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2019年7月1日 第4回 これからの地域・職域連携推進の在り方に関する検討会

健康局健康課

○日時

令和元年7月1日(月)15:00~17:00

 

○場所

航空会館501会議室
(東京都港区新橋1-18-1)

 

○議題

1 地域・職域連携推進ガイドラインの改訂骨子(案)について
2 これからの地域・職域連携推進の在り方に関する検討会報告書骨子(案)について
3 その他

○議事

○健康課課長補佐 定刻より少し早いですが、委員の皆様おそろいですので、これより始めさせていただきたいと思います。それでは、これより「第4回これからの地域・職域連携推進の在り方に関する検討会」を開催いたします。構成員の皆様におかれましては、御多忙のところを御出席いただきまして、誠にありがとうございます。まず、本日は慶應義塾大学の武林構成員が御都合により欠席されております。オブザーバーとして、経済産業省ヘルスケア産業課の西川課長、後ほど、遅れての参加になりますが、がん・疾病対策課の丸山推進官に御出席いただく予定となってございます。
本日の資料についてですが、ペーパーレスでの開催を予定しておりましたところ、機材の都合により、急遽紙の配布ということで、今日は紙のほうで進めさせていただければと思います。お手元を御確認いただきまして、上から順に、議事次第、座席図、構成員名簿、ガイドライン骨子(案)ということで資料1、資料2がガイドライン改訂の概要版です。資料3が検討会報告書、参考資料1として前回のガイドライン、参考資料2として前回の報告書、参考資料3として、本検討会における論点ということで、前回まで御提示していました資料、参考資料4として、第3回までに頂いた主な御意見をまとめています。参考資料5は前回の第3回の議事録でございます。委員の皆様には、卓上配布としまして、ガイドライン改訂骨子(案)というのを別途、もう少し詳細に記載したものをお配りさせていただいておりますので、御参照ください。
よろしいでしょうか。不足がございましたら、また事務局のほうにお知らせください。それでは、以降の進行、津下座長にお願いいたします。
○津下座長 それでは、本日もどうぞよろしくお願いいたします。6月12日に打合せ会を行いまして、ガイドライン改訂骨子(案)について議論を頂きました。その結果を踏まえまして、本日の議事は、1として「地域・職域連携推進ガイドラインの改訂骨子(案)について」、2として「これからの地域・職域連携推進の在り方に関する検討会報告書骨子(案)について」です。1のほうに時間を取って進めたいと考えております。よろしくお願いいたします。
それでは、議事(1)「地域・職域連携推進ガイドラインの改訂骨子(案)について」に入ります。本日は、改訂骨子(案)がかなり充実したといいますか、大部になっておりますので、順番に議論を進めてまいることにしたいと思います。まずは骨子(案)の構成について、事務局より御説明をお願いいたします。
○健康課長 それでは、健康課長のほうから、まず、資料の全体像について御説明申し上げます。資料1、これは目次の所だけ使いたいと思います。資料2では、ポンチ絵風に、どうやって改訂が進むかということを整理していますので、順番は逆になりますが、資料2のほうから先に説明させていただきます。資料2の左上の所に、改訂のポイントをまとめていますが、大きく3つあります。1番が背景です。社会的背景として、特定健診・保健指導が始まり、データヘルス計画、データヘルス改革が進んでいる中、地域・職域連携の新たな連携をしっかりと書いていく、これが重要であると考えております。それから、効果的な運営方策、これも今まで御議論いただきましたが、それぞれの役割の明確化とか、役割を明確化した上で、どうやって連携していくかが2つ目の大事なポイントになるかと思います。その上で、連携していく上で様々な要素がありましたが、1つはデータ収集、データ活用みたいな分野があったかと思います。そのために必要なリソースということで、人的・予算的なリソースをしっかり確保していく。方向性を明確化するとともに、必要性・有用性も併せて周知していく。今までにこんな議論があったかと思います。こうした3つのポイントから、今回のガイドライン改訂を進めていくことを現段階では考えております。
その際に、レベルの進化度ということで、右側のほうにレベル1、2、3とありますが、、これは前回でも議論したところかと思います。レベル1、協議会が開催されている段階からレベル2、レベル3と、徐々に進化して、最終的にはレベル3を目指していきましょうという議論がありました。
こうした議論を踏まえまして、右側の緑色の部分が従来の平成19年のガイドラインになります。左側のピンクのものが今度の新しいものでして、真ん中の所に青色と黄色の四角の枠で囲った絵がありますが、青い部分が従来あるものをプラスアルファして改善したもの、黄色の部分が新しく追加したところになっております。例えば、青い部分の一番上を見ていただきますと、社会的背景の変化ということで、特定健診などの事例があります。こういったものをしっかりと基本的理念の中に盛り込んでいくという作業が、一番最初の上の所に出ております。それから、青い部分がほかにもありまして、効果的な運用とか、PDCAサイクルに基づいた展開とか、具体的な連携事業ということになっています。これは従来のものにしっかりと肉付けを行っているという作業になろうかと思います。
それから、黄色の部分、これも上から見ていただきますと、現行のメリットに加えて、小規模自営業者、被扶養者、退職者、こうした方への対応をしっかり記載していくということで、これは従来のガイドラインでは余りなかったことなので、新しく追記していくことになります。それから、各構成機関の役割の明確化とか、都道府県の健康増進計画に係る協議会、その他、各種団体に御参画いただくような内容になっております。一番下になりますが、ソーシャルキャピタルなどのリソースのこと、データの種類と保有主体データの分析、活用についての事項があります。
これをもう少し詳しく見ていくために、資料1の目次の所を御覧ください。ページの1、2、3となります。「はじめに」というイントロがありまして、その次、Ⅰですが、「地域・職域連携の基本的理念」です。基本的考え方、主に先ほどの青色の部分ですが、内容を充実させてアップデートさせていく作業がこの部分になります。情報を活用する、また、アプローチやサービスについても量的に拡大していく。こうした中で、各保健サービスの整合性を図っていくことが重要になっているわけです。それから、Ⅰの2の(2)の所ですが、これまで支援が不十分だった層への対応ということで、柔軟に対応していくけれども、生涯を通じた継続的な支援をしていくというところがポイントになろうかと思います。併せて、被扶養者とか小規模事業者についても、この部分にしっかり書いていくという構成を考えております。
続いて、Ⅱの所ですが、効果的な運営ということで、各ステークホルダーの役割など、2の所が新しくなっています。協議会の構成機関の役割と、役割に期待されることですが、今後、具体的に書いていくことを考えております。3の所が連携の在り方ということで、協議会について記載をしていく。2ページにそれぞれの協議会があります。現在、たくさんの協議会ができておりますので、これを効率的に運用していくということで、同日開催とか、メンバーを工夫する、そういった取組が行われているかと思います。Ⅲの部分、2ページの上の所ですが、PDCAサイクルを回していくということで、現状分析からの目標設定、最終的な評価に至るまでのプロセスをⅢにしっかりまとめていくことになろうかと思います。
次のⅣですが、今回、ここが大幅に変えた所になります。1、2、3、4、5と分かれておりますが、Ⅳ1のが、必要性や有用性、なぜ今回、ガイドラインが必要で、それをどのように役立てていくかということです。2の所では、データの種類、活用、分析、個人情報の取扱い、こういったデータに関することがまとめられています。Ⅳの3ですが、課題の明確化、取組事項の設定となっております。4の所に、被扶養者、小規模、退職者の具体的な取組例を入れております。5の所は、リソースの確保、これと同時に、3ページに資質の向上とありますが、次なる展開に向けて資質を向上させていくことも重要になってきておりますし、このチャプターの所にソーシャルキャピタルとか、専門職等の人員の確保などについても、しっかりまとめていくことを考えております。詳細にわたっては、この後、それぞれの章ごとに詳しく説明をして、議論を行っていただく予定です。全体像についての説明は以上となります。
○津下座長 ありがとうございました。今、ガイドラインの改訂案の目次について御紹介いただきました。新旧対照表も確認していただいて、今回、新たに追記すべきところ、それから、これまでの10年以上の実証の中で見えてきた課題に対して、深掘りしておられるところなどが記載されているように見えますが、いかがでしょうか。御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。新旧対照表を見ていただきますと、前回のガイドラインに記載されていることで、落とした所は余りなく、深掘りした所があるということや、より具体的な事例から導き出されたメッセージが入りそうだというように思いました。また、目次ですから、全体を見た後で、これは別項にしたほうがいいのではないかとか、まとめたほうがということが出てくるかもしれませんので、現時点でお気付きの点はございますか。
○齋藤構成員 Ⅲの二次医療圏協議会における連携事業の企画の中で、現行のガイドラインにおいては連携事業の部分が入っていたかと思いますが、今回は具体的な取組に向けた工夫の中に入っている点についてです。この部分については、多くの協議会が年1回の会議開催にとどまっており、連携事業が十分に進んでいない現状がある中で、協議会がこれから現状分析を行って、連携事業を考えようとする、また、担当者が新たに変更された場合などに、どういうものが連携事業なのかといったものをイメージするうえで、連携事業が見えにくくなってしまうので、現行のような連携事業の実施があった上で、具体的な取組に向けた工夫といった辺りの項目があったほうがいいかと思います。
