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2015年5月20日 平成27年度第1回ばく露評価小検討会

労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

○日時

平成27年5月20日(水)13:30~


○場所

厚生労働省共用第8会議室19階


○議事

○北村化学物質情報管理官 定刻よりも少々早いですが、皆様、お集まりいただきましたので、平成27年度「第1回ばく露評価小検討会」を開催いたします。本日は、小嶋先生は所用により御欠席との御連絡を頂いています。以下の進行につきましては座長の名古屋先生にお願いいたします。

○名古屋座長 議事に入る前に、事務局より議事次第と資料の確認、よろしくお願いいたします。

○北村化学物質情報管理官 お手元の議事次第を御覧ください。議事としましては4つございます。1つ目が平成27年度リスク評価の実施予定について、2つ目が平成27年度ばく露実態調査対象物質の測定・分析法について、ここまでが公開とさせていただきます。3つ目の議題が平成26年度リスク評価対象物質のばく露評価については企業の情報等を扱いますので非公開とさせていただきます。4つ目の議題がその他となっています。

 次に資料の確認です。裏を御確認ください。資料1、資料2ですが、左肩を黒のクリップで留めてあるものになります。資料1が平成27年度リスク評価の実施予定について、これが1ページとなっています。資料2が平成27年度ばく露実態調査対象物質の測定・分析法検討結果で、3ページから付いており、トータルで15物質あります。資料3は非公開の資料になりますので先生方のお手元にのみ配布しています。A3横長の表と一緒に綴じてある資料になります。平成27年度リスク評価対象物質に係る有害性評価値が1ページから、3-1の酸化チタンが3ページから、3-2の三酸化ニアンチモンが13ページから、3-3のグルタルアルデヒドが25ページから、3-4のクメンが35ページから、3-5の塩化アリルが45ページからとなっています。このうち、資料3-3のグルタルアルデヒドにつきましては資料に不備がありますので本日は議論いたしません。次回の68日のばく露評価小検討会で議題とさせていただきますので御了承ください。資料4が今後の予定で、これはページのない1枚物の紙となっています。次は参考資料の束になります。参考資料だけで1つにホチキス留めしています。参考資料1がリスク評価検討会(ばく露評価小検討会)の参集者名簿で1ページ、参考資料2が平成26年度ばく露実態調査における測定・分析法で、2ページから付いています。参考資料3が労働者の有害物によるばく露評価ガイドラインで、11ページからとなっています。資料につきましては以上です。

○名古屋座長 ありがとうございました。過不足等、よろしいでしょうか。そうしましたら第1回ばく露評価小検討会ということで、議題1の平成27年度リスク評価の実施予定について、これも事務局から説明をよろしくお願いいたします。

○北村化学物質情報管理官 資料1について御説明いたします。平成27年度リスク評価の実施予定についてです。今までばく露作業報告の対象とした物質を上から順に並べていますが、上が報告年が古く、下が報告年が新しいものになっています。平成27年度は、一番右の箱にある物質の中から、○を付けているもの約20物質をめどにリスク評価することを予定しています。このうち平成27年度前半の評価物質は、○の横に*が付いているトータル5物質を優先的に行うことを予定しています。リスク評価の実施予定については以上です。

○名古屋座長 ありがとうございます。何か御質問等ありますか。よろしいですか。そうしましたら平成27年度ばく露実態調査対象物質の測定・分析法について、これも事務局からよろしくお願いいたします。

○北村化学物質情報管理官 平成27年度ばく露実態調査対象物質の測定・分析法についてです。これについては委託事業で中央労働災害防止協会に報告書を作成していただいていますので、説明につきましても中災防からお願いしたいと思います。

○中央労働災害防止協会 測定・分析手法に関する検討ということで、まず検討の対象としては個人ばく露濃度測定を主眼に置いて行っています。午前中と午後に分けてサンプリングすることでやっていますので、4時間で許容濃度(TLV)等の1,000分の1から2倍という値を目標にして検討を行っているところです。

 最初に、資料2-13-(アルファ-アセトニルベンジル)-4-ヒドロキシクマリンについてです。この物質は農薬、医薬品ということで白色の結晶質のものです。測定の方法としては12ページにまとめられていますので、そちらを御覧いただければ概要が分かるようになっています。

 サンプラーとしてはPTFEメンブレンフィルターを使用し、サンプリング流量は1.0L/minでサンプリングを行います。分析の方法としては捕集したろ紙からメタノールで脱着し、それを高速液体クロマトグラフで分析します。検出器としてはUVの検出器を使用します。検討を行って脱着率については、ここにあるとおり98.999.8%、回収率は97.899%ということで良好な状況でした。定量下限値についてはACGIHと、OSHAのほうでTLVPLが出されていますが、0.1mg/m3 に対して定量下限は0.000043mg/m3 、採気時間は4時間ということで定量下限が得られているということです。概略は以上になります。

○名古屋座長 ありがとうございます。これについて何か御質問等ありますか。

○圓藤委員 妨害物質とかはないのですか。

○中央労働災害防止協会 こちらに記載がありませんので、一応、ないということで検討されました。

○原委員 サンプリングのときに光分解はかなりあるみたいですけど、そのときの注意をここに書いておいたほうがいいような気もしますが、いかがでしょうか。

○中央労働災害防止協会 要約の所に「サンプリング時間4時間(240L)※要遮蔽」とあり、遮光をしながらサンプリングするということです。

○原委員 光遮蔽ですか。

○名古屋座長 そうですね。「光」があれば分かりやすい。

○中央労働災害防止協会 遮光のほうがいいですね。

○名古屋座長 そこだけ書き加えて。別表の適用と妨害の所は、なかったら「ない」と書いたほうがいい。何もないとちょっと分からないかもしれないです。ないならないで書かれたほうがいいと思います。よろしいでしょうか。

○鷹屋委員 対象粒径はどういう、結構、これだと非常にゆっくり引いた感じになりますよね。実際の使われ方とかはやってみないと分からないですね。

○名古屋座長 毎分1リッター、同じですね。口径も一緒ですから。

○鷹屋委員 実際にサンプリングされるときには、完全に開いた形のサンプラーを使われる。遮光すると言っても細い口しか開いていないようなフィルターのカセットを使われるのか。

○名古屋座長 ディスポを使うか。

○鷹屋委員 どちらを考えて。

○中央労働災害防止協会 図1-1です。

○鷹屋委員 これはオープンのプラスチックの組立型のサンプラーです。

○中央労働災害防止協会 図1-1は、ちょっと写真が見にくいのですが、上にキャップが付いていて小さい穴から吸い込むような形になっていますので、それから採気するといったところです。

○名古屋座長 遮光ですよね。

○中央労働災害防止協会 茶色いのがあるので、多分、それを使ったほうがいいのかなと思います。

○鷹屋委員 それとも形状も、これから先に進むとしたら、この分析ではこの形のものを使うと決めておいたほうがデータの比較とかできる。

○名古屋座長 遮光が要るのだったら、透明よりはアスベストのディスポのほうが簡便に、黒いからいいのかなという気がします。

○鷹屋委員 こちらのほうが取っている粒径の特性とかも、逆に既存のデータがあるので、もしかしたらそっちのほうがいいかもしれません。

○名古屋座長 それは検討して、ここの所はまた、お願いします。あとはよろしいですか。大丈夫ですか。そうしましたら今の所を直した形で、よろしくお願いいたします。資料2-2のクロロエタンについて、よろしくお願いいたします。

○中央労働災害防止協会 クロロエタン、13ページ、資料2-2です。ガス状の物質ということですが、25ページに要約したものがありますのでそちらを御覧ください。サンプリングには球状活性炭捕集管を使用します。サンプリング流量は0.1L/min、サンプリング時間は4時間です。分析は質量分析計型検出器付ガスクロマトグラフ(GC-MS)で行うということです。脱着には二硫化炭素を使用し、分析条件は下にあるとおりです。保存性についての検討は、冷蔵で5日間は保存可能という結果が得られました。添加回収率については95.4107.3%という結果が得られています。定量下限として99.4ppbという結果が得られています。許容濃度は産衛学会が100ppmというところですので、その1,000分の1は十分にクリアしているところです。以上です。

○名古屋座長 ありがとうございます。許容濃度が1,000ppmですが、GC-MSを使わないと駄目なのですか。

○圓藤委員 100ppbまでいいのではないですか。

○名古屋座長 ああ、そういうことで、いろいろ分離したときに。何かありますか。大丈夫ですか。当然、定量下限もGC-MSを使った定量下限だと思います。濃度的には何も問題ないということだと思います。よろしいですか。次に行きたいと思います。資料2-32-クロロフェノール、よろしくお願いいたします。

