ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 独立行政法人評価に関する有識者会議 労働WG(第3回) 議事録(2015年7月27日)




2015年7月27日 独立行政法人評価に関する有識者会議 労働WG(第3回) 議事録

○日時

平成27年7月27日(月)15:28~17:32


○場所

厚生労働省専用第23会議室(6階)


○出席者

今村主査、酒井構成員、志藤構成員、柴田構成員、関口構成員、高田構成員、田宮構成員、戸田構成員、中村構成員、宮崎構成員

○議事

(以下、議事録)

○今村主査

 それでは、定刻前ではありますが、皆様そろわれましたので、ただいまから、第3回「独立行政法人評価に関する有識者会議労働WG」を開催いたします。構成員の皆様におかれましては、いつもお暑い中、お忙しい中ですが、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。本日は、小西構成員、松尾構成員が御欠席であります。

 それでは、本日の議事について事務局から説明をお願いいたします。

 

○政策評価官

 政策評価官の大地と申します。どうぞよろしくお願いします。本日の議事について御説明します。本日の議事は、お手元に配付している議事次第のとおり、労働政策研究・研修機構の「平成26年度業務実績評価に係る意見聴取」です。参考資料1を御覧ください。「年度評価」についてです。こちらは独立行政法人通則法第32条第1項第1号の規定に基づき、毎事業年度の終了後に実施される業務の実績の評価であり、当該事業年度における中期目標の達成状況や中期計画の実施状況等を考慮し、中期目標を定めた評価項目ごとに5段階の評語、SDによる評定を付す項目別評定と、その項目別評定を基礎とし、法人全体の状況について評価する総合評定により行うこととされています。これらは、法人の業務運営の改善に資することを目的とするほか、評価結果を役職員の処遇等に活用すること等を目的として実施するものであり、本日は労働政策研究・研修機構の平成26年度業務実績評価について本ワーキングの御意見を賜ることとしています。事務局からは以上です。

 

○今村主査

 それでは、労働政策研究・研修機構の平成26年度業務実績評価について議論をしていきたいと思います。はじめに、「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」に関わる項目別評定について議論をしたいと思います。法人及び法人所管課からポイントを絞って簡潔に御説明をいただき、その後に質疑応答という流れで進めていきたいと思います。それでは、法人側からよろしくお願いします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 労働政策研究・研修機構です。本日はよろしくお願いします。お手元にお届けしている資料1-1、フルカラーのポンチ絵の説明資料に基づいて御説明します。

 まず、評価シート1-1「労働政策研究の実施体制、厚生労働省との連携等」です。評価シート1-2があって、ここは政策研究の成果について評価するというシートになっていますが、言ってみれば、この1-11-2は表裏一体のようなものです。つまり、1-2の成果を上げるためには1-1をきちんとやらなければならないと。最終的な成果だけではなくて、1-1というシートを別に作ったということは、私どもが、いかに厚労省との連携、政策研究という枠組み作りに腐心しているかの表れです。

 評価の視点として、4ページです。幾つか定性的なことを書いています。ここは、基本的に定性的な評価項目で評価しています。後ほど御説明するように、私どもとしては自己評価Aとしています。

5ページ、実績の内容です。左側のブロックのほうに、「政策ニーズへの対応、厚生労働省との意見交換」と書いてあります。それから、右側に「研究テーマの選定、効率的な実施体制」というブロックがあります。その右側のブロックの一番上の所に、(1)(2)(3)3つの研究のカテゴリーが立ててあり、それぞれ19311という実績が書いてあります。プロジェクト研究というのは5か年のものです。要するに、中期計画全体にわたって中期計画期間中に達成すべきものという位置付けです。これは、中期目標の中で、厚労省からプロジェクト研究の柱を示されてその柱に従って対応しているものです。5年というスパンだけではなくて、もっと短いスパンで政策側からのニーズに対応するというのが(2)(3)の課題研究、緊急調査です。おおむね課題研究は1年のスパン、緊急調査はそれよりも短く約数か月という、非常に緊急性の高いものについて設定されたカテゴリーです。こういう中期、短期、極短期という3つの柱でこれまで政策ニーズに対応してきています。

 また左側のブロックです。厚労省との、言ってみればベクトルを合わせる、認識を合わせるということで、ハイレベル会合を開いて、厚労省の局長級と当機構理事長以下で会合を行って、次年度の研究テーマを協議したり、あるいは、私どもの監督官庁になる政策統括官と理事長と定期協議を行ったり、このようなハイレベルでの政策方向性の認識の共有が大きな1つの枠組みです。

 それから、先ほど緊急調査、課題研究を言いましたが、緊急の政策ニーズを把握すると。緊急調査については、四半期ごとに調査をして厚労省からのニーズを紹介する形を取っています。その他、労政審で議論をして決めるというのが労働政策ですので、やはり労使の意見聴取も大事であろうということで、3つ目にあるような懇談会もやっています。こういうことで、厚労省のハイレベル、それも中期的なテーマ、短期的なニーズ、それから労政審を構成する労使関係者からの意見聴取、こういうことも含めて毎年きちんとした枠組みで回しています。

 右側の所で1点、平成26年度の特徴として申し上げたいことがあります。真ん中辺に「雇用システムと法プロジェクト」の設置(新規)があります。これは、プロジェクト研究や課題研究をやってきているわけですが、昨今、厚生労働省も官邸等々からいろいろなニーズを受けて、いろいろな宿題をもらって、労政審を通して毎年政策決定をやっているわけですが、そういう大きな動きに対応して、やはり厚労省としてきちんとした基軸を持って政策をやっていくことを我々もサポートしたいということで、こういう雇用システムと法制度のダイナミズムみたいなことをかなり長期的スパンをもって、遡って確認し、将来に向けてどういった含意があるかを調べると、こういう研究部門の縦割りを超えた組織横断的な調査研究をやっています。これは理事長の肝いりということで平成26年度から始まったものです。その他、唯一の労働政策研究機関として、とにかく政策ニーズに対応していろいろな機動的な対応をしてきています。調査部門と研究部門が連携して、雇用就業等の状況について国際的な海外の状況も含めた調査を行う。あるいは、外部のRIETI等の共同研究であるとか、社会保障の有識者との研究会の設置、こういうこともやっています。

 このようなことを踏まえて、資料1-1です。定量的指標はあらかじめ用意されたものはないわけですが、その結果、資料1-2において、後ほど説明しますが、今回大変高い評価を有識者会議のほうでも頂いたので、有識者会議と言いますか、我々の内部評価の中における外部の有識者の意見ということですが、そういうものをフレームワークをきちんと回した結果得られたことも含めてAとしました。以上です。  

 

○今村主査

 法人所管課からお願いします。

 

○労政担当参事官

 労政担当参事官の青山です。1-1について御説明します。資料1-2を御覧ください。1-1の項目は6ページの右の欄を御覧ください。労働政策は、労働の現場で機能する現実的、効果的かつ効率的なものとなる必要があります。この機構においては、その基盤となる労働現場の実状の調査分析などを行い、公正な労働政策、立案に不可欠な客観的なエビデンスを提供しています。実際には、機構では、蓄積された知見やネットワークをいかして、厚労省とも連携しつつ、緊急の行政ニーズに即応した研究を実施するとともに、独法という強みをいかして、6つの柱からなるプロジェクト研究など中長期的な研究にも取り組んでいます。

 特に、今、御説明にもありましたが、平成26年度からは、日本的雇用システムの変化を多面的に把握、分析するための雇用システムと法プロジェクトを立ち上げるなど、中長期的かつ横断的な視点をもって研究を実施していると評価できます。厚労省との連携に関しては、例えば、機構は主体的に厚労省との間で勉強会等を積極的に行ってますが、指標である10件を上回る16件という形で大きく上回って実施しています。このようにして、積極的に厚労省と議論して、十分に労働政策に資する研究に努力していただいています。

 その結果、厚労省を含む審議会等で多数利用されており、利用された件数は224件と、前年の149件を大きく上回っています。研究内容についても、外部評価を受けた研究の全てがA評価以上獲得するなど質の高いものとなっています。また、外部有識者の参画を得て新たな分野の研究にも主体的に取り組んでいて、平成26年度は「雇用の面から見た社会保障の在り方懇談会」を開催するなど、研究の裾野の拡大に取り組んでいます。

 以上より、本項目については、所期の目標を上回る成果を得ておりA評価としました。以上です。

 

○今村主査

 どうもありがとうございます。御参考までに、今のワンラウンドで約10分ぐらいかかっています。これは全部で10項目あり、全部合計すると100分ですが、予定時間は85分ぐらいなので、参考までですが、一応申し上げておきます。よろしくお願いします。

 では引き続き、法人からお願いします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 それでは、続いて、評価シート1-2です。こちらは、先ほど1-1で説明したフレームワークに沿って成果を取りまとめた中身です。幾つかの数値目標が立っています。そういう数値目標の達成状況等も踏まえて自己評価をSとしました。

89ページです。この辺は、取りまとめに当たってどういう手続を踏んでいるかですので、省かせていただきます。

1011ページ、実績として、先ほど具体的な数値目標があると言いましたが、その状況です。まず、(1)として、行政評価、政策的インプリケーションに富んでいるという点についての厚労省からの評価です。目標値が総合も80%以上ですが、実際にはこれについて全て100%という結果を得ており、達成率が120を超えています。

2つ目は、右横です。企画立案に貢献したかどうかです。成果総数の2分の1以上が貢献したという評価を得ることが目標になっていますが、83.3%でして、これも達成率120を超えています。

 また、左に戻っていただき、外部評価、リサーチ・アドバイザー部会という有識者の外部評価の場を設けていますが、先ほど言いましたように、今年度、特にSが非常に多かったということで、S4つ含むとオールAということですが、これも3分の2A評価であるところ、完全に100%ですので120%の達成率を超えています。それから、アンケートベースでの有識者からの評価も取っていて、これも年度目標3分の2を大きく上回る96.1%、いずれも数値目標を全てかなり高い水準で上回っています。

 参考までに、具体例としてどのような成果を出してきたかを、この後23枚付けています。内容は省かせていただきますが、見ていただければ分かるとおり、最近の官邸レベルの非常に政治的にもハイレベルからくるようなニーズに厚労省が応えるに当たって、当機構のいろいろな成果を引用したり、活用したりしていただいている状況がお分かりいただけるかと思います。そういうことを踏まえてSとしました。

 

○労政担当参事官

 では、法人所管課から御説明します。1-2で言いますと、15ページ以降です。定量的な達成度については、今、御説明があったので省かせていただきます。多くの項目で120%を上回っているということで、まず定量的には顕著な実績を上げています。

