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2016年1月20日 第12回目安制度の在り方に関する全員協議会 議事録

労働基準局

○日時

平成28年1月20日(水)
10:00~10:45


○場所

厚生労働省6階専用第23会議室


○出席者

【公益委員】

仁田会長、戎野委員、鹿住委員、武石委員、中窪委員

【労働者委員】

木住野委員、須田委員、冨田委員、新沼委員、萩原委員、松井委員

【使用者委員】

小林委員、高橋委員、中西委員

【事務局】

土屋大臣官房審議官、増田大臣官房参事官(併)賃金時間室長、
川田代主任中央賃金指導官、成川賃金政策専門官、
竹本最低賃金係長

○議題

目安制度の在り方について

○議事

○仁田会長
 それでは定刻少々前ですが、おそろいでございますので、ただいまから、第12回目安制度の在り方に関する全員協議会を開催いたします。本日は、お忙しいところ御出席いただきまして誠にありがとうございます。本日、横山委員、吉岡委員、渡辺委員、土田委員が御欠席でございます。
  それでは議題に移りたいと思います。前回事務局で御用意いただいたランク区分に係る指標(案)を中心に、ランク区分の設定の在り方等について御議論を頂きました。いろいろな御意見が出たこともあり、労使それぞれに持ち帰っていただいて御検討いただくことになっていたと思います。今回も引き続きランク設定の在り方について御議論を頂きたいと思います。
  それではまず、事務局から本日の資料についての説明をお願いします。


○成川賃金政策専門官
 資料の説明をいたします。前回、事務局が用意したランク区分に係る指標(案)について、ただいま会長よりお話もありましたが、それぞれ持ち帰って御検討を頂くことになっていたかと思いますので、前回と同じ指標に関する資料を御用意しました。お手元の資料のNo.1~No.3は前回と同じものになります。資料No.4については、前々回第10回の発言要旨に前回第11回の発言要旨を追記していますので、適宜御参考にしていただければと思います。追記した部分には下線を引いています。資料の説明は以上です。ありがとうございました。


○仁田会長
 どうもありがとうございます。それではまず、それぞれの御検討の状況について御報告を頂きたいと思います。まず使用者側からお願いします。


○小林委員
 前回以降は私どもも会議を持てなかったのですが、関東ブロックの最低賃金審議会の委員で集まる機会がありました。去年の目安以降、最低賃金の決定状況とか、それから、今出されている新しいA、B、C案も説明しながら相談した経緯があります。現行の指標、所得・消費に関する指標、給与に関する指標、それから企業経営に関する指標というのに分かれているわけですが、特に使側の意見として、今までの企業経営に関する指標の中で、付加価値に関する指標が入ったことに高く評価する意見が幾つかありました。
  しかし、過去の20の指標から随分数を減らすことによって、各A、B、Cの案でも県の並び方が変わるということ、順位にかなり違いが出るということで、ちょっと大きな入れ替えがあるので大変懸念を持っているようです。関東の中でも今までのランクにずれも生じるということで、その影響を受ける地域に説明しても納得を頂けるかどうかに、十分慎重に考える必要があるかと感じているところでもあります。
  それから、それぞれの案のどれになるのか分からないですが、それぞれどの案になるのかを決めるなりするときに、相当慎重に対応する必要があると思います。また、それぞれ自分のところの県のランクがどうなるのかが非常に影響するということで、その部分しかおそらく目が行かないと思うので、相当納得のいくような説明をしていく必要があるということを特に感じているところです。以上です。


○仁田会長
 何か補足することはありますか。


○高橋委員
 企業の付加価値に関する指標が追加されていることは評価いたしますが、他方で、前から主張しておりますとおり、3要素は等しく考慮すべきであり、指標の数が相変わらずバランスに欠けている部分があるので、再検討が必要なのではないかと思います。また、指標の数を減らすことのメリットとデメリットは慎重に検討していく必要があるのではないかと考えます。
  さらに、こうしたランク区分に係る指標等についての技術的な検討をすることも重要だとは思いますが、地方からのヒアリングの際によく聞かれるとおり、最近の目安は、時々の事情の占めるウェイトがあまりにも大きくなっていますので、目安制度の在り方そのものに立ち返って検討することを併せて、ランク区分に係る指標についての検討を行わないとあまり意味がないのではないかと考える次第です。


