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2016年2月1日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録

○日時

平成28年2月1日(月)16:00~


○場所

厚生労働省専用第22会議室


○出席者

出席委員(16名)五十音順

○新 井 洋 由、 大槻 マミ太郎、 奥 田 真 弘、 川 崎 ナ ナ、
 菊 池   嘉、 清 田   浩、 鈴 木 邦 彦、 田 島 優 子、
 田 村 友 秀、 中 島 恵 美、 半 田   誠、 前 崎 繁 文、
 増 井   徹、 森 田 満 樹、 山 口 拓 洋、◎吉 田 茂 昭
 (注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(5名)

庵 原 俊 昭、 川 上 純 一、 関 水 和 久、 濱 口  功、
山 本 一 彦

行政機関出席者

中 垣 英 明 (医薬・生活衛生局長)
森   和 彦 (大臣官房審議官)
山 田 雅 信 (審査管理課長)
宇 津   忍 (安全対策課長)
矢 守 隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
俵 木 登美子 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)

○議事

○審査管理課長 定刻になりましたので、「薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会」を開催いたします。本日はお忙しい中、御参集いただきまして誠にありがとうございます。本日の委員の出席についてですが、庵原委員、川上委員、関水委員、濱口委員、山本委員より御欠席との御連絡を頂いております。現在のところ当部会委員数21名のうち16名の委員の御出席を頂いておりますので、定足数に達していることを報告いたします。

 それでは吉田部会長、以後の進行をよろしくお願い申し上げます。

○吉田部会長 では早速、本日の審議に入ります。まず、事務局から配布資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告をお願いします。

○事務局 資料の確認をいたします。本日、席上に議事次第、座席表、当部会委員の名簿をあらかじめ配布しております。議事次第に記載されている資料1~9もあらかじめお送りしております。このほか、資料10は、「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」、資料11は、「専門委員リスト」、資料12は、「競合品目・競合企業リスト」を配布しております。

 続いて本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストを資料12に基づいて報告いたします。1ページです。タフィンラーカプセルです。本品目はBRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。2ページです。メキニスト錠です。本品目も先ほどと同様にBRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。3ページです。ハラヴェンです。本品目は悪性軟部腫瘍を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。4ページです。トリビックです。本品目は百日せき、ジフテリア及び破傷風の予防を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。5ページです。MK-8228です。本品目は造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症、サイトメガロウイルス感染症の発症抑制を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。6ページです。イキサゾミブクエン酸エステルです。本品目は再発又は難治性の多発性骨髄腫を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。以上です。

○吉田部会長 ただいまの事務局からの説明に特段の御意見等ございますか。ないようですので、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、皆様の御了解を得たものといたします。次に委員からの申出状況について報告をお願いします。

○事務局 議題1のタフィンラーですが、退室委員は田村委員、議決には参加しない委員は大槻委員、山口委員。議題2のメキニスト錠ですが、退室委員は田村委員、議決には参加しない委員は大槻委員、山口委員。議題3のハラヴェンですが、退室委員は新井委員、議決には参加しない委員は大槻委員、田村委員、山口委員。議題4のトリビックですが、退室委員はなし、議決には参加しない委員は大槻委員、清田委員、田島委員、山口委員。議題5のMK-8228ですが、退室委員はなし、議決には参加しない委員は大槻委員、奥田委員、前崎委員、山口委員。議題6のイキサゾミブクエン酸エステルですが、退室委員はなし、議決には参加しない委員は大槻委員、清田委員、田島委員、山口委員。以上です。

○吉田部会長 ただいまの事務局からの説明に特段の御意見等はございますか。よろしければ皆さんに御確認いただいたものとし、議題に入りたいと思います。本日は審議事項6議題、報告事項3議題です。それでは、審議事項の議題1及び2に移りたいと思います。田村委員におかれましては利益相反に関する申出に基づき、議題1及び議題2の審議の間、別室にて御待機いただくことといたします。

             (田村委員退室)

○吉田部会長 議題1及び議題2について医薬品医療機器総合機構から概要説明をお願いします。

○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料1、タフィンラーカプセル50mg他、及び議題2、資料2、メキニスト錠0.5mg他の製造販売承認の可否等について、両品目は主に併用されることが想定されていることから、合わせて機構より説明いたします。BRAF遺伝子がコードするタンパクは、セリン/スレオニンキナーゼであり、コドン600のアミノ酸であるバリンが他のアミノ酸に変異したBRAFは恒常的に活性化し、下流の細胞外シグナル調節キナーゼであるMEKを活性化することで細胞に異常増殖等を引き起こすと考えられています。

 タフィンラーカプセルの有効成分であるダブラフェニブメシル酸塩、以下、ダブラフェニブと略しますが、ダブラフェニブは活性化したBRAFを阻害することにより、BRAF V600変異を有する腫瘍の増殖を抑制すると考えられている抗悪性腫瘍剤です。また、メキニスト錠の有効成分であるトラメチニブジメチルスルホキシド付加物、以下、トラメチニブと略しますが、トラメチニブはBRAFの下流にあるMEKを阻害することによりBRAF V600変異を有する腫瘍の増殖を抑制すると考えられている抗悪性腫瘍剤です。

 なお、両品目は、平成25年8月の当部会での審議を経て、いずれも希少疾病用医薬品に指定されています。ダブラフェニブ及びトラメチニブは、平成27年9月時点で悪性黒色腫に係る効能・効果にて、それぞれ52及び35の国又は地域で承認されています。両品目の専門協議に参加していただいた専門委員は、資料11にありますとおり、いずれも8名の委員です。以下、臨床試験成績を中心に両品目の承認審査の概要を説明いたします。

