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2016年8月30日 平成28年度第1回管理濃度等検討会議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課環境改善室

○日時

平成28年8月30日(火) 13:25~15:50


○場所

経済産業省別館 各省庁共用310会議室


○議題

(1)平成27年度第2回管理濃度検討会の検討結果について
(2)個別物質の管理濃度等の検討について
  ○オルト-トルイジンに関する管理濃度、測定方法及び局所排気装置の性能要件について
  ○マンガン及びその化合物に関する管理濃度、測定方法及び局所排気装置の性能要件について
(3)その他

○議事

 

○奥野環境改善室長補佐 本日は御参集いただきまして、ありがとうございます。定刻より若干早いですが、本日御出席予定の委員におそろいいただきましたので、ただいまより平成28年度第1回管理濃度等検討会を開催いたします。なお、本日は大前委員が御欠席となっております。また、前回から厚生労働省で異動があり、化学物質対策課長が森戸から奥村に、環境改善室長が縄田から木口に、環境改善室長補佐が吉澤から私、奥野になりましたことを報告いたします。はじめに事務局を代表し、奥村課長より挨拶を申し上げます。

○奥村化学物質対策課長 本日は天候が大変危ぶまれる中、お忙しい中、御参集いただきましてありがとうございます。本年度第1回目の検討会になります。今回を含めて今年度も複数回の開催を予定しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 前回、3月に御検討いただきましたホルムアルデヒドと弗化水素の捕集方法、分析方法の見直しにつきましては、現在、告示改正のパブリックコメントを行っており、本年101日からの適用を予定しております。また、今回はリスク評価の結果、作業環境等の義務付けが必要と指摘された、オルト-トルイジン及びACGIHによりばく露限界値が見直されたマンガン及びその化合物について、御検討いただきたいと考えております。

 オルト-トルイジンにつきましては、去る826日に労働者の健康障害防止措置に係る検討会報告書が取りまとめられたところですが、本検討会では、そのうち作業方法と管理濃度について御議論を頂きたいと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 また、既に御承知のことと存じますが、労働安全衛生法が改正施行され、化学物質は本年61日からリスクアセスメントが義務化されています。新たな化学物質管理の方法が導入されることになるわけですが、この検討会においても化学物質を中心として新しい知見を収集して、遅れることなく規制の見直し等を行っていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○奥野環境改善室長補佐 続いて、本日の資料の確認です。まず座席配置図の下に、次第、議事の追加資料があります。その3番に配布資料一覧があるので、この順に説明します。

 はじめに資料1-1、平成27年度第2回管理濃度等検討会の検討結果について。資料1-2、平成28年度の管理濃度等の設定・見直しの検討について。資料1-3が横長のものとなっており、検討対象物質の概要。資料1-4-1が「オルト-トルイジン」及び「マンガン及びその化合物」の管理濃度、測定方法及び局所排気装置の性能要件()となっております。資料1-4-2が管理濃度を検討するに際してのポイント。資料1-5-1が、若干厚くなっておりますが、オルト-トルイジンリスク評価書です。資料1-5-2が化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会報告書です。資料1-5-3がオルトトルイジンの分析測定法に関する検討結果報告書です。資料1-5-41枚紙となっており、オルトトルイジンの分析法です。資料1-6がマンガン及びマンガン化合物の新たな測定法の検討結果報告書です。

 次からが参考資料です。参考資料1-1(1)が管理濃度等検討会開催要綱です。参考資料1-1(2)が参集者名簿です。参考資料1-2が管理濃度・抑制濃度等一覧です。参考資料1-3から1-5までは委員限りの配布になります。参考資料1-3(1)がオルトトルイジンに関する日本産業衛生学会の提案理由書です。参考資料1-3(2)がマンガン及びマンガン化合物の同じく提案理由書です。参考資料1-4(1)ACGIHの資料で、オルト-トルイジンのものです。参考資料1-4(2)1がマンガンに関するACGIHの資料、原文です。参考資料1-4(2)2がその翻訳です。参考資料1-5EC委員会の提案理由書で、マンガンに係るものになります。参考資料1-3から1-5までは机上配布となります。参考資料1-6、弗化水素、ホルムアルデヒドの測定方法についてとなります。

 資料の不足はありませんでしょうか。それでは、以下の進行については、座長の櫻井先生にお願いします。

○櫻井座長 それでは、議事進行を務めますので、よろしくお願いいたします。早速、本日の議題に入ります。まず、議題1の平成27年度第2回検討会での検討結果について、事務局から説明をお願いします。

○奥野環境改善室長補佐 資料1-1を御覧ください。「平成27年度第2回管理濃度等検討会の検討結果について」、今年の310日に行われたものとなっております。1番はその前々回の検討結果について報告が行われたものです。2番は個別物質の管理濃度等の検討で、1番目が弗化水素、ホルムアルデヒドの測定方法についてとなっております。分析方法ですが、弗化水素については分析方法として従来の吸光光度分析方法に加え、高速液体クロマトグラフ分析方法を追加することが適当とされています。ホルムアルデヒドについては、従来の高速液体クロマトグラフ分析方法にガスクロマトグラフ分析方法を加えることが適当とされています。

(2)作業環境測定機関が設置すべき機器及び設備ということで、昭和51218日付け、基発第206号「作業環境測定機関が設置すべき機器及び設備を定める告示の施行について」において、高速液体クロマトグラフの性能等ということで、「紫外可視吸光検出器を有するもの」を具備すべき条件としていますが、この検証事業においては、電気伝導度検出器を用いるイオンクロマトグラフが用いられたことから、「紫外可視吸光検出器又は電気伝導度検出器を有するもの」に改正することが適当とされております。

 続いて、丸2リフラクトリーセラミックファイバーの簡易測定方法について。こちらは名古屋委員から提出資料の説明が行われました。ファイバーモニターF-1Kを使って、管理区分の違う現場でも適応できるのか検証を行い、F値を使ってもきちんとした単位作業場が設定されていて、併行測定点がきちんとすれば、F-1Kを使ってPCMに代わる簡易測定ができるのではないかという結果が得られたとのことでした。

 また、小西委員から提出資料の説明が行われ、繊維状粒子自動計測器7400ADは、キャリブレーションをきちんとすることで計測は可能であるという結論が得られたということでした。リフラクトリーセラミックファイバーの簡易測定法等については、今後も検証を積み重ねた上で、引き続き検討することとされております。

 お手元の資料の一番最後、参考資料1-6を御覧ください。前回の平成27年度検討会資料2-4-1をもう一度資料として挙げたものです。先に説明したように、弗化水素とホルムアルデヒドの管理濃度については、私どもで告示の改正作業を進めており、現在はパブリックコメントを実施しております。

 前回、説明した中で、1点改めたいところがあります。参考資料1-6の裏側を御覧ください。(2)サプレッサー前処理についての中で下の3行にあるように、改正告示の施行通達の中で、「イオンクロマトグラフを用いた弗化水素の分析については、検出器の感度又は選択性を高めるために、検出器の前にサプレッサーを設けることが望ましい」旨を記載することを前回説明しましたが、この内容については施行通達に書くには若干細かい内容と思っておりますので、例えば、作業環境測定ガイドブックの中で示すなどにより、周知をすることで改めたいと思っております。前回の議事1については以上となります。

○櫻井座長 ただいまの説明について、御意見、御質問はありますでしょうか。

○中明委員 今、最後に触れたサプレッサー云々ということで、ガイドブックの中で示したいというお話だったと思います。ガイドブックは実際にどうなっているのですか。あまりまともに出ていないような気がするのだけれど。そこに載せられても困るのではないかと思います。だから、もう少しやり方を考えないとまずいのではないかと思います。ガイドブックそのものを厚生労働省のほうで書き直す気はないのでしょう。

○名古屋委員 厚生労働省の監修が外れて、日測協(日本作業環境測定協会)で独自にやるという形になっているから。一応、公定法ではあるような形にはなっているのですが、きちんとした定義はなくて、ガイドブックの位置付けがきちんとしていないと思います。

○中明委員 ですから、そうすると、そこで示すと言われても、どうしようもない部分がありますよ。実際にあなた方はどう考えているか知らないけれど、もうちょっと考えて、ガイドブックの中で示すのであれば、示すなりにガイドブックも変えてくれということですね。ですから、知らない間にイオンクロマトがガイドブックの中からなくなってしまったり、そのようなことが実際に起きているのだから。それで私たちは困っている部分があるので。それであればやはりガイドブックの中で示すなら示すで、ちゃんとしないと。ガイドブックを出さなくてはいけないわけでしょう。それをやはり考えてくれないと、簡単に言われても困るということを申し上げておきます。

○奥野環境改善室長補佐 御指摘の点については、既に日本作業環境測定協会などとは、やり取りは進めつつあるところですが、御懸念のようなことが起こらないように努めてまいりたいと思っております。

○中明委員 これに限らず、ほかのものもたくさんあるという話をしたわけです。ですから、それはそれなりに考えてくれないと、実際にガイドブック自体に間違ったことが載っていたりしているので、ほかのものも含めて。これに載せるのであれば、対応しなさいということを申し上げたわけです。そうしていただければ、それはそれでいいですよ。

○奥野環境改善室長補佐 かしこまりました。

○櫻井座長 貴重な御指摘ありがとうございました。そのほか何かお気付きの点はありますでしょうか。特になければ次の議題に移ります。次は議題2、個別物質の管理濃度等の検討を行います。今回はオルト-トルイジンとマンガン及びその化合物の検討を行います。

 まず、オルト-トルイジンの検討から始めますので、事務局からリスク評価検討会報告書、健康障害防止措置検討会報告書について説明してください。

○平川化学物質評価室長補佐 資料1-5-11-5-2に沿って、要点のみ説明します。オルト-トルイジンの規制に関しては、福井県の事業場でオルト-トルイジンをはじめとした芳香族アミンを取り扱う作業に従事していた複数名の労働者が膀胱がんを発症した事案、労働安全衛生総合研究所の調査結果等を踏まえ議論し、一定の結論を得て措置検討会の報告書を826日に公表いたしました。

 まず、資料1-5-1「オルト-トルイジンに対する今後の対応」の4ページを御覧ください。今回の膀胱がん事案に関しての調査を労働安全衛生総合研究所において行いました。過去の取扱状況について、皮膚からのばく露だけではなく、経気道ばく露があったことも推察されたという報告がありました。

 以上を踏まえ、項目5のオルト-トルイジンに対する今後の対応ですが、オルト-トルイジンは、IARCにおいて発がん性分類がグループ1の物質です。ヒトに対して発がん性があるとされております。福井県の化学工場で発生した膀胱がんの調査に加え、全国の労働基準監督署における調査などで実態が明らかになりました。このため、職業がんの予防の観点から、オルト-トルイジンの製造・取扱作業について制度的対応を念頭に置き、「化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会」において、具体的措置を検討することが必要であるという結論を77日のリスク評価検討会で得て、728日に報告書を公表しました。

826日に発表した化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会の報告書の内容ですが、本日の検討会に関係するところとしては、資料1-5-214ページを御覧ください。健康障害防止措置について表にまとめたものです。対象物質と作業ですが、オルト-トルイジン製造取扱作業についての適用除外作業は、「なし」としております。また、作業環境測定については、表の下のほうを御覧いただくと、「作業環境の測定」とありまして、その右側に「実施と記録の保存」、「結果の評価と保存」、「結果に基づく措置」、とあり、測定方法、管理濃度については別途検討ということで、本日の管理濃度等検討会において御議論いただく予定としております。

 次に関係あるところとして、19ページを御覧ください。今回の規制導入のスケジュールですが、政省令改正を行う場合、平成288月に改正案についてパブリックコメントを開始し、10月頃に改正政令、規則の公布、来年1月頃に改正政省令の施行を予定しております。一部経過措置ということで、下のほうを御覧いただくと、措置事項、作業環境測定というところで書いておりますが、最初の施行から1年後の適用を予定しています。

 今回、このような経緯で行いますので、具体的な管理濃度等の決定について御議論等をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