○津下座長 ありがとうございます。そうしますと、今のⅢの2の5)の実施計画の作成の後に、連携事業を入れる。
○齋藤構成員 そうですね。実施計画の作成の後に連携事業とはみたいなものがあって、そして、具体的な取組に向けた工夫があると、具体的にどういうものを工夫してやっていけばいいのかといった点が見えやすくなるのかと感じます。
○津下座長 ありがとうございます。3)から、連携事業のリストアップ、連携事業とはということに入っていきそうな中身になりますので、連携事業とはどういうものかを意識できるような書きぶりにするとか、タイトルにするということで、調整できるかとも思いますが、よろしいでしょうか。
○齋藤構成員 はい。
○津下座長 分かりました。ほかにいかがでしょうか。タイトルの名称はこう書いたらいいのではないかというのは、また出てくるのではないかという気はしますが、全体の流れとしては、ここの段階では、先に進ませていただくということでよろしいでしょうか。それでは、「はじめに」とⅠについての御説明をお願いいたします。
○保健指導室長 それでは続きまして、資料1の4ページからになります。「はじめに」とⅠについて、説明をさせていただきます。
まず4ページの「はじめに」になります。こちらは概要を御説明します。最初の段落ですけれども、ここでは国民の働き方やライフサイクルは大きく変化、多様化しており、保健事業の在り方も時代に沿ったものに改善していくことが求められるという内容です。
2段落目については、健診(検診)制度に見られるように、我が国の保健事業は乳幼児から高齢者まで様々な根拠に基づき実施されているという内容です。5ページ目に、日本の健診(検診)制度の概要と、地域・職域の範囲を明示させていただいています。このライフサイクルにおいて、保健事業は複数の制度に基づいて行われていること、そして、その目的、対象者、実施主体などがそれぞれ異なっているため、制度間のつながりが十分とは言い難く、様々な課題が指摘されてきたということを記載しています。
3段落目については、これまでの厚生労働省等の取組を記載しています。さらに、平成11年度より、その連携の在り方について検討を重ね、平成17年度にはガイドラインを策定してきたこと、都道府県及び二次医療圏における「地域・職域連携推進協議会」の設置を推進してきたという内容を記載しています。
次の段落は、ほとんどの都道府県及び二次医療圏で協議会が設置、開催されるようになった、しかしながらその差が大きいということ、こういった状況を踏まえて、今後は具体的な取組の実施までつなげていくことが重要な課題であることを記載しています。
その次の段落は、ガイドラインを改定しました前回の平成18年度から現在までの間の変化として、保険者による保健事業、あるいは職域における取組を取組を踏まえた地域保健・職域保健の新たな連携の在り方も求められているということを記載しています。
最後の段落については、このような背景も踏まえ、今般ガイドラインを改訂し、地域・職域連携の基本的な理念、連携の在り方、具体的な取組実施のために必要な事項、地域・職域連携推進協議会の効果的運用方策について整理したこと、各地域において本ガイドラインが活用され、関係者の強い連携の下、地域住民の更なる健康寿命の延伸等に向けた取組が推進されていくことを期待するということを記載しています。
Ⅰについては、6ページからになっています。まず1の連携の基本的な考え方です。ここには、地域保健や職域保健、あるいは保険者の根拠となる法律や対象を、現行のガイドラインで書いています。この内容を現状に合わせて、今後、修正していく予定です。
次の箇所はまだ十分に記載されていない所ですが、今後、地域や職域で青壮年・中年層を対象に実施されている保健事業に関する法制度の変遷や、これまでの地域・職域連携の検討の経緯に関する概要を記載する予定としています。併せて図も入れたいと思っています。また、青壮年・中年層を対象とした地域保健・保険者・職域における課題や取組について記載する予定です。
「このような背景」という所で、健康寿命の延伸、生活の質の向上という健康日本21の目的を達成するためには、地域保健と職域保健が連携した対策を講ずることが不可欠であることや、次の段落になりますが「地域保健と職域保健における連携とは」については、現行のガイドラインにも書いてある定義を記載しています。
7ページです。ここからは、地域・職域連携のメリットになります。最初に概要を書いています。まず、働き方の変化やライフスタイルに対応した保健サービスを提供することが、地域保健・職域保健の連携によってできるということ。そして次には、リソースの共有により、対象者に保健サービスを受ける機会が拡大させることができるということ。一方で、取組の重複を調整することにより、リソースを有効活用できるということ。最後の段落に、地域保健と職域保健が連携することにより、共通する課題に重点的に取り組むことができ、成果につながりやすいということを記載しています。
以下、具体的な記載については、1)効果的・構率的な保健事業の実施、2)で、これまで支援が不十分だった層への対応ということで、分けて記載しています。1)効果的・構率的な保健事業の実施の中では、(1)として、地域全体の健康課題をより明確にすることが可能になるということ、(2)では、対象者が自分に合ったサービスを選択し受けることができるということ、(3)では、対象者が保健サービスにアクセスしやすくなるということ、(4)では、地域・職域で提供する保健サービスの整合性を図ることが可能になることについて記載しています。
2)の(1)では、生涯を通じた継続的な健康支援を実施することが可能となること、(2)では、被扶養者等既存のサービスでは対策が十分でない層へのアプローチが可能となること、(3)では、小規模事業場等へのアプローチが可能となり、就業者の健康保持増進が図られること、最後に、これら7項目の結果、健康寿命の延伸や生活の質の向上、生産性の向上につながるとともに、医療費の適正化にも寄与できる可能性があるとまとめさせていただきました。この関係図を、図3の地域・職域連携推進事業の意義という形でまとめさせていただいています。
9ページには、先進的な取組におけるメリットの例として、この検討会の中で特にサービスを受けにくいということで被扶養者や小規模事業場、退職者ということを御意見として頂いていますので、そういったキーワードが入るような事例を、先進的な取組におけるメリットの例として挙げさせていただいています。以上です。
○津下座長 ありがとうございます。「はじめに」とⅠですね、総論的な考え方を示している部分だと思いますが、御意見等がありましたら、どなたからでも結構です、よろしくお願いいたします。
○藤内構成員 この基本的な考え方の所、あるいはもう少し後の部分でもいいかと思うのですが、健康経営の推進と、この地域・職域連携の関係性について、整理ができたらいいのかなと思います。これまで地域・職域連携、大分県の例を御紹介させていただきました。課題を共有してもどういうことをするのかというのが見いだせずに、ぐるぐる同じ所を回っているような感じがあったのですけれども、健康経営の推進という方向性が示されて、一気にブレイクスルーしたというのが、大分県のここ4、5年の動きでしたので、どこかにこの地域・職域連携の推進という動きと健康経営の推進の関係性を、基本的な考え方の所なのか、あるいはもう少し具体的な展開の所でも結構ですが、それを明記していただくと有り難いと思います。
○津下座長 藤内先生、それは具体的にはどこにおけばよいでしょうか。例えばメリットの例なのか。健康経営というキーワードが起爆剤となって、地域の動き、連携が進んだ1つの重要な例だとは思うのですけれども。
○藤内構成員 そういう意味では、9ページの先進的な取組におけるメリットの例として、地域において行政と商工会議所、協会けんぽ、保険者が一緒になって、この健康経営のセミナーを開催した、あるいはこのフォーラムを開催したといった取組を紹介していただいてもいいのかなと思います。
○津下座長 分かりました。ありがとうございます。どこの自治体でも、まだそれをやりましょうという段階になっているかというのは、微妙なところもあるかもしれませんけれども、この例示として大分県の事例は、非常に参考になる事例かと思いましたので、その方向でどうかなと思いますが、ほかにいかがでしょうか。
○小玉構成員 今の意見にも賛成ではあるのですけれども、これから多分、説明があるかもしれませんが、目次の3番目の他の健康関係の協議会との連携の在り方の中で、全体を協議する場を設けてはいかがかと。要は予防健康づくりというのは、同じようなベクトルでみんな取り組んでいるわけですけれども、それを全体にまとめる場がないわけです。ですから、それによって、より連携がスムーズに行くような気がします。まずは全体の協議の場をつくるというのが、どこかに入ればいいかなと思います。当然、先進的な取組のメリットに対する例は、それでもいいのですが、もっと大きな枠でやったほうがいいのかなという気がします。
もう一点ですが、1の特定健診とがん検診の地域での同時実施、これは確か明らかで、特定健診が始まった際にがん検診の実施率が下がったことがあります。それで同時実施するということにしたはずなのですけれども、ただその中でやはりもっと具体的に、例えば受診の時間の融通をきかせるような取組をしているかなど、特に仕事を持っている方というのは、事業所健診は受けられるのだけれども、それ以外のパートタイマーなど、いわゆる事業所健診に対応できないような人がいるわけです。その人たちが、特定健診を受ける場合に、仕事を終了した後も受診ができるような体制が必要なのかなと。ですから、そういう事例があれば、この中に入れれば有り難いと思います。
