- ホーム >
- 政策について >
- 審議会・研究会等 >
- 医政局が実施する検討会等 >
- 新たな地域医療構想等に関する検討会 >
- 第9回新たな地域医療構想等に関する検討会:議事録
第9回新たな地域医療構想等に関する検討会:議事録
○日時
令和6年9月30日(月) 15:00~18:00
○場所
日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8F会議室
東京都千代田区内幸町2-2-3 日比谷国際ビル8階
東京都千代田区内幸町2-2-3 日比谷国際ビル8階
○議事
○淺野課長補佐 定刻となりましたので、ただいまから第9回「新たな地域医療構想等に関する検討会」を開会いたします。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
本日は、対面及びオンラインによる開催とさせていただいております。
オンラインでの参加に係る留意事項につきましては、事前に送付しております「オンライン参加の留意事項について」を御覧ください。
また、オブザーバーとして、総務省自治財政局準公営企業室の八矢準公営企業室長、文部科学省高等教育局医学教育課の堀岡企画官に御出席いただいております。
続きまして、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。事前に議事次第、構成員名簿、省庁関係出席者名簿、配席図のほか、資料1から3、参考資料1を配付いたしましたので、お手元に御準備いただきますようお願いいたします。
冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまででお願いいたします。
(カメラ撮り終了)
○淺野課長補佐 それでは、以降の進行は、遠藤座長にお願いいたします。
○遠藤座長 構成員の皆様、こんにちは。本日は少々長丁場でございますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入らせていただきます。本日は議題が3つございますので、3つの議題ごとに説明と議論を行うという形で進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。議題も多く、構成員の数も大変多い検討会でございます。できるだけ多くの方の御意見をいただきたいと思いますので、御発言は簡潔にお願いできればありがたく存じますので、よろしくお願いします。
それでは、1つ目の「医師偏在是正対策について」、事務局から関連の資料の説明をお願いします。
○高宮参事官 医療提供体制改革担当の参事官です。
資料1を御用意ください。医師偏在是正対策につきましては、8月30日に厚生労働大臣から総合的な対策パッケージの骨子案を公表したところです。年末のパッケージの策定に向けて本検討会でも御議論いただきたいと考えています。資料の枚数が多くなっていますので、ポイントを絞って説明いたします。
資料の3ページ、最初が医師偏在の現状についてです。
4ページ、まず医師数の年次推移、医師数は全体として増加しているということです。
5ページ、日本の人口の推移、人口減は既に始まっているという状況です。
6ページ、令和2年度の医師の需給推計の資料になります。2029年頃あるいは2032年頃に均衡するという推計になっています。
8ページ、地域偏在についてです。一定の仮定を置いた医師偏在指標によって全国の状況を比較しているものになります。上位3分の1を医師多数県、下位3分の1を医師少数県として取組を進めているところです。
9ページは、二次医療圏ごとの医師偏在指標になっています。これが11ページまで続いています。
13ページ、診療所の従事医師の年齢階級別の割合になります。上のほうの四角の2つ目の○ですが、診療所が主たる従事先の医師について、60歳以上の医師の割合が増加してきているという状況です。
14ページ、人口規模別の二次医療圏ごとの診療所数の変化の状況になります。人口規模が小さい二次医療圏において診療所数が減少傾向、50万人以上あるいは100万人以上の人口規模の大きい二次医療圏では診療所数が増加傾向にあるという状況です。
15ページから診療科偏在についてです。
15ページは、診療科別医師数の実人数です。一番上の内科が最も人数が多い診療科になっています。次は薄い紫色、外科が多くなっているという状況です。
16ページは、平成20年を1.0とした場合の推移になります。多くの診療科で増加しているところですが、一番下の薄い紫色、外科については横ばいになっているという状況です。
17ページ、診療科別の時間外・休日労働時間数になります。外科、産婦人科、脳神経外科などで長くなっています。
18ページ、美容医療に関する検討会の資料になります。美容外科について、近年、20代、30代の医師の占める割合が増加しています。
19ページ以降、現行の取組の資料になります。
20ページが医師確保対策に関する取組の全体像になります。左上の医師養成過程における取組として、大学医学部の地域枠を設定しています。それから、臨床研修では都道府県別に研修医の募集定員の上限数を設定。専門研修においては、都道府県別、診療科別の専攻医の採用上限数、シーリングを設定しています。右上、各都道府県の取組としては、各都道府県において医師確保計画を策定いただいています。先ほどの医師偏在指標により、その偏在の状況を把握して、大学と連携した地域枠の設定ですとか、あるいは地域医療対策協議会、都道府県、医師会、大学病院、中核的な病院などを構成員とする協議会において、医師確保対策の方針、要請ですとか派遣調整などについて協議を行って、取組をいただいているところになります。また、下のほうの医師の働き方改革についても併せて取組を進めています。
その後は医師養成過程の取組の概要資料が続いています。
27ページ、35歳未満の医療施設従事医師数の推移になります。医師少数都道府県の若手の医師数は、医師多数都道府県と比較して伸びており、若手の医師については地域偏在が縮小してきているという状況になります。
28ページが、今度は若手医師に限らず医師の全体を見たものになります。医師少数都道府県の医師数の伸び率は増加しており、医師多数都道府県よりも大きくなっているけれども、その伸び率の差は若手医師の伸び率の差と比較すると小さくなっているという状況です。
その後は都道府県ごとの医師確保計画の取組の概要資料がついています。
34ページです。医師少数区域などで勤務した医師を認定する制度、これを令和2年度から開始しています。医師少数区域で一定期間勤務をして、必要な業務を行った方を厚生労働大臣が認定するという制度です。下の方の①のところに書いていますが、地域医療支援病院の管理者について、この認定医師であることというような管理者の要件を設定しています。括弧書きで書いてあるとおり、2020年度以降に臨床研修を開始した医師を管理者とする場合に適用されるということになっています。
35ページ、この認定医師の認定数になります。令和2年度に制度を開始して以降、令和4年度で507人の方が認定をされているという状況になっています。
37ページ、外来医師偏在指標を活用した地域で不足する機能あるいは偏在への対応ということです。外来医療計画のガイドラインにおける取組になっています。下のほう、オレンジ色の赤枠の2つ目の○ですが、外来医師多数区域において、都道府県から新規開業希望者に対して、初期救急、夜間・休日の診療、あるいは在宅医療、公衆衛生など地域で必要とされる医療機能を担うよう要請することとしています。
その要請の状況について、38ページの資料にまとめています。
38ページの左側の真ん中ぐらいに、まず1番目として、外来医師多数区域のある37の都道府県のうち、この要請を行っているか行っていないかというものになります。要請をしている都道府県が28、要請していないという都道府県が9、24%になっています。
その下の2番目で、外来医師多数区域の新規開業希望者への要請の状況になります。新規開業者は2,648件あります。このうち右側に行って要請をしていないというのが536件、左下の要請したものが2,112件になります。要請された医療機能を提供する合意ありが637件、合意なしが400件になっていて、協議の場への出席要請等の対応をしているのが12件、対応していないのが388件、協議中が975件あり、要請のみで合意の有無の確認をしていないというのも100件ございます。地域で必要な医療機能の要請を行った上で、実効性の確保が課題になっていると考えています。
40ページ、第7次医師確保計画が2023年度までとなっています。この第7次医師確保計画の目標達成状況になります。真ん中に医師少数県における目標の達成状況として、計画開始時の医師偏在指標下位3分の1基準に達するという目標を達成した医師少数県は16県のうち6県、約4割となっています。医師少数区域でも目標を達成しているのは約4割ということで、残りの区域では、ここまでは達していないという状況になっています。
41ページ以降、医師偏在是正の総合的な対策パッケージの検討についてです。
43ページ、骨太の方針2024、今年6月に閣議決定をされたものになります。医師偏在是正に関して記載がございます。医師確保計画を深化させる。それから、医師養成過程での地域枠の活用、大学病院からの医師の派遣、総合的な診療能力を有する医師の育成、リカレント教育の実施など、必要な人材を確保するための取組。それから、経済的インセンティブによる偏在是正、そして、医師少数区域などでの勤務経験を求める管理者要件の拡大など規制的な手法を組み合わせることで、総合的な対策のパッケージを2024年末までに策定することとされています。
次の44ページ、こちらが8月30日に厚生労働大臣から公表した総合的な対策パッケージの骨子案になります。①医師確保計画の深化として、都道府県における医師偏在是正プランの策定、それから、国における重点的な支援対象区域の選定。②医師の確保・育成、医師少数地域で従事する医師の育成、そのような医師を増やす観点からの取組として、医師少数区域での勤務経験を求める管理者要件の拡大、それから、外来医師多数区域の都道府県知事の権限強化、保険医制度における取扱いなど規制的手法の検討。それから、その下3つは養成課程に関連する取組になります。臨床研修の広域連携型プログラムの制度化、中堅以降医師などのリカレント教育、臨時定員地域枠の医師少数県への振替の検討。③実効的な医師配置です。医療介護総合確保基金などによる重点的な支援区域の医療機関、処遇改善のための経済的インセンティブ、その区域への医師派遣などを行う中核的な病院への支援、全国的なマッチング機能の支援などの検討。一番下が都道府県と大学病院との連携パートナーシップ、協定の提携検討ということです。
45ページは、9月5日の厚生労働省の医師偏在対策推進本部、省内の大臣をトップとした会議における資料になります。こちらで主な論点を示しているところです。
46ページは、8月21日に日本医師会から医師偏在に対する日本医師会の考え方という提案が示されています。
48ページ、これらの医師偏在是正の対策について、本検討会においては、下の検討事項の(2)ですが、医師養成過程を通じた対策を除いた医師偏在是正対策に関する事項を検討いただくこととしています。
医師養成過程の対策については、49ページの医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会で検討を進めているところです。また、対策の中には医療保険に関連する事項も入っています。そのようなものは医療保険部会などで検討を行うこととしています。
50ページは、先ほどの医師養成過程の偏在対策の検討会を9月20日に行っています。そちらで診療科偏在についての議論を始めています。外科などの一部診療科の増加が乏しいことに対して、働き方改革など既存の施策に加え、どのような対策が考えられるかということで、診療科偏在については医師養成過程のほうの検討会で議論を開始しています。
本検討会では、54ページ以降、以下の点を検討いただきたい、御意見いただきたいというふうに考えています。
まず1つ目が、医師偏在是正プラン・重点医師偏在対策支援区域についてです。下のほうの2番目、取組の方向性案として、早急に医師確保を要する地域について、へき地保健医療対策にも取り組んでいるが、へき地でなくても、人口規模、地理的条件、今後の人口動態などから医療機関の維持が困難な地域もある。まず早急に取り組む地域の対策として、優先的、重点的に対策を進める区域を重点医師偏在対策支援区域として設定することについて、どのように考えるか。
※で書いておりますとおり、この区域について、これまでの医師偏在指標だけではなくて、可住地面積当たりの医師数、あるいは住民の医療機関へのアクセス状況、医師の高齢化の状況なども考慮して設定をすることとしてはどうかと考えています。
2つ目のポツで、都道府県の医師確保計画において、この医師偏在是正プランを策定して、重点医師偏在対策支援区域、対象の医療機関、必要医師数を具体的に示すことについてどのように考えるか。その際、この区域については、国において一定の基準を設けた上で、都道府県と調整して、選定することについてどのように考えるか。
続いて、57ページ、規制的手法の1つ目になります。医師少数区域などでの勤務経験を求める管理者要件です。下のほうの2番目、取組の方向性案として、医師少数区域等での勤務経験を求める管理者要件の対象医療機関の拡大です。現行は地域医療支援病院のみを対象としていますが、この対象医療機関を拡大することについてどのように考えるか。
※で2つ書いています。2つ目の※のとおり、医療法第31条において、公的医療機関は医師の確保に協力することとされていることも踏まえて、御意見をいただきたいと考えています。
その下の○、医師少数区域などでの勤務経験期間の延長。現行6か月以上となっていますが、これを例えば1年以上と延長することについてどのように考えるか。
59ページ、規制的手法の2つ目になります。これも下の取組の方向性案のところで、まず1つ目の○が、外来医師多数区域における新規開業希望者への地域で必要な医療機能の要請などの仕組みの実効性の確保です。まず現行の仕組みを医療法に位置づける。それから、外来医師多数区域の新規開業希望者に対して、事前に診療所で提供する予定の医療機能を記載した届出を求める。現行制度では、診療所の開設は基本的に事後届出になっていますが、事前の届出を求めることとした上で、その届出内容を踏まえて、不足する医療機能の提供を要請するということについてどのように考えるか。
2つ目のポツで、正当な理由なく要請した医療機能を提供しない場合には、都道府県において勧告・公表を行うこと。併せて、実効性を確保するため、保険医療機関制度における取扱いについてどのように考えるか。
3つ目のポツは、もう少し厳しい案として、外来医師多数区域での開業を許可制とし、開業の上限を定めることについてどのように考えるか。※にも書いてありますとおり、検討に当たっては、憲法上の職業選択の自由、あるいは営業の自由との関係などの課題があることも踏まえて、御意見をいただきたいと考えています。
2つ目の丸、保険医療機関の管理者要件、例えば保険医療機関の管理者を法律に規定して、一定期間の保険医勤務経験を設定するなどの方策についてどのように考えるか。こちらは保険医療機関の話になりますので、医療保険部会などで検討いただくこととしています。
63ページ、経済的インセンティブです。これも下の2番目の取組の方向性案のところで、へき地でなくても、人口規模などから医療機関の維持が困難な地域であり、優先的、重点的に対策を進める区域として設定する重点医師偏在対策支援区域における医師確保を推進するため、経済的インセンティブとしてどのような対応が考えられるか。こちらについては、1番目の現状と課題において記載があるようなへき地診療所の施設・設備整備支援、あるいは運営の支援、あとは医師派遣の支援などがあるということ。あるいは、2つ目のポツのように、医師少数区域で新たに診療所を開設する医師に対する一定期間の資金支援策の創設ですとか、医師少数地域で働く医師の確保・派遣を強化すべきとの指摘なども踏まえて、これも御意見をいただきたいと考えています。
2番目の2つ目のポツです。重点医師偏在対策支援区域において必要な医療機能を維持し、国民皆保険制度を安定的に運営する観点から、国、地方のほか、保険者等からの協力の在り方について、医療保険部会などでも検討することとしてはどうか。
最後の3つ目、診療報酬については、保険局のほうの事項となっています。
65ページ、全国的なマッチング機能の支援です。2番目の取組の方向性案として、中堅・シニア世代などの医師を対象として、医師不足地域での医療に関心・希望を有する医師の掘り起こし、必要に応じてリカレント教育や現場体験へのつなぎ、医師不足地域の医療機関とのマッチング、その後の定着支援等を行う全国的なマッチング機能の支援を行うことをどのように考えるか。
最後、71ページは、都道府県と大学病院等の連携パートナーシップ協定についてです。2番目の取組の方向性案として、地域医療対策協議会などによる医師派遣調整機能等の強化のため、都道府県と大学病院等の連携パートナーシップ協定の締結を推進することをどのように考えるかということです。
74ページ以降、9月20日に行った医師養成過程の対策の検討会の資料、医学部の地域枠や臨床研修の広域連携プログラム、あるいはリカレント教育について検討を進めているという資料を参考でおつけしています。
私のほうからの資料の説明は以上になります。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの医師偏在対策につきまして、御意見等をいただければと思います。いかがでございましょうか。
では、山口構成員、お願いいたします。
○山口構成員 ありがとうございます。山口でございます。
この医師偏在問題に対しては、教育などでもいろいろと工夫してきたわけですけれども、例えば地域枠や出身者枠は定着することに効果を発揮していると思いますけれども、シーリングについては、シーリングがかかっている都府県の近隣に流れていってしまっていて、本来の医師少数県に充足できているかというと、それができていない現状があると思います。
40ページに、医師少数県の中で目標を達成している6県と書かれていますけれども、これはお聞きすると、栃木、群馬、長野、岐阜、三重、宮崎ということで、従来問題になっている医師少数県で目標達成できているのではないという現状がありますので、私は、もうそろそろ若い方たちを使って医師偏在対策を何とかしようとするのではなくて、中堅以降医師という言葉が出てきていますけれども、特に54ページの重点医師偏在対策支援区域というものを設定するのであれば、中堅以降の医師にどうやって医師少数地域あるいは県に行ってもらうかということを考える必要があるのではないかなと思っています。そのためには、先ほどの御説明にあったマッチングとかリカレント教育というようなことが必要ではないかなと思います。
それから、57ページの管理者要件の対象医療機関の拡大ということで、医師少数県・区域で従事した医師に対して認定ということなのですけれども、今、全体的に若い人が管理職になることを避ける傾向にあって、これは医師も同じではないかと思います。管理者要件を拡大したとしても、それに魅力を感じる人が少ないとすれば、行く人は逆に減るのではないかと危惧しておりまして、ちょっとこれは乱暴な言い方かもしれませんけれども、むしろ開業する場合の要件にでもしない限りは実効性がないのではないかなと感じています。
それからもう一つ、医師少数県で従事する人なのですけれども、18ページの美容医療のところで全体の年代の比率が書かれていますが、これは数でお聞きしたデータによると、2010年からの12年間で、20代、30代の美容医療に従事している人たちは159人だったところが、何と656人に増えているということで、497人も増えているという現状があります。20代から80代の全体で見ると824人増えている。そのうちの500人ぐらいが20代、30代に集中しているということからすると、私は、この美容医療を手がける人たちが一定期間、国の少数地域で社会貢献してもらうということも必要ではないかと思いますので、こういった美容医療に携わる方の要件としても、対策として、一定期間少数県・区域に行ってもらうということも1つの考えではないかなと思っております。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。御意見として承りました。
今、オンラインで5名の方が手を挙げておられますので、まずはオンライン5名の方にお願いをして、その後、会場から御発言をいただければと思います。
それでは、続きまして、望月構成員、お願いいたします。
○望月構成員 ありがとうございます。
非常にこれは古くて新しい問題で、今回本腰を入れてこの是正に向かうという非常にありがたい話だと思います。私の自治体病院協議会の加盟病院は、中小病院も医師不足が非常に大変でありまして、これはいろいろパッケージで組まれております。
まず、医師少数区域等での勤務経験を求める管理者要件の大幅な拡大というところなのですけれども、先ほど山口構成員もおっしゃいましたが、今本当に中小病院の病院長のなり手が少なくて非常に困っています。この管理者要件が、私はどうせ開業に向かいますので病院長にはなりたくありませんという方にとっては逆の方向で追い風になるような気がしますので、ここは逆に注意しておいたほうがいいのかなと思います。実効性を求めるのであれば、全医療機関という考え方がありますけれども、これはいろいろハードルの高い話もありますので、ここは慎重に議論をしてほしいと思います。
それから、1つここで考え方が抜けているのは、大学病院からの医師派遣というのはもちろん当たり前の状況でやってもらわなければいけないし、逆に大学病院の医師も、大学病院の処遇が非常に低いですので、アルバイト的に外の診療所に行かないと生活ができないということがありますので、これは当たり前のことであると思うのですけれども、1つ抜けているのは基幹病院です。基幹病院からの医師派遣というのが非常に大事だと私は思っています。各県の県立中央病院クラスには、そうはいってもある程度医師は集まってきます。そういった県立中央病院クラスの基幹病院からの医師派遣を積極的に国が支援するという考え方が1つはあると思います。
今、総務省の財政支援もあるのですけれども、公立・公的病院への医師派遣は派遣元、派遣先に交付税措置もあるのですけれども、同一の例えば県立病院同士間の派遣にはそういった財政措置がありません。それから、中小病院の公立病院、過疎地の中小病院は自治体病院が多いと思うのですけれども、そういったところに積極的に医師派遣をする病院に対する評価とか、派遣先、派遣元に財政支援を行ってもらうことによってここを活性化していくというのはあると思います。
それから、保険医制度は、先ほど美容外科の話も出ましたけれども、これは大いに取り組んで進めてもらいたいなと思います。
それから、若い医師は症例数の多い専門医制度にのっとった症例を経験して、やはり良医になってもらわないと医療の質の低下が起こりますので、無理にこれ以上若い医師を地域に派遣するという考え方よりも、中堅・シニア世代が、そろそろ外科を卒業して地域で働いてもというような方も出てきておりますので、この全国的なマッチング機能の支援というのは、今、各団体、女性医師の支援等は日本医師会とかがやっていますし、各病院団体がセカンドキャリアとか、我々もこういった求人・求職支援センター等をやってはおるのですけれども、何分この宣伝不足で、あるということを知ってもらっていないことがありますので、ここのところの支援が、非常に中堅・シニア世代にマッチすれば、病院と求職者とで話合いをしながら就職していただけるということがありますので、ここのところは大いに力を入れてほしいなと思います。
以上でございます。ありがとうございました。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。御意見として承りました。
それでは、今村構成員、よろしくお願いいたします。
○今村構成員 今村です。2つほど意見を申し上げたいと思います。
まず、57ページにあります公的病院の管理者の要件に医師少数区域での勤務を義務化するということについて、このままでは非常にまずいのではないかと思います。管理者要件が幾つかあって、そのうちの1つとして選ばれるならばいいと思うのですが、少なくとも必須要件にしてしまった段階で、先ほど望月委員や山口委員からも御指摘がありましたように、病院長になる必須要件にすることで、病院長の選択肢が狭まるという大きな問題があると思います。公的な病院は大病院が多いのですけれども、やはり大病院の病院長というのは有識者であるべきで、その選択肢として少数区域での勤務のみを必須要件とした場合には、かなりその選択肢が狭まる可能性があって、病院長になっていただく方の、幅広い経験のある方が普通は選ばれると思うのですけれども、かなりその人のレベルが偏ったものになってしまうのではないかということを危惧いたします。
実際に若い先生方は病院長になることを嫌がっておられる方が多いので、これ自体は物すごく大きな足かせになるのではないかと思うので、必須要件としてつけることは、私は反対です。
次に、59ページの保険医療機関の管理者要件について、保険医としての勤務経験を載せることを求める、このことそのものは、私はいい政策だとは思うのですが、これを医師偏在対策として要件化することは、私は反対です。例えば美容整形とかは、基本的には保険診療ではなくても開業できる内容ですので、保険診療をしている内科では都心部では開業できないけれども、美容整形では開業できるというような誘導策になる可能性があると思います。今、医師の都市部への集中と美容整形とかへの偏在を何とかしようと言っているときに、大都市で美容整形で開業する場合だけ要件がかからないというような政策は、両方に対して、医師偏在対策に対してはマイナスの面があると思っています。一定の要件をかけるということはいいことだと思うのですが、偏在対策としてやるということは、美容整形の大都市への誘導という大きなドライブがかかってしまうリスクがあると思うので、私はこれを単純にこれだけで実施するということは非常に危険だと思いますし、反対意見を述べたいと思います。
今村からは以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。少数区域での勤務経験の管理者要件につきましては、医師養成を通じた医師偏在対策の検討会でも、かなり今おっしゃられたようなことを御指摘する先生もおられて、反対の御意見が多かったということでございます。
では、引き続き、大屋構成員、お願いいたします。
○大屋構成員 よろしくお願いいたします。
まず全体像ですけれども、医師偏在対策は、1つ2つの統一した方策でできるはずがないものですので、今回のように様々な仕組みを組み合わせて対策に取り組んでいただいているということについて高く評価しているものであります。その中で、順番に前半から後半へ向けて進めていきますので、重要性の順番にしゃべっているわけではないということを御承知の上で、何点か御指摘したいと思っております。
まずは8ページ、9ページ、10ページ、11ページ、その後飛んで17ページで、医師偏在指数と働き方改革の関係のデータが載っているのですけれども、見誤ってはまずいかなと思うのは、昨今、若い先生のほうが働いていないという事実があって、17ページを見ていただくと、一番残業が少ないだろうと思われるのが研修医なのですね。最も若い先生方が一番働かないと。ただ、医師偏在指標を算出される場合は、多分、昔取った若い先生がたくさん働くというデータに基づいて指標をつくられているはずなので、ここで既にちょっとギャップが出てきているのではないかなということ。そして、女性のほうが男性に比べて特に若い医師は働かない、女性のほうが労働時間が短いことになっていますけれども、昨今そんなことは全然なく、男性医師も堂々と3か月ぐらいの育休を取ったりしますので、結構そこら辺のずれ、働き方改革に合致したような偏在指標というところをぜひ出していっていただきたい。私の認識の誤りがあれば、後で教えていただければと思います。
次にもう一点、27ページですけれども、35歳未満の医療施設従事医師数が増えている。確かに医師少数県では増えているというのは事実なのですけれども、これで実際満足していいのかどうかというところのポイントなのですが、これはパーセンテージで出ていますので、もともと分母が小さければ、少し増えただけでも増加率は高くなるということから考えると、医師多数県で多少増えても、あまり増えていないように見えますけれども、実数で言えば、医師多数県も結構増えているのではないかなという気がしますので、パーセンテージの目標ではなく、これは目標のために出していないというのは承知しておりますけれども、ぜひ実数ベースでも出したほうが皆さんの理解が進みやすいのではないかなと思いました。
次は、34ページ、医師少数区域で働いた医師を認定する制度でございます。私自身はこの認定は重要ではないかなとは思っています。やはり若い時期に6か月、1年と医師不足地域で働いたということは医師としての素養にもつながってくることでありますので、それを認定することはいいのですけれども、ほかの委員の皆様方と全く同じで、一定の病院の管理者としての評価というところは、ちょっとまずいのかなと思います。昨今は管理者になりたい若い医者はいませんし、そもそも管理者となるのは20年後ですので、そんな先のことまで考えている若い先生はほとんどいないというところがございます。
一方、経済的インセンティブという面では意味がありますので、そういう面でのメリット感をつけていただく。これを、現在ここでは経費だけがついておりますけれども、これは1年間だけなのか、5年間なのか、10年間なのかとか、税金を10%安くするとかいうのは不可能かもしれませんけれども、何らかの形で、控除が増えるとかでも結構ですけれども、継続的にある程度の長い期間のメリットになるようにしてあげたらいいのではないかなと思います。
次でございますけれども、外来医師偏在指標を活用したという37ページの対策です。基本的には新規開業者に対する情報提供やいろいろな依頼、こんな機能を担ってほしいという要請が38ページ目に載っておりますけれども、これは重要なことであると考えております。ただ、一度に短期間でこの制度が出来上がるということはないと思いますので、段階を踏みながら、様々なステークホルダーの理解を得ながら、このような新規開業者への依頼とか、既に開業している先生方への依頼も含めて、これは当然ながらステークホルダーの理解を得ながらになりますけれども、ぜひそのような形で進めていただけたらなと思っております。
私のほうからもう一点お話ししたいのは、大学病院の派遣、そして中核病院からの派遣というところで、ある程度の都会に、また、医師少数地域でも大学病院があるところとその周辺に医師がたくさんいるという事実がございますので、このような派遣ということの取組は非常に重要かなと思っております。一方、ここで語られていないことは、大学病院に人がいないと派遣できないという事実でございます。
昨今、給料も非常に悪いし、研究もできない。さらに非常にハードで、なおかつ働き方改革ばかりを言われてモチベーションが下がるというアンケート結果も出ていますので、そのような大学病院からどんどん辞めて、中堅の先生たちが外の病院だったり開業医へ向かっているという現状がございます。したがって、大学からの派遣というところをしっかりと強化するには、大学病院にちゃんと医師がいるということが必要ですので、その視点もどこかに書き加えていただいたらというふうに願っております。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。ほとんど御意見というふうに承りましたけれども、一番最初のところで、医師偏在指標について、医師の働き方改革の影響で勤務時間が非常に変わってきているわけですけれども、それらの反映についてどう考えるかというような御指摘があったかと思います。事務局、何かコメントがあればお願いいたします。
○中西室長 医師確保等地域医療対策室長でございます。
医師偏在指標への影響でございますけれども、中長期的には、直ちにそういった傾向というのは大きくは変わらないものだと認識してございますが、大屋構成員が御指摘のとおり、時間の経過とともに男女比や労働時間等、そういった実態と大きく変わる事情が生じた場合につきましては、必要に応じてそういった見直し等を検討してまいりたいと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
○大屋構成員 ぜひよろしくお願いします。少なくとも17ページの指標を見ると、大きな変化が生じているというふうに私は感じますので、何かの機会にぜひ御検討いただけたらと思います。よろしくお願いします。
○中西室長 大屋構成員の3つ目の御質問でございます。27ページ目、医師少数県等の割合で算出されているが、実数も出してほしいということでございます。まだ検討会等ではこれまでお示ししてございませんが、少数県での伸びが多数県よりも多いというふうに実数としても出ていますので、そういったところでございます。
○大屋構成員 どうもありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、河本構成員、お待たせいたしました。よろしくお願いします。
○河本構成員 ありがとうございます。
医師の偏在是正は、多数区域から少数区域へ医師をいかにシフトさせるかと、それにある意味尽きるのではないかというふうに私は思います。まずは多数区域に医師が集中する要因とか背景を明らかにするということがスタートラインだと思いますし、その上で、国の関与と強力な規制によって過剰な開業を抑制して、実効的に医師の配置転換を進めなければ、この問題は根本的に解決しないのではないかと思います。
具体的な規制的手法について3点意見を申し上げたいと思います。
1点目は、多数区域に新規参入する医療機関については、地域で不足する診療科あるいはその医療機能を充足させる場合のみ保険医療機関の指定を行って、一旦その指定を受けた場合でも、約束を守らなければ指定を取り消すというようなことをルール化すべきだと考えます。
2点目ですけれども、保険医療機関の管理者要件の法定化については、相当程度の長期間にわたる保険診療の経験を義務づけるべきだと思います。
それから3点目、少数区域での勤務を管理者の要件とする医療機関の拡大についてでございますけれども、先ほど来、例えば公立・公的病院とか、大病院とか、中途半端にやると逆効果になるというお話も結構出ておりました。本当にその効果を上げるということで言えば、先ほどもほかの委員の方から全医療機関を対象にするみたいな話も出ておりましたけれども、かなり幅広い医療機関を対象にするというようなことも考えるべきなのではないかと思います。
次に、経済的インセンティブについてですけれども、これは行政の基本的な役割、責任として対応すべき案件だと思います。少数区域における経済的なインセンティブを検討するのであれば、当然、多数区域における経済的なディスインセンティブもセットで考えるべきだと思います。健保組合の立場としては、保険料を保険給付以外の目的で使用するということは被保険者と事業主に正直説明がつかないと思います。診療報酬による対応については、しっかりとそのめり張りをつける中で検討するということはもちろん否定いたしませんけれども、補助金とか税制との役割分担は最低限必要だと考えております。
私からは以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。保険者のお立場からの御発言をいただきました。
しばらくオンラインをやりましたので、今度は会場からの御意見を承れればと思いますけれども、いかがでございましょうか。
では、岡構成員、どうぞ。
○岡構成員 ありがとうございます。
まず、54ページの重点医師偏在対策支援区域の設定は非常に賛同します。やはり二次医療圏ごとで医師多数地域といっても、その中心部は多いのですけれども、結構面積でいうと端のところは本当に少数なので、都道府県で医師少数とかというのも現実的ではないですし、二次医療圏でもやはり無理があるので、ぜひしっかりと地域ごとの細かいところを把握しながら重点医師偏在対策支援区域を設定していただければと思います。
