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2019年2月28日 相談支援の質の向上に向けた検討会(第7回) 議事録

 

社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課地域生活支援推進室


○日時 
平成31年2月28日(木)10:00~12:00
 
○場所
全国都市会館第1会議室(東京都千代田区平河町2-4-2)

 
○出席者

今井 忠(一般社団法人日本発達障害ネットワーク(JDDnet)理事)

今村 登(特定非営利活動法人自立生活センターSTEPえどがわ理事長)

内布 智之(一般社団法人日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構代表理事)

大濱 眞(公益社団法人全国脊髄損傷者連合会代表理事)

小澤 温 (筑波大学人間系教授)

小幡 恭弘(公益社団法人全国精神保健福祉会連合会事務局長)

門屋 充郎(特定非営利活動法人日本相談支援専門員協会顧問)

熊谷 晋一郎(東京大学先端科学技術研究センター准教授)

鈴木 孝幸(社会福祉法人日本盲人会連合理事)

玉木 幸則(特定非営利活動法人日本相談支援専門員協会顧問)

冨岡 貴生(公益財団法人日本知的障害者福祉協会相談支援部会副部会長)

中西 正司(特定非営利活動法人当事者エンパワメントネットワーク理事長)

松本 正志(一般財団法人全日本ろうあ連盟福祉・労働委員会委員)

三浦 貴子(社会福祉法人全国社会福祉協議会全国身体障害者施設協議会制度・予算対策委員長)


