第3回地域医療構想及び医療計画等に関する検討会:議事録

日時

令和7年8月27日(水) 13:00~15:00

場所

航空会館ビジネスフォーラム 7階大ホール
東京都港区新橋1丁目18-1

議事

○鈴木課長補佐 定刻となりましたので、ただいまから、第3回「地域医療構想及び医療計画等に関する検討会」を開会いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして誠にありがとうございます。
 本日は、対面及びオンラインによる開催とさせていただいております。オンラインでの参加に係る留意事項につきましては、事前に送付しております「オンライン参加の留意事項について」を御覧ください。
 議事に入る前に、資料の確認をさせていただきます。事前に、議事次第、構成員名簿、省庁関係出席者名簿、配席図のほか、資料1、参考資料1を配付いたしましたので、お手元に御準備いただきますようお願いいたします。
 本日は、石原構成員、土居構成員から御欠席の御連絡をいただいております。また、今村知明構成員から、2時45分頃に御退席との御連絡をいただいております。
 また、オブザーバーとして、総務省自治財政局準公営企業室の有村課長補佐、文部科学省高等教育局医学教育課の松本企画官に御出席いただいております。
 冒頭のカメラ撮りについてはここまででお願いいたします。
(冒頭カメラ撮り終了)
○鈴木課長補佐 それでは、以降の進行は遠藤座長にお願いいたします。
○遠藤座長 皆様、こんにちは。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入らせていただきます。本日の議題は、「新たな地域医療構想策定ガイドラインについて(区域・医療機関機能、医療と介護の連携、構想策定のあり方)」でございます。
 それでは、本議題につきまして、関連の資料について事務局から説明をお願いしたいと思います。
○堤室長 事務局でございます。
 資料1を御準備ください。「新たな地域医療構想策定ガイドラインについて」ということで、1ページ目ですけれども、本日3つ議題を用意してございまして、区域・医療機関機能について、医療と介護の連携について、構想策定のあり方についてということで用意しております。
 まず、区域・医療機関機能についてでございますけれども、3ページ目の主な意見としまして、少し量が多いので冒頭の3つ、4つを御紹介させていただきますけれども、地域の限られた医療資源を有効に活用するため、急性期拠点機能の病院での適切な配置が不可欠。緊急性は高くないが、高度な技術や設備を必要とする医療はすべての二次医療圏で整理することが非現実的。医療機関機能の参考指標について、救急搬送の件数だけで計ることはよくない。2040年以降も含め、将来にわたって急性期医療を維持できるよう、現在の人口が概ね30万人までの小規模な地域については、1か所に集約に向けて取り組んでいくことが重要と。
 4ページ目でございますけれども、二次医療圏と構想区域の考え方ですが、現在の地域医療構想において、構想区域は一体の区域として地域における病床の機能の分化及び連携を推進することが相当であると認められる区域を単位として、二次医療圏を原則一致という考え方で設定しております。第8次医療計画においては、20万人未満の二次医療圏について区域の見直しを検討する。また、100万人以上の二次医療圏についても見直しを検討するという考え方でやってきておりました。
 そうした中で、4ページ目の右側のグラフですけれども、20万人未満の二次医療圏が170近くありまして、半数近くがそういった医療圏になっているという現状でございます。
 5ページ目ですけれども、二次医療圏、構想区域、それぞれ行政単位として設定されているわけですけれども、二次医療圏の主なものとしては基準病床数を設定する、構想区域においては必要病床数を設定するということで、一定の単位として制度運用がこれまでされてきております。こうした制度を運用するためには、医療の完結性を見ない小規模な区域の設定では基準病床数や必要病床数の設定に課題が生じ、また、人口規模が大きすぎると、区域内において病床の偏在が生じるなどの運用上の課題が生じるため、適切な規模での設定が求められるということを記載しております。
 6ページ目、人口規模が20~30万人の二次医療圏ですけれども、こうした地域において前回御意見いただきましたが、大学病院本院が所在する医療圏で急性期拠点機能をどう確保するかの整理ということでデータを御準備しています。今、棒グラフの赤で記載しておりますが、3地域において大学病院本院が当該20~30万人の地域として存在しているわけですけれども、こうした地域において、大学病院本院が当該地域より広域な三次医療圏などを対象とした医療を主に提供しており、当該大学病院本院が担う医療の内容や病院間の役割分担を踏まえた上で、大学病院本院のほか、急性期拠点機能を有する医療機関を確保することも考えられるということを記載しております。
 7ページ目は、区域ごとに現在の医療資源を踏まえながら、将来に向けてどういう医療を確保していくかということを考えていかないといけないわけですけれども、左下の図でイメージとして表していますけれども、例えばの軸として緊急性と頻度というものを用意しております。緊急性が高く頻度も多いような症例の診療体制については、これからも体制を維持していくことを考えること。緊急性は高いが頻度は高くないものや、頻度は高いが緊急性は高くないものなどについて、体制を維持するほどの症例数が見込めないため、一連の診療のうち、手術等の高密度な医療については診療体制を縮小し、他区域との連携等を模索することなども考えていかないといけない。そうした中で、各地域で今どういう医療を行っているか、どういう高い頻度の症例があるか、緊急性があるものをどれぐらい行っているかというデータについても議論をしていただく必要があるのかなと考えております。
 8ページ目以降、人口規模の大きな都市部に関する資料でございますけれども、同じ大都市圏にあっても、東京都区部と福岡県福岡市などでは、周辺の人口規模の過多が大きく異なります。一般的に、人口の多い地域を中心に患者の移動が起こり得る範囲やアクセス等も踏まえながら区域の検討を行うことが考えられるわけですけれども、東京のような人口の多い地域が密集している地域の場合は、患者の移動がより複雑になること等により、その他の都市部とは二次医療圏の設定のあり方が異なることが考えられるということです。
 9ページ目にデータを用意しておりますけれども、大都市では、その市単独や周辺市と合併して医療圏を形成されているところが多いということで、下に人口上位10の市町村が含まれる二次医療圏の人口と入院患者の流出率というデータを御用意させていただいておりますけれども、そうした中で、東京都区部と川崎市に関しては、それぞれ7と2に医療圏を分割して設定するということをされております。東京都区部の二次医療圏においては、入院医療の流出率がほかの同規模の圏域と比べて高いという傾向が見てとれております。
 10ページ目、同様のデータを示しておりまして、左側が先ほど御紹介したデータでございますけれども、右側に人口の多い市町村を青でプロットして、その所在県を赤でプロットしております。2ポツ目に書いていますとおり、人口の極めて大きな都市部において、広域な区域を設定して、流出率というのは広くすれば見かけ上は少なくなるわけですけれども、そうする場合、次のページにもありますけれども、区域内での医療資源の偏在などの懸念もあるということで、高い流出率を有する現在の区域等に基づき、あまり大きな区域を設定するのはどうかということで、地域格差是正等の観点も踏まえつつ、区域を設定することが考えられるというふうにしております。
 11ページ目は横浜市の例として用意しておりますけれども、市内の各区において人口が約10~40万人であり、各区が他県の二次医療圏ほどの人口規模を有するところ、市全域が1つの二次医療圏として設定されております。こうした中で、各区の人口1万人当たりの病床数は、最多の区と最小の区で4倍の差がつくような状況もあります。そのため、区域を広く設定することについて、区域内において病床の偏りが生じ得るということも留意が必要かなと思っております。
 12ページ目以降、人口の少ない地域における対応ですけれども、12ページ目は前回もお示ししたとおりで、今後、一定の医療提供の確保が困難な区域については、当該区域内での連携・再編・集約化だけではなく、隣接する区域との合併等も含めて検討が必要ということを記載しております。
 13ページ目は、特に人口の少ない地域に限らずですけれども、圏域の中でアクセスが悪くなるようなところが出てくると考えられますので、医療資源を多く必要とする手術等の医療や診療所による外来医療などの提供がこれまでは行われてきたところですけれども、2040年を見据えて、区域の見直し、急性期医療の連携・再編・集約化を進めていく必要があると。そうした中で、患者の医療へのアクセスを維持する観点から、地域の医療資源の状況や以下のような取組事例を把握し、調整会議で検討を行っていただくことが重要ということで、下にアクセスを確保するために既に取り組まれている事例として、オンライン診療ですとか巡回診療や医師を派遣していただいたり、患者さんの宿泊施設の整備をしたりとか、そういった取組をまとめさせていただいて、こうした事例を都道府県で把握いただけるように国でも支援が必要ではないかと考えているところでございます。
 14ページ目以降、例示として載せておりますので、簡単に御紹介させていただくと、14ページ目は、例えばオンライン診療ですとか、へき地での輸送車の支援の事業を載せさせていただいておりまして、15ページ目が、へき地におけるへき地医療拠点病院として支援をしている内容を載せております。
 16ページ目は、巡回診療として、長野県で取り組まれている取組について記載しておりまして、17ページ目は、こども家庭庁の事業でございますけれども、妊婦に対する遠方の分娩取扱施設への交通費等の支援をされている例として用意しております。
 18ページ目、病院の敷地内等に宿泊施設を整備するなどして、患者のアクセスに配慮した取組も行われておりまして、3つ事例を文字で紹介しておりますけれども、小児慢性疾患等の親族の方ですとか、仕事と治療の両立のための働く方への支援、ないしは分娩の準備のための妊婦に対する宿泊施設の整備などを行われている事例もあるので、こういったことも考えられるのではないかということで事例を載せています。
 19ページ目は、圏域の中心部から離れた人口の少ないエリアにおいて、有床診療所が毎日ではないけれども日々発生するような入院も含めた診療を地域の医療需要を踏まえながら柔軟に提供している事例として御紹介しております。
 20ページ目が、前回もお示しした考え方ですけれども、隣接する医療圏での対応、もしくは県をまたいだ形での医療圏の連携ということも今後考えていく必要があるのではないかということで、考え方を載せております。
 21ページ目以降は、医療機関機能について、前回まで地域ごとの医療機関機能ということで御議論いただいてきておりましたけれども、広域な観点の医療機関機能として、医育及び広域診療機能についても少し御議論いただければと思っております。
 22ページ目は、これまでの地域ごとに確保する機能の例とデータについて、22ページ目、23ページ目に資料を置いておりますけれども、24ページ目からが、2040年に向けた取組の広域な圏域のイメージということで、今後、都道府県が大学病院本院等と連携して、県全体として効率的な提供体制を確保できるよう、各圏域の提供体制を構築することが必要ということで、例えば都道府県と大学病院本院の連携として、地域全体の医療機関における医療資源の状況を踏まえながら、都道府県と大学病院本院が連携して、地域において必要となる医師の派遣について調整するみたいなことを書いております。
 25ページ目が、「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」において取りまとめられた内容ですけれども、特定機能病院のうち、大学病院本院については、高度な医療提供、医師派遣機能も含め、地域医療に対する積極的な役割を果たすことが求められているということを記載しております。
 26ページ目、こちらは昨年の地域医療構想の検討会において、医師偏在対策部分で取りまとめられた内容ですけれども、今後の医師偏在対策においては、都道府県と大学病院との間の医師派遣・配置等に関する連携パートナーシップ協定の締結を推進することとされているということを御紹介させていただいております。
