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2022年2月2日 第44回 厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会(議事録)

健康局健康課

○日時

令和4年2月2日(水)13:00~

 

○場所

AP新橋 3階Aルーム


○議題

<審議事項>
1.健康日本21(第二次)の最終評価の進捗及び次期国民健康づくり運動プランに向けての課題について
2.健康増進施設の利用促進について

<報告事項>
1.東京栄養サミット2021 について
2.令和2年度喫煙環境実態調査について
3.予防・健康づくりに関する大規模実証事業について
4.PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)について
5.「新しい生活様式」における予防・健康づくりについて
6.第4期特定健診・保健指導の見直しに関する検討会について
7.歯科口腔保健の推進に関する専門委員会について
8.地域保健対策の推進に関する基本的な指針の改定について


○議事

第44回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会
                 
○磯崎健康課長補佐 それでは定刻になりましたので、ただいまから第44回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会を開催いたします。本日、議事に入るまでの間、議事進行役を務めさせていただきます健康局健康課の磯崎と申します。どうぞよろしくお願いいたします。委員の皆様には、御多忙の折御参加いただき、御礼申し上げます。本日は、委員の皆様にはオンラインにて御参加いただいております。なお、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、報道関係者及び一般の方の傍聴は行わず、代わりに会議の模様をYouTubeによるライブ配信にて公開しておりますので、御承知おきください。
 本日、健康局長の佐原が出席予定でしたが、他の用務のため、欠席となりました。なお、開会に当たり、代わりに健康課長の佐々木より御挨拶申し上げる予定でしたが、ただいま別の公務のため、遅れておりますので、後ほど御挨拶差し上げたいと思います。
 議事に入る前に、Web参加者への留意点、本日の出欠席状況等について御説明いたします。まずオンラインでの参加の方に向けてお願いです。ビデオカメラはオンにしていただくこと、発言時以外はマイクはミュートにしていただくこと、発言される場合には挙手をしていただき、部会長からの指名後、発言いただくこと、発言時にマイクをオンにしていただくこと、発言時に名前をおっしゃった上で発言をしてもらうこと、発言が終わったらマイクをミュートにしてもらうこと。注意点は以上です。よろしくお願いいたします。
 続いて、資料の確認をいたします。事前にお送りしているファイルに不足がないか御確認ください。座席表、委員名簿、議事次第があります。資料として、資料1-1から資料1-5と参考資料1、資料2から資料10までが本日の配布資料になります。不備がありましたらお申し付けください。
 次に、前回開催以降に委員の改選がありましたので、新しく当部会の委員に御就任いただいた6名の方々を御紹介いたします。健康日本21推進全国連絡協議会幹事、荒籾忠志委員です。
○荒籾委員 よろしくお願いいたします。
○磯崎健康課長補佐 全国保健師長会会長、清田啓子委員です。
○清田委員 よろしくお願いします。
○磯崎健康課長補佐 全国町村会理事、大阪府岬町長、田代堯委員です。
○田代委員 よろしくお願いします。
○磯崎健康課長補佐 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事、津金昌一郎委員です。
○津金委員 津金です。よろしくお願いします。
○磯崎健康課長補佐 公益社団法人日本薬剤師会常務理事、長津雅則委員です。
○長津委員 長津でございます。よろしくお願いいたします。
○磯崎健康課長補佐 全国市長会山口県周南市長、藤井律子委員です。
○藤井委員 こんにちは。よろしくお願いします。
○磯崎健康課長補佐 よろしくお願いします。次に、出席及び欠席状況です。本日、委員の方はWebでの御参加になり、座席表上に御出席委員を記載しております。御欠席委員については、金野倫子委員、達増拓也委員、松下幸生委員から御欠席の連絡を受けております。なお、達増委員の代理として、野原岩手県保健福祉部長が御参加いただきます。
 私からは以上となります。以後の進行は辻部会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○辻部会長 それでは、委員の皆様どうぞよろしくお願いします。では、審議事項1について、事務局から説明をお願いします。なお資料は事前に送付されていますので、審議時間を確保するため説明は簡潔にお願いいたします。
○寺井健康課長補佐 審議事項1、健康日本21(第二次)の最終評価の進捗及び国民健康づくり運動プランに向けての課題について、資料1-1~1-5、及び参考資料1を用いて御説明いたします。
 初めに昨年1月21日に行われた地域保健健康増進栄養部会において、健康日本21(第二次)最終評価の検討は、部会の下に設置されております健康日本21(第二次)推進専門委員会において、部会と連携しながら作業を進めていくことを御了承いただきました。その後昨年6月より、推進専門委員会において実際に最終評価の作業を行っておりますので、本日はまずその進捗を御報告し、本年7月をめどに取りまとめる予定としております最終評価の報告書、その骨子案について御審議いただきたいと思います。
 資料ですが、資料1-1は最終評価の進捗。資料1-2が最終評価報告書の骨子案です。資料1-3、1-4、1-5は骨子案を肉付けし、最終評価報告書を作成していくための具体的な評価結果の概要となります。
 まず初めに資料1-1、「健康日本21(第二次)の最終評価の進捗について」を御覧ください。表紙をめくりまして1枚目です。昨年6月に行われました推進専門委員会で御議論いただいた資料ですが、最終評価の目的、進め方、評価の方法の概略を示しております。健康日本21(第二次)は健康日本21、第一次、に引き続いて、平成25年から行っている国民健康づくり運動で、策定時に目標設定後10年をめどに最終評価を行うとしておりました。現在10年目ということで最終評価を行っております。
 進め方は昨年1月に御了承いただいたとおりですが、部会の下に設置されている推進専門委員会において具体的作業を行っています。最終評価の評価方法は本ページ一番下に1~3で記載しておりますが、まず目標に対する実績値の評価として、健康日本21(第二次)で設定している53項目の目標項目について、一つ一つ実績値を評価すること。2つ目に、諸活動の成果の評価として、計画期間中10年間に行われた自治体や団体の取組状況を評価すること。そして3つ目に、21世紀の国民健康づくり運動全体としての評価を行い、次期プランに向けての課題を把握すること、としていて、それぞれ推進専門委員会で議論を行っていただいております。概要に関しては後ほど資料1-3、1-4、1-5でお示ししたいと思います。
 2、3ページ目は、昨年御了承いただいた最終評価の進め方の資料ですが、3ページ目にありますとおり、昨年1月に栄養部会で進め方をご了承いただき、その後推進専門委員会に移り、昨年6月から12月に具体的作業を行っていただきました。左側部会の列に戻って真ん中辺り、2022年1月頃と書いてあるのが、本日2月2日の栄養部会になりますが、本日は最終評価の骨子案について御審議いただきます。本日の部会で骨子案を御了承いただけましたら専門委員会に戻り、5月頃をめどに最終評価報告書(案)を取りまとめ、次回7月頃開催予定の栄養部会で、最終評価報告書の最終審議を行っていただく予定です。ここまでが最終評価のスケジュールになり、次期プランに関しては今年の夏頃より別途委員会等を立ち上げ、検討を開始する予定としております。
 ここまでが昨年御了承いただきましたスケジュールですが、このスケジュールに沿って、実際昨年6月より専門委員会で御議論いただいた議題を4ページ目に示しております。推進専門委員会では昨年6月から最終評価の具体的作業を開始し、第13回で評価方法等をご議論いただいた後、第14、15、16回で各領域の評価について具体的に御議論いただきました。第16回の専門委員会までで、ほぼ全ての領域の評価が出そろい、12月20日に行いました第16回では、諸活動の成果の評価や次期に向けての課題も御議論いただき、最終評価報告書を骨子案までまとめたところが現在の進捗です。
 本日の部会で骨子案を御審議いただき、御了承いただけましたら、具体的な評価の結果を用いて骨子案を肉付けし、5月頃をめどに最終評価報告書(案)をまとめていく予定としております。
 資料1-2に移ります。こちらが12月20日の専門委員会御で議論いただいた最終評価報告書の骨子案です。最終評価報告書は推進専門委員会での御議論と、次回部会での御審議を経て、本年7月頃取りまとめる予定としていますが、その構成案を示しております。
 第1章から第4章までの4章で構成してはどうかということで、まず第1章「はじめに」として健康日本21(第二次)策定の趣旨や経過、また平成30年にまとめました中間評価などの結果も含め、これまでの経過を書いてはどうかとしています。第2章が最終評価の目的と方法で、先ほど資料1-1で簡単にお示しした目的のほか、最終評価の具体的な評価方法を書いてはどうかとしています。
 評価方法の具体的な方法については、推進専門委員会でご議論いただいた資料を、本日は参考資料としています。一部のみお示ししたいと思います。参考資料1の5ページ目を御覧ください。53項目の目標項目の評価方法ですが、お示ししますとおりA、B、C、D、Eで評価してはどうかとしています。Aが目標に達した、Bが現時点で目標値に達していないものの、策定時のベースライン値と比較して改善傾向にある、Cが変らない、Dが悪化している、そして何らかの要因で評価困難な項目はEとするとし、この5段階で評価してはどうかとしています。実際、評価に用いましたデータ一覧は、参考資料1の15ページ以降にまとめております。策定時のベースライン値、中間評価値、最終評価(最新値)、目標値を並べて記載しております。最終評価(最新値)の欄を御覧いただきますと、今、お示ししているページでは令和元年のデータが記載されているかと思います。令和2年、3年の国民健康・栄養調査をはじめ、データソースとなっておりました各種調査が、新型コロナウイルスの影響で中止になっていることなどから、入手できる最新値が令和元年となっている指標が多いという現状です。
 また、健康日本21(第二次)は、約10年という長いスパンで行われている計画であることから、計画期間の最後にコロナの影響を受けることになったわけですが、まずは長期計画として、コロナの影響を受ける前までの評価を行ってはどうかとしておりまして、A、B、C、D、Eの評価判定に関してはコロナ前、つまり令和元年までのデータで評価を行いました。
 多くの目標項目で目標が令和4年度などに設定されている中で、令和元年のデータで評価することになりましたので、B改善傾向にある、の評価については、中間評価の時と同様に、目標年度までに目標に達成しそうなものをB、目標年度までに目標達成が危ぶまれるものをB*と分けて評価しています。
 またA、B、C、D、Eの評価判定自体には、コロナの影響を加味しないものの、次期プランに向けてコロナの影響を検討することは重要ですので、コロナの影響を踏まえた今後の課題については、各領域の評価のまとめや、また全体を通しての評価のまとめの中でご検討いただいているところで、最終評価報告書の中でまとめていきたいと考えています。
 各領域の評価のまとめの方法に関しましては、参考資料1の11ページ目を御覧ください。様式2の記入例を載せておりますが、専門委員会ではこの様式2を用いまして各領域ごとの目標項目の評価状況や、グラフ、関連する取組み、評価に係る分析、今後の課題、そして新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた今後の課題等をまとめていただき、御議論いただいているところです。
