2015年11月18日 第10回医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会議事録

政策統括官付情報政策担当参事官室

日時

平成27年11月18日(水)14:00~16:00

場所

厚生労働省 専用第22会議室
(東京都千代田区霞ヶ関1-2-2 中央合同庁舎5号館18階6号室)

出席者

委員(五十音順)



事務局

議題

  1. 報告書案について
  2. 意見交換

配布資料

議事次第 医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会(第10回)
資料1 医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会報告書案
資料2 医療等分野の情報連携に用いる識別子(ID)の体系に関する参考資料

議事

議事録
○金子座長 皆様、こんにちは。定刻になりましたので、第10回「医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会」を開催したいと思います。


本日は、新保構成員は御欠席でございます。馬袋構成員が少しおくれるということでございます。


また、飯山理事の代理として徳永理事がいらっしゃっておりますので、よろしくお願いいたします。


では、早速ですけれども、事務局から配付資料の説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。


○高木企画官 事務局でございます。


お手元の資料の確認をお願いいたします。


資料1「医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会 報告書(案)」


資料2「医療等分野の情報連携に用いる識別子(ID)の体系に関する参考資料」


万が一、資料に不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。よろしくお願いします。


○金子座長 報道陣の皆様におきましては、頭撮りはここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。


(報道関係者退室)


○金子座長 それでは、本日の議題に入りたいと思います。


医療等分野の番号の制度設計につきましては、9月と10月、2回にわたってさまざまな御議論をいただきまして、おおむね意見や方向性が整理されて一応のまとまりが見えたのではないかと思っております。


今回は事務局で報告書(案)を準備していただきました。ごらんになった方もいらっしゃると思いますけれども、かなりしっかりとしたものになっているのではないかと私は思っております。まず、事務局から説明をお願いして、あとはまないたのコイ状態でございます。皆さん、どんどん御意見をいただければと思います。


では、よろしくお願いします。


○高木企画官 それでは、お手元の資料1に沿いまして、御説明させていただきます。


報告書(案)につきましては、あらかじめ先生方にはお届けして、お目も通していただいている状態と理解させていただいた上で、全体のポイントについて御説明させていただきます。


資料1、まず「1 はじめに」のところでございますが、これは経緯について書いてございまして、真ん中のところのパラグラフでございますけれども、医療等分野の識別子については、3つの主な役割として(1)地域内や複数地域をまたがる医療機関・介護事業者等の連携や地域包括ケアの提供、(2)健康・医療の研究分野での大規模な分析研究、(3)国民みずからが健康・医療の履歴や記録を確認し、健康増進に活用する仕組み(ポータルサービス)について挙げております。


1ページ目、中段から下のところでございますけれども、昨年の12月の中間まとめの内容の概要について記載しております。


医療等分野の個人情報につきましての特性、厳しい財政状況等を考慮して、マイナンバー制度のインフラと共有できる部分は共有する。


また、できるだけコストのかからない、安全で効率的な情報連携の仕組みを構築することができる。


まずは、オンライン資格確認の仕組みはできるだけ早期に導入する。


また、その医療等分野の情報連携のあり方については、オンライン資格確認で実現されるインフラの活用を含め、個人情報保護を含めた安全性と効率性・利便性の両面が確保された情報連携の仕組みを検討する、とお取りまとめいただいてございます。


これを受けまして、今年の6月の日本再興戦略で固まった内容について記載しております。


1つはオンライン資格確認の仕組みの整備、もう一つは、医療等の分野の番号の制度設計について、本年末に一定の結論を得て2018年度からオンライン資格確認の基盤も活用し、医療等分野における番号の段階的運用を開始し、2020年までに本格運用を目指す、と閣議決定で盛り込まれております。


これを受けまして、中間まとめまでの検討の成果に加えて、その後の状況等を踏まえ、医療分野の情報連携に用いる識別子の具体的な制度設計について整理、検討をお取りまとめいただいたとしております。


2ページ目「2 医療等分野の個人情報の情報連携のあり方」個人情報の特性、情報連携のあり方について整理しております。


3ページ目の部分につきましては、既に中間まとめでお取りまとめていただいた内容をほぼそのまま踏襲して書いております。


医療・介護は、患者との信頼関係に基づいて行われているとか、それに基づき共有する医療分野の個人情報については、機微性が高い。他方で、共有ないしは利活用を進めていくということが大事である。患者個人の提供されたデータの積み重ねが医学の向上という公益目的にも用いられ、医療の質の向上という社会全体のメリットがもたらされる、といったことを書いております。


3ページ目から4ページ目につきましては、そうした形で情報連携、利活用も必要だということを書いています。


4ページ目から「(2)医療等分野の個人情報の情報連携のあり方」でございます。ここにつきましても、中間まとめの議論でいただいた内容をそのまま書いております。


番号の仕組みについても、患者によるオプトアウトの権利を認める責任などの御意見をいただいたものをそのまま書いております。


4ページ目の下のところから5ページ目、今回、個人情報保護法が改正されましたので、そこで「病歴」が「要配慮個人情報」に位置づけられましたが、5ページ目の上のほうのパラグラフで、その運用につきましては医療機関同士の連携や家族等のへの病状の説明が必要だと、医療現場が委縮して必要な医療が提供できなくならないようにする必要があると。もう一つは、医療や介護現場の要請に対して、法令の規制やガイドラインが逆行しないようにする必要があるということを入れております。


続きまして、5ページ目「3 マイナンバー制度のインフラとの関係」でございます。


まずは、マイナンバー制度の情報連携のインフラの仕組みについて整理しております。1つ目のパラグラフでマイナンバー制度、これは行政運営の効率化、国民の利便性の向上を図る。その利用範囲については法律に明記しておりまして、医療機関等が医療情報の連携にマイナンバーを用いる仕組みとはしていない。


もう一つは、マイナンバー制度の情報のインフラでございますけれども、マイナンバー制度はマイナンバーが漏えいしても悪意のある者がマイナンバーを用いて個人情報にアクセスできないように、マイナンバーそのものを個人情報に付して情報連携するシステムとはしていないとしております。マイナンバーそのものはシステムに入れて情報連携するという仕組みではございませんので、そのことについて書いております。


したがいまして、医療等分野に限ってマイナンバーそのものを情報連携の手段としてネットワークのシステムに入れて用いることは、マイナンバーの漏えいの危険性を高め、マイナンバー制度のセキュリティーやシステム設計とも矛盾することになる、ということを書いております。


6ページ目、また各医療機関が情報提供ネットワークシステムを用いることがなかなか難しいといったことなどを書いておりますけれども「一方で」というところで、マイナンバー制度は住民票コードと対応した一意的な識別子の仕組みとかICチップの個人番号カードによる公的個人認証の仕組み等がございます。こうした国民みずからが本人の個人情報に安全で効率的にアクセスできる情報インフラを構築しておりますので、医療等分野でも二重投資を避ける観点からこうした広く社会で利用されるマイナンバー制度の情報インフラを最大限に活用していくことが合理的であるとしております。


「(2)マイナンバー制度における医療保険の資格管理の仕組み」について書いております。


今回のマイナンバー制度に対応いたしまして、保険者においても医療保険制度の運営コストをできるだけ小さくする観点から、支払基金と国保中央会が取りまとめ機関になって各保険者からの情報の収集、利用等に関する事務を共同で委託を受ける、こうしたことを法律改正で手当てをしている、ということについて書いております。


7ページ目、上のパラグラフの下のほうのところでございますが、各保険者が共同で資格履歴を確認できる仕組みを整備することとしており、そのシステム設計に着手しております。各保険者で資格管理等の事務の効率化や保険者間での効率的な情報連携に資することが期待されております。


次のパラグラフで、我が国はほとんどの医療機関と薬局が公的保険制度に加入している。医療保険の被保険者を一意的に資格管理する仕組みができれば、オンライン資格確認と組み合わせることで、医療機関等でも患者を一意的に識別して情報連携する仕組みの構築が可能となる。これは国民一人一人に一意性と悉皆性を有するマイナンバー制度のインフラを活用することで、初めて可能となる仕組みである、としております。


7ページ目からは「4 医療保険のオンライン資格確認の仕組み」について書いてございます。


これは柱書きのところにございますけれども、できるだけコストがかからない、安全で効率的なオンライン資格確認の仕組みについて、現時点の検討内容を整理した、としております。


7ページ目「(1)オンライン資格確認の仕組みの必要性」でございます。


まず、医療保険の基盤につきましては、件数ベースではレセプトが99%電子化されているなど、ほぼ電子化がされております。


8ページ目、他方で、保険医療機関が被保険者の資格確認が十分にできないと医業経営にも支障が生じますし、公的保険制度の公正な利用を確保するためにも資格確認というのは重要な仕組みであるということでございます。


したがいまして、中間まとめでは、オンラインで被保険者の資格確認を確実に行い、資格喪失等によるレセプトの返戻事務をなくすための仕組みとして、オンライン資格確認をできるだけ早く整備することが求められている。保険者・保険医療機関等の関係者と協議し、検討する、と中間まとめではお取りまとめいただきました。