 27ページ目、28ページ目は、都道府県と大学病院、既に医師派遣や地域医療構想に関して様々な連携を都道府県ごとにやっていただいているということで、都道府県へのアンケートの結果も記載しております。主に医師派遣に関する事業等について、都道府県と大学で連携して取り組んでいただいているというのが27ページ目でございます。
 28ページ目ですけれども、右側のグラフを見ていただきますと、都道府県と大学病院間の連携として、他の都道府県所在の大学病院が当該都道府県と連携して医師派遣に関する事業等を実施していただいている例もあるということで、28ページ目の資料になっております。
 29ページ目、大学病院本院の医療提供の状況ということで、いろいろあるかと思いますけれども、救急医療に関しまして資料を用意しておりますが、全ての大学病院本院が三次救急医療施設もしくは二次救急医療施設、重複する場合もありますけれども、担っていただいております。一方で、実際の救急車の受入れ件数に関しては、一番多いところだと1万件以上というところから、500~1,000件の大学病院本院もあるということで、大学病院本院といってもいろいろな医療提供の状況があるのかなと承知しております。
 30ページ目が、都道府県単位の地域医療構想調整会議の開催状況ということで、これから都道府県単位、大学病院本院も含めて県全体の広い範囲について取組を進めていただければと考えておりますけれども、これまでですと、都道府県単位の地域医療構想調整会議は開催されるところ、開催されていないところがあるという実態を御紹介しております。
 31ページ目以降、大学病院の取組を幾つか御紹介しておりまして、31ページ目は国立大学病院、私立大学病院、それぞれから医師の派遣を行っていただいており、医療提供体制の確保に貢献していただいているという資料でございます。
 32ページ目は、茨城県においては、各地域医療構想調整会議からの医師派遣要望数を集計して、県から大学へ医師派遣を要請する取組をされているということの御紹介です。
 33ページ目、34ページ目は、新潟県において地域枠の医師の配置のあり方について、都道府県に加えて、大学医学部・大学病院本院や医師会等と検討する体制が取られているという資料になります。
 35ページ目からが、医師の教育、医師の確保以外についても大学病院で取り組んでいただいていることがありまして、例えば35ページ目は、特定行為研修を行う指定研修機関として大学病院も役割を担っていただいているところの御紹介ですとか、36ページ目については、看護職員の確保のために、京都府内において京大病院から交流出向して看護師を北部に派遣するような事業をかつてされていたと。今は当該事業については京都府看護協会に移行されて、2024年から京都府全域での事業に発展していると伺っております。
 37ページ目は、都道府県の意向としまして、大学病院と連携した看護職確保に取り組む必要があると考えている都道府県が一定数あるということを御紹介しております。
 こうしたことを踏まえまして、39ページ目にまとめの文章を記載しておりますけれども、三角の下の1ポツ目の2行目から、人口が20~30万人の区域においては、大学病院本院が区域内にあり、当該大学病院が当該地域より広域な三次医療圏などを対象とした医療を主に提供している場合等においては、大学が担う医療の内容や病院間の役割分担等を踏まえた上で、効率的な提供体制の構築が可能な場合には、必要に応じて大学病院本院とは別に急性期拠点機能を確保することも可能としてはどうか。
 2ポツ目ですけれども、人口規模が多い地域についても、適切な医療提供体制を構築する観点から、一定の区域は必要であると。東京などの極めて人口の多い都市部について、複数の区域を設定することにより、区域での流出が多くなる場合もある。一方で、広域な区域を設定し流出率を見かけ上少なくするなどの対応は区域内での医療資源の偏在などの懸念もある。こうしたことを踏まえながら、適切な単位で区域を複数設定していただくことにしてはどうかということ。
 3ポツ目ですけれども、区域内において、局所的にアクセスに課題があるところについては、オンライン診療の活用や巡回車の整備、隣接する県との連携など、患者のアクセスを維持するための方策について、国において継続的に把握・都道府県等へ共有し、都道府県は構想区域ごとにそうした地域の有無や対応の検討について協議することとしてはどうか。
 4ポツ目ですけれども、区域ごとに、現在の医療資源を踏まえながら、医療機関の連携・再編・集約化を通じて将来に向けても区域内で提供を維持するもの、他区域との連携等により対応するものなどを念頭に医療提供体制の確保に努める必要がある。こうした議論に資するように、例えば緊急手術の件数や全身麻酔手術件数等の議論に必要なデータについて国から順次提供し、区域の点検を早期から取り組めるようにすることとしてはどうか。
 5ポツ目ですけれども、大学病院本院については、大学ごとの特性が様々である中で、各都道府県・大学間で既に取り組んでいただいていることですとか、特定機能病院に関する検討状況も踏まえて、医療機関機能として整理してはどうかということでまとめとしております。
 40ページ目が区域の点検・見直しに当たっての観点とデータの案ということで、下の表を見ていただければと思いますけれども、点検のためのデータとして、人口推計や医療機関数、医師数、機能別病床数、医療の提供状況や個別の医療機関の医療提供実態等を踏まえながら、東京など人口の極めて多い都市部については、点検の観点として極めて多くの医療機関が所在する中、連携・再編・集約化を進め、効率的な医療提供体制を構築できるかですとか、病床や医療機関機能について、区域内で医療資源の偏在がある場合、偏在を是正し、均質な医療が提供できるか。人口の少ない地域については、2040年やその先に向けても、医療資源に応じて、持続可能な医療従事者の働き方や医療の質の確保に資するような急性期拠点機能を確保・維持できるかという観点などを踏まえながら、区域について考えていただくということを考えております。
 41ページ目が、これまでの医療機関機能をまとめているもので、修正しているところを緑で書いておりますけれども、大都市型の高齢者救急・地域急性期機能について、こういった医療機関が実施する手術は必ずしも骨折だけではないということの御意見を幾つかいただいておりましたので、ここは削除しています。
 あと、急性期拠点機能について、人口の少ない地域に関しましては、先ほど御紹介したような大学病院本院が区域内にある場合の考え方を米書きで記載しておりまして、そうした議論を踏まえまして、大都市型、地方都市型に関しては、人口20~30万人ごとに1拠点を確保することを目安としてはどうかというふうにしております。
 その上で、東京などの人口の極めて多い地域においては、個別性が高く、地域偏在等の観点も踏まえつつ別途整理というのは前回から記載しているとおりでございます。
 次が、医療と介護の連携についてですけれども、43ページ目、これまでいただいた意見としまして、慢性期の患者は入所・入院・在宅の3つに分かれるため、それぞれを踏まえて検討していくことが必要ですとか、自院の看護師を他の病院や介護施設に派遣することにより、介護保険施設での看取り件数の増加や救急搬送の減少にもつながる。高齢者の場合、施設から救急車を使わずに救急搬送の仕組みがうまく動いている場合もあり、医療機関機能として救急車の数のみで判断することには留意が必要。介護老人保健施設において、医療の提供機能として医療ショートの機能も担っており、介護保険施設との連携等において、こうした議論をいただくことも必要ということをいただいておりました。
 44ページ目は、繰り返し出している資料でございますけれども、在宅医療と介護保険施設、療養病床の一部については患者像が重複する場合があり、こうしたことも含めて検討が必要というこれまでの議論のスライドを用意しております。
 その上で、45ページ目以降、どういったデータを把握できるかという例を御紹介しておりまして、例えば45ページ目はNDBのオープンデータを厚労省で公表しておりますけれども、療養病棟入院基本料の算定実態が二次医療圏ごと、もしくは都道府県ごとにどうなっているか、もしくは在宅患者訪問診療料に関する状況なども把握ができるという状況になっております。
 46ページ目が、地域差を指標化したものの御紹介でして、各診療行為等の地域差を性・年齢調整済みのスコアとして算出するSCRというものがございまして、例えばこういうものを用いますと、右側のグラフにありますように、ある県における市町村ごとの訪問診療料に関するばらつきを見たものですけれども、緑のプロットを例えば見ていただきますと、B医療圏の中でもこの指標が100を超えるものから低いものまであるわけでして、こうした指標を組み合わせながら、二次医療圏内で特に提供実態に課題がある地域の把握もできるというデータとして御紹介しております。
 このほか47ページ目、こちらは国のほうでレセプトデータを分析したものでございますけれども、在宅療養を行われている方について、訪問診療や訪問看護の受療状況は地域でそれぞればらつきがあるということで、訪問診療を受けられている方、訪問診療と訪問看護を受けられている方、訪問看護を受けられている方の構成というのは全国的にばらつきがございますので、こうした状況なども把握していただくことに1つ活用方法があるのかなと思っております。
 48ページ目は、訪問看護ステーションの指定・廃止の状況についてということで、訪問看護ステーションの指定数は増加しておりますけれども、中で廃止・休止のステーションも増加しているというものになります。廃止・休止の理由としては、従業員の確保困難ですとか管理職の退職、利用者の減少などがありまして、人材の確保が主な要因となっております。
 49ページ目は地域医療連携推進法人を活用して、この中で訪問看護ステーションの再編も行われておりまして、法人参加により常勤看護師が増加したことで、経営の安定化や従業員の休暇取得等の働き方改革の改善につながった事例もあるということを書いてあります。
 50ページ目ですけれども、こうしたデータのまとめについては、地域で議論する場合において、1ポツ目の2行目に書いておりますけれども、地域においては、都道府県の医療部局で病床数や介護部局で介護施設の定員数等の供給力に関する基礎的なデータを保持していると考えられますし、NDBオープンデータや患者調査など、地域で把握・活用し得るデータが入手可能になっております。
 一方で、需要の把握について、例えば在宅医療がどういった施設でどれぐらい提供されているかというのを定量的に把握するのは現時点で困難でありまして、地域のこうした検討に資するデータの把握は課題があると考えておりますので、病床機能報告の見直し等も含めて整理が必要であると考えております。
 51ページ目が病床機能報告の報告項目についてという資料になっておりまして、52ページ目以降、圏域の設定に関するものとしまして、52ページ目は第8次医療計画において、在宅医療の圏域の設定の考え方として、必ずしも二次医療圏にとらわれない考え方というのも整理しております。
 53ページ目が、その圏域について具体的にどうなっているかということで、下のグラフを見ていただきますと、在宅医療の圏域と二次医療圏が同数ではない。すなわち二次医療圏とは別に考え方を整理して区域をつくっていただいている都道府県も現在20あるということの御紹介でございます。
 54ページ目ですけれども、都道府県内、二次医療圏内には多くの市町村が存在する。こうした中で、在宅医療等に関して重要な役割を担う市町村と都道府県との協議のために新たに会議体を設定するということは相当の新規の会議が必要となり、都道府県に大きな負担となると考えております。都道府県が市町村と実効性のある議論を進めるためには、特に課題のある地域について重点的に議論することですとか、在宅医療の協議の場など、既存の会議体を活用することが重要と考えております。
 55ページ目ですけれども、医療及び介護の体制整備に係る会議の場の設定状況というデータを用意しておりますけれども、現在、二次医療圏単位で設置している会議体で行っていただいているところ、調整会議で行っているところもありますけれども、一部の地域においては協議を行っていないところもあります。その理由を見ますと、市町村と個別の調整を行っている、市町村からの意見がない、調整協議を行う必要があることを把握していなかったなどの理由もいただいております。
 56ページ目以降が、より具体的な医療と介護の連携について、介護報酬改定において整理された資料を2枚用意しておりまして、57ページ目ですと、協力医療機関の確保ということについては、前回この場でも御議論いただいたかなと思っております。