 まず、議題1のダブラフェニブの承認申請では、主な臨床試験成績として根治切除不能な悪性黒色腫患者を対象とした海外第III相試験であるBREAK-3試験及びCOMBI-V試験の成績が提出されました。また、日本人の悪性黒色腫患者における臨床試験成績として、国内第I相試験であるBRF116056試験及び国内第I/II相試験であるMEK116885試験の成績が提出されています。

 有効性については、ダブラフェニブの審査報告書49ページの本文の下から14行目以降、54ページの下から9行目以降及び97ページの上から13行目以降を御覧ください。BREAK-3試験において対照群とされたダカルバジン群と比較して、ダブラフェニブ群で主要評価項目である無増悪生存期間の優越性が示されたこと、COMBI-V試験において対照群とされたベムラフェニブ群と比較して、ダブラフェニブとトラメチニブとの併用投与群で主要評価項目である全生存期間の優越性が示されたこと等から、ダブラフェニブの有効性は示されたと判断しました。また、BRF116056試験及びMEK116885試験において日本人悪性黒色腫患者で、それぞれダブラフェニブ単独投与及びダブラフェニブとトラメチニブとの併用投与の一定の有効性が示されました。

 安全性については、ダブラフェニブ審査報告書の57ページの下から16行目以降、及び97ページ下から11行目以降を御覧ください。ダブラフェニブの使用時に特に注意すべき有害事象としては、二次性悪性腫瘍、心臓障害、肝機能障害、発熱、眼障害が認められております。

 次に、議題2のトラメチニブの承認申請では、主な臨床試験成績として、先ほど説明したCOMBI-V試験に加えて根治切除不能な悪性黒色腫患者を対象とした海外第III相試験であるMETRIC試験及びCOMBI-D試験の成績が提出されました。また、日本人の悪性黒色腫患者における臨床試験成績として、国内第I/II相試験であるMEK116885試験の成績が提出されています。

 有効性については、トラメチニブの審査報告書の45ページの本文の下から17行目以降、及び50ページの下から15行目以降、92ページの本文の13行目以降を御覧ください。COMBI-V試験に加えてMETRIC試験において対照群とされた化学療法群と比較して、トラメチニブ群で主要評価項目である無増悪生存期間の優越性が示されたこと、COMBI-D試験において対照群とされたダブラフェニブ群と比較して、トラメチニブとダブラフェニブとの併用投与群で主要評価項目である無増悪生存期間の優越性が示されたこと等から、トラメチニブの有効性は示されたと判断しました。また、MEK116885試験において、日本人の悪性黒色腫患者で、トラメチニブとダブラフェニブとの併用投与の一定の有効性が示されました。

 安全性については、トラメチニブ審査報告書の54ページの上から16行目以降、及び92ページの下から4行目以降を御覧ください。トラメチニブの使用時に特に注意すべき有害事象としては、心臓障害、肝機能障害、発熱、眼障害及び横紋筋融解症が認められています。

 以上のようにダブラフェニブ及びトラメチニブの使用時に注意すべき有害事象の発現が認められていますが、がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師によって両剤の安全性プロファイルについて十分理解した上で、有害事象の観察や管理等の適切な対応がなされるのであれば、両剤は忍容可能であると判断しました。ただし、両剤の日本人における検討症例は極めて限られていること等から、製造販売後には両剤を使用した全例を対象とした調査の実施が必要であると判断し、承認条件としています。

 以上のような審査の結果、機構は、両剤ともにBRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫を効能・効果として承認することが適切であると判断しました。なお、トラメチニブについては、日本人の悪性黒色腫患者を対象とした単独投与による臨床試験成績は得られておらず、単独投与は推奨されないと考えられることから、ダブラフェニブと併用して投与するよう用法・用量を設定することが適切であると判断しました。

 両剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、再審査期間はいずれも10年、ダブラフェニブの原体及び製剤はいずれも劇薬、トラメチニブの原体は毒薬、製剤は劇薬に該当し、両剤とも生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しました。薬事分科会にはいずれも報告を予定しています。議題1及び議題2について御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○吉田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問、御意見をお願いします。

○菊池委員 専門ではないのですが、本来はBRAFの遺伝子変異はV600の変異に限定されるべきなのではないのですか。そうではなくても大丈夫と解釈できてしまう気がします。V600の変異はキット化されたもので簡単に分かるのですか。

○医薬品医療機器総合機構 御指摘のとおり、想定される投与対象はV600変異になります。今回、コンパニオン診断薬が同時に開発されており、当該診断薬によりV600変異が検出されることから、これまでも効能・効果としてコドンまでは記載していないことも踏まえ、効能・効果としてはBRAF変異という記載にしております。

○吉田部会長 要するに類薬に倣ってそういう適応にしましたということですね。

○医薬品医療機器総合機構 はい。

○吉田部会長 V600以外のコドンについても、その変異があるものについては将来使われる可能性があるので、それを見ながら適用を考えるということですか。

○医薬品医療機器総合機構 今回、同時にコンパニオン診断薬が開発されており、本剤を使うときには当該コンパニオン診断薬でV600変異が検出された患者が対象となりますので、実際に使えるのはV600変異を有する患者になります。

○吉田部会長 それしか見付からないということですね。

○医薬品医療機器総合機構 はい。

○吉田部会長 分かりました。ほかにありますか。

○半田委員 片方のダブラフェニブは、添付文書上は単剤でも併用でもいいと読み取れるのですが、もう1つのメキニスト錠に関しては併用となっています。もちろん専門家は、この両方を見れば添付文書として理解はできるのでしょうが、基本的に両方併用で使われるわけですよね。タフィンラーカプセルに関して、併用と書かなくてもいいのですか。単独とも読み取れます。それから、当然、副作用の問題でも相乗効果等もあると思うので、その辺はいかがですか。

