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2015年6月15日 平成27年度第3回ばく露評価小検討会

労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

○日時

平成27年6月15日(月)15:30~


○場所

厚生労働省専用第12会議室(12階)


○議事

○北村化学物質情報管理官 定刻になりましたので、平成27年度第3回ばく露評価小検討会を始めます。以下の議事進行は名古屋先生にお願いいたします。

○名古屋座長 それでは、議事に入る前に事務局から議事次第、資料の確認をよろしくお願いいたします。

○北村化学物質情報管理官 本日の議事は平成27年度ばく露実態調査対象物質等の測定分析法についてです。

 資料一覧です。資料1、平成27年度ばく露実態調査対象物質等の測定分析法検討結果です。資料1-1、りん酸トリ(オルト-トリル)1ページから、資料1-2のクロロメタンは11ページから、資料1-3o-フェニレンジアミンは17ページから、資料1-4のジエチレントリアミンは29ページから、資料1-5のビフェニルは43ページから、資料1-61,1,1-トリクロロエタンは53ページから、資料1-7の多層カーボナノチューブは67ページからです。
 資料2のグループです。こちらは第1回小検討会で検討した物質の測定分析法の修正版です。資料2-13-(アルファ-アセトニルベンジル)-4-ヒドロキシクマリンは75ページから、資料2-2、クロロエタンが85ページから、資料2-32-クロロフェノールが99ページから、資料2-4のメタクリル酸が109ページから、資料2-5のピリジンが119ページから、資料2-6N,-N-ジメチルホルムアミドが127ページから、資料2-7p-クロロアニリンが141ページから、資料2-8のパラ-ニトロクロロベンゼンが155ページから、資料2-92-ブテナールが165ページから、資料2-10のエチレングリコール(高濃度)177ページから、資料2-11のエチレングリコール(低濃度)187ページから、資料2-12のジエチルケトンが197ページから、資料2-13の二塩化酸化ジルコニウムが207ページから、資料2-14のニッケルが221ページから、資料2-15のビニルトルエンが231ページからです。

 資料3、今後の予定として251ページからとなっています。参考資料はなく、資料は以上です。

 それから、事務局と先生方に机上配布でA4ホチキス留めのものをお配りしておりますが、第1回小検討会指摘事項に対する回答で、資料2の説明の際にこちらを御覧いただきながら、確認いただければと思います。資料は以上です。

○名古屋座長 大丈夫でしょうか。それでは、本日の議題に入りたいと思います。平成27年度ばく露実態調査対象物質の測定手法で、これから7物質を1物質ずつ事務局よろしくお願いいたします。

○北村化学物質情報管理官 では、第1回の検討会と同じく検討をしていただいた中災防から御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○中央労働災害防止協会 では、1ページ、りん酸トリ(オルト-トリル)です。こちらの物質は無色あるいは淡黄色の液体です。分析手法の概要については9ページに記載があります。捕集はニトロセルローズメンブランフィルター、そのサイズが0.8μmのものを使います。サンプリング流量が2L、サンプリング時間が4時間です。分析の方法は高速液体クロマトグラフ分析法。脱着溶媒はジエチルエーテルを10mL超音波で脱着し、その後、2mLまで濃縮するという方法でサンプルを作ります。

 以下、分析の方法はそこにあるとおりです。検出器としては、262nmの紫外の吸収で行っています。検量線については、この濃度範囲で直線性があることを確認しております。

 保存性については0.43μg添加で冷蔵5日間保存で86100%。43.04μg86.09μg添加で冷蔵で5日間93105%という結果です。回収率については0.043μg添加のところで59%と低いのですが、それよりも高い濃度範囲では100%前後で、回収率は高いものでは良い結果が得られています。

 その次に検出限界ということで記載がありますが、これは分析器の方法の検出限界で書いています。定量限界、下限については0.278μg/mLになります。添加量というか、サンプル当たりで換算しますと、0.056μgですから、回収率が十分ではないエリアということになります。

 この添加回収試験より測定の範囲は個人ばく露測定で2/min×4時間ということですが、許容濃度の100分の1から2倍の範囲で測定ができることになります。1,000分の1を一応目指してやっていたわけですが、1,000分の1までは測れなかったという結果です。

 適用としては、個人ばく露濃度測定です。あと作業環境測定については、資料は空欄になっていますが、許容濃度等のところまでは10分間の採気で何とか分析ができますので、B測定はできます。それから、A測定は、10分の1まで定量ができなければなりませんので、A測定については21.5分ということですが、それ以上のサンプリング時間が必要だということで、作業環境測定もできるということです。

 妨害については横棒を書いています。想定がなかったということで書いていますが、本文のほうを詳しく読んでいきますと、りん酸トリ(オルト-トリル)のメタ体とパラ体については、妨害とならないということを確認しているというのが報告書の本文の5ページに記載があります。以上です。

○名古屋座長 何かありますか。検量線を見ても低濃度、高濃度で傾きが一緒ですし。

○花井委員 細かいことですが、真ん中辺の精度、添加回収率のところに-59%というのがありますが、このマイナスは要らないのですよね。ないほうがいいのではないですか。

○中央労働災害防止協会 はい。こちらは削除いたします。マイナスに見えるように記載がなっています。

○名古屋座長 0.0459という形に。資料の7ページのほうはマイナスはありませんから、消しておきましょう。あと何かお気付きの点はありますか。

○圓藤委員 検量線ですが、これを見ていると、1本にできませんか。真ん中が抜けてしまっているのです。今、計算してみたら、そんなに変わらないので、これらを全部合わせて1にならないで0.999幾つになると思うので、そうはしていただけませんかね。

○中央労働災害防止協会 調査のときは一連のものでやるということで。

○圓藤委員 そのときはこの検量線ではないのですよね。

○中央労働災害防止協会 そうです。

○圓藤委員 何かこれ、すごくびっくりするような。

○名古屋座長 幅が広い、真っ直ですよね。

○中央労働災害防止協会 手間も掛かりますので。

○圓藤委員 ただこの数値をそのまま全部1本に入れてしまえばいいだけで。

○中央労働災害防止協会 入ると思います。そうですね、はい。

○名古屋座長 2本引くのは難しいでしょうね。

○圓藤座長 真ん中は測れないことになってしまう。

○名古屋座長 ただ、添加を見ていると、0.0040.4で、次は4080だから、多分それで2つ作ったのではないかと予想したのです。

○圓藤委員 でも10があるからいいじゃないですか。

○名古屋座長 そう、大丈夫ですよね。では、その辺のところはよろしく。あとはよろしいですか。

○小嶋委員 非常に細かいことで恐縮ですが、表記の問題です。9ページの標準分析法のサンプリングのところを見ますと「冷蔵5日間保存」と書いてありますが、ほかの物質の表記ですと「冷蔵保存」だったり「冷蔵庫保管」となっていたり「冷蔵(4)」と書いてあったりするのですが、もし同じ条件で保存したのなら、表記も統一したほうがよろしいかと思います。

○名古屋座長 そうですね、表記の統一をよろしくお願いします。何か提案はありますか。任せてよろしいですか。それでは、事務局に任せるということですので、統一していただければということで、よろしくお願いします。ほかにお気付きの点はありますか。それでは、りん酸トリ(オルト-トリル)は、これで終わります。次に、資料1-2のクロロメタンをよろしくお願いします。

○中央労働災害防止協会 11ページ、クロロメタンです。常温・常圧では気体の物質です。概要は16ページに記載があります。サンプリングについては、SUPELCO社のCarbosieveS3です。サンプリング流量は0.050.1/minとなります。

