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2016年7月11日 第22回保険者による健診・保健指導等に関する検討会議事録

保険局医療介護連携政策課データヘルス・医療費適正化対策推進室

○日時

平成28年7月11日(月)16:00~18:00


○場所

全国都市会館 第1会議室
東京都千代田区平河町2-4-2


○議題

○第3期特定健診・特定保健指導に向けた見直しについて
○平成26年度特定健診・保健指導実施率について
○その他

○議事

○津下委員 皆さん、こんにちは。多田羅座長がお見えになるまでしばらく司会をとらせていただきます津下と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、ただいまより第22回「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」を開催いたします。

 会議に先立ちまして、前回の開催から事務局の交代がございますので、本日の委員の出欠状況とあわせて事務局より御確認をお願いいたします。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長補佐 事務局でございます。

 まず、本日の委員の皆様の出席状況を確認させていただきます。

 本日は伊奈川委員、岡崎委員、久野委員、吉田委員より欠席の御連絡をいただいております。

 次に、欠席委員のかわりに出席される方について御紹介いたします。

 岡崎委員の代理として村岡参考人、吉田委員の代理として三輪参考人に御出席いただいております。

 事務局にも交代がございました。新たに医療介護連携政策課長として黒田が就任しております。

○医療介護連携政策課長 よろしくお願いいたします。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長補佐 次に、高齢者医療課長として泉が就任しております。

○高齢者医療課長 よろしくお願いいたします。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長補佐 データヘルス・医療費適正化対策推進室長として高木が就任しております。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 高木でございます。よろしくお願いいたします。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長補佐 まず、黒田から皆様に一言御挨拶をさせていただきます。

○医療介護連携政策課長 簡単に御挨拶させていただきます。先ほど御紹介にあずかりました医療介護連携政策課長でございます。

 本日は、大変お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。私、この会の前に諮問会議の関係の集まりに出てこちらに参りましたが、そういった場に限らず、保険者の方々の健診・保健指導等の取り組みに対する世間全体の注目度というのは格段に高まってきていると思います。その背景には、恐らく、健康づくりに対する皆さんの関心ということもございましょうし、さまざまなこういった分野を取り扱う際のデータが集まってきたということも背景にはあるのかなと思いますし、こういった分野を支えて来られた専門職の方々、それから保険者の方々の取り組みが世間的にも評価をいただいているということのあらわれなのかなとも思います。

 こうした先生方の取り組みをもう一歩ずつ前に進めていくためにも、先生方の御意見が大変重要だと考えております。ぜひきょうも私どもに御指導を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長補佐 続きまして、高木から御挨拶をさせていただきます。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 医療費適正化対策推進室長に6月21日付で着任いたしました高木でございます。

 私は、保険局、あと、香川県では医務課長としてこの後期高齢者医療制度の施行などには携わっておりましたが、今回着任しましていろいろと勉強する中で、まさに先生方に御議論いただいている特定健診・保険指導というのが、高齢者の方々がふえる中で、その生活習慣病に着目して、保険者の皆様と医療関係者の皆様が協力して、保険者も協働して将来の医療費に向けて取り組んでいる、将来の制度の安定性に大変責任の重いところを担って役割を果たしていただいているということで、大変重要なことを幅広く御議論いただいている場だと認識しております。30年度の見直しに向けまして、この制度を着実に定着させ、さらに進めていくということに微力を尽くしてまいりますので、ぜひ御指導のほどよろしくお願いいたします。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長補佐 続きまして、資料の確認をお願いいたします。

 まず、お手元に座席表、議事次第、構成員名簿、そして資料1、資料2、参考資料1、参考資料2がありますでしょうか。もし過不足等がございましたらお申し出ください。

 よろしいでしょうか。

 では、事務局からは以上になります。

○津下委員 ありがとうございました。事務局より体制の変更についての御案内がありました。

 本日は、第3期特定健診・特定保健指導の見直しに向けた重要な議題がありますので、早速議事に入りたいと思います。

 議題1として「第3期特定健診・特定保健指導に向けた見直しについて」事務局より御説明をお願いいたします。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 それでは、お手元の資料1に沿いまして御説明させていただきます。「第3期特定健診・特定保健指導に向けた見直しについて」でございます。

 本日は、詳細な健診の項目と、前回御議論いただきました標準的な質問票の2点について御議論を賜りたいと思っております。

 2ページ目でございますが、詳細な健診の項目の基準でございます。現行の基準でございまして、詳細な健診につきましては「医師が必要と認めるときに行うもの」というふうに基準上されております。また、下の告示でございますけれども、貧血検査、それと心電図検査及び眼底検査についてそれぞれ基準値も定められております。

 3ページ目に具体的にその詳細な健診項目について、今の3つの項目の基準と要件を整理しております。12誘導心電図と眼底検査については、前年の健診結果においてこの血糖・脂質・血圧・肥満の4項目について基準に該当した方々について実施しているというものでございます。

 4ページ目でございますけれども、今回、その12誘導心電図と眼底検査について御議論いただきたい。科学的知見に基づく現時点における整理というのは、健康局の検討会で整理しているものでございますけれども、検査の位置づけについては、12誘導心電図、眼底検査について、メタボリックシンドロームの悪化に伴う生活習慣病を早期に発見するためのものと。その実施方法については、早期に検査を行うことが望ましいということで、次年度に詳細な健診として実施するのではなく、速やかな受診勧奨を行う。

 今回、その対象者について御議論いただきたい内容でございますが、12誘導心電図については、左室肥大等の対象疾患を早期に発見する。血圧が受診勧奨判定値以上の者や問診等で不整脈が疑われる者で医師が必要と認める者に対して実施するという整理にしてはどうかということでございます。

 眼底検査につきましては、高血圧性網膜症等の対象疾患の早期発見ということで、血圧または代謝系検査が受診勧奨判定値以上の者で医師が必要と認める者について実施するという整理にしてはどうかということで御提案させていただいております。

 5ページ目でございますけれども、12誘導心電図の実施基準でございます。現行は、前年度の特定健診の結果においてこの4項目に全て該当した方について医師が必要と認める場合に実施しておりますが、見直し案につきましては、その対象者について、当該年の特定健診の結果で血圧が受診勧奨判定値以上または問診等で不整脈が疑われる者のうち医師が必要と認める者に対して行う。実施方法につきましては、当該年の特定健診の結果等に基づき速やかに検査を実施し、その速やかな検査が行えない場合には受診勧奨を行うという整理にしてはどうかということでございます。

 6ページ目でございますが、眼底検査の実施基準につきましては、これも前年度の特定健診の結果において、血糖・脂質・血圧・肥満の4項目の全ての基準に該当した方々について医師が必要と認める場合に行っておりますが、見直し案につきましては、当該年の特定健診の結果で血圧または血糖検査が受診勧奨判定値以上の者で医師が必要と認める方々に対して行う。実施方法につきましては、当該年の特定健診の結果等に基づき速やかに検査を実施し、速やかな検査が行えない場合には受診勧奨を行うという形で整理しております。

 7ページ目は健診の項目の基準でございまして、この4項目につきましては現在の判定値を変えるというものではございません。同じものでございます。

 8ページ目の12誘導心電図の位置づけにつきましては、この図は健康局の健診等専門委員会で整理したものでございますけれども、将来、左室肥大や心房細動等の対象疾患の早期発見ということで、これまでは脂質・血圧・血糖・肥満の4項目の基準で判定しておりましたところを、血圧が受診勧奨判定値以上の者または問診等で不整脈等が疑われる者に対して実施してはどうか。

 9ページ目につきましても、この眼底検査につきまして、これまで4項目で実施していたものを、血圧と血糖につきまして受診勧奨判定値以上の方々について実施を行うという形にしてはどうかということで整理しております。

 資料1の説明のうち、特定健診の今回の詳細健診のところについて御説明させていただきましたので、一旦ここまでで御議論いただきたいと思っております。

○多田羅座長 遅参しまして申しわけございませんでした。

 それでは、津下委員にかわって引き続き私のほうで座長を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 今の室長の御説明につきまして御質問、御意見いかがでしょうか。ちょっと微細なところが変わったというところがあるようでございます。

 どうぞ。

○井伊委員

 質問です。ちょっと参考に教えていただきたいのですけれども、「当該年の特定健診の結果等に基づき速やかに検査を実施する」といったときに、これまでの実績として、速やかに実施ができる場合とできない場合というのはどのくらいの割合なのでしょうか。

○多田羅座長 いかがですか。「速やかに」というのはきれいな言葉だけれども、中身がどういうことかと。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 まず、12誘導心電図につきましては、現行のデータでございますけれども、これはNDBから機械的に試算したものでございます。医師が必要と認める方かどうかは別にして、4項目に該当している方々が健診の対象者のうち約5%程度でございました。他方、今回、血圧が受診勧奨判定値以上の方または問診等で不整脈が疑われる方ということが基準になりますが、血圧が受診勧奨判定値以上の方々につきましては、NDBデータで機械的に出したところ、約22%程度の方々が該当しております。

 ただし、12誘導心電図につきましては、被用者保険については本人の方々については既に労働安全衛生法で事業主健診の対象になっております。ですので、それ以外の、例えば被扶養者の方々については、今、ふえた。ただし、医師がそのうちさらに必要と認める方々はその中の一部になりますので、急に大きくふえるというわけではないかなとは思っております。

 続きまして、眼底検査につきましても、先ほどの4項目の基準に該当している方々について機械的に出すと5%程度ですけれども、血圧または血糖が受診勧奨判定値以上の方々というのは約26%程度。機械的にですけれども。そのうち医師が必要と認める方々がどの程度なのかというのは、そこまではデータを精査するのが難しい。他方、血糖の検査については、後日それがわかる場合がありますので、直ちに特定健診の中でやるというよりも、むしろ受診勧奨の中で対応するという形になる方々が多いのではないかと考えております。

○井伊委員 ということはかなりの方が受診勧奨になるというふうに理解すればいいということでしょうか。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 眼底検査については少なくとも。血糖検査がその場で出るところもあると思いますし、そこは実施してみないとわからない部分もございます。他方、12誘導心電図につきましては、むしろ被扶養者の方々の対応ということになります。本人につきましては既に事業主健診でやっておりますので、ふえないということになります。

○多田羅座長 よろしいですか。

○井伊委員 はい。ちょっとよくわからないところもあるけれども。

○多田羅座長 一応ですね。

 では、今村委員、お願いします。

○今村委員 御質問の趣旨は、心電図を行いたいといったときにすぐできるかどうかということですよね。

○井伊委員 最終的にどのぐらい実現できるのか。

○今村委員 現場の感覚からいうと、健診を実施している健診センターや診療所で心電図を持っていないところというのは、現実的にほとんどありませんので、心電図については、健診当日に、問診なり診察で不整脈が疑われた場合や、血圧が高い場合に、その場で判断をして実施することは可能だと思っています。ただし、眼底については、御説明いただいたように、血糖値の問題、それから診療所レベルだと眼底の機械を置いていないところも多くありますので、検査結果が全体として出た後で、眼底をとりましょうということになる。その割合がどの程度かというのはわからないのですけれども、心電図は即日ほとんど全てのところでできるのではないかという感覚を持っています。

