2015年10月21日 第9回医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会議事録

政策統括官付情報政策担当参事官室

日時

平成27年10月21日(水)10:00~12:00

場所

スタンダード会議室虎ノ門SQUARE 4階会議室

出席者

委員(五十音順)


事務局

議題

  1. 医療等分野の番号の制度設計に関する論点
  2. 意見交換

配布資料

議事次第 医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会
資料1—1 医療等分野の番号の制度設計に関して第8回(9月30日)で事務局から提示した考え方案
資料1—2 医療等分野の番号の制度設計に関する主な論点整理
資料1—3 医療保険資格の番号と医療連携で用いる識別子のイメージ
資料2 日本医師会 医療等IDの発番・運用について

議事

議事
○金子座長 皆さん、おはようございます。定刻ちょっと前ではございますけれども、全員そろったということで、始めさせていただきたいと思います。第9回「医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会」を開催したいと思います。


初めに、10月1日に厚生労働省で人事異動がございましたので、佐々木参事官のほうから御挨拶をお願いしたいと思います。


○佐々木参事官 日ごろより厚生労働行政の推進に御協力を賜りまして、先生方ありがとうございます。10月付で情報担当政策参事官に着任いたしました佐々木と申します。


この検討会で、マイナンバー制度のインフラを活用した医療情報の連携につきまして精力的に御検討を賜っているところでございまして、年内に一定の取りまとめを行うということを目指して精力的な御審議を続けていただいているものと承知しております。


引き続き、よろしくお願いいたします。


○金子座長 ありがとうございました。


武田政策統括官は、きょうは少しおくれて到着ということでございますので、到着されましたら、またその時点で一言御挨拶いただきますので、よろしくお願いいたします。


また、本日は新保委員、森田委員、山口委員は御欠席との連絡をいただいております。


では、事務局より配付資料について御説明をお願いいたしたいと思います。


○高木企画官 事務局でございます。


お手元の資料の確認をお願いいたします。


まず、資料1-1として「医療等分野の番号の制度設計に関して第8回(9月30日)で事務局から提示した考え方案」。


資料1-2として「医療等分野の番号の制度設計に関する主な論点整理」。


資料1-3として「医療保険資格の番号と医療連携で用いる識別子のイメージ」。


資料2として、日本医師会提出資料、石川委員の提出資料で「医療等IDの発番・運用について」でございます。


万が一、資料に不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。


○金子座長 よろしいでしょうか。


だんだんと議論がまとまってきたので、毎回資料が少なくなるという感じでございます。毎回、行政のほうからいただく会議の進行シナリオというものがありまして、座長がそれに沿って会議を進めるのですが、今日の進行シナリオはたいへんシンプルなもので、じっくり皆さん方の御議論をいただきたいと思っております。


では、報道陣の皆様の頭撮りはここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。


(報道関係者退室)


○金子座長 それでは、議事に入りたいと思います。


前回の議論では、医療等分野の番号の考え方や制度設計の論点について事務局から提案があり、これを受けて委員の皆様方からさまざまな、闊達な御議論・御意見をいただきました。


まず、事務局で前回の意見を整理していただいたので報告していただきます。本研究会では技術的にかなり難しい議論になることもあります。それはしっかりやっていただきつつ、あと一回か二回程度になりますので、みなさまからさまざまなご意見をいただきたいと思っております。前回は大変いい議論をいただきましたので、きょうも期待しております。


また、医師会の検討会というものがこれと並行して別に医師会のほうで進んでおります。石川構成員のほうから資料を提出していただいています。


それでは、事務局から説明をお願いいたします。


○高木企画官 事務局でございます。資料を御説明させていただきます。


まず、資料1-1で「医療等分野の番号の制度設計に関して第8回(9月30日)で事務局から提示した考え方案」という資料でございます。こちらにつきましては、2ページ目以降でございますけれども、前回の資料と同じものを御用意させていただいております。


1ページ目にありますのは、前回事務局から提示した考え方案の概要でございます。それぞれの項目についての考え方案でございます。


念のため、御説明させていただきますと、項目の1つ目、マイナンバーとの関係。これにつきましては「医療等分野の番号」というものは、目的等によって異なるID体系で管理された医療情報を突合するために、一意的に識別するための識別子として位置づけるとともに、現在、各医療機関・薬局や地域医療ネットワークで用いられているさまざまな患者IDは、引き続き利用できるような仕組みとしてはどうかという考え方案でございます。


また「見える番号」とするか「見えない電磁的な符号」とするかにつきましては、書面への書き取りであるとか人の手を介さず、安全で効率的にシステム間で連携するという観点から「見えない番号」としてはどうかということを御提案させていただきました。


発行方法、発行・管理の機関につきましては、マイナンバーのインフラでは、支払基金が機関別符号を取りまとめる。保険者を異動しても一意的に識別できる符号というものを支払基金の機関別符号として用意されるので、これを活用して、支払基金の機関別符号と1対1で管理するものを用意してはどうかということを御提案させていただいております。


また、支払基金・国保中央会は、資格管理の業務を保険者から委託を受ける。資格管理そのものは保険者の業務でございますけれども、その業務の一部を委託を受けるという形でございますが、医療等分野の番号の発行・生成・管理につきましても、これを一体的にやることによって効率的な仕組みができるのではないかということを御提案させていただいております。


個人番号カードによるオンライン資格確認との関係につきましては、支払基金の機関別符号や電子証明書と1対1で管理されるものが医療等分野の番号でございますので、個人を一意的に識別できるものでございますので、本人確認を厳格に確認するという観点から、個人番号カードで資格確認した際に、本人に一意的に識別できる識別子を提供する仕組みとしてはどうかということを提案させていただいております。


取り扱いの規制につきましては、こうした仕組みを整理した上で、規制を検討する。


電磁的符号というものは、書き取りや人の手を介在することがないので、番号の告知要求の制限や故意に漏えいした場合の罰則等の必要性については、利用形態を精査しつつ、検討してはどうかということを御提案させていただいております。


2ページ目以降については、前回御説明した内容と同じでございますので、後ほどの議論の際に御活用いただければと思っております。


続きまして、資料1-2でございますが、こちらの資料につきましては最初に前回御提示させていただいた、今、御説明した考え方案が書いてございます。


1.の項目につきましては、この1ページ目の中段の上の枠のところは前回と同じ記述になっております。それぞれの項目につきまして前回御意見をいただきましたので、それを事務局で整理させていただきました。その部分について御説明させていただきます。


まず1ページ目でございますが、マイナンバーとの関係、医療保険のインフラを活用するということにつきましては、1つ目の○でございますけれども、生活保護の受給者についても医療等分野の番号が利用できる仕組みを検討すべきという御意見がございました。


また、2つ目の○でございますが、国保の資格確認の事務でも、無資格者を把握する観点から生活保護の資格確認は重要である。生活保護に移ったときに、国保の資格そのものを喪失するのではなく、停止するといった仕組みなど、本人への便益の点でも整合性がとれるのではないかといった御意見もございました。


なお、医療保険から生活保護に移った後に、生活保護から医療保険にまた戻った場合ですけれども、支払基金の機関別符号は変わりませんので、同じ医療等分野の番号を利用する仕組みは可能であるということを事務局から御説明させていただいております。


また、この医療保険の仕組みとは別に、生活保護の受給者について番号を用意する場合には、どのような仕組みでコスト等を負担するのかなどの検討の課題があると考えております。


2ページ目でございます。1つ目の○につきましては、医療保険には資格確認のタイムラグがございますので、ほぼリアルタイムであれば医療機関にもメリットがございますけれども、現在の支払基金が提供している資格確認サービスと同じ程度であれば、医療機関がインフラ整備に投資してまでやるかどうかというところについて、病院の経営状況から厳しいという御意見がございました。


2つ目の○で、医療保険者の資格確認に当たって、保険者を異動すると現在、被保険者番号というものは変わりますが、保険者を異動しても変わらない共通の番号として「見える番号」が必要ではないかという御意見がございました。


3つ目の○で、高額療養費について、その多数該当を都道府県単位で行う場合に、マイナンバーを活用する仕組みも検討してはどうかという御意見がございました。


3ページ目でございます。「見える番号」とするか「見えない番号」とするかということでございます。上段の枠は前回と同じでございますので、割愛させていただきます。


真ん中のところでございますが、保険者を異動しても変わらない共通の番号というものを「見える番号」として用意してはどうか。また、その場合に個人番号カードの取得は任意であるので、それを前提としない方法も必要であるという意見がございました。


4ページ目でございます。発行方法、発行・管理についての論点でございます。上段のところは割愛させていただきます。


下のところで、前回の意見でございます。個人番号カードについての論点がございました。個人番号カードを用いた資格確認の仕組みの検討に当たっては、国民全員にいつまでに配布されるか、発行能力がどの程度あるかということがこの制約条件の大きな要素である。国民全員にいつまで配布されるかを踏まえて、過渡的な対応の検討が必要ではないかという意見がございます。


2つ目の○で、個人番号カードは国民全員にはすぐに普及しない中で、医療機関が円滑に対応できる仕組みも検討する必要がある。個人番号カードがない場合でもオンライン資格確認ができる仕組みを用意すべきという御意見がございました。


3つ目の○で、共通保険証の発行のような仕組みを入れることができれば、そこに保険資格確認用のIDをつける、印刷する仕組みも可能ではないかという御意見がございました。


5ページ目で、1つ目の○でございますが、マイナンバーが整備されているかどうかにかかわらず医療機関間での情報連携が必要であるので、医療等分野の情報連携に用いる番号について、マイナンバーのインフラの準備や個人番号カードの普及を待たずに、医療機関が利用できる仕組みを考えていく必要があるという御意見がございました。


2つ目の○につきましては、先ほども申し上げましたが、保険者を異動しても変わらない共通の番号を「見える番号」として、個人番号カードの取得は任意なので、個人番号カードを前提としない方法も考えてはどうかという御意見がございました。


