第2回在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ:議事録

日時

令和7年10月29日(水) 15:00~17:00

場所

TKP新橋カンファレンスセンター ホール14D
(東京都 千代田区  内幸町1-3-1 幸ビルディング 14階)

議事

○佐野室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから、第2回「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」を開会いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、御多用の中御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
 本日は、対面及びオンラインによる開催とさせていただいております。
 本日、全委員の御出席を賜っているところでございますが、知浦委員におきましては、少し遅れての御参加となっておりますので、御了承ください。
 事前に資料1「在宅医療の提供体制の整備に関する検討等について」、資料2-1「医療ソーシャルワーカー業務指針の改訂について」、資料2-2「医療ソーシャルワーカー業務指針改訂プロジェクトチーム開催要項(案)」、参考資料1「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ構成員名簿」、参考資料2「在宅医療の体制構築に係る指針」を配付いたしましたので、お手元に御準備いただきますようお願いいたします。
 資料に乱丁・落丁等ございましたら、事務局までお声がけください。
 それでは、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまででお願いいたします。
(冒頭カメラ撮り終了)
○佐野室長 それでは、以降の進行は野口座長にお願いいたします。
○野口座長 皆様、こんにちは。大変御多忙の中、御出席いただき、どうもありがとうございます。
 それでは、早速ではございますが、議事に入らせていただきます。
 まずは議題1「在宅医療の提供体制の整備に関する検討等について」でございます。
 それでは、本議題について、事務局様のほうから資料1の御説明をよろしくお願いいたします。
○佐野室長 事務局でございます。
 それでは、資料1をお手元に御用意ください。
 表紙をめくっていただきまして2枚目、本日はこちらにあります4つの議題について御議論いただきたいと思っております。
 まず、今後のスケジュールについてでございます。
 ここから2枚につきましては、既に御提示させていただいている資料となっておりまして、新たな地域医療構想と医療計画の進め方と、その下にありますワーキングの進め方について再掲させていただいております。今回、新たな地域医療構想の検討が親会議の検討会のほうでされておりますが、外来医療計画等の3か年の計画については、令和9年度からの後期計画に向けて必要な検討を行うこととしております。
 
 その中で関連のワーキングを設置しておりまして、在宅医療の指針の話ですとか、在宅医療・介護連携については、こちらの在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキングで取り扱うこととされております。
 本ワーキングの今後のスケジュールとなっております。我々としましては、年内に議論させていただきまして、令和8年1月頃に取りまとめて、地域医療構想及び医療計画等に関する検討会への報告を予定しているところでございます。
 こちらが、先生方に前回御議論いただきまして、我々としては御賛同いただいたと考えております、具体的な検討事項のスライドを再掲させていただいておりまして、下の四角で囲ったところについて、御賛同いただいたという認識でございます。
 ここからが本日の本題に入りますが、まず、「在宅医療に必要な連携を担う拠点」について御説明させていただきます。
 
 上のほうに、先ほどの第8次医療計画(後期)に向けた具体的な検討事項を再掲しておりますが、その中で、まず、第8次医療計画(前期)における取組を踏まえた、後期における在宅医療体制の整備についてというところで、「在宅医療に必要な連携を担う拠点」の役割の明確化と連携の在り方を挙げさせていただいているところでございます。
 下のほうに、前回のワーキングでいただきました「在宅医療に必要な連携を担う拠点」に関する御意見をまとめさせていただいております。まず、「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」と「在宅医療に必要な連携を担う拠点」の役割の明確化と連携を進めるためには、都道府県と市町村の連携を強化して、現場で何をすればよいかを明確にした上で、関係者が顔の見える関係を築くことが必要であるという御意見ですとか、あとは、この拠点が在宅医療の圏域に複数ある場合は、それらの役割分担を明確にしていく必要性があるという御意見ですとか、地域において薬局が機能に応じてどのような役割を担うかというところについて、「在宅医療に必要な連携を担う拠点」が関連機関との調整を図ることを目的とした検討が必要であるという御意見ですとか、在宅医療の圏域が二次医療圏単位で設定されているところもありますので、そういったところは基本的に多過ぎるのではないかという御意見をいただいたところでございます。
 
 こちらは既に何回も御提示させていただいております、第8次医療計画における「在宅医療に必要な連携を担う拠点」についてというスライドの再掲となっておりますが、右下の部分にありますように、各地域の在宅医療のプレーヤーの人たちを交通整理していただいて、様々な連携を整理していくというのが、我々が拠点にお願いしている役割となっております。
 次のスライドをお願いいたします。
 ここからが本題になりますが、まず、第8次医療計画におけるこの拠点がどのような位置づけとなっているかということで、上のところにまとめさせていただいております。こちらの「在宅医療に必要な連携を担う拠点」というものは、第8次医療計画以前におきましては、医療計画に位置づけることが望ましいとされておりましたが、今回の第8次医療計画の策定に向けた在宅医療の体制構築に係る指針におきまして、医療計画に位置づけることとされております。実際に各都道府県で第8次医療計画が開始されて1年以上が経過していたところでありまして、各都道府県における拠点の設定状況及び現状の取組について、実態を把握することが必要であろうということがありますので、まず我々としましては、都道府県及び各拠点を対象に調査を実施いたしました。
 スライドの下のほうに書いている左側が在宅医療に関する全国調査の都道府県調査、そして、右側の黄色のところが「在宅医療に必要な連携を担う拠点」の取組調査ということで拠点の個別調査となっております。
 ここからしばらく都道府県調査が続きます。こちらは既にワーキングでも提示させていただいております資料となっておりまして、在宅医療の圏域の設定状況についてまとめたものとなっております。実際、二次医療圏を活用したのが24府県で、二次医療圏よりも多い圏域を設定していたのが21都道県であったという状況でございます。
 
 こちらは当該拠点の運営主体についてまとめたものとなっておりまして、全国で1,970か所が拠点に位置づけられておりました。その中で、市区町村が753か所、郡市区医師会が303か所となっておりまして、この2つで過半数を超えていた状況でございます。
 
 こちらの棒グラフが、各都道府県における拠点の設定状況についてというところで、各都道府県において拠点の位置づけが進んでいる状況が見てとれるかと思います。拠点に位置づけられた主体の内訳は、下のところに色分けさせていただいておりますが、実際には様々であったという状況でございました。
 
 こちらは、各都道府県における拠点の設定数と圏域の設定数をプロットしたものとなります。青の丸が二次医療圏単位で在宅医療の圏域を設定している都道府県、オレンジの四角が市町村単位で在宅医療の圏域を設定している都道府県、三角が郡市区医師会単位の都道府県という形となっております。こちらを見ていただければ分かるかと思いますが、在宅医療の圏域に1つ以上の「在宅医療に必要な連携を担う拠点」を位置づけているというところが、多くの都道府県で設定されていたと。さらに、在宅医療の圏域を二次医療圏ですとか郡市区医師会単位を活用した広い範囲で設定しているところにつきましては、拠点を複数位置づけているような傾向がございますので、実際にこの拠点の活動対象となる地域は、二次医療圏より狭い範囲となるような状況が見られております。
 こちらは「在宅医療に必要な連携を担う拠点」の取組についてということで、こちらも都道府県調査になりますが、まず、拠点の取組について把握していますかと都道府県にお伺いしたところ、一定数ある一方で、把握していないとする都道府県が15あったという状況でございます。拠点を設置したことで在宅医療の圏域で進んだ取組について、17の都道府県が「多職種協働による在宅医療の提供体制」と回答し、最も多かったのですけれども、「拠点の設定により特に進んだ取組はない」とする都道府県が16ございました。
 ここから2つが在宅医療と介護の連携についてということで、少し御紹介させていただいておりますが、医療と介護の両方を必要とする状態の高齢者が、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、地域における医療・介護の関係機関が連携して、包括的かつ継続的な在宅医療・介護を提供することが重要であるということで、都道府県・保健所の支援の下、市町村が中心になって、各医師会と綿密に連携しながら地域の関係機関の連携体制の構築を推進するというところで、次のスライドをお願いします。
 こちらは老健局さんのほうになりますが、在宅医療・介護連携推進事業というものを実施していただいているという状況でございます。
 
 こちらは拠点の整備・運用に関するガイドブックというところで、我々のほうでも「在宅医療に必要な連携を担う拠点」のガイドブックを作成しておりまして、主に都道府県の担当者の方々や「在宅医療に必要な連携を担う拠点」の担当者が在宅医療の提供体制の整備を行う際に取組の参考となるように、指針の記載を基本として、都道府県の医療計画や実際の取組等に基づいて作成しているものでございます。今後も内容の充実を図っていきたいと考えている所存でございます。
 このガイドブックの中に「在宅医療に必要な連携を担う拠点」に求められる役割が列記されておりますが、大きく分けて3類型ございまして、まず左側は、地域の医療及び介護、障害福祉関係者等が参加する情報連携会議の開催。右側に行きまして、上の赤いところを御覧いただければと思いますが、在宅医療の対応ができる医療機関等や在宅医療と連携する介護及び障害福祉サービス事業所について、所在地や有する機能の調査・把握と共有。そして、下のほうに移りまして、質の高い在宅医療の提供体制の構築となっております。
 
 ここからが拠点調査の結果となっておりますが、まず「在宅医療に必要な連携を担う拠点」と在宅医療・介護連携推進事業の実施主体について記載させていただいております。回答が得られました拠点871か所の属性情報として、運営主体は市町村が355か所と最も多い状況となっております。631か所につきましては、在宅医療・介護連携推進事業の主体と同一の運営主体であったという状況でございました。
 