それから、先ほどからも出ている管理者要件ですけれども、36ページでアンケートをしっかり取られていて、これを見ますと、507名の認定医の中で、その理由で結局一番多いのは大学医局の人事異動、3番目が奨学金貸与ということで、これはもう義務的なものであるということで、結局ここが多くて、その下のほうで認定制度が魅力的だったからというのは13人しかいないのですね。3%もいないと。なので、これで管理要件を増やしても、もともと今の管理要件で魅力的なのが2.5%しかいない中で、これがどれぐらい増えるという認識で厚労省はお考えなのか。つまり、管理要件を増やしたらこれが10%になるという見込みがあるなら、私もこれは賛成してもいいのですけれども、本当にこれが病院の規模を増やしたら増えるという何らかのデータがあるのかということをぜひお聞きしたい。なければ、多分、今まで委員の先生がおっしゃったようなことではないかと思います。
それから、やはり若い人だけに規制的な措置を取るというのはあまり賛成できませんので、シニア世代のリカレント研修は非常にいいと思うのです。ただ、現実的にはなかなか東京にいる先生がシニアになって過疎地に行くかというと少ないと思うのですけれども、少なくともそのふるさと、生まれ故郷になら行く人はいるかもしれないので、ぜひこれは全国的なマッチングでうまくやっていただければよろしいかと思います。
それから、医師派遣に関しても、ここにも大学医局の人事異動で大学からの派遣も非常にというか、ここに頼るしかないのですけれども、あと、先ほども出ておりましたが、公立病院で大きい県立病院とかでもできるということですけれども、そのほかに、公立だけではなくて、やはり大きな公的病院、それから私的病院も診療科の中では医師が過剰とは言いませんけれどもかなり満たされて、派遣が可能な病院もあると思うのですね。ただ、私的な病院が派遣してその病院に何のメリットがあるかというと、基本的は申し訳ないですけれどもメリットがなければしないのですね。公立病院であれば、先ほどお話があったように何らかの経済的インセンティブがあるのであれば、公的病院とか私的病院にもそういう病院に対するインセンティブ。もちろん行くドクターのインセンティブは必要なのですけれども、病院に対するインセンティブを、しっかり何らかの措置とかものを考えていただければ、私的病院でも、大都市圏の大きい私的病院で送る余裕があって、しかもそういうモチベーションをちゃんと説明して、ちゃんとインセンティブをつければあるかもしれないので、そこは公立だけにとどまらず、大きい公的とか私的病院にもそういうものがあれば、もしかしたらうまくいくのかなと思いました。
それから、地方への派遣で6か月を1年にしたらどうかという、それは1年にすればその間満たされるかもしれないけれども、逆に長くすると行く人が余計に少ないので、僕は逆に短くするというのも1つの方法だと思うのです。3か月であれば、送る側も3か月抜けても何とか支えられる。行く人も3か月ならいいという、ちょっと短くする方法も1つの方法であるのかなと思いました。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。大半が御意見でありましたけれども、1つ認定制度に関する効果のようなエビデンスについて御質問がありましたが、これについて何かコメントがあれば、事務局、お願いしたいと思います。
○高宮参事官 御質問ありがとうございます。
医師偏在是正対策あるいは医師少数地域に行っていただけるような取組について、何か1つの取組だけで効果が出るというのはなかなか難しいのではないかと考えています。また、実際にこの取組によってこれだけ医師少数地域で従事する医師が増えたなど、そのようなデータが示せるかというと、なかなか難しいのではないかと思っています。その上で、今回は経済的なインセンティブですとか規制的な手法、それから都道府県の計画、あるいは行政と大学病院、公立・公的病院などの医療機関の連携によって医師偏在是正の取組をパッケージで進められないだろうかというようなことを考えています。
医師少数区域での勤務経験の認定制度については、2020年度から臨床研修を開始した医師に適用するということになっていて、管理者になるまで一定程度の時間があるのではないかと考えています。その間に、今回のような総合的な対策のパッケージによって、医師少数区域で勤務をして認定を受けるような医師をいかに増やすかということを考えるのが重要ではないかと考えています。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、まず高橋構成員、それから猪口構成員の順番でお願いします。
○高橋構成員 高橋のほうも、54ページの重点医師偏在対策支援区域に関しまして1つコメントをさせていただきたいと思います。
第2回目の検討会で日病の相澤先生が中学校区というものを取り出しまして、私も興味を持ちまして、5つぐらいの中学校区のデータで、ある程度土地勘があるところを見ました。それで検討をしたところ、医療DXで特区をつくって、例えばドローンの話とか、それから遠隔医療を思いきり特区的にやるというレベルの対策を立てるときに、この中学校区というのは非常に役に立つ。札幌とか広島とかとんでもないへき地があるのですけれども、そのようなところも中学校区で見ていくと非常にきれいに分かれるということがありましたので、1つの提案として、ここで中学校区というようなレベルの、特にDXの特区的な扱いというものを検討するのがいいのではないかということを提案させていただきたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。御提案として承りました。
では、猪口構成員、お待たせしました。
○猪口構成員 ありがとうございます。
もう先ほどから話が出ていることですけれども、1つは、27ページの35歳未満の医師が医師少数都道府県のほうに増えてきたということは、これは明らかに地域枠等の効果が出てきているのだと思います。ただ、その際に、35歳未満ですから病院勤務が多いと思いますけれども、そこの病院・診療所などの勤務先がどういうふうになっていっているかということも非常に重要かと思います。
ただ、問題はその後です。地域枠ですと9年という義務で、大体そこで専門医になって、そこからまたどこかへ行ってしまうということが問題になります。同じ地域にどうすれば残っていただけるか、ここが非常に重要で、この中堅の医師、指導医になった医師にぜひ残っていただけるような方策をすべきだろうと思っております。
そのためには、45ページにいろいろと書いてあるのですけれども、やはりリカレント教育も非常に重要で、経験を積んだ医師がさらにリカレント教育を受けると、必要に応じて全国的なマッチング機能も生きてくると思います。ここで経済的インセンティブというのは、保険財源とかそういうことではなくて、やはり都道府県、そして市町村などの補助金でそこの地域に残っていただくということが非常に重要だと思います。
その際に、もし病院に残るのならば、公私の差なく、中小病院でかかりつけ医を支援するような医師というのもこれから重要になりますので、そういう方にもこのような経済的インセンティブが出るような方策というがいいのではないかと考えます。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
会場でほかにいかがでしょうか。
それでは、櫻木構成員、お願いいたします。
○櫻木構成員 ありがとうございます。櫻木です。
私も27ページのグラフに注目しているのですけれども、要するに今の医師の偏在対策というのは、若手の養成に手を加えて是正していくということですね。医学部の入学定員でありますとか、あるいは専攻医の採用といったところで是正を図っていくということで、27ページにもありますように、若手の医師に関していえば、かなり少数地域にこれがシフトしていると言えます。しかし、医師多数地域というのは、決して一色ではありませんで、もう既にかなり医師の平均年齢が高いような多数区域もあるわけで、現状の多数区域から将来の人をどんどんシフトさせていくということになると、ある程度のところで今多数地域と言われているところが一瞬にして少数地域に変わってしまうというような心配もあります。一律に医師の多数地域というふうな評価をしてやるのではなくて、現状の医師の年齢分布等も考慮してやっていくということをやらないと、今、多数区域と言われているようなところが、例えば10年後にはあっという間に少数地域に変わっているというようなこともあり得るのではないかと考えています。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。その辺の人口動態の変化をちゃんと見てやるべきだという御指摘だと思います。
ほかに会場からいかがでございましょうか。なければオンラインに移ります。
では、オンラインでお手を挙げておられますので、まず玉川構成員、その次に文部科学省の堀岡企画官の順番でお願いしたいと思います。では、玉川構成員、お願いいたします。
○玉川構成員 御指名ありがとうございます。知事会の社会保障常任委員会としまして医師の確保偏在対策を強くお願いしてきた中、厚生労働省におかれましては、本格的な対策の強化に取り組んでいただいていること、改めて感謝を申し上げます。
まず大前提としましては、この中でも議論がありましたように、まさに総合的な対策が必要との認識であります。その上で、県の行政、そして大学の医育側にも携わった観点も含めてコメントをさせていただきます。
まず第1番目ですが、医師偏在の構造の整理が必要と考えています。この場での議論をずれなく行うためにも、偏在問題の因数分解というものを今のうちに行っておいてはいかがでしょうか。厚生労働省の認識されている偏在対策、私としては4点あると思っています。まず1点目は、都道府県間の偏在対策です。人口10万人当たりで極端に少ない県があります。本県もワースト6位というような県の状態にあります。そういった極端な県の状態の是正です。
2点目です。医師の多数県、少数県にかかわらず、都道府県内のエリアの中で生じている二次医療圏的なレベルでの医師少数問題の是正です。東京都のほうでも医師少数のエリアがあるということで、多数県の中にあっても問題が生じているということをどう見ていくかという点です。
3点目です。地域医療の確保の観点から必要な診療科の医師の確保といった意味での診療科偏在の是正です。特に総合診療科の医師というものは、回復期病床の充実を進めていく上でも今後重要になってくる。そういった病院の持続可能な運営を考えていく上でも重要になってくる観点かと思います。
4点目です。今直前でもありましたが、若手医師の偏在の是正です。臨床研修医制度の導入に伴って、人口10万人当たりの医師数が多いとされる県であっても、若手医師が県外に流出し、中長期的には医師少数状態に陥ることが想定されるところがあります。若手医師の偏在是正についても、この偏在是正対策の中でどう取り組むかといったことが必要だと思います。それらを可視化して、それぞれに対応した対策はどのようなものがあるかということを改めて整理していただくことが重要かと思っております。
その上で、今回の資料、27ページの伸びについては、やはり注意が必要だと思っております。我が県も改善を進めて、伸び率が高いという県にはなっているかもしれませんけれども、もともとのスタート地点が低い形にありますので、それをもってほぼ進んだというように見ていくと、非常に大きな誤解があるかと思います。
また、1点目の課題としまして、都道府県間の偏在に関しては歴史的な背景があります。人口当たりの医学部定員数が数十年にわたって少なかった地域では、蓄積して医師が不足しているという状態があります。一方、医師が流動化した現在においては、地域枠の相当数の確保やその他の対策を複合的に展開していかないと、この歴史的な課題の解決ということが困難なことを改めてこの場で共有させていただければと思います。
そして、全体的な対策、総合対策が必要な背景としましては、やはり医学部における医師の養成、臨床研修医、専攻医、指導医、ベテラン医師、シニア世代の確保対策等、局面に応じた対策が必要になります。それらがつながっていくのが一番いいところでありますので、そういったつながり、それをどのように確保していくかという観点で改めて考えていければと思っています。
また、今回の場の中でありました臨床研修医や専攻医のシーリングについて。これについては一定の効果があったこと、これをこれで効果がないというのではなく、ファーストステップとした上で、さらなるセカンドステップとして、インセンティブの観点も含めた中で、首都圏よりも外にいかに誘導していくかということが必要だと思っております。国レベルで講じる施策、確保基金や財政措置を活用して地方で講じる施策などの組合せが重要だと思っています。
次は個別意見になります。重点医師偏在対策支援区域に関してです。こちらについても整理が必要と思っております。重点支援で想定する対策が、都道府県レベルでの偏在対策か県の中での二次医療圏レベルでの偏在対策かによって論点が変わります。現在の新専門医制度によっては、やはり症例や指導医の体制確保が誘導上は非常に重要でありまして、大都市部から医師少数県への誘導を考えていくときには、やはり大学病院等がある医師の集積が高い地域がコアになって臨床研修医や専攻医を受け入れることで、地域としてのボリュームを高めていく。その余力をもって県内の医師不足エリアへ派遣をして支えていくというような構図も必要になってきます。重点医師偏在対策支援区域の設定に当たっては、そういった地域が抜けてしまうと、医師不足の県に当たっては、確保対策としてはちょっと手が打てないという点も生じますので、その辺の御検討をお願いします。
また、へき地に関しては既に施策を講じているため、それを除いた地域が想定されるような文脈がちょっと垣間見えますけれども、やはりへき地対策を講じても苦しいというのが現状だと思います。二次医療圏で確保が厳しい地域にあっては、へき地対策に上乗せして対策を講じていくという観点での検討などもお願いできればと思っています。
あと、大学病院との連携、大学との連携については非常に重要だと思っております。我が県でも緊密に連携しておりますが、若手研修医や指導医、そういった方々の確保を行っていくことで地域内の派遣力の強化という文脈もあり、厚生労働省はそういった観点を今回の中では織り込んでいただいておりますので、さらなる加速化について御検討をお願いします。
最後に、地方においてインセンティブを講じていく上では、確保基金ということが非常に重要となります。医師確保に係る枠の大幅な拡大を含めて、財源措置の強化を御検討いただければと思います。
意見は以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。現場のお立場からもろもろの御提案をいただきました。
それでは、お待たせしました。オブザーバーの文部科学省、堀岡企画官、よろしくお願いします。
○堀岡企画官 よろしくお願いいたします。文部科学省の堀岡でございます。
管理者要件についての件で、公的病院ということで、公的病院というと公立の大学も入るというように思っております。医師偏在対策は文科省としても非常に重要だと考えておりまして、今般、文科省の検討会の中でも大学の非常に重要な役割として位置づけておりまして、大学病院改革ガイドラインなどにも医師派遣の状況について全ての大学に記載していただくというような偏在対策を行っており、厚生労働省と連携して推進していきたいと考えておりますけれども、管理者要件として公立大学病院の院長も入ってしまうというようなことに関しては、関係者の意見なども踏まえながら丁寧な制度設計をお願いしたいと考えております。
以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、東構成員、お願いいたします。
○東構成員 ありがとうございます。全老健の東でございます。
地域包括ケアシステムは中学校区を単位に整備が進められており、その中で老健施設は常勤医師の配置が義務づけられております。医師少数県やへき地にも多くの老健施設が存在しており、全老健の会員施設からも常勤医師の確保が困難であるという声が多数届けられているところでございます。
一方、老健施設の管理医師は、医師のセカンドキャリアとして選ばれることも多くあり、中堅・シニア世代の医師の割合が多いということも事実でございます。ただ、老健施設の管理医師には高齢者医療における総合的診療能力が求められておりますが、初めからそのような能力をお持ちの方が多いとは決して言えず、むしろ少ない状況でございます。
そのため全老健では、日本老年医学会と共催の下、平成26年から老健施設の管理医師を対象に老人保健施設管理医師総合診療研修会を毎年開催しており、今年までに約3,500名の管理医師に受講いただいております。この研修は、様々な診療科出身の医師が総合的な高齢者医療を学び直す、まさにリカレント研修となっており、現在、診療報酬上や介護報酬上の加算の要件にも位置づけられているところでございます。
今回の資料1の44ページには、②医師の確保・育成にリカレント教育事業開始との記載があります。このリカレント教育を中堅・シニア世代等の医師を対象に実施して、医師の掘り起こし、医師不足地域の医療機関とのマッチングの支援を行うという取組が、資料1の69ページにリカレント教育(総合的診療能力)のための全国推進事業として紹介されております。
先ほど御紹介いたしました老人保健施設管理医師総合診療研修会というものを、資料1の69ページに記載の医師養成の推進事業におけるリカレント研修に組み込んでいただき、老健施設の管理医師になる前の医師を対象に実施していただくことで、医師少数県、へき地における老健施設にも適切な医師マッチングをしていただくことができるのではないかと考えますが、いかがでございましょう。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。御意見及び御提案として受け止めさせていただきました。
ほかにいかがでしょうか。オンラインでも結構ですし、会場でも結構ですが、大体よろしゅうございますか。
それでは、土居構成員、お願いいたします。
○土居構成員 私も財政学者としてこの医師偏在是正については重要だと思っているのですけれども、多少第三者的な視点から見ると、当事者は非常に危機感を抱いておられるのだけれども、取組としてはまだまだ甘いということ。特に今日の資料1で挙げられているものの中でいえば、規制的手法についてはまだまだ甘いのではないかと思うわけであります。もちろん、どの程度是正を図るかということは唯一の解があるわけではないので、日本全体でいろいろな地域の方々がそれぞれのお立場をしっかり踏まえた上で、どの程度是正するのが望ましいかということを合意形成していくことが大事で、ただ、自由を重んじ過ぎれば、当然のことながら是正される度合いは極めて緩くなる、小さくなるということはしっかり踏まえていく必要があって、今日の会議でも医師偏在是正が必要だという強い声が上げられていて、その強い声の側に立てば、明らかに現状の規制的手法では是正する力が弱くて、そのままではとてもではないけれども是正は実現できないだろうと思うわけです。
そういう観点から、規制的手法について少し先に意見を述べさせていただきたいと思うのですけれども、規制的手法について、事務局から案として①、②と57ページ、59ページに挙げられていますけれども、私はあえてその順序というか、優先順位というか、そういうことを考えるとすれば、57ページの①より、59ページの取組のほうを優先ないしはより強化していくことをまず考えることが重要なのではないかと思います。つまり、医師多数区域においての取組を、まず規制的手法としてしっかり取り組んでいただくということであります。もちろん憲法上の職業選択の自由とか営業の自由というのはあるのかもしれませんけれども、ほかの産業でも様々な理由で参入規制をするという産業が実際に我が国では存在するわけです。例えばタクシー業界とか、自分が起業したいといっても、その業種では起業できない、そういう規制がかかっているような業種もあるわけです。
さらに言うと、医師養成過程で多額の税金が投じられている。それから、保険医療機関に支払われる診療報酬の財源の9割は国民等、被保険者が払った、そして、強制的に徴収された税金と保険料になっている。ということだとするならば、そこに相当程度の自由を与えるという根拠がどこまであるのかと。やはりある程度規制に従うということにしていただかないと、この偏在是正の問題も解決できないということからすると、ある程度の自由の制限を、この問題を解決する上でしっかりと位置づけていかないといけないのではないかと。特に、まず最初は医師多数区域のところでしっかりと規制をかけていただくことで、偏在是正の端緒を開いていただくことが必要なのではないかと思います。
特にここで挙げられている59ページのところで言えば、外来医師多数区域において、都道府県が勧告・公表を行うということ。それとともに実効性を担保するためには、やはり保険医療機関の指定を取り消すというようなことも、勧告に従わない場合にあり得るということを規制として導入する必要が、そこまでしないと是正できないということであれば、その程度に強化しないと、なかなか医師偏在是正というのは、その実効性が担保できないのではないかと思います。
それから、同じ59ページに保険医療機関の管理者要件ということで挙げられていますけれども、確かに管理者要件を厳しくすると、管理者になりたくないという医師の方にとっては、むしろこれは逆効果というお話もあります。ならば、管理者要件ではなくて、保険医の登録の要件にこういうものも加味する。つまり、保険医勤務経験が一定程度ないと、引き続き保険医として登録できないというようなことも、管理者要件では逆効果だということであれば、保険医の要件というところまで掘り下げて考えることも、状況によってはそこまでしないといけないということもあるかもしれないと思います。
さらには、要件を厳しくするとどんどん自由診療のほうに逃げていくのではないかという御懸念もあります。もちろんそれは確かにあるのですけれども、今の程度の人数の自由診療に従事される医師の数だと、そこそこ収入が得られるというレベルだけれども、自由診療に従事する医師が増えれば増えるほど、彼らの所得は平均的には下がっていく。これが需要と供給の関係なわけですから、自由診療で価格が自由に決められているという状況であれば、ある種、市場のメカニズムで、自由診療の側で、自由診療に携わったからといって多くの所得が稼げるわけではないというようなところが歯止めになって、それ以上自由診療に移る医師が増えるようなことがなくなるという原理もあるということを踏まえる必要が私はあると思います。
確かにやみくもに要件さえ厳しくすれば何でもうまくいくというほど単純ではないと思います。けれども、ただ、医師として保険医療に従事したいというお気持ちがおありであるならば、しっかり自由診療ではなく保険医療に従事していただき、その要件を満たすことによって、引き続き保険医療に従事していただけるようなところを、特に医師多数区域において規制を強化する形で実現することがあってしかるべきではないかなと思います。
その上で、57ページのところで、医師少数区域での勤務経験を次なるキャリアのよりよいインセンティブに活用していただくという方策を強化していくことは、私としてもあってよいのではないかと思います。57ページの取組の方向性案の1つ目の○ですけれども、確かに現行で管理者要件の対象となっているのは地域医療支援病院のみということですけれども、これをもう少し拡大することを通じて、勤務経験の要件をより拡大する形で、勤務経験をしていただくことを通じて、次なる管理者になるところでその御経験を生かしていただくという形でインセンティブをつけるような方法もあるでしょうし、先ほどの59ページの案と連動させるならば、医師多数区域で保険医療機関の管理者になりたいということであるならば、医師少数区域での勤務経験をより強く求めるというようなこともあってもいいかもしれない。
さらには、管理者要件ということだと、管理者になりたい医師が最近若い医師で減っているということであるならば、先ほど来申し上げているように、保険医療に従事する要件にするというようなことまでも状況によってはあるかもしれない。もちろんあくまでもそうすべきだということよりかは、むしろどの程度医師偏在を是正したいかということとの兼ね合いで、どの程度規制的手法を強化していくかということが決まってくると思いますから、医師偏在など是正しなくてもいいのだということであれば、規制的手法は緩いままでいいという話になるかもしれませんけれども、恐らくはそうではないというのが総意だと思います。よりしっかり医師偏在是正に努めていかなければいけないということが総意だと思いますので、その方向性からすれば、規制的手法を強化するということは、しっかり取り組んでいただかなければならないことなのかなと思います。
最後に、経済的インセンティブについてですけれども、63ページに書かれているところですが、確かに経済的インセンティブを有効に活用するということを私は否定するつもりはありません。ただ、あめとむちという言葉がありますけれども、あめにあめということであれば、あめばかり経済的インセンティブで与え続けて、重ねていくということであれば、あめによって誘導される医師の方が偏在是正に寄与するということはあったとしても、ただそれだけであって、あめに興味がない医師の方は、別に何もそれに対して、他方で自由があるわけですから、経済的インセンティブが与えられてもそれに反応しないということがあり得るわけです。
ですから、むちという言い方はあまりしたくありませんけれども、言葉のあやということで申し上げると、あめばかりではなくて、あめとむち両方あってこそ、より是正効果が強く働くと。つまり、むちを受けることが嫌だということでもって偏在是正に協力するという方向もあるわけで、あめとむち両方を上手に使いながら偏在是正を進めていくということで、より早期に、より強力に偏在是正が実現するということかと思います。
ここで言うところのむちというのは、先ほど河本構成員がおっしゃったようなディスインセンティブということもあるでしょうし、さらには規制的手法でもって自由が制限されるというむちもあるかもしれません。そういういろいろな手法を上手に組み合わせながら医師偏在是正を進めていただくということが求められているのではないかと思います。
私からは以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
それでは、江澤構成員、どうぞ。
○江澤構成員 ありがとうございます。それでは、資料に沿って幾つか意見を述べさせていただきます。
まずこのタイトル、医師偏在是正対策でありますけれども、どこまでの偏在是正をするのかというのはこれまで全く議論がなされておらず、8ページ以降に下位3分の1の青色と上位3分の1の黄色があって、9ページ以降に二次医療圏がありますけれども、この青色を白色にしていくことで解決するのかどうか、非常に慎重な十分な検討が必要だと思っています。いつも申しておりますけれども、我が国は、我が国の8割の人口が2割の国土面積に居住されている人口偏在の大変強い特色を持った国であります。また、各地域の地域受療率、要は都市部とか過疎部とかによって現在の受療率はかなり差異があります。その辺りを含めて、どこを落としどころするのかというのは非常に重要な論点だと思っています。
例えば7ページに医師偏在指標の計算式がありますけれども、ここの※2の分母にある地域標準化受療率比の、またその分母は全国の期待受療率になっておりますけれども、仮にここを都道府県の期待受療率に置き換えると、おのずと8ページの黄色と青色のカラーリングが変わってくるわけでありますし、さらに二次医療圏ごとにするとまた大きく変化が生じるわけです。
したがって、何を申しているかというと、しっかり地域の受療率でありましたり、各地域の偏在も含めた人口推計に応じた地域の受療率を丁寧に見ていかないといけないのではないか。したがいまして、各地域で、現在医師少数地域で具体的にどういった課題があって、その課題に対してどこに手当てをしていく必要があるのかということをもう少し具体的に詰めていかないと、数字遊びと言うと言い過ぎですけれども、計算式等で数字をはじいて、ここは少数だ、多数だとレッテルを貼っていくだけではリスクが高いのではないかと思いますし、大事なことは、全国の地域住民に対して本当に必要な医療が提供できないような深刻な事態があれば、そこは早急に優先順位を高めて手当てしていく部分でありますし、あまり全国を金太郎あめのようにしていくような方策は、なかなかなじまないと思っています。
したがいまして、37ページの外来医師偏在指標においても、この分母分子にかかりつけ医機能を担うであろう200床未満の中小病院の外来の要素は入っておらず、あくまでも診療所の要素で計算をしておりますから、これが本当にこの外来医師偏在を反映するのかどうかは、もう少し慎重に考えていかないとミスマッチを生じる可能性があるということは申し上げたいと思います。
続きまして、案についてですけれども、まず54ページから申し上げます。重点医師偏在対策支援区域についても、足元の状況に加えて、今後の人口推計、また、地域の受療率に応じた将来の医療需要を十分加味していく必要があろうかと思っておりますので、なるべく地域の実態、実情を把握した上でこういった区域を決めていく必要があろうかと思っているところでございます。
したがいまして、2ポツ目に対象医療機関、必要医師数を具体的に示すとありますけれども、精緻な分析が非常に求められますし、数字だけが独り歩きすることも懸念されるところでありますから、この辺りは慎重に検討が必要ですし、これまでの地域医療構想の重点支援区域では、調整会議の合意を得るというプロセスが必要になっておりますから、今回も国において一定の基準を設けた上で都道府県と調整して選定すると記載がありますけれども、しっかりと調整会議の議論を踏まえ、また、関係団体等の意見も踏まえながら、慎重な対応が必要ではないかなと思います。
続きまして、57ページ、医師少数区域等での勤務経験を求める管理者要件の対象医療機関の拡大ですけれども、これまでも多数意見が出ておりますように、これから管理者に求められる要件というのは幅広く、もちろん経営も踏まえなくてはいけませんし、働き方改革を含めた労務管理も踏まえなければいけませんし、非常に幅広い内容の要件が求められますので、今は地域医療支援病院のみを対象としていますけれども、医師少数区域等での勤務経験のみをもって管理者要件の拡大というのは全くなじまないものであると思っております。
その下の現行の6か月以上から延長することについては、また今後の議論になろうかと思いますけれども、先ほど3か月という意見も出ましたし、仮に6か月超を求めるのであれば、断続的な勤務の積算をプラスしてクリアするということもあるかと思いますし、この辺りはいろいろ現場の実態も踏まえて検討していく必要があろうかと思います。
続きまして、59ページの外来医師多数区域における新規開業希望者への地域で必要な医療機能の要請でございますけれども、例えば外来医師多数区域での新規開業希望者、あるいは正当な理由なく要請した地域で必要な医療機能を提供しない方、両者共々併せまして、しっかりと地域の実情を情報提供し、例えば地区医師会との協議の場を設けて、話合いを繰り返し行っていくということ。さらには、例えば開業を考えているような病院の勤務医師、あるいはそういった開業を支援するコンサルタント業者のような関係者においても、こういった地域の実情を十分把握した上で、理解した上で、今後の検討をいただきたいという協議の場がまず必要ではないかなと思っております。そういった上で、地域で不足しているような、例えば在宅医療や公衆衛生に関するような医療等の協力を要請するということも、そういった話合いの中でできるものではないかなと思います。
一方で、今日一部の委員から保険医療機関の取消しみたいな意見もございましたけれども、この辺りにつきましては、開業の許可制あるいは上限を定めることも併せまして、現時点において、やはり憲法上の職業選択の自由、営業の自由との関係の整理も必要でありますし、そもそも個人立の診療所は届出制でありますし、あくまでも自由開業の否定となるような取消し等の過度の行き過ぎた規制というのは全く相入れないと思いますので、それについては反対の意見を出させていただきたいと思います。
その2つ目の○の管理者要件として一定期間の保険医勤務経験を設定ということですけれども、これをもし導入するのであれば、やはり将来の地域包括ケアを担う医師、あるいは専門医の養成という重要なゴール、あるいは将来活躍いただくためのプロセスとしては、保険診療の臨床経験というのは極めて重要なものでありますので、そういった意味での臨床経験であれば、非常に有用なものになると思っております。
続きまして、63ページの医師確保のインセンティブの話ですけれども、あるいは65ページの少数区域での開業支援、少数区域への医師派遣、リカレント教育、こういったものについては、今日の資料の46ページにも日本医師会の考え方として出させていただいておりますけれども、できれば基金というもので、ぜひこういったものを支援していく。これはマッチングも含めてですけれども、少数区域への派遣等を含めて、そういったものは基金で対応していくのが望ましいのではないかということは従前から主張をさせていただいたところでございます。
最後に71ページの都道府県と大学病院等の連携パートナーシップという形で、これは他県でも好事例がございますように、進めていくべきものと思っておりますけれども、ぜひ一番現場を分かっている関係団体や関係者の意見も十分踏まえた上で、県全体のバランスを考慮しながら取り組んでいくものと思っているところでございます。
そういった形で、診療報酬についてはこの場で議論する内容ではないと思いますので、発言は申し上げませんけれども、どういった医師偏在対策をどこまでやって、何を目途としているのか。特にやはり地域の実態を十分に把握した上で取り組むことが極めて重要だということを申し上げたいと思います。
以上です。ありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
オンラインでお手を挙げている方がお二人おりますので、松田構成員、伊藤構成員の順番でお願いいたします。大分時間が押しておりますので、できれば簡潔にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○松田構成員 松田でございます。
今まで先生方が言われた問題点の認識は、ほとんどそのとおりだと思っております。その上でちょっと意見なのですけれども、基本的に医師の偏在といったときに、地域別の偏在と診療科の偏在と、実はこれはかなり密接にクロスしています。いわゆるマイナー診療科における地域の偏在は、より大きな問題になってきます。そのとき課題になってくるのが、それぞれの地域で専門医の数がどのくらい必要なのか、まずこの議論がないといけないだろうと思います。
恐らく日本の今の専門医の養成の仕方というのは、それぞれの地域のニーズに合った必要数とは多分乖離しているだろうと思います。そして、今の若い先生たちの専門診療科、そしてその中でのいわゆるサブスペシャリティーに対する高い指向というのを考えると、地域別に専門医の研修の在り方を考えていかないと、なかなか地方には医師が行ってくれないだろうと思います。具体的に言うと、例えば人口過疎地域ですと、マイナー系のもの、あるいは外科系のところでいうと圧倒的に症例数が足りないわけです。症例数が足りない過疎地域に医師を派遣しようとしても、そもそも今の仕組みだとサブスペが取れないわけです。場合によってはそのもとになる専門診療科の認定も受けられない。そこに配慮しないと、地方になかなか若い医師は行ってくれないし、また、そこで専門医を継続しようと思ってくれる先生もいなくなるわけです。まず問題を考えていかないといけないと思うのです。地方の場合には、恐らく専門診療科を行う基幹病院みたいなものをある程度集約化して、そこから地域の医療機関に定期的に派遣したりする、そのネットワークみたいなものを考えていかないと、多分地域偏在というのは実質的に解消しないだろうと思います。
その一方で、この国で今求められているのは、高齢化に伴って、総合診療医的な診療できる医師が求められているわけです。でも、この総合診療と専門診療という相反したものをどのように整合的に解決するのかという対策も今求められているわけですね。そうすると、この国の専門医のつくられ方を考えると、恐らく専門診療科のベースのところに総合診療的な実践もある程度やっていただくというような、専門医を取る要件そのものの見直しをしていただかないと解決しないのではないかと思います。
そもそも初期臨床研修制度がなぜ始まったかというと、あまりに専門に特化してしまった今の卒後研修を、もう少し幅広に診られる医師をたくさんつくれる仕組みにしようということで始まったはずであったのに、それがいつの間にか忘れられていると思います。そういう意味で、もう少しその問題意識にあった対策をもう一度考えないといけないのではないかと思いました。