 分析の方法は加熱脱着-ガスクロマトグラフ質量分析です。採取した採取管を加熱脱着機に装着して、脱着温度250℃で脱着。トラップ-30℃、毎秒40℃で昇温していくという形でガスクロに導入して分析を行うことになります。

 精度については、まだ未確認です。負荷量20μgを超えると分析が不可能になるということで、採気量24Lの時に許容濃度の500分の1以上、採気量0.5L時に許容濃度の10分の1以上の測定には適用ができない。高い濃度には適用できないという結果です。

○中央労働災害防止協会 クロロメタンの分析方法について確認したいのですが、最初はガス状の物質だということなので、ガスをそのまま直接捕集するという方法を検討しております。それでキャニスター法でやりましょうということで、既に一度ご報告した物質です。ただ、キャニスター法については、実際の調査の際に装着が非常に難しい場面も考えられるとのことで、できるだけ固体捕集法でのサンプリングが出来ないか挑戦して欲しいという事で、固体捕集の分析方法を、どんな方法だと出来るのか、いろいろ検討してみました。加熱脱着で何種類も吸着剤・吸収剤等々考えてやってみた結果、ようやく何とか捕集分析ができるという状況が報告できたということです。ですから、固体捕集方法でやろうと思うと、今まで我々が当たった中では、多分これ以外のものは選択できない状況です。それでなければガス状物質ですので、キャニスター法で実際にやらなければいけないという形になろうかと思います。

○名古屋座長 これは50μgまではいいのですが、それから以降は結構きついのですね。低濃度はできるよということですね。

○中央労働災害防止協会 そうですね。反対に高濃度だけであれば、高濃度だけでできるものもありますが、それだったら、本当に高濃度しか取れませんので。

○名古屋座長 幅広いものですね。

○中央労働災害防止協会 はい。今回低濃度の所を見ていますので、このものになったと。

○名古屋座長 だから、ポンプが0.05にして、濃度がそれを超えてしまうと、これで決めましょうという形になる。ということは意外とばく露濃度に合わないかもしれませんね。

○中央労働災害防止協会 そうですね。最初に大体どういう濃度だと分かっていれば対応ができるという方法になります。

○圓藤委員 保存は大丈夫なのですか。

○中央労働災害防止協会 保存はある程度、1週間ぐらいいけますので、そういう意味ではやりやすいのかなと。キャニスターの場合でも、ガスを濃縮してガスマスに注入するという操作が必要になってくるので、その辺で固体でできれば一番いいという本数になっています。

○名古屋座長 やはりばく露を測っていてキャニスターはちょっと嫌ですよね。小さいとは言いながら。結構一定流量で吸引するためにキャニスターの上部が大きいではないですか。

○中央労働災害防止協会 そうなのです。

○名古屋座長 結構辛いような気がしますね。

○中央労働災害防止協会 作業者がちょっと嫌がるケースがあるので、固体捕集方法でもということなのです。

○名古屋座長 時間は別にしても低濃度の所でできるので、流量を少し抑えて、なるべく長い時間取れるようにすると、少しはできるという形ですね。高濃度のときは駄目だからまた別の方法ですよね。

○中央労働災害防止協会 そうなったら最初はキャニスターで対応しなければいけないのかなと思っています。

○圓藤委員 では、これを却下してしまうということですか。

○中央労働災害防止協会 そうですね。使い分けが必要かもしれません。

○名古屋座長 そうですね。見ていくと駄目ですものね。

○圓藤委員 2本つないでも。

○中央労働災害防止協会 そういう手はあるかもしれませんが、分析のときにどうするかという感じになるのかなと思います。1本ずつ出してみて、合計で取れるかどうか。

○名古屋座長 記述を見ていると、検量線は駄目みたいですね。20μgまでは、5までは大丈夫ですが、それを超えてしまうと強すぎて測定不能となってしまいますと書いてあるから。

○鷹屋委員 ここまで採気量を落とすと、多分採気量の信頼度ができないので、例えばパッシブの試験などは考えられましたか。

○中労働央災害防止協会 パッシブみたいにいい捕集剤がないのです。ですから、サンプラー自体が加熱脱着用のカラムになりますので、カラムでできないかなとも思ったのですが、それもちょっと難しかったのが現状です。

○名古屋座長 限定されてしまうのだね。

○圓藤委員 逆に言うと、瞬間的にはすごく高い濃度になっていたりするので難しいですね。

○中央労働災害防止協会 ガス状は本当に難しいと思います。センサーみたいなものでできないかなとも思ったのですが、センサーもちょっと難しいという返事だったので。

○圓藤委員 ああ、センサーも難しい。

○中央労働災害防止協会 高濃度はいいのですが、低濃度のところがどうしても。

○圓藤委員 高い所だけセンサーでいいのではないですか。

○中央労働災害防止協会 高ければいいのですが。

○圓藤委員 スポットを取るときはセンサーで。

○中央労働災害防止協会 検知管なりセンサーなりでいうやり方はあると思います。狙っている濃度が低濃度から高濃度まで幅がありましたので、開発は難しい物質でした。

○名古屋座長 今のところは、現場へ行ったら使い分けるということですね。

○中央労働災害防止協会 そうですね。今のところはそれか、最初はキャニスターでやらなければいけないので、頼み込んでやっていただくしかありません。

○名古屋座長 なかなか難しい分析だと思いますが、よろしいですか。サンプリングが難しいですね。

○中央労働災害防止協会 はい。

○名古屋座長 そういうことで大丈夫だと思います。ありがとうございました。次は資料1-3o-フェニレンジアミンをよろしくお願いします。

○中央労働災害防止協会 17ページからです。この物質はo-フェニレンジアミンです。茶色から黄色の固体という物質です。分析法の概要は28ページです。サンプラーとしてはマイクロインピンジャーを使った液体捕集法です。サンプリング流量は1.0/min、サンプリング時間は4時間です。要遮蔽と書いてありますが、前回遮光ということで御指摘いただいておりましたので、要遮光に訂正させていただきたいと思います。

 分析の方法は高速液体クロマトグラフになります。前後しましたが、捕集溶液については0.2%亜硫酸水素ナトリウム、0.2EDTAの水溶液です。分析は高速液体クロマトグラフで、こちらに記載のあるとおりです。検出器は紫外240nmで吸収を測定することになります。保存性は余り良くないということで速やかに捕集液を回収して。これはインピンジャーの中のままですと、余り良くないので、褐色の密閉容器に移して冷蔵保存を行います。添加量はこの範囲においては冷蔵で7日間は安定であることを確認しました。回収率は0.05μg5.04μg3濃度で9395.1%であることを確認しています。

 定量の下限値ですが、個人ばく露濃度測定240分で0.000123mg/m3 で産業衛生学会、ACGIHTLV1,000分の1を分析ができています。適用としては個人ばく露濃度測定と作業環境測定の両方に用いることができます。以上です。

○名古屋座長 液量が10mg4時間測定しても液量は減らないのですか、大丈夫なのですか。どっちみち注ぎ足すとか。

○中央労働災害防止協会 御指摘のとおり、だんだん減っていくのです。ですから、注ぎ足しながらやらざるを得ないという感じになります。

○圓藤委員 OSHAの方法では無理なのですか、含浸ろ紙とか。

○中央労働災害防止協会 硫酸含浸ろ紙、これで大丈夫だと思って、最初はやったのです。そうしたら高濃度はいいのですが、低濃度においてデータがばらつくのです。そういうことがあって、我々も1回調査に行って、データの高い現場もあったのですが、もちろん低い所もあるので、そういう意味を考えると、低濃度でデータがばらつくというのは低いとは言いつつも、データとしては気持ちが悪いですよね。捕集方法は硫酸の濃度が高いフィルターを2枚重ねるという方法ですが、それでも安定性が今一つで、変動が大きかったので、変動がなく、なおかつ低濃度までしっかり測定できる方法ということでインピンジャーの液体捕集しかなかったということです。

