第5回地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ:議事録

日時

令和4年6月16日(水) 15:00~17:00

場所

一般財団法人主婦会館 プラザエフ 9階 スズラン
(東京都千代田区六番町15)

議事

○守川地域医療構想推進専門官 ただいまから第5回「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」を開会させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催とし、会場における傍聴は報道関係者のみとさせていただいております。
まず初めに、発言の仕方などを御説明させていただきます。
本ワーキンググループの構成員におかれましては、発言の際には「手を挙げる」ボタンをクリックして座長の指名を受けてからマイクのミュートボタンを解除いたしまして発言をするようにお願いいたします。なお、「手を挙げる」ボタンがない場合には、画面に向かって挙手をお願いいたします。発言終了後は「手を挙げる」ボタンをオフにするとともに、再度マイクをミュートにするようにお願いいたします。
また、座長から議題などに賛成かどうか、異議がないかを確認することがあった際、賛成の場合には「反応」ボタンをクリックしていただいた上で「賛成」ボタンをクリックするか、またはカメラに向かってうなずいていただくことで異議なしの旨を確認させていただきます。
本日は、小熊構成員と織田構成員が御欠席との御連絡を頂いております。
また、オブザーバーとして、総務省自治財政局準公営企業室の犬丸室長、文部科学省高等教育局医学教育課の相原課長補佐に御出席いただいております。
次に、資料の確認をさせていただきます。
事前に、議事次第、構成員名簿、省庁関係出席者名簿のほか、資料1、資料2を配付させていただいておりますので、お手元に準備いただきますようお願いいたします。
なお、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまででお願いいたします。
それでは、以降の進行は尾形座長にお願いいたします。
○尾形座長 こんにちは。尾形でございます。
それでは、早速、議事に入りたいと思います。
議題の1ですが「医師少数区域・医師少数スポット、医師の確保の方針及び目標医師数について」ということでございます。
まず事務局から資料の説明をお願いいたします。
○松本課長補佐 事務局でございます。
お手元に資料1の御用意をお願いいたします。
2ページ目になります。
本ワーキンググループでは、次期医師確保計画策定ガイドラインの改定に向けて御議論いただいているところでございます。前回、5月11日のワーキンググループでは、一番上の○、「医師偏在指標」について御議論いただいたところでございます。本日は、赤枠にございます「医師少数区域・医師少数スポット」「医師の確保の方針」「目標医師数」について御議論いただきたいと考えております。
資料の構成についてですが、論点は資料の一番最後にまとめて記載をしております。
続いて、3ページ目、お願いいたします。
医師確保計画を通じた医師偏在対策でございますけれども、御覧いただいておりますように、人口10万人当たりの医師数が医師の偏在の状況を十分に反映した指標となっていないということを背景としまして、都道府県が主体的・実効的に医師確保計画を立てるために新たに医師偏在指標を算出することとしております。前回はこちらの医師偏在指標について御議論いただきまして、今回はその右にございます医師偏在指標に基づいた医師多数区域・医師少数区域の設定、また、その下、医師確保計画の左、医師の確保の方針及び真ん中の目標医師数について御議論いただきたいと存じます。
続いて、4ページ目でございます。
全体のスケジュールをお示ししてございます。こちらについては、まず9月頃までに1巡目の議論を一通り終えまして、秋以降、2巡目の議論、そして、年内に取りまとめを行うということを考えております。
5ページ目、まず医師少数区域・医師少数スポット、医師の確保の方針についてでございます。まず国が定めている定義としましては、医療法では、医師確保対策の対象として「医師の確保を特に図るべき区域」という概念を設けております。具体的には、医師少数区域と医師少数スポットが該当しております。
また、医師確保計画の策定ガイドラインでは、各都道府県において、医師偏在指標を用いて医師少数区域及び医師多数区域を設定し、これらの区域分類に応じて具体的な医師確保対策を実施することとしています。医師少数区域及び医師多数区域は二次医療圏単位における分類でございますけれども、都道府県間の医師偏在の是正に向けて、厚生労働省においては医師少数都道府県と医師多数都道府県を設定しております。
また、同じくガイドラインでは、都道府県においては、必要に応じて二次医療圏よりも小さい単位の地域での施策を検討することができるということとしておりまして、局所的に医師が少ない地域を医師少数スポットとして定め、医師少数区域と同様に取り扱うことができるものとするというように記載をしております。
医師少数スポットは、その下、図の赤の点線でお示ししております医師少数区域以外の区域で二次医療圏より小さい単位で設定できることとしておりまして、その右側に記載しておりますように令和2年の時点では設定している都道府県は26府県、少数スポットの総数は313地域となっております。
また、医師少数区域と医師少数スポットについては、キャリア形成プログラム、医師少数区域経験認定医師制度、また、地域医療介護総合確保基金の都道府県への配分の配慮などに影響するものでございます。
続いて、6ページをお願いいたします。
こちらは厚生労働科学研究による医師少数スポットの設定の実態をお示ししております。医師少数スポットは、先ほども説明しましたように医師少数区域以外の区域で二次医療圏よりも小さい地区での設定が可能となっております。
表でございますけれども、令和2年の医師少数スポットの313の設定の区分をお示ししております。市町村全域での設定が最も多く、103か所となっております。また、それ以外は旧市町村単位、地区単位、医療機関を中心とした地域、島全域など様々な設定がなされております。
一方で、二次医療圏よりも小さい単位を設定することになっているものでございますけれども、赤枠上のほうにございますように、二次医療圏全体の市区町村を設定しているという地区が2か所ございました。また、下の赤枠のところ、地区ではなくて医療機関そのものを医師少数スポットに設定している例もございました。
続いて、7ページ、目標医師数についての説明でございます。
まず国が定めている定義等でございますけれども、目標医師数は、医師少数都道府県、医師少数区域においては、医師確保計画終了時点の医師偏在指標の値が下位33.3%の基準に達するために必要な医師数を目標医師数として設定します。
また、医師少数区域以外においての目標医師数は、都道府県において独自に設定することとなっております。
中段より上に計算式をお示ししておりますように、計画終了時の目標医師数は計画開始時の下位3分の1の医師偏在指標に計画終了時の推計人口と計画終了時の地域の標準化受療率比を掛けて求めるものでございます。
続いて、8ページをお願いします。
こちらでは医師少数区域の目標医師数に関する状況でございます。医師少数区域は全335医療圏の偏在指標の下位3分の1、112区域となっております。真ん中左にございますように、計画開始時の医師数が計画終了時の目標医師数よりも少ないという区域が58区域ございます。これらの区域においては、先ほどもありましたように計画終了時に下位3分の1の医師偏在指標を達成するために目標医師数を設定することになります。
一方で、右側、54か所の医師少数区域においては、計画開始時の医師数が計画終了時の目標医師数よりも多いために、既に計画開始時に目標医師数を達成しているという状況になっております。
前のページを御覧になっていただきたいのですけれども、目標医師数は計画開始時の医師偏在指標に将来の値でございます推計人口とその受療率比を掛けるために、人口の減少などが予測される場合においては目標医師数が低い値になりまして、計画開始時の医師数のほうが目標医師数よりも高くなるということがございます。
続いて、9ページ、お願いいたします。
こちらは医師少数区域以外の目標医師数に関する状況でございます。医師多数区域と少数でも多数でもない中程度区域とここでは呼びますけれども、こちらの目標医師数は都道府県において独自に設定することとなっております。実際に各都道府県の医師確保計画を確認したところ、医師多数区域・中程度区域の目標医師数は未設定の区域が74区域ございまして、任意の基準で設定している地域があとは多いところで、そのような設定している47区域のうち42区域においては計画開始時点の医師数よりも多い目標設定を行っているということが分かりました。
また、下の囲みにございます目標医師数の設定の方法は様々ございまして、下の枠のところに書いてございますけれども、都道府県が目標医師数の設定に用いている基準としましては、医師多数区域の基準に達する医師数であったり、自県の過去の医師数の伸び率を踏まえて計算するなど、様々な基準があることが分かりました。
また、10ページは参考でございまして、医師確保計画が開始される前の2016年から2018年の流出入に関する状況で、こちらは三師調査のほうからまとめたものでございます。分類としては上から医師少数県、中程度県、多数県と分けてデータをお示ししております。下の中程度県と多数県におきましては、ともに他県への流出よりも他県からの医師の流入が多い状況でございました。
一方で、赤枠で囲っております医師少数県については流出のほうが多い状況となっております。医師の偏在是正の観点から、医師少数県の医師数の増加を重点的に行う必要があるというため、医師少数県以外の都道府県における目標医師数の設定には留意が必要というように考えられます。
続いて、最後に11ページの論点でございます。