○中央労働災害防止協会 27ページ、2-クロロフェノールです。こちらの物質は常温・常圧では液体の物質になります。分析手法の要約は35ページにまとめています。サンプラーとしてはInertSep Shm-J PLS-3というものを使用します。多孔質の樹脂でスチレン・ジビニルベンゼン系のポリマーと、メタルクリレートとのコンビネーションのポリマーというものです。サンプリング流量としては0.5L/minです。分析方法は高速液体クロマトグラフ法で、こちらのサンプラーからアセトニトリルで脱着を行い、高速液体クロマトグラフで分析をするということです。検出器としてはUVを使用していきます。保存性は冷蔵庫で少なくとも8日間は変化がないことを確認しています。8日間の「日」が抜けていますので御訂正をお願いいたします。精度として脱着率は97.4100.7%、回収率は96100.6%という結果が得られています。定量下限については、ばく露濃度測定では0.0042mg/m3 です。ただ、これは許容濃度等の設定がありませんので、一応、そういった検討結果になっているということです。このサンプラーですが、ブランク試験で2-クロロフェノールの保持時間付近に妨害ピークが見られたということで、脱着溶媒で洗浄してから使用することが必要だと報告されています。以上になります。

○名古屋座長 ありがとうございました。1点だけ、29ページの捕集方法の所に「毎分5L」と書いてあるのですが、35ページのサンプリング流量を見ると「0.5L/min」と書いてある。これはどちらが正しいのですか。

○名古屋座長 4時間だから、合わない。

○中央労働災害防止協会 0.5だと思いますが。

○圓藤委員 確認をしてください。

○中央労働災害防止協会 はい。

○名古屋座長 よろしくお願いします。

○圓藤委員 「ばく露調査120L」と書いてある。

○名古屋座長 そうなのです。

○中央労働災害防止協会 そうですね、120L

○花井委員 4時間で120だから、0.5Lが正しいと思います。

○名古屋座長 だから、0.5ですね。

○中央労働災害防止協会 これが正しいとすれば。

○名古屋座長 どちらかが違うので、どちらかを直さないといけないという形ですね。よろしくお願いします。

○中央労働災害防止協会 0.5で間違いないようですね。

○鷹屋委員 では、32ページの通気試験も0.5でやられているということで、よろしいでしょうか。

○中央労働災害防止協会 そうですね。こちらが記載間違い。

○鷹屋委員 通気試験の話で、これは多分、開発されたときの時期の問題かもしれませんけれども、室内空気で15℃は、もしかしてこれは液体を取っているとしたら試験温度が少し低いかなというのが、気になることは気になります。

○圓藤委員 そのときは、そうだったんですかね。

○花井委員 次のページにも「毎分5L」と書いてあるから、ここはちょっと確認しないと。

○名古屋座長 その辺、直して。あとはよろしいですか。さっきの適用範囲は個人ばく露濃度測定と書いてあり、こちらは何も書いていない。これも個人ばく露測定という形でよろしいですか、適用範囲で。作業環境にはどうなんだろう。

○中央労働災害防止協会 一応、両方とも定量下限が書いてあるということで、両方ともできるということで御理解いただければと思います。

○名古屋座長 その辺のところも、適用が個人ばく露だと作業環境に使えないと誤解されてしまうので、変えていただければ有り難い。そうしましたら流量の所を少し直していただく形で、よろしくお願いいたします。あとはよろしいですか。

○圓藤委員 脱着が「アセトニトリル5mL(抽出液と超純水を等量混合する。)」というのは、アセトニトリル5mLと超純水5mL10mLでやったということですか。

○中央労働災害防止協会 いや、これは5mLなのか10mLなのかですね。

○名古屋座長 その下の移動相の「アセトニトリル/水=30/70」と、こことそれはどう関係してくるのですか。ちょっと私、よく分からない。

○中央労働災害防止協会 確認させてください。

○名古屋座長 もう1点、そのときに、移動相の所がアセトニトリルと水が30/70になっています。そこと50/50の所とこれは合っているのですか。その辺がちょっとよく分からない。

○中央労働災害防止協会 移動相は30/70というのは、本文の報告書にも書いてありますので大丈夫です。

○名古屋座長 今の所だけ、よろしくお願いいたします。修正がありますけれども、そこのところを修正しておいていただければと思います。そうしましたら資料2-4、メタクリル酸です。

○中央労働災害防止協会 メタクリル酸、37ページになります。メタクリル酸は融点16℃ですので若干寒くなると固まってきますけれども、通常、液体の物質ということです。分析手法のまとめとしては45ページになります。サンプラーとしてはメタクリル系樹脂捕集管を使用します。サンプリング流量は0.1L/minです。分析方法は高速液体クロマトグラフ分析法です。メタノールで脱着を行い、高速液体クロマトグラフ法で分析します。定量波長が210nm、紫外の吸収で測定をしていくものになります。保存性としては、冷蔵で少なくとも5日間は変化がないことを確認しています。回収率については89100%を得られています。定量下限は個人ばく露濃度測定として0.02ppmACGIHTLV1,000分の1まで測定ができるというところです。アクリル酸については妨害とならないことを確認済みです。以上です。

○鷹屋委員 参考とされたOSHAが出している定量下限と、実際に実験されて5倍ぐらい違っているのはサンプラーが違うからなのですか。それとも実測値としてこうだったと。

○中央労働災害防止協会 実測値ということですね。

○鷹屋委員 基本的には、これで性能を満たしているから、元のOSHAのサンプラーと比較しなくてもこれでいけるだろうと。

○中央労働災害防止協会 検討段階では、39ページ辺りに予備試験ということでやっていて、OSHAで示している方法でやったところ、2層目から出てきてしまったというところがあります。40ページに添加回収率ということで、OSHAのほうはAnasorb708で書かれていますが、前の層でこちらは回収率が。

○鷹屋委員 逆に、今回使用されているガステックさんのほうが高濃度とか、そういった分で強そうだということもあったと。破過がなくていいと。

○中央労働災害防止協会 そうですね、破過がなかったということですね。Anasorb7082連結して使わなければいけないというのがあったのですが、今回作っていただいたサンプラーは最初から2層式になっていますので、そういった使い勝手の部分があるということです。

○名古屋座長 これは、まだ市販されていませんよね。

○中央労働災害防止協会 市販まではいっていないと思います。

○名古屋座長 あまり聞かない吸収管だと思ったのです。

○圓藤委員 やがては、市販されるのでしょう。

○名古屋座長 でしょうね、多分。

○鷹屋委員 捕集剤そのものは、もう他で売られている。特注でいくと今度はよくても、実は量産にいくと捕集特性が違うとかが心配ですが。管だけが特別で、捕集剤は、既に売られていれば別にそういう心配をしなくてもいいと思います。

○中央労働災害防止協会 樹脂自体は普通に売っているものだと聞いています。それを十分に洗って詰めて使っていると聞いています。

○名古屋座長 だから、アクリルよりはメタルのほうがいいねということは分かっている。よろしいですか。

○原委員 42ページの表8のサンプラーは、262Sですかね。

○名古屋座長 どこですか。

○原委員 42ページの表8のサンプラーが263と、1つ違うものを検討したというのが。

○名古屋座長 262ですね。

○中央労働災害防止協会 入力ミスだと思います。

○名古屋座長 2が合っている。

○原委員 45ページ、アイソクラティックとわざわざ書かなくても、95/5でいいのではないかと思います。

○名古屋座長 サンプラー263でなくて、262ですね。2Sですね。

○中央労働災害防止協会 262S

○名古屋座長 262S、ありがとうございます。よろしいですか。そうしましたら47ページ、資料2-5のピリジンです。よろしくお願いいたします。

○中央労働災害防止協会 47ページ、ピリジンです。ピリジンについては常温・常圧で淡黄色又は無色の液体になります。測定手法の概要は53ページに記載があります。サンプリングとしてはサンプラーでXAD-7を使用し、中極性のアクリル樹脂のサンプラーになります。サンプリング時間は0.1L/minになります。分析方法としてはガスクロの水素炎の検出器になります。FIDです。脱着はメタノール1mLを使用し、それをGC/FIDで分析するということです。保存性ですが、冷蔵で少なくとも5日間保存可能であることを確認済みです。脱着率については100103.1%、回収率は同様ということです。定量下限については0.0016ppmです。ACGIHTLV1ppmということで、1,000分の1よりもちょっと高いところになってしまっているところではあります。備考として、個人ばく露濃度測定のような長時間の測定においては、回収率を確保するため、捕集管を2連にしてサンプリングを行い、後段を分析して破過の有無を確認する必要があるとなっています。以上です。

