ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(年金数理部会)> 第69回社会保障審議会年金数理部会 議事録(2016年5月20日)




2016年5月20日 第69回社会保障審議会年金数理部会 議事録

年金局

○日時

平成28年5月20日(金)15:00~17:00


○場所

全国都市会館 第2会議室(3階)


○出席者

菊池部会長、猪熊委員、翁委員、駒村委員、関委員、田中委員、野上委員

○議題

(1)平成26年度財政状況について-国家公務員共済組合-
(2)平成26年度財政状況について-地方公務員共済組合-
(3)平成26年度財政状況について-私立学校教職員共済制度-
(4)その他

○議事

○下島首席年金数理官 定刻になりました。猪熊委員がいらっしゃいませんけれども、もしかしたら少しおくれるという連絡が入っておりますので、始めさせていただきたいと思います。ただいまより第69回「社会保障審議会年金数理部会」を開催させていただきます。

 委員の皆様方には御多忙の折、お集まりいただきまして大変ありがとうございます。

 それでは、審議に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 議事次第、座席図のほか、次のとおりでございます。

 資料1は「平成26年度財政状況-国家公務員共済組合-」。

 資料2は「平成26年度財政状況-地方公務員共済組合-」。

 資料3は「平成26年度財政状況-私立学校教職員共済制度-」。

 資料4は「被用者年金一元化に伴う積立金概算仕分けの概要」。

 参考資料1は「社会保障審議会年金数理部会委員名簿」。

 参考資料2は「社会保障審議会関係法令・規則」。

 配付資料は以上でございます。

 次に、年金数理部会の委員の異動について御報告いたします。参考資料1の委員名簿を適宜御参照いただければと思います。

 本年2月8日付で当部会の部会長であられました山崎委員が、また、3月22日付で部会長代理であられました宮武委員と牛丸委員が御退任され、このたび新たに3名の委員に御就任いただきましたので、御紹介させていただきます。名簿順で申し上げます。

 猪熊律子、読売新聞東京本社社会保障部長でいらっしゃいます。先ほど申し上げたとおり少しおくれております。

 菊池馨実、早稲田大学法学学術院教授でいらっしゃいます。

 関ふ佐子、横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授でいらっしゃいます。

 続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、浅野委員、佐々木員が御都合により御欠席との連絡を受けております。猪熊委員は、先ほどから申し上げておりますとおり若干おくれております。御出席いただきました委員の方が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。

 次に、部会長の選任について御報告申し上げます。山崎前部会長が御退任されましたので、部会長を選任していただく必要がございます。部会長の選任につきましては、社会保障審議会令の規定により、「部会長は当該部会に属する社会保障審議会の委員の互選により選任する」とされております。当部会に所属されている社会保障審議会の委員は、菊池委員と駒村委員のお二人でございますので、事前にお二人で互選をしていただきましたところ、菊池委員に部会長をお願いすることになりましたので、御報告させていただきます。

 それでは、以降の進行については菊池部会長にお願いいたします。

○菊池部会長 このたび年金数理部会長を務めることになりました、菊池でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 前任の山崎泰彦先生は、大変社会保障各分野に造詣の深い先生でいらっしゃいまして、また、数多くの審議会等のまとめ役も務めてこられた重鎮の先生でございます。その点、いささか私は非力ではございますが、皆様の御協力をいただきながら、当部会の円滑な運営に努めてまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 まず、議事に先立ちまして、私から、部会長代理の指名をさせていただきたいと存じます。社会保障審議会令の規定により、「部会長に事故があるときは、当該部会に属する委員又は臨時委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理する」とされております。私としては、佐々木委員にお願いしたいと存じます。本日御欠席でいらっしゃいますが、事前に御本人から御承諾いただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、審議に入りたいと思います。

 社会保障審議会年金数理部会では、被用者年金制度の安定性及び公平性の確保の観点から、毎年度、財政状況の報告を受けることとなっております。本日は、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済制度の平成26年度財政状況についての報告を聴取いたします。

 カメラの方はおられないようですけれども、おられましたら退室をお願いいたします。

 初めに、国家公務員共済組合の平成26年度の財政状況について報告を聴取いたします。

 それでは、説明者の方々はどうぞ、説明者席へお移りください。

 

(財務省大臣官房 芹生企画官(主計局給与共済課担当)、同 相澤主計局給与共済課共済計理官、国家公務員共済組合連合会 長谷川資金運用部長、同 早坂年金企画部長、同 小林数理第一課長 説明者席へ移動)

 

○菊池部会長 本日は、お忙しい中、財務省大臣官房の芹生企画官(主計局給与共済課担当)と相澤主計局給与共済課共済計理官、国家公務員共済組合連合会の長谷川資金運用部長、早坂年金企画部長と小林数理第一課長に御出席をいただいております。どうもありがとうございます。

 それでは、説明をお願いいたします。

○芹生大臣官房企画官 それでは、御説明させていただきます。「平成26年度財政状況-国家公務員共済組合-」という資料をご覧いただけますでしょうか。

 1ページ目をご覧ください。こちらは国家公務員共済組合連合会の財政状況について、直近5年間の推移を掲載しております。このうち平成26年度においては、収入総額は1兆9,762億円、対前年度697億円、3.7%の増加となっております。国家公務員共済組合連合会の会計につきましては、法令上、簿価ベースを原則としておりますが、時価ベースで申し上げますと2兆3,001億円、対前年度2,262億円、10.9%の増加となっております。

 収入の内訳ですが、まず、保険料収入は1兆1,263億円でありまして、対前年度711億円、6.7%の増加でございます。これは平成24年度、25年度に実施されていた国家公務員の給与の特別減額が終了し、総報酬額が前年度に比べて増加したということ、また、保険料率につきまして、厚生年金と同様に年間0.354%で引き上げを行っていることなどによりまして保険料収入が増加しているところでございます。

 次に、国庫・公経済負担は2,847億円でありまして、対前年度51億円、1.8%の増加となっております。この増加の要因につきましては、後ほど支出のところで御説明申し上げますが、基礎年金拠出金額の増加に伴うものでございます。

 続きまして、追加費用は2,605億円でありまして、対前年度377億円、12.6%の減少となっております。追加費用につきましては、自然減によるもののほか、平成25年8月から年金の一元化による給付の削減によりまして、その支出見合いの収入の削減が行われておりますが、これを平年度化したことによるものでございます。

 運用収入につきましては2,262億円であり、対前年度で418億円、22.7%の増加となってございます。なお、国共済の場合、有価証券の売却損及び運用に係る費用が支出項目の「その他」に計上されておりまして、これらの費用を控除した正味の運用収入で申し上げますと2,244億円、時価ベースで申し上げますと5,483億円となります。

 資料の下のほうに目を移していただきまして、これらを利回りで見ますと、簿価ベースで3.20%、時価ベースで7.45%となってございます。

 次に、支出についてでございますが、支出総額は2兆1,152億円であり、前年度に比べ863億円の減、3.9%の減少となっております。内訳でございますが、給付費が1兆5,453億円であり、対前年度で762億円、4.7%の減となっております。この減少につきましては、平成25年8月の追加費用の削減、平成26年4月の年金の特例水準の解消を含む年金額改定△0.7%などが主な原因となってございます。

 基礎年金拠出金につきましては5,544億円であり、前年度に比べまして113億円、2.1%の増となっております。

 その次の年金保険者拠出金28億円は、旧JRJT両共済に対しての支援のための拠出金でございますが、こちらは前年度とほぼ同程度の金額となってございます。

 財政調整拠出金ですけれども、平成26年度には69億円を計上されています。これは財政単位を一本化している地方公務員共済との間の財政調整のための支出でございます。国家公務員共済と地方公務員共済の財政調整では、国共済、地共済それぞれ、2階、3階部分の賦課保険料率である独自給付費用率というものに着目しまして、毎年度、国家公務員共済と地方公務員共済の独自給付費用率が均一になるよう財政調整を行うという制度になってございます。

 平成23年度までは、地共済から国共済への財政調整による拠出が行われてきたところですけれども、平成24年度以降は地共済のほうが国共済に比べて給付費の伸び率が高かったこと、また、支え手側の組合員数の減少が地共済のほうが国共済より大きかったことなどから、国共済から地共済に対する財政調整による拠出が行われてございます。

 平成26年度は、以上のような収入及び支出がございました結果、これらを差し引いた収支残は△1,391億円でございまして、年度末積立金は7兆1,285億円となってございます。これについて時価ベースで見ますと、収支残は1,849億円のプラス、年度末積立金は7兆7,999億円となってございます。

 1ページ飛ばしていただきまして、3ページをご覧ください。給付の状況に関する資料でございます。平成27年3月末の国家公務員共済の受給権者は、一番上の欄ですけれども、合計で1262,000人であり、前年度に比べて1万7,000人、1.4%増加してございます。

