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2015年6月3日 第1回毎月勤労統計の改善に関する検討会 議事録

大臣官房統計情報部雇用・賃金福祉統計課

○日時

平成27年6月3日(水)14:00~16:00


○場所

中央合同庁舎5号館 厚生労働省 仮設第3会議室


○出席者

委員(五十音順、敬称略、◎:座長)

◎阿部 正浩
  土屋 隆裕
  津森 康之介
  永濱 利廣

構成員以外の関係者

  廣松 毅

事務局

  姉崎統計情報部長
  三富企画課長
  久古谷雇用・賃金福祉統計課長
  手計雇用・賃金福祉統計課長補佐

○議事

○手計補佐 それでは、定刻より若干早いですけれども、ただ今から「第1回毎月勤労統計の改善に関する検討会」を開会させていただきます。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、またお足元の悪い中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 私は、統計情報部雇用・賃金福祉統計課の課長補佐をしております手計と申します。本日は第1回目の開催となりますことから、座長が選出されるまでの間、司会を務めさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

 また、事務局のメンバーについても御紹介させていただきます。

 まず、統計情報部長の姉崎でございます。

○姉崎部長 姉崎と申します。よろしくお願いいたします。

○手計補佐 統計情報部企画課長の三富でございます。

○三富課長 三富でございます。よろしくお願いいたします。

○手計補佐 雇用・賃金福祉統計課長の久古谷でございます。

○久古谷課長 久古谷でございます。よろしくお願いいたします。

○手計補佐 まずは、検討会の開催に当たりまして、統計情報部長の姉崎より御挨拶申し上げます。

○姉崎部長 本日は、大変お忙しい中をお集まりいただきまして大変にありがとうございます。また、皆様方には、今回、急なお願いでしたけれども、委員をお引き受けいただきまして大変にありがとうございました。今日は第1回目の会合ということで、全ての委員の方がそろう日としたかったのですけれども、委員の先生方大変御多忙でございまして、なかなか全員がそろう日がなく、今日という日になってしまいました。何人かの先生が欠席となってしまいましたけれども、お許しをいただければと思います。

 皆様方も御承知のように、アベノミクスの成果ということで、賃金の動きが注目されておりまして、この研究会のテーマでございます「毎月勤労統計調査」でとっている賃金、特に実質賃金の動きが世の中的に大変大きな注目を浴びております。昨日、4月の速報を発表させていただいて、プラス0.1ですけれども、24カ月ぶりにプラスになったということでしたので、昨日の夕刊、今日の朝刊も、こんなにいっぱい記事が出たのは何十年ぶりではないかというぐらい久しぶりに大きな記事になっておりまして、世の中的な関心が大変大きくなっているところです。

 この「毎月勤労統計調査」は、先生方は御承知かと思いますが、2年又は3年置きに調査対象事業所の入れ替え、サンプルの入れ替えをするとなっておりまして、今年の1月に3年ぶりにサンプルの入れ替えを行いました。サンプルを入れ替えますと、旧サンプルと新サンプルの間でズレが生じますので、そこのところを調整するために、後ほど詳しく説明いたしますけれども、指数等を過去に遡って改訂するということをします。賃金の動きが、今月上がった、下がった、どのぐらい上がったと注目されている中で、いきなり過去の3年間に遡って変わってしまったために、一部では、人騒がせな統計だとか、サプライズだとか、毎月勤労統計ショックだとか、いろいろな言葉で大変騒がれたというか、いろいろな御意見を各方面からいただくようなことになりました。

 こうしたことも踏まえまして、今般、この「毎月勤労統計調査」に係るいろいろな課題について検討しようということで本検討会を開催することにした次第です。夏ぐらいまでに一応の取りまとめをしたいと考えておりまして、大変短い期間の検討となって恐縮ですけれども、信頼性の高い統計をつくり、さらに、国民にとってもわかりやすい統計が大事だと思っております。信頼性が高く、そして国民にとってもわかりやすい統計ということで、改善できるところは改善していくということで考えておりまして、ぜひとも御尽力を賜れればと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。

○手計補佐 続きまして、本日の出席状況でございますけれども、小巻委員、樋田委員が御欠席でございます。

 本日は、第1回目の開催となりますので、お手元にお配りしております資料1の2枚目の別紙にございますとおり、各委員の皆様方の御紹介をさせていただきたいと思います。一言ずつ御挨拶いただければと存じます。

 まず、中央大学経済学部教授の阿部委員でございます。

○阿部委員 阿部です。どうぞよろしくお願いいたします。

○手計補佐 統計数理研究所准教授の土屋委員でございます。

○土屋委員 土屋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

○手計補佐 千葉県総合企画部統計課長の津森委員でございます。

○津森委員 津森でございます。よろしくどうぞお願いいたします。

○手計補佐 第一生命経済研究所主席エコノミストの永濱委員でございます。

○永濱委員 永濱でございます。よろしくお願いいたします。

○手計補佐 ありがとうございました。

 ただいま御紹介させていただいた委員のほかに、日本大学経済学部教授の小巻委員、獨協大学経済学部教授の樋田委員も本検討会の構成員をお願いしております。

 また、本日は、構成員以外の協力者として、情報セキュリティ大学院大学情報セキュリティ研究科の廣松特任教授をお招きしております。どうぞよろしくお願いします。

○廣松特任教授 廣松です。よろしくお願いいたします。

○手計補佐 引き続き「毎月勤労統計の改善に関する検討会開催要綱」について説明させていただきます。お手元の資料1の1枚目に戻っていただければと思います。資料に沿って本検討会の目的、検討事項等について御説明させていただきます。

 まず「目的」ですけれども、今、部長からの挨拶にもありましたように、近年、関心が高まっている労働者の賃金について、国民にとってわかりやすく信頼性の高い統計を作成するために毎月勤労統計の改善を図ることを目的とします。

 「2 検討事項」としては、毎月勤労統計のサンプル替え時のデータの信頼性及び遡及改訂の問題点、サンプルの長期固定化に伴うバイアスへの対処方法等の課題に関して、次の事項について検討を行うということで、(1)として「サンプル替えの頻度、規模、手法等」、(2)として「サンプル替え時のデータ接続手法」、(3)として「脱落サンプルの補正方法」、(4)として「他府省、諸外国の統計との比較」、(5)として「その他必要な事項」となっております。

 「構成員」につきましては、先ほど御紹介させていただきましたので、省略させていただきます。

 「4 運営等」です。「検討会は、統計情報部長が有識者の参集を求めて開催する」ということにしています。(2)として「検討会には座長を置き、構成員の互選により定める」ということにしています。(3)で「検討会に座長代理を置くことができる。座長代理は、座長が構成員の中から指名するものとし、座長を補佐し、座長不在の場合にはその職務を行う」ということにしています。(4)として「座長は、必要があると認めるときは、構成員以外の関係者に検討会への出席を求め、意見を聴くことができる」としています。(5)以降は、検討会のスタンスですけれども、「原則として公開する。ただし、公開することにより検討に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があると認められるときは、会議を非公開とすることができる」としています。(6)は、資料については原則として公表します。こちらも同じく「公表することにより検討に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるときに、その他正当な理由があると認められるときは、資料を非公表とすることができる」としています。(7)は「議事録を作成し公表する」ということで「非公開とする場合には、議事要旨を公表する」としています。(8)として「庶務は、統計情報部雇用・賃金福祉統計課において行う」ということ、(9)は「その他の検討会に関し必要な事項については座長が定める」ということにしています。

 ただいまの説明につきまして、何か委員の皆様から御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、本検討会の開催につきましては、資料1に基づいて運営させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、本日1つ目の議題でございます「座長の互選、座長代理の指名について」に移ります。ただいま説明したとおり、本検討会では構成員の互選により座長を選出し、また、座長が座長代理を指名することになっております。

 まず、座長につきまして互選ということですので、どなたか御推薦などありましたらお願いいたします。

 土屋委員。

○土屋委員 御経験が豊富な中央大学の阿部先生にお願いするのがよいと思いますが、いかがでしょうか。

○手計補佐 ほかには、ございますか。

○津森委員 私も阿部先生がよろしいかと思います。

○手計補佐 ただいまお二人から阿部委員の御推薦がございましたが、ほかの皆様はいかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○手計補佐 それでは、座長の選出については御賛同いただいたということで、本検討会の座長は阿部委員にお願い申し上げたいと思います。