○津下座長 1点目は、基本的な考え方というか総論的な所に、健康日本21目標達成のためには、こういう協議をする場が必要ということを、もう少し踏み込んで書くということ。後半の部分は、具体的な工夫の中で、こういう工夫例があるという形での。
○小玉構成員 例えば、各地域で健康づくりの取組というのは、姿形が違いますから、それはある都道府県にお任せするという形で。ただ、全体として協議する場が必要だというのは、必要ではないですか。
○津下座長 分かりました、ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
○経済産業省ヘルスケア産業課長 オブザーバーなのですが、健康経営の話が出たので、一言だけ。これは先生方によく議論していただいたらいいと思うのですが、この基本的な考え方で労働基準法や労働安全衛生法などの法令を基に、いろいろな義務が課されているというのが、当然、この保健事業の基礎になると思うのです。ただ健康経営などで我々がよく説明しているのは、それを越えた投資としての健康投資など、言ってしまえば事業者がやりたいからやるのだというようなものに火を付けているのが今なので、そういった概念を入れていただくかどうかというのを、御議論いただければとは思います。
○津下座長 ありがとうございます。現行ガイドラインの内容を、現状に合わせて修正するという状況の中で、課せられて義務的にやっている事業ではない動きが進んできた現状などを入れてはどうかということについては、いかがでしょうか。法制度のことを書く所と、主体的な取組を書く所と、少し整理をして記載するという考え方もあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
別件ですが、理念の所と地域・職域のメリットの所で、カタカナ言葉になるのですけれども、アプローチルートと言っている場合は、実施主体から加入者に働き掛けを意味し、アクセスと言うと参加しやすいという、主体が働く人のほうにある、このようなイメージで使い分けているという理解でよろしいですか。メリットの所でいかがでしょうか。(1)が健康課題の明確化、(2)が量的な拡大、(3)がアプローチルートの拡大。(2)と(3)がサービスにつながりやすくなるという点ですけれども、(2)はどちらかと言うと量が増えて、参加の機会が増える。(3)はつながるというか、地域・職域側からリーチすると言うか、そちらのほうのイメージが強い文言かなと受け止めたのですが、そのような整理でよろしいでしょうか。
○健康課課長補佐 少し整理をさせていただいて、しっかりと記載したいと思いますが、文脈上は「アプローチすることが可能になり、これまでアクセスが困難であった対象者にとっても」という前半の部分の主体は、これまで保健事業を実施してきたものだと我々としても認識をしています。ただ、後半の「保健サービスにアクセスしやすくなる」というのは、先生の御指摘のとおり、どちらかというと住民側の行動だと思いますので、少し書き分けをして、整理をしたいと思います。
○津下座長 ありがとうございます。それから、図の3は新しい図ですか。地域・職域連携推進協議会の下に、地域・職域それぞれがすべき事業、取組があり、そして、その下に連携のメリットの共通認識、そこからPDCAサイクルに基づいた具体的な取組、それが最終的に健康寿命の延伸や生活の質の向上、生産性の向上、医療費の適正化に寄与する可能性があると。この図が恐らくかなり広く使われる図になるかと思いますが、いかがでしょうか。そのイメージで言いたいことは伝わりますか。
○矢内構成員 イメージとしては、非常に伝わります。表現のところで、職域の関係機関(例)に経団連と書かれていますが、今の地域、各都道府県での活動を考えたときには、経団連ではなく「地方別経済団体」という表現が適切かと思います。
○津下座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。図だけが使われるようになる可能性も考えると、しっかり見ておいたほうがいいのかなと思いますが。よろしいですか。
○巽構成員 そうしますと職域のほうなども、略称で使わなくて、産保センターだと「産業保健総合支援センター」と、地産保というのもちょっと分かりにくいと思います。「地域産業保健センター」などというように記載されたほうがいいのかなと思います。このことはちょっと後で、もう少し意見を言いたいこともありますが、今の時点ではこれでお願いします。
○津下座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。9ページのメリットの例として、健診のこと、地産保と協会けんぽの連携、情報周知ルート、それぞれで受診率向上や効果的な広報活動、保健サービスの拡充など、どういう結果につながったかという記載になっているかと思いますけれども、分かりにくい表現など、御指摘いただける点はよろしいでしょうか。ここに先ほどの健康経営によるメリットというものを入れるかどうか、これは事務局で御検討いただけますか。
○保健指導室長 藤内先生から頂いた事例等を基に、今後、入れていく形で修正したいと思います。
○津下座長 はい、ありがとうございます。
○松岡構成員 8ページの地域・職域連携推進協議会の図の所ですけれども、ここで国民健康保険とあります。これが何を指すのかというところが、1つあります。関係機関ということで言えば、都道府県に国民健康保険連合会がありますので、そこもこの協議会に参加して協力させていただいていますので、そういった名称がいいのか、あるいは別の意味があって書かれているのか、整理をしていただければと思います。
○保健指導室長 例えば医師会、歯科医師会の関係団体等については、都道府県医師会、都道府県歯科医師会等をイメージしていますので、今、御指摘がありました箇所については、国保連合会というように修正をさせていただきます。
○津下座長 職域のほうは、都道府県ごとですので、この記載でよろしいですかね。健保連の支部とかというのではなくて、そこの地域にある健保になりますし、協会けんぽさんは支部ですか。
○松下構成員 支部ごとになりますが、「協会けんぽ」という記載で結構かと思います。
○津下座長 はい、ありがとうございます。それでは、またこちらへ戻るということも後でしてもよいかと思いますけれども、先に進ませていただいてもよろしいでしょうか。
次にⅡとⅢの部分について、御説明をお願いいたします。
○保健指導室長 続きまして、10ページからになります。Ⅱの「地域・職域連携推進協議会の効果的な運営」です。1が協議会の目的と役割です。この箇所については、基本的には、現行のガイドラインを踏襲させていただいていますが、現行のガイドラインでばらばらに書いてあったものをまとめさせていただいていますが、最初の1ポツ目については、協議会の設置について、設置の単位や目的などを記載しています。2つ目は、それぞれ関係者が有する保健医療資源を相互活用、保健事業の共同実施により連携体制を構築する、次には、連携事業を円滑に推進するため、必要に応じてワーキンググループ等を設置するという内容になっています。最後に、「協議会の設置については」ということで、設置の根拠について書いています。
1)都道府県協議会についてです。地域及び職域保健の広域的な観点の連携により体制整備を図ること、管内の関係者による連携事業の計画・実施・評価の推進的役割を担うこと、次に、地域・職域における保健事業担当者の資質向上を図るための研修会を開催するなど、地域の人材育成を行うこと、最後のポツになりますが、二次医療圏協議会における連携事業を収集し、その効果や協議会の役割機能の評価など、二次医療圏協議会の取組について、広域的な調整を図るという内容で構成しています。
続きまして2)は、二次医療圏協議会になります。こちらでは、まず初めに地域特性に応じた協力体制による継続的な健康管理が可能となる体制を構築するということ、次に、今後は具体的な協議会の取組の実施にまでつなげていくということ、そして、二次医療圏固有の健康課題を特定し、地域特性を活かした健康課題の解決に必要な連携事業の計画・実施・評価等を行うこと、二次医療圏協議会の活動状況については、都道府県協議会に対して報告を行うということを示しています。
11ページ目の3)です。都道府県協議会、二次医療圏協議会、市町村の関係を記載しています。まず初めに(1)ですが、都道府県協議会と二次医療圏協議会との連携の在り方について、都道府県協議会は、協議会の重点方針等について速やかに二次医療圏協議会に伝達し、二次医療圏協議会が具体的な事業計画を策定するよう支援する必要があるということ、これに加えて、管内全ての二次医療圏協議会の活動状況を把握して支援を行うほか、活動状況の定期的な報告を求めること、こちらについては次回、報告書の様式について提示をする予定です。また、都道府県単位で共通する課題に取り組めるよう課題整理を行うことが望ましいことから、都道府県協議会及び二次医療圏協議会の事務局担当者は、協議会の開催のタイミングについて調整を行うことや、それぞれにオブザーバーとして参加し、協議会での検討内容等を把握するなどの工夫が必要であること、また、都道府県協議会の事務局は、管内の二次医療圏協議会での開催状況に差があることが多いことから、各二次医療圏協議会の取組について情報交換できる場の設定や、全国における好事例について周知を図るなど、二次医療圏協議会で具体的な展開ができるように支援する必要があること、なお二次医療圏協議会の事務局は、都道府県保健所、保健所設置市及び特別区が担っていることを踏まえ、都道府県協議会はこれらの事務局全てと連携を図る必要があるほか、まだ設置されていない二次医療圏協議会の設置や設置されていても開催されていない協議会の開催を推進することが求められる、という記載にしています。