 年金総額につきましては、その下の欄に掲載してございますが、合計で1兆6,613億円、対前年度で△188億円、1.1%の減少となってございます。

 続きまして、4ページの平均年金月額について御説明申し上げます。下段の表の平成27年3月末の数値をご覧いただきますと、一番上の141,373円が退職年金の受給権者に係る平均年金月額でございます。こちらは対前年度で△2,372円、1.7%の減少となっております。この平均年金月額には、日本年金機構から支払われる基礎年金の金額は含まれてございません。

 そこで、厚生労働省から提供されたデータを用いて基礎年金額を含む平均年金月額を推計しましたところ、3つ下の欄にありますように、186,052円となりまして、対前年度で△790円、0.4%の減少となってございます。

 5ページは、男女別の同様の資料でございますので、説明を割愛させていただきます。

 6ページにつきましては、老齢基礎年金の資格期間を満たしている組合員が退職年金を受け取る際に裁定を受けるわけですけれども、その新規裁定者の平均年金月額をお示ししたものです。新たに退職した方々が受け取る年金額の推移の表でございます。

 平成26年度の欄をご覧いただきますと、一番上の122,952円が男女合計の平均年金月額でありまして、対前年度で△5,236円、4.1%の減少となっております。

 その下のブロックは男女別に表示したものでございますが、平均年金月額は、新規裁定者につきまして、男性は125,385円、女性は106,219円となっております。

 この後、7ページから9ページにございます資料は、退職年金相当受給者の給付状況を年齢別かつ男女の別について表示させていただいた資料ですので、これについての説明も割愛させていただきます。

 続きまして、10ページの表は、退職年金相当の受給権者数について、年齢構成と平均年齢をお示ししたものでございます。構成割合を一番右側の男女計のところでご覧いただきますと、80歳以上85歳未満の年齢層が最多となっておりまして、60歳から85歳未満までについては、それぞれ5年ごとの年齢区分におきまして、15%から21%ずつ分布していることが右側をご覧いただければおわかりになると存じます。

 一番下の欄が平均年齢ですが、男女合計で74.9歳、男性は74.5歳、女性は76.7歳となってございます。

 続きまして、組合員の状況について御説明申し上げます。11ページをご覧ください。平成27年3月末の欄をご覧いただきますと、一番上にございます1061,000人というのが国共済の組合員数でございまして、こちらは対前年度で6,000人、0.5%増加してございます。男女の別で申し上げますと、男性は805,000人、女性は256,000人となっており、全体の約8割を男性組合員が占めてございますが、徐々にではございますけれども、女性組合員の割合は増加しているという状況でございます。

 組合員の平均年齢は41.3歳でございまして、男女の別では、男性は42.4歳、女性は38.0歳となってございます。

 標準報酬月額の平均につきましては413,568円でありまして、前年度に比べて1万5,441円の増加となってございます。こちらは先ほどご説明いたしました平成24年度、25年度の給与の特別減額の措置が解消されたことによるものでございます。男女の別では、男性は432,059円、女性は355,295円となってございます。この金額に賞与を含めた総報酬の額で見ますと、下段の表の一番下の欄にございますけれども、総報酬の組合員1人当たりの月額は、男女合計で531,618円でございまして、対前年度2万386円の増加となってございます。

 続きまして、12ページをご覧ください。組合員の年齢階層別、加入期間別の分布表でございます。階層別に見ますと、40歳以上45歳未満が16.9%と最も多く、次いで45歳以上50歳未満が14.1%となってございます。加入期間・階級別の分布ですが、表の下の「合計」と記載された行を左から右へご覧いただきますと、加入期間5年未満が17.6%、加入期間5年以上10年未満が14.4%などとなっております。

 次に、13ページ、14ページにつきましては、男女ごとに年齢階層別の分布を示した資料でございます。こちらは説明を割愛させていただきます。

 また、15ページにつきましても、先ほどお話しした標準報酬月額について、こちらも男女ごとに等級別の分布を示したものです。先ほど標準報酬月額の平均額については男女の合計で413,000円ということを御説明申し上げましたが、その等級ごとの分布を示したものですので、これについても御説明は割愛させていただきます。

16ページをご覧ください。国共済の積立金の資産構成をお示ししております。こちらにつきましては、運用という観点でございますので、時価ベースの数字で御説明をさせていただきます。

 平成26年度末における年金積立金の合計額は7兆7,999億円となってございます。97.7%は固定資産として運用を行っており、その資産額は7兆6,217億円となっております。残りの金額につきましては流動資産ですが、こちらは現金・預金477億円のほか、未収金などを含めて合計で1,796億円となってございます。

 固定資産の中で、財政融資資金への預託金というのがございまして、こちらが3兆9,520億円ございます。その預託金の下の行の有価証券等が3兆3,698億円、続きまして、不動産が1,546億円、各種共済組合や福祉経理に貸し付けている貸付金が1,453億円となってございます。

 有価証券等につきまして、運用形態ごとに見ますと、委託運用している部分が2兆1,396億円、自家運用が1兆2,302億円となってございます。委託運用は、主に国内株式及び外国株式による運用でございまして、自家運用は、全て国内債券で運用をしてございます。

 有価証券の種別ごとの保有資産額を見ますと、国内株式が9,791億円でありまして、右側にございますとおり積立金の12.6%、外国債券は2,053億円、2.6%、外国株式は9,553億円、12.2%となってございます。

 国内債券につきましては、自家運用のところにございますとおり、1兆2,302億円、15.8%となっております。

 それから、先ほど申し上げた財投預託金を国内債券と合算して計算しますと、合計で5兆1,822億円となりまして、年金積立金総額の66.5%を国内債券及び預託金で保有しているというのが現状でございます。

 1枚おめくりいただきまして、ここからは平成21年度の財政再計算に基づく将来見通しと実績との対比を行ってございます。17ページは収支状況についての比較表です。まず、収入の合計欄をご覧いただきますと、将来見通しにおきましては収入が2兆2,774億円であったのに対しまして、実績では1兆9,762億円と3,012億円下回っているという状況にございます。この主な原因といたしましては、賃金上昇率の実績が将来見通しの前提を下回ったことなどから、保険料の収入が見通しを下回っているということ収入の欄のその他の数値の内数として、将来見通しでは地共済からの財政調整拠出金収入を見込んでいたものが、実績においては財政調整拠出金の受け入れがなかったということによるものでございます。それから、実績の方では、平成25年8月に追加費用の削減がありましたので、追加費用の国庫からの交付額が減ったというものでありますが、こちらは収入と支出、それぞれの減少要因になってございます。

 次に支出の合計欄をご覧いただきますと、将来の見通しは2兆2,774億円であったのに対しまして、実績は2兆1,152億円と1,622億円少なくなってございます。こちらは年金改定率がマイナスの改定になったということで、給付費の実績が見込み額を下回ったこと、追加費用の削減を平成25年8月以降行っているということ、これは収入と支出、同様に減少要因となっているものですが、こういったことで見込み額に対して実績額が下回った状況になってございます。

 続きまして、18ページをご覧ください。こちらは組合員数と年金の受給者数について、将来見通しと実績とを対比した表でございます。平成26年度末の組合員数は、将来見通しが952,000人であったのに対し、実績は1061,000人となっております。実績が将来見通しを上回っておりますが、これは将来見通しでは保守的な考え方に立って組合員数を見込んでいたことが主な要因と考えてございます。

 受給者数につきましては、将来見通しが1327,000人となっているのに対して、実績は1232,000人となっております。この中で特に通退相当の乖離が大きくなってございます。通退相当につきましては、将来見通しが302,000人であるのに対して実績が228,000人となっております。将来見通しにおいては、通退相当については年金受給権を取得すると即時に受給者になるという考え方で計上しているということでございますが、実際には遅れて請求される方が多く存在しているために乖離が存在しているものでございます。こうした事象については、請求書を送付するなどによって解消に向けた取り組みを現在行っているところであります。

19ページ以降は、各種財政指標についての実績と平成21年度の財政再計算の比較を示してございます。19ページは年金扶養比率でございますが、平成26年度の実績は1.53でございして、対前年で0.01増加しているところでございます。

 平成21年財政再計算の結果では1.41であり、実績のほうが0.12高くなっておりますが、この主な要因は、組合員数の実績が将来見通しより多かったということでございます。

 2枚おめくりいただきまして、21ページをご覧ください。こちらは総合費用率の実績と財政再計算の対比でございます。平成26年度をご覧いただきますと、実績につきましては22.1でありまして、平成21年財政再計算の結果の19.4と比べて2.7ポイント高くなってございます。主な要因としましては、総合費用率の計算の分子となる報酬総額が見込み額ほどには増加しなかったということ、財政調整について見込みと実績に差異が生じたものによるものと考えております。

