第22回第8次医療計画等に関する検討会:議事録

日時

令和5年2月2日(木)13:00~15:00

場所

一般財団法人主婦会館 プラザエフ 7階 カトレア
(東京都千代田区六番町15)

議事

○吉原専門官 ただいまから、第22回「第8次医療計画等に関する検討会」を開会させていただきます。
 構成員の皆様におかれましては、お忙しい中御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
 本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催とし、会場での傍聴は報道関係者のみとさせていただいております。
 まず、初めに発言の仕方などを説明します。
 本検討会の構成員におかれましては、発言の際には「手を挙げる」ボタンをクリックして、座長の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、発言するようお願いいたします。なお「手を挙げる」ボタンがない場合は、画面に向かって挙手をお願いします。
 発言終了後は「手を挙げる」ボタンをオフにするとともに、再度マイクをミュートにするようにお願いいたします。
 また、座長から議題などに賛成かどうか、異議がないかを確認することがあった際、賛成の場合には「反応」ボタンをクリックした上で「賛成」ボタンをクリックするか、またはカメラに向かってうなずいていただくことで異議なしの旨を確認させていただきます。
 本日は、尾形構成員は御欠席との御連絡をいただいております。
 次に、資料の確認をさせていただきます。事前に議事次第、構成員名簿、厚生労働省出席者名簿のほか、資料1、参考資料1から4を配付させていただいておりますので、お手元に御準備いただきますようお願いいたします。
 なお、冒頭のカメラ撮りについては、ここまででお願いいたします。
(冒頭カメラ撮り終了)
○吉原専門官 それでは、以降の進行は遠藤座長にお願いいたします。
○遠藤座長 皆様、こんにちは。本日もよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入らせていただきます。本日の議題は「6事業目(新興感染症対応)について」でございます。こちらは昨年、本検討会の取りまとめを行った際、別途取りまとめることとしたものであります。本日はその件について御議論いただきたいと思います。
 それでは、事務局から資料1「6事業目(新興感染症対応)に係る医療計画策定等にあたっての対応の方向性(案)」が出されておりますので、これについて事務局より説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○中村室長 それでは、資料の説明をさせていただきます。
 資料1を御覧ください。6事業目に係る医療計画策定等に当たっての対応の方向性(案)でございます。
 2ページを御覧ください。まず「本検討会の進め方」でございます。新興感染症発生・蔓延時における医療については、新型コロナ対応の医療提供体制や感染症法等の改正の内容や同法に基づく感染症対策(予防計画等)に関する検討状況を踏まえ検討。
 本検討会では、実効性のある医療計画の策定に資するよう、都道府県と医療機関との間の病床確保等の協定締結等を円滑に進めるための御意見をいただきたいと考えております。
 改正感染症法及び医療法の令和6年4月施行に向けて、令和5年度中に各都道府県で予防計画及び医療計画を策定する必要があることから、策定準備に間に合うよう、できる限り早く議論のまとめを行い、令和5年の早期に指針等を示すこととさせていただきたいと考えております。
 次の3ページは、令和4年12月に取りまとめられましたコロナ対策における保健医療提供体制確保計画をまとめたものでございます。こちらにつきまして、入院等の体制などの計画を立てておりますけれども、真ん中に「入院等の体制について」という箱がございまして、この一番上のところで最大5.1万床確保と記載されているように、病床は5.1万床が確保されております。また、その下の矢印の黒の太線のところで後方支援医療機関数というものを約3.7千機関確保としております。また、その下の矢印のところは医療従事者の派遣の人数でございますけれども、2つ目のポツで医療逼迫時に約2.7千の医療機関から医師約2.1千人、看護師約4千人を派遣できる体制を確認しております。
 その下は「自宅療養者及び高齢者施設等における療養者の健康観察・診療体制」でございますけれども、上の健康観察診療医療に関しまして、約2.7万医療機関、それから、陽性判明後の自宅療養者等のフォローを行う訪問看護ステーションが約2.8千、薬局が約2.7万、それから、高齢者施設等に対する医療支援の平時からの強化ということで2つ目のポツ、往診・派遣に協力する医療機関数が約6千というような体制で、これまでは確保していたところでございます。
 続いて、4ページにつきましては外来医療体制の計画でございます。こちらは入院以外に外来の計画も立てていたところでございますけれども、様々な目標値に合わせて、体制を整えていたところでございます。右下の赤枠で囲ったところの注の4のところに外来の対応の箇所数が記載されておりまして、注の4の一番下の行、直近の箇所数は4万1384、これは11月30日時点でございます。この後増えて、今は4万2000箇所数になっております。
 続いて、5ページにつきましては、以前の検討会でもお示しさせていただいたところでございますけれども「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律の概要」でございます。赤枠で囲った部分が、今回御議論いただきます協定の仕組みについて記載した内容でございます。
 続いて、6ページは今回の議論の前提とさせていただきます「想定する新興感染症とその対応の方向性」についてでございます。
 まず「想定する新興感染症」としましては、感染症法に定める新型インフルエンザ等感染症、指定感染症及び新感染症を基本と考えて、一定の想定を置くこととしておりますけれども、まずは現に対応しており、これまでの対応の教訓を生かすことができる新型コロナへの対応を念頭に取り組むこととしております。
 一方、実際に発生・蔓延した感染症が事前の想定とは大きく異なる事態となった場合には、その感染症の特性に合わせて協定の内容を見直すなど、実際の状況に応じた機動的な対応を行うこととしております。事前の想定とは大きく異なる事態の判断については、新型コロナへの対応を参考にして、国として国内外の最新の知見や現場の状況を把握しながら適切に判断し、周知していくこととしております。
 続いて「新興感染症発生・まん延時から一定期間経過後の対応」でございます。まず、流行初期には各都道府県知事の判断を契機としまして、特別な協定を締結した医療機関を中心に対応することとしておりまして、その一定期間、一定期間というのは、こちらの附帯決議を受けまして、3か月を基本として必要最小限の期間を想定しておりますけれども、その経過後以降は協定の内容に沿って順次、全ての協定締結医療機関が対応することとしております。
 また「流行状況に応じた対応」につきましては、コロナの対応を踏襲しましてフェーズに分けて、そのフェーズごとの計画を立てていただくというようなことにしております。
 続いて、7ページはこの後の目次でございます。
 まず、1番が「都道府県と医療機関との協定締結にあたっての基本的方針」ということで8ページを御覧いただければと思います。「対応の方向性(案)」とさせていただきまして、都道府県が医療機関との間で病床確保等の協定を締結するに当たっては、医療機関の現状の感染症対応能力などや協定締結や協定内容拡大のための課題やニーズ等の調査を行い、また、新型コロナ対応の実績も参考に関係者の間で協議を行い、医療機関の機能や役割に応じた内容の協定を締結する。
 また、感染症対応と併せ、通常医療の確保のため、こうした協定締結に当たっての調査や医療審議会等を含む協議のプロセスも活用して、広く地域における医療機関の機能や役割を確認し、医療提供の分担・確保を図るとしております。
 9ページは「各医療措置協定について」でございます。
 1つ目が「病床関係」でございます。①協定締結医療機関の対象基準・数値目標についてでございます。「対応の方向性(案)」としましては、新型コロナ対応の重点医療機関の施設要件も参考に確保している病床で、酸素投与及び呼吸モニタリングが可能となっており、また、都道府県からの要請後、1~2週間を目途に即応病床の対応ができることとするほか、感染症の性状に合わせて関係学会等の最新の知見に基づくガイドライン等を参考に院内感染対策を適切に実施し、入院医療を行う。
 確保した病床を稼働させるためには医療従事者の確保も重要であり、協定締結医療機関は自院の医療従事者の訓練・研修等を通じ、対応能力を高める。
 数値目標については、新型コロナ対応の実績を参考に、その数値を上回ることを目指すとさせていただいております。
 続いて10ページ、今のところの続きでございますけれども、協定締結医療機関については公費負担医療とするため、感染症法の規定に基づき、都道府県知事が一定の基準で協定指定医療機関として指定することとなります。
 協定指定医療機関の指定基準については、協定の履行に必要な基準として、以下のとおりとしています。
 この確保病床は第一種協定指定医療機関でございますので、左側に赤で囲っているところでございます。
 まず、当該医療機関に所属する者に対して、最新の知見に基づき適切な感染の防止、その他必要な措置の実施が可能であること。
 当該医療機関を受診する者がほかの患者と可能な限り接触することがなく診察することができること、その他医療機関における院内感染対策を適切に実施し、医療の提供が可能であること。
 新型インフルエンザ等感染症発生等公表期間に、都道府県知事からの要請を受けて感染症患者を入院させ、必要な医療を提供する体制が整っていると認められること。その体制の中で、検査を行う体制や医療従事者の訓練・研修等の感染症患者に対応する人材の確保も含むとしております。
 11ページを御覧ください。②流行初期医療確保措置の対象となる協定締結医療機関の数値目標・対象基準についてでございます。
 協定締結医療機関の中から、流行初期から対応する能力を有する医療機関について、地域の実情に応じて確保するとしております。新型コロナ対応においては、全国で重点医療機関が1,500程度(令和3年11月時点)、そのうち、総病床数が400床以上の重点医療機関が500程度であったことを参考に、全国で流行初期医療確保付き協定締結医療機関については500程度が目安でございます。また、下記に基づき、入院患者数は約1.5万人、うち重症者数はその1割の約1.5千人の受入を目安とさせていただいております。
 流行初期医療確保措置の対象となる協定の基準は以下のとおりとしております。
 病床を一定数、例えば30床以上確保し、その全てを流行初期から継続して対応する旨を内容とする協定、その他、これに相当する水準で都道府県知事が適当と認める内容の協定を締結していること。
 都道府県知事からの要請後、原則1週間以内に即応化すること。
 流行初期に都道府県知事の要請後、迅速に即応化するため、病床の確保に当たり影響が出る一般患者の対応について、後方支援機関との連携も含め、あらかじめ確認を行うこと。
 参考にコロナのときの時系列を記載しております。
 また、備考の中で、都道府県及び医療機関等は新型コロナを念頭に準備・取組をしていることから、新興感染症が発生した場合には、国として国内外の最新の知見等を把握し、随時都道府県及び医療機関等に周知しながら、事前の想定とは大きく異なる事態の判断も含め、機動的に対応するとしております。
 12ページ目、③疑い患者の取扱いでございます。疑い患者については、その他の患者と接触しないよう、独立した動線等を要することから、新型コロナ対応に当たっての協力医療機関の施設要件を参考に病床の確保を図るとしております。
 13ページを御覧ください。重症者用病床の確保についてでございます。重症者用病床の確保に当たっては、新型コロナ対応も参考に、重症の感染症患者に使用する人工呼吸器等の設備や、当該患者に対する医療従事者の確保に留意するとしております。
 重症者用病床の確保に伴い、患者の命に重大な影響が及ぶ恐れのある通常医療が制限される恐れがあることから、各都道府県において、地域において、当該通常医療を担う医療機関がどの程度確保できるかを確認の上、感染症の発生・蔓延時の役割分担を確認する。
