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2014年9月30日 平成26年度第4回化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

○日時

平成26年9月30日(火) 13:30~


○場所

厚生労働省労働基準局第1・第2会議室


○議事

○高村化学物質情報管理官 第4回化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会を開催いたします。本日は大変お忙しい中御参集いただき、誠にありがとうございます。本日は田中委員、保利委員が所用により欠席という御連絡を頂いております。

 本日は関係事業者団体からのヒアリングということで来ていただいておりますが、マイクの数にも限りがございます。少し遠めに置いておりますので、発言される際は近付けて発言いただくよう、お願いいたします。以下の議事進行については、菅野座長にお願いいたします。

○菅野座長 本日もよろしくお願いいたします。まず、事務局から議事次第と資料の確認をお願いいたします。

○高村化学物質情報管理官 一番上に議事次第です。本日は、まずナフタレンの健康障害防止措置の検討をいただいた後、リフラクトリーセラミックファイバーの検討をいただくことになっております。そちらのほうについては、関係事業者団体さんからの説明、その説明に関する質疑を予定しております。

 議事次第の後ろのページが「配布資料一覧」です。資料は、資料1から資料5までを一つづりとして綴じております。まず、資料1-11ページ目から、資料1-211ページ目から、資料1-317ページ目です。資料2-119ページ目から、資料2-229ページ目から、資料2-339ページ目です。資料3は日本工業炉協会さんから御提出していただいているもので、41ページ目からです。資料4-1はセラミックファイバー工業会さんから御提出いただいている資料で、51ページ目からです。資料4-2も日本セラミックファイバー工業会さんからの資料で、57ページ目からです。資料5「今後の予定」は61ページ目で、ここまでで一つづりとさせていただいております。

 机上配布の委員限りの資料ということで、参考資料1から参考資料3までを用意しております。参考資料1-1と参考資料1-2をつづっている資料と、参考資料2-1をつづっているA3の一つづりです。参考資料3-1としてつづっている資料があります。それぞれ、参考資料1-1、参考資料1-2、参考資料2-1、参考資料2-2、参考資料3-1、参考資料3-2が入っております。こちらは通しのページ番号は打っておりませんので、参考資料を説明する際には、それぞれのページで御説明させていただきます。

 そのほかに、参考資料3と同じ資料ですが、カラーで打ち出したものを日本工業炉協会さんから頂いております。そちらについては、先生方に机上配布という形でお配りさせていただいております。

 また、参考資料として載せておりませんが、前々回の会議の際に、セラミックファイバー工業会さんから頂いている資料があり、こちらについても机上配布資料としてお配りしておりますので、御検討の際に参考にしていただければと思います。資料の確認は以上です。

○菅野座長 本日の議題に移ります。まず、ナフタレンの措置の検討です。事務局から資料の説明をお願いいたします。

○高村化学物質情報管理官 資料1-1の日付が「912日」となっていますが、「930日」に直していただきますようお願いいたします。すみません。

 資料1-1を御覧ください。こちらの検討シートですが、前回から更新している所がありますので、そちらについて説明させていただきます。5ページ、(1)必要な健康障害防止措置ということで、事務局原案ということで更新させていただいております。8ページ、(3)留意事項の「リスクが低いとされた作業にかかる規制の考慮」ということで、区間推定値が評価値を下回る用途、作業について、検討の俎上に乗せるということで、こういった形で更新しています。

 簡単に内容を説明いたします。5ページ目の「必要な健康障害防止措置」には、今回事務局から提案させていただく措置内容を示しています。一番左側が措置内容の大項目で、左から2番目の「内容」の所に措置の具体的な内容があります。左から3番目の列に、今回措置を講ずるべきと考える所に○を付けています。一番右側の列には、現行の特化則の特定第2類物質で、かつ発がん性があるということで、特別管理物質についての措置内容を参考で載せております。