○櫻井座長 今までの流れ等についての説明がありました。何か御意見、御質問はありますでしょうか。

○松村委員 オルト-トルイジンというのは、日本の安衛法関係ではかなり古くから名前が挙がっている物質ですが、今、御説明いただいた16ページでは、同時にアニリンやキシリジンというものも使用量が多く見つかっているとのことです。このオルト-トルイジンというのは、異性体としてメタとパラがあるのですが、どうもほぼ同じような用途で使われ得るもので、実際に使っているという情報もあります。そのようなものが作業場では見つかっていないのでしょうか。私は以前から、トルイジンがどうしてオルトだけに限定しているのか不思議ではあったのですが、(他の物質でも)日本では以前からオルトだけが規制対象になっていて、メタとパラは全く名前が出てこないですよね。

○平川化学物質評価室長補佐 オルト-トルイジンについては、尿の測定などを行い調査した結果、経気道のばく露や皮膚接触などにより、ばく露しているという実態を把握いたしました。

 有害性の観点から言うと、トルイジンの異性体のうち、オルト-トルイジンのみが、IARCでグループ1となっておりまして、今回の調査結果を踏まえて、オルト-トルイジンのみを規制の対象とすべきであるとしたところです。

○奥村化学物質対策課長 補足しますが、福井の事業場において、この膀胱がんの発生があったわけですが、当該事業場ではパラ-トルイジンも使われておりましたが、使用期間が短く量も少なかったので、今回は集団的な発生にあまり関与していないのではないかということで対象から外しております。

 また、IARCの区分でも「区分なし」ということでしたので、今回のような取扱いがいいのではないかと考えております。

○松村委員 視野に入っていないわけではないということですね。

○奥村化学物質対策課長 そうです。

○松村委員 分かりました。

○櫻井座長 そのほかに何かありますか。

○中明委員 経気道吸収があまりないようなことを言っていますが、多分鷹屋さんのところで実際にやってデータを出してくれたのだけど、一応気中のほうも測っていくわけですよね。皮膚吸収だけでコントロールしようというわけですか。

○平川化学物質評価室長補佐 今回の調査では、経気道ばく露もあったということですので、経皮ばく露のみならず、経気道についてもコントロールするという観点から、作業環境測定も必要だということで、措置検討会での結論をいただいております。

○中明委員 実際にはどちらが大きいのですか。これは鷹屋さんに聞いたほうが早いかもしれないですが、作業自体はどうなのですか。

○奥村化学物質対策課長 過去、長い間のばく露ですので、どちらが大きいかは容易に答えることはできないわけですが、災害調査の実態では、明らかに経皮のほうは確認できたと。さらに過去の作業環境測定の記録から、ある程度の経気道のばく露もあったことが推測されたということです。

○中明委員 量的にはどれぐらいなのか分かっていないのですか。

○奥村化学物質対策課長 分かっていません。

○中明委員 では、トータルとして、そのように。

○奥村化学物質対策課長 やはり継続的に化学物質に触れていたことが主な経路ではないかと推測されております。

○中明委員 保護具か何かしていなかったのですか。ペイシェンスというのは、やはりこういうところでは。そこから入ってきたのでしょう。

○奥村化学物質対策課長 保護具が汚染されていたり、あるいは保護具がない、化学防護服を着ない上から、化学物質で上半身が濡れていたようなことがあったと、聞き取りで把握されています。

○中明委員 今までの許容濃度で、経皮吸収もあるけれども、どちらかといえば気道のほうがメインでしたよね。気道から入っていくほうがね。同じ物質でも経皮吸収はあまり今までやってきていなかったような気がするのです。そうすると、この場合にはどうもどちらかというと、気道よりも皮膚からの量が多い部分があるような感じがするので、そのときにどのような形で、確かに御指摘のように、いろいろあるのだけれど、作業環境測定だけでは駄目だということは分かりましたよね。

○櫻井座長 そうですね。

○中明委員 ですから、それをどのような形でこの中に盛り込んでいって、管理濃度を決めるということはあると思うのです。その辺をどうするかはこれからの議論なのかもしれないけれど、ちょっと気になってしまいます。経皮吸収が重要なのは私も承知していますから、自分のところでも経皮吸収実験はいろいろやってきましたから。

○松村委員 補足というか私の記憶では、当時の新聞で、作業が終わった時点で、顔や髪などか真っ白になるぐらい粉が付いたと書いてあったのですね。それから、衣服も作業着が白い粉が付いて全然取れない。特に防護服は着ていないと。作業者が、何も防護の指示がなくて、これでいいのかなという感想を述べていたという記憶があります。相当ひどい状態だったと思うのです。蒸気圧はそう高くないという気はするのですが。

○櫻井座長 確か沸点が200℃ぐらいですよね。だから蒸気圧が低いですよね、常温では。

○松村委員 この物質は、割に有機溶剤みたいに蒸気圧は高くはならないですよね。

○菅野委員 蒸気圧自体は高くはないですが、仮に1ppmとすると、呼吸量を仮に1時間1立米すると、確か34mgぐらいの吸収量になります。それから、今回の調査で経皮吸収ということを申し上げたのは、調査時点では作業員の方はみんな防じん防毒マスクをしており、経気道吸収はないと考えられるところで、尿中に対象物が出てきたこと。朝と比べて増えているというところで、経皮吸収は確かにあると確認したということです。ですので、蒸気圧は低いのですが、ppmレベルでは十分蒸発し得ますので、全く無視することはできません。

○中明委員 作業で、管理濃度は幾つにしますかと言われて、幾つとはちょっとできないかなという気がしないでもないのでね。

○平川化学物質評価室長補佐 今回、経皮ばく露防止対策の観点から、先ほど説明で申し上げた資料1-5-214ページのところの、「作業管理」の項目で、保護衣、保護手袋、保護長靴、保護眼鏡の使用も、措置に盛り込む予定としております。これまで特定化学物質障害予防規則では、備付けの義務のみでしたが、今回は使用も義務事項として入れる方向で結論付けられております。

○櫻井座長 では、具体的に次に進みましょうか。オルト-トルイジンの管理濃度をどうするかという問題ですね。

○名古屋委員 いつもの例ですが、リスク評価はしていますよね。リスク評価のときに2次評価値を使って評価をしているので、これで言うとリスク評価値の2次評価値は、日本産業衛生学会の1ppmを使っていますので、それが管理濃度になるのが通常の流れですよね。ですから、ここの管理濃度は1ppmだと思います。

○櫻井座長 改善室から資料1-21-31-4と御説明をお願いします。

○奥野環境改善室長補佐 資料1-2から説明させていただきます。「管理濃度等の設定・見直しの検討について」ですが、1作業環境測定の実施義務ということで、労働安全衛生法においては、職業上のばく露で、労働者に健康障害を生じさせる恐れのある物質のうち、有害性が高く、管理措置が必要なもの及び製造許可が必要なものについて、作業環境測定の実施を義務付けているところです。この測定対象物質については、化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価の検討結果により順次追加されているところです。

2管理濃度の設定ですが、労働安全衛生法で事業者に対しまして、作業環境測定の結果を作業環境評価基準に基づいて評価することを義務付けております。その作業環境評価基準において、物質ごとに「管理濃度」を定めているところです。

3管理濃度等の設定・見直しですが、これについては下のパラグラフ、太字になっているところの方法で行っております。管理濃度は、ローマ数字1日本産業衛生学会が勧告している許容濃度。ローマ数字2米国産業衛生専門家会議(ACGIH)が提言しているばく露限界。設定の際には、原則といたしまして、産業衛生学会の許容濃度とACGIHのばく露限界が一致している場合には、その値を、また、両者の値が異なっている場合には、いずれか一方の値を管理濃度としています。

 「ただし」にありますように、ローマ数字1、ローマ数字2以外の職業ばく露限度であって、設定プロセスが明確であり、かつ、科学的根拠により提案がなされているものが存在し、これを活用することが適当な場合には、ローマ数字1、ローマ数字2に加え、その値も参考として設定することができることとしています。

 裏側では、ばく露限界の例などを示しております。裏側の(2)測定基準の設定・見直しですが、作業環境測定の実施が必要な物質については、管理濃度及び測定技術を踏まえ、試料採取方法及び分析方法の設定・見直しを行っていきます。(3)局所排気装置の性能要件・稼働要件の設定・見直しも行っていただくこととしております。

 資料1-32つありまして、オルト-トルイジンと、この後の議題のマンガン及びその化合物とあるのですが、オルト-トルイジン、上段のほうについて説明させていただきます。主な用途とか生産・輸入量については、この表にあるとおりでして、管理濃度については、現段階では未設定となっております。日本産業生衛学会、ACGIH等のばく露限界については、日本産業衛生学会は1ppmACGIHのばく露限界は2ppmとされております。その他、IARCでグループ1とされております。

 これをもとに資料1-4-1を御覧ください。こちらもオルト-トルイジンとマンガン、両方出ているのですが、上段のオルト-トルイジンの説明をさせていただきます。管理濃度の事務局案といたしまして、1ppm又は2ppmとしております。それぞれ日本産業衛生学会の許容濃度、ACGIHのばく露限界に対応したものとなっております。測定方法の案といたしまして、固体捕集方法-ガスクロマトグラフ分析方法を挙げております。また、局所排気装置の性能要件・稼働要件については、抑制濃度による(管理濃度と同じ値)としております。参考ですが、作業環境測定士の資格区分()といたしましては、第3号になるのではないかと考えております。

 資料1-4-2を使いまして、先ほど申し上げた管理濃度の根拠をお示しします。管理濃度を検討するに際してのポイントで、1のオルト-トルイジンですが、日本産業衛生学会で1ppmとされているところで、既にオルト-トルイジンについて発がん物質第2Aに分類している。したがって、許容濃度はできるだけ低濃度に保つこととしてもよいが、アニリンの許容濃度が現行1ppmであること、また、実際的な管理面を考慮して、許容濃度1ppm4.4mg/m3、皮膚吸収注意()を付して提案しております。ここは、先ほどの資料1-5-13ページ、リスク評価書から抜粋したものですが、参考資料1-3(1)に日本産業衛生学会の提案理由書を添付しておりますので、必要がありましたら御参照いただければと思います。

 また、丸2ACGIHのばく露限界ですが、2ppm(8.8mg/m3)Skin(1982年設定)とされております。オルト-トルイジンへの職業ばく露に対するTLV-TWAとして、アニリンとの類似性及び間接的にニトロベンゼンとの類似性により、2ppmを勧告する。この値は、主としてメトヘモグロビン血症を、また、皮膚、眼、腎臓及び膀胱の刺激を防止するために設定される。オルト-トルイジンは、皮膚吸収が大きく、全身に健康影響を及ぼすと報告されていることから、Skinの表記を指定する。オルト-トルイジンは、メトヘモグロビン誘起物質の1つとして、BEI(ヘモグロビンの1.5パーセント)が勧告されています。こちらも資料1-5-1のリスク評価書の抜粋のようになっておりますが、ACGIHの関係の資料1-4(1)に添付しております。

 資料1-5-4を御覧ください。測定方法の関係です。下のほうに出典がありまして、「オルトトルイジンの分析測定法に関する検討結果報告書」の抜粋となっております。この検討結果報告書全文については、資料1-5-3がありますので、必要がありましたら御参照いただければと思います。

 資料1-5-4のサンプリングのところですが、サンプラー:硫酸含浸フィルターとなっておりまして、これは固体捕集方法となります。また、分析については、右に「分析方法」とありまして、「ガスクロマトグラフ質量分析法」とあります。現行の法令では「ガスクロマトグラフ分析方法」という用語としておりますので、先ほどの資料1-4-1の測定方法()では、固体捕集方法、ガスクロマトグラフ分析方法と提案させていただいております。以上で説明を終わらせていただきます。

○櫻井座長 また、主要なテーマですが、管理濃度を決定することがありますが、いかがですか。日本産業衛生学会は、今年、発がんの分類を1に改めたのですが、許容濃度を変更する方向での検討は何か話題が出たかどうか、どなたか。

