ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 保険局が実施する検討会等> 先進医療会議> 第42回 先進医療会議議事録(2016年6月9日)
2016年6月9日 第42回 先進医療会議議事録
○日時
平成28年6月9日(木)15:58~16:32
○場所
中央合同庁舎第5号館 共用第6会議室(3階)
○出席者
【構成員等】 |
猿田座長 五十嵐構成員 石川構成員 坂本構成員 柴田構成員 |
福井構成員 福田構成員 藤原構成員 山口構成員 |
【事務局】 |
医療課長 医療課企画官 医療課長補佐 |
薬剤管理官 歯科医療管理官 研究開発振興課長 先進医療専門官 他 |
○議題
1 新規技術(5月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について
(先-1)
(別紙1-1)(別紙1-2)
(別紙2-1)(別紙2-2)
2 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
(先-2)
(別紙3)
3 先進医療Bの取り下げについて
(先-3)
○議事
議事録
15:58開会
○猿田座長
それでは、時間がまいりましたので、第42回「先進医療会議」を始めさせていただきます。
先生方におかれましては大変御多忙のところ、また、天候の悪い中お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。
それでは、まず本日の委員の出欠状況でございますけれども、本日は宮坂構成員と山本構成員が御欠席ということでございます。両先生からは委任状をいただいておりまして、議事に関しましては私に一任するとしていただいております。
それでは、まず資料の確認を事務局からよろしくお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
まず傍聴の方で撮影されている方については、ここまでとさせていただきます。
それでは、資料の確認でございます。
議事次第をおめくりいただきまして、先-1「先進医療の新規届出技術について(届出状況/5月受理分)」としている横紙の資料でございます。こちらに別紙1-1、1-2、2-1、2-2がそれぞれついてございます。
先-2の横紙として「先進医療技術審査部会において承認された新規技術に対する事前評価結果等について」がございます。
左上ホチキスどめの資料として、別紙3がございます。
先-3として「先進医療Bの取下げについて」がございます。
資料の確認は以上でございます。資料について不足、誤り等がございましたら事務局まで御連絡くださいませ。
また、今回もタブレットを使用していただきたいと思ってございます。届出書類等についてはタブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、御発言される構成員の方におかれましては会議資料のページ、またはタブレットのページとあらかじめ御発言いただけますと議事の進行上、助かりますのでよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○猿田座長
どうもありがとうございました。資料のほうはよろしいでしょうか。
それでは、特にないということで、まず今回の検討対象となる技術に関しまして事前に利益相反の確認をしておりますが、その結果につきまして事務局からよろしくお願いします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
それでは、今回検討対象となる技術に関しての利益相反について御報告いたします。
坂本構成員より、先進医療Bとして評価を行う整理番号95の技術について申し出をいただきました。坂本構成員が先進医療会議運営細則第4条の5「当該構成員等は、当該医療技術に関する検討(議事の取りまとめを含む。)及び事前評価には加わらない」の規定に基づき、当該技術に関する検討及び事前評価には加わらないこととなります。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
そのほか今の時点で申し述べるという方はいらっしゃらないですね。ありがとうございました。
それでは、次に進めさせていただきます。まず5月の受付分の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分けということでございますけれども、これに関しましても事務局からまず御説明をよろしくお願いいたします。
○医療課長補佐
再び事務局でございます。