○仁田会長
 どうぞ。


○中西委員
 検討する指標に企業の支払能力を示す付加価値に関する指標が入ったことについては、我々としても評価しています。なお、商工会議所会員企業の最低賃金への関心は非常に高いものがあります。役員それから事務局に、多くの個別企業から意見が寄せられています。また、昨今、外部の社会経済環境や最低賃金に対する社会的な考え方が大きく変わりつつあることを踏まえて、目安全員協議会における制度改正の議論についても十分に慎重な議論、それから検討を行うことを希望したいと思います。以上です。


○仁田会長
 どうもありがとうございました。それでは、引き続き労側からも検討状況の御報告を頂きたいと思います。


○須田委員
 前回、事務局から出されている資料No.2をベースに労側も議論してきましたが、技術論でいくと、高橋さんからもありましたが、前回も申し上げましたとおり、これまで、5:10:5という、先人の知恵という言い方をしましたが、三要素のバランスを変えるとなるといろいろな意見も出るので、なぜそうしたのかということをきちんと議論しなくてはいけないかと。ただ数を増やせばいいという話ではない。
  そのときに、前提として、我々も地方の労側の委員の話を聞きましたが、小林さんからもありましたけど、ランクを気にしているという現実があるということと、地域の自主性発揮と言っているのですが、やはり目安ということの重さもある。各ランクごとのゾーン的な目安の示し方というのもあったのですが、これから調べなくてはいけない。目安をゾーンで示しても、それを受け取った地域、地方は相当難儀したのではないのかと。これは想定ですが。となると、ある一定のルールでランクを作って、なおかつ、今やっているような額か率かは別としてですが、ランクごとの目安を示す。目安全体の示し方によって、今4つのランク間の中で、東京の907円と一番低い所と比較すると214円の差があるわけですが、この差の固定化につながる懸念がある。法改正があって生活保護基準との乖離解消をやってきたというのが背景にありますが、ではその差をどうするのだといったときに、特に給与に関する指標で言うと、どの指標がいいのかちょっと呻吟しているところでもあります。ただ一般労働者、一般労働者とは誰を言うのだという定義も難しいのですが、一般労働者が47都道府県の中でどういうばらつきがあって、例えば中位数でもいいのですが、それと現行の最低賃金というのはどういう位置付けにあるのかというようなことも配慮しないと、全国的整合性が取れているといえるのかどうかという疑問もあります。
  5月までの全員協議会でもそういう議論をさせていただいて中間的なまとめをしたということは、それはそれで承知もしているし、重いと思っていますが、指標をどうするかという技術論以前の問題として、やはり目安というのをどう機能させるのか。あるいは、これまで昭和53年からですから、約40年経ち、途上で1回やっている経過もありますが、現在の経済情勢、今の実態の中で、目安を示すことのメリット・デメリット、あるいはランク区分をどうすればいいのかをもう1回総括した上で、どういう指標を用いてどういうランク区分をするのか、あるいは、どういう参考資料を用いたらいいのか、昭和53年のときの原点に戻るような話をして申し訳ないのですが、もう1回総括した上で、どうするのかという議論も必要なのではないかという気がしています。
  企業経営に関する指標で付加価値を使うことについて異議はないのですが、この経産省の説明を見ると、労働集約型産業も労働装備率の高い産業も、いわゆる粗付加価値額で見ているということが本当にいいのかという疑問、要するに減価償却費が入っていないということですが、それで本当にいいのかどうかという、技術論も含めてやる以上は、やはり地方もそうだよねという理解が必要だと思いますので、そういう検討も必要かと。
  それから、前回宿題がもう1つあったと思うのですが。では、どの指標を作るのかというのが決まったときに、5年に1回やるとすれば、過去5年間の平均を取るのか、どのタイミングの指標を取るのかという議論もあったと思うのです。ここに挙がっている指標を見ると、毎年集計しているものもあれば、5年に1回しかやっていないというものもあるので、これを今後も5年ごとに仮に全員協議会で議論するとすれば、見直ししたときの最新のデータを使うほうが労側としてはいいのではないかと考えています。過去5年遡ってといっても、データがあるものとないものがある中で、直近のものでいいではないのという意見も出ているところです。したがって、結論からいくと、我々もこうだという答えが今現在出ていなくて、もう少し悩みたいというのが今日段階の状況です。


