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2015年4月17日 平成27年度第1回管理濃度等検討会議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課環境改善室

○日時

平成27年4月17日(金) 13:30~15:08


○場所

経済産業省別館 各省庁共用104会議室


○議題

リフラクトリーセラミックファイバーに関する管理濃度、測定方法、局所排気装置の性能要件について 等

○議事

○吉澤環境改善室長補佐 本日は大変お忙しい中、御参集いただきましてどうもありがとうございます。定刻になりましたので、ただいまより、平成27年度第1回管理濃度等検討会を開催させていただきます。

 本日は、明星委員が大学の都合で御欠席であり、また、大前委員が若干遅れているようです。また、前回から事務局に人事異動があり、環境改善室長補佐が大淵から私、吉澤に代わっております。また、化学物質評価室から出席している室長補佐が岸から平川に、化学物質情報管理官が高村から北村に代わっておりますことを御報告させていただきます。

 はじめに、本日の議題と資料の確認を行います。お配りしている資料の会議次第にありますとおり、議題1として「平成26年度第2回検討会の検討結果について」、議題2として、化学物質の管理濃度等の検討として前回に引き続きリフラクトリーセラミックファイバーに関する管理濃度、測定方法及び局所排気装置の性能要件について御議論を頂きます。議題3として「その他」です。

 続いて配布資料一覧です。資料1-1から資料1-8まであります。資料1-1が「平成26年度第2回管理濃度等検討会の検討結果について」、資料1-2が「平成26年度末~平成27年度の管理濃度等の設定・見直しの検討について」、資料1-3が、前回の資料1-4であった検討対象物質の概要について、リフラクトリーセラミックファイバーの部分だけを抜き出したものです。資料1-4が「リフラクトリーセラミックファイバーの管理濃度、測定方法及び局所排気装置の性能要件()」ですが、これは前回の資料1-5の抜粋です。資料1-5は「詳細リスク評価書」ですが、前回の資料1-6のリフラクトリーセラミックファイバーの部分です。資料1-6として、セラミックファイバー工業会様から御提出いただきました「委員照会事項についての回答」ですが、この資料は著作権等の関係から机上配布のみとさせていただいております。資料1-7は、名古屋委員から前回御提出いただきました「F-1Kを用いたRCF取扱い作業現場の簡易測定法」です。資料1-8として、小西委員から御提出いただきました「リフラクトリーセラミックファイバーの測定についての提案」です。

 さらに参考資料1-1として、本検討会の開催要綱及び名簿です。参考資料1-2からは、前回の資料の再掲で、著作権等の関係から一部は机上配布のみとさせていただいております。参考資料1-2は、前回の参考資料2-2の「管理濃度・抑制濃度等一覧」です。参考資料1-3は、前回、参考資料2-3であったリフラクトリーセラミックファイバーのACGIH提案理由書です。参考資料1-4は、前回、参考資料2-4であったリフラクトリーセラミックファイバーのEC科学委員会の提案理由書です。参考資料1-5は、前回、やはり参考資料2-5であったセラミックファイバー工業会提出の米国労働省職業安全衛生次官補のレターの翻訳です。参考資料1-6が、前回、資料2-8として提出されていた「セラミックファイバー工業会の管理濃度等への意見書」です。また、当日提出資料として、資料1-4の参考を机上配布しております。また、セラミックファイバー工業会様から追加で英文資料の提出がありましたが、委員のみへの配布とさせていただいております。本資料については、後ほど工業会様から御説明いただきます。資料の不足等はありませんでしょうか。

 以降の進行については、櫻井座長にお願いいたします。

○櫻井座長 本日の議題に入ります。議事1からスタートする予定でしたが、その中でも特に管理濃度の数値を決定するところについて、大前委員の意見も伺いたいと思っておりましたので。20分ほど遅れて来られるというようです。

○濱本環境改善室長 先に、議題1の前回の確認を頂きまして、その次に議題2でリフラクトリーセラミックファイバーの管理濃度等に入っていただく予定です。その際に大前先生がもし遅れられるようでしたら、検討の順番をまたお考えいただきたいと思います。

○櫻井座長 分かりました。議題1は「平成26年度第2回検討会の検討結果について」です。事務局から説明をお願いいたします。

○濱本環境改善室長 前回、平成26年度第2回管理濃度等検討会の検討結果について御報告いたします。資料1-1を御覧ください。前回は317日に開催させていただきました。前回の議事で、まず1番目は平成26年度第1回検討会での検討結果について御報告させていただき、特に委員からの追加の御意見等はありませんでした。

2番目は「管理濃度の設定方法の見直しについて」ということで、事務局から管理濃度の設定方法の見直し()を提案させていただきました。見直しのポイントについては、管理濃度に関しては日本産業衛生学会の許容濃度及び、米国産業衛生専門家会議のばく露限界値を指針として、専門家による検討を踏まえて設定するとされており、今後ともこの原則は変えないということです。ただし、これら以外の職業ばく露限度であって、設定プロセスが明確であり、かつ、科学的根拠により提案が出されているものが存在して、これを活用することが適当な場合、例えば産衛学会等の許容濃度の勧告がかなり以前であるもの、新しい根拠が他のこういった提案された資料であるようなもののような場合については、これらに加えて、その値も参考とすることができるということで提案させていただき、委員の了承を得ております。また、委員のほうから、管理濃度等の設定の際には、事業場における工学的対策についても考慮すべきとの意見がありました。

3番目は「個別物質の管理濃度等の検討」ということで、まずナフタレンです。ナフタレンは新規設定ですが、ナフタレンに関して許容濃度等を御審議いただきまして、(1)管理濃度のところにありますが、管理濃度に関してはACGIHのばく露限界を踏まえて10ppmとすることが適当とされました。また、(2)ですが、測定方法に関しては、次のページにありますが、試料採取方法としては固体補集方法、分析方法としてはガスクロマトグラフ分析方法が適当であるとされました。(3)局所排気装置の性能要件・稼働要件ですが、これに関しては、抑制濃度により設定することとし、管理濃度と同じ10ppmが適当とされました。それから、リフラクトリーセラミックファイバーの検討ですが、これについては、その内容について事務局から御説明させていただいた後に、セラミックファイバー工業会様から意見等について御説明がありました。本日の参考資料1-6に付けておりますが、御意見が提出され、その御説明を頂きました。その際に、御意見の中で、いわゆるPCM法ではRCF以外の繊維も含めてカウントしてしまうことへの懸念が出されていましたが、委員から、分散染色法によりRCFのみをカウントすることができるのではないかという意見がありました。これについては、本日、小西委員から関連の追加資料を頂いております。

 また、委員から、同工業会様に対して、以下の事項について追加資料を提出してほしい旨、要望がありました。今回それを受けて、可能なものについて御報告を頂くこととしております。追加資料ということで挙げられましたものが、●が打ってありますが、RCF中の吸引性繊維の割合がどうなっているのか、分かれば示してほしいということ。欧州委員会の提案理由書では、肺機能の追跡調査時(7年間)の個人ばく露濃度が記載されていないが、把握していれば示してほしいということ。欧州の死亡原因調査については、資料公表では2003年が最後であるが、最新のものを把握していれば示してほしいということ。管理濃度を0.2f/cc0.3f/cc0.5f/ccと仮定し、作業環境測定結果の評価を行った場合、それぞれのケースにおいて管理区分の分布がどのようになるかが分かれば示してほしいということでした。これらについては、本日、後ほどセラミックファイバー工業会様から回答等について御説明いただくこととしております。

