ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 健康局が実施する検討会等> これからの地域・職域連携推進の在り方に関する検討会> 第1回 これからの地域・職域連携の在り方に関する検討会(2019年3月14日)

 
 

2019年3月14日 第1回 これからの地域・職域連携推進の在り方に関する検討会

健康局健康課

○日時

平成31年3月14日(木)10:00~12:00

 

○場所

厚生労働省専用第22 会議室(18階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

○議題

1 本検討会について
2 地域・職域連携推進事業の現状と課題について
3 今後の進め方について
4 その他

○議事

 

○加藤保健指導室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第1回「これからの地域・職域連携推進の在り方に関する検討会」を開催させていただきます。
本日は、年度末のお忙しいところ、構成員の先生方には御出席いただきまして誠にありがとうございます。
事務局を務めさせていただきます、健康局健康課保健指導室の加藤と申します。座長が決まりますまでの間、進行を務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
開会に当たりまして、健康局長から挨拶をさせていただく予定でございましたが、国会用務のため、後ほどさせていただきます。
続きまして、構成員の紹介をさせていただきます。お手元の資料のクリップどめを外していただきますと、議事次第の次に構成員名簿がついております。この構成員名簿に基づき、お名前のみ御紹介をさせていただきます。
藍構成員です。
漆原構成員です。
焔硝岩構成員です。
小玉構成員です。
小林構成員です。
小松原構成員です。
齋藤構成員です。
武林構成員でございますが、本日、御都合のため欠席との連絡をいただいております。
白井構成員です。
巽構成員です。
津下構成員です。
藤内構成員です。
古井構成員です。
松岡構成員です。
松下構成員です。
真鍋構成員です。
日本経済団体連合会からの御推薦でございます、矢内構成員です。
渡辺構成員です。
以上、18名の構成員の方々の御参画をいただきまして、本検討会を開催させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、事務局を紹介させていただきます。
健康局健康課健康課長の武井です。
健康課地域保健室長の風間です。
健康課栄養指導室長の清野です。
労働基準局安全衛生部長の椎葉です。
労働基準局安全衛生部労働衛生課長の神ノ田です。
保険局保険課長が本日ほかの用務のため、代理で出席いたします、課長補佐の市川です。
保険局国民健康保険課長につきましては、本日、用務のため欠席となります。
保険局医療介護連携政策課医療費適正化対策推進室長、廣瀬です。
どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、お手元の資料の確認をお願いいたします。
議事次第、構成員名簿、座席表とございます。
その後、
資料1 これからの地域・職域連携推進の在り方に関する検討会開催要綱
資料2 地域・職域連携推進事業の現状
資料3 保険者における健康づくりに関連する施策
資料4 職域における健康づくりに関連する施策
資料5 宇都宮市における地域・職域連携の推進
資料6 大分県における地域・職域連携の推進
資料7 今後の検討会の進め方(案)
参考資料1 平成18年度地域・職域連携支援検討会報告書
参考資料2 地域・職域連携推進事業ガイドライン改訂版
参考資料3 事業場における労働者の健康保持増進のための指針
をおつけしております。
以上でございます。資料に不足、落丁等がございましたら、事務局までお申しつけください。
本検討会の座長につきましては、配付資料の資料1にあります開催要綱をごらんください。この中で、座長につきましては、健康局長の指名により置くこととなっております。
本検討会の座長につきましては、健康局長から、前回の検討会の構成員であり、その後も地域・職域連携に継続的に取り組まれておられる津下構成員にお願いしたいということでございますが、津下構成員、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。では、よろしくお願いいたします。
これからの進行は津下座長にお願いいたします。以上をもちまして、カメラをおさめていただきますよう、御協力をお願いいたします。
○津下座長 皆さん、おはようございます。大変情けない声になっておりまして、甚だ申しわけないところでございますけれども、どうぞ御容赦お願いしたいところでございます。
私、平成17年度、現在の地域・職域連携の推進ガイドラインのもとをつくる検討会で厚生労働省の委員を務めさせていただきまして、地域・職域の皆様方と一緒にいろいろ議論して作成したものが10年以上にわたりまして御活用いただきました。課題はいろいろあると思いますけれども、地域・職域連携の一つの手がかりになったのではないかと思っております。
しかし、その後、特定健診・保健指導がはじまり、データヘルス計画や健康経営、産業保健のほうもストレスチェックなど多くの変革がありまして、さらにもっと深めた地域・職域連携ができるのではないかと感じていましたところ、このような検討会を開催されるということで、微力ながら務めさせていただければと思っております。
よりよい推進ガイドラインの策定に至りますよう、構成員の皆様方、それぞれのお立場での御協力をどうぞよろしくお願いいたします。
私の挨拶はこれまでといたしまして、早速議事を進めてまいります。
まず、座長代理を置かせていただきたいと思います。古井構成員を私から御指名させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○古井構成員 よろしくお願いいたします。
○津下座長 よろしくお願いいたします。
それでは、議事(1)に入ります。事務局より御説明をお願いいたします。
○武井健康課長 事務局でございます。健康課の武井から説明をさせていただきます。
お手元の資料1をごらんください。開催要綱となっている資料でございます。
本検討会の開催趣旨でございますけれども、今、座長からお話がございましたように、健康寿命の延伸という非常に大きなテーマがあるわけですが、それにあわせまして、生活の質の向上といった観点から、地域保健と職域保健が連携して、継続的に保健事業を展開していくということで、平成11年度よりこの連携のあり方について検討してきたところでございます。その後、17年3月にはガイドラインを提示させていただいたところでございます。19年3月、医療制度改革を踏まえた新たなガイドラインの改訂といった経緯もございました。
それから、近年、非常に健康課題が複雑化、多様化しているところでございます。特にテクノロジーの発展等については、IoTやAIといったところも十分踏まえてこれから検討が進んでいくものと考えております。
そのため、今回の検討会ですけれども、「これからの地域・職域連携推進の在り方に関する検討会」という名前のもとに、ガイドラインの改訂も含めて検討を行ってまいりたいと思います。
検討事項は2点ございます。重要ですので、読み上げさせていただきます。健康寿命の延伸のための地域・職域連携のあり方、これが1点目でございます。2点目でございますけれども、地域・職域連携推進事業ガイドラインを改訂していくということで、その課題の整理、改訂に当たっての検討でございます。
検討会の構成員等は先ほど説明があったとおりでございます。
その他ですけれども、検討事項が非常に多岐にわたりますので、本検討会は厚生労働省労働基準局安全衛生部及び保険局の協力を得まして、健康局長が開催するといった開催の方法となります。
資料1については、説明は以上となります。
○津下座長 ありがとうございます。
開催の趣旨、それから、検討事項、まずあり方を議論し、健康寿命延伸のための地域・職域連携のあり方、ガイドライン改訂版における課題の整理及びさらなる改訂を目指した議論を行うという内容でございますが、御質問、御意見はありますでしょうか。よろしいでしょうか。
これについては御了承いただいたということで、引き続き議事(2)地域・職域連携推進事業の現状と課題についてに入ります。
事務局より御説明をお願いいたします。
○武井健康課長 引き続きまして、健康課の武井から資料の説明をさせていただきます。
資料2をごらんください。「地域・職域連携推進事業の概要」となっている資料でございまして、冒頭、今までの事業の内容をレビューいたしまして、それから、最近新たに進んでいる検討もございます。こうした点について全体を俯瞰していただくということで、事務局のほうで資料を用意させていただきました。
ページをめくっていただきますと、「2040年を展望し、誰もがより長く元気に活躍できる社会の実現」ということで、未来投資会議、2018年10月22日の大臣プレゼン資料になってございます。これは既に皆さん御案内の内容が多いかと思うのですけれども、2040年を見通したときに、現役世代の減少が最大の課題でございまして、高齢者もあわせて考えた上で、就業率が上昇する状況も踏まえて、高齢者像が大きく変化しています。
こうした現状を踏まえまして、「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」、本部長は厚生労働大臣でございますけれども、この大臣のもとに3つの検討を行っていくことでございまして、①から③にございますように、雇用・年金制度改革ですとか、健康寿命延伸プラン、医療・福祉サービス改革プランというものがございます。
真ん中の赤い点線の囲みの部分でございますけれども、健康寿命延伸プランとなっておりまして、2025年までの工程表にあわせまして、健康無関心層へのアプローチの強化ですとか、地域・保険者間の格差の解消ということで、全ての世代、それから、疾病予防・重症化予防への政策の重点化ですとか、介護予防・フレイル対策、こういった点について検討を行っているところでございます。
2ページをごらんいただきたいと思います。「誰もがより長く元気に活躍できる社会を目指して」というところでございまして、先ほどもございました無関心層へのアプローチですとか、地域・保険者間の格差の解消という目標のもとに、新たな手法を使っていってはどうかということで、自然に健康になれる環境づくり、食事、運動ですとか、社会参加の推進ということがございます。行動変容を促す仕掛けということで、行動経済学等の理論ということで、最近よくナッジ理論というのが言われているかと思うのですけれども、こういったものも活用していき、インセンティブも活用しながら目標を達成していくことを考えております。
一番下、基盤整備の中に、多様なステークホルダーの連携、協力が不可欠でございますので、そういった視点でこうした取り組みを推進していきたいと考えております。
