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2015年6月26日 第14回保険者による健診・保健指導等に関する検討会

○日時

平成27年6月26日(金)13時~15時


○場所

全国都市会館第2会議室


○議題

1.「特定健診・保健指導の医療費適正化効果等の検証のためのワーキンググループ」における平成26年度最終取りまとめ(案)について
2.第2期における後期高齢者支援金の減算基準について
3.新たなワーキンググループの設置について

○議事

○多田羅座長 それでは、まだ定刻まで1~2分ありますが、委員の皆さんおそろいになりましたので、ただいまより「第14回保険者による健診・保健指導等に関する検討会」を開催させていただきます。

 委員の皆様には、お忙しいところ御出席いただきまして、ありがとうございます。

 会議の開始前にお知らせがございます。本検討会の委員を務めていただいておりました齋藤正寧委員が去る1月5日に逝去されましたので、皆様に改めてお知らせするとともに、皆さんとともに心から先生の御冥福をお祈り申し上げたいと思います。

 ありがとうございました。

 それでは、会議に先立ちまして、前回の開催から委員の交代がございますので、本日の委員の出欠状況とあわせて、事務局から確認をお願いいたします。

○加藤補佐 それではまず、委員の交代について御紹介させていただきます。

 佐藤委員にかわりまして、日本歯科医師会から深井穫博常務理事、中村委員にかわりまして、全国国民健康保険組合協会、佐藤文俊常務理事、山門委員にかわりまして、日本人間ドック学会より御推薦いただきました武藤繁貴聖隷健康診断センター所長に御就任いただいております。

 次に、本日の委員の皆様の出席状況を確認させていただきますが、本日は、井伊委員、伊奈川委員、岡崎委員、吉田委員より御欠席の連絡をいただいております。

 また、欠席委員のかわりに出席される方について御紹介いたします。

 吉田委員の代理としては、増田参考人に御出席いただいております。

 事務局からは以上でございます。

○多田羅座長 ありがとうございました。

 それでは、議題に入らせていただきます。議題の1でございます。「『特定健診・保健指導の医療費適正化効果等の検証のためのワーキンググループ』における平成26年度最終取りまとめ(案)について」、事務局より説明をお願いいたします。

○安藤室長 医療費適正化対策推進室長でございます。本日は、御多忙のところ御参集いただきまして、ありがとうございます。

 私のほうから、議題1につきまして御説明させていただきたいと思います。用いる資料といたしましては、資料番号、右肩にございますけれども、資料1-1の「第三次中間取りまとめ概要」というものと、それから、別冊で冊子になったものを2束送付させていただいておりますが、資料ナンバーといたしましては資料1-2ということで、最終取りまとめということで冊子を配らせていただいております。

 まずもって、この最終取りまとめでございますが、これまで、この検討会のほうにも第一次、第二次ということでワーキングの中間報告をさせていただいたところでございますが、今般、前回の検討会での御議論も踏まえまして、さらに分析を進めまして、第三次中間取りまとめという形で取りまとめを行ってございます。そちらの第三次も加えて、第一次、第二次、第三次という全体で最終取りまとめということで、一旦はこの2年間のワーキンググループでの検証作業をまとめさせていただいておりますので、本日は資料1-2という形で冊子で配らせていただいております。

 ただ、第一次、第二次の部分については、これまでこの検討会にも御報告させていただいているものと基本的に内容は同じになってございます。ですので、本日は、お手元にございます資料1-1の、今回の分析として新たに結果がまとまった部分、第三次中間取りまとめの概要に即しまして御説明させていただきたいと思います。資料1-1をごらんください。

 まず、資料の1枚目でございますが、「特定健診・保健指導の効果検証の概要」ということで、ワーキンググループのメンバーの先生方ですとか、先ほど来申し上げておりますけれども、これまでのこのワーキンググループでの検証について、その概要を記載させていただいているものでございます。

 これまで、昨年でございますけれども、平成26年の4月に、まずは特定健診・保健指導の実施による検査値への影響について、第一次中間取りまとめという形で御報告させていただき、次いで、昨年の11月でございますけれども、特定健診・保健指導の医療費適正化効果について、第二次中間取りまとめという形で御報告をさせていただいているところでございます。

 今回は、前回まではいわゆる単年度、特定保健指導を行った翌年度の検査値、あるいは医療費への効果ということで御報告させていただいておりましたけれども、経年的な分析をその後実施いたしましたので、そちらについて、第三次の中間的な結果として御報告させていただくというものでございます。

 資料の裏面でございますが、まず、今回の分析のデザインの概要について、2ページに記載してございます。まず分析の対象者でございますが、こちらにつきましては、御案内のとおり、今、現行、ナショナルデータベースに入ってございますレセプト情報と、それから健診情報、こちらについては突合率の問題というのがございます。前回の検証のときもそうでございましたが、そういったことがございましたので、今回の第三次の分析においても、平成20年度から23年度の特定健診・保健指導データのうち、全ての年度についてレセプトのデータとの突合率が8割以上あった保険者のデータを活用して分析を行ってございます。

 結果的に、分析対象者数でございますが、365の保険者、大部分が国保になってございますけれども、毎年度、20万人から22万人の分析対象者数で分析を行っているというものでございます。

 次に2番の分析の方法でございますけれども、まず端的に申し上げますと、上の○のところに書いてございますように、平成20年度に特定保健指導の対象となった方について、特定保健指導を完了された方と参加されなかった方という2つのグループに分けて、それぞれ検査値、あるいは医療費、それから外来受診率について経年で追いかけてみるという分析を行ってございます。

 より詳細な定義についてはその下に書いてございますが、まず、参加者と定義づけておりますのが、こちらは平成20年度に特定保健指導の対象となった方のうち、20年度に初めて特定保健指導を受けて、6カ月評価まで完了された方を参加者と定義づけております。

 なお、今回、経年で分析しておりますので、21年度以降どうなのかというところもワーキングの中では議論として上ったわけでございますけれども、今回、この参加者については、21年度以降特定保健指導を受けているかどうかは考慮せずに、参加者をグルーピングしているということでございます。

 したがいまして、この参加者の中には、20年度はもちろん特定保健指導を完了されているわけでございますけれども、以降の年度においても、複数回、特定保健指導を受けていらっしゃる方が含まれているということでございます。

 続きまして不参加者でございますが、こちらにつきましては、平成20年度に特定保健指導の対象となった方というところは同様でございますけれども、20年度から23年度まで一度も特定保健指導を受けたことがないという方を不参加者という形で定義づけを行いまして、それぞれ、先ほどの繰り返しになりますけれども、検査値、医療費等について経年で追いかけているという分析を行ったところでございます。

 その結果が次ページ以降でございますけれども、3ページ、4ページが、まずは検査値の結果の概要を書いたものでございます。まず、こちらの検査値の結果の概要の御説明に入ります前に、当たり前でございますが、特定健診を受けられた方でないと検査値というのは出てこないということがございます。ですので、今回のこの検査値の分析を行うに当たりましては、先ほど定義づけいたしました平成20年度に特定保健指導の対象となったという方では共通しているのですけれども、以降、21年度、22年度とそれぞれ各年度において特定健診を実際に受けられた方を対象といたしまして、その両群を参加者、不参加者に分けまして、それで比較するということを行ってございます。

 御参考までに、ちょっと恐縮でございますけれども、1-2の分厚い冊子の61ページをごらんいただきたいと思います。61ページの一番下に「表18 特定保健指導後の検査値の経年分析の分析対象者数」ということで書いてございますけれども、こちらがいわゆるこの分析のn数になってございます。ベースラインというのは20年度に特定保健指導の対象となった方、積極的支援で申し上げますと、総対象者が約8万9,000人ということで、そのうち実際に完了された方が約1万人で、対照群、参加されなかった方が約7万8,000人という状況になってございまして、以降、1年後、2年後、3年後というのは、21年度、22年度、23年度のそれぞれの分析対象者数を書いてございますけれども、先ほど申し上げましたように、こちらの検査値の分析については、実際に特定健診を受けていらっしゃる方を対象にしておりますので、このベースラインの総枠の中には皆さん入っておりますけれども、その中で実際にそれぞれ各年度に特定健診を受けた方ということで、いわゆるn数についてはそれぞれ年度によって異なっているという状況にございます。

 恐縮ですが、資料1-1に戻っていただきまして、その結果でございます。3ページのほうに戻っていただきまして、まず結果の概略でございます。最初の○のところに書いてございますが、積極的支援、動機付け支援ございますけれども、まず積極的支援につきましては、参加者は不参加者と比較いたしますと、おおむね全ての検査値において特定保健指導後の3年間、検査値の改善効果が継続していることが確認されたというものでございます。また、動機付け支援の参加者につきましても、積極的支援よりは改善幅というものは小さくなってございましたが、同様の傾向が見られたというのが今回の分析の結果となってございます。

 下には、表といたしまして、積極的支援の検査値の推移についての例を書いてございます。まず表の見方でございますが、それぞれの年度で、20年度の検査値、1人当たりの平均の検査値との差をグラフ化したものを載せてございます。

 青が実際に参加したグループ、参加者で、赤が不参加者という形になってございまして、ごらんいただければおわかりになりますように、このページでは、腹囲、体重を載せてございますが、この青と赤の差でございますけれども、それぞれ3年たった後も引き続き有意な差が認められるという状況であったところでございます。

 ただ一方で、この青、赤、ある程度共通で言えるのですけれども、やはり年とともに検査値自体は悪くなる傾向にございまして、腹囲、体重もございまして、4ページ目のほうには、血糖値、血圧、それから脂質について同様の形でグラフ化したものを書いてございますけれども、差としては、3年後も有意な差というものが確認されてございますが、それぞれ、青も、それから赤についても年々検査値自体は悪化するといったような傾向もあわせて見て取れたというところでございます。

 続きまして5ページに参ります。今度は3疾患関連の1人当たり入院外医療費・外来受診率の分析の結果でございます。医療費を見る場合については、健診を受けている受けてないというのは関係ございませんので、基本的にレセプトで全部見られるということがございますので、こちらについては、先ほどの検査値と異なりまして、各年度、全て同じ対象者で追いかけるということを分析の中でやってございます。

 こちらも、参考までに、先ほどの資料1-2の65ページをごらんいただきたいと思いますが、65ページのほうに表22として「特定保健指導後の1人当たり入院外保険診療費及び外来受診率の経年分析の分析対象者数」、いわゆるn数を記載させていただいております。

 今申し上げましたように、こちらについては、基本的に各年度とも同じ対象者を3年間追いかけるという分析を行ってございまして、例えば積極的支援で申し上げますと、総対象者数約10万人弱のn数でそれぞれ分析を行っているという状況でございます。

 行ったり来たりで恐縮でございますが、5ページのほうに戻っていただきまして、医療費のほうでございますけれども、前回の第二次中間取りまとめのときと同様に、糖尿病、高血圧症、脂質異常症という3疾患、いわゆるメタボリックシンドロームと言われる3疾患関連の1人当たりの外来の医療費について経年で見るということをやってございます。

 その結果でございますが、まず、上のところに概略書いてございますけれども、積極的支援につきましては、参加者と不参加者とを比較いたしますと、この1人当たりの3疾患関連の医療費については、男性でおおむね5,340円~7,020円程度、女性で6,390円~7,550円程度の差異が認められたということでございます。

 下に参考までに積極的支援の例を書いてございますけれども、表の見方といたしましては、今回、折れ線で書いてございますが、青については参加者、赤が不参加者となってございまして、これは前回見ていただいた結果と基本的には同じでございますけれども、1年後の差というものが、おおむね3年後も同じような差というものが今回の分析では認められたという結果に男女ともなっているということでございます。

 その下には外来受診率を書いてございますけれども、外来受診率についてもおおむね医療費のほうと同様の傾向が見られるといった結果でございました。

 ただ、こちらにつきましても、先ほどの検査値と同様に、ごらんいただければおわかりになりますように、年々、年とともに医療費自体は、これは青、赤関係なく、両者とも上がっているという傾向もあわせて見て取れたというところでございます。