○多田羅座長 眼底はどうですかね。今の日本の第一線の医療機関。経験的にはあるけれども、すぐできるという体制で行けるかどうかというところですね。具体的な数字はちょっと難しいですか。

 どうぞ。

○白川委員 実態はどうなっているかということを少し説明させていただきますと、詳細健診は翌年実施ということになっておりますし、さらに医師の判断が必要ということにもなっておりますから、結果的には、詳細健診といっても受診勧奨が中心になるというのが実態です。内科が多いと思いますけれども、そちらのほうにまず行っていただいて、医師と相談の上、必要な方はさらに精密検査をやっていただく。そのときに、眼底の装置があるかという御発言もありましたけれども、それは多分、医師のほうでいろいろ調整をしていただいて御紹介をいただくというのが流れでございまして、今回ご提案のように変えたからといって現実的には現状と何も変わらないのかなと思います。4項目から2項目に減ったということから、対象者が少しふえるのかなという懸念もございますけれども、やり方自体は今までとそんなに大きく変わらないのかなと思います。

○多田羅座長 今までこの詳細健診は大分待たされた。半年とか。

○白川委員 1年後ですね。

○多田羅座長 1年後になるというのは制度としても認められないというか。それでこのような修正を加えたと思うのです。実際半年、1年というのは余りなかったということですか。

○白川委員 要するに、精密検査と受診勧奨の判定値が若干違うものですから。

○多田羅座長 そのために受診勧奨に回せなかった。

○白川委員 回せなかった人が1年間待っていたということは現実的にはあると思いますけれども、それほど多くないと思います。

○多田羅座長 なかったと。常識的に考えて、1年も待たされたのでは何のための詳細健診か。制度としてもちょっとおかしいですね。

○白川委員 実態はそうですので。この基準値がいいかどうかというのは、健康局の検討会で議論されたのでしょうから、素人の私どもがいい、悪いというのはなかなか判定しにくいのですけれども、4項目から2項目にしたということで、対象になる方は、今のお話ですと現状では5%程度だったものが20%強までいく、つまり4倍ぐらいになるということですから、その影響はあるのかなと思います。

○多田羅座長 津下委員、何か補足はございますか。

○津下委員 この詳細健診については、白川委員がおっしゃったように、今まで十分に稼働していない状況であったのではないかという意見が健康局の会議の中でも出ていたのではないかと思います。特にこの12誘導心電図は、そもそも何を発見するためにこの検査をするのかという検査の目的を明確にしないといけないということで、ここに書いてありますように、左室肥大や心房細動等につきましては安静時の心電図でも把握可能であると。それに対して虚血性心疾患は、安静時の心電図だけでは把握できません。そこでまず、心電図をとった後の事後指導について考えていくと、安静時心電図の実施の目的はこれですよということをまず明確にしたいということ。そうすると、左室肥大や心房細動が目的になるわけですが、それらを起こしやすい人がどんな人かということを逆算して考えたときに、高血圧の方、血圧が受診勧奨判定値以上の方や、診察や血圧測定のときに不整脈が疑われる方は実施するというふうにするのがわかりやすいのではないかという議論でした。実施の目的をより明確にしたことと、対象者をその根拠に基づいて定めたほうがいいという考え方でこういう基準がどうだろうという意見になったかと思います。

 眼底検査についても、高血圧症の血管の変化、動脈硬化性の変化は目で見える動脈硬化ということで非常に重要な所見であることや、糖尿病で失明につながる網膜症については眼底検査をしないと、最初は自覚症状はまずありませんので、これは実施すべきである。今までの基準ですと、保健指導判定値、5ページの「1)基準」で、空腹時血糖が100とか、収縮期血圧が130という保健指導判定値ですね。6ページもそうですけれども。それがあったのが、受診勧奨判定値ということでより血管障害のリスクの高い方に対して実施する。ただ、重なっていなくても1個でも受診勧奨判定値であれば血管障害が起こる危険性が高くなるということでこういう基準にしたらどうかという意見になったかと思っております。

 補足としてご報告しました。

○多田羅座長 どうぞ。

○飯山委員 制度が始まったときに、何で1年待たなければいけないのかと正直いって疑問に思っていたのですけれども、今の御説明を聞きまして非常にすっきりしましたので、私はこの方向でいいのではないかと思います。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員 被用者保険の本人については、実質的に変わりがないし、被扶養者についてもさらに確認できる機会が増えるということでいいことだとは思っているのですが、1つ確認させていただきたいのは、12誘導心電図のほうの見直し案で、血圧または問診等ということになっていますけれども、その「問診等」というのは、その後の議題にもある質問票に基づくものなのか、それともそうではなく、医師が適宜質問するというものなのか、「問診等」というものについてどのような考え方をしているのか教えていただきたい。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 この「等」のところは、医師の診察の趣旨で書いているものでございます。質問票もそうですけれども、あわせて、診察した結果、さらに不整脈が疑われれば、それは12誘導心電図が必要だというふうに医師の判断に基づいてその場で実施することもあるということでございます。その趣旨で書いているものでございます。

○多田羅座長 よろしいですか。

○伊藤委員 後で質問票の12ページのところに出てきて、脈の乱れのところがなくなっていて、医師による問診で確認することが可能であると書いてあるわけですけれども、医師が診察で適宜聞かれる、そんなようなイメージで捉えればいいのでしょうか。

○保険システム高度化推進室長 済みません、補足をさせていただきます。

 医師の診察ということなので、当然、今までどんな御病気をしたかみたいな話も聞かれるでしょうし、胸の音を聞いたり、そういう診察もある。そうした中で不整脈の可能性があると思われた場合にこの心電図を受けていただくということかなと考えております。

○多田羅座長 今村委員、何かありますか。

○今村委員 実際に健診をするときに、質問票とは別に、医師がその日の状態や日ごろ何か御自分の体のことで心配ないか確認します。こちらで血圧をはかっていて脈の結滞などがあったときに、御本人が時々動悸を感じていても、それを余り自覚しておらず、こちらから伺うことによって初めて、そういうときが時々ありますと申告されることがあるのです。そういうことを含めて全体として「問診等」と言っていると私は理解をしているのです。質問票はあくまで形式的に聞いているだけですので、それよりさらに踏み込んだことというのは医師がいろいろお話をしながら聞いていくということになる、これは医師に限らず、保健師さんでもほかの方でも構わないのですが、そういうものだと認識しています。

○多田羅座長 現実は、今、今村委員におっしゃっていただいたようなことでこういう文言になったと思います。

 どうぞ。

○三輪参考人 ちょっと確認ですけれども、12誘導心電図を血圧とかドクターの診察の結果でやるというのは当日すぐできると思うのですね。ですけれども、眼底の場合は、血圧または血糖が受診勧奨判定値以上の者となっていますと、血糖の結果というのは当日すぐ出ない。ドックだったら出ますけれども、そうでない場合はすぐ出ないと思いますから、この血糖でひっかけるというのは当日はちょっと無理ではないかなと。血圧だったら、あとBMIとか腹囲とかそういうものだったら当日すぐ出ますけれども、そうでないもの、採血の結果とかでひっかけるというのはちょっと無理があるかなという気はします。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 その場合には受診勧奨という形で、後日判定値をもって受診勧奨で対応いただくという形になると考えています。

○津下委員 今の件ですけれども、これまでが前年度の結果を活用して判定していいですという話になっていました。例えば、まだ今年の結果は出ていないのですが、前年度、空腹時血糖、ヘモグロビンA1cは受診勧奨判定値で、その後、治療につながっていない方は実は糖尿病のハイリスク者で網膜症なども心配されます。受診勧奨判定値でありながら受診していない方について眼底検査をすぐしていただくことができると、そこで問題があれば急いで受診しなければいけないという話ができます。今年度の健診の結果に基づいて実施するのか、前年度の結果も考慮して決定していいのか、このあたりについてはいかがでしょう。今までどおり前年度が活用できれば今年の項目にもすることができるかなと思うのですけれども、そのあたりいかがでしょうか。

○多田羅座長 前年度のことに関する記載は今回の原案には入っていないですね。

○津下委員 はい。今回は入っていないです。これまでは前年度の健診結果によってということで。

○多田羅座長 それは何で入っていないのですか。

○津下委員 今年度はできるだけ早くということで。

○多田羅座長 できるだけ早くだけれども、できないだろうと。

○津下委員 できないから、前年度の結果を利用してもいいのではないかと思うのですが。

○多田羅座長 津下委員は健康局の委員もされていたので。

○津下委員 そこのときにはここまでの書き切りにはなってなかったので。今までも前年の結果でということだったので、当然いいかなと。

○三輪参考人 今、津下委員がおっしゃったことは、実地をやるにはとても役に立つわけですね。

○多田羅座長 そういうことですよね。

○三輪参考人 はい。だから、ぜひそういうふうに見直していただけると。ドクターの判断で、前の年の今までの履歴がわかっている場合は、それも利用して、やってもいいというふうにしていただければ非常に現実的です。

○多田羅座長 そうですね。これまで入っていたのが削られているのは何か理由が。想像できませんね。それは利用してもいいと思いますね。今、三輪参考人がおっしゃっているような背景もあるし。

 そこのところは、事務局、どうですか。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 先ほど津下委員もおっしゃっていましたが、今回の健康局の整理では、あくまでも前年度のところについては確かに言及はなく、速やかにというところでございましたので。

○多田羅座長 そうか。「速やかに」があるから。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 はい。ですので、前年度のところについても含めて、その「速やかに」のところで、もともとこの詳細健診自体が、医師が必要と認める者について実施するというふうにしておりますので、そこの医師の判断の中で、前年度の基準から見ても直ちにやるということであれば、それはもうそういう形で判断いただくということで、それは運用上の整理として差し支えないものと思います。先生方の御議論を踏まえてそこは事務局のほうで整理させていただきたいと思っています。

○多田羅座長 どうぞ。

○武藤委員 こういう心電図の検査とか眼底を検査する方々というのは、ハイリスクだと思うのですけれども、その結果によって治療が必要な人は治療に回ると思いますが、特に所見のない方もいるかと思います。そういう方というのは受診勧奨になって、検査をしただけで終わり、それで終わりという可能性もあるのではないかと思うのですけれども、その事後措置として、こういった方々はハイリスクなわけですから、保険指導等も含めて事後措置をきちっとしていく必要があるかなというのが1つです。

 それと別件で、この眼底検査が片眼だけなのです。眼底出血は両目に来ることもありますけれども、片目にしかないことのほうが多いのですね。糖尿病性網膜症などですと両目に小さい出血がたくさんできるわけですけれども、片目にしかできない場合も結構あります。片目ですと、たまたまそちらの目にできていたらいいのですけれども、反対の目にでてきていたものは見逃す可能性がありますので、できればこれは両眼のほうがいいのかなとは思っております。

○多田羅座長 片眼、両眼の問題。

 津下委員、ここは。

○津下委員 健康局でそもそも眼底検査は何のためにするのだという議論がありました。この検査が健診に入ったときには、高血圧の血管所見を判定するのが第一の理由であったと。もう30年以上前だと思いますけれども。ということで、高血圧の眼底所見としては、両眼の血管変化は差はないだろうということで片眼だったということです。今は代謝性疾患が増えてきて糖尿病性網膜症の発見が重要な課題ということであれば、両眼のほうが望ましいという話は意見としてあったかと思っておりますし、武藤委員のおっしゃるとおりだと思います。