 数値目標について、新型コロナ対応の実績を参考に、その数値を上回ることを目指すとしております。
 14ページを御覧ください。⑤特に配慮が必要な患者(精神疾患を有する患者、妊産婦、小児、透析患者、障害児者、認知症患者、がん患者、外国人等)の病床確保についてでございます。
 「対応の方向性(案)」としましては、新型コロナ対応の実績を参考に、各都道府県の実情に応じて確保を求めていく。
 新型コロナ対応と同様に、都道府県への通知等において病床確保に当たって患者の特性に応じた受入医療機関の設定や関係機関等との連携など、必要となる配慮等について、医療機関等に対する周知を図っていくとしております。
 14ページの下と15ページについては、コロナに関する関係の事務連絡を付しております。
 続いて、16ページでございます。⑥入院における特定・第一種・第二種感染症指定医療機関の役割でございます。
 エボラ出血熱等の一類感染症については、特定、または第一種感染症指定医療機関を中心に対応することとなります。また、SARS等の二類感染症については、特定・第一種・第二種感染症指定医療機関を中心に対応することになります。
 新興感染症が発生した場合は、感染症法に基づく厚生労働大臣による発生の公表前の段階においては、現行の感染症指定医療機関の感染症病床を中心に対応することとなります。公表後の流行初期においては、まずは当該医療機関で対応するとともに、流行初期医療確保措置付き協定締結医療機関を中心に対応し、一定期間経過後から広く協定締結医療機関で対応することとなります。また、特定・第一種・第二種感染症指定医療機関においても、これらの協定を締結することが可能であるため、都道府県としては、協定締結医療機関の対応優先順位をあらかじめ定めておくとしております。
 次に、⑦地域医療構想との関係でございます。
 新興感染症に対応する場合においても、地域医療構想の背景である人口構造の変化や地域の医療ニーズなどの中長期的な状況や見通しに変わりはございません。感染拡大時の短期的な医療事業には、各都道府県の医療計画に基づき機動的に対応することを前提に、地域医療構想については、その基本的な枠組みを維持しつつ、PDCAサイクルを通じて着実に取組を進めていく。また、新型コロナ対応や今後の新興感染症対応施行に当たって顕在化する課題については、2025年以降の地域医療構想の策定に向けた課題整理・検討の中で反映させていくとさせていただいております。
 続いて、17ページを御覧ください。⑧協定病床と基準病床の関係でございます。
 新型コロナ対応においても、有事であることに鑑み、病床過剰地域においても特例的に増床の許可を行うことができることとし、実際に対応しております。
 これを踏まえて、改正医療法においては、この旨を法律上明記されたところでございます。有事、つまり新興感染症発生・蔓延時において、基準病床数の範囲を超えて増床を許可して対応することを内容とする協定を締結することが可能でございます。なお、平時において許可することを認めているものではないため、有事に即応できるよう、有事の際に迅速な手続を行うこととしております。
 18ページを御覧ください。(2)発熱外来関係でございます。
 ①協定締結医療機関の対象基準・数値目標についてでございます。
 新型コロナ対応の診療検査医療機関の施設要件も参考に、発熱患者等専用の診察室を設けた上で、あらかじめ発熱患者等の対応時間体を住民に周知し、または地域の医療機関等と情報共有して発熱患者等を受け入れる体制を有することとするほか、感染症の性状に合わせて関係学会等の最新の知見に基づくガイドライン等を参考に、院内感染対策を適切に実施し、発熱外来を行うとしております。
 数値目標については、新型コロナ対応の実績を参考に、その数値を上回ることを目指すとしております。
 続いて、19ページを御覧ください。続いておりますけれども、協定締結医療機関については公費負担医療とするため、感染症法の規定に基づき、都道府県知事が一定の基準で協定指定医療機関として指定することとなります。
 協定指定医療機関の指定基準については、協定の履行に必要な基準として以下のとおりとしております。
 先ほどの表の右側を赤で囲ったものでございますけれども、上の2つは第一種と共通のものでございます。3つ目が新型インフルエンザ等感染症発生等公表期間に都道府県知事からの要請を受けて、発熱と患者の診療検査を行う体制が整っていると認められることとしております。
 20ページを御覧ください。②流行初期医療確保措置の対象となる協定締結医療機関の数値目標・対象基準についてでございます。
 協定締結医療機関の中から、流行初期から対応する能力を有する医療機関について、地域の実情に応じて確保することとなります。新型コロナ対応においては、全国で流行の初期頃(令和2年5月)の帰国者接触者外来が1,500程度であったことを参考に、約1,500医療機関を目安としております。
 流行初期医療確保措置の対象となる協定の基準は以下のとおりとしております。
 流行初期から一定数、例えば20人/日以上、発熱患者を診察する旨を内容とする協定、その他、これに相当する水準で都道府県知事が適当と認める内容の協定を締結していること。
 都道府県知事からの要請後、原則1週間以内に発熱外来を開始することとしております。
 21ページを御覧ください。③外来における地域の診療所の役割でございます。
 改正感染症法により、各医療機関の機能や役割に応じた協定を締結し、新興感染症発生蔓延時に、発熱外来や自宅療養者に対する医療等を担う医療機関をあらかじめ適切に確保することとしております。
 地域の診療所が感染症医療を行うことができる場合は、できる限り協定を締結するとしております。
 また、感染症医療を行うことができない診療所も含め、日頃から患者のことをよく知る医師、診療所等と感染症医療を担う医療機関との連携は重要であることから、診療所も含め、全ての医療機関は協定締結の協議に応じる義務があるところ、都道府県は協定締結に先立つ調査も活用しながら、地域における感染症医療と通常医療の役割を確認し、連携を促すとしております。
 地域の診療所が感染症医療を行うことができない場合は、患者からの相談に応じ、発熱外来等の適切な受診先の案内に努めるとしております。その際は、当該患者に対して自身の基礎疾患等や受けている治療内容、自院での受診歴などの情報を当該受診先にお伝えすることや、お薬手帳を活用することなどについて助言するとしております。その際、当該受診先はオンライン資格確認等システム等を活用して、マイナンバーカードを持参した患者の同意を得て診療・薬剤情報等を確認することにより、より正確な情報に基づいた当該患者に合った医療を提供することが可能となります。
 22ページを御覧ください。(3)自宅・宿泊療養者・高齢者施設での療養者等への医療の提供関係でございます。
 ①協定締結医療機関(病院・診療所、訪問看護ステーション、薬局)の数値目標でございます。
 新型コロナ対応と同様に、病院・診療所は必要に応じ、訪問看護ステーションや薬局と連携し、往診やオンライン診療等を行います。また、自宅療養者等の症状が悪化した場合に入院医療機関等へ適切につなぐこととしております。さらに、関係学会等の最新の知見に基づくガイドライン等を参考に感染対策を適切に実施し、自宅・宿泊療養者・高齢者施設での療養者等への医療の提供を行うとしております。
 2つ目のポツですが、診療所が自宅療養者等への医療の提供を行うに当たっては、患者に身近な診療所により、様態の変化等の場合に迅速に医療につなげる観点から、併せてできる限り健康観察の協力を行うこととしております。
 数値目標については、新型コロナ対応の実績を参考に、その数値を上回ることを目指すとしております。
 続いて、23ページを御覧ください。協定締結医療機関については公費負担医療とするため、感染症法の規定に基づき、都道府県知事が一定の基準で協定指定機関として指定することとなります。
 協定指定医療機関の指定基準については、協定の履行に必要な基準として以下のとおりとしております。
 こちらは第二種協定指定医療機関で、自宅療養者等への医療の提供のことでございますが、病院・診療所、薬局、訪問看護事業所と、それぞれ分けて記載させていただいております。
 まず、一番左側の病院・診療所については、当該医療機関に所属する者に対して、最新の知見に基づき適切な感染の防止、その他必要な措置の実施が可能であること。
 新型インフルエンザ等感染症発生等公表期間に、都道府県知事からの要請を受けて、オンライン診療、電話診療、往診その他自宅・宿泊療養者・高齢者施設での療養者等に対する医療の提供を行う体制が整っていると認められること。
 薬局でございます。当該薬局に所属する者に対して、最新の知見に基づき適切な感染の防止、その他必要な措置の実施が可能であること。
 新型インフルエンザ等感染症発生等公表期間に、都道府県知事からの要請を受けて、発熱等患者の医薬品等対応を行う体制が整っていると認められること。この※の中としましては、患者の求めに応じて情報通信機器を用いた服薬指導の実施が可能であること、薬剤の配送等の対応を行っていること、夜間・休日、時間外の対応を行っていることとしております。
 訪問看護事業所でございますが、当該訪問看護事業所に所属する者に対して、最新の知見に基づき適切な感染の防止、その他必要な措置の実施が可能であること。
 新型インフルエンザ等感染症発生等公表期間に、都道府県知事からの要請を受けて、自宅・宿泊療養者・高齢者施設での療養者等に訪問看護を行う体制が整っていると認められることとしております。
 続いて、24ページを御覧ください。②高齢者施設等に対する医療支援でございます。
 新型コロナ対応においては入所者の症状等に応じ、高齢者施設等で療養する場合もあり、各都道府県で施設からの連絡等により、感染発生から24時間以内に感染制御・業務継続支援チームを派遣できる体制の整備や、全ての施設で医師や看護師による往診派遣が可能な医療機関の事前の確保を進め、また、必要に応じ、高齢者施設等に対し、財政支援が行われてきたところでございます。
 これらを参考に、新興感染症対応においては県内医療機関の調査や協定の協議の中で、協定締結医療機関が担う高齢者施設等に対する医療支援体制についても高齢者施設等との連携を含めて確認し、協定を締結するとしております。
 25ページを御覧ください。(4)後方支援関係でございます。
 ①協定締結医療機関の数値目標についてでございます。
 後方支援は、①特に流行初期の感染症患者以外の患者の受入や、②感染症から回復後の入院が必要な患者の転院の受入を想定しております。
 新型コロナ対応と同様に、後方支援医療機関は自治体や都道府県医師会、都道府県病院団体及び支部による協議会や既存の関係団体間連携の枠組み等と連携した上で、感染症患者以外の患者や感染症から回復後の入院が必要な患者の受入を行うとしております。これにより、病床についての協定を締結している医療機関の対応能力の拡大と通常医療の確保を図ることとしております。
 数値目標については、新型コロナ対応の実績を参考に、その数値を上回ることを目指すとしております。
 後方支援を行う医療機関数は(1)の病床に係る協定締結医療機関の数を上回ることを目指すとしております。
 続いて、26ページの(5)人材派遣関係でございます。
 ①人材派遣の基準・数値目標でございますけれども、医療機関からの派遣について、医療従事者であること以外は人数等の基準を設けないこととしております。
 2番目のポツとしましては、協定締結医療機関は自院の医療従事者の訓練・研修等を通じ、対応能力を高めるとしております。
 数値目標について、新型コロナ対応の実績を参考に、その数値を上回ることを目指すとしております。
 ②派遣される医療人材の処遇等でございます。
 協定の協議において、医療人材の身分・手当・補償等の労働条件の諸条件の明確化に資するように、協定のモデル例を示すと考えております。
 続いて、27ページを御覧ください。③国が直接派遣を要請できる医療機関についてございます。
 感染症法に規定する公立・公的医療機関等のほか、特定機能病院や地域医療支援病院、広域的な医療人材派遣も想定されているDMAT・DPAT等の在籍する医療機関(医療法協定を締結した医療機関)を対象とすることにしております。
 ④都道府県が他の都道府県等に広域派遣を依頼する場合の判断基準でございます。
 改正感染症法により、広域人材派遣に関して国と都道府県の役割分担や発動要件を明確化しました。具体的には、まずは県内での人材の融通を行うこととした上で、都道府県内だけでは人材確保が難しい場合は、都道府県がほかの都道府県に直接応援を求めることができることとしております。
