第14回新たな地域医療構想等に関する検討会:議事録

日時

令和6年12月6日(金) 17:00~19:00

場所

AP市ヶ谷 7階Bルーム
東京都千代田区五番町1-10 市ヶ谷大郷ビル

議事

○淺野課長補佐 定刻となりましたので、ただいまから第14回「新たな地域医療構想等に関する検討会」を開会いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席くださいまして誠にありがとうございます。
 本日は、対面及びオンラインによる開催とさせていただいております。
 オンラインでの参加に係る留意事項につきましては、事前に送付しております「オンライン参加の留意事項について」を御覧ください。
 議事に入る前に、本日の議題につきまして、当初、医師偏在対策についても議題とする予定としておりましたが、時間等の関係により次回以降の議題とすることといたしました。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 事前に、議事次第、構成員名簿、省庁関係出席者名簿、配席図のほか、資料1、参考資料1、参考資料2を配付いたしましたので、お手元に御準備いただきますようお願いいたします。
 また、本日は石原構成員、今村知明構成員、河本構成員から御欠席、香取構成員、土居構成員から少し遅れての御参加である旨、事前に御連絡いただいております。
 また、オブザーバーとして、総務省自治財政局準公営企業室の齋藤課長補佐、文部科学省高等教育局医学教育課の堀岡企画官に御出席いただいております。
 冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまででお願いいたします。
(カメラ撮り終了)
○淺野課長補佐 それでは、以降の進行は遠藤座長にお願いいたします。
○遠藤座長 皆様、こんばんは。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入る前に代理出席についてお諮りをいたします。本日の会議につきましては、健康保険組合連合会の河本構成員の代理としまして、理事の松本真人参考人の御出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
(構成員首肯)
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 本日の議題は「新たな地域医療構想に関するとりまとめ(案)について」でございます。
 では、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○高宮参事官 医療提供体制改革担当の参事官です。
 資料1を用いまして「新たな地域医療構想に関するとりまとめ(案)」について説明をいたします。
 これまでの検討会の資料や議論の内容を基に作成しています。本日御議論いただいて、またその内容も反映していきたいと考えています。
 資料ですが、最初のページに目次がございます。
 3ページは「はじめに」ですが、ここには検討会の開催の経緯などを記載しています。
 4ページは、「2040年頃の医療をとりまく状況と課題」で、最初の「医療需要等」については人口について生産年齢人口を中心に減少するが、85歳以上の高齢者が2040年頃のピークまで増加する見込み。
 それから、2つ目は医療需要について85歳以上の高齢者が医療・介護の複合ニーズを有する場合が多い。それで、高齢者の緊急搬送が増加する。在宅医療の需要が増加する見込みということです。
 5番目の○では、手術について多くの構想区域において手術件数が減少することが見込まれているということです。
 その下、(2)番目は「医療従事者」です。
 医療従事者の確保が困難となっている中、2040年に向けてさらなる生産年齢人口の減少に伴う対応が重要ということです。
 その次の○、医師については人口が減少する中での医師養成の在り方、医師偏在が課題となっている。
 5ページの一番上の○では、歯科医師、薬剤師、看護師などの医療従事者についても養成のあり方、あるいは偏在などの課題が指摘されています。
 (3)番目は「地域性」で、2040年頃を見据えると医療需要、あるいは提供体制などの地域差が拡大していくということです。
 3番目、「現行の地域医療構想の評価と課題」です。
 (1)の「これまでの取組」ですが、こちらはこれまでの概要を記載しています。
 6ページ、「評価と課題」です。
 1つ目の○で、病床機能報告の病床数について2023年に119.2万床となり、2025年の必要病床数と同程度の水準となっています。また、機能別の病床数を見ると急性期と慢性期が減少して回復期が増加するなど、全体として地域医療構想の進捗が見られます。
 その下の○で、30万床について入院から在宅医療等に移行するとしていましたが、これは以下のとおりとして3つポツをつけていますが、おおむね達成していると言えるということです。
 他方で、一番下の○です。「以下のような課題が指摘されている」として、7ページです。病床数の議論が中心となり、将来のあるべき医療提供体制の実現に向けた議論がなされにくい。外来医療、在宅医療等、地域の医療提供体制全体の議論がなされていないなどの指摘がございます。
 その下の4番目、「医療提供体制の現状と目指すべき方向性」です。
 最初に(1)が基本的な方向性で、2040年、さらにその先を見据え、適切に医療・介護を受けながら生活し、必要に応じて入院して日常生活に戻ることができる。同時に、医療従事者も持続可能な働き方を確保できる医療提供体制を構築する必要がある。そして、以下の4点を中心として「治す医療」を担う医療機関と「治し支える医療」を担う医療機関の役割分担を明確化、地域完結型の医療・介護提供体制を構築する必要があるとしています。
 4点をその下に書いています。1点目は増加する高齢者救急への対応、2点目は増加する在宅医療の需要への対応、8ページで3点目が医療の質や医療従事者の確保、4点目が地域における必要な医療提供の維持としています。
 「(2)外来医療・在宅医療」です。
 基本的には、これまでの検討会での資料で現在の状況についてずっと記載していて、10ページになります。
 10ページの一番下で、「このような中」ということで外来医療・在宅医療についても現状や将来の医療需要推計、それから提供体制の将来見込みなどを踏まえ、将来の外来・在宅医療のあるべき姿を議論することが重要。新たな地域医療構想においては入院だけでなく外来・在宅医療、介護連携なども対象とすることが適当であり、その際、以下のように対応することが考えられるとしています。
 以下の対応ということで1つ目のポツが、議題に応じて協議を行う区域、参加者を設定し、医療関係者、介護関係者、保険者、都道府県、市町村等の関係者の協議を実施する。在宅医療等に関する、より狭い区域を設定する。区域ごとに議論すべき内容、議題に応じた主な参加者などについてガイドラインで明確化をするということです。
 11ページの上のポツで、かかりつけ医機能報告、外来機能報告などのデータを基に、地域の現在や将来の医療需要と資源の状況を踏まえつつ、地域の外来・在宅・介護連携等の現状、将来の見込みを整理して課題の共有を行うということです。
 共有するデータ・課題等の例を記載していますが、具体的にはガイドラインで検討をします。
 その下のポツで、その課題への対応を検討・協議して、必要な外来・在宅の提供のための取組を行う。
 この下に(取組の方向性(イメージ))と書いていますが、具体的にはガイドラインで検討をいたします。
 「(3)高齢者救急」、これも初めのほうはこれまでの検討会の資料をまとめた記載をしています。
 12ページで3つ目の○、こうした状況を踏まえ、増加する高齢者救急に対応するため、医療機関において救急搬送を受けるだけでなく入院早期からのリハビリなど、離床のための介入をできることが必要。必要に応じて専門病院などと協力・連携するとともに、高齢者の抱える背景事情も踏まえた退院調整等による早期退院、他施設とも連携しながら通所や訪問でのリハビリを継続できるような体制の確保が求められるとしています。
 「(4)救急・急性期医療」ですが、こちらも最初のほうはこれまでの検討会の資料をまとめた記載をしています。
 13ページの一番下の○で、こうした状況を踏まえ、救急・急性期医療については地域の需要や資源などを踏まえながら持続可能な医療従事者の働き方、医療の質、患者の医療機関へのアクセスを確保する観点から搬送体制の強化等に取り組みつつ、二次救急医療施設も含めた医療機関において一定の症例数を集約して対応する地域の拠点として対応できる医療機関を確保することが求められるとしています。
 14ページが「その他」として、まず①が「リハビリテーション」です。
 5つ目の○で、リハビリテーションについては入院での早期のリハビリ、集中的なリハビリが効果的な場合は入院でのリハビリを提供しつつ、他施設とも連携しながら外来・在宅等におけるリハビリの提供を含め、患者の身体機能等に応じて適切な場でリハビリを提供することが求められる。
 ②が「慢性期医療」です。15ページの一番上の○になります。
 慢性期の医療提供体制については、増加する在宅医療の需要に対応する観点からも地域の慢性期医療、在宅医療の需要に対して地域の資源の状況に応じて療養病床、それから在宅医療、介護施設・高齢者向け住まいなどと併せて構築していくことが重要としています。
 「(6)医師派遣・医師等の医療従事者の教育・広域な観点での診療」です。
 これも5つ目の○で、広域の観点で担う医師の派遣、医師の卒前・卒後教育や看護師等の医療従事者の育成、広域な観点が求められる診療について、大学病院本院は総合的に担うことが求められるとしています。