新規技術、5月受理分の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分けについて、資料先-1に従って御説明申し上げます。
5月に受理いたしました技術は、受理番号66「急性心筋梗塞に対するヒトIL-11製剤を用いた心筋保護療法」、受理番号67「2型糖尿病患者に対する自己管理支援ICTシステムを用いた療養指導」の2件でございます。
それぞれの適応症ですけれども、受理番号66についてはST上昇型急性心筋梗塞。ただし、再灌流療法を施行する場合に限る。受理番号67は2型糖尿病となっております。
かかる費用について資料に御説明がございますけれども、1点、訂正がございます。保険給付される費用及び保険外併用療養分にかかる一部負担金、右側から4列目と3列目でございますけれども、こちら数字が逆転しておりますので、おわびして訂正申し上げます。したがいまして、受理番号66の保険給付される費用の部分についてが231万円、保険外併用療養費分にかかる一部負担金が98万6,000円。同じように受理番号67番につきまして給付される費用が4,000円。一部負担金が2,000円となりますので、おわびして訂正いたします。
まず受理番号66の急性心筋梗塞に関する治療でございますけれども、別紙1-2をごらんいただきますと、使用する医薬品の中に未承認の医薬品がございます。そのことから先進医療Bとして振り分け案をつくってございます。
受理番号67番の2型糖尿病に対するICTシステムにつきましても、別紙2-2をごらんいただきますと、使用する医療機器が現在、共同研究開発中のため未承認となっておりますので、こちらも未承認の医療機器を使うものとして先進医療Bとして振り分け案をつくってございます。
御説明は以上でございます。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
今、御説明がありましたように、066、067とも未承認のものが入っているということで、一応規約上からはBへの振り分けとなるということでございますけれども、どなたか御意見ございますでしょうか。
石川先生、どうぞ。
○石川構成員
067の案件でございますけれども、私もこの先進医療の構成員になって日も浅いということもありましてわからなかったのは、このシステムについて将来の保険収載を目指して先進医療になるということなのですが、内容を見ますと2型糖尿病患者さんが自分で自己血糖測定だとかそういったものをして、システムに自動的に入力されたり、先生の指導に基づいていろいろなカロリーコントロールをしてというようなことのシステム全体のことを言っているのですけれども、これがだから今までの私なんかが参加させていただいていた先進医療の中の機器だとか薬剤だとかねそういったものとは全く違うわけです。ソフトだとかシステムだとか、そういったことのこれを先進医療と認めるかどうかということだと思うのです。
これで技術部会に行ってどうなるかということだと思うのですけれども、1つは、私が疑義を持っているのは、そういうソフトだとかシステムについても先進医療で検討するのかというのが1つと、この内容が実は私もITをやっていまして先進医療にふさわしいかどうかというのは疑義を持っております。
概要を読んでいただくとわかるのですけれども、Bluetoothでいろいろと情報をシステムに送り届けるというのは、それはそれで随分前から血糖の機械がBluetoothで飛んでいくということはあるわけなのです。それから、管理ソフトにつきましては無料で本当に多くの管理ソフトが、例えば私が持っているスマートフォン。実は私も万歩計の管理ソフトが入っているのですけれども、こういうもので無料でかなり提供されているのです。特にタニタというところがやっているのはすごく優秀でして、それは余りにも厳格なので私はやめてしまったのですけれども、非常に厳格なことをやりたければそれをやればいい。それにBluetoothで血糖値の情報がこちらに流せるということであれば、そんなに難しい技術ではないのです。これは果たして先進と言えるかどうかという2つの点に疑義があるなと思いました。
○猿田座長
ありがとうございます。非常に重要なポイントなのですけれども、まず1つは、これをもし認めたとすれば技術会議のほうでBですから、そこで本当に細かいことをやっていくのですけれども、問題はこれを今、先生がおっしゃいましたように先進医療として認めるかどうか。これは実は事務局からの御意見をいただいたほうがいいかもしれません。どうぞよろしくお願いします。
○医療課長補佐
ありがとうございます。まず問題点を2ついただいていたと思います。
まず1つ目として、ソフトウエアというものが医療機器にもともと当たるのだろうかというところについて。医療機器でなければ承認、未承認というお話がそもそもございませんので、その点が1つ。