3つ目の○で、医療保険の資格確認は、その人が社会保障のサービスを受ける権利を持っていることを確認することである。券面ではなく、個人番号カードのICチップの中に、電子空間で身分証を確認して保証する仕組みを入れており、公的個人認証は本人確認を確実に担保できる。本人確認を保証するサービスが必要なのであれば、ほかの方法で安易にやることは危ない。


もう一つの○でございますけれども、医療分野の情報連携というものは、本人確認を入り口で間違えると大変なことになる。間違っても後で確認すれば大丈夫ということではなくて、将来の姿を考えれば、入り口から確実に紐づけしなければ信用できないという考えに立った仕組みとすべきではないかという意見がございました。


最後の○で、個人番号カードにつきましては、ICチップというものが一番安全かつ確実で実績も十分にあるので、認証の仕組みで使うことにしているが、技術進歩によって、カード以外の認証の方法も出ているので、個人番号カードが間に合わないからできないということではなくて、カード以外のさまざまな発展の余地を考えればいいという御意見がございました。


個人番号カードについては、こうした形で御議論いただいたところでございます。


6ページ目で「4.番号の取扱いの規制」の関係でございます。前回の御意見でございますけれども、個人情報保護法の改正によって「病歴」が「要配慮個人情報」に位置づけられた。ただ、医療機関同士の連携や家族等への病状の説明など、医療現場が個人情報保護法に委縮して必要な医療が提供できなくなるようにする必要がある。


2つ目の○でございますけれども、現場の要請に対して、法令の規制やガイドラインが逆行しないようにする必要がある。


また、医療情報の連携のためのIDについては、別個の法整備を検討すべきといった御意見がございました。


7ページ目は、前回の資料と同じでございます。


8ページ目の地域医療連携への活用につきましては、介護分野の連携についても、できるだけ早く使えるような仕組みとすべきという御意見がございました。


なお、介護施設についても、現在、地域医療ネットワークに参加している場合には、そのネットワークを超えて情報連携が必要な場合には、この医療等分野のインフラを活用できるという仕組みを提案させていただいております。


9ページ目につきましては、研究分野への活用でございますが、前回、特に御意見はございませんでしたので、記載はしておりません。


資料1-2については以上でございます。


続きまして、資料2につきましては石川構成員から御提出いただいている資料でございますけれども、私のほうから御説明させていただくということでよろしいでしょうか。


○石川構成員 はい。


○高木企画官 では、私のほうから資料2につきまして、御説明させていただきます。


これは真ん中にございますが、10月8日に日本医師会医療分野等ID導入に関する検討委員会がございまして、その資料から抜粋しているものでございます。


1ページ目では医療等分野の番号、IDを考えるに当たっての考え方を整理しているものでございます。


まず、用語につきまして「保険等資格確認PF」と書いてございますが、これはプラットフォームの訳でございます。保険等資格確認プラットフォームと、もう一つ「医療等ID発番・管理PF」と書いてありますけれども、これもプラットフォームの略でございます。


保険等資格確認プラットフォームにつきましては、被保険者の個人番号から医療保険用の機関別符号の生成の要求とか管理を行うプラットフォームを保険資格の確認のプラットフォームとしております。もう一つ、医療等ID発番・管理のプラットフォーム。これは医療等分野のIDを管理するプラットフォーム。この仕組みについて、システムを2つに分けているということでございます。




もう一つは、これも用語の関係でございますけれども、医療等IDというものの概念で、Key-IDというものがまずあるということでございます。医療等IDの中で、他の全てのIDの元となるIDで、こちらにつきましては外には出さないとか、原則として変更できないということをKey-IDの概念としております。


次に、資格確認用番号というものを設ける。これもKey-IDから生成されるIDでございますけれども、現行の保険証に印字して「見える番号」とする。また、保険資格の確認のほか、目的に応じた医療等IDの発行要求をする際に利用するとしております。ただし、安全性の観点から、定期的に保険資格確認用の番号は変更するということにしております。


もう一つ、ID-*。ここはそれぞれの利用目的に応じて入るということでございますけれども、利用目的に応じて発行される医療等IDでございます。視認できないものにするかどうかということは、目的等に応じて考えるということになっております。


あと、細かい話でございますが、プラットフォーム間のコードというものを設ける。これは後で御説明させていただきます。


2ページ目ですが、これは「医療等IDの原則と基本的な考え方」として医師会の検討会で検討されているものでございますけれども、マイナンバー制度のインフラを活用する。それで、医療保険用の機関別符号というものは唯一無二性を担保する。これを活用するということでございます。


医療等IDの生成方法についての考え方でございますけれども、一人に対して目的別に複数の医療等IDを付与できる。かつ、その目的間での突合を可能にする。この突合を可能にするためにはKey-IDというものを設ける。このKey-IDは原則として変更しないということでございます。また、目的別の医療等IDはKey-IDを元に発番する仕組みとしております。


2つ目でございますけれども、医療等IDの発番・管理というものは、情報を分散管理する意味でも、保険等資格を確認するプラットフォームとは独立性を保つということにしております。この医療等IDのプラットフォームについては、機関別符号というものは保持しないということにしております。


また、その医療等IDに紐づける情報は、患者の同意もしくは法令等に定められた事項であるということにしております。


おめくりいただきまして、3ページ目でございますが、こちらが医療等IDの発番・管理に当たっての仕組みの全体像でございます。


左側に、患者のところにございますけれども、保険証に資格確認用の番号がございます。これは、事務局からは個人番号カードによる資格確認の仕組みというものを前回御提案させていただきましたが、この仕組みというものは個人番号カード以外の保険証で資格確認をするといった仕組みについて御説明しているものでございます。


まず、真ん中にKey-IDというものがございます。このKey-IDから資格確認用の番号とプラットフォーム間の連携をやるコードというものを出します。このプラットフォーム間のコードというものは、この下の医療等IDのプラットフォームと、もう一つ、上のほうの保険資格の確認のプラットフォームのところにこのコードが入ります。そうしますと、その保険資格の確認のプラットフォームには医療保険用の機関別符号というものがございますが、この機関別符号というものは本人を一意的に、どの保険者に異動してもずっと変わらない符号でございまして、これはマイナンバーと1対1でも対応するものでございます。


この機関別符号と1対1で対応する形ができるように、このプラットフォーム間のコードというものを用いてKey-IDというものを用意する。次に、そのKey-IDから資格確認用の番号を用意して、これを保険資格の確認のプラットフォームを通じて、保険者に保険資格確認用の番号というものを提供する。そうすると、保険者で保険証に資格確認用の番号というものをつけますと、医療機関のところで資格確認用の番号を読み取りまして、それに応じて保険資格が返ってくる。こういう仕組みでございます。


個人番号カード以外にも、Key-IDをもとにこの資格確認用の番号を発生させることによって、これを保険証に印字するのか、記載するのか、バーコードの形にするのか、やり方はいろいろとあると思いますけれども、それを医療機関で読み取ると、その資格が返ってくるという仕組みを提案いただいているということでございます。


4ページ目で、こちらの個人番号カードにある電子証明書を読み取って資格確認をする仕組みで、上のところの保険資格プラットフォームのところにございますとおり、もともと機関別符号と個人番号カードにある電子証明書というものは1対1で対応しますので、これを読み取ることによって保険資格が返ってくる。これは前回、事務局で御提案させていただいた仕組みと同じでございます。


5ページ目は、Key-IDから研究用にIDを発行した場合の仕組みでございます。


真ん中のところに「医療等ID発番・管理PF」とございますけれども、このKey-IDから研究用にID-Yを生み出す。資格確認した際に、このID-Yを医療機関に提供する。そうすると、医療機関でID-Yを用いて、情報等にID-Yをくっつけて、国とか研究機関とかで、情報収集をしたい。ここにID-Yを用いるということでございます。


このID-YはKey-IDからつくられるもので、かつ、Key-ID自体は医療保険用の機関別符号と1対1の関係でございますので、事実上、このID-Yは1対1に管理できるものにはなるということでございます。


続きまして6ページ目は、それぞれの地域の医療のネットワークがある場合に、そのネットワークでそれぞれIDの管理体系がございますけれども、そのネットワーク間を超えて情報連携する場合にどのようにやるかということをお示しした図でございます。


左側のところに医療機関Aというものがございます。この医療機関Aは地域医療連携Aのシステムの中に入って、このネットワークの中で情報連携をしているという形でございます。もう一つ、医療機関Bが右側にございますけれども、Bの医療機関は地域医療連携のBのネットワークの中で活動している。ネットワークの情報連携をしているということでございます。


Aシステムの「地域医療連携A管理ID」と「地域医療連携B管理ID」は同じ患者について、それぞれのネットワークの管理主体が異なる場合に、このIDが異なっているということでございます。


ただし、患者が医療機関Aのところに来て、資格確認をして、このID-Zというものを今度、Key-IDから振り出しまして、このID-Zが医療機関のところに来る。医療機関は、このID-ZをAシステムの管理者に投げますと、このID-Zと従来管理していた管理IDが1対1で紐づく。もう一つ、患者が医療機関Bに行ったときにも同じように、このID-Zが振り出されて、これが医療機関Bを通じて、ネットワークBの管理システムにID-Zとして入る。そうすると、このID-Zを介して、それぞれのネットワーク間で情報連携する場合にこれができるということをお示ししているものでございます。


医師会から御提出いただいた資料2については以上でございます。


この考え方をもうちょっと簡単に整理できないかということで御用意したのが資料1-3でございます。資料1-3は、前回の資料に加えてになりますが、仮に医療保険資格の番号と医療連携で用いる識別子というものを、医療等分野のキーとなる識別子からそれぞれ生成した場合の考え方を整理したものでございます。