 続きまして、1ページ飛ばして23ページをご覧いただけますでしょうか。独自給付費用率でございますが、こちらにつきましては、平成26年度の実績は18.0であり、平成21年財政再計算の結果の15.9ポイントと比べて2.1高くなってございます。

 続きまして、1ページ飛ばして25ページをご覧ください。保険料比率でございます。平成26年度の実績値75.6%に対して、平成21年財政再計算の結果が86.2%でございますので、こちらは10.6ポイント低くなってございます。

 1枚おめくりいただきまして、26ページが収支比率でございます。平成26年度の収支比率の実績は、簿価ベースで110.1でありまして、平成21年財政再計算の結果の99.9と比べて10.2ポイント高くなってございます。

 最後に、積立比率につきまして、27ページをご覧ください。平成26年度の実績値は簿価ベースで4.9でございまして、対前年度で0.1ポイント低下してございます。平成21年財政再計算の結果は5.5と見込まれておりましたが、実績のほうが0.6低くなってございます。

 大変簡単ではございますけれども、国家公務員共済組合の財政状況についての御説明は以上です。

 続きまして、年金積立金の仕分けについて補足的な説明を申し上げたいと思います。

○相澤共済計理官 続きまして、資料4「被用者年金一元化に伴う積立金概算仕分けの概要」について御説明申し上げます。

 昨年10月7日の第66回「年金数理部会」におきまして、当時の宮武部会長代理から「、国共済の旧3階の積立金はいつごろ枯渇して地共済から財政調整を受け入れるようになるのか」という趣旨の御質問がございました。これに対しまして、私のほうから、「それは10月1日の段階で旧3階の積立金がいくら残るのかということかと思います。現在集計中ですので、後日、資料提出もしくは御報告させていただきます」とお答えしておりましたので、資料4を提出させていただきました。

 資料の1ページをご覧ください。被用者年金一元化に伴う積立金仕分けにつきましては、平成26年度末の厚生年金の積立金と、平成27年度1年間の厚生年金給付費との比率、これを政府積立金比率と言いますが、この比率を国共済、地共済、私学共済それぞれについて、平成27年度1年間の厚生年金給付費に相当する部分の給付費に乗じまして、算出されました額を厚生年金の実施機関積立金とみなしまして、残りを経過的長期給付積立金、すなわち旧3階の積立金としまして、旧3階の給付の費用とします。

 被用者年金一元化の時点では、当然こうした数値の確定値は不明ですので、概算値として仕分けを行いまして、平成28年度以降に精算を行うこととなります。昨年10月7日の第66回「年金数理部会」の際の参考資料にもございますが、概算での政府積立金比率は4.9、この結果算出される3共済の厚生年金部分の積立金は、国共済が7.1兆円、地共済が20.1兆円、私学共済が2.1兆円ということでした。その結果、10月1日の時点で3共済の旧3階に残る積立金につきましては、国共済が0.7兆円、地共済が21.1兆円、私学共済が2.0兆円ということでございました。ちなみに、これらの数字につきましては時価ベースの数字となってございます。

 資料の2ページ以降につきましては、国共済、地共済、私学共済それぞれにつきまして、10月1日時点での厚生年金部分及び旧3階部分の積立金の時価評価額、簿価評価額、評価損益額を資産の種類別に表示しております。

 なお、国共済の旧3階積立金につきましては、10月1日の時点での規模が0.7兆円、先日公表いたしました平成27年度の第3四半期末の速報値での旧3階積立金、これは簿価での数字になりますが、0.65兆円でしたことを踏まえますと、大体数年程度で地共済からの財政調整拠出金を受け入れることとなるものと見込まれております。

 私からは以上です。

○菊池部会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明に関しまして、委員から何か御質問等ございましたら、お願いいたします。

 野上委員、どうぞ。

○野上委員 ありがとうございます。

 1点だけ、16ページの運用ですが、対象年度の中ごろでポートフォリオ等の見直しをされていると思うのです。この数字を見ますと、あまりリスク資産というのはふえていないようなのですが、これはその後の展開を考えますと結果的にはよかったのではないかと思いますが、意図的にやられたのか、たまたまこうなったのか、そのあたりを御説明いただければと思います。

○相澤共済計理官 ポートフォリオの見直しにつきましては、御指摘のとおり、平成27年2月に一元化前の仕組みのもとで基本ポートフォリオの見直しを行いまして、見直し後の基本ポートフォリオをそのまま一元化後の厚生年金積立金において使っているという状況でございます。

 先ほど説明にもありましたとおり、預託金を大量に保有してございますが、これは償還期限を待たずに解約しますと損失が発生しますので、徐々にこれを償還していきまして、徐々に基本ポートフォリオの中心値に近づけていくという途中でございます。結果的に、かなり緩やかに動いている状況でございます。これがよかったと見るかどうか、それはいろいろ御意見があろうかと思います。

○野上委員 ありがとうございます。

○菊池部会長 ほかにはいかがでしょうか。

 駒村委員。

○駒村委員 1つ教えてもらいたいのですけれども、資料4で説明いただいた仕分けした資産の構成が共済によって、例えば国内株式のウエートとかが全部違うわけですけれども、これはどういう理由でこのような資産の構成の切り分けになっているのか、ここを教えていただけますでしょうか。

○相澤共済計理官 お答えします。

 積立金の仕分けにつきましては、厚生年金のほうに額を幾ら持ってくるかということのみ決まりがございまして、資産構成をどうするかということは規定されておりません。法令上は、旧3階と厚生年金それぞれ保有できる資産の種類は両方とも同じでございます。つまり、国共済で申し上げますと、旧3階のほうに不動産や貸付金がございますが、法令上は、こうした資産につきまして、厚生年金のほうでも持てるようになってございます。

 国共済の積立金の仕分けに際しましては、2点考慮いたしました。1点目は、不動産や貸付金について、これはどういう資産かと申しますと、国家公務員向けの福祉事業への投資でございますので、これは厚生年金のほうで保有するよりは旧3階で保有するほうがふさわしいだろうということで、旧3階のほうに仕分けてございます。

 2点目は、旧3階の積立金の規模ですが、先ほど御説明しましたとおり0.7兆円と非常に少ない規模でございまして、数年程度で枯渇してしまう状況でございます。そこで、預託金について、償還期間が長いものではなく、短いものを優先的に旧3階に仕分けることとしました。そうした結果、資料でお示ししているような形になってございます。

 地共済、私学共済につきましては、それぞれの共済の考え方があるかと思いますので、それぞれの説明のときにお聞きいただければと思います。

○駒村委員 わかりました。

○菊池部会長 いかがでしょうか。何かございますか。

○長谷川資金運用部長 若干補足させていただきます。

 積立金の規模を踏まえまして、まず自家運用、委託運用の金融資産につきましては、全額共通財源でございます厚生年金積立金に仕分けまして、一方で、連合会が行う共済事業に起因して保有する資産でございます共済独自資産である貸付金、不動産につきましては、その運用に伴うリスクは国家公務員全体で負うべきものであり、共通財源である厚年積立金で直接保有することは適当ではないという考え方のもと、これは資産運用委員会でもそういう議論をしていただいたところですが、全額旧3階に片寄せさせていただきました上で、資産の大宗を占めます財投預託金を両者の規模に応じて配分し、さらに残額調整を短期資産で行ったというようなプロセスでございます。

○菊池部会長 駒村委員、よろしいですか。

○駒村委員 わかりました。

○菊池部会長 それでは、田中委員、お願いいたします。

○田中委員 それでは、1つだけ御質問いたします。

11ページですが、組合員数が今年は少し増加したということと、給与の削減が停止になっということで、財政が非常に好調だったのですが、組合員数が今回わずかですけれども増加した理由について、何かあるとすれば教えていただきたい。

○早坂年金企画部長 お答えいたします。

 組合員数が若干ですがふえているのは、医療系の共済組合の組合員数の増加が結構ございます。これは、平成18年の診療報酬改定で看護師の配置基準が10対1から7対1という設定が行われたこと、その関係でトータルで26年度については微増となっております。また、女性の組合員数もふえておりまして、今、申し上げました看護師の配置基準の変更というのが一つの大きな要因かと思いますが、それ以外にも、各省庁をそれぞれ見ましても、どこの省庁も大体少しずつふえているという状況になってございます。

○田中委員 ありがとうございました。

○菊池部会長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 以上で国家公務員共済組合の財政状況についての報告の聴取を終了いたします。

 御説明いただいた方々には、お忙しい中どうもありがとうございました。どうぞ席にお戻りください。

 