 資料1-2、骨子案に戻ります。2ページ目を御覧ください。こうした評価方法で評価した結果を第3章にまとめてはどうかとしています。評価結果の概要に関しましては、後ほど資料1-3、1-4で御説明しますが、第3章前半部分に目標に対する実績値の評価について、53項目の評価結果や各領域のまとめ、後半部分に諸活動の成果の評価について、自治体や団体等の取組状況をまとめてはどうかとしています。
 これらの評価結果を踏まえ、3ページ目、第4章ですが、健康日本21、第一次、も振り返りながら21世紀に行われてきたこの20年間の健康づくり運動を全体として評価し、次期に向けての課題を挙げてはどうかとしています。次期への課題に関しましては、後ほど資料1-5で御説明します。以上、第1章から第4章までの構成で最終評価報告書をまとめてはどうかということで、骨子案をご提案いたしました。
 続いて、資料1-3、1-4を御説明します。骨子案の第3章、結果の部分を肉付けしていくための、最終評価の結果の概要になります。まず、資料1-3は、最終評価の進捗のうち目標に対する実績値の評価について、53項目の評価結果のまとめになります。表紙をめくりまして1枚目ですが、健康日本21(第二次)はここに示します5つの基本的な方向に沿って53項目の具体的な目標を設定しています。
 2ページ目にシェーマをお示ししておりますが、最上位目標として健康寿命の延伸と健康格差の縮小があり、それらを達成するために②、③、④として生活習慣病の発症予防・重症化予防の領域、社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上の領域、そして社会環境の整備の領域があります。そして一番ベースになるところに、個人を取り巻く生活習慣や社会環境の改善の領域として、栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙、歯・口腔の健康に関する領域があります。
 1枚めくりまして、まず最上位目標である健康寿命・健康格差の結果からお示ししたいと思います。健康寿命は3年に1度、国民生活基礎調査の大規模調査年の調査結果を用いて、厚生労働科学研究において算出しておりますが、昨年12月20日に最新値である令和元年の健康寿命を公表いたしました。男性72.68年、女性75.38年であり、ベースラインの平成22年から男女ともに順調に延伸しておりました。
 健康日本21(第二次)におきましては、「平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加」が目標となっており、これは平均寿命と健康寿命の差である、いわゆる不健康な期間を短くしていくことを目標としていますが、平均寿命と健康寿命の差は男女ともにベースラインから順調に短縮しておりました。右上の図に示すとおり、男女ともに健康寿命の増加分は平均寿命の増加分を上回っておりまして、目標は達成されたという評価になります。
 もう1つの目標であります健康格差に関しましては、健康寿命の都道府県格差、最長県と最短県の差を見ております。右下のグラフを御覧ください。男性におきましてはベースラインの平成22年と比較して、直近の令和元年値で格差が短縮しており、目標を達成しておりました。一方女性は最長県、最短県ともに健康寿命は順調に延伸しているものの、最長県でより顕著に伸びているということなどもあり、最長県と最短県の差としてはベースラインよりも大きくなっているという結果になりました。
 参考に、4ページ目に、健康日本21(第二次)が始まる前、平成13年からの平均寿命と健康寿命の推移を示しておりますが、男女ともにいずれも順調に延伸しておりました。また、5ページ目、6ページ目には、昨年12月20日に公表しました都道府県別の健康寿命のデータを示しております。男女ともに全ての都道府県で健康寿命は延伸傾向でした。
 以上が、健康寿命、健康格差の結果になり、これらの結果を含め53項目全ての目標達成状況を7ページ目以降にまとめてお示ししています。健康寿命、健康格差の目標のほか、生活習慣病の発症予防・重症化予防の領域として、がん、循環器疾患、糖尿病、COPDの各領域の目標、社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上の領域として、こころの健康、次世代の健康、高齢者の健康の各領域の目標、社会環境の整備に関する目標、そして最後に生活習慣等に関する領域として、栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙、歯・口腔の健康の各領域の目標の評価結果をお示しております。
 歯・口腔の健康のみ、別途歯科保健課の委員会で御議論いただいているところですので、現状(P)としておりますが、53項目中、歯・口腔の5項目を除く残り48項目に関しては評価が出そろっております。評価状況をまとめますと、9ページ目表1のとおり、48項目中「A目標に達した」が7項目、「B現時点で目標に達していないが改善傾向にある」が20項目、Cが12項目、Dが4項目、そして何らかの要因で評価が困難になった項目が5項目ありました。AとBを合わせますと現時点で50%程度となり、策定時のベースラインからおよそ半数程度の目標項目においては改善が見られたという結果です。今後歯・口腔領域の評価が出そろいますと、少し数値が増えるかと思いますが、現時点でこのような結果となっています。
 10ページ目表2は、先ほどお示ししました5つの基本的な方向に分けて結果をまとめた表になります。1が健康寿命、健康格差、2が生活習慣病の領域、3がこころ、次世代、高齢者の健康に関する領域、4が社会環境の整備、5が生活習慣等に関する領域になります。1~3の領域でAと評価された項目としては、健康寿命の延伸や、がんや脳血管疾患、虚血性心疾患の年齢調整死亡率の減少、血糖コントロール不良者の割合減少、低栄養高齢者の増加の抑制などがありました。
 一方生活習慣等の領域でAと評価された項目がない要因としては、未成年の喫煙・飲酒、妊婦の喫煙・飲酒などのように、0%を目指すという目標を設定していた指標があることや、歩数の増加のように、減少しているにも関わらず意欲的な目標を設定していた指標があることなどが考えられます。
 表2では全ての目標項目をまとめておりますが、アウトプット、アウトカム、プロセスなど様々な指標が混ざっていることや、目標設定の考え方などが異なる指標が混在しているという状況ですので、今後指標間の関係性なども含め整理が必要ではないかとは考えております。
 最後に参考に、健康日本21、第一次、の時の評価結果を載せております。扱っている領域や目標設定のあり方なども異なっており、単純には比較できませんが、第一次の最終評価では6割程度の指標が目標値に達した又は改善傾向にあると評価されており、今回も最終的に、おおむね同程度になるのではないかと考えております。参考として御覧いただければと思います。以上が、53項目の評価結果です。
資料1-4も続けて御説明いたします。最終評価の進捗のうち、諸活動の成果の評価について、自治体や団体等の取組状況を評価するために行った調査結果の概要です。まず1ページ目に昨年6月の推進専門委員会で御議論いただいた調査の方針をお示ししております。
 調査の目標ですが、健康日本21(第二次)の計画期間中の取組状況を評価すること、健康日本21(第一次)の最終評価時にも同様に調査を行っておりますので、そのときと状況を比較してここ10年の進捗を把握すること、また、次期プランに向けての課題を把握すること、この3つを目標として、都道府県、市区町村、団体へのアンケート調査を設計しました。
 調査の枠組みとしては、緑の枠の中にありますとおり、計画の策定や評価の状況、また健康格差の把握状況を知るための項目。2つ目に、健康日本21(第二次)の推進体制や連携に関する状況を把握するための項目。3つ目、各領域の取組状況として、健康日本21(第二次)で、国が扱っている各領域や53の目標項目に関する取組状況を知るための項目。そして最後に自由記載欄も含め次期プランに向けての課題を把握するための項目を入れて調査票を作成いたしました。
 1枚めくりまして、2ページ目以降が調査の結果の概要になります。本日は要点のみ御説明します。全国の都道府県、市区町村、及び健康日本21推進全国連絡協議会の加入団体を対象に調査を行いました。回収率は御覧のとおりです。
 3ページ目、まず健康増進計画の策定状況ですが、全ての都道府県及び74%の市区町村で健康増進計画が策定されておりました。以降の結果は計画を策定したと答えた自治体を分母として計算しています。
 5ページ目が評価状況です。評価を行う体制があると回答した割合は市区町村において94.2%と、健康日本21の第一次の最終評価時と比べ大きく上昇していました。またPDCAサイクルを回す体制があると回答した割合も、都道府県で87%、市区町村で72%といずれも7割を超えていました。
 7ページ目が健康格差の把握状況です。全ての都道府県また半数程度の市区町村において、健康格差は把握されているようですが、所得や教育、職業等の社会経済的要因による健康格差を把握しているという自治体は、都道府県で12%、市区町村で13%にとどまりました。社会経済的要因による健康格差の把握は今後の課題と考えられます。
 8ページ目、外部との連携ですが、計画の策定に当たって大学の公衆衛生学教室等、有識者と連携した自治体は、都道府県で57%に対して市区町村では26%と低い割合となりました。またこのページ下半分ですが、都道府県から市区町村への支援に関して、市区町村に支援を行っていると答えた都道府県が83%であったのに対して、都道府県から有用な支援を受けたと回答した市区町村は40%程度にとどまりました。どのような支援を求められているのか、今後自由記載欄についても解析を進めたいと思います。
 9ページ目、健康増進の取組に関する推進体制に関してですが、庁内に部局横断的な組織体制があると回答した割合は、都道府県、市区町村ともに約60%で、健康日本21、第一次の時点からは大きく増加しておりました。また在住者ではなく在勤者に対する健康増進施策も91.5%の都道府県と多くの都道府県で行われていることが分かりました。一方市区町村においては在勤者に対する健康増進施策を行っているところは、現状40%程度にとどまりました。
 10ページ目、連携して施策を行った部門ですが、都道府県、市区町村とも多くの部門と連携されていることが分かりましたが、町づくり部門との連携は都道府県、市区町村ともに30%程度にとどまり、今後の課題となると思われます。
 少しページを飛ばしまして13ページ目を御覧ください。この10年の取組状況ですが、都道府県、市区町村ともこの10年で取組が充実してきた領域として、がん、循環器疾患、糖尿病等の生活習慣病の領域、栄養・食生活、身体活動・運動、喫煙、歯・口腔の健康領域と回答した自治体が多く、逆にCOPD、休養、飲酒領域は少ないという結果でした。
 最後15ページ目、今後取り組みたい領域ですが、先ほどのこの10年で取組が充実してきた領域とほぼ同様の結果でして、健康寿命・健康格差の領域のほか、生活習慣病領域、栄養、身体活動などと答えた自治体が多く、COPDや休養、飲酒領域を選んだ自治体はかなり少ないという結果でした。休養、飲酒等の領域に関しては、具体的にどのような取組をしていけばいいのか、今後の課題になってくると思われます。
 以上、調査結果の概要のみ御説明しましたが、結果の詳細及び実際の調査票に関しては参考資料としておりますので、御参照いただければと思います。以上、資料1-3及び1-4で最終評価の結果の概略を御説明いたしました。これらの結果を用いて骨子案の第3章、結果の部分を肉付けしていきたいと考えています。
 続いて資料1-5を御説明します。担当を代わります。
○山本企画調整専門官 聞こえていますでしょうか。資料1-5、私から御説明いたします。次期プランに向けての課題ということで、先ほど御説明しました最終評価報告書の肉付けの一部分になります。こちらは、令和3年12月20日に専門委員会でも既に御議論いただいている資料で、1-5の3ページ目以降は令和3年12月20日に専門委員会で先生方から頂いた意見を、厚生労働省でおまとめしたものです。3ページ目以降は、参考として提示させていただきたいと考えております。
