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※毎月勤労統計の改善に関する検討会の第4回~第6回議事録の掲載が遅くなりましたことにつきまして、お詫び申し上げます。

2015年8月7日 第5回毎月勤労統計の改善に関する検討会 議事録

大臣官房統計情報部雇用・賃金福祉統計課


○日時

平成27年8月7日(金) 14:00~16:00

 

○場所

中央合同庁舎5号館 厚生労働省 仮設第1会議室

 

○出席者

委員(五十音順、経歴略、◎:座長)

◎阿部 正浩
  小巻 泰之
  津森 康之介
  樋田 勉
  永濱 利廣
 

構成員以外の関係者

  廣松 毅
 

事務局

  姉崎統計情報部長
  久古谷雇用・賃金福祉統計課長
  手計雇用・賃金福祉統計課長補佐

○議事

 

○手計補佐 御出席の予定の委員でまだお見えになられていない方もいらっしゃいますが、定刻になりましたので、ただいまから「第5回毎月勤労統計の改善に関する検討会」を開会いたします。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日の出席状況でございますが、土屋委員が御欠席でございます。
 本日は、構成員以外の協力者として情報セキュリティ大学院大学情報セキュリティ研究科・特任教授の廣松先生をお招きしておりますが、少し遅れるとの連絡をいただいております。
 なお、事務局については、企画課長の三富が所用により欠席となります。
 それでは、早速でございますが、以後の進行につきましては阿部座長にお願いいたします。
○阿部座長 本日もお忙しい中、またお暑い中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 早速ですが、議事に入りたいと思います。
 まず、議題としては挙げておりませんが、「第4回検討会における指摘事項等について」ということで、事務局より説明をお願いしたいと思います。
○久古谷課長 それでは、事務局から説明いたします。
 まず、資料1-1の「第4回検討会における指摘事項等について」ということで、第4回検討会で事務局から提案申し上げましたベンチマーク更新時における賃金・労働時間指数の補正に関して、実際にその方法で補正したら結果はどうなるのかという指摘がありましたので、計算を行ったものが資料1-2でございます。復習になりますが、事務局で提案していたものがどういうものであったのかというのが、2ページに書いてあります。
 イメージ図ということで正確な図ではありませんが、サンプル入れ替えとベンチマークの更新の両方を同時に行った場合は、まずサンプル入れ替えに係るギャップを平行移動方式で補正して、サンプル入れ替えの調整が終了したものに対しては、ベンチマーク更新分は従来からの三角修正方式により更新するというものです。ベンチマークの更新に係る三角修正方式については、三角修正方式を始める起点、つまり過去の指数を変えないところを決める必要があります。それについては、新ベンチマークを設定したときと、旧ベンチマークを設定したときの2つの候補が考えられます。新ベンチマーク設定時を起点として修正する案1と旧ベンチマークの設定時を起点にして修正する案2というもので、これもイメージではありますが従来の三角修正方式も図の中に書き加えております。
 従来の三角修正方式では、補正前の指数は旧サンプルの入れ替えがある時点までは固定していて、そこから新サンプル、新ベンチマークに対して滑らかに接続するように補正を行うことにしておりました。
 それに対して、この図はサンプル入れ替えでもベンチマークの補正でも下方修正ということで書いていますが、まず初めの平行移動方式によって全体の水準を下げて、次の三角修正方式でこの水準は過去のある時点まで固定していて、そこの基準になる点と新しい点を滑らかに接続するというものです。イメージ的に言えばこのような下方修正が2段階続く場合は、従来の三角修正方式よりも指数の水準は下がることになります。つまり、過去の水準が下がるので、修正後の指数の伸びは、結果的にこれまでの計算より少し高めに出ることになります。
 試算を行ったときの状況につきましては、3ページに書いてあります。
 試算につきましては、平成24年の抽出替えと平成21年の抽出替えの二通りのケースで行っております。平成24年の場合は、調査産業計で事業所規模5人以上において、サンプルによる差が1,261円のマイナスで、ベンチマークの更新による差が491円のプラスということで、イメージ図に書いてあるのとは少し違って、サンプル替えで一旦下がったのが、ベンチマーク修正で少し戻したけれども、結果としては下方修正のままという状況になっております。
 平成21年の場合は、サンプル替えでマイナス、ベンチマークの修正でもやはりマイナスということで、マイナス幅がさらに拡大したというようなケースになっております。
 結論から申しますと、いずれの場合も新方式の過去の指数は従来方式に比べて下方修正されていますので、修正時点以降の新方式の増減率は従来方式に比べて上方修正されるという結果になっております。
 過去の増減率については変えないというのが前提ですので、冒頭のほうには書いておりませんが、もし、新しい指数を使ってあえて再計算するとどうなるかという試算も行っております。
 それにつきまして4ページから6ページに計算結果を書いていますが、事務局の準備不足で計算に若干誤りがあることがわかりました。何を間違えたかと申しますと、2ページのどちらの図でもいいのですが、案1で、まず旧サンプル、旧ベンチマークから新サンプル、新ベンチマークへの更新につきまして、例えば、旧指数というのを平成17年基準の指数でつくっていた場合、今、手元にあって計算に使った新サンプル入れ替え後というのが平成22年基準の指数だったので、試算するときに平成17年基準と平成22年基準の水準合わせという操作を行って接続させる必要がありました。しかしながら、ギャップ率はきまって支給する給与のギャップ率でやったのですが、水準合わせは現金給与総額の水準合わせをやらなければいけなかったものを、誤ってきまって支給する給与の指数のギャップで調整を行ってしまいました。
 なぜ、それがわかったかと申しますと、5ページで、平成24年に抽出替えを行ったときの従来方式で計算した指数と、案1と案2で計算した指数ということで計算しておりまして、案1、案2ともに三角修正方式でやっていますので、返しのところでは余り差がなくて、後ろのところは新しい指数にくっつくようにしないといけないのですが、後ろの12月のほうでも少し大きなポイントで起こっているので、少し怪しいということで分かりました。現在、事務局で、きまって支給する給与の場合で再計算をやっておりますので、間に合えば本日、資料の差し替えを行いたいと思います。本来は定量的に評価できる資料ということでつくったのですが、今回はとりあえず定量的ではなくて、定性的にごらんいただきたいと思います。4ページ目の現金給与額の増減率の試算ということで、平成24年についての水準は若干違いが出てくるのですが、冒頭説明しましたように、過去の指数を従来に比べて下方改訂を実施しておりますので、現在公表している指数に比べて結果的に若干プラスとなっております。