今回、今日御議論いただきたい論点を以下に示しておりまして、まず医師少数スポットの論点、2つございます。
1つ目のポツ、少し要素が多くて恐縮ですけれども、医師少数スポットについて、局所的に医師が少ない地域として定めるといった趣旨を踏まえ、また、現在、ガイドラインでは具体的な設定区域の記載がないことから、例えば原則として市区町村単位で設定することとしてはどうか。また、僻地や離島等においては、必要に応じて市区町村よりも小さい地区単位の設定も可能とすることにしてはどうか。あわせて、医師少数スポットを市区町村単位で設定しない場合、医師確保計画に設定の理由を明記することにしてはどうかというものでございます。
2つ目の論点としましては、医師確保計画を策定する際は、これまで設定していた医師少数スポットについて、地域医療構想による病床機能の再編など、二次医療圏単位の施策との整合性に留意するとともに、現在の医師確保の状況を踏まえまして設定箇所の見直しを行うことにしてはどうか。
以上の2点でございます。
続いて、目標医師数の設定も2つございます。
1つ目が、医師少数区域においてでございます。医師確保計画の開始時に既に目標医師数を達成している場合は、こちらは次回以降のワーキンググループで議論予定でございます将来時点で必要となる医師数を踏まえながら、地域の実情に応じて、目標医師数としては計画開始時点の医師数を上回らない範囲で設定することを可能としてはどうかというものでございます。
2つ目は、医師少数区域以外の二次医療圏において、これまで都道府県が独自に設定することとしていたため、医師数を増加させる目標設定も認められているところでございますが、本来、医師の確保を図るべき医師少数区域の医師確保対策が十分に実施できない可能性があるため、医師の地域偏在の解消を図る観点からも、目標医師数は計画開始時点の医師数を上回らない範囲で設定してはどうか。
以上でございます。
以降の資料は参考資料とさせていただいておりますので、説明は割愛させていただきます。
以上になります。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明の中で11ページにおきまして2つの論点が示されております。一つは「医師少数スポットの論点」、それから、もう一つが「目標医師数の論点」ということですが、それぞれ分けて議論をしていただければと思います。
まずは1つ目であります「医師少数スポットの論点」について、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 では、1点、質問がございます。資料、6ページで二次医療圏の圏域全体の市町村を設定している事例と医療機関そのものを設定している事例が紹介をされました。これらの事例について都道府県の医師確保計画での記載内容でありますとか、また、設定した経緯について厚生労働省ではどのように把握、評価をされておられますでしょうか。この点について質問でございます。
○尾形座長 これは御質問ですので、事務局、お願いいたします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問いただきましてありがとうございます。事務局でございます。
毎年4月に少数スポットといたしまして都道府県のほうから、どの市町村、どの区域を少数スポットとして設定したかといったところを御提出いただいているところでございます。その内容と医師確保計画のほうを47都道府県全て確認いたしまして、どのように設定をしているかというところを把握しているところでございます。
以上でございます。
○尾形座長 野原構成員。
○野原構成員 特にこの2つ、赤く記した部分がやはり特殊な事例かなというように考えるのですが、そのように設定した合理的な理由というのが何か把握されておられますでしょうか。
○守川地域医療構想推進専門官 この赤枠の中に関しましては、内々でございますけれども、ヒアリングのほうを行わせていただいておりまして、記載の仕方に関しましては、医療機関そのものというのは、都道府県におかれましては医療機関そのものを設定しているつもりではなく、区域を設定しているつもりであったというようにお聞きしておりますので、そういった記載でないように次からは書き直すということで御意見を頂いております。
また、二次医療圏全体を書いておられます市町村ということで、上の赤枠のところでございますが、こちらに関しましても二次医療圏全体を設定したつもりはなく、市町村の一部の地域を含めて設定しているつもりであったということでございますので、次回以降は記載のほうを直すということで御意見を頂いております。
○尾形座長 野原構成員、よろしいでしょうか。
○野原構成員 承知しました。ありがとうございます。
○尾形座長 ほか、いかがでしょうか。
櫻木構成員、どうぞ。
○櫻木構成員 ありがとうございます。日本精神科病院協会の櫻木です。
ちょっと私の理解がそこまで進んでいないのかもしれませんけれども、医師少数区域は医師の偏在指数で下33.3%、これは基準がはっきりしていると思うのですが、医師少数スポットは、その少数区域以外で設定ができる医師が少ないところというのですが、この医師が少ないというのに何か基準があるのでしょうか。それとも、先ほどの別のところみたいに都道府県が何か任意の基準というのを設けてやっているのでしょうか。
○尾形座長 これも質問ですので、事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問いただきましてありがとうございます。事務局でございます。
こちらに関しましては明確な基準というものはございません。医師少数区域以外におきまして医師が少ないところというのを都道府県の中で考えていただいているというところでございます。
一方で、参考資料の16ページ、17ページのほうを御覧になっていただきたいと思います。こちらには、16ページのほうには「へき地等の地理的条件について」といったところで記載がございまして、例えば無医地区は、左上のほうでございますけれども、記載がございますとおり、半径4キロメートル以内に人口50人以上が居住している地域であって、かつ容易に医療機関を利用することができない地区とされています。右側の準無医地区に関しましては、無医地区ではございませんけれども、これに準じて医療の確保が必要と各都道府県が判断し、厚生労働大臣に協議して適当と認められた地区といったところがそれぞれ590か所、494か所ございます。
17ページのほうを御覧になっていただきますと、人口10万人当たりの医師数を1位から335位まで並べているものでございますけれども、人口10万人当たりの医師が多い地区においても、少ない地区においても、少ないところも多いところもございますが、無医地区、準無医地区があるというような資料になっております。
ということで、実はこういったものも含めて僻地というのが存在するということでございますので、こういったものも勘案しながら各都道府県において必要なところを少数スポットというように設定していただいているというように考えております。
以上でございます。
○尾形座長 櫻木構成員、よろしいでしょうか。
○櫻木構成員 そこのところが少し明確でないということもあるのかもしれませんけれども、医師の確保を特に図るべき区域というので医師少数区域と医師少数スポットというのがあるわけですよね。だから、どうしても都道府県のほうとしては、医師を確保しようというあまり、少々やはりバイアスがかかるというか、どうしてもお医者さんが足りないのだというようなところにかなり頭がいっているのかなというように思うのですけれども、そこはこれから例えば医師少数スポットなりを指定するときに明確な基準を設けるというような予定はあるのでしょうか。
○尾形座長 これは事務局、いかがでしょうか。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問いただきましてありがとうございます。
明確な基準というものを設けるということはまだ検討中のところでございます。
一方で、今まで実際に設置していただきました医師少数スポットに関しましても、論点でございましたとおり、人口の変化や医師の確保ができた等のこともございますので、そういったところも含めて検討していただきたいというように考えておりますので、どのような基準にすればよいのかも含めて検討していきたいというように考えております。
○尾形座長 櫻木構成員。
○櫻木構成員 これからの議論の中で私たちもそのことというのは考える必要があるかなと思います。よろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 大屋でございます。よろしくお願いします。
今、少し私、御質問することについて類似の御質問が出ていたと思うのですけれども、これは結局のところ、各都道府県が医師少数スポットというのは決めていくということになると思うのですが、その際に、この地域がこれだけ我々が少数スポットにしましたよという理由づけについてはそれぞれの都道府県が出してきていると思いますので、それについて吟味された上で、ちょっと不適切かなというような理由は今後変えていただいて、ある程度の理由が通るようにしていただきたいなということもあると思うのです。
そこら辺は少し疑問があるなというところは指導されているということなのですが、それ以外の地域についても313か所ございますので、これは多分各都道府県ごとの特殊事情というのを酌んで、それなりに皆さんが納得されるような理由でなっているものと、単にこの二次医療圏の中でここは少ない、相対的に少ないから増やしたいと言っているような各都道府県の内部だけの事情で決まっているところも結構多いかなというように思いまして、そういうような相対的少数として出されているのか、もう絶対的に少数というように出されているのかというところの見極めというか判断というのをある程度厚生労働省のほうで把握された上での御指導なのかというところが御質問の1点目でございます。