○議事
 
○熊谷座長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第7回「相談支援の質の向上に向けた検討会」を開催したいと思います。
構成員の皆様方におかれましては、大変御多忙のところ御参集いただき、感謝申し上げます。
まず最初に、事務局より委員の出席状況及び本日配付した、資料の御確認をさせていただきます。では、よろしくお願いいたします。
○内野室長補佐 事務局でございます。
本日の構成員の出欠状況でございますが、日本障害者団体連合会会長の阿部一彦様が御欠席ということと、全国手をつなぐ育成会連合会統括の田中正博様から御欠席ということで御連絡をいただいております。
それから、大濱構成員におかれましては、15分ぐらい遅れるということで御連絡をいただいております。
本日でございますけれども、中西構成員の参考人といたしまして、堤愛子様に御出席をいただいております。後ほど資料の御説明をしていただきたいと思っております。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。次第の下半分にも記載をしておりますが、資料1「相談支援従事者研修カリキュラム改定の枠組み及び周知への対応(案)」ということで、A4横紙でございます。
資料2「相談支援の質の向上に向けた検討会(第6回)における議論の整理」。
参考資料1「相談支援の質の向上に向けた第6回議事録」。こちらにつきましては御確認の御協力をいただきまして、どうもありがとうございます。先日、ホームページにもアップさせていただいております。
参考資料2でございますが、「相談支援の質の向上に向けた検討会(第6回)配付資料」。これは前回の資料の主要部分を一式置かせていただいております。
参考資料3「平成30年度 厚生労働省 障害福祉推進事業『相談支援従事者研修ガイドラインの作成及び普及事業』」という補助事業がございまして、ここで実施していただいている「相談支援従事者初任者研修ガイドライン(案)」でございます。その現時点版ということで、未定稿版ということで御提出させていただいております。こちらは特定非営利活動法人埼玉県相談支援専門員協会で作成をしていただいてございます。
また、ゼムクリップ止めをさせていただいておりますが、構成員からの御提出資料がございます。こちらにつきましては先日、事務局から標準カリキュラムの案の内容につきまして、不足しているキーワード、わかりやすい表現の置き換え、あるいは具体的な解説の追加などについて御意見をお願いしておりましたところですが、今井構成員、今村構成員、小幡構成員、門屋構成員、中西構成員、三浦構成員、大濱構成員から御意見をいただいて、資料を提出いただいております。
なお、三浦構成員からいただいている資料でございますけれども、内容を拝見させていただきますと個人が特定される可能性がございますので、机上配付のみということで取扱いをさせていただければと思っております。
以上の資料を配付しております。過不足等ございましたら事務局まで御連絡をお願いできればと思います。
それから、カメラ撮りはないと思いますが、ここまでということで御協力をお願いいたします。
○熊谷座長 ありがとうございました。
お手元に資料は全てございますでしょうか。落丁などございましたら、その都度、事務局にお問い合わせください。
そうしましたら、本日の議論に入る前に、特に配付資料の中の資料1及び資料2、資料1というのは「相談支援従事者研修カリキュラム改定の枠組み及び周知への対応(案)」ということで、全体の流れといいますか、今後残された検討会、あと数回ですけれども、その中でどこまで達成するのかという見通しを共有したいなと思いまして、作成させていただきました。
それから、資料2といいますのは、前回、第6回の議論の簡単な整理ということで、この2点に関して引き続き事務局から説明をお願いしたいと思います。
○内野室長補佐 それでは、資料1、資料2の説明をさせていただきます。
まず資料1でございますが、相談支援従事者研修カリキュラムの改定の枠組み、それから、周知への対応(案)ということでございます。資料2にも触れさせていただいておりますが、前回の議論の中で統一的なテキストの作成のことですとか、地域格差なく内容をしっかり伝えるという御意見等々もございまして、我々の方で特に周知についてどのような枠組みで進める方向なのかということで資料を作成させていただいております。
まずは上半分ですけれども、研修実施者向けという内容があります。下半分については、研修の受講生向けという内容になるかと思っております。
まず上の方でございますけれども、実施者向けということでございまして、一番左のところ、告示案ですとか通知案というものが記載されております。こちらは我々から各都道府県にお知らせをする内容でございます。特に通知、実施要綱と書かれておりますけれども、こちらには先ほども少し触れました標準カリキュラムが記載されるというような内容になっております。
このようなものを我々で作らせていただいて、お知らせを各自治体さん、都道府県さんにさせていただくことになりますけれども、それに併せて右隣、矢印でございますが、研修実施のためのガイドラインというものも今、並行して作成をしていただいているところでございます。これについてはまた後ほど簡単に触れさせていただきたいと思いますが、各講義あるいは演習のポイント、それから、研修の進め方、留意事項について記載をされているものでございます。こちらについては平成30年度の調査研究事業により補助金が支出され、作成をされているものでございます。
指導者養成研修ですが、我々の方では毎年これをやっているものでございますけれども、来年度については9月中旬に、全国の自治体の方、事業者の方に来ていただいて研修を実施する予定としております。右隣の点線の枠囲いになります。国による相談支援従事者指導者養成研修の資料として、そのガイドラインを活用したいと考えております。
この場では併せて配付資料ということで、講義用、講師が使用する資料も配付させていただきたいと思っております。このガイドライン、配付資料につきましては、さらにその右隣のだいだい色の点線の中になりますけれども、指導者養成研修、9月の実施までの間に研修検討委員会というものを開催したいと思っておりまして、その中に障害当事者の方々にもさらに今回、増員を考えておりまして、その方々にも御意見をいただきつつ、国の資料として作成をして、9月の研修会で活用ができればと考えております。
その下半分でございますけれども、研修受講生向けということで、受講生向けのテキストというものも併せて作成をすることを考えております。これは主に都道府県等で使っていただくことになるのかと思っております。来年度いっぱいぐらいに作成のスケジュールを考えているところではございますが、こちらについては直接、我々が作るというようなことがなかなか仕掛け的に難しい部分もありまして、ここについてどういう形で作成をしていくのかというのは、今後要検討ということでございます。例えば内容の一部について障害当事者の方々に参画をしていただいて、作成委員会等を組織して内容の検討、執筆を行うということは一定の部分でできるのかと思っておりまして、これから進め方はよく検討していかなければいけないと思っておりますが、受講生向けのテキストとしては、このようなものを考えているということでございます。全体合わせて告示、通知、それから、ガイドライン、配付資料、受講生向けのテキストというようなものをもちまして、全国に格差なく内容が伝えられるような形が作れないかなということの御提案でございます。
資料1の御説明は以上でございます。
次は資料2になります。「相談支援の質の向上に向けた検討会(第6回)における議論の整理」ということで、こちらは前回の検討会、下の※のところでございますが、検討会における各構成員の発言要旨を事務局で整理させていただいたものでございます。これは内容的には前回、皆様方からいただいた御意見の概要を整理させていただいたものでございますが、熊谷座長の論点の整理に従って御意見の概要を入れさせていただいているものでございます。その発言に対してどういう対応が考えられるのかということでの案を提示させていただいたものでございます。
まず論点1の下の枠囲みのところですけれども、発言の概要ということで何点か挙げさせていただいております。例えば一番上、講師、予算、会場の確保等という観点でもカリキュラムを検討する必要があるということにつきましては、これはおおよそ研修の運営上の留意事項というようなところで対応できるのかと考えておりまして、備考の欄に通知の中でという趣旨でございますけれども、それを通知の中に書き込みさせていただいて、都道府県等に示すということで対応ができるかと思っております。
その下でございますけれども、新カリキュラムによる研修を速やかに実施するとともに、今後とも引き続き質の向上に向けてカリキュラムの研修の充実を図って欲しいという御意見もございました。今後のカリキュラムの充実ということに関しては、これからの研修の実施状況等を踏まえさせていただいて、別途この場ではなく検討会等により議論をすることになるのかと思っております。
内容についてその下でございますけれども、エンパワメント支援ですとか意思決定支援が一番の肝であるということですとか、本人中心のケアマネジメント、エンパワメントがまた出てきております。その下、多職種連携ですとかチームアプローチですとか、活用されていない制度の活用というような視点も重要ということで、こういう内容に関わる部分につきましては、先ほど御説明したようなガイドラインあるいはテキストの作成過程の中で、具体的に記載していくことができるのではないかと考えております。
おめくりいただきまして2ページ目でございます。カリキュラムへのアクセスということでございますけれども、この中では一定の合理的配慮のことですとか、負担軽減のための環境整備については研修実施者の責任で行うべき。そういうものを各都道府県に対しても配慮を促すべきであるというような御意見。それから、移動だけではなく資料の提供でも合理的な配慮が必要というようなこと。こういう内容については、受講に関しての配慮ということになると思いますので、こういう内容については通知の中で都道府県にお示しすることができるのかと思っております。
論点3でございますけれども、カリキュラム改定の手続ということでございます。論点3の最初のところでございますが、障害当事者の方の声を第一に聞くというようなことから外れている。もう一度見直す形で議論をということでございますが、対応方針のところ、研修の内容ですとか研修時間など、研修の内容についてテキストですとかカリキュラムで織り込める部分については、ぜひ織り込んでいきたいと思っておりますが、研修制度そのものの枠組みに関することにつきましては、この場ではなく別に検討会等により議論する必要があるかと思っております。
3ページになります。その他の部分ということでございますけれども、こちらでは前回の議論でも何人かの構成員から御意見をいただいております。地域格差が生まれてしまわないように統一的なテキストを作成する必要ということで、何人かの構成員から御意見をいただいているところでございまして、対応方針(案)のところでございますが、研修実施者向けガイドライン、テキスト等に具体的に記載するということで対応させていただく。それから、テキスト等については国における研修等において活用をさせていただくということで、普及ができるのかと思っております。
一番下、相談支援の従事期間を3年にする。今は5年とか10年とかありますけれども、この実務要件についても並行して考えて欲しいということですが、こちらについては資格要件そのもののお話になるのかなと思っております。こういう内容につきましては資格要件のあり方ということで、また別に検討会等により議論をさせていただければというようなことを考えております。
前回の検討会では、およそこのような御意見をいただいて、対応方針の案ということで整理をさせていただいてございます。
私からは以上でございます。
○熊谷座長 ありがとうございました。
今の説明を受けて、もう少し私の方で説明を追加させていただいて、その後に皆さんに御意見を伺えればと思っております。
まず重要な点なのですけれども、資料1をもう一度見ていただければと思うのですが、今回の研修カリキュラムを定義するものは全部で5つあると書いてあります。1つ目は告示、2つ目は通知、3つ目はガイドライン、4つ目は配付資料、5つ目はテキストです。この5つによってこのカリキュラムは定義されております。
この5つの文書というのはそれぞれ役割が、そして、書かれている内容が違います。基本的には今、申し上げた順番、つまり告示がまず先にあって、それに従う形で通知、その通知に従う形でガイドライン、ガイドラインと整合的なものとして配付資料、そして配付資料と整合的なものとしてテキストという順番で、トップダウンに内容が決まっていくという立て付けになっています。