○中明委員 私は聞いていないです。大前委員が今日来てくださっていれば。

○名古屋委員 リスク検討会で大前委員が委員長で、これをきちんと検証されて2次評価値を決めているので、きちんとした値だと思いますので、2次評価値をそのまま管理濃度にするのが妥当だと思います。

○中明委員 管理濃度をどんどん低くするのは、問題は問題なのでしょうが、管理する側として。だから、あまり低くすることもないのですが、ただ、今回の場合、経皮吸収が意外に高いことがあるということを踏まえた上で、環境だけで「えいやっ」とやってしまって、どうなのかという気がするので、簡単にはいかないかと。名古屋委員がおっしゃるようにこの委員会で。

○名古屋委員 私が答えるべきことではなくて、健康措置検討委員会の委員長である菅野委員が答えると思うのですが、多分、健康措置検討会では、ばく露はものすごく低いのです。でも、作業環境測定だけではいけないので、追加すべき項目として何をするかというと、措置検討会で検討したときに、特殊健診とか、そういう形でもチェックしないといけないと。特殊健診については、また別途他の検討会等で検討しますということになっているので、ここは作業環境測定を行い、作業環境の評価を行うだけで良いと思うので、経皮吸収まで考えなくていいのですよ。

○中明委員 先ほどいろいろと条件を付けて測定して。

○名古屋委員 健康措置検討会で、多分、櫻井委員も就業前の尿検査と就業後で尿検査することで経皮吸収の影響が分かるのではないか、そうした結果を積み重ねることが重要ではないかという意味での発言をされたと思いますので、そこを積み重ねていかないと、経皮吸収の影響は難しいのではないかと。でも、間違いなく環境管理、今の状況の中で濃度を決めて測っていくとすると、リスク評価の流れを受け取ったほうがいいのかと。今の経皮吸収を、そのまま作業環境管理に持っていくかは、なかなか難しいことではないか。これから検討していきましょうとお願いを健康措置検討会にしてありますので。

○中明委員 これから検討していきましょうというのは、どこにあるのですか。

○名古屋委員 資料1-5-214ページ、措置検討の特殊健康診断の中に、「具体的事項は別途検討」と書いてある。そういうのは1つ決まっていますので、それを踏まえて、例えば手袋にしてもどういうものを使ったらいいでしょうかと、そういう形で全てもう少し検討しましょうとなっている。そこで検討が出てこないと難しいと思います。

○中明委員 それはどこで見ていくのですか。

○名古屋委員 健康障害防止措置検討会です。

○平川化学物質評価室長補佐 特殊健診の内容については。

○名古屋委員 それは別途やるのですが。

○中明委員 どういう形にしたいわけですか。どうやって。

○名古屋委員 それを検討する場所と。

○平川化学物質評価室長補佐 資料1-5-2の化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会の結論といたしましては、作業環境測定を行っていただくこと、あと、管理濃度についても別途検討いただくことというのを、措置検討会の結論とさせていただきましたので、その関係でこちらの管理濃度検討会において「別途検討」と書かれておりますところの測定方法、管理濃度を検討いただくということで、今回お願いしているものです。

 特殊健康診断については、労働衛生課が所管する検討会で具体的事項について、別途検討いただいているということです。経皮ばく露の評価や対策については課題としてございます。

○松村委員 今、経皮吸収が非常に大きいということが問題になっているわけですが、その場合、作業環境測定で測定されるというのは、経口的に摂取される可能性のある成分だけだと思うのです。ここではBEIが朝と夜で有意に差が出るぐらい吸収があるということですから、それをどう組み合わせるのかが分からないのです。BEIの上昇値に対して何か管理濃度と同じ上限を同時に設定するとか、そういうことはできないのでしょうか。それは測定する人が違うし、管理方式も違うとは思いますが。

○菅野委員 そのインデックスはまだすぐにはできないのかもしれませんが、別の委員会で検討なさるのだと思いますが。それで、気中濃度ももちろんコントロールしなくてはいけないわけですので、通常の管理濃度を決定して作業環境を測定するということで、気中濃度をコントロールする。経皮吸収については、防護具を使ってプロテクトすると。

 健診は、防護服とか手袋は結構何回も繰り返して使われたりするので、管理の仕方によってはまずい場合が結構ありまして、今回の現場調査のときにもそうだったわけですので、それで健診を行って、適切に行われているかどうかを判断するということではないかと思うのです。つまり、気中濃度と経皮吸収の対策を別々にしないと、仕様がないということだと思います。

○松村委員 作業環境がある程度きれいになれば、作業中に顔が真っ白になるような状況は、必然的になくなるのかとは思いますが、顔が真っ白になる状態では、手袋をしていませんから当然、経皮吸収がありますね。

○名古屋委員 今回のリスク評価の結果では、ばく露濃度測定していても1ppm2桁か3桁下の濃度しか見てないのです。1ppmに比べると、幾何平均値が0.013ppmで、最大値で0.112ppmという1桁か2桁低い数値しか出てきていないのです。

○松村委員 実際にはですか。

○名古屋委員 最近現場で測定しているデータでは。だから、先ほど言ったように、昔のばく露がずっと蓄積されたのかという話も出てきたのは、多分その辺ではないかと思うのです。現状では今のところは。

○松村委員 騒がれる以前と以後では、大分違うという気がします。

○奥村化学物質対策課長 多分、松村委員が気になっていらっしゃる新聞記事の顔が真っ白という記述ですが、あれはオルト-トルイジンではなくて、最終的な製品の粉末が顔に付いたということを取材されて記事になったと。その最終的な製品では、オルト-トルイジンはほとんど検出されておらず、それが顔に付いたり飲み込んでも、どれほど加水分解して元に戻るか、オルト-トルイジンが出るかというと、ごく限られた、本当に無視していい量ではないかと。それは労働安全衛生総合研究所の報告書の中にも分析されております。

○松村委員 そうですか。どうもありがとうございました。

○小西委員 分析結果からいけば、1ppmは十分説明できるわけですから、それはいいと思います。これは後で抑制濃度の話にもなると思うのですが、例えば抑制濃度の今までの慣例からいくと、同じ値を使うことになっていますが、排気装置等の工学的対策は、連動してちゃんとできるのでしょうか。

○奥村化学物質対策課長 気中の濃度ですね。

○小西委員 はい。それを抑制濃度にしたときに、それが1ppmを下回る、あるいは、それを超えないようにするための工学的な対策、措置が連動してちゃんとできるのかどうかということ。そこが確認されていれば、1ppmでもいいのではないかとは思いますが。

○奥村化学物質対策課長 それは労働安全衛生総合研究所の報告を見ましても、現状で既にクリアしております。かなり高い、軽々とクリアしております。

○小西委員 経皮吸収の問題はほかの物質でも出てくる可能性があるとなると、こういう物質の管理濃度をどんどん低くしてやらなくてはいけなくなっていくことになると思いますが、例えて言えば、アスベストの除去作業の場合はきちんと隔離をして、防護を徹底することが求められていますが、そうなっていくと、別に測定ということではなくて、それに大半のものは委ねてしまうことになるのではないかと思うのです。濃度が下がっていくと、本当に正しく測定できるのかというのは一番気になるところなので、そことの兼ね合いなので、どちらかというと経皮吸収があるということは、そういうことが大事になってくるのかという気がしますがね。

○明星委員 手袋とかですが、我々医学系の世界ですと手袋はひたすら捨てるのですが、化学用の防護手袋は結構(値段が)高いのですよね。そうすると、手袋をしなさいという管理を厳しくいくと、結局、汚れたと本人は思っていないで、汚染した手袋を使い回すということになると、その使い方をどう説明したかを後で言われる気がするのです。大体、普通の化学防護手袋とかいうのは、1双で数千円ぐらいはします。だから、絶対使い捨てにはできないので、どうしても日本人の感覚ではきれいに洗ってまた使おうと思ってしまうので、そのことが逆にまずいことを起こしている気もするので、何か使い捨てのものをしてからするとか、何かそういう指示がないと、手袋をしなさいという指示で進んでいくのが、若干危険なような気がするのです。どうしろと言われても難しい問題です。

○奥村化学物質対策課長 健康障害防止措置検討会でも、手袋の管理については指摘がありまして、これから行政としても手袋のメーカー各社に呼び掛けて、どの手袋がオルト-トルイジン及び有機溶剤が溶け込んでいる状態で使えるのか。あとは、どのぐらいの時間使えるのかとか、そういったことを何らかの形で我々からオルト-トルイジンを取扱う事業者へ、整理したものを届けないといけないと考えております。

○明星委員 それは膜のこちらからこちらへ抜けるという話ですが、こうやって、ただ単に手袋の内と外は論理的にはつながっていますので、別に膜を通して抜けることを言っているのではなくて、手袋は別に内側と外側は袖口でつながっていますから、別に、入るというのは簡単に入る気がするのです。だから、そういうことを、今、物を作ると、その素材の性能にどうしてもいきますが、本当の問題は使い方の問題だと思うので、素材が良くても、使い方が悪いと、結局駄目だと思うので、何がしか、そういうコンタミした状態を守る使い方を言わないと。今、手袋の膜を通るか通らないかという議論はもちろん大事ですが、そうではなくて、ちゃんと使えないといけないと思います。例えば、マスクで言えば、漏れていれば何の価値もないのと同じことが、手袋でも起きる気がするのです。

○奥村化学物質対策課長 正しい着用方法で。

○明星委員 そうです。作業管理になりますからね。でも、保護具は作業管理そのものですから、その辺。

○奥村化学物質対策課長 手袋の端を巻くというやり方もあるのですよね。テープで密着するという。

○明星委員 どのようなものがいいのかは分からないのですが、例えば使い捨ての手袋の上にもう1回手袋をするとか。その外側は置いておくけれども、中は捨てるとかです。医療系の人は、みんなものすごく神経質にほとんどが捨てるのです。だから、そういう手袋は実は安く、ボンボン捨てるのですが、逆に数千円のものはそんなにボンボン捨てられないではないですか。だから、そうするとかは必要なのではないかと思います。

○中明委員 当然、濃度管理を十分徹底することを含めて、1ppmで私はいいとします。

○櫻井座長 経皮吸収が0の場合、専らここに掛かってくるわけですよね。1ppmで大丈夫かどうかというところに基本的にかかってきますから。

○中明委員 今までの管理濃度を決めたものは、経皮吸収のないものは有機溶剤は実を言うとほとんどないのです。だから、そこについては今までほとんど無視してきているのです。今度、たまたまうんと量がありますということなので、それで気になってしまったのだけれども。

○櫻井座長 両方あると、両方相加的になりますから、皮膚吸収があるときは、環境ももっと低くしなくてはいけないことになってきます。皮膚吸収がないとして、1ppmで当面、それしかないから、数値として決めるのも、今までの管理濃度の決め方のスタンスなのです。

○明星委員 飛んでいる状態というのは、ミストという理解でよろしいのですか、実際現場ではミストだったのですか。液体ですか。

○菅野委員 蒸気だと思います。

○明星委員 蒸気という理解でいいのですか。

○菅野委員 ミストが全くないかどうかは検証したわけではありませんが。

○明星委員 通常状態は液体だけれども、一応、それが蒸気圧で蒸発したものが飛んでいるというか。

○菅野委員 はい。

○櫻井座長 コントロールはしやすいのですかね。

○菅野委員 普通の有機溶剤と同じだと思うのですが、実際に使われるのは、合成原料ですので、合成しているときは、一応、閉鎖系になっておりますので、有機溶剤みたいに洗浄とか何かに使うことはないと。実際の工場ではトレーに残っているものが洗浄に使われていましたが、通常そういうことはないだろうと。

○松村委員 物性表を見ると、融点が24.4℃とか、16.3℃とか、構造によって違うようですが、「粘性の液体状態、常温で」という書き方をしてありますから、それ自体が純粋ならばそれほど飛び散ることは考えられないかと思いますが。