 58ページ目が、老健局において行われた資料の御紹介でして、「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討会のとりまとめというものを用意しておりまして、2040年に向けて高齢化・人口減少のスピードが異なる中、地域の実情を踏まえつつ、事業者など関係者の分野を超えた連携を図り、サービス需要に応じた介護、障害福祉、こどもの福祉分野のサービス提供体制の構築が必要ということを記載しております。
 59ページ目ですけれども、今後、2040年に向けて老人ホーム、これは統計上の定義ですけれども、高齢者施設等からの救急搬送件数の見通しということで、2040年には高齢者施設からの救急搬送も現状でいきますとますます増加していくというデータを用意しております。
 60ページ目、一方で、死亡場所の推移というデータを用意しておりますけれども、病院・診療所での死亡の割合は減少していっており、今は自宅や介護施設等でも看取りの取組などにより死亡の割合は増加しているのかなというデータを用意しております。
 そのほかの課題としまして、61ページ目は、高齢者における退院に向けた課題ということで、退院調整に関しても社会的背景などを踏まえますと、これからますます重要になっていくというものを用意しております。
 62ページ目、こうした中で、増加する高齢者救急への対応として、老健も含む介護施設や在宅等での適切な管理や医療機関との緊急時の対応を含めた連携体制の構築・情報共有などを通じて、状態悪化を防ぐとともに、必要時には円滑な入院につなげるための対応力の強化が重要としております。
 63ページ目も同様に、外来受診に係る基準を事前に決めて、病院と診療所、介護施設の医師等が共有・連携するような事例もありますので、それを御紹介しております。
 64ページ目は、特定行為研修修了者等の専門性の高い看護師が訪問による支援などを実施していただいているというデータを用意しております。
 65ページ目が、在宅医療の病院と診療所、医科・歯科・薬局・看護・介護・行政の連携の事例ということで、2つの市町村で取り組まれている事例を御紹介しております。
 66ページ目が、介護老人保健施設等における在宅療養支援機能についてということで、介護老人保健施設等における短期入所療養介護は、医療ニーズのある利用者に対して、点滴等の必要な医療を提供し、居宅における生活を継続するために支援を行っている。看多機についても一定の処置等を実施しているという実態がございまして、こうした医療処置等を実施する介護保険サービス等も含めながら、慢性期の需要に対する医療提供体制の整備が重要であるとしております。
 67ページ目については、活発なBPSDを伴う認知症を有する方の入所希望があった場合に対応可能であるとか、協力病院医療機関の支援を受けて対応可能という施設は一定数存在しておりまして、こういった施設の活用を検討することで、早期に退院を進めるなど、慢性期の需要に対する体制整備を進めることが重要としております。
 こうしたことを踏まえまして、69ページ目にまとめの文章を載せておりますけれども、まず、検討する場としまして、患者像の重複し得る在宅医療と介護保険施設、療養病床の一部の提供体制の検討に当たっては、それぞれの提供実態等のデータを踏まえてそのあり方の検討が必要である。療養病床は構想区域、二次医療圏単位で確保を検討されるものであることですとか、小さな単位での検討の場を多数つくることというのは、運営上の課題が懸念されることを踏まえると、構想区域単位等の範囲で都道府県、市町村、医療関係者、介護関係者等が将来の提供について検討することとし、圏域内において提供体制について特に課題がある地域については、既存の協議の場も活用しながら、具体的に検討することとしてはどうかとしております。
 こうしたときに議論するためのデータとしまして、療養病床の病床数や介護保険施設の定員数、在宅医療の提供状況などを併せて検討することが考えられるわけですけれども、こうした中で、都道府県で把握しているもの、データとして公開されているものだけでは、在宅医療の提供実態の把握に課題があるなどの場合がありますので、必要なデータについて国が都道府県に提供して、また、その必要なデータについては国で把握できるような体制を整えてはどうかというのが2ポツ目でございます。
 3ポツ目、4ポツ目については、医療と介護の連携は、協力医療機関と介護保険施設・高齢者施設等の間のみならず、急性期医療を担っている病院を中心とした連携など、様々な類型が考えられます。こうした中、地域の医療資源に応じた具体的な取組が求められるわけですけれども、4ポツ目に書いておりますとおり、こうした具体的な取組はどういったものがあるかということについては、在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループで検討することとしてはどうか。また、その際、介護との連携については、関係者が連携の参考とできるような知見を集積して、共有していく、アップデートしていくということも記載しております。
 70ページ目以降、構想策定のあり方ということで、71ページ目にこれまでいただいた主な意見を記載しておりますけれども、新たな地域医療構想については、住民の参加が実現できるような内容となるようお願いしたいという御意見ですとか、3つ目に、各地域において関係者間で合意形成を図るためのプロセスが非常に重要となる中、地域の協議の進め方や構想全体のPDCAの推進方策についても、あらかじめ方向性を示していただきたいということで、72ページ目ですけれども、こちらは医療計画関係の会議の場、医療審議会をはじめとして、地域医療構想調整会議など、都道府県単位や圏域単位で行われている会議体がこれぐらいあるということで資料をまとめております。
 73ページ目が、これまでの調整会議の進め方として、特にこれまでに関しては病床機能の話が中心でしたので、表にあります①から③のようなもの、そのほかの地域医療構想の達成の推進に関する協議ということで④に関して、参加する関係者として、医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会、病院団体、医療保険者、市町村など幅広いものとすると。こうした中で、2ポツ目にあるように、参加を求める関係者を柔軟に設定することとされてきておりました。
 74ページ目が地域医療構想策定ガイドライン、1回目の検討会でお出しした資料ですけれども、議論を行うための区域の設定や、どういったデータを用いて議論を行っていただくかというポイント、あと対応案の作成と、策定後に取組を推進するための事項、こうしたことを念頭に置きながら議論していただければと思い、資料もそういう構成にしてきております。
 75ページ目は、本日前半のほうでお示しさせていただいた区域の見直しですとか、75ページ目の資料にありますように、医療機関機能の協議に当たっての検討事項とデータについてまとめさせていただいております。
 76ページ目は、地域医療構想調整会議で構成員がどうなっているかということについて、群市区医師会、歯科医師団体、薬剤師団体、看護師団体というのは基本的に入っていただいている中で、そのほかの団体の方等に関しては、入ったり入っていなかったりという状況にございます。
 77ページ目、こうした関係者を含めてどういう意思決定、プロセスをしていくのがいいのかという参考事例として、こちらは公共事業、道路計画の策定に当たって、国交省のガイドラインにおいて計画内容が合理的かつ策定プロセスが適切となるように標準的な計画策定プロセスとして複数案の評価項目を設定して、複数案で比較評価をしていただくという手順がガイドラインにおいて示されております。
 78ページ目は、その複数案を示すということで、兵庫県の急性期医療の確保に関する検討の事例を載せておりますけれども、複数の取組の案を、複数の観点で比較検討して、地域の関係者で協議を進めているというところもあります。こうした取組を参考にしながら、新たな地域医療構想の策定に当たって複数の案を検討する際の参考になるように観点を整理してはどうかということにしております。
 79ページ目でございますけれども、合意形成のあり方の案としまして、2ポツ目、対応案を今後検討するに当たっては、各医療機関の経営ですとか地域住民のアクセスなどについて、それぞれメリット・デメリットが存在し得るということですので、関係者で納得を得ながら進めていただくために、複数の案を複数の観点から比較評価していくこととしてはどうかと。他の行政分野での事例等を踏まえて、以下のような合意形成のあり方も、都道府県のやり方の選択肢としてガイドラインに位置づけることとしてはどうかとしております。
 80ページ目、複数の観点からの比較評価に当たっては、様々な関係者が関係することから様々な意見が出てくるわけですので、評価が合理的かつ効果的なものとなるよう、都道府県が地域において比較評価を進めるに当たっての参考として、比較評価の観点を整理してはどうかとしております。
 下に、急性期拠点機能を検討する場合のイメージとして、医療の需要と供給、アクセス、病院経営などの観点を例示させていただいております。
 事務局からは以上になります。
○遠藤座長 どうもお疲れさまでした。
 それでは、ただいま事務局から御説明のあった内容について、御意見、御質問等をいただければと思います。3つぐらいの内容の話でございましたけれども、どの分野であっても結構でございます。それから、できるだけ大勢の構成員の方からの御意見を承りたいので、御発言は簡潔にしていただければ幸いでございます。
 それでは、まず会場の構成員の方からいかがでございましょう。
 岡構成員、どうぞ。その次に今村知明構成員でお願いします。
○岡構成員 ありがとうございます。
 まず、9ページ、10ページで示した特に都市部の流出率ですけれども、恐らくこれは、流出率が高いですけれども、流入率も高くて東京で完結しているということだと思うのですが、やはり大事なのは、それぞれの病院機能の入院の流出率だと思います。例えば急性期拠点機能の入院であれば、ある程度広域な観点で行いますので、流出率が高くてもアクセスに問題がなければいけると思います。ただ、日常生活圏で考えたときの医療の機能、例えば在宅医療等連携機能の入院の流出率が高いというのはやはり問題が出てくると思いますので、これは2年後に恐らく報告制度が始まりますので、2年後にこういう流出率、流入率で問題になるのは、恐らく在宅医療等連携機能の入院、あるいは高齢者救急・地域急性期機能で、やはり狭い範囲である程度完結しなければいけない医療に関しては、しっかりとそういうデータを出して検討するということを考えていただければと思います。
 2点目は、広域な観点の医療機関である大学病院本院が担う機能についてですが、やはり大学病院が存在する地域の人口規模に応じて役割が違ってくると思いますので、今後、他の医療機関機能と同じように、大学病院本院の担う機能を大都市型、地方都市型、人口の少ない地域でそれぞれ提示していくのか、あるいは大学病院は1つの基準なのか、この方針だけお聞かせいただきたいのですけれども、実際に特定機能病院のあり方検討会のとりまとめ案で、承認要件として医師派遣というのが入っていると思います。その中で基礎的基準と発展的基準に分かれていますので、これの評価をする場合においても、これと整合性を持たせて、大学病院本院の機能を地域医療構想と承認要件の中でどう整合性を取るのかということが、もしお考えがあれば少し教えていただきたい。
 最後に一番重要なのは、79ページの構想策定のあり方についてですが、やはり2040年を見据えた対応案を検討するということが重要でありまして、今後、ガイドラインを作成して地域で議論した後に2027年度から新たな地域医療構想がスタートすると思いますが、2027年度に決めてやるべきことと、2040年に向けて対応案を検討することをしっかり分けて考えないと、ここがごちゃごちゃになってしまうと議論が停滞するという危惧がございます。例えば医療機関機能においては、医療機関機能を報告するのは2027年度から始まると思いますが、その中で例えば高齢者救急・地域急性期機能の病院が担う機能は、恐らく2027年度に急に機能を変えろと言われても変えられない病院があると思います。ただ、ここで変えられないから議論が停滞したら何も変わりませんので、当然我々病院団体としても2040年に向けて改革はしたいと思っています。ただ、そのときにしっかりと2027年度にやるべきことと、2040年に向けて集約化を含めた対応を検討することを分けて考える、そのようなことが理解できるような書きぶりを最終的にガイドラインに書いていただければと思います。
