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2015年5月26日 第1回化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会

労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

○日時

平成27年5月26日(火)15:30~


○場所

経済産業省別館1階114会議室


○議事

○平川化学物質評価室長補佐 本日は大変お忙しい中、御参集いただきまして誠にありがとうございます。定刻になりましたので、ただいまより平成27年度の第1回化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会を開催いたします。委員の出席状況ですが、小野委員が御欠席であり、さらに特別参集者の櫻井先生も御欠席との報告を頂いております。それでは、菅野座長に以下の議事進行をお願いいたします。

○菅野座長 本日もよろしくお願いいたします。議事の前に資料の確認をお願いいたします。

○平川化学物質評価室長補佐 配布資料の説明をいたします。議事次第の裏を御覧ください。議題が2つあり、議題1が資料1に当たります。資料1-1が「工業炉耐火物施工時におけるRCF粉じん濃度実態調査について」です。これは、委員と事務局の机上配布です。資料1-2は、「リフラクトリーセラミックファイバーに関し、使用すべき防護具に関する検討事項」です。

 資料2-1は、議題2の関係です。「健康障害防止指針(がん原性指針)の対象物質の追加について」です。資料2-2は、「発がん性試験結果の評価について(平成25年度・その2)」です。資料2-3は、「指針対象物質の基本情報」です。

○角田化学物質評価室長 資料2-319ページです。資料2からとじておりまして、資料2-11ページになっており資料2-23ページ、資料2-421ページです。

○平川化学物質評価室長補佐 引き続きまして資料2-5は、23ページからです。検討結果です。資料2-6は、「指針対象物質において使用すべき保護具()」です。資料2-7は、「4-tert-ブチルカテコール(10%水溶液)を対象にした化学保護手袋、化学防護服に対する透過試験結果報告書」です。これも机上配布です。

 その他、参考資料です。参考資料も15まで1つにしておりまして、参考資料1は、「化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会開催要綱及び同参集者名簿」、参考資料2は、「平成26年度化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会報告書」36ページまでです。参考資料3は、「リスク評価書」です。これは机上配布で、74ページまであります。参考資料4は、「ばく露プロファイル、統計処理」です。リスク評価に使いました資料で、これも机上配布です。参考資料5は、77ページからです。指針公示第25号の内容で、1点つづっております。参考資料6は、「特定化学物質障害予防規則(抜粋)44ページまでです。参考資料7は、45ページから「粉じん障害予防規則(抜粋)」です。参考資料67については、本日紙ファイルにとじております。以上です。

○菅野座長 資料が不足している方は、いらっしゃいますか。本日の議題に入ります。リフラクトリーセラミックファイバーの健康障害防止措置の検討についてです。事務局から説明をお願いします。

○平川化学物質評価室長補佐 措置検討会につきましては、既に昨年12月までに合計7回開催し、リフラクトリーセラミックファイバーとナフタレンについて措置検討会報告書を取りまとめ、今年2月に公表いたしました。参考資料2に付けております。この検討結果を踏まえ、現在、政省令改正の手続を進めております。

 今回、措置検討会で御検討いただきますのは、保護具の検討です。昨年の措置検討会で

リフラクトリーセラミックファイバーを断熱材として用いた設備等の施工、補修、解体等の作業については、発じんのおそれが高いため呼吸用保護具の着用を義務付けるとの報告を参考資料2のとおり取りまとめております。その際、必要とする保護具について実際の現場の状況を踏まえて別途検討することになっておりました。その現場の実態について関係団体に把握していただいておりますので、本日、資料1-1として用意しております。その資料を踏まえ必要な保護具等の検討を行ってまいりたいと思います。

 なお、資料1-1ですが、個別の企業における実態調査の結果ですので、委員への机上配布としております。では、取りまとめられました日本工業炉協会から御説明をお願いいたします。

○日本工業炉協会 この度、日本工業炉協会からRCF粉じん濃度実態調査の報告をさせていただく機会を頂きまして、ありがとうございます。今日の報告は私、工業炉協会の事務局におります佐々木、中外炉工業の岡本、大同特殊鋼の北林の3名でさせていただきたいと思います。

 早速、お手元の資料で説明しますが、この資料は、今、平川様からお話がありましたが、RCFの施工時の規制が今後いろいろと図られるに当たり、その実態を調査して、その結果から適正な御判断をしていただきたいということで行った調査です。ただ、今回の調査は、炉メーカーの工場内での施工時のみであり、ユーザーの工場での施工の調査ではありません。また、例えば工業炉外の化学プラントや、ほかの業界での実態を示すことではないということを、まずお伝えしたいと思います。また、補修や解体については、別途調査する必要があるのではないかと思っております。

 資料に基づきまして、説明いたします。2ページです。今回、1月に3回ほど実際の炉メーカーでの工場内でのRCF施工時での調査を行っております。N社が113日、C社が121日、D社が126日に行っています。いずれもリフラクトリーセラミックファイバーの工事です。内容的には、N社のほうがどちらかというとブロック状のものを炉に取り付ける作業、C社の場合はブランケットの上にボードを貼る、D社の場合もボードを貼るということで若干、作業の内容が異なっております。

 この調査の計測そのものは、日本環境分析センターに依頼して測定してもらっております。次のページです。試験の内容を説明する前に全体のイメージを持っていただくほうがいいと思いまして、まず先に写真を載せました。3ページは、N社の場合のRCFの施工中の写真です。鉄壁の内側にブロック状のRCFを施工して取り付けていくというところの写真です。次のページです。後で説明しますが、実は今回、午前中と午後と若干条件を変えて、午後は今施工している前面の開口部を非常に簡易な方法だったのですが、飛散防止用のカーテン状の物を吊り下げて、周りに飛び散らないようにしたときの効果がどのくらいあるのかということをテストしております。

 次のページです。C社の施工中の写真です。御覧になってお分かりのように、この炉は非常に小さくて中での施工は、作業員一人以上は入れないという非常にコンパクトな炉でしたこの後、説明しなければいけないのですが、個人ばく露のRCFの粉じんを収集する収集口をヘルメットの所に取り付けて作業しております。前面では、施工のためのブランケットのカット作業を炉のすぐ近くで、簡易的なテーブルの上でやっております。次のページを見ていただくと分かるのですが、これは午後の場合、簡単に入口の所をビニールで塞いでおりますという写真です。

7ページは、D社のRCFの施工中の写真です。これは既に内側にブランケット上のRCFが施工されている上に、RCFのボードを取り付けていく作業です。これは、どちらかというと炉が非常に長い設備でした。8ページは、同じように入口をビニールで塞いでいる写真です。

9ページは、測定方法です。測定及び分析方法は、リフラクトリーセラミックファイバーの標準測定分析法PCM法に準拠してやっております。測定対象繊維としては、幅3μm未満、長さ5μm以上というものをカウントしています。測定の内容は、取付作業者の個人ばく露のデータ、作業環境ということで、絵の中の全体の四角が工場全体を示しており、内側の四角が施工する対象の炉とお考えいただきたいのですが、その炉の内部のBという所に環境測定の測定機を1か所置きました。炉から1.5m離れたAという所でも作業環境測定をしております。

3に示すもう1か所Fという所です。工場の建屋外、約20m離れた所に測定機を1か所置きました。これは、工場の扉側の面から離れて20mという所で工場外の民間への住宅等の影響ということも考えまして、ここでの測定もやっております。

 測定のタイミングです。作業の中で1時間に1回の測定ということで、56回測定しております。作業開始より1時間ごとに1回ということで、吸引時間は510分ということでやっております。個人ばく露は、先ほどちょっと炉が小さいという話もありましたが、小さくて中に入る人間が1人という場合は1か所、それ以外は2人に個人ばく露の測定を行っております。

10ページです。事前にお配りした資料が間違っておりまして、すみません。差し替えていただきたいのですが、RCF粉じん中の繊維幅別本数比となっておりますが、これは本数の分布で、比ではありません。これは、50視野を調べた中の本数をカウントしたデータです。見ていただくと分かるようにブロックとかボードとかブランケットRCFの製品自体が形態は違うのですが、粉じん中の太さに関しては、ほぼ同等な傾向を示すということで、13μまでの間が全体の6070%である。ここが一番問題ではあるのですが、この辺の繊維のものが多かったという結果が分かりました。

11ページです。3.2-1「時系列的RCF粉じん濃度変化(N)」です。これは、N社の例です。1回目が朝1番の測定で6回目が最後ですが、徐々に粉じんの濃度が上がってきております。ただ、さっき言った1.5m離れた所は、ほぼ0で推移しておりますが、図で示す形で個人ばく露と炉内の環境は、ほぼ同じような値で推移しておりました。

12ページです。C社の場合です。これは13回目までは比較的に低かったのですが、5回目に大きく数値が上がっております。これは作業の内容でカッティングなどの作業がこの時間帯にかなり入りまして、そのときに上がっております。午後は、前面をビニールで囲ったので、その影響で炉内の粉じんも外に漏れなかったことによるものか、ここは非常に小さな炉ですので、その影響が非常に大きかったのかもしれないと思っております。

