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2017年3月29日 第29回社会保障審議会年金事業管理部会議事録

○日時

平成29年3月29日(水)13:30~15:30


○場所

全国都市会館 第1会議室
東京都千代田区平河町2-4-2


○出席者

増田部会長、大山部会長代理、石井委員、岩瀬委員、金田委員、喜田村委員、齋藤(衛)委員、西沢委員、西村委員、藤井委員、安井委員、山口委員

○議題

(1)日本年金機構の平成29年度計画の策定について
(2)その他

○議事

○藤原参与 定刻を過ぎましたので、ただいまより第29回「社会保障審議会年金事業管理部会」を開催いたします。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきまして、ありがとうございます。

 初めに委員の出席状況ですが、本日は斎藤聖美委員、椎野委員、原委員及び松山委員が御欠席でございます。藤井委員につきましては、少し遅れるとの御連絡を頂戴しております。

 それでは、議事進行につきましては部会長にお願いしたいと存じます。

 恐縮ですが、カメラにつきましてはここまでで御退室をお願いいたします。

(報道関係者退室)


○増田部会長 それでは、議事次第に沿いまして、1つ目の「日本年金機構の平成29年度計画の策定について」を議題といたしたいと思います。

 本日は、前回の部会において調整中としていた部分がありました。この部分についての計画案と、各委員から前回御意見等をいただきましたので、それを踏まえた修正、それに関係する資料が提示されていますので、引き続き御議論いただきたいと思います。

 それでは、初めに事務局から説明をお願いします。

 

○屋敷日本年金機構経営企画部長 経営企画部長、屋敷でございます。

 それでは、資料1とそれに関連します参考資料に基づきまして御説明いたします。

 まず、資料1、対照表になっています。左側が原案、前回1月の部会に提示した計画でございまして、右側は修正箇所につきまして記載をしております。順次御説明をさせていただきます。

 1ページ目は前文の部分でございまして、計画の取組に対する機構の姿勢といった部分につきまして御意見をいただいたところでございます。「改善に努めるという意識を持って取り組む」という部分を「改善に不動の決意を持って取り組む」という形で修正をさせていただいております。

 次に、5ページ目は、厚生年金保険の適用徴収対策のうち、適用促進対策について前回調整中となっていたものでございます。今般適用促進につきまして、実態調査の結果がまとまっているということでございます。それに基づきまして、適用促進対策につきましても年度計画の中で定めるということで記載をしております。

 (1)適用促進対策でございますが、マル1及びマル2で行動計画を策定する、また、進捗管理を徹底していく。適用促進、あるいは既適、未適ともにございますが、その行動計画の策定をするということでございます。

 数値目標、具体的なスケジュールを定めた計画を機構全体、年金事務所ごとに策定していく。そして、進捗管理においては、本部において機構全体の年度目標を設定する。その目標を踏まえて、年金事務所が設定した目標を確実に達成するための行動計画の策定手順書を示す。

 年金事務所は、その目標を設定し、その進捗管理を行うとともに、その状況につきまして、本部は、月次で年金事務所の進捗状況を把握し、分析をする。

 また、目標未達成の事務所につきましては、月次の進捗状況の把握・分析のみならず、週次により管理を行いまして、早期の対応を促すということでございます。

 6ページ目が未適の部分についての適用促進の取組でございます。国税源泉徴収義務者情報を有益の情報として取り組むという基本線は28年度に引き続きということでございますが、その取得頻度を上げる、年度後半にかけまして月次で情報をいただくといった形でその活用をしやすくするということでございます。

 イは職員による加入指導等の実施でございますが、この中で実態調査の結果を踏まえまして、ポツの2つ目、その取組をどこから行うかということでございます。特に被保険者となるべき従業員が5人以上である事業所に対する取組を強化するといったことでございます。

 ウにつきましては、国税源泉徴収義務者情報にはない調査対象につきましては、外部委託を活用するということ。

 エにつきましては、本部は厚生労働省との連携のもと、関係機関への協力要請を計画的に実施するということでございます。

 マル4は既適の事業所の件でございます。29年度の取組としましては、取得届の届け出漏れが多い傾向にある業種の事業所に加えまして、雇用保険の被保険者との差が大きいといったところに着目した調査を実施していくということでございます。

 7ページ目、マル5「短時間労働者適用拡大について」でございます。こちらの提出漏れがないか、特定適用事業所への事業所調査を計画的に実施すること。

 また、来たる4月から持続可能性向上法に基づきまして、500人以下の企業の適用拡大が始まるということでございます。その周知を行い、確実な実施に努めるというものでございます。

 マル6「厚生年金特例法の対応」につきましては、進捗管理の徹底を図る。また、債権管理の徹底を行うという計画でございます。

 次に、10ページ目は年金給付の部分でございます。その中で、マル4として年金不正受給対策の記述がございました。原案では「年金受給中の個人番号未収録者に対しては、マイナンバーの記入または住民票等の添付を求める事業を円滑に実施するとともに、新たに年金を受給しようとするマイナンバーの未収録者に対して、マイナンバーまたは住民票住所等を確認する取扱を徹底する」ということでございますが、これは直接マイナンバーを取得するということの趣旨につきまして改めて整理をして、計画に記載しております。

 不正受給対策が眼目でございますので、まず生存確認が大切である。その点、従前より住民票コードを活用した確認を行ってきたということでございますが、昨年11月以降、機構がマイナンバーを取り扱うことができるようになったことに伴いまして、まず基礎年金番号とマイナンバーの紐付けを行った。これは、具体的には基礎年金番号と紐付けられました住民票コードの情報をJ-LIS(地方公共団体情報システム機構)に照会する。こんなことで紐付けを行ったという環境整備を進めた上で、今年の1月から窓口でもマイナンバーを利用できることになったということでございます。

 したがいまして、順次、現況届、年金請求書について、住民票コード欄をマイナンバー欄に変更する。そしてマイナンバーによる住民基本台帳ネットワークシステムでの生存確認を可能とする。こういう形で進めていくということでございます。また、現況届にマイナンバーが記入されていない場合には住民票の添付を求める。こういう形で生存確認を進め、不正受給対策を進める。こういう計画とするという形で表現、内容を整理しております。

 次が13ページ目、事務処理の正確性の確保につきまして前回も御意見をいただいたところでございますが、これに関連しまして参考資料の21ページ目をご覧いただきたいと思います。参考資料の21ページ目を追加しておりますが、これは紛失事案の発生状況について、その詳細をまとめたものでございます。本年度の前半、9月末時点の集計で紛失が23件発生している。その発生場所、拠点としましては、年金事務所12件、事務センター10件、本部1件。年金事務所、事務センターを中心とした事象であるということでございまして、それぞれの件数、どのようなものを紛失したか、届書で整理しております。全てお客様対応が完了しているということであり、紛失につきましては減ってきているということでございますが、手順が定められている。この手順の徹底を行うことが大切であると考えておりまして、例えば進捗管理のシステムへの登録を確実に行うために登録者を固定するといったこと。あと、処理状態ごとに明確に区分した6色ボックスによる書類管理を行う。あるいは書類を廃棄するときは個人の判断で行わない。これらの取組の徹底をすることにより、紛失事案について発生を抑止していきたいと考えております。

 資料1のほうに戻っていただきまして、15ページ目は年金相談、情報提供の項でございます。年金事務所での相談で、テレビ電話相談につきまして調整中という形でございました。今回の計画の中では、試行事業を行い、その検証結果を踏まえて本格実施の是非を検討するという計画にしております。

 これにつきましては、参考資料の30ページをご覧いただきたいと思います。こちらのほうでテレビ電話を利用した年金相談のモデル実施の案をお示ししているところでございます。従来より年金相談は、遠隔地の場合、出張相談により対応しているということでございまして、出張相談の現状と課題、お客様から見た場合、日時の限定、事務所に来られる場合、移動に要する費用と時間が発生する。一方で、事務所の側から見ましても、少なくとも2名以上の体制で赴くということ。その経費、時間的な問題。あとは、職員が出向くものですから、年金事務所窓口の対応の体制の不足がある。それぞれ双方向の現状と課題があるということでございます。

 このような状況の中でモデル実施をするというのは、お客様が相談しやすい環境を効率的につくり上げることができないか、そのツール、手段としてテレビ電話を利用した形で効果的、試行的な方法を実施してみたいということでございます。当然ながらその効果を検証し、つなげていくということでございます。

 2、実施概要でございます。これは市町村役場と私ども機構のほうで専用回線を通じて年金相談を行うということでございます。市町村役場におきましては、市町村役場の職員の方が付き添って対応していただくような形を想定しています。また、テレビ電話を利用した相談につきましては、予約相談などの実施状況が増えてきておりまして、このテレビ電話相談につきましても可能な限り予約相談を利用して、事前に準備が進むような形の対応をしていきたいと考えております。

 2番目、テレビ電話相談で対応する相談の範囲でございますが、事務所で行うものと同じ内容とするということでございます。この点、従前の出張相談でありますと、私ども職員が行っておるものでございますから、オールマイティーで相談に応じられるということでございますが、出張相談を行っている日以外の日につきましては、それぞれ市町村役場の職員の方が対応していただいているということになります。例えば年金裁定請求書の受付といった点につきましても、国民年金の期間を有している方につきましては受付ができるということでございますが、その他の期間を有する方につきましては受付が難しいということでございますし、また、実際に年金の見込額の試算といったことを市町村のほうで対応していただけるかというと、これまた難しいといったことでございますので、これは出張相談に赴かずとも、テレビ電話相談を行うことにより、あたかも年金事務所での相談と同じような形の相談ができるといった効果を狙っているということでございます。

31ページ目は、実際どのような流れで行うかということでございますが、市町村役場にモニタ、カメラあるいはスキャナ、プリンターを設置する。また、機構のほうでも同様の設備を整える。お客様がお持ちである書類と私どものほうが作成する書類、双方同じものを持った形で相談が開始できるようにする。すなわち、お客様がいらっしゃったときに請求書をスキャナで取り込みまして、機構のほうに送信する。機構のほうではそれを見まして、年金記録、年金見込額等を印字して、それをまたスキャナに取り込み、市町村役場のほうに送信する。互いに必要な書類がそろった段階で通常と同様な年金相談を実施する。その相談が終わった段階の確認としまして、年金請求書等ができ上がります。それをスキャナで取り込み、もう一回年金機構の職員のほうがモニタで内容の確認を行う。このような形の相談が可能になるということでございます。

32ページ及び33ページ目、これらの機器をどんな形で整えるかということでございます。まず、テレビ電話の専用端末は市町村のほうに設置する必要がございますが、別途テレビ会議、これは機構の中でのコミュニケーションツールとして4月以降運用を開始する準備を進めているものでございますが、それと同じ端末、同じ仕様のものを予定しているということでございますし、スキャナ、プリンターにつきましては、通常業務で使用可能な汎用の製品を使うということでございます。

 機能としましては、標準的な機能、会話でありますとか、資料内容の双方共有、あるいは画像の切りかえといった機能の他、追加機能としてデータをシステム的に消去するような機能を整えるということでございます。

 実際どこの市町村に御協力をお願いするかということでございますが、33ページ目の参考をご覧いただきたいと思います。これは1年間に12回以上の出張相談を実施する市町村の状況でございまして、新潟、長崎等々ございます。月1回だと12回ですが、2回だと24回とか、2回、3回行っておるところもございまして、そのようなところにつきましては、概ね100万以上の経費がかかっているということでございます。