 (7)の「構想区域のあり方」です。
 16ページ目の4つ目の○で、新たな構想区域については人口規模、医療需要の変化などの観点から医療提供体制上、課題がある場合には構想区域の見直しを検討することが求められる。
 5番目が「新たな地域医療構想」になります。基本的には、前回の検討会の内容を記載しています。
 (1)が「基本的な考え方」です。
 2040年に向けて病床の機能分化・連携だけでなく、外来・在宅医療、介護連携、人材確保等も含めたあるべき医療提供体制の実現に資するよう、新たな地域医療構想を策定・推進するべき。
 その下の○で、このため新たな地域医療構想を通じて病床の機能分化・連携に加えて地域ごとの医療機関機能、それから広域な観点の医療機関機能の確保に向けた取組を推進するべき。
 17ページの一番上の○で、このため(2)から(7)までの対応を行うよう、法律改正を含む必要な措置を講じるべき。
 その下の○です。令和7年度に国で新たな地域医療構想の策定・推進に関するガイドラインを検討・作成をして、都道府県において令和8年度に地域の医療提供体制全体の方向性、それから必要病床数の推計などを行う。令和8年から令和10年度、2年間くらいで医療機関機能に着目をした地域の医療機関の協議を行うということです。このため、現行の地域医療構想の取組は令和8年度も継続をする。それで、新たな地域医療構想については令和9年度から順次取組を開始し、円滑な移行を図ることが適当としています。
 (2)番、「新たな地域医療構想の位置付け」です。
 2つ目の○です。新たな地域医療構想においては、医療提供体制全体を対象として地域の医療提供体制全体の将来のビジョン・方向性、医療機関機能に着目した医療機関の機能分化・連携、病床の機能分化・連携などに関する事項を定めるものとする。
 最後に一番下の○で、新たな地域医療構想は医療計画の上位概念として位置づけ、医療計画についてはその実行計画として新たな地域医療構想に即して5疾病・6事業、在宅医療などの具体的な取組を定める。
 一番下の行ですが、介護保険事業支援計画などの各種計画との整合性を図るということです。
 18ページの一番上の○で、具体的な記載事項は以下の事項を盛り込むということ。
 そして、その下のほうのなお書きで、具体的な記載内容などについてはガイドラインにおいて検討するということです。
 (3)番目、「医療機関機能・病床機能」です。
 ①の「基本的な考え方」の真ん中くらいで、病床機能に加え医療機関機能を報告することとし、地域の医療提供体制の確保に向けて関係者による医療機関の役割分担・連携に関する協議を促進するとともに、国民・患者に共有するということが重要である。
 ②番目が「医療機関機能報告」で、医療機関から都道府県に対して医療機関機能を報告する仕組みを創設するということです。
 19ページ、「また」という段落ですが、高齢者救急に係る報告に当たっては医療機関と介護施設等の連携による救急搬送でない緊急入院の評価などの観点にも留意することが重要としています。
 その下、<医療機関機能の名称と定義>です。
 1つ目が「高齢者救急・地域急性期機能」になります。
 高齢者をはじめとした救急搬送を受け入れる。必要に応じて専門病院、施設等と協力・連携しながら入院早期からのリハビリ、退院調整等を行い、早期の退院につなげ、退院後のリハビリ等の提供を確保する。
 ※印のとおり、地域の実情に応じた幅を持った報告とするということです。
 2つ目が「在宅医療等連携機能」です。
 地域での在宅医療の実施、ほかの医療機関、介護施設、訪問看護、訪問介護などと連携した24時間の対応や入院対応を行う。
 こちらも※印で書いたように、地域の実情に応じた幅を持った報告ということです。
 3つ目が「急性期拠点機能」です。
 手術や救急医療等の医療資源を多く要する症例を集約化した医療提供を行う。
 ※で、地域シェア等の地域の実情も踏まえた一定水準の役割を満たす役割を設定する。また、アクセスや構想区域の規模も踏まえ、構想区域ごとにどの程度の病院数を確保するか設定をする。
 一番下、4つ目が「専門等機能」になります。
 集中的なリハビリ、中長期にわたる入院医療機能など、地域のニーズに応じた診療を行うものです。
 20ページ、こちらも※印で書いています。高齢者医療においてはマルチモビディティ患者へのリハビリテーションを含む、治し支える医療の観点が重要ということです。
 その下の「医育及び広域診療機能」ですが、大学病院本院が担う医師の派遣、医療従事者の育成、広域の観点が求められる診療を総合的に担う。都道府県と必要な連携を行うということです。
 その3つ下の○で、急性期拠点機能を担う医療機関等においては広域な観点で確保すべき医師派遣、それから診療などについて一定の役割を有する場合が考えられます。そのため、広域の観点での診療、人材育成、医師派遣等の役割についても報告を求めることとし、協議に活用することとするとしています。
 「③病床機能」になります。
 21ページの1番目の○で、病床の機能区分については4区分としつつ、2040年に向けて増加する高齢者救急等の受け皿として急性期と回復期の機能をあわせもつことが重要ということを踏まえて、これまでの【回復期】に代えて「高齢者等の急性期患者について、治療と入院早期からのリハビリテーション等を行い、早期の在宅復帰を目的とした治し支える医療を提供する機能」、それからこれまでの【回復期機能】を【包括期機能】として位置づけるべきであるとしています。
 参考資料を御覧ください。
 令和6年度診療報酬改定で、地域包括医療病棟が創設されています。下のほうに、地域包括医療病棟の医療サービスのイメージがあります。左側の救急患者を受け入れる体制を整備、あるいは一定の医療資源を投入し、急性期を速やかに離脱、リハビリ、栄養管理等を提供、それから退院に向けた支援、早期の在宅復帰、在宅医療、介護との連携ということ、これを一番下に書いてある包括的に提供するというような病棟が創設されています。
 2ページで、前回の検討会でこの病床の機能区分の名称について新たな名称の議論をしているところです。
 その際、1つ目のポツのように、高齢者等の急性期患者について治療と入院早期からのリハビリ、早期の在宅復帰を目的とした治し支える医療、こういうような包括的に提供する機能というものの名称の議論をしているところです。
 2つ目のポツのように、複数の案が提案され、また、新しいなじみの少ない概念でいずれの名称になるにせよ、丁寧な説明と周知が必要というような御指摘をいただいています。
 下に、提案があった名称を書いています。包括期機能について、例えばということで右側に包括期機能、括弧で(急性増悪~在宅復帰等)と、内容はできるだけ分かりやすくなるような説明周知ということも考えられるということで参考資料をおつけしています。
 報告書案の21ページに戻っていただいて、真ん中の将来の病床数の必要量の推計です。こちらは、定期的に2040年の病床数の必要量の見直しを行う。それで、具体的な推計についてはガイドラインの検討において改革モデルも含め、具体的な推計を検討するということです。
 4番目、「構想区域」です。
 20万人未満の構想区域、100万人以上の構想区域など、医療需要の変化、医療従事者の確保などの観点から医療提供体制上、課題がある場合には構想区域を見直す。
 なお、二次医療圏の見直しに時間を要する場合には、構想区域の合併・分轄等を先行して行うことも考えられる。
 次の○で、広域の観点の区域については都道府県単位、必要に応じて三次医療圏で設定する。
 その下で、在宅医療等については地域の実情に応じて市町村単位や保健所圏域等、より狭い区域を設定する。
 具体的な区域の検討については22ページですが、これもガイドラインを検討する際に検討する。
 ⑤番目、「調整会議」で2つ目の○の最後ですが、区域ごとに議論すべき内容、議題に応じた主な参加者の明確化について、これもガイドラインで検討をする。
 (4)番目が「地域医療介護総合確保基金」です。
 2つ目の○で、医療介護総合確保基金の対象に医療機関機能に着目した施設・設備整備の支援を追加する。
 一番下の○で、引き続き病床機能分化・連携のための施設・設備整備の支援、それから病床減少を伴う病床機能再編などの支援を行うということです。
 23ページ、(5)番目は「都道府県知事の権限」になります。
 ①が医療機関機能報告の創設に伴い、医療機関機能の報告内容が実態に合わない医療機関に対して報告の見直しを求めることができることとする。
 ②番目、「基準病床数と必要病床数の整合性の確保等」の観点で3つ目の○に書いてあるように、基準病床数制度と地域医療構想の整合性を確保するという観点で、一番下の○、基準病床数について必要病床数も勘案した算定を検討する。それから、必要病床数を超えて増床等を行おうとする場合には地域医療構想調整会議において増床等の必要性が認められた場合に限り、増床等の許可を行うことができることとする。
 24ページ、(6)が「国・都道府県・市町村の役割」です。
 まず「国」です。
 ①の2つ目の○で、医療法上、厚生労働大臣の責務を明確化し、データ分析・共有、研修等の支援策を講じるということです。
 その下の○で、国において新たな地域医療構想の策定・推進のガイドラインを策定し、地域の協議の参考となるよう目指すべき方向性、地域の類型ごとの医療提供体制の構築に必要なモデルの提示、それから関連する地域のデータなどを提供するということです。
 ②番目が「都道府県」です。
 一番下の○で、都道府県ごとの取組状況に差違がある中で、ガイドラインにおいて調整会議について区域ごとに議論すべき内容、参加者、議論の進め方、それからデータ分析・共有、基金の活用など、都道府県の望ましい取組を示す。25ページで、都道府県の取組状況の見える化をするということです。