 もう一点ですけれども、先ほど武藤委員がおっしゃったように、異常がなかったときに、なかったからよかったねと言ってしまうと何もしなくていいと思ってしまうので、かえって受診につながらなくて危険な場合もあります。今回はまだそこまで進まなかったけれども、今、治療のチャンスだよということをしっかりと事後指導で伝えるということとあわせて実施していただきたいと思います。

○多田羅座長 その両眼、片眼というのは、この見直し案の実施方法の中にも入っていないけれども、それはそれでいいのですか。

○津下委員 その決めはしていないです。

○多田羅座長 決めはしていないのですね。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 見直しの項目には特に言及はしておりませんけれども、そこも御議論を踏まえまして我々のほうで整理して、今の御議論の中で両眼のほうが必要だということであれば。もともとこれも医師が必要と認める場合にという前提でございますので。という整理になろうかなと思っております。

○今村委員 津下委員に伺いたいのですが、内科医などが機械で散瞳として写真を撮った場合、周辺の眼底全体ではなく、一部だけを撮っています。そういう意味では、片方の目だけ撮るリスクと、全体を見ないという意味では同じことになるという意見があったように私は伺っております。その辺は健康局の会議では、両眼を見れば、全体の何割かが見えていればそれでよいという整理になったのでしょうか。それを突き詰めていくと、眼科の医師しかできないという話になってしまいますので少し難しいとは思います。

○津下委員 そこまでの議論はできていないと思います。ただ、眼科の医師に伺うと、糖尿病性網膜症はどちらかというと周辺部に起こりやすいので、カメラだけでは不十分だということはおっしゃいます。スクリーニングとして、受診勧奨になった人が全て眼科医で眼底検査をやっていただくというのが筋ではあろうかと思いますが、実際には、血糖値が高くても眼科に行かない場合も多いです。眼底所見があると受診への動機づけになるということも少なからずあります。もちろん眼科で眼底全体を撮ったほうがいいけれども、まずは視力を失わないということを考えると、中央部の画像でも有用ではないか、ないよりはずっと有用ではないかと思われます。

○多田羅座長 方法としてはどうするのですか。制度としての方法は。望ましいのは君の意見でわかるけれども。

○津下委員 高血圧の場合は片目でもいいのかなと。糖尿病の場合は、可能であればということにはなると思いますが、両目を推奨してはいかがでしょうか。いずれにしても、今村委員がおっしゃったように、眼科医にかわるものではないということは認識を持ちつつ、その結果を説明していくという必要は出てくると思います。ただ、進行性のものについては把握可能ではないかと思います。

○多田羅座長 おっしゃっていることはわかるけれども、制度として考えた場合、どういう方向が原案で示されているのか。

○保険システム高度化推進室長 津下委員からもございましたが、健康局のほうの知見もよく確認させていただいて、今、現場でどうかというお話もありましたので、そこら辺、もろもろ確認させていただいて、またちょっと再整理をさせていただければと思います。

○多田羅座長 それでは、その具体的な技術、制度としての技術の原案ですよね。望ましい方向は幾らでもあると思うけれども、ここまではやってほしいということは大事なことであり、この検討会で最終的な結論を出す必要があると思います。しかし、それ以前に、健康局もこれに取り組んでくれているので、健康局の意見も聞きながら、その辺の微調整をお願いするということに、今のところ、きょうの場はしておきましょうか。

 先ほどの前年度眼底所見ですか、そういうものに対する記載のあり方ですね。今回の制度についてですね。その辺も含めて、きょう議論になったことはひとつ健康局とも相談していただいて取り決めた形を次回示していただきたいと思います。それでよろしいですか。

 それから、私、途中から来ておかしいのですけれども、この4項目から2項目になったというのは、先ほど白川委員もおっしゃったようにかなり大きな制度の変更ですね。対象者数が随分変わってくるということもありますよね。4項目から2項目にするということの基本の理由はどのように説明されているのでしょうか。あるいは、保険者に対してどういう説明で健康局からは来ているのでしょうか。私、遅れて来たので聞き落としているかもわかりませんが。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 資料で申し上げますと、8ページ目の「12誘導心電図の位置づけについて」が健康局の整理でございますけれども、これまでは肥満・脂質・血圧・血糖の4項目が基準に該当する場合に12誘導心電図の詳細健診の対象としていたということでございます。新疾患については、左室肥大であればその血圧、心房細動であればその不整脈等が疑われる方々について早期に発見、その対象疾患に着目して発見するという観点から、血圧については受診勧奨判定値以上であれば実施してはどうか。あと、心房細動についても同じでございまして、問診で不整脈が疑われる者と医師が判断した場合にはそれは実施すべきではないかということで、速やかに実施するという形で整理をしております。

 もう一つ、眼底検査につきましては9ページ目になります。これも肥満・脂質・血圧・血糖の4項目が基準に該当する方々について実施しております。前年度の基準がこの4項目に該当する場合に実施しておりますが、速やかに実施するという観点から、高血圧性網膜症ないしその糖尿病性網膜症につきましては受診勧奨判定値以上であれば速やかに実施するという観点から、その当該年度の基準値で該当する方々について早期に発見するという観点から実施するという形で専門家の御議論の中で整理されたと承知しております。

○多田羅座長 津下委員。

○津下委員 健康局で12のコホートをまとめて門脇先生の研究班から御報告がありました。それによりますと、この4つの項目全部といいますと、肥満でないと。

○多田羅座長 心電図の話ですね。

○津下委員 心電図もそうなのですけれども、血糖・脂質・血圧・肥満の全てがそろった方となりますと、非肥満者に対しては詳細健診ができない。特に高齢者になりますと、非肥満でリスク、受診勧奨判定値を持つ人たちもふえてきます。もう一つは、心筋梗塞、脳卒中の発症に対して、非肥満でも受診勧奨判定値以上の場合にはハザード比が上がる。そういう意味では、この4つを必須にしてしまうと、検査をしなければいけない人を落としているのではないかということ。それから、1項目でも受診勧奨判定値ですと循環器疾患のリスクが3倍ぐらい高くなるということがありました。ですから、そういうエビデンスに基づいて、1項目でも受診勧奨判定値にいっている場合にはそういう対応が望ましいのではないかというコンセンサスだったかと思います。

○多田羅座長 だから、受診勧奨判定値を重視して、広く4項目といってしまうと、受診勧奨でありながら、肥満がないために外されてしまうとかではちょっと偏るのではないか、そういうことですね。

○津下委員 はい。

○多田羅座長 どうぞ。

○白川委員 結局、受診勧奨と詳細健診がどこでどう区切られるのかというのがはっきり言ってよくわからないのです。

○多田羅座長 そうですね。

○白川委員 今、津下委員が言っているとおり、第一階層化基準の腹囲のところでひっかからない人まで対象にするのかというと、これは特定保健指導ではなくなってしまうのです。前も議論されましたけれども。

○多田羅座長 肥満はある人ですからね。

○白川委員 はい。ですから、特定保健指導の対象にはしないということで前回合意を得たのですけれども、詳細健診の対象にするとかしないとかいう前に、そもそも1項目でも受診勧奨の基準を超えている方については何らか受診勧奨の通知をするということだけ決めればいいのではないかと私は思うのです。

○多田羅座長 その場合は詳細健診ですか。

○白川委員 詳細健診は医師の判断ですから、受診していただければ、医師の判断であなたはこの検査を受けるべきだとか、あなたの程度だったら受けなくていいとか、御判断いただければいいと思うのです。

○多田羅座長 その場合は受診勧奨しない、詳細健診だけの場合は受診勧奨しない場合があるということですか。

○白川委員 というか、今回の見直し案は、詳細健診するのは受診勧奨の基準を超えた方が対象ですね。

○多田羅座長 そうですね。

○白川委員 ですから、まず受診勧奨すると。あとは、詳細健診のところは余りごちゃごちゃやらないで、それは医師の御判断に任せる。

○多田羅座長 受診勧奨しているのだから。

○白川委員 もうしているのですから。

○多田羅座長 なるほどね。

○白川委員 そちらのほうが何かすっきりすると思うのですけれども、いかがですか。

 今村委員、どうですか。

○今村委員 理屈は白川委員のおっしゃるとおりで、そのほうがすっきりはしていると思います。ただし、検査を受けられる方の立場からすると、2回受診することになるわけです。せっかく健診を受けて、心電図の機械もあるのであれば、医師の判断でその場で検査をしてもらった方が、御本人の利便性も非常に高くなると思いますので、そこは弾力的に実施できるようにしていただきたいとは思います。

○多田羅座長 白川委員のだとどうなるのですか。

○白川委員 結局、受診勧奨する場合は総合判定を待たなければいけないのです。例えば血液検査をやった場合は、その場では検査結果は出ませんから、1週間か2週間か待たなければいけない。その結果で、この人は受診勧奨か、特定保健指導の対象かという判定を保険者が下すので、一定の時間が必要なのですね。ですから、その場で、例えば血圧がえらく高い、だからすぐ心電図というのはちょっといかがなものかなと私は思いますので、それは総合の結果を持って、再度、内科医なら内科医のところに行って、こういう結果なので心電図をとっていただけませんかとやるのが、普通の我々の感覚からいったら適当かなと思います。

○今村委員 そうしますと、例えば、今までのように、前年度のデータで医師の判断で実施する場合には詳細な健診として同時にやっているわけではないのですか。

○白川委員 いや、今は実は詳細健診というのはほとんど使われていないと私は思っております。1年間待てという話ですから。普通は、心配だったら、その前にみんな精密検査に行ってしまいますので。

○今村委員 これはデータ的にはどうなのですか。詳細健診として心電図はどのぐらい実施されているのですか。

○保険システム高度化推進室長 済みません。今、手元にそこまでのデータがないのですけれども、恐らく、事業者健診のほうでは、そもそも通常の健診項目の中に心電図は入っていますので、それなりの数がされているのではないかとは考えております。

○多田羅座長 どうぞ。

○村岡参考人 市町村の立場から申し上げますと、これまで心電図については基本的に特定健診を受けてもなかなか健診としては受けられないという実態がございましたので、そういった意味では。

○多田羅座長 それは1年後になるということですね。

○村岡参考人 そうですね。もともと基本健診時代には心電図の項目もあって受けられていたのに、受けられないということもございますので、そういった意味では、今回の見直しによって対象の範囲がより広がっていって、その場で受けられるということについては、個々の被保険者や後期高齢者の皆さんにとっては非常にメリットのあることではないかなと感じております。

 その中で、書き方として、議論を聞きながら少し確認をさせていただきたいと思ったのですが、受診勧奨判定値以上の者または問診等で不整脈が疑われる者のうち医師が必要と認める者という形になっておりますので、この書き方になりますと、受診勧奨判定値以上の方でも医師が必要と認めるという医師の判断が入るというふうな、どちらでもとれるという文言になっています。先ほどの健康局の資料から見ると、例えば血圧が受診勧奨判定値以上であれば基本的に心電図検査を行うというような図ではなかったかと思いますので、そこにはどちらかというと医師の判断の余地というのは入らないのかなと思うのですが、そのあたりの考え方をもう一度確認をさせていただきたいと思います。

