調整会議で議論できるような仕組みをぜひ構築していただきたいと思います。
 2点目は、今後の精神医療が地域生活中心という理念の下に、精神障害にも対応した地域包括システムの構築が第8次医療計画の中でも検討されていたと思いますが、地域医療構想が医療計画の上位概念に位置づけられたことを踏まえて、やはりこのワーキンググループでも地域包括システムの構築についての課題を認識して、その方向性を位置づける必要があると考えます。
 そのためには、この議題の中に病床機能区分、必要病床数、医療機関機能など、入院医療に関する議題が載っていますが、やはり地域包括システムを構築するためには、この構想区域より狭い日常生活圏における外来あるいは在宅医療、医療・介護・福祉との連携が重要になってくると思いますので、ぜひこの点も議題の中に含めて今後議論していただければと思います。
 私からは以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。これも御意見として承りたいと思います。
 ほかはいかがでしょうか。ウェブで参加されている方もいかがでしょうか。
 櫻木構成員、どうぞ。
○櫻木構成員 ありがとうございます。日本精神科病院協会の櫻木です。
 私も44ページのこれからのワーキンググループの進め方というところでお話をしたいと思います。確かに片方に今までの延長線としての2040年に向けた地域医療構想のガイドラインができています。ただ、一般のいろいろな枠組みで考えると、どうしても整合性が難しいというような部分も精神にはありますので、ゼロベースからの議論をというのを私はずっと言っているのですけれども、幾つかの主に取り扱うような議題のところですね。例えば構想区域であるとか、あるいは病床機能区分であるとか、この辺りが精神のいろいろな特徴の部分もありますので、あくまでも議論の出発点としてはゼロベースで、議論の中でこれはある程度一般との共通部分もあるというような部分もあれば、なかなかそこは一緒にはいけないのだという部分も出てこようかと思います。
 ですから、あくまでも事務局にもお願いをしたいのは、ゼロベースでのスタートということで、例えば我々のほうで独自にこれはこういうふうに考えるというような提案をさせていただく場面もあるかもしれませんので、そういったことも含めてこれから進めていっていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。これも御意見として受け止めたいと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 橋本構成員、どうぞ。
○橋本構成員 日本看護協会の橋本でございます。
 私も地域医療構想の検討に入っていた関係で、今回こちらのワーキンググループに参加させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
 ワーキンググループの進め方等について御説明いただき、ありがとうございました。今年度内の取りまとめに向けて、精神医療提供体制の基本的な方向や構想区域、医療機関機能、病床機能等の制度的枠組み、協議の持ち方等について検討を進めていくことに異論はございません。
 今後、議論を進めるに当たっては、資料43ページに示されました3つの具体的な議論の視点が非常に重要と考えております。特に精神疾患と身体疾患を同時に有する患者の増加が見込まれる中での精神科以外の医療との連携体制の構築や、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの実現に向けた地域の多施設や多職種間でのさらなる連携の強化は不可欠と考えております。
 しかしながら、昨年度、日本看護協会が実施した調査では、精神病床を有する病院における地域移行・地域定着に向けた入退院支援を進める上で、約9割の病院が課題があるとしており、地域の受皿として身体合併症等に対応可能な医療機関や施設等が限られていることや、連携のための地域の多職種とのカンファレンスの開催が難しいことなどが課題として挙げられておりました。
 こうした実態も踏まえながら、7月に公表された地域医療構想策定ガイドラインとの整合性を図りつつ、地域の実情に応じた良質かつ適切な精神医療提供体制の確保に向けて、実効性のある具体的事項がガイドラインにおいて示されることが望ましいと思っております。
 以上、意見でございました。ありがとうございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 彼谷構成員、どうぞ。
○彼谷構成員 日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構の彼谷でございます。よろしくお願いいたします。
 御説明ありがとうございました。
 枠組みの中でいろいろと病床数であるとか調整会議のことがあるので、その2点について意見を申させていただきます。