左側に支払基金の機関別符号というものがございまして、これはマイナンバーと1対1で対応するものでございますけれども、これを支払基金・国保中央会の中でキーとなる識別子というものをまずつくりまして、ここから医療保険の資格の番号。これは「見える番号」として、保険者が異動しても変わらない。それで、従来の被保険者番号に代えて、保険資格の確認やレセプト請求等に用いることを想定する。こういった番号をつくる。


もう一つ、医療連携用の識別子というものをキーとなる識別子からつくって、これは見えない電磁的符号とする。これを各ネットワークの管理用の識別子と医療連携用の識別子をそれぞれ1対1で対応させて管理することによって、ネットワークを超えて情報連携が必要な場合には、この医療連携用の識別子で情報連携をする。これは医師会に御提案いただいている内容を概念的に整理させていただいたものでございます。


事務局からの資料の説明は以上でございます。


○金子座長 ありがとうございました。


武田統括官がいらしたので、御挨拶を一言お願いします。


○武田統括官 おくれてまいりまして、大変失礼いたしました。


10月1日に政策統括官になりました武田でございます。


委員の皆様方には、日ごろから厚生労働行政、特にこの情報政策の関係につきまして多大な御協力をいただいておりまして、厚く感謝申し上げたいと思います。


私自身は、9月30日の前回の会議に、前職は医療保険担当審議官で出ておりましたが、引き続きお世話になることになりました。どうぞよろしくお願いいたします。


この研究会は、もう議事に入っておりますので長く申し上げませんが、非常に大事なテーマ、特にこれから配布が始まりますマイナンバーの制度のインフラを活用して、医療等分野の番号のあり方をどうするかということを検討していただいております。


非常に関係方面からは、実際に医療の現場で使えるような、また使い勝手のいいシステムが立ち上がりますと、医療の質、効率性、さまざまな面に活用できるだろうということで期待が高まっておりますので、大変お忙しい中、恐縮ですが、なるべくこれを年内に取りまとめるべく、我々も頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。


なお、これも改めて申し上げるのもあれですけれども、先日、残念ながら当省職員の関係の不祥事がございました。本件に関しまして、関係者の皆様方に御心配・御迷惑をおかけしていることをこの場をかりておわびを申し上げたいと思います。


しかし、本検討会を初め、医療分野の情報連携の推進というものは非常に大事なテーマでございますので、粛々と、また着実と、この検討を前に進めていきたいと私どもは考えている次第でございます。どうぞ、引き続き御支援・御協力、または叱咤激励をよろしくお願いしたいと思います。


途中でございまして、失礼いたしました。ありがとうございます。


○金子座長 ということでございます。


それでは、事務局から説明のあった論点、資料などについて御意見をお伺いしたいと思いますが、きょうは山口構成員のほうから意見が提出されておりますので、それをちょっと読み上げていただけますでしょうか。


○高木企画官 事務局から読み上げさせていただきます。山口構成員からでございます。スケジュール上、欠席せざるを得ないため、文書にて意見を申し述べます。


1.個人を一意的に識別する医療等番号は、見えない電磁的な符号が良いと考えます。


2.被保険者番号を共通番号にというご意見が出ていますが、医療等番号の持つ役割とかなり重なる部分があるのではないでしょうか。もし、被保険者番号を共通番号にした場合、考えられる医療等番号との共通点、独自性について整理が必要だと思います。


3.今後の医療・介護の切れ目ない連携のためには、医療機関、介護施設、介護現場における情報の連携はとても重要になると思います。一方で、個人情報に関する意識は個人差があり、更にオプトアウトなどを考えると、かなり成熟した考えや情報、制度の理解が進まないと使いこなせないと感じます。制度や活用方法と同時に、それらを使いこなすための情報提供、周知についても平行して考えていく必要があると思います。


以上でございます。


○金子座長 ありがとうございました。


事務局からの説明はこれでおしまいでございますので、まだあとたっぷり時間がございます。ぜひ、前回と同じように闊達な御議論をいただきたいと思います。


特にどういうテーマからということは決めませんので、それぞれ御質問、それから、御意見がありましたら、ないしは御指名がありましたら自由に御発言いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。


では、どなたか口火を切っていただく方。


大山構成員からお願いします。


○大山構成員 済みません。細かい話はするなという最初のお話があったのですが、自分も医師会さんの医療等IDの検討会に入っているので、確認させていただきたいことがあります。


医師会さんの資料で、わかりやすいのは3~5ページぐらいの3つを見ると、医療機関側のところの図で診察券番号、データベースの円柱の描いているものですが、診察券番号の下に「個人情報」と書いてあります。これはみな3つとも共通していていますが、5ページ目に来るとID-Xが入っています。この図は研究用の新規ID-Yの発番の説明なので、その前にID-Xが入ってくるのはわかります。しかし現実の場面を考えると、研究用のためというのは多分、初診で見てすぐにその方がどこに属するかがわからないので、ある一定の診断あるいは治療の結果等の途中経過を見ながら、ある時点からID-Yの発番が必要という判断が入ってくるのではないかと思われます。


また、患者さんがそのときに必ずしもおいでになっているかどうかもわからないので、このようなシーケンス図に示される順番すなわち1~4は、時間軸で見ればこの順番でよいのですが、途中で切れてしまうこともあります。例えば、3A、3Bがトリガーであるとすると、患者さんがいないとわからないことにこの絵ではなってしまいます。


一方、次の6ページを見ますと、医療機関Aには資格確認用番号が医療機関に入っていて、先ほどまでとは違う情報がここに入っています。まだ完成している状況ではないと思いますが、共通の番号をいろいろなところが持てば持つほど、マイナンバーに近くなってくるのでその辺のところの配慮もあって、こうなっているのかをお聞きしたいと思います。これまで気がつかなかったので、申し訳ありませんが確認させてください。


○金子座長 これは石川構成員のほうからご意見をいただけますか。


○石川構成員 まず、この5ページ目ですけれども、これは研究のために後からID-Yというものがつくのではないかということだと思うのです。これはもちろん、時間差があると思います。これは当然のことだと思います。1カ月あるいは1年後に、これは研究として使いたいといったときに、ID-Yをまた振るということの作業が必要になってきます。


そのときに、先生がおっしゃられるのは6ページ目の、この医療機関Aとの違いということになるわけですか。


○大山構成員 はい。具体的には、医療機関Aで資格確認用番号というものが、6ページには医療機関AとBが持っています。5ページ目には医療機関Aには「医療機関」と書いてあり、これがAに当たると思うのですが、ここには同じ資格確認用番号というものが書いてないので、これは持っていないと思ってしまうわけです。


○石川構成員 5ページ目ですと、持っていないというふうに思ってしまう。しかし、これは医療機関の中で、この人の診察券番号に紐づいていますから、これはこの医療機関にかかるときに既に資格確認用番号というものは一応確認されているものであるというふうに思っています。書いていないだけの話です。


○大山構成員 ということは、あるということですね。


○石川構成員 はい。そういうことです。


○大山構成員 わかりました。


○金子座長 よろしいでしょうか。


では、樋口構成員お願いします。


○樋口構成員 私は大山さんのように細かな質問はできないので、3つ、4つ、先生、長引いたらとめてください。


○金子座長 時間はたっぷりあります。


○樋口構成員 1番は、私の感想です。当たっているといいと思うのですけれども、総論的な話なのですが、この会議というものはもちろん、医療等分野の番号の制度設計という、番号制度の活用等に関する研究会であるということでずっとやっているわけで、やはり私、番号には2つの重要な役割があると思っているのです。ですから、そういうものができたらいいなと思っているのです。


1つは、きょうも出てきているような資格確認といいますか、本人の特定というものが非常に簡単になるだろう。それはいろいろな、がん登録であれ何であれですけれども、非常に無駄を省いたりして社会の役にも立つし、それから、本人のためにもなる。例えば少なからぬ高齢者が重複して薬をもらっているということがありうる。さらに、本人はやはり飲み合わせや何かで、結局、素人はわかりませんし、何であれ、それによる害や無駄を減少させるだろう。そのような話につながるので、とにかく本人を特定することで番号が一つ振られているというのはすごくいいことであると思っています。


もう一方では、番号であるということによって、かえって本人を特定しなくてよくなるのです。例えば研究に利用するとか、それから、健康保険の利用がどういうふうになっているのかとか、がんがどこにどれだけあるのかとか、そういうことは、例えば樋口範雄がどうであるかということに関係ないのですよ。ただ、それを追跡していって調査する必要がある。そうすると、樋口というところにまで行かなくていいのです。番号という話で全部集約する。


ですから、むしろ特定しないで、プライバシーを完全に守る形でいろいろなことが可能になる。それで、政策の形成のためのデータなどもちゃんとそういう形で集められる。ですから、そういう意味ではただ番号を振って何だかんだというのは簡単な話のようで実はそうではない。マイナンバーが今度典型になると思いますが、初期投資というものが物すごくかかるはずなので、その初期投資に見合うような成果が見えてくることがやはり大事かと思っています。


とにかく、番号を振るには、今、言いましたように、ちょうど2つは逆のような話なのですけれども、どちらもいい意味の使い方というものができる。だからこそ、我々も番号制度の活用等に関する研究会をやってきたのだ。第1点は自分ながらの確認です。


あと、第2点以降は質問という話になります。


まず、今の流れで言いますと、どうも医療等IDは、私は別に反対も何もしませんし、中身は本当を言うとよくわかりませんが「見えない番号」になり、どこかで付番していただいて、それをという形になるというのは、マイナンバーに比べても、マイナンバーは結局、自分のところへやってくれば、いろいろなところで使えば、その人の使い方にもよりますし、それから、管理の仕方にもよりますし、いろいろな形で漏えいとかなんとかという、それで自分の問題だけではなくて、いろいろなところで使われていれば、雇用者だって全部知っているわけですから、どこから漏えいするかわからないというリスクは必ずあるのですが、ですから、それに対処する問題は絶対出てくるので、厳しい刑罰とかマイナンバー法をつくっているわけで、それだけでいいかどうかはわかりませんけれども、しかし、今度の今、構想されている医療等IDというものは、第2問は、こうやって漏えいするようなリスクというものは本当にあるものなのでしょうか。あるいはどの程度あるものなのでしょうか。