あと、今の若い先生は、短期であればローテートをいといません。3か月とか半年の単位であれば、過疎地域に行くということに対してそれほど彼らは嫌がらないように思います。むしろそれを自分たちの糧とするということがありますので、そうすると基幹病院とか大学病院における地域を支援する機能をどういうふうに評価するのかということが重要だと思っています。
例えば開業する保険医の要件として、地方勤務というものをもし要件としてつけたとしても、多分それは若いときにやってしまうので、中堅医師を地方に派遣するというところでは効果が薄いのかなと思います。そういう意味では基幹病院を中心とした派遣の仕組みをつくっていくことのほうが合理的だと思います。あるいは、それは医師会単位でもいいのかもしれません。そんなことを検討していただけるといいと思いました。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
では、伊藤構成員、お願いいたします。
○伊藤構成員 ありがとうございます。日本医療法人協会の伊藤です。もう既に構成員の先生方から御意見いただいた意見と重なりますが、3点ほど意見を申し上げたいと思います。
まず1点目は、先ほどから議論になっています管理者要件というところでございます。管理者要件で少数区域に行くんだということ、これは実際に臨床の現場で病院を管理する立場から考えますと、どうも病院の管理という意味を考え違いしている方向違いの手法ではないかと思わざるを得ないところであります。公立・公的もさることながら、地域医療支援病院も含めて、私的病院の公的な役割の中で、経営管理がとても重要な意味を持つわけでありまして、十分に管理ができなければ縮小・倒産という当たり前のことが起こるわけです。倒産することによって重要な診療拠点、医師の拠点がなくなるというようなことも先々考えた上で、管理者要件でそこを縛るというのは余りにも稚拙な気がしてならないわけでありまして、ここを何とかもう一度見直す必要があるだろうというのが1点。
それから、先ほど御意見を賜りましたけれども、規制的な手法をもっと厳格にしてはどうかというようなお話もございました。そういう手法もあると思いますけれども、要するに医師多数区域の規制的手法を厳格にしたときに何が起こるかというと、決して少数区域には医師は向かないです。どちらでもないところへ行く。要する多数でないところに向かうということ、これは過去を見るまでもなく明白であります。
それから、インセンティブをつけるという意味で、処遇改善というようなこともございますが、これは過去の事例として、産婦人科が不足している地域に十分なインセンティブをつけながらこれを行った。しかし、これで成功した地域は、私は聞いたことがないというか、それを知らないわけでございます。
そういうことからいうと、これが果たしてうまくいくかどうかと、懐疑的に受け取らざるを得ないと思います。むしろ規制的手法を強めるということよりも、本当に必要な少数区域への医師の派遣の公的な仕組み、これは過去、まだこれから医療を整備しようという大昔の時代に地域に公立の病院等を整備したようなことと同じことになるかもしれませんが、そういう何らかの公的な仕組みでもって、医師がそこに常に適切に配置されるようなありようというものをつくらないといけない。
これは理由が1つありまして、先ほど専門医の取得だとか維持に関しても問題がありますよという御指摘をいただいたところですけれども、もし専門医を取る前のタイミングで医師を派遣するということになると、そこで提供できる医師少数区域あるいは過疎地における医師の提供の医療のレベルというのは決して確保できないし、本来の医療の均衡化という意味からいうと、これは意味が違うのだろうということが1点と、いわゆる医師のボランタリーとか、犠牲とは言いませんけれども、そういう気持ちでもって少数区域を埋めていったときに、その人たちの将来、少数区域はますます過疎が進行したときに、いわゆる医療を提供し続けることができなくなったときに、それをどういう形で担保するのか。そういうところをきちんと担保するような仕掛けをつくるとなると、これはなかなか個人、あるいは1つの病院でやるというのは難しいわけでございます。非効率に見えるかもしれませんが、公的な仕組みとして過疎地だけ、あるいはごく少ない少数区域だけでもそういう仕組みをつくっていって、将来的にそこが消滅集落になったとしても、そこに派遣される、あるいはそこで開業している、あるいは勤務をするような医師の生活が担保できるということを保障する仕組みが必要ではないかと思っておりますので、お願いを申し上げたいと思います。
以上です。
○遠藤座長 御意見として承りました。
大分時間が押しておりますので、まだ御意見あるかと思いますけれども、当然この医師偏在対策は本日で終わるわけではありませんので、今後の議論の過程の中でまた御発言をいただければと思います。
それでは、多くの御意見を頂戴いたしましたので、事務局におかれましては、これらの意見を整理していただきまして、次回以降の議論に役立つような資料等の作成をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、恐縮ですけれども、2つ目の議題、こちらも大きな議題でございます。これについて話を進めたいと思います。新たな地域医療構想(入院医療、在宅医療、構想区域)についてでございます。事務局から資料が出ておりますので、説明をお願いいたします。
○高宮参事官 資料2で「新たな地域医療構想について」御説明いたします。
前回9月6日の検討会では急性期を中心とした入院医療、それから医療機関機能などを議論いただきました。本日は、回復期、慢性期を中心とした入院医療、それから在宅医療、医療機関機能、構想区域などについて御意見をいただきたいと考えています。こちらも資料の枚数が多いですので、ポイントを絞って説明します。
3ページから回復期・慢性期・在宅医療で、最初は回復期になります。
6ページで、現在の病床機能報告の回復期の定義を上の方に書いています。急性期を経過した患者への医療、リハビリテーションを提供する機能などという定義になっています。病床機能報告において回復期と報告された病床数は増加をしています。
7ページで、一般的な急性期の病院での治療後、8割から9割程度の患者は家庭へ退院をされています。ほかの病院・診療所に転院する患者は6~8%程度となっています。また、在宅、外来を含めて「治し、支える」医療を目指す中で、急性期の治療の速やかな在宅復帰が重要となっています。
8ページ、病床機能報告において回復期と報告された病床について、主に地域包括ケア病棟、それから回復期リハ病棟になっています。
10ページに回復期リハ病棟と地域包括ケア病棟の人員体制などを整理しています。回復期リハ病棟は、リハビリを集中的に行うことを目的としていて、専任の常勤医師、専従のリハ職員、専門職など多くの人員を配置しているということです。
11ページ、回復期リハ病棟、地域包括ケア病棟について、人員規模別の二次医療圏ごとに見たものです。右側になりますが、地域包括ケア病棟については、人口の少ない地域ほど人口当たりの病床数が多くなる傾向で、回復期リハ病棟は、人口の多い地域ほど人口当たりの病床数が多くなる傾向となっています。
12ページ、両方の病棟について入院患者の年齢を見たものです。どちらの病棟も入院患者の半数以上が80歳以上となっています。
13ページが、回復期リハ病棟における疾病の特徴です。大腿骨近位部の骨折、脳卒中のほか、胸腰椎の骨折、あるいは膝の関節症などの疾患が多く入院をされています。
14ページは、地域包括ケア病棟の疾病の特徴です。高齢者救急に関連する肺炎などですとか、白内障等の予定手術、それから回復期リハ病棟でも入院をされているような大腿骨近位部の骨折、腰椎の骨折などが入っています。
15ページは9月6日の検討会の資料で、高齢者の急性期の疾病になります。これらが地域包括ケア病棟にも入院をされています。
16ページ、回復期リハ病棟、それから地域包括ケア病棟、それぞれにおいて介護が必要な認知症高齢者が一定数入院をされています。
18ページ、回復期リハ病棟、それから地域包括ケア病棟、共通した疾患がございます。その共通した疾患について見ると、回復期リハ病棟のほうの在院日数が長くなっています。
19ページ、回復期リハ病棟、重症な患者の受入れの要件というものもあり、一般の急性期病院より死亡率、退院した患者のうちの転帰が死亡となった割合が高い病棟も存在しています。
21ページ以降、9月6日の検討会の資料ですが、高齢者において早期退院、早期リハが重要だということです。
23ページが地域包括ケア病棟で、週1回程度以下の医師による診察が必要という患者も入院をしている、あるいは救急搬送後、直接地域包括ケア病棟に入棟された患者が医師による診察の頻度、必要性が高い傾向にあります。
24ページは、ここまでの資料を日本語にまとめたものになります。
それを踏まえた回復期医療の考え方の案が、25ページになります。25ページの1つ目のポツは、病床機能報告の回復期についてです。1つ目のポツの真ん中からちょっと下ぐらいで、2040年に向けて増加する高齢者救急の受け皿として、これまでの急性期と回復期の機能を併せ持つことが重要になるということを踏まえ、病床機能報告の回復期について、急性期の機能の一部も担うこととして位置づけ、名称や定義を変更することについてどのように考えるか。またこの病床機能報告の回復期については後ろのほうにも出てきます。
2つ目のポツで、リハビリに係る医療の在り方について、地域で「治し、支える」医療を実現できるよう、入院での早期のリハビリ、集中的なリハビリが効果的な場合は、入院でのリハビリを提供しつつ、そのほかの場合は、他施設とも連携しながら、外来、在宅などでの提供も含め、患者の身体機能等に応じて適切な場でリハビリを提供することが必要ではないかとしています。
次が慢性期・在宅医療になります。
27ページは8月の検討会の資料です。右下の②、③のとおり、療養病床について、基本的には現行の地域医療構想の見込みに沿った減少となっているということです。
28ページ、高齢者向け施設・住まいが増加しています。
29ページは療養病床の地域差ですが、療養病床数と介護施設、ここでは老健と介護医療院ですが、定数を合わせると地域差は縮小するということです。
30ページからが在宅医療になります。
30ページは在宅医療の需要の増加が見込まれるということです。
31ページ、在支診、在支病、訪問看護ステーションなどの推移になります。
35ページ、1か月当たりの在宅訪問患者数です。多くの医療機関では1か月当たり100人未満の訪問患者を対象に在宅医療を提供されています。一部の医療機関では1か月当たり200人以上の訪問看護を対象としている医療機関もあるということです。
36ページ、1か月当たりの在宅医療の訪問患者数が増加しています。特に同一建物の訪問患者数が増えているということです。右側は、訪問患者数が多い医療機関の患者割合、患者のシェアが増えているということです。
37ページ、人口規模別、二次医療圏ごとに見ると、人口規模の多い二次医療圏において訪問診療を行う医療機関が増加している傾向にあります。
39ページ、人口規模別の市町村ごとに見ると、人口規模の多い市町村のほうが訪問患者数の多い医療機関の患者のシェアが多くなっています。
他方で、右側、同一建物以外、同一建物の患者割合を見ると人口規模別の差はあまり見られないということです。
41ページ、訪問看護ステーションになります。訪問看護ステーション数全体で15,135施設、うち機能強化型が855施設、5.6%となっています。
42ページ、人口規模別市町村ごとに見ると、人口規模の小さい市町村では訪問看護ステーションがない地域も一定数存在をします。
44ページ、通い、泊まり、訪問を一体的に行う看護小規模多機能型居宅介護ですが、右側にあるように近年増加をしています。
47ページ、死亡場所の割合の推移になります。近年、病院・診療所での死亡の割合が減少していて、自宅あるいは介護施設などでの死亡の割合が増加しています。
48ページ、人口規模別の医療圏ごとに見ると、人口規模の多い医療圏ほど75歳以上死亡数に占める在宅等看取りの割合が高くなっています。
49ページ、医療計画における訪問診療・訪問看護の体制整備の考え方です。今現在、在宅医療を行う医療機関、事業者間の連携、ICT化などによる対応力の強化、それから、これまで訪問診療を担っていなかった医療機関などの訪問診療への参入促進、あと訪問看護事業所の機能強化など、地域の医療資源に応じた取組を進めることとしています。
50ページ、へき地の研究になりますが、オンライン診療において、D to P with Nが有効とされています。
51ページ、訪問看護の効率的な提供の事例として、ICTを活用した情報共有、あるいは訪問スケジュールの最適化というような効率的な事例があります。
52ページ、高齢者施設等と医療機関の連携の強化、介護報酬の改定、診療報酬の改定でも取組を進めているところです。
53ページ、介護施設などにおける対応力の強化として、介護施設・在宅等での適切な管理、医療機関との連携、体制構築などを通じた状態の悪化を防ぐとともに、必要時には円滑な入院につなげるための対応力の強化ということを取り組まれています。
54ページ、介護老人保健施設において、BPSDを伴う認知症を有する方に一定の対応が行われているということです。
55ページでは、特養において協力医療機関との連携が行われているということ。
56ページは、ACPについて周知に取り組んでいるところです。一般国民では、よく知っているという回答が5.9%ということになっています。
57ページ、ここまでの資料を日本語でまとめたものになっています。
その上で、58ページが慢性期・在宅医療の考え方の案になります。まず1つ目のポツが、医療機関機能の1つとして在宅医療を位置づけるということです。地域で在宅医療を実施し、ほかの医療機関、訪問看護ステーション、介護施設等と連携をして、24時間の対応、在宅患者の入院対応ができるなど、地域での在宅医療提供を確保するための医療機関機能を位置づけてはどうか。
2つ目は慢性期になります。慢性期の医療提供体制については、地域において、療養病床だけでなく、在宅医療、介護施設等と併せて構築していく必要があるのではないか。その際、増加する高齢者救急ヘの対応に向けて、介護施設、在宅等での適切な管理、ACPの取組の推進、医療機関、介護施設等の連携、情報共有などを通じて状態悪化を防ぐとともに、必要時には円滑な入院につなげるための対応力強化が重要ではないか。
3つ目は、在宅医療の提供体制です。増加する在宅需要に対応するため、都道府県において適切な在宅医療の圏域を設定し、地域の協議・調整を通じて、実効性ある体制整備を進めることが必要。その際、D to P with Nのオンライン診療など、ICT活用による効率化、在宅医療を行っている医療機関の対応力強化、これまで行っていない医療機関の参入促進、多数の訪問患者に在宅医療を提供する医療機関との連携、訪問看護事業所の機能強化などによる供給力の増強が重要ではないか。人口規模の小さい地域においては、移動時間、担い手等の課題も踏まえ、高齢者の集住などのまちづくりの取組と併せて、D to P with Nのオンライン診療の活用徹底を含め、体制を構築していく必要があるのではないか。
59ページから、構想区域・医療機関機能・病床機能になります。
60ページで、現行の地域医療構想の構想区域です。病床の機能分化・連携を推進する区域を単位として設定しています。二次医療圏を原則とするとしています。
61ページで、構想区域別の年齢別の人口です。右側になりますが、2040年に向けて、過疎地域型、青色のところですが、人口20万人未満などの地域です。生産年齢人口が約3割減、高齢人口が約1割減という見込みとなっています。
66ページ以降、在宅医療・介護連携推進事業の資料をおつけしています。介護保険法の取組として、市町村で今実施をされています。
68ページは、医療計画の在宅医療の圏域です。在宅医療の圏域については、二次医療圏にこだわらず、市区町村単位、保健所圏域などの地域で設定をすることとしています。
71ページは、9月6日の検討会の資料になります。病床機能と併せて、医療機関機能を報告することとしてはどうかということをお示ししていました。
72ページ、9月6日の検討会の資料で、医療機関機能のイメージとして、まず上のほうの水色の地域ごとに求められる機能として、高齢者救急の受け皿ですとか在宅医療の提供、それから、救急医療等急性期の医療を広く提供する機能を示しています。
下のほうのピンク色は、より広域的な観点の機能として、医師派遣、あるいは医育機能、より広域な観点での診療を担う機能というものを示しています。
73ページ、今の72ページも踏まえて、医療機関機能として地域ごとに高齢者救急の受け皿、在宅医療の提供、あるいは急性期の医療を広く提供する機能を確保することが考えられる。このほか、地域によっては回復期リハ、あるいは一部の診療科に特化した医療機関、専門病院なども存在してその役割を発揮されています。
これまでの内容を76ページに日本語でまとめた上で、77ページ、構想区域・医療機関機能の考え方の案になります。一番上のポツで、新たな地域医療構想における構想区域の範囲については、2040年頃を見据えると、人口20万人未満の構想区域など、医療需要の変化、医療従事者の確保、医療機関の維持等の観点から、医療提供体制上課題がある場合には、必要に応じて構想区域を拡大する必要があるのではないか。
2つ目のポツ、在宅医療については、二次医療圏よりも狭い区域での議論が必要。在宅医療の圏域ごとに、医療機関、訪看ステーション、介護施設等が連携しながら在宅医療の体制を確保するとともに、市町村の在宅医療介護連携推進事業の取組との連携をより一層深めることができる枠組みが必要ではないか。
3つ目のポツで、医療機関機能としては、地域ごとに、高齢者救急の受け皿、在宅医療の提供、救急医療等急性期の医療を広く提供する機能を確保するとともに、地域によって役割を発揮している回復期リハや一部の診療科に特化した専門病院等の機能について、その他地域を支える機能として位置づけることとしてはどうか。
78ページが、病床機能報告の病床機能についてです。新たな構想においては、医療機関機能報告を新設するほか、病床機能報告の区分について、これまでの取組の連続性などを踏まえ、引き続き4つの区分で報告を求めることとしてはどうか。その際、2040年に向けて増加する高齢者救急の受け皿として、これまでの急性期・回復期の機能を併せ持つことが重要ということを踏まえ、回復期については、急性期の機能の一部を担うこととして位置づけ、名称、定義を変更するなど、今後の在り方についてどのように考えるか。下の右側に書いてあるように、この回復期のところを、矢印で、この名称、定義などは引き続き検討してはどうかということです。
79ページ、基礎となる構想区域のイメージになります。人口規模20万人未満の構想区域など、必要に応じて構想区域を拡大するということ。地域ごとに、高齢者救急の受け皿、在宅医療の提供、急性期の医療を広く提供する機能を確保する。それから、地域によっては専門病院などその他地域を支える機能を発揮するというイメージを示しています。
最後、80ページが在宅医療の医療圏になります。2つ目のポツで、新たな地域医療構想において、都道府県において適切な在宅医療の医療ケアの市町村単位や保健所圏域などの圏域を設定して、医療関係者、介護関係者、それから市町村も参画をして、医療機関機能の1つである在宅医療を提供し、地域の生活を支える機能を確保する。そして、連携をして、24時間対応、在宅患者の入院対応等ができる在宅医療提供体制を構築することが考えられるのではないかとしています。
資料の説明は以上になります。
○遠藤座長 どうも御苦労さまでした。
ただいま事務局から説明のあった内容について御審議をいただきたいと思いますけれども、何分これもいろいろと検討課題豊富でございますので、できるだけ多くの方々の御発言をいただきたいということで、簡潔に御発言いただければ、大変感謝申し上げたいと思います。
それでは、今度は会場からお願いしたいと思います。
猪口構成員、お願いします。
○猪口構成員 まず最初のほうですが、回復期リハビリテーションと地域包括ケアのことがいろいろ載っております。13ページを見ますと、ここは回復期リハビリテーションの疾患がいろいろ並んでおります。それで、非常に目立つのは、やはり在院日数が長い60日を超えるのは全て脳血管疾患であるということが分かると思います。それに対して、14ページの地域包括ケアは、ある程度急性期のものとか、最長60日という中でやっておりますので、見られる範囲で見ているのだろうということで、2つの病棟はかなり色分けしないと、同じようには扱えないのだと思います。
あと、データですが、例えば18ページで頸部骨折とか整形疾患の平均在院日数が違うということも出ておりますけれども、この際の重症度とか合併症のことについてはよく分からないわけです。
それから、21ページで転院、転棟のほうが長いというデータもありますけれども、むしろこれもやはり重症度とか合併症で非常に手がかかる場合が転院、転棟になっている可能性があって、ここについてはなかなか一概には言えないのではないかなと思って見ておりました。
25ページですけれども、私の個人的な考え方かもしれませんが、地ケアのほうはどちらかというと二次医療圏よりも狭い地域で、地域性が非常に富んでいると。それに対して回リハはかなり広い地域から患者さんを取っているということで、なかなかこれを一緒に論ずるのは難しいなと思っております。やはり回リハについては、今のようなデータから見ても、もう少しリハ医学会等とも連携して、より精緻なのデータを基に今後の在り方について議論する必要があるのではないかと思いました。
ただ、医療機関としてリハビリテーションを医療として行っている場合と、リハの施設化を行っている回リハというのもあると思いますので、今後の在り方については慎重に物事を考える必要があると思っております。
あとは、長くなって申し訳ありませんけれども、少しだけお話ししますと、52ページの医療と介護の連携の中の(1)で平時からの連携が重要だというのは全くそのとおりだと思います。それによって、必要な入院を救急にあまり頼らずに入院させるということが非常に重要だと思います。
あと最後に1点だけ、65ページ、前から出ている図ですが、在宅医療・介護の連携窓口、これが地域包括支援センターとともに充実するということが非常に重要なのですけれども、これは今でもまだ地域によってばらばらで、あまり充実していない地域が非常に多いので、これについてはぜひ充実させていただきたいと思っております。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。
高橋構成員、どうぞ。
○高橋構成員 ありがとうございます。
5月22日第3回検討会で、地方と大都市で高齢者の動向が今大きく変わっているということを指摘したのですけれども、それでいろいろな解析をやりまして、今回の検討会の役に立つのではないかというデータが出てきましたので厚生労働省に提供したところ、今日、参考資料1として高橋構成員提出資料ということで最後につけていただきましたので、ちょっとこれについて述べさせていただきたいと思います。
私の資料の3ページ目が二次医療圏単位の在宅提供量という形で、藤森先生がやられたNDB-SCRという、全国平均を100として、多い場合、少ない場合を数字で表しているものを使いまして、次の4ページに在宅医療を多く行っている地域、100を超えている地域に色をつけました。そうしますと、前橋より北は札幌以外は全部100以下と。これは訪問看護、在支、往診という3つを合わせて平均値を取っているのですけれども、要は、東北・北海道は札幌以外は全部全国平均以下であると。それで、ほとんど大都市に固まっておりまして、特に23区は非常に突出して多いという形になり、それから、名古屋圏、大阪圏、それから医者が非常に多くてなかなか競争が大変だと言われている米子、松江、出雲というエリア、広島、松山、大分、山口、福岡、鳥栖、宮崎、鹿児島という非常に限られた地域だけが100を超えていて、ほかはないという形になっています。
これに関しましては、採算性が合うエリアと、それから、医者が多くて往診をしないとなかなか大変だと言われている地域とほぼぴったり一致しておりますので、これ以外の地域で在宅を広めるのは非常に難しいのではないかということでありますので、こういうものを意識しながら計画をつくっていく必要があるということで提出をさせていただきました。
続きまして、11ページ、12ページになりますけれども、在宅の死亡がどうなっているかというのをNDBのサマリーを使って計算させていただきました。11ページは全国のデータなのですけれども、コロナ後、急激に在宅死亡の数が増えて、この在宅は家だけではなくてサ高住とか有料なども含まれている数字なのですけれども、明らかに増えている。それから、赤いのが比率です。
その次に、都道府県別が最後の12ページに書いてあるのですけれども、押しなべて全ての都道府県で2倍ぐらいに増えてきているという形で、在宅死亡が全国的に増えているという傾向があります。
一方で、医者が非常に多いエリア、具体的に言いますと、高知とか山口、徳島、熊本とか鹿児島というのは低い形になっております。一方、神奈川、東京、名古屋、岐阜、大阪圏はやはり在宅死亡が多く、先ほどの在宅の盛んな地域で在宅死亡が非常に増えてきているという形になり、地方と大都市はやはりかなり大きく差があるなということがこの辺から読み取れるということで提出をさせていただきましたので、参考にしていただければ幸いです。
以上です。どうもありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございます。在宅医療の普及についてということで、感覚的にはこんな感じかなと思ったわけですけれども、これはエビデンスでがちっと出していただいたということで、非常に貴重な資料だというふうに私は思います。ありがとうございました。
それでは、吉川構成員、お願いします。
○吉川構成員 ありがとうございます。新たな地域医療構想における慢性期・在宅医療の提供体制の構築につきまして、4点意見を述べたいと思います。
まず、慢性期の医療提供体制についてです。高齢者向け施設、住まいの利用者が増加していることはグラフでも示されており、医療機関と介護施設の連携強化を図り、重症化をいかに予防していくかが重要になると思います。例えば誤嚥性肺炎について見てみますと、病院所属の認定看護師等が高齢者施設へ出向き、ケア方法について助言等を行ったり、介護職員に対して誤嚥の兆候や安全な食事の介助の仕方について研修を行うことによって、誤嚥性肺炎での入院が減少することが、私どもの実証事業でも結果が出ております。方法としては、ICTを活用して動画を見ながらの助言も非常に効果があると報告されております。そのため、今後高齢者の緊急入院を避けるためには、介護施設の職員の対応力の強化が必要であることから、医療機関と介護施設等の連携強化が求められると考えております。
次に、在宅医療の提供体制についてです。訪問看護事業所では機能に応じて人員体制も利用者像も様々という状況がありますが、今後増大する在宅医療や在宅看取りのニーズに応えていくためには、在宅医療圏域においての24時間体制の強化をしていかなければいけないと思います。
さらに、医療機関から早期の在宅移行が進むことによって、より一層医療ニーズの高い利用者が増えることが考えられます。そのためにも、医療ニーズの高い利用者の対応や、24時間対応を行う事業所を明確化していくこと、そして、24時間体制を取るに当たりましては、何はともあれ人員体制を強化していかなければいけないということがございますので、小さな訪問看護事業所などとの連携も図りながら、在宅医療、訪問看護提供体制を構築していくことが必要になってくると思います。
もう一つ、訪問看護に加えて、泊まり、通いの機能を持つ看護小規模多機能型居宅介護、通称看多機があります。今回、介護のところで看多機の資料を入れていただきましたが、在宅で療養している利用者の状態が、入院するまでには至らないけれども不安定な状況のときに、泊まりで利用することで、看護職によるきめ細やかな観察、またケア支援を受けることができます。現在、約1,000事業所まで増えていますが、医療ニーズの高い利用者を中心に対応し、在宅での療養生活を支えている看多機もあります。今後ますます在宅で療養する医療ニーズの高い人が増えることを考えますと、医療機関の敷地内に看多機を設置するということも1つの方策ではないかと考えるところです。
最後に、D to P with Nのオンライン診療の活用の徹底につきましては、非常に重要な取組と考えております。医療MaaSや集会所でのオンライン診療について、幾つか実際に見学もしてきましたけれども、医師とのオンライン診療が終わった後に、看護師が高齢患者に対して30分以上の時間をかけて丁寧にその方の生活に合わせた療養指導が行われておりました。
地域で暮らし続けることを支えて、重症化予防につなげる支援として、今後一層の推進が必要と考えますが、同時にコストが非常にかかるということもありますので、その支援についても検討していかなければいけないと考えます。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
会場の構成員の方でどなたか。
それでは、岡構成員、その次に土居構成員、お願いします。
○岡構成員 構想区域の件で、人口規模が減っているところもこういうのはありますし、その場合、ある程度構想区域を拡大するというのは賛成でございます。ただ、その場合、やはり移動時間の課題ということが出てくると思います。そのために、高齢者の集住等のまちづくりとかオンライン診療、これも分かるのですけれども、もう1つ、これは厚労省の案件ではないかもしれませんけれども、道路の整備ということが非常に大切な問題になってきます。実際に医療の過疎のところの先生、たまたま高速道路が通ってスマートインターができた途端に、やはり非常にスムーズになった。あるいは巡回診療とかそういうものができるようになったと。もう全然違うということですね。
これは多分、国土交通省の案件なので、なかなか縦割りで難しいかもしれませんけれども、それこそ先ほどの偏在対策も含めて、やはり医療だけではもう今解決できない問題があると思うのです。その中で、道路の問題はまだ解決できる余地があると思いますので、ぜひそういうことも入れていただければと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
では、土居構成員、お待たせしました。
○土居構成員 私は、病床機能、医療機関機能に関連しての意見を述べさせていただきたいと思います。
78ページに事務局からの案があって、今回、前回の会議の議論も踏まえて、病床機能に加えて医療機関機能も報告していただくということになったと、私もそれでいいと思います。特に医療機関機能が新たに設けられるということで、2040年を見据えて、どういう医療機関機能をそれぞれの医療機関が担うかというところをしっかりと報告していただくということは重要だと思います。
その上で、確かに2040年に向けて増加する高齢者救急の受け皿として、これまで急性期と回復期と呼んでいた機能を併せ持つ医療機関が出てくるということは、当然としてあると思います。けれども、それによって逆に、病床機能の必要病床数の推計に曖昧さが生じるようなことにならないようにしていただきたい。医療機関機能を報告していただくことは大事ですけれども、医療機関機能自体が必要病床数の推計に直接対応しているわけではなくて、むしろこれまでの地域医療構想の必要病床数の推計ということであれば、それは基本的には病床機能区分に基づいて推計すると。もちろん診療実績データも加えた上で、新たな地域医療構想において必要病床数の推計をすることになるのだと思いますけれども、新たな機能を定義するということ、特に回復期と呼ばずに新たな名称ないし定義をここで議論して、新たに定義づけていくということであるならば、ざっくりそういう機能を担っているということであればそれでいいということでは、必要病床数との対応関係が曖昧になってしまうということですので、新たな名称、新たな定義を設定するということであったとしても、そこはしっかりと明確に定義づけられるように、かつ必要病床数の推計と連動性をしっかり担保する形で行っていただきたいと思います。
私からは以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、オンラインに移りたいと思います。玉川構成員、お待たせいたしました。よろしくお願いします。
○玉川構成員 御指名ありがとうございます。都道府県の立場からコメントをさせていただきます。
まず、地域医療構想に関しまして、事務局の地域医療計画課においては適切なタイミングで実務を担う都道府県への説明、情報提供を行っていただいていること、この場をお借りして感謝申し上げます。また、今回の資料において、人口規模に応じて課題が異なってきているのではないかという提起をさせていただいたのですが、そういった観点で、人口規模に応じた課題の整理を試みていただいていることについても感謝申し上げます。
今回の資料を見ても、人口が大きな地域で見える課題、そして、人口が少ない地域で見える課題というのは違いがあるケースもありますし、両者に共通することもあります。これらを可視化することによって、議論のずれということを少なくしていけるのではないかと思っております。努力に感謝いたします。
その上で、3点ほどコメントをさせていただければと思います。まず1点目は高齢者救急に関してです。今回の資料の中でも、高齢者救急についてはまとめの中でざっと織り込んでいただいていることに感謝いたしますけれども、やはり一度、高齢者救急に関しては1つのペーパーでの整理をお願いしたいと思っています。高齢者救急も因数分解が必要と認識しています。
具体的なポイントとしましては、高齢者救急も3つ程度の医療機関で対応しているというのが実際かと思います。脳梗塞や心筋梗塞など密度の高い救急医療体制が必要な部分での高齢者救急、その場での手術が不要な大腿骨骨折などの救急、回復期の病棟でも対応が可能な例えば誤嚥性肺炎など、そういった意味での高齢者救急などがあります。いわば「治す」医療で対応する救急と、「治し、支える」医療で対応していく高齢者救急、在宅医療や施設等で事前対応していく部分、そういった複数のアクターで高齢者救急に対応していく形になると思うのですが、それが今回の議論の中でも整理されていると、議論として咀嚼しやすくなるのではないかと思っています。
2点目です。78ページ目の病床機能報告での病床機能に関してです。今回、回復期の概念を、現状に対応する内容に見直しを行っていくということについては理解ができるところです。一方で、今回の議論の外になりますが、回復期以外の高度急性期、急性期についても、それをしていくと対象の整理ということが必要になると思います。先般の中では高度急性期でも、病床機能報告上でいくと実はかなり定義が狭く、ICUやHCUの病棟という形になってくると、本来であれば急性期の中でもごく一部が高度急性期になるわけですけれども、一方全国的な運用の中ではそれがかなり広くなっています。そこで捉えている数と必要量のカウントで求める数が本当に対応しているのかどうかといったことに関しては、改めて今後の中で整理をしていくことが必要です。急性期についても、今回、回復期の中で一定程度の急性や救急機能をそちらのほうで取り込んでいくとなると、急性期の中ではどこまでを急性期としてみなしていくかというような急性期の定義づけといったところについても整理が必要になってくるのではないかと思います。そちらについても検討をお願いできればと思います。
あと、3点目は医療機関の機能に関してです。こちらについては先般も問題提起をさせていただきましたが、人口が少ない地域への実務的な考慮ということが大切だと思っています。複数病院で病院としての役割分担ができる地域と、人口が少なくて1つの病院で複数の機能を担う、ないしは1つの病棟で複数の機能を担うような状況があります。そのときに、無理に病院機能という形で、1つの病院イコール1つの病院機能という形で決め付けてしまうと、実際の病院が担っている役割と乖離が生じてくる状況になります。前回の経験を踏まえまして、この点を制度上の検討にも織り込んでいただければと思います。
