ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会)> 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録(2015年10月29日)




2015年10月29日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録

○日時

平成27年10月29日(木)17:00~


○場所

厚生労働省共用第6会議室


○出席者

出席委員(13名)五十音順

 庵 原 俊 昭、 川 崎 ナ ナ、 清 田    浩、 鈴 木 邦 彦、
 関 水 和 久、 田 島 優 子、 田 村 友 秀、 中 島 恵 美、 
 濱 口    功、 半 田    誠、 前 崎 繁 文、 増 井    徹、 
◎吉 田 茂 昭
 (注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(8名)

○新 井 洋 由、 大槻 マミ太郎、 奥 田 真 弘、 川 上 純 一、
  菊 池     嘉、 森 田 満 樹、 山 口 拓 洋、 山 本 一 彦

行政機関出席者

 中 垣 英 明 (医薬・生活衛生局長)
 森   和 彦 (大臣官房審議官)
 山 田 雅 信 (審査管理課長)
 矢 守 隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
 梅 澤 明 弘 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構副審査センター長)
 俵 木 登美子 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
 他

○議事

○審査管理課長 定刻になりましたので、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会を開催いたします。本日は、お忙しい中、また遅い時間に御参集いただきまして誠にありがとうございます。本日の委員の出席についてですが、新井委員、大槻委員、奥田委員、川上委員、菊池委員、森田委員、山口委員、山本委員より御欠席との御連絡を頂いております。また、庵原委員より1時間ほど遅れていらっしゃるとの御連絡を頂いております。現在のところ、当部会委員数21名のうち12名の委員の御出席をいただいておりますので、定足数に達していることを報告いたします。

 続いて、事務局に人事異動がありましたので報告いたします。まずは厚生労働省です。10月1日より局の名前が医薬食品局から医薬・生活衛生局に変更となっております。医薬・生活衛生局長の中垣です。大臣官房審議官の森です。次に機構です。審議役の林です。審議役の猿田です。最後に審査管理課長の山田です、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 それでは、吉田部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。

○吉田部会長 本日の審議に入ります。まず、事務局から配布資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告をお願いします。

○事務局 本日、席上に議事次第、座席表、当部会委員名簿を配布しております。議事次第に記載されている資料1~7をあらかじめお送りしております。このほか、当日配布資料として、資料8は審議品目の薬事分科会における取扱い等の案、資料9は競合品目・競合企業リスト、資料10は医療用医薬品に係る先駆け審査指定制度の対象品目の指定について、資料11は医薬品第二部会におけるミティキュアダニ舌下錠に関する審議内容について、 資料12はヴァクセムヒブ水性懸濁注に係る部会後の対応について、資料13は一般財団法人化学及び血清療法研究所が製造販売するインフルエンザHAワクチンについてを配布しております。

 続いて、資料9の本日の審議事項に係る競合品目・競合企業リストについてです。1ページです。テノホビル アラフェナシドフマル酸塩ですが、本品目はHIV感染症を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。資料9の2ページです。エロツズマブ(遺伝子組換え)ですが、本日は「再発又は難治性の多発性骨髄腫」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、こちらの資料に掲げる品目を競合品目として選定しました。以上です。

○吉田部会長 今の事務局からの説明に特段の御意見等ございますか。ないようですので、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、皆様の御了解を得たものといたします。それでは、委員からの申し出状況について報告をお願いします。

○事務局 各委員からの申し出状況については次のとおりです。まず、議題1については、退室委員なし、議決には参加しない委員は前崎委員です。議題2については、退室委員、議決には参加しない委員ともになしです。また、平成2627年度の委員の申し出状況について1点訂正があります。本部会の大槻委員から、平成27年8月3日及び平成261128日開催の本部会においてアッヴィ合同会社より50500万円以下の受取りの旨の申告がありましたが、本来は年度区切りのところを誤って年区切りで御申告されており、実際は500万円超の受け取りがある旨の訂正申告がありました。

500万円超の場合は、薬事分科会審議参加規定に基づいて退室という扱いになりますが、平成27年8月3日の部会では審議中に大槻委員からの御発言はなく、また、議決にも参加しておりませんでした。また、平成261128日の部会でも申請品目の治験責任医師であったため大槻委員は退室されておりましたので、審議への影響はない旨を申し添えます。御負担をお掛けいたしまして大変恐縮ではございますが、寄付金、契約金等の受け取りについて年度区切りで御申告いただきますよう、改めてお願い申し上げます。

○吉田部会長 今の事務局からの説明に特段の御意見等ございますか。最後の件は、きっと税金が年区切りだからなのでしょう。その辺は間違いやすいので御注意いただければと思います。特に御意見がなければ、今の事項については皆様の御確認を頂いたものとし、審議に入りたいと思います。

 本日は審議事項2議題、報告事項5議題です。審議事項の議題1について、事務局から概要説明をお願いします。

○事務局 審議事項議題1、資料1です。テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を希少疾病医薬品として指定することの可否について、機構からの評価報告書に沿って事務局より説明いたします。本品目の内容に入る前に希少疾病用医薬品の指定要件について簡単に説明いたします。希少疾病用医薬品の指定ですが、医薬品医療機器法の第77の2に基づいて行っており三つの要件があります。一つ目の要件として対象となる疾患の患者数が5万人未満若しくは指定難病であること、二つ目の要件として医療上の必要性が高いこと、三つ目の要件として開発の可能性が高いこと、この三つの要件に合致すればオーファンとして指定されるというものです。

 この三要件に即して本薬について説明いたします。資料1の希少疾病用医薬品該当性事前評価報告書です。報告書1ページの中ほどにありますとおり、申請者は日本たばこ産業株式会社、予定される効能・効果はHIV感染症です。希少疾病用医薬品の該当性について、先ほど申し上げた3要件に即して説明いたします。一つ目は、1ページの下段の対象患者数です。厚生労働省のエイズ動向委員会報告によると2015年3月29日までのHIV感製者数が1万7,124例、また、エイズ患者数が7,758例、そして、2014年5月31日までの凝固因子製剤による累積HIV感染者数が1,439例、トータルで2万5,000例程度ということになりますので、患者数が5万人未満という基準は満たしているものと考えております。

 2ページは医療上の必要性です。このHIV薬は核酸系逆転写酵素阻害剤、非核酸系逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、インテグラーゼ阻害剤 CCR5阻害剤という5種類の作用機序の医薬品が既に承認されており、これらの抗HIV薬を3剤又は4剤組み合わせた併用療法が現在の標準的な治療方法です。しかし、耐性ウイルスの出現や長期投与に伴う副作用等の課題があります。

 次の段落です。本薬の遊離塩基であるテノホビル アラフェナミドは、核酸系逆転写酵素阻害薬であるテノホビルの経口プロドラッグで、既存薬のテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩と比較して、投与時の血漿中のテノホビル濃度を低く抑えられることが知られております。このことから、既存のテノホビルの特徴的な有害事象である腎障害の発現頻度や重症度が低下することが期待されますので、本薬の医療上の必要性は高いと考えております。