 法人所管課からは質の面を説明したいと思います。特に、平成26年度は雇用労働の分野において、制度の根幹にも非常に関わると言えるような様々な議論が官邸も含めた会議で行われてきています。そのバックボーンとなる貴重な、かつ公正なエビデンスを機構は提供しています。例えば、解雇の金銭救済という紛争解決システムの議論は非常に重要とされる一方、労働法制の根っこに関わるものでもあると思っています。産業競争力会議の議論を経て決められた日本再興戦略においても、それについてはまず実態把握が必要ということで、実態把握を諸外国、国内とともにこの機構が担いました。個別労働紛争の全体像の実態を初めて解明し、その成果は、厚労省における紛争解決ツールの開発を始めとする政策の企画立案の議論に大きく貢献し、メディアにも大きく取り上げられて高く評価できます。

 今のは本当に一例でして、JILPTが自主的な、主体性をもってやっているプロジェクト研究においても、人材育成を含め、そうした時宜にかなった論点で拡充しながら進めていて、その成果が、内閣府や官邸系の会議も含めてその議論に使われています。のみならず、多様な正社員や有期労働契約の特措法、女性活躍といった緊急重要な課題に資する調査も、スピード感を持って限られた資源の中でやっていて、そのエビデンスが審議会、国会での審議の基となっています。先ほど言いましたように、審議会の引用件数が1.5倍以上伸びたというのもその表れかと思っています。

 以上のように、数値目標との関係でも120%を超えていることに加えて、実際の行政における活用の面でも特筆すべき貢献をしていて、質の面でも高く評価できるということで、所期の目標を上回る、かつ顕著な成果を達成することでS評価としています。以上です。

 

○今村主査

 これは、特にSについて規定等を説明する必要はありますか。また後でよろしいですか。

 

○政策評価官

Sというのは高い評価ですので、考え方について御説明します。お手元の参考資料3に「独立行政法人の評価に関する指針」を配布しています。参考資料4が「目標の策定に関する指針」です。似ているのですが、参考資料3を御覧ください。910ページにSABCDの評価の評語についての考え方が、示されています。9ページの上から3分の1ぐらいの所ですが、法人の活動により中期計画における所期の目標を量的及び質的に上回る顕著な成果が得られていると認められる場合にSを付けるとされています。より詳しく留意事項を書いたのが10ページの真ん中より少し上のウです。最上級の評定Sを付す場合には法人の実績が最上級の評定にふさわしいとした根拠について、量的及び質的の両面について具体的かつ明確に記述するものとするということです。その下に、具体的には、質的な面として3つのポツ等について、具体的かつ明確に説明するということです。こちらがSについての総務省の統一的な考え方です。

 

○今村主査

 ありがとうございます。それでは、次の項目をお願いします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 それでは、15ページ、評価シート1-3です。私ども、研究のほかに調査もやっています。まず、国内の調査です。国内労働事情、各種統計データ等の収集・整理、まとめて評価1-3ということです。数値目標として、毎年度延べ100件以上を立てています。

 平成26年度の実績です。左側に数値目標の達成状況があり、3つ○があります。労働現場の実態把握、モニター制度の活用、定点観測、こういうことです。単なる調査と言いますか、ベテランの調査員、これはインタビューという形式でヒアリングをするというのがその強みですが、長年、取材をしてきた経験をいかした専門的な調査員によるヒアリングで、定点観測のみならず、日常的な情報収集を行っています。134件の情報を収集しました。

 その中の幾つかポイントです。私どものやっているプロジェクト研究等々の大きな方針に資するトピックというのを特に集中的に調べる、実態把握することがまず1つ。それから、調査員がインタビューするだけではなくて、日頃お付き合いのある企業の人事労務担当者や有識者の方々を交えた、意見交換の形式でいろいろ情報収集することもやっています。それから、モニターという制度をBLMと言っていますが、モニターを通じて、これも年に4回ですが、物事の推移がどうなっているのかを調べる。それから、これは年に何回かですが、定点観測調査という、アンケート中心の調査もやっています。 そういうものがどういう形でまとまっているかが、17ページに「収集成果として提供した情報」としてややビジュアルに掲げられています。非正規であるとか、人材育成であるとか、有期労働者であるとか、そういう、非常に最近のトピックにも関わるようなテーマで収集できています。

 統計情報です。厚労省にも統計情報部があるので、連携して、お互いに補い合うという格好です。当方では、厚生労働省等ではなかなかやっていない長期労働統計に、平成26年度は重点を置いて新規に項目を立ち上げたのが1つです。それがまず1点です。

(4)労働図書館と言いますか、図書資料の収集・整理という地道な仕事もやっています。これだけのものを集めている所は日本で多分うちしかないだろうということで、多くの方々に利用されています。以上のことを踏まえて、自己評価はAとしています。  

 

○労政担当参事官

 所管課から御説明します。1-3です。資料2で言いますと27ページを御覧ください。労働政策の企画立案実施のためには、常に最新の情報データの提供が必要ですが、今、説明があったとおり、平成26年度は、計画上の目標100件を大きく上回る134件の情報提供をしていますし、その情報は、行政機関のみならず各メディアにも引用されるなど、非常に有益な情報が収集されていると評価できます。

 特に、統計については、今も工夫をされているというお話がありましたが、分析比較を行った上で、様々な媒体で提供していて、有識者アンケートを取っても、ホームページ利用者の半数以上が統計を利用すると回答しているなど、高い評価を得ています。例えば、データブック国際労働比較では、45ヶ国の労働についてのデータを収集・整理していますが、受覧性が高く、有益なデータが掲載されているので、行政機関の資料、ホームページに多数引用されています。以上により、国内労働関係の情報の収集・整理は計画上の数値目標を大きく上回るとともに、その内容についても質の高いものとなっているため、Aという評価としました。以上です。

 

○今村主査

 ありがとうございます。では、よろしくお願いします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 続きまして、今度は評価シート1-419ページ以降です。こちらは海外の情報整理、それから、ネットワークづくりです。こちらも数値目標としては、年間100件以上という情報収集の目標が立っています。実績ですが、その100件というのは140件という形でクリアされています。この140という数字ですが、昨年平成25年度よりは下がっているのだけれども、これは量から質への変換という、大きな方向転換を取ったことに伴うものだというのがこの下の御説明です。どんな情報でも取れば件数になるわけですが、そうではなくて、やはり減り張りをつけて、今度は情報をいろいろ用いて、ちゃんとしたインプリケーションがあるものを出すことに転換したわけで、政策課題に関連するテーマの国際比較、横断的な比較、例えば外国人の受入れ、それから、海外での専門家の事情聴取をやる、多角的視点でできるというようなこと。それから、これは使用者側からの強いニーズを受けてですが、今回は日本への進出企業がアジアでの情報提供にシフトした部分もあります。そういったことで、減り張りをつけてやっていく、かつ、達成率は140%になっています。

 この海外情報について、どういった形で労働政策に貢献できたかというのが、今の説明の右側の(3)の所です。これは非常に反響が大きくて、いろいろな所から、外部からの問合せという意味では前年度を大きく上回る178件でした。特に内訳ですが、行政機関、国会から52件というのが特記できるのではないかと。その他、マスコミ、労使、いろいろですが、国際の部分がハイレベルの政府からの引合いがあるのが特徴です。

 続いて、海外ネットワークのほうの話ですが、こういった情報収集をきちっとした客観的に、しかも、内容の濃いものをやっていこうと思いますと、単に行って、その場で調べると、あるいは、文献で調べるというだけでは対応できません。日頃から学識経験者、海外における有識者の人たちとのネットワークが非常に大事になってきまして、21ページにあるような、いろいろなやり方を通じてネットワーク形成を図っています。特に左側の真ん中辺、「機構研究員の派遣」という所の一番下のポチですが、アイルランド・ダブリンで行われた国際労働社会保障学会、リージョナルカンファレンスです。ここにはうちの理事長をはじめとして研究員が参加して、当機構のプレゼンスを発揮して、いろいろなネットワークを作って、うちが何かあったときには協力してもらえる体制づくりをしている。こういったことを通じて、先ほど御説明したような成果を果たしています。非常に雑駁ですが、以上のようなことをもってAとしております。

 

○労政担当参事官

 所管課から、項目1-4の評価について説明します。資料1-232ページ以降をお開きください。諸外国の動向を踏まえた国際比較が不可欠ですが、発言にあったとおり、機構においては、目標100件を大きく上回る140件の情報提供を行っておりますし、同時に質も高めていることが言えます。結果は厚労省に留まらず、ほかの行政機関、マスコミからの取材等は前年度を大きく上回っておりまして、内容面の充実を図られていると評価できます。特に例を挙げると、ドイツのハルツ改革は日本の労働政策に対して示唆を富むものと、よく話題になって、注目も大きいところですが、機構において、専門家の協力を得て本件に関する研究会を開催して、政府での検討に資する非常に有益な情報を提供していただきました。

 更に、今年度は初めてILOとの共催で、政府としても、重要な課題と位置付けている個別労働紛争解決をテーマとしてセミナーを開催し、ネットワークの強化のみならず、文献では把握できない情報を直接収集、理解することに役立っておりまして、高く評価できます。また、先ほど日本への進出企業の話がありましたが、日本の情報の海外発信にも積極的に取り組んでいまして、特に企業が日本に進出する際にも関心を持たれやすい、日本の解雇法制に関連する論文を発表して、欧州の権威ある研究機関でも取り上げられるなど、顕著な努力をしていることが窺えます。以上により、設定した目標について大きく上回る成果を達成するとともに、内容、質についても評価できるのでA評価としました。以上です。

 

○今村主査

 ありがとうございました。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 続きまして、シート1-523ページです。これは、今まで説明してきたいろいろな成果、研究調査、国内、海外といったものを含めて、どうやってそれが普及しているかという内容です。

 ここに数値目標を掲げてあります。その達成状況は24ページのほうですが、私どもは大きく分けて2つの成果普及ツールを持っております。1つはメールマガジン、もう1つはニュースレターです。ニュースレターというのは、24ページに絵が入っていますが、『Business Labor Trend』という雑誌をニュースレターとして毎月、このBLTとメルマガの2本が成果普及の代表的ツールとなっております。それぞれの発行回数や読者数、有益度について、ここの表にあるような実績目標が立っており、達成状況は一番右側にあるような形です。残念ながら、120%の達成率になっているものはありません。にも関わらず、なぜ私どもがAなどという評価をしたかというと、私どもの自己評価におけるプロセスに若干触れさせていただきますと、実は私ども、本日のこの会合にかける前、6月末ですが、今野浩一郎先生を座長にする総合評価諮問会議という形で、外部の方々に入っていただいた評価の場を設けております。そちらで、ここはAにすべきであるという御意見があり、そのときの御意見を踏まえてアップグレードしたのですが、そのときのポイントはホームページの全面改善という、非常に大きなことを行ったと。これが定量的指標では必ずしも評価されておらず、大事なことをやったのに、それが評価につながらない。これは何とかAとすべきではないかという御意見をいただいたので、Aにさせていただいております。ホームページの全面改善というのは、非常に小さくなっているこの絵で見ていただくしかないのですが、旧ホームページから新ホームページに、非常に分かりやすくなったというのが1つです。とにかく、見る人のニーズに応えて検索しやすくしたと、それから、ウェブアクセシビリティーにも配慮したとのことです。