2点目ですけれども、これはこれから後の目標医師数とも関係してはくるのですが、少数スポットを設定する際の医師が少ないと考えられている場合、病院の医師が少ないか、診療所の医師が少ないかによって取るべき対策が全く異なってくると思われるわけですね。しかしながら、これはもう全体数で出しているということになりますので、全体数を出しつつも病院に勤めている医師が少ないとか、診療所が少ないかというような、そういう場合分けについて併せてしっかり取っていただいておいたほうがいいのではないかなと思いますが、そのような御準備なりがあるのかと。
一説には、病院で働いていてもすぐに開業するからねという、開業すれば診療所になるから、その区別はつかないようにこれまで御説明になっていたと思うのですけれども、医師不足地域で簡単に開業する先生がそういるとも思えないので、これはやはり開業するなら都会で開業すると思ったりとか、いろいろな場合がありますので、それはそれでデータとして取られていたほうがいいと思うのですが、いかがでしょう。
2点でございます。
○尾形座長 2点、御質問です。事務局、お願いいたします。
○守川地域医療構想推進専門官 事務局でございます。
1点目は、少数スポットに設定された場所における絶対的、相対的な数についての御質問だったというように認識しております。我々が把握しておりますのは二次医療圏の偏在指数等でございまして、その二次医療圏の中の少数スポットの区域に関しまして、数がどうである、相対的、絶対的な数を全て把握しているわけではございません。一方で、47都道府県の医師の確保計画に関しましては確認させていただいておりまして、その中には数的なものを記載しているものもあれば、相対的なものとして記載しているもの、歴史的なものを記載しているもの、たくさんございますので、様々な論点があるというように感じております。画一的な指標等をつくるのは現時点では困難ではないかなというように考えております。
2点目でございます。病院、診療所における医師確保の内容が全く異なるではないかということでございますけれども、これは御指摘のとおりでございます。例えば病院におきましては医師を恒久的に確保すべきポイントもあると思いますし、診療所におきましては医師が少ない中でどのように確保するか、無医地区であったり準無医地区のほうに診察として回っていただくような業務だったり様々な観点が必要であるというように考えております。これは画一的に同じような立場で考えることはできませんけれども、そういったところも含めて少数スポットを活用して、例えば地域枠等の医師に巡回診療を行っていただくような施策も取っていただいたりしていると思いますので、そういったものを活用しながら病院、診療所でそれぞれ違う観点から医師の確保を行っていただきたいというように考えております。
○尾形座長 大屋構成員、いかがでしょうか。
○大屋構成員 ありがとうございました。
○尾形座長 よろしいですか。
それでは、幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 今のやり取りから1つ意見を申し上げたいのですが、今、313の少数スポットが設定されているということなのですけれども、都道府県によって基準を任意に決めているという、全国統一の基準はないということ。それから、地域単位もあれば医療機関を中心にした地域、市町村単位等、自由に線引きができるような形になっているのですが、ガイドラインによれば、やはりたくさん少数スポットをつくるというのも法の趣旨から反するということで、何らかであっても定量的な基準はつくっておく必要があるのではないか。都道府県任せにするのではなくて、全国レベルで何らかの基準は必要なのではないかなというように思います。
この論点に原則として市町村単位で設定することとしてはどうかというような投げかけがあるのですが、ある市町村が少数スポットだとしても、その市町村を取り巻く地域で必要な医師を確保できる場合は医師少数スポットとして設定するのは適切でないというように思われますので、仮に市町村単位をスポットとして単位として設定するのであれば、当該市町村を取り巻く地域の定量的な基準についてもガイドラインに織り込むべきではないかというように思いますが、その辺についていかがでしょうか。
○尾形座長 では、これは事務局にコメントを求められておりますので、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 事務局でございます。
コメントいただきましてありがとうございます。今、実際にお示ししておりますガイドラインにおきましては、先ほど申し上げましたとおり、明らかな設定の基準等を設けていないところでございました。一方で、今、お話しいただきました市町村単位ということで今回、御提案させていただいている内容でございますけれども、その中においても数値的なものも含めて検討すべきではないかというような御意見というように認識しております。どこまで技術的にそういったものが可能かも含めて、議論をしながら検討をしてまいりたいというように考えております。御意見ありがとうございます。
○尾形座長 幸野構成員、いかがでしょうか。
○幸野構成員 地域にはいろいろ事情があるので、ある程度補正はする必要はあると思いますが、一定の中心となる基準というのはやはりガイドラインに盛り込むべきだと思います。ありがとうございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございました。
それでは、ほかに特に御意見がなければ先に進みたいと思います。2つ目の論点ですが、「目標医師数の論点」につきまして御意見、御質問等を承りたいと思います。
野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 それでは、2点、意見を申し上げたいと思います。
まず課題マル2で示された論点の部分です。医師少数区域で医師確保計画開始時に既に目標医師数を達成している場合の対応についてです。具体的には資料、8ページの右側に示されているように、全国で54の圏域がございます。岩手の例で申し上げますと、現行計画では3圏域が該当しておりますが、当該圏域は東日本大震災で被災した沿岸地域であり、被災地の復興計画や圏域の面積、患者アクセスも考慮し、引き続き医師数の増加を図る必要がある地域であるとして全国平均値を目標として設定した経緯がございます。
論点では、目標医師数が計画開始時点の医師数を上回らない範囲で設定することを可能としておりますが、目標値については、この考えを原則としつつも、地域の実情に応じて合理的な理由があり、県医療審議会等で審議を経て計画に記載する場合にあっては、例えば国との協議を経るということもあってもよろしいかと思います。都道府県である程度裁量を持って設定できるようにしていただければというように考えております。
また、資料、10ページに医師少数県から医師が流出しているというデータが示されました。資料の2つ目の下段にありますとおり、医師の地域偏在是正の観点から、医師少数県の医師数の増加を重点的に行う必要があるというように考えております。医師少数県においても県外からの医師招聘や県外大学における地域枠の設置などの取組を行っております。また、現行、国のガイドラインでは、医師多数都道府県は当該都道府県以外からの医師の確保は行わないこととされておりますが、そもそもの憲法上の制約がある中にあって、都道府県の医師間の医師偏在への対応については、都道府県単位での医師確保計画における取組では限界がございます。令和6年度以降の医学部臨時定員増と地域枠の取扱い、まだこれからの審議でございます。平成30年度の医療法改正で導入されました医師少数区域等で勤務した医師を厚生労働大臣が評価、認定する制度を活用した偏在対策など、実効性のある全国的な広域的な医師の配置調整の取組について国の役割を大いに期待するところでございます。
私から以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 すみません、後で結構です。失礼しました。
○尾形座長 それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 大屋です。よろしくお願いします。
私のほうから先ほども少し述べたのですけれども、やはり外来で働く医師、外来というか主に診療所等で働く医師ということと、その病院で働いている医師、どちらが不足しているかによって目標医師数というのをそれぞれつくっていないと、その中、その間で移動があってもいいと思うのですが、やはり全体の目標医師数とともに、そこで働く病院の医師数や診療所の医師数、外来の医師数というところも併せて検討いただかないとなかなか地域によっては、やはりともかく両方足らないところと片一方だけ足らないところとかいろいろなことがあると思いますので、より対策が取りやすいようにぜひ御検討いただきたい。要望だけというか、そういうような方向性があるのかどうかというところですね。
三師調査である程度どこで働いていてというのは分かると思いますので、そこもお願いしたいという点と、あとやはりこれは次のステップになるとは存じますけれども、専門といいましょうか、標榜医師、何の医師なのかというところで外科医が足らないよねと、内科医ばかりたくさんいて外科医が足らないところはたくさんあると思っていまして、眼科、皮膚科がたくさん多い地域もあるかもしれないので、やはり医師目標数というところはぜひそこのところまで勘案したような計画でないと難しいと思いますので、当然、それも三師調査である程度のことは分かると思いますので、少なくとも目標にするかどうかはなかなか目標数が多いと難しいと思いますが、常に目標に到達するための参考資料だったりとか、また、例外を認めるとか、地域の特殊性を認めるというときにそういう資料が常にあるというような状態にしていただきたいという要望がございます。