しかし、詳細さという意味では逆向きなのです。告示というのは一番漠然としたもの、テキストというのは一番細かいもの、書き込まれたものという違いもあります。つまり、法律的な優先順位は告示が一番上だけれども、内容の詳細さとしてはテキストが一番細かいという関係にあるということを、まず共有しておきたいと思います。
その上で前回、今村構成員から意見があったのは、告示や通知だけでは余りにも曖昧過ぎて、各自治体が自由裁量に任せて、場合によっては質の低いカリキュラムが提案されてしまう、行われてしまうのではないかということでした。そういう意味では今村構成員の御意見に答えるための争点の場所というのは、ガイドライン以下、ガイドライン若しくは配付資料、テキスト、この3つです。この3つにはある程度細かく内容が書き込まれるわけで、そこがどこまで書き込めるのかというところが、今村構成員の懸案に答える方向性ということになろうかと思います。
ただ、ここはちょっと今回強調しておかなければいけないところなのですが、本来、今年度無限に時間があれば、テキストあるいはガイドラインの内容まで踏み込めたかもしれないけれども、今年度できる範囲というのは恐らくそこまでではなかろうということです。今年度できる範囲というのは、今度は議論は逆向きになるわけです。ガイドラインやテキスト案を踏まえて、そこから抽出する形で、抽象化する形で告示案と通知案をここで合意形成するというところまででおしまいだろうと思っています。なぜなら法律的な立て付けとしては、告示や通知がアップデートされない限り、来年度に議論を持ち越しすることすらできないからです。今のままの告示や通知ですと、ここでおしまいということになってしまうわけです。それは困るので、来年度以降、ガイドラインや配付資料やテキストの内容を継続して議論するためにも、告示や通知をここで今年度中にしっかりと、なるべく多くの人の意見を反映させた形でアップデートさせておきたいというのが、最終的な今回の検討、今年度の検討会のゴールということにさせていただきたいと思います。
では通知案だけをテーブルに並べればよかったではないかと思われる方もいると思うのですが、民主主義的な正当性を考えると、やはり通知案だけ見てもなかなか想像が及ばないというか、通知案を見ても一体これはどういうことなのかということが議論できないと思うのです。そういう意味で、今日はある程度書き込まれたガイドライン案、テキスト案がテーブルに上がっています。それをもとに、だけれども、繰り返しになりますが、ガイドラインやテキスト案を今年度中に決めるという意味ではないです。それを参考にしながら論点を確認し、通知案や告示案をアップデートするところまでで今年度は終了ということを、ここで確認しておきたいと思います。まずそこ皆さんよろしいでしょうか。異議はございませんか。
それから、後ほどまた詳細に見ていきますけれども、まず今日はどこまでがガイドラインに書き込めて、どこからは配付資料やテキストにするのかというのは、それ自体、結構議論になると思うのです。なので現状ではガイドラインと配付資料とテキストをどう振り分けるのかというのは、少なくとも今年度中の議論の中心には来ないと思います。ですので、詳細な資料の3点セットとして、今日はガイドライン案やテキスト案や配付資料案を一つの詳細な文書案としてひとくくりにして考えておりますけれども、後ほど説明をしていただきますが、今この検討会のテーブルに上がっている資料の中に、詳細なガイドライン案若しくはテキスト案が2種類ほど上がっています。それに加えて各構成員からの各論的な御意見が幾つか集まってきています。
2種類の分厚い資料がテーブルに上がっているのですけれども、これはゆめゆめ二者択一を迫るものではないということも確認しておきたいと思います。むしろ論点が落ちていないことを確認するためにフュージョンさせる、最終的には来年度以降、なるべく多くの方が合意に至れるような内容、当然、足し合わせてフュージョンさせた方が質のいいものになるに決まっておりますので、フュージョンさせるものとして今、分厚いものがテーブルに上がっている。ですから最後に投票してどっちがいいかとか、そういう話ではない。最終的に合体させて全ての人がなるべく納得できるテキスト若しくはガイドラインにしていくということが目指すべき方向性です。ただ、これは来年の話ということになります。ここでは2つの分厚いテキストから抽出して、通知案や告示案に反映させるというところで、恐らく今年度の仕事は終了になるかなと思っております。
それから、もし挙げられた意見やテキスト案やガイドライン案の中で、現代的なエビデンスに反する内容、若しくは現代的な人権の観点から問題がある内容あるいは内部矛盾を来している部分、複数の御意見の間に内部矛盾がある内容。この3点に関しては、座長と副座長と事務局の間で精査させていただいて、可能であれば次回の検討会までにそれらを整理した形で、フュージョンさせた形で通知に関する座長案というものを出させていただきたいと思っております。その座長案をめぐって次回、そして可能であればもう一回ぐらい議論をみっちりさせていただいて、最終的な合意、通知案に至るという流れを今のところ考えております。
ですので皆さんにお願いしたいことというのは何かといいますと、次回、座長案を書くに当たり、10日前ぐらいまでには随時御意見をいただきたいということです。また後ほど事務局から締切りに関しては御連絡が行くと思いますが、次回の座長案を作るためには、ぎりぎりに出されるとなかなか反映しづらいですので、ある程度の余裕を持って御意見をいただければと思っております。
それに加えてちょっと分厚い資料が今日配られていますが、可能な限り次回までに目を通しておいていただけると大変助かります。なぜなら、合意形成がこの場でとても大事なので、こういうふうに通知案が変わったけれども、これはどういう意味ということでは困ると思うのです。どういう意味というのに対する答えが分厚い資料の中にありますので、通知案だけにらめっこしていても、エンパワメントと書いてあっても、いろいろな解釈が可能なわけです。エンパワメントというのはこういうものなんだというのは細かい文書に書かれてあるわけで、それをめぐって通知案にエンパワメントを入れるのはいいんじゃないという合意形成をしたいので、ちょっと大変な仕事をお願いする形にはなりますが、構成員の皆さんにはなるべく今日テーブルに上がった資料にお目通しをいただければと思っております。
以上が私の整理なのですけれども、このような形で今日以降、今年度進めてよいかどうかに関して御意見をいただければと思います。いかがでしょうか。反対の意見がもしありましたら、あるいは修正意見がありましたらお願いします。そのような形でよろしいでしょうか。概念の整理もややこしい説明をしましたが、大丈夫そうですか。5つあるんだということと、トップダウンとボトムアップ。法律的には粗い方から細かい方へと流れているけれども、議論の道筋で納得感が得られるのは、細かい方から粗い方へである。逆向きなので回りくどいプロセスを今踏んでいるんだということなのですが、大丈夫ですか。お願いします。
○今井構成員 基本的にその進め方で賛成です。
そうしますと、先ほど御説明がありました資料2の構成員からの意見に対する対応方針案のところを見ると、告示や通知ではなくて研修者向けガイドライン、テキスト等に具体的に記載するとなっています。そう判断した理由を教えて欲しいのです。通知に添付される「標準カリキュラム」に含めないのであれば、さっきの整理で、この検討会の主なテーマではないとなりますね。
○熊谷座長 わかります。1ページ目ですよね。差し当たり論点1に関してということですね。つまり、通知や告示ではなく、ガイドラインやテキストにこの内容を盛り込もうとした理由ですよね。
○今井構成員 そうです。
○熊谷座長 これは自明ではないです。このまとめ方は具体的に言うと、例えばエンパワメント支援という言葉や意思決定支援という言葉を通知に盛り込めるかどうかという話ですね。恐らく今、今井構成員がおっしゃったことというのは。
○今井構成員 ガイドラインとかテキストに含めるのは反対ではないですよ。でもそれより上のものには含めないということなのかどうか。
○熊谷座長 では、お願いしてもよろしいですか。
○内野室長補佐 整理の対応方針(案)のところで、おおよそのくくり方ということで御説明が足りない部分があったかもしれません。
今、座長に御説明していただいたように、資料として告示ですとか通知ですとかガイドライン、配付資料、テキストというものの5つがあるということで、それぞれ内容の粒度がレベルによって違ってくるということがございます。内容によっては告示とか通知の中に落とせるものもあると思いますし、例えばかなり情緒的な表現、これは非常に現場では大事なことだと思うのですが、そういうものはかなり法令的にはなじまない、通知とかにはなじまない内容もあるかと思っております。そういうものはぜひガイドラインとかテキストの中にしっかり盛り込んでいただきたいと思いますけれども、例えば文言としてエンパワメントということであれば、通知の中にも落とし込むことは可能だと思いますし、そういう意味で今、対応方針の中にガイドライン、テキスト等と書いてありますが、その等の中にも告示、通知も含まれるというような整理になるかと思います。
○熊谷座長 追加すると、クライテリアとしては情緒的とか、あるいは通知になじむかという、それ自体少し曖昧な部分も残しつつあるのですけれども、慣例に基づいて、例えば上から4つに関してはエンパワメント支援、意思決定支援はきっと通知に盛り込めるけれども、人材になってもらいたいという思いを込めてという表現は、通知にはなじまないということになるかもしれません。そういう文体といいますか、同じ内容が基本的にはどの文書にも書かれているのだけれども、文体が若干違うというイメージで、だからそういう意味ではきれいに1対1対応するような表ではないという御理解でよろしいかと思うのですが、ありがとうございます。大変重要な御指摘でした。
そうしましたら、ほかの皆さん御意見なければ、そのような方針で残り何回かの検討会を進めていきたいと思います。
前回からの御意見の中に、もっと議論の時間を長くした方がいいのではないかという御意見をいただいて、全くそのとおりで、大変司会の不手際で申し訳ないと思っているのですけれども、今日の検討会までは情報共有をまずはさせていただいた方がいいかなと思っております。
そして次回、お許しいただけるなら次々回、そこの2回で議論の時間をたっぷり取らせていただいて、座長案をたたいていただくというような形で、今回までは議論は少な目、最小限の質疑応答。そして次回以降、しっかりした議論という流れにさせていただこうと思っております。それもよろしいでしょうか。お願いします。
○今村構成員 ありがとうございます。今村です。
意見とかではなくてお願いなのですが、次回までの意見を出すに当たって、現時点での告示を資料としていただきたいのですが。
○熊谷座長 通知ではなくて告示ということですね。
○大平相談支援専門官 前回付けさせていただきました標準カリキュラム案が、通知の中で示されるカリキュラムとなります。実際の通知の中には研修の実施要綱となりますので、研修の実施に当たっての対象者でありますとか、これまでもお示ししているような初任者研修はどういった方が受けるのかというものは、お示しをしたものが頭に付きまして、実際にどのような中身にするかというのがこのカリキュラムとなりますので、通知というものの構成はそういう形になっています。
前半のどういった方が受講されるかという部分については、これまでのものと変えるような部分が今のところございませんので、特に今は付けておりませんが、必要であればその部分も付けて、皆さんにデータとして共有をさせていただきたいと思っています。
告示につきましては、別にもちろんお示ししようと思うのですが、標準カリキュラム案にあります大きな1、2、3、4という形でお示ししているような番号が告示でお示しする項目となり、さらにそこの中身として、丸で示しているような項目が通知の中で示されていくという作りになっております。
○熊谷座長 通知の一部が告示になるという理解でよろしいですか。
○大平相談支援専門官 標準カリキュラム案の中にあります大項目部分が告示ということになり、さらに小項目部分がカリキュラムという設定になっています。通知で示す標準カリキュラムということになります。
○熊谷座長 階層が1つ上であるということですね。
○大平相談支援専門官 はい、そうです。
○今村構成員 現在、出ている告示というものは。
○大平相談支援専門官 現行の告示はございますので、それももちろん共有させていただこうと思います。
○熊谷座長 そのほかいかがでしょう。ここがとても重要な場所だと思うのです。検討会の落としどころというか、何をどこまで今年度の検討会でやるかというところの合意形成が取れていないと、やがてすれ違っていきますので、よろしいですか。今、御意見をぜひいただければと思いますが、大丈夫でしょうか。お願いします。