 病床数などを議論するに当たって、私は精神科に入院した経験がある当事者なのですけれども、家族や友人が仕事とか学校帰りに面会ができる場所に病院があるというのがとても望ましいのかなと思っています。とても遠いところに入院をして誰も面会に来てくれないというのは、入院するときにすぐに帰りたいとなってしまいますし、医療を継続する上でも身近な人が面会に来てくれるというのは欠かせないかなと思います。これは家族や友人とか職場の人だけではなくて、地元の支援者が会いに来てくれるということを考える上でも重要なことかなと思っています。
 とはいえ、精神科の領域というのは歴史的な経過もあって、精神病床が偏在している地域も少なくないかなと思います。大都市であれば郊外に病院があったり、地方だと逆に都市のほうに偏在している例もあるのかなと思っています。これを今後どのようにしていくかというのはここで議論していくことだとは思うのですけれども、なるべく人口がコンパクトな範囲でみんなが会いに行けるというところが望ましいのではないかなとは思っています。
 もう一つが議論の進め方のところなのですけれども、大きな枠組みは比較的合意がされるかもしれないのですが、いざ自治体単位であるとか構想区域で議論をすると、利害があったり、当事者からしてもやはり近いところにとか、なかなか複雑なところが出てくるのかなと思っています。どうしても医療機関とか医療資源の話ですので、経済合理性に基づいて協議をするというのはやむを得ないことかもしれないのですけれども、何かしら当事者家族が参画する仕組みとか、調整会議に委員として1人、2人が配置されるだけではなくて、幅広く意見を聞くような、公聴会がいいのかアンケートがいいのか、それは私もいいアイデアはないのですけれども、単純に一人の当事者をもって決められるということでもないですし、皆さん、自分の身近なことしか考えられないところもあるので、多数の当事者家族とかの人たちの意見が聞ける仕組みというのをもって、併せて議論するようなことが大事なのかなと考えているところです。
 以上になります。
○尾形座長 ありがとうございました。これも御意見として承りたいと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 吉川構成員、どうぞ。
○吉川構成員 日本精神科看護協会の吉川でございます。ありがとうございます。
 私は具体的な議論の視点のところで少し意見を述べさせていただきたいと思います。2番目の病床及び医療機関の役割の明確化を通じた地域での連携・機能強化のところで、一般医療との連携は私も身体合併症の治療であるとか身体ケアのことを考えると非常に重要だと思うのですが、今回、地域医療構想の中で「治す医療」から「治し支える医療」といった考え方が出てきて、私はこれは精神医療の分野でも非常に重要だと思っております。そのときに、今、精神科の地域ケアで訪問看護もかなり頑張ってくださっていると思うのですが、これは病院と訪問看護を別々に検討するということではなくて、退院後の継続医療、継続看護という視点を考えたときに、医療の機能と地域医療や訪問看護も一体的に考えていくということも必要なのかなと思います。ここは連携・機能強化となっているので、そういった地域ケアや訪問看護との連携といった視点もぜひここに加えていただければと思っております。
 それと、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築の加速というところについて、これは本当に個人的な意見にはなるのですが、ここに書かれている内容を見たときに、医療機関に求められる役割や機能というものがここの検討でどれだけ出てくるのかという点が少し気になっているところです。何だか地域包括ケアシステムが別立てになっているような印象もありますので、ここももう少し医療機関というところが出てきたほうがいいのではないかなと思いました。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 北村構成員、どうぞ。
○北村構成員 石川県立こころの病院の北村といいます。全国自治体病院協議会を代表して出ています。
 話が大き過ぎてあまり具体的なイメージがつかないのですけれども、まず一般科と話をしやすいのは、一番初めに田中先生がおっしゃっていたような身体合併症対応だと思います。その中で、身体合併症と言ってもいろいろなグレードはありますから、今回の診療報酬改定のときからいろいろ話が出ていますけれども、4区画に分けて身体も精神も重症という人をどこで診るかということをきちんとはっきりする必要があると思いますし、もう一つは、精神が比較的軽くて身体合併症が重いというのは、先ほど岡先生が言われたように、精神病床がなくても普通の一般病床で精神科医がいるような病院で診るのがいいと思います。
 それと関連する話で、精神科救急と一般救急のコラボレーションというか、そこが今、全然うまくいっていないと思います。精神科救急は各都道府県に精神科救急システムがありますけれども、基本に考えているのは自傷、他害のおそれが非常に強いような患者です。自殺に関しては総合病院の精神科で診なければいけないかもしれないけれども、我々単科の精神科で診るのは警察沙汰になるような人たちを想定しているわけですが、最近、患者さんの高齢化とか、認知症の人が増えたとか、あるいは若いいきなり錯乱を起こすような人でも脳炎が疑われるとか、そういうこともありますので、一般救急と精神科救急をどのようにつなぐかという議論はしなければいけないと思うのですけれども、一般の先生方の話を聞いていると、そういう精神まで議論に交ぜてくれるのかなということも若干懸念があります。