そして、地域医療構想調整会議に関して、今回資料の中で触れられています。まず、今後の中で、構想と計画の2つの視点での検討の整理を徐々に進めていただくことが必要かと思っております。従来の地域医療構想は、病床の役割分担という形になっていて、地域の医療介護の連携まで含めていなかったところです。今回それが拡大していきますと、結果的にほぼ地域医療構想が医療計画の大部分、かなりの部分を実際に書き直していくような形になるかと思います。地域医療の中でも構想として、ビジョンとして扱う部分と、医療計画として在宅など実務と関わっていく部分でかなりクロスしてくる部分があります。そこのクロス関係を明確に整理していくことによって、重複感がない取組が可能になると思います。特に在宅医療の検討に関しては、今の地域医療構想調整会議で単純に下にいろいろな部分のレイヤーを設けていくのか、従来の在宅医療の会議等にそういった機能を併せ持って議論を進めていくのかというような形も議論のバリエーションとしては出てこようかと思います。そういった既存のスキームの活用なども含めて、今後の中では検討いただければありがたいと思っております。引き続き、地方との意見交換などを進めて議論を深めていただければと思います。
意見は以上となります。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。進め方に関しての御提案もあり、非常に参考になる御意見だったと思います。
では、山口構成員、お待たせしました。
○山口構成員 ありがとうございます。
まず、77ページの構想区域についてですけれども、やはり2040年の人口の変化ということを見据えまして、これは見直し、拡大ということが必要ではないかと私は思います。
それから、78ページの病床機能のところですけれども、先ほど猪口構成員がおっしゃったのと同じで、患者の立場から見ていましても、地域包括ケア病棟と回復期リハビリテーション病棟というのは、やはり同じ扱いにすると非常に分かりにくいかなと思っています。特に今年度の診療報酬改定で地域包括医療病棟というものが出てきました。恐らくそのくくりというのは、高齢者で急性増悪した人たちを受け入れて、急性期の治療をして、早期リハビリ、在宅復帰を目指すということからすると、地域包括ケア病棟と似ているところがあると思います。そのくくりと回復期リハビリテーション病棟というのは、ちょっと別にしていただかないと、病床機能の報告は住民への報告ということも視野に入れているはずだと思いますので、住民にとっても分かりやすいような分け方が必要ではないかなと思いましたので、その点について意見を申し上げました。
その辺りを一緒にするということについては、事務局は何かお考えがあってのことなのかというのをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○遠藤座長 それでは、事務局、コメントをお願いします。
○高宮参事官 今の御指摘の回復期リハと地域包括ケア病棟、現行の病床機能報告だと回復期リハは回復期で報告をされていて、地域包括ケア病棟は8割が回復期で報告され、急性期は2割で報告されているのが現状になります。今回提案しているのは、回復期のところを、これまでの回復期と急性期の機能を併せ持つというような内容で名称、定義の見直しをしてはどうかというような提案になります。この中で、回復期リハと地域包括ケア、あるいは地域包括医療病棟の機能をさらに報告上見えるようにするような工夫というのは今後の議論であり得る検討ではないかなと考えています。
○遠藤座長 ありがとうございます。
○山口構成員 ありがとうございます。似ているところもあるとは思うのですけれども、やはり扱っている疾患の違いとか入院期間の違いということもありますので、一般の方々に分かりやすいような在り方ということをぜひ皆さんと議論できればと思います。ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、森山構成員、お願いいたします。
○森山構成員 よろしくお願いします。私のほうは2点お願いいたします。
1点目は、27ページの1ポツのところで、一般病床のC3基準未満の患者や、療養病床の医療区分1の患者が在宅医療等の医療需要とすることとあります。
それを踏まえて、次の28ページを見ていきますと、在宅での生活の場所は有料老人ホームとか施設が多くなってくるかなと。そうなってきますと、生活は介護保険で支えて医療を受けるといったような形が見えるかなと思います。この辺りについては、57ページの5ポツ目の在宅医療を受けている患者の多くは介護サービスも受けており、医療と介護にかかる費用を合わせた場合、療養病床の医療区分1における費用と同程度もしくはそれ以上の費用となる場合があるというふうに整理されているかと思います。こういった中で、介護保険の負担増というのがやはり懸念されるところであります。もしそうであるならば、3年ごとに保険料を含めた介護保険事業計画を策定しているところでありますけれども、その際に、こういった医療からの移行分について、介護の負担があまり増大しないような配慮も必要かと考えます。
もう一点は、80ページの在宅医療の圏域についてです。これはお願いになるかと思うのですが、市町村で介護保険事業、地域支援事業で在宅医療、介護連携に関する事業を行っていますが、これは基本的なところでは、在宅の患者側の視点で急変時の対応や退院時の支援、日常療養、看取りというような切り口で検討しているところでございます。一方、この新たな地域医療構想は、急性期の医療から在宅での医療提供までをといった視点かと思います。今後、都道府県が在宅医療の圏域を設定することに適切に関わっていただくことになるかと思いますが、ぜひともこの両者の視点を踏まえた形で市町村と密な関わりをお願いできればと思います。
以上になります。
○遠藤座長 御意見と御提案を頂戴いたしました。ありがとうございました。
それでは、今村構成員、お待たせをいたしました。お願いいたします。
○今村構成員 今村です。幾つか御意見と質問をしてまいりたいと思います。
まず、18ページからの平均在院日数が回復期と地ケアで違うという件ですけれども、数字を扱う者からしたら、上限180日と上限60日のものの平均を比べるというのは、本来数字として違って当然のものなので、この2つの差があるから別のものだということではなくて、制度的に違うものを比較しているので、これが本当のエビデンスの差だというふうには考えにくいところがあります。最低限、これは平均ではなく中央値のようなものでないと比較もできないと思います。それでも上限180日と上限60日のものを平均値に近いもので比較するのは、ちょっと問題があると思います。
続きまして、58ページの慢性期・在宅医療についての案②についてですけれども、これの一番上のポツで、地域で在宅医療を実施し、24時間対応や入院の対応ができるなどという表現で書かれている対応策ですけれども、これはかかりつけ医の機能の定義と非常にかぶるところがあると思うのですが、この対策についてはかかりつけ医をイメージされて、この計画に書いておられるのか、全く別のイメージとして対策を考えておるのかというのは、事務局にぜひ御見解を教えていただきたいところであります。
続いて、77ページの二次医療圏の人口規模なのですけれども、20万人以下でくくっていくべきだということそのものは賛成なのですが、へき地対策と二次医療圏の問題とをちゃんと分けて考えるべきだと思います。人口が少ないからという理由でくっつけると巨大へき地ができてしまう可能性があって、へき地対策はへき地対策としてするべきであって、ある程度の人口がいる地域に対しての二次医療圏対策ということとちゃんと分けて考えるべきで、5疾病・5事業の側にあるへき地対策と二次医療圏の対策とちゃんと組合せを考えていただいて、へき地対策はへき地対策として考えていただく必要があると思います。
78ページの病床機能報告の機能の区分についてですけれども、今回4区分で報告するということそのものは賛成です。さらに、回復期の名称がいろいろな誤解を生んでいるので、この名称を変えていくということも賛成です。ただ、これがベストな回答だとは思わないのですが、私は個人的には、高度急性期と急性期をくっつけたほうが、この境界が分かりにくいものなので、いいとは思っているのですが、今まで4区分でずっとやってきて、この定義を動かすことの危険性のほうがあると思いますので、今はこの4区分でやっていって、回復期の名前を変えるという案に賛成したいと思います。
80ページの在宅医療の圏域についてですが、市町村がこれに加わっていくということは大変いいことだと思うのですが、何度か発言させていただいていますけれども、小さな市町村が単独で対策を考えるというのは非常に難しいことだと思います。そういう意味では、在宅医療を考えるのに一番適切なのは、郡市医師会の先生方の一群として考えるのが一番地域としては据わりがいいと思いますので、ここに実際に書くかどうかは別にして、現実問題、市町村単位ということの中に小規模の市町村をくくるとしたら、郡市医師会単位ということが考えられると思います。
今村からは以上ですけれども、1点だけ、もしよければ事務局からの回答をお願いしたいと思います。
○遠藤座長 分かりました。
それでは、確認事項でかかりつけ医機能との関連で御質問でした。いかがでしょうか。
○高宮参事官 58ページの医療機関機能の1つの在宅医療の提供のところですが、かかりつけ医機能の分科会で議論をいただいていた際のかかりつけ医機能を支援する医療機関のイメージに近いかと思っています。在宅医療を提供して、必要な場合には入院対応も地域の医療機関などと連携しながらやっていくというような機能で、かかりつけ医機能の分科会の中で出てきた支援する医療機関の役割という感じかと思っています。
以上です。
○遠藤座長 今村構成員、よろしいでしょうか。
○今村構成員 分かりました。であれば、その辺をちゃんと明記しないと、かかりつけ医をここに導入するように見えてしまうので、そこは誤解がないようにしていただきたいと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
では、河本構成員、お待たせをいたしました。よろしくお願いいたします。
○河本構成員 ありがとうございます。
まず、回復期医療については、地域包括ケア病棟のように急性期の治療とリハビリの両方を担うのか、回復期リハビリテーション病棟のようにリハビリを専門に担うのかと、それぞれの違いはありますけれども、早期の在宅復帰につなげるというところは共通の重要な機能だと考えております。今後は現役世代の減少が加速化する中で、急性期病棟を集約するのと同じような考え方で、回復期リハビリ病棟の役割も、回復が見込める患者に重点化をして短期間でADLを向上させて、早期に通院や訪問に移行させるということが必要だと思います。また、そもそも高齢者をなるべく最初から地域包括ケア病棟で対応して、急性期の治療とリハビリを一体的に提供するようなことによって、患者が可能な限り早く地域に戻れるというふうにしていくことが望ましいのかなと思います。
次に、慢性期・在宅医療の関係ですけれども、療養病床については、地域差を縮小しつつ、全体として病床数を適正化するといった目標が、マクロ的には一定程度達成できたのかなと認識をしております。必ずしも入院医療が必要でない患者を療養病棟から介護や在宅に移行すると、そういった取組はもちろん引き続き必要ですけれども、在宅患者に相当程度の医療資源が投入される場合があるということも念頭に置きながら、今後は療養病床の削減を前提とするというよりも、患者の状態に合った療養場所を確保するといった視点が重要ではないかと思います。
在宅医療については、介護との連携も含めて、量の拡大とともに、重装備の在宅医療にも対応できるように機能を強化するということも必要かなと思います。その際には、訪問診療を大規模展開する医療機関ですとか、あるいはICT技術をうまく活用して効率化も図るべきかなと思います。
最後に、構想区域とか医療機関機能の関係ですけれども、人口や医療資源の実態を踏まえて構想区域を拡大するということですとか、あるいは在宅医療について二次医療圏よりも狭い区域で対応するということ、また医療機関機能の考え方、この辺についてはいずれも事務局案の方向性に賛同します。
病床機能についても、4区分を継続した上で、回復期の名称や定義を検討するということに特段の異論はございませんけれども、新たな地域医療構想において医療機関ごとの役割分担の明確化を進めるということが重要だと思いますし、その際、一定の客観性を持った基準に基づく医療機関機能の報告を検討すべきだと思います。
私からは以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
それでは、オンラインでまだお手を挙げている方がいらっしゃいますけれども、一旦会場から受けたいと思います。会場でどなたかいらっしゃいますでしょうか。
では、香取構成員、お願いします。
○香取構成員 すみません。簡単にいきます。
今日の回復期と慢性期の話は、大体議論としては整理をされているような気がするので、これはこれでと思いますが、ちょっと細かいところで、先ほど玉川構成員から高齢者救急についてもう一度整理したほうがいいというお話がありましたが、私もこれは一度やっておいたほうがいいのではないかと思います。この話をすると、先ほどの病期の区分の話であるとか、在宅医療と病院・病床機能の区分の話であるとか、そういう話が高齢者救急という別の軸できれいに見えてくるので、頭の整理をする上ではすごくいいのではないかと思います。
それから、療養病床とサ高住やその他特定施設系のものと足すと地域差がなくなるという話があったのですが、この話、そういった施設に対して外付けで医療がついてくるときは在宅医療になるわけですね。そうすると、先ほど在宅医療の話で回数が少ないところと極端に多いところがあるという話がありましたが、そこでいう在宅というのは施設在宅のことですよね。在宅の世界は、自宅在宅と施設在宅は全く別のカテゴリーのビジネスモデルになっていて機能も違っているということがあるので、在宅医療の話については今回だけで終わりにせずに、もうちょっと整理して議論した方がいいと思います。介護との関係でも接点になっているのは在宅医療のところなので、その辺も少し整理をしたほうがいいのではないかと思います。
その意味で言うと、河本さんがおっしゃいましたけれども、在宅医療のほうの機能強化とか重装備化ということが一方であって、そのことによって、言ってみれば入院と在宅のポイントがずっと在宅に寄ってくるということになる。在宅医療の話というのはそういう入院機能との関係や在宅介護との連携のポイントなど、いろんな切り口で議論することが必要ですので、よく整理をしておいたほうがいいという気がします。
最後に、これは質問というか、考えていただきたいのですけれども、前半で医師偏在の話を随分やったと思うのですが、地域でこういう構想をつくって、こういう提供体制をつくって、在宅を強化して、D to P with Nをつくって云々と後半で議論しているのですが、この話と先ほどの偏在問題の話を組合せで考えるとどういうことになるか、というのはちょっと考えてもいいのではないかと。
先ほど言おうかと思ったのですが、医師の偏在の話をずっとしていましたけれども、あれは医療リソースのアロケーションの問題ですよね。だから派遣の問題だとかという話になってくるわけですが、実は偏在しているのは医師だけではなくて、ここの話で言えば医療機関も偏在しているし、病床機能も偏在しているし、もっと言ってしまえば看護師だって同じ問題があるので、医師の話だけしていてもしようがないのではないか。そしてもう一つは、先ほど資料にドイツの例が出ていまして、御説明はあまりなかったですけれども、ドイツのようにばりばりに配置規制してコントロールしても実はうまくいかない。これは相当いろいろなことを組み合わせながらやっていかないといけないので、地域医療構想でどういう絵柄を地域の中で描くか、点と線をどうつないでいくかということとリソースアロケーションの問題はセットで考えないといけないと思います。単純に数で多い少ない、規制で乖離を是正するということだけだとちょっと難しいので、地域医療構想の話と偏在の話はパッケージで考えてもう一度頭の整理をする必要があると思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。事務局のコメントも聞きたいところですけれども、時間も押しておりますので、今後の議論の参考にしていただければと思います。
あと、いかがでしょうか。江澤構成員、お願いいたします。
○江澤構成員 それでは、幾つか意見を述べさせていただきます。
まず、資料の17ページから18ページに回復期リハビリテーション病棟と地域包括ケア病棟の比較がありますけれども、他の構成員もおっしゃいましたけれども、回リハ病棟の入院料の1、2には重症者割合が4割とか、3、4には重症者割合が3割以上という、重症者割合の受け皿として、入口としての設定があったり、あとリハビリテーション実績指数というものが入院料の1と3には設定があって、一定程度の改善を求められており、アウトカムを求めて設定されておりますから、要は、同じ疾患であっても対象患者が異なるものを中身を見ないで比較するのはあまり意義が少ないと思いますので、この辺りはまた今後詳細な分析も含めて必要ではないかなと思います。
続きまして、資料の25ページに回復期医療に対する案がありますけれども、以前ヒアリングでも示させてもらいましたけれども、今、急性期と回復期は医療提供部分でかなり近づいてきている部分がありますので、そういった中で、ヒアリングのときは包括期というものを提案させていただきましたけれども、今日の74ページに一覧表がありますが、ここの回復期機能が、以前は包括期機能というふうに提案させていただきましたし、そのときもこの医療機能の内容は、現在の回リハ病棟には非常に合致するものであるけれども、地ケア病棟あるいは地域包括医療病棟にはなかなかなじみにくいと申し上げたところでございます。
例えば、ここに追記すべきとすれば、高齢者救急患者の受け皿となり、在宅復帰に向けて入院早期からリハビリテーション、栄養管理、口腔管理等を提供し、外来医療、在宅医療、在宅リハビリテーションあるいは介護サービス等と連携し、「治し、支える」医療を提供する機能みたいなイメージのものがあると非常に報告しやすいのではないかなと思っているところでございます。
続きまして、29ページは療養病床と介護施設の定員数比較がありますけれども、特に地方においては、いわゆる訪問診療の代替、在宅医療の代替機能を果たしているのは介護施設でありますので、比べるべきとすれば、ファクターとしては、まずはこの訪問診療、いわゆる在宅医療の提供の数と、それに加えて訪問診療が提供できる仕組みでは、例外を除いて訪問診療が提供できない特養と老健と介護医療院、この辺りを足し合わせたときにどうなのかと。もちろん実質、稼働もしていますから、定員で見るのか稼働で見るのかはまた別といたしまして、訪問診療の在宅医療の提供量と実際の介護保険3施設の稼働の数を足したものについて、その地域差を見ていくほうが在宅医療の推計には分かりやすいのではないかなと思います。
ちなみに、この右側の青色はほとんど医療区分2、3であろうし、赤色は医療区分1が多いということでありますけれども、総和でどうなっているのかという形で、在宅医療と介護施設を足したもので地域別で見ていくのも重要ではないかなと思います。
続いて、39ページは、都市部でも、人口規模の小さい市町村でも、同一建物以外か同一建物の割合についてはあまり差がないというデータであります。したがいまして、今後一件一件の訪問というのは、提供側の人材も減る中でなかなか厳しい部分もあり、要は地域医療構想の議論においてもしっかりと住まい政策、住まいを見据えた議論が必要ではないかなと思います。
続きまして、45ページは、上に訪問看護療養費は含まないという形で、医療保険の訪問看護は入っていないと思いますけれども、そうするとターミナルケアとか別表7、8に該当する訪問が入っていないので、それを加味すると、この辺りは黄緑とかオレンジが少し右にシフトするかと思いますけれども、大事なことは、この資源の比較もさることながら、本人の意思の尊重の下、本人にとって必要な医療が提供されているかどうかという視点が重要ではないかなと思っております。
続きまして、58ページの慢性期・在宅医療に関する件ですけれども、52ページにこの春の同時改定の医療と介護の連携のイメージが出ておりますが、これは特養、老健、介護医療院に、右にありますような在支病をはじめとした医療機関と連携することが義務づけられました。さらにその上で、医療機関と高齢者施設側の双方に加算も創設されていて、毎月1回以上の会議を行う。あるいはふだんからICTで連携体制を構築していれば、年3回以上の会議を行うというものがあって、そういった仕組みが非常に重要ではないかなと思っておりますし、この連携の仕方は在宅医療でも可能ではないかと思っておりますので、そうすることによって、一番課題である1人で24時間365日の対応が困難であるという在宅医療の参入への最大の支障はかなり防ぐことができるのではないかと思っております。
あともう一つ、地域医療構想で共有すべきは、構想圏域なり市町村の中の高齢者住宅とか介護施設の医療はどういったものが提供されているのかは見ていく必要がありますし、療養病床が2015年の35万床から2023年に30万床で5万床減って、2025年の必要病床数の28万床に近づいてはいるのですけれども、今後「治し、支える」医療が増えるに当たって、本当に療養病床がその数で賄えるかどうかはまた検討が必要ではないかなと思っております。
最後に77ページですけれども、前回も申し上げましたように、全ての医療機関がこの医療機関機能に手挙げができること、また、複数の医療機関機能を有する場合には複数に手挙げができることはぜひお願いしたいと思いますし、前回申し上げた回リハ病棟になかなか合致するものがないと申し上げたのですけれども、今回は「その他地域を支える機能」として位置づけるというふうにあります。これは手挙げできることが大事なのですけれども、名称が「その他地域を伝える機能」というのはちょっとどうなのかなと、もう少し何かポジティブな名称があってもいいのかなと思っております。
その後の79ページ、80ページのイメージについては、以前から申し上げたとおりでございますので、進めていくべきものと思っております。
以上でございます。ありがとうございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
会場で御発言をお考えの方はいらっしゃいますか。よろしゅうございますか。
それでは、オンラインでお手を挙げている方が3名いらっしゃいますので、3名の方に御発言いただきたいと思います。
では、望月構成員、お願いいたします。
○望月構成員 時間がないので手短にいきます。
72ページの医療機関機能、これは非常に地域住民に分かりやすくここを説明するということで、前の病床機能だけではなくて、こういったことをやってもらうのは非常にいいと思います。ただ、この中で、高齢者救急の受け皿であり在宅医療を提供するという医療機関とダブっている機能を持っている医療機関が結構あると思いますので、この辺の表現の仕方は十分に検討して、分かりやすく地域住民に示してほしいなと思います。
それから、最後の病床機能報告制度の78ページです。現状での必要病床数と実際の今の地域医療構想の申告した数、病床数は119万床でほぼ一致しているわけですけれども、回復期のところが少ない。いつも急性期が多いという議論になっているのですけれども、急性期の中の軽症急性期イコール高齢者救急というのはちょっと違うと思うのですが、大ざっぱに軽症の急性期と回復期とを合わせると、ほぼ必要病床数に一致してきますので、この回復期の中に軽症急性期、高齢者救急を含めるということが非常にいいやり方ではないかなと思います。名称はともかく、ここのところは皆さんで考えながら名称をつけていくということでいいと思います。
あと、先ほど高度急性期と急性期の区分が非常に不明確で、今までやってきたことと違いますけれども、高度急性期と急性期は一緒に考えたほうがいいのかなというのは、1つ私は意見があったのですけれども、今までせっかく高度急性期でやってきましたので、より明確な病棟単位で高度急性期を否定するのかどうか、その辺の議論をきちんとして、病床機能報告制度をやってもらえばいいなと思います。
以上です。よろしくお願いします。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
それでは、大屋構成員、お待たせをいたしました。
○大屋構成員 手短にお話ししたいと思いますが、先ほど香取委員も少しお話しになったのですけれども、今日の前半のところで、医師の偏在対策で地域だったり診療科の偏在があったと思うのですけれども、ぜひ今お話があったような在宅、それからリハビリ等々、回復期というところで働く医者が、一体全体そこを希望してどれだけの人が行くのかなと。美容整形をしている人が厳しい制限に遭って地方に出ていって回復期の病棟で働きたいと思うのかというようなことも含めて、ここで働く医者をどこでどのように確保するかということも、特にどういう医者をつくっていくかという議論も、ぜひ併せていっていただきたいなと思います。
在宅のほうは、かかりつけ医というところの切り分けで、ある程度いいのではないかと思います。総合診療医って注目はされていますけれど、総合診療医の専門医のプログラムの中にリハビリという項目がどれだけあるのかというようなことも含めて、少し見ていただければ、どのようにしてそこら辺の医者を育成するのかと。さすがに老年科の専門医のところではカリキュラムの中にリハビリがたくさん出てきます。しかしながら、いろいろなところで、どれだけ勉強していただけるのかなというような問題もございますので、いつも似たようなことを申し上げていて、ダブってしまうかもしれませんけれども、人材育成、そこで働く医師の確保、先ほど医師だけではなくて看護師等々もあるという御意見が出ましたけれども、医療者全体をどうやってそっちに誘導するかという件もぜひ御検討ください。
以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
それでは、東構成員、よろしくお願いします。
○東構成員 ありがとうございます。
資料2の17ページに回復期リハビリテーション病棟と地域包括ケア病棟の平均在院日数の差が出ております。これはやはり入院料の算定上限日数がそもそも違いますので、他の委員からもございましたが、私もこれは比較しても仕方がないかなと思います。
それから、資料2の19ページには回復期リハビリテーション病棟における死亡数が結構多いという数字が出ています。これも重度者要件が30%から40%に引き上げられましたので、この要件変更による影響もでているのではないかなと思います。また、資料2の12ページには回復期リハビリテーション病棟の入院患者数は、80歳代にピークがあるということが示されています。さらに資料2の16ページには、回復期リハビリテーション病棟の入院患者の半数以上が認知症高齢者の日常生活自立度の1から4であるということも示されています。これらを総合的に判断しますと、果たして回復期リハビリテーション病棟にふさわしい患者が回復期リハビリテーション病棟へしっかり送られているのか、急性期から回復期に送る際のトリアージが適切に行われているかが甚だ疑問ではないかと考えています。
次に資料2の56ページに記載があるACPは大変重要なのですが、ここにありますように一般国民の5.9%しか知らないというのは問題であり、今後周知が非常に重要になると考えています。
次に資料2の58ページにあるように、慢性期の医療の提供体制も非常に重要なものであります。慢性期の医療提供体制は、在宅医療や介護施設等と併せて構築するということが重要ですし、本人や家族が望まないような過度な医療が行われないということをしっかりとやっていくべきだと思います。
最後に資料2の78ページでございますが、病床機能を変更するという案が出ております。ただ、私はそれだけで終わってはならないと思っています。先ほどから申し上げているように、高度急性期からの受け皿として、該当の患者に対して適切なトリアージをする機能というものを、今後しっかり議論する必要があると考えます。その患者の年齢、要介護度、認知機能、認知症の状況によって、その人にふさわしいところに転棟、転院、あるいは老健施設に送るということができるようにするトリアージ機能を議論すべきだと考えます。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
2番目の議題につきましては、以上とさせていただければと思います。ありがとうございました。
事務局におかれましては、様々な御意見が出ましたので、先ほどと同様に、それを踏まえて次回以降の資料等の準備をしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、3番目の議題でございます。新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の課題等に関する検討プロジェクトチームの開催について、事務局から資料の説明をお願いします。
○高宮参事官 資料3を用いまして、精神医療を新たな地域医療構想に位置づける場合の課題を検討するプロジェクトチームの開催について説明いたします。
資料の最初のほうは、障害保健福祉部の検討会、精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会の資料をおつけしています。近年の精神保健医療福祉の経緯をつけています。精神保健福祉のほうでも、入院医療中心から地域生活中心へという理念で様々な施策が行われてきているということです。
それが2ページ、そして3ページでも、平成26年の指針などによって、精神病床の機能分化、それから地域移行の推進という方向性が示されています。
また、4ページは平成29年の検討会の取りまとめで、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を目指すということで取組が進められています。
5ページは医療計画になります。医療計画においても5疾病の1つとして精神疾患を位置づけて、精神障害にも対応した地域包括ケアシステム、それから、多様な精神疾患に対応できる医療連携体制の構築を進めています。
6ページ以降は、精神疾患の患者の推移になります。総患者数614万人、入院が28万人、外来が586万人となっています。
7ページ以降、入院患者の疾患別ですとか年齢階級別、9ページは外来の疾病別、年齢階級別、11ページは精神病床を有する医療機関、あるいは精神病床数の推移の資料をおつけしています。
最後に12ページです。最初の3つの○については、これまでの精神保健医療福祉の取組を記載しています。
4つ目の○で、現在この新たな地域医療構想については、地域の医療提供体制全体の地域医療構想として検討を進めているところです。
5つ目の○です。現行の地域医療構想では、精神病床の病床機能報告あるいは病床数の必要量の推計などは行われていないという状況ですが、これまでの精神医療の施策等を踏まえて、精神医療の専門家をはじめとする有識者が参画して専門的な検討を行うプロジェクトチームを開催し、新たな地域医療構想において精神医療を位置づける場合の課題などに関する検討を行って、本検討会に検討結果を報告いただくこととしてはどうかということです。
構成員は、精神医療の専門家、一般医療の専門家、自治体、当事者、学識者などで構成をしようと考えています。
スケジュール、10月、11月に議論を行って、その後、本検討会に検討結果を報告ということです。まずは精神医療を新たな地域医療構想に位置づける場合の制度改正に関する事項の検討を行って、具体的な精神病床の報告の区分ですとか推計方法、あるいは2040年に向けた精神医療の在り方などについては、この施行に向けた検討の中で少し時間をかけて検討していくというようなことを想定しています。
資料の説明は以上になります。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ただいまの説明内容につきまして、御質問、御意見等があれば承りたいと思います。
櫻木構成員、どうぞ。
○櫻木構成員 ありがとうございます。
現行の地域医療構想に精神病床が入っていないということですけれども、それに関して言えば、幾つかの問題があったかなと思います。1つはその病床機能、これが必ずしも精神科医療の場合には高度急性期、急性期、回復期、慢性期というふうな形の病期による区分ではない区分が多く使われる。特に病棟機能の分化というのは疾病ごとに進んでいっているというようなことがありました。これも今回、病床機能の評価の中に医療機関機能というような考え方も出てきましたし、ある程度その辺の機能分化の評価について幅というのが出てきたかなと思っています。
それから、構想区域、これは二次医療圏を基本に今までやってきたわけですけれども、精神科医療の場合には非常にその医療資源の偏在というのがあって、なかなか二次医療圏でそのことを評価していくのは難しかろうと考えていたわけです。ただ今回、重層的な構想区域を設定するというようなことで、基礎となる構想区域以外に、例えば在宅医療に関するより細かな構想区域というようなことで設定ができるということを考えると、今後、今まで医療計画の中でなかなか解決がつかなかった身体合併症であるとか、あるいは精神科救急と一般救急の連携というような現在未解決な問題に関して、新たな地域医療構想において精神医療を位置づけるということで、今までのマイナス部分を評価するよりは、むしろ前向きに評価できるのではないかというふうに我々は考えて、そのことに賛成をしているというような状況です。
○遠藤座長 ありがとうございました。検討会の趣旨の御説明にもなるかと思いますけれども、御専門の立場からの御発言をいただきました。
ほかにございますか。
それでは、尾形構成員、お願いいたします。
○尾形構成員 精神病床を地域医療構想の対象として考えるということについては、もともと私はそういう意見でしたので、賛成です。そもそも今の地域医療構想の原型である2025年ビジョンには精神病床も入っていたわけですが、その後の議論の中で精神が落ちて、対象が一般プラス療養ということになったという経緯があるというふうに理解しています。
そういったことを前提として、12ページに示された案なのですが、率直に言って、私には、これはよく分かりません。ここに書いてあることを見ると、最初の3つの○では精神保健医療福祉施策の動向が整理されています。4つ目の○で新たな地域医療構想のポイントが書いてあります。そして5つ目の○で精神を今回位置づける場合の課題を検討しろということになっているのですが、この間の論理がつながっていません。つまり、この案には、なぜ今なのかという説明が全然ないわけです。むしろ、この際、今、櫻木構成員がおっしゃったようなことをきちんと文書に位置づけるべきだと思います。この検討プロジェクトチームというのは、まずそこを議論して、基本的な考え方を整理していただきたいと思います。
以上、コメントです。
○遠藤座長 ありがとうございます。重要な御指摘をいただいたと思いますので、事務局として御検討いただければと思います。
それでは、オンラインで松田構成員が手を挙げておられますので、松田構成員、お願いいたします。
○松田構成員 精神について地域医療構想の中で議論していただくことは非常に重要だと思っています。地域医療計画にも関わることだと思います。今回はそこまで詳しくはやらないと思うのですが、実際にデータを分析していただいて、現状を少し洗い直していただきたいと思います。
私たちの分析の結果を見ると、例えば今入院と外来の連携が不十分になっています。それから、精神の場合には、諸外国に比較して社会復帰の遅れが言われているわけです。デイサービスとかナイトケアとかいろいろあると思うのですけれども、そういうものも含めた構想に入れていかないといけないと思いますので、身体科のものとは少し異なってくるだろうと思います。
ただし、加えて、先ほど櫻木構成員がおっしゃられましたように、救急とかで含めて、特に自殺などがそうなのですけれども、身体科と精神科救急の連携が少し不十分な状況がありますので、そこの連携に関しても少し意識して検討していただけたらと思っています。
以上、コメントです。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかによろしゅうございますか。ありがとうございました。
それでは、3番目の議論につきましても、これまでとさせていただきたいと思います。事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、精神医療に関する検討プロジェクトチームで検討を行っていただきまして、その検討結果につきましては、本検討会にも御報告いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後に事務局から何かありますか。どうぞ。