 簡易測定法については、時間の関係で前回御説明できませんでしたので、今回、測定法の御議論の際に、併せて御説明いただきたいと思っております。以上です。

○櫻井座長 ただいまの御説明に何か御意見、御質問はありますか。

○菅野委員 ナフタレンの測定法なのですが、試料採取方法が固体補集方法になっていますが、これはフィルター付きの固体補集方法だったように思うのです。

○名古屋委員 資料にはちゃんと書いてあるのですが、扱いとしては固体補集にしましょうということですね。

○菅野委員 間違いがなければいいのですが、規則になったときに、ただ単に固体補集方法と書いてあると、フィルターは含まれませんので、というか、含まれないのが普通ですので。

○小西委員 今までも、ほかのもみんなそういう形で取り扱ってきているのではないですか。フィルターを付けるようなものも多分あったと思います。それが全て固体補集という名称だと前も言われていたという、含めて固体補集ということだと思いますが。

○菅野委員 そうですか。それならいいのですが、それはどこで明示されるのかというのが問題です。

○名古屋委員 それは多分、ガイドブックなどが出ていますので、そのときに、ここに書いてありますように、分析法が全部付いてきますから、それを見れば何を使って分析しなさいと分かりますので、それでいいのではないかと考えました。

○菅野委員 分かりました。

○濱本環境改善室長 前回の検討会でも事務局からご説明させていただきましたが、告示である作業環境測定基準においては、固体補集法まで示していると思います。さらに、それの解釈というか中身に関しては、今、名古屋委員がおっしゃったように、ガイドブックや通達などでお示しするような形になると思います。

○菅野委員 分かりました。通達に入っていれば問題ないと思います。

○櫻井座長 ほかにもこういうものは非常に多いですよね。最小限の表現で測定基準には書かれています。ほかに何かありますか。

○中明委員 前回は電車遅延の関係で大幅な遅刻をしてしまって。資料1-1の「見直しのポイント」がありますよね、これは室長が説明していた最後ぐらいに入っていたのだと思うのですが、この「ただし」以下をどういうふうに理解すればいいのか。これら以外の職業ばく露限度であって、設定プロセスが明確であり、かつ、科学的根拠により提案がなされているものが存在した場合には参考にしましょうというようなことですよね。

○濱本環境改善室長 そうですね。

○中明委員 具体的にはどういうプロセスを踏むのですか。

○濱本環境改善室長 実は今回、リフラクトリーセラミックファイバーが正にそういったケースになりまして、ACGIHで勧告されているのですが、これがおよそ10年前というか、勧告時期が若干古いものですから、その後、実はEC、欧州委員会で2011年に勧告された数字があります。それについても職業ばく露限度という形で出されていまして、ある程度、科学的根拠により提案がなされているということで、これも評価をしてもいいのではないかということです。今までは産衛学会とACGIHのみという形で運用させていただきましたが、それ以外に、例えばそういった提案が古くて、また新しいものがあれば、それがある程度客観性があって、科学的根拠に基づいたと各委員が御判断いただければ、そういったものも参考にしてもよいのではないかということで、前回提案させていただいたところです。

○中明委員 分かりました。要するに、今回決めようとしているRCFが最初のケースになる可能性があるという話ですね。

○濱本環境改善室長 そうです。

○中明委員 了解しました。ありがとうございました。

○松村委員 ナフタレンですが、前回も現場では固体があるだろうといううことを申しましたが、勧告では一応ppmだけの表示になります。ただし、この勧告では対策までは出ないかと思いますが、特化則や何かの法令に反映される時には、例えば、対策として、呼吸保護具が必要な状況があるかどうか分かりませんが、固体と蒸気が共存していると、使うものが違ってくるようになりますので、対策の面ではちょっと違ってきますので、よろしくお願いしたいと思います。

○櫻井座長 他には特にないですか。それでは資料1-1についてはこのとおりの結果ということで承認していただきました。

○濱本環境改善室長 ありがとうございます。

○櫻井座長 次に進みます。先ほども少し申しましたが、議題としては、個別物質の管理濃度等の検討に入りますが、それに関する管理濃度についての議論を後回しにして、測定方法について先に議論をしていただきたいと思います。まず最初に事務局のほうから御説明を頂くわけですが、それはもう決まっていますね。前回、まず最初に名古屋委員に御説明いただく予定だったのが延びて、今回になってしまいましたので、まず初めに、名古屋委員から簡易測定法について御説明を受け、続いて、小西委員からリフラクトリーセラミックファイバーの測定における分散染色法についての御説明も頂いてから議論していただきたいと思います。名古屋委員、よろしくお願いします。

○名古屋委員 資料1-7です。リフラクトリーセラミックスはファイバーですので、もともとアスベストを測る測定器ファイバーエアモニターがあります。ここではF-1Kと言いますが、これは柴田科学さんのものを使いましたが、こういう形のものが現場で使えると、比較的、粉じんで言うと相対濃度計と同じような形で取り扱えるのではないかということで基礎的な研究をいたしました。あとは現場測定をしまして、それを踏まえて、こういう形で簡易測定が可能ではないかということを報告しようと思います。

3ページを見ていただくと分かりますが、基本となるRCFの測定の結果と、チャンバー実験をしています。これは日本作業環境測定協会のクロスチェックの中の判定基準がありますが、50視野の中でプラスマイナス20%に入ることとあります。そこを見てみますと、1メーカーさんのデータですが、基本になるところはFAMPCMで見た時に、顕微鏡で見た時に、その間に入っているから、ある意味で相関性が取れているのだろうと。

 でもこれは1社でしたので、そこで次に5ページですが、一応、業界に8社ありますので、8社のRCFをもらって、そこで8社について同じような実験を、チャンバーで薄い濃度と濃い濃度をやってみました。そこでもプラスマイナス20%の中に入って、相関性が良いことが分かりました。これを現場に持っていったら、現場で使えるのではないかという形のものでFAM等を持っていきました。

 現場で何をしたかというと、7ページですが、ここでは加工作業場1と加工作業場2がありますが、12345と測定点を取り、ここでPCMFAMF-1Kのデータを併行測定しまして、PCMで求めた作業環境管理と、F-1Kで求めた作業環境管理の中で整合性が取れているかどうかという形の測定をしてみました。

