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2016年12月21日 第27回社会保障審議会年金事業管理部会議事録

○日時

平成28年12月21日(水)15:30~17:30


○場所

弘済会館4階 萩
東京都千代田区麹町5-1


○出席者

増田部会長、大山部会長代理、岩瀬委員、金田委員、喜田村委員、斎藤(聖)委員、齋藤(衛)委員、椎野委員、西沢委員、原委員、安井委員

○議題

(1)日本年金機構の平成28年度上半期の取組状況について
(2)その他

○議事

  ○中里年金事業運営推進室長 では、定刻になりましたので、ただいまから第27回「社会保障審議会年金事業管理部会」を開催いたします。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折お集まりいただきまして、ありがとうございます。

 まず、委員の出席状況でございますが、本日は石井委員、西村委員、藤井委員、松山委員及び山口委員が御欠席でございます。

 また、斎藤聖美委員におかれましては、他の用務のため途中退席される予定と伺ってございます。

 それでは、本日の議事進行につきましては部会長にお願いしたいと存じます。

 恐縮ですが、カメラにつきましては、ここまでで退室をお願いいたします。

 

(カメラ退室)

 

○増田部会長 それでは、議事次第に従って、1つ目の「日本年金機構の平成28年度上半期の取組状況について」を議題といたしたいと思います。

 これについては、機構の今年度の計画達成に向けた取組状況を今日の時点で中間的に確認をして、進捗管理を行おうという趣旨であります。したがって、よりきめ細かく確認して進捗管理を行うということで、年度途中に行うというものであります。

 初めに、資料がいくつか用意されておりますので、事務局から資料に沿って説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

 

○屋敷日本年金機構経営企画部長 経営企画部長、屋敷でございます。

 それでは、お手元の資料1-1から1-3に基づきまして、上半期の取組状況を御報告いたします。

 資料1-1の目次を御覧いただきますと、大きく4つに分けて報告したいと思います。再生プロジェクトの関係、情報セキュリティ、基幹業務、業務運営の公正性・透明性の関係でございます。

 2ページ目を御覧ください。再生プロジェクトの実施状況でございますが、全般的に言いますと、概ね計画どおりに進展していると考えております。

 具体的な取組を御紹介いたしますが、組織改革の関係では、本年4月、事業企画部門、事業推進部門の体制に分けて、かつブロック本部につきましては、それを廃止し、地域部を設置しました。また、地域部の機能につきましても、順次本部、東京へ集約を進めておりまして、4月には人事・労務、10月には経理関係業務、次の4月には現場管理・支援業務を集約し、統合を完了する予定という形で進めておるところでございます。

 3ページ目の業務改革のほうは、集約の関係が主として進んでいるところでございます。年金事務所につきましては、厚生年金適用・徴収の集約のモデル実施をしておりまして、10月から新宿及び大手前年金事務所、次の2月には新たに大曽根及び広島東年金事務所につきましてモデル実施を開始する予定でございます。

 また、事務センターの広域集約も10月に4事務センター、次の1月には6事務センターを集約する予定でございまして、28年、29年度で39カ所から29カ所まで集約が進むという状況になっております。

 障害年金センターの設置を10月にいたしております。新宿のほうにございますけれども、本部の障害厚生年金業務と合わせまして、各事務センターの集約に合わせて障害基礎年金の業務につきましても順次集約を進めておりまして、4月に全国集約が完成するということでございます。

 4ページ目、予約相談でございます。こちらは本年10月から全年金事務所におきます予約制を開始している状況でございます。

 5番目は、指示文書の発出件数の削減、マニュアルの一元化。マニュアルの一元化につきましては、一大事業として行っておるところでございまして、来年4月からの統一マニュアルによる運用開始に向け取組中でございます。

 現在、原案をもう一度各拠点のほうに展開いたしまして、気が付かないような地域差というものがなかったかどうか改めて点検し、また取組むといった進め方をしておるところでございます。

 次に、人事改革でございますが、こちらは人事評価制度の見直しを4月から行っております。「成果とプロセス」「組織貢献」「能力評価と実績評価の一体化による総合評価」等の視点を取り入れた評価体系を導入するとともに、評価分布の見直しも行っています。真ん中が厚くなるような分布から、若い方はいい評価を少し厚くする、管理職につきましては厳しい評価をちょっと厚くするといった形のめりはりのある評価を行うようにしております。

 専門職コースにつきましては、10月から年金給付及びシステムの分野につきまして設置し、上席専門職を配置しているところでございます。

 5ページ目、人材育成の充実につきましては、職員の出向あるいは派遣、あるいは大学院への通学、あるいは人事交流の拡大などに取組んでいるところでございます。

 新卒採用者につきましては、初年度に主要4業務を経験させる研修カリキュラムを実施するという形で進んでいるところでございます。

 非正規職員の活性化につきましては、新たな無期転換職員になります「年金相談職員」を9月から募集を開始する。安定した年金相談体制を確立するためのものでございます。

 情報開示・共有の促進は、4月に各地域部に地域マネジャーを設置しております。これは頻回に各拠点を訪問しまして、その時々のテーマ、例えば今年の夏でありますと、セキュリティの関係のチェック体制について機構全体を挙げて取組んでおりましたが、それのフォロー等において活躍したという状況でございます。

 6ページ目はその他の取組状況でございますが、これらの再生プロジェクトの取組について各拠点に浸透させる、そして各拠点においてもその取組を進めていくという点で、職員への周知活動あるいは全拠点にプロジェクト推進チームの設置を行っているという状況でございます。

 7ページ目から25ページ目まではそれぞれの項目ごとにこれまでの取組状況、今後の取組予定を整理しております。今はもう年度の下半期に入っております。こちらの今後の取組についても順次進めている状況でございます。

26ページ目以降、情報セキュリティ対策の実施状況について御報告いたします。

27ページ目、概要でございますが、セキュリティ対策を強化する。組織面、技術面、業務運営面の3つの観点から対策を強化するということでございます。

 本年度に入りまして、マイナンバーの利用に備え、NISCあるいはPPCのほうから検査等を受けております。その指摘に対しまして、一つ一つ応えながら組織を挙げて取組んでいたという状況でございます。その中で対策は概ね計画どおり進展しているということでございますが、一方、この間に先週の16日、会計検査院から国会報告がなされております。その中では一層の体制整備の必要性について御指摘をいただいているということでございますが、こちらは資料1-2及び資料1-3を用いまして、その内容について御説明いたします。

 資料1-2は、会計検査院がまとめられました報告の要旨でございますが、おめくりいただきまして、1ページ目及び2ページ目は検査の背景でございます。2ページ目の(5)検査の着眼点を御覧いただきたいと思いますが、こちらは年金個人情報に関しますセキュリティ対策の実施状況でございます。これは情報流出事案の前と後といったこと、情報流出が機構の業務に及ぼした影響について検査をいただいたということでございます。

 情報流出事案の発生前にセキュリティ対策が適切に行われていたかどうか、また、その実効性を確保するための監査が適切に行われていたか。また、情報流失事案の発生後においてセキュリティ対策及び情報流出事案そのものに対します対応業務が適切に行われていたか。そして、その業務にどのような影響を及ぼしたか。また、再発防止に向けた取組の進捗状況はどのようになっているかなどにつきまして、検査をいただいたところでございます。

 検査の状況につきまして御紹介いたしますと、2ページ目につきましては、情報流出事案の発生前と情報流出事案発生後における年金個人情報の保存につきまして検査をいただいた部分でございます。

 その中で御紹介いたしますと、3ページ目のエでございますが、情報流出事案発生後におきます機構における年金個人情報の保存状況について、専用パソコンのハードディスクに年金個人情報が保存されていることが確認されました。会計検査院のほうから機構に対しまして、ハードディスクに保存されている年金個人情報の有無につきまして報告を求められておりましたが、機構はセキュリティ対策を講じておるさなかでございまして、保存されていた年金個人情報につきましては、8月にかけまして年金個人情報等専用フォルダに移行する、あるいは不要なものは廃棄するなどとして会計検査院に報告をしたところでございます。

 その後、10月及び11月、会計検査院からの実地検査におきまして、まだ専用パソコンのハードディスクに年金個人情報が保存されていることが確認されたという御指摘を受けております。

 その他、3ページ目、4ページ目にかけましては、流出事案に対応する経費あるいは対応業務についてでございます。例えば、対応業務でありますと、お詫び文書が返送された方に対しまして、生存事実等の確認について検討の必要があったのではないかといった御指摘を受けているところでございます。

 4ページ目が情報流出事案の発生により中止した業務の影響でございます。これは国民年金の業務につきまして検査をいただいたところでございます。27年6月から5カ月間納付特例業務を行っていなかったこと、これは試算でございますが、時効消滅の金額、あるいは特別催告状の送付が計画に満たなかったことに伴い、とれなかった月数の試算といったものをいただいたというところでございます。

 まとめとしまして、5ページ目では所見がございまして、4点所見をいただいております。1つ目は年金個人情報に係る情報セキュリティ対策を適切に行うこと。2つ目は監査を一層実効性のあるものとすること。3つ目はお詫び文書等が返送されている場合の生存事実の確認について検討すること。4つ目は再発防止の取組について一層充実を図ることといった所見をいただいているところでございます。

 引き続き、会計検査院のほうから機構の再発防止の取組が着実に行われたかにつきまして検査をいただくということでございますので、対応してまいりたいと思います。

 年金個人情報を端末に保存することに関しまして、資料1-3を御覧いただきたいと思います。こちらの報告書につきましては、私どもとしては真摯に受けとめて、情報セキュリティ対策の徹底等に取組んでいるということでございますが、セキュリティ対策に関しまして、2点御報告を申し上げたいと思います。端末に保存されている年金個人情報は、8月に年金個人情報等専用共有フォルダに移行するなどして削除した後に、一部の拠点の端末に年金個人情報が残存したということでございます。