 次のスライドは、この拠点に求められる役割の取組状況について、まず地域の医療及び介護、障害福祉の関係者による定期的な会議の開催というところで、こういった方々が参加するような情報連携会議を開催していますかと聞いたところ、開催していますとお答えいただいた拠点は559か所でありまして、実際に在宅医療・介護連携推進事業で実施している地域医療介護連携のための会議と合同開催が最も多かったという状況になっておりますが、一部、拠点独自での立ち上げも見られております。会議には多職種の皆様に御参画いただいておりまして、行政職員としては市区町村が最も多かった一方で、都道府県の参加者は限定的であったという状況となっております。
 こちらは情報連携会議の議題について、何を議論していますかということお伺いしたところ、情報連携会議で取り扱われた議題としましては、「退院時調整に必要となる医療・介護資源の現状について」ですとか「退院支援に関するルール作り」など、退院時に関わるものが多かったという状況でございました。一方で、「地域における夜間、休日における在宅医療体制のルール作り」のように、地域における訪問診療、訪問看護、医薬品の提供体制の構築に向けて、今後の取組が望まれる事項もあったという状況でございます。
 こちらは既に前回のワーキングでも御提示させていただいています事例を再掲しておりますが、甲府市さんの事例といたしまして、拠点をうまく活用して、多職種連携を促進していただいているという事例がございました。
 また、こちらが実際の拠点に求められる役割の取組状況について、その中の1つとして在宅医療の提供体制整備に関するルールづくりというものがございますが、こういったものを行っていますかとお聞きしたところ、こういった取組を行っていると回答した拠点は273か所という状況でございました。どういったルールを策定しましたかとお伺いしたところ、「退院時の在宅医療への円滑な移行」に関するものが最も多かった一方で、「地域における夜間、休日における在宅医療の提供」ですとか「在宅医療に必要な医薬品、医療材料の確保等の体制整備」など、今後のルール作成の取組が望まれる事項もあったという状況でございます。
 続きまして、もう一つの役割としまして、地域の医療及び介護、障害福祉サービスの所在地や機能の把握というものがございますが、こういったことをちゃんと把握していますかとお伺いしたところ、調査・把握していますとお答えいただいた拠点は526か所となっております。情報源として活用したものは、やはり対象機関に対する独自調査が最も多かったという状況でございまして、調査・把握している対象機関としましては、病院、診療所、歯科診療所、薬局、訪問看護事業所及び介護保険が使えるサービスの提供施設が多かったという状況となっております。
 
 こちらが地域における在宅医療提供機関の情報公開に関する事例で、新潟県様の中での取組について御紹介させていただいています。こちらの在宅医療に係る資源としまして、病院・診療所、薬局、介護施設等の名称、連絡先、住所、営業時間等の情報が検索できるようにしているウェブサイトを公開している取組事例があるという状況でございます。
 実際にこういった拠点が調査・把握している在宅医療の支援について、ここから2枚のスライドでまとめさせていただいておりますが、「在宅医療に必要な連携を担う拠点」が所在地を調査・把握している医療機関等のうち、個別の機関が有する機能について専門性の高いケアを必要とする小児や医療的ケア児を含む在宅医療対応の可否ですとか、介護資源との連携状況に係る事項も含まれておりまして、赤で囲ったところになりますが、やや低いのかなという状況が見てとれたところでございます。
 
 こちらは福岡県様の取組について御提示させていただいております。まず、小児ですとか医療ケア児の在宅医療の提供体制につきましては、市町村等の単位では完結できないということもございますので、より広域な単位での検討体制が構築されている事例があると。実際にその拠点には、介護保険の対象に限らない患者に対する在宅医療体制の把握が認められることから、既存の体制との連携が認められる形とさせていただいております。
 在宅医療の提供体制構築の充実に向けた協議ということで、少しイメージを提示させていただいております。上のところのまず1つ目の丸といたしまして、「在宅医療に必要な連携を担う拠点」は、専門性の高いケアを必要とする小児等を含む医療を必要とする患者の在宅医療が円滑に提供されるように、在宅医療に係る医療資源、介護、障害福祉サービスについて把握し、関係者や都道府県と必要な情報連携を行うことが必要と考えられます。
 次の丸といたしまして、都道府県様におかれましては、これらの「在宅医療に必要な連携を担う拠点」による地域レベルの協議ですとか在宅医療提供体制の状況、抽出された課題等の把握を行うことが必要と考えられるということで、下のほうに矢印で、こういった情報をそれぞれやり取りしていただけるとスムーズに協議が進むのではないかというイメージを提示させていただいております。
 こちらが地域の状況に応じた在宅医療における薬剤提供体制に係る課題への対応で、実際に地域における在宅患者さんへの薬剤提供体制の構築・強化を行っていただいているところを御紹介させていただいております。
 こういった取組について、我々としましては、地域医療介護総合確保基金という予算を準備いたしまして、様々な都道府県様の整備を手伝っているところでございます。
 その中で、赤枠で囲ったところになりますけれども、在宅医療に係る拠点の整備というところでも支援が可能であるという状況となっております。
 
 こちらは、地域医療介護総合確保基金を活用して拠点の事業をしていただいている都道府県さんの事例を今から2例、御提示させていただきたいと思っておりますが、まず、秋田県様の取組について御紹介させていただきます。令和6年度にこういった基金を活用しまして、在宅医療の連携を担う拠点の整備事業を実施していただきました。本事業におきましては、地域の医師会を中心として各圏域に在宅医療の連携を担う拠点を設けて、各圏域の状況に応じた在宅医療提供体制を構築するほか、ICTを活用した多職種連携やACPの普及など、市町村ごとではなく広域で推進すべき事例に取り組み、在宅医療を推進したとなっております。
 次が三重県様の取組となっておりまして、小児や医療的ケア児の在宅医療提供体制構築のための支援として、三重県様のほうでも令和6年度にこの基金を活用して、小児在宅医療・福祉連携事業を実施していただいております。本事業におきましては、「在宅医療に必要な連携を担う拠点」は、医療ケア児の実数ですとか生活実態調査、ライフステージに沿った包括支援体制の整備として医療職種等への研修の実施、医療的ケア児と家族の在宅生活支援に関する連携体制の整備を行ったとなっております。
 
 こちらが「在宅医療に必要な連携を担う拠点」を位置づける際の考え方で、上のほうに今まで私が御説明させていただいたことをまとめております。論点といたしまして、第8次医療計画から位置づけるとされた拠点につきまして、各都道府県における位置づけが進んでいる状況でございます。「在宅医療に必要な連携を担う拠点」の役割につきましては、在宅医療の提供状況や各種医療資源等の把握と医療機関への情報共有を通じて、体制整備に係る課題等を抽出して、多職種の協議やルール整備を促すことや、地域における医療と介護との連携を促進させることであり、「在宅医療に必要な連携を担う拠点」が機能を発揮することで、課題解決につなげることとしてはどうかと。また、第8次医療計画が開始されてまだ十分な時間がたっておりませんので、引き続き実態を把握するとともに、その結果を基に「在宅医療に必要な連携を担う拠点」の在り方について検討していくこととしてはどうかとしております。
 ここからが、「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」についてというところでまとめさせていただいております。
 
 こちらは、先ほどと同じように、上のほうに第8次医療計画(後期)に向けた具体的な検討事項として再掲させていただいております。まず、各都道府県において「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」を設置する際の考え方ですとか、先ほどありました拠点の役割の明確化と連携の在り方を検討してはどうかとさせていただきました。
 それを踏まえて、下のほうに、こちらの積極的な役割を担う医療機関に関していただいた御意見を載せさせていただいております。まず1つ目として、実際にこういった医療機関が役割を果たせているかどうかの検証が必要であるという御意見ですとか、前回御提示させていただいた中に「その他」という分類の医療機関がございましたので、こういったところにはどういうところが含まれているのか確認が必要なのではないかといった御意見。そして、都道府県と市町村の連携を強化して、現場で何をすればよいかを明確にしたほうがいいのではないかという御意見をいただいたという状況でございます。
 こちらも再掲となっておりますが、第8次医療計画における「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」について、こういった医療機関に求められる事項としましては、赤で囲ったところの項目が求められているという状況でございます。
 
 こちらは、先ほどの都道府県調査の中で「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」の運営主体についてお伺いした結果となっております。全国で1万1309か所の医療機関等がこういった医療機関に位置づけられておりました。位置づけられていた医療機関のうち、8,350か所は機能強化型を含む在宅療養支援診療所及び在宅療養支援病院並びに在宅療養後方支援病院を含む病院・診療所であった。一方で、2,959か所は病院・診療所以外が位置づけられていたという状況でございます。
 
 これは各都道府県における「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」のそれぞれの数と分類となっております。「その他(病院・診療所以外)」は濃紺のところですが、多くの都道府県では、在宅療養支援診療所、在宅療養支援病院及び在宅療養後方支援病院を位置づけていたという状況でございますが、一部、こういった医療機関を位置づけていないところもあったと。実際、病院・診療所以外の機関を位置づけていたところはごく一部に限られていたという状況でございました。
 
 こちらも都道府県調査の結果となりますが、積極的医療機関を位置づける際、どういった役割を医療機関に求めて設定しましたかとお伺いしたところ、都道府県が位置づける際に考慮されていた事項としましては、「夜間・休日や医師不在時、患者の病状等の急変時等における診療の支援を行う役割」ですとか、「医療及び介護、障害福祉サービスが十分に確保出来るよう、関係機関に働きかける役割」等の指針で求められる役割とされている項目が考慮されておりました。積極的な役割を担う医療機関を位置づける際には、当該医療機関が地域に求められている機能を果たせるかどうかを確認することが重要なのではないかとさせていただいております。
 こちらも先ほどと同じようにまとめておりますが、下の論点のところに行きまして、「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」は、自ら24時間対応の在宅医療を提供するとともに、他の医療機関の支援を行う機能を果たしている病院・診療所を位置づけることが重要と考えられます。都道府県により「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」に位置づけられた総数や内訳にばらつきがある中で、各地域におきまして担うべき役割を確認しながら適切な医療機関を位置づけていただくこととしてはどうかとさせていただいております。
 
 ここからが介護との連携というところで、少し御議論いただきたいと思っております。
 
 また先ほどと同じように、前回御議論いただきました具体的な検討事項として再掲させていただいておりますが、その中で、質を担保した効率的な在宅医療提供の在り方というところで、協力医療機関と介護保険施設・高齢者施設等の連携を含めた、さらなる医療・介護の連携があったということでございます。
 それを受けて、下のほうに先生方からいただきました御意見を掲載しておりますが、まず1つ目として、医療・介護の複合ニーズを有する方が増加するということと、国内全体の就業者数が減少して、担い手の確保がこれまで以上に難しくなるというところで、今ある地域の医療資源、介護資源が持つ機能を効率的・効果的に集約・連携していくことが必要であろうという御意見ですとか、あとは、看取りに関して介護医療院や介護老人保健施設のデータも確認が必要であろうということを御意見いただいたところでございます。
 
 ここから少し事例が多くなりますけれども、まず1つ目として、宮城県様の取組について御紹介させていただいております。宮城県様のほうでは、令和6年度に先ほど御紹介させていただきました地域医療介護総合確保基金を活用いたしまして、在宅患者入院受入体制事業というものを実施していただいております。こちらは平成27年から継続して実施していただいているものになりますが、どういった事業かといいますと、在宅患者や介護施設入所者の急変時に速やかに対応するため、医療圏単位で病院による輪番体制を構築して、空床及び体制確保に関する経費を支援する取組となっております。
 