 アンケートを事前に行っておりまして、45市町村中25市町村からモデル実施について検討するという感触、回答が得られているということでございますが、実際来年度予定しておりますモデル市町村につきましては、離島で出張相談を月2回程度実施しているところの中で協力が得られる市町村でモデル事業実施をしてみたいということでございます。

 実施時期につきましては、準備が整い次第実施ということでございますし、所要経費につきましては、1市町村当たりを見てみますと、運営経費は年間20万円程度、導入に当たりましての一時経費としまして80万円程度が見込まれるということでございます。機構のほうでも運営経費が50万、導入経費が120万程度要するということでございます。こちらもテレビ会議等で行うような、同じ仕様ということでございます。それに向けて別途調達をしていきたいと考えております。

29年度中、準備が整い次第実施ということでございます。具体的に相手方の市町村等とよく相談しながら、速やかなモデル実施につなげていきたいと考えておる次第でございます。

 資料1の23ページ「ローマ数字2 業務運営の効率化に関する事項」のところでございます。28年度中に統一業務マニュアルの準備を進めて、29年度はそれを用いた業務の効率化を図っていくということでございます。

 これにつきましては、参考資料の83ページ目をご覧いただきたいと思います。こちらは統一業務マニュアルがどのような位置づけのものであるかという参考資料でございますが、左側が年金事務所、事務センター、どこで使われるかといったことで、29年4月の運用開始は、年金事務所、事務センターの分をまず始めるということでございます。

 そして、統一業務マニュアルということでございますので、ルールを統一する。例えば地域差といったものがこれまで見られたものでございますから、それの把握、調査等、マニュアルの中に取り込むべきものと取り込まないものといった整理を行って、運用を開始するということでございます。

 もう一つの統一といった意味は、左の下、現在でありますと業務処理手順、届書等の処理につきまして、受け付けをしてからどのような審査をし、チェックをしていくかといった業務処理マニュアルと、一方で、ウィンドウマシン端末を用いましてオンラインシステムに入力していくための業務取扱要領、これらが2つ並び立ってあり、個々の職員の側から見れば双方を照らし合わせながら見なければいけない。そういうことでございましたので、地域差の統一とあわせまして、統一業務マニュアルを一つ見れば職員のほうの業務が進む。そういうものをつくったということでございます。これが年金事務所、事務センターでの準備ということでございます。

 右半分のほうは本部での事務処理についてでございます。中央年金センターあるいは障害年金センター、これは本部の全国統一的な一括事務処理部門ということでございますが、こちらのほうにつきましても順次障害年金マニュアル、これは4月から運用開始が可能ということでございますが、支払い、あるいは再裁定・時効特例等のマニュアル整備を同様に進めていきたいというものでございます。これらの統一業務マニュアルの完成によって業務の効率化を進めていくということでございます。

 本文の30ページ目は、マニュアルの一元化についての記載でございます。前回のこちらの部会の意見でも、どのような形でメンテナンスをしていくのかといった点、あるいは職員の意見の反映といった点を御指摘いただいたところでございます。

 計画本文の修正を行いまして、統一業務マニュアルの品質管理を行うために、本部内に統一業務マニュアルによる業務処理の徹底、そしてメンテナンスを確実に行うための専門部署を設置すること。そこには年金制度、年金業務に精通した職員を配置する。そのメンテナンスに当たっては、現場の実態を踏まえて業務の標準化、適正化を進める。こういうメンテナンスを行う専門部署の設置と現場の実態を踏まえた標準化、適正化を進めていく。そういう29年度の計画にしているということでございます。

 本文の28ページ目は、業務改善計画の組織改革の部分でございます。28ページ目のマル1本部「イ 本部組織の再編・効率化」のところで「地域部の完全統合に伴い、地域代表年金事務所の役割や位置付け等を見直し」といった記述がございます。ここの部分につきましては、参考資料の80ページ目をご覧いただきたいと思います。平成28年度を通じまして旧ブロック本部を本部に統合するということ。地域部を設置するとともに、段階的に人事、労務及び経理の業務については高井戸庁舎での実施に移してきたということでございます。4月からはこれが完全統合されるということでございますが、これが旧ブロック本部の機能と本部、あるいは本部の中の地域部、そして現地にあります地域代表年金事務所の業務ということの整理をしますと、従来の旧ブロック本部の人事、労務、経理といった業務は、その本部で行われるということでございます。

 地域代表年金事務所につきましては、地域性の高い管内調整、あるいは現地にあります関係機関との対応の業務が主体となるとともに、本部、地域部につきましては、基幹業務の現場管理・支援、進捗管理といったところが中心となる。こういう業務内容の整理が4月から行われるということでございますので、参考資料で御紹介をさせていただいております。

 資料1の31ページは、組織風土改革の推進の部分でございます。「自ら考え、自ら実行し」ということでございますが、前文の修正とも関連いたしまして、「組織風土を分析した上で、自ら考え、自ら実行し、業務改善計画を確実に実行していく」という修正を行っておるところでございます。

 本文の33ページは、人事及び人材育成のマル3「人材の育成」に関連しまして、研修について、多様な研修を実施するという記載をしていたところでございます。この点につきまして参考資料を追加しておりまして、参考資料は44ページ目、45ページ目でございます。これは人材育成、開発ということでございますが、外部の研修あるいは海外の外部機関での勤務で、2番の交流先、研修先等を整理しておるところでございます。このようなことを行う目的というものは、人材の投資といいますか、機構の未来を担う幹部候補生、専門性の高い職員の育成のために行うということでございます。

 大学研究機関へ2年程度派遣される、あるいは大学院のほうに3カ月間10回程度通う、あるいは民間企業のほうには1年間ないし2年間程度派遣されるといったことで、引き続き29年度も人材育成を進めていきたいと考えておりますので、御紹介させていただきました。

 資料1の36ページ目でございます。ここは個人情報の保護に関連するシステム上の対策で、基幹システムあるいは基幹システムの領域といった文案でございましたが、ここは文言の整理をいたしまして、基幹システムの領域という形で整理をしているところでございます。

 本文の39ページ目は、平成29年度予算が別紙1としてついております。これに関連しまして、参考資料の49ページ目でございます。これも御参考ということで、日本年金機構の予算編成・執行の流れ。当年度の前年度に予算要求をしていく。年度計画により予算が定まる。当該年度で執行していく。また、翌年度に決算等が行われる。大まかな流れを示しておりますので、御参考にしていただければと思います。

 私からの説明は以上でございます。御審議、よろしくお願いいたします。

 

○増田部会長 それでは、ただいまの説明内容について、各委員の皆さん方から御意見、御質問等があればお願いいたします。岩瀬委員、お願いします。

 

○岩瀬委員 2つばかりありますが、長くなったら1回切りますので。

 1つは、事業計画の中の事務処理の正確性の確保というところについてお尋ねをしたいのですけれども、これと関連する参考資料の17ページの数字についてお尋ねしたいのですが、28年度の総務省の数字がないので見られないのですけれども、27年度の総務省に機構が報告した数字と比較すると、部会に報告されている数字が非常に小さい。総務省には事務処理遅延、書類紛失及び誤送付・誤交付・誤送信の発生の数字が195件と報告されているのですが、機構は77件とここに書いている。配送事故を入れたトータル数字が総務省には328件と報告されているのですが、これを入れても機構は198件。かなり過小な報告になっているのですけれども、この理由は何なのですか。まずそれから教えていただけますか。

 

○増田部会長 それでは、一つずつ区切ってやりたいと思います。

 今の数字の関係、どなたかわかる方はいますか。総務省への報告とここでの記載の違いですけれども。

 どうぞ。

 

○岩瀬委員 総務省は、「平成27年度における行政機関及び独立行政法人等の個人情報保護法の施行の状況について」というデータですけれども。

 

○増田部会長 それでは、今、挙手された方、お願いします。

 

○下山日本年金機構理事(特命担当) 特命担当理事、下山でございます。

17ページに出ておりますものは、機構職員のみの数字になっておりまして、機構職員以外の市町村、委託業者等の数字は除かせていただいております。

 

○岩瀬委員 書いているからわかっています。

 総務省にはその数字を入れたのを報告して、部会に報告しない理由を聞いているのです。

 それと、市町村及び委託業者の発生事故というのも、機構が一体の事業としてやっているわけですね。これを入れないとおかしいと思いますし、再発防止策の対策に関しては、委託業者に対する再発防止策も考えておかなくてはいけないし、市町村に対してもどうあるべきかというのを機構は言っていかないといけないのではないですか。それが抜けているというのは、この事業報告書が非常にいいかげんだという評価につながるのではないでしょうか。その点について教えていただけますか。

 

○増田部会長 それでは、機構のほうからお願いします。

 

○下山日本年金機構理事(特命担当) 決してそういうことではありませんで、委託業者さんは、契約書、委託契約にのっとっておりますので、その発生状況云々につきましては、とりあえず機構職員の状況からやっているところでございまして。

 

○増田部会長 あと、まだ何かありますか。では、理事長さん、どうぞ。

 

○水島日本年金機構理事長 この報告は、従来からこのような形で御報告を申し上げております。総務省に出す報告に関しましては、それも含めようということが総務省からの指示でございますので、出しておりますが、もしそういう御指摘でございましたらば、今後これを二段書きにして御報告申し上げることについては問題ございません。

 

○岩瀬委員 総務省はずっと過去から全部入れて報告しているわけですね。その数字を見ると、機構が断トツに突出しているのですよ。不適正管理事案の件数、機関別内訳を見ると。独立行政法人等の中で。これは、我々にもきちんとそういう報告がなされないといけなかったと思うのですけれども、総務省には報告して、部会には報告しなかったということの意味がわからないのです。

 それと、今の担当理事の方の説明もわからないのだけれども、委託職員とか市町村と一体となって事業をやっているわけですね。一体となっている先が事故を起こしているということをなぜ分析しないのですか。今年度の業務報告書の中にその対応策を書いていないと不十分だと思います。それについての見解を教えていただけませんか。

 

○増田部会長 今の点について。どうぞ。

 

○下山日本年金機構理事(特命担当) 岩瀬委員の総務省というのは、個人情報保護のあれでございましょうか。

 

○岩瀬委員 そう。その中の内訳を見ると、機構の分類と同じ分類をされています。

 

○下山日本年金機構理事(特命担当) 私どもの事務処理誤りにつきましては、個人情報保護だけではございませんで、いろいろな事務処理のカテゴリーが。

 

○岩瀬委員 総務省の分類も個人情報保護だけでなくて、紛失とかいろいろ入っているわけです。それを全然理解していないではないですか。

 もう一つ聞きたいのだけれども、紛失事故が減っていると先ほど説明がありましたね。28年度は1件だけれども、総務省の資料を見ると紛失が減っているということなのですが、これは増えているのではないですか。27年度に報告した総務省の紛失事故は1件なのですけれども、今年23件あるわけです。紛失事故は増えているのではないでしょうか。

 

○増田部会長 それでは、審議官、どうぞ。

 

○伊原年金管理審議官 まず、外部委託であっても事務処理誤りはあってはいけないことであり、まさに今回の機構の行動計画、今度の年度計画の37ページを見ていただいたらと思うのですけれども。本文の37ページ。

 

○増田部会長 資料1、本文のほうですね。

 