○多田羅座長 この「以上の者のうち医師が必要」という関係ですね。

○村岡参考人 はい。基本的に、受診勧奨判定値以上であれば。

○多田羅座長 そうだったらいくのか、医師の判断が入るのか。

○村岡参考人 そこの医師の裁量の余地がどこまであるのかというところですね。

○多田羅座長 確かに文章が。判定値以上だったら受けたほうがいいという感じがしますね。

 どうぞ。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 ちょっとわかりづらくて申しわけございません。先ほどの基準もそうでございますけれども、まず「医師が必要と認める者」というのは全てにかかりますので、これは「受診勧奨判定値以上の者」についても「医師が必要と認める者」というのがかかりますし、「問診等で不整脈が疑われる者であって医師が必要と認める者」という整理になります。うち医師が必要と認めるものということになります。それぞれに医師の判断がかかっています。

○多田羅座長 一応、制度としては医師が必要と認めるというのが入るということですね。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 はい。

○多田羅座長 そうすると、2項目、4項目の関係をちょっと整理してくれますか。

○津下委員 健康局のほうでは、その詳細健診というのを位置づけにした8ページとか9ページにあるように、どういう対象者に対してその検査を実施して、何を予防したいのかということを明確にした上で実施するということ、医師が必要とするということに関しては、例えば、ずっとかかりつけ医がいて心電図や眼底検査を眼科医院にもかかってきちっとやってみえる方に重ねて必要かというと、要らないのではないかというふうに判断することはあるかもしれませんけれども、受けていない人に関してはできるだけ受けていただきたい項目ですので、確実に実施する機会が提供できることが望ましいと思われます。

 今村委員や、今、白川委員がおっしゃったように、受診勧奨と詳細健診の関係とか、健診はそもそも医療を補完するものかどうかとか、悩ましい話題はいろいろあるわけですけれども、現実問題としては、受診勧奨判定値でも受診につながっていない方々も半分ぐらいみえる、ヘモグロビンA1c6.5%以上でも半分ぐらいが受診につながっていないというようなデータもございます。保険診療できちっと管理をされている方に、重ねて健診で狭い範囲の眼底を撮って意味があるのかというご指摘はあるかもしれないのですけれども、ずっとデータが高いのに医者にも行かず、検査もせずにいる方々が少なからずみえますので、こういう検査でどのぐらい進行しているかということを確実に把握して、必要な治療につなげるための動機づけに使う、もしくは、総合判定の前にこういう情報があれば、例えば眼底所見があるとか、心電図に異常があるという人は強力な受診勧奨を行うということにもつながりますので、そういう観点で詳細健診を位置づけていただけると現場としては役に立つのではないかと思います。

○多田羅座長 それは受診勧奨と詳細健診の関係。それはもう一遍事務局のほうで持ち帰って、健康局と相談しながら最終的な原案を考える。今申し上げているのは、その4項目の現行のものが受診勧奨判定値という概念を持ってきて、むしろ絞り込んだわけですね。だけれども、結果的には、それによって対象者の数がかなりふえるということにもなるわけです。そうすると、保険者にとってはかなり大きな。詳細のほうはそれなりの説明だと思うのですけれども、これは実態を伴う制度変更になってくるので、なぜそう絞り込むのかというところが、検討会としても基本の理屈を集めておかないと、利用される方が困るのではないかと思うのです。

○白川委員 津下委員の御意見はごもっともなのですけれども、保険者にしてみたら、特定健診の結果通知は必ずお返しします。そのときにアスタリスクをつけたり、あなたはここはだめよとやるわけです。そのときに、例えば受診勧奨基準を超えているような方については文書をつけるわけです。あなたは内科医のところへ行って相談してくださいとかやるわけです。

○多田羅座長 白川委員のおっしゃるのは、受診勧奨で終わるという話ですね。

○白川委員 それで、あとはお医者さんに任せてしまったほうが。あなたは眼底検査を受けたほうがいいですよなどと我々が言うのも何か変な話です。

○多田羅座長 受診勧奨を終えているのだから。

○白川委員 受診勧奨でお任せするというほうが。

○多田羅座長 現行は、今、白川委員からあるようなお考えもあって受診勧奨値という概念を入れていないのだと思うのです。

○白川委員 今はですね。

○多田羅座長 今は。だから、受診勧奨値以上というのだったら受診したらいいので、詳細健診が云々という人はないというわけですね。

○白川委員 そう思いますね。

○多田羅座長 理屈的にそういうことですね。

○白川委員 保険者が眼底検査を受けたほうがいいですよなどと書くのは、我々もそんな自信はありませんし、医師の判断で、あなた、眼底検査は要りませんよと言われてしまったらもめますね。

○多田羅座長 今村委員、どうなのですか。受診勧奨値である以上、それは受診したらいいので、詳細健診というのは。

○今村委員 津下委員がおっしゃったことは、健診を実施している者からすると非常によくわかります。保険者が受診勧奨して、本当に皆さんが受診していただければ何も苦労しないのです。実際にはそれが受診してもらえないために問題になっているわけですので、そこをどうやって皆さんにご自身のリスクを早目に理解していただいて対応するかということが将来の医療費の適正化につながるわけです。余り受診勧奨だけで全てを済ますというお話は、私は難しいと思っています。そういう意味では、同時に実施するということが非常によいのではないかと思います。

 先ほどお話がありましたが、昔は地域では老人保健事業の中で心電図をみんなやっていたのに、健診項目が徐々に減って受診率が減っているという実態もありますので、健診が受診者にとってより魅力のあるものになっているということを見せるという意味でも意味があると個人的には思っています。

○多田羅座長 なるほどね。わかりました。その辺のことですか。それによって詳細健診という、間の、中二階のようなものをつくっているという考えですね。

 村岡参考人、どうですか。その辺の。詳細健診という概念が非常に育ちにくいのですけれども。

○村岡代理人 詳細健診と受診勧奨というのは、先ほどからの議論にありますように、非常に難しい問題だとは思っております。議論にありますように、なかなか受診勧奨に結びつかない。特に個々の被保険者の皆さんというのは、健診に行く時間自体もなかなかないという現状の中で、それほど大きな異常がなければ、次の受診までには続いていかないという実態もありますので、ある程度のリスクがあるという方についてその場で次の細かい健診が受けられるというところは、被保険者の皆さんにとっても魅力のある健診になっていくと考えております。これまでも健診項目自体に心電図をという、市町村保険者からの議論というのはありました。それ自体を盛り込むということは非常に難しいだろうとは思いますが、今回のような形で、詳細健診という形であっても、すぐにそういう健診が受けられるという環境をつくっていただくということは非常に意味のあることではないかと考えております。

○多田羅座長 わかりました。

 武藤委員、先ほど意見をいただきましたけれども、いかがですか。

○武藤委員 そうですね。私ども、たくさん健診をやっていまして、当日に追加するというのはできることはできると思いますけれども、後で追加するというのは非常に難しいかなと。

○多田羅座長 当日の流れの中でやる。

○武藤委員 当日に血圧が高いとかやるのはいいと思うのですけれども、後日呼び出して来るというのは。

○多田羅座長 それは詳細健診のあり方ですね。

○武藤委員 ええ。詳細健診が非常に難しいと思うのですね。やるのだったら、当日できるような基準を決めていただいて、できるようにしておいてもらったほうが受診率も高くなる。

○多田羅座長 詳細健診は当日、最大に。

○武藤委員 基本的には当日やるという形にしておけば、先ほどから言っているような話がある程度。

○多田羅座長 生きてきますね。

○武藤委員 血糖が後日というのはなかなか。

○多田羅座長 それはちょっと難しいようです。

○武藤委員 難しい。先ほど三輪参考人もお話ししていましたけれども、後日というのはなかなか難しいのかなという感じがします。

○多田羅座長 その場合は前年度とか。

○武藤委員 そうですね。そのほうが。血糖の場合はそこまでそんなに変わらないと思うのです。

○多田羅座長 判断基準として。

○武藤委員 ええ。

○多田羅座長 白川委員、いかがですか。その当日というのは。

○白川委員 私は全然こだわっていないのです。おっしゃることはよくわかるのですけれども。当日という話と医師の判断という話があるものですから、当日、適切な医師がいてちゃんと判断してくれるのですかというのも心配といえば心配です。

○多田羅座長 現場としましてはね。

○白川委員 はい。専門の医師がいらっしゃればいいですけれども。

○多田羅座長 そうですね。データだけで判断してはいけないわけですからね。

○白川委員 通常は専門医師の面談というのは入りませんからね。特定健診は。

○多田羅座長 データだけでいきますからね。

○白川委員 はい。ですから、最善は、適切な医師がいて、その場で判断していただいて、その場で心電図をとっていただければ一番いいですけれども、本当にそんなにうまくいくのかなというのが心配ですね。

○津下委員 今の白川委員の適切な医師という話なのですけれども、だからこそガイドラインというか、一定のルールがあるといいかなと。

○多田羅座長 どういうルールですか。

○津下委員 要は、こういう場合には心電図を。

○多田羅座長 それは医師の判断ではなくて。

○津下委員 まずは、ルールとして、こういう数値の方は血管障害の可能性が高いので、実施すると。ただ、既に治療しているとか、そういう方については必ずしも必要ではない、というような、できるだけ標準化するというのは望ましいことだと思います。

○多田羅座長 これは一応「医師が必要と認める」というのは一律についているからね。

○津下委員 そうですね。医師がどう判断するのか。ガイドラインとかいろいろな形で出ておりますので、医師が勝手に判断しているわけではないので。ですから、そのあたり、どういう場合に実施が望ましいと。そのあたりはまた議論の上、実施の手順とか標準的なプログラムとか、そういうところに書き込んでいかれるといいのではないかと思います。

○多田羅座長 わかりました。

 議論は、それぞれ貴重な御意見をいただいているのですけれども、この場で結論を出すのは結果として難しいような感じもします。かなり細かな検討も要る課題が残っていると思いますので、きょうのところは御意見を伺ったということで、もう一度この原案について、きょうの御意見をもとに修正すべきところ、加えるところは加えるということで、次回以降の検討会で最終的に原案を出していただいて検討するというので、事務局、いかがですか。きょうのところはそれでよろしいですか。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 それでよろしいというか、それでお願いいたします。

○多田羅座長 委員の皆さん、白川委員、それでよろしいでしょうか。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 方向性としてはこういった形で。

○多田羅座長 これは非常に大事なことなので。非常に具体的なことですので。

 わかりました。では、そういうことで、きょういただいた意見を踏まえながら、改めて原案を次回以降検討会に出させていただくということで、きょうのところは皆さんの御意見をお伺いしたということにさせていただきたいと思います。

 それでは、次の説明を事務局からお願いいたします。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 資料1の10ページ目以降でございます。標準的な質問票でございます。これは、前回御議論いただいたものでございます。今回、前回の御議論を踏まえまして、事務局で直したものをもう一度御用意させていただきました。