(2)は、二次医療圏協議会と市町村との連携の在り方で、新しく項目を立てています。生活習慣病対策に関する保健事業は、市町村が実施主体としての役割を担っている。連携事業については、市町村健康増進計画等の計画として位置付けることなどにより、市町村が直接的な保健サービスの提供者として積極的に実施できる体制を構築すること、これらの取組を通じて、健康なまちづくりへと発展させていくことが重要であること、さらに二次医療圏協議会の事務局の役割を記載しています。市町村も協議会の構成員に含めるとともに、全ての市町村が構成員とならない場合は、それらの市町村の健康課題や実施している保健事業、保有する資源等を十分に把握した上で協議会を開催することが求められること、一方、市町村においては、健康課題解決のために独自の取組では実施が難しく広域的なネットワーク化が必要になる事項については、二次医療圏協議会で検討してもらう等、提案することも求められるという内容にしています。図5については、これらの関係を図式化したものになります。
13ページ、2は協議会構成機関の役割と役割期待についてです。こちらについては、各構成機関に期待される役割と期待することの例を、今後、示す予定です。今、示そうと考えている機関については、お手元の資料に書いてある機関です。また、3の他の健康関係の協議会との連携の在り方については、1)から6)の協議会等との連携の在り方について、今後、記載をしていく予定としています。
資料14ページⅢの「地域・職域連携の企画・実施」についてです。こちらは、現行のガイドラインでは、二次医療圏協議会における連携事業の企画となっていましたが、構成員から都道府県協議会にもしっかりと明記すべきというご意見をいただいたことから、「都道府県協議会での連携事業の実施」という項目を新しく立てています。
順番が逆になってしまうのですが、都道府県協議会は、二次医療圏協議会と同様にPDCAサイクルを展開するということで、例示で都道府県単位のデータ収集・比較・分析、大規模なイベントの企画・実施、都道府県内の二次医療圏協議会が共通利用できるような資材等の作成や研修会の開催、保険者協議会等ほかの健康関係の協議会との連携等、二次医療圏協議会単独で実施が困難な事項については主体となって実施する、という内容を記載しています。
2番目の、二次医療圏協議会での連携事業実施におけるPDCAサイクルの展開については、PDCAサイクルを提案し一連の流れに沿って企画するということ、連携事業を継続的に発展させていくためには、評価、見直しのプロセスをあらかじめ計画しておくことが大切であること、これは現行のガイドラインをそのまま活用しています。「なお」につきましては、「計画、運営・実施、評価、見直し」の順番にこだわらず、協議会で着手しやすい段階から開始してもよいということを、付け加えさせていただいています。図7については、主に二次医療圏協議会を中心に、現状分析から6)の効果指標並びに評価方法の設定までの流れを書いています。現行のガイドラインと異なる点ですが、右側の中央に都道府県協議会を位置づけ都道府県協議会が、二次医療圏協議会の地域・職域連携の意義の確認から、一番最後にある新しい課題・ニーズの発見の段階まで、事業の実施を支援していくということと、連携事業の共同実施や評価について、都道府県協議会に報告していくことについて、矢印で付け加えさせていただいています。
次のページからは、このPDCAサイクルに沿いまして、現状分析からその説明をしています。1)の現状分析の最初の段落については、現行のガイドラインをそのまま記載しています。図8と示させていただきましたが、「しかしながら」にありますように、青壮年・中年期のデータの保有主体は職域であり、地域・職域は連携しデータの共有を図る必要があるということで、右側17ページの図8に示しているように、青壮年期・中年期は、この事業所のデータが外に出ていますが、ここで連携が必要だということも記載させていただいています。
16ページの2段落目ですが、データ共有の基本的な考え方として地域保健・職域保健の一体的な健康づくりに向けた取組を進めていくことが、データ共有をした上で必要だということを書いています。次に健康課題の把握のためには、各関係機関が保有するデータの分析をすることや共有することが必要である、ただし、データ分析は、1つの手段であり、データ収集や分析に終結しないよう留意することが重要であるということを、新しく記載させていただいています。さらにデータの種類には、客観的なデータもあり、こういったデータを関係機関から提供を受け、分析している協議会もあるが、このような取組ができていない協議会においては、地域住民や従業員を対象とした生活習慣に関するアンケート等、日常の活動の中で収集しているものもデータであり、まずは活用することを検討するとよいこと、また構成員が日々の活動で感じていることを共有することも、健康課題の把握につながるという記載もさせていただいています。さらにこの検討会でもたくさん御意見を頂きました、保険者が策定しているデータヘルス計画の活用は、健康課題の把握に有用であるということを記載させていただいています。さらに今後は国が保有するデータ等についても、協議会で活用できるような形で提供していくことなども求められることと記載しています。
17ページ、2)課題の明確化、目標設定の部分です。ここについても、現行のガイドラインをほぼ踏襲をさせていただいています。最初の段階では、情報を共有しその上で緊急度、重要度、難易度を考慮し、優先順位を付けるということ、初期の段階としては、重要度、緊急度が高く難易度が低いものから手掛けるとよいという内容を書いています。さらに連携事業のリストアップについては、現行のガイドラインの中ではワーキンググループと書いていましたが、「協議会において」と加えさせていただきました。協議会において設定された目標に対して、考えられる連携事業を自由な発想でできるだけ多くリストアップする、当事者の視点に立って発想していくという内容になっています。次の「また」の段落については、地域保健・職域保健がこれまでそれぞれに実施してきた保健事業に加え、モデル事業等の先行事業や研究報告の資料を集めるなどにより、協議会内の情報交換を活性化し、違った観点での連携事業の開発が可能になる等、相乗的な効果が期待できるという内容になっています。
4)の連携内容の決定及び提案についてです。こちらも現行のガイドラインと同じように、リストアップした連携事業の中から、優先順位の高い、実現可能性が高く連携における効果が期待でき、健康増進計画の目標と合致しており、当該地域における社会資源に活用できるものを、協議会等で選定するという内容を記載しています。次の段落は、地域・職域いずれかが依存的になりすぎ、片方に負担感が多いといった場合は、学識経験者などの第三者の助言を受けたり、もう一度、連携の目的を再確認しておくとよいという内容になっています。さらに、原案を作成したら、協議会等において関係する組織・団体等に提示し理解を求め、必要に応じてワーキンググループを立ち上げ、役割分担を明確にするという内容になっています。
5)については、連携内容の具体化・実施計画の作成ということで、最初の段落には連携事業を具体化し実施計画を作成するということ、また実施主体、運営方法、関係機関の役割分担や対象者に合った広報を工夫するということ、そして、「さらに」の所ですけれども、整備を進めるということ、なお、参加者を事前に把握できる場合については、個人情報を確認することが効果的であるということを書いています。さらに今回、新しい内容として、「また」の所にありますが、実際に事業が実施できるよう、複数年にわたる事業計画であっても、当該年度で何をどこまで実施するのかを明確にすることが重要なポイントであることを付けさせていただいています。
6)については、効果指標並びに評価方法の設定です。1として、評価の必要性と評価結果の活用ということで、評価を行うことの必要性、評価指標や評価方法など、評価体制を構築することが必要であるということ、そして、評価結果を適切に活用することが必要であるということ、評価結果を関係機関にフィードバックすることが重要であるということを書いています。2については、評価方法として、具体的な評価の観点を書いています。さらに連携事業の最終的な評価は、アウトカムで評価されることになるが、生活習慣病等の対策は、すぐには健康寿命の延伸等のアウトカムにつながらないことが多いことから、ストラクチャー・プロセス・アウトプットの観点から評価を行うということ、アウトカム評価については、都道府県が作成する健康増進計画等における目標を踏まえて設定していくということを書いています。3については、指標設定における留意点として、地域・職域連携推進事業の事務局は、ほかの協議会の事務局との連携を密にしておくことが必要であるということを書いています。今後、地域・職域連携推進協議会の評価について、記載する予定です。
地域・職域連携推進事業で取り上げた事業の評価については、評価の種類、観点、具体的な評価指標を表として入れさせていただいています。以上です。
○津下座長 ありがとうございます。今、10ページからⅡとⅢについて御説明いただきました。Ⅱは「地域・職域連携推進協議会の効果的な運営」ですが、まず、Ⅱについて御意見を頂けますか。協議会の目的と役割、都道府県協議会、二次医療圏協議会、特に図5にありますように都道府県協議会と二次医療圏協議会の関係、また市町村との関係、市町村保健事業との密接な関係があるということで、この辺りについて今回、新たに記載が加わっているということ。11ページの記載にもある都道府県協議会と二次医療圏協議会との連携の在り方、双方の連携ですね、都道府県協議会の内容を二次医療圏に反映する、また、二次医療圏から都道府県協議会に報告し、双方で面的に進める。都道府県協議会は全二次医療圏で進んでいるかどうかを確認する。1か所だけやっていればいいのではなく、都道府県管内全体で進んでいるかどうかについて目配りしていくことや、市町村の事業との連携ということ。13ページの所はこれから記載があるということで、構成員の皆様にもいろいろ御照会をかけながら進んでいくのではないかと思っていますが、ここの10ページから13ページについて御質問、御意見はございますでしょうか。
1つ、11ページの所で都道府県協議会は全国における好事例について周知を図るとなっていて、12ページの所には都道府県協議会と国の関係が出ています。都道府県協議会と国の関係について、記載の中ではあまり明示されていないように思ったのですが、それはいかがでしょうか。