○伊原年金管理審議官 本文の37ページのところにマル4としまして「外部委託先における個人情報の管理」という章が立てられております。ですから、はっきり問題意識として外部委託の問題。市町村の問題は、むしろ年金局の問題でもあるのですけれども、そこでの事務処理誤りを減らすということは、当然問題意識として持っております。そこはちょっと御理解いただきたいと思います。

 

○増田部会長 岩瀬委員、どうぞ。

 

○岩瀬委員 わかりました。

 紛失事故が増えているということについて、どういうことですか。

 

○水島日本年金機構理事長 お手元の数字が私どもに今ございませんので、どのような数字なのかというのをどういうふうにお答え申し上げるか。それは分析してお答えいたしますが、それは外部業者や市町村も含めますと増えているということがあるかもしれません。それは外部業者や職員以外がやったものが増えている場合には増えていることがあるかもしれません。

 

○岩瀬委員 こちらの機構のデータは職員のみなのです。総務省のデータは外部業者も入れているわけです。

 

○水島日本年金機構理事長 ですから、そこが増えているから全体として増えていることがあるかもしれませんので。

 

○岩瀬委員 いや、違う。全然わかっていない。外部事業者も入れたデータは今年減っているのです。職員のみのデータが増えている。この理由をお聞きしたいということなのです。

 

○水島日本年金機構理事長 総務省のデータでですか。

 

○岩瀬委員 そう。

 

○増田部会長 今の点は、総務省のほうのデータ、要するに、外部委託も含めた数値と、それから今、ここの場で報告されているのは機構だけのものなのですが、そのデータをまだきちんと御存じないようですから、それを見ないと多分わからないと。

 

○伊原年金管理審議官 ちょっとお時間をいただいて。

 

○増田部会長 この場だとすぐにはできないと。ただ、その点については必ず報告していただいて、対策のほうが一番大事なわけですが、いずれにしても、それの前段としてどういう状況であるかの分析が必要になりますので、その点について報告を是非お願いしたいと思います。

 

○岩瀬委員 部会長、この問題について1つコメントしたいのですけれども。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○岩瀬委員 つまり、このデータすら把握していなくて、しかも外部でいろんな問題が起こっていることを事業計画の中に入れないで。

 

○伊原年金管理審議官 入れてありますよ。

 

○岩瀬委員 だから、市町村が入っていないのです。

 

○伊原年金管理審議官 市町村はまた全然別の話ですから。機構の問題でなくて、今回機構の行動計画なので、そういう意味で言えば、市町村の問題はまた。機構だけに。

 

○岩瀬委員 分析ができていないのです。それが機構の理事長以下、理事がこの分析をできないというのは、事業計画として不十分ではないですか。私のコメントですけれども。

 

○増田部会長 今の市町村の件は市町村側の問題なのだろうとは思うのですが、年金局全体として、国民から見ると年金を取り扱う正確性というか、適正さということにつながってくるので、いずれにしても、今の総務省のほうに個人情報の関係で報告している不適正な件数等々について把握して、それから外部委託についての分析等をまたこの場で報告していただきたいと思います。よろしくお願いします。

 岩瀬委員、他に。どうぞ。

 

○岩瀬委員 ついでに言いますが、データをこうやって分けること自体が理解できないのです。統一したデータを公表しないと我々の審議にも影響が出ると思います。

 もう一つ、テレビ会議システムとテレビ年金相談についてお聞きしたいのですけれども、テレビ会議システムとテレビ電話相談ですか、非常にややこしいのです。今までこれをきちんと分けて説明されていないのです。テレビ会議システムに関してはほとんど説明がないのです。僕も議事録をずっと調べてみたのですが、第20回の部会でテレビ会議システムについて初めて報告があったと思うのですが、これは間違っていたら教えていただきたいのですけれども、このときに西村委員から調達手続がきちんと書かれていないとか、そのための準備期間、必要な施策がまだ記載されていないという意見が出て、理事長はこれに対して、これについてはまだまだ詰めていかなければならないと答弁している。

 議事録を検証したのですが、まだまだ詰めた結果というのがこの会議で報告されていないし、ペーパーにも書かれていない。これはどういうことなのでしょうか。

 私自身もテレビ会議システムについて、25回の部会で質問しているのです。そしたら、理事長は検討を開始したということについては、その事実を書いてあるにすぎませんとおっしゃっているのだけれども、検討結果というのは報告がないのですよ。

 議論をされて、その場限りのいいかげんな対応をして、きちんとした説明をされていないというのはどういうことなのでしょうか。そして、この4月からテレビ会議システムはもう実施すると。随契でも契約しているのだと思いますけれども、費用が幾らかかるかというのは、テレビ会議システムに関しては一切出ていない。どういう仕様になっているのか説明もない。それで、もうこの際やってしまうというのだったら、おやりになればいいと思うのだけれども、この部会というのは、年金事業の運営のあり方について御審議いただく専門の部会なわけです。設置要綱に書いているけれども。プラス大臣から特別に監視強化という使命も与えられている。そこの部会に対して説明もなく、どんどんやるのだ、俺たちは勝手にやるのだという姿勢はいかがなものかと思うので、そのことについて御見解をお聞きしたいのです。

 審議というのは、詳しく事の可否を議論、検討することなのです。それができていないと僕は思うのだけれども、それはできているのだから、もういいよ、4月からやるというのか、もう一度審議をやり直すのか、あるいはこの事業を今年度は落とすのか。その辺の考え方を教えていただけませんか。その後、テレビ年金相談についてもお聞きします。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○屋敷日本年金機構経営企画部長 先ほどテレビ会議につきまして若干私のほうからも触れさせていただきましたが、関連する資料といたしましては、参考資料の75ページ目をご覧いただきたいと思います。こちらはテレビ会議システムの導入というのも、再生プロジェクト取組状況の中の一つということでございますが、こちらのほうが昨年末の段階の現在ということになりますけれども、情報共有ツールとしてテレビ会議システムを導入したということ。調達につきましては12月に調達をしております。職員周知をしながら、4月に利用開始を予定しているということでございます。

 このテレビ会議の調達の内容でございますが、専用端末を20台ほど本部あるいは地域代表年金事務所等の会議室に設置をするとともに、私どもが使っておりますLANパソコンの中にソフトウエアを組み込む形で400台程度使用できるようにするという調達内容でございます。

 この調達につきましては、一般競争入札、最低価格方式での調達で、昨年12月に契約をしておりまして、その後、各拠点への設置というものは概ね完了しているという状況でございます。

 

○増田部会長 もう一人、どうぞ。

 

○岩井事業企画課長 管理部会の事務局の立場で御説明申し上げますが、ただいま岩瀬委員からテレビ会議につきまして、過去の経緯があり、それについて、なぜ事業を勝手にするのかというようなお話がありましたが、管理部会におきましてテレビ相談についていろいろと御意見をいただいたことがありますが、テレビ会議について問題点等のご意見をいただいたということはないと考えておりますが。

 

○増田部会長 岩瀬委員、どうぞ。

 

○岩瀬委員 これはややこしいから一体として大体考えがちだと思うのです。質問を受けなかったから関係ないのですよという対応はすごく失礼だと思うのです。そちらからこういう新しい事業を導入する。しかも費用もかかる。この費用は保険料財源を使うわけですね。国民の老後資金を使うわけですよ。説明をするのは当たり前だと思うのだけれども。そういう開き直りというのはちょっと失礼だと思います。

 それと、今、屋敷さんから説明があったけれども、そういうことを議論の最中にきちんと理事長が回答すると言っていたわけですから、説明されていないといけないのですよ。適当にやり過ごすという姿勢はやめたほうがいいと思います。

 

○増田部会長 何かありますか。どうぞ。

 

○岩井事業企画課長 私の発言内容が失礼であれば、おわびいたしますが、いずれにしても申し上げたいのは、テレビ相談について委員から繰り返し御指摘等ありましたので、そこについてはきっちり御説明するということで、今回もそれを、費用対効果も含めて御説明申し上げているという趣旨です。

 テレビ会議については、基本的には、全体の予算の中で対応することになりますが、論点になっているわけではないということは明確に区別させていただきたいと思います。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○伊原年金管理審議官 あともう一つ、私のほうから補足させていただきますと、確かにテレビ会議を導入すること自体は年金局も予算として認めているわけですけれども、我々の考え方としては、この導入によって今の出張費用を削減できるということを考えて費用対効果があると思って、年金局としてもこれを容認しているところでございます。

 

○岩瀬委員 では、膨大な出張費用とその効果、そういう資料をいただけませんか。私もいろいろ調べてみたのだけれども、グローバルで展開している日本を代表する企業でこういうのを入れているところは、北米と大体結んだりするのだけれども、初期投資だって結構かかりますし、1回の出張費が5060万かかる。それを節約するというのはわかるのですよ。だから、ここで先ほどのテレビ。どの程度の出張経費の節約になるのかがわからない。そういう資料を提供した上で議論というのが始まるのではないでしょうか。今からでも出していただけませんか。

 それと、これは一般競争入札で決めたということですが、一応仕様に関しては特別な仕様を設けるわけですね。それを公表した上で競争入札するのだと思うのですけれども、どこの業者と契約したのか、業者名を教えてもらえますか。これはWTOの規定で公表しないといけないことになっていると思うので、教えてもらいたいのです。

 

○増田部会長 今のテレビ相談。

 

○岩瀬委員 でなくて、会議。

 

○増田部会長 内部的なテレビ会議システムは、経費節減の観点から機構の判断で、厚労省も御存じだったと思うのですが、その中で導入を決めたと。4月から導入される。もう入札もしているようですから、実際に来週からそれを確実に使うということでしょうけれども、その一連の経緯ですとか、どういう判断をしたのかということについての資料を出した上で、委員のほうから問題提起もあるわけですから、この場で議論をするということにしたいと思います。いろんな調達の問題とかね。

 内部的にテレビ会議システムを使ってどういう効果があるか。大きな企業ですと、当然のことながら。私は、中央省庁はもっとこういったものを導入しないと、えらい時代遅れだと一方では思うのですが、ただ、それにしても一方で安易に入れるということでなくて、きちんとしたコスト比較等の上でこういったものを使っていくことが妥当かどうか。であれば、入札の仕方が適正かどうかというのは常に問題になる話なので、それをきちんと出していただくということにしたいと思いますが、そういうことでよろしいですか。

 

○岩瀬委員 すみません。テレビ電話相談について一言。

 

○増田部会長 次のテレビ電話相談があるので、そちらのほうをお願いします。これは前から提起されている話だと思います。

 

○岩瀬委員 ごっちゃになっていたのですよ。

 テレビ電話相談に関しても20回の部会で僕が質問しているのです。水島理事長は、今、検討しているところでございます、議論させていく状況は続くということだと思いますと答弁されているのだけれども、20回というのは2016年1月20日ですよ。それ以降納得いく説明は何にもないのです。

 資料が出ている、コストを出していると。こんなコストで全然わからないのです。もっと詳細なものを出していただきたいと言っているのだけれども、一切出ないし、今回出たコストだって保守経費は入っていないわけでしょう。一体幾らになるのか。どういう保守契約をするのか。これも一度使い出したらすごくお金のかかる仕組みだと思うのです。理事長もそういうふうに言っています。一度やったら後戻りできないのだから検討するのだと。ということで、これも全額国民の保険料を使うわけですから、保守経費が幾らかかるのかと何十回と聞いても一切答えないというのはどういうことなのだろうと思います。