 また、現在議論している方針として増減率は変えないと言っている部分の平成23年1月~12月までを見ると、従来方式より高めに出ております。これは、イメージ的には初めの図を見ていただきますと、下方修正の場合は新しい方式では下げてしまうのですが、従来の方式だと固定している部分からなだらかにいくので、それほど下がっておりません。ただし、下方修正の場合はこういう状況になったのですが、もし、サンプル替えのときに上方修正が発生すると、方向が反対になり、これまでよりは伸び率が低めに出るという結果になりますので、それはサンプル替えでの差が下方に出るのか上方に出るのかによって、改訂を行った後の推移については従来とは反対方向の変化が起こってくるということになっております。
 案1と案2の差に関しましては、平成21年だと、下方に対してさらに下方となっております。平成24年だと、サンプル替えで下方に対してベンチマークの補正で上方ということで、三角修正方式のほうが反対方向に出ておりまして、5ページを見ていただきますと指数が書いてあるのですが、案1と案2の差ということで、初めの方では余り変わっていないのですが、2番目の欄あるいは3番目の欄で見ていただきますと、案2のほうが指数は少し大きめにでております。
 それに対して平成21年の指数が6ページに出ていますが、平成17年あたりの欄を見ていただきますと、案2のほうが指数としては小さな値になっております。平成21年の抽出替えというのが2ページで書いてあるようなパターンで立てておりますので、案1に比べて案2の指数の水準が低いというのが、この図を見ていただければ大体理解できるのではないかと思います。
 平成24年の場合は、三角修正方式の方向が反対になるので、案1と案2の指数の水準がひっくり返ってくるというような状況になっております。
 定量的な評価ができる資料が準備できず、誠に申し訳ありませんでしたが、事務局からの説明は以上でございます。
○阿部座長 それでは、もし、資料が届きましたらまた説明していただいて、そのときに各委員からの質問を伺うということでよろしいでしょうか。それとも、今の段階で何か意見や質問等伺った方がよろしいですか。
○久古谷課長 コメントがあれば定性的な意見でもいただければありがたいと思います。
○阿部座長 永濱委員、どうぞ。
○永濱委員 私の理解不足なのかもしれませんが、今回問題になった平成27年のサンプル替えについて、従来の三角修正方式をやったことによって下方修正されたと思います。その部分をこの案で試算した結果の比較はできるのでしょうか。
○久古谷課長 今回、平成27年のサンプル替えのときはベンチマークの更新がなかったので、これまでの議論の流れでいけば平行移動方式のみで行うという話になります。2ページの図でいけば、案1で従来の指数というのは旧サンプル入れ替えから新ベンチマークとは書いてありますが、実は旧ベンチマークのところになだらかに落とすのに対して、平行移動方式では一気に新サンプル、新ベンチマークのところまで落としますので、指数の水準については現在公表している指数よりさらに下方修正されます。つまり、旧期間の指数が従来方式より低くなるので、伸び率としては高めの数字になります。過去は変わらず、足元の平成21年7月以降が高めの数字になって計算されることになると思います。過去は平行移動で一律に下げているので、過去での増減率は変わらず、足元は前年の指数が従来方式より低くなるので高い伸びとなります。これは下方修正の場合ですが、上方修正の場合は反対になって、今まで公表しているよりは低めの伸びになる可能性はあります。
○永濱委員 もう一点質問ですが、案1と案2で、これは期間を長めに調整するかあるいは短めにするかの違いだと思います。水準を維持しながらということで考えると、仮に真の値に近いほうは明確にどちらの案というのはあるのですか。
○久古谷課長 真の値とは何かというのがなかなか難しいところです。
○永濱委員 理屈上どちらの案に意味があるということがあるのでしょうか。
○久古谷課長 これは加重平均のウエイトが変わったので、厳密なことを言えば、毎月毎月新しい労働者の加重平均を計算し直す方法が恐らく筋的には最も合理的な方法にはなると思いますが、その間の真の労働者数というのもある意味推計していて、なかなか真の値はわからないので、どちらの案がいいかというのは難しいのではないかと思っております。
○永濱委員 そうしますと、当然のことながら短い期間で修正するよりも、長い期間のほうが直近の修正度合いは少なくて済むということだと思います。そういった面では案2のほうが、やや修正幅が少なくなる可能性があるということですか。
○久古谷課長 1回当たりの修正幅は少ないのですが、そのかわりに修正期間が長くなります。修正量と修正期間で掛け算すれば同じ値になるので、トレードオフという話になると思います。
○永濱委員 直近の伸び率の変更が少ないほうというのを重視すれば案2だし、ある程度水準を考えるのであれば案1という考え方ということですね。
○久古谷課長 水準の三角修正の影響というのは、ギャップ修正の後に与える影響というのだとベンチマークの更新で上方改訂か下方改訂かによってかかる影響はちょうど反対になります。下方改訂されたときに修正すると、旧期間の指数が従来方式より低くなるので伸び率は高めに出ますし、上方改訂で修正すると伸び率は若干低めに出るという関係になります。
○永濱委員 修正幅が少ないほうがいいかあるいは修正されるデータが少ないほうがいいかということですね。わかりました。
○久古谷課長 そういう意味では、実際に過去の増減率は変えないので、今後の伸びの出る影響を少なくするという観点から改訂期間を長めにとるという考え方はあり得ると思います。
○阿部座長 ほかに今の段階で何かございますか。よろしいですか。
 では、また新しい資料が届いたときに議論を再開するということでお願いします。
 それでは、議題1の「これまでの検討の取りまとめについて」に移らせていただきたいと思います。本日皆さんのお手元にあるのは今回議論していただくための第一歩のたたき台ということで、「毎月勤労統計のサンプル入れ替え方法とギャップの補正方法の今後の方向性について(素案)」という資料を事務局で準備していただいております。まだ未定稿でもありますので、本日委員の皆様の視点からいろいろなコメントをいただければと思っております。
 まず、本日提出していただいております素案について、事務局より説明をお願いしたいと思います。
○手計補佐 それでは、資料2について説明させていただきます。
 本資料につきましては、限られた時間の中で作成したものでありまして、精査する部分が多々あるとは思いますが、本日の議論を踏まえて適宜修正等は行っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 まず、資料の構成としては大きく3つに分けまして、1番目に「Ⅰはじめに」ということで1ページに、2番目に2ページ以降「Ⅱ検討結果」という形で整理させていただいて、最後に「Ⅲまとめ」ということで9、10ページに整理しております。
 それでは、資料に沿って説明させていただきます。
 まず、1ページになります。ここではまず「Ⅰはじめに」ということで、概要や最近の状況、検討会設置経緯を記述させていただいています。御存じのとおり毎月勤労統計調査は雇用、給与及び労働時間について、全国調査にあっては全国的な変動を毎月明らかにすること、地方調査にあっては都道府県別の変動を毎月明らかにすること、特別調査にあっては全国調査及び地方調査を補完することを目的とする調査であり、統計法に基づく基幹統計となっているということを記述しています。
 次に、毎月勤労統計調査では、従来よりサンプルを長期間固定して、月々の賃金等の変動を安定的に把握できるようにしてきたということで、毎月勤労統計調査の概要を記述させていただいています。