また、これができますように支払基金、国保中央会が保険者から共同で資格管理等の事務を委託することができるよう、今国会で法整備もされたところでございます。


続きまして、8ページ目「(2)オンライン資格確認の具体的な仕組み」でございます。


まず、中間まとめの議論では2点、両論併記でございました。


1つは、個人番号カードにはカードに目に見える番号がある。これが医療情報とマイナンバーと結びつく可能性があるので、マイナンバーが記載された個人番号カードに被保険者機能を付加することについては問題であるので、他の媒体を用いる方法も検討すべき、という意見がありました。


他方で、これに対して、これまでICチップの活用というものを安全性の観点から検討されてきました。二重投資を避ける観点から、また、広く社会で利用される情報インフラを安全かつ効率的に活用するという観点から、ICチップを用いる仕組みが合理的である。


こうしたことから、ICチップをカードリーダーで読み取る、個人番号カードを預からないといった安全な仕組みについて、それが確実に担保されるよう検討する必要がある。これが昨年の12月の中間まとめでございました。


これを受けまして、政府で検討した結果でございますけれども、まず、マイナンバーを見えにくくするという表示の工夫をしております。また、表面のみが見えるカードケースの配布など、そうした安全に利用するための対策を講じるということをしてまいります。


このため、オンライン資格確認の仕組みについては、導入の初期費用や運営コストを精査しつつ、ICカードの二重投資を避け、広く社会で利用される情報インフラを安全かつ効率的に利用する観点から、個人番号カードの公的個人認証を活用した仕組みを基本とすることが合理的である、としております。


ただし、オンライン資格確認を起点として医療等分野のIDを用いるという形でやった場合に、個人番号カードがない方にも円滑な情報連携を確保する必要があるため、普及するまでの間の過渡的な対応も検討する必要がある、としております。


この過渡的な対応については、両論ございましたので、資格確認番号を被保険者証に記載するなどの方法で、オンライン資格確認のできる仕組みを検討する必要があるとの意見があった。これに対しまして、安全性の観点からICチップを用いる仕組みは適切なので、本人を一意的に識別することがこれ以外の方法で担保されるのかどうか慎重に検討すべきこと。また、ICカードを使うのであれば、個人番号カードを用いる仕組みのほうがメリットがあるとの意見があった、としております。


9ページ目の最後のところで、生活保護受給者についてでございますが、制度上、医療保険の資格確認の仕組みに入れることは難しい。


10ページ目、ただし、国保の無資格者の把握の観点からも重要であるので、医療保険の資格確認の仕組みをまずは整備する。その上で、そうした情報があった場合に生活保護の受給者であるかどうかを把握できる仕組みを検討すべきとの意見があった、としております。


また、2つ目のパラグラフで、オンライン資格確認の仕組みについては、できるだけ医療保険制度の運営コストがかからないようにする観点から、引き続き導入の初期費用や運営コストを精査しつつ、保険者や医療関係者等との協議・検討を進め、マイナンバーの情報連携のインフラを活用しながら平成30年度から段階的に導入し、平成32年までに本格運用を目指す形で準備を進めていく必要がある、としております。


また、その導入に当たっては一定期間のテスト運用を実施するということで、円滑な導入を進めていく、としております。


なお、10ページ目の※3のところで、オンライン資格確認を行う場合でも、一定期間のタイムラグが生じざるを得ない点について留意する必要がある、としております。


11ページ目、その具体的な仕組みでございますが、これまでの資料等で書いてある内容と同じでございますので、省略させていただきます。


12ページ目からは、今度は「5 医療等分野の情報連携に用いる識別子(ID)の体系(具体的な制度設計)」についての整理でございます。


まず、12ページ目「(1)地域医療連携に用いる識別子(ID)の位置づけ」につきましては、まず情報連携はネットワークが不可欠である。他方で、同じ患者について、それぞれネットワークの管理システムで異なる識別子を用いて管理しているため、ネットワーク間の情報連携が円滑にできないという課題がある、としております。


「このため」のところでございますが、異なるID体系で管理された地域医療連携のネットワーク間において、患者本人を一意的に把握するための共通の識別子として「地域医療連携用ID(仮称)」を生成する。そうすることで、ネットワーク間での情報連携が可能となる、としております。


他方で、そうした位置づけをすることによって、それぞれの地域医療連携のネットワーク内での医療機関ごとの診察券番号など、現在のネットワークのID体系の仕組みが可能である、としております。


13ページ目、こうしたネットワーク間で一意的に識別するための共通のIDとして「地域医療連携用ID(仮称)」を用意すれば、ネットワーク間で用いるだけではなく、ネットワーク内で管理するIDとして用いることも可能である、としております。


この仕組みにつきましては、2つ目のパラグラフの下のほうで「地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針」これは地域医療介護総合確保基金の交付に当たっての計画の策定に当たって方針というものを厚生労働省で定めておりますけれども、ここにおいて、ICTの活用については、標準的な規格に基づいた相互運用性の確保や将来性の拡張性を考慮することを既にこの方針において位置づけておりますので、このネットワークの構築に際しては、病名等の厚生労働省標準規格と同様「地域医療連携用ID(仮称)」の活用を促すなど、その周知に取り組むことが求められる、としております。


13ページ目「(2)医療等分野の識別子(ID)の生成・発行の仕組み」について整理しております。


発行のシステム上、同じ識別子を複数の者が持つことのないようにする必要があるということで、イで、住民票コードと1対1で対応する医療等分野の一意性を持った「キーとなる識別子(ID)」をまず生成する。


ロで、これは原則として変更しない。生成・発行機関からも出さない。


ハで、この「地域医療連携用ID(仮称)」などをここから生成して、医療機関等に発行する、としております。


14ページ目、2つ目のパラグラフの「このため」のところで、支払基金と国保中央会がIDの生成・発行機関の役割を担い、支払基金が取得する機関別符号と1対1の関係となるように「キーとなる識別子(ID)」を生成する仕組みとすることで、IDの生成・発行することが可能となる、としております。


なお、生活保護受給者については、医療保険に加入していないということで、そうした発行が難しい、ただし、機関別符号自体は変わりませんので、生活保護受給者についてもそうしたIDを用意する仕組みを検討すべきとの意見があった、としております。


14ページ目「(3)医療等分野の識別子(ID)の視認性(見える番号とするかどうか)」ということで、2つ目のパラグラフになりますが、人の手を介さずにシステム間で連携することが安全で効率的である。セキュリティーの観点から、書面への書き取りや人の介在した漏えいを防止するという観点から、電磁的な符号を用いた仕組みが適当である、としております。安全で効率的な情報連携のインフラを志向する観点からも、電磁的な識別子(見えない番号)とすべき、としております。


15ページ目の1行目、患者が他者からIDの告知を求められるおそれがなく、人が故意に漏えいさせる危険性も相当程度小さい。したがいまして、これらの行為を制限する規制を置く必要性は小さいと考えられるが、その利用形態を精査した上で、利便性と安全性を確保された取り扱いのルールを検討する必要がある、としております。


「(4)医療保険の資格確認用番号(仮称)とレセプト情報の活用」について書いてございます。


現在の被保険者番号は、保険者を異動すると変わる仕組みになってございますけれども、過誤請求をなくすとか、保険者間での情報の事務の効率化等の観点から「資格確認用番号(仮称)」を用意し、オンライン資格確認や診療報酬の請求用の番号として利用すべきとの意見があった、としております。


他方、こうした番号につきましては、情報の突合が容易になる一方で、書き取り等が可能であり、不正に利用される可能性が大きくなる。このため、定期的に番号を変える仕組みや、あらかじめ想定している利用方法以外の方法で利用されることのないよう、利用方法をガイドライン等で定める必要があるとの意見があった、としております。


この「資格確認用番号(仮称)」の仕組みができれば、保険者で特定健診データとの効率的な突合や分析が容易になるだけでなく、行政施策や研究分野でのレセプト情報の飛躍的な活用も可能になり、こうした情報連携の基盤の整備に取り組んでいく必要がある、としております。


「(5)医療等分野の情報連携の識別子(ID)の発行・管理機関」についてでございます。


医療分野の情報連携の識別子の発行・管理につきましては、以下の理由から、医療保険制度の既存の運営組織として、支払基金、国保中央会が共同で担うことに合理性があると考えられるが、医療関係者や保険者の納得が得られ、安全で効率的な運営ができる運営組織と制度的枠組みについて検討していく必要がある、としております。


16ページ目は、合理性がある理由について整理しておりますけれども、1つ目はオンライン資格確認の仕組みと一体的に管理・運営する。


2つ目は、現在も医療保険のレセプトオンライン請求のネットワークがある。この既存のネットワークのインフラを活用する観点。


3つ目は「キーとなる識別子(ID)」は、支払基金の機関別符号と1対1で対応する形で生成することができる。


4つ目は、円滑に保険医療機関等をサポートできる体制も必要であると。そうした地域の実情に応じた対応も期待できる。


5つ目は、都道府県の国保連というものは、今も地域の医療提供体制の確保や保健事業の実施にもかかわってきている。そうした役割との関係を書いております。


「(6)医療機関等への地域医療連携用ID(仮称)の発行の仕組み」でございますけれども、パラグラフの1つ目で、IDにつきましては患者本人を厳格に確認した上で利用する観点から、個人番号カードによる公的個人認証の仕組みを用いてオンライン資格確認した際に、そのIDを発行する仕組みが考えられる、としております。