 もう1つ、新しいコンテンツとして「リサーチアイ」という、これも理事長の肝いりですが、見る人に分かりやすく、成果を簡潔に伝えるという目的で、「リサーチアイ」というコラムをホームページに掲載して発信している。こういったことを含めてAとさせていただきました。

26ページに、直接の成果の普及ということではないのですが、社会関連事業としてやっている東京労働大学講座についての実績です。こちらは例年どおりですが、受講者満足度94.1%あるいは94.7%という数字が出ております。この辺も補足的に説明させていただきます。以上です。

 

○労政担当参事官

 所管課から、1-5について説明します。資料1-239ページ以降を御覧ください。今、御説明にありました、柱の1つのメールマガジン、労使関係者、行政関係者等に広く発信されていて、前倒しで、中期目標期間終了時点の目標である32,500人を既に達成しております。また、コンテンツの設置等の試みが行われておりまして、アンケートにおいて、有益であるとの回答が目標である80%を上回る92.7%となっております。もう1つの柱である『Business Labor Trend』という刊行物についても、ホームページで公表しているコンテンツへのアクセス件数は、前年度の88万件に比べて大幅に増加した117万件で、大変利用されていることが分かります。

 御紹介にありましたとおり、ホームページについては昨年度にリニューアルされましたが、先ほどの説明のとおり、タイムリーな論点を分かりやすく解説する「リサーチアイ」というページを新設したり、障害者や高齢者に見やすいデザインや構成の工夫をするなど、利便性に十分配慮をなされているとも評価できます。そのほか、研究専門雑誌として「日本労働研究雑誌」というものを出していますが、それについては、別紙アンケートにおいても94.4%の人から有益であるとの回答を得ており、質の高いものとなっていると評価できます。以上のとおり、計画に定めた目標を十分に達成できていると思いますが、120%に届かないという点もありまして、主務大臣評価としてはBとさせていただきます。以上です。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 続きまして、評価シート1-6です。これは、私どもはこういった基礎的な、言ってみれば、体力を持っている組織ですので、政策論議の場を提供したり、政策提言を行ったりしていこうということでやっています。具体的には27ページにあるように、年間6回という数値目標を立てて労働政策フォーラムをやっております。その内容ですが、どういったテーマでやっているかはそこに書いてあるとおりで、法制度への対応等も含めた喫緊の世の中の関心の高いテーマを厳選しております。そして、参加者アンケートを取っておりますが、いずれも目標値を大きく上回る満足度を得ています。その他、政策論点レポートを年に1回出しているわけですが、まさにうちでやっている研究を、先ほども申し上げたように、各論の細かい研究は何十本とあるわけですが、それを全部並べてみて、1年を通して、何がポイントかをまとめたレポートのようなものを作って世に訴えたり、あるいは、厚労省幹部との議論の場を設けたりということをやっております。以上をもってBとさせていただいております。

 

○労政担当参事官

 所管課から、1-6に関して説明します。資料1-248ページ以降です。今、御説明にありましたとおり、労働政策フォーラムの開催については、アンケート調査においても、92.5%の者から大変参考になったとの回答を得ており、評価できます。また、政策論点レポートでは、正規・非正規雇用をめぐる議論など、最新の課題についての分析をしており、政策の橋渡し機能を果たしていると評価できます。更に、厚労省との関係におきましては、事務次官以下の幹部との間で研究報告会を開催していることによって、厚労省との政策論議の活性化に資する努力をしていると評価できます。以上より、計画上の目標どおり取組を行っていることからB評価としております。以上です。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 それでは、前半部の最後、評価シート1-7です。私どもの組織は厚生労働行政に貢献するわけですが、労働政策の企画立案に貢献する政策研究、調査といったものとは別に、特に第一線の職員たちの研修を行う意味でもコントリビューションを図っています。これが1-7でして、数値目標としては、研修生あるいは研修生の所属長、例えば、ハローワークや労働基準監督署の所長ですが、そういった人たちからの調査結果で有意義度を85%以上もらうことになっております。

 どういった形で研修をやってきたかですが、一番左方の所に、平成26年度の実績、83コース、3,577名と。言ってみれば、第一線のハローワーク、監督署等々の職員をこれだけ研修所で研修させたことになります。平成25年度に比べて1,000人近く増えていることが1つのポイントだと思っています。評価としては98%、96.9%と、それぞれ研修生、所属長からいただいております。

 数値目標を85%と立てておりましたので、達成率という意味ではこれは120%に到達しません。ただ、100点満点の評価をいただいても85%との関係が絶対に120%にはならないという部分があって、私どもは敢えて、120%に到達していないのは承知の上で、しかし、この間にやってきたことを評価して、後先になりますが、自己評価Aとさせていただいております。

Aとした理由を定性的に補足しますと、同じページの中にあるように、コースを新設する、あるいは研修内容の充実を図る、そういったことで今回は工夫をしています。震災のための研修の中で特に新しいコースを設けたこととか、ハローワークにおける職業指導について、キャリアコンサルティングという技法を学んでもらうための専門研修を新設したとか、あるいは、次のページで、研修と研究の連携という。うちは研究と研修の2本柱で、その連携を図る、一種のPDCAサイクルのようなものですが、ここを充実したわけです。研究員の研修への参画、これはカリキュラムの中での参画だけではなく、放課後のイブニングセッションも含めてですが、前年度に増してこういったものをやっていると。回数だけではなく、これまで中心だったキャリア支援部門の研究員だけではなく、6つの部門のあらゆる研究員に、できる限りこの研修所にて研修に参画していただく取組をしたという意味で、数字にはなかなか出せないのですが、頑張ったことをもってAとしたわけです。以上です。

 

○労政担当参事官

 所管課から、1-7について説明します。資料1-254ページ以降をお開きください。今、御説明にありましたとおり、労働行政担当職員に関する研修は、83コース、3,577人という、昨年度より大幅に増加した人数に行っていますが、そうした状況下でも、限られた人数、設備、予算を効果的、効率的に活用して実施していることは評価したいと思います。結果、研修生に対するアンケート等を見ても有意義度が98%等と、目標を大きく上回っております。質の高い研修が実施されたことが評価できるかと思います。

 更に、機構においてはアンケート結果を踏まえて、コース内容をより実用的なものに改める等の取組を進めておりまして、結果的には平成26年度、複数のコースで評価が改善しており、PDCAに基づいた効果的な改善が図られております。また、今の御説明にありましたが、この機構の中で別々の業務になる、研究と研修を連携させて相乗効果を発揮させておりまして、理事長を含む機構の研究員が前年度を上回る回数を講師として参加しております。また、個々の研修のコマとは独立したものとして、機構独自の創意工夫により実施しているワークショップであるイブニングセッション、これは研究員が講師となって課外時間にやるものです。それについては年15回の予定だったのですが、その2倍を上回る33回という回数になっていて、昨年度も上回っている頻度です。研究員の持つ最新の知見が研修生に提供されて、研修の質の向上に役立っていると評価できます。今説明したような、研究員の研修の参加とか、研究員のイブニングセッションの形での参加によりまして、研究員自身も研修生から現場の問題意識や課題等を把握して、研究のほうにも反映されております。以上により、研究と研修の効果的な連携が顕著に図られていると評価できることからA評価としました。以上でございます。

 

○今村主査

1-8はよろしいですか。間に2-1が入っていますが。その次です。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 失礼いたしました。38ページ、業績評価あるいは業務運営への意見評価の把握です。こちらについては数値目標として、有識者を対象としたアンケート調査で、3分の2以上から有益という目標を取っております。39ページに、どういった業績評価をやってきているか、あるいは、今申し上げた有識者アンケートでどんな結果が出たかを書いています。業績評価制度というのは、一番最後はまさに本日の有識者会議になっているのですが、そこに至るまでの間、いろいろな形できちっとした進行管理を行っています。当然のことながら、目標管理ですので、中期計画、中期目標、それを業務進行管理ということで、毎月の経営会議で、理事長も入れたトップが直接参画するような形での進行管理をやっています。それから、四半期ごとに内部評価をやっておりまして、事前、事後、中間といった形で、きちっと回っています。私どもの自己評価としての最後の所になりますが、調査研究についてのリサーチ・アドバイザー部会、それから、機構の業務全体についての総合評価諮問会議を経て、後日、こういう形で御報告する段取りになっております。

 有識者アンケート、右側ですが、学識経験者、現場の行政官、それに、労使の関係者。ですから、連合とか経団連、日商、中央会といった所の人たちだけではなくて、個別企業の方々も含まれるわけですが、こういった方々に広くアンケートを取って、約2,000名から515件の回答をいただいています。下の図表にあるような、こういった内容の項目をお聞きしておりまして、平成26年度においた、基本的に前年度と同じような前向きな高い評価をいただいています。こういったことを回して、どんなことをやってきたか、これまでのシートの中の御説明の中とだぶっているので省かせていただきますが、こういう形で適正にやっていることをもってBとさせていただきたいと思います。

 

○労政担当参事官

 所管課から、1-8について説明します。資料1-259ページを御覧ください。機構の業務活動については、今、御説明にありましたとおり、内部評価を実施するとともに、外部の有識者によって構成される総合評価諮問会議においても、年度計画、業務実績について評価を受けており、適正で質の高い業務運営確保のための措置が取られていると評価できます。また、労使関係者、学識経験者などを含む有識者アンケートにおいても、機構の業務活動全般について、3分の2という目標を大きく上回る96.5%から有益であるとの評価を得ております。ということで、引き続き質の高い業務運営が確保できていると評価できるため、B評価としました。以上です。

 

○今村主査

 どうもありがとうございました。それでは今、1-1から1-8まで一通り御説明を頂いたわけでございますが、その事項について御意見、御質問等がございましたら、お願いいたします。

 

○高田構成員

 評価シート1-5ですが、先ほど定量的にはAにはならないのだけれども、定性的な評価も含めてAとしましたという御説明を頂いたのですけれども、その同じことが、後の1-7についてもありまして、先ほど御説明を頂きました。1-7の説明は非常に分かりやすくて、これこれこういう新しい工夫で効果が上がりましたということが、理解しやすかったのですけれども、この1-5のほうは若干それと比べますと、どういう所が定性的な効果といいますか、新しさであるのかというのが、ちょっと分かりづらかったので、補足の説明をしていただけたらと思います。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 ありがとうございます。先ほどホームページを改訂したということを申し上げましたけれども、私ども、今までこの成果の普及のチャンネルとしては、メールマガジンといわゆるBLT、ニュースレター、この2つだけしか念頭になかったという面が正直言ってありました。どうすればもっとより広く世の中の人たち、時間のないお忙しい方々もいらっしゃるわけでありますので、そういった人たちのお手元に届くようになるかということを考えてみたところ、「そうだ、ホームページがあったではないか」と気が付いたということです。特にホームページも、そのままではなかなか使い勝手が悪いという御指摘がありましたので、そういった御指摘も踏まえて、新しいホームページにして、先ほど御説明したような、より検索しやすい、より自分が求めている情報がアクセスしやすいという内容に変えたと。