 こちらが病院と介護保険施設等との連携で、地域の介護保険施設等に対して、医療的なケアに関する支援を行う病院が一定数存在しておりまして、看護師に御訪問いただいて、支援等を実施している事例があるということの御紹介でございます。
 
 こちらのスライドは、吉川中央総合病院さんの取組となっておりまして、特別養護老人ホームの看護管理者と調整して、看護師による情報共有等の支援を平時から行っていただいているという取組事例がございました。実際にこういった取組をすることで、下の右側の棒グラフになりますが、介入した施設では、施設からの搬送患者が減少したという事例もございます。
 
 こちらは薬局と介護施設の連携となっておりまして、特別養護老人ホームまたはショートステイと連携していると回答した薬局417件に対する調査の結果になります。施設訪問時以外にも、日常的に相談を受けていると回答した薬局は81.8%でございました。内容といたしましては、薬剤の加工ですとか剤型変更、服薬困難な場合の対処などの相談が挙がっているという状況でございます。患者さんの服薬状況につきまして、施設の配置医師や看護師を含む他職種と情報連携を行い、それに基づく助言を行ったことで、薬学的見地からの支援につながっていて、こういった連携によりまして、施設職員の業務負担軽減ですとか誤薬等のリスク軽減につながる効果が得られたと回答されております。
 
 こちらは口腔・栄養ケアにおける歯科医師・管理栄養士等による通所事業所との連携で、新庄村の取組を御紹介させていただいております。社会福祉協議会が運営する通所介護及び小規模多機能型居宅介護では、自治体内の近隣の歯科医院の歯科医師の先生方ですとか、あとは地域の管理栄養士と連携して口腔ケア及び栄養ケアに取り組んでいただいているという状況でございます。
 
 現在、介護施設等におきましても一定の医療処置が可能であるということで、そのアンケートの結果を載せておりますが、まず1つ目として、経鼻経管栄養について提供可能と答えていただいた施設につきましては、介護老人福祉施設で32.1%、介護老人保健施設で42.5%、介護医療院で97.8%でございました。静脈注射につきましては、それぞれ50.3%、70.6%、94.7%。ターミナルケアにつきましては、それぞれ78.4%、77.8%、95.7%であったという状況でございます。
 こちらは前回のワーキングでも御紹介させていただきました、ACSCという、プライマリーケアの現場において、適切なタイミングで効果的な介入を行うことで重症化や入院を防ぐことができる可能性のある疾患や状態に対して、介護老人保健施設で実施していただいているというところの御提示になります。所定疾患施設療養費を算定した人数は、尿路感染症で96.1%、肺炎で85.7%、蜂窩織炎で96.2%だったというところで、介護老人保健施設においてACSCに対する介入が行われている状況が見られたというところが分かるデータになります。
 
 こちらは、介護老人保健施設における看取りに関する状況を御提示させていただいております。介護老人保健施設におきまして、看取りの対応方針についてお伺いしたところ、積極的にしていきたいですとか、積極的ではないが希望があれば対応していきたいと御回答いただいた施設がそれぞれ39.5%、40.4%であったという状況でございます。1年間に死亡退所者がいた施設は全体の77.9%でございまして、看取り期の入所者の救急搬送があった施設は全体の23.5%であったと。ACPの実施状況につきましては必ず、もしくはほとんどの入所者に対して実施している施設が合わせて全体の34.8%であったという状況でございます。
 
 こちらが協力医療機関の役割ということで、令和6年度の介護報酬改定におきまして、介護保険施設で協力医療機関と連携してくださいという要件が定められたことと、医療機関につきましては、診療報酬において、求めに応じて担うことが望ましいとされたというスライドの再掲となっております。
 介護施設等における協力医療機関の定めの状況を御提示させていただいておりますが、介護老人福祉施設では56.6%、介護老人保健施設では70.0%、介護医療院では72.4%、養護老人ホームでは45.7%が義務化された、全てのものを満たす医療機関を定めていたという状況です。
 軽費老人ホームにつきましては45.5%、特定施設入居者生活介護は67.3%、認知症対応型共同生活介護は59.8%が努力義務化された体制を満たす協力医療機関を定めていたという状況でございました。
 