○保健指導室長 記載していくようにいたします。
○津下座長 いかがでしょう。都道府県のお立場、藤内先生、いかがでしょうか。
○藤内構成員 これはすごくよく整理できていると思います。ただ、1つ引っ掛かるのは、13ページの構成機関の役割の中に事業場というのが出てきます。多分、これは産業保健上、こういう表現が正式なのだろうと思いますし、これが個々の企業だったり事業所であったりということだと思いますが、何となく事業場というのが馴染まなかったのです。それは大体、皆さんはOKというところでしょうか。
○津下座長 それでは、焔硝岩構成員。
○焔硝岩構成員 12ページの図5の所で一番右側が住民となっていますけれども、この住民の中に職域の方も入りますか。現在のところ二次医療圏での協議会は保健所が事務局をやるのですが、そこにつながって市町村から住民に伝わるという部分では、なかなか職域に伝わりにくかったということもあって、むしろ二次医療圏あるいは保健所が職域の所にも入って行き、その中で市町村と連携することで入って行くと理解したのですが、この住民の中に職域も入っているのであれば、これでいいかなと思います。
○津下座長 私も、この図で市町村の所に衛生部門と国保部門ということで、厚生労働関係かなと。ここの市町村の中に例えば商工労務とか、そういう市町村の中での職域関係の方を入れておくと、より連携が進むのかなという気がしたのですが、この辺りはいかがでしょうか。焔硝岩構成員の言われるように、二次医療圏協議会から市町村と、また職域みたいな2つのルートで住民に行くみたいになる可能性がありますね。ただ、これが市町村の中で地域・職域連携が進んでいくとすれば、市町村の職域関係部門と商工とかあり得るのかなと思いますけれども、齋藤委員、いかがでしょうか。
○齋藤構成員 確かに今言われたとおり、現在は産業部門との連携というのがほとんどされていないような状況の中なので、そういった所が入ることによって、そことの連携は取りやすくなるのではないかと考えます。
○津下座長 これは今後、調整が必要でしょうか。
○保健指導室長 記載していく形で、今後、調整をしたいと思います。ありがとうございます。
○津下座長 ありがとうございます。市町村の中で地域・職域連携を進める上では、職域につながりやすい所、農業が盛んな所だとJAとかの担当部局が入ると進みやすいとか、そういうこともあろうかと思いますので、逆に、あまり部門とか書かないほうがいいかもしれないという気もしたりしていますが、書くならば職域関係も入れると。ほかに、いかがでしょうか。
○松岡構成員 12ページの図の所です。御説明があったかもしれませんが、国、市町村と書いてあり、都道府県の位置付けがはっきり分からないのです。ある意味、都道府県協議会、二次医療圏協議会の事務局となって支えていく形での位置付けになるのでしょうか。それは特に図に書かなくてもいいのか、そういったところはいかがでしょうか。
○津下座長 12ページの図ですね。御意見は、都道府県協議会が二次医療圏を介してしか住民に届かない。もうちょっと直接的なアクションもあったほうがいいと、そういう意味でしょうか。
○松岡構成員 都道府県協議会なり二次医療圏協議会とか、全体を支えていく上で都道府県庁が役割を担っていくのかと思いますけれども、そこの都道府県庁なりといった所の行政部分は、特に位置付けというのをここに書く必要はないのか。なければ、ないという整理で構いませんけれども、そこら辺はどういうお考えでしょうか。
○津下座長 何かコメントはありますか。
○保健指導室長 ここは協議会同士の連携の在り方を中心に書いてしまったので、主体である都道府県や保健所という形では書いていないですけれども、今、松岡構成員から頂いた意見も踏まえ、そういった形が書けるかどうか。また、一方で、そういった機関を書いてしまうと、都道府県協議会と二次医療圏協議会、あるいは市町村が具体的にどういった連携をしたらいいか、そこが薄まってしまうことも考えられますので調整してみたいと思います。
○津下座長 ありがとうございます。都道府県協議会、二次医療圏協議会、市町村との関連性を密にしたいという思いと、図だけが独り歩きすることも。
○藤内構成員 1つの図にいろいろなことを書き込むのは無理があるので、13ページの協議会の構成機関の役割の所で、都道府県、保健所にそれぞれどういう役割が期待されるか明記されますから、そちらの表でその役割を任せてもいいのではないかと思います。
○津下座長 そうしますと、ここの国と都道府県協議会の間の矢印が要るかどうか。国と都道府県の関係になるので、協議会にいきなり矢印が入っているのが、立ち位置に違和感があるのかなという気がしました。また、この図については調整をよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
○労働衛生課長 別の話題でいいですか。地域・職域、どうして連携が進まないのかなと考えたときに、事業場の住所地と従業員の居住地にずれがあることが一番大きなネックになっているのではないかと思います。事業場の立場からすると、全ての従業員にちゃんとしたサービスを等しく提供したいと思ったときに、複数の自治体と連携しなければいけないという話になってしまって、そうなると連携自体がうまくいかないということになってしまうのではないかと思います。そういう従業員の住所地ではなく事業場の所在地、そういう発想で地域保健を提供してもらうことは可能なのかどうか。もしそういうことが可能であれば事業場の所在する所と自治体がマッチします。住所地は違いますけれどもマッチするので、連携したサービスも提供しやすいことになるのではないかと思います。これは健康局からすると、これまでのやり方の発想を大分転換することになるので難しいのかもしれないですが、ただ、市町村長の立場からすると、その地域に所在する事業場からも税収が上がっているはずなので、その事業場の従業員が健康になって生産性も上がれば税収も上がってくる。正に健康経営的な発想の中で、住所地とは関係なしにサービスするということについても1つのインセンティブが働くのではないかとも思います。この際、ちゃんと事業場単位と地域単位をマッチさせる工夫というのも、強制はできませんけれども、そういう発想も入れてもらわないと、多分、変わらないです。サービスの対象が提供者とマッチしないというところは、ちょっと連携のしようがないなというところがあるので、そこを是非、御議論いただきたい。
○津下座長 ありがとうございます。巽委員。
○巽構成員 今の御意見ですが、ちょうど私は先週、1つの二次医療圏に入って介入している所がありまして、そこなどのように10人未満の従業員がいる事業場で、たまたま30ぐらいの事業場の事業主と従業員にアンケートを取り、住所地と事業場の住所の違いとかも聞いたのですが、小さければ小さいほど住所地と事業場はほとんど同じなのです。300人ぐらいの所だと半分ぐらいが違っていたのですが、10人未満の所ですと100%という所もありますので、その辺りのところは保健師の地域診断のやり方についても、事業場がある所の健康度を確認していくというやり方なので、それほどすごく差があるような感じはしないと思いますが、いかがでしょうか。
○小松原構成員 私、巽先生と全く逆の意見でして、健保の立場からすると、労働衛生課長さんがおっしゃったように従業員の住所地と関係なしに、その事業所単位でやっていただかないと、にっちもさっちもいかないといった現状です。この後、発言しようと思っていたのですが、現状分析でもまさしくそうで、データヘルスの活用と言いますが、協会けんぽも同じだと思いますが、保険者は二次医療圏を意識してデータヘルス計画は作らないです。そういう中で、ではどうやってデータ提供をしていくかというときに、この現状分析すらも無理な状況になっているわけです。それを先ほど課長さんがおっしゃったように、そうではなくて事業所ごとのデータをくださいということであれば、一定程度分析データをお出しすることも可能になるかもしれません。加入者の住所地と言われた瞬間に、これは全くもって機能しないのではないかと個人的には思っています。
○小松原構成員 多分、そのレセプトの突合というのは、我々、健保組合側からいくと、加入者の住所地ではなくて、その適用事業所がある住所のデータで突合していると思います。例えば協会けんぽなどでは、東京支部に加入されている方は千葉や神奈川にお住まいの方がいますが、それは東京でカウントされると思います。これは健保組合も同じで職域全てにおいてそういうことが起きていますので、そこで課題の分析を含めて地域ごと、しかも、二次医療圏ごととなると全くもって分析もできないですし、事業展開もかなり厳しいと思います。
○渡辺構成員 今、課長さんが言われた住んでいる場所と事業所が違うというのはよくあることで、私も4年ぐらい、ある市の健康増進計画推進委員会の委員長をやっていますけれども、そこの市では、そこに事業場があればそこの従業員も全員、市がやる健康増進事業に参加できるしポイントもくれる。そういう大らかな市もあって、当然、事業所は税金を払っているわけですから市もそれに応じて参加を認めることは可能だと思います。
あと、特定健診とがん検診が同時に実施できないかと。確かに特定健診は保険組合でやりますし、がん検診は地方自治体がやりますから、当然、同時にやるとすると健診施設でがん検診をやることになる。今の風疹のワクチンは全部、クーポンを発行していますね。全国どこでも請求できる。そういうクーポン券を発券して、検査会社がそこの自治体に請求すればいいのではないか。というのは、市町村がやるがん検診は、ほぼどこでも同じようにやっているはずですから。会社がやるがん検診はめちゃくちゃですけれども、多分、そういう仕組みを作れば特定健診とがん検診を同時にできるのではないかと思います。
○津下座長 在住・在勤ということで、働く人も住所地が違っても一緒に取り組む市のほうが、地域・職域連携や健康日本21のいろいろなアクションを進めやすいのではないか。そこをリジッドにされると入口の所で止まってしまう。考えてみると、職域と言っても、居住時間は寝に帰る住所地より勤務地の時間のほうがずっと長いということもありますので、その辺のことをどういうふうに記載するかはあろうかと思います。
