ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働基準局が実施する検討会等> 平成28年度化学物質のリスク評価検討会> 平成28年度 第1回化学物質のリスク評価検討会 議事録(2016年6月24日)




2016年6月24日 平成28年度 第1回化学物質のリスク評価検討会 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

○日時

平成28年6月24日(金)15:00~


○場所

厚生労働省共用第6会議室(3階)


○議事

○平川化学物質評価室長補佐 本日は大変お忙しい中、御参集いただきまして誠にありがとうございます。定刻になりましたので、ただいまより第1回化学物質のリスク評価検討会を開催いたします。本日は小嶋委員、鷹屋委員、津田委員及び原委員は所用により御欠席です。

 それでは、以下の議事進行を座長の名古屋先生にお願いいたします。

○名古屋座長 それでは、第1回のリスク評価検討会を始めます。よろしくお願いいたします。事務局から資料の確認をお願いします。

○平川化学物質評価室長補佐 本日の議事次第から申し上げます。本日の議事は、リスク評価対象物質について、3物質のリスク評価を行っていただきます。1つ目が、酸化チタン(ナノ粒子を除く)2番目の物質はノルマル-ブチル-2,3-エポキシプロピルエーテル、3番目の物質は2-ブロモプロパンです。

 それでは、裏面の配布資料一覧について御説明いたします。左上のクリップ留めの資料の確認です。資料1は「酸化チタン(ナノ粒子を除く)の詳細リスク評価書()」、資料2「ノルマル-ブチル-2,3-エポキシプロピルエーテルの初期リスク評価書()」、資料32-ブロモプロパンの初期リスク評価書()」、最後に1枚のみで「今後の予定について」です。

 参考資料1~参考資料31つで留めており、参考資料1「化学物質のリスク評価検討会開催要綱・参集者名簿」が18ページまでです。参考資料2「平成28年度リスク評価の実施予定について」が9ページと10ページです。参考資料3「これまでのリスク評価の進捗状況一覧」で、11ページ~16ページとなっております。参考資料4は机上配布で「労働者の有害物によるばく露評価ガイドライン」です。参考資料5は机上配布のA3横の資料で「ばく露実態調査の結果」ということでプロファイルを付けております。参考資料6530日に行われた有害性評価小検討会で御議論いただいた内容の修正版です。参考資料7と参考資料8はまとめて1点留めで、参考資料7が「酸化チタン(ナノ粒子)」で160ページまでです。参考資料8「酸化チタンリスク評価書(中間報告)」ということでまとめていますが、これも机上配布で、6172ページです。以上の資料につきまして、不備等がありましたら、事務局までお伝えいただきますようにお願いいたします。

○名古屋座長 大丈夫でしょうか。それでは、本日の議題に入りたいと思います。まず「ばく露実態調査対象物質のリスク評価について」です。事務局から1物質ずつで、最初に酸化チタンからよろしくお願いいたします。

○平川化学物質評価室長補佐 それでは、酸化チタンの説明をいたします。詳細リスク評価書()では酸化チタン(ナノ粒子を除く)としております。資料1の表紙の英語表記が「ナノ粒子」となっているのですが、修正させていただきます。

 それでは、酸化チタン(ナノ粒子を除く)の説明をいたします。

 まず物理的性状ですが、化学物質の基本情報としては、分子量は79.9で、CAS番号については酸化チタンとルチル型、アナターゼ型で、それぞれCAS番号が振られています。また、労働安全衛生法施行令別表第9191号として、6月からは法律が変わり、SDSのみならず、表示、リスクアセスメントの対象にもなっています。

2番目の物理的化学的性状ですが、無色から白色の結晶性粉末、密度3.94.3/cm3 、沸点が2,5003,000℃、融点1,855℃で、水に対しては溶けないということです。

 生産・輸入量、使用量、用途ですが、生産量は173,904t、輸入量が15,000t超となっています。用途は、塗料、化合繊のつや消し、印刷インキ、化粧品、乳白ガラス、有機チタン化合物原料、ゴム/プラスチックの着色、リノリューム用顔料、絵の具、クレヨン、陶器の釉薬、製紙、コンデンサー、溶接棒被覆剤等、非常に多様な用途となっております。製造業者については、資料に記載のとおりです。

 次に有害性評価の結果です。発がん性はヒトに対する発がん性が疑われるということです。根拠はラットに01050250mg/m3 のルチル型二酸化チタンを6時間/日・5/週、24か月間全身吸入ばく露した実験において、250mg/m3 群で細気管支肺胞腺腫、扁平上皮化生、肺嚢胞、扁平上皮がんが見られたが、10及び50mg/m3 群では、ばく露による肺の腫瘍は見られなかった。250mg/m3 群で見られた腫瘍は継続的な肺のクリアランスメカニズム以上の粒子取り込みによる継続的な炎症と線維形成によるものと考えられた。以上の結果から、二酸化チタンは吸入ばく露により発がん性を有するものと考えられたとされております。

 各評価区分ですが、IARC2010年に2B、日本産業衛生学会では暫定分類2015年で第2BEUCLPでは情報なし、NTPで情報なし、ACGIH1996年にA4DFG MAKで発がん性区分3Aとなっております。

 次に閾値の有無の判断ですが、判断できないとなっております。根拠は、in vitro試の試験では、ほとんどの試験結果は陰性であった。陽性結果が小核試験2試験、in vitro姉妹染色分体交換試験2試験で見られたが、これらは酸化ストレスによるDNA損傷の結果であると考えられた。in vivo細胞試験の結果は陰性であったが、二酸化チタンの肺胞細胞を用いた非標準的なin vivo遺伝子毒性試験において陽性の結果が得られていることから、in vivo遺伝毒性については結論できないとされております。

 発がん性以外の有害性ですが、急性毒性については資料に示すとおりです。皮膚刺激性/腐食性は判断できない。眼に対する重篤な損傷性/刺激性もなし。皮膚感作性なし、呼吸器感作性報告なしです。反復投与毒性についてはLOAEL5mg/m3 となっております。根拠は、実験動物でのLOAELが最小であった下記の試験の数値を用いる。ラットに0.5mg/m3 のルチル型二酸化チタンを6時間/日・5/週、24か月間にわたって全身吸入ばく露した。先ほどの根拠の内容です。ばく露後、BALFの細胞パターンに軽度な変化が見られ、二酸化チタンばく露群では肺付属リンパ節のリンパ過形成が見られた。以上の結果から、本試験におけるLOAEL5mg/m3 と考えられるということです。これに不確実性係数を掛けて、評価レベルとしては0.04mg/m3 となっております。

 次ページは生殖毒性ですが、判断できないとなっています。根拠は、吸入ばく露試験の情報が得られていない。また、経口投与試験は1試験あるが、限度試験であることから、生殖毒性について判断する情報が少ないとされております。

 次に遺伝毒性は、「あり」となっております。根拠はin vitroの試験では、ほとんどの試験結果は陰性であった。陽性結果が小核試験2試験、in vitro姉妹染色分体交換試験2試験で見られたが、これらは酸化ストレスによるDNA損傷の結果であると考えられた。in vivo体細胞試験の結果は陰性であったが、二酸化チタンの肺胞細胞を用いた非標準的なin vivo遺伝子毒性試験において陽性の結果が得られていることから、in vivo遺伝毒性については結論できないとされております。