 実際問題、一番我々が困っているのは、例えば日曜日の夜中、土曜日の夜中とかに介護施設から全然見ず知らずの95歳の人がいきなり暴れだしたとかといったときに、暴れているだけなら精神科で対応できるのですが、基本的に体の病気がどうだとか、それから、脳に何か変化があるのではないかとかということを精神科に連れてこられても検査できないので、少なくともそういうのを一般科の救急のほうでチェックしていただいてから云々と。非常に細かい話で具体的過ぎるかもしれませんが、そのようなことが現実的には困っているということを一つ報告しました。
 それから、もう一つは構想区域についてですけれども、精神科救急などは大概の県で全県1区ですけれども、精神疾患の中でも例えば認知症だったら生活圏域でやったほうがいいし、摂食障害は全県1区でもいいかなとか、そういうのがあります。一般の地域医療構想では、例えば疾患別にどうのこうのという話は多分ないのでしょうし、それから、産科がどうだとか小児科がどうだとかという話まで将来的にするのかしないのか、それは医療計画なのか分からないのですけれども、その辺の具体の話をどこまでこの地域医療構想というところに落とすかというのがよく分かりません。そうしますと、精神科を地域医療構想で一般の中に入れるということになったら、今言ったような身体合併症と救急の話ぐらいしかなくなるのではないかなということも思ったりしております。
 的外れかもしれませんが、一応意見を述べさせていただきました。以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。これも御意見として承りたいと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 藤井構成員、どうぞ。
○藤井構成員 国立精神・神経医療研究センターの藤井でございます。
 既に複数の構成員の皆さんからお話があったところですけれども、精神身体合併症をどうするかというのが調整会議でもかなりしっかり話し合えるような体制をつくっていくというのが重要かと思います。
 そこで医療機関機能の考え方というのが重要になってくるのかなと考えるのですが、先ほど櫻木構成員からゼロベースで考えるというようなお話もありましたけれども、今の地域医療構想の策定ガイドラインで示されている医療機関機能をこのまま精神に当てはめるというのはかなり無理があって、これをそのまま当てはめると専門等機能にせざるを得ないという状況かと思います。
 そうなってきますと、プロジェクトチームでも言われていたデータに基づいて検討するということがなかなかしづらくなってきますし、一般医療のほうから見ても精神科医の機能というのが分からないところで、どこに搬送したらいいのかとか、どこと連携したらいいのかというのが分かりにくくなってくるということを考えると、やはり精神に関しても医療機関機能の区分というものを専門等機能ではなく別に定めていく必要があるのではないかと考えております。
 それをどのように定めていくのかというのはこのワーキンググループで検討されることかとは思いますが、そこでぜひ検討に入れていただきたいのが、これは先ほどの田中構成員の御意見ともかぶるところではありますが、精神身体合併症の診療機能というものをどこかに位置づけていく必要があるのではないかと思います。それはアドオンする形なのかどうかというのは議論の余地はあるのだと思いますけれども、そこに関しては明確に位置づけをしていただいて、さらには一般病院で精神科の外来あるいは病棟を持っている、精神科を持っている病院に関しては、身体科のほうの医療機関機能とは別に、精神科の医療機関の機能についても両方合わせて報告できるような形にしていくというのが望ましいのではないかと思います。そうしないと、総合病院の中で精神科を持っている病院の精神科の機能が分からないということになり、身体合併症に関してどのような体制をつくっていくのかというのが見えにくくなるということを考えると、やはり精神科を持っている一般病院に関しては精神と身体、両方の機能を報告していくという立てつけが望ましいのではないかと考えているところです。
 もう一つ、外来医療・在宅医療、介護・福祉との連携については、実行計画である第9次医療計画を見据えながら検討を行うということで、それは細部についてはそのような形にはなってくるとは思うのですけれども、このワーキングの中でも外来・在宅精神医療というものをどのような位置づけで扱うのかということについては、大筋については合意を得ておく必要があるのかなと思います。
 そこで重要になってくるのはにも包括との接続ということになりますが、各地域で今、にも包括の構築が進んでいて、にも包括に関してはそれに関する協議の場も多くの自治体で運営されているところでございますので、それらの協議の場とこの地域医療構想とどのように接続していくのかということについてもこのワーキングでもある程度扱う必要があるのかなと考えております。