○櫻井座長 何か特殊な作業を、高熱になるところとか、どこかから漏れているとか、そういうところだけが問題になるのかという気がします

○松村委員 「製品としては染料になったり、サッカリンなどに使う」と書いていますが。

○明星委員 そういう作業と先ほどの手袋の話は、それは液体に触るということなのでしょうか。でも、量的には全然違いますよね。

○菅野委員 実際には、せっかくお見えになっているオブザーバーの鷹屋さんに御説明いただいたほうがいいと思うのですが、製品のできたときにはスラリー状になっていまして、そこでは洗浄とか何かするときに、かき混ぜるのですよね。そのときにもちろん手袋をしているのです。ですから、そのときに蒸発ももちろんありますが、蒸発自体は気中のは低かったので。

○松村委員 密閉容器ではないのですか。

○オブザーバー 今回のところでは、まず溶液にします。当然、溶液にする前に小分けにするところは純品ですが、容器の口と口をつなげる瞬間とか以外は、密閉状態。一番ばく露の可能性があるのではないかと思われたのは、先ほど製品のお話が出ましたように、原料は液体ですが、反応させて製品は固体となります。当然、反応が100パーセントいっているわけではないので、結局、製品は液体から始まって固体になるので、ドロドロのスラリー状になるのですが、その溶液中にまだ完全に原料がなくなってない場合があり得ます。反応条件は、本来はなくなる条件で進めるのですが。今回はそれを乾燥する工程で、ドロドロのものをハンドリングする場面が、一番リスクが高かったのではないかという感じです。それで、現実にそういう代射物が出た作業者の方の作業も、そういった作業関係ということです。

○中明委員 その前のスラリー状になっているのは、原材料はほとんど残っていないのですか。大体みんな反応してしまったのですね。今、ちょうど98パーセントぐらいと。だから2パーセントぐらい残っているのかと。

○オブザーバー 合成屋の感覚から言うと残っていないのですが。ppmオーダーでは残っていないかというと、残っている場合もあるということてす。

○櫻井座長 そこで個人ばく露濃度は測定したのですか。

○オブザーバー そうです。定点と作業者の個人ばく露濃度と両方を測りまして、今回の作業においては、ここの報告書に書いてあるとおり、気中の濃度は、ばく露濃度も含めましてさほど高い濃度は出ていないです。

○櫻井座長 でも、作業者の方は、マスクはやっている。それはどちらですか。粉体があるから紛じん用のマスクをやっているということですか。

○菅野委員 防じん防毒マスクをやっているはずですよね。

○櫻井座長 今はそうですね。

○菅野委員 防じん防毒マスクを。

○櫻井座長 両方をやっているのですね。

○菅野委員 はい。それで経皮吸収という結論になっているということです。

○小西委員 半面形ですか。

○オブザーバー 一番リスクの高い作業では、問題がでた後ですが、エアラインマスクをされていました。

○櫻井座長 作業環境の空気中の濃度は1ppmまでいいのだと思って、それでマスクをやらなくなるとか、そういうことが気になるのです。

○名古屋委員 リスクのときも管理濃度を1ppmでやったら、管理区分1になる。それでいいという話ではないので、経皮吸収を意識した何かをプラスアルファしなくてはいけないねと。それは措置でもう一度検討しましょうという話になったのです。そこだと思います。

○小西委員 そこのところは強く言っておかないといけないと思います。措置をやった上での話ということ。

○名古屋委員 今までのリスク評価を行うばく露検討会で経皮吸収はあったのですが、ばく露濃度が著しく低いため、ばく露検討会ではその時点で検討を終了し、事業場に経皮吸収について注意しなさいというお知らせを行政から行っていました。今回、経皮吸収の事例があったので、ばく露検討会で検討会を終了せずに経皮吸収を検討して貰いたく健康措置検討会に送っていって、そこできちんと経皮吸収の評価ができるものを検討しましょうと。それで検討したばく露検討会で引き継ぎましょうということになった。ここはあくまでも環境管理ですので、1ppmでいくしかないのかと。

○櫻井座長 経皮吸収の防護を徹底的にやって、その上で作業環境、空気中の濃度も、管理濃度からかなり大幅に低くても、ちゃんと防護しなさいということを是非考えてもらいたいと思います。今、そういう条件で。

○中明委員 行政のほうから、そういう指示を出してもらうしかないのではないですか。

○櫻井座長 数値としては1ppmということでよろしいでしょうか。

(異議なし)

○櫻井座長 御異存がないようなので、そうさせていただきます。測定方法、局所排気装置の性能要件について。測定方法についてはいかがですか。

○名古屋委員 問題ないです。

○櫻井座長 それは問題ないですか。十分それで。

○松村委員 オルト-トルイジンのサンプリングに硫酸を、含浸したフィルターというのは、それで蒸気も取れるということですか。粉体だけ取るということですか。

○菅野委員 硫酸は蒸気を塩にして取るということですので、トルイジンは粉体はないと思うのですが、蒸気を捕集する方法です。

○松村委員 蒸気が取れるのですか。

○菅野委員 はい。

○松村委員 そうですか。

○菅野委員 もちろん、固体の物質であれば固体も取れますが。

○松村委員 分かりました。

○櫻井座長 では、測定方法に問題はないということ。局所排気装置の性能要件も、今までと同様にその数値を使うことでよろしいですか。それでは、特に御異存はありませんので、オルト-トルイジンについては、管理濃度1ppmとすることにさせていただきます。なお、日本産業衛生学会等で比較的早期に見直しが行われることがあるかとも思いますので、その場合にはまたその結果に応じて。

○中明委員 前にやったときに、オルト-トルイジンの提案理由を書いてあると思うのです。だけれども、全然場所が違ってしまって。あまりそのときには経皮吸収のことは考えてなかったのです。また変わってきたら検討するということで。

○櫻井座長 また、そういう結果になりましたら、早急にこの会議にかけて、また改定の必要もあるかというふうに思います。そういうことで、よろしければそういう結論とさせていただきます。以上、オルト-トルイジンの管理濃度等の協議結果は、今申し上げたとおりです。

 続いて、マンガン及びその化合物の管理濃度、測定方法、局排の性能要件について検討いたします。事務局から説明をお願いいたします。

○奥野環境改善室長補佐 資料1-3です。「検討対象物質の概要」で、マンガンについては下の段です。物質名はマンガン及びその化合物、規制対象としては特化物です。用途等、生産・輸入量については記載されているとおりです。管理濃度は、現行はマンガンとして0.2mg/m3となっております。

 日本産業衛生学会、ACGIH等のばく露限界です。日本産業衛生学会では許容濃度を0.2mg/m32008年提案とされております。また、ACGIHのばく露限界は吸入性のもので0.02mg/m3、インハラブルのもので0.1mg/m3、これらは2013年に設定されております。また、EC委員会のものですが、0.05mg/m3(吸入性)で、0.2mg/m3(インハラブル)ということで、2011年に設定されております。

 資料1-4-1です。「管理濃度・設定方法及び局所排気装置の性能要件」の事務局案を提案しております。また、下の段ですが、マンガン及びその化合物、(塩基性酸化マンガンを除く)。この塩基性酸化マンガンを除くは先ほどの資料1-3と同様ですので、そのように捉えていただければと思います。管理濃度案として、マンガンとして0.02mg/m3(吸入性)、これはACGIHに対応させたものです。又は0.05mg/m3(吸入性)、これはEC委員会に対応したものです。これ以外にも案があり、マンガンとして0.1mg/m3(インハラブル)、これはACGIHに対応したもの、又は0.2mg/m3(インハラブル)、これはEC委員会に対応したものです。3つ目の項目で、マンガンとして0.2mg/m3(現行)となっておりますが、これは日本産業衛生学会の許容濃度でもあります。

 続いて、測定方法の案です。一番下の現行から御説明いたします。ろ過捕集方法-原子吸光分析方法、又はろ過捕集方法-吸光光度分析方法とされております。これは現行のものがこのような扱いになっております。後ほど、鷹屋先生から御説明いただけるかと思いますが、その上の0.02mg/m3(吸入性)のものについては、吸光光度分析方法が使えないということで、それぞれ、ろ過捕集方法-原子吸光分析方法のみ挙げております。これはインハラブルも同じです。

 続いて、局所排気装置の性能要件・稼動要件の案です。抑制濃度による(管理濃度と同じ値)としております。また、測定士の資格区分としては第4号に該当するとしております。今申し上げた管理濃度案の根拠は、資料1-4-22番目にマンガン及びその化合物があります。まず、丸1日本産業衛生学会の許容濃度、0.2mg/m3ですが、最も低濃度で影響が見られているのは神経毒性であり、このNOAEL0.2m/m3となる。発がんに関しては、最近のコホート研究結果からも、がんの発生がマンガンばく露によるとの明白な証拠が得られていないので評価できない。以上の結果から、許容濃度として0.2mg/m3を勧告するということで、こちらの提案理由書は参考資料1-3(2)に付けております。

 続いて、丸2ACGIHです。0.02mg/m3(吸入性)で、2013年設定とされております。マンガンばく露労働者に無症候性で有害な神経生物学的並びに神経心理学的作用が生じる可能性を低減させるには、TLV-TWA0.02mgMn/m3、呼吸器系に吸入し得る粒子状物質としての表示が、マンガン及びその無機化合物に関して推奨される。TLVは観察されているLOAELの範囲の1.5分の1から2.0分の1であり、Youngらが見いだした範囲の下限に近い。

Roelsらの統計モデルによると、0.02mgMn/m3(呼吸域エアロゾル)のばく露レベルで、労働者の2.5パーセントに手の安定性障害が生じるものと予想されるということで、こちらも参考資料1-4(2)2のところに該当の資料が記載されております。裏面ですが0.1mg/m3(インハラブル)、こちらも2013年に設定とされております。

 職業性ばく露プロファイルの中には、4μm MMADより大きな粒子画分が相当多く含まれているものがあるので、TLV-TWA0.1mgMn/m3、吸入可能粒子状物質も、4μmより大きな粒子の存在が予想される条件では推奨される。吸入可能粒子状物質の上限は、吸入ばく露に続発する腸吸収のある程度のセーフガードとなるものであり、更に、恐らくは鼻咽頭に沈着したより溶解性の高い粒子からの吸収のセーフガードともなろう。

 吸入可能なインハラブルの量と呼吸可能なレスピラブルの量との比は1:1(溶接のほとんどのタイプ)から、10:1以上(フェロアロイ産業など)まで違いがあるであろう。我々はこの中間の値5:1を用い、これを推奨呼吸可能ばく露上限に適用し吸収可能エアロゾルの上限を0.1mg/m3と推定した。

 マンガンの吸収可能なインハラブルの量と呼吸可能なレスピラブル量との比5:1は、英国環境衛生研究所が提唱したものと同程度である。マンガンの吸入可能エアロゾルの上限を産業衛生管理者が用いる場合には、呼吸域エアロゾル上限と合わせて用いる必要があるとされております。

 資料1-4-2は、日本産業衛生学会とACGIHを引用しております。EC委員会について、参考資料1-5に原文ですが付けており、3ページにはその数値、16ページからは勧告の内容を書いております。測定方法の関係は、資料1-6を使い、後ほど鷹屋先生から御説明をお願いできればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○オブザーバー 改めまして、労働者健康安全機構労働安全総合研究所の鷹屋と申します。今回、幾つか厚生労働省から提案されている数字の中で、一番厳しい水準であるACGIHの濃度レベルに関して現行の作業環境測定は可能かどうか、あるいは、可能でない場合はどのような方法を使って分析すればいいのかということについて検討しましたので、その結果について説明いたします。

 資料1-6を使い説明いたします。概要は省略いたします。目的は今も申し上げたとおり、吸入性であった場合0.02、あるいはインハラブルの0.1、ほかの水準も出ておりますが、今回出ている中では一番厳しい数字で、マンガンの作業環境測定が可能かどうかについて検討いたしました。方針としては、同じページの3ですが、基本的に先ほど改善室からも御説明がありましたように、マンガンに関しては塩基性酸化マンガンを除くと。様々な化合物があるので、実験条件等により化合物の形態が変わるという事情があります。