○圓藤委員 インピンジャーは反応はさせてないわけでしょう。

○中央労働災害防止協会 そうですね。そのあたりは記載がありません。

○圓藤委員 要するにシリカでは脱着ができないということですか。

○中央労働災害防止協会 フィルターの上に硫酸を含浸させておいて、硫酸の所で取るのですが、濃度が低いと、安定性が今一、良くなかったということです。

○鷹屋委員 溶液でインピンジャーで保持する試験をされていますが、これは粒子ですよね。このインピンジャーのこの流速で粒子として捕集率は十分あるということは、製造メーカーのデータはあるのですか。正に圓藤先生がおっしゃったように、反応させて取っているわけではないので、インピンジャーというのは粒子をただ取ろうとすると、全然取れないという話も昔あったと思いますが。

○中央労働災害防止協会 作業環境のガイドブックを見て、インピンジャーも粒子も取れると書いてあったので、それでガイドブックに載っているメーカーのインピンジャーということで。

○鷹屋委員 この流速は液体どころか、そこにぶつけて取ることを意識して設計してあるのだと思います。多分中アイ化学さんがデータを持っておられるのかなという気がするのですが、その辺を確認していませんので、していただければと思います。

○中央労働災害防止協会 問い合わせてみます。

○圓藤委員 それは反応しないのですか、何となく。

○中央労働災害防止協会 そのあと分析法のことも。

○原委員 酸ですが、反応していないというわけではないのでしょうが、吸収はされているとは思います。そしてその先端が非常に尖っているインピンジャーなので、通常の大型のインピンジャーとは物理的な構造が違うのかなと思います。

○名古屋座長 小さいから効率を上げるために普通よりノズルを細くするのではないかと、こちらのほうで工夫しているのです。底のほうで。

○圓藤委員 それで1/minですと、結構速いのではないですか。

○名古屋座長 速いです。

○圓藤委員 だから、それがなくなってしまうのではないかと思ったのです。

○名古屋座長 1Lは結構速いと思います。

○圓藤委員 そうですね。遅くしてはいけないのでしょう。

○名古屋座長 駄目ですね。そうしたら粒子の完成が悪くなってしまいますし、抜けてしまいます。

○圓藤委員 難しいですね。

○名古屋座長 固体捕集がいいのでしょうね。液体捕集はなかなか難しいでしょうね。

○圓藤委員 反応させるのが一番。硫酸で一応は。

○名古屋座長 よろしいですか。これで行けるという形で、若干捕集のときに気を付けないといけないという形だけだと思いますので。

○鷹屋委員 データを取られるときに随分苦労されると思います。液体に浸けて液体捕集したり。

○名古屋座長 作業の途中途中にね。

○鷹屋委員 フィルターで取れないのは仕方ないですね。

○圓藤委員 こぼれることはないのですか。

○名古屋座長 こぼれないと思います。

○中央労働災害防止協会 前かがみになっても、こぼれないような支点にはしていただいています。割れないようにカバーをかけています。遮光もしているのですが、いかんせん捕集液量が少ないのです。

○名古屋座長 量が少ないですよね。

○中央労働災害防止協会 調査する人にとっては、できるだけ使いたくないですね。

○圓藤委員 そうですね。

○鷹屋委員 作業中「来てください、液を補充します」と言って、蓋がきちんと閉まっていないとかというのはありますね。できれば余りやりたくないということです。

○圓藤委員 1時間ぐらいで取り替えていくわけですか。

○名古屋座長 足すだけでしょう。

○中央労働災害防止協会 足していくのですね。途中で目盛りが付いていますので、その辺までで計量していくという形で足していきます。

○圓藤委員 でないと、感度は出ないものね。

○名古屋座長 そうなのです。落ちてしまうと、慣性力も違ってしまいますので。ここはこれでよろしいかと思います。それでは、資料1-4ジエチレントリアミンをよろしくお願いします。

○中央労働災害防止協会 ジエチレントリアミンは29ページからになります。常温・常圧下で液体の物質になります。概要は40ページと41ページにありますけれども、ガステック捕集管のほうで御説明いたします。サンプラーとしては、芳香族系合成吸着NITC含浸捕集管を使用します。サンプリング流量は0.1L/min、サンプリング時間は4時間です。分析は、高速液体クロマトグラフ法になります。N,N-ジメチルホルムアミドで脱着し、吸光光度検出器と書いてありますが紫外部ですが254nmを測定することによって分析を行っていきます。

 保存性については、添加量が207μg0.1549μgでは冷蔵庫保管で、少なくとも6日間までは保存率が90%以上あることを確認しております。脱着率は0.155207μg添加に対して、9397%の脱着率であること。回収率も同じ添加量で、95104%の回収率であることを確認しております。

 定量下限は24L、0.1L/min4時間の個人ばく露濃度測定を想定してサンプリングすると0.001ppmということでNIOSHACGIHのばく露限界の1,000分の1の数値まで分析ができるということです。それから1L、10分間の採気でも0.03ppmというところが定量下限になります。適用として作業環境測定、個人ばく露濃度測定の両方に使うことができます。妨害としては、アルコール類と水により誘導体化が妨げられる可能性があります。以上です。

○名古屋座長 SKC社は標準で、ガステック社は作ってもらったのかなと思いますが、ほとんど変わらないですよね。

○中央労働災害防止協会 はい。

○名古屋座長 でも2つやられたほうがいいということで、サンプルとして出したという形でしょうか。値段的には変わるのですか。

○中央労働災害防止協会 値段は変わります。

○名古屋座長 どっちが高いのですか。

○中央労働災害防止協会 やはり、海外のものは高い傾向にあります。

○名古屋座長 でも、見ていると濃度は高いのに、保存率はガステック社のほうがいいから、安くてこちらのほうが良いような気がします。あとは、ほとんど一緒ですね。

○鷹屋委員 前回もこういうのが出て、結局ガステック社でやるとなると、これは製品として作ってくださるということですか。

○中央労働災害防止協会 はい、そうです。

○鷹屋委員 今回は特別に作っていただいたけれども、今後はこのレシピでガステック社が商品化すると。

○中央労働災害防止協会 そういうことになろうかと思います。

○鷹屋委員 供給に不安はないということですか。

○中央労働災害防止協会 はい。37ページの表7で、SKC社の添加量208μgの保存率ですが、保存1日目で86.1%ということで、こちらのほうがちょっと保存率が悪かったということです。後ろのまとめが「5日間まで」と書いてありますけれども、これはそうやって考えて、1日しか持たないということです。

○名古屋座長 そうですね。それなら、安くて日本製のほうがいいということですね。

○圓藤委員 こんなに落ちてしまうのですか。

○名古屋座長 結構落ちますね。すぐにやれという説明なのでしょう。

○小嶋委員 細かいことです。32ページの真ん中辺りで文字のことなのですが、「着率」になっているのですがいいのですか。

○名古屋座長 表3の上の所が「着率」になっています。

○中央労働災害防止協会 「脱着率」です。

○小嶋委員 脱着率ですね。

○名古屋座長 よろしいようでしたら、次に1-5のビフェニルの所をお願いします。

○中央労働災害防止協会 43ページからのビフェニルです。白色の結晶、薄片で、昇華性のある物質です。概要は51ページからになります。サンプラーとしては、InertSep Slim-J AERO SDBを使っています。サンプリングは0.2L/min、サンプリング時間は10分間と、個人ばく露を見た4時間になります。分析の方法は、ガスクロマトグラフ質量分析法になります。脱着はジクロロメタンを5mL使用しています。分析の条件としては、こちらの記載にあるとおりです。検量線については、下の4行目にあるとおり0.0062650.0μg/mL、広い範囲で直線性があることを確認しております。