13ページです。D社の工場での結果です。同じような傾向を示しておりますが、4回目に少し上がっているのは、作業の内容が午前中とちょっと変わって粉じんが出やすい作業をやったということと、6回目に青い三角で示す線が大きく上がっています。それと個人ばく露でもCDで灰色の丸との差が大きく違っています。これは、作業者2人のうちの1人が、ブランケットのカッティング作業、もう一人が仕上げ作業に入っており、これを専門にやっていて、そのためにCの作業者の個人ばく露の濃度が上がった結果になっています。

14ページです。結果の数値の表です。これについては、次の棒グラフで説明したいと思います。15ページです。まず、対象の施工している炉から1.5m離れた所の環境測定の結果です。赤い線を横に書いてあるところが、0.3f/ccの線です。それに比べて8時間TWAの数値も出してみたのですが、C社が0.44という数字にはなったのですが、N社、D社については0.3以下であったという結果です。C社で1.91という一番高い数字を上げているのですが、よく調べてみましたらC社の場合は、炉の前に扉の施工も実はやっており、すぐその脇に測定機があったということで、扉での作業の影響がもろに来たのかなと思っております。

16ページです。炉内の環境測定B点、右上のほうの図があるのですが、赤で丸をしているところの測定値です。炉内の高さ1mの環境です。縦軸が、15ページの縦軸のMAX3f/ccだったのに対し、ここは30f/ccということで、10倍の数値になっていて、このレベルまで上がっております。8時間TWAを見ますと、MAX5.37という数字が出ました。やはりC社の場合に23.86と出ていますが、これも先ほど説明したことと同じなのですが、非常に小さな炉で密閉状態になりまして、この辺の数値もMAXの数字が出たと考察しております。

17ページです。これは個人ばく露の数値です。8時間TWAで見ますとD社の場合、6.86という数値がMAXです。また、D社の場合で最大22.35という数字があるのですが、これもさっき言いました仕上げのカット作業に入りまして、1人の個人ばく露の数値が異常に高かったということで、大きな数値になっております。

3.4「得られた知見」ということで、簡単にまとめてみました。今回の3種類の工業炉において、工業炉内施工段階での作業内容、RCFの種類等によるRCFの粉じん濃度については、大きな差はなく、今回得られたデータを工業炉に関する工場施工時の代表値として扱うことができるのではないかと私どもは考えております。

 個人ばく炉と環境測定です。2)RCFの粉じん濃度は、ピーク時で22.35f/cc、炉内環境で最大が23.86f/ccであったこと。いずれも8時間TWAで判断すると最大で6.86であるということから、今回、私どもが使いました防じんマスクは99.9%レベルのものを使ったわけなのですが、これを使うのであれば防じんマスクとしては問題ないなと、これより、もうちょっとレベルが下がってもいけるのかという気もしますが、ここであれば何も問題ないと判断しました。

3)は、ビニールで前面を塞いだ場合と塞がない場合について、炉壁から1.5m離れたときの測定に関する話です。測定点では8時間TWA0.440.12と低く、炉内環境の値の10分の1まで下がったということから、これは推測ですが、私どもは、アスベスト、石綿とは異なりRCFは余り広い範囲に浮遊や飛散するものではなく、発散抑制対策の措置についても比較的狭い範囲での対策が可能ではないかと考えております。

4)は、今回の施工に関しては、工場建屋から20m離れた測定で0.0007ということで全く問題がないと思っております。

 この結果を踏まえ、もう少し突っ込んだ試験をやってみました。それが、4.RCF粉じん発散抑制対策試験です。対象の炉は焼成炉、ここに書いた内容のもので、どちらかというと次のページの写真を見ていただいたほうがお分かりかと思います。炉の入口にこういったビニールの簡易的なブースを取り付け、そして空気が入らないように入口はちょっと無理なのですが、それ以外はビニールテープで全部囲みました。穴も全部塞ぎました。それから集じん機を取り付けました。施工者の「工」が「行う」になっており、字が間違っています。防護衣についても次のページで示しますが、内部送風式ファン付防護衣、電動ファン付呼吸用のマスクで対応しました。

 それが21ページの写真です。防護衣については、今、説明しましたように内部に空気を送り込めるようにファンが付いたタイベックスです。これは、ファンがないと中が蒸れてしまって、それこそ熱中症になるという危険性もありますので、ファン付きのタイベックスにしてみました。マスクは、電動ファン付呼吸用保護具ということにしました。集じん機は30m3/分です。

22ページです。負圧集じん機の設置です。今回はテストということもありまして、作業時間が1日ということで非常に短く、集じん機の中のフィルターをこの期間交換するということはしませんでしたので、本来、内部に置くべきところなのですが、簡易ビニールハウスが非常に小さいということで、今回は外部に設置しております。

23ページです。負圧状態を保てるかというテストです。マイナス3Paということで非常に簡易的ではあったのですが、炉内の負圧状態は維持できたということが分かりました。

24ページです。これが実際に作業をしているときの写真です。朝953分、まだ開始間もない頃で、上の炉の中にブランケット状のRCF断熱材を取り付けている作業です。25ページは、断熱材設置終了時です。315分、ほぼ上のほうが終わって、あとは下側を残すだけですが、見て分かるようにRCFの固定用の鉄筋が非常にいっぱい出ているので、そういうところでの作業ということになります。

26ページです。今回のデータの表です。ここでは細かく説明しませんが、赤字になっているところが0.3f/cc以上の数値を示したところです。下のほうの屋外の炉外については、ほとんど0.3f/ccをずっと1桁ぐらい下回るような数値でした。

27ページです。粉じん測定結果のグラフです。測定点AMAX26.898時間TWA4.59という数字でした。B点についても、その半分ぐらいの数値ということです。これは集じん機の影響もあって小さくなっているのかと考えております。それ以外のところはほぼ0という結果です。

28ページです。3)防護衣、マスクです。防護衣で今回タイベックスを使用したのですが、工業炉のRCF施工方法にもよりますが、作業中に何度も破れてしまいました。この作業での防護衣としては適切ではなかったと思っております。もう少し生地の剛性が高くて破れにくいものでないと、工業炉の狭い所での作業には向いていないと思っております。ポンプ式のマスクについては、作業性も問題なく作業者もOKを出しておりますので、これは作業に支障ないと思っております。

29ページです。発散抑制の考察ということで、炉内のファイバーの取付作業はピーク時の最大が前回の3回の測定とほぼ同じ26.85であったということで、この辺の値は同じでした。炉外の測定結果は、0.3f/cc以下であったということで密封状態が保たれれば前回の試験結果の約10分の1レベルは維持できるということになりました。

30ページです。今後の課題です。この写真については、今までできたのは密閉ができる前提でやったのですが、工業炉にはいろいろな種類がありまして、このような長さ20mぐらいで隙間もほとんどない配管が非常に細かく入っているものもありまして、気密的な対策というのが非常に構造上も経済的にも困難と我々は判断しております。

 時間が長くなりました。最後にまとめをちょっと簡単に説明いたします。個人ばく露に関しましては、捕集効率99.9の防じんマスクで対応可能であることが分かったということ、防護衣については工業炉のRCF施工内容を考慮して選定する必要があると考えております。RCFはアスベストに比べ大きく飛散しにくいことが分かったということで、これは、まだ細かい検証をしているわけではないのですが、そういう考察をしております。飛散防止は簡易ブースをRCF施工の炉に連結することによって可能であることが分かりました。ただし、簡易ブースが設置できる炉は限定されます。課題として、炉の形状、簡易的なブースを取り付けることが困難な場合の対応、さらに防護衣の選択及び管理方法が挙げられます。現時点では密閉化が困難な場合は管理範囲において防じんマスク等の対策をすることで対応したいと思っております。以上です。

○菅野座長 ありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、何か御質問、御意見等がありましたらお願いします。

○保利委員 それぞれごとに、これは6回測定されているわけですね。

○日本工業炉協会 はい。  

○保利委員 1時間置きに6回測定されているということですよね。

○日本工業炉協会 はい。

○保利委員 1回が5分から10分ということですね。

○日本工業炉協会 そうです。

○保利委員 TWAというのは、1時間に1回、要するに1時間の平均を1回の測定で代表させて、それを6時間分やって、あと残りの2時間はゼロにしたということですね。

○日本工業炉協会 はい。6時間ですのでそういうやり方でやっております。参考にさせていただいたTWAの計算方法というのがありまして、それに準じてやったものです。

○保利委員 例えば、12ページで、5回目の所だけ急に上がっているというデータがありましたが、これはそのときの特異の作業なのか、それとも、たまたまこの測定のときにそういう作業に当たったのかというところはいかがでしょうか。

○日本工業炉協会 これは、作業内容がどんどん変わってきていますので、恐らく、この10分のときにたまたま非常に粉じんが出やすい作業であったと我々は考えています。

○名古屋委員 いや、そうではなくて、これは普通の作業をやっているときに発じんするけれども、前をビニールで囲ったために拡散しなくなったから、中が高くなっただけで、作業は同じ作業ですよ、これは。だってビニールで囲ったでしょ、簡易的に前を覆った。ですから、要するに、本来的に外に出るべきものが囲ったために出ないから、中の濃度が高くなったというグラフでしょう。

