ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働基準局が実施する検討会等> 平成27年度化学物質のリスク評価に係る企画検討会> 化学物質のリスク評価に係る企画検討会(第1回)(2015年4月23日)




2015年4月23日 化学物質のリスク評価に係る企画検討会(第1回)

労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

○日時

平成27年4月23日(木)10:00~


○場所

経済産業省別館3階302会議室


○議事

○平川化学物質評価室長補佐 本日は大変お忙しい中、御参集いただきまして誠にありがとうございます。定刻になりましたので、ただいまより平成27年度第1回化学物質のリスク評価に係る企画検討会を開催いたします。本日、委員の皆様におかれましては全員出席ということです。

 それでは、櫻井先生に座長をお願いすることといたします。以下の議事進行をお願いいたします。

○櫻井座長 議事進行を務めますので、よろしくお願いいたします。まず最初に、事務局から本日の資料の確認をお願いいたします。

○平川化学物質評価室長補佐 配布資料一覧に沿って本日の配布資料の確認をさせていただきます。資料1-1は「労働者の健康障害防止にかかる化学物質のリスク評価方針(平成27年度)()」です。資料1-2は「平成27年度におけるリスクコミュニケーションの進め方()」です。資料2は「リスク評価対象物質・案件選定の考え方」です。資料3は「通知対象(SDS)新規候補物質」の()です。委員の皆様方におかれましては会議の進行途中に机上配布資料を配布する予定ですので、その点御承知置きください。これについては、ACGIHの勧告理由書の内容についての机上配布を予定しております。資料4は「今後の予定」です。今後の第2回、第3回の企画検討会の予定ということです。参考資料1は「化学物質のリスク評価に係る企画検討会開催要綱」が表、裏面が参集者名簿です。参考資料2は「これまでのリスク評価の進捗状況一覧」です。参考資料3は「平成27年度リスク評価の実施予定について」。参考資料4は「リスク評価の進捗状況」です。参考資料5は「リスク評価進捗及び27年度の予定」です。以上の資料ですが、不足等ありましたらお申し付けください。

○櫻井座長 皆様、お手元に資料はそろっておられるようですので、本日の議事に入ります。最初の議事、平成27年度リスク評価方針()について事務局から説明をお願いします。

○平川化学物質評価室長補佐 リスク評価方針()について説明いたします。資料1-1です。職場における化学物質の取扱いによる健康障害の防止を図るためには、事業者が自らの責務として、ばく露防止対策を講ずる等の自律的な化学物質管理を適切に実施すること。これが基本ですが、中小企業等においては自律的な化学物質管理が必ずしも十分ではないといったことから、平成18年度から、国は、重篤な健康障害のおそれのある有害化学物質について、労働者のばく露状況等の関係情報に基づきリスク評価を行い、健康障害発生のリスクが高い作業等については、リスクの程度に応じて特別規則による規制を行う等のリスク管理を講じてきております。

 これまでの実績については、参考資料2に付けております。これは、有害物ばく露作業報告の対象物質について、物質ごとに評価の状況をまとめております。参考資料4は、リスク評価の進捗状況について有害物ばく露作業報告から法規制までの一連の状況が経年的に分かるものということで付けております。

 資料1-1に戻ります。リスク評価方針の1つ目、「各検討会におけるリスク評価」です。(1)「化学物質のリスク評価に係る企画検討会」において、今般、6つの事項を検討することといたします。1リスク評価に係る方針の策定ということで、本日御検討いただくものです。2リスク評価対承物質の選定ということで、リスク評価対象物質の選定作業を平成27年夏頃までに実施することにより、平成29年の有害物ばく露作業報告の対象物質を、平成2712月までに告示を発出すべく定めることとするものです。3スクリーニングとして行う中期発がん性試験の候補物質の選定についてです。遺伝毒性が強い化学物質や、in vitro形質転換試験、遺伝子の発現量測定による発がん性予測試験等で、がん原性がある可能性のある化学物質から選定することとなります。4長期発がん性試験の候補物質の選定です。企画検討会では、上の3で中期発がん性試験の候補物質を選定することとし、その試験の結果、陽性のものを長期発がん性試験の候補とするという仕組みにしたのですが、物質の特性上、中期発がん性試験が実施できない物質であっても、遺伝毒性の強さや蒸気圧等の物理化学的性状、社会的必要性等に鑑みると、長期発がん性試験の候補物質とするのが適当であるという物質も存在しております。このため、去る319日の企画検討会において、これらの要素を総合的に判断の上、長期発がん性試験につながるフィージビリティー試験の対象物質を選定することを再開することとする旨、報告させていただいております。4の追加はその趣旨です。

5リスクコミュニケーションの推進ということで、リスク評価に関する関係者間の相互理解を促進するため、労働分野におけるリスクコミュニケーションの実施について検討するものです。後ほど室長から説明させていただきます。6は、前回の企画検討会から行っている労働安全衛生法施行令別表第9に追加する化学物質等の検討を行うというものです。

(2)「化学物質のリスク評価検討会」における取組について説明いたします。2ページです。平成26年度に引き続き、化学物質のリスク評価の加速化を図るため、事業場におけるばく露実態調査を年間を通じて実施し、そのリスク評価を前後半の2回に分けて実施します。今後の検討対象物質については、参考資料3を御覧ください。こちらに○を付けました27物質を、当面、リスク評価に取り組むものと考えており、平成27年度には、その中から20物質程度を目途にリスク評価を行うことを考えております。これらのうち*を付けたものは夏までに評価を行いたいと考えております。参考資料5は、これまでのリスク評価の進捗と、今年度取り組もうとしている物質の関係をまとめております。このように、年度内に初期評価と詳細評価を合わせておおむね20物質について行う予定です。評価に際し、結論が出ていないものについては、委託事業の中で追加調査等を実施するか、得られている状況で評価を実施するかという課題があります。

 また、この検討会に引き続き2つの小検討会を設置することといたします。1「有害性評価小検討会」においては、国内外の疫学、毒性等に係る情報を基に、今後、初期リスク評価を行う物質の有害性評価を行うとともに、発がん以外の有害性から選定した物質の一次評価値について引き続き検討を行うものです。また、国が、日本バイオアッセイ研究センターに委託した長期がん原性試験の結果についても評価を実施するものです。

 一方、平成25年度からは、発がん性に重点を置いた化学物質の有害性評価の加速を図るため、「発がん性評価ワーキンググループ」と「遺伝毒性評価ワーキンググループ」を新たに設け、既存の情報、知見に基づく発がん性の評価及び遺伝毒性の評価を行うとともに、各種の発がん性スクリーニング試験、その中には中期発がん性試験、微生物を用いる変異原性試験(エームス試験)Bhas42細胞を用いる形質転換試験といった試験の対象物質の選定と試験結果の評価を行うこととしております。

2「ばく露評価小検討会」においては、「労働者の有害物によるばく露評価ガイドライン」に沿って、平成27年度までにばく露実態調査を終了したものの中から、20物質を目途に評価を実施いたします。評価に当たり、必ずしも全ての対象物質のリスク評価に関して結論が出るとは限らず、結論が出なかったものは委託事業の中で追加調査を実施するか、得られている情報で改めて評価を実施するかという点があり、物質数は上下する可能性があります。また、今後、リスク評価を行う物質の測定分析法についても、委託事業により一定の方法が示されたものについて、リスク評価のばく露実態調査に利用することができるかの検討を行います。

(3)「化学物質の健康障害防止措置に係る検討会」です。化学物質のリスク評価検討会において取りまとめられる「化学物質のリスク評価検討会報告書」を踏まえて、関係事業者、保護具メーカー等からヒアリングを行うなどして、最新の技術開発動向や、規制の導入に当たって考慮すべき事項を積極的に聴取し、円滑かつ適切な健康障害防止措置の導入を目指すための検討を行うものです。物質ごとに健康障害防止措置の検討を行うとともに、その結果について、「化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会報告書」に取りまとめ、法令改正に反映させ、労働者の遅発性疾病リスクの減少につなげるものです。また、有害性評価小検討会において行われる国のがん原性試験結果の評価を踏まえ、必要に応じ、労働安全衛生法第28条第3項の規定に基づく指針、がん原性指針と言われていますが、これに関連する技術的検討も行うことといたします。