 それともう1つは、我々の出すものというのは、やや堅苦しいものもあります。なかなか世の中の人たちに、すぐにつかみで理解していただきにくい部分もありまして、そういったことについてレベルを落とさずに、いかに的確に発信できるかということを考えて、「リサーチアイ」というコラムを設けたと。これは新ホームページという非常に小さい画面の中の右側の所に若いお兄さんが写真で写っている、これが「リサーチアイ」で、うちの研究員がこうやって、毎回毎回登板してまいります。例えばこれは山本という研究員ですが、彼の今、直近でやった研究成果をいかして、彼の個人的ないろいろな課題意識みたいなものも含めて、これを読めば大体彼がやってきているような政策テーマについての状況は俯瞰できるというようなコラムを提供していると。こういうものを平成26年度から始めさせていただいたということで、要するにチャンネルを増やして、より効果的に伝わるように工夫したということです。

 

○高田構成員

 ありがとうございます。

 

○今村主査

 今のことに関連して、どなたか。

 

○柴田構成員

 今のは1-51-7のことについてで、1-5については、厚生労働省さんの評価はAに対してBという形で、妥当だなと思って言ったのですけれども、それと合わせて同じように1-7については、目標がもともと120%にならないということは分かりました。では、それが重要度やその他の勘案事項で上がるかどうかということについてですが、先ほど、新しいコースを作ったとか、あるいはキャリアコンサル的なものを新設するとか、それから研究と研修の連携をきちんとできるような体制にしたという御説明だったのですが、これらは当然のことで、格上げする勘案事項になるものには思えません。

 民間では、研修事業においても、絶えずリフレッシュしながら、新しい、本当に実効性のある情報を作っていく体制自体は、もちろんすごく大切だけれども、それだからといって、その程度でAになるのかなというと疑問です。若干、意地悪ですけれども、素朴な疑問を持ちました。それは監督課についての、それでいいのかなという疑問を持ったということだけ、申し述べたいと思います。

 

○労政担当参事官

1-7の研修につきましては、確かに本来やるべきことをやっているといえば、そうなのかもしれないのですけれども、特に機構は研究と研修が同じ法人でやっているということで、非常にその特色をよくいかし、しかも創意工夫でやっているという点を評価しております。

 確かに厚生労働省の研修を担当する部署と連携してカリキュラムを組むのですけれども、カリキュラム外で、機構の職業相談担当のを研究員がイブニングセッションという形で、課外で自分の研究を披露しながら、かつ現場の意見を吸い上げるという形で、相乗効果を特に発揮して行っており、それが非常に回数も伸びていって、多分、本来の限られた業務量の中で、捻出してやっていただいていると思うのですけれども、特に研究員はそうですし、研修生も夜の時間を使ってというところは、特に前期の中期目標期間ですと、15回ぐらいしかやっていないのを、今は30回以上はやっているということで、そこも非常に評価をして、付加価値として捉えていますので、是非、A評価という形でやってみたものでございます。

 

○柴田構成員

 私のは意見なので、付け加えさせていただければ、メルマガもホームページも大変、活用させていただいていますので、どうもありがとうございます。

 

○今村主査

 今の点なのですが、これは所管課か評価官室か、ちょっと分かりませんけれども、今度の新しい評価システムというものは、客観的に公平にできるという意味で、非常に評価しているのですが、ほかの独法ですと難易度とか重要度というのに、所管課のほうから○を付けて、評価の項目に加えているということをやっているのですが、今回全く○がないということなのですが、今の議論からいきますと、例えばホームページの作成にある程度の難易度を付加するかとか、あるいはそれに対して片方はAを認めて、Aにしているわけですけれども、これは難易度とか重要度という点で、どう評価されるのか。そういう文脈で説明されたほうが説得力があるのではないかなと、ふと、お話を聞いていて思ったのですが。

 つまり、主観的に、1-5B1-7Aと説明されるよりは、そちらの難易度とか重要度をどのように評価されるかということについては、いかがでしょうか。もし御説明頂ければと思います。これが新しい仕組みのメリットだと思うのですが。

 

○労政担当参事官

 難易度、重要度という点では、確かにいずれも重要だと思いますので、本当は付けられればと思うところなのですけれども、なかなかこれも、余りいっぱい何でもかんでもというわけにはいかないということもお聞きしまして、これまでの過程では付けていなかったところであります。先ほど言いましたとおり、こちらとしては、いずれも評価したいギリギリのところで評価したのですけれども、多少、今回、数量的な目標が重視されるということもありますので、特にセッションの回数などを見て、1-7Aにしたという経緯もございます。

 

○今村主査

 分かりました。

 

○政策評価官

 その難易度と重要度について、基本的な総務省の考え方を補足させていただきます。こちらの参考資料2、緑色の横紙を1枚おめくりいただきますと、項目別評点の説明がございまして、定量的指標を設定している項目は、SABCDを付し、定量的指標が100120%の場合にBとするということは、お話させて頂いているところですけれども、その一番下の所に、※がありまして、難易度が高いとされた項目は評定を1段階引き上げることを考慮するということで、主査はここの所をきちんと評価書の中に書き込むべきではないかと、そうすれば評価が明確になるという御指摘ではないかと思います。

 これにつきまして、所管課からの説明は、労働政策研究・研修機構においては、中期の期間が既にもうスタートしているということで、難易度や重要度は、平成27年度以降に中期計画が始まるところでないと、最初からは設定ができないということで、なかなかそれらを設定することが難しいという説明だったと思います。独法制度の移行期ですので、評価書の中で難易度や重要度を書き込むことによって、目標に定めるのと同様に評価できるというのが、総務省の見解です。評価書に、難易度や重要度を説明して、評価を定めていただくというのは可能です。

 

○今村主査

 少しその辺をそろえていただければと思います。よろしくお願いいたします。合わせてついでに、今の評価の議論が出てきたので、先ほどのS評価についても。私は、これは妥当な表現ではないかと思うのですが、9ページの所に、定量的目標が120%達成されて、なおかつ質的に顕著な成果が得られていると認められる場合と書いてあって、これは何ページでしたか。39ページ以降ですか。あ、ごめんなさい。ここではない。すみません、失礼しました。Sですか。15ページですね。その中の一番最後の所に、17ページの所に目標の全てにおいて120%以上の成果を得るだけでなく、それ以降、質的なことも貢献していると書いてあります。全く、こういう意味では規定に従ってSと評価したと解釈できるのではないかと思います。よろしくお願いいたします。以上でございます。

 

○中村構成員

 この評価そのもの、特に主務大臣による評価は、私は妥当にやっているなと了解しております。それから労働政策研究・研修機構の業績、これもいろいろな所での評価が非常に高い数字ですし、真摯に研究、それから研修に励んでいることがよく読み取れて、素晴らしいと思っております。

 ただ、ここの評価ですけれども、法人の実務実績・自己評価というものがあるのですが、それから主務大臣による評価、資料1-2を見ますと、非常に主務大臣による評価は読みやすい。こうであってこうであるから、こうだという、非常に論理的であるし、我々がよりどころとする、今紹介いただいた、これに従って行われているという形で。

 それに対して、法人の業務実績・自己評価は、業務実績なのか、自己評価なのか、よく分からない。自己評価の中にかなり業務実績が書いてあって、大体、主務大臣による評価が1ページ弱であるのに対して、4ページとか5ページとか、ズラズラ書いてある。これでは何を評価してほしいのか、目り張りがちょっとなくなるというような、読んでいてそのような感じがしました。

 最後に、以上を勘案してAとすると言っても、何を勘案しているのか、さっぱり分からない。やはり、業務実績と自己評価はきちんと分けて、こういう実績があったのだと。だからそれは客観的なデータからすると、公費にあるから自己評価したときに、しておいていただいたほうが読みやすくなっていく感じがいたしました。感想です。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 御指摘のとおりだと改めて反省して、次回からそのようにさせていただきたいと思います。どうも御指摘ありがとうございました。

 

○戸田構成員

 私も皆様のホームページをいつも利用させていただいております。ありがとうございます。先ほどの評価書の1-51-7の議論がございましたけれども、私自身お話を伺っていますと、やはり、Aにする理由というところを、もう少し客観的に説得力を増すようなことはできるのではないかと思っております。例えば、この評価シート1-5の成果の普及の所で、ホームページを改修されたというお話があるかと思うのですが、こちらについて例えば、改修されたことによって、どれだけアクセス数が増加されたのかですとか、コラムを新設されたことによって、どれだけ多くの方がそのコラムを御覧になって、それを評価されているかといったデータを、もしお持ちでしたら、示していただければと思っております。

 また、評価シート1-7の研修に関しましても、新たな研修を設けるというのは、やはり、それだけで評価するというのはなかなか難しくて、アウトプットがどうだったのかというところまで踏み込んでいただければ、より新たな研修の意義というものが浮き彫りになるのではないかと。例えば、新たな研修を受けられた方が、どれだけその研修に対して評価されたですとか、あとは、研究員の方が、どれだけ研修によって、いいことがあったのかということについてまで触れていただけると、より自己評価Aとされている理由というのが説得力が増すのかと思いました。コメントとして申し上げたいと思います。以上です。

 

○今村主査

 ありがとうございます。これについてはよろしいですか。

 

○労働政策研究・研修機構研究調整部長

 ホームページですが、改修の良い影響という御質問だと思いますが、アクセスがしやすく改修したということですので、目的のものが早く見つかる、早くページに到達するということで、必ずしもページビュー数は高くはなっておりません。

 ただ、トップページにつきましては、従来のものより115%ぐらいのアクセス数を頂いておりますので、改修の効果はある程度あったと考えております。

 

○今村主査

 今のホームページですとか、ほかのメディアでBusiness Labor Trendですか。この数はいいのですけれども、中身についてはどうなのですか。Webページを開示したお陰で、もっと一般の人が広く利用するようになったとか、そういう定性的な部分については把握していらっしゃるのでしょうか。数は大変増えたということはよく分かるのですが。

 

○労働政策研究・研修機構研究調整部長

 改修につきましては、3月の末で、そんなに多い声ではありませんが、今年度に頂いているところでは、かなり評価を高く頂いております。また、先ほど、ホームページの新しいコラムということで、「リサーチアイ」というものを新設したと御説明を申し上げましたが、これにつきましては労働政策の大きな課題をエビデンスベースでお示ししたということで、先ほど申し上げました総合評価諮問会議などでは、かなり高い評価を頂いているところでございます。

 