 簡単でございますが、資料1-2の説明は以上でございます。

○多田羅座長 ありがとうございました。

 かなりきれいな傾向のあるデータが出ているということは非常にありがたいことだと思います。基本的なことは今の御説明で御理解いただけたと思いますが、やや詳細につきまして津下委員のほうから何か補足いただけますか。

○津下委員 それでは、ワーキングの委員としてこの分析にかかわりましたので、その詳細について補足説明をさせていただきます。

 分析の視点としましては、できるだけ多くの対象者数を確保した分析をしたいということ。毎年22万人のデータがありますが、例えば4年間連続して健診データもレセプトも全てそろった人だけで分析するというと、限られた対象者数になります。連続的に健診を受けていない方を含んで比較していますので、年度ごとに対象者が異なることから、ベースラインとの比較をするというような形で提示しております。

 それから性、年代、そして年度ごとに分けて分析を行いました。例えば資料の70ページの腹囲の図をご覧いただきますと、40から64歳の積極的支援全体を右下図に示すとともに、5歳刻みで各年齢層のデータを出しております。検査値の異常、すなわち有所見率は、性、年代ごとに異なりますので、通常、公衆衛生的な研究では年齢調整をいたします。しかし、今回はその年齢の方がどういう結果だったのかということをセグメントごとに示したいということで、年齢調整をかけず、年齢区分で表現するという形で整理しております。保険者さんによっては加入者の性・年齢分布が異なりますので、同年齢比較などをしていただきやすいと思います。

 また、分析の方法も、できるだけシンプルに差の平均値を比較するということで、特別な、非常に難しい手法を使っていません。実際の特定保健指導の分析で保険者さん等が活用されるときに利用されやすいように、比較しやすい分析になっていると思っております。

 全体の考察は236ページにまとめてあります。まず検査値につきましては、先ほどの腹囲、BMI、体重など肥満に関する指標は、介入群のほうが3年間を通じて良好でありました。一方、HbA1cにつきましては(ページとして82ページから89ページまでがHbA1cに関するデータになっております)、40から64歳のところを見ていただきますと、ベースラインの数字で介入群、対照群と若干の差があります。対照群のほうが数値が高いということがありましたので、86ページを開いていただきますと、HbA1c7%以上の人は除外し、7%未満の方で改めて分析をし直すというような形で提示しております。この方法によって、40から64歳、女性に見られていた有意差はベースラインでは消失しているということになります。

8889ページで見ていただくと、このような対象者の絞り込みを行いましたが、やはり非介入群、対照群は年々HbA1cが上がっていくという結果になっておりました。積極的支援実施群においても、翌年は下がるけれども、その後は徐々に上がっていくという傾向があります。メタボリックシンドロームの方を対象としており、内臓脂肪がたまってインスリン抵抗性が高いということで、放置すれは糖尿病がどんどん悪化してしまうことを示しています。このような対象に対して保健指導することで、その悪化のスピードを緩めるというような効果が見られたのではないかと思っております。

 この効果は動機付け支援でも同じようにみられます。133ページにはHbA1c7%未満の男性の図が掲載されておりますが、差分を135ページに示しております。動機付け支援におきましても、対照群では右肩上がりになっております。動機付け支援を実施することで、この悪化のスピードが抑制されているということがわかります。

 このように、メタボリックシンドローム、またはその予備群の対象者に対して、ただ結果を返すだけではなくて、保健指導することで糖尿病の悪化を防いでいる効果が観察されたのではないかと考えております。

 それから、資料1-2の208ページをごらんください。208ページからは同じ対象者における保険診療費を見ております。積極的支援、動機付け支援の保険診療費について、年度ごとに検査値とちょうど同じ対象者の診療費を見ております。

 この結果から、対照群のほうが介入群より若干保険診療費が高い。介入群のほうが検査値が良好なために、保険診療費が低いということにもなります。検査値がよかった理由として、お薬を使って改善したというよりも、むしろ内臓脂肪が減って検査値が改善したので保険診療費が下がったと考えたほうが自然と考えられます。

 「考察」といたしましては、このような分析結果から、特定保健指導により内臓脂肪、体重の減少をもたらし、検査値が改善し、そして保険診療費がその後3年間、対照群より低かったことが証明されました。特定保健指導には一定の効果はあったのではないかと思います。

 ただ、細かく見ると、例えば50代の女性でやや対照群と介入群の差が逆転しているところも見られます。糖尿病、高血圧、脂質異常以外の診療費が入ってきたりするという理由もあるかもしれませんが、詳細に分析すると若干でこぼこはありますけれども、全体として集計しますと有意な差が見られたというのが今回の分析の結果だと思います。

○多田羅座長 ありがとうございます。

○安藤室長 座長、済みません。ちょっと補足。1点忘れましたので。

○多田羅座長 ちょっと待ってください。今の説明で、7%未満に限ったのというのがございましたね。そのことを簡単に。

○津下委員 HbA1cがとても高い方、例えば7%以上の方ですと、積極的支援に該当しても、保健指導よりは受診勧奨を優先するということにもなります。対照群の中には受診勧奨している人がたくさん見えるだろうということを想定しています。6%台までの方ですと受診されてもすぐに薬ではなくて、まずは生活習慣改善ということになる可能性が高く、この範囲で二群間の比較分析することになりました。

○多田羅座長 ありがとうございます。では、どうぞ。

○安藤室長 申しわけございません。ありがとうございます。

 先ほど説明の中で今後のことについてちょっと言い忘れてしまいましたので、若干補足させていただきます。

 先ほど申し上げましたように、2年間分析作業を行ってまいりましたので、今回、一旦それの取りまとめということで、これまでの成果を最終取りまとめということでまとめさせていただいておりますが、引き続き、今年度以降もこちらの効果検証作業につきましては行っていこうと考えておりまして、まず、当然、毎年度毎年度、ナショナルデータベースのほうにデータが蓄積されてまいりますので、これまでと同様の経年でどういう影響があるかということについての分析ということを行いますとともに、あわせまして、前回の検討会の中でも委員のほうから御指摘ございました何点かについても今年度の中で行っていきたいと思っておりまして、1つには、今回やっているのはマクロのデータ分析でございますけれども、個々の保険者さんごとに、実際にデータヘルスを進めるなどにおいて活用できるような分析ツールみたいなものはできないかといったような御指摘をいただいておりますので、それにつきましては今年度の検証作業の中でそういったツールができないかということの検討を進めていきたいと思っておりますのと、それから、ちょっと個別になりますけれども、前回の検討会の中で、白川委員のほうから御指摘いただいておりました健診を受けてないグループとの対比の中でどういった傾向が見られるかといったような点ですとか、あるいは下浦委員のほうからいただいておりました繰り返し保健指導を受ける方というのの効果がどうなっているかといったような御指摘もいただいてございますので、こちらにつきましても、今年度のワーキンググループの検証作業の中で、分析・デザイン等は今後ワーキングのほうで詰めたいと考えておりますけれども、検証作業というものをやっていきたいと思っているところでございます。

 済みません。以上でございます。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 今の室長及び津下委員からの補足説明を含めまして、御質問、御意見いかがでしょうか。

 どうぞ、白川委員。

○白川委員 いつもワーキンググループでポイントを突いたわかりやすい分析をしていただきまして、まことにありがとうございます。若干感想めいた意見になるかと思いますが、何点か述べさせていただきたいと思います。

 最初に、積極的支援をやることによっていい効果が出ているのですけれども、積極的支援を受けた方と受けていない方の差が年を経るごとに縮んできていることを考えれば、例えば3年ごとに積極的な保健指導をやるとか、3年がいいかどうかは別にして、何かそういう繰り返しを少し考えていかなければいけないのかなという感じが1つしております。

 それからもう一つは、津下先生のお話でも、HbA1cでかなり抑制効果が出ているのではないかという説明は確かにそうなのですけれども、ただ、見方を変えますと、積極的支援をやっているのに数値としては悪くなっているということは、世の中、スイーツブームらしいですから、その影響があるかどうか知りませんが、今まで、塩分控え目とかそういうのを随分強調してきたのですけれども、今後は糖分控え目という取組も少しやっていきませんと、先生の御意見のとおり、糖尿病が国民的病気みたいに既になっておりますので、これを防止するということに少し重点を置いた広報活動とか指導とか、そういったものが必要かなという印象を受けております。

 それから3つ目は、5ページに医療費の影響をまとめていただいて、一番右に参加者と不参加者の差が出ておりまして、大体6,000円とか7,000円ぐらいの差と。積極的支援が大体2万円弱ぐらい、1回一人にかかるということですので、それを考えると、まあトントンかなという感じがしますが、我々として、この差を広げることを考えていかなければいけない。これは保険者の責任だと思いますので、積極的支援のやり方とかそういうことを含めて少し考えていかなければいけないかなという感じがしております。

 それからもう一つ、これは事務局にお願いですが、前回申し上げたかもしれませんが、2ページ目に分析対象がありまして、国保が大半ということで、これはデータのマッチングの問題からこうせざるを得ないということを前回も御説明いただいて理解しているのですけれども、国保はどちらかというと高齢の方が多い、あるいは疾病を持った方が多いということでありますので、全体から言うと、平均からはちょっと違うのかなという感じがしております。

 何が言いたいかというと、被用者保険者が44しか入っていないので、今後、ぜひこの被用者保険、特に協会けんぽさんは1つあるだけでも随分大きいですし、健保組合もどんどんこういうデータの中に取り込んでほしいなと思っています。ただ、何をどうすればマッチング率が高まるのか、その辺がよくわからないものですから、たしか前回は全角、半角の問題もあるという話を聞いたかと思うのですけれども、どのようにしたら被用者保険のマッチング率が高まるかということについてぜひ具体的に御示唆いただければと思います。

○多田羅座長 ありがとうございます。では、まず室長からちょっとお答えいただきましょうか。

○安藤室長 貴重な御提言も含めてありがとうございます。一番最後のところの、いわゆる突合の話についてまずお答えさせていただきますと、今、白川委員御指摘のとおり、冒頭にも私のほうから申し上げましたけれども、今、ナショナルデータベースの中で突合率の課題というものがございます。協会けんぽなど、一番大きなところでの大きな課題、すごい単純な、ある意味、理由ではありますけれども、レセプトと、それから健診情報とそれぞれ匿名化処理して、それでナショナルデータベースに入れているわけでございますけれども、その匿名化の過程で、もともとのデータが全角であるか半角であるかという違いがあって、同じ方の同じ情報であったとしても、全角、半角の違いで匿名化処理したときに違う方のデータという形になってしまっているというのが一番大きな原因であると我々も認識しておりますが、それ以外にも、特に健保組合については、いろいろ我々のほうでも具体の聞き取り調査等を行って、それで、今、改善作業に取り組んでいるところでございますので、そちらにつきましては、今後ちょっと個別にいろいろまた御相談させていただければと考えているところでございます。

 いずれにしましても、まさに今年度からその改善作業を開始しているところでございますので、若干時間かかってしまうのですけれども、できるだけ被用者保険のデータも含めた分析ができるようにデータベースの整備というものを進めていきたいと考えているところでございます。

○多田羅座長 それで大体いつごろ、見通しとしてはどうなのですか。

○安藤室長 今のスケジュール感ですと、実際に被用者保険のデータ、突合率上がった形でデータを使えるようになるのは、大体29年ぐらいから使えるようになるのではないかと考えているところでございまして。済みません。

○多田羅座長 昔から言われておるからね。24年からね。

○安藤室長 できる限り迅速にもろもろの取組を進めたいと考えておりますけれども、いずれにしましても、現時点の工程ですとそういう感じになっておりますので、もう少しそれが早まらないかどうかということはやっていきたいと思います。

○多田羅座長 白川委員がわざわざ手挙げて言ってくれた値打ちが生きてないと思うけれども、やはり値打ちも生かしてもらわないとね。

○安藤室長 ありがとうございます。肝に銘じて、できるだけ急ぐようにいたします。

○多田羅座長 29年はちょっと待ちかねるね。

○安藤室長 かしこまりました。

○多田羅座長 それからもう一つ大きな話としては、HbA1cで日本人の血糖の推移というのは、前回もどうも血糖の推移が望ましくないという指摘ありましたね。だから、これは保健指導をどんどんやっていかないと日本人の全体の血糖の推移がどうも問題あるのではないかという。ナショナルデータベースの推移でかなりわかってきたところがあると思うのですね。国民のデータとしましてね。それは保健指導でよくなっている、よくなってないとは別に、国民の血糖の推移というものがどうもこのままだと少し悪化している傾向になっているのではないか。全体の傾向はですね。そのことを今、白川委員からも改めて御指摘いただいたと思うのですけれども、その辺は何か考えておられることありますか。