 ③が「市町村」です。
 2つ目の○で、市町村に対して議題に応じて調整会議への参画を求め、在宅医療、介護連携、かかりつけ医機能確保等に努めることとするということです。
 その際、3つ目の○のように、市町村の地域医療構想の理解を促進するため、国による研修、都道府県から市町村への調整会議に関する情報提供などを推進する。また、医療介護総合確保基金の活用により、市町村による在宅医療、介護連携、かかりつけ医機能確保等の取組を推進する。
 (7)番、「新たな地域医療構想における精神医療の位置付け」です。
 こちらについては、検討プロジェクトチームにおいて検討が行われ、報告書が取りまとめられた。
 一番下の○で、その検討プロジェクトチームの報告書も踏まえ、新たな地域医療構想に精神医療を位置づけることが適当である。
 26ページですが、真ん中くらいの○で、精神医療を位置づけた場合の具体的な内容は法律改正後に施行に向けて必要な関係者で議論する必要があり、精神医療に係る施行には十分な期間を設けることが適当。
 最後に、6番目が「おわりに」になります。
 厚生労働省においては速やかに法律改正を行った上で政省令の整備、ガイドラインの策定を行うべき。それから「さらに」ということで、医療介護総合確保基金等の財政支援が必要であり、厚生労働省においては予算の確保に努めるべきである。
 一番下の○で、政省令の整備、ガイドライン等の検討に当たっては実効性のある取組となるよう、都道府県、市町村、医療関係者など、関係者の意見を十分に聞きながら検討を行うべき。
 27ページの最後の○で、新たな地域医療構想を通じて、国、都道府県、市町村、医療関係者、介護関係者、保険者、住民の協働の下、中長期的に質の高い効率的な医療提供体制が確保されることを期待するとしています。
 資料の説明は以上になります。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの報告に対して御意見、御質問等をいただきたいと思います。まずは会議室の構成員の方からで、それでは岡構成員お願いいたします。
○岡構成員 いろいろな課題があった中、このようにまとめていただきありがとうございます。その上で、2点だけ少し意見を述べさせていただきます。
 1つは医療機関機能報告についてですけれども、この医療機関機能の名称と定義についてはもちろん賛同しますし、実際に今それぞれの医療機関は各医療機関機能を複数担っている施設が非常に多いので、複数の医療機関機能を報告する。これも賛同します。
 ただ、これを多くの医療機関が複数選択して2040年までいってしまうと、本来新たな地域医療構想の目的は医療機関の役割分担の明確化と機能分化・連携ということですので、結局役割分担、機能分化が少しぼやけてしまうという危惧があります。
 そういう中で、2040年に向けて各医療機関が複数ずっと担うことに関しては、私は報告をすることも異論はございませんけれども、その中で主たる機能は何かということをぜひ地域医療構想調整会議で議論するような道筋を示していく。どのように報告するかということはまた今後の議論ですけれども、その中でぜひ主たる機能と入れておかないと、やはり複数の機能でずっといくとなかなか機能分化というのは進まない。
 ただ、もちろん地域によっては医療機関がそこに1つしかなくて、全て主たる機能をやっている医療機関もございますから、全て主たる機能を1つ選ぶということではございません。地域によって違う。
 ただ、やはり地域によってそれぞれ事情が違うということを勘案して、そういう方向性をどこかにもし入れていただければいいし、無理であれば今後の課題の中にぜひ入れていただきたいということが1つお願いでございます。
 それからもう一つは、この後、私のほかの構成員の方々も御意見があると思うのですけれども、やはり前回もあった基準病床数と必要病床数の関係性ですが、もともとこれはそれぞれ数を出す目的も違いますし、計算式、そして計算の基となるデータも違うわけです。このそれぞれ違うものを、整合性をもってどうするかというのは現実的にはどうなのかという気がします。
 ですから、今回基準病床数は出ていますので、次に出すときに本当にこの基準病床数と必要病床数のダブルスタンダードで今後もいくのかどうかということはぜひしっかり議論していただく。それで、今後もこのダブルスタンダードでいくのであれば、必要病床数についてはあまり大きな問題はないと思うのですけれども、基準病床数の計算の仕方とかその解釈の仕方、ここは各都道府県の意向もございますし、そこも十分御意見を聞いた上で方向性を出していただくと助かるので、そこをお願いしたいと思います。
 私からは以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 ほかにいかがですか。
 吉川構成員、お願いいたします。
○吉川構成員 ありがとうございます。
 今回、本検討会で出された意見につきまして、短期間でおまとめいただきありがとうございます。この取りまとめは次年度策定されるガイドラインにつながる重要な報告書と理解しておりますので、2点ほど追加いただきたく意見を述べます。
 1つ目は、医療従事者の確保に関する課題についてです。
 5ページ目の130行目に「歯科医師、薬剤師、看護師等の医療従事者についても、養成のあり方や偏在等の課題が指摘されている。」と記載いただいておりますが、本検討会の中でこれまで医療従事者、特に看護職の確保・育成ができなければ、期待されている機能・役割を果たすことができないため、限りある人材をいかに地域全体で確保・育成しながら効果的に活用していくことも併せて考えることが必要であるという意見を述べさせていただいてきました。また、ほかの構成員からも同様の御意見があったかと思います。この人材確保に関する課題の認識につきまして、ぜひもう少し追記をお願いしたいと思います。
 2点目は、この課題に対する対応についてです。
 特に医療従事者の確保については、現在、医療計画の中の記載事項とされています。今後地域医療構想を考えた上で医療計画に進むことを考えますと、構想の段階で医療従事者の確保の視点を入れることは非常に必要だと思います。
 具体的には16ページの「5.新たな地域医療構想」の中の(2)の「新たな地域医療構想の位置付け」の578行目に「入院医療だけではなく、外来医療・在宅医療、介護との連携、人材確保等を含めた地域の医療提供体制全体の課題解決を図るものとして位置付けることが適当である。」と記載がされております。
 ぜひこの次に具体的な記載として人材確保については、地域における医療従事者全体の確保に向けた課題を明確にして、地域の将来ビジョンを示すことや、将来ビジョンを実現するための具体的方策に向けた議論を行い、対策を講じることも重要である等の記載を入れていただきたいと思います。
 最後に、病床機能区分の回復期機能の名称については、病床機能報告を作成する医療機関が判断できるようにする必要があると思います。そのため、事務局の御提案のように補足を加えるといったような形で、報告する医療機関が内容を十分に理解し、その上で迷わず報告ができるようにすることが必要だと思いますので、包括期機能とした上で補足をつけることに賛同いたします。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。御意見として承りました。
 ほかにいかがでございましょうか。
 猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 ありがとうございます。
 2点ほど、意見を言わせていただきたいと思います。
 まず4ページ目の「医療従事者」のところで減少するということが書かれており、さらに8ページ目の2つ目の○のところで、人口減少と医療従事者の不足が顕著となるとされています。今でも地域によってはかなりはっきりと医療従事者の減少が言われているということから考えると、2040年辺りというのは本当に医療従事者が少なくなる。特に、介護においては全く手の打ちようがないくらい少なくなるということも考えられます。
 そうしますと、この医療提供体制はこのように、病床数はこれくらいが必要だということが計算上出るかもしれませんが、本当にそれを支えるだけの医療従事者がいるかどうかということを検討する必要があるだろうと思います。それをぜひ書いていただきたいと思いますし、また、人員確保がかなわないときには、医療・介護の提供体制、制度、そのほか報酬等を早急に見直していかないと、本当に提供体制が病床、それからベッドはあるけれども人がいないというようなことが起こるのではないかということをとても危惧しております。
 次に13ページのところですが、ここに二次救急のことと三次救急のことが地域によって違うということとか、いろいろな場合があるというようなことが書かれております。
 この検討会の主題ではないとは思いますが、三次救急施設というのは実は全国で100施設程度の整備目標が300を超えてしまっていて、今はむしろ多過ぎるのではないかと言われていると思います。これは都道府県単位で認可するというようなことで全国的なレベルがばらついているということがありますので、どこかの機会で医療施設の要件、三次救急の要件の見直しをするという作業をぜひ求めていきたいと思っております。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 ほかにいかがですか。
 それでは、櫻木構成員、高橋構成員の順でお願いいたします。
○櫻木構成員 ありがとうございます。日本精神科病院協会の櫻木です。
 短い時間で取りまとめていただきましてありがとうございます。私のほうからは、(7)の「新たな地域医療構想における精神医療の位置付け」についてお話をしたいと思います。