 さらに当該都道府県がほかの都道府県に比して医療の逼迫が認められる等の場合には、厚生労働大臣に対し、ほかの都道府県から医療人材の派遣を求めること等の仕組みを規定することで、迅速かつ広域にわたる医療人材の派遣について調整を行うことをしております。この医療の逼迫が認められる等の場合というところの※でございますけれども、これは陽性者数、病床使用率、医療従事者の欠勤者数などの事情を総合的に勘案して判断するものと考えております。
 続いて、⑤国が直接派遣を要請できる医療機関が都道府県からも派遣要請を受けていた場合の判断でございます。
 国においては各都道府県の感染状況や医療人材の派遣状況等を勘案しまして、派遣元となる医療機関と調整しながら派遣の要請を行うこととしております。
 28ページを御覧ください。「3.協定締結プロセスにおいて考慮すべき事項」でございます。
 ①圏域設定の考え方でございます。
 医療体制構築に係る指針においては、都道府県は医療体制構築に際して圏域を設定することとされ、5疾病・5事業及び在宅医療について、各々の特有の重要事項に基づき、従来の二次医療圏にこだわらず、地域の医療資源等の実情に応じて弾力的に設定することとしております。
 新型コロナ対応においては、例えば診療・検査医療機関の前身である帰国者・接触者外来については二次医療圏ごとに設置を求めており、発生初期段階から県内のそれぞれの地域において必要な診療を受けられるように取り組まれてきた一方で、病床確保については各都道府県単位での確保を基本としつつ、各地域の実情に応じて柔軟に設定されてきたところでございます。
 新興感染症対応においても、県内のそれぞれの地域において必要な診療を受けられるよう、従来の二次医療圏にこだわらず、例えば重症患者や特別な配慮が必要な患者への対応等については県単位で確保するなど、地域の実情に応じて柔軟に体制を構築することとしております。
 協定締結の具体的なプロセスでございます。
 都道府県は、予防計画・医療計画に定めた病床の確保のため、都道府県医療審議会の意見を聞いた上で、各医療機関と協議を行う協定案を策定の上、各医療機関と協議を行い、結果を公表する。
 都道府県が策定した医療機関に対応を見込んでいる協定案の内容での協議で合意に達せず、協定締結できない場合は、都道府県医療審議会の意見を聞くことができるとしております。
 29ページ、③公的医療機関への義務付けのプロセスでございます。
 改正感染症法に基づき、都道府県知事から公的医療機関等に対して、義務となる医療の提供について通知することになりますが、内容については協定締結協議を行いながら、当該医療機関の所在する地域における感染症医療の状況等を勘案して、医療機関の機能等に応じて定めることとなります。
 ④都道府県における締結した協定等の報告・公表の内容・方法でございます。
 新型コロナ対応も参考に、都道府県は医療機関がG-MISを活用して都道府県に報告した情報に基づいて、厚生労働大臣に協定等の措置の状況を報告するとともに、その内容の一部を都道府県において公表することとしています。
 公表の内容については、協定を締結した段階では、協定を締結した医療機関名や協定の内容とします。医療機関が協定に基づく措置を実施する段階では、新型コロナ対応も参考に措置の実施状況のほか、病床確保であれば確保した病床の稼働状況や、発熱外来であれば診療時間や対応可能な患者など、患者の選択に資するような情報の公表を行うとしております。
 30ページでございます。⑤協定が履行できない「正当な理由」の範囲でございます。
 感染状況や医療機関の実情に即した個別具体の判断が必要でございますけれども、例えば病院内での感染拡大等により医療機関内の人員が縮小している場合。
 また、ウイルスの性状等が協定締結時に想定していたものと大きく異なり、患者1人当たりに必要となる人員が異なる場合。
 また、感染症以外の自然災害等により人員や設備が不足している場合等、協定締結時の想定と異なる事情が発生し、協定に沿った対応が困難であることがやむを得ないと都道府県が判断する場合が該当するとしております。
 ⑥協定の実効性確保のための従事者の状況等の把握でございます。
 新型コロナ対応も参考に、協定締結医療機関で働く医療人材の欠勤等の状況も含め、協定の実施状況等についてG-MISを活用して都道府県において把握していくとしております。
 ⑦予防計画(医療計画)の数値目標と現行の医療計画の指標との関係性でございます。
 改正感染症法に基づく予防計画で検討中の数値目標のうち、協定締結医療機関に関する数値目標は医療計画上のストラクチャー指標に該当する。この数値目標の達成に資するものや感染症対応を高める取組として別途、次ページのとおり、現行の医療計画に準じた指標イメージをお示ししてございます。
 31ページを御覧ください。こちらは「新興感染症の発生・まん延時における医療体制更新に係る現状把握のための指標イメージ」でございますけれども、従前の医療計画の指標のとおり、ストラクチャー、プロセス、アウトカムというように整理をしまして、その横軸に協定締結医療機関、入院、発熱外来、自宅・宿泊施設・高齢者施設での療養者等への医療の提供、後方支援、医療人材と分けさせていただいております。
 ここに赤字で記載したものは、予防計画で検討中の数値目標と同様のものを赤字としておりまして、その他、赤字以外のものに関しましては、こちらは指標として使えるのではないかということでのイメージとして記載させていただいたものでございます。
 資料としまして、説明は以上でございます。
○遠藤座長 事務局、長い文章をありがとうございました。
 それでは、これから御議論いただきたいと思いますけれども、意見のまとめの段階では新興感染症対応について、方向性については一部記載されておりましたけれども、具体的な内容について、事務局案が提案されるのは今回初めてということでございます。お聞きになられたように、非常に内容的にも盛りだくさんでもあります。したがいまして、初めてのことでもありますので、多分御意見・御質問等は多々あるかと思います。できるだけ皆さんの御意見をお聞きしたいと思いますので、発言は簡潔にお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。それでは、どなたか御意見・御質問等はございますか。
 河本構成員、お願いいたします。
○河本構成員 初めに、2ページの本検討会の進め方ですとか、あるいは6ページの想定する新興感染症と、その対応の基本的な方向性、こういった前提を踏まえて、私どもの基本的な考え方を申し上げたいと思います。
 まず、想定している新興感染症の対応について、特に流行初期においては、流行初期医療確保措置の協定を締結した医療機関を中心に、限定的な措置である減収補償の仕組みを通じて必要な初動対応を確保して、一定期間経過後は、新型コロナのように補助金で医療提供体制を支援しながら、保険優先の公費負担で必要な医療が提供されていくというものと理解いたしております。
 なお、蛇足ですが、本日の資料にも公費負担医療という言葉が幾つも出てまいりますけれども、国民の中には全額公費負担と誤解されている方が、いまだに多くおられると思います。ここでいう公費負担は、あくまでも自己負担分であって、医療費の7割から9割の部分というのは保険で賄われているということは、折に触れて強調していただきたいと思います。
 その上で、今般の新型コロナ対応を振り返ってみますと、多額の公費と保険料が導入されておりましたけれども、昨今、病床確保の補助金を受けながらコロナ患者を入院させられなかったといった指摘がございましたし、保険診療の下でも必要な入院医療、外来医療が受けられるか不安だといった声が国民から上がったのも事実でございます。
 2ページでは、都道府県と医療機関との病床確保等の協定締結、これを円滑に進めるための御意見をいただきたいと強調されておりますけれども、新型コロナの経験を踏まえれば、計画の実効性担保が何よりも重要だと思います。
 また、前回も申し上げたように、今後の人口構造の変化、これは変わらないわけですから、平時から過剰な余力を持つゆとりというのは、我が国の医療提供体制にはないという点も考慮して対応の方向性を考えるべきと思います。
 具体的な部分でございます。7ページ以降の都道府県と医療機関との協定の締結に関する対応の方向性についてはおおむね理解できますけれども、先ほど申し上げた基本的な考え方も踏まえて何点か意見を申し上げたいと思います。
 まず、通常の協定と特別の協定の締結に向けて、新型コロナの対応を参考に入院等の数値目標、あるいは対象基準が示されておりますけれども、例えば9ページにも記載のとおり、確保した病床を稼働させるためには、医療従事者の確保も重要でございまして、これは新型コロナから得た教訓の一つだと理解をしております。
 9ページには、協定締結医療機関は自院の医療従事者への訓練・研修等を通じて対応能力を高めるとございますけれども、協定の確実な履行を担保するためには、確保病床の稼働に必要な人員体制の考え方ですとか、あるいは判断の目安について、可能な限り具体的に明示することが必要と考えます。
 同様の観点で、外来についても18ページとか20ページに対象基準の考え方とか判断の目安がございますけれども、要するに通知等でこういった考え方とか判断の目安を可能な限り具体的に明示していただきたいと思います。
 また、18ページの発熱外来の数値目標について、新型コロナ対応の実績を参考に、その数値を上回ることを目指すとございます。数値目標については、今後、実際に発生・蔓延する感染症の特性に左右される部分がございますので、方向性にもちろん異論はございませんけれども、過不足なく確保するという視点を持って対応するようにしていただきたいと思います。
 次に、29ページの都道府県における締結した協定の報告・公表の内容・方法についてですが、患者の選択に資するような情報の公表を行うということは、極めて重要な取組でございまして、国民・患者が簡単に確認できる手段で公表すべきだと考えております。具体的にどのような手段での公表を想定しておられるのか。これは事務局に教えていただきたいと思います。
 さらに30ページには、協定が履行できない正当な理由の範囲が幾つか記載されております。感染状況とか、あるいは医療機関の実情に即して、具体例を個別に判断する必要性については理解をいたしますけれども、都道府県間で不合理な差異がなく適切な運用がなされるように、一定の考え方というのは、あらかじめ整理をした上で明示すべきではないかと思います。
 最後に、16ページの地域医療構想等の関係、それから、17ページの、協定病床と基準病床の関係について、対応の方向性について、もちろん異論はございませんけれども、新興感染症の蔓延時に、基準病床数の上限を超えて増床することを前提とするのではなくて、地域医療構想も進めて医療機能の強化・分化・連携を推進して、これによって感染症対応能力の向上を図る。そういった視点ですとか取組が重要であるということを指摘させていただきたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。重要な御指摘をしていただきました。
 事務局への質問が1つございましたので、御対応いただければと思います。事務局、どうぞ。
○山田参事官 医政局の参事官でございます。御質問は29ページの都道府県における協定の内容の公表方法ということで、今後、都道府県とも調整しながらと考えております。当然ホームページ等でも公表していただきますけれども、なるべく統一的なものになるように県とも調整しながら考えていきたいと思っております。
 もう1点、協定の実効性の確保のため、人員の体制をどうするかというお話もございましたけれども、これまでこの検討会の場でも、例えば看護配置での加配等の対応をされていたというようなヒアリング結果もあったかと思います。そういったものも参考に、御指摘のとおり、何らかの考え方は示す必要があろうかと思っておりますので、指針等で考え方を示すということで検討していきたいと思っております。
○遠藤座長 河本構成員、いかがでしょうか。
○河本構成員 分かりやすい公表の必要性というのは論をまたないことでございますので、その手段という意味でも、できるだけ国民が見やすい・分かりやすいという形でお願いしたいと思います。ありがとうございました。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 続きまして、今村構成員、お願いいたします。