 本体といえる1、2ページ目ですが、二部構成になっております。前半、1ページ目の冒頭ですが、1.これまでの健康づくりということで、健康日本21の開始から約20年の振り返りをした後、そうした認識を踏まえ、2.次期プランに向けた課題ということで、論点を並べている形になっております。次期プラン、具体的な内容や施策については、本年夏以降、栄養部会あるいは専門委員会で御議論いただく予定としていますので、本日、先生方には、夏以降の議論に向け、並んでいる論点について抜け漏れがないかという点を中心に御議論いただきたいと考えております。令和3年12月20日の専門委員会においても、先生方には、同様に御説明しております。
 内容について冒頭から簡単に説明いたします。1.これまでの健康づくりです。1点目は、2000年の健康日本21の開始、2003年の健康増進法施行というところで、基本的な法制度・枠組みは確立してきたということ。2点目は、国際的な文脈においても、SDGsで「すべての人に健康と福祉を」という目標があることからも、健康づくりの重要性がより認識されてきていること。3点目は、自治体において健康増進事業、介護予防、保健事業といった様々な取組が進んできていること。4点目は、保険者あるいは企業が健康づくりを進めておりますし、それらが連携する取組、日本健康会議なども進んできていること。5点目は、こうしたこともあり、健康寿命は着実に延伸してきていると評価できること。6点目は、直近、データやICTを健康づくり分野でも活用していく動きが広まっているということ。7点目は、2019年厚生労働省で策定している「健康寿命延伸プラン」において、「自然に健康になれる環境づくり」や「行動変容を促す仕掛け」といった新たな手法を活用していくべきとの記載があること。一番最後として8点目は、健康格差の縮小が、現行の健康日本21(第二次)でも目標の1つとされておりますが、直近のコロナ禍で格差が拡大しているという指摘もあるということ。以上を踏まえ、2.次期プランに向けた課題へ続きます。
 課題の1点目として、第二次は、10年間の計画期間を1年間延長し11年としておりますが、次期プランの計画期間、あるいは、中間評価や最終評価の時期をどのように考えるか。2点目、第二次においては健康寿命の延伸及び健康格差の縮小を主目標としておりますが、次期プランではどう考えるか。3点目として、先ほど説明いたしました基本的な方向を、次期プランではどのように定めるか。4点目は、第二次では53項目設定されている指標について、次期では、どのように指標を設定し、また、どのようにモニタリングするか。
 5点目からは自治体関係です。様々な部局が健康づくりに携わっている中で、住民に対して効果的に介入する体制とはどのようなものか。6点目は、都道府県と市町村の役割分担について、特に、都道府県がより機能するための方策とはどのようなものか。7点目は、自治体と外部、大学や企業等との連携を深めるための方策とはどのようなものか。8点目はデータ関係においてですが、実際に効果的にデータを使って住民の行動変容を促す仕掛けとはどのようなものか。9点目は、住民や健康づくりに携わる職員に対して、エビデンスや知見をきちんと伝えるための情報発信、及び、人材育成とはどのようなものか。
 下から4つ目、課題の10点目です。コミュニティというものがより重要になってくる中で、こうした力をより活用するための方策とはどのようなものか。下から3つ目の11点目は、社会環境整備等健康無関心層を含めた健康づくり施策を進めてきましたが、今後どのように進めるか、下から2つ目は、性差や年齢も加味した健康づくり施策をどのように考えるか、一番最後点、健康格差是正のための方策とはどのようなものか。先生方には、以上の論点について抜け漏れがないかを、御議論いただきたいと思っております。説明は以上です。
○辻部会長 どうもありがとうございました。それでは、本審議事項について委員の皆様から御質問と御意見を頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○田代委員 全国町村会理事・大阪府岬町長の田代です。町村の立場から発言させていただきます。資料1-5に次期プランに向けた課題として、自治体と大学や企業などとが連携を深める方策について、どう考えるかと記載されております。本町では、健康づくりと食は関わりが深いという視点から、健康増進計画と食育推進計画を一体的に策定し、健康みさき21(第二次)を基に、住民、行政、関係団体が協力して健康づくりに取り組んでいるところです。
 一例としては、大阪府立大学との連携により、就学前の子供や親を対象に、規則正しい食生活や共に食べる共食を啓発する食育プログラムを開くなど、食育推進事業を実施しております。このような事業を通じて、親子の食への関心が高まり、朝食の摂取率や野菜の摂取率の向上につながり、就学前から食習慣の定着に向けて成果を上げております。今後も関係機関や団体等々と連携して、住民自らが健康づくりに取り組める環境を整備していきたいと考えております。
 こうした各町村での取組については、是非とも積極的に支援をしていただくようお願いします。
○辻部会長 田代委員、どうもありがとうございました。それでは、手が挙がっている井伊委員、その後に羽鳥委員、お願いします。
○井伊委員 日本看護協会の井伊です。資料1-3の目標達成状況の概要を拝見しますと、次世代の健康については、評価が芳しくないD評価だというふうに表記があります。それに対して課題の項目の中には、こういった次世代の健康については触れられていないというふうにお見受けいたしました。これは、例えば、健やか親子21とか、その他の取組に回すというか委ねるというように理解をすればよろしいのでしょうか。そうだとすると、そういったその他の取組との整合性について何か触れておくべきではないかというふうに思います。以上です。
○辻部会長 事務局、お願いします。
○山本企画調整専門官 田代先生の意見と関連しての御説明というか御回答をいたします。市区町村での取組を御紹介いただきありがとうございます。こうした先進的な取組等を、こちらできちんと把握した上で、どういったことが外部との連携を進めていく上で必要かということは是非参考にさせていただきたいと思いますので、今後とも、情報収集に努めるとともに、こうした現場の取組というのを是非御教示いただければと思います。
 井伊先生からの御指摘の次世代の関係ですが、ほかの計画との整合性というのは重要な課題だと認識しております。ほかの計画が策定あるいは検討している中で、どのように整合させていくかということ自体が非常に重要な点だと考えております。併せてその指標ですね、今までの最終評価の結果を踏まえて、次期ではどのように対応していくかという論点だったかと認識しておりますが、そうした点、先生が御指摘の所が抜けている箇所もあるかと思いますので、これから1-5をブラッシュアップしていくときに、先生の御指摘もしっかりと踏まえて反映していきたいと考えております。以上です。
○辻部会長 よろしいでしょうか、井伊委員、よろしいでしょうか。
○井伊委員 はい。結構です。どうぞよろしくお願いいたします。
○辻部会長 では、続いて、羽鳥委員、その後に友岡委員です。
○羽鳥委員 日本医師会の羽鳥です。大変立派なまとめをありがとうございました。僕も、健康日本21は策定委員会のときから関わっていたので、いい結果が出て大変良かったと思うのですが、1つ、評価方法について、やはり先ほどの議論にもありましたが、何をAとする。何をBとする。目標が低ければ、それは達成しやすいでしょうし、達成率を100%というう目標であれば達成は困難だったという評価になると思うので、やはり評価方法の統一化をきちんと考えたほうがいいかと思います。例えば、COPDは名前を知っていれば、Aというものもあれば、ほかの所はかなり数字をきちんと出したり、血圧などは数値で示すが評価方法をきちんと整備してほしいということが1つ。
 それから、1-5にあるように、2ページ目の1つ目のポツですが、健康日本21の主目標を定めるというのが、やはり大きな問題であろうと思います。そういう意味では、健康格差の縮小では今回は、都道府県の格差を見たわけですが、収入、生活レベルの格差やいろいろな切り口があると思うので、そういう格差の縮小というところを考えていくのがいいのではないかと思いました。
 それから、抜けているかなという点で、例えば、資料1-3の1ページ、一番最後の5の項、いわゆる栄養・食生活、身体、それから最後の社会環境の改善ということですが、もう1つ、住宅建築環境の改善など住環境の改善というのも是非取り入れてほしいと思います。特に、夏の熱中症、北関東の冬の寒冷による高血圧や脳卒中の発症頻度の高さなど、そういう環境を維持するということも大事な視点だと思うので、それを是非、取り入れていただきたいと思うのが1つ。
 次に、今回のコロナのことを経て、医療を取り巻く環境の変化が速くなると思います。そういう意味では、このスピード、10年後を予測することも難しいのかもしれませんが、スピードに対応したようなしっかりとした目標、また、ICTやIoTなどを駆使して、リアルタイムにデータが中間解析できる。そして、中間解析が終わったら、後半の5年間はそれに向かって足りない部分を補うという発想が大事かなと思います。中間解析の結果が出てきた頃には、もう後1、2年しかないというようなことにならないようにしていただきたいと思います。以上です。
○辻部会長 今、手を挙げている方が結構いらっしゃるので、一問一答ではなく少しまとめて御質問や御意見を頂いた後、事務局から返答をしていただくことにしたいと思います。まず、友岡委員、その後に水澤委員、お願いします。
○友岡委員 日本大学の友岡です。今日の資料の1-5の中で、ひょっとしたら後で御発言される可能性もあると思うのですが、主に1-4までの資料、それから1-5の資料も含めて、1つの自治体で完結しているデータの収集かなというふうな形が結果として現われていると思います。それを分析していると。他方で今後はその電子データないしはATの技術活用というような観点からすると、自治体が保有している情報を連携して、1つの目標を達成するために解析をしていくという手法もあるのではないかと。そういった際に、1つの自治体で完結するというよりは、できれば連携をするという形で、積極的に横のつながりということも考えていただきたいなと思いました。この辺り、具体的にどういう仕組みが正しいのかどうかというところも問題となりますが、取りあえず、大枠は厚労省さんもイメージしながら、今後、自治体さんに対してメッセージを向けるというのも、1つの作用だというように思うので、その辺り、積極的な提言というような形で発言させていただきました。以上です。
○辻部会長 では、水澤委員と諸岡委員にお願いして、これで4名の御発言になりますので、そこで一度、事務局から返答を頂きたいと思います。では、水澤委員からお願いします。
○水澤委員 NCMPの水澤です。2つありまして、1つは資料1-4で自治体のほうの成果です。都道府県と市区町村との比較があるわけですが、全般的に都道府県のほうは達成率が高くて、市区町村のほうは低いという結果になっていると思うのですが、これ、都道府県で何かをやろうと思ったときに、実際に、住民の方々にいろんなことをされるのは、市区町村を介してやるような気がするのです。だから、これは設問の仕方というのでしょうか、市区町村独自でやっているものは少ないかもしれないのですが、実際には都道府県のものもやってらっしゃるような気もするのです。そこがどのようにうまく切り分けられているかというのが1つです。
 もう1点は資料1-3のほうで、7/10ページの3ポツの所です。具体的な達成の評価のリストがあります。「社会生活を営むために必要な」という所で、心の健康といった所がありますが、この④の所で、例えば、小児人口に対して小児科医や児童精神科医の割合の増加ということで参考資料を見ると、実際に児童精神科医の方々が増えているのです。ある1つの領域の診療科の医師を増やすというのはなかなか難しいかと思うのですが、これは何か特別の努力をされたのかどうかを教えていただきたいと思いました。その2点です。