○今村主査

 私が申し上げたかったのは、どうも従来の独法というのは、これに関しては政労使というような制度的なところで、情報がこう。もちろん、ですから、政府とJILPTとの関係は非常によくなっているとか、労働組合等から意見を吸い上げる、研修でも、現場から。分かるのですが、一般の生活者の部分の情報がどうなっているかということが知りたかったということです。ありがとうございます。

 

○田宮構成員

2点ほどコメントさせていただきます。非常に幅広く政策に直結した業績を出されていることは大変よく分かりました。ただ、それについて、もう少し希望としては、労働政策に強いのが貢献例というのが、すごくパワポのほうの11ページから指導が出ていて、これだけ具体的な資料を出しているのはすごいと思うのですけれども、できれば濃淡を付けて、実際の政策にどう貢献したかみたいなのが、もし、そんなにたくさんはないと思うのですけれども、資料として活用というのがほとんどなので、その結果、どのようになったのかまで分かると有り難いなと。1年だと無理かもしれませんけれども、少し長期ビジョンで、そういうものもお知らせいただければと思いました。

 それからもう2点目は、いじめのない職場作りの国際会議とかに参加されておられたり、あとは、ちょっとどこか忘れましたけれども、いじめ、いろんなデプレッションとかで退職した人がどこにいたとか、そういう貴重なデータを出しておられて、いつもこの会議で私は前の第2回のときにもちょっとコメントしたのですけれども、労安研とか安全衛生のほうでも、非常にストレスチェックをデューティー化したり、いろいろなメンタルヘルスについて取り組んでおられるので、しょっちゅうは無理なのかもしれないのですけれども、どこかで情報交換されて、政策に対して総合的にそれらの成果を入れられるような仕組みを、向こうもまた機構が変わりますので、どこかで入れていただければ有り難いというコメントです。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 まず、11ページ以下の研究成果の具体例に関連して、どう政策の中に生かされたというお話でした。確かにこれを見てもなかなか分からないのですが、非常に卑近な例で、評価者である青山参事官がかつて関わっていた仕事の関係で申し上げますと、昨年、雇用保険法の改正というのをやりまして、新しい教育訓練給付の制度を作った。従来あった制度を抜本的に拡充したと言ってもいいのかもしれませんが、その議論が労政審で行われているときに、労使からお金をいっぱい頂いて、それをまくというわけですので、無駄なことになるのではないかという、かなり厳しい議論があったのです。

 そこの中で、実際どういうことをやれば本当に企業が雇ってくれるようになるのか。いわゆるエンプロイアビリティが高まるのかといったことについて、焦点を当てて調べた。例えばこの表でいうと、11ページの職業資格の取得とキャリア形成とか、こういった辺りでございますけれども、調べた結果、幾つかの代表的資格とか検定制度が、そういう雇用可能性とリンケージがあるということが分かりまして、その後の議論が非常に円滑に進んだということがあったやに記憶しております。

 例えば、そういった1つの例でありますが、そういった形で労政審でニュートラルに客観的なエビデンスベースのものを出すということが、その後の議論の促進につながるということは、非常に多い例だと思います。

 それから、もう1つ頂いたいじめ、嫌がらせとメンタルの話でございますが、それも非常に重要なテーマではありますが、御指摘のとおり私どもだけではなくて、いろいろ横の研究機関との連携というものも図るべきだと思っております。そういったことは、評価シート1-1の最初のAの中でも外部研究者との連携ということを御説明しました。5ページで、例えばRIETIをここで挙げておりますけれども、RIETIだけではなくて、ほかともいろいろなことができるのではないかと思っております。以上です。

 

○志藤構成員

 ごめんなさい、私も意地の悪い性格ではないつもりなのですけれども、ちょっとお伺いしたいというか、お考えをお伺いしたいと思いました。39ページにありますプレゼンテーション用の資料ですが、有識者のアンケートを取っておられて、非常に高い評価を獲得なさったとお書きになっておられます。今ほどの御説明にもありました、もちろん1-11-2に関わってくることで、非常に時宜を得た調査・研究を行い、タイミングよく、そしてフットワークも軽く、良いデータなどをお出しになったことが、評価がなされているということはよく分かるのですが、正直にお出しくださっているのでこれで申し上げますと、右から2つ目ですが、その研究成果の学術的水準が高いというところに関しては、これの中で一番評価が低いわけですね。少しですけれども、去年よりもちょっと、また低くなっているということは、本当に意地の悪いことを言うようですけれども、タイミングよくいろいろな研究をなさっておられて、それが政策には生きているけれども、ではその研究所として、その研究の水準が必ずしも高いものとして評価されていないということに関しては、どのように受け取めておられるのか、役割としてこれはもう、タイミングよく出すことが大事だということも、もちろん一つの価値感だとは思いますが、その辺りの折り合いの付け方のようなことも含めて、基本的にどのようにお考えになっておられるのかということを、ちょっとお伺いしたいと思いました。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 このアンケート結果の数字をお出しするときに、やや誤解を招くような形になってしまったのかなと今思っているのですが、実はこれは有益だという理由について、どれが一番合致していると思うかという聞き方なのですね。要するに、そこにうちの機関の特徴が表れていると思うのですけれども、やはり、何と言うのでしょうか、政策との連動であるとか、特に、その都度その都度の政策テーマとの関係で時宜を得ているかどうかというところに、どうしても高い点数が出てしまうという面があります。

 ただ、そうは申しましても、そういう相対評価の中でありましても学術的水準が高いという評価が、並べてみるといまいちであるということは御指摘のとおりでございますので、その点については今後も、もうちょっとこういうところでも点数が取れるようにするにはどうしたらいいかということを、改めて考えさせていただきたいと思っております。

 

○志藤構成員

 ありがとうございました。今それを伺って、なおなお思ったのですけれども、私は何回か評価委員会に出ていますが、こういう発表のプレゼンテーション資料の書き方でも、はっきり分かるような書き方をしないと誤解を招くようなことになるので、そこは本当にお気を付けになったほうがいいと思っています。

 それは、この全体の中の労働政策研究の成果の普及ということに関していえば、もっと本当に一般の方々、学者や研究者だけではなく、一般の方に知らせるためのお仕事というのも大事なわけで、そのときにやはり、こういう明らかに、私のようにミスリードされてしまう人間が出ないようにするということも、とても大事な視点ではないかということを、あえて素人として申し上げさせていただきます。

 

○酒井構成員

 私も全く志藤委員と同じことを感じて、質問しようかなと思いました。プレゼンテーション全体が事実として、素晴らしい研究等を行っていることは紛れもないのですけれども、未来思考として課題が1つも出てこないというのは、どういうことなのかなと。むしろ、余り強がりばかりではなくて、未来指向でこういうことをやっていくために、今、こういう課題があると言っていただけるといいなと。

 そういう目でもって、有識者の人たちのアンケートをどのように見たかといったら志藤委員と同じで、もう一つ、やはり、方法論が優れているという所も低いですよね。そうすると、時宜を得たが、やはりものすごく高くて、それはとても機構のミッションとしてはものすごく大事なことだということは、いうまでもありませんけれども、研究機関として今後いくためには、この辺のことというのは意外と大事なのかなと。そういう議論というのが研究者の間でないのかなということを感じました。お答えは、もう既に頂いていますので結構です。

 

○労働政策研究・研修機構理事

 若干、私のほうから補足をさせていただきます。私どもJILPTは、先生方がおっしゃられるように、非常に水準の高い研究をやっている部分もありますし、広く情報提供をやっている部分もあります。それで、その評価の仕組みでございますけれども、2つに分かれていて、1-8のシートのほうの評価はJILPT業務全般についての、情報提供についての評価をしている部分です。

 それに対して、少し戻っていただき、1-1あるいは1-2の所が、そのうち研究についての評価というのは別途、PDCAの仕組みでやることになっておりまして、むしろ研究についてどういう評価を受けているかということであれば、1-1ないし1-2を御覧ください。具体的に申し上げますと、10ページに研究等についての評価を掲げていますが、その左側の(3)の外部評価の所を見ていただきますと分かるわけです。非常に今年は質の高い研究をしたと専門家のリサーチ・アドバイザー会議において、今野先生に座長をやっていただいていますけれども、例年になく高い評価を頂いたということです。

 それから、酒井先生のおっしゃられたことに関しては、いずれも研究のほうも、その他の事業も、私どもは全体的にはPDCAの形で事業を回しているわけで、例えば、研究につきましては、そのPDCAの仕組みを、先ほど説明は省かせていただきましたけれども、1年間のPDCAの仕組みでやっています。それで、研究テーマは厚生労働省あるいは外部からいろいろ伺いながら、テーマを決めて開始しますが、最終的には事後評価ということで、いろいろな場で研究成果を、これは厚生労働省に対してもいたします。その中で成果を説明するだけではなくて、その中で新たな課題というのは探るような仕組みで回しています。

 後ろのほうの、1-8のシートのほうの仕組みも基本的には同じような考え方で回しているわけでございます。2つのサイクルを回しているということで、御理解いただければ幸いです。

 

○今村主査

 今の2人の御質問に関連して、ちょっと追加で確認しておきたいのですが、安全衛生研究所の場合には、かなりインパクトファクターとか、つまりレフリー付きのジャーナルとか外部の学術論文に対する貢献というものが評価項目になって入っていましたけれども、こちらの場合には、そういう意味では、中には研究員の方で外部の雑誌とかに随分発表されて、いい評価を得られる方がいるのですが、それが評価項目の中に入ってこないのですね。

 だから我々も気を付けなければいけないのは、安衛研の場合には、それが評価項目に入っている。つまり分析の質の高さとか、手法とかが評価の中にあるのだけれども、こちらのほうはむしろ労働政策の研究・研修に関して、いかに資するかということが主目的になって、機動力というのですか、テーマを柔軟に対応していくということが求められている。少し評価項目が違うので、そこは我々も少し柔軟に考えなければいけないと思いますが、それにしても質の向上というものは、大きな目標でありますので、是非、今後ともお考えいただければと思います。よろしくお願いいたします。

 まだ若干、時間はあります。

 

○関口構成員

18ページの所に関連するのですけれども、(4)の図書資料等の収集・整理という所で先ほど御報告を頂いたのですが、評価()のほうを拝見しますと、運営業務に関しての効率化あるいは簡素化という所で、今年度からアウトソーシングも含めて御検討されるというようなことが入っていたのですけれども、その辺に関する御説明等があったのかなというところが、ちょっと確認程度ではあるのですけれども、お聞きしたい部分です。

