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2015年7月16日 独立行政法人評価に関する有識者会議 地域医療機能推進WG(第1回) 議事録

○日時

平成27年7月16日(木)14:25~17:10


○場所

中央労働委員会労働委員会会館講堂(7階)


○出席者

福井主査、押淵構成員、柿崎構成員、亀岡構成員、坂井構成員

○議事

(以下、議事録)

○政策評価官

 ただいまから第1回「独立行政法人評価に関する有識者会議地域医療機能推進WG」を開催いたします。政策評価官の大地と申します。どうぞよろしくお願いします。有識者の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、本WGの構成員をお引き受けいただきまして、誠にありがとうございます。また、本日は台風の影響で、大変天候が荒れている中、お集まりいただき、重ねて感謝申し上げます。

 まず、初回の会合ですので、本WGの位置付け等について、簡単に御説明いたします。昨年6月に成立した独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴って、独立行政法人の業績評価等をこれまで実施してきた各省の独立行政法人評価委員会が廃止されて、本年度から主務大臣が独立行政法人の業績評価を実施することとされております。また、主務大臣が実施する評価については、改正独立行政法人通則法第28条の2の規定に基づき、総務大臣が定める独立行政法人評価に関する指針におきまして、評価の実効性を確保するために必要に応じて外部有識者の知見を活用すること等が示されております。

 これらを踏まえて、厚生労働省においては所管する11の中期目標管理法人の評価に際して、外部有識者の皆様の知見を活用すること等を目的として、客観的かつ専門的な立場から御助言を頂くため、独立行政法人評価に関する有識者会議の5つのWGを開催して、皆様から御意見を賜ることとさせていただいております。本日は第1回ですので、後ほど事務局から本WGの主査をお願いしている福井構成員に議事進行をお引き継ぎしたいと思いますが、それまでの間、私のほうで議事進行を進めさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。

 それでは、本WGの開催に当たって、情報政策・政策評価審議官の安藤から一言御挨拶をさせていただきます。

 

○情報政策・政策評価審議官

 情報政策・政策評価審議官の安藤です。福井先生はじめ、先生方におかれましては独法評価委員会に引き続いて、本会議の構成員をお引き受けいただきまして誠にありがとうございます。今、評価官のほうから御説明がありましたとおり、独法通則法が改正となり、今後は独法の評価については大臣が直接行うということになっております。

 その趣旨は、独法に対する指導監督の実効性を高めていくということですが、何をどう指導監督していくのかということについては、長年に渡りまして独法について御審議を頂き、評価をしていただいております先生方の知見を引き続き活用させていただくのが不可欠だろうと思います。そういったことで、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。本日は大変天候が悪い中、また非常に長時間御議論を頂くことになると存じます。どうかよろしくお願いいたします。

 

○政策評価官

 続きまして、構成員の皆様方を御紹介させていただきます。お手元に配布させていただいている参考資料15ページに、ほかのWGも含めた名簿が掲載されております。こちらに沿って五十音順に御紹介いたします。

 まず、公益社団法人全国国民健康保険診療施設協議会副会長の押淵徹様です。共同通信社論説員の柿崎明二様です。公認会計士の亀岡保夫様です。亀岡市病院事業管理者の坂井茂子様です。聖路加国際大学理事長・聖路加国際病院院長の福井次矢様です。本WGの主査をお務めいただくこととなります。

 最後に、本日御欠席ですが、NPO法人地域医療を育てる会理事長の藤本晴枝様にも構成員をお願いしております。以上、6名の皆様が本WGの構成員でいらっしゃいます。どうぞよろしくお願いいたします。

 本WGにおきましては、地域医療機能推進機構の業績評価、即ち独法通則法第32条第1項各号に規定される年度評価、中期目標期間見込評価及び中期目標期間実績評価について御意見を賜るとともに、これらに関する重要事項についても意見聴取の対象としております。

 続きまして、本日の議事及び平成27年度以降の中期目標管理法人の評価について、室長補佐の今宮から御説明いたします。

 

○政策評価官室長補佐

 政策評価官室長補佐の今宮です。どうぞよろしくお願いいたします。本日の議事及び平成27年度以降の中期目標管理法人の評価について御説明いたします。まず、本日の議事は、お手元の議事次第のとおり、「地域医療機能推進機構」の平成26年度業務実績評価に係る意見聴取についてです。「参考資料1」の1ページを御覧ください。

 先ほど政策評価官の大地より御説明させていただいたとおり、改正通則法の施行に伴って、本年度より主務大臣が法人の評価を実施することとされており、厚生労働省におきましては、所管する中期目標管理法人(11法人)の評価に際して、外部有識者からの意見聴取を行うこととしております。本WGにおきましては、本年度担当する地域医療機能推進機構の平成26年度業績評価、いわゆる年度評価について御意見を賜ることとしております。

 続きまして、「平成27年度以降の中期目標管理法人の評価」について御説明いたします。「参考資料の2」のカラーのポンチ絵を御覧ください。資料の1枚目にありますが、これまでの独立行政法人の評価と平成27年度以降の独立行政法人の評価を対比する形で整理しております。最初に評価主体・評価の体制等についてです。改正通則法の施行に伴って、法人の業績評価については、主務大臣が実施し決定することとされて厚生労働省においては評価に際して、外部有識者の知見を活用し、改正通則法第32条第1項各号に規定される年度評価、中期目標期間見込評価、中期目標期間実績評価を実施することとしております。なお、これまで各府省の評価委員会でその役割を担ってこられた役員の退職金に係る業績勘案率の算定や、法人の財務諸表、組織・業務全般の検討、中期目標・中期計画等については、改正通則法の施行に伴って、本年度より主務大臣において算定・決定等が行われることとなるため、これらの事項については本WGにおける意見聴取の対象事項には基本的には含めておりません。

 続きまして、「評価基準等」についてです。これまでは各府省の評価委員会が、それぞれ評語、評価基準、評価様式等を定め、評価を実施してきたところであり、厚生労働省におきましては、評価委員会が定める評価基準に基づいて、中期目標を定めた項目ごとに5段階の評定をする個別評価と、法人全体の状況について記述による総合評価を実施してきたところですが、改正通則法の施行に伴って、本年度より改正通則法第28条の2の規定に基づき、総務大臣が定める独立行政法人の評価に関する指針において統一された評語、評価基準、評価様式に基づき、評価を実施することとされており、中期目標を定めた項目ごとに評定をする項目別評定と、法人全体の状況について評定をする総合評定により評価を実施することとされております。

 最後に、第三者機関の役割として、各府省の評価等に対する総務省の関与についてです。これまでは各府省の評価について、総務省が二次評価を行い、必要に応じて意見を述べるほか、各府省の評価委員会が算定した役員の退職金に係る業績勘案率について、決定前に意見を付すとともに、中期目標期間の終了時におきましては、当該法人の組織・業務全般の検討に関して、主務大臣に対して勧告を行ってきたところですが、改正通則法の施行に伴って、本年度からは中期目標期間の終了時において、中期目標期間見込評価、業務・組織全般の検討、次期中期目標の策定に関して、主務大臣に対して意見を述べることとされております。

 続きまして、資料の2枚目になります。こちらのほうは、年度評価の流れについて記載をしております。中期目標期間評価、見込評価、期間実績評価についても同様の流れで実施することとなります。

 まず、評価項目についてです。評価項目は原則中期目標を定めた項目を単位として設定することとなりますが、的確な評価を実施する観点から、評価項目を更に細分化することも可能とされております。実際の評価におきましては、これらの評価項目ごとに、まず、項目別評定として、中期目標の達成状況、中期計画の実施状況等を考慮して、5段階、SDの評語による評定を付すこととなります。項目別評定については、定量的・定性的双方の観点から、評価を実施し、B評定を標準として評定を付すこととなり、定量的指標が設定されている評価項目については、目標時の達成率状況が100%以上、120%未満の場合には標準であるB評定を付し、120%以上の場合にはA評定。80%以上100%未満の場合にはC評定を付すこと等とされております。なお、中期目標等において、難易度が高いとされた評価項目については、これらの基準により付した評定を1段階引き上げることを考慮することとされております。

 その後、総合評定として、項目別評定を基礎とし、法人全体の状況について記述及び5段階の評語による評定を付すこととなりますが、そのうち5段階の評語による評定については、重要度が高いとされた評価項目について十分に考慮するとともに、法人の信用失墜事象が生じた場合には、その程度に応じて項目別評定を基礎とした評定から引き下げるとされており、特に、法人組織全体のマネジメントの改善を求める場合には、是正措置が実施されるまではA評定以上の総合評定は行わないなどの調整を行うこととされております。

 こうした一連の評価を行うに当たりましては、資料の上部に緑色の背景で囲われている部分、2つ○がありますが、2つ目の○に関してです。評価に関する指針等におきまして、必要に応じて外部有識者の知見の活用等の手法を適用することに加えて、法人の長からのヒアリングを実施するほか、監事等からも意見を聴取するなど、役員等から必要な情報を収集し、法人の実状を踏まえた的確な評価を実施することとされております。

 このため、本WGにおきましては、まず、中期目標の事項別に2つのパートに区分し、項目別評定について御議論いただいた後、日々のマネジントや監査等を踏まえ、現在の法人の業務運営の状況や、今後の課題、改善方針等について、法人の理事長及び監事からコメント等を頂き、それらを踏まえて、法人全体の状況について評価する総合評定について御議論いただくという流れとしておりますので、よろしくお願いいたします。参考資料2に係る説明は以上です。

 なお、本日は議事次第に記載している資料に加えて、カラーの「社会保障と税の一体改革」のパンフレットを配布させていただいております。こちらは内閣官房、内閣府と、総務省、財務省、そして我々厚生労働省が協力して作成し、内閣府の政府広報室が発行したものであり、政府全体で取り組んでいる一体改革の背景等を分かりやすくまとめたものです。構成委員の皆様方におかれましては、内容的に既に御承知かと存じますが、取組内容の御紹介として参考配布とさせていただきましたので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

 

○政策評価官

 それではここからの議事進行については、福井主査にお願いしたいと思います。福井主査、どうぞよろしくお願いいたします。

 

○福井主査

 それでは、どうぞよろしくお願いします。地域医療機能推進機構の平成26年度業務実績評価について、議論をしていきたいと思います。はじめに国民に対して提供するサービス、その他の業務の質の向上に関する事項に係る項目別評定について議論したいと思います。法人及び法人所管からポイントを絞って簡潔に御説明をいただきまして、その後に質疑応答という流れで進めていきたいと思います。それでは、法人からの説明をお願いできますか。

 

○地域医療機能推進機構理事長

 理事長の尾身です。本日はよろしくお願いいたします。担当者からの詳細な説明の前に、私のほうから重要なポイントに限って簡単に説明をさせていただきます。

 資料1-1を御覧ください。1ページ、これは機構の概要についてです。左の欄の下の※を御覧ください。本機構は※で書かれている3つの組織を、しかもこの3つの組織はカバナンス、組織文化、給与体系が極めて違うものですが、この3つの組織を1つにするということで、平成26年度4月に設立された組織です。平成26年度は機構にとって初年度に当たります。機構の目的は書かれているとおりです。

 右の欄を御覧ください。本組織の最大の特徴と言っていいものの1つが、57の病院のうち約半数、26病院が介護老人保健施設、10病院が地域包括支援センター、16病院が訪問看護ステーションを持っているということです。当機構は、現在の時代が求めている急性期からリハビリ、介護、在宅まで、いわばシームレスなサービスの提供を期待されている組織です。

 次のページです。これは当機構の運営の基本的な考えですが、2つの基本的な考えを基に運営をしてまいりました。まず、1つ目は、地域包括ケア、地域医療の要として、いろいろな関係者との連携を進め、地域包括ケア、あるいは医療のIT化など、時代が求める課題に率先して取り組むことがまず1つ目の考えです。

2つ目の考えとしては、運営費交付金が交付されない法人ですので、財政的に自立した経営を目指す。この2つが基本的な考えです。

 次のページをめくってください。そうした2つの考えの基に、いろいろなことをやってきましたが、要点だけを申しますと、次の4点です。1点目は、初年度から「経常収支率を101.4%」ということで目標を達成しました。2点目は、「広域クラウド型病院情報システム」ということで、これについては是非3つのことを強調させていただきます。1番目は2行目に書いてありますが、これは国のIT戦略を実現するためのプロジェクトです。2番目は、閉鎖的なコンピュータシステムが、今まで日本には乱立しておりましたが、これを1つにするという、極めて難しい困難な仕事であるということです。3番目は我が国で初めての試みであるということです。3点目は、JCHOの多くの病院もご多分に漏れず、医師不足に直面しておりますが、独立行政法人としてふさわしい役割を果たすために、福島県の浪江町や北海道に「医師不足地域への支援」を継続的に行ったことです。