○今村構成員 今村です。質問を中心に5つほどお願いしたいと思います。
 まず、6ページの前提についてです。今回、コロナの対応を踏襲するということですけれども、コロナの日本の対応を海外の状況と比較してみても、同じコロナでも大分違うと思うのです。日本の場合は最初に強烈なロックダウン状態に入って、実際のところ、6波、7波辺りで大流行という状態ですけれども、海外ですと、2波、3波で大流行という状況で、同じコロナですので、今回、海外と同じような大流行が日本で起こったときにという想定をどこまでされているかというのが1つ目です。
 2つ目、11ページに重症病床のことを特記していただいていることは大変ありがたいことです。実際、コロナでの死亡率を左右したのはICUをどれだけ確保できたかということに尽きるのではないかと思いますし、その律速段階は、どれだけICUの看護師さんを確保できたかというところに起因していると思います。ですので、この部分は極めて重要な部分だと思うので、ぜひ踏み込んで検討していただきたいことと、一般病棟のコロナ病棟を立ち上げるにしても、今度は7対1ではなく、実際は4対1とかいうレベルで看護師さんを配置しなければいけないので、重症病床の確保と一般病床のコロナ病床の確保を両立させることがなかなか大変だと思うのです。ですので、ここの部分についてどのようにお考えいただいているかということは、ぜひ教えていただきたいと思います。
 3つ目、14ページなのですけれども、特に配慮が必要なところ、疾患を列記していただいていることは非常にいいことだと思います。中でも精神には、実際に奈良でも対応を見ていて、これは独立して特別な対策が必要だなと実感しております。ですので、精神についても、ぜひ深掘りして対策を提案いただくように考えてもらったらどうかと思います。
 あと、医療関係の確保で、これは本文中に入院調整をどうするかということが書かれていません。実際に保健所でかなりの部分の入院調整を行っていると思うのですが、入院調整の部分について今、この医療計画のコロナ対策の中では、どのように位置づけをされているのかというところを教えていただきたいと思います。
 5つ目、30ページの指標の作成についてです。31ページに実際の指標案が出ていますけれども、指標の項目としては適切だと思いますが、ほかの指標と同様、何々の割合という表現がたくさん出てきます。例えば協定、加算1を算定している割合という数字ですが、実際に割合にすると、分母の病院の数の設定が難しくなります。割合ということの分母はどのように設定されようとしているのかということです。ほかの指標のときに、割合か実数かということが問題になって、かなりの率で実数のほうを採用しているという状況がありますので、今のお考えを教えていただければと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、質問が幾つかありますので、事務局、一つ一つお願いします。
○山田参事官 
 まず、1点目の御質問の6ページの関係の、想定する感染症で、海外で大流行した場合の感染症等の想定を、ということだったかと思います。なかなかどういったものか具体的な想定が難しいという中で、記載のとおり、一定の想定を置くという中で、現にこれまで対応してきた教訓を生かすことができるコロナへの対応を念頭にということであります。今回のコロナも、海外で変異したりして日本に入ってきて、その都度、柔軟に対応してきたということでありますので、そういった柔軟な対応を引き続きやっていけるように、ということで考えているところでございます。
 2点目が、13ページの重症病床の関係で、通常のコロナ病床の確保とのバランスをどういう考え方で、というお話かと思います。まず、初動の段階では11ページに記載のとおり、2つ目の○の※のところで、20年冬の入院患者、約1.5万人の中の重症者数が約1.5千人、約1割ということでありまして、これは全国の数字になりますけれども、1割程度というのを目安に考えていくというのが一つあります。これは、全体について、ということで、初動の後、広く協定締結医療機関に対応していただく。
 うち流行初期については、13ページに戻りますけれども、重症者病床を各県でどの程度持ってもらうかということにつきましては、3つ目の○で、コロナ対応の実績を参考にと、これは各県でそれぞれ重症者病床の見込みも異なるところがありまして、実際にコロナで見込んだそれがどうだったかということも検証しながら、各県の実情に応じて重症者病床を確保していただくことも考えております。その辺も引き続き県と調整していきたいと考えています。
 3点目の精神疾患を有する患者の方への特別な配慮ということについて、14ページの最初のところで、※1の(1)で特出しをしています。この内容をさらに充実するなりして、指針等の段階で示していきたいと考えております。
 4点目の入院調整の関係は、今回の法改正について、5ページにも法改正の概要をつけておりますけれども、(4)で保健所の体制機能や地域の関係者間の連携強化の中で、緊急時の入院勧告措置について都道府県知事の指示権限を創設するなどが設けられております。また、保健所との調整、政令市等との調整、連携協議会を創設ということで、こちらは予防計画の中でも今後検討されるということではありますので、また、そちらの検討結果もこちらに御報告させて、御議論いただきたいと考えています。
 5点目の指標の割合の分母は、31ページの1行目に、まさに協定締結医療機関とありますとおり、そちらの中での割合が基本であります。ただ、右のほうの人材のところは、分母は派遣可能人材でしたり諸々ありまして、この分母のところは精査をしますが、基本的には協定締結医療機関を分母として、そのうちそれぞれ研修に参加させている割合などを見ていく、という考えで、これを示しております。
 以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 今村構成員、いかがでしょう。
○今村構成員 ありがとうございます。
 少しだけ確認しますと、最初の前提について、日本の今回のものを踏襲するということは、最初に学校を止めたり、移動を全部止めたりという強烈なロックダウン状態に陥った前提を踏襲するという意味でもあって、本当にそれをするのですかという心配があります。その点をお考えいただければと思います。
 それと、重症病床について、感染症にかかった人を隔離するという意味と、重症化して亡くなる人を治療するという2つの面があって、それを一つの医療機関に持たせると、その医療機関への負荷が大き過ぎて実際には回らないということが起こるのです。ですから、かかった人を隔離するという面と治療というのはちゃんと分けて考えていくべきだと思っています。
 それと、入院調整ですけれども、今後の検討ということですが、実際に医療の現場ではこの入院調整が非常に大きな役割を果たしたと思いますので、ぜひそれは踏み込んで御検討いただきたいと思います。
 今村からは以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 続きまして、山口構成員、お願いいたします。
○山口構成員 山口でございます。12ページの疑い患者の取扱いのところで(3)として、新型コロナウイルス感染症疑い患者を受け入れるための病床は個室でありというのが出てまいります。そもそもこの新興感染症については、先ほど全額公費負担ではないという御指摘がございましたけれども、保険診療の患者負担分はないということが前提で話し合われていると思います。ただ、個室ということになってくると、いわゆる差額ベッド料ということになって保険外の扱いですので、これがまた違ったルールになるかなと思います。
 私たちのところでは、二十数年にわたって差額ベッド料の請求のルールの明確化を求めて、二度にわたって岩波ブックレットから差額ベッドQ&Aという本を出したりして情報提供するとともに相談対応をしてまいりました。そういう今まで出てきた国の通知等々によって、一般的な感染症については、ほかに空きベッドがない場合と、ほかの患者の療養の妨げになる場合と並んで、きちんと説明をして同意書を得ていれば、請求してもいいということになっています。
 その中で、今回、新たな通知は何も出ていないのですけれども、例えば新興感染症の場合も一般的な感染症と同じように、同意書さえ提出を求めていれば請求してもいいというような考えになっているのかどうかということ、これは保険局マターかなと思うのですけれども、確認したいことが一つです。
 あと、少なくとも疑い患者というのは今までルールがございませんでした。ですので、実際に疑い患者に個室を用意するというようなことが書いてあるわけですので、できれば患者負担がないように配慮していただきたいなと思います。特に1日2~3万円するような差額ベッド料というのは決して少なくありませんので、実際に3日4日となると、かなり患者の経済的な負担が重くなってきます。
 この疑い患者に対しては、うちの病院では陰性だということがはっきりするまでは、例えば2週間は個室に入っていただいて差額ベッド料をいただきますというような独自のルールをつくっている医療機関が出てきていまして、それに困っての相談も複数届いています。ですので、疑い患者に対してもどうするのかということ、何かお考えがあれば方向性を教えていただきたい。一般的な感染症の患者の場合と疑い患者の場合と新興感染症の場合はどうするのか。あるいはこれから何か通知か何かを出していくようなお考えがあるのかどうかということを聞かせていただきたいと思います。お願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは、事務局、お願いいたします。
○山田参事官 今のお尋ねの点で、まず、今回の資料で出していますコロナの疑い患者等に関する差額ベッド代の取扱いにつきましては、特段個別の通知などは今回出してはおりませんで、一般的なルールとして、療担規則の関係の実施上の留意事項について、という平成18年の通知に基づき運用されています。
 さらに先生の御指摘の新興感染症対応に向けて、どういった案内をしていくかというお話だったかと思いますが、現時点で特に何か新しいものをということは聞いてはおりませんが、今の御指摘も関係部局とも共有しながら、どういうやり方がいいか、検討させていただきたいと思います。
○遠藤座長 山口構成員、いかがでしょうか。
○山口構成員 局が違うと思いますけれども、実際にそういう問題も起きてきていますので、今回のことを生かすという意味でも、ぜひ御検討いただきたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。重要な御指摘だと思います。
 それでは、吉川構成員、お待たせをいたしました。
○吉川構成員 22ページからの自宅・宿泊療養者・高齢者施設での療養者等への医療の提供関係につきまして、訪問看護事業所に関する意見、それから、31ページの指標について大きく意見を述べたいと思います。
 まず、1つめは訪問看護事業所に関する意見です。今後、訪問看護事業所が第二種協定指定医療機関として地域で療養する方々への健康観察や、医療の提供に役割を果たしていくことになると考えております。今回のコロナ患者に対応した訪問看護事業所では、状況によっては2名体制での訪問が必要になるなど、人員確保で非常に苦労されたと聞いております。今後、協定締結医療機関となった際には、訪問または入院が必要な場合の調整などにも非常に時間を要することがありますので、通常の利用者さんへの訪問が難しくなることも考えられます。
 今回、お示しいただいた資料には、第一種協定指定医療機関や、高齢者施設では、対応の方向性に平時から連携体制や人員体制を確保しておくことが記載されておりますが、訪問看護事業所におきましても、通常の利用者さんへの訪問をほかの訪問看護事業所に依頼するなど、平時から地域の事業所間の連携や、医療機関との連携体制の構築が必要になると考えます。今後、同様に明記していくことが必要と考えておりますが、これらにつきまして、何か厚生労働省でお考えがあるかどうかお聞きしたいと思います。
 2つ目は、31ページの指標についてです。まず、入院の指標についてですが、ストラクチャー指標として、人工呼吸管理、ECMOの治療が可能な医師数が挙げられていますが、新型コロナウイルス感染症対応では人工呼吸器やECMOを管理するに当たり、医師のみならず看護師や臨床工学技士などの医療人材の確保が非常に大きな課題となりました。このたびの令和4年度の診療報酬改定におきましても、特定集中治療室等における重症患者対応の強化、また、人材育成の重要性の観点から、重症患者対応体制強化加算が新設され、専門性の高い看護師や臨床工学技士の手厚い配置が算定要件となっております。