○中西構成員 告示案というのは、演習の総時間数などを縛るものなのですか。ここではこれを合計していけばいいわけですか。
○熊谷座長 通知の中に時間のパラメーターが入っているかどうかということですね。入っておりますね。
○大平相談支援専門官 告示と言われるものが相談支援専門員の要件を示すものになります。1つが実務経験、何年以上の現場経験、介護の経験あるいは相談支援の経験を持つ人、さらに研修を終了した人ということになります。そして、研修の時間数というものを告示の中でお示しをしておりまして、この項目と時間数以上のものを修了した人が実務経験と合わせて相談支援専門員ということになりますので、告示で示している時間数以上の項目と研修を実施していただくというのが告示で示している条件となります。
○熊谷座長 非常に重要で、今年度の検討会内で論点2にも触れざるを得ないということになります。時間数というのは論点2に関する話として出てきたものでした。今までは論点1の話をずっとしてきましたけれども、合理的配慮、つまり障害を持った受講生がアクセスできるのかどうかというのが論点2でしたけれども、告示や通知、実質通知ということですね。通知さえ決まれば、そこから階層を1つ上げれば自動的に告示が生成されるわけですね。ですから通知をみんなで考えるということに絞られるわけですが、告示の中にも時間数が書き込まれているので、恐らく次回、次々回の中で論点2、すなわち検討会へのアクセスを各個人の単位での合理的配慮で考えていくのか、それとも全体のカリキュラムの時間を微調整していくのかという話になっていくと思います。
ただ、ちょっと今日は三浦構成員からのケースの御報告だけにとどめさせていただいて、そういう形で今日はよかったですよね。それで本格的な議論は次回、次々回、時間数を書き込まなければいけないという部分でまたさせていただければと思います。
大濱構成員、どうぞ。
○大濱構成員 大濱です。
その前に、ぜひ大前提として押さえていただきたいのは、障害当事者はどうやって参加するか、その合理的配慮の問題についてです。今まで障害当事者が参加しないままさまざまなことが決められてきました。これは、権利条約の基本的な精神、障害のある人もない人も同じようにという理念とかけ離れていて、そのために社会的な障壁が生じてきたというのが現状です。
したがって、障害当事者がきちんと参加できるようなカリキュラムや時間数を大前提としなければなりません。マジョリティー、大多数の人たちが参加できるからそれでいいということではありません。基本的には、障害当事者がきちんと参加できる、マイノリティーの人たちが参加できるような時間数をまず決める。それが一番大事なことであって、その上で、その中でいかに質の向上を図るかをスマートに考えていくことを大前提としていただきたい。時間数を延ばすことを前提とするのでなくて、いかにマイノリティーの人たちもマジョリティーの人たちと同じように参加できるかという、権利条約の基本的な理念に立ち戻ってカリキュラムを検討していただきたいと考えています。
○熊谷座長 そうですね。非常に重要な御指摘だと思います。そもそもこのカリキュラムが差別に当たるものになってはいけないということは大前提ですので、そこはしっかり議論しなくてはいけないと思います。後ほど三浦構成員から、恐らくかなり重いケースというか、こういう方が参加できれば理想的であるというケースの御紹介があると思いますので、抽象的な議論ではなくて具体的なケースも共有しながら、こういう方も参加できるやり方というのは一体どういうやり方があるのかという形で考えていければと思っております。
もう一つは、恐らく時間数に関してもそうなのですが、皆さんそれぞれいろいろお考えがあると思うのです。最終的に特に時間数に関しては、どこに落としどころが行くのか私もまだわからない。皆さんの御意見を聞きながら座長案を組ませていただくことになります。その際に、全ての皆さんの意見が反映させられるかどうかというところは、確約はもちろんないわけです。そういう意味では、この検討会中に見直し期間も議論しておきたいなと思うのです。
つまり、何か始めなければいけないのだけれども、圧倒的に多くの皆さんが、これは遅らせてほしくはない。このカリキュラムの改善に関しては余り遅らせてほしくないという御意見が圧倒的に多かったので、これは無視できないです。なので、ある程度どうしても不本意な形で始めざるを得ないと感じる方が発生する可能性があると思うのです。そういう意味では例えば1年後に見直すとか、そういう形で通知案でこれから上に上げるときに、見直し期間も込みで上げさせていただくというのが現実的かなと。実際にやってみて、本当にアクセスできない人が発生したということであれば、これはすぐにでも翌年改善しなければいけないわけですね。そういうふうにこのカリキュラム自体が差別を生産してしまっていないかのモニタリングを1年間走らせながら、1年後に見直しというような形で見直し期間をあらかじめ設定しておくということも、ぜひ考えておきたいなと思っております。
○冨岡構成員 知的協会の冨岡と申します。
今、座長がおっしゃっていただいたとおりで私は賛成でございます。
カリキュラムの件につきましては、当事者の方が参加しやすいように、それは原則だと思います。一方で私は知的の方を担当しているのですが、相談支援専門員に求めるものはとても大きなものがありますので、当事者の方が参加できるカリキュラムと同時に、相談援助技術というものも確実に学べるというもの、その両立をどのように行うのかということも議論の焦点になると思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
○熊谷座長 おっしゃるとおりです。内容を損なうわけにはいかない。これも当然のことです。なのでこの2つの両立、簡単に言えば論点1と論点2の両立となるわけですが、これは非常に難しいです。
論点1の内部的な矛盾を解消するのは、それほど難しい仕事ではないと思うのですけれども、論点1と論点2の調整は非常に難しい仕事になるなと思っております。ぜひ皆さんの忌たんのない御意見とよいアイデアをお願いしたいと思っております。
お願いします。
○鈴木構成員 日本盲人会連合の鈴木です。
このテキストを作成する段階のところの話になると思うのですが、いろいろな障害特性の理解といいましょうか、そういったものが今後入って、テキストの段階でいいと思うのですけれども、入れて欲しいなと。というのは、どうしても大枠のざっくりした障害の理解だけではなくて、それぞれの個々の障害の特性というものを理解することで、よりよい相談になるということで、テキストの中で反映させていただけばと思っています。
以上です。
○熊谷座長 大変重要な御指摘ありがとうございました。各障害ごとの記述というのは、多くの方々が絶対に必要だと思っていることだと思うのです。だから書かないという手はないと思います。ただ、どこに書くのかというところが非常に重要な問題になって、恐らく今まさにおっしゃっていただいたように、テキストが恐らく適切な場所になるのだろうなと考えているところがございます。ありがとうございました。
玉木構成員、お願いします。
○玉木構成員 玉木です。
今の御意見に追従する形ですけれども、テキスト=研修プログラムではなくて、今回論議できていないのは、例えば初任に行く前の基礎研修を設定するとか、初任、現任、主任とあるのですが、どうしてもその3つをカバーできない文言が恐らく座長がおっしゃったように出てくると思うのです。そうなってくると現行の専門コース別研修の位置付けとか設定なんかを実はもう少し踏み込んだ形で、こちらに挙げていくことで現行のプログラムの強化をしていくことも、検討の中に入れていただければありがたいなと思います。
○熊谷座長 ありがとうございます。全体の立て付けですね。3つの初任、現任、主任のプログラムの相互関係、そして、立て付けが一体どういう機能を持つべきなのかということに関しても、次回、次々回の議論の中でしっかり検討して、もし可能であれば座長案を出す前に、具体的な御提案として一言いただけますと大変助かります。このような立て付けがよいのではないかという御提案としていただけると、大変助かります。
よろしいでしょうか。時間が押していますので次に行かせていただきたいと思います。続きまして、いわゆるこの5つの中での通知に当たるものですけれども、標準カリキュラムの内容に関して構成員の皆様方から事前に御提出いただいた御意見がございます。各構成員から簡単に説明をいただければと思うのですが、大変申し訳ないのですが、お一人2~3分程度でコメントに関して御解説をいただければ幸いです。
まず今井構成員からコメントをいただけますでしょうか。
○今井構成員 提出した紙に書きましたのは、先ほどの議論のとおり、ガイドラインではなくて、実施要綱、通知に少なくとも文字として入れておかなければいけないことは何かということに限って書かせていただきました。その後のガイドラインのミニマムスタンダードになるという考えであります。
あくまで初任者研修のカリキュラムの部分ということを意識しました。参考資料2-1に標準カリキュラム案がございますので、そちらと比べていただければいいと思うのですが、第1点は役割の部分の相談支援の目的若しくは相談支援の基本的視点、このどちらかの獲得目標の中に次の文言を入れていただきたい。「利用者又は障害児の保護者(以下『利用者等』という。)の意思及び人格を尊重し、常に当該利用者等の立場に立って行われるものでなければならないということを理解する」。枠をはめてしまうということであります。
これの根拠にしたのは参考のところについていますが、平成24年にほぼ似たような、利用できそうな文章がありましたので、それを転用させていただいたということであります。そこでは基本方針のところにそのように書いてございましたので、これがそのまま使えるかなと思いました。
マル2ですが、獲得目標欄にエンパワメントの語をどこかに入れたいなというのが2点目。
マル3です。内容の欄に「特に発達過程にある児童期・思春期の支援の重要性を理解するための講義を行う」。なぜそれを入れたかというと、相談支援の中でも発達過程、児童期、思春期までのところは非常に重要で、あえて強調してこのミニマムスタンダードの中に含めていただきたいということであります。
2ですけれども、相談支援に必要な技術、これは参考資料2-1の3ページ目にあるのですが、アセスメント及びニーズの把握のところです。次の文字を入れていただきたい。「意思疎通に困難を有する障害児者(知的障害者や自閉スペクトラム症等)の場合のアセスメントとニーズ把握の基本的な注意点と技術を習得する」。障害名をどこまで書くかということについては、そんなに意識していないのです。その下の説明文を読みます。知的障害児者や自閉スペクトラム症の場合は、このアセスメントとニーズ把握が最も重要であるが、困りや要求を相手にわかるように説明できる障害とは異なる技術や姿勢を必要とする。個々の障害特性に応じた内容は、任意研修である専門別研修でカバーするけれども、この標準の中にも包括的に表現しておいた方がいいだろう。特にそれを強調し、違うよということを入れておいた方がいいだろうというのが2番です。
3番、5章の部分、終わりの方の6ページです。ケアマネの基礎実習というものがあります。実習は見直し後の案に入ったわけですけれども、この場合も前記の意思疎通に困難を有する障害児者も少なくとも実施体系に含まれるようにしていただきたい。ただ、どういう文章表現がいいかは私もまだ悩んでいるのです。しかし、何らかのことで体験の中には入れておいた方がいいのではないかと思います。
最後、4でございますが、これは現任研修ですが、1と2については同様の趣旨を現任研修の方にも入れていただきたい。
以上です。
○熊谷座長 ありがとうございました。具体的なカリキュラムに沿った形での御提案、大変助かりました。
ちょっと時間の関係で次に移りたいと思います。今村構成員、お願いいたします。
○今村構成員 私の資料、1枚物を付けておりますけれども、これは特に告示とか通知とかテキストとかに分けて考えていません。お示しいただいた標準カリキュラムに対して、改めてこういう視点でもう一回、見ていった方がいいのではないかということで書いておりますが、まず強調すべきものは十分かということで、権利条約、特に理念、目的、医学モデルから社会モデルにパラダイムシフトしたんだということであったり、目指すのはインクルーシブ社会の構築なんだ。特に関連する条文としては19条、なおかつ一般的意見も含んだ観点でちゃんと、そういうことを理解した相談員がふえることを目指すことを入れて、改めてもう一回見て欲しいということが1つあります。
それから、総合支援法も権利条約に沿ってということになっておりますので、特に社会的障壁の除去に資するということが書かれているのですが、介護保険ではそういうものではなくて、自立に関する援助や支援を受けなくなる方がいいという形の法の立て付けになっているので、その違いをちゃんと理解するとか、関連して自立の考え方というものをもう少し入れた方がいいのではないか。