 最後に、連携の促進ということで、1番目、全ての病院に「協議会を設置」して関係者との連携を強めた。2番目は、全ての病院に地域包括ケア推進室を設置して「訪問看護・在宅医療・認知症対策」に取り組み、そのためにそれを実行する病院が着実に増加しました。最後に、従来の臓器別専門医、これは非常に大事ですが、この育成と共に、時代が求める「総合診療医の育成」に既に着手をしました。以上が、私からの説明です。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 続きまして、業務実績評価項目一覧が下のページにありますが、個別に御説明いたします。項目一覧は、左側が端的に申しますと医療・介護サービスの提供です。右側の2以下が経営についてです。まず、医療・介護サービスについて御説明いたします。

5ページ、これが国民に対して提供するサービス・その他の業務の質の向上に関する事項です。診療業務、1つ目が地域において必要される医療等の提供。2つ目が、地域医療機構の各病院等に期待される機能の発揮ということで、各病院で実施することについての目標が設定されております。この評価の視点は、1つは医療等を提供するに当たって、広く関係者の意見を聞いて、地域の実情に応じた運営に努めているかどうか。もう1つは、中期計画期間中に各病院に期待される機能、地域医療支援機能の体制整備、5事業の実施などがあります。このようなことが発揮できるように体制の整備を進めているかという視点で自己評価を行っています。

6ページが中身です。1つは地域において必要とされる医療等の提供ということで、我々は法律により地域協議会を設置して、地域の関係者の方々に入っていただいた協議会を実施することになっておりますので、全ての病院においてこれを実施したということで、病院にもよりますが、1回から4回、平成26年度においては実施いたしました。

(2)各病院等に期待される機能の発揮ということで、(1)(4)ありますが、これの全てを中期計画期間中、平成30年度までに達成するということが我々の目標となっております。平成26年度においては、前年度から4病院増加して、10病院がこれを全部満たしているということです。初年度においては、そういう状況です。

 具体的に、(1)は地域医療支援機能の体制整備ということで、ここでは紹介率・逆紹介率、救急医療の提供等が要件となっております。紹介率・逆紹介率以外のものについては、かなりの病院が実施しているという状況です。

(2)5事業の実施ということで、救急・災害などについては、全ての病院においていずれかの事業を実施しているということで、オールクリアという形になっております。

(3)はリハビリテーションの実施です。これも57病院中56病院で急性期・回復期、または維持期のリハビリテーションを実施したということです。

 その他、地域において必要とされる医療等の提供ということで、地域包括支援センターの運営、訪問看護事業等、地域包括ケアに係るいずれかの事業を全ての病院で実施しております。地域において必要とされる医師の育成に係る取組についても31病院で実施しております。自己評価についてはAを付けさせていただいております。

 その理由は、全ての病院できちんと協議会を実施したということと、達成すべき目標をクリアした病院数も相当数増えております。紹介率・逆紹介率が、今の段階ではそれほど高くないのですが、平成26年度は大分良くなったということで、平成30年度の目標達成に向けてきちんとできたのではないかということで、自己評価はAにさせていただいております。法人からの説明は以上です。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

 事務局の評定案について御説明いたします。ただいま法人から自己評価、概要説明と併せてありました。それにつきまして、当事務局からの評定については、資料1-2、大きなA3版の資料の5ページを御覧ください。先ほど法人からも御説明がありました地域医療推進機構については、法律に基づいて、地域の協議会を設けることが義務付けられております。これについては、各病院全て設置され、少なくとも1回は開催しているということです。それと地域医療支援機能の体制整備についても、自己評価に記載されているとおり、年度計画に定めた目標をおおむね達成しているのではないかという判断をさせていただきまして、評価はBとさせていただいております。以上です。

 

○福井主査

 ありがとうございます。ただいま御説明がありました事項について御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。

 

○政策評価官

 事業の関係でまず一通り御説明いただけますか。管理部分ではなく、具体的には1-6までお願いします。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 続きまして、評価項目の1-2について御説明いたします。先ほどは病院が個別に実施すべき内容のものでしたが、7ページからは機構全体としての取組ということで、5事業など内容についてはかぶっておりますが、機構全体としてはどれぐらいできているかというところです。評価の視点については、1つは5事業など個別事業・疾病に対する機構全体としての取組が進んでいるか。救急患者の受入れ等々が進んでいるかといったところが評価の視点になるかと思っております。

 具体的な取組については、(3)(1)5事業ということで、5事業の全体の進捗状況ですが、救急患者の受入数については、中期目標期間中平成30年度までに5%増やすという目標を設定しております。平成26年度については、0.8%増加しました。

 災害の関係については、医療救護班・DMATの編成を目標に掲げておりますが、全ての病院で医療救護班を編成して、DMAT編成班についても、2班増えて25班ということになっております。医師不足地域の支援については別に御説明いたします。

 その他、母体搬送件数、小児救急患者の受入数といったものも中期目標期間中の目標に比べて大きく増加している状況です。

2番目がリハビリテーションです。リハビリテーション専門職を市町村が行っている事業、地域で自主的にやられている活動などに派遣を行っておりまして、前年度から2病院増加して24病院で実施しております。

(3)5疾病です。5疾病については、56病院が何かしらその地域の医療計画に記載されているところです。がんをはじめとした5疾病について地域のニーズに合わせて、我々の病院も大きい病院から小さい病院までありますので、できることをやっているという状況です。

(4)健診・保健指導です。我々は社会保険病院の時代からかなり健診を実施しておりまして、平成26年度も累計で134万人の方に健診を実施したということです。(5)地域連携クリティカルパスは、31病院で実施して、実施件数については11.9%増加したということです。(6)臨床評価指標は、これについては若干遅れているのですが、NHOなど、ほかの団体で先行して作っているものについて調査しました。平成27年度を目途に定めると計画上なっておりますので、こういったものをベースに平成27年度には定めたいと思っております。

 自己評価についてはAを付けさせていただいております。その理由については、数値目標が何個かありますが、これらがかなり取組が進んでおりますし、それ以外についても相当程度取組が進んでいるということから、我々としてはAの自己評価としております。

1枚めくっていただいて、へき地を含む医師不足地域の医療支援ということで、先ほど理事長からも御説明いたしましたが、やはり、地域医療を支えるというのが当機構の使命ですので、医者が潤沢にいるわけではないのですが力を入れて取り組んでいるところです。

23病院から23か所。日数で言うと延べ5,342人日派遣しているということで、かなり多くの所で派遣を行っております。基本的には近場の所に派遣している所が多いのですが、1つには被災地に対する継続的な支援ということで、浪江町の仮設診療所が今二本松にありますが、そこに継続的に医師を派遣しているというのが1つのポイントです。

 あと表がありますが、北海道については、北海道病院という札幌にある病院から派遣していることが多いのですが、それ以外でも横浜の保土ヶ谷、船橋といった所から広域的に県を超えた形で支援も進めているところです。説明は以上です。

 

○地域医療機能推進機構管理室長

 それでは、厚生労働省の事務局()を申し上げます。資料1-218ページを御覧ください。ここに関する事務局の評価理由です。今、御紹介がありましたように、地域医療機構の自己評価に記載されているとおり、救急医療・災害医療等において、年度計画に定めた目標をおおむね満たしている。そういったことに加えて、冒頭、理事長からも御発言がありましたように、機構自身も医師等の確保が困難な状況にある中、今、説明がありましたとおり、医師不足地域への支援を延べ5,342人日派遣するといったことで、地域医療機構の全国ネットワークを活用して、地域医療を支える特段の取組を行ったということを評価して、Aと評価しております。以上です。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 続きまして、10ページです。ここは地域包括ケアということで、評価の視点としては、地域包括支援センター、老健施設、訪問看護ステーションの運営、在宅医療、認知症対策など、一体的に取り組んでいるかということです。

11ページ、高齢社会に対応した地域包括ケアの実施ということで、我々病院のみならず、老健、訪看などがありますが、病院のみならず、老健・訪看などの職員がみんな集まりまして、地域包括ケア推進室というものを全ての病院で設置して、一体的に運営を推進しているというのが大項目です。

 個別の項目で申し上げますと、地域包括支援センターが10施設あります。地域包括支援センターにおいて、地域包括ケア会議、介護予防ケアプラン、介護予防事業、認知症関連事業、運動教室とか、栄養講座といったようなものを実施しております。こういった活動について、平成25年度に比べて大幅に増加したという結果となっております。

2番目が老健施設は26施設あります。医療ニーズの高いものを積極的に受け入れるというのが目標ですが、喀痰吸引、インシュリン注射、認知症に関する専門的ケアといったことについて、全国平均以上受入れているという実績となっております。

 在宅復帰、在宅療養機能の強化ということで、在宅復帰にも力を入れており、26施設ありますが、老健施設の約半数が在宅復帰機能が強化されたというカテゴリーで実施しております。全国平均だと大体4分の1ぐらいですが、JCHOでは約半数がそういった形になっております。

 それから、看取りに関するマニュアルの整備をしております。これが24施設ということで、あと2施設はできておりませんが、看取りについても強化したいと思っております。

(3)は訪問看護・在宅医療です。訪問看護をステーションで実施している場合もありますし、病院で実施している場合もありますが、全体では36病院で実施しており、実施件数についても11.2%増加しています。

 在宅医療に関しては、我々病院の団体ですので、基本的には開業医さんが実施しているものをバックアップしていくというスタンスで取り組んでおり、2つの在宅療養支援病院、7つの在宅療養後方支援病院において、バックアップを進めてきたところです。

(4)が認知症対策で、物忘れ外来設置病院が5病院増加して11病院になっております。看護師等を対象に認知症に関する研修を実施しており、数日のものから数週間のもの、数か月のものと3種類くらいあるのですが、トータルで82名の方が受講しました。

 自己評価については、全ての事項について相当程度取り組みが進んだのではないかと我々としては考えておりまして、自己評価についてはAとさせていただいております。以上です。

 

○地域医療機能推進機構管理室長

 それでは厚労省の事務局()を申し上げます。資料1-228ページを御覧ください。評定に至った理由については、地域医療機能推進機構の自己評価に記載があるとおり、高齢社会に対応した地域包括ケアの実施に積極的に取り組んでいる。取り分け、老健施設における医療ニーズの高い者の受入割合が全国平均を大幅に上回っていること。その他、在宅支援に向けた取組も全国平均を大幅に上回っていること。

 さらに、訪問看護の実施件数が昨年度に比べ11.2%増加となっていることなど、年度計画に定めた目標を大幅に上回っていると判断させていただいてAと評価しております。以上です。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 続きまして、12ページの調査研究事業です。調査研究事業の実績は、下のページにありますが、調査研究の推進ということで、昨年実施したことが書いております。1つは病院に各種データがありますので、それらのデータをきちんと収集することと、これは医療面、経営面両方ありますが、それをきちんと病院のほうにフィードバックして活用していただくという取組を進めたというのが1点です。

 そのデータは、今はエクセルベースで集めているデータが多いのですが、そういったデータをきちんと自動的に集めるような仕組みを今構築している最中です。そういった取組もしております。

3点目がDPCの関係です。まだ十分とは言えないのですが、DPCの分析システムを導入して、これは経営面も医療面も両方ありますが、そういったところに活用できるように考えております。

 あと調査研究の進め方とデータ分析手法等に広く情報を収集しました。平成26年度については、今後の調査研究を進める上で、まずはデータを集めるということ。それをどういう手法で活用していくかということについて、基盤作りというようなものを進めてきたというのが平成26年度であると考えております。

(2)臨床研究及び治験の推進ということで、治験については前年度より4件多く426件の治験を実施しております。CRC(治験コーディネータ)11名増加して39名となっております。査読のある医学雑誌に掲載された論文数が21本増えて302本になったということです。

 自己評価についてはBということで、おおむね計画どおりに進んだと考えております。説明は以上です。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

続きまして、厚生労働省の事務局(案)です。これにつきましては、法人の自己評価どおり、年度計画に定めた目標を概ね達成しているというふうに認められますので、Bとしています。以上です。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 続いて、14ページの教育研修事業です。1つは総合的な診療能力を有する医師の育成、あとは、他職種と協働によりチーム医療を提供していくことができる質の高い看護師の育成、そういうものがきちんとできているかどうかが評価の視点です。

 具体的な中身です。まずドクターのほうからいきます。いわゆる総合医について、16病院が総合診療プログラムを策定しました。ほかに17病院が地域の大学病院若しくはJCHO内の病院と連携する協力病院となっています。総合医の関係でいくと、東京に城東病院というのがあって、ここで平成274月から指導医が6名、後期研修医9名という形でモデル病院として事業を進めています。看護の関係でいくと、クリニカルラダーに基づいて新人看護師の研修を実施しているということと、認知症看護、退院調整看護等、地域包括ケアに重点を置いた研修を実施しています。あとは管理者の研修もしています。延べ673人に対して研修を実施しました。

(2)地域の医療・介護職に対する教育活動です。医療従事者、介護従事者それぞれありますが、医療従事者については、糖尿病、感染予防といった研修会を48病院で実施しています。地域の介護従事者については、喀痰吸引や認知症などの研修を29病院で実施しています。

(3)地域住民に対する教育活動です。各病院において、地域住民の方を対象として糖尿病、高血圧、認知症などの研修会、健康相談などを実施していて、916回開催し、延べ17,252人で対前年度に比べてかなり多くの方に参加していただいたという状況です。