 保存性ですが、添加量0.02124.39μgのいずれでも、冷蔵(4)で、少なくとも7日間まで変化がないことを確認しております。脱着率は0.02124.39μの添加に対してほぼ100%の脱着率であることを確認しています。回収率は0.06μgから124.39μg98100%ということを確認しております。定量下限は4時間の採気で、採気量48Lのときに0.000030ppmということで、OSHANIOSHACGIHのばく露限界の1,000分の1を十分にクリアしています。適用は「個人ばく露濃度測定」と書いてありますけれども、作業環境測定にも十分対応可能ですので、ここに「作業環境測定」を追加します。以上です。

○名古屋座長 保存もいいですし、脱着率もいいですし、定量下限も大丈夫ですし、一般的な分析法ですが、何かありますか。

○小嶋委員 51ページの別紙の表の右上のほうで蒸気圧の数字が脱けていて「Pa」しか書いてないです。

○中央労働災害防止協会 ありがとうございます。44ページに記載があります。「1.19Pa」になります。

○名古屋座長 「1.19」という数値を入れておいてください。よろしいようでしたら、次は1-61-1-トリクロロエタンをお願いします。

○中央労働災害防止協会 53ページの1,1,1-トリクロロエタンです。無色の液体です。分析の概要は60ページにあるとおりです。サンプラーとしては、球状活性炭管の400mg200mgと大容量の活性炭管を使います。サンプリング流量は0.1L/min、サンプリング時間は4時間になります。分析方法はガスクロマトグラフのFID法で、こちらにある条件で分析を行っていきます。22.852,720μg/mLの範囲で直線が確認され、検量線は直線があると確認されております。 

保存性は、添加量46.1392,260μgの間の3つの量で確認しておりますけれども、冷蔵で少なくとも6日間まで変化がないことを確認しております。脱着率は46.13μg92,260μgの間の5つの量で検討を行っていますけれども、8798%の脱着率だということです。回収率についても同じ添加量で検討しておりますけれども、こちらは9298%の回収率でした。定量下限は、採気量24Lで0.00545ppmということで、OSHANIOSHACGIHのばく露限界の1,000分の1はクリアしています。適用としては、個人ばく露濃度測定、作業環境測定の両方できるということです。妨害として、標準溶液の安定剤として1,4-ジオキサンが入っておりましたけれども、こちらは妨害がなかったことを確認しております。

 続けて、ガスマスでの方法の検討は、概要が66ページにあるはずなのですが、FIDの同じものが入ってしまっていますので、本文のほうで見ていきます。まとめのほうで間違ったものを入れてしまっていますので、62ページを御覧ください。捕集及び分析条件ということで表1でまとまっております。捕集剤として活性炭管、こちらは通常よく作業環境測定で使用している100mg50mgの球状活性炭管になります。脱着溶媒としては二硫化炭素1mLで行い、ガスマスですので、内部標準物質、トルエン-d810μg/mLで使用します。

 続けて、ガスマスでの方法の検討は、概要が66ページにあるはずなのですが、FIDの同じものが入ってしまっていますので、本文のほうで見ていきます。まとめのほうで間違ったものを入れてしまっていますので、62ページを御覧ください。捕集及び分析条件ということで表1でまとまっております。捕集剤として活性炭管、こちらは通常よく作業環境測定で使用している100mg50mgの球状活性炭管になります。脱着溶媒としては二硫化炭素1mLで行い、ガスマスですので、内部標準物質、トルエン-d810μg/mLで使用します。

 その次がガスマスの分析条件になります。定量イオンとしては97、確認イオンで61、内部標準物質の定量イオンは98、確認イオンは70を使っております。脱着率の確認ですが、0.13168131.68μgの範囲で行い、92101%ということを確認しております。検量線は0.131672,633.4μg/mLの範囲で直線であることを確認しております。定量下限値は64ページの表3を御覧ください。24L採気のときに0.0001854ppmということで、ばく露限界の値が350ppmですので、それに比べると十分低いところまで分析ができるということです。回収率は、脱着率と同じ添加量で検討を行い、9297%ということで良い回収率であることを確認しております。

 保存性ですが、1.3168μg、それから103131.68μgの間で、3つの量で検討していて、いずれも6日間まで、4℃の冷蔵保存で安定であるということです。保存率95103%の範囲ということで、保存性は良いことを確認しております。以上です。

○名古屋座長 1点、56ページの脱着率の所で、461の所だけが落ちているのですが、ここは何か原因があるのですか。先ほどのガスマスのほうはきちっといっていたのに、ここだけ落ちている理由は何かあるのですか。

○中央労働災害防止協会 ちょっと理由は分からないです。

○名古屋座長 説明のように8798%あれば十分なのですけれども、ここがちょっと落ちています。再現性はそんなに悪くないので大丈夫なのだと思っていたものですから、逆に回収率が悪くなった理由が何かあるのかと思ってお聞きしました。一般的によくやられていることだと思いますので、よろしいですか。

○花井委員 トリクロロエタンの分析というと、随分昔からいろいろやられていると思うのです。今回の方法というのは、NIOSHなどの方法に比べて、低濃度までちゃんと直線でいけるとか、そういうことが分かったということですか。特徴というか。

○中央労働災害防止協会 特徴というのはほとんどないです。今現在の作業環境測定機関でやられている方法、それからMSがない場合はできないのでしょうけれども、MSを使った方法でやると、このぐらいのものはほとんどの所でできますという報告になっています。このぐらいのという言い方は悪いのですけれども。

○花井委員 個人ばく露測定として、中災防でできるようになりましたよ、ということでいいのですか。

○中央労働災害防止協会 いいえ、これ自体はサンプリング方法も、分析方法も、作業環境測定機関でもできる方法という形で開発ができています。この内容からいったら開発ができているということです。それなので、この方法を使っていただければ、OSHAであろうが何であろうがそういうのもクリアできている状況になります。そういう報告書になっていると思います。

○花井委員 ここに具体的なことがちゃんと書いてあるから、これでやればいいですよということですね。

○中央労働災害防止協会 はい。

○圓藤委員 確認ですよ。

○名古屋座長 確認ですよね。

○原委員 保存性で64ページですけれども、これは高いほど保存率が悪いのですけれども、これは抜けているということですか。標準ガスとして抜けていると。余り大きな問題ではないのですけれども、高濃度のほうが減衰が激しいので、蒸発しているのであれば何か改善の余地があるのではないかと思いました。

○圓藤委員 58ページですか。

○原委員 65ページです。普通は低濃度のほうが保存性が悪いと思うのですけれども、抜けているのであれば、バイアル瓶のキャップをきっちり締めるとか何かしたら、それでも無理ですか。

○中央労働災害防止協会 これは、捕集管の状態で保存しているということです。活性炭管で6日間まで捕集しているということです。

○原委員 でも、抜けているのですね。

○圓藤委員 その前の58ページでは全然そんなことはないのですけれども。

○名古屋座長 58ページのほうは、低いほうが抜けているので、状況としては一般的な状況です。

○原委員 大した違いはないのですけれども、ちょっとおかしいなと。

○圓藤委員 でも95%あればいいのではないですか、誤差範囲。

○名古屋座長 まあ、誤差範囲だよね。

○原委員 すみません、事を荒立てるつもりは全くないです。

○名古屋座長 現象はよく分かりました。前のとはちょっと違うのはよく分かりましたけれども、大丈夫ということでよろしいですか。次は1-7のカーボンナノチューブです。ここはちょっと違ったことがありますのでお願いします。