○松下構成員 データ分析という観点で、少し協会けんぽの現状を申し上げさせていただきますと、データ分析上、事業場という概念はないと言えるところで、ほとんどの場合、どの支部で適用されているか、どの支部の被保険者になっているかというところで分析が行われています。どこで適用になっているかというと、労務管理がどこでされているかが第1になってきますから、例えば東京に本社があって支店が福岡にあるといった場合で、労務管理が東京でされていると東京の被保険者ということになり、レセプトの管理とか健診の管理は東京支部が行い、そこでデータ分析が行われる状況にあります。
一方、保健指導はどこでやっているかと言うと、協会の保健師などが訪問することになりますから、事業所のある所というか、被保険者の方がどこの健診実施機関で受けられたかに主眼を置き、例えば東京の支部に入っていても福岡の事業所に勤めていて、福岡の健診機関で受診された場合は福岡支部のほうでまずアプローチをする、いわゆる支店とかにアプローチを行っているところです。
○津下座長 非常に具体的な御示唆というか御指摘を頂きました。これについては、例えばQ&Aとか先進事例の例示としていくのか。又は職域の考え方として追加の説明を入れるのか。どんな方法がありますでしょうか。課長、お願いします。
○健康課長 非常に重要な点だと我々は認識しています。今日は御意見を頂いて、次に進む上で参考にさせていただきたいと思っています。というのは、今回、この地域を中心に、二次医療圏という生活の場を1つの単位として捉えていく、また県として考えていくというのがベースにございまして、今、頂いたのは恐らく事業所単位で見ていくという新しい切り口になるかと思います。それを可能としていくのは、データヘルス改革とかデータの分析を事業所単位、地域単位で、かなり細かくできるように今後はなっていくと思いますので、1つは、先生がおっしゃったようにQ&Aで書ける部分を書いていくことになると思いますし、今回の検討会の中で十分に議論がし尽くされなかった部分については、今後の展望とか課題という所でしっかり書いていただいく。多分、それは新たな調査研究をしていったりとか、今後、やっていく上で、自治体若しくは二次医療圏、担当の市町村からすると、先ほど小玉先生からもありましたが、地域の特性を生かして、その地域なりの取組が県ないし二次医療圏の単位で、ある程度柔軟に運用できるというところも重要になってくると思っている次第です。ですから将来的な展望も含めて、今日、頂いた点をしっかり事務局としても受け止めさせていただきたいと考えています。
○津下座長 ありがとうございます。それでは、Ⅲの「地域・職域連携の企画・実施」を含めて、今のⅡの所と併せてⅢの部分についても御意見を頂ければと思いますが、いかがでしょうか。連携事業の企画・実施、先ほどここの部分に実施のことをもう少し項立てしたらどうかという御意見を頂いたところです。例えば18ページの連携内容の具体化・実施計画の作成の辺りに実施を加えていくと、そんな御意見だったということでよろしかったでしょうか。
○齋藤構成員 はい。それに加えてですが、1つ目は、16ページの1)の現状分析について、これまでのガイドラインの中では、ワーキンググループで分析をするといった記載があったかと思いますが、現場では、現状分析の段階から現場の担当者が一緒に考えて課題の共有をしていくことが連携事業につながるといったこともありますので、ワーキングの立ち上げについては、現状分析の段階から入れてもいいのではないかと思います。
2つ目ですが、これまでのガイドラインでは現状分析の中で具体的な調査項目としての例示があったかと思います。その部分についても、担当者が変更になったり、まだ取組がなかなか進んでいない協議会が多い現状の中では、具体的な内容が分かるものがあったほうが取組がしやすいのではないかと考えています。
○津下座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
○小玉構成員 17ページの図8ですが、ここに学校保健というのが入っていますね。確かに学校保健は地域の課題なのだと思いますけれども、都道府県協議会に学校保健の代表者は入っていますか。私は入っていないという記憶があるのです。それから本文の中に一言も記載がない。多分、今までも都道府県単位の協議会では学校保健については一切触れていないはずなので、その辺についても整理しておかなければいけないと感じました。
○津下座長 ほかに、いかがでしょうか。
○藍構成員 2点あります。1つは図6のPDCAサイクルですけれども、フレキシブルに対応しましょうというメッセージは非常にいいと思います。先ほどのⅡの職域で、事業場が住所地と異なるという場合も含めて、むしろここに書かれている以上に、フレキシブルに対応しましょというメッセージを入れたほうがいいと思います。実際に14ページの図6の横には、必ずしもPlanから始めなくてはならないということではないとありますが、ただ、現実的にはPlanのウエイトが非常に大きいです。例えば図7を見るとPlanで半分以上のスペースを取っている。フレキシブルにしたほうがいいというメッセージは分かるのですが、ではPlanでないところからどうやったら始められるのかは、1つ疑問があるのです。仮にですけれども、具体的にDoなりCheckなりActから始められる例というのがあれば、入れておいたほうがいいかなと思います、個人的には思い付かないのですが。分析する前に何らかの仮説に基づく目標設定をしてもいいと言うような書き方のほうがまだいいのかなというのが1点です。
もう1点、図8で学校保健の話がありましたけれども、例えば時系列というイメージで考えると、むしろ若年期を上に持ってきたほうがいい。若年期から青壮年期・中年期、高齢期の中で、真ん中の部分が職域だと抜けてしまうというイメージの数直線ではないですけれども、そういうイメージで上と下を逆にしておいたほうがイメージが良いと思います。
○津下座長 この図8ですが、協会けんぽや健保組合から国保に行って、後期高齢に入る人が現状は多いかなと思いますので、国保の所を横に伸ばしたほうがいいかなと思いました。今の時系列の話とか、Planから始めない例として何かあるのか。この辺りはまた。
○真鍋構成員 私も同じように思っていて、17ページ、3)の連携事業のリストアップという所が、恐らくPlanから始めない場合の1つのスタート地点になるのではないかと私は考えています。ここの本文にありますように、できるだけ自由な発想、それから当事者の視点に立って発想していってもらい、その課題が確からしいのか、目標設定はいいかといったことを、例えば私のセンスで言うなら、3)の連携事業のリストアップの所に鉤括弧でも付けて、Planから始めない場合、ここからやるみたいなことを書く。恐らく各先生方がおっしゃっていたデータの分析とか課題の明確化の中では、データはちゃんと取り扱わなければいけなくて、そのきれいになったデータをどう取り寄せてくるかと、二次医療圏が施策をやることにおいてどこまで手を広げるかを、私たちも混同して話をしている部分があると思います。将来的には事業場単位のデータがきちんと集まっていって、そこから分析ができるのは非常に大切なことだと思いながらも、これを受け取った二次医療圏がどうやっていいのかと考えた場合には、例えば17ページの3)から始めて分かる範囲で課題を明確化していって、分かる範囲でデータに戻っていき、今、やろうとしていることは確からしいのか、若しくは我々が出しているガイドラインの例が当てはまるかどうか。そういう見方をしていってくださいとサゼッションをするのが、いいのではないかと感じています。
○古井座長代理 ありがとうございます。今のお話とも絡むのですが、16ページの現状分析の所で、先ほどお話があったデータヘルス計画、実はこれには健康課題だけでなく、実際にその地域で市町村や保健所等がやっている保健事業の取組のリストもありまして、これらも追加していただけるといいのかなと思います。どんなメニューがやられているのか参考になると思います。
もう1つ、19ページの評価の所ですが、これは正に7ページの連携事業のメリットの所の評価が出てくるといいと思います。例えば先ほどあったアプローチルートの拡大ということで、大分県の取組でもそうですが、健康経営のアドバイザーが事業所に乳がん検診のチラシを配布するルートができたとか、チラシを実際に配っているとか、あとプロセスの所では、実際に地域・職域のデータヘルス計画等から健康課題が共有できたとか、そういった事業のメリットがこの事業評価に挙がるといいのかなと思いました。以上です。
○津下座長 ほかに、いかがでしょうか。
○巽構成員 18ページですが、5)に、また、実際に事業が実施できるよう、複数年にわたる実施計画であっても当該年度で何をどこまで実施するのかを明確にすることが重要なポイントとあるのですが、今までの議論の中で複数年にわたる実施計画をすると、PDCAを回しやすいというのが出てきていたと思います。ですので、これだと実施計画が望ましいとか、それもあるけど、その場合に年度ごとの明確化というところを記載するのがいいのかなと思いました。
○津下座長 ありがとうございます。私もここの進め方の所で、コンソーシアムとか、例えば研究事業でも複数の関係者が一緒にやるときに、マイルストーンとかガントチャートを作って、3年間でこういう状態にしたいので1年間ではここまでいきたい、そのために誰が何をしていくのか、どの時期にしていくのかを共通的に見ることができるチャートを作ります。それがあると、あれはどうなっていますかと聞きやすいこともあるので、そういうスケジュール管理とか、どう動いているのかが分かるようなチャートを作成するのが望ましい。それがうまく進捗しているか見ていけると、プロセス評価にもつながっていくと思うので、先ほどの事業実施の所で、より具体的に実施計画をチェックできるような形に提案したらどうかなと思います。