○安藤室長 まず、糖尿病につきましては、私どもとしても、先ほど白川委員がおっしゃっていただいたとおり、まさに国を挙げてその取組を進めていかなければいけないと思っておりまして、もちろん一次予防というところもございますし、重症化いたしますと、御案内のとおり、いわゆる人工透析みたいな形になって、医療費はもちろんですけれども、さらに個々人の方の生活の質というものにもかなり影響するような形になりますので、そういった重症化予防についても今後は政策的にも力を入れていきたいと考えているところでございます。

 そういった中で、先ほど白川委員からございました、いわゆる一次予防的な話でございますけれども、糖分について、これからもっと国民的な普及というものも進めていくべきではないかという貴重な御指摘をいただきましたので、そちらにつきましては、今後のまさに政策の中で生かすように考えていきたいと思っているところでございます。

○多田羅座長 こういう発表だとどうしても保健指導の効果のほうの話が報道なんかも中心になってしまって、その水準そのものの推移がどうかということは必ずしも十分認識されない。効果があるないの話のほうに行きましてね。だけれども、実際上これだけ大きなベースで、糖尿病といいますか、日本人の血糖値の推移ですね。非常に大きなことが認識されている。前回この検討会でもやったと思うのですね。第一次報告のときですかね、出ていると思いますので、その辺ひとつ国家的な観点からお願いしたいと思いますね。

 津下委員、その辺、何かございますか。

○津下委員 高齢化とともに数値が上がっていくというのも1つはありますけれども。

○多田羅座長 年齢・階級別に見て、少し推移が。

○津下委員 そうですね。やはり非肥満の方と比べると肥満の方の上がり方は高い可能性があります。今回はメタボという対象者ですので、特に上がりやすい対象者であろうということはわかるのですけれども。外国の介入研究でも、ただ観察しているだけでは右肩上がりに上がっていくのをどれだけ抑制して、糖尿病の発症を遅らせるかが重要と。もし5年間発症を遅らせればそれだけ合併症を遅らせるという考え方です。HbA1cを下げるというのも本当はもっといいことなのですけれども、上昇を遅らせるということも重要なことといえます。

 それからもう一つの点は、4年間で一回も受けてない人が8万人、平成20年で受けた人が1万人なのですね。その比較で差が出ました。差が出ることはうれしい半分、受けてない8万人の人たちがこれだけ右肩上がりになっているという問題は大きいなと感じています。

○多田羅座長 そうですね。そこのところ、津下委員がもう少し強く言ってもらったらよかったな。結果が出ましたという話はよくわかったので、受けてない人がこんなに多いというのは重要なことですね。ありがとうございます。

 それから、白川委員の御発言で、費用がとんとんというので、辛うじてとんとんということを確認いただいたような感じなのですけれども、この辺の見通しといいますか、室長は医療費適正化対策室長ですので、どのように。まあこんなものでよかったという感じですかね。

○安藤室長 もちろんそれは医療費に影響があればあるほどいいだろうとは思っておりますけれども、先ほど白川委員のほうからも意見の中にございましたように、きょうの議題の3の中でもちょっと申し上げるべき話かもしれませんが、保健指導の実際やり方ですとか、保険者さんによっても効果の出方というのは多分違っているのかなと考えておりますので、今年度においては、まさに前回の検討会でもちょっと申し上げましたけれども、単にマクロのデータだけではなくて、もう少しミクロに入って、個々の保険者さんで実際に効果を上げていらっしゃる保険者さんがどういった取組をやっているのか。もしそこから参考になるような情報というのがあれば、それを吸い上げて、各保険者さんのほうに広げるといったようなもう少し丁寧な分析なり取組というものも進めていきたいと考えているところでございます。

○多田羅座長 これは平均値で見ていますからね。もっと各事例ごとに見ていって教訓を得るということですね。ありがとうございます。ほかにどうですか。

 今村先生。

○今村委員 本当にワーキングの先生方、津下委員を初め、御尽力されて、詳細な分析をされて、検査値の改善であるとか、あるいは医療費の軽減であるとか、こういうデータが出たのはとてもよかったと思っております。

 1点御質問で、いわゆる特定保健指導の対象者と医療費の分析の対象者は同じということで伺ったと思うのですけれども、資料1-2の61ページの表18は特定保健指導を受けた後の検査値ということで、対象者が3年後までの分析で出ていて、65ページのほうが表22ということで保健指導後の医療費の推移が出ているのですが、これは数字が全く違っていて、同一の人を比べたという御説明だったように思ったので、私の勘違いかどうかということで確認させていただきます。

 それからもう一点、これは今まさしく白川委員も、それから安藤室長もおっしゃったので私があえて申し上げることでもないのですけれども、積極的支援はポイント制でやっていますので、今回、対象者が国保が多いということで、積極的支援の内容は余り変わってないだろうなと思われます。実は白川委員、組合健保なんかもいろいろ工夫されて、費用もいっぱいかけて保健指導やってもらえるとすると、そのコストと実際の医療費というのはどうなのかというのはやはり詳細に分析しないと出てこないのではないかなあと思うのですがいかがでしょうか。

○多田羅座長 インプットとアウトプットの関係がこれでは明確でないというわけですね。

○今村委員 ええ。明確でないなとちょっと思ったので、ぜひ御検討いただけると。

 あと、前回もちょっと申し上げたのですが、医療費の話で、急速にここのところ後発の医薬品の使用というのが進んでいるので、その影響がどの程度出ているのかを把握できないかなと考えています。この分析はこれから長い間続けていかれると思いますので、その中である程度後発医薬品の使用率が安定したところでまた見ていただく必要もあるし、また、その使用率の伸びとどれぐらい使われているかというのは概算でそういうものを勘案して出せるのかどうかということもちょっと御検討いただけるとありがたいかなと思っています。

 以上です。

○多田羅座長 せっかくのチャンスなのですけれども、対策室長としては、今、後発のジェネリックはどのぐらいの割合使われているのですか。数字はあるのですか。

○白川委員 ことしの1月時点で57%と聞いています。

○安藤室長 そうですね。今、57%ぐらいですね。

○多田羅座長 それは誰が一生懸命なのですか。お医者さんが一生懸命なのですか。

○白川委員 お医者さんも薬局も保険者も国民自体も。

○多田羅座長 医療費が下がるということですね。

○白川委員 はい。

○多田羅座長 わかりました。では、もう6割いっていますね。どうですか、室長、その辺の。

○安藤室長 まだ6割はいってないです。もう少しですけれども、今、5657%。年々伸びてございます。

○多田羅座長 わかりました。今村先生の質問がありましたね。

○津下委員 医療費については2つの方法をやっていまして、68ページの表18のように、検査値の評価と同じやり方でやったのが210ページから221ページ。検査値を評価した対象者と同じ対象者の保険診療費なので、年度ごとに違う人物の医療費になっています。222ページからの折れ線グラフで書いてあるほうについては、検査値がない人も含まれます。

○多田羅座長 要するに、最初、20年度からのデータで同じ人間をフォローしているということね。

○津下委員 65ページのように、99,424人、積極的支援、それが1年後、2年後、3年後も同じ対象者数になっていまして、これは健診を受けてない人の医療費もすべて入っています。同じ人数で経年的に見ているのがこの224ページです。

○今村委員 健診を受けない人の医療費を見るというのは、それはそれでいいと思うのですけれども、今回の主たる目的である健診をして、検査値も変わって。

○津下委員 その翌年度以降に健診を受けてない。

○今村委員 その年は受けたけどという意味ですか。

○津下委員 前のほうの検査値の分析は健診を受けてないと分析できないので、健診データがある人だけで分析しています。後ろのほうは健診を受けてない人が2万人ぐらいいるのですが、そういう人たちの医療費もレセプトだけはわかるので、計算してあるという状況です。

○今村委員 ですから、その後、健診を受けなかった方たちの医療費は、例えば初年度の健診をして保健指導を受けた後の医療費削減の影響も込みで見ているということですね。ずっと健診も受けないままになっているけれども、その人たちも一応分析対象にはなっているということですね。

○津下委員 そうですね。

○今村委員 そうすると、そういう方と、きちんと健診を毎年受けながら、動機付け支援であり積極的支援も繰り返し受けている人たちもその医療費の分析の対象として、それを一緒に見ているということですね。

○多田羅座長 同じ人間をずっとフォローしているということですね。

○津下委員 最後の折れ線グラフの分析ではそういう形です。

○多田羅座長 経年的にもかなりの効果が残っているというのは非常に、むしろ驚いたのですけれどもね。次の年あたりは当然効果が出るのでしょうけれども、それが2年3年とそれなりに統計的に有意な効果が残っているというのは、それだけの教育効果があるということが認識されたということは一つの大きな知見ではないかなと思います。

○白川委員 私、3年間で元取れると言いましたけれども、もう少し長期的に見ることも必要かと思います。

○多田羅座長 そうですね。可能性、わずかではありますけれども、少なくとも4年後、5年後も若干の効果は残りそうだということで言えば、とんとんから、ややプラスというか。

○白川委員 かなりプラスではないかと思いますが、まだデータが出ていませんので。

○多田羅座長 ありがとうございます。ほかにどうぞ。

○横尾委員 ありがとうございます。今回のいわばビッグデータ時代に非常にいい試みになったと思いますし、近々、政府のほうで考えていらっしゃる大きな健康ムーブメントを起こそうということに資するデータの一つのタイミングかと思いますので、特にワーキンググループで御尽力いただいておりますように、感謝申し上げたいと思っています。

 詳しく見ていくと気になるのが2つあります。1つは、75歳以上のデータはないのですね。

○多田羅座長 ありません。

○横尾委員 国民はこれから、75歳以上の方が増えていきますし、元気な方は100歳に届きます。2日前のNHKを見ていましたら、全世界の100メートルランニングで世界記録保持者、日本人の104歳の方です。走るのを始めたのは92歳からだそうですから、誰でも頑張ればそうなるなと思えますし、三浦雄一郎さんは80代でエベレストにチャレンジです。これは極端な例かもしれませんが、私ども自治体でも年に十何人は100歳になっていかれるので、お祝い状をしたりするのですね。そうすると、これはかつて議論がありましたけれども、健康ケアは75歳でぶつっと切れるのかという点です。要するに、国として、厚生労働省、あるいは公共の団体として、国民の健康に関する意識をつながなければいけないと思うのです。そういう意味では、75歳以上も含めた国民のデータというのをちゃんと確保して、そしてビッグデータ分析をするなりしていかないと、終末期医療で大変金がかさみますよという話は一般論で言われますけれども、ではどうなのか。長寿を重ねてお元気な方もいらっしゃいますけれども、そういう方はどういうケアをされているのか。これも非常に貴重なデータなので、その辺は厚生労働省としてどうお考えなのかをぜひ聞きたいのが1点目です。後期高齢者にかかわっていますので余計に思いますし、きっと後期高齢の方はそういう関心が高いはずです。これがプレス発表して詳しく出れば出るほど持たれると思いますので伺いたいのが1点目です。

 もう一点は、これもまた出てないことなのですけれども、私どもの保健師等の意見や日々の仕事の内容を聞いていますと、実は小中学校の中で既に成人病体質、あるいは成人病傾向のある児童や生徒が増えてきている傾向がございます。いわゆる子供成人病、子供生活習慣病とも言われていますけれども、こういった事例のことです。今回は40歳未満は入っていませんけれども、今後どう捕捉されるのか、その辺に関してもしお考えがあるならぜひ聞かせていただきたいと思います。