 私からは以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 では、事務局、幾つか御質問もありましたので、コメントをお願いします。
○堤室長 ありがとうございます。事務局でございます。
 今、大学病院本院のあり方について地域性に分けて議論ということでいただいていて、特定機能病院のあり方検討会のほうでも、まさに御指摘いただいた基礎的基準と発展的基準、またその中で、基礎的基準であっても医師の派遣についてもこういう場合と、ある程度地域を想定しながら議論が進められているものと承知しております。医療機関機能として、明示的に今ある八十幾つかの大学について3つの類型に分けてということをするかどうかというのは、また整理させていただければと思いますけれども、少なくとも地域性を考えずに大学病院は全てこういう機能だということには現実いかないと思っておりますので、そういう観点も踏まえながら整理していければと思っております。
 あと、もう一点、先ほど御説明をし忘れていたので、参考資料1で土居先生、本日御欠席されているので、意見書というものを出していただいているので、簡単にだけ御紹介させていただきます。
 このガイドラインに関する意見としまして3つ観点をいただいて、慢性期の需要等の把握に介護レセプトデータも活用をということと、2点目として、地域医療構想・医療計画と介護保険事業支援計画との連携を取ることと、3点目としまして、医師確保にも地域医療構想調整会議を活用するべきではないかといったような御意見をいただいているので、こちらの御紹介だけさせてください。
 以上でございます。
○遠藤座長 岡構成員、よろしいですか。
 それでは、今村知明構成員、お願いします。
○今村(知)構成員 今村です。3つほど意見と質問ということでお願いしたいと思います。
 まず、39ページから41ページにかけて、先ほどの議論もありましたけれども、大学病院が30万以下の人口である場合にちょっと別枠ですよということ書いていただいたのは本当にありがたいことだと思います。その上で、やはり20~30万人の実際の地域を見てみたときに、1つを目指すという理想としては、私は賛成できるのですけれども、現実、市民病院、国立病院、共済病院、労災病院とかが並んでいて、これが本当に1つにできるのかなというのは難しそうだと思う地域がたくさんあるので、目標として定めるという話と、現実問題どこに落としていくのですかということはちょっと分けて考えないと、全て1つを目指さないと駄目だということになると、かなり混乱が起きると思います。
 2つ目として、48ページで訪問看護ステーションのことを書いていただいて、ぱっと見たときに、どんどん潰れているから問題だというふうに見えたので、ちょっとコメントさせいただきますと、もともと訪問看護ステーションは介護保険のほうから出ているので、民間企業と同じような潰れ方をするところなのですね。ですので、1,000個できたら500個潰れるというような状態が最初の頃はあって、今、それがちょっとずつ残存率が上がっていっているような状況だと思います。だから、たくさん潰れていることは事実なのですけれども、たくさんできているので、どちらかというと新陳代謝が進んでいるというような理解をいたします。ただ、医療界から見たら、医療機関がこんな率で潰れるというのは普通はない話なので、医療界から見たときの違和感というのはあるのだろうと思います。
 ですから、ここがどんどん潰れないようにしなければいけないというふうな話でもないと思うのですが、実際に小規模なところが潰れていて、大規模なところが生き残っているので、望ましい形にはなっていっているのではないのかなと思っています。
 もう一つ、最後ですけれども、69ページから70ページ以降にかけて協議の場ということで、今回とりまとめ案を出していただいていますけれども、かかりつけ医の協議の場をまさに今つくろうとしているところでして、今回ここで議論になっている協議の場というのは、介護との連携や在宅医療ということですので、まさにそのかかりつけ医の協議の場と重なるところがあります。こちらのほうの議論として、協議の場の設定を新たにつくるというよりは、今まさにここ半年ぐらいでつくろうとしている在宅と介護連携との協議の場がありますので、そことそごがないようにしていかなければいけないと思いますし、かかりつけ医の議論の際にも申し上げたのですけれども、基本的に私は、郡市医師会単位で議論ができるのが、介護にとってもかかりつけ医にとっても在宅にとっても一番いいと思っております。なかなか報告書の中に郡市医師会単位というような表現は入れにくいのかもしれませんが、現実、市町村単位では細か過ぎますし、二次医療圏単位では大き過ぎる。そして、外来やかかりつけ医のことを考えると、医師としてひとまとまりの集団である単位が一番望ましいと思います。
 以上、もしコメントがあれば、ぜひお願いしたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 御意見ですけれど、もし事務局で何か関連コメントがあれば承りますが、よろしくお願いします。
○九十九保健医療技術調整官 医政局総務課の保健医療技術調整官の九十九と申します。
 貴重な御意見をありがとうございます。まさに今いただいた御意見に関しましては、事務局資料の54ページでも指摘されているような都道府県の負担が今後増えていくというところの懸念かなと思います。医療法上、かかりつけ医機能報告に係る協議につきましては都道府県が開催することとなってございます。しかしながら、都道府県が必ずしも市町村単位で個々に協議の場を立ち上げなければならないといったところでもございませんので、趣旨としましては、都道府県及び市町村が連携して、例えば都道府県がかかりつけ医機能報告に係るデータ等を市町村に共有したり、あるいは反対に市町村が在宅医療・介護連携等に係る協議の場における課題、そういった協議結果等を都道府県に報告するなどを考えておりますので、こちらに関しましては、地域の実情に応じまして既存の協議の場も活用しながら議論を進めて頂きたいと考えております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
○今村(知)構成員 ぜひ、そごがないように進めてもらいたいと思います。
○遠藤座長 それでは、会場の方でほかにいかがでございましょうか。
 望月構成員、お願いいたします。
○望月構成員 3点ほどありますのでお願いいたします。
 まず、22ページ、23ページで、いつも出る医療機関機能の考え方のところなのですけれども、これは人口別に分類して、大都市、地方都市、人口の少ない地域とありまして、この区分けはこれでいいと思うのですけれど、急性期拠点機能を定量的に分類していこうというような考え方もあるのではないかと思います。次のページを見ると、23ページに救急車の受入件数とか全身麻酔手術件数等、具体的に急性期の機能が出てきていますが、これを一律、例えば2,000台の救急車とかに決めてしまうと、地域によってとても無理ということが起きますので、ここは本当に慎重に、地域の実情に合わせた定量的な指標を入れるのであれば、ぜひとも慎重に進めていただきたいと思います。
 それから、医療と介護の連携のところで、59ページ、60ページの辺なのですけれども、59ページには救急搬送件数の見通しが出ていまして、こんなに伸びてくるのでは非常に大変ではないかなと思うわけです。そして、60ページに死亡場所の割合の推移というグラフがあって、2022年は少しずつ介護施設等での看取りが増えてきているということで14.9%となっています。
 実は私も特別養護老人ホーム、特養の嘱託医をしていますが、以前は亡くなりそうになると救急車に乗せられて、施設から病院に運ばれるのです。私もかつて急性期病院に勤務していましたが、ここは何とかしなければいけないなといつも思っていました。嘱託医になり、施設での看取りを進めましょう、あとはACPの考え方もありますので、そういったことで取り組んだところ、昨年度はたった1例だけ病院に搬送になりましたけれども、残りの30名の方は施設で看取れるようになりました。
 そうすると、救急搬送の数も、ふだんから救急車で運ぶということもあまりなくなるのですね。施設で点滴ぐらいできますので。これは何かそういう指標も載せていただきながら、ACPの考え方もさらに進めていけるような、看取りというのをしっかり取り組めるようなデータを出していただきたいなと思うのです。難しいかもしれませんけれども、看取り率は出せると思うのです。ぜひそういった方向で、ただ増えますではなくて、こんなに増えてしまってはとてもではないけれども太刀打ちできなくなりますので、90歳を過ぎた認知症の方が病院に運ばれるというのは急性期病院にとっても大変な負担になりますし、そこを避けると言うか、この辺を誘導できるような資料も欲しいなと思います。
 最後に、74ページのガイドライン策定のところなのですけれど、この前から問題になっております構想区域の設定のところで、区域の設定、データの共有とあるわけですけれども、実は地域では、第8次医療計画が1年前から先行しています。私の住む岩手県でも、第8次医療計画で、もう9つの二次医療圏ではとてもできませんということで、5疾病6事業をそれぞれ考え、例えばがん医療は5つの圏域でやりましょうとか、周産期はもっと大変、医師がおりませんので、4つの圏域でそれぞれの拠点病院をつくってそこでやっていきましょうとかいうことで、既にそういう取組が始まっています。ですから、構想区域の設定を二次医療圏でやるということはもうありえませんので、ぜひフレキシブルにこの構想区域を、もう既に取り組んでいる地域の状況も取り入れながら考えていってもらえればいいなと思います。
 以上3点です。
○遠藤座長 ありがとうございます。御意見、御要望だと受け止めさせていただきます。
 それでは、猪口構成員、お願いします。
○猪口構成員 今回の資料には非常に東京を特出しでお話しいただきまして、どうもありがとうございます。特に9ページ、10ページでは、東京が1つの医療圏として完結していると示していただきましたが、そのとおりなのですが、なぜかそれは見せかけ上という言葉をつけてありまして、1つにすることは望ましくないというふうに結論づけられている。こういったことに多少違和感を覚えますので、認識の相違があると思いますので、意見を述べさせていただきます。
 東京都を1つの医療圏と考えた場合に広域と表現されておりますが、実際の面積については述べられておりません。東京の面積は2,178.22平方キロメートルで、全国の二次医療圏の平均1,061平方キロメートルの約2倍の面積しかございません。この狭い東京に1300万人が居住しており、23の特別区のほか、26市5町8村が存在します。これは戦前の街道・宿場町などを基にしながら行政区分を行って、それをほぼ踏襲しているものですけれども、戦後80年が経過する中で、鉄道をはじめとした交通網が発達して居住地区がボーダーレスに広がり、今や1つの都市となっていて、そこに境界線を引くことは、本当は難しくなっていることは8ページの図を見ても明らかです。
 1985年の地域医療計画が始まったときに、行政自治体単位で13の医療圏に区切られましたが、区部医療圏の平均面積は全国の平均の10分の1以下の88.4平方キロメートルしかなく、一つ一つの二次医療圏が小さ過ぎて、二次医療圏にとどまり切れずに患者の流出入が多いことは、9ページ、10ページにあるとおりです。
 都民のほとんどが東京を1つの医療圏と思っています。東京で働いている医療人も1つの医療圏と考えています。区南部、区西南部、西北部、東北部、東部の患者が区中央部や西部の大病院を受診することは、通勤圏・通学圏の日常生活圏の範囲で病院を受診するだけのことで、遠くに行くと感じてはおりません。また、奥多摩を含む西多摩医療圏に住んでおられる方が北多摩や区部を受診することを、他の医療圏に通うのは大変だと思ってもおりません。狭い東京では、必要な医療を自由に選択することこそが大事であり、発達した交通網によってアクセスに困ることはありません。つまり、都民も医療人も、東京都は1つの医療圏であると実感しているのです。
 次に、基準病床数について述べます。実態として1つの医療圏を小さな13の二次医療圏に分割した上で、それぞれの基準病床数を算出していますが、区中央部では7,600床、区西部では約1,500床も既存病床が基準病床を上回っております。逆に、他の二次医療圏は病床が足りないと計算されており、実は都全体の基準病床数を上げると10万3966床、既存病床は10万4687床ですから、既存病床のほうが721床多いと計算できます。一方で、基準病床数に対し既存病床が少ないとされる圏域の不足病床数を合計すると8,740床にもなり、このため東京では、区中央部、区西部以外では、新規病院開設希望が後を絶たない状況です。