それから、どうしても相談支援専門員を受けた後、実務としてはサービス等利用計画を作ることに追われることが多いのですが、それがメインではなくて、基本的な相談、本人に寄り添いながらやっていくという本人中心支援、エンパワメント支援等、こういったものが本来のものなんだということを強調した方がいいのではないかということです。
それと関連しますけれども、相談支援専門員としての役割、基本的知識、技術的研修は十分かという観点から、今ある社会資源だけで全てうまくいくというわけでもないので、足りないものがあればそれを作り出していくようなことも含めた役割というのはあるかと思います。それから、地元にある社会資源とか、現状のサービスというのをちゃんと理解していることが必要だと思うので、その辺の観点。それから、本人中心の支援。先ほど言ったとおりですけれども、サービス等利用計画を作るために必要な知識、サービスの内容とか、エンパワメント支援という観点からすると、やがてはセルフマネジメントができるようにということも含めた支援もやっていく。そういったことを入れて欲しいというのがあります。それから、モニタリングのあり方。先ほど鈴木構成員も言われていましたが、障害特性も明記した方がいいと思います。
時間数問題は先ほども出ていましたが、結果的に増えていくかもしれないということに対する懸念も多く出ております。この対応策は十分かということで、内容が充実していけば時間がふえる可能性はあるのですけれども、事業所からすると長時間受講させることにちゅうちょしてしまったりとか、障害当事者からすると、なかなか体力的にもきついということで受講しづらいという意見は確かにあります。ただ、それによって時間数を減らすという話よりも、資質の向上もしなければいけないので、そのバランスをどう捉えるかというのは改めて考えた方がいいかなと思います。そういった合理的配慮をどう考えるかという、受講のしやすさ、工夫というものがあるかなと思います。
それに関連したこととして4番として、自治体間格差の是正のところにつながるのですが、講師陣に障害当事者が参加できるように、もっと多く参加するといいかなと思いますが、自治体間格差が出てしまってはいけないので、統一したテキストであったりeラーニングなどの活用を考えていくと、先ほどの時間数問題ともつながる解決策になるかなと。そういった解決策も一緒に考えていくべきではないかという意見です。
以上です。
○熊谷座長 ありがとうございました。
続きまして、小幡構成員、お願いいたします。
○小幡構成員 全国精神保健福祉会連合会の小幡です。
私も告知、通知というよりは、カリキュラム案の視点というところから見ております。キーワードとしてエンパワメントがかなり取り上げられている中だと思うのですけれども、それに準ずる形で、リカバリーというような視点が特に精神も含めて中途障害の方も含めてですが、同じぐらい重要ではないかと思っています。そして、エンパワメント、リカバリーというのも本人自身が力を付けて発揮をしていくという観点から見ていく中で、時折家族との意向、自分でなかなか発し切れない方にかわって、家族が代弁的にやるということが問題にされることもあると思いますが、その際に家族支援というものと本人のエンパワメントを引き出すということを、ちゃんと区切りを付けられるというか、見誤らないようなカテゴリーを相談支援員が身に付けていくことが必要ではないかと思っております。
そういった意味では、家族を含めた総合的な支援を立てるといったときに、どうしても当事者に向かって、このことはできるけれども、家族のことには及ばないというようなことがないように、カリキュラムの中で特に演習等で気付きを持っていただければと考えているところです。
それから、ピアスーパービジョンというところにつきましては、基本的にスーパーバイズ等も受けていく過程の中で、縦の流れがあるかと思います。今回の相談員の中でも初任、現任、主任というような階層にもなっていくわけですが、一定程度の経験値を持った者が相談支援専門員になるので、新任と言えども数年のキャリアはあるかと思うのですが、そうは言ってもいろいろな社会資源の開発まで含めて考えていったとき、多くの場合、1人職場という現場にいるとなる中で、どういうふうに構築していこうかといったときには、同じ立場の者同士のかけ合いのほうがより創造的な意見を構築できるかと思いますので、ぜひ相談支援専門員の縦のスーパーバイズだけではなくて、ピア、同じレベルの人たちでの話し合いの視点も、ぜひ入れていただきたいということの意見です。
以上です。
○熊谷座長 ありがとうございます。極めて重要な御指摘が3点ありました。
続いて門屋副座長、お願いします。
○門屋副座長 私はカリキュラム案に従って書き加えたようなもので提案したいと思います。
最初には人の尊厳というか、個人の尊厳、ここのところを私は入れるべきというふうにずっと考えておりまして、基本的には絶対的な平等といいましょうか、どんなに重たい人も人としてのというようなところを、もう一度ここで確認をさせてもらいたいと思っています。
次の段落ずっと行きまして、全部は読みませんが、マル6にリカバリーを入れる。ほかの方々からも御意見がありました。
その下に「障害児者の生活支援に当たっては社会モデルを基本とし、その一部に必要に応じて医学(個人)モデル支援があることを理解させる」を入れたいと思っております。
その下の段落で「障害児者の地域生活において」がありますが、その中に経済基盤支援というものもきちんと考えるべきということで、その内容は就労・年金・生活保護等を書き加えております。
その次に、相談支援に必要な技術のところに、実は初任を受けられる方々の中に基本的面接技法を十分に習得していない人たちと出会うことが大変多くありまして、その部分を入れるべきということと、コミュニケーション技術も実は最近は特にいろいろな若者も含めていらっしゃる中で、このアサーティブネスとかメラヴィアンの法則等々をここで1回は伝えるべきではないかという意見であります。
その次、2の下のところにあります。このケアマネジメントは実はケアマネジメントと言いながら多様なものが類型化されたり、意見が出されてきた歴史的な経過もありまして、私たちからすれば、このストレングスモデルということをあえて入れていきたいと考えております。
同じように、2ページ目もストレングスモデルをここに入れてはいかがかということになります。
目標の設定と計画作成、特に計画作成のところに私たちは今までもずっと研修の中で伝えてきたことをここに書き加えておきました。計画の策定順は、1本人の力の発揮と活用、2一般社会・生活資源の活用、3諸制度(医療・年金・就労・生保等々)の活用、4障害福祉サービス活用、5満たされないニードの確認とそれを満たす社会資源開発・地域づくり等、6制度・政策改革等を策定の基本とする意味を理解させる。これは実はだんだんなれてきますと、障害福祉サービスを計画の中に書くことだけで事が済んでいくようなことに、きちんとした順番を考えていくべきだということであえて入れています。
現任研修のところには、初任研で入れている文言はここにあるものを、間違っていたので直しただけでして、ノーマライゼーションからソーシャルインクルージョン、ここのところだけです。
その下に、障害の理解に当たっては社会モデルを基本とすること、医学(個人)モデル支援の位置付けを実践の振り返りから確認するというのを現任研修でやっていただきたい。
その下になります。最後になりますが、「関係性の理解、自他尊重などについての自己覚知を行い」という文言を入れさせていただきました。
以上です。
○熊谷座長 ありがとうございました。
そうしましたら、最後に少し論点としては1ではなくて2に関わる内容なのですが、三浦構成員からお願いをいたします。
○三浦構成員 1枚のペーパーを両面刷りで、提出させていただきました。
T障害当事者相談支援専門員、私どもの法人にお勤めの人なのですが、この事例を挙げる理由は、社会保障審議会で議論されていたときに、その意見の中に、本当に障害当事者の相談支援専門員が困っているという事例を知らないというお話がありました。新カリキュラムでの現任研修の時間が延びることに関して、この人はその情報を得てショックを受けて、新カリになったら自分の身体を維持しながら、体力を維持しながら、今の仕事を行いながらこの研修を受けることができない。5年間の、更新時期はもっと先だったのですけれども、新カリになる前に前倒しで現任研修を受けたという事例であります。なのでいかに新カリが構成上といいましょうか、時間的なもので高いハードルになったかという事例であります。
仕事に就くまでも、20歳のころに発症されて、数々の苦労を経られて、病歴のところにもありますけれども、全身に障害が及びます。精神的には35歳のころにいじめに遭って鬱病を発症したという経過も御自分で書かれました。ただ、相談職へ就くことに関し、最初はサービス利用者として来られたのですが、権利条約を一緒に勉強したりする中で、相談職への経緯の真ん中あたりに書いておりますけれども、当事者の目線で関わる仕事がしたい思いが強くなったと。社会福祉士の通信課程にそこから入学されて、国家資格を得て、そして障害を理由として仕事を失ってから18年ぶりに仕事に就くことができたという事例であります。
現任研修の前倒し、相談支援の質を向上させたいという目的に関しては、完全に同意するものですし、それをどういう方法で行うかというところも賛成なのですけれども、論点2に係るという部分のアクセシビリティ、何かにアクセスするときに平等であるかどうか、可能であるかどうかというのは非常に大きなテーマだと思っています。
実は私は管理者でありながら、これだけ困ったことを後になって聞きました。相談支援事業所の中で相談をして、このような形で解決してきたことであります。今年受けた。受講、研修上の課題ということが、ここの構成員の方々は、これが課題だよと感じられることを書いていると思うのですが、紙面に残さないと、公の社保審などで議論されるときに参考にならないかもしれないと思いまして、具体的な事例として上げるものです。
研修受講の課題として、まずこの人は運転ができるのですけれども、脊髄疾患もあるので主治医から1時間程度しか運転できない。だから研修会場に行くのに、裏面になりますけれども、福祉タクシーを利用して、その費用が往復3万円かかる。演習になるときにはファシリテーターがうちの法人からまた出ているので、その人が送迎をするという形をとりました。
フルタイムの研修でありますので疲労がかなりあると、仕事に就いているときは1時間半のお昼の休憩時間で酸素吸入をする方なので、障害のない人に合わせた標準的なカリキュラムでは、研修を受けた後、体力を取り戻すのに3週間程度かかるということが記載されています。それから、業務そのものもかなり多くなってきているのですけれども、最後に、私の願いは、当事者の相談員が定着できることです。自分の経験を生かせるし、当事者の目線は強みだと思っています。相談支援専門員を続けたいというニーズを本人はお持ちです。同時にこの方が私たちの法人の中で相談職についた最初の事例ではなくて、もう一方、入所施設にお住まいで、この方はピアカンの経験で介護支援専門員を取り、それから、社会福祉士を取っていって相談業につかれた方がいます。この人がやはりスーパービジョンをしてくれたと。自分にとって非常に大切な存在。ただ、先行の方は、体力の衰えによってどうしても相談業務は無理だという事態に今なっています。
また、もう一人、続いておられます。なぜ私たちが資格の取得のときから一生懸命施設を挙げて応援をしてきたかといいますと、重度の障害のある方々が自らを生かして収入を得て、社会に貢献できる仕事というのは、本当に限りある中、相談職、相談支援専門員は大きな職域だと私たちは思うからです。価値が高いです。アファーマティブ・アクションをしてでも当事者の相談支援専門員が増えていくということが、日本の相談支援を変える、Nothing about us without usという権利条約の考え方にも沿うものであると思いましたので、事例として挙げさせていただきました。
○熊谷座長 貴重な御報告、大変ありがとうございました。
これに関してはまた次回、次々回、恐らくカリキュラムの内容に関する議論を半分、そして論点2のアクセスに関する議論を半分という形で次回以降、それを合流させる形で次々回、通知案に持っていくという流れで考えたいと思います。本格的な議論はまた次回以降、お願いしたいと思っております。
続きまして、鈴木構成員からお願いいたします。
○鈴木構成員 基本的にこの研修カリキュラムは、これで進めていただいて、先ほどからも議論されているように、始めた段階で見直しを進めていくということをお願いしたいと思います。