 なぜならば、その段階で啓発等ちゃんと手を打っていかないと、仕方ないよと言って大きくなってくると、間違いなく20代で、「透析に行かねばならない」というふうになりかねませんし、その後の生活の質を考えていくと悲惨なものになっていきます。ぜひそういったものは早期の手だてが大事だと思いますので、今回の枠の後半とその手前と両方の問い合わせになりますけれども、方向性なりお考えがあればぜひ聞きたいと思います。

○安藤室長 貴重な御提言ありがとうございます。

 まず1点目の75歳以上の方のデータでございますけれども、特定健診は74歳までということでございますので、健診データはもちろんないのですけれども、75歳以上は任意で今健診が行われているという状態でございますので、そちらのデータ、ナショナルデータベースに入ってないのですけれども、ただ、いわゆる医療費に係るレセプト情報につきましてはナショナルデータベースの中に入っておりまして、今回は、いわゆる特定健診・保健指導の効果検証ということでしたので、75歳以上の方の分析まではこのワーキングのほうでは行いませんでしたけれども、ただ、市長御指摘のとおり、75歳以上の方の医療費の分析ですとかそういったことについては進めていかなければいけないと思っておりますので、別の形でその分析というのは省のほうでやっていきたいと思っているところというのが1点目でございます。

 それから、2点目はさらにハードルが上がって、いわゆる小中学生で、まさに市長おっしゃったとおり、そのころからいわゆるメタボの問題ということが御指摘されているところでございますが、こちらはそもそもとして、実施している主体も、役所もちょっとまたがってしまう、学校保健のほうでやっているということもございますのでまたさらにハードルが上がるところがございますけれども、ただ、今まさに市長から御指摘あったような内容というのはいろんな方から御指摘を受けているところでございますので、そこは将来的にはいわゆる生涯を通じたという形で健康づくりというものが進められるように、関係省庁、関係部局もありますけれども、乗り越えて、最終的にはそういったことができるように、そういうことを目指して連携していきたいと考えているところでございます。

○多田羅座長 どうぞ、横尾さん。

○横尾委員 前半の方ですけれども、単純に医療費を節減したいからデータをとるではなくて、その人が生活の質を保ちながら天寿を全うできるまで暮らしがやっていける、介護もあるけれども自分のペースでやっていけるということを支えるのが重要だと思うのです。そういう観点でやってほしいので、即医療費ではなくて、今ここに出ているヘモグロビンのこととかいろんな基礎データに基づく検査、例えば74歳で受けたけれども、来年は受けないことになるのですね。任意だからとか。それはやはり当時から議論が残っていまして、「自分たちのこと、政府は構わないんだね」という言い方が必ずついて回るのです。ぜひそういうことは十分に検討いただきたいと思います。

 前段の方も、確かに所管省庁が文部科学省と分かれるかもしれないのですけれども、以前もこの会議か別の会議で申し上げたのですけれども、厚生労働大臣と文部科学大臣並んで記者会見して、子供のときから天寿全うまでみんなで健康になりましょうということを訴えていただいたり、お互い情報共有しましょうということを省庁超えてぜひやっていただいたほうが良いと思います。そのほうが絶対効果が出ます。家庭の中でおじいちゃん、おばあちゃんの健康が話題になって、お父さん、お母さんが話をして、子供が聞いていてとなりますが、やはり家族ぐるみで健康意識、食生活改善、生活習慣改善しなければいけないので、ぜひそういったことは働きかけをお願いしたいと思います。

○多田羅座長 ありがとうございます。非常に大事な点、御指摘いただいたと思います。

○今村委員 今、横尾委員から御指摘いただいた学校保健の話ですが、学校保健の中で、いわゆる子供の健診、内科健診の際に、身長と体重で肥満度を必ずはかって、一定以上の肥満については、採血から指導までということを仕組み上はやることになっていて、それがどこまで徹底されているのかという問題と、もう一つは、まさしく今おっしゃったように、そういった肥満の極めて大きな子というのはお母さん、お父さん、家族がまずそういう食生活をしているという傾向があります。そういう意味で、家の中で家族全体できちんとそういう対応をとることが大切です。

 したがって、生涯にわたる保健の中で親御さんがやはりきちんとした栄養指導、あるいは食生活の知識を持つということが非常に大事なのです。そういう意味では、親御さんたちご自身が健診を受けていただいて保健指導をきちんとしていただいて重要性を理解していただく。それを家庭の中で徹底していただくということがすごく重要だなと思っています。

 日本医師会も、生涯保健の重要性ということでさまざまな、今あるさまざまな公的な保健事業は縦割りになっていて、財源も法的な根拠も違い、個々人の健診データの連続性等が担保されていません。そういうことではなくて、日本人として生まれて亡くなるまで一貫して一つの保健事業として継続して健診が受けられることが重要であると思っていますので、その辺も厚労省には御尽力いただければと思っています。

○多田羅座長 ありがとうございます。ほかによろしいでしょうか。

 深井先生、歯科医師会のほうはよろしいですか。

○深井委員 はい。

○多田羅座長 ありがとうございます。それでは、議題1につきましては以上でよろしいでしょうか。

 では、議題2のほうに移らせていただきます。議題2「第2期における後期高齢者支援金の減算基準について」、事務局より説明をお願いいたします。

○安藤室長 御説明申し上げます。資料2をごらんいただきたいと思います。「第2期後期高齢者支援金の加算・減算制度における減算基準について(案)」というものでございます。

 おめくりいただきまして1ページでございますが、まず、後期高齢者支援金の加算・減算制度でございますが、御案内のとおり、平成18年のときの医療保険制度改正において法律上位置づけられた仕組みでございまして、こちらにつきましては平成25年度の後期高齢者支援金から実際にスタートしているというものでございます。

 第1期と資料1ページで書いてございますが、こちらは平成25年度の後期高齢者支援金の加算・減算についてでございまして、このとき、24年度の特定健診・保健指導の実績に基づきまして加算及び減算対象保険者を決定して実施しているというもの、これは動いているものでございます。

 まず、25年度の後期高齢者支援金の加算・減算についての結果から御報告させていただきますと、実施方法についてでございますが、この実施方法につきましてはこの検討会において平成24年のころに御議論いただきまして、そのときおまとめいただいた方法で実施しているものでございます。

 まず加算率でございますが、こちら、0.23%という割合で実施してございます。それから加算対象保険者は、特定保健指導実施率が実質的に0%、実際には保健指導やってないという保険者さんを対象に加算するということで動かしておりまして、他方、減算対象保険者は、特定健診・保健指導の実施率の目標、これは種別ごとにございますけれども、その両方を達成した保険者を減算対象保険者とするということで、この25年度の後期高齢者支援金で加算・減算をやってございます。

 その結果が下に数字だけ書いてございますけれども、結果、加算対象となった保険者数が131ございまして、他方、減算の対象となった保険者数が181、実際に加算のほうから減算のほうに動いたお金の金額というものが加算及び減算額と書いてございますけれども、全体で約7,600万円という水準であったというのが25年度のときの結果でございます。

 本日御相談したいのはこの「第2期」と書いているところでございますが、26年度以降も29年度まで基本的にこの仕組みの中で実際にこの後期高齢者支援金の加算・減算を行うということで24年のときの検討会でお決めいただいておりますが、その際、実施方法をどうするかということで、一部、まだ決まってないところがございましたので、それについて本日検討会で御議論いただきたいというものでございます。

 具体的には、実施方法、下に書いてございますけれども、加算率と、それから加算対象保険者、こちらについては、26年度以降も基本的には25年度と同様な形で決めるということになってございます。

 減算対象保険者でございますが、こちらについては、25年度のときの考え方と変えて、当時、24年のときにつくられた考え方といたしましては、そちらに書いてございますけれども、第1期減算対象保険者数と、すなわち、181でございますけれども、同程度の保険者数が選定されるように調整済実施係数を用いて決定するということになったところでございます。

 この調整済実施係数でございますが、下の枠外のところに※印書いてございますけれども、それぞれ保険者種別によって、この特定健診・保健指導の実施状況の分布というものが異なっておりますので、その分布状況を一定程度同様となるように調整した特定健診・保健指導の実施率から算出するという形になってございまして、出し方といたしましては、その下に書いてございますけれども、実際、その分布を調整して、調整を行った後の特定健診の実施率と、それから調整後の特定保健指導の実施率を掛け合わせて調整済実施係数という形で出すということでございます。

 この調整済実施係数というのは、すなわち、各保険者ごとにそれぞれ出てくることになるわけでございますけれども、いずれかのラインで、ライン以上のところを減算対象保険者とするということで、この調整済実施係数をどこで切るかというところのラインを決めなければいけないのですが、24年のときにはこの第1期減算対象保険者数と同程度の保険者数が選定されるようというところの考え方は、一定程度、24年のときに出されておるわけでございますけれども、今回、具体的にそのラインをどこで切るかという数値について御検討いただきたいというものでございます。

 次のページでございますけれども、「第2期後期高齢者支援金の減算基準について」ということで、実際にこれを一定の推計をしまして当てはめたものがこの下に書いてあります表でございます。左から、「第1期減算対象保険者数(実績)」と書いてございますが、こちらは、先ほどもごらんいただきましたように、25年度のときの後期高齢者支援金の実際の実績でございまして、合計で181保険者数となってございます。

 右側に「第2期減算対象保険者数(推計)」と書いてございますが、こちら、今、直近の24年度の特定健診・保健指導の実施率、実績を使いまして、我々のほうで調整済実施係数を例えば0.60以上で切った場合と0.65以上で切った場合という形で、2つの推計をここに書かせていただいているものでございまして、例えば調整済実施係数0.60で切るという形にいたしますと、この減算対象となります保険者数が全体で199になる。他方、0.65以上、ちょっと上げていけばどんどん保険者数は減っていくという関係にございますけれども、0.65以上にしますと、132の保険者が減算対象保険者になると読むものでございます。

 この0.60以上でございますけれども、おおむね、先ほどごらんいただきましたように、調整後の健診実施率と調整後の保健指導実施率を掛け合わせるということなので、実施率が8割、8割のところを掛け合わせるとおおむね0.6ぐらいになるというイメージでございます。

 本日は、具体的にこのラインをどこで切るかというところを御検討いただきたいということでございますけれども、まず、事務局といたしましては、今後、加算対象の一方で保険者については減少してくることが見込まれますので、加算率は同様でございますから、年々、いわゆる動くお金については減ってくることが見込まれるということを考えると、ここの黒枠でしておりますが、第1期の対象保険者数よりは若干少なくなりますが、調整済実施係数0.65以上ぐらいのところで、要は対象保険者数を決めてはどうかという案を提示させていただいているところでございますので、そちらについて御議論いただきたいと思っているところでございます。

 3ページでございますが、本日、そういった形で水準が決まった後のスケジュールということで、(予定)ということで書かせていただいております。本日、ルールが決まりましたら、早速、その加算・減算対象保険者数の決定に向けた作業に入りたいと思っておりまして、まず、27年、ことしの8月、夏ごろに、我々のほうで持っております25年度の特定健診・保健指導の実施率と、それから、それぞれの保険者さんのほうで実際に把握しております個々の特定健診・保健指導の実施率、本来であれば御報告いただいているものでありますので、きょうも同じはずでございますけれども、一応そちらについて我々が持っているデータが合っているかどうかについて全保険者さんに対する調査というものを実施させていただいた上で、10月以降、もろもろの省令改正手続とかを経て、ことしの11月末ごろに実際に加算・減算対象保険者を決定して、以降、ことしと同じでございますけれども、来年の4月以降の26年度の後期高齢者支援金の精算に合わせて加算・減算というものを実施していきたいという、大まかに言いますとそういうスケジュールで考えているところでございます。

 以上でございます。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 ということで、第2期後期高齢者支援金の加算・減算制度における、特に減算基準について御審議いただきたいと思います。いかがでしょうか。

 前回は非常に簡単に行われたようなところもあるのですけれども、今回は実施率を実際基本にしながら、2つの実施率がございます。特定健診と保健指導ですね。その実施率を掛けたものが実施係数。実施率も、各保険者の属性によって、その特異性といいますか、立ち位置がかなり違うというところがございますので、その属性を加味した調整を行うということで、その実施率が6割であっても、その属性によって補正されると8割になる。そのようなことが調整として行われる。ですから、結果、実質的な各保険者の実施率、保健指導と健診の掛けたものを今回使ってはどうかと、そういうことですね。