 おめくりいただきまして11ページ目でございます。この議論の視点につきましては、前回6月3日にお示ししたものと同じでございます。全体の項目数については基本的に現行の項目数と同程度としてはどうかと。また、見直しの視点につきましては、基本的にこれまでの健診項目との継続性を考慮すると。「その際、以下の視点」とございますけれども、現行の質問項目については、健康局の特定健診の検討会でございますが、研究班からこの検討会に提示されたものでございます。この科学的な知見を踏まえてそれに必要な修正を加えてはどうか。また、近年の生活習慣の改善における歯科口腔保健の役割の重要性を認識されたことから、これを踏まえまして質問項目を追加してはどうか。さらに、その質問項目に追加が必要となるものについて対応するということで前回お示しさせていただいたところでございます。

12ページ目以降が修正しました質問票でございます。青字になっているところが前回の我々事務局のほうでお示ししたもので、赤字になっているものが、前回の議論を踏まえまして今回直した部分でございます。最初の項目の1から3の薬の使用の有無について質問しているところでございますけれども、インスリン注射と血圧を下げる薬については、これを順番を変えて回答をきちっととりやすくする。コレステロールのところについても「中性脂肪」という文言を加える。これは前回御議論いただいた部分でございます。

 それと、慢性の腎不全のところは「慢性の腎臓病や」と。これは前回事務局で直したものでございます。

 それと、前回「脈が乱れている」という脈についての質問を入れましたが、これについては本人の自覚が得にくいということで削除すべきと御意見をいただいたものですので、今回は削除しております。

 それと、13ページ目でございます。項目の13の「体重の増減が±3kg以上」のところにつきましては、ここは全体の項目数を整理する中で削除としております。前年のデータからこの±3kg以上のデータがわかるということで、今回削除ということで御提案させていただいております。

 それと、項目の15につきましては削除という形で前回事務局で出しましたが、ここについては食習慣を問う基本的な項目であるということで残してほしいということで、削除に反対の意見が多かったので、今回は残すという形にしております。

 続きまして、14ページ目でございます。「砂糖入り飲料を毎日飲みますか」という前回出していたものを削除にしまして、「夕食後に間食をとることが週に3回以上ある」のところを「朝昼夕の3食以外に間食や甘い飲み物を摂取していますか」という質問にしております。ここのところは「毎日」「時々」「ほとんど摂取しない」という形に改正をしてはどうかということで整理させていただいております。

 それと、お酒のところにつきましては、前回、月1回以上等の習慣のところをもっと細かく質問を書いておりましたが、ここがかえってわかりづらいということで、18の項目についてはそのままとしております。

19の項目については、形式的に、清酒を日本酒に変える、ビールのところについても500ミリという形、あと、焼酎のところ等を修正するという形にしております。

 続きまして、15ページ目でございますが、ここは新しく追加したところでございまして、「食事をかんで食べる時の状態はどれにあてはまりますか」ということで、咀嚼機能を把握する質問を新たに追加しております。「何でもかんで食べることができる」「歯や歯ぐき、かみあわせなど気になる部分があり、かみにくいことがある」「ほとんどかめない」という形で回答しております。

 それと、歯の本数について聞く質問につきましては、かえって本人はわからないという御意見が多かったので、削除としております。

 続きまして、16ページ目です。運動や食生活の生活習慣の改善について本人の意欲を聞く、ないしは保健指導の利用についての本人の意思を聞くということにつきましては、前回削除という形で出しておりますが、これは保健指導に活用するということで、削除については反対の意見が多かったので残すという形にしております。つきましては、全体の項目数は22項目のままで、1項目削除、1項目追加ということで、全体22項目としております。

 以上でございます。

○多田羅座長 前回かなりの議論があったわけですけれども、その点をかなり踏まえていただいてわかりやすく訂正いただいていると思いますが、いかがでしょうか。

 武藤委員、いかがですか。いつも健診をやっておられるので。

○武藤委員 非常にわかりやすくまとめていただいて、私も見たのですけれども、特に異論はないかなと思います。歯のところも、1つはやはり何か入れてほしいなと思っていまして、これを見れば大体わかるかなと思いました。

 あと、前回はかなり大幅な変更が出ていたのですけれども。

○多田羅座長 もとに戻りました感じですね。

○武藤委員 ええ。継続性も大事でして、やはり毎年受けている方というのは毎年書いているので大体わかっていますので、そんなに大きく見直さなくてもいいのかなというところも感じていましたので、非常にわかりやすくなってよかったかなと思います。

○多田羅座長 三輪参考人、いかがですか。

○三輪参考人 私もそう思います。細かいところなのですけれども、12ページの6番の問診に「医師から、慢性の腎臓病や腎不全にかかっているといわれたり、治療を受けたことがありますか」というのがあります。透析というのは、受けたことがあるかどうかというよりも、一度透析になったら大体継続するものなので、聞き方がちょっとどうかなと。あと、「慢性の腎臓病」と言うのか、「慢性腎臓病」というふうに「の」を入れないで続けて言うのか、そこら辺がちょっとひっかかったのですけれども、全体的にはとてもわかりやすくなったと思います。

○多田羅座長 「慢性の」の「の」が要らないですか。

○三輪参考人 どうなのでしょう。一般の方の御意見を伺って。

○多田羅座長 武藤委員、どうですか。その辺の言い方。

○武藤委員 一応「慢性腎臓病」にはなっていますので。

○多田羅座長 「の」は要らないですか。

○武藤委員 要らなくてもいいかな。まあ、どちらでもいいかなと思います。

○多田羅座長 「治療(人工透析)」はこれでいいですか。

○武藤委員 大体、普通はしていますので「しています」でいいのではないかと思います。

○多田羅座長 今村委員、いかがですか。

○今村委員 全体として、我々の意見も考慮して修正していただき、非常にわかりやすくなったなと思っております。歯科の部分もきちんと入っておりますし、いい形になっていると思います。

 6番については、御指摘のとおりだと思います。普通、CKD(慢性腎臓病)と言っていますから「の」は要らなくてもよいのかもしれないですが、国民の方がどうなのかということと、腎不全は「かかる」と言うのですか。「腎不全の状態になっている」とした方がよいのか、何となく細かくこだわり出すといろいろなこだわりが出てきてしまうので、これ以上は申し上げません。

○三輪参考人 いいですか。

○多田羅座長 どうぞ。

○三輪参考人 「慢性の腎臓病」の「の」はとっていただいてもいいかなと。それから、「腎不全にかかっているといわれたり、治療(人工透析)を受けたことがありますか」と言うよりも、「腎不全にかかっていたり、治療(人工透析など)を受けていますか」というふうにしていただいたほうがわかりやすいかなと思います。

○多田羅座長 「など」を入れる。

○三輪参考人 はい。透析をしないで薬を飲んでいる人もいます。腹膜透析をやっている人もいますから、「人工透析など」として「受けていますか」としたほうがいいのではないか。

○多田羅座長 「受けたことがありますか」ではなくて、「受けていますか」と。それでは、受けていない人はどうするのですか。

○三輪参考人 受けていないという人は、(治療が必要な)慢性の腎臓病とか透析はないということ、腎不全はないということですよね。

○多田羅座長 ほかに。

 井伊委員、いかがですか。看護師さんとして、こういう言葉、聞き方。言葉は日ごろ使っておられると思いますけれども。

○井伊委員 わかりやすい表現になったと思います。ちょっとだけひっかかるのは、15ページの「食事をかんで食べる」というのはちょっと。普通、かまずには。かむことを聞いているので、「食事をとるときの状態はどれに」とかでもいいのかなと思いました。

○多田羅座長 「食事をかんで食べる」。だけれども、飲み込むときもありますよね。そうか。「食事をかむ」というのは。

○井伊委員 「食事を食べる」はおかしいです。

○多田羅座長 「食事を食べる」もおかしいね。

○井伊委員 「食べるときの状態はどれにあてはまりますか」だけでもいいのかなと思いました。

○多田羅座長 「食事をかんで」、なるほどね。難しいですね。

○三輪参考人 「食べるときの状態はどれにあてはまりますか」のほうがすっきりしていますね。

○多田羅座長 「食べるとき」だけで。

○三輪参考人 はい。

○多田羅座長 「食べるときの状態はどれにあてはまりますか」でわかりますね。

 白川委員、どうですか。

○白川委員 これで結構です。

○多田羅座長 大体わかっていただけますか。

 あとは、今の6番がちょっと議論が残りましたね。では、それも事務局で一度御検討いただいたらどうでしょうか。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 ありがとうございます。6番のところも、今の御議論ですと、「医師から、慢性腎臓病や腎不全にかかっているといわれたり、治療(人工透析など)を受けていますか」という質問で。

○多田羅座長 「など」をつけて。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 はい。

○多田羅座長 それでいきますか。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 はい。

○多田羅座長 それでよろしいでしょうか。厳密に言うと、いろいろ難しいところもあるかもわかりませんが、国民のレベルで大体わかっていただけるということで御了解を。

 委員の皆さん、前回かなり議論がございましたけれども、これまでのものに大分戻していただいて、それに手直しをしていただくということをしていただいたおかげで、かえってわかりやすいものになったという皆さんの御判断かと思います。

 では、事務局、これでこの件については御了解いただきたいと思います。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 ありがとうございます。

○多田羅座長 では、次の議題に移って、議題の2「平成26年度特定健診・保健指導実施率について」説明をお願いいたします。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 資料2「平成26年度の特定健康診査・特定保健指導の実施状況について」でございます。こちらは、26年度の実施状況について数字が出ましたので、御説明させていただくものでございます。

 おめくりいただきまして、1ページ目、特定健診と保健指導の実施状況でございます。

26年度につきましては、受診者数2,616万人、特定健診実施率48.6%ということです。平成20年度は2,000万人でございましたけれども、直近の数字で言うと2,600万人を超えているということでございます。着実に伸びているということでございます。

 保健指導の実施率につきましては、対象者数、対象者割合16.8%ということでございまして、終了者数については783,118人ということで、終了率17.8%。終了率につきましても、最近、17.7%から17.8%ということでございますが、平成20年度が30万人であることと比較しますと、既に2倍以上でございますけれども、78万人ということでございます。こちらのほうも終了者数についても一応着実には伸びていると考えております。

 2ページ目は、実施状況につきましてそれぞれの実施率と割合についてでございます。健診の実施率については直近48.6%、対象者の割合につきましては、20年度は19.9%であったものが16.8%。また、終了率につきましては直近17.8%となっております。

 おめくりいただきまして、3ページ目がそれぞれの制度別の実施率でございます。26年度の実施率でございますけれども、それぞれ制度別にも伸びている。特定健診の実施率については着実に上がっているということでございます。

 特定保健指導のほうの実施率でございますが、26年度、総数でいうと17.7%から17.8%でございます。市町村国保、国保組合についてはそれぞれ実施率も上がっております。協会健保と船保、健保組合については、若干でございますけれども下がっております。これは対象者数がふえたことによるものでございます。実際に実施した方々の数はふえておりますので、その対象者に占める割合ということで若干下がっていたということでございます。