(財務省大臣官房 芹生企画官(主計局給与共済課担当)、同 相澤主計局給与共済課共済計理官、国家公務員共済組合連合会 長谷川資金運用部長、同 早坂年金企画部長、同 小林数理第一課長 関係者席へ移動)

 

○菊池部会長 続きまして、地方公務員共済組合の平成26年度の財政状況について報告を聴取いたします。

 説明者の方々はどうぞ、説明者席へお移りください。

 

(総務省自治行政局公務員部福利課 吉川課長、同 福嶋課長補佐、同 向山数理官、地方公務員共済組合連合会 北澤資金運用部長、同 大須賀年金業務部長 説明者席へ移動)

 

○菊池部会長 本日は、お忙しい中、総務省自治行政局公務員部福利課の吉川課長、福嶋課長補佐、向山数理官、地方公務員共済組合連合会の北澤資金運用部長と大須賀年金業務部長に御出席いただいております。ありがとうございます。

 それでは、御説明をお願いいたします。

○吉川課長 それでは、資料2をご覧いただきたいと思います。

 1ページをお願いいたします。地方公務員共済組合の収支状況についてでございます。平成26年度の欄について御説明をさせていただきます。まず収入でございますが、収入総額は6兆1,059億円で、前年度に比べまして3,034億円、5.2%の増加となっております。なお、時価ベースの収入総額は8兆4,471億円となっております。以下、その内訳でございますが、保険料は3兆961億円で、対前年度比1,437億円、4.9%の増加となっております。増加要因につきましては、国共済と同様でございますけれども、地方でも平成25年度に国の要請を受けて給与削減措置がございました。この終了によりまして、総報酬ベースの増加が見られるというところでございます。

 公経済負担につきましては7,147億円で、対前年度比575億円、8.7%の増加となっております。

 追加費用は6,468億円で、前年度に比べ923億円、12.5%の減少となっております。

 運用収入ですが1兆4,684億円で、前年度に比べ2,239億円、18.0%の増加となっております。また、有価証券売却損等の費用を除きました正味運用収入は1兆4,648億円となっておりまして、さらに正味運用収入に評価損益を加味した時価ベースでの運用収入は3兆8,060億円となっております。

 基礎年金交付金につきましては1,698億円で、対前年度比138億円、7.5%の減少となっております。

 財政調整拠出金につきましては、先ほど国共済の御説明にもございました、国共済から地共済に69億円の拠出金が拠出をされているところでございます。

 その他は33億円です。

 次に、支出でございますが、支出総額は5兆7,917億円で、前年度に比べ1,465億円、2.5%の減少となっております。以下、その内訳でございますが、給付費が4兆3,520億円で、対前年度比2,054億円、4.5%の減少となっております。特例水準の解消や追加費用の削減等によるものでございます。

 基礎年金拠出金は1兆4,214億円で、対前年度比640億円、4.7%の増加となっております。

 年金保険者拠出金につきましては80億円、対前年度比5億円、7.0%の増加となっております。

 財政調整拠出金につきましては、地共済から国共済への拠出金はないということでございます。

 その他は103億円で、前年度に比べ56億円、35.1%の減少となっております。

 以上を合わせまして、収入総額から支出総額を差し引きました収支残は3,142億円、対前年度比4,498億円の増加となっております。

 なお、時価ベースでの収支残は2兆6,554億円となっております。

 その下の欄ですが、年度末積立金をご覧いただきますと、369,938億円となっておりまして、積立金運用利回りは4.06%と前年度を0.64ポイント上回っている状況でございます。

 なお、時価ベースでは年度末積立金が424,811億円、同じく時価ベースの積立金運用利回りは9.66%となっております。

 以上が26年度の財政状況の概要でございます。

 2ページは省略させていただきまして、3ページの給付状況をご覧いただきたいと思います。平成27年3月末の欄をご覧いただきますと、受給権者数のうち退年相当が2012,000人、通退相当が273,000人、障害年金が5万1,000人、遺族年金645,000人、合計で一番上の欄ですが2981,000人となっております。前年度に比べ6万3,000人、2.1%の増加でございます。

 次に、年金総額につきましては、退年相当給付が3兆5,976億円、以下ご覧のような額となっておりまして、合計では4兆6,857億円で、前年度に比べ1億円の増加となっております。

 年金総額が前年度あるいは前々年度と比較して減少している要因といたしまして、25年度において特例水準の解消あるいは追加費用の減額があったこと。また、退職共済年金の支給開始年齢の引き上げがあったことなどによるものでございます。

 以下は、全額支給、一部支給、全額停止について表にしたものでございます。

 4ページをお開き願います。まず、上の表でございますが、退職給付について、減額支給、増額支給別にあらわしたものでございます。いわゆる繰り上げ支給と繰り下げ支給ということになります。減額支給の受給者は、平成27年3月末では6万1,000人、その年金総額は退年相当給付の885億円及び通退相当給付の2億円となっております。増額支給につきましては3,000人該当がございまして、合計で46億円となっております。

 その下の表でございますが、退職年金の平均年金月額149,031円でございまして、前年度に比べ2,866円、1.9%の減少となっております。

 そこから3段下をご覧いただきますと、基礎年金を含めた平均年金月額でございまして、金額は191,237円、前年度に比べ1,370円、0.7%の減少となっております。

 さらに2段下をご覧いただきますと、退職年金平均加入期間でございます。425カ月となっております。

 次の欄は通退相当でございますが、老齢基礎年金を含めずに計算した平均年金月額2万4,059円となっております。なお、平均加入期間は101月となっているところでございます。

 5ページは、それを男女別にあらわしたものでございます。

 次に、6ページをお開きいただきたいと思います。加入期間20年以上の新規裁定に係るものでございます。平成26年度の欄をご覧いただきまして、退職年金の平均年金月額は132,452円、前年度に比べ3,708円、2.7%の減少となっております。

 そこから3段下の平均加入期間でございますが、437月となっております。

 続いて、7ページをお開きいただきたいと思います。退年相当につきまして、支給区分別、年齢別に表にしたものでございます。この中では、右から2番目の27年3月末の欄でございますけれども、上から10段目、60歳の受給権者数が9,000人となっております。以下、年齢別に示させていただいております。

 8ページ、9ページは男女別にあらわしたものでございますので、省略をさせていただきます。

 次に、10ページをお願いいたします。退年相当の受給権者について、年齢階級別にあらわしたものでございます。これをご覧いただきますと、男性、女性ともに65歳から69歳の階級が一番多くなっております。次いで60歳から64歳が続き、その後は年齢階級が高くなるにつれて減少しております。平均年齢は、下の欄ですが、男性が73.1歳、女性が73.8歳、男女合計が73.3歳となっております。

11ページからは組合員の状況でございます。まず組合員数でございますが、平成27年3月末現在で2831,000人、対前年度で1,000人の減少。地方公務員のほうは組合員数が減少をしております。

 平均年齢ですが、男性が44.3歳、女性が42.0歳で、全体では43.4歳となっております。

 平均給料月額につきましては、34287円、3.6%の増加となっております。

 下の表に移りまして、標準報酬月額総額でございますが、地共済では、被用者年金一元化法の施行前の昨年9月までは標準報酬制ではなく給料制を採用しておりまして、給料ベースを標準報酬に換算した数字をお示ししておりますが、これが143,820億円でございます。対前年度比で3,876億円、2.8%の増加となっております。

 標準賞与総額につきましては4兆3,751億円で、対前年度比1,591億円、3.8%の増加となっております。

 総報酬ベースの標準報酬総額につきましては187,571億円で、対前年度比5,467億円、3.0%の増加となっております。

 組合員数の年度間平均でございますが、男性が1733,000人、女性が1102,000人、合計で2836,000人となっております。

 総報酬ベースの標準報酬総額の年度間平均ですが、男性が567,353円、女性が525,807円で、全体では551,204円となっております。

12ページは、組合員数を年齢階級・組合員期間別に区分したクロス表でございます。年齢階級別でご覧いただきますと、右側の合計のところで50歳から55歳未満が約413,000人、55歳から60歳未満が約424,000人、50歳から60歳未満の範囲の人数の割合が比較的高く、この2つの階級で全体の29.6%を占めているということであります。

 一方、若い世代をご覧いただきますと、これは2つ欄を足していただきますが、20歳代が432,000人で15.3%、30歳代が665,000人で23.5%という内訳になっております。

 また、組合員期間別、横にご覧いただきますと、5年未満の範囲が最も多くなっております。全体の15.1%を占めておりまして、次いで、20年から25年未満が14.1%となっております。

13ページ、14ページは男女別でございますので、省略させていただきます。

 次に、15ページが給料月額の分布でございます。地共済につきましては、先ほども申し上げましたとおり、被用者年金一元化施行前は標準報酬制ではなく給料制を採用しておりましたので、従来から基本給1万円単位の数字で提出をさせていただいております。平均給料月額でございますが、一番下の欄にございますように、男性が約348,000円、女性が約327,000円、合わせて約34万円となっております。分布をご覧いただきますと、男性、女性とも42万円以上43万円未満の範囲に属する割合が最も高くなっております。