○辻部会長 諸岡委員お願いします。
○諸岡委員 日本栄養師会の諸岡です。よろしくお願いします。私は、資料1-5の、次期の国民健康づくり運動プランに向けての課題についてという点で、今年度の夏以降の議論に向けて抜け漏れがないかという点ではありますが、この中には、これまでの検討会の中での非常に重要な視点というのが、整理はされていらっしゃるのですが、何となく、次の、今後の10年、あるいは計画期間をいつにするかというのはあるのですが、そのビジョン的な、将来どのように我が国が健康施策を進めていきたいかというようなビジョンについては、余り明確ではないように感じました。本当に、この10年でも大きな社会変化があって、正に先の見通しがますます難しくなっていると、さらにはコロナ禍という中で、そのような様々な社会の課題が浮き彫りになったという中においても、やはり、その経済格差が進んでいる中でも、人生百年時代の実現に向けて、先般の東京栄養サミットの中でも、誰一人取り残さないというようなキーワードがあったように、包摂的な健康政策のほうが必要ではないかというように考えています。栄養分野においても持続可能な社会の実現というところで、自然に健康になれる食環境づくりについての産官学連携について報告書も取りまとめられ、今、政策が進んでいるところではあり、進むべきビジョンですね、自治体の中でも当然、計画作りの際には将来の理想像というのを掲げるわけですが、その辺りも含めて、今後、議論を進めていただけると有り難いと思いましたので発言いたしました。どうぞよろしくお願いします。
○辻部会長 ただいま羽鳥委員、友岡委員、水澤委員、諸岡委員の4名の委員から御質問と御意見を頂きました。これについて、事務局から御返答はありますか。
○寺井健康課長補佐 事務局です。まず、羽鳥委員の御質問からお答えいたします。様々な指標が混ざっていることについて、評価方法を統一化すべきではないかという御意見は、ご指摘の通りかと思います。現在、いろいろな指標が混ざっている中で、意欲的な目標を立てた指標、また0%や100%などを目標としている指標に関しては目標達成が難しかったなど、様々な課題があるかと思います。今回の最終評価においては、お示ししたA、B、C、D、Eの評価付けで評価を行っておりますが、文章の中で注意事項や補足事項等を書き込んでいく形でまとめていければと思います。また、次期に向けて目標値の設定や評価の仕方等は検討をしていくところかと思っております。
 また、水澤委員からのご質問で、資料1-4自治体等の取組状況調査の都道府県、市区町村の取組につきまして、今回の調査結果はこのような形で調査をしておりますので、都道府県が、実際には市区町村を介して行っている取組がどの程度あるのかに関して、具体的な数値としては見えてこないのですが、自由記載欄等も設けておりますので、解析の中で、都道府県と市区町村の連携がどの程度行われているか、また今後、どのようなことが求められているかについても検討を進めていきたいと思います。
 また、資料1-3、こころの健康領域の「小児人口10万人当たりの小児科医・児童精神科医の割合の増加」について、実際、増えているのはどのような取組が行われて功を奏しているのかというご質問に関しては、推進専門委員会の中で議論いただきご記載いただいているところによりますと、学会等の取組や、各都道府県の小児科医医師確保計画に基づく取組、また、地域医療介護保険基金において支援が行えるようになったことが要因としてあるのではないか、また、研修会などにおいて、児童思春期の専門的な精神医療を担う人材育成に向けた研修を実施していることなどが、結果につながっているのではないか、とご記載いただいているところです。
○山本企画調整専門官 続いて、次期関係、先生方からの御指摘についてお答えいたします。羽鳥委員からの、主目標のところをどうしていくか。格差の関係について、収入格差や経済格差、ほかの論点も含めて、健康格差というのは大きな論点になってくると考えておりますので、次期でどのように考えていくか、どのような策を打てるかは検討事項として大きなところだと認識しております。
 また、住環境についても重要だという御指摘は、社会環境整備を含めて、そういったことをやっていく中で、しっかりと検討していきたいと考えております。
 また、中間評価のタイミング、あるいはデータの収集をリアルタイムにできないかという御指摘は、次期においてどのように指標を設定し、どのようにモニタリングし、どのように評価をしていくか、PDCAサイクルを回していくか、そうした構造自体も非常に重要な論点だと認識しておりますので、しっかりと検討を進めていきたいというように考えております。
 諸岡委員からの、データの関係ですが、先生のおっしゃるとおり、横のつながりというところ、今まで、そこまで力を置いてきたところではないと考えております。今後、そういった自治体間でのやり取り、当然個人情報との関係あるいはシステム構築などの論点もあるかと思いますが、どういったことが健康づくりにつなげていけるかということは、検討すべき論点だと考えております。
 最後、諸岡委員からの、次期に向けてのビジョン、どういったように考えていくかということは御指摘もありましたが、自治体あるいは民間、住民の方に打ち出しをしていく際に、訴求力としてどういったものがより効果的かということが重要だと思うので、こうした論点あるいはアウトプット施策をまとめた上での最上位のビジョンというか、打ち出し方というのも先生方の御指導も含めて、きちんと検討をしていきたいと考えております。以上です。
○辻部会長 ありがとうございました。それでは、また質疑に戻ります。現在4名の委員から手が挙がっています。まず荒籾委員、武見委員お願いいたします。
○荒籾委員 健康日本21推進全国連絡協議会幹事の荒籾です。私の意見ですが、健康日本21の活動を推進するに当たり、医療、保健、栄養、運動指導者など、各専門領域が今まで以上に横のつながり、連携を深めて相対的に活動の効果を上げることが必要ではないかと思っております。それと各自治体と民間企業、最近は健康経営という形で非常に民間企業も積極的に健康づくりに推進を図っておりますので、行政と民間企業の連携も何らかの形で盛り込めればいいのではないかと思っております。
 それから、健康日本21(第2次)が始まった約10年前と現在の借家医状況を比べて大きく異なるのが、スマートフォン等の普及率です。10年前はまだ現在のように高齢の方もスマートフォンを持つような状況ではなかったのですが、今はデジタル情報を受信しやすい環境にありますので、そういったツールの活用なども御検討いただければと思っております。以上です。
○辻部会長 武見委員お願いします。
○武見委員 私も資料1-5、次期プランに向けての所で、コメントを3点ほどさせていただきたいと思います。まず2番目の次期プランに向けた課題の2つ、主目標をどうするのか。これに関して言うと、健康日本21という形になって(第一次)2000年のときには、健康寿命延伸もありましたけれども、どちらかというと生活習慣病の一時予防という感じで進んできて、それが割と浸透したと思います。(第二次)に入って健康寿命の延伸が確実に社会に定着してきたと思います。
 一方で健康格差の縮小については、先ほど報告があったとおり、もう少しということで羽鳥委員の指摘のとおりだと思います。そういう意味では、この健康づくり運動の継続性、重ねていくみたいな発想で次期どこに主たる目標、それはもしかするとビジョンに近いものかもしれませんけれども、そこを整理しておくことが必要かと思っております。やはり格差の問題、あるいは別の言い方をすればSDGsの誰1人取り残さない健康づくりという発想で、一般の方に分かりやすい示し方をしていけたらと思っております。
 2点目としては、目標の達成に向けてどのような対策が効果があったのか、あるいは今後すべきなのかという整理を、しっかりしていただきたいと思います。というのは今日の御報告の中でも、例えば評価の資料1-3で各領域別の評価が出ましたけれども、栄養・食生活や身体活動は余り評価がよくないのです。一方で資料1-4で自治体や団体の取組、特に自治体の取組などでは充実したと答えられているものの中には、栄養・食生活や身体活動の割合がとても高いのです。このギャップはどうして起きているのかというようなことも含めて、つまりどのような取組が本当に効果が出ていて、あるいはなかなか効果につながっていないのかということをしっかり整理することが必要です。これはデータから整理するだけではなくて、やはり世界的にいろいろな施策の効果検証も報告されていますので、そういう所も含めて今後どのような対策が必要かというアクションプランをロジックモデルを作成して示していただきたいと思います。
 それに関連して3つ目ですが、今回の資料1-5を見ても、住民に対する介入、あるいは住民の行動変容という表現で出てくる所があるのです。そのこと自体はとても大事だと思いますけれども、やはり環境整備を行わない限り、ポピュレーション全体はなかなか動いていかないということがあると思います。食生活に関して言えば、例えば減塩です。かなり下がってきていますけれども、ここで停滞しているというような分析になっていましたけれども、世界的には減塩に関して言えば、個人への啓発普及を越えて、やはり食品そのものの減塩、あるいは食品の表示の工夫とか、環境整備が確実に効果があるということは分かっているわけです。そのような動向も含めながら、次期どのようなアクションプランをすべきかをしっかり国として書き込むことが、自治体や団体の取組につながると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。以上です。
○辻部会長 続いて、松岡委員お願いします。
○松岡委員 国保中央会の松岡です。私から資料1-5について、3点ほど意見を述べさせていただきます。1点目は医療保険者の取組の活用です。健康増進計画、健康日本21の次期計画の策定に当たっては、医療保険者が取り組んでいる事業についても十分連携をとって意識し、活用したものとしていただきたいと思います。例えば特定健診・特定保健指導、糖尿病腎症・重症化予防事業や国保・後期医療者医療ヘルスサポート事業、高齢者の保険事業と介護予防の一体的実施事業、それから保険者協議会などいろいろな取組を行っておりますので、こういったものも意識していただければと思います。
 さらに医療保険者の取組としては、データヘルス計画を策定しており、データヘルスということを意識して進めております。こうした考え方も反映していただければいいのではないかと思います。
 2点目は医療費適正化計画との連携です。健康増進計画は、保険局サイドが中心となって策定する医療費適正化計画と連携をとることになっております。第四期医療費適正化計画の策定がこれから進められ、国保の保険者もこの取組が必要となりますが、健康増進計画で取り上げられる健康予防対策はその手段なるものと思われますので、医療費適正化計画との連携が十分とれたものであっていただきたいと思います。
 健康増進計画においては、健康寿命の延伸などといったものが上位目標になると思われますが、国民の健康度が上がると疾病の発症や重症化予防につながり、医療費適正化にもつながることが考えられます。健康増進計画の1つの効果として、医療費適正化といったことも示すようなことが考えられないかと思います。
 3点目は都道府県、市区町村における国保データベース(KDB)の活用です。都道府県、市区町村においては、国保・後期高齢者の分野で健診、医療・介護のデータを連携させて、地域の健康課題の分析を行い、また被保険者個人の健康医療情報に基づく指導を行えるKDBの活用を進めております。既に幾つかの都道府県では有効にKDBを活用しており、協会けんぽなど、被用者保険の情報との連携をさせている所もあります。健康増進計画を都道府県、市区町村で進めるに当たっては、KDBを有効に活用している自治体のものも参考に活用をしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。以上です。
○辻部会長 田中委員お願いします。