 もう一つ、何カ所と試験的にやるのか。以前聞いたら3カ所と言い、前回聞いたら1カ所と言い、わからないのですよ。これで幾ら節約になるのかわからないのです。概算経費が出ているけれども、ここには人件費も入っているわけだから。どうせ交通費か宿泊費の節約になる程度だと思うのです。

 このポンチ絵もわからない。地方役所とネットワークをつないで本部を結ぶということなのだけれども、本部等となっているのです。「等」というのはどういう意味なのか。本部と一元的に結ぶのか。試行的な場合はそれをやって、本格運用したときは本部と結ぶよりも事務所と結ぶのか。そういう基本的なことが何にもわからないのですね。説明していただけませんか。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○樫本日本年金機構改革推進統括G長 再生プロジェクト推進室の樫本と申します。主担当をやらせていただいておりますので、御説明させていただきます。

 参考資料の32ページ、経費の面の御指摘でございます。所要経費、運用経費のほうが20万ということで、これは1市町村当たりでございます。

 ※印で年金機構における運用経費は50万としております。ここの部分に一部保守経費が含まれてございまして、回線使用料やヘルプデスク、機器の保守、この辺を入れさせていただいてございます。

 一方、導入経費につきましては、ほとんどが端末やPC、スキャナ、プリンター、設置工事、こういったものを組み込ませていただいておりまして、これはまさに一時経費でございますが、市町村分としては80万円、機構本部分としては120万円と見込んでございます。

 ここを分けましたのは、先ほど委員御指摘のとおり、1市町村当たりでございますので、これが複数あると、運用経費20万円、導入経費80万円のところが2倍、3倍となるという形に考えてございます。

 もう一つ、モデル市町村につきましては、(1)のところで月2回程度実施している6市町村ということで進めてございますが、33ページのほうで見ていただきますと、項番の1から5と7番、出張の相談経費が100万円以上かかっている部分のところは、年間の運用経費が20万円でございますので、少し削減したらペイできるという考えのもと、現在6市町村のところで何とか1カ所ないしは2カ所とモデル実施ができないかということを考えているところでございます。

 

○増田部会長 今の説明で岩瀬委員、何か。どうぞ。

 

○岩瀬委員 この資料だと全くイメージができないのです。今の話を聞いているだけでも試行的な運用において1,000万ぐらいかかるわけですね。そうでしょう。6カ所、7カ所と結ぶわけでしょう。

 

○増田部会長 これが候補で、その中から1~2カ所でしょ。

 

○樫本日本年金機構改革推進統括G長 その中から1カ所もしくは2カ所でまずは。

 

○岩瀬委員 そういう意味ですか。わかりました。

 でも、これは本格運用したら相当な金額になるわけです。これをやる意味がわからない。フェース・トゥー・フェースで年金相談をやったほうがよっぽどいいと思います。時間のロスがあるとか経費の問題があるとおっしゃっていますけれども、かかるコストはせいぜい交通費と宿泊費でしょう。人件費は、これを導入しようがしまいがかかるわけですから。それよりも行ってフェース・トゥー・フェースで相談に乗ってあげたほうがよっぽど年金の相談に特化できるのではないでしょうか。

 先ほど年金額が計算できないということも言っていたけれども、「ねんきんネット」を持っていってそこでたたけば、一応概算は出ますね。詳しくは後でおくればいいわけだし、意味がわからないのです。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○樫本日本年金機構改革推進統括G長 実際の具体的な想定でございますが、テレビ電話相談につきましても、いわゆるバーチャル的なフェース・トゥー・フェースだと思ってございます。その中では年金見込額試算は非常に重要な部分でございまして、この中でも単純な年金見込額試算であれば「ねんきんネット」等々でもできるのですが、やはり繰り上げをしたり、今、高齢者は長生きされていますので、繰り下げをしたりといった場合につきましては、何歳まで生きれば繰り下げ、繰り上げが有利かといった御説明も年金事務所ではさせていただいてございます。そういったものもテレビ電話相談ではまさに年金事務所の窓口と同様に説明させていただいて、遠隔地の年金受給者の方にも同様のサービスを提供したいと考えてございます。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○伊原年金管理審議官 実は私もこの電話相談というのは果たして意味があるのかということで、実際、年金事務所に行って年金裁定請求の場面を見させていただきました。見させていただいてよくわかったことは、例えば「ねんきんネット」で見ることができるデータでは全然足りなくて、お互いやりとりをして、見込額試算もやり、あるいはここで働いたことがありますかとか、なかったですというような会話をしないといけないということがよくわかりました。そういう意味では、簡単な方法でやるというわけにはいかずに、職員が出向くか、あるいはこういう電話相談をきちっとやるという仕組みをしないとできないのではないかということは確認をいたしました。

 2番目に、では、出向けばいいではないかというお話でありますけれども、これは33ページのところにある経費のコストをご覧いただければと思いますが、例えば佐渡市などでいきますと、これは人件費は別ですから、人件費以外、出張旅費だけで1565,000円かかっております。先ほどのコストで考えますと、ちゃんとフェース・トゥー・フェースで議論もできますし、お客様からすれば、月に2回の相談日に行かなくても、予約さえすれば自分の都合のいい日に役場に行けるわけですから、メリットはあるだろうと理解しておりまして、いろんな疑念に対して今まで我々自身も調べたところでは有効な施策ではないかと思っております。

 

○増田部会長 それでは、岩瀬委員から。そろそろおしまいにしていただいて。

 

○岩瀬委員 わかりました。これを最後にします。

 私は疑念を持っているわけです。疑念に対して説明してほしい。データを欲しい。全然出てこない。だから、聞いているわけです。疑念を払拭できるようなデータなり説明を今までされていないということを言っているわけですよ。その上で納得するのだったら、テレビ電話相談は別にいいだろうとは思うけれども、過去においてこういう機材を何度か導入したことがあって、それは一切使わなかった。国会でも問題になったことが二度あったでしょ。そういうこともあるが故に、これが本当に機能するのかどうかというのは、事前の審議というのが重要だと思いますよ。だから、これに関しては引き続き審議をさせてもらいたいのです。

 以上です。

 

○増田部会長 これがマックス6カ所。先ほどのものの中でどれか1~2カ所選んで、場所を決めるということを間もなくされるのだろうと思うのですが、どういう形でどこを選んで。これは市町村側との話がないと進まないと思うので、いろいろ話をされると思うのですけれども、その間どういう話の経緯でそこに決めて、どれだけの節減効果が期待されるのか、あるいは運用を始めて実際にどういう問題が出てきたのか、そういったことについて御報告をまた適宜お願いしたいなと思います。よろしくお願いします。

 では、他の方から。藤井委員、どうぞ。

 

○藤井委員 重要と思われるところに限定して連続して申し上げます。

 5ページの右側の(1)の「マル2目標達成に向けた進捗管理の徹底」というところで、これはひょっとしたら書き方の問題かもしれないのですが、マル2の冒頭の1行目には「目標達成に向け、取組の実績と適用調査対象事業所の状況に基づく計画を策定し」と。これはおそらく本部が行うことなのだろうと思うのです。数行下に「イ 年金事業所は、目標を設定し」云々と書いてあります。ということは、目標を設定するのは年金事務所。「年金事務所」が主語だと思うのですけれども、そうすると、各年金事務所は独自にそれぞれの都合に応じて目標を設定する。その目標に向けて行動すると。そのことと機構全体が策定する計画との関係が不明だろうと思います。

 例えば民間企業ですと、各事業所の目標というのはそもそも本部が策定して、それに当たっては、事業所と相談したり、状況を勘案するということがあると思うのですが、全体と部分の整合性をとるのは、結局、本部がやるべき重要な責任事項だと思うのですけれども、少なくともこの書きぶりからはそこはばらばらで、それぞれ好きにやるというような印象を少なくとも受けると思います。その内容がどうかということ。

 加えて、マル2が例によってマル3以降と並列になっているのです。大きく(1)ということで適用促進ということがある。その中でマル1からマル6が並列になっている。そのうちマル2に目標の策定やら管理やらというのがある。そうなりますと、マル2とマル3からマル6の関係は、少なくともこの資料の上では不明ということで、マル3からマル6という具体的な内容には主に数値的なことも何もなく、どのような目標なのかよくわからないわけですが、その内容というのはマル2に全て含まれていて、それは本部と事務所が個々ばらばらに策定するかのように読めるということについて、ちょっと理解を超えている感じがするというのが一つです。これが大きく1点です。

 連続して申し上げますね。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○藤井委員 次に、10ページをご覧いただけますか。これは先ほど私が質問したことから詳細な書きぶりに少し変わっているのだろうと思います。ここで私が質問したい重要なポイントは、左側に「未収録者」という言葉が2回出てくるわけですが、未収録者とは何か。では、収録者というのは、いつ、どのようにして登場して、未収録者というのは何なのだという非常に大きな疑問があったわけです。これについての説明がややここになかったかなと思うのですけれども、この内容が疑問なのと言葉遣いの疑問、両方あります。

 まず、1つ目のダガーマークの後ろのほうに「機構は基礎年金番号と紐付けされた住民票コードの情報を」と書いてあります。「紐付けされた」というのは、受け身の表現なのですけれども、誰がどうやって紐付けたのかがわからないということが一つ。

 「住民票コードの情報をJ-LISに照会する」。「照会する」という言葉遣いが多分間違っているのだと思うのですけれども、「照会する」というのは、聞きたいことを目的語とする動詞と思います。「Aを照会する」というのは、AがわからないからAを聞くということなのですが、おそらくこの文章は、住民票コードを提供することによってマイナンバーを照会したのだろうと思いますが、書いてある日本語はそうはなっていないので、ほとんど理解できないということが一つあります。

 私が今、想像した内容だとするならば、なぜかJ-LISというところは住民票コードとマイナンバーの関係表を保有している。それに対して年金機構が住民票コードを提供することによって、基礎年金番号と紐付けされた。どのようにしたか知りませんけれども、住民票コードを提供することによって、住民票コードとマイナンバーの一覧表を持っていると見られるJ-LISから提供を受けることによって、機構としては基礎年金番号とマイナンバーの紐付けを行った。多分こういう意味だろうと思います。よくわからない日本語ですけれども、多分意味を解せばそういうことなのではないかなと思います。これは多くの方は多分サプライズだと思います。少なくとも私にとってはサプライズでした。

 「11月以降、機構がマイナンバーの利用が開始できるようになった」と。利用できるということは、入手したマイナンバーを使えるということだと思うのです。入手の仕方について、どのようなことを認めたかどうかについてはよくわからないのですが、何だかマイナンバーを使えるようになった。使えるようになったら、早速どさっと手に入れたということなのですけれども、これは一般国民から見ると非常に不思議な感じが、少なくとも私はします。マイナンバーを本人としては提供していないのに、なぜか知らないけれども機構はそれを持っているということ。それはひょっとしたら間違っているかもしれないし、本人は確認もしていないのだけれども、何か知らないけれども機構では持っている。何かの拍子に機構が持っていることがわかるというのは非常に不思議な感じがするのではないかと思います。ここにはまた裏側で間違いもあり得るだろうし、思い込みもあり得るだろうし、本人は全く知らない。かつて社会保険事務所であったようなことが生じかねないのではないかなと感じるということが一つです。

 次に、「これにより、マイナンバーを利用出来るようになり」。これも不思議で、「利用出来るようになり」と言っているのは、マイナンバーというものを利用できると言っているのであって、マイナンバーを入手することと同値ではないような感じがするのですが、この文章ではいかにもそういう文章になっている。