 また、規模30人以上の調査対象事業所については、一定期間経過後に総入れ替え方式、一部の大規模事業所については継続的に調査しているわけですが、その際に新・旧サンプルのギャップ、今回の議論の一番の中心になりますけれども、それを把握して、そのギャップを解消するような技術的補正をこれまで行ってきたところです。
 一方で、近年、政策の効果を測る指標の一つとして、労働者の賃金について関心が高まっており、特に前年と比べてどの程度増加したか減少したかについては、注目度が高くなっています。
 こうした中、平成27年1月に、規模30人以上の調査対象事業所の入れ替えを行って、過去の指数等について技術的補正を行ったところですが、それに伴って過去の前年同月比が改訂されて、一番ポイントだったのは増加から減少に転じた月が発生したことについて、各方面からわかりにくいといった意見等が寄せられたところです。そこで、国民にとってわかりやすく、信頼性の高い統計を作成するために、毎月勤労統計の改善を図ることを目的として、有識者、調査結果利用者、調査実施者から構成される「毎月勤労統計の改善に関する検討会」を設置し、検討を行ってきました。本報告は検討会におけるこれまでの議論や、これを踏まえて検討した今後の方向性についてとりまとめたものであるということで、「Ⅰはじめに」で整理させていただきました。
 続いて、2ページからが「Ⅱ検討結果」になるわけですけれども、まず、検討会でどういうことを検討してきたかを記述させていただきました。
 まず、「(1)脱落サンプルの特性等」ということで、実際にバイアスがどの程度生じているのかといったことを限られた範囲ではありますが、検証してみたところです。
 次に、「(2)サンプルの入れ替え方法」ということで、現在は総入れ替え方式をとっていますが、部分入れ替え方式の可能性などを検討してきたということを記述させていただいています。
 次に、「(3)サンプル入れ替え時のギャップの補正方法」ということで記述させていただいています。
 最後に、先ほど資料1-2でもありました「(4)労働者数のベンチマークの更新」について検討を行ってきたことを記述させていただいています。
 まず、「(1)脱落サンプルの特性等」については、先ほども申し上げたとおり、調査対象事業所を長期固定化することによって、集計結果の安定化のためには有益であります。一方で、対象事業所の入れ替えを行った際に新・旧サンプルのギャップが生じるわけですが、その要因の一つとして廃業等によって脱落していく事業所の影響が考えられたため、脱落時の賃金水準の比較や、継続事業所と休止・脱落事業所の賃金水準の比較、それとあわせて継続事業所と再開・新規に追加される事業所の賃金水準の比較を行ってきたところです。
 その結果は、これまでの検討会でもお示ししたとおりですが、まず1点目として、休止・脱落サンプルの賃金水準は、継続サンプルの賃金水準よりやや低い傾向があり、継続サンプルの賃金水準より高い月もあるので、一概に低いだけではないということが結果としてわかりました。
 2点目として、休止・脱落サンプルの賃金水準は、継続サンプルの賃金水準よりやや低いのですが、再開・新規サンプルの賃金水準も継続サンプルの賃金水準よりやや低くて、休止・脱落サンプルの賃金への影響というのが、再開・新規サンプルの賃金への影響と相殺している可能性があるのではないかということも考えられました。
 以上を踏まえると、あくまで限られた範囲での検証ではあるのですが、サンプルの長期固定化による賃金水準の上方バイアスについては、一定の存在は認められるものの、サンプルの長期固定化に伴うバイアスが賃金分析の判断に影響を与えているとまでは考えにくいのではないかと現時点では整理させていただいています。
 なお、限られた時間の中では脱落サンプルの補正方法についてまでは議論はできなかったということにつきましても記述させていただいております。
 続きまして、「(2)サンプルの入れ替え方法」についてですが、現在、毎月勤労統計調査では規模30人以上の調査対象事業所の入れ替えについては、経済センサスの実施周期に合わせて、おおむね2年または3年に1回総入れ替え方式で行っているところです。入れ替え時に発生するサンプル差によるギャップの縮減を図る観点から、部分入れ替え方式の導入の可能性について議論を行ったところです。
 部分入れ替え方式については、グループの組数をどのように設定するか、また、調査対象期間、入れ替え頻度の関係で、以下の点に留意が必要であるということで、これは第2回検討会の資料でも説明させていただきましたが、1点目として、グループの組数を多くした場合は、1回当たりの入れ替えの際のギャップの大きさを縮小できると考えられます。それによりギャップが十分に縮小できれば、ギャップの補正を実施しなくてもよくなる可能性もあるのではないかということです。
 2点目として、グループの組数を固定して考えたときに、調査対象期間と調査対象事業所の入れ替え頻度というのは反比例の関係にあるので、調査対象事業所の負担と都道府県等の事務の負担がトレードオフの関係になっていることを説明させていただきました。
 調査実施者の立場からの御意見として、部分入れ替え方式に変更して、入れ替え回数が増大すれば、それに応じて事務負担も増大すると記述しております。具体的には、予備調査や非協力事業所への訪問など、従来であれば2~3年に1度であった事務作業が年に複数回の入れ替えを実施した場合には増加することになると記述しております。さらに、他の大規模調査との関係で対応が困難になる可能性もあるということが挙げられました。
 また、サンプル入れ替え時に事業所への説明会を開催しているということでしたが、1回当たりの事業所数が少なくなっても、説明会開催の事務負担はあまり変わらないということでした。
 時間がなかったため、追記ができなかったところですが、具体的な作業等については、もう少し詳しく追記をしたいと考えているところです。
 以上を踏まえて、検討会では以下のとおり意見等があったということで何点か挙げさせていただいています。
 まず、1点目として、部分入れ替え方式を導入する場合は、コストや実務面の問題を考慮する必要があるということです。
 2点目として、部分入れ替え方式を採用しても、分割グループ数には限度があるため、ギャップは一定程度残るのではないかということです。
 3点目として、ギャップの補正または水準調整が可能となるよう重複期間は設けるべきではないかということです。
 4点目として、ギャップの補正が必要になるのであれば、そもそも部分入れ替え方式を採用する合理性は低いのではないかといった意見があったと整理しています。
 続きまして、4ページになります。「(3)サンプル入れ替え時のギャップの補正方法」ということで、現状は規模30人以上の調査対象事業所の入れ替えを実施した際は、新・旧サンプルのギャップについて、旧サンプルの指数が新サンプルの指数と滑らかに接続するように、前回の入れ替え時から段階的に補正を行う三角修正方式によりギャップ修正を行ってきました。平成27年1月に実施したギャップの補正方法が三角修正方式になります。
 しかしながら、括弧書きにも書いてあるとおり、過去には次に述べるような平行移動方式を適用したときもあったというのも事実ではあります。
 5ページになりますが、今般の検討会では、主に3つの方式について議論を行ったということで、まず、1つ目として平行移動方式です。この方式については、ギャップに相当する一定率を過去の指数に一律に乗じて、水準のギャップを補正するということで、その結果、補正後の指数で再計算しても過去の増減率は変わらないこととなります。正確に言えば、小数点による処理の誤差を除いてということになりますが、基本的には過去の増減率は結果的に変わらないということになります。