それから、もしそういうことがあった場合に、できるだけ早く発見する仕組みというものも用意しておく必要があると思うのですけれども、1つはマイナポータルという話があって、自分自身で自分の情報がどう使われているかということがいずれわかる可能性がある。これは変な使い方ではないのかということで、疑問を提起することができる。やはりこれは医療等IDでもそういう仕組みというものはもちろん使えるのでしょうか。しかし、結局本人任せというのではなくて、ほかのチェックの仕方ということがあるのか。ただし、そもそも漏えいというリスクが極小になっているのではないかという気すらするのですが、それは本当に素人の考えなのかどうか。これが質問の第1です。


先生、続けたほうがいいですか。


○金子座長 はい。お願いします。


○樋口構成員 少し進歩して、実はメモをとったのです。


資料1-3、新しい資料で、しかし、これは前のものもあるのですけれども、これはきょう、医療等IDということで我々はずっと議論していて、日本医師会の先生方もいろいろな研究会をやってくださったりして、医療の関係がやはり議論の主になっていますね。それで、この資料1-3は非常にわかりやすいと思いますが、右下のところで「医療機関Aの患者ID 見える番号」。それで薬局が出てきて、介護事業者が出てきますね。


改めて、この医療等IDが何らかの形でできた場合に、もちろん医療機関等で、あるいは医療に関係する研究者であれ、政策形成のための調査機関であれ何であれ、いろいろな形の利用ができるということを我々は検討してきたはずなのですけれども、改めて、これはもっと広がっているのだ。薬局等でこういう医療等IDを使って何らかの連携をしてというのはどういうケースで、こういうことができるようになる。


それから、今後は一層、介護の形がやはり大きいですね。みんな、介護事業者のお世話になるわけですから、この介護事業者との連携ではどういうことが可能になって、それは先ほど言ったような問題と関係しますけれども、医療等IDそのものはそんなに漏えいするリスクもないから大丈夫ですという話がこの研究会の報告書の中でも出てきたほうがいいような気がするのです。医療等IDの「等」の部分について、ここに出ている以外のところでもあるのかもしれません。しかし、医療機関ではない、薬局や介護事業者の立場からすると医療等IDがどのような働きを示すのかがもっとわかりやすく提示される必要があると思います。


最後ですが、最後がちょっと雑談ではなくて、一番重要なところなのですが、まず結論のところだけ言いますと、きょうの資料1-2というところをもう一回見ていただいて、まず7ページ目から行こうと思っているのですけれども、これは前の研究会の中間まとめの記述がここに書いてあるので、今の新しい状況とある意味では違っているわけですよ。それで、7ページ目の一番上といいますか、○は2つしかないから上のほうの○ですが、病歴等が公になれば云々で、他方、改正を検討中の個人情報保護法の「機微情報」は、これが要配慮情報というふうに新しい法律では正式に名前が変わったらしいですが、「人種や思想信条など社会的差別の原因となり得るため、原則として利用の禁止を検討している情報である。しかし、医療情報は保護の必要性は高いものの、適切な医療や医学の発展等のために活用の必要性も高く、同列に論じることはできないのではないかとの指摘があった」とあります。にもかかわらず、実際には人種や思想信条と並べて病歴を入れてしまったわけですね。


そうすると、その前のページになるのですけれども、6ページ目の「第8回研究会(9月30日)での意見」の3つ目の○で、医療情報の連携のためのIDについては、別個の法整備を検討すべきである。やはり政令等では難しいのではないかと思うのですよ。個人情報保護法という壁は、意外にではなくて、我々の経験上は非常に厚いと思うのです。ですから、これはなかなか大変だと思うのですけれども、マイナンバーでいうところのマイナンバーと今度の医療等IDは違いますということもはっきりさせ、個人情報保護法ではこうなっていますが、医療等の情報についてはこういう使い方は、もちろん、いい使い方ですけれども、いい使い方、社会的に有用なことについては極めて当然いいことですということを法律の形で、法対法という形でつくってあげないと、現場ではなかなか、病歴というものは要配慮情報で、絶対にオプトアウトもできませんと書いてあるわけですから、それは出せませんという話になりかねないのではないだろうかということを、前回も言ったのですけれども、危惧しております。


それで、ちょっとだけ余談みたいな話を1つさせてください。


きのうかきょうの、それこそ覚えていられないのですけれども、多分NHKのニュースだったと思うのですが、医療とは関係ないのですが、太陽光パネルの話が出てきたのです。太陽光パネルがこのところの台風や何かでいっぱい飛び散っているらしいのです。それで問題になったのは山梨県北杜市というところで、ちょっと数字が出てこないのですけれども、山梨県北杜市で、個人であれ何であれ、いろいろなところにパネルをつくっている。それ自体はいいことなのですが、それが台風その他で飛び散って、まだ人に危害は与えていないけれども、いろいろなところへ被害を与えている。


それで、一体どのくらいあるものかというのを自分たちで調べてみたら、580か何かあるそうなのです。家にくっついていないものらしいのですけれども、家にくっついているのは建築確認との関係で把握できるらしいのですが、家にくっついていない、畑を切り開いてとか、いろいろなものがあるのです。それで、経産省の統計では870件あるというのです。それで経済産業省に聞いてみたわけです。それで、その回答は、個人情報保護法があるから教えられません。こんなにばかげた話はないのです。だって、これが飛び散って、それから、切り開いているから、木や何かを全部切ってやって、土砂崩れも起こす可能性があって、その土砂崩れが隣の家に被害を及ぼすおそれがあると北杜市の人が言っているわけです。それが、個人情報保護法があって、個人情報ですから出せませんというふうに経産省は堂々と言うわけですよ。


しかし、憲法には何と書いてあるかといいますと、個人の所有権を含めて、私権は公共の福祉という制約のもとにあって、つまり憲法を習っていないのかという感じがしたのですよ。立憲主義の劣化がここまで進んでいて、個人情報保護法は憲法より上にあると言っているようにしか私などには聞こえないのですけれども、そういうことを堂々と偉いお役人も言うのですし、これはやはり医療でも同じようなことがこのまま行くと起きる。個人情報保護法がありますからなどという、ですから、それに関してははっきりした対処をしておかないと、せっかく初期投資でいろいろな医療等IDや何かを振るような仕組みを、一定のお金をかけて、御苦労もしてつくった上で、実際にはなかなかそれが働かないということになるのは本当に困ったことである。


また同じ繰り言を繰り返すことになるのでここまでにしますけれども、なかなか困難とは思いますが、先ほどの個別の法令化みたいなところまで行かないと、やはりせっかく努力している話がうまくいかないのではないかと感じているということです。


○金子座長 ありがとうございました。


今、3つのかなり大きな課題ないし検討事項の提案がありました。私の方で、簡単にまとめてみます。


三つのテーマのうち、1番目は医療等IDの漏えいリスクの話で、マイナンバーよりいいのではないかという、その辺はいろいろ御意見があると思います。それから、マイナポータルでチェックできるのではないかという話がありました。


2番目は、医療機関だけでなくて、薬局とか介護事業者も、この医療等IDとID-Xとか、ZかYかいろいろとありえますけれども、そういうものをつくるほうがいいのか、つくらないでいいのか。また、全体をどういうふうに統括するのかという話も含めて、医療以外のところにも共通番号を広めるのかという話でした。


三つ目は、個人情報保護法はこのままでいいのかということ。どういった対応をしなければいけないのかという話で、前のふたつとはやや違うテーマでございます。どなたかご意見があれば、お願いします。では、石川構成員のほうからお願いします。


○石川構成員 今の樋口先生のお話なのですけれども、私のメモでは4つの問題を捉えました。


1つは、番号には2つの役割があって、1つは資格確認が非常にすぐできるということ。もう一つは、本人を特定しなくても使えるような情報になるのではないか。こういうことですね。


私は、この医療等IDは、マイナンバーからいろいろ派生するとか、いろいろやっていますけれども、基本的には個人情報が、この医療等IDにつながったり、また離れたりということが結構、その用途に応じてできるものである。そういう発想ではないとだめだというふうに考えております。


初期投資がマイナンバーの場合もすごくかかって、これから世の中的にも1兆円であるとか2兆円、周辺のところでかかると言われていますけれども、私はこの医療等IDを投入することによって医療費の無駄というものはかなりそぎ落とすことはできるのではないかと思っています。これはこの後の議論でも出てくると思いますが、やはり薬局での重複調剤も含めて結構、この無駄がとれるのではないかということです。


それから、次の問題として、医療等番号は「見える番号」なのかどうなのかということで、セキュリティーの問題をおっしゃっていました。私はこのセキュリティーについては、全く100%ということは絶対、誰も言えないのではないかと思います。特にマイナンバーで、マイナポータルで自分の番号が使われたかどうか、ログを見なさいということについては、これはなりすましの人がマイナポータルを見れば一番簡単に漏えいできます。


そういうことも含めて、私たちはこの医療等番号をつくるときに、きょう、高木企画官の大変きれいな説明の中で、複雑なことを私たちは考えてやりました。その複雑なことを考えて「見える番号」「見えない番号」という、こういう仕組みの中で一つ一つセキュリティーをかけて、なるべく個人の医療情報に到達することが、個人の名前と医療情報が到達しないようにすることが、今、重要なのではないかと考えております。これが2つ目です。


3つ目は、医療等IDは医療の関係が主になるかということで、介護とか薬局のほうはどうなのか。これは、私たちははなから薬局のこと、介護のことを考えております。しかし、どうしても医療の部分で、まず基本をつくってからということで考えております。