 この加算では、専門性の高い看護師2名以上を特定集中治療室の施設基準に係る看護師の数には含めず、新興感染症の発生などの有事の際に、都道府県の要請に応じて他の医療機関の支援を行うことが実施業務とされております。こういったことから、人工呼吸管理やECMO治療に対応可能な専門性の高い看護師を指標とすることをぜひ御検討いただきたいと思います。
 ないしは、もしそれが難しい場合には、プロセス指標にあります感染対策向上加算と同じように、専門人材の確保の評価として重症患者対応体制強化加算を算定している割合を指標に加えることを御検討いただきたいと思います。
 次に、医療人材の指標についてです。ストラクチャー指標にあります派遣可能看護師についてですが、新興感染症の発生・蔓延時等における看護師の確保、また、県外派遣調整につきましては非常に重要な事項と考えております。この表の中にDMAT、DPATという記載がありますが、災害支援ナースも法的に同様の位置づけになっておりますので、ぜひ明記いただきたいと思います。
 そして、プロセス指標に派遣可能人材のうち、新興感染症に関する研修を受講した人数があります。医師や看護師など、それぞれの専門性で役割も異なってまいりますので、具体的に職種別に受講した人数を指標とすることが望ましいと考えますが、どのようにお考えか教えていただければと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、事務局、お答えをお願いします。
○山田参事官 まず、22ページの自宅療養者等への医療の提供関係のところで、訪看の事業所間での連携等ももちろん重要でありまして、今回の例示としましては、かつてのコロナの事務連絡を引き、病院、診療所と訪看、薬局との連携のみの記載になっております。今の御指摘の点、まさにコロナの実績として、訪看事業者間での連携、その他の連携等の重要性という話かと思いますので、そういったことも指針等の段階で位置づけて示していきたいと思っております。
 また、指標の関係で31ページです。基本的に御指摘のとおり、先ほど来もありましたけれども、病床確保、稼働の実効性を高める等のために看護師の確保は非常に重要ということで、それをしっかりと進捗確認するために、指標に可能な限り盛り込んでいくということが基本的な考え方です。あとは、指標でありますので、その実績についての取得可能性や、全体のバランスなど、そういった中での検討ということになります。いずれにしても具体的にいただいたものを一つ一つ位置づけられるかということで検討していきます。最後の派遣可能人材の内訳も実績が取れるのであれば入れたいと思います。こちらで検討させていただきます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 吉川構成員、いかがでしょう。
○吉川構成員 よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、中島構成員、お待たせいたしました。お願いします。
○中島構成員 ただいま事務局より御説明いただいた資料1における対応の方向性の案につきましては、今回の感染症法等の改正内容、また、同法に基づく予防計画等の感染症対策の内容を適切に反映していただいているものと考えております。
 本日は1点、24ページにあります高齢者施設等に対する医療支援について、厚生労働省に確認をさせていただきたいと思ってございます。
 具体的には24ページにございますけれども、新興感染症対応においては協定締結医療機関が担う高齢者施設等に対する医療支援体制についても、そうした連携を含めて確認し、協定を締結するとあります。
 そこでのポイントは2点あって、入所施設を利用しておられる高齢者や障害者、また、そこで頑張っていただいている職員の方の間で感染が広がらないようにするということが一つ。もう1つは、感染者が出てしまった場合に迅速に医療機関にアクセスできるようにするという、ここが2つ目のポイントでございます。
 そこで、福祉の事業者サイドにおいて、施設で働く職員の方々に基礎的な感染症対応の知識を持っていただくように、福祉施設サイドで必要な研修体制を整える。また、万が一のためにパーティションなどの感染設備をしっかり確保しておく。また、入所されている高齢者、障害者、また、職員の方が罹患した場合に、具体的にどの医療機関に医療の提供や助言を求めるのか、あらかじめ決めておくといったことをしっかりやっておく必要があると思っているわけでございます。
 この点、今回我々が議論しております、単に医療サイドの医療計画だけではなくて、福祉サイドにおいても介護事業計画や障害福祉計画に必要な記載を盛り込んで、各福祉施設でしっかり準備・対応しておくことを促す措置が大変重要であると思ってございます。今回のこうした医療サイドの医療計画に連動する形で、老健局における介護事業計画、障害保健福祉部における障害福祉計画でも、福祉サイドにおける対応について、しっかり講じられるということを計画に盛り込んで御指導されるのかどうか、その点を確認させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 事務局、どうでしょう。
○山田参事官 まさに福祉施設サイドにおける感染対策能力の向上、また、医療機関との連携は非常に重要な観点でありまして、今回の方向性のところでも、全ての施設で、というのが、まさに高齢者施設なり、あるいは障害者施設でということで、医師や看護師による往診・派遣が可能な医療機関の事前の確保につきましても、しっかりと実効性を高めていくことを今後検討していくということです。今回のこの方向性を出すに当たっても、老健局、また、障害保健福祉部とも調整をして出しているところでありまして、今まさに先生のおっしゃった、さらに各計画に位置づけていくべきというお話でありましたので、しっかり担当部局と共有して検討していきたいと思っております。
 また、医療計画のみならず、全体を含む予防計画の中でもそういった施設側の対策といったことも位置づけられるように、関係部局とも連携して対応したいと考えております。ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 中島構成員、いかがでしょう。
○中島構成員 医療サイドと福祉サイドで具体的に確実に連携が進むという体制をしっかり計画等に盛り込むことで準備をしていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 事務局もよろしくお願いします。
 それでは、野原構成員、お待たせいたしました。
○野原構成員 野原でございます。今回示された方向性について大きな異論はございませんが、都道府県の立場から4点ほど意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、資料2ページにありますとおり、実効性ある医療計画の策定とするために、都道府県は計画策定と並行して医療機関との協定締結なども行っていくこととなります。令和5年度中に各都道府県における予防計画及び医療計画の策定準備に間に合うよう、記載をしていただいているところでありますが、本項目については住民や医療関係者の関心も高く、また、初めて盛り込む内容でもございます。都道府県が早期に策定作業に入れるように、少なくとも年度内には論点整理を行いまして、都道府県に対して提供するとともに、指針を示す際には都道府県担当者説明会を行うなど、都道府県への十分な説明をお願いしたいと思います。
 2点目が、他の関係計画との整合の視点です。6ページに流行初期として3か月間を基本とした一定期間の考え方が示されました。フェーズに応じた対応について、感染症予防計画や新型インフルエンザ等対策行動計画におけるフェーズとの関係、また、先ほど今村構成員が述べられました入院調整など、関係する計画との整合が図られますように、健康局や関係府省との調整も十分お願いしたいと思います。
 3点目が、先ほど中島構成員も述べられました高齢者施設等における医療支援、24ページです。新型コロナ対応におきましては、オミクロン株が主流となりました第6波以降、特に現在の第8波におきましては、高齢者施設でのクラスターが相次いで発生しておりまして、感染による基礎疾患の悪化やADLの低下などによりまして亡くなられる方も多くなっております。医療機関での感染症対応はもちろんでありますが、基礎疾患を有する多くの方がいる高齢者施設等での対応が非常に重要であり、これまでの新型コロナ対応を振り返りますと、ここが大きな課題であると認識しております。
 今後の対応の方向性として、例えば各自治体の介護計画において、高齢者施設等が日頃から医療支援を受けられる医療機関を確保し、有事の際のマニュアル等の作成や訓練の実施など、必要な体制整備を進めていくことが求められるとともに、市町村など行政側におきましても、必要に応じて支援していくようなスキームを検討しておく必要があると感じております。老健局等関係部局ともを課題共有して、国としての対策の検討をお願いしたいと思います。
 最後に協定締結に向けた動きです。今後、医療機関との間で病床確保等の協定を締結するに当たっては、今般の新型コロナ対応を踏まえた協議が行われることが想定されます。今後、協定締結等を円滑に進めるには、現在のコロナ対応で行っております様々な体制整備や財政的支援、こうした施策が大前提となりますことから、具体的なスキームについても示していただく必要があるものと考えております。
 私のほうからは以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 ただいまのは御意見ということにさせていただきたいと思います。今後もこの議論は継続いたしますので、御意見として承りました。
 それでは、事務局、関連でコメントがあればお願いいたします。
○山田参事官 要望の件は、それ踏まえて検討させていただきます。スケジュールの関係で、年度内にまとめてほしいということでありました。できる限り早く議論をまとめたいと2ページにも記載させていただいております。予防計画等の議論との整合ということもありますので、それも踏まえながら、できる限り早く、できれば年度内をめどに、まとめたいと思っております。なるべく各県での医療計画の策定を早期に準備していただけるように、できるだけ早く出したいと思っております。
 また、都道府県との関係では、都道府県説明会もしっかりやっていきたい。また、知事会とも早い段階で、早速来週以降、速やかに意見交換をと考えております。
 以上です。
○遠藤座長 野原構成員、よろしゅうございますね。ありがとうございました。
 お待たせいたしました。大屋構成員、お願いいたします。
○大屋構成員 御説明いただきました方向性に関しまして、今回の新型コロナウイルスでの対応を御参考にされ、様々なところから多分いろいろな状況、課題、そして、好事例を集められて、その上で作成されているなと、これは大変な作業だったかなと思っていて、私は感謝を申し上げたいと思いますし、この方向性について、基本的に賛成しているものであります。
 その上で、3点ほどお聞きしたいところがございます。イエスかノーかというよりは、今後、どう考えておられるのかということをお聞きしたいということです。
 一つは、今回の様々な内容に関しましては、各都道府県が地域の実情に合わせて様々な協定を含めて、協定以外にも例外事項等も検討されていくことになるのだろうと思いますが、その際に、医療者の育成とか、例えばECMOを動かせる人の育成ということはうたわれているのですが、行政を支える者で、結局、ある程度、災害有事に対応できる人が医療のトップなり、行政のその部署におられるということが重要で、その人材をどのように育成される予定なのかというところについて、ぜひ教えていただきたい。
 先ほど申し上げたように、都道府県ごとに事情が違うわけですから、その場その場に、また、ウイルス感染のフェーズによって対応が異なってくる、ウイルスの性質も変わっていくという、どんどん考えていかないといけないということで、それを判断できるような経験、知識、行動力を持った方をどうやって育成するかということを教えていただきたい。