2「リスク評価に係る情報提供等の推進」です。規制措置の導入に際して、パブリックコメントを通じて国民の意見を積極的に募集するとともに、3ページですが、リスク評価の節目にリスクコミュニケーションを実施し、意見交換やパンフレットの作成といったものを通じて、国民に分かりやすい情報提供に努めるものです。このほか、ばく露実態調査のために策定された測定・分析法についても積極的に情報提供し、事業者自らのリスク管理導入を支援することに取り組みます。以上が資料1-1の説明です。

○櫻井座長 資料1-2についての説明を。

○平川化学物質評価室長補佐 引き続きでよろしいでしょうか。

○櫻井座長 個別にまいりましょうか。

○角田化学物質評価室長 まず、資料1-1で御議論を頂きたいと思います。

○櫻井座長 そうしましょう。いかがでしょうか。今、御説明いただきました資料1-1の平成27年度リスク評価方針()についてです。

○堀口委員 資料1-2にも関連してくるのですが、リスク評価の情報提供と、リスクコミュニケーションという言葉なのですが、概念としては、リスクコミュニケーションのほうが情報提供よりも広い概念なのです。資料1-2を見ると「リスクコミュニケーションの進め方」と題名が書いてあって、資料1-1だと、2ページの一番最後の2に、「リスク評価にかかる情報提供等の推進」と書いてあるのですが、概念としてはリスクコミュニケーションのほうが、意見交換を含めて概念が広いので、2番の「リスク評価にかかる情報提供等の推進」というのを「リスク評価にかかるリスクコミュニケーションの推進」としていただいて、内容的には、情報提供ということがその後の5行に書いてあるので、そちらのほうがしっくりくるのではないかと思います。

○櫻井座長 いかがでしょうか。適切な御意見であるように思われますが、よろしいですか。では、そのような修正にしていただきたいと思います。

○平川化学物質評価室長補佐 確認させていただきます。「情報提供」の所を「リスクコミュニケーション」に置き換えるという理解でよろしいでしょうか。

○櫻井座長 「情報提供等」までを含めて、それを「リスクコミュニケーション」。

○堀口委員 そうです。

○平川化学物質評価室長補佐 「情報提供等」の5文字を「リスクコミュニケーション」に改めるということでよろしいでしょうか。

○堀口委員 はい。

○平川化学物質評価室長補佐 かしこまりました。そのような形で修正をさせていただきます。

○櫻井座長 よろしくお願いします。そのほか何か御意見、御質問等ありますか。

○佐藤委員 1ページの(1)の一番下の6通知対象物質の検討は、今回新たに追加された項目であり、この内容について異議があるわけではなく、賛同しているわけですが、実際に別表第9への追加がなされる場合、本検討会での検討を踏まえた上で、最後は労働政策審議会の安全衛生分科会の所掌になろうかと思うのですが、手続的には諮問という形になるのか、若しくは報告といった形で、報告書を出されて進めていかれるのか、今、事務局が想定されている進め方を確認させていただければと思います。

○森戸化学物質対策課長 形的には諮問という形になると思います。ただ、こちらの検討会のほうで、ある程度、こういったものについて追加を検討すべきであるというような報告書を作っていただいて、その報告書を受けて諮問をし、審議会のほうでそのとおりだという答申がなされれば、その手続が開始されるという進め方になると思います。

○佐藤委員 ありがとうございます。

○櫻井座長 ほかには何かありますか。特段ないようですので、ただいまの資料1-1に書いてありますリスク評価方針(平成27年度)については、この()の一部、先ほど「情報提供等」を「リスクコミュニケーション」に修正した上で、平成27年度のリスク評価方針とするという結論にしてよろしいでしょうか。

(了承)

○櫻井座長 では、そのようにさせていただきます。 続いて、資料1-2の説明をお願いいたします。

○角田化学物質評価室長 5ページの資料1-2を御覧ください。「平成27年度のリスクコミュニケーションの進め方」です。これは昨年度、平成26年度ということで御審議いただいたものをベースにしており、若干の修正をしておりますが、それは修正箇所で御説明いたします。

 冒頭ですが、リスクコミュニケーションは、単に国が決めたリスク低減措置について一方的に説明を行い、その内容に理解を求めるというものではなく、リスク評価の開始からリスク低減措置の導入に至る各段階において、利害関係者の双方向の情報交換や対話を通じて相互理解を促進し、適正なリスク低減措置を取りまとめ、措置の円滑な導入を図ることを目的としております。

 このことから、平成27年度においても、引き続き双方向の意見交換の促進を基本にリスコミを実施することとし、各段階において行政手続法に基づく意見募集(以下「パブリックコメント」という)を実施するとともに、意見交換会を開催することとするということです。

 まず1「パブリックコメント」ですが、国におけるリスク評価において、対象物質の追加選定、リスク評価を踏まえた健康障害防止措置の導入等が予定されていることから、各段階において行政手続法に基づく意見募集を実施する。実施方法ですが、パブリックコメントの実施に当たっては、専門家による検討会等における検討結果等の情報提供を併せて行なう。また、パブリックコメントの実施について、関係事業者団体への周知を行い、意見の提出の機会が確保されるよう配慮するとともに、ここで示された疑問、意見等に丁寧に対応するというものです。

2「意見交換会」です。まず開催時期です。これについて若干の修正をさせていただいております。リスク評価結果を踏まえた健康障害防止措置の検討及びその制度化に当たって、関係者の意見を幅広く反映させる観点から、次の時期に年間3回リスコミを開催することとするということで、1リスク評価結果公表後に1回、2健康障害防止措置の検討以後に2回と整理しております。昨年お諮りしましたものについては、2の所が「健康障害防止措置の検討期間中」と書いていたのですが、それを「検討以後」と直した理由は、実際上、健康障害防止措置の検討が、例年では夏から、昨年ですと年末ぐらいまでかかることがありまして、当然、その中で調整ができればその期間中も開催することもありますが、昨年度においては、その取りまとめに若干、時間を要したということもあり、それが終了した後、それを踏まえてリスコミを開催しているということもありますので、そういったことが読めるようにということで、検討中とその後もという意味で、ここの所を修正させていただいております。「検討期間中」と書いてあったものを「検討以後」と修正したというものです。

 本文のほうでも、1行目に「健康障害防止措置の検討に当たって」と書いていたのですが、その措置検討が終わって制度化していく過程でも、いろいろリスコミの御意見を反映して変わることもありますので、「及びその制度化に当たって」を入れたということです。これが修正案で、御意見を頂ければと思います。

(2)開催要領です。効率的・効果的な開催方策ということで、平成26年度の3回の会合は、一般募集型の国のリスク評価全般の説明を目的とするリスコミとして、これに関する講演者の説明の後、事前又は当日参加者から募集した質問・意見に応える形でパネルディスカッションを行い、意見交換を実施しました。平成27年度においては、以下の点に留意し、効率的かつ効果的な開催に努めることとするということです。

 まずは参加者の募集です。地方開催については、特に参加者への周知が必要であり、「全国産業安全衛生大会」や「日本産業衛生学会」等に開催情報を提供するとともに、消費者団体等、幅広に情報提供することを考慮するというものです。

2番目が、開催地及びテーマの設定ということで、テーマごとに参加者の利便性を考慮した開催地を選定することが重要。平成27年度においても、地方の事業者の参加が容易なよう、東京のほかに主要地方都市での開催を検討する。平成26年度は、1回、大阪で開催しておりますが、同じように主要地方都市での開催を検討する。それから、関係事業者の参集しやすい場所、機会に開催することを考慮するというものです。

3つ目は、会合の持ち方です。開催時間は、最大でも現在実施しているリスコミ時間、全体で3時間で、意見交換は1.5時間という方式とするというものです。意見交換の方式は、参加者から当日募集した質問・意見に応える形で、パネルディスカッションを行う現行方式が有効と考えるため、出席者から意見・質問が出しやすいよう、あらかじめ質問・意見提出用紙等を配布する方式とする。参加者については100名程度の会合とするというものです。

(3)その他です。リスクコミュニケーションの普及促進の観点から、国は事業者、業界団体にリスコミの開催を呼び掛けるとともに、事業者等の主催するリスコミへの講師派遣、資料提供等を行うなどして連携の強化を図ることとする。また、国はリスコミに係るPDCA(PlanDoCheckAct)サイクルを成立させるため、リスコミの事業評価を行う必要がある。評価手法の1つとして、リスコミ会合参加者へのアンケートを行っておりますが、次年度においてもアンケートやパネラーへのインタビュー等の結果を踏まえ、ニーズにマッチした効率的・効果的な開催を行うこととするということです。