○田中委員 日本食生活協会の田中です。よろしくお願いします。私からは2点あります。まずは先ほど武見先生からもお話がありましたように、次期プランに向けての課題についてですが、やはり社会環境の整備、食環境の整備が重要になってくると思っております。資料1-5にもありますとおり、コミュニティの力というのが書かれておりますので、民間団体の力、そして地域ぐるみで支える地域共生、地域包括ケアシステムなども含め、住民が自分ごとに捉えていく、そして行動変容に促すというところを重要視していただきたいと思っています。
 しかし先ほどの進捗を見ますと、今後重点的に取り組みたい領域と考える市区町村、自治体が、都道府県レベルでは29.8%、市区町村レベルでは12.6%と国が示すところと、市区町村レベルで乖離しているところがありますので、プラットフォームづくりのノウハウ、支援が必要となると考えたところです。
 それから、今の話と重複しますが、資料の1-5にある、より効果的な健康づくり施策を展開するためには、自治体と大学や企業などと書いておりますが、ここには「など」の所に含まれているかと思いますが、民間団体という言葉も入れていただきたいと思っております。
 2点目は、先ほども次世代のお話もありましたが、やはりフレイル、高齢者について先ほどの社会環境の整備にもありますが、高齢者の健康についての指標、低栄養、身体活動、社会参加が、やはり今後もこれは重要となってきます。特に今は人とのつながりが閉ざされている環境の中で、どう社会参加をしていくかというところも重要となっていきますので、この高齢者の社会参加の指標については今後も重点目標として続けていただきたいと思っております。私からは以上です。
○辻部会長 まだお二人から手が挙がっていますが、今まで4名の委員から御質問、御意見を頂きましたので、これについて事務局から対応をお願いします。
○山本企画調整専門官 荒籾委員からの、まず専門職の方の連携、あるいは行政と民間との連携については、資料1-5にも連携を自治体内、あるいは自治体と民間といったところを書いております。こうした連携を進めるために具体的にどういう施策を進めていけばいいのかは、今後現場の声あるいは先生方の御指導を踏まえて、しっかり検討していきたいと考えております。
 また10年後スマートフォンの普及といったことで、デジタル情報をどう活用するか。まさにデータを活用して集めるだけではなくて、どのように施策にいかすか、あるいは住民の方にどのように健康づくりを行っていただくか、あるいは自然と健康づくりを行えるようにするかが重要かと思いますので、こちらも論点として重要なものだと認識しております。
 武見先生からの、主目標の関係です。一次、二次と続いてきて、次期プランは継続性も考えた上での主目標の設定という御指摘と認識しております。格差の関係は当然重要ですが、主目標が住民あるいは民間といったところにも打ち出し、あるいは訴求力を高める材料となるかと思っておりますので、こうした点、継続性も踏まえて考えていきたいと思っております。
 武見先生からの2点目、社会環境整備、行動変容の介入だけでなくてというところは、今までも行ってきたことですが、今後も引き続き実施していくべきことだと思います。データあるいは研究も踏まえて、アクションプランをどうしていくか、あるいは指標、自治体との取組を踏まえてということだと認識しておりますので、今後最終評価報告書あるいは次期プランを策定する際に、しっかり検討していくべきかと考えております。
 松岡先生からの、保険者の関係、取組です。今までも保険者の方が特定健診あるいは高齢者の保健事業との一体実施といった取組については、自治体あるいは他の取組にも活用できるものが多々あると思います。省内の保険局とも連携をして、こうした取組が健康増進計画あるいは次期プランにどのようにいかしていけるかは考えていきたいと思います。また、適正化計画との連携ですが、健康日本21(第二次)を、計画期間を延ばして合わせたという経緯もありますので、そこもしっかりやっていきたいと考えております。またKDBの活用についても、自治体レベルで有効活用しているという例があるとは承知しておりますが、逆に言うとどのようなことが障壁になっているか、どういったことがあると便利かということも含めて、より研究していきたいと考えております。
 田中委員からの、社会環境整備の重要性ですが、繰り返しになりますが、こちらとしても重要だと認識しております。国がしっかり書き込むことで自治体あるいは民間団体、民間企業が続いていくというところは御指摘のとおりかと思いますので、まさにそのための次期プランをどのように示していくかを考えていきたいと思っております。高齢者のフレイル対策でこうした点が重要だというところは、現状も指標として設定はしておりますが、今後高齢化が進む中でこうした論点が引き続き重要であるということだとは思いますので、全体の中で次期の指標あるいは次期の目標設定でどういったことをしていくのが一番効果的かということは、引き続き検討していきたいと考えております。私からは以上です。
○辻部会長 それでは、現在3名の委員から手が挙がっておりますが、時間配分の関係から、この3名の方から御質問、御意見を頂いて、この部分の審議は閉じたいと思います。まず清田委員お願いします。
○清田委員 全国保健師長会の清田です。私は資料1-5の次期プランに向けた課題の1の健康格差是正を進めるための方策について、一言申し上げます。健康格差の把握については、都道府県においても市区町村においても所得、競育、職業、社会経済的要因について把握している割合は非常に低いです。それは、私自身保健師としても感じるのですけれども、ある程度調査をしてそれをどうやって解決していくかという方策が見えなければ、要因を把握したところでどうしたらいいかという気持ちもありながら、いろいろなことが影響するだろうということは分かっていたとしても、その次に方策が見えないと、なかなか幅広に調査をしたところで、という気持ちもあるわけなのですが、そういう思いが現場にあるのかなと思いながらこの調査結果を見ています。支援に関して考えますと、例えば社会的な動向を見ながら、今、企業も含め私たちも含め、ワークライフバランスという視点で生活を見直していこうとしているわけですが、そういう1つの方向性と合致させる方向で考えれば、社会的な支援も付いてくるということがあると思うのです。ですから、そういう意味では健康格差の方策を考えるときに、社会的支援をどう得られるのか、言ってみれば可能な解決策も想定しながら調査をやるのだという視点で、方策について時期を検討していただくときに社会的支援も含めて検討していくと。ワークライフバランスのような観点から焦点も当てながら検討していただければ、現場も把握して対策をしていこうという思いになるなという気がいたしました。そういう意味では方策に関して、今言ったようなワークライフバランス、社会的支援、社会的動向を合わせて検討していただければと思います。よろしくお願いします。
○辻部会長 長津委員お願いします。
○長津委員 資料1-4の4枚目、6枚目の辺りですが、都道府県と市区町村での到達の差が大きいというか、市区町村のほうが低いという結果が出ていますが、これは市区町村の規模との相関性がなかったのか、を知りたかったところです。財力のある所とない所では、やはりこういった施策の動きは違うのではないかなという印象があるのと、あとは資料1-5の次期プランの所ですが、健康格差の話は各先生からも出ていますが、差分を取るということがそんなに健康日本21の趣旨と合っているのかなというのが若干疑問があります。説明にもありましたとおり、伸び率の高い所があったので格差が広がったと。これは別にネガティブな話ではないのだろうなと思いますので。健康格差のとり方も、ベースを底上げするのは大事なことだと思うのですけれども、差分が広がったことに対して何か意見があるかと言われると、そこは懐疑的なものがあります。
 もう1点は、資料1-4の最後のほうで、健康増進計画の目標を設定した項目の結果が出ています。この中で脳血管疾患や虚血性心疾患の年齢調整死亡率が減ったとか、メタボリックシンドロームが減った、それから糖尿病の合併症の減少があったなど、非常に高い良い成績を残した所の多くは、医療の進歩が必ずその要因として隠れているというか、正しく医療の進歩があったからこういったものが出たという、国民や行政の行動変容というより、むしろ医療の進化が大きな要因であったというのも理解しておかなければいけないのかなと思っているところです。以上です。
○辻部会長 萩委員お願いします。
○萩委員 東海大学の萩です。2点の質問と1つの意見を言いたいと思います。資料1-3で私は身体活動が中心なのですが、何とかCというレベルで収まったのです。3つ目の所はBの*になっているのですが、恐らく身体活動については個人がどうこうというよりは、やはり社会環境の整備が非常に重要で、先ほど武見委員からも御発言がありましたけれども、市区町村ではスポーツ関係のことはかなり取組としてなさっているのですが、一向にここが上がってこないということが1つあります。そういう意味で、3つ目のB*になった理由についてお聞きしたいのが1点目の質問です。
 2点目の質問は、資料1-5の次期プランに向けた課題です。ここに挙げられている課題は、今後最終報告に向けて具体的なプランが出てくると考えていいのかどうか。今のままでは考えるというところでとどまっていますけれども、これについて考えて具体的にこうしますというところまで、最終報告で出てくるのかどうかをお尋ねしたいです。
 1つの意見は、今まで出てきた社会環境整備です。これは恐らく厚労省だけで何か解決するような問題ではない気がするのです。私たちスポーツ庁も関わっていますけれども、身体活動はスポーツ庁でもスポーツの実施率向上ということでやっていますし、もちろん厚労省とも一緒にやらせていただいている省庁連携のような部分を課題の中に明確に記載したほうがよろしいのかなと。多分、国土交通省など諸処環境整備ということになると、いろいろな省庁との絡みがなければ実現しないと思いますので、そういうことを書き込むかどうかで1歩進めるかどうかがあるように思います。以上3点でした。
○辻部会長 それでは、事務局から対応をお願いします。
○寺井健康課長補佐 資料1-3、1-4に対する御質問の回答をいたします。まず初めに長津委員からの、市区町村の規模別による調査結果に違いはあるのかという御質問です。今回お示ししましたのは、単純集計の結果のみになりますが、現在、市区町村の規模別の分析も進めておりますので、解析が終わりましたら改めて提示いたします。また脳血管疾患や虚血性心疾患、メタボリックシンドローム、糖尿病の合併症などについて、医療の進歩の影響も大きいのではないかという御意見は、ご指摘の通りかと思います。こちらは各領域の評価の中で、医療の進歩の影響などについても記載し、またどれぐらいの割合で影響を与えているのかについても分かる範囲で分析していただいているところですので、最終評価報告書としてまとめていきたいと思っております。
 萩委員からの御質問に対してです。資料1-3の身体活動・運動領域の中で、3つ目の環境整備の目標項目がB*となっている要因ですが、現在最終評価の中で評価いただいているところでは、住民が運動しやすい町づくりに対する取組などの横展開により認知率が上がっていることや、大事であるという意識が広がってきているということなどもあるかと思っております。ただ資料1-4の調査にもありましたとおり、町づくり部門との連携はまだまだ少ないところでもあり、今後の課題として残ってくるところかと思います。最終評価の範ちゅうですが、評価の結果を踏まえて課題を出していくところまでを最終評価で行い、今後どのようにしていくかということに関しては、次期プラン策定の中で御議論いただくことになると考えております。
○山本企画調整専門官 続いて、資料1-5についての御質問に回答いたします。清田委員からの健康格差の関係です。現状どういった対策をしていけばいいのか、自治体レベル、現場レベルではなかなか難しいという御意見だったと思います。こちらはまさに格差とはどういったものであり、どのように解消していくかというところは、国としても自治体としても、なかなかクリアになっていない部分が多々あろうかと思います。先生から頂いた社会的支援あるいはワークライフバランスといった総合的な視点を鑑みて、どのように対策を打っていくことがよいのか、あるいはそれをどのように自治体レベルあるいは現場レベルに伝えていくかは、次期プランでまさに検討して出していくべき論点かと思っておりますので、今後しっかり検討していきたいと考えております。