○名古屋座長 何かありますか。

○圓藤委員 図56で、低濃度と高濃度で検量線が違うとなっているということは吸着か何かするので、1本ではできないということですか。

○名古屋座長 傾きが違いますね。2,0007,000、これは随分違う。

○中央労働災害防止協会 傾きが違います。

○中央労働災害防止協会 感度が変わってしまうので、必要だということだと思うのですが。

○名古屋座長 結構、大変ですね。

○中央労働災害防止協会 注入法が、何ページですか。多分、感度がというか、低域から外れてしまうということだと思います。49ページにGC/FIDの分析条件がありますが、低濃度域についてはスプリットレスで分析して、高濃度域ではスプリット10:1で分析するということです。ですから、1本の検量線ではうまくいかなかったと。

○名古屋座長 現場の時ってどうするんだろう、低いところだと。

○中央労働災害防止協会 脱着した液が残っていますので、低濃度域用で分析して、うまくいかなかったら、高濃度域用の分析条件で分析し直すというやり方で適用すると。

○名古屋座長 分かりました。

○圓藤委員 スプリットでやると、FIDは直線域が広いと思います。スプリット10:1でやったら感度が悪くて下が測れなかったということですか。それでスプリットレスでやってみたらということですか。

○中央労働災害防止協会 どっちを先にやったかというデータをもらっていないのです。

○中央労働災害防止協会 作っていただきますか。

○中央労働災害防止協会 どちらを先に試験したかという情報は頂いていないので、高濃度で駄目だったから低濃度側をやり直したか、その逆なのかというのは、今、ここではお答えできないのですが、それは情報として必要でしょうか。必要であれば実験をした者に確認を取ります。

○圓藤委員 これ、どこかで変曲点があるのか、その意味がよく分からないので、何でこういう方法を選んだのか意味不明なのです。

○鷹屋委員 要はスプリットレスでも目的の感度が測れれば、最初からそれ一本でやればいいと。

○圓藤委員 そう思うのです。だから、なぜ高濃度と言って、しかも量はスプリット10:1で高濃度2μLだから5倍ですよね。

○中央労働災害防止協会 一番低いほうが0.1、一番高いほうが190200、桁にして4つ違うので、ちょっとこれは実験者が初めから4桁は難しいという解釈をした可能性もあります。

○圓藤委員 ECDとかFPDはあり得ますけど、FID4桁ぐらいいくと思います。

○中央労働災害防止協会 その点の事情を確認させていただきます。

 

○中央労働災害防止協会 その点の事情を確認させていただきます。

○圓藤委員 スプリットレスのほうが不安定ですよね。

○名古屋座長 これでいくと、管理濃度の10倍ぐらいあれば大体いいので、200倍使うのもあるかなという感じで、だから低濃度域だけでも十分対応できるという気はしましたけど、あえて高濃度を選んだ理由は分かりません。条件を変えて選んだところが分からなかった。その辺も聞いてみてください。

○圓藤委員 サンプル液を希釈したほうが早いしね。

○名古屋座長 そうです。全くそれのほうが、楽ですよね。1個の条件にしてスプリットを変えたりするよりは、そのほうが楽なのではないかと、確かに言われるとおりだと思います。よろしいですか。その辺も聞いてみてください。

○中央労働災害防止協会 はい。

○名古屋座長 それで修正してください。よろしくお願いします。そうしましたら55ページ、資料2-6N,N-ジメチルホルムアミド、よろしくお願いいたします。

○中央労働災害防止協会 55ページの、N,N-ジメチルホルムアミドです。常温・常圧で気体の物質になります。測定・分析手法の概要は68ページに記載があります。こちらで使用するサンプラーとしては、球状活性炭捕集管258Aになります。サンプリング流量は0.1L/minです。分析方法は、質量分析計型検出器付ガスクロマトグラフ(GC-MS)によって行います。脱着はアセトン2mLを使用し、その液に浸して、ここにある条件で分析を行います。保存性については、冷臓で5日間保存可能であることを確認しております。精度としては、添加回収率で90.499.3%ということを確認しております。定量下限値として、0.1L/min4時間のサンプリングで、8.38ppbということで、許容濃度等の100ppmに対して1,000分の1以下まで測定ができています。以上です。

○名古屋座長 何かありますか。

○圓藤委員 これは、もう現在使われているものですよね。

○名古屋座長 はい。そういたしましたら、69ページ、2-7p-クロロアニリンをお願いします。

○中央労働災害防止協会 p-クロロアニリンです。常温・常圧で無色から黄色の結晶の物質になります。分析手法のまとめは82ページになります。サンプラーとしては、シリカゲル管を使って0.2L/minでサンプリングを行います。サンプリングに際しては、遮光が必要になります。分析手法としては、高速液体クロマトグラフ法で行います。脱着溶媒としてはメタノール3mLで行います。その液に浸して、紫外の吸収の検出器で分析を行う方法です。保存性については、サンプリング後速やかに脱着し、メタノール溶液とし、これを遮光して冷蔵保存するということで7日間は安定であることを確認しています。遮光しないで検討した結果は76ページにあります。遮光有り、無しということでありますが、遮光無しだと回収率が悪くなるという結果があります。83.991.8%という回収率でした。精度としては、脱着率については99.699.8%、回収率は96.2100.1%です。定量下限としては、4時間採気で0.000178ppmという結果でした。こちらのほうは、許容濃度等の設定はない物質になります。以上です。

○名古屋座長 いかがですか。

○原委員 このクロロアニリンというのは、作業場でどういう使われ方をするのですか、蒸気圧が非常に低いみたいです。それでも蒸気捕集を考えれば大丈夫そうだということですか。もし粉体なりで使われることが多いのであればと思ったのですけれども、そういうことはないのですね。

○圓藤委員 これは、現場では粉じんではないのですか。○原委員 現場を見たほうがいいですよね。

○中央労働災害防止協会 そうですね。まだ現場のほうは確認ができていないです。今、気が付いたのですけれども、コメントが70ページにあります。蒸気捕集について検討したということです。なお、粒子が存在する場合は追加の検討が必要であるということになっております。ですから、粒子が存在する場合について、このままではできないと考えていきたいと思います。

○圓藤委員 添加回収は、溶かしたのをシリカに乗せているわけですよね。

○中央労働災害防止協会 そうです。

○圓藤委員 HPLC240nmというと、この辺のものはみんな吸収があるのではないかと思うのです。染料中間体だと、よく似たのがいっぱいあります。もうちょっと特異性のある分析法のほうが良いのではないかと思いました。これ1個だけだったら、このやり方でいいと思うのです。先ほどの粉じんのこともあるし、現場を見てみないと難しいですね。でもフィルターで取って。

○名古屋座長 前にやったように、フィルターで取っておいて、抜けたものをガスで取るというように、2連結にするという形ですよね。

○圓藤委員 そうです。

○名古屋座長 それで2つ分析する。そうしたら間違いないです。

○圓藤委員 だから、反応釜での作製でニトロからアミンを作るのか、その辺がよく分からないのです。原料は中国から来るのでしょうね。

○名古屋座長 そこのところも、これから現場へ行ったときにどのようにするか。どういう原料を扱うかという形で検討してみてください。

○中央労働災害防止協会 はい。現場でやってみないと分からないということです。

○名古屋座長 他の分析の検討はいいですか。現場でやってみてからにしますか。

○圓藤委員 でも、フィルターは、プラスチックにしたらアセトンで溶けてしまうのでしょう。

○名古屋座長 捕集するときには、シリカ繊維を使います。

○圓藤委員 捕集はシリカでやりますか。

○名古屋座長 それで溶剤で溶かして残すと。

○圓藤委員 ああ、シリカでも。

○名古屋座長 他のフィルターだと、ガスがなかなか抜けにくいので。

○圓藤委員 でも、逆にメンブランフィルターで全部つかまえてしまってもいいのでしょう、駄目なのですか。

○名古屋座長 どうだろう。ポアサイズが0.8マイクロですからガスは抜ける可能性はあります。○圓藤委員 それなら、シリカの後ろにつなげたほうがいいですか。

○名古屋座長 シリカで抜いたほうが一番いいです。

○圓藤委員 そうだそうです。

○名古屋座長 それも、併せて検討してください。

○中央労働災害防止協会 はい。

○名古屋座長 捕集するときに、粒子があったときに、先に何を使うかという形で。前のときにはシリカのフィルターを使って、抜けたガスを個体捕集で取っていたので、それがいいのかどうか。メンブランだとどうなのだろう。ガスだから、抜けないことはないでしょうね。さらに、メンブランだと圧損が高くなってしまうので、シリカも圧損があって、メンブランで圧損があると、圧力損失が高くなってしまうからサンプリングが辛いかなと。