 酸化チタンの許容濃度等が次に書かれております。ACGIHTLV-TWAについては、10mg/m3 1992年に勧告されており、発がんに関する分類はA4となっております。根拠については、ラットに酸化チタン粉末を01050250mg/m3 の濃度で吸入ばく露させた慢性実験における根拠と示しております。更に下の段落では、酸化チタンの発がん性を調べた動物実験は陰性若しくは結論に達していないことから、これらの結果をもとに酸化チタンをA4に分類する。SkinSEN表記あるいはTLV-STELを提言する十分なデータはないとされております。

 日本産業衛生学会では、第2種粉塵として吸入性粉塵1mg/m3 、総粉塵4mg/m3 の許容濃度が勧告されております。DFGにおいてはMAK設定なし、発がん性区分が3ANIOSHにおいては職業性発がん物質として1988年に勧告されており、2.4mg/m3 、微粒子、超微粒子で0.3mg/m3 の勧告がされております。

 それらを基にして、(4)評価値ですが、一次評価値については、「なし」としております。発がん性を示す可能性があり、遺伝毒性が判断できない場合で、生涯過剰発がん1×10-4 レベルに相当するばく露濃度が設定できないため、一次評価値はなしとしております。二次評価値ですが、1mg/m3 としております。これについては日本産業衛生学会が勧告している第2種粉塵の許容濃度を2次評価値としました。

 次にばく露実態評価に移ります。まず有害物ばく露作業報告の提出状況です。「詳細を別添3に添付」とありますが、昨年と同様に、酸化チタン、ナノ粒子、ナノ粒子以外も同じように酸化チタンで有害物ばく露作業報告を集めておりますので、昨年のナノ粒子と同じ結果の添付です。合計920事業場から4,123作業についてなされ、作業従事労働者数の合計は6万人弱であった。また、対象物質の取扱量の合計は約101万tでした。

 主な用途は広くて、「顔料、染料、塗料又は印刷インキとしての使用」、「他の製剤等の製造目的とした原料としての使用」等であり、主な作業の種類は、「計量、配合、注入、投入又は小分けの作業」、「吹き付け塗装以外の塗装又は塗布の作業」、「吹き付けの作業」、「ろ過、混合、攪拌、混練又は加熱の作業」等となっています。

 それでは、ばく露実態調査の概要について説明します。酸化チタンについては、平成22年度からばく露実態調査に着手しており、平成27年度までばく露実態調査がなされました。平成22年においては、ばく露予測モデル等によって、酸化チタンのばく露レベルが高いと推定される事業場を選定して、ばく露実態調査を行った結果、以下の丸数字1と2の作業で高いばく露が見られたとなっています。1つ目が塗料として使用する粉体塗装の作業。2つ目がナノ粒子を製造する事業場で臨時に行われた篩い分けの作業となっています。なお、篩い分けの作業を行っていた事業場は、酸化チタン(ナノ粒子)を製造していることが判明したところ、酸化チタン(ナノ粒子を除く)のリスク評価に当たっては、酸化チタンを用いての粉体塗装を行う事業場を対象として、更にばく露実態を調査し、詳細なリスク評価を行う必要があるとされております。

 測定分析法については、別添4に添付のとおりです。

 次に対象事業場における作業の概要です。対象事業場における酸化チタン(ナノ粒子を除く)の用途については、「他の製剤の製造原料として使用」、「対象物質の製造」、「顔料、染料、塗料又は印刷インキとしての使用」ということでした。酸化チタン(ナノ粒子を除く)のばく露の可能性のある主な作業は、「袋詰め」、「分取・微調整」、「梱包」、「充填」、「投入」、「塗装」等の作業で、塗装作業以外の作業については、長いものでは1回当たり約12時間の作業を1日に数回繰り返す作業でしたが、「塗装」の作業では、ほぼ1日塗装作業に従事している者もあったということです。また、作業環境は全ての作業が屋内で行われ、ばく露防止対策は、一部の作業では局所排気装置が設置されていない、又は設置されていても有効に稼働していないものが認められた。呼吸用保護具についてもおおむね使用されていたが、一部に使用されていない状況が認められました。

 以上の状況の中、測定を行った結果についてです。平成22年度から平成27年度に実施された個人ばく露測定の最大値は、酸化チタンの粉体塗装をしている作業で、吸入性粉塵で3.1mg/m3 であった。ばく露実態調査の結果、8時間TWAの値が二次評価値を超えたのは平成24年度の1事業場で1名、平成23年度の1事業場2名、昨年度の1事業場の1名でした。平成22年度から平成27年度の全データを用いて、信頼率90%で区間推定した上限値は1.4mg/m3 となっております。具体的な表については8ページに記載しております。

 スポット測定結果は、粉体塗装している事業場における作業で4.49mg/m3 と最大であり、作業時間が13回の作業で、6090分間であった。ばく露測定の結果、ガイドラインの規定によるばく露最大値である8時間TWA最大値が二次評価値を上回り、高いばく露が確認されたところです。ばく露測定の結果の表、作業内容については67ページに書いております。ばく露実態調査の集計については9ページに横表でまとめております。

 リスクの判定及び今後の対応です。まず、酸化チタン(ナノ粒子)について、昨年度リスク評価を行った結果を御報告します。参考資料7に詳細を付けてあります。ばく露の高い作業の詳細とその要因解析の結果、リスクの高い作業としては、酸化チタン(ナノ粒子)を製造している事業場における充填又は袋詰め業務が確認された。当該業務のばく露レベルは二次評価値0.3mg/m3 を超えるものであった。また、その要因を解析したところ、酸化チタン(ナノ粒子)の持つ物性や作業の態様から、酸化チタン(ナノ粒子)を製造している事業場における充填又は袋詰め業務については、作業工程に共通する問題と考えられるとされております。

 今回の酸化チタン(ナノ粒子以外)ですが、ナノ粒子以外の酸化チタンについては、日本産業衛生学会における第2種粉塵(吸入性粉塵)の許容濃度である1mg/m3 を二次評価値としたところであり、平成22年度のばく露実態調査で高いばく露が確認された粉体塗装の作業については、平成27年度にばく露実態調査を実施したところ、個人ばく露測定の結果は最高で1.2mg/m3 と二次評価値を超えるばく露をしていることが明らかとなった。酸化チタンを粉体塗装している事業場については、作業工程に共通する問題と考えられるとしております。

 今後の対応ということでまとめております。酸化チタンは、吸入による健康障害のおそれがあるものと考えられるところ、ばく露実態調査の結果、高いリスクが作業工程に共通して確認されたことから、その製造・取扱作業において、労働者の健康障害防止措置の検討が必要と考えられるとしております。なお、健康障害防止措置の検討に当たっては、酸化チタン(ナノ粒子)の充填又は袋詰めにおいて高いばく露が確認されたこと、及び酸化チタン(ナノ粒子以外)の粉体塗装の作業について、二次評価値を超えた個人ばく露測定の結果が出ていることに留意が必要であるとしております。また、これまで測定に用いてきた個人ばく露測定方法や作業環境測定方法では、ナノ粒子とそれ以外の粒子の区別がつけられないことにも留意が必要だとしておりますが、最新の状況等を踏まえて、このまた書きについても検討させていただければと思います。

 あと「有害性総合評価表」については別添1、「有害性評価書」については別添2ということで付けております。「ばく露作業報告集計表」、別添343ページ、「標準測定分析法」が45ページから別添4ということで付けております。以上の内容について、御検討をよろしくお願いします。