 長津委員からの御質問で、先ほどの寺井からの説明と重複いたしますが、健康格差は差分を取るのがいいのかというところ、こちらも繰り返しになるのですが、健康格差とは、そもそもどのように計るべきかというところからも、次期プランに向けての論点になってくると思いますので、こちらも検証を進めていきたいと考えております。
 萩委員から頂いた最終評価の次期プランとの整合性は、先ほど寺井から説明したとおりです。それから、国交省あるいはスポーツ庁との連携ですが、現状も担当レベルあるいは諸処の会議で、厚生労働省との連携はしているところです。ただ、もう1歩進めるべきではないかという御意見だと理解いたしましたので、今後どのように更に進めていくかは検討していきたいと思っております。以上です。
○辻部会長 ありがとうございました。時間の関係で、この議題はこれくらいにしたいと思いますけれども、この審議事項1について、最終評価報告書骨子案ということで、御了解、御了承いただいたということでよろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、最終評価報告書案については、本日、委員の皆様から頂いた御意見を踏まえて事務局で作成し、また推進専門委員会で御議論いただいた後、7月予定の本部会で提示させていただきますので、また引き続きよろしくお願いいたします。
 それでは、審議事項1については以上といたします。次に、審議事項2健康増進施設の利用促進について、事務局から御説明をお願いします。
○山本企画調整専門官 それでは、資料2を用いて、審議事項2健康増進施設関係について、御説明いたします。資料2は4枚ありますが、前半2ページが健康増進施設の現状の概要で、後半2ページが、今回、改正を考えている内容となります。
 1ページ目は、健康増進施設認定制度についてです。左側にあるとおり、国民の健康づくりを推進する上で、適切な内容の施設を健康増進施設と呼んでおりますが、それを厚生労働大臣が認定するという制度です。大臣告示で定められ、3類型あります。1つ目は運動型と呼ばれるもので、有酸素運動を安全かつ適切に行うことができる施設、2つ目は温泉利用型で、温泉利用プラス運動を行うことで健康増進を図る施設、3つ目は温泉利用プログラム型で、記載の①~③のプログラムで健康増進を図るものになっております。それぞれの施設について、設備要件、人的要件等を定めており、これらをクリアしたものを厚生労働大臣が健康増進施設であると認定する形になっております。
 続いて、2ページ目です。1つ目の類型である運動型については、更に上乗せの指定要件を満たしたものを、運動療法が適した施設として指定運動療法施設と呼んでおります。指定要件は、1つ目、健康増進施設の提携業務担当医が運動療法に関する知見を有すること、2つ目、1回当たりの施設料金が5,000円以内であること、3点目、提携医療機関との間で運動療法の実施に関し、指導・助言を行う旨の契約関係を有することの3つです。右側にあるとおり、こうした指定要件を満たした指定運動療法施設については、医師の指示の下により運動療法を行った場合には、その費用は医療費控除対象となります。通知で定められており、右側の一番下の部分ですが、「当該施設の利用料金も医師の治療を受けるために直接必要な費用と認められ、医療費控除の対象となる費用に該当する」と整理されています。利用者としては、所得税等が減税されるので、インセンティブが働いている形になっています。
 3ページ目、健康増進施設の普及に向けた改正案です。冒頭にありますが、これまで健康増進施設の利用促進のために、エビデンスに基づいた身体活動、あるいは運動のメニューをまとめた「標準的な運動プログラム」と呼ばれるものを策定したり、あるいは、こういったプログラムが効果があるものかどうか実証事業等を行ってきました。加えて、押印廃止といった手続の簡素化などにも取り組んできましたが、更に改正を行って、施設の普及を図っていきたいと考えています。
 改正内容の①は1回当たりの施設料金の見直しです。先ほど御説明した指定運動療法施設の1回当たりの利用料金が5,000円以内という点についてです。近年、運動指導については、1対1で受けるパーソナル・トレーニングと呼ばれる形が広まっています。こうしたトレーニングの形は、安全で効果的なものができると考えていますが、右下のグラフにあるとおり、1回当たりの利用料金の約半数が5,000円以上で提供されている実態があります。加えて、厚労科研においても、5,000円以内ではきめ細かい指導ができないとか、あるいは、実情に合っていないという指摘を頂いています。こうした5,000円以内という要件を完全に撤廃することもアイディアとしてはありますが、そうした場合は、本来必要のない過度な設備やサービス等が提供されて、著しく高額な利用料金が設定されるという形も否定できないと考えています。以上を踏まえて、今回の改正内容としては、5,000円以内という現状から1万円以内に引き上げることにしたいと考えています。右側のグラフでは、赤点線の所が新たにカバーされますので、全体としては約8割がカバーされる形になろうかと思います。
 4ページ目、改正内容②は面積要件の見直しです。現状は、「健康増進施設認定基準の解説について」と呼ばれるものにおいて、面積要件については「150m2を有していること」という記載があります。冒頭に申し上げた各種要件を仮に満たしていても、面積が150m2なければ一律に認定を与えないというのが現状です。一方、厚生労働科研において、「標準的な運動プログラム」に基づいて実施する様々なトレーニング・運動については、150m2までは必要ないという提言を頂いています。利用状況の調査等を行ったところ、20m2あれば面積要件としては十分であるということでしたので、今回、設備要件あるいは人的要件を満たしていることを前提として、面積要件としての最小値は20m2という形に改正したいと考えています。併せて、「健康増進施設の認定基準の解説について」に記載がある面積要件ですが、関連通知にしっかり書き込むことで明確化したいと考えています。①、②の見直しによって、健康増進施設の普及と、さらなる国民の健康づくりの推進を図っていきたいと考えています。改正日は令和4年4月を予定しております。本日、先生方に御審議いただいて、御了解いただけましたら、通知等の改正を行い、対応していきたいと考えています。説明は以上です。
○辻部会長 ありがとうございました。それでは、本審議事項について、委員の皆様から御質問、御意見を頂きたいと思います。荒籾委員どうぞ。その後、米川委員ですね。ミュートを外していただけますか。
○荒籾委員 健康日本21推進全国連絡協議会の荒籾です。私は、健康運動指導士、健康運動実践指導者の職能団体であります日本健康運動指導士会で専務理事をしております。今回の健康増進施設の改正に当たり、運動指導士の立場から感想等を述べさせていただきたいと思います。まず、料金が1回5,000円から1万円、2倍に拡大されたということで、やはり質のよい非常にきめ細かい運動指導をするに当たっては、ちょっと5,000円というのでは、現場レベルではなかなか難しいという声も多々ありまして、今回の改正案は、現場の運動指導者、若しくは施設運営者の方々から、評価されるところではないかと思います。
 それと、面積基準の所を150m2を20m2に大幅に見直しをしていただいたことについてですが、パーソナル・トレーニングや、少人数での運動指導を行う、マイクロジムと言われるような小型の施設においては、今まで面積的なところから健康増進施設を取りたいと思ってもなかなか難しかった。実際に、私もそういった施設運営者から相談を受けたことがあり、この面積のところで断念した方も少なからず聞いております。そういったところから、この20m2にしていただいたことで、かなり小規模のトレーニングジムなども健康増進施設の検討を始めるのではないかと思っております。私からの意見は以上です。
○辻部会長 では、米川委員、お願いします。
○米川委員 健康保健組合連合会の米川です。御説明ありがとうございました。私から確認です。先ほど説明がありました1回当たりの施設利用料金を1万円以内に引き上げるということですが、それは1万円を超える利用料の中で1万円まで了解なのか、それとも、基本料金として1万円という設定をしていないと認められないのか、その確認をお願いします。健康を維持する上で、より健康体に近いけれどもメタボでこれから治療を受ける可能性があるような人たちへの大変効果の高い施策になるかと思いますので、推進が図れる形でお願いしたいと思います。
○辻部会長 以上のお二人の御質問、御意見につきまして、事務局からお願いします。
○山本企画調整専門官 米川委員から頂きました1万円以内のところですけれども、現行の5,000円以内も同様ですけれども、認定要件として1回当たり5,000円以内でなければいけないということですので、今回の医療費控除も、仮に1万2,000円だったとすると、そもそも指定運動療法施設として認められない形になりますので、1万円部分のみだけ医療費控除を受けられて、2,000円は違うという形ではなくて、1万2,000円であれば、全て指定運動療法施設ではなくなるので、医療費控除の算定にはできない形になってしまいます。
○辻部会長 よろしいでしょうか、米川委員、いかがでしょうか。
○米川委員 重ね重ねの質問で申し訳ありません。事業者側からすると、1万円以内の設定にすれば新たなニーズを起こせることになると思うので、その意味でキャップはありますが、それなりの意味があろうかと思います。ただ、余り制限的な案内になると、せっかくの施策を活かすことができないこともあると思うので、今後の運用を見ながら、できるだけ融通の利く方策を考えていただければと思います。
○辻部会長 では、ほかに、お一人か、では、本田委員どうぞ。
○本田委員 すみません、本田です。これ入っていますでしょうか。
○辻部会長 はい、聞こえています。
○本田委員 すみません、すごく基本的な素人的なことを伺うので、もう説明があったかもしれないので、ちょっと恐縮なのですが。私たち一般のサラリーマンとかでも、今、健康づくりとかメタボ対策とかで運動しなきゃと思っている人間は、コロナもあったことですごく多いと思っています。この1回当たり幾らというのは、月会費とかで通っているような、そういう所では全く関係ないという認識なのですか。それとも、月会費で通って4回通ったから1回当たりでいいのですか。その辺、基本的なことを、一般の人は大変気になるかと思うのですが、教えていただければと思います。
○辻部会長 はい、事務局、お願いします。
○山本企画調整専門官 まず、私の説明が不足していて恐縮なのですが、今回の医療費控除の対象は、指定運動療法施設において医師の指示の下で運動療法を行った場合の費用という形でして、広く全てのスポーツジムや、そういったものが対象になるものではないということです。あくまで、医療の一貫としてということで制度としては認めているところです。また、月極とかそういったことはあるかと思いますが、あくまで月ベース、各施設での運動料金体系によるかと思いますが、こちらとして確認するところは、1回当たりの料金ということですので、それを満たした上で、月極とかそういったことを設定していただくのはいいとは思うのですが、あくまで1回当たりの料金というのは、申請時にも確認するところですので、そこは施設側でもきちんと設定していただく必要はあろうかと思います。
○本田委員 ありがとうございました。
○辻部会長 では、羽鳥先生から御意見を頂いて、この審議を閉じたいと思います。よろしくお願いします。ミュートを外していただけますか。
○羽鳥委員 すみません、日本医師会で健康スポーツ医も担当しております羽鳥です。で、荒籾さんにも入っていただいているのですが、健康スポーツ医学委員会というのがありまして、この42条施設を活用されている先生がかなり多いので、この制限がゆるめられたことを非常に歓迎したいと思います。それから、御自身でこの施設を運営されているドクターもいらっしゃいますけれども、運動療法そのものが、今までの高血圧、糖尿病、肥満だけではなくて、気管支喘息とか、あるいは胆がん患者さん、それから、CKDとかCOPD等かなり幅広く運動療法が取り入れられて、正にこれから始まる心不全パンデミックに対しても、この運動療法がメインになってくると思うので、非常に有り難いということです。エールです。