 これは残念ながら移行作業の確認が十分に行われていなかったということでございましたので、改めまして本年11月に年金個人情報の有無に関わらず、端末でファイルを保存することを禁止するという措置を講じております。また、来月でありますが、シャットダウンをするときにファイルが自動削除されるような機能を導入するということでございます。また、昨年6月以降、インターネットには接続していないという状況については変わりがないということでございます。

 (2)会計検査院への対応についてでございます。6月頃に会計検査院から年金個人情報の有無等につきまして報告を求められましたが、機構の中の経過といたしまして、それが幹部に報告されず、対応について結論が出ないまま時間が経過したということでございます。

 その間の経緯としまして、6月、7月は個人情報保護委員会、サイバーセキュリティセンターによる検査を受けており、セキュリティ対策が本格化し、8月末までの取組状況を報告する必要がございました。これは年金個人情報等専用共有フォルダの設置・運営、10月が大きなポイントでございますが、8月、フォルダを稼働させるべく、具体的な移行準備が始まったのがこの時期であったということでございます。

 2ページ目を御覧いただきますと、そのような形で、会計検査院に対します調査依頼に応えられなくなったということでございましたので、これはお詫びを申し上げるとともに、担当責任者につきましての人事措置を講じておるということでございます。

 その後、調査依頼に対しましてできる限りお応えをすべく、別紙1及び2でございますが、別紙1でありますと、8月末時点での年金個人情報の有無によります端末の台数でありますとか、11月、端末には一切ファイルを置かないというように指示をした際の移行したファイル数等を検査院のほうに御報告させていただいております。これら会計検査院の対応につきまして、調査依頼に応えられなかったということは誠に遺憾であるということでございますので、今後その応査体制につきまして強化を図る予定ということでございます。

 また、情報流出事案の経費あるいは影響を受けた業務につきましては、試算等をまとめていただいたということでございます。これらの報告を受けまして、機構としては引き続き経費の節減あるいは収納対策の一層の推進に取組んでまいりたいと考えております。

 引き続きまして、資料1-1にお戻りいただきまして、セキュリティ対策の実施状況でございますが、28年4月に組織面での対応としまして、最高情報セキュリティアドバイザーの設置でありますとか、28ページ目を御覧いただきますと、これは情報管理対策室の体制強化のために、セキュリティ対策推進グループを7月に新設しています。

 また、厚生労働省との連携強化、対策の恒常的な推進のための会議及びワーキンググループの設置を行っているということでございます。

 システム面の対策としましては、年金個人情報等専用共有フォルダの設置がございます。機構LANシステムから遮断された基幹システムの領域に新たに構築し、10月からその運用を開始しているということでございます。

 外部媒体との関係でいきますと、暗号化・復号用PCの設置を進め、9月には全年金事務所に設置されているということと、この端末に未知のウイルス検知機能を今後も追加する準備を進めているところでございます。

 また、独立したインターネット環境の構築につきまして、今、暫定的に限定的な接続で検証が行われているということでございますが、来年度の本格実施に向けまして準備を進めているところでございます。

29ページ、業務運営面の対策といたしましては、情報セキュリティポリシーの整備を行っております。こちらのほうはQ&A等の作成をするとともに、8月の政府統一基準の改訂を受けましたポリシー改正等を行っているということです。

 教育・訓練の充実は、一人一人の職員がしっかり対応するために大切な部分でございます。セキュリティ対策の手引を作成しておりますが、それに対します理解度テストを実施する、その理解度テストで正答率が低い設問につきましてはポイントとなりますので、それに基づきましてまた手引を改訂するといったようなプロセスを経て手引の改訂等を行うとともに、情報セキュリティ研修、今年は年間3回実施する予定ですが、本年度につきましては既に2回開催しているということでございます。

30ページ、インシデント対処訓練を7月に実施をしているということでございます。

 マル3は媒体の管理の関係でございますが、これまで機構として統一的な管理ができていなかったということでございます。7月に要領の見直しを行いまして、日報、週次報告でルールの徹底の確認をし続けているという状況でございます。

33ページ目、基幹業務についてでございます。

 国民年金につきましては、28年度の目標としまして、現年度分1ポイント、過年度1年目のものは4ポイント、最終納付率7ポイントの伸びを確保することが目標でございますが、9月末の現年度分納付率を見ていただきますと、58.1%。こちらは前々年度で比較するのが適当かと思いますが、プラス1.1ポイントで進んでいるということでございます。

34ページ目、過年度分1年目につきましては、目標4%のところ、もう既に3.4%の伸び幅となっています。また、最終納付率につきましては7.6%に現在のところなっているということでございます。

 収納対策に関しましても、特別催告状について計画件数を上回る送付をしています。あるいは強制徴収につきましては、それに先立ちます最終催告状の送付件数が7万件であり、これも26年度を上回る対応になっているということでございます。

39ページ目、厚生年金の関係でございます。適用対策につきましてです。まず、適用促進については、本年度目標は、事業所数で9万3,000件を目標にしているということでございます。引き続き国税源泉徴収義務者情報を活用して、前年同期比1.3倍の事業所を適用しているということでございます。

 また、適用事業所の調査につきまして、総合調査割合も昨年同期比約1.4倍の事業所に対して総合調査を実施しているところでございます。

 徴収対策につきましては、収納率、収納未済額の圧縮という点で申し上げますと、前年度実績を上回り順調に推移をしているという状況でございます。

43ページ目、年金給付でございます。まず迅速な支給決定につきましては、サービススタンダード、概ね90%を維持しているという状況でございます。

 障害年金に関しましては、「等級判定ガイドライン」を9月から実施しているということと、先ほど申し上げました「障害年金センター」を10月に設置しまして、認定の標準化、あるいは専門的な人材の育成を図る体制を整えているというところでございます。

46ページ目は年金相談の状況でございます。予約制につきまして、10月から全国展開を図っているということでございます。要領を作成するとともに、現場訪問による状況の把握とその反映を進めているところでございます。

 相談体制の整備につきましては、年金相談の体制確立に向けた基本方針の見直しを作成し、体制イメージを示しているところでございますが、その中では、予約相談の拡充、専門職の配置、年金相談職員の配置による体制の安定化等をポイントとしてまとめているところでございます。

49ページ目、制度改正への対応状況でございます。年金機能強化法のうち短時間労働者に対します適用拡大、本年10月施行でございますが、特定適用事業所を把握するための法人番号の収録につきまして、8月の段階で98%まで収録が進んでおるということでございます。

50ページ目を見ていただきますと、10月が施行になっておりますので、特定適用事業所に対します該当通知書を送付してございます。さらに、短時間労働者を雇用していると思われる特定適用事業所に対しまして順次電話等による届出勧奨指導を実施する、また、事業所調査を実施する予定でございます。

 次に、年金機能強化法の受給資格期間の短縮の関係でございます。こちらのほうは臨時国会で法案が成立いたしまして、施行時期が29年8月に定まったということでございます。

 今後の予定としましては、来年2月以降、年金請求書の送付が開始されます。そうなりますと、3月以降、年金事務所での受付体制をしっかりととる必要がございます。その際には、相談の増加に伴いまして予約相談の活用もあわせて進めていくということでございます。

51ページ目は、マイナンバー法の関係でございます。まず、個人番号と基礎年金番号の紐付け作業を開始しているところでございます。機構におきますマイナンバーの利用につきましては、停止がされておったところでございますが、11月に政令が公布され、それ以降紐付け作業等が可能な状況になり、現在1月の相談照会業務の開始に向けた準備を進めているところでございます。本部・拠点に対します研修が今、最終段階を迎えているところでございます。

52ページ目、53ページ目は年金事業運営改善法関連でございまして、5年後納制度につきまして、お知らせ送付件数と受付件数を記載しているところでございます。今後の予定としましては、制度開始時に申込を行っていない50歳から53歳の方への勧奨実施を予定するとともに、受給資格期間が短縮されておりますので、その状況も踏まえました対応を検討してまいりたいと考えております。

53ページ、付加保険料の納付の特例制度でございますが、こちらのほうは事前勧奨に対しまして、約3分の2の申込の受付をいただいているということで、これは申込書未提出者に対します勧奨を実施する予定でございます。

54ページ目は、年金記録問題の関係でございます。未統合記録の解明に向けた対応につきまして、2点ほど御報告をさせていただきたいと思います。

 まず、1点目が(1)年金事務所に記録の相談に来られた際に発見されなかった方の年金記録の調査でございます。別紙1の59ページ目、サンプル調査を行ったということでございますが、相談記録が「紙保存」のケース3,120件、相談記録が「電子データ保存」のケース1,225件につきまして、それぞれ社会保険オンラインシステム等を用いました照合審査を行ったということでございます。

 その調査の結果ですが、御本人の可能性がある記録が18件判明し、全て御本人記録であると回答を得たということでございます。

 再調査での判明契機、さまざまな方法をとり調査をしたということでございますが、この表に掲げております件数が判明したということでございます。

 その後どのように進めていくかということでございますが、60ページ目を御覧いただきますと、これはサンプル調査で行ったものですから、その中でどのような対応をするかということを考えまして、それぞれの判明契機に応じました作業に要するコスト、その場合の回復額を費用対効果で見てみた場合に、項番の2番目の旧姓漢字氏名検索による再調査といったところが効果的ではないかと考えているところでございます。

61ページ目の対処方針案につきまして、項番2の旧姓での漢字氏名検索などを行うことにより、今後確認作業を進めていきたいと考えているところでございます。

 他のケースにつきましても、定期便あるいは振込通知書と周知の場面がございますので、具体的なケースの例を挙げるなどの工夫を考えていきたいと考えております。

62ページ目、63ページ目のオンライン記録に結びつかない紙台帳のサンプル調査につきまして実施をしたものでございます。

 コンピュータ記録に紐付いたものが6億件あったのですが、紐付かなかったものが1.2億件あったということでございます。その中の記録で基礎年金番号の特定ができないか、その調査方法を検討するということでございます。