○中央労働災害防止協会 そうですね。

○名古屋座長 ポンプの負荷がかかっていて、正しい流量がなかなか引けないかもしれないです。それも併せて検討してみてください。そういう形でよろしいですね。それでは、2-8のパラ-ニトロクロロベンゼンをお願いします。

○中央労働災害防止協会 83ページの、パラ-ニトロクロロベンゼンです。常温・常圧で固体の物質になります。分析手法の要約は91ページになります。サンプリングにはシリカゲル管を使用し、0.3L/min4時間です。分析方法は、質量分析計付きのガスクロマトグラフ(GC-MS)で行います。脱着溶媒はアセトンを使用して行い、ここにある条件でガスクロマトグラフ(GC-MS)で分析をすることになります。保存性については、全ての検討した濃度において、冷蔵保存で5日間まで変化がないことを確認済みです。添加回収率については95102%、定量下限については0.0033ppbになりました。OSHA0.16ppm、産衛とACGIH0.1ppmということですので、それに比べれば十分低濃度まで測定できることになりました。以上です。

○圓藤委員 これもGC-MSですよね。

○名古屋座長 そうです。

○圓藤委員 前のは、GC-MSでは測れないのですか。沸点、融点とかはよく似ているのですけれども。しかも、両方ともシリカチューブで。多分、これは一緒にあることはあると思うのです。ニトロアミドで、染料工場だと。今の日本には染料工場は随分減りましたけれども。

○名古屋座長 そうですね。ニトロとアミンと似ています。

○圓藤委員 そうです。

○名古屋座長 単純繊維だから、確かに。

○圓藤委員 だから、なぜ片方はHPLCUVで、片方がGC-MSなのかちょっと。これは、NIOSHのマニュアルに、こっちがGC-MSであるので、ついでにこれもGC-MSで測れなかったのかと思ったのです。LC-UVはすごく感度が悪いです。

○名古屋座長 そうみたいですね。

○圓藤委員 測定法として、特異性が低い。

○名古屋座長 そうしたらGC-MSのほうが全然良いですよね。

○圓藤委員 ずっと良いです。

○名古屋座長 それも先のもので。こちらは多分いいのでしょうけれども、先ほどのクロロアニリンのところは検討会で検討してもらいます。

○圓藤委員 でも、これもサンプリングは粉じんが出ると思うので、同じですよね。

○名古屋座長 同じでしょうね。ろ紙は「0.45μmフィルター(有機溶媒用)」と書いてあるので、メルク社がちゃんと作っているのだと思うのです。85ページに書いてある、ろ紙のこれはどこかで使うから書いているのですか。ろ紙は「0.45μmフィルター(有機溶媒用)」と書いてあります。

○中央労働災害防止協会 85ページのどこでしょうか。

○名古屋座長 「器具」の所に捕集材とポンプがあって、「ろ紙」と書いてあります。これは、どこで使われているのか。圓藤先生が言われたように粒子があるので、取るのだったら前も同じでいいし、その辺のところが。

○中央労働災害防止協会 超音波脱着をしているので、ろ過をしているというのがどこか他にあったので、同じやり方かなと思ったのですが、ここには記載がないです。

○名古屋座長 ろ紙を使っているのだったら、こういうサンプルの所にシリカゲル+例えばろ材という形で書かなければいけないし、そこが何に使われているかがどこにも書いていないので。

○中央労働災害防止協会 失礼しました。85ページの一番下の行にフィルターの使用が書いてあります。アセトンを入れて、超音波で20分間脱着して、それをろ過するというやり方です。

○名古屋座長 そっちで使うのか。何で、ここでフィルターを使うのか。

○鷹屋委員 元のNIOSHのほうには書いていないですけれども、そもそもにおいて、そういう沸点の高いそのものに関しては、結局これは元がニトロアロマティック全体の分析法で、ニトロベンゼンとかニトロトルエンに関しては、分析法そのもののパフォーマンス評価が、エバリュエーション(評価)がフル(完全)なのですけれども、残りはパーシャル(部分的)なのです。だから多分、現実に現場で粒子で取れているとかそういった点まではNIOSHのほうでも押さえていないと思います。

○圓藤委員 でも、やはり粉じんがあるわけでしょう。

○名古屋座長 あるのですよね。

○鷹屋委員 実際には、やはり念のため手前に何らかのフィルターを置いた実験をしたほうがいいと思います。

○中央労働災害防止協会 そうですね。

○名古屋座長 なるほど。シリカゲルの捕集にろ紙が入っているのか。先ほどのと、こちらと同じようなものなのに、ちょっと違う分析をしているので、その辺も併せて検討してもらっていいですか。

○中央労働災害防止協会 はい。

○名古屋座長 特に前の所が、もしGC-MSでできるのだったら、GC-MSのほうがよいです。

○中央労働災害防止協会 クロロアニリンですか。

○名古屋座長 そうです。

○中央労働災害防止協会 それとこれ。

○名古屋座長 先ほど言われた。

○圓藤委員 クロロアニリンですね。

○名古屋座長 そうそう、クロロアニリンです。

○原委員 熱安定性がないのかもしれないのですけれども、ガスクロは難しいかもしれないです。

○圓藤委員 難しいですかね。

○名古屋座長 その理由は分かりますけれどもね。

○圓藤委員 ニトロのほうが簡単ですか。ニトロもアミンも似たような気がしますけれども。

○原委員 ニトロは吸着分解性があるから可能性があります。まだ塩素系のほうが安定しているのではないですか。

○圓藤委員 でも、両方ともあるのよ。

○原委員 いや、アミンの基のほうが。

○圓藤委員 アミンかニトロかで、NClは両方ともある。

○原委員 吸着分解性はあるかもしれないですね。

○名古屋座長 でも、理由が分かれば。こういう形でちょっと調べてもらえれば。

○原委員 そうですね。

○名古屋座長 理由が分かれば検討しなくてもいいのです。もし分からなかったら、検討してもらえると有り難いかと思います。そんな形でそこはよろしいかと思います。よろしくお願いします。検討がありまして申し訳ありませんでした。2-9ということで、2-ブテナールについて、93ページをお願いします。

○中央労働災害防止協会 2-ブテナールです。常温・常圧で液体の化学物質です。測定手法の要約は103ページです。サンプリングについては、DNPHです。ジニトロフェニルヒドラジンを吸着させたシリカゲル管を使って、200mL/minでサンプリングを行います。分析手法としては、高速液体クロマトグラフ法。抽出溶液としては、アセトニトリルを使用します。脱着した後に、2-ブテナールとDNPHを十分に反応させるためにリン酸溶液を加えて前処理を行った後に、高速液体クロマトグラフで紫外の検出器を使って分析を行うということです。保存性については、冷蔵庫で少なくとも1日は安定であることを確認しております。圧着率は95.296.5%、回収率は97.1103.8%、定量下限は個人ばく露として想定した方法で、100分間採気ですが0.034ppbという数値になります。安衛法の通達で示している基準濃度としては0.2ppmというのがありますので、それに比べても低濃度まで測定ができます。以上です。

○名古屋座長 これは、余りなさそうですね。

○内山委員 保存法の所で、先ほどのは捕集後すぐに脱着すれば5日間有効と書いてあって、ここはせっかくやってあるのに、保存性は「冷蔵庫で少なくとも1日間」としか書いていないのですが、本文のほうには、捕集後脱着すれば5日間は大丈夫と書いてあります。

○名古屋座長 これは、文章の違いですね。

○内山委員 99ページの保存性の所です。捕集後直ちに脱着した場合は5日間保管しても大丈夫と書いてあって、前の物質のときには、捕集後すぐに脱着すれば5日間は冷蔵庫で可という形で保存性を書いてあったと思うのです。

○中央労働災害防止協会 すみません、こちらは確認させていただきます。

○圓藤委員 97ページの5番の脱着率の所で、「脱着率は100L捕集、2mL脱着」と書いてあるのですけれども、下の脱着率の表は「20L捕集時の濃度」と書いてあります。これと100Lとは別個ですか。100分間捕集ですか。