それで、今、私たちがやっていることは、医療連携とか医療研究、日本の基盤を議論しているというふうに考えております。実は私たちの調査で、医療連携は今まで日本で240とか250の大きなプロジェクトがありました。しかし、今、生き残っているものは、私たちが観測するに、4分の1とか3分の1しか生き残っていないわけです。これを大きく発展させるためにも、この医療等IDというものは私は必要であると考えてやっています。


ですから、介護、薬局を同時施行で、同時に考えていくということでやっていきたい。それで介護については、実はもっと難しい個人情報の問題がかかわってくるのです。ですから、これは違う議論が必要であると考えております。


4番目に、別法の話が出てきています。別の法制度の問題です。これは、私たちはずっと、樋口先生が座長のときから、この医療における個人情報というものが人権の問題につながってしまうような、差別とかそういったものにもかかわると思っております。特に、この電子分野がどんどん医療の中に入ってきますと、本人の運命とか本人の今後の病気、それから、いろいろ差別のもとになるようなことが起こってくるのではないかと思います。ですから、今までとは全く違った個人情報の今の、今度新しくなった個人情報より全く違うものも私たちは必要であると考えていまして、これは次の議論にさせていただきたいと考えております。


4つ言いました。


○金子座長 整理していただきまして、ありがとうございました。


確かに最初のところは2つ分けて考えたほうがいいと思いますが、今の最初の御意見は、セキュリティーなどの問題があるので、さまざまなIDをつくって、一部は見える番号、一部は見えない番号というふうにすることによってセキュリティーが高まる可能性もあるというふうに私は聞きました。その漏えいリスクについて金崎参事官のほうから、内閣官房とかマイナンバーのほうではこの辺をどういうふうに考えているかということをざっと、突然でございますけれども、お話をいただけますか。○金崎参事官 今、設計しているマイナポータルの仕組みで見せることができるかどうかと言われますと、やりようによってはできるのではないかと思います。


あと、マイナポータルを人がなりすましてといいますか、見ることが可能かどうかということについては、基本的に個人番号カードで認証することになりますから、カードと暗証番号で入力する、アクセスすることになりますから、カードと暗証番号をセットで盗まれることが仮にあったとすると、やはりそこは見ることが可能になるということがあり得ると思います。


○金子座長 セキュリティーについて、ID、パスワードは2つあるのでしたっけ。マイナンバーカードをなくしても、それだけではアクセスできないようになっているということですね。


○金崎参事官 そうです。


○金子座長 大山構成員、お願いします。


○大山構成員 ありがとうございます。


総務省の実証では、国民健康保険の資格確認を、実際にPINを入れずに、すなわちパスワードを入れずに実行する方法をテストしました。この方法でも確実に動くことは確認されていますが、この方式はPINを入れる場合と同じ公的個人認証サービスの利用者認証を使っています。通常のPINを入れる場合には、公開鍵暗号方式で用いる鍵ペアを1セットで動かしますが、PINなしの場合には2セットを使います。 マイナポータルにPINなしで入れるかどうかについては、別の議論が必要でしょうが、PINを入れない認証方式をサーバー側から見ると、PINが入ってレスポンスが返ってきたか、PINなしで来たのかが、わかるようになっています。こうすることで、例えば、はじめにPINなしでログインした場合でも、より確実な本人確認を要する個人情報の提供を求められた場合には、PIN入力を要求することができます。すなわち、PIN入力の有無に依存して提供する情報を区別する仕掛けをサーバー側でつくれるようになっています。


このような仕掛けがあるので、保険の資格確認がPIN無しでできるから、マイナポータルもカードだけ取られたら見られてしまうという話にはなりません。提供する情報によって、必要なセキュリティーのレベルを変えるように設計すれば良いと思います。


それから、JPKIの場合は日時更新で失効するようになっています。ですから、紛失や盗難等が起きてJPKIの停止や失効を申し出た場合には、翌日にはJPKIが停止するので、結果としてJPKIを使っている全てのサービスがとまることになります。それ以上早くとめなければいけないもの、例えば金融機関等の場合には、今までのキャッシュカードやクレジットと同じように直接電話をしていただく必要があります。今回のカードでは、利用面、安全面にかなり配慮しています。


○金子座長 素人的に申し上げますと、現存のカードシステムと比べてもかなりセキュリティーレベルは高いということだと思います。もちろん、それでも万能ではないのは当然でございますけれどもね。


○大山構成員 現在使われているICチップの入っているカードの中では、安全性が高くかつPKIの演算を高速に実行する機能を持っているもので、住基カードの発展版をベースにしています。そして、実証を通じてカードの実用性を確認しています。


佐藤さんに聞いていただく方が良いと思いますが、民間のPKIサービスを使うと1年で1万円ぐらいと聞いています。それに対して今回の番号カードは、PKIのサービスが使え、かつ最長10年間有効であり、無償配布となる1,500万枚分の予算がついています。


○金子座長 ありがとうございます。


佐藤さん、何かつけ加えることはございますか。


○佐藤構成員 PKIの料金はいろいろな会社さんが値づけしているので私のほうからはコメントいたしませんが、逆に先ほどの樋口先生の意見の流れで3点ほどです。


1点目は、内閣官房のほうへの単純な質問なのですけれども、マイナポータルで確認できるものはマイナンバーに関するトラッキングという理解をしています。今回、我々は利用者証明用の電子証明書しか使わないのですが、現時点で既にマイナポータルは利用者証明書のトラッキングの機能も持っているのかというところを単純にまず確認させていただければと思います。


2点目は、樋口先生から出た法整備の話です。この研究会の落としどころとしては、今回配付の資料1-2の6ページの、先ほど樋口先生が引用していただいた意見の中の「医療情報の連携のためのIDについては、別個の法整備を検討すべきである」となっているのですが、研究会の立ち位置としては、厳密には「別個の法整備を検討すべきである」というよりは「別個の法整備の必要性の有無を別途検討すべきである」ぐらいで、この研究会の外の課題ですという問題提起がやれる範囲内かなと思いました。


3点目は、これは医師会のほうですか。すごく単純な質問なのですが、資料2のポンチ絵の5ページ目のところを眺めながらなのですけれども、質問の結論から先に申し上げますと、将来、この紙の保険証というものはなくなる可能性があるのかという質問です。現状ですと我々全員、保険証というものは持っていて、マイナンバーが後から来るので、その順番だと思うのです。この絵でもそういう意味ですと、仮に今、マイナンバーカードを使う人というのは、実際にはお家には保険証があるけれども、何かの事情があってマイナンバーカードをあえて使うということになるのだと思うのです。


しかし、ゆくゆくは、場合によってはマイナンバーカードさえ持っていれば保険証はなくなり得るものなのかというのが質問です。事務手続がわかっていないので、この連携のこと以外にそもそも、やはり紙というものは、エビデンスか何かよくわからないのですが、最後、紙が残り続けなければいけないのか。それとも、我々の次の世代の子供たちが先にマイナンバーカードを持っています。その後、保険に入りましたといいますと、その時代になると実は保険証というものはなくなる可能性があるのかというのを、素人の質問で申しわけないのですが、知りたいなと思います。


以上の3点です。


○金子座長 ありがとうございました。


いろいろなトピックが、今、多少錯綜していますが、あえて整理はせずにそういう形でどんどん意見を言っていただけるといいかと思いますが、まずマイナポータルの話を金崎参事官のほうから。


○金崎参事官 マイナポータルで見られる履歴というものは、マイナンバーを経由して符号で情報のやりとりをしますけれども、そのやりとりのログを見るような機能でありまして、電子証明書はそこにアクセスする。ポータルサイトにアクセスする手段として使いますので、マイナポータルで見られる情報というものはログの情報になります。


○佐藤構成員 ですから、現状の我々の想定しているものですと、現時点ではマイナポータルで追いかけられるものではないということですね。


○金崎参事官 そうです。現時点では、この仕組みではちょっと違う仕組みになります。


○佐藤構成員 ただ、先ほどの御発言は、それは将来変えられる可能性は否定しないということですね。


○金崎参事官 今、マイナポータルは大きく2つの機能がありまして、1つはログを見る機能で、もう一つは今、そこに接続している機関が持っている情報を見るという、本人が見られるという機能があります。例えば、この機関が接続を何らかの形でする。今回も支払基金をするわけなのですけれども、そこでログを持っていると、これはその機関が持っている情報としてログの情報を見ることは可能になる。そういう趣旨です。


○佐藤構成員 ありがとうございます。


○金子座長 私はマイナンバー分科会にもいるのですけれども、確認させてください。今の話はログを見る以外に、その機関が持っているデータベースに自分の情報を見るためにアクセスできる可能性をマイナポータルは持っているという考えでよろしいですね。


○金崎参事官 そうです。


○金子座長 ということは、例えば今、ここで議論している医療等IDのZとかX、いろいろなことがあった場合、そういうものに対してマイナポータルから探しに行くということは、今は想定されていますか。


○金崎参事官 そこまで想定していませんけれども、どこまで見せるかというのは、それを持っている機関がどこまで見せるかということを設定できるということです。


○金子座長 そういう可能性はあるということですね。


○金崎参事官 そうです。


○金子座長 わかりました。


あとは何でしたか。


○佐藤構成員 保険証のことです。


○金子座長 では、石川さんお願いします。


○石川構成員 この資料2の5ページ目になると思いますけれども、まず保険証3A、それから、このマイナンバーカードらしいものを3Bということになっています。このどちらをAにするかということ、AかBかということによって我々の思いがちょっとあらわれているわけなのです。


つまり、マイナンバーカードはできるだけ医療の現場の中には入れてもらいたくないというのが私たちの基本的な発想でした。これは後ろに、券面の裏にマイナンバーが載っかっているからなのです。これは医療機関では、このICチップの部分を使ってエントリーするということなのですけれども、これは実証実験でそういうことをやっていますが、やはりいつでも裏をひっくり返せば見られるということで、できれば私たちは、マイナンバーカードの普及のタイムラグもありますし、この3Aの、これは紙ではなくプラスチックが多いです。プラスチックで保険証で、この保険証というものは正直言いまして、そこの上に保険番号が書いてあります。ですから、今ですと日本のいろいろなところでも、この保険番号について目に見えていますので、使えるということで、この3Aということになります。