 調査の手順としましては、台帳の有効性、「健のみ」「学徒」などの健康保険の加入記録ではないか等の確認を行うとともに、オンライン上の記録の検索をさまざま試みてみたということでございます。

 調査の結果でございますが、63ページを見ていただきますと、サンプル調査3,000件のうち、年金記録の記載があった紙台帳が2,637件。そのうちオンライン記録の反映状況を見ますと、オンライン記録が見つかったのが1,889件。既に収録済みのものもありましたが、未統合手番であったものについて改めて検索を行いましたが、基礎年金番号の確認には至らなかったという状況でございます。

 こちらの対応としましては、引き続きお客様から申出があった際に、その申出をヒントに、記録確認手順がございますので、記録検索を行ってまいりたい、その形で記録回復に努めていくという考え方でございます。

67ページ目を御覧いただきたいと思いますが、業務運営におきます公正性、透明性の確保の関係でございます。1つ目は事務処理の正確性の確保でございます。事務処理の遅延、紛失、誤送付等の事案につきまして、件数は減っておりますが、いまだ根絶には至らないという状況でございます。

 これらに対します取組としまして、68ページ目、69ページ目を御覧いただきますと、26年度から既に取組んでいるものに加えまして、本年度から新たに取組んでいるものとしまして、例えば事務処理誤り事例の定期的な周知がございます。身近なリスクで捉えていただくということでございます。定期的に全拠点へ周知することとしています。

 あるいは事例が複数回発生する拠点というものがございます。こちらのほうを重点取組拠点として指定いたしまして、PDCAサイクルを回していく取組を現在進めているところでございます。

71ページ目、人材育成の関係でございますが、こちらのほうは、28年度の研修計画に基づく従来の研修に加えまして、能力向上、モチベーション向上に繋がる研修を導入することとしています。あるいは情報セキュリティにかかる研修を強化し、実施をしているところでございます。

74ページ目、熊本地震への対応状況でございます。発災後にコールセンターを設置して対応したということです。また、制度的な特例措置がございます。国民年金の保険料の免除でありますとか、厚生年金の保険料の納期限の延長といった措置が講じられております。また、納付特例業務あるいは適用促進業務等を一時中止しておりましたが、復旧状況に鑑みまして順次再開を進めているという状況でございます。

76ページ目、その他取組状況についてでございます。日本年金機構の宿舎見直しについての対応状況でございますが、昨年の会計検査院指摘の中で、8宿舎・4事務所等につきまして、その利用状況が低いということで、ここのほうを検討するようにという御指摘をいただいたところでございますが、先の臨時国会におきまして、機構から厚生労働省に対します国庫納付の規定が整備された状況にございます。直ちに返納に伴います認可申請の手続を開始できる状況に至っております。

 その他の宿舎の見直しについてもまだございますが、ただ、現在、30年度までの組織化の過程にございます広域異動者の規模でありますとか、どのようにあるのかということを見る必要があると思いますので、コスト比較を行いまして、来年の夏を目途に具体的な対応方針を決定するという形で進めてまいりたいと考えております。

 上半期の取組は以上でございますが、もう下半期に入っております。また着実な推進を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

 

○増田部会長 御苦労さまでした。

 それでは、理事長から補足説明があればお願いします。

 

○水島日本年金機構理事長 一言だけ付言をさせていただきたいと思います。

 今、経営企画部長が御報告申し上げましたとおり、再生プロジェクト、あるいは業務改善計画については順調に進展をしている、また、基幹業務に関しましても適切に運営されていると考えておりますが、このような事態の中で会計検査院から先週指摘を受けることになりました。本部の職員が努力をしている中でこのような事態を招いたことについて、誠に遺憾でありますし、責任を感じております。

 ポイントは2点でございまして、最大のポイントは、6月に要請をされておりました、端末に残存している個人情報について、会計検査院から報告を求められたわけでございますが、これに対して対応しないままデータ移行を行いまして、不要な個人情報について削除したということでございます。

 これに関しまして、会計検査院対応も含めまして、機構全体としての判断が至らなかったということについては、誠に遺憾でありまして、機構運営を預かる者として申し訳ないと思っております。

 この原因は種々ございますが、いずれにいたしましても、担当部門から適切な提言がなかったということもございますので、担当部長、室長に関しましては人事的な措置を講じたところであります。

 削除をしたということに加えて、検査院の検査の際にまだ端末に残っていた、ルールが徹底されていないではないか、これが2点目でございます。

 これに関しましては、私どもとして非常に短期間で移行を進めましたので、残っていないかどうかということについては毎日報告をとっておりましたが、その報告の中ではないということでございましたが、結果としてはあったということでございます。

 このルールの徹底に関しまして、さらに対処を講じなければならないと思いますが、先ほど部長が御報告申し上げましたとおり、全面的な禁止措置を講じますとともに、残存しているものについては、シャットダウン時に自動削除するという措置にしたいと思います。

 再生及び基幹業務の推進に向けて全体が努力をしている中で、このような事態、指摘を受けたことについては誠に遺憾でございまして、申し訳なく存じます。

 私からは以上でございます。

 

○増田部会長 御苦労さまです。

 それでは、室長さん、お願いいたします。

 

○西岡システム室長 年金局システム室長の西岡でございます。

 資料1-4について説明をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。「日本年金機構の情報セキュリティ対策とマイナンバー利用に向けた厚生労働省などによる確認経過」ということでございます。情報流出事案を受けまして、機構のマイナンバー利用のほうは、政令で定める日までということで停止されておりましたけれども、機構は12月、業務改善計画に基づいて情報セキュリティ対策の強化を含む業務改善の取組を行ってきました。

 今年の5月以降、個人情報保護委員会(PPC)が全国の拠点への検査を行い、7月末に個人情報の取扱いに関する内部規定の整備とか電子媒体の適切な管理徹底、情報セキュリティ研修の実施等についてまだ改善すべき点があるという指摘をいただきました。また、同時期に内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が機構に対する監査も行いまして、こちらは技術的な観点から年金個人情報をインターネットから完全に分離する方法について確認がなされております。

 こうした指摘等々を受けまして、機構は今年の夏、集中的な情報セキュリティ対策の取組を実施し、その状況について、8月の下旬、厚生労働省が機構及び全国の7拠点に対して無予告の監査を行いました。その後、個人情報保護委員会に20カ所の拠点に対して、9月に現地を見ていただき、9月30日、個人情報保護委員会でマイナンバーの利用開始に向けて特段問題となるような事態は見受けられなかったということを確認していただいております。

NISCもこの9月に追加の実地監査をしていただきまして、1012日に官房長官をトップとするサイバーセキュリティ戦略本部で、個人情報を取扱うシステムがインターネットと分離されている、そういう技術的な対策がとられているということを確認していただいたところでございます。

 これらを踏まえまして、機構は改めてその時点までの取組を報告書という形にとりまとめまして厚生労働省に対して提出し、それを受けて年金局においてその報告書の確認作業を行いました。

 そして、1027日には橋本副大臣に機構本部及び拠点において対策がとられていることを実地で確認していただいた。加えて、1028日、この情報流出事案を受けて、事業管理部会に設置されました「今後の情報セキュリティ」チームの委員の先生方に、後ほど大山先生のほうからもコメントいただきますけれども、報告書の内容を検証いただき、情報流出事案を踏まえた情報セキュリティ対策がとられているということを確認いただいたところでございます。

 個人情報保護委員会、NISCによる立入検査、そして厚生労働省による機構の対策の確認を踏まえまして、機構においてマイナンバーの利用に当たっての必要な体制が整備されているということを判断しまして、ここに「1111日」と書いておりますが、11月8日に閣議決定をし、11日に公布・施行されたところでございます。

 その後、屋敷部長からの説明にもありましたが、マイナンバーと基礎年金番号の紐付け作業を現在行っているところでございます。これらの準備が整い次第、来年1月以降、マイナンバーを年金事務所の窓口で御提示いただければ相談・照会が可能なような業務をスタートするということになります。

 今回のこの政令というのは、機構によるマイナンバーを利用可能とする、その部分についてのみの確認ということでございまして、次のステップとしては、2911月末とありますが、情報連携のための政令を出す必要がありまして、そのための情報セキュリティ対策をさらに講じていった上で、その対策がとられているということを確認する。今、申し上げたようなNISCPPCの検査等も引き続きやっていただいた上で対応していきます。厚生労働省といたしましても、引き続き機構の取組にしっかりと関与して監督していきたいと思っております。

 以上でございます。

 

○増田部会長 続いて、「情報セキュリティ」チームからの報告がありますので、大山部会長代理よりお願いいたします。

 

○大山部会長代理 大山でございます。

 資料1-5を御覧ください。ここにありますとおり、去る11月8日に「今後の情報セキュリティ」チームから報告を出させてもらったものでございます。お読みいただきながらお聞きいただければと思います。

 事務局から説明がありましたとおり、昨年9月にこの事業管理部会の下に設けられました「今後のセキュリティ」チームというのを本年1028日に開催いたしました。

 このチームとしては、昨年12月の業務改善計画の策定に当たり、特に技術面におけるセキュリティ対策に関して、計画策定に関わってきた経緯から、このたび厚生労働省が、年金機構の取組状況を確認する、それに当たって協力を我々が求められたという認識でございます。

1028日の会合では、年金局から年金機構が提出した報告書に基づいて、情報流出事案以降の年金機構における情報セキュリティ対策の進捗状況について報告を受けました。また、その報告内容のエビデンスを確認するため、チームとして機構本部と年金事務所に赴き、限られた範囲でありますが、報告内容が実際に現場においてとられていることを改めて確認をさせていただきました。

 本年5月以降、個人情報保護委員会やNISCから受けた指摘について、年金局は機構に対して指摘事項が改善されるよう指導してきたということなので、無予告監査等で用いたチェックリストも確認させていただきました。