 1985年以来、東京は現実とは合っていない二次医療圏のために病床が不足していると計算され、過当競争を強いられてきました。看護師をはじめとする医療人不足の状況で、新規病院が開設されれば、結局どこかの病院がとばっちりを受けて閉院し、1985年以来、東京では、一気に病床の偏在が解消されたなどということはありません。このままの二次医療圏を続けるならば、病床を増やし続けるということになります。
 東京には、ない医療機能もありませんし、病床は足りていて、そういう状況の中では連携こそが本当に大事です。それを話し合う地域医療構想調整会議や5疾病・6事業などの医療計画は二次医療圏ごとに開催されますが、実態に即していないため、どの会議も不満が噴出しており、地域医療構想に対する東京の医療人のストレスは極まっております。ぜひとも東京都は例外的だと、それで済ますような制度設計はごめんでありまして、それをきちんと包含したような制度設計をお願いしたいと思います。
 39ページ、ポチ2つ目の表現は直していただきたいし、40ページの点検のためのデータには、二次医療圏の面積や、それから急性期拠点病院、救命センターへのアクセス時間も加えてはいかがでしょうか。
 次に、急性期拠点機能の病院と高齢者救急・地域急性期機能の病院の地方都市、それから大都市における役割分担です。41ページ、人口の少ない地域の書き方では、急性期拠点が様々な役割を果たすことが望まれているように書かれていますが、地方都市、大都市において大学病院等の大病院が積極的に二次救急を受けることを経営改善策にしているということをよく耳にします。高齢者救急・地域急性期機能の病院の患者を吸収するような状況が大病院によって続きますと、二次救急病院が経営破綻していくということも起こります。結局、大病院のみになって、地域のアクセスが悪くなるなどということは避けたいところです。都市部での救急の役割分担を明確にしていただきたいと思います。
 また、25ページの特定機能病院ですけれども、同一法人の医療機関についてあまり評価しないという記載になっています。もしその大学病院の分院がなければ、恐らく多くの地方において、医師少数地域に転落してしまうというところも多いのではないかと思います。分院の存在がないと仮定したらどうなるのかというような評価も一考だと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。問題提起をしていただきましたけれども、これは御意見ということで、特段事務局のコメントは必要ですか。
 それでは、お答えできる範囲で結構ですので、東京の特異性等々の話がいろいろございましたので、何かコメントがあればお願いしたいと思います。
○堤室長 ありがとうございます。御意見として東京について、今回、既存の医療圏を所与とするというつもりはございませんでしたけれども、複数ではなくて単独で設定するという御意見として受け止めました。
 その上で、先ほど39ページ目の資料の修正ということでいただいたのですけれども、具体的にどの箇所について、人口の規模が大きい地域についてというところでしょうか。
○猪口構成員 そう。ポチ4つ目ですね。そこの部分です。東京などの極めて人口の多い都市と東京を特出しでいろいろ挙げられて、偏在の懸念があるというのだけれども、今現在が偏在しているのですね。それを二次医療圏に縛りつけているというふうにも考えられるし、さらには、もっともっと病床をつくらなくてはいけない状況をつくられてしまっている。病床は本当はそんなに多くしたくないはずだなと思っているところなのに、東京では、二次医療圏による基準病床で増やさなくてはいけない状況が逆に生まれているのですね。ここを何とかしてもらいたいと思っています。
○堤室長 承知しました。基準病床という制度自体の趣旨ですとか、設定として二次医療圏で設定するというものもありますし、一方で、そうがゆえに、今先生から御説明いただいたような懸念も実際の課題として起こっているということもよく理解できましたので、制度上でできることと運用上でできることを整理しながら、また引き続き御議論いただければと思います。
○遠藤座長 ほかにいかがでしょうか。
 それでは、坂本構成員に先にお願いします。それから玉川構成員の順番でお願いします。
○坂本構成員 日本医師会の坂本でございます。3点意見がございます。
 1点目が45ページでございます。慢性期の需要の把握について、分析結果を新たに示していただいております。在宅医療、介護保険制度に関しては全国的に相対的な数値が必要かと思っております。日本医師会総合政策研、日医総研では「地域の医療介護提供体制の現状―市区町村別データ集―」というのを取りまとめております。各都道府県の在宅医療利用者数、介護保険施設定員数、全国値に対する偏差値をデータとして示しております。報告書を公表しておりますので、ぜひ参考にしていただいたらと思っております。また、数値化は難しいと思うのですけれども、連携している施設の地理的距離に関する傾向を踏まえて必要になっているかと思っております。
 次に2点目、55ページであります。今後、医療と介護の連携は非常に重要になってくるということでございます。現在、厚労省で「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討会が行われていると思います。そのとりまとめも踏まえた議論も大事になってくると考えております。その中で、市町村の介護や社会福祉の構想、協議する場の設定が必要とされております。新たな地域医療構想でもそうした市町村の協議の場を活性化するために、都道府県による支援が必要かと思っております。
 3点目は80ページ、最終ページでございます。病院経営の比較評価の観点が含まれておりますが、病院経営に関する各資料については、なかなか経営者でないと正しく理解できないことが想定されます。健全経営の担保を前提とした協議に向けて実効性を高めていただきたいということと、協議の場に出席されている委員の方が理解を十分できるように配慮をお願いしたいということと、単に医療機関の経営や人材確保を比較評価するだけでなく、必要な財政的支援措置も併せて考えるべきであると思っております。
 以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。御意見として承りました。
 それでは、玉川構成員、お願いいたします。
○玉川構成員 ありがとうございます。私のほうは、都道府県の立場から大きく4点コメントをさせていただきます。
 事務局におかれては、困難な作業に改めて敬意を表します。その上で、大変申し訳ありませんが、重要なフェーズとなりますので、最初の2つの項目だけはコメントをいただけたらありがたいと考えております。
 1点目は、ガイドラインの検討に当たってのガイドライン自体のPDCA、振り返りの必要性です。前回の構想と異なり、今回の構想は実際の運用が進められており、検証も一定程度は可能だと思います。都道府県は、医師会や病院など様々な現場の関係者と共に調整に当たっておりますが、現時点における検討においては、実務の情報や認識といった部分について、まだ乖離があると感じられます。例えば、71ページ目のまとめた意見に対する79ページ目の複数案での対応というような点に関しては、恐らく認識のレベルにちょっと差があるように思っています。
 私自身、多くの分野の行政計画にこれまで携わってきましたが、地域医療構想は、行政自身の事業ではなく、いわば業界自体の再編を伴うはるかに難易度が高いものです。地域の行政、医療関係者が困ることなく成果が生まれるようなガイドラインをつくるためにも、レベルは低くて結構ですので、実務を重ねた都道府県と意見交換を行っていただいて、課題や改善方策の洗い出しということを、簡単で結構ですので行っていただければと思います。そして、その情報を、この専門家の皆様がいらっしゃる場で共有することで、より深い議論が可能になるかと思います。
 2点目です。議論を深めるための将来像の共有になります。新たな構想で前提としますバックキャスト、これに関して少し記載が分散しており、課題と施策の対応関係がなかなか確認しにくい状況になっています。地域における議論で一番大事なのは、自然体での将来の予測、そこで生じる問題や課題、それを克服するための目指すべき将来像、これを分かりやすく示すことが、異なる立場の方が力を合わせる上で非常に重要になります。私どもが昨年度の5月20日に報告した際にこの点に触れましたが、やはり自然体の未来と目指すべき将来像のギャップの中に、真に取り組むべき施策が浮かび上がって、関係者の納得ということも高まると思います。
 2040年に向けたサービス提供体制等のあり方検討会では、そういった点もまとめていただいており、今回も資料をつけていただいておりますので、簡単で結構ですので、3地域の将来像のイメージというものを提供いただければ、そういった課題との整理ということが非常に結びつくと思います。いずれそれが、国が示す医療のビジョンや国民に示す理解を求めるための資料にもなると思いますので、その点についてお願いをいたします。
 3点目、個別になりますが、41ページの医療機関機能についてです。こちらについては今ほど申しましたように、前提となる社会像と施策の突き合わせが難しいところがありまして、現時点で賛同が難しいような状況があります。その上で、現在の課題として4点ほど挙げさせていただきますが、急性期拠点機能については、やはり定義がちょっと曖昧なところがあるかと思います。通常の二次救急、大学以外の民間病院も三次救急を行っておりますが、それらの違い。救急以外の高度医療機能、大学病院とのすみ分けなどがまだ判然としない中で、人口に応じた必要数という議論を詰めるのはなかなか難しいのではないかと思っています。
 2点目としては、「確保しうる」の考え方のところですけれども、これが最低限、確保・維持という意味合いと、劣後する病院を除外して1つを指定という意味では全く意味合いが違ってきますので、その点の整理もしていただければと思います。
 また、集約化については、人口の少ない地域のみ記載がありますが、集約の必要性の議論というのはこの地域に限るものではないかと思います。考え方の整理を行っていただくとともに、この点については目安の規模感をほかの地域に示されているので、個別に集約化の記載が必要なのかどうかについても含めて、検討をお願いできればと思います。
 3点目は、高齢者救急・地域急性期機能、在宅支援の機能について、将来像とのずれが少し垣間見えるところがあります。高齢者が増加する大都市部では、この分野は厚みのある体制確保が非常に必要になります。内科的な高齢者救急や在宅への支援対応も厚み、バリエーションが必要になります。また、人口が少ない地域では、現在記載されていませんが、在宅を担う診療所への支援ということも当然必要になりますが、そういった厚みに関する記載が欠けているのが現状と思っています。問題意識は持っているはずだと思いますので、その点の整理をお願いできればと思います。
 また、1ページの資料でこれを包含してくのは実際、非常に難しいところと思いますので、必要に応じて、この医療機能に応じたページとして深掘りができるような資料作成をいただければありがたいと思っています。
 4点目、介護との連携に関して、今回地域特性を、市町村と都道府県との違いを含めて検討いただいていることに感謝いたします。これに関して特に重要なのは、厚生労働省内での政策レベルでのすり合わせだと思います。具体的には、各論の前に2040年に向けた時代認識、課題、対応方向について、介護と医療ですり合わせが行われているということが何より重要です。老健局の堀課長のチームでは、地域医療構想の議論を随所に意識して対応いただいているところでありまして、我々も恐らくそうだと思いますので、そういった共通課題の明確化をしていただければ、対応した具体の取組が可能になると思います。
 また、今回、概要版をつけていただきましたが、詳細版についても、ぜひ構成員の皆様にも、事務レベルで結構ですので資料提供をお願いいたします。
 ちょっと長くなって恐縮ですが、最後に実務的なお願いです。やはり前提データの資料はかなりエネルギーをかけてつくられておりますが、最後のまとめに結びつく課題を構造化した視点、そして課題と対応策の対応関係を示した資料、それがあると、議論の深掘りが可能になると思います。資料の作成のウエイトについて、最後のまとめに近い部分へより力点を置いたまとめ方については、可能な範囲で検討いただければと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは、事務局、お願いいたします。
○堤室長 多岐にわたる御意見をありがとうございます。