 2つ目、先ほど柔軟にこれをされるということで、多分、厚労省の中でも御検討されたと思うのですけれども、指標・目標という数字があまりにも前面に出ることにより、その柔軟性が損なわれるのではないかというような懸念を少し考えているところでございます。先ほど御回答の中で、実効性を考えながら指標をというようなお言葉が、私はまさにそうかなと思っていて、ここをやたらめったら並べたから地域の様々な異なる状況に対応できるかというのは、少し難しくなってくるかなと思っていますので、その根本的考え方についてお教えいただきたいということになります。
 3番目は、医療者の確保のところです。特に初期に関連しては、都道府県が動く前に医療者自らボランティア等々として地域の危ないところに出かけていって、いろいろな行動をしたということで、後付けで行政がいろいろそれのサポートをつけてくるということが、実際に爆発的に感染が起こったときには生じるかなと思っているのです。そのような非常に超早期の医療者がボランティア的に動く、全然補償もないのに頑張って出ていくということに対して、どのようにサポートいただけるのかというところをある程度の方向性があれば教えてください。
 3点でございます。よろしくお願います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 では、事務局、お答えをお願いします。
○山田参事官 1点目は、政府内の専門人材のことでしょうか。
○大屋構成員 政府内というより、むしろ都道府県でのことです。地区の事情に合わせていろいろなことを考えて対策をつくっていく。政府にはたくさん考える方がおられるし、厚生労働省にもたくさんおられると思いますが、都道府県は必ずしも十分に人材がいるとは限らないのではないか。そこは人材を育成しておかないと、これだけ難しい対応を調整することが大変ではないかなと思ったので申し上げさせていただきました。
○山田参事官 自治体での専門人材の確保という観点かと思います。今、全体として感染専門人材の養成・確保、これは予防計画の中でも重要なテーマにもなっておりまして、そちらの検討結果も共有させていただきながら、改めて議論いただければと思っております。
 また、2点目は、実効性の確保と柔軟性とのバランスということかと思いますが、それは個別にこの指標なりを一つ一つ見ながら判断していかざるを得ないのかなと思います。今回の法律の趣旨が、あらかじめしっかり準備し、実効性を確保するために協定の履行確保措置も法律を設けてしっかりやっていく。ただし一部、先ほど紹介したような正当な理由があってできない場合は不利にならないというような、ある意味で柔軟な仕組みを設けているところであります。問題意識は共有しておりますので、施策を一つ一つ打ち出していく中で念頭に置くことかと思っております。
 3点目が、医療従事者の確保で、ボランティアも確保してやっていくというような。
○大屋構成員 超早期は都道府県の枠組みとか、この指標とか政策を発動する前に、みんな駆けつけるのだろうと思うのです。特に今回、DMATの人たちが相当頑張られたりとか、実際の行政が動く前に現場に駆けつけたりとか、例えば高齢者施設に行ってくださいと言う前に、自分勝手にみんな訪問診療に出かけていったりということで随分助けられた人がいたので、そういうところはどのようにキャッチアップするか、そういう実情があるということもある程度知っていただいて、しっかりそれをサポートするような体制をお願いしたい。半分お願いになりますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
○山田参事官 分かりました。その実態も把握しながら、今回まさに初動をあらかじめ協定なりで計画していきましょうという中で、ただし、一方で、おっしゃるような実態として動いているという、既に貢献いただいているというところがあれば、確かにその連携という観点も重要かと思いますので、その実態も確認しながら、どういった連携ができるか、考えていきたいと思っております。
○大屋構成員 よろしくお願いします。
○遠藤座長 それでは、田中座長代理、お待たせいたしました。
○田中構成員 全体としてはよく考えられた案だと評価いたします。2つお話しします。
 一つは31ページ、先ほど中島構成員からもありましたように、他局との連携は大切な点の一つです。31ページの表を見ると、医療機関の中に括弧して高齢者施設が入っています。自宅・宿泊療養施設及び高齢者施設です。高齢者施設を含めるのであれば、高齢者施設とは何かを明確にしたほうがいいです。高齢者施設という用語は医療機関と違って、人によってかなり自由な使い方がされています。県や市の発表を見ても通所事業所を含めて高齢者施設と言っているところもありますし、居住系施設ではない老健を高齢者施設に入れていたり、入れていなかったりしたりします。また、グループホームが含まれていたり、いなかったりします。高齢者施設と書くと、何のことかなと感じてしまう人もいますので、そこも含めて老健局との密な連携をお願いします。
 もう一つは質問です。14ページに、特に配慮が必要な患者の例示に認知症患者が掲げられているのは大変結構です。認知症患者は他の種類の例示に比べると数が大変多いです。例えば建物内でゾーニングをしてもゾーニングの意味が分からなくて、サービス提供側が困ったという話を聞きます。にもかかわらず、15ページの例示のところには、認知症の話が出てきていないのです。これは本当は元の何かにはあるのだけれども、たまたま15ページの例示で抜けているだけなのか、そこは確認をお願いいたします。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは、事務局、お答えをお願いします。
○山田参事官 御質問の15ページ、これは事務連絡になりますけれども、御覧のとおりの(3)の①の病床確保の内数としての計上には認知症患者ということを書いてございますが、(7)の②のところ以降で例示がないところ、こちらにつきましては、既に運用としまして各県で必要性ということで、認知症の方に特別な配慮を要するということで病床を確保しているという実例もありますので、その実績を踏まえて、今度の新たな指針等においては記載していきたいと考えております。
○田中構成員 お願いします。
○遠藤座長 田中構成員、よろしゅうございますか。
○田中構成員 ありがとうございます。
○遠藤座長 続きまして、荻野構成員、お願いします。
○荻野構成員 日本薬剤師会の荻野でございます。まず、8ページ「都道府県と医療機関との協定締結にあたっての基本的方針」の資料の中で、前回検討会での発言の趣旨をおくみ取りいただき、医療機関に薬局も含むことを明確にしていただきまして、感謝申し上げます。その上で2点、意見を述べさせていただきます。
 まず、22ページ、自宅・宿泊療養者・高齢者施設等での療養者等への医療の提供についてでございますが、対応の方向性(案)としてお示しのとおり、今般の新型コロナ対応と同様、病院、診療所、薬局、訪問看護ステーションが連携して対応していくことが重要だと考えております。薬局・薬剤師につきましても、引き続きしっかりと対応していきたいと思います。また、数値目標について、より充実した体制、現状実績を上回ることを目指す方針については賛同させていただきます。
 2つ目、23ページの第二種協定指定医療機関における薬局の指定基準についてでございますが、こちらは今般のコロナ対応の実態を踏まえたものであると承知をしております。ぜひこのとおりお進めいただきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 私からは以上です。ありがとうございました。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。御意見として承りました。
 それでは、江澤構成員、お待たせいたしました。お願いします。
○江澤構成員 まずは重点医療機関と協力医療機関の都道府県による指定につきまして、今回のコロナ禍におきましては、都道府県の判断にばらつきも結構見られたことと思います。したがいまして、都道府県のばらつきをなくすべく、国がガイドラインの策定など、関与することによって地域差の解消を図っていただきたいかなと思っております。
 コロナ禍においては、感染対策向上加算のように診療報酬の判定にも影響するものでありますので、よろしくお願いしたいと思います。なお、現在少なくとも2年前からは新型コロナに対する検査の充実が図られて、現実的にはコロナ疑いの患者さんというのは入院していないのが実態でございますので、その実態に応じて随時見直しができるようにしていただければありがたいかと思っています。
 次に、流行初期医療確保措置につきまして、11ページには都道府県知事からの要請を原則1週間以内に即応化とありまして、20ページには同様に、原則1週間以内に発熱外来を開始とあります。もちろん短期間であればあるほどよろしいかと思っておりますけれども、現実的には入院患者さんの移動であったり、新たな感染症への対応準備等の期間も必要でありますので、その辺りは医療機関と丁寧に都道府県のほうと協議をしていただいて、進めていただきたいと思っております。
 続きまして、高齢者施設に対する利用者について、24ページに記載があります。全ての施設で医師や看護師による往診・派遣が可能な医療機関の事前の確保を進めることに関しまして、ぜひ実効性が確保できる連携の構築を十分かつ丁寧に検討してだきたいと思います。コロナ禍においても同様なことが随分叫ばれてまいりましたけれども、必ずしも全ての施設でできているかというと、そうではないと認識しておりますので、この辺りは非常に重要な部分だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 また、今回のコロナを振り返って、コロナ病棟の入院患者さんは80歳代、90歳代、あるいは100歳の方の要介護者や認知症の方が大半であったと思います。したがいまして、介護職による支援、あるいはADL低下防止、血栓症予防のためのリハビリ専門職の配置がコロナ病棟には必要でありました。したがいまして、医師・看護師以外の多職種の人材確保が必要となることも念頭に置いていただきたいと思います。
 最後に、コロナは当初、呼吸器疾患と目されておりましたけれども、血液凝固の亢進が見られるということで、循環器疾患の様相も呈しているところでございます。今後の新興感染症におきまして、どういったものが流行するか、全く未知のもので分かりませんので、疾患の特性に応じて柔軟に対応できるような仕組みとしていただきたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。重要な御指摘・御要望をいただいたと思いますが、事務局、何かはコメントありますか。
○山田参事官 御意見を踏まえて検討させていただきまして、疑い患者のところも、今回のコロナでも初動と現在とで確かに対応も変えてきています。その都度、待機期間等も含めて、どう対応していくべきかというのは、国のほうからの情報発信を基に御対応いただいていることでもありますので、今後の新興感染症対応に当たっても、随時必要な、疑い患者への対応も含めた情報を発信していきながら、柔軟に対応していきたいと考えます。
 また、原則1週間の件、参考までに11ページで、対応の方向性の下の参考で、コロナの例ということで、20年の1月28日に指定感染症の政令の公布ということで、最終的に2月1日施行ということでありますので、2月1日に今回でいうところの有事に入り、それで知事が判断して流行初期が始まるということでありますので、この1週間後というのが参考になるわけでありますけれども、この2月1日の前の28日の政令公布ですとか、その前段階からWHOの動きや国内の動き等々、この辺りの情報を流行初期に対応いただける医療機関に発信しながら、可能な準備もしていただきながら、いざ有事になってからの1週間以内にできる限り対応していただくということで、対応していきたいと思っております。
 また、その下の備考で書いておりますけれども、御指摘のとおり、想定と異なる事態もあろうかと思いますので、想定外の感染症、その辺りの知見等も国のほうで集めて周知しながら、場合によっては機動的な見直し対応もしていくというような運用で対応していきたいと考えております。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは、加納構成員、よろしくお願いいたします。
○加納構成員 11ページですが、今回400床以上の重点医療機関が500程度ということで、その上段に、重点医療機関となったのが1,500程度あるというわけで、これはどういうわけか400床の規模で分けたという構造になっているかと思うのですが、残りの1,000ほどの重点医療機関のこのときの役割を教えていただければというのが1つ目の質問です。