それから、私どもとしては4点ほどあります。書いてあるとおりなのですが、特にセルフプランのための支援というところなのですが、特に視覚障害のある人たちが意思決定を行う場合に、情報がないと決定できないということがあって、この必要な情報をどうやって取得するか。本人にどうやって提供していくかというところは考えないといけないと思っております。
エンパワメントの視点については、これはこれで読んでいただければと思うのですけれども、3番目の制度利用のところですが、これは誰が持っていなければいけないかというと、相談の支援者が、Aさんが居住している地域にはないけれども、近隣の市町村にある。例えば逆に言えば居住している都道府県にはないけれども、近隣の都道府県にはあるというような情報をきちんと持っておくことで、その情報提供が本人にされれば、いろいろな制度が利用できていくのではないかということです。
4つ目ですけれども、制度利用に関して基本的に本来あるべき制度が市町村で実施されていないときがあったりします。それは本来、市町村でやるべき地域生活支援事業だったりするわけなのですが、そういったところにないから使えませんねという話ではなくて、やはりこれはともに求めていきましょうというような、一緒に支援していくような市町村に働き掛けを実施するような方策なども、支援できればいいのではないかということで書かせていただきました。
以上です。
○熊谷座長 ありがとうございました。
最後に大濱構成員からお願いいたします。
○大濱構成員 時間がないようですので簡単に説明させていただきます。
相談支援専門員の基礎的知識として、障害者権利条約に基づき、医学モデルではなくて社会モデルの視点に立ち、社会的障壁を除去することの重要性をきちんと理解して欲しいということ。この権利条約の理念に流れている、他の者との平等を基礎として、障害のある人もない人も同じように平等に生きられる社会を目指すという基本的な理念をまず理解してもらうこと。これが非常に重要ではないかということが1点目です。2点目として、皆さんがおっしゃっているように、エンパワメントの重要性について。3点目として、本人中心の支援のあり方。これらをどのように確保するかということ。4点目としましては、相談支援の役割はサービス等利用計画の作成ではなくて、これはあくまでも結果であって、それ以前の本人のニーズをいかに引き出すかという、基本的な部分が非常に重要であるということ。5点目、時間数は先ほど言いましたので省きます。6点目、障害者総合支援法の相談支援専門員と介護保険のケアマネとの相違点の明確化もきちんと改めて議論した方がいいのではないかと思っています。7番目としましては、相談支援専門員の質のばらつき、地域間格差をなくすために障害当事者をカリキュラムのどこに位置付けるか。そういうことを決めていただくことが必要だと思います。
以上です。
○熊谷座長 ありがとうございました。司会の不手際でちょっと駆け足になってしまって恐縮です。今日十分に御意見、ディスカッションできないかもしれないのですけれども、最後に時間が余れば少し御議論をさせていただければと思っております。基本的には次回、座長案の作成に向けて随時御意見賜りたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
続いて、中西構成員から、こちらはガイドラインになるのか、ゆくゆくはテキストになるのか、そのあたりも議論になっていくかと思うのですけれども、30分程度でお話しいただき、その後、10分程度質疑ということでお願いしたいと思います。
では中西構成員からお願いします。こちらは中西構成員から出していただいたガイドライン案若しくはテキスト案となります。
○中西構成員 座長、ありがとうございます。説明させていただきます。
我々はこのテキスト、基本的には当事者によって作成されたもので、3人のスピーカーでこのテキストの説明をやりたいと思いますけれども、まず我々のテキストの理念部分を支える骨格については、熊谷座長が書き下ろされた論文をもとに作っておりますので熊谷座長。ケアマネジャーのプロセスの部分は、私が全て執筆したものが40ページから書かれていますので、その部分の説明を私がやる。それから、最後の演習部分についての部分は、堤愛子参考人からやっていただくという手順でやっていきたいと思います。
まず熊谷座長から理念部分の説明を。
○熊谷座長 座長の立場でなかなか話しづらいところもあるのですけれども、実は事情としては以前、別の目的で書いた文書を使わせてもらえないかということで、中西構成員から御依頼をいただきまして、御活用いただいて結構ですということで一部御活用いただいたという形になるので、私から説明した方が早いだろうということで、第1部に関して説明をさせていただきます。
ケアマネの基本理念とタイトルしてありますが、先ほども言いましたようにこれは二者択一の案ではなくて、論点出しのための文章。だから読んでいただいてここは要らないのではないかとか、ここはもう少しこう書き直した方がよいのではないかということのコメントを、どんどんいただければ大変助かります。
全部で5節構成になっております。
第1節は、さまざまな構成員から御意見があったように、障害者権利条約に基づいて、障害というものに関しては社会モデルの観点で考えなければいけないということがスタンダードになっておりますので、改めて障害とは一体何なのか、社会モデルで理解するとはどういうことなのかをなるべくわかりやすく書いたつもりです。
その中で医学の位置付けというのが、否定はされないけれども、限定的であるという場所、医学の落ち着きどころと言うのでしょうね。医療的ケア児の問題なんかも含めますと、さまざまな重要になってくる論点なのですが、過大でも過小でもない医学の位置付けというものを整理しようとしたのが第2項です。
3項は特に精神、発達の現場では今、目下世界中の大きなトピックになっておりますが、スティグマの問題です。CRPD、障害者権利条約においても社会モデルの説明のところに態度という言葉が書いてあります。社会環境及び態度が障壁になるのだと書いてありますが、この人々の態度の部分における最も大きな障壁が差別心だったり、差別的な態度だったり、国際的な用語ではスティグマという用語です。これについて今後、ソーシャルワーカーの方や相談支援専門員の方は知っておく必要があるだろうということで、1節設けさせていただきました。
第2節は自立支援と虐待防止。自立という言葉を使うかどうか迷ったのですが、しばしば使われる言葉なので、改めて自立というのは一体どういうことなのか。全部自分でできることではなくて、さまざまな社会資源とつなぐという仕事がとても重要なのではないかということを書いております。
それが実は自立だけではなくて、虐待のリスクを減らすという意味でも重要なのではないかと書いております。
それから、ここで家族のことも少し触れておりまして、障害児を持つ家族もまた依存できる資源が少ないという状況があって、つまり実は障害児者だけでなく、家族もそういう社会資源の枯渇に苦労している存在なんだ。そういう中で親と子が密室に囲い込まれて虐待などが起きやすくなっている。誰かが犯人なのではなくて、家族も支援していかなければいけないという論点を、第2節に加えさせていただきました。
第3節は、第4節とセットですけれども、国連の障害者権利条約においても、代理型の意思決定というのはもう時代遅れということは方向付けられております。その中でケアプランというものが代理型意思決定になってはいけないということと、実は前回の御指摘でもありましたように、セルフケアプランだって代理型意思決定のツールになってしまうことすらあるという御指摘もありました。これは非常に重要な御指摘だなと思ったのですが、本来的な意味でのセルフケアプランになるためには何が重要なのか。つまり、自分全部で一人でやるということではなくて、かといって親御さんで代替可能なものでもなくて、本来のセルフケアプランというものが成立するための条件は一体何なのかということを、だからセルフケアプランという方向性は譲らなくていいのではないかと思うのです。だけれども、それを徹底する、代理型意思決定にならないセルフケアプランは何なのかということを考える節が第3節になります。
第4節もそのセットで、意思決定支援というものが今、大きなキーワードになってきているので、国内外の状況なんかも押さえながら、そして、意思決定支援においてはピアの存在、先ほどピアスーパービジョンの話がまさにここにありましたけれども、横のつながりといいますか、ピア同士でないと実はニーズというものが抽出できない十分なエビデンスがあるということを書き込ませていただきました。そういう意味では2つ目の論点、論点2、つまり障害を持った相談支援専門員がアクセス可能になるようなプログラムにしなければいけないというのは、単に機会均等という意味を超えて、ピア人材が十分な専門性を持ってピアサポートを行えるための基盤づくりという意味もある。それは実は意思決定支援においては必要不可欠なんだというエビデンスが主に精神医学の領域の中から出始めておりますので、それについて述べさせていただきました。
ただ、同じことは身体障害、全ての障害においても大なり小なり言えることだと思います。
最後、第5節はエンパワメントアプローチという言葉があらゆるところで使われたり、強調されたりしているけれども、改めてそれは一体何なのかということを書かせていただきました。基本的にはディスパワーされている人がいる。つまり権力の勾配です。従来のソーシャルワークというのは、権力の勾配に鈍感だったのではないか。つまり権力を持っている人と持っていない人が世の中にはいるんだということ。その要素をもう少ししっかりと見つめて、力の勾配をなるべく均等にするような意識で支援しましょうというのがエンパワメントの本来の意味なんだということを、ここに書かせていただいております。
それから、少し各論的にはなったのですが、エンパワメントに付随して精神保健領域におけるエンパワメントの具体的な昨今の事例についても述べさせていただこうと思って、3つほどキーワードを書かせていただきました。1つはリカバリーです。リカバリーは1990年代以降、精神保健領域の支援を語る上では欠かすことができないパラダイムチェンジです。70年代の社会モデルに匹敵するパラダイムチェンジが90年代のリカバリーです。これはもう押さえておかなければどうしようもないということで、リカバリーアプローチは絶対に必要であるということをここに書かせていただいています。
リカバリーアプローチとセットで幾つか昨今、世界中で注目されている概念がありますけれども、例えば1つはNo Force First、つまり拘束なし、拘束ゼロです。精神病院やクリニックなどで薬物拘束とか身体拘束が行われるけれども、これは特にピアワーカーの存在によってゼロに限りなく近づけられるのだというエビデンスが海外ではあるわけです。日本はすぐできるかわからないけれども、そういう方向で支援を組み立てていかなければ、本当に人権侵害が起きてしまうというようなことをここに書かせていただいております。
それから、精神領域が続きますけれども、Just Cultureといってソーシャルワーカーも正義というのが一つの行動原則になっていますが、Just Cultureというのは正義の文化と訳される文化規範ですが、これは失敗を許容する文化です。失敗を許容する文化が初めて就労支援ですとか、あるいは生活支援の現場でエンパワメントを実現する上では極めて重要なんだということが昨今、精神保健の領域で取り沙汰されています。失敗する権利という表現もされることがありますけれども、支援者がついついパターナリズムで危ないのではないかとか、ほら言ったじゃないみたいな形で囲い込むことが多いわけですが、失敗は財産である。個人としても組織としても社会としても、失敗というのは奪ってはいけない権利なんだということを改めてワーカーさんが確認する必要があるのではないかということで書かせていただきました。
ちょっと駆け足でしたが、以上です。
○中西構成員 ありがとうございました。
それでは、私の部分に移ります。第2部です。40ページから始まります。ここでは最初、介護保険と障害サービスの違いというものを書きました。特に介護保険がスタートしてから障害者は介護保険に入るべきかどうかと悩むわけですけれども、最近の改正によって厚労省も障害者サービスのみでいっていい。その選択ができるんだという通知が出てくれたわけですけれども、しかし、まだ実際には地域の現場ではそれがきっちり行われず、行政のケースワーカーから40歳の特定疾患者、65歳の障害になると通知が来て、介護保険に入らなければいけないような通知になっております。これについてきちんと説明して、視覚障害は自分の子供の食事も作れなくなる。子供のケアについても介助が今まではできたけれども、できなくなったんだという問題点。それから、聴覚障害者についてはガイドヘルパー制度を障害のサービスから介護保険になると使えないので、家事援助なり何なりで身体介護で使えるかというと、それは法令違反になるのでだめだということをきちんと知らされないので、介護保険に加入されるという問題が起こっている。こういう情報提供をきちんとケアマネジャーはやってあげて、彼らの40歳、65歳問題を解決していかなければいけないだろう。