○仁田会長
 ほかにはいかがですか。よろしいですか。それでは、ただいま労使双方の委員から、現在の検討状況について御報告を頂いたところです。その中で、ランク区分に係る指標の検討のプロセスでいろいろな御意見が出されているということですが、目安制度の在り方、地域間格差の固定化等、ランク制度の原点に立ち返って考えるべきといった御意見が出されているということでした。この点について、なお御議論があれば、ここで労使双方出しておいていただくことが適切かと思います。それではまず、今度は労働者側から御意見を更にお出しいただくということでいかがでしょうか。


○須田委員
 繰り返しになるかもしれませんが、これはどういう区分がいいかは別として、ランク設定は必要だろうと思います。中央最低賃金審議会として、法の原点というか法の目的に沿って目安を示すという今のやり方は基本的に維持するという前提の中で、どういう指標を用いてどういうランク区分をするのか、どういう目安を示すのかという運用部分について、もう少しこの全員協議会の中で意見交換をしたほうがいいのではないのかと思っています。ですから、逆の言い方をすると、中間まとめの段階では今年度というような報告文書になっていますが、余り拙速にやるよりは、じっくり議論したほうがいいのではないかというのが現時点の思いです。


○仁田会長
 使用者側は、ただいまの労働者側の御意見あるいは検討状況を踏まえて、何か御意見ございますでしょうか。


○高橋委員
 先ほどの繰り返しになりますが、目安制度は、法の3要素に基づいた制度設計がなされているところ、最近出てくる金額目安は、3要素に直接的な関係性を見出しにくい時々の事情のウェイトが非常に大きくなっていると感じております。したがって、そうした現状をどのように考え、5年に一度の制度見直しをしていくのかという、制度の根本論に立ち戻って審議をしていく必要があるのではないかという問題意識を持っています。そのような審議を行うには、地方の方々の意見も十分に伺いながら慎重に検討を続けていくべきではないかと考えておりますので、取りまとめにつきましては、必ずしも年度内に固執することなく、この際、根本的な原点に立ち戻った審議を是非お願いしたいと思います。


○仁田会長
 いかがですか。どうぞ。


○小林委員
 補足というわけではないですが、須田委員からも話がありましたが、今までの目安でのランク制度、これは確かにメリットとデメリットがあると思います。ランク制度を設ける以上は、各地域の格差が出てしまうのですが、反面、金額でのかなりの開きが出てきたという経緯もありますし、根本的な目安制度の原点に立ってもう一度慎重に考え直すというのはいい機会だと思います。全員協議会で議論する中で、十分に議論できていたのかというと、そうでもない側面もあります。また原点に立ち戻って、現状のランク制度のメリット・デメリットをもう一度洗い出して議論するのも重要なことだと感じています。その際、やはり地賃に与える影響が大きいので地方の意見を聞いた上でもう一度話し合うというのが、重要なことだと感じているところです。


○仁田会長
 ただいまの使用者側の御意見の表明につきまして、何か労働者側から御意見、御発言等ございますでしょうか。


○須田委員
 共感するところもあるし、我々としての思いもありますが、もう少し、やはり分析を深める等々をした上で、意見交換もさせていただきながら決めていったほうがいいのではないかと思います。現段階で、出口のことは正直余り考えていないのですが、このままで議論しても地方から十分な理解が得られないような結論を急いで出すというのは、避けたほうがいいのではないのかと思います。どういう手順で、どういう議論をやっていくのかというのは、事務局にも整理していただくとしても、今の制度というか運用のルールを全面的に変えるとまでは思っていないのですが、ただ、1回総括をしておくことは必要なのかと思います。


○仁田会長
 よろしゅうございますか。使用者側もよろしいですか。一応、検討状況を伺って、また、それを補足する労使双方の重要と考える点についての御意見の表明を頂いたところです。一応、現段階での考え方として、会長見解というほどのものではないですが、それを取りまとめて、この会議での暫定的な現状認識とさせていただくのがよろしいかと考えています。5点あります。
  まず、これまでの経緯です。この協議会は一昨年の6月より議論を始めて、昨年の10月から、中間整理で優先的に議論を行っていくとしましたランク区分設定に用いるべき統計指標、参考資料等についての議論をしてきたところです。
  2点目です。しかし今回、労使がランク区分に係る新たな指標案等の検討を行う過程で、「ランク区分の在り方については、目安制度の運用の基本に関わる部分であり、もう一度原点に立ち戻って議論すべきであり、また、関係者の理解と信頼を得るべく慎重に検討すべきである」との意見が出されたところです。
  3点目です。今回のランク区分、参考資料の見直しを経て、目安制度がその目的どおり有効に機能するためには、地方を含め関係者の理解が重要でありますことから、労使それぞれの検討の過程で出された御意見を踏まえて、これからの議論の進め方ですが、当初目指していました平成27年度内の取りまとめに関わらず、慎重に検討を重ねて、関係者の意見を踏まえて取りまとめることとしてはいかがかということです。
  4点目です。その場合、地方最低賃金審議会への影響等を考えると、仮に取りまとめが平成28年度となる場合は、平成28年度の目安審議については現行のランク区分・制度で行うこととしたいと考えています。
  5点目です。労使各側は、今後とも目安制度がその目的に沿って有効に機能するために、ランク制度のメリット・デメリットを踏まえて、目安制度の原点に立ち戻って、それぞれ地方を含めた関係者との議論や意見集約を進めていただきたいと思います。というのが私の現状認識と今後の進め方についての考え方なのですが、こういうことでよろしゅうございますか。