 外来・在宅医療に関しても、精神身体合併症ということを考えるときには、入院だけではなくて外来・在宅に関しても身体との連携というのが非常に重要になってきていますので、外来の中でどのように身体と精神が連携していくかということも、もちろん細かいところは専門の検討会等にはなってくるかと思いますけれども、これも全体の構成に関してはこちらで位置づけをしていただけるとありがたいかなと思います。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、岡田構成員、どうぞ。
○岡田構成員 ありがとうございます。全国精神保健福祉会連合会の岡田です。
 家族の立場からこのワーキングに参加の機会をいただき、ありがとうございます。
 私どもは、これまでの体験から、精神医療は全ての国民にとってとても重要で必要な医療だということを強く実感している立場です。ですけれども、これまでの歴史の中では精神医療とそれ以外の医療という分け方で別の扱いをされてきたという経緯がありますが、今回、地域医療構想に精神医療が位置づけられたことは、当然とも言えますが、大変によかったと感じているところです。
 各自治体において、精神医療がここに書かれておりますように中長期的な人口構造や地域の医療ニーズの質・量の変化を見据え、良質かつ適切な医療を効果的に提供できる体制を確保、これができるように医療計画に反映される。このことに私どもは大変大きく期待をしているところです。
 家族の立場からは、地域生活の中で精神的な不調を感じた際に、精神科医療につながるまでに時間がかかってしまうこと、そのために病状がかなり進んでから、悪化してから医療につながる。そのために強制的な対応を受けることにもつながって、回復までにも時間がかかる。そして、生活のしづらさが多く残ってしまう。この悪循環をなくしたいと考えております。各地域ごとに良質で適切な精神医療を効率的に提供できる体制をつくるということが、このような悪循環を断ち切る契機となることに期待したいと考えております。
 資料の42ページ、43ページ、2040年を見据えた精神医療提供体制の視点、具体的な議論の視点は大変よくまとめていただいているなと思っております。その中で、これまでも多くの構成員の方から意見が出されておりますが、ここには「高齢化の進展に伴い」ということで精神科医療及び精神科以外の診療科が協力して、地域ごとの課題を共有し、必要な取組を進めていくことが重要と書かれておりますけれども、この視点は高齢化だけの課題ではなくて、地域に暮らす精神疾患、精神障害がある人が身体疾患にかかったり、けがをしたり、出産を経験することは当たり前にあることですので、地域における精神科以外の診療科との協力体制は以前からある重要な課題だということは皆さんと確認しておきたいと思います。
 そして、これまで以上ににも包括の取組の推進及び連携体制の構築を加速ということ、これも本当にそのとおりだと考えております。このような重要な会議の場に精神医療を利用する立場としてこの検討会に立ち会わせていただけるということには大変意味があると考えておりますので、皆様の御意見を伺いながら私自身も勉強をして、学びを深めて、何かお役に立てることがあればという気持ちで今日は参加させていただきました。
 初回ですので、感想のようなことになりましたが、今後ともよろしくお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 ほかはいかがでしょうか。
 岩上構成員、どうぞ。
○岩上構成員 全国地域で暮らそうネットワークの岩上でございます。
 私もこのワーキンググループには非常に期待をしています。
 お話を承っていて、やはり御本人を主軸としてどういう精神医療が必要なのかということを基本的に考えていく。そうなると、身体合併が必要なときにどうするかという話をまず主軸にしなくてはいけないように思います。
 一方で、今まで精神科医療機関、特に病院にお願いしてきた機能も十分に把握する必要があるだろうと思っていて、こういう話ができるところまで来たと思っているのですが、良質な精神科医療の提供体制を求めるとすると、それはここでの議論で進んでいくと期待はしているけれども、今まで病院に対してお願いをしてきて引き受けてきていただいたものもあるので、そこを対応できる体制整備、地域支援体制ができているのかどうかということもしっかり議論をしなければいけないと思っています。
 医療計画を従前から立てていく中で、私はにも包括の支援事業と言って都道府県が体制整備をするための委員長をしていて、藤井構成員が副委員長をして、それをずっと進めてきたのですが、三、四年前に医療計画において精神科の医療体制をどのように立てているかということを各都道府県について調べました。あまり好事例がないと。どうしても国の指針に基づいて立ててきているということで、住民のニーズに対して対応できる体制をどうつくるかという議論をした上での精神科の医療計画というのはあまりつくられていないような状況だったのです。
 だとすると、先ほど田中構成員がおっしゃっていたように、ここで議論したことがしっかり都道府県で対応できるような仕掛けをしていかないと、せっかく国の中でとてもすばらしい議論ができたとしても、都道府県でできるのかどうかということが課題だと思います。