○保利委員 ただ、4回目、6回目も同じ状況ですよね。

○日本工業炉協会 そうなのです。6回目も一緒だったのです。

○保利委員 はい。ですから、作業中はそのくらいの変動は常にあっているということを考えておいたほうがいいですね。

○日本工業炉協会 そのように思っております。

○保利委員 はい、分かりました。

○日本工業炉協会 これはそのようにボートに穴を空けていくのですが、そのときに、やはり粉じんが出やすくなるというところがあります。

○保利委員 作業によって大分差が出るということですね。

○日本工業炉協会 そうですね。やはりその場で穴の位置も違いますので、その場その場でやらざるを得ないということです。

○保利委員 そうすると、TWAにした場合に、もしかすると、1時間のどこで測ったかによってかなり違ってくる。

○日本工業炉協会 それはあるかもしれません。

○保利委員 分かりました。

○菅野座長 今後、周辺の拡散を防止するためにビニールで囲うということをされるということですよね。これは実験的なので。

○日本工業炉協会 はい、あくまで実験的にやったものです。

○菅野座長 全体はしていないという。

○日本工業炉協会 はい。

○菅野座長 今後はされるということなのですか。

○日本工業炉協会 今後は、後でやりましたが、簡易ブースを付けてということも考えていますが、ただ、ここにありますように、炉というのは非常に多種多様なので、一品一様なのです。ですから、小さいものから大きいものまで、それから、中に入って作業できない物もあります。低いものですね、30ページですが、こういうものもありますので、そこら辺をどうやっていくかというのは考えていかなければいけないと思います。それからあと、炉も大きいのも小さいものだけでなくて、形も、こういう四角いものから丸いものまでいろいろあります。それから扉付きのものもありますから、そこら辺をどうするかです。そこら辺が非常に我々としては悩ましいところだと思います。

○日本工業炉協会 大体、RCFの施工というのは2日から3日ぐらいなのです。その期間の間にそれだけの大掛かりの物を作るというのは、なかなか私どもとしてもちょっと頭の痛いところです。

○日本工業炉協会 そうですね。それからもう少し言わせていただくと、簡易ブースということで、今回これを見ていただくと分かりますが、これは捨てるクリーンブースをたまたま流用して、たまたまこれに合っただけの話でして、新たに作らなくてよかったのでこれを使いました。クリーンブースですので結構しっかりしているのです。そういう点では、今後、簡易ブースもどういう形で作っていかなければいけないかということと、それから、これの場合に結構密封作業が大変なのです。簡単だと思われるかもしれませんが、結構あちこちガムテープだけで済むかどうかというところもありまして、そこら辺をきっちりやらないとこういうマイナス3Paとはなかなかそういうふうにならないので、そこら辺も今後どうしていくかというのは少し考えなくてはいけないと思います。ただ、これもあくまで実験でして、今後これで完全にやっていくかというところ辺までは、ちょっとまだ突き詰めてはいません。

○名古屋委員 簡易ブースを私が勧めたのは、なぜ勧めたかと言うと、炉の作業のときには確かにいいのですが、炉の作業を修復するためにそれを炉前でカッティングするのです。

○日本工業炉協会 はい。  

○名古屋委員 そこが環境汚染を招いてしまって、炉の作業もそうなのですが、その外も問題だから、私はこれを囲いなさいと教えたので。そうしないと、結果的に、炉の作業ではなくてカッティングする作業で発生したRCFで環境を汚しますね。要するに、それを2つうまく組み合わせることによってこういうふうにすると炉内作業のRCFは中から出ないし、炉の外で行うカッティング作業からの発じんも防止できるから。普通でしたら、これほど頑丈ではなくてもっとアルミ管の枠でいいよと私は言ったのですが、たまたまこれはしっかりしたものでおこなったということです。風圧はそれほど頑張らなくても、要するに内部に向けて吸引してくれていれば隙間が空いていても全然問題ないのです。ですから、それほどしっかり風圧除じんしなくてもいいですよということですから、もっともっと簡単にできるはずなので、よろしくとお願いしました。

○日本工業炉協会 そこら辺を、できたらやはり本来はテストをしないといけないのだろうと思いますが。

○名古屋委員 そういうことだと思います。

○日本工業炉協会 どの程度可能かは我々でも検討します。

○名古屋委員 これは出来すぎて余り立派。これでしたら多分負荷が掛かりますよと、もっともっと簡単にできますよという話をしています。

○日本工業炉協会 大変密閉するのに苦労しました。

○名古屋委員 ですから、アスベストは、要するにそういう風圧除じんの所で、法律で決められていますが、別段、リフラクトリーセラミックはそう決まっているわけではなく、外に出ないようにするためにするだけですから。要するに、破れても外から風が入ってきて外に出ませんから、別段それほどカッチリしなくてもいいですよということだと思います。ただ嫌だったのは、作業台が炉の前にあって、そこは何もしないでカッティングしていた、それからは発じんしてしまうので、できたらそれを覆って環境汚染はやめたほうがいいですよという形でこういう形を提案したという話です。

○保利委員 2ページ目の3)に示す写真3のことですね。5枚目の。

○名古屋委員 そうそう。ですからそこまで覆ってしまったほうがどうでしょうかということです。

○大前委員 2ページ目の図、写身を見ますと、N,C,Dそれぞれありますが、これは、施工している際中というのは中は何らかの形で換気をしているのですか。

○日本工業炉協会 中というのは工場の中ということですか、炉の中ですか。

○大前委員 いえ、炉の中です。

○日本工業炉協会 しておりません。

○大前委員 していない。

○日本工業炉協会 はい。今回の1回目の3社については何もしておりません。

○大前委員 していないということですか。

○日本工業炉協会 はい。

○大前委員 中は換気をしていないと、一般的な感じとしては時間がたてばたつほど濃度が上がる気がするのですが。でも実際の数字を見ていますと、炉内のBという四角の点ですね、これは必ずしも上がっていない。例えば、13ページなどですと下がっている、あるいは12ページも下がっている。要するに、経時的に上がっていないというのはこれはどういう理由なのですか。

○日本工業炉協会 ですから、多分、やはり余り拡散しないからすぐ落ちてしまうのではないかと想像しているだけで、まだ確証はないのですが。

○大前委員 あっ、下に落ちる。

○日本工業炉協会 はい。だろうと思っていますが。

○日本工業炉協会 我々も意外だったのは、1.5mはここの四角いマットが3枚分ぐらいなのです。そのぐらいの値が中に比べて10分の1ぐらいまで下がって、それがいずれの場合も同じぐらい濃度が下がっていますので、意外に落ちやすい。

○保利委員 ということは、結構大きいのですか、繊維のサイズが。

○日本工業炉協会 いや、比重が重いというのですか、何て言うのですか。

○保利委員 比重は大体アスベストと同じぐらいだと思うのですが。

○日本工業炉協会 はい。

○保利委員 アスベストに比べ比重はそれほど変わらないと思います。ただし,比重が同じでもサイズが大きいと速く落ちますよね。

○日本工業炉協会 そうですね、ですから。

○日本工業炉協会 サイズが、サイズが大きい。

○保利委員 サイズが大きい。

○大前委員 材料が荷電しているということはあるのですか。

○日本工業炉協会 何ですか。

○大前委員 電気的に荷電していて吸着する。それはないですか。

○日本工業炉協会 いや、それはないです。

○日本工業炉協会 余りまとわりつくということはないです。

○大前委員 それはないですか。

○日本工業炉協会 はい。

○菅野座長 よろしいでしょうか。9ページの絵ですと、工場の建屋から外に扉から風が出ているようになっていますが。  

○日本工業炉協会 これはちょっと漫画で書いただけで、実際には外に出ておりません。

○菅野座長 そうですか。

○日本工業炉協会 というのは、このとき風速測定も全部やっていますが、中から外へ空気が流れているというほどの風はありません。

○菅野座長 工場の建屋には全体換気装置はあるのですか。

○日本工業炉協会 それはございます。

○菅野座長 あと、この右側に書いてある四角は窓でしょうか。

○日本工業炉協会 これはちょっと漫画で書いただけで、窓のあるのもあれば、大体みんな塞がっています。

○菅野座長 あと、換気していないというお話でしたが、例えば8ページのこの炉、細長い炉に見えますが、これは反対側の端は閉じているのですか。

○日本工業炉協会 この炉ですと長さが123mあるのですが、それの真ん中ぐらいで切られているのです。輸送するときのことを考えて分割しているのです。ですから、一方の端はこういう状態になっていて、もう一方は完全に開口になっていて。

○菅野座長 そうしますと、ビニールで覆ったというのは両側を覆ったのですか、片側を覆ったのですか。

○日本工業炉協会 このときは。

○日本工業炉協会 横もやりましたよね。

○日本工業炉協会 2つ分割したのを並べて施工していたものですから、その間をビニールで午後からはつないで、反対側はもともと閉じていて扉が付いていないですから、もともとクローズの状態になっています。ですから、午後に関してはこちらの端もビニールで塞ぎました。途中の分割もビニールで覆いました。反対側はもともと閉じていますと、そういう状態になっています。