 以後の進行につきましては阿部座長にお願いいたします。

○阿部座長 それでは、御指名でございますので、頼りないところがあるかもしれませんが、座長を務めさせていただきたいと思います。どうぞ皆様よろしくお願いいたします。

 それでは、早速ですが、議事を進めてまいりたいと思います。

 先ほど事務局より説明がありましたとおり、引き続き、座長代理の指名に移らせていただきたいと思います。

 座長代理につきましては、先ほどの説明のとおり、座長である私が指名するということでございますので、土屋委員にお願いしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○阿部座長 ありがとうございます。

 それでは、座長代理につきましては土屋委員にお願いしたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

 続きまして、議題「2 毎月勤労統計について」に移らせていただきたいと思います。

 事務局のほうで資料を準備しているということですので、事務局より資料の説明をお願いしたいと思います。

○久古谷課長 雇用・賃金福祉統計課長の久古谷でございます。

 先ほど手計から紹介いたしましたように、お手元に、毎月勤労統計調査についての資料が2種類、資料2-1で「毎月勤労統計調査の概要」ということで全般的な話、資料2-2で、もう少し詳しく、どのような計算によって数字を出しているのか、あるいはギャップ修正等についてはどういう考え方に基づいてやっているのかというのをまとめております。また資料3「他府省の統計の例」ということで、消費者物価指数とか労働力調査といった他省庁の他統計の例についての紹介、あと、資料4「諸外国の統計の例」ということで、英国と米国の例について簡単にまとめております。

 お互いに関連するような部分もございますので、適宜必要な部分についてピックアップしながら、資料2-1から4まで簡単に説明したいと思います。必要があればまた別途詳しく御説明したいと思っております。

 まず、資料2-1に従って毎月勤労統計調査につきまして簡単に御説明いたします。

 1枚めくっていただきますと、調査の目的・沿革ということで書いております。目的は、雇用、給与及び労働時間について、全国的な変動を毎月明らかにする全国調査、都道府県別に明らかにする地方調査、また全国調査及び地方調査を補完する特別調査という3本立ての構成になっている調査でありまして、統計法に基づく基幹統計となっております。

 沿革は、かなり昔からとってきているのですけれども、現在使用している系列に接続するものとしては、昭和45年から30人以上の統計、平成2年から5人以上の統計、一般・パート別については平成5年から集計を開始しているところでございます。

 次に、3ページで調査の体系ということで書いております。全国調査と地方調査は体系的には同じ枠組みを使っておりまして、16大産業と言いまして、調査していないのは農林業、水産業及び一般公務について調査を行っていなくて、対象は、民営及び官公営の事業所ということで、いわゆる現業の公務員等はこの調査の対象になっているところでございます。

 全国調査につきましては、厚生労働省で集計・公表を行い、地方調査につきましては、各都道府県の統計主管課で集計・公表を行っているところでございます。これら2つは5人以上の事業所を対象としておりまして、それより小さな1~4人の事業所につきましては特別調査ということで、年1回、7月の状況について調査を行っているところでございます。

 では、具体的にどれぐらいのサンプル数でやっているかというのは、次の4ページに記述しております。

 毎月勤労統計調査の場合は、30人以上と5~29人でサンプルのとり方、あるいはサンプルローテーションの方法が若干異なっておりますので、その2つに分離して記述しております。30人以上事業所のことを第一種事業所、5~29人の事業所のことを第二種事業所と言っております。全国調査で、30人以上事業所につきましては約1万6,700事業所、5~29人の事業所につきましては約1万6,500事業所を産業・規模別に層化した形で抽出を行っているところでございます。

 また、地方調査は基本的には全国調査のサンプルを各都道府県別に分割して集計するのですけれども、都道府県ごとの産業・規模別の集計にはサンプル数が少し足りませんので、約5,000あるいは5,500のサンプルを追加した形で地方集計ということで実施しているところでございます。

 また、特別調査につきましては、調査区を抽出して調査区内の集落調査、調査区に入っている全ての事業所を対象にするやり方でやっているのですけれども、毎回約2万5,000事業所を対象にして実施しているところでございます。

 あとの集計のほうと少し絡んでくるのですけれども、第一種事業所、第二種事業所につきましても、層化につきましては産業・規模別に層化して、それぞれ各セル内で一定の統計精度が保たれる形で設計しているところでございます。委員の皆様のお手元にあります席上配付資料2についているページ番号の294ページをご覧いただきたいのですけれども、そこには目標精度ではなくて達成精度のほうが書いてあるのです。産業別・規模別の達成精度ということで書いております。

 続きまして、資料5ページに返っていただくのですけれども、具体的に何を調査しているかということにつきましては、別添1と裏面の別添2で全国調査及び地方調査の調査票と特別調査の調査票を参考につけております。全国調査につきましては、合計何人の労働者に対して合計幾らの賃金を払ったか、あるいは合計で何時間働いたかといういわゆるマクロの数字を把握して、一人一人の賃金とか労働時間を把握しているのではないというのが1点。ただ、1~4人の小規模の特別調査については、個々人の賃金及び労働時間を把握して調査している。そのような調査の内容になっているところでございます。

 続きまして、6ページで、具体的に何を計算しているかと申しますと、ざくっと言いますと、私どものほうで単位集計区分と言っております。全国調査の基本は、産業中分類レベルの産業と、規模については5~293099100499500というのが基本的な集計セルで、地方調査の場合は、一般的にはサンプル数の問題がありますので、産業大分類、あるいは製造業だと中分類ベース、一部のサービス業だと特掲の中分類とそれ以外というような形で単位のセルを定めておりまして、そのセル内での平均賃金、平均労働時間を計算している。積み上げの産業とか積み上げの区分につきましては、後で説明いたしますけれども、労働者数というのを別な方法で推計したものがありまして、その労働者数で加重平均して全体の積み上げ区分での平均労働時間あるいは平均賃金を計算しているということになっております。

 済みません、6ページの下の囲みに一部ミスプリがあります。「毎月勤労統計調査では、単位集計区分毎に、前月末母集団労働者数を」と書いていますが、「前月末母集団労働者数の」です。「ベンチマークに対して、標本事業所における前月から当月への変動を反映し、当月の値を算出するリンク・レラティブ方式により労働者数を推計している」ということで、ベンチマークの労働者数が調査票で何%変化したかということによって次の新しい月の労働者数を計算するという方式をとっております。このあたりは、後で紹介いたします諸外国の労働統計も大体同じような考え方になっておりまして、賃金、労働時間については調査票ベースで集計して、労働者数については別途得られるベンチマークに基づいて推計を行うという方式になっております。

 次の7ページに抽出替えということを書いております。毎勤の場合は、毎月の賃金あるいは労働時間の変動を見ますので、標本はなるべく長期間同じところを対象にして調査を継続すると安定した値が得られますので、基本30人以上の事業所については2年または3年間の継続調査ということでやっております。

 何で2年または3年となっているかと申しますと、母集団リストを作成する基になっている調査が、昔は事業所・企業統計調査と言っていたのですけれども、最近は衣替えをして経済センサスに変わっておりまして、その経済センサスの結果が得られた時点で、最新の情報に基づいて新しい事業所を抽出するという方式を行っておりますので、その下に書いてありますように、2年ないし3年間隔で新しい事業所に総入れ替えを行っているところでございます。

 済みません。総入れ替えと申しましたけれども、500人以上の事業所は基本的には1分の1で当てておりますので、500人以上の事業所は常に当たっている。それより小さいところが2年か3年で抽出替えで対象が変わってくることになっております。

 詳しい話はまた後で別項目でお話しするのですけれども、標本を替えたときに、一番最後の一月だけ新しい事業所と古い事業所の両方を調査して、新結果と旧結果の2つの結果を出して、その新・旧の差を計算して、そのギャップを修正するという作業を行っております。これを私どもではギャップ修正と言っております。詳しいやり方についてはまた後ほど説明いたします。

 この資料の最後のページが第二種のほうなのですけれども、第二種の場合は第一種のように総入れ替えというのは行わずに、3つのグループに分けて、それぞれ18カ月、1年半継続して調査をする。6カ月ごとに3分の1ずつ対象事業所を替えていくというローテーション方式で行っておりまして、5~29人の事業所につきましてはギャップ修正という作業は特に行わず、3分の1程度の入れ替えなので、割と滑らかに接続しているだろうという前提で、接続系列ということで調査結果を公表しているところでございます。

 続きまして、資料2-2で、先ほど簡単に御説明しました集計方法あるいはギャップ修正の仕方についてもう少し詳しく御説明いたします。

 先ほど話しましたのが、まず、平均賃金、平均労働時間といったようないわゆる実数の話なのですけれども、実数のほかに、基準年を100とする指数というのも毎月勤労統計調査では作成しております。この指数につきましては、「指数の改訂」に書いてありますように、2つのタイミングで定期的に更新を行っております。1つは、100とする基準年を変えることによる基準時更新、もう一つのタイミングは、先ほど申しました第一種事業所の抽出替えを行ったタイミングで改訂を行っております。