 学生時代から上石神井のほうも、それから昔あった新宿のモノリスのほうも、かなり活用させていただいた身としては、単純にアウトソーシングをされて、余り使いにくくなっても困るなあというようなところから発したような質問でもございますので、まだまだ検討段階ということかとは思うのですけれども、現状でどういう方向で進められる御予定なのかというところを、差し支えない範囲で結構ですので、是非、教えて頂ければと思います。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 ありがとうございます。確かにおっしゃるとおり、アウトソーシングという宿題を頂いておりまして、実は平成28年度から、つまり、中期計画最終年度に達成できるように、今、その段取りをしているところなのですが、実は中でこの話を議論した際、ほぼ同じ問題意識だと思いますけれども、理事長からも、「そのことによって機能低下を起こすことが絶対にないように」と。「そのことがむしろ、機能強化につながるような形での外部委託というのを考えてくれ」ということで、ミッションが下りていまして、現在、そのための特別な横断的なプロジェクトチームを作って対応しております。皆様、先生方のような方がほかにもたくさんいらっしゃるということが、私どもにとって最大の励みでありますし、そういったことにこれからも応えられるような組織を目指してまいりたいと思っております。

 

○今村主査

 ありがとうございます。よろしいですか。

 それでは次の事項に移りたいと思います。続いて、「業務運営の効率化に関する事項」及び「財務内容の改善に関する事項に係る項目別評定」について、議論をしたいと思います。それでは先ほどと同様の流れで、法人及び法人所管課からポイントを絞って、簡潔に御説明いただき、その後質疑応答ということでお願いいたします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 ありがとうございます。評価シート2-1、業務運営効率化に関する事項、33ページです。幾つかの数値目標評価と定性的な視点が掲げられています。次のページでは、まず数値目標がどう達成されているかです。3つの数値目標があって、要するに節減をしたかどうかで、一般管理費が、これは全部中期計画最終年度での到達点ということなので、現時点では最終評価はできないのですけれども、それぞれ節減率5.6%、あるいはそれぞれ前の中期計画期間の最終年度に比べて15%、あるいは5%の節減という目標が立っています。それぞれについて、緑で書いてある所のような節減率になっています。私どもの計画の中では、3か年が経過したところの数字としては順調に推移していると評価しています。

 次の人件費については毎年度1%以上節減で、これは非常に一番厳しい部分でありますが、何とか平成26年度もクリアできたという状況です。3つ目が自己収入の拡大ということで、この点だけはやや残念な結果になっています。平成22年度、つまり前の中期計画の最終年度に比べて10%拡大という目標だったのですが、むしろ減少しました。これについてはそこにも要因という形で書いてありますが、平成26年度特有の事情があり、平成27年度からはそういうものが解消されて、また元に戻るような形になっていることを補足的に申し上げておきたいと思います。いずれにしても自己収入の増加というのをちゃんと計画的にやっていくということで、そういう計画も策定する予定にしています。それから次のページですが、定性的にいくつか申し上げます。まず、内部統制は、昨今いろいろ話題になっている情報セキュリティーについては、万全を期すということでやっていますし、その下の効率的かつ効果的な業務運営体制の整備という中に、改革推進チームを入れさせていただいています。先ほどの御指摘の中に、課題という意識が余り見えないではないかということなのですが、実は我々は課題はたくさんあるとまだまだ思っています。理事長からそういうことを外から言われるだけではなくて、内発的に考えるべきだということで、実はこの改革推進チームを平成26年度に発足してやってまいりました。

 契約の適正化、これについては毎年毎年これも当たり前と言えば当り前なのですけれども、一般競争入札随契、こういったことについて厳しく見直しを図って、一応適正に行われているという評価です。次のページに移りまして、人事の関係ですが、実はここについては中期計画期間の最終年度において、平成25年度末から定員5人削減しろということを平成25年度末の閣議決定で頂いています。114人でしたので、109人にしなければいけないということですが、実はこの部分だけ先に申し上げますと、平成26年度中に達成できてしまいました。達成したということは、リストラをしたということになるわけですが、実はそれが組織としての体力を失わないようにしなければならないということで、理事長からこれも強い御指示がありまして、他方で左のほうにありますが、育成型任期付研究員を3人採用するということで、優秀な人材確保を行っている。ですから、退職者不補充とか出向を増やすとか、そういう形、あるいは厚労省からの出向ポストを見直すということでいろいろやってきたわけですけれども、そのことによって組織の体力は落とさないようにしております。その他非常勤職員の処遇改善やOBの人達の活用。それから職業能力開発推進者の選任などということも平成26年度の新しい取組みとなっています。最後に施設整備ですが、ここについては当たり前のようにやっているということですが、一応3,700万円の契費節減を達成できたということです。以上、ほぼ世の中で求められる標準に近いことはやっているのではないかと思い、Bとしております。

 

○労政担当参事官

 法人所管課から、評価シート2-1について御説明します。資料1-262ページ以降を御覧ください。今、御説明のありましたとおり、機構においては質の高さを維持しながら効率的な業務運営をするために、自主的に改革推進チームを設置するなど、理事長のリーダーシップの下に各種の業務改善、効率化に取り組んでいると評価できます。機構における取組みの結果、一般管理費、業務経費についていずれも対前年度減となっていて、中期目標上のそうした目標の達成に向けて計画に従って着実な取組はなされていると評価できます。人件費については、国家公務員の給与水準を考慮するとともに、機構独自の取組みとして退職手当の削減を継続する措置を実施して、目標である対前年度比1%減を達成しています。今、御紹介があったとおり、平成2512月の閣議決定で、この中期目標期間の終わりである平成28年度末までに職員5人削減とするとされていますけれども、自主努力により、着実にその取組みを進められていることも評価できます。ただし一方で、職員の削減をしながらも、優秀な研究員については期間の定めのない雇用への転換をするとか、定年退職後の再雇用の方について、退職前と同等の業務に従事させるなど、優秀な人材確保、職員のモチベーション維持のための取組みが併せてなされていて、人事評価制度や資質向上のための取組みを含めて、引き続き適切に実施されていると評価できます。以上から、目標の数字を十分に達成できていますので、B評価としました。以上です。

 

○今村主査

 ありがとうございます。それでは引き続きお願いします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 評価シート3-1になります。41ページですが、財務内容の改善に関する事項です。この点についてはちょっと私からさらっと説明いたしますが、経理部長からも改めて補足させていただきます。42ページを見ていただきますと、年度途中で業務運営の進行状況、予算執行状況を把握して、適宜見直しを行いつつ、予算を執行したということで、基本的には適正な処理がなされていると考えています。詳細については経理部長のほうからよろしくお願いします。

 

○労働政策研究・研修機構経理部長

 経理部長の大崎でございます。よろしくお願いします。予算の執行状況ですが、一般管理費、業務経費、人件費ともに一般競争入札等を積極的に導入して経費の節減を図っています。また、光熱水料並びにコピーの印刷経費とも常時節約を図り、執行額を抑えている状況で、予算額に対して御覧のとおり10%程度の一般管理費、業務経費、人件費ともに縮減を図っています。また下に利益剰余金等の分析等ということです。純利益として300万ほどの利益を出しています。こちらについては今も申しましたとおり、一般競争入札した結果、予算に対してそういう管理経費について節約された額が300万ということで利益を計上しております。

 右側の四角ですが、保有資産の部分で、職員宿舎の借上げ制度というものを今まで実施していましたが、平成26年度にそれを廃止して、その経費をなくしているということで、そちらについても経費の節減を行っているということで、積極的に縮減を図っています。以上です。

 

○労政担当参事官

 法人所管課から3-1について御説明いたします。資料1-2で言いますと、73ページです。今説明があったとおり、予算、収支計画、資金計画については中期計画に基づき作成された予算計画などに基づいて、着実に執行されると評価できるためB評価としています。以上です。

 

○今村主査

 ありがとうございました。それではただいま御説明があった事項について御意見、御質問等がありましたらお願いします。

 

○宮崎構成員

35ページの2-1の所ですが、入札等の競争性確保に努められているのだと思いますが、件数を見ますとやはり一般競争入札54件に対して、随意契約18件となっていて、個人的な感想ですが少し随意契約が多いかなという気はします。これはやはり調達する段階から仕様書ですとかいろいろなものを工夫していかないと、なかなか減らしていけないのかなという気はしています。一般論にしかなりませんが、あらかじめ応募する際に、例えばシステムを構築する際には、あらかじめ運用保守とか、その次にかかるコストをあらかじめ視野に入れてトータルコストで調達して、作った会社だから必ずここしか保守ができないというように、後々紐付きにならないように、こういうものは1回作ってしまうとなかなか難しいのですが、今度またプラットフォームなり機関システムを入れ替えていく際には是非考慮いただいて取り組んでいく必要がある。それから行う業者さんの納期を考えると、少し余裕のある発注をするとか、ロットが小さすぎるとどうしても1社にしかならないというような場合には、少しまとめて頼むとか、どうやると減らせるのかということは少し幅広に検討してみていただけると、もう少し減らせるのではないかなという印象を受けますので、是非検討いただければと思います。

 

○労働政策研究・研修機構経理部長

 ありがとうございます。随意契約に関して18件まだ残っている状況です。毎年度見直しはしている状況でして、システム系の著作権の問題ですとか、あと光熱水料とか、そういう部分の問題がちょっと大きい部分もまだ残っている状況です。今頂いた御意見等を反映させて、また引き続き検討させていただきたいと思います。

 

○今村主査

 若干、時間がまだあるようですので、1つだけお伺いしたいのは、労働政策研究・研修機構ならではの質問なのですが、36ページの説明シートに、例のアウトソーシングで理事長が質を落とさないようにということとか、非正規の人たちのインセンティブの問題については議論されているのですが、優秀な人材の確保と育成の3番目○で非正規職員の処遇改善で、能力を最大限に活用するために処遇改善(時給の引上げ)と書いてありますが、働く人のインセンティブというのは、お金だけで交渉するのかどうかというのは、ちょっと漠然と、直感的に感じたのですが、それについては全体としてのモラルの向上、あるいはモラルの維持という点では、お金だけの問題ではないかと思いますが、その辺の御説明をいただきたいということ。

 併せて先ほど来、研究の質等が議論されている36ページの上のほうに、専門書として、賞を受賞されたということもありますので、もし、可能であれば、こういう所に学術論文としてどのぐらい評価をされているかということも書かれたら戦略的には良いプレゼンテーション資料になるのではないかと思います。後者は感想で、前者についてはお願いいたします。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 時給の引上げということですが、具体的には950円が一番低い人の時給だったのですが、1,000円にしたということです。1,000円というのが、一時、目標になっていた数値だったこともいろいろな場面でありましたので、人材確保という意味でも、このくらいが相場ではないかということでやらせていただいたのですが、もちろん全くおっしゃるとおりで、金だけでは方がつく話ではない。1,000円だけでいいのかということもありますし、今後の改正契約法への対応もありますし、それから右側に書いてありますが、キャリア形成というか、人材育成は、これは正職員だけではなくて、非常勤の人たちも含めてということもありまして、平成27年度も継続的に対応しているところなのですが、非常勤の人たちのキャリアアップのためのチームを作って、いろいろ今検討している状況です。これは、偉そうに書いていますが、そういう、正に御指摘の点を含めて、今、継続的に検討しているという状況です。