 それに対してにも包括で取り組んできたのは、しっかり住民のニーズを把握してくださいと。その上で、それに応えられる精神科医療体制が今できているのかどうかということを特に都道府県の皆さん、保健所の皆さんに各精神科病院を回っていただいて、御用聞きをして、先生方と議論をしてほしいということをずっと取り組んできているのですが、そういう意味では、先ほど来、にも包括を推進すべきだということについては、足で稼ぐではないけれども、地域の住民が何を望んでいてどういう体制整備ができているのかというのは、そういう意味で加速してほしいなと。そこでにも包括の構築を議論する必要があると思っています。
 ただ、このワーキンググループはもう少し精神医療体制という話になるので、今までお話を聞いていると、病院の今後の在り方も問われていくときに、にも包括を構築する検討会でもしっかりやる。あるいはこれは入院制度についても連動してくる話になると思いますので、そういう意味では、地域医療構想を進める上で様々な検討会ももっと使っていただいたほうがいいのではないかと思うので、その辺りについて事務局からお考えをお伺いしたいと思います。
○尾形座長 これは御質問ですので、事務局、お願いいたします。
○佐藤精神保健医療統括推進官 障害保健福祉部でございます。ありがとうございます。
 まさに最後の御質問のところですけれども、この構想で精神医療の今後、将来を踏まえてどうするのかという御議論の中で、当然ににも包括の話ですとか精神保健福祉法に伴う医療の話、その他個別の話も様々大きい総論の中で出てくるのかなと思います。そういったものとしっかり検討会は連動する形で、精神のほうの検討会をこちらの事務局でやっておりますので、そういったことを意識しながらやっていけるようにとは思っております。
○尾形座長 よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 家保構成員、どうぞ。
○家保構成員 衛生部長会の家保です。
 いろいろ御意見をいただいて、実際に動かさないといけない立場で、非常に大変な仕事だなと思っております。
 今回示していただいた44ページのところで、このワーキングで議論するテーマとしてはこういうことをはっきりさせていただくと、各都道府県で議論するときにも非常に参考にはなると思います。
 ただ一点、都道府県では、今までの身体科のほうの地域医療構想の議論において、どうしても二次医療圏をベースに考えますし、仕事を進めていく上では過去の歴史の流れを踏まえてやっていかないといけませんので、精神についてもある程度それをベースに考えざるを得ないと思います。そうなると、二次医療圏の状況を踏まえて考えていかないといけません。全国で二次医療圏は330ありますが、精神科病院のないところが46医療圏、精神病床がないところが15医療圏あります。精神科を標榜している診療所がないところが11医療圏、5つ未満のところが115ぐらいあります。片や精神科を標榜している診療所が最大のところは一つの二次医療圏で390とかなり差があります。このことを前提に御議論を進めていただかないと、現実的に動かすときに取るべき方策が全く出てこないという懸念がありますので、ぜひともそういうことは意識していただければと思います。
 これまでにも、産婦人科や分娩の関係とか、小児科のように、一つの二次医療圏を越えて幾つかの二次医療圏を統合したような形で施策を運営するというパターンも地域の状況においてはありますので、各都道府県の中でその状況を踏まえて、そういう対策が取れるような道もきちんと残していただけるとありがたいと思います。
 それから、いざ現場を踏まえて考えますと、23ページを見ていただくと、現行で進んでいる検討体制が、地域医療構想の調整会議が都道府県単位、構想区域単位とありますし、それ以外に今までお話が出ていました外来の問題では別に協議の場が出てきます。構想会議だけではなく、患者さんとか地域の方に施策を生かすためには、周辺のことも少し視野に入れていただきながら議論を進めていただくとありがたいと思います。
 にも包括に関連して言いますと、どうしても在宅医療、医療・介護連携とかと絡んでくる部分がありますし、先ほど言った外来医療のところもありますので、ぜひともその辺も踏まえた上で御議論を進めていただきたいです。都道府県としてはできるだけこの場の御意見、それから、国からのまとまった方針を踏まえて対応していきたいと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
 意見でございます。以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
 ほかはいかがでしょうか。
 黒田構成員、どうぞ。
○黒田構成員 国立精神・神経医療研究センターの黒田と申します。よろしくお願いいたします。
 ふだんは630調査ですとか医療計画の指標の部分ですとか、あとは障害福祉計画の指標ですとか、そういうところを仕事で担当させていただいております。