○医薬品医療機器総合機構 ダブラフェニブについても基本的には今回の臨床試験成績を踏まえると併用して投与されるものと考えております。しかしながら、単剤投与での有効性も示されており日本人成績も提出されているということも考慮すると、ダブラフェニブについてトラメチニブとの併用のみに限定するまでの必要はないと判断し、今回ダブラフェニブについてはトラメチニブとの併用に限定する用法・用量にはしておりません。

 ただし、得られている臨床試験成績を理解した上で使用していただく必要があると考えておりますので、併用の試験、単独の試験それぞれ有効性及び安全性について、情報提供する予定です。

○吉田部会長 DTICとの併用のときに単剤でいっていますよね。それで差が出ているので、一応、単剤の有効性はあるだろうということのようです。

○医薬品医療機器総合機構 はい。

○吉田部会長 ほかにございますか。

○奥田委員 今の併用の話にも関連するのですが、リスクマネージメントプランを見ると、重要な潜在的リスクの中にメキニストでは間質性肺疾患が挙げられています。リスク管理計画のモジュールの所を見ると、理由として、フェーズ1のシングルアームでは間質性肺疾患しか見られなかったけれども、ダブラフェニブとの併用試験で肺臓炎が認められたということを根拠にされているのですが、同様の内容はダブラフェニブには書いていないのです。その辺は、要するにそろえる必要はないのですか。要するに併用試験でしか分かっていない。示唆されたものに理由がないのだけれども、ダブラフェニブには同じ記述がないという理由について教えていただきたいのです。

○医薬品医療機器総合機構 すみません。確認いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか。

○吉田部会長 では、その間ほかの先生方、何かございますか。審査報告書をもう少し丁寧に読めば分かる質問かもしれませんが、この2剤を併用したときに毒性がかぶる部分はどういうところになりますか。それぞれスペクトラムが違うというよりも、かなりオーバーラップしているようで、気になってしまうのですが。かぶっているところとそれぞれの薬の単独の毒性との区別はできますか。もしできるのであれば、2薬がこういう部分で、例えば肝機能障害がかぶっているのだとか、かぶっていないというようなことについて説明していたいのですが。

○医薬品医療機器総合機構 主なところでは、発熱や肝機能障害はそれぞれ単独でも発現していますが、併用すると発現頻度としては高くなる、重症度としても高くなるという結果が得られております。

○吉田部会長 分かりました。その辺は添付文書に反映しなくてもいいのですか。

○医薬品医療機器総合機構 併用した場合に注意を要するというよりも、個々の薬剤の使用時に注意していただく事象として注意喚起することを考えております。添付文書においては、単独投与時ではどれくらいの発現頻度であったか、併用のときにはどれくらいの発現頻度であったかということが分かるように情報提供する予定です。

○吉田部会長 トラメチニブは併用しか使わないので、そちらの注意を見れば分かるということですね。ところで、奥田先生の質問は分かりましたか。

○医薬品医療機器総合機構 RMPにおける記載が不十分であり、申し訳ありません。今回、間質性肺疾患については、METRIC試験等のトラメチニブ単独投与時に認められた重篤例に基づき注意すべきと判断しております。ダブラフェニブ単独投与では、注意すべきと判断できるような間質性肺疾患が認められていなかったことから、トラメチニブのみ間質性肺疾患を重要な潜在的リスクとしております。

○奥田委員 御説明の趣旨は分かりました。そうすると、リスク管理計画を載せている所に今の試験の名前を根拠にして、単独試験でもそういう障害が出ていたのでということを理由に入れるということですね。

○医薬品医療機器総合機構 はい。そちらについては再度確認いたします。

○吉田部会長 よろしいですか。ほかにございますか。

○新井部会長代理 細かいことですが、in vitroの細胞増殖抑制試験で、両方の薬ともATP量で細胞毒性を測るという記載があるのですが、ATPを測るのが細胞増殖抑制の指標として一般的に今では使われている話なのか、この薬に限った話なのか、余り一般的に聞いたことがなかったので確認したいのです。

○医薬品医療機器総合機構 このような試験ではよく用いられている指標です。

○新井部会長代理 このような試験とは、全ての細胞増殖抑制はこれで測ればいいと、余り出てきていなかったかと思うのですが、今後、いつもこれが標準的な細胞増殖抑制の指標、縦軸としていいと理解してよろしいということですか。

○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただいたように、全ての試験とまではいかないかもしれませんが、一般的にこういう手法を用いられていると認識しております。

○新井部会長代理 分かりました。

○吉田部会長 ほかにございますか。

○川崎委員 承認申請書ページにかけてのダブラフェニブメシル酸塩の□□□□のところ、□□□□□□□記載されていますが、どちらが□□されるのかをお聞きしたいと思います。□□□□□□□してよいということですが、□□□□□とはどれなのか、なぜ□□可能としたのかを教えていただきたいです。

○医薬品医療機器総合機構 まず、2点目の□□□□□につきましては、申請書のページの「ダブラフェニブメシル酸塩の□□□□」における□□□□□「ダブラフェニブメシル酸塩□□□□□□□□□□□□□」という所を指しています。

○医薬品医療機器総合機構 先ほど申し上げました申請書のページに、この原薬のほうの□□□□が記載されており、そこに□□□□□というものがあります。ページに、そこで□□□ダブラフェニブメシル酸塩□□□□□□□□□□□□□というものが設定されております。ページ目からページ目にかけてです。そちらのほうで□□していて、そこで□□□□ところがあるので、その□□□ということかと思います。