 2つ目としては修正WDLT方式です。この方式はサンプル入れ替え以降の各月について生じたギャップに一定率を乗じることで、ギャップを段階的に減少させて指数を作成して、その指数に基づき増減率を算出するということで、ギャップは次のサンプル入れ替えまでに実質的に解消されることになります。しかしながら、これは前回の検討会のときにαというパラメーターを変えた試算をしていますが、αの設定によっては解消が十分にされない場合もあったりするということを前回説明させていただいたところです。この修正WDLT方式では過去の指数及び増減率は変わらないということになります。
 6ページなりますが、3つ目として時差適用方式です。これにつきましては、本日参考資料1として配布しております第2回検討会の資料におきまして、その際は「指数改訂、直近前年同月比無改訂方式」と長い名前で呼んでいたものですが、「時差適用方式」に修正しています。この方式は、過去の指数は従来の三角修正方式により補正することになりますが、過去の増減率については当面据え置くということで、旧サンプルを利用していた期間の増減率については再計算せずに当面据え置いて、ただし、増減率についても1サイクル遅れで基本的に次の抽出替えである2~3年経過した後で、前回のギャップ修正後の指数に基づいて算出するといったことになります。
 この場合だと、結果的に、直近の期間では指数と増減率の整合性が図られないことになるわけですが、過去の増減率が一定期間変わらないということは、これまでの平行移動方式や修正WDLT方式と同じような考えになります。
 以上を踏まえて、検討会では以下のとおり意見等がありましたということで、11個のポイントを整理しています。
 まず、1点目として、毎月勤労統計において重要視する項目は何かということで、水準なのか増減率なのかといった議論がありました。重要視する項目については、その時々の情勢によっても変化するもの、また、利用者によっても異なるものであることから、重要視する項目に応じてギャップの補正方法が決まるのではないかという意見がありました。
 2点目として、利用者にとってわかりやすく、納得性の高い補正方法であることが重要であるといった意見がありました。
 3点目として、利用者の立場からすると、過去の増減率が変わるのは望ましくないのではないかという意見がありました。
 4点目として、旧サンプル結果を調査時点での情報と考えると、水準のみ調整すれば、あえて増減率を補正する必要はないという意見がありました。
 5点目として、補正方法として平行移動方式にしてはどうかといった意見がありました。
 また、6点目と7点目は修正WDLT方式についてですが、6点目については、将来にわたってギャップを解消するとのことではあるのですが、当該方式を適用した場合に、今後の数値が修正WDLT方式を適用しなかった場合の数値と乖離することになって、政策判断を誤る可能性があるのではないかという意見があった一方で、7点目として、修正WDLT方式というのは将来生じる可能性があるギャップを先取りして解消している面があるといった意見もありました。
 8点目については、時差適用方式については先ほども申したのですけれども、一定期間、指数と増減率の整合性がとれなくなってわかりにくいのではないかといった意見がありました。
 9点目として、近づけるべき真の値がわからないといった意見がありました。特に賃金と労働時間については、補正方法の優劣を評価するのは難しいのではないかといった意見がありました。
 10点目としては、補正方法についてはどのような方法を採用すべきかについては、利用する立場によっても異なってくるのではないかという意見がありました。
 11点目として、1つの補正方法を採用するにしても、別の方法で補正したものを参考系列などとして公表する方法もあるのではないかといった意見もありました。
 次に、「(4)労働者数のベンチマークの更新」ということで、毎勤においては労働者数のベンチマークについて、5年に1回実施されている民営・官公営事業所を対象とする経済センサス-基礎調査の結果が利用できるタイミングで更新をしているところです。
 その際に、基本的には、サンプル入れ替えと労働者数のベンチマークを同時に更新することになりますが、そのときの賃金、労働時間指数の補正方法として、サンプル入れ替えのギャップは平行移動方式、ベンチマークの更新によるギャップは従来の三角修正方式をそれぞれ適用することについて検討を行いました。こちらについては先ほどの資料1-2で説明しましたが、そのような検討も行ったということになります。
 8ページについては、ベンチマークの説明とそれに伴う労働者数の指数について注意書きとして書かせていただいていますが、基本的にベンチマークとは労働者数の推計の基準となる数値であって、産業別・規模別に5年ごとに実施される経済センサス-基礎調査の結果を利用しています。
 そのベンチマークは、悉皆調査に基づく正しい基準値であるため、この変更については忠実に再現する必要があるのではないかと考えているところです。そのため、労働者数については、ベンチマークの更新によるギャップについては、従来どおりのギャップ修正を適用して、過去の指数を補正するとともに、増減率も再計算して変更するのが良いのではないかということで注意書きを書かせていただいています。あくまでこれは常用雇用指数などの雇用指数の部分についてとなります。
続きまして、9ページになりますが、ここでは「Ⅲまとめ」とさせていただいていますが、この後、議論をしていただければと考えているところです。
 まず、「(1)基本的な考え方」につきまして、サンプル入れ替えに伴うギャップの補正を行う場合には、国民にとってわかりやすく、納得性の高い方法で行うことが重要であると記述しております。また、その時々の政策判断に悪影響を与えることは避けなければならないということで、次回以降のギャップの補正に当たっては、こうした基本的考え方に基づき実施することが適当であるのではないかということで整理させていただきました。
 「(2)サンプルの入れ替え方法」についてですが、サンプル入れ替え方式については、入れ替え時のギャップの縮減を図る観点から、現在実施している総入れ替え方式から部分入れ替え方式へ移行することも考えられるということなのですが、サンプル入れ替え時に生じる賃金のギャップを十分に縮減するには、部分入れ替えの頻度を高める必要があるのではないかと記述しております。入れ替えの頻度を現在の2~3年に1度から、毎年または年に数回に高めた場合は、それに伴って発生する実務面での問題点、具体的には調査票管理システムの更新や都道府県の人員体制及び予算措置の強化等が挙げられると思いますが、そういった問題点については、今後慎重に検討する必要があるのではないかと整理させていただいています。
 また、部分入れ替え方式を採用する場合でも、ギャップの補正が必要になるのであれば、部分入れ替え方式を採用する合理性が低いとの意見もありましたので、当面少なくとも次回の入れ替え時には、現在の総入れ替え方式で行うことが適当であると整理させていただいています。