ただし、これを発行する仕組みにつきましては、個人番号カードがない方についても情報連携が必要だということでございますので、個人番号カードが普及するまでの間の過渡的な対応として、現在の被保険者証で「資格確認用番号(仮称)」を読み取れるようにするなど、個人番号カードがない場合でもオンライン資格確認ができる仕組みを用意すべきとの意見があった、としております。


一番最後の行で、これに対し、個人番号以外の方法はなりすましを完全には排除できないということで、機微性を持つ患者本人の医療情報とIDを確実に対応させて管理するためには、安易に他の方法をとるべきではないとの意見があった、としております。


17ページ目、最後に「6 医療等分野の識別子(ID)の普及に向けた取組」としております。


1つ目と2つ目のパラグラフは、これまで書いた内容についてで、こうした情報連携の活用が求められる中で、3つ目のパラグラフで、患者自身がみずからの医療情報の活用と必要性について成熟した理解がなければ、IDを用意するだけでは情報連携の基盤を十分に活用することはできない。このため、個人番号カードの利用方法を含め、みずからの医療情報を活用する目的や意義について、現場での説明だけに委ねるだけではなく、教育の場を含めさまざまな機会を活用して周知に取り組むことが求められる。


もう一つは、ネットワークの整備が必要である。また、複数のネットワークをつなぐ基盤や、レセプトのNDB、特定健診、がん登録等の各種データベースの基盤が整えば、そうした分析が進み、相乗的な効果も期待できる、としております。


18ページ目、最後にマイナポータルについてでございますけれども、マイナポータルは、個人番号のカードの認証機能を用いてアクセスするので、医療機関等で個人番号カードでオンライン資格確認する仕組みが構築されれば、将来的には希望する個人が医療機関等と連携して、マイナポータルを活用して、みずからの健康や医療の情報を把握し、健康管理や予防に活用できるようにすることも期待できる、としております。


こうした対応によって、情報連携の基盤を早急に整備する。ポータルサービスなど、国民自身がメリットを享受できるような仕組みにつなげていくことで、医療・介護の効率的な提供や保険財政への国民の理解が浸透していくことが期待される、としております。


以上が、報告書でございます。


資料2は、参考資料として、最初はこれまで御説明した内容について用意しております。


3ページ目、個人番号カードについて、裏面のマイナンバーが見えにくくなっており、裏面に数字がありますけれども、見えにくくした工夫が講じられることになっています。


8ページ目は、今回の番号制度の体系でございます。医療保険分野でも機関別符号を取りまとめることによりまして、そうした一意的な識別する基盤が整うということでございます。


10ページ目は、中間まとめを受けてオンライン資格確認でのカードの運用についてでございますけれども、マイナンバーを見えにくくするように表示するとか、裏面が見えないカードケースを活用するといったことでございます。


12ページ目が、前回お示しした体系のイメージをさらにもうちょっと整理させていだたいたものでございます。


「キーとなる識別子(ID)」は、支払基金の機関別符号と1対1で管理する、原則として変更しない。ここから地域連携医療のIDや、データ収集に用いる識別子ないしは「資格確認用番号(仮称)」、これは見える番号でございますけれども、従来の被保険者番号にかえて、保険資格の確認やレセプト請求等に用いることを想定しております。


13ページ目が、個人番号カードで資格確認をした際に、こうした電子証明書に対応してIDを発行する仕組みができるのではないかということでございまして、14ページ目がその具体的な仕組みについて、さらに書いております。


14ページ目、これは電子証明書を読み取って「地域医療連携用ID(仮称)」が来て、それがそれぞれのネットワークのシステムに入るといったイメージでございます。


15ページ目は、過渡的な対応が必要だという御意見がありまして、前回も石川先生の医師会の検討会の資料として出ていたものとほぼ同じもので「資格確認用番号(仮称)」を読み取って、それに対応して「地域医療連携用ID(仮称)」が来まして、それをそれぞれのシステムに搭載して情報連携する。この地域連携用のIDがそれぞれのシステムに入りましたら、これがそのまま置きかわって、ネットワーク内でもそのIDを用いる仕組みも可能と思います。


なお、16ページ目は、マイナンバーも災害時には用いるとしております。これも中間まとめのときにも御説明させていただきましたけれども、参考までに入れております。


17ページ目は、そうしたオンライン資格確認の基盤を活用して、医療分野でのIDを準備していくということについて整理したスケジュールでございます。


以上でございます。


○金子座長 ありがとうございました。


去年の12月10日から1年弱でございますけれども、今の御説明を聞いていますと、そのときのものを踏襲しながら幾つか整理ができたので、かなりすっきりしたかという気はいたしますが、まだ課題もあると思います。


時間的にはあと1時間プラスアルファ10分、15分ぐらいございます。たくさん時間がございますので、それぞれ皆様方の手を挙げていただいて、特にこれこれと決めて議論をしないでいいと思いますので、ぜひ闊達な御議論をいただきたいと思います。


石川構成員、お願いします。


○石川構成員 どうもおまとめいただきまして、ありがとうございます。


多少、文章が長くて難しい点もあると思うのですけれども、今までの議論を十分おまとめいただいたものだと考えております。


しかし、昨年の12月からこの間、いろいろな状況も少しは変化したと思うのですけれども、私たち医療現場でやっている者にとっては、マイナンバーの券面が確かに裏面が見えにくくなったりという工夫がされたり、あるいはジャケットを着せるという構想もあったなど、いろいろなことがありました。


しかし、マイナンバーというものは、附則の第6条にありますように、3年間を目途としていろいろと利用になれていただいて、その後に別表以外のことに利用範囲を増やすというのが私たちは原則と考えておりまして、医療現場でなるべくマイナンバーをちらちらさせないほうがいいだろうということは変わっておりません。


したがいまして、今回の文面で見ますと、オンラインの資格確認を中心にマイナンバーカードを持ち込むということについて随分長く書かれていると思います。しかし、例えば私などは小児科なのですけれども、子供さんを複数持っているお母さん方がマイナンバーカードを子供たちのものも用意して受診するなどいろいろなシーンを考えますと、マイナンバーではなくて保険証プラス、例えば今だと診察券という形が一番危険性が少ないのではないかとまだまだ考えているところでございます。


一つお聞きしたいのですけれども、資料2のポンチ絵があるところなのですが、ここでもマイナンバーが医療機関のエントリーの中心になっております。例えば10ページ目、これはオンライン資格確認のカードの運用ということでされていますけれども、ずっと来まして13ページ目、これも前から用いられているポンチ絵でございますが、医療機関には本人が個人番号カードを持って受付するみたいなことが書かれています。14ページ目も同じでございます。しかし、ここのところで本来は医療機関の中では医療機関の固有の患者番号みたいなものが使われているわけで、それを個人番号カードでどう引き出すのかというところについては、私たち医療機関の側から見るとどうするのかと。


この14ページ目には、医療機関Aで「医療機関Aの診察券番号」と書いてありますけれども、電子証明書を持っていくと自動的にそれを引き出せるようになるのかどうかということです。


15ページ目には、私たちが従来やっている診察券プラス保険証という形で出ておりますが、これが結局診察券プラス個人番号カードという形になるのではないかと思うのですけれども、あたかも個人番号カード1枚で受付ができるような感じで書かれていることについては御質問したいと思います。


○金子座長 どうぞ。


○高木企画官 14ページ目で、医療機関が1で電子証明書を読み取って支払基金に投げますけれども、この前の段階なのですが、医療機関のシステムで電子証明書をぴっと読み取ったときに、そのシステムの中に電子証明書が入って、そうすると、この「地域医療連携用ID(仮称)」が来る。ここの最初のひもづけをどうするのかという話かと思います。


そのときに、まずその方の管理を何らかのところで本当はしていると、そこのところはもうちょっと詰める部分があるのですけれども、15ページ目を開いていただきますと「資格確認用番号(仮称)」、これは今までの被保険者番号がそのまま入れかわるだけですので、そのシステムの中に入れるこうした仕組みが可能だと。電子証明書のときも同じようにこれがぽこっと入るかどうかということなのですが、もう一つはセキュリティーの話がございまして、電子証明書の扱いがそこでできるかというと、今後詰める必要があると思います。




もう一つは、「地域医療連携用ID(仮称)」が来たときにスムーズにぽこっと入るような形でできるかどうか。あらかじめ、もしかしたらその間に何らかのひもづけるものが先に必要なのかどうかとか、そこはシステムの流れのところになりますので、そこも含めて実務的に詰めていく必要があると考えています。


もう一つは、システムの改修も必要ですので、そうした改修のコストがどういった形になるのか、最初のインターフェースのところだけやればいいのか、その後のところも含めて全体的な改修の費用が必要なのかとか、そうしたことについても含めて精査した上で決めていく必要がある。そこの部分はあると思っています。


○金子座長 どうぞ。


○石川構成員 どうもありがとうございました。


そうしますと、15ページ目の、例えば保険証を患者さんが持ってくるところにこの個人番号カードをそっくりそのまま置いたのと同じだということですか。そうではないですね。


14ページ目のIDの発行・管理機関のところに向かっている「1.電子証明書」、ここの問題ともう一つの医療機関Bのところに来た「4.電子証明書」の問題が一つ、ありますね。これは確かにあると思うのです。