これが習熟して、マイナンバーカードが普及して、あるいは総務省の方たちもマイナンバーカードをすぐには視認できなくしたり、後ろにジャケットを着せるとか、いろいろとお考えになっているみたいなので、国民がマイナンバーカードについて非常にわかってきた。使い方もよくわかってきた。しかも、社会でもいろいろななりすましや、要するにオレオレ詐欺みたいなものも余り駆逐されてきた段階になったら、もしかしたら使えるかもしれませんけれども、今、私たちはそうではなく考えております。


○佐藤構成員 わかりました。ありがとうございます。


○金子座長 ありがとうございました。非常にわかりやすい説明でした。


石川構成員のほうからさまざまな医療等IDがあるということは、うまく設計すれば先ほどから言っているようなセキュリティーに対しての防衛策になる可能性もある、1つだけで全部マイナンバーカードだけというのでは危ないとしたら、うまく多重性を設計すればよくなるのかなという感じがいたしました。


あと、ほかの方で、それでは、山本構成員、それから、霜鳥さんお願いします。


○山本構成員 樋口先生のお話で、この医療等IDの主な用途が2つ挙げられたと思うのですけれども、私はもう一つあると思っていまして、これはやはり患者さん、つまり国民本人が自分の情報をどう管理するかというものに、このID制度というものは多分必須だと思うのです。受診後5年もすれば診察券もなくなっていますし、診察券番号もわからないけれど私の情報を確認したいといった場合は難しいと思うのですけれども、今回は全然変わらないIDがどこかにあるので、それをキーにして自分の情報にいつでもアクセスができる。これは多分、医療・介護の透明性を上げる点では非常に重要な機能で、これを実現するためにはIDが必須ですから、したがって、これは将来のテーマかもしれませんが、非常に大事な役割であると考えています。


それから、セキュリティーに関しては皆さんおっしゃっているように、医師会のまとめで、目的別のIDをつくるとなっていて、これはある意味セキュリティーを高める努力であり、一つのIDが仮に漏洩した場合も、ほかとつながるためには真ん中の連携システムを使わないといけないマイナンバー制度と同様、そういう意味ではかなり強いバリアになるようこの方式をとっていますが、セキュリティーというものはあくまでも絶対というものはなくて、ベストエフォートなのです。医療の世界のベストエフォートの大部分が、それぞれの情報を持っている医療機関の情報漏えいに対する意識や努力で成り立っているところが大部分で、番号がついていようが、ついていてもいなくても、対応が不十分なところは漏洩の可能性がありますし、リスクが高まるのは間違いないわけですから、番号を導入するに当たってはきちんと見直す必要はあるのだろうと思います。


導入のリスクは下げているけれども、しないよりはするほうが絶対上がるというのは間違いないわけですから、もう一度きちんと見直す必要があるのだろうと思うのです。ですから、その中で樋口先生が触れられた非常に大事な点は、何かあったときにどう対応するのか。これはセキュリティーの本当に基本中の基本で、100%がない以上、低い確率でも起こり得るわけで、起こったときにどうするのかということが非常に重要です。これは外国の例で、米国のHIPAAという法律のもとにセキュリティールールがあったのですが、かなりわかりにくいルールで、それがリーマンショックの後でできたARRAのハイテック法というものがございますけれども、そこでかなりセキュリティーに関して明確に定義がされていて、その中の一つの中心的な概念がセキュリティー・ブリーチといって、事故があったら報告するという制度を相当しっかりつくっているのです。これは日本の場合も多分、重要インフラ等ではやられているのでしょうけれども、医療も介護もある意味重要インフラですが、全ての医療機関が何かあったら報告すると思っていないことも今は間違いないと思うのです。


これが、この番号制度を導入するとき考える必要がある点で、事故が起こったときに対応するというのは、番号がついている情報の番号の連携をするシステムのほうで知る必要がありますし、単に自分たちの組織だけで済む話ではない。したがいまして、その報告制度みたいなものの整備が要ると思うのです。それが1つです。介護、薬局は当然入ってくるのでしょうが、最初に申し上げたセキュリティーはやはり個々の施設の努力にかかっているので、どこまで広げるかは、そのレベルがどうかにかかってくると思うのです。したがいまして、これをあわせて検討しないとなかなか答えは出ないと思っています。


この報告制度というものはアメリカではハイテック・アクトですから、法律で決めているのですけれども、我が国はそういう法律はない。それから個人情報保護法も、私は検討会に参加した当初、個別法が絶対必要であるという意見でしたが、これは番号制度のことを考えたわけではなくて、今の個人情報保護法は、例えば自治体と民間とは違うルールで支配される。それで、それぞれに責任者がいて、自治体は自治体の個人情報保護委員会があって、民間の場合は最終的には厚労大臣であり、この系列のどこかにお伺いを立てないとできないようなことがいっぱいあるのです。例えばレントゲン写真を共同で診察し診断する場合、ステークホルダーが違うとそれぞれ相談すべき相手がどんどん増えて現場ではできない。


ですから、例えば子供の疾患のCTの診断などは、専門家がそんなにいるわけではないので、ある地域でちゃんとやろうと思ったら集中してやる必要があり、そのためにはそれぞれのステークホルダーの個人情報保護責任者の許可を得ないとできない。その手続がものすごく大変で、結局、現場でそれができないようになっているという現状が一つあります。これは今の個人情報保護法のスキームでいくと、これは絶対オーバーライトできないので、その意味では個別法で医療・健康にかかわる情報は一本でいくという形にしたほうがいいと思っていたのです。


もう一つは遺伝する情報の話で、個人情報保護法の基本的な体系は第一者が本人、預かる人が第二者で、それ以外は第三者ですから、遺伝する情報の場合は子供が差別を受ける場合もあるので、この第一者と第三者の関係がうまくいかない。ですから、個別のルールが要るだろうと思っていたのですけれども、もう一つ、反対の考えは、医療・健康情報は今や医療機関や介護機関だけにとどまっていない。つまり、厚生労働省が個別法をつくっても、その法律の範囲から情報だけが出ていってしまう可能性が十分にある。そうすると、包括法で決めておくほうが全てをカバーできるのでいい面もある。


その2つの考えで、最終的には個別法ではなくて一本でいいと思っていて、検討会の意見もそれでまとまったのですが、検討会が終わってから病歴が要配慮情報に入ってきて、たしか内閣法制局から入ってきた意見だと思うのです。病歴が要配慮情報となったのは現場にものすごく影響があることで、患者への説明や地域医療連携などに強烈な弊害になるわけです。


雑談になりますがよろしいですか。


○金子座長 どうぞ。


○山本構成員 実は、私は苦い経験がありまして、一般用市販薬のインターネット販売というものが一時話題になって、そのときに厚労省令が薬事法の委任の範囲を超えたという判決が出たのです。そのときに、一般用市販薬の新しいルールをつくらなければいけないということで、その検討会で最初は遠藤先生が座長、作業グループになってから私が座長になりましたが、あんなに苦労した会議はありません。本当に、要するに法律の範囲を超えた政令ができてしまうと、恐らくああいう問題が起こってくると思うのですよ。そうすると、政省令ができる。


あの法律は、あそこにまで書かれてしまうと、多少の制限は政令でできるとしても、根本的な改正は難しいと思うのです。したがいまして、現状では私は個別法を少し考えないといけないという考えに傾いてきているのです。この番号の導入というものはやはり制度の裏づけのもとで議論をする話であると個人的には思うのです。したがいまして、ここで検討する話ではないということはそのとおりであると思うのですけれども、一定の前提を置かないとなかなか大きな方針はまとめ切らないのかなというふうに考えています。


以上です。


○金子座長 ありがとうございます。


流れの中で、先ほど薬局と介護事業者というものは当然含むことは想定していると思いますけれども、どのようにするかということについては、馬袋さん、田尻さん、何か御意見がございましたら、まず馬袋さん、お願いします。


○馬袋構成員 介護のほうで考えないといけないところで、今回、医師会さんのほうで提案していただいた中に介護に対する考えが入っているとおっしゃっていただいたことは本当にありがとうございます。そうでないといけないと思っています。また、配付された医師会さんの資料にある「医療機関」と書かれているところに介護の機関は含まないというように理解していいのでしょうか。医療等というときの「等」については、医療機関と介護事業者でしたが、今回の資料の中で明確にされている「医療機関」には介護事業者は含まない位置づけであるのでしょうか。


なぜ、その質問をするかといいますと、訪問看護ステーションですけれども、これは医療機関が設置し事業者としてやっていらっしゃるものもあるのですが、介護事業者の訪問看護ステーションの場合、介護保険だけではなくて医療保険も使うのです。その場合は医療機関という指定になる可能性があるので、訪問看護ステーションという医療機関はここに書かれている医療機関に含まれているのか、いないのかという質問をしたいのが1点です。


特にそういった面では、最後にお配りされた資料1-3の地域連携の「見える番号」での介護事業者のID。これは当然、地域連携の中で行うために絶対必要ですし、これは先ほどもありましたIDをどのように事業者が管理し、運用し、それを補完し、また両者の中で連携をするかという、これは事業者に与えられている責任として情報管理する中で特に必要であると思います。これも地域ネットワークの中で介護の情報は連携されるというのが基本であると思います。


しかし、医療機関のこのデータベースの中に介護事業者が入ってしまうと、これはセキュリティーとか診療情報などの内容から見ると相当な危険性があるので、医療機関の中には含まないという理解でいいのですけれども、ただ、訪問看護ステーションというものは医療機関として請求する部分や医療情報提供がありますし、そこについてのところをどのように考えたらいいのを質問したいと思います。