 次に、これも多分言葉の問題だと思うのですけれども、括弧内に「現況届にマイナンバーが記入されていない場合は」、ということは、誰かが現況届にマイナンバーを記入するのでしょうが、本人が記入するというのであれば、「されていない場合」でなくて、「本人が記入しない場合は」となるのですが、「されていない場合」ということは、誰かが記入して差し上げて本人に見せるのではないかと思うのですけれども、それもよくわからない。

 「住民票等の添付を求める」というのも、何でマイナンバーが記入されていない場合に住民票の添付を求めるのか。その住民票には何が書いてあって、それによって何がわかって、それでマイナンバーがわかるのか、わからないのか、よくわからないという感じです。前よりはわかりやすい文章になって、一部内容がわかってきたような気はするのですが、基本的にサプライズと文章上の不備と不十分さがあるということ。

 加えて、こういうことをする場合に、世間に対してもうちょっと知らせる必要があって、あ、そうなのだということをはっきりと明確にするほうがいいと思います。明確にすることで、それについて賛否あるのだと思います。明確でなければ賛否もないし、わけがわからない感じで、何となく知る人が出てきて、びっくりびっくりというようなことになりかねないのではないかと私は思います。

 それから、従来の指摘点を修正いただいているところが幾つかあるので、それはすっ飛ばしまして、別添資料の81ページと82ページをご覧ください。これはマルチランゲージサービスで、かねてより私が何回か発言しているところなのですが、今回また思いつくことがあるので、つけ加えたいと思います。疑問点の根本は、82ページの通訳センターというのはどこにあって、誰なのかということです。通訳センターというと、いかにも機構の内部にあるような感じがします。呼び名から受ける印象にすぎないのですけれども。

 ところが、81ページを見ますと、一番下の導入概要の5つ目の○に「従量制を採用」と書いてあります。すなわち、利用がなければ利用料は払わない。下に基本料と利用料があって、おそらくこの利用料のことを言っているのだと思うのですが、利用料は払わないと。誰に払わないのかということなのですけれども、それは通訳をする人なのだと思いますが、その人はどこにいるのかということなどが疑問にあります。

 新宿事務所で案があったことは、往訪した際に発表があったので覚えておりますけれども、そのときの感じだと、何やら新宿事務所の裏側にこの通訳センターがあるような印象を受けたのですが、それだったら裏にいなくて表に出てくればいいのではないかと思ったわけですが、今回のものを見ますと、事務所の裏ではなくて、どうも本部にあるのか、外部委託するのか、どちらなのかなという感じがします。

 外部委託となりますと、このことだけのためにずっとスタンバっている人がそういるのかどうかだと思うのです。皆さん、いろいろな仕事をお持ちだったり、通訳業者というのは、急に言われても対応できるとも思えないし、その辺のことがこれからさらに検討を加えられる必要があるのかなと思いました。

 

○増田部会長 今、大きく3点御指摘があったのですが、順次今の御質問にお答えいただきたい。それでは、どうぞ。

 

○深田日本年金機構理事(事業推進部門担当) 厚生年金の最初の5ページのところについて御説明したいと思います。ちょっとわかりづらい表現だったかもしれませんけれども、行動計画は事務所も本部もつくります。本部では、まず目標を立てるということをしまして、全体の目標を幾らにするか、幾つにするかを立てまして、それを適用事業所の規模とか、あるいは国税情報や他から得られている情報の中の残件数などによって事務所ごとに割りつけをします。それを地域部を通して事務所に提供し、事務所ではその数字をベースに、では、自分たちはどこまでできるか。マイナスではなくて上乗せは可能かどうかといったような観点が中心になりますが、その上で計画をつくります。

 それによって、その数字を再度本部のほうで集計をし直しまして、全体の数字をもう一遍つくり上げるという形になります。ちょっとわかりにくいかと思いますけれども、そういう形になりますので、全体の件数と各事務所の件数は結びついている数字になっていきます。というのが一つです。

 それから、マル1からマル6まで書かれているものの関係はどういう関係になるのだという御指摘だと思いますが、まずマル1というのは、行動計画をつくって、それに基づいて事業をやっていくのだということが書かれているということでありまして、マル2については、そもそも策定する行動計画の具体的な進捗管理をどういうふうにやっていくのかというのが書かれています。マル3は、具体的に達成するための方策についてそれぞれ書いているというものであります。マル4以降は、適用対策として、それ以外に例えば届け出が。マル4というのはいわゆる調査というものでありまして、適用の一部ではありますが、具体的に調査に行って未加入だった被保険者がいないかどうかというのをどうやって調べるのかということ。マル5は短時間労働者の適用拡大で漏れがないようにしていかなければいけない。マル6はいわゆる特例法の適用、進捗管理をちゃんとやっていくということについて書かれているものということでございます。

 

○増田部会長 どうぞ。一つずつ。

 

○藤井委員 前半のところが特に重要だと思うのですけれども、そういうことであれば、そういうふうに書かれたほうがいいと思いますね。繰り返しですが、この文章ではいかにも本部と事務所は別々に行動している意識のように見えます。こういう文章があるということは、そういう意識が少なからずあるのではないかと思います。そう思われても仕方がないと思いますね。

 加えて、マル2は進捗の徹底だとおっしゃいましたけれども、確かに見出しはそうです。しかし、内容は目標を立てないことには徹底のしようもないわけで、内容では目標を設定すると書いてあるわけなので、仮にマル2が進捗の徹底だとおっしゃるのであれば、それより前の項目を新たに立てて「目標の設定」と言うべきではないかと思います。そうでなければ、この項は徹底なのでと言うのではなく、目標の策定についてもそもそも述べるべきだと思います。

 

○増田部会長 他に2つあったので、順次お願いします。どうぞ。

 

○田中日本年金機構年金給付部長 年金給付部長、田中でございます。

 年金不正受給対策の部分を御説明させていただきます。委員からの御指摘、7点ほどあったと理解しております。

まず「紐付け」という意味でございますが、我々は年金個人情報を、この方に基礎年金番号を付与しまして、基礎年金番号をお持ちの方に、例えば氏名はどうだ、住所はどうだといういろんな事項を管理しております。その中の我々が管理する年金個人情報の一つとしてこれまでも住民票コードというのがありまして、これからマイナンバーが出るということで、そういう意味で基礎年金番号をお持ちの方にどういう情報を入れるかというときに「紐付け」というふうに表現しております。

 第2、「J-LISに照会」という部分でございますが、ここで申し上げているのは、今回全く新しくマイナンバーを使い始めるということではなくて、これまで住民票コードというものを使っていたわけでございます。これまでも例えば住民票コード自体を申し出ていただくとか、住民票住所を申し出ていただくということによりまして、できるだけ基礎年金番号をキーとする記録の中に住民票コードを収録していくという努力をしてきたわけであります。

 今回、29年1月から、我々機構においてマイナンバーの利用が開始されたということをもちまして、我々が既に持っている住民票コードをもとにJ-LISに照会いたしまして、この住民票コードと対応したマイナンバーの提供を受ける、そういう作業をさせていただいているということでございます。

 これは国民にとってはサプライズではないか、間違いなどもあるのではないかということでございますが、先ほど申し上げましたとおり、これまでも住民票コードを使っておりまして、それと同じような機能のものとしてマイナンバーを使うということになったわけでございます。

 受給権者について申し上げましても、前回もお答えいたしましたが、かねてから厚生労働大臣は受給権者に対し住民票コードの報告を求めることができるという規定がございまして、これに基づいて現況届の中に住民票コード欄というのを設けておりました。今回法令改正で「住民票コードの報告を求めることができる」という規定が、「個人番号の報告を求めることができる」という規定に変わったということであります。

 収録しているものが間違っていることもあるのではないかということでございますが、御理解いただきたいのは、これまでも例えば現況届に住民票コードが書かれてきました場合、これは御本人が書いてきます。単に書かれたコードをそのまま収録するということではありません。我々が機構として持っている住所を含む4情報がJ-LISに照会いたしまして、J-LISのほうで持っている4情報と一致しました。そうしますと、これで今、届け出た人とこの番号に紐付いている方と同一であることが確認できますので、それをもって我々のデータベースの中に住民票コードを収録するという作業をしてきているということであります。

 マイナンバーを入手するということと29年1月の利用開始の関係ということでありましたけれども、まさに我々、29年1月からマイナンバーの利用開始になったということで、それをもちまして今まで持っている住民票コードでJ-LISに照会して、それと1対1対応しているマイナンバーの情報をいただく、そういう手順をとったということであります。

 それから、「現況届にマイナンバーが記入されていない場合は住民票等の添付を求める」という部分でございますが、これはマイナンバーを記入するのは当然現況届にマイナンバー欄、これまで住民票コード欄だったものをマイナンバー欄に変更いたしますので、そこに記入するのは受給権者御本人ということになります。それが記入されない場合に住民票の添付を求めるという意味なのですが、御理解いただきたいのは、年金請求書も現況届も法令上マイナンバーの記入は必須的、義務的なものではありません。どういう意味があるかと申しますと、これは年金請求書もこれまでもそうなのですが、住民票コードを入力した場合には、単身者の場合、生年月日を確認する書類としては戸籍や住民票の添付が不要となる、つまり、住民票コードを記入した方は添付書類が簡素化できるという意味がありました。これと同様に、今回現況届でマイナンバーを使う際にあわせて、原則は住民票の添付を求めるのだけれども、マイナンバーを記入したときには住民票の添付は要りません、という。年金請求書と同様な形で整理をさせていただいているということであります。

 これは任意でございますので、マイナンバーを記入しないで、私はあえて住民票を取得して添付しますという場合には、住民票を添付していただきますと、そこで住民票住所を確認することができます。そういたしますと、その他我々が持っている氏名、生年月日、性別といった情報とあわせて、4情報をもってマイナンバーを検索するということができます。それによって、同じ人、つまり、4情報が一致する方のマイナンバーを見つけて収録することが可能になるということであります。

 7点目、どのように国民に知らせるのかとございましたけれども、これにつきましては、現況届に住民票の添付またはマイナンバーの記入を求めるという事業につきましては、今年の2月から既に始まっております。これについては、まず最初に2月生まれの方に1月に書類を送るという形をとっておりますが、その中でリーフレットを同封して、こういうふうに変わりますということを個別に御説明させていただいていますし、そういった取組をしていることにつきましては、ホームページ上でも公開しております。

 それから、不正受給対策で様々取材対応することもございます。非常に国民的な関心も高いものですので、その際には必ずこういう形でこれからは現況届に添付書類を求めていくのだ、ないしマイナンバーの記入を求めていくのだということをしっかり説明するようにしているということでございます。

 すみません。取り急ぎ以上でございます。

 

○増田部会長 あと、マルチランゲージサービスのほうもお願いします。

 

○樫本日本年金機構改革推進統括G長 マルチランゲージサービスの関係につきまして御説明をさせていただきます。資料が非常にわかりにくくて申しわけございませんが、藤井委員がおっしゃるように、実はお抱えとか、新たに通訳センターを機構としてつくるというわけではございません。81ページに書いてございますが、これは利用契約という形で、巷には翻訳業者とかコールセンターを運営する会社とか、利用契約ということで、必要なときにお電話させていただいて、英語なりポルトガル語の翻訳ができる方とつないでいただいて、予算のところに書いてございますが、今回ですと1回につき1,500円。あと、月に基本料ということで10万円という形。年間で利用契約をすれば、必要なときに1件当たり幾らというお支払いで契約をするという形で今回は対応していきたいと考えてございます。