実際、介護保険に入ってどういう問題が起こるかというのは、こちらに表を提示しましたので、後で見ていただきたいと思います。
次は48ページ、ニーズ把握過程での本人のエンパワメントというところですけれども、我々は心理的エンパワメント支援と体験的エンパワメント支援というものを重視しております。心理的エンパワメント支援というのは、今まで自分は障害があるからできないんだというディスカレッジされた状態の心理的な問題を、カウンセラーが入ってピアサポートで支援していく。それから、体験的エンパワメントは、施設や在宅で長い間、暮らしていて、ひとり暮らしをしたことがないような人にひとり暮らしの体験をしてもらって、自分の潜在的に持っている力というのを発揮してもらう。そこによって生活の形態が変わっていくということを実体験してもらうことが必要だろう。そういうことを実際、自分で暮らしてみて初めて親子関係、健康管理、福祉制度の利用の仕方、子育て、安全な生活を組み立てていくための情報を自分自身が自力で得ていくことによって、自信を深めていくというようなことが考えられます。
次は、ケアの4分野というものがありまして、そこでは我々はケアというのは介助サービスだけではないと。そこには住宅介助というようなことで、介助が軽減できるとか、自分の自由度が増すということがあります。そこの福祉機能の選択、こういうことの情報。
それから、2番目は生活技能を高めるための支援ということで、親子関係、健康管理、そういうものをひとり暮らしでもきちんとできること。3番目には生産力、創造的生活のための支援。これは教育問題、障害者団体での活動、社会参加の場所を彼らが見付けていって、将来の生活のもとを作っていこうということです。
ケアマネジャーの役割というのは50ページにあります。ここではケアマネジャーはまずアセスメントをし、ケアプランを作るということが実際なければいけませんが、これにとらわれてしまう人たちが多いので、本来、障害者の目標設定については軽視される傾向があるので、それをきちんと目標設定できるように障害者にさまざまな体験をさせながら、訓練して連れていくという形が必要です。その場合に当事者の支援というものは欠かせないものになります。
57ページ、ここではそれぞれの生活の困難さについて、特に聴覚障害の人たちの場合には、これはどういう手法を使うか。日本手話か、音声言語に合わせて手話を使う対応手話か、両方を使っているのかとか、聴覚障害者の言語獲得状況を確認することは必要とか、手話は地方によってまた違うので、そういう情報をきちんとケアマネジャーは知っていなければならない。それから、口話はできるのかということ。手話と口話を併用するのか。そういう識別をしながら情報共有をしていく必要がある。それを情報共有して伝えていくことがケアマネジャーの役割で、本人のエンパワメントにつながるものだと、アセスメントの過程でそういうことをきちんとやる必要があるということです。
それから、知的障害者からは特にケアマネジャーの選定を自分でやりたい。そして、本人の立場に立った支援というものをきちんとやってくれる人でなければだめだと。こういう人たちはケアマネジャーにならないで欲しいということで、これなどを指摘されているのは67ページです。
ケアマネジメントの実施過程というところでは70ページ、ここでプロセスをずっと書いてあります。最初にケアマネジメント、チームアプローチ方式でやるのか、全面的ケアマネジメント方式でいくのか、部分的ケアマネジメント方式でいくのか、こういう段階が最初あります。これでまず全体的なチームでやる場合は、専門集団に関わる事業所全部集めて、これが相談しながら進めていくという方式です。全面的ケアマネジメントは1カ所で抱え込む形にはなるのですけれども、この方法を好む人は多少はいるかなと。でも基本的には部分的ケアマネジメント、できるところは自分でやって、わからないところは自分で、できないところは支援をもらうという方式が主です。だから最終的にこれがセルフケアマネジメント方式に移行できればいいわけですが、一生にわたって支援が必要な人たちもいるということも実際です。
最初に利用者のスクリーニングをして、本当にケアマネが必要なのか、それとも全部セルフケアプランづくりまでやって自分で生きていけるのか。私みたいな形の障害者は本人で全てができるということでケアプランに最初から入っていきます。それから、このプロセスの第1は本人との面接です。ここでは威圧感を与えないような形でいくためには、ケアマネジャーとピアカウンセラーが一緒になって、ピアサポーターが一緒になっていくということが、本人の気持ちを楽にさせる手段だということが書かれています。
面接の方法について、ピアカウンセラーが同行しているので、その人間関係ができ上って信頼関係がすぐ構築しやすいという意味では、健常者のケアマネジャーが行くよりも聞き出しが楽になる。そういう意味で重要です。特に施設にいた方々は、自分が全てのADLをやるのが自立だと考えている人がいるので、援助をもらいながら暮らすことは、あなたの生活にとっては一番いいことなんだというのを実感してもらうというのが、ピアカウンセラーが自分も同じような立場だったけれども、今は自分で全部できるようになってきたよとか、支援を得ながら暮らしていく方がずっと楽だよというふうなことを伝えていく。そういう役割をピアサポーターはできます。先ほどのピアサポートについては68ページに書いてありますから、後で御覧ください。
自立生活体験室については69ページにあります。自立生活プログラムというのを自立体験室では経験させながらやっていくというのを70ページに書いてあります。訪問調査を面接をやった後、実際に自宅へ伺って、自宅の状況を見ながら生活環境や彼の家族の状況などを見て、どのような生活が可能か、改善点は何かということを実地に見ることが重要です。そして、第2次アセスメントという形で専門家によるアセスメント。ここは専門家といっても建築士とか住宅改善の問題、それから、理学療法士、作業療法士などの専門家を入れてのアセスメントが第2次アセスメントになっています。
大体これでプロセスを踏んでケア会議を次に開いて、全員で本人の生活の希望、目標を達成できるような生活形態を作り上げることができます。最後にモニタリングをして、改善点はないか、3カ月ぐらいで本人の生活を見ながら、本人の意見を聞きながら、そして再度、今後の生活形態というのをアセスメントして全員で考えていく。それでケアマネジメントが終了というプロセスになっております。
大体時間に終わりました。ありがとうございます。
○熊谷座長 そうしましたら、次は今日参考人として堤様に来ていただいていますが、時間の関係で少しコンパクトになってしまうのですけれども、よろしくお願いいたします。
○堤参考人 初めまして、堤と申します。
私は自立生活センター町田ヒューマンネットワークというところで、ピアカウンセラーとして、あと、相談支援専門員として相談に応じたり、計画相談の活動などにも携わっています。それから、今年度の東京都の相談支援従事者養成研修検討委員会のメンバーでもあります。そういった立場と当事者としての視点から、今回の演習案を作ってきているので、これについて説明させていただきたいと思います。
演習については107ページに注釈を付けているのですが、ここで使用されている共通事例の佐藤和也さんというのは、今年度の東京都の初任者研修及び現任研修で用いられている事例であります。東京都の許可を得てこの事例をこのプログラム案に使わせていただいておりますが、それ以外のこのプログラムの組み立てについては、これまで私自身が研修や演習の体験をもとにして、当事者としてここはぜひ取り入れて欲しいと思ったものを使って再構成しました。なので、これから説明する面接場面のシナリオとか役の設定なども、過去の東京都のものを参考にはさせていただいておりますけれども、組み立ては当事者の視点でやっています。
それでは、大急ぎでポイントだけお話したいと思いますが、103ページからプログラムの進め方の時間割というものを作っています。例えばインテーク演習の中で、本人主体を学ぶ仕掛けとしてロールプレイを3つやります。佐藤和也さんという共通事例は、身体障害1級、知的障害4度という設定の中で作っており、二十歳の成年です。ここでお母さんと一緒に初めて相談支援専門員を訪ねるところから始まっていて、その相談支援専門員の対応でいい例、悪い例というものを組み合わせて、本人の意思を引き出すというのがいい例だよというところで、受講生に見てもらいながら意見を引き出すという方法を使っています。
それから、初回訪問の場面ではロールプレイというものを作って、御訪問すると御家族が全部一気に話してしまって、なかなか本人の声が聞こえない。だけれども、そのロールプレイを通じていかに和也さん本人の気持ちを引き出していくか、どうやって2人だけの場面を作っていくかみたいなことを、この中では受講生にロールプレイをやってもらいます。もちろん役割の設定というのもします。役割設定については資料の中に細かく書いてありますので、それは御参照ください。
大急ぎなのでポイントだけなのですが、104ページにプランニング演習があります。先ほど中西さんのお話にもありましたけれども、プランニングの中ではニーズ把握というのはエンパワメントのチャンスであるということとか、今はないけれども、あったらいいな社会資源を考えるということを重要にしています。それから、プランニングの中でエンパワメントを意識した社会資源を考えるというのが、実はこの中ですごく重要なポイントになるのですけれども、例えばプランニングの中でのエンパワメント、体験的エンパワメントということでは、例えば家族以外の人との介助を受ける、それはヘルパーのサービスを使うこともありますし、体験室を使うという方法もあります。あるいはひとり暮らしをもし意識する場合だったら、自分が指示して介助者とともに調理実習をするとか、あるいはその前の段階で家族と一緒に調理実習をしてもらうとか、外出体験をする。実際にひとり暮らしをしている先輩の家を訪問するなどということもあります。
事例の説明で忘れてしまいましたけれども、この事例はおばあちゃんが脳梗塞で倒れてしまって入院中であり、退院後にはお母さんが2人の介護はし切れないということで施設に入れるしかないかなと、それで相談に行くところからスタートするのですけれども、実は和也さんは先輩を見て自立生活に憧れているという設定になっていて、そういった本音をどういうふうに聞き出していくかとかもあるのですけれども、実はエンパワメント支援を意識した社会資源を考えるということの仕掛けのために、共通事例というのが大きなポイントになっていきます。つまり、緊急のことだと本当に緊急の対応をしてしまうしかないのだけれども、ある程度の時間を置くことで、その中でさまざまな試行錯誤をする、エンパワメント体験をする、同じような障害を持った仲間に会って心理的なエンパワメントも図る、そういうことをするためには持ち寄り事例ではなくて、ある程度の仕掛けを作った共通事例がすごく重要なポイントになっています。
あとはポイントだけ言いますと、プランニング演習を通じてもちろん標準書式での落とし方も覚えていくのですが、標準書式になる前にフリープランという形でイラストとか用いて、利用者御本人がわくわくするようなわかりやすいプランを作っていくことを体験してもらい、そこから標準書式に落としていくという過程を踏んでいます。あとプランニング演習の中では、セルフマネジメントの意義とか、実際にセルフマネジメントは各自治体で書式がばらばらなのです。どういった書式があって、どのように支援しているかの体験を聞くみたいなことも、このプログラムの中には盛り込みました。
あと、このプログラムの特徴は、まとめ役とかグループの中のアドバイザーとして、障害を持った当事者にも入ってもらって、実際にこういうプランづくりをどう思うというのを生で意見を聞くような場面を設けました。それを通じて当事者の生の声を聞くことができるのと同時に、本当にこの初任者研修という入り口のところで障害を持った当事者と対等に話し合える、だんだん専門家になっていくと上から目線になってしまう人が増えてしまうという話がありますが、入り口のところで対等な付き合いをするというのを経験してもらうことが物すごく重要だと思っています。
あと何人かの方からも出てきていますが、このプランは3日間で作っています。相談支援専門員という立場でいくと、今の案の方で出ているアセスメントを重視する、インターバルを2回とってアセスメントを重視する実習というのは、とても魅力的だなとは思うのですが、現実的に障害を持った自分の立場でいくと、仕事をしながら5日間の演習をこなすというのは非常に困難があるなと思い、私だったら、ここだったら可能かなと思うインターバル1回で、その後、持ち寄ったプランをみんなで確認し合う、それで深めていくという時間を1日作るというプランを作ってみました。
以上です。ありがとうございました。