 「(3)ギャップの補正方法」ということで、サンプル入れ替えにより生じた賃金のギャップに対する補正を原則、過去の増減率が変化しない方法で実施するのが良いのではないかということで、具体的な方法については以下の3案について検討いたしました。それぞれメリット・デメリットがありますが、利用者にとってのわかりやすさや納得性などを総合的に勘案すると、平行移動方式が適当と考えられるのではないかとしております。ただし、これについても第4回の検討会で、研究者や分析者、利用者の中では、自分で何らかの加工ができるようにしたほうが良いのではないかという意見があったところですので、ギャップに関する情報などもあわせて開示するというのが前提になるかと思いますが、総合的に判断すると、平行移動方式が適当と考えられるのではないかと整理をしているところです。他の案についても、一定の合理性はあるという考えは変わっていないところであります。
 そこで、平行移動方式と修正WDLT方式、時差適用方式の3案についてということで、これは先ほど説明させていただいたとおりなので省略させていただきます。
 最後に、「(4)労働者のベンチマークの更新」ということで、サンプル入れ替えと労働者数のベンチマークを同時に更新する場合は、賃金・労働時間指数の補正方法としては、先ほども説明しましたとおり、サンプル入れ替えのギャップは平行移動方式、ベンチマークの更新によるギャップは従来の三角修正方式をそれぞれ適用することとするが、過去の増減率については再計算せず変更しない方式が望ましいと考えられると整理させていただきました。次回の入れ替えのときはこの場合に該当することになります。
 以上が、今回の素案の説明になりますが、この他に、開催要綱や開催実績等を添付したいと思います。また、添付したほうが良い資料があれば参考として適宜添付する形で、次回にお示しできればと考えているところです。
 資料の準備などが、なかなかしっかりできていない中での説明になり、大変恐縮なのですが、事務局からの説明は以上でございます。
○阿部座長 ありがとうございました。
 先ほどの資料1-2の差し替えをいただきましたので、素案の議論に入る前に、もう一度資料1-2の差し替えについて説明いただいて、その後、素案も含めて議論していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○久古谷課長 改めまして、資料1-2の4ページ以降について説明いたします。
 まず、5ページと6ページのそれぞれ平成23年の10月、11月、12月あるいは平成20年の11月、12月を見ていただきますと、全て同じ指数ということで、全部三角修正をやったときも、今後の出発点を同じところに収束するという指数になっております。
 こういう前提で4ページのきまって支給する給与の増減率で、新しい方式で行った場合と従来の方式の差というのが、まず、抽出替えの下の欄の平成24年の値を見ていただきますと、初めの1月、2月は割と少し大きめの数字が出て、だんだん乖離が少なくなって、9月以降は伸び率としては従前の値と変わらなくなります。
 平成24年の場合は、案1で行ったほうが上方改訂の度合いが大きくなっております。これは、ベンチマークでの修正が上方修正になったというのがきいています。逆に、平成21年の場合は、ベンチマークでの修正が下方修正になったので、基準点をより過去に持っていったほうが指数水準は下がるので、上方改訂の度合いが大きくなっています。このあたりは、やはり1月、2月ギャップ修正を行った直後で改訂幅が割と大きくなって、その年の後半になれば大分少なくなって、平成21年の場合は11月以降で従来の方式と差はなくなってきます。このような結果となっておりまして、これについては定量的な評価が可能な数字ということになっております。
 説明は以上でございます。
○阿部座長 ありがとうございました。
 では、まず、今のベンチマーク更新時のギャップ修正について、御質問・御意見があればお願いしたいと思います。
 樋田委員、どうぞ。
○樋田委員 案1か案2のどちらが適切かということを、この場で決めるのでしょうか。議論して両論併記するということなのでしょうか。
○久古谷課長 それは、委員の皆さんあるいは座長のお考えということになると思いますが、両論併記して事務局側で決定するようにという決め方もあるかとは思います。
○樋田委員 案1と案2だと案2のほうがより適切ではないかと思います。試算結果によると基本的に数値はそれほど変わらないということですが、いずれにしても真偽はわからないところなので、考え方として自然な方法をとるべきだと思います。案1と案2の違いは、旧ベンチマークの設定時に遡って補正をかけるのか、新ベンチマークの設定時以降を補正するのかということだと理解しています。旧ベンチマークが設定された時から実態は変わっていくはずなので、旧ベンチマークが設定されてから新ベンチマークが設定される間は何も補正を行わずに、その後だけに補正をかけるよりは、旧ベンチマークが設定された時から少しずつ変化が始まっていると考えて、案2のような補正方法を採用するほうが、より自然ではないかと思います。
○永濱委員 私も、樋田委員の意見に賛成です。
○阿部座長 いろいろ考え方はあると思います。場合によっては、ベンチマークの補正をしないというのも選択肢だと思います。その理由としては、ベンチマークで何をやっているかといいますと、産業構造や職業構造の変化を表しているわけで、それによって賃金が下がったり、労働時間が増えたりというのもあると思うので、変化するのは当然あり得る話で、それを不自然に調整するというのも、ある意味おかしい話になります。ですから、ベンチマークの補正の有無という議論もあり得ると思います。
○小巻委員 私は、阿部座長が今おっしゃった考えに賛成です。三角修正方式自体がどうしても納得できないと申しますか、これも一つの考え方ですが、要するに、それぞれの情報を生かせばいいのではないかと思います。新サンプルと旧サンプル、そして、ベンチマークの入れ替えも構造が違っているわけで変わって当たり前なのですから、そこからスムーズな形でつないでしまってもいいのではないかと思います。つまり、案1も案2も非常に不自然で過去の情報が生かされていないようにも思えます。一応、樋田委員は、変わることで過去から少しずつ変化が起きているというのですが、それも直線的な変化でしかとらえられないので、ちょっと問題があるのではないかと思います。つまり、過去の情報は生かして、新規の情報を公表していくという形でよろしいのではないかと思います。
○阿部座長 津森委員、どうぞ。
○津森委員 私は、案2のほうが良いのではないかと思います。ただし、過去の指数はいじらないという前提で、今後の指数の計算のときの前提にはするということであれば、とりあえず案2で行いますが、公表した数値は公表したままというほうが良いのではないかと思います。ただ、今後行うものについての前提として、修正した分のものを前提として計算するということであれば、案2を採用してもよいのではないかという気がしております。
○久古谷課長 指数の改訂という話と増減率の改訂ということがありまして、事務局の考え方としては、まさに津森委員のおっしゃったように、今後の伸び率をある意味なるべく実態に近い伸び率にしたいがために、今後の伸び率の計算のために指数自体は、案1、案2はどちらにするかという話はありますが、ベンチマークの新しい指数は新しい労働者数のベンチマークに従って計算しているので、これまでは旧ベンチマークの労働者構成で、各産業を積み上げて産業全体をつくっていたので、ある意味、今後新しい労働者構成の結果になる、特に調査産業計、規模計の数値の評価については、なるべくそれに近い構成の指数同士で評価して、伸び率は計算したいと考えております。
 ただ、過去の構造で測っていた増減率はどうかという話だと、その増減率自体は過去のものをそのまま置いて、増減率の接続という意味では、旧の増減率に新しい指数に基づいた新しい増減率を接続したいというのが事務局としての考え方ということでございます。