○中央労働災害防止協会 カーボンナノチューブについて報告いたします。今回、多層カーボンナノチューブということで、分析手法を検討した物質を限定しております。というのが、有害性が確認されている物質で分析手法を開発したほうがいいだろうということで、保土谷化学工業のMWNT-7という製品を用いて、サンプリング分析手法を開発しております。

 分析方法は69ページの図1です。12と図が出ております。まず、カーボンナノチューブをチャンバーで飛散させ、その後フィルターに採ります。フィルターに採ったものを液で溶解し、溶解した後にマーカーを吸着させます。マーカーを吸着させるのが、この分析手法の一番の目玉です。マーカーは多環芳香族のもので、我々が調べた中で有害性が一番少なかったものを使っております。多環芳香族のものと、カーボンナノチューブが接触し、カーボンナノチューブの量に比例して、これが吸着するということが分かりましたので、それをマーカーとして分析するという方法をとっております。分析方法は液体クロマトグラフィーHPLC分析をしております。ベンゾGHIピレイレンを用いてマーキングする方法です。

 ただ、これは多環芳香族なので、ベンゾGHIピレイレンが着いてくれるのだと思いますが、実際にほかの製品で着くのかとか、あるいは多層カーボンではなくて単層カーボンの場合はどうだという話になったら、まだこれは全然分かりませんので、ここでは保土谷化学工業のこの製品のときだけのデータ、しかも何も加工されていない状態で、カーボンナノチューブの繊維がそのまま出ている状態でのものだと御理解いただきたいと思います。

 別紙73ページを御覧ください。まずサンプラーです。サンプリング方法について、サイクロンのカセットサンプラーがあります。そのサンプラーがP.P製のもの、導電性の黒い遮光されたようなもので、どちらのほうがいいかも検討しております。そうすると、カーボンナノチューブ自体静電気を持っておりますので、P.P製だと静電気でいろいろな現象が起こってしまいますので、導電性のサイクロンサンプラーを使った場合のみ、しっかりと捕集できるということが分かりました。これはチャンバー試験で、その結果が出ております。そういうことがあり、サンプラーとしては導電性のサイクロンサンプラーを用います。

 同様に、分粒特性としては、カーボンナノチューブをオープンフェイスで採るか、それともレスピラブルのPM4.0で採るか、いろいろ考えたのですが、ナノサイズのものということがありますので、レスピラブルダストとして捕集しようということで、サイクロンを付けております。これは4μm50%カットの、いわゆる吸入性の粉じんを捕集するものです。これも導電性を持っているものを使います。そのようなサンプラーを用いてサンプリングします。

 脱着率回収率については、導電性サンプラーを用いてチャンバー内空気を捕集した結果、飛散濃度とほぼ100%ということが分かりました。検量線も0.20から1μg/mLの間で直線性が得られているということが分かったので、私どもの検討結果からは導電性サイクロンを用い、ベンゾGHIピレイレンを用いた液クロ法で、多層カーボンナノチューブのばく露調査ができるという結論を得ております。

 現在は、NWNT7についてのみの結果ですので、今後はほかのメーカーのものも同様に検討できるかどうか、単層カーボンナノチューブについても、この方法でできるかどうか検討する必要があると思っております。

 それともう1つです。カーボンブラック、空気中に含まれるカーボンとして、北京の都市大気粉じんという標準試料があったので、その試料で、それが分析の妨害物質になるかどうかを検討しております。その結果、カーボンブラックの場合は感度が非常に低いということで、分析の邪魔にはならないだろうと。それから、都市大気粉じんについても同じように感度が低かったので、邪魔にはならないだろうという結果になっております。

○名古屋座長 これは中災防にナノの委員会があって、その委員会の中で、この分析手法を開発してもらったということで、バイオアッセイのところでどのぐらいの値にいったか、CHNだとなかなか難しかったので、この手法を開発してくれたということで、特定されたカーボンナノチューブを入れてしていますと、どうしてもこれだけだという形になると。高橋さんがよく知っていらっしゃるので、お聞きいただければ結構だと思います。

69ページの図を見ても、なかなか難しいかなと。我々も、パワーポイントで30分説明されて、やっと理解するぐらいのものでした。いいアイディアで、うまく着いてくるというのは分かったのですが、この図だけで理解するのは難しいかなと思います。何かありましたら、高橋さんがいらっしゃいますので、聞いていただければ有り難いと思います。

○原委員 567の過程を、もう一度教えていただければ有り難いのです。1回吸着して、多環芳香族炭化水素類だけを残して、それを測定するということなのですか。分類の仕方というのは、どういう原理なのですか。

○中央労働災害防止協会 詳しい吸着原理はここには書いていないですね。

○原委員 特許などであれば。

○中央労働災害防止協会 特許は申請していないです。特許ではなく、すでにこの手法自体は論文化しておりますので、誰でもこの手法で出来ると思います。それをお渡しできると思います。

○花井委員 カーボンナノチューブにマーカーが定量的に着くということですか。

○中央労働災害防止協会 そういうことです。

○花井委員 そのデータは、これにはどこにも出ていないのですか。

○中央労働災害防止協会 はい。ここには検量線だけしか出ていなくて、論文化しているものについては、詳しく記載しています。参考文献という形で付けているということです。

○鷹屋委員 もう論文はできたのですよね。前に大西先生に御説明いただいたときは、まだ一部しかデータを見せていただけなくて。

○中央労働災害防止協会 はい。肺の中に取り込まれたカーボンナノチューブ濃度の測定手法としての論文を拝見しました。

○鷹屋委員 今後の課題としては、MT7というのは比較的太いほうなので、これは明らかにグラファイトが付くのと同じで、パイ電子同士の相互作用で表面吸着して、バイオアッセイが非常にきれいなデータを出されていたのを拝見したのですが。どちらかというと、カーボンナノチューブ自身もより細いものが使われるのが主流なのかなという感じがあって、そうすると、表面の炭素の六角形もより湾曲しているので、そこら辺のデータが要るのかなと思います。

 それから、防害に関しても、都市大気粉じんでしていますが、例えばディーゼルの煤などとの比較とか、御自身で報告されているように、表面コーティングとか、虚脱物とかのデータも追い駆けていかなければいけないのかなと思います。

 それで、今はカーボンナノチューブのほかのやり方としては、もともとのNIOSHのディーゼル排ガスの煤の分析方法の熱分析をカーボン系の分析に応用するという方法で、私の上司などはもうやっているのですが、装置が特殊なので、この方法ですと蛍光の液クロなので、この方法のほうがいろいろな所で作業環境測定機関の方にやっていただくということになると、装置の普及の点では優れていると思うのですが、既存の方法とのデータを、比較することは、まだまだ必要なのかなと私見として思っています。

○内山委員 このマーカーに使ったのが、一番吸着しやすいというわけではないのですか。

○中央労働災害防止協会 はい。

○内山委員 ほかに、大気粉じんとの共存というのは、このマーカーを吸着させる前に混ぜているのですか。そうすると、粉じん中のガス状のものと、それはナノチューブが着いてしまったら、後からマーカーをやっても、もう駄目ですか。

○中央労働災害防止協会 大気粉じんとナノというよりも、カーボンナノチューブ自体に反応しているので、大気粉じんの場合は感度が低いというか、余り着いてくれないという形なので。