○川崎委員 では、□□□□□□□□は承認書に記載されていないということでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 少々確認させていただきたいと思います。これは□□□□□□□でしたので、□□□□の具体的な内容まではこちらには記載しておりません。

○川崎委員 □□□□がこのように□□□□されるケースは初めてですので、教えていただきたいのですが、最終的にはどちらで□□されるのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 一義的にはページに記載されている原薬の□□□□□した□□□□することになります。□□可能という規程がありますので、場合によっては、□□□□□□□した□□□□□□□□□□のものと□□□ことができる規程にはなっているということです。

○川崎委員 今後も□□に関して、□□□□□□□□だけでなく、□□でも□□が可能ということでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 □□□□□が、この場合、原薬ですけれども、□□□□として□□□ことが適切だという説明が可能であれば、今回は一般的なお話かと言われると、一般的ではないかもしれませんが、今回の対応としては、そういう形を許容したということです。

○吉田部会長 先ほどの新井委員からの御質問にもあったと思うのですが、結局、分子標的治療薬で機能阻害を見るというときには、今までの殺細胞薬のようなものとの評価の仕方というのは全然違ってきますよね。たとえば、標的とした分子反応のキナーゼの活性をどう見ていかなければいけないとか、今のようにパラメーターとしてATP量で測るということがあると思うのですが、この辺りの手法については、まだ標準化されていないような気もするので、その辺を分かりやすく書いていただくと理解しやすいのではないかと思います。よろしいでしょうか。ほかにありますか。

 では、御意見もないようですので、議決に入りたいと思います。なお、大槻委員、山口委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。別室で御待機されている田村委員を呼んでください。

             (田村委員入室)

○吉田部会長 それでは、議題3に移ります。新井委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議題3の審議の間、別室で御待機いただくことといたします。

             (新井委員退室)

○吉田部会長 では、議題3につきまして、機構からの概要説明をお願いします。

○医薬品医療機器総合機構 議題3、資料3、ハラヴェン静注1mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より説明させていただきます。本剤の有効成分であるエリブリンメシル酸塩はチューブリンの重合を阻害し、アポトーシスによる細胞死を誘導することで、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられています。現在、本剤は手術不能、又は再発乳がんに対して国内外で承認されています。悪性軟部腫瘍は、非上皮組織のうち、骨、歯、網内系、グリア及び実質臓器の支柱組織を除いた中胚葉由来の線維組織、脂肪組織、筋肉組織、血管組織、滑膜等及び外胚葉由来の末梢神経等の全身の軟部組織から発生する腫瘍であり、多様な組織型が存在することが知られています。

 今般、悪性軟部腫瘍の効能・効果を追加する本剤の承認事項一部承認申請がなされました、なお、本剤は平成265月の当部会における審議を経て、悪性軟部腫瘍を予定される効能・効果として、希少疾病用医薬品に指定されています。本剤は平成281月時点において、脂肪肉腫に係る効能・効果にて米国で承認されています。本品目の専門協議に御参加いただいた専門委員は、資料11にありますとおり、4名の委員です。以下、臨床試験成績を中心に承認審査の概要を説明いたします。

 今般の承認申請では、主な臨床試験成績として、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤を少なくとも1レジメンに含む2レジメン以上の化学療法歴を有する切除不能な脂肪肉腫及び平滑筋肉腫患者を対象とした、海外第III相試験である309試験の成績が提出されました。また、日本人の悪性軟部腫瘍患者における臨床試験成績として、国内第II相試験である217試験の成績が提出されています。

 有効性について、審査報告書11ページ、上から10行目以降、12ページ本文上から8行目以降及び30ページ上から13行目以降を御覧ください。309試験において対照群とされたダカルバジン群と比較して、本剤群で主要評価項目である全生存期間の優越性が示されたことから、当該患者に関する本剤の有効性は示されたと判断しました。

 安全性については、審査報告書14ページ下から5行目以降及び30ページ上から20行目以降を御覧ください。本剤の使用時に注意すべき有害事象としては、骨髄抑制、末梢神経障害、感染症、肝機能障害、間質性肺疾患及びQT/QTc間隔延長が認められております。これらの有害事象については、がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師によって本剤の安全性プロファイルについて十分に理解した上で、有害事象の観察や管理、本剤の投与中止等の適切な対応がなされるのであれば、本剤は忍容可能であると判断いたしました。

 効能・効果については、審査報告書19ページ下から10行目以降及び30ページ下から12行目以降に記しますように、309試験では悪性軟部腫瘍のうち、脂肪肉腫及び平滑筋肉腫が対象とされており、がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師が、これまでに得られている本剤の臨床試験成績等を考慮して、患者を選択するものと考えました。したがって、309試験において組入れ対象とされた病理組織型等について、添付文書で情報提供することを前提として、悪性軟部腫瘍を効能・効果として本剤を承認することが適切であると判断しました。本剤は悪性軟部腫瘍について希少疾病用医薬品に指定されていることから、再審査期間を10年とすることが適当であると判断しました。薬事分科会にも報告を予定しています。御審議のほど、よろしくお願いします。

○吉田部会長 ありがとうございました。それでは委員の先生方からの御質問、御意見をお願いします。臨床試験としては、脂肪肉腫と平滑筋肉腫が対象になって、それ以外の組織型のうち、21ページに掲載されている以外のものについては、一括してソフトティッシュサルコーマということで適用となっていますが、田村先生、この辺は世界的な常識として受け入れられていると考えてよろしいのですか。