○須田委員
 会長の今の見解に了解します。その上で、地方との回し方の問題もありますので、議事録を見ろと言えばそれまでですが、今言ったようなことを活字化して配布していただけると有り難いと思いますので、御検討をよろしくお願いします。


○仁田会長
 よろしいですね。使用者側も、特に御異議はないかと思いますので、そのようにしたいと思います。
  またやはり、47の地賃があってそれぞれで最低賃金の審議をしておられるわけですので、その意見集約をどのようにするかを含め、十分、我々としても検討させていただきたいと考えております。それでは、そのようなことで今回の目安全員協議会の審議経過を踏まえ、十分それが各地賃関係者等に伝わるように事務局を通じて文書の用意等を行っていただきたいと思います。
  それでは引き続き、別件ですが中央最低賃金審議会の目安に関する小委員会の公開という問題について、御議論いただきたいと思います。まず、事務局から御説明をお願いいたします。


○成川賃金政策専門官
 御説明いたします。今回、特に資料等は用意しておりませんが、目安に関する小委員会の公開については昨年より国会等でも議論されております。実際、公開するか非公開にするかについては、運営規定に基づき、夏の目安審議の際に決定されるものではありますが、現時点で皆様の御意見をお願いできればと思っております。よろしくお願いいたします。


○仁田会長
 というようなことで、この場では御意見を承っておきたいということです。いかがでしょうか。


○小林委員
 今、目安に関する小委員会の審議を公開にするか、国会で議論されて、御指摘があったというのは承知しているところです。今までを見ても、中央最低賃金審議会は公開で行われ、小委員会を設置することを決めて、非公開にするかどうかを決めて来た経緯があります。とはいえ、目安に関する小委員会の審議の内容については、事後ではありますが一応議事録では公開はしているわけです。それが早いか遅いかといえば、遅いというのはいろいろなところから御指摘があるとは思いますが。できるだけ早く議事録を公開すれば、そのような意見が出てこないのではないかと思っています。もう1つは目安の小委員会自体が、実際に審議をしている際にどうしても労側の発言と、使用者側の意見というのはなかなか一致を見ないで、公労・公使会議という形で公益委員が中立な立場で、それぞれの意見を聞いていただく機会をもつ形で運営されていると思います。それぞれ公労・公使会議が終わった後に、また全体で集まって全体会議を開催する形で議論される。それを何回か繰り返すような運営方法を取っています。果たして公開するとすると、公労・公使会議も全部公開するかということになると、なかなか自由な発言ができないケースが出てきてしまいます。また全体会議のみを公開するにしても、タイミングがいつの時点で開かれるかは、その度々によって違うわけです。報道関係の方は外で待っているケースがありますが、傍聴される方は待っている時間がかなり多くなると思います。実際のやり方でも難しい部分はあると思いますし、また自由な発言ができない部分も併せれば、従来どおりのやり方で私はいいのではないかと感じているところです。
  本審自体は、必ず公開ですし、全員協議会も、今までは非公開ですが、必要があるときは公開でやるのも必要だとは思います。今までの目安に関する小委員会を全て公開でというのが、果たしてうまい運営ができるか、逆に混乱を招くのではないかという懸念を持っています。これは労側の意見も同様なのかどうかは分かりませんが、それぞれから聞いていただければと思います。


