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- 2016年3月17日 薬事・食品衛生審議会 医薬品再評価部会 議事録
2016年3月17日 薬事・食品衛生審議会 医薬品再評価部会 議事録
日時
場所
出席者
- 出席委員(11名) 五十音順
-
- 新保卓郎
- 鈴木洋史
- 田村友秀
- 新見伸吾
- ○橋田充
- 林邦彦
- 前崎繁文
- 松井陽
- 村島温子
- ◎吉田茂昭
- 四方田千佳子
(注)◎部会長 ○部会長代理
- 欠席委員(1名)
-
- 鈴木邦彦
- 行政機関出席者
-
- 森和彦(大臣官房審議官)
- 山田雅信(審査管理課長)
- 矢守隆夫(独立行政法人医薬品医療機器総合機構 審査センター長)
- 俵木登美子(独立行政法人医薬品医療機器総合機構 安全管理監)
- 林憲一(独立行政法人医薬品医療機器総合機構 審議役) 他
議事
○審査管理課長 定刻になりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会医薬品再評価部会」を開催させていただきます。委員の先生方におかれましては、大変お忙しい中御出席を頂きまして誠にありがとうございます。前回部会の平成26年3月の開催からかなり期間が開いております。また、その後昨年1月に薬事・食品衛生審議会の委員改選がなされておりますので、この部会についても新しく委員の任名が行われております。初めに当部会の委員名簿に即し、委員の先生方を御紹介させていただきます。
名簿の順で読み上げさせていただきます。新しく委員になられました新保卓郎委員です。
○新保委員 福島県郡山市の一般財団法人太田綜合病院附属太田西ノ内病院の新保卓郎です。よろしくお願いいたします。
○審査管理課長 本日は御欠席ですが、鈴木邦彦委員です。次が、新しく委員になられました鈴木洋史委員です。
○鈴木(洋)委員 鈴木です。よろしくお願いいたします。
○審査管理課長 田村友秀委員です。
○田村委員 田村です、よろしくお願いいたします。
○審査管理課長 新見伸吾委員です。
○新見委員 新見です、よろしくお願いいたします。
○審査管理課長 橋田充委員です。
○橋田委員 橋田です、よろしくお願いいたします。
○審査管理課長 林邦彦委員です。
○林委員 林です、よろしくお願いいたします。
○審査管理課長 前崎繁文委員です。
○前崎委員 前崎です、よろしくお願いいたします。
○審査管理課長 新しく委員になられた松井陽委員です。
○松井委員 松井です、よろしくお願いいたします。
○審査管理課長 村島温子委員です。
○村島委員 村島です、よろしくお願いいたします。
○審査管理課長 部会長の吉田茂昭委員です。
○吉田部会長 吉田です、よろしくお願いいたします。
○審査管理課長 四方田千佳子委員です。
○四方田委員 四方田です、よろしくお願いいたします。
○審査管理課長 なお、部会長につきましては、前回から引き続いて吉田委員が選出されております。さらに、薬事・食品衛生審議会令第7条第5項の規定に基づき、部会に属する委員のうちから、部会長があらかじめ指名する委員がその職務を代理するとされております。部会長代理については、部会長から御指名を頂くことになっております。吉田部会長お願いいたします。
○吉田部会長 引き続き橋田委員に部会長代理をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。ありがとうございます。
○審査管理課長 それでは、橋田委員に部会長代理をお願いいたします。橋田委員は、部会長代理席に御移動をお願いいたします。現時点で委員12名のうち11名の御出席ですので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。また、前回の開催以降、事務局に人事異動がありましたので御紹介いたします。厚生労働省大臣官房審議官医薬担当の森です。
○審議官 森です、よろしくお願いいたします。
○審査管理課長 独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長の矢守です。
○審査センター長 矢守です、よろしくお願いいたします。
○審査管理課長 同じく安全管理監の俵木です。
○安全管理監 俵木です、よろしくお願いいたします。
○審査管理課長 審議役の林です。
○審議役 林です、よろしくお願いいたします。
○審査管理課長 審査マネジメント部長の中山です。
○審査マネジメント部長 中山です、よろしくお願いいたします。
○審査管理課長 新薬審査第四部長の朝倉です。
○審査第四部長 朝倉です、よろしくお願いいたします。
○審査管理課長 安全第二部長の高松です。
○安全第二部長 高松です、よろしくお願いいたします。
○審査管理課長 最後に、御挨拶が遅れましたけれども、私は厚生労働省の審査管理課長の山田です。どうぞよろしくお願いいたします。以降の議事進行は吉田部会長にお願いいたします。
○吉田部会長 早速本日の審議に入ります。まず、事務局から配布資料の確認をお願いします。