 以上でございます。

 

○増田部会長 ありがとうございました。

 藤井委員、どうぞ。

 

○藤井委員 2点について、ちょっとだけ申し上げます。

 まず、10ページのマイナンバーのほうですけれども、まずは日本語としてわかりよくしてほしいというのが第1点です。

 第2点として、国民または本人にいろんな形で説明するとおっしゃっているのです。それはある意味当然ですから、その中に年金機構はこれこれこういう方法によって。「これこれこういう」の中には、J-LISにこういう情報を提供することによって、私どもはマイナンバーを知っています、知ることとしましたという、そこを言うかどうかが非常にキーとなるところだと思います。そうでなければ、本人から届け出があった場合以外になぜ機構がマイナンバーを知っているのか、この一点でとても大きな疑問が湧き出るものと考えます。この一点に尽きると思います。これがわからないから、今回わからなかったところでありまして、その説明をしない限り説明していることにはならないし、多分国民全般から摩訶不思議な印象を受けると思います。その説明をすると、それに賛同する方と反対する方が生ずるのではないかとは思いますが、それはまた別儀であります。それが第1点です。これは是非そのようにお願いしたいと思います。

 それから、81ページですが、これも今日サプライズがありまして、先ほどの御説明ではセンターではないという話がありました。だけど、あちらこちらに「センター」という字が書いてあるので、事実に反すると思います。外部委託というのであれば、そう書くべきで、検討中だからいろいろあるのですというのは、そうかもしれないですけれども、これは重大な違いでありまして、外に出すとなると、これは品質の問題とか秘密保持の問題とか、非常にいろんな問題が出てくると思いますし、皆さん、そう暇ではないので、このためにスタンバっている人をどれほど確保できるか。いろんな疑問が生ずるところであります。

 以上です。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○岩井事業企画課長 マイナンバーの件につきましては、申し上げておきますと、マイナンバー制度というものが、そもそも国民の利便性の向上、行政の効率化の観点から、国民にマイナンバーを付番いたしまして、御本人の確認とか、あるいは了解をとるということではなくて、それを行政機関で利用するという制度としてできております。そのかわりに、その目的は厳密に限定されますし、セキュリティも厳しくされております。

 そういう制度として制度ができておりまして、これ国会での議論も経て、ずっと長い期間議論されたというものでございまして、そういうものとしてできている。民主的な手続を経て合意されたもので、政府としてはそれを利用するというものでございます。

 ただし、委員から御意見いただきましたとおり、国民の皆様に自分の情報がどういうふうにして利用されているかということをお知らせするということは重要なことでございますので、ただいま藤井委員から御指摘がありました点につきましては、これを周知するという方向で検討したいと思います。

 以上です。

 

○増田部会長 藤井委員、どうぞ。

 

○藤井委員 時間があれですから最後に。

 おっしゃるようにしてほしいと思います。これは分けて考える必要があって、国会の議論は国会の議論で賛否があって、何かが決まったということについて、私どもがそれについてどうかというのは別の話であって、それとは別に、本件に関しては2つあって、今のおっしゃりようで言うならば、法令等、法律及びそれに関連する定めによって、年金機構がJ-LISにこのような照会をすることがそもそも可能かということについて、私は今でもクエスチョンがあります。それが一つ。

 次に、それが適正なことであるにせよ、そのことは国民にはっきりとわかりやすく説明をした上で事業をなすべきだと思います。この2点です。

 

○増田部会長 今の委員の1点目のところは、厚労省のほうではどういうふうに法的に解釈していますか。

 

○岩井事業企画課長 マイナンバー法に基づきまして、日本年金機構が年金事業に活用できるものとしてマイナンバーを利用できると。それは目的も限定できますので。先ほども説明がありましたが、保有し、利用できると。

 また、J-LISというものは、J-LISのほうで住民票コード、マイナンバーというのを保有して、そういう目的でこういうものを提供するという役目、これも法令に基づきございますので、全体として法令としては根拠があります。

 また、住民票コードについても従来よりそういう形で各機関が提供を受けておりますので、これは法令上の根拠はあるということでございますので、その辺をわかりやすく国民の皆様に周知する形にしたいと思います。

 

○藤井委員 最後に1個いいですか。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○藤井委員 今の話を聞いている範囲では法令上の根拠は認められないと思います。機構がマイナンバーを利用できるというのは、その「利用」とは何かですけれども、普通の理解では、本人から提供を受けることによって利用する。利用することはできるのかもしれないけれども、入手することはどのような方法によるのかということに関しては、利用とは別でありまして、それについてどうかということが質問です。

 利用するというのは、できるというのはできるのでしょう。それについての賛否は国会で議論されればいいのですが、入手するというのは、利用するとは別の話だと思います。

 

○増田部会長 そんなことは当然国会で議論しているはずだから、きちんとそのところは明らかにしていただけますか。

 

○岩井事業企画課長 法令の根拠等をまた御説明申し上げますが、政府における機関全てにおきまして、基本的にJ-LISで紐付けたものを利用するという仕組みになっておりまして、これについては根拠がありますので、後ほど御説明いたします。

 

○藤井委員 繰り返しですが、「利用」と「入手」は、通常の日本語としては全く別のものだと理解しております。

 

○増田部会長 根拠は法的な条文にきちんと書いてあるはずですから、それをお示しして、それで政府のきちんとした解釈を示す。それは当然必要なことなのですが、そもそもそうしないと、その作業自体ができなくなってしまいますから、この場でそれはきちんとやっていただくということ。

 あと、問題は、先ほどの御説明ですと、ホームページに提示しているということと、2月、対象者のところに送っている書類の中に明らかにしていますが、いずれにしても、先ほどお話があったように、もっと広くきちんと周知する措置をとるべきであって、もっと広く周知できる措置があるかどうかを検討して、それでその措置をとっていただくということが必要だと思うのです。ですから、年金事務所にパンフレットを置くということでもいいですし、もう少し広く周知するような措置も考えていただきたいと思います。

 マルチランゲージサービスのほうのお話がありましたが、これは4月からだから、予算も成立しましたし、これも入札になると思うのですけれども、年度が変わったら手続をとられるわけですね。

 

○樫本日本年金機構改革推進統括G長 これはこれからでございます。秋ぐらいをめどに。

 

○増田部会長 スタートは秋ぐらい。

 

○樫本日本年金機構改革推進統括G長 はい。

 

○増田部会長 では、それまでにいろいろ対象業者を決めたりということで。

 こういうサービスを提供している事業者、業者は相当な数いるのですか。要するに、常に外国の人が来て、通訳が必要だというときに、ぱっと連絡すると、7カ国になりますけれども、そういうことをできるような業者はあるのですか。

 

○樫本日本年金機構改革推進統括G長 情報提供依頼を公にさせていただきまして、大体5~6社ぐらいは情報をいただいておりますので、その中から検討したいと。

 

○増田部会長 ありそうだということですね。わかりました。

 西村さん、どうぞ。

 

○西村委員 10ページの件で2点ほどあります。これは基礎年金番号と住民票コードを紐付けするところからいろんな歴史がある話なので、マイナンバーのところももちろんなのですけれども、例えば収録率とか、9割なのか何割なのかとか、そういうところも含めて少し丁寧に説明していただいたほうが理解が進むと思います。要するに、ほとんどの人たちはこの状態できちんと処理ができるのですが、一部の方々はたまたまこういうことが起こりますという話なのか、それとも当たり前にマイナンバーを書いていただかなければいけないような話なのかというのは、事務上もかなり負担が違いますので、少し丁寧に御説明いただいたほうがいいと思います。

 2点目は、最後の御説明で気になったのですけれども、住民票を添付いただいて、4情報から住民票コードを探してというお話がありましたが、現実の話としては、住所、氏名、生年月日、性別が同じ方というのはいらっしゃいますので、そういうことに関する事務誤りの回避のためにはどういうことをやられているというのをきちんと御説明いただかないと、先ほどの説明だけでは、その人を間違ってつけ間違えてしまったらどうするのという疑問が残ります。実際にはほとんどないということは、過去基礎年金番号と住民票コードを紐付けるときに私は理解しているつもりなのですけれども、世の中にはえっという方がいらっしゃると思いますので、そこもちょっと御丁寧に説明いただいたほうがよろしいと思います。今日でなくてよろしいので、御丁寧な説明をお願いしたいと思います。

 以上です。

 

○増田部会長 それでは、山口委員、どうぞ。

 

○山口委員 1ページ目の前文のところで取組の姿勢ということで修文されて、「改善に不動の決意を持って取り組む」ということで、改善計画が2年目となり、新年度はさらに腰を据えて取り組まれる御意思というふうに受けとめました。

 それに関して1点。今後の部会での検討についてお願いがございます。会計検査院の報告に関してなのですけれども、既に機構として指摘に対して対応されているということと、作業班が調査をされて報告される予定と伺っております。作業班が今後検証を報告されるというのにあわせて、検査院から直接報告についてお話を一緒に聞けないかと考えております。

 と申しますのも、私、12月に報告が出ましたときに、検査を受けて指摘を受けたというところで、やはり消極的に受けとめた部分がなかったではないのですが、今の会計検査の考え方というのは、取り締まりというだけではなくて、付加価値型ということで、適正な行政を行っていくために助言、手助けを得るものという視点が強くなっていると聞きます。海外の各国の当局でもそのような手法を用いていると聞いております。

 これからさらに改善計画を進めて、ただし、組織改革というのはたやすいものではないと理解しておりまして、その中でさらに改善を進めていかなくてはならないということで、検査院は部会と同じ第三者という立場で検査をされているので、部会で今後検討していくときに、さらにどういった視点で見ていけばいいのか、踏まえておきたいことについてお話をお聞きすることができれば、今後の部会の検討にも資するのではないかと考えております。御検討をお願いできればと思います。

 以上です。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○伊原年金管理審議官 会計検査院の方のお話を聞きたいということですが、確かに承りましたので、先方と御相談したいと思いますけれども、ただ、1点だけ申し上げると、会計検査院というのは政府から独立した機関なので、この審議会自身も政府の機関なので、果たしてお越しいただけるかどうかとか、あるいはどういう立場になるかということはよくお話しする必要があろうかと思います。

 もう一つ、御指摘がありましたように、去年のいろいろなトラブルに関しては、作業班を設置していただいておりまして、今後どうしますかということで1回作業班を開いております。そちらのほうでも夏に向けて集中的に議論いただくことになっておりまして、そちらの審議とこちらの親会議の関係をどうするかということもあると思うので、そこは増田部会長とも御相談させていただいて進めたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

○増田部会長 わかりました。会計検査院のあれは国会報告ですね。国会、立法府に対して報告するということですね。

 

○伊原年金管理審議官 そうです。行政だと立場がちょっと違うかもしれない。

 

○増田部会長 そうですね。ちょっと難しいかもしれません。御趣旨はわかりました。

 石井委員、どうぞ。

 

○石井委員 ということで、その作業班の一員になってしまったのですが、先ほどから議論いただいている10ページに関連して、会計検査院の報告書の所見の中で、年金受給に関しての受給者の生存の事実の確認等ということに関して、検討することと記載されていますが、これに対する今年度の計画が、今ここで御議論いただいた10ページの中に入っているという解釈でよろしいのでしょうか。

 