1例が8ページに書いてあります。加工作業場1の所で見ていくと、F-1Kの値とPCMで計算してみますと、F-1Kで見てみると管理区分1なのですが、PCMでは管理区分2という形で、比較的低い値にF-1Kは設定してしまう部分があるのではないかということです。ただ、相関性を見てくると、その中にありますが、ではこれをどういうふうにして加工したらいいかということで、1つ考えましたのは、粉じんの場合も相対濃度計を使った場合、併行測定値でK値を求めることがあったものですから、ここでもそのことを考えて、PCMF-1Kで測ったときのF-1Kのある測定点のバックアップフィルター、当然、センサーを通ってきて、デジタルで表示する部分と、繊維状物質をバックアップフィルターで取りますので、そのバックアップフィルターの数を読んで、そこで10ページにF値と書いてありますが、バックアップフィルターで集めて、本来的に粉じんで言うと換算係数がK値になりますが、ここで言うとF値と私は書きました。要するに、そういう繊維数濃度変換係数F値を求めて、そのF-1Kのところに掛けることによってPCMとどういう相関性が出てくるかということを研究してみました。そうすると、10ページの表4-3にありますように、併行測定も併行測定点によって若干K値が変わってきますが、F-1Kの場合もPCMの場合も、作業点が5点ありましたが、測定点2と測定点5についてやってみました。バックアップフィルターを付けてF値を求めて掛けてみると、PCMとそれほど大きな相違がない。要するに、Mを見ても分かりますように、F-1Kの場合が、F-1Kだけでは0.039だったのが、補正することによって0.047、もう1つの場合は0.048という例で、PCM0.051ですから、管理濃度も1だったものが2になるという形で、変換係数を求めておけば、ある程度F-1Kが、そういう作業環境管理では使えるのではないかということが第1工場と第2工場で分かりましたので、このような形で使ってみたらどうでしょうかということを報告したということです。

 最後に14ページは、詳しくは書ききれなかったので、今後こういう作業場を増やしてと書いたのですが、少しだけ説明しますと、今後何をしたいかというのは、例えば、F-1Kのファイバーエアモニターというのは、今回は1社でしたが、市販されているものは4社ありますので、残り3社についてこうしたものがうまくいくのかどうか、これは小西委員に後で聞ければいいと思いますが、一番FAMを使っていらっしゃいますので、そういう形のものが使えるのかどうか。多分、単品でやるともしかしたらずれるのかもしれませんが、F値を用いることによって使えるのではないかと思います。

 今回の場合はF-1Kはアスベストの較正したものを使っていましたが、できたらこれ以降についてはF-1Kをセラミックファイバーで較正したものを使っていくと、より範囲が狭まってくるのではないかと思います。その研究をしたいということです。

 もう1つは、F-1Kのファイバーエアモニターの使い方の1つとして、先ほどもありましたように、多分、RCFとその他の繊維が混在しているところへ持っていった時に、まずF-1Kで測定してみて、F値を求めて較正した値を測定し、第1管理区分になった時、標準値が0.2になるか分かりませんが、一応、第2評価値が0.2ですので、そこで評価した時に、第1区分だったらそれはそのままでいいでしょうと。もしかして第2、第3管理区分になったときには、多分、RCFプラスほかの繊維を計測しているので過剰評価している部分があります。これから小西委員が発表すると思いますが、その時に初めて、バックアップフィルターを、分散染色を見てきて、RCFに固定して、そこを換算係数で換算することによってできるのではないかということです。要するに、一次で第1管理区分の評価だといいのですが、もし第2や第3管理区分になった時には、そのバックアップフィルターを分散染色で見ていって、RCFに換算していくことによって使えるのではないかということです。ここはまだちょっと検討しておりませんでしたので、そのところについてこれから近々、早い時期にそういうことをして、現場で使っていただければと思います。ある程度PCMでやることもいいのですが、PCMで測定してF値を求めるというところは、きちんと測定士さんがやらなければいけませんが、この場合はすぐリアルタイムに見られますので、対策をしたところがすぐ出ますし、比較的どなたがやっても使えるのではないかということで、1つ簡易測定法としてF-1Kを用いた方法を報告いたします。以上です。

○櫻井座長 続いて小西委員お願いします。

○小西委員 資料1-8を御覧ください。今、名古屋委員からいろいろ御説明がありましたけれども、それも引っくるめて提案という形で取りまとめました。基本的な測定方法はアスベストと同じで、セルローズエステルのプレインのメンブランフィルターをろ過材として、毎分1Lの吸引速でA測定は継続20分以上、B測定は10分間のろ過捕集をします。この継続20分以上と、B測定の10分間、これを継続20分以上としているのは、今は石綿がそういう形になっています。これは、後で管理濃度が決まれば、多少そこの数字は変わってくると思います。一応20分以上としているのは、管理濃度が決まったらそれの10分の1までということを念頭に置くと、20分以上という必要が出てくるのではないかということです。

 これはアスベストと同じで、サンプリング後のフィルターを、アセトンで透明化処理をして、トリアセチンを浸液として滴下して、位相差顕微鏡で総合倍率400倍で計数して、いわゆる浮遊性粉じん、吸引性の繊維として、アスベストと同じで長さ5μm以上、幅3μm未満、アスペクト比3以上の繊維状物質を対象繊維として、50視野について計数分析を行います。

 この方法でやったときに、A測定の定量下限は0.0155f/cm3B測定は0.031f/cm3になります。

 これで、各点から得られた繊維数濃度から、従来の評価の方法に基づいて決まった管理濃度で管理区分を決定します。ただ、ここでの問題点は名古屋委員からお話がありましたとおり、この方法で得られた濃度は、必ずしもRCFのファイバーだけではない、それ以外の繊維も含んだ総繊維数濃度、これは石綿の場合もそうなのですが、そういうことなので一致しないということです。

 それを解決する方法として、現状アスベストで作業環境測定としてやられているのは、アスベスト取扱い作業場ということですから、そこで発生している粉じんで長さ5ミクロン以上等の形態にはまる繊維は全てアスベストとみなして管理をしているのが今の現状です。ですから、RCFもそういう場所での測定ということであれば、みなして管理するのも1つの方法かと思います。この場合は他の繊維が入っていたとすると、やや安全側の管理になるだろうということです。

 次のページは、RCFの繊維に限定した方法です。サンプリング方法は全く同じですけれども、サンプリングが終わった後に、アセトンでフィルターを透明化処理した後、低温灰化装置でフィルターを焼却し、そのリフラクトリーセラミックファイバーの屈折率と同等の浸液、多分屈折率は1.53から1.54ぐらいだと思いますが、それを滴下し、位相差・分散顕微鏡あるいは位相差・偏光顕微鏡で、40倍の分散対物レンズを使用し、総合倍率400倍で、いわゆる鋭敏分散色を示した繊維であって、なおかつ長さ5ミクロン以上、幅3μm未満、アスペクト比3以上の繊維状物質を、リフラクトリーセラミックファイバーとして計数するという方法です。計算式等については、先ほどのものと同じです。

 ただ、この分散色を出すための浸液をどうするかという問題があります。基本的にはその現場で使用されているサンプルをまず採取し、それであらかじめ屈折率を調べておくということであれば、間違いないだろうということだと思います。問題点としては、各点のフィルターを全てやる場合には低温灰化するということで大変時間がかかるということです。その解決法としては、透明化処理をした後、1と同様にまず総繊維数を計数する。これは、浸液を掛けなくても、そのままの状態でも位相差顕微鏡で繊維の計数が可能です。

 それで計数した後に、もし管理濃度を超える可能性がある場合だけ、今のような分散染色法の方法で、RCFの濃度を求めることも可能かと思います。それをやるときに、全てのところを全部数えなければいけないか。50視野全部のサンプルを数えるのかということがあります。※3に目安を書いておきました。こういう条件でやった場合に、例えば管理濃度を0.2f/cm3とした場合に、A測定は2視野数えたときに、2本以上の繊維の本数があれば管理濃度を超えます、ということの目安になるということで、50視野数えなくてもできる。それが、同じように0.3の場合、0.5の場合ということで、目安の本数を書いています。B測定の場合は吸引量が違いますので、例えば0.2の場合には3視野で1本以上存在していれば、管理濃度を超えますということですから、視野を3つだけ数えてやれば、超えるか超えないかが分かります。もし超えるということであれば、そのサンプルに灰化していますから、同等の屈折率の浸液を掛けて、分散染色法で計数してやるということでやれば、大分手間が省けるのではないかということです。