○田村委員 いや、必ずしもそうではないと思うのですが。しかし、この点は、日本の良いところだと思います。

○吉田部会長 なるほど。ということのようですが、ほかに。

○菊池委員 私も全然専門外なのです。滑膜肉腫とか、ほとんど、多分、学生のときも知らないような名前が出ていますし、これは、向こうの試験のときには滑膜肉腫が入っていますが、日本のときには二つとその他という分け方になっていますよね。あと、21ページには除外される悪性軟部腫瘍が書かれているような感じで、そこの捉え方というのはこの病気の専門の人には当たり前ということでよろしいのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 はじめに海外の第II相試験と日本の第II相試験ですけれども、海外では四つに分類されていました。日本では、脂肪肉腫及び平滑筋肉腫とその他というように二つに分類されており、その他のほうに滑膜肉腫も入っているので、海外と日本で同じ組織型が対象とされております。次に、除外された組織型については、治療体系が違うような組織型もあります。そちらについては専門の先生であれば理解いただいていると考えておりますが、除外された組織型がどのようなものであったかというところについては、重要な点だと思いますので、その点については情報提供をさせていただく予定としています。

○吉田部会長 ほかにありますか。よろしいですか。御意見はないようですので、議決に入りたいと思います。なお、大槻委員、田村委員、山口委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。別室で御待機されている新井委員をお呼びください。

             (新井委員入室)

○吉田部会長 それでは、議題4に移りたいと思います。議題4について機構からの概要説明をお願いします。

○医薬品医療機器総合機構 議題4、資料4、トリビックの一部変更承認の可否等について、機構より御説明いたします。本剤は有効成分として百日せき抗原、ジフテリアトキソイド、及び破傷風トキソイドを含む、いわゆるDPTワクチンであり、定期接種として2歳前後までに4回接種されております。一方、11歳から13歳未満の小児には、DPTワクチンではなく、百日せき抗原を含まないDTワクチンが定期接種されております。

 今般、11歳から13歳未満の小児に対しても、百日せき防御抗原を含むDPTワクチンの追加接種を可能とするため、本剤の用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。本申請の専門委員として、資料11にお示しした4名の委員を指名いたしました。

 審査の概略について臨床試験成績を中心に説明いたします。有効性について審査報告書7ページの表3及び表4を御覧ください。国内第III相臨床試験において11歳から13歳未満の小児に本剤が接種され、本剤の接種前に対して接種後の抗体価が4倍以上上昇した割合であるブースター反応率が検討されました。表3の結果から百日せき抗原であるPT及びFHAに対するブースター反応率は、いずれも90%を超えておりました。また、表4の結果から、ジフテリアトキソイド及び破傷風トキソイドに対するブースター反応率は100%及び98.7%であり、事前に規定された基準において、対照薬であるDTワクチンに対する非劣性が示されました。以上から、本剤の追加接種時の有効性は期待できるものと判断いたしました。

 安全性について審査報告書7ページの表5を御覧ください。国内第III相臨床試験において、DPTワクチン群とDTワクチン群の有害事象の発現割合には大きな差は認められず、また、死亡及び重篤な有害事象の発現はありませんでした。これらのことから、本剤の追加接種時の安全性は忍容可能であると判断いたしました。以上、審査の結果、機構は用法・用量の追加を承認して差し支えないと判断いたしました。本剤は、新用量医薬品であることから、再審査期間は4年と設定することが適当と判断しております。なお、薬事分科会には報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○吉田部会長 ありがとうございました。それでは委員の先生方から御質問、御意見をお願いします。本薬の前に3種混合にしなかったのは、百日せきは11歳以下でもコントロールできると考えられていたからなのですか。

○医薬品医療機器総合機構 学童期のワクチンに百日せきが入っていなかった理由ということですね。

○吉田部会長 そうです。なぜこれが必要になったかということですね。

○医薬品医療機器総合機構 大体10年ぐらい前になるのですが、2007年頃に大学生の間で百日せきの散発的な流行が起こって、百日せきの免疫の減弱が問題となりました。これを踏まえ、DTワクチンであるところをDPTワクチンにしようという議論が巻き起こったという経緯がございます。

○吉田部会長 そうすると、11歳や15歳を過ぎたら、既に百日せきの免疫はできているだろうと考えられたのが、意外と免疫ができていなかったという、この不十分な対応に対して今回、きちんとした対応をしたいということですね。

○医薬品医療機器総合機構 おっしゃるとおりです。

○吉田部会長 いかがでしょうか。ブースター反応は増えて、毒性は増えないということの説明でしたが、何かありますか。

○菊池委員 この百日せきではないのですが、私たちは長年インフルエンザの予防接種を、私はHIVをやっている人間なので患者さんに勧めるのですが、インフルエンザの予防接種をやってもかかる人がいるわけですよね。それで、抗体価が上がることをもって、百日せきにかからないという保障にはやはりなりませんよね。なりますか。世の中でその効果を考えるときに、日本の薬は大抵、抗体価が上がることをもって承認しているようですが、「本当は打ったのにかかったでしょう」と言われると、何年も患者さんと私たちの場合は付き合いがあるので、どうなのですかという感じです。

○医薬品医療機器総合機構 本剤につきましては、委員がおっしゃるように、直接的に発症予防効果を示したデータというものはございません。今回、百日せきで用いた抗体価の基準というのは、海外で同じように学童期の小児にDとPとTが3つ入っているワクチンを打ったときに、ブースター反応率が80%を超えることが示されており、それと同じ基準をもって本剤も評価しております。海外では、当該基準で承認されたワクチンについて、疫学調査等々において百日せきの防御効果があるという論文も出ております。

○菊池委員 PT法とFHA法でそれぞれ書かれていますが、ELISA20以上か若しくはその4倍というのはあるわけですが、その4倍という根拠というのが、あるのかなと思ったところなのですが。