3ページ、地域・職域連携の基本的理念ということで、これは皆さん御案内のとおり、地域保健の課題と職域保健の課題、双方をしっかり連携しながら取り組んでいくということで、その一つが健康日本21であったと思います。健康寿命の延伸、生活の質の向上ということを掲げております。
4ページ、では、その基本的な考え方、連携とは何かということでございまして、健康教育、健康相談、健康情報等を共有化していくということで、こうした流れの中で保健事業を展開するということで、地域・職域連携推進協議会が主体となって議論を進めてまいります。PDCAサイクルを回しながら、互いの情報を出し合う、課題を明確にする取り組みを進めていただいているところです。
次のページをごらんください。地域・職域連携の狙いということですけれども、既にこれも皆さん、御案内のこととは思いますが、連携によりまして地域保健情報、こうしたものを検討することによりまして、健康課題をより明確にしていく。この点がまず出発点として重要であると考えております。生涯を通じた健康支援を続けていくことですとか、それぞれの健康課題に沿った個人ニーズへの対応も重要になってきております。
生活の場である地域と働く場である職域、これがうまく連携していくことによって、健康管理を行っていく。あわせて、保健指導の効果を上げていくことがポイントになるかと思います。そのため、地域保健と職域保健が協働で事業を行ったり、担当者の資質の向上も目指していったりというところが重要になります。
あわせて、事業者の健康保持増進活動の推進がより容易になるですとか、今回の一つの重要なテーマでもあるのですけれども、小規模事業者等の健康増進対策の推進というテーマがこの6番目に入ってきております。
こうした共通認識をベースといたしまして、生活習慣が予防できる、将来的には医療費への影響ですとか、非常に各フェーズでいろいろな効果が期待できるところかと思います。
6ページ、これまでの検討の経緯がございます。一番最初の検討段階としては、平成11年から13年のときにさかのぼりますけれども、連携のあり方について検討をし、その後、モデル事業の実施、それから、平成16年にガイドラインを策定いたしました。その後、このガイドラインを改訂するなどしてガイドライン改訂版、平成19年3月というものを御利用いただいているところでございます。
次のページ、ガイドラインの目次になりますけれども、ここに書かれている内容が、ある意味検討していくような事項に該当すると思います。基本的理念の確認ですとか、協議会の設置、あり方の検討、事業の比較、運営、分析、実施ということで、先ほどPDCAサイクルと申し上げましたけれども、そうしたものを具体的に運用していくためのガイドラインにしていくところがポイントになります。
8ページ、根拠法が出ております。地域保健法第4条、健康増進法第9条に基づいて進めるということでございまして、この中で書かれておりますのが、都道府県単位、2次医療圏単位に地域・職域連携推進協議会を設置するですとか、連携事業を進めていく。それから、地方公共団体の健康増進計画の推進に寄与するというところがその中で書かれているわけでございます。
9ページ、参考になります。細かな基本的な指針ですとか、具体的な内容が示されているところでございます。
10ページ、地域・職域連携推進協議会の設置状況で、ある意味で他の協議会との合同開催も含めると9割以上でそれぞれ設置されているところになろうかと思います。
11ページ、地域・職域連携推進協議会の役割になりますけれども、情報交換ですとか課題の明確化、目標の策定となっておりまして、こうした点については都道府県単位、2次医療圏単位共通する事項になっております。
メンバーの概念図が12ページにございます。多様な関係者の協力を得て検討を進めているところでございます。
13ページ、14ページをあわせて見ていただきますと、どういった課題があるか、取り組んでいない理由は何なのかというところが14ページに出ておりますけれども、大きいのは予算、マンパワーというところが大きな理由になっているかと思います。この点は後ほどもう一度詳しく見ていきたいと思います。
連携事業における健康課題の分析状況が15ページ、16ページに出ておりますけれども、地域・職域両方のデータを使っている、ですとか、地域のみのデータを使っているところが多くなっておりますが、データをどう活用していくかというのも今回の検討会の非常に重要なポイントになろうかと思います。
最後に18ページ、19ページを見ていただきたいのですが、以上を踏まえて、地域・職域連携を推進するための課題を、これは保健指導室調べになりますけれども、今の段階のものを整理させていただいております。これはそれぞれの自治体から寄せられた意見をベースにしておりまして、大きく3つほどあります。健康づくりの取組につなげるための地域全体の健康課題の把握については、データに関する課題が出ております。データ提供を受ける側、それの集約、分析を行う上での課題、データクリーニング上の課題が出されております。
2つ目、健康づくりが進みにくい層への健康づくりの推進ということで、対象者の問題が出ております。特定健診の受診率向上に向けた話ですとかICTを使った取り組みについても意見が出されております。
地域・職域連携推進協議会についても、やはりこれは人的資源と予算を集中一体化させるような点ですとか、直接事業者へアプローチするようなルートの確保といった点についても指摘がされております。
最後に19ページ、同様でございますけれども、マンパワー、予算の観点、それから、こうしたものをベースに非常に活動の幅が広いということでございますが、生活習慣病やメンタルヘルス等、こうした分野で対応していくために専門職が協働した働き方が重要であるといった指摘もいただいております。長期的、継続的な事業の推進についても御意見をいただいておりますので、こうした課題をこれからさらに深く御議論いただきたいと考えております。
資料2、説明は以上となります。
○津下座長 ありがとうございます。
引き続き、資料3について御説明をお願いします。
○廣瀬医療費適正化対策推進室長 保険局医療費適正化対策推進室の廣瀬でございます。
この資料3を用いまして、保険者を取り巻く予防・健康づくりの課題について御紹介いたしますが、時間も限られておりますので、先に資料3の結論のみ申し上げられればと思います。結論を申し上げますと、保険者が行う予防・健康づくりは相当程度多様化をしておりまして、また、単に実施をするだけではなくて、成果も求められるようになってきております。こうした一連の流れを効果的に、また効率的に進めていくためには、地域・職域、保険者、それぞれの連携の枠組みをこれまで以上に活用していくことが有効であると考えております。
少し細かいところを御紹介させていただければと思います。4ページをお開きください。御承知のことと思いますが、保険者が行う予防・健康づくりで中核として機能しておりますのは、特定健診・特定保健指導でございます。この健診の特徴は、疾患を見つけるというよりはリスクを見つける健診であるということでございます。これまでも保険者の義務として運用してまいりましたけれども、5ページ目に記載しておりますとおり、現在、実施状況が健診で51%、保健指導で18.8%と、そのような状況になっております。
13ページまでお進みいただけますでしょうか。先ほど申し上げましたとおり、保険者が行う予防・健康づくりについては成果も求められるようになっております。その取り組みの一環といたしまして、いわゆる後期高齢者支援金の加算・減算制度を通じて、予防・健康づくりについてインセンティブを設けています。
24ページをお開きいただけますでしょうか。先ほど申し上げましたとおり、もう一つのポイントとして、予防・健康づくりが非常に多様化していて、従来からの健診・保健指導という枠を超えての取り組みが求められるようになっていることが挙げられます。都道府県で策定いただいている医療費適正化計画の中でも、こうした要素が取り組まれておりまして、24ページの資料にあるとおり、適正化計画、今年度から始まった第3期計画におきましては、外来医療費の適正化の考え方の中で、特定健診・保健指導の推進以外にも、糖尿病の重症化予防であったり後発品、医薬品の適正使用、こういったものを手段としつつ、現在都道府県で適正化をお進めいただいているところでございます。
28ページをごらんいただけますでしょうか。予防・健康づくりをより効果的で中身のあるものにしていこうという考え方で始まっておりますのが、「データヘルス」という発想でございます。健診のみならずレセプト情報も用いながら各保険者ごとの課題分析を行っていただいて、予防・健康づくりを進めていただく。このような取り組みを現在保険者さんで進めていただいております。
32ページ、このデータヘルスの全体像をポンチ絵でお示ししました。こちらにございますとおり、データヘルスの中で対象になりますのは、特定保健指導の対象だとか一定のリスクがある人だけではなく、健康層、今、健康である方についてもデータヘルス計画の中では介入の対象として取り組んでいただいています。
33ページ、市町村国保に関しては、KDBシステムをつくっていただきながら、同じようにデータヘルス計画を策定して取り組んでいただいている最中でございます。
39ページ、今、いろいろと保険者で予防・健康づくりに精力的に取り組んでいただいていると申し上げましたけれども、資料2で武井課長から御説明がありましたとおり、最初にこの地域・職域連携のガイドラインができた当時は、特定健診・保健指導が始まったことが背景の一つであったと承知しております。
このときに、特定健診と安衛法の健診を、役割分担をしつつ連携をしっかり進めていくという考え方で、39ページのちょうど中央に※印をつけさせていただきましたけれども、安衛法の事業者健診の結果を特定健診の結果として活用する。そのようなルールづくりもしながらこの10年間取り組んできた経緯がございます。
40ページ、保険者協議会についても少し御紹介をさせていただければと思います。途中で申し上げましたけれども、都道府県が医療費適正化計画に基づいて予防・健康づくりも含めながら医療費適正化に取り組んでいただいている最中ではございますが、この医療費適正化を着実に進めるための協議の場として、保険者協議会というものを設けさせていただいております。
従来、この保険者協議会は、保険者間での連絡調整の場として活用いただいてきたというのが歴史的な経緯としてあります。41ページで最近行った見直しについて紹介させていただければと思います。これまで都道府県には保険者協議会のメンバーのお一人として御参画をいただいておりましたのが、この30年度以降の見直しでは、医療費適正化推進のための関係者の連携強化の貴会として御活用いただけるよう、都道府県が事務局を担う形も可能とさせていただいたところです。
47ページ、一番最後のページでございます。今、私が保険者による予防・健康づくりの周辺事項として御紹介をしました内容を箇条書きでお示しをいたしました。冒頭に申し上げましたとおり、保険局といたしましては、多様化しております保険者の予防・健康づくりを着実に進めていくために、地域・職域連携の枠組みを有効に活用していくことは重要であるということと、また、保険者には地域に根ざしたものも職域をベースとするものも両方ありますので、地域・地域連携であったり、職域・職域連携も重要になってくるのかなと考えております。