○辻部会長 それでは、まとめたいと思いますが、審議事項2につきまして、御了承いただいたということで、よろしゅうございますか。どうもありがとうございました。では、御了承いただきました。
 では、次に報告事項に移りたいと思います。時間の関係上、報告事項1~8まで事務局からの説明を続けまして、最後にまとめて委員の皆様から質疑応答の時間を頂きたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
○清野栄養指導室長 栄養指導室長の清野です。まず、報告事項1.東京栄養サミット2021について御報告いたします。資料は資料3です。栄養サミットについては、世界の栄養改善の現状と課題を確認し、国際的な栄養課題の解決のための取組推進を目的としたものです。
 2013年ロンドンでの第1回目の開催後、オリンピック・パラリンピック栄養プロセスとして継続し、2016年リオデジャネイロでの開催から東京に引き継がれ、昨年12月7日、8日に日本政府主催で開催いたしました。今回の栄養サミットでは、約60か国の首脳級及び閣僚級等のほか、国際機関の長、民間企業、市民社会、学術界の代表の方々、計90名以上の方に御発言をいただきました。
 先進国・途上国を問わず、成長や発育を妨げる低栄養と、非感染性疾患を引き起こす過栄養の「栄養不良の二重負荷」が問題となっていること。また、新型コロナウイルス感染症による世界的な栄養状況の悪化を踏まえ、栄養改善に向けて国際社会が今後取り組むべき方向性について議論を行いました。このサミットでの発表と議論された内容については、成果文書(東京栄養宣言)として取りまとめられ、この宣言には添付文書として78か国を含む181のステークホルダーから396の政策的又は資金的なコミットメントが添付されました。
 日本政府もコミットメントを行っており、栄養ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの重要な要素と位置付けて栄養関連施策を強化し、その利点を対外的に発信していくこととしております。持続可能な社会の基盤となる、誰一人取り残さない日本の栄養政策を推進し、健康的で持続可能な食環境づくり等の政策パッケージを展開し、その進捗等を公表することとしております。健康的で持続可能な食環境づくりについては、2枚目に示しておりますが、昨年6月に農林水産省・経済産業省・環境省・消費者庁と連携し、検討会を行い、報告書を取りまとめたところです。
 これに基づき「食塩の過剰摂取」「若年女性のやせ」や「経済格差に伴う栄養格差」の課題解決に向けて関係省庁と連携し、産学官等の連携の取組を進めていくこととしております。栄養については、SDGs17項目の全てに関連すると言われております。今回の東京栄養サミットを契機として、国内政策の強化をするとともに、世界各国、各地域での持続可能な社会の実現に向けて貢献していきたいと考えているところです。以上です。
○松村女性の健康推進室長 続いて、女性の健康推進室長、松村です。私から画面に投影しております資料4以降を御説明いたします。まず、喫煙環境に関する実態調査についての御説明です。こちらの調査は「健康増進法の一部を改正する法律」が成立した後、全面施行後の状況を調査把握し、施行後5年を経過した場合における改正に向けた基礎資料を集めることを目的として実施しているものです。詳細はこちらに掲示しているものです。
 結果は次のページです。直近の令和2年の結果が公表されております。令和2年12月末時点の状況を調査したものです。回答状況は18,997の事業所に対して8,634返していただいたということで45.4%の有効回答率でした。
 調査結果のポイントは、敷地内を禁煙にすることに理由付けられております第一種施設、学校、児童福祉施設、行政機関等の喫煙環境に関しては、施設種別の敷地内全面禁煙率が幼稚園等が最も高く94.5%でした。こちらは特定屋外喫煙場所という敷地内に特別な要件を設けた上で喫煙所を設置している所は、この%から除かれますので100%にならないということです。
 2つ目の○は、屋内の原則禁煙が義務付けられている一般施設、事業所、飲食店等の調査を行った結果です。火をつけて喫煙するたばこの屋内全面禁煙が72.2%であった。また、加熱式たばこの屋内全面禁煙の割合は70.9%であることが分かりました。また、小規模の施設で掲示することにより店内を喫煙にすることは可能とできる既存特定飲食提供施設に該当すると考えられる飲食店に関しても、調査の中で状況が分かってきました。全面禁煙にしておらず、かつ喫煙専用室も設置していない既存施設に関しては25.0%であったということです。
 また、こちらは令和元年にも調査しており、元年が全面施行前、令和2年が全面施行後ということで、前後比較を行ったところ、屋内全面禁煙をしている一般施設の割合は6割から7割に増加していることが確認できたということです。以上、資料4の説明です。
 続いて、資料5は「予防・健康づくりに関する大規模実証事業」です。こちらは経済産業省と厚生労働省で共に取り組んでおり、事業のテーマは緑の枠で掲げております11の項目があり、その中で●になっているものが厚生労働省が取り組んでいるものです。
 次のスライドは、昨年の部会で示したものです。健康局でやっております●になっているもののうち、この点線の枠で囲んでおります(ア)運動、(イ)栄養、(ウ)女性の健康、(エ)がん検診、(オ)健康まちづくりの5つの実証事業を実施していると御報告したところです。こちらは2020年度から3年間でやることになっておりますので、今年度が2年目、来年度が最終年度です。
 次のスライドが、今回、新しくお示しする各事業ごとの進捗の御報告です。先ほどの点線で囲っておりました5つの事業のうち、左上から(ア)健康増進施設における標準的な運動プログラム検証のための実証事業です。こちらは令和3年に健康増進施設における標準的な運動プログラムについてBMIや身体活動量等の指標を用いて、実際にそのプログラムの有効性を実施して検証しているところです。
 (イ)食行動の変容に向けた尿検査及び食環境整備に係る実証事業。こちらも令和3年度に①尿中ナトリウム・カリウム測定と管理栄養士等による保健指導。②食環境整備等による有用性の検証として、尿中ナトリウムや食行動関連等の指標を用いて、食塩摂取量や食行動の変容効果の検証を行っております。
 (ウ)女性特有の健康課題に関するスクリーニング及び介入方法検証のための実証事業。こちらは①月経困難症等と②やせ・低栄養と2つのブランチがあります。①月経困難症に関しては令和3年度に実証事業を実施しており、月経困難症のハイリスク者に対するスクリーニングや受診勧奨といった介入を行い、その有用性を検証しているところです。②やせ・低栄養に関しては、こちらは2か年事業になっており、現在は実証事業の枠組みを検討している段階です。
 (エ)がん検診のアクセシビリティ向上策等の実証事業。こちらは、令和2年の段階から既に実証事業が開始されており、令和3年度の段階では、11市町村・2健保組合において、受診勧奨や精密検査受診率向上のための介入をしている状況です。令和4年度は更に市町村や取り組む健保組合の数を増やし、横展開をしていきたいと計画しているところです。
 (オ)健康にやさしいまちづくりのための環境整備に係る実証事業。こちらは、実証事業を令和3年から開始しており、具体的な介入方法としては①スマートウェルネスシティの施策やAIスピーカーの活用。②歩きたくなるまちづくり事業、健康ポイント事業、オンライン「通いの場」事業の有用性を評価することを実施しているところです。以上が資料5の御説明です。
 続いて、資料6はPHR(パーソナルヘルスレコード)に関する取組です。1枚目はPHRの簡単な振り返りです。左側に示しております学校健診から始まる各種健診の情報を真ん中におります健診を受けられた方にマイナポータルを通じて御提供する枠組みを作っていこうというものです。
 また、中段に赤字でありますように、API連携という仕組みを使うことにより、点線を追っていただきますと右下にあります民間事業者に御本人の同意の下、そういった情報を提供し、経年変化や差分を示すような分かりやすい形で、御本人にその情報を編集してお見せし、本人の行動変容につなげていこうという仕組みです。
 次のスライドは、厚生労働省で作っておりますデータヘルス改革に関する工程表に応じて、先ほどのPHRを進めているところです。薄緑で示しているところが該当する工程表です。自治体検診、がん検診、骨粗鬆症検診、歯周疾患検診、肝炎ウイルス検診に関しては、データの標準化、システム要件の整理等を行い、正に、自治体でのシステム改修を行っているところです。また、先ほど申し上げました民間のPHRサービスの利活用の促進に向けては、ルール作りを行い、こういった機微の情報の取り扱いを民間の事業者の方々にルールを守っていただくということで、ガイドラインを示したところです。
 次のスライドが、先ほど申し上げました自治体でのシステム改修の仕組みです。左側にあります健診機関から自治体に送るためのフォーマット、健診情報を入れ込むフォーマット、そして、自治体の中で自治体のサーバーからマイナポータルに関連する自治体の中間サーバーにデータを移行するためのフォーマット、こういったものを作成した上でシステム改修のための費用補助を行って、今、正に、システム改修を行っているところです。最後のスライドは、また併せて先ほど申し上げました民間の事業者に対しての守っていただくためのルール、基本的指針も昨年4月に示しているところです。資料6の御説明は以上です。
 続いて、資料7はコロナ下の「新しい生活様式」における生活習慣の変化や予防・健康づくりへの影響に関する調査研究です。本日の御議論でもありましたように、コロナによって生活習慣が大きく変わっておりますので、どういった変化があったかを令和2年度の特別研究という形でインターネット調査で約6万人の方々に対して実施をしております。そのポイントを御報告いたします。
 中段にあります結果のポイントとしては、体重、BMI、睡眠時間はやや増加傾向にありましたが、残りのアルコール摂取量、喫煙者の割合、1日の総合身体活動量、健康診断受診者は減少傾向であったということです。N数が非常に多く、その下に書いてあります数字はいずれもP値が小さく有意な変化でしたが、変化量としてはそれほど大きなものではなかったと考えております。
 次のスライドは、更に、もう少し詳しく解析もしていただき、実際に、先ほどが平均値ですが、コロナ前後で良い方向に変化したか、悪い方向に変化したか、肥満の人が痩せるのはもちろん良い方向ですし、痩せの人が痩せるのは悪い方向ということで、それぞれベクトルを整理した上で変化を見たものです。結果のポイントとしては、いずれの分野でも変化なしが大多数でしたが、やはり改善する方、悪い方、それぞれ存在していたことが確認できております。一方で、属性ごとに収入等も含めて比較いたしましたが、大きな違いは見られなかったところです。こういった結果に関して、今後、継続的にデータを取り、変化を見ていきたいと考えております。
 次のスライドです。先ほど、著明な変化は見られないということでしたが、引き続き、コロナということで、生活習慣を見直すきっかけになろうかということで、厚生労働省では生活習慣を見直すための広報をしておりますので、ここにありますようなパンフレット等の形を使い、自治体の職員の方々が使っていただけるような資材を提供していくということで御提供しております。次のスライドです。直接、国民向けに啓発をするようなコンテンツや動画等も含めて提供していただいているので御紹介いたします。資料7の御説明は以上です。
 続いて、資料8は特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会に関しての御報告です。令和6年(2024年)に第4期特定健康診査等実施計画が開始されることを見据え、これまでの取組の実績やその評価等を踏まえた効率的・効果的な実施方法等や、科学的な知見を踏まえた特定健診・特定保健指導に関する技術的な事項についての検討を行うことを目的として、健康局及び保険局が合同で12月に第1回の会合を開いたところです。