○菅野座長 それは2時間ぐらい閉じていたわけですよね。

○日本工業炉協会 えっ。

○菅野座長 2時間ぐらい閉じていたわけですよね。

○日本工業炉協会 閉じていたのは午後ですから、3時間か3時間半とか。

○日本工業炉協会 3時間、4時間。

○菅野座長 そのときに換気しなくても大丈夫だったのですか。

○日本工業炉協会 まあそうですね、今ぐらいの時期ですともう暑くなってしまって厳しかったかも分からないですが、このときは冬場でしたから、比較的苦情も出ずに、文句も出ずに作業員はやってくれました。 

○日本工業炉協会 粉じんもそれほどこのデータのように支障を起こすようなことはないですし、普通に作業をしてくれました。

○藤間委員 簡易ブースの試験で生溶解性ファイバーを使っていますが、これは飛散しやすさという点では比重とか違いはほとんどないのでしょうか。

○日本工業炉協会 一応調べていただいたのでは大体RCFとほぼ同じ分布をしていましたので、大丈夫だろうと思います。

○藤間委員 ありがとうございます。

○日本工業炉協会 たまたまお客様の都合で、こちらにしてくれということでしたのでこちらを使ったので、申し訳ないのですが。

○藤間委員 ありがとうございます。

○田中委員 最後に、電動ファン付き呼吸用保護具を使ってみましたという報告、どうでしょう、作業者の意見を含めましてちょっと聞かせてください。 

○日本工業炉協会 それは明らかに電動ファン付きのほうが楽だというのは言っていました。その点は我々も非常に興味があったので、我々も付けましたが、はっきり言って楽で、作業者自身にも聞きましたが、最後にはこのほうが楽だとは言っていました。

○田中委員 28ページの写真、これは作業後ですか?電動ファンのマスクが大分汚れていますよね。ファイバーのみならず、トータルの粉じんのばく露が気になるぐらい。

○日本工業炉協会 そうですね。

○田中委員 最後のまとめが、「防じんマスクの99.9%で対応可能であるということが分かった」というまとめが書いてあるのですが、その辺との関係が管理者のほうから見るとどうでしょうか。 

○日本工業炉協会 少なくとも、数値的に99.9%捕集してもらえれば人体には影響ないという意味が1つです。ただ、当然ずっとこれでいいのかというところについては、もちろんこれから検討していかなければいけないとは思います。

○田中委員 ありがとうございます。

○菅野座長 確認ですが、捕集効率99.9%というのは、マスクの規格のABCというものの。

○菅野座長 Sというやつですか。

○日本工業炉協会 はい、Sというやつです。そのつもりでしたのですが。

○日本工業炉協会 私どもが調べたら、99.9%の人が95%になっていたので、本当はその途中からの人がちょうど数値的にはいいのですが、まあそれはできないということでしたら99.9%かなということで。

○田中委員 99.9%以上というのは防じんマスクとして一番高い捕集効率のろ過材です。

○日本工業炉協会 そうなのですか。

○田中委員 という意味なのですが。あと。

○日本工業炉協会 それは、ではちょっと不勉強でした。

○田中委員 タイベックスは鉄骨と言うのですか、鉄筋に接触すると穴があいたのですか。

○日本工業炉協会 鉄筋ですね。

○田中委員 鉄筋が飛び出ているということ。今までの通常の作業着ですと穴があかないということでしょうか。

○日本工業炉協会 あかないですね、めったにあかないです。やはりタイベックスで厚さが非常に薄いものですから、引っ掛かってしまうとピリッといってしまうのです。

○日本工業炉協会 基本的には、作業に慣れている人に当然やってもらっている話で通常はこういうふうに穴はあかないという状況です。     

○名古屋委員 これは、ファンでタイベックの内部に風を送るタイプだからなおでしょう。普通、タイベックスは使いませんよ。

○日本工業炉協会 ちょうどこのときは、タイベックスさんのメーカーさんも来て見ていってくれたのです。

○日本工業炉協会 そうですね。それで、夏も考えて送風付きのものを一遍試してくださいということでしたので試したのですが、ただ、このときはまだ夏ではなくて余りそこら辺の効果というのはちょっと分からなかったのですが。

○菅野座長 いや、これだけ膨らんでしまいますと、通常の作業ですれすれを通っていても。

○日本工業炉協会 ああ、まあそうですね。

○菅野座長 くっ付いてしまいますから。ただ、実際に壊れるようでは使えないという。

○田中委員 何か、その鉄骨のほうをカバーするとかシールするとかということの考えというのは難しいものなのでしょうか。

○日本工業炉協会 作業の効率ですね。それをどうするかですね。ビルなどでは鉄筋のプラスチックの色付きのキャップをしますよね。ああいうのをやればまだいいとは思うのですが、RCFを取り付けるときに11個外して作業するのは無理です。

○菅野座長 すみません、もう1つ確認したいことがあります。26ページの表なのです。

○日本工業炉協会 26ページ。

○菅野座長 はい。この「作業前」と書いてあるデータで。

○日本工業炉協会 はい。

○菅野座長 0.52とか0.71というのは。

○日本工業炉協会 1つは、集じん機排気口の所は、これは最初お借りした集じん機で調べてみたら中のヘパフィルはきっちり収まっていなかったので、多分それの影響が出ているのではないかと思うのです。それ以降は少し直したので下がっていると思いますが。ヘパフィルターがきっちり収まっていないことが1つの原因だろうと思います。

 それから、その上の入口右側手前1.5mですね、これについてはちょっと今よく分かっていません。1つは、作業前と言っているのはこの作業前でして、当然、弊社の工場では周りのいろいろな炉の全部の施工が始まっているので、ですから、そういう点では非常に理想的な状況ではなかったものですから、そこら辺については申し訳なかったのですが、何らかの影響が出ているのかもしれません。とにかく、作業前というのはこの作業前という意味です。

○菅野座長 なるほど、分かりました。

○名古屋委員 頑張ってやってくれているので言いませんでしたが、この集じん機の付け方は間違っています。普通この使い方、たまたま小さいからやっただけなのだけれど。普通、風圧除じん装置を枠の中に入れて、1次及び2次フィルターがあってその後にヘパフィルターがある。ただ、この場合、逆にヘパフィルターを通って2次及び1次フィルターに行くから、まあ効果は一緒だろうという形でオーケーしましたが、普通はこういう使い方はしません、これは使い方が間違った使い方でしょという。

○日本工業炉協会 そうですね、最初は申し訳ありません。そこまでちょっと調べていなかったのです。

○大前委員 最初のほうのお話で、解体とか修理、補修ですか、そのとき恐らくもっと高い濃度が出るだろうという話だったと思います。それで。

○日本工業炉協会 出るかどうかもちょっとよく分からないのですが。

○大前委員 普通、これは工場内で施工してそれをどこかに収めるというパターンのシミュレーションですよね。

○日本工業炉協会 そうです。

○大前委員 その後、実際に工場でまた補修、それから、そういうのもあるわけですね、施工はあるわけですよね。工場で使っていて補修して剥がしてまた新しいのを加えるという、そういう作業も当然あるわけですよね、現場では。

○日本工業炉協会 あります。

○大前委員 そうですよね。そうすると、それが2日間ぐらいでやはりできるということですか。

○日本工業炉協会 基本は、お客様の所でやるというのが基本です。

○大前委員 そうですよね。

○日本工業炉協会 ですから、工場まで返ってくるということはもちろんないことはないのですが、めったになくて。

○大前委員 そうですね。

○日本工業炉協会 お客様の所で実際にそういうことをやるということです。

○大前委員 そうすると、今回のこの数字よりも解体なり補修なりすると、現地でどういうスタイルになっているか、温度がかかっているのはどういう形状なのか分かりませんが、もろくなっている可能性はある。要するに表面が。

○日本工業炉協会 可能性はあります。否定はできないです。

○大前委員 熱がかかれば多分弱くなりますね。

○日本工業炉協会 はい、そうですね。本来、我々もそういうのをきちんと取らなければいけないのでしょうが、お客様の所なので。

○大前委員 そうですね。

○日本工業炉協会 基本的には非常に難しいですね。

○大前委員 そうですね。そうすると、今回のこの数字は、どちらかというと全体の中の低めの数字と考えたほうがいいのですか。

○日本工業炉協会 いや、それはそういうふうに捉えていただくのも少し辛いところがあって、低いか高いかというのはやはり実際のところを見ないと分からないというのが実態だろうと。

○大前委員 やらないと分からない。

○日本工業炉協会 ただ、結構密閉していますので、そういう点では条件は非常に悪いのだろうと思います。

○大前委員 悪い。

○日本工業炉協会 はい。

○大前委員 ああ、はあはあ。

○日本工業炉協会 特に我々のこのCの所については非常に狭いので、この中で完全に密閉していますので、個人暴露としては非常に滅茶苦茶高いのだろうと思いますが。

○菅野座長 すみません、今、密閉しているので具合が悪いというお話なのですが、しないと周辺に出るわけですよね。

○日本工業炉協会 その辺がどの程度影響するかというのは、我々もちょっと分からないです。ただ、ここで説明したように、密閉した状態と、それから解放した状態で外の1.5mの所ではそれほど大きくは出ていないので、真っ直ぐ落ちてしまうのではないかというのが我々の推測です。