○__ 後ろに100分間と書いてあるので、どちらかが間違っているということです。

○__ そうですね。

○圓藤委員 これは、100分間のことですか。後ろは100分間で20Lと書いてあるのですけれども。

○名古屋座長 そうですね。5mL、どうだろう、20Lにならないな。20L捕集時の濃度。脱着時に100L。数値が合わないね。

○圓藤委員 これ、4時間は捕集していないの。

○中央労働災害防止協会 すみません、どちらかが間違っていると思いますので、確認させていただきます。

○圓藤委員 4時間捕集はやっていないのですね。

○中央労働災害防止協会 4時間捕集。

○圓藤委員 検出下限が、採気量が20L2Lというのは、10分と100分なのですよね。

○中央労働災害防止協会 はい、10分と100分です。

○圓藤委員 だから、なぜ10分と100分なのか。今までは4時間とかと違いましたか。その辺のところがよく分からないのです。

○原委員 別のあれですけれども、このDNPHの誘導体試薬と反応させると非常に安定だと思うのです。ちょっと読み切れていませんが、DNPHの誘導体の安定性とか脱着率を見ているのか、2-ブテナールを見ているのかが分からない表現のような気がするのですけれども、その辺はいかがですか。かなり反応が早いので、捕集された瞬間に誘導体化するのではないかと思うのです。リン酸がないと反応が遅いとか、その辺は私も分からないです。どちらのほうの脱着率であったり、安定性であったりするか、回収率であって、保存性であるのか、微妙に分からないところがあるので整理していただくと有り難いです。

2-ブテナールの測定だと思うのですけれども、DNPHを含浸させている捕集剤で捕集すると、直ちに反応して、2-クロトンアルデヒド-DNPHと書かれたりしていますけれども、そういう状態に直ちになると思うのです。そういう状態であれば、比較的安定だと思うのです。そうでないような書きぶりもあったりするのですが、整理していただくと有り難いかと。だから、どっちの安定性であって、どっちの回収率になっているのかというところをはっきりさせていただくと有り難いかと思います。

○名古屋座長 前のを見ても、4時間は取っていないです。10分ぐらいで取って終わっています。脱着率も含めて。

○圓藤委員 忙しかったのでしょう。

○名古屋座長 多分そうなのでしょう。今の脱着率の数値の所だけ確認するという形で。

○鷹屋委員 純品がtransしかなくてという記述があります。だけど、混合物で売っているということは、産業ではどっちが使われているのかということと、それから許容濃度の設定そのものが、これは異性体関係なしで設定されているのか、それともどっちかとか。誘導体化すると液クロで分かるような気もしないではないのです。

○圓藤委員 そうすると、きちんとできるのですよね。ブテナール濃度としては、足して計算するのですか。

○中央労働災害防止協会 すみません、もう一度お願いいたします。

○圓藤委員 ブテナールのDNPH誘導体は2つピークが出ると。それを1つにできるようにしているのですか、それとも合算値でいいのですか。「合算値を用いて行う」と書いてあるので。

○鷹屋委員 101ページだと、混合物から始めてもピークは1個しか出なかったと書いてあります。

○圓藤委員 ああ、そう。

○鷹屋委員 逆に、cisを取りこぼすことがないのであれば、産業で特に分けて使っていないのであれば、取りこぼすことがないということだけ押さえておけばいいと思うのです。そもそも、どんな使われ方をしているのか私も分からないので。

○圓藤委員 trans体でやったら、DNPHの誘導体が2つできて、cisがあったら4つできる可能性があるということですか。

○鷹屋委員 そうではないかと思うのですけれども、違うのかな。

○圓藤委員 でも、これはサンプルがないからしようがないところなのですよね。

○鷹屋委員 そうなのです。

○圓藤委員 現場では何が起こるかです。これは、アルデヒド類はみんな誘導体を作るので、他にあるといっぱいピークが出てしまうのです。

○原委員 多分できるのです。

○圓藤委員 だから、ちょっとよく。吸収波長がこれに非常に特定しているのかどうかなのです。でも、みんな似たような色ですよね。

○原委員 そうですね。蛍光検出器のほうが安定しているというか、いいかもしれません。単品ではない場合には、蛍光のほうが本当に安定して測定ができるかもしれません。

○鷹屋委員 一応96ページには、他のアルデヒドとやった、液クロが分かれているというのを出していただいているので。

○圓藤委員 それなら大丈夫ですね。

○名古屋座長 これも、混合のやつで、いっぱいピークがあるのです。そうしましたら、先ほどの所で、脱着と、その辺は訂正がありましたので、そこの所の訂正をお願いします。

○中央労働災害防止協会 はい。

○名古屋座長 2-10のエチレングリコールで、これは高濃度の場合と書いてありますが、説明をお願いします。

○中央労働災害防止協会 エチレングリコールで高濃度の場合と、低濃度の場合を続けて資料として準備されております。まず、エチレングリコールですが、常温・常圧で液体の物質です。高濃度の場合の分析手法については113ページに記載があります。シリカゲル管で捕集します。0.1L/minになります。分析方法としては、FIDでガスクロマトグラフで分析を行います。脱着溶媒としては0.1%の酢酸エチルのメタノール溶液です。そちらのほうを直接ガスクロに導入して分析を行います。保存性ですが、誘導体化法というのが低濃度のほうの方法ですが、冷蔵で7日間まで変化がなかったということです。こちらは誤りの記載で、冷蔵で7日間ということで訂正をお願いします。回収率は85.2%という結果でした。こちらの定量下限としては0.1ppmで、十分低い濃度までは測れないという方法になりました。

 そこで、次の115ページから始まるエチレングリコールの低濃度の方法になります。低濃度の手法のほうは124ページにその概要が記載されています。サンプリングについては全く同じで、シリカゲル管で0.1L/minで、高濃度の場合と同じです、分析方法としては、脱着をしましたら、それを誘導体化して、GC-MSで分析します。脱着については水4mLで抽出して、トリエタノールアミンを反応促進剤として加えて、水酸化ナトリウムを加え、塩化ベンゾイルを添加して、最終的にヘキサンで抽出するという方法になります。保存性について、こちらも冷凍と書いてありますが、本文のほうは冷蔵になって、4℃の冷蔵庫と書いてありますので、4℃の冷蔵庫で検討しているということです。7日間まで変化がないことを確認しております。回収率については81.4%です。定量下限としては4.69ppbということで、こちらはOSHAが示している数値の1,000分の1を十分に下回る数値です。以上です。

○圓藤委員 こんな低い所まで要るのですか。OSHA10ppmで、その100分の1。定量下限で0.1で、これでいいのではないですか。駄目なのですか。

○名古屋座長 低濃度でやる理由というのは、定量下限が高濃度は0.1で、0.85よりちょっと、0.089に少し足りないから低濃度でやるという形で、このやり方としてはやっているのですか。低濃度でやられた理由というのは。

○中央労働災害防止協会 そうですね。高濃度は通常というか、一番簡単なやり方でやりましたら、個人ばく露測定で十分低い。目標としている1,000分の1までで、OSHA9.85ppm1,000分の1までは測れないということですので、更に低い濃度まで測れる方法で検討を続けたということです。

○名古屋座長 なるほど。低濃度の切ってあるのは、どちらかというと作業環境用だね。そういうことで一応検討しておこうという話ですね。

○内山委員 計測だったら、4時間でやったらどのぐらいかというのは、なかなか大変だと思うのです。今までは個人ばく露は0.1を大体4時間でやっていますね。それをわざわざ8時間でやらないと取れないというわけではない。そんな低い所まで必要ないですから。

○圓藤委員 だから、1,000分の1と言われたので、1,000分の1まで行くのかと言って、最大の時間を取ったのではないですか。

○内山委員 8時間です。

○名古屋座長 4時間で十分間に合っていると思うのですけどね。

○圓藤委員 1,000分の1と言われると、やはり大変ですね。

○名古屋座長 ちょっと分からないけど、結局それほど問題はないので大丈夫だと思います。

○鷹屋委員 回収率が少し低いからとなると、本当は濃度を言っているのではなくて、ある程度複数の濃度で回収率を押さえておいたほうがいいのかなという気はしますね。この1点に関しては、低いなりに安定してはいるのですね。変動係数は1.66

○原委員 121ページの図6ですが、検量線はエチレングリコールの誘導体ですね。ここの言葉でいうと、誘導体化エチレングリコールのほうが多分いいと思います。

 それから、123ページの12の「まとめ」の上から3行目で「これらのグリコール類は本検討で用いた誘導体化促進剤を用いなくても良くなる可能性が高い」と。促進剤は要らないがということでいいのですか。誘導体化試薬というか、誘導体化する必要はないという意味ですか、それとも誘導体のトリエタノールアミンがなくても誘導化できるという意味ですかね。調整していただければいいかと思います。