3番目は名古屋委員から説明されたものです。サンプリング方法としては、先ほどの測定法と同じように、A測定点で継続20分以上、B測定で10分間の測定をして、濃度を記録するということです。これは直読式ですので、数字がすぐに出てまいります。これも普通の位相差顕微鏡と同じように、何回も申し上げますがこれは総繊維数であって、必ずしもRCFの繊維の濃度とはイコールにはならないということです。それを解決する方法としては、この計測機を使う場合には、どこか1か所で併行測定をやることで、それから出る先ほど説明のあったような換算計数を求め、それを各点のセラミックファイバー濃度に掛け算をして濃度に変換する方法があります。

 もう1つは、表示濃度が管理濃度(E)を超えた場合に、その中の全てのバックアップフィルターを2の方法で分析し、そのリフラクトリーセラミックファイバーの濃度を求める方法があります。もう1点は、繊維状粒子の計測機のバックアップフィルターを2のほうで1台のもの。これは、粉じんの併行測定でもよくやられていますが、一番平均的な濃度が得られている測定点に近いものを選択し、それを分散染色法で分析し、換算計数を求め、それを使うような方法が考えられるのではないか。

 次のページは、分散染色法の具体的な方法ということで、どのようにやるかを記載したものです。実際に分散染色法でやるということであれば、もう少し詳しく書かなければいけないのかもしれませんが、透明化処理をして、その後に灰化処理をする。出力の条件の例を丸数字3の下に書いてあります。やはり、時間が結構かかることは事実です。灰化処理したものを、まず位相差顕微鏡を使用し、400倍で見て、これは有機質は燃えてしまいますので、無機質の総繊維数をランダムに50視野計数する。ここで、管理濃度を超えるか超えないかは、ある程度分かるのだろうと思います。その後、分散染色法の試料にするために、屈折率に対応した浸液を23滴滴下し、カバーグラスを掛けてサンプリングします。

 下のほうの※1で、その無機質を全部数えるかというと、これは必ずしも必要としないので、必要な場合にやればいいということです。リフラクトリーセラミックファイバーの屈折率は、1.53から1.54ぐらいだろうと思われますが、先ほど申しましたように、具体的には使用しているファイバーをもらってきて、的確な浸液を選択することが必要だろう。これはアスベストと違い、それは可能だろうと思います。もう1つはカーギルオイルの温度管理が必要になってきます。次のページは、その濃度に対応した計算式と定量下限の計算式と、それを示したものです。

 次に分散色の例ということで写真を掲載しておきました。これは、私の手元にあったファイバーを使いました。最初はイソウールで、これは100倍です。上のグリーンのほうが位相差顕微鏡像です。これは、屈折率は大体1.536ぐらいだったので、その分散の写真で、ファイバーはきれいに分散色を示しています。

 次のページは、私どもの協会で出しているセラミックファイバーの標準です。2種類ありますので、その2種類の写真です。これは、トレアセチンを浸液として、位相差顕微鏡で見たものが上の段、位相差・分散顕微鏡で見たものが下の段です。これは、屈折率が1.54です。次のページは、RF1ではなくて、RF2です。でも、同じように屈折率は大体1.540ということですので、このようにきれいに分散色を示します。

4番目は、イソウールです。先日の会議の後、いろいろお話を聞いていたら、RCFと混ぜる可能性のあるものにロックウールがあるかもしれないということでした。イソウールにロックウールも混ぜたものを調べてみようということで見たものです。一番最初に、イソライト工業のイソウールだけを、フィルターに捕集したものでちゃんとできるかどうかを見たのが4番です。フィルターに捕集したものを、上は規定の400倍ですけれども、このような状態で見えたものを、低温灰化装置で処理したものを、今度は分散で見たものです。下は100倍です。繊維が細かくなってしまうのでこういう形にしておりますけれども、100倍でも、ちゃんと分散色は確認できます。

 次は400倍です。ちょっと写真のコントラストが悪いのですが、屈折率1.536でやると、きちんと分散色は出ております。次のページで、イソウールにロックウールを混ぜたものが5番です。上は位相差顕微鏡400倍の写真です。下は、フィルターでサンプリングしたものです。下は、灰化処理をした後に分散を見たものです。これは100倍ですけれども、この中で小さい赤い線が見えているのがRCFです。黄色い繊維がロックウールです。ですから、ロックウールとはきちんと区別が付くということです。

 それの400倍の写真が次です。ちょっとコントラストが悪いのですが、黄色く太く見えているのはロックウールです。その他にレッドパープルの繊維がRCFです。ロックウールと混ざっても区別は付きます。

 測定方法としてはこんなことが考えられるということで、どれが一番適切かについては御議論いただければと思います。以上です。

○櫻井座長 お二方から御説明を頂きました。測定法についての協議に入ります。事務局案としては資料1-4を、前回既に示されています。測定方法案として、ろ過捕集方法、計数方法が出ております。本日、名古屋委員から御説明のあった簡易測定法、小西委員から御説明のあった分散染色法等を踏まえて御協議をお願いします。

○菅野委員 粉じん計のことですけれども、デジタル粉じん計では粒径がある範囲の所の感度が高くなっています。繊維を測定する機械は、感度に繊維の直径の依存性はありますか。

○小西委員 基本的にはメーカーは4つあります。大体そこのところは同じだと思うのです。基本的な原理は粉じん計と同じです。いわゆるレーザー光を当てて、パルスが出てきたときに、アスペクト比を持つとか長さだとか、それの条件でそれに合うパルスのものだけを拾うような形で、アスペクト比を持たない粉じんだとか、そういうものについては全部カットしてしまっています。パルスの所でカットするという形でできているのが、このファイバーモニターという粉じん計です。ですから、そのカットしないものと、カットしてファイバーだけを表すように、両方同時に数値を出すモニターもあります。

○菅野委員 お伺いしたかったのは、粉じん計だと、1μmから0.1μmぐらいのところを測っていると思うのです。繊維のときには、どのぐらいの太さのものを測っているのですか。

○小西委員 条件としては、3μm未満という太さに対応するように調整していると考えてください。長さについては、それぞれの機械でミニマムの長さはどこまで検出できるかというのは、機器によってみんな違います。

○菅野委員 大雑把にいうとどのぐらいでしょうか。

○小西委員 手元に資料がないのですが、長さとしては0.2μmぐらいだったと思います。

○菅野委員 散乱ですとミー散乱ですよね。

○小西委員 そうです。

○菅野委員 そうすると太いものについては、測定間隔が有るのではないかと思ったのですが、その点はいかがでしょうか。

○小西委員 それぞれの出力と、使っているレーザー光によっても違うと思うのです。計測そのものが、長さを測定する時にここを測ってはいないのです。必ずこの横の長さとこれが計測できるような形にして、ファイバーを全部そういう形で計測できるように、50電極の所で置き換えた状態のものを計測する形になっているので、それできちんと計測できるのだと思います。