次に、目標医師数が決まった際の次のステップ、医師確保に及ぼす医師確保対策に影響を与えるものというところがここでは少し見えづらいかなと思っていて、具体的に都道府県に医師対策計画を立てさせるときにいろいろ御指標にされると思うのですが、例えば初期臨床研修医の定員数がこれによって影響される。さらに専攻医になるときのシーリングに応用されるというところは分かるのですが、それはいずれも入り口戦略ですよね。問題は、その後、ある程度の専門医とか専攻医になった後とか、地域枠であれば義務年限を終えた後、どこで働くかということも大きく関連すると思います。現状の数字というのは、地域枠がまだ義務年限を終了していないような状況の中での数字だと思いますが、これは義務年限が来年からどんどん外れていくような状況になったときに傾向が大きく変わるかどうかによって各都道府県の施策なりが大きく変わるかなと思っているのですが、そこの見通しについて少し厚労省なりのお考え、いわゆる継続的にそこに持続的にいていただくような方策についての方向性が決まっているかどうかということについてお教えください。
以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
最後の点は御質問ということですので、事務局、お願いいたします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問いただきましてありがとうございます。
今、御指摘のとおり、重要な点であるというように考えております。特に義務年限が終わってからどのように地域に定着していただけるか、どのような業務をしていただけるかというのは本当に重要な観点であるというように考えております。
一方で、現時点でそういうような施策は、様々な地域で行われているところございまして、情報を集めているところでございます。どのような施策によりどのような医師の確保ができるのか、定着できるのかといったところも含めて、様々な課題がございますので、どのようなものが効果的に医師確保に資するものかというのも含めて横展開できるように検討していきたいというように考えております。
○尾形座長 大屋構成員、いかがでしょうか。
○大屋構成員 ありがとうございます。
今、言われたとおり、期待をしております。一方、地域枠制度の地域の義務年限が終わった後、そのままそこに残るかどうか、どれだけの人が残るかどうかということを見極めることなく、既に数年前から医師需給分科会では地域枠は減らすことになっているのですよ。これはもちろん人数からだけいえばそれでいいかもしれませんけれども、診療科なり病院なのか、診療所なのかというところの整理もつかないまま減員、臨時増分を減らすということだけが決まるということがある意味不思議でしようがなかったので、今、いろいろ対策を練られると言われていたところの中で、またいろいろそこら辺の地域枠の人数というところも御検討いただければと思っています。
以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、櫻木構成員、どうぞ。
○櫻木構成員 ありがとうございます。櫻木です。
8枚目のスライドのところに目標医師のことが説明してあるわけですけれども、目標医師数というのは※1で2023年の計画終了時点ということですし、それから、計画開始時点の医師数というのは※2、2016年の三師調査ということになっています。当然、この間、7年間の時間が経過するわけですけれども、これはかなり当たり前の話ですが、人間、7歳、年取るということですから、昨日の検討会でも話が出ていましたが、地域によると医師の高齢化が進んでいる。それから、診療所で後継者がいない診療所、これが増えているということですから、今の大屋先生の単なる数合わせに終わらないようにというのと同じ文脈ですけれども、これで医師数が足りる、足りないという議論をするのはちょっと拙速なような気がするのですが、いかがでしょう。
○尾形座長 事務局、お願いいたします。
○守川地域医療構想推進専門官 事務局でございます。
今の御質問、大変重要な点であるというように考えております。各地域におきまして背景が全く異なりますので、特に医師の高齢化も含めていろいろな課題があるというように認識しております。ですので、同じような数の医師を確保するとしても、高齢化によって医師が確保できなくなるところに関しては若手の医師に赴任していただく等々、様々な課題があると認識しておりますので、そういったものも含めて地域全体も含めて様々な議論をしながら医師確保のよりよい方法というのを検討していきたいというように考えております。大変貴重な御意見、ありがとうございます。
○尾形座長 櫻木構成員、いかがでしょうか。
○櫻木構成員 では、これからの議論に期待をします。よろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 課題マル2とマル3について質問と意見を述べさせていただきます。
まず課題マル2なのですが、8ページにありますように少数区域の中でも計画作成時点の医師数が下回っているというのは約半分の58あるということなのですが、これはどういう状況なのかなというのをつかまれているのかというのをちょっとお聞きしたいのです。人口減少がこれから来るので医療需要は必ず減ってくると思うのですが、現時点で少なくて、医療需要が増えてくるから少なくなるのか、それとも、もう医師、供給数自体が減ってくるからというような状況なのか、その辺の実態をつかんでおられるのであれば、その傾向をちょっと教えていただきたいというように思いますが、これについていかがでしょうか。
○尾形座長 これは御質問ですので、事務局、お願いいたします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問いただきましてありがとうございます。事務局でございます。
今、構成員がおっしゃられましたとおり、様々な原因があるというように認識しております。人口の減少、受療率の変化というのもございます。一つ一つの医療圏に関しまして、全ての人口の減少や受療率の変化を確認はできておりませんので、またそういったところも何が原因になるのかというところもしっかりと確認してまいりたいというように考えております。
○尾形座長 幸野構成員。
○幸野構成員 ありがとうございます。
そこで何が言いたいかというと、7ページの計算式、医師指標数の計算式なのですけれども、この計算式に掛けている下位3分の1の医師偏在指標というのは本当に妥当な数値なのか、これを見直していく必要はないのかというところを検証したほうがいいのではないかというように思います。3分の1の医師偏在指標が本当に地域の実態を正確に反映しているのかどうかということについては、このPDCAを回していく中で随時見直していく必要があるのではないかというように思いますので、意見として言わせていただきます。
それから、PDCAを回していく中でどの数字を掛けていくか、下位33.3%のところを掛けるのか、あるいはもっと減らすのか、その辺については、その都度見直しを行ってもいいのではないかというように思いますので、意見として言わせていただきます。
それから、課題マル3なのですが、これは少し問題があるのではないかというように思っていまして、医師少数以外の二次医療圏において目標は未設定でありますとか、都道府県の任意の基準で設定している区域が多いというのはこれから是正に向けてあまりよろしくないのではないかなというように思います。
10ページを見ても、医師少数県は医師が減少していって、中程度県と多数県はどんどん増加しているというような傾向があるのですけれども、これではいつまでたっても医師の是正は解消できないのではないかというように思います。2036年に医師偏在を解消させるという目標であれば、中程度地域とか多数地域においてもある程度7ページのような少数区域のような目標医師数の定量的な計算式というのを統一した基準で設定して、地域に特別な事情があればそれに補正をかけるというのも一つの方法ではないかというように思います。例えば少数区域で今、下位3分の1の医師偏在指数が掛けられているのですが、中程度地域とか多数地域においても、より適切な指数を設定することによって目標医師数を調整していくというようなやり方を今後考えてもいいのではないかというように思います。
例えば今、3つに区分されている偏在指数を将来的に全国の平均値とどんどん等しい値に近づけていくような、段階的に指標の変更幅を縮めて偏在の是正を行っていくべきではないかというように思います。意見として言わせていただきます。
以上です。
○尾形座長 これは御意見として承っておきます。
猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 ありがとうございます。
今までほかの委員の方からもお話が出ていましたけれども、何となくいろいろな資料を見ても全体像がすごくつかみづらいという気がしております。というのは、前回のこの委員会で出ておりました三次医療圏、つまり、都道府県別で見ると明らかに西高東低という数が出ております。ただ、そこを是正するのは地域枠ということになるのかもしれないのですけれども、そこに有効な手だてが果たして打てるのかということ。それから、先ほど大屋構成員が言っていました、やはり病院勤めなのか、診療所なのかということを分かって、できれば科別のところまで分かったほうがいいなということが一点。
それから、今、届出の科には総合診療みたいな科がないので、これは医事課のお話かもしれませんが、そういう届出をすることによって、できれば医師少数区域では総合的に診られる医師が非常に重要になると思いますので、そこを少し考えていただきたいというところが一つです。ですから、そういうようなところを見て、もう少し全体像が分かるようにしないと、何か有効な手だてはどうすればいいのかという案がなかなか出てこない。