 3ページ目に基準時更新についてもう少し詳しく書いております。基準時更新につきましては、総務省の告示に基づきまして、各省庁共通の基準で実施しているところでございますが、西暦の末尾が0または5のつく年を基準に指数を作成するということで、基準年の数値が出そろったところで新しい指数に改訂するという作業を行っております。

 毎勤の場合の指数は、ラスパイレス型の指数をつくっているわけではなくて、いってみれば、単純に実数の値を基準年の実数の値で割って、基準年イコール100とする指数をつくっております。基準時更新の場合は各指数にある一定の倍率といいますか、変換率を掛けることによって機械的に計算できますので、増減率というのは基本的には変わりません。原理的には変わりませんので、改訂は行いません。ただし、実質賃金指数につきましては、私どもでつくっている統計ではない消費者物価指数の系列が各省庁同一の基準で基準年更新を行いますので、タイミングが合います。実質化に用いる持家の帰属家賃を除く総合指数が改訂されるので、その改訂した指数を使って再計算することによって、こちらは増減率も一緒に変わってくるということになっているところでございます。

 続きまして、4ページでギャップ修正の話をしております。ギャップ修正につきましては、先ほど話しましたように、第一種事業所の抽出替えを行うことによって新・旧のサンプルでサンプル差が生じるので、それを滑らかに接続させるためにギャップ修正を行っているところでございます。

 次の5ページは考え方について書いてありますので、ちょっと省略いたしまして、具体的なギャップ修正のイメージにつきましては、少しページが飛ぶのですけれども、10ページと11ページをちょっとご覧になっていただきたいと思います。

 賃金・労働時間の実数につきましては、当然、新しいサンプルと古いサンプルでは集計結果に差が出る。10ページに書いてあるのは、イメージ図ということで、正確な計算方法を反映しているわけではないのですけれども、新・旧の結果の差をいわば均等に過去にばらまいてあげて滑らかに接続させてあげるという方法で計算しております。

 具体的な計算につきましては、11ページに書いてありますように、ギャップの差ではなくて比率で計算しています。比率で計算しているというのは、現金給与総額などだと、賞与支給月とそうでない月で毎月の値がかなり異なってきますので、同じ考え方を一律に適用させるために比率の形で適用を行っているところでございます。

 これが賃金・労働時間に関するギャップ修正で、あともう一つ、ベンチマークの更新によるギャップ修正というのがございまして、それは6ページのほうです。先ほど申しましたように、労働者数に関しましては、ベンチマークによって毎月の変動状況で少しずつ変えていくというLink-relative方式をとっておりまして、当然、サンプルの増減で延長していくものですから、実際の母集団の動き等とはどうしても乖離が生じてしまう。それで、新しい母集団の結果が得られたときにその最新の値を新しいベンチマークということにして、労働者数についても再計算を行います。それで、最新のベンチマークに基づく値とこれまで推計していた値でギャップがどうしても生じますので、そのギャップにつきましてギャップ修正というのを行っております。

 基本的には、先ほど申しました賃金・労働時間と同じような考えで、ギャップを均等にばらまいて滑らかに接続させるのですけれども、労働者数のベンチマークにつきましては、労働者計についてしかベンチマークが得られない。本来でしたら、構成要素である一般及びパートについてベンチマークが得られれば、一般・パートを正しくして積み上げることによって労働者計が計算できるのですけれども、ベンチマークが合計の部分にしかありませんので、一般・パート別の雇用は2段階のギャップ修正を行っております。全体の枠についてベンチマークで修正して、その後、さらに一般・パートの数のギャップについてギャップ修正を行うという2段階の修正を行っております。そのあたりの話が11ページから17ページにかけて書かれております。全体の枠についてセンサスの結果とこれまでの推計値についてギャップを計算して、それを賃金・労働時間と同じようなやり方で過去に遡って修正する。一般・パートにつきましては、まず、全体にかかっている調整をやって、なおかつ、17ページはパートタイムの場合について書いてありますので、一般の場合は「パートタイム」と書いてあるのを「一般」と読みかえていただければと思うのですけれども、パートタイムについての差についてもう一回修正をかけている。これは、実質的にはパートタイム労働者比率のギャップ修正を行っていることにほぼ相当する作業になっております。

 このような形でギャップ修正を行っているのですけれども、ギャップというのはどれぐらい発生しているか。9ページが賃金・労働時間についての過去に行ったギャップの実績でございます。27年1月、24年1月、21年1月にそれぞれ抽出替えを行っているのですけれども、賃金についてはいずれもマイナス改訂、労働時間については27年と21年がマイナス改訂で、24年がプラス改訂といった結果になっております。

 ただ、1点、注意事項といたしまして、24年1月の抽出替えは、サンプルの入れ替えによるギャップと、先ほど申しました労働者数のベンチマークの更新も行っておりますので、これは調査産業計の数字ですので、積み上げのウエイト変更の影響もありますので、純粋に標本差だけのギャップにはなっておりません。両方を加味したギャップになっております。

 最後の18ページに常用雇用についてのギャップ率を参考までにつけております。24年のときはプラス改訂、21年のときはマイナス改訂になっておりますが、一般・パート別に見ると、さらにもう少し違ったギャップ率になっております。これはサンプル事業所における一般・パート比のギャップに相当する部分が加味された結果になっているものでございます。

 続きまして、資料3で他府省の統計の例について御紹介いたします。他府省の例につきましては、まず1ページ目から消費者物価指数、4ページ目から鉱工業生産指数、7ページ目が家計調査、8ページ目が労働力調査という結果になっております。

 1番目の消費者物価指数と2番目の鉱工業生産指数は大体同じような改訂を実施されているなということになっております。前のほうにいろいろ言葉で書いておるのですけれども、3ページ目の「(参考)」でつけております「消費者物価指数改訂の概念図」を見ていただければ一番わかりやすいのかなと思っております。消費者物価指数の場合は、ラスパイレス型の指標で数量部分を固定して価格部分を変動させるという指数構成になっているのですけれども、指数の改訂の場合はその数量部分のウエイトが変わるということで、ある意味、まるっきり違う系列になるということです。新しい系列に切りかえた場合、過去に遡って全て指数を再計算するのではなくて、ある程度まで遡った時点で再計算は中止する。それより過去の部分については、前、計算していた指数に一定率を掛けて、再計算した指数に接続するように接続係数を掛けて調整する。したがって、この場合は平行移動になりますので、一定率を掛けた部分については増減率も変更されないということになります。新しい指数同士で増減率が計算できる部分は新しい指数による増減率に改めて、その新しい指数と平行移動した指数との間で増減率を計算することになる部分については、再計算せずに、過去に計算していた増減率をそのまま採用するという形での改訂が行われております。

 鉱工業生産指数についても考え方としては同じで、過去、何年遡って計算するかという再計算の期間が鉱工業生産指数のほうが若干長目だという状況になっております。

 一方、7ページ目にあります家計調査の場合は、家計消費指数と消費水準指数という2つの指数を計算されているようですけれども、これらにつきましては、新しいウエイトで、過去にわたって全ての期間、指数を再計算して、その再計算した指数に基づいて増減率も計算し直す、全部かえるという方式でかえられているということでした。

 あと、8ページに労働力調査があるのです。労働力調査の場合は、人数を調査しているのですけれども、人数の推計につきましては、国勢調査に基づく人数を使ったベンチマーク方式で計算されている。新しい国勢調査ができた時点で最新のベンチマークを最新の時点に適用するということで、ある時点以降、新しいベンチマークで計算された値に人数ベースの値は切り替えられる。過去に公表していた人数及び前年同月差については変えないということでした。

 では、新しくつくり始めた部分についてはどのように計算するかというと、労働力調査の場合は、推計値とベンチマークの値の乖離がかなり小さくて、乖離は考慮しなくても済む場合もあるということなのですけれども、乖離がある程度ある場合は、接続用の系列というのを公表値とは別系列として公表する。新しくつくり始めた部分については接続用の数値との間で前年同月差を計算している。つまり、2つの系列がベンチマークの切りかえ値につなぎ合わされているという形で公表されているということでした。