○中央労働災害防止協会 はい、そのまま読めば多分そういうことだと思います。

○鷹屋委員 この文章は多分、測定対象物質と同じものの安定同位体の内標を使うことによって反応率の補正も全部やってしまえば、わざわざ反応率を上げる試薬を使って、そこ(途中の反応率)をなるべく100に近づけなくてもいいのではないかという意味だと私は思いました。

○原委員 なるほど。それだったらいいのかもしれません。

○圓藤委員 でも、これはインターナルは入っていないのですか。

○鷹屋委員 これはあくまでも「ではないか」と書いてあって、今回の場合は取ってないので、これはまとめというよりは。

○圓藤委員 誘導体はどういう形になるのですか。塩化ベンゾイルというのは。エチレングリコールに全部が付くのですか。これか、ベンゾイルのこれができるわけか。失礼しました。絵がありました。

○原委員 2か所の結合ですね。

○花井委員 ちょっと教えてください。1,000分の1濃度を目標にするというか、1つのめどにするというのは、どこで決めるのですか。どこから出てきたのですか。

○名古屋座長 多分この下の中災防の中で、ばく露濃度でやると大丈夫なのですが、作業環境に持ってくると10分間の管理濃度で10分の1にすると、どうしても1,000分の1ぐらいの濃度で、分析精度で出しておかなければいけないというのがあるので、そこで1,000分の1と言われているのだと思います。

○中央労働災害防止協会 私が聞いた当初は発がん性物質の検討が。

○圓藤委員 10-4 というのがあったからではないですか。だから、許容濃度の1,000分の1は欲しいということでしょう。

○花井委員 8時間のTLV1,000分の1

○圓藤委員 そうではないですかね。私はそのように思ったのですけれども。

○内山委員 そうですね。あるなしにかかわらず、1,000分の1までやった、スクリーニングだから測りましょうということですね。

○花井委員 この値は昔から1つの目標としてずっと使ってきたということですか。

○圓藤委員 だから、一次評価値が引っ掛かるか引っ掛からないかというのが分からないと困るのでということで、今書いてあるのは二次評価値だけなので。

○内山委員 123ページの検討機関というのは、この物質だけ書いてあるのですが。

○圓藤委員 これは後に出したのでしょう。

○内山委員 ではなくて、ほかの物質もここでやってもらっているのでしょう。この前の委員会で出している。

○北村化学物質情報管理官 削除を忘れたようです。申し訳ありません。

○圓藤委員 もう要らないわけですね。

○内山委員 要らないですね。

○名古屋座長 よろしいですか。多分、分析のところと、そこのところを今まで結構苦労されているのだと思います。1,000分の1で引っ掛かりがあるので。そうしましたら、次のジエチルケトン、125ページです。よろしくお願いします。

○中央労働災害防止協会 125ページでジエチルケトンです。ジエチルケトンについては常温・常圧で気体の物質になります。分析手法の要約は133ページに記載があります。こちらは球状活性炭管で、今まで使っていたものと同じサイズです。サンプリング流量は0.1L/min、分析手法はFID、ガスクロマトグラフの分析です。脱着としては二硫化炭素で行います。これについて、下にあるような条件でFIDを使って分析をしていきます。保存性については冷蔵で少なくとも14日間までは変化がないことを確認しております。脱着率・回収率については9297.2%という数値になります。定量下限については0.0151ppmで、ACGIHTLV200ppmに比較しますと、十分低濃度まで測定ができているというところです。以上です。

○名古屋座長 何かありますか。濃度も高いですし、比較的一般的に使われているものですので、大丈夫かと思います。よろしいですか。

○圓藤委員 はい。

○名古屋座長 そうしましたら、2-13の二塩化酸化ジルコニウムをお願いいたします。

○中央労働災害防止協会 二塩化酸化ジルコニウムです。こちらは白色結晶又は白色固体という形状です。分析手法の要約としては146ページに記載があります。サンプリングはポアサイズ0.8μmのセルロースエステル混合メンブレンフィルターを使用します。こちらを硝酸で抽出した後に、ICP発光分析法で分析を行うという手順になります。保存性については室温で7日間安定であることを確認済みです。抽出率については100102%、回収率は7日後で101105%という良好な状況です。定量下限はジルコニウムとして0.00015mg/m3 で、これは2L/min4時間採気した場合です。ACGIHTLVとしては5mg/m3 ですので、比較して十分低濃度まで測定ができるものです。

 適用として、溶解性のジルコニウムを定量する手法であるということですので、その他の溶解性ジルコニウム化合物などの汚染について、現場の共存物質などについては考慮する必要があるということになります。妨害としては、測定波長が共存元素による干渉を受ける場合は、ここにあるような別の干渉のない波長を用いていただくことを考慮する必要があるということです。以上です。

○圓藤委員 ICP-MSのほうが感度はいいと思うのですが、使わなかった理由は、OESを使った理由はあるのですか。MSのほうがぶつかるのですか。マスナンバーが分からないので分からないのですが。フレームレスの原子吸光では全然駄目なのですか。

○中央労働災害防止協会 確認してお答えさせてください。

○圓藤委員 あと、もしキレート樹脂で濃縮ができるのでしたら、もっと普通の原子吸光でも行けるのかなと。

○鷹屋委員 ジルコニウムだと高温バーナーが要りませんかね?

○圓藤委員 高温バーナーが要りますか。

○鷹屋委員 記憶が確かではありませんが。

○圓藤委員 ただ、OESはいろいろなものがあるということで、定性では使いますが、余り定量性は良くないように聞いているのですが、定量性はいいですか。

○鷹屋委員 マトリックスマッチングと内標をちゃんと入れれば問題はないと思います。あとは分光干渉だけが心配ですが、現場でほかにいっぱい使っていればどうなるかということはありますが。

○圓藤委員 生体試料よりはずっといいですよね。

○鷹屋委員 ええ。その点は大丈夫です。

○原委員 この方法はジルコニウムそのものを分析しているのですか。

○圓藤委員 そうです。

○原委員 ジルコニウムの二塩化体とか、二塩化酸化体を分析しているわけではないですね。

○圓藤委員 発光ですから、金属そのものです。

○名古屋座長 マイクロウェーブを使えないから、MSに行かないでICPの発光にしているということはないのですか。マイクロウェーブを使わずに水だけで抽出していますよね。普通はマイクロウェーブを使ってやると駄目なので、水でやっているのです。そうすると、MSは使いにくいのかな。

○原委員 1Mの硝酸で抽出で、ですから分解しているわけではないわけですね。二塩化酸化ジルコニウムの形で分析をして、ジルコニウムがICPの中で分解されて分析できるということですか。

○名古屋座長 多分マイクロウェーブで分解しているかもしれないです。

○鷹屋委員 いや、この化合物自体が加水分解で溶けるのではないですかね、水で。

○圓藤委員 添加物だから。

○鷹屋委員 結局これが水溶性でちゃんとしたジルコニウムの分析法を使ってしまうと、ほかのものを拾うと、ここに書いてある。私はそこで気になったのは、定量的には溶けないが、1Mの硝酸でサンプルを抽出してしまうと、(溶けるのではないか?)もし少しジルコニウムの酸化物が共存していた場合に、プラス側の誤差は本当に出ないのかなという気がします。しかし、極端に大きくなくてプラス側だからいいのかなという感じはしたのですが。

○名古屋座長 不溶解のジルコニウムがあるとそういうことになってしまうので、嫌なのでやらないのでしょう。水溶性のものだけを取りたいので、マイクロウェーブを使って分解する形ではなくて、不溶性のものを入れ込まないで、水溶性のものだけを取りたいので、水で下ろすという形ではないのですか。

○圓藤委員 酸化物でもICPの温度で酸素は取れませんかね。酸化物のままですかね。

○鷹屋委員 溶けていない状態でも(プラズマまで)行ってしまうと測れてしまうので、もう一回ろ過しているのかなと。

○圓藤委員 別々に測らなければいけないのではないですか。ジルコニウムとして測ればいいのではないですか。

○名古屋座長 そのときに不溶性のものが入ってくるから嫌だというのではないですか。二酸化ジルコニウムは水溶性だから。

○鷹屋委員 普通のジルコニウムで代表するのではなくて。

○圓藤委員 二塩化酸化ジルコニウムしか駄目なのですか。

○鷹屋委員 水溶性のジルコニウムということで、これを代表しているという考えだと思うのです。

○名古屋座長 そういう形でしょうね。

○圓藤委員 そうなのですか。ジルコニウム全部を測ってしまっていいのかと思いました。

○名古屋座長 タイトルに書かれているものを測るということで、水溶性のこれを測るのです。不溶性は測りたくないので、水でやってという形になるから、この形になってしまうのではないかな。