 自己評価については、おおむね計画どおりできたということでBにしています。以上です。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

 厚生労働省の事務局()を申し上げます。資料1-237ページを御覧ください。これに関する評価です。地域医療機能推進機構の自己評価に記載されているとおり、年度計画に定めた目標をおおむね達成していると判断してBと評価しました。以上です。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 続いて15ページ、その他の事項です。評価の視点については、患者や家族の視点に立った分かりやすい説明や安心な医療を提供しているか、医療事故の原因防止対策の共有化で、医療安全対策の標準化を進めているかということです。

 その他の事項、16ページ(1)患者の視点に立った良質かつ安心な医療の提供で、全ての病院において患者相談窓口を設置しました。また、クリティカルパスや地域連携パスを活用して分かりやすい医療提供をするよう努めてきました。また、職種間の協働によるチーム医療ということで、糖尿病、栄養、褥瘡などについて47病院でチームを作って実施しています。

(2)医療事故、院内感染の防止です。初年度ですので、医療安全、感染管理についてきちんとした報告制度をまず作ることにしました。その報告制度に基づいて、上がってきた情報について本部のほうで整理して病院に情報提供しています。また、実施状況について追跡調査・評価などを実施しています。それと、医療安全の管理責任者、担当者による会議を開催して警鐘的事例などについて情報共有も進めています。

(3)災害、重大危機発生時における活動です。平成26年度に何かが発生したということではないのですが、我々、NHO、日赤と同様に災害対策基本法及び新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく指定公共機関ということで、何かがあったときは出張って行かなければいけないという立場にあります。そういうことから、何かが生じたときの備えということで各種訓練を実施しています。

(4)洋上の医療体制確保の取組です。最初に理事長から説明がなされましたが、船員保険会という団体からも3病院を引き継いでいて、そこでこういう事業を以前から行っています。1つは、洋上船舶内で発生した傷病人に対して、無線でこれどうしたらいいという相談がくることがあります。これが無線医療助言事業というものです。2病院で415件実施しています。その他は、船舶衛生管理者の講習会において、当機構の医師、看護師が講師として行って講議などを行う事業も実施しています。

 ここについては、おおむね計画どおりに実施できたであろうということで、自己評価についてはBとしています。以上です。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

 資料1-246ページの厚生労働省事務局()です。これも同様に、法人の自己評価に記載されているとおり、年度計画に定めた目標をおおむね達成していると判断してBと評価しています。以上です。

 

○福井主査

 ありがとうございます。それでは、ただいま6項目についての報告と評価について説明して頂きましたが、構成員の皆様から御意見、御質問等がありましたらお願いしたいと思います。6項目ありますから最初の所からやりましょう。A3の資料ですと4ページの1-1「診療事業等(地域において必要とされる医療等の提供)」です。法人の自己評価はA35ページになります。法人の自己評価がAで、主務大臣による評価がBとなっています。この項目について、何か御意見、御質問等はありませんか。

 

○亀岡構成員

 ちょっと確認です。全般にわたる話です。中期計画と年度計画は基本的には同じような内容が書かれていると。通常、例えば5年計画であれば、当年ではここまでします、ここまでしますと言って5年後にはここに行きますという計画があると思うのですが、年度計画自体が中期計画のときに達成するように頑張りますみたいな計画なので。それでもって今、年度間の評価をしようということなのですが、中期が終わったときの評価というのなら分かるのですが、そもそも中期計画と年度計画との考え方はどのように具体的にされているのかをまず。例えば、6ページを見ても、(2)(1)のアなどを見ると全く5年間のうちにこれをやりますみたいな、中期計画は分かるのですが、年度計画も全く同じで、それで、先ほどの御説明では昨年度に比べてこれだけ伸びたうんぬんということでされる。それは事実は事実だと思うのですが、それでもって果たして年度の計画を達成したのかどうかをどのように判断されているのかを、少しお聞きしたいと思います。

 

○福井主査

 いかがでしょうか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 おっしゃるとおり、おっしゃるとおりと言ったらあれなのですが、中期計画は5年分のを作って、要するにそれを5等分したほうが美しいとは思うのですが。

 

○亀岡構成員

 いや、5等分する必要はないが。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

5等分かどうかは別として、進捗を年度ごとに作っていくのが、当然おっしゃっていることは理解していますが、初年度ということもあって、要するに法人が新しくできたということもあって、若干、中期計画と同様のような記載になっているのは我々の反省点でもあるかと思っています。基本的には、5年分でやることですので、着実に、少なくとも5分の1ぐらいはやはり進めていかなくてはいけないという気持ちで、平成26年度については取り組んできたところです。

 

○亀岡構成員

 言われていることはよく分かります。多分、通常、中期計画というのは5年後にはここまで行きたいというのを立てると思うのです。そのときに、具体的には今年度はここぐらいまで行けそうだなと、ですから、実質的には5年後はこれなのだというのがあるのだと思うのです。ですので、非常に思いみたいなのは伝わってくるのですが、やはり着実に、本当にこの延長線上で5年後に行けるのかどうかは、申し訳ないのですが、単年度の評価と中期の評価というのは本来セットにならないといけないとは思っているので、その辺の評価の所は若干難しいのかという気はします。

 

○福井主査

 ほかにはいかがでしょうか。

 

○柿崎構成員

 地域協議会でしたか、これは設置したと評価されていますが、設置が目的ではなくて、それによって何が得られたかというのがないとなかなか我々も判断しにくいのですが、そこら辺はどうでしょうか。これは省サイドにも同じことをお聞きしたいと思います。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 おっしゃるとおり、設置することに意味があるというか、設置することによってどういう意見を聞いて、どういうアクションをしたかというところに意味があるかと我々としても思っています。それで、平成26年度については、正直なところ若干顔合わせ的な側面はありました。ただ、やはりいろいろな方に入っていただいているので、忌憚のない病院運営に対する御意見を頂いている、議事録のほうを私は大体見ていますが、そのようですので、そういうことについて、今後どのように2年目、3年目に反映させていくかが我々の課題なのかと考えています。

 

○地域医療機能推進機構上席審議役

 先生、ちょっといいですか。

 

○福井主査

 どうぞ。

 

○地域医療機能推進機構上席審議役

 審議役の宇口です。先ほど、2つ、亀岡先生のも言われたとおりです。ただ、平成264月に社会保険病院等の3つのグループを独立行政法人にするという、1つの社会問題と言ってはあれですが、1つの一大プロジェクトであったと。経緯があって、冒頭、尾身理事長からもありました、困難を極めながら去年の4月に無事設立できたというところで、正直、通則法の改正が間に入って、今回、評価官室からも冒頭にあったみたいに、従前の、我々が役所でやってきた独法の評価のルールが変わって、今日、初めて我々もここの場に立ち合わさせていただいています。我々も勉強して、いろいろ項目をセレクトして、視点をどうするかとかを十分に時間を取って勉強できて御用意できればよかったのですが、さすがに、後からも御説明するとおり、1年間やっと決算までこぎ着けたというのが実状です。言われる御指摘の点は重々承知しています。先生も制度が変わったということで国病もナショナルセンターも御評価されていると思います。大体、もう1回、ちょっとこれ省全体でまた御相談しながら、来年度以降どうするかというのは全体的な枠組みで再構築していただかないと、我々だけの判断でもできませんし、そこの御指摘は重々踏まえてやっていきたいと思います。

 それから、続けて柿崎さんの協議会。これは柿崎さんも御承知のように、もともと社会保険病院は売られてしまうということで、地域が混乱している中、平成236月の議員立法で平成264月には決まりました。何が起こったかと言うと、全病院に直ちに協議会を作って、地元の市町、市役所関係、あと医師会関係、まずは存続ができてよかったと。これは切実な地域の忌憚のないお声だと思います。本当に廃止されるか医療法人に売られてしまうか分からない状態で、社会保険病院、厚生年金病院、船保病院という、準パブリックで今まで地域で貢献してきたわけですから、ある程度、地域では地域医療というのは担われていたという認識が関係者にありました。ところが、これが厚生労働省所管の独立行政法人として運営していくことが定まったわけですので、本部からの各病院に対する指示等を踏まえながら、今後、ここを拠点に地域包括ケア、理事長が言われたので繰り返しませんが、地域に貢献できるようなパブリックになることを現場の地域の関係者に伝達でき、一緒にやっていきましょうということで、本気になって地域の医師会、市役所関係の市町村も参加していただいて、非常に意義があったと我々のほうでは思っています。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

 先ほど、省側の判断も御質問があったかと思いますのでお答えします。言われるとおり、地域協議会、これは法律で設置が義務付けられているということで、これを全病院が設置したということは責務を果たしているという評価です。ただ、一方で、これを設置することが目的というよりも、それを設置して、地域の意見を踏まえて病院をどのように改善していくかと、そういう成果が出てくればA評価とか上位の評価につながるのではないかと判断している次第です。以上です。

 

○押淵構成員

 地域協議会の構成委員ですが、これについて大項目はありますが、どういう関係者が入っていますか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 病院によって多少の違いはありますが、基本的には、利用者代表の自治体の会長さんとか患者さんの代表みたいな方がまずいらして、あと医師会の代表は当然います。それで、市町村が多いですが、保健所の方とかが入っています。地域の医療機関ということで、地域の開業医なり病院なりを入れている感じが多いです。

 

○押淵構成員

 ちょっとよろしいですか。私、57病院の診療科等をつぶさに調べているわけではないのでお聞かせ願いたいのは、57病院の中には歯科関連の職種はないのですか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部医療担当副部長

 歯医者さんはいらっしゃる所はあります。

 

○押淵構成員

 そういった所では歯科医師会の関係者も加わってということですか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部医療担当副部長

 歯科の方もいらっしゃいます。そういうところに関しては。

 

○押淵構成員

 そうですか。どうもありがとうございます。後ほどまた、包括ケア関連でお話を聞かせていただきます。

 

○福井主査

 よろしいですか。ちょっと確認です。自己評価のAと主務大臣による評価のBの違いの所だけもう1度簡単に説明していただけますか。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

 こちらからでよろしいですか。

 

○福井主査

 はい。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

 先ほどから申し上げていますが、地域協議会については、設置を全ての病院で行ったことについては一定の責務を果たしているということですので、これはB評価になり得る水準かと思っています。あと、併せてそれ以外の部分です。おおむね達成しているというところは機構と意見の相違はありませんので、そういう意味で、トータルで我々としてB評価が妥当ではないかと評価しています。

 

○福井主査

 法人のほうはどこをAと評価したのですか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 法人としては、1を取りあえずやりましたというところはそれほど超えないと思います。1と言うか地域協議会の話です。各病院にいろいろな機能を発揮してくださいという所については、紹介率は若干これからというところもありますが、それ以外の項目については、一応、平成30年度に向かって全部クリアしていくところを、既に大分多くの病院がクリアしているという状況なので、我々としてはそれなりに進んでいると考えています。

 

○柿崎構成員

 お聞きしたかったのは、今回の、おおむね57を作ったので、逆に言うと、57ができていないとCになるのか、それともこれでAを取るというのはどういう状況を考えて、そこの考え方が今一。初期段階で、57作った段階でBがクリアされて次のステップに行くのではないかと。逆に考えると、Cになるのはどういう状況なのかが今一ここのイメージでよく分からない。これは初年度ではBなのかもしれませんが、かなりAに近いBなのではないかという感じがするのですが。

 

○地域医療機能推進機構上席審議役

 よろしいですか。作っただけで意義があるかというのはそのとおりだと思います。

 

○柿崎構成員

 いや、逆です、逆なのです。作ったのだからいいのではないかという話なのです。つまり、これでAを取るというのはこれ以上何をすればAになるのかというのを。これでBだったらAにするにはどうすればいいのかと省に聞きたい。今後の評価の仕方にも関わるので。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

 それは地域協議会の所ですか。

 

○柿崎構成員

 はい。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

 我々が考えたのは、協議会を作って、地元関係者、それから利用者を含めた地域協議会の場で意見交換等を踏まえて、更に病院改善のためにこのような実績がありましたというのが出てくれば、そこの段階では上位の評価になるのかと思っています。

 

○地域医療機能推進機構上席審議役

 先生よろしいですか。ちょっと今の御質問ですと。

 

○柿崎構成員

 いや、今の話だと、ただこれ初年度なので出てこないですね、初年度だと。作って1回ヒアリングして、それを回してやるとなると次の年度になってしまうのではないですか。そうすると、初年度で絶対Aが取れない形になっているのではないですか。

 

○地域医療機能推進機構上席審議役

 病院個々で、一番回数の少ない病院でも最低1回は設置して開催しているという説明。多い所は、1年間で45回やっている病院もこれあります。それから、ここの評価シートの所はなかなか記載とか具体はないですが、協議会の有効事例ということで御報告するのであれば、厚生団から移行した湯布院病院、湯河原病院、玉造病院、厚生団は7つですが、そういう専門病院の3つが、冒頭1ページにあったように健康増進ホームという施設を持っています。これの稼動が非常によろしくなくて、玉造以外は赤字に陥ったという状況で、実は、結果論ですが、平成27630日をもって、湯布院と湯河原の保養ホームは利用廃止で、現在、今日716日ですから630日でクローズしています。その決定をするに際し活用したのがこの協議会で、湯布院のほうも湯河原のほうも、2月なり3月中、年度内に活用し、患者の代表、利用者の代表、自治体、いろいろ関係者が入って経営のことも考え、病院の存続のためにこういう赤字部門のセクションを切るという具体例として報告するのであれば、活用もできているということです。