○内山委員 逆に言うと競合するものはないのですか。先に何かと着いてしまったら、マーカーを加えても、着かないということはありませんか。

○圓藤委員 大気粉じん中のベンゾピレン系が着くことはないのですかということですよね。

○内山委員 はい。後からマーカーを入れても、もう着かないのか。

○中央労働災害防止協会 このデータの前に、ディーゼルの排ガスもベンゾピレン系が出てきますので、あれで確認して、そんなに悪さをしないことが分かったので、この方法でいけるのではないかということで詰めていっています。これはディーゼル排気中のベンツピレン濃度が既に十分低いこと既に色々なところからも報告されているので、ディーゼルの排気ガスよりも、まずは大気粉じんであったり、カーボンブラックであったりという形で、コンタミ物質を求めてみようというようにしております。

○圓藤委員 もう1つ聞きたいのは、取りあえず、MWNT-7についてのみ測定応用ということですか。

○中央労働災害防止協会 ほかの物については、感度、その他などについて検討ができておりません。ほかのものがMWNT-7と同じような表面積を有しており反応性も同じなら全てのものがリニアになるのでしょうけれども、今の状況であれば、その時々の製品に対しての感度というものが各々違うと思うので、そこを確認してからでないと濃度は出せないという形になると思います。

○圓藤委員 すごく種類があるものなのですか、そうでもないのですか。

○鷹屋委員 大分収斂してきました。撤退するところもありますので。

○圓藤委員 では、ある程度の種類を押さえれば、大体間に合うということですか。

○名古屋座長 あと、リスクに関わってくるまで時間があると思うのです。今回はカーボンと銀で、その後に出てくるので、もう少し時間があるので、ナノの委員会の中では、ナノカーボンチューブについても今と同じことをやって、親和性がどうかということを、どの物質についてどこまでできるかということをチェックするのだと思います。

 でも、見ているとすごくアイディアがよくて、熱分析はかなり小野さんがやられて、素晴らしいけれども、なかなか一般的には。大気で分析を行っている所の人たちにとっては普通の定量分析機器なのですが、作業環境では特殊な機器で、余り扱ったことがないので、なかなか難しいかなというのはあります。そこからいくと、すごくいいアイディアだなと見ていたものがありますので、これが普及してくれると作業環境では楽かなと思います。

○原委員 分析方法について、分かる程度に説明文を加えていただきたいなと思うのです。

○名古屋座長 あのパワーポイントを見せてあげたらいいのではないですか。

○原委員 盗もうというつもりはありません。

○中央労働災害防止協会 公開しているので大丈夫です。

○原委員 567のつながりが分かる程度に、2行分ぐらいだと思うのですが。

○花井委員 マーカーできちんと着いて、それが後で測られるというのは非常にいいと思うのですが、カーボンナノチューブの相手の特性との関係もあるわけですよね。そういう意味では、今は比表面積が書いてありますが、長さ、径などの特性も分かっていたら書いておかないと、保土谷化学工業のこれは、大体同じものが製品としては作れるのですか。同じつもりで作っていても、どんどん変わってくる可能性はありますよね。

○花井委員 どんどんかどうかは調べますが、普通の商品で書いてある「予告なく変わります」というようなことは。工業製品なので予告なくではなくて、取引先との都合で改良するということは出てくるのだと思いますが。

○鷹屋委員 表面処理なども含めて、材料のcharacterizationというか、そういうのにもう少し神経を使ってほしいという気がします。

○名古屋座長 これから新しく出てきたものに対して妨害物質として着くものが、どういう特性で着くかというのがもう少し出てくると、いろいろなことが分かるのだと思います。ただ、一番新しいアイディアで面白かったので、多分このほうが使えるのだろうと思います。これからは応用になってくるのではないかと思っております。

○鷹屋委員 逆に、かなり過酷な条件で前処理されているので、妨害物質よりも、カーボンナノチューブも意外に丈夫ではないので、持つかどうかというのがありますね。

○名古屋座長 継続的にナノの委員会でもやると思いますので、今は取りあえずこういうことでやっているということでよろしいですね。

○花井委員 例えば68ページの表の中の「許容濃度等」という所のNIOSHが「その改定として以下の文書を発表した」というのは、この文献調査に書いてあるNIOSHの文献ですか。

○中央労働災害防止協会 はい。

○花井委員 それから、別紙の73ページの表に、「以下の文書を発表」したとあって、この文書というのは、一番下に書いてあるものではないですよね。

○鷹屋委員 ナノのリスク評価書のほう、次のページに表が続いていたものではないですか。

○花井委員 ここに書いてある「以下の文書」というのは、フクシマ先生たちの文書のことなのですか。

○名古屋座長 分析の話ではなくて、許容濃度の話ですよね。

○花井委員 はい。

○鷹屋委員 元データにはあったのだと思いますよね。

○花井委員 「以下の文書」というのは、68ページの一番下に書いてあるNIOSHのですか。

○中央労働災害防止協会 先ほど申しましたように、NIOSHが開発したディーゼル排ガス、ブラックカーボンの分析法です。

○花井委員 それはリスク評価の話だから、ここには出ていないですね。

○中央労働災害防止協会 この辺は訂正させてください。確認いたします。

○小嶋委員 68ページの表1の物性の所に「比重」というのがあるのですが、比重というのは無次元の数字なので、この場合は単位は必要ないのではないですか。

○中央労働災害防止協会 はい。

○小嶋委員 同様のことが30ページの表118ページの表1にもあるのですが、単位が付いていますので、単位を付けると密度になってしまうので、これは無次元にするか、あるいは比重を密度に言葉を変えるか、どちらかにしたほうがよろしいと思います。

○中央労働災害防止協会 はい。

○名古屋座長 そのとおりですね、これもよろしくお願いいたします。

○小嶋委員 16ページの別紙の表、右上のほうですが、蒸気圧について、ここだけ「mmHg」になっていて、ほかの物質は全部Paになっています。これもPa表記にしたほうがよろしいと思います。

○名古屋座長 これも修正をお願いいたします。

○小嶋委員 13ページの3-3「捕集方法」の3行目に、「吸引ポンプで毎分0.1Lの吸引速度で」とあるのですが、速度とは言いませんので、「吸引流量」ですよね。

○名古屋座長 修正をお願いいたします。

○中央労働災害防止協会 ありがとうございました。

○名古屋座長 それでは、7物質が終わったことになります。

 次に、前回の資料のホッチキス止めでないところで、前回の残ったものです。15ありますが、机上配布の修正したものだけで結構だと思います。説明をよろしくお願いいたします。

○中央労働災害防止協会 まず、資料2-175ページの3-(アルファ・アセトニルベンジル)-4-ヒドロキシクマリンです。こちらは本文中の79ページ、別紙の84ページに、「遮蔽」と記載がありますが、「遮光」の間違いです。あと、特に内部に記載しておりませんが、サンプラーについては遮光のあるものがありますので、そちらを使用するということです。

 あと、使うろ紙がPTFEのフィルターですが、こちらの固定がうまくできないということで、ガラス繊維のろ紙シールを使っているというのがありましたが、こちらは市販のフィルターサポートパッドが使用可能ということで、NIOSHにもそれを使えということで書いてあるので、そちらを使っていくとしていきたいと思っています。検討の中では、ろ紙を固定するためにこのようなものを使っていたということです。

 あと適用と妨害が抜けておりました。84ページの別紙の適用としては、個人ばく露測定、作業環境測定の両方とも可能です。妨害については、現場の状況がよく分からないということで想定できていないということで、やっていないということで、横棒を引いております。3-(アルファ・アセトニルベンジル)-4-ヒドロキシクマリンは以上です。