 こちらが資料1の最後のスライドとなりますが、「医療機関等と介護施設等の連携を含めた、更なる医療・介護の連携」というところでまとめております。
 上のほうに今まで私が御説明させていただいたことをまとめた上で、論点といたしましては、介護施設等に入所する患者様につきまして、医療機関等と介護施設等との間で様々な取組が行われているとともに、介護施設等における医療処置の提供等も行われていると。医療と介護の連携をより一層地域で充実させていくことは、我々としても重要であると考えておりますので、介護施設等における事例を参考にしつつ、医療機関等が介護施設等とどのように関わっているかについて、引き続き事例の収集とその周知方法の検討が必要ではないか。
 また、医療と介護の連携の一つの類型として、介護保険施設と協力医療機関との連携が挙げられますが、協力医療機関としての役割を果たすためにどのような対応が考えられるかとさせていただいております。
 資料1についての御説明は以上となります。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○野口座長 膨大なデータ等をおまとめいただき、どうもありがとうございました。
 それでは、ここから構成員の先生方からの御意見、御質問等を伺いたいのですけれども、会場に6名の構成員がいらっしゃっておりますので、まずは会場の皆様から伺いたいと思います。どなたからでも。
 では、荒井先生、よろしくお願いします。
○荒井構成員 御説明いただきまして、ありがとうございました。
 まず、勉強不足で教えてほしいのですけれども、質の高い在宅医療という言葉が出てくるのですが、この質というのは、例えば在宅療養者のADLの変化であったり、満足度、救急搬送、看取りの指標が決まっていて、ある一定レベルを満たすのが、質が高いという定義でよろしかったでしょうか。
○野口座長 質に関する定義ですが、いかがでしょうか。
○佐野室長 ありがとうございます。どういった質なのかという定義はなかなか難しいのかなと考えておりまして、やはり地域できっちりと在宅医療が提供されているかどうかというところが1つかと思っております。
○荒井構成員 できれば数だけではなくて質をしっかりと評価するような仕組みをつくって、それをモニタリングすべきかと思っています。
 2番目は、今日あまり言葉が出てこなかったのですけれども、この超高齢社会で在宅医療の重要性が増している状況で、治し支える医療の提供というものが言われているかと思いますけれども、テレメディシンの活用があまり進んでいないのではないかと思っているのです。テレメディシン、遠隔診療を在宅でどうやって活用し、増やしていくかということが、都市部においても、農村部においても必要だと認識していますけれども、その辺りの評価はどうなっていますでしょうか。
○野口座長 いかがでしょうか。
○佐野室長 先生、ありがとうございます。まさにICTの活用という話に関しましては、どこまで活性化させていくのかとか、なかなか議論は難しいところがあるというのは私も認識しているのですけれども、次回、ある程度取り上げさせていただこうかと思っておりますので、そちらを少しお持ちいただければと思います。
○荒井構成員 はい。あと、42ページの資料を拝見すると、都道府県ごとのばらつきが極めて大きくて、これは支援病院がなくてもすばらしい仕組みを持っていて、それで医療費も増やさずに、救急も増やさずにちゃんとやっているのか、あるいは自治体の怠慢でそういう支援医療機関を増やすことができていないのか、どちらのほうでしょうか。
○野口座長 いかがでしょうか。
○佐野室長 ありがとうございます。今のお話は、少ないところですとか、なかなか今指定できていないというところですかね。そちらにつきましては、都道府県さん全て一律にどういう状況かというところを私からお話しすることは難しいのですけれども、まだ第8次医療計画が始まって1年と少ししかたっておりませんので、こういったところを設置していこうという動きがあるとお答えいただいている都道府県さんも多かったという状況ではございます。
○荒井構成員 これから増加していくと考えていいということでよろしいでしょうか。
○佐野室長 数全体がというところですか。
○荒井構成員 そうですね。
○佐野室長 数に関して、もう十分な数を設置していただいている都道府県に関しましては、多分その必要性はないと思うのですけれども、数が少ないですとか、今設置されていない都道府県に関しましては、適切に現地の状況に応じて御対応いただけるものと考えております。
○荒井構成員 人口を考えても、ゼロとかはあり得ないかなと思っていたのですけれども、これはまだこれからつくるということで、あるいは調査が行われていない都道府県がゼロになっているという認識でよろしかったでしょうか。
○佐野室長 調査というのは。
○荒井構成員 42ページに「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」の設置状況が書かれているのですけれども。
○佐野室長 一応、調査については御回答いただいているという認識ですので、これから設置していただく都道府県が多いのではないかと思います。
○荒井構成員 最後に、栄養ケア・ステーションに関しての記載が26、29ページ出てくるのですけれども、いずれも非常に回答数が少なくて、在宅の方に対する栄養ケアというのは極めて重要だと思うのですけれども、その辺りはあまり重要視されていないような調査の結果かなと思うのですが、栄養の問題はどのようにお考えでしょうか。
○佐野室長 ありがとうございます。今、私も正確なデータは忘れてしまったのですけれども、前回のワーキングである程度状況については御提示させていただいておりまして、26ページにつきましては、あくまで拠点がどのように取り組んでいるかという状況ですので、現場でどうされているかという話とはまた一つ違うのかなと思っております。
 前回御提示させていただいたデータの中では、それなりの数がされていたと思いますので、十分か不十分かという状況は、各地域で実際に見てみないと分からないので何とも言えないのですけれども、取組自体は進んでいるのではないかと考えているところでございます。
○荒井構成員 全国調査の結果を見ると、まだまだ栄養ケア・ステーションが活用されていなくて、在宅の患者さんに対するリハビリテーションとか、訪問看護とか、もちろん訪問診療もしっかり行われていると思うのですけれども、栄養に関するアプローチがほとんど非常にプアだというふうに僕は認識をしているので、その辺りもぜひとも改善の方向で議論をしていただければと思います。
 以上です。
○野口座長 どうもありがとうございました。
 それでは、鈴木構成員、よろしくお願いいたします。
○鈴木構成員 それでは、論点が3か所ありますので、それに沿って意見と質問をさせていただきます。
 まず37ページです。意見ですけれども、既存の体制によって拠点の役割が十分構築されていない地域については、当該拠点が機能を発揮することで地域における課題解決につなげることや、第8次医療計画が開始されて十分時間が経過していないことから、引き続き実態を把握するとともに、その結果を基に拠点の在り方について検討していくということはいいと思います。
 その上で、21ページを見ますと、72%は拠点と在宅医療・介護連携推進事業主体が同一の運営主体であるという結果が出ています。また、22ページを見ると、拠点の情報連携会議は、最も多くが在宅医療・介護連携推進事業の地域医療介護連携のための会議と合同で開催されていました。拠点と推進事業はもともと医政局のモデル事業からスタートしているので、役割が類似しているのは当然であり、無理に別々に行う必要はないと考えます。先行している推進事業の相談窓口が機能していれば、そこを拠点にすることが望ましく、相談窓口が機能していなければ、機能できるところを拠点にして、そこに相談窓口を付け替えることも検討する必要があると思います。
 ちなみに、私の地元である茨城県は、在宅医療圏は市町村単位になっています。私の病院がある常陸大宮市は人口3万6000人ですが、在宅医療・介護連携推進事業の相談窓口である在宅医療介護連携支援センターは当院が委託を受けています。今回の「在宅医療に必要な連携を担う拠点」は市が担い、「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」は在宅療養支援病院である当院のみとなっていますが、相談窓口と拠点の業務内容は重なっているので、行っている事業は一緒、県への報告も内容は一緒となっています。そもそもそれらの積極的医療機関を含めて3事業とも、地域課題を抽出した上で、その解決を目指すことになっているので、同じ課題が抽出されて、一緒に取り組むということは自然でもあり、現場では、現実的かつ効率的な運営が行われています。
 以上から、前回も述べさせていただきましたけれども、私は、人口が2万人くらいからの市町村単位で日常生活圏域、在宅医療圏、(仮称)かかりつけ医機能医療圏を一体にした(仮称)基本医療介護提供圏域を設定する必要があると考えています。
 質問なのですが、「在宅医療に必要な連携を担う拠点」は、平成23年度に医政局のモデル事業としてスタートしましたが、安定財源を確保するために、平成27年度より介護保険の地域支援事業に移行した経緯があります。今回の拠点は、地域医療介護総合確保基金を財源としていますが、基金は毎年申請が必要だと思われますけれども、同様に安定財源と考えているのかどうか。というのは、平成27年度から介護保険の地域支援事業に移行したわけですけれども、それより前に地域医療介護総合確保基金はできていますから、安定財源であればそれを使えばいいわけですが、そのときには安定財源という意識は多分なかったのだろうということなので、現時点では基金が安定財源と考えていいのか。これは前期のワーキングのときに、せっかく地域支援事業で安定財源があるのだから、別々にする必要はないでしょうということを発言した経緯があるので、その辺が今はどうお考えなのかをお聞かせください。
 それから、44ページ、次の論点の積極的役割を担う医療機関のところです。医療機関には、病院・診療所以外に、介護老人保健施設や調剤薬局、訪問看護ステーションなども含まれるそうですが、私は今回初めて知りましたけれども、41ページを見ると、73.8%が機能強化型を含む在宅療養支援診療所及び在宅療養支援病院並びに在宅療養後方支援病院を含む病院・診療所とあります。40ページにある在宅医療の体制構築に係る指針においても、病院・診療所とあります。積極的な役割を担う医療機関の機能から見ても、病院や診療所が行うことが適切であると考えます。
 質問ですけれども、これは荒井先生の質問とも重なると思いますが、42ページの各都道府県における積極的な役割を担う医療機関の設定状況のうち、愛知と岡山は在宅医療圏そのものを設定しないということでしたので、それは別にしても、それを位置づけていない北海道、福島、富山、奈良、山口、香川、鹿児島の7道県で無い理由は何なのかというのが質問でございます。まだ設定していない、これからするのだというのであれば、そういうことなのだろうと思います。
 次は、57ページの医療・介護の連携のところです。2つに分かれていますが、最初のほうについての意見です。医療機関等と介護施設等の連携では、令和6年度同時改定でも強化されており、「在宅医療に必要な連携を担う拠点」や在宅医療・介護連携推進事業の主体においても、様々な研修会、勉強会、事例検討会などを開催して、医療と介護の連携を地域でもより一層推進していくことが重要と考えます。そのためには、そうした取組が適切に広がるように、地域レベルだけでなく、都道府県や全国レベルでの事例集の作成や研修会の開催などが必要であると考えます。
 さらに、後半のほうの論点に対する意見でございますが、介護保険施設は、令和6年度介護報酬改定後3年の間に協力医療機関として病院を定めることが義務づけられました。私の病院は在宅療養支援病院ですが、当院を協力医療機関とする介護保険施設等は19施設あり、それらの施設に対しては、所定の要件を満たすとともに、感染対策や口腔ケアなど毎月テーマを決めて、主にオンラインで研修会を開き、時々は対面で交流会も開催し、顔の見える連携体制を構築しています。
 少し前ですけれども、連携する我々の法人外の介護施設で新型コロナ感染症が発生したときに、これまでだったら県のほうに何とかしてくれと言ったかもしれませんが、今回、私どものほうに支援をしてほしいというご依頼がございまして、直ちに私どもの感染管理認定看護師を派遣して、感染拡大を防ぐことができました。
 なお、56ページを見ますと、まだ要件を満たす協力医療機関を定めていない介護施設が3割から5割あるということですが、直近ではもう少し少ないとも思われますけれども、地域でマッチングを行う必要があると思います。そのためにも、前回も述べさせていただきましたが、人口2万人ぐらいからの市町村単位で(仮称)基本医療介護提供圏域を設定することが有効であると考えています。
 以上です。
○野口座長 どうもありがとうございました。
 質問が2点ですね。基金の安定性と、各都道府県の設置状況の設置されていない理由についての御質問、あと意見が3点あったと思いますが、いかがでしょうか。