○菅野座長 これ3μmより細くてというのは、一応浮遊性が高くてそれほど簡単には落ちないと思うのですが。

○日本工業炉協会 どうでしょうね。

○保利委員 これ、長さのほうは出してあるのですか、繊維の。

○日本工業炉協会 ですから、3μ以下で5μ以上だった場合です。

○保利委員 この資料の10枚目の図には幅の分布について書いてあるのですが、繊維長さについてはどこに。

○日本工業炉協会 これですか。

○保利委員 はい。

○日本工業炉協会 この分布は、お手元のほうに示しましたように、顕微鏡で50回測定したものの本数、今、言われた幅3μ以下、長さ5μ以上の繊維の本数のデータです。

○保利委員 はい、これで幅は分かったのですが、長さのほうの分布というのは。

○日本工業炉協会 ああ、それはすみません、今回そういう整理をしておりませんでした。

○保利委員 いや、幅が比較的太くて長さも長ければ、吸入性にはならなくて、落ちるのも速くなりますね。

○日本工業炉協会 はい、そういうことですね。

○保利委員 健康影響の面からは吸入性か否かというのが重要なので、できれば長さと幅の両方があったほうが。

○名古屋委員 でも、長さは100は、100を超えるものはなかったですね。大体10から20ぐらいまでが多いかなと、意外と細いのが多いのかなと思いましたが、現場の。ただ、現場の作業によって違うので。測っているのは製造工場が測っているので少し違いますが、思っているよりは長いのがなかった。幅のほうがやはりアスベストに比べてはるかに高いので、やはりみなさん幅を注意して測っていることが多いと思います。

○大前委員 余り現場を知らないのであれなのですが、この写真を見ますと、横に壁があって奥に壁があって、それから天井もあるわけですよね。天井に貼るときのほうが例えば高く出るとか、そういうことはないのですか。貼る位置によってその濃度が変わるというようなことは。

○日本工業炉協会 例えば、作業環境というか、人に付けたものはやはり上の施工しているときのほうが影響を受けるかと思います。

○日本工業炉協会 ただ、今回3回、都合4回やったのですが、当然作業内容は違うのですが、それほど大きくは差が出ているとは考えられないのです。ですから、意外にその辺は、ある程度収まりのいい数字で収まっているかなという感じはします。

○菅野座長 ほかにはいかがでしょうか。

○藤間委員 ブロックタイプなどのものの場合、これは多分、今回の試験されたのは全て手で、ハンドリングしておられると思いますが、何かチェーンブロックとかそういうもので大きなものであると使うようなケースというのは出てくるのですか。

○日本工業炉協会 チェーンブロックですか。

○藤間委員 余りないですか。

○日本工業炉協会 RCFの場合はないですね。

○藤間委員 ほとんどもう手で。

○日本工業炉協会 もう軽いですから。

○藤間委員 そうしますと、それほどそういう機械的なものがなければ、囲うというのは結構それなりに、それではやりやすいということになりますか。

○日本工業炉協会 そうですね。

○藤間委員 例えば、天井クレーンみたいなものを使って運ぶような、そういうのは余りないわけですね。

○日本工業炉協会 タイトップスはどれぐらいあるか。

○藤間委員 そうですね。

○日本工業炉協会 そうですね、この作業だけを考えたらそうかもしれないですが。

○藤間委員 ありがとうございます。

○菅野座長 それでは、御説明どうもありがとうございました。

○日本工業炉協会 どうもありがとうございました。

○菅野座長 それでは、ただいまの測定結果も参考にさせていただいて、呼吸用保護具の性能に関する検討をしたいと思います。まず、事務局から今後の検討事項について御説明をお願いします。

○平川化学物質評価室長補佐 それでは、資料1-2について説明いたします。昨年の措置検討会での御意見も踏まえて、論点と考えられる事項を整理しております。昨年の措置検討会においては、電動ファン付き呼吸用保護具の使用が必要ではないかという意見も出たところですが、先ほどの実態報告を踏まえ、改めて御検討をお願いできればと思います。項番1の呼吸用保護具の検討、論点ということで、(1)において電動ファン付き呼吸用保護具を議題としております。粒子捕集効率や防護係数など御検討いただければと思います。

(2)において防じんマスクをもし使う場合に、取替え式、使い捨て式、粒子捕集効率など、防護係数も含めて御検討いただければと考えております。さらに(3)でその他の呼吸用保護具についても、使えるかどうか、使うべきか、その辺も御議論いただければと思います。項番2の保護衣、保護手袋など、項番3の保護眼鏡も必要かどうか、合わせて御議論いただければと思います。よろしくお願いいたします。

○菅野座長 まず、呼吸用保護具ですが、このような物が望ましいという御意見があればいただきたいと思います。

○名古屋委員 電動ファンではないかというように思いますけれども。

○菅野座長 実際に濃度を見ても、仮に0.3としても、3時間、100倍程度は出ている場合があるということですので。

○保利委員 防じんマスクですと、フィルターの性能がよいといっても、厳しいと思いますね。

○菅野座長 使い捨てとかいうのは使いようがないと思うのですが。

○保利委員 電動ファンでないとね。

○名古屋委員 防じんマスクの場合、例えば99.9を仮に使ったとして、多分、作業していて苦しいというのもありますが。1つあるのは、例えば、仮に99.9のものをマスクフィットテスターで漏洩率5%以下にちゃんと装着している人たちを測って見ていても、作業の内容いよっては、マスクの外の濃度が著しく高いと、作業中の中のマスクないのばく露濃度を測ると、管理濃度を超えている事例がありますよ。逆に、保護具の装着が悪くて漏洩率50%ぐらいの作業者の作業時のマスク内のばく露濃度を測定しても、環境濃度が低かったらマスクの中のばく露濃度が低い事例もあります。要するに、今までのマスクというのは、どちらかと言うと、漏洩率、防護係数だとか、それに頼っていて指導していましたが、実際に現場に行ってみると、そうではなくて、環境の外の濃度が高かったら、仮に漏洩率5%以下で正しく装着している作業者でも、マスク内の濃度が管理濃度を超えると言うことです。

 例えば溶接などで実際に測定してみると、管理濃度を3ミリにしましょう。どんなに装着がすばらしく10%以下を切るような漏洩率の作業者でも測ってみると、マスク内の粉じんばく露濃度が10ミリ、20ミリの作業者の方がたくさんいるのです。現実として。ということは何かというと、外の濃度が高かったら、どんなにすばらしいマスクをしても駄目なのです。ところが、電動ファンでやると、それはオーケーになるのです。だから、やはり電動ファンのほうがいいのかなと思います、0.3という、管理濃度が高いのですから、電動ファンにしたほうがいいのではないかということ。

○菅野座長 マスクだとフィットネスに問題があるから、そういう事故があるので、電動ファンがよろしいという御意見ですね。

○名古屋委員 どんなにすばらしく装着していても、解体のように濃度が高いと、それは5%の漏れ率があったとしても、漏れてきて、0.3(f/cc)をはるかに超えてばく露する可能性はいくらでもありますね。それだったら、始めから電動ファンのほうがいいのではないですかというお願い。ただ、初期投資は大変ですけれども、後々メンテナンスをすれば大丈夫ではないかというように思います。

○保利委員 絶対入ってきますものね。

○名古屋委員 そうそう。

○保利委員 漏れ率のパーセントではなくてね。

○名古屋委員 装着の善し悪しを判断する漏洩率のパーセントではなくて入ってきますよ。

○菅野座長 電動ファン付きの呼吸用保護具の保護係数というのは、確か50だったか、全面型でも50だったのではないかと思いますが。違いましたか。半面だと、全面ではどうですか。

○名古屋委員 100

○菅野座長 全面で100ですか。

○名古屋委員 半面ですから、それは全面はかわいそうですよ。アスベストではないんだから。

○田中委員 今、委員長の御説明があったのは、指定防護係数で皆さんに理解していただくには時間がかかってしまいますが、JIS規格に掲載されている数値です。ですから、電動ファン付き呼吸半面形が、今、指定防護係数として、公的によく使われている数値は50ということ。2%漏れているという逆数なのですね。マスクの中の濃度が管理濃度になるには、外側の濃度は50倍までの濃度だったら、電動ファン付きの半面形のマスクで効果があります。これができたのが2006年の段階ですので、今の電動ファン付き呼吸用保護具は我々や名古屋先生の結果でももっと良い性能が出ている経験をしています。

○菅野座長 防護係数はきちんと取り付けた場合の最低選択ですので、そこが非常に難しいところです。作業前にチェックするとか、取り付けた後、きちんと教えないとできない数字でもあるわけです。ただ、電動ファン付き呼吸用保護具を推奨するとして、今、半面形でもよろしいということでしたが、フルフェイスだとか、フード型はないでしょうね。

○名古屋委員 大変でしょうね。作業性がよくないのではないかと。

○菅野座長 保護係数50で足りるという保障があるのかどうかということが問題になると思いますが。

○保利委員 防護係数は、陰圧にならなければ、もっといいはずなのですよね。

○菅野座長 そうですね。

○保利委員 面体内の1部のどこかが陰圧になると、そこから空気が入ってくることがあるので、そこが2%の漏れというところだと思いますけれども。

○菅野座長 いや、50が保たれているとして。

○保利委員 それは指定防護係数ね。

○菅野座長 指定として、指定防護係数50というのがありますが、実測するともっと高くなるというのは、必ず保障できる値ではないと思うのですが。

○名古屋委員 保障はできない。確かに保障はできない。でも、今、市販されている物をテストしてみると、ほとんどあの防護係数より、はるかにいい防御、漏れがあって1以下というのがほとんどなので、あのときの決め方はちょっと分かりませんけれども、随分緩くて、今の市販なんて、もっともっと防護係数はいいでしょうとなっていますよね。実際に測ってみると。