○阿部座長 難しい話だと思います。
○永濱委員 三角修正しないということは、水準は大丈夫なのでしょうか。
○阿部座長 水準はもともと修正しないということだったかと思います。
○久古谷課長 水準というか、実数は実数でそのまま公表しております。現状を申しますと、指数というものを計算していて、増減率は指数に基づいて計算していますということで、サンプル替えとかベンチマークの更新があった場合は、今までは指数も変え、指数に基づき増減率も全て再計算していたので、要するに、実数の系列からの伸び率とはある意味合わなくなります。
○小巻委員 現在の方法でも全然合わなかったと思います。
○久古谷課長 ある意味、実数の世界と指数と増減率のペアという世界になっています。指数の修正を平行移動で行えば、指数と増減率の関係というのも保たれます。要するに、平行移動を行った指数で再計算した増減率は、これまで作成していた増減率とは変わらないということになります。分子分母に同一の数がかかっているので、基本的には相殺されます。厳密に申しますと四捨五入で若干変わる場合はありますが、基本的には増減率は改訂されません。
 基本的は、今までの議論を踏まえると、今述べた形で行うのが皆さんにとってわかりやすいと考えています。ただ、ベンチマークの変更というと個別の単位区分の産業規模においては影響がないのですが、最もよく使われる産業計・規模計の数字が構成比の変化で水準が変わって、結局増減率も変わってしまいます。新しいものは新しい労働者ウエイトでしか計算できないので、やはり統計メーカーとしては、新しい労働者ウエイト同士で増減率を計算したいというのが一番の思いです。
○阿部座長 だから、これはいろいろ考え方があって、どれが適当かを選ぶというのは、なかなか難しいと思います。三角修正しているというのは、その期間に一気に産業構造だとか職業構造が進んだというわけではなくて、徐々に変化していると仮定していると思います。それが案1の場合は比較的短い間で進んで、案2の場合はゆっくりと3年とか5年の間で進んだというふうに理解すればいいという話だと思います。
 ただ、三角修正するということ自体が要らないという考え方もあり得ると思います。
○久古谷課長 考え方としてはあり得ますが、三角修正した元の姿を考えると、旧労働者構成と新労働者構成の直接比較になるのが、統計メーカーとしては若干引っかかるところということでございます。
○阿部座長 私自身は、サンプルの入れ替えのところでは本来であれば、それぞれ母集団平均に戻るはずなので、一致しないと少し問題があるからそこを修正するというのは理解できます。しかしながら、三角修正というところでいろいろな意見はあるのではないかということであえて発言しました。
 案1がいいか、案2がいいか、それとも三角修正しないで済ませるのかということだと思います。
○久古谷課長 三角修正せずに丸ごと平行移動ということでしょうか。
○阿部座長 いろいろな考え方があると思います。
○廣松特任教授 今の議論を伺っていて、ちょっと先に行ってしまうかもしれませんが、資料2の素案で、今一番議論になっている部分が7ページとなるかと思います。1つの補正方法を採用するにしても、別の方法で補正したものを参考系列として公表する方法もあるのではないかということでは、参考系列として公表するのはどこまでかということになるのだと思います。案1、案2のどちらをとるにしても、太字の波線で書いてある部分、公表するのは案1と案2の場合で少し違いますが、補正した部分になると思います。ここまでやるのか、特に小巻委員がおっしゃっているのは、修正しない方式、このままずっと過去まで遡った系列も公表するのかという選択ではないかと思います。ただ、その場合、修正をしないでサンプル入れ替え後の実線をずっと旧ベンチマークのところまで遡れるのでしょうか。
○久古谷課長 これはギャップで修正しているように見えて、ここでゼロになっているように見えるのですが、実際はギャップ率ということでやるので、本当にゼロに近づいているわけではありません。率で書くと視覚的に理解しづらいので、差で評価しているような図にしているのですが、実際は比率でやりますので、こんなに極端に差があるということはありません。
○廣松特任教授 それはわかります。
○永濱委員 三角修正方式をやらないということは平行移動方式だけで終わってしまうのですか。
○小巻委員 前年同期でつないで、遡っていくということで、CPIと結果的には同じ形になると思います。
また、廣松先生がおっしゃった参考系列の部分は、私は実はどちらかというと余りやらないほうがいいのではないかと思っております。過去にGDPが93SNAに変わったときに、68と93を両方発表して、平成22年のときに結局93は高く出て、68が低く出て、あのときの新聞とか政府は旧の水準を支持したというか、そちらをつかまえて日銀がちょうどゼロ金利政策をやめた後だったので、いろいろ旧のほうばかりに目が向いた時期がありまして、あのようにしてしまうとダブルスタンダードになってしまうので、今のように賃金がすごく政策的に重視されている局面において、仮に参考系列で出したものと、いわゆる正式系列で出したものとの間に、プラスマイナスという違いになってくると、ますます混乱を引き起こしてしまう可能性が出てくると思いますので、私は、あくまでも勝手にやるのはいいのですが、政府として公表するいわゆる正式系列は一本でいいのではないかと思います。
○阿部座長 もう既に素案のほうに入っていますので、もし、また何か資料1-2で御意見・御質問があれば戻っていただくとして、素案に入りたいと思います。ローマ数字のⅠ、Ⅱ、Ⅲとそれぞれありましたが、順番通りでなくても、お気づきになった点、あるいは御感想、御意見、御質問いろいろあると思いますので、御発言いただければと思います。
○永濱委員 これは素案に入れるかどうかわからないですけれども、やり方を変えるとなったときに、もう既に出てしまったものは変えないということでしょうか。例えば、平成26年の数字がもしやり方を変えた方法になれば、あそこまで伸び率が下がらないことになるわけです。過去の数字は改訂しないで、これからは今回議論して決めた方法を使いますということですか。
○姉崎部長 次回の入れ替えの時に、本日御議論いただいて決めた方法でやれば、どれかの方法で過去に遡って指数は改訂をいたしますけれども、基本的に実数と伸び率は変わらないということになります。指数だけ改訂するということです。
○永濱委員 しかしながら、先ほどの平行移動でやれば伸び率は変わるのではないですか。
○久古谷課長 そういう意味では、平成27年1月で現在は三角修正でやって、三角修正で行った数字を今、公表値ということで発表しているのですけれども、今の永濱委員の御意見は、もし、この議論で平行移動がいいという話になったら、平成27年について遡って平行移動を適用した数字で公表し直すべきではないかというお話でしょうか。
○永濱委員 その辺りについても必要なのではないかと思ったのです。
○久古谷課長 それはやはり、統計の安定性で変えるのはよくないというところから起きている議論なので、検討会の結果、今まで6か月分くらい公表した数値を改めて変えるとなると、そこも変えないほうがいいという話とは少し整合性がとれないのかなという気はいたします。
○永濱委員 そもそも変わって問題になったわけですよね。
○久古谷課長 それは、平成26年12月までの数字を変えたので、今1つしか数字がない平成27年1月以降の数字をまた変えるのかというのは、また別の意味で議論が生じるのではないかと思います。