○鷹屋委員 今、名古屋先生がおっしゃったように、遠心か何かを掛けておかないと、多分MSに入れると。

○圓藤委員 全部出てしまう。

○鷹屋委員 ICP-OESでも出ると思いますが。

○中央労働災害防止協会 138ページの3-3に「試料液の調整」があります。孔径0.45μmのディスポーザブルフィルターでろ過して試料液とするということで、一応ろ過したものを。

○鷹屋委員 であれば、今回発光で濃度が取れたということなのでしょうが、多分このプロセスで言えばMSでやっても大丈夫だとは思います。ろ過しているので。

○圓藤委員 でも、1M硝酸で溶かしていますよ。

○鷹屋委員 それは気になりますよね。定量的に溶けないというだけであって、化合物によっては溶ける可能性は、割と。

○名古屋座長 やはり少しは溶けますよね。

○圓藤委員 ジルコニウムというのは水溶性と不溶性で、すごく毒性は違うのですか。もし、そうやって分けるとしたらそういうことですよね、ニッケルみたいに。

○名古屋委員 ニッケルは1桁違うからね。

○圓藤委員 そうそう、ニッケルはそれによって発がんするか何か全然違うので、分けろと言われて苦労するのですが。

○名古屋委員 分けるのは大変ですよね。今、水溶性ニッケルの管理濃度が検討中なのもそうしたことがあるからですね。結局、分析法と水溶性とどう定義を分けるかということがあるのでね。

○圓藤委員 クロムもそうなのだけど。

○名古屋座長 全くそうなのですね。それと同じことをこれからするわけです。

○花井委員 なぜ、ここにこの物質が出てきたのだろう。

○圓藤委員 ただ、リストの中にジルコニウムとして、こういう名前しかなかったというのがあるのですよね。もともと登録物質で。

○北村化学物質情報管理官 ジルコニウム化合物ですが、最初にばく露報告の対象物質に選定する際に、モデルSDSとかを参考にしながら、神経毒性があるとか、生殖毒性がある物質から選ぶのですが、そのときに区分1の基準があったのが二塩化酸化ジルコニウムだけだったので、ばく露作業報告の対象にしたのは、この物質に限るとした形でしております。

○圓藤委員 ジルコニウム化合物としての。

○北村化学物質情報管理官 ジルコニウム化合物の中で、かつ、これに限るという形にしたのです。ニッケル化合物のときとそこが大きく違うということです。

○圓藤委員 どこの区分が1だったのですか。

○角田化学物質評価室長 今、持っていないのですが、神経毒性か生殖毒性か。

○北村化学物質情報管理官 神経毒性か生殖毒性か、どちらかだったと思います。

○名古屋座長 だから、今回の場合はこれに特化するから、この分析毒性という形になったのだということですね。

○圓藤委員 そうすると、硝酸で溶かしていいのですか。

○名古屋座長 いや、そこはちょっと。

○鷹屋委員 超音波を30分掛けていると結構溶けるかもしれない。

○名古屋座長 ニッケルのときもそうなのです。なぜ水でやらないで酸で溶かすのだと。超音波を8時間掛けると全部溶けてしまうだろうというのがあって、今のところ決まらないのと同じで、ここも多分。これはこれで終わっても、この後、その問題はずっと付いていきますね。

○原委員 小さな容器で30分も掛けると、かなり温度が上がります。熱いという感じになりますね。

○圓藤委員 そんなにいろいろなジルコニウムがあるのかな。

○名古屋座長 大気中のジルコニウム、結構あれも対象物質がありましたね。

○圓藤委員 難しいですね。

○名古屋座長 現場へ行くとまた変わるかと思いますが、取りあえず対象の二塩化酸化ジルコニウムについては、この分析法で行きましょうという形でよろしいですか。ちょっと言われたように、超音波を掛けている時間と、硝酸の濃度でいくと溶けたのではないかなというのがちょっとありますね。あのものが溶けてしまう可能性がありますね。

○圓藤委員 でも、ACGIHの数値が非常に高いので5mg/m3 だから。

○名古屋座長 0.1とか、0.01にするかというニッケルとはちょっと違いますね。

○鷹屋委員 余りこれがもうもうと飛んでいる場面というのは想像し難いのですが、5mgだと結構。

○圓藤委員 ちょっと何か。

○名古屋座長 そんな議論があったことを覚えていて、現場でやられるときに見ていただけばという形でよろしいですか。時間が迫ってきていますので、2-14のニッケルをお願いします。

○中央労働災害防止協会 ニッケル金属です。御存じのとおり固体ということで、分析手法の概略は155ページです。こちらはろ過捕集方法で、石英繊維のろ紙を使って、面速19cm/sという条件でサンプリングを行うということです。処理として、1法と2法の2つで検討しております。上の方法は6Mの硝酸と4Mの塩酸の11で、90℃以上の温水中で2時間加熱して抽出するという方法です。もう1つの方法は、塩酸3mL、硝酸1mLの温水で分解した後、硝酸6mLを加え、140℃で加熱、加温して乾固の直前まで持っていって、塩酸とフッ化水素酸を加えて、加温しながら過酸化水素を滴下して、加温分解していくという方法で検討しています。結果的には、どちらも同じ結果となったので、1法のほうが簡単ですから、そちらで十分でしょうということが154ページのまとめには記載されております。前処理した液に対し、ICPの発光分析で検討を行っております。精度としては、定量下限値は173L採気時ですので、17.3L/minで採気した場合については、10分間の採気で、0.0012mg/m3 という結果になっています。こちらは作業環境測定を主眼に置いた検討法にはなっています。

○圓藤委員 個人サンプラーによる個人ばく露濃度は測定しないということですか。

 

○中央労働災害防止協会 いや、そういうことではないです。これを応用してやっていくということになるということですが。

○圓藤委員 17.3L/minはすごく大きいですよね、そうでもないのですか。

○名古屋座長 粉状ニッケルのときと同じで、要するにインハラブルを測りましょうという形で、金属ニッケルだからそういう形で対応するということでしょう。今までニッケル化合物については分析法も確立していて、管理濃度が決まっていないだけの話で、今度は金属ニッケルと合金について対象にするときに、この分析法でいきましょうという検討ではないのですか。

○圓藤委員 個人ばく露測定はしないということですか。

○名古屋座長 ここに上がってきているということは、これから対象にするという形で、分析法は検討されるのではないですか。

○鷹屋委員 このサンプリングは、逆に名古屋先生の所でIOMに相当するものを作業環境測定でやるときに、面速が決められているので、この速度でIOMにやってしまうのではなくて、IOMをやるならIOMの。

○名古屋座長 IOMサンプラーがあったら、IOサンプラーをそのままやればいいのですよ。

○鷹屋委員 これだけを読んだときに混乱されないように。

○名古屋座長 IOMサンプラーはそのまま規定したものだから、2.5L。ただ、日本の場合はIOMではなくて、オープンで取るのが多いのです。オープンだと面速を合わせなければいけないということでやると、毎分19Lでフィルターの面速を合わせると、ちょうどIOMと同じになるので、面速はニッケルのときはそういう形でしてくださいと決めましたので、多分そこでやられているのだと思います。

○圓藤委員 じゃあ、これでそのまま4時間サンプリングができるということですか。

○名古屋座長 できます。

○圓藤委員 じゃあ、十分ですということですか。

○名古屋座長 実際にはニッケル化合物はそれで測っていますので、問題ないです。ただ、今度は違ったのは、ニッケル化合物ではなくてニッケルの金属と合金について、分析方法をきちんと決めましてということですので、これからリスクに上がってくるのではないかと思います。

○鷹屋委員 分析法そのものの本質的なところではないのですが、このニッケルとジルコニウムの所で、AESになっていたりOESになっていたりしている所は合わせていただければと思います。

 それから、先ほどジルコニウムの所に、大文字の「M/L」という記述が1か所あったと思うのですが、あれは大文字のMの時点でパーリットル(/L)が入っているので、それは消しておいてください。

 内標準で、イッテルビウムを使うのはいいとして、それは何ppmぐらいのものを入れるかというのも、分析法をマニュアル化するときには当然決められていると思うので、表のテーブルにも情報として上げていただければと思います。

○名古屋座長 量も入れてほしいということですか。

○鷹屋委員 何ppmぐらいでというのが。

○名古屋座長 146だと思いますが、そこに入れておいてください。

○圓藤委員 これは、溶媒がないかというと、あると思うのです。ニッケルも。全然書いていないのですが、AESも。波長を1つだけに決めていますが、これしかないのですか。この辺がよく分からないのですが。