 三つ目の要件の開発の可能性です。3ポツ目の開発の可能性についてを御覧ください。1段落目です。抗HIV薬の治療実績のないHIV-1感染症患者を対象とした国際共同第III相試験が実施されております。そして、2段落目に行っていただき、抗HIV薬の治療実績のあるHIV感染症患者を対象とした海外第III相試験が実施されており、その結果、どちらも既存薬に対して本薬の非劣性が検証されております。3ページの上です。また、日本人への本薬の投与実績もあるところですが、死亡、重篤な副作用、中止に至った有害事象は認められておりません。

 次の段落です。米国や欧州において昨年の11月に本薬配合錠の承認申請が行われており、現在審査中です。したがって、有効性や安全性の御判断は、この薬が承認申請されてから改めてこの部会において御評価いただきたいと考えておりますが、有効性や安全性を示唆する結果が得られていること、また、欧米でもこの薬は承認審査中であるということから、本剤の開発の可能性は高いと考えております。

 以上からこの薬については、先ほど申し上げた三つの要件を満たすものと考えますので、オーファンに該当すると考えております。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○吉田部会長 それでは、委員の先生方からの御質問、御意見をお願いいたします。HIVのお薬であるということと、新規の経口プロドラッグも含んでいる、それから現在承認申請中であるということですので、3条件をクリアしていると思われます。特に御意見はございませんか。特に御意見がないようですので、議決に入りたいと思います。なお、前崎委員においては利益相反に関する申し出に基づいて、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、指定を可とし薬事分科会に報告とさせていただきます。

 議題2について、事務局から概要の説明をお願いします。

○事務局 議題2、資料2、エロツズマブ(遺伝子組換え)を希少疾病用医薬品として指定することの可否について、事務局から説明いたします。事前評価報告書のタブをお開きください。報告書の1ページの中段を御覧ください。申請者はブリストル・マイヤーズ株式会社、予定される効能・効果は再発又は難治性の多発性骨髄腫です。

 対象患者数です。多発性骨髄腫の総患者数は約1万4,000人と報告されており、患者数が5万人未満という基準を満たしているものと考えております。医療上の必要性です。未治療の多発性骨髄腫に対する治療は、ボルテゾミブ等を含む多剤併用化学療法が中心であり、特に大量化学療法の適応となる患者では、自家造血幹細胞移植併用大量化学療法が実施されます。

 また、再発又は難治性の多発性骨髄腫に対する治療法はボルテゾミブ、サリドマイド、レナリドミド水和物等を含む多剤併用化学療法が中心ですが、いずれの治療法によっても根治に至る患者は少なく、再発又は難治性の多発性骨髄腫患者は予後不良であり、新たな治療薬の開発が望まれています。以上より、本剤の医療上の必要性は高いと考えております。

 3.です。開発の可能性です。再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象にレナリドミド水和物及びデキサメタゾン併用投与群に対して、本剤、レナリドミド水和物及びデキサメタゾン併用投与群の有効性及び安全性を検討する国際共同第III相試験が実施され、主要評価項目と設定された無増悪生存期間の中間解析において、レナリドミド水和物及びデキサメタゾン併用投与群14.9か月と比較して、本剤とレナリドミド水和物及びデキサメタゾン併用投与群は19.4か月と有意な延長が認められたことから、開発の可能性は高いと考えております。以上より希少疾病医薬品の指定の3要件を満たしていると考えております。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○吉田部会長 委員の先生からの御質問、御意見をお願いいたします。本薬も多発性骨髄腫という悪性疾患を対象にしていて、再発難治例の新しい治療薬として有用性が期待されていて、しかも有意な無増悪生存率が得られているということですから、開発の可能性も高いと思われます。特によろしいでしょうか。御意見がないようですので、議決に入ります。お諮りします。本議題について指定を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、指定を可とし薬事分科会に報告とさせていただきます。

 報告事項の議題1~3について、事務局から説明をお願いします。

○事務局 議題1「医薬品ゼローダ錠300並びに医薬品エルプラット点滴静注液50mg、同点滴静注液100mg及び同点滴静注液200mgの製造販売承認事項一部変更承認について」報告いたします。資料は3-13-2です。まず、資料3-1のゼローダ錠300です。フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤です。現在は、手術不能又は再発乳癌、結腸癌における術後補助化学療法、治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌、治癒切除不能な進行・再発の胃癌の効能・効果で承認されております。

 資料3-2のエルプラットです。エルプラットは白金錯体の抗悪性腫瘍剤です。効能・効果のところを御覧ください。こちらも治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌、結腸癌における術後補助化学療法、治癒切除不能な膵癌、治癒切除不能な進行・再発の胃癌の効能・効果で承認されております。

 今般、ゼローダ錠の製造販売業者である中外製薬株式会社、エルプラットの製造販売業者の株式会社ヤクルト本社から、これらの医薬品について胃癌における術後補助化学療法の適応を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。機構における審査の結果、本品目を承認して差し支えないと判断いたしました。

 資料4です。議題2「医薬品ハイカムチン注射用1.1mgの製造販売承認事項一部変更承認について」です。本剤はDNA合成阻害作用を有する抗悪性腫瘍剤で、現在は6.の効能・効果に記載があるとおり、小細胞肺癌、がん化学療法後に増悪した卵巣癌、小児悪性固形腫瘍に対して効能・効果として承認されております。今般、日本化薬株式会社から進行又は再発の子宮頸癌の効能・効果及び用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。こちらも機構における審査の結果、本品目を承認して差し支えないと判断いたしました。

 資料5です。議題3「医薬品タイケルブ錠250mgの製造販売承認事項一部変更承認について」です。本剤はEGFR及びHER2のチロシンキナーゼを可逆的に阻害する低分子化合物で、現在は6.の効能・効果に記載があるHER2過剰発現が確認された手術不能又は再発乳癌でカペシタビンとの併用に係る用法・用量で承認されております。

 今般、グラクソ・スミスクライン株式会社により、アロマターゼ阻害剤との併用に係る用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。機構における審査の結果、本品目を承認して差し支えないと判断いたしました。以上です。

○吉田部会長 ありがとうございました。委員の先生から何か御意見、御質問がありましたら、お願いいたします。資料を見ていたので聞きそびれたのですが、エルプラットは術後補助化学療法だけで、カペシタビンは胃癌と補助化学療法の両方で使えるように読めるのですが、それでいいのですか。申請時の効能・効果のところに線が引いてあります。

○機構 申請時において、エルプラット点滴静注液については治癒切除不能な進行・再発の胃癌に対する適応を有しておりませんでしたが、申請中にその効能・効果が追加されており、今般の承認審査では、両薬剤について治癒切除不能な進行・再発の胃癌に対する適応を有している状況下で胃癌における術後補助化学療法に対する適応を追加するということになりますので、両薬剤ともに胃癌という効能・効果に変更する予定です。

○吉田部会長 あくまでも申請時なので、これを。

○機構 申請時においては、エルプラット点滴静注液は治癒切除不能な進行・再発の胃癌に対する適応を有していなかったということです。

○吉田部会長 最終的には、両方とも胃癌の適応になるということですか。

○機構 はい、そのとおりです。

○吉田部会長 分かりました。ほかにございますか。

○関水委員 念のために確認させていただきたいのですが、タイケルブ錠の効能・効果に対するデータを見ているのですが、こういうものが制癌効果があると言ってよろしいかということについて、伺いたいと思います。p値が0.02であれば統計学に有意であるということですが、これは一般的、0.05を境にして有意差があるかないかを判断するという態度で臨むとしておられるからなのですか。