○淺野課長補佐 次回の検討会につきましては、詳細が決まり次第、御連絡いたします。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 それでは、本日3時間、長丁場でございました。活発な御議論をいただきまして本当にありがとうございました。
それでは、これをもちまして、本日の検討会を終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
本日は、対面及びオンラインによる開催とさせていただいております。
オンラインでの参加に係る留意事項につきましては、事前に送付しております「オンライン参加の留意事項について」を御覧ください。
また、オブザーバーとして、総務省自治財政局準公営企業室の八矢準公営企業室長、文部科学省高等教育局医学教育課の堀岡企画官に御出席いただいております。
続きまして、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。事前に議事次第、構成員名簿、省庁関係出席者名簿、配席図のほか、資料1から3、参考資料1を配付いたしましたので、お手元に御準備いただきますようお願いいたします。
冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまででお願いいたします。
(カメラ撮り終了)
○淺野課長補佐 それでは、以降の進行は、遠藤座長にお願いいたします。
○遠藤座長 構成員の皆様、こんにちは。本日は少々長丁場でございますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入らせていただきます。本日は議題が3つございますので、3つの議題ごとに説明と議論を行うという形で進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。議題も多く、構成員の数も大変多い検討会でございます。できるだけ多くの方の御意見をいただきたいと思いますので、御発言は簡潔にお願いできればありがたく存じますので、よろしくお願いします。
それでは、1つ目の「医師偏在是正対策について」、事務局から関連の資料の説明をお願いします。
○高宮参事官 医療提供体制改革担当の参事官です。
資料1を御用意ください。医師偏在是正対策につきましては、8月30日に厚生労働大臣から総合的な対策パッケージの骨子案を公表したところです。年末のパッケージの策定に向けて本検討会でも御議論いただきたいと考えています。資料の枚数が多くなっていますので、ポイントを絞って説明いたします。
資料の3ページ、最初が医師偏在の現状についてです。
4ページ、まず医師数の年次推移、医師数は全体として増加しているということです。
5ページ、日本の人口の推移、人口減は既に始まっているという状況です。
6ページ、令和2年度の医師の需給推計の資料になります。2029年頃あるいは2032年頃に均衡するという推計になっています。
8ページ、地域偏在についてです。一定の仮定を置いた医師偏在指標によって全国の状況を比較しているものになります。上位3分の1を医師多数県、下位3分の1を医師少数県として取組を進めているところです。
9ページは、二次医療圏ごとの医師偏在指標になっています。これが11ページまで続いています。
13ページ、診療所の従事医師の年齢階級別の割合になります。上のほうの四角の2つ目の○ですが、診療所が主たる従事先の医師について、60歳以上の医師の割合が増加してきているという状況です。
14ページ、人口規模別の二次医療圏ごとの診療所数の変化の状況になります。人口規模が小さい二次医療圏において診療所数が減少傾向、50万人以上あるいは100万人以上の人口規模の大きい二次医療圏では診療所数が増加傾向にあるという状況です。
15ページから診療科偏在についてです。
15ページは、診療科別医師数の実人数です。一番上の内科が最も人数が多い診療科になっています。次は薄い紫色、外科が多くなっているという状況です。
16ページは、平成20年を1.0とした場合の推移になります。多くの診療科で増加しているところですが、一番下の薄い紫色、外科については横ばいになっているという状況です。
17ページ、診療科別の時間外・休日労働時間数になります。外科、産婦人科、脳神経外科などで長くなっています。
18ページ、美容医療に関する検討会の資料になります。美容外科について、近年、20代、30代の医師の占める割合が増加しています。
19ページ以降、現行の取組の資料になります。
20ページが医師確保対策に関する取組の全体像になります。左上の医師養成過程における取組として、大学医学部の地域枠を設定しています。それから、臨床研修では都道府県別に研修医の募集定員の上限数を設定。専門研修においては、都道府県別、診療科別の専攻医の採用上限数、シーリングを設定しています。右上、各都道府県の取組としては、各都道府県において医師確保計画を策定いただいています。先ほどの医師偏在指標により、その偏在の状況を把握して、大学と連携した地域枠の設定ですとか、あるいは地域医療対策協議会、都道府県、医師会、大学病院、中核的な病院などを構成員とする協議会において、医師確保対策の方針、要請ですとか派遣調整などについて協議を行って、取組をいただいているところになります。また、下のほうの医師の働き方改革についても併せて取組を進めています。
その後は医師養成過程の取組の概要資料が続いています。
27ページ、35歳未満の医療施設従事医師数の推移になります。医師少数都道府県の若手の医師数は、医師多数都道府県と比較して伸びており、若手の医師については地域偏在が縮小してきているという状況になります。
28ページが、今度は若手医師に限らず医師の全体を見たものになります。医師少数都道府県の医師数の伸び率は増加しており、医師多数都道府県よりも大きくなっているけれども、その伸び率の差は若手医師の伸び率の差と比較すると小さくなっているという状況です。
その後は都道府県ごとの医師確保計画の取組の概要資料がついています。
34ページです。医師少数区域などで勤務した医師を認定する制度、これを令和2年度から開始しています。医師少数区域で一定期間勤務をして、必要な業務を行った方を厚生労働大臣が認定するという制度です。下の方の①のところに書いていますが、地域医療支援病院の管理者について、この認定医師であることというような管理者の要件を設定しています。括弧書きで書いてあるとおり、2020年度以降に臨床研修を開始した医師を管理者とする場合に適用されるということになっています。
35ページ、この認定医師の認定数になります。令和2年度に制度を開始して以降、令和4年度で507人の方が認定をされているという状況になっています。
37ページ、外来医師偏在指標を活用した地域で不足する機能あるいは偏在への対応ということです。外来医療計画のガイドラインにおける取組になっています。下のほう、オレンジ色の赤枠の2つ目の○ですが、外来医師多数区域において、都道府県から新規開業希望者に対して、初期救急、夜間・休日の診療、あるいは在宅医療、公衆衛生など地域で必要とされる医療機能を担うよう要請することとしています。
その要請の状況について、38ページの資料にまとめています。
38ページの左側の真ん中ぐらいに、まず1番目として、外来医師多数区域のある37の都道府県のうち、この要請を行っているか行っていないかというものになります。要請をしている都道府県が28、要請していないという都道府県が9、24%になっています。
その下の2番目で、外来医師多数区域の新規開業希望者への要請の状況になります。新規開業者は2,648件あります。このうち右側に行って要請をしていないというのが536件、左下の要請したものが2,112件になります。要請された医療機能を提供する合意ありが637件、合意なしが400件になっていて、協議の場への出席要請等の対応をしているのが12件、対応していないのが388件、協議中が975件あり、要請のみで合意の有無の確認をしていないというのも100件ございます。地域で必要な医療機能の要請を行った上で、実効性の確保が課題になっていると考えています。
40ページ、第7次医師確保計画が2023年度までとなっています。この第7次医師確保計画の目標達成状況になります。真ん中に医師少数県における目標の達成状況として、計画開始時の医師偏在指標下位3分の1基準に達するという目標を達成した医師少数県は16県のうち6県、約4割となっています。医師少数区域でも目標を達成しているのは約4割ということで、残りの区域では、ここまでは達していないという状況になっています。
41ページ以降、医師偏在是正の総合的な対策パッケージの検討についてです。
43ページ、骨太の方針2024、今年6月に閣議決定をされたものになります。医師偏在是正に関して記載がございます。医師確保計画を深化させる。それから、医師養成過程での地域枠の活用、大学病院からの医師の派遣、総合的な診療能力を有する医師の育成、リカレント教育の実施など、必要な人材を確保するための取組。それから、経済的インセンティブによる偏在是正、そして、医師少数区域などでの勤務経験を求める管理者要件の拡大など規制的な手法を組み合わせることで、総合的な対策のパッケージを2024年末までに策定することとされています。
次の44ページ、こちらが8月30日に厚生労働大臣から公表した総合的な対策パッケージの骨子案になります。①医師確保計画の深化として、都道府県における医師偏在是正プランの策定、それから、国における重点的な支援対象区域の選定。②医師の確保・育成、医師少数地域で従事する医師の育成、そのような医師を増やす観点からの取組として、医師少数区域での勤務経験を求める管理者要件の拡大、それから、外来医師多数区域の都道府県知事の権限強化、保険医制度における取扱いなど規制的手法の検討。それから、その下3つは養成課程に関連する取組になります。臨床研修の広域連携型プログラムの制度化、中堅以降医師などのリカレント教育、臨時定員地域枠の医師少数県への振替の検討。③実効的な医師配置です。医療介護総合確保基金などによる重点的な支援区域の医療機関、処遇改善のための経済的インセンティブ、その区域への医師派遣などを行う中核的な病院への支援、全国的なマッチング機能の支援などの検討。一番下が都道府県と大学病院との連携パートナーシップ、協定の提携検討ということです。
45ページは、9月5日の厚生労働省の医師偏在対策推進本部、省内の大臣をトップとした会議における資料になります。こちらで主な論点を示しているところです。
46ページは、8月21日に日本医師会から医師偏在に対する日本医師会の考え方という提案が示されています。
48ページ、これらの医師偏在是正の対策について、本検討会においては、下の検討事項の(2)ですが、医師養成過程を通じた対策を除いた医師偏在是正対策に関する事項を検討いただくこととしています。
医師養成過程の対策については、49ページの医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会で検討を進めているところです。また、対策の中には医療保険に関連する事項も入っています。そのようなものは医療保険部会などで検討を行うこととしています。
50ページは、先ほどの医師養成過程の偏在対策の検討会を9月20日に行っています。そちらで診療科偏在についての議論を始めています。外科などの一部診療科の増加が乏しいことに対して、働き方改革など既存の施策に加え、どのような対策が考えられるかということで、診療科偏在については医師養成過程のほうの検討会で議論を開始しています。
本検討会では、54ページ以降、以下の点を検討いただきたい、御意見いただきたいというふうに考えています。
まず1つ目が、医師偏在是正プラン・重点医師偏在対策支援区域についてです。下のほうの2番目、取組の方向性案として、早急に医師確保を要する地域について、へき地保健医療対策にも取り組んでいるが、へき地でなくても、人口規模、地理的条件、今後の人口動態などから医療機関の維持が困難な地域もある。まず早急に取り組む地域の対策として、優先的、重点的に対策を進める区域を重点医師偏在対策支援区域として設定することについて、どのように考えるか。
※で書いておりますとおり、この区域について、これまでの医師偏在指標だけではなくて、可住地面積当たりの医師数、あるいは住民の医療機関へのアクセス状況、医師の高齢化の状況なども考慮して設定をすることとしてはどうかと考えています。
2つ目のポツで、都道府県の医師確保計画において、この医師偏在是正プランを策定して、重点医師偏在対策支援区域、対象の医療機関、必要医師数を具体的に示すことについてどのように考えるか。その際、この区域については、国において一定の基準を設けた上で、都道府県と調整して、選定することについてどのように考えるか。
続いて、57ページ、規制的手法の1つ目になります。医師少数区域などでの勤務経験を求める管理者要件です。下のほうの2番目、取組の方向性案として、医師少数区域等での勤務経験を求める管理者要件の対象医療機関の拡大です。現行は地域医療支援病院のみを対象としていますが、この対象医療機関を拡大することについてどのように考えるか。
※で2つ書いています。2つ目の※のとおり、医療法第31条において、公的医療機関は医師の確保に協力することとされていることも踏まえて、御意見をいただきたいと考えています。
その下の○、医師少数区域などでの勤務経験期間の延長。現行6か月以上となっていますが、これを例えば1年以上と延長することについてどのように考えるか。
59ページ、規制的手法の2つ目になります。これも下の取組の方向性案のところで、まず1つ目の○が、外来医師多数区域における新規開業希望者への地域で必要な医療機能の要請などの仕組みの実効性の確保です。まず現行の仕組みを医療法に位置づける。それから、外来医師多数区域の新規開業希望者に対して、事前に診療所で提供する予定の医療機能を記載した届出を求める。現行制度では、診療所の開設は基本的に事後届出になっていますが、事前の届出を求めることとした上で、その届出内容を踏まえて、不足する医療機能の提供を要請するということについてどのように考えるか。
2つ目のポツで、正当な理由なく要請した医療機能を提供しない場合には、都道府県において勧告・公表を行うこと。併せて、実効性を確保するため、保険医療機関制度における取扱いについてどのように考えるか。
3つ目のポツは、もう少し厳しい案として、外来医師多数区域での開業を許可制とし、開業の上限を定めることについてどのように考えるか。※にも書いてありますとおり、検討に当たっては、憲法上の職業選択の自由、あるいは営業の自由との関係などの課題があることも踏まえて、御意見をいただきたいと考えています。
2つ目の丸、保険医療機関の管理者要件、例えば保険医療機関の管理者を法律に規定して、一定期間の保険医勤務経験を設定するなどの方策についてどのように考えるか。こちらは保険医療機関の話になりますので、医療保険部会などで検討いただくこととしています。
63ページ、経済的インセンティブです。これも下の2番目の取組の方向性案のところで、へき地でなくても、人口規模などから医療機関の維持が困難な地域であり、優先的、重点的に対策を進める区域として設定する重点医師偏在対策支援区域における医師確保を推進するため、経済的インセンティブとしてどのような対応が考えられるか。こちらについては、1番目の現状と課題において記載があるようなへき地診療所の施設・設備整備支援、あるいは運営の支援、あとは医師派遣の支援などがあるということ。あるいは、2つ目のポツのように、医師少数区域で新たに診療所を開設する医師に対する一定期間の資金支援策の創設ですとか、医師少数地域で働く医師の確保・派遣を強化すべきとの指摘なども踏まえて、これも御意見をいただきたいと考えています。
2番目の2つ目のポツです。重点医師偏在対策支援区域において必要な医療機能を維持し、国民皆保険制度を安定的に運営する観点から、国、地方のほか、保険者等からの協力の在り方について、医療保険部会などでも検討することとしてはどうか。
最後の3つ目、診療報酬については、保険局のほうの事項となっています。
65ページ、全国的なマッチング機能の支援です。2番目の取組の方向性案として、中堅・シニア世代などの医師を対象として、医師不足地域での医療に関心・希望を有する医師の掘り起こし、必要に応じてリカレント教育や現場体験へのつなぎ、医師不足地域の医療機関とのマッチング、その後の定着支援等を行う全国的なマッチング機能の支援を行うことをどのように考えるか。
最後、71ページは、都道府県と大学病院等の連携パートナーシップ協定についてです。2番目の取組の方向性案として、地域医療対策協議会などによる医師派遣調整機能等の強化のため、都道府県と大学病院等の連携パートナーシップ協定の締結を推進することをどのように考えるかということです。
74ページ以降、9月20日に行った医師養成過程の対策の検討会の資料、医学部の地域枠や臨床研修の広域連携プログラム、あるいはリカレント教育について検討を進めているという資料を参考でおつけしています。
私のほうからの資料の説明は以上になります。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの医師偏在対策につきまして、御意見等をいただければと思います。いかがでございましょうか。
では、山口構成員、お願いいたします。
○山口構成員 ありがとうございます。山口でございます。
この医師偏在問題に対しては、教育などでもいろいろと工夫してきたわけですけれども、例えば地域枠や出身者枠は定着することに効果を発揮していると思いますけれども、シーリングについては、シーリングがかかっている都府県の近隣に流れていってしまっていて、本来の医師少数県に充足できているかというと、それができていない現状があると思います。
40ページに、医師少数県の中で目標を達成している6県と書かれていますけれども、これはお聞きすると、栃木、群馬、長野、岐阜、三重、宮崎ということで、従来問題になっている医師少数県で目標達成できているのではないという現状がありますので、私は、もうそろそろ若い方たちを使って医師偏在対策を何とかしようとするのではなくて、中堅以降医師という言葉が出てきていますけれども、特に54ページの重点医師偏在対策支援区域というものを設定するのであれば、中堅以降の医師にどうやって医師少数地域あるいは県に行ってもらうかということを考える必要があるのではないかなと思っています。そのためには、先ほどの御説明にあったマッチングとかリカレント教育というようなことが必要ではないかなと思います。
それから、57ページの管理者要件の対象医療機関の拡大ということで、医師少数県・区域で従事した医師に対して認定ということなのですけれども、今、全体的に若い人が管理職になることを避ける傾向にあって、これは医師も同じではないかと思います。管理者要件を拡大したとしても、それに魅力を感じる人が少ないとすれば、行く人は逆に減るのではないかと危惧しておりまして、ちょっとこれは乱暴な言い方かもしれませんけれども、むしろ開業する場合の要件にでもしない限りは実効性がないのではないかなと感じています。
それからもう一つ、医師少数県で従事する人なのですけれども、18ページの美容医療のところで全体の年代の比率が書かれていますが、これは数でお聞きしたデータによると、2010年からの12年間で、20代、30代の美容医療に従事している人たちは159人だったところが、何と656人に増えているということで、497人も増えているという現状があります。20代から80代の全体で見ると824人増えている。そのうちの500人ぐらいが20代、30代に集中しているということからすると、私は、この美容医療を手がける人たちが一定期間、国の少数地域で社会貢献してもらうということも必要ではないかと思いますので、こういった美容医療に携わる方の要件としても、対策として、一定期間少数県・区域に行ってもらうということも1つの考えではないかなと思っております。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。御意見として承りました。
今、オンラインで5名の方が手を挙げておられますので、まずはオンライン5名の方にお願いをして、その後、会場から御発言をいただければと思います。
それでは、続きまして、望月構成員、お願いいたします。
○望月構成員 ありがとうございます。
非常にこれは古くて新しい問題で、今回本腰を入れてこの是正に向かうという非常にありがたい話だと思います。私の自治体病院協議会の加盟病院は、中小病院も医師不足が非常に大変でありまして、これはいろいろパッケージで組まれております。
まず、医師少数区域等での勤務経験を求める管理者要件の大幅な拡大というところなのですけれども、先ほど山口構成員もおっしゃいましたが、今本当に中小病院の病院長のなり手が少なくて非常に困っています。この管理者要件が、私はどうせ開業に向かいますので病院長にはなりたくありませんという方にとっては逆の方向で追い風になるような気がしますので、ここは逆に注意しておいたほうがいいのかなと思います。実効性を求めるのであれば、全医療機関という考え方がありますけれども、これはいろいろハードルの高い話もありますので、ここは慎重に議論をしてほしいと思います。
それから、1つここで考え方が抜けているのは、大学病院からの医師派遣というのはもちろん当たり前の状況でやってもらわなければいけないし、逆に大学病院の医師も、大学病院の処遇が非常に低いですので、アルバイト的に外の診療所に行かないと生活ができないということがありますので、これは当たり前のことであると思うのですけれども、1つ抜けているのは基幹病院です。基幹病院からの医師派遣というのが非常に大事だと私は思っています。各県の県立中央病院クラスには、そうはいってもある程度医師は集まってきます。そういった県立中央病院クラスの基幹病院からの医師派遣を積極的に国が支援するという考え方が1つはあると思います。
今、総務省の財政支援もあるのですけれども、公立・公的病院への医師派遣は派遣元、派遣先に交付税措置もあるのですけれども、同一の例えば県立病院同士間の派遣にはそういった財政措置がありません。それから、中小病院の公立病院、過疎地の中小病院は自治体病院が多いと思うのですけれども、そういったところに積極的に医師派遣をする病院に対する評価とか、派遣先、派遣元に財政支援を行ってもらうことによってここを活性化していくというのはあると思います。
それから、保険医制度は、先ほど美容外科の話も出ましたけれども、これは大いに取り組んで進めてもらいたいなと思います。
それから、若い医師は症例数の多い専門医制度にのっとった症例を経験して、やはり良医になってもらわないと医療の質の低下が起こりますので、無理にこれ以上若い医師を地域に派遣するという考え方よりも、中堅・シニア世代が、そろそろ外科を卒業して地域で働いてもというような方も出てきておりますので、この全国的なマッチング機能の支援というのは、今、各団体、女性医師の支援等は日本医師会とかがやっていますし、各病院団体がセカンドキャリアとか、我々もこういった求人・求職支援センター等をやってはおるのですけれども、何分この宣伝不足で、あるということを知ってもらっていないことがありますので、ここのところの支援が、非常に中堅・シニア世代にマッチすれば、病院と求職者とで話合いをしながら就職していただけるということがありますので、ここのところは大いに力を入れてほしいなと思います。
以上でございます。ありがとうございました。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。御意見として承りました。
それでは、今村構成員、よろしくお願いいたします。
○今村構成員 今村です。2つほど意見を申し上げたいと思います。
まず、57ページにあります公的病院の管理者の要件に医師少数区域での勤務を義務化するということについて、このままでは非常にまずいのではないかと思います。管理者要件が幾つかあって、そのうちの1つとして選ばれるならばいいと思うのですが、少なくとも必須要件にしてしまった段階で、先ほど望月委員や山口委員からも御指摘がありましたように、病院長になる必須要件にすることで、病院長の選択肢が狭まるという大きな問題があると思います。公的な病院は大病院が多いのですけれども、やはり大病院の病院長というのは有識者であるべきで、その選択肢として少数区域での勤務のみを必須要件とした場合には、かなりその選択肢が狭まる可能性があって、病院長になっていただく方の、幅広い経験のある方が普通は選ばれると思うのですけれども、かなりその人のレベルが偏ったものになってしまうのではないかということを危惧いたします。
実際に若い先生方は病院長になることを嫌がっておられる方が多いので、これ自体は物すごく大きな足かせになるのではないかと思うので、必須要件としてつけることは、私は反対です。
次に、59ページの保険医療機関の管理者要件について、保険医としての勤務経験を載せることを求める、このことそのものは、私はいい政策だとは思うのですが、これを医師偏在対策として要件化することは、私は反対です。例えば美容整形とかは、基本的には保険診療ではなくても開業できる内容ですので、保険診療をしている内科では都心部では開業できないけれども、美容整形では開業できるというような誘導策になる可能性があると思います。今、医師の都市部への集中と美容整形とかへの偏在を何とかしようと言っているときに、大都市で美容整形で開業する場合だけ要件がかからないというような政策は、両方に対して、医師偏在対策に対してはマイナスの面があると思っています。一定の要件をかけるということはいいことだと思うのですが、偏在対策としてやるということは、美容整形の大都市への誘導という大きなドライブがかかってしまうリスクがあると思うので、私はこれを単純にこれだけで実施するということは非常に危険だと思いますし、反対意見を述べたいと思います。
今村からは以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。少数区域での勤務経験の管理者要件につきましては、医師養成を通じた医師偏在対策の検討会でも、かなり今おっしゃられたようなことを御指摘する先生もおられて、反対の御意見が多かったということでございます。
では、引き続き、大屋構成員、お願いいたします。
○大屋構成員 よろしくお願いいたします。
まず全体像ですけれども、医師偏在対策は、1つ2つの統一した方策でできるはずがないものですので、今回のように様々な仕組みを組み合わせて対策に取り組んでいただいているということについて高く評価しているものであります。その中で、順番に前半から後半へ向けて進めていきますので、重要性の順番にしゃべっているわけではないということを御承知の上で、何点か御指摘したいと思っております。
まずは8ページ、9ページ、10ページ、11ページ、その後飛んで17ページで、医師偏在指数と働き方改革の関係のデータが載っているのですけれども、見誤ってはまずいかなと思うのは、昨今、若い先生のほうが働いていないという事実があって、17ページを見ていただくと、一番残業が少ないだろうと思われるのが研修医なのですね。最も若い先生方が一番働かないと。ただ、医師偏在指標を算出される場合は、多分、昔取った若い先生がたくさん働くというデータに基づいて指標をつくられているはずなので、ここで既にちょっとギャップが出てきているのではないかなということ。そして、女性のほうが男性に比べて特に若い医師は働かない、女性のほうが労働時間が短いことになっていますけれども、昨今そんなことは全然なく、男性医師も堂々と3か月ぐらいの育休を取ったりしますので、結構そこら辺のずれ、働き方改革に合致したような偏在指標というところをぜひ出していっていただきたい。私の認識の誤りがあれば、後で教えていただければと思います。
次にもう一点、27ページですけれども、35歳未満の医療施設従事医師数が増えている。確かに医師少数県では増えているというのは事実なのですけれども、これで実際満足していいのかどうかというところのポイントなのですが、これはパーセンテージで出ていますので、もともと分母が小さければ、少し増えただけでも増加率は高くなるということから考えると、医師多数県で多少増えても、あまり増えていないように見えますけれども、実数で言えば、医師多数県も結構増えているのではないかなという気がしますので、パーセンテージの目標ではなく、これは目標のために出していないというのは承知しておりますけれども、ぜひ実数ベースでも出したほうが皆さんの理解が進みやすいのではないかなと思いました。
次は、34ページ、医師少数区域で働いた医師を認定する制度でございます。私自身はこの認定は重要ではないかなとは思っています。やはり若い時期に6か月、1年と医師不足地域で働いたということは医師としての素養にもつながってくることでありますので、それを認定することはいいのですけれども、ほかの委員の皆様方と全く同じで、一定の病院の管理者としての評価というところは、ちょっとまずいのかなと思います。昨今は管理者になりたい若い医者はいませんし、そもそも管理者となるのは20年後ですので、そんな先のことまで考えている若い先生はほとんどいないというところがございます。
一方、経済的インセンティブという面では意味がありますので、そういう面でのメリット感をつけていただく。これを、現在ここでは経費だけがついておりますけれども、これは1年間だけなのか、5年間なのか、10年間なのかとか、税金を10%安くするとかいうのは不可能かもしれませんけれども、何らかの形で、控除が増えるとかでも結構ですけれども、継続的にある程度の長い期間のメリットになるようにしてあげたらいいのではないかなと思います。
次でございますけれども、外来医師偏在指標を活用したという37ページの対策です。基本的には新規開業者に対する情報提供やいろいろな依頼、こんな機能を担ってほしいという要請が38ページ目に載っておりますけれども、これは重要なことであると考えております。ただ、一度に短期間でこの制度が出来上がるということはないと思いますので、段階を踏みながら、様々なステークホルダーの理解を得ながら、このような新規開業者への依頼とか、既に開業している先生方への依頼も含めて、これは当然ながらステークホルダーの理解を得ながらになりますけれども、ぜひそのような形で進めていただけたらなと思っております。
私のほうからもう一点お話ししたいのは、大学病院の派遣、そして中核病院からの派遣というところで、ある程度の都会に、また、医師少数地域でも大学病院があるところとその周辺に医師がたくさんいるという事実がございますので、このような派遣ということの取組は非常に重要かなと思っております。一方、ここで語られていないことは、大学病院に人がいないと派遣できないという事実でございます。
昨今、給料も非常に悪いし、研究もできない。さらに非常にハードで、なおかつ働き方改革ばかりを言われてモチベーションが下がるというアンケート結果も出ていますので、そのような大学病院からどんどん辞めて、中堅の先生たちが外の病院だったり開業医へ向かっているという現状がございます。したがって、大学からの派遣というところをしっかりと強化するには、大学病院にちゃんと医師がいるということが必要ですので、その視点もどこかに書き加えていただいたらというふうに願っております。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。ほとんど御意見というふうに承りましたけれども、一番最初のところで、医師偏在指標について、医師の働き方改革の影響で勤務時間が非常に変わってきているわけですけれども、それらの反映についてどう考えるかというような御指摘があったかと思います。事務局、何かコメントがあればお願いいたします。
○中西室長 医師確保等地域医療対策室長でございます。
医師偏在指標への影響でございますけれども、中長期的には、直ちにそういった傾向というのは大きくは変わらないものだと認識してございますが、大屋構成員が御指摘のとおり、時間の経過とともに男女比や労働時間等、そういった実態と大きく変わる事情が生じた場合につきましては、必要に応じてそういった見直し等を検討してまいりたいと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
○大屋構成員 ぜひよろしくお願いします。少なくとも17ページの指標を見ると、大きな変化が生じているというふうに私は感じますので、何かの機会にぜひ御検討いただけたらと思います。よろしくお願いします。
○中西室長 大屋構成員の3つ目の御質問でございます。27ページ目、医師少数県等の割合で算出されているが、実数も出してほしいということでございます。まだ検討会等ではこれまでお示ししてございませんが、少数県での伸びが多数県よりも多いというふうに実数としても出ていますので、そういったところでございます。
○大屋構成員 どうもありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、河本構成員、お待たせいたしました。よろしくお願いします。
○河本構成員 ありがとうございます。
医師の偏在是正は、多数区域から少数区域へ医師をいかにシフトさせるかと、それにある意味尽きるのではないかというふうに私は思います。まずは多数区域に医師が集中する要因とか背景を明らかにするということがスタートラインだと思いますし、その上で、国の関与と強力な規制によって過剰な開業を抑制して、実効的に医師の配置転換を進めなければ、この問題は根本的に解決しないのではないかと思います。
具体的な規制的手法について3点意見を申し上げたいと思います。
1点目は、多数区域に新規参入する医療機関については、地域で不足する診療科あるいはその医療機能を充足させる場合のみ保険医療機関の指定を行って、一旦その指定を受けた場合でも、約束を守らなければ指定を取り消すというようなことをルール化すべきだと考えます。
2点目ですけれども、保険医療機関の管理者要件の法定化については、相当程度の長期間にわたる保険診療の経験を義務づけるべきだと思います。
それから3点目、少数区域での勤務を管理者の要件とする医療機関の拡大についてでございますけれども、先ほど来、例えば公立・公的病院とか、大病院とか、中途半端にやると逆効果になるというお話も結構出ておりました。本当にその効果を上げるということで言えば、先ほどもほかの委員の方から全医療機関を対象にするみたいな話も出ておりましたけれども、かなり幅広い医療機関を対象にするというようなことも考えるべきなのではないかと思います。
次に、経済的インセンティブについてですけれども、これは行政の基本的な役割、責任として対応すべき案件だと思います。少数区域における経済的なインセンティブを検討するのであれば、当然、多数区域における経済的なディスインセンティブもセットで考えるべきだと思います。健保組合の立場としては、保険料を保険給付以外の目的で使用するということは被保険者と事業主に正直説明がつかないと思います。診療報酬による対応については、しっかりとそのめり張りをつける中で検討するということはもちろん否定いたしませんけれども、補助金とか税制との役割分担は最低限必要だと考えております。
私からは以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。保険者のお立場からの御発言をいただきました。
しばらくオンラインをやりましたので、今度は会場からの御意見を承れればと思いますけれども、いかがでございましょうか。
では、岡構成員、どうぞ。
○岡構成員 ありがとうございます。
まず、54ページの重点医師偏在対策支援区域の設定は非常に賛同します。やはり二次医療圏ごとで医師多数地域といっても、その中心部は多いのですけれども、結構面積でいうと端のところは本当に少数なので、都道府県で医師少数とかというのも現実的ではないですし、二次医療圏でもやはり無理があるので、ぜひしっかりと地域ごとの細かいところを把握しながら重点医師偏在対策支援区域を設定していただければと思います。
それから、先ほどからも出ている管理者要件ですけれども、36ページでアンケートをしっかり取られていて、これを見ますと、507名の認定医の中で、その理由で結局一番多いのは大学医局の人事異動、3番目が奨学金貸与ということで、これはもう義務的なものであるということで、結局ここが多くて、その下のほうで認定制度が魅力的だったからというのは13人しかいないのですね。3%もいないと。なので、これで管理要件を増やしても、もともと今の管理要件で魅力的なのが2.5%しかいない中で、これがどれぐらい増えるという認識で厚労省はお考えなのか。つまり、管理要件を増やしたらこれが10%になるという見込みがあるなら、私もこれは賛成してもいいのですけれども、本当にこれが病院の規模を増やしたら増えるという何らかのデータがあるのかということをぜひお聞きしたい。なければ、多分、今まで委員の先生がおっしゃったようなことではないかと思います。