○医薬品医療機器総合機構 なかなか根拠というのは難しいのですが、ブースター反応というと、4倍以上という値が使われていることが多いと認識しております。また、先ほど申しましたように、海外の類薬等においても、この4倍という基準を使っております。

○菊池委員 接種は11歳以降とか、大人になったときにも任意ではなくて強制になるのですか。

○医薬品医療機器総合機構 すみません、もう一度御質問をお願いいたします。

○菊池委員 全員にこれをやるのですか。これは任意接種ですよね。

○医薬品医療機器総合機構 定期接種になるかどうかにつきましては、承認された後で、別の部会で検討されると理解しております。

○菊池委員 分かりました。実際に青年期というか、私たちもHIVの人で百日せきにかかる人は実際に診ていているのです。どうも怪しいから抗体価を測ると上がっていて、終わった後に上がっていて、あ、百日せきだったんだという感じのことがあるので、確かに必要性は思っているので、ちょっと意地悪いのですが、そういう感じで予防接種ということについて、国家検定なのに、「私は打ったのに今年はかかってしまった」と言われて、しかし、もちろんばく露して、「無防備にいてもかかるに決まっているんだよ」とは言うのですが、インフルエンザなどは自己負担ですから、その辺のお金のこともあって、薬を飲むのと予防接種を打つのと、彼らの中では費用対効果を考えているのだと思うのですが、そんなことも含めて少し疑問に思いました。

○吉田部会長 その辺の判断は、またほかの部会でということでご了解下さい。ほかにありませんか。よろしいでしょうか。意見もないようですので、議決に入りたいと思います。なお、大槻委員、清田委員、田島委員、山口委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。それでは議題5に移ります。議題5につきまして、事務局からの概要説明をお願いします。

○事務局 それでは議題5、MK-8228を希少疾病用医薬品として指定することの可否について、事務局より御説明いたします。希少疾病用医薬品には3つの要件があります。1として対象患者数が5万人未満であること又は指定難病であること、2として医療上の必要性が高いこと、3として開発の可能性が高いことという要件を満たす必要があります。この3要件に即して御説明いたします。

 それでは資料5の「事前評価報告書」というタブを開いてください。報告書の1ページの中ほどにあるとおり、予定される効能・効果は、造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症、サイトメガロウイルス感染症の発症抑制です。申請者はMSD株式会社です。

 まず、1の要件についてです。サイトメガロウイルスについては多くの場合、乳幼児期に感染し、日本人成人のCMV(サイトメガロウイルス)抗体保有率は、8090%と報告されております。免疫機能が正常な状態では無症候性感染がほとんどですが、臓器移植後や免疫機能等が低下している状態では、重篤なCMV感染症を発症するおそれがあります。

 本薬は、同種造血幹細胞移植患者におけるCMV感染症の発症を抑制することが期待される薬剤として開発が進められており、本薬が投与され得る対象患者数は同種の造血幹細胞移植実施件数から、最大で年間約3,500人と推計されております。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□将来的には本薬の投与対象となる可能性がありますが、これらの患者数を合算したとしても、最大で年間約3万人と推計されます。以上より、患者数が5万人未満という基準は満たしているものと考えております。

 次に、2の医療上の必要性について御説明いたします。本邦では造血幹細胞移植患者の6090%が、CMV血症を発症し、この段階で抗CMV薬の投与を開始しても、3~8%の患者が重篤なCMV感染症を発症すると報告されており、死亡する場合もあるため、疾患の重篤性はあると考えております。本邦では現在、抗CMV薬としてガンシクロビル、バルガンシクロビル、ホスカルネットの3剤が承認されておりますが、いつでもCMV感染症の治療という適用で、発症抑制に対する抗CMV薬はありません。

 更に本薬は、ガンシクロビル等々とは異なる作用機序ですので、交差耐性の懸念が少ないことが期待できます。以上より、医療上の必要性は高いと考えられます。

 最後に、3の開発の可能性についてを御覧ください。本薬は、2011年に米国又は欧州で希少疾病用医薬品に指定されております。海外で実施された第II相臨床試験においては、CMV感染症の発症抑制効果が認められており、日本人健康成人を対象とした第I相臨床試験も実施済みです。これらの結果を基にして、現在、同種造血幹細胞移植患者を対象とした国際共同第III相試験が実施されておりますので、本剤の開発の可能性は高いと考えております。以上からMK-8228については、希少疾病用医薬品の三つの要件を満たすものと判断しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○吉田部会長 それでは委員の先生方からの御質問、御意見をお願いします。よろしいでしょうか。治療ではなくて予防効果を期待していると。サイトメガロウイルスDNAの取込みを阻害し、発症予防に寄与することが期待されているということで、対象患者数についても医療上の必要性、重症度、開発の可能性についても、かなりたくさんの臨床試験が行われているようです。3条件をクリアしていると思いますが、よろしいでしょうか。

 御意見もないようですので、議決に入りたいと思います。なお、大槻委員、奥田委員、前崎委員、山口委員におかれましては利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、指定を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。それでは議題6に移ります。議題6について、事務局からの概要説明をお願いします。

○事務局 議題6、イキサゾミブクエン酸エステルを希少疾病用医薬品として指定することの可否について、事務局より御説明いたします。資料6の「事前評価報告書」のタブをお開きください。報告書1ページ中ほどにありますが、申請者は武田薬品工業株式会社。予定される効能・効果は、再発又は難治性の多発性骨髄腫です。

 まず、対象患者数について御説明いたします。多発性骨髄腫の総患者数は約1万4,000人と報告されており、患者数が5万人未満という基準を満たしているものと考えております。