○手計補佐 補足しますと、平成27年1月以降の数値については、今やっていた三角修正と案の1つである平行移動でやると、当然、平成27年1月以降の数値は変わってくるのは事実なので、それに置きかえるということをしてしまうと、また混乱のもとになってしまうと思います。ですから、そこは逆に変えない方が良いと事務局としては考えています。
○永濱委員 つくり方としては、ここから前のつくり方と、ここから後のつくり方は違うやり方でやっていくということになってしまうわけですか。
○久古谷課長 それを言い出すと、どこまで遡って平行移動に直すのかという話になります。
○阿部座長 過去には平行移動方式や三角修正方式といろいろやってきているから、変えなくても良いのかもしれないのではないかと思います。
 ほかにはいかがですか。
 では、1ページなのですが、「Ⅰはじめに」の部分で、第一種事業所の話だけで終わっていますが、第二種事業所の話を触れておくべきではないかと思います。今回、直接対象になるのが第一種事業所だとしても、読み手がわかるように、第二種事業所もありますが、これはこういう理由でというような書き方をしたほうが良いと思います。
 それから、2ページの「(2)サンプルの入れ替え方法」の直前にある、「なお、限られた時間の中で、脱落サンプルの補正方法についてまでは議論できなかった」と書いてあります。ただし、確かにそれほど多くこれについて議論した記憶はないですが、多少議論したと覚えております。私の記憶が間違っていなければ、そもそも脱落サンプルの補正方法の有無などが問題で、これは難しいだろうということになったのではなかったかと思います。
○久古谷課長 このあたりは、樋田委員から研究の紹介があった際に、若干の議論があったと思っております。そのとき、たしか事務局側で私のほうから、樋田委員の研究だと、最小二乗法等を応用して、脱落したところをこれまでのトレンドで伸ばした場合の研究内容で、事後的な検証としては恐らく可能かと思いますが、実際に調査が実施しているところで、数か月しか調査対象になっていないものの今後の状況を推計するのはなかなか難しいのではないかという趣旨の発言をしたような記憶があります。
○阿部座長 議論してもいいのですが、議論しても答えは見つからないと思いますので、恐らくこれは難しいということだったのではないかと思います。
 もう一度、議事録を参考にしていただいて、修文をお願いします。
○廣松特任教授 私も、そこと同時に、2ページの「以上を踏まえると、限られた範囲での検証ではあるが」からの2行目の部分で「一定の存在は認められるものの」と、かなり譲歩して書いてありますが、この文言は要るのかなという気がします。少し言い切り過ぎかもしれませんが、「サンプルの長期固定化による賃金水準の上方バイアスについては、賃金分析の判断に影響を与えているとまでは考えにくい」としても良いのではないでしょうか。
○阿部座長 ありがとうございます。
 ほかに、いかがですか。
○廣松特任教授 3ページの部分入れ替え方式を導入するかどうかのところについてですが、先ほど樋田委員がおっしゃっていましたけれども、3ページの○4つを今回どれか1つをここで決めるのですか。
○手計補佐 これは、検討会で挙げられた意見を列挙しているだけで、最終的なまとめとしては、9ページに記述してありますようにあくまで当面というところではありますが総入れ替え方式で行うことが適当であるとしております。素案では、部分入れ替え方式についてはいろいろ慎重に検討する必要があり、直ちに導入するのは難しいという整理が適当とさせていただいています。
○廣松特任教授 修文の話ですが、一番下の○の「ギャップの補正が必要になるのであれば」という文章を「そもそもギャップの補正が必要になるのであれば」としておけば、もう少し強く読めるのではないかと思います。
○樋田委員 このあたりの表現の仕方についてです。正確なデータをタイムリーに知るためには、ローテーションサンプリングという方法がありますが、コストの面などを考えて実行できない。しかし、部分的にでも入れ替えをすれば、ギャップが完全に解消しなくても、それだけ早い時期により正確な情報をとり得るわけです。ですから、ギャップがあるからあるいはギャップが残ってしまうからこうだというのではなくて、より正確なデータをとるためには、このような方法もあるのだというような見方も必要と思います。
○阿部座長 そこは修文をお願いします。
○手計補佐 今の御意見を踏まえて修文させていただきたいと思います。
○阿部座長 では、ほかの箇所でいかがでしょうか。
 津森委員、どうぞ。
○津森委員 今のところの部分入れ替え方式を実施することについてですが、その結果出た数値というのは、結果的には毎回毎回サンプル誤差を含んだ数値になると思います。今のままですと、言わば3年間なら固定して一定のサンプルがどういう軌跡をたどったのかというのが、そのサンプルだけで考えれば全くサンプル誤差が何もない形で把握できることになるので、そういう意味で先ほど廣松特任教授が言われたところで、「そもそもギャップの補正が必要になるのであれば」という議論があるのではないかと思います。
○阿部座長 ありがとうございます。
○廣松特任教授 そこは事務局で修正をお考えいただければと思います。
○手計補佐 修文を考えさせていただきたいと思います。
○小巻委員 今の4ページ以降のギャップの補正の話は、指数の増減率に関しての話だと思いますが、グラフのところに「水準」とだけしか書いておりません。水準とだけ書くと一般の方は混同されてしまうので、「指数水準」と矢印のところは全て書かれたほうがよろしいのではないかと思います。
○阿部座長 今の小巻委員からの御指摘でわかりましたが、やはり何のギャップを補正して何をやろうとしているのかを明確に書いたほうが良いと思います。
○久古谷課長 実数と指数及び増減率ということで、少し整理したいと思います。
○阿部座長 今の御指摘も、図に「指数水準」と書くということですので、お願いしたいと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 最後「Ⅲまとめ」ですが、ここで「(2)サンプルの入れ替え方法」は、先ほど出てきましたが、当面は現在の総入れ替え方式で行うことが適当としてまとめております。
 「(3)ギャップの補正方法」については、ほかの案についても一定の合理性はあるものの、平行移動方式が適当という結論ということにしています。
 それから、「(4)労働者のベンチマークの更新」は、先ほどの議論で言えば案2が適当ではないでしょうか。ただし、ほかにも案1、それ以外の案として三角修正方式を行わない案、平行移動だけで修正を行う案というのも一定の考え方としてはあるだろうということだと思います。検討会として一定の方向性を示すということで、ある程度合意をとっておいたほうが良いと思いますが、まず「(2)サンプルの入れ替え方法」は、総入れ替え方式で行うことが適当であるということで、特にほかには、部分入れ替え方式についてなど何か追記して意見があるということであれば、御指摘していただきたいと思います。
○樋田委員 部分入れ替え方式の実施可能性を検討することは有益だと思いますが、現実的にはコストが限られているので、部分入れ替え方式は難しいのではないかと思います。
○阿部座長 ありがとうございます。ほかにはよろしいですか。
 では、検討会の方向性としては、総入れ替え方式で行うことが適当であるということにさせていただければと思います。
 「(3)ギャップの補正方法」は、現在のところ平行移動方式が適当ではないかとしてありますが、いかがでしょうか。これも平行移動方式だけと書くのか、過去のところにどこまで遡及させるとか、いろいろあると思いますがいかがでしょうか。