 まず反省としまして、資料作成等については、なかなか我々の事務能力の限界もありますので、いただいた点については留意しながら進めていきたいと思っております。
 幾つか、例えば医療機関機能の整理などについて御意見、御指摘いただきましたけれども、これは今、ガイドラインの作成に向けて議論をどういうところから始めるのかというのは、恐らく正解がない中で、いろいろな観点から区域がどうか、医療機関機能がどうか、医療と介護の連携というふうに様々分けながら統合して議論していただく過程にあるのかなと思っております。その中で、医療機関機能についても、それが現に、恐らく、我々としてもやはり甘えとして去年の検討会の内容を所与としてやっているところもあって、それが結果として分かりにくいという御指摘なのかなと受け止めましたので、この内容というか、どういう形で御提示しながら議論を進めていけばいいのかというのは、ちょっと相談しながら進められればと思っております。
 そうした中で、今、意見交換の場といいまして、我々はどうしても都道府県さんに対しては一方的に我々の資料を見ていただくということになりがちですので、ぜひそういう場を設けて、まず都道府県からどう見えているか、もしくはこういう議論をすべきではないか、こういうデータが必要ではないかみたいなことをお示しいただくような場を一度設けられればと思うので、また御相談させていただければと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、会場であとお一方ぐらい御意見を承ります。
 それでは、東構成員、お願いいたします。
○東構成員 ありがとうございます。全老健の東でございます。4点意見を申し上げます。
 まず1点でございます。資料1の69ページ「介護との連携について(案)」のところを見ますと、重要な今後の医療課題である看取りについての記載がございません。一方、資料1の60ページには死亡場所の割合の推移の資料が示されております。2005年を分岐点として、医療機関での死亡つまり看取りの割合は年々減少しており、介護施設等の看取りが増加していることが分かります。これは主として老健施設や介護医療院が担っていると考えられますが、今後、高齢者多死時代を迎えるに当たり、ワーキンググループにおける議論において看取りについても取り上げていただければと思います。
 次に、資料1の61ページには「高齢者の退院に向けた課題」ということが示されております。高齢になるほど同じ疾患でも在院日数が長くなっており、その原因の1つとして認知症の合併というものが指摘されております。さらに、資料1の67ページには回復期リハビリ病棟と地域包括ケア病棟の入院患者における認知症高齢者の割合が示されております。認知症が中重度と思われるランクⅡからランクⅣの方が回復期リハビリ病棟におきましてはトータルで38.1%、地域包括ケア病棟においても34.4%とかなり多くを占めていることが分かります。また一方、同ページの右側にも示されておりますように、老健施設におきましては活発なBPSDを伴う認知症を有する方に対して、様々な医療行為を提供しながらリハビリを提供することができるわけでございます。
 昨年12月の「新たな地域医療構想に関するとりまとめ」の中のリハビリテーションの箇所で、「リハビリテーションにつきましては、入院での早期のリハビリテーションや集中的なリハビリテーションが効果的な場合は入院でのリハビリテーションを提供しつつ、それ以外の場合には、介護老人保健施設等の他施設とも連携しながら、適切な場でリハビリテーションを提供することが求められる」と記載してございます。
 資料1の69ページ「介護との連携について(案)」には、今後、具体的な事項についてはワーキンググループで検討することとしてはどうかと書いてございますので、そのワーキンググループにおいて、急性期病棟からのトリアージ先に老健施設をきちんと位置づけるように今後検討していただきたいと存じます。
 3点目でございます。資料1の66ページに「介護老人保健施設等における在宅療養支援機能について」、短期入所療養介護における総合医学管理加算、いわゆる通称、医療ショートの資料が出ております。これは在宅における認知症のある要介護高齢者に軽度な医療ニーズが発生した場合の受け皿としてとても重要な機能だと私は思っておりますが、残念ながらかかりつけ医等の認知度がまだ低く、現状の算定率も低いものとなっております。十分に活用されているとは残念ながら言えません。以前の新たな地域医療構想等に関する検討会の資料でも、高齢者の救急搬送で搬送後の医療資源投入量の少ない方の搬送が多いというデータも出されておりました。今後、そういう軽度な医療ニーズの要介護高齢者が急性期病院ではなく老健施設の医療ショート等へトリアージができるようになれば、医療費の削減にも資するのではないかと考えます。
 最後に、資料1の69ページの3つ目のポツのところに高齢者救急のことが書いてございます。先ほど望月先生からもお話がございましたが、資料1の63ページにACSCの考え方が示されております。昨年の会議において、私もプレターミナルACPという言葉で提言をさせていただきましたが、患者の状態を評価したうえで、今後の医療介入の度合いを事前に協議して決めておくというACSCの考え方とほぼ同一であります。ACSCを行うことで、本人や家族も望まないような救急搬送や入院を防ぐことができるのではないでしょうか。今後、この点についてもぜひ議論を深めていただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。御意見として承りました。
 それでは、お待たせしました。オンラインに移りたいと思います。
 それでは、鈴木構成員からお願いしたいと思います。
○鈴木構成員 御指名いただきどうもありがとうございます。マギーズ東京の鈴木と申します。私からは2点あります。
 まず1点目なのですけれども、私は患者経験の立場として参加させていただいていますけれども、まず本当に医療へのアクセスが大切だと思っています。13ページに様々な取組を列挙していただいていましたが、オンラインの活用を含めて包括的にニーズに合った医療へのアクセスを維持できるように検討を続けていくべきだと考えています。また、医療へのアクセスといっても、ただ近くに病院があればいいということではなくて、どこに住んでいてもアクセス可能な範囲に、多様な症状に対応できる機能が集約した高度医療を提供できる場所があるという状況をつくるほうが、いつ患者になるか分からない市民にとって、安心して暮らしていけると思います。
 2点目、地域の中で合意形成を図っていく際に、医療・介護の多様なステークホルダーで調整会議を行うということはもちろん大事な上で、地域の市民へ分かりやすく、この構想の改革の必要性も伝えて、理解してもらうということも忘れずにお願いします。
 私からは以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、伊藤伸一構成員、お願いいたします。
○伊藤(伸)構成員 ありがとうございます。日本医療法人協会の伊藤でございます。
 私からは、まずお尋ねを1つと要望を3つほどお願い申し上げたいと思います。
 最初は、今、各構成員からも御発言がありましたけれども、地域における大学病院の機能というのは非常に重要なものでございまして、その機能においてもう少しデータの詳細な分析が必要ではないか。そうでないとなかなか協議の場に上らないのではないかということからいうと、29ページに救急搬送の件数を示しておられますけれども、本当にその高次救急機能に特化されているかどうかということを見極めるためにも、救急搬送の内訳、年齢、重症度、疾病分類、これは必須のデータだと思いますので、ぜひこういうことを挙げるべきではないかということをお尋ね申し上げたいのが1点。
 それから、要望として、22ページ、医療機能の考え方でございますけれども、急性期拠点病院で医師の派遣という機能がついてございます。ただ、一般的な三次機能を有する市中の病院では、現実的には大変難しい機能でございまして、この機能を整備するために何か具体的な対策があるのか、それをお示しいただきたいという要望でございます。
 同じ22ページ、多くの民間急性期病院です。これは高齢者救急・地域救急に位置づけられるのだろうという推定しますけれども、病院の多い都市部では、ある程度の急性期機能を有する24時間対応ERの病院から、内科系救急を担う幅広い病院、これが今後、地域急性期病院となるのだろうと推察をします。それで、病院機能としては広範な役割を担うことになることから、名称はともかく、医療提供の実態として、高機能型の地域急性期と一般型の地域急性期の区別が何らか必要になるのではないかと考えるところでございます。
 もちろん、3ページにあります黒丸7つ目、地域の実態を強調し過ぎると方向性がぼやけるということは十分に理解をしておりますけれども、搬送等の実態を考えますと、先ほど申し上げたような医療機関機能の分類、区分というのは非常に重要ではないかと考えるわけで、これをぜひお考えいただきたいという要望でございます。
 さらに、急性期拠点病院の役割ということを考えますと、過疎地域での救急全般への役割を担う必要性、これは非常に重要だと思いますけれども、特に都市部において、急性期拠点病院では高齢者も含めて高度な手術とか治療が必要とされないような症例に関しましては、極力対応を控えていただくこと、高齢者救急・地域急性期機能病院へ下り搬送するようなルールづくりが地域医療の効率的運用に必須になることを明記すべきではないかと考えております。
 さらに、39ページにございます拠点医療機関の数の問題、これが取り上げられて協議をするようにということで書かれておりますけれども、同時に求められる規模の問題も検討すべきではないかと考えております。
 それと、最後の要望でございますけれども、今回の資料には出ておりませんが、他のワーキンググループとの関係性において介護施設との連携について、在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループでの検討を早期に開催することで、在宅医療等、医療の連携機能の具体性がよりはっきりすることで整備が進むのだろうと思いますので、好事例の提示等も参考にして進めていただきたいという要望でございます。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、御要望でしたけれども、一部御質問もありましたので、事務局、お願いいたします。
○堤室長 事務局でございます。
 29ページ目のところで大学病院本院の医療提供状況、今回は救急医療のものしか用意してございませんので、次回以降用意したいと思います。
 そうした中で、救命センターとして届け出ていただいているところに関して、一定の重症度みたいなデータはございますけれども、我々も用意できるもの、できないものがございますので、できる限りで御準備はさせていただければと思っております。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、お待たせしました。瀬古口構成員、お願いいたします。
○瀬古口構成員 日本歯科医師会の瀬古口でございます。
 前回、この医療機関機能について、特に在宅医療等連携機能においては、多職種で連携して在宅医療を支える体制の構築が重要と考えて、歯科医療機関を含めた多職種の確保すべき機能についても協議して盛り込むようにしていただきたいというふうに発言をしております。また、医療従事者の確保については、ガイドラインには、多職種連携に係る記載は不可欠だと考えております。歯科医療提供体制に関わる検討が遅れてはいますけれども、ガイドラインには、歯科医療提供体制の確保に関する事項を含めて、関係他職種に関する事項についても確保すべき機能に基づく必要な体制確保の方策は実施可能なように反映していただきたい。
 また、これらを受けまして、事務局におきましては、当然この在宅医療も含めて病院や診療所、訪問看護ステーション等だけで完結するものではないと思っており、薬局あるいは歯科診療所等を含めて様々な医療を提供する主体と連携しながら、在宅を含めた地域医療を支えていくことが非常に重要であると。具体的にどういう形でガイドラインに反映させるかということは、これから検討する必要があるけれども、重要性を否定するものでないということで言及をされております。