○菅野座長 電動ファン付き呼吸用保護具を選択するときに、防護係数で規定してはどうかと思いますが。

○保利委員 ある程度それは必要だろうと思いますが。

○菅野座長 実際に災害地では、およそ100倍ぐらいになっている例が幾つもあるわけですよね。マスクを選定するときには、平均値で選定する人は余りいないと思います。最大値でも保護できるマスクでないといけないと思いますので。

○保利委員 実は電動ファン付呼吸保護具でも、例えば呼吸が荒いときには下手すると漏れるということが起こり得ると思います。ファンによる空気の供給が呼吸に追随できるかどうかということですね。一応、設計上はできるはずなのでしょうが、そこに例えば、流速分布や圧力分布ができた場合に、漏れる可能性があるのではないかと思います。

○菅野座長 もう一つは、電池の継続時間というのがありますが、あれはどのぐらいのものなのですか。

○名古屋委員 でも、止まっても、すぐに漏れてくるわけではないから、作業をやめて電池を取り替えれば。

○保利委員 止まっても普通の防じんマスク並にはあるので。

○名古屋委員 取りあえずは、防じんマスク並にはなるから、大丈夫ではないですか。

○菅野座長 普通の防じんマスク並に戻るわけですから。

○名古屋委員 それはそんなに長い時間ではないと思います。

○保利委員 そこで一旦、作業を中断して、また電池を替えてもらえればいいのではないかと。

○菅野座長 具体的には、作業は4時間以上連続しているということは、多分ないのだと思いますが。

 もう一つ、先ほどの御説明で、TWA濃度というのは、8分の6倍になっているということで、その点も考慮する必要があるかと思います。ほかに空気呼吸器とかがありますけれども。

○名古屋委員 タイベックが破れる。エアラインも引っ掛かるから。

○菅野座長 確かに作業がしにくいかもしれないというのがありますね。そうすると、空気呼吸器と送気マスクは除外してもよろしいでしょうか。

 それから、使い捨て式や取替え式の防じんマスクも除外してよろしいということですね。

○田中委員 先生、これは作業の種類によって、例えば製造現場だと、RCFの加工している、そういう所は防じんマスクで。

○名古屋委員 それは、普通の作業環境は防じんマスクでいいのです。今やっているのは、本来的には解体がすごいかなと思ったので、施工でもこれだけあるので、施工と解体は、電動ファンにしたほうがいいと。普通の所は、当然作業環境測定をしていますから。

○田中委員 ある程度だったら、駄目ということではないわけですね。

○名古屋委員 ここはあくまでも、施工と解体のところの話ですので、解体はこれより、もっと高いはずですから、電動ファンにしたほうがいいねということです。

○菅野座長 あとは、補修と。

○名古屋委員 逆に濃度が低かったら、マスクをしなくてもいい現場ができるかもしれないということ。

○角田化学物質評価室長 参考資料27ページに、リフラクトリーセラミックファイバーの健康障害防止措置ということで御検討いただいたものがありますが、ここが必要な措置ということで、最終的に整理されたものですが、下のほうに呼吸用保護具の使用で、その下に保護衣の着用及びその適切な処理ということで、○が付いているのが今の製造取扱いを除く部分です。施工と補修と解体について整理しておりますので、その部分を今、御検討をお願いしております。

○藤間委員 特に解体の場合、いろいろ熱履歴を受けたRCFなどを扱うところから、飛散の可能性はやはり、その物自体も飛びやすいですし、当然解体作業からいくと、数百とか、そういうレベルまでいく可能性もあるのではないかと思います。

○名古屋委員 粉じんのほうが多いのです。粉じん濃度が多いのです。セラミックスよりは。要するにクリストバライトになりますので、粉じんのほうがはるかに多いので、逆にいくと、それもあるから、やはり電動ファンがいるのかなと。

○菅野座長 電動ファンはいいのですが、それも考えると、防護係数100ぐらいで十分かどうかという問題になるのではないかと思いますが。

○保利委員 それは、二次評価値は0.2だから、そこまでコントロールする必要があるのですね。

○名古屋委員 管理濃度は0.3なのですね。

○角田化学物質評価室長 この前、管理濃度検討会で、0.3という方向性が出ましたので、それを踏まえてこれから改正の検討をしていくと思います。

○菅野座長 30f/mlということですよね。ファイバーのほうはそれでいいのですが、クリストバライトが出て、石綿のコンテントが高まった粉じんということは、管理濃度は0.0幾つ。

○名古屋委員 0.02という。

○菅野座長 ということになりますよね。

○名古屋委員 遊離けい酸を求めてから管理濃度の式に入れますから、日本の場合はパーセントを入れますからね。

○菅野座長 リフラクトリーセラミックファイバーのときも粉じんとして測定したデータもあって、多分10mgぐらい出ているものもあったと思いますけれども。

○名古屋委員 10mg、あるだろうな、きっと。その辺は。

○菅野座長 ですから、それを両方一遍に保護できないと、保護したことにならないということなので。

○名古屋委員 フィルターは2時間ごとに替えればいいですが、でも、その時点で漏れてくるということは、どうなのだろう。電動ファンは、そんなに高くても漏れてくることはないので。私は今までトンネルのときで、粉じんだと15だとか、20ぐらいの濃度でも、マスクの中の濃度が漏れてきたことは1回もないので、それで吹き付けの場合の同様で漏れてきた経験がないので、多分、電動ファンで漏れてくる経験は今までしたことがないのですね。でも、フードとか、そういう物は確かに漏れないのですね。ただ、作業性が悪かったら嫌だなということはあります。溶接のときは、もっと高い濃度で、マスクの中の濃度を今、ずっと測っていますが、電動ファンに関して漏れてきた経験は1回もないので、防護係数だけで漏れるというと、結構それはしんどいかなと思っていて、粉じんだと10mg20mgで漏れてきた経験がないので、実際の現場でマスクの中をいつも測っていますが、どうなのですかね、という。それで駄目だったら本来的にもう、エアラインとか、呼吸用保護具になったらかわいそうだなと思いますね。

○保利委員 溶接だったら漏れるはずはないのですよね。

○名古屋委員 綿もきついよね。

○保利委員 例えば粉じん濃度が高くて、詰まってくるときには、警告とか、今、出ますからね。

○名古屋委員 出ます。そうしたら、出て。

○保利委員 あるいはバッテリーの力が落ちても、警告が出るように、今、メーカーのほうで開発していますよね。

○名古屋委員 予備を置いておけば、解体現場から出てフィルターを取り換えれば。漏れてこないと思いますが、漏れてきた経験は私にはないので、何とも言えません。

○保利委員 常に動いている状態であれば、漏れることは、まずないと思いますが。

○名古屋委員 と思います。結構、圧は強いですからね。

○菅野座長 防護係数については、実際にどこまで保障できることというデータがあるかないのかという問題で、防護係数が50となっていても、実際は100以上ありますというのが、それはできるのでしたら、別にそれで問題はないのですが、規則として、防護係数を数値として示すことがよろしいかなと、私は思いますが、ここで結論を出すまでいきませんけれども、クリストバライトのコンテントとか、そういうデータはあるのでしょうか。

○名古屋委員 解体ではやっていないので、何とも言えないのですよ。

○菅野座長 15%ぐらいということが、確か前見たデータにあったような気がしたのですが。

○名古屋委員 15%だと、管理濃度が0.15ぐらいですから、濃度としては0.15で管理しなさい。ファイバーだと0.3で管理しなさい。それを2つ満足するという形になるかもしれませんが、どうだろうな。データがないと言えませんが、でも、漏れないのではないかと思いますが。本当にそういう所へ行って、マスクの中を測らせてもらって、意外と漏れていたりするかもしれないので、何とも言えません。溶接のときに、40ぐらいですからね。何とも言えないのですが、電動ファンで漏れるかな。

○田中委員 委員長がお話しているのはインジウムのときに、指定防護係数だけではきついという話の中で。

○名古屋委員 きついね。

○田中委員 防護係数を測りながら活用していこうと、選定の中に案を作って提示したわけですね。だから今回、曝露データがないので、本日決めるということはなかなか難しいかもしれませんが。

○名古屋委員 多分、施工と補修は全然問題ないのですが、解体のときにどうかというところなのでしょうね。そこだと思いますね。

○保利委員 データがないと何とも言えないですね。

○菅野座長 ないですけれども、これより低くなる可能性は全くないと思いますので。

○名古屋委員 それはあり得ないですね。

○菅野座長 そうすると、電動ファン付きという指定だけでよろしいか、あるいは何か付けるかということが今問題なわけですが、どちらにしたらいいかは、何かデータがないと判定できないということになるかと思いますが。