 私が研究者として動物試験でこのような結果が出てきたときに統計学的に有意の差があるから治療効果があったと発表するかというと、とてもできることではないという感覚がありますので、どういう基準で統計学的に有意の差があって治療効果があると判断しておられるのかを伺いたいです。

○機構 お手元の資料の11ページです。一番上にPFSの解析結果という表があります。今回、御指摘の統計的な観点はそこにあるp値が0.019という値ですので、事前に規定していた0.05を下回りましたので統計的に有意と判断しております。

○関水委員 分かりました。ただ、今は事後ですから、p値が0.02であれば一般的に制癌効果があるとして、これまで承認してきたという状況があるのですか。

○機構 基本的に試験の開始時点、解析をする前に例えば0.05など、プロトコールに宣言した上で、p値がそれを下回った場合のみ統計学的に有意であると判断しており、出た目で判断しているわけではありません。

○関水委員 それは私が納得できるお答えではありません。今、0.019というデータが出ているわけです。それを見たときに前に0.05と宣言したのだからいいではないかということは、そこのところについては正しいけれども、私が伺っているのはそこではなくて、0.019で制癌剤として効果があると一般的に認めようということが、前例に違反しているかどうかについて伺っています。

○機構 一般的にE9ガイドラインでは、検証的位置付けの試験を行う際の有意水準については、原則として両側仮説の場合は、0.05とすることとされており、0.05を切れば有効であると判断しております。

○田村委員 統計学的に有意だから効果があるという回答の仕方はまずいのではないでしょうか。臨床的に意義のある効果が統計学的に検証されたから承認したという説明をすべきではないでしょうか。

○機構 申し訳ありません。事前に設定した仮説に対して有意水準が0.05を下回って、臨床的に意義のある延長を示したということが統計的に説明されたという・・・。

○田村委員 当初の設定で検出しようとする差が臨床的に意義あると。

○機構 はい、そのとおりです。

○田村委員 そちらを強調すべきで、その内容を説明すべきだと思います。

○機構 分かりにくい説明で申し訳ありません。御指摘のとおりです。

○吉田部会長 結局、50%PFSのところで20数週の差がある。20週というと大体5か月位になりますが、それぐらいの期間、増悪しないのであれば、臨床的には意味があると考えたというように解釈していただければと思います。確かに解析した症例数が少ないので、p値も大きく取らざるを得なかったようですし、見た目も余りきれいに見えていませんが、こういうルールで値を見た時に、これだけ開いていれば可としようということだと思います。ほかにございますか。よろしいでしょうか。ないようですので、報告事項の議題1~3については御確認いただいたものといたします。

 報告事項の議題4について、事務局から説明をお願いします。

○事務局 議題4、資料6、優先審査指定品目の審査結果について、事務局より説明いたします。優先審査の取扱いについては資料の2ページに概要をお示ししております。この制度は医薬品医療機器等法第14条第7項の規定に基づき、希少疾病用医薬品やその他医療上特に必要性が高いと認められる品目を指定し、他の品目に優先して審査を行うものです。その指定に当たっては適応疾病の重篤性、医療上の有用性を総合的に評価して判断されます。

 資料の1ページに戻ります。対象品目は、販売名タグリッソ錠40mg、同錠80mg、成分名AZD9291、申請者はアストラゼネカ株式会社です。記載のようなEGFRチロシンキナーゼ阻害薬の使用中、又は使用後に病勢進行したEGFR T790M変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に係る効能・効果で承認申請がなされております。

 事前に取りまとめられた機構の報告書に基づき当該薬剤の優先審査の該当性について説明いたします。資料の7ページです。適応疾患の重篤性については、当該疾患は生命に重大な影響がある疾患(致死的な疾患である)に該当すると判断されております。次に医療上の有用性についてです。本邦においてEGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対しては、癌の生物学的特性に基づきEGFRチロシンキナーゼ阻害薬であるゲフィチニブ、エルロチニブ塩酸塩及びアファチニブマレイン酸塩の使用が優先されております。

 本剤は先ほどのEGFRチロシンキナーゼ阻害薬に対する耐性変異であるT790M変異を有するEGFRチロシンキナーゼのリン酸化阻害作用を有する薬剤であり、現時点ではEGFR T790M変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対して当該阻害作用に基づく既存の治療法は存在しないと考えております。したがって、本剤群の医療上の有用性は高く、本剤はアの既存の治療法、予防法若しくは診断法がないことに該当すると判断されています。

 以上を踏まえ、当該薬剤は優先審査品目に該当すると判断しました。当該薬剤の承認の可否については、今後、機構での審査を得た後に改めて、この部会で御審議いただく予定です。以上です。

○吉田部会長 それでは、委員の先生方から御質問がありましたら、お願いいたします。田村先生、何かコメントを頂けますか。

○田村委員 特にございません。

○吉田部会長 特にいいですか。

○田村委員 はい。

○吉田部会長 優先すべきだと。

○田村委員 はい。しっかり審査をお願いします、効果も安全性も。

○吉田部会長 ほかの委員の先生方、御質問、御意見はございますか。ないようですので、議題4については御確認いただいたものといたします。報告事項、議題5について事務局から説明をお願いします。

○事務局 資料7-1、資料7-2を御覧ください。議題5「医療用医薬品の再審査結果について」御報告いたします。資料7-17-2はいずれも医薬品再審査確認等結果通知書です。

 まず資料7-1ですが、一般的名称はオロパタジン塩酸塩、販売名はパタノール点眼液0.1%です。そして、資料7-2は2品目ありまして、まず1.として一般名称はラミブジン、販売名はゼフィックス錠100、2.は一般名はアデホビルピボキシル、販売名はヘプセラ錠10です。これらの品目については、製造販売後の使用成績調査、特定使用成績調査等に基づいて再審査申請が行われ、審査の結果、医薬品医療機器等の品質有効性及び安全性の確保に関する法律第14条第2項3号に掲げられている承認拒否事由のいずれにも該当しないこと。すなわち、効能・効果、用法・用量等の承認事項について変更の必要はないカテゴリー1と判定したものです。説明は以上です。

○吉田部会長 委員の先生方からの御質問がありましたらお願いします。カテゴリー1ということですので、従来どおり認められたということでよろしいでしょうか。特に御質疑がないようですので、議題5については御確認いただいたものとします。

 本日の議題は以上ですが、事務局からの報告は何かありますか。

○機構 資料No.11です。平成27年8月、前回の医薬品第二部会において御審議いただきましたミティキュアダニ舌下錠3,300JAU及び同ダニ舌下錠10,000JAUについて、当日、部会委員より頂きました御質問に対する回答を機構より御説明させていただきます。

 当日、関水委員、大槻委員、吉田部会長より頂きました御質問は、資料No.11に記載しておりますとおりです。御質問いただきました抗原特異的IgG及びIgEの推移についてと、皮膚プリックテストについての2点を御説明させていただきます。