もう一つは、これを先進医療として実施した場合に保険収載を目指して実施していくことになりますので、保険収載のところの出口がしっかり見つかるのかどうかという問題、2点御指摘をいただいたかと思います。
1点目につきましては、今回担当の室にも来ていただいておりますけれども、医薬品医療機器法の中で新たにソフトウエアというものも規制の対象になるといった事情がございます。
2点目でございますけれども、技術審査部会において技術関係の御審議をいただいた後、再度先進医療会議、こちらの本会で御議論いただくときに、保険診療で行う可能性であるとか、社会的妥当性であるとか、そういったことについても御評価いただくところとなっておりますので、まさに今後そもそもこれが先進医療として実施するべきなのか、最終的な保険としてなじむものなのかどうかというのは、今後審議していただくものだと考えております。
○猿田座長
事務局としては、この形で引き受けていいということでございますか。
○医療課長補佐
振り分けの部分はそのとおりでございます。
○猿田座長
ということだそうですけれども、石川先生あるいはほかの構成員の先生方、どなたか御意見ございますか。確かに今まで出てきたものとは少し感じが違うものでございますけれども、どなたか御意見いただけますでしょうか。石川先生、何かございますか。
○石川構成員
実はそのことを最初から、説明のときから「あれ?」と思ったのでいろいろお聞きしまして、医療機器かどうかということについての今までの厚生労働省でのほかの委員会だとか、そういったところでの議論というのは聞いてあります。
しかし、きょうの資料の別紙2-2の裏を見ていただくと、海外での承認に関する情報というところでは、これは米国での薬事承認、どの区分を言うのかよくわからないのですけれども、これは対象外だとなっています。欧州でも薬事承認ということについては対象外になっているということなのです。この事実をどう受けとめていくのかということだと思うのです。日本はこうではないんだと言うかどうかなのですけれども、こういうこともあわせて、では技術部会できちんとそのことを議論しようではないか。ただいいよと、そこでやりましょうという感じになると思うのですけれども、それをここが許すかどうかということだと思うのです。
○猿田座長
ありがとうございます。
委員の先生方、今、石川先生から御指摘いただいたことに関してどなたかございませんか。
○五十嵐座長代理
私も少し違和感は覚えているのですけれども、この会では振り分けるとしたらどこに行くかという審議をすると理解をしているのですが、そこから先はまた別の部会で最終的に審議すると理解してよろしいですか。
○医療課長補佐
おっしゃるとおりです。
○五十嵐座長代理
そうしますと、今回は振り分けるとしたらBというのはよろしいのではないかと思うのですが、そこから先の話は具体的に言うとどういう部会で審議されることになるのでしょうか。
○医療課長補佐
こちらBに振り分けられますと、技術審査部会で技術的な観点からまず見ていただきまして、その後、先進医療会議で通例どおり議論していただくことになります。
○五十嵐座長代理
そうしますと、技術部会でこれは今までと少し違うソフトウエアなので、認めないということもあり得るのでしょうか。これは予想はもちろんしてはいけないのでしょうけれども。
○医療課長補佐
部会のほうでそういった形で、例えばそもそも行うべきでないであるとか、継続的に審議なさるというところについて特段、我々のほうから予断を持っているものでもございませんし、当然適さないという御判断であれば、そこでもうおしまいとなります。
○五十嵐座長代理
わかりました。
○猿田座長
どなたかほかに御意見ございませんか。
○山口構成員
実際には例えば糖尿病の管理の中で、これを使ったら加算するという形が出口という想定なのでしょうか。
○猿田座長
事務局どうですか。
○医療課長補佐
まさに中医協での議論も踏まえてのことになりますので、なかなか予断を持って申し上げることは難しいですけれども、これは頻繁に血糖であるとか食事であるとか運動習慣を記録していただいて、それに対してフィードバックを受けるということで血糖コントロールが改善するという仮説に基づいたものでございますので、そういった頻繁な介入によって血糖コントロールが改善するという新たなパッケージとしての技術というものがあったときに、それを評価するという形はあり得るかなと思っております。ただ、実際的に例えばこういった加算の形にするのか、それとも要件の中で読むのかといった診療報酬の技術的なところは、中医協での御議論のものかと思います。
○猿田座長
どうぞ。
○山口構成員