 

○今村主査

 なぜ、このようなことを申し上げるかというと、他の独法などでもコンプライアンス等の問題で、非正規の職員が、いろいろと関わってくるケースがあります。ですから、やはりそういう意味で、併せて、次回アプローチのテーマだと思いますので、是非そういった非正規の方、アウトソーシングも含めて全体として、コンプライアンスをどう維持するか。インセンティブをどう維持するかを、是非、良い判例を示していただければと、どうぞお願いいたします。いかがでしょうか。

 

○酒井構成員

 機構の評価の場に出るのが初めてなもので、どういう組織割になっているかということがよく理解できないでいるのです。109名の職員の方がいらっしゃるというお話ですが、例えば研究に携わる方と、研修と事務とが、大体どのような比になっているかということを教えていただけますか。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

3ページを見ていただくと、労働政策研究と情報の収集・整理、それから労働行政職員への研修と、組織で言うと、1番、2番、5番の部分が、それぞれ別々になっているとお考えいただければと思います。1番と2番は合わせて研究所という1つの箱の中に入っていて、本日は研究所長も来ておられますが、その所長の下にあって、5番の研修は労働大学校というところにありまして、校長の下にいるということです。

 研究員が張りついているのは1番の部分ですが、数字が不正確だといけませんけれども、現在、研究員は約30人です。それから、労働大学校が約20人、その他の調査部門が20程度だったと思います。残りがいわゆる間接部門ということになります。

 

○酒井構成員

 調査している方と研究員の方は別なのですね。

 

○労働政策研究・研修機構総務部長

 別です。研究員と調査員と言ったりしております。

 

○酒井構成員

 分かりました。

 

○田宮構成員

 直接というより長期的のお話かもしれませんが、今の調査と研究という言葉についても、実は私、初めて伺ったときに違和感というか、全く畑が違うとやはり言葉の定義も違うのかなと思って伺っていたのですが。関連して、先ほど委員長先生からインパクトファクターが労安研のほうにはあるけれども、こちらでは基準がないということで、そういうことも最初、成果の基準も労働政策研究報告書というものがあったり、8ページを見て思ったのですね。ディスカッションペーパーですとか。

 私は学際的な研究は、これからしなければいけないと思って大学でトライしているのですが、本当に違うのですね。文化系の先生たちは、このようなことを目指して、私たちはインパクトファクターの大きい論文を目指して、でも、いずれ目指すところは一緒なので、これ、どうにか一緒にやっていけないかと思って、学会発表も一緒にやったのですが、片方はやはりポスターとかにしなかったり、オーラルでずっとお話になって、こちらは理科系はポスターだけでとか、そういうところから一緒にやっていかないと、まあ、これからですよ、長期的な話です。ただ、ちょっとお話が出たので、そういう意味では、この研究所の評価基準というのが、まずはこれが今までのものなのでしょうけれども、お互い歩み寄るのがいいのか、ちょっとその辺もですが。

 先ほど申し上げた、いじめの国際学会のようなものがありますが、例えば、関連して伺いたいのは、こういう所に出てくる研究というのは、やはりこれは労働政策ということでは、インターナショナルにもこの実証的な調査、研究で数字でというものではない議論が主なのですかね。今後、数値的にちょっと理科系というか、調査というのは私たちにすれば研究なのですね。調査をして、科学的に分析して結果を出していくのが公衆衛生などの研究なので、全く言葉遣いも違いますし、例えば、国際会議では、どのような発表をされているのか、あとは、インターナショナルにもどのような発表なのかを教えていただき、参考にさせていただいて、今後の学際研究に何か踏み込めればいいなと思っております。

 

○労働政策研究・研修機構研究所長

 いじめの学会に具体的にどういうものを持っていったかは、申し訳ございません、私は細かいところは承知しておりませんが、私どもの研究員が国際学会等に参るときは、基本的にJILPTの中で、これまでその研究員がした調査、研究のデータをもって発表します。文献研究や先行研究なども踏まえた上で、そういうトピックについてJILPTのエビデンスベースで発表するということになっておりまして、基本的に自分の考えだけを述べて来るということはないと思います。

 お話いただいた理科系の研究と私どもの研究等が、違うところがあるかもしれませんので、先生のイメージにちょっと合わないところもあるかもしれませんが、基本的にJILPTはアンケートなりヒアリングなり、あるいは既存の政府統計等の二次分析ということをやっておりまして、そういうものに沿って研究成果をまとめております。研究成果物の種類は幾つか挙げていますが、この中で例えば、調査シリーズはアンケート調査等をやったときに、そのデータをできるだけ素早く取りまとめ、客観的な結果を提供するものです。資料シリーズは、ヒアリングをやったり、あるいは二次分析をしたりというようなデータについて取りまとめをしております。それから、ディスカッションペーパーというのは、執筆者がインプリケーションとして考えていることを含めて、提言するようなものでして、個人の見解も含めて提案していいといった位置づけの成果物になっております。

 報告書は、調査シリーズと資料シリーズで、速報的に結果を発表した後、それにいろいろな追加分析を加えたり、外部の先生方と研究会等で議論を深めたりして取りまとめているものが多いかと思います。

 そのほかに、研究開発成果物というのは、例えば職業適性検査のようなツールを発表しています。おっしゃっていただいたように、学際的なこと、ストレスの問題などもやっておりますので、いろいろな研究機関等と連携をさせていただければと、私どもも希望しております。その辺りは、今後、努力していきたいと思っております。

 

○今村主査

 いいですか、今の質問に、理事長が御発言されたいということで。

 

○労働政策研究・研修機構理事長

JILPTの調査研究について、人材関係を説明させていただきたいのですが、先ほど総務部長から研究員は30名、調査員20名の大体そういう感じの数字を述べられました。研究員は、労働に関する経済学、社会学、法律学、それから心理学系の大学院で博士課程を終えて、学位を取った者も、これから取る者もいるのですが、そういう人たちをその段階で任期付きで採用して一定の研究成果が上がれば、本採用というか、テニュアを与えるような、そういう育て方をしております。この方々に本省から経済白書などで調査、研究あるいは執筆された方々、そういうバックグラウンドを持ったような方々が入って来て、博士課程で育った行政の方々が一緒になって、しかも、学際的に研究するといったイメージになっており、博士課程を出たような人たちは、自分の所属学会があって、それを通じて国際的な研究学会活動もするという感じだと思います。それは、学会誌にも寄稿しますし、国際学会へ行ってもペーパーを出したりするというイメージだと思います。

 調査員の方々の中には、大学で博士課程にいってPh.D.を取った方もおられますが、主力部隊は従来からあったような、昔の週刊労働ニュースとか、その系統の、言わば、調査、取材をやって、それで鍛えられたような方々が主で、この方々は、もちろん研究員と一緒になってプロジェクトをやったりもするのですが、緊急調査とか、厚労省からの非常に急な要請などにパッと行って、機動的に情報を集めて、それをきちんとした分析に仕上げるというような人たちです。そのような構成になっております。

 

○田宮構成員

 ありがとうございます。幅広いいろいろなアプローチがあるのが当然で、それがいいのだと思うのですね。インパクトファクター一辺倒のそれがいいと、決して私も思っているわけではなくて、いろいろな文献研究やその考え方の理論の構築とか、方法もあると思いますので、ただ、学際的な研究というほどお互いが歩み寄って進んでいくために、何か仕組みを意識しておいたほうがいいのかと思うことが1点と。

 こういうところで評価となったときに、安衛研では、インパクトファクターとか、そういうのが出てきて、やはり研究所である以上はオリジナル論文の数でしょうというような議論がよく出てくるのですね。でも、こちらとて、やはりそうではなくて、いかにフットワークよく政策に直結したいろいろな情報を収集したり、提供したりとかそういうことが求められていて、そういう人材をあえて配置してらっしゃるということも今、分かりましたので、その辺、課題かなとは思いますね。

 あと、1点だけ確認ですが、インパクトファクターのような評価は、この分野では余りまだされていなくて、合わないと考えていいのですか。ちょっとそこは押し付けたくはないのですが。

 

○労働政策研究・研修機構理事長

 分野によるのだと思います。数式を使う経済学とか、そういう所はやはり英語の論文でサイテーション、どのぐらい引用されたかというところで競う学会に所属している人もいますし、法律学系等は、余りまだ、というような、その分野によるのだと思います。

 

○田宮構成員

 まだ学際なので、評価軸もいろいろです。ありがとうございます。

 

○今村主査

 そういうソーシャルサイエンス、サイテーションインデックス、そういうインパクトファクターに似たインデックスが社会科学にもありますので、それから査読付きの論文とかという形での評価はありますので、理科系ほど厳密ではないかもしれませんが、社会科学でも、もちろんそういう形での評価をしております。

 

○田宮構成員

 勉強不足で、すみません。

 

○今村主査

 それから、今の議論ですが、自然科学と社会科学の若干の違いに加え、政策研究をするときに、実は私もヨーロッパで、特に社会的企業とか、社会的インパクトを問う人がそういう分野で中心に活動しているのですが、いろいろな政策の動き、特にEUの動きとかは、ネットワークの中に入って常に情報をキャッチしないと、いろいろな動きが俊敏につかめないということがあります。そういう意味では、私はこの2021ページ辺りのJILPTの御努力は非常に高く評価するところです。そういう意味でのJILPT独特の使命に対して、しっかりと取り組むためのいろいろな要素というのはあると思います。

 

○戸田構成員

 話が変わります。資料1-134ページの業務運営の効率化に関する事項ですが、いろいろ自己評価等を拝見させていただいて、よく頑張っていらっしゃる中で、ちょっと気になる点として、特に今年の評価というわけではなくて、今後、気になる点として、一般管理費の目標として、平成28年度において、平成23年度と比べて15%以上削減というところを置いていらっしゃいますが、今の平成26年度の参考値ではありますが、節減率が5.6%ということで、これから2年間かけて、かなり一般管理費の削減をさせていかないといけないというような状況なのかなと見ておりまして、やはりそこに対して何か、今後2年間どうやってされていくのかというのが素朴な疑問で、今、この場でお答えは特に求めませんけれども、今後、一般管理費の削減については、いろいろと考えていなければいけないのかということをコメントとして申し上げたいと思います。以上です。

 

○労働政策研究・研修機構理事

 今、御指摘の点ですが、私ども、この削減は法定外福利費を大幅に削減しようと思っておりまして、具体的には職員宿舎を縮減することをやっていこうということで、平成24年からずっと準備をしてきておりまして、ほぼそれが廃止される状況になっていますので、その成果は今年度以降に出てきますので、前年度まではこういう数値になっております。

 