3「パンフレット」です。リスク評価対象物質の周知や、リスク評価を踏まえた健康障害防止措置の導入に当たっては、その趣旨をパンフレット等に記載し、相互理解を促進するとともに、意見交換会で特に質問、意見が多かった議題、案件については、制度改正を説明するパンフレットにQ&Aを掲載し、改定の際に更新する等、情報提供の方法を工夫することが必要であるということです。

 御説明は以上ですが、修正点としましては、先ほど申し上げました開催時期の部分を主に変更しております。あとは若干、字句の間違いと修正もありますが、修正箇所は以上です。

○櫻井座長 いかがでしょうか。まず修正箇所について、あるいはそれ以外でも結構です。

○堀口委員 意見交換会に参加させていただいて、そこに参加している方々から何度も出てきている御意見として2つあるのではないかと思っています。1つは、ホームページです。大分見やすくなっているのですが、どこから出てきますかというようなことが言われているので、項目立てとして「パブリックコメント」「意見交換会」「パンフレット」と3つになっているのですが、やはりホームページの見やすさと充実を1つ言っておかないといけないのかなと。ですので、4番目に「ホームページ」と書いて、多分そこには、こういう会議の資料を迅速に提供するとか、見やすい工夫をしていくというようなことが書かれていることが重要ではないか。

 「パンフレット」の4行の意味が、今、余り理解できずにいるのですが、前回、近々の意見交換会で、確か会社の人が社員に説明するような媒体も厚労省のほうから何か原案のようなものを出してもらえると、自分たちが社員の人に説明しやすいという意見が出ていたと思います。ですので、それがこの4行で読み込めるかどうかがちょっと分からないのですが、情報提供の媒体としてパンフレットがありますと。それは、厚労省のことを伝えるだけではなく、その先の会社に向けたというか、実際に働いている人にも分かりやすいものを作るというようなところが1行入っているといいのではないかと思いました。以上2点です。

○角田化学物質評価室長 今、2点ありました。1つ目のホームページについては、先生の御意見としては、4番目に。

○堀口委員 「ホームページ」と。

○角田化学物質評価室長 「ホームページ」ということで1項設けて、その整備を、分かりやすいということを。

○堀口委員 23行で分かりやすく、また、最新の情報を載せていますということをきちんと言いつつ、分かりやすく、見やすい工夫をしていきますと書けばいいのではないかと。

○角田化学物質評価室長 分かりました。そこは検討させていただいて、また御連絡したいと思います。

2点目で、会社の人が説明できる媒体ということで、これは確かにそういう御意見も出ておりましたのでが、そういったものが載せられるように工夫はしていきたいと思います。

 実は、昨年、改正施行になりました有機溶剤の関係のパンフレットや、昨年、DDVPもあったのですが、特に有機溶剤の関係は非常に物質数も多くて、いろいろと中身が理解しなければならない部分も多かったものですから、ホームページの改正の部分に、そういう御説明用資料という形で、結構ボリュームのあるものを載せて、こういったものを活用してくださいということも書いてあるのですが、そういったものを、また今年度もいろいろ改正を予定しておりますので、そういうものを作るということも検討しまして、またPRのほうも進めていきたいと考えております。

○堀口委員 せっかく作っておられるので、作っていますというのがここに分かるようにしておいたほうがいいのではないですか。せっかく労働者のために厚労省がやっているのだから、それはやはり、やっていますということを明記しておいたほうがいいと思います。

○角田化学物質評価室長 分かりました。

○山口委員 今おっしゃった件で、有機溶剤の改正については、非常に複雑な部分がありまして、私もホームページのほうで今おっしゃった資料を皆さんに紹介しましたら、やはりそちらのほうがはるかに分かりやすいということで、単にパンフレットだけではなく、いろいろな場で分かりやすく説明した資料を今後も作っていただければ、産業界としても皆さんに非常に御説明しやすい。皆さんに説明して、また皆さんに持って帰ってもらって、会社でも説明いただきますので、今後とも是非こういった資料の作成に努めていただけたらと思います。

○角田化学物質評価室長 分かりました。

○櫻井座長 ほかに何かお気付きの点はありますか。特にないようですが、毎回少しずつ大変意義のある御意見が出て、改善されてきております。今回の御意見は2つのポイントがありましたが、パンフレットの部分の4行の修正、それから、4としてホームページの存在があると思いますので、それについては文案等をお作りいただいて、それを含めてこの()については方向として御賛成いただけますか。

(了承)

○櫻井座長 では、そのようにさせていただきます。最後のところの修正のものは次のときぐらいに出してくださればと思います。

○角田化学物質評価室長 分かりました。

○櫻井座長 先に進みます。続きまして、今年度のリスク評価対象物質・案件選定の考え方について、事務局から説明をお願いいたします。

○平川化学物質評価室長補佐 事務局から説明いたします。資料2です。リスク評価対象物質の選定については、今年も7月頃の企画検討会で検討していただくことになろうかと思います。それに先立ちまして、基本的な考え方について、この場で説明させていただければと存じます。

 これは平成21年に定めており、平成25年に一度改定しており、今回一部修正させていただければと考えております。今後のリスク評価の対象物質・案件については、次の1.(1)から(3)のいずれかに該当するものの中から選定することになっております。(1)ですが、「ヒトに対する重篤な有害性を有する又は有するおそれのある化学物質・案件として以下に該当するもの」ということで、アとして「有害性に係る次の()から()の情報において、以下の1から5に掲げる重篤な有害性があるか又はあることが示唆される化学物質・案件」ということです。()国際機関又は外国政府の有害性に係る分類・情報、()国内外の産業衛生に係る学会等における有害性に係る分類・情報、()国内外の主要な学術誌に掲載された論文、これらは従前のとおりです。()については、国が実施した吸入ばく露試験の結果のみ記載しておりましたが、中期発がん性試験の結果、陽性となったものもリスク評価の対象とすることを検討することとしておりますので、その旨、追加したものです。

 これらの中から1発がん性、2生殖毒性、3神経毒性、4ヒトの生体で蓄積性があり、蓄積することにより疾病を発生する毒性、5その他ヒトに対して非可逆性の障害を発生させる毒性という、この5つの毒性それぞれについて対象としております。なお、有害性の程度が低く、かつ、当該物質の物理的性状から見てばく露程度が低いと判断されるものについては、リスク評価の対象から除外しても差し支えないものとするということです。

 もう1つの重篤な有害性に関するものとしては、イとして「労働に伴う疾病に関する次の()()の情報において、化学物質による疾病が増加し、又は増加するおそれが示唆される化学物質・案件」ということで、()労働災害の発生等に係る情報、()大学、医療機関、国の試験研究機関等に所属する有識者からの疾病の発生に係る情報ということで、これらのヒトに対する重篤な有害性を有するものについては対象とすることとしております。

(2)国内における健康障害防止措置等に関する次のア、イの情報において、当該措置について問題が生じている又は生じるおそれが示唆される化学物質・案件ということで、アとして労働安全衛生に係る行政からの情報、イとして労働安全衛生団体等からの情報について、健康障害防止措置に関することで情報があったら対象ということにしております。

(3)国内において、有害性に係る懸念・不安が広がっているものとして、次のア、イに該当する化学物質・案件ということで、パブリックコメントその他でリスク評価の要望が多かったもの、最近マスコミ等において取り上げられる頻度が高いものということです。なお、当該条件に該当するものについては、有害性評価を先行して実施し、労働者等に対して正確な情報提供を行うこととするとしております。

2.なお、以下の(1)(2)に該当する場合にあっては、対象物質・案件から除外するものとするということですが、(1)として、国内における製造又は取扱いがない場合や僅かである場合、(2)は、既に法令等により適切な対策が講じられている場合です。

3.リスク評価の円滑な推進に当たって、リスク評価対象物質・案件数を絞り込む場合に当たっては、専門家の意見を踏まえ、ヒトに対する有害性の確度の高いもの、有害性の程度、物理的性状等から見てリスクの高いもの及び対象物質を取り扱う事業場、労働者数から見て影響度の高いものを優先的に選定するということで考え方を示しております。