 もう1点、12ページの疑い患者の取扱い、我々が実際に今回のコロナで一番大変だったのは、二次救急を維持するのが大変だったということです。コロナ患者に対して10倍以上従来からの救急患者があったわけですが、それをある程度疑いということを考えながら対応してきたわけなので、今回のこのやり方でそういった対応がどうなるかということも少し教えていただけたらと思います。
 それから、13ページなのですが、重症用病床の確保は非常に大事なことだと思っております。ただ、ECMOを使って助かった方というのは、この3年近く全国で800人を超えたかなぐらいの人数で、総数も実際には千三百名弱に使っただけと聞いております。これはこれでしっかりと助けたわけですから大事なことだと思うのですが、これ以外は重症患者の中の多くの方はいわゆる挿管して人工呼吸器で何とか助けるという方法を採ったわけです。これはこれで実際には高齢者の人に対する呼吸器管理が非常に大変だったというのが現場の実情ではなかったかなと思っているわけです。一方、本当にICUで対応しなければいけない若い患者さんの対応に関しては、ICUで対応しなくてはいけなかったということだったかと思うのです。
 「重症」と一括していますけれども、この中には本当に超重症と、いわゆる今回の規定での重症とに分けて判断しなければ、何か間違ったICUづくりばかりに進むような方向になってしまってはまずいのではないかなと思いますので、これはしっかりそういった配慮をお願いしたいかなと思います。
 最後に、もう一度質問なのですが、27ページにDMAT、DPAT等の医療機関という形で等が書いてあるわけなのですが、実は我々の病院団体でつくっていますAMATというのもダイヤモンドプリンセスのときには要請があって出動しております。この等の中にAMATが入るのかどうかということを少しお聞きしたいと思っております。よろしくお願いします。
○遠藤座長 ありがとうございます。御質問は最後の一つです。
○加納構成員 最初の2つもちょっと。
○遠藤座長 したがって、ほかについてもコメントをいただければと思いますので、よろしくお願いします。
○山田参事官 1点目、流行初期の12ページの関係で、病床確保の1,500と流行初期の500の残りの1,000ということですけれども、これはデルタ後の規模感をつかむために、その時点の重点医療機関1,500、また、400以上の重点医療機関500と置いてまして、この500を目安としていることで、今後の基準では、特段400床以上というものは入れていない、ということではあります。御質問の1,500から500を引いた場合の1000というのは、イメージとしましては、流行初期で500であれば、残りの1,000は流行初期の3か月を経過した後の、流行初期でないその後の感染対応していただく協定締結医療機関というイメージではあります。
 これはその時点での規模感を出すための算出でありまして、実際には確保病床の協定締結医療機関ということでありますと、9ページのほうで、もともと確保病床の目標で、コロナの実績を参考に、その数値ということで、先ほど5.1万床と説明しましたけれども、これに対応する重点医療機関が現時点では約2,000ということでありますので、2,000程度の重点医療機関には病床確保していただいて、その中から500程度は流行初期で対応していただくというような参考の数字として捉えていただければと思っております。
 2点目の救急外来との関係は、12ページの疑い患者を受け入れることによって救急外来に制限がかかるのではないかという御質問でしょうか。
○加納構成員 いわゆる救急外来で受け入れするに当たっては、発熱があれば疑い患者になってくるわけなので、それを今までいろいろな形で今回の対応でやらせていただいて、かなり成功事例となったのではないかなと思っていますので、これがそういう意味であるのかどうかということをお聞きしたかったのです。病床の確保を図るというのが、先ほどの協定を結ばなくては駄目なのかとか、そういうことが絡んでくるのでしょうかということです。
○山田参事官 こちらは病床のところで、主に感染初期といいますか、まずは受け入れて一定程度の分離が必要な状況ということで、疑い患者として少なくとも初期の段階では病床を確保していくということかと思っております。
○加納構成員 疑い患者であれば、最初の500の病院で対応してもらうという形にもなってしまうというような解釈ではないのですよね。
○中村室長 救急室長の中村でございます。今、加納先生がおっしゃっておられるのは、救急外来での実態的な扱いとしましては、現時点では発熱があるだけでコロナを疑うというような状況で診療していて、そのことと、ここで書いてある疑い患者というものはどのような関係があるのかというような御質問かというように承知しました。
 今、12ページに記載させていただいている疑い患者といいますのは、どのような感染症が発生するかによりまして、この疑い患者の範疇がどうなるかということは変わってくるのかなと考えております。実際、コロナにおきましても、最初、コロナ疑いというように疑い患者というものの基準を示しておりまして、それが流行地域に床がある方であって、発熱があって、さらにどのような症状があるかなどということが、そういう範囲に入る方を疑い患者というような形で対応していたというようなことで考えております。
 今、ここに記載されているものも最初の流行があったときに疑われる、感染症が特異的に疑われるような方についての扱いというものを、疑われている方を陽性になった方と一緒にするのもよくないですし、さらにほかの患者さんと一緒にするのもよくないだろうということで、このような独立した動線を要するという記載にさせていただいておりまして、現状、救急外来で発熱があると疑いとして扱っているというようなことと、少し状況の想定されているものは異なるというようなところでございます。
○加納構成員 そこは現場においては非常に大変な問題なので、また御考慮いただきたいと思います。
 最初の400床というのは、これは仮に書いてあるという認識でいいわけでありますね。というのは、大阪で考えますと65%近くが民間病院で、そのうちで400床以上の病院は多分1割ないのです。そういう状況を見ますと、とてもではないけれども、これで400床で切ってしまうと、大阪で実際に受け入れる確保ができないのではないかなということを危惧しましてお聞きしました。
○山田参事官 そのとおりでございます。
 3点目の27ページの③のDMAT・DPAT等のところでありますけれども、こちらは括弧書きの医療法協定の対象ということでありまして、医療法に今回位置づけましたのは、国が直接養成、登録する、医療隊ということでありますので、ここにDMAT・DPATと入れているわけでありますけれども、在籍する医療機関につきましては、国が県との協定がなくても直接派遣を要請できる医療機関ということになっておりますので、そういう意味では御活躍いただいていますAMAT、こちらは団体のほうで養成、登録されているということでありますので、ここには入らないということでございます。
○加納構成員 分かりました。ありがとうございました。
○遠藤座長 それでは、お待たせしました。櫻木構成員、どうぞ。
○櫻木構成員 櫻木です。よろしくお願いします。
 私のほうからは今村構成員をはじめ、何人かの構成員も御指摘になった14ページ目の⑤特に配慮が必要な患者の病床確保、この中には精神疾患を有する患者さんも含まれるわけです。対応の方向性の1つ目の○のところ、新型コロナ対応の実績を参考に、各都道府県の実情に応じて確保を求めていく。これは別のところだと大概が実績を参考に、その数値を上回ることを目指すというので、若干のニュアンスの違いを感じるわけですけれども、これはもう端から、なかなかこの確保が難しいのだというお考えをお持ちなのかどうかというところが心配になります。
 精神に関しては、そこの事務連絡の(1)のところ、精神疾患及び新型コロナウイルス感染症それぞれの重症度も考慮した上で対応を検討する。確かに精神疾患の重症度、それから新型コロナウイルスが例示されていますけれども、新興感染症においてもそれぞれの重症度、これの両方を考慮した上で調整を行っていくということです。
 我々日本精神科病院協会のほうで会員の病院に調査をしました。これは新型コロナに関する調査ですけれども、新型コロナが発生した場合に、どの水準まで感染症に対応できるかという調査です。令和4年の10月1日時点での回答になりますけれども、軽症の感染症に対して対応できるとしたのが61.5%あるのに対して、中等症の1だと34.6%、中等症の2だと17.7%、重症になったら1.0%しか対応可能とお答えになっていないということで、かなり早い段階で定員を含めて病床の確保が必要になってくると考えるわけです。
 そういった確保する上で、患者さんを一般病床で治療するのか、あるいは精神病床において感染症の治療をするのかということで考えると、精神病床においての治療ということになってくると、ここで感染予防のための行動制限、それから、精神保健福祉法上の行動制限の整理がつかないと、現場では混乱が起こってくるということが実際に起こっていますので、精神の担当課を含めて、この辺の整理を早急にやっていただく必要があるのかなと思います。
 ここまでは入院している患者さんに関することですけれども、入院外の患者さんに関して言えば、精神科救急に発熱患者さん、発熱も合併したというのが正確かもしれません。精神症状が悪化して精神科救急を利用する場合に、その患者さんが発熱をしているケースがしばしば見られます。この場合に、18ページにあるような発熱外来の施設要件といいますか、それを求めていくのか。つまり、あらかじめ都道府県と医療機関が協定を結んだ上で救急をやっていくのかどうかということです。
 その場合、精神科救急の場合には常時対応型の病院と輪番病院群の病院とがあります。どこまで、例えば常時対応型の病院にはそういった締結を結ぶということを求めていくのだけれども、輪番の病院にはそこまでは求めませんということなのか、あるいは救急で受けるということであれば、事前にその協定を結んでいただいて、輪番病院群にもそういったある程度の要件を求めていくというお考えなのか、その辺のところについてもお聞かせをいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 精神科医療の現状を踏まえた上での御質問でありました。
 事務局、対応をお願いします。
○山田参事官 まず、14ページの目標のところ、県の実情に応じて確保を求めていくというところで、病床や外来のところは今回のコロナの経験でも、まさに逼迫ないしは逼迫の恐れという実態が全国規模で発生したということでありました。ですので、現状を上回るということで、あえて書いております。
 特に配慮が必要な患者の方は、各県によって、それぞれ一つ一つ丁寧に確認していく必要があろうかと思いますが、必ずしも全てが逼迫ないしは逼迫の恐れが発生したかどうかというのをよく見ていかないと、必ずしもそれを上回るというところまでは記述していないというものです。いずれにしましても、県において必要な配慮の方については、もっと必要だということであれば、それを上回る目標を立てていただくということかと思いますので、その考え方は少し補足します。
 もう1点は、精神患者の方の発熱外来の確保の関係で、これは前回の検討会でのとりまとめとの中でも、精神疾患の医療体制の構築に係る指針の策定の中で、新興感染症についても勘案することが望まれる、というまとめもいただいておりますので、その指針の中で、医療機関の外来受診機会の確保など、どういった記載ができるか、関係部局と連携して検討していきたいと思います。
○遠藤座長 櫻木構成員、いかがでしょうか。
○櫻木構成員 なかなか難しい問題を含んでいると思いますけれども、どうぞ前向きによろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございます。事務局もよろしくお願いいたします。
 それでは、佐藤構成員、お願いいたします。
○佐藤構成員 今日は多くの構成員の方々から高齢者施設であったり様々な医療支援とか、関係者の連携が日常的に重要だという御発言がございました。私どもは直接的に感染症の治療を行うわけではなく、むしろ様々な場におられる方たちに対して、入れ歯の治療であったり虫歯の治療であったりをしながら、食の確保を支援していくという立場から、2つ意見を申し上げたいと思います。