○佐野室長 ありがとうございます。まず、2つ目の御意見からお答えさせていただきます。荒井先生と同じお答えになってしまいますが、各都道府県において、今後、設置を努力していただいているところが多いのかなと思っている状況でございます。
 1つ目の御質問の安定財源のお話なのですけれども、我々としても予算獲得には努力をしていきたいと思っておりますが、完全に安定的にあるということを言い切ることは難しいのですけれども、財源としてはちゃんと確保していきたいと考えているところでございます。
 それを踏まえまして、前半部分で様々いただいた御意見なのですけれども、例えば福岡県さんの事例ですとかを述べさせていただきましたが、どうしても介護側は御高齢者の方ですとか、そういったところがメインになってくるということで、小児のケアですとか、どうしても医療側から差し出さなければならない、こういう形で連携しなければならないところもございますので、完全に一体化していくのは、現段階においては難しいのではないかなという印象を我々としては持っているところでございます。
 すみません。御質問に対するお答えとしては、ちょっと。
○野口座長 鈴木先生、いかがですか。
○鈴木構成員 福岡県の事例ですが、これは前期のワーキングにも新潟と福岡の事例が出ておりまして、福岡のメインはやはり地域支援事業なのです。そこに基金を少し入れたりして、付加的に使っているような感じだったと思います。例えば地域包括支援センターも高齢者からスタートしたけれども、今は生活困窮とかいろいろ広がっていますね。あれも地域共生社会の議論が出たときに別に拠点をつくろうという議論もあったようですけれども、いろいろな方が動かれて、地域包括支援センターを活用することになったと聞いております。今度の話も、高齢者ではないから、そっちは拠点で、こっちは相談窓口でというと地域が混乱するのです。なるべくシンプルに、効率的に機能するようにしたほうがいいと思いますので、よろしくお願いします。
○野口座長 事務局様、いかがでしょうか。
○佐野室長 ありがとうございます。御意見として承りました。
 あともう一個、積極的医療機関の話があったと思うのですけれども、その話につきましては、我々としても、やはり病院様ですとか診療所様を指定していただくことが望ましいと思っております。地域の実情に応じて、各都道府県様の中で指定していただいているところを完全に否定することは難しいかなと思うのですけれども、我々としては、現状としては望ましくないものであるのかなと思っているところではございます。
○野口座長 荒井先生、よろしくお願いします。
○荒井構成員 今の56ページのデータなのですけれども、これはありなしという単純な分類ではなくて、やはり地域性とか、人口密度とか、そういった地域特性を分析しないとなかなかインプリケーションが見えてこないのかなと思いますので、解析の方法を少し考えていただければと思いました。
○野口座長 いかがでしょうか。地域属性ごとにやる可能性はあるのでしょうか。サンプルサイズがちょっと心配ですけれども、何か御意見ございますでしょうか。
 ないようですか。分かりました。
 それでは、中島構成員、よろしくお願いいたします。
○中島構成員 全国訪問看護事業協会の中島です。訪問看護の立場から論点3つに沿って意見をさせていただきたいと思います。
 まず、論点1であります「在宅医療に必要な連携を担う拠点」の役割と機能の発揮に向けてですけれども、連携拠点の役割には4つの機能があるわけですが、その機能を整備していくための連携のほかに、情報提供や調整、人材育成といった内容も多く示されているところです。これらの内容は、先ほど鈴木先生のお話にもありましたが、先行して行っている在宅医療・介護連携推進事業で担っている内容とかなり類似していることが多いかと考えます。そういったことからも、スライド21にもありましたが、先行して実施している在宅医療・介護連携推進事業の運営主体や市区町村が連携拠点を担っていくことが、今までの実績で蓄積してきたノウハウを有効に活用し、地域の状況に応じた活動が可能になるのではないかと考えているところでございます。
 また、連携推進の課題の中には退院調整のことが挙げられております。入退院調整については、かなり以前に診療報酬上の評価がされていますけれども、在宅の現場から見ますと、複合的なニーズを抱える高齢者の増加や家族役割の変化、身寄りのない方の増加などから、まだまだ課題があると考えております。連携を担う拠点の役割の一つに地域住民への啓発活動が挙げられておりますけれども、地域住民に対して、例えば長くは入院できないことなど、入院医療の在り方や受け方といったこともお伝えし、理解を深めていただくことも必要ではないかと考えます。また、入院の在り方に限らず、日常の療養支援や急変時対応、看取り、ACP等についても、地域住民への啓発活動がより一層必要になると思われますので、都道府県や市区町村、行政にも関与していただきながら、さらに進めていく必要があると考えています。
 スライド16にも「在宅医療に必要な連携を担う拠点」の取組についての調査結果がありますが、「拠点の設定により特に進んだ取組はない」という回答も少なくはないかなと思います。まだ1年半ではありますけれども、今後、成果を明確に表していただけるとよろしいかなと考えているところです。
 次に、論点2について、積極的役割を担う医療機関の位置づけの考え方ですが、積極的役割を担う医療機関には6つの役割が求められていますけれども、全てこれに取り組めている医療機関は多くないのではないかなと、現場にいますと感じております。特に2つ目の在宅療養に移行する際の医療、介護、障害福祉サービスとの確保・調整、4番目の人工呼吸器を使っているような方の災害時対策、5番目の地域包括支援センターとの協働等に関しては、地域の訪問看護事業所に相談があることも実際にありますし、訪問看護師が相当カバーしているというのが実態ではないかと現場では感じております。
 また、夜間・休日、急変時の対応も、訪問看護が24時間対応で支援しているのは皆さん御存じのとおりかと思います。今後の情報収集においては、詳細な調査が必要かと思いますけれども、その上で、在宅医療の体制評価をしていただけるとよいのではないかと考えています。
 最後に論点の3番目、医療と介護の連携ですけれども、今後の地域医療構想の動向、また入院医療の在り方等を考えますと、在宅医療提供体制の構築に向けては、連携が軸になってくると思いますが、この連携を軸に、地域でのケア力を上げていくことが重要だと日々感じております。訪問看護が居宅だけではなく、介護施設やグループホーム、医療的ケア児が通う学校や施設など、様々な暮らしの場に出向いていますが、これらが地域のケア力向上につながっているのは確かだと思います。訪問看護介入によって、ACSCの増悪予防、入院回避、施設内でのターミナルケア、看取りの推進にもつながっています。また、小児はトランジションについてもかなり調整をしているのが現状かと思われます。
 訪問看護事業所に勤務する専門性の高い看護師が年々増加しております。専門看護師が195名、認定看護師が1,160名、特定行為研修修了者が246名と、多くの専門性の高い看護師が看護実践や、また多職種の連携、市民に向けた助言等を行っていますが、これらの実践そのものが地域のケア力を向上させる活動になっていると思います。こういった実践活動がさらに拡大される方策が必要だと考えますので、医療計画にもしっかりとこの辺の目標値を定めていただけるとありがたいと思っております。
 以上です。
○野口座長 どうもありがとうございました。全て御意見ということでよろしいですか。
 何かコメント等ございますでしょうか。ないですか。
 どうぞ。
○渡邉室長 先ほどいただいた御質問、失礼いたしました。協力医療機関の設定状況について、地域属性による分析ができているかというところですが、資料としては改定検証調査の資料になりまして、介護給付費分科会に結果を報告させていただいておりますが、協力医療機関の設定状況という点で言うと、二次医療圏別に分析を行っておりまして、大都市型、地方都市型、過疎地域型ということで分けて分析を行っておりますが、いずれにおいても協力医療機関の設定状況ということでいうと、特に大きな差はないという状況でございます。
 ただ一方で、協力医療機関の要件を満たしていない介護事業所に絞って、その事業所の周辺に医療機関がないと、要は見つけられないから協力医療機関を設定できていないという割合を見てみると、それはやはり大都市型、地方都市型、過疎地域型の順に高くなるということですので、どうして協力医療機関を設定できていないかというところは、見つけ切れていないというか、まだ検討していないという回答もあるので、現時点で地域属性みたいなものが明確に出るような段階にはないということかと思っております。
 協力医療機関の改定検証調査については、今年度も調査を行いますので、必要であればまた改めてお示しという形になるかと思います。
 以上でございます。
○野口座長 荒井構成員、よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございます。
 瀬戸構成員、山口構成員の順でよろしくお願いします。
○瀬戸構成員 老人福祉施設協議会の瀬戸でございます。
 介護の連携に関する論点の3つ目、57ページの丸の1つ目に関連してですけれども、先ほど鈴木先生もおっしゃっていましたが、医療機関、専門職と介護施設、事業所との連携の取組は様々行われておりますので、今後も事例の集積は必要だと思います。なお、特別養護老人ホームには看護職員の配置が義務づけられており、医療機関や専門職との連携はあくまでも配置看護職員への専門的なアドバイスや協力であるということは基本として押さえておくべきだと考えています。
 また、今回は54ページに老健での看取りの状況報告がありましたが、前回の特養を含め、介護保険施設での看取りはこれまで以上に重要になってきています。これは介護給付費分科会マターではありますけれども、さらなる推進のためにも、看取りに関する報酬をさらに評価することが必要ではないかと考えています。
 また、関連して、前回資料に特養の看取りに関する状況があったのですけれども、半年間の看取り実績がある中で、約2割の特養が看取り加算なしで看取りを行っている実態がありましたので、その理由についても分析が必要かと感じております。
 これに関連して、今回の資料で49ページに看護師による平時からの特養の支援の取組の効果として、看護の連携によって施設で最期まで過ごすことができているといった好事例が紹介されていました。特に看護職員の確保が困難な地域での活用が期待されていますので、看取り介護の推進のためにも、このような事例をたくさん集めていただければと思います。ありがとうございました。
○野口座長 どうもありがとうございました。
 1点、前回資料について御質問があったみたいなのですけれども。
○瀬戸構成員 質問というよりは、そういうふうにありましたということです。
○野口座長 了解しました。状況について何か詳細が分かれば、後ほどコメントいただければと思います。
 それでは、山口構成員、よろしくお願いいたします。
○山口構成員 恐れ入ります。日本介護支援専門員協会の山口です。よろしくお願いします。
 まず、10ページのポンチ絵に関してなのですけれども、恐らく居宅介護支援事業所は介護サービス事業所に含まれていると解釈しているのですが、今後、予防支援の方とか、けがの方、難病の方、そういった方々の地域包括支援センターと連携しながら、もちろん介護サービス事業所とも連携しながら、地域のネットワークでコーディネーション、マネジメントをさせていただいている職種でありますので、できれば居宅介護支援事業所として単独でネットワークの中に含めていただくと、全国の介護支援専門員の方もこういうネットワークの中で働かなければいけないという認識が出てくるのではないかと思いまして、まずはその1点お願いです。
 それから、11ページ、「在宅医療に必要な連携を担う拠点」について、これは13ページ、37ページにも関連することなのですけれども、医療計画とか地域医療構想は、介護支援専門員にとっても非常に大きな課題でありまして、在宅で関わっている利用者様が、例えば急性期病院に入院されます。またその後、ポストアキュート、サブアキュートのほうに転院されまして、リハビリをされまして、在宅に帰るとなれば、急性期病院に入った後、担当者はそのまま伴走させていただいておりますので、地域の医療がどういうふうに将来へ向けていっているということは、介護支援専門員にとりましても、その後のマネジメントとか、社会資源の構築ですとか、主任介護支援専門員でしたら地域包括支援センターさんとの話合いで社会資源、サービスを創出することが非常に大事になってきます。今、都道府県の中でそうした実態を把握しているわけではないのですけれども、地域医療構想計画やその会議の中に、ぜひ介護支援専門員を一つの席として入れていただけると、非常にそういう将来構想に対してのイメージができるのではないかと思います。その点、今後の御検討課題として再考していただければと思いますので、2点、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○野口座長 どうもありがとうございます。御意見ということでよろしいでしょうか。
 それでは、島田構成員、北原構成員の順番でよろしくお願いします。