○高橋委員
 国会等での議論とは、何が問題とされて、何が議論になっているのでしょうか。それを紹介いただかないと意見を言いにくいと思います。


○増田参事官
 国会の議論ですが、やはりこれは国会での質問されている先生のお考えですが、労使の交渉以外に、政策的な要素も含めて幅広く国民的議論も入れることが重要ではないかということから、決定の過程について公開することも考えられないかと、そのような御指摘があったものです。それに対して厚生労働省としては、先ほど小林委員からもお話がありましたように、運営規定の中で会議の公開・非公開、それから議事録の公開・非公開は決めていただくこととなっており、今現在の段階では、公労使の話合いの中で非公開になっているということを回答させていただいていますが、そのような御指摘も踏まえ、皆様の御意見を求める形ですので、大変説明が足りず申し訳ありませんが、そのようなことで幅広い御議論になるように、その過程についても公開が必要ではないかという御指摘でした。


○仁田会長
 いかがですか。


○高橋委員
 基本的には小林委員と同じ考えです。労使双方の基本的な立場や考え方が大きく乖離していることが多く、政策より金額の観点からその溝をどのように埋めていくのかという審議が中心になります。そのため、公開することによって、逆に審議が非効率的な形になることを懸念します。結果として、なかなか金額の目安が出されないということになりますと、本来この小委員会で目指しているであろうその年々の春季労使交渉協議の結果をなるべく早く最低賃金の金額に反映していくという目的の1つが阻害されることになりかねないというような懸念を持っております。議事録を公開しておりますので、そちらをなるべく迅速に公開するのが先決ではないでしょうか。あまり、タイムラグを置かない努力は必要であると思います。


○仁田会長
 どうもありがとうございました。


○中西委員
 意見を述べさせていただきます。審議会は原則公開すべきであるとの方向性につきましては理解できます。しかし、実際の運用に当たりましては、審議会ごとの個別の事情を十分考慮すべきではないかと考えます。
  中央最低賃金審議会におきましては、議論にあたり対外的に公表できない中小企業のデータや事例を用いていることもあります。そのため、これらが公開されるようになったと仮定した場合、議論が制限され実態に即した議論が果たしてできるかどうかという懸念もあるのではないかと考えます。実態に即した議論ができないことを考えますと、それは労使双方にとって損失ではないかと、そのように考えます。したがって、引き続き非公開となることを強く希望いたします。


○仁田会長
 どうもありがとうございました。それでは、労働者側の御意見を。


○須田委員
 基本的に公開・非公開、するかしないかは、その都度の中央最低賃金審議会のスタートの段階で、運営規定に基づいて議長から発議があれば、我々はそれを受け止めるスタンスに変わりはありません。国会のやり取りの詳細がよく分からないのですが、正に交渉をやっているわけですから、法律を作っているわけではないので。そのような性格の審議会なのだと踏まえた公開の在り方を慎重に考える必要があるのではないかと思っています。
  労働政策審議会のように法律をどうするのかという議論は、これは公開すればいいと思いますが、ここはそのような場ではありませんので、もう少し現行の最低賃金法なり、中央審議会ということの意味合いを御理解いただき、国会でも議論いただきたいと率直に思います。


○仁田会長
 ほかには、いかがでしょうか。よろしいですか。目安審議に関わっているのは労使と公益ですので、公益委員の方から何かございますか。


○武石委員
 私は今年度目安委員ではないのですが、過去に2回関わらせていただき、横から客観的な意見を申し上げます。労使の方から公開には慎重な御意見が出たと思いますが、私も同意見です。過去2回参加しましたが、やはり労使の交渉的な意味合いがある場で毎回公開していくのがなじむのかは非常に疑問がありますし、かなり率直な意見のやり取りをしていただくことによって、使用者の委員の方がおっしゃったように、できるだけ早く決着をしていく部分もあると思いますので、そういう意味では公開に関しては慎重に進められるのがいいのではないかという感想を持っております。


○仁田会長
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。基本的にはこれは本審の問題かと思いますので、公開・非公開については今日のところは目安全員協議会の委員の皆様の御意見を承りましたので、会長としては整理をしたいと思います。それでは、用意した議題は以上ですが、委員の方で何かこの際に発言しておきたいことはありますか。よろしいですか。それでは、本日は以上といたします。
  次回の開催ですが、今日御議論がありましたように、労使それぞれの検討状況等を踏まえ、事務局で別途調整を進めていただくようにお願いしたいと思います。
 以上をもちまして、本日の全員協議会を終了いたします。本日の議事録署名ですが、新沼委員、中西委員にお願いしたいと思います。本日はお忙しいところ、どうもありがとうございました。

 


(了)
<照会先>

労働基準局賃金課
最低賃金係(内線:5532)

代表: 03-5253-1111

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