 機構からの報告のとおり、会計検査院からの指摘もあり、なお改善しなければならないことについてはしっかりと取組んでいただく必要がありますので、現段階での取組状況として、全ての年金個人情報がインターネットから遮断された領域に保管されているなど、年金事務所でのマイナンバーによる相談対応などを行う上で必要な措置はとられているものと考えます。

 今後は、次の段階として機構が地方自治体等との情報連携を行うに当たり、必要な情報セキュリティ対策をさらに講じていく必要があります。年金局と年金機構が一体となってしっかり取組んでいただきたいと思っております。

 以上です。

 

○増田部会長 ありがとうございました。

 それでは、ここで一旦区切りをつけまして、各委員の皆さん方から御意見、御質問をいただきたいと思います。どなたからでも結構ですし、どの部分からでも結構ですが、よろしくお願いいたします。それでは、岩瀬委員、お願いいたします。

 

○岩瀬委員 今日は盛りだくさんなのでいくつか質問をしたいのですけれども、まず、今日配付された会計検査院の資料は要旨版が配られています。何で報告書本編が配られなかったかというのは非常に疑問なのです。この部会は、監視強化ということを大臣から使命を受けているわけですから、検査院がどういうことを指摘したのかというのを正確に我々委員が知る必要があります。要約版だとあまり書かれていなくて、いただけなかったので自分で探したのですが、本編の報告書を見ると、かなり詳しく書かれているのです。なぜそういう情報を出してもらえないのか、隠し続けるのか、そこの理由を教えていただきたいと思います。

 もう一つは、会計検査院から指摘されて、PCの中にどれだけ個人情報が入っているのかどうか、報告を出せと言われていて、これをまとめて出す。実態把握をした上で、次の手を打つというのは、ごく普通の考え方だと思うのですけれども、指摘を受けると、慌ててPC、全部消してしまったと、そういうふうに書いているわけです。消して、もう分かりませんと。2つ目、今から実態把握の調査をされるのかどうか聞きたいのです。

 今、説明にもありましたが、会計検査院がその後検査をしたら、機構の本部と高崎の広域事務センターで全て消したと言いながら、まだ個人情報が残っていたと指摘されているわけですから、これは一体どういうことなのか、よく分かりません。

 さらに言えば、情報が流出した後に業務改善命令も大臣から出ているわけで、業務改善命令に対する業務改善計画も提出しているわけです。その中でこういう事案は二度と起こさないということを再三述べている。ガバナンスの脆弱性やリーダーシップの不足、組織としての一体感、構造的問題を改善しますと言っているわけです。理事長にしても二度とこのようなことを起こさないように組織全体として全力で取組んでまいる所存ですと言っています。その結果がこれであった。一体どういうことなのでしょうか。

 つまり、ガバナンスというか、統制が全然効いていない組織だと評価ができるのであって、これは旧社会保険庁と比べて全く体質が変わっていない。本部が指示を出しても、現場は自分たちの仕事のやり方があるのだと、本部は全く何も理解していないではないか、我々は我々のやり方でやるということがなされてきた結果なのではないでしょうか。

 ということで、今の説明だと全く分かりません。

 今、お尋ねしたことはお答えいただきたいのですけれども、改めて部会長にお願いしたいのは、部会としても実態把握をする必要があると思いますので、作業部会を作って、かなりの期間調査に入ってレポートをまとめて、今後のことも含めて委員全員で共有する必要があるのではないかと思いますので、ちょっと御検討いただければと思います。

 

○増田部会長 分かりました。

 それでは、機構、厚生労働省のほうにいろいろ御質問等があったかと思いますが、順次お答えをお願いしたいと思います。では、どうぞ。

 

○岩井事業企画課長 年金局事業企画課長でございます。

 まず、資料なのですが、会計検査院の報告書につきまして、本体を今日机上に配付する予定であったのですが、手違いで置いておりませんでしたので、これはお詫び申し上げます。すぐに委員の皆様方に送付させていただきたいと思います。申し訳ございませんでした。

 2点目でございますが、私、今回の会計検査院の報告書にあります経緯、例えば報告ができなかったことなどにつきまして、実は年金機構に対しまして関係者のヒアリングを行いましたので、その点につきましてあわせて御報告申し上げます。

 今、岩瀬委員からありました会計検査院から報告を求められていながら、ファイルを削除したことの経緯でございますが、私がヒアリング等によりまして調査いたしましたところ、当初6月に会計検査院から端末上のファイルにあります個人情報の状況について報告してほしいという依頼がございました。これにつきましては、担当の責任者がそれを受けて検討していたのですが、これが機構の幹部には上がらない状況で検討していたという状況でございます。

 その一方で、先ほど機構からも説明がございましたが、当時、個人情報保護委員会、あるいはNISCの監査を頻繁に受けておりまして、その中で特に個人情報保護委員会のほうから、マイナンバーとの関係できっちりと情報セキュリティ対策をとるということで、指摘なども受けておりました。8月末までに一定の成果を上げて報告するという中で、先ほどもありましたが、個人情報を扱う専用共有フォルダを設置し、そちらに移動するということになっておりました。

 そういう中で、8月の段階で端末上にありますファイルを仕分けし移動するという、個人情報のセキュリティ対策を優先して行ったという状況でございます。そうした中で、会計検査院の調査依頼に対しては、端末上のファイルを整理してしまいましたので、調査ができなくなったという状況でございます。

 これにつきましては、機構の組織あるいは幹部といたしましては、個人情報の入ったファイルを移動することについては認識しておりましたが、それによりまして、会計検査院に対して報告できなくなるという状況認識は持っておりませんでした。これはそういう状況の報告が上がっていなかった、あるいは連携できていなかったということが原因でございます。

 いずれにいたしましても、これにつきましては、そういった事情でございまして、消してしまったとか意図的にしたというものではないということは、私が行いました調査の中では確認されております。

 それから、個人情報の入ったファイルを削除あるいは移動した後に高崎等において発見されたという経緯でございますが、これは先ほど機構の説明の中でもありましたが、8月に本部からそういうファイルの仕分けあるいは移動、また要らないファイルの削除という指示が出ておるのですけれども、これを行っております。ほとんどできておるのですけれども、その確認が十分できていなかったというものもございます。

 これにつきましては、私がヒアリング等を行った中でも感じたものでございますが、そもそもファイルを移動させるということの難しさ、年金個人情報であるかどうかというのも仕分けしつつ、また、日々起こる業務の中で出てくるものを全て消すことが非常に難しかったということは、私も非常に認識したわけでございます。

 こういうことも機構のほうで認識されまして、そういうことが今後起こらないように、現在は個人情報であるか否かに関わらず、ファイルは端末上では一切保存しないという取扱いをルールとして設定いたしております。さらに、来月からは端末をシャットダウンする度にそのファイルが全て消えるという仕組みで、システム的にもそれを対処できるような形にしているという状況でございます。

 こういうことでございますが、この調査結果の中で、基本的には昨年の業務改善計画に基づきまして、セキュリティ対策を中心にさまざまな組織とか人事面での取組自体は、委員の先生方にも報告されておりますけれども、着実に進んでおります。そうした中で、セキュリティについても、現在インターネットから切断されておりますし、また、インターネットから切断された領域で個人情報を管理するという体制は整えておりますので、今、漏えいの恐れはございません。ガバナンスという点につきましても、基本的には進捗しておりますが、そういう中で報告できなかったということ、非常に業務が重なり、いろいろなプロジェクトが進む中で連携がとれていなかったというのはあります。これについては真摯に反省する必要がございまして、先ほど機構あるいは理事長からもお話がございましたが、人事的な措置もありますし、体制の強化なども図られていると聞いております。

 私のほうからは以上でございます。

 

○増田部会長 それでは、理事長さんからお願いいたします。

 

○水島日本年金機構理事長 厳しい御指摘でございますが、大きく3点あったかと思います。1点目は、検査院から要請があって、それに応えないために消してしまったのではないかという御指摘だったと思います。

 今、事業企画課長からもお話がございましたが、8月15日にデータ移行を行うということを決定いたしました。8月末までにデータの整備をして、10月から個人情報専用フォルダを基幹領域に設置するということを決定いたしました。その時点で端末及びLAN共有フォルダ内の年金個人情報については全て移行する、不要なものは削除するということを決定したわけでございます。この決定は情報管理対策本部で行いましたので、本部長は私でございますので、私が行いました。

 その時点で検査院からそのような要請があるということについては、残念ながら私は承知をいたしておりませんでした。したがいまして、消すということを決定して指示をいたしましたのは私でございますので、私として報告しないために消すという判断をしたことはございません。

 次に、高崎に残っていたという問題がございますが、LAN共有フォルダあるいは端末の中に従来年金個人情報が保存されていたことは事実でございます。これに関しまして、このリスクを排除するために全てインターネット環境を切断して排除しているという状況でございまして、今、リスクはないわけでございますが、いずれにしても、基幹共有フォルダを設置して、そこに全て移行して、より安全な状態を作り上げるということを10月1日から全部スタートするということでございましたが、そのために8月、9月、当機構はほとんど夏休みをとっていないと思います。それによってデータ移行を行いました。

 非常に大量のデータを移行したわけでございまして、その中で、ほんの一部と言ったら大変お叱りを受けるかもわかりませんが、一部にデータが残っていたことが検査院の検査によって判明したということでございます。

 これに関しましても、担当部門、担当拠点からはないという報告を受けておりましたし、担当地域部からもないという報告を受けておりましたので、それに関してあったということを踏まえて、高崎の拠点長に関しましては人事的な措置をとったところでございます。

 ガバナンスが効いていないではないかという御指摘でございます。昨年来、今、岩瀬委員おっしゃいましたとおり、本部と現場との一体感が不足していて、本部が決めたルール、あるいは現場と本部との間でルールを守る体制になっていないということの御指摘は、従来そうであったと思います。