○藤内構成員 少し戻って恐縮です。16ページの現状分析の所の中ほどに、生活習慣に関するアンケートと出てくるのですが、どうしても現状分析に時間が掛かりすぎて、そこから疲れて進まないということが多いのです。ここでアンケートの例を出してしまうと、まず従業員対象にこういうアンケートをやらなければみたいな形になってしまうので、むしろ特定健診の問診項目の分析といったものを、生活習慣の把握の例として出したほうがいいと思います。
それから、二次医療圏で課題を整理するというトーンで書いていますが、もう1つは業種ごとに課題を整理できるといいですね。先日、協会けんぽで業種ごとの分析もできますよとおっしゃっていただいたのですが、そうしたデータも活用できることを紹介していただくといいのかなと思いました。
○津下座長 ありがとうございます。今、2点あったと思います。現状分析で特に固有の健康課題を見付けようとすると、うちの地区は特別なことは何もありませんとなる。それはそれでいいのですが、その場合には、国全体で進めていくものをしっかり進めていくということで、特殊なことを見付けなければいけないみたいに思わないほうがいいだろうと思います。ここはアンケートを取ってまで健康課題を把握しなければいけないのかどうか。ここはちょっとトーンを落としてもいいのではないかと私も同感です。既存データの活用というのが非常に重要かなと思いました。
○松岡構成員 16ページの現状分析の所で、既存データの活用といった話になるのですが、データの収集・分析などについては、多くの保険者協議会の方で医療費の分析とか、データヘルス計画の共有なども行われていますので、こういう保険者協議会とも連携していただいて無駄がないように、効率的な運営を行っていただくということです。ほかにもいろいろあると思いますが、既存のデータというものがいろいろありますし、都道府県でもいろいろな取組をやっていると思いますので、是非、そういったものを御活用いただくことがいいのかなと思います。
○津下座長 ありがとうございます。次にⅣと「おわりに」について、御説明を頂けますか。
○保健指導室長 資料の20ページからはⅣ、「具体的な取組に向けた工夫」です。Ⅳでは、これまでのガイドラインには記載されなかった具体的な内容、具体的な展開ができるための工夫を記載しております。まず1として、地域・職域の連携の必要性や有用性の理解ということで記載させていただいております。具体的な連携事業の実施においては、まずは協議会構成員自身が地域・職域連携の必要性や有用性を理解した上で、それぞれの所属機関で決定権のある者や担当者に対し、共同事業の実施等の必要性や有用性について十分に説明することが重要です。また、直接地域住民等にサービスを提供する関係機関の会員の理解を得ることも必要です。さらに連携事業の具体的な取組等を通じて、サービスの受け手である就業者や住民がメリットを感じることにより、更なる連携事業の発展につながる可能性があります。
次に、こういった必要性や有用性の理解を促進するための事務局の役割として、具体的な例示を3つ挙げております。連携や共同事業の必要性やその結果として期待される効果等について、数字を用いた客観的な資料を作成すること、構成員が具体的なイメージができるよう議論を展開すること、構成員とともに構成員の所属機関に、必要に応じて必要な説明を行うこと等、きめ細かな対応を適宜行うことが必要となることを記載しております。
2は、健康課題の把握と対策の検討に向けたデータの収集・分析です。1)に健康課題を把握するための具体的なデータ項目の例として挙げております。こちらについては先ほど、具体的な項目を挙げたほうがいいのではないかといった御意見もありましたし、現行のガイドラインにもかなり書き込んであるのですが、3は具体的なPDCAを回すというところでイメージしていただいて、4でどういったデータを収集するとよいかということを記載する予定です。
2)はデータの活用方法ということで、データを分析することで全国他地域との比較、さらには事業の評価指標としても活用可能となり、優先的に取り組むべき健康課題の共有や介入対象の明確化につながるということ、データ分析に終わるのではなく、活用することが重要であり、具体的な取組につなげていく必要があることを記載しています。
3)は、情報の種類と保有主体です。こちらは(1)(2)とも次回の検討会にお示しする予定で、データの種類と情報の保有主体について、それぞれ表を挿入する予定です。また、各機関がデータ共有を行う際の留意点、個人情報の取扱いについても記載する予定です。(3)がデータ分析の工夫ということで、専門の分析機関への外部委託とか、学識者等の協力を得ることも検討します。分析のための人材を確保しておくことで、分析に係る労力や時間を節約でき、円滑に具体的な取組へ移行することが可能となると記載しております。
3として、地域・職域によって取り組むべき課題と取組事項の明確化です。1)の課題の明確化・共有については、課題の明確化・共有が実際の展開には必要ということ、課題の抽出が困難な場合は、自治体の健康増進計画や保険者のデータヘルス計画に位置付けられていること、また国が重点課題として対策を推進している領域等を参考に、協議会の重点領域及び課題を設定し、そこから着手していくことも検討することを記載しております。
2)は、具体的な取組事項の設定です。取り上げた課題の中から取組内容を検討し、実施できそうな具体的な取組事項を設定するということです。取組事項の例とありますが、課題ごとに取組の内容を提示してはどうかと思っています。例えば、課題が生活習慣病予防対策でしたら、地域・職域が連携した健康づくりセミナーや健康教室の開催、あるいは職域が持っている、企業が保有する運動施設を地域住民に開放すること、職域から地域に矢印が行っておりますが、こういった取組の内容、たばこ対策ですと、禁煙の啓発を地域から職域にするとか、受動喫煙対策に関する講演会等も地域から職域へと、こういった取組を各課題に応じて提示してはどうかと考えております。
さらに22ページでは、連携事業の具体的な評価の例ということで、21ページで示した取組事項ごとに具体的な評価の例として、ストラクチャー/プロセス、アウトプット、短期的アウトカム、長期的アウトカムに具体的な内容を入れて、次回に提示する予定です。
23ページからは、3の対象者別の具体的な取組例です。今後、本検討会でもサービスを重点化させていく必要があると言われた被扶養者、小規模事業場の従業員、退職予定者・退職者の支援例について記載する予定です。
4として、具体的な取組を実施するために必要なリソースの確保です。まずは1)で、各機関が保有する資源や取組の共有です。(1)が担当者間の連携基盤の構築ということで、各関係機関が保有する資源、実施している取組を共有するための前提として、担当者レベルが積極的に連絡を取り合い、密に連携できる体制の整備が必要であると。保健所等は連携の窓口となり、関係機関をつなぐ役割を担うこと、特に地域・職域保健の連携が円滑に行われるために、キーパーソンを配置することが望ましいと。そして先ほども御意見の中で出ていましたが、ほかに自治体内の国保部門、衛生部局、商工労働部局の関係者等、庁内連携を取ることが必要であるということを書き加えております。
(2)は専門職等の人員の確保ということで、地域保健・職域保健の専門職が相互に協力できる体制が必要であること、例示として自治体には医師、保健師、管理栄養士等の職種が配属されていることから、このような地域保健側のスタッフを活用する必要があこと、そして学識経験者(産業保健、公衆衛生等)からの助言が受けられるよう、協力を要請することが重要であるという記載にしております。また、この各専門職等の活動の場所と、活動の内容の例示についても記載する予定です。
必要なリソースの3つ目は、ソーシャルキャピタルの活用です。保健医療の専門職人材のみならず、以下に挙げるソーシャルキャピタルということで、健康づくり推進員や食生活改善推進員等のボランティア、民間資格保有者として健康経営アドバイザー等、3に事業場における資源、4にその他関係機関の活用についても具体的に記載する予定です。
続いて具体的な取組例の2)、24ページです。保健事業の展開に関わる者の資質の向上ということで、2つの項目を挙げております。事業の企画・運営に必要な資質ということで、2点挙げております。地域・職域連携推進事業の事務局担当者は自治体の職員であることから、職域保健について十分な知識を有しているとは限らないため、地域保健における重点課題のみならず、職域保健に関する法的な根拠、現状や課題等、双方の保健事業の背景を理解することがまず求められること、さらに連携事業の展開に当たっては、関係者との調整能力、連携事業の進行管理、評価など、高いマネジメント能力が求められるとことを記載しております。
(2)の資質向上のための方策としては、都道府県協議会は、二次医療圏協議会事務局担当者の資質向上のため、研修会や担当者間の情報交換会の企画・運営を行うこと、そして保健事業の展開に関わる従事者の資質向上について、地域で実施している保健師や管理栄養士等を対象とした研修への職域保健従事者の参加、二次医療圏協議会等による合同研修会の開催、情報交換会の企画・運営を行うという形で、方策を記載しております。
25ページは、地域・職域連携推進事業の成長のイメージです。今後、ステップ、レベル1、2、3に合わせて成長のイメージについて記載する予定としております。
最後の26ページが「おわりに」です。「おわりに」については今後、「はじめに」と同じように文章化していく予定ですが、盛り込む内容については今回提示させていただいております。最初ですが「国民誰もが」ということで、より長く元気に活躍できるよう、健康寿命延伸の取組が推進されており、厚生労働省において、健康寿命延伸プランが策定されたこと、さらに、青壮年・中年層の「働き方」「ライフスタイル」が多様化する中で、包括的な保健事業を提供できる環境整備が必要であること、そのためには、これまで以上に地域保健・職域保健の連携が重要となっていることを記載しています。