○名古屋座長 何か御意見はありますか。

○大前委員 これは間違いなのですが 3ページの73行目、「0.5mg」ではなくて、「0,5mg」です。純濃度でやっているので。

○平川化学物質評価室長補佐 すみません。

○名古屋座長 そこは修正をお願いします。

○平川化学物質評価室長補佐 はい。

○名古屋座長 ほかにいかがですか。

○宮川委員 次のページの90行で、「遺伝毒性あり」と書いてありますが、これは間違いではないでしょうか。判断できないと報告されたと思います。

○平川化学物質評価室長補佐 「あり」のところは「判断できない」と直させていただきます。

○西川委員 今の4ページのところは、遺伝毒性があるか、ないかの根拠、3ページは有無についての根拠で、これは全く同じ文章なのですが、根拠が違うはずだと思いますので、書き分けたほうがいいのかと思いました。

○名古屋座長 閾値と遺伝毒性が同じ文章であると。これはどうしましょうか。

○大前委員 今まではどういう書き方をしていましたか。例えば、次の物質の3ページの閾値の有無の所で、43行目、44行目に「根拠は遺伝毒性があると判断されることから」という書き方がしてあるので、これに倣えばいいのではないかと思います。

○平川化学物質評価室長補佐 その辺りも含めて訂正させていただきます。

○名古屋座長 よろしくお願いします。ほかにいかがですか。

○内山委員 2ページの34行目からの発がん性ですが、発がん性のことに関しては、恐らく2Bということで、ヒトに対する発がん性が疑われるという表現になっていますが、そこの一番下の41行目から42行目には「発がん性を有すると考えられた」と書いてあるので、これは評価書の28ページの361行目辺りのSIDSの訳が、「二酸化チタンは吸入ばく露により発がん性を有すると考えられた」というのを多分引用されてしまっているのではないかと思うのですが、総合的にはこれはオーバーロードによる可能性が強くて、継続的な炎症と線維化があって発がんしたから疑われるぐらいなのだろうということなので、ここの最後の結論としての、評価書としての結論は2Bと同じ表現のほうがいいのではないかと思います。そこにオーバーロードのことが断ってあって、「メカニズム以上の粒子取り込みによる継続的な炎症と線維形成によるものと考えられた。以上の結果からヒトに対する発がん性が疑われる」ぐらいにしたほうがよろしいのではないかと思います。

○名古屋座長 では、28ページを参考にして、2ページの結論の所を書き換えるという形ですね。

○内山委員 別添1の結論も多分そうなっていると思うので、14ページの発がん性の所ですね。「キ 発がん性」という所も、やはり「発がん性を有すると考えられた」という所で、これも「発がん性が疑われる」でいいのではないでしょうか。

○平川化学物質評価室長補佐 すみません。もう一度お願いします。何ページでしょうか。

○名古屋座長 14ページのキの。

○内山委員 14ページです。それのキの発がん性の所で、一番下に「発がん性を有すると考えられた」というのは「発がん性が疑われる」と。

○平川化学物質評価室長補佐 分かりました。

○名古屋座長 よろしいですか。

○平川化学物質評価室長補佐 はい。

○名古屋座長 あとはよろしいですか。そうしましたら、ここの先ほどの結論を見ていただくと分かりますように、ナノについては高いばく露の所は充填と袋詰めということで、ナノ粒子以外の所については、本体塗装という形になりますが、本来ですと、ここで要因分析をしていて、そこに特化した形になるのですが、ナノとナノ粒子を単独で扱っているときというか共存している部分もありますので、ここでは酸化チタンとしてナノとナノ粒子以外について、それぞれ有害性の措置検討会に持っていってもらって、その中で要因分析を含めて変えたほうがいい、あるいは要因分析は関係なく、酸化チタンとしてやるかということで測定も絡んできますので、それは措置委員会の中で検討していただき、ここではナノ粒子、ナノ粒子以外のものの酸化チタンについてはこのまま措置検討会に送るという形でよろしいでしょうか。

 では、そういう形で酸化チタン(ナノ粒子)と酸化チタン(ナノ粒子以外)につきましては、措置検討会に送るという形にしたいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。

 そうしましたら、資料2のノルマル-ブチル-2,3-エポキシプロピルエーテルの説明をお願いします。

○穴井化学物質評価室長 それでは、資料2です。2ページからです。名称がノルマル-ブチル-2,3-エポキシプロピルエーテル、別名がn-ブチルグリシジルエーテル、略称はBGEです。以下は名前が長いのでBGEを使います。化学式、構造式は御覧のとおりです。CAS番号が2426-08-6です。物理的化学的性状ですが、融点-31℃、沸点164℃、蒸気圧が0.43kPaです。外観としては特徴的な臭気のある無色の液体ということです。

 生産・輸入量ですが、2011年度のデータで1,000t未満となっております。用途は樹脂類の反応性希釈剤、樹脂農薬などの安定剤、木綿・羊毛などの改質剤、染料類の染色性改良剤、シランカップリング剤の原料などとなっています。製造業者は御覧のとおりです。

2番の有害性評価の結果です。発がん性ですが、ヒトに対する発がん性の可能性があるということです。根拠としてはラットにBGE蒸気を6時間/日・5/週で2年間、50匹に吸入全身ばく露した試験で、90ppm群で雌雄に扁平上皮がんの有意な発生増加が、更に雄に扁平上皮乳頭腫、鼻腔神経上皮腫、また、雌に腺扁平上皮がん、鼻腔神経上皮腫及び肉腫の発生が見られました。30ppm群では、雌雄とも鼻腔の腺腫の発生増加が見られました。

 マウスでは、同様の試験で、雄は5ppm以上、雌は15ppm以上で鼻腔に血管腫の発生が有意に増加し、雌雄に鼻腔に扁平上皮がんの発生が見られております。このようにラットにおける鼻腔の扁平上皮がんの発生増加と、マウスにおける鼻腔血管腫及び扁平上皮がんの発生は、BGEのがん原性を示す証拠であると結論されているとのことです。

 各評価区分では、EUのほかは情報がありません。閾値の有無はなし、根拠としては遺伝毒性があると判断されることから、閾値はないと判断したということです。発がん性以外の有害性です。急性毒性ですが、致死性として、ラット、マウス、ウサギにそれぞれ以下のデータが出ております。皮膚刺激性/腐蝕性についてはあり、これは実験動物、ヒトにおいても、それぞれ報告されております。眼に対する重篤な損傷性/刺激性についてもあり、これも実験動物及びヒトにおいて報告されております。皮膚感作性についても、実験動物、ヒトにおいて「あり」ということで報告されております。

4ページです。呼吸器感作性については報告されておりません。反復投与毒性ですが、NOAEL25ppmとなっています。FischerラットにBGE蒸気12.52550100200ppm6時間/日・5/週で13週の吸入ばく露で、100ppm以上の群で体重増加抑制、200ppm群で胸腺の萎縮、100ppm以上の群の雄と200ppm群の雌で胸腺重量の低下及び100ppm以上の群の雌で副腎重量の増加が認められております。病理組織学的検査では、200ppm群で鼻腔、眼球、胸腺、精巣、腎臓に変化が見られ、鼻腔の変化は50ppm群まで見られたが、25ppm以下では見られなかったということで、NOAEL25ppmということになっております。マウスでのNOAELですが、12.5ppmということで、同じような実験で25ppm群まで見られましたが、12.5ppm群では認められなかったということで、12.5ppmということになっております。