4.として、もう1つの基本的な考え方です。ここについても、若干修正しております。労働安全衛生法においてSDSの交付又は表示の対象物質となっていないため、事業者が取り扱った製品に対象物質が含まれているかいないか確認できない場合等、ばく露調査を実施する上での支障が生じるものについては、SDSの交付の対象又は表示の対象となった段階で、リスク評価の対象とすることとしておりますが、今般、SDSの交付については、労働安全衛生規則第2415の規定において、GHS分類ができるものについては通知をすることが努力義務とされております。このため、4.1行目の括弧書きの所に規則第24条の15を追加し、SDSが努力義務のものについても、リスク評価の対象としうるようにするものです。既に昨年度に、SDS交付義務の対象でない1-ブロモプロパンについて、リスク評価の対象として告示をしておりますので、それに合わせた修正とも言えるかと存じます。また、有害性に係る懸念・不安が広がり、正確な情報を提供することが必要な場合にあっては、有害性評価を先行して実施し、情報提供を行うものとしております。以上、簡単ですが資料2の説明とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○櫻井座長 この考え方()について、御質問、御意見等ありましたらどうぞお願いいたします。

○角田化学物質評価室長 今の説明のとおりですが、昨年版と比べて2点ほどの修正があります。その1つ目が先ほどありました(1)のアの()の所で「国が実施した吸入ばく露試験等の発がん性試験」、これは従来「吸入ばく露試験等」だけで書いていたのですが、平成25年度から中期発がん性試験をやっておりますので、こういったものも踏まえて、陽性になってくればリスク評価の対象とすることも検討することになっておりますので、それが読めるようにしたというのが1点です。もう1つは、先ほどの4.の所で、SDSの対象となっていない、SDSが努力義務になっているものについても、リスク評価の対象とすることができるように直したと、この2点がメインです。

○櫻井座長 ただいまの修正点を含め、何か御意見がありましたらお願いします。特にないようですが、よろしいでしょうか。この案をもちまして、平成27年度のリスク評価対象物質・案件選定の考え方とするということで、よろしいですか。

(了承)

○櫻井座長 そのようにさせていただきます。

○角田化学物質評価室長 7月にまた選定の検討会を開催させていただくのですが、そのときにはこの「リスク評価対象物質・案件の選定の考え方」にのっとりまして、発がん性なり、あるいは生殖毒性なり、神経毒性、こういったものを踏まえて事務局で案を整理して、またお諮りする形にしたいと思います。そのときはまたよろしくお願いいたします。

○櫻井座長 次へ進みます。議題3です。事務局から説明をお願いいたします。これは前回からの継続で、1物質ごとに区切って御説明いただき、それについて検討、審議をお願いするわけです。テーマは、労働安全衛生法施行令別表第9への追加の物質です。その候補の案ということです。

○柳川化学物質国際動向分析官 私のほうから資料3を使って、通知対象物質の新候補物質について説明いたします。資料に入る前に1点御了解を頂きたいことがあります。前回この資料をお出しするときに、全体で対象37物質と申し上げていたのですが、1物質見落としがありまして、今回38物質になっております。具体的には目次をご覧ください。5ページですが、(37)N-メチル-2-ピロリドンの項が付け加わっておりますので、御了解いただければと思います。

 また、1点、ご報告ですが、ご検討頂いているのは別表第9の追加であり、現時点においてはSDSの対象となるわけですが、現在、SDSの対象物質については表示及びリスクアセスメントの対象にもするということで準備を進めております。そうなりますと通知対象のみならず、表示及びリスクアセスメントの対象にもなるわけですが、先週、このことに関してパブコメが出ており、この中でこういったことが書かれております。「表示対象物質のうち、譲渡又は提供の過程において、固体以外の状態にならず、かつ、粉状にならないこと、その他、厚生労働省令で定める要件を満たすものについては、労働者の危険又は健康障害を生じるおそれがないものとして表示義務の対象から除く」とされています。すなわちSDSの対象になったとしても、固体であって、かつ、粉状にならない形で譲渡・提供する場合については、表示の義務対象にはならないということを、現時点における案として出しておりますので、報告いたします。また、前回、御希望のありましたACGIHの資料なのですが、準備が遅れておりまして、この議論の途中で配布させていただくかもしれませんので、御了解いただければと思います。

 内容に入ります。前回、11ページの(3)ブテン(全異性体)の途中までいっていたわけですが、私のほうのご説明が悪かったために、誤解をされた向きがあったかもしれませんので、改めてご説明させて頂きます。これは、アのブテンというのは、その後ろに出てくる4つの異性体(2-ブテンだけは2つの異性体が1ページにまとめてありますが、)4つの異性体の混合物です。すなわち個々の異性体についてのモデルSDSは作成していますが、混合物としてのモデルSDSはないということです。ここの異性体については、この後ろにイ、ウ、エと出てきますが、全て特定標的臓器・全身毒性の単回ばく露において区分3で麻酔作用が出ていますので、結果的に混合物としてのブテンについても麻酔作用があるということになります。ACGIHTLV-TWATLV Basisですが、Body weight effと書かれています。これについて、12ページの左側にACGIHの報告書をごく一部、引用しています。これを御覧になっていただければ分かりますように、雌のマウスに2,000ppm105週ばく露させたところ、体重増加の欠如が見られたということと、5,000ppm以上ばく露させた雌雄のラットでは、食餌量の減少と体重増加の減少が見られたということですので、ACGIHTLVは体重減少によっているもののようです。私からの説明は以上です。

○櫻井座長 いかがでしょうか。これは4つの異性体の混合物ということなのですが。

○山口委員 3つの異性体の混合物ということであれば、ブテンそのものとしてのSDSという必要性はないのではないですか。それぞれのSDSがあって、もし混ざっていれば、その3つを付けてもいいし、混合物として評価してもいいわけですよね。

○柳川化学物質国際動向分析官 そうです。現行法令でもそのような解釈がされておりますので、何の問題もありません。

○山口委員 そういうことですよね。

○柳川化学物質国際動向分析官 はい。

○櫻井座長 ガスですね。それで、麻酔作用があるわけですね。混合物の所にはそれが書いていないけれども、個別の物質についてはそうなので、先にイ、ウ、それぞれ2-ブテン、1-ブテンのほうを検討して、それから入ると。

○柳川化学物質国際動向分析官 まとめて御検討いただいてもよろしいのかと思いますけれども。

○櫻井座長 そう思いますが。次はイの2-ブテンですね。

○柳川化学物質国際動向分析官 これも基本的な内容は今御説明申し上げたことと同様ですが、用途につきまして、ここに書かれているような様々なものの原料、あるいは燃料になるということ。それから、製造・輸入量についてはかなり多く、100万トン近くあるという形になっております。

○山口委員 毒性の確認ですが、この内容を見ますと単回ばく露で全身麻酔の作用があるということですが、許容濃度自体は結構高い値ではありますよね。私の理解としては、吸って急性毒性的に麻酔作用で、ちょっと意識が混沌とする場合があるということで、そういった場合に2次的に転んだり、作業場で何か妙な行動をしたりということは理解できるのですが、そのものとしてはそんなに重篤性のある毒性ではないと思うのです。ただ、現場で麻酔作用等が起こりますと、最近そうですが、転倒災害でもそうですが、くだらないことで転んで怪我をしますので、そういう意味では必要性はあるかと思います。この毒性の説明がどういったものか、SDSにはどういった注意喚起が必要かというところを説明いただく必要があるかと。というのは、これはかなり量を使っていますので、SDSのみならず、ラベルにも関係するわけですよね。場内表示にも関係するわけですよ。そうすると、産業界としてはかなり波及する部分が多いので、しっかりとした毒性の意味合いを伝えていただきたいと思います。単純に見ると、許容濃度がかなり高いわけです。普通のプラントでは、まず250ppmの状態で、そういう所に接することはほとんど考えられないのですが、プラント以外のところで何か扱ったときに、そういった意識が混沌とした場合などはやはり危ないと思いますので、この辺は十分に説明いただきたいと思います。

○櫻井座長 漏洩事故等で、結構、高濃度になってしまうと、短時間の麻酔ということが起こり得ると。そういう御指摘で、説明もそういうことが十分含まれている必要があると。

○山口委員 そうですね。単純に毒性というだけではなくて、そこからどういったリスクが考えられるのかというところまで説明いただくと、使う側がより注意深く使えるということです。