○事務局 資料の確認をさせていただきます。議事次第、座席表、委員名簿、競合品目・競合企業リストを配布しております。議事次第に記載されている資料No.1、資料No.2、参考資料、資料No.3をあらかじめお送りしております。この他に、薬事分科会の審議参加規程・運用等が今年度より一部改正されておりますので、当日配布資料としてお配りしておりますが、説明は割愛させていただきます。内容は御確認いただければと思います。過不足等がありましたらお知らせください。
○吉田部会長 よろしいでしょうか。それでは本日の議題について審議に入ります。まず、事務局から審議事項に関する競合品目・競合企業リストについての報告をお願いします。
○事務局 競合品目・競合企業リストを御覧ください。アクディーム錠等、「リゾチーム塩酸塩」については、気管支炎・気管支喘息・気管支拡張症の喀痰喀出困難を効能・効果とする酵素製剤ですが、同じ効能・効果を有する酵素製剤及び類似の効能・効果を有する去痰薬のうち、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。
裏側の、エンピナース・Pカプセル等、「プロナーゼ」については、手術後及び外傷後・慢性副鼻腔炎の腫脹の緩解、気管支炎・気管支喘息・肺結核の喀痰喀出困難を効能・効果とする酵素製剤です。同じ効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。以上です。
○吉田部会長 ただいまの事務局からの説明について御意見はありますか。ないようですので、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、皆様の御了解を得たものといたします。続いて、各委員からの申出状況についての報告をお願いします。
○事務局 いずれの品目についても、退室委員、議決に参加できない委員はいません。以上です。
○吉田部会長 ただいまの事務局からの説明に、特段の御意見等はありますか。ないようですので、ただいまの報告については皆様に御確認いただいたものといたします。議題に入ります。審議事項、議題1の1.リゾチーム塩酸塩の再評価判定に入ります。まず、本剤の再評価に係る議論を行う前に、これまでの経緯について事務局からの説明をお願いします。
○事務局 これまでの経緯について御説明いたします。参考資料を御覧ください。リゾチーム塩酸塩とプロナーゼの再評価に係るこれまでの経緯です。きっかけですが、同じく消炎酵素製剤であるセラペプターゼ、販売名はダーゼンというものですが、こちらの品目については、平成7年の再評価の際に、その再評価結果のときの指示に基づいて実施した臨床試験で有効性が示されなかったという報告が、会社の武田薬品工業からあり、平成23年1月の本部会で再評価指定の要否を議論しました。このときの部会では、継続審議という形になりましたが、武田薬品工業は再試験の実施は困難と判断し、平成23年2月に自主回収を実施しました。
また、平成23年1月の本部会において、同じくダーゼンと同様の指示が出ていた類薬、注3に記載があります品目についても再評価指定の要否について本部会で議論することにされたため、メーカーに試験実施の意思を確認したところ、リゾチーム塩酸塩とプロナーゼについては試験をやるという報告がありました。このため、平成23年6月及び12月の本部会において、リゾチーム塩酸塩とプロナーゼの製造販売業者から提出された臨床試験計画を基に、再評価指定の要否を議論したところ、その結果、平成24年1月に再評価を受けるべき医薬品として指定し、平成27年5月31日までに、有効性に係る資料、要するに臨床試験の資料を提出することとされました。
これを受けてメーカーから、本部会で了承された試験計画に基づき、新たに臨床試験を実施し、昨年5月末に再評価申請がなされ、機構において審査を行いました。その審査結果については後ほど機構から説明いたします。
なお注5にあるとおり、リゾチーム塩酸塩については、慢性副鼻腔炎と気管支炎の2つについて再評価指定がされたところですが、このうち慢性副鼻腔炎のほうは、実施した臨床試験の結果から有効性が見られなかったということで、企業が再評価申請は困難と判断し、昨年5月末に、効能を削除する一部変更承認申請が出され、昨年12月11日付けで承認いたしました。こちらについては、報告事項の議題1として御説明させていただきます。以上です。
○吉田部会長 ただいまの経過の説明について御質疑、追加意見等はありますか。ないようであれば、リゾチームについて機構より説明をお願いします。
○機構 「リゾチーム塩酸塩」について御説明いたします。資料No.1を御覧ください。平成23年12月に開催された本部会において御確認いただきました計画に基づき実施された製造販売後臨床試験のうち、リゾチーム塩酸塩では慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者を対象とした試験が提出されております。プロナーゼも含めて、今回実施されたいずれの製造販売後臨床試験においても、現在国内で一般的に実施されている治療法に対する各剤の上乗せ効果を検討する計画とされております。