 生殖毒性ですが、NOAEL38ppm。これもラットで3875150300ppm7時間/日・5/週、10週間吸入ばく露の実験で75ppmまでは変化は見られましたけれども、38ppmの所で見られないということで、NOAEL38ppmであるということにしております。参考としてLOAELも書いてありますが、ラットの試験で、250mg/kg投与群で、胎児発育不全などが見られたことから、LOAELについては250mg/kgとしております。

 次に遺伝毒性ですが、「あり」ということです。in vitroの試験系では、復帰突然変異試験及び染色体異常試験において強に変異原性を示しています。不定期DNA合成試験でも陽性を示し、また、in vivo試験系でも優性致死試験、体細胞を用いた小核試験で陽性を示していることから、遺伝毒性ありとすることになっております。また、BGEは、労働安全衛生法有害性調査制度に基づく既存化学物質変異原性試験においても変異原性が認められて、指針の対象物質になっております。

 許容濃度ですが、ACGIHTWA3ppm、経皮吸収及び感作性に注意というのが2005年に勧告されております。根拠といたしましては、雄マウスにおける吸入ばく露実験で、生殖毒性を指標としたNOAEL38ppmin vitroin vivoの変異原性試験で陽性結果が出ていること、また、雄マウスの背部皮膚にBGE1.5/kgを閉塞適用した後に交配させた実験で発生毒性が認められたことから、従来の25ppmであった設定値を見直し、2005年に3ppmということに変更されたと報告されています。また、ヒトや動物における経皮吸収と皮膚感作性が報告されていることから、“SkinSEN”とされております。日本産業衛生学会については情報はありません。DFG MAKについては、許容濃度の設定なしですが、経皮吸収及び感作性に注意となっております。発がん性のカテゴリーについては3B、生殖細胞変異原性グループは2となっています。NIOSHRELでは5.6ppmPEL TWAでは25ppmOSHAではPEL TWA50ppmということになっております。

 評価値ですが、一次評価値。閾値のない評価での生涯過剰発がん1×10-4 レベルに相当するばく露濃度をがん原性試験から算定したところ、0.83ppbと算定されておりますので、これを一次評価値としております。二次評価値ですが、ACGIHが発生毒性の影響を予防するために勧告している3ppmを取り、二次評価値を3ppmとしております。

 次にばく露実態評価です。まず、ばく露作業報告ですが、平成24年度に21事業場から39作業について報告がありました。対象物質の主な用途は、「他の製剤等の原料として使用」、「触媒又は添加物として使用」で、作業の種類としては、「計量、配合、注入、投入又は小分けの作業」、「ろ過、混合、撹拌、混練又は加熱の作業」、「充填又は袋詰めの作業」となっています。対象物質の年間製造量・取扱量では、多いほうから言いますと、「1t以上10t未満」が36%、「500kg未満」が28%などとなっております。1回当たりの製造取扱量で多いのは、「1kg以上1t未満又は1l以上1kl未満」が56%、その次が「1t以上又は1kl以上」26%というような順になっております。当該作業従事労働者数は、一番多いのは5人未満で60%と大半を占めております。7ページ、1日当たりの作業時間ですが、「15分未満」が21%、「15分以上30分未満」が26%などとなっております。局所排気装置が設置されている作業が67%となっています。

 続いて、ばく露実態調査の結果です。ばく露作業報告のあった21事業場のうち、平成26年度までに4事業場、平成27年度に2事業場の計6事業場を選定して、ばく露実態調査を実施しております。その対象事業場において、製造・取扱作業に従事する9人について個人ばく露測定を行いました。それから23地点についてスポット測定を実施しております。個人ばく露測定結果については、ガイドラインに基づいて、8時間TWAを算定しております。測定分析法については、書いてあるとおりです。

 対象事業場における作業の概要ですが、BGEの主な用途は、「BGEの製造」、「BGEを含有する製剤その他のものの製造を目的とした原料としての使用」ということになっております。ばく露の可能性のある主な作業としては、「充填」、「原料投入」、「サンプリング」、「製品の小分け」等の作業で、1回当たり数分から数十分の作業が多くを占めております。作業環境としては、97%の作業が屋内で行われており、ばく露防止対策は62%の作業で局所排気装置が設置され、56%の作業で呼吸用保護具が使用されております。

 測定結果ですが、個人ばく露測定の結果から、9データのうち定量下限値以上の濃度である8データを評価データとしておりますが、8時間TWAの最大値は、粉体原料の投入、製品の充填等の作業中に測定された0.43ppmでありました。また、信頼率90%で区間推定した上限値は、0.56ppmとなっています。このことから、ばく露最大値は、高いほうの区間推定、上側限界値の0.56ppmとなっておりますが、二次評価値の3ppmを下回っております。また、スポット測定の実測データは、最大で粉体原料投入作業の0.65ppm1回の作業時間は50分、12回の作業ということになっております。

9ページ、結論になりますが、リスクの判定及び今後の対応ということで、以上のことからノルマル-ブチル-2,3-エポキシプロピルエーテルの製造・取扱事業場においては、最大ばく露量は二次評価値を下回っておりますので、経気道からのばく露によるリスクは低いと考えられます。

 従来ですと、ここでリスク評価は打ち切りということになっていたところですが、今年度から経皮吸収に考慮してリスク評価をするという方針が打ち出されておりますので、その後に「しかしながら」と書いております。当該物質は、ヒトにおける経皮吸収等が指摘されている物質であることから、詳細なリスク評価を実施して、経皮吸収等に関する知見や保護具の使用等作業実態のデータを積み重ねた上で、当該物質についてのリスク評価を確定されるべきであるというまとめにしております。

 なお書きですが、この物質はヒトに対する発がんの可能性があり、経皮吸収あるいは眼、皮膚への刺激性、皮膚感作性等のある物質であり、事業者は労働者等を対象として自主的なリスク管理を行うことが必要であるというまとめにしております。以上です。

○名古屋座長 従来ですと、説明がありましたように、二次評価値を超えている場所がありませんので、初期リスク評価で終わるという形になっていたのですが、今年から企画検討会でもそうだったのですが、今回起こりました膀胱がんの値を見てくると、ばく露が比較的ものすごく濃度に比べて低いのですが、やはり起こっているという形がありますので、経皮吸収についても、ここの委員会の中で取り上げようという形になりましたので、今回、濃度的、ばく露的には、過去は、ばく露的に低くて経皮吸収のものがあったのですが、そのときは、先ほどもありましたように、自主的な管理という形で、事業主に知らせるという形で終わっていたのですが、これから以降は濃度が低くても、経皮吸収のあるものについては、詳細リスクにもっていって、そしてばく露と一緒に経皮吸収も合わせて総合的に評価していき、措置にもっていくか、そこで終わるか検討しようということで、今回、二次評価値が低いのですが、同じような作業について、もう一度調査していただけるということと、それから、そのときに、経皮吸収をどのように作業されているかということを一緒に合わせて調査していただいて、もう一度、詳細なところで検討しようとなりましたけれども、何か意見等ありますか。よろしいでしょうか。

○櫻井委員 妥当な判断だと思っておりますが、オルト-トルイジンと比べてみますと、2ページの蒸気圧とオクタノール/水分配係数、水溶解性、その3つが関係すると思います。オルト-トルイジンに比べると、25℃の蒸気圧は2倍ぐらいで、2倍以上は蒸発しやすいということはあると思いました。それから、オクタノール/水分配係数は、この場合は0.63です。オルト-トルイジンは1.32なので、これはオクタノール/水分配係数は小さいので、やや吸収しにくいところがある。ただ、水に対する溶解性があり、2%とよく溶解するほうです。水に対する溶解性と脂溶性の両方を兼ねているものが皮膚をよく通過するという一般論からすると、このデータだけ見ても、かなり経皮吸収が懸念されるわけで、ACGIHSkinマークを付けています。これは実際に動物の皮膚に塗布して生殖機能障害を見ておりますので、そういうデータもあるので、これから経皮ばく露の状況を調べるのは極めて妥当だと思いました。