○大前委員 そのデータというのは、将来的に取れる可能性はあるわけですか。

○名古屋委員 現場さえ指定していただければ、マスクの中を測って、マスクの外のほうを測って。

○大前委員 できるわけですよね。

○名古屋委員 今、それはできます。

○大前委員 そうすると、今の段階で、電動式のことで、キャンセルして延ばすのは全然意味ないですよね。だから、取りあえず決めておいて、それで取れるのだったら、取って、その後に振り返って、また厳しくするなりということをやらないと、単純に時間が延びるだけで、データがないということで時間が延びてしまうだけですよね。

○保利委員 当面、今考えられるのは、電動ファン付きを軸にと。

○菅野座長 電動ファンを選択することはコンセンサスが得られたと思います。

○保利委員 それ以外は、ちょっとまだ危ないと。

○菅野座長 このデータだけでは、濃度から見ると、防護係数は50で足りないことは明らかですね。ですから少なくとも、100という縛りを付けたほうがいいのではないかと思いますが、それについては、いかがですか。つまり、指定防護係数でなくても、実際に測定するのであれば、それで保障できればよろしいということで。

 大前先生の御提案のように、これから測定を続けていっていただき、指定防護係数ではなくてということですと、測定はしなければいけなくなりますので、御指定いただいて、またデータを提供していただくということで。では、ミニマム100ということでよろしいでしょうか。

 それでは、呼吸用保護具については、電動ファン付きの呼吸用保護具で、実際の防護係数が100以上であることと。

○角田化学物質評価室長 実際の防護係数100以上ということになると、測定することが前提になってくるのですよね。

○菅野座長 はい。

○角田化学物質評価室長 実際の解体現場ですと、期間も割と限られてきますし、測定ができるかどうかは。

○菅野座長 防護係数の測定については、完全にやるのでしたら、10分程度で測定可能です。繊維を使ってやるのではなくて。(普通の室内の浮遊粉じんで可能です)

○角田化学物質評価室長 そちらのほうですか。

○菅野座長 そういう装置が市販されております。

○名古屋委員 施工のときも100に決めるのですか。施工は、もう少し緩くてもいいので、要するに解体は100はほしいけれども、施工は別段、そのように厳しくしなくても。

○保利委員 でも、今回の調査の場合は、これは施工ですよね。それで30近くの数値が出ているので、やはり施工でも100ぐらいいるのでは。

○菅野座長 これ、100は逆に言うと、ミニマムではないかと私は思いますけれども。

○名古屋委員 だから現場で見たときに、防護係数が100あるものを、現場に行って測ったときに、それで漏れているかどうかは分かればオーケーです。漏れているのが分かったら、100では駄目だねと。比較的ものすごく高い濃度のところでも、100でもクリアできているのはオーケーだよと。そのデータがあれば、取りあえず今100で決めておいても、大丈夫だと。要するにそれでイレギュラーするものが出てきたら、それは当然考えるけれども、それまでは100でいきましょうということですよね。

○菅野座長 分かりました。施工は、作業環境測定をすることになっておりますので、防護係数が求められば。少なくとも今のところ、防護係数100以上の電動ファン付き呼吸用保護具を使用していただくということに、この今の結論としてはしたいと思います。

 次に保護衣と保護手袋は、田中先生、何か御意見とか、御提案というか。

○田中委員 先ほどの穴があくというあれは、即、対策、対応というのができていないということであります。今までは、保護衣に関しては、JIST-8115でしょうかね、化学防護服で、その浮遊固体粉じん防護用密閉服、基準としてはそれしかないものですから。

○菅野座長 それは、先ほどのタイベックもそれに該当する。

○田中委員 該当します。今、そこの穴があく件について対策を考える必要がある。

○名古屋委員 現場へ行くと、ヤッケが多いから。

○田中委員 ヤッケですか。

○名古屋委員 タイベックを着て作業を行っている所は、意外と一流の所でしか着ていなくて、意外とヤッケを使っているので、それだったら、そのような負担にならないで破れないのではないかという気はするのですが。ただ、そのときに約束してほしいのは、タイベックの場合、そのまま使い捨てにしていますが、ヤッケの場合は、作業者が囲いの中できちんと拭いてもらって、きれいにして出て来るという約束になっていれば、ヤッケのほうが使い捨てではないので、作業者にとってはいいのではないかと思います。ただ、作業着はちょっとつらいと思いますね。付いている物が出てくる可能性があるので、よほどの管理をしない限りは駄目だと思いますが、ヤッケを着ている分は、ビニールですから、比較にタイベックほど、穴があいて引っ掛かることはないです。引っ掛かりやすいのが多分タイベックで、ヤッケだったら大丈夫ではないかという気がしますね。

○菅野座長 ヤッケは何か規格があるのですか。

○名古屋委員 いや、知りませんが、現場へ行くと、皆さんヤッケを着ているので、普通に市販されている、ワークマンとかで買ってきて、やられているのだと思いますが、結構着ています。それで、終わった後、拭いています。ビニール製で厚さはよく分かりません。作業者やメーカーによって違うのだと思います。タイベックは余り見ませんよね。高いので。

○菅野座長 保護衣は使うということに、既に決まっていると思いますが。

○名古屋委員 素材も規定するのですか。

○菅野座長 防じんの保護で着ても、着替えるときにばく露も問題になるので、着替える所を設置するとか、そのようになっていたかと思いますけれども。通常の作業衣では、もう完全に取り除くことは不可能ですから、実際には使えないということになると思います。

○名古屋委員 一般的にタイベックはそのまま使い捨てですので、くるめて捨てればいい。ただ、ヤッケはビニールですから、きちんと拭き取る形でおけば大丈夫なのかと。そのほうが作業者はいつも着慣れていますので、作業もしやすいでしょうし、そのほうが。

○菅野座長 でも、上下一体型なのですか。

○名古屋委員 そこまで記憶にないので。これは先ほど言った炉メーカーさんに聞かれたほうがいいような気がいたしますが。オブザーバーとして来ていただいている。

○日本工業炉協会 5ページの写真はヤッケです。

○菅野座長 これは、上衣とズボンと離れている物ですね。

○日本工業炉協会 そうですね。

○菅野座長 保護衣については、田中委員に適切な物を調べていただき、後ほどメールとかで配布させていただきますので、御意見を頂くということにしたいと思います。それと、保護眼鏡は、これはいかがでしょうか。

○保利委員 それは必要でしょ。

○菅野座長 ゴーグルですか。保護眼鏡を付けるのでしたら全面型がいいのではないかと私は思います。実際には眼鏡を掛けている人もいらっしゃるので、そういう問題もありますけれども。保護眼鏡は必須なのでしたか。

○角田化学物質評価室長 いえ、特に必須ではありません。もし必要であれば、規定ぶりをどうするかということはありますが、通知の中で書くとか、いろいろなやり方があると思います。

○菅野座長 目に対する刺激性とか、その辺の。

○大前委員 あるでしょうから。

○菅野座長 では、やはり必要ということですね。スペクタクルというのは、隙間がたくさん空いているということですね。

○藤間委員 ここで眼鏡についてまで、規定する必要があるのかということは疑問に思います。

○菅野座長 そうですか。では、望ましいというと、ゴーグル型が望ましいという感じでもよろしいですかね。

○名古屋委員 眼鏡をすることが好ましいぐらいではないですか。粉じんがあったら眼鏡するのではないですか。ゴーグルしたりとか、自分で判断するのではないかと。どうでしょう。余り眼鏡のことは考えたことはないので、何とも言えませんけれども。

○菅野座長 御意見としては、していただくのが望ましいという意見が多いのですが、完全に義務にはしなくてもいいというのが、御意見ということでお願いいたします。

○角田化学物質評価室長 分かりました。

○菅野座長 続いて、次の4-tert-ブチルカテコールに移ります。この物質の、がん原性指針の策定に関して、事務局から説明をお願いします。

○平川化学物質評価室長補佐 それでは4-tert-ブチルカテコールについて、説明をさせていただきます。資料2-1はがん原性指針の対象物質の追加です。これまでの対象物質の追加ということで言いますと、1ページの2にありますように、平成24年に2物質、平成25年にN,N-ジメチルアセトアミド、平成26年においては、既に指針対象となっていた6物質について、含有量1%超えの有機溶剤業務を指針の対象から除外し、指針対象となっていなかった4物質、この4物質は含有量1%超えの有機溶剤業務以外の業務に限るものとなりますが、これらについて新たに指針に加えるとともに、ジメチル—2,2—ジクロロビニルホスフェイトを追加し、計34物質に関する指針として、指針公示第24号を一部改正する形で指針公示第25号を公表しています。

3が今回の検討会での検討事項ということで、4-tert-ブチルカテコールについて検討していただきます。次のページを御覧ください。最新の指針の内容をまとめたものです。今回基本的に御議論いただくものは、まずは3のばく露を低減するための措置に関するところです。基本的には保護具の御議論を頂くことになろうかと思います。あとは4の作業環境測定についての検討を併せて御議論をお願いいたします。567については、現在の指針の内容に沿ってやらせていただければと考えております。

 続いて4-tert-ブチルカテコールが、今般、このような形で指針対象物質として検討することになった経緯です。資料2-2を御覧ください。4-tert-ブチルカテコールについては、平成25126日開催の「有害性評価小検討会」で議論を行いました。国におけるがん原性試験の結果において、「ラットの雄雌及びマウスの雄に対して発がん性が認められる」という評価があり、「安全側を考慮し、健康障害を防止するための指針の対象とすべきとされた」というところです。4-tert-ブチルカテコールのがん原性試験の結果については、資料2-2の別添として5ページ以降に付けております。