もう一つ私が現実的に言いたいのは、この医療機関Aなり医療機関Bの中で、診察券番号というのは実は患者さんが出ていくまでの間にさまざまこの番号が使われるわけなのです。採血のとき、レントゲンを撮るとき、そのときに通常は例えば磁気カードなどがついた診察券みたいなものを通したり、自分が受けている大学などではそうやったりするのですけれども、そういうものは実際には病院の中で、自分たちの番号のいろいろなデバイスが存在するということです。これが例えばエントリーだけで1枚のカードで全部できるとは全く思わないのです。


だから、基本的にはこの絵の描き方であたかも電子証明書で行きますと1枚で終わりのように見えますけれども、これは全く違うのではないかと。これは3年たっても4年たっても違うのではないかと思っていますので、その辺をあともう一回しかない、これが最後ですので、ぜひ書き直していただきたいと思います。


山形で大山先生などが実証実験をおやりになったと思うのですけれども、そこのところでも診察券というのが実際にあったのかなかったのか、病院の中で使われていたか使われなかったかということについてお聞きしたいと思います。


○金子座長 では、大山構成員、お願いします。


○大山構成員 今、名前が出ましたので私から申し上げたいと思います。が、山形での日本海総合病院のお話だと思いますがけれども、そこで場合には、診察券は従来どおりそのまま使っています。言い換えるとですから、あくまでもそれぞれの医療機関の診察券番号と証明書のシリアル番号とのをひもづけます。をやっていて、証明書のシリアル番号はどこへ行っても同じ状態になるので、期間機関をまたがる、あるいは地域をまたがってもそのシリアル番号で同一人物であるとつなぐことができます。


ただ、繰り返し申し上げているようにおりますが、正確に説明するために2ステップで説明させていただきますけれども、。ここで用いるシリアル番号というのは利用者証明のシリアル番号なので、証明書自体には氏名、住所等は全く入っていません。したがって、その証明書を見ても、一瞬で誰かはわからないというようにつくられています。


先日沖縄でも同じ質問があったので、ここでもう一回回答をちゃんと正確にします。ほうがいいかと思うので申し上げるのですが、一方、その利用者証明書は同じ番号なので通常ですと5年間有効になりますので、その意味で何カ所かの医療機関等でに使うと、この場合には匿名というよりは仮名になります。すなわち同じ人だということはわかるという意味で、匿名ではなく仮名という言い方になります。


ですから、地域をまたがるところでひもづけする場合にはされるときの話は、仮名でつながっているということになります。いまして、ですから、ひもづけテーブル等をそれを管理する人には、誰だかは実際にはわかりません。しかし、もちろん現場の医療機関の現場では、当然匿名の証明書あるいは仮名の証明書であっても実際の患者さんが誰であるかはわかっていると思いますので、そこはつながるようになっているということになると思います。


せっかく意見を言わせていただける場なので、もう一つだけ追加をさせてください。


同じように総務省ので今、実証事業にをやっている件にかかわることなのですが、うまくできればという前提がつきますがけれども、今年、その結果を出したいと思っていますが、電子証明書の今、申し上げています利用者証明書を番号カード以外のもの、すなわち例えば携帯電話等に本人の希望で追加発行するということを検討していますございます。


もしこれができますると、今度は医療機関側へ行っていただくときには個人番号カードではなくて今、言っています同じ証明書、シリアル番号は多分変わると思うのですが、その証明書で同じことができる。言い方を変えると番号のかわりにスマートフォン等をお持ちいただければ、などで資格確認等同じことができるようになりますことも視野に入って、今、検討を始めているところでございます。


実際にできるかどうかは、技術およびな問題とか制度の課題を解決しなければなりませんが問題はいろいろありますのでやってみないとわかりませんが、石川先生からの御指摘もずっと私も伺っておりますし、皆さん、周りからも番号カード以外でも使えるものが欲しいという要望がありますので、そのような検討を始めているところでございます。これは追加の情報でございます。


○金子座長 ありがとうございます。


ほかはいかがでしょうか。


では、佐藤構成員、お願いします。


○佐藤構成員 今の保険証をマイナンバーカードで運用したときの話なのですが、資料2の15番のスライドを見ながらですけれども、基本的に現状の保険証のような形でマイナンバーカードを扱った場合に裏面を見るとマイナンバーが見えてしまうというリスクをこの後どこかで検討することになります。


そのときに1点加味すべきと思うことについて補足します。現状、私の理解では保険証を診療のたびごとに確認するというのは、オンラインでの資格確認ができないから、毎回毎回物理的に保険証を持ってきてもらうことで確認する必要があると思っています。しかし、これが仮にオンライン資格確認ができるようになると、この絵で言いますと、医療機関Aの中に「資格確認用番号(仮称)」が格納されるのであれば、これをオンラインで確認することにより、患者さんに毎回毎回保険証を持ってきていただかなくていいような形に法整備をしていただくことで、マイナンバーカードを毎回持ち歩くというリスクから解放されると思っています。


さらに、この絵ですと医療機関Aの中に「資格確認用番号(仮称)」が格納されるのですが、この後、何らかの理由で「資格確認用番号(仮称)」を保存すること自体が問題となった場合には、それを保存する必要もありません。技術的な説明になり恐縮ですが、オンラインの資格確認のシステムに、毎回毎回「資格確認用番号(仮称)」を医療機関が問い合わせなくても、最初に番号を確認した際に、システムからクレデンシャルというもの、いわゆる証明値みたいなものを返して医療機関が保存しておけば、「資格確認用番号(仮称)」は要らなくて、そのクレデンシャルが引き続き有効かという問い合わせの仕組みを作ることができます。そのようなシステムにすれば、医療機関Aのところに「資格確認用番号(仮称)」を仮に保存しなくても、初診のときにそれを持ってきてもらえば、それでオンライン資格確認のシステムに送ってクレデンシャルをもらって、それ以降クレデンシャルを医療機関Aが格納して、同じ患者さんが来たらそのクレデンシャルが依然として有効かという確認をするということができます。


いずれにしても、マイナンバーカードを持ってくる頻度というのは初診のときのみという利用状況を想定することができますので、それも踏まえてリスクの判断をするといいと思いましたので、補足いたします。


○金子座長 ありがとうございます。


ほか、いかがでしょうか。


霜鳥さん、お願いします。


○霜鳥構成員 今のお話にもありましたけれども、この報告書の中にもありますが、保険者間で番号が違っていることに伴う保険の給付の調整というのは結構今は重い仕事になっていまして、それに関しては、我々としてはここでいう資格確認番号のようなものを早くつくっていただいて、具体的な段階に進めていただきたいというのが我々の希望でございます。


そのためには医療サイド、保険者サイドもありますので、ぜひその実務レベルのところを詰めないと、最終的にどこまで本当に大丈夫なのか、安全性も含めて把握できませんので、その段階でぜひ行政サイドで進めてほしいという要望だけ伝えておきます。


○金子座長 実際になるとまたいろいろなことが出てくる可能性はあると思います。今は、多分、それを形として整合性のとれるものを我々はここで議論しているのだと思います。さまざままたあると思いますが、それも含めて考えていきたいと思います。


ほか、いかがでしょうか。


では、山本構成員、お願いします。


○山本構成員 保険の資格確認番号なのですけれども、前回もたしか議論があったと思うのですが、介護保険をどうするのかという問題があると思います。


地域包括ケアを進めていく中で、確かに国保と介護保険は今のところ保険者が一致することが多いのでそれなりに突合できるのですけれども、それ以外の保険と介護保険のデータの突合というのはかなり難しいだろうと思うのです。そういう意味では、早く効果が出る一つの要素として介護保険を取り込んで、地域の中でのケアに生かしていくということが検討されてもいいのではないかと思うのですけれども、その辺はいかがでしょうか。


○金子座長 どうぞ。お願いします。


○飯山構成員(代理徳永理事) 国保中央会の徳永です。本日は飯山の代理で出席させていただいております。


国保中央会としては今、お話があった介護保険についてお話しさせていただきたいと思います。主に中央会としましては、市町村の国保、介護の事業運営の立場からつけ加えさせていただきたいと思っております。


前回、前々回、本会の飯山が発言しました「医療等」の「等」ということで、介護への拡大ということについてですが、まず我々としての結論から申し上げますと、医療保険と介護で同じ請求番号あるいは「資格確認用番号(仮称)」を使えるようにしていただきたいというところがございます。


市町村国保というのは、政府の方針に従いましてデータヘルス計画を作成してPDCAサイクルを意識した保健事業に取り組んでおります。国保のレセプト情報、特定健診の情報、介護の給付の情報というものをむすびつけた国保データベース、通称KDBシステムと呼んでおりますが、これを活用していただいております。


このKDBシステムと申しますのは、各種の統計情報を作成しております。例えばほかの保険者との比較をすることによって被保険者集団の特性ですとか、あるいは医療保険上の課題あるいは要介護になられる方の原因の疾病の把握などが容易にできるようになっております。また、医療保険給付と介護給付の関係も明確にひもづけられますので、介護給付の適正化にも寄与できると思っております。


さらに、現場では直接保健指導を行う保健師にとっては必要な情報を構成しやすくなり、よりきめ細かい指導を行うことが可能になっております。現に、市町村の国保あるいは衛生部門が地区の医師会の御協力を仰ぎながら効果的な保健事業を実施しているという事例もあります。このような取り組みが広がることで、生活習慣病の予防ですとか重症化予防、介護の予防だけではなく、医療費の適正化にも寄与できると考えてございます。