今までの枠組みの中ではすっきり割り切れないものなのだと思うのです。ですから一旦ここは技術部会で検討していただいて、そのときに石川先生のような御意見があったということを十分伝えて、そういう点もぜひコメントが欲しいというか、詰めてやっていただきたいということで、ここで突っ返すわけにはいかないのではないかという気がします。どこかで受けとめて評価してあげなければいけないというぐあいに私は思います。
○猿田座長
ありがとうございます。
ほかにどなたか御意見ございませんでしょうか。坂本先生、どうぞ。
○坂本構成員
実際にソフトウエアが絡んできたり云々で、既に現場でも整形外科で人工関節をやるときに、骨の削り方、セメントレスでできる。CTから読んでソフトウエアを使ってやっていく。これも実際の医療材料審査組織でも出てくるのですが、結局、新技術料で通そうとか、材料としては手術に使うものにはない。そうすると、そのときに今までは外科医が考えて骨を削ってそれに入れて、不具合なところは人工セメントを入れて使っていた、骨セメントを入れて使っていた。ところが、それを使うと骨セメントも要らないし、医療効果的には大きいのですが、果たして今まで外科医がやっていた技術がそれにかわって技術といって技術料と言えるのかどうかというディスカッションもたまに出るのです。
機械の値段の中にこれはソフトウエアが入ってその価格に入ればいいのか、保険に収載されて保険を使うべきなのか、メーカーにもメリットがあるならそこでとまってもいいのか。すごく概念的にはつかみにくいのですが、どこかできちんとやっていかないと、さらに人工知能がついてこんなことが動くんだなんていったら技術料なのか、開発した人間の技術料なのか、現場の技術料なのか、どう動かすのかというのは、これはITの戦略会議も含めてどのように医療の中に巻き込むかというのは、ないお金を使うわけですから、そこら辺もぜひ企画官あたりは大局的な視野でネットを張っておいてもらいたいと思うのですが、いろいろなところに顔を出しておられるので。
○猿田座長
もしここで受けたとしたらば、技術会議ではそういった点も含めて全体的に議論していくことが必要だろうということになります。
ほかにどなたか御意見ございますか。藤原先生、どうぞ。
○藤原構成員
事務局に確認しておきたいのですけれども、多分これは薬機法でプログラム医療機器というトラックができたから、それに相当するということでこれから進むことになるということですよね。今ゲノムのタスクフォースで議論している中で、多数の遺伝子の発現量を解析して、その発現量をアルゴリズムで判断して治療の方向性を決めるとかいう診断システムや次世代シーケンサーによる遺伝子診断の話がよく出てきます。これらも将来、日本でも薬事承認を求めてくるかもしれませんが、そういうものもプログラム医療機器として取り扱うので、例えば先進医療Bとして将来やりたいという先生方が出てくれば、ここでの審議にかけるのが筋かなという理解でいいですか。
○猿田座長
どうでしょうか。
○医療課長補佐
医薬品医療機器の部分についてもし必要があれば担当室に補足を求めたいのですが、今回のソフトウエアが対象になるというのは、今まではソフトウエアの入った機器について外側の機械も含めて薬事承認を行うという形だったものについて、汎用のコンピューターであるとか、最近のスマートフォンであるとか、それにインストールするようなソフト単体についても対象にしましょうということになったものでございますので、次世代シーケンサーが果たしてどちらの分類になるのかにもよってくるのだろうと思いますけれども、いずれにせよ医療機器として取り扱って、なおかつ未承認である場合というときには、ここの振り分けでは未承認の医療機器を使う技術という振り分けになると考えております。
○猿田座長
ありがとうございます。
どうぞよろしくお願いします。
○医療課企画官
次世代シーケンサーを用いた検査と、それに基づく将来的な使用方法の決定ということが近々想定されるということは承知をしております。先ほど藤原構成員から、この先進医療会議でもそれがスコープに入ってくるのかということでしたけれども、先進医療としての要件を満たせば、それは当然入ってくるなと思います。
ただ、1点、先進医療自体は今の基準では施設の中で高度な部分がやられなければいけないというところもありまして、そこは例えば高度な部分を外注だけしてしまうというところだと、少し外れるところも出てまいりますけれども、当然この先進医療会議、先進医療の仕組み、要件に該当するものであれば、当然ここで御議論をいただくものに入ってくるのではないかと思っております。
○猿田座長
ありがとうございます。