それと、これからのお話になると思いますけれども、そういう全体のプロットができれば分かりやすいなと思うのと、ただ、もう一つは、二次医療圏の大きさが違い過ぎるので、その二次医療圏で少数、多数と言っても、数万人の二次医療圏で例えば病院があるのかないのかによっても話がもう変わってくるのだと思うのですね。ですから、ちょっとそこは整理しないと、何となく資料だけ見て数はそうなのかと思っても全体像をつかむのが非常に難しいので、何か有効な手だてというのを考えるのが今のところ、なかなか難しいのではないかなというような気がしております。これは意見です。
○尾形座長 ありがとうございます。御意見として承っておきたいと思います。
お待たせしました。それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 大屋でございます。
すみません、追加で。先ほど出ていたように医師偏在指標というところがほとんど全ての基準になって進んでいるというところになって、これまでの様々なワーキンググループ及び検討会の中でも、これが現場をしっかり表しているのかどうかということについては様々な懸念が示されているわけです。しかしながら、何となく会が進んでくると、もうこれでいいのではないかというような雰囲気になってくるというのをとても懸念しているところです。
今後、この医師偏在指標の修正なり、1種類だけではなくていろいろな要素を加味した修正的な指標等も作成して、どれが本当に今後の医師確保に対して最も適しているかという検討も併せてやっていただきたいと思っていますけれども、重要な御意見なので検討しますと言って変わらなければそれもまた困りますので、ぜひどのようにされるかということを御説明いただきたいなというように思っています。
2点目ですけれども、どうしようかなと思ったのですが、10ページですが、医師少数県が確かに減っておりますが、これに関して地域医療計画の中で医師少数の二次医療圏等々では病院を合併させたりとか、人口が実際減っている県で医師少数県がある程度多いということも加味して、この部分については将来のどれぐらい人口が減るのかということは加味してない状態で162減っている。さらに、病院が合併して2つの病院の医師数が多少減っていることも加わっているとは思うのですけれども、そこら辺の考察は全くなく、ただ減っているから医師少数県はどんどん減るのですよねという文脈になっているような気がするのですが、そこについてはそのような解釈というのはこれまで存在しなかったのかということをちょっとお聞きしたいということになります。よろしくお願いします。
○尾形座長 2点の御指摘かと思います。事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 事務局でございます。
大変貴重な御意見を頂きまして、ありがとうございます。
1点目でございます。特に医師偏在指標についての御指摘であったというように認識しております。今、おっしゃられておりました実際に現場での感覚的なものも含めていろいろ乖離があるといったところでございますが、これは今後も精緻化していく必要があるというように考えております。特にたくさん頂いております御意見といたしましては、診療所や病院を分けて考えるべきではないかという御意見を頂いているところでございますので、技術的なところも含めまして検討してまいりたいというように考えております。
2点目の2016年から2018年の参考資料の点でございます。これは御指摘のとおり、少数県、中程度県、多数県で大きく3つに分けて大まかな方向性ということでお示ししているところでございます。一方で、人口の減少、地域医療構想、働き方改革等も含めて、いろいろな取組が行われているところもございます。今後は資料を提出させていただく際にもそういったところも含めて、どういった点で医師が増減したのか、どういった取組を行ったことで効果的な医師確保に結びついたのかというところも含めて、いろいろな取組を横展開できるように資料のほうを作成し、皆様にそういったデータをお示しできるようにしてまいりたいというように考えております。御指摘ありがとうございます。
○尾形座長 大屋構成員、いかがでしょうか。
○大屋構成員 ありがとうございます。
実際、医師少数県の医師確保で頑張っている大学なり病院の先生方とはいろいろお話をさせていただいていますので、非常に御苦労されていることも分かりますし、なかなか確保できないということも承知しておりますけれども、だからこそ、こういう数字がしっかりした検討の上でなされているということが彼らの追い風にもなるかなということもあってちょっと御質問させていただきました。どうもありがとうございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
それでは、私から1点。これは確認なのですが、11ページの論点の課題マル2と課題マル3、微妙に表現が違っているのですが、これは何か意図があるのでしょうか。つまり、課題マル2ですと「設定することを可能としてはどうか」と書いてあるのですが、課題マル3のほうは「設定してはどうか」と書いてあります。これは何か意図があって書き分けているのでしょうか。
○守川地域医療構想推進専門官 御指摘いただきましてありがとうございます。
偏在指標を用いて都道府県間の医師の偏在をならすというところでございますので、医師少数区域に関しましては、先ほどから御指摘がございました様々な医療圏ごとの課題があるというように認識しておりますので、このような記載になっております。また、次回以降のワーキングでご議論いただく予定の必要医師数も将来的に必要な医師数を示すところでございますが、そういったところも勘案して「設定することを可能としてはどうか」というような記載にさせていただいております。
課題マル3に関しましても先ほどの話と流れが同じでございまして、やはり医師の偏在をならしていくといった観点からこういうような記載にさせていただいているところでございます。
○尾形座長 質問の趣旨は、課題マル2のほうは「可能としてはどうか」と書いてあるので、今は可能ではないということですか。
○守川地域医療構想推進専門官 医師少数区域に関しては、今は下位33.3%を上回らない範囲でということでございます。
○松本課長補佐 事務局です。
現在は7ページにございます計算式に基づいて、それを目標医師数とするというようにしているところでございまして、実際にそれが現時点の医師数よりも少なくなっている県があるということを踏まえて今回、計画時点の医師数を上回らない範囲で設定をすることを可能としてはどうかという趣旨でございます。
○尾形座長 分かりました。
今村構成員、挙手されていますか。どうぞ。
○今村構成員 今村です。
すみません、遅れて申し訳ありません。もしかしたらもう議論になっているかもしれないのですが、今の目標医師数の取扱いと少数地域についてはちょっと意見があります。
まず目標医師数、今、まさに尾形座長から御指摘のあった点ですけれども、これは今、多いところというものの数の話と率の話をちゃんと分けて考えるべきだというように考えています。これから都会でいえば患者さんは増えていますので、必要医師数、数そのものは増えていく可能性があります。ただ、患者さんが増えていく中で医師の率は増やすべきではないのではないかという議論はそのとおりだと思うので、この患者さんに対しての医師の率を上回るようなことがないようにするべきだということには賛成なのですが、数そのものを増やすべきではないということになると患者さん自身が増えていく地域で増やしてはいけないということになるので、そこの率が超えないべきだという話をちゃんと明確にしてもらったほうがいいと思いました。必要医師数、目標医師数と言うと数そのもののように思えるので、これは率を掛けたものであるというところは1点、留意が必要だというように思いました。
それと、もう一つ、市町村単位で少数医師区域を設定するということ、それは賛成ではあるのですけれども、小さな市町村になればなるほど変動が大きいということはぜひ考えておいていただきたいと思います。今、少数地域でトップにあるような市町村、もし1人、そこにお医者さんが増えたら恐らく最も医師多数な地域になってしまったりするのですね。離島なんかですと本当に患者さん、住民が1,000人ぐらいのところに医師が1人、2人といますとどう考えても医師の濃度は一気に上がりますので、そういったところにぜひ留意をしてこういった目標を定めていただければというように思います。
2点、意見です。以上です。
○尾形座長 御意見として承っておきたいと思います。
ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、ほかに御意見がないようですので、本件に関しては以上としたいと思います。
本日は貴重な御意見、御指摘を多数頂戴したと思います。事務局としては、本日の議論を踏まえて2巡目の議論に向けた適切な準備をお願いしたいと思います。
○今村構成員 すみません、委員長、1つお願いがあります。
○尾形座長 今村構成員。
○今村構成員 議題の2番の病床機能報告についてはもう意見を述べてよいのでしょうか。
○尾形座長 それはこれからです。議題2ですので。
○今村構成員 これからですね。分かりました。
○尾形座長 それでは、引き続きまして議題の2に移りたいと思います。「令和4年度病床機能報告の実施等について」でございますが、まず、こちらも事務局から資料の説明をお願いいたします。
○井上課長補佐 議題の2、今、御案内のありました病床機能報告、「令和4年度病床機能報告の実施等について」ということで、資料2でお示しをしております。これに基づいて御説明をさせていただきます。
目次、2ページでございます。2つございます。昨年度の病床機能報告の結果、それから、今年度の病床機能報告の実施に当たってお諮りしたい事項ということでございます。
3ページ以降、昨年度の病床機能報告の結果でございますけれども、まず前提のところで御案内のとおりかとは思うのですが、制度のお話について少し簡単に触れた上で御報告させていただきたいと思います。
4ページは地域医療構想の概要でございますけれども、病床機能報告の位置づけでございます。上の四角の2つ目の○の3行目ぐらいのところから、各医療機関の足元の状況と今後の方向性を病床機能報告により「見える化」しつつ、各構想区域に設置された地域医療構想調整会議において病床の機能分化・連携に向けた協議を実施するというものでございます。