非常に雑駁なものとなり恐縮ですが、説明は以上です。
○津下座長 ありがとうございます。
それでは、職域における健康づくりについて、御説明をお願いします。
○神ノ田労働衛生課長 労働衛生課長の神ノ田でございます。
私からは産業保健の取り組みにつきまして御説明を申し上げたいと思います。
資料4の1ページ目をごらんください。こちらに労働安全衛生行政の実施体制をまとめてございます。厚生労働省の直轄の組織といたしまして、各都道府県に労働局を設置しておりまして、また、そのもとに全国325カ所の労働基準監督署が設置されております。末端に至るまで、国直轄の行政組織だということが一つポイントかと思っております。
また、この産業保健の実施主体でございますけれども、全国580万ぐらいあります各事業場あるいは事業者の方々がこの産業保健の担い手だということでありまして、その指導等をするということで、労働基準監督署等が取り組みを行っているということでございます。
また、産業保健活動の支援のために、独立行政法人労働者健康安全機構がございます。都道府県の組織として、各都道府県に産業保健総合支援センターが設置をされ、産業保健研修、あるいは専門的な相談等への対応等を行っておりますし、また、全国350カ所に地域産業保健センターが設置をされています。こちらの地産保におきましては、主には小規模事業場の事業者や労働者を対象として、産業保健サービスを提供しているものでございます。
2ページ、これはあくまでもイメージとして、今後どのように産業保健が変わっていくかということを示してございます。こちらの妊娠、出産、入学前までは母子保健で対応するということかと思います。入学後は学校保健、また、就職後、産業保健が退社までカバーしているということかと思います。今後人生100年時代を迎えるに当たりまして、現在、政府を挙げて高齢者雇用の促進に取り組んでおりまして、働く意欲のある高齢者につきましては、その能力に応じて働き続けることができるような環境整備に努めているところでございます。このため、産業保健がカバーする年齢の範囲は拡大することが見込まれますし、また、対応しなければならない課題もふえていく。重要性もますます高まっていくだろうと認識しております。
例えばこちらに4点挙げていますけれども、④に治療と仕事の両立支援と書いてあります。高齢者が労働者にふえてくるということになれば、病気の治療を続けながら仕事をする方もふえてまいりますので、そういった課題についてもしっかりと取り組んでいくことが求められているということでございます。
3ページ、時間の関係もありますので、産業保健活動の例として、こちらの4点につきまして御紹介をさせていただきたいと思います。
4ページ、まず健康教育についてでございます。労働安全衛生法に基づきまして、雇い入れ時ですとか、あるいは作業内容の変更時等に、安全または衛生のための教育を行うことが事業者に義務づけられております。また、特別教育といたしまして、危険または有害な業務に労働者をつかせるとき、特別な教育を行わなければならないということになっております。
5ページ、受動喫煙防止対策の例でございます。労働安全衛生法上、労働者の受動喫煙を防止するための取り組み、これは事業者の努力義務になってございます。また、国はこの事業者の取り組みにつきまして、受動喫煙の防止のための設備の設置の促進等々について援助に努めるという規定もございます。
6ページ、健康増進の関係で、事業場における労働者の健康保持増進のための指針、いわゆるTHP指針が厚生労働大臣により策定、または公表されてございます。これは労働者の健康の保持増進のための措置は事業者の努力義務になっておりまして、その取り組みの考え方ですとか実施方法を厚生労働大臣が指針で示しているというものでございます。
大まかな流れをこのスライドで示しておりますけれども、まずは事業者が健康保持増進計画を策定いたしまして、この計画に基づき中長期的なスパンで取り組んでいくということになっております。健康測定、生活状況調査ですとか、運動機能検査等々を行いまして、これに基づいて、まず第1段階として健康状況に応じた全般的な指導を行い、また、第2段階としてここに挙げておりますような運動指導、保健指導、メンタルヘルスケア、栄養指導等を行っていく。一定期間後、評価改善をしていくというPDCAサイクルを回す中で、この健康保持増進に努めていくという体系になっております。
7ページ、実はこのTHP指針につきましては、今後見直す予定となっております。今年度からスタートしております5カ年計画であります第13次労働災害防止計画におきまして、このTHP指針の見直しを検討ということが明記されております。来年度、本指針の見直しに向けた検討会を設置する予定となっておりまして、その中で今回のこの検討会のテーマとなっております地域保健との連携を踏まえた実施体制づくりにつきましてもぜひ検討していきたいと思っております。こちらの検討会の議論につきましては、ぜひ反映させていきたいと考えております。
8ページ、健康診断の関係でございます。一般健康診断ということで、通常年に1回は健康診断を行うことが事業者に義務づけられてございます。健診項目はこちらにあるとおりですが、先ほど廣瀬室長からもありましたとおり、高齢者の医療の確保に関する法律に基づきまして、保険者が実施する特定健康診査との連携についても、中ほど破線で囲っていますけれども、結果を提供という形で連携を図っているということでございます。
9ページ、メンタルヘルス対策の関係でございます。メンタルヘルス指針が平成18年に策定され、27年にストレスチェックの導入に合わせまして改正がされております。これは厚生労働大臣が公表する指針ということで、これに基づいて事業場内の体制整備あるいは4つのケアという取り組みが行われております。
27年12月からはストレスチェック制度がスタートしておりまして、年1回のストレスチェックの実施、また、高ストレス者への面接指導が50人以上の事業場を対象に義務化されております。また、努力義務といたしまして、ストレスチェックの結果を集団分析して、職場環境改善につなげるというような取り組みも行われております。こういった取り組みにつきましては、労働局、労働基準監督署によりまして指導等を行っているということと、右側に書いてありますけれども、産業保健総合支援センター等による支援もしっかりと行ってございます。専門的な技術的な支援ですとかあるいは助成金、また、メンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」というところで、メール、電話の相談に応じたりですとか、総合的な情報提供に対応したりといった取り組みを進めております。
10ページ、これは平成29年3月に働き方改革実行計画が決定をされておりますけれども、そこでも治療と仕事の両立支援にしっかり取り組んでいくということが掲げられてございます。労働者が年々高齢化していく中で何らかの病気を抱えながら働いている労働者がふえてきているということで、例えばがんとか脳卒中になった方についても、すぐ仕事をやめてしまうということではなくて、しっかりと支援する中で両立していく。そのための支援をしていく取り組みが始まってございます。
こういった取り組みを進めていく上では、都道府県あるいは市町村等で行っておりますがん、脳卒中などの疾病対策としっかりと連携を図っていくことが重要でありまして、各都道府県労働局に「地域両立支援推進チーム」を設置してございます。この中で、地域における関係者がネットワークを構築して、しっかり連携しながら両立支援に取り組んでいこうという体制を組んでおります。
赤字で書いてありますとおり、都道府県の疾病対策の所管部局ですとか、あるいは保健所等にもこのチームの構成機関としてお入りいただいております。また、協議内容としましても、地域保健施策の連携強化、あるいは地域・職域連携推進協議会との連携といったものを掲げておりまして、各労働局が事務局になって関係者のネットワーク化を図っているものでございます。
私からは以上でございます。
○津下座長 ありがとうございます。
ただいま事務局より、地域・職域連携推進事業の狙いとか、この12年間のさまざまな新しい制度、新たな課題、そして、今後どうしていきたいかという方向性について御説明がありました。時間が押しておりますため、事例の御紹介の後、ディスカッションの時間をとりたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは、次に、地域・職域連携推進事業の現状と課題について、都道府県協議会、2次医療圏協議会の事例報告をいただきます。
まず初めに2次医療圏協議会の取り組みの御報告について、宇都宮市の齋藤構成員、どうぞよろしくお願いします。
○齋藤構成員 宇都宮市健康増進課の齋藤でございます。
私からは、宇都宮市における地域・職域連携の推進について御報告させていただきます。
まず、宇都宮市の概況でございますが、ごらんのとおり、人口50万人の中核市でございます。
次のページをごらんください。宇都宮市では、健康づくりの施策といたしまして「第2次健康うつのみや21」という健康増進計画をもとに4つの基本方向を掲げまして、健康づくりのさまざまな施策を展開しているところでございます。29年度に中間評価を行いまして、この中でピンクの部分になりますが、身体活動・運動の定着化、糖尿病の発症、重症化予防、企業と連携した働く世代の健康づくりなどが課題として上がったところでございます。
本市では、こうしたことから、地域・職域連携の推進を図るために、平成25年度から地域・職域連携推進協議会を設置いたしまして、働く人の健康づくりを推進する事業を展開しているところでございます。
次のページをごらんください。本市の地域・職域連携推進協議会の概要でございます。平成25年度に2次医療圏に設定されたことから設置されているところでございますが、協議会は内容を協議いたしまして、決定して、検討、実施を行う。そして、ワーキングにおいては実務担当者が、具体的な事業の内容の検討、実施を行っているところでございます。保険者部会も29年度から新たに設置いたしまして、保険者間の課題、連携による取り組みの内容を検討しているところでございます。
構成メンバーは記載のとおり、医療機関、地域保健、職域保健の代表のメンバーで構成されているところでございまして、当初、職域代表は構成団体は少なかったのですが、現場の実態を把握して事業に反映していくということで、27年度より4団体ほどふやしている状態でございます。
次のスライドをごらんください。地域・職域連携推進協議会の中で、具体的にどのように働く世代や事業所に取り組みを検討していったかというものになります。こちらにありますとおり、26年度に保有しますデータから課題を検討いたしまして、27年度にはヒアリング調査を行って対応策を実施しながら、29年度に第2次健康うつのみや21計画の中間評価にあわせまして、事業者アンケート調査を実施し、協議会の事業の評価働く世代の課題の整理を実施してきたところでございます。