 全体の2040年の医療の状況というのは4ページのところにいろいろ書いてあって、特に5つ目の○のところ、入院医療について病床利用率は低下の傾向にあり、病院の医業利益率は低下をしている。これは全体の話ですけれども、精神においてもやはり同じようなことが言えます。
 ただ、その歴史的な背景というか、ここに至ったいろいろな歴史的な問題で言うと、例えば精神の問題で言うと戦前の話ですけれども、精神病院法によって民間の代用精神病院制度というものが設けられたということがあります。これも当時の数字で言えば、患者さんの数が7万人いらっしゃるのに、入院の収容人員は1.5万人であったというような状況があります。
 戦後になって精神衛生法が制定されるわけですけれども、これにおいても全国の精神障害者の実態調査によれば、全国の患者さんの推計数は130万人、そのうち入院が必要な方は35万人という結果になっておりますが、準備されている病床は10分の1にしかすぎなかったということで、精神衛生法を改正して民間精神病院の設置運営に要する国庫補助の規定が決められるというようなことで、民間病院を中心として病院病床の整備が進んだという背景があるわけです。
 こういった過去の歴史的な経過、意義というものを踏まえた上で、26ページに書いてあります新たな地域医療構想において精神医療を位置づける意義が考えられるということで、4つばかり挙げられています。2040年の頃の精神病床の必要数を推計するようなことによって、中長期的な精神医療の需要に基づく精神医療体制を推進することができる。あるいは、データに基づいた協議、検討が可能になるというようなことを含めて、まさにそのとおりでプロジェクトチームの議論でもそのような議論があったわけですけれども、現状を形成しているこれまでの歴史的な成り立ちというか、そういうものを含めて、そういった観点に立って検討することによって、よりこの意義というものが明らかになってくると考えますので、その辺の記載というか、それをお願いしたいと考えています。
 それからもう一点、21ページの病床機能区分のことです。
 これもいろいろ議論があって、なかなか包括期機能というのは分かりにくいのではないかというような議論もありました。
 ただ、この議論でやはり高度急性期といったかなり目的がはっきりしているもの以外の部分の病床というのは現場によっていろいろな使い方をしている。ここにも述べられていますように、急性期の治療、あるいは早期からのリハビリテーションというふうに様々な機能を有しているということですので、包括期機能という記載の仕方というのもあるかなとは考えます。
 ただ、先ほども指摘がありましたように、利用をする一般の国民の方にやはりその中身というものが見えてこなければならないと考えますので、より一層、丁寧に説明をしていただくということをお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 では、高橋構成員お願いします。
○高橋構成員 まず、全体の方向性に関しては賛成できる内容であると考えることを述べさせていただきます。
 ただ、この内容に関しまして2点だけ追加的なコメントをさせていただきたいと思います。
 まず1つ目は、患者の今、在宅で最期を迎えたいとか、それから在宅時の死亡傾向というものは検討会で資料を出させていただきましたけれども、在宅医療を進めるということが家でということで過疎地でもかなり広がりそうだというような印象を受ける可能性がかなり高いと思います。
 過疎地の場合は集住というものが非常に重要になってくると思いますので、やはり在宅という内容においても今までの施設ではなくて集住的なものが非常に重要であると、特に過疎地においてというようなメッセージ性が出たほうがいいかなというのがまず1点目の私からのコメントであります。
 それから2点目でありますけれども、この間も申し上げましたが、名称のところで、やはり国民から見て見える内容ということが非常に重要かと思いますので、名称はできる限り分かりやすいものにしていただきたい。
 この2点について述べさせていただきます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、オンラインに移りたいと思いますけれども、オンラインの方でお手を挙げていらっしゃる方は。
 山口構成員、お願いいたします。
○山口構成員 ありがとうございます。
 今回の取りまとめですけれども、これまでの議論が結構網羅されていて、課題や方向性を指し示していただいている内容になっていると私も思いました。
 この間、私も発言した21ページの「病床機能」のところですけれども、先ほど参考資料を基にして御説明いただいて、包括期機能でどこの範囲の包括かということが確かに分かればそれは分かりやすいと思うのですが、いみじくも今、地域包括医療病棟に結構フォーカスして包括的に提供するとおっしゃったのですが、ここの機能の中には回復期リハビリテーション病棟も入っているはずだと思います。
 それで、今回参考資料に書いてある括弧書きだと、回復期リハが入ると一般的には全然思えないので、括弧書きで包括の範囲を示すのであればそこが分かるように、医療者もですけれども、ぜひ国民がどういう機能が入っているのかということが分かるようにしていただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。御意見として承りました。
 では、大屋構成員お願いいたします。
○大屋構成員 大屋でございます。
 全体として皆さんも述べられているとおり、様々な意見を酌み取っていただいて短期間でしっかりとまとめていただいているということで、非常に高く評価しているものでございます。もちろん、細かい文章や名称というところは議論があるかもしれませんけれども、全体的にはしっかりとこのような形で進めていただきたいと考えております。
 それで、21ページの「病床機能」のところの名称でございますけれども、私は前回の検討会では意見を差し控えるというか、皆さんの様々な御意見を聞いていたというところなのですが、やはりどの提案された名前を用いても、その全てを説明することはまず不可能かなというような印象を持ちました。
 その上で、包括期機能というような名称は比較的ほかにも類似の使われ方はしているものの、新しい名称としてこれからしっかりと国民に説明していく、医療者に説明していく、行政者に説明していくということで、徐々に社会権を持っていくのではないかと考えています。
 例えば、認知症という言葉が出てきたときに、我々は最初は何だろうねと思ったのですけれども、今やそれも当たり前で、痴呆だとか、ぼけだとか言う方はまずいなくなったということを考えますと、そのような丁寧な説明をぜひお願いしたいと考えております。
 それで、これから私が申し上げるのは要望ではございますけれども、15ページの512行目辺りに大学病院本院の役割ということで、それが見える化されてしっかりと都道府県と一緒にやっていくと、概念的にはそう書かれているものの、部分的にはやや強めに、例えば求められると書くと、誰が求めているのだろうと大学病院としては思ってしまって、これは都道府県知事が求めてくるのかなどという誤解もちょっと生じたりしますので、社会全体がそういうことを期待しているような形の書きぶりというのがうれしいかなと考えております。
 次でございますけれども、先ほど地域包括ケア医療病床の絵を見せていただきました。資料1の補足のほうですけれども、これは現場感覚から申し上げますが、そこで働く医師というのは先進的に今これを取り入れてやっていらっしゃる病院とかの話を聞くと、とても確保に苦労するし、そこで働いていただくとやはり早く辞めたい、別のところに動きたいというような声が大きいということで、この病床の役割やそれぞれの医療者、医師がやらないといけないことというのが今後十分明確になってこないと、このような制度をつくってもそこで働く医師及び看護師も同様だと思うのですけれども、そこは何をすべきかということを明確に今後はぜひ示していただくことで人材確保を進めていただきたいと考えました。
 あとは、25ページの辺りに、いわゆる見える化していくという言葉が出ております。これは前回の検討会のときもコメントが盛んに出ておりましたが、見える化というのは非常に重要だと思います。特に都道府県ごとに多少なりとの違いというか、多少以上の違いというのが現行の状況ではあるかなと考えます。コロナの支援についても都道府県でえらい違いがあったとか、そういうことがなるべく差がなくなるような見える化ということをぜひ厚生労働省のほうからも推進していただければと考えますし、特に地域医療介護総合確保基金の使用につきましては都道府県知事にその権限がありますし、各都道府県が自己負担分というのが出せるかどうかという問題も出てきますので、こういうことが先ほどの見える化を通じて必要なところにはさらに補助をするというような可能性も含めて、ぜひ進めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、望月構成員お願いいたします。
○望月構成員 望月です。よろしくお願いいたします。
 まず最初に、現存の地域医療構想についての課題と問題点が7ページの上のほうに述べられています。病床機能報告制度において高度急性期と急性期、急性期と回復期の違いが分かりづらい。必要病床数と基準病床数の関係が分かりづらい、こういう課題、問題点が出ていますが、これに対する答えを今回用意しなければいけないのかなと思って見ていました。21ページの706行目の「一方、病床の機能区分」では、引き続き4区分としながらも回復期のところに高齢者救急の受け皿が入ってきて包括期と、なかなか伝わりにくい言葉だとは思いますが、来年からのガイドラインできちんと説明をしてほしいと思います。報告する病院としては相変わらず曖昧な形で、医療資源の投入量で区分をすると以前厚労省は示しましたが、その後、医療資源の投入量だけでは区分がつかない話もあって、何となく病院側とすれば曖昧なまま病床機能を報告しているということがずっと続いておりましたので、今回ガイドラインを策定するときでもいいとは思うのですけれども、もう少し明確な基準は難しいとは思いますが、書きぶりを考えてほしいと思いました。