 そういった視点からの意見ですけれども、一つは、精神のほうは「にも包括」という一つの大きな構想が既にある程度合意ができてきているところだとは思うのですけれども、今回地域医療構想という新しいツールといいますか、フォーマットといいますか、そのこととにも包括等をどういうふうにつないでいくか。これは藤井構成員もおっしゃっていましたけれども、まさにそこが一つテーマになってくるだろうと思っております。
 そのときに、なかなか細かく、一般医療のほうは特に2025年に向けた地域医療構想はかなりデータに基づいて緻密な計算を積み重ねるところからスタートしてくださったのだと思うのですけれども、精神のほうは、いろいろデータソースはありますけれども、データから全部見ていこうとすると結構道に迷ってしまって、必ずしも全てが一気通貫に物が見えないというところがありますので、まずは大きな方向性、ベクトルの向きというのを考えるに当たっては、主として取り扱う議題の中でいうと、藤井構成員も言っておられましたけれども、医療機関機能という前の地域医療構想のときにはなかった新しいものですけれども、これを一つ補助線として意識することによって、より大きな単位としての構想区域ともっとミクロなデータである病床や患者数の接続の仕方が見えてくるのではないかと思います。
 それからもう一つ、北村構成員もおっしゃっておられましたけれども、地域医療構想は既に一般医療のほうで地域、都道府県のほうがいっぱいいっぱいだったり大変だったりするところはあるので、そこに精神のための独自のフォーマットのものが入ってくると扱い切れないということになりかねないと思います。したがって、先ほど主として取り扱う議題で出していただいたフォーマットにある程度準拠することからまず始めるべきかと思います。ただ、もともとの問題意識が一般医療と精神のほうで共通していない部分もありますので、共通言語としてのフォーマットは守りつつも、精神独自のニーズに対応できるようようどこまでどういうふうに変えていけるかという辺り、そこにデータをうまくつなげられるように私としては参加していきたいと思っております。
 以上、意見です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、江澤構成員、どうぞ。
○江澤構成員 江澤です。
 まず、一般医療の地域医療構想と同様に、大都市部、地方都市部、人口の少ない地域に分けて検討する必要があると思いますが、一方で、精神医療は都道府県全体で考えていく視点も大変重要になると思っています。
 構想区域においても、一般医療に比べてより広域になると思われますので、地域の実状に応じてデータに基づいた検討が必要だと思います。また、構想区域がより広域になる場合の患者さんのアクセスの問題等も検討課題になると考えています。
 一方で、身体合併症においては一般の地域医療構想とリンクしていく必要もありますので、そこのすり合わせが今後どこまでできるのか、あるいはどうしたらすり合わせできるのかというのも考えていく必要があると思っています。
 また、今後に向けて、医療機関機能をどうするのか、病床機能区分を現状と見直すのかどうか、あるいは急性期医療あるいは包括的支援を担う医療、外来・在宅医療などのニーズを踏まえた議論が必要ですから、今後、データに基づいた議論ができるようによろしくお願いしたいと思います。
 また、障害福祉サービスや介護保険サービスとの連携も議論に含めていくべきと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 最後に、新たな地域医療構想のときの議論でも申し上げましたが、現在、医療機関経営が大変厳しい状況にありますので、地域医療構想調整会議においては、各医療機関が機能分化と連携するに当たって、そこの医療機関の経営が大丈夫なのかどうか、支障がないのかどうか、そういったことを踏まえた上での議論が必要と考えております。
 私からは以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 桐原構成員、どうぞ。
○桐原構成員 全国「精神病」者集団の桐原です。貴重な機会をありがとうございます。
 精神障害当事者の立場から、地域において必要とされる望ましい精神科医療提供体制や医療機関機能や報告制度の在り方を踏まえて、どういったものが求められるかについて言いたいと思います。
 私たち障害者は、障害を持ったまま、障害の有無にかかわらず、共に生きる包摂社会というものを求めています。包摂社会における医療というのは、障害を持った状態での生存や生活というものを可能にするためのものであると考えています。
 その意味で期待する主な効果としては、生存の危機を回避することと、その範囲における苦痛の除去というものになってくると思います。具体的には、例えば治らないものを無理に治そうとしないことや、障害を持って生きる選択肢を放棄する患者から言われるがままに治療中断しないこと、それから、障害を理由に医療機関から受入れ拒否をされないこと、障害を理由に他の者と異なる手続を強いられないことなどが含まれることになります。