○久古谷課長 実行面で考えますと、もともと確定した数字をひっくり返すのは混乱のもとだということで、今後は固定しますけれども、一度全て変えるというのは余り理解を得られないのではないかという気もいたします。
○阿部座長 それと、ここには書いていないですけれども、他の補正で行った参考系列の公表の有無というのも議論としてはあったと思います。先ほどは、参考系列として公表すると混乱する原因になるということだったと思います。
○久古谷課長 その点を踏まえて、平行移動方式を採用しても、ギャップに関する情報は開示して、従来と同じ手法を個別に研究者側で実施しようと思えば実施できる情報は提供していきたいと考えております。
○手計補佐 先ほど小巻委員からお話のあったように、政府統計としてダブルスタンダードになるのはよくないので、少なくとも公表についてこれが公表値だというのは必ず決めて、参考値で公表だとやり過ぎなのかもしれないですが、今言われたように、研究者とか分析者が加工できるような形で、過去の補正方法と同じ方法で試算ができるような形で情報を提供していくのがよいかと思います。平行移動方式と三角修正方式の両方を同じところで公表というのは、やはりあり得ないというのは事務局としても思っていて、まとめとしては、参考系列という形でも公表するのは望ましくないと思っているところです。
○阿部座長 ほかに平行移動方式について御意見ありますか。
○姉崎部長 私も小巻委員のおっしゃっているとおり、仮に参考系列だとしても複数の数字があると混乱のもとになるのではないかと思っております。一応1つのやり方を決めたら、それで公表し、もし従前のギャップ修正のやり方が変わったというのだったら、従前のギャップ修正方法と今回のギャップ修正の方法やギャップ修正のやり方をもう一回再現できるくらい詳しく提供すれば、系列は1つというのが良いと個人的には思っています。
○阿部座長 あと、御意見としては、修正WDLT方式は将来にわたってギャップを解消するということで、先取りするという意味で、ポジティブにとらえるという考え方もあるというような御意見もあったと思います。しかしながら、ほかの案についても一定の合理性がありますが、一応今回検討した限りでは、平行移動方式というのがより適当なのではないかとまとめていくということでよろしいかと思います。
 これはどう書くかわからないですけれども、(3)の下に3つまた出てきておりますが、ないほうがすっきりしていいかと思いますがいかがでしょうか。
○手計補佐 これについては、Ⅱ(3)で記述している方式という形で示せば、同じことが書いてありますので整理したいと思います。
○阿部座長 「(4)労働者のベンチマークの更新」については、先ほどいろいろ議論しましたが、まず1つは、サンプル入れ替えは平行移動方式、ベンチマークの更新に伴うギャップは三角修正方式で補正するということです。その三角修正方式も、比較的長い期間をとる案2のほうが良いのではないかということと、平行移動方式だけでやるという考え方もあるということだったと思いますが、多数決をとれば案2かなということになりますがいかがでしょうか。
 小巻委員、追加して何かございますか。
○小巻委員 結局、合理性が高いのは、どちらなのでしょうか。もちろん実際に数字を見ないとわからない部分もありますけれども、旧の情報と新の情報それぞれベストを尽くしてつくっている数字なので、それは残していくことを考えると、そこでベンチマークが変わったからといって無理に三角修正方式で過去の情報を新のほうに合わせる必要があるのでしょうか。この三角修正方式は過去の情報を修正するわけですよね。
○久古谷課長 指数は修正しますが、増減率はそのままです。
○姉崎部長 ここは2つ案が考えられて、そこはまた実際に時期が近づくまでによく考えてさらに検討するべきというまとめでも良いと思います。あえてどちらかに結論を出さなくても、両方あるので、さらに案をよく考えてほしいとまとめるということです。
○久古谷課長 あと、この素案に書き込んでいないのですけれども、あくまでもこれは賃金・労働時間のことしかコメントしておりませんが、さすがに労働者数につきましては構成が本当に変わっているとしか判断しようがないので、そこの部分については従来の修正を行いたいと思っております。
○阿部座長 そういう点についても書いておくべきだと思います。
 あと、過去のベンチマークのところは、過去の増減率について再計算せずというのが望ましいと考えられると書いてありますが、これでよろしいかと思います。
 それでは、このような方向で書かせていただきたいと思います。
 また、本日出た御意見等も踏まえて、再度素案を事務局と私で議論して、次回の検討会で、また、整理した案を提出して、皆さんに御検討いただきたいと思います。
 ほかに何か御意見があればお願いします。
○廣松特任教授 先ほど御説明があったとおり、いろいろお考えいただいて、本日の参考資料1の「指数改訂、直近前年同月比無改訂方式」を、素案では「時差適用方式」という名称に修正したとのことでした。ただ、時差適用方式というのは何をもって適用するのかというところが明確になるように、もう少し言葉をつけ加えていただいたほうがいいのではないかと思います。
○手計補佐 正確に書くのであれば元の資料での名称がまさに的確に表しているということになりますが、短くし過ぎて意図が伝わらなくなった部分もあるかと思います。そこは少し検討させていただければと思います。
○阿部座長 それではまた検討していただいて、次回提出させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ほかに何か御発言がありますか。
 特になければ、本日予定していました議題は以上でございますので、ここからは事務局へお返ししたいと思います。
○手計補佐 皆様、長時間にわたりまして議論をいただき、ありがとうございました。
 次回、第6回の検討会の開催につきましては、9月中旬の開催を予定しております。日程調整につきましては、この後速やかに事務局より行うこととしていますが、委員の皆様におかれましては、大変お忙しいこととは思いますけれども、日程調整等に御協力をお願いいたします。
 また、議事事項については、本日委員の皆様からいただいた御意見等を踏まえて、詳細については座長とも相談の上、別途御連絡させていただきたいと思います。
 なお、近日中に第3回の検討会の議事録の確認依頼をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、これをもちまして「第5回毎月勤労統計の改善に関する検討会」を閉会いたします。本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。

                                                                                                                                                                                 
(了)

 

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企画調整係
電話 03-5253-1111(7609,7610)

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