 まず1点目の抗原特異的IgG及びIgEの推移についてですが、World Allergy Organizationのポジションペーパーにおいても、舌下投与による減感作療法のSLITにより、早期の抗原特異的IgEの上昇及び持続的な抗原特異的IgG4の上昇が認められることが報告されています。本剤については図1にお示ししているとおりで、また、類薬であるアシテアダニ舌下錠については次のページの図2にお示ししているデータが得られており、いずれも同様の傾向が認められています。また、海外でのみ承認されているオオアワガエリに対するSLIT用製剤(Grazax)では、図3にお示しているとおり、1年以上の投与により、抗原特異的IgE濃度の更なる低下が認められています。

 次に2点目の皮膚プリックテストについてですが、本剤の気管支喘息患者を対象とした海外第III相試験において、投与1年後に皮膚プリックテストが実施されておりました。なお、国内試験では、このテストは実施されておりません。膨疹径が3mm以上又は未満との情報しか収集されていませんでしたので、十分に検討がなされていない可能性はありますが、投与前後における膨疹径の変化は、本剤群とプラセボ群で同様でした。具体的な数値については資料No.11に記載しているとおりです。

 また、類薬であるアシテアダニ舌下錠では、アレルギー性鼻炎を対象とした海外第II/III相試験において、投与1年後及び2年後に皮膚プリックテストが実施されており、プラセボ群と比較し、アシテアダニ舌下錠群における膨疹径は小さい傾向が認められましたが、膨疹径はいずれも陽性と判断される3mm以上という結果でした。

 以上より、現時点では、本剤投与により免疫寛容が誘導されたことを示唆するデータはありませんが、ダニ特異的IgE抗体が上昇しており、ダニ又はハウスダストに対する皮膚プリックテスト又は鼻粘膜抗原誘発試験が陽性であることが確認された患者を対象とした国内外臨床試験において、本剤による臨床症状の改善が認められたこと及び類薬のデータを踏まえると、1年以上の長期投与により免疫寛容を誘導できる可能性はあると考えております。ただし、データはありませんので、製造販売後調査において、可能な範囲で皮膚プリックテスト又は特異的IgG、IgE検査等を実施し、本剤による免疫寛容の誘導について引き続き検討するように申請者に指示し、申請者は了解しております。以上、御報告させていただきます。

○吉田部会長 ありがとうございました。関水先生、いかがですか。

○関水委員 質問ですが、図1で、ちょっと小さいので私にはよく見えないのですが、結局、IgEのレベルは本剤によって上がるとしてよろしいのですが。

○機構 そうです。一過性に上がります。

○関水委員 これがどうして一過性だと思うのですか。

○機構 一過性に上がり、その後わずかに低下していますが、結局、元の値には戻りません。

○関水委員 戻らないのですね。

○機構 はい。

○関水委員 IgEのレベルが一過性に上がって、IgEのレベルが上がることが治療の目的に合うのだという論理が成り立てばいいのですが、そんな論理は成り立つのですか。

○機構 現時点では、治療効果を判断するバイオマーカーが特定されておりませんので、IgEが上がったからといって治療効果が期待できるというところまでは推定はできないかと思います。

○関水委員 そうですね。IgEが上がるということは、言い換えればIgEによる反応がひどく高まっているわけですね。ですから、一般に言うアレルギー反応という観点から見れば、病的状態になっているわけです。それが非常に良い効果をもたらす証拠であると説明されているように思うのですが、それはこの薬が効果を示すという説明になっていないと思うのですが。

○機構 まず、本剤及び類薬において、IgEの挙動は同様であったという点を御説明させていただきました。また、本剤及び類薬の1年間の試験において、症状の改善が認められていますので、本剤によるIgE上昇が悪影響を及ぼすことを示唆するデータとは捉えておりません。

○関水委員 類薬について議論するのはちょっと差し置いて、絶対的なこの本剤の効果として、IgEに関するレベルを下げるような効果というものがあるというデータは全くないのではないですね。この点を確認させてください。

○機構 はい。ございません。

○吉田部会長 そういうことなのですね。ですから結局、脱感作が成立したかどうかというのはどうやって分かるのだという質問に対しては、基本的にIgEやプリックテストでは分からなくて、症状がなくなるとか、あるいは一時的にIgEが上がって免疫の活性化が起こり、それが長期間続くことによって症状が軽快したりなどした時に、「ああ、脱感作できたのだ」というような形の効果判定ぐらいしかできないということなのですね。

 

○吉田部会長 具体的には、マーカーのようなものでは、今のところはうまいこと説明できていないという。

○機構 減感作療法の治療効果を評価するためのバイオマーカーについては、様々な試験で検討されているものの、使用可能なバイオマーカーの特定にはまだ至っておりません。

○吉田部会長 至っていないということなのですね。なかなか難しい領域なのですね。ほかにコメントはありますか。関水先生、よろしいですか。

○関水委員 しょうがないということにさせてください。

○吉田部会長 分かりました。よろしいでしょうか。

 では、次の報告をお願いいたします。

○事務局 資料No.12「ヴァクセムヒブ水性懸濁注に係る部会後の対応について」の御報告をいたします。資料No.12の1ページです。まず経緯についてです。このヴァクセムヒブ水性懸濁注(以下、本剤)については、昨年、平成26年9月5日開催の本部会、医薬品第二部会で御審議いただきまして、承認を可とされています。しかしながら、同年9月24日に、申請者から申し出があり、承認申請資料に記載した海外市販後の安全性情報の集計に誤りがあったことが判明しました。そこで、その内容及び審査への影響を確認するために、本剤の承認に向けた手続及び薬事分科会への報告を留保している状況です。

 本剤に関しては、今年、平成27年5月28日開催の当部会において、申請者より提出された本件に関する調査結果を報告する予定としており、事前に資料等を配布させていただいていたのですが、当該調査結果に疑義が生じましたことから、同部会では計画の報告にとどめさせていただき、申請者に再検証の実施を指示していたところです。

 本件に関し、申請者より誤記の内容の再検証結果が当課に提出され、その内容及び本剤の安全性評価への影響に報告がなされています。その内容について、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の協力を得ながら、厚生労働省において再度評価を行わせていただいております。

 また、昨年、平成26年9月5日開催の当部会において御指摘のありました、治験における本剤の注射部位反応に係る副反応の頻度が既承認類薬よりも高いという御指摘についても検討を行っておりますので、それぞれについて結果を報告させていただきたいと考えております。

 なお、参考としまして、医薬品リスク管理計画書の()が昨年9月の段階から時間を掛けて一部改訂されていますので、その内容についても添付させていただいている状況です。

 資料の2ページです。まず、申請資料の誤記について御説明いたします。詳細な内容については、一つ目のタブをめくっていただくと、申請者である武田薬品工業株式会社から提出されている報告書の概略を添付しております。適宜こちらを御覧いただきながらお話をさせていただければと思います。申請者の再検証結果を踏まえますと、この申請資料の誤記の原因は、製造販売後の安全性情報に関するデータベースを誤用してしまったことが原因になっています。そのデータベースの誤用に伴い、調査期間や診断名に随伴する随伴症状の取扱いの違いが生じてしまったことから誤記が生じてしまったというものです。こちらの詳細については、概略の報告書の1ページに図1というものがありますので、そちらを御覧ください。