 

○柿崎構成員

 今の話があれば考え方が少し違ってくるのではないかと。つまり、とすると、年度内に成果は出せていたという話になりますね。

 

○地域医療機能推進機構上席審議役

 はい。

 

○柿崎構成員

 となると、この評価と違ったものが出てくるのではないかと思います。

 

○地域医療機能推進機構上席審議役

 それと加えて、ここの項目については、別に協議会を作ったか作っていないかでAとかBということではないとこちらも考えていて、どういう機能の病院かというのは全て57を持っていく。

 

○地域医療機能推進機構理事長

 先ほど、亀岡構成員から初年度とその5年間ということですが、私のこの1年目の基本的な考えは、5年に目標を掲げているので、初年度はある意味では、これは構成員の方は初めてこの3つの異なる文化、組織のものを1つにするには、初年度ですから、確かにトライアル・アンド・エラーがあるから、必ずしも1年目から正確な目標を立てることは極めて困難ですが、5年後には必ず目標を達成するということで、初年度はいろいろな限界がある中でしっかりやっていくという精神でやってきました。

 それで、今の柿崎構成員の指摘は大変鋭い指摘だと思いますが、1つだけ、連絡協議会のことです。先生方は多分御存じだと思いますが、この機構は始める前には3つの団体で様々な問題がありました。会計の問題もあるし、先ほど宇口のほうからもありましたが、譲渡をされるかされないかという問題で、現在、実際の院長たち、当時のRFO時代の院長さんたちは、そういう困難な状況下で連絡協議会を通じ連携を開始した訳です。どの人と連携をしたかと言うと、基本的には市町村と医師会と住民です。この人たちと、医療機関なら当然周辺の医療機関、自治体、医師会と連携するのが目的です。

 今回は連絡協議会を作っただけではなくて、既にそれは初年度ですから、全て皆に誇れるような効果はありませんが、少なくても私が訪れた幾つかの病院の師長さんたちが、あるいは市の人たちが、これほど我々の病院に関心を持って、これほど期待することは今までなかったと思います。今まではやや大雑把に言えば内向きの組織だったわけです。それがこういう結果で、まだ誇れるような100パーセントの結果は出ていませんが、初年度で既にダイヤログが始まったということで、幾つかの病院がある市長さんのところに、私自身が行って、初年度ですから、これから5年に向けてどういうことができるかという議論を既に開始したということだけは申し上げたいと思います。

 

○福井主査

 評価全般に関わることですが、こういうことをやったとか、こういう機械を入れたというだけではA評価には普通ならないと思います。そうすることによって、患者さんの健康上のアウトカムや社会に与えた影響が出てきて、それが期待したものより大きい場合にA評価になるのであって、医療者側でこういうことをやったからというだけでA評価は余り出せないのではないかと思います。基本的な考え方としてですが。協議会を作って、そのことで実際に患者さんや地域社会にどういう影響をもたらしたかという結果が出て、その時点で初めてA評価にすると評価したほうが私はいいのではないかと思います。

 

○柿崎構成員

 私は言いたいことは2つです、よろしいでしょうか。言われている点もそうなのと、もう1つ、私が今言いたかったのは、評価の所にそう書いてあったので、57作ること自体で言うと、はいそれまでよということで、つまりAが絶対に取れない評価のやり方をやっているのではないかということです。もしやるとなると、先ほど言われたところが出てくればそれから先に進んでいるわけです。となると別の評価になるのではないかということだったのです。それをお聞きしたかった。なぜそれが書かれていないのかと思ったと、そういうことです。もしかすると解釈としては、翌年度に反映させることだから今回書いていないとなると、初年度は絶対Aが出ない、Bしか出ないことになってしまうのではないかと言いたかったのです。先ほどの、年度内に改善点がもしあるとすれば、そうなるとBから先に進んでしまうということではないのですか。

 もう1つは、指針の2ページの5番目に「各法人の事務及び事業の特性」と、この意味するところは非常にあやふやですが、先ほどの内向きの3つのものが合体されたというのがこれに含まれるとなると、それは考慮すべきことになってしまうのではないかと。これは省のほうに。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

 厚労省の案で説明します。ここの項目は、この地域協議会の設置と、あと、機構の概要版の資料の6ページの(1)(2)をトータルで評価する項目になっています。その上で、(2)については、年度計画に具体的な数がないのでここを明確に判断するのはなかなか難しいのですが、中期計画の期間中に全ての病院で14の機能を有することと定められていて、今回の途中経過としては、4病院増加したということで今10病院で、5年間で57を考えた場合に、これについて特段の進捗があったという判断ができるかどうかというところも判断して、トータルでB評価としています。

 

○地域医療機能推進機構審議役

 今のお話で申し上げますと、法人の側でなぜA評価にしているかということの補足になります。6ページを御覧ください。要するに、5年間で1234全てについて57病院全部が達成するのが中期計画の目標なのです。そういう中で、初年度にもかかわらず、御覧いただくように、(2)(3)(4)はほぼ57病院が達成できていて、(1)が達成できていないから全部達成したのは10病院ということなのです。(1)についても、紹介率、逆紹介率の所である意味足を引っ張っているのですが、ここも19病院が5年間の目標を達成しています。それ以外に、括弧書きに書いてあるように、27病院は紹介率、逆紹介率が共に向上していて、これは5%共に向上しないと中期計画の目標を達成したことにならないので、27病院は達成したことになっていないのですが、紹介率、逆紹介率が上がっていることは事実ですから、そういう意味で、(1)(2)(3)(4)について全て完全に達成してはいないのですが、おおむね達成した病院が57病院のうちの大層を占めるようになったことをもってA評価としています。

 

○福井主査

 イメージとしては、定量的指標のプラス20%のものをA評価にしようということですので、数値化が難しいものについてもできるだけそのように考えざるを得ないと思います。そういうことを頭に置いて考えると、今、この時点でAとするのはかなり難しいと個人的には思います。

 

○地域医療機能推進機構審議役

 すみません、重複になるのですが、9ページに医師不足地域への医療支援の話が載っています。ここは次の項目の参考資料ということで付けているのです。冒頭、理事長からも言われたように、医師不足地域への医療支援を行ったのは、ここにあるように、北から南から、かなり57病院のうちのいろいろな病院がこういう医療支援に取り組んでいるわけです。こういう医療支援に取り組みながら、先ほど申し上げたように、中期計画の目標に近づいた病院が大半であることをもって法人側としてはA評価にしているということです。

 

○福井主査

 そのことは伺ったとして、いかがでしょうか。

 

○柿崎構成員

 なぜここにこだわるかと言うと、前の社会保険病院の実態をある程度職務上知っていたので、こういう言い方になっていると思うのです。つまり、これは業務運営の効率化に関する事項に関連してくるので、確かに評価は数値化したほうがいいのですが、初期段階で言うと、やはり指針の2ページの5番の特性をもう少し説明してもらわないと、この特性にそれぞれ持っている事情が含まれてくるとなると、立ち上がりのときの、初期段階のイメージ的に言うと何ですか、相撲さんになりたい人が50kgしかなかったのだけれど、初年度は一生懸命食べたので100kgぐらいになりましたというのを、100kgは当たり前ではないかと評価するのかどうかなのです。やはり、特性を考慮するとなるとここの業務の所も違ってくるのかという意味で、ここでちょっとこの話を処理しておかないと、私は、次になかなか進みにくいと、業務に関して同じことがまた出てきてしまうので。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

 私が申し上げていいかどうか分かりませんが、運営交付金が交付されないとか、過去の3団体から。

 

○柿崎構成員

 指針の抜粋、資料32ページ目、本指針についての2番目の「評価の指針を策定する目的及び評価の指針の策定の基本的考え方」の(5)、下のほうです。「評価に当たっては各法人の事務及び事業の特性に十分に配慮」。私は、これかが何を指すのか、ちょっと。この特性は事情を考慮することになってくるのではないかと。となると前の状態がどうだったか。つまり今年から来年については評価は同じですが、これができる前の話と比べてしまうと、何かこの特性が考慮されると少し初年度は考え方が違うのではないかという。

 

○福井主査

 つまり、基準値の。

 

○柿崎構成員

 これは定量化されないところを言っていますね、この事務及び事業の特性というのは。

 

○福井主査

 いや、これは前年度と比較するという。

 

○政策評価官

 確かに、参考資料3の総務省のガイドラインで言いますと、基本的な考え方の所では「各法人の事務及び事業の特性に十分配慮」とありますが、具体的に評価にどのように反映するかということになると、各論の所を御覧いただいたほうがいいかと思います。9ページの「7 項目別評定及び総合評定の方法、評定区分」の「(1)年度評価」の「(1)項目別評定」の「i 評定区分」の「イ」に「『B』を標準とする」とされ、具体的なSからDの考え方については以下に記載されております。先程事務局がご説明させていただきましたが、ここの部分をまとめたものが参考資料22ページ目の項目別評定の考え方です。定量的な指標については、先ほど主査もおっしゃっていましたが、目標値の100パーセント以上、120パーセント未満の場合はB評定ということです。その下に記載されております定量的指標が困難な項目につきましてもBが標準とされています。また、項目別評定の説明の一番下に※があり、難易度が高いとされた項目は評定を一段階引き上げることを考慮するとされております。このケースについてということではなく一般論で申し上げますが、100パーセント達成することがとても困難な事項について100パーセントの達成率であれば、形式的にまず当てはめるとB評定になりますが、困難な所を実現したとなるとAになり得るものです。その辺りを、例えば法人の特性とかいろいろな環境などにより、実現することがとても困難であったとなると、1つ引き上げることを考慮されるのがガイドラインの考え方です。

 

○柿崎構成員

 つまり、難易度は高かったのではないのですか、この57全部というのは。簡単な問題だったのですかということを、つまりそれは特性に関連することになるのではないかと思うのですが。

 

○政策評価官

 関連すると思います。

 

○柿崎構成員

 はい。

○政策評価官

 困難かどうかということは主管課にお願いしたいと思います。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

 すみません。実際に評価を担当した立場で、今、柿崎構成員がおっしゃった2ページ目の(5)の考え方ですが、「事務及び事業の特性に十分配慮し」という所は、事務及び事業の特性という意味では医療事業、それから介護事業も含めてやる法人ということで、なかなか定量的な指標を設定すること自体が難しい、ということも考えています。

 合わせて病院事業独自の特殊的な事業特性、それは単に一般的な、行政執行的な法人ではないという、そういった点も踏まえて評価するのだろうと判断させていただいています。したがいまして、ある意味定性的な基準に基づいて、判断させていただいているというところです。

 

○福井主査

 つまり、ほかの病院と比べて、今ここに書かれたような実績を上げるのは、非常に難しい状況からスタートしたかどうかということを知りたい、ということですね。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

 はい。

 

○福井主査

 ほかの病院と比べると、かなり不利な状態からスタートしたかどうかということですが。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

 それは前身の旧社会保険病院時代等と比べてという意味でしょうか。

 

○福井主査

 先ほど柿崎構成員がおっしゃったのは、恐らくそうです。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

 他の法人の、他の医療機関と比べてということですね。

 

○福井主査

 恐らくそうでしょうね。

 

○柿崎構成員

 いや、前身のということです。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

 我々は前身の病院の実績を知る立場にないといいますか。

 

○柿崎構成員

 いや、実績ではなくて、これは実績の前段階の話です。協議会を作るというのは。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

3法人が運営した病院を統合して、独立行政法人としてスタートしたというところは、それは踏まえて評価をしていますが、その3法人時代がどうだったかというところまでは、はっきり言って比べようがないので。

 

○柿崎構成員

 そうなると、これは協議会を作ることが難しいかどうか、判断できないということになりませんか。

 

○地域医療機能推進機構理事長

 今、福井主査が言っているのは、どのぐらい困難だったかということですよね。私が是非先生方に理解していただきたいのは、当機構の特殊性と初年度の困難性であります。冒頭申し上げたように3つの異なる組織が1つになる特殊性に加えて初年度だったということも困難性であります。初年度のためまだまだ給料の体系、規則の体系、いろいろなガバナンスの確立のために、かなりの時間を費やされました。一方で病院、現場への適切な指導、これについてもやるということで、この仕事量は恐らく2年度目のほうが、比較的困難は少なくなると思います。

1年度目は、1つ具体的な例を申し上げれば、職員には給料が下がった人たちもいるわけです。今までは給料、ボーナス、ばらばらだったわけです。これを1つのものにするということで、現場の院長さんたちとの交渉にはかなりの時間が掛かります。そういう中で一方、こうした様々な医療的、あるいは連絡協議会ということですので、これは何が困難かといったら、私は組織を預かる者として、最初の整備をしながら、まだ準備が出来ていない所へ、RFOからJCHOに渡ったけれど、まだ完備していない所がいっぱいありましたので、そこの整備をしながら、実際にこういう厚労省から求められていることがあったので、福井主査の困難であったか、あるいは柿崎委員の困難であったかといえば、私の正直な感じは、非常に困難であったということだけは申し上げます。