 ただ、調整済実施率と言うとちょっと難しく見えるのですけれども、実態は、実際に即した各保険者の特定健診・保健指導の実施率を掛けたものを使わせていただくということでございます。では、その掛けた数字がどれぐらいのものかとなると、0.65というのは、両方とも8割ですと0.80.8掛けますと、0.64ということで、8割ぐらい達成されていると0.65となります。そういうものを一応基本として定めさせていただいたらどうかというのが事務局からの案かと思います。いかがでしょうか。

○白川委員 特に事務局案に異存があるわけではないのですけれども、実際に第1期で減算を受けた健保組合等の意見を聞きますと、御案内のとおり、最初はプラマイ10%以内とかいう話で随分大きな減算を期待していたのですけれども、諸般の事情から0.23%という財源の中での配分になったので、はっきり言うとがっくり来ていると。減算はされたけれども、余りに少額というのが実態です。

 2期目はその額よりもさらに減るというのは、2年連続頑張っていて減るのだというのは、やはり私どもとしては、保険者側にしては少しいかがなものかなあという気がいたします。ですから、1保険者当たりの減算額が昨年よりは減らないような水準と、それを最低限にしていただくくらいの配慮はいただけないかなと思っております。調整済実施係数が0.65がいいのか0.64がいいのか、この辺は実際に財源になる加算額が幾らかということにも当然よると思いますし、予定では、8月ぐらいには、もちろん微調整は必要にしても、大体めどがつくようですから、そういう考え方で実際の調整率自体はそれをベースに細かいところは決めていただくという方向でお考えいただけないでしょうかということが1点。

 それからもう一点。前回もお願いしたのですけれども、金銭的な効果が余りないものですから、名誉を与えるようなことを考えていただきたい。減算を受けた保険者を公表していただくとかです。ペナルティのほうはちょっとやめたほうがいいと思うのですけれども、この間も健康銘柄なるものが東証から、22社が公表されましたけれども、事業主から健保組合に対して、激励もあったようですので、意外と効果があるのかなと思っております。ぜひ御検討いただけないかなというのが2点目でございます。

○多田羅座長 ありがとうございます。非常に貴重な、特に金銭感覚だけでなくて、名誉を与えるようにするというのはいいかもわかりませんね。

 岩崎委員、どうぞ。

○岩崎委員 今、白川委員がおっしゃられたことと趣旨としては同じでございまして、この表を見ますと、第1期の減算実績が、単一健保が141あったものが今度の試算の中では69なり47の水準に、一見すると落ちるように見えるのですけれども、これは補正をした影響であり、そこの健保がだんだん意欲を失いではないですけれども、そういうところではなく、補正の影響で各健保の特徴の違いを補正して基準を決めていきましょうという趣旨であるというところでよろしいですね。

○安藤室長 今、岩崎委員がおっしゃられた、基本、補正の結果として、第1期と第2期の違いというのは補正しているかしてないかということでございますので、第2期は補正をした結果として、このぐらい。これは推計でございますので、実際これになるかどうかというのはわからないところがありますけれども、24年度の実績でやってみるとこのような割になるということを表として示したというものでございます。

○多田羅座長 どうぞ。

○飯山委員 国保のほうといたしましては、いろいろ事情がありますので、前回のときも、ペナルティは避けていただきたいということをお願いしたのですが、いろいろ議論がありまして、0.23%で決着ついて、それでしたらということで反対はしないということにさせていただいたのですけれども、今回も、その水準が維持されていて継続していくということであれば、先ほど白川委員がおっしゃったような名誉を与えるということも非常に大事だと思いますので、そういったことも含めて検討して実施していただければということを考えますので、これについて特に異存を申し上げることはございません。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○横尾委員 もちろん、加算・減算があるといろんなモチベーションになるのですけれども、白川委員のおっしゃるとおりなのですが、かといってみんなが優等生になってしまうと、今度分ける分が減っていきますので困るとか、そういう反応もよくわかるところですが、可能ならば、気高く、志高くいくのだったら、評価をしてあげるという意味で、頑張ったところをそのように評してあげるというのは一つの方法だと思います。

 仮に今後公表される場合等に考えてほしいのですけれども、FacebookとかLINEとかSNSをうまく使ってもらったほうがいいなと思うのですね。書き方も、データを単純に並べるのではなくて、例えば若い人とか、若い従業員や社員の方々が見たくなるような、ちょっと記載の方法を変えてみる。何も動画にしろとか派手にやれという意味ではございませんが、そうすると、ちょっと飲み会、お茶会で話題になって、お互い健康頑張らないとということがひいては受診率の向上とか底辺を上げるという形になりますので、ぜひそういったことも少し考えていただいたほうがいいかなと思います。今はデスクトップパソコンを扱うよりも、スマートフォンとか携帯でデータを入手していますので、ぜひよろしくお願いします。

○多田羅座長 ありがとうございます。その辺ひとつ工夫しながらお願いしたいと思います。

 具体的な審議でございますが、この減算基準ということを今日、お決めいただきたいのですけれども、先ほど白川委員からおっしゃっていただいたように、0.65でいいのだろうけれども、実際上0.23%でいった場合の金額が今年どうなるかということはまだわかってない、きょう審議いただく根拠がちょっと定まってないということでございます。

 ということで、座長からの提案になるのですが、一応きょうの審議としては、0.65、原案は承認いただいて、しかし、金額によっては、座長に一応御一任ということでよろしいでしょうかね。

 趣旨を御理解の上、余り金額が少なくなってしまうとやはり政策的な意味も薄くなるということでございますので、最低限、減算の金額として去年程度の金額が維持されるということで一応了承いただいたと思います。

 それからもう一つは、そういう金額はかなり微小なといいますか、余り大きな金額にならないという現実もございますので、もう少し栄誉というのですか、名誉というのですか、そういうものを達成されている保険者には、提供といいますか、そういうことを公表させていただくというその面での工夫もさせていただくということでよろしいでしょうかね。

 では、座長の考えも入れさせていただいて申しわけないのですが、今日のところは、どの程度の金額になるのか、ちょっと予測できてないところがございますので、座長に一任という部分を一部御了承いただきたいと思います。それでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○多田羅座長 ありがとうございます。

 それでは、次の議題でございます。議題の3「医療保険制度改革等を踏まえた新たなワーキンググループの設置について」、事務局より説明をお願いいたします。

○安藤室長 資料3及び資料4を使って御説明させていただきます。今、加算・減算ございましたが、今の後期高齢者支援金の加算・減算制度、基本的に29年度までということで先ほどは御議論をちょっといただいたところでございますけれども、30年度以降のそういった保険者におけるインセンティブについてどうするかということも含めまして、今般の医療保険制度改正の中で、まずは「個人及び保険者の予防・健康づくり等のインセンティブについて」ということで一定の改正が行われておりますので、まずは医療保険制度改革の部分の概要について、資料3を使って御説明させていただきたいと思います。

 ページをおめくりいただきまして1ページ目でございますが、こちらは今般の制度改正を行う際に用いた概要資料を抜粋してきたものでございますけれども、大きな真ん中の2番に、「予防・健康づくりのインセンティブの強化」ということで、今回の改正の中では、こういった予防・健康づくりを進める上でのインセンティブをさらに強化すべきではないかという御議論がなされたところでございます。

 その結果として、具体的には、個人につきましては、保険者において加入者の予防・健康づくりに向けた取組に応じて、ヘルスケアポイントの付与ですとか、あるいは保険料への支援等を実施するということで、それぞれの保険者の保健事業の中で、今も既に一部の保険者さんにおいて行っておりますけれども、ヘルスケアポイントみたいな加入者個人の予防・健康づくりに向けた取組をさらに推進するようなインセンティブというものを考えていこうというのが個人についてでございます。

 それから、保険者につきましては、今現行は、先ほども御審議いただきましたけれども、後期高齢者支援金の加算・減算制度を使って予防・健康づくりに取り組む保険者に対するインセンティブという形になってやっているわけでございますけれども、これについては、この検討会におきましても平成24年にさまざま課題が提起されておりますので、そういった課題も踏まえまして今般の医療保険制度改正の中で一定の見直しを行っているところでございます。

 具体的には次ページ以降でございますけれども、まず2ページでございますが、「個人の予防・健康づくりに向けたインセンティブの強化について」ということで、こちらにつきましては、今申し上げたことと重なりますけれども、もう既に一部の健保組合、あるいは市町村においては保健事業の中で、予防・健康づくりに取り組む加入者に対してヘルスケアポイントを付与して、一定ポイントがたまったら健康グッズ等と交換できるような取組みたいなものが進められているところでございます。

 今般、こうしたインセンティブを付与するような取組というものをさらに保険者の保健事業の中で進めていこうということで、真ん中の部分の○でございますけれども、それぞれの保険者ごとに、保健事業の法律上の規定がございますけれども、その保健事業の規定の中で例示といたしまして、ちょっと読み上げますと、「健康管理及び疾病の予防に係る被保険者及びその被扶養者の自助努力についての支援」というものを項目として追加するという法律改正を行っているところでございます。

 ただ、こちらのインセンティブの付与につきまして、国会でもかなり御議論ございまして、もちろん、総論といたしましてこういったインセンティブを付与していくということについては進めるべきだという御意見でございましたが、ただ一方で、こちらのインセンティブの付与の仕方、あり方につきまして、ややもすると必要な医療を受けるべき方が受診を抑制して重症化してしまうといったことにもなりかねないので、そうならないように、このインセンティブ付与のあり方については十分に検討すべしという国会からの附帯決議がついているということでございます。

 そういったことを踏まえまして、私どもといたしましては、今年度中に、この保健事業で実際にこういった取組を実施する場合の具体的な留意点も含めまして、ガイドラインを厚生労働省のほうで策定していきたいと考えているというのが1点目でございます。

 それから、次のページへ行っていただきまして、次は保険者におけるインセンティブの取組についての見直しでございます。こちらにつきましては、繰り返しになりますけれども、今は後期高齢者支援金の加算・減算制度という形で制度化されてございますけれども、この制度につきましては、まさにこの検討会において、一番上の四角囲みの中でございますけれども、例えばこれは一部の保険者にペナルティを科す仕組みとなっているのではないかといったような御指摘ですとか、あるいはその地域、職域の別など、保険者ごとに状況が異なる中で一律に実績を比較する仕組みという形になってしまっているのではないか。あるいは、マル3でございますけれども、特定健診・保健指導の実施率のみの単一の指標による評価となってしまっているといった課題が提起されているところでございます。

 したがいまして、こういった課題も踏まえまして、今般の制度改正の中で、30年後の形ということで、下の絵のような形を制度改正で一定見直しを行ったというものでございます。

 <見直し後(平成30年度~)>というところでございますが、ポイントといたしましては、まず、こちらの保険者におけるインセンティブにつきましては、この検討会での御指摘を踏まえまして、それぞれの種別ごとにインセンティブの仕掛けというものを設けてはどうかという見直しを行っておりまして、具体的には、左から申し上げますと、健保組合、共済組合につきましては、後期高齢者支援金を活用して、もちろん、検討会での御指摘を踏まえた見直しを行いながら、引き続き後期高齢者支援金の加算・減算制度で行っていく。

 右側に参りまして、他方、協会けんぽにつきましては、都道府県単位で支部がございますけれども、その支部ごとに都道府県単位保険料率というものがございますので、その中で保険者さんの取組というものを一定程度評価するような仕組みを入れていったらどうか。

 さらに右側に行きまして、国保につきましては、今般の制度改正の中で国からのいわゆる交付金を配分する際に、その一定額については、保険者努力支援制度ということで、それぞれの保険者における予防・健康づくりですとか、あるいは医療費適正化の取組を評価する形で配分するという仕組みが今般の制度改正の中で設けられておりますので、こういった保険者努力支援制度を活用することで、このインセンティブをつけていこうと。