 ただ、その水準差というのが先ほど申しましたように余り大きくないということで、総務省のほうのお話ですと、平成2312月というのが過去に行った中で乖離が一番大きかったということなのです。15歳以上人口1億1,100万人に対して69万人程度の乖離だったということで、完全失業率に関しては厳密に言うと人数ベースでは若干の乖離があるのですけれども、率にすると乖離は発生していないということでしたので、ごくごく小さいものなので、新・旧は調整せずにそのままくっつけているというお話でした。

 以上が他府省の統計の例です。

 最後にちょっと駆け足が続くのですけれども、諸外国の例ということで、資料4に従って御説明いたします。

 まず、英国の例ですけれども、英国の主要賃金統計としては、その下に書いてありますような2つ。

Annual Survey of Hours and Earningsというのがまず1つ。これが日本の賃構に相当するような調査で、課税記録のデータベースに基づいて雇用者を100分の1の確率で抽出して、雇用者に関して直接、年1回、賃金・労働時間の状況について調査している。したがって、規模、産業については全ての規模、全ての産業をカバーしている調査だということです。

 もう一つがMonthly Wages and Salaries Surveyということで、毎月実施されています調査で、これが日本の毎勤にほぼ相当する調査で、これは省庁間企業登録というような幾つかの省庁が持っているデータベースの記録に基づいたデータベースから抽出を行っている。中身は、付加税とか、源泉徴収の対象の企業とか、そういったものが母集団になっているようなデータベースなのですけれども、そこから9,000企業を抽出して調査している。1,000人以上は全数調査で、20999人につきましては、1回当てると5年間継続なのですけれども、5分の1ずつローテーションをかけている。このあたりは、日本で言う5~29人規模を半年ずつ18カ月を3ローテーションでこなしているのと同じような考え方のローテーションでこなされているようです。

 毎月の賃金の変動に関しましては、2009年からその新しい指標ということで、Average Weekly Earnings(AWE)という毎勤と同じような計算をする系列に切りかえられたのですけれども、その前は、1年間、雇用者ウエイトを固定するラスパイレス型の指数で計算を行っていたようです。こちらのほうの賃金指数については余り詳しくは確認していません。

 新しい系列のAWEに関しましては、基本的には、日本と同じように、単位集計区分ごとにその平均賃金、平均労働時間を計算して、それを労働者ウエイトで積み上げ計算をしているということなのですけれども、積み上げウエイトにつきましては、基本的にはデータベースに入っている数を使って計算している。当月の集計は速報値として公表して、1カ月程度待って、遅れてきたものとか、修正が入ったデータを反映して、翌月に確報値として公表している。

 あとは、平均値をある程度安定させるための作業として、みなし提出の計算を行っているというのがありまして、最大5カ月間、調査票の提出がないと、一番最後に提出した時の労働者数と賃金が継続していると見なして平均値計算に用いている。ただし、ボーナスに関しましては、前年同月の値を使うと書いてありました。

 あともう一つは、外れ値というのを計算していて、産業別、規模別、あるいは民公別の平均賃金の水準を著しく上回る調査票は外れ値扱いをして、集計除外ではなくて、ウエイトを1にする。1,000人以上だともともとウエイトが1なので影響はないのですけれども、20999人の場合は一定の抽出率があって、何企業かを代表するという計算になっているのですけれども、そこは倍率を一律1にして、影響を非常に少なくするという計算をするということでした。毎勤の場合は、調査票の内容を見て、値が著しく大きなものがあれば、一律除外するのではなくて、問い合わせ等を行って、正しい値かどうか確認して、正しければ集計に使うという確認作業を行っているところでございます。

 続きまして、2ページ目でアメリカの状況です。アメリカのほうだとCurrent Employment Statistics(CES)という調査が毎月実施されている。CESは基本的には失業保険の加入事業所データベースに基づいて計算している。900万事業所データが入っているのですけれども、そのうちから143,000企業、588,000事業所を抽出して調査している。調査期間は最低2年以上で、年1回抽出替えを行っているのだけれども、60%ぐらいの事業所が継続して調査されている。抽出替えは、日本とは違って、産業を4つのグループに分割して、四半期ごとにずらして抽出替えを行っている。抽出替えをして、即、集計対象にするのではなくて、1回当ててから、ある程度調査票がたまって、四半期間調査票をためてから集計対象ということで扱っているということでした。あと、産業別ではないのですけれども、新設事業所についてもグループ4の中で抽出しているということでした。

 賃金・労働時間の集計につきましては、WDLTWeighted Difference-Link and Taper)という方式で計算されている。この方式につきましては、次の3ページに詳しく書いてありますので、また後ほど御説明いたします。このときの計算は、基本はリンク方式で計算していますので、2カ月間、当月と前月2つの情報が必要になるので、2カ月間連続して提出している調査票のみを使って平均賃金・平均労働時間を集計しているということでした。

 雇用者数につきましては、日本と同様にLink-relative方式で推計していて、ベンチマークを標本集計値の前月から当月への変化率で更新する。ベンチマークについては、全国レベルとか州レベル、あるいは都会地などについて、ベンチマークのとり方は何種類かあるようなのですけれども、全国集計における雇用者数のベンチマークについては、毎年3月の失業保険のデータを利用している。毎年の雇用ベンチマークの更新時には、米国のほうでは、くさび型更新(Wedge back)というようなことで書いてあるのですが、基本は日本のギャップ修正と同じような、日本では三角修正と言っているのですけれども、同じような方法で、1年に1回なので12分の1ずつ削減しながら、そのギャップを11カ月に配分するという方法で修正を行っている。

 あとは、ベンチマーク自体は、基本は97%の部分は失業保険で計算しているのだけれども、残り3%はほかの統計も使って推計しているということです。ほかの統計の要因でフルベンチマークを更新する場合は、この21カ月の根拠がよくわからなかったのですけれども、通常の1年よりはもう少し長い期間(21カ月)にわたって遡って修正をかけるということでした。

 雇用のベンチマークを更新したときは、単位セルの賃金・労働時間は変わらないのですけれども、積み上げるときの加重ウエイトが変わるので、積み上げ区分の賃金・労働時間については更新がかかるということでした。

 最後に、3ページ目のWDLTweighted difference-link and taper)方式ということです。「taper」というのは「ろうそく」という意味で、だんだん細長くなって小さくなっていくものをあらわしているような言葉です。基本はベンチマーク方式なのですけれども、そのベンチマークの影響を毎月少しずつ一定率を掛けて小さくしていくという方法になっております。基本は、真ん中のちょっと上に書いてある1式。Xc=(αXp+(1-α)xp)+(xc-xp)ということで、Xは基本的には公表値、つまりベンチマークに相当する賃金または労働時間の値になります。xが標本に基づいて計算した値で、cがカレントで当月を、pがプリービアスということで前月をあらわしている。つまり、前月のベンチマークであるXpに一定率α、アメリカの場合は0.9を用いているということですけれども、一定の数を掛けて、過去の公表値と過去の標本で計算した値をα:1-αの値で合成したものを基本のベンチマークにして、それに対するLink-relative、前月と今月の差というのを標本に基づいてやっている。

 つまり、基本は、ベンチマークの値を今月と前月の標本の変化で変えている。ただし、生のベンチマークを使うのではなくて、αという一定数を掛けて、毎月少しずつベンチマークの影響を小さくしているという方式で計算しているものです。その下に書いてあるように、仮にα=1とすると、xpの部分が消えてしまうので、これは純粋なリンク方式となります。

 α<1のときはベンチマークの影響が毎月小さくなるので、仮にベンチマークと実態との乖離が生じたとしても、その乖離は毎月小さくなっていくだろうということです。

 α=0とすると、これは普通の標本の値で計算するという結果になっております。

 1点注意しないといけないのは、毎月ずらしていくと、標本のxc、要するに当月の標本の値は次の月で使うxpとは異なっている。つまり、2カ月連続している事業所というのは毎月異なっていますので、足し合わせても単純にキャンセルできないのですけれども、仮にここで2カ月連続という制限を外して、純粋に標本値で計算したとしたら、そこに書いてあるような式変形ができて、結局、一番初めのベースのベンチマークと標本の値との差に毎月αという一定数を掛けて小さくしていって、最終的には標本の集計値に収束していきます。定期的にベンチマーク等の更新があれば、収束する前に新しいベンチマークに切りかわってしまうのですけれども、基本的にはアメリカではこのような方式で推計しているということになっております。

 ちょっと長目の話をかなり省略しながら説明しましたが、以上が毎勤の状況と国内における他府省等の例及び諸外国での賃金統計の状況でございます。

○阿部座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいま御説明いただきました資料の内容につきまして、御質問等がございましたら、どなたでも結構ですのでお願いしたいと思います。