これらの事業を展開する上で工夫した主なポイントでございます。1つ目は、構成団体のデータ、また、取り組みの情報を持ち寄って、メンバーみんなで課題の共有、検討を行ったこと。それから、事業実施を行う際にもメンバー全員が何らかの役割を担いまして、事業を実施して主体的につくり上げていったあたりが主なポイントかと思っております。
次のスライドをごらんください。具体的に平成26年度に課題の把握・共有をした内容でございます。構成員がそれぞれ持っている既存の客観的データ、左側の水色の部分になります。それから、各組織のニーズということで、右側の黄色い部分から健康課題を出し、事業所で事業を実施する上で何が課題なのかを出し合ってまいりました。その中で、事業主や健康管理担当者に対する普及啓発、事業所が保健サービスを利用しやすい環境の整備、事業所の健康づくりの現状やニーズの把握という課題が挙がりまして、その後、取り組みを進めてきたところでございます。
また、平成30年度、課題の把握・共有を再度しておりまして、こちらは先ほどもお話ししましたとおり、29年度の第2次健康うつのみや21計画の中間評価の時期を捉えまして、市民意識調査、事業所アンケート調査を実施した結果、課題が明確になってきたということで、さらに地域・職域連携協議会の中でも課題を出していったところでございます。
課題としては3つほど挙げておりまして、糖尿病の発症予防・重症化予防とメンタルヘルス対策の強化、がん検診受診率向上に向けた対策の強化といった内容になっております。
取り組みといたしましては、これまで2つの事業のほかに、事業所における健康課題の把握とその解決に向けた支援、ハイリスク業種への対策の強化というものを追加して今後取り組んでいく必要性があるだろうということで、現在、まとめているところでございます。
次のページですが、これまでの協議会の主な取り組みでございます。25年度から協議会としてPDCAを回しながら取り組んだ内容になっております。具体的には次のページ以降で御説明させていただきます。
まず、事業主や健康管理担当者等に対する普及啓発でございます。この普及啓発といたしましては、健康情報の提供と健康教育を行っておりまして、この実施に当たりましては、構成団体であります工業団地、労働基準監督署、市の医療保健事業団等の教室などと連携をしながら行ってきているところでございます。
次のページをお開きください。従業員の健康づくりを進めるために、事業主、健康管理担当者の意識が高まらないとなかなか進まないというワーキングメンバーの声、現場のヒアリングの声などから、平成27年度から働く人の健康づくり講演会を行っております。そのほかに、27年度に事業所22カ所に出向きましてヒアリング調査を行いまして、その中から幾つかの事業所を選定いたしまして、お手元のこちらの事例集を作成しています。
この事例集の中をお開きいただくとわかるかと思いますが、事業所のそれぞれの取り組み事例を載せてございまして、内容といたしましては、生活習慣病、メンタルヘルス、たばこ対策、それぞれの分野でモデルとなるような内容を載せているところでございます。
また、規模別にも小規模から大規模までということで、前のほうが19名ということで社員が少ないところから多いところまでの事例を載せているという内容になっております。
また、自分のところでなかなか健康づくりができない事業所もヒアリングの中では多く聞かれたことから、こちらの後ろから1枚目には、それぞれの構成団体のほうで実施する事業についての内容を載せております。これを作成するに当たっても、ワーキングのメンバーのほうの意見を聞きながら作成を行ってきたところでございます。
次に、事業所が保健サービスを利用するための取り組みといたしまして、出前検診の実施を行っております。これは平成26年度に労働基準監督署の衛生大会において、市で出前検診を実施していることを紹介したことがきっかけとなって、検診を実施することに至ったものでございます。
また、2つ目の事業所における健康づくり事業につきましては、平成29年度から取り組んでいるところでございますが、これは事業所のヒアリング調査等から中小企業においては専門の医師、保健師等の職員がいないということで、経済的な面からも健康づくりの取り組みを実施するのが難しいという声が聞かれました。そうしたことから、職場ぐるみで健康づくりに取り組める事業所をふやすために、出前という形でこちらの4つの講座を開催しているところでございます。
次のページをお開きください。地域・職域連携協議会の事業のほかに、市として働く世代の健康づくりを推進するために実施している内容になっております。本年度は2つの事業を開始しております。一つは、健康づくりに積極的に取り組む事業者を表彰し、表彰された企業が市の入札の際に参加審査の加点がつくというインセンティブを与える表彰制度を設けております。
また、もう一つは健康ポイント事業ということで、特徴的なものといたしましては、アプリによるポイントをつけまして、賞品と交換できるという内容になっております。7割以上が20から60歳未満の働く世代の利用となっているところでございます。
また、その他に地域との連携を通じて働く世代の健康づくりを推進する仕組みといたしまして、働く方々が職場の近く、それから、自宅の身近な場所で気軽に運動に取り組んでもらえるよう、お手元にお渡ししましたウオーキングマップを事業所に配付しているところでございます。宇都宮市には健康づくりを地域で広めるボランティア組織、健康づくり推進員がおりまして、各地域において、ウオーキングマップを作成している内容になっております。
推進員は、このウオーキングマップの活用のほか、今年度、推進員の研修会の中で働く世代の健康づくりに非常に課題があるというお話をしまして、地域でどういった取り組みができるのだろうという話し合いをしているところでございます。
次に、地域・職域が連携して働く世代の健康づくりを取り組んだ成果といたしましては、次のページになりますが、第2次健康うつのみや21計画の中間評価におきまして、評価を行っております。その結果といたしましては、自分の生活習慣をよく思っている人の割合は増加しており、健康づくりに取り組む事業所の割合が大幅に増加した結果となっております。
また、推進する上での課題でございます。次のページ、最後のページになります。1つ目は、健康課題の把握に向けた課題ということで、どんな業種にどのような内容を提供していくべきか検討する上で、働く世代、従業員の健康状態の把握が容易にできる仕組みが必要であります。例えば働く世代で糖尿病を多く発症している業種はどういう業種なのか、そういったものがなかなか容易に把握できない状況があります。
2つ目は、事業所における健康づくりの実施に向けた課題ということで、引き続き事業主の意識醸成が必要であり、そのためには講演会、普及啓発だけではなく、事業主が健康づくりの取り組みに積極的になれる仕組みが必要であります。健康経営の意識はかなり高まってはきているものの、本市の99%が中小企業という状況の中で、中小企業で働く人の健康づくりを推進するためどう取り組んでいくかといったものが課題になっているところであります。
また、この2つの取り組みをすすめるに当たっての共通の課題といたしましては、従業員が全て市民ではない、保険者が全て市内にあるわけではない状況にあります。例えば、職場ぐるみで健診を実施しようとしますと、健診自体が市民対象であり、職場ぐるみで提供ができにくいといった課題があります。また、保険者ごとに健診やその後の事後指導が行われていますことから、事業所は市内にあっても保険者が他県であることも多々ある中で、保険者の取り組みが容易に把握でき、保険者へ働きかけができる仕組みが必要であると考えております。
まだまだ課題が多いところではありますが、今後も青壮年の健康づくりがさらに促進されるよう、協議会での検討を重ね健康寿命の延伸を目指していきたいと思っております。
説明は以上でございます。
○津下座長 ありがとうございました。とても丁寧な取り組みで参考になりました。
ここで、健康局長が到着されましたので、一旦事務局に司会を戻します。
○加藤保健指導室長 それでは、本検討会の開催に当たりまして、健康局長より挨拶をさせていただきます。
○宇都宮健康局長 皆さん、こんにちは。
健康うつのみや21のお話を伺った後でややこしいですけれども、健康局長の宇都宮と申します。よろしくお願いいたします。
本日、年度末の大変お忙しいところ、皆さん、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。また、日ごろより健康づくり関係に御協力、御尽力いただいておりますこと、この場をおかりしまして、厚く御礼を申し上げます。
さて、皆さん御存じの健康日本21、西暦2000年からということで21世紀からスタートと。これも今、第2次の健康日本21の中間評価までなされたところでございます。
実はこの健康日本21をつくるときに、私は当時の厚生省、まだ労働省と合併する直前でしたけれども、今の健康課が地域保健健康増進栄養課という課でございまして、そこの課長補佐としてこの策定作業に当たってございました。そのときに健康日本21自体、いろいろな特色がございますけれども、地域と職域の連携が必要ではないかということで、平成11年からこの地域・職域の連携についての検討も行ったということでございます。
そして、ガイドラインなども作成させていただいたわけでございますが、17年ぶりに私は健康局に帰ってきて、どうも地域・職域の連携は余り進んでいないのではないかということをいろいろなお話を聞いていて実感いたしました。
これからもっと進めていくには、このガイドラインの改訂も含めてもう一回ちゃんと議論して、そういう取り組みをきちんと見直していく必要があるのではないかということで、本日、省内の労働部局、保険局も一緒になってこの会を催させていただいたということでございます。
健康づくりではないのですけれども、昨年夏から流行しました風疹ですね。その風疹について、特に流行の大きな原因となっているのが、たまたま予防接種を受けられなかった大体40代前後の男性の方が非常に抗体価が低くて風疹にかかっているということで、予防接種後の政令を改正して、この方々に抗体検査を受けていただいて、予防接種を受けていただくと。そういう枠組みをつくって、今、最後の準備をしているところでございます。
この対象年齢の方々が、まさに日ごろ職場で仕事をしていらっしゃる方ということで、これまでの予防接種、市町村の取り組みということなのですけれども、職域と連携して、また、保険者、医療関係団体ともいろいろ御相談させていただいて、まさに地域・職域の連携というスキームをつくっているところであります。そういったものを本日以後の議論の中である程度配慮というか、頭の中に入れていただけるとありがたいかなと。
健康づくりに限らず、公衆衛生全般として今後地域・職域の連携は非常に重要だと考えてございますので、ぜひ皆さん方にも忌憚のない御意見を交わしていただいて、よい施策づくりをしていただけたらと思ってございますので、ぜひよろしくお願いいたします。