○島田構成員 ありがとうございます。地域医療構想と医療計画を実際に地域で進めていくためには、地域の事業者の参画が不可欠であるということを前回お話しさせていただきました。かつ、地域の事業者はどこも中小、小さいところが多く、実際に何かをするときには必ず、例えば人が動くとか、設備を使うとか、システムを使うとかということで費用もかかってくるので、いわゆる助成金であったりとか、医療・介護報酬もある程度そこに沿うような形でついていかないと難しいのではないかというお話をさせていただきました。
 そこでまず質問なのですが、33ページに地域医療介護総合確保基金というものがある。これは非常に後押しになると思うのですが、右下の緑のところに対象事業と書いてありますので、これが予算としてそれぞれこの基金のうちのどのぐらいの配分になっているか。そして、実際にその予算がしっかり実施されているか、実はここはあまりエントリーがなくて使い残しているとか、そういうところの資料を次回等でも御掲示いただけるといいのではないかなと思っております。
 2つ目は、33ページ目の青いところの1つ目の丸の中黒3つ目、診療報酬・介護報酬等と基金の役割分担です。実際にそういう連携が省内で行われているのかどうか。といいますのは、今回、中医協の提示された資料の中に、診療所が研修医の地域医療研修とかをどのぐらい受け入れているかという表が出てきて、ひょっとしたらそういう教育の部分は診療報酬のほうで面倒を見ていくのかという憶測とか、または診療所でそういう教育を請け負っていないと、例えば今いただいている施設基準が厳しくなって外されてしまう。結果としては診療報酬を通じて、そういうことのために出ているのかなとか、いろいろな心配事も含めて出たので、やはりこの辺り、基金でやっていくもの、それから報酬でやっていくものが、どのようになっているのかというのが質問になります。
 それから、要望なのですけれども、1枚めくった34ページの「2.在宅医療や訪問看護を担う人材の確保・養成に資する事業」です。今、研修医の後期研修で、地域医療研修でまさに在宅医療とかを学ぶところがあるのですけれども、恐らく私の地域、板橋などでは、板橋区医師会から受入れの要請があって、毎月大勢の研修医を受け入れているのです。ただ、実は、私たち医療機関には一円もその委託費が払われないのです。ちょうど今、下請法というのもできましたね。下請企業が泣かされてしまうではないですけれども、そういう意味で言うと、この基金等をもし使う場合とか、やはり大きな団体とか協議会が基金の申請をして、ただ、実際にそこの現場で動く事業所は、実はそこに必要なコストが全然支払われていないということがないように、まず受付段階からの指導といいますか、そういうことをやることによって一つ一つの地域の事業者さんも、しっかりお金も頂いて、だからきちんとしてみんなでやっていこうと従業員にも説明ができます。下請法もできましたので、そういうところも含めて、基金の審査受付のところから御指導も含めてお願いできるといいのではないかな。これが要望でございます。
○野口座長 どうもありがとうございました。
 基金の対象事業への配分と実施状況ということと、あと、基金と報酬の区分についてどう考えるかという御質問ですが、いかがでしょうか。
○西嶋課長 地域医療計画課長でございます。
 まず、最初にございました地域医療介護総合確保基金のそれぞれの区分の額というお話でございましたが、基金は毎年、財務省に対して必要な額を要求して積み立てていくというものでございます。基金については、このメニューにも書いてございますように、医療機関の例えば施設整備であるとか、そういうことも含めて最近非常にニーズが高くなってございますが、現状においては、各都道府県から御要望いただいている部分については、おおむね基金を手当てできていると理解しておりますので、個々の額というよりは、全体として必要な額を確保するということで、現状ぎりぎりまで来ているという状況かと思います。
 あと、先生御指摘ございました研修医の受入れという話でございますが、これは必ずしも基金というよりは、初期臨床研修を受け入れていただいている医療機関、研修指定病院等を含めて、必要な額については、別途補助金でそれぞれの医療機関に交付してございます。基幹型のところから連携型のところに民間の間でお金を渡すようなことも含めてあろうかと思いますが、我々としては、やはり今後、在宅医療等を進めるに当たっては、総合的な診療能力を持つ医師の育成ということは非常に重要だと思ってございます。まさに在宅医療を実践されているようなところで若い先生方が研修をしていただく機会は非常に重要でございますので、そこに必要な予算等を含めて、関係の課と連携しながら、その獲得に努めてまいりたいと思ってございます。
○野口座長 よろしいでしょうか、島田構成員。
 それでは、北原構成員、よろしくお願いいたします。
○北原構成員 ありがとうございます。今回取り上げていただいた論点は、県の取組としても悩ましいと感じておりましたので、このように議論として扱っていただくことに感謝を申し上げます。
 今回3つの論点が示されておりますけれども、事務局案で示されている方向性に賛同いたしますとともに、少し広島県の状況について情報共有させていただければと思います。
 まず1つ目の37ページ目の「在宅医療に必要な連携を担う拠点」に関してですけれども、圏域の考え方に関して提示がございました。広島県でどういう考え方で圏域を設定しているかということについてですが、当県では、平成24年に当時の山口昇先生が中心となられて広島県の地域包括ケア推進センターを設置しまして、日常生活圏域が125あるのですけれども、その全てで地域包括ケアシステムを構築するということで様々取組を行ってまいりました。
 こういった経緯を踏まえまして、平成25年度からの第6次医療計画の中で、もう既に市町村を単位として在宅医療体制を整備していくということを掲げてまいりましたので、広島県においては、地域包括ケアシステムの構築の観点から圏域を市町村単位としているところでございます。
 在宅医療だけに焦点を当てるのではなくて、医療や介護などを必要とされる方を中心として、地域でどうやって支えていくかという観点で考えますと、医療介護だけではなくて、地域共生であるとか、さらには住まいも含めて一体的に検討ができる市町村レベルを圏域として設定することの意義は大きいものと考えているところでございます。
 あと、連携拠点をどのように決めているかというお話もございましたけれども、先ほど申し上げましたように、地域包括ケアシステム構築の観点で、広島県では市町村が中心となって決めております。なので、市町村によっては医師会が単体で拠点となっているところもあれば、果たしていただく機能という観点で、病院と市町村で役割分担して機能を担っていただいているところもあるという状況でございます。
 先ほど鈴木構成員、さらに中島構成員等からもお話がございましたけれども、これまで介護側のほうで、医介連携の事業で担ってきた部分が多くございまして、独自の評価項目も出して、毎年毎年それを皆さん自己点検してPDCAサイクルを回しているのですが、その中で在宅医療の項目も多く含まれております。そういった中では、既存の介護の事業の実施主体と医療の評価が重なる部分もございますので、実はちょっと取組に関しては切り分けが困難で、それで都道府県の評価では広島県、先ほどのアンケートも把握をしていないというところで回答させていただいております。なので、課題といたしましては、そういった既存の事業とどういうふうに切り分けて、何を評価するかという仕組みがまだできていないことが課題であると認識をしております。
 あとは2つ目、44ページ目の論点でございますけれども、「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」というところで、広島県のほうでこれをどのように決めているかといいますと、県の独自調査で、指針にもございます6つの項目について医療機関向けに調査をいたしまして、全て要件を満たしたところを手挙げ方式で設定しております。
 課題といたしましては、手挙げ方式で、さらに医療機関側にとってインセンティブも今明らかな状況ではございませんので、本来、中心的な役割を担っているのではないかと思われる医療機関が必ずしも入っているかどうか、在宅医療の実態を反映しているかどうかが不明瞭であること。あとは、在支診とか在支病といったものが必ずしも要件とはなっていないのですが、期待される機能という観点からは、そういったことも要件として考慮されるのではないかという意見が中でございましたので、共有をさせていただきます。
 あと、57ページ目の3つ目の論点でございますけれども、協力医療機関としての役割を果たすための対応というところで、ここは2040年に向けた検討会の中でも、都道府県が行う地域医療調整会議などの場を活用して、協力医療機関を調整すべきではという論点があったかと認識をしております。広島県においても課題は認識をしているところでございまして、まだどういうふうに今後議論するかは決まっていないのですが、今後、かかりつけ医機能の報告の中でも、各医療機関から介護保険施設に対しての医療提供体制、協力医療機関の名称等も含んで報告をさせるということで伺っておりますので、そういったものも踏まえながら、かかりつけ医機能に関する協議の場を活用するといったことも考慮しつつ、検討を深めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○野口座長 広島県の実情について詳細にお示しいただき、どうもありがとうございました。
 それでは、お待たせして申し訳ございませんでした。オンラインの皆様に行きたいと思います。まず、田母神構成員、よろしくお願いいたします。
○田母神構成員 ありがとうございます。今後のスケジュール、検討事項に関する質問が1点と、医療と介護の連携についての意見でございます。
 6ページにスケジュールをお示しいただいております。在宅医療に関しましては、3年のスパンでのPDCAを前提に計画を検討することとされていると認識しております。在宅医療に関しては、2040年に向けて多くの地域で需要が増加していくという中で、今回のワーキングで都道府県別の令和6年度からの第8次医療計画の策定状況や目標設定など、あるいは在宅の医療圏ごとの状況をお示しいただき、後期に向けた議論を十分行う必要があるのではないかと考えております。
 訪問看護について申し上げますと、需要の増加という、もちろん質的な部分もございますけれども、訪問看護事業所が地域によっては確保・整備が難しいという課題があると認識しております。都道府県での計画策定の状況について、これまでのこうした検討の場では、全体をお示しいただいていた状況もあるかと思いますので、厚生労働省の今後の検討に関するお考えがありましたら、教えていただきたいというのが質問の点でございます。
 続きまして、57ページの論点、医療と介護の連携についてでございますが、全世代の在宅、地域での療養を支える体制整備が必要であり、その上で、医療と介護の連携につきましては、平時からの連携に基づき、介護施設等において必要な一定の医療処置の提供や、何より住み慣れた場での看取りを可能とするために、介護サービス、医療機関、双方の多職種連携、特に看護師の役割連携が重要であると考えております。また、医療・介護のサービス間の連携強化を図る上では、ICTの導入や活用の取組の支援という点が重要であり、有効な取組を促すことが重要であると考えております。
 48ページに認知症や皮膚・排泄ケア、摂食・嚥下障害などの特に複雑な状況を呈している利用者への対応の支援といたしまして、医療機関に所属する専門性の高い看護師が、地域の施設、事業所に対して、相談支援や訪問支援を実施するなどの取組が広がっていることをお示しいただいておりますし、訪問看護事業所で専門性の高い看護師が就業している状況もありますので、そうした訪問看護事業所や施設等においても、地域で相談支援の役割を担っている状況がございます。
 49ページのように、平時からの連携・相談体制を整えることで、施設からの救急搬送などの低減でありますとか、入院した際の平均在院日数の減少ということも事例として報告されているところでございます。地域の医療・介護の質の高い連携を強化していくことが、在宅医療の提供体制の整備に向けて重要でありますので、このような取組方策を、国が策定するガイドライン等で周知することが有用と考えております。
 それから、最後になりますけれども、さらなる医療と介護の連携という視点から、看護小規模多機能型居宅介護では、退院後の医療と介護の複合的なニーズを有する利用者の方などに対して、訪問看護、訪問介護、通い、泊まりの4つの機能を組み合わせ、自宅での療養生活を中心に支えております。
 看取りに関しましても、利用者の意思、状態に沿うケアを提供し、在宅での暮らしを最期まで続けるということを支援しております。訪問看護を含むケアになりますので、医療計画におきましても、看多機を含めたサービス提供の目標を設定いただき、普及推進を進める必要があると思います。
 以上でございます。
○野口座長 どうもありがとうございました。
 スケジュールについて、今後の検討の方向性について御質問がありましたが、いかがでしょうか。