 続きまして、16ページが積立金の運用状況でございます。まず資産構成でございますが、平成26年度末における長期給付積立金の総額、こちらも時価で御報告をさせていただきますが、424,811億円となっております。内訳をご覧いただきますと、有価証券等が388,923億円、これが資産全体のおよそ9割を占めております。

 また、この有価証券等のうち、包括信託が時価ベースで373,935億円でございます。その1段下の有価証券、これはいわゆる自家運用の部分でございますけれども、7,791億円となっております。

 特記事項のほうに有価証券等についての資産区分を示してありますので、ご覧ください。

 次に、17ページ以降は平成26年度の決算と平成21年財政再計算における将来見通し等を比較したものでございます。まず、収支状況の比較でございます。収入につきましては、保険料の将来見通しが3兆6,552億円でありましたところ、実績は3兆961億円となっております。主な要因といたしまして、賃金上昇率の影響、あるいは期末手当支給割合の影響等により発生したものと考えられます。

 また、運用収益につきましては、将来見通し9,951億円に対しまして、実績は1兆4,684億円でございます。主な要因といたしまして、運用利回りの将来見通しが2.6%でございましたが、実績は4.06%になったということがございます。

 こうしたことから、収入総額につきましては、将来見通しの6兆3,178億円に対しまして、実績は6兆1,059億円となっております。

 続いて、右側の支出をご覧いただきたいと思います。給付費の将来見通しは4兆7,829億円としておりましたところ、実績では4兆3,520億円となっております。これは主に受給者数の実績が将来見通しよりも少なかったためであると考えております。

 基礎年金拠出金につきましては、将来見通しの1兆3,341億円に対しまして、実績は1兆4,214億円となっております。

 その他につきましては、将来見通し1,971億円に対し、実績は183億円となっております。

 以上のようなことから、支出総額は将来見通しの6兆3,141億円に対しまして、実績では5兆7,917億円となったところでございます。

 次に、18ページをお願いいたします。組合員数及び受給者数について比較した表でございます。組合員数につきましては、将来見通しを273万人としておりましたところ、実績は2831,000人となっております。受給者数は、将来見通し3018,000人に対し、実績は2882,000人となっております。

 新規加入者、脱退者数につきましては、新規加入者の見通しは105,000人、脱退者数の見通しは141,000人としておりましたところ、実績ではそれぞれ137,000人、138,000人となったところです。

 新規裁定者数につきましては、将来見通し314,000人に対し、実績は279,000人、失権者数は、将来見通し22万人に対し、実績は223,000人となりました。

 次に、19ページ以降でございますが、各種の財政指標について、実績と平成21年の財政再計算結果との比較を示したものでございます。まず、年金扶養比率につきましては、支出額として給付費に基礎年金拠出金を加え、基礎年金交付金を控除したものとして計算をしております。上の表の実績をご覧いただきますと、平成26年度の年金扶養比率は1.41となっておりまして、前年度に比べ0.02ポイント減少しております。

 また、追加費用を考慮いたしました保険に係る年金扶養比率でございますが、こちらは1.59で、前年度に比べ0.05ポイント減少しております。

 また、括弧内でございますが、これは受給権者に対して受給者による年金扶養比率でございます。再計算では受給者による年金扶養比率を作成しておりますので、受給者ベースで比較をさせていただきますと、年金扶養比率は将来見通し1.35に対し、上の表の括弧内の数字でございますが、1.43が実績でございます。また、保険に係る年金扶養比率につきましては、将来見通しの1.57に対し、実績はこの括弧の中の1.62となっております。

20ページをお願いいたします。年金種別費用率でございます。平成26年度は老齢費用率が15.7、障害費用率が0.1、遺族費用率が2.9となっておりまして、総合費用率に対する構成割合はそれぞれ69.5%、0.7%、12.9%となっております。

 次に、21ページが総合費用率でございます。上のほうの表でご覧いただきますと、平成26年度における総合費用率の実績は、総報酬ベースで22.6、前年度に比べ1.1ポイント減少しております。また、給料ベースを標準報酬に換算したものでは29.5になっておりまして、前年度に比べ1.4ポイントの減少です。

 下の表の将来見通しと比較いたしますと、平成26年度は21.1と見込んでおりましたが、実績が22.6になったということでございます。

22ページをお願いいたします。厚生年金相当部分に係る総合費用率ということでございます。厚生年金相当部分に限って総合費用率を見ますと、将来見通しが19.0であったのに対し、実績の推計は20.6ということでございます。

23ページに移っていただきまして、独自給付費用率でございます。上の表でご覧いただきますと、平成26年度実績が総報酬ベースで18.8となっております。これは前年度に比べ1.2ポイントの減少です。なお、給料ベースを標準報酬に換算したものでは24.6となっておりまして、将来見通しの18.1に対し、このような実績になっているところでございます。

 続いて、24ページをお願いいたします。厚生年金相当部分に係る独自給付費用率でございまして、将来見通しを16.0としていたところ、実績の推計は16.8となっております。

25ページは保険料比率でございます。平成26年度の実績は73.0でございます。将来見通しは78.81となっておりました。

 次に、26ページが収支比率でございますが、平成26年度の実績は93.0で、前年度に比べ10.0ポイント減少しております。これは運用収入が前年度から増加したことが主な要因となっております。なお、時価ベースでは61.5となっております。将来見通しでは99.7でございました。

 最後に27ページでございますが、積立比率でございます。平成26年度の実績は8.6、対前年度で0.1ポイントの増加となっております。なお、時価ベースでは9.4となっておりまして、将来見通しでは8.3であったところでございます。

 地共済につきまして、以上でございます。

○菊池部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明に関しまして、何か御質問などございましたら、お願いいたします。

 翁委員、どうぞ。

○翁委員 先ほどの田中委員の国共済のほうの質問とも関連するのですが、11ページのところで、組合員数が、女性がふえて、男性が減っているというのは、地方も先ほどの7対1とかそういった医療関係のことが多少関係するのか、それともトレンド的に女性がふえている状況になっているのかということについて少し背景を御説明いただければということ。

 あと、新規加入者につきまして、18ページのところで、21年の財政再計算のときよりもかなり26年度実績がふえているのですが、このあたりの背景も教えていただければと思います。

○大須賀年金業務部長 地方公務員共済組合連合会の大須賀と申します。

 では、回答させていただきます。

 まず組合員数ですけれども、地共済におきましては、各共済組合別に見ますと、わずかに増加しているところと、わずかに減少しているところがありまして、ほぼ似たような状態になっていまして特徴はない。その結果、合計するとわずかに減少という形になりまして、結果としまして、退職された部分見合いの方が新規に入られている。女性占率が高齢の方に比べまして若い方のほうがかなり高くなっていますので、結果としましては、全体の女性占率も高くなっている形になっております。

 あと、見通しの新規組合員数です。現状の新規組合員数につきましては、前回の再計算におきましては割と厳し目に組合員数を少な目に見積もっておりまして、結果として実際のほうが少し大き目に推移しているという形になっております。

 以上となります。

○菊池部会長 よろしいでしょうか。

 それでは、駒村委員、どうぞ。

○駒村委員 先ほど国共済にお願いした質問と同じで、この積立金の概算の仕分けで、厚生年金経理のほうの資産をこういう構成にされた理由について御説明いただき、ここの特徴は団体生存保険が厚生年金経理に入っていますけれども、これについて御説明いただけますでしょうか。

○北澤資金運用部長 地方公務員共済組合連合会でございます。

 1・2階と旧3階の資産の仕分けをした考え方ですけれども、基本的にポートフォリオが1・2階と旧3階で、一緒になっていますので、それぞれの資産の残高を仕分けした段階での1・2階、旧3階のとおりに分けたというものでございまして、1・2階、旧3階とも同じような資産の構成になっているところでございます。

 団体生存保険については、この地方公務員共済組合連合会としての一つの資産の運用としてやっておりましたので、ここは共通財源というよりは旧3階の方の資産ということで仕分けをしたところでございます。

○菊池部会長 駒村委員。

○駒村委員 旧3階と厚生年金経理の資産の構成は全く同じ構成になっているということですか。

○北澤資金運用部長 非常に細かい独自資産の下のほうにあります貸し付けなどのところを除きますと、基本的にはいわゆる大きな4資産では同じ構成になっております。

○駒村委員 わかりました。

○菊池部会長 ほかにいかがでしょうか。

 それでは、野上委員からお願いします。

○野上委員 1点だけ、ちょっと細かい点かもしれないですけれども、先ほど組合員の状況の11ページでございますが、平均年齢を見ますと、高齢化の日本の中では珍しく平均年齢が徐々に若くなっております。これは組織的といいますか、地方公務員の皆さんが若返っているという状況だと思うのですけれども、何か要因があればお教えください。