○加藤保健指導室長 それでは、健康局長は再び国会用務のために退席いたします。
(宇都宮健康局長退室)
○加藤保健指導室長 それでは、津下座長、続きをお願いいたします。
○津下座長 ありがとうございました。
先ほど、2次医療圏の取り組みの状況をお話しいただきましたが、続きまして、都道府県協議会の取り組みの御報告について、藤内構成員、よろしくお願いいたします。
○藤内構成員 大分県健康づくり支援課の藤内です。
お手元の資料6に沿いまして、大分県の地域・職域連携の取り組みを御紹介させていただきます。
1枚おめくりください。県の健康づくり事業の体系を説明させていただきますが、大分県では健康寿命日本一を目指しまして、多様な主体と協働して県民運動として展開することを目指しております。具体的には商工会議所を初めとする経済団体も含めた39の団体から成る「健康寿命日本一おおいた創造会議」の開催であったり、健康寿命の延伸に協力をいただく「おうえん企業」との連携を進めております。
健康寿命の延伸のために、生活習慣病予防として3つの柱で取り組んでおります。まず一つが食環境の整備、2つ目が今回のテーマであります地域・職域連携の推進、もう一つが健康ポイントの付与による健康づくりの推進ということになります。
もう一枚おめくりください。大分県の地域・職域連携の経過を説明をさせていただきたいと思います。全国のほかの県と同様、平成18年に、県の協議会と2次医療圏の協議会が立ち上がっております。構成メンバーもほかの県と大きな差はないと考えております。ただ、年1回の開催でございましたので、毎回課題の共有に終わり具体的なアクションにはなかなかつながらず、参加者からは開催の意義そのものを疑問視する声も聞かれておりました。課題は共有できても、解決のための方向性まで具体的に共有できていなかったのかと思います。
また、保健所では、事業所を対象にニーズ調査を行ったり、健康保険委員(協会けんぽが任命し、県内で1,000名を超える)がいる地域の事業所に参加してもらい、具体的な議論をする保健所も出てまいりましたが、2次医療圏の協議会もまだまだ模索という状況でありました。
そうした中、平成25年から協会けんぽが医療費や健診データの分析結果をこうした協議会に提供していただくことになりました。
次のページをごらんください。協会けんぽからデータを提供していただいて、いろいろなことがわかってまいりました。まず、この協会けんぽのレセプト分析で受療状況を調べてみると、国保と非常に似たような状況があることがわかりました。また、協会けんぽの従業員の住所地別の分析をすると、国保で糖尿病が多い自治体から通う従業員も同様に糖尿病の受療率が高い。同じ地域に住んでいるわけですから当たり前といえば当たり前なのですが、国保がカバーする対象群と協会けんぽの加入者は少し違うわけですが、あわせて見たときも同じような健康課題があることが明らかになってまいりました。
また、特定健診のメタボ該当者、予備群の割合をグラフでお示ししてございますが、赤で示した国保の分の大分県と全国を比べた場合、あるいは青で示した協会けんぽの分の大分県と全国を比較した場合に、同様に60歳までは大体全国と同じなのですが、60歳を過ぎると全国を上回るというのが協会けんぽも国保も同様に見られました。これは女性も同様でした。
次のページをごらんください。今、申し上げたように、大分県は加齢とともにメタボがふえることがわかったわけですが、その理由を平成26年度の特定健診の問診項目により分析をいたしました。そして、わかったことは、大分県民は早食いが多い。それから、夕食後の間食、つまり、夜食をとる人が多い。朝食を抜く女性が多かったり、男女とも同世代、同性と比較して歩くのが遅い人が多い。こうした生活習慣の課題があることがわかり、これが50、60歳になると生活習慣病がふえる、メタボがふえることに繋がっているという状況を考えると、まさに働く世代からの生活習慣の改善が重要ということになります。
次のページをごらんください。とはいえ、この働く世代の健康づくりは容易ではありません。頭ではわかっていても、実際に健康的な生活習慣を継続しようとすると、生計を立てることで精いっぱいだったり、薄味で野菜の多い食事をしようと思っても、そうした弁当はなかなか手に入りません。体を動かそうにも、その機会も場所も時間もお金もないという働き盛りが多いのが現状だろうと思います。それを下の絵のように、職場で取り組むことにより長続きもできるし、あるいは職場で体操とか、社食でヘルシーランチを提供することで、無理なく健康的な生活習慣が継続できる、こうした社会環境の整備を目指しました。
次のページですけれども、平成25年に協会けんぽ大分支部が全国に先駆けまして、一社一健康宣言、今で言う健康経営の取り組みをスタートさせます。まず最初に事業主が健康宣言をします。そうしますと、協会けんぽが健診結果から事業所健康診断シートというその事業所ごとの健診結果の「見える化」したデータを提供します。それに基づいて、それぞれの事業所の取り組みを協会けんぽがサポートする。こうした仕組みを考えました。
次のページをごらんください。しかし、右上の協会けんぽの思いというところをごらんいただきたいと思いますが、「一社一健康宣言」をした事業所がこの平成26年度、初年度で300を超えました。そうなると、協会けんぽとしては十分な支援ができません。常勤の保健師は1名ですし、非常勤の保健師を入れても常勤換算で9名といった状況の中で、手挙げしたすべての企業に十分な支援ができずに、結果的に企業が宣言したけれども、何も変わらないではないかといった不満の声も聞かれたということです。もちろん、地域産業保健支援センターもかなり活用していただいているのですけれども、それでもリソースが足りないというのが現状でした。
それに対して左側の大分県の課題をごらんいただきたいと思いますが、ちょうどこのころ、平成22年の健康寿命が発表になりまして、大分県は男女とも全国で下位でした。特に50歳になると生活習慣病が急増し、これが健康寿命を縮めていることがわかりました。とはいえ、この青壮年期の健康づくりにはなかなかアプローチできずに、それが県にとっての悩みの種でした。
こうした両方の悩みを持ち寄り、逆にそれを強みに変えて、相互に連携することで、大分県民の特に働く世代の健康づくりに取り組もうと考えました。その際には、県の商工労働部や九州経済産業局などとも意見交換をし、平成26年9月に「大分県の健康づくり推進に向けた連携に関する協定書」を協会けんぽと交わしました。その結果、健康経営事業所拡大事業を開始いたしました。具体的には、協会けんぽに「一社一健康宣言」をした事業所を県にも登録をしていただき、県独自の要件で認定を行うというものです。
次のページをごらんください。これが認定のための5つの要件を示したものです。①健診受診率100%と事後指導を確実に行うこと、②事業主主導の健康づくりの推進、③受動喫煙対策、④職員に月1回以上健康情報を提供する、そして、⑤職場ぐるみの健康づくりの取り組みです。こうした5つの要件を定めて取り組みました。
次のページをごらんください。その後の取り組みの経過を御紹介します。これまで1回だった地域・職域連携推進協議会を平成27年から年3回の開催に変えております。そして、名称も「健康経営実践支援検討会」と変えまして、メンバーには産業医大の教授や、各保健所の担当にも県のこの協議会に参加していただきました。このことが県と2次医療圏が連動してこの地域・職域連携を広げていくというのに大きく貢献したと考えています。
また、その下のほうに健康経営優秀事業所の知事顕彰でございますが、毎年5社程度、優秀な事業所を表彰しております。平成28年度からは健康経営の啓発セミナーを開催しております。協会けんぽでは具体的な取り組みをサポートしようということで、健康経営サポートブックをこの平成28年に作成しております。また、産業医大の藤野教授らの御指導をいただき、WFunという職員のパフォーマンスを測定する指標を用いて、健康経営の取り組みの効果の分析を開始しております。
2次医療圏のほうは、協議会そのものは年1回ですが、作業部会を各保健所に設置し、年3回開催し、その結果、地域版のサポートブック、お手元にA4縦のホチキスどめの資料で「北部地域 職場の健康づくり実践手引き書2016」というものを配付させていただいておりますが、こうした圏域での職域の健康づくりの手引を作成するような保健所もございます。また、それぞれの地域でも市町村や商工会議所と連携して、健康経営セミナーを開催し、1回当たり200人を超える参加があり、好評をいただいております。
そして、大分県の取り組みで特筆すべきは、保健師による事業所訪問です。平成27年から始まりましたが、平成27年が360件、平成28年以降は毎年750件の事業所訪問を実施しております。保健師がその事業所ごとの健康診断シートに基づいて、その事業所の持つ健康課題をどう解決するか、事業主とともに一緒に考えるといったような具体的なサポートをしております。
次のページは時間の関係で飛ばさせていただいて、次のページをごらんください。健康経営登録事業所の取り組みの実態ということで、初年度の認定状況を示しておりますが、このときは健診受診率100%や事後指導のところは54%とやや苦戦しておりました。そして、最も達成率が低かったのが事業所ぐるみの健康増進の取り組みでした。
そこで、この認定のボトルネックになっている事業所ぐるみの健康増進の取り組みをサポートするために、県が主催する職場対抗の健康づくりイベントを実施しています。この時代に県がこんな事業をやるかと思いはしましたが、大変好評でした。
次のページをごらんください。その一つが働き盛りの健康みえる化促進事業です。これは残念ながら認定に至らなかった健康経営登録事業所に対して、大体20人から50人規模の中小の事業所25事業所を対象にしまして、事業所に体組成計と血圧計を貸与します。そして、従業員1人に1台ずつホコタッチという花王が開発した活動量計を渡します。
これを半年間にわたって使っていただきまして、一人一人の自分の生活歩行年齢や生活習慣の問診から内臓脂肪年齢を出し、個人の健康の「見える化」をしたり、あるいはそれを事業所ごとに集計をすることで、事業所全体の健康の「見える化」に取り組んでいます。こうした取り組みを協会けんぽ大分支部や保健所の保健師がサポートする仕組みです。
3年間この事業を実施しましたが、このサービス事業は1年間しか利用できないので、次の年にはその会社がこのサービスを花王から購入する形で取り組みを続けているという事業所も半分ございます。
次のページをお願いします。これまでの県の健康経営実践の支援を少しまとめてみました。まず一つが、すぐれた取り組みの「見える化」です。先ほどの宇都宮市と同様に、優秀健康経営事業所の取り組みを冊子にして紹介しております。また、毎月発行される商工会議所連合会の機関誌に、健康経営サポートニュースを掲載しております。先ほど紹介した県の保健師による事業所訪問や事業所における健康づくりイベントの提供、健康経営セミナーの開催、そして、インセンティブといたしまして、県の制度融資の対象にするであるとか、ハローワークの求人票に健康経営認定事業所である旨を記載するといったことを実施していただいています。
次のページをお願いします。こうした取り組みの結果、県の健康経営、昨年度末で1,200事業所の登録、認定が309事業所ということで、かなりふえてまいりました。「①健診受診率100%、有所見者の対応」も8割近い達成率になりました。まだ、「⑤事業所ぐるみの健康増進の取り組み」は苦戦しておりますが、それぞれ割合は増えています。
その結果、左下に示しました特定健診受診率は、この健康経営を宣言した事業所では86%という高い率になっておりますし、特定健診とメタボと予備群の割合も協会けんぽ分は大分県はかなり改善してきている状況にあります。
次のページをごらんください。こうした取り組みのポイントをまとめてみました。まず、「課題の共有」に終わらずに、解決の方向性を共有したことがよかったと考えています。解決の方針として、健康経営という理念を導入することでブレークスルーできたのではないかと考えています。
そして、認定要件を示したことで、健康経営が何を目指すのかを具体的に示すことができたと思います。