 本日は第1回目ということもありますので、御自由に発言いただいて結構かと思います。どなたかいかがでしょうか。

 どうぞ。

○永濱委員 エコノミストをやっている立場からしますと、毎月勤労統計の速報から確報にかけて結構ずれるではないですか。それを考えた場合、当然、速報段階では調査の対象事業所が部分的なところしか見ていないところだと思うのです。それで言うと、多分、今回説明がなかったと思うのですけれども、例えば全国調査でいうと約1万6,700あるではないですか。そのうち、速報段階ではどこまで入れて、確報ではどうやっているのか。

○久古谷課長 済みません。私、速報、確報の説明をしなかったのですけれども。毎月ちょっと変動があるのですけれども、平均的に言うと、最近というか、ここ数年はだいたい速報で75%、確報で85%。年末年始とか連休とか絡んで、特殊要因があると提出率がちょっと悪くなったりというのもあるのですが、速・確で10ポイント程度の提出事業所数の差があるということになっております。

○永濱委員 例えば速報段階だと、第一種と第二種で回収率の違いみたいなものはあるのですか。

○久古谷課長 統計調査員を使って小さいほうをやっているのです。第一種は基本的には郵送、一部システム入力もあるのですけれども、第二種の小さいほうは調査員を使っているので、やはり速・確の差は少ないです。早目に回ったときに調査票を回収できております。

○永濱委員 第二種のほうが。

○久古谷課長 5~29人のほうが速・確の差でいえば少な目の傾向があります。

○永濱委員 そうですか。結構、下方修正されるので、それこそ小さいところのほうが回収が遅いとか、そんなことはないのですか。

○久古谷課長 速・確の差は、今年の1月分から新しいサンプルに変わったので、今、新しいサンプルの傾向がつかみ切れていないのですけれども、その前までやっていたサンプルだと、なぜかはわかりませんが、パートタイム比率の比較的高いところが遅れて提出されて、一般・パート別に見ると、平均賃金の変化は若干あるのですけれども、それほど大きくないのです。パート比率が高まることによって全体の賃金が下方修正されることが多かったように思います。

○永濱委員 それというのは、速報から確報にかけてパート比率も変わっていましたか。

○久古谷課長 変わります。

○永濱委員 変わりますか。それでやはり上がるところが。

○久古谷課長 上がります。ですから、パートが多いので、パートの労働者が多い事業所が遅れて提出される傾向にあったので、パートタイム比率、パート労働者が増えて、平均賃金が下がるという現象がこれまで起きていましたが、新しいサンプルも、まだ2月、3月しかないので、そのあたりの傾向はまだ完全にはつかみ切れていません。

○永濱委員 もう一つお聞きしたいのは、全国調査以外で、地方調査で、全国調査プラス5,000とか調べていらっしゃいますね。最終的な毎月勤労統計に出るのというのは、ここは入らないのですか。

○久古谷課長 全国調査としては入りません。ただ、きょうも千葉県さんに出ていただいているのですけれども、各都道府県で集計しているものには、そのプラスした標本も含めた値になっております。

○永濱委員 統計の信頼性でいうと、できるだけサンプルが多いほうがいいということから考えると、せっかくとっているのだったら、最終的に入れたほうがいいのではないか。何か問題があるのですか。

○久古谷課長 問題というほどでもないのですが、資料2-1の3ページをごらんいただきたいのです。先ほどは特に説明しなかったのですけれども、実は全国集計の公表時期のほうが早目に設定してありまして、どちらかというと、全国集計の確報の締め切りが終わった後も、各都道府県の場合サンプル数が少なくなると、細かいところの変動、大きな誤差が出る可能性がありますので、全国集計よりは時間をかけて調査票を集めてもらって、地方集計の精度を上げるということをしています。逆に、全国の確報の公表を遅らせば、もう少し調査票は集まるということにはなるのです。

○永濱委員 でしたら、最終的にその地方の精度が高まった形の、もっと精度の高いものを遅れても出してもいいような。数字はそんなに変わらないかもしれませんけれども、そんな気もします。

○久古谷課長 統計の場合の速報性と正確性ということで、両方はなかなか追い求められないので、それはある程度のところで線引きをせざるを得ないと思います。

○永濱委員 私が想定しているのは、速報、確報とあるのに加え、地方で調べたものを集計した確々報みたいなものが出たら、サンプルがもっと増えて、信頼性の高い統計になるのではないかと思ったのです。

○久古谷課長 最終的な報告の精度は上がると思いますが、今も速・確でこれだけ差が出ていて、さらに確々報でまた変わるとなると、それをどのように使っていくかという話もあります。当然、おっしゃられた趣旨も十分わかるところですが、公表する立場としてはそういうこともちょっと考えないといけないなと思っております。

○廣松特任教授 ちょっとよろしいですか。

○阿部座長 廣松特任教授、どうぞ。

○廣松特任教授 今の議論の続きですが、3ページのところで、地方調査は都道府県の統計主管課が公表するということになっており、その公表は調査月の翌々月中とあります。上と同じで「中旬」と読むのかと思ったら違うのですね。下旬ということですか。

○久古谷課長 月内という意味です。

○廣松特任教授 月内という意味なのですね、そこはわかりました。

 もう一つは、先ほどの4ページの標本抽出のところで、御説明の中で、500人以上は全数というか1分の1であるということでした。そうすると、30499人のところがこういう抽出率になっているということでいいのですか。

○久古谷課長 記述上、全数調査のところの抽出率は1分の1と解釈すればこれでもなのですけれども、1分の1ではない、2分の1以上の抽出のところで言えばということでしたら、499までです。

○廣松特任教授 3099人、100499人の抽出率は分けていないのですか。抽出率は同じですか。

○久古谷課長 分けております。

○廣松特任教授 分けているのですね。

○手計補佐 席上配付資料2のページ番号で言いますと287ページになります。

○廣松特任教授 287ページ。

○阿部座長 表から4枚目。上から4枚目ですね。

○手計補佐 ここに100499人と3099人規模の抽出率があります。また、500人以上は先ほど申し上げたとおり1分の1という形になります。

○廣松特任教授 失礼しました。わかりました。

○阿部座長 先ほど永濱委員から、地方調査でサンプルを追加したのを全国調査で加味すればもっと精度が上がるのではないかというお話がありましたけれども、私は、本来はそんなことはそれほど大きく影響ないのではないかと思ったのです。

 というのは、そもそも母集団に戻るように抽出率はつくってあるわけですね。全国調査で。ただ、都道府県になると、産業だとか企業規模で、そもそもないというのも出てきてしまって、それで都道府県の数字がとれないというところも出てきて、それを埋めるために都道府県では入れていく。これは、ほかの賃金調査、例えば国家公務員の調査、民間給与実態調査でしたか、あれなどもそのような感じであったと思いますし、それはわからないですけれども、理論的には戻るはずです。

○久古谷課長 理論的には、恐らく、1つのセルごとの達成精度計算をやっていますので、ある一定の値を超えると、投入量の割には精度は上がりません。精度はよくならないのかと問われれば、当然上がりますけれども、それまでよりは効率はぐっと悪くなります。たしか、サンプル数のルートN分の1で効いてくるので。

○廣松特任教授 確か工業統計の場合もそうですね。

○久古谷課長 サンプル数が多くなれば精度は上がるのではないかというお問いかけには、「そうだ」という答えになりますが、それのトレードオフといいますか、遅くなることによって上がった精度がどれぐらいかというのも考える必要があります。

○永濱委員 でも、遅くなっても、それは速報も確報も発表されているわけですから何のデメリットもないわけです。ただ、そうは言いながらも、多分、この議論の本題ではなくて、本題は結局、賃金が下方修正になってしまってそうなるわけではないですか。これから多分その話になると思うのですけれども、それを考える場合は、もうちょっとマンパワー的なところでそうなってきたりする可能性もあることを考えると、そこはある程度目をつぶってもいいのかなと思います。

 一応、感想の形で言いました。

○廣松特任教授 ただ、この調査の場合には、地方調査も基幹統計の一部として含まれているというのが特徴的で、工業統計では、工業統計の追加調査という形で都道府県が調査をして公表しています。それは、基幹統計の範囲外なのです。そこは扱いがちょっと違うと思いますが、確かにおっしゃるとおり、せっかく取られたものを使わない手はないというのも一理あると思います。

○阿部座長 都道府県で抽出しているのは具体的にどうやっているかよくわからないのです。

○久古谷課長 地方集計用のサンプルは厚労省側で抽出を行っています。

○阿部座長 そうすると、全国のに戻るような感じですか。

○久古谷課長 済みません、具体的な手順までは覚えていないのですけれども、全国でまず基本的な全国用のサンプル数の設計をして、そのサンプルを都道府県に分割して、都道府県ごとのフレームに当てはめると、精度を保証するには足りないセルというのが出てきますから、そこを埋める形です。