○名古屋座長 次をお願いします。

○中央労働災害防止協会 訂正があるのは資料2-32-クロロフェノールです。107ページの別紙の「保存性」です。「少なくとも8間」とありましたが、「8日間」の誤りです。訂正をしております。それから、捕集条件に「5/min」と本文中に記載がありますが、「0.5L/min」の誤りですので、訂正しております。

 別紙の107ページです。まだ訂正できておりませんが、「脱着:アセトニトリル5mL」というもので、(抽出液と超純水を等量混合する)という記載なのですが、本文には「アセトニトリル5mL通液して、アセトニトリルで5mLに定容し、さらに水を加えて10mLに定容する」という記載があります。別紙107ページは訂正したいと思います。

 別紙の移動相アセトニトリルの水の割合が30/70となっていますが、本文で「50/50」という記載の部分があるということです。102ページの7の「クロマトグラム等」の所ですが、2-クロロフェノール標準液(アセトニトリル/=50/50のベースで作った標準液を使って、移動相についてはアセトニトリルと水の割合が30/70を使っているということです。あくまでも移動相については、30/70というものを使っております。

○名古屋座長 分かりました。次は2-4ですね。

○中央労働災害防止協会 メタクリル酸、114ページの捕集剤の記載です。表8の中のサンプラーですが、「263S」と書いてありますが、こちらはほかの場所と同じように「262S」の誤りです。

117ページの別紙の移動相です。「アイソクラティック」という文言は必要ではないという御指摘がありましたので、こちらは削除いたしました。

○名古屋座長 2-5のピリジンをお願いします。

○中央労働災害防止協会 ピリジンの御指摘があったのは、「注入法の条件を変える必要はあったのか」ということです。これは低濃度用と高濃度用と2種類あり、スプリット、スプリットレスということでやっていたということですが、FIDの測定範囲はかなり広いので、スプリットレスだけでいいのではないかということです。

 もう1つの御指摘は、「サンプル液を希釈したほうが早いと思われる。1個の条件にしてスプリットの割合を変えるよりも、そのほうが楽ではないか」ということです。実際の調査では、スプリットレス(低濃度域)の方法で行い、高濃度のサンプルは希釈して分析を行っていきたいと思っております。それでよろしいでしょうか。

○名古屋座長 あえて記載はしていないということですよね。

○中央労働災害防止協会 そうです。

○名古屋座長 圓藤先生、お詳しいので、よろしいですか。

○圓藤委員 いいです。

○名古屋座長 次をお願いいたします。

○中央労働災害防止協会 資料2-7p-クロロアニリンです。御指摘いただいたのは、「高速液体クロマトグラフで240nmは非常に妨害が多いのではないか」というところです。別紙154ページに概要があり、そちらも240nmで検討を行っていますので、そういうことです。

 分析自体は、検出機、Diode Array Detectorを使用しますので、他の波長も同時にモニタリングできるということです。OSHAのメソッドには254nm280nmの記載もありますので、同時にモニタリングして、妨害の有無を確認しながら分析を進めるということでいきたいと思っております。別紙にも、そのような形で記載しておきたいと思います。

 あと、「粒子状物質もあるのではないか」ということで、前置きフィルタの検討が必要ではないかというところです。参照したOSHのメソッドでは、シリカゲルを用いていたということで、それで検討を進めたということです。御指摘のように、現場の状況によっては、粒子状で扱う所もあろうかと思いますので、そういったことを確認できた場合については、別途追加検討ということでいきたいと思っております。

 別紙には書いておりますが、適用の個人ばく露測定、作業環境測定というところで、ただし書きで「蒸気状物質に限る」という記載を加えて、明らかにしておきたいと思っております。

 「GC-MSでの分析を行わなかった理由が分かれば、調べていただきたい」というところですが、先ほど申し上げましたとおり、OSHAのメソッドではそのようになっていたので、液クロのUVの吸収で測定を行うことを参考にして検討を行っているということです。現場の状況で、高速液体クロマトグラフのUVでは妨害を十分に除けないということが確認できましたら、GC-MSの使用を検討するということでいきたいと思っております。

○名古屋座長 分かりました。次をお願いします。

○中央労働災害防止協会 次は、2-8のパラ-ニトロクロロベンゼンです。こちらについても、固体の物質ですので、前置きフィルターが必要ではないかということで御指摘を頂いております。パラ-クロロアニリンと同様に、参考とした公定法でシリカゲルを用いましたので、この方法で検討を行っております。163ページに、p-ニトロクロロベンゼンの分析測定手法の概要を記載しておりますが、こちらの適用で、個人ばく露濃度測定、作業環境測定、ただし書きで「蒸気状物質に限る」という文言を加えさせていただきたいと思います。

○圓藤委員 これも蒸気圧がPaになっていません。

○中央労働災害防止協会 Paに訂正ということですね。分かりました。

○名古屋座長 よろしくお願いします。次のブテナールをお願いします。

○中央労働災害防止協会 2-92-ブテナールです。保存性についてですが、本文171ページでは「捕集後直ちに脱着した場合は5日間」と記載があり、別紙は175ページに「1日」という記載になっているということです。本文の記載が正しいので、本文をそのまま別紙に持っていきたいと思います。「捕集管のまま冷蔵保存では1日は安定。脱着液は冷蔵で5日間安定」ということです。

 「脱着率の通気時間について100分間の試験を行っているが、240分の実験をする必要があるのではないか」ということで、4時間のサンプリングということでいろいろ検討を進めてきているわけですが、今回の試験は机上配布の3ページになりますが、試験において採用した捕集管は通気抵抗が高いことから吸引ポンプはエアーサンプラーS-27を使用して行ったということです。検討したものはこちらを使っているということです。

 このポンプの設定可能な最低流量吸引速度が200mL/minなので、吸引速度を200mL/minとしました。その上で、目標濃度を測定するのに必要な捕集量として、100分間と時間を設定したということで、240分を設定しなかったというところです。

 また、シリカゲル系の捕集剤の場合、湿度の影響を受けやすいことやDNPH捕集管がオゾンやNO2 の影響を受けることから、余り長時間引くのは好ましくないと判断し、100分にしたということです。個人ばく露濃度測定を実際に行う場合については、4本から5本のサンプラーを交換しながら行うか、若しくは吸引流量を100mL/minにして、追加検討を行うか、いずれかの方法で対応していきたいと思っています。

 本文の172ページの表8に、「アニリン添加量」という記載がありました。こちらは既に直っているとおり、2-ブテナールの添加量ということになります。

 あと、「DNPH捕集管にリン酸が使われているのか使われていないのか、非常に分かりにくい文章で書かれている」ということだったのですが、こちらは文献調査のところで書いているのを御覧いただいて御指摘されたのかと思います。捕集条件、分析条件のところについては、リン酸の入っていないものを使っているということで記載しています。文献調査の所の記載があるとおり、リン酸が捕集管に添加されていると、DNPHと反応したアルデヒド類の保存性が悪いということで、それを使わないということです。「捕集時にDNPHが速やかに反応すると思う」といった御意見がありましたが、文献の7番を見ると、DNPH2-ブテナールと反応し、大体2030分すると、溶液状態で試験をするとピークになるということなのですが、そこから更にDNPH11で反応した2-ブテナールが更にDNPHが付加反応を起こしていくということで、定量で使うのはDNPH2-ブテナールが11と反応したものを標準物質として使っていくので、過剰に付加したDNPHを外すためにリン酸を加えて処理をして、回収率の改善をしているということで、この方法が使われているということです。