 

○福井主査

 組織が変わるのはすごく大変なことで、それは当然予期されたわけです。それを頭に置いて作っている目標だと思います。それで、そのセットした目標を100%近くやったという場合はBであって、セットした目標よりも2割ぐらい良く出来たというのをAにしようということですから、そういう考え方でやるより仕方ないと思います。

 クライテリアが高すぎたから、それを低くして、高く評価するということをやり始めたら、せっかく全部の評価を同じクライテリアでやろうとしているところなのに、評価が難しくなっていくと思います。そのようなことをある程度は考えたとしても、ここに挙げられた基準でもって評価をしていくより仕方ないと思います。これから5年なり6年たって、最終目標を十分達成したというところで、AなのかSなのかという評価をすればいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 曖昧な所が残ることですが、評価自体がそういうものだと思っていただくより仕方ないのではないかと思います。特に判断が違った所については、我々は意見を言うだけであって、決めるのは主務大臣ですので、法人がAと評価されたのですが、主務大臣の判断がBということであれば、この判断を絶対に覆したほうがいいということがなければ、私はBでもいいのではないかと思います。

 

○柿崎構成員

 そこは、やはりプレゼンなさったほうがよかったのではないかと考えます。そうしないと多分、分からなかった事態だったと思います。

 

○地域医療機能推進機構上席審議役

 尾身理事長と平成24年から移行準備、RFOという別法人で、去年RFOの移行準備の評価は、そこの所についてはSというのを頂いた、前の独法の評価の基準。ですから、柿崎さんは社会問題になって、記事で書いておられた、全社連の47の移行した病院が、会計がちゃんと監査もやっていなくて、118億円も決算修正する。そういう仕事は当初、役所から移行準備といって折り込まれていなかったのですが、1年前にはそういうこともあった。そういうガバナンスの病院群を1つにまとめて、ここまで引っ張ってきた。だから発車が、柿崎さんがおっしゃったみたいに「ゼロからのスタートであれば、これだけの100を達成したか、120かということだと言うのだけども、アンダーからだったのではなかったですか。」と言うのは、我々、移行準備したメンバーからすると、そういう気持ちはあるかも分かりませんが、評価の視点ということで福井先生がおっしゃったみたいに、それを言い出したらきりがないというのであれば、それは致し方ないということになる、ということですよね。

 

○亀岡構成員

 先ほど少しおっしゃって、以前から私も国立病院機構を見させていただいているのですが、今回感じたのは、やはり従来から比べて評価が少し厳しくなった。それがいいのか悪いのかは別ですが、従来AだったのがBになったとか、Bが低いのではなくて普通なのだと、Aは非常にいいのだと、逆にSなんてあり得ないのだみたいなイメージなのです。

 ですから、以前は結構Sなどがずいぶん出ていたのですが、イメージだとAが平均で、Bは少し落ちるのではないかみたいなイメージがあるのですが、この評価を見る限りは、通常は定量でも100から120Bなのですと。つまりクリアしてもBなのですと。その中で更に困難な何かがあったときに、それを更に超えたときに初めてAになるのですと。逆に定量的指標が困難な場合は、基本はBなのですということがあるので、この辺は非常に難しい判断の所があるのかなと思いますが、先ほど主査が言われた考え方に、私は個人的には賛同します。

 

○福井主査

 この項目はよろしいでしょうか。それでは、1-218ページ「診療事業と質の高い医療の提供」について、何か御意見はありますか。法人の評価がAで、主務大臣の評価もAということで、これは一致しています。

 主務大臣のほうの評価で、目標値の20%ぐらい上回っているというのは、どのような点をそのように評価しているのでしょうか。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

A3の資料1-218ページの所です。これはまず第1に、一番評価させていただいたのは医師不足地域への支援ということで、5,342人日、延べですが派遣しているという点を一番に評価させていただいています。ここは物差しがあるわけではありませんが、社会に与える影響ということから考えた場合に、非常に大きな役割を果たしているのではないかということです。

 

○福井主査

 この点についてはよろしいでしょうか。A評価ということでいかがですか。

 

○坂井構成員

 先ほど来のお話は、私も身につまされるような思いで聞きながら、9ページの医師不足の地域への医療支援ということで、独法自体が地域医療にどれだけ貢献するかという、この部分も評価があったと思うのです。それを推進する機構ということですので、どういう形でこれが構築されるのかというのは、私の楽しみでもありましたし、自分自身のことを振り返りながらも、是非そのように地域医療支援の方向性につながるようにということを思っていました。

 ただ、そういう意味で言って、5,342人日というのがどれだけのものかというのは、本当にすごいことなのか、もう少し取組方の工夫とか、いろいろなことがあるのかなと思ったり、ただ、現実的なことを考えますと、これは本当に難しいですよね。例えば私どもの地域にある、そこの所にOKかというのが、これはなかなか大学とか、いろいろな所の関係も含めますと、現実的には難しいですよね。

 先ほどの協議の場という部分で、関係する市町とか、医師会とか、いろいろな他の病院群も入れていらっしゃるか分かりませんが、そういう所との、あるいはそれぞれの病院の所には、派遣をされている大学関係もあると思います。そういった所にかなり広げていただいて、現実、これだけの5,342人日という評価を、法人もA評価、厚労省もA評価されていることについては、なるほどと受け止める反面、今後どのようになっていくのかというのは、非常にいろいろな意味合いがあるのではないかというのを、すごく期待もしながら思っているのが現状です。

 

○福井主査

 ありがとうございます。これは、前年度は何人ぐらい派遣していたということが分かっているのですか。それで、昨年度になって突然、延べ5,342人になったのか、その前の年は何人だったのかというデータはあるのでしょうか。最悪の場合は前年度よりも少なくなっているかもしれないとか、同じ数かもしれないということですと、ちょっと。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

A3の資料の20ページです。すぐ人日が出るわけではないのですが、やはり前からやっているもの、例えば香川県などは平成15年からやっているものがあるのですが、やはり平成26年以降、平成26年に発足したので、以降に開始したものもたくさんあるということになっています。

 その裏にもありますが、あと、へき地診療支援状況の(2)とか、これについても前からやっているものがありますが、これは我々でも前からやっているものばかりですね。被災地の支援などは、平成264月から開始しているということです。

 

○福井主査

 来年度でも結構ですので、前のデータがありましたら、どれくらい増えてきているのかが分かるといいですね。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 もう少し前年度との対比が分かるように、来年度の資料については整理したいと思います。

 

○福井主査

 同じことが健診・保健指導についても当てはまります。134万人と言われても、これは以前からやっている数なのか、昨年度1年間の努力でもって何十万人も増えたのかというのが分かるといいと思います。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 それはデータとして、表記として分かりませんというのが入れてあるのですが、来年度についてはちゃんと分かるように出したいと思っています。

 

○押淵構成員

 この御時世で医師の定数を確保するのも大変な時期に、このような派遣をされているということで、地域を支えるというのは、従来の社会保険病院の在り方からしたら、大変な進歩だと思って、受け止めています。そういったところで、いくらかは書いてありますが、派遣要請をどのような形で受け入れて、それで選別をされていくのかという、何か基準がおありだったのですか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部医療担当副部長

 基本的には市町村から直接依頼があったりとか本省を通じて、やはり困っている状況があるという所から要請があります。もちろん、その地域における大学さんからも派遣があったりとか、そういうところがあるのですが、やはり診療科とか、あるいはやんごとのない状況であるという所が勘案して、各施設にもお願いしているという状況です。

 

○福井主査

 各県に地域医療人材センターが設置されていると思いますが、そことの連携といいますか、そこへのアプライといいますか、そういう点はいかがでしょうか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部医療担当副部長

 こちらは昨年度、へき地医療協議会の11次の計画を立てるときに、当機構もヒアリングを受けさせていただいたのですが、その報告書には先生がおっしゃられるとおり、地域医療支援センターであるとかへき地医療支援機構ということがありますので、それを超えるような形、県を超えるような形でJCHOが取組を行っているので、今後もそのタイプを含めて、いい取組なので進めていってくださいと言われています。

 

○福井主査

 よろしいでしょうか。それでは、1-3についてはいかがでしょうか。自己評価がAで、主務大臣の評価もAということです。

 

○亀岡構成員

29ページで地域包括支援センターとか、その後のページもそうなのですが、31ページも訪問看護ということで、いろいろな形で医師を派遣されているということをずいぶん書かれているのですが、ここで訪問看護になると、やはり看護師というのが中心になるかと思うのですが、看護師に対する具体的な施策と言いましょうか。もう少し言うと、介護と看護との関係についての、総合的な包括ケアについて、若干教えていただけませんか。

 

○地域医療機能推進機構理事(亀井)

 医療・地域包括ケア担当理事の亀井と申します。後から出てくると思いますが、私どもは、地域医療に貢献するという目的で、研修も一生懸命やっています。研修に訪問看護も含め、介護と協働して、地域包括ケアを対応するという項目も盛り込んでおります。その中で病棟の看護業務だけでなく、地域との関わりを持つ看護ということ、介護との連携という視点を入れて、進めていこうとしているところです。

 

○亀岡構成員

 多分1-5の所で出てくるということですか。

 

○地域医療機能推進機構理事(亀井)

 そうです。

 

○亀岡構成員

 では、そのときにまた。

 

○福井主査

 この部分についてはよろしいですか。それでは、1-4で調査研究事業の所ですが、これはまだアウトカムが出てくるところまで行っていないということですね。いろいろな体制を整えているとのことですので、やるべきことをやったということで、Bでよろしいかと思いますが、よろしいですか。

1点だけお願いしたいのは、査読のある医学雑誌に掲載された論文数、平成26年度、302本はよろしいのですが、ほかの法人評価との整合性を取るためにも、英文論文が何件あるかという数値も今後出してもらえればと思います。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部医療担当副部長

 承知いたしました。

 

○福井主査

 ここはBということでよろしいでしょうか。1-5、教育研修事業について、ここも自己評価、主務大臣による評価ともBということで、定められた目標はおおむね達成されているということです。ほとんどがプロセスの項目で、アウトカムが出て、このことによってこのように変わったというところまでの結果は、まだ出しにくい項目だと思います。したがって、これもB以上はなかなか難しい項目だとは思いますので、よろしいでしょうか。

 それでは、1-6のその他の事項について、医療安全の所です。私が気がついた点で今後もお願いできればと思うのは、ほかの厚生労働省の会議などでも何回か出てきている話なのですが、インシデント・アクシデント・レポートがなかなかドクターから出ない。ドクターから出ない所はいろいろな問題が起こっているのではないかという印象を持っていまして、できましたら出てきた全インシデント・アクシデント・レポートのうちの何パーセントがドクターによるものなのかという数値を出していただければと、思っています。ついこの間も幾つかの会議で、そういうディスカッションが行われました。ドクターの安全意識が高い所は、事故が起こりにくいのではないかと思っています。国立大学の中で一番高い所が13%ぐらいのようです。私も外部評価で病院を訪れることがあるのですが、低い所はドクターから出るインシデント・アクシデント・レポートの割合が1%以下です。そこの所にも注目していただければ有り難く思います。

 

○亀岡構成員

48ページの所ですが、洋上の医療体制確保の取組ということで、文章では非常にいろいろやりましたと書いているのですが、その下に平成25年度との比較があって、件数としては11件減っているのですが、これはどう評価を考えられているのでしょうか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部医療担当副部長

 こちらの洋上の無線医療助言事業に関しては、ほぼやっている所は旧船保会という所で、横浜と東京でほぼ受けているという状況ですので、前年度ベースと下がってはいますが、船舶からの要請などもあると考えると、ほぼ現状維持だったと理解している状況です。

 

○亀岡構成員

 ということは、余り件数で比較はできないと考えてよろしいのですか。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部医療担当副部長

 そうです。

 

○亀岡構成員

 では、これを出して、こういう評価ですということも言えないのですね。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部医療担当副部長

 はい。

 

○亀岡構成員

 分かりました。

 

○地域医療機能推進機構企画経営部長

 それなりにやっているということ。要するに向こうから来るかどうかで件数が決まりますので、うちから来ないですかという話でもないので。

 

○亀岡構成員

 今まではここへ出すことによって、これだけ増えましたとか、ずっと言われていたものですから、出すことについてどういう意味を持たされたのかということを確認したかったわけです。

 

○福井主査

 よろしいでしょうか。ここについても目標をおおむね達成しているということで、B評価に私たちも賛同するということで。大分時間を取ってしまいましたが、業務運営の効率化に関する事項、財務内容の改善に関する事項、その他業務運営に関する重要事項に係る項目別評定について、議論したいと思います。それでは、先ほどと同様の流れで御説明を、法人及び法人所管からお願いします。

 