 それから、先ほどから問題になっている、病床の機能区分のところなのですが、回復期の機能を包括期機能として位置づけるべきであるということなのですが、要するに回復期プラス軽症急性期のようなイメージになるのですが、これはなかなか解釈が難しいですよね。
 一言で表す言葉というのは難しいので、包括期機能で消極的に賛成いたしますけれども、先ほども出ていましたが、ぜひ説明のほうをしっかりしていただきながら、この言葉が浸透できるように、持つ意味がはっきりできるように、繰り返しアナウンスしてほしいと思いました。
 それから、21ページの④の「構想区域」のところですが、今まで構想区域は少しフレキシブルに運用するという文章になっていたと思うのですが、最初の1行目が「引き続き二次医療圏を原則としつつ」ということで「原則」という言葉が入っていると、何かフレキシブルに運用しようというのと少し離れてしまうような感じがしますので、二次医療圏を念頭に起きつつも疾病とか、そのときの医療提供体制によってフレキシブルに運用していこうということが分かるような書きぶりにしてもらいたいと思いました。
 最後は26ページの913行目で、政省令の整備、ガイドライン等の検討に当たっては実効性のある取組となるようにというようなことが書かれていまして、まさに実効性のある取組が必要だと思いますので、やはり問題はガイドラインでしょうか。来年度策定するということで、ぜひしっかりとした実効性のあるものができればいいなと感じました。
 最後に一言、さっきの地域包括医療病棟ですがやはりハードルが高過ぎるんですよね。なかなか我々の会員病院の中でも地域包括医療病棟を実現できない。いろいろ制限が強過ぎて人の数もそろえなければいけないので、現状の厳しい状況ではなかなか人の雇用も大変になってきており、地域包括医療病棟はなかなか進められないのかなと思います。この包括期こそ地域包括医療病棟が必要なんじゃないかと思いますので、この地域包括医療病棟の条件を、ここの会で話すことでないとは思うのですけれども、ぜひ御検討していただきたいと思います。
 以上、意見でした。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、松田構成員お願いいたします。
○松田構成員 松田でございます。
 内容についてはよくまとめられていると思います。名称については大屋構成員や望月構成員の意見のとおりかと思いますので、今後の周知を図るという方向で理解を求めたらいいと思います。
 ただ、恐らく今後このまとめに基づいていろいろつくっていく上で一番課題となるのは、実効性を高めるためにこのまとめに対応した具体的なデータの分析とかその活用方法、それからその結果の解釈に対する具体的な説明をどうつくっていくかということなのだろうと思います。そこについて、ぜひこの後きちんと検討していただければと思っています。
 それから、構想区域なのですけれども、これは恐らく事前に少し調査をしていただいたほうがよろしいかと思っています。実際にこれで推計をやっていくことになると思うのですけれども、前回は二次医療圏をベースにして、その二次医療圏の中で少し市町村のデータと、それから隣接する二次医療圏の市町村データと相互に入れ替えることができるような形でシミュレーションツールも準備したのですが、この機能は多分あまり使われなかったと思います。前回は先に二次医療圏という形で整備をして、それでその後シミュレーションができるようにしたのですが、人の流れが医療圏とは必ずしも一致しない東京都などはそういうやり方でやっても多分駄目なのだろうと思います。そうすると、構想区域に関しては恐らく事前に少しデータを取って意見を聞いていただいて、その構想区域に合わせた推計ができるような形でデータを今回準備しなければいけないと思います。
 そういう意味で、先に構想区域に関する調査をやっていただけると実効性が高まるかなと思いますので、その準備もよろしくお願いいたします。
 以上、意見でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 では、伊藤構成員お願いいたします。
○伊藤構成員 ありがとうございます。医療法人協会の伊藤です。
 構成員の皆様方がおっしゃっていたように、よくまとめていただいていて大変内容はよいと思っておりますので、本当にありがたく存じております。
 私のほうからは1点意見と、それからもう一点はお願いということでお話を申し上げたいと思います。
 まず1点は、病床機能のお話でございます。前回、私は欠席をしまして皆さんの議事録等を見せていただいたのですが、なかなか包括期というような言い方でまとまるかどうか懸念をしておりまして、特に高齢者の救急というようなことを受け入れる病床ならば本来であれば急性期・回復期という言い方が最も表現しやすいし、国民も分かりやすいと思うわけでありますが、一般救急との区別を明確にするという意味から言うと、あえて亜急性期・回復期というような形で表現するのもいいのではないかということで、これは意見として申し上げたいと思っております。
 それから、先ほど病床機能報告は曖昧なんだというお話がありましたけれども、病床機能報告自体は一機能しか持てないということから言いますと、これは少し曖昧な部分を残したまま運用していくことが適切と思われます。それから医療機関報告は複数機能の報告が可能ということで、そこの上手な組合せで本来地域に必要とされるような機能が整備されていくのではないかと思っておりますので、これは意見として申し上げたいと思っております。
 それからもう一点が10ページのところ、24ページのところに、様々なデータの提供などの責務が求められるというようなことが書いてございますけれども、地域医療構想はこれから2040年を目指してさらに検討を進めていくに当たりまして大変心配することがあります。これはコロナがどうしてもきっかけになったと思うのですけれども、その後、医療の需要をはじめとする地域医療を取りまく様々な事情、状況というのは劇的な変化をしているということで、これが表在化しているわけであります。
 1つを取り上げてみれば、病院の経営の状況に関しては驚くほど急激に悪化しております。これらの医療を担う病院、担い手である病院が構想から離脱をする、なくなってしまうということも決して絵空事ではなくて現実のものだと思われるわけでありまして、地域医療構想ですばらしい構想をつくってはみたもののプレーヤーがいなくなるという現状があり得るということも含めて、病院の運用等を含めた、ステークホルダーの状況というものを逐一細かくデータでお知らせ頂き政策の中に反映させるような仕組みを組み入れないと、これは現実のものとしてうまく回らないのではないかということを大変懸念するわけで、その仕組みをつくっていただくことをお願いしたいという要望でございます。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、会議室に少し戻りましょうか。会議室でどなた御発言される方はいらっしゃいますか。
 では、香取構成員お願いします。
○香取構成員 ありがとうございます。全体的によくできていて、今日委員の皆さんがお話になっているようによくまとまっていると思います。その上で1個質問したいのですけれども、医療機関機能の名称のところで「在宅医療等連携機能」とありますよね。ここに、他の医療機関や介護施設云々、連携した対応と書いてあるのですけれども、この「他の医療機関」というのは病院、診療所を含んで医療機関と使っているわけですよね。
 総論のところや課題のところで地域、在宅、そういうものが大事、これからはそれも含めて包括的な構想にしていく、と書いてあるのですけれども、だんだん各論にいくに従って後のほうにいくと、何となく病院のことを念頭に書いてあって、医療機関機能も基本的には病院の機能のことが書いてある。考えてみると総論のところに書いてあるように、例えば外来機能とか訪問の機能をどうやって確保していくのか。確保していかないといけないというのは書いてあるわけですけれども、ブレークダウンした構想の方向性みたいなことはあまり明確に書いていない。だから、診療所とか外来の立場からすると、どこのところがどういうふうに自分が関わるのかというのがいま一つ見えてこない。
 それとの関係で言うと、先ほどマンパワーの話もありましたが、その部分も当然構想のガイドラインの中でも議論することにはなると思うのですけれども、道具立てがあまり見えてこない。
 さらに言うと、これからかかりつけ医機能の実装をしていかなければいけないということがあって、これは先のかかりつけ医機能の報告の中でもいろいろ書いてあるわけですけれども、今やっているのは報告制度があって公表してということだけで、その先、具体的にどういうふうにかかりつけ医機能をそれぞれの地域で連携してつくっていくのか。その辺は全部地域の協議にある意味、丸投げしたような形になっていて、あれだけの議論をしてかかりつけ医機能のことを書いたのですから、本当はそういうことに触れたほうがいいのではないか。