 まず1点目ですが、今回、コロナ禍を実際に経験いたしまして、高齢者施設等、もしくは在宅歯科医療において、多くのお断りになる方が増えるかという懸念もあったのですが、比較的そういう大きな懸念はなく推移したということを経験いたしました。その中で、大きな役割を果たしたのは、一つは厚生労働省のほうから計画的に行われている在宅歯科医療等については問題ない旨の御発信がございました。特に様々な施設の中では、そういうことに不安を持っているところがございましたので、厚生労働省からの発信は非常に重要だったと思っておりますし、また、今回の改正におかれても、そういう必要な発信をしていただきたいと思っております。
 もう1点ですが、一方で、実態として本当に医療支援として役に立ったかなと考えて反省すべきところの一つは、宿泊療養者に対して、例えば様々な歯科保健相談があったり歯科治療のお願いがあったりするのですが、これをもうちょっとたとえて言うならば、ICTを活用したいろいろな情報収集であったりとか、そういったものがもっと必要だったなということを実感しております。
 一方で、歯科医療においては、これらの遠隔治療というのは認められていませんので、ぜひとも今後に向けて、調査であったり介護連携の中で、どのような遠隔的な方法が有効であるかという調査研究も併せてお願いしたいというのが2点目でございます。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 御意見でもありましたが、何か事務局、コメントはありますか。
○山田参事官 関係課とも連携をしていきます。
○遠藤座長 それでは、御対応をよろしくお願いします。
 織田構成員、いかがでございましょう。
○織田構成員 私から確認と質問ということで聞かせていただきます。
 先ほどの加納先生の御意見と似ているところがありますけれども、これを見ますと、新興感染が国内発生した初期、公表前は指定医療機関が対応する。公表後は、この400床以上の流行初期医療確保付き重点医療機関が対応するということですね。その後、先ほど出ました3か月というのがあるのですけれども、この3か月というのは、基本的に感染力とか病原性とか、そういうのが分かる3か月なのか、それとも感染拡大期に入ったときに、残りの1,000床が動き出すということなのか、そこら辺はどういうことですか。この3か月という意味がなかなか理解しにくい部分だと思います。感染の初期は400床以上の重点医療機関、そして、感染拡大が起こったら、それ以外の1,000病院も動き出すというように受け取れるところもあるのですけれども、そこら辺はいかがなのでしょう。
○遠藤座長 では、事務局、お答えください。
○山田参事官 流行初期の3か月につきましては、参考資料の21ページにもありますが、感染の状況というよりは、まさに初動で入る流行初期対応医療機関が、初動で入ることによって通常医療、一般医療の制限を伴いまして、その分の収入が見込まれないということで、3か月程度経過すれば、コロナのときの実績もそうでありましたけれども、感染への対応に対する補助金、あるいは診療報酬制度ができてくれば、他の医療機関についても感染対応に臨めるのではないか。一方で、3か月までに、流行初期で入ったところは、一般医療、通常医療の制限の分の収入が減ることになりますので、この分につきましては新興感染症対応前の収入を補償するという仕組みとしての、そういう意味での3か月というのを基本として設定するという位置づけでございます。
○織田構成員 よろしいですか。この感染症が非常に感染力が強くて、一気に拡大期に入った場合、これはどのようになるのですか。この500で対応するということですか。
○山田参事官 そういう意味では、一気に入った場合、初めの3か月程度は500程度プラス、その前から対応している感染症指定医療機関の対応であります。ただ、それは県の判断で減収を補償する流行初期の措置をする機関が500ということでありますので、その他の医療機関の協力をいただくことも、もちろん可能にはなっております。ただ、考え方としましては、初動から通常医療の収入減のリスクを背負ってでも対応していただけるものとしての500程度の医療機関ということでございます。
 あと1点、400床以上というのは要件ではないということでありまして、コロナの対応のときの規模感として参考で出しているということでありますので、今後の要件として400床以上というのは特段設けようとは考えておりませんで、先ほどのコロナのときの20年冬の約1.5万人に対応できるような規模感での考えをお示ししているということでございます。
○織田構成員 分かりました。では、ほかの病院は即応できるように対応の準備を取っておくということですか。
○山田参事官 そのとおりでございます。
○織田構成員 あと、感染症指定病院と、この400床以上の500病院というのは、ほとんどダブっていますか。
○山田参事官 後日また説明します。
○織田構成員 分かりました。
 あと、13ページにあります重症病床の確保ですけれども、重症病床の確保によって、どうしても待てない急性期が対応できない可能性が出てくるのです。それは県を越えて対応していかなくてはいけない部分があるのですけれども、ここら辺の情報の共有とか集約に関しては何か今後、対応としてはありますか。
○遠藤座長 事務局、お願いいたします。
○山田参事官 その点、どういう形で協定の実施状況を公表していくかということかと思いまして、どういう形での医療機関からの報告、さらにどこまで内数として報告してもらって公表していけるかという、そこの仕組みについては検討していきたいと思います。
○織田構成員 各都道府県が対応を考えるということですね。
○山田参事官 基本的に県が公表ということでありますけれども、ホームページ等であれば、当然他県のものも見られるということでありますので、公表の仕方については、引き続き検討していきたいと思います。
○織田構成員 分かりました。ありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、猪口構成員、お待たせいたしました。お願いいたします。
○猪口構成員 猪口です。どうぞよろしくお願いします。
 まず1点なのですけれども、25ページに後方支援関係という項目があります。○の2つ目で連携の話が出ています。しかしコロナ陽性者の入退院支援をどこで行うかというのはとても難しかったと思っております。今回、全体にコロナのことについて非常に多くの知見を書かれていてすばらしいなと思うのですが、やはり入退院をどこでコントロールするかは非常に重要なことです。保健所との関係もあります。予防計画のまとめを待たなければというようなお話もありましたけれども、こちらをまとめていく上で、それを欠いているというのは、ちょっと問題があろうかと思いますので、そこをどのような形で加筆できるのか、そこを教えていただきたい。
 もう1点、6ページ、これはもう大前提の話なのですが、今回は今まで得たコロナの知見を中心にまとめているということは重々承知しておりますけれども、しかし、新興感染症はどのようなものが来るか全く分からないわけです。そうすると、今度入ってきたときにどういうものか、外国の知見ももちろん重要ですけれども、日本発かもしれませんし、そこら辺は分からないので、国としての中心的な考えを発する。国立健康危機管理研究機構とか、内閣の感染症危機管理統括庁ですか、そういうような案があるということは存じ上げておりますが、そういうところを中心に行動すべきです。都道府県の考え方で動くということが趣旨に盛り込まれているのですけれども、ここは国が最終的に統括して指示を出していって、日本全てがその形で動いているという形を基本にすべきではないか、特に新興感染症は何が来るか分かりませんから、こういうことをきちんと盛り込んだほうがいいのではないかなという気がするのですけれども、その辺をうかがわせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 では、事務局、御対応をお願いします。
○山田参事官 入院調整の件は先ほども申し上げましたが、さらに予防計画の議論を踏まえて、こちらにどう記載していくかというのは改めて御議論いただきたいと思っております。入院調整権限、これは今回法改正によりまして、県の権限、また、国による総合調整権限というものも設けられました。あるいは連携協議会の仕組みなどもできております。そういった仕組みの具体化の議論もこちらにも報告させていただいて、改めてどのように指針等に盛り込んでいけるかというのを御議論いただきたいと思っております。
○遠藤座長 あと、国によってということです。お願いいたします。
○江浪結核感染症課長 結核感染症課長でございます。新たな感染症が発生した場合に、その病原性でありますとか感染力、そういったものの情報提供をしっかりやっていくという必要性、まさに御指摘のとおりでございます。
 国におきましては、今御指摘があったように、今回の新型コロナ対策を踏まえまして、組織的な体制の見直しも含めて検討しているところでございます。これに関しましては法案を提出するなど、対応していく必要がある部分もございまして、その状況も見ながらどういったことを書けるのか検討したいと思います。
 私からは以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 猪口構成員、いかがでしょう。
○猪口構成員 分かりました。今後の法案等を見ながら、対応の方向性に書き込まれていくと理解いたしました。ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは、今村構成員、お願いいたします。
○今村構成員 1点、意見を述べたいと思います。10ページにありますような一種協定指定医療機関の名称なのですけれども、この一種二種というのは避けてほしかったのが正直なところです。もともと感染症は一類二類ですけれども、指定医療機関が一種二種です。さらに学校保健法での感染症は一種二種なのです。今回、新たに新しい一種二種ができるので、それも概念が違う、当然対象の感染症の種類も違うということで、入院と外来の話なので入院協定医療指定機関とか外来協定医療機関とかというような名称にしてほしかったなというのは、今村としての意見であります。もしコメントがあれば、お願いします。
 以上です。
○遠藤座長 何かコメントはありますか。
○山田参事官 これは法律上の仕組みとして今回設けられたということでありまして、参考資料1の30ページにも今回追加された一種協定指定医療機関、二種協定指定医療機関が何でどこに位置づけられるかというような表もつけさせていただいております。今後、これに基づいてしっかり丁寧に関係者に説明をしていきたいと考えております。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 大体予定していた時間を少し超えまして、皆様、大体一巡されたかなと思いますので、本日の議論はこのぐらいにさせていただきたいと思います。
 様々な御意見が出ましたので、事務局におかれましては、それを整理して今後の議論に資するようなものをつくっていただければと思っております。
 それから、ほかの様々な会議体で議論されていくであろうものとの連携・情報共有ということが必要だということも御指摘されましたので、それにつきましても事務局を通じて内容を伝えていただきたいと思いますので、事務局は適宜よろしくお願いいたします。
 それでは、本日はこれぐらいにさせていただきたいと思います。
 事務局、何かございますか。
○松本補佐 地域医療計画課でございます。
 まず1点、お手元の参考資料2~4のとおり、医療計画に係る基本方針等について、昨年の意見の取りまとめを踏まえ、昨日から3月2日までの間、パブリックコメントを実施していることを御報告させていただきます。
 以降は事務連絡でございます。本日は、会場での一般傍聴の制限をさせていただいており、議事録につきまして、可能な限り速やかに公表できるよう、事務局として校正作業を進めてまいりたいと存じます。構成員の皆様方におかれましても御多忙とは存じますが、御協力いただきますよう、何とぞお願い申し上げます。
 また、次回の検討会につきましては、詳細が決まり次第、御連絡いたします。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは、これをもちまして本検討会を終了したいと思います。どうもありがとうございました。

照会先

医政局地域医療計画課

代表: 03-5253-1111(内線2663)
直通: 03-3595-2186