○地域医療機能推進機構上席審議役

 それでは、資料1-118ページからですが、私から御説明させていただきます。繰り返しませんが、先ほど申したような3団体を1つに取りまとめて、去年4月に設立したところです。当然、文化やガバナンスが全く異なる所を、18ページの(1)の所から、1つの組織体に持っていったということです。任命権というのを理事長1本に絞りながら、任命権の整理。それから、(2)ですが統一した就業規則、組織規程に基づいて、57病院を1つの組織に設えていったということです。

(3)職員配置の所でどのような効率化を図ったかということですが、非公務員型の独立行政法人ということに鑑み、常勤、非常勤(パート)という2つだけではなくて、フルタイムではあるけれども有期雇用という、そういう職種を設えたと。私の承知しているところでは、こういう医療機関系であればナショナルセンターで、研究職に関してはこういう有期雇用というのが例としてあると思いますが、全ての職種で有期雇用をやったというのは、このグループが先駆けではないかと思っています。

 それから、その右の所で従前、47の社会保険病院と7つの厚生年金病院、3つの船保会。船保会と厚生年金病院の従業員については一定程度、本部のガバナンスが効いていたと思っていますが、47の社会保険病院については、良いか悪いかは別として、全て院長が給与等を決められるというルール。それから、ほとんど転勤はありません。施設間異動というのが全くない、蛸壺というのが慣習の人事体制であったということです。

 統一した1組織になりましたので、施設間異動を進めないといけないということがありまして、表の所で読み上げませんが、数は少ないですが、こういう広域異動というのも平成26年度、ただちにトライしたということです。

(4)ですが、一旦、平成26331日に3団体で離職という形、職員の承継が個別法に規定されていませんので、3団体で退職金をもらい、理事長が全て再度採用したという形を取りましたので、夏のボーナスについては全員B査定ということですが、ただちに冬のボーナスから評価を取り入れ、実施したというところです。

 それから、内部統制・会計処理に関する、先ほども言いまして繰り返しませんが、非常にガバナンスのない状態でしたが、ここについても初年度から取り組んでいたというところです。広報にしても然りです。

 自己評価ですが、本来であれば困難の中、ここまで1年で持ってきたのでAとしたいところですが、独立行政法人、あり得ない天上がりの例ということで、民間から準公務員になったということでありますが、厳しい目で見ればこれでAを付けてしまうと、来年以降の評価を持っていく所がなくなってしまいますので、まずは成熟したBという自己査定という形にさせていただいている次第です。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

 厚労省の事務局案も同様に、年度計画に定めた目標をおおむね達成しているということで、Bと評価しています。

 

○地域医療機能推進機構理事(中村)

 それでは、次の項目です。業務運営の効率的な体制の確立、IT化に関する事項、IT担当理事の中村から説明いたします。ここは中期目標に2つ記載がありまして、発足当時から全病院共通の人事・給与・会計システムの円滑な運用ということで、冒頭で理事長からも説明がありましたが、57病院、言わばほぼ独立した中小企業としての経営からシステムを統合するということでした。組織統合の中の一番のリスクは、システムが統合されないということが、一般の民間企業でもあります。ですから、これは中期目標でわざわざ4年掛けて、ここをちゃんとしろと言われたということは、ここがやはり組織統合の最大の関門ということで、私もそう思います。

 かつ、民間企業で1企業を吸収合併だけでも非常に大変なところを、こういう文化の違う57病院のシステムを統一するということは、難易度から言えば非常に高い。しかも、これは最大売上100億円ぐらいの57の中小企業を統合して、売上3,500億円、従業員28,000人ということは、一部上場企業です。そこの会計システムと人事給与、つまり人とお金の管理を一本化して円滑運用しなさい、それを中期目標で4年ぐらい掛けてやりなさいということなのです。

 ところが結果としては、初年度からこれがほぼ達成できました。JCHO57病院のコンピュータシステムは約300種類強あります。それだけばらばらに出来ています。到底この管理システムを統一することは無理なので、今まで使用している管理システムを継続使用して、会計はそれをうまく統合した。人事給与は新規に全く新しいシステムを入れて、先ほど説明があった新規の給与規程、号俸を適用して、かつそれを運用して、4月から1回の給与支払い遅延もなく、かつ人事院勧告も含め、また後で出てきます病院ごとの業績に基づく賞与体系に移行しました。これは是非御理解いただきたいのは、普通の企業でもこういうことは非常にチャレンジングです。

 ですから、それを初年度で、細かい情報システムとしての不整備はいっぱいありながらも、実現できたというのは、我々としては4年間を目指しなさいということが初年度から出来たということは、大きな達成だと自負しています。

 ただし、先ほど申しましたように、非常にばらばらなシステム。医事会計システムだけでも16種類あるという、この状態をずっと継続していくつもりはなくて、この運用をしながら、次の時代の新しい集約化したシステムに移行するということで、そこの絵に描いてありますクラウド型、これは電子カルテ、病院システム等も同じ最新の、次の時代に移行するということを、昨年から計画を作りました。ですから結論で言えば、産みの苦しみは乗り越えて、産後の肥立ちは1年間はまずまずだったというように、我々としては評価しています。

20ページは守りであって、次のページは攻めです。それで、この中期計画には円滑運用と、かつ医療部門を含めた将来のシステム化に関わる方針計画を策定し、その計画の着実な実施を目指しなさいと、これも中期目標で書いてあります。我々はこれに基づいて、昨年クラウド化計画というものを立案しました。クラウドというのは、ほかの産業や民間では非常に一般的に導入されていて、その効果もいろいろな所で実証されている。一方で政府、厚労省もいろいろなIT指針にクラウド化というのをうたっているのですが、残念ながら医療分野で実現された例というのはほとんどありません。我々は今回そういう調査もしましたが、ほとんど実績はない。ですから、先ほど理事長が冒頭に述べましたとおり、国のIT戦略を医療分野において、我々JCHOが先駆けて実現する。これは、医療分野での価値という面では、非常にいろいろな価値が期待できます。

 クラウドとは何かというと、従来型の病院システムというのは病院単独の非常に閉鎖的なシステムです。技術も古い。ですから、地域連携とか外とつなごうとすると、非常に難しくてコストも高くなる。クラウドでは、複数病院で共有するということが、例えば10病院で1つの電子カルテを共有する。技術はweb技術という、最新の連携を前提とした技術を導入する。

 ですから、地域医療の促進という面では、やはり根本の技術に最新のweb技術を入れて、かつ複数病院で共有するという次世代モデル、次世代パラダイムに我々は移る。そのメリットは幾つかあります。1つは患者情報が複数病院で共有できる。これは電子カルテが一緒ですから当然です。ひいては医療業務の標準化にもつながる。

 先ほど御説明がありましたが、JCHOは健診で150万人ですが、外来患者は年間で1,000万人はおります。リハビリは300万人、介護は100万人、これは1年です。ですから、これを10年続けると急性期だけで1億人。しかも時系列的に、どの人がどういう経過をたどったというのがたどれますので、医療ビッグデータというのはいろいろな所で出ていますが、実際の実現方法として、私どもはこれを計画の中に入れている。

 この中期計画では、立案して4年の間に実施しなさいと書いてありますが、実はこの計画にも続いて、この1月から約200床レベルの10病院をターゲットにしたクラウド・プロジェクトというのを、もうスタートさせました。落札も先月終わりまして、来年早々には6病院で、このクラウドという新システムが稼働する予定です。

 このクラウド化で、そのページに3つほどの大きな効能、期待成果を書いていますが、コスト削減の所は落札価格、これは確定しましたので、これで従来型と比べると34割のコスト削減、10病院で10億のコスト削減ということで、これを57病院に広げると、非常に効率化になるということです。

 最後にクラウドでは外部のデータセンター、コンピュータ機器の専門の管理施設です。これを東西に置きまして、ここにデータを集中させる。これにより、広域災害で病院が崩壊したようなときでも、医療情報は必ず残るということで、この最適化計画というのを立てて、既に1月から実施しています。

 自己評価をAとしました。その理由は、今申しましたことは中期計画で4年間ぐらいでやりなさいということなのですが、ある意味では中期計画で宿題になった所の全てではないですが、かなりの部分は初年度に実現というところまで行ったので、これはAということで自己評価しています。以上です。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

 事務局案を申し上げます。自己評価にもありますが、全病院共通の人事給与、財務会計システムを導入し、機構発足時から円滑な運用を行うとともに、全病院の財務状況等の分析を行い、経営改善を進める基盤を構築するなど、年度計画に定めた目標をおおむね達成していること。それから、病院情報システムについては、地域の医療機能の向上や機構全体の業務最適化の観点から、医療部門を含めたシステム化に係る方針計画を策定するという、おおむね年度計画に沿った対応がなされているということです。

 しかしながら、システムの稼働自体は御説明にもありましたとおり平成27年度以降ということで、稼働した実績が平成26年度の段階ではないということで、ここは総合的に判断させていただいて、Bという評価とさせていただいています。以上です。

 

○福井主査

 ありがとうございます。それでは、次をお願いします。業務運営の見直しや効率化による収支改善です。

 

○地域医療機能推進機構上席審議役

23ページです。ここについては、まず月次決算を各病院に実施していただくことによって、繰り返しませんが、そういう3団体の職員の方にも、経営状況を周知徹底する。夏場以降に本部で、半年間の月次の赤字病院をヒアリング、経営改善指導を行った結果、後半戦で8.6%の患者増を見た結果、3団体のときよりも赤字病院を減少させ、黒字化を図ったという実績。収益性の向上のところについては、高額医療機器の活用、未収金対策を行ったということで、次のページに行っていただきますと、先ほども言った任期付職員の活用、技能職員の離職後のアウトソーシング化等々、対策を行ったところです。

 総じて人件費、一番固定費の最たるところの人件費で、大体3.1%もの改善があったので、経営的にも効果が出ている。それをなしえた一番のポイントは、24ページの左上の所ですが、平成26年度、初年度ですが、初めから人件費。生活給である月給というのは、就業規則で統一させたばかりですから、なかなか手を付けられませんが、経営状況、これは独法通則にも書いてあるとおり、赤字病院はそれなりのボーナス、黒字病院はメリハリのあるボーナスという形で、初年度から実施したということです。

 平成2641日に突入した段階で、公務員のボーナスは3.95ということでした。夏に人事院勧告がありまして、年間4.1ということ、給与も4月に遡って遡及。公務員自体も遡及でもらったのは10何年かぶり。

 ですから、平成26年度の黒字と赤字、後でも御説明しますが、38が黒字病院、19が赤字病院ということですが、今の公務員の相場、4.1まで認めたのは32病院。だから、1つ前の3.95という、人勧以前の公務員の水準以下、一番下が3.27、あわせて25病院。赤字病院は19ですから、6つの黒字病院というのは3.95で止めたということですが、そういう対策を行ったということです。

 加えて黒字に対するインセンティブというのは、年度末賞与という制度を作って、初年度から決算で黒字の病院については、年度末賞与というインセンティブを与えたという形です。

 ここのところの自己評価の判断ですが、社会保険病院時代は冒頭で申しましたように、47の病院長が勝手に給料を決めるということでしたので、一番ボーナスが大きかった山口県の徳山は、年間7.6のボーナスが出ていたという実態にあるところを、まずは3.95までということで、下げて船出した。移行した47病院のほとんどが、6か月とか5.何か月という水準にあったのを、まずは3.95に下げて、当然経営がよろしい所は4.1まで戻してはいますが、経営の悪い所は我慢していただいて、歯を食いしばってやってくれと。当然、勝手に本部のほうが病院に押しつけたというわけではなくて、労使協議して組合のほうも納得させた上で、これを実施せしめたということです。

 パブリックということですので、国であれ、独立行政法人であれ、給料が上がるというのは誰でもできますが、個別に給料を下げるということは、なかなか例としてありませんので、ここはAという自己評価をさせていただいた次第です。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

 事務局案です。今ほど御説明があったように、自己評価にも記載されていますが、全ての病院において月次決算評価会を開催し、個別病院ごとの月次決算分析を実施するなど、年度計画に沿って、経営意識と経営力の向上に向けた取組を行った。また、前年度に比して経常収益は減少していますが、費用の節減に努めるなど、年度計画に定めた目標をおおむね達成していると判断しまして、B評価としています。以上です。

 

○福井主査

 それでは、3-1です。

 

○地域医療機能推進機構上席審議役

 続いて26ページです。先ほどから縷々申し上げているとおり、3団体での経理ですが、26ページの左側の下の四角の所は読み上げませんが、会計ルールが違いますので、あえてこういう修正、調整をさせていただいて、対比ができるように加工いたしました。これで見ていただくと、平成26年度単体の経常は51億円ですが、前年が約10億円ぐらいのアンダーではないかということで、改善額としては61億円ほどの改善があったのではないか。経常収支の率でいくと1.7%ぐらいかなというように評価しております。