○佐野室長 御意見、御質問いただき、ありがとうございます。御指摘の点につきましては、我々としても重要な点だと考えております。例えば、指標に基づき現状把握を促している各種のデータの都道府県ごとの状況とかも見ていく必要性があるかと思いますので、少しその辺りを事務局では検討していきたいと思っております。
 以上になります。
○野口座長 田母神構成員、よろしいでしょうか。
○田母神構成員 ぜひよろしくお願いいたします。
○野口座長 次は、村杉構成員、よろしくお願いいたします。
○村杉構成員 日本薬剤師会の村杉でございます。私からは、「2.「在宅医療に必要な連携を担う拠点」について」と、「4.介護との連携」について、それぞれ2つ意見を述べさせていただきます。
 まず、2番目の論点にお示しいただきました点、今回、「引き続き実態を把握するとともに、その結果を基に拠点の在り方について検討していく」という考え方については賛同をいたします。そのような中で、今回、16ページの都道府県調査で上下段、「把握していない」ですとか、「特に進んだ取組はない」といったような数字が3割を超えていること。また、23ページの拠点個別調査で、24時間対応が可能な体制構築について検討できていると地域が示したところが現在においては少ないということ。さらに、25ページでございますけれども、ルール作成について、夜間・休日における在宅医療の提供や、医薬品・医療材料の提供体制に関するルール作成割合が、こちらも現時点では低いことが示されております。以上のように、現状の把握や関係機関との情報共有を通じて、体制整備に係る課題の抽出ですとか多職種間でのルールを整備すること、体制構築をすることなどについて、まだ手がつけられていない地域も少なくない状況でございます。
 そこで、まず1点目なのですけれども、令和7年3月に作成されました「在宅医療に必要な連携を担う拠点の整備・運用に関するガイドブック」の有効活用ですとか、好事例が出ている地域の共有、さらに整備等が進まない地域の想定される課題に関する調査等も含めた対応が必要と考えます。また、第8次医療計画(後期)に向けて、「在宅医療に必要な連携を担う拠点」の機能も活用しながら、地域における在宅医療の提供体制を整備していくことが必要であり、例えば、24時間対応が可能な体制が地域単位で充足されているのかどうか、各都道府県が医療計画で位置づけた指標を活用して把握しながら、より一層の体制整備を進めていただきたいと思うところでございます。これが1点目の御意見でございます。
 続きまして、2点目でございます。効果的で効率的な在宅医療の提供体制整備を考える上で求められていることは、第1に、退院支援、日常の療養支援、急変時対応、看取り、この4つの医療機能を地域の関係者間の連携により円滑に提供できるようにすること、第2に、特定の職種に過度な負担がかからないようにすることが重要な視点・観点と考えてございます。
 そのような中で、今回、32ページで医薬局「薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」の資料をお示しいただきましたとおり、在宅医療や容体急変時の対応を含めた医療提供体制のうちの医薬品提供体制についても、地域での実情の把握、課題の解決に向けた取組が重要とまとめられてございます。
 それを受けまして、今年度から全国の地域薬剤師会において、実情把握等を行う事業を実施しているところでございます。こうした事業による結果も活用しながら、地域において行政を含めた関係者・多職種間での課題共有、対応策の検討を行っていくことで、当該地域における医療提供体制を体系的に検討していくことが必要ではないかと考えてございます。
 続きまして、4番目の介護との連携についてでございます。こちらについても、今回の検討の趣旨については賛同をするところでございます。その上で、50ページに薬局と介護施設の連携について御紹介いただいておりまして、この点について、まず2点、補足させていただきたいと思います。
 資料左側の相談を受けている具体的な内容でございますが、薬局が施設職員、主に看護師の方の相談を受けている事例が示されておりますが、まずこの項目の多さ、つまり薬剤師と看護師との連携がふだんから多方面で図られているということと、並びに、この右上にも示されておりますけれども、薬剤師発信で他職種へ向けた情報提供がなされているということを、まず補足させていただきます。
 さらに、同資料の中段と下段に介護施設から得られた効果が示されてございます。それらの一番上には、表現としては「施設職員の業務負担軽減につながった」とされてございますが、この業務負担軽減というのは、人材不足に悩む介護現場において文字どおり重要でございます。その先には当然、負担が軽減されることによって、質の高いケアにつなげられることでありますとか、安全で効率的な医療、薬物治療につながる、医療介護連携につながっているのだということを示していることについても補足をさせていただきます。これが意見の1点目でございます。
 2つ目でございますが、患者等が医療機関などの利用だけではなく、介護施設なども利用されることが見込まれるように、療養環境の場が多様化している中で、どのようなシーン、どのような場面でも、薬の管理は重要になるところでございます。したがいまして、薬局・薬剤師は薬の専門家の立場から、一元的・継続的な薬学的管理の実践に重要な役割を果たしている状況でございます。患者が安心して薬物治療を受けられるように、医療と介護の連携においても、医薬品の提供を含めた医療提供体制の整備を体系的に進めていただきたい。また、今回は介護との連携の事例でございましたが、地域における医療機関との連携、訪問看護ステーションとの連携、その中で特に病院薬剤師と薬局の薬剤師が連携をして対応しているというような薬薬連携と表現されますが、多職種間の連携の事例についても、しっかりと都道府県や市町村に示すことが重要と考えておりますので、今後の検討の場において、併せて検討をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○野口座長 どうもありがとうございました。
 それでは、東構成員、よろしくお願いいたします。
○東構成員 ありがとうございます。全老健の東でございます。
 資料1の57ページ「医療機関等と介護施設等の連携を含めた、更なる医療・介護連携」のところの論点について1点だけ意見を申し上げたいと思います。ここには介護施設等に入所する患者に対して、様々な医療機関と介護施設との間の連携の取組例というものが示されております。これはこれでどの取組も大変重要かと考えております。ただ、介護施設だけではなく、在宅の要介護高齢者についても、やはり医療機関及び介護施設との連携が重要になってくるのではないかと考えております。特に老人保健施設におきましては、法律上も唯一、在宅支援施設と位置づけられておりますし、在宅の要介護高齢者に対し、通所リハビリ、訪問リハビリ、ショートステイ、ミドルステイを通じて、継続的なリハビリや医療を提供しております。
 また、本日の資料1の54ページにもございますように、多くの老健施設が看取りという医療機能を担っていることも事実です。これは先ほど瀬戸構成員からもありましたように、特別養護老人ホームや介護医療院でも看取りという医療機能を担っているわけです。
 さらには、残念ながら今回の第2回ワーキンググループの資料にはございませんけれども、本年8月27日に行われました第3回地域医療構想及び医療計画都等に関する検討会(いわゆるガイドラインづくりの親委員会)の資料1の66ページに示されております老人保健施設のいわゆる医療ショート(短期入所療養介護における総合医学管理加算)の機能、これも在宅医療に今後大きく寄与するものと考えております。介護施設に入所されている患者さんや在宅の要介護高齢者におきましては、様々な医療ニーズが生じていると考えられ、脱水や気管支炎、軽いけが等の軽度の医療ニーズから、骨折、心筋梗塞等の重度の医療ニーズまで大変幅広いと考えられます。そして、現状でも救急医療を圧迫し、また今後も急増するとされている高齢者救急。ここにおいて、これら全ての高齢者の医療ニーズに対応するのは、もう無理と言わざるを得ません。要介護高齢者の軽度な医療ニーズにつきましては、有床診療所や老健施設の医療ショートの機能を活用すべきと考えますが、在宅医療を担う医療関係者、また介護施設の関係者に、このような機能が十分周知されているとは言えません。ちなみに、要介護認定を受けていれば、サービス付き高齢者住宅や有料老人ホームの入居者でも老人保健施設の医療ショートを利用することが可能ですが、このことが広く知られているとはとても言えません。
 今回、論点の下から3行目に、その周知の方法について検討が必要と書いてございますので、ぜひ指針あるいはガイドラインにこれらの機能を明記し、周知を図っていただきたいと思います。有床診療所や老健施設の医療ショートを活用することは、高齢者救急の改善にも十分資すると考えております。
 以上です。
○野口座長 どうもありがとうございました。
 それでは、坂本構成員、よろしくお願いします。
○坂本構成員 日本医師会の坂本でございます。
 鈴木構成員、東構成員ともかなり重なるところがあると思いますが、まず、14ページの、拠点の主体を1つとっても都道府県によって大きく異なっております。傾向や今後の拠点に期待されている役割が大きく異なっているためだと思われます。これらの実態把握や事例を横展開するに当たっては、その辺りの違いを考慮してグルーピングをした上で事例を展開するような工夫をしていただけると参考にしやすいと思っております。
 次に、40ページでございます。「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」が位置づけられたのは、第8次医療計画からだと思います。その指針では、24時間対応体制の在宅医療を提供するとともに、他の医療機関の支援も行いながら、医療や介護、障害福祉の現場での多職種連携の支援を行う病院・診療所と定義づけられております。今回の40ページに定義がございますし、41ページ、42ページを見ますと、病院・診療所以外にもいろいろ位置づけている自治体がございます。薬局を含め、訪問看護ステーションは地域の医療の重要な担い手でございます。在宅患者さんの生活を支える上で欠かせない存在であることは十分認識しておりますが、40ページの指針、求められる事項に当てはまるのかどうか。この辺について、厚生労働省の御見解、都道府県に対する説明はいかがなのでしょうかという質問でございます。
 最後に、このワーキンググループは、第9次医療計画、地域医療構想の、2030年、2040年に向かっての在宅医療に関するワーキンググループだと思っております。私も現場で経験しておりますが、在宅医療・介護連携推進事業と今回拠点が合同開催、運営主体が同一でもよいということになっておりますが、都道府県どころか、郡市区医師会役員を含め、在宅をやっている医師あるいは地域の多職種連携の方々で、この拠点を把握している人はほぼいないと思っております。県とか市町からデータは上がってきておりますが、どういう形で設定されたのか、ある県によっては、在宅療養支援診療所は全部データとして上げているのではないかと思われます。設定されているのがどこかも現場では見えないですし、活動も見えないということでございます。
 退院支援、急変時の対応、看取り、療養支援等は、在宅医療・介護連携推進センターで既に10年以上前から、ほとんどの地域で多職種の皆さんと連携して行われている事業でございます。第8次医療計画における拠点は必要だと思います。その理由は、この拠点には小児と障害福祉が入っているところがセンター事業との大きな違いだと思っております。その辺も含めて、この拠点が、小児あるいは障害福祉等の退院支援から、災害時とか感染時の支援、そういうものが含まれている拠点だということを都道府県の皆さんにも、あるいは保健所、地域の多職種の皆さんにも十分理解していただけるように、上の委員会に上げるときに、この拠点は老健局と医政局と何が違うのだと、予算の使い方は何が違うのだということをきっちり多職種の皆さんや都道府県の皆さんに説明できるように、その辺をよろしくお願いいたしたいと思います。
 質問としては、積極的な役割を担う医療機関の定義をもう少ししっかり教えてほしいことと、拠点の定義が都道府県にどのように伝わって、どのようにデータが出てきているのですかということ。
 最後はお願いでございます。せっかく皆さんに議論していただいている拠点が、議論の内容も在宅医療・介護連携推進事業とほとんどかぶっておりますので、どう整合性を取っていくのか分かりにくいということです。
 以上でございます。
○野口座長 どうもありがとうございました。
 積極的医療機関の定義と拠点の定義ということで御質問が1点あったと思いますが、この辺りはいかがでしょうか。
○佐野室長 ありがとうございます。まず、積極的医療機関の定義についてなのですけれども、40ページを見ていただければと思います。先ほども私が何回かお答えさせていただいていることの復唱にはなってしまいますが、明確に病院・診療所と記載させていただいておりますので、我々としては、今の病院・診療所以外が指定されているところは望ましくないと考えております。実際、地域の実情に応じて都道府県様のほうで判断して、指定していただいているところになるかと思いますが、我々のスタンスとしては、こういったものであるというふうに考えているところでございます。