○大須賀年金業務部長 人員構成としまして、割と高齢の方が現在たくさんいらっしゃいまして、その方がどんどん定年されて若い方にかわっていますので、その結果として平均年齢も少しずつ若くなっているという構造になっております。

○野上委員 退職されるような構成が若干高くなっているということですか。

○大須賀年金業務部長 そうです。

○野上委員 わかりました。

○菊池部会長 それでは、田中委員、お願いします。

○田中委員 2点ほどお伺いしたいのですが、1点は、前にお聞きしたかもしれないのですが、いわゆる標準報酬というものを使っておらず、給料の1.25倍ということにされているようなのです。その理由は、おそらく地方公務員共済のいろいろな組織でなかなか標準報酬がとりにくいということがあったようなことを聞いた覚えがあるのですが、その場合、1.25ということでほかの厚生年金とか国家公務員共済とうまくバランスがとれている状況が今でも成り立っているのかどうか、その辺のチェックみたいなことはどうされているのかということをお伺いしたいのが1点。

 それから、18ページなのですが、平成21年度の財政再計算の将来見通しと組合員数です。組合員数についてはかなり厳し目だということがお話でわかるのですが、受給者数についてもかなり乖離があって、新規裁定者もその実績と将来見通しを比べるとかなり乖離があるのですが、この辺の理由について分析があればお教えいただきたいということです。2点お願いします。

○向山数理官 まず1点目でございますけれども、被用者年金一元化前については給料月額で計算をしていたということでございまして、給料月額に1.25掛けていたわけですけれども、これが標準報酬ベースと大きく変わりないのかということにつきましては、総務省で給与の実態調査というのがございまして、そういったものを毎年確認しまして、それによりますと、給料月額に1.25を掛けると総額で大体同じような額になるので大丈夫ではないかということを確認して、推測しているところでございます。

○大須賀年金業務部長 受給者数につきましては、将来予測につきましては保守的な計算を実施しておりまして、受給者につきましては、受給資格の年齢に達したら即座に年金を開始するという前提で予測しています。その結果としまして、ちょっと大きな数字になる傾向となっております。

 新規裁定者につきましては、多分、予測と実績のぶれというものが大部分だと思うのですけれども、今年度の特徴としましては、1年間ほぼ新規開始がなくて、26年度分ということになるのですけれども、そうすると事務の関係で、本来は26年度なのだけれども、一部27年度にずれ込む部分もありますので、事務上の都合で少し小さくなっているという2つの要因になっていると思っております。

○菊池部会長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 以上で地方公務員共済組合の財政状況についての報告の聴取を終了いたします。

 御説明いただいた方々には、お忙しい中ありがとうございました。どうぞ、席のほうにお戻りください。

 

(総務省自治行政局公務員部福利課 吉川課長、同 福嶋課長補佐、同 向山数理官、地方公務員共済組合連合会 北澤資金運用部長、同 大須賀年金業務部長 関係者席へ移動)

 

(文部科学省高等教育局私学部私学行政課私学共済室 佐藤室長、同 元平室長補佐、日本私立学校振興・共済事業団 松澤数理統計室参事、同 八田資産運用部長 説明者席へ移動)

 

○菊池部会長 続きまして、私立学校教職員共済制度の平成26年度の財政状況について報告を聴取いたします。

 本日は、お忙しい中、文部科学省高等教育局私学部私学行政課私学共済室の佐藤室長と元平室長補佐、日本私立学校振興・共済事業団の松澤数理統計室参事と八田資産運用部長に御出席いただいております。ありがとうございます。

 それでは、御説明をお願いいたします。

○佐藤私学共済室長 文部科学省私学共済室長の佐藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、資料3「平成26年度財政状況-私立学校教職員共済制度-」について説明をさせていただきます。

 1ページでございます。こちらは平成22年度から平成26年度までの収支状況をお示ししたものでございますが、このうち平成26年度の状況について説明をいたします。

 収入総額については6,534億円で、前年度に比べまして320億円、4.7%減少しております。2段目の括弧書きは時価ベースで収入総額を示しておりますが、9,022億円で、前年度に比べまして1,341億円増加しております。

 収入の内訳でございますが、掛金については3,966億円で、前年度より154億円増加しております。掛金の収入増の要因としては、前年度に比べまして掛金率を0.354%引き上げているということ。それから、後ほどまた出てまいりますが、加入者数が1万人ほど増えているということが挙げられるかと思っております。

 国庫負担については1,140億円、前年度に比べまして80億円増加となっております。

 運用収入については、簿価ベースで1,282億円、前年度に比べまして534億円、29.4%の減少となっております。この運用収入から有価証券売却損などの費用を減じた正味運用収入の額は、括弧書きの上段にあります924億円でございます。これに年度末積立金の評価損益の増減分を加算しました時価ベースの額が、括弧書きの下段にあります3,413億円となってございます。

 次に、支出でございますが、平成26年度の支出総額は5,912億円で、前年度に比べまして297億円、5.3%増加しております。このうち給付費については2,864億円で、3億円、0.1%の減少となっておりますが、これは平成26年4月に行われました年金改定がマイナス改定になったということが大きな要因ではないかと考えております。

 また、基礎年金拠出金については2,246億円で、163億円、7.8%の増となっております。これについては、拠出金全体の額が膨らんでいるということで、特に加入者数の増加による拠出金の対象者数の増加が原因ではないかと考えております。

 年金保険者拠出金については442億円で、前年度より217億円減少しております。

 その他については360億円で、前年度より354億円の増加となっておりますが、これは年金資産として保有しておりました固定資産のうち、特記事項にも記載しておりますが、平成18年度から平成25年度まで、損益外の減損処理を行っておりました不動産について、平成26年度に売却処理をしたために、その損失分を固定資産売却損として処理したというものでございます。

 収支残については、簿価ベースですと623億円で、前年度に比べまして617億円減少しております。時価ベースですと3,111億円で、前年度に比べまして1,044億円増加となっております。

 その下の年度末積立金については、簿価ベースで3兆6,428億円、こちらは965億円、2.7%の増と、時価ベースですと4兆1,925億円で3,453億円、9.0%の増となっております。

 積立金の運用利回りについては、簿価ベースで2.61%、時価ベースで8.96%となっております。

 次に、2ページでございますが、これは先ほどの収支状況を図式化したものでございますので、説明は省略をさせていただきます。

 3ページです。こちらは給付状況のうち、年金受給者数、年金総額等を5年間推移でお示ししておりますが、平成27年3月末の状況についての説明をさせていただきます。

 受給権者数でございますが、44200人で、こちらは前年度と比較しまして1万9,300人、4.6%増加しております。このうちいわゆる退年相当が129,000人、通退相当が239,300人となっております。私学の場合には短期間での退職者が大変多いということがありまして、通退相当の人数が多いという状況になっております。

 年金総額でございますが、こちらは3,365億円で、前年度と比較しまして56億円、1.7%の増となっております。このうち退年相当につきましては2,207億円で、33億円増加しまして、通退相当のほうは627億円で8億円の増加となってございます。

 次に、4ページでございますが、上段の表は退職給付についての減額及び増額支給の人員と年金総額です。平成27年3月末の状況は、減額支給の人数は800人、年金総額は10億円となっております。増額支給の人数は8,600人、年金総額は92億円となっております。

 次に、下段の表でございますが、こちらは退職年金の平均年金月額についてでございます。平成27年3月末の退職年金の平均年金月額は142,629円で、前年度に比べまして1,710円、1.2%の減少となります。この減少要因としましては、先ほどのとおり、年金のマイナス改定の影響があったと考えております。

 そこから3つ下の欄の基礎年金を含めた平均年金月額は187,940円で、前年度よりも265円、0.1%の減少ということになっております。

 5ページに参りまして、こちらは先ほどの4ページの下段の表を男女別にしたものでございますので、説明は省略をさせていただきます。

 6ページですが、こちらは加入者期間20年以上の新規裁定の退職年金の平均年金月額でございますが、平成27年3月末の状況は134,334円で、前年度に比べまして4,870円、3.5%の減少となっております。

 その3つ下の退職年金平均加入期間については407月となっております。

 その下の男女別の説明は省略をさせていただきます。

 次に、7ページでございます。こちらでは平均年金月額についての年齢別及び年金額の構成要素別の状況をお示ししてございます。1つだけ御紹介します。下のほうにあります65歳以上本来支給分のところで148,344円、さらにこれに基礎年金の推計値を加算した平均年金月額で206,860円という状況になっております。