それから、やはり若い人だけに規制的な措置を取るというのはあまり賛成できませんので、シニア世代のリカレント研修は非常にいいと思うのです。ただ、現実的にはなかなか東京にいる先生がシニアになって過疎地に行くかというと少ないと思うのですけれども、少なくともそのふるさと、生まれ故郷になら行く人はいるかもしれないので、ぜひこれは全国的なマッチングでうまくやっていただければよろしいかと思います。
それから、医師派遣に関しても、ここにも大学医局の人事異動で大学からの派遣も非常にというか、ここに頼るしかないのですけれども、あと、先ほども出ておりましたが、公立病院で大きい県立病院とかでもできるということですけれども、そのほかに、公立だけではなくて、やはり大きな公的病院、それから私的病院も診療科の中では医師が過剰とは言いませんけれどもかなり満たされて、派遣が可能な病院もあると思うのですね。ただ、私的な病院が派遣してその病院に何のメリットがあるかというと、基本的は申し訳ないですけれどもメリットがなければしないのですね。公立病院であれば、先ほどお話があったように何らかの経済的インセンティブがあるのであれば、公的病院とか私的病院にもそういう病院に対するインセンティブ。もちろん行くドクターのインセンティブは必要なのですけれども、病院に対するインセンティブを、しっかり何らかの措置とかものを考えていただければ、私的病院でも、大都市圏の大きい私的病院で送る余裕があって、しかもそういうモチベーションをちゃんと説明して、ちゃんとインセンティブをつければあるかもしれないので、そこは公立だけにとどまらず、大きい公的とか私的病院にもそういうものがあれば、もしかしたらうまくいくのかなと思いました。
それから、地方への派遣で6か月を1年にしたらどうかという、それは1年にすればその間満たされるかもしれないけれども、逆に長くすると行く人が余計に少ないので、僕は逆に短くするというのも1つの方法だと思うのです。3か月であれば、送る側も3か月抜けても何とか支えられる。行く人も3か月ならいいという、ちょっと短くする方法も1つの方法であるのかなと思いました。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。大半が御意見でありましたけれども、1つ認定制度に関する効果のようなエビデンスについて御質問がありましたが、これについて何かコメントがあれば、事務局、お願いしたいと思います。
○高宮参事官 御質問ありがとうございます。
医師偏在是正対策あるいは医師少数地域に行っていただけるような取組について、何か1つの取組だけで効果が出るというのはなかなか難しいのではないかと考えています。また、実際にこの取組によってこれだけ医師少数地域で従事する医師が増えたなど、そのようなデータが示せるかというと、なかなか難しいのではないかと思っています。その上で、今回は経済的なインセンティブですとか規制的な手法、それから都道府県の計画、あるいは行政と大学病院、公立・公的病院などの医療機関の連携によって医師偏在是正の取組をパッケージで進められないだろうかというようなことを考えています。
医師少数区域での勤務経験の認定制度については、2020年度から臨床研修を開始した医師に適用するということになっていて、管理者になるまで一定程度の時間があるのではないかと考えています。その間に、今回のような総合的な対策のパッケージによって、医師少数区域で勤務をして認定を受けるような医師をいかに増やすかということを考えるのが重要ではないかと考えています。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、まず高橋構成員、それから猪口構成員の順番でお願いします。
○高橋構成員 高橋のほうも、54ページの重点医師偏在対策支援区域に関しまして1つコメントをさせていただきたいと思います。
第2回目の検討会で日病の相澤先生が中学校区というものを取り出しまして、私も興味を持ちまして、5つぐらいの中学校区のデータで、ある程度土地勘があるところを見ました。それで検討をしたところ、医療DXで特区をつくって、例えばドローンの話とか、それから遠隔医療を思いきり特区的にやるというレベルの対策を立てるときに、この中学校区というのは非常に役に立つ。札幌とか広島とかとんでもないへき地があるのですけれども、そのようなところも中学校区で見ていくと非常にきれいに分かれるということがありましたので、1つの提案として、ここで中学校区というようなレベルの、特にDXの特区的な扱いというものを検討するのがいいのではないかということを提案させていただきたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。御提案として承りました。
では、猪口構成員、お待たせしました。
○猪口構成員 ありがとうございます。
もう先ほどから話が出ていることですけれども、1つは、27ページの35歳未満の医師が医師少数都道府県のほうに増えてきたということは、これは明らかに地域枠等の効果が出てきているのだと思います。ただ、その際に、35歳未満ですから病院勤務が多いと思いますけれども、そこの病院・診療所などの勤務先がどういうふうになっていっているかということも非常に重要かと思います。
ただ、問題はその後です。地域枠ですと9年という義務で、大体そこで専門医になって、そこからまたどこかへ行ってしまうということが問題になります。同じ地域にどうすれば残っていただけるか、ここが非常に重要で、この中堅の医師、指導医になった医師にぜひ残っていただけるような方策をすべきだろうと思っております。
そのためには、45ページにいろいろと書いてあるのですけれども、やはりリカレント教育も非常に重要で、経験を積んだ医師がさらにリカレント教育を受けると、必要に応じて全国的なマッチング機能も生きてくると思います。ここで経済的インセンティブというのは、保険財源とかそういうことではなくて、やはり都道府県、そして市町村などの補助金でそこの地域に残っていただくということが非常に重要だと思います。
その際に、もし病院に残るのならば、公私の差なく、中小病院でかかりつけ医を支援するような医師というのもこれから重要になりますので、そういう方にもこのような経済的インセンティブが出るような方策というがいいのではないかと考えます。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
会場でほかにいかがでしょうか。
それでは、櫻木構成員、お願いいたします。
○櫻木構成員 ありがとうございます。櫻木です。
私も27ページのグラフに注目しているのですけれども、要するに今の医師の偏在対策というのは、若手の養成に手を加えて是正していくということですね。医学部の入学定員でありますとか、あるいは専攻医の採用といったところで是正を図っていくということで、27ページにもありますように、若手の医師に関していえば、かなり少数地域にこれがシフトしていると言えます。しかし、医師多数地域というのは、決して一色ではありませんで、もう既にかなり医師の平均年齢が高いような多数区域もあるわけで、現状の多数区域から将来の人をどんどんシフトさせていくということになると、ある程度のところで今多数地域と言われているところが一瞬にして少数地域に変わってしまうというような心配もあります。一律に医師の多数地域というふうな評価をしてやるのではなくて、現状の医師の年齢分布等も考慮してやっていくということをやらないと、今、多数区域と言われているようなところが、例えば10年後にはあっという間に少数地域に変わっているというようなこともあり得るのではないかと考えています。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。その辺の人口動態の変化をちゃんと見てやるべきだという御指摘だと思います。
ほかに会場からいかがでございましょうか。なければオンラインに移ります。
では、オンラインでお手を挙げておられますので、まず玉川構成員、その次に文部科学省の堀岡企画官の順番でお願いしたいと思います。では、玉川構成員、お願いいたします。
○玉川構成員 御指名ありがとうございます。知事会の社会保障常任委員会としまして医師の確保偏在対策を強くお願いしてきた中、厚生労働省におかれましては、本格的な対策の強化に取り組んでいただいていること、改めて感謝を申し上げます。
まず大前提としましては、この中でも議論がありましたように、まさに総合的な対策が必要との認識であります。その上で、県の行政、そして大学の医育側にも携わった観点も含めてコメントをさせていただきます。
まず第1番目ですが、医師偏在の構造の整理が必要と考えています。この場での議論をずれなく行うためにも、偏在問題の因数分解というものを今のうちに行っておいてはいかがでしょうか。厚生労働省の認識されている偏在対策、私としては4点あると思っています。まず1点目は、都道府県間の偏在対策です。人口10万人当たりで極端に少ない県があります。本県もワースト6位というような県の状態にあります。そういった極端な県の状態の是正です。
2点目です。医師の多数県、少数県にかかわらず、都道府県内のエリアの中で生じている二次医療圏的なレベルでの医師少数問題の是正です。東京都のほうでも医師少数のエリアがあるということで、多数県の中にあっても問題が生じているということをどう見ていくかという点です。
3点目です。地域医療の確保の観点から必要な診療科の医師の確保といった意味での診療科偏在の是正です。特に総合診療科の医師というものは、回復期病床の充実を進めていく上でも今後重要になってくる。そういった病院の持続可能な運営を考えていく上でも重要になってくる観点かと思います。
4点目です。今直前でもありましたが、若手医師の偏在の是正です。臨床研修医制度の導入に伴って、人口10万人当たりの医師数が多いとされる県であっても、若手医師が県外に流出し、中長期的には医師少数状態に陥ることが想定されるところがあります。若手医師の偏在是正についても、この偏在是正対策の中でどう取り組むかといったことが必要だと思います。それらを可視化して、それぞれに対応した対策はどのようなものがあるかということを改めて整理していただくことが重要かと思っております。
その上で、今回の資料、27ページの伸びについては、やはり注意が必要だと思っております。我が県も改善を進めて、伸び率が高いという県にはなっているかもしれませんけれども、もともとのスタート地点が低い形にありますので、それをもってほぼ進んだというように見ていくと、非常に大きな誤解があるかと思います。
また、1点目の課題としまして、都道府県間の偏在に関しては歴史的な背景があります。人口当たりの医学部定員数が数十年にわたって少なかった地域では、蓄積して医師が不足しているという状態があります。一方、医師が流動化した現在においては、地域枠の相当数の確保やその他の対策を複合的に展開していかないと、この歴史的な課題の解決ということが困難なことを改めてこの場で共有させていただければと思います。
そして、全体的な対策、総合対策が必要な背景としましては、やはり医学部における医師の養成、臨床研修医、専攻医、指導医、ベテラン医師、シニア世代の確保対策等、局面に応じた対策が必要になります。それらがつながっていくのが一番いいところでありますので、そういったつながり、それをどのように確保していくかという観点で改めて考えていければと思っています。
また、今回の場の中でありました臨床研修医や専攻医のシーリングについて。これについては一定の効果があったこと、これをこれで効果がないというのではなく、ファーストステップとした上で、さらなるセカンドステップとして、インセンティブの観点も含めた中で、首都圏よりも外にいかに誘導していくかということが必要だと思っております。国レベルで講じる施策、確保基金や財政措置を活用して地方で講じる施策などの組合せが重要だと思っています。
次は個別意見になります。重点医師偏在対策支援区域に関してです。こちらについても整理が必要と思っております。重点支援で想定する対策が、都道府県レベルでの偏在対策か県の中での二次医療圏レベルでの偏在対策かによって論点が変わります。現在の新専門医制度によっては、やはり症例や指導医の体制確保が誘導上は非常に重要でありまして、大都市部から医師少数県への誘導を考えていくときには、やはり大学病院等がある医師の集積が高い地域がコアになって臨床研修医や専攻医を受け入れることで、地域としてのボリュームを高めていく。その余力をもって県内の医師不足エリアへ派遣をして支えていくというような構図も必要になってきます。重点医師偏在対策支援区域の設定に当たっては、そういった地域が抜けてしまうと、医師不足の県に当たっては、確保対策としてはちょっと手が打てないという点も生じますので、その辺の御検討をお願いします。
また、へき地に関しては既に施策を講じているため、それを除いた地域が想定されるような文脈がちょっと垣間見えますけれども、やはりへき地対策を講じても苦しいというのが現状だと思います。二次医療圏で確保が厳しい地域にあっては、へき地対策に上乗せして対策を講じていくという観点での検討などもお願いできればと思っています。
あと、大学病院との連携、大学との連携については非常に重要だと思っております。我が県でも緊密に連携しておりますが、若手研修医や指導医、そういった方々の確保を行っていくことで地域内の派遣力の強化という文脈もあり、厚生労働省はそういった観点を今回の中では織り込んでいただいておりますので、さらなる加速化について御検討をお願いします。
最後に、地方においてインセンティブを講じていく上では、確保基金ということが非常に重要となります。医師確保に係る枠の大幅な拡大を含めて、財源措置の強化を御検討いただければと思います。
意見は以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。現場のお立場からもろもろの御提案をいただきました。
それでは、お待たせしました。オブザーバーの文部科学省、堀岡企画官、よろしくお願いします。
○堀岡企画官 よろしくお願いいたします。文部科学省の堀岡でございます。
管理者要件についての件で、公的病院ということで、公的病院というと公立の大学も入るというように思っております。医師偏在対策は文科省としても非常に重要だと考えておりまして、今般、文科省の検討会の中でも大学の非常に重要な役割として位置づけておりまして、大学病院改革ガイドラインなどにも医師派遣の状況について全ての大学に記載していただくというような偏在対策を行っており、厚生労働省と連携して推進していきたいと考えておりますけれども、管理者要件として公立大学病院の院長も入ってしまうというようなことに関しては、関係者の意見なども踏まえながら丁寧な制度設計をお願いしたいと考えております。
以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、東構成員、お願いいたします。
○東構成員 ありがとうございます。全老健の東でございます。
地域包括ケアシステムは中学校区を単位に整備が進められており、その中で老健施設は常勤医師の配置が義務づけられております。医師少数県やへき地にも多くの老健施設が存在しており、全老健の会員施設からも常勤医師の確保が困難であるという声が多数届けられているところでございます。
一方、老健施設の管理医師は、医師のセカンドキャリアとして選ばれることも多くあり、中堅・シニア世代の医師の割合が多いということも事実でございます。ただ、老健施設の管理医師には高齢者医療における総合的診療能力が求められておりますが、初めからそのような能力をお持ちの方が多いとは決して言えず、むしろ少ない状況でございます。
そのため全老健では、日本老年医学会と共催の下、平成26年から老健施設の管理医師を対象に老人保健施設管理医師総合診療研修会を毎年開催しており、今年までに約3,500名の管理医師に受講いただいております。この研修は、様々な診療科出身の医師が総合的な高齢者医療を学び直す、まさにリカレント研修となっており、現在、診療報酬上や介護報酬上の加算の要件にも位置づけられているところでございます。
今回の資料1の44ページには、②医師の確保・育成にリカレント教育事業開始との記載があります。このリカレント教育を中堅・シニア世代等の医師を対象に実施して、医師の掘り起こし、医師不足地域の医療機関とのマッチングの支援を行うという取組が、資料1の69ページにリカレント教育(総合的診療能力)のための全国推進事業として紹介されております。
先ほど御紹介いたしました老人保健施設管理医師総合診療研修会というものを、資料1の69ページに記載の医師養成の推進事業におけるリカレント研修に組み込んでいただき、老健施設の管理医師になる前の医師を対象に実施していただくことで、医師少数県、へき地における老健施設にも適切な医師マッチングをしていただくことができるのではないかと考えますが、いかがでございましょう。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。御意見及び御提案として受け止めさせていただきました。
ほかにいかがでしょうか。オンラインでも結構ですし、会場でも結構ですが、大体よろしゅうございますか。
それでは、土居構成員、お願いいたします。
○土居構成員 私も財政学者としてこの医師偏在是正については重要だと思っているのですけれども、多少第三者的な視点から見ると、当事者は非常に危機感を抱いておられるのだけれども、取組としてはまだまだ甘いということ。特に今日の資料1で挙げられているものの中でいえば、規制的手法についてはまだまだ甘いのではないかと思うわけであります。もちろん、どの程度是正を図るかということは唯一の解があるわけではないので、日本全体でいろいろな地域の方々がそれぞれのお立場をしっかり踏まえた上で、どの程度是正するのが望ましいかということを合意形成していくことが大事で、ただ、自由を重んじ過ぎれば、当然のことながら是正される度合いは極めて緩くなる、小さくなるということはしっかり踏まえていく必要があって、今日の会議でも医師偏在是正が必要だという強い声が上げられていて、その強い声の側に立てば、明らかに現状の規制的手法では是正する力が弱くて、そのままではとてもではないけれども是正は実現できないだろうと思うわけです。
そういう観点から、規制的手法について少し先に意見を述べさせていただきたいと思うのですけれども、規制的手法について、事務局から案として①、②と57ページ、59ページに挙げられていますけれども、私はあえてその順序というか、優先順位というか、そういうことを考えるとすれば、57ページの①より、59ページの取組のほうを優先ないしはより強化していくことをまず考えることが重要なのではないかと思います。つまり、医師多数区域においての取組を、まず規制的手法としてしっかり取り組んでいただくということであります。もちろん憲法上の職業選択の自由とか営業の自由というのはあるのかもしれませんけれども、ほかの産業でも様々な理由で参入規制をするという産業が実際に我が国では存在するわけです。例えばタクシー業界とか、自分が起業したいといっても、その業種では起業できない、そういう規制がかかっているような業種もあるわけです。
さらに言うと、医師養成過程で多額の税金が投じられている。それから、保険医療機関に支払われる診療報酬の財源の9割は国民等、被保険者が払った、そして、強制的に徴収された税金と保険料になっている。ということだとするならば、そこに相当程度の自由を与えるという根拠がどこまであるのかと。やはりある程度規制に従うということにしていただかないと、この偏在是正の問題も解決できないということからすると、ある程度の自由の制限を、この問題を解決する上でしっかりと位置づけていかないといけないのではないかと。特に、まず最初は医師多数区域のところでしっかりと規制をかけていただくことで、偏在是正の端緒を開いていただくことが必要なのではないかと思います。
特にここで挙げられている59ページのところで言えば、外来医師多数区域において、都道府県が勧告・公表を行うということ。それとともに実効性を担保するためには、やはり保険医療機関の指定を取り消すというようなことも、勧告に従わない場合にあり得るということを規制として導入する必要が、そこまでしないと是正できないということであれば、その程度に強化しないと、なかなか医師偏在是正というのは、その実効性が担保できないのではないかと思います。
それから、同じ59ページに保険医療機関の管理者要件ということで挙げられていますけれども、確かに管理者要件を厳しくすると、管理者になりたくないという医師の方にとっては、むしろこれは逆効果というお話もあります。ならば、管理者要件ではなくて、保険医の登録の要件にこういうものも加味する。つまり、保険医勤務経験が一定程度ないと、引き続き保険医として登録できないというようなことも、管理者要件では逆効果だということであれば、保険医の要件というところまで掘り下げて考えることも、状況によってはそこまでしないといけないということもあるかもしれないと思います。
さらには、要件を厳しくするとどんどん自由診療のほうに逃げていくのではないかという御懸念もあります。もちろんそれは確かにあるのですけれども、今の程度の人数の自由診療に従事される医師の数だと、そこそこ収入が得られるというレベルだけれども、自由診療に従事する医師が増えれば増えるほど、彼らの所得は平均的には下がっていく。これが需要と供給の関係なわけですから、自由診療で価格が自由に決められているという状況であれば、ある種、市場のメカニズムで、自由診療の側で、自由診療に携わったからといって多くの所得が稼げるわけではないというようなところが歯止めになって、それ以上自由診療に移る医師が増えるようなことがなくなるという原理もあるということを踏まえる必要が私はあると思います。
確かにやみくもに要件さえ厳しくすれば何でもうまくいくというほど単純ではないと思います。けれども、ただ、医師として保険医療に従事したいというお気持ちがおありであるならば、しっかり自由診療ではなく保険医療に従事していただき、その要件を満たすことによって、引き続き保険医療に従事していただけるようなところを、特に医師多数区域において規制を強化する形で実現することがあってしかるべきではないかなと思います。
その上で、57ページのところで、医師少数区域での勤務経験を次なるキャリアのよりよいインセンティブに活用していただくという方策を強化していくことは、私としてもあってよいのではないかと思います。57ページの取組の方向性案の1つ目の○ですけれども、確かに現行で管理者要件の対象となっているのは地域医療支援病院のみということですけれども、これをもう少し拡大することを通じて、勤務経験の要件をより拡大する形で、勤務経験をしていただくことを通じて、次なる管理者になるところでその御経験を生かしていただくという形でインセンティブをつけるような方法もあるでしょうし、先ほどの59ページの案と連動させるならば、医師多数区域で保険医療機関の管理者になりたいということであるならば、医師少数区域での勤務経験をより強く求めるというようなこともあってもいいかもしれない。
さらには、管理者要件ということだと、管理者になりたい医師が最近若い医師で減っているということであるならば、先ほど来申し上げているように、保険医療に従事する要件にするというようなことまでも状況によってはあるかもしれない。もちろんあくまでもそうすべきだということよりかは、むしろどの程度医師偏在を是正したいかということとの兼ね合いで、どの程度規制的手法を強化していくかということが決まってくると思いますから、医師偏在など是正しなくてもいいのだということであれば、規制的手法は緩いままでいいという話になるかもしれませんけれども、恐らくはそうではないというのが総意だと思います。よりしっかり医師偏在是正に努めていかなければいけないということが総意だと思いますので、その方向性からすれば、規制的手法を強化するということは、しっかり取り組んでいただかなければならないことなのかなと思います。
最後に、経済的インセンティブについてですけれども、63ページに書かれているところですが、確かに経済的インセンティブを有効に活用するということを私は否定するつもりはありません。ただ、あめとむちという言葉がありますけれども、あめにあめということであれば、あめばかり経済的インセンティブで与え続けて、重ねていくということであれば、あめによって誘導される医師の方が偏在是正に寄与するということはあったとしても、ただそれだけであって、あめに興味がない医師の方は、別に何もそれに対して、他方で自由があるわけですから、経済的インセンティブが与えられてもそれに反応しないということがあり得るわけです。
ですから、むちという言い方はあまりしたくありませんけれども、言葉のあやということで申し上げると、あめばかりではなくて、あめとむち両方あってこそ、より是正効果が強く働くと。つまり、むちを受けることが嫌だということでもって偏在是正に協力するという方向もあるわけで、あめとむち両方を上手に使いながら偏在是正を進めていくということで、より早期に、より強力に偏在是正が実現するということかと思います。
ここで言うところのむちというのは、先ほど河本構成員がおっしゃったようなディスインセンティブということもあるでしょうし、さらには規制的手法でもって自由が制限されるというむちもあるかもしれません。そういういろいろな手法を上手に組み合わせながら医師偏在是正を進めていただくということが求められているのではないかと思います。
私からは以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
それでは、江澤構成員、どうぞ。
○江澤構成員 ありがとうございます。それでは、資料に沿って幾つか意見を述べさせていただきます。
まずこのタイトル、医師偏在是正対策でありますけれども、どこまでの偏在是正をするのかというのはこれまで全く議論がなされておらず、8ページ以降に下位3分の1の青色と上位3分の1の黄色があって、9ページ以降に二次医療圏がありますけれども、この青色を白色にしていくことで解決するのかどうか、非常に慎重な十分な検討が必要だと思っています。いつも申しておりますけれども、我が国は、我が国の8割の人口が2割の国土面積に居住されている人口偏在の大変強い特色を持った国であります。また、各地域の地域受療率、要は都市部とか過疎部とかによって現在の受療率はかなり差異があります。その辺りを含めて、どこを落としどころするのかというのは非常に重要な論点だと思っています。
例えば7ページに医師偏在指標の計算式がありますけれども、ここの※2の分母にある地域標準化受療率比の、またその分母は全国の期待受療率になっておりますけれども、仮にここを都道府県の期待受療率に置き換えると、おのずと8ページの黄色と青色のカラーリングが変わってくるわけでありますし、さらに二次医療圏ごとにするとまた大きく変化が生じるわけです。
したがって、何を申しているかというと、しっかり地域の受療率でありましたり、各地域の偏在も含めた人口推計に応じた地域の受療率を丁寧に見ていかないといけないのではないか。したがいまして、各地域で、現在医師少数地域で具体的にどういった課題があって、その課題に対してどこに手当てをしていく必要があるのかということをもう少し具体的に詰めていかないと、数字遊びと言うと言い過ぎですけれども、計算式等で数字をはじいて、ここは少数だ、多数だとレッテルを貼っていくだけではリスクが高いのではないかと思いますし、大事なことは、全国の地域住民に対して本当に必要な医療が提供できないような深刻な事態があれば、そこは早急に優先順位を高めて手当てしていく部分でありますし、あまり全国を金太郎あめのようにしていくような方策は、なかなかなじまないと思っています。
したがいまして、37ページの外来医師偏在指標においても、この分母分子にかかりつけ医機能を担うであろう200床未満の中小病院の外来の要素は入っておらず、あくまでも診療所の要素で計算をしておりますから、これが本当にこの外来医師偏在を反映するのかどうかは、もう少し慎重に考えていかないとミスマッチを生じる可能性があるということは申し上げたいと思います。
続きまして、案についてですけれども、まず54ページから申し上げます。重点医師偏在対策支援区域についても、足元の状況に加えて、今後の人口推計、また、地域の受療率に応じた将来の医療需要を十分加味していく必要があろうかと思っておりますので、なるべく地域の実態、実情を把握した上でこういった区域を決めていく必要があろうかと思っているところでございます。
したがいまして、2ポツ目に対象医療機関、必要医師数を具体的に示すとありますけれども、精緻な分析が非常に求められますし、数字だけが独り歩きすることも懸念されるところでありますから、この辺りは慎重に検討が必要ですし、これまでの地域医療構想の重点支援区域では、調整会議の合意を得るというプロセスが必要になっておりますから、今回も国において一定の基準を設けた上で都道府県と調整して選定すると記載がありますけれども、しっかりと調整会議の議論を踏まえ、また、関係団体等の意見も踏まえながら、慎重な対応が必要ではないかなと思います。
続きまして、57ページ、医師少数区域等での勤務経験を求める管理者要件の対象医療機関の拡大ですけれども、これまでも多数意見が出ておりますように、これから管理者に求められる要件というのは幅広く、もちろん経営も踏まえなくてはいけませんし、働き方改革を含めた労務管理も踏まえなければいけませんし、非常に幅広い内容の要件が求められますので、今は地域医療支援病院のみを対象としていますけれども、医師少数区域等での勤務経験のみをもって管理者要件の拡大というのは全くなじまないものであると思っております。
その下の現行の6か月以上から延長することについては、また今後の議論になろうかと思いますけれども、先ほど3か月という意見も出ましたし、仮に6か月超を求めるのであれば、断続的な勤務の積算をプラスしてクリアするということもあるかと思いますし、この辺りはいろいろ現場の実態も踏まえて検討していく必要があろうかと思います。
続きまして、59ページの外来医師多数区域における新規開業希望者への地域で必要な医療機能の要請でございますけれども、例えば外来医師多数区域での新規開業希望者、あるいは正当な理由なく要請した地域で必要な医療機能を提供しない方、両者共々併せまして、しっかりと地域の実情を情報提供し、例えば地区医師会との協議の場を設けて、話合いを繰り返し行っていくということ。さらには、例えば開業を考えているような病院の勤務医師、あるいはそういった開業を支援するコンサルタント業者のような関係者においても、こういった地域の実情を十分把握した上で、理解した上で、今後の検討をいただきたいという協議の場がまず必要ではないかなと思っております。そういった上で、地域で不足しているような、例えば在宅医療や公衆衛生に関するような医療等の協力を要請するということも、そういった話合いの中でできるものではないかなと思います。
一方で、今日一部の委員から保険医療機関の取消しみたいな意見もございましたけれども、この辺りにつきましては、開業の許可制あるいは上限を定めることも併せまして、現時点において、やはり憲法上の職業選択の自由、営業の自由との関係の整理も必要でありますし、そもそも個人立の診療所は届出制でありますし、あくまでも自由開業の否定となるような取消し等の過度の行き過ぎた規制というのは全く相入れないと思いますので、それについては反対の意見を出させていただきたいと思います。
その2つ目の○の管理者要件として一定期間の保険医勤務経験を設定ということですけれども、これをもし導入するのであれば、やはり将来の地域包括ケアを担う医師、あるいは専門医の養成という重要なゴール、あるいは将来活躍いただくためのプロセスとしては、保険診療の臨床経験というのは極めて重要なものでありますので、そういった意味での臨床経験であれば、非常に有用なものになると思っております。
続きまして、63ページの医師確保のインセンティブの話ですけれども、あるいは65ページの少数区域での開業支援、少数区域への医師派遣、リカレント教育、こういったものについては、今日の資料の46ページにも日本医師会の考え方として出させていただいておりますけれども、できれば基金というもので、ぜひこういったものを支援していく。これはマッチングも含めてですけれども、少数区域への派遣等を含めて、そういったものは基金で対応していくのが望ましいのではないかということは従前から主張をさせていただいたところでございます。
最後に71ページの都道府県と大学病院等の連携パートナーシップという形で、これは他県でも好事例がございますように、進めていくべきものと思っておりますけれども、ぜひ一番現場を分かっている関係団体や関係者の意見も十分踏まえた上で、県全体のバランスを考慮しながら取り組んでいくものと思っているところでございます。
そういった形で、診療報酬についてはこの場で議論する内容ではないと思いますので、発言は申し上げませんけれども、どういった医師偏在対策をどこまでやって、何を目途としているのか。特にやはり地域の実態を十分に把握した上で取り組むことが極めて重要だということを申し上げたいと思います。
以上です。ありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
オンラインでお手を挙げている方がお二人おりますので、松田構成員、伊藤構成員の順番でお願いいたします。大分時間が押しておりますので、できれば簡潔にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○松田構成員 松田でございます。
今まで先生方が言われた問題点の認識は、ほとんどそのとおりだと思っております。その上でちょっと意見なのですけれども、基本的に医師の偏在といったときに、地域別の偏在と診療科の偏在と、実はこれはかなり密接にクロスしています。いわゆるマイナー診療科における地域の偏在は、より大きな問題になってきます。そのとき課題になってくるのが、それぞれの地域で専門医の数がどのくらい必要なのか、まずこの議論がないといけないだろうと思います。
恐らく日本の今の専門医の養成の仕方というのは、それぞれの地域のニーズに合った必要数とは多分乖離しているだろうと思います。そして、今の若い先生たちの専門診療科、そしてその中でのいわゆるサブスペシャリティーに対する高い指向というのを考えると、地域別に専門医の研修の在り方を考えていかないと、なかなか地方には医師が行ってくれないだろうと思います。具体的に言うと、例えば人口過疎地域ですと、マイナー系のもの、あるいは外科系のところでいうと圧倒的に症例数が足りないわけです。症例数が足りない過疎地域に医師を派遣しようとしても、そもそも今の仕組みだとサブスペが取れないわけです。場合によってはそのもとになる専門診療科の認定も受けられない。そこに配慮しないと、地方になかなか若い医師は行ってくれないし、また、そこで専門医を継続しようと思ってくれる先生もいなくなるわけです。まず問題を考えていかないといけないと思うのです。地方の場合には、恐らく専門診療科を行う基幹病院みたいなものをある程度集約化して、そこから地域の医療機関に定期的に派遣したりする、そのネットワークみたいなものを考えていかないと、多分地域偏在というのは実質的に解消しないだろうと思います。
その一方で、この国で今求められているのは、高齢化に伴って、総合診療医的な診療できる医師が求められているわけです。でも、この総合診療と専門診療という相反したものをどのように整合的に解決するのかという対策も今求められているわけですね。そうすると、この国の専門医のつくられ方を考えると、恐らく専門診療科のベースのところに総合診療的な実践もある程度やっていただくというような、専門医を取る要件そのものの見直しをしていただかないと解決しないのではないかと思います。
そもそも初期臨床研修制度がなぜ始まったかというと、あまりに専門に特化してしまった今の卒後研修を、もう少し幅広に診られる医師をたくさんつくれる仕組みにしようということで始まったはずであったのに、それがいつの間にか忘れられていると思います。そういう意味で、もう少しその問題意識にあった対策をもう一度考えないといけないのではないかと思いました。
あと、今の若い先生は、短期であればローテートをいといません。3か月とか半年の単位であれば、過疎地域に行くということに対してそれほど彼らは嫌がらないように思います。むしろそれを自分たちの糧とするということがありますので、そうすると基幹病院とか大学病院における地域を支援する機能をどういうふうに評価するのかということが重要だと思っています。