○増田部会長 今の点は確認ですが、機構のほうからお願いします。どうぞ。

 

○田中日本年金機構年金給付部長 この年度計画に入っているのは、あくまで年金受給者一般についての事業ということでございます。会計検査院の調査の中で報告された事案というのは、先般の不正アクセスによる情報流出事案を受けまして、そのおわび状とか基礎年金番号の変更の通知が届かなかった人ということに限った対応でございますので、それは別のものとして対応したいと考えております。

 

○石井委員 ということで、別のものに関するところのこの計画への記載はあるのでしょうかという確認なのです。

 

○増田部会長 トータルで検査院の御指摘にどう対応したかという話だと思うのです。理事長さん、どうぞ。

 

○水島日本年金機構理事長 検査院から不正受給対策及び過払い等の対策については指摘を受けております。今の対策については、もちろんそのうちの一つでございます。それに加えまして、徴収体制の強化等々につきまして計画の中にも組み入れておりますが、それもございます。したがいまして、御指摘のとおり、今、御説明したところは不正受給対策の極めて重要な対策の一つでございます。

 

○増田部会長 石井委員、どうぞ。

 

○石井委員 私は詳細に、厳密に日本語を解釈する能力がある人間ではないと自覚しておりますが、検査院が書いているこの文章の意図をはかりかねていまして、最終的に所見のコメントが、年金受給者の所在が確認できないという情報を有効に活用し、その生存等の事実を確認することなどについて検討しろと言っているわけで、検査院が何を求めているのかがよくわからないのです。作業班の一員になってしまったものですから、後日その報告をする際に、この件について今日御議論があったような様々な御批判をいただくのは、私自身はそういうものに耐えられる人間ではないので、今日確認をさせていただきたいと思っておりました。

 この間の作業班の検証部会でもこの件に関しては次回以降するのだなと思っていましたが、今日これだけこの議論が出ておりますから、そこのところのめり張りはつけておいていただきたいと思います。

 

○増田部会長 検査院の指摘は、独立した機関から立法府に送られているのですが、それが政府におりてきていると思うので、政府のほうでどのように受けとめるかですね。高橋課長、どうぞ。

 

○高橋事業管理課長 この記述につきましては、住民基本台帳上は、先ほどの議論に戻りますけれども、基礎年金番号と住民基本台帳のコードが紐付いている方でいらっしゃいまして、その方に対して通知をお知らせしたところ、届かないと。ただ、その方の情報を住民基本台帳ネットワークに見に行くと、これは生存されていると。ただ、住民基本台帳に記載されている住所に送っても届いていない人ということでございます。

 このような方につきましては、住民基本台帳上生存されているという方であれば、死亡届は戸籍上も出されていない方であるので、住所のところにはいないかもしれないけれども、生存確認の公証の原簿である住民基本台帳あるいは戸籍上は生きていらっしゃるという方でございます。

 

○増田部会長 石井委員、どうぞ。

 

○石井委員 とてもよくわかる話で、現実に日本年金機構なり厚生労働省が入手できるデータによれば、明らかにこの人は生きているではないかと。極論すると、たまたま所在がわからないけれども生きているという事実は、法律的な手続で事実を確認していくと、そういうことになるのだけれども、しかしながら、検査院の言い方は、「生存等の事実を確認することなどについて検討する」ということになっているので、現実にこの人が生きているのかどうかを確認しろというふうに読めませんかというのが私の質問なのです。

 

○増田部会長 課長さん、どうぞ。

 

○岩井事業企画課長 ただいま事業管理課長からもありましたように、基本的には制度としては住民基本台帳で確認するしかないというのは、政府としての見解だと考えていただいて結構だと思います。

 この件については、検査院の中で、こういう情報流出との関係で調べた中でまだ確認できていないところがあるのではないか、そういう経緯から調べる必要があるのではないかという意味での個別的なケースとして御指摘をいただいたと考えておりまして、それについてはきっちりやっていこうと考えております。

 いずれにせよ、こういう不正受給対策については、年金機構だけでできる問題ではございませんので、そういう市町村、住民基本台帳とかの制度と連携してやっていく必要があるということで、そういう範囲で捉えられるべきものだと考えております。

 

○増田部会長 というのが会計検査院からの指摘に対する政府の受けとめ方なわけですね。

 今の件、石井委員、よろしいですか。

 

○石井委員 この辺でやめておきます。

 

○増田部会長 西村委員、この関係ですね。どうぞ。

 

○西村委員 すみません。単なる感想になるかもしれませんが、今おっしゃられたことというのは、厚生労働省で管轄されている措置事業ではごく当たり前に起きていることですので、厚生労働省の中で情報連携をしてその状態がわからないというのは、世の中的にはおかしいと思わざるを得ないと思うのです。

 実際にあるケース、具体例を申し上げますと、3人の御家族がおります。3人とも措置入院で県外におります。住民票はもとの家のままです。ケースワーカーさんは3軒回って生活保護手続をしております。なので、ケースワーカーさんは皆さんの住所は御存じですが、それが機構に届いていないという事実は実際にありますので、こういう場合は何と思われるのでしょうね。これは事実を踏まえた感想ですので、では、どうなのという話はお考えいただきたいと思いますということで申し上げました。

 

○石井委員 では、今の議論と同じように感想を申し上げると、私がそこにいらっしゃる厚生労働省の方たちから昔、お聞きした話で、例えば医療保険がありますと。私もそうですけれども、ある年齢になると、薬を飲んでいない高齢者はほとんどいないのですと。ずっと慢性疾患、生活習慣病で高血圧、高脂血症の薬を飲んでいた人が、この3カ月、半年間一切薬が出ていない。そんなことの突き合わせもできるのだという話もあり、そうすると、まさしくここでおっしゃったようなところの年金の不正受給との関わりの中で非常に有効な検索機能を持っていたりもするのだろうと。こんなお話も過去にお聞きしたことがあるのですが、その議論をしていくということになると、まさしくその人物が現実に生存しているかどうかということの事実確認を年金機構にやらせるということなのですかというのが私の一番聞きたかったことなのです。

 その権限なり法律上の根拠があるという認識をとってよろしいのかどうかということも含めて、何だかとても無理なことをおっしゃっているな、検査院様はという認識を私は持っています。

 

○増田部会長 もうこのあたりでこの議論はおしまいにしたい。というのは、検査院は御承知のとおり独立機関なので、それを政府としてどう受けとめて、どう対策をとるのか。国会のほうに検査院として報告をして、政府としてそれに対してどう対策をとるのかというのはまた別の問題ではないかなと思いますので、厚生労働省は厚生労働省で検査院に対する対応をいろいろ考えられるのだと思いますけれども、我々のほうではやれるべきことをきちんと機構のほうにやっていただくということに尽きると思います。

 今の関係についてはこの程度にしておきたいと思います。

 ちょっと時間が押しているのですが、齋藤委員のほうから御質問がありますので。

 

○齋藤(衛)委員 齋藤でございます。時間もありますので、短目にというか、精神論のところだけ。

 再び個人番号に戻らせていただきたいと思うのですけれども、扱いはどうであれ、個人番号を使った手続というのがもう始まっていますので、個人番号は一時的にせよ、常時にせよ、年金機構の中に情報として存在するという状況はあるわけですので、個人番号を重要なものとして守っていくのだという姿勢をこの中で記載しておかなければいけないのではないかという気がしてきました。

 具体的な案としては、前文の中の「また」以降、情報セキュリティ対策の徹底の根拠になっているところに「個人番号を使った手続が始まっているから」ということを書いてしまうか、もしくは35ページ以降の「個人情報の保護に関する事項」の中に「お客様の重要な個人情報(年金個人情報)の保護を確実に行う」という文言がありますが、そこに個人情報を含めて記載してしまうか、この2つのどちらかはやっておいたほうがいいのではないかなと思います。コメントです。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○岩井事業企画課長 ただいまの齋藤委員の御指摘につきましては、その方向で検討させていただきたいと思います。

 1点だけ補足させていただきたいのですが、個人番号に関してです。先ほど説明が不足しておりましたけれども、個人番号制度につきましては、各個人から届け出ていただくとか照会するということになりますと、これは事実上制度を運営することができませんので、法律におきましては規定を置いておりまして、マイナンバー法の第14条におきまして、個人番号利用事務実施者、これは政令で定めまして、年金機構が入るのですが、個人番号利用事務を処理するために必要があるときは、住民基本台帳法30条の9から30条の12までの規定により、機構に対し、この機構というのがJ-LISでございますが、機構に対し、機構保存本人確認情報の提供を求めることができると規定されておりまして、これに従いまして、各種の政府関係機関はJ-LISからマイナンバーを取得するという形になっておりまして、それが根拠でございます。先ほどは説明できませんで、申しわけございませんでした。

 

○増田部会長 今の関係は政令が全部できて、機関が決まっているから、これとこれとこれ、年金機構も入っているわけでしょうけれども、それはそういうことができるということがもう既に決まっていて、他も含めて実際にそこのところが行われているわけですね。

 

○岩井事業企画課長 はい。

 

○増田部会長 いずれにしても、その根拠のところをもう一回きちんと各委員の皆さん方にお知らせするようにお願いします。

 藤井委員、今の関係ですか。どうぞ。

 

○藤井委員 根拠がないとできないわけですから、根拠があることがわかってよかったのですが、一方で、他の件でも個人的に感じるのですが、年金機構は、法律等で決まっていることについて説明することなく、結果だけを伝えたり、当然の前提として何も触れることなく次の展開をしたり、説明をしたような気になっていることが多々あると思います。それは非常にわかりにくくて、鍵のところは、法律で決まっているなら決まっているとはっきり言わないと全くわからない。例えば修正前のもので言えば、「未収録者」という言葉の意識の裏には、こういう方法で収録しているという理解が多分執筆者にはあるのでしょうけれども、他の誰にもわからないと思うのです。それは説明する事項以外の全てのことを読者は知っているという前提だと思うのです。そんな人はきっと説明する事項についても知っている可能性があって、そうすると、そういう人に説明するのはナンセンスなわけで、キーとなることをわからない人にわかるように伝えるというのは、言葉が易しいということだけでなくて、キーポイントを外さないということがとても大事なことだと思います。

 

○増田部会長 今の点をよく受けとめていただきたいと思います。

 委員側からの意見は以上。安井委員、どうぞ。

 

○安井委員 31ページの「組織風土改革の推進」ということで、「組織風土を分析し」と条項を入れていただいたのですけれども、現況として具体的な分析のためのアクションプランとこれに対する予算措置というのはどうなっているのですか。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○屋敷日本年金機構経営企画部長 31ページ目の「組織風土改革の推進」のところでございます。こちらのほうは「分析し」と書かせていただきました。29年度、来年度の取組で行っていきたいと考えておりますが、これは例えば職員の意識がどのようなものであるのか、内部統制を働かせた上での職員意識の重要性でありますとかといった点が組織風土の分析の一つの鍵となるのではないかなと考えています。

 そういう意味で、昨年の秋、私どものほうは職員意識調査を行っておりまして、そのデータを私どものほうとしても見ていくことにより進めていきたいと考えておりまして、具体的な分析を進めるアクションプランのための予算措置というのは、現在のところはございません。

 

○増田部会長 特に予算措置はしていないわけですね。

 どうぞ。

 

○安井委員 第三者の目というものを導入する予定はないのですか。

 

○増田部会長 内部的なものなのか、あるいは外部委員等が入ったものをつくることがあるのかどうか。

 