 基本的に、今回の検討では現実に実績がある、つまり日本作業環境測定のガイドブックで記載されている方法で処理されている試料の前処理をあまり動かさないという方向で検討を行いました。この縛りを付けなければ、また別の方法による可能性はかなりあると思いますが、その場合、各現場等において正しく特化物の対象物が測れているのかどうかの検証をきちんとやる必要があるということで、基本的には今までのやり方で、濃度だけが変わった場合に対応できるのかということを考えて、基本的にガイドブックに記載されている前処理法を前提とした分析法の評価を行っているのが3(1)のことです。

 具体的に吸入性の0.02、インハラブルの0.1という気中の10分の1まで測るためには、最終的にガイドブックの前処理に従った場合に、出てくる溶液の何ppmまで測ることができればいいのかということを計算して、それについて実際のフィルターの2試料に関する分析、あるいはフィルターブランク試験等の検証を行いました。

 具体的な数字は2ページの(2)にあります。吸入性の場合は、基本的にローボリウムサンプラー、毎分20Lを使うものを通して行うと最終的に0.008μg/mLの溶液をガイドブックに記載されている方法に従った場合に測る必要が出てくるということです。インハラブルに関して、現状、マンガンにはインハラブルの捕集法はありませんので、粉状のニッケルに関して指定された19cmという捕集法に準じた形で計算をした場合、10分間で173m3の捕集となり、目的となる濃度0.1mg/m310分の10.01mg/m3について計算すると、3ページの真ん中の()の値の数字で出ておりますが、0.0346μg/mLの数字を測らなければいけないということです。

 この2つの数字を比較すると、吸入性のほうがかなり厳しい数字です。インハラブルだと0.034μg/mL測ることができればいいのですが、吸入性だと0.08μg/mLについて測れなければいけないということで、今回、今後の検討は吸入性を想定して厳しい数字のほうの0.08μg/mLが測れるのかどうかという形で検討を行っております。

 引き続き、3ページの真ん中の(3)で、現行法は原子吸光、しかもガイドブックによるとフレーム原子吸光で測っております。そのほかにフレーム原子吸光の評価及び、恐らく文献値等から考えて、この数字からいうとフレーム原子吸光では難しいのではないかという予測ができましたので、電気加熱式の原子吸光、それから誘導結合プラズマ原子発光分光法、以下ICPAES及び誘導結合プラズマ質量分析法、以下、ICP-MSについての方法を検討しました。

 そのほかに、3ページの一番下の部分で少しだけ触れておりますが、現行法では吸光光度法も測ることができるわけですが、吸光光度法に関して、ここに書いてあるように感度が定量下限で0.07μg/mLで感度が足りないということになっており、原子吸光等に比べて吸光光度法の感度は基本的に物質の性質で決まるものなので、恐らく、少々の工夫では10倍近い感度の差は埋められないということが1点ありました。

 もう1つは、現状、今のガイドブックに記載の方法でマンガンを測る方法です。吸光光度法で金属を測る試薬はたくさんありますが、現実に昔の方々が検討されて作業環境測定で測ることのできる試薬として指定しているのは、ホルムアルドキシムというホルムアルデヒドを使わなくてはいけない方法が指定されており、今工夫してこの方法でホルムアルデヒドを使う方法を突き詰めるより、原子吸光を持っていらっしゃらないところはないと思いますので、原子吸光でどこまでできるのかということを厳密に検討したほうがいいという判断で、吸光光度法はこの時点で判断から外しております。

 ほかの方法も検討しましたが、これは感度的に足りなかったので割愛します。5ページに今言った内容をスキームとして、こういう実験をしましたということが書いてあります。基本的に模擬試料の作製は、各種のガラス繊維及び石英のフィルターに溶液を一定量加えて試料を風乾して作っております。そこから先の部分、分析の図の左半分は、基本的にガイドブックに従ったものです。真ん中の右側の定容、試料溶液というところまでは、完全にガイドブックに従っているものです。

 ガイドブックによると、そのまま一番左のフレーム原子吸光にかけるわけですが、そのほかに今回は内標準を入れたICP-AESの測定、電気加熱原子吸光及びICP-MSは当初はそのまま測りましたが、実験の結果、非常に塩酸や硝酸の濃度が高い試料溶液が出来るということで、そのままきれいに測れないということ、それから、感度的に十分大丈夫で希釈を一旦加えた形で測れるのではないかということで、その形で評価しております。

 フィルターに関しては、一般に売られている金属類の分析に使えるフィルターとして、ガラス繊維が2種、1つは蛍光X線で見たのですが、亜鉛やバリウムという無機のバインダーが入っているもの、入っていない珪酸塩だけでできているガラスフィルター、石英のフィルター、アドバンテック東洋製、日本で非常に入手が容易な国産のフィルター3種について評価しております。

6ページは私どもが使った労働安全衛生総合研究所の装置ですので、省略いたします。7ページです。そもそも機械の感度がガイドブックに従って5パーセントの硝酸溶液と結構濃い状態ですので、5パーセントの硝酸溶液で測ることができるのかどうかということに関して、このガイドブックに従って作った検量線の溶液を使って測りました。その結果として、フレーム原子吸光に関しては、そのままでは若干感度が足りないという結果が出ております。

 変動係数10パーセントで測れる測れないかという基準を置いた場合、10分間のサンプリングで先ほどの目標とする気中濃度の10分の1を測るのは難しいのですが、30分程度まで捕集濃度を延ばすことによって測れないこともないという可能性がありました。どうしてもフレーム原子吸光しか対応できないという場合は、こういうやり方があるのかもしれないということです。一応、この時点でフレーム原子吸光に関してもこのまま適用するのは難しいということで、今の厳密な実験については他の3方向についてやっております。

 電気加熱式原子吸光に関しては、感度は十分得られました。ただし、濃度がそのままでは濃すぎて、目標とする管理濃度の10分の1程度を測る場合でもガイドブックによる方法をそのままではなくて、希釈したほうがよりきれいなデータが得られそうだということです。8ページに検量線が2つありますが、結局、希釈をかけない場合は直線を引いておりますが、実際には点を見ていただければ直線性が悪い状態です。希釈した場合は比較的にきれいな検量線が書けますので、先ほどのACGIHの気中濃度を10分間のサンプリングで測ろうとした場合、電気加熱式原子吸光の場合は、ガイドブックに従って前処理した後、更に測定の前に10倍程度の希釈をかけたほうがいいということが、検量線のデータからは得られております。

9ページです。ICP-AESに関しては感度、ダイナミックレンジとも問題はない。それから、普通ICP-AESは内標準による補正をかけるのですが、普通、内標準のときにICP-AES発光のときに一番最初に、まず使ってみるのがイットリウムですが、それで駄目なら、ほかの元素を調べなくてはいけませんが、イットリウムを加えることによって十分、検量線は測れそうだということで、ICP-AES発光に関しては次のフィルターの回収試験等にそのまま進むことにいたしました。

10ページです。ICP-MSです。ICP-MSに関しても十分感度を稼げるということで、検量線の段階では、この形でいけます。後ほど説明いたしますが、フィルターの回収試験、あるいはフィルターのブランク試験等の場合、少し分子イオン干渉が出てきたので、測定法に関して若干チューニングをかけております。

11ページです。まず、フィルターのブランクについて行いました。資料を回した段階で、方法によってブランクが違うのはおかしいのではないかという御意見を頂きました。これはブランクがこれだけのマンガンを含んでいるという意味ではなくて、これくらいのマンガンに相当するノイズが乗るという意味です。測定法によって違うものです。結局、フィルターの種類によって違う共存元素が、その共存元素から出てくる影響で測定が狂うということで、いずれの場合も気中濃度0.02mg/m310分間測定のマンガンに対する比は、そこそこのフィルターのブランクの値が出てしまい、特にバインダーの入っていないガラス繊維などにしては結構大きく出てしまうので、基本的にQuartzのフィルターを使って測ることにより測定の誤差が少ないのではないかという結果を得ております。

13ページ、2つめくっていただいて、実際に、これが測定の目的の濃度としている、0.4μgのマンガンはどういうものかというと、今回、提案している気中濃度の10分の1の濃度の空気を10分間捕集してガイドブックと同じように前処理した場合に、最終的にフィルター上に0.4μgマンガンが乗っている溶液になっておりますが、それで測った場合にどのようになるのかということです。

 いずれにしても、Quartzのフィルターを使わない場合はかなりの誤差が出てしまいます。フレーム原子吸光、電気加熱式原子吸光だとQuartzでやった場合でも3割ぐらいの誤差が出て、ICP発光だと逆にQuartzではなくてバインダーが入っている側のICP発光で出したほうがきれいな値が出るということです。ICP-MSに関しては、どうしても620パーセントぐらいのプラスの誤差が出てしまうということです。

 結局、これをどのように評価するのかです。変動係数の10パーセントということでいうと感度的には十分足りますが、現行のガイドブックに記載されている方法で処理するということは、塩酸や硝酸が高い溶液で測定しますので、今の目標とする新しい濃度の10分の110分間厳しく守った場合は、一応はプラスの誤差ではあるのですが、実験の結果としては23割、一番悪いケースでは6割もプラスの誤差が出てしまうという結果です。

 これが出てくる原因は、フィルターに入っている別の元素からの干渉等だと考えております。特に塩酸が入っていることによる問題が大きいということが、今実験をやっている感触です。厳密なものを押さえにいったわけではありませんが比較的ICP発光に関しては、干渉が少なくて100パーセントに近い値が出ていると思います。ほかの方法に関しても、回収率が130パーセントということは許容できないと言われる分析の方も、よくいらっしゃると思うので、そういう目で見ると難しいということになります。基本的に管理濃度の10分の1で変動係数は10パーセント以内に収まっております。ただし、測定値のずれに関しては、安全側ですがいろいろな誤差として23割程度出るということが結論で、甘々な見方ですが、測れないことはないということが私どもの判断です。

 ということで、非常に早口かつ雑駁で分かりにくい説明で恐縮ですが、これが私どもが実験で行った結果です。

○櫻井座長 はい、ありがとうございました。それでは協議に入りたいと思います。管理濃度の数値をどうするかということですが、測定方法の検討結果から見ますと、事務局案として2つ出されているACGIHの数値、あるいはECで使われている数値の中で、一番低い濃度である0.02mg/m3の測定も可能であるということなので、測定法の点からはどちらを選んでも大丈夫かなという感じはいたしますが、いかがでしょうか。時間は十分ございますので。かなり現在の数値よりも低い数値、現在はいくつでしたか。

○木口環境改善室長 0.2です。

○櫻井座長 0.2ですか。その10分の1になりますので、非常に多くの場所で使われている物質でもありますし。

○中明委員 ちょっといいですか。ICP-MSで測定機関などで、どれくらい入っているのですか。誰か、チェックしていないですか。鷹屋さん、ICP-MSって、あなたのところにはあるけれども、ほかの測定機関などでは所有しているかどうかは分からないですよね。だって、あなたのところでできても、ほかのところでできなければ困るのだから。

○名古屋委員 インジウムの関係で一応ありますね。

○オブザーバー だから、インジウムをやっているところは備えていらっしゃるとは思います。

○中明委員 インジウムをやっているところはそんなにはないと思いますね。

○名古屋委員 金属類を分析しているときに、ICPのどのような機種を使っているかは、精度管理事業を実施している日本作業環境測定協会に聞ければ、結構分かると思います。ただ、インジウムのときは、法律でICPを設置すべきものの中にないと定量分析ができない状況でした。インジウムで規制される以前から結構使っている測定機関は多いと思いますよ、だって楽ですもの。