以上です。


○金子座長 ありがとうございました。


在宅医療なども似たようなことがあると思います。医師会のこのペーパーは介護機関を排除するという話では全然ないと思いますが、その辺について、では、高木企画官のほうから。


○高木企画官 医師会の資料にも資格確認がまず入っておりますし、我々もまず資格確認の仕組みをベースにどう使うかというのを御提案させていただいております。その意味では、まず個人番号カードを用いた資格確認の仕組みについては、医療機関で電子証明書を読み取って、それを支払基金・国保中央会に投げる。その場合には、今のオンラインでの診療報酬の請求のネットワークがありますので現在のそうした仕組みを活用するのが効率的ではないかということで御提案させていただいております。


その中で、現在の訪問看護ステーションが独立系ではなくて医療機関の中にあるのであれば、それは今もやっていますが、独立系につきましては支払基金への請求がまずオンラインになっているかどうかという課題があるというふうに考えております。


次に、では、その機関が何らかの識別子が使えるのかどうかにつきましては、資料1-3で整理させていただいておりますけれども、各地域のネットワークの絵で患者IDがございますが、それぞれの施設で使っているものがございます。こうしたネットワークの中に介護施設ないし訪問看護ステーションが入っているのであれば、それはネットワーク間の連携のときには、医師会の資料で言いますと、ID-Zを使うことはできます。


例えば医師会提出の資料2の6ページ目でございますが、これは患者さんが医療機関Aに行ったときのパターンでございます。医療機関Aに行ったときに、まずID-Zが出てきます。このID-Zは地域医療連携のシステムのところに登録されます。そうしますと、その患者さんは実は医療機関A以外にも、例えば訪問看護ステーションに通っている方もいますし、ネットワークの中で幾つかの施設に通っています。


そのときには、AのシステムにID-Zを登録しますと、このID-Zと患者さんのIDが紐づけで管理されますので、例えば次に訪問看護ステーションに行ったときに、同じようにID-Zをもらわなくてはいけないわけではないのです。あるネットワークの中にある施設のところで資格確認さえすれば、まずはID-Zがその施設に来まして、その施設から管理システムのほうに登録されますので、訪問看護ステーションのところでいちいちID-Zの登録をとらなくても、その管理システムの中で入りますので、その意味では厳密に言いますと、オンライン請求をしているかどうかがどこまで要件にかかってくるのかというのは、この仕組みのつくり方によっては、もうちょっと弾力的なやり方もあるのではないかと思います。


いずれにしても、ネットワークの中にまず入っているかどうかが重要であると思っております。


○金子座長 田尻さんのほうから、薬局の場合には医師からオーダーが出るわけですから入りやすいと思うのですけれども、どのような形で参画するか、お考え、ないし何かしら課題があるという部分でお願いします。


○田尻構成員 まず、資料1-3の「薬局Bの患者ID 見える番号」と書いてありますけれども、これは施設で独自に振ったIDという理解でいいのですか。どうなのでしょうか。


○高木企画官 このID-Zの位置づけでございますか。


○田尻構成員 いえ、資料1-3です。


○高木企画官 失礼しました。


まず、このそれぞれの「患者ID」とございますのは、それぞれの施設で今も使っているものでございます。


○田尻構成員 ですから、この資料1-3で言えば、これについては地域医療ネットワークの中で私どもが施設につながって、いわゆる地域医療連携の中で情報のやりとりをする。


それで、今、座長がおっしゃられたみたいに、薬局というものはいわゆる処方医から出た、おそらくゆくゆくか、すぐ近くかわからないのですけれども、電子処方箋というものが出てくれば、その電子処方箋をもとにして調剤した結果を当然ネットワークの中にお返しするということでしょうから、そういう意味では医療等IDを主体に私どもは動くだけのことなのかなと。


ですから、そういう意味では介護事業者さんあたりに比べれば、もともと同じ枠の中に入っている意味合いが、イメージが強いので、あまり違和感もありませんし、医師会さんも含めて提案されていることについては非常に理解しやすい立場なのかなと思っております。


○金子座長 ありがとうございました。


ID-Zを誰がつくるかは別にして、それで紐づければ、レセコンでやっていることをそのまま移行できるということかなと思います。


介護のほうはきょうここで議論するかどうかは皆さん次第でございますが、ある程度、新しくシステムをつくらなければということなのかなという気もいたします。何か御意見は、馬袋さん、何かございますでしょうか。


介護のほうからするとどのような形でございましょうか。


○馬袋構成員 介護事業者として、特に利用者さんから考えると、一番長い時間、または一番生活面の中に入った情報を用いながら提供するサービスということになると思うのです。そういったことについて、例えば医師会さん、連携している先生に情報を提供するというのは当然ですし、または事業者は一つの事業者で全てやっているわけではなくて、複数の事業者が連携してケアをしているので、その事業者間をつなぐという要望は、この資料1-3の地域ネットワークの中でしかつながないのですねということは整理しておかないといけないことであろうと思っています。


それで、先ほど御質問した初めの訪問看護ステーションは一種の医療機関というID、医療保険の内容も使うということで、ここで言う、医師会さんの書かれている医療機関に訪問看護ステーションは入っているのか、入っていないのかというところについて、確認だけお願いします。


○金子座長 それは石川さん、何かございますでしょうか。


○石川構成員 まず、私たちが考えている地域医療連携という中には、介護であるとか薬局はもちろん含まれております。これは医療情報の共有ということについてはそういう仕組みをずっと今までも考えていましたし、今後も考えていく予定です。しかし、この細かな内容についてはまだまだ検討するべきものがありまして、それと、訪問看護ステーションはそういう連携の中に入っていることはもちろんであります。ただ、言えることは、例えば地域包括ケアシステムというものを今、全国のいろいろなところでやっております。これは中学校単位であるとかいろいろ言われますけれども、もっと人口の小さいところで、そういう中で例えば介護みたいなことをやっておりますと、来たヘルパーさんが実はお隣の方であったということも、これは珍しくない現象として起こっております。


そうしたときに、私たちの機微性のある細かな医療情報。例えばこの方はがんで、あと何カ月ぐらいの余命であるとか、そういったことまで本当に知らせていいのかどうなのか。また、患者さんは知らせてもいいとか悪いとか、さまざまあると思います。こういったことが、非常に介護の分野が入りますと、その線引きがなかなか難しくなってくるということであります。


それから、薬局は例えば今の段階でも、薬局に対しては医療機関から病名というものは直には行っていないのが現状です。これを、私は行ったほうがいいと思います。行ったほうがいいのですけれども、まだ現状ではそこまで連携が十分できていないので、これについてはどういうふうにするのかということを今後考えていきたいと思っています。それも全部連携の中でこれからやっていくということであります。


○金子座長 ありがとうございます。


時間があと15~20分になりましたので、御発言していない方は。


それでは、お願いします。


○飯山構成員 特に私は地域連携のところで申し上げたいのですけれども、国保につきましては、これは市町村が運営しているのが大部分で、国保組合がありますが、地域の保険事業を国保として行っています。その中で、例えば資料1-3の地域連携の中には市町村の役所が入ってこざるを得ないわけなのです。実際に活動するのは、地域に出てくる保健師という職業の人たちが個別のクライアントの情報を持って活動するわけなのですけれども、そのときに、先ほど石川構成員のおっしゃった地域包括ケアというものが国保ではどんどん進めようとしておりまして、それを見ますと、介護の情報も当然必要になってくるわけなので、そういった意味では、この前も申し上げましたが、なるべく早く介護の部分でも共通情報が使えるようにしていただければと思っています。


具体的な仕組みにつきましては、かなり細かいところが必要なので先の議論になるかと思うのですけれども、そういう市町村の行政が入ってくるということも考慮の上に考えていただければというのが1つであります。


もう一つは、オンラインのネットワークに入っていなければという話がありましたが、実は医療レセプトについても将来的に紙のままでいる部分が残るわけなのですよ。今、現実問題としてどのくらいあるかといいますと、私が昔いました東京都の国保連に聞いてみたのですけれども、9月分で870万件の請求がありまして、そのうちの紙が23万件弱あるのです。約2.7%なのですが、これが将来的にも紙のままで残るというのがほぼ同じ件数、23万件が将来も紙で残るという状況になるわけであります。これが抜け落ちてしまいますと、たかだか2.3%といってもかなりの分量になりますから、大変なことになるのではないかと思っています。


もう一つ、私ども国保としては、今、国保データベースシステムというものをつくっておりまして、これは医療の情報と健診情報と、それから、介護の情報をドッキングさせまして、先ほど申し上げました地域の保健活動に役立ててもらうということでデータベースをつくっているわけなのですが、そこのいろいろな工夫をしまして、三情報の紐づけが100%近くできるように努力をしている最中なのですけれども、まだ抜けているところもある。


これをもっと完璧なものにしていくためには、この医療等IDに非常に私どもは期待をしているわけなのですが、その場合に、この資料1-3にありますように、見えない電磁的符号だけで全てが網羅できればいいのですけれども、なかなかそうはいかなくなると、やはり医療にも介護にも「見える番号」が必要になってくるのではないかと思いますので、ぜひこのペーパーにあるように、いろいろな目的別に応じて、見えない、見えるの使い分けができるようにお願いできればと思っているところであります。


以上です。


○金子座長 ありがとうございます。


大山構成員、お願いします。


○大山構成員 済みません。まとめに入らなければいけないと思いますので、参考までに意見を追加します。


言うまでも無いことですが、分野別の番号の話や、コアシステム側での機関別符合が出てくるのは、同一の番号を使う範囲に応じて、得るものと失うものが変わるからだと思います。そこのところをもう一度見ていただいた上で、行うべきことを1つ指摘します。