また、知事顕彰を行うために詳細な企業の聞き取りをさせていただいたのですが、その結果、すぐれた事業所がどういう取り組みをしているのかが見えてまいりました。こうした「見える化」とともに、ロールモデルを提示できたこともよかったと思います。
もちろん知事顕彰で表彰されることが健康経営に取り組む事業所のインセンティブになったことは言うまでもありません。また、保健師の事業所訪問による健康づくりに関する具体的な支援も効果的でしたが、保健師にとってみると、職域という集団に対する健康支援という保健師の専門性が発揮され、県内の保健師が年間750件も企業訪問しながら嬉々として取り組んでいる姿が大変印象に残っております。
そして、健康寿命日本一おうえん企業など、多様な主体との連携も大きいと思います。特に金融機関や保険会社は中小の事業所が顧客になっていますが、顧客の事業所が健康経営に取り組んでいただき、経営が改善すると、金融機関としても焦げつきのリスクが減りますし、労災の商品を扱っている保険会社は健康経営に取り組むことで労災が減ると、保険給付が減り、保険会社にとってもメリットがあります。つまり、会社にとってもウイン、事業所にとってもウインという関係でこういう健康経営の推進における協働が進んでいます。産業医大との協働による健康経営の評価は、まだ成果は出てはいませんが、今後継続する予定になっています。
次のページをごらんください。課題として幾つか残っております。順調にふえてまいりましたが、最近、登録事業所数が頭打ちになってきました。関心のある会社は全体の1割程度なのでしょうか。なかなか青天井に伸びる状況にはございません。そういう意味で、事業主に対してこうした健康づくりの取り組みをアピールする必要があります。
こうした健康経営によって職員のパフォーマンスが向上したといったようなデータを事業主に示せれば、事業主にとっても魅力を感じるのではないかと考えています。
また、高校や大学の就職担当者にも、この健康経営事業所の意義を理解してもらおうと考えています。
また、先ほど申し上げましたように、健康経営事業所がふえてまいりまして、保健所の保健師も限りがありますので、職場における健康づくりをサポートするリソースが足りなくなってきました。そこで、実際に業務で事業主などとかかわることの多い社会保険労務士、中小企業診断士、商工会議所の経営指導員、金融・保険会社の社員を対象にいたしまして、健康経営推進員を養成し、このアプローチのお手伝いをしていただいています。
また、無関心層も少なくない世代ですので、この職場ぐるみで健康づくりを推進するためには、楽しみながら健康づくりを継続する工夫が必要になります。そこで、ICTを活用しこのヘルスケアポイントによる無関心層へのアプローチを始めています。
次のページをごらんください。健康アプリ「おおいた歩得(あるとっく)」というものを昨年4月から本格運用しておりますが、つい先日、3万人のダウンロードを突破いたしました。そのうちの半分はこの協会けんぽの加入者になっています。また、86%は働く世代という方々です。歩いたり、健診を受診したり、健康づくりイベントに参加するとポイントがたまるのですが、「売り」は職場でグループ設定ができ、職場でのグループ間やグループ内で、獲得したポイントを競うことができ、職場での健康づくりをサポートする機能です。もちろん、体重や血圧等の記録やグラフ化ができ、健康管理にも有効なツールになっています。
最後のページをごらんください。昨年導入してからの実際に歩数がどう変化したのかというのを分析してみましたが、男性では平均828歩、女性はスマホをバッグに入れたままにするのか、反応が乏しいのですけれども、それでも335歩の増加ということで、歩数のモニターもできるという意味で効果的なツールであると考えています。
説明は以上です。
○津下座長 ありがとうございました。
2つの事例から、課題の共有だけではなく、その課題の解決に向けた取り組みを具体的に推進していること、多数の関係者の巻き込み、評価指標を最初から意識された事業であることなど、大変参考になる事例ではなかったかと思います。
ここからの時間、30分程度なのですけれども、構成員の皆様から御意見をいただきたいと思います。それぞれのお立場や経験から感じていること、また、事務局、2つの自治体からの御説明に対する御質問でも結構でございます。どなたからでも結構ですので、よろしくお願いいたします。
時間的には1人当たり2分程度になってしまうかと思いますので、御準備できた方、どなたからでも結構ですが、挙手をお願いしたいと思います。
どうぞ。
○白井構成員 トップバッターの御指名ありがとうございます。
全日本自治団体労働組合で執行委員をしております白井と申します。看護師をしておりました。自治体にかかわる労働組合ですので、私からは、自治体の保健師の皆さんの、この職域の連携に関する悩みについて、幾つか意見を頂戴しておりますので、皆様に御紹介したいと思います。
私ども、地方公務員ですので、働いているときは地共済を使っていろいろ健診を受けております。ただ、地方の方、首都圏の方とではまた事情が違うかもしれないのですが、地方ですと、大抵の場合、地方公務員を退職すると実家等に戻られる方も半数以上おられ。その時に例えば農業や畜産といった産業に就かれる方は、当然ながら国保になるので、その時にこぼれ落ちてしまう。今まで一生懸命健診を受けてフォローしていたのだけれども、国保になった途端に事業場から抜けてしまい、健診が受けづらくなってしまう。1回くらい健診を受けなくても大丈夫ではないか、と考えるようになっていって、そこで健診を受けなくなり、こぼれ落ちてしまう。そこを保健師としてフォローをし、しっかりと継続をしていただきたいのだけれど、今のところマンパワーが足りなくてとても悩んでいる、というお話を伺いました。
そのようなこともありまして、先ほどの事務局の御説明にもありましたとおり、マンパワーの不足については課題の一番先に挙げられており、皆さんそのように思っているのだと感じました。
それから、協議会なのですが、やはり保健師の皆さんが参加されているのですが、先ほどの大分県の方の御説明にもございましたように、1回である、2回であると情報共有で終わってしまい、そこからの発展がなかなかうまくいかない。そして、たくさんのいろいろな事業場の方に参加していただいているけれども、本当にそうなのですね、といった話で終わってしまい、とても忸怩たる思いをする、ということを伺いました。できればこの協議会を活性化したいけれど、時間がない、忙しくてなかなか委員が全員集まる日がない、というところも悩みだとお話を伺ってまいりました。
私からは以上でございます。
○津下座長 ありがとうございます。
どうぞ。
○松岡構成員 国保中央会の審議役の松岡でございます。
私ども、地域保健の立場からお話しさせていただきたいと思います。
冒頭、お話がありましたように、平成20年度から施行されました医療保険制度改革で、特定健診・特定保健指導は保険者が実施することになりまして、以後、国保も含めまして、保険者で保健事業が活発に行われるようになっております。また、高齢者の保健事業についても関心が高まって取り組みが強化されようとしています。
こうした保険者による保健事業の取り組みはかなり活発化していますので、今回このガイドラインの見直しをするときにしっかり位置づけをしていっていただいて、まとめていただくことが必要ではないかと思います。
また、ガイドラインは都道府県の衛生部局や保健所が中心になって担うことを想定していくこととなると思いますけれども、市町村、都道府県の国保担当部局での保健事業等との連携が一層進むようにお願いしたいと思います。
2つ目は、データヘルスが進んでいることです。国保や後期高齢者でもKDBシステムを活用したデータヘルスがかなり進んできております。県や2次医療圏単位のデータも出せるようになっています。今日もお話がありましたように、協会けんぽなどでもデータの活用は進んでおりますし、国の保有するNDBの活用も進んでおります。こうしたデータヘルスの動きをガイドラインにも反映していただければと思います。
3つ目が、健康づくりについてのインセンティブの強化が進んでいますが、各保険者は評価指標を視野に入れて取り組みを強化しています。こういう流れを考えますと、この検討会では、18年度から30年度までの地域・職域連携推進事業の事業評価をして、保健事業を取り巻く情勢等も踏まえて、今後の活動につなげていっていただく過程が必要ではないかと思いますので、そういったところ、現状どうなっているのかといったところの評価もお願いできればと思います。
4つ目が、都道府県での保健医療に関するさまざまな取り組みの関係づけを整理していただきたいと思います。今年度から国保運営にもこれまでの市町村だけでなく、各都道府県が運営主体として加わっておりまして、都道府県は医療費適正化計画など、いろいろな計画の中核、推進を担っています。知事会でも「健康立国」宣言が出されたり、あるいは日本健康会議の県版もつくられています。
こういった動きの中で、今日も保険局からもお話がありましたが、都道府県単位で設置されています保険者協議会を担っている県の役割が大きくなっています。国保連合会もこれまでの経緯を踏まえまして事務局を担っているところが多いということでございますが、この保険者協議会の活動、それから、県のいろいろな活動と地域連携推進会議との活動の役割分担、連携などの整理をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○津下座長 ありがとうございます。
いかがでしょうか。
小玉構成員。
○小玉構成員 日本医師会の小玉でございます。
先ほど保険局からの資料3なのですけれども、説明はなかったのですが、日本医師会と商工会と読売新聞が共同代表になって、日本健康会議というものを立ち上げたのです。それをもって各都道府県で、大分県で発表があったように健康づくりに対する協議会が立ち上がったと。私も保険者協議会とか地域・職域連携推進協議会とか、みんな参画したのですけれども、健康づくり推進協議会が立ち上がったことによって保険者協議会とか地域・職域連携推進協議会のあり方が変わったのではないかという感じがします。
その中で、健康づくり推進協議会を中心について、保険者協議会と地域・職域連携推進協議会が手をとり合ってやらなければいけない。なぜかというと、これは地域・職域のところで話すことなのでしょうけれども、私は秋田出身なのですが、秋田県でも健康づくり推進協議会を立ち上げて、私は会長をやっているのですが、全世代、全職域、全地域ということを掲げてやったわけです。その全世代というのは保険者協議会、地域・職域連携推進協議会が抜けるわけなので、健康づくり推進協議会が中心となって保険者協議会、地域・職域連携推進協議会のバックアップがあるとして、しっかり取り組むのが一番大事かなと思います。
一つ興味があったのは、健康経営推進員の養成を大分県はやられていると。この推進員の養成は国はつかんでいるのですか。どの程度の都道府県でやられているかどうか。大分県だけなのですか。
○藤内構成員 今のところ、そう理解しています。大分県が平成30年度事業として始めたので、多分、ほかの県ではやっていないものと認識しています。ただ、東京商工会議所が健康経営アドバイザーという名称で養成しています。この大分の健康経営推進員はそれの県版という部分があります。同じように各県単位でそうしたものを養成しているところがあるやもしれません。
○小玉構成員 ありがとうございます。先ほど白井構成員からもお話があったように、非常にマンパワーが足りないのですね。保健師さんの活動は非常に大事なのです。やはりプロですからね。ですから、保健師さんのOGという言葉は余りよくないですけれども、一度リタイアした人たちを把握することが必要なのだろうと思っています。だから、全国的に把握するということと、都道府県単位で把握する。できれば登録制度をつくって、それを有効に活用していくことが必要なのかなと考えてございます。
○津下座長 どうぞ。
○小林構成員 日本商工会議所の小林でございます。
本日は初めての会合ですので、商工会議所の健康に関する取り組みにつきまして、簡単に御紹介をさせていただきます。