○屋敷日本年金機構経営企画部長 先ほど申し上げました職員の意識調査の分析というところをまずやっていきたいと考えております。その上で。

 

○増田部会長 それは考えていないわけですね。

 

○屋敷日本年金機構経営企画部長 はい。

 

○増田部会長 よろしいですか。

 

○安井委員 はい。

 

○増田部会長 大山部会長代理、どうぞ。

 

○大山部会長代理 すみません。時間がないので簡単に申し上げます。33ページのマル3の人材の育成なのですが、これは非常に重要なことで、もちろんおやりいただいて結構なのですけれども、マル3の一番下の黒ポツを見ると、「マイナンバーや情報セキュリティに係る」と書いてあって、どちらもよくわかるのですけれども、そもそも情報システムそのものの研修をしたほうがいいのではないかなと思います。非常に大きな課題になっていると思います。その意味で、機構さんのほうは努力いただいていると思うのですが、ここに対して触れていないのはちょっと寂しいなと思いました。

 以上です。

 

○増田部会長 今の関係について御意見ありますか。理事長さん、どうぞ。

 

○水島日本年金機構理事長 検討いたします。

 

○増田部会長 是非よろしくお願いします。

 他にはよろしいですか。

 私もちょっと申し上げたいと思います。今日各委員の皆さん方のほうからいろいろ御意見があって、計画の案のところを修正される、そういうお話等もございました。それから持ち越しになって、実態をよく調べて、対応を検討していただくこともございました。この部会を4月中にやることになると思いますが、是非対応していただきたいと思うのですが、事業管理部会は、計画案自身を厚生労働省のほうで機構と御相談されて、たしか事業計画は認可だったですか、そういうのでおつくりになると思うのですが、それの実施状況を評価するときに、法的には我々の意見をきっちり踏まえた評価ということになるのですけれども、その評価のときの軸として今、各委員がお話しになられたような点を踏まえて、機構がきちんと仕事をしているかどうかということを我々は評価していく。

 そういう意味で、実際に事業をやっていくということ、改善計画は、不祥事があって、情報漏れが外にあって、皆さん方がつくられて、一昨年の暮れ、12月。あのときは28年度のぎりぎり最後ですけれども、28年度の当初計画に反映させるというところは、本当に時間がない中でいろいろやられたと思うのですが、1年以上経過して、本格的な意味で組織風土を改善した上でつくられる29年度の計画ということになられると思うのです。

 我々の評価の目というのも、改善がより反映されているかどうかということをきちんと見て、さらにきちんと評価をしていくということになると思いますので、これから計画をつくるときに、あるいは実行段階で今日お話があったような意見をよく考えて実行していっていただきたいということ。

 あと、全体として国民にきちんと説明をしていくということ、あるいは様々な細かなことも含めて情報を開示していくという点について、なお一層きちんとやっていただきたいということです。

 ここでの議論はいつも2時間近くとって議論するわけですけれども、限られた時間の中でコンデンスされた情報をもとに意味ある議論にしていくために、事前に前提となる情報がきちんとないと煮詰まった議論がなかなかできませんので、新年度になって早々4月ぐらいに次のこの部会を開くことになると思いますが、毎回毎回の部会に対しての情報提供もきちんとやっていただきたい。今日は幾つか宿題がありますので、なおさらその点についてはよろしくお願いしたいと思います。

 計画のほうの意見は大体出尽くしたと思いますので、今日は主に29年度の計画、中期計画のほうの変更も前回あったと思いますので、それについて厚生労働大臣の認可手続を今日いろいろあった意見を踏まえて変えるべきところは変えて、それでやっていただきたい。あした、明後日が期限になると思いますけれども、それは進めていただきたいと思います。

 あと、その他が残っておりますけれども、こちらについては今日中にやる必要があるのですか。

 

○伊原年金管理審議官 是非今日中にやっていただきたく。

 

○増田部会長 では、恐縮ですが、各委員の皆さん方、時間が少し延びますけれども、資料の説明はできる限り手短にして、それでお願いします。

 

○高橋事業管理課長 事業管理課長でございます。

 資料2-1をお願いいたします。社会保険の適用促進対策について、まず1ページ目は、現状、これまでの取組でございます。未適用事業所の適用促進については従来から取り組んできておりますが、未適用の事業所がどこにいるか、そこの把握が課題でございました。平成14年度、旧社会保険庁時代ですが、雇用保険の適用事業所情報をいただいたり、平成24年度から法務省と連携して法人登記簿情報をいただいて、厚生年金に入っていないという事業所を把握して加入指導に取り組んできたところでございます。ただ、ここは実際調べてみると、厚生年金の適用要件を満たしていない事業所もあったりして、効果的ではないということでございました。

27年度から国税庁の法人事業所。これは所得税を給与から源泉徴収している事業所の情報でございまして、これを活用することで効果を上げてきております。平成22年1月に年金機構が発足しておりますが、22年度の適用事業所数は170万、今は208万まで来ております。

 一番下の欄のうち、加入指導により適用事業となった事業所数も増えてきております。今年度も、年度途中ですが、昨年度よりもペースが上がっているということでございます。

 今、抱えている課題は何かといいますと、国税からもらった事業所の情報で、27年9月末には調査対象事業所が79万事業所ございました。それが43万まで減ってきたわけですけれども、下に8.5万とあるように、今、年2回国税から情報をもらってきていますが、それによって新規に適用の可能性のある情報が新たに生じてきているということで、合わせますと52万件が今、調査対象の事業所ということでございます。この52万の事業所、それから今後新たに事業を開始される事業所への対策が課題だということで、実態調査を行いました。

 それが次の2ページ目でございます。63万の事業所に全て調査票を送りまして、その中で16万の事業所から回答をいただきました。ポイントとしましては、1つ目のマルでは、未加入と回答があった事業所のうち加入手続を行っていないというのが約5割。規模で見ますと、9割が5人未満の小規模事業所でございます。業種で見ますと、不動産業、建設業、料理・飲食店業、飲食料品小売業、対個人サービス業、この中に理美容、クリーニング。これは回答をいただいたものの中での業種ということでございます。加入手続を行っていない理由は、そこに書いてあるとおりでございます。

 右下の表には業種別の内訳、さらに詳細なデータを書かせていただきました。

 この調査結果を受けまして、3ページ目でございます。効果的、計画的にやっていくためにどうすべきかということでございます。

 まず、新規の事業所対策につきましては、入り口で初期対応が大事だろうということで、新たに未適用事業所を発生させない取組を行うということで、新規の営業許可申請時にこの許可の行政庁、地方自治体等におきまして社会保険、労働保険の加入状況を確認していただきまして、加入が確認できない場合は厚生労働省に情報提供いただく。この情報をもとにしまして、日本年金機構で加入勧奨を行うということでございます。これが新規、今後新たに発生する事業所への対策。

 それから、既存の事業所への対策です。先ほど52万という数字を申し上げましたが、これらの事業所に対して、計画的、効果的に適用促進を進めるということで、従業員の規模ごとに加入指導等を計画的に進めていきたいということで、10人以上の事業所については平成30年9月末、5人以上につきましては31年9月末というふうに計画的に適用促進を進めてまいりたいと考えております。

 マル2のところで既存の適用事業所。事業所としては厚生年金に適用されているわけですが、一部の従業員の方が漏れていらっしゃるというところにつきましては、厚生年金の被保険者数と雇用保険の被保険者数の乖離が大きいところ。厚生年金だけ入っていないという可能性もございますので、そういうところを調査対象事業所に選定して、適用漏れ対策に取り組む。

 最後、市町村国保との連携ということで、国民健康保険の加入に来られた住民の方に対して厚生年金の加入要件などもお知らせして、年金事務所に相談していただく。それから、市町村のほうからも年金機構のほうへ情報提供いただくという取組をしたいと考えております。

 次のページに工程表がございます。先ほど申し上げたようなものをこのようなスケジュールで進めさせていただきたいということでございます。

 最後の資料、資料2-2でございます。短時間労働者に対する被保険者。昨年10月から501人以上の企業、事業所につきましては、20時間以上の短時間労働者の方も厚生年金に強制適用となったわけです。1月に201,103人というのを報告申し上げましたけれども、直近の把握している数字で言いますと、29年1月31日時点で28113人まで適用が増えてきているという状況でございまして、上のマル3に書いてありますように、年度内の事業所調査を今、実施しているということで、適用をしっかり取り組んでいきたいという状況でございます。

 以上です。

 

○増田部会長 ありがとうございました。

 それでは、今の報告、適用関係について、委員のほうから御意見があればお願いします。西沢委員、どうぞ。

 

○西沢委員 適用を強化するのは非常にいいことだと思いますし、実績も上がっていると思うのですが、協会けんぽと日本年金機構に8年ぐらい前に分かれましたけれども、分かれたことがマイナスにならないように。というのも、適用するということは協会けんぽの加入事業所にもなるということなので、協会けんぽの加入になると、保険料を取るだけでなくて、40歳以上だと特定健診をヘルスの保健事業としてやったりしますから、そこへ日本年金機構の方が行って厚生年金と協会けんぽの保険料だけもらってというのでなくて、その後、40歳以上の人は特定健診をきちんと受けてもらったりというアフターケアもあるので、厚生年金の適用強化で事業所の方に接する機会が来年度以降増えると思うのです。ですから、そのときに年金だけでなくて、社保庁のときであれば健康保険のことも気にして、健診をやっていますかとかと聞いていたのかなと想像するのですが、そこら辺、皆さんの行動というか、こういった調査を協会けんぽの方と連携して、協会けんぽも特定健診の受診率を上げようと思って頑張っていらっしゃるので、そこと連携してやられたらいいのかなと思いました。

 以上です。

 

○増田部会長 今の点に御意見ありますか。課長さん。

 

○高橋事業管理課長 今、協会けんぽの適用あるいは保険料の徴収は日本年金機構が協会けんぽから委託をされて、適用の条件は基本的に一致ですので、一緒にあわせて事務をやっております。

 今、御指摘のありました特定健診、あるいは医療の給付、保険証の発行、こういう医療保険者としての仕事、年金機構とは関係ないと言ったら言い過ぎですけれども、医療保険者としての独自の年金業務と直接関係しない業務については、医療保険者たる協会けんぽのほうでしっかりとやられていくものと思いますが、引き続き適用のほうをしっかりやって、適用された被保険者の方に対して特定健診が協会けんぽのほうでもしっかりやられるように連携はしていきたいと思います。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○深田日本年金機構理事(事業推進部門担当) 協会けんぽとの関係ですけれども、先ほど課長がお答えしたとおりなのですが、基本的に事業所に対して納入告知書をお送りしますので、その際に必要なお知らせをしたいという情報があれば、我々は協会けんぽのほうからいただいて、それに入れて発送しております。そういう意味では、事業所との関係をつなぐ役割は、納入告知書をお送りする際に協力させていただいたり、あるいはポスターを貼ったり、何かお知らせを配るということで、協力できる範囲はさせていただいております。

 

○増田部会長 委員の皆様方から他にありますか。よろしいですか。

 それでは、その他で予定しておりましたものは以上にいたしたいと思います。

 本日、少し時間が延びて恐縮でございましたけれども、予定されている議題は全て終了いたしました。

 次回の日程については、事務局から改めて委員のほうに御連絡をいたしたいと思います。

 本日の会議はこれで終了させていただきます。

 どうも御苦労さまでした。ありがとうございました。


(了)

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