○熊谷座長 ありがとうございました。大変詳しい説明をいただきました。
多分読み込む時間がじっくり必要だと思いますので、細かな質疑ですとか御意見に関しては次回、座長案を提出するとともに、皆さんから活発な御議論をしていただければと思っております。
そうしましたら、ちょっと駆け足になって申し訳ないのですが、引き続き参考資料3、こちらは既に事業として作っているガイドライン案に関して御説明をお願いしたいと思います。
○大平相談支援専門官 相談支援専門官の大平です。
参考資料3について簡単に御説明をさせていただきたいと思います。
参考資料3につきましては、今、座長も言っていただきましたとおり、資料1にあります緑の囲いをしています研修実施のためのガイドラインということで、今年度の研究事業で作っていただいているものです。今年度末までの事業となっていますので、現状としては未定稿になっております。実際に実施をしていただいておりますのは、埼玉県の相談支援専門員協会の皆さんに事業を実施していただいております。私もオブザーバーとして入らせていただいているのと、今日御参加いただいている構成員の皆さんにも御協力いただいている部分があります。
1枚目のところは、この事業自体の最終の取りまとめを作っていただくときの構成案ということが左側に書かれております。実際にこの中で、この後おめくりいただいて示しているものが、構成案の中の5番以降のところになります。ここが具体的にはガイドラインとなっていきます。
1枚おめくりいただきますと、この事業の実施してきたスケジュールのようなものも書かせていただいているのですが、御説明としてはその後の部分をさせていただきます。
3ページ目以降に、講義あるいは演習についての進め方など詳細を示していただいているところです。1つ目のものについてはオリエンテーションということで、標準カリキュラムなどには入っていないのですけれども、実際に研修をしていくときには研修の全体像をまずは確認する時間があった方がよいのではないかという御提案も込めて、ガイドラインの中にはお示しをしていただいております。
5ページ目のところですけれども、ここからが標準カリキュラムに沿ったものとなります。1つ目の相談支援概論というところで、5ページ目の右側になるのですが、科目名というところから始まっております。この科目の狙いと獲得目標というところについては、標準カリキュラムから引用していただいているということになります。その後、それぞれのカリキュラムの中で、どのような相談支援専門員の力を付けていただくのかという整理が大きな3番のところで示されています。それに関して関連する科目、この講義だけではなくて、この講義と関連する科目なども、そこでお示しをしているという形になります。
その後、4番のところでそれぞれの科目がどのような進め方をしていくのかということを時系列、時間配分も含めて書いていただいています。
7ページのところ、左側につきましては、講義、演習を含めて実際に受講をしていただいた後に、受講前と受講後でどのような変化があったか、気付きがあったかという評価をしていただくことが重要かということで、こういった振り返り評価シートというものも作成していただいております。この後、講義について続いていくのですけれども、20ページをおめくりください。ここからが演習についての進め方などをお示ししていただいているものとなります。講義と同じように狙いと獲得目標などは標準カリキュラムのところから引用していただいていますが、科目の概要でありますとか指導ポイントについては、標準カリキュラムを膨らませるような形でより詳しく書いていただいております。
その後、4番のところに科目の展開例ということで書いていただいているのですが、それぞれの演習についてどのように導入を図り、さらに展開をしていくか。そして、最後にどうやってまとめていくかという流れを示していただいているとともに、それぞれの場面で必要な、強調しなければならない項目について書いていただいています。
こういった形で講義、演習というものをお示ししていただいているのですが、もう一つこれをさらに深める資料として作成していただいているのが、36ページをおめくりください。36ページの右側以降が少し小さな印刷となってしまっていて大変申し訳ないのですけれども、演習の1日目、2日目、3日目、4日目と、それぞれの演習をさらに細かく、どういった展開をしていくのかについて、主には演習のそれぞれのグループに配置される講師の皆さんが、どういったことを注意しなければならないかといったことも、ここでさらに詳しく資料として作っていただいているというのが、このガイドライン案となります。
中身についてはまた見ていただければと思っているのですが、今日の冒頭の整理もありましたとおり、あくまでガイドラインということですので、留意事項などがより詳しく書かれているということにはなりますので、さらに詳細な中身というところでは、テキストのところでしっかりと補完をしていくものかと議論は進めていただいております。
以上です。
○熊谷座長 ありがとうございました。
これを見ますと2つ挙がりましたが、粒度、細かさという意味では大分違うものが挙がっていることに気づかれるかと思います。ガイドラインというのはイメージとしては授業計画のようなイメージかなと。シラバスがあって、もう少しそれを時間軸に沿って、何分で何をやる、留意点は何かというようなものがガイドラインとして想定されていたのだなということが、これを見て初めてわかったのですけれども、そういう意味では2つの案を合流させていくときに、どの部分をどういうふうに合流させるのかもちょっと見えてきたかなという感じがします。
それから、こちらの2つ目の案に関しては、ここだけの資料ではなくて配付資料というものがまた別にあります。これはインターネットで見ることができる資料です。国立障害者リハビリテーションセンターのホームページに行くと、パワーポイントの形であるとか、あるいはPDFの形で毎回の授業で使う配付資料を見ることができます。この授業計画だけだと何となくイメージがつかない部分もあるかなと思うので、これもお時間があればですけれども、配付資料も見ていただくと、それぞれの中身を想像しやすくなるかなと思っております。なので5つのうちの配付資料という項目も、また合流の場所の1つの候補になるかもしれませんので、そのあたりも含めて次回ちょっと座長案、あらあらな座長案にはなると思いますが、ぜひ厳しくたたいていただいて、もんでいただいて、よい通知案を最終的には作らせていただければと思っています。
特に演習や実習の部分は、そもそもの時間数からして2つの案が食い違っておりますので、このあたりはロジックも含めて次回、座長案を出しますが、かっ達な議論を次回以降お願いできればと思います。
司会の不手際で時間がそろそろ終わりに近づいてきたのですが、もし何か1人若しくは2人ぐらい御意見、御質問がございましたらお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。お願いします。
○松本構成員 2つございます。
1つ目は今村構成員の意見書の中に権利条約という言葉がございます。発言の中で権利条約という言葉が随分出てきたかと思いますが、私としては手話は言語であるということが、権利条約ができる前には全く社会的に認知されていませんでした。権利条約後に「手話は言語」であると言われ始めました。どこかにそのあたりも入れていただきたいなと思っています。
また、2つ目ですが、中西構成員から御説明をいただいた中に、手話で日本手話と日本語対応手話みたいな言い方があったかと思います。私ども全日本ろうあ連盟としましては、日本語対応手話という言葉は使っておりません。確かに日本手話言語といいますのは、表し方はばらばらです。それは間違いありません。ただ、その本人の背景によって、言い方はおかしいのですが、日本語に対応しているような表し方をなさる方はもちろんいらっしゃいます。逆に、身振りに近いような手話を表現なさる方もいらっしゃいます。これは本人の背景をつかまないと相談できないということになってしまいますので、それは本当に大事な考え方だと思っています。
以上です。
○熊谷座長 ありがとうございました。
手話に関する記述をどこに入れるか、複数あるような気がします。1つはアクセスの部分です。通知にも多分このプログラム自体の合理的配慮や積極的是正措置などの文言を入れることも可能かと思いますので、そのアクセスには場所までいくという空間的なアクセスだけではなくて、情報のアクセスという御指摘は鈴木構成員からもありましたので、そこに関して合理的配慮を書き込むということはまずあっていいのかなと思います。
もう一つは意思決定支援の部分で、情報保障は意思決定支援の必要条件になりますので、そこにも書き込めるかなと。少なくとも2カ所に書き込めるのではなかろうかと思います。それ以外にもいろいろな御意見があると思いますが、次回ちょっとその御意見も踏まえて案を書かせていただきます。
そうしましたら、今日は情報共有だけになってしまいましたが、申し訳ございません。次回以降は大体情報は出そろった状況ですので、これをテーブルに並べて次回以降、2回にわたって、もし皆さんよろしければ次回、第8回の3月21日以降、御議論をさせていただければと思います。
それから、取りまとめに関しては、予備日として提示させていただいておりました3月28日の第9回検討会を開催させていただく方向にさせていただいて、そちらで3月21日が次回、28日が最後の第9回ということでさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。そうしましたら、そのような形で残り2回になりますが、何とか通知案まで持っていきたいと思いますので、御協力のほどどうぞよろしくお願いいたします。
最後に事務局から連絡事項をお願いします。
○内野室長補佐 事務局から連絡事項をお伝えさせていただければと思います。
今、座長からありましたように、次回、第8回、こちら3月21日の木曜日の祝日に当たってしまいますが、皆様方、日程調整をさせていただいたときに、ここが一番出席率が高かったということもございまして、お休みのところ大変申し訳ないとは思いつつ、開催をさせていただければと思っております。
場所につきましては、次回は厚生労働省の会議室で開催させていただきたいと思っています。時間については17時から19時、12階の国会側専用第15会議室になります。こちらについては、また改めて事務局からメールで御連絡をさせていただきたいと思います。
それから、予備日についても3月28日、御予定をあけておいていただければと思いますので、よろしくお願いします。
途中、座長からございましたが、今回、通知、最終的に整理をさせていただいて、固めていただくような方向で御議論がということで御提示いただきましたけれども、今回のガイドラインの案と中西構成員の資料をもう一度御確認いただきつつ、標準カリキュラムの案、今回も御意見をいただいておりましたけれども、2つの案を見ていただいて、できましたら3月8日までにいま一度、御意見等をいただければと思っております。いただいた内容をこちらで整理させていただいて、熊谷座長と調整をさせていただいて、次回の検討会に御提示をさせていただきたいと思っております。これについては標準カリキュラムの案についてでございます。
もう一つ、ガイドラインですとかテキストですとか、こちらまた構成等、御意見等あれば、これは標準カリキュラムの案とは別にまたいただければと思いますので、こちらもよろしくお願いします。
また改めて事務局からメールでお知らせいたしますけれども、期間が短いお願いで申し訳ありませんが、御協力お願いできればと思います。
事務局からは以上になります。
○熊谷座長 それ以外、事務的な確認ございませんでしょうか。大丈夫そうでしょうか。
そうしましたら、御多忙の中、今回お集まりいただきましてありがとうございました。これで議論を終了したいと思います。また次回、3月21日、どうぞよろしくお願いいたします。
以上で閉会とします。お疲れさまでした。
○内野室長補佐 すみません、三浦構成員からいただいている資料ですけれども、冒頭申し上げましたが、個人が特定されそうな内容でもございますので、構成員限りでお願いできればと思います。特に回収はいたしませんが、構成員限りという取扱いでお願いします。ホームページにもこちらはアップしない方がよろしいかなと思っていますので、そういう扱いになりますので、お願いいたします。
○三浦構成員 すみません、もうちょっと事例化したもののほうがよかったかと思いました。御本人はここに来ても発言できるような方なので、一応、本人の承諾は得てはおきます。そこは確認しておりませんので、次回までにもし他で使われることが可能かどうか、ちょっと本人の意見を聞かせてください。本人は望むかもしれません。


 

 

(了)

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