27ページは、PLBSの対比の表の右側の下の四角ですが、先ほども申し上げたとおり、26,000人の全員に退職金を払って、JCHOで採用したという形を作っていますので、初年度の夏のボーナスですが、3分の1しか規定では本来出ない。4月に全てが新人という形でやりました。経理上も45月しか夏のボーナスの引当てができず、財源的にも不足するということです。ただ、26,000人近い職員が移行していただかないと、JCHOは立ち上がらない。これ、非常に理事長とも悩みましたが、職員確保という意味では、国立病院、労災のような公務員とか、特殊法人ではあったわけではなくて、ほとんど民間ということですから、給与の高で簡単に転勤というか、もう、辞めてしまうという方々が多数おられます。その中で、財務省に折衝をして、移行準備資金として、ここに書いてありますように、不足前、引当てができていない分は清算のほうに回っていますので、財務省に国庫納付する額から、105億円の予算を初年度の職員確保の対策経費として設えていただいたということがあります。

 資本、B/Sのほうですが、資本剰余金でいただいておりますので、決算上は1053,000万円ぐらいだったと記憶していますが、配りましたので、これが初年度限りの臨時損失ということで発生しており、マクロで見ると、通常の臨損も含めて-60ということに総収支はなっているという説明です。

28ページは、初年度の困難性として、RFOは、全3団体の病院については売り物という形でしたので、土地という固定資産、建物という固定資産、医療機器という固定資産は全てこれ、棚卸資産という流動資産で計上しておりました。JCHOになると、事業用不動産というように設え直さないといけないということがありましたので、右側のフローで書いてありますが、国有分はこれはもともと社会保険庁からRFOに出資していた国の時代に作った部分。それから、寄付分は、当然、何十年も社会保険病院、厚生年金病院、船保病院で活動していますから、儲けた利益で病院が土地を買ったり、建物の建増しをしたり、機械を買ったりとかという部分は、3団体の一応所属になっております。当時なっていた分が、委託契約上、最後解散するときか、国に戻るときは、国に返せということになっていますので、寄付を頂いた分、648という社会保険庁から出た分と、840の寄付を頂いた分を、再評価を掛けないといけない。流動資産ですから、固定資産に再評価をした。そうすると、評価増というのがあって、何を言いたいかというと、左側の一番下、57病院の全体で、117億円の減価償却が上がったということです。こういう費用増を踏まえて、初年度から51億円ほどの利益ということ。

 次ページは読み上げませんが、29ページは経営指標から見た場合の改善のポイント数で、30ページは、財務内容の改善というのはどうかという状況については、こういう状況ということです。以上です。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

 事務局案ですが、法人の自己評価にも記載があるとおり、流動資産から事業用資産への変更に伴う減価償却費の大幅な増加にもかかわらず、経常収支率101.4%と年度計画に定めた目標を達成したことに加え、赤字病院数を前年度よりも15病院減少させるという大幅な経営改善が図られていると判断し、A評価とさせていただきました。

 

○福井主査

 それでは、4-1、その他業務運営について。

 

○地域医療機能推進機構上席審議役

32ページは、いろいろ重複する所もありますが、職員の人事に関する計画、先ほども言った広域人事とかも含めて対策をやってきたところです。医師については、先ほどについて医師派遣、それから、ナースを中心とした子育て支援ということで、院内保育も1病院増にしているところです。

 任命権に伴う人事調整会議、広域移動についての会議を開催したり、研修等も着実に実施しております。

 会計検査院の指摘を踏まえて、未収金対策、先ほど改善の所で未収金が減ったことも御報告していますが、このようなことから、その他の3番ですが、JCHOに際しては、きちんと国民から信頼が得られるような独立行政法人のガバナンス、信頼を得ることということで、御支持もいただいておりますが、着実に全うしていると判断し、Bということで自己評価をさせていただいております。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

 事務局案ですが、同様に年度計画に定めた目標をおおむね達成していると判断し、B評価とさせていただいております。

 

○福井主査

 遅くなって申し訳ありません。本当は終わっている時刻ですが、あと、2030分で終えたいと思います。よろしくお願いいたします。最初に2-1の業務運営体制から。これは、法人の評価と主務大臣の評価が同じBになっています。構成員の方々から御意見、御質問はありませんでしょうか。これについては、よろしいですか。次に、2-2、特にITのクラウドの所で評価がABと分かれております。

 

○亀岡構成員

 大変IT化が進んでいるということですばらしいと思っていますが、特に地域医療の介護と医療と福祉の連携ということで、多分、いろいろな利用者が使うようになるかと思いますが、もちろんここでセキュリティということを随分言われていますが、クラウド化をすることによって、当然そうなると、ネットでつないでいくのだと思いますが、いわゆる情報の、今、マイナンバーもあると思いますが、そのセキュリティという、漏えいについては特に問題はないのか、それとも、それについて、今後検討されるのかを教えてください。

 

○地域医療機能推進機構理事(中村)

 セキュリティは2つあります。先ほど私が、データセンターに情報を集約すると申しましたが、病院のサーバールームのセキュリティは、これはJCHOだけではなくて、一般企業から比べたら、はるかにレベルが低いです。ですから、まず病院の中に情報を置くこと自体が非常にリスクが高い。我々は将来、外部のセキュリティのガードが非常に高い最新のセキュリティ対策を施しているデータセンターに情報を持っていくということで、セキュリティレベルを上げる計画です。

 もう1つの御質問は、医療関係、あるいは介護関係を外に持っていったときに、そのセキュリティがどうなのかという御質問ですが、これはリスクはあります。1つは、使う人のIDの管理、情報が漏れるのはネットワークを突破してきて、情報が漏れるということはまずなくて、この間の年金機構もそうでしたが、使う人の振舞につけ込むのが非常に多いと。ですから、ここはクラウドであれ、何であれ、やはり職員、あるいはそれを使う人の意識を改革しないといけない。特に、IDなりすましです。その中で将来、可能性があるのは、バイオ認証という、指紋や静脈認証、今、銀行等でもあります。あれを今回も検討しましたが、間に合いませんでした。本当に物理的にその人でしか使えないようなものを導入することによって、ID管理というのはかなりレベルが上がると思います。ですから、将来は地域のいろいろな関係者にシステムを開放していくに当たっては、やはり行動の意識を高めてもらうことと、なりすましができないような新しい認証技術を導入していくということが前提になると思います。

 

○亀岡構成員

 全くその通りだと思います。情報を利用することと、実際に使うこと、セキュリティと、相反することになるかと思いますが、是非、追いつくようにお願いしたいと思います。

 

○地域医療機能推進機構理事(中村)

 ありがとうございます。

 

○坂井構成員

 全く至極単純なことをお聞きしたいと思います。この地域の医療機関との柔軟な連携という部分で、57の病院の中で、今でもきっとやっている病院がたくさんあったと思います。これを1つレベルをしっかり上げていって、クラウド化でいろいろな対応されるということの中で、見積り、落札ということをされていると思いますが、それを今までの取組のところと、実際に地域医療の連携の中で、既にやられている所との、例えば、ある医院とこの病院とやってらっしゃるようないろいろな検査や診察、予約とか、いろいろなことをうまく整合するようなことはどういう形でされているのでしょうか。

 

○地域医療機能推進機構理事(中村)

 御質問は、現在、現行のものと将来との融合をどうするかという話については、JCHOの中でも、既に45病院が地域連携システムに入っています。ポイントは、このまま放っておくと、57病院が、それぞれ地域連携システムを個別に作ってしまうと。これは資金的にも重複します。実はクラウドの中では共有のところに、1個地域連携システムを作ってしまえば、物理的には1つのシステムで熊本地域、秋田地域の情報だけを切り分ければ1回の投資で、各地域と接続できるというような形体に移っていきます。

 今、御質問のことは、既にある程度、そういうものを作って利用している行動を真っ向から否定するようなことは、もう、これはできませんので、むしろ我々の中でそういう効率的な地域連携の仕組みを作っていくのと、御質問が出ましたので説明いたしますが、今の地域連携システムは、技術的にはやはり閉鎖型でやっているので、かなりお金が掛かっているのです。ですから、私どもはweb技術という最新技術を使うことによって、同じことでももっと安く、効率的にできるような方向に移行しようということを目指しています。

 

○福井主査

 よろしいでしょうか。主務大臣の評価は、クラウドのほうの稼働自体が平成27年度以降になるからということで、Bということですし、私はこれを導入したことで、こういうように良くなったとか、今までこんなに手間暇が掛かった、お金が掛かったことが、こんなに簡単にできるようになったというようなアウトカムが出ないとAにしないほうがいいのではないかと個人的には思っています。これは意見として申し上げます。今の時点でBというのは、これはきちんとした理由があってということですので、私は賛同するところです。よろしいでしょうか。それでは、2-3、業務運営の見直しや効率については。

 

○地域医療機能推進機構理事長

 評価の先生方の決断は、我々はもちろん措置を、1つだけ私から今のITのことですが、先ほどの柿崎先生の連絡協議会を作るという、Aを取るためには何ができるのかということで、今、中村のグループがこの1年必至になって、夜も日に夜も徹してやってきて、実はこのことは福井先生が今おっしゃるように、これがまずできて、これでヘルスのステータス、アウトカムが良くなっているということはまだないですよね。しかし、これは先生方に釈迦に説法になるかと思いますが、今までの複雑形のシステムや、学んできたことを、これを開放的なシステムで地理的に横断的にやるということは、実は今まで語られていたけれども、広域に誰もやったことがないのですね。小さい地域ではやったことがあるけれども、様々な理由でこれは3つ理由があったと思います。メーカー側にインセンティブがなかったと思います。個別の乱立したものがたくさんあったほうがメーカー側には、言葉はあれですが、そういう状況は。それから、医療関係者側にもいろいろな意見があって、なかなかと。国民側も先ほど委員がおっしゃられたように、いわゆるセキュリティというか、個人情報ということがあって、広域に、ものを横につなぐということは、誰もやらなかったということですよね。それをこの短期間に、確かに福井先生がおっしゃるように、まだまだこれはもう少し時間がかかると思いますが、私は、このことを是非御理解いただきたいのは、これを、Aではなく、Aを取るためにはこれ以上何をやればよかったのかということが私の率直な、これは本当に入札のプロセスも開始したり、非常に関係者とのきめの細かい議論をして、それから、テクニカルもかなり詰めて。これは私が今、機構の理事長として、先ほど私が冒頭に4つのことをあれしましたけれども、あえて、どれが一番だと言ったら、これが一番ということに間違いないです。ということで、是非、そのことだけは考慮していただければと思います。

 

○福井主査

 最終的には主務大臣が判断されますが、私は、アイディアがあって、プロセスがあって、アウトプットがあって、アウトカムがありますので、今のところでは、プロセスとアウトプットの中間レベルです。したがって、アウトプットなり、アウトカムが出たところで、高く評価されるアイディアだと思います。今、この時点ででは、個人的には難しいのではないかと思います。アイディアだけで高く評価されることもあるとは思いますが、やはり、現場での結果が出てきたところでの評価が正当ではないかと私は個人的には思っています。あとは、お任せしますということしか申し上げられません。よろしいでしょうか。それでは、2-3の業務運営の見直しや、効率化による収支改善について、いかがでしょうか。お願いいたします。

 

○亀岡構成員

 見せていただきました。大変すばらしいと思っています。1つだけ苦言させていただくと、そもそも目標が低かったとか。いや、ものすごく努力をされているのはよく分かるのですが、1年で達成できたというと、これから先、もう一度目標設定をし直すのかどうかという、そもそもの目標がどうだったのかを含めて、この1年間でこれだけ割いたことに対しては、敬意を表しておりますが、その辺についてどのように思って、それと、これから先どうされるかも含めて御意見を伺えればと思います。

 

○地域医療機能推進機構上席審議役

 御評価ありがとうございます。端的に申しますと、3.95の去年4月のスタートのボーナスの水準でということが前提になっていたわけです。亀岡先生が最初に言ったように、前のルールでやらざるをえない事情でやっていますから、それで、何が起こったかと言うと、多分ほかの医療機関もそうですが、平成264月の点数改定で医療機関は結構、想定した稼ぎというか、診療報酬が得られない、だから、そういう意味で入ってくるのが、もう、見込み倒れになるというのはみんなある程度、23か月回せば、我々のほうでは分かっていた次第。その後、人事院勧告が4.1という逆の指標が示されたということ。また、ハードルが低かったかどうかというのは、なかなか混乱の中で事業計画を作らないといけない、まだ決算修正をしないといけない団体の状況で、何を信じていいのか分からない状況も正直ありました。ただ、見直しとかの話は先生が言われるように、今後、来年以降、経営的な指標をどう設定するかというのはあるとは思いますが、普通でいけば、大赤字ですよ。ボーナスぐらいの一時金を本当に気合いを入れて止めに掛からなければ、それはもう100%アウトだというのは分かっているところで、そこのところは見込み違いではあったのだけれども、ブレーキを掛けてやった結果が、このようになってしまったということです。

 

○亀岡構成員

 いや、大変、評価はさせてもらっていますけれども。ただ、最終年度までということなので、今後のことを含めて、再度、その辺をよろしくお願いしたいと思います。

 

○福井主査

 このB評価については、どう思われますか。

 

○亀岡構成員

 私はAがいいかと思いますが。

 

○地域医療機能推進機構上席審議役

 ありがとうございます。

 

○福井主査

Aで。

 