 8ページ、9ページは、これをさらに男女別にしたものでございますので、説明は省略をさせていただきます。

 次に10ページでございます。こちらは退職年金受給権者(退年相当)の年齢構成でございます。年金受給権者数は全体で計の欄の合計のところ、129,000人でございます。その年齢構成を見ますと、上から2つ目、65歳から70歳未満の割合が一番高くて25%となっております。平均年齢につきましては、男性で72.2歳、女性で73.6歳という状況でございます。

 次に、11ページからは加入者の状況でございます。上段の表でございますが、加入者数については、平成27年3月末で517,100人ということで、前年度に比べまして1万300人、2.0%の増加となっております。このうち女性の増加が大きくて、前年度に比べまして8,500人、3.0%の増加となっております。この要因としましては、加入者が増えている主な学校種別として大学と幼稚園があげられます。大学ですと、私立大学病院の女性看護師などの医療スタッフが増えています。幼稚園については、私立の幼稚園に例えば認定こども園あるいは保育園などが増設されて教員が増えています。それが増加の要因ではないかと考えております。

 加入者の平均年齢については42.1歳で、男性が47.0歳、女性は38.2歳となっております。

 標準給与月額の平均でございますが、こちらは364,181円で、前年度に比べまして44円の増加ということになっております。

 次に、下段の表でございます。平成27年3月末の状況でございますが、標準給与月額総額については2兆2,528億円で、前年度に比べまして418億円の増加です。その下、標準賞与総額については6,564億円で、前年度に比べまして102億円の増加です。これらを合わせました標準給与総額については、2兆9,091億円ということになっております。

 また、加入者数の年度間平均については519,300人で、前年度と比べまして、こちらも1万300人の増加となっております。

 標準給与総額の年度間平均でございますが、こちらは1人当たりの月額が466,808円で、前年度に比べまして956円減少ということになっております。

12ページをご覧ください。こちらは加入者の分布についてでございます。加入期間別、年齢階層別にお示ししておりますが、年齢層で一番割合が高いのは25歳以上30歳未満のところでございまして、こちらが14.9%となっております。それ以降、50歳代まで10%から12%程度の割合で分布しておりまして、60歳以上の加入者のところも、60歳から65歳と、65歳以上を合計しますと11.6%となってございます。

 加入期間別の分布については、こちらは加入期間5年未満の割合が一番高くて37.1%となっております。これに5年以上10年未満の割合も加えますと、10年未満の割合だけで59%となってございます。

13ページは、男性の加入者の分布状況でございます。私学共済の場合、男性と女性で加入者の分布割合に異なる特徴がありますので若干説明させていただきますが、男性の加入者の分布状況では、30歳未満の割合が低くて、30歳代から60歳代前半までの各層にほぼ均等に分布をしているということでございます。それから、60歳以上65歳未満で加入期間が5年未満の方、これは左下の部分になりますが、ここの加入者が6,590人いらっしゃるということで、比較的多く分布しているということでございます。

14ページは、女性の加入者の分布の状況でございます。こちらは男性の分布と異なりまして、30歳未満の方の割合が高い傾向になっております。20歳から25歳のところで14.2%、25歳から30歳のところで19.8%の割合の方が分布しているということでございます。加入期間で見ますと、加入期間10年未満の方が非常に多く、5年未満で43.9%、5年から10年で23.5%ということで、10年未満のトータルで67.4%ということでございます。これは幼稚園の教諭など短期間で離職する方が多いという特徴が出ているのではないかと考えております。

15ページは、標準給与月額の分布でございます。こちらは、男性は上限の62万円のところに23%の方が分布しているというところが特徴になっております。一方、女性のほうは20万円台を中心に分布しておりまして、22万円のところで9%、その前後のところで7%台、以下6%台、5%台というような形で分布をしているところでございます。

 次に16ページ、こちらは積立金の運用状況についてでございます。平成26年度末の積立金は簿価ベースで3兆6,428億円、時価ベースで4兆1,925億円となっております。このうち包括信託と有価証券による運用が簿価ベースで83.6%、時価ベースで85.7%を占めております。

 運用利回りにつきましては、簿価ベースで2.61%、時価ベースで8.96%となっております。

 特記事項の欄に包括信託と有価証券の資産区分別の状況を記載しておりまして、国内株式、外国債券、外国株式の合計額が包括信託の金額に一致しているところでございます。

 次に、17ページ以降でございます。こちらは平成21年の財政再計算における将来見通しとの比較になります。初めに17ページ、収支状況の比較でございますが、収入の将来見通しは合計で6,310億円でございましたが、実際は、これより224億円多い6,534億円となってございます。内訳を見ますと、掛金については、将来見通し4,290億円よりも324億円少ない3,966億円となっております。これは見通し上、賃金上昇率2.7%で見込んでおりましたが、実績ではマイナス0.3%であったことなどが影響していると考えられます。

 また、運用収入は1,282億円と、将来見通しよりも343億円多い結果になっております。時価ベースの運用収入は3,413億円となっております。

 次に、支出の将来見通しですが、こちらは合計で5,544億円でしたが、これに対しまして実績は368億円多い5,912億円となっております。このうち給付費については、実績が2,864億円で、将来見通しよりも325億円少なくなっております。これは将来見通し上、年金待期者が年金を全員受給するという前提で見込んでおりましたが、実際にはそこまで至っていないという、その差が生じているのではないかと考えております。

 その他の欄でございますが、ここは実績802億円となっております。将来見通しよりも411億円多くなっておりますが、ここについては、先ほどの収支のところで申し上げました固定資産売却損の342億円を含んでいるということで、数字が大きくなっているということでございます。

 この結果、収支残については、将来見通し上766億円であったのに対しまして、実績はこれより143億円少ない623億円ということになっております。

 年度末積立金については、将来見通し上は3兆6,952億円でありましたが、実績は3兆6,428億円になっております。

 次に、18ページです。こちらは加入者数と受給者数の比較ということでございます。加入者数の実績は517,100人で、将来見通しよりも6万5,000人増えております。これは見通し上、学齢対象人口の減少に比例して私学共済の加入者数も減少するという前提で推計をしておりましたけれども、実態としては加入者数が伸びているということから、このような違いが生じていると考えております。

 受給者数については、将来見通し上は594,100人でありましたが、実績は172,700人少ない421,400人となっております。特に通退相当のところの人数に大きな差が生じております。これについても、先ほど申し上げましたとおり、待期者が全員年金を受給するという前提での見通しになっておりましたが、実態はそのとおりになっていないということが反映された結果と考えております。

 中段でございますが、新規加入者数について、将来見通し上は4万3,000人であったものに対しまして、実績は6万6,400人ということになっております。新規裁定者数は4万5,700人に対しまして、実績は5万5,800人となっております。

 その下の脱退者数ですが、見通し上は4万7,200人であったものに対しまして、実績は5万6,100人、それから、失権者数については見通し上2万5,300人であったものに対しまして、実績が3万6,500人という状況になっております。

 次に、19ページでございます。こちらからは財政指標の比較を示しておりますが、初めに、年金扶養比率でございます。上の表にあります平成26年度末の年金受給権者ベースでの年金扶養比率は4.01で、下の表の将来見通し上の平成26年度末の年金扶養比率よりも0.24ポイント高くなっております。

 私学共済の場合には追加費用はありませんので、年金扶養比率と保険に係る年金扶養比率は同じ数字になっております。

20ページは、年金扶養比率を補完する指標でございます。給付種別ごとの費用率ですので、説明は省略させていただきます。

21ページ、こちらは総合費用率でございます。1階から3階までの全体の費用ということになりますが、平成26年度の実績は上の表のとおり14.9%で、将来見通しの平成26年度の14.4%よりも0.5ポイント高い結果が出ております。この要因としましては、計算の分子に含まれます基礎年金拠出金が見通しよりも多かったこと、分母になります標準給与の総額が見通しよりも少なかったことによるものかと思います。

 基礎年金拠出金が見通しよりも多かったというのは、拠出金の計算のもとになります加入者数が将来見通しよりも実績のほうが多かったことが要因かと考えております。標準給与総額が見通しよりも少なかったのは、先ほどのとおり、賃金上昇率が見通しよりも低かったということが影響していると考えております。

22ページ、こちらは厚生年金相当部分に係る総合費用率でございます。こちらは下の表の将来見通しでは、平成26年度は13.4%でございましたが、実績は上の表のとおり0.2ポイント高い13.6%となっております。

23ページ、こちらは独自給付費用率でございます。こちらも将来見通しは下の表のとおり、平成26年度は11.3%でございましたが、実績は上の表のとおり、これより0.2ポイント低い11.1%となっております。