主な審査内容について御説明いたします。資料No.1の審査報告書の6ページを御覧ください。COPDを対象とした試験では、気管支拡張薬又は吸入ステロイド薬を全例に併用投与し、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験が実施されております。有効性の主要評価項目である試験期間中のCOPDの増悪頻度は表1のとおりであり、プラセボに対する本剤の優越性は検証されませんでした。
申請者は、11ページの表4に示します部分集団解析において、罹病期間が短い、末梢気道病変優位型又は喫煙中の各部分集団において、本剤群がプラセボ群を上回る傾向が認められたこと、また16ページの表11の副次評価項目である1秒量(FEV1)及びCOPDアセスメントテストについて、本剤群がプラセボ群を上回る傾向が認められたことから、本剤の有効性が認められた可能性があると説明しております。
機構は、主要評価項目の結果より、COPD増悪に対する本剤の有効性は示されていないと判断いたしました。また申請者の考察については、いずれも検定の多重性を考慮していない探索的な解析にとどまるものであることに加え、部分集団解析で認められた結果については、補集団ではプラセボ群が本剤群を上回る傾向が認められ、当該結果を支持する薬理作用や疾患背景も不明であること、また副次評価項目については、認められた群間差は僅かであり、臨床的意義がある差とは言い難いこと等から、これらの解析結果から有効性が示されたとの判断は困難と考えております。
以上の結果より、本試験から本剤の有効性を支持する結果は得られず、臨床試験で実施された治療法が一般的に実施されている現在の医療環境下においては、リゾチーム塩酸塩の医療上の有用性は、平成7年の再評価時点と比較して相対的に低下したものと判断いたしました。安全性については、今回の臨床試験及び製造販売後の安全性情報において特段の問題は認められておりません。
以上の審査を踏まえ、機構は、リゾチーム塩酸塩について、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第2項第3号のイ、すなわち「申請に係る医薬品又は医薬品部外品が、その申請に係る効能又は効果を有すると認められないとき」に該当するものとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。薬事分科会では審議を予定しております。以上です、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○吉田部会長 ただいまの内容の説明に関し、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。
○前崎委員 ダーゼンのときも有効性が確認されなかったので、この類薬なので、もしこれで逆に有効性が確認されることになると、医学的に説明が難しくなります。今回は申請者から十分な臨床試験を実施していただいて、有効性が確認できない結果となり、医学的にもそれが妥当な結果と思います。
○吉田部会長 逆に、有効性のないことを証明していただいたのではないかという御意見です。部分解析に関しては、全く科学的には意味がないというように考えてよろしいかということなのですけれども、田村先生いかがですか。
○田村委員 数多くのサブグループで何度も検定して、一部でポジティブ、良い傾向にあったというのを、結果とし評価するのは難しいと思います。スモーキング集団は禁煙してもらうのが一番です。
○吉田部会長 それはそうですし、一方、悪化したサブグループのほうはどうやって説明するかという話も出てくると思いますので、田村先生がおっしゃったことでいいのではないかと思います。他にはよろしいでしょうか。一応皆様の御意見を踏まえ、私の方でまとめさせていただきます。一つ目として、平成7年の再評価時点と比較して、現在の医療環境では、慢性閉塞性肺疾患の薬物治療として、気管支拡張薬や吸入ステロイドが標準治療として位置付けられております。
二つ目として、当該医療環境を踏まえた製造販売後臨床試験において、本品の有効性が確認できなかったことから、本品目の医療上の有用性が再評価時と比較して低下したものと考えられ、承認継続は難しいと考えられます。
三つ目として、なお、本品目が今後その適応症と適応条件を更に明確にし、それに基づく有用性が明らかに検出された場合には、今回の臨床試験や製造販売後の安全性情報において、安全性に関して特段の問題点が認められていないことから、これを新たに承認申請することを拒むものではないと考えられます。この3つです。