どっちみち、ここでもしよければ技術会議で議論させていただくという形ですね。そういうことだそうですけれども、よろしいでしょうか。石川先生、それでよろしいですね。技術会議のほうでよく議論していただくということで、それでは、2つともBへ振り分けることにさせていただきます。どうもありがとうございました。
続きまして、次の整理番号95でございますけれども、これは先進医療技術審査部会から承認されてこちらへ回ってきて、事前評価を福井先生から技術の内容及び評価に関しまして見ていただきましたので、福井先生からよろしくお願いします。
○福井構成員
別紙3をごらんいただきたいと思います。先-2についての説明は要らないでしょうか。
○猿田座長
事務局のほうからお願いできますか。よろしくお願いいたします。
○医療課長補佐
では、資料先-2に従って御説明を申し上げます。
今回御審議いただきます技術は、肺野型I期肺がんに対する重粒子線治療でございます。
こちらの適応症については、手術不能肺野末梢型第I期非小細胞肺がん。かかる費用については資料にお示ししたとおりでございます。事前評価は先ほどお話に出ましたように福井構成員にお願いしてございまして、総評としては「適」をいただいております。
以上でございます。
○猿田座長
どうもありがとうございます。
福井先生、どうも済みませんでした。それでは、評価の説明をお願いします。
○福井構成員
別紙3をごらんいただきたいと思います。33ページを見ていただきますと、今回の多施設共同臨床試験について実施されております。
対象患者さんは手術不能肺野型I期非小細胞肺がんでして、そのクライテリアはそこに書いてあります。
試験の治療につきましては1日1回15GyEを4回、総線量60GyEとするもので、さらにその下を見ていただきますと4年間のエントリー期間と、その後さらに最後にエントリーされた方は3年間観察するということで、トータルで7年間の試験期間を考えております。
予定症例数がIA期について105例、IBが45例で5施設で行うもので、主要評価項目は3年全生存割合ということでございます。副次的評価項目は、そこに幾つか書いております。
このケースにつきまして、技術評価部会で重要な点について幾つかやりとりがございまして、1つは手術不能とか手術拒否例が対象例とされた定義、放射線治療についての過去のデータに勝っているということを踏まえて、手術不能なのか、つまり肺機能だとか心機能、重篤な糖尿病、併存症という医学的な視点からの手術不能例と、手術はできるのだけれども、患者さんが手術を拒否するという例が定位エックス線照射を受けた対照例になるヒストリカルコンパリゾンになりますので、対照例の中に入っているのではないかということで、どの数値を対照として考えるかによって随分やりとりされたということでございまして、ほぼ60%ないしは64%という数値が3年全生存割合として過去の定位エックス線照射の治療成績だということで、今回の重粒子線による治療ではこれまでの数値では75%程度が3年全生存割合として報告されているということで、その数値を今回、IA期105例、IB期45例について比べようというものでございます。
手術不能症例の判断などを含めまして、キャンサーボードをしっかりつくった上で個々の症例についての判断をするということになっております。それから、合併症につきましては今までの報告では余り心配ないということでございますので、結論としまして別紙3の1ページ目にございますように、これまで肺がんの症例につきましても全国で少なくとも500例以上については行われていて、特に倫理的問題はないと判断されます。罹患率、有病率から勘案して普及はしていない。効率性のところですけれども、定位放射線治療が60%程度で、今回の重粒子線では75%ぐらいを想定しているということですので、これを大幅に効率的と考えるのか、やや効率的と考えるのかわかりませんけれども、私としては大幅のほうに丸をしております。将来の保険収載の必要性につきましては、本研究の結果、有効性が確認されましたら保険導入していいのではないかと考えております。総評としましては「適」といたしました。
以上です。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
今、御説明いただいて、福井先生は「適」でいいのではないかということでございます。これは技術会議におきましてはきょう先進医療会議に御欠席ですが、山本先生が主担当で、田島先生と大門先生が副担当。さらに肺の問題がございましたものですから、東京大学の呼吸器内科の長瀬先生に技術委員としておいでいただいて、議論させていただいたということでございます。このあたりの経緯、特にがんの問題があって山口先生、コメントいただけますか。
○山口構成員