 4ページ目でございますけれども、こちらのほうは、被保険者・被扶養者別に分けて、それぞれ被用者保険者について出しているものでございます。被保険者につきましては、協会健保、健保組合、共済組合それぞれ特定健診の実施率を被扶養者と比較しまして、被扶養者のほうにつきましては、被保険者本人と比べますと実施率が低くなっておりますので、その実施率の向上が課題になっているということでございます。

 特定保健指導についても同様でございます。被保険者につきましては、26年度の実施率は、それぞれ加入者全体につきましては、協会健保でいうと14.8%でございますけれども、被扶養者については2.2%程度という形で、それぞれ1桁台ということで、被扶養者の実施率の向上が課題になっているということでございます。

 続きまして、5ページ目でございます。こちらはメタボリックシンドロームの該当者予備軍の推移でございます。腹囲等の基準がメタボリックシンドロームの該当になっている方々が特定健診の受診者に占める割合でございますけれども、26年度は26.2%ということでございます。こちらにつきましては、それぞれの年度についてそれほど大きな差は見られないということでございます。

 下は、それぞれの制度別に見たその割合でございますけれども、こちらにつきましてもそれぞれの制度内においてはそれほど大きな経年的な差は見られないということでございます。

 6ページ目は、この該当者数の減少率を見たものでございます。枠囲みのところにございますけれども、20年度と比較したメタボ該当者の減少率を見ると、全体としては3.2%。26年度の一番左の枠のところでございますけれども、これは該当した方々の割合でございます。割合が20年度と比較してどの程度下がっているかということで、約3.2%減少していると。ただし、この方々の中には服薬者も含まれておりますので、より詳しく特定保健指導の効果を見るために20年度との比較のデータを出したものが真ん中の数値でございまして、これで見ますと26年度は20年度と比較して12.74%減少している。また、その対象者数の減少率を見たものが一番右側でございますけれども、16.1%減少しているということでございます。

 7ページ目は、減少率につきまして、20年度比で下がっていることの理由について「以下の3点」と書いてあります。下の図のところでございますけれども、これは20年度と21年度の特定保健指導を実施した方々の推移、その方々についてその後の状況がどうであったかというものを見たものでございまして、29.2%、約3割の方々につきましては、20年度に実施した方々について、その特定保健指導の結果、その次の年、特定保健指導の対象外になったということで、こちらの方々については保健指導の効果があらわれている方々と言えると考えております。ちなみに6%程度の方々が服薬に移行しているということでございます。

 したがいまして、枠囲みのところでございますけれども、20年度から開始された特定保健指導が徐々に浸透し、その効果があらわれてきたこと、また、対象者にとってわかりやすい腹囲基準やメタボが国民的に知られるようになり、意識する人がふえたこと、保険者によるオペレーションアプローチが行われるようになってきた、また、受診勧奨により医療に結びつく人が存在する可能性があると考えております。

 8ページは、特定健診の受診者の服薬の状況でございます。こちらにつきましても、20年度と比較して26年度は28.1%の方々が服薬している。こちらは、先ほど御議論いただきました質問票のところで、最初に血糖・血圧・コレステロールを下げる薬について服薬しているかどうかというのを聞いておりますので、その数字をとっているものでございます。26年度は25年度と同程度であったということで、服薬者の割合は増加傾向にあるということでございます。

 9ページ目は、メタボリックシンドロームに該当している方々のうち薬剤を服薬している方々の割合でございます。20年度は41.9%が、26年度は49.2%ということで約半分の方々が薬剤を服薬している。枠囲みのところにございますけれども、服薬者が増加している理由としては、健診受診率が向上し、服薬の対象となる人が特定健診で発見されるようになったことや、服薬中の人の健診が進んだこと、また服薬中の人はメタボ該当者であっても特定保健指導の対象となっておらず、メタボ改善につながらない可能性があるということを付記しております。

 こちらの26年度の実施状況につきましては以上でございます。

○多田羅座長 ありがとうございました。非常に貴重な我々の特定健診・保健指導の実績について包括的にまとめていただいたものでございます。次期計画を考えるに当たって、こういう実績を踏まえて考えていただくというわけでございます。

 いかがでしょうか。これは、せっかくですので、できたら一言。

○三輪参考人 12ページにあります「メタボリックシンドロームの判定基準」というところですけれども、たしか特定健診の血糖の判定基準は100だったと思うのです。学会基準は110ということで、もともと違いがあったのですけれども、ここには110というふうに記載されているのですが、そこら辺はどういうことなのでしょうか。

○多田羅座長 これは、津下委員、わかりますか。

○津下委員 はい。これはそのとおりでございまして、12ページの図にありますように、特定保健指導対象者のほうがメタボより少し上になっていますね。この理由が、特定保健指導者では空腹時血糖が100から対象になっていることや、腹囲が基準値ではなくてもBMIで対象になるというずれがあるので、ここの高さのずれがあると。

 一方では、メタボリックシンドロームは、薬を飲んでいる人もリスクの1個としてカウントしますけれども、特定保健指導は薬剤服用者は外れるということで、それぞれの対象者数にこのようなずれがあることを織り込んだデータの提示になっているかと思います。

○三輪参考人 最初からもう決まってしまっているから、今さら言ってもしようがないのですけれども、学会基準とメタボの判定基準が違っているというのはやはり問題だとは思っています。一般の方が誤解しやすい。

○多田羅座長 学会は100になっているのですか。

○三輪参考人 学会は110なのですね。

○多田羅座長 110ですね。これは110になっているので、いいということですか。

○三輪参考人 これでいいのですかというふうに、今、質問したのです。

○多田羅座長 それでいいのですか、どうなのですか。

○三輪参考人 そうしたら、津下委員から。

○多田羅座長 110に変更したのでしょう。

○津下委員 特定保健指導の判定を決めるときに、当時、外国の国際糖尿病学会とか、そういうところは空腹時血糖を100に下げてきているという経緯がありました。日本糖尿病学会も、境界型110というのが過去から持っていた基準で、100から109は血糖高値者として注意すべき対象者という基準となっています。ただ糖尿病への移行率は100109110125では異なりますので、一緒にすべきかは議論があるところです。特定保健指導の対象者については、制度開始前の検討会で100からしたほうがよいとのご提案が糖尿病学会からありました。それでメタボの基準も変わるのかなと期待感はあったのですが。その後、このずれが継続しているので、このあたりは私もぜひ学会基準を御検討いただくか。

○多田羅座長 学会基準が問題なわけですか。

○津下委員 糖尿病学会はそういう意味では110100と両方の基準を持っていますので。

○多田羅座長 三輪参考人は結局。

○三輪参考人 津下委員がおっしゃっているのは糖尿病学会からの意見ということですよね。

○多田羅座長 だから、それを訂正すべきだと津下委員は言っているのです。

○三輪参考人 ええ。メタボの基準というのは8学会が集まって決めたものなので、そこが変わっていないということなのです。

○多田羅座長 それは100ということですか。

○三輪参考人 110なのです。

○多田羅座長 110ですね。

○三輪参考人 だから、その違いをできれば埋めたいのです。

○多田羅座長 だから、110に埋めたと。ではないのですか。

○津下委員 埋まっていないです。

○多田羅座長 これは110になっているのと違うのですか。

○津下委員 いや、メタボの基準は110で、特定保健指導は100なので。

○多田羅座長 特定保健指導か。その問題か。失礼しました。

○津下委員 そのずれは継続中です。

○多田羅座長 継続中。

○三輪参考人 追加でもう一つ。

 詳細基準の心電図ですけれども、受診勧奨値というのは14090になるわけですね。そうすると、14090以上の人はみんな心電図という話になるのですけれども、ドクターの判断というのがやはり大事で、白衣高血圧の人がみんな心電図になってしまうということが出てきてしまうのです。ですから、そこはドクターの判断で白衣高血圧の人は除いていただいたほうがいいわけです。ですけれども、そこまで細かく書かなくても、ドクターの判断というのがやはり大事かなと思います。

○多田羅座長 そういう意味でね。具体的にね。

○三輪参考人 逆に、ふだん高くて、病院に来ると下がってしまうという人もたまにはいるのです。そういうのもドクターの判断でやっていただければいいかなと。

 以上です。

○多田羅座長 わかりました。

 武藤委員、どうぞ。

○武藤委員 このデータとちょっと別件なのですけれども、先ほど受診勧奨値でも受診しない方が結構いるという話だったのですが、実際の現場ですと、例えばヘモグロビンA1c8とか9とか10ぐらいでも実はかからない人がいたり、血圧が180ぐらいでも中にはかからない方がいる。180でも、140でも同じ受診勧奨値になるわけですけれども、私たち健診施設では、本当にひどく高い方、非常にハイリスクな方は、緊急連絡値とかパニック値とか言っているのですけれども、結果が出たところで速やかに本人に連絡するという体制をとっています。そうすると、さすがに受診する方がかなり多くなってきています。同じ受診勧奨値であっても、非常に悪い方は早目に連絡して、通常ですと結果が2週間とか3週間ぐらいかかってしまいますので、早目に連絡する数値をある程度決めて早急に受診させるという仕組みがあったほうがいいかなとは思っています。

○多田羅座長 それはそうですね。

 それは貴重な御意見として承ります。ただ、今の議題は実積の推移でございますので、その辺について、特にせっかくお集めいただいている、3ページの保健指導の保険者種別別実施率というのが上の健康診査の実施率はかなりそろっている。健保組合、共済は、特に26年度に大きな数字を出していただいていますけれども、国保組合、健保協会は40%台だと思います。それに対して保健指導のほうは、23あれば、船員、それぞれ事情があるのでしょうけれども、かなり差が出ているというような感じがするのです。白川委員、この辺はどう考えたらいいですか。

○白川委員 保険者種別云々の話ももちろん重要ですけれども、全体的に、もう6年も7年もやって、特定保健指導の実施率が相変わらず10%台で20%を超えない。以前から申し上げているのですけれども、動機づけ支援と積極的支援というのは非常によくできたスキームで、受けていただければかなり改善することは間違いないのですが、それでも17%とか15%というのは問題が大きいと思います。

○多田羅座長 それはこの5%とか9%、そういう保険者があるからというわけでもないのですか。

○白川委員 いや、そうではなくて、私は前から申し上げているのですけれども、保健指導で動機づけを積極的にやっていますけれども、当日、医師がいろいろ面談をする。例えば、被用者保険でいいますと、定期健康診断のときに必ず医師の面談というのはあるのです。それは特定保健指導にカウントされないのですね。

○多田羅座長 まあ、そうでしょうね。

○白川委員 人間ドックに行って、その場で希望者は大体医師の面談はありますよね。あれもカウントされないのです。

○多田羅座長 特定健診を受けた結果で判断するのが保健指導と。

○白川委員 特定健診を受けて、階層化をやって、その結果、対象者を選んで、受けるのが特定保健指導という定義ですから。

○多田羅座長 そうですね。制度としてね。

○白川委員 ですから、当日はだめなのですね。

○多田羅座長 当日、たまたまやったのではだめ。当日、保健指導でありながら、対象者でありながらですか。

○白川委員 要は、特定保健指導というからにはそれなりの料金が発生しますから、財政の問題もあって保険者のほうが優先順位を決めて受けてもらうというのが考え方ですけれども、そうではなくて、人間ドックに行ったら、セットの料金の中で保健指導を受けているわけですね。これはカウントされないわけですね。