○名古屋座長 ありがとうございます。ただ、先生、委員会の中で、例えば現場にこれから行かれたときに。まあ、中災防さんを連れていけばいいのか。そのときに、経皮吸収に関して、どのようなことを見てきたほうがいいのか、もしアドバイスがあるようなら、先生から御意見を頂きたいと思います。いかがでしょうか。実際の現場に行ったときに参考になっていて、当然、手を使っているかどうか、手洗いとか、その辺は多分あると思うので、ほかに何か、こういうことを、もし作業現場で測定していて気付いたことがあれば、こういう所を注意してみていただきたいとか、もしよかったら何かアドバイスがありましたら、お聞かせいただければ有り難いと思います。

○櫻井委員 発汗の状態などもありますね。汗をかいている場合に、助長されると思います。

○名古屋座長 喫煙はどうなのですか。

○櫻井委員 喫煙ですか。

○名古屋座長 この前の膀胱がんのところで、ほかの要素として喫煙も入ってくるのではないかと。

○櫻井委員 皮膚に付いているのが、それを吸収する恐れが。

○名古屋座長 それもあるかもしれませんね。

○櫻井委員 タバコに付いて、それを吸ってしまうという、それはよくあるケースです。

○名古屋座長 その辺のところを見ていただければ有り難いと思うのですが。手洗いとかありましたか。

○櫻井委員 手袋と、やはりそういうものも。

○名古屋座長 手洗いとか手袋とか。

○櫻井委員 ええ、手袋の状態。

○名古屋座長 今回の場合、見ていると、手袋の中に。

○櫻井委員 中に入ってしまった。

○名古屋座長 中に入ってしまったものを着けてしまっているというのがありました。

○櫻井委員 手袋の中は案外汚染されやすいようです。

○名古屋座長 二次的なものもありますので、その辺も是非見ていただければ有り難いと思います。それでは、それはまた後で中災防さんに御相談していただければ結構だと思います。今回の場合は、こういう形で新しい物質ですが、ばく露としては蒸気圧は低いのですが、やはり経皮吸収について、これから詳細のところに持っていって議論をするという形の新しい物質ですが、そういう形で詳細リスクに持っていくことでよろしいでしょうか。それでは詳細リスクに。

○大前委員 2ページの27行目ですが、90ppmで雌雄に扁平上皮がんの場所が書いていないので、これは鼻腔なので、「鼻腔の」という言葉を入れてください。

○名古屋座長 よろしいですか。扁平上皮がんの所に「鼻腔の」と入れてくださいとのことです。よろしいでしょうか。

○宮川委員 細かいことで申し訳ありません。25行目の表現ですけれども、確かこの事業の評価書では、ヒトに対する発がん性の疑いがあるという言葉を、通常使っていたと思いますので、この「可能性」はIARCの直訳で、疑いがあるという言い方だったと思います。それから、CLPEUの発がんの区分が、この評価書本文では3ページの39行目でカテゴリー2になっていて、これは間違いないと思うのですが、15ページの真ん中辺り、「EUではヒト発がん性の疑いのある物質としてカテゴリー3」とありますが、これは「2」の間違いではないかと思うのですが、一応、確認をお願いします。

○名古屋座長 よろしいでしょうか。

○穴井化学物質評価室長 確認して修正します。

○大前委員 今の現場に行って見てきてほしいという話なのですが、この物質は皮膚刺激性、感作性があるので、もし皮膚の状況で何か異常があれば、それは見てきてほしいと思います。

○名古屋座長 手の荒れですね。

○大前委員 ええ、手ですね。

○櫻井委員 小さいことですが、6ページの171行目、二次評価値の説明が書いてありまして、「労働者が勤労生涯を通じて毎日」となっているのですが、「週40時間」と書いたほうがいいと思います。

○名古屋座長 ここはリスクの所に書いてあります。これは直してください。

○大前委員 この物質は代謝物はまだ分かっていないのですか。

○圓藤委員 代謝物は動物では分かっています。

○大前委員 1つのばく露の指標として、皮膚吸収を書かないということになると、例えばどこに出るか分かりませんけれども、それも測っておく必要があるのでは。

○圓藤委員 ただ、メルカプツール酸系になるので、どうしましようか?代謝経路は出ているのですけれども。ただ、ドーズレスポンスというのはないので、動物でどれが出てくるかというだけなので。

○大前委員 例えば、お小水だけ採ってきて、冷凍しておいて。

○圓藤委員 そうそう、前後の比較でどのぐらい上がっているかみたいなことを見ることは可能だと思いますけれども、そこからどのぐらいのばく露があるかというのは難しいと思います。

○大前委員 ばく露を測るときに、ちょうどやるので。

○圓藤委員 はい、そうです。そのデータとしては大変貴重だと思います。

○名古屋座長 やれるかどうかですね。

○大前委員 皮膚吸収を考えるのだったら、やはり代謝物じゃないとうまくいかないと思うので、これはその第一物質になるのだとしたら、ある程度の見通しというか、今後のことを考えて、やっておかないとまずいと思うのです。

○圓藤委員 はい。

○名古屋座長 小検討会のときに、圓藤委員にお願いしたのは、代謝物があるのかどうかも最初分からなくて、何かあるようなことがあったので調べていただいたのですが、それをちょっと事務局と相談してみて、尿ももらえるかどうか、なかなか難しいことですので、できたらということで。それを保存しておくことによって作業前と作業後のところで違うかなというところをちょっと相談してみていただけますか。

○宮川委員 もう1つ作業現場で、作業服等をどのぐらいの頻度で取り換えているか、洗浄しているかということも、場合によってはここに関わる可能性があって、どうやって調べるかはちょっと難しいかもしれませんが、御検討いただければと思います。

○大前委員 これは中に「粉体を扱う」という言葉があるのですが、これは液体ですよね、常温で。これは粉体を扱うときというのは、どういうときなのですか。さっきチラチラ見ていたら、例えば8ページの「作業者d、粉体原料の投入」などとあるのですが、これは後ろで見ると液体なのですけれども。

○名古屋座長 難しいですね。

○中央労働災害防止協会 一般的な記載方法の説明でよろしいでしょうか。

○名古屋座長 はい。

○中央労働災害防止協会 このノルマル-ブチル-2,3-エポキシプロピルエーテルが含まれている製品を作る際に原料として粉体があるとか、あるいは粉体をを作っていて、それを一部混合したりという作業がある時にこの様に記載しています。すみません、確実なことは、資料を持ってきていないので分からないのですが。

○米倉化学物質情報管理官 参考資料55ページになります。D社なのですが、でもA社でも同じ作業なのかもしれないのですけれども、A社であればエポキシ樹脂の製造で、真ん中ぐらいに「ばく露の可能性がある作業」が書いてあるのですけれども、「対象物質を10%含有する製剤をペール缶に充填する作業」と書いてあります。