○名古屋委員 磁場を掛けて、磁場の中で動かして真っ直ぐして取るようになっています。

○菅野委員 繊維径に対して感度は一様なのでしょうか。

○小西委員 それは、機械によって違います。どういうことかというと、これは粉じん計も同じなのですけれども、実際に空気が通る面積があります。空気が通る面積に対して、レーザー光を当てます。感度の違いはどこに出てくるかというと、空気を通る面積と、レーザー光が照射する面積が、本当は一致するのが一番です。その空気の所が大きくて、レーザー光の照射面積と違っていると、この周辺の所は推測領域になってしまいます。そこのサイズがメーカーによって違うのです。ですから、その時の精度が違ってくる可能性があります。各メーカーとしては、例えば石綿だったら、同じものでクリソタイルだったら、アモサイトを同時に測れるかというと、形状が違うので必ずしもそうではないのです。それに合わせてキャリブレーションしているということです。

○菅野委員 別の文献で、クリソタイルの繊維径とセラミックファイバーの繊維径は違っていて、クリソタイルは1ミクロン以下といいますか、実際には0.5ミクロン以下ぐらいのものが多いと。セラミックファイバーのほうは、1ミクロンから5ミクロンぐらいのものが多いということになっていたと思います。それは、繊維によって違うと思います。もともと石綿を測るために作られた機械だと思うのですが、それだとデジタル粉じん計の場合は1ミクロン以下ぐらいを測っていて、クリソタイルを測るのであれば、それで一番感度の高い所を使っていることになります。セラミックファイバーが、1μmより大きいのが多いとなると、感度の低い所で測っていると。

○小西委員 そこのところが、メーカーによってはクリソタイルの細い所の繊維を対象にして濃度を計測するものと、例えばアモサイトとか角閃石系の真っ直ぐが多く、あるいはロックウールだとか、そういうものを対象にしてキャリブレーションは変えている機械もあります。それぞれ計測の出力を変えています。

○菅野委員 キャリブレーションを変えているということは、繊維径によって感度が違うということですね。

○名古屋委員 先ほど申し上げたように、アスベスト(クリソタイル)で較正したものでやっているので、できたらセラミックファイバーでちゃんと較正しておいたほうがいいよ、そうすると11になると。そこはやっていないのですけれども。

○小西委員 顕微鏡で計測するものと、機械とは本質的に原理が違うものなのです。

○菅野委員 ですから、別のものを測っているかもしれない。

○小西委員 それは逆に言うと、粉じん計も全く同じことです。それと同じようなことなので、その数値をそのまま採用できるかどうかという問題は、今おっしゃっているとおりなのです。名古屋先生も私も言っているのは、1つには使う機械のキャリブレーションをきちんとしないとできないというか、それは前提に付くことです。どういうキャリブレーションをするかということです。

 もう1つは、それでもなおかつ飛んでくるもの、菅野委員が言われるとおりで、空気中に飛んでくるそれぞれの所で対象が違うと違ってくる可能性があります。そのためには光学顕微鏡との換算計数を取って使ったほうが、より測定は楽だけれども、その計数を取ったほうがいいのではないかというのが提案です。

○菅野委員 私が懸念しているのはそこです。まだ経験が余りないわけですから、初めから簡易の測定法まで認めてしまうと、何かまずいことが起きるかもしれない。ですから、最初は両方ともやって、ある程度信頼性が確保できるようになったら、簡易測定法を認めるほうがよろしいのではないかと思います。

○名古屋委員 流れから言うと、先ほど私が挙げた3つはクリアしたいので、そこをクリアしてからという形です。今提案しているので、ここで初めから否定されたらファイバー5は使えません。そうではなくて、そういうことをやることによって、ちゃんとしたデータを提供したら、これを認めていただきたいというのが私の提案です。

 現場で考えると、PCMでやっているよりは、ある程度簡易測定でできるのだったら、比較的いろいろなことに応用が利きますし、環境管理にも役立てるので、そういう形のものがあってもいいのかなと。粉じん計と同じものがあってもいいのかなと。アスベストだと、いろいろな繊維があって、なかなか較正は難しいのですけれども、ほとんど直径で同じものです。ただ、太さがメーカーによって若干違います。8社やりましたけれども、ほとんど同じ範囲です。若干真っ直ぐなものに対して、わずかに上に行くもの、下に行くものがあります。そうは言ってもばらつきは20%の中に入ってきますから、メーカーの作り方の中で、メーカーによって高いほうに行くものと、低いほうに行くものと若干はありますけれども、ある程度の範囲には入っています。これは、もともと基準になるファイバーをどこで選ぶかによって、そこはもっと縮まってくるので、過去の経過から考えて使えるのではないかと予想しています。

○小西委員 同じように考えると、粉じん計を使えないのかというのはあります。ファイバーだったので、粉じん計と換算計数でできないのかという疑問は残っています。ある部分セラミックファイバーのところは、粉じんの計測対象にもなっているものですから、粉じん計で両方を測れて、セラミックファイバーと換算できれば一番いいのですけれども、そのデータを粉じん計としては、あまり取っていないものですから、そういうのもできて、また併せて検討できればと思います。

○菅野委員 今の説明にはなかったのですが、防耐火実験棟の測定結果。

○小西委員 ごめんなさい。一番最後のページは飛ばしてしまいました。これは、過去に測定したものを参考例としてお出ししたものです。これは、実際に生産しているところではなくて、作られたセラミックファイバーそのものを、大掛かりな耐火の試験をやっているところの、空気中の濃度を測定した例です。一番最後に濃度が書いてありますけれども、これはプラズマを掛けてから位相差顕微鏡で繊維を数えたものが、この無機質の総繊維数濃度と書いてあるところです。それを分散染色でやった場合のセラミックファイバー濃度はこういう状況だったということです。

 データを評価して計算すると、この現場の場合には、全部第3管理区分になってしまいます。どの管理濃度を採用しても、全部第3管理濃度になってしまうというデータが過去にあったものですから、それを計算してみた例です。こういう形で全てをやるときちんとデータを出すことは可能だということで御理解いただければと思います。

○菅野委員 お尋ねしたかったのは、4番と5番の測定結果が、プラズマ処理のみのもののほうが、セラミックファイバー濃度より低くなっています。これは、どういう原因ですか。

○小西委員 すみません、今は手元に元データがありません。これは打ち直しをしたものですから、もう一回確認してみます。

○櫻井座長 それちょっと逆になっていますね。

○小西委員 そうです。すみません、確認してみます。

○松村委員 素人の質問なのですが、浸液の屈折率を変えることにより、検知できる繊維の種類が変わるのかという気がするのですけれども、ここで使っているのは0.15360.1540、それから一番最後のが0.1550です。これは、実際にこの小数点以下2桁目か3桁目の差はどのぐらい感度に影響があるのですか。

○小西委員 多少環境の温度にも関係がありますけれども、基本的にここで言っている分散色、これは石綿なども全てそうなのですが、アメリカのカーギル社のオイルで、25℃でその桁まで保証しています。25℃で使用することが前提です。

○松村委員 小数点3桁までですか。

○小西委員 はい、示している桁までを保証しているオイルです。ただ、一番最後の桁はどうだということになると、それは温度などの条件によって微妙に変わりますけれども、小数点以下3桁ぐらいまででは変わります。