 また、本年の5月までに出された検証、調査結果においては、本来信用すべきデータベースと、CTDと書かせていただいていますが、申請資料の作成に使用していた武田薬品のデータベースによって出力された件数が同じであった重篤副反応、例えば嘔吐に関してはノバルティスと武田のデータベースで6件と、数字が同じだったのですが、そちらについては、個別の症例の内容確認を行っておりませんでした。というところから、原因の同定に不備が存在している状況でした。こちらについては、今般提出されました再検証において、まず、それぞれのデータベースから出力された全ての個別の症例と副反応の紐付けを行った上で、データベース間に齟齬が見られた症例について、その原因が調査されていますので、今回提出された報告内容については問題ないものと考えております。

 以上の状況から、申請資料の表中では、海外で生じた重篤な副反応の件数として223件というものが記載されていましたが、再検証の結果、新たに143件の追加及び49件の削除が生じております。結果として317件が、本来記載すべき重篤な副反応の件数であった旨の報告がされています。こちらの一覧表については、二つ目のタブの所に正誤表として記載しておりますので、適宜御確認いただければと思います。

 こちらの重篤副反応の報告件数が多くなっているというところで、安全性に与える影響を評価させていただいております。資料の2ページの下段です。昨年、平成26年9月開催の当部会にお示ししたデータに関しまして、本来記載すべきであった317件について検討を行ったところ、報告件数が著しく集積しているような事象は認められておりませんでした。また、新たに追加された重篤な副反応の症例のうち、転帰が「回復したが後遺症あり」又は「未回復」とされた事象について、個別の症例の情報を確認させていただいたところ、本剤の接種との関連が疑われるような症例はないと考えられました。また、その審査対象の期間に、転帰が「死亡」と報告された症例については10例から追加はありませんでした。

 以上より、今回の申請資料の誤記が、当初の安全性の評価に与える影響はなく、本剤の安全性評価や注意喚起の変更は要しないと考えております。また、審査対象となった期間以降に報告された死亡例3件を含む最新の重篤副反応報告を含めて、安全性の再検討を行っておりますが、新たに注意喚起を要するような安全性懸念事項はないと判断しております。

 3ページです。今回の誤記により、審査報告書の一部修正が必要となっていますので、その内容を御説明いたします。修正の内容としましては、川崎病の2件の重篤副反応を、製造販売後の安全性情報という形で記載させていただいていたのですが、当該症例については、臨床試験で認められた症例であったということが明らかとなりました。この臨床試験で認められた2件については、臨床試験のところで評価されており、記載の重複となっています。このことから、当該川崎病2件の症例については、審査報告書から削除させていただきたいと考えております。申請資料の誤記に関連する御説明は以上です。

 続いて、本剤の注射部位反応の頻度に関して御説明いたします。昨年9月の当部会において、治験における本剤の注射部位反応に係る副反応が既承認類薬よりも高いという御指摘がありました。そちらの御指摘に対し、審査管理課側から、製販後の安全性情報も踏まえて検討をする旨の御説明をさせていただきました。今般、本剤と既承認の類薬であるアクトヒブの注射部位反応の発現状況について資料の3ページの下段から4ページにその状況をまとめております。類薬のアクトヒブの状況については、定期的ベネフィット・リスク評価報告という、定期的に報告される副反応状況をまとめた文書があるのですが、こちらから取らせていただいたところ、お示ししていますように、評価に限界はあるとは考えておりますが、これら2剤の注射部位反応の発現状況について大きな差異はないと考えております。

 資料の5ページに、参考としまして本剤の医薬品リスク管理計画書()の改訂等について書いております。こちらは、昨年9月から1年余り時間がたちまして、海外でのこの文書の改訂の内容等を踏まえて状況を書かせていただいている内容です。こちらについては参考という形で付けておりますので御確認いただければと考えております。事務局からの御説明は以上です。

○吉田部会長 これは確か、この部会で海外の安全性情報を全部出して欲しいという注文があって、それで調べてみたら、違ったということが分かり、審議がストップした案件だったと思いますが。

○事務局 正確に御説明させていただきますと、昨年9月の部会の中で、濱口委員から海外の死亡例が少ないような気がするので、念のために確認をしてくださいという御指摘がありまして。

○吉田部会長 それで、安全性情報を確認してほしいというコメントがあった。

○事務局 はい。企業に確認を依頼したところ、結局、死亡例については報告上、足らないということはなかったのですが、それに付随した調査において、重篤副反応の集計表が間違っていたことが判明したという内容です。

○吉田部会長 ということで、かなりデータベースが違っていたのですね。こういうこともあるので、やはり、しっかり審査することには意味があるのだと、本当に思いました。委員の先生方から何かコメントはありますか。濱口先生はいかがですか。

○濱口委員 ありがとうございました。先ほど御説明いただいた、このピンクの用紙が入った「ヴァクセムヒブのCTD誤記載に関する報告書(概略)」という所に書いてありますノバルティスの安全性データベースというのがあります。要するにグレーで網掛けになっている部分が抜けていましたという話だったと思います。これを見ていると、多分、出荷数にもよるのだと思うのですが、初めの方のグレーの部分が1995年から2009年まで14.5年のうちで、報告したのが13件ということなので、年1件あるかないかぐらいという話になるのかと。そうしたところ、今度は、次の白の部分が4年間になりますが、ここで291件ということになるので、年間大体70件以上は出ているという話になって、最後のグレーの次の後ろの方は4日間の日にちになるのかと思うのですが、13件ありますので、ざっと1年にすると1,000件以上の件数が出てくるのかと。このデータベース自体が、何か内容が変わってきているのか、若しくは出荷数が変わってきているので、もともと昔はほとんど出荷されていなかったので件数も少なかったという話なのか。もちろん出されてきたデータベースに基づいてというお話かもしれませんが、ちょっとこの辺り情報があれば教えていただきたいのです。

○事務局 この原因については、今、濱口先生がお話いただいたように、出荷数の問題がまずあると考えております。本剤は当初の承認から、中国、韓国等で、今かなり売れているような状況になっており、販売数はかなり増えていると理解しております。

 右側の調査期間の違いという所で2例、13件の所なのですが、こちらについては、たまたま2013年5月24日と28日に報告された、それぞれ1例ずつ報告されているのですが、その報告されている副反応数が多くて、たまたま13件というふうに多く見えているだけで、特にデータベース上、収集方法が大きく変わったなどというものではないかとは考えております。

○吉田部会長 要するに、1例でたくさんいろいろな有害事象が出た人が2人いたので、件数的には増えたと。

○事務局 はい。2013年5月24日、28日の報告に関しては、そのようなことと考えております。

○吉田部会長 それと、時代が経るに従って、薬が世界中に回るので、それだけ有害事象報告がどんどん増えていくという説明ですね。

○事務局 世界的な販売数は増えていると考えられますので、このような傾向になったのかと考えております。

○吉田部会長 ということのようですが、濱口先生、いかがですか。

○濱口委員 確認できていれば問題ないと思います。

○関水委員 当該会社からの自己申告なのではありますが、私が率直に思うのは、重篤副反応の診断名と随伴症状の両方を出している所と、片方だけ出している所があったということは、全く形式的なことですから、申請時あるいは審査するときに分かるべきことだったと思われます。そのようなことがないようにするのは無理なのですか。この二つの両方を出力していた会社と、片方しか出力してなかった会社が存在しているということですが、審査の過程で分からないということがあり得るのですか。