実際の報告に当たっての医療機能の選択をしていただくのですけれども、その考え方を5ページでお示しをしております。病床機能報告におきましては、医療機関の中の病棟あるいは病床の機能分化ということで連携を図るということで、機能報告においては病棟が担う医療機能をいずれか1つ選択して報告をするというようになってございます。
実際の医療機能の定義については7ページについておりますけれども、いずれか1つを選択するということでございます。
病棟単位ということでございますので、実際の病棟には様々な病期の患者が入院をされておられるということになります。下の絵を御覧いただきまして、例えば高度急性期、Aのところです。Aのような患者の構成イメージの場合は赤が高度急性期の機能の患者さんということで、ここの方が一番多いということなども踏まえて高度急性期機能ということで御報告をされるということ。
急性期であれば下のBでありますけれども、急性期機能の患者さんが最も多いということで急性期の患者さんを報告されるということで選択されることが多いというように考えております。注意すべき点は、急性期機能と報告されたところにおいても例えば回復期の患者さんがおられる、そうしたところに留意が必要であるということでございます。
6ページは、一方で、将来の病床の必要量、今は2025年ということでお示しをしております。こちらは病床機能報告とは異なる推計の方法で推計をしております。
下の四角の表がございますけれども、先ほど申し上げた高度急性期とか急性期とか、それぞれの病床機能は同じでございますが、2025年の医療需要、これをNDBのレセプトデータやDPCのデータを分析して、それによって医療需要を算出いたしまして病床稼働率で割り戻して病床数に変換をするということで2025年の病床の必要量を算出するという形になってございます。このため、病床機能報告は病棟単位での報告になりますけれども、病床の必要量については病床単位という形になりますので、推計の方法も、また、医療需要から推計をしておりますので、算出、推計の方法は異なるというところについてまずは冒頭、御留意いただきたいというように考えております。
7ページは先ほど申し上げた各医療機能の名称や内容でございます。
8ページでございます。8ページはそれぞれの病床機能について、基本的にはそれぞれの各病棟の実態、個々の病棟の役割でありますとか提供されている医療の内容を踏まえて御報告を頂くという形になりますけれども、ガイドラインにおきましては特定の入院料を算定する病棟については、一般的には以下のようなそれぞれの機能として報告するものということでお示しをしております。例えば高度急性期であれば右のほうに書いてありますような特定の入院料を算定する病棟ということで、一般的にそういうようなものとして取り扱うというようなことをお示ししております。ただ、必ずこのとおり報告しなければいけない、そうしたものではなくて、先ほど来申し上げているように個々の病棟の役割や医療の内容、そうしたものを踏まえて報告を頂くという建てつけになってございます。
そうした前提の下に9ページでございますけれども、昨年度の病床機能報告の御報告でございます。今、申し上げた昨年度の病床機能報告、今般、お示ししておるのは真ん中の2つのグラフ、点線枠囲みの箇所でございます。2021年足元が合計121.0万床、2025年の見込みが120.1万床ということになってございます。それぞれ各病床機能の内訳については以下に記載のとおりとなってございます。
先ほどありました2025年の病床の必要量というのは少し色を変えてお示しをしておりますけれども、右のところでございます。先ほど来申し上げておりますとおり、算出の方法が異なりますので、下の※6に記載をさせていただきますとおり、今回お示しした病床機能報告の結果と、それから、右の将来の病床の必要量、これは計算方法が異なるということで単純に比較するものではない、詳細な分析や検討を行った上で各地域の調整会議で協議を行っていただくことが重要であると考えております。
10ページ、11ページはそれぞれ公立、公的病院、それから、民間病院、それぞれの内訳をお示ししたものでございます。
それから、12ページでございます。
昨年度の病床機能報告から今後、病床機能の分化・連携についてさらに議論を深めていくためには、手術等の診療実績に着目することが重要であるという観点から、1か月分の実績だけでは季節変動の要素が影響するということが懸念されるために、昨年度病床機能報告から診療実績の報告を通年化しております。
2例、下におつけをしておりますけれども、1日当たりの在棟患者の延べ数、それから、1日当たりのPCI、経皮的冠動脈形成術。心筋梗塞等で行われる手術について例としてお示しをしております。いずれも季節変動があるという形になっておりまして、とりわけ右のほうは顕著な季節変動が見られるということで、各地域でそうした季節変動を考慮した分析を行うことができるというように考えてございます。ただ、1点だけ、四角枠囲みのところの最後に「ただし」ということで、昨年度は新型コロナ感染拡大の影響を受けている可能性がございますので、その点について御留意いただければというように考えております。これが昨年度の病床機能報告の結果でございます。
13ページ以降は今年度の病床機能報告の実施に当たってお諮りしたい事項でございます。
14ページでございます。
今の病床機能報告の中で慢性期機能につきましては、特殊疾患入院医療管理料、特殊疾患病棟入院料、療養病棟入院基本料、とりわけ前2者は難病の方、それから、療養病棟については長期療養が必要な方になりますけれども、一般的には慢性期機能として報告をするというような取扱いになってございます。
慢性期機能の定義のところでございますけれども、オレンジの四角枠囲みの2つ目の○のところで、長期にわたり療養が必要な重度の障害者ということで明記をさせていただいており、障害者施設等入院基本料についてもこうした中に1つ入れてはどうかというように考えてございます。実際に参考1のところで、地域医療構想策定ガイドラインにおきましても慢性期の需要推計の中に障害者施設入院基本料を算定している患者は慢性期機能の医療需要とするというような取扱いになってございます。
それから、実際に障害者施設等入院基本料を算定している病棟が報告している機能を下にお示ししましたけれども、その多くが慢性期機能、そういった実態も踏まえまして今般、このとおりお諮りしたいというように考えております。
説明は以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして御意見、御質問等を承りたいと思います。
今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今村です。
意見と質問ということでお願いしたいと思います。
まず、病床機能報告の数字の出し方なのですけれども、病院単位でぜひその数字も出してもらいたいというお願いです。この病床機能報告、始まったときから病棟別に出ていたわけではないので病院単位で件数とか出ていたのですけれども、現在は病棟別に出されているという状況です。ただ、病棟別に出すと10以下がアスタリスクになってしまったり、各病院で入れ方が違ったりして、病院全体の合計がなかなか分かりにくいという状況になっています。ですので、10以下の数字を全部出してもらうのか、全部の合計を病院として出してもらうのかという選択の余地はあるのですけれども、病院全体として件数とかPCIとかちゃんと外から見えるようにしてもらいたいというように思っています。実際に奈良県で様々な計画をつくるデータとして使っているのですけれども、なかなか病院の合計が合わないので実際には使えないという状況があります。そういったことを御検討いただけるかどうかということをぜひお答えいただきたいというように思います。
以上です。
○尾形座長 これは御質問です。事務局、いかがでしょうか。
○井上課長補佐 現時点でできる、できないということを申し上げることはないのですけれども、少し技術的な問題があるというように考えております。まず、病棟単位ということで、病床機能報告はそのようになっているので病棟ごとに集計したものになってございます。その中で1から9の数字についてアスタリスクというような位置づけになってございます。なので、その数字は伏せられている。それは個人が特定されないようにNDBのガイドラインに準じる形という形でそのような取扱いにしております。
仮にこれを病院単位で数字を出すとなると、例えばA病院が3つの病棟から成るといった場合に、A病院の3つの病棟のうちの1つ目の件数が30、それから、2つ目の病棟の件数が25という中で、病院全体の件数が60ということを示してしまうと、差を計算すると3つ目の件数が5というのが分かってしまって、せっかくアスタリスクで伏せているのに5という件数が分かってしまうというように、総論として一見よいように見えるのですけれども、詳細に考えていくと少し乗り越えないといけない課題があるというところに留意が必要であるというように考えております。
○尾形座長 今村構成員、いかがでしょうか。
○今村構成員 今村です。
NDBのルールは、10以下はアスタリスクにするということだと思うのですが、これは一遍、各病院に見てもらって病院から提出してもらっているので、NDBのルールに必ずのっとらなければいけないということではないと思うのですね。ですから、まずのっとらなかったら数字は出せるのだろうというように思いますし、それは各病院の意向もあるとは思いますが、NDBの基準で出すかどうかというのは一つの判断基準だと思います。
その上で、病院全体の数字と病院全体の中で幾つかの病棟が新たにマスクされるかという問題とのてんびんだと思うので、3つのうち1つがアスタリスクで、もう一つ増えるというのは影響が大きいと思いますけれども、20病棟とかある中で少ないものが下から2つ、アスタリスクが増えるのと病院全体の数字が出るのだと、やはり病院全体の数字が出るほうが社会的にも意味があると思いますので、そこは優先順位としては病院全体の数字のほうが高いというように思っていますので、そういった点を踏まえて御検討いただければというように思います。