そして、今回の検討の経緯にも触れております。最も重要とされたのは、「地域保健と職域保健が連携し、具体的な取組に繋げていく」ということであったこと、近年、各機関のデータ集約・管理機能の発達が進んでおり、それらを活用した取組を進めていくことは重要ですが、データの分析に終結しないよう、まずやれることから取り組んでいくという視点も併せて意識していただきたいこと、そして「本ガイドラインでは」ということで、これまで取り組まれてきた地域・職域連携の先進事例等も踏まえながら、地域・職域連携推進協議会を中心とした関係者が一体となった取組を進めていくためのポイント等を新たに整理した、という新たな観点を記載しております。先進事例は次回に提示したいと思っています。今後、時代によって変化する価値観や社会情勢、テクノロジーの進展等を踏まえ、地域・職域の更なる発展が必要となることを記載しております。
最後に、本ガイドラインを地域・職域連携推進協議会の発展の一助としていただくとともに、協議会の取組にとどまらない、働く世代の健康づくりの仕組みが推進されることを期待するという内容で構成しております。以上です。
○津下座長 Ⅳの「具体的な取組に向けた工夫」と、「おわりに」について御説明いただきました。それでは、どうぞ。
○漆原構成員 21ページの具体的な取組事項の設定の取組事項の例を拝見しますと、この内容について19ページに記載の方法により、どのように評価するか、お聞きできればと思います。先ほど労働衛生課長から、事業場の住所と従業員の居住地の違いについて話がありました。例えば、禁煙の啓発について考えると、記載されていませんが、おそらく「事業場に対する」というのが入るかと思います。そして、例えば千代田区で言えば、千代田区の事業場で就労しているからといって、千代田区に住んでいる人はほとんどいないのではないでしょうか。仮にそこの事業場で何らかの対策を講じた場合、19ページのアウトプットの評価として、実施回数や参加人数は把握できたとしても、アウトカムとして「千代田区」という地域で何らかの改善が確認できるのかどうか、にはつながらないのではと思います。そうすると、ここで「取組事例」と記載があるのは、あくまでも事業場に対してやれば事業場では効果があるけれども、それと地域が関連しないような感じに見えてきてしまいます。
千代田区の地域保健として事業場に対して禁煙対策をやったところで、地域の住民の禁煙にはほとんど変化が見られないとすれば、事業場も含めた地域を対象にした場合だと、どのようにアウトカム目標を設定するのかというところが、何となく分からないので、もしイメージがあればお教えいただければと思います。
○健康課長 今日ちょうど、7月1日から受動喫煙対策が強化され、非常にタイムリーな質問でありがとうございます。私はもう一方でたばこ対策もやっているものですから。実はこの地域というのは先ほどもありましたように、例えば東京都などは条例があって、地域の取組があったり区ごとに対応が異なっています。例えば公園や公道、路上喫煙みたいなものは違っております。具体的に喫煙している人の禁煙指導は、保健指導みたいなものも含め、事業所単位でやるというのは結構大きいと思います。やはり地域でやっている取組と職場のものが相まって、職場ないし地域での喫煙者の数が変わってくると、例えば駅前にある公衆喫煙所を何か所設けるかといったことや、公園や商店街などにも喫煙室が造られているのですけれども、そういったものをどう考えていくかということも変わってまいります。
多分、最終的なアウトプットみたいなものは、それぞれの地域ないし職域でやったものの成果になると思います。最終的なアウトカムというのは、1つは喫煙率だと思います。その地域の喫煙率だったり、職場の喫煙率だったりを見ていくということになると思います。これはやはり県単位とか、更にもう少し細かい単位で分析できるようになってくるかもしれません。そうしたデータを見ながら、具体的にやった取組がどう効いているのか。これは県レベルでも見ていただいて、市町村ないし区単位の取組と、実際にどういった成果が出ているかというところも、今後は1つの分析の指標になり得ると考えております。今は、たまたまたばこ対策のところだけ申し上げましたけれども、ここに書いてあるものは、いくつか全国で事例があって、それを踏まえて少し参考にさせていただきましたので、こういった点を実例を踏まえながら、是非、今後活用できるといいなと考えております。
○津下座長 ほかにいかがでしょうか。
○藤内構成員 20ページの「具体的な取組に向けた工夫」の1番に、地域・職域連携の必要性や有用性を、まずは協議会構成員自身に理解してもらうということが書いてあります。その中に、事業場が構成員として挙がっているのですが、本当に個々の事業場、もっと言えば各企業というか、会社にこの連携の意義を理解してもらわないと、幾ら商工会議所であったり保険者であったり、そういう関係団体が議論をしても、意義は乏しいと思います。実際に動くところの個々の事業場に理解してもらうことがとても大事なのです。そうしたときに「事業場」と言うと何か主体が見えなくて、何とか場みたいな感じがするのです。「事業主」とか「企業」と言ったほうが主体が見えるので、表現としてはピンとくるかなと思ったのです。
いずれにしろ、ここでは事業主と記載して欲しいですね。さらに「所属機関での決定権のある者」という表記があります。そうすると、事業場で言えば個々の事業主に健康経営、地域・職域連携の必要性や有用性を理解してもらうことが大事なので、その辺りがもうちょっと見える、もっと言えば、事業主に刺さるような表現ができたらいいなと思います。○津下座長 もう時間も迫ってきて、深く議論する時間がないのですけれども、Ⅳについては今御指摘いただいたように、より分かりやすく、そして当事者が、自分たちが動くべき課題だと認識できるような具体的な表現とか、職域側から見て、言葉でちゃんと受けとめられる言語になっているか、その辺りのことも含めて記載予定となっている項目がたくさんありますから、また御準備いただけるようにお願いしたいと思います。
議事が盛り上がったのはうれしいのですけれども、議題がもう1つあります。(2)の「これからの地域・職域連携推進の在り方に関する検討会報告書骨子(案)」について、御説明を頂けますか。
○保健指導室長 本検討会報告書骨子(案)ですが、資料3に示したように、「はじめに」の後、項目としてはⅠ「これからの地域・職域連携推進の在り方に関する検討会の活動状況」ということで、経緯や目的、活動内容、Ⅱ「地域・職域連携の今後の方向性」ということで、連携の基本的な考え方、メリット、目指すべき方向性と推進方策についてとしています。Ⅲ、Ⅳは、それぞれの機関の役割になります。Ⅲについては「地域・職域連携における国の役割」、Ⅳについては「関係機関における地域・職域連携の取組」を記載していく予定です。併せて事例についても、この報告書の中に掲載させていただきたいと考えております。以上です。
○津下座長 本検討会の報告書という位置付けで、ガイドライン改訂版、骨子(案)が作成された経緯などを取りまとめるという御説明ですが、よろしいでしょうか。また、この骨子(案)の目次について、何かお気付きのところはよろしいでしょうか。
ありがとうございます。時間も迫ってきました。全体を通じて言い残したというか、これだけはというメッセージはありますか。特に御発言のなかった構成員はよろしいですか。小玉構成員は何かありますか。
○小玉構成員 全体を通してではなくて、最後の発言についてです。事業主とか、具体的に名前を出したほうがいいという話ですけれども、正にそれが機能していない地域・職域連携推進協議会の有様なのです。しかし、それは正に協議会の役割ではないかと私は思いました。
○津下座長 最後のⅣ章ですが、地域保健側はこの協議会をやりなさいと国に言われるわけですけれども、一緒に取り組む事業所側が受け身では進んでいかない部分がありますので、その辺はどういう言葉を入れるといいのか。白井構成員から何か御発言はありますか。
○白井構成員 事業場のことについては、そのとおりだと思いましたが、24ページの保健事業の展開に関わる者の資質の向上について、「自治体職員」というように名指しされています。確かに事務局担当者は専門職ではないので、専門的な知識を有してはいないのですが、ここだけ「自治体職員」というように明記してしまうと、自治体職員が何も努力をしていないように見えてしまいます。関係の業務については、自治体職員はかなり一生懸命やっているところなのに、ここだけなぜ「自治体職員」と名指しされてしまったのか、疑問に思った次第です。
○津下座長 また書きぶりなどを工夫していただきたいと思います。個別の事業と言うよりも、かなりマネジメントの力量が必要で役割が大きいということでそう表現されたのかと思いますが、また今後検討していただくようにしたいと思います。
本日頂いた御意見や、積み残しの部分があったと思います。事務局にて整理をお願いします。また、本日御発言いただいた以外に、ガイドライン骨子(案)や報告書骨子(案)への御意見がありましたら、7月12日の金曜日までに事務局にお伝えいただけますか。次回の検討会においては、地域・職域連携推進事業ガイドラインの改訂(案)と検討会報告書(案)について、引き続き御議論を頂く予定となっております。それでは、最後に事務局より御連絡事項をお願いいたします。
○健康課課長補佐 活発な御議論をありがとうございました。頂いた御指摘を踏まえ、事務局として再整理をしていきたいと思います。次回の検討会は、8月5日を予定しておりますので、詳細は事務局より別途御連絡をさせていただきたいと思います。
○津下座長 今日も活発な御議論をありがとうございました。ガイドライン完成まで、あとわずかとなってまいりましたけれども、最後に魂を入れないと。言葉をきちんと伝わるものにしていただくという、非常に重要な局面になってきていると思います。第4回は、以上をもちまして終了とさせていただきます。本日はお忙しいところ、どうもありがとうございました。
 

 

 

 

(了)

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