○櫻井座長 そうしますと、イの2-ブテンについては付け加えることにして、皆様よろしいですか。賛成いただけますか。

(了承)

○櫻井座長 次のウ、1-ブテンはいかがでしょうか。

○柳川化学物質国際動向分析官 1-ブテン、ほぼ同じですが、用途が若干違っているという程度のことです。ほかはほぼ同じです。

○櫻井座長 ほぼ同じですね。これも全く同様に麻酔作用が最大の問題だと思われます。これについても別表9に加えるということで、よろしいですか。

(了承)

○櫻井座長 御異存ないようです。エのイソブチレンは。

○柳川化学物質国際動向分析官 これもほぼ同じなのですが、TLV-TWATLV Basisについて、上気道刺激性が加わっていると。

○櫻井座長 上気道の刺激が加わっている。

○柳川化学物質国際動向分析官 それだけ違っています。あとは用途がかなり違っておりますが、その程度です。

○櫻井座長 それ以外は同じですね。

○柳川化学物質国際動向分析官 はい。

○櫻井座長 これも前2つの物質と同様に別表9に加えるということでよろしいでしょうか。

(了承)

○櫻井座長 御異存ありませんので、そのように確定いたします。最初に返って、トータルの異性体の混合物。

○柳川化学物質国際動向分析官 これは法令の書き方で、「要はブテン(全異性体)」と書くか、個別に書いていくかということですので、全体についても当然認められたということでよろしいかと。

○櫻井座長 そういうことだろうと思いますので、よろしいですか。

○宮川委員 特に全体として1つにまとめていただかないと困る場合、想定ですが、混合物の場合で、何パーセント以上含まれていれば表示するとか、区分するというようなJISGHS上の規則があると思いますし、法令上の規則もあると思いますので、そこがバラバラで見れば超えていないから大丈夫なのだという扱いをされると、よろしくないのかなという場合もあると思いますので、混合物全体でというのも必要なことかという気がいたします。

○柳川化学物質国際動向分析官 法令の作成に当たり参考にさせていただきます。

○櫻井座長 アは異性体のみの混合物。

○宮川委員 混合物と言いましたが、異性体を含めて、トータルの濃度がということで判断していただく場合が必要かと思います。

○柳川化学物質国際動向分析官 要は別表第9に書くときに、「ブテン(全異性体)」と書くなど、書き方を1つにまとめるということですよね。

○宮川委員 はい。

○櫻井座長 よろしいでしょうか。(3)のブテンについては別表9に加えるという御結論を頂きました。次に進めてください。

○柳川化学物質国際動向分析官 次に17ページ、(4)テトラヒドロメチル無水フタル酸は、物理的化学的性状は液体で、融点が-38℃、沸点150℃、蒸気圧が10.1mmHgというものです。用途はここに書かれているようなものですが、製造・輸入量は年間で7,0008,000トンになっております。TLV-TWAは定めておりませんが、許容濃度はかなり低い値で定められており、気道の感作性が1になっていることが理由です。GHS分類は、急性毒性(経口)4、皮膚腐食性・刺激性が2、眼に対する損傷・刺激性が2A、呼吸器感作性が1、皮膚感作性1、特定標的臓器・全身毒性の単回ばく露が区分3で、麻酔作用と気道刺激性となっております。以上です。

○櫻井座長 いかがでしょうか。ACGIHでは含まれていないけれども、日本産業衛生学会の許容濃度は非常に低い。しかも、ヒトに対する、気道に対する感作性の証拠があるということで、非常に厳しい取扱いになっております。これは当然こういうものですので、別表9に追加すべきであるという結論かと思いますが、よろしいでしょうか。

(了承)

○櫻井座長 それでは、そのようにいたします。次をお願いします。

○柳川化学物質国際動向分析官 次に19ページの(5)エチレングリコールモノブチルエーテルアセタートです。形状は無色の液体で、特有の臭気があります。融点が-63℃、沸点が192℃、蒸気圧が0.375mmHgとなっております。用途は塗料、インキ溶剤、皮の仕上げ塗料といったもので、製造・輸入量が約1,000トンとなっております。TLV-TWA20ppmで、そのBasisは溶血になっています。GHSの分類が急性毒性(経皮)が区分4、特定標的臓器・全身毒性の単回ばく露が1になっており、中枢神経系、血液、全身毒性があります。同じく腎臓が区分2になっています。反復ばく露の場合は、血液と腎臓について区分2になっているものです。DFGMAK-Wertが定めてあり、20mL/m3 となっており、これはほぼ130mg/m3 である。同じくDFGで、催奇形性がC評価になっているものです。以上です。

○櫻井座長 いかがでしょうか。これも既に有機則で規制されているセロソルブ系統の1つが抜けていたものですね。

○宮川委員 細かいことで申し訳ありませんが、GHS分類で真ん中辺りに※で「発がん性は「区分外」とされている」となっております。政府の行ったGHS分類で、当初は確かに区分外と付けていたものもあったと思うのですが、新たに政府向けガイダンス文書が改正になって、新しくし直すと「区分外」というのは書かない可能性があると思いますので。

○柳川化学物質国際動向分析官 説明が漏れました。20ページですが、2010年度の分類の中で、発がん性が区分2になっているのですが、モデルSDSのほうが改訂がちょっと遅れているので、区分外になっているということです。先ほど説明が漏れました。

○宮川委員 わざわざ書いていただかなくても、発がん性に区分外という区分があるのだという誤解を与えないような資料を作っていただければと思います。

○柳川化学物質国際動向分析官 次ページとの間の、祖語について注記したということです。失礼しました。

○櫻井座長 溶血性があるということで20ppm、こういうものとしては比較的低いばく露限界値が採用されており、その他、中枢神経系に対する毒性、腎臓、あるいは発がん性にも絡んで懸念の大きい物質であるということですので、別表9に加えるという結論でよろしいでしょうか。

(了承)

○櫻井座長 そのようにさせていただきます。次に(6)をお願いいたします。

○柳川化学物質国際動向分析官 21ページの(6)ジエチレングルコールモノブチルエーテルは、物理化学的性状は無色の液体、融点が-68.1℃、沸点230.4℃、蒸気圧が0.01mmHgです。用途は、洗浄剤、希釈剤、潤滑油、切削油といったもので、また半導体、液晶の材料にも用いられます。製造・輸入量が2012年度、2万~3万トンとなっております。TLV-TWA10ppmで、その理由は血液、肝臓、腎臓への影響となっており、眼に対する重篤な損傷・刺激性が2A、特定標的臓器・全身毒性の単回ばく露が2、これが中枢神経系であるとなっております。DFGのデータがあり、MAK-Wert100mg/m3 、催奇形性でC評価が出ているとなっております。

○櫻井座長 いかがでしょうか。DFGの催奇形性Cというのは、具体的にはどういう表現だったか。

○柳川化学物質国際動向分析官 具体的な文言は、資料に付けていませんが・・・。

○櫻井座長 結構です。それがなくても十分、問題のある物質であるということだと思いますが、液体で10ppmという比較的低いばく露限界値。血液、肝臓、腎臓、エチレングルコール系統ですので、これももしかすると溶血かもしれませんね。また、中枢神経に対する影響もあるということになりますと、別表9に加えるということでよろしいでしょうか。

(了承)

○櫻井座長 御異論ないので、そのようにいたします。(7)をお願いします。

○柳川化学物質国際動向分析官 (7)プロペンは、形状が無色の液化ガス、臭いが芳香、融点が-185℃、沸点が-48℃、蒸気圧が10気圧と書かれております。用途は、様々なものの原料に使われており、製造・輸入量が500万~600万トンということで、かなりの量でです。TLV-TWA500ppmで、その理由はAsphyxiaというのは窒息性でしょうか。それと上気道への刺激性があるということで、GHS分類が特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)が区分3、麻酔作用となっております。以上です。

○櫻井座長 いかがでしょうか。

○山口委員 先ほどと同じような。

○櫻井座長 同じような感じですね。

○山口委員 ほとんどばく露する可能性はないのでしょうけれども、十分に注意喚起いただければと。

○櫻井座長 高濃度の漏洩があると、麻酔にかかるということですね。TLVではAsphyxia、これは窒息、これはよほど高濃度の場合なのだろうと思います。上気道の刺激はどの程度のもので出るのか分かりませんが、いずれにしても高濃度で麻酔作用があるということから考えますと、先ほどのブテンと同様、別表9に加えるということでよろしいですか。