○事務局 説明いたします。随伴症状に関しましては、タブ一つ目の資料の2ページのところで御説明をさせていただいているのですが。

○関水委員 そういうことは今後の審査の過程で、仮にあったとしても、それは止むを得ないと判断するということなのですか。そうであれば、この問題は非常に形式的な話ですね。コンピュータで操作しているときに、ある会社とある会社が違う方法でやっているということは、これは形式的にすぐに分かることだと私は思うのですが、それが審査段階では分からなくて、自己申告によって訂正されたという、そこが私にはなぜそんなことが起きたのかが理解できないのです。

○事務局 まず、審査の中では二つ目のタブのところに書かせていただいた表に基づいて評価をしているので、一見その随伴症状を含めてまとめられてるのかいないのかというのは分からないかと思います。ただ、実際の審査の中では、個別の症例で、例えば肺炎を起こしている症例で、随伴として呼吸困難ですとか咳嗽があったというものに関しては、そういう個別の症例ベースで、ほぼ、ここでは確認できているので。

○関水委員 そうすると、審査の段階では、診断名について、随伴症状両方を出力しているか、それとも片方だけで出力しているかについてはチェックはしてないということなのですね。それでしたら分かりますよ。そうすると、ある会社は両方出力して、ある会社は片方を出力していて。どういうふうに出そうが、それは会社の御自由ですよという審査体制になっているということですね。

○事務局 はい。実際、これは世界的にも随伴症状含めて出力するのかしないのかというところは、会社の判断に任されておりまして。そちらについては問題ないと考えております。

○関水委員 実際には提出された資料に示された数で、副作用がひどく、重篤副反応が出るか出ないかというのが出て来るわけですから、やり方については完全に統一されるべきだと思います。会社独自の方法でやってくださいと言うべきではありません。副作用が出た、何例出たかというのが、提出された数に基づいて我々が審査することになるわけですが、それが本当は10なのか、5なのかは、会社の集計の仕方によっていろいろ変わりますよということでは困ると思います。

○吉田部会長 今の話は、普通であれば、副作用の診断名はこうこうでしたとなるところが、診断名だけじゃなくて症状も載せるという話なので、それなら件数自体はそれほど変わらないはずですね。また、症状まで書くという位ですから、診断名を書いてないということは、あり得ないわけでしょう。

○事務局 もちろんそれはそうです。診断名だけ。

○吉田部会長 最低限診断名は皆書いているのだけど、ノバルティスの場合は症状も載せるということで、更に詳しくやったということ。

○事務局 はい。

○吉田部会長 ですが、ルールとしては診断名が載っていればいいというルールなんじゃないですか。

○事務局 そのように考えています。

 

○吉田部会長 つまり、ルールとしては診断名、どういう副作用があってどういう病気だったかということは書くのがルールで。それにプラス、このノバルティスの場合は症状まで付けましたということですね。

○事務局 はい。

○関水委員 それでは、なぜ、問題があったのでもう一度審査しますなんてことになるのですか。

○事務局 ですので、評価している症例に関しては、今回過不足は。

○吉田部会長 過不足はあったのでしょう。

○事務局 評価している症例について過不足はあったのですけども、その診断名、当初その申請資料に書かれていた診断名だけで報告されているものに付随する症例が表には書かれてきているだけなので。審査自体は表では現れてはいないのですけれども、個々の症例の評価においては随伴症状も含めて評価されているので、安全性評価上は特に大きな違いはないと考えております。あくまでその表をその出力している形式として随伴症状を含めてまとめるのか、診断名だけでまとめるのかという違いだけと考えております。

○関水委員 そうであれば、全く問題ないことについて私が議論していることになりますが、個々には違う出力をしていたためにこのような出力の違いが出て、それが基で何か間違いがあったと、自己申告したのだというふうに私には聞こえるのですが、そうではないのですか。

○事務局 この武田薬品のポリシーとして、これはノバルティスから導入してきている品目なので、本来この表をまとめるに当たっても、そのノバルティスのポリシー、随伴症状も含めて出力するべきだったというふうに考えていると聞いております。ただ、実際にその申請資料に出されているものに関しては、武田のやり方にのっとった診断名だけの評価、集計になっていたと。なので、それは本来武田が書くべきと考えていた、随伴症状も含めた表に差し替えますというのが、今回のお話になっております。

○関水委員 メーカーはなぜ現時点で、差し替えると、わざわざ言って来たのでしょうか。差し替えるように指導されているのですか。つまり、本当はここで議論することはないと思います。私の質問に対する最初のご説明では、重要な点についての間違いを是正する自己申告があったということでしたけれども、今のお話では、別に報告しなくても良かったのだというおっしゃりようですが、それはどちらが正しいのですか。

○事務局 申請資料に添付されていた表のタイトルと、集計結果に齟齬があったということなので、それは当然正しい集計結果を出していただく必要があるということでございます。なぜその集計が異なったかという理由について、武田の方でしっかりと原因分析をして、その結果を今回御報告させていただいたという経緯でございます。

○関水委員 化学論文の執筆においては修正申告なんてのは簡単には認められません。ですから、修正をわざわざやるということは、どうしてなのかという質問に対しては、明確な説明が行われるべきです。我々委員の立場からすると、細かな点についての検証はお任せするしかありません。今回の場合、厳正な書き変えであって、倫理的な問題は全くない、そういうことでよろしいのですね。

○事務局 繰返しになってしまうかもしれませんが、申請資料に記載されていたその集計結果が誤まっていたということですので、それを当然正しい集計結果に直していただく必要があるということで、正しい結果を、今回御報告させていただいているということでございます。

○関水委員 もう一回繰返しますが、どちらが正しいかということについては、機構では、今の段階で、修正された方が正しいと、確信しておられるわけですね。

○事務局 はい、そうです。

○関水委員 なぜそのように確信できるかについて、論理はあんまりこれまでのご説明では、私にはよく分かりませんでした。

○事務局 すみません、ちょっと追加で御説明させていただきたいのですが。今、その随伴症状について主に議論させていただいたのですけれども、実は調査期間が違うですとか、あと本来書かなくていい症例が書かれていたというふうな修正点もございますので。いずれにしても、今回出されている集計内容の方が正しいというふうに考えております。なお、そちらについてはより正しいというか、正しい集計結果をこのタブの二つ目ですとか、について御説明させていただきまして、こちらの方で最終的に評価をさせていただいたという状況でございます。

○吉田部会長 よろしいですか。ほかに委員の先生方からの御質問はございますか。ないようですので、事務局の報告については御確認いただいたものといたします。

 それでは、次の報告をお願いします。

○事務局 事務局でございます。委員の先生方におかれましては報道等で御存じのことかもしれませんが、一般財団法人化学及び血清療法研究所、化血研が製造している血液製剤、ワクチンについての対応ということで、御報告をさせていただきます。まず、本日の部会開催前にも、一部の委員の先生方におかれましてはデータの確認など、御協力をいただきましたことをこの場をお借りして、厚く御礼申し上げます。