○松村委員 変わりますか。

○小西委員 はい、微妙に変わります。

○松村委員 1.5401.536というのは見え方が違うのですか。

○小西委員 逆に言うと、1.540RF1RF2というのは分散色が出ますけれども、1.536でこんな色は出ません。そのぐらい敏感です。一番最後の防耐火のときはそんなことはしないで、1.550と使ったのは、鋭敏色だから使ったのではなくて、ちょうどクリソタイルの調査をやっていたところのコントロールで取っていたものですから、その中にクリソタイルが飛んでいたら困るということで、1.550というのはクリソタイルの屈折率なのです。それでやって、クリソタイルの繊維ではない分散色として、きれいなブルーが出るものですから、それで確認をしたデータです。

○松村委員 そうすると、RCFと言われているものでも、ものによって屈折率が違うということですね。

○小西委員 可能性はあるだろうと思います。それを一律でこの屈折率でいいよとは言えないのです。一般環境大気とは違います。これは、あくまでも製造取扱いをしている現場へ行って測定をすることなので、そこで使われているサンプルをもらってくれば、同じ屈折率の浸液を選ぶことができるということです。細かいところでは、大体150種類ぐらいの浸液があるので、その中の必要なものだけ選べばということだと思います。

○松村委員 結局、その分析しているものがRCF1種類であるということは、現場で使っている原料で確認するのが一番確実ということですか。

○小西委員 そうです。飛んでくる可能性のある使っている対象物で確認するのが正確だと思います。

○松村委員 分かりました。

○櫻井座長 ほかにはよろしいですか。一応関連した各委員から御意見が出ました。それをまとめると、RCFの測定法に関しては、まず事務局案どおり、ろ過捕集方法及び計数方法が適当であるということについては、どなたも御異論ないと思います。それを、まず1つの結論とさせていただきます。

 それから、簡易測定法については、名古屋委員御自身からも、幾つかの検討すべき課題を頂きました。その他、菅野委員からもコメントがありましたので、これについてはまだしばらく検証を重ねた上で、測定法として取り入れるかどうかを判断することにしたいと思います。それでよろしいでしょうか。

(異議なし)

○櫻井座長 それでは、そうさせていただきます。それから、分散染色法については、RCFのみを厳密に測定する場合、分析の前処理として使用できるものとしてはどうかと思いますが、それでよろしいでしょうか。

(異議なし)

○櫻井座長 ありがとうございました。以上、測定法についてはろ過捕集方法及び計数方法が適当であるという結論にしたいと思います。

 次は前に戻り、管理濃度についての検討です。その前に、工業会の方から、前回こちらから出た質問項目等についての御説明をお願いします。こちらの方へ席を替わって、御出席ください。

(工業会席を移動)

○竹中参考人 セラミックファイバー工業会からは、本日、会長の藤井、環境委員長の戸塚、私、幹事の竹中の3人で対応させていただきたいと存じます。前回、317日の検討会の席で御質問が数点ございました。それの回答と、欧州のセラミックファイバー工業会並びにアメリカのセラミックファイバー工業会から、モータリティーに関する2004年以降データが得られましたので、これについて環境委員長の戸塚から御報告させていただきたいと思います。

○戸塚参考人 環境委員長をやっています戸塚と申します。御質問のあった件について御報告させていただきます。まず、RCF中の吸入性繊維の割合ということで、各社で若干異なりますけれども、3マイクロ以下の繊維の割合は本数のパーセントで大体4050%、半数が3マイクロ以下となります。欧州委員会の提案理由書では、肺機能の追跡調査時の個人ばく露濃度が記載されていませんが、把握していれば示して欲しいということで、欧州委員会でポイントにしていたのがMcKayの論文記載だと思いますので、McKayの論文を取り寄せて確認をいたしました。McKayの論文について、委員の方たちには机上配布ということでお配りしているかと思います。

 当該論文は、1987年から1994年までの7年間、それから、その後の2004年までに3年ごとに一度実施したFVCFEV1の肺機能検査の結果を評価しています。ばく露については累積ばく露濃度群で評価されています。当該論文中では、具体的なばく露濃度は記載されていませんでしたが、1990年初頭より個人ばく露濃度は低くなってきているという記載がありました。また2001年の段階で、米国のセラミックファイバー取扱者の個人ばく露濃度の範囲については、以下のとおりとの記載がありました。0.25f/cc未満の方が約79%、0.250.5f/ccの間の方が14%、0.5f/ccを超過した方が7%ということで報告があります。

 続きまして、欧州の死亡原因調査については、資料公表は2003年が最後となっていますが、最新のものを把握していれば示して欲しいということでした。御回答として、ECFIAからの情報では、現在進行中で公表された資料はないということでしたが、その後、資料を頂きまして、訂正記事として本日、2枚を委員の皆様にお配りさせていただいています。これは抜粋という形になりますが、実際にここでは2008年までの死亡調査の結果が挙げられていて、その結果、肺がんの事例と悪性中皮腫について話があります。肺がんについては事例があるのですが、特に有意に高いということではないという報告と、悪性中皮腫については、RCFを取り扱った方たちには見つかっていないという記載があるかと思います。これは昨日頂いたものなので詳細を読み切っていないのですが、そのような御報告になっているかと思います。

 最後に、管理濃度を0.2f/cc0.3f/cc0.5f/ccと仮定し、作業環境測定結果の評価を行った場合、それぞれのケースにおいて管理区分の分布がどのようになるかを示して欲しいということでした。全ての事業場で、まだファイバー濃度で測定というのは行われていないのですが、一応、当工業会関連事業場の作業場について、作業場としてはRCFそのものを製造している作業場、RCFを原料としてボード類などの二次製品を製造している製造場、また、そういったボード類を加工している加工作業場について、測定した線維数濃度の作業環境測定結果について調べさせていただきました。その結果、管理濃度が0.2f/ccの場合は、管理区分1の作業場割合が40%、0.3f/ccの場合は54%、0.5f/ccの場合は55%となっています。御質問に対する照会事項の回答は以上です。

○櫻井座長 それでは、委員のほうから御質問等がありましたら、どうぞ。

○大前委員 McKayさんの論文を読ませていただきまして、EC委員会の報告の中身は正しいと思います。また、McKayさんの論文で引用している2つの論文も読ませていただきましたが、この論文で言われていることは妥当だろうと思います。ところが、問題は、今回の回答にもあるように累積濃度の数字が示されていないのです。コホートの一番最初のベースラインスタディのところでは差が出ているというのが、5番の論文で、そのコホートが今回の論文なのですが、5番の論文で差が出ているのはなぜなのかというところが分からない。確かにコホートをやるとそれぞれの群の減り具合は同じなので、この間のdeclineはみんな同じで、3つのカテゴリーでも同じだから差はないというのは正しいと思いますが、では一番最初の差は何だったのかという説明ができないですね。したがって、この7年間のdeclineがなかったから0.3f/ccだという、そこがなかなか理解できないです。

 それと、今ありましたように多分、この7年間はどんどんばく露レベルが減っていると思います。減っているからこそ肺機能のdeclineも、そんなに差がなくなってきているという解釈もできないことはないわけです。ということなので、このECの話から、0.3f/ccと書いてあるところがなかなか理解しにくいところだと思います。個人ばく露濃度が書いてあればもう少し理解できたと思いますが、この7年間の個人ばく露濃度も書いていないですし、その前の濃度も書いてなくて分からないわけですから、この7年間のdeclineが同じだから3番目の濃度でも大丈夫だというのが、なかなか納得し難いというのが私の感想です。