資料1-1の1ページ目の○の2つ目、右側のところにある黒ポツの2つ目に(見える番号だと、システム以外の方法での突合を誘因するおそれがある)と書いてあります。これが不正アクセスになることからここがセキュリティー面での脅威になります。


一方、資料1-2の2ページ目の(続き)のところの右側にある○の2つ目で、この下から2行目に「保険者の事務を考慮して『見える番号』とする」と書いてあり、これらはまさしく相反することを言っているので、このことを考えた上で次の話をします。


ご存知のように、コアシステムの機関別符号は、例えば自治体から自治体へ転居する場合を想定すると、今、自分が居住している自治体とはコアシステムとリンクコードが張れていますが、転入先の自治体とは一般的に符号は発番されていないので、あらたな発番処理が必要になります。観方を変えて時間軸で考えると、リンクコードが張られていなければ最初から情報のやりとりができなくつくってあると言えます。このことがセキュリティー面での非常に大きな効果であり、さらに、無駄なトランザクションをとめる仕掛けになっています。


言い換えると、転出元と転入先の両方に符合が張られていれば、情報提供は法律に従って、別表2の業務であればやりとりできるようになりますが、そうでないところはリンクが張られていないので、そこでストップできるわけです。該当者の情報はありませんということがわかります。情報提供ネットワークは、このような面を考えて構築されていると言えます。


同じような話が先ほど樋口先生から出たのでちょっと気になったのですが、医療分野においても情報が提供された履歴をマイナポータルで確認できるようにするためには。コアのようにそもそもやりとりは簡単にやってはいけないという前提を満たすことが必要になります。そうでなければ、全ての提供履歴を確実にログとして残すことは保証されません。


地域の医療の状況等を見ると、必ずしもそうではないのではないかと思います。これらのことから、そこはコアとは違うということを言うべきではないでしょうか。そうなると残りは、先ほど言いましたように、保険者等の事務処理を考慮して「見える番号」にするということは、システム以外でもやる方法があり得るということになります。この点をどこまで容認するか、あるいは禁止するのかが、次の論点になります。さらに、コンピューターシステムですと大量にアクセスできることが、ファックスや電話との大きな違いとして出てくるので、例えばアクセスコントロールをかけるのかと議論が進みます。


一方、異なる番号を1個でも追加すれば、その管理・運用にはかなりの費用がかかります。このこともコスト面で考慮しなければなりません。


これらのことから、まずやらなければならないのは、異なる領域、あるいは異なる機関を想定して、情報連携に関するアクセスコントロールの程度を、医療現場と患者さんに対して透明な説明責任を果たすためのやり方として整理することが、一番重要な点になると思います。


○金子座長 ありがとうございました。


時間があと10~15分でございます。


まず、霜鳥さんお願いします。


○霜鳥構成員 意見を3点ほど申し上げたいと思います。


1つは、やはり先ほどからありましたけれども、メリットとコストを見きわめた上で段階的に進めてほしいということがございます。


それから、資料1-3はよくまとめていただきましたので非常にわかりやすいのですが、その中で意見だけ申し上げますと、医療保険資格の番号は「見える番号」であるならば、被保険者証の番号もこちらのほうに寄せていきたいということが1つあります。


それから、資格確認用の番号がもしプラットフォームであるのであるならば、これは恐らくある段階での状況になるかと思いますけれども、被保険者番号で今のとおり医療を受けて、そのプラットフォームでこの資格確認用番号で紐づけして、そこで保険者間の連携をとってもらうということもあり得るのではないかと思っております。


3つだけ意見を申し上げました。


○金子座長 ほかはございますでしょうか。


高木企画官、お願いします。


○高木企画官 先ほど、紙のレセプトの関係は飯山構成員から御指摘いただきましたので、繰り返しになりますけれども、御説明させていただきます。


石川委員から御提出いただいている資料2の6ページ目で、繰り返しになってしまいますが、この資料の考え方が一番わかりやすいと思いまして、御説明させていただくのですけれども、地域医療連携AシステムにID-Zというものがございますが、この下に医療機関Aと医療機関Xとございます。これは医療機関Aで読み取ったときにこのID-Zが行くのですけれども、もともと医療機関Xが仮にオンライン請求をやっていない場合、ないしID-Zを持っていない場合でも、このID-Zが行くことによって、支払基金とオンライン請求でなくても、医療機関Xがこのネットワークに入っていれば、ID-Zと紐づくということになるのです。


要すれば、介護施設でもちゃんとネットワークに入っていれば、ないしはオンライン請求でなくても、あらかじめ、まずどこかのネットワークに入っていて、そこで連携している場合には、ネットワークの中のどこかがこのID-Zを取得すれば、この管理の中では全部こういうふうに切りかわっていく、ここにくっつく仕組みができてくる。これは非常に画期的といいますか、現場のニーズに合ったやり方であると思いますので、補足させていただきます。


もう一点、被保険者証の話についてございましたが、被保険者証については個人番号カードを用いる場合にも全ての医療機関がそれに対応できて、かつ国民全員が持つという状態になるまでの間は被保険者証は残ると思います。被保険者証というものは一番、保険者の事務として重要な業務であると我々は認識しております。それがあって初めて保険の給付を受けることができる。この保険者が保証しているものが保険証でございます。


ただし、個人番号カードによる資格確認の仕組みは、公的個人認証の仕組みを使いますので、この公的個人認証の仕組みを使った場合には保険の資格確認をしたものとみなすというものを法令的に手当てをすれば、それはできますし、さらに将来的に、完全に国民全員が持つというふうになったときには、医療関係者、保険者の皆様と事前にあらかじめ協議した上ででございますけれども、そうした法令的な手当てということもあると考えております。


○金子座長 ほかはよろしいでしょうか。


では、石井構成員お願いします。


○石井構成員 2点申し上げたいと思います。


1点目は、きょうの資料1-2が前回のこの場での御議論の概要を整理してくださっているものなのですが、その中に生保を受給していらっしゃる方の関係の御議論の紹介があります。支払基金のほうで医療扶助のレセプトを審査しているので、資格情報は何とか仕組みようがあるのではないかという御趣旨の意見が前回あったのですが、支払基金のほうでは生保受給者の中で医療機関にかかった方。そういう方の、その時点での生保の資格を持っておるというのが現状でありますから、何か現在、医療扶助のレセプトを審査しているので仕組みようがあるだろうというのはちょっと飛躍したような考え方かなという気がいたしますので、その辺は念のため申し添えたいと思います。


2点目は、先ほどもコストということの御指摘がございました。支払基金・国保中央会で一定の役割を果たすということで御議論がございますけれども、やはり関係者の皆さんによって合意されたルールのもとでコストが負担されるということが基本になければなかなか実務も回っていきませんので、その点はぜひよろしくお願いしたいと思います。


以上2点でございます。


○金子座長 ありがとうございます。


ほかはございますでしょうか。


では、どうぞ。


○赤羽根室長 保険局でございます。


先ほど石井構成員からの生活保護の関係の御指摘がありましたので、それに関しまして保険局のほうからも発言させていただきたいのです。


こちらの資料1-2の1ページ目の「第8回研究会(9月30日)での意見」ということで、生活保護の資格確認について、国保の資格そのものを喪失するのではなくて、停止するという仕組みにしてはどうかという御指摘があるのですけれども、生活保護の方々をどうやってこの仕組みに入れていくかという、この趣旨というものは非常によく理解できるのですけれども、ただ一方で、そもそも保険資格というものは保険料を払っている方々が給付を受けるという、やはり相互扶助の考え方に基づいているものなので、制度の仕組みの根幹にかかわるところはなかなか難しいのかなと思っています。


ただ、生活保護の方々をどうしていくかという御趣旨は非常によくわかりますので、これは検討課題ということではないかなと認識しております。


○金子座長 ほかはございますでしょうか。


ありがとうございました。


いろいろな意見を今日もまたいただきました。非常にいい議論ができたと思います。


その上で、私自身の意見ではないのですが、今後の展開ということで気がついたことを2点、指摘したいと思います。


まず、これは皆さん御存じのように、医療等IDについては段階的な措置をとることが当然、必要になると思います。どういう順番でどこらから進めるかについてもこの研究会で、我々が全部決めるわけにはいかないのですが、更に議論していただきたい。1年間で国民のみんながマイナンバーを持つわけではありませんのでステップを踏む必要がある。そのとき、生活保護等についてご意見がありましたが、医療等IDから漏れる人などをどうするかということについても、次回あたりで考えることがないと具体的ないしは現実的な案を提示できないのではないかということに気がつきました。


もう一つは、資料1-3にある地域医療ネットワークです。これも原則的にはこれでいいと思うのですけれども、地域医療は当然、医療・介護の連携が重要でございまして、そこでは先ほど訪問看護の話もありましたし、訪問介護の話もありましたし、在宅医療もあるので、これらを全部すぱっときれいに医療等番号で対応するということは多分、今のところはなかなか難しい点があるのではないか。あと、先ほども指摘がございましたが、やはり地域医療介護については自治体がかなり当事者としての役目を果たしていて、これをどう取り込むかという課題もある。地域医療ネットワークは自治体ごとに作るのでしょうが、それをどう互いに連携させるか。これらについても次回、皆様の御意見をいただきたいと思った次第です。 時間が来ましたので、今回はこれでおしまいにしたいと思いますが、次回以降につきまして事務局のほうから何かございますでしょうか。


○高木企画官 ありがとうございます。


次回につきましては、これまでの御意見を踏まえまして、取りまとめに向けた資料をまた事務局のほうで御用意させていただきたいと思っております。


次回につきましては、11月18日水曜日14時からの開催を予定しております。


会場などの詳細につきましては、また追って御連絡させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。


○金子座長 では、本日も御議論ありがとうございました。御苦労さまでした。また次回、よろしくお願いいたします。


 
(了)

<照会先>
政策統括官付情報政策担当参事官室

政策企画官 高木有生(2242)
室長補佐 青木穂高(7671)