健康増進や労働衛生向上等への取り組みに係る従業員等への支出をコストではなく経営上の投資として前向きに捉える健康経営は、予防・健康づくりに極めて効果的であり、一層加速する必要がございます。商工会議所では健康経営の推進に取り組んでおりまして、今年の2月には当所を含め、全国で26カ所の商工会議所が健康経営優良法人認定を受けております。商工会議所自身が従業員の健康促進に取り組みながら、事業者にも活動を広げていきたいと考えております。
実際、先ほど大分県の藤内様から触れていただきましたけれども、東京商工会議所では、中小企業の健康経営をサポートする人を認定する健康経営アドバイザー事業を展開しておりまして、今年の2月末時点で約1万1000人の方に登録をいただいております。中小企業の従業員の健康は、健康に対する社長の考え方に依拠するところが非常に多くございます。健康経営の推進に当たり、どのように社長自身の意識や考え方を変えていくのかが、現場の課題の一つとなっております。地域・職域の連携を進めていくに当たり、このような課題の解決に向けて取り組んでいければと思っております。
ガイドラインの見直しに当たりましては、大分県さんが進めているような健康経営推進員でございますとか、商工会議所が取り組んでおります健康経営アドバイザーのような動きも踏まえて、ガイドラインの見直しをしていただければと思います。
以上でございます。
○津下座長 ありがとうございます。
○巽構成員 浜松医科大学の巽と申します。
私は大学で公衆衛生看護学として保健師の養成を行っているのですが、ただいま保健師が有用であるという発言は大変ありがたく思っております。
産業保健分野におきましても、産業保健師というところで活用が進んでいるところです。地域・職域連携におきましては、都道府県も2次医療圏も地域の保健師が事務局担当となっておられるところが多いわけですが、地域・職域連携活動がうまくいっていますというところは、その方が大変能力が高くてすごくうまくいくのですが、また人が代わったりすると、また変わってしまうというところで、中には何をしていいのかわからないというところもあります。そこで、やはり健康課題の明確化とか実践評価まである程度のツールの開発が必要なのではないかと思っています。
また、私は産業保健分野だけではなくて、市町の健康日本21計画(第二次)の策定や推進にも携わっておりますが、行動変容を促していくときに、家族を巻き込むというのはとても大事に思っております。また、健康日本21計画にこの地域・職域の連携活動を盛り込んでいくというところはとても重要かなと思っておりまして、先ほどの齋藤先生の御発表からも大変意を強くしました。
もう一点が、地域の保健師が職域に入っていく場合に、どうやって入っていったらいいかわからないということをよく聞きます。ですので、そういう職域の健康支援方法をいろいろな支援者の資質の向上を促進するためにも、一定の研修とか、そういう制度なども必要ではないかと考えております。
先ほどの健康課題の明確化とか実践・評価などのツールについては、現在、厚生労働科研のほうで、私は分担者ではあるのですけれども、そのツールの開発が進んでいるところです。
以上です。
○津下座長 ありがとうございます。
○古井構成員 ありがとうございました。
この地域・職域の連携というのは、その時点の連携が大事だと思いますし、先ほど神ノ田課長からあった資料4の2ページ目の図が非常にわかりやすかったのですけれども、人生100年時代になりますと、このように学校を出て働いて退職してという3つのステージだけではなくて、転職がふえている。それから、お母さんだけではなくてお父さんも子育てして一時的に退職したり、非正規とか自営業になったりとか、それでまた職場に復帰する。そういった職場間も、職場と地域をまたぐマルチステージになっていると思います。そういう意味では、点ではなくて線の時系列の連携、バトンタッチがすごく大事かなと思っています。
先ほど中央会さんからあったのですが、全国の市町村の国保の健診実施率を見ると、40歳になったときの受診率、それから65歳前後で協会等から退職して国保に加入したときの受診率の高低というのがその地域の受診率格差の構造になっていることが見えてきましたので、要は、保険者間もそうですけれども、地域から職場から地域に戻って、また職場に転じるという、その切れ目のところのバトンタッチが非常に重要ではないかと思いました。それが一つです。
2つ目は、宇都宮市さんとか、大分県の藤内先生からもあったのですが、いろいろな人を巻き込むことが大事なのだなと。例えば保健師さんの出前は非常にすばらしいと思うのですが、そのときに事業所の健康課題がわかる協会けんぽの事業所カルテを保健師さんに持たせると訪問しやすいとか、そういう素材とかツールが大事なのかなと思いました。
最後、3点目なのですが、先ほど小玉先生からあった全世代というのは本当に私も大事だと感じていまして、ある県庁では学校医の先生とか養護教諭の先生と組んで、大人のお父さん、お母さんのデータヘルスの結果を使って地域の健康課題を色づけして、それを小学校6年生の保健体育の時間に使っています。すると、子供たちからお父さん、お母さんにうちの地域は何で真っ赤なのだろうという話題が共有され、血圧が高いのは実は漁師町で塩漬けのものが多いとか、じゃあうちでも気を付けようというふうに子供から大人へ健康意識が浸透するという意味ではまさに地域・職域全体の全世代型の連携はあり得るのではないかと感じました。
以上でございます。
○津下座長 ありがとうございます。
矢内構成員。
○矢内構成員 キヤノンの矢内です。
私は企業の中で保健師として働いていますので、本日は職域の立場から発言させていただきます。
今、全世代型の連携についてのお話がありましたが、私もとても重要だと思います。企業の中にいて感じるのは、貴重に在籍している間や退職後の連携に加えて入ってくる段階の連携です。入社時点での健康課題も非常にふえてきております。まさに生活習慣病などは、雇い入れ時健診での有所見者や好ましくないライフスタイルが確立されているケースなど、企業に入ってからの働きかけでは遅いのではないかと感じることもあります。また、先ほど局長からも話がありました予防接種です。予防接種が母子手帳レベルではかなりきちんと管理されているのですが、働く段階ではその情報が途切れてしまっている。定期接種が施策として不足している予防接種もありますが、制度があっても実際に受けていない方もいらっしゃって、自分の接種歴データが一元管理される仕組みがあると健康管理としては有益なのではないかと思います。
メンタルヘルスの問題でも、仕事への適応という面で入社後かなり早い段階でアンマッチを起こすような社員も実はふえてきております。この適応の課題も学校保健などと連携できると非常に有効なのではないかと感じております。
また、先ほど巽先生から、地域から職域に働きかける方法がわからないケースがあるというお話がありました。職域の保健師からも地域にどう働きかけ連携すればよいかわからないという声もあります。こういった協議会などの仕組みがきちんと発展、機能することで、そこは解消されていくのかなと大変期待しております。
以上です。
○津下座長 お願いいたします。
○真鍋構成員 三菱ケミカルの統括産業医をしています真鍋といいます。
私も職域を代表して少しお話しさせていただきたいと思いますけれども、今後、このあり方を検討していくのだと思うのですが、今まで先生がお示しくださったものは比較的時間がかかるものも多いのだろうと思っていて、一つはどうリーダーシップをとるかが極めて大事だろうと思っています。職域も地域も産業医も保健師さんも、やる気がある方が多いのだけれども、どうリーダーシップをとっていいかわからないということを考えると、まず手っ取り早くはコンセプトみたいなものを発信する。例えば「靴を履け、地域へ出ろ」みたいな、そういうものをこの協議会で出すとか、そういったことでリーダーシップをとりやすくしてあげるということと、何がリーダーシップなのか。矢内先生や巽先生がおっしゃったことと重複しますけれども、どういうことがリーダーシップなのかをお伝えする。
もう一つは、広く市民にこの活動の意義を理解してもらうことが大事であろうと思っていて、誤解があるかもしれませんけれども、「在宅医療」みたいな誰もがイメージできるような言葉をつくる。「在職場医療」みたいにすると思い切り誤解が出そうなのであれですけれども、そういうマスコミとか新聞が書いてくれるような言葉をつくって、このために地域・職域は連携しているのだと。例えば「65歳問題」とか、そういう言葉をつくってやっていくのがいいのだろうと思います。
最後1点だけ、わかりやすい促進事業を例示するというのはマストだと思っていて、いろいろ難しいことではなくて、こうやってやっていけばいいのですよというヒント集のようなわかりやすい促進事業を例示してあげることもこの会議体の意義になるのではないかと思っています。
以上です。
○津下座長 ありがとうございます。
松下構成員。
○松下構成員 全国健康保険協会の松下でございます。
全国健康保険協会につきましては、220万事業所の加入者、被保険者と加入者を合わせますと3900万人の方に御加入いただいておりまして、その中の8割の事業所が10人未満の事業所ということで、まさに中小企業にお勤めの方、また、その御家族の方に御加入いただいている医療保険者とでございます。
資料で小規模事業所の従業員の健康増進といった文言がございますが、まさにそれが我々の役目なのかなと考えているところでございまして、協会の取り組みとしましては、ほかの保険者と同様にデータヘルス計画を策定した上で取り組んでいるところでございますが、協会のデータヘルス計画につきましては、地域ごとの健康課題のほかにも行政機関や関係団体との健康づくりに関する連携ですとか、地域の事情等も踏まえる必要がございますので、支部ごとで作成しておりまして、まさにこういった連携が大切になってくるのかなと思っております。
一方で、健診の受診率などを見てみますと、健康保険組合様と比べますと相当に低いといったところが実情でございます。加入者様へのアプローチにつきまして、事業主を通して行っていくといったところを中心に行っているところでございまして、連携といたしましては、事業主様の健康意識の向上等も含めまして、いわゆる保険事業の基盤づくりといったところで連携させていただけるとありがたいと考えているところでございます。
また、大分県様から、大分支部の健康宣言も含めまして取り組み等を御紹介いただいたところでございますけれども、この健康宣言につきましては、大分支部で25年に始めたのをきっかけといたしまして、今、全国で実施するようになったところでございます。その実施当初につきましてはアウトカムとしての効果が余り見えてこなかったといったのが実態でしたけれども、県と連携させていただきまして、県の健康経営の取り組みにつなげていけたといったところで、大分支部の健康宣言の取り組みの方向性も見えてきたこと等を聞いているところでございます。
また、実際に県と共同実施している支部も相当にふえてきているところでございまして、そういった意味からも地域との連携の重要性については十分に実感しているところでございます。
○津下座長 ありがとうございます。
藍構成員、お願いします。
○藍構成員 ありがとうございます。東京医科歯科大学の藍と申します。
我々の大学の医師会が毎年300人の産業医を輩出しておりますので、産業医講習会等も行っているところです。
私自身は糖尿病の専門医で診療も行っているのですけれども、その観点からお話ししますと、先ほど古井先生や真鍋先生からお話があった2点、一つは時間軸で、横の同時期の連携も大事なのですが、個人の縦の時間軸ですね。実は糖尿病の診療をやっておりますと、例えば現役世代の間はずっと健診を受けている。そこから定年ないしは離職したところで、4~5年経つ間受診をされていなくて、その後実際に診断されたときにはかなりでき上がっているような、進行したような状況になっている。これは糖尿病だけではなくてがんの診療でも同じことが起きるのです。そういう意味でのいわゆる保険者さんがかわるような状況のとき、ないしは転居のところで個人が移る場合ですね。そういう場合の連携が図れるような仕組みが構築されることが一つ、現場としては非常に大きな問題になっておりますので、重要だと思います。