(了承)

○櫻井座長 御異存ないので、そのようにさせていただきます。(8)をお願いします。

○柳川化学物質国際動向分析官 次は24ページですが、(8)ヘキサフルオロプロピレンです。物理化学的性状は無色透明の気体、臭いはなし、融点が-156.2℃で、沸点が29.4℃、蒸気圧は4.9×103mmHgとなっております。用途ですが、フッ素樹脂類のコモノマーとして用いられるほか、共重合用原料として用いられます。製造・輸入量は5,0006,000トン程度、TLV-TWA0.1ppm、理由は腎臓へのダメージとなっております。GHS分類ですが、急性毒性(吸入:ガス)が区分4、特定標的臓器・全身毒性の単回ばく露が区分1の腎臓、特定標的臓器・全身毒性の反復ばく露も区分1で腎臓となっております。

 今、机上配布させていただいたものですが、タグが付いていなくて申し訳ないのですが、ACGIHの理由書になっております。これは先生方のみの机上配布となっており、終了後、回収させていただきますのでよろしくお願いいたします。

○櫻井座長 このヘキサフルオロプロピレンは何ページですか。

○柳川化学物質国際動向分析官 ACGIHのほうですよね。

○櫻井座長 せっかくですからこの資料を見たいですから。これは探すのが難しいですね。探していると時間がかかりますので、結構です。いずれにしても非常に低い、ばく露限界値が0.1ppmということで、腎臓障害が起こることを根拠として、ACGIHTLV-TWAを決めております。フッ素樹脂類のコモノマーとして使う。非常に活性のある物質でもあるようですね。いかがでしょうか。別表9に加えることについては当然のことだと思いますので、よろしいでしょうか。

(了承)

○櫻井座長 次に進みたいと思います。

○柳川化学物質国際動向分析官 次に26ページの(9)のプロピオンアルデヒドについてです。形状は無色の液体で、特有の刺激臭が出ます。融点は-81℃、沸点は49℃です。蒸気圧が34.391kPaです。用途としては、医薬・樹脂原料、香料の原料、食品添加物で、製造・輸入量が2,0003,000トン、TLV-TWA20ppmで、その理由は上気道への刺激となっています。GHS分類は急性毒性(経口)が区分4、急性毒性(吸入:蒸気)が区分4、皮膚腐触性・刺激性が2、眼に対する重篤な損傷・眼刺激性が区分2Aで、特定標的臓器・全身毒性の単回ばく露が区分2で、呼吸器系ということになっています。

○櫻井座長 せっかくあるACGIHの提案の根拠を載せております。

 上気道への刺激を予防するため20ppmという相対的には低めの濃度が勧告されております。いかがでしょうか。ざっと見たところでは、それより高い濃度でどういう障害が起こるかということについて明確な記載はないのですが、この刺激の閾値の推定値のようですが、低めの数値が勧告されているという点から考え、別表9に加えなくていいというわけにはいかないように思われますが、それでよろしいでしょうか。

(了承)

○櫻井座長 御異存ないようですので、これを別表9に加えるということで結論とさせていただきます。次をお願いいたします。

○柳川化学物質国際動向分析官 28ページの(10)のアセチルアセトンです。形状は無色の液体で、特異臭が出ます。融点が-23℃、沸点は140.5℃、蒸気圧が2.96mmHgです。用途としては、触媒の原料、接着剤の原料、溶剤、有機合成中間体といったものに用いられます。製造・輸入量が3,0004,000トン、TLV-TWAについては25ppmで、皮膚を介した吸収をするということのようです。この理由は、神経毒性と、中枢神経系を損なうというか、impairですから「障害」までいうと言いすぎでしょうか。中枢神経系に悪い影響を与えるということです。GHS分類は、急性毒性の経口が区分4、経皮が区分3、吸入:蒸気は区分3、特定標的臓器・全身毒性の単回ばく露が区分3で、気道刺激性や麻酔作用があるということです。同じく単回ばく露で、神経系、胸腺については2になっております。

○角田化学物質評価室長 机上配布資料の37ページです。

○櫻井座長 2,4-ペンタンジオンなのですね。別名はアセチルアセトンとなっております。中枢神経系に対する毒性を予防するために25ppmにすると。皮膚吸収もあるということです。動物で650ppmで、16時間、週5回で、14週ばく露で中枢神経系に対する障害が発生している。それと、胸腺にもです。胸腺というと、免疫が絡む障害もありますので。ドイツのDFGMAK-Wertも、20mL/m3 25ppmに対して、こちらは20ppmになっています。似たような取扱いになっているようです。この物質も、当然、別表9に加えるということでよろしいでしょうか。

(了承)

○櫻井座長 それでは、そのように結論いたします。次をお願いいたします。

○柳川化学物質国際動向分析官 次は30ページの(11)で、1-クロロ-2-プロパノール及び2-クロロ-1-プロパノールのうち、1-クロロ-2-プロパノールです。物理化学的性状については無色の液体、芳香です。沸点が126.7℃です。ほかのデータは見当たりませんでした。用途は、酸化プロピレン、その他有機合成体の中間体で、製造・輸入量は1,000トン未満です。TLV-TWAは、1ppmで皮膚を介した吸収の恐れがありで、発がん性はA4になっています。その原因は、肝臓に対するダメージであるとなっております。

 次のページに参考資料を付けていますが、NTPの報告書です。ヒトに対する報告書があります。ただし、結果的にはヒトに対するものは必ずしも明確ではないようなのですが、2つの研究が行われており、エチレンクロロヒドリン、プロピレンクロロヒドリンを製造するユニットに従事した男性の、がんの発生率がかなり高いといった報告がなされております。

 次のページにいきますと、14週のラットとマウスのばく露実験があり、ラットは吸入ばく露、マウスは飲料水に含ませてばく露させたということです。こちらはかなりはっきりとした結果が出ているようです。

33ページの2-クロロプロパン-1-オール、異性体についてです。物理化学的性状は無色の液体、僅かなエーテル臭です。沸点は133.5℃です。蒸気圧は3.26hPaです。用途については、先ほどとほぼ同じで、酸化プロピレン、その他有機合成体の中間体です。TLV-TWAについては同じで、こちらはGHS分類についてはありません。

Haz-Mapのデータを少し書き加えておりますが、ウサギの目に塗布したときに、かなりの影響が出たということです。それから、ラットで250ppm6時間、15回ばく露させたところ、肺混雑と血管周囲性浮腫を示したということです。高用量の投与研究において、体重減少、膵腺房細胞減少といったものにおいて、全身麻酔効果が見られたというのがHSDBのデータです。皮膚と、激しい眼に対する刺激、溶血の可能性といったものについて、Haz-Mapに書かれております。

○櫻井座長 かなり様々な問題があり、TLV-TWA1ppmという低い数値が、この両方の異性体に提示されており、ACGIH41ページのサマリーの辺りを読んでみましても、NOEL30ppmぐらいだけれども遺伝毒性の可能性もあるということを考慮して、1ppmとしているわけですね。肝障害としては、もう少し高い数字でも、動物では40ppmが無毒性量になっているようですが、総合的に判断して1ppmという結論になっています。

○山口委員 これはGHSのデータがなくてSDSのモデルSDSもないわけですよね。これがないと提供する側が困ります。

○柳川化学物質国際動向分析官 これについては早急に作らせていただきます。

○山口委員 その場合には、GHS分類の結果も出てくるのですか。

○柳川化学物質国際動向分析官 もちろんそうなります。

○山口委員 それであればよろしいです。それでないと文書が作れませんから。

○柳川化学物質国際動向分析官 そうですね。規制をかけるものにつきましては、全てGHS分類をさせていただくことにしております。

○山口委員 それが終わってからなら構いませんが、ない段階でここに入れられても作れませんから。

○柳川化学物質国際動向分析官 これは最優先で作らせていただきますので。

○櫻井座長 そういう条件で別表に加えるという結論にいたします。次は(12)のテルブホス、これは農薬絡みですね。

○柳川化学物質国際動向分析官 正に農薬です。(12)のテルブホスです。形状は液体、色は無色から薄い黄色です。融点は-29℃で沸点は69℃です。用途は殺虫剤、線虫駆除剤です。製造・輸入量はかなり探したのですが、見付かりませんでした。TLV-TWAについてはかなり低くなっており、0.01mg/m3 で、かつ、経皮吸収の恐れがありますが、発がん性はほぼ見られないということです。