ぜひ、情報のひもづけがより効果的に行えるように、今、お話にありましたように、医療保険の請求番号、資格確認番号と言うのかもしれませんけれども、これを介護保険でも利用できるようにしていただきたいと思っております。


○金子座長 介護と医療の狭間につきましては、この研究会でも何遍も議論されておりましたが、システムのほうにつきまして、番号の整合性ということですけれども、事務局から何かございますか。


○喜多課長補佐 老健局の喜多と申します。


徳永先生、ありがとうございました。


私どものほうでも今、介護保険の総合データベースも所管しているのですが、医療と介護のそもそもの番号が違うですとか、介護保険だけでも転居などをすると被保険者番号が変わって利用者の方をずっと追えないという状況がございますので、医療と介護の連携ですとか、介護だけでも突合してずっと追っていくですとか、そういったことができないという状況がございまして、前向きに関係部局また国保中央会様を初めとした関係団体の皆さんと協議させていただいて、調整していきたいと思っております。


○金子座長 山口さん、お願いします。


○山口構成員 今、2025年問題に代表的なように、これから医療・介護ということを切れ目なく使っていく時代になることを考えますと、情報が切れてしまったら切れ目なく利用することもできなくなると思いますので、私も医療・介護というものが切れないような情報連携のあり方、ネットワークの中に必ず両方入る、そこに在宅も含めてですけれども、そういう情報の切れ目のないシステムということをぜひつくっていただきたいということが一つです。


先ほど佐藤構成員がおっしゃったように、せっかくオンライン確認ができるということで言いますと、私も何度も持っていくということだとオンラインになる意味がないのではないかとお話を伺っていて思いました。だから、1回登録をするとそれで今後は自動的に確認していただけるというあり方というのが、私も大事かと思います。


その上で、報告書の文言について触れてよろしいでしょうか。5ページの上段ですけれども、個人情報保護法の改正で「病歴」が「要配慮個人情報」になったということで、5ページの5行目の後半のところから「患者への適切な医療を提供するためには、医療機関同士の連携や」その後に「家族等への病状の説明は必要なことであり」と書いてあるのですが、これは家族にも先に知られたくないという方も今、増えてきていることと、非常に価値観の違いということも出てきていますので、少し丁寧に「患者の意思を確認した上で」という文言を入れていただきたいと思います。ざっと読んだときにどのような場合でも患者の家族への説明は大事なのだと読めてしまいますので、そこを少し丁寧に書いていただけたらいいのかと思いました。


もう一つは、12ページで「地域医療連携に用いる識別子(ID)の位置づけ」ということで書かれていまして、特に例えば「地域のネットワークを越えて情報連携が必要な場合に、同じ患者についてそれぞれのネットワークの管理システムで異なる識別子(ID)を用いて管理しているため、ネットワーク間の」という表現があったり、下のほうの「このため」から始まるところの後半に「それぞれの地域医療連携のネットワーク内では」とあるのですけれども、この文章の中で「ネットワーク間」と「ネットワーク内」が使われていて、こういう文言がないと、読んでいて「間」と「内」の違いというのが途中で混乱し始めたのです。


例えば、資料2の14ページにあるような地域医療連携ネットワークAとBがあるという図があると、この「間」なのだとか、この「内」だということが読んでいてイメージがわかるのですけれども、報告書ということで初めて読む人もいらっしゃるとすれば、できれば、13ページのところには「間」と「内」というものが何の説明もなく出てきますので、少なくとも「ネットワーク間」の前には「異なる」をつけていただくなどしていただけますと、文章だけでもイメージができるのではないかと。混乱を防ぐための工夫をしていただきたいということをお願いしたいと思います。


以上です。


○金子座長 ありがとうございました。


今、山口さんから3つ出ましたけれども、多分、2つは比較的御自身で答えを出されていると思います。事務局から先ほどの家族に通知するかとか、必ず同意が必要なのかどうかという点と「ネットワーク間」と「ネットワーク内」は少し言葉を挟んで明らかにしてくれと、その辺は、どうでしょう。


○山口構成員 同じ意味のように見えます。


○高木企画官 先ほどの「患者の意思を確認した上で」を記載することとか、また「ネットワーク間」のところは「異なるネットワークの間」とか「ネットワーク内」は「同じネットワークの中で」だとか、そういうよりわかりやすい表現にしたいと思います。


○金子座長 そういう表現の問題でよろしいということですね。


○山口構成員 ありがとうございます。


○金子座長 馬袋さん、お願いします。


○馬袋構成員 介護は、保険制度の問題と介護事業者として内容をどのように考えるかということが問われていると思っています。


この中で、私たち地域連携のメンバーは勘違いをしてはいけないことがあるのではないかと思います。地域情報連携のシステムができたら、利用者さん、患者さんの情報を自分たちが持っていて、でき上がったように感じてはいけないということです。


情報連携をつくるときに一番やらないといけないのは、地域で医療と介護のメンバーたちが利用者さんを中心として顔の見える関係から情報や確認の連携がとれていることがまずあって、そこから医療または介護を提供しながら必要な情報連携をしていくということがベースであること。その関係がないのに地域情報連携システムをつくったら、いかにも介護と医療の情報連携ができていると勘違いしてはいけないということです。


情報をいただく側として、情報には個人の大切な情報や家族の情報などがありますけれども、その情報の連携を管理し運用している内容について、トレーサビリティーがとれる状態であることが事業者には求められると思います。


そういった面では、まず、15ページであります地域医療連携ネットワークは、地域包括ケアの地域ケア会議等において醸成され、そして介護サービスの提供に真に必要な医療・介護など情報は何か、そして何のために使用するのかを患者さん本人にちゃんと説明できること必要と思います。サービス提供者側にもそう必要なタイミングではちゃんとできているという状況のもとにこの地域医療連携ネットワークがあるということでないと、ネットワークに参加することだけに意義があるということではないことを十分認識をしておかないといけないと思います。


制度上の内容も状態も違う中で、今、介護の内容をごっちゃにしてしまうとちょっと難しいのではないかと思います。まず、この医療等のIDの情報システムの構築が進み、そして地域の医療ネットワークの構築が進む中で介護の情報のあり方がもう一度ちゃんと形成される、議論をされる場をつくるべきではないかと思っています。


以上です。


○金子座長 確認ですけれども、今、馬袋さんがおっしゃったのは事業者とか地域の医療の人たちの心構えの問題としておっしゃっているのか、それとも仕組みとしておっしゃっているのかどちらか、両方なのでしょうか。


○馬袋構成員 両方あるのですけれども、介護というのは本当に地域で密着して仕事をしていきます。そういう面では、その地域の中でのまず顔の見える関係というのは、現場での連携において、私たちが患者さん、利用者さんに対してどういうケア、どういう情報連携をしていくことができていて、そして情報ネットワークを活用することを忘れてはいけないということ。事業者としては、そういうものがないのに情報だけとって何をするの ということになってはいけないということです。そこを整理しておく必要があります。


介護は多くの事業者数がある中で、組織として機能、運営できている状況であるかというとについて、まだまだ課題もあると指摘をされているところです。そういったところの醸成とともに、その情報のネットワークのあり方、運用について整備すべきであるということです。そのことは、ここでは書く必要はないけれども、理解をしておく必要があるということを改めてここで言っておきたいと思っています。


○金子座長 介護と医療の連携はいろいろなレベルがあると思いますけれども、両方ともに一つの共通点をつくっておきたいという話につきまして、ほかの御意見ある方はいらっしゃいますか。


これは前回もかなり議論はしたものですが、今回は事務局の資料では必ずしも明示的に共通させる事が入っていないということで御意見が出たと思います。事務局に私からお伺いしますけれども、私の理解では今までの議論は医療と介護の情報を全部連携しようという話では必ずしもなくて、両分野に共通の方法で個人のアイデンティフィケーションをとれるような仕組みをつくっていこうということかと思います。実際にそのような連携方法をとるかどうかはここではまだ何も結論は出ていないと思いますけれども、そのような連携の仕方を考えてよいか、次に情報の中身、データの中身をどうするかなどはまた別の議題ではないかと私は理解しているのですが、事務局のされた説明はそういうことでよろしいでしょうか。


○高木企画官 はい。


○金子座長 今のことについては、みなさまいかがでしょうか。


○馬袋構成員 そのことだと認識しています。例えば患者さんの情報とか内容も全部合わせて介護事業者も管理すると誤解をしている部分がありますので、まずは患者さん本人が使われるさまざまな社会保障の保険制度の中の効率的・効果的内容というものを整備していく段階と、そしてうまくいきだしたときに今度はそれを使って地域連携をする価値のある情報をどのようにお互いが連携していくというかという順番を間違えて、誤解してしまうとかえっておかしくなるので、そういう内容を理解すること。やるべきことは、本来の顔の見える連携という原理原則のところを高めながら次へ行くということを理解しないといけないということの意見です。


○金子座長 実際は介護現場では、例えば救急車を呼ぶか呼ばないかみたいな場面をはじめとして医療の関与が必要ではあるけれども、かといって、介護と医療の情報をすべて一緒にしようということではないと、こういう話でよろしいでしょうか。


介護と医療のある程度の連携可能性を担保した仕組みにしておくということではないかと思いますけれども、そのことで御議論、御意見がある方はいらっしゃいますか。よろしいでしょうか。