○多田羅座長 一応、特定健診の結果、保健指導対象者の人が人間ドックを受けた場合でしょう。

○白川委員 いや、そうではないです。通常、人間ドックに行った場合は。

○多田羅座長 特定健診と関係なしに。

○白川委員 特定健診を受けます。がん検診など全部セットで受けるわけですね。その中で、医師の面談というのが大体ありますよね。そこでいろいろデータを見ながら保健指導をやっても、保健指導と認められないわけですね。特定保健指導と認められないわけです。

 こうしたケースは被用者保険などでもたくさんあるわけです。定期健康診断の後に必ずドクターが面談しているわけですよ。それを、特定保健指導と言うからには、何ポイントとらなければいけないとか、全部制限があるからおかしいと私は昔から言っているのです。これは保健指導をやったかどうかが重要なのであって、何ポイントとったかなどは関係ないわけですよ。私は、被用者保険でいえば、定期健康診断のときのドクターの面接も保健指導なのだから、保健指導としてカウントすべきだという主張をしているのです。そのデータはここに全然生かされていないわけです。

○多田羅座長 ただ、保健指導はこういう項目とこういう項目があって、それに対して何ポイントというのがあって、制度としてはできていると。

○白川委員 それで料金も発生するという仕組みになっているから。

○多田羅座長 そのポイントがありますからね。ポイントに対して料金が払われるわけですからね。

○白川委員 はい。ですから、第3期も、はっきりいって、今のようなスキームだったら、これ以上絶対伸びないですよ。

○多田羅座長 そういうことですか。

○白川委員 もう伸びないです。20%いけば御の字という感じです。国保さんが少し高いですけれども、全体平均でいうと、絶対20%は超えないと断言できますよ。

○多田羅座長 わかりました。

○白川委員 今、健康局で検討されて、これから保健指導については検討されると思いますけれども、実態をよく見ていただいて。

○多田羅座長 保健指導のあり方そのものですね。

○白川委員 はい。特定と名前がつかなくても、保健指導はいろいろな場面でいろいろな形でやっているので、それを拾うような形にしないと統計としてもおかしいと私は申し上げたいと思います。

 どうぞ、津下委員、御意見がございましたら。

○津下委員  先ほどのドックのように健診当日に全てデータが出ている場合で、かつ、保険者さんと「該当した人は全部特定保健指導してください」という契約が結ばれている場合には、当日、特定保健指導を実施していることが可能というのは、第2期から明確になりました。実際に調査してみますと、ドックの機関では当日実施しているところも随分ふえてきているような結果になっております。ドックを受けて、たまたまその人が該当したら、それを保健指導としてカウントする、そこに保険者さんの戦略をどう入れるかということはありますけれども、体制としては進みつつあるところです。特に個別契約でされているところなどはそういう形で実施が伸びてきていますので、そういう制度を広く知っていただく必要があるのかなと思います。

 もう一方は、ポイント制についてです。確かに、ポイントをこなしているだけの保健指導というのは本当に無駄だと私も思います。けれども、どのぐらいの投入をしたら、その保健指導を実施したのかということがカウントできないと、契約ができないということがあります。ポイントが未達でも客観的に減量できたら指導実施済み、という結果評価でいくというのも考えとしてはあるのかもしれない。何でもって保健指導を実施したというふうに定義をしないと、実施率や保険者間での、どちらが頑張っているとか、そういうことの評価が難しい。ただ、今、ICTの活用とか、ポピュレーションアプローチが進んできて、より軽い投入でもその効果が出てきているというエビデンスがあるのであれば、そういうことをしっかり吟味して、より実施率が上がる方法について検討していく必要があるかなとは思います。

 以上の2点については、制度的にできるようになったことをどうやって広げるかということについてさらに検討していく必要があるかなと思います。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○白川委員 それはそのとおりなのですけれども、例えば人間ドックの受診について、そんなに徹底されているかというと、なかなか徹底されていないのですね。そのせいもあるのはわかります。私が申し上げたいのは、ポイント制にこだわるのであれば、それは特定保健指導という範囲内でポイントにある程度こだわらざるを得ないというのは理解をしますけれども、それ以外の保健指導もあるので、それをデータ化していくことも重要ではないですかと。

○多田羅座長 ポイントはポイントとしてね。

○白川委員 はい。

○多田羅座長 それはそれで制度だから。だけれども、こちらに合っているものはそれの評価の方法も考えなければいけないというわけですね。

○白川委員 そうなのです。何回も申し上げているとおり、定期健康診断で保健指導をやっていなかったらドクターは何をやっているのですかという話ですよね。

○多田羅座長 わかりました。

○白川委員 それはやはりカウントしないと。

○多田羅座長 白川委員がおっしゃっているのは、かなり根本的な保健指導のあり方の課題かと思いますね。確かに、今まで保健指導というのはポイント制で、形どおりやっているというのが実態だったと思います。それがどこまでそのサイエンスに基づいた具体的な方法なりエビデンスというものを確認しながらやっているのかというのは、私もそれなりに今後の大きな課題だというところはあるかと思います。

 それについて第3期以降の保健指導のあり方は、改めて事務局のほうでまた原案を考えていただいて、検討会で、白川委員も従来からおっしゃっておられますので、保健指導のあり方ですね。ポイント制でやってきた立ち上がりのときの制度としてのものは大事だけれども、それ以外、どのように広げていき、どのように充実させていくかということは大事かと思いますので、それは次回以降の検討会で第3期の方向に向かって原案を検討いただきたいと思います。

 事務局、どうぞ。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 座長がおっしゃるとおりでございます。秋以降、その保健指導の実施率向上に向けた御議論をいただきたいと考えております。その中で事務局でも必要な資料等を準備させていただきます。

○多田羅座長 白川委員がおっしゃるのはそのとおりなのですけれども、実績という面から見ると、先ほどちょっと見ていただいた5%が、特に船員保険とか国保組合とか、これに出ておりませんが、被保険者、家族、そういう方の実績ですね。そういうものが数字面は課題になるのではないかなと思って。その辺、白川委員ばかり申し上げてつらいのですけれども、何か根本的に、第3期に向かって。

○白川委員 それは保険者としても責任を感じておりまして、なるべく保健指導を積極的にやろうというつもりはあるのですけれども、相当お金もかかるし、手間もかかるし、スタッフをそれだけそろえなければいけないという現実の問題があるものですから、先ほどはちょっと乱暴に、このままのやり方だったら20%を超えませんよと申し上げましたけれども、人手とお金を考えると、もうそれが限界だと思います。

○多田羅座長 やはり体制の限界。

○白川委員 はい。

○多田羅座長 5%とか難しいですか。船員保険などは。私もちょっとよくわかりませんけれども。

○白川委員 船員保険のほうは私はよくわかりませんけれども。

○多田羅座長 何で船員保険はこんなに低いのかなと。やはり船に乗っているからかな。

○白川委員 きょうは伊奈川委員がいらっしゃらないので、わかりません。

○多田羅座長 協会けんぽの方がいらっしゃらないのでちょっとわからないですね。

○白川委員 御家族のところまでやろうとすると相当手間暇がかかります。申し上げたいのは、先ほど詳細健診のとき、その日にやったほうが絶対いいのだという御意見がたくさんありましたし、私もそう思うのです。保健指導もその日にやったほうが絶対いいのです。

○多田羅座長 それは間違いないですね。

○白川委員 また来いと言っても来ませんから。

○多田羅座長 国保は、市町村があって、国保組合とありますが、組合のほうは市町村国保に比べてかなり低いですよね。

 佐藤委員。

○佐藤委員 済みません。指導率が大分低いところで経過をしているわけでございますが、国保組合といたしましても、今、白川委員がおっしゃられたように、国保組合保険者そのものが規模的に小さいというのも1つの理由でございます。ただ、御存じのように、国保組合というのはいろいろな業種の集まりでございます。そういった事情も1つとして挙げられるかなとは思っております。私どもといたしましても、この特定保健指導の実施率につきましては、各国保組合に対しましても口が酸っぱくなるほど実施率を上げるような努力をしてもらうようにお願いはしているのですけれども、なかなか思うように上がらないというのが実態でございまして、いかにしてこの指導率を上げていくかということが、今、最大の課題になっているところでございます。

○多田羅座長 国保組合の健診のほうは45でかなり高いのにもかかわらず、保健指導はなぜこんな差があるのですか。

○佐藤委員 そこはなぜかと言われると、我々も答えにくいところです。

○多田羅座長 健診受診率は45で非常に。

○佐藤委員 おかげさまで健診受診率は40%を越えているわけでございます。

○多田羅座長 超えていますからね。

○佐藤委員 なかなか指導のほうに結びつかないというところでございます。

○多田羅座長 何でかな。国保組合というのはそれぞれの団体は非常にしっかりしている団体が多いですよね。自分で組合を持つというだけの力がありますからね。

○佐藤委員 そうです。業種の集まりでございますので。

○多田羅座長 どちらかというと、医者も国保組合ですからね。

○佐藤委員 そういう面でまとまりがあるというふうに思っているのですが、この指導に関してだけはなかなか思うように数字が上がらないということであります。

○多田羅座長 そうですか。

○佐藤委員 今後上げるように努力していきたいとは思います。

○多田羅座長 そうですね。健診のほうはこれだけ実積があるし、団体としては力を持っている団体だと思いますので。その点、市町村国保のほうは健診受診率とほぼ同じぐらいの保健指導受診率なのはどういうわけですか。

○飯山委員 市町村は村岡参考人が。

○多田羅座長 村岡参考人がおられますね。

○飯山委員 全体に言いますと、市町村は衛生部門を含めまして保健師を配置しておりますから、国保部門と衛生部門が協力し合って、実際に現地に出向いて個別の指導をするというのは得意中の得意なので。

○多田羅座長 だから、保健指導につながりやすい。

○飯山委員 はい。保健師さんたちが、それが得意の職種の人がいますので。

○多田羅座長 なるほどね。

 村岡参考人、ひとつその辺。

○村岡参考人 自分のところが低いものですからなかなか言えないのですが。

○多田羅座長 23というのは結構高いですよね。

○村岡参考人 平均で見ると非常に高いので、市町村によっては過去からの健康づくりに対する取り組みの違いというのがございますので、そういった意味では、市町村によって積極的に健康づくりに取り組んでいるところは非常に高い数値が出ているという実態もございますので、全体の平均を押し上げているというところもあります。

○多田羅座長 やはりこれは、かなり低いところ、高いところの分布があるのでしょうか。○村岡参考人 国保全体の特定健康診査の受診率自体にも非常に差がございますので。

○多田羅座長 それは人口などに関係するのですか。

○村岡参考人 人口もある程度。規模が小さいところでは比較的高いという傾向もございますけれども、単純にそれだけではない。

○多田羅座長 そうですか。それはやはり首長さんの。

○村岡参考人 首長の姿勢であったり。当然、健康づくりに対する予算の問題というところもありますけれども、これまでの健康づくりに取り組んできた背景であったり、住民意識の違いというところもございますので。