 これを何としても変えるということでやってきているわけでございますが、今回の情報セキュリティ対策の措置に関しましては、非常に多項目といいますか、範囲の広い措置、50から60項目の措置を行ってきておりまして、これに関して全てできたか、できないかということを毎日報告させる。そしてそれを監査部でチェックして、地域部にチェックをさせるということをやってまいりました。かなりルールの徹底は進んだと思っておりますが、残念ながらこのような事態が発生したということに関しまして、まだまだだということは認めますが、このような事態にならないためにやってきたわけでございますが、このような事態を踏まえて、さらに徹底した措置をとったということでございます。

 3点お答え申し上げたと思いますが、昨年来、体制面等々に関しまして措置を行ってきておりますが、何としても早期にこの効果を完全な形で出していくべく努力をしてまいりたいと思っております。

 

○増田部会長 岩瀬委員、何かございますか。どうぞ。

 

○岩瀬委員 ちょっと追加で。あまり長くなりませんので。

 もうセキュリティ対策はとったのだからいいだろうというふうに聞こえてしまって、今まで業務改善計画で決めて、国民に向かって宣言したことができていなかったことに対する反省というか、それについてもう一回実態を把握しようという姿勢があまりないように感じられました。対策をとったからいいだろう、こんなことは過去のことだというふうにどんどん進んでいくと、また同じことを起こすのではないでしょうかというのは、老婆心ながらお伝えしておきたいと思います。

 それと、会計検査院は8カ所サンプル調査をしているのです。8カ所で全部出てきているわけです。違いますか。僕の読み方が間違っていたら教えてもらいたいと思います。そういうふうに読めるのです。8カ所全部出ているわけですね。

 

○岩井事業企画課長 いや、8月以降ではないでしょう。

 

○水島日本年金機構理事長 5月くらいでは。

 

○岩瀬委員 前と後というのはそんなに重要ではないと思うのですが。

 検査院が、125万件流出した25年8月から実施するまで、28年6月までの期間を8カ所でサンプル調査をしたと。そうすると、業務改善計画書で書かれていたルールが守られていなかったという指摘を受けているわけです。それは違うのですか。

 

○水島日本年金機構理事長 違います。

 

○岩瀬委員 そういうふうに読めるのだけれども。

 

○増田部会長 今の点は、課長さんからですか。

 

○岩井事業企画課長 8月の時点というのは、先ほども申し上げましたが、機構といたしまして、それぞれファイルを専用共有フォルダに移すという経過の段階なのです。その段階までで会計検査院がお調べになられておるわけでして、それがあるのがいいとか悪いという問題ではなくて、それはあるということです。それを移動させていたわけなので、そこで8カ所から全部あるのは別に不自然ではないわけです。

 一方で、それを全部削除して移したという中で、10月以降にまた見つかったというのが別の話でございまして、これについては、先ほども申し上げましたように、確認が徹底できなかったということと、非常に難しい作業であったということで、人為的なそういうことが起こるので、そこはシステム的にやろうということになったということでございます。

 

○増田部会長 岩瀬委員、どうぞ。

 

○岩瀬委員 いろいろ聞きたいのですけれども、長くなるので後で説明を受けさせていただきたいと思います。

 

○増田部会長 その点はよろしくお願いします。

 

○岩瀬委員 もう一つだけ。業務改善計画の中で、国民の十分な信頼が得られるような見直しを行うとうたっているわけです。こんなことをやっていて国民の十分な信頼が得られるとは思わないのだけれども、そこに対して、今後あなたたちはどういう責任と対応を考えているのか教えていただけませんか。

 

○増田部会長 それでは、その点、お願いします。理事長さんからどうぞ。

 

○岩瀬委員 弁明はもういいですから。

 

○水島日本年金機構理事長 まず、端末に個人情報が8月以前にあったことについては、ルールとして禁止をしていませんから、それはあるのです。それを移行するということを8月、9月でやったということでありまして、そこに関しては、あるということは機構として認めております。

 その後、あったということについては問題がありますから、そのような対処をするということでございます。

 どう責任をとるのかという御質問でございますか。

 

○岩瀬委員 今後のことも含めて、何をやっていくのか、あるいは国民に対して、このことについてどう説明するのかということです。ペーパーは出ているのだけれども、これは不十分だと思うので、もう少しきちんと説明すべきだと思いますし、情報流出した後に使ったお金11億円は全部国民の老後資金ですね。老後資金を使っているということについても釈明すべきだと思いますよ。年金の保険料を使っているのですから。あなたたちのミスで我々の年金保険料がこういう無駄な形に使われている。一方で年金は減額される。これは国民の信頼を十分回復する対応とは思えないのですけれども。

 

○増田部会長 今の点、理事長さんからあれば先に理事長さん、それから厚労省のほうからお願いします。

 

○水島日本年金機構理事長 業務改善計画を出して、それに沿っていろいろな施策を実行してきているということでございまして、今回の事案に関して、検査院との関係でございますと、私どもの中の意思決定過程に不十分さがあったということは事実でございます。ただし、私どもといたしましては、セキュリティ対策に急いで、その結果として削除した部分については現在報告できませんが、検査院に対して可能な限りでの報告はもう既に行っているわけでございます。

 

○岩瀬委員 では、何で部会に報告がないのですか。

 

○岩井事業企画課長 これが報告です。

 

○岩瀬委員 それが可能な限りなのですか。

 

○増田部会長 理事長、どうぞ。

 

○水島日本年金機構理事長 今、可能な範囲ではそういうことですね。

 以上でよろしいですか。

 

○増田部会長 それでは、年金管理審議官、お願いします。

 

○伊原年金管理審議官 今回、情報流出事案があって、私達は、国民の信頼回復ということが一番大事なことだと認識しております。そういう中で機構もこの夏、非常に一生懸命やっていただいたと思っていますが、機構側というのは去年問題を起こした立場ですので、そこがいくら説明しても、みんなが安心してくれないだろうということで、今、政府としては、厚生労働省が一義的に責任を負ってチェックをしますし、それだけでなく、PPCとかNISCとか、あるいは会計検査院が無予告で入ってチェックして、本当に漏れているところがないか、おかしなことがないかということを調査・検証しております。

 そうした意味で、現段階で見てみますと、確かに6月にリクエストされたのに報告できなかった点とか、あるいは8月、夏に全部消すと言ったのに、3拠点で若干、数人分の個人情報のファイルが見つかった。これは不徹底だったということは間違いないですが、そういうことも含めて評価してみて、今の段階で、例えば来年1月からマイナンバーを相談対応だけに使いますけれども、そういうことについては大丈夫だろうと認識しております。それは機構側の言い分だけを信じるのではなくて、厚生労働省とPPCNISC、あるいは会計検査院がいろいろ調べた結果から見てそのように思っています。

 ただ、こういうふうに会計検査院から御指摘いただいているように、まだ全然完璧ではない、あるいは指示したことが100%できているかというと、できていないという点については、さらに反省しなければいけないと思いますし、我々のほうもそういう意味では更にチェックをしなければならないと思っております。

 来年1月からマイナンバーを使い始めますけれども、これはあくまでも相談対応でして、今後情報連携といって、他の機関、自治体などと連携していくことになりますと、もう一段、もう二段さらなる対策が必要となってまいりますので、そのあたりについては今まで以上に厳しくチェックをしていくというふうに考えております。そういうことをすることで、年金機構がやっておられる対策が、国民にとって必要十分かどうかということについてはしっかり調べていきたいと思っております。

 もう一点最後に申し上げますが、今回機構が会計検査院から受けた指摘に関しては、厚生労働省として、機構の言い分だけでなくて、調べる必要があると思いまして、岩井課長以下で直接機構の職員から個別にヒアリングをして経緯を調べておりまして、先ほど岩井が報告させていただきましたけれども、経緯からすると、先ほど申し上げた理由ですので、これによって追加的に情報セキュリティ上の対応が必要であるとは考えておりません。

 以上でございます。

 

○増田部会長 この問題だけやっているわけにもいかないので、この程度にしておきたいと思うのですが、8月以降、10月になって会計検査院に発見されたということです。要は、その間に機構のほうでその点を見つけ出したというのではなくて、件数は少ないわけですが、会計検査院が発見したというところ、機構の自浄能力でなくて会計検査院というところが問題になるのだと思うので、こういう形で会計検査院から文書で指摘されるというのは重たい問題だと思うので、それをきちんと意識しておいていただきたいと思います。

 岩瀬委員のほうから、こうしたことも含めて、作業部会を設置してきちんと現場に即して見るべきではないかという、私のほうに対して御意見がございましたので、これについては大山部会長代理とも相談して、検討させていただきたいと思います。

 それでは、他に委員の方から御意見ございますか。それでは、原委員、どうぞ。

 

○原委員 ありがとうございます。

 今、部会長におまとめいただいたところではございますが、若干の補足だけさせていただきます。今回のケースに関しては、ルールを徹底するとか、組織内で情報を共有するといったところについて、本当にしっかりできているのかどうかということの疑いを招いてしまったということは少なくとも否めないということで、これは深刻に受けとめないといけないのだろうと思います。

 この問題は、セキュリティ対策だけの問題ではなくて、ルール徹底、情報共有という一番根幹の部分について、機構と年金局でこれまでの対策が本当に十分であるのかどうか、取組状況を再度見直していただく必要があるのではないかと思います。

 それから、今、部会長がお話しになった作業部会でございますが、これもセキュリティのところだけではなくて、今のような全般的な問題についてもう一度精査をする必要があるのかなと思いました。

 以上でございます。

 

○増田部会長 ありがとうございました。

 今の点についてはよろしいですか。そちらのほうで委員の意見を受けとめていただきたいと思います。

 

○伊原年金管理審議官 はい。

 

○増田部会長 他に委員の皆さん方。それでは、齋藤委員、お願いします。

 