 結局、最後はガイドラインの中でどれくらいきちんと具体性のあるものを書いていくかということになるので、構想なのであまり細かいことを書けとは言いませんが、総論のところでいろいろな課題を述べているのに比べると、各論のほうではやはり病院のことをどう考え、病床のことをどう考えるという、医療機関といっても明らかにこれは病院病床を想定して機能のことは書いてあるわけなので、前回申し上げればよかったのかもしれませんが、ちょっとその辺は少し補足をして書いていただいたほうがいいのかもしれないと思います。
 全体としてはよくできているので、おまけのコメントだと思って聞いてください。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 ほかに会議室で御発言を御希望される方はいらっしゃいますか。
 それでは、オンラインでお手を挙げておられます玉川構成員お願いいたします。
○玉川構成員 玉川でございます。ありがとうございます。
 まず御礼です。本日提示をいただきました検討会取りまとめ案につきましては、本当に多忙を極める中、丁寧な記載やそのための困難な調整をいただいていることに関しまして深く感謝を申し上げます。ありがとうございます。
 先日の検討会資料に基づきまして、実務を担う都道府県への意見照会や、そして本日都道府県への説明を急遽行っていただきまして、文字だけでは見えない取りまとめに当たった皆様の問題意識も含め共有いただいたことは、関係者にとっても非常にありがたい対応です。この点についても、御礼を申し上げます。
 その上で、私からは4点コメントさせていただきます。いずれも要望という形になりますので、そのスタンスで御理解いただければと思います。
 1点目ですが、人的制約についての課題と対応方向の記載についてです。
 本検討会の基本的な出発点は、人口構造の変化に伴う医療・介護ニーズの変化への対応、そしてもう一点大事なのが担い手の減少という危機的な状況への対応です。今回の報告におきましては、担い手の減少に関する記載が若干弱いように感じます。課題については資料の5ページ、対応方法については資料の8ページにおいて記載がありますが、一定の加筆が必要ではないかと考えます。
 我が国でも出生数の減少が進行し、恐らく15年後では新卒の看護師の確保というものは極めて困難化していく状況にあります。それに伴って病床の縮小や病院の撤退ということも生じる状況下にあっては、いかに入院医療のニーズに対応していくかという人的制約への対応が必要になります。
 医療機能の分化・連携、集約化、重点化については医師の働き方改革への対応に限らず、看護師などの確保といった人的制約の影響が大きくなることを踏まえたものであったと考えます。また、在宅等の医療ニーズが拡大する中にあって、それに対応する看護人材をいかに確保していくか。それについては、例えば病院をリタイアした潜在看護師をいかに在宅分野に誘導していくか。また、医師につきましても拡大する高齢者医療に対応していくには総合的疾患に対応できる人材の育成、確保といったことも課題になります。これらに対しての記載が少ないところがありまして、全体のデザインをちょっと弱くしてしまっているのかなという印象がございます。
 また、これに関連しまして8ページの8行目では、医療の生産性向上についての記載があります。過疎地でも当然必要ですが、今ほど申し上げました極端な人的な制約が生じる中では医療DXの本格的な実装による業務の効率化ということについては、我が国全体として医療体制を確保する上でも必要不可欠な取組でありますので、過疎地にとどまらない記載としての反映を行っていただければと思います。
 次に2点目ですが、基準病床数と必要病床数の定義、役割の整理についてです。今回、こちらについては前回の議論を踏まえた、より現実的な扱いに近い形で見直しを行っていただきましてありがとうございます。その上で、今後も継続して検討していく課題と認識しておりますので、コメントをさせていただきます。
 一つ目は、基準病床の定義の整理です。先ほどのコメントにもありましたが、こちらについてはいずれ必要病床の整合性を高めていくとすれば、基準病床とはそもそもどのような役割、位置づけをしていくかという整理が必要かと思います。今後の課題と考えていただければと思います。
 もう一つは、将来推計である必要病床数の扱いです。今後の議論において厳密な意味での管理指標として位置づけていくのか、または方向性を誘導するためのツールとして扱っていくのかでは役割も目的も大きく異なります。進捗的な進行管理を行う病床機能報告とは尺度も定義も異なっていきますので、厳密な管理指標としていくことについては引き続き課題が残るものと思っております。
 一方で、方向性を誘導する側面においては、適切に扱うことができれば有用な武器になると考えます。必要病床数の強みが生きる制度設計と運用について、引き続き検討を進めていただければと思っております。
 次に、記載内容の検討をお願いしたい項目に戻りますが、3点目としましては病床機能報告の在り方、その見直しについての言及です。
 今回の報告案では、これまでの構想の議論において多くの課題を指摘されました病床機能報告の見直し方向については言及に至っていないところであります。病床機能報告の課題については、病床と言いながらも実際には病棟機能報告でありまして、名と実が乖離しているようなところがあります。また、必要量については一定の明確な基準がある一方、機能報告には良い意味でも悪い意味でも定義の曖昧さが強く、病院現場も行政も取扱いに非常に苦慮をしているところが現実です。こちらについては厳格化を求めるものではありませんが、病床機能報告についてはこれからも制度として活用していくのであれば、その改善について取り組んでいく、改善を検討していくといった言及については記載があったほうがよいのではないかと思っております。
 4点目ですが、報告コストの最小化についてです。最初に述べました人的資源の制約については、病院の現場、そして行政の現場双方に共通する課題と思います。今回の地域医療構想の議論については、その持続可能性を高めていくものという問題意識があるはずですが、対象範囲が拡大し、検討や推進に関して地方行政だけではなく報告も含めて医療現場の負担感を重くしていく内容でもあります。
 会議体についてはその効率化について既に問題意識の共有は進めているかと思いますが、この地域医療構想の流れにあります、かかりつけ医機能報告や外来機能報告、病床機能報告、さらには医療機関機能報告、関連では美容医療に関する報告など、医療現場、行政の現場では各種報告に関する業務負担というものが非常に重くなってきます。これについては、抜本的な負担軽減対策というものが求められてくると思います。このため、報告制度の共通化や利便性の高い報告システムの構築、報告先のワンストップ化、全国共通のコールセンターの設置といった報告業務の効率化が必要不可欠となります。
 また、現行のG-MISも含めまして、医療DXの時代に即した改善余地が大きくあることから、医政局におかれましては全国的な報告コストの最小化を図るためにも報告システムの在り方の改善、アップデートについて検討をお願いいたします。
 私からは以上となります。長くなって申し訳ありません。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、松本参考人お願いいたします。
○松本参考人 ありがとうございます。
 まず、これまでの議論を丁寧に整理頂いた事務局に感謝いたします。取りまとめ案に異論はありませんが、その前提で何点かコメントさしあげたいと思います。
 まず、新たな地域医療構想が入院医療だけでなく、外来医療や在宅医療、介護連携等を含めた医療提供体制全体を網羅していることは非常に重要だと考えております。
 一方で、今、玉川構成員からも御意見がございましたけれども、地域における協議や医療機関からの報告がこれまで以上に大変になる側面もあるかと思います。地域性に配慮しつつも、実際の運用を円滑に進めるためにしっかりとしたガイドラインを今後検討する必要があると考えております。
 これまでの病床機能の報告では、医療機関が回復期を選びにくいといった課題もあったと承知しております。また、病床機能や医療機関機能については被保険者や国民に名称が理解されることも重要ですが、一つの病院に複数ある病床の種類よりも病院全体を表す医療機関機能のほうが患者から見ても分かりやすいのではないかと思います。新たな地域医療構想では、医療機関機能を中心に説明していく必要があると考えております。
 本質的には資料の18ページの620行目から621行目に記載のとおり、医療機関機能について客観性のある仕組みにして医療機関が納得して報告し、病床の機能分化を進め、医療提供体制全体を適切に確保していくことこそが国民や患者のためになると考えております。
 名称について強いこだわりはございませんが、それぞれの地域で医療提供体制を最適化するという目的が果たされるよう、客観性を持った報告の制度設計をしていただきたいと思います。
○遠藤座長 それでは、オンラインで手を挙げておられます江澤構成員お願いいたします。
○江澤構成員 ありがとうございます。
 まず、これまでも申し上げておりますけれども、医療機関機能報告については全ての医療機関が報告できること、それから医療機関機能はある意味では病棟機能の総和でありますから、複数ある場合には複数の機能に報告ができるということはぜひお願いしたいと思います。
 2点目は、病床機能報告につきまして、まず地域包括医療病棟は13対1看護配置の地域包括ケア病棟では対応できないような高齢者救急へ対応する病棟として令和6年度診療報酬改定において創設されています。また、急性期一般入院医療の2から6の移行先の受け皿としても位置づけられたところでございます。