以上です。
○尾形座長 では、これは御意見として承っておきます。
ほか、いかがでしょうか。
伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 ありがとうございます。伊藤でございます。
2つほど質問させていただきたいのですが、まず資料で申し上げますと8ページと9ページに関してのところでございます。
9ページの※6、この集計の方法が違うから出てくる病床数は違うということで御説明いただいたわけですが、気になっておりますのは、基準病床という考え方では私の愛知県などはもうかなり過剰な地域になっているわけでございますけれども、地域医療構想で言われるところの必要病床数から見ると病床全体がまだ不足となっています。25年には不足であるというような地域では今後の病床整備の基本的な考え方をどうしたら良いのか、基準病床に基づくと過剰なのに必要病床数でいうとかなり不足をする地域例では、私どものところで申し上げれば2,000床ほどまだ新たな病床が設置できるというような理解で良いのか、この考え方を教えて頂きたいということが1点目。
2点目ですけれども、これは8ページに係る話だと思いますが、病院機能報告というのは最初のところ、特に制度の開始の時期から考えますと、特に多かったのは病床機能をアップコードというのか要するに実際に急性期医療の提供がないにもかかわらず、急性期あるいは高度急性期と届け出るところが大変多かったというように記憶をしていますけれども、データの正確性を向上させるために8ページのように算定を行っている実績等をもって実態を確認しているということがありました。
一方で、最近の事例を見てみますと、病院あるいは病床の再編をする際に、現在不足している機能、特に少ないと言われている回復期機能の病床を増床しますということで、調整会議に出てくるわけでありますが、現実にはその増床の承認を得た後に診療報酬上の入院基本料の1を算定して急性期入院の受皿となっているような事例が現実に散見をされています。こうなりますと、地域医療構想の基本である競合から協調へという流れの中で、過剰な病床を増やさないということで行ってきたはずの地域医療構想の考え方の根幹に関わるような地域医療構想自体、協議会の信頼性を失うようなことになりかねないということを大変強く懸念しているところでありますが、この2点についてどのように考えたらよいか教えてください。
以上です。
○尾形座長 2点、御質問です。事務局、お願いします。
○井上課長補佐 まず1つ目、基準病床の関係でございますけれども、今、御指摘のところは、人口が増える場合ということでございますね。将来の必要病床数がそれによって増える場合ということかというように理解をしました。そのような場合については、特に高齢者がそういった増えるような地域などにおいては基準病床の特例を使って必要な分、基準病床を超えた分を引き上げることができるというようにはなっています。制度としてはなっておりますけれども、その際には各地域の医療需要、そうしたものをしっかり勘案していただいて、本当に必要な病床なのかというのをよく地域で協議していただくということが大事かなというように思っています。また、そうした手続には厚生労働大臣への協議が必要になってございますので、その際、私どもとしてもそうしたところをよく確認してまいりたいというように思います。
それから、先ほどの病床機能報告で報告をされている機能と診療報酬上の算定されているものが違うのではないかというような御指摘だったかと思いますけれども、そもそも病床機能報告でこういう報告をしたから診療報酬上、こうした基本料を算定しなければならない、そうした制度にはなってございません。先ほど、重ねて申し上げているように、その病棟の役割でありますとか、提供される医療、その実態をよく見ていただく。必要に応じて地域医療構想調整会議でしっかりと確認をしていただいて適切な報告がなされるように引き続き周知をしてまいりたいと思っていますし、各地域でそうした確認をしていただく、これは重要であるというように考えております。
○尾形座長 伊藤構成員、いかがでしょうか。
○伊藤構成員 今、病床機能に関しては地域医療構想調整会議でしっかりと議論しろということなのですが、要するに、これは本来一番初めの協議で地域医療構想の考え方と診療報酬をリンクさせないということが大前提で動いていたはずなので、それをあえてここで申し上げるのは大変私としても心苦しいのですけれども、以前は高度急性期、急性期の病床をいかに多く確保するかということで、アップコーディングというか、それほど症例を持っていないにもかかわらず、高度急性期、急性期ということで登録をするところが大変多くありました。
典型的なところを申し上げれば大学病院は全床高度急性期だというような登録も実際されたわけでありますけれども、そういうようなことを防ぐような手だてでいろいろと御指導いただいたことはこれまでずっとアップコーディングを正しい機能に修正すべく修正が行われてきたわけでありますが、逆のものに関しては想定されていませんでした。それを一方的に調整会議の中で調整しろと言われますと、調整会議では不足している機能を申請されたときにそれを許可しない理由がないわけですので、それが診療報酬上、高いというか、いわゆる急性期、高度急性期を受け入れられるような位置づけになったとしても、それを拒否することは調整会議では不可能だと私は思っていまして、これが先ほど言ったように調整会議の信頼性といいますか、地域医療構想そのもののありようにすごく不信感を持たせる結果になっているというのが危惧するところなので、これに対する何か手だてがないかというようなことをお尋ねしているわけでございます。これを調整会議でやれというのは建前として非常によく分かるのですが、それが現実、できない状況になってきているので、これに対して何かお願いしたいということです。またよろしくお願いいたします。
○尾形座長 事務局、いかがでしょうか。
○井上課長補佐 ちょっと個々の病院について、実際提供されている医療の内容を私どももつぶさに確認ができるわけではないので、今、御指摘の件は本当に適切な報告がなされているのかということについて何とも申し上げにくいなというように思いますけれども、都道府県等と今後意見交換する中で、もし制度的に何か難しいといった課題、不合理なところがあるといったところがあるのであれば、引き続き必要な検討をしていきたいというように思います。
○尾形座長 伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 ありがとうございます。ぜひこれは事例を挙げながら御相談をさせていただくことが適切かと思います。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
それから、最初のところの基準病床のお話なのですが、要するに基準病床と必要病床の差異というものはもう表に出ていますので、それを見て25年には病床が不足になる地域に対しては新しい病院施設の新築といいますか、そういうような考え方で打診をしているところが幾つか事例として耳に入っています。これで本当にいいのかという非常にプリミティブなところに引っかかるようなお話が現実に出てきているので、これをどういう形で対応していいかという具体的な対策を今後教えていただきたいと思います。
以上です。
○尾形座長 これは御意見として承っておきたいと思います。
ほかはいかがでしょうか。
猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 これは2025年度以降の病床機能報告の在り方をどうするのかということに絡むと思うのですが、やはり最初からずっと問題になっていた急性期機能と回復期機能、これをちゃんと線引きできるかどうかというところが今でもはっきりしないのだと思います。今の伊藤構成員の話も、結局、実はやろうとしているのは急性期なのだけれども、回復期に空きがあるので回復期で届け出るというようなことが行われているわけですね。ですから、やはりここの届出をもう少し分かりやすく、例えば回復期といっても、ずっと言われてきたのは、一部の地域における急性期の患者を引き受けるのは回復期の病棟であったりとかするのが実態なので、今回、すぐにはとても無理なので、これは2025年度以降にどう持っていくかという話につながるのだと思いますけれども、そこは少し整理をするべきだというように思います。
それから、これは質問なのですが、公立病院の強化のガイドラインというのが出ていて、そこで基幹病院に急性期機能を集約して、それ以外は回復期とか初期救急を担うようにするということが記載されていると思います。これは今までのこの地域医療構想の話からいくと、やはり公立病院、公的病院の役割を果たしているかという問題、コロナの後、そこは問題が先送りになっているかもしれませんが、今のような回復期とか初期救急というのはむしろ民間でもできることで、民間の役割だと私は思います。もちろん、地域によっては、公立病院が中心で民間病院がないような過疎の地域では当然そういうことはあろうかと思いますが、そういうところにやはり限定していただかないと、公立病院が本来やるべき不採算医療とか高度な医療とかそういうものを中心にやっていただくということにしないとあまり地域医療構想そのものが成り立っていかないというように思いますので、そこら辺のことをどのようにお考えになっているかちょっと教えていただければと思いますので、お願いします。
○尾形座長 これは事務局、お願いします。
○井上課長補佐 これまでの地域医療構想の進め方の中で、公立公的医療機関については、公立公的医療機関でなければ担えない医療機能を担っていただくということを念頭に、特に優先的に協議を行っていただくということで進めてまいったところでございます。ですので、公立病院だから初期救急や回復期を担ってはいけない、今の御指摘もそういう趣旨ではなかったと思いますけれども、そういうような一律の線引きをしているものではないというように思っております。