○齋藤(衛)委員 齋藤でございます。

 会計検査院からの調査に対して適切に応えられなかったということで、担当責任者に対して人事措置ということで対処とされているのですが、これで十分なのかというのは、ちょっと考えていただいたほうがいいかなと思います。といいますのも、理事長に検査院からの調査依頼事項が伝わっていなかったという発言が先ほどありましたので、ここは、現場の担当の方を差しかえて上がってくるものなのかというのがちょっと保証されないのではないかなと思いますので、できれば理事の方が会計検査院に限らず、外部の方からの調査とか監査の応対に関して責任を持つような仕組みにしていただいたほうがいいのではないかというコメントでございます。

 

○増田部会長 ありがとうございます。

 理事長さんからございますか。どうぞ。

 

○水島日本年金機構理事長 御指摘のとおりでございまして、少なくとも会計検査院に対する対応ラインについては、経営企画部長をヘッドにして対応ラインを新たに作りましたので、以後、検査院との関係で組織的な決定ができないというような状態にはならないと思います。

 それ以外に、組織的な決定にならないで、担当部門に情報が止まったまま適切な判断が行われないことがあるのではないかということだと思います。もちろんいろいろな面をチェックしてみないといけないと思いますが、そのようなことができるだけ起きないように、例えば常勤役員会を設置して毎週やってきております。かなり情報の共有は進んでいると思っております。かつ、私が申し上げるのは適切ではないかも分かりませんが、中での情報共有もかなり進んできていると思います。

 ただ、今回の件で参りますと、できるかできないかということに関して、担当部門は本当に悩んでいたのだと思います。今から考えてみますと、担当部門、メンタル面でもやや問題がある職員も発生している状態がございましたので、そこに対して私自身もより踏み込んでやるべきだったという反省はしておりますが、困っているという問題、あるいは「バッドニュース・ファースト」というのは常に言い続けているわけですが、それに加えて困っているような問題について、どういうふうに吸収していくのかということは経営課題だと思っておりまして、各理事及び各担当部長にもその旨を指示して、それを吸収する体制を確立したいと思います。

 

○増田部会長 齋藤委員、どうぞ。

 

○齋藤(衛)委員 そのとおりだと思うのですけれども、状況からすると、厚生労働省もNISCPPCも会計検査院もこのセキュリティチームも今後も注力していろいろ調査をするというステートメントを出している状況ですので、外部の方からいろいろ質問を受けて答えていくという作業は今後も定常的に発生するということと、その前提で計画どおりに物事を進めるということの関係の不和が今回あったと思うのですが、その調整を行う機能というのは作ってしまったほうがいいのではないかと思うところでございます。

 

○増田部会長 この点は御検討をお願いします。どうぞ。

 

○水島日本年金機構理事長 御意見を踏まえて、どのような体制をとるべきかということについて検討したいと思います。

 

○増田部会長 ぜひお願いいたします。

 他に。西沢委員、お願いします。

 

○西沢委員 いくつかあって、整理し切れていないのですけれども、1つは資料1-4で、今後情報連携を可能とする政令公布ということで、情報連携に耐え得るかどうかというチェックはこれから入るということだと思うのですが、情報連携がどういうものかをイメージしたほうがいいかなと思います。1つは、これまでの説明では、市町村から住民票の情報ですとか所得情報をもらって、それらがなくても手続ができるという情報連携の姿が示されていましたけれども、持論でもあるのですが、もう一歩踏み込んで、所得税関係が年金受給者と被保険者の方も機構もものすごく煩雑で、源泉徴収票を紙で送ったり、あるいは社会保険料控除証明書を紙で送って、それを年末調整につけたり、確定申告に出したりしているわけですが、ここを簡素化する必要があると思っていまして、ぜひここは情報連携後にお願いしたいと思います。

 今まではどちらかというと市町村との連携が想定されていましたが、被保険者や受給者の利便性向上という意味では、所得税関係について情報連携ができれば、非常に利便性が高いですし、郵送物に関しても切手代とかがなくなりますので、そこの展望を描いて、どんな情報連携がこれまで部会でお話しいただいた以上にできるのかを描きながら、それに耐え得るチェックがかけられるということかなと、ちょっと踏み込み過ぎかもしれないのですけれども、思いました。

 2つ目に、今回部会長からもお話がありました中間的な報告ということで、最終的に年度を締めて御報告いただけると思うのですが、そのときに教えていただきたいのがいくつかあります。1つは、厚生年金に関して新宿などに集約するということなので、その集約の効果をぜひ詳細に教えていただけたらと思います。具体的に言うと、例えば保険料滞納事業所が出てきて、その情報をキャッチして、その事業所にどういったアプローチをとるのかとか、差し押えまでに至ったときにどういった作業をされているのかとか、統合の効果を教えていただきたい。

 あと、500人以下の企業の適用拡大がスタートしましたけれども、私が思うに、労使の合意があればという今回の法律ですけれども、労働者側に使用者に対して強い交渉力があるとはなかなか思えないのですね。ですから、年金事務所の方はどちらかというと企業へのアプローチがメインかもしれませんが、500人以下で労使の合意があればということは、実は労働者側へのアプローチ、労働組合があるのかどうか知らないですが、「こういう制度がありますから、事業主と話し合ってみてください」みたいなアプローチの仕方もあると思うのですけれども、500人以下という適用の状況がどうなっているのか、今後増えていくのか、皆さんからどういうふうにアプローチしていくのか、あるいは労使の合意に基づけばという、何かエビデンスをそちら側から出させるのかとか、そんなところを次、御報告いただけたらと思います。

 最後に、ホームページを拝見しましたら、「適用事業所検索システム」というのが10月にできていて、もっと詳しく教えてもらうとよかったのですけれども、これは非常にいいと思うのです。あれに入っているか入っていないか、私も自分の会社を検索してみましたが、入っていますが、信用力を対外的にアピールするという意味で「適用事業所検索システム」というのは使えると思うのです。報道とかであまり見た記憶がないのですけれども、厚生年金にきちんと入っているかどうかというのは非常に重要な情報なので、あそこをもっとアピールすれば、ブラック企業とかも話題になっている折ですし、使えるなと思いましたので、どんな広がりを持つか分からないですが、何か情報がありましたら、年度を締めた後に教えていただければと思います。

 以上です。

 

○増田部会長 ありがとうございました。

 今の2、3、4は、年度を締めた後、必ず御報告をお願いしたいということです。

 

○水島日本年金機構理事長 はい。

 

○増田部会長 一番最後の点、検索システムで社会的な信用力の付与に繋げていくという、そのサイクルができ上がってくると、また適用拡大の意味づけが出てくると思うので、今の御指摘、よく受けとめておいていただければなと思います。

 何かありますか。どうぞ。

 

○西岡システム室長 西沢委員御指摘の1つ目の資料1-4の関係、情報連携のところということで、ここに記載させていただいているのは、情報セキュリティ対策として、マイナンバーをとりあえず利用できるという環境は整い、次のステップとして情報連携に向けてということで、セキュリティ対策として、さらなる外からの脅威のための検疫PCとか、インターネット環境の構築とか、セキュリティ対策としてとらなければいけないということをやった上で、まず政令を出していただくという環境が必要になります。

 その先に、では、情報連携ができるようになると今度どういう業務ができるようになるのか、御指摘いただいた住民票情報、市町村との連携というのもあれば、もちろん所得情報としての税情報を連携していくということもありまして、それはいくつもの段階がありますので、一気に全ての手続がというわけにはなかなかいかないと思うのですけれども、段階的に進めていく際に、何が国民の利便性にとってよくなるのかというのは、広報等々でできるように御説明していくという手順になるのだろうと思っています。

 いずれにしても、まずセキュリティ対策をとって情報連携ができる環境を整えるのに概ね1年程度期間を要して、その後、段階的に情報連携作業、事務処理ができるように対応していきたいと考えております。

 

○増田部会長 高橋課長、お願いします。

 

○高橋事業管理課長 短時間労働者についての御説明ですけれども、500人以下の事業所の短時間労働者の適用拡大は平成29年4月からでございまして、この10月から施行しましたのは、501人以上の大企業をやっております。その上で、今、委員から御指摘いただきましたように、今度の任意適用の仕組みは、中小企業の事業主が労働者の同意を得て年金機構に申し出をするということで実施されるものであります。ですので、事業主の御理解と御協力が不可欠であると考えておりますけれども、このプロセスがスムーズに進むように、労使協議の方法の具体例等も盛り込んだQ&Aとか通知等を周知して、その内容について事業所にも説明会などの場でもやって、この任意適用の拡大が円滑に施行されるように4月に向けて考えていきたいと思っております。

 

○増田部会長 それでは、時間の関係がありますので、資料1関係は以上にいたしまして、その他としていくつか資料の提出がありますので、事務局から説明いただいて、その後、また質疑の時間をとりたいと思います。

 事務局から説明をお願いします。

 

○岩井事業企画課長 それでは、資料2-1、資料2-2について、私のほうから御説明申し上げます。今回の国会で成立いたしました2本の年金関係の法律でございます。

 まず、資料2-1でございますが、これは年金の受給資格期間を25年から10年に短縮するというものでございます。これにつきましては、以前は「消費税10%引上げ時から施行する」ということになっておりましたが、これを「平成29年8月1日から施行する」に改めるものでございます。したがいまして、平成29年度から実施されることになっております。

 対象者数は、下の左のほうにあるのですが、40万人です。特別支給の老齢厚生年金対象者を含めると、対象者数は64万人になります。施行の準備状況などにつきましては、後ほど事業管理課長から御説明申し上げます。