 次に1ページの下から2ページにかけての、医療上の必要性について御説明いたします。未治療の多発性骨髄腫に対する治療は、ボルテゾミブ等を含む多剤併用化学療法が中心であり、特に大量化学療法の適応となる患者では、自家造血幹細胞移植が実施されますが、いずれの治療法によっても根治に至らず再発します。また、再発又は難治性の多発性骨髄腫に対する治療は、ボルテゾミブ、サリドマイド、レナリドミド、ポマリドミド、パノビノスタット乳酸塩等を含む多剤併用化学療法が中心ですが、いずれの治療法によっても根治に至らず予後不良であり、再発又は難治性の多発性骨髄腫に対する新たな治療薬の開発が望まれております。以上より、本剤の医療上の必要性は高いと考えております。

 最後に2ページの中ほど、開発の可能性について御説明いたします。再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象に、レナリドミド及びデキサメタゾン併用投与のプラセボ群と、本剤レナリドミド及びデキサメタゾン併用投与の本剤群を比較した国際共同第III相試験が実施され、主要評価項目である無増悪生存期間の中間解析においてプラセボ群14.7か月と比較して、本剤群20.6か月で有意な延長が認められたことから、開発の可能性は高いと考えております。以上より、希少疾病用医薬品の指定の3要件を満たしていると考えております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○吉田部会長 委員の先生方からの御質問、御意見をお願いします。本薬について大いに有効性が期待されそうだということは分かりましたが、有効性のメカニズムのようなものは、どういうことになっているのでしょうか。お訊きしたいのは、ここに挙げられている、かなりたくさんの治療法と、一見交差するように思えますが、これはこういう所が違っていているので、新しい有効物質として期待されるとか、その辺について何か教えていただければと思うのですが。

○医薬品医療機器総合機構 本剤の作用機序についてはプロテアソーム阻害剤であり、ボルテゾミブと同様の作用機序です。

○吉田部会長 ボルテゾミブで不良だったものでも、期待されることはあるのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 一般に、薬剤の薬理学的なプロファイルによって阻害活性等も異なりますので、その辺は臨床試験成績を見て、最終的に判断することになるかと思います。

○吉田部会長 いずれにしても期待はされるということでよろしいですか。

○医薬品医療機器総合機構 はい。

○吉田部会長 ほかに御意見はありますか。

○菊池委員 今の話は、治験薬概要書の70ページ辺りに書かれていて、興味深く見ました。たまたま今日は議題5、6が希少薬を認めるものですが、それぞれの申請の仕方でちょっと温度差があるというか。議題6の今やっているほうにはすごく詳しい説明が付いていて、5には余り付いていない感じなのです。もちろん最初の3要件を満たしていればいいと思うのですけれども、そういう差というのは、そういう決まりというのはあるのですか。

○審査管理課長 希少疾病用医薬品の指定の申請については、3要件に合致するかどうかということで、どの程度の詳しさで説明が必要かというのは、特段決まりがあるわけではありません。したがって申請者の判断と、申請の時点で利用できるデータ等の質と量に基づきます。今回の資料5と6とでは、厚さに少し違いがありますけれども、それぞれ指定に必要なデータは提出されていると理解しております。

○吉田部会長 ほかにありますか。

○半田委員 開発の可能性というところで、追加のコメントです。多発性骨髄腫の患者は、結構長期間フォローしなくてはいけません。この薬剤の素晴らしいところは、経口薬であることです。ですから外来でも非常によく使えるということで、ボルテゾミブに比べると有用性があるというのが一番重要なポイントで、我々もそれを待望しているところです。

○吉田部会長 そういうことで、有用性は大いに期待されるということです。よろしいでしょうか。特に御意見がなければ議決に入りたいと思います。なお、大槻委員、清田委員、田島委員、山口委員におかれましては利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、指定を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。それでは報告事項に移りたいと思います。報告事項について、事務局から説明をお願いします。

○事務局 まず議題1、ネクサバール錠です。資料7を御覧ください。本剤は腫瘍細胞の増殖及び腫瘍血管新生に関わる各種キナーゼのリン酸化を阻害することにより、腫瘍増殖を抑制すると考えております。現在は、根治切除不能又は転移性の腎細胞がん、切除不能な肝細胞がん、根治切除不能な分化型甲状腺がんの効能・効果で承認されております。今般、バイエル薬品株式会社より根治切除不能な分化型甲状腺がんについて、根治切除不能な甲状腺がんへの効能・効果を変更する一部変更承認申請がなされました。機構における審査の結果、本品目を承認して差し支えないと判断いたしました。

 続いて報告2、オプジーボです。資料8を御覧ください。オプジーボはPD-1に対する免疫ブログリンG4サブクラスのヒト型モノクロナール抗体であるニボルマブを有効成分とする抗悪性腫瘍剤で、現在は、根治切除不能な悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの効能・効果で承認されております。今般、小野薬品株式会社から根治切除不能な悪性黒色腫について、用法・用量にありますように、3mg/kgの2週間間隔投与の用法・用量を追加する一部変更承認申請がなされました。機構における審査の結果、本品目を承認して差し支えないと判断しました。

 続いて報告事項3、再審査です。資料9を御覧ください。資料9は「医薬品再審査確認等結果通知書」です。今回の品目は一般名がモンテルカストナトリウム、販売名がシングレアとキプレスです。こちらの品目については、製造販売後の使用成績調査や特定使用成績調査等に基づき、再審査の申請が行われ、審査の結果、医薬品医療機器法第14条第2項第3号に掲げられている承認拒否事由のいずれにも該当しないこと、すなわち効能・効果や用法・用量の承認事項について、変更の必要のないカテゴリー1と判断いたしました。以上です。