○戸塚参考人 私どもからは、その論文に関しては特に何のコメントもできませんので。

○大前委員 このECの中身で書いてあることは間違っていないですし、それは全然誤りでも何でもないのですが、一番最初のベースラインスタディのときの差は5番の論文ではちゃんとあると書いてあり、そこのところをどう解釈するかは、この7年間の追跡の話からでは理解し難いということです。

○戸塚参考人 7年間の追跡と言っても、最終的には17年間の追跡です。それの中でということですね。

○大前委員 ええ。要するに追跡の中で減り方は変わらなかった。年をとれば減りますからそれもありますけれども、減り方は3群で変わらなかったというのはそのとおりだと思います。論文でもそう書いてありますし、ECのでもそのように解釈していますけれども、一番最初のベースラインの所、一番最初の調査の段階であった差が、そのままずっと行っているわけです。ほとんど差がある状態で同じように下がっているということなので、同じように下がっていることに関してはそのとおりだと思いますが、一番最初の差は何だったのかを考えてみると、このMcKayさんの論文から0.3f/ccを理解するのはなかなか難しい。

○櫻井座長 本当に非常に難解な論文ですね。

○大前委員 そうですね。

○櫻井座長 一番最初にあったポジティブな差について、仮説としては3つぐらい挙げている。1つは高齢になって肺機能が落ちるのがリニアではない。それは事実ですね。ただ、最初に差があったというのを調べたとき、年齢の補正をしていないはずはないのです。年齢の補正はしているはずですし、通常は年齢補正しますよね。

○大前委員 年齢と身長は通常します。これは補正式が書いていないのでどういう補正式を使ったのか分からないのですが、通常、パーセントで表す場合は年齢と身長の補正が掛かっているはずなのです。

○櫻井座長 補正するわけで、その中に年齢に応じて肺機能が下がる方がリニアではないということが、組み込まれていないということはないですよね。

○大前委員 ないですね。

○櫻井座長 それは、トータルのノーマルな人のデータから出しているわけですから、年齢によっては説明しにくいだろうなと思います。あと2つの仮説は体重と喫煙ですね。

○大前委員 喫煙ですね。

○櫻井座長 それは補正していない。それを全て補正すると差がなくなるという論文です。それが分かりやすい形で示されていないのです。だから一番最初にあった違いというのが、その前の比較的高濃度ばく露の影響であった可能性は残っている。

○大前委員 そうですね。

○櫻井座長 それもどこか1か所で書いてある。それは否定できないと。ただ、それはかなりひどい高濃度ばく露ではなかったかと思います。

○大前委員 今の話に追加になりますが、予測式を使ってパーセントを出しているはずですし、その予測式を作るときの集団は若い集団が比較的多いので、両端の老人若しくは若いほうに行くと少し予測式から外れてくる確率が多くなるのです。だからコホートで追い駆ければ追い駆けるほど、年をとると予測式から外れてくる可能性が大きい。そのことが多分、この現状だと思います。

○櫻井座長 なるほど。

○大前委員 McKayさんの論文のTable1は、at last test dateですから最後に呼吸機能を測った日のことが書いてありますけれども、それの濃度別で、縦軸の一番下がMean FVCMean FEV1とあります。これは呼吸機能の平均値です。これを見ると濃度が高い。累積濃度が高いほうが低くなっている。例えば一番下がMean FEV1(1秒量)ですけれども、これが15以下だと95.615-60だと92.660以上だと90という形で、5%くらい60以上の人が下がっているけれども、これは今申し上げたように、濃度が高い人はばく露年数が長い。すなわち年齢が高くなっていくし年齢によって値が悪くなるから、この差が見えてくるのだという点は正しいと思います。体重も同じです。喫煙も当然正しいと思います。年をとれば喫煙量が多くなりますから、それも正しいと思います。そこまでは全部正しいと思いますが、一番最初の差は何だったのか。今、櫻井座長がおっしゃったように、恐らくもっと前は濃度が高かったと思います。その濃度の高かったのが一番最初の調査のときに影響しているのだろうと思います。そこの差がずっときているわけです。だから彼らは一番最初のデータに有意な差があって、それは前のばく露だろうけれども、それから717年間ですか、ずっと追い駆けてきて下がり方に差がないのだから、この間の濃度はいいだろうと言っているのはいいのですが、この間の濃度がみんな累積濃度なのです。ばく露濃度が書いていない。計算すると0.3f/ccでしたか、ECのほうで計算すると0.3f/ccという数字が出てきています。

○竹中参考人 最終的に計算して0.3f/ccという値にしています。

○大前委員 そうですね。

○櫻井座長 45年で計算している。

○大前委員 それも非常に不思議なのです。

○櫻井座長 掛ける12540540で割っているのです。ただ、安全サイドになるわけですが。

○大前委員 安全サイドになるとは思うんですけどね。

○櫻井座長 そう思いますけどね。こういうふうに長くなればなるほど安全サイドにいくわけです。長い濃度で計算していますから。

○戸塚参考人 McKayさんの論文ですが、Figure1で年齢ごとに分けて濃度レベルとの比較をしているのが、肺機能のFEVFVCのもの、これで見ても一様に濃度が高い。

○大前委員 一様ではないですね。

○戸塚参考人 そうなのです。

○大前委員 この絵でバーがあり、このバーはSESDか書いてあると思いますが、このバーの重なっていない所が有意なのです。例えばAの図にあるAge30の一番左側の15未満のところ、低いほうから順番に3本並んでいて、15未満のところと15-60のところの範囲のバーが重なっていないですね。これは有意なのです。Age30の場合の真ん中の15-16の群は有意に下がっている。次のAge4015未満と60以上のところが同じように重なっていないから、15未満と60以上では有意な差がある。ところが、その次のAge50Age60になると全部重なっているので差がなくなっていますね。

○戸塚参考人 それは分かるのですが、Age30で、もし濃度レベルが高いほうが影響があるのであれば、累積ばく露量が多いほうが落ちているはずなのに、そうではないですね。

○大前委員 そうです。だから、これは今、戸塚さんがおっしゃったように一定の傾向はないのです。

○戸塚参考人 そうですね。

○大前委員 この間ではそうです。だからトータルしてみても同じように、次の絵もそうです。Figure2ですか、この3本のグラフはそれぞれの濃度ごとのグラフですが、下がり方はほとんど同じです。もちろん全く平行ではないですが、ほとんど変わっていません。それは正しいのです。そこのところについては全然間違っているわけではないのですが、先ほど申し上げたように、一番最初の差がある濃度が分からないということです。今、櫻井座長がおっしゃいましたが、この間の濃度で60から0.3f/ccに計算して濃度を出せば安全方向だと思いますが、累積濃度60以上というのが濃度に差があるわけで、昔の濃度は当然、寄与率は大きいし、最近のでは濃度が低いから60の中でも少なくしか寄与していません。だから、そこのところもどうやって測ったのか。累積濃度が測れたということは前のデータもあるはずではないかと思います。そういうばく露濃度が書いてあると分かりやすいのですけれども。