 その機能は本日の参考資料1のイメージにありますように、入院早期からの治療とともにリハビリテーション、栄養、口腔管理の一体的取組を推進し、早期に在宅復帰するいわゆる包括的医療となります。地域包括ケア病棟においても、包括的医療を中心に提供しているのが実情であります。したがって、これらの入院基本料の名称にも地域包括医療病棟、地域包括ケア病棟、ともに「包括」の名称が用いられているところでございます。
 また、これらの機能の多くは急性期でもなく、慢性期でもなく、包括機能を位置づけることによって医療機関の立場としては病床機能を報告しやすくなると考えております。これまでの回復期は急性期治療の後にリハビリテーションを中心に提供する機能がイメージとなっていますけれども、今後の医療提供においては急性期病棟以外で対応するような肺炎や尿路感染症といった高齢者救急を初入院から受け入れるニーズが急増します。したがって、今後の医療提供を踏まえますと、報告する病床機能は高度急性期機能、急性期機能、包括期機能、慢性期機能とするのが最もふさわしいと考えております。
 現在の回リハ病棟の機能におきましても、多職種協働でリハビリテーションを中心に提供する役割はまさに包括的医療でありますので、包括期機能に合致するものと認識をしております。
 また、いろいろと御懸念の意見があります包括期の名称につきまして分かりにくい等という御意見があったと思いますけれども、前回も申し上げましたように、例えば地域包括ケアシステムという言葉も1980年代に誕生し、2005年の介護保険法改正の法文には導入され、現在では広く浸透して定着しております。したがいまして、丁寧に周知を行うことによって十分その辺りは払拭できる、解決できるものであると思っております。
 最後の点は22ページの「調整会議」の2行目のところですけれども、先ほどの御意見もありましたように、大変に今は医療機関の経営が過去にない厳しい局面にございます。医療機関が倒れますと、そもそも提供体制は消失します。「医療機関の経営状況等の実情等も踏まえながら」という部分はしっかりと強調していただきたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、東構成員お願いいたします。
○東構成員 ありがとうございます。
 全老健の東でございます。3点意見を申し上げたいと思います。
 まず1点目が資料1の14ページ、「その他」の「リハビリテーション」の項目の4つ目の○でございます。この中に、「リハビリテーションについては、入院での早期のリハビリテーションや集中的なリハビリテーションが効果的な場合は入院でのリハビリテーションを提供しつつ、それ以外の場合には、他施設とも連携しながら、外来医療・在宅医療等におけるリハビリテーションの提供を含め、患者の身体機能に応じて、適切な場で」という文言が書いてございます。
 この「他施設」というものが入院以外の施設だったとしますと、リハビリテーション専門職の配置が求められ、認知症短期集中リハビリテーション等を提供しておりますのは介護老人保健施設のみです。介護医療院もリハビリテーションの提供はしておりますが、住まいと位置づけられている介護医療院におきましてはほぼ満床ですぐに受入れができるということではないと考えます。
 したがって、主に受入れの対象となる「他施設」というのは介護老人保健施設であろうと思われますので、「他施設」ではなく介護老人保健施設等と記載していただくとありがたいと存じます。
 2点目でございますが、資料1の18ページの「医療機関機能・病床機能」についてです。「基本的な考え方」の中の6行目くらいに、「国民・患者に共有することが重要である」という記載がございます。したがって、この医療機関機能、それから病床機能につきましてはもう少し丁寧に、例えばどういうときに医療機関機能を使い、またどういう場合に病床機能を使って何を検討するのかといったような国民や介護事業者等にも分かりやすいように、この取りまとめ又はガイドライン等で関係性等を説明していただけるとありがたいと思います。
 最後に3点目、資料1の21ページの包括期機能という名称について皆様から様々な御意見があったと思います。しかし、皆さんの御意見を聞いておりますと、この名称について包括期という名称でいくことにはおおむね賛同が得られたのではないかと考えています。重要なことは石原委員の意見書にもございますように、報告する医療機関が迷わないように、また国民にも分かりやすい包括期の説明というものをしていくことではないかと考えます。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 では、森山構成員よろしくお願いいたします。
○森山構成員 よろしくお願いします。
 私のほうからは、1点意見を述べさせていただきます。
 25ページの847行、「都道府県の取組状況を見える化することが適当である」というような記載がございます。今回の新たな地域医療構想におきましては、今後検討される中で二次医療圏という単位、あるいは構想区域という単位、そのことを検討していく中で、人口規模にかなり幅があるかと感じています。あるいは、市町村におきましても町村の小さな人口規模から中核市、政令市という大きな人口の範囲までかなり幅があろうかと思います。そういった中で、こういった取組状況を見える化するという形で全国のいろいろなところの状況も参考にできますと、我が町の取組においてもかなり参考にできるのかなと思いますので、そういった取組状況の見える化ということにも積極的に取り組んでいただければと思います。
 以上になります。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 オンラインでお手を挙げておられる方はもういらっしゃらないですか。
 いらっしゃらないですね。
 それでは、会議室のほうで土居構成員からお願いします。
○土居構成員 これまでの議論をうまく取りまとめていただきまして、事務局に大変感謝申し上げたいと思います。
 新たな地域医療構想ということで16ページにも書かれておりますように、まさに病床機能分化・連携だけでなく、外来医療、在宅医療、医療と介護の連携というところでこれからの地域医療構想を新たに組み立てていくという方向性が示されたことは大変意義深いものがあると思います。これをしっかり魂を込めていくことが、これからガイドライン作成に向けても非常に重要だと思います。
 特に21ページで、病床機能については包括期機能ということとして新たに位置づけることになっているわけですけれども、病床機能についてはこれまでの地域医療構想、2025年までのものでも必要病床数について推計を行ってきて、これが一つの重要な役割を果たしたと私は認識をしております。そういう意味では、2040年に向けてもここでの機能に着目した推計をしっかり定義がぶれることなく、きちんと推計できるようにガイドラインでも検討していただきたいと思います。
 さらに改革モデルというものを719行目にも明記していただいていて、単に一つのシナリオということだけでなくて、ほかにいろいろ状況の変化に応じた対応もできるような形で機能区分ごとの推計を行うことにしていただくことがこのガイドラインで具体化することは非常に重要なポイントになってくるかと思います。
 ただ、私の認識ではどちらかというと2025年までの地域医療構想は2013年の入院受療率に基づきながら推計したという意味で、当時としては画期的な分析だったと思うのですけれども、新たな地域医療構想との関連ということでいうと、ある種スナップショット的な、つまり2013年の1年間を通じてレセプトデータ、DPCデータを分析したときに高度急性期の病床はどれくらい必要で、各機能はそれぞれどれくらい必要かを測っていた。特に、在宅医療等というところについての患者の流れについては、どちらかというと外づけ的な感じで推計をしていたというふうに認識をしておりますが、今回の新たな地域医療構想は外来医療や在宅医療につないでいく。それから、介護と連携していく。そういうことを考えますと、患者の流れ、利用者の流れ、こういう入院から外来、在宅ないしは介護というようなところの流れもしっかりデータとしてつかみながら病床数の必要量を図っていくことが求められると思います。
 そういう意味では、18ページの596行目からその点で私が申し上げたことを記載していただいているというふうに理解はするのですが、これを読んでいて、データという文字がここの段落に一つもないというのがちょっと気になりました。PDCAサイクルと入っているのでもちろんデータは使うんだということは分かるのですけれども、例えば私の一つの提案ということで申しますと、598行目の「病床機能の確保に向けた取組を推進する」というところの間に、取組をデータに基づきつつ推進するとか、そういうような形で以下のものがそれぞれデータを取りながらしっかり2040年に向けて取り組んでいくという文言があるといいのかなと思いました。
 それから、23ページに「必要病床数と基準病床数の関係性」についての言及があります。ほかの構成員の方もそれぞれ御意見をおっしゃっておられて、私も同意するところではあります。それで、特に基準病床数との整合性がこれからますます重要になってくると思います。必要病床数はこれまでもレセプトデータ、DPCデータに基づいて推計してきたわけですけれども、基準病床数は必ずしもそうではないというところの違いもありますから、前回この両者の違いをデータに基づいて差異を分析するとよいのではないかと提案を申し上げましたが、ここではそこまで修文を求めるとか、そういうことでは全くないのですけれども、今後の議論の展開を見据えて意見をさせていただくと、基準病床数の算定式については必要病床数との整合性を図っていくということがこれからますます必要になってくるかと思います。