○多田羅座長 有名な市町村もありますね。

○村岡参考人 はい。過去からの実績の中で、先ほどの議論にもありますようなポピュレーションアプローチも含めて住民の皆さんの意識が相当高まっているところと、なかなかそうではないというところもありますので、非常にばらつきはあるというのが現状ではございます。ただ、全体として、この特定健康診査と特定保健指導の実施率については引き上げていかなくてはならないということで、市町村のほうも努力をしておりますので、徐々にではありますけれども、全体の実施率は上がっているという状況でございます。

○多田羅座長 と思いますけれども、市町村国保は、人口は2,200万で最も多い人口ですし、健康診査・保健指導の中核を成す保険者かと思いますので、ひとつ。

 市町村の首長さんの会合などでそういう話は出していただけないのですか。

○村岡参考人 日本健康会議などの中にも、国保中央会の会長としてうちの市長が出ておりますし、市町村の中で健康づくりは、特に少子高齢化が進んでいますので、これから先、人口減少の中で、一方では特に75歳以上の後期高齢者が増加をしていく、医療や介護が必要な方がどんどん増加をしていくことはどこの市町村も同様でございますので、この取り組みというのはこれから非常に本当に重要な課題ということで各市町村においても認識をされていると思います。今後も、全国的な日本健康会議等の中でも各市町村に対して、積極的に取り組んでいくことをPRしていくことも必要ではないかと思っています。

○多田羅座長 ひとつよろしくお願いします。ありがとうございます。

 伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員 私、受診者の立場でいつも発言をするのですけれども、保健指導のほうが実施率が上がらないという点については、職場の実態からして非常に厳しいなというのが被用者保険に加入している側からの直感です。やはり就業時間上の配慮がなかなかとれなければ、保健指導を受けに行きますよと言って、2回、3回と職場を離れるということがすごく難しい。きょうも、保健指導を当日やるのか、また改めてやるのかという話が随分議論になりましたけれども、本当にそこは1回の機会を使うというのがすごく重要だというのが実情だと思っています。これから受診率を上げるという議論をしていくときには、被用者保険については特に就業上の配慮の部分もあわせて検討していかないと厳しいと思います。特に中小企業などは健康管理室とかが別に会社の中にあるわけではないですから。医療機関と本人が予約をしてということで、就業時間の調整を自分が場長として時間を確保していく。それを何回もやっていると、おまえ、どうなのだという感じになりかねないわけですね。

○多田羅座長 それはそうですよね。

○伊藤委員 だから、そういったところまで、もしこのデータヘルスがすごく重要だということを政府として国として取り組んでいくということであれば、ぜひ経営者といいますか、会社のほうもそのことを十分理解していただくということとあわせてやっていただきたいと思います。

 以上です。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 健康診査のほうは、定期健康診断という労働安全衛生法によって守られた大きな牙城で推進されていますから、これは非常に貴重な。だけれども、そこまでは保険指導のほうはまだ少し肩身が狭い感じなのです。

 定期健康診断の上に保健指導を載せてやっているというのは非常に大事なことかと思いますので、その辺の推移・成果を期待したいところですが、そこのところはどうしたらいいですか。やはり政府の姿勢ですか。

○伊藤委員 そこは、事業主が職場を離れても、本人が保健指導を受けてきっちり、それこそ労働力として働いてもらうためには、どんどん行って、来てくださいよというぐらいに理解をしてもらえるような、それを経営者団体なりが徹底するとか、そういうことになるのだろうとは思いますけれども、そこら辺は丁寧にやっていただければなと思います。

○多田羅座長 わかりました。

 鈴木委員、その辺、いかがですか。鈴木委員もそういう職場という考え方。民間の給与とは違うかもわかりませんけれども。

○鈴木委員 そうですね。公務員の場合は身近な職員が対象になっていますので、そういう実感は常に把握しやすいでしょうし、また、国等の方針等でこういうことをやりましょうということが決まったら、大体そのほうに動くと思うのですね。それが年度を追ってずっと数字も改善されているという状況につながっているのではないかなと思います。

○多田羅座長 そうすると、民間の企業とは層がちょっと違う感じですか。

○鈴木委員 いや、そんなことはないと思います。

○多田羅座長 ほぼ時間になってまいりました。まだ、御発言いただいていない方、いかがでしょうか。

○下浦委員 この資料の7ページ(特定保健指導対象者数の減少率)のところで、男性の特定保健指導終了者のうち、約30%が特定保健指導の対象外にと示されていますが、女性の場合というのは出ているのでしょうか。男性と女性と違う改善状況が見受けられるのかというのがありましたので、その御確認だけさせていただければと思っております。

○多田羅座長 わざわざ男性だけ出している。

○下浦委員 はい。普通は男性と女性ではというような比較になります。

○多田羅座長 男性があるということは女性があるということですね。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 済みません。今、手元にすぐデータがございませんので、次回にでも御報告させていただきます。

○下浦委員 よろしくお願いいたします。

○多田羅座長 河合委員、いかがですか。何かございませんか。

○河合委員 先ほど伊藤委員がおっしゃったことはすごく重要なポイントだと思います。数字をこうやって出してもらうのはすごく大事なことなのですけれども、なぜその数字が低いのかというところは、その背景にあるものを分析しないと次の対策は打てないものですから。とりわけ労働力人口が減っていく中で、一人一人の労働生産性を上げるということと健康づくりというのはすごくセットの話だと思いますので、聞き取りとかを含めてなのかもしれませんけれども、数字の背景にあるものの御説明の資料を、受診率を向上させていくという議論のときには、ぜひとも用意していただきたい

と思います。

○多田羅座長 そうですね。そういうのをワーキングなどで少し分析して、ヒアリングなどをさせてもらったらいいかもわかりませんね。貴重な御意見ありがとうございます。

 金子委員、いかがですか。

○金子委員 私共も、このデータと似たような数字なのですけれども、先ほど伊藤委員が言われた事業主にそういうことを国のほうからやるようにということは非常に必要な気がします。ただ、現実的に、我々は学校関係を対象にしていますけれども、大学とか規模の大きい学校はそれだけのものができるのですが、幼稚園や各種学校など規模が小さいところもございますので、そういう学校等に果たして国からやるようにと言われてやれるかどうかが問題です。

○多田羅座長 中小企業ですからね。

○金子委員 そうなのです。そういった面もございますし、我々は一応共済組合ですが、公務員とはちょっと違って、どちらかというと民間に近いような感じでやっていますし、また、全国に幼稚園から大学までありますが、その事務は東京一括で処理しています。その他、各ブロックごとに共済業務課という部署を設けて相談業務や地域保健事業をやっていますが、なかなか個々の学校まで指導ができる状況にはありません。

○多田羅座長 文部省はそういうことを言ったりするのですか。

○金子委員 文部省も応援はしてくれています。我々も私学団体の集まりがあるときにはそこに出かけていって、受診率を上げるよう協力を促したり、当該団体の機関誌にも特定健診の記事を掲載してもらったりしています。もっと言いますと、保健指導を学校や地域内の会場に行って、やりますからとか、そういうところまでやっているのですが、規模の大きい大学を除くとなかなかそこまでできていないというのが現実です。現場を実際に見たとき、全部一括でやれるかどうかというようなところだと思っております。

○多田羅座長 岩崎委員、いかがですか。

○岩崎委員 今、いろいろな意見を拝聴していて思うのですけれども、やはり健診の受診率は徐々に上がってきているけれども、保健指導が必要な人への終了率が十分上がってこないというのは確かに難しい問題だなと思っています。きょうのこの検討会でもいろいろな立場からそれぞれの事情があるという御意見があったかと思うのです。その辺の背景事情をもう少し切り込むような調査というと大げさですけれども、きょうの資料でも、健診受診率が上がってきた事情とか、その中でのメタボ率というか、特定保健指導の対象者率が少し下がってきた考察は入っているのですが、保健指導がなかなか上がってこない保険者ごとの背景事情をもう少し掘り下げていただけるとありがたいかなと感じておるところでございます。

○多田羅座長 わかりました。

 高野委員、いかがでしょうか。きょう、歯科の質問項目も入って。

○高野委員 非常にありがたいことだと思っています。今の保健指導の件については、保健指導をふやしたいという場合、特に被保険者についてですが、事業者の考え方次第だと思うのです。今がいいならば、俗に言ういわゆる健康であればいいと考えるのか、定年まで健康でちゃんと働いてもらうという意識であれば、保健指導にも生かせる時間を確保できるのではないかと思いますので、その辺の意識改革が必要なのではないかと思います。

○多田羅座長 そうですね。

 細江委員、いかがですか。一言お願いします。

○細江委員 被扶養者の特定健診あるいは保健指導の受診率が、今、大変低いというのが気になります。実は私の母も医者に行くことが嫌いで、健康診断どころか医者に全く行かない。それで、あるときS字結腸がんというので亡くなったわけですが、これも、早く行っていれば、見つかれば簡単にという話だったのです。頭はぴんぴんなのに体がこうなってしまったということがあった。日本は当然、平均寿命は女性が長いのですけれども、健康寿命で見れば男女間の差はちょっと縮むのではないか。つまり、長生きはしても、健康な状態で長生きをしてもらうことが。

○多田羅座長 そうですね。後期高齢者の皆さんに元気にやってもらわないと。

○細江委員 そうですね。ですから、そういう意味で、被扶養者に対する告知をどうしていくかということ。特に課題と書いてあるのですけれども、この具体策を深刻に考えるべきではないか。こんな印象です。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 本日は、この実施状況について総括的なこの7年間のデータを投げていただきました。3期以降の方向を考えるに当たって一番大事な基本的なデータでございます。きょう、特に実施率の上がっていないところ等については、具体的な内容についてもう少し研究的な、分析的なものを明らかにして、3期以降の方向の中に生かす必要があるのではないかという御指摘をいただいたと思います。非常に貴重な御意見をいただき、ありがとうございました。

 きょうの健診の項目のあり方、保健指導のあり方、と同時に、そういう制度を推進していく構造ですか、それについての検討もしなさいという御意見をいただいたと思います。貴重な御意見をありがとうございました。

 皆さん、一言は言っていただいたでしょうか。第3期に向かって大事な検討会ですので、どうか一言述べていただいて、議事録のほうには残していただきたいと思います。議事録をもとに、事務局のほうで中心になって原案を考えていただくことになります。

 事務局、よろしいでしょうか。何か質問よろしいですか。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 ありがとうございます。

 きょう、あとお配りしている資料に参考資料2がございますけれども、こちらのほうは保健事業の実施等に関する指針を改正しましたので、参考までにお配りしたものでございます。

○多田羅座長 見ておいてくださいということですね。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 はい。ということでございます。日本健康会議の関係もございますけれども、今年も7月25日に日本健康会議を開催することになっています。そちらにつきましては、本日、プレスリリースもしておりますので、あわせてまた御連絡させていただきます。

○多田羅座長 それでは、本日は、お忙しいところ、皆さんお集まりいただきましてどうもありがとうございます。

 以上で終わりにします。

○データヘルス・医療費適正化対策推進室長 次回の会議は7月29日、またここと同じ場所でございます。1時からでございますので、よろしくお願いいたします。

 


(了)

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