一つ目は現時点の標準治療は定まっており、二つ目として客観的指標を用いて評価すると本剤の有効性は確認できない、従って、承認の継続が困難である。三つ目は更に適応条件や適応症を明確にして焦点を絞って有効性が明らかに認められるということであれば、これを新たに承認申請することを拒まないということです。この3条件ということでよろしいですか。そういうことで議決に入ります。本議題について、現時点での本剤の医療上の有効性は確認できず、医薬品医療機器法第14条第2項第3号のイ、すなわち、申請に係る効能又は効果を有するとは認められないに該当するとしてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、医薬品医療機器法第14条第2項第3号のイに相当するものとして、薬事分科会に上程審議させていただきます。
それでは議題1の2.に移ります。議題1の2.はプロナーゼ(散剤を除く)の再評価判定についてです。機構より説明をお願いします。
○機構 「プロナーゼ」について御説明いたします。資料No.2を御覧ください。プロナーゼにおいては、慢性副鼻腔炎患者、慢性呼吸器疾患及び足関節捻挫を対象とした試験が提出されております。資料No.2の審査報告書の4ページを御覧ください。慢性副鼻腔炎患者を対象とした試験では、クラリスロマイシンを全例に投与し、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験が実施されております。
有効性の主要評価項目である、投与12週後の単純X線撮影による上顎洞陰影の合計スコアのベースラインからの変化量は、5ページの表1のとおりであり、プラセボに対する本剤の優越性は検証されませんでした。
6ページを御覧ください。呼吸器疾患患者を対象とした試験では、気管支拡張薬又は吸入ステロイド薬を全例に併用し、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験が実施されております。有効性の主要評価項目である投与2週後のFEV1のベースラインからの変化量は、表3のとおりであり、プラセボに対する本剤の優越性は検証されませんでした。
同じく6ページ、足関節捻挫を対象とした試験では、フルルビプロフェンパップ剤の貼付及びRICE処置を全例に行い、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験が実施されております。有効性の主要評価項目である投与1週後の受傷足の足関節部体積のベースラインからの変化量は7ページの表4のとおりであり、プラセボに対する本剤の優越性は検証されませんでした。
申請者は、慢性副鼻腔炎について9ページの表6の副次評価項目及び10ページの表7の部分集団解析、呼吸器疾患については14ページの表8の部分集団解析より、本剤の有効性が認められたと説明しております。また、捻挫については16ページの下から4行目以降のとおり、くるぶしの周径が15mm以上の変化量を示した患者の割合が、本剤群でプラセボ群を上回る傾向が認められたとの事後解析から、本剤の有効性が認められたと説明しております。
機構は、いずれの臨床試験においても、主要評価項目の結果より、本剤の有効性は示されていないものと判断いたしました。また、申請者の考察については、いずれも検定の多重性を考慮していない探索的な解析であることに加え、慢性副鼻腔炎及び呼吸器疾患の部分集団解析で認められた結果については、補集団でプラセボが本剤群を上回る傾向が認められ、当該結果を支持する薬理作用や、疾患背景も不明であること、また、慢性副鼻腔炎の副次評価項目については、認められた群間差は僅かであり、臨床的意義のある差とは言い難いこと、捻挫については、18ページの表10のとおり、くるぶしの周径の変化量が16mm以上の場合では群間差は認められず、またカットオフ値の妥当性についても不明確であり、部分的に偏った結果が抜き出されたものである可能性があること等から、これらの結果から有効性が示されたとの判断は困難と考えております。
以上の結果より、いずれの試験についても、本剤の有効性を支持する結果は得られず、各臨床試験で実施された治療法が一般的に実施されている現在の医療環境下においては、プロナーゼの医療上の有用性は、平成7年の再評価時点と比較して相対的に低下したものと判断いたしました。なお、安全性については、今回の臨床試験及び製造販売後の安全性情報において特段の問題は認められておりません。
以上の審査を踏まえ、機構は、プロナーゼについて、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第2項第3号のイ、すなわち「申請に係る医薬品又は医薬部外品が、その申請に係る効能又は効果を有すると認められないとき」に該当するものとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。薬事分科会では審議を予定しております。以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○吉田部会長 ただいまの説明に関して御質問、御意見がありましたらお願いいたします。前の議題1の1.と似たような論点になっているかと思います。よろしいですか、特に御意見はありませんか。特に部分解析のことに関しては、有効群に関して具体的な説明も、具体的関連付けも全く統一性がなくて、その場その場で数を取りそろえるというような評価になっているのではないかと思うのですが、よろしいですか。