 これを踏まえますと、40ページ、区域の点検と見直しに当たっての観点とデータの案に、点検のためのデータとして医療機関数や医師数が示されておりますけれども、多職種については触れられていないのですね。等として例示されていることは理解しておりますけれども、明記されているのとされていないのでは、及ぼす影響が全く異なると思います。地域医療構想の調整会議とか地域医療構想策定ガイドラインの検討の際にも関わっているということで、歯科医療機関とか歯科医師数についてもぜひ追加をしていただきたいと、ここは答えを聞きたいです。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございました。御意見、御要望として受け止めさせていただきました。
 それでは、お待たせしました。荻野構成員、お願いいたします。
○荻野構成員 ありがとうございます。日本薬剤師会の荻野でございます。私からも1点コメントをさせていただきたいと思っております。先ほど歯科医師会の瀬古口構成員からもお話がありましたけれども、関連するところが多うございますが、お許しいただきたいと思います。
 まず、医療・介護の連携についてのコメントでございますけれども、50ページ以降でお示しいただきましたとおり、慢性期の医療・介護の需要等については、提供の場、サービスに応じて的確に把握することで都道府県、地域においては、その需要を踏まえた医療体制、介護体制の整備や、医療・介護連携等が一層進展するものと期待されているところです。
 その上で1点、薬剤師の視点で申し上げますと、都道府県、地域においては、在宅医療に関して訪問診療及び訪問看護で把握された需要に対し、構想区域単位で在宅医療をいかに供給・提供するかという議論になると思いますけれども、その検討においては、薬局における薬剤の供給・提供の点もセットで議論するべきだと考えております。そのためには、訪問薬剤管理指導の提供も含めた薬局・薬剤師の体制、つまりは地域における医薬品提供体制もセットで把握しておくことが必要であるため、新たな地域医療構想のガイドラインにおいて、都道府県が把握すべきデータとして薬局・薬剤師に関しても記載をいただきたいと思います。御検討のほどよろしくお願い申し上げます。
 私からは以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、橋本構成員、お願いいたします。
○橋本構成員 よろしくお願いいたします。日本看護協会の橋本でございます。どうもありがとうございます。私からは、区域・医療機関機能と、医療と介護の連携につきまして3点意見を述べさせていただければと思います。
 まず、区域・医療機関機能についてです。医療従事者の確保の課題につきましては、これまでも多くの構成員の方から御意見がありましたが、看護職についても同様であり、確保策の1つとして、今回、資料36ページ目にお示しいただきましたような都道府県や都道府県看護協会と大学病院本院が連携した看護職出向などの取組が進められており、成果が出ているところでございます。
 また、本会が実施しました情報収集では、都道府県行政と都道府県看護協会やナースセンターが共通の問題意識を持ち、連携して地域の医療提供体制の構築、看護職の確保や偏在対策に取り組んでおります。現在でも26都道府県看護協会が、専門性の高い看護師を地域の他施設へ支援する活動の調整機能を担っており、看護職の出向についても、18都道府県が調整機能を担っていることが明らかとなっております。
 このように、看護職の確保に向けては、各施設での確保という従来の考え方を超えた地域全体を面として捉えた、より広域な観点で取り組むことが必須と考えております。
 資料37枚目にもお示しいただいていますように、大学と連携した取組を協議・検討したいと考える都道府県も一定数存在していることなどを考えますと、この都道府県と大学病院本院間での取組については、ぜひ広域な観点での医療機関機能として整理していただくことが重要かと考えます。
 次に、医療と介護の連携についてです。医療機関と介護保険施設の連携の具体的な事項については、ワーキンググループで検討されるということで全く異論ございません。今回、資料64枚目にお示しいただいていますように、病院に所属する専門性の高い看護師が地域の介護施設等に対して訪問等による支援を実施している実態があり、その結果、介護施設の対応力が向上し、高齢者の救急搬送の減少等の成果も実際に見られております。本会が行いました調査では、今地域での活動を行っていないという専門性の高い看護師も含めて、全体の94.1%が地域での活動を行いたいと回答しています。しかし、現実には地域での活動ができないことが多く、地域の他施設に対して支援をすることが病院の機能の1つとされていることや、地域全体で相互支援や役割分担に関する協議ができていれば、そういったことが可能になるという意見もいただいているところです。
 地域の医療提供体制の中で、それぞれの役割を明確に整理しながら、具体的な連携方法について検討し、取り組むことが非常に重要であると考えておりますので、参考となるような様々な知見を集積して、ぜひ共有できるようにしていただければと思っております。
 最後に1点です。介護老人保健施設等における在宅療養支援機能について、資料をお示しいただいております。医療と介護の複合ニーズを抱える高齢者が増えていく中で、医療処置等を実施する介護保険サービスの活用も含めて、慢性期の需要に対する医療提供体制の整備を進めることは重要と考えております。今回、資料66枚目にお示しいただきましたように、入院までは至らないものの、不安定な状態にあるときに、様々な処置やケアをしようとする際、介護老人保健施設や看護小規模多機能型居宅介護等が在宅療養支援機能を発揮することで、住み慣れた場での生活を維持することもできます。医療ニーズのある利用者を中心に対応している看多機も多く、介護老人保健施設や看多機等も含めた支援体制の構築が重要と考えております。
 以上3点、意見でございました。ありがとうございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。御意見、御要望として承りました。
 瀬古口構成員、挙手しておられます。
○瀬古口構成員 すみません。先ほど言ったのは要望ではなくて答えをお願いしたかったのですけれども、40ページの区域の点検のところにおいて、そこで多職種について触れられないで、等とされているのですけれども、地域医療構想調整会議とか地域医療構想ガイドラインの検討の際に、そこに載っているか載っていないかということで大きく変わってきますので、歯科医療機関数とか歯科医師数、薬剤師の数もそうですけれども、ここに追加をしていただけるのかどうか、これをお答えいただきたいと思います。
○遠藤座長 そのような御要望に対して、事務局としてのお考えを。
○堤室長 ありがとうございます。医療機関機能ですので、申し訳ありませんが、医療のことが多くなってしまいましたけれども、先ほど薬剤師会の先生からもいただいたように、そういった点も漏れなく反映させていただければと思います。
○遠藤座長 瀬古口構成員、よろしいでしょうか。
○瀬古口構成員 ありがとうございます。
○遠藤座長 どうも失礼いたしました。
 それでは、今、オンラインでお手を挙げておられる方はいらっしゃいませんので、再び会場に戻りたいと思います。先ほど櫻木構成員がお手を挙げておられましたので、櫻木構成員からお願いいたします。
○櫻木構成員 ありがとうございます。日本精神科病院協会の櫻木です。私のほうからは2点お話をしたいと思います。可能であればお答えをいただければと思います。
 1点目は、構想区域の点検と見直しという点です。特に12ページでは、人口の少ない地域における構想区域の見直しの例ということで、広域化ということが言われています。従来の構想区域の考え方は、人口規模にプラスして面積であるとか、あるいは拠点病院へのアクセス、この辺も考えて一体の医療圏として現在の構想区域が出来上がっていると考えているわけです。ですから、広域化ということになると、幾つかの問題が解決されないことになりますので、急性期拠点機能を何とか確保して、できるだけ広域化ということで解決をしないというふうにお願いできればと考えています。
 それから2点目、医療と介護の連携について御説明をいただきましたけれども、障害福祉サービスについての言及がありませんでした。精神疾患をはじめ、難病あるいは医療的ケア児の問題等を考えれば、疾病と障害が共存するという考え方でいえば、これらの障害福祉サービスは医療との連携が不可欠であると考えています。住民全員がそれぞれの地域で必要なサービスを受けられるという観点からいっても、障害福祉サービスというのを新たな地域医療構想の中にはやはり含めて考えるべきだと思います。せんだっての検討会では、たしか介護・障害福祉サービスというような形で言及があったと思いますけれども、今回言及がないのは非常に残念に思っています。
 土居構成員からは、地域医療構想と介護保険事業支援計画との連携について触れられていましたけれども、併せて障害福祉計画、これは今年度見直しの時期を迎えているわけですけれども、それとの連携も必要になってくるのではないかと思います。
 「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」に関する検討会でも、我々の要望を入れていただいて、介護と障害福祉サービスの連携について、ヒアリングを含めてかなり議論を深めていただきました。共生型サービスというような考え方で、介護と障害福祉サービスの連携は非常に進められているということがありますので、多分、前の検討会の議論を含めて、障害福祉サービスについてもお考えだとは思いますけれども、今までの議論にありましたように、明記をしていただくというのが1つの今後の議論に資する内容になると思いますので、ぜひその辺はお願いをしたいと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは、事務局、お考えをお願いいたします。
○堤室長 御指摘ありがとうございます。介護だけではなくて障害福祉サービスも含めてということで、地域医療構想はこれからの地域医療全体の課題解決を実施するというコンセプトでやっておりまして、そうした中で、当然重複する福祉サービス、重複というか重なり合う部分があるような社会保障の中での福祉サービス等も入ってくるものかと思います。
 一方で、ガイドラインで触れるという御意見を多々いただくところなのですけれども、なかなかそのガイドラインというのも、あくまで都道府県さんがこれから議論をしていただく中で、どういうものをつくっていくか、まさにPDCAをどう回していくかみたいなことを書いていくので、ガイドラインの中でどう取りまとめるかというところについて、障害福祉サービスについても細かくこうだということまで取り扱うことはなかなか難しいかなと思うところも正直なところでございます。とはいえ、その重要性というのは、当然何かしらの形で明確にしていければなと思いますので、御理解いただければと思います。
○遠藤座長 櫻木構成員、よろしいですか。
○櫻木構成員 ぜひともその辺、よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでございましょうか。
 では、尾﨑構成員、今村英仁構成員、それから伊藤悦郎構成員でお願いします。
○尾﨑構成員 尾﨑でございます。
 幾つかございまして、まず1つが医療圏域の広域化についてでございますが、私どももオンライン診療を試行しておりますが、特にITに慣れていない高齢者のオンライン診療についてはまた試行錯誤の段階でございます。こういったことを踏まえますと、圏域の広域化を検討するに当たり、やはりアクセス性の評価も必要ではないかと考えているところでございます。
 次に、大学病院の医師派遣について、大学の機能として、特定機能病院の機能として位置づけられることになりますが、大学病院からの医師派遣は、この仕組みがなければ診療体制を維持できない地域も多く、地域医療を支える重要な役割だと考えています。また、医師の経験の蓄積であるとか教育、大学と地域医療機関のネットワーク維持にも貢献するシステムでございます。ただ、新たな研修制度の定着により研修の多様化が進みまして、また民間の医師派遣業者の進出も相まって、医局制度は相対的に弱体していることは御承知のとおりです。また、近年は、本人の意にそぐわない無理な派遣はハラスメントというような受け取り方もされておりまして、結果として地域の医療機関への派遣が成立しない事例も見られております。
 現在の大学病院の医師派遣の実態は、派遣とは申しますが、本人の自由意思に基づく就職紹介の面が大きくて、あともう一つは大学職員の兼業、それから診療応援が中心でございます。一般に派遣という用語からは少し違っておりまして、この派遣という言葉については少し検討の余地があるのではないかと考えておるところでございます。大学病院にある程度の強制力を持つ医師派遣を求めるのであれば、その根拠となる法的な整備とか解釈が不可欠だと考えておりますので、この点は制度面から整理をお願いしたいと思います。