○鷹屋委員 今これで、この先にリスク管理をやるときは実施するときですが、最終的にこれをベースに、例えば作業環境測定などでマニュアル化するときには、そういった公的なマニュアルには書きにくいのですが、今だったら、実は機械に決めさせたほうが。機械に、例えばサンプルに標準を添加したもので、機械に判定させるとかしたほうが分光干渉とか。逆にこの波長で測りなさいと決めてしまうと、場所によっては妨害から逃げられないという可能性があるので、例えば測定波長は推奨にしておいて、装置そのものによっても得意、不得意な波長があったりもするので。

○圓藤委員 このマニュアルはいつ頃のマニュアルですか。

○中央労働災害防止協会 この開発をする初期にNIOSHなりOSHAからの分析法を検索しては載せているので、大体その年度の始まりのバージョンになっているはずなのですが。

○圓藤委員 開発したのは。

○名古屋座長 年度が書いてあれば。何で年度がそのままずっときているのか、途中で変えたのかねということだと思うのですが。

○鷹屋委員 NIOSHではないですけど、今、労働環境中のICPISO15202シリーズというのがあって、それは2000年代の頭ぐらいに決まって、特に改定もなく5年後の確認、確認で。

○圓藤委員 EPAのものですね。

○鷹屋委員 はい。そこら辺は波長の決め打ちなどにはしていないです。それこそ分解のプロトコルだけをきっちりと決めておいて、あとは機械の進歩とか、そういったものには差し替えが利くように書いてあると理解しています。

○圓藤委員 ICP-MSなどでも、コリジョンを使ったりなどがあるので、妨害があるときとか、だから現場によってはいろいろなものがあるので。ニッケルは数値が低いので、先ほどのジルコニウムみたいに高ければいいけれども。水溶性だと0.01、それを3桁とか言われそうですよね。

○鷹屋委員 周期表でのニッケル近傍はICP-MSが一番苦手なところなので、新しい機械なら、それこそ先生がおっしゃったコリジョンなどがきちんと付いている機械なら全然問題はないのですが。

○圓藤委員 これでいいのかなと思っていました。

○花井委員 149ページの上から3行目ぐらいに書いてあるのですが、吸引性粉じんを捕集することを原則としているということであれば、これはやはり標題に入れておいたほうがいいのではないですか。

○名古屋座長 ニッケル化合物についてはインハラブルと書いてある。

○花井委員 それで100μ以下を目安とするというのがあれば、その辺の固体の合金などを扱うときは、粒子サイズというか、それは一応意識しておいたほうがいいような気もします。

○名古屋座長 今はニッケルだけですよね。インジウムも吸入性粉じんという形以外は、今の法律の中では粒子の規定がどこにもないです。ニッケルはもともと粉状ニッケルの規定ですので、インハラブルについてやりましょうという形なったのです。あとについては、除染作業時の粉じんに放射性が付着しているので、内部被爆を考慮してインハラブルの粉じんを規定した以外は粒径規定がないので。

○圓藤委員 みんなトータルですよね。

○名古屋座長 ええ。ニッケルの場合は吸引性にしましょうという形にして、ほかの場合はみんな総粉じんという形で粗大粒子ですね。総粉じんは総粉じんで定義がありますが、大きな粒子を、比較的10Lから30Lを定量下限を考えて吸引流量を選定しています。そうすると、10L取ったのと30Lを取ったのと、当然面速も違うので、出てくる濃度が違ってくるので、そこはこれからは金属については粒径を考えていかなければいけないということです。リスクをやる前のときだったので、余り粒径を考えずに決めてきている部分があります。

○圓藤委員 というのは、体内に入ってシステマティックな毒性を示すものについては、粒径は関係ないだろうと。だから、マンガンとか鉛とか水銀は粒径をやっていないのですよね。だけれども、例えば肺に溜まって肺がんとかいう場合は、粉じんとして見なければいけないので粒径をいうのだと思うのです。

 

○花井委員 毒性のほうはそうだと思いますが、捕集するときの条件で、サイズ依存性が出てきてしまうのであれば、それを書いておく必要がある。

○圓藤委員 サイズ依存性がある場合はですね。

○花井委員 はい。この場合はどうなのですか。

○名古屋座長 ニッケル化合物に従って書かれているのではないですか。

○圓藤委員 不溶性もそうなるのかな、肺に。

○名古屋座長 溶けますよね、しばらくいくと。

○圓藤委員 はい。

○名古屋座長 ここの所の表記はニッケル化合物と同様にして、合金についても同じ形で捕集しましょうという扱いになっていると。ほかの金属はこれからではないですか、出てきたときに考えるのではないかと思います。よろしいですか。次に2-15で、ビニルトルエンです。

○中央労働災害防止協会 ビニルトルエン、常温・常圧で、液体の物質です。分析の概要は174ページ、175ページです。174ページのほうは、SKCというアメリカの捕集管で、175ページのほうは日本のガステックで作られた捕集管です。それぞれt-butylcatecholを含浸させた活性炭管を使用して、サンプリングを行います。0.1L/minでサンプリングを行い、分析方法も同じ、トルエン1mLで脱着をしてから、ガスクロマトグラフのFIDで分析を行っているというところです。保存性については、どちらも3日間で検討していますが、SKC社のほうは保存率80%以上であることを確認しております。ガステック社製のほうは90%以上であることを確認したということです。脱着率は、SKC社のほうが76.987.8%、ガステック社のほうが91.9102.4%です。回収率は、SKC社のものが85.8106.7%です。添加量の5.74の所は100.3%で、頭の「1」が抜けております。ガステック社製のものは回収率は90.2%~97.3%というところです。定量下限については、どちらも同じで0.03ppmということで、ACGIHTLV50ppmに対して、1,000分の1の濃度まで測定ができるという結果であったということです。以上です。

○名古屋座長 2つ配られたのは、データを見るとガステックのほうが良さそうなのですが、先ほど2つあったものは日本のほうが良かったので、それを書いたのですが、こちらは2つともそこそこ同じだから並記したという形です。

○中央労働災害防止協会 入手のしやすさであるとか、値段といった問題が絡んでくるということだと思います。159ページにその辺りのことが記載されております。

○原委員 175ページの最後の所に蒸気圧の値を書いていただいたほうが有り難いですね。

○中央労働災害防止協会 物性の所ですか。

○原委員 はい。

 戻りますが、133ページのジエチルケトンの蒸気圧は2kPaですね。単位がないので書いていただいたほうがいいと思います。

○中央労働災害防止協会 はい。

○原委員 ビニルトルエンのほうが一般的なのですかね。私はメチルスチレンと言われたらすぐには分かるけれども、ビニルトルエンと言われると。どうなのですかね。

○圓藤委員 先ほどのブテノールもクロトンアルデヒド。

○原委員 何が正しいのかもよく分からないですけれども。

○北村化学物質情報管理官 名称はSDSの名称が政令で定まっているので、そちらを引用しております。流通している物質の名称が、どちらがよく使われているかということでは選択していないので。

○原委員 すみません、大きな問題ではありません。

○名古屋座長 171の所ですが、この辺については私はよく知らないのですが、異性体があるので単一ピークでグルーピングして作成したというのは、これはこれでよろしいのですか。

○圓藤委員 1つのピークにはならないということですね。

○名古屋座長 ならないです。ですから、足すのでしょうね。

○圓藤委員 それは無理でしょうね。

○名古屋座長 問題がなければ結構です。そうしましたら、本来的には資料3までいかなくてはいけなかったのですが、思いのほか長く掛かり、次回によろしくお願いします。進行が悪くて申し訳ありません。資料4へいっていただきます。お願いします。

○北村化学物質情報管理官 資料4です。今回、議題3が議論できませんでしたので、次回の68日に開催する予定の第2回の検討会において審議していただこうと思っております。ばく露評価小検討会は第2回が68日(月)の1530分、第3回が615()1530分、どちらも厚生労働省内の会議室を予定しております。これとは別に、有害性検討会との合同の会議ですが、第1回が619()3時半から、第2回が77日の3時半から、第3回が721日の3時半からと、3回分予定しております。

○名古屋座長 これからあと5回あるということです。次回の委員会ではグルタルアルデヒドもきちんとしたデータが出てきます。資料を見ていただくと、比較的議論をするところは少ないかと思いますので、できると思います。次回はきちんと時間内に終わりたいと思いますので、よろしくお願いします。以上で終わりたいと思います。本日はありがとうございました。


(了)

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