 その意味で、必要病床数の位置づけというものをよりこれまでの2025年までの取組でどうだったかということを強調していただきたいと思ったものですから、大分前に戻りますけれども、6ページで、ここは「評価と課題」というところではあるのですが、177行目からの段落で、機能別の病床数はこういうような形で全体として進捗が認められると評価しているということで。私もそうだと思いますけれども、その文末にせめて必要病床数のデータがあったからこういうような進捗が認められたんだというニュアンスで、例えば必要病床数のデータを明示したことが重要な役割を果たしたとか、そういうようなことを記載していただけると、今後新たな地域医療構想の策定に向けて病床数の必要量が目指す指針として重要になるんだという形でこれまでの取組を踏まえたものとして位置づけられるのかなと思いました。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 では、川又構成員お願いいたします。
○川又構成員 1点だけです。
 22ページの⑤に「調整会議」ということで、必要な関係者が参画をして実効性のある協議ということで書いてございますけれども、保険者としても積極的に議論にこれから参画していきたいと考えているのですが、前回の調整会議の例などを見ますと、どうしても会議の委員の数が限られているということで、現実にはなかなか参加がかなわないなど、そういうことも実際にございました。必要な関係者がきちんと参画をして実効性ある議論ができるような体制づくりということで、ガイドライン等において今後御配慮をお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 ほかにいらっしゃいますか。
 尾形構成員、どうぞ。
○尾形構成員 まず、この報告書の取りまとめについては事務局の大変な御尽力を評価したいと思いますし、感謝したいと思います。
 その上で1点、細かい文章上の表現についてコメントさせていただきます。
 26ページの最後の○ですが、今後の話ですけれども、「政省令の整備、ガイドライン等の検討に当たっては」ということで913行から914行にかけて、「都道府県、市町村、医療関係者等の関係者の意見を十分に聞きながら検討を行うべきである。」と書いてあるのですが、ここがほかの箇所での表現と必ずしも平仄が合っていないと思います。
 例えば、22ページの「調整会議」のメンバーで743行目から744行目、「医療関係者、介護関係者、保険者、都道府県、市町村等」と書いてあるので、少なくともこの914行目の「医療関係者」の後に、介護関係者、保険者を入れるべきではないかと思います。これは意見です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 ほかにございますか。大体御意見は出尽くした感じでございますか。ほかに何か御意見がおありになる方はいらっしゃいますか。
○今村英仁構成員 これについてはこれで、一旦「新たな地域医療構想に関するとりまとめ(案)」についてはまとめるということですか。
○遠藤座長 ほとんど御意見がないということであれば。
○今村英仁構成員 なければということですね。
○遠藤座長 では、出尽くしたということであれば、ありがとうございました。
 それでは、本件につきましては基本的にはこの案について御賛同を得たというふうに私は理解申し上げますが、様々な御意見もありますので、事務局におかれましてはその御意見を反映できるものは反映して、また次回の検討会で御議論いただくという形で対応させていただきたいと思います。ありがとうございました。
 ほかに何かございますか。
 では、今村英仁構成員どうぞ。
○今村英仁構成員 本日も大変な真摯で建設的な議論で、この「新たな地域医療構想に関するとりまとめ(案)」ができたのではないかと思います。
 本日議論されませんでしたけれども、次回、医師の偏在対策等についても御議論いただくことかと思います。そういう中で、医療提供者側としてちょっと懸念する事項がありますので、指摘とお願いをさせていただければと思います。
 この検討会で大変真摯、建設的な議論というのは進んでいるのですけれども、昨日、大手新聞の朝刊で、医師の偏在対策については調整が難航しているという記事の記載で、この検討会や医療部会で議論が継続しているにもかかわらず、この検討会の外でこれまでの検討内容が否定される記事、またはより強い規制の必要性というものが指摘されるというようなことはやはり非常に遺憾だと感じるところです。
 また、そういった指摘の中で健康保険法上の保険医療機関の不指定ということも出てきておりますが、そもそもこの不指定というのは医療保険制度を著しく棄損するような場合に認められるものと我々は認識しているところです。
 今回検討している医療法上の不足する医療機能の要請等というのは、この医療保険制度の外にある学校医、公衆衛生上の貢献を含め、本当に地域医療を取り巻く者についての要請ということです。そうした部分の貢献をしないということで、この不指定の議論につながるというのは非常に論理的にも結びつかないということだと思います。
 特に、この保険医療機関の不指定というのは、例えば診療所においてはやはり存続廃止と、経営上にも関わる非常に強い規制であるということで、これについては今までも申し上げてきましたけれども、憲法上の営業の自由や職業選択の自由というものに抵触する可能性が非常に高いということで、我々としては全く認められる余地はないと考えております。
 また、経済的インセンティブの議論の中で同時に地域別診療報酬などの議論が行われるということには断固反対で、特に経済的インセンティブと極めて強力な規制的手法というものを一緒に議論というのは本当に適切な検討ができないということと考えています。
 ぜひ経済的インセンティブについては医師偏在の是正ということで早急に充実させていく方向で御議論いただければということで、大変懸念している事項について御指摘、そしてお願いをさせていただきました。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございました。議題外でございましたけれども、御意見を述べられたということにさせていただきます。
 それでは、オンラインで松本参考人がお手を挙げておられますので、松本参考人どうぞ。
○松本参考人 ありがとうございます。
 今、今村英仁構成員からも報道に関しての御意見がありましたが、私からも少し述べたいと思います。
 本日、昨日と一部マスコミで医師偏在について審議中にもかかわらず、厚生労働省のほうで方向性がさも決まったかのような形の報道がなされたことは大変遺憾でございます。医師偏在対策の重要性は我々も十分認識しており、ちょうど1週間前の11月29日には保険料を負担していただいている被保険者と事業主を含めまして、被用者保険関係5団体として厚生労働省大臣宛てに意見書を提出したところです。健康保険制度の枠組みの中でどのような対応を図るべきなのか、丁寧な議論が必要だと考えておりますので、我々の考え方をこの場で端的に紹介させていただきたいと思いますが、遠藤座長、時間を少しよろしいでしょうか。
○遠藤座長 結構です。
○松本参考人 ありがとうございます。
 まず基本的な考え方といたしましては、医師偏在の問題は真に実効性のある対策を講じることが必須です。その際には、医師多数対策と医師少数対策を一体的に実施することが重要である。そして、都道府県、大学との連携協定による医師派遣機能や、あるいは国による全国的なマッチング等の強化も図りつつ、やはり規制的な手法を中心に強力な対応をすべきであるというのが基本的な考え方になります。
 その中で規制的な手法といたしましては、先ほど保健指導に関する御指摘もありましたけれども、やはりこれに関しては抜本的に規制を強化すべきであると考えております。また、審議の中でもございましたけれども、管理者要件に関しましては可能な限り幅広い医療機関で医師少数区域での勤務経験を規定すべきであると考えております。
 次に経済的手法でございますが、まずは国と都道府県が拠出する基金等のさらなる活用による経済的インセンティブを検討すべきだと考えております。
 一方で、経済的インセンティブを財源として保険給付と関連性の乏しい人に保険料を重点することは著しく妥当性を欠いており、これについては反対でございます。
 そうしたことを十分踏まえた上で、次回以降の議論に臨みたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 私からは以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。ただいま、議題外でございましたけれども、医師偏在についての議論でした。
 まだ御意見はあるかと思いますけれども、議題外ということでこの辺りで、また引き続き議論させていただきたいと思いますが、土居構成員からどうしてもコメントがあればお願いいたします。
○土居構成員 今、保険医療機関の不指定の話で、もちろん御意見だと私は思っていますけれども、それでこの検討会がもう今日意見が一致としたことになるというのは、全然そこまでの議論は深まっていないのではないかと思います。
○遠藤座長 もちろん、それは全く逆の議論が出ているわけですから当然のことです。
 それでは、本日はこれにて終了したいと思いますけれども、事務局から何かありますか。
○淺野課長補佐 次回の検討会につきましては、詳細が決まり次第御連絡いたします。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 それでは、これをもちまして本日の検討会は終了したいと思います。
 どうも長時間ありがとうございました。

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