○大前委員 ということは全体が液体を使っているわけではなくて。

○米倉化学物質情報管理官 D社であれば、粉体原料と書いてあります。

○大前委員 これは、液体原料。

○米倉化学物質情報管理官 対象物質を含有する原料とされています。

○名古屋座長 分かりました。粉体を扱っていたときに、意外と表皮が、一番上の層が剥がれやすくなっている。それで着けると、より吸収しやすくなるというのがあって、ですから、要するに純粋な水を使って、要するに溶剤を使って吸収、粉体を扱った後のほうが第1層の所の表皮で取れるものだけ。第1層があると入りにくいのです。これが取られると急に入りやすくなる。ですから、粉体と溶液が混合すると、意外と吸収が上がってくる。経皮吸収が上がってくるかなという話をしていましたよね。その辺も是非見てきていただけたらと思います。

○中央労働災害防止協会 はい、分かりました。

○圓藤委員 5ページの129行ですが、これは何かちょっと、こちらの後ろの資料から持ってくるときに間違えているようなので。

○名古屋座長 計算ですね。

○圓藤委員 はい、計算式を直してください。

○穴井化学物質評価室長 はい。

○名古屋座長 式もその時点でちょっと違いますね。そうですね、よく見ます。すみません。では、29行目の計算式を直していただくようによろしくお願いします。

○西川委員 1つよろしいですか。非常に基本的なことで確認するのもちょっとはばかられるところなのですが、この二次評価値というのは、ACGIHの勧告から持ってきている3ppm。それで、この評価書の4ページに反復投与毒性から導かれた評価レベルが84行目にラットの2ppm、それからマウスでは98行目に1ppmとあるのですが、これらを使わなかった理由というのは何かあったのですか。念のために確認させてください。

○名古屋座長 大前先生、よろしくお願いします。

○大前委員 二次評価値の数字を選ぶときのルールブックがありまして、単純にそれにのっとっただけです。一応、これは今は動物実験のお話ですけれども、ACGIH3でしたか、それをやっているので、今、先生がおっしゃった評価レベル2ppm等々を考えて、どこかの機関が、ACGIH若しくは産衛学会が勧告し直せば、そちらになるというようなルールになっておりますので。

○西川委員 分かりました。ありがとうございます。

○大前委員 そういう感じです。

○名古屋座長 よろしいでしょうか。それでは若干修正等ありますので、事務局よろしくお願いします。ここでは詳細リスク評価にいって、再度測定とそのときに経皮吸収について若干調べていただけると。どうもありがとうございました。

 そうしましたら、資料32-ブロモプロパンの説明を、事務局、よろしくお願いします。

○米倉化学物質情報管理官 資料32ページを御覧ください。1の物理化学的性質です。(1)化学物質の基本情報ですが、名称は2-ブロモプロパン、別名2BP、イソプロピルブロマイド、臭化イソプロピル、化学式はC3H7Brです。構造式は図のとおりです。分子量は122.99CAS番号は75-26-3です。(2)物理的化学的性状ですが、外観については無色透明な液体、密度が1.314/cm3 、沸点が59.5℃、蒸気圧が216mmHg、換算値は28.8kPaとなっています。蒸気密度が4.52、融点が-89℃、引火点が19℃、溶解性()0.318/100ml、オクタノール/水分配係数が2.14となっています。(3)生産・輸入量、使用量、用途ですが、生産量は100t、製造・輸入量は1,000t、用途としては医薬中間体、農薬中間体、感光剤中間体、製造業者は記載のとおりです。

2の有害性評価の結果です。(1)発がん性ですが、調査した範囲内で情報は得られていないということです。各評価区分、IARC、産衛学会、EU CLPNTPACGIH、それぞれ情報なしでした。3ページで閾値の有無ですが、「なし」とさせていただいています。根拠としましては、2BPは、in vitro試験系では、復帰突然変異試験、染色体異常試験のいずれでも陽性を、in vivo試験系でも胎内ばく露の小核試験で陽性を示しており、遺伝毒性ありと判断されるためです。

(2)発がん性以外の有害性ですが、急性毒性として、吸入毒性についてラットが7,159ppm、マウスで31,171ppm、経口毒性の情報としては、ラットで2,000mg/kg体重以上です。皮膚刺激性/腐食性はなしです。根拠としては、ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、皮膚刺激性は認められなかったことによります。眼に対する重篤な損傷性/刺激性、皮膚感作性、呼吸器感作性については、調査した範囲内では情報がありませんでした。反復投与毒性ですが、ラットの試験でLOAEL300ppmというデータがあります。ラットに03001,0003,000ppmのばく露をさせた結果により、そういった値が出てきているところです。下から3行目ですが、NOAELについては、ラットの試験で100ppmというデータがあります。濃度群としては01003001,000ppmで実験した結果です。

4ページで生殖毒性の所ですが、日本産業衛生学会2013年度許容濃度の勧告(暫定)で、生殖毒性第1(ヒトにおいて生殖毒性を示すことが知られている物質)に分類されているところです。その根拠として、ヒトの疫学調査では、ばく露濃度が必ずしも明らかでないものの卵巣毒性、精巣毒性が明白であり、動物実験の所見も一致するとともに胎児毒性もみられる。生殖毒性の障害は精巣細胞と卵巣の始原細胞が標的と考えられ、重篤な中毒では回復が困難である。以上より、第1群に分類されたところです。ラットに対する試験でNOAEL50ppmというデータもあります。濃度群としては0502001,000ppmで実験した結果によるものです。ラットに対する試験でLOAEL100ppmというデータもあります。濃度群として01003001,000ppmで実験したデータです。

5ページで遺伝毒性の所ですが、こちらは先ほどと同じですけれども、遺伝毒性はありとしています。根拠としては、2BPは、in vitro試験系では、復帰突然変異試験、染色体異常試験のいずれでも陽性を示している。in vivo試験系では小核試験では腹腔内投与では陰性、胎内ばく露では陽性であり、遺伝毒性ありと判断しているところです。この物質については労働安全衛生法有害性調査制度に基づく既存化学物質変異原性試験の結果、変異原性が認められ、「強い変異原性が認められた化学物質による健康障害を防止するための指針」の対象物質としているところです。

(3)許容濃度等ですが、ACGIHについては情報はありません。日本産業衛生学会では1ppm、皮(経皮吸収に注意)とされているところです。根拠としては、(1)高濃度の2BPばく露を受けた労働者で、月経の停止、精子形成機能障害、造血器障害が発生しているが、その実際のばく露濃度の資料がなく、これらの健康障害とばく露量との量反応関係は不明である。また、16名中14名の女性労働者の月経はばく露中止後も回復していない。(2)2BPはラットで、100ppm以上、8時間/日、9週間のばく露で卵巣の障害が認められ、300ppm以上で精巣と骨髄の障害が認められ、1,000ppm8時間/日、12週間ばく露で末梢神経障害が認められた。(3)生殖機能の障害は精巣の精祖細胞と卵巣の始原卵胞が標的と考えられ、重篤な中毒では回復が困難である。(4)動物実験で、胎児毒性、催奇形性も疑われる。(5)変異原性試験が陽性で、発がん性の可能性も疑われる。(6)6.5ppm前後のばく露を受けた女性労働者では卵巣機能や精巣機能の明らかな障害は認められなかったが、造血機能が軽度に抑制されている可能性がある。(7)類似構造のブロム化合物は生植毒性、発がん性を有するものが多く、許容濃度は設定されていないか、0.55ppmと低く設定されている。(8)2BP液に両手を1分間浸すと、1ppm8時間ばく露の吸収量の約4倍の皮膚吸収量が予測される。

 以上の資料を考慮して、ラットの最小毒性量100ppmから、動物からヒトへの外挿の不確実係数=10、亜急性ばく露からの慢性ばく露への外挿及び最小毒性量から最大無毒性量への外挿の不確実係数=10を考慮して、許容濃度として1ppmで皮膚が提案されているところです。