 医療の目的というのは、命の危機の回避や苦痛の除去です。言い換えれば、社会規範への適用とか社会防衛、家族が希望する無期限のレスパイト、居場所のない人の居場所にしていくといったものは医療の目的に位置づけるべきではないのではないかと考えています。しかし、実際は治療上の必要性以外の理由で入院している人が数多くいます。精神科病院は精神保健福祉法のスキームの中で運用されているわけです。精神保健福祉法は、最高裁判決で違憲判決が出た旧優生保護法と同じ、富国強兵政策の優生政策にルーツを求めることができます。収容は単に障害者が生まれないようにすることだけではなくて、既に生まれてきた障害者を社会から隔離し、いない状態にするということを目的に検討が進められてきたという経緯があります。
 旧優生保護法の違憲訴訟では、最終的に原告と被告、政府ですね。弁護士、優生連とで締結した基本合意文に基づく再発防止の協議の中で精神保健福祉法のことが課題として上がっています。このことから、治療目的以外の入院の問題というのが精神科病院の公的機能の側にこそ原因があったと考えられるべきであって、そういう側面があって、市立病院が公的機能を担わされてきたことによって硬直した問題と考えていいのではないかと思っています。
 以上から、治療反応性のない患者に対して慢性期療養と称して入院医療の対象にするべきではないと考えます。治療反応がないにもかかわらず、現役世代の負担が叫ばれる中、国民一人一人から徴収して成り立つ健康保険料を消化して入院医療にとどめ置くようなことは、少なくとも健康保険原理上は認められるべきではありません。その意味で、私たちは精神科病院に対して何を求めるかというと、「純粋な治療機関であること」これを求めていることになります。
 最後に、慢性期機能とそのダウンサイジングについて意見を述べます。慢性期機能については、比較的短期間のうちに大幅に縮減して残された病床も回復期機能へと移行させてほしいと要望してきました。精神科医療が地域医療構想に位置づけられた時の医療法改正の審査において、病床のダウンサイジングに対して批判的な委員も複数いたわけですが、その方々からもやはり精神科病床に関してはダウンサイジングを進めていくべきではないかというような意見が出ていました。
 精神科病院からの退院事由の転帰については、1年以上長期入院者の中の死亡退院者数が少なくないわけです。私たち精神障害者にとっては、実際に症状が安定しているのに死ぬまで入院している仲間がいるということになります。そういう仲間とも会うわけなのですけれども、その方々が入院している病床が地域において必要な病床なのですと言われても、直感的に納得ができ兼ねます。なので、何が必要な医療機能なのかについての議論がこれから進んでいくことにはなると思うのですけれども、こういう当事者の情緒的な面というものをたまに思い出して議論を進めてくれるとうれしいなと思っています。
 検討の進め方については、合併症を入り口にしつつということでよいと思っています。治療目的とは言えない入院やその予備軍をどうするのかという観点から、病床機能の報告の在り方などについて議論を徐々に進めていけたらうれしく思います。
 また、精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会というもので入院制度の在り方について検討することになっているわけなのですけれども、その検討結果というものは第9次医療計画にも恐らく影響し得ると考えていますので、そういったものの全体を踏まえてここでも議論を進めていけるとうれしいなと思います。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、粟田構成員、どうぞ。
○粟田構成員 私は認知症介護研究・研修センターの東京センターのセンター長を務めておりますが、専門が老年精神医学でありまして、これまで大学病院でありますとか、あるいは単科精神科病院とか、総合病院で診療をやりながら社会精神医学、社会学的な研究をずっと続けてきた者であります。
 ということで、一つは私の経験から、それから、もう一つは研究データから少し意見を述べさせていただこうと思うのですが、既にこれまでも議論されてきたことなのですけれども、この2040年という時代を考えると、まず地域医療構想あるいは医療提供体制の中で精神医療と一般医療が同じ土俵でコミュニケーションできる基盤をつくるということは非常に重要でございます。それは、これまでも身体合併症の議論もされてきましたが、実は身体合併症以上に認知症が一般医療でも精神医療でも極めて多くなる。特に救急で多くなるということがございます。
私、かなり前ですけれども、一総合病院で一般救急医療の中で認知症の方がどのぐらいいるかということを調査したことがあって、これは大変な調査なのですけれども、そうすると、大体、一般救急の場での認知症の有病率は一般的な有病率の倍ぐらいになることから,認知症が救急事例化しやすいということが分かっております。85歳以上の救急がこれから非常に増えるということが今回の資料でも分かっていますけれども、これは一般医療の中でも認知症の救急が非常に増えるということです。
 それから、2024年にメイヨークリニックで行われた研究では、認知症であり、かつ独居などの社会的孤立があると、さらに救急事例化のリスクが上がるということが分かっているのです。この2040年というのは認知症が増えるだけではなくて独居が増えるということが分かっているので、これから一般救急の中でも独居の認知症の方が非常に増えてくるということがございます。