例えば開業する保険医の要件として、地方勤務というものをもし要件としてつけたとしても、多分それは若いときにやってしまうので、中堅医師を地方に派遣するというところでは効果が薄いのかなと思います。そういう意味では基幹病院を中心とした派遣の仕組みをつくっていくことのほうが合理的だと思います。あるいは、それは医師会単位でもいいのかもしれません。そんなことを検討していただけるといいと思いました。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
では、伊藤構成員、お願いいたします。
○伊藤構成員 ありがとうございます。日本医療法人協会の伊藤です。もう既に構成員の先生方から御意見いただいた意見と重なりますが、3点ほど意見を申し上げたいと思います。
まず1点目は、先ほどから議論になっています管理者要件というところでございます。管理者要件で少数区域に行くんだということ、これは実際に臨床の現場で病院を管理する立場から考えますと、どうも病院の管理という意味を考え違いしている方向違いの手法ではないかと思わざるを得ないところであります。公立・公的もさることながら、地域医療支援病院も含めて、私的病院の公的な役割の中で、経営管理がとても重要な意味を持つわけでありまして、十分に管理ができなければ縮小・倒産という当たり前のことが起こるわけです。倒産することによって重要な診療拠点、医師の拠点がなくなるというようなことも先々考えた上で、管理者要件でそこを縛るというのは余りにも稚拙な気がしてならないわけでありまして、ここを何とかもう一度見直す必要があるだろうというのが1点。
それから、先ほど御意見を賜りましたけれども、規制的な手法をもっと厳格にしてはどうかというようなお話もございました。そういう手法もあると思いますけれども、要するに医師多数区域の規制的手法を厳格にしたときに何が起こるかというと、決して少数区域には医師は向かないです。どちらでもないところへ行く。要する多数でないところに向かうということ、これは過去を見るまでもなく明白であります。
それから、インセンティブをつけるという意味で、処遇改善というようなこともございますが、これは過去の事例として、産婦人科が不足している地域に十分なインセンティブをつけながらこれを行った。しかし、これで成功した地域は、私は聞いたことがないというか、それを知らないわけでございます。
そういうことからいうと、これが果たしてうまくいくかどうかと、懐疑的に受け取らざるを得ないと思います。むしろ規制的手法を強めるということよりも、本当に必要な少数区域への医師の派遣の公的な仕組み、これは過去、まだこれから医療を整備しようという大昔の時代に地域に公立の病院等を整備したようなことと同じことになるかもしれませんが、そういう何らかの公的な仕組みでもって、医師がそこに常に適切に配置されるようなありようというものをつくらないといけない。
これは理由が1つありまして、先ほど専門医の取得だとか維持に関しても問題がありますよという御指摘をいただいたところですけれども、もし専門医を取る前のタイミングで医師を派遣するということになると、そこで提供できる医師少数区域あるいは過疎地における医師の提供の医療のレベルというのは決して確保できないし、本来の医療の均衡化という意味からいうと、これは意味が違うのだろうということが1点と、いわゆる医師のボランタリーとか、犠牲とは言いませんけれども、そういう気持ちでもって少数区域を埋めていったときに、その人たちの将来、少数区域はますます過疎が進行したときに、いわゆる医療を提供し続けることができなくなったときに、それをどういう形で担保するのか。そういうところをきちんと担保するような仕掛けをつくるとなると、これはなかなか個人、あるいは1つの病院でやるというのは難しいわけでございます。非効率に見えるかもしれませんが、公的な仕組みとして過疎地だけ、あるいはごく少ない少数区域だけでもそういう仕組みをつくっていって、将来的にそこが消滅集落になったとしても、そこに派遣される、あるいはそこで開業している、あるいは勤務をするような医師の生活が担保できるということを保障する仕組みが必要ではないかと思っておりますので、お願いを申し上げたいと思います。
以上です。
○遠藤座長 御意見として承りました。
大分時間が押しておりますので、まだ御意見あるかと思いますけれども、当然この医師偏在対策は本日で終わるわけではありませんので、今後の議論の過程の中でまた御発言をいただければと思います。
それでは、多くの御意見を頂戴いたしましたので、事務局におかれましては、これらの意見を整理していただきまして、次回以降の議論に役立つような資料等の作成をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、恐縮ですけれども、2つ目の議題、こちらも大きな議題でございます。これについて話を進めたいと思います。新たな地域医療構想(入院医療、在宅医療、構想区域)についてでございます。事務局から資料が出ておりますので、説明をお願いいたします。
○高宮参事官 資料2で「新たな地域医療構想について」御説明いたします。
前回9月6日の検討会では急性期を中心とした入院医療、それから医療機関機能などを議論いただきました。本日は、回復期、慢性期を中心とした入院医療、それから在宅医療、医療機関機能、構想区域などについて御意見をいただきたいと考えています。こちらも資料の枚数が多いですので、ポイントを絞って説明します。
3ページから回復期・慢性期・在宅医療で、最初は回復期になります。
6ページで、現在の病床機能報告の回復期の定義を上の方に書いています。急性期を経過した患者への医療、リハビリテーションを提供する機能などという定義になっています。病床機能報告において回復期と報告された病床数は増加をしています。
7ページで、一般的な急性期の病院での治療後、8割から9割程度の患者は家庭へ退院をされています。ほかの病院・診療所に転院する患者は6~8%程度となっています。また、在宅、外来を含めて「治し、支える」医療を目指す中で、急性期の治療の速やかな在宅復帰が重要となっています。
8ページ、病床機能報告において回復期と報告された病床について、主に地域包括ケア病棟、それから回復期リハ病棟になっています。
10ページに回復期リハ病棟と地域包括ケア病棟の人員体制などを整理しています。回復期リハ病棟は、リハビリを集中的に行うことを目的としていて、専任の常勤医師、専従のリハ職員、専門職など多くの人員を配置しているということです。
11ページ、回復期リハ病棟、地域包括ケア病棟について、人員規模別の二次医療圏ごとに見たものです。右側になりますが、地域包括ケア病棟については、人口の少ない地域ほど人口当たりの病床数が多くなる傾向で、回復期リハ病棟は、人口の多い地域ほど人口当たりの病床数が多くなる傾向となっています。
12ページ、両方の病棟について入院患者の年齢を見たものです。どちらの病棟も入院患者の半数以上が80歳以上となっています。
13ページが、回復期リハ病棟における疾病の特徴です。大腿骨近位部の骨折、脳卒中のほか、胸腰椎の骨折、あるいは膝の関節症などの疾患が多く入院をされています。
14ページは、地域包括ケア病棟の疾病の特徴です。高齢者救急に関連する肺炎などですとか、白内障等の予定手術、それから回復期リハ病棟でも入院をされているような大腿骨近位部の骨折、腰椎の骨折などが入っています。
15ページは9月6日の検討会の資料で、高齢者の急性期の疾病になります。これらが地域包括ケア病棟にも入院をされています。
16ページ、回復期リハ病棟、それから地域包括ケア病棟、それぞれにおいて介護が必要な認知症高齢者が一定数入院をされています。
18ページ、回復期リハ病棟、それから地域包括ケア病棟、共通した疾患がございます。その共通した疾患について見ると、回復期リハ病棟のほうの在院日数が長くなっています。
19ページ、回復期リハ病棟、重症な患者の受入れの要件というものもあり、一般の急性期病院より死亡率、退院した患者のうちの転帰が死亡となった割合が高い病棟も存在しています。
21ページ以降、9月6日の検討会の資料ですが、高齢者において早期退院、早期リハが重要だということです。
23ページが地域包括ケア病棟で、週1回程度以下の医師による診察が必要という患者も入院をしている、あるいは救急搬送後、直接地域包括ケア病棟に入棟された患者が医師による診察の頻度、必要性が高い傾向にあります。
24ページは、ここまでの資料を日本語にまとめたものになります。
それを踏まえた回復期医療の考え方の案が、25ページになります。25ページの1つ目のポツは、病床機能報告の回復期についてです。1つ目のポツの真ん中からちょっと下ぐらいで、2040年に向けて増加する高齢者救急の受け皿として、これまでの急性期と回復期の機能を併せ持つことが重要になるということを踏まえ、病床機能報告の回復期について、急性期の機能の一部も担うこととして位置づけ、名称や定義を変更することについてどのように考えるか。またこの病床機能報告の回復期については後ろのほうにも出てきます。
2つ目のポツで、リハビリに係る医療の在り方について、地域で「治し、支える」医療を実現できるよう、入院での早期のリハビリ、集中的なリハビリが効果的な場合は、入院でのリハビリを提供しつつ、そのほかの場合は、他施設とも連携しながら、外来、在宅などでの提供も含め、患者の身体機能等に応じて適切な場でリハビリを提供することが必要ではないかとしています。
次が慢性期・在宅医療になります。
27ページは8月の検討会の資料です。右下の②、③のとおり、療養病床について、基本的には現行の地域医療構想の見込みに沿った減少となっているということです。
28ページ、高齢者向け施設・住まいが増加しています。
29ページは療養病床の地域差ですが、療養病床数と介護施設、ここでは老健と介護医療院ですが、定数を合わせると地域差は縮小するということです。
30ページからが在宅医療になります。
30ページは在宅医療の需要の増加が見込まれるということです。
31ページ、在支診、在支病、訪問看護ステーションなどの推移になります。
35ページ、1か月当たりの在宅訪問患者数です。多くの医療機関では1か月当たり100人未満の訪問患者を対象に在宅医療を提供されています。一部の医療機関では1か月当たり200人以上の訪問看護を対象としている医療機関もあるということです。
36ページ、1か月当たりの在宅医療の訪問患者数が増加しています。特に同一建物の訪問患者数が増えているということです。右側は、訪問患者数が多い医療機関の患者割合、患者のシェアが増えているということです。
37ページ、人口規模別、二次医療圏ごとに見ると、人口規模の多い二次医療圏において訪問診療を行う医療機関が増加している傾向にあります。
39ページ、人口規模別の市町村ごとに見ると、人口規模の多い市町村のほうが訪問患者数の多い医療機関の患者のシェアが多くなっています。
他方で、右側、同一建物以外、同一建物の患者割合を見ると人口規模別の差はあまり見られないということです。
41ページ、訪問看護ステーションになります。訪問看護ステーション数全体で15,135施設、うち機能強化型が855施設、5.6%となっています。
42ページ、人口規模別市町村ごとに見ると、人口規模の小さい市町村では訪問看護ステーションがない地域も一定数存在をします。
44ページ、通い、泊まり、訪問を一体的に行う看護小規模多機能型居宅介護ですが、右側にあるように近年増加をしています。
47ページ、死亡場所の割合の推移になります。近年、病院・診療所での死亡の割合が減少していて、自宅あるいは介護施設などでの死亡の割合が増加しています。
48ページ、人口規模別の医療圏ごとに見ると、人口規模の多い医療圏ほど75歳以上死亡数に占める在宅等看取りの割合が高くなっています。
49ページ、医療計画における訪問診療・訪問看護の体制整備の考え方です。今現在、在宅医療を行う医療機関、事業者間の連携、ICT化などによる対応力の強化、それから、これまで訪問診療を担っていなかった医療機関などの訪問診療への参入促進、あと訪問看護事業所の機能強化など、地域の医療資源に応じた取組を進めることとしています。
50ページ、へき地の研究になりますが、オンライン診療において、D to P with Nが有効とされています。
51ページ、訪問看護の効率的な提供の事例として、ICTを活用した情報共有、あるいは訪問スケジュールの最適化というような効率的な事例があります。
52ページ、高齢者施設等と医療機関の連携の強化、介護報酬の改定、診療報酬の改定でも取組を進めているところです。
53ページ、介護施設などにおける対応力の強化として、介護施設・在宅等での適切な管理、医療機関との連携、体制構築などを通じた状態の悪化を防ぐとともに、必要時には円滑な入院につなげるための対応力の強化ということを取り組まれています。
54ページ、介護老人保健施設において、BPSDを伴う認知症を有する方に一定の対応が行われているということです。
55ページでは、特養において協力医療機関との連携が行われているということ。
56ページは、ACPについて周知に取り組んでいるところです。一般国民では、よく知っているという回答が5.9%ということになっています。
57ページ、ここまでの資料を日本語でまとめたものになっています。
その上で、58ページが慢性期・在宅医療の考え方の案になります。まず1つ目のポツが、医療機関機能の1つとして在宅医療を位置づけるということです。地域で在宅医療を実施し、ほかの医療機関、訪問看護ステーション、介護施設等と連携をして、24時間の対応、在宅患者の入院対応ができるなど、地域での在宅医療提供を確保するための医療機関機能を位置づけてはどうか。
2つ目は慢性期になります。慢性期の医療提供体制については、地域において、療養病床だけでなく、在宅医療、介護施設等と併せて構築していく必要があるのではないか。その際、増加する高齢者救急ヘの対応に向けて、介護施設、在宅等での適切な管理、ACPの取組の推進、医療機関、介護施設等の連携、情報共有などを通じて状態悪化を防ぐとともに、必要時には円滑な入院につなげるための対応力強化が重要ではないか。
3つ目は、在宅医療の提供体制です。増加する在宅需要に対応するため、都道府県において適切な在宅医療の圏域を設定し、地域の協議・調整を通じて、実効性ある体制整備を進めることが必要。その際、D to P with Nのオンライン診療など、ICT活用による効率化、在宅医療を行っている医療機関の対応力強化、これまで行っていない医療機関の参入促進、多数の訪問患者に在宅医療を提供する医療機関との連携、訪問看護事業所の機能強化などによる供給力の増強が重要ではないか。人口規模の小さい地域においては、移動時間、担い手等の課題も踏まえ、高齢者の集住などのまちづくりの取組と併せて、D to P with Nのオンライン診療の活用徹底を含め、体制を構築していく必要があるのではないか。
59ページから、構想区域・医療機関機能・病床機能になります。
60ページで、現行の地域医療構想の構想区域です。病床の機能分化・連携を推進する区域を単位として設定しています。二次医療圏を原則とするとしています。
61ページで、構想区域別の年齢別の人口です。右側になりますが、2040年に向けて、過疎地域型、青色のところですが、人口20万人未満などの地域です。生産年齢人口が約3割減、高齢人口が約1割減という見込みとなっています。
66ページ以降、在宅医療・介護連携推進事業の資料をおつけしています。介護保険法の取組として、市町村で今実施をされています。
68ページは、医療計画の在宅医療の圏域です。在宅医療の圏域については、二次医療圏にこだわらず、市区町村単位、保健所圏域などの地域で設定をすることとしています。
71ページは、9月6日の検討会の資料になります。病床機能と併せて、医療機関機能を報告することとしてはどうかということをお示ししていました。
72ページ、9月6日の検討会の資料で、医療機関機能のイメージとして、まず上のほうの水色の地域ごとに求められる機能として、高齢者救急の受け皿ですとか在宅医療の提供、それから、救急医療等急性期の医療を広く提供する機能を示しています。
下のほうのピンク色は、より広域的な観点の機能として、医師派遣、あるいは医育機能、より広域な観点での診療を担う機能というものを示しています。
73ページ、今の72ページも踏まえて、医療機関機能として地域ごとに高齢者救急の受け皿、在宅医療の提供、あるいは急性期の医療を広く提供する機能を確保することが考えられる。このほか、地域によっては回復期リハ、あるいは一部の診療科に特化した医療機関、専門病院なども存在してその役割を発揮されています。
これまでの内容を76ページに日本語でまとめた上で、77ページ、構想区域・医療機関機能の考え方の案になります。一番上のポツで、新たな地域医療構想における構想区域の範囲については、2040年頃を見据えると、人口20万人未満の構想区域など、医療需要の変化、医療従事者の確保、医療機関の維持等の観点から、医療提供体制上課題がある場合には、必要に応じて構想区域を拡大する必要があるのではないか。
2つ目のポツ、在宅医療については、二次医療圏よりも狭い区域での議論が必要。在宅医療の圏域ごとに、医療機関、訪看ステーション、介護施設等が連携しながら在宅医療の体制を確保するとともに、市町村の在宅医療介護連携推進事業の取組との連携をより一層深めることができる枠組みが必要ではないか。
3つ目のポツで、医療機関機能としては、地域ごとに、高齢者救急の受け皿、在宅医療の提供、救急医療等急性期の医療を広く提供する機能を確保するとともに、地域によって役割を発揮している回復期リハや一部の診療科に特化した専門病院等の機能について、その他地域を支える機能として位置づけることとしてはどうか。
78ページが、病床機能報告の病床機能についてです。新たな構想においては、医療機関機能報告を新設するほか、病床機能報告の区分について、これまでの取組の連続性などを踏まえ、引き続き4つの区分で報告を求めることとしてはどうか。その際、2040年に向けて増加する高齢者救急の受け皿として、これまでの急性期・回復期の機能を併せ持つことが重要ということを踏まえ、回復期については、急性期の機能の一部を担うこととして位置づけ、名称、定義を変更するなど、今後の在り方についてどのように考えるか。下の右側に書いてあるように、この回復期のところを、矢印で、この名称、定義などは引き続き検討してはどうかということです。
79ページ、基礎となる構想区域のイメージになります。人口規模20万人未満の構想区域など、必要に応じて構想区域を拡大するということ。地域ごとに、高齢者救急の受け皿、在宅医療の提供、急性期の医療を広く提供する機能を確保する。それから、地域によっては専門病院などその他地域を支える機能を発揮するというイメージを示しています。
最後、80ページが在宅医療の医療圏になります。2つ目のポツで、新たな地域医療構想において、都道府県において適切な在宅医療の医療ケアの市町村単位や保健所圏域などの圏域を設定して、医療関係者、介護関係者、それから市町村も参画をして、医療機関機能の1つである在宅医療を提供し、地域の生活を支える機能を確保する。そして、連携をして、24時間対応、在宅患者の入院対応等ができる在宅医療提供体制を構築することが考えられるのではないかとしています。
資料の説明は以上になります。
○遠藤座長 どうも御苦労さまでした。
ただいま事務局から説明のあった内容について御審議をいただきたいと思いますけれども、何分これもいろいろと検討課題豊富でございますので、できるだけ多くの方々の御発言をいただきたいということで、簡潔に御発言いただければ、大変感謝申し上げたいと思います。
それでは、今度は会場からお願いしたいと思います。
猪口構成員、お願いします。
○猪口構成員 まず最初のほうですが、回復期リハビリテーションと地域包括ケアのことがいろいろ載っております。13ページを見ますと、ここは回復期リハビリテーションの疾患がいろいろ並んでおります。それで、非常に目立つのは、やはり在院日数が長い60日を超えるのは全て脳血管疾患であるということが分かると思います。それに対して、14ページの地域包括ケアは、ある程度急性期のものとか、最長60日という中でやっておりますので、見られる範囲で見ているのだろうということで、2つの病棟はかなり色分けしないと、同じようには扱えないのだと思います。
あと、データですが、例えば18ページで頸部骨折とか整形疾患の平均在院日数が違うということも出ておりますけれども、この際の重症度とか合併症のことについてはよく分からないわけです。
それから、21ページで転院、転棟のほうが長いというデータもありますけれども、むしろこれもやはり重症度とか合併症で非常に手がかかる場合が転院、転棟になっている可能性があって、ここについてはなかなか一概には言えないのではないかなと思って見ておりました。
25ページですけれども、私の個人的な考え方かもしれませんが、地ケアのほうはどちらかというと二次医療圏よりも狭い地域で、地域性が非常に富んでいると。それに対して回リハはかなり広い地域から患者さんを取っているということで、なかなかこれを一緒に論ずるのは難しいなと思っております。やはり回リハについては、今のようなデータから見ても、もう少しリハ医学会等とも連携して、より精緻なのデータを基に今後の在り方について議論する必要があるのではないかと思いました。
ただ、医療機関としてリハビリテーションを医療として行っている場合と、リハの施設化を行っている回リハというのもあると思いますので、今後の在り方については慎重に物事を考える必要があると思っております。
あとは、長くなって申し訳ありませんけれども、少しだけお話ししますと、52ページの医療と介護の連携の中の(1)で平時からの連携が重要だというのは全くそのとおりだと思います。それによって、必要な入院を救急にあまり頼らずに入院させるということが非常に重要だと思います。
あと最後に1点だけ、65ページ、前から出ている図ですが、在宅医療・介護の連携窓口、これが地域包括支援センターとともに充実するということが非常に重要なのですけれども、これは今でもまだ地域によってばらばらで、あまり充実していない地域が非常に多いので、これについてはぜひ充実させていただきたいと思っております。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。
高橋構成員、どうぞ。
○高橋構成員 ありがとうございます。
5月22日第3回検討会で、地方と大都市で高齢者の動向が今大きく変わっているということを指摘したのですけれども、それでいろいろな解析をやりまして、今回の検討会の役に立つのではないかというデータが出てきましたので厚生労働省に提供したところ、今日、参考資料1として高橋構成員提出資料ということで最後につけていただきましたので、ちょっとこれについて述べさせていただきたいと思います。
私の資料の3ページ目が二次医療圏単位の在宅提供量という形で、藤森先生がやられたNDB-SCRという、全国平均を100として、多い場合、少ない場合を数字で表しているものを使いまして、次の4ページに在宅医療を多く行っている地域、100を超えている地域に色をつけました。そうしますと、前橋より北は札幌以外は全部100以下と。これは訪問看護、在支、往診という3つを合わせて平均値を取っているのですけれども、要は、東北・北海道は札幌以外は全部全国平均以下であると。それで、ほとんど大都市に固まっておりまして、特に23区は非常に突出して多いという形になり、それから、名古屋圏、大阪圏、それから医者が非常に多くてなかなか競争が大変だと言われている米子、松江、出雲というエリア、広島、松山、大分、山口、福岡、鳥栖、宮崎、鹿児島という非常に限られた地域だけが100を超えていて、ほかはないという形になっています。
これに関しましては、採算性が合うエリアと、それから、医者が多くて往診をしないとなかなか大変だと言われている地域とほぼぴったり一致しておりますので、これ以外の地域で在宅を広めるのは非常に難しいのではないかということでありますので、こういうものを意識しながら計画をつくっていく必要があるということで提出をさせていただきました。
続きまして、11ページ、12ページになりますけれども、在宅の死亡がどうなっているかというのをNDBのサマリーを使って計算させていただきました。11ページは全国のデータなのですけれども、コロナ後、急激に在宅死亡の数が増えて、この在宅は家だけではなくてサ高住とか有料なども含まれている数字なのですけれども、明らかに増えている。それから、赤いのが比率です。
その次に、都道府県別が最後の12ページに書いてあるのですけれども、押しなべて全ての都道府県で2倍ぐらいに増えてきているという形で、在宅死亡が全国的に増えているという傾向があります。
一方で、医者が非常に多いエリア、具体的に言いますと、高知とか山口、徳島、熊本とか鹿児島というのは低い形になっております。一方、神奈川、東京、名古屋、岐阜、大阪圏はやはり在宅死亡が多く、先ほどの在宅の盛んな地域で在宅死亡が非常に増えてきているという形になり、地方と大都市はやはりかなり大きく差があるなということがこの辺から読み取れるということで提出をさせていただきましたので、参考にしていただければ幸いです。
以上です。どうもありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございます。在宅医療の普及についてということで、感覚的にはこんな感じかなと思ったわけですけれども、これはエビデンスでがちっと出していただいたということで、非常に貴重な資料だというふうに私は思います。ありがとうございました。
それでは、吉川構成員、お願いします。
○吉川構成員 ありがとうございます。新たな地域医療構想における慢性期・在宅医療の提供体制の構築につきまして、4点意見を述べたいと思います。
まず、慢性期の医療提供体制についてです。高齢者向け施設、住まいの利用者が増加していることはグラフでも示されており、医療機関と介護施設の連携強化を図り、重症化をいかに予防していくかが重要になると思います。例えば誤嚥性肺炎について見てみますと、病院所属の認定看護師等が高齢者施設へ出向き、ケア方法について助言等を行ったり、介護職員に対して誤嚥の兆候や安全な食事の介助の仕方について研修を行うことによって、誤嚥性肺炎での入院が減少することが、私どもの実証事業でも結果が出ております。方法としては、ICTを活用して動画を見ながらの助言も非常に効果があると報告されております。そのため、今後高齢者の緊急入院を避けるためには、介護施設の職員の対応力の強化が必要であることから、医療機関と介護施設等の連携強化が求められると考えております。
次に、在宅医療の提供体制についてです。訪問看護事業所では機能に応じて人員体制も利用者像も様々という状況がありますが、今後増大する在宅医療や在宅看取りのニーズに応えていくためには、在宅医療圏域においての24時間体制の強化をしていかなければいけないと思います。
さらに、医療機関から早期の在宅移行が進むことによって、より一層医療ニーズの高い利用者が増えることが考えられます。そのためにも、医療ニーズの高い利用者の対応や、24時間対応を行う事業所を明確化していくこと、そして、24時間体制を取るに当たりましては、何はともあれ人員体制を強化していかなければいけないということがございますので、小さな訪問看護事業所などとの連携も図りながら、在宅医療、訪問看護提供体制を構築していくことが必要になってくると思います。
もう一つ、訪問看護に加えて、泊まり、通いの機能を持つ看護小規模多機能型居宅介護、通称看多機があります。今回、介護のところで看多機の資料を入れていただきましたが、在宅で療養している利用者の状態が、入院するまでには至らないけれども不安定な状況のときに、泊まりで利用することで、看護職によるきめ細やかな観察、またケア支援を受けることができます。現在、約1,000事業所まで増えていますが、医療ニーズの高い利用者を中心に対応し、在宅での療養生活を支えている看多機もあります。今後ますます在宅で療養する医療ニーズの高い人が増えることを考えますと、医療機関の敷地内に看多機を設置するということも1つの方策ではないかと考えるところです。
最後に、D to P with Nのオンライン診療の活用の徹底につきましては、非常に重要な取組と考えております。医療MaaSや集会所でのオンライン診療について、幾つか実際に見学もしてきましたけれども、医師とのオンライン診療が終わった後に、看護師が高齢患者に対して30分以上の時間をかけて丁寧にその方の生活に合わせた療養指導が行われておりました。
地域で暮らし続けることを支えて、重症化予防につなげる支援として、今後一層の推進が必要と考えますが、同時にコストが非常にかかるということもありますので、その支援についても検討していかなければいけないと考えます。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
会場の構成員の方でどなたか。
それでは、岡構成員、その次に土居構成員、お願いします。
○岡構成員 構想区域の件で、人口規模が減っているところもこういうのはありますし、その場合、ある程度構想区域を拡大するというのは賛成でございます。ただ、その場合、やはり移動時間の課題ということが出てくると思います。そのために、高齢者の集住等のまちづくりとかオンライン診療、これも分かるのですけれども、もう1つ、これは厚労省の案件ではないかもしれませんけれども、道路の整備ということが非常に大切な問題になってきます。実際に医療の過疎のところの先生、たまたま高速道路が通ってスマートインターができた途端に、やはり非常にスムーズになった。あるいは巡回診療とかそういうものができるようになったと。もう全然違うということですね。
これは多分、国土交通省の案件なので、なかなか縦割りで難しいかもしれませんけれども、それこそ先ほどの偏在対策も含めて、やはり医療だけではもう今解決できない問題があると思うのです。その中で、道路の問題はまだ解決できる余地があると思いますので、ぜひそういうことも入れていただければと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
では、土居構成員、お待たせしました。
○土居構成員 私は、病床機能、医療機関機能に関連しての意見を述べさせていただきたいと思います。
78ページに事務局からの案があって、今回、前回の会議の議論も踏まえて、病床機能に加えて医療機関機能も報告していただくということになったと、私もそれでいいと思います。特に医療機関機能が新たに設けられるということで、2040年を見据えて、どういう医療機関機能をそれぞれの医療機関が担うかというところをしっかりと報告していただくということは重要だと思います。
その上で、確かに2040年に向けて増加する高齢者救急の受け皿として、これまで急性期と回復期と呼んでいた機能を併せ持つ医療機関が出てくるということは、当然としてあると思います。けれども、それによって逆に、病床機能の必要病床数の推計に曖昧さが生じるようなことにならないようにしていただきたい。医療機関機能を報告していただくことは大事ですけれども、医療機関機能自体が必要病床数の推計に直接対応しているわけではなくて、むしろこれまでの地域医療構想の必要病床数の推計ということであれば、それは基本的には病床機能区分に基づいて推計すると。もちろん診療実績データも加えた上で、新たな地域医療構想において必要病床数の推計をすることになるのだと思いますけれども、新たな機能を定義するということ、特に回復期と呼ばずに新たな名称ないし定義をここで議論して、新たに定義づけていくということであるならば、ざっくりそういう機能を担っているということであればそれでいいということでは、必要病床数との対応関係が曖昧になってしまうということですので、新たな名称、新たな定義を設定するということであったとしても、そこはしっかりと明確に定義づけられるように、かつ必要病床数の推計と連動性をしっかり担保する形で行っていただきたいと思います。
私からは以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、オンラインに移りたいと思います。玉川構成員、お待たせいたしました。よろしくお願いします。
○玉川構成員 御指名ありがとうございます。都道府県の立場からコメントをさせていただきます。
まず、地域医療構想に関しまして、事務局の地域医療計画課においては適切なタイミングで実務を担う都道府県への説明、情報提供を行っていただいていること、この場をお借りして感謝申し上げます。また、今回の資料において、人口規模に応じて課題が異なってきているのではないかという提起をさせていただいたのですが、そういった観点で、人口規模に応じた課題の整理を試みていただいていることについても感謝申し上げます。
今回の資料を見ても、人口が大きな地域で見える課題、そして、人口が少ない地域で見える課題というのは違いがあるケースもありますし、両者に共通することもあります。これらを可視化することによって、議論のずれということを少なくしていけるのではないかと思っております。努力に感謝いたします。
その上で、3点ほどコメントをさせていただければと思います。まず1点目は高齢者救急に関してです。今回の資料の中でも、高齢者救急についてはまとめの中でざっと織り込んでいただいていることに感謝いたしますけれども、やはり一度、高齢者救急に関しては1つのペーパーでの整理をお願いしたいと思っています。高齢者救急も因数分解が必要と認識しています。
具体的なポイントとしましては、高齢者救急も3つ程度の医療機関で対応しているというのが実際かと思います。脳梗塞や心筋梗塞など密度の高い救急医療体制が必要な部分での高齢者救急、その場での手術が不要な大腿骨骨折などの救急、回復期の病棟でも対応が可能な例えば誤嚥性肺炎など、そういった意味での高齢者救急などがあります。いわば「治す」医療で対応する救急と、「治し、支える」医療で対応していく高齢者救急、在宅医療や施設等で事前対応していく部分、そういった複数のアクターで高齢者救急に対応していく形になると思うのですが、それが今回の議論の中でも整理されていると、議論として咀嚼しやすくなるのではないかと思っています。
2点目です。78ページ目の病床機能報告での病床機能に関してです。今回、回復期の概念を、現状に対応する内容に見直しを行っていくということについては理解ができるところです。一方で、今回の議論の外になりますが、回復期以外の高度急性期、急性期についても、それをしていくと対象の整理ということが必要になると思います。先般の中では高度急性期でも、病床機能報告上でいくと実はかなり定義が狭く、ICUやHCUの病棟という形になってくると、本来であれば急性期の中でもごく一部が高度急性期になるわけですけれども、一方全国的な運用の中ではそれがかなり広くなっています。そこで捉えている数と必要量のカウントで求める数が本当に対応しているのかどうかといったことに関しては、改めて今後の中で整理をしていくことが必要です。急性期についても、今回、回復期の中で一定程度の急性や救急機能をそちらのほうで取り込んでいくとなると、急性期の中ではどこまでを急性期としてみなしていくかというような急性期の定義づけといったところについても整理が必要になってくるのではないかと思います。そちらについても検討をお願いできればと思います。
あと、3点目は医療機関の機能に関してです。こちらについては先般も問題提起をさせていただきましたが、人口が少ない地域への実務的な考慮ということが大切だと思っています。複数病院で病院としての役割分担ができる地域と、人口が少なくて1つの病院で複数の機能を担う、ないしは1つの病棟で複数の機能を担うような状況があります。そのときに、無理に病院機能という形で、1つの病院イコール1つの病院機能という形で決め付けてしまうと、実際の病院が担っている役割と乖離が生じてくる状況になります。前回の経験を踏まえまして、この点を制度上の検討にも織り込んでいただければと思います。
そして、地域医療構想調整会議に関して、今回資料の中で触れられています。まず、今後の中で、構想と計画の2つの視点での検討の整理を徐々に進めていただくことが必要かと思っております。従来の地域医療構想は、病床の役割分担という形になっていて、地域の医療介護の連携まで含めていなかったところです。今回それが拡大していきますと、結果的にほぼ地域医療構想が医療計画の大部分、かなりの部分を実際に書き直していくような形になるかと思います。地域医療の中でも構想として、ビジョンとして扱う部分と、医療計画として在宅など実務と関わっていく部分でかなりクロスしてくる部分があります。そこのクロス関係を明確に整理していくことによって、重複感がない取組が可能になると思います。特に在宅医療の検討に関しては、今の地域医療構想調整会議で単純に下にいろいろな部分のレイヤーを設けていくのか、従来の在宅医療の会議等にそういった機能を併せ持って議論を進めていくのかというような形も議論のバリエーションとしては出てこようかと思います。そういった既存のスキームの活用なども含めて、今後の中では検討いただければありがたいと思っております。引き続き、地方との意見交換などを進めて議論を深めていただければと思います。