 簡単ですが、このペーパーについては以上でございます。

 続きまして、資料2-2でございます。これにつきましては、ただいま御議論にもありましたが、今回の国会で成立した法律でございます。内容は5点ございます。まず、1点は、短時間労働者への被用者保険の適用拡大でございます。これにつきましては、※でありますが、501人以上の大企業につきましては、今年の10月から適用拡大がされております。一方、来年の4月から500人以下の企業につきまして、これは労使合意に基づき、企業単位で適用拡大を可能とするという内容でございます。これは先ほど御議論があった次第でございます。

 2番目、国民年金第1号被保険者につきまして、産前産後期間の保険料の免除を行うという仕組みでございます。厚生年金のほうである仕組みに合わせまして導入されるものでございますが、産前産後期間の保険料を免除し、免除期間は満額の基礎年金を保障するというものでございます。その財源といたしまして、国民年金保険料を月額100円程度引き上げるというものでございます。

 3番目は年金額の改定ルールでございまして、詳細説明は省略させていただきますが、1点目がマクロ経済スライドにつきまして、名目の年金額は前年度を下回らない措置を維持しつつ、賃金・物価上昇の範囲内で前年度までの未調整分を含めて調整する仕組みを入れる、いわゆるキャリーオーバーという仕組みでございます。

 2番目は、賃金変動が物価変動を下回る状況に対しまして、賃金変動に合わせて年金額を改定するという仕組み、考え方を徹底する内容のものでございます。

 4番目はGPIFですので、省略いたします。

 5番目は、日本年金機構の国庫納付規定でございます。これも昨年、会計検査院から指摘されました宿舎等につきます不要財産があるが、これを国庫納付する規定がないということで、今回の法律におきまして日本年金機構に不要財産が生じた場合の国庫納付規定が設けられました。会計検査院から指摘されている宿舎等につきましては、速やかに国庫納付できる準備が完了いたしております。その他の財産につきましても、先ほど年金機構から説明がありましたように、検討するという状況になっております。

 以上でございます。

 

○増田部会長 次、高橋課長お願いします。

 

○高橋事業管理課長 続きまして、資料2-3から2-5まで3点報告申し上げます。

 まず、資料2-3「受給資格期間短縮の施行に向けた対応について」ということで、ただいまの資料でも御説明がありましたけれども、受給資格期間、これまで25年だったものが10年になるという制度が来年8月1日から施行されるという法律が先の臨時国会で成立いたしました。この法律改正を踏まえまして、事務の流れでございますが、来年8月、この施行前に対象者、10年以上25年未満の全ての方に請求書の送付を完了するという予定で今、作業を進めております。

 下に流れ図がございますけれども、法案成立後、業者決定、準備作業を行いまして、その後、約64万人の対象者を抽出いたしまして、5カ月間にわたって分散して対象となる方に個別にこの年金の請求書を送付する予定です。5カ月に分散することによって、一時に年金事務所に来られてお待たせするということを防止して、円滑かつ確実に、お待たせしないように対応させていただきたいということでございます。

 8月に施行になった後、裁定処理、年金証書の発行等を行いまして、9月分からの支払いということで、第1回目の支払いが2910月中旬、全員の方にお支払いできるように今、準備を進めさせていただいております。

 次のページに、対象となる方への請求書の送付スケジュール、5カ月と申しましたが、これにつきましては、原則としまして年齢の高い方から順次送付することを予定しております。

 共済組合等の加入期間を有する方につきましては、一定のプロセスがありますので、最後のほうで送付させていただきたいと考えております。

 送付対象者としまして、10年という期間ですけれども、アの国民年金保険料納付済期間、イの免除期間、ウの厚生年金、共済年金などの被用者年金加入期間、これを足し合わせて10年から25年の方ということであります。

 下のほうにスケジュール案があり、誕生日月ごとにこのような送付スケジュールでお手元に届くように考えております。

 最後のページは、実際にこの請求書を受け取った方からの年金相談の対応体制でございます。この裁定請求書を受け取ったお客様は、ねんきんダイヤルのほうにお電話いただけますと、ねんきんダイヤルのほうから、最寄りの年金事務所と調整しまして、予約の時間枠をとらせていただきます。年金事務所のほうでは個別のお客様の記録を確認して、相談前に事前の準備をさせていただきまして、お客様がお見えになったときは円滑に受け付けできるようにということで、今、作業を検討している状況であります。

 続きまして、資料2-4でございます。先ほど短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大の話がございましたけれども、既に501人以上の企業については、今年の10月から施行されております。

 「施行前の取組」というところでございますが、日本年金機構では、10月から施行されましたのは501人以上の事業所ですが、こういう適用拡大の対象となる事業所を事前に把握し、特定しまして、その事業所に対しては必要書類を提出いただくように送付を事前にさせていただいています。

 5月から6月にかけましては、事業主への説明会を全国303の年金事務所、延べ643回周知の説明会をしております。

 その結果、施行後の取組ということでございますけれども、10月に施行された後、特定適用事業所、501人以上の事業所の情報をもとにしまして、1013日から1110日にかけて、短時間労働者、20時間以上の方の資格取得届の提出がない事業所に対しては、年金事務所から電話で届出の勧奨を実施しております。

 その結果、今日から見ると古い時点でございますが、1110日時点でシステムへの入力処理が完了した特定適用事業所数及び被保険者となった短時間労働者数というのが下のほうにございまして、特定適用事業所数としましては2万5,706事業所、被保険者となった短時間労働者数が201,103人というのが、1110日時点で処理が完了した数でございます。

 こういう対象となる方がどのぐらいいるかというのは、平成26年の財政検証時に推計を行っていますけれども、そのときは大体25万人ぐらいではないかということからしますと、若干乖離がございますが、下の※に書いてありますように、201,000というのは、20から30時間の間の被保険者数でありまして、30時間以上の被保険者数は含まれておりません。したがいまして、週の所定労働時間がもともとは30時間未満であったけれども、今回の制度改正を契機に、むしろ社会保険に入るのであれば、労働時間を延ばして30時間以上働こうという方もいらっしゃいますが、そういう方につきましては、この数にはカウントされていないということであります。1110日時点でまだ届出が出てきていないという事業所も若干ございます。

 今後の予定としましては、被保険者となった短時間労働者数につきまして、月次で公表していきますし、届出勧奨を行ってもなお届出がない特定適用事業所に対しましては、年度内に優先的に事業所調査を実施して、届出漏れがないかを確認していく予定としております。

 続きまして、資料2-5、厚生年金保険の適用促進対策について説明申し上げます。厚生年金の適用促進対策につきましては、これまでも従来から取組んできております。具体的には雇用保険の適用事業所情報です。平成14年度から労働部局のほうから雇用保険に適用されている事業所の情報をいただいたり、それから法人登記の事業所情報につきましては、平成24年度から法務省のほうからいただけるようになりまして、そういうものを活用しまして、厚生年金にまだ入っていない未適用事業所の把握に努めてまいりました。

 しかしながら、特に法務省の法人登記情報というのは、休眠法人であったり、ペーパーカンパニーがあったり、あるいは雇用保険の情報ですと、厚生年金の適用要件とは合致しない事業所などの情報も混在していたため、効果が限定的であったというのが実情でございます。

 そこで、平成2612月から、国税庁から源泉徴収義務者情報の提供を受けるということが可能になりまして、平成27年度から加入指導に活用してきております。源泉徴収義務者情報というのは給与を実際に支払っている法人事業所の情報ですので、効果が大きく、平成27年度に加入指導により新規に適用した事業所数は9万2,550事業所と大幅に増加しております。平成22年度の約19倍です。今年度につきましても、加入指導により9月末までの半年間で5万8,727事業所を加入指導で新規に適用しております。

 現在は事業所の実態を踏まえた重点的・計画的な適用促進を講じるために、今年の春から適用の可能性のある事業所、約62万事業所全てに対して調査票をお送りしまして実態調査を実施しております。

 今後の対応につきましては、この実態調査等の結果も踏まえ、事業所の規模に応じて重点的・計画的に適用対策を進めることとしていますけれども、当面は従業員5人以上の事業所を中心に加入指導を実施するとともに、この調査結果を踏まえて、今年度内に具体的な対策を取りまとめていきたいと考えております。

 次のページ、許可行政庁と連携した社会保険・労働保険の適用促進対策ということでございます。

 1つ目の○では、社会保険の加入の未適用の問題ということが書いています。

 2つ目の○です。具体的に各種業種の許可行政庁と連携した適用促進対策の例ですけれども、建設業におきましては国土交通省、地方レベルでは地方整備局、都道府県が建設業者の建設業の許可を行う際には、社会保険等の加入状況を建設サイドで確認していただきまして、必要に応じまして日本年金機構等への通報等を行う取組を今、実施しております。働き方改革の一環としてこうした取組を参考としまして、他の分野におきましてもこういう関係機関と連携した新たな取組について検討を進める必要があるのではないかということで、先ほどの実態調査の結果も踏まえて考えていきたいということでございます。

 以上、3点報告であります。

 

○増田部会長 それでは、次の説明をお願いします。

 

○屋敷日本年金機構経営企画部長 それでは、引き続きまして、経営企画部のほうから資料2-6に基づきまして御報告いたします。こちらは日本年金機構の役員報酬規程・職員給与規程の改正でございます。こちらは人事院勧告を踏まえまして、役員については勤勉手当を、職員につきましては基本給月額、賞与支給月数及び扶養手当の見直しを行うものでございます。

 1枚おめくりいただきまして3ページ目を見ていただきますと、人事院給与勧告の骨子が出ております。月例給、ボーナスともに引き上げ、あるいは給与制度の改正がございますが、金額の引き上げ及び給与制度の改正の部分につきましては、マル2の「配偶者に係る扶養手当の手当額を他の扶養親族と同額とし、子に係る手当額を引上げ」という部分につきまして対応するものでございます。

 1ページ目に戻っていただきますと、役員の勤勉手当につきましては、支給可能総額の月数を0.1月分引き上げるというものでございます。職員につきましては、基本給月額につきまして、若年層にウエートを置いて、平均改定率0.2%の引き上げを行うものでございます。職員の賞与の支給月数につきましては、勤勉手当の0.1月の引き上げを行うとともに、扶養手当の見直しを行うものでございます。