 それから、今、厚労科研の特別研究事業で実際に認知症の医療に係る精神病床の調査をしておりますけれども、後日資料を提供しようと思いますが、これは私の経験とも一致していますけれども、今、救急医療で認知症の方を診ると、精神科の病床あるいは精神病院のほうに早く移ってもらうということが非常によく行われていることであって、独居であると一層そういう傾向が強まるということがございますので、実は身体合併症もそうですけれども、認知症ということに関して構想区域の中でどういう医療提供体制を考えていくかというのは、一般医療と精神医療のコミュニケーションで不可欠でございますので、2040年に向けてそういうような仕組みづくりを考えていくということが私は大事ではないかなと思っております。
 このワーキンググループの議論の中で、時間の関係でどこまでやれるのかは分からないのですけれども、今日は自由な切り口で意見を言っていいということなので、一言意見を述べさせていただきました。
 以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 長瀬構成員、どうぞ。
○長瀬構成員 日精協の長瀬でございます。
 先ほど桐原構成員から病床区分に関して慢性期に関しての御意見をいただいたのですけれども、構成員の先生方が既にお話しされているように、身体合併症との関連とのニーズ、新たなニーズですね。それと、我々の既存のニーズも2040年に向けてきちんと整理していただかないと困ります。それは皆さんによく御理解いただきたいなと。事務局にも御理解いただきたいと思っています。
 一般科のほうは高度急性期、急性期、包括期、慢性期という分け方で進んでいるということを私も理解していますし、皆さんも御理解されていると思っていますけれども、その定義が非常に重要だと思っております。ですので、この定義についての議論は丁寧にやっていただきたいなと我々は思っていますので、ひとつ御協力と御理解をお願いしたいということです。
 実際に一般科との連携は非常に重要だと思っていますが、精神科の医療機関同士の連携も非常に重要だと思っていまして、これも構想にきちんと枠組みとして入れていただくということが大事だと思っています。もちろん、大きな骨組みを決めて、都道府県は一般科と足並みをそろえないと、補助金のことだとか地方自治体との協議、対応がスムーズにいかないということは十分理解しておりますけれども、歴史的な経緯も先ほど森室長からお話ししていただきましたが、我々の課題、問題と仕組みもございますので、それを踏まえながら議論していただければなと私からの要望と意見でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。大体御意見はよろしいですか。
 それでは、私から一構成員として意見を申し上げます。地域医療構想を推進するという観点から1点申し上げたいのですが、まず、これまでの2025年までの地域医療構想をどう評価するかということについては、いろいろな意見があり得ると思います。ただ、私自身は、地域差はあるものの、一定の進捗、成果につながっていると評価しております。
 その一つの原因として、実は地域医療構想がスタートした時点ではなかったようないろいろな追加的な措置とか制度が創設されてきました。私はそれが非常に効いているのではないかと思っています。例えば地域医療連携推進法人制度であるとか、あるいは再検証要請対象医療機関の指定であるとか、さらには介護医療院の創設といったように、その後様々な仕組みがつくられてきて、その結果、それなりに動いてきたのではないかと思っています。
 こうした経験を踏まえると、新たな地域医療構想についても、その推進に当たってはこういった追加的な措置を今後柔軟に検討していく必要があるのではないかと考えております。これは意見ということで申し上げました。
 ありがとうございました。
 ほかによろしいでしょうか。言い残したことはないですか。これからも何回も開催しますので、またその都度御意見を賜ればと思います。
 よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、ほかに特に御意見、御質問がなければ、本日の議論は以上とさせていただきたいと思います。
 今日はいろいろな御意見を頂戴しましたので、事務局におかれましては、本日いただいた御意見を踏まえた議論が行えるよう、次回以降の資料等の準備を行っていただければと思います。
 最後に、事務局から何かございますでしょうか。
○塩崎室長補佐 本日は活発な御議論をいただき、ありがとうございました。
 次回の検討会につきましては、詳細が決まり次第御連絡いたしますので、引き続きよろしくお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、本日の検討会は以上とさせていただきます。長時間にわたりまして、大変熱心な御議論をどうもありがとうございました。

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