 基本的に事務局からの提案としては、現行の特定第2類物質かつ特別管理物質に係る措置を全て講じるということで、案を作っております。

 また、論点として★で付けていますが、その他のばく露防止対策について考慮する点がないかとしています。なお、健康診断については別途検討いたしますので、別途検討ということにしております。作業環境測定については、管理濃度とリンクしておりますので、△ということで付けております。

8ページ目の「リスクが低いとされた作業にかかる規制の考慮」ですが、前々回の会議でお出ししたナフタレンのリスク評価において検討したばく露実態調査の結果、ばく露濃度測定の結果について、用途ごとに区間推定値を参考値ということで算出したところ、ナフタレンを原料とする他の製剤製造に係る作業の区間推定の上限値が0.08ppmと、二次評価値の10ppmを大きく下回っているということ。実測値、ばく露濃度測定値については0.04ppmが最大値であったということで、ナフタレンを原料とする他の製剤製造に係る作業というのは、リスクが高いとはいえないのではないかということで、こちらに載せております。この規制の考慮については、続きの論点のところでも御議論いただきたいと考えております。資料1-1は以上です。

○角田化学物質評価室長 資料1-3を御覧ください。この資料は前回出したものに一部追加したものです。左の欄と真ん中の欄の「1回」「2回」という所までは前回と同じです。「第3回検討会(912)」で、御議論のありましたところについて御説明いたします。

 まず、熱媒体としての利用についてということで、業界団体から資料を頂きましたので、それについて御説明いたします。内容的には3項目書いてありますが、ナフタレン誘導体を熱媒体として使用するというものです。この利用の場合、当初のナフタレンの含有率はゼロということなのですが、使用につれて徐々に誘導体が分解され、ナフタレンが生成されるということです。その生成状況や耐用年数は使用温度により異なるといった資料を、机上配布で御説明させていただいたところです。

 その後の議論の中で幾つか論点がありました。1つは、含有製剤の製造以外はかなり低い水準なので扱いを分けるべきではないかという御意見がございました。製造については密閉系の蒸留ですので、蒸留等ですので、リスクは低いのではないか。屋外作業でも、ばく露水準が高い作業というのは措置が必要になってくるのではないか。防虫剤の製造の部分については数値が高かったこともあるので、そういうところは規制の必要があるのではないか。このような御意見等がございました。詳細は議事録等が公表されますので、その上で御確認をいただければと思いますが、概略として取りまとめたものは、このようなところです。

 その右にいきますと、「措置検討に当たっての視点等」がございます。丸数字1は、「作業別に見た場合、高いばく露があることが確認されているもの」で、これは含有製剤の製造ということで、左の欄に19.54という区間推定の上側上限値が出ておりますが、そのことです。これは固体として取り扱っているものでした。

 丸数字2は、「作業別に見た場合、高いばく露があることが確認されていないもの」として、ナフタレンの製造。他の物質と反応させて他の製剤を製造するということ。また、触媒や添加剤としての使用については左の区間推定は行っておりませんが、高いばく露があるということは確認されていないものです。 こうした状況を踏まえた論点として考えられるものを幾つか整理しております。丸数字1については、措置導入を検討していく必要があるのではないかということです。

ただ、その場合に取扱いの過程で固体以外の状態にならないものを対象とするということが、考えられるのではないかということです。これはデータを踏まえて、固体での取扱いで高いばく露が確認されているということを踏まえると、こういう論点もあるのではないかということです。

 丸数字2については、現時点では高いばく露があることが確認されておりませんので、次のようなことを考慮していく必要があるのではないかということで、1つは工程の密閉化と局所排気装置。これは分析業務などで局排を利用しておられるということですが、それが既に導入されているというような実態も業界団体さんから御説明されたところです。したがって、真ん中の欄に少し書いてありますとおり、そういったところでは措置は特に要らないのではないかというような御意見を、第2回に承っております。この捉え方としては、今きちんとそういう措置がなされているということで、結果的に数値が低い水準になっているという見方もできると思いますが、そういった点は論点になるのかなと思います。