 資料2-3が「指針対象物質の基本情報」です。物理化学的性質で言いますと、分子量166.22、融点53℃の固体です。生産量は、平成25年度に約1,000tです。用途は重合禁止剤、酸化防止剤です。がん原性試験の結果は以上のとおりですが、現時点でがん原性の評価はACGIHIARCとも未設定・未評価です。変異原性の有無については試験ごとに陽性・陰性の評価が分かれています。その他の有害性については静脈内投与により、中毒を起こす経口摂取、皮フ吸収により中等度の毒性を示し、皮フや眼を刺激するといったものが出ております。ばく露限界については管理濃度設定がなく、ACGIHも産衛学会も未設定です。以上が基本情報です。

 資料2-4が、指針対象物質の作業環境測定の方法ということで取りまとめております。詳細については資料2-5として23ページに測定方法を付けております。

 資料2-6が、新対象物質として今般予定されている物質について、使用すべき保護具()ということで付けております。

 最後に資料2-7が化学防護手袋、化学防護服、呼吸用保護具についての試験結果報告書です。これについては田中先生から御報告をお願いします。

○田中委員 資料2-7を御覧ください。透過試験に関しては、JIST-8030に基づいて実施しました。試験を行う前に、この対象物質に関する透過データがないかと思っていろいろ調べたわけですが、ほとんど見つけることができませんでした。ただ、手袋に関してはニトリルの手袋で、厚さが0.11mmを対象に試験を行った結果、480分以上透過しなかったという報告が、ヨーロッパの会社の2つのSDSの中から見つけることができました。それを踏まえ、試験を開始しました。

 細かい所は資料を御覧いただければということですが、資料38ページに試験装置を示しています。これはガラスでできた2つのセルの間に試験素材を挟み、一方のセルに対象物質を入れ、一方のセルに新鮮空気を送って出口側で高感度の分析装置で分析するというものです。JISでは細かくは規定していないのですが、検出限界としては0.1μg/cm2/minが検出できるものということで実験が行われたわけです。

40ページに相当する所に、手袋と服の測定結果の一覧を示しております。この結果、試験対象物質である多くの手袋の素材は透過しないという結果が検出されました。先ほどのヨーロッパのメーカーのSDSと同じように、ニトリルゴムで480分経過した後でも検出されなかったということを含め、合計8種類の手袋に関して検出されませんでした。ただポリエチレンとポリ塩化ビニールの薄い素材の手袋に関しては、透過することを確認しました。防護服についても、浮遊粉じん用の防護服では透過が認められたわけですが、その他の化学物質に対するバリア性のある2種類の防護服では、検出されなかったという結果が得られました。その結果を踏まえ、資料2-6が参考として記載されているということです。

○平川化学物質評価室長補佐 ありがとうございました。今般の議論については、資料2-4の案と、田中委員から御説明いただきました資料2-6の案について、御審議いただければと思います。よろしくお願いいたします。

○保利委員 これはエアロゾルにして試験したのですか。それともガスとして発生させたものをやったのですか。もともと沸点が高いので常温ではガスではないと思いますが。

○田中委員 粒子状ですね。280℃ぐらいですか。ですから若干気体にもなるような物質であると。

○保利委員 透過して出てくるほうはガスとしてサンプリングしたということですね。○田中委員 そうです。透過したものはガス状です。やはり沸点が高いということで、なかなか透過しにくいということは確認されましたと。

 

○藤間委員 この物質は、余り昇華性がないと考えてよろしいですか。昇華性はそれほど高くはない。

○菅野座長 この物質については蒸気圧の実測値がなく、推定値なのです。固体の場合は0.044Pa、過冷却の液体だと0.083Paとなっています。ですからこの蒸気圧は0.4ppmくらい。ただ、あくまでも推定値です。

○藤間委員 常温ではその値ですと防じんでも良いということになりますね。

○菅野座長 大前先生、この物質の結果で通常の決め方で管理濃度を決めたとすると、どのぐらいのレベルでしょうか。

○大前委員 管理濃度ですか。これはACIGHも産衛も出していないので決めようがないです。

○菅野座長 例えば、NOAELLOAELから決めたとすると。

○大前委員 今は手元にないのですが。

○菅野座長 これにはっきり出ているかな。レベルによらず田中先生の御推奨のマスクは、防じん・防毒マスクですよね。

○田中委員 使用条件で加熱するような作業があるのであれば、気体にもなる可能性があるということで、防じん機能付きの防毒マスクです。しかし通常の使用条件だと、防じんマスクでいいでしょう。ただ、ろ過材として。

○菅野座長 それだとちょっと。

○田中委員 駄目ですか。

○菅野座長 やはり通常の。

○名古屋委員 これは濃度が欲しいですね。線引きの基準がないのです。確かに。だからといって電動ファンではかわいそうだし。

○菅野座長 これははっきりとそのデータが出てくるのでしょうか。

○大前委員 これはまだリスク評価に上がっていませんでしたか。

○北村化学物質情報管理官 上がるとしたら、この後企画検討会で検討した上でリスク評価をするかということになります。がん原性指針のほうは、ACGIHなどで濃度が決まっていないものが多数あります。その場合は通達等で、類似物質はこういった許容濃度がありますというのを参考としてお示しし、事業場では測定だけしてもらうのですが、評価はしないという形になります。

○名古屋委員 当然、現場ではマスクをしているのでしょ。1,000tも扱っているのだから、どこかでは扱っていて、マスクをして作業をしているのかしていないのかがよく分からない。どうなのだろう。

○菅野座長 防護服については全く問題ないですよね。

○名古屋委員 はい。

○菅野座長 これでよろしいですか。

○田中委員 先ほどのヨーロッパのSDSは、N100あるいはP3ということで、ろ過材の捕集効率の高いものを選んでいるという形ですよね。P3あるいはN100の防じんマスクを使いなさいという記載でした。

○名古屋委員 だから、ここも3になっているわけですね。

○田中委員 そうなのです。

○菅野座長 管理すべき濃度に相当するものがありませんので、判定はなかなか難しいところですが、仮にそれが1ppmよりかなり低かったとすると、まずいことになるのです。ヨーロッパというのは、がん原性が認識されていないということですね。いかがでしょうか。これについてはこの原案でよろしいでしょうか。

○名古屋委員 現場が分からないから何とも言えないけれども、取りあえずこれしかないのでしょと言うことだと思います。

○菅野座長 もう1つ、作業環境の測定法についてはいかがでしょうか。21ページだと思います。

○平川化学物質評価室長補佐 資料2-2の別添に、「構造類似物質の許容濃度等」というのが付いております。そちらの中にカテコールについて、許容濃度の勧告ということで出されております。通しの資料の6ページです。

○菅野座長 5ppmということですね。

○平川化学物質評価室長補佐 5ppmで、IARCがグループ2Bです。

○角田化学物質評価室長 資料2-4では許容濃度が未設定となっていますが、過去の例なども踏まえ、類似物質を参考に記載することも検討したいと思います。

○菅野座長 今の5ppmを前提にするのでしたら、防じんマスクでいいような。

○保利委員 ガスではそのような濃度にならないのでしょ。飽和でもそうならないのでしょ。

○菅野座長 それ(5ppm)を前提にするのでしたら全く問題ない。防じんマスクでよろしいということになりますね。では、分析法と評価については、この原案でよろしいでしょうか。

○角田化学物質評価室長 資料2-3に基本情報があって、変異原性の有無の記載はバイオの試験結果などもありますので、若干その辺も含めて、もう少し精査したいと思います。申し訳ございません。変異原性があるという結果が出ている試験もありますので。

○唐沢委員 こういう条件で変異原性があったという記載を加えるという意味ですね。

○角田化学物質評価室長 そういうことです。

○菅野座長 5ppmの想定はそれでよろしいですね。

○角田化学物質評価室長 類似物質ということで検討したいと思います。再整理した部分は、またお送りするなりして御確認いただきたいと思います。

○菅野座長 それでは、先ほど追加のデータがあるということでしたけれども、4-tert-ブチルカテコールについては、この方針でいくということで御異議はないでしょうか。

(異議なし)

○菅野座長 では、それでよろしくお願いいたします。なお、原案の変更を入れたものを、出来次第送っていただくということですね。

○角田化学物質評価室長 はい。

○菅野座長 よろしくお願いします。最後に、その他の項目について事務局からお願いいたします。

○角田化学物質評価室長 今回の状況を踏まえ、次回にお諮りする検討会をもう1回開催するかどうかも考えていたのですが、取りあえず方向性は大体まとまりました。一部、田中先生から御確認いただく部分もありますが、方向性は出たということで、若干の修正は、先生方にお送りしてお諮りするという形にしたいと思います。当面のところ、次回は開催しないことにしたいと思います。今年度の措置検討会は、リスク評価の検討会を前半に進めていきますので、それを踏まえてまた措置の検討を要するものが出てくれば、夏以降、また別途開催の御連絡をしたいと考えております。

○菅野座長 それではメールを待って、御意見を頂きたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)

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