 ここに加えているTLV Basisですが、これはコリンエステラーゼ活性を阻害するということです。「備考欄」の所ですが、occupationalではないのですがADIの定めがあり、日本の場合は体重1kg1日につき0.00016mgJMPRについては、1日当たり0.0006mg/kgと定められています。

35ページに幾つか英文の資料を付け加えておりますが、経口、経皮、吸入の3つの経路のばく露について、極めて高い急性毒性があるということが書かれております。英文のものの詳細については省略いたします。

○角田化学物質評価室長 49ページです。

○櫻井座長 典型的な有機リン剤で、コリンエステラーゼ活性阻害が非常に低濃度で起こるというものです。したがって、0.01mg/m3 という低いばく露限界値をACGIHが提案しております。34ページの右下のADIも、日本もJMPRも低い数値です。当然の追加物質という結論になると思いますが、よろしいでしょうか。

○山口委員 これもGHS分類が先ほどと同じで。

○柳川化学物質国際動向分析官 早急に作成させていただきます。

○櫻井座長 ないですね。作るということで。

○柳川化学物質国際動向分析官 はい。

○櫻井座長 次をお願いします。

○柳川化学物質国際動向分析官 次は(13)の酸化マグネシウムです。形状は吸湿性の白色の微細な粉末で、融点は2,800℃、沸点は3,600℃です。用途はプラスチック架橋剤、充填剤、ゴム添加剤、電子材料原料に使われますし、医薬原料、軟便剤として用いられることもあるようです。製造・輸入量は100万~1,000万トンです。TLV-TWA10mg/m3 、その理由として上気道とmetal fume feverと書かれています。これもGHS分類をしておりませんので、早急に作らせていただきます。

 次のページに簡単な英文の資料を付けさせていただいておりますが、余りはっきりしないようですが、ヒトに対するデータがあります。右のページにボランティアに対するばく露実験の結果が出ていますが、余り結果ははっきりしないようです。

○櫻井座長 いかがでしょうか。

○角田化学物室評価室長 53ページです。

○山口委員 余りにも一般的な物質なので。GHSはきちんと調べていただかないと、余りにも一般的すぎる。

○櫻井座長 結局、このmetal fume feverですね、いわゆる金属熱です。それが高濃度ばく露で起こるというのが主な懸念なのですね。

○柳川化学物質国際動向分析官 鉱山での粉じん、露天掘りの酸化マグネシウム粉じんにさらされる労働者の慢性気管支炎、ばく露期間と相関しているマグネサイト産業労働者の十二指腸、胃の潰瘍といったようなものが幾つか見つかっているようです。

○山口委員 ここら辺は日本鉱業協会等の意見をよく聞いていただいて、取扱いの状態は現状はどうなっているのか等、十分に調査していただいてから決められたほうが、余りにも普通に使われているので、そんなにリスクがあるのかなという気がしますので、これは化学とは違う部分なので、一度そちらの意見を聞いていただければどうかなと思いますので。

○柳川化学物質国際動向分析官 次回までの間に、一度日本鉱業協会にお尋ねして、次回にもう一度御検討いただくという形でよろしいでしょうか。

○山口委員 そうですね。一番影響の大きい所から、取扱いの状態とか、掲示等を含めてですね。

○柳川化学物質国際動向分析官 はい。私どものほうで、日本鉱業協会にお聴きして、次回にその結果を報告させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

○櫻井座長 非常に大量に使われている物質である一方、毒性自体は相対的には低いものであることは確かであります。ACGIH10mg/m3 というのは、こういう粒子状物質としては一番高い数値を出していると。それより相当高くても、何ら明確な慢性の健康障害が報告されていないけれども、高濃度だと急性で金属熱を起こす可能性があるというところですね。その辺りの考え方のバランスの問題がありますね。

 御提案のとおり、次回までに産業界の御意見も伺って、ばく露の状況等です。そういうことでよろしいでしょうか。

(了承)

○櫻井座長 そうさせていただきます。次をお願いします。

○柳川化学物質国際動向分析官 38ページの(14)のホウ酸塩です。無機化合物ということで、ホウ酸ナトリウムについては現在も通知対象物になっており、アとイの2つの物質について書かせていただいております。

 最初のアのホウ酸について、形状は無色あるいは白色の粉末固体で、無臭です。融点は-168℃~170℃、沸点が300℃、蒸気圧が2.6mmHgです。用途はガラスやホウロウの原料、医薬品、ニッケルメッキの添加剤、防火剤等に使われています。製造・輸入量が10万~20万トン程度となっております。

TLV-TWAですが、これが2mg/m3 で発がん性はそれほど強くはないというか、証拠は余りないとされており、TLVの理由が、上気道への刺激性となっております。GHS分類は、急性毒性(経口)が区分5、皮膚腐食性・刺激性が区分2、眼に対する重篤な損傷・眼刺激性が2A2B、生殖毒性が1B、特定標的臓器・全身毒性の単回ばく露が1、これが中枢神経系、消化管です。同じもので、気道刺激性は区分3、反復毒性は腎臓で区分1となっております。

 「その他の有害性情報」ということで、REACHの高懸念物質では生殖毒性のカテゴリー2となっています。DFGは「38ページ参照」と書いてあるのは間違いで、40ページ参照です。これを見ていただきますと、MAK-Wertについて、インハラブルについて10mg/m3 となっています。

41ページのイの七酸化二ナトリウム四ホウ素五水和物です。これもほぼ同じなのですが、色は白色の固体、結晶性粉末です。無臭です。融融点が200℃、沸点は1,575℃、蒸気圧は不明です。用途は先ほどのものとほぼ同じです。製造・輸入量のデータはありません。TLV-TWAは先ほどと同じです。GHS分類はこれも行われていませんので、早急にさせていただきたいと思います。

 また、これは参考ですが、ECHAのデータでR60R61というのがあります。なお、R61というのは「胎児に対する悪影響の根拠がある」ということです。

○角田化学物質評価室長 57ページです。

○櫻井座長 無機のホウ酸化合物。2mg/m3 という提案をしております。生殖毒性があるのですね。それともう1つは、既にホウ酸ナトリウムは通知対象物になっている。

○山口委員 通知対象ですが、ホウ酸は通知ではなかったのですね。

○櫻井座長 昔、ホウ酸水は目を洗うのに使いましたが、これは大分気を付けなくてはいけない物質であるということで、最近は常識になっております。したがって、今回ここにはアのホウ酸とイの七酸化二ナトリウム四ホウ素五水和物というものが出ておりますが、いずれも同様にホウ酸塩(無機化合物)という形で別表に加えるということでよろしいでしょうか。

(了承)

○櫻井座長 そのような結論で進めたいと思います。次をお願いします。

○柳川化学物質国際動向分析官 42ページの(15)の滑石、別名タルクについてです。物理化学的性状は白色粉末、融点は9001,000℃程度であるとなっています。用途は、紙製品、ゴム製品、セラミックス、医薬品、化粧品、石鹸、つや消し配合原料、食品添加物といったものとして使われております。製造・輸入量は、アメリカの地質調査所によると、これはかなり権威の高い機関なのですが、日本で370トンと出ておりますが、ただしこれは葉蝋石を含んだ数字です。

TLV-TWA2mg/m3 です。その理由は肺線維症と肺機能が理由になっています。産衛学会の許容濃度については、吸入性粉じんとして0.5mg/m3 、総粉じんとして2mg/m3 ということですが、あくまでも第1種粉じんについて定められた数値です。GHSの政府の分類は現在行われておりませんので、早急に行わせていただければと思っております。

 次のページに英文の資料を付けさせていただいておりますが、疫学的な研究もいろいろと行われているようで、必ずしもはっきりはしないのかもしれませんが、危なそうだという影響は出ているようです。

○櫻井座長 一番右のIARC2010年の発がん性評価ランクは2Bになっていますね。

○柳川化学物質国際動向分析官 そうです、失礼しました。

○櫻井座長 これは重要ですね、動物実験でかなり根拠があるということです。

○名古屋委員 滑石はアスベストが含まれているからではないですかね。

○櫻井座長 含まれていないものについて調べているはずです。

○柳川化学物質国際動向分析官 実はTalc not containig asbestos or asbestiformになると3になってきます。2010年のVol.42