○吉田部会長 一部変更申請が2件、カテゴリー1の再審査結果が1件です。委員の先生方からの御質問はありますか。

○鈴木委員 報告事項なので、基本的にそれで了承ということにはなると思いますが、報告事項の議題2のオプジーボ点滴静注の用法・用量が変更になりました。2.25倍とのことですが、この薬は非常に高薬価であることで有名です。これが2.25倍になるということは、大体60kgの体重の人に9か月使うとして、1,050万円が2,400万円に上がるということです。ここでコストの話はしないということは分かっておりますけれども、それだけの効果が確認されているのかどうかを確認したいのです。それから、この薬に関しては最近、劇症I型糖尿病の発症が問題になっております。そのリスクについては、承認の段階でどの程度まで把握されていたのか。この2点についてお聞かせいただきたいと思います。

○審査管理課長 貴重な御意見をありがとうございます。確かに薬価が非常に高額というところはありますけれども、今回の申請は悪性黒色腫でのものです。当初の申請には化学療法未治療の患者は含まれておらず、これまで化学療法未治療の患者には、一応は推奨されないという状況だったのです。それが今回の申請においては、化学療法未治療の患者を対象として、全生存期間が対照群に比べて有意に延長するという結果を得ております。したがって、高い用量のものですけれども、今回の用法・用量の追加によって、高い用量のもので未治療の患者に対する用量として推奨されるようになります。

 また、既治療のほうについて、延命効果の試験成績はまだありません。奏効率の結果に基づいて前回も承認されておりますし、今回もそういうデータです。こちらについては既承認の用量と遜色のない結果が出ているということで、選択肢の一つという位置付けです。それから既治療のメラノーマの患者を対象として、今回追加される用量と当初の用量との間で現在、無作為化比較試験を実施中ですので、そちらの結果が出たらこの用量同士の位置付けも、よりはっきりすることになろうかと思います。したがって今回の用量追加については、医療上の必要性や意義はそれなりにあるだろうと判断しております。

○安全対策課長 2点目の御質問の糖尿病に関係してご説明します。去年の11月の段階で添付文書の改訂をして、I型糖尿病の注意書きを追加しました。その時点I型糖尿病で5例の報告があり、そのうち因果関係が否定できるものが4例でした。その後、先月までに2例追加がありました。この2例については因果関係の詳細を詰めているところです。

 先週、先生方も御存じのとおり、I型糖尿病について再度注意喚起をいたしました。糖尿病学会の先生や臨床腫瘍学会の先生と相談したところ、臨床現場ではI型糖尿病のうち、劇症I型が余り認識されていないということでした。糖尿病専門の方なら劇症I型糖尿病というと、1週間以内にケトアシドーシスなどに至ることを、十分御理解いただいているのですけれども、それ以外の先生方では、そこまでの認識がない可能性があるということなのです。副作用が増えているということではないのですけれども、改めて現場の先生方に注意喚起をして、劇症I型糖尿病を早く検知し、副作用に対する対応をしていただきたいということで通知させていただいたということです。

○吉田部会長 先生、よろしいですか。

○鈴木委員 後半のほうはそれで結構だと思います。前半のほうは、用法・用量の変更は比較的簡単にできるようですが、このように非常に高額なものが、更に高額になるわけです。いずれ価格の抑制が、この薬にも入ってくることになると思われますけれども、用法・用量の変更と言えども、やはりそれだけの根拠をもってお出しいただくことが必要になってきているのではないかということは、是非御検討いただければと思います。

○吉田部会長 それに関してですが、要するに未治療の場合は3mg2週間隔でなければ駄目だと。つまり、2mg3週間隔というのは残らない、という書き方になっているわけですよね。それしかデータがないのだからしようがないのですが。そうすると、3mgと2mgの比較試験ということになると思うのですが、それは既治療例に対してやるということになるのですか。それとも初めから、要するに未治療例に対してやるのですか。その辺はどうなっているのですか。

○審査管理課長 既治療例を対象としていると聞いております。

○吉田部会長 それで非劣性だったら、2mgでもいいという話になると思うのですけれども、今の経済的な視点から考えると、初期の未治療例に対しても少量投与を選択できるようにしてあげたほうが、今の鈴木先生のお話だと受け入れやすいと思うのです。でも、やる予定は全くないのですね。

○医薬品医療機器総合機構 世界的には3mg2週間間隔での開発が多くなされております。今回の悪性黒色腫の未治療については、2mg3週間間隔の開発の予定はない旨を申請企業は説明しております。

○吉田部会長 それはメーカー側の話ですね。

○医薬品医療機器総合機構 はい、そうです。

○吉田部会長 結局、そこですね。それはたくさん売れたほうがいいですからね。しかし、余りにも高価なものについては、低用量でも効くという話であれば、それはそれでメリットとして大きいような気もします。そういった方向性も、これからの開発の一つの視点になるのではないかと私も思います。鈴木先生、いかがでしょうか。

○鈴木委員 そういう視点が、これからは薬食審や機構においても求められるのではないでしょうか。先に行って、切られることが分かっていながら、ここは通せばいいということは通用しなくなってきているのではないかと思います。

○吉田部会長 是非、御検討いただきたいと思います。ほかに御意見はありますか。

 なければ、報告事項については御確認いただいたものといたします。本日の議題は以上です。事務局から何か報告はありますか。

○事務局 次回の部会は2月26日の金曜日、朝10時から開催の予定ですので、よろしくお願いいたします。

○吉田部会長 朝の会議になりますが、よろしくお願いします。ほかに委員の先生方、特にコメントはありますか。ないようですので、本日はこれにて終了させていただきます。御苦労様でした。


(了)

備 考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された

連絡先:医薬・生活衛生局 審査管理課 課長補佐 清原(内線2746)

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