もう一点は広報という話で、先ほど真鍋先生がキーワードということをおっしゃったのだと思いますけれども、いろいろな形での啓発が大事だろうと思っています。これはいわゆるプロバイダーというよりは最終的な受益者は国民であろうと思いますので、実際に受益者になる方が、それは自分のことだと思っていないと当然受診率も上がりませんし、実際に指導を受けて自分に対してプラスになるという認識を持っていただけないということがありますので、当然会社から、自治体から、ほかの媒体を大いに使えるような形、キーワードも一つだと思います。先ほど、小学生、中学生への教育という話がありましたが、それは本人の教育もあるのですけれども、そこから親とか祖父母の方たちへの波及も盛り込めたらと考えます。
以上です。
○津下座長 ありがとうございます。
○漆原構成員 連合の漆原でございます。
また職域のお話をさせていただきますと、労働組合も事業者、企業の産業医や産業保健の皆さんと一緒に、従業員、労働者の健診率の向上、健診受診率100%を目指すことを取り組んでいます。御存知のとおり非正規、とりわけ就労時間の短いパートタイムの方については、実際に職域での健診はなく、地域で担っていただいているというのが現状だと思っております。
現実には、健康診断を特定の日に限定されてしまうと、受診できないということもありますし、「健康診断の実施時間を業務として取り扱ったうえで、その分についても賃金を支払うことが望ましい」とされていても、実際に賃金が払われないこともあるため、非正規で働く労働者にとっては、検診の受診は「収入が減ってしまうためあえて受診しない」という方が一定程度いることもまた事実であります。そういった点の改善も何らかの対策を講じる必要があると思っているところです。
もう一方で、職域における健康診断の結果については、単独でそれだけではなく、例えば空気中の化学物質濃度などを踏まえた職場環境測定の結果や、ストレスチェックの結果等を踏まえ、それらの情報が産業医に渡されて、産業医が総合的に判断するのが、職域については重要です。さらに、数年前にありました膀胱がんの原因となったオルト-トルイジンなどを扱った労働者の退職後については、手帳を所持していれば検診は地域の病院等で行われていると思いますが、そういった情報が職域にまたフィードバックされるなど、職域に対する情報の提供といった連携も考えていただけたら助かると思っているところです。
以上です。
○津下座長 ありがとうございます。
焔硝岩構成員。
○焔硝岩構成員 備北保健所の焔硝岩でございます。
私は県の出先機関、保健所に勤務しておりまして、そちらから、きょういろいろな皆さん方からのお話もお聞きした中で感じたことをお伝えさせていただければと思います。
健康経営という意識は随分と広がってきていると思うのですけれども、私がおります町は非常に中小の企業、事業主の方が多くおられます。保健所でそういった事業主の方に健康づくりの大切さなどをお伝えはするのですけれども、その次につながっていかないということがありました。
きょう、構成員の方からもありましたけれども、職域への入り方といったところでは、私は保健所の管理栄養士ということもありまして、食堂を持っているような事業所さんには、適正な栄養管理といった観点から巡回指導などをさせていただいております。そういった場を通じまして実際の事業所の方の健康状態はどうなのかということを聞いた上で、そこからそちらにおられる事業者の看護師さんであるとか、そういった方と具体的に話を進め、現在事業所は1カ所ではあるのですけれども、入らせていただいております。
ですので、入り方というのも単に健康づくりだけというわけではなく、ほかの入り方もあるのではないか。もちろんツールなどもあれば非常にありがたいかと思うのですけれども、そういった多方面の入り方で事業所にアプローチすることも要るのかなと感じたところです。
以上です。
○津下座長 ありがとうございます。
○小松原構成員 健康保険組合連合会の小松原と申します。
私ども健康保険組合は、全国に1,400ほどの保険者を抱えておりまして、よく新聞等の報道では大企業を中心としたと言われておりますが、実は加入者の3分の1は中小企業で働かれている方々が加入もしております。そのような立場から、今、我々が地域・職域連携の中で非常に課題だと感じていることについて、2点ほどお話をさせていただきたいと思います。
1つ目は、データフォーマットの統一化が図られていないことが非常に大きな課題だと思っております。幸いにも特定健診・保健指導が入りまして、40歳以上の健診データにつきましてはフォーマットが統一されております。また、医療費につきましても、審査支払機関には電子データで請求が行っていますので、統一が図られているのですが、先ほど労働衛生部の方からもお話がありました労働安全衛生法の健診については、事業主から健診データを保険者に提供していただくことに法律上なってはいるのですが、その保有形態がさまざまでございまして、紙のデータであったりCSVのデータということで、保険者がデータ変換しなければならず莫大なコストがかかっています。これは協会けんぽさんでも全く同じような状況になっていると思いまして、下手をすると1件当たり1,000円とか2,000円というデータ変換の費用がかかっているという現状がございます。地域・職域連携を推進していくには、基盤となるデータの整備が非常に重要だと感じておりまして、ぜひここは統一をしていただきたいと思っております。
もう一点は、我々健保組合は先ほど全国にあると言いましたが、東京に保険者がある場合、大分に工場があったりですとか、北海道に工場があったりと、加入者が全国に散在しております。そういった中で各市町村あるいは2次医療圏からデータの求めがあったときに住所地ごとに切り出しをしなければいけないという非常に複雑な工程を踏まなければいけないということで、実はかかわりたいのだけれども、かかわれないというのが現状でございます。そこを何とかしていただきたいということでございます。
私ども保険者は、特定健診・保健指導については、ナショナルデータベースに収載する関係上、支払基金を経由して国のほうに提供しております。医療費についても審査支払機関は支払基金で決済が行われておりますので、医療費のデータと健診データは40歳以上のものは全て支払基金が持たれているということなので、できたらそこで統一的なデータの切り出しをして、それぞれの市町村あるいは2次医療圏にデータ提供できる仕組みをぜひ国のほうで御検討いただけたらと思っております。
私からは以上でございます。
○津下座長 ありがとうございます。
渡辺構成員。
○渡辺構成員 神奈川産業保健総合支援センターの渡辺です。
私は職域からの立場ですけれども、私どもの活動は特に産業保健スタッフからの相談ですとかメンタルヘルス対策、あるいは最近問題になっています治療と仕事の両立支援という活動に力を入れています。また、50人未満の小規模事業所に対する保健活動、これは地域産業保健センターを通して行っていますが、そういうものに力を入れています。
地域・職域連携に関しましては、私どもが今一番力を入れています治療と仕事の両立支援、これに関しましては神奈川県の中で労働局が中心となってチーム神奈川として一つのチームを組みまして、各種セミナーを行ったり、お互いにどういうことができるのかを情報共有しながら進めております。残念ながら、健康増進に関しましてはまだそういうものは余りできていませんで、実際に私どもがやっているのは、治療と仕事の両立支援という立場を健康経営の中に取り込んだセミナーを、いろいろな団体と協働して行っております。これは2回行いましたけれども、年に一遍行っておりますが、またことしも行う予定です。
もう一つの問題は、実は私は横浜市の地域・職域連携のメンバーにも入っていまして、いろいろな会議をやるのですが、残念ながらそこでは先ほど大分の方がおっしゃったように、年に1回か2回会議があって、それぞれの団体がどういうことをやっているのかをただ説明して終わってしまって、その先がないのですけれども、先ほど大分の方がいろいろな説明をされましたが、横浜や神奈川県でもそういうことができたらいいかなと思っています。
例えば横浜市としては、先ほど話題となっております健康経営の認証を始めまして、私も実は選定員になっていまして参加しているのですが、初めは30社しかなかったのですけれども、3年目になったらかなりふえまして、500社ぐらいが申請してきました。ただ申請されても、最初からだめなところもあるのですが、それをそのまま返すのは大変申しわけないので、なぜだめかという理由を全部書いて返すようにして、なおかつ今後どうすればいいかという指導までするようにしています。なおかつ一番いいランクをとった企業の実際の例をお示ししながら、こうしてはどうでしょうかという提案をしながら、ぜひ次年度も申請してくださいという活動を行っております。
今のところはそういうところです。
○津下座長 ありがとうございました。
構成員の皆様方から非常に貴重な御意見をいただきました。特に生涯を通じて連続した健康づくり、その予防管理の中でこの地域・職域連携を捉えていく必要があること。健康日本21の目標達成のために地域・職域連携を推進していくのだという大きな目標を確認すること、また、情報の共有のあり方、マンパワー、非正規の話もありました。
私自身は前回の地域・職域連携会議のときには、働く女性についてはほとんど議論の俎上にはなかったのですけれども、今、地域と職域を結ぶ女性というキーワードもあるかもしれないと思ったりしています。また、具体的なツールやどう広げていくかという方法論、多くの事例がこの間に蓄積されていることも整理しておく必要があるのかなということも感じておりました。
きょうは構成員の皆様方の御意見を伺うというのが趣旨でございますので、たくさんの御意見をいただいたこと、そして、さらにお気づきの点があったら、また事務局にお寄せいただきたいと考えております。ありがとうございました。
それでは、議題(3)に入ります。事務局より御説明をお願いいたします。
○武井健康課長 それでは、資料7をごらんください。
きょういただいた意見を事務局でまた整理させていただきたいと思っているのですけれども、きょうが第1回ということで、現状と課題について御議論をいただきました。今後、第2回、第3回、第4回、第5回という回を重ねていく中で、さらに議論を深めてまいりたいと考えております。
第2回、第3回は、きょういただいた意見などをベースにしまして、今後のあり方について議論をしてまいりたいと考えております。第2回が4月18日、第3回が5月ごろで、こうした議論を踏まえまして、次に第4回はおおむね5月ごろになろうかと思うのですけれども、ガイドラインの改訂骨子案、続きまして、報告書の骨子案の検討を計画しております。
最終回の第5回でございますけれども、ガイドラインの改訂ですとか最終報告書案ということで進めてまいりたいと考えております。本日の議論も多様な課題に対してさまざまなアプローチ、さまざまな解決方法について御意見をいただきました。そうした御意見を踏まえまして今後もしっかり検討していくというのがスケジュールの案になっております。どうぞよろしくお願いいたします。
○津下座長 ありがとうございます。
今後の進め方、御意見、御質問はありますでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
終了のお時間が近づいてまいりましたので、本日の議論はここまでといたします。
事務局より連絡事項をお願いいたします。
○加藤保健指導室長 本日は御活発な御意見をいただいまして、誠にありがとうございました。
次回でございますが、ただいま健康課長より説明がありましたように、4月18日を予定しております。時間、場所等につきましては、別途御連絡いたします。
事務局からは以上となります。
○津下座長 ありがとうございました。
最後まで変な声のままで大変御迷惑をおかけしました。第1回の検討会は以上をもちまして終了とさせていただきます。
本日は大変ありがとうございました。

 

 

(了)

健康局健康課 保健指導室
 代表:03-5253-1111
 内線:2392

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