○櫻井座長 すみません、間違えましたね。一番右のはTalc-based body powderだ。タルクを含んでいないのは3ですね。

○柳川化学物質国際動向分析官 はい。DFGも、without asbestos fibers3Bということになっています。

○櫻井座長 そうでしたね、すみません。しかし、fibrosisを起こしますので。

○山口委員 天然物なのでアスベストを含んでいるかもしれないから、コントロールしているわけではないので。

○名古屋委員 天然のタルクは分析方法が決まっていますので、0.1%含まれたら、粉体は製造、輸入も全部禁止ですから、この扱いは、完全に含まれていないタルクという形の扱いになるのではないかなと思います。石綿則で決まっていますからね。

○山口委員 それでも外れたものというのが。

○名古屋委員 あるでしょうね。粉じんですから。

○櫻井座長 やはり、これは別表に加えるべきですね。

(了承)

○櫻井座長 そういう結論で進めます。16番をお願いします。

○柳川化学物質国際動向分析官 45ページの(16)3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロ-1-ヘキセンです。こちらの物理化学的性状は無色の液体です。沸点は58℃、蒸気圧が31.7kPaとなっております。用途は冷媒原料です。製造・輸入量は見つかりませんでした。TLV-TWA100ppmで、この理由が血液への影響ということだと思います。GHS分類は現在行っておりません。国際化学物質安全性カードにおいて、短期ばく露の影響ということで、軽度の眼刺激が指摘されています。

○角田化学物質評価室長 77ページです。

○櫻井座長 いかがでしょうか。血液学的な影響から100ppmというのを勧告しているのですね。

○山口委員 有害性のデータが不足しているような気がします。有害性はありそうな気がしますけれども。

○櫻井座長 動物実験のデータしかないのですね。

○柳川化学物質国際動向分析官 余りデータがないとおっしゃられれば、確かにそのとおりなのですが。

○櫻井座長 1,000ppmで血液の凝固に関わるスロンボプラスチンの部分的な減少が認められたので、それの無毒性量は2,000ppmというのは、割合高い数字なのです。

○山口委員 もう少しデータが欲しいですね。

○名古屋委員 扱っている量からして、データが欲しいですよね。

○森戸化学物質対策課長 注視して、データの蓄積を待つということでよろしいですか。

○櫻井座長 そういう方向でよろしいでしょうか。

(了承)

○山口委員 載ったらリスク評価の対象になるので、余り関係ないものを載せてしまうと、それだけ手間がかかりますから。

○櫻井座長 もう少し製造量、使用量等も含めて、データの。これは次回に検討するということにしますか、それとも。これはもういいですね。

○柳川化学物質国際動向分析官 はい。

○櫻井座長 今回は別表に加えないという判断をしたいと思います。次に17番をお願いいたします。

○柳川化学物質国際動向分析官 次は(17)のペルフルオロオクタン酸です。形状は白色の粉末で、刺激臭がします。pH2.6、融点は54.3℃、沸点は189℃で、蒸気圧が0.525mmHgです。用途はフルオロポリマーとかフルオロエラストマー合成の添加剤、湿潤、分散、乳化、起泡剤などとして、化粧品、グリースに使用され、製造・輸入量が1,000トン未満となっております。TLV-TWAはありません。許容濃度が0.005mg/m3 となっております。ただ、妊娠可能な女性には適用できないとされています。GHS分類は、生殖毒性が1B、特定標的臓器毒性の反復ばく露が区分1、肝臓となっています。IARCの発がん性評価が2BEUの発がん性評価ランクが2REACHの高懸念物質では生殖毒性が指摘されており、DFGMAK-Wert0.005mg/m3 といった数値が出ています。

 次の次のページに産業衛生学会の報告書を引用していますので、御参考までに見ていただきたいと思います。

○櫻井座長 これはACGIHでは勧告していないのですが、日本産業衛生学会で0.005mg/m3 、ドイツも同様の数字を出しており、非常に低い。非常に懸念を持たれている物質であることは知る人ぞ知るというか、当然、これは別表9に加える物質という結論になると思いますが、それでよろしいですね。

(了承)

○櫻井座長 あと1つぐらいですか。

○柳川化学物質国際動向分析官 あと1つということで、50ページの(18)N,N-ジエチルヒドロキシルアミンです。形状は無色の液体、pHが弱アルカリ性、融点は10℃、沸点が133℃、蒸気圧は5mmHgです。用途は重合禁止剤、インスタント黒白写真用現像薬、キノンの選択的還元剤などに用いられており、製造・輸入量は1,000トン未満です。TLV-TWA2ppmで、原因は上気道への刺激性となっています。GHS分類は急性毒性の経皮が区分4、急性毒性の吸入:蒸気が区分4、特定標的臓器・全身毒性は単回ばく露が区分2で神経系となっております。

○角田化学物質評価室長 85ページです。

○櫻井座長 いかがでしょうか。

○山口委員 用途として、SDSにした場合、これは発がん性ではないので1%ですか。内容を見ると結構いろいろなものに微量に入っている可能性が高いので、そこら中ラベルを付けないといけなくなる可能性があるので、どこまでが裾切りかという。

○柳川化学物質国際動向分析官 原則として、カットオフ値をそのまま裾切値として流用するという方向で検討を進めておりますが。

○森戸化学物質対策課長 そのものが0.11か、どちらかということですね。

○山口委員 そのものは……分かるのですが、そこがいろいろなものに少量ずつ入ってくる可能性があるかな。

○櫻井座長 いかがでしょうか。ACGIH2ppmという割に低い数値を出しております。上気道の刺激、それ自体は。

○山口委員 毒性としては発がん性ではないですよね。

○柳川化学物質国際動向分析官 発がん性ではないです。

○櫻井座長 ただ、神経系は区分2ということもありますね。別表に加えなくていいという結論にはならないですね。

○山口委員 0.1だと、かなりいろいろなものに。1%だと問題ないと思いますが、0.1だといろいろなものに入っている可能性があります。

○森戸化学物質対策課長 多分1%ではないかということなのですが。

○櫻井座長 次回までに確認してください。

○柳川化学物質国際動向分析官 次回にカットオフ値を報告させていただきます。

○山口委員 どう考えても、用途がいろいろなところに入ってきそうな気がするのです。

○櫻井座長 確かにそうですね。これは次回。

○柳川化学物質国際動向分析官 次回にカットオフ値を御報告させていただきますので。

○山口委員 役割としては、重合禁止剤、安定剤、酸化防止剤なので、非常に微量ですが。

○柳川化学物質国際動向分析官 1%は含まれていないけれども、0.1は含まれているようなものは結構あるということですか。

○山口委員 そうではないかと思うのです。役割が重合禁止剤とか、酸化防止剤ですよね、いろいろなものに微量に入っている可能性がないかなと思いまして、そうすると余りにも低い値になっていますから、いろいろなものに付けないといけなくなってしまって、広がりがですね。

○柳川化学物質国際動向分析官 ただ、表示義務については原則として固体は必要ない方向で検討していますので。

○森戸化学物質対策課長 液体です。添加剤だから。

○山口委員 いろいろなものに入っているのではないかという。

○柳川化学物質国際動向分析官 入ってしまったものが固体であれば、表示義務はない方向ですが。

○山口委員 用途とかを確認して、どこのパーセントで切るかで。発がんではないので、1%ですよね。

○櫻井座長 発がんはないですね。

○山口委員 そのものはよかったのですが。

○櫻井座長 次回に回します。

○柳川化学物質国際動向分析官 はい。

○櫻井座長 それでは12時になりましたので、今日はこれで終了させていただきます。そのほか、最後に事務局から何かございますか。

○平川化学物質評価室長補佐 次回以降の日程について説明させていただきます。資料4を御覧ください。本日のSDSの対象物質の追加についての議論の続きを、第2回化学物質のリスク評価に係る企画検討会ということで、525日の午後3時半から開催する予定です。場所は経済産業省別館の850会議室の予定です。主な議題は先ほど申し上げましたとおり、安衛法、安衛令別表第9の追加ということで予定しております。

○櫻井座長 それでは閉会とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働基準局が実施する検討会等> 平成27年度化学物質のリスク評価に係る企画検討会> 化学物質のリスク評価に係る企画検討会(第1回)(2015年4月23日)

ページの先頭へ戻る