意見は以上となります。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。進め方に関しての御提案もあり、非常に参考になる御意見だったと思います。
では、山口構成員、お待たせしました。
○山口構成員 ありがとうございます。
まず、77ページの構想区域についてですけれども、やはり2040年の人口の変化ということを見据えまして、これは見直し、拡大ということが必要ではないかと私は思います。
それから、78ページの病床機能のところですけれども、先ほど猪口構成員がおっしゃったのと同じで、患者の立場から見ていましても、地域包括ケア病棟と回復期リハビリテーション病棟というのは、やはり同じ扱いにすると非常に分かりにくいかなと思っています。特に今年度の診療報酬改定で地域包括医療病棟というものが出てきました。恐らくそのくくりというのは、高齢者で急性増悪した人たちを受け入れて、急性期の治療をして、早期リハビリ、在宅復帰を目指すということからすると、地域包括ケア病棟と似ているところがあると思います。そのくくりと回復期リハビリテーション病棟というのは、ちょっと別にしていただかないと、病床機能の報告は住民への報告ということも視野に入れているはずだと思いますので、住民にとっても分かりやすいような分け方が必要ではないかなと思いましたので、その点について意見を申し上げました。
その辺りを一緒にするということについては、事務局は何かお考えがあってのことなのかというのをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○遠藤座長 それでは、事務局、コメントをお願いします。
○高宮参事官 今の御指摘の回復期リハと地域包括ケア病棟、現行の病床機能報告だと回復期リハは回復期で報告をされていて、地域包括ケア病棟は8割が回復期で報告され、急性期は2割で報告されているのが現状になります。今回提案しているのは、回復期のところを、これまでの回復期と急性期の機能を併せ持つというような内容で名称、定義の見直しをしてはどうかというような提案になります。この中で、回復期リハと地域包括ケア、あるいは地域包括医療病棟の機能をさらに報告上見えるようにするような工夫というのは今後の議論であり得る検討ではないかなと考えています。
○遠藤座長 ありがとうございます。
○山口構成員 ありがとうございます。似ているところもあるとは思うのですけれども、やはり扱っている疾患の違いとか入院期間の違いということもありますので、一般の方々に分かりやすいような在り方ということをぜひ皆さんと議論できればと思います。ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、森山構成員、お願いいたします。
○森山構成員 よろしくお願いします。私のほうは2点お願いいたします。
1点目は、27ページの1ポツのところで、一般病床のC3基準未満の患者や、療養病床の医療区分1の患者が在宅医療等の医療需要とすることとあります。
それを踏まえて、次の28ページを見ていきますと、在宅での生活の場所は有料老人ホームとか施設が多くなってくるかなと。そうなってきますと、生活は介護保険で支えて医療を受けるといったような形が見えるかなと思います。この辺りについては、57ページの5ポツ目の在宅医療を受けている患者の多くは介護サービスも受けており、医療と介護にかかる費用を合わせた場合、療養病床の医療区分1における費用と同程度もしくはそれ以上の費用となる場合があるというふうに整理されているかと思います。こういった中で、介護保険の負担増というのがやはり懸念されるところであります。もしそうであるならば、3年ごとに保険料を含めた介護保険事業計画を策定しているところでありますけれども、その際に、こういった医療からの移行分について、介護の負担があまり増大しないような配慮も必要かと考えます。
もう一点は、80ページの在宅医療の圏域についてです。これはお願いになるかと思うのですが、市町村で介護保険事業、地域支援事業で在宅医療、介護連携に関する事業を行っていますが、これは基本的なところでは、在宅の患者側の視点で急変時の対応や退院時の支援、日常療養、看取りというような切り口で検討しているところでございます。一方、この新たな地域医療構想は、急性期の医療から在宅での医療提供までをといった視点かと思います。今後、都道府県が在宅医療の圏域を設定することに適切に関わっていただくことになるかと思いますが、ぜひともこの両者の視点を踏まえた形で市町村と密な関わりをお願いできればと思います。
以上になります。
○遠藤座長 御意見と御提案を頂戴いたしました。ありがとうございました。
それでは、今村構成員、お待たせをいたしました。お願いいたします。
○今村構成員 今村です。幾つか御意見と質問をしてまいりたいと思います。
まず、18ページからの平均在院日数が回復期と地ケアで違うという件ですけれども、数字を扱う者からしたら、上限180日と上限60日のものの平均を比べるというのは、本来数字として違って当然のものなので、この2つの差があるから別のものだということではなくて、制度的に違うものを比較しているので、これが本当のエビデンスの差だというふうには考えにくいところがあります。最低限、これは平均ではなく中央値のようなものでないと比較もできないと思います。それでも上限180日と上限60日のものを平均値に近いもので比較するのは、ちょっと問題があると思います。
続きまして、58ページの慢性期・在宅医療についての案②についてですけれども、これの一番上のポツで、地域で在宅医療を実施し、24時間対応や入院の対応ができるなどという表現で書かれている対応策ですけれども、これはかかりつけ医の機能の定義と非常にかぶるところがあると思うのですが、この対策についてはかかりつけ医をイメージされて、この計画に書いておられるのか、全く別のイメージとして対策を考えておるのかというのは、事務局にぜひ御見解を教えていただきたいところであります。
続いて、77ページの二次医療圏の人口規模なのですけれども、20万人以下でくくっていくべきだということそのものは賛成なのですが、へき地対策と二次医療圏の問題とをちゃんと分けて考えるべきだと思います。人口が少ないからという理由でくっつけると巨大へき地ができてしまう可能性があって、へき地対策はへき地対策としてするべきであって、ある程度の人口がいる地域に対しての二次医療圏対策ということとちゃんと分けて考えるべきで、5疾病・5事業の側にあるへき地対策と二次医療圏の対策とちゃんと組合せを考えていただいて、へき地対策はへき地対策として考えていただく必要があると思います。
78ページの病床機能報告の機能の区分についてですけれども、今回4区分で報告するということそのものは賛成です。さらに、回復期の名称がいろいろな誤解を生んでいるので、この名称を変えていくということも賛成です。ただ、これがベストな回答だとは思わないのですが、私は個人的には、高度急性期と急性期をくっつけたほうが、この境界が分かりにくいものなので、いいとは思っているのですが、今まで4区分でずっとやってきて、この定義を動かすことの危険性のほうがあると思いますので、今はこの4区分でやっていって、回復期の名前を変えるという案に賛成したいと思います。
80ページの在宅医療の圏域についてですが、市町村がこれに加わっていくということは大変いいことだと思うのですが、何度か発言させていただいていますけれども、小さな市町村が単独で対策を考えるというのは非常に難しいことだと思います。そういう意味では、在宅医療を考えるのに一番適切なのは、郡市医師会の先生方の一群として考えるのが一番地域としては据わりがいいと思いますので、ここに実際に書くかどうかは別にして、現実問題、市町村単位ということの中に小規模の市町村をくくるとしたら、郡市医師会単位ということが考えられると思います。
今村からは以上ですけれども、1点だけ、もしよければ事務局からの回答をお願いしたいと思います。
○遠藤座長 分かりました。
それでは、確認事項でかかりつけ医機能との関連で御質問でした。いかがでしょうか。
○高宮参事官 58ページの医療機関機能の1つの在宅医療の提供のところですが、かかりつけ医機能の分科会で議論をいただいていた際のかかりつけ医機能を支援する医療機関のイメージに近いかと思っています。在宅医療を提供して、必要な場合には入院対応も地域の医療機関などと連携しながらやっていくというような機能で、かかりつけ医機能の分科会の中で出てきた支援する医療機関の役割という感じかと思っています。
以上です。
○遠藤座長 今村構成員、よろしいでしょうか。
○今村構成員 分かりました。であれば、その辺をちゃんと明記しないと、かかりつけ医をここに導入するように見えてしまうので、そこは誤解がないようにしていただきたいと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
では、河本構成員、お待たせをいたしました。よろしくお願いいたします。
○河本構成員 ありがとうございます。
まず、回復期医療については、地域包括ケア病棟のように急性期の治療とリハビリの両方を担うのか、回復期リハビリテーション病棟のようにリハビリを専門に担うのかと、それぞれの違いはありますけれども、早期の在宅復帰につなげるというところは共通の重要な機能だと考えております。今後は現役世代の減少が加速化する中で、急性期病棟を集約するのと同じような考え方で、回復期リハビリ病棟の役割も、回復が見込める患者に重点化をして短期間でADLを向上させて、早期に通院や訪問に移行させるということが必要だと思います。また、そもそも高齢者をなるべく最初から地域包括ケア病棟で対応して、急性期の治療とリハビリを一体的に提供するようなことによって、患者が可能な限り早く地域に戻れるというふうにしていくことが望ましいのかなと思います。
次に、慢性期・在宅医療の関係ですけれども、療養病床については、地域差を縮小しつつ、全体として病床数を適正化するといった目標が、マクロ的には一定程度達成できたのかなと認識をしております。必ずしも入院医療が必要でない患者を療養病棟から介護や在宅に移行すると、そういった取組はもちろん引き続き必要ですけれども、在宅患者に相当程度の医療資源が投入される場合があるということも念頭に置きながら、今後は療養病床の削減を前提とするというよりも、患者の状態に合った療養場所を確保するといった視点が重要ではないかと思います。
在宅医療については、介護との連携も含めて、量の拡大とともに、重装備の在宅医療にも対応できるように機能を強化するということも必要かなと思います。その際には、訪問診療を大規模展開する医療機関ですとか、あるいはICT技術をうまく活用して効率化も図るべきかなと思います。
最後に、構想区域とか医療機関機能の関係ですけれども、人口や医療資源の実態を踏まえて構想区域を拡大するということですとか、あるいは在宅医療について二次医療圏よりも狭い区域で対応するということ、また医療機関機能の考え方、この辺についてはいずれも事務局案の方向性に賛同します。
病床機能についても、4区分を継続した上で、回復期の名称や定義を検討するということに特段の異論はございませんけれども、新たな地域医療構想において医療機関ごとの役割分担の明確化を進めるということが重要だと思いますし、その際、一定の客観性を持った基準に基づく医療機関機能の報告を検討すべきだと思います。
私からは以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
それでは、オンラインでまだお手を挙げている方がいらっしゃいますけれども、一旦会場から受けたいと思います。会場でどなたかいらっしゃいますでしょうか。
では、香取構成員、お願いします。
○香取構成員 すみません。簡単にいきます。
今日の回復期と慢性期の話は、大体議論としては整理をされているような気がするので、これはこれでと思いますが、ちょっと細かいところで、先ほど玉川構成員から高齢者救急についてもう一度整理したほうがいいというお話がありましたが、私もこれは一度やっておいたほうがいいのではないかと思います。この話をすると、先ほどの病期の区分の話であるとか、在宅医療と病院・病床機能の区分の話であるとか、そういう話が高齢者救急という別の軸できれいに見えてくるので、頭の整理をする上ではすごくいいのではないかと思います。
それから、療養病床とサ高住やその他特定施設系のものと足すと地域差がなくなるという話があったのですが、この話、そういった施設に対して外付けで医療がついてくるときは在宅医療になるわけですね。そうすると、先ほど在宅医療の話で回数が少ないところと極端に多いところがあるという話がありましたが、そこでいう在宅というのは施設在宅のことですよね。在宅の世界は、自宅在宅と施設在宅は全く別のカテゴリーのビジネスモデルになっていて機能も違っているということがあるので、在宅医療の話については今回だけで終わりにせずに、もうちょっと整理して議論した方がいいと思います。介護との関係でも接点になっているのは在宅医療のところなので、その辺も少し整理をしたほうがいいのではないかと思います。
その意味で言うと、河本さんがおっしゃいましたけれども、在宅医療のほうの機能強化とか重装備化ということが一方であって、そのことによって、言ってみれば入院と在宅のポイントがずっと在宅に寄ってくるということになる。在宅医療の話というのはそういう入院機能との関係や在宅介護との連携のポイントなど、いろんな切り口で議論することが必要ですので、よく整理をしておいたほうがいいという気がします。
最後に、これは質問というか、考えていただきたいのですけれども、前半で医師偏在の話を随分やったと思うのですが、地域でこういう構想をつくって、こういう提供体制をつくって、在宅を強化して、D to P with Nをつくって云々と後半で議論しているのですが、この話と先ほどの偏在問題の話を組合せで考えるとどういうことになるか、というのはちょっと考えてもいいのではないかと。
先ほど言おうかと思ったのですが、医師の偏在の話をずっとしていましたけれども、あれは医療リソースのアロケーションの問題ですよね。だから派遣の問題だとかという話になってくるわけですが、実は偏在しているのは医師だけではなくて、ここの話で言えば医療機関も偏在しているし、病床機能も偏在しているし、もっと言ってしまえば看護師だって同じ問題があるので、医師の話だけしていてもしようがないのではないか。そしてもう一つは、先ほど資料にドイツの例が出ていまして、御説明はあまりなかったですけれども、ドイツのようにばりばりに配置規制してコントロールしても実はうまくいかない。これは相当いろいろなことを組み合わせながらやっていかないといけないので、地域医療構想でどういう絵柄を地域の中で描くか、点と線をどうつないでいくかということとリソースアロケーションの問題はセットで考えないといけないと思います。単純に数で多い少ない、規制で乖離を是正するということだけだとちょっと難しいので、地域医療構想の話と偏在の話はパッケージで考えてもう一度頭の整理をする必要があると思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。事務局のコメントも聞きたいところですけれども、時間も押しておりますので、今後の議論の参考にしていただければと思います。
あと、いかがでしょうか。江澤構成員、お願いいたします。
○江澤構成員 それでは、幾つか意見を述べさせていただきます。
まず、資料の17ページから18ページに回復期リハビリテーション病棟と地域包括ケア病棟の比較がありますけれども、他の構成員もおっしゃいましたけれども、回リハ病棟の入院料の1、2には重症者割合が4割とか、3、4には重症者割合が3割以上という、重症者割合の受け皿として、入口としての設定があったり、あとリハビリテーション実績指数というものが入院料の1と3には設定があって、一定程度の改善を求められており、アウトカムを求めて設定されておりますから、要は、同じ疾患であっても対象患者が異なるものを中身を見ないで比較するのはあまり意義が少ないと思いますので、この辺りはまた今後詳細な分析も含めて必要ではないかなと思います。
続きまして、資料の25ページに回復期医療に対する案がありますけれども、以前ヒアリングでも示させてもらいましたけれども、今、急性期と回復期は医療提供部分でかなり近づいてきている部分がありますので、そういった中で、ヒアリングのときは包括期というものを提案させていただきましたけれども、今日の74ページに一覧表がありますが、ここの回復期機能が、以前は包括期機能というふうに提案させていただきましたし、そのときもこの医療機能の内容は、現在の回リハ病棟には非常に合致するものであるけれども、地ケア病棟あるいは地域包括医療病棟にはなかなかなじみにくいと申し上げたところでございます。
例えば、ここに追記すべきとすれば、高齢者救急患者の受け皿となり、在宅復帰に向けて入院早期からリハビリテーション、栄養管理、口腔管理等を提供し、外来医療、在宅医療、在宅リハビリテーションあるいは介護サービス等と連携し、「治し、支える」医療を提供する機能みたいなイメージのものがあると非常に報告しやすいのではないかなと思っているところでございます。
続きまして、29ページは療養病床と介護施設の定員数比較がありますけれども、特に地方においては、いわゆる訪問診療の代替、在宅医療の代替機能を果たしているのは介護施設でありますので、比べるべきとすれば、ファクターとしては、まずはこの訪問診療、いわゆる在宅医療の提供の数と、それに加えて訪問診療が提供できる仕組みでは、例外を除いて訪問診療が提供できない特養と老健と介護医療院、この辺りを足し合わせたときにどうなのかと。もちろん実質、稼働もしていますから、定員で見るのか稼働で見るのかはまた別といたしまして、訪問診療の在宅医療の提供量と実際の介護保険3施設の稼働の数を足したものについて、その地域差を見ていくほうが在宅医療の推計には分かりやすいのではないかなと思います。
ちなみに、この右側の青色はほとんど医療区分2、3であろうし、赤色は医療区分1が多いということでありますけれども、総和でどうなっているのかという形で、在宅医療と介護施設を足したもので地域別で見ていくのも重要ではないかなと思います。
続いて、39ページは、都市部でも、人口規模の小さい市町村でも、同一建物以外か同一建物の割合についてはあまり差がないというデータであります。したがいまして、今後一件一件の訪問というのは、提供側の人材も減る中でなかなか厳しい部分もあり、要は地域医療構想の議論においてもしっかりと住まい政策、住まいを見据えた議論が必要ではないかなと思います。
続きまして、45ページは、上に訪問看護療養費は含まないという形で、医療保険の訪問看護は入っていないと思いますけれども、そうするとターミナルケアとか別表7、8に該当する訪問が入っていないので、それを加味すると、この辺りは黄緑とかオレンジが少し右にシフトするかと思いますけれども、大事なことは、この資源の比較もさることながら、本人の意思の尊重の下、本人にとって必要な医療が提供されているかどうかという視点が重要ではないかなと思っております。
続きまして、58ページの慢性期・在宅医療に関する件ですけれども、52ページにこの春の同時改定の医療と介護の連携のイメージが出ておりますが、これは特養、老健、介護医療院に、右にありますような在支病をはじめとした医療機関と連携することが義務づけられました。さらにその上で、医療機関と高齢者施設側の双方に加算も創設されていて、毎月1回以上の会議を行う。あるいはふだんからICTで連携体制を構築していれば、年3回以上の会議を行うというものがあって、そういった仕組みが非常に重要ではないかなと思っておりますし、この連携の仕方は在宅医療でも可能ではないかと思っておりますので、そうすることによって、一番課題である1人で24時間365日の対応が困難であるという在宅医療の参入への最大の支障はかなり防ぐことができるのではないかと思っております。
あともう一つ、地域医療構想で共有すべきは、構想圏域なり市町村の中の高齢者住宅とか介護施設の医療はどういったものが提供されているのかは見ていく必要がありますし、療養病床が2015年の35万床から2023年に30万床で5万床減って、2025年の必要病床数の28万床に近づいてはいるのですけれども、今後「治し、支える」医療が増えるに当たって、本当に療養病床がその数で賄えるかどうかはまた検討が必要ではないかなと思っております。
最後に77ページですけれども、前回も申し上げましたように、全ての医療機関がこの医療機関機能に手挙げができること、また、複数の医療機関機能を有する場合には複数に手挙げができることはぜひお願いしたいと思いますし、前回申し上げた回リハ病棟になかなか合致するものがないと申し上げたのですけれども、今回は「その他地域を支える機能」として位置づけるというふうにあります。これは手挙げできることが大事なのですけれども、名称が「その他地域を伝える機能」というのはちょっとどうなのかなと、もう少し何かポジティブな名称があってもいいのかなと思っております。
その後の79ページ、80ページのイメージについては、以前から申し上げたとおりでございますので、進めていくべきものと思っております。
以上でございます。ありがとうございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
会場で御発言をお考えの方はいらっしゃいますか。よろしゅうございますか。
それでは、オンラインでお手を挙げている方が3名いらっしゃいますので、3名の方に御発言いただきたいと思います。
では、望月構成員、お願いいたします。
○望月構成員 時間がないので手短にいきます。
72ページの医療機関機能、これは非常に地域住民に分かりやすくここを説明するということで、前の病床機能だけではなくて、こういったことをやってもらうのは非常にいいと思います。ただ、この中で、高齢者救急の受け皿であり在宅医療を提供するという医療機関とダブっている機能を持っている医療機関が結構あると思いますので、この辺の表現の仕方は十分に検討して、分かりやすく地域住民に示してほしいなと思います。
それから、最後の病床機能報告制度の78ページです。現状での必要病床数と実際の今の地域医療構想の申告した数、病床数は119万床でほぼ一致しているわけですけれども、回復期のところが少ない。いつも急性期が多いという議論になっているのですけれども、急性期の中の軽症急性期イコール高齢者救急というのはちょっと違うと思うのですが、大ざっぱに軽症の急性期と回復期とを合わせると、ほぼ必要病床数に一致してきますので、この回復期の中に軽症急性期、高齢者救急を含めるということが非常にいいやり方ではないかなと思います。名称はともかく、ここのところは皆さんで考えながら名称をつけていくということでいいと思います。
あと、先ほど高度急性期と急性期の区分が非常に不明確で、今までやってきたことと違いますけれども、高度急性期と急性期は一緒に考えたほうがいいのかなというのは、1つ私は意見があったのですけれども、今までせっかく高度急性期でやってきましたので、より明確な病棟単位で高度急性期を否定するのかどうか、その辺の議論をきちんとして、病床機能報告制度をやってもらえばいいなと思います。
以上です。よろしくお願いします。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
それでは、大屋構成員、お待たせをいたしました。
○大屋構成員 手短にお話ししたいと思いますが、先ほど香取委員も少しお話しになったのですけれども、今日の前半のところで、医師の偏在対策で地域だったり診療科の偏在があったと思うのですけれども、ぜひ今お話があったような在宅、それからリハビリ等々、回復期というところで働く医者が、一体全体そこを希望してどれだけの人が行くのかなと。美容整形をしている人が厳しい制限に遭って地方に出ていって回復期の病棟で働きたいと思うのかというようなことも含めて、ここで働く医者をどこでどのように確保するかということも、特にどういう医者をつくっていくかという議論も、ぜひ併せていっていただきたいなと思います。
在宅のほうは、かかりつけ医というところの切り分けで、ある程度いいのではないかと思います。総合診療医って注目はされていますけれど、総合診療医の専門医のプログラムの中にリハビリという項目がどれだけあるのかというようなことも含めて、少し見ていただければ、どのようにしてそこら辺の医者を育成するのかと。さすがに老年科の専門医のところではカリキュラムの中にリハビリがたくさん出てきます。しかしながら、いろいろなところで、どれだけ勉強していただけるのかなというような問題もございますので、いつも似たようなことを申し上げていて、ダブってしまうかもしれませんけれども、人材育成、そこで働く医師の確保、先ほど医師だけではなくて看護師等々もあるという御意見が出ましたけれども、医療者全体をどうやってそっちに誘導するかという件もぜひ御検討ください。
以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
それでは、東構成員、よろしくお願いします。
○東構成員 ありがとうございます。
資料2の17ページに回復期リハビリテーション病棟と地域包括ケア病棟の平均在院日数の差が出ております。これはやはり入院料の算定上限日数がそもそも違いますので、他の委員からもございましたが、私もこれは比較しても仕方がないかなと思います。
それから、資料2の19ページには回復期リハビリテーション病棟における死亡数が結構多いという数字が出ています。これも重度者要件が30%から40%に引き上げられましたので、この要件変更による影響もでているのではないかなと思います。また、資料2の12ページには回復期リハビリテーション病棟の入院患者数は、80歳代にピークがあるということが示されています。さらに資料2の16ページには、回復期リハビリテーション病棟の入院患者の半数以上が認知症高齢者の日常生活自立度の1から4であるということも示されています。これらを総合的に判断しますと、果たして回復期リハビリテーション病棟にふさわしい患者が回復期リハビリテーション病棟へしっかり送られているのか、急性期から回復期に送る際のトリアージが適切に行われているかが甚だ疑問ではないかと考えています。
次に資料2の56ページに記載があるACPは大変重要なのですが、ここにありますように一般国民の5.9%しか知らないというのは問題であり、今後周知が非常に重要になると考えています。
次に資料2の58ページにあるように、慢性期の医療の提供体制も非常に重要なものであります。慢性期の医療提供体制は、在宅医療や介護施設等と併せて構築するということが重要ですし、本人や家族が望まないような過度な医療が行われないということをしっかりとやっていくべきだと思います。
最後に資料2の78ページでございますが、病床機能を変更するという案が出ております。ただ、私はそれだけで終わってはならないと思っています。先ほどから申し上げているように、高度急性期からの受け皿として、該当の患者に対して適切なトリアージをする機能というものを、今後しっかり議論する必要があると考えます。その患者の年齢、要介護度、認知機能、認知症の状況によって、その人にふさわしいところに転棟、転院、あるいは老健施設に送るということができるようにするトリアージ機能を議論すべきだと考えます。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
2番目の議題につきましては、以上とさせていただければと思います。ありがとうございました。
事務局におかれましては、様々な御意見が出ましたので、先ほどと同様に、それを踏まえて次回以降の資料等の準備をしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、3番目の議題でございます。新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の課題等に関する検討プロジェクトチームの開催について、事務局から資料の説明をお願いします。
○高宮参事官 資料3を用いまして、精神医療を新たな地域医療構想に位置づける場合の課題を検討するプロジェクトチームの開催について説明いたします。
資料の最初のほうは、障害保健福祉部の検討会、精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会の資料をおつけしています。近年の精神保健医療福祉の経緯をつけています。精神保健福祉のほうでも、入院医療中心から地域生活中心へという理念で様々な施策が行われてきているということです。
それが2ページ、そして3ページでも、平成26年の指針などによって、精神病床の機能分化、それから地域移行の推進という方向性が示されています。
また、4ページは平成29年の検討会の取りまとめで、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を目指すということで取組が進められています。
5ページは医療計画になります。医療計画においても5疾病の1つとして精神疾患を位置づけて、精神障害にも対応した地域包括ケアシステム、それから、多様な精神疾患に対応できる医療連携体制の構築を進めています。
6ページ以降は、精神疾患の患者の推移になります。総患者数614万人、入院が28万人、外来が586万人となっています。
7ページ以降、入院患者の疾患別ですとか年齢階級別、9ページは外来の疾病別、年齢階級別、11ページは精神病床を有する医療機関、あるいは精神病床数の推移の資料をおつけしています。
最後に12ページです。最初の3つの○については、これまでの精神保健医療福祉の取組を記載しています。
4つ目の○で、現在この新たな地域医療構想については、地域の医療提供体制全体の地域医療構想として検討を進めているところです。
5つ目の○です。現行の地域医療構想では、精神病床の病床機能報告あるいは病床数の必要量の推計などは行われていないという状況ですが、これまでの精神医療の施策等を踏まえて、精神医療の専門家をはじめとする有識者が参画して専門的な検討を行うプロジェクトチームを開催し、新たな地域医療構想において精神医療を位置づける場合の課題などに関する検討を行って、本検討会に検討結果を報告いただくこととしてはどうかということです。
構成員は、精神医療の専門家、一般医療の専門家、自治体、当事者、学識者などで構成をしようと考えています。
スケジュール、10月、11月に議論を行って、その後、本検討会に検討結果を報告ということです。まずは精神医療を新たな地域医療構想に位置づける場合の制度改正に関する事項の検討を行って、具体的な精神病床の報告の区分ですとか推計方法、あるいは2040年に向けた精神医療の在り方などについては、この施行に向けた検討の中で少し時間をかけて検討していくというようなことを想定しています。
資料の説明は以上になります。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ただいまの説明内容につきまして、御質問、御意見等があれば承りたいと思います。
櫻木構成員、どうぞ。
○櫻木構成員 ありがとうございます。
現行の地域医療構想に精神病床が入っていないということですけれども、それに関して言えば、幾つかの問題があったかなと思います。1つはその病床機能、これが必ずしも精神科医療の場合には高度急性期、急性期、回復期、慢性期というふうな形の病期による区分ではない区分が多く使われる。特に病棟機能の分化というのは疾病ごとに進んでいっているというようなことがありました。これも今回、病床機能の評価の中に医療機関機能というような考え方も出てきましたし、ある程度その辺の機能分化の評価について幅というのが出てきたかなと思っています。
それから、構想区域、これは二次医療圏を基本に今までやってきたわけですけれども、精神科医療の場合には非常にその医療資源の偏在というのがあって、なかなか二次医療圏でそのことを評価していくのは難しかろうと考えていたわけです。ただ今回、重層的な構想区域を設定するというようなことで、基礎となる構想区域以外に、例えば在宅医療に関するより細かな構想区域というようなことで設定ができるということを考えると、今後、今まで医療計画の中でなかなか解決がつかなかった身体合併症であるとか、あるいは精神科救急と一般救急の連携というような現在未解決な問題に関して、新たな地域医療構想において精神医療を位置づけるということで、今までのマイナス部分を評価するよりは、むしろ前向きに評価できるのではないかというふうに我々は考えて、そのことに賛成をしているというような状況です。
○遠藤座長 ありがとうございました。検討会の趣旨の御説明にもなるかと思いますけれども、御専門の立場からの御発言をいただきました。
ほかにございますか。
それでは、尾形構成員、お願いいたします。
○尾形構成員 精神病床を地域医療構想の対象として考えるということについては、もともと私はそういう意見でしたので、賛成です。そもそも今の地域医療構想の原型である2025年ビジョンには精神病床も入っていたわけですが、その後の議論の中で精神が落ちて、対象が一般プラス療養ということになったという経緯があるというふうに理解しています。
そういったことを前提として、12ページに示された案なのですが、率直に言って、私には、これはよく分かりません。ここに書いてあることを見ると、最初の3つの○では精神保健医療福祉施策の動向が整理されています。4つ目の○で新たな地域医療構想のポイントが書いてあります。そして5つ目の○で精神を今回位置づける場合の課題を検討しろということになっているのですが、この間の論理がつながっていません。つまり、この案には、なぜ今なのかという説明が全然ないわけです。むしろ、この際、今、櫻木構成員がおっしゃったようなことをきちんと文書に位置づけるべきだと思います。この検討プロジェクトチームというのは、まずそこを議論して、基本的な考え方を整理していただきたいと思います。
以上、コメントです。
○遠藤座長 ありがとうございます。重要な御指摘をいただいたと思いますので、事務局として御検討いただければと思います。
それでは、オンラインで松田構成員が手を挙げておられますので、松田構成員、お願いいたします。
○松田構成員 精神について地域医療構想の中で議論していただくことは非常に重要だと思っています。地域医療計画にも関わることだと思います。今回はそこまで詳しくはやらないと思うのですが、実際にデータを分析していただいて、現状を少し洗い直していただきたいと思います。
私たちの分析の結果を見ると、例えば今入院と外来の連携が不十分になっています。それから、精神の場合には、諸外国に比較して社会復帰の遅れが言われているわけです。デイサービスとかナイトケアとかいろいろあると思うのですけれども、そういうものも含めた構想に入れていかないといけないと思いますので、身体科のものとは少し異なってくるだろうと思います。
ただし、加えて、先ほど櫻木構成員がおっしゃられましたように、救急とかで含めて、特に自殺などがそうなのですけれども、身体科と精神科救急の連携が少し不十分な状況がありますので、そこの連携に関しても少し意識して検討していただけたらと思っています。
以上、コメントです。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかによろしゅうございますか。ありがとうございました。
それでは、3番目の議論につきましても、これまでとさせていただきたいと思います。事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、精神医療に関する検討プロジェクトチームで検討を行っていただきまして、その検討結果につきましては、本検討会にも御報告いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後に事務局から何かありますか。どうぞ。
○淺野課長補佐 次回の検討会につきましては、詳細が決まり次第、御連絡いたします。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 それでは、本日3時間、長丁場でございました。活発な御議論をいただきまして本当にありがとうございました。
それでは、これをもちまして、本日の検討会を終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
お問い合わせ先
医政局地域医療計画課
直通電話:03-3595-2186