 もう1つは、これは前回も若干御議論が出ましたが、屋外でもばく露の懸念がある作業は確認し対応していく必要があるのではないかということで、今まで議論にあったのは、液抜き、ストレーナ交換、出荷時のローリーでの注入といった部分があるのではないかということでした。

 「その他」で書いているのは、「上記以外の液状の含有製品を取り扱う作業についての扱い」ということで、丸数字1では固体で高いばく露が出ていると申し上げましたが、それ以外でも、例えば液体状で取り扱っている場合、製造で、密閉系で製造しているものとはまた別に、ここに書いてある「ナフタレンを含む塗料、塗料希釈剤等」といったものを取り扱う作業もあり得るのではないかということで、ここに書かせていただいております。通常、溶剤の中にナフタレンが溶けている形のもので、それほど含有率は多くはないと思うのですが、そういったものの扱いについて、液体状のものについてどのように考えていくかということも論点になると考えております。

 今までの整理を踏まえますと、このような取りまとめになるのではないかということで、この論点を踏まえて御議論をしていく必要があるのではないかということです。御説明は以上です。

○菅野座長 今の御説明にありましたように、資料1-3の「検討に当たっての視点等」で、まず、高いばく露があることが確認されているものについて、どのような分析かということについて御意見を頂きたいと思います。現時点で高いばく露ですので、措置が必要ということでよろしいということでしょうか。

○名古屋委員 高い所と低い所とあったのですが、低い所も高い所もまとめて推定値が高かったので、全てに対して規制を掛けましょうとこちらに送ったのですが、要因分析をしてみると、今の高い所以外は低いので、今回は分けましょうとなりました。当然、高い所は掛けなくてはいけないので、低い所はと。当然そうだと思うので。

○菅野座長 それではその次の、作業別で高濃度ばく露があることが現時点では確認されていない作業について、どれぐらいの取扱いにするかということですが、その点について御意見を頂きたいと思います。この点については、全般的には高いばく露量ではないわけですが、作業の内容によっては、高濃度ばく露の懸念がある作業も含まれているということですので、その点についてどうするべきかということです。

○角田化学物質評価室長 前回の御議論の中では、屋外作業であっても風向きの関係とか、配管を外すときに吹き出すようなこともあり得るので、そういったことをどう考えていくかということも大事だという御意見もございました。

○名古屋委員 ローリーの運転手が操作をしているのではなかったかと思います。そこにいる作業者ではなくて。だから、ローリーの人は積み込むときの場所で違うので、そういう意味で、ローリーの人は我々のときにもリスクはそれが違うので、たまたま作業をしているときに風が吹いたら影響があるけれども、そうでなければそこの所はいい。場所によって違うので、特異的な例ではないですかという話をしたので、そこはいいのではないでしょうかという話はしました。ただ、ストレーナの話まではしていなかったですね。

○菅野座長 ローリーでも、充填するときに中に溜まっている空気が出ていくわけですが、それを回収する装置が付いている場合と、そうでなく大気中に排出される場合がありますよね。ですから、付いている場所がどのぐらいあって、現時点で全てに付いているということであれば問題ないと思いますが。

○名古屋委員 リスクのときには1社だけではなかったと思います。我々がもらったデータは、ローリーは1社だけではなかったでしょうか。

○菅野座長 ローリーで出荷している会社が1社しかないのですか。

○名古屋委員 いや、測定した結果が1社しかなかったと思うのです。そのときにいた委員の中では、会社によって違うので、たまたまここはそういう形で出てきたけれども、ほかはどうか分からないけれども。

○菅野座長 つまり除外できないということでよろしいでしょうか。

○名古屋委員 我々のところは除外してもいいのではないかという意見でした。要するに、その人が同じ作業をしても場所によって違うし、ローリーですから、扱っている事業場とは違う所が回しているということで、専門でそこにいるわけではないのでという形も含めて、外してもいいのではないかという議論は、そこだけはしたことがあります。ただ、中に入っている抜取りなどをやるところは違うので、そこは議論していません。ローリーは外してもいいのではないかという話をした覚えはあります。