 資料No.13の内容になりますが、実はこの問題そもそも今年の5月に化血研が製造している血液製剤について、承認書とは異なる方法で製造していたということが発覚したというのが発端でございます。その後、ワクチンや抗がん剤のコホリンについても、同様の事態が発生していたということで、その齟齬の内容を確認するとともに、製品へ大きな影響がないかという点を、厚生労働省としても確認をしておりました。その過程の中で、本部会の委員の先生方、一部の方におかれましては専門家として御意見を伺いながら対応を進めてきたところでございます。そのうち、インフルエンザのHAワクチンについては資料No.13にありますとおり、その齟齬の内容というものが品質安全性に重大な影響を及ぼすものではないと、厚生労働省としても判断いたしまして、厚生科学審議会感染症部会での議論を経まして、出荷を認めたということでございます。

 同様の検討をコホリンについても行いまして、出荷の再開をしております。今後、その他のワクチンにつきましても安定供給の観点から、齟齬の確認が終わり次第、感染症部会で御審議をいただいて、出荷の再開等を議論する可能性がありますということで、また検討に辺り御協力をお願いさせていただくこともあるかもしれませんが、その際は何とぞよろしくお願いいたします。以上、事務局からの御報告でございます。

○吉田部会長 書き間違いとか、今の話とはまた違うのですね。

○事務局 具体的には資料No.13の一番最後のページでございます。感染症部会に御報告をした資料のところでございますが、スライド番号で2番というところですね。トータルで235、延べ数になりますが齟齬があって。そのうち三つについては品質に影響を与える可能性があるんじゃないかということで、詳細な検討をいたしました。それ以外の齟齬につきましてはスライド番号3のところでございますが、単純な単位を書き間違えているという程度のものから、承認書と製造手順書で記載がずれているものとか、そういう大きく四つのジャンルに分かれるような間違いがあったということでございます。

○吉田部会長 変な言い方すると、結果的には問題なかったと言って、それでお仕舞いにするのがいいのかどうかということが、すごく気になるのですけど、川崎先生、何かありますか、コメント。

○川崎委員 私は、承認書と実際の製造方法に齟齬があったこと、その齟齬に関して、品質・安全性に重大な影響を及ぼすような可能性はないのではないかという厚労省の説明を受けて、いただいた資料中の齟齬があったところについて、一通り目を通しました。疑問に思った点が幾つかあり、問合わせをさせていただきましたが、その回答については受入可能なものであったと思います。厚労省の御説明は妥当であろうと思いました。

○吉田部会長 ありがとうございました。では鈴木先生。

○鈴木委員 要するに、本来だったらもっと厳密に薬事法手続きすべきなのでしょうけれども、インフルエンザの予防接種のシーズンが始まっており、この時期に供給不足が起こると社会的問題にもなるので、それを避けるために出したというのが真相なのでしょうか。一部の患者さんからは、その問題になったワクチンじゃないのをお願いしますという話もあるようですけども、結局選べないですからね。ですから、その辺が全く問題ないということを、はっきり厚労省として出していただきたいと思います。

○吉田部会長 個人的には、どうしてこんな間違いをしたのか、81ミリを81.8ミリと理解していたとかの話など全く理解の外ですが、それって、内部の緊張感の欠如とか会社の体質に問題があるのではないですか。誤解しているかもしれませんが、やはりこの会社に対しては、しっかりとcaution入れとくべきじゃないでしょうか。

○事務局 そういう意味で、感染症部会でもかなり厳しい御指摘をいただいたというふうに承知把握しております。今回、個別の製品で御審議いただきましたが、今部会長からおっしゃられたように、なぜこんなことが起きたのかと、いつからなのだという点につきましては、化血研の方で第三者委員会を設置して、検討を進めております。その結果が来月には出るというふうに聞いておりますので、そういった結果も踏まえまして、当然対応というものは考えていきたいというふうに思っております。

○吉田部会長 ほかに御意見ございますでしょうか。庵原先生、何かお聞きのことでありますか。

○庵原委員 庵原ですけれども、今現場ではインフルエンザワクチンは何とかこれでケリはついたのですけれど、ほかのワクチンにもちょっとshortageが出始めてきているという、うわさが幾つかあります。そういうことを踏まえて、そしたら先ほどの御意見でもないですけど、なし崩しに化血研が得しているのじゃないかという意見も逆にあります。この辺は、きちっとしたけじめをつけるような形で対応する必要があると思いますが、審査管理課は、何か御意見をお持ちですか?最終的には機構に出す書類、全部が書き改めなきゃいけないですね。その辺も踏まえて、御意見伺えればと思いますけど。

○事務局 当然一変なり、軽微変更届なり、薬事上の手当というものは必要だと思っております。それから、じゃインフルだけなのかと言うと、感染症部会の方で実は4品目議論してほしいと言われているものは、定期接種にからむものでして。4種混合、それからB型肝炎、日本脳炎、A型肝炎。これらについては供給との兼ね合いで、議論する可能性があるという点はございます。あとは薬事法の手続はしっかりするということと、繰返しになりますが、第三者委員会の結果を踏まえて、当然厚生労働省としても対応は検討させていただきたいと思っております。

○審査管理課長 審査管理課長でございます。この化血研の一連の問題につきましては、会社の体質等にも非常に問題があるだろうというふうに考えております。ワクチン等の需給の問題とは別に、我々としても厳しく対応させていただきたいと思っておりますし、確認が取れ次第、当然薬事上の一変申請、それから軽微変更届というものはきっちり行わせたいというふうに思っております。繰返しになりますけれども、第三者委員会の報告等を踏まえまして、然るべき対応を取っていくということでございます。

○吉田部会長 厚労省の方で、しっかり管理と指導をしていただくということで、お願いします。ほかにございますか。なければ、次の報告をお願いします。

○事務局 すみません、その前に、先ほど御説明させていただきました資料12で、一部訂正がございますので、ちょっと御説明させていただきたいと思います。資料12の4ページ目の表になるのですけれども、こちら、ここに記載させていただいている副反応の10万ドーズあたりの報告件数を書かせていただいております。こちらの本剤に当たる三つのセルの括弧内の数値、これ、10万ドーズあたりの報告件数ですが、一桁数字が間違っておりまして、正しくは0.00442になります。誠に申し訳ございません。訂正させていただきます。

○吉田部会長 では、最後の資料10をお願いします。

○事務局 それでは、資料10を御覧ください。その他事項の最後になります、医療用医薬品に係る先駆け審査指定制度の対象品目の指定について、審査管理課より御説明いたします。先駆け審査指定制度につきましては本年4月より試行的に運用を開始いたしまして、今月27日に、3ページ目にある6つの医薬品を対象品目として、初めて指定したところでございます。この6品目は全て開発途中のものでございますが、今後この品目は承認申請された際は、本部会又は第一部会の方で承認の可否について御審議いただくことになりますので、本制度につきまして、まずは簡単に御紹介をしたいと思います。

 7ページを御覧ください。7ページ目以降は、この本年3月30日に行われました薬事分科会の資料でございます。このスライド2を御覧ください。このスライド2でございますが、平成26年6月にとりまとめられました「先駆けパッケージ戦略」というものがございまして、その重点施策の一つとして、先駆け審査指定制度が掲げられ、本年4月から試行的に運用を開始したものでございます。

 それでは8ページ、スライド3でございます。一番上の黒枠内にございますとおり、この制度は世界に先駆けて、革新的医薬品等を日本で早期に実用化するため、日本での開発を促進することを目的として、この制度の対象品目として指定された場合には、スライドの真ん中付近、例えば3.にございますとおり、対象品目として指定された場合は全て優先審査扱いとして総審査期間の目標値を6か月にするほか、また4.にありますとおり、承認までに必要な工程の総括管理を行う審査パートナーを機構の方で設けることなどの特典を受けることができることになっております。