○阿部座長 そこを埋めてしまうのですよね。今度、それを全国に戻したら、もともとの母集団よりもどこか飛び抜けてしまったりするということはないのですか。

○久古谷課長 ないです。というか、もともと労働者数はLink-relativeの復元ですので、ある意味、調査票の集計値の絶対水準には関係ないですから。賃金とか労働時間は直接水準を計算しますが、労働者数については総体的な増減率のみをベンチマークに当てはめますので。だから、ウエイトに関するオーバー・エスティメートとかアンダー・エスティメートは発生しないと思っています。

○阿部座長 では、戻したら精度は上がるという理解なのですか。

○久古谷課長 基本的には上がります。ただ、待つ時間とその反映の程度がどれぐらいのものか。

○永濱委員 労力代として、どれだけ待つとペイするかというところだということですね。

○阿部座長 わかりました。

○廣松特任教授 確か、別の考え方として、これは別の調査のことですが、家計調査は、例えば都道府県単位で県庁所在地に関しては一定の下限を設けています。割り振る世帯数の下限です。そちらのほうがどちらかというと少しバイアスがかかるようなことになっているかもしれません。

○阿部座長 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ。

○土屋委員 2点教えていただきたい。

 今の全国調査、地方調査の4ページの下に(注1)とありますけれども、全国調査の結果と地方調査の結果は必ずしも整合していないということでよろしいのでしょうか。

○久古谷課長 整合していないというか、構造的には地方のほうが追加サンプルを加えているので、積み上げても全国にはなりません。要するに、集計している標本対象が全くずれているわけではないのですけれども、若干のずれがあるので、正確に全国に返るわけではないというぐらいの注です。

○土屋委員 このギャップ修正というのは全国調査についてのみ行うという意味ですか。

○久古谷課長 過去は全国のみのころもあったのですけれども、済みません、いつからかは覚えていないですが、現在は全国調査も地方調査もギャップ修正を行っております。

○土屋委員 そうしますと、地方調査は都道府県別にこの調整をされていると。

○久古谷課長 都道府県ごとにオペレーションを行っていただいています。もう少し詳しく言いますと、毎勤の集計票といいますか、調査票管理及び集計用のシステムを厚生労働省で開発しておりまして、各都道府県の統計主管課さんがそのシステムのユーザーになっていて、データ投入して、集計オペレーションを行うという形をとっております。

○土屋委員 ありがとうございます。

 もう一点は、6ページの下に労働者数を推計するための御説明がありますけれども、これを拝見しますと、前月末の母集団労働者数というのは正しいものが毎月わかるということですか。

○久古谷課長 基本的には経済センサスの結果が一番の出発点になっていまして、そこから調査票上で前月に比べて当月何人増えたか減ったかで調整していくのですが、毎勤の調査票というのはいわば継続事業所についての情報しかないということで、6ページの一番下にちらっとだけ書いてあるのですけれども、雇用保険のデータベースがありまして、そこでは雇用保険の被保険者数なので、毎勤の常用労働者数とは定義が正確に合っているわけではないのですが、ほぼ重なる部分があるということで、雇用保険での事業所の廃止とか事業所の新設による労働者数変化のパーセンテージを計算して、それを加味して補正計算を行って、それを新しいベンチマークにするという操作を行っております。

 正確に言うと、基本は前月の集計値がベンチマークなのですけれども、当月の集計に入る前に、雇用保険データによる補正を行って、それを次の集計用のベンチマークに使って、次の月の労働者数を推計するという作業を行っております。これをずっとやっていくと、当然、推計値と現実の間の乖離がありますので、その経済センサスの結果が出たときに新しいベンチマークとして再設定をするということでございます。

○土屋委員 ここにある「前月末母集団労働者数」というのは前月末の推計労働者数ということですか。

○久古谷課長 そうです。

○土屋委員 それに補正を加えたものということ。

○久古谷課長 はい。

○廣松特任教授 まさに私もそう思っていました。ここの部分を先ほどの数式も含めてもうちょっと説明していただくとわかりやすいかなと思います。

○久古谷課長 申しわけありませんでした。

○土屋委員 ありがとうございました。

○阿部座長 これまでのどこかに載っているのですかね。

 では、ほかにいかがですか。

 どうぞ。

○永濱委員 ちょっと本質のところに踏み込みたいと思うのですけれども、結局、今回のこうなった経緯というのは、賃金が急に下方修正されましたというところで問題が発覚したわけでございますけれども、それをどうするかということで、エコノミストとして毎勤統計を使っている立場からしか考えていないのですけれども、実は水準の数字と金額とかその辺よりも、エコノミストというのは指数のほうを非常に重要視しております。実際に賃金の寄与度分解とかするときも、単純な数字でやっても全然寄与度分解できませんし、急激な変動ないように指数をどれだけかえるかというのが非常に重要だと考えていて、私もざっくりとした考え方なのですけれども、方向性は2つあるのではないかと考えています。

 1つは、やはり第一種のほうが段差ができるのですか。これは3年に1回替えるのでしたか。

○久古谷課長 1年半。

○永濱委員 1年半でしたか。第一種の方ですか。

○久古谷課長 1年半は第二種で、第一種はそうですね、2年か3年に1回。

○永濱委員 2年か3年に1回ですね。その間ずっと同じ会社を調べていて、その後、替えられるところはできるだけ替えてみたいな感じですね。

○久古谷課長 そうです。

○永濱委員 例えば、その替える頻度をもうちょっと増やすとか。例えば3年に1回替えているのを毎年3分の1ずつ替えるとか。例えば第二種に近いような形で替える方法が1つ考えられるのかなということ。

 一方で、エコノミストが経済指標を使うときに、指数というと、ここにも事例で出ていましたけれども、鉱工業生産とか消費者物価。特に賃金統計というのはマクロ経済学的に考えてもインフレ率と非常に関係の深い数字ですので、これに近い考え方もあるのかなと。要は過去の増減率は変更しない形で。ただ、これの問題点としては、結局、5年に1回ではないですか。そうすると、やはり差が出てきて、CPIなどでも伸び率が変更してというのがある。

CPIなどは、それを解消するために今どういうことをやろうとしているかというと、連鎖指数も出しています。これも毎年ウエイトを変えるという形でやっているわけではないですか。それは非常に労力もかかるので、細かい数字は出ていなくて、大ざっぱな総合の指数と生鮮食品を除く総合と十大費目ぐらいしか出していないのですけれども、そういう形の指数の出し方というのも考えられるのではないかと考えるのです。

 ざっくりとこんな感じで考えていますが、皆さんの御意見をお聞きしたいと思うのです。

○阿部座長 わかりました。

 では、土屋委員、どうですか。

○土屋委員 そのギャップが生じる要因として、標本替えというのはもちろんあると思うのですけれども、それ以外に、3年というのは非常に長いと思いますので、その間の脱落が要因としても結構あるのではないか。脱落があるとすれば、どういう要因で脱落していくのかということをまず1つ見る必要があるのではないかと思います。

○阿部座長 ありがとうございます。

 永濱委員は、どちらかというと、サンプルを替えることに問題があるので、そこをどううまくやるかという解決策を御提案されているのですけれども、土屋委員は、サンプル替えではなくて、サンプルの脱落による影響というのも無視できないのではないかということだと思うのです。

○久古谷課長 標本の長期固定化によるバイアスということですね。

○阿部座長 バイアスということでよろしいですか。

○土屋委員 そうです。おっしゃるとおりです。

○永濱委員 私もこれはできるかわからないのですけれども、脱落したところはある程度その都度補完していけるようなやり方もいいのではないかと思っています。

○久古谷課長 そういう意味だと、脱落したところは放っているわけではなくて、年単位で補充はしております。例えば3年継続しているところだと、1年目の終わりというか、2年目の初めに追加で、また3年目の初めに追加ということをやっておりますが、抽出率1分の1が脱落してしまうと、そこはもう補充できないというか、そこがそういう世界になったという解釈でいくしかない。

 もう一つは、脱落して補充する間に一定のバイアスが出て、当然、いろいろな話があるのですけれども、賃金のギャップ修正時の改訂はマイナス改訂になっていることが多くて、10回ぐらい見るとプラス改訂が1、2回ぐらいで、ほとんどがマイナス改訂なので、長期固定化による脱落による上方バイアスがあるのではないかという話もなくはない。そのあたりはサンプルを使った特別集計、昔の統計法で言う目的外集計の手続をとって少し分析してみたいなと思います。