○亀岡構成員

Aでいいのかなと。目標値が低かったと言われてしまうと、つらいのですけれども。特に、労使というのですかね、大変難しいところを乗り越えられているなと。特に人件費のところは一番触るのがつらいところなのですね。これを触り、なおかつ利益を出していく。今後とも更に先ほどのIT化も含めてやっていくという、この1年間の動きというのは、私は先ほどの話も含めて驚異に映っております。ですから、そういう意味では、いろいろな見方があるのだと思いますが、ちょっと甘いですが、A評価がいいかなと、私は個人的には思います。

 

○押淵構成員

 私は小さな病院の責任者ですから、そういった窓から見させていただくと、診療報酬の改定が、スケールメリットが違うところを57の病院を束ねてらっしゃるという、そこの評価は難しいところがあるのではないかと。診療報酬改定の程度によっては大病院が大もうけをする場合と、小病院が割を食う場合といろいろありますので、こういった中で、この成果があったということは、大変意義があるのではないかと思っております。

 

○福井主査

 これは4月に辞めてしまって、再雇用をしなかった方は、かなりいるのでしょうか。

 

○地域医療機能推進機構上席審議役

 実は想定したほどは発生しなかったのですが、3団体で、最後60歳の方は当然定年ですから、エントリーされなかったのですが、思ったほどの離職を止められたと思っております。それはやはり、財務省も協力してくれまして、先ほど言ったボーナスとかということを認めていただいたので、そういうところはありました。ただ、ボーナスは徳山のように7.6から3.95だということでしたので、これは本当、気合一発ですね、ついてきてもらわないといけませんし、甘いこともまた赤字病院は言えない状況であったということで、非常にそこのところは難しい。規模も600床の中規模ぐらいもあれば、100床以下というのもたくさんありますので、これは非常に難しい状況でした。

 

○福井主査

 よろしいでしょうか。私もこのお金については、このような難しいことをよくされたなあと思って、個人的にはAでもいいのではないかと思います。その次の所もそうですが。それでは、3-1、財務内容の改善に関する事項についての御意見はいかがでしょうか。特に、亀岡構成員からは。

 

○亀岡構成員

 本当にこちらもそうですが、先ほどから運営費がない中、なおかつ借入れもこういう整理をされながらしているということは大変、私はずっと全体を見て思うのは、最初に私は中期計画と年度計画が一緒ですねということ、これ、違うのではないですかと一面言いました。今もそう思っておりますが、ただ同時に、中期計画を1年でやってしまおうというぐらいの強い思いでされているということが、いろいろな成果に現れているということも、それはそれで評価できるのかなと。矛盾しているようなことを言っておりますが、そういう意味では、この資金、借入れ資金のところもかなり1年間で随分改善されていると私は思います。

 

○福井主査

 これもAということで、よろしいでしょうか。それでは、最後の項目の4-1、その他業務運営に関する重要事項について、御意見、御質問はありますでしょうか。

 自己評価も、主務大臣による評価もBで、一致しています。これについてもよろしいでしょうか。

 

○亀岡構成員

1つだけ教えていただきたいのですが、病院と譲渡ということで、これでいくとあれなのですが、なかなか譲渡できなかったというのが今の状況に残っていますが、やはり施策としてはできるだけ譲渡を今後とも考えてという方向でよろしいのでしょうか。それとも、もっと自分たちの中で、より効率性のある運営をしていこうと。一応、ここで譲渡というのはここに書いてありますが、その辺について。

 

○地域医療機能推進機構上席審議役

 一応、JCHOになりましたので、RFO時代の扱い方、要するに売り物であったということと、JCHOという独立行政法人でなっていて、さはさりながらあの法律の中身も売りも続けるという相反する、矛盾するような法律になっておりまして、これは平成26年度、本省と協議をして交通整理をしていただいて、まず厚生労働大臣が指名している尾身理事長以下、我々JCHOに運営を委ねたほうが、地域のために貢献できるのか、買いたいと手を挙げてきた団体に委ねたほうが、よりJCHOよりも地域に貢献できるのかというジャッジがあって、その他いろいろ細かいやり取りもありますが、そのようにシフトはしております。1年間でいろいろ水面下のお話があったのは事実ですが、具体的にこの病院がどうこうというようにテーブルの上に乗っかったということは、実情としてはありません。

 

○福井主査

 それでは次に進みます。法人の監事より、業務の監査結果等を取りまとめた監査報告について説明していただくとともに、監査等を踏まえた現在の法人の業務運営の状況や、今後の課題、改善方針等についてコメントをお願いしたいと思います。最初に事務局から法人の監事及び監査報告について説明をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 法人の管理については、法人の理事長と同様に主務大臣から任命された独立の機関であり、法人の業務を監査することによって、法人の適切な業務運営を確保し、統治体制の確立に資する責務を負っております。このため、監事が監査等において把握した業務の運営状況や問題点等について、直接監事から意見を聴取するなどの機会を設けることは、先ほど御説明した評価に関する指針等においても、記載されているとおり、主務大臣による評価に資するものであるということから、本日は、通則法第19条第4項の規定に基づき作成される監査報告について御説明いただくとともに、監査等を踏まえたコメントを頂くこととしております。それでは、法人の監事より説明及びコメントをお願いします。

 

○地域医療機能推進機構監事(石尾)

 監事の石尾でございます。独立行政法人通則法第19条及び第38条の規定に基づき、独立行政法人地域医療機能推進機構の平成26事業年度の業務、事業報告書、決算報告書及び財務諸表について監査を実施しましたので、その監査の結果について説明させていただきます。

 なお、監査の方法と内容については、添付資料の1-4のほうの監査報告書に記載しておりますので、割愛させていただきます。

 監査の結果は、法人の業務は法令等に従い、適正に実施され、中期目標の達成状況については、指摘すべき重大な事項は認められない。2番目は、役員の職務執行に関する不正の行為又は法令等に違反する重大な事実は認められません。

 財務諸表及び決算報告書に関わる会計監査人、新日本有限責任監査法人の監査の方法及び結果は、相当であると認めます。

 事業報告書は法令に従い、法人の状況を正しく示しているものと認めます。

 独立行政法人改革等に関する基本的な方針と過去の閣議決定において定められた監査事項について、違反する事実等は認められませんでした。また、監査等を踏まえた上で、現在の法人の業務運営の状況や今後の課題、改善方針等については、今、法人から説明があったとおり、旧委託団体の運営から昨年4月に、JCHOに移行したことに伴い会計処理及び移行した資産の評価等がいろいろ変わったこともありまして、減価償却費が大幅に増加して、135億円ほど増加した中で、今言ったような人件費の適正化であるとか、赤字病院に対する本部等の経営指導等により、前年の会計基準が違うので、性格な比ではありませんが約61億円程度増加する経常利益、51億円程度の確保ができたということは大変評価をしております。

 ただ、今後は、新機構として発足から1年が経過したこともありますので、これまでのJCHO本部からの指示や、中期計画の目標達成に向けた取組等が病院の各職員に確実に伝達、浸透されているかを把握した上で、より的確な指導が必要であると考えています。

 更に重要なことは、今年4月の通則法改正に伴いまして、内部統制の構築について義務付けられているわけですが、JCHOは御説明にあったとおり、組織文化やガバナンスの異なる3つの団体が統一されたばかりの組織でして、通則法で定めるところの民間大企業並みの内部統制を構築するということに関しては、非常にこれからも時間と組織もかなり大きいので、組織、労力がかなり必要であるというようには感じております。ですから、我々監事は、内部統制の整備についてはこれから検討の緒に就いたところですが、内部統制の構築について理事長との面談や、各委員会の出席をすることにおいて意見を述べさせていただくとともに、改善すべき事項があった場合には、適切な助言を行っていきたいと考えております。取りあえずは、以上です。

 

○福井主査

 続いて、法人の理事長より、日々のマネージメントを踏まえ現在の法人の業務運営の状況や、今後の課題、改善方針等についてコメントを頂ければと思います。よろしくお願いいたします。

 

○地域医療機能推進機構理事長

 先ほども申し上げましたが、我々の法人は2つの基本的な考え方ということで、1つは時代が求める課題に率先していろいろなことに取り組むこと。それから、財政的な自律を目指すということでやってまいりましたが、経常収支率101.4%を達成など、私としては初年度としての組織の基盤づくりについては、ほぼ満足できると考えております。しかし、同時に今後に向けての課題も明確になったと考えています。ただいま監事からの御指摘のとおり、本部と病院の一体感という意味では、もう1つ頑張らなければいけないと思いますし、そういうことで、中期計画の達成に向けて本部、現場が一体になってやる努力については、これから更に強化しなければいけないと考えております。

 もう1つの御指摘は、内部統制の構築についても、これもまた更に改善する必要がある分野だと思います。両監事との面談も含め、それと、本部のいろいろな組織の職員との面談も含め、独立行政法人としてふさわしいガバナンスの構築に努めていきたいと思います。どうもありがとうございました。

 

○福井主査

 ありがとうございます。よろしいでしょうか。それでは、次に進みます。最後に項目別評定におけるこれまでの議論、それから、法人の監事及び理事長の御発言などを踏まえて、法人全体の状況について評価する総合評定の議論に移ります。法人所管課より説明をお願いします。

 

○医政局医療経営支援課地域医療機能推進機構管理室長

A3の資料の2ページです。全体の評定ということで評定の評語としてBですが、法人の活動により全体として、中期目標における初期の目標を達成していると認められる。評定に至った理由は、項目別評定は11項目中、現在の事務局案をベースにお答えすると、A3項目、B8項目となっています。また、全体の評定を引き下げる事象もなかったということを踏まえて、厚生労働省独立行政法人評価実施要領に定める総合評価の評価基準に基づき、算出した結果、Bとしております。

 法人全体に対する評価は、地域医療機能推進機構の業務内容である診療事業等、調査研究事業、教育研修事業においておおむね所期の目標を達成した。また、一部の診療事業、5事業などに対する取組、地域包括ケアの実施において高い実績を上げているとともに、経営の面においても個別病院の経営改善を推進し、目標以上の実績を上げた。なお、特に重大な業務運営上の課題は検出されておらず、全体として順調な組織運営が行われていると評価します。

 全体の評定を行う上で、特に考慮すべき事項ですが、これについては、当法人独自の特徴である運営費交付金が交付されない法人ということで、他の法人以上に自立した経営が求められていること。それから、診療報酬や介護報酬の改定等による外部要因による経営への影響が大きいこと。といったことが挙げられると考えております。以上です。

 

○福井主査

 ただいまの説明について、御意見、御質問がありますでしょうか。Aが付いている所について、もう少しめりはりの付いた文書になるとポジティブストロークになるのかと思いました。全体的には、よろしいでしょうか。

 

○亀岡構成員

 私は個人的に、幾つかのBの所がAになってもいいのかなという思いのところはありますが、全体から見ると、非常に微妙なところかなという感じはしますね。Aにしたとしてもいいかなと。

 

○福井主査

 総合評定としては。

 

○亀岡構成員

 はい。総合評定としては、ぎりぎりAなのかBの一番高いところなのかなという感じで、明らかにこちらですという感じは、ちょっとないのかなと。多分、自己評価でも、ほとんどぎりぎりのところかなという感じはしていますので。この辺は非常に難しいなと思っております。

 

○福井主査

 ほかにはいかがでしょうか。それでは以上で、本日の議事を終了したいと思います。最後に法人及び法人所管課より、どのようなことでも結構ですので、一言ずつお願いいたします。

 

○地域医療機能推進機構理事長

 委員の先生方、厚労省の担当の方、いろいろなアドバイスと評価をいただきましてありがとうございます。本日いただいたアドバイス等々を明日以降、またしっかりと受け止めて、次回、更に良い結果が得られるように頑張りたいと思います。本日は、本当にありがとうございました。

 

○医政局医療経営支援課長

 本日は、構成員の皆様、機構の皆様におかれましては、長時間にわたり多くの貴重な御意見、御説明を頂きまして、ありがとうございました。

 本日の有識者会議での御意見、機構の尾見理事長はじめ、各監事からいただいたコメント等を踏まえて、最終的な評価を決定してまいりたいと考えております。機構におかれましては、引き続き中期計画に基づき、法人の業務を適切に実施いただきますよう重ねてお願い申し上げます。本日はありがとうございました。

 

○福井主査

 ありがとうございました。本日は、私たちの意見を述べさせていただきました。それらを勘案して、もし必要でしたら、訂正をお願いできればと思います。それでは、事務局から今後の流れについて連絡をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 今後の流れについては、本日御議論いただきました地域医療機能推進機構の平成26年度業務実績評価については、この後、本WGにおける御意見や法人の監事、理事長のコメント等を踏まえ、厚生労働大臣による評価として決定をし、その評価結果について法人に通知するとともに、その評価結果について公表いたします。決定した内容については、後日、構成員の皆様にもお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。

 最後に、本日配布した資料の送付を御希望される場合には、事務局より送付いたしますので机上に置いたままにして御退席ください。事務局からは以上です。

 

○福井主査

 本日は、長時間にわたり熱心な御議論をいただきました。どうもありがとうございました。これで閉会とさせていただきます。


(了)

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