それでは、先ほどのリゾチーム塩酸塩と同様に部会としての意見のまとめをします。一つ目としては標準治療についてです。平成7年の再評価時点と比較して、現在の医療環境では、慢性副鼻腔炎にはマクロライド療法、気管支喘息又は慢性閉塞性肺疾患の薬物療法として、気管支拡張薬や吸入ステロイド、足関節の捻挫には、初期治療のRICE処置や、その後の局所安静、運動療法等が標準として位置付けられています。
次に二つ目としてこの試験の評価です。当該医療環境を踏まえた製造販売後臨床試験において、本品目の有効性は確認できなかったことから、本品目の医療上の有用性が再評価時と比較して低下したものと考えられ、承認継続は難しいと考えられます。
三つ目として今後のことです。なお、本品目が今後その適応症と適応条件を更に明確にし、それに基づく有用性が明らかに検出された場合には、今回の臨床試験や製造販売後の安全性情報において、安全性に関して特段の問題が認められていないことから、これを新たに承認申請することを拒むものではないと考えられます。
以上の3点でまとめてよろしいでしょうか。それでは議決に入ります。本議題について、現時点での本剤の医療上の有用性は確認できず、医薬品医療機器法第14条第2項第3号のイに該当するものとしてよろしいでしょうか。異議はないようですので、それでは医薬品医療機器法第14条第2項第3号のイに該当するとして、薬事分科会に上程させていただきます。
○松井委員 私は初めてなので教えてください。本日、有効性が認められないと判断された薬剤に関して、有効性がないということを周知徹底するにはどのような手段が用いられるかを教えてください。
○審査管理課長 本日の部会の結論については、この後、記者発表等をする予定です。それに加え、当該製造販売業者のほうから、販売先の医療機関等に周知を図ることにしております。今後は、25日に薬事分科会が予定されていて、そこで審議会としての決定がなされる、答申がなされる予定です。その時点で、また改めて発表されることになります。
○吉田部会長 松井委員の御指摘のとおり、実際問題として、臨床の場でダーゼンは習慣的に使っておられる、特に年齢の高い先生方が多いと思うのです。そこにどうやってストップをかけるかは難しい問題だと思います。それは、メーカー側がやることなのですか、それとも行政側がやることなのですか。
○審査管理課長 それは両方ということになろうかと思います。今後、このものの承認継続が難しいということですので、回収の措置等が取られることになります。また、薬価の削除等の措置も取られることになっております。それについては、情報提供は当該関係メーカーに対して、あるいは販売会社に対して、しっかり情報提供をするように私どものほうからも指導させていただきます。
○吉田部会長 当然医療保険のほうからも削除されるわけですね。
○審査管理課長 はい。
○吉田部会長 それでは報告事項の議題1「医薬品リゾチーム塩酸塩の製造販売承認事項一部変更承認について」を、事務局から説明をお願いします。
○事務局 資料No.3を御覧ください。こちらについては、先ほど参考資料で御説明させていただきましたが、昨年5月末に、リゾチーム塩酸塩の製造販売業者から、慢性副鼻腔炎の効能削除の申請が出されて、昨年12月11日に承認したというものです。
6ページを御覧ください。こちらに慢性副鼻腔炎の臨床試験成績が載っています。先ほどのプロナーゼと同様に、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を行ってきて、クラリスロマイシンの上乗せで評価するというものです。主要評価項目もプロナーゼと同様に、投与12週後の単純X線撮影による顎の陰影の撮影という形になっております。その結果が7ページにある表1です。プラセボ群と本剤群においてほとんど差がなかったという状態です。
8ページの表3のとおり副次評価項目についても、自覚症状、また他覚所見等が並んでおりますが、臨床的に有益な情報が示されなかったということです。このことから、メーカーのほうは慢性副鼻腔炎の効能を削除する一変申請が行われて、機構の審査の結果、昨年12月11日付けで効能を削除する承認をしています。以上です。
○吉田部会長 要するに、これはメーカーが自主的に削除した例で、こっちは徹底抗戦した例ということですか。
○事務局 そういうことです。
○吉田部会長 ただいまの事務局からの説明について御質問はありますか。よろしいですか。ありがとうございました。事務局からの報告については御了解いただけたものといたします。本日の議題は以上ですが、その他事務局から何かありますか。
○事務局 特にありません。
○吉田部会長 それでは、本日の医薬品再評価部会はこれで閉会といたします。ご協力ありがとうございました。
(了)
- ※備考
- 本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。