今、福井先生のおっしゃったとおりだと思います。1つはキャンサーボードの問題です。と申しますのは、例えばこの施設は5人の常勤医がいるのですけれども、ベッドがなくて、5人全てが放射線科医で、この施設単独でキャンサーボードをやるかといったらそれは難しいと思います。ただ資料の17ページ、キャンサーボードはちゃんとやります。監査もしますということが書かれてあります。また、特にどういうプロセスできちんとディスカッションされて決まったか、そしてその責任者を誰かということを明確にするということが書かれていますので、ある程度その辺は指摘して答えていただけたのだと思います。
それから、あと拒否例についてはいろいろ議論があって、最終的には取り下げていただきましたので、それも適切に行われたと思います。ただ、将来的には陽子線との比較とか、最近非常に技術がよくなってきた普通の放射線治療に比較して明らかにいいというデータを示すことが必要になります。今回いろいろ論文を読み直してみたのですけれども、そのあたり試験がうまくいったから直ちに保険収載というのは、なかなか私自身は問題があるのではないかと思いますけれども、今回は通していいのではないかと思います。
○猿田座長
どうもありがとうございました。藤原先生にも大分議論をしていただいたので、藤原先生、コメントいただけませんか。
○藤原構成員
今、最後に山口先生おっしゃったように既存のステレオタクティックサージェリーとか、要するにIMRTとか、非常に技術は進歩しているので、それに比べて大幅にこれがすぐれているということが結果として出てくれば保険収載は可能だと思うので、あけてみないとわからないなというところが正直なところです。
○猿田座長
この施設は放射線専門の施設なのです。ですからほかの先生方がいろいろな診断そのほかに関して問題があるというので、キャンサーボードのしっかりしたところで議論していただく。そこにはいろいろな先生方に入っていただくという形で一応、技術会議では承認をとったということでございます。大体それでよろしいですね。
そういうことでございますけれども、それでは委員の先生方どなたか御意見ございますでしょうか。大体今のような議論ですが、もしよろしければ、それでは今、福井先生が判断してくださったように、ここでは「適」ということでお認めいただくということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○猿田座長
ありがとうございました。それでは、そういう形でお認めいただいたということにさせていただきます。福井先生、どうもありがとうございました。
それでは、坂本先生にお戻りいただいてください。
よろしければ、その次に移らせていただきます。次は先進医療Bの取り下げについてでございます。事務局からまず御説明をよろしくお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。資料先-3に沿って御説明申し上げます。
こちらは術前のホルモン療法及びゾレドロン酸投与の併用療法に係る先進医療Bの取り下げということで申請がございました。この技術は平成25年6月13日の先進医療会議で「適」と判断されておりまして、その後、東京大学医学部附属病院を含めた10の施設で実施されておりました先進医療でございます。今回、試験予定期間終了のため取り下げの申請がございました。
事務局からの御説明は以上でございます。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
この先-3の資料にありますように、これだけの施設でやってきて終了したということでの届け出ということでございます。何か御意見ございますでしょうか。これはよろしいですね。それでは、これもお認めいただいたということにさせていただきます。
実はきょうは議論することはこれだけですか。ちょっといろいろなことがあって、きょうはこれだけということなので、まことに申しわけないのですけれども、それでは、先の予定を事務局からよろしくお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
次回の開催については、平成28年7月7日木曜日、16時からを予定してございます。
○猿田座長
長引くことはないですか。そこのところは大丈夫ですかね。まだわからないですか。
○医療課長補佐
議題等は未定でございます。
○猿田座長
済みません、きょうは随分早く終わってしまいますけれども、これで42回の「先進医療会議」を終わりたいと思います。どうも御協力ありがとうございました。
ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 保険局が実施する検討会等> 先進医療会議> 第42回 先進医療会議議事録(2016年6月9日)