 そして実際の指定手続ですが、10ページ目、最後のページですが、10ページ目のスライド8を御覧ください。ステップ1に記載のとおり、本年度は試行的運用といたしまして公募形式で指定申請いただいております。運用方法につきましては、まず年度始めの4月1日に通知を発出して、その後、ステップ2のヒアリング、ステップ3の評価と順位付けのあと、ステップ4の指定と分科会報告に進んでまいります。

 それでは、最初の1ページ目を御覧ください。4月1日の運用方法の決定のあと、1か月間の公募期間を、周知期間を置きまして、5月中で企業からの指定品目の登録の申込み。こちらにつきましては、この2.の()に記載がございますとおり、56品目の登録がございました。この56品目につきまして、6月の半ばから品目ごとに事務局でヒアリングを行いまして、予備審査より明らかに指定要件で。指定要件につきましては3.の米印の二つ目、指定要件とございますが、この四つの指定要件、治療薬の画期性、対象疾患の重篤性、対象疾患に係る極めて高い有効性、世界に先駆けて日本で早期開発・申請する意思、この四つの要件に明らかに満たさないものをまず篩にかけまして、8月7日から21日にかけまして、正式な指定申請を受付けました。正式に指定申請があったものは、2.の()にございますとおり、50品目でございます。その後、9月から10月にかけまして機構で事前評価を行いまして、この四つの指定要件に照らして特に優れていると判断される品目を相対評価で選びまして、3ページに書いてあるこの6品目を今月27日付けで対象品目と指定いたしまして、5ページにありますとおり、このような形で公表させていただいたところでございます。なお、指定前には事前に薬事分科会の委員の先生方に御報告させていただいているところでございます。冒頭にも申し上げましたとおり、この6品目が全て開発途中のものですが、今後の開発により、この四つの指定要件を満たさなくなった場合は指定を取り消すこともあり得ます。また、この制度の趣旨は早期の開発段階から対象品目に指定して、開発を進捗管理したり、審査期間を早めたりすることにありますので、承認審査の中身自体を変えるものではございません。したがって、これらの品目は承認申請された際には、通常品目と同様に、本部会又は第一部会の方で有効性や安全性の評価をいただきまして、承認の可否を御判断いただきたいと考えております。事務局の説明は以上でございます。

○吉田部会長 委員の先生から御質問ございますか。早い話が、優先審査指定のものが特急だとすると、これ新幹線だというような話なのですか。

○事務局 はい。

○吉田部会長 別のトラックをまた作ったということですね。

○事務局 はい、そのとおりです。

○庵原委員 こういう制度を設けることによって、ほかの薬の審査が遅れるということはないということで、理解してよろしいですね。確認です。

○事務局 はい。そこは通常品目も審査期間として、目標審査期間の12か月というのございますので、そこはきちんと達成するように取り組んでいきたいと考えております。

○吉田部会長 ほかにございますでしょうか。

○関水委員 具体的に、審査において、どういうことを早めると、審査期間が短縮されるのかがよく分からないのですが理解しておくべき点がありますか。

○事務局 審査を6か月にするという点で、どういった感じで早まっていくかということですが、8ページ目の下のスライドを御覧いただけますでしょうか。通常の品目ですと、非臨床試験があって、治験があって。治験でも治験相談をやって、第III相試験をやって、承認審査12か月ということなのですが、この先駆け審査を受けた品目につきましては、非臨床試験をやって、治験相談をやって、治験を行いつつ、その治験以外のその非臨床とか、その毒性試験のところについてはあらかじめ事前評価という形で評価を行いまして、更に優先審査扱いになりますので、承認申請がございましたら、その臨床試験の部分を評価して、6か月で承認に導きたいと考えています。

○田村委員 要件の中に、世界に先駆けて日本で開発と書いてあるのですが、これは日本で創薬されて、日本で一番最初に実用化するということなのでしょうか。実際にこの候補のいくつかは第一相から国際共同でやられて、多くはグローバル第三相で開発が進められています。これは、日本で最初に承認とは違うような気がするのですけれども。

○事務局 あくまでもそのオリジナル、もちろん日本で非臨床から開発していくもの、日本オリジナルのものもありますが、海外オリジナルのものもございます。ただ、この6品目についてはその開発過程におきまして、世界同時申請というものもございますが、日本で世界に遅れることなく申請をするという開発計画を提出いただいておりますので、それを見て。

○田村委員 世界に遅れることなくという意味なのですね。それも十分意義あることと思い、期待します。

○事務局 遅れることなく、同時もあります。

○関水委員 私は純然たる基礎をやっているので、そういう立場から申し上げるのですが、日本における創薬を促すという点からすれば、外国で開発されても、最初に申請すれば早く審査するというのは、かえって日本の創薬にとってはブレーキになると思います。その辺は是非御協力をお願いしたいと思います。

○事務局 今回、あくまでも試行的運用として取り組んだものでございますので、次回以降はどういった要件がいいのかというのは検討していきたいと思っています。

○吉田部会長 先ほどの関水先生の質問なのですけれどね、治験相談、通常だったら2か月だったのが1か月になるとか、優先審査の承認審査が9か月だったのが6か月になるというのは、どこをどうすればそうなるのかという疑問の意味が分かりますか。要するに、例えば担当が複数人いて、通常担当は1人なのだけど、2人がかりでやるのだとかそういう説明がないと、短くなる理由が全然伝わってこないのですよ。ですから、そこのところも説明してもらわないと、納得し難いということなのではないでしょうか。いかがですか。機構の方でも、事務局でもいいですけど。どういうふうな審査体制でやるから早くなるのだというような説明、例えば、治験相談がなぜ1か月に縮まるのですかとかということに関して、説明してもらえますか。

○審査管理課長 まず、治験相談につきましては通常の治験相談ですと、月初めにその相談の申込みを受付けて、一括してやっているのですね。それを、この先駆け指定を受けたものについては随時受付けるということで、半月から1月くらい、治験相談にかかる時間が縮まるだろうというふうに考えています。

 それから、その承認審査の方でございますけれども、これも先ほど説明がございましたけれども、事前評価を充実させることによりまして、あらかじめその必要な承認申請の資料のうちの何割かは申請前に評価してしまっているということです。ですから、その企業に対して照会を出して、その回答をいただくような時間というのも短縮できるだろうと。そういうことを踏まえて、承認審査の期間も、通常の優先審査ですと9か月ですけれども、3か月ぐらいであれば縮められるだろうと、そういう目論見でございます。

○吉田部会長 ということで早くなるのだそうです。ほかに御質問、御意見ございますか、ないようですね。

 それでは、事務局の報告については御確認いただいたものといたします。ほかに、何か報告はありますか。

○事務局 次回の部会でございますが、1130日、午後3時からを予定させていただいております。よろしくお願いいたします。

○吉田部会長 ほかに委員の先生方から何かございますか。ないようでございます。それでは、本日はこれにて終了させていただきます。御苦労様でございました。


(了)

備  考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された

連絡先:医薬・生活衛生局 審査管理課 課長補佐 清原(内線2746)

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