○中明委員 この方法でいったら結構ね、ひどいよ。

○菅野委員 鷹屋さんのお勧めは、ICP-AESなんですよね。

○オブザーバー ガイドブックの方法を使うと、塩酸が前処理に入りまして、もともとICP-MSは、1つには周期表でいうと、マンガンが属している行の金属そのものはあまり得意ではないです。ただ、ほかの測定法よりも随分感度がいいので、感度が悪い金属でも測定性能はいいので。もう1つは、塩酸が入っているものに関しては、分子イオン干渉と言いまして、結局塩酸がいろいろな反応物になって、マンガンにかぶったりすることがあるので、感度は十分なのですが、誤差の要因が増える可能性があります。それで、一応それこそ今、中明委員から、お前のところでできて他ではできないとか言われたのですが、そういったものを回避する機構が付いています。ICP-MSそのものの普及率はそこそこあると思うのですが、そういった機構については、メーカーによっては得手不得手がありますので、そういった意味でどれくらい普遍的かということになると、塩酸で処理してマンガンを測るという形をやるには、ICP-MSよりも、菅野委員がおっしゃっているように、ICP発光(注:ICP-AESのこと)のほうが普遍的と思います。ICP発光(注:ICP-AESのこと)に関しては、幸いマンガンは非常に感度がよい。かつ現状の前処理でやる限り、分光干渉等は、ガラス繊維のフィルター由来のものを含めまして、試験した限りにはあまりなかったので。純粋に技術的な観点からいうと、ICP発光が、マンガンの分析にはいいのではないかという気はしています。という意味で、ICP発光が起きるということです。

○菅野委員 そうですよね。

○中明委員 二重丸を付けたのは。

○菅野委員 ただ、ICP発光のほうが、たくさん機械は出回っているのでしょう。

○オブザーバー 世の中には出回っていますが、作業環境測定機関ではどうかというと、また別です。結局ICPAESICP-MSは長らく正式なものではなくて、労働基準局長が同等と認めたものという形で入っておりまして、相当量、例えば労働衛生工学会とかで見ていましても、使っていらっしゃる測定機関の方はいらっしゃいますが、ICP-MSのほうは、先ほど言いましたように、インジウムの関係で、今度新たにやる場合には持たなければいけなくなったので、今後はICP-MSが、世の中的にもICP-MSのほうが普及していくとは思うのですが、現状で作業環境測定だけではなくて、例えば一般の環境計量とかでやっているようなところですと、ICP-AESは十分普及していて、更に水道法とかほかの法律をカバーするためにICP-MSも最近はどんどん導入されている機関が多いという状態で、そのうちにICP-MSのほうが多分普及率のほうは勝っていくのではないかという気はしますが、現状では、多分、ICP発光のほうが普及率は高いと思います。確かなデータを持っているわけではありません。感触ですけど。

○小西委員 1つ質問です。2ページの()のところのインハラブルのところですが、「本来個人ばく露測定用だが、毎分4Lで捕集可能、かつインハラブル補集が行えるというサンプラー」というのは、これは一番後ろのところのIOMのサンプラーではないということですか。専用のサンプラーなのですか。

○オブザーバー いや、これは流量から言えばIOMじゃないですね。最近、バッチ型のインハラブルを測れると称して海外でも使われているサンプラーがあります。2リッターなので、更に。

○小西委員 8時間測定なら十分可能だけれども、10分間測定では無理だということですね。

○オブザーバー 10分ではかなり厳しいです。

○小西委員 それで、通常のローボリウムなんかで、面速を変えることによって、流域を変えるという、19センチとか。

○オブザーバー 結局、これニッケルに関して、名古屋委員の出されたペーパーがあって。

○小西委員 ニッケルのところでやったものと、その両方でやったということですね。

○オブザーバー だからIOMと。ただ、これに関しても、粉状のニッケルと、マンガンについての評価、もしこれをやるならマンガンについての評価を別途やらないといけないとは思いますが、そんなに大きく変わらないだろうと思いますので、例えば面速を1割出すと、分析法の評価としては、多分、この辺りの濃度を測れればいいということで、仮に計算の数値としては、この数字を使わせていただきました。

○中明委員 試料の調製で希釈したのは、何で希釈したのですか。塩酸ですか。

○オブザーバー 最終的に、試料液として5パーセントの硝酸溶液プラス、揮発してあるので濃度をコントロールしていないのですが、やはり56パーセント入っていると思われる塩酸溶液なので、水で希釈しています。酸をむしろ薄めたほうがいいと考えています。だから、10倍希釈で、1パーセント内外の塩酸と硝酸が入っている溶液になっているはずです。

○中明委員 最終的には、水希釈で。水希釈でいいというわけね。

○オブザーバー はい、そうです。

○小西委員 分析法はICP-AESというお話なのですが、結局は吸入性、レスピラブルと、インハラブルを分けて数値を作るのか、そこが決まらないと、最終的には管理濃度としてどうするかというのは決まらないのではないかと思うのですが、今までは分けていましたっけ。分けていないんですよね、金属は。

○名古屋委員 分けてないです。もともと今まで金属の測定というのは、要するに、測定対象粒径をインハラブルか吸入性粉じんかという、疫学調査が何もなくてきているのですね。だから測定の際には、オープンフェースを用いて環境濃度を考えて10L/minから30L/minの間でやりなさいとなっているのだけれども、最近の金属の場合、疫学調査などの結果が出てきて、金属に対して測定対象がインハラブルですよとか、吸入性粉じんですよと明示されるので、指定された粒径で測定することになります。粉状ニッケルの場合は、もともと二次評価値の濃度がインハラブルで決まっていたので、インハラブルでいきましょうとなっているのです。だから、ここもインハラブルか吸入性粉じんなのかを決めていただいて、その濃度でいけばいいのかなと。個人的にはインハラブルでいく方がいいのかなと思っている部分はあります。確かに吸入性粉じんでもいいのですが、やはり溶接だと何か11ですが、フェロアロイとか、ほかの産業ですと、結構大きなDCはいっぱいありますよね。

 あと、もう1つはここに書いてありますように、要するに大きな粒子が入ったときに、当然気管支に付着した粒子を排除する時、要するに粒子の一部は消化器系である腸内を通って排出されます。やはりそうした性状を見ていくと、腸内で2パーセントから5パーセント吸収されるよと書いてあるのです。だから、やはり鼻腔に付いたときとか、腸内で吸収されるのであったら、それはちょっと考慮した方がよいかなと。ここにセーフティと書いてありますが、やはりセーフテイガードとしては、そこも入れたほうがいいなと思うと。大きな粒子を除くよりは、きちんと測ってあげたほうが、私としてはいいのかと、インハラブルで0.1でしたか、それのほうが吸入性粉じんよりはいいのかなというふうに思います。個人的な意見としてはそう思います。

○櫻井座長 今の御意見はレスピラブルは両方測るのではなくて、インハラブルだけでということですか。

○名古屋委員 そうすると例えば、どういうときにインハラブルを測って、どういうときに吸入性粉じんを測らなければいけないか、そこを分けなくてはいけませんね。

○櫻井座長 そうですね。そうなりますね。いつも両方を測らなければいけないことになるのですね。

○名古屋委員 そうですね、そうなります。

○櫻井座長 だから管理濃度をそもそもどうするというところで、どうしても分けろという意見もあるのですね。あるからこうなっているのですね。だけども、インハラブルだけでカバーできるのかな、何かちょっともう少し考えないといけない。溶接などは小さいですよね。それを、もしインハラブルで測ったらどうなんですか。

○名古屋委員 溶接だと全部取れるでしょう。

○櫻井座長 全部取れますよね、理論的には。だけど、実際はそうはいかないということはないのですか。

○菅野委員 いえ、インハラブルは規制値が高くなるわけでしょう。そうすると、実際にレスピラブルしかないときに、インハラブルの規制値と比較するということになるでしょう。

○名古屋委員 そこが問題ですよ。

○菅野委員 規制が甘くなってしまうということですから。

○名古屋委員 そこが問題ですよね。サンプルの問題じゃなくて、そこのところがなんですよ。

○櫻井座長 規制が。

○名古屋委員 そうなのです。そこのところなのです。

○櫻井座長 だからインハラブルだけでいくと、例えば0.1を採用したとしても、具合悪いね。それは全部レスピラブル粒子だったら、0.2は超えてしまいますね。

○名古屋委員 超えてしまいますね。

○松村委員 マンガンの化合物はどのくらい溶解性というのか、体の粘膜で溶けるような性質のものはどのぐらいあるのでしょうか。

○名古屋委員 許容濃度のところの参考資料の1-3のところの1ページのところに分布と吸収の概念が書いてあります。そこを見ると、経皮吸収のところが3から5とか、塩化マンガンだと急に溶けて脳までいくとか、いろいろ書かれています。

○小西委員 あと1点、グラスファイバーと石英フィルターをお使いになったのですが、例えばアメリカなどですと、最後のほうに書かれているセルロースエステル等のメンブランフィルターを使うことがすごく多いですよね。

○オブザーバー 後ろというのは、溶かしたほうから始めるのであれば、メンブランフィルターのほうが絶対にきれいな値が出ますが、結局10分の作業環境測定のためのサンプリングという縛りがありますので、例えば非常に極端な話、もうICP-MSだけでやるということにすれば、メンブランフィルターで個人ばく露用のサンプラーを使って、それで10分で対応できると思いますが、ただ、それでやるとまさに先ほどの話じゃないですが、それで対応できる測定機関などは、多分ほとんどないので、そのサンプリングの縛りということで、普通のローボリウムサンプラーあるいは総粉じんサンプラーを使うということになりますと、結局毎分11Lとか20Lとか引けるフィルターは、やはり繊維のフィルターしかないということで、今回はそれを使いましたと。

○小西委員 メンブランフィルターだと、47ミリぐらいのフィルターを使って作業環境でローボリウムで10L/minまでは大丈夫なのですね、サンプリングは可能なので。メンブランはアスベストの測定等で既に使われているのでメンブランフィルターを、こういう金属の分析でどんどん活用していってもいいのではないかと思っているのです。

○オブザーバー 小西委員のおっしゃるとおりだと思います。だから、結局はそれで吸入性なりインハラブルなりを作業環境にとれるサンプラーのほうの、これは研究的な話になって、今回の限られた時間で管理濃度を変えるために分析できるかどうかというお話ではあれですけど、小西委員がおっしゃるとおり、最終的にはやはり今後、金属類も含めまして、どんどん低い濃度まで管理するという段階にいきますと、やはりそういったメンブランフィルターを使って、作業環境測定の正しいサンプリングができるサンプラーの開発というのは必要だということに関しては、私もそうだと思います。

○小西委員 グラスファイバーを使用してきたのは、従来からの粉じんの中の含有率という考え方が強かったですね。粉じんの質量を測ってから、その中にどれくらいあるかという考え方なのですが、金属の場合は金属としての濃度を出しているわけですから、別にグラスファイバーである必要はないのではないかと思っているのですが。

○オブザーバー 結構目開きの大きい塩ビですとか、光合成ロストフィルターで測ったほうが、あとあとの分析は非常にきれいにできます、間違いないです。

○小西委員 別に今やろうと思ってできないことではないですよね。もう十分に現場で対応できるサンプラーというのは出ているので。

○名古屋委員 そういうのは出ているのですね。

○小西委員 ええ、ただ、吸引のときの圧力損失が大きくなるだけでね。圧力損失がグラスファイバーより大きくなるので。

○櫻井座長 損失。

○小西委員 ええ、圧力がかかってしまうということです。

○櫻井座長 ああ、圧力損失ね。

○小西委員 ええ、そうなんです。だけど、もう既にアスベストではみんなやっているわけですから、今度のリフラクトリーセラミックファイバーなど、みんな同じことですよね。そういう面ではサンプリングとして、今おっしゃったように感度もきちんと稼げてやれるのだったら、それは1つの考え方なのではないかという気がするのですがね。

○名古屋委員 濃度で、例えばあり得るかどうかちょっと考えてほしいのは、例えばインハラブルで測定していって、要するに吸入性粉じんで使うという意味で、そうすると、多分、大きな粒子も全部取るけれども、リスクの見逃しはないでしょうねと。それがもし可能であるとしたならば、一番よい方法だと。ただ、現場はものすごく厳しいのです。厳しいのですがイレギュラーはないし、測定は、要するに何で測るかではなくて、それはできますよね。ということが可能であったら、そういう形ができるかなという話です。要するにインハラブルで全部大きいのも小さいのも測りますよと。ただ、大きいのがいっぱいあるサンプルの場合は濃度が0.02だとものすごく厳しい値だと思うのですが、そうしたらイレギュラーはなくて、要するに作業場全てそういきなさいという話になるということは、現場としたら大きいDCしか持っていないところはきついというのはあるかもしれない。1つの考え方として、2つではなくて、提案理由が違うのにもかかわらず、濃度を使っていいかどうかという議論はあると思うのですが、そうすると、結構厳しいですよね。そこは1つの理由になるかなと思います。