MAKの情報として設定はありませんけれども、MAK値、発がん性、生殖毒性について検討すべき物質にリストされているところです。これら以外の機関においては、許容濃度に関する情報は得られていないところです。

(4)評価値ですが、一次評価値はなしとしています。根拠としては、発がん性を示す可能性があり、閾値がなく、遺伝毒性がある場合で、生涯過剰発がん1×10-4 レベルに相当するばく露濃度が設定できないためです。二次評価値については1ppmとしています。先ほど説明しました日本産業衛生学会が勧告している許容濃度を、二次評価値としているところです。

3のばく露実態評価です。(1)有害物ばく露作業告の提出状況の詳細は別添3ということで31ページに一覧表でまとめていますので、そちらを見ながら確認していただければと思います。平成23年における2-ブロモプロバンの有害物ばく露作業報告については、3事業場から計4作業について報告があり、対象物質の用途は、「他の製剤等の原料として使用」、「その他」で、作業の種類は、「計量、配合、注入、投入又は小分けの作業」、「サンプリング、分析、試験又は研究の業務」、「ろ過、混合、攪拌、混練又は加熱の作業」でした。対象物質の年間製造・取扱量は、「500kg以上1t未満」が25%、「10t以上100t未満」が50%、「1,000t以上」が25%でした。作業1回当たりの製造・取扱量は、「1kg未満または1l未満」が25%、「1kg以上1t未満又は1l以上1kl未満」が25%、「1t以上又は1kl以上」が50%でした。また、当該作業従事労働者は、全ての作業で「5人未満」でした。1日当たりの作業時間は、「15/日未満」が50%、「30/日以上1時間/日未満」が25%、「3時間/日以上5時間/日未満」が25%で、全ての作業において局所排気装置が設置されていました。

(2)ばく露実態調査結果ですが、有害物ばく露作業報告のあった3事業場にばく露実態調査を実施しています。対象作業場においては、製造・取扱作業に従事する7人について個人ばく露測定を行うとともに、1単位作業場所について作業環境測定のA測定、12地点についてスポット測定を実施しています。個人ばく露測定結果については、ガイドラインに基づき、8時間加重平均濃度で算定しています。

 測定分析法。サンプリングについては球状活性炭捕集管を用いて捕集しています。分析法としては、ガスクロマトグラフ質量分析法です。

 対象事業場における作業の概要ですが、次の8ページの下の表のとおりです。対象事業場における用途は「2-ブロモプロパンの製造」、「2-ブロモプロパンを原料としてその他の物を製造する目的として使用」でした。2-ブロモプロパンのばく露の可能性のある主な作業は、製品充填作業、シリカゲル交換作業、仕込み作業、サンプリング・抜取り作業で、1回当たり3分~100分間の作業でした。表には書いていませんが、作業環境としては43%の作業は屋内で行われ、ばく露防止対策は79%の作業で局所排気装置が設置され、全ての作業で呼吸用保護具(全て有機ガス用防毒マスク)が使用されていました。

 測定結果については、8ページの上の図のとおりですが、測定は7人の労働者に対して実施しています。個人ばく露測定の結果、8時間TWAの最大値は、2-ブロモプロパンの製造する事業場における、製品をドラム缶へ充填する作業、製品充填時の脱水に用いるシリカゲル脱水塔内のシリカゲルを抜取り交換作業を行った者に測定された32ppmでした。また、全データを用いて信頼率90%で区間推定した上限値(上側5)55ppmと計算されています。

9ページで、このことから、ばく露最大値は、ばく露評価ガイドラインの規定に準拠し、区間推定上側限界値の55ppmとなり、二次評価値(1ppm)を上回っています。また、個人ばく露最大値32ppmということで二次評価値を上回っているところです。また、スポット測定の実測データについては、最大値は製品充填作業で96.27ppmでした。以上が実態調査の結果です。

4のリスクの判定及び今後の対応です。2-ブロモプロパンの製造・取扱事業場においては、上記のとおり二次評価値を上回るばく露が見られたことから、更に詳細なリスク評価を行い、ばく露の高かった要因等を明らかにする必要があると考えています。その際には、二次評価値を超えるばく露が確認された製品充填について当該作業工程に共通した問題かを、より詳細に分析するとともに、実態調査を行った作業以外に高いばく露の可能性があるかどうかを確認する必要があると考えているところです。また、2-ブロモプロパンについては、先ほども話がありましたように皮膚吸収量が大きいことから、経皮吸収を考慮する必要があるため、経皮ばく露の状況、保護具の使用状況について、確認する必要があると考えています。なお、詳細なリスク評価の実施に関わらず、当該物質については、反復投与毒性、生殖毒性、遺伝毒性等のある物質ですので、事業者は、その製造・取扱作業に従事する労働者等を対象として、自主的なリスク管理を行うことが必要であると考えているところです。以上です。

○名古屋座長 ありがとうございます。ここは今までのルールで言いますと二次評価値を超えていますので、当然、詳細リスク評価にいくわけです。あと、先ほどと同じように経皮吸収がありますので、先ほど頂いた意見を含めながら、もう一度、詳細リスク評価のときに経皮吸収のところも見ていただきたいということだと思います。あと事業場というのは、全ての報告が3事業場なのですか。これは中災防に聞かないといけないのですが、ほかにあったうちの選んだのが3事業場ということですか。それとも3事業場しか報告がなかったということですか。詳細リスクのときに。

○米倉化学物質情報管理官 ばく露作業報告としましては、3事業場4作業から出てきています。このデータを中災防にお渡ししてばく露実態調査を実施していただいたところ。

○名古屋座長 それしかないのですね。

○中央労働災害防止協会 それしかなかったです。

○名古屋座長 ということは、詳細へいっても同じ事業場という可能性がある。

○中央労働災害防止協会 はい。

○米倉化学物質情報管理官 あと考えられることとしては、取扱量が500kgということがありますので、それ以下の部分をどうするかということもあるのかなと思います。あと情報に当たる方法としては、業所管省庁である経済産業省とか、あと業界団体に少し情報提供をお願いするのかなと考えています。

○名古屋座長 同じ所ですと、ちょっと違うかもしれませんが、同じ結果が出てくると。共通性を、もう少しほかの所まで延ばしていただけると有り難いかなという形です。お気付きの点はありますか。

○圓藤委員 C社は医薬品中間体製造になっていたのですが、A社は農薬か何かですか。こっちには感光剤と農薬の中間体というのが出ているのですけれども、B社は、もともと2-ブロモプロパンを作っている会社になっているので。

○米倉化学物質情報管理官 2ページに書いてある(3)の用途の所ですが、こちらは、ばく露作業報告を受けた中から確認したわけではございません。

○圓藤委員 一般的に書いてあるやつですね。

○米倉化学物質情報管理官 そのとおりです。実際、測定した結果とか、ばく露作業報告を頂いた内容については、個別具体的な事業場ですのでわかると思いますが、ちょっと今、手元にデータがございません。

○中央労働災害防止協会 ブロム系の薬剤を作るところと、製造過程の中間体で使うという事業場とがあります。製造物質自体が何だったか最終報告書には出てこないものですから補足いたします。