○阿部座長 今のお話に出た追加サンプルですけれども、具体的にはどうやって追加サンプルを抽出するのですか。落ちたところと同業種・同規模とか、そういう基準で追加するのですか。

○久古谷課長 仕組みを言いますと、私どもが統計調査をするときは、基本は経済センサスなのです。経済センサスで名簿をつくって、実際に、当てる前にまず都道府県のほうで予備調査というのをやってもらいます。その名簿に書いてあるとおりの事業所がそこの所在地にあるか、やっている産業とか、その人数とかが変わっていないかということをやってもらいます。

30人以上はそうですし、5~29については改廃が多いということで、調査区を当てて、その調査区内に5~29人の事業所はどういうところがあるのかというのをリストアップしてもらいます。5~29人については、脱落があれば、あらかじめ予備調査のときに把握したところで大体できる。なるべく同じ産業。中分類で同じ産業がなければ、大分類で同じ産業というように、なるべく近いところを選んで当てるという作業をやっていますが、どうしても同じようなものがないときはあきらめる場合もなきにしもあらずという感じです。

○阿部座長 それは30人以上のところも同じですよね。

○久古谷課長 はい。同じような考え方でやっております。

○阿部座長 わかりました。

 ほかに。

 私、ちょっと質問してもいいですか。

 アメリカの例で非常に興味深いWDLT方式というのがあったのです。αが0.9というお話を聞いたのですけれども、これの根拠というか、どうして0.9なのか。

○久古谷課長 アメリカのほうも経験則でやっていて、特に不都合がないから0.9でやっているということらしいです。

 らしいというのは、今回ではなくて別件で、きょう御出席ではないのですけれども、樋田委員に、5~29人のローテーション替えのときに段差ができているのではないかという話があったときに、樋田先生を中心に研究していただいて、それは段差ではなくて季節変動が段差のように見えているのだという結論をいただいたのです。そのときに、アメリカのほうにも別件で出張に行った人に労働統計局に行ってもらって話を聞いてもらったのですけれども、そのときの話だと、やはり経験則でやっていて、これで不都合がないからいいよと。だから、0.9は根拠はなくて、例えば0.8でも0.7でも論理的にはあり得るのだろうけれども、アメリカは0.9でやっていて不都合がないからこれでやっているのだという感じの話だったということです。

○土屋委員 3ページの一番下の2式のn乗の、このnの大きさにも。どれぐらい続けるかということにもよるのではないか。

○久古谷課長 そうですね。仮に2カ月連続というのが各月同じ標本をとると仮定すると、この2式に変形できますので。

○阿部座長 ありがとうございました。

 ほかは。

○廣松特任教授 今、コメントがありましたけれども、きょうは御欠席ですが、樋田委員が、過去、分析をなさった例があるということを伺って、ぜひ次回にでも樋田委員の前回の分析結果についてお話を伺えれば大変参考になるのではないかと思います。

○阿部座長 それはお願いをしてください。

○手計補佐 そこは調整をさせていただきたいと思います。

○阿部座長 ほかはどうでしょう。

 永濱委員、どうぞ。

○永濱委員 細かい話なのですけれども、資料2-2の12ページのところでございます。多分こうなっているのではないかと思うのですけれども、「常用雇用指数のギャップ修正」の一番下のところに、パートタイム労働者比率はギャップ修正を行っていないと。

○久古谷課長 パートタイム比率自体については行っていないのですけれども、先ほど申しましたように、一般の雇用指数とパート雇用指数については、パートタイム比率のギャップ修正に相当する作業を行っております。

○永濱委員 疑問に思ったのが、賃金でも、一般労働者とパートタイム労働者の賃金があって、今回、一般労働者の賃金が下方修正されたのですね。たしか、一般労働者の賃金の計算の仕方というのは、全体の雇用と総賃金からパートタイムのところだけ引いたところで残りみたいな感じで計算しているではないですか。それというのは、パートタイム比率が上がっているのに、そこが考慮されないで、一般労働者の賃金上昇率が実態よりも低く出てしまっているのではないかと思うのです。そうなると、2014年のデータですけれども、あれだけ春闘賃上げ率が15年ぶりぐらいの水準までいって、ミクロ的には賃上げが結構進んでいるはずなのに、毎勤統計の一般労働者の所定内給与がマイナスになってしまうとかなっているので、これというのはちゃんと修正されているのかなと。

○久古谷課長 それはどうやって出しているかというと、7ページの賃金・労働時間のほうにも書いてありますように、今、問題は賃金指数なのですけれども、賃金指数については単位集計区分、積み上げ集計区分ごとに、今回の場合だと27年1月での新結果と旧結果のギャップ率を計算して、その系列ごと、ここでは余り詳細に書いていないのですけれども、就業形態計、一般・パート別に賃金なら賃金についてギャップ修正をかけますので、パートタイム比率の影響は計算上は直接には出てきません。

○永濱委員 実際、その常用雇用者数の伸びを見ると、たしか1月からパートタイム労働者の伸びがびょーんと跳ね上がっていたと思うのですけれども、調整されてああなってしまうのですか。

○久古谷課長 今回は、雇用のベンチマークについての修正を行っていないので、雇用はやっていない。だから、新しい結果についての対前年比のところは影響はあるのですけれども、考え方として、過去に遡ってギャップ修正した部分については影響はないはずです。

○永濱委員 前年比で計算したら、逆に言えば、直近のところは影響が出てしまっているということですね。

○久古谷課長 前年比で、個別の要素ではないのですが、常用労働者数を、わかりやすくいうと、調査票のパートタイム比率で分割して、一般・パートのウエイトを課しますので、足元でパートタイム労働者の割合が多くなっている。だから、合成した結果の一般、合計の賃金を計算する際のパートタイム労働者のウエイトは高くなっているということです。

○永濱委員 それが急に出ているのですけれども、それというのは、パート比率のところをうまく調整。結論から言えば、一般労働者の賃金上昇率が実態よりも低目に出過ぎているのではないか。そんなことはないのですか。

○久古谷課長 一般はないですね。引き算で出しているというのは、この調査票で見てもらえばわかるのですけれども、調査項目として全体とパートタイムのものなので引き算で出すしかないというか、もともと足した結果になっていますから。

 ですから、それは個別の調査票ベース、したがって、ここで言う単位集計区分の中では影響は出てこないはずなのです。

○永濱委員 そうですか。

○久古谷課長 ですけれども、そこは数式を使って確認しないと何とも言えないです。

○永濱委員 御確認いただければと思います。

○阿部座長 そうですね。

○廣松特任教授 この調査票を見ていて先ほど思ったのですけれども、これは歴史的な経緯があるもので、恐らくそのころは、今の言葉で言うと一般というか、常用労働者のうち一般というのが通常というか普通の状態で、パートタイム労働者がどちらかというと少なかった。今から思うに、恐らくパートタイマーのほうの賃金が低い。その状況をどう把握するかということでつくられた調査票のような印象を受けます。今おっしゃっていたとおり、現実もパートタイマーの割合がこれだけ大きくなると、そこはもう少し意識として、一般とパートの違いをどううまく表せるか、あるいはどう情報をとるかということを考える必要があるのではないでしょうか。

 ここで言うパートタイマーの場合はそうですけれども、ここでは直接は問題にならないですが、いわゆる派遣などに関しては、賃金ではなくて直接経費として落とされている分があって、そこのところは残念ながらここでは出てこないわけです。

○永濱委員 済みません、もう一個聞いていいですか。

○阿部座長 どうぞ。

○永濱委員 SNA(国民経済計算)ベースの付表みたいなところにたしか賃金的なデータもあるではないですか。これというのはこれをもとにつくられているわけですね。

○久古谷課長 雇用者報酬とかです。

○永濱委員 速報では雇用者報酬ですけれども、確報だと結構細かく出ていませんでしたか。

○久古谷課長 はい。

○永濱委員 それはこれがもとになるのですか。

○久古谷課長 基本は毎勤です。毎勤の5人以上の結果に特別調査の1~4人の結果を加味したり、毎勤がカバーしていない公務員の部分は別統計から持ってきたり、農林水産はまた別な部分から持ってきたりとかあるのですけれども、ベースになっているのは毎勤の賃金です。