 大学病院の地域への医療人材貢献には、医師だけではなく歯科医師、薬剤師、看護師、リハビリテーションセラピストなども含めて検討してもよいのではないかと考えております。また、医局制度の再強化のために初期臨床研修医を大学で研修させることも義務として視野に入れた検討も必要ではないかと考えております。
 これに関して地域枠の医師の取扱いについてでございます。今後、各自治体が管理しております地域枠出身の医師が増加する見込みでございます。これによって相対的に大学病院が人事調節できる医師数は今後減少が予想されております。33ページ以降に新潟県の取組もございましたが、地域枠の人事権を持つ各自治体におかれましては、大学病院との連携も御検討いただきたいと考えております。
 あとは総論的なこと2つなのですが、1つは在宅医療でございます。今議論が高齢者医療施設からの患者受入れを想定されて、41ページにもそういうふうに記載されておりますが、一方、米国などでは、急性期病院の術後当日もしくは数日で在宅に戻るというような状況が一般化しております。日本でも今後、日帰り手術などが増加する可能性がありますので、加えて、在宅医療の体制を強化して、高度急性期、急性期から直接在宅へ移行できる仕組み、体制についても検討することを提案させていただきます。
 最後に、在院日数についてでございますが、現在、病床削減と医療機関の集約を軸に議論が進められております。一方、海外に比べると日本の在院日数は非常に長いという現実がございます。海外との比較も行い、今後日本で目指す在院日数の目安、またそれに必要な体制の整備について検討してはどうかと提案させていただきます。
 以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。御意見と御提案でしたけれども、特段事務局からのコメントは必要ではないという理解でよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、今村英仁構成員、お願いいたします。
○今村(英)構成員 日本医師会の今村です。若干重複するところもあるかもしれませんが、少し資料に沿ってコメントしたいと思います。
 まず、7ページですけれども、これまでも議論がありましたけれども、手術に関して緊急性と頻度という部分で考えていくというところ、少し議論が進んだのかなと。一方で、専門性の高い手術等をどうするかとか、この中で高度な技術が必要なものについて、そこら辺は緊急性と頻度だけではもしかするとうまく調整できない可能性もあるのかなと。そこら辺も含めて、今後も議論を深めていただければと思います。
 その上で、これに関しては、何名かの構成員の方々からも出てきましたし、尾﨑構成員からもコメントがあった部分では、やはり大学病院本院の役割、これも手術において大学病院を他の医療機関と同じ形で議論したほうがいいのか、それとも、大学病院本院の手術の役割はやはりちょっと違うと考えるのか、ここら辺が今後の議論で必要なのかなと。
 そこの部分に関して言いますと、先ほど東京都に関しては、9ページ、10ページ等で、流出率というところで東京都の特別性というのが示されておりました。ただ、10ページを見ますと、東京都全体では、流出率プラス流入率でこういうことになると思いますので、岡構成員のお話の中でも出ましたけれども、流出率のみでなくて、流入率のほうも目を向けていただければと思います。
 これについては特に西のほうの岡山県や広島県、熊本県、また鹿児島県の県庁所在地のある二次医療圏では、既存病床は基準病床に対して多いということになっていますけれども、こういった二次医療圏では実は流入率が高い。また、そこに県庁所在地であるということ、さらに、ここにやはり大学病院の本院が存在するということで、そうなると先ほど20~30万人の地域で大学病院がある場合というお話もありましたけれども、大学病院があることによって少しここの部分が変わってくるとすれば、その点も少し考慮が必要なのかなと思うところです。
 あと、19ページ、有床診療所の役割ということも挙げていただきまして、ありがとうございます。実は今回の中で、有床診療所もやはり大事な役割を果たしているということ。また、この例に出してもらった𠮷成医院さんでは高齢者の救急も扱っているということで御紹介がされているわけですけれども、医療機関機能においては、専門等機能に有床診療所は位置づけられておりますけれども、例えばこの𠮷成医院さんの場合は、実際には高齢者救急、また地域急性期機能や在宅医療等連携機能も行っているとなると、そこは必ずしも有床診療所イコール専門等機能ということにならない、こういったところも少し今後議論いただければと思います。
 あと、医療・介護連携についてもコメントがありましたけれども、ACPについてのコメントに加えて、今回、62ページのACSCの考え方についてもコメントがございました。結果、例えばACSCというのは必ずしも緊急入院させないだけではなくて、重症化を防ぐために、救急車で搬送する前に例えば入院をしていただくというようなことも対策として考えられ、医療機関と介護施設の間での連携のみならず、病院間での連携においてもこの考え方が大事ですし、今後この考え方が進んでいきますと、結果として救急車の搬送数が減っていくと。
 そこに関しましては、23ページになりますけれども、ここでの急性期拠点機能、それから高齢者救急・地域急性期機能において、救急車受入れというか、救急車台数だけ書いてございますけれども、明らかに2040年に向けては、病院間、もしくは病院と施設間の連携を踏まえた受入のあり方を、救急搬送以外の形も含めて考えていかないといけないのではないかと考えます。
 さらに、22ページ目の中で、地方都市型、人口の少ない地域では、高齢者救急・地域急性期機能においては、手術が必要な場合には急性期拠点機能のほうにという書き方をしてございますけれども、地域によっては、やはり高齢者救急をやっている病院である一定程度の手術をされている実態もあろうかと思います。そういった場合に、それはその病院をむしろ急性期拠点の機能に持っていくのか、それとも、高齢者救急もしくは地域急性期機能における機能の中で見ていくのか、こういったところは今後ひとつ議論が必要になってくるのではないかと思います。
 そして最後、79、80ページ、今後の構想策定のあり方で、確かにいろいろな比較評価の観点等を出していただいております。ある意味これは理想的にはこういくと非常にいいなと思いますけれども、現実には、特に都道府県や市区町村においてこれらのデータを扱える人材確保が難しい場合も考えると、これが絵に描いた餅にならないようにしていただければということと、医療と介護の連携において、特に今回は市区町村の役割が非常にクローズアップされてきました。ただ、恐らく市区町村の行政の方々は、介護保険に関してはよく熟知しているけれども、医療についてはほとんど知らないという実態があるのではないかなと。一方、都道府県行政の皆さんは、医療機能についてはよく分かっているのだけれども、介護福祉関係は市区町村に任せているので全然知らないという、これがどうも地方のほうに行きますと実態かなと思います。
 そうしますと、お互いに連携とだけ言ったのでは、多分本当の意味の話合いはできない可能性がございますので、ここをどういう形で都道府県行政、また市区町村行政もサポートしながら、真の医療と介護の連携の話合いができるようにしていただけるかというのは1つ大事なポイントかと思いますので、どうかよろしくお願いします。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、伊藤悦郎構成員、よろしくお願いいたします。
○伊藤(悦)構成員 ありがとうございます。
 今回いろいろな対応方針をお示しいただいていますけれども、基本的にはこの方向で進めていただいて結構かなと思ってございますけれども、各項目についてコメントをさせていただきたいと思います。
 まず、区域・医療機関機能についてでございますけれども、人口の少ない地域における急性期拠点機能ということにつきましては、20~30万人の規模であれば、やはり1つの医療機関に集約をしていくということが原則だと考えてございます。
 6ページのグラフでも示されておりますけれども、大学病院本院が存在するような人口少数の区域があること、こういった事実があるということは受け止めてございます。ただ、この3つの区域だからといって自動的に拠点が2か所になるということではなくて、やはり基本的には可能な限り1か所に集約すること、あるいはカバーする地域を拡大すること、こういったことを検討した上で、それでもやはり人口少数区域で2か所の拠点が必要ということであれば、例外的な対応をするというような形で整理をしていただければと思います。
 次に、人口が極めて多い都市部ということでございますけれども、やはり区域を分割する場合と1つの区域とする場合、メリット・デメリットがあることをお示しいただいたということで、非常に難しい課題なのかなと感じてございます。そういった場合でも、適切な範囲で区域を設定していくということは不可欠だと考えてございます。そういったことが可能な限り客観的に判断できるように、データに基づいた点検、検討が必要だと考えてございます。その上で、最終的に、例外的な個別対応をしていくというようなこともあり得るのではないかと感じてございます。
 それから、区域で提供すべき医療についてでございますけれども、区域の設定と密接に関連するものと思いますけれども、区域内で完結させることにこだわるあまりに、逆に非効率になるような医療があるということも理解できます。そういったこと、あるいは緊急性と頻度、こういったものを考慮いたしますと、やはり近隣の区域と連携する医療、あるいは三次医療圏など広域で対応するようなこともあり得るものだろうと考えてございます。そういったことも含めて、国から提供されるデータを活用した上で、区域の点検を行っていくというふうにしていくべきではないかと思ってございます。
 次に、2つ目の医療と介護の連携についてでございます。やはり地域の協議というものにつきましては、もう既にある既存の枠組みを活用しながら対応していくということは非常に現実的な運用だと思ってございます。
 また、医療機関と介護保険施設の連携については、ワーキンググループで具体的な事項を検討するということでよろしいかと思いますけれども、今後、高齢者人口が増加していく中で、救急搬送の受入れ体制の整備だけではなくて、既に構成員の方からも御発言がありましたけれども、救急搬送しなくて済むような医療機関と介護施設による効果的な連携が進むような取組についても御検討いただければと思います。
 最後に、構想策定のあり方についてでございます。やはり今回の件については住民を、あるいは手前ども保険者を含めまして、地域の関係者が納得できるような形で構想を策定していくということが、その後の取組を着実に進めていく上で非常に重要だと感じてございます。したがいまして、合意形成のプロセスにつきましても、関係者の間でイメージが持てるような形で具体的に示していただくようにしていただければと思ってございます。
 最後に、新しい地域医療構想というものは、2040年を見据えたものということでございますけれども、構想に基づいた医療機関の医療提供体制の見直しについては、2040年に完成すればいいというものではないということを関係者の間で共有した上で進めていくべきものだということも改めて指摘させていただければと思います。
 以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ちょうど予定していた時間になりましたので、本日の議論はこれぐらいにさせていただければと思います。
 本日は非常に積極的に御意見等をいただきまして、どうもありがとうございました。
 それでは、事務局におかれましては、本日、多様な御意見をいただきましたので、今後の議論に反映されるような資料の作成等で準備をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、最後に事務局から何かございますか。
○鈴木課長補佐 本日は活発な御議論をいただきありがとうございました。
 次回の検討会については、詳細が決まり次第御連絡いたしますので、引き続きよろしくお願いいたします。
○遠藤座長 それでは、本日の検討会はこれにて終了したいと思います。どうもありがとうございました。
 

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