○櫻井座長 そう書いてくれれば非常に分かりやすいのです。

○大前委員 累積濃度しか書いてないので、なかなか理解し難いところです。この間、お願いしたのは、ばく露濃度が書いてないか、ばく露濃度のデータがないかという質問ですけれども、このMcKayさんの中にばく露濃度は入っていない。平均ばく露濃度が入っていてくれると非常に分かりやすいのです。60から先ほどの0.3f/ccに持ってきた計算が、どちらかというと安全側のほうにいるのだろうなと思います。

○櫻井座長 私もそうは思いました。この論文自体はいろいろとまだ情報が不十分だと思わざるを得ないけれども、それを考慮した上で、この欧州委員会の科学委員会は採用したと見てもいいかなと思っています。参考資料1-419ページの図1で、Maxim2008年、時間加重平均濃度はこれくらいだったというのを出していますね。製造工場および顧客による取扱い作業場、そうすると時間加重平均濃度が、これですと1993年頃までは非常に高くて、その後、0.3f/ccぐらいのところに落ち着いているというデータも見ますと、恐らく一番最初に把握された影響が、もしセラミックファイバーによるものだとしても、濃度は相当高かったのだろうと考えて、科学委員会は、これを全部平均して出していますから月数で割っているのです。だから安全サイドだろうと私は考えています。ほかに何か、いかがでしょうか。

ACGIH1999年に勧告して、2000年に確定したわけですが、引用した論文が1998年ぐらいまでです。その後、十数年たっていますので、その間に出た幾つかの論文が欧州委員会のほうでは考慮されているということもあります。特に重要なのは2003年でしたか、死亡統計の疫学的な研究で、がんによる過剰死亡が認められないというネガティブな報告が1つありました。これは非常に重要だろうと考えたのですが、その後、更に丁寧に調べているに違いないので、アメリカ又はヨーロッパでその結果がないのか前回質問したわけです。ヨーロッパのほうでは、今、検討中だというお話で、今日、出していただいたのばアメリカのほうですか。

○戸塚参考人 そうです。

○櫻井座長 これも、これだけではよく分からないのですけれども。

○戸塚参考人 そうですね。本文をお渡しすればよかったですが。

○櫻井座長 やはり、ネガティブなデータのようですね。

○戸塚参考人 そうですね。

○大前委員 Table3の右側の3つのカラムは、R00.55の場合に予測される数字なのですかね。単純にこれを割ればSMRみたいになるのですかね。

○櫻井座長 そういうことのようですね。

○大前委員 そうすると、これだと有意にはならないですね。

○櫻井座長 有意にならないですね。これは、がんについてですね。

○大前委員 肺がんのほうです。

○櫻井座長 12例見出されているけれども、期待値との差が有意にならないというデータです。ですから、これは2012年に出したものの計算違いを修正したデータですね。

○戸塚参考人 はい、そうです。本当は論文がよかったのでしょうけれども、枚数が多かったのでこれにさせていただきましたが、この表が一番重要かなと思っております。

○櫻井座長 分かりました。

○戸塚参考人 一応、これは2008年までの死亡統計データのようです。

○櫻井座長 2008年までということですね。

○戸塚参考人 はい。

○櫻井座長 これまでで何か、どうでしょう。中明委員、何かございますか。

○中明委員 判断するのは難しいと思います。いずれにせよ体内というか、肺の中に溜まっていく部分が、完全にすぐ出て行かないというところが気になるのです。今、櫻井座長から説明があったように、最初のときのばく露が、結局、そのまま引きずっている感じを受けるのです。そうした場合に本当にそれで、ここで決められるのかどうかというのは、私はちょっと判断できないのです。だから、どっちかと言えば安全サイドで考えざるを得ないというところなのです。

○大前委員 0.3f/ccというのは安全サイドの数字ではあると思います。

○中明委員 そうかもしれません。

○大前委員 0.2f/ccと比べたら0.1は大きいですけれども、0.3f/cc自体も、少なくともこういう過去のこういうデータを見ますと安全サイドだろうなと思います。

○櫻井座長 そうですね。大前委員からもそういう御意見を頂きまして、私も同様なのですが、総合的に考えまして、ACGIHは今から15年前の段階で安全サイドを取って0.2f/ccという数字を出しました。その際、発がんがまだ認められていないけれども、潜伏期のことを考えると心配だということが1つありました。それが一番大きかったと思いますが、その後、2008年の段階でも、まだ明確な発がんの過剰あるいは中皮腫の過剰が見出されていないということから考えますと、どちらかというとアスベストに近いのではないかというACGIHの懸念は、やや強過ぎたかなという感じもしています。

 一方、この欧州委員会のほうでは、一番新しい文献が2010年ぐらい、これを出したのは2011年ですが、評価して判断した0.3f/ccという数値を出して、それを出した根拠の主なポイントは、それまでにまだ発がんが見出されていないということ。したがって閾値があるものと考え、唯一、ポジティブな可能性のある肺機能に対する影響を使って、ばく露限界値を出そうとして調べたところ、NOAELとして見てもいいだろうと判断したわけです。それを基に計算して、ヒトのNOAELなので、そのまま不確実性係数は使わずに0.3f/ccという数字を出したということです。その数値そのものについて総合的には、0.2f/ccより0.3f/ccのほうが適切ではないかと私は感じていますが、いかがでしょうか。それでよろしいでしょうか。もともと事務局の案で0.2f/cc0.3f/cc2つの案が出ていましたが、今の段階でのウエイト・オブ・エビデンスと申しますか、現在持っている根拠の重みをいろいろ総括的に考えて、0.3f/ccが適切ではないかという結論にしてはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。特に御異存はございませんか。

(異議なし)

○櫻井座長 ありがとうございます。それでは、そのように決めさせていただきます。

 そうしますと、最後に局排の性能要件です。これは管理濃度が決まりますと、これまでもその数値を抑制濃度とするという方向です。抑制濃度としては管理濃度と同じ数字を使用することにしていますが、それでよろしいでしょうか。

(異議なし)

○櫻井座長 ありがとうございました。それでは局排の性能要件は、0.3f/mlを抑制濃度とすることが適当であるということにしたいと思います。

 最後に、議題3、その他について事務局から何かありましたらどうぞ。

○吉澤環境改善室長補佐 その他としまして、今後の日程について御説明したいと思います。資料1-23ページに検討スケジュールがあります。今回、平成27年度第1回検討会ということで、417日に「リフラクトリーセラミックファイバー」の管理濃度等の検討を行ったところです。そして今後、第2回として秋以降に開催を予定しておりますけれども、そのときには今まで議論が継続している、丸数字1技術的検討の結果を踏まえた測定方法の見直しの検討、丸数字2健康障害事例を踏まえた「ベリリウム及びその化合物」の管理濃度等の検討、丸数字3関係機関のばく露限界改正に伴う管理濃度等の検討(「マンガン及びその化合物」ほか)について、検討を行いたいと思います。第2回の開催日程については、別途、調整させていただきます。以上です。

○濱本環境改善室長 追加いたします。簡易測定法に関しては更に検証が必要というお話がございましたので、検証についてまたお願いして、その結果が出ましたら、スケジュール的に次回以降に報告させていただき、また御議論いただく形にさせていただきたいと思います。

○櫻井座長 それでは、以上で本日の検討会を閉会とさせていただきます。お疲れさまでした。ありがとうございました。


(了)

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