 右側に国保組合ございますが、こちらも国保と似ておりますけれども、国保組合、後期につきましては、それぞれの特別調整補助金、あるいは特別調整交付金といったものがございますので、これらを配分する際に、その一定額については、先ほどの国保と同様に、保険者の努力というものを評価するような形で配分していったらどうかといったような形で、基本は、まずそれぞれの保険者種別ごとにそれぞれの制度特性というものを踏まえながら、インセンティブが働くような仕掛けというものを入れていってはどうかということを今般の制度改正の中で行っているところでございます。

 ただ、その際にも、評価項目のところに書いてございますが、繰り返しになりますが、各制度の制度設計ですとかそういったものについてはそれぞれの司で検討していくということで考えておりますけれども、ただ、共通するような評価項目というものはあるだろうということも思っておりまして、そういった共通するような基準みたいなものについては、この検討会の場も活用させていただきながら、横串を刺しながら、今後それぞれの制度の詳細についてこの7月以降順次検討していきたいと考えているところでございます。

 このようなことを踏まえまして、資料4をごらんいただきたいと思いますけれども、この検討会のもとに新たなワーキンググループを幾つか設置させていただきたいということでございます。

 ページをおめくりいただきまして、絵がございますけれども、今現在は、この検討会のもとに2つのワーキンググループがぶら下がっている形になってございます。左から、実務担当者による特定健診・保健指導等に関するWGということで、こちらは主として健診・保健指導を実施するに当たっての実務的な課題について検討するワーキング、これは既に既設のものがございます。

 それから、その右側に、特定健診・保健指導の医療費適正化効果等の検証のためのWGということで、こちらは本日の議題の1の中でもございましたけれども、効果検証を行うためのワーキンググループということで、今現在、この検討会のもとには2つのワーキンググループがあるということでございますが、この2つのワーキンググループに加えまして、右側の3つでございますが、ます一番右から申し上げますと、個人への予防インセンティブ検討WG、名前は仮称でございますが、先ほどちょっと御説明いたしました、今後、個人のインセンティブのガイドラインをつくっていかなければいけないということで、そのガイドラインづくりに向けた検討をいただくワーキンググループを設置したいというのが一番右でございます。

 それから、その隣が後期高齢者支援金の加算・減算制度検討WGということで、こちらは対象は主として健保組合と共済組合という形になるわけでございますけれども、後期高齢者支援金の現行の加算・減算制度を見直した上で実施していくということになってこようかと思いますので、具体的にそれをどう見直していくかということについて御検討いただくためのワーキンググループ。

 それから、真ん中でございますが、制度改正からちょっと離れますけれども、きょう議題1のときにも若干御議論としてございましたように、特定保健指導等の実施方法の検証のためのWGということで、いわゆるマクロデータだけではなくて、どちらかというと、個々の保険者ごとに、特定保健指導の結果、効果を上げている保険者さんをより詳細に分析いたしまして、どういった取組をやっているかということについて検証するためのワーキンググループを新たに設置したい。

 都合3つのワーキンググループを新たにこの検討会のもとに設置させていただきたいということを本日御提案させていただいているものでございます。

 それぞれのワーキンググループの概要については、今、大体口頭で申し上げましたけれども、2ページのところに活字で書いてございますので、後ほど御参照いただければと思っておりますが、実はそれぞれの制度検討については、特に今年度中に一定の成果を上げなければいけないものもございますので、できますれば、本日御了解いただいて、早速にでもこのワーキンググループのメンバー選定の作業に入りまして、早ければこの夏、7月、8月ぐらいから早速このワーキンググループを開始させていただいて検討作業に入っていきたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 新たに3つのワーキンググループを設置したいというのが事務局の原案でございます。この資料を見ていただいたらわかりますが、保健指導の実施方法の検証、それから、今日も議論いただきましたが、加算・減算制度の検討、それから、これからの健康づくり、保健活動、そうしたものの個人への予防のインセンティブということも大きな検討課題になっているということでございます。そういうことから、それぞれについてこの検討会のもとにワーキンググループをつくって積極的な具体案を検討いただくということについて、事務局から非常に意欲的に提案いただいたということを座長としても感謝申し上げたいと思うわけでございますが、いかがでしょうか。これは将来のあり方でございますので、ひとつ委員の皆さん積極的に、まだ3時までに30分時間もございますので、御希望なども含めまして御意見を伺えればと思います。

 どうぞ、深井委員。

○深井委員 先ほど発言しませんでしたので、改めて歯科のことを少しお話しさせていただきます。8020運動に代表されるように、歯を残すと健全な食生活が保たれることはもとより、この数年、特にこの10年ぐらいの間で、歯の数というのが、例えば血圧とか血液検査の結果とか体重と同じように、全身の健康の健康指標になるというエビデンスが積み重なってきています。

○多田羅座長 歯の本数ですね。

○深井委員 歯の本数です。実際にポピュレーションアプローチとして、健康日本21等では、生活習慣病の予防のための基本的な要素の中に、運動、栄養、休養、たばことアルコールと歯・口腔の健康というのは位置づけられています。具体的な対策として、先ほど今村委員から生涯保健の話が出ていましたけれども、歯科の場合には学校保健ではかなり継続的な健診・保健指導等が行われていたり、今まで高齢者への対策は弱かったのですけれども、昨年から75歳以上の高齢者に対する広域連合を中心とした歯科健診の補助制度が始まっています。それに比べて成人期の対応というのが制度的に遅れています。

 そこには歯・口腔の健康づくりそのものだけではなく、歯・口腔の健康の生活習慣病の予防をはじめとする全身の健康増進に対する貢献を進めるという観点と基盤が十分ではなかったという背景があります。特定健診・特定保健指導が始まった平成20年度の時点ではまだまだエビデンスとかいろんな取組等が遅れていて、歯や口の健康づくりの問題は保健指導教材に少し位置づけられたのみでした。せっかく今、第3期目に向かって検討しているところですので検討が必要だと思います。先ほどの医療費にしても、効果を検証する時点で、レセプトデータについては歯科もようやく今、電子レセプトが普及し出しています。しかし、レセプトデータは出たとしても、ナショナルデータベースとして、この健診データの中に歯科に関する情報を入れて歯の健康づくりを全体の生活習慣病の健康づくりへの貢献を分析することが必要です。この特定保健指導とか特定健診項目の中に歯科のことをどう盛り込むことができるかということも含めてこの検討会で検討していただければと思っております。

○多田羅座長 今、深井委員のおっしゃることはそのとおりなのですけれども、もう一つ、具体的に個人への予防インセンティブというのは、我々から見ますと、日本の歯科、子供たちの歯科予防というのはまさに個人の予防教育の非常に大きな成果ではないですかね。

○深井委員 日本のむし歯予防というのはかなり成果をあげていて、12歳児のDMFでみてもむし歯の数は、私が12歳のころには1人平均5本近くだったものが、今、1本を切ろうとしています。子供のときのむし歯予防というのは、一般に見ると、子供のときだけの課題に見えるのですけれども、実際にそのことが生涯にわたって歯を残す一番のキーポイントということになっています。先ほど肥満の話で、子供のときの肥満に問題があるのは子供ではなくて家族の問題ということがあったように、個人への健康教育はもちろん重要で効果的ですが、それに加えて個人だけの対応ではなくて、学校保健とか、例えばフッ化物の応用とか、そういう地域や社会の取組が個人差をなくしていくのに極めて有効です。特に歯や口に関する健康格差は成人期に広がってしまいますので、こういう特定健診・特定保健指導等の制度的な枠組みということが必要だと思っています。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 どうぞ、今村委員。

○今村委員 今のお話に関係があるのだと思いますが、その他のところでちょっと希望を申させていただきたいと思っていたのですが、もともと健診項目については、特定健診が始まるときに、健康局のほうで健診項目を決められて、制度自体は保険局でということになっていて、最後に労働基準局事業主健診との整合性とったと、こういう流れになっているので、新しい項目を加えるということはさまざまな調整が必要になって難しいという印象を持っています。

 先ほどからありますように、国のレセプトのデータ、それから健診のデータ、データヘルスの促進ということですが、何をデータにするのかということがすごく大事だと思っていて、そういう意味では、我々としては、特に糖尿病の合併症も含めて慢性腎臓病のいわゆる人工透析への移行というものをどれだけ抑制できるかというのは大きな課題だと思っております。クレアチニンからさらにeGFRという数値を見れば、国民から非常にわかりやすい数値なので、これを必須項目として導入することは意義のある対応だと思っています。この項目を増やしたからといって費用が増えるわけではないので、これは将来人工透析に移行する患者さんを減少させ、医療費を減らすためにはこういう項目を入れたほうがいいのではないかということを保険者から御意見いただくということがもし可能であれば、この保険者による健診・保健指導の検討会の中でそういった健診項目の見直しを、健康局に改めて提言ができるのかどうか。それとも、そもそも健診項目については健康局の所管だから、保険局としてはそういうことは対応できないということなのかどうかも含めてちょっと御意見をいただきたい。

○多田羅座長 項目の充実の問題ですね。もともと原案ではそれはどこで、このワーキングの中でどこかでやるような予定になっていますか。

○安藤室長 本日の議題ではございませんでしたけれども、健診の項目見直しの話がありましたので、今後我々が考えております30年度に向けての健診項目見直しの工程といいますか、流れについて簡単に御説明いたしますと、先ほど今村先生おっしゃいましたように、特定健診の項目を見直す場合には、もちろん、検討する場としては最終的にはこのまさに検討会の場で、前回もそうでございましたけれども、御議論いただいて、それを実際に特定健診の項目にするかどうかということをお決めいただくという形になります。

 ただ、その前の段階といたしまして、まず健康局のほうはどちらかというと学術的な観点から、エビデンスですとかそういったものの観点から、健診項目を追加することについてどう考えるかということについての御議論をいただいた上で、先ほどちょっと、これも今村先生からありましたけれども、事業主健診のほうにも影響がありますので、そちらとも、ある意味、相前後しながら検討を行っていくという、要は3者、3つの検討をある程度時期重なりながら検討を進めていくということで。

○多田羅座長 3つというのはどことどこ。

○安藤室長 3つというのは、済みません。我々の部局で申し上げて恐縮なのですが、1つは健康局ですね。ここはどちらかというと学術的な検討です。それからもう一つ、事業主健診のほうは、安全衛生部というところが実際には行っておりますので、労働基準局になりますが、そちらの安全衛生部における検討作業と、それから、まさに今先生方に御議論いただいておりますけれども、我々のほうの。

○多田羅座長 我々のほうはこのワーキングのどこかでやるのですか。

○安藤室長 これはワーキングではなくて、この検討会でやります。

○多田羅座長 ワーキングでやらないと原案が出ないのではないですか。

○安藤室長 そちらについては、今までの、少なくとも前回までの、今後30年度の部分については、今省内でどういう形で進めていくかということについては検討しておりますので、それはまた決まりましたら正式に検討会のほうでも御相談させていただきたいと思いますけれども、前回のときの例を申し上げますと、まず健康局のほうの健診・保健指導の検討会というのがございますので、名前まぎらわしいのですが、そこの検討会において、どちらかというと学術的な観点から検討というものがなされまして、そこで、要は、これについてはエビデンスがあるとなった健診項目というものは今度保険局のこの検討会のほうに、いわばそれが原案という形で流れてきまして、今度は、こちらの検討会ではもちろん保険者の方々も入っていただいているので、コスト論ですとか、あるいはフィージビリティみたいなものを含めて、制度を実際に動かしていくという観点からこの検討会で御検討いただいて。

○多田羅座長 原案は健康局ということですね。

○安藤室長 前回まではそういう形で健診項目の見直しの検討というのを行ってまいりました。30年度。

○多田羅座長 ちょっと待って。

○今村委員 まさしくそういう理解なのです。その理解は理解として、逆に言うと、こういう項目をやったら、それはもっと医療費の増加を減少できるのではないのかという提言を保険者からできないかということを。

○多田羅座長 実施者としてね。

○今村委員 そうです。そういうことをあえて申し上げたと。

○多田羅座長 白川委員。

○白川委員 確かに2期目の前にも、今村先生がおっしゃったような、クレアチニンでしたか、議論はございました。保険者のほうから提案したらという御意見でございますけれども、保険者のほうからすると、医学的根拠がないとちょっと我々としても発言できないものですから、それを前回のように健康局なりの専門家による検討会で具体的に御提案いただいて、それが実際の我々の健康度を上げるとか保健指導につながるだとかいうことを前提に、フィージビリティの目で我々としては御意見申し上げるというステップしか現実にはないのかなと思っております。