○平川化学物質評価室長補佐 これもこっちなので、製造ではないですか。

○中央労働災害防止協会 はい。あと、製造そのものをやっているという所だと思いますけど。

○圓藤委員 A社は、この辺の何か中間体を作っているわけですか。

○中央労働災害防止協会 B社ですね。

○圓藤委員 B社は2-ブロモプロパンを作っている。

○中央労働災害防止協会 そうです。B社はそのものを作っているということですが、これは意図しない製造のため廃棄されます。

○圓藤委員 A社は。

○中央労働災害防止協会 原料としての2-ブロモプロパンが感光剤の中間体になります。

○宮川委員 細かいことですけれども、有害性評価表ではNOAELLOAELなど複数が載っている場合があって、最終的にこの検討会、若しくはもう1つ前の有害性評価小検討会で適切なほうを選ぶことになっていたと思います。どちらか取りにくいような場合は両方残すといいと思いますが、4ページの生殖毒性のほうはNOAELLOAELの根拠があって、NOAELとなっているほうについては「有意な変化ではなかった」とか、そのほか変化がなかったと書いてあるので、どちらかというと、こちらのNOAELの部分はなくてもいいような気がしますが、いかがですか。

○名古屋座長 これは、それでいいですか。

○大前委員 はい、結構です。

○名古屋座長 では、事務局、そこの所だけ消しておいていただければと思います。

○櫻井委員 この物質についても、詳細評価で皮膚吸収について調べることになっていると思います。皮膚吸収の場合、気体のものをそのまま吸収する場合と、皮膚に付着したものを吸収する場合と両方考えられるわけですが、この物質の場合は両方あり得るのですね。気体からの吸収が特に大きいかどうかはちょっと疑問だと思いますが、ジメチルホルムアミドみたいに相当低い濃度でも吸収するものに比べると、それほどでもないかもしれないけど、でも無視できないですね。

○名古屋座長 そうですね。

○櫻井委員 それと、皮膚に付着する場合について、一般論として言うならば皮膚に付着する機会がどの程度あるかとか、付着してしまったときに直ちに洗い落とす注意を払っているかどうかといった、作業者の行動に注意して調べる必要がある。一般論として言えばそういうことだと。常識的ですけど、ちょっとそれしかないような気がします。

○名古屋座長 そうですね。

○櫻井委員 思いもよらないようないろいろな行動で、こういう所に付いてしまう。

○名古屋座長 そうですね、はい。

○圓藤委員 1-ブロモプロパンは、一応、代謝するらしいのですが、2-ブロモプロパンは同じような代謝経路が出てこないそうです。物質がアセトンとブロムになるのではないかと言うのですが、アセトンも結構、バックグラウンドが高くて、ブロムも海草を食べる海産物の中に多いので日本人はバックグラウンドが高いのだそうです。その2つとも難しいとなると。

○名古屋座長 モニタリングが。

○圓藤委員 モニタリングが難しいとなると、どうしたものかなと。

○大前委員 これは原体自身は出てこないのですか。

○圓藤委員 出てこないのです。人と動物で見つかっていないということなのです。

○名古屋座長 先ほど櫻井先生が言われたように、ほかのものに比べると、結構、蒸気圧が高いのと、こちらが低いのでばく露は高いことは高いですね。あと低い所が、もしかしたら経皮吸収の影響があるかもしれないのでちゃんと測ったほうがいいですね。

○櫻井委員 そうですね。

○宮川委員 今、櫻井先生から作業のやり方等々についてのお話がありましたけれども、作業でどういう行動を取っているかというのは、毒性を知っているかどうかというのが非常に関わってくると思います。

○名古屋座長 そうですね。

○宮川委員 経皮吸収が危ないかどうか。是非、実際に行ったときに経皮吸収があってということとか、あるいは生殖毒性がある物質であるということを作業者が分かっていて、どういう行動を取っているのか。あるいは分からなくてこういう行動を取っているということが、もし確認できればその辺も調べていただくと、改善のためにはいいのかなと。

○名古屋座長 初期リスクのときに、例えば初期リスクが終わる物質でも経皮吸収とかあるときというのは、最後の文章から自主的な管理という形で、多分、事業場にここから通知が行くと思います。それをきちっと労働者に伝えているかどうかです。そういう形で現状がどうかを、きちっと把握してきていただきたいという形だと思いますので、その辺もよろしくお願いいたします。

○内山委員 細かいことですが、6ページの評価値の一次評価値がなしの所で、「発がん性を示す可能性があり、閾値がなく」というのは、一次評価値を作らないときの決まり文句のようになっていますが、この物質に関しては発がん性に関する情報がなしなのです。

○名古屋座長 そうですね。ちょっと表現が違いますね。

○内山委員 ですから、「発がん性は情報はないが」ぐらいに。だけど、リスクは求められないということでいいと思います。変異原性が非常に強い物質の労働調査制度ですか、あれで強い場合には、その先をやらなければいけないというのがなかったでしたか。長期ばく露をやるとき、ないのでしたか。

○大前委員 この物質は、長期ばく露をやっている最中でしたかね。

○平川化学物質評価室長補佐 そうですね。今、やっている最中です。

○内山委員 やっている最中ですか。

○大前委員 今、進行中。

○圓藤委員 ただ、もう1つ、ほかの毒性でもっと低いのがあるかと言ったときに、評価値で言ったら生殖毒性でも0.97ppmでしょう。反復毒性が2.9 ppmになっているので、それはこの産衛の1ppmで間に合ってしまうということがあると思います。

○名古屋座長 そうしましたら、一次評価値の文章と二次評価値の次の文章、「毎日」と書いてありますが、これも先ほどと同じように直していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○大前委員 もう1か所、いいですか。9ページの上の表で、二次評価値の所にACGIHが入っていますが、これは要らないので消してください。

○名古屋座長 そうですね。あと、よろしいですか。そうしましたら、これは通常どおりの所で二次評価値を超えていますので詳細リスクに行くという形と、事業場が少ないですからもう少し広げて、できたら調査していただいて、もしかして規制がかかると500kgを扱っていない所、川下にまで行きますから、逆にそのことを考えると、本来的な500kg以上扱う所でしていますけど、川下のほうも少し考えて調査していただけると有り難いかなと思います。あと、先ほど諸先生が言われたように、経皮吸収のときに手袋とか水扱いをどうしているかという形のものを、併せて調査していただければ有り難いと思います。そうしましたら、それをひっくるめて2-ブロモプロパンは詳細リスクに行くという形で、よろしくお願いします。ありがとうございました。

 本日のところでは、一応、リスク評価は終わりましたので、その他に移ってよろしいですか。何かほかに伝えておくことがありますか。

○平川化学物質評価室長補佐 それでは、本日、御意見を頂きました内容等を含めまして、また先生方にメール等で御確認させていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○名古屋座長 よろしくお願いいたします。

○平川化学物質評価室長補佐 それでは、今後の予定ということで、よろしいでしょうか。

○名古屋座長 はい。

○平川化学物質評価室長補佐 今後の予定ということで資料4を御覧ください。次回の予定です。第2回ですが、77()、午前10時から、場所は経済産業省別館114会議室での開催を予定しています。内容ですが、オルト-トルイジンの今後の対応について御検討いただく予定とさせていただきます。以上です。

○名古屋座長 ありがとうございます。そうしましたら77日、今ありましたオルト-トルイジンの今後の対応についてという形です。よろしくお願いいたします。以上で本日のリスク評価検討会を閉会したいと思います。ありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働基準局が実施する検討会等> 平成28年度化学物質のリスク評価検討会> 平成28年度 第1回化学物質のリスク評価検討会 議事録(2016年6月24日)

ページの先頭へ戻る