○櫻井座長 ちょっと理解できなかったのですけど、インハラブル粒子を。

○名古屋委員 インハラブル粒子のサンプルを取ります。先ほど言ったように、溶接するようなところ、粒子の大部分が小さいところですので、インハラブルの濃度である0.1で評価すると、いっぱい取れているにもかかわらず、リスクで低く評価しますという話があります。でも、そうした場合に例えば吸入性粉じんの値である0.02の値を使って、評価したらどうでしょうかということです。

○櫻井座長 そのまま値を使う。

○名古屋委員 吸入性粉じんの値を使うということ。そうするとかなり厳しいのです。だから、大きいところ、粒子がないところの作業場にとってはものすごく厳しくなるけど、でも、もしかしたら細かい粒子と大きな粒子が混在しているような作業場の場合、どちらで測定して良いか分からないので、いちいちインハラブル用と吸入性用の2つをサンプリングをして、どう使うかと迷うよりは、インハラブルで測定し、吸入性粉じんの濃度を使うという形があってもいいのかなと。現場は多分厳しいと思うのです。大きな粒子しかない、要するに101しかないのに、吸入性粉じんの濃度を使うのは。でも、ただ1は見逃さないから測れると思いますよ。何か、あってもいいのかなとちょっと思ったのです。皆さんの意見を聞かないと。

○櫻井座長 事前の情報とか。ある場合には、選択とかという話。

○名古屋委員 そんなことをなぜ申し上げるかというと、これから多分、酸化チタンが健康措置検討会に上がったときに、要するにナノ粒子だけを使っている作業場については、多分吸入性粉じんで測定し、ナノ粒子の濃度で評価すればいいよと。では、ナノ粒子とナノ粒子より大きな粒子を混合して酸化チタンの製品を作っている作業場は、どっちで測りましょうかという話が出てくると思うのです。そこにつながってくる。今思っているのは、ナノ粒子とナノ粒子より大きな粒子を混合して酸化チタンの製品を作っている作業場は、吸入性粉じんで測定し、評価にナノ粒子の値を用いてはということです。厳しく測るのだけれども、もう評価値は気にせずにナノの評価値を使うという形でいいのではないかなと個人的には思っている部分があって、そうすると、ここの場合はインハラブルで測定し、吸入性粉じんの濃度を使う。ただ、酸化チタンの場合はもともとナノとナノ以外でも吸入性粉じんを測つているから、評価をどうするかだけなのです。ここはちょっと粒子径の問題が出てくるのでちょっと違うのですが、そういう話がこれからは出てくる可能性があって、そのときはどうなるかなと思ったところで、この場を借りて提案してみましたということです。

○小西委員 そうなると、逆にいうと適用除外で、そうではなくてやりたい場合は、濃度をちゃんと調べなさい。こういう数字のときにはこっちでいいよとかという、何かを付けてあげないと、大変だろうなと思います。

○名古屋委員 それは当然です。

○櫻井座長 それとも、2つで済ます方法を考えないといけないですね。

○小西委員 そうなんです。

○櫻井座長 常に両方測らないとならない。

○名古屋委員 それは大変ですよね。

○小西委員 だから、逆に2つ分けてとなると、自分のところの粒子がどうなのかということが分かっていないと、選択ができないですよね、どちらで測定したらいいのかが分からないということは事実だと思います。

○明星委員 どの大きさを測るかというのは、結局どの領域をターゲットにするかということだと思うのですが、今回のこの下げた理由というのが神経毒性ということからもなっているのですが、それはどこをどう対応すれば対策になるという理解なのですかね。ここで直近で聞いているのは、緊急に。

○櫻井座長 ほとんどメインはやはりレスピラブル粒子の吸収によって血中の濃度が上がって。だけど、鼻とか粘膜にくっ付いたものからダイレクトに吸収されることがあると想定していますが、そういうデータもあるので、大きい粒子も無視できないということ。

○名古屋委員 放射線のときにインハラブルにしたのは、結果的には、気管支に溜まったものが、要するに一部は出るけれども、やはり一部は腸に介していく。それで内部被曝は多くなりますね、その間の時間。だからこそ、インハラブルに設定していこうと思って、内部被曝の1つを推測するために、インハラブルを測りましょうという規定を作ったのですね。だから、それと同じことがもしかしたら、腸内で溶解したり、あるいは鼻腔で融解すると、やはりインハラブルは無視できないかなと思った部分があったのです。

 ただ、そうすると先ほど言ったように、リスクとして抜けてくる部分もあると、妥協策としては、濃度だけ厳しくする以外は、現場は考えておりませんでした。

○小西委員 そうなると、先ほどのオルト-トルイジンのようにね、マスクの着用の問題を併用して、鼻に溜まるとか、そういう問題を、別の測定ということではなくて、そういうものを併用して、そういうものをなくした上で、吸入性で評価をするという考え方もあるのかということ。政策として、そういうものをきちんとやりなさいという形にしてしまうかですね。

○櫻井座長 これ、腸管からの吸収、これはどうだったか、あまり多くなかった。

○菅野委員 マンガンは少なかったのではないですか。

○櫻井座長 マンガンは非常に少なかったかな、確か。だとすると、一旦こういうところに沈着したので、腸管を介しての吸収は、あまり考えない。

○名古屋委員 35パーセントと書いてあります。

○櫻井座長 それ、少ないほう。

○名古屋委員 少ないほうです。そう思います。ニッケルなどは全然ありませんね。

○櫻井座長 だから、にもかかわらず、このインハラブル粒子を重要視するような勧告が出ている理由は、ダイレクトにその粘膜から吸収される。水溶性は結構あったのかな。

○中明委員 ものによってはあります。

○櫻井座長 ものによっては高いものもある。塩化物とか。

○松村委員 名古屋委員の御指摘の参考資料の1-5のところに、マンガンの化合物がたくさん並んでいます。

○名古屋委員 そうなのです。塩化マンガンは結構すごく吸収します。

○松村委員 すごくたくさんあって大変です、これは。

○櫻井座長 種類がいろいろある。

○名古屋委員 そこの部分に。提案理由のところに。1-3(2)の資料のところに。

○櫻井座長 1-3の。

○名古屋委員 1ページのところに、吸収が書いてある。私、これを見ながら話を。

○櫻井座長 これ、1ページにその吸収の話が出ていますか。

○名古屋委員 結構塩化マンガンは吸収しますと。脳まで行きますと、英語で書いてあります。ちょっと怖くなって。よく分かりませんよ、見ただけですから。

○櫻井座長 塩化物はとにかく吸収されてしまう。

○菅野委員 私はACGIHの提案理由書は読まなかったので、今、見ましたが、2ページの。

○櫻井座長 何の、ACGIH

○菅野委員 ACGIHの、参考資料1-4(2)の丸1ですが、2ページの左側のTLV Basisと書いてあるところの、3パラぐらい上ですかね。もしinhalable aerosollimitを使うのであれば、respirablelimitも使えと。つまり、respirableは必ず測れというように言っているようですけれども。

○櫻井座長 ここではsupplementaryというので、0.1と書いてあります。基本的にはレスピラブル粒子を測れと言っていて。

○管野委員 はい。

○櫻井座長 それで、かなりの部分が4μm MMADよりも大きい場合には、インハラブルも測れと。そういうスタンスです。基本はレスピラブルでいけという。

○中明委員 これ、粒度分布を測定しなければいけないというのはきついです。

○名古屋委員 簡単に測れればいいのですけれども。

○櫻井座長 その粒度分布を最初に測る方法などもきちんとあれですか、標準化して出していますか。

○名古屋委員 時間はかかるし、大変ですよね、10何個測るというのは。

○小西委員 簡単にやるとすれば、PM4で測ったのと、PM4の分粒装置を通さないで測ったので比率はどうなるかぐらいですね。

○櫻井座長 簡単にやるとすればね。

○名古屋委員 T/R比という形で、総粉じんと吸入粉じんがどのぐらいの比かという比によってどうしましょうと。全部分析していって、そして、その比によって与える管理濃度を吸入粉じんを使うか、インハラブルを使うかという1つの流れは。そうすると1回で済みます。

○松村委員 それがいいのではないですか。

○小西委員 それだと現場で予備調査では、やろうと思えばできる話ですね。

○櫻井座長 やれますよね。プラクティカルにやろうと思えば、そういう感じですかね。

○小西委員 そうですね。

○名古屋委員 粒径比をきちんと実験で検証しないといけないから大変だと思います。T/R比が幾つだったらこのぐらいかということをきちんとやらなければいけないというのは、かなり難しい選択だと思います。

○小西委員 比で決めるというのは難しい。

○名古屋委員 難しい。何とかして。

○櫻井座長 この数値についてはどうですか。もう一遍ぐらい検討していただいて。

○名古屋委員 どちらかが決まれば決められるのですが。要するに、吸入性でいくのか、インハラブルでいくのかが決まれば数値は決まりますが、ただ、どう設定して、どう評価するかというところが決まってこないと、管理濃度が決まらない。

○櫻井座長 0.02という吸入性というのは、まず最初にACGIHと日本産業衛生学会のデータで、今回新たにACGIHが、今回と言っても、もう何年かたっていますが、こういう勧告があって、現在の管理濃度の10分の1の数値なのですけれども、それを採用するということでよければそうなる話です。

○小西委員 今までのやり方だと大体そうですね。そうやって決まってきたわけです、下がった場合は。

○櫻井座長 はい。

○名古屋委員 いや、今までのは2つの濃度が出たことがないのです。

○小西委員 そうですね。ただ吸収だけで見ればね。吸入性で見たときに、ACGIHのほうが10分の1に下がったので、という見方をするのであれば、0.02でいいという話になってしまいます。

○名古屋委員 今までのように金属的なところは、どちらかと言うとインハラブルのところのような規定をかけたのですが、今回のような形になってくると、吸入性粉じんについても吸入するので、金属についてもこれから吸入性粉じんを測る時代がきましたよという形の変更になるということです。

○小西委員 そうですね、ほかの金属もみんなそういうことが起きてくる可能性があるということですね。

○松村委員 その場合、段階を2つにすることによって管理濃度を分けるとすると、例えば、1つの作業場で大きい粒子と小さい粒子、インハラブルと、吸入性が半々に、5050であった場合、どのように計算するのですか。

○名古屋委員 今は多分そうではなくて、吸入性粉じんでいきましょうという話になっている。

○松村委員 吸入性だけでいってしまう。

○名古屋委員 多分、そう。0.02でいきましょうという話なのでしょう。

○松村委員 大きい粒子が少しでもあれば質量濃度としては大きく影響します。

○名古屋委員 吸入性は捨ててしまう。大きな粒子は捨ててしまうということです。

○小西委員 吸入性として0.02にするということ。

○明星委員 大きい粒子は捨てて、低い設定でいくということ。

○名古屋委員 低い値を取りましょうということです。

○松村委員 基準値を低いほうに合わせる。

○名古屋委員 そうなのです。

○松村委員 そうですか。少しでも小さい粒子があればそういうことにするのですか。

○名古屋委員 小さい粒子も。

○明星委員 低い成分も。

○松村委員 いや、先ほど、インハラブルと吸入性を、現場で大きい粒子か、小さい粒子か区分して捕集するという話がありましたね。

○明星委員 インハラブルはしないということで。

○小西委員 その選り分けをしないで、吸入性だけでいきましょうかと、今、そういう話になっています。

○松村委員 サンプリング方法もそれに合わせるということですか。

○名古屋委員 おっしゃるとおりです。

○松村委員 インハラブルを考慮しなくてもいいのですか。

○明星委員 今後、金属が出ると毎度この議論をしなければいけなくなる。

○名古屋委員 全くそのとおりです。

○工藤環境改善係長 事務局からですが、小西委員もおっしゃられているように、インハラブル、レスピラブルの議論、これまでの金属についても、整理が必要になってくるという話は従前からいただいておりましたし、今回、マンガンの関係についても、確かに日本産業衛生学会、ACGIHの値が異なっている。桁がレスピラブルで見た場合、1桁違うという話になってくると、マンガンは、特に座長がおっしゃるとおり、広く金属としても使われているというところもありますので、名古屋委員の御提案も含め、これまでの金属の整理も含め、ちょっと業界のほうも、結構ハレーションというか、使われている範囲が広いと思いますので、そういった事情も少し考慮しなければならないのかというように事務局としては考えています。