○今村委員 ちょっと私の言い方が乱暴だったかもしれないのですけれども、もちろん、エビデンスがあることとして私申し上げているつもりですけれども、それはそれとしてちゃんとオフィシャルな検討会で議論されなければいけないことなのですが、何の項目を入れるかということについては、科学的なエビデンスがあるかどうかを健康局の検討会で検討してくださいということを言うことはできるのではないか。つまり、自発的にこちらから持ちかければ、向こうでできるかどうか、そういうことも含めてこちらからの提言ということができるかどうかということの確認をしたということです。

○多田羅座長 深井委員。

○深井委員 今後の30年度に向けての項目の見直しの手順については先ほどの室長のお話で、この場で検討ということですね。

○多田羅座長 一応原案は健康局。

○深井委員 科学的な根拠を健康局のほうの会議で検討して、具体的な保険者等による実施のための検討はここでやるということが確認できましたので大変ありがたかったのです。もう一点、事業所の健診というか、労働安全法の健診にもかかわる課題です。先般の労働安全衛生法の一部改正に関する附帯決議で、歯や口の健康に関する効果検証を研究事業として行うということが付記され、今その研究事業がスタートしています。そのような研究事業の結果等もこの検討会で情報提供していただいたり、あるいはデータヘルス事業等で健保組合単位で、歯科のことを取り入れて、医療費が減った等いろいろな成果をだしているところがありますので、そのような先進事例等を紹介する機会も、歯科に限らずこの検討会の場であったらよいのではないかと思います。

○多田羅座長 わかりました。御希望としてお伺いしておきます。

 どうぞ。

○白川委員 今回我々がやっているのはメタボ健診という範囲の中でございますので、確かに保険者としてはいろんな健診をやったほうが効果が高いというのは常識的にはわかってはいるのですけれども、さっきの腎臓に関するクレアチニンの話も、要は、事業所でやる定期健康診断でかなり普及しているということでないと、我々はそっちからデータをもらうケースが非常に多いものですから、健康局と言いましたけれども、むしろそれは、旧労働省といいますか、労働基準局ですか、そちらのほうの影響が大きいのかなあと思うのです。

 私が申し上げたいのは、何でもやったほうがいいことは確かなのですけれども、我々は財政的な制限もありますし、第2期の事業をやるときも大分議論になったのですけれども、項目をふやすことも必要かもしれませんが、それよりも受診率を上げるとか保健指導の実施率を上げるというのがまず最優先で、そこがまだできてない段階で項目をふやすというのはいかがなものかというのが当時の私どもの意見だったと思っております。

○今村委員 おっしゃることは重々わかっていて、あえて言わせていただいたのですが、要するに、受診者からすると、魅力のある健診でないと受けられないと。より情報が多いほうが受診者としてはいいというのはまず1つあると思います。それからコストの問題は、血液の健診項目が1つ増えてもコストは増えないと。それから、eGFRは自動的に計算で出てくるので、新たな費用の発生がないと。これは労働安全衛生法の事業主に対する安全配慮義務の項目がかかって、このことに配慮しないから何か訴訟を起こされたら困るというような事業者側のリスクの問題は確かにゼロではないと思います。

 しかしながら、どれだけ人工透析に移行するのを防げるかというのは本当に国を挙げて、あるいは全ての保険者にとっても加入者の健康、また医療費にもかかわる話なので、これを抑制するということについては誰も反対する要素は、私は本来的にはないと思っているのです。詰めなければいけないことはいっぱいあると思いますが。だから、ぜひともそこは、保険者にも単にコストが増えるからだとかそういうことで、何でもかんでも健診項目を増やすなということではなくて、より効果的なものを1つ項目に加えたらどうか。それから、事業主健診の中でもやっておられるところもあると思いますので、そういうことを制度の中に入れたらどうかということを健康局で議論して、あるいは保険局で考えていただいてもいいのですが、そういうことをちょっと申し上げたかったと。

○多田羅座長 わかりました。非常に強いそういう御希望があったこと、座長として、記録に残していただいて、具体的なそれの進め方というのですか、取り扱いについては事務局のほうで一度御検討ください。項目の扱い方ですね。きょうは御希望として伺ったということでよろしくお願いいたします。

 どうぞ。

○岩崎委員 議論が終わったような段階で追加で申しわけございませんが。

○多田羅座長 いや、終わってないのです。今からなのです。

○岩崎委員 事業所の話が出てまいりましたので発言したいと思いますけれども、もちろん健診のコストということもあるかと思いますし、事業者にとってみますと、安全配慮との兼ね合いということもございますので、健診項目を考えた場合には、事業所という枠組みで考えますと、やはり受益者負担という原則があろうかと。ですので、医療費という大きな国全体の枠組みで考えますと、どこかが負担して成果を出さなければならないということかと思いますけれども、今回出たデータのように、保険者がコストを出す中でいい受益者負担の原則がとれるというものはスムーズかと思いますけれども、どうしても就労年齢層では事業所の兼ね合いが出てまいりますので、その点がちょっと気になるということがあります。また、健診項目を考える場合には、健診の実施間隔の問題は大きな問題としてあろうかと。今、どうして年1回健診を、特定にしても事業者健診にしても受けなければいけないかという根拠がどこまで整備されているかというのは実は大きな問題としてあるのではないか。例えば健診項目によっては、毎年である必要が本当にあるのかというのがどこまでエビデンスとして突き詰められているかというような問題もあろうかと思います。

○多田羅座長 健診項目については原則健康局ということで、こちらは承認するかどうかという立場だと、大きくはですね。ただ、希望を申し上げたり提案していくことは当然あり得ることだと思いますけれども、一応大筋そういうことなので、さらに具体的にどうするかというのは、今日かなり具体的に御希望を伺いましたので、事務局のほうで検討のあり方も含めて御検討いただいて、またこちらの検討会には原案として出していただいて御議論いただいたらどうでしょうかね。きょうのところは御希望を伺ったということでいかがでしょうかね。それで、先生方、よろしいですか。

(「異議なし」と声あり)

○多田羅座長 ありがとうございます。では、この3つのワーキンググループなのですが。

○白川委員 本来の議題であるワーキンググループですが、ワーキンググループをつくって検討いただくということは別に反対するものでもありませんが、ほかの場でも必ず言うようにしていることがございますので、この場でも申し上げたいと思います。

 資料3の中で、1ページ目の2.「予防・健康づくりのインセンティブの強化」で、個人の健康づくりに対するインセンティブということは我々保険者としても絶対やらなければいけないことだと認識しております。ここでいつも申し上げるのは、「保険料への支援」というのをやめていただきたいということです。

○多田羅座長 インセンティブの内容ですね。

○白川委員 はい。保険料を個人ごとに変えるということは、これも日本医師会等も御指摘のとおり、1年間病院に行かなかったら保険料下げますよとか、現金渡しますよなんていう、私に言わすと、けしからんケースが、町か市か知りませんけれども、あります。そんなことをやったら受診抑制になるというのはとんでもない話だと思いますし、私が何より気にしていますのは、こういう方々の、健康に一生懸命な方々の保険料を下げるということは、その分誰かが負担しなければいけないわけで、それは病気を持っていらっしゃる方が高い保険料を払えということになるわけですから、この強制保険の国でそんなことがあってはいけないと信じております。もう何度も言っているのですけれども、残念ながら、厚生労働省がいろんなところに出す公的な資料に必ずこれが入っているので、これを見るたびに必ず申し上げるようにしておりますので、それが1点。

 もう一つは、同じ資料の3ページ目に、特定健診・保健指導のインセンティブの見直しということで、これも別に大きく反対するわけではないのですけれども、その下に図がございまして、<見直し後(平成30年度~)>というところです。これは5つの保険者のグループに分かれておりますけれども、右3つは、要するに公費で、国から出るお金をインセンティブに使うという話です。それを減らすか増やすかということにしますと。ですから、それはやっていただいて構わないのですけれども、左の2つの健保組合と共済、協会けんぽは違うわけですよ。

○多田羅座長 独立していますわね。

○白川委員 独立して、それぞれの制度の中でやれと、こういう話ですね。そうすると、インセンティブ強化ということは、ペナルティの部分はふやさなければいけないということになります。今、高齢者医療課長もちょうどいらっしゃるのですけれども、残念ながら、ペナルティを受けるようなところは2つのグループがありまして、1つは、財政的には問題ない、世の中に知られた大企業でありながらやってないけしからんところがあるので、そこは別にペナルティでも構わないと思うのですけれども、一方では財政的に苦しくて、高齢者医療課長の配慮で国から助成金をもらっているところもあるわけです。そういったところに、国から一方で財政支援をやっておきながら、ペナルティということで後期高齢者支援金の額を増やすなんていう矛盾が起きるわけですね。

 私は、インセンティブ強化と言うのだったら、それなりに国のほうでその財源を手当てしていただかないと、中で取り合いをやれということを国の政策としてやるのはいかがなものかと思っておりまして、これもこの資料を見るたびに言っております。

○多田羅座長 これで言うとどれが、白川さんから言うと問題なの。

○白川委員 一番左のところですね。

○多田羅座長 加算・減算は一応いいのですね。

○白川委員 加算・減算はいいのですが、それを健保組合の中で、健保組合同士で、片方は加算して、片方は減算することは問題です。

○多田羅座長 今それをやっているわけでしょう、ある意味では。

○白川委員 今は保険者全体で行っています。そのうち国保は、今度は国のお金でやるという話ですね。これを見ると。協会けんぽは自分の中だけでやるというのですから、支部の間で負担を変えますというだけの話ですね。健保組合は法人が全部違うから話が違うのですよ。これは、私は本当に、国がこんなことやっていいのかと怒りすら覚えています。

○多田羅座長 健保組合の中で加算・減算制度をやるということに疑問があるのですか。

○白川委員 はい。

○多田羅座長 保険者全体だったらいいけれども。

○白川委員 いや、保険者全体についても、前もここの場で申し上げましたけれども、こぞって保険者は反対ですね。

○多田羅座長 反対ですけれども、一応通ってやっていますね。

○白川委員 いやいや、私はそんなこと思っていませんよ。私はあの法律はおかしいと思っていまして、廃案にすべきだという意見でたしか申し上げていると思います。それを今度は健保組合の中でやれと言うのだったら、何という法律だと言わざるを得ません。今日はマスコミの方もいるので、声を大にしてまた申し上げます。ワーキンググループで議論するということは、政府の方針でしょうから止めませんけれども、私どもとしてはそういう意見だということを念のため申し上げておきます。

○多田羅座長 どうぞ。

○今村委員 前段につきまして、いわゆる個人のインセンティブということで。実は以前この検討会で私が、そういう方向性が出ているけれども、いかがなものかということを申し上げたときに、まさしく、今、白川委員がおっしゃった、私どもとそこは珍しく意見が一致して、公的医療保険としておかしいですよねという話だった。この検討会という場で議論されたことが全く何の反映もされないで、こういう形でどんどん出てくるということについては、私も疑問を感じます。

○多田羅座長 こういう形というのはどのことをおっしゃっているのですか。

○今村委員 ここに書かれている保険料への支援という部分です。国の政策として、厚労省のペーパーにどんどん出てくるということについて申し上げているのです。

○多田羅座長 保険料へのと書いています? どこですか。

○今村委員 1ページ目の2番目の。

○多田羅座長 「保険料への支援」。

○今村委員 読み方によってどうとでも読めるのだと思いますけれども、今、白川委員のおっしゃったような現金を配るところすらあるということは非常に好ましくないと、公的な保険制度としていかがなものかということはこの場で議論されて、あのときはほとんど皆さんそういうことで一致したと私は理解していたのですが、これは厚労省だけではなくて、政府のほうにそういう強い方向性が出されているからなのだとは思いますけれども、そういう場で、きちんとしたこういう検討会でそういう意見が出ているのだということをしっかりと言っていただかないと間違った方向に行くのではないかなと思います。