それでは、別のトピックで意見のある方、お願いします。


事務局にお聞きしますが、今の整合性を保つようなことをするときには、きょうの仕組みでいうとどこをどうしたらいいのでしょうか。先ほどからのご説明では明示的にその方法が聞こえなかったのですけれども、何かお考えになっていらっしゃいますか。


○高木企画官 参考資料で申し上げますと、14ページ目と15ページ目は基本的に医療連携IDで同じなのですけども、15ページ目で御説明させていただきます。


ここの地域医療連携ネットワークAがございます。この管理ID(A)と管理ID(B)が実はそれぞれ異なっていると。その中で、その情報連携をするときにネットワーク間でやるときに「地域医療連携用ID(仮称)」があると便利だということで、それで連携するという仕組みになっております。


次に、この管理ID(A)、この患者さんについて「医療機関Aの診察券番号」と書いてありますけれども、その下に「医療機関Xの診察券番号」と書いてあります。これを「医療機関X」ではなくて「介護事業所」にしてもいいと思います。介護事業所にした場合に、介護保険の事業所はこうした医療保険のオンライン資格確認の仕組みがなくてもネットワークの中に入っていれば、ある医療機関Aで「地域医療連携用ID(仮称)」を取得した場合には、このID(A)と「地域医療連携用ID(仮称)」が置きかわってもいいと思うのですけれども、このネットワークの中で介護事業者も「地域医療連携用ID(仮称)」を使うことができる。つまり、ネットワークの中にまず入っていることが重要であるということを前回、申し上げました。


でも、先生はそれももちろんそうだし、ただ、そこがまず重要だということをおっしゃっていたのだと思うのですけれども、さらに言えば、このネットワークシステムの前に、患者さんを中心とした専門職がきちんと連携して顔の見える関係をつくっていく。まず、そこがあって、その次にネットワークがあるのだということをおっしゃっていただいたのだと理解しました。。


○金子座長 馬袋構成員、お願いします。


○馬袋構成員 前回のときは、ここの地域医療連携ネットワークAの医療機関の一例に「介護事業者」と書いてあったのが、今回の「医療機関X」に、その記載だけだと思います。だから、先ほどの「医療機関X」を「介護事業所」と置きかえればという話で認識をしております。


ですから、今、地域のネットワークの中に介護事業者が入っています。そのネットワークが運用される中にいて継続されていくということ。それは利用者さんがここで地域医療連携の番号である「地域医療連携用ID(仮称)」を持たれるということによって、連携の中に入っていくということだと理解しています。


○金子座長 私の理解も十分ではないのですが、多分、前回と今回の違いは今回になって「地域医療連携用ID(仮称)」というコンセプトをはっきりと打ち出したということだと思います。名前をつけただけなのですけれども、これがあることによって例えば今の話ですと、仕組みはあるので参加をしたい人で地域医療番号と自分たちがやっている番号が何かあったら、そこのひもづけをすることをよしとする介護事業者は入ってくれ。入れる入れないの話ではなくて、入れる。ただ、それがあるからといって医療の情報と全部連携しなければいけないということではない。というのが私の今の理解です。そういうことでよろしいでしょうか。仕組みとしてはつくってある。実際、医療と介護は密接で、その連携はとても重要な問題だと思います。


石川構成員、お願いします。


○石川構成員 もちろん医療と介護の連携は重要だと考えてのお話なのですけれども、これは14、15ページということで言えば、介護の分野のところでエントリーといいますか、かかるときにマイナンバーカードでかかるということは非常にあり得ないので、そこのところは基本的にはいろいろな施設でも同じだと思うのですが、保険証みたいなものがあって、あるいは診察券みたいなものがあってという形になると思うのです。


介護の分野というのは、マイナンバーとの関係というのは今後、非常に見られるのではないかと思っているのです。既にそういう兆候も出てきたりしていますので、私はよりこの15ページのこのポンチ絵の(過渡的な対応のイメージ)とわざわざ括弧をつけて入っていますけれども、これは抜いてもらって、こちらでしばらく運用するということは介護でもスムーズにいくのではないと考えています。


○金子座長 ありがとうございました、


私、座長ですが、ちょっと発言すると、介護事業者などでは意外とマイナンバーカード自体を高齢者の方のIDを確認する手段として使いたいという話を幾つか聞いておりますので、逆に医療よりもこちらのほうがマイナンバーカードの利用が先行するかもしれなし。これは私の雑談でございます。


ほか、ございますか。


樋口構成員、どうぞ。


○樋口構成員 基本的なところへ戻ってなのですが、報告書で言うと2ページ目のところ、焦点は結局、マイナンバー制度と今度の医療等IDというものがどう関係づけられるかと、いろいろなコストを考えると、いろいろな形で利用していいと。しかし、別のものだという話になっていますね。


2ページ目の上から2つ目のポツのところで、これは法律で決めてあるようですからこのとおりなのだと思いますが、既にマイナンバーの自治体間での予防接種履歴の管理と、保険者が特定健診などの健診情報の管理にマイナンバーを用いることは、このマイナンバー法でも認められていると。


それで、この参考資料で言うと、最後のページのところを見て、これは今後のイメージなので、この予定どおりにいくかどうかはともかくとして、上のほうで、ステップ1で「行政機関における医療分野での利用拡充」というもので、これもどちらも行政情報という話で、これはマイナンバー法の中に入るだというので、上へ大きな矢印がありますね。これが先行する。医療のほうは、もう少しステップ2というか3というのかという話になっていますね。


しかし、まず単純な質問としては、上のほうのデータだって、まさに医療情報で、健診データであれ、予防接種の履歴であれ、もちろん個人の情報でもありますね。


この今の参考資料の4ページ目へ戻っていただくと、これは先ほどの中間まとめというところでも既に出ていたもので、今度の医療等、つまりマイナンバーとは違うもので番号をつくって情報連携が想定されるユースケースというのはこのぐらいの話がありますという話で(1)から(6)までありますね。これはまず変わっていないと考えてよろしいのでしょうね。


それと、先ほどのマイナンバーで可能なものとのそれこそ情報連携というのか、区別というのか、あるいは仕分けというのか、あるいは仕分けていなくて、こちらで管理できるものが一つ医療関係でもあって、医療等IDができるともっと広がるような話になりますと理解すべきなのか、その関係を教えていただくとありがたいということです。


○金子座長 では、図の描き方も含めてお願いします。


○高木企画官 まず、4ページ目の図は去年の中間まとめの資料をそのまま使っております。これは当時、マイナンバーに限定せず、いわゆる医療分野での情報連携、その場合に識別子があると便利だと。その識別子がある分野として、識別子によって情報連携ができる分野というものはどういうものかを整理しているものです。ですので、そうしたことについてどの識別子を使うとか、そういうことについて整理したものではございません。何らかの識別子によって、こうしたメリットが生まれるであろうということを全て掲げているものでございます。


次に、17ページ目の資料でございますが、厳密に申し上げますと、文章も注意して書いたのですが、法律上は予防接種と保険者の健診に関する保健事業についてマイナンバーを使うことができるのですが、保健事業のほうは、マイナンバーによって情報連携をするわけではございません。情報にマイナンバーを使うことができるというだけで、保険者同士で情報連携するときには、もともとマイナンバーの仕組みというのは、マイナンバーでは情報連携しない、そのものでやらないで符号でやる仕組みになっております。この仕組みというものはいわゆる本人同意を得ずに自動的にできるような仕組みになっております。マイナンバーの情報連携の仕組みというのは、中間サーバーにあらかじめデータ標準というものが決まっていて、それを入れるとそれが相手から照会があったときに自動的に行く。これによって効率的な仕組みというものを担保しております。


他方で、健診の情報というのは、もともと情報提供に当たって本人の同意が必要となっておりますので、このマイナンバーの情報提供ネットワークシステムにそもそも載らないのです。ですので、情報連携ではなくて、単に保険者が健診情報を管理するのにマイナンバーを使うことができる、としております。


他方、予防接種のほうは、もともと改正前の法律で、既に市町村は予防接種の管理にマイナンバーを使うことができるとなっていたのですが、情報連携のところまで法律上の手当てがされていなかったので、市町村間で予防接種の履歴の情報連携、これは情報提供ネットワークシステムを使ってやるのですが、それをやる。これはあくまでも本人同意がなくても、いわゆるその人が必要な予防接種の情報を提供するためにも必要な情報でございますので、そういう手当てをしています。


さらに言えば、保険者は健診情報にマイナンバーを使うことはできますが、健診情報全てにマイナンバーをべたべたつけて管理するわけではなくて、基本的には今も被保険者番号で管理してありますし、保険者は被保険者番号とマイナンバーのターンテーブルを持つのです。そのときに、健診情報のところだけそれがうまくできないと法律上支障があるだろうということでやっているわけでございまして、保険者間ではどうやって情報連携するかというと、今回のマイナンバーの仕組みで互いに共同で見ることができるという仕組みができますので、それぞれの保険者さんでどういう被保険者番号であったかというものを共同で見ることができるという仕組みをつくりますので、そこで健診情報の連携も必要であれば、そういう情報の連携を見ることもできますし、そのときに、法律上、手当てしておかないとさすがにまずいだろうということで手当てしているということでございます。