 値をどうするかというところも1つありますし、原則もありますけれども、実情どうなっているかというところも聞いてみなければいけないのかということは考えております。

○中明委員 それで、どうするのですか。そういうデータがあれば判断できます。だから、そういうデータを出してくれないことには、我々としては、彼がやられた実験的なもので、「パッ」ってこうやって出すのがベターだと思ってしまうわけです。だからそういうデータを取る気があるのだったら、さっさと取って、一緒にここに資料として付けてほしいわけです。後出しで言われても困るわけです。で、数値を決めようと座長が言っていますので、どうしますかと言われて。そういうことをまだ業者のほうでやるのだというのだったら、そういうデータを出してからにしてください、判断はそういうことにしてくださいということです。

 今、係長が指摘したように、それでいいのだったら、私たちもそれで、今回は見送りましょうということになります。どうせ、次の会議は半年先ぐらいになるのだから、その間にそれを調べてもらえれば。そのほうがベターだと思います、私は。

○小西委員 粒径の大きいものが存在していったときに、PM4で取ったときは、結局、粒径の有無はセパレートしていますから、濃度的には下がりますね。だからその関係もどういう関係になるかということだと思います。厳しくしておいても、あまり問題ないのではないかと思います。

○松村委員 でも、マンガンの化合物は本当にいろいろ種類があって、水溶性のものは結構ありそうですね。だから、むしろインハラブルまで、サンプリング方法をインハラブルにして、その基準は0.02にすれば、一番厳しいのですけれども、それが一番安全側だと思います。

○菅野委員 1つ質問です。ニッケルのときに確かにインハラブルと、レスピラブルで区別していましたが、ニッケルの場合は感作性があったと思うのですね。

○櫻井座長 感作性もありましたけれども。本来はがん。

○名古屋委員 がんです。

○菅野委員 がんなのですか。感作性ではなくて。

○櫻井座長 だからインハラブルにしました。このぐらいは、疫学のデータに基づいて出されています。そのデータの解釈は非常に難しいのです。

○中明委員 難しいですね。本当に突き詰めていくと。

○櫻井座長 なので、ACGIHの数値に対する批判も、その後出ています。

○中明委員 当然、出ていますね。

○櫻井座長 出ております。低すぎるということですね。前の0.2というのは、日本産業衛生学会もそれを採用している。その根拠、その同じ著者の論文を使って、もっと低い数値を出すというような状況になっているのです。

 ですから、アフリカのデータですが、はっきりNOAEL0.2だというように言っていた論文があったので、それに基づいて日本産業衛生学会が0.2にしているのですが、結論はそうなのですが、内容をよく見ると、そうではないと。それはもうちょっと低いところで、きちんとエフェクトがありますが、それをあえて見逃して、そういう結論にしている。そのオリジナルのデータで議論をしているのですが、それでもEUの解釈とACGIHの解釈と少し違うのです。マックもありました。少しずつ数字が違うのです。

○中明委員 今まで指摘があるように、いろいろなところに使われていて、マンガン中毒はそれほど出ていないですよね。

○櫻井座長 要するに、よく調べないと分からない。いろいろなテストがあって、用意されているのです。

○中明委員 なるほど。

○櫻井座長 だから疾病として、マンガン中毒というように。

○中明委員 くくれてしまう。

○櫻井座長 診断するのではなく、これからテストをやって、同じ年で、同じ教育レベルの人と比べると、少し落ちていますね。そのばく露レベルが上がると、その差が。

○中明委員 差が大きくなる。

○櫻井座長 そういうことです。

○中明委員 難しい。

○櫻井座長 だから、アルコールを飲んだ量で補正すると差がなくなるという論文もあります。つまり、ばく露している人たちでアルコールを飲んでいる人が多い。

○中明委員 そうですね。

○櫻井座長 だけれども、きちんと補正していると言っている論文の中でも、こういう影響が出ているのです。その補正が正確かどうかという議論があるので、要するに真実は分かりにくいのです。過去のばく露の濃度は、きちんと測定されていないのです。

○中明委員 そうですね。

○櫻井座長 その時々のデータと、それから、その人が同じような作業に何年間ばく露していたかというのでマトリックスを作って、それで、mg/m3 yearとね、年数を足して出しています。ほとんど全てそういうデータなので、精度からいくとかなり問題はある。その中で、やはり一番厳しいところを取って、安全サイドを。

○中明委員 そうですね。

○櫻井座長 そうすると、0.02になる。

○中明委員 0.02になってしまう。

○小西委員 日本産業衛生学会の許容濃度というのは、吸入性とか何とかと言っていないわけですよね。結局、オープンフェイスで取っているということですね。

○中明委員 そうです。

○小西委員 そうですよね。ただ、吸入性は本当にインハラブルで出てくると、今まで金属に関しては、オープンフェイスで取るということでずっときていますが、それだったら一番手っ取り早いのは、粒子状物質については、要するに分粒装置を通せというだけのことになってしまうわけですよね。

○櫻井座長 そうなってきます。それでもいいと思うのですが。

○小西委員 そうですね。

○櫻井座長 これはそういうデータがあるからこそ、このようになっているのです。これもアフリカでは既に両方をきちんと分粒して測定しています。アフリカの鉱山だと粒子が大きい。それから、ウェルダーのデータも何百人。両方ともかなり大きな粒子でした。

 そういうこともあって、これは恐らく、それぞれの国で対応可能性とか何かで、議論がされている経過もあると思います。それで結局、EUは、やや緩い数字を出しています。0.05でしたか。

○木口環境改善室長 0.05です。

○櫻井座長 論拠になる、それですね。皆さんにもお配りしてある。

○木口環境改善室長 参考資料1-5です。

○櫻井座長 参考資料1-5、これがSCOELという、EUの各国の専門家が集まって。ですので、次回までにこれを皆様にも検討していただいて、業界の現在のばく露濃度状況等ですね。

○木口環境改善室長 はい。

○櫻井座長 今は0.2ですが、測定のデータはたくさんあると思いますし、その他いろいろ意見もあると思います。それも情報を集めていただいて、適当な時期に、11月頃ですか、またこの検討会。

○中明委員 11月は無理です。

○櫻井座長 もっと先でもいいですね。

○中明委員 だから座長、今、言ったように、どれと言えば、それで全部「えいやっ」って金属にいってしまえば、それで何もいろいろ議論することはないのです。だから、それでもいいのではないかというのはありでね。

○小西委員 ただ、今までの整理をやってきていないですから。そこのところは、なかなか難しいところがあるのではないかという気がします。

○松村委員 でも、ちょっと待ってください。その前に、小西委員が分粒装置を通すとおっしゃいましたね。分粒装置を通すと、大きいほうと小さいほうと分けて取れる。

○小西委員 要するに、大きいものは除いて、それより小さいものだけを取る。

○松村委員 除いてしまうということですか。捨ててしまうということですか。回収はしない。

○小西委員 ピックアップしないということです。

○松村委員 カスケード式になっていれば両方取れるけれども。

○小西委員 まあそうです。

○松村委員 両方別々に取るというわけにはいかないのですか。

○小西委員 取るサンプラーもありますけれども。だけど、基本的に言うと、今、測定機関が持っているサンプラの一般的ではないということだと思います。

○松村委員 でも、わざわざこのように粒子を、インハラブルと吸入性とを分けて定義しているのだったら、そういうサンプリングをして、それぞれに評価を与えてやるのが一番理論的に正しい結果になるのでは。

○小西委員 レスピラブル、インハラブル、ソラシック(咽頭通過性)の3つに分けられるレスピコンというサンプラーもありますね。

○松村委員 はい。

○小西委員 通常、作業環境測定では使われてはいないということです。

○松村委員 使われていませんね。

○中明委員 その3段に分けて、全部サンプリングして、それぞれ測って、それぞれの評価値を出せばいいですよということも当然あり得るのだけれども。

○松村委員 そうそう、それが一番正しい。

○小西委員 実際の現場でそういうものを併用した結果やデータが学会で何とか出てくるといいと思います。

○名古屋委員 生産中止しているし。

○松村委員 ここの場合には3段階ではなくて、2段階で良いのですから。

○小西委員 最近、IOMも結構容量の大きいものも出てきているのではないのですか。

○名古屋委員 基本は、ばく露なので。

○櫻井座長 IOMはゴールデンスタンダードだなんていろいろな本に書いてある。

○名古屋委員 ちょっと口が付いていて、それらしくなって、使っています。

○小西委員 取扱いが大変。

○名古屋委員 でも、本当だったらインハラブルになっているかどうかという、なかなか難しいですが。装置はあれを使ってやりなさいとなっているので。

○櫻井座長 それが一番インターナショナルに。

○名古屋委員 そうなのです、なっています。

○櫻井座長 だから、それで測られたデータで我々も物を考えるならば、やはりあまりオリジナルのことはやらないほうが。

○中明委員 そうですよね。

○小西委員 ええ。

○櫻井座長 あまりオリジナルのほうに走らない。

○中明委員 共通した部分でやらないとだめですね。

○小西委員 それとの比較をやらないといけないですね。

○中明委員 できないと困るから。

○櫻井座長 そのようです。

○木口環境改善室長 それではマンガンの管理濃度に関しては、そもそも比較の対象になる濃度は、吸入性とインハラブルと、2通り出てくるということ自体も今回初めてということもありまして、事務局でもう一度考え方の整理をした上で、必要な補足するデータがそろいましたら、また改めてお諮りしたいと思います。引き続き、よろしくお願いいたします。

○櫻井座長 ありがとうございました。

○中明委員 少なくとも金属については、問題がかなり残っているというように考えてみてください。

○木口環境改善室長 はい。

○中明委員 だからマンガンだけではなくて、ほかの金属。

○木口環境改善室長 金属一般についての問題ということですね。

○中明委員 だから、例えば水銀などは蒸気を測ったほうがいいということになるのだろうけど。

○木口環境改善室長 はい。

○中明委員 無機の水銀をどうするか、有機の水銀はどうするのかということがまたあるので、でも、それぞれに、鉛にしても、カドミウムにしても問題はある。ニッケルはいろいろやっている。

○木口環境改善室長 はい。

○中明委員 だからそこら辺を抜本的に考えてくれるのだったら、考える必要があるのだったら行政のほうでやって、どうするかを少し議論してもらえると有り難いです。

○木口環境改善室長 はい、ありがとうございます。次回までに整理をいたしたいと思います。

○中明委員 いろいろと大変だと思いますけれども。こちらは言いたいことを言っているだけですから。

○櫻井座長 会議予定が16時までということで、10分ほどありますけれども、今、十分に議論ができましたので、これぐらいのところで本日の協議は一旦終わらせていただきます。次回に継続とさせていただきたいと思います。最後に、議題3、「その他」について事務局から何かありますか。

○奥野環境改善室長補佐 資料1-2の裏面を御覧いただくと、4番の検討スケジュールです。平成28年度第1回、本日御議論いただいたものがありますが、その下に平成28年度第2回以降ということで、開催予定時期は未定ですが、新たに作業環境測定が義務付けられる化学物質に係る管理濃度等の検討とか、リフラクトリーセラミックファイバーの簡易測定法の検討など、あと、今回の宿題も含めて議題とさせていただく予定です。開催日程については、別途、調整させていただきます。よろしくお願いいたします。

○櫻井座長 それでは、以上で本日の検討会を閉会とさせていただきます。お疲れさまでございました。


(了)

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