○今村主査

 時間が大分過ぎていますが、最後に私の特権というか、お願いをしておきたいことが2つほどあります。JILPTという研究主体の組織ですが、アンケートの評価が、先ほど85%の目標を設定すると、どう頑張っても120にならないという話がありましたが、以前から議論しているように、「まあ、有益だった」ということと、「すごく有益だ」という評価は違うわけですね。それはこの以前の委員会でも盛んにそういうことが議論されてきて、ですから、目標として「有益」という一括りでいいと思いますが、その中で特に「有益だった」というのがどのぐらいあったかというのはサイドインフォーメーションとしてあると、先ほど来の定性的な評価とかに結び付くと思いますので、是非その辺は機構の、非常に持っているコンピテンスというか、独自の能力だと思いますので、是非、工夫をしていただきたいことと。

 もう1つは、評価の仕組み自体に関わるのですが、先ほど来、受講者にどのぐらい効果があったとか、インパクトというか、是非、御検討いただきたいのは、数値目標の中で、アウトプット(アウトカム)と書いてありますが、アウトプットとアウトカムは本来違うもののはずなのですが、機構でここまでがアウトプットで、ここからはアウトカムだと、我々のやっていることのアウトカムが実際に受益者というか、一般の人に届いているという評価がもしあれば、それを独自に開発して入れられるということも、そういう意味では社会的インパクトが大きいかと思います。これは、これからの未来思考の話ですが、是非、御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。特になければ、次に移りますが、いかがでしょうか。

 では、監査報告になります。法人の監事より業務の監査結果等を取りまとめた監査報告について説明いただくとともに、監査等を踏まえた現在の法人の業務運営の状況や今後の課題、改善方法等についてコメントをお願いします。それでは、法人監事、よろしくお願いします。

 

○労働政策研究・研修機構監事

 監事の東ヶ崎でございます。資料1-3に財務諸表の一番最後のページの表裏に監査報告があります。それをベースにお話を差し上げます。

 当機構の平成26事業年度に係る監査報告は、618日付けにて理事長宛てに報告しております。当機構の監査報告は2ページにわたっています。独立行政法人通則法第19条第4項及び同法第38条第2項の規定に基づいて、独立行政法人労働政策研究・研修機構の平成26事業年度の業務、事業報告書、財務諸表及び決算報告書について監査を実施しておりますので、その結果を御報告いたします。

 監査報告の1に監査の方法及びその内容を示しております。監査計画に基づいて業務監査においては、役職員からその職務の執行状況について聴取するとともに、書面、監査及び経営会議等、重要会議への出席により監査をいたしました。

 また、会計監査においては、当該独立行政法人の契約した監査法人の監査結果を聴取し、会計に関する帳簿、証拠書類及び計算書類を閲覧し、あるいは点検、資産の実地監査を行うとともに、会計責任者から聴取を行いました。

 その結果については、2の所に記しております。5つの項目からなっており、その1ですが、法人の業務は、法令等に従い適正に実施され、また中期目標の着実な達成に向け効果的かつ効率的に実施されているものと認め、特段の指摘すべき事項、意見はありませんでした。先ほど来、御議論いただいている当該事業年度の各項目の自己評価については、期末、期中の監査並びに日頃の機構の活動状況を客観的に監察し、妥当な評価を行っているものと私自身の意見ですが、そのように受け止めております。

 その2以降については、内部統制システムの整備、運営、運用状況、各員の職務執行に関する違法、不当な行為ですとか、財務諸表、事業報告書については、いずれも機構の運営にとっては肝となる事柄ではありますが、個々の説明は割愛させていただきますが、いずれも問題はないという結果です。

 3の法人の事務、事業の見直しの基本方針等、過去の閣議決定において定められた監査事項についての意見ですが、指摘すべき事項はなく、特段の意見はありません。監査は、そこに2名の署名がありますが、非常勤の中川監事と2人で行っておりまして、4にお示しているとおり、両監事間での意見の相違はありませんでした。

 所見ですが、当該法人は、毎月の経営会議等の場において個々の事業の進捗状況が発表され、それに対して、理事長がリーダーシップを発揮されるとともに、組織全体が関心を持ち、適宜状況を把握、改善できるよう工夫が凝らされている姿が見受けられます。マネージメントがしっかりなされているという印象を持っている次第です。理事長に対しては、引き続き効果的かつ効率的な業務運営をお願いして、監事からの報告とさせていただきます。以上です。

 

○今村主査

 ありがとうございます。続いて、法人の理事長より、日々のマネージメントを踏まえて、現在の法人の業務運営の状況や、今後の課題、改善方針等についてコメントを頂ければと思います。よろしくお願いいたします。

 

○労働政策研究・研修機構理事長

 理事長の菅野でございます。有識者会議の構成員の皆様方には、本日の業務実績の評価をはじめ、当機構の業務運営に対して、御指導いただいていることを感謝申し上げます。

 ただいま、東ヶ崎監事から、これからも理事長として、舵取りをしっかりするようにということです。御存じのとおり、私ども機構の最大の任務は、労働政策の立案、実施、評価に役立つ実践的な調査、研究を行い、将来にわたって労働政策関連での客観的で有用なデータやエビデンスを提供すること。また、研究と研修を連携して、労働行政運営の中核となる行政職員の能力の向上を目指した研修を継続的に実施することであります。

 私としては、まずは私どもの任務をしっかり果たすとともに、労働に関する幅広い専門分野の研究者を多数要している日本で、唯一の労働政策に関する研究機関というように私どもは自負しておりますが、そういう研究機関として、調査研究や情報収集を通じて、一早く政策課題を解明することによって、行政の一歩先を行く成果を恒常的に生み出していくことが、非常に重要な課題だと思っております。そのためには、私としては、まだまだやるべきことがあると考えております。

 例えば、昨年度に今後の日本の労働市場の在り方、雇用システムの在り方を問う「雇用システムと法プロジェクト」という、部門横断的な基礎的な研究プロジェクトを私どもの自主的な取組として立ち上げました。この研究プロジェクトは、まだまだ成果を十分出している状況ではなく、今後も、これを推進することによって、基本的な政策課題の解明と研究成果の一層の整理、活用に努めてまいりたいと考えております。

 また、もう1つの柱である研修事業についても、研究と研修の連携、これは言葉で言うのは簡単なのですが、実際には研究者というのは、自分の分野に閉じこもりがちなものですから、なかなか難しいところもあります。しかし、このコンセプトを、なお一層追求していきたいと思います。そして、情勢の一歩先を行く研究成果を恒常的に生み出していくためには、間接部門も含めた優秀な人材の確保、育成が重要でありまして、これに取り組んでいきたいと思います。

 加えて、内部統制システムの強化というのは、独立行政法人として、当然のことですので、この面でも異論がないように整備してまいりたいと思っております。今後とも、本日の皆様からの御意見を業務運営の改善に反映させるとともに、より質の高い調査研究、研修事業の実施に務めてまいりたいと思います。以上をもちまして、簡単ですが、理事長のコメントとさせていただきます。

 

○今村主査

 ありがとうございました。ただいまの、法人監事及び法人理事長の御発言内容について、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。いかがですか。よろしいでしょうか。

 それでは最後に、項目別評定におけるこれまでの議論や、ただいまの法人の監事及び理事長の御発言などを踏まえて、法人全体の状況について評価をする総合判定の議論に移ります。では、法人所管課より、総合判定について説明をお願いします。

 

○労政担当参事官

 資料1-23ページを御覧ください。項目別評定は、S1項目、A4項目、B5項目となっています。全体として評定を引き下げる事象はなかったため、基準に基づきA評価としております。

 具体的には下にあるとおり、労働政策研究について質の高い研究が実施され、特に指標において、計画を120%以上を上回る顕著な実績や効果を達成していることとか、国内、海外労働情報について、最新の制度や実態に関する情報が分かりやすく提供されており評価されていること。労働行政担当職員に対する研修については、大幅な対象者の増加にもかかわらず、効果的、効率的に質の高い研究が実施されたこと。また、機構の工夫により研究と研修の一層の連携が図られ、相乗効果が発揮されていること。機構の運営については、引き続き業務改善努力によって、適切な組織規律の下、効率的運営がなされること。さらに全体として、評定を引き下げる事象もなかったということで、機構においては、平成26年度も引き続き高いレベルでの業務運営が行われたと評価できますので、先ほども言いましたとおり、総合評定Aとしております。以上です。

 

○今村主査

 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明について、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。大丈夫ですか、よろしいでしょうか。

 それでは以上で、本日の議事を終了いたします。最後に、法人及び法人所管課より、一言いただければと思います。まずは法人理事長からお願いいたします。

 

○労働政策研究・研修機構理事長

 本日、私ども機構の平成26年度の業務実績評価等について御審議をいただき、誠にありがとうございました。本日頂いた御意見、知見を踏まえながら、引き続き労働分野の政策研究機関として、労働政策の企画、立案、推進に貢献すべく、役職員一丸となって努力してまいりたいと思います。研修についても、同様に努力してまいりたいと思います。有識者会議の皆様方には、引き続き御指導いただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○今村主査

 どうもありがとうございました。次に、法人所管課にお願いします。

 

○労政担当参事官

 本日は御熱心な御審議をいただき、かつ貴重な御示唆を賜り、ありがとうございました。労働政策は現在いろいろな課題が振ってきていて、必死に対応しているところなのですが、そのための研究の重要性について改めて実感いたしました。先生方の御指摘を踏まえると、研究と研修に、もっとより深みを加えよという御示唆かなと思います。同時に、より分かりやすく、その成果、機能等を説明するという重要性も、今の御審議で痛感いたしましたので、重要な糧として、今後の業務運営に所管課としても配慮していきたいと思います。大変、どうもありがとうございました。

 

○今村主査

 どうもありがとうございました。今、既に御発言いただきましたが、法人所管課におかれましては、構成員の皆様から本日頂いた御意見等を踏まえて、評価書の内容の修正等について御検討いただき、内容の最終的な確定をよろしくお願いいたします。それでは、事務局から今後の流れと、次回の開催の連絡をお願いします。

 

○政策評価官

 今後の流れですが、本日御議論いただいた労働政策研究・研修機構の平成26年度業務実績評価については、この後、本WGが受ける御意見や法人の監事及び理事長のコメント等を踏まえて、厚生労働大臣による評価として決定し、その評価結果について、法人に通知するとともに公表いたします。決定した内容については、後日、構成員の皆様にもお送りいたします。次回は、728日の火曜日の10時からを予定しております。場所はこちらではなく、中央労働委員会の7階講堂です。議題は、勤労者退職金共済機構の平成26年度業務実績評価について、御意見を賜ります。最後に、本日も資料が大部ですので、御送付を御希望の場合には、机上に置いたままにしていただき、事務局から送付させていただきます。事務局からは以上です。

 

○今村主査

 それでは、以上とさせていただきます。長時間にわたり、大変熱い議論をいただきましてありがとうございました。明日も、また猛暑かと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。お疲れさまでございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 独立行政法人評価に関する有識者会議 労働WG(第3回) 議事録(2015年7月27日)

ページの先頭へ戻る