まさしく今、御指摘の中にもあったように、地域によってはそうした役割分担をせざるを得ないようなところもあると思いますので、そこは一律になかなか申し上げにくいのかなというように思いますけれども、2022年、23年度において、再検証いただいているようなところも含めまして、医療機関の対応方針を協議をいただいておりますので、そうした中で民間医療機関と公立病院が適切な役割分担になっていくように地域でご議論いただくとともに、私どももまずは様子を見守っていきたいというように思っています。もし個別に不合理なことがあるといったような御相談があった場合には、必要な検討してまいりたいというように思います。
○猪口構成員 ぜひそういう今までのやってきたこととそごが生じるような方向性ではなく、明確な方針の上で調整会議を行えるような方針を出していっていただきたいというように思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 すみません、今日の議題とはちょっと話がずれるのですが、直近のデータが9ページに示されましたので、非常に気になるといいますか、今後どうしていくのかというのをちょっとお伺いしたいと思うのです。
直近の2021年度報告で出てきたのですが、国が目指している一番右の平成28年に行った時点の理想とすべき形に近づきつつあるのですが、全体の病床数なんかはほとんど一緒なのですが、内訳を見てみますとまだ先ほどから出ているように計算方法が異なるから単純に比較はできないということなのですけれども、それにしても高度急性期、急性期にまだ16万ぐらいの乖離があって、それと同じぐらい回復期が不足しているという状況が今の時点であるのです。
今、何年かというと22年になるのですが、今回も報告があると思うのですが、先ほどというか先般まとめられたやり方ですと、第8次医療計画の策定が始まる2023年度までには協議がおおむね合意されているというようなことが必要というまとめがあったのですが、今、2022年度で、あと1年ちょっとという時期になってこの会議がまだあるということについて非常に懸念を持っているのですが、2023年度に向かって国はどうされようとしているのか。コロナのほうも大分落ち着いてきて、あるべき時期というのは都道府県のほうに示されているのですが、それにしてもまだ内訳に乖離があるというようなことで、何らかの特別な対応をこれからも取っていかなければいけないのではないかというように思うのですが、その辺り、厚労省としてどうお考えなのかというのをお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○尾形座長 これは御質問です。事務局、お願いします。
○井上課長補佐 先ほど来、重ねて単純比較できないというように申し上げておりますが、2022年、23年度において各医療機関の対応方針を策定いただくということで進めております。今年度は9月末、それから、3月末の状況を御報告いただくということで、そうした状況が取りまとまり次第、またこのワーキングでも御説明、共有をさせていただきたいというように思っていますので、まずはその状況を見守ってまいりたいというように考えております。
重要なことは、例えば急性期は何床足りているからとかということではなくて、政府としても病床の削減、統廃合ありきではないと申し上げておりますし、下の※でも書いているように、詳細な分析や検討を行った上で、調整会議で協議を行っていただく、丁寧に協議を行っていただくことが重要であるというように考えております。その詳細な分析や検討に際して、必要があれば重点支援区域といったような支援策もございますので、そうしたことも御活用いただきながらまずは丁寧に協議を進めていただきたいというように考えております。
○尾形座長 幸野構成員、いかがでしょうか。
○幸野構成員 分かりましたが、これは目安と考えるのか、やはり目標と考えるべきだと思うので、その辺は今後、きっちりとやっていくべきだというように思います。
○尾形座長 では、これは御意見として承っておきます。
ほかはよろしいでしょうか。
それでは、私から一委員として意見を申し上げます。今の幸野構成員の御質問に触発されての話なのですが、9ページで全国ベースの積み上げのデータだと思いますが、毎年、こうしたデータが示されているわけですけれども、今、幸野構成員もおっしゃったようにもう目標年次の2025年が本当に間近に近づいてきているわけでありまして、そろそろ着地点を考えていくべきではないかと思います。
どういうことかというと、トータルの病床数で見ると2021年が121.0万床ですか。2025年の必要病床数の合計が119.1万床ですから、かなり近づいてきている、いい方向に向かっているとも見えるわけです。しかし一方で、幸野構成員のお話にあったように病床機能ごとのデータで見るとかなりのアンバランスがあるように一見、見えるわけです。それについて、ここで※6で単純な比較はできないと書いてあるのですが、1点目として、まず※6はもう少しきちんと書くべきだと思います。2つのデータは何が違うのか。一つは時点が違います。それから、もう一つは、一方は病棟単位の報告である。それに対して推計は病床単位です。従ってもともとぴったり一致するわけがない。それから、一方は医療機関のほうのある意味では主観的な判断です。しかし、一方は一応客観的な推計に基づくものです。このように2つのデータになぜ違いがあるのかということはもう少しきちんと書くべきだと思います。これが一点です。
それから、その上で、どうしても急性期が過剰で回復期が過少だというように捉えられがちでありますが、これについてはもう御存じのように例えばいわゆる奈良方式で奈良県がやったように急性期を重症急性期と軽症急性期に分けて考えるとかなり推計値に近いところに落ち着くというようなデータも出されているわけです。私はこの急性期と回復期のアンバランスというのはかなりの程度見かけ上の姿であると思います。ですから、やはりそういうデータも併せて示さないと、幾らここで注で書いても当然これは比較されてしまうので、その辺についてはぜひ今後、この見せ方ということで工夫していただきたいと思います。これは意見ということであります。
ほか、いかがでしょうか。
伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 ありがとうございます。伊藤です。
これは必要病床数についてのお尋ねですけれども、その設定に重要な要素となっている推定される病床稼働率、これは定期的に見直されることになっていると思うのですが、現在の必要病床数算定のための推定稼働率というのは何%のものを使われているのか。これはたしか1回目のときからずっとこのワーキンググループの中で経年変化を考慮することというようにされているわけですが、何か見直しがなされたかどうかを教えてください。
○尾形座長 稼働率についての御質問です。
○井上課長補佐 まず稼働率の数字でございますけれども、高度急性期は75%、急性期は78%、回復期は90%、慢性期は92%というようになってございます。稼働率を見直すと地域医療構想のそもそもの病床数の数字が変わってしまうので、2025年、この地域医療構想をつくった段階からそうしたものを変えるということは予定をされていないというように認識をしておりますので、この数字自体を変えているということは今のところはございません。
○尾形座長 伊藤構成員、よろしいですか。
○伊藤構成員 ありがとうございます。
ただ、これは第1回目の議論のときが、平成28年のときにその議論がなされていたわけで、それから見ますと現状、コロナの影響はあるにしても相当稼働率は変化しているというように認識をしております。まして、これは25年、あと2年先ということになりますと相当に稼働状況に開きが生じる可能性があり、それが要因で必要病床数の算定自体が何か間違ったデータになっていないかということを懸念しているわけでして、これは見直す予定というのは全くないということでよろしいのでしょうか。できればこれを見直していただきたいという要望があるのです。
○尾形座長 これは確認ですが、いかがでしょうか。
○井上課長補佐 2025年の地域医療構想、まず各都道府県で策定をしていただいて、それに向けて地域医療構想調整会議で御議論いただくという建てつけになってございます。なので、この今の2025年までの構想でこの数字を見直すということは予定をしておりませんけれども、先ほど来御指摘があった2025年以降の枠組みの中でどうしていくかというのは今後の議論かというように理解をしております。
○尾形座長 伊藤構成員、いかがでしょうか。
○伊藤構成員 ありがとうございました。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございました。
それでは、ほかに御意見、御質問もないようですので、本日の議論は以上とさせていただきたいと思います。
最後に、事務局から何かございますか。
○守川地域医療構想推進専門官 本日は会場における一般傍聴の制限をさせていただいておりまして、議事録につきましては可能な限り速やかに公表できるよう、事務局として校正作業を進めてまいりたいと存じます。構成員の皆様方におかれましても、御多忙とは存じますが、御協力いただきますよう何とぞお願い申し上げます。
また、次回のワーキンググループにつきましては、詳細が決まり次第、御連絡いたします。よろしくお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、本日のワーキンググループは以上とさせていただきます。
長時間にわたりまして大変熱心な御議論、どうもありがとうございました。

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