 検討事項は、先ほど申し上げました効率的・効果的な実施方法等、技術的な事項の2点です。学識経験者、保険者の代表者、関係団体の代表者の皆様28名に入っていただき、検討会が立ち上がっているところです。また、この下にワーキンググループを設置して、今後、議論を進めていきたいと考えております。
 次のスライドです。1.今後の進め方に関しては、先ほど申し上げましたようにワーキンググループを設置しながら議論を進めていくとしており、見直しの方向性としては、これまでの取組実績やその評価等を踏まえた効率的・効果的な実施方法を検討すべきということで、より細かく申しますと、個人の受診者の行動変容につながり、成果を得たかどうかを評価するアウトカム評価の導入、ICTを活用した取組などで検討してはどうかという方向性を出しております。また、健康増進に関する科学的な知見を踏まえた特定健診・特定保健指導の技術的な事項について別途ワーキング等で検討すべきとしております。
 最後のスライドで、今後のスケジュールの概観が分かるようになっております。中段に見直しのスケジュールが書かれておりますが、2023年度以降に、第4期実施計画策定等の期間がありますので、2022年度中に先ほど申し上げました検討会を取りまとめて方向性を示す予定としております。これ以降は、先ほど申し上げました検討会のメンバーリストや要綱がありますので、御参考にしていただき、御説明は割愛いたします。私からは以上です。
○小嶺歯科口腔保健推進室長 続いて、医政局歯科口腔保健推進室長の小嶺です。資料9を御覧ください。歯科口腔保健の推進に関する法律に基づく「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」の評価については、本部会の下に設置されている歯科口腔保健の推進に関する専門委員会で行うこととされております。今般、最終評価及び次期基本的事項の具体的検討を行うため、令和3年11月22日に専門委員会の設置要綱を一部改正いたしましたので御報告いたします。
 2ページ、別紙1が改正後の要綱です。具体的には、最終評価と次期基本的事項の検討を行う旨を追記しております。具体的な最終評価の方法については、4ページからの別紙2を御覧ください。「健康日本21(第二次)」と同様に、各目標における実績値の評価。諸活動の成果の評価を行い、その上で、今後の課題との整理を行う予定にしております。
 なお、「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」における具体的な指標の直近値の状況については、9~11ページにお示ししております。直近値が得られるものから順次議論を行っているところです。最終的に2022年6月頃に最終評価の報告書案を取りまとめる予定となっております。
 スケジュール案は、16ページの別紙3にまとめて示しております。昨年12月10日から議論を開始しており、最終的には本部会に御報告する予定としております。歯科口腔保健の推進に関する専門委員会の状況については以上です。
○竹之内地域保健室長 続いて、資料10の「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」の改正について、地域保健室長の竹之内より御説明いたします。昨年度、新型コロナウイルス感染拡大を受け、感染症対策における保健所等の役割の重要性が再認識され、その対制強化が課題となっていたというところで、1枚目の概要ペーパーの改定の趣旨の2つ目の○にありますように、令和3年1月第43回の前回の部会の中で、先生方に議論いただき、保健所の機能強化や人材育成のための体制構築等を指針に盛り込むということで、内容について改定の方向性を了承いただいたことになっております。これに基づいて実際に指針の内容等を改定し、令和4年2月1日、昨日、大臣告示として改定いたしましたので御報告いたします。具体的な改定内容は、1枚目の改定のポイントに記載されております内容となります。これも前回、先生方より指摘をいただき、盛り込むべきという内容の部分に限り、今回改定を行っております。
 1つ目は、自治体で確保すべき健康危機管理体制として「感染症のまん延に備えた体制構築」を明記しております。また、2つ目の○にありますように、保健所の運営に関する基本的事項として、感染症に関する機能強化や人材確保等を規定しております。具体的には、4つの・で示している内容となります。1つ目は感染症業務に従事する保健師の継続的な確保を加えております。2つ目は平時から健康危機時の全庁的な人員体制を検討・準備をしていただきたいということです。これは、前回も指摘をいただきましたが、緊急時になってから慌てて人員体制を組もうとしてもなかなかできないので、平時からそのような体制を検討すべきだということでお話をいただいておりました。また実際に、この1年間で厚生労働省からの事務連絡の中でも全庁的な人員体制を組んでいただきたいと常にお願いしている内容と重なりますので、この内容を指針に反映させていただいております。
 3つ目の・は、健康危機時における感染症対策以外の業務の縮小の検討です。これは、実際に保健所の業務について感染症対策以外の業務を止めずに、保健所の中で対応をしていただくのは現実的に難しいということで、業務の縮小等の検討をしていただきたいということでお願いをしてきましたが、その部分についても今回の指針の中で反映している形になります。
 最後に、今回、地域の専門人材を応援職員として派遣する仕組み(IHEAT)の構築です。前回もお話しましたが(IHEAT)についても、この指針の中で記載しております。具体的にIHEATという用語をこの指針の中では使っておりませんが、いわゆる専門人材の応援職員としての派遣する仕組みについてきちんと構築した上で、また、そういった人材の質の向上ということで、研修等を含めて応援していただける方々について、対応していただく内容が含まれています。以上です。よろしくお願いいたします。
○辻部会長 ありがとうございました。ただいまの報告事項1~8まで御説明をいただきましたが、委員の皆様からも御質問、御意見をいただきたいと思います。大分、時間が迫っておりますので、お一人、お二人に限らせていただきますが、どなたかありますでしょうか。白井委員お願いします。
○白井委員 白井です。よろしくお願いします。私は最後の「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」の御説明を受け、今、新型コロナウイルス対策で現場で先行していることがありますが、やはり、自治体によってやり方が大分変わっておりますので、それについてきちんと指針に入れていただいたことについては、今後の感染症対策についても「地域保健対策の推進に関する」のところで、今回、健康増進のことが議論として多かったのですが、やはり感染症のリスクとして健康増進に関する生活習慣病であるとか、そういったリスクの方々がこの感染症に弱いことが分かっておりますので、この辺の部分についても、この指針の中にきちんと入れていただき、本当にありがとうございます。更に、人材育成については、感染症以外のことについても追加になる必要があると思っておりますので、また、皆様の御支援をいただきたいと思います。
○辻部会長 それでは最後に、清田委員お願いします。
○清田委員 私も「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」についての意見を1つ申し上げます。この中で平時から健康危機時の全庁的な人員体制を検討・準備というのは、本当に必要なことだと、この指針の中に入ったことで準備できることは有り難いと思っています。全庁的なというのは、各自治体ごとにイメージがありますが、是非、これを推進するときに各自治体を超えて県及び市町村の連携も含めた人員体制というところで推進していただければと思います。
 県においては、各市町村と手を結ぶことに非常に時間がかかった経緯もありました。だからこそ、平時から市町村と、そして市町村においては保健師を統括する保健師というイメージを持って窓口がはっきりしますが、平時から統括的な保健師の存在も確認しながら県と市町村がつないでいく取組が進めば本当に有り難いと思います。その意識を持ってこの指針を活用していただければと思います。よろしくお願いいたします。
○辻部会長 竹之内地域保健室長、今、お二人の委員から御意見がありましたが、何かお返事はありますか。
○竹之内地域保健室長 ありがとうございます。いただいた御意見については、この指針を各自治体等に浸透させていく中で、具体的に示しながら協力を求めていきたいと思います。また、その他にもご意見等があれば、個別に相談いただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○辻部会長 ありがとうございました。まだ委員の先生方から御意見がいただけると思いますが、時間の関係もありますので、本日の議論はここまでとさせていただきます。皆様から何か御質問、御意見がありましたら、個別に事務局にメールその他で御意見いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。では、最後に、今後のスケジュール等について事務局からお願いいたします。
○磯崎健康課長補佐 今後のスケジュールの御案内の前に、後ほどと申しておりました健康課長の佐々木より御挨拶申し上げます。
○佐々木健康課長 健康課長の佐々木です。本日は遅参して申し訳ございませんでした。局長の佐原も業務により出席できませんでしたが、佐原に代わって閉会に当たり、私から一言御挨拶申し上げます。
 まずは、本日、活発な御審議をいただき、誠にありがとうございます。辻部会長におかれましても取りまとめをありがとうございました。本日、非常に重要な審議をいただき、1つは今後の「健康日本21(第二次)」最終評価の取りまとめに向けた骨子について御了承いただき、もう1つは健康増進施設の利用促進に向けた改正案について御了承いただいたところです。それぞれ、いただいた御指摘を踏まえながら着実に、特に後者は4月1日の施行を目指しておりますので取組を進めてまいりたいと思います。引き続き、よろしくお願いいたします。
 そうした中で、本日は栄養、健康増進、歯科保健、地域保健の各分野についても、多岐にわたる御報告をさせていただき、改めて、健康というのは非常に多面的なアプローチがあると感じた次第です。審議事項の1番に戻り、次期国民健康づくりプランに向けてという大きな節目を迎えつつある大事な時期だと思っております。節目といえば、明日はちょうど節分で、是非、無病息災をお祈りしたいと思っているところです。
 今、新型コロナウイルス感染症など、こういった健康危機管理もありますが、白井委員からもお話がありましたように、そうした中で日頃の健康増進、これを忘れずに着実にやっていくことも大事だと思っております。それぞれ、二正面作戦と言いましょうか。両面に対応するのは大変だと思いますが、引き続き、我々としては皆様方と連携しながら取組を進めてまいりたいと思っておりますので、変わらぬ御指導、御鞭撻をいただくようお願い申し上げまして、簡単ではありますが私からの御挨拶とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。
○磯崎健康課長補佐 今後のスケジュールの前にもう1点御報告がございます。座席表上のWeb参加委員に米川委員の記載が漏れておりましたが、米川委員におかれましては御出席いただいております。米川委員、記載が漏れており、大変申し訳ございませんでした。
 それでは、今後のスケジュールについて御案内いたします。次回の部会については、今回の御議論等を踏まえ、追って調整いたしますので、お忙しい中恐れ入りますがよろしくお願いいたします。
○辻部会長 それでは、本日の部会を終了したいと思います。委員の皆様におかれましては、スムースな議事進行に御協力いただき、どうもありがとうございました。では、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
 

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