 施行につきましては来年1月1日で、12月期から適用ということでございます。

 現在この改正を準備しておりますので、御報告を差し上げた次第でございます。

 以上です。

 

○増田部会長 ありがとうございました。

 それでは、以上の説明の部分について御意見、御質問等があれば、お願いしたいと思います。岩瀬委員、お願いします。

 

○岩瀬委員 お願い事項が1つと意見があります。

 1つは今度年金の受給資格期間が短縮されたということについて、これはお願い事項です。10年から25年未満の方にまず送って、その後、10年に満たない方に送って周知をされていくという手順だということですけれども、その際に5年後納のパンフレットをここに入れていただくと、少しでも増やせるし、足りない人、カラ期間で埋められなくても、5年後納で埋められて資格がとれる、無年金にならないで済むということがかなりあり得るのではないかと思いますので、これを周知されるに当たってはそれをぜひやっていただきたい。これはお願いでございます。

 もう一つは役員の給与改定に関してですが。

 

○増田部会長 どうぞ、続けてお願いします。

 

○岩瀬委員 職員の方の給与を上げるというのは、人事院勧告に基づいておやりになるのはよろしいかと思いますけれども、役員というか、組織のトップに立っているような人たちが、いろんな事案が今回起こってきているし、ガバナンスあるいは組織一体化もまだできていない途上、信頼回復の途上の中で、多少遠慮されたほうがいいのではないかなと思いますので、役員の給与の改定に関しては反対を意見として言っておきたいと思います。

 以上です。

 

○増田部会長 ありがとうございました。

 それでは、他に何か御意見あるいは御質問ございますか。

 高橋課長、岩瀬委員の1番目の点についてお願いします。

 

○高橋事業管理課長 10年未満の方に対してお知らせをお送りするときに、そういう内容も書くことは検討したいと思っています。

 それから、今、5年後納の勧奨状を送る際にも、法律が成立する前はあまりはっきりと書けなかった、予定ということで書いていましたけれども、今回法律が成立しましたので、今後5年後納の勧奨状を送るときには、今後は受給資格期間が10年になったということもあわせて勧奨状に書いて、納付意欲の向上に繋げていきたいと考えております。

 

○増田部会長 各委員の皆様、他にはどうですか。

 岩瀬委員の2つ目の御意見、給与の関係について、各委員のほうから何か御意見ございますか。簡単に申し上げておきますと、機構のこうした給与については、たしか大臣のほうに届出があって、届出があると、我々のほうに通知があって、それで我々が意見を言うことができます。ただ、基本的には機構のほうで決めるという仕組みになっていたかと思います。もちろん、我々が意見を言えば、機構はそれを十分斟酌しながら、いろいろ中で御判断して決めるということだと思います。法律に社会一般情勢等々書いてあったかと思いますが、それに照らしてどうかということで決めていくということです。

 今の点について、岩瀬委員から役員、職員と少し分けて考えるべきではないかという御意見がございました。他の皆さん方、この点についてはいかがでございますか。それでは、大山部会長代理、お願いします。

 

○大山部会長代理 岩瀬委員の御意見、ごもっともな面も確かにあるのですが、こういう状況において機構の方たちの御苦労というのは、私自身、システムのほうをずっと見ていることもあって、かなり真剣にやっていただいているとは思っています。これは、では、誰が代わりにやったらもっと劇的に変わるかというような簡単な話ではなくて、時間がかかるとともに、大変な苦労が伴うだろうと思うわけです。

 その観点から申し上げると、人事院勧告のこういう場合があるときに、懲罰的な意味で引き上げを止めるということを言っているわけではないので、その意味で、自主的に返納なさるあるいは辞退するという方がいらっしゃることに対して、私はどうこう意見を申し上げることはございませんが、お金を払っていただくものは払った上で、しっかりと対応していただくというのも考え方の一つではないかなと思います。その辺については御判断をお任せしたいと思います。

 したがって、私個人の意見としては、もらうべきでない、あるいは上げるべきでないということを申し上げるつもりはないという意見を述べたいと思います。

 

○増田部会長 ありがとうございました。

○岩井事業企画課長 給与の今の点です。所轄庁として意見を申し上げたいと思います。

 

○増田部会長 ちょっと待ってください。委員のほうから先に御意見を聞きますので。

 委員の皆さん方、今、2つ意見がありましたけれども、大体その2つということでよろしゅうございますか。

 

○岩瀬委員 追加でよろしいでしょうか。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○岩瀬委員 先ほど言い足りなかったと思いますので。基本は支給すべきでないと。でも、それは懲罰的というよりも、むしろ遠慮されたほうがいいのではないでしょうかという意味でございます。自主返納をされたほうが国民の信頼にも繋がるのではないでしょうかという意味です。

 

○増田部会長 分かりました。

 今、ちょうどかかっておりますのが役員報酬規程の改正ということなので、そうすると、今の岩瀬委員の意見は、改正そのものというよりは、機構のほうの受けとめ方ということになるかもしれません。

 理事長さん、コメントについて御意見があれば。

 

○水島日本年金機構理事長 今の御意見、御指摘に関しましては、私自身、非常に重く受けとめております。

 ただ、1点だけ御理解いただきたいのは、懲罰的ということではないと思いますが、現在、機構の役員の給与は、決められた水準から14%から6%減額をいたしております。ですから、私が14点何%か減額をして、各理事も6%までの間で減額をしている。これは機構がスタートいたしましたときから、きちんと御評価をいただけるまではこの措置を続けるということをやってきておりまして、現在もこれについて見直しをお願いするということは全く考えておりません。

 ただ、人事院勧告でございますので、ベースの変更になります。したがいまして、この減額率については御理解いただいた上で、将来に向けて努力をすれば他と同じ水準にはなり得るということについては、機構の役員になった者たちの努力をする一つの励みにもなっていくかと思いますので、この人事院勧告については御理解をいただければと思います。

 なお、その上で、これについてどのように対応するかについては、御指摘を踏まえて十分検討、考えてみたいと思います。

 

○増田部会長 ありがとうございました。

 それでは、今の点について、理事長さんのほうで御指摘を受けた上で対応を検討したいという話でありましたので、また、この委員の中からも両様の御意見がございましたし、岩瀬委員のお話も自主返納をお考えになったらどうかということでございましたので、検討をお願いしたいと思います。具体的な対応については、機構の中で決められたら厚生労働省のほうに御報告をされるのだろうと思いますが、その前に事務局のほうと私とで相談させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○水島日本年金機構理事長 はい。

 

○増田部会長 いくつかございましたが、各委員の皆さん方からその他何かございますでしょうか。西沢委員、どうぞ。

 

○西沢委員 資料2-2の3番で年金額の改定ルールの見直しがあるわけですけれども、これは私でも理解できないぐらい複雑で、結局、マクロ経済スライドもキャリーオーバーになってしまって、物価が上がったときに年金を据え置くという事態が多分到来するわけですね。例えば消費税率が上がって物価が3%上がったけれども、例えば2015年のときみたいに年金額を据え置きますということで、当然年金受給者の方からこれは何でですかという問い合わせが来ます。その説明の前面に立つのは年金機構の皆さんです。あるいは2番目の賃金と物価の話にしても、結局、年金が金科玉条としていた物価を保証しますというのが、マクロ経済スライドに加えてここでさらに遠ざかってしまうことになって、それを忠実に説明しようとすればするほど分かりにくくなりますので、年金受給者にどうやって説明するのかというのをよくよく考えて、それを全年金事務所の窓口の方に周知徹底しておく準備が必要かなと思いました。

 以上です。

 

○増田部会長 ありがとうございました。

 これは厚労省のほうで。

 

○伊原年金管理審議官 今回の法案につきましては、今、御指摘いただいた3番目の年金額の改定ルールのところ、特に(2)の賃金変動の徹底のところは、国会でも激しいやりとりがありました。そういうことがございましたので、これは施行時期が平成33年4月ということなので、オリンピックの後ではあるのですが、官邸とも相談しまして、PR、周知、わかりやすい資料、別に年金機構だけでなくて、広く一般のいろんな窓口という場所で知っていただくようなパンフレットを作っていこう、あるいはそれ以外にも分かりやすく説明していくことを今、考えております。

 いずれにしても、年金額の問題というのは高齢者の方にとっては切実な問題なので、いろんなところで御理解いただけるようにしていかなければいけないし、一番大事なことは物価とか賃金が上がっていく経済にするということなので、それがないとなかなかシビアなことになると思いますので、そういう努力をしていきたいと思っております。

 

○増田部会長 今の点は機構だけでなくて、厚労省というか、政府全体でやっていかないといけないのではないかと思うのです。5年後の話なのですが、特に低年金者に対しての不安をどう解消していくのかとか、(2)が適用されるというのは一定のケースということにはなるのですけれども、ですから、賃金が上昇していけばそういうことはないわけですが、そういうことも含めて不安を解消する。

 国会で論争になったので、新聞もいろいろ取り上げて、それを見ていれば周知が少し行き渡ったのかもしれませんが、それにしても、御覧になる方も限られていますので、これはぜひ全体として取り組んでいただくように厚労省も汗をかいていろいろやっていただきたいなと思います。

 

○伊原年金管理審議官 はい。

 

○増田部会長 他に何かございますでしょうか。よろしゅうございますか。

 それでは、今日の議題は以上とさせていただきます。

 次回の日程については事務局から改めて連絡をいたしたいと思いますが、年明けになります。ただ、年度内には次回の日程をセットしないといけないというので、また早目に各委員のほうに御連絡をよろしくお願いしたいと思います。

 本日の会議はこれで終了させていただきます。委員の皆様におかれましては、どうも御苦労さまでした。ありがとうございました。


(了)

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