○藤間委員 測定結果はEだけですね。

○名古屋委員 そうなのです、Eしかやっていないのです。それも0.004です。ただ、スポットが1.75でそこだけは少し高かったので、それはどういう状況か、風下か必ずしも分かりませんでしたが、そこは高いけれども二次評価値より低いので、ばく露としては0.004ですので、ローリーはいいのかなという話をした覚えがあります。

○菅野座長 大前先生は何か御意見はありますか。

○大前委員 濃度は0.004ぐらい、高くても数PPMぐらいで、10が二次評価値ですから、少なくとも我々が持っているデータの中では低いということですから、特に規制を強くする必要はないと思います。

○菅野座長 規制の必要はないという御意見ですが、いかがでしょうか。

○唐沢委員 規制の対象にはしないことも考えられるという御意見、そういう方針は差し支えないと思いますが、規制するかどうかは別として、風向きによっては高濃度ばく露もあり得るので、それは自主的にマスクなど必要な保護具を着けていただくということは、行政指導かもしれませんし留意事項かもしれませんが、それに留意していただければいいのではないかと思います。

○菅野座長 これは液抜きとか、ストレーナの交換も同じように考えてよろしいということでしょうか。

○名古屋委員 現場の人たちに聞くと、マスクをしていますという話はしていましたし、作業時間が短かったと思うので、作業時間が短いのと頻繁にやる作業ではないので、大丈夫ではないかなと思いますけれども。

○菅野座長 それでは、現時点では規制から外してもいいのではないかという御意見だということです。

 最後に「その他」として、固体のナフタレンあるいは液体のナフタレンでも純品ではなくて、溶剤に溶けている状態で取り扱う作業があるとすると、それをどうするかということです。これは熱媒体として使って、5年とか10年たつと数パーセントの濃度になるというお話がありましたが、その場合も含まれるのではないかと思います。熱媒体の場合は交換を除けば密閉系ですが、それ以外にシンナーなどに含まれているということであれば。

○角田化学物質評価室長 ここで想定していましたのは、塗料とか希釈剤(シンナー)といったものの中に、ナフサとかミネラルスピリットなどが入っているケースですが、そういうものの中に一部ナフタレンが含まれているというケースで、量的に言えば5%までいっていないようなものが多いと思うのです。今までは固体で昇華するものの取扱いに注意しなければならない、データもそういうものが高いと示していましたので、それを想定していたのですが、そういった液状のもので密閉系でないようなものがあった場合に、それをどのように考えていくかということです。特に、どのぐらい蒸散するのかというのも議論としてあるのですが、こういうケースですと、溶剤の中に揮発性のある、こういうナフタレンのようなものが溶けているというような状態だと思うのですが、そういうものの取扱いをどう考えていくかということで書かせていただいています。

○名古屋委員 今の用途だと、そんなに温度が高い所ではないですよね。塗装にしろ、ミネラルスピリットというのは吹くだけですよね。そんなに高くないです。温度が上がると、蒸気圧が上がってきて、発生量が倍以上にはなるけれども、ただ濃度が分からないので何とも。

○菅野座長 ほかの有機溶剤の類が蒸発してしまいますと、濃度自体は上がりますよね。ですから、その後、蒸発の後のほうの気化において濃度が高くなるという可能性はあるかと思いますが、具体的な含有率が。

○大前委員 実際にどのぐらい出るのかのデータがないわけですが、今のような形で、揮発性の高いものはどんどんなくなっていて、どんどん濃縮されていきますが、蒸気圧が20度で11Paと非常に低いので、出てきても非常にゆっくりだろうと思うのです。そうすると、そんなに高濃度には、少なくとも常温ではなりそうもない。だから、ワッと蒸発するのではなくて、ゆっくり蒸発すると思うのですが。