○名古屋座長 これはその記載は要らないですか、まとめたと書いてあるのですが。

○中央労働災害防止協会 非常に簡単にしか記載がされていないのですが、もし必要であれば。

○名古屋座長 書かれたほうが同じ疑問を持たれる方がいらっしゃると思いますので、詳しく書かれるほうがいいのかなと思います。追加してくださって、お願いいたします。

○中央労働災害防止協会 今、言ったところですね。

○名古屋座長 そうですね、そこでいいと思います。

○中央労働災害防止協会 文献の7)と書いてあったところですので、そういったところを追加して。

○名古屋座長 よろしくお願いします。

○原委員 直っているのか、私が間違っているのかしれませんが、その170ページの検量線の図の5の横軸の2-ブテナール濃度でいいのか、あるいは2-ブテナールDNPHなのかというのはいかがなのですか。

○中央労働災害防止協会 こちら2-ブテナールの濃度です。

○原委員 分章的には2-ブテナールDNPH標準液なんだけれども、換算した濃度で。

○中央労働災害防止協会 そうです、換算した濃度です。2-ブテナール換算濃度としておいたほうがよろしいでしょうか。

○原委員 濃度としてということでいいのでしょうね。

○中央労働災害防止協会 2-ブテナール濃度としてということですね。

○圓藤委員 文章のところに足したらどうですか。

○中央労働災害防止協会 はい。

○圓藤委員 6段階の標準系列のところに2-ブテナールのというふうに作ったのは、DNPH標準液ですが、実際は。

○名古屋座長 直しているよと。

○圓藤を委員 はい。

○名古屋座長 よろしいですか。では、その辺の修正をよろしくお願いいたします。次は2-10のエチレングリコール、よろしくお願いいたします。

○中央労働災害防止協会 エチレングリコール、これも低濃度用と高濃度用があるということですが、どちらも保存性が冷凍であったりという記載がありましたが、こちらは低濃度用のほうで検討を行ったデータが正しいということで検討したものを確認しました。いずれのほうも7日間の冷蔵というところで安定であることを確認しております。

185ページと196ページの別紙のほうに、冷蔵で少なくとも7日間までは変化がないことを確認ということで訂正を入れています。

 回収率が低いと思われるので、「複数濃度の試験が必要な気がする」という御意見を頂いております。こちらはおっしゃるとおりですので、追加検討を行っていきたいと思います。

 本文195ページの2のまとめに、「これらのグリコール類が本検討で用いた誘導体化促進剤を用いなくても良くなる可能性が高い」というのはどういう意味か、分かりにくいということなのですが、誘導体化促進剤(TEA)を使用しなくても良くなるという、そういった意味合いだということです。誘導体化試薬だけで有効で、十分ですよという意味です。

 補足として、高濃度と低濃度用の使い分けですが、実際にばく露調査を行う場合は高濃度用の検討方法では、ばく露の限界の1,000分の1までは個人ばく露測定ができないということで、そのまま採用することはしないということです。低濃度用で分析を行いまして、検量線の直線範囲を外れる高濃度のサンプルについては、希釈して分析を行うこととするということで対応したいと思います。

○名古屋座長 一般的なやり方ですね。そうしましたら、次をお願いいたします。

○中央労働災害防止協会 2-12のジエチルケトンです。こちらは別紙206ページの蒸気圧の単位が脱落しておりましたので、kPaの追加をいたしました。

○名古屋座長 次をお願いいたします。2-13、二塩化酸化ジルコニウムですね。

○中央労働災害防止協会 二塩化酸化ジルコニウム、ICP-MS、原子吸光法を使用しなかった理由はということですが、本文209ページの表2で、NIOSHOSHAの方法を要訳したものを記載しております。こちらにあるとおり、NIOSHではICPの発光分析、AESが使用されています。OSHAについては原子吸光法が使われていますが、感度が十分でないということですので、ICPの発光を行ったということです。

 キレート樹脂での濃縮は可能ではないかということで、濃縮することによって原子吸光法でも分析が可能なのではないかということなのですが、ざっと調べたところでは可能性はありそうだというところなのですが、まだ十分な情報がないので、ICP発光でいけるのであれば、そのままいきたいということです。

1Mの硝酸、超音波抽出で水溶性以外のジルコニウムの化合物の溶出はないのかという御意見で、恐らくそういったことも可能性がありますので、別紙219ページ、妨害の欄に追加記載したとおり、「対象物質以外の水溶性ジルコニウム化合物及び1M硝酸で溶解するジルコニウム化合物」が妨害になるという記載を追加させていただきたいと思います。

 本文中、単位の誤りですので、「M/L」の「/L」が不要なので、そちらは削除しました。

 別紙219ページの分析欄中の内標準物質の濃度を記載してくださいということでしたので、1/Lというものを記載しています。報告書によって「ICP-OES」であったりとか、「ICP-AES」というものが混在しておりましたので、そちらは「ICP-AES」に統一ということで今後もやっていきたいと思います。以上です。

○中央労働災害防止協会 2-14、ニッケルですが、ニッケル金属合金については17.3L/minで吸引する方法だけが、検討されているということで、個人ばく露測定は行えないのかという御指摘を頂いておりました。平成18年にニッケル化合物で個人ばく露測定の検討を行っておりましたので、今回は検討を行っていないということです。IOMサンプラーを使用しまして、2L/min240分のサンプリングを行ってICP-MSによる分析でばく露限界の1,000分の1以下の濃度まで測定が可能だったということを確認しておりますので、その方法を参考に測定を行うということになります。

229ページの適用には、このやり方については作業環境測定の方法だけになりますので、作業環境測定と記載しまして、括弧書きで個人ばく露測定は平成18年度のニッケル化合物の検討結果報告書を参照ということを追加記載しておきたいと思います。

 測定波長は適当な値となっているのか、また、波長を決め打ちするのではなく、分析装置に任せるのも有効ではないかということで、測定波長については「推奨測定波長」の記載どおりで十分ではないかという御意見も頂いておりましたので、このICP-AESについては推奨測定波長というものに訂正したいと思います。229ページのほうもそのように訂正させていただいております。

 内部標準物質はジルコニウム同様記載がありませんでしたので、検量線についてはニッケルとしてという記載をして、「内部標準液イッテルビウム1/L」という記載をこちらに追加しました。以上です。

○名古屋座長 ありがとうございました。そうしたら2-15、ビニルトルエンをお願いします。

○中央労働災害防止協会 こちらで御指摘いただいたのが蒸気圧の記載がありませんということでしたので、蒸気圧0.15kPa(20)というものを追記させていただきました。249ページになります。

○名古屋座長 ありがとうございます。前回のところの修正をしていただきましたが、何かほかにありますでしょうか。よろしいですか。

○小嶋委員 細かいことなのですが、資料2、今日の資料1についても言えるのですが、データをまとめた表でほとんどは標準偏差(SD)があって隣りにRSDと書いてあるのですが、例外的にRSDではなくてCVと書いてある表が何か所かあるのですが、これは何か意図があるのでしょうか。

○中央労働災害防止協会 特になくて、一応こちらのほうからお願いするときは一定の方法でお願いをしていたのですが、検討した方によって記載が違っていたりとか、ちょっとチェックが全部できていなかったということで申し訳ありません。今後は全部統一できるようにしたいと思います。

○名古屋座長 よろしくお願いいたします。あとはよろしいですか。そうしましたら、一応今日の1の資料と2の資料は終わりたいと思います。最後になりますが、今後の予定を事務局よろしくお願いいたします。

○北村化学物質情報管理官 それでは資料3を御覧ください。今後の予定です。先週の検討会でも御説明しましたが、次の会議は合同の検討会になります。3回分を予定しておりまして、第1回が619()3時半から、第2回が77()3時半から、第3回が721()2時半から予定をしておりますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

○名古屋座長 ありがとうございます。あとはよろしいですか。第3回のばく露小検討会をこれで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)

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