○永濱委員 では、そちらも過去に遡って修正されてしまうのですか。

○久古谷課長 SNAのほうでは賃金実額を使っているとすれば、賃金実額のほうは。済みません、先ほど説明が漏れたのですけれども、ギャップ修正をかけるのは基本的に指数と増減率だけで、実数ベースは更新をかけません。実数ベースで追い駆けていると、実数上は減っているように見えているのだけれども、増減率はプラスというところが出ています。

○永濱委員 でも、今回、賃金とか増減率も下方修正されましたね。

○久古谷課長 はい。やっていますけれども、SNAで直接使っているのが賃金、金額ベースだと、金額ベースを指数の改定率にあわせて下降計算していれば下がることになると思いますし、実数ベースをそのまま使えば変わらないので、それはSNA作成部局に聞いてみないと何ともわからないです。

 その気になれば、その実数に対しても、指数で行っている同じギャップ修正計算はすることはできるのですが、済みません、SNAの実際の業務で何を使っているかまで把握していないものですから。

○阿部座長 現実に幾らギャップがありますという表がありましたね。

○久古谷課長 はい。

○阿部座長 どこかにありましたね。資料2-2でしたか。

○久古谷課長 資料2-2の9ページですね。

○阿部座長 多分、勘違いしているのは、ギャップ水準というのがあって、これを見ると、水準までギャップ調整しているみたいに読めてしまう。実際には、金額そのものはやっていないのですね。

○久古谷課長 はい。実際の計算はギャップ率なのですが、ギャップ率だけだと具体的に何円程度の改訂があったかわからないので、これは参考までにつけているもので、これを使って計算しているわけではありません。

○阿部座長 ではないですね。ギャップ率からこのギャップ水準を計算したのですか。そうではなくて。

○久古谷課長 逆です。

○阿部座長 実際の計算はどのようにしているのですか。

○久古谷課長 実際は、今回の場合だと、現時点で月報を発刊しているかどうかはちょっと微妙なのですけれども、27年1月分の毎勤の月報の後ろに、旧サンプルの集計結果をくっつけています。新サンプルの集計結果と旧サンプルの集計結果があるので、そこを見ると、実額ベースでどれぐらいギャップがあったかは確認することはできます。ギャップ率というのは、その引き算の結果ではなくて、割り算をした結果です。

○阿部座長 わかりました。

 ほかに。

○廣松特任教授 この検討会の直接の検討対象ではないと思いますけれども、今度、労働者の区分について、政府間の合意で常用労働者の定義を少し変えることになりました。毎勤として、それにならって変更するタイムスケジュールはどのようにお考えですか。

○久古谷課長 そういう意味だと、担当課長の意見というよりは、一担当者としての感触で言えば、それはサンプル替えのときに調査票の定義も変えて、本当はサンプルの差だけを調整すべきなのですが、サンプルの差と調査票における対象者の差も一緒に解消するのが、作業者として見れば最も合理的だなと思っております。それがロジック的、理論的にどうかという話はあるのですけれども、恐らく、実務レベルの処理としてはギャップ修正の際のサンプル替えと一緒に定義変更の差を吸収するのが一番単純でわかりやすいかなと思っております。

○阿部座長 それは2~3年後ということですか。

○廣松特任教授 そうですね。28年の経済センサス調査でそのように変えることになると思いますが、その結果が利用できるのはやはり2年、3年かかるでしょうから、やはり平成30年、31年ぐらいでしょうね。

○久古谷課長 次の次のサンプル替えで。

○廣松特任教授 そうでしょうね。

○久古谷課長 このままの調査の体系でいくとしたら。

○廣松特任教授 はい。

○阿部座長 津森委員、何か御発言ございますか。

○津森委員 ちょっと確認させていただければありがたいのですが、諸外国の例の1ページの英国の例です。

 省庁間企業登録(IDBR)がありますけれども、今、私どもが毎勤をやっているものは、先ほどから経済センサスを母集団、更新は2年とか3年おきでやっているということなのですが、省庁間企業登録(IDBR)というのは母集団の更新は随時行われるのですか。

○久古谷課長 基本的には行政データに基づくデータベースなので、基本は付加価値税VATValue Added Tax)とか、PAYEpay as your earn)ですか、要するに、日本でいう源泉徴収処理をやっている事業所側の登録データに基づいたデータベースなので、その行政事務手続をすると自動的にこのデータベースに入ってくる。その2つがメインで、あとほかに3つぐらいの省庁のそれぞれ業務処理用のいわゆる行政データベースと連携したデータベースになっているみたいなのです。ただ、日本のように統計調査ベースの、日本でいう経済センサスベースの母集団とはちょっと違う世界だと認識しています。

○津森委員 ありがとうございました。

○阿部座長 雇用保険のデータベースとはまた違うのですか。

○久古谷課長 違います。日本の場合、雇用保険のデータベースはあるのです。人数ベースの把握はできるのですけれども、毎月の支払い賃金とかは雇用保険のデータベースには入ってきませんので。

○阿部座長 そうですね。

 どうぞ。

○土屋委員 別の話で教えていただきたいのですけれども、その事業所は、産業・規模の異動が期間中にあった場合にはどういう扱いになっているのですか。

○久古谷課長 サンプル事業所のお話ですか。基本的には、まず、産業の変更はなくはないのですけれども、ほんどないと思います。あれば、認識できれば産業を変えているのではないかと思いますが、そこは要確認です。規模に関しましては、区切りの境界線に近いところについては、要するに、数人多くなったり少なくなったりすることで境界線を超えることはあるのですけれども、毎勤の場合は、また行って帰ってくる可能性を考慮して、1ランク変わっただけでは即は変えません。少し様子を見る。基準がすぐに言えないのですけれども、2階級以上上がると規模区分は変えるはずです。1階級変えたとき、どれぐらい様子を見るかはちょっとわからないのですけれども、ある程度様子を見て、その変化が定着したかどうかで判断していたのではないかと思うのです。

○土屋委員 規模によって賃金がどれぐらい違うのかよくわかりませんけれども、そこの間で差が結構あるとしますと。

○久古谷課長 とはいっても、上に上がる分は調査対象のままなのですけれども、下方修正になって、人数が少なくて、5人より小さくなった場合は調査対象外というので集計対象から外すというのはたしかあったと思います。そのあたりは、私より県の担当者の方のほうが詳しいかな。

○土屋委員 細かな変動は。

○久古谷課長 恐らく、テンポラリー、一時的な変更の可能性がある場合は、前の集計区分のままで集計しております。人数も直接使っているわけではなくて、先ほど申しましたように、変化率で母集団を変えているので、厳密に言えば若干の問題はあるかもしれませんが、数字的には大勢に影響しないのかなと思っております。

○土屋委員 ありがとうございました。

○阿部座長 まだいろいろお聞きしたい点もあるかとは思うのですが、そろそろ時間が近づいておりますので、次の議題の「その他」について事務局からお願いしたいと思います。

○久古谷課長 それでは、委員の皆様方には、お手元に席上配付資料の1というのが行っていると思います。今後の開催予定案ということで、委員の方の予定をあらかじめ伺って、全ての委員の方の御都合のいい日というのがなかったもので、御都合の悪い日も入っているかと思うのですけれども、第2回については6月26日の10時から12時、第3回については7月10日の14時から16時、第4回については7月24日の10時から12時、今のところ第5回で最終とは思っているのですけれども、8月7日の14時から16時で行いたいと思っております。

 中身については、当然、今後の議論によって変わっていくとは思うのですけれども、私どもの現時点の考えでは、次の第2回はサンプルの切替えとか、遡及改訂についてということで、本日もいろいろ有用な御意見をいただいたのですけれども、引き続きそこの部分について議論をしていただいて、第3回では、第2回で提示された課題に対して事務局としてどのように考えていくかについて提示して、それに基づいてさらに御議論いただいて、4回、5回でまとめていきたいと思っております。

 先ほど第2回に樋田先生の結果の紹介もという話がありましたので、それはそれで盛り込むよう、また調整したいと思っております。

○阿部座長 ありがとうございました。

 それでは、本日予定していた議題は以上ですので、ここからは事務局へお返ししたいと思います。

○手計補佐 皆様、長時間にわたり御議論いただきましてありがとうございました。これをもちまして、第1回「毎月勤労統計の改善に関する検討会」を閉会させていただきます。

 次回は、先ほど説明しましたとおり、6月26日金曜日10時からを予定しております。会議室等の連絡も含めた正式な御連絡につきましては、事務局より改めてさせていただきますので、委員の皆様方におかれましては、お忙しいところ、日程の確保について御協力をお願いできればと思っております。

 それでは、本日は、お忙しい中どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

大臣官房統計情報部
雇用・賃金福祉統計課
企画調整係
電話 03-5253-1111(7609,7610)

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