○菅野座長 開放系ですと実際には高くならないと思うのですが、11Paだと1,000ppmですか。

○大前委員 そんなになりますか。100ですね。

○菅野座長 失礼しました。10ppmより高くなり得ないというわけではないということですよね。

○藤間委員 塗料の場合ですと、バルクの中に入って、表面での揮発というものがどれだけなのかなという、蒸気圧もありましょうけれども、その中での揮発の挙動からいくと、そんなに高くないのではないのかなと思うのです。

○菅野座長 スピード自体は、固体があるというときよりはずっと遅くなると思いますが。この場合、含有率としては、最初の溶液のときに1%以上ともし規制するとすると、考えるのでしょうか。

○高村化学物質情報管理官 そうですね。これまでのケースで発がん性のある物質ということであれば、1%を裾切値にしているケースが多いです。

○名古屋委員 結構、印刷なんかみんなスピリット使っているし。データがほしいというのが感想です。

○菅野座長 確認ですが、例えばミネラルスピリットというような名称で市販されているものに入っている含有率は分かるでしょうか。

○高村化学物質情報管理官 インターネット上で調べる範囲では、ナフタレンということではないのですが、C10個の芳香族類ということで、総称で芳香族全体として、例えば10%とか15%を含有していますというようなデータも見られるのですが、C10といっても、ナフタレン以外にもあるので、ナフタレンの濃度は不明です。

 

○菅野座長 「芳香族」と書いてあるのですか。

○高村化学物質情報管理官 はい。

○菅野座長 そうすると、ナフタレンぐらいしかないのですが。C10の炭化水素。

○高村化学物質情報管理官 C10のアロマティックという形で出ています。

○菅野座長 ベンゼンの誘導体も入っているということですかね。

○高村化学物質情報管理官 そう考えます。ただし、手元にあるナフタレンのばく露作業報告では、溶剤、塗料等で用いているばく露作業報告、細かい集計はしていないのですが、1%から5%程度を含んでいるものが半分以上で、10%とか15%という含有量で御報告いただいているところも、10分の1程度はあるという状況です。

○名古屋委員 かけると結構大変なことになるので、別途、今の所はやるけれども、水溶液は別途やらないと、測定結果等何かの値が出てこないと、推測だけでいくと、関わる所の影響がすごく大きすぎるので、これで決めてしまうと大変なことになるので、そこは別途ちゃんと濃度を出してもらって、そしてリスク評価をしたほうが我々としてもいいのかなというような気はしますが。

○小野委員 塗装方法は吹付作業が多いということのようなのですが、顔料、染料ということで、リスク評価書のナフタレンの20ページの表なのですが、それを見ていると。吹付塗装ということになると、塗装面からというよりは、吹付の、霧状になったところでどうなるかということで、データなしというのは怖い気がします。15%のナフタレン含有のものが結構あるということですと、心配な感じはします。排気装置はあるとか、保護具はしているという報告が多いようではありますが。

○菅野座長 例えば屋内の吹付塗装ですと、非常に高濃度になる可能性は十分にありますよね。

○名古屋委員 データがないのは怖いですよね。吹付の数は多いですよね。

○小野委員 多いですね。どういう所でどう使っているのかということが分からないので。

○藤間委員 プッシュプルが多いですから、それなりの大きさの車両であったり、そういう感じの。

○名古屋委員 自動車とか、そういう車両ですね。

○藤間委員 そうかと思いますね。

○菅野座長 塗装に関していえば、ナフタレンが必須であるという理由は見当たらないと思うのです。ですから、できたらナフタレンの入っていない溶剤に変えていただくのがよろしいのですが。

○名古屋委員 エチルベンゼンのときも同じですよ。エチルベンゼンのときも対象物質ではなかったのだけれども、溶剤の中に入っていて、結局それに規制が掛かったのと同じ話