○金子座長 今のは保険者間で異動したときのみにそれが参照できるという話ですね。


○高木企画官 厳密に申し上げますと、参考資料の7ページ目で、今回、保険者間の情報連携の仕組みについて、法律上の手当てをしております。


この仕組みというものは、もともとマイナンバーの仕組みというのは、情報連携をする際には必ずこの情報提供ネットワークシステムを使うということになっています。マイナンバーそのもので情報連携はできない仕組みにしておりまして、それぞれの利用機関ごとに、互いに知らない、互いにどういう暗号を使っているかわからない形で安全にやっている。ですので、マイナンバーが漏れても絶対にその情報のところにアクセスができないような仕組みになっています。


他方で、保険者間の連携というのは、この仕組みをそのまま情報提供ネットワークシステムを使うとなると一々保険者ごとに違う符号をとって、しかもそれでやらなくてはいけないということで、そこはもうちょっと効率的にできないかということで、支払基金のかさのもとで、それぞれの被保険者番号、今、使っている仕組みも活用しながら、より効率的にできる。そうしたことをやるためには法律的に共同でそうした事業をやっているという手当てをしないといけないということで、国保法等を改正し、これによって医療保険の仕組みについては効率的にできる。かつ、マイナンバーのインフラも活用しているということになっております。


○金子座長 そういうことだそうです。


ほか、ございますか。


私からひとつ。「情報提供ネットワークシステム」というものはほとんど普通名詞なので、報告書で注意なしにその言葉を特定の意味があるものとして使ってもらうと混乱してしまうのではないか。なにか新しい名前をつけていただくか、それが何を指しているのか簡単な説明が欲しいと思います。コメントでございます。


ほかに御意見、ありますでしょうか。


山本構成員、どうぞ。


○山本構成員 先ほどの石川構成員のご発言で、これは過渡的ではなく当面はこれだという御意見があったのですけれども、それは、この個人番号カードの配付状況によって随分変わってくるとは思うのです。


一つは、現状での申込状況はどのようなものか、お分かりでしたら教えていただきたいと思うのです。


○金崎参事官 済みません。まだ通知カードの配付途中ですので、申込状況は把握しておりませんけれども、今、オンラインでスマホなどで申請ができるようになっておりますので、申請は確実に毎日来ているという話は聞いております。


○山本構成員 少なくとも私は申し込みましたから申請は来ているとは思います。


もう一つは、大山先生が言われているように、個人番号カードだけではなく、公的個人認証を使うことができるようにというのも大事ですし、顔写真がないと本当の意味での本人確認は少し落ちますが用途によってはいいのだろうと思うのですが、いずれにしてもこれから先ネットワークを通じたサービスが増えていく社会の中で非常に重要な要素では確実にあると思うのです。


したがって、ぜひ普及させてほしいと思います。しかし、これはきちんと教育しないと間違って使ってしまっては非常に危ないことになりかねず、今は私も届いて申請してわかったのですが、手続はわかりやすいです。ネットで申し込みし、非常にわかりやすかったのですが、一体これにどのような意味があるのかというのが、あの説明書にはほとんど何も書いていないのです。


政府のホームページ等を見れば少しは書いてありますが、全員が持つことを前提にするのであれば、もう少し優しくて、誰にでもわかって、なおかつこれが重要で、受け取ったら大事にしなくてはいけないのだと理解できるような方策が要るのではないかと思うのです。


そうしてたくさんこれが普及すれば過渡的になると思うのです。普及しなければずっとこの状態で動きますので、今の状況だけで過渡的とはなかなか言えないような気がします。例えば10年間後に、結局みんな公的個人認証サービスを使うのだということになれば、これはこれですばらしいことだと思うのです。ぜひその努力をお願いしたいということを、毎回のように言っていますけれども、お願いしたいと思います。


○金子座長 誰に対してでしょうか。


○山本構成員 内閣官房と総務省ですか。その2つにお願いしたいと思います。


○金子座長 では、大山構成員、お願いします。


○大山構成員 山本先生がおっしゃるのはそのとおりで、いつも感じ入るところがいろいろあります。のですが、その意味ではIDについてはというものの本質に戻って考えることが重要ではないかと思います。ほうがいいのかと。すなわちIDというものは、憲法で保障されている状況を考えた場合には、IDがあるからその人の権利が守られるといえるのと思いますのが基本だと思うのです。言い換えると、もしIDがわからないとしたら、その方がどこの誰であるかがだかわからないということになります。と、わかりやすい例としてはいつも言っていたのは、選挙権で被選挙権でも選挙権でも、地方選挙を考えあげることができます。すなわち、その方の居住地がどこに住んでいるかわからなければ、その方のもう持っている権利、この場合には選挙権と被選挙権を有無が確認できませんが違っていると、こういう話だと思います。


今回の医療等分野における識別子なのですが、やはり(ID)と明確に書いてあるので、それを見ると、我々国民から見たときにこれをもらうと何がよくなるのかを明確にする必要がありますが実は余りよくわからない。


多くの方が一番、通常望むのは心配するのは、患者の取り違い防止やをしないでとか、あるいは医療費についても通常の範囲を超えているかもしれませんけれども、内容から見ると控除をしてもらうときにほかの人の医療費の透明化、さらには病歴等の医療情報の安全な管理などであると思いますとごちゃごちゃにするのはやめてという、その辺のところはどちらの言い分というのはいろいろあるところなのですが、そういうこのような基本的なところをしっかりできるようにすることが大事であるとおもいますだろうと。


別の言い方をすれば、医療保険というものは必要なみんな我々ののセーフティーネットなので、保険料等の必要な費用はちゃんと払ってくださいとなります。一方、社会保障で生活保護を含め、さまざまな形で受けている人われわれは守られているのでだから、それは現状通りそのとおり受けてくださいいただいて結構なのですということを明確にすることが必要ですだと思うの。要は、現状制度を正確かつ効率的に実施すべきということです。


そう考えるという意味で見ると、今回の報告書はそこら辺の書き方は非常に弱くて、どちらかというと医療側のお話は多いのですがけれども、国民にとって何が変わるのかがのというときに、いま一つよくわかりません。このようなことを偉そうに言っていると、実はIDカードをやっていても同じことで、番号カードを持つ何の価値は何なのかがあるのというのはと全く同じ質問になります実はなっていまして、。どう答えられるのかのかとをいつも悩みながら、番号カードの普及に努めているところです。やっているところなのですが、先ほどスマホを初めとするほかのと言いましたが、これは


クレデンシャルという言葉を佐藤構成員がお話しになりましたが、間違ってはいけないのがは、前回も申し上げたことですがですけれども、人手と時間をかけて全国の自治体でが希望頂ければ全ての住民に、対面で本人確認をして全員に一つずつカードものを渡していくことの重要性ですです。それこれが起点になってスマートフォン等の他の媒体ほかのものにつなげるとこができるのです。このような作業は、その仕掛けを有史以来というと変に聞こえるかもしれませんがですけれども、今回初めて実施するのですやるわけです。ですから、時間をかけてやること。


新たに生まれる方については、自動的にこれからうまくできるのでやっていけますので、その意味では、実は最大の恩恵を受けるのは我々のはずなのです。我々IDを持っていない人間のはずなのだけれども、どうもそこがしっかりと伝わらない。この辺は樋口先生を初め、金子先生にも同じようにうまい説明の仕方を考えていただけるとありがたいと思うのですけれども、私はそれをずっと思っているからこれをやってきたつもりでありまして、その意味で、今回先ほど言ったスマホの話も、これは最初の1枚があるから最初に渡っているから次ができるので、逆にスマホから始めればという話とは全く違うということをお間違いなきようお願いしたい。その意味では、クレデンシャルで1回オンラインでやればという話もそうなのですが、それはそのクレデンシャルの起点があって、あとはいつ何回どうするかというのは運用なので、そことはまた分けて、この先、細かく考えるべきかと思います。


最後に、今から言うと怒られるかもしれませんがので同じなのですけれども、何か国民向けのメッセージはないでしょうか。何ができ、何が変わるのかをというもの、山本先生、何かこれはいい説明することが重要と思いますがないですか。


○山本構成員 たくさんあると思うのですけれども、じっくり考える必要があります。


この報告書の最初のほうに書いてありましたが、中間まとめでも、医療等IDが何で要るのかは、私は国民にとって自分の情報を知る権利を確保するのだということが一番大事だと思うのです。それが個人にとっては一番大事。


2つ目は、医療・介護の透明性を上げるのだと。これが2つ目の重要な点、この2つが国民の全体として及び個人としてのメリットです。あとは医療・介護の効率を上げるのは間接的なメリットで、直接的なメリットは個人の情報を追跡可能にすることと、透明性を上げる。これはこれから先、高齢化が進んで、どんなに頑張っても不足すると思うのです。そうすると、ある程度のサービスの低下や負担の増もやむを得ないかもしれない。そのときに、誰かが勝手に決めたではなくてみんなが納得して受け入れられるような制度に持っていかないといけないわけです。


そのためには、これからの社会ではサンプリングではなく悉皆的なデータの提示が避けられないので、そのためにIDが要ると。レセプトなど費用面はわかってもサービスがわからないですから、今、それをきちんと評価するためのIDが要るのだというのが12月の時点で私の考えていたことで、またゆっくり考えてみます。