 あと、拠点の定義についてなのですけれども、先生おっしゃるように、なかなか確かに切り分けが難しいというところは我々としても理解させていただくところでございます。先生おっしゃられましたように、小児ですとか、障害福祉のところがどうしても介護のほうからは行けないということもあります。こうした連携をうまくやっていくことで、医療側からさせていただくことも重要だと考えておりますので、その辺り、何とか我々としては役割分担を分かっていただけるような形で御提示させていただきたいと思っておりますが、なかなか分かりづらいというところは、確かにおっしゃるとおりだなと思うところではあります。
 以上になります。
○野口座長 すみません。坂本構成員からのリプライが欲しいところなのですけれども、時間が押しておりますので、村松構成員、知浦構成員からの御意見、御質問を先にさせていただきたいと思います。
 村松構成員、すみません、時間が押しておりますので、できるだけ手短にお願いいたします。
○村松構成員 ありがとうございます。44ページの積極的医療機関の論点について、1点意見をします。ここまでの議論を聞いていますと、非常に多様な担い手が機能を担っているということが今日の議論でもよく分かったなと思っています。ですので、本会議は指針の改訂について議論をしている場だと思いますので、誰がではなく、何をという議論、主体ではなく、機能で切り分けていく議論をしていくべきかなと感じました。
 拠点と積極的医療機関を切り分けていくべきだと思いますが、例えば臨床のキャパシティーの圧迫、プレーヤーである医療機関が連携ばかりしていては、事務を背負い過ぎる弊害もありますし、そもそも資源配分ですとかガバナンスがしっかりしていかない、普及していかないということがあるかと思いますので、その2点をしっかり切り分けていくべきだなと思いました。その上で、先ほど佐野室長もお答えになりましたが、40ページの定義で病院と診療所が限定列挙で書かれているので、この2者がそれぞれどのような役割を担っていくのかについて議論されていくべきかなと考えました。
 評価については、北原構成員からインセンティブが明確でないというお話があったかと思います。制度不整合があれば解消していくべきかと思いますが、医療提供体制の理念ですとか体制を扱っているのは医療法側だと思いますので、保険はあくまで手段だと思いますので、まずは理念、どのような在宅医療の提供体制が望ましいのかということがこの会議で議論されるべきかなと思いました。
 以上です。
○野口座長 どうもありがとうございました。
 それでは、知浦構成員、よろしくお願いいたします。
○知浦構成員 
 今回、3つの論点につきまして、生駒市の事例、取組を皆さんと共有させていただけたらなと思います。1つ目の論点のところにつきましては、生駒市においてですけれども、在宅医療・介護連携推進事業ということで、平成28年6月に医師会会長、また市内にある6病院の院長、歯科医師会、薬剤師会などの医療関係者や居宅の介護の事業所であったりとか地域包括支援センター、また、奈良県の保健所などの方々に参画いただいて、合計20名で生駒市医療介護連携ネットワーク協議会というのを立ち上げました。そこでは主に情報共有とか研修をしております。約10年間のうちに在宅医療介護推進部会と認知症対策部会という部会を立ち上げまして、それぞれで取組をしております。
 今回は、在宅医療介護推進部会でしている取組を紹介させていただきますと、入退院支援につきましては多職種連携研修会の開催、入退院調整マニュアルを策定しまして、それを運営していると。このマニュアルも毎年調査をしまして、本当にうまいこと使われているかどうかも調査して、ブラッシュアップしているところです。また、日常の療養支援につきましては、在宅医療・介護連携に係る相談窓口の設置・運用、急変時の対応につきましては、インターネットを活用しまして、市内の医療機関、介護事業所、介護予防教室などを検索できるように、生駒市の医療・介護・介護予防情報ナビというものを運用させていただいております。
 また、看取りにつきましては、生駒市版のエンディングノート「私ノート」というものを一昨年度につくりまして、市立病院のスタッフと連携しまして、出前講座などで広く市民にACPの普及活動をしているところでございます。
 意見ですけれども、多くの自治体との交流で感じたこととしましては、本取組は、都道府県との連携支援の下、それぞれの地域特性や医療・介護資源の状況に応じて工夫して取組を進めていると感じています。都市部、山間部など地域特性に応じた取組事例をもっといろいろ紹介していただいて、計画に反映していっていただけたらなと思っております。
 2つ目の論点につきまして、生駒は市立病院がございます。在宅医療の後方支援病院との認定も受けておりまして、利用実績はまだ少ないのですが、今後、地域の診療所、クリニックなどと連携強化を進めていく必要があると考えています。在宅療養支援診療所及び在宅療養支援病院並びに在宅療養後方支援病院などが地域の在宅医療需要に応じて設置されていない地域もある現状を鑑みると、各地域において担うべき役割を確認しながら、適切に医療機関を位置づけることが必要であると考えております。
 最後に3つ目の論点ですけれども、生駒市の現状といたしましては、生駒市医療介護連携ネットワーク協議会において、在宅医療介護推進部会と認知症対策部会での取組の成果によりまして、市内の医療介護従事者の顔の見える関係というのは築かれつつあります。入退院調整などを円滑に行うために、今はその調整に必要なツール、どのような連絡調整をすればいいのかというのもグループワークで考えたりしております。
 一方、生駒市の課題としましては、身寄りのない高齢者、独り暮らし高齢者などの入退院につきまして、どのように行政としてフォローできるのかというところが課題となっております。本市では、市内の医療従事者と介護従事者が意見交換の場を積極的に設けております。グループワークで膝を突き合わせて話をすることによりまして、本音の部分も聞けたり、オフレコの部分も聞けたりいうことができますので、こういった工夫もしながら、顔の見える関係性を構築しています。
 また、円滑な医療・介護連携の推進に寄与しているというふうに生駒市として、また奈良県にも評価していただいております。行政や協力医療機関には、地域の医療事業者や介護事業者をつなぐ役割を果たす機関が必要だと思っていますけれども、生駒市役所のほうでその辺を今後も担っていきたいと思っております。
 以上でございます。
○野口座長 どうもありがとうございました。
 すみません。私のタイムマネジメントが非常に悪くて、本日、もう一つ議題がございますので、そちらに移らせていただきたいと思います。
 議題2「医療ソーシャルワーカー業務指針の改訂について」です。
 まず、事務局様のほうから資料2の御説明をよろしくお願いいたします。
○佐野室長 よろしくお願いいたします。事務局でございます。
 資料2-1、資料2-2をお手元に御用意ください。まず、資料2-1から御説明させていただきます。次のスライドをお願いいたします。
 こちらは前回のワーキングでも御提示させていただいたものとなっておりますが、医療ソーシャルワーカーの業務指針につきまして、平成14年から改訂されていませんので、メディカルソーシャルワーカーの業務につきましては、在宅医療の円滑な提供に当たって重要と考えられますので、業務指針の改訂についても本ワーキングで議論することとさせていただいたところでございます。
 次のスライドをお願いします。
 それを踏まえまして、下の四角で囲っているところが主体になりますが、MSWの業務を踏まえたより独立性の高い検討事項になりますので、具体の改訂案につきましては、このワーキンググループの下に医療ソーシャルワーカー業務指針改訂プロジェクトチームを位置づけて検討することとしてはどうかと出させていただいております。
 資料2-2をお手元に御用意ください。
 こちらが開催要項案となっておりまして、目的につきましては割愛させていただきまして、検討事項は、医療ソーシャルワーカー業務指針の改訂に向けた記載内容に関する事項で、構成員としましては、別紙のとおり、こちらの4人の先生方にお願いしたいと思っております。その中で、座長としましては、在宅医療及び医療・介護に関するワーキンググループの構成員を置くとさせていただきたいと思っております。
 運営につきましては、様々ございますが、(2)としまして、メディカルソーシャルワーカーの業務内容という専門的かつ当事者である方々の権利利益に直結する事項を検討することから非公開とした上で、プロジェクトチーム開催後に開催日及び議事概要について厚生労働省ホームページで公開した上で、ワーキングへ報告させていただきたいと考えているという所存でございます。
 すみません。大分早口になりましたが、資料2-2についての御説明は以上になります。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○野口座長 どうもありがとうございました。
 それでは、構成員の皆様から御意見、御質問をお受けしたいと思いますが、大変申し訳ございません、時間が迫っておりますので、手短にお願い申し上げます。
 島田構成員、よろしくお願いいたします。
○島田構成員 ありがとうございます。この下にまたワーキングができるということで承知しました。
 この機会に、このMSW、例えば一定の資格要件がベースにあるとかいうことを検討するかどうか。ソーシャルワークとか看護保健、医療系、介護系の資格ですね。または医療機関とか行政機関での一定の相談業務とかの実務経験を設けた上で、例えば医療ソーシャルワークに関する研修を受講・履修した上でとかいうことも検討するかどうかなども、できたらこのワーキングに入れていただいてもいいかなということで、1つ御提案です。
 それから、今、実際に地域では、例えば一部の医療機関では、具合が悪くなった患者さんのお宅に、このMSWが急行して、それで救急搬送とか往診の必要性とか訪問看護に来てもらうとかいう判断を行っているようなケースがあると聞きます。この辺りは本来、医師や看護師が関与すべき判断のところになりますから、MSWが単独で行わないような指針とか、やはりそういう研修を通じて、私が先ほどお話しした、何か一定の研修があったほうがいいかもというのはここからです。そういうことがあります。
 それから3つ目です。いわゆるコーディネートをする仕事でありますので、今、透明性とモラルが問われていると思います。高齢者施設へ入居者を紹介して、紹介料を受け取るあっせんビジネスが問題になっています。また、以前は、高齢者施設に往診をする医療機関が入ると、そこに施設がキックバックを求めたり、逆に医療機関が高齢者施設に入ると、あっせん料やコンサルティング名目で施設のほうに、いわゆる患者紹介の対価としてというのがあって、これは健康保険の療養担当規則で規制が入った経緯がありますので、このようなことの延長で、そういうものが必要になってくるだろうと思います。きちんとしたコーディネートが透明性とモラルの下で行われるということ。そのようなものも、今回いろいろ指針を見直す中や、ひょっとしたら研修制度の導入とかで必要ではないかなと感じております。
 以上です。
○野口座長 どうもありがとうございました。
 ほかに会場にいらっしゃる方で。
 鈴木構成員、よろしくお願いします。
○鈴木構成員 当院にも、MSWといいますけれども、医療ソーシャルワーカーはたくさんいるのですが、最近は社会福祉士の資格を持っている人が多いかなと思います。20年前から見直しがないということは、その間に大分、社会福祉士が増えまして、非常に有能な方々がこの分野にも入ってこられましたので、その社会福祉士の資格との整合性というか、そういうものも新たに議論をしていただければ、役割分担になるのか、移行していくのか分かりませんけれども、現場では非常に分かりやすくなると思いますので、よろしくお願いします。
○野口座長 どうもありがとうございました。
 ほかにここにいらっしゃる方で何かないですか。
 それでは、オンラインのほうで何か御意見がある方はいらっしゃいますでしょうか。よろしいでしょうか。
 大変申し訳ございません。私のタイムマネジメントが悪くて、ぎりぎりになってしまいましたが、本日は本当に様々な御意見をいただき、どうもありがとうございました。
 それでは、本日の議論はここまでとさせていただきたいと思います。
 事務局様におかれては、本日頂戴した御意見を踏まえた議論が行えるよう、次回以降の資料等々の御準備をしていただければというふうにお願い申し上げます。
 最後に、事務局にお返ししたいと思います。
○佐野室長 本日は活発な御議論をいただき、ありがとうございました。
 次回のワーキングにつきましては、詳細が決まり次第御連絡させていただきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
○野口座長 それでは、本日のワーキンググループはこれまでとさせていただきます。先生方、どうもありがとうございました。

 

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