24ページ、厚生年金相当部分に係る独自給付費用率でございます。こちらも見通しでは下の表のとおり、平成26年度、10.3%でございましたが、実績はこれよりも0.5ポイント低い9.8%となっております。

25ページ、こちらは保険料比率でございます。将来見通し上は、下の表のとおり平成26年度、96.1%でありましたけれども、実績は上の表のとおり92.8%ということで、3.3ポイント低い結果になってございます。

26ページ、こちらは収支比率でございます。こちらも見通し上は平成26年度、85.4%ということでありましたが、実績はこれよりも3.7ポイント低い81.7%となっております。

27ページ、積立比率でございます。こちらは上の表の平成26年度の実績は8.2となっております。将来見通しは下の表のとおり8.1でございましたので、0.1ポイント高い結果になっているということでございます。

 ちょっと駆け足で恐縮でございますが、これで説明を終わらせていただきます。

○菊池部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの御説明に関しまして、委員の皆様から何か御質問などございましたら、お願いいたします。

 翁委員、お願いします。

○翁委員 教えていただきたいのですが、1ページのその他で不動産売却損という御説明をいただいたかと思うのですが、どういう不動産を売却したのか、360億というのはどういった内容のものなのかなど、少し背景を教えていただければと思います。

○佐藤私学共済室長 年金資産として持っておりました不動産は、加入者への福祉のための還元ということで、主に福祉事業のための施設を建てる土地を持っておりました。具体的に申しますと、例えば宿泊施設や、病院の不動産を持っておりました。実際には購入時よりも現在の時価額、土地の価格が下落しているために売却損になっておりますが、私学共済制度を運営しています私学事業団の会計処理上、減損処理の考え方を平成18年度から用いまして、その時点で購入した土地の購入価格よりも時価のほうが大きく下回っているものにつきまして、減損処理を行っておりました。ただ、実際にはまだ売却していないということで、損益外でその額を明示してきたところでありましたが、平成26年度に被用者年金の一元化に向けて年金資産の構成の見直しをしまして、宿泊施設のために持っていました土地を本来の事業の経理のほうに全部移しかえたということで、減損分を実現損にしたということで整理したものでございます。

○翁委員 わかりました。

○菊池部会長 ほかにいかがでしょうか。

 田中委員、お願いします。

○田中委員 4ページをご覧ください。非常に特徴的ですけれども、増額支給の欄を見ると、伸び率が30%ぐらいで、非常に高い伸び率を示しているのです。ほかの国家公務員共済、地方公務員共済ではそういうことはないのですけれども、これは何かキャンペーン的なことを行われているのか、その背景を御説明いただければと思います。

○佐藤私学共済室長 特に何かしたということではありませんが、実績がこのように出てきたということで、この部分は要因についてもう少し分析をしないといけないかと思っております。

○田中委員 昨年、一昨年ぐらいから急速にそういう傾向が強まっているように見えるのです。厚生労働省としては多分、繰り下げ支給は大歓迎だと思うのですが、なかなかうまくいかないということで困っているところですから、何か秘訣があればと思ってお聞きしました。

○菊池部会長 御説明のほうは特によろしいですか。

○松澤数理統計室参事 私学事業団でございます。

25年度ということで、支給開始年齢の引き上げがございました。その関係もございまして、年金の支給開始年齢をセレクトしたという状況が起きているのかということが推測されます

○菊池部会長 駒村委員。

○駒村委員 2つほどありまして、1つは15ページです。これを拝見しますと、ほかの2共済との比較なのですけれども、9.8万円のところが、少ないですけれども、ほかに比べれば多い。これは給与体系の問題なのか、短時間雇用の方がここに集中しているというような感じなのかという点を確認させていただきたい。

 それから、全共済に同じ質問をしているのですけれども、厚生年金経理に持ってきた資産構成はどうしてこの構成を選ばれたのかという点と、貸付金について少し御説明いただきたいと思います。厚生年金経理のほうに貸付金が入っているのは、他の2共済とは考え方が違うのかと思いますので、そこを教えていただければと思います。

○佐藤私学共済室長 標準給与の9.8万円の割合が高いのは、おそらく、私学のそれぞれの学校法人の経営の都合があり、特に規模の小さい学校法人などはそれほど高い給与を出せないという実状もあるのかと思います。

 それから、仕分けの考え方ですが、貸付金につきましては、私学共済の場合、独自の運用になりますが、学校法人への貸し付け、融資のための財源を年金の積立金から一部貸し付けしております。その分が厚生年金経理に入っているということでございます。

 旧3階経理に仕分けた貸付金については、福祉事業のために一時的に年金から貸し付けをしているというものがありますので、そこのところで区分けをしたということでございます。

 積立金の仕分けの考え方ですが、これは私学共済の独自の考え方になりますが、被用者年金の一元化によりまして加入者・学校法人が負担する保険料率が急激に上がらないように、旧3階の積立金の一部から保険料に補填ができるような仕組みがございます。そこの部分については現金を用意しないといけないという言い方は変ですが、移しかえができるように旧3階にその部分を考慮して、このような区分けにしたということでございます。

○駒村委員 厚生年金経理のほうに若干リスク性の高いもののウエートが高いかなと思って見ていて、そういう理由ということですね。わかりました。

 これは私学共済への御質問というよりは、各共済からお話を聞くと、経理のところの共通財源になった部分のポートフォリオが皆さん違うのですけれども、これは後で事務局にどういう影響を本体に与えるか確認したいと思います。ありがとうございます。

○菊池部会長 そうですね。今のお話で、私学共済の貸付金が厚生年金経理に入っている、ここのところの考え方、これは事務局のほうに何らかの形で、次回もありますので、そういった御説明をいただく機会をいただければと思いますが、差し当たりよろしいでしょうか。

 ほかに、いかがでしょうか。

 では、関委員、お願いします。

○関委員 1点お伺いさせていただければと思います。

 3ページの給付状況なのですけれども、地方と国家公務員共済と比べると、私学共済の受給権者数の前年度からの伸び率が高いように思いました。とりわけ全額支給の人がそれなりに多いという特徴があるかと思ったのですけれども、その点、もしわかれば、どうしてか理由を御説明お願いします。

○佐藤私学共済室長 思い当たる要因がはっきりはわかりませんので、この辺もまた分析をさせていただきたいと思います。

○菊池部会長 分析していただいて、何らかの回答がいただけるようであれば後ほどいただければと思います。

 野上委員、お願いします。

○野上委員 まず、先ほど駒村委員の言われた点ですけれども、もし全体のポートフォリオ見直しの中で、リスク性資産が厚生年金部分でふえるということで、その辺を見越してやられたのでしたら、その辺も含めて御説明いただければと思います。

 もう一つは、質問というよりはお願いなのですが、16ページの特記事項の中の資産構成なのですが、先ほど地共済の方は構成割合を横に書いていただいて非常に見やすかったので、次回からでも結構でございますので、構成割合を追加いただければ。これは国共済さんにもお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○八田資産運用部長 私学事業団でございます。

 ポートフォリオにつきましては、26年度11月に一元化を控えまして、その前段階といたしましてポートフォリオの見直しをいたしました。その結果、リスク資産の割合が若干ふえております。その関係で、26年度中は若干増えている部分がございます。特段、投資行動としては、それによって売却を盛んにしてシフトしたということではございませんが、見直し前から従来の基本ポートフォリオに対して乖離がオーバーウエートであったという部分がございます。

○菊池部会長 あとはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 以上で私立学校教職員共済制度の財政状況についての報告の聴取を終了いたします。

 御説明いただいた方々には、お忙しい中大変ありがとうございました。どうぞ、席のほうにお戻りください。

 

(文部科学省高等教育局私学部私学行政課私学共済室 佐藤室長、同 元平室長補佐、日本私立学校振興・共済事業団 松澤数理統計室参事、同 八田資産運用部長 関係者席へ移動)

 

○菊池部会長 それでは、以上で本日の審議は終了いたします。

 若干最後のほうでポートフォリオの関連での課題がございましたので、それも含めて次回以降、事務局のほうに御対応いただきたいと思いますが、次回の日程について御説明をお願いいたします。

○下島首席年金数理官 次回の日程に参ります前に、猪熊委員がいらっしゃいましたので、改めて御紹介させていただきます。

 猪熊律子、読売新聞東京本社社会保障部長でございます。

次回の第70回「社会保障審議会年金数理部会」は、5月30日月曜日午前10時から、厚生労働省内専用第22会議室(18階)にて開催し、厚生年金保険及び国民年金(基礎年金)の財政状況について、厚労省から説明を受ける予定となっております。

○菊池部会長 それでは、本日はこれで終了させていただきます。御協力のほどどうもありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(年金数理部会)> 第69回社会保障審議会年金数理部会 議事録(2016年5月20日)

ページの先頭へ戻る