○金子座長 事務局、何かございますか。


○高木企画官 今、御意見をいただいた部分などは、18ページ目が、6の最後のところにもう一度きちんと、表題も「国民への理解」など変えてもいいと思いますけれども、そうしたところについて、自分の情報を知る権利を確保するとか、透明性を上げるとか、今、おっしゃっていただいたまさにIDができることによって、どうしたメリットが国民に浸透するのかということを書き込むということは、座長とも御相談させていただきます。


○金子座長 そのほか、いかがでしょうか。


馬袋さん、どうぞ。


○馬袋構成員 先ほど、山本構成員のおっしゃった内容は確かにそうです。それは公平性、透明性、客観性というこの3つの要素が必要とされると理解をしたら、自分のIDを持つことで自分に与えられる権利もあるけれども、責任もあるという公平性と、動かしていることが透明であること、もう一つは客観的な内容をもって政策を決め、負担を理解していくことと、さまざまな社会保障の享受にあずかるには客観的なものを根拠とするということで、公平・透明・客観という要因なのかと思いました。意見です。


○金子座長 石川構成員、お願いします。


○石川構成員 あと一回でまとめていただけるということなのですけれども、思い返せば、2009年民主党政権のときからこのマイナンバーの話はありまして、私は当時の政権のときにヒアリングをいっぱい受けているわけです。そのときの議論から、医療界は医療の現物給付のところにマイナンバーを使ってもらいたくないということをずっと言ってきて、それが今につながっているわけなのですけれども、気持ちは全く変わっていないのです。


この間も樋口先生や森田先生の論文が出たりして勉強させていただいていますけれども、私たちは守るべきものというのが患者、国民のプライバシーだとかということも含めて、一つの番号で全部つながりがあるような、いろいろと符号にしたり、変換はしますが、そういうものが出てきてはまずいだろうということは全く変わらないことであるのです。


ですから、日本の国の人たちがこの番号制度ということについて、自分のそれがあってもプライバシーが十分守れて権利が守れるということに熟練するまで、私たちは少なくとも医療・介護のところは別番号でやらせてもらいたいというのが本当のところです。


それでもって、私たちがやっている医療連携・介護連携、ここのところは番号があったほうが便利なのです。それは間違いないのです。便利だし、いろいろと間違いも少ないのはもちろんですから、ぜひそういうことであと一回のところではまとめていただきたいということで、高木企画官のお力にすがるしかないと思っています。


○金子座長 いかがでしょうか。


では、佐藤さん、お願いします。


○佐藤構成員 書き方をわかりやすくするための意見です。報告書(案)の資料1の12ページのところから「(1)地域医療連携に用いる識別子(ID)の位置づけ」というものが始まって、これがずっと13ページに流れていくのですけれども、今、読み返してみると、13ページの上から5行目「特に」というところがあるのですが、この「特に」を境にして前段が医療のことを言っていて、「特に」のところから後段が医療と介護の連携の話になっています。


改善案として、12ページの(1)の下に小見出しを、例えば「a 医療における位置づけ」として、13ページの「特に」の手前で改段落して、ここから「b 医療と介護の連携における位置づけ」などの小見出しを付けていただくと違いが目立つと思います。後段の文章は、「特に」という言葉のかわりに、その2行下のところにある「医療と介護の連携も推進する観点から」という言い回しを使って「医療と介護の連携も推進する観点では」にしていただくことで、2つの内容が書いてあることを目立たせていただくといいと思いました。


また、私も先ほど山口構成員から言われるまで見落としていたのですが、13ページの※印のところは医療機関Aと「介護事業者B」と明記されているのですが、何となく先入観で資料2の15番のスライドの医療機関Aと「医療機関B」のことを書いているのかと読み違えてしまっていました。ここは「介護事業者B」と書いてあるので、「地域医療連携用ID(仮称)」というのは、医療機関に横串が刺さるし、介護事業者にも横串が刺さるということを丁寧に書いていただいていたのですが見落とされやすいかなと思いました。こちらのBは医療機関ではなく介護事業者であるということを何らかの形で目立たせられないかと思いました。


○金子座長 ありがとうございました。


「医療機関アと介護事業者イ」とか、それは冗談でございますけれども、何かはっきりわかるようにということで、わかりました。


山口構成員、どうぞ。


○山口構成員 私も図があったほうがわかりやすいと思います。


先ほどの国民へのメッセージが少ないということがございまして、きょうの議論をお聞きしていても、これはみんなが理解するのは本当に難しいということを改めて感じています。


私も国民に対してしっかり説明していくことが必要だということを早い段階から申し上げて、これを17ページの6の2つ目のパラグラフのところに書いてくださった、生かしてくださったのだと思います。下から3行目「このため、個人場合カードの利用方法を含めて、自らの医療情報を活用する目的や意義について、現場での説明だけに委ねるのではなく、教育の場を含め様々な機会を活用して、国民への周知に取り組むことも求められる」と触れていただいているのですけれども、とてもきれいに書いてあるのですが、一体どこがするのかということが書いてあると書いたということになるのですけれども、結局こういうときは誰かがするのだろうぐらいの漠然としたことになってしまっているように思います。できれば、ぜひどこがこれをしっかり責任を持ってするのかというところを何かもう少し明確にできないかと。


具体的に本当に取り組まなければいけないというメッセージ性が伝わるような内容に少し工夫をしていただければと、先ほどからの議論をお聞きしていて思いました。


○金子座長 ありがとうございます。


ほか、いかがでしょうか。


それでは、私は今、座長としてというより一構成員としての発言なのですが、今日、事務局から説明のあった報告書案は概念的にすごくきれいにまとまった文書だと思います。ただ、やや懸念しているのは、例えば、保険資格確認がうまくいくということは、もちろんよいことで重要な問題であるわけですけれども、それだけでは実感として「医療IDがあってよかった」という、国民ひとりひとりのレベルで感触を、はたして多くの人にもってもらえるか。そうならないと医療IDについて国民の関心や支持は得られないのではないかと懸念するものです。


金崎さんが発言されましたけれども、マイナンバー自体がまだそういうメリットを説明できていない。医療等IDがひとりひとりにとってメリットがあるということを、最終まとめでどのくらい書くかに関しては、私はたくさん書いたらよいと思うのですが、報告書まとめに書くのがいいのかどうかはいろいろなご意見があるでしょう。一構成員としてはたくさん書いてほしいと思います。


これは個人的なほんの小さなエピソードです。私はアメリカで十何数年働いていまして、今はいわゆるペンションをいただいております。この間、急に勤務先の州からレターが来た。それによると、私の身分や税制上のステイタスについて、アメリカの国税庁からフォームが送られてきてなるべく早く提出しろというのです。「それをしないとペンションが30%引かれるぞ」ということでした。突然でびっくりしたのですが、そのフォームにどう希求してよいか分らない。英語だからというのではなくてアメリカの税金や国際条例などについての用語がわからない。しょうがないからその州の担当者に直接電話したのです。そしたら、まずソーシャルセキュリティーナンバーは幾つかと聞かれたわけです。言ったら「ミスターカネコ」とわかったようで、あなたはこうこうだ、こことこことをこうしなさいと言われて、何と5分間でフォームの記入が片づいてしまった。


ソーシャルセキュリティナンバーだけで本当に私かどうか確認していいのかなど、疑問がないとは言えないのですが、それを別にすると、どうしようと思っていた難題が電話一本で済んで、これは便利だなと感心し、ソーシャルセキュリテイナンバーがあって本当によかったなと思ったわけです。


このこととマイナンバーの議論はかなり違うと思いますし、マイナンバーは複雑で確実な仕組みになると思いますけれども、私は「よかった」と実感したわけです。こういう実感というものが来れば、みんながマイナンバーも使うようになるのかなと思いました。


私が長く話しました。時間はまだございますが、何か言い足りない方はございますか。よろしいでしょうか。


それでは、このあたりで議論を終えたいと思います。きょうもいろいろと御議論いただきまして、ありがとうございました。


年内にもう一回あるかもしれないという話が前にございました、また、もう一回会議を開催する準備を事務局はしていたと聞いておりますが、報告書(案)につきましては、本日意見を大体いただいたと感じておりますので、今日いただいた意見、また、これからメールなどでいただく意見もあっていいと思いますが、文章の修正などについては私に御一任いただくということでよろしいかどうか、まずお伺いしたいのですけれども、いかがでしょうか。


(「異議なし」と声あり)


○金子座長 ありがとうございました。


それでは、本日はここでおしまいにしたいと思います。


昨年の5月以来、2年間にわたって10回会議を開催しましたが、その中ではいくらか迷走したようなこともありましたし、説明がよくわからないみたいなことも何度か、ありましたが、今日の報告書案といただいたご意見で大分整理されてきたのではないかと私自身は感じております。それも皆様方からたくさんの御意見をいろいろな立場からいただいたことで可能になったのではないかと思います。ありがとうございました。


事務局から、何か御連絡はございますか。


○高木企画官 大変ありがとうございました。


報告書につきましては、また座長と御相談の上、今日いただいた意見を受けまして、修正をしまして、また構成員の皆様にも御確認をお願いした上で、その取り扱いについて御報告させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。


○金子座長 それでは、研究会を終了いたします。どうもありがとうございました。


 
(了)
<照会先>
政策統括官付情報政策担当参事官室
政策企画官 高木有生(2242)
室長補佐 青木穂高(7671)