○多田羅座長 では、ちょっと事務局から一言、その保険料問題のところはどうなのか。

○安藤室長 まず、先ほどもちょっと御説明の中で申し上げましたように、国会においても、先ほど白川委員、あるいは今村委員のほうからもございましたけれども、いわゆるインセンティブの付与のあり方によっては受診抑制につながってしまったり、あるいは、これも白川委員よくおっしゃる話でございますけれども、いわゆる強制保険としての公的医療保険制度としての問題が生じてしまうおそれがあるということについては課題として提起されておりますので、今般、私どもも十分にその課題があるということは認識しておりますので、まさにそういった点、どうやったら、要はクリアーできるような形で制度がつくれるかということについて、その点も含めてそこは慎重に検討する必要があると思っておりますけれども、本日御提案させていただいているワーキンググループの中で御議論させていただきたい。

 もう一つ申し上げておきますと、例えば現金給付の話、ございましたけれども、今、現状、そういった現金給付の取組について、特段それをやってはだめだという法律的な規制というのもございません。ですので、基本的に、今でも保健事業の中でやっていらっしゃる保険者さんはいらっしゃるということが今の実態、先ほど白川委員も御発言ございましたけれども、なので、ある意味、国会からのそういった附帯決議もあり、御指摘、課題提起もございまして、この検討会からの課題もあるので、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、そういった、どちらかというと留意すべき点ということについても、きちんと一定ルールづくりというのが必要なのではないかと考えておりまして、両方の観点から、このワーキンググループの中でガイドラインづくりに向けた御検討をいただきたいと考えているところでございます。

○多田羅座長 両方というのはどういうこと。

○安藤室長 1つは、例えばヘルスケアポイントの付与みたいな、今、加入者個人の健康・予防づくりに向けた取組というものをより促すための一つの方法として使えるものはないかといったことを検討するという、どちらかというとより積極的な観点での検討と、それから一方で、繰り返しになりますけれども、やり方を間違ってしまうと、受診勧奨ですとか、あるいは公的医療保険制度の趣旨からして問題が起こってしまうという、どちらかというとそういった課題というのもありますので、そうならないように、消極的とは言わないですけれども、留意すべき点というものを御議論するというその2つの観点からこれはしっかりと御議論いただきたいと思っておりまして、それで本日。

○多田羅座長 「保険料への支援」という、これも残るのですか。

○安藤室長 こちらで申し上げております、まずここでイメージしております「保険料への支援」というのは、先ほどちょっと白川委員がおっしゃられたような、根っこから保険料率を変えるということはそもそも我々も考えてないところでございまして、一種、現金給付に近い形なのかもしれませんけれども、一定、加入者の方から見たときに、個人の予防・健康づくりの取組というものが自らの保険料が多少たりとも減っているという形に見えるような工夫というのはできないかということを考えるということでございます。

○多田羅座長 個人の単位で。

○安藤室長 はい、個人の単位で。ということで、具体の制度設計についてはまさにこれからワーキングの中で御議論いただきたいと考えているものでございます。

○平川委員 今の保険料への支援の関係も、白川委員、今村委員と同じように、連合としても大きな懸念を持っています。強制保険でもありますし皆保険でありますので、保険料への支援ということを位置づけるとなると、排除される方が、皆保険にもかかわらず出てくる懸念があるというのは改めて申し上げておきたいと思っています。これはこの場だけでなく、医療保険部会においても連合としても発言させていただいておりますので、その中でも、連合だけでなく、ほかの委員からも懸念が出されているということも御承知いただければと思っているところであります。

 それともう一つ、「個人の予防・健康づくりに向けたインセンティブの強化」でありますけれども、基本的には、例えば健康診断を受けるというのは主体的に必要だと感じて受けるというのが理想だと思いますので、まずそれを前提としつつ、さらにそれを支えるためにインセンティブをどう強化するかという観点が重要ではないかなと思っています。

 企業の中においては、政労使ではないですけれども、健保組合、事業主、労働組合、3者一体になって健労使という形で取り組んでいるところもありますし、そういう好事例もひとつ出していただければと思っているところであります。

 ただ懸念されるのは、このインセンティブの強化の具体的な例が今のところヘルスケアポイントしかないのかなと見えますので、「健康グッズ等と交換できるようにするなど」の「など」をより深く議論されることを期待させていただければと思います。

 以上です。

○多田羅座長 津下委員。

○津下委員 インセンティブについてですが、一定のインセンティブは行動を引き起します。例えば、加算・減算制度があったので健診受診率上げようとして頑張られた保険者さんもみえたのも間違いない事実でもあると思います。どういう仕組みをつくったらいい方向へ動くのか、インセンティブがどういう結果になるのかという評価ができる仕組みを同時に入れ込んでおく必要があると思います。悪い方向、つまり受診抑制ではなくて、本当にいい行動が、健康行動が起こり、そして集団全体として健康指標がよくなる方向へ動くようなインセンティブになっているかどうなのかを絶えず評価しながら改善していくという仕組みをデータヘルスで回していくということが大事です。一度決めたからこれというやり方ではうまく回っていかないと思います。

 それからもう一つ、インセンティブで言うと、運転免許証がやはりゴールドのほうがブルーよりはいいわけで、何がいいかというと、更新の手続も楽だし、民間保険に入るときに安くなる。それは公的保険だけで考えるのではなくて、もっと広い活用の仕方があるかもしれません。健診を毎年受けて必要な保健指導は受けてという方にはゴールド保険証を持っていただき、民的な部分でもプラスになるようなことも大切かなと思います。全部が公の中でインセンティブが返ってこなくてもいいのではないかなと思いますので、一つの手段としてしっかりと検討していくということは重要ではないかと思います。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○武藤委員 細かな話になって恐縮なのですけれども、このインセンティブにつきましては、私ども、実はポイントをつけてインセンティブを与えるというのをやっているのですけれども、こういうグッズですとか、あるいはランチ券とかあるのですけれども、そのほかに、人間ドッグですとオプションを受けるようなポイント制度というのがございまして、何を一番選ぶかというと、多くの方がオプション検査を選んでいまして、なので、グッズとかそういったものよりも、いわゆる健康意識が高くて、そういった検査をいろいろ受けていただくという方が多いです。制度的にこういうことができるかどうかわかりませんけれども、そういった形で、例えばこれは特定健診けれども、がん検診と一緒に受けて、その辺の費用を少し負担を軽くするとか、そういった方法もあるかなと思います。

○多田羅座長 わかりました。どうぞ。

○河合委員 国民の立場から申し上げますと、制度の仕組みも大事なのですが、健康づくりというのは楽しくなくては続かないというか、やる気にならないものです。このインセンティブ改革はすごく大事なポイントの改革だと思うので、楽しくやっていくということを一番に考えないといけないと思います。私は、政府の別の有識者会議で提案しているのですが、例えばボランティアとくっつけて考えていくとか、健康づくりとか医療保険や医療財政とかいうことだけでなく、もう少し大きく構えて、社会参加みたいなことまで含んだ考え方の中で、どういう仕組みにしていくかを考えていく必要があると思います。このワーキングではそういうことを念頭に置いて議題にしていってもらいたいと思います。

○多田羅座長 わかりました。どうぞ。

○横尾委員 私どもの保健師さんとこういったことを話したことがあるのですけれども、以前も言ったかもしれませんが、ポイントとかいろんなもの、もちろん意味があると思いますが、決定的に行動が変容するのは、その当人が自分の健康に関するデータが悪化すると、本当に危険なことになるなと感じ始めたとき、つまり本気になった時からです。そして例えばきっちり受診をするとか、健診、あるいは診察勧奨があったら受診するようになるようになっていきますので、一方ではそういったことを明確に伝えていくというか、啓発していくようなこともしっかり怠りなくやらなければいけないのではないかなと思います。このことについては、報道機関ですとか健康関係の番組をつくっていただいているテレビとかラジオの関係とかも御協力いただきながら、今、関心高いですから、ぜひしていく必要があるかと思っています。

 もう一点、直接今回の特定健診に関することとは違うかもしれませんが、実は一般の方はテレビ、ラジオで大変たくさんの情報を持っておられます。最近、この2週間ぐらい見ただけでも、一滴の血液でわかるガンとか、一滴の尿でわかるガンの存在とか、線虫検査でわかるとか、これも多分、一般の主婦の方、かなりもう口コミで広がっていると思うのですね。でも、こういった検査ってどこで受ければいいか誰もほとんど知らないし、それが保険適用になるかもわかりませんし、どれくらいの費用かもわからない。ひょっとしてそういうのが出てくるのを待っている人もいるかもしれません。部位はどこにあるか実はわからないのですけれども。また別の検査ですけれども、そういった一般の方の関心が高まっていることを受けて、それがきちんとインセンティブに結ぶような工夫をぜひしていただくことが大切かなと思います。

 さらに加えて言うならば、DNA検査もかなり安くできるようになっているような情報も一部にあります。その扱いは、個人情報のこと、いろいろデリケートであります。でも、知りたい人は知りたいこともあり得ます。これを保険でやるのかどうかとかも後々議論になると思います。ではそう判定されたら確実にその病気になるかというと、それはわかりません。免疫力の状況とかいろんな健康状況によりますから、そういった適切な情報の流布も必要です。そういったことがあるかなと思います。

 最後に1点だけ。実は昨日の会議で佐賀県のほうでわかったことなのですけれども、実は今、現場労働者、工事現場、建設現場、その他に海外の方が結構入ってきています。これは従業員として入ってこられています。名目は研修生かなにかだと思うのですけれども、ある程度の期間日本国内におられます。

 ところが、今ニーズが高いのは実は通訳ですね。医療通訳が欲しい。国際交流協会とかされていますけれども、本当によく相談を受けるそうです。だから、国際的、グローバルな日本を目指すのであるならば、日本国民のみならず、そういった一時的な短期の労働者の方も、社員の、エンプロイーの人であるならばきちっとケアをする、そういったことも同時に考えるべきかなと思っています。

○多田羅座長 わかりました。特にインセンティブというのは非常に大きな意味を持っているなということは今日、私も認識を新たにさせていただきました。どのように国民にこの健康づくりに対するインセンティブをつくっていくかと。今まではいわば制度づくりに非常に大きな力を入れてきたわけでございます。特定健診・保健指導という大きな制度ができ、それを生かすも殺すも国民へのインセンティブということが今非常に問われているということになってきたかと思います。

 しかし、そのインセンティブとなると、白川委員もおっしゃるように、やはり各団体というのが真ん中にあって、その団体の主体性というか、心というものがありますので、国と団体と個人があって、個人のインセンティブをつくるときに、ややもすると直接国が手をつけてしまうというようなところが白川委員から非常に警告をいただいているのだと思います。

 ですから、インセンティブをつくるということはそういう日ごろの団体の貴重な役割との兼ね合いもございますので、どのように国民の皆さんのインセンティブを育てていくかということは非常に課題になることかと思いますけれども、まさに21世紀はそこが問われている。日本はもう立派な制度は持っているのですね。それを国民がどう生かしていくかということが問われているというレベルだと思います。その意味で、今日はその点から非常に貴重な御意見ありがとうございました。

 そういうことも含めて、一応この3つのワーキンググループを設置することについては御了解いただけるでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○多田羅座長 ありがとうございます。そのような大きな使命も認識しながら、加算・減算というのも基本的なそういうことでございますので、前向きに御検討いただくということも含めて、この3つのワーキングで意欲的に取り組んでいただきたいということをまとめとして申し上げさせていただきたいと思います。どうも御協力ありがとうございました。

 それでは、一応本日の議題については以上でございます。事務局のほうへ戻してもいいのかな。

○安藤室長 本日は精力的な御議論、ありがとうございました。

 次回以降の日程でございますけれども、次回以降につきましては、また別途事務局のほうから御連絡させていただきたいと考えております。本日は、健診の見直しについての御議論もございましたので、本日ございました貴重な御意見については、まだ我々もどういう形で進めていくかというところ、検討しているところでございますから、関係局とも入れて、進め方等、きちんと整理させていただいて、この検討会でも御報告させていただきたいと考えております。

 本日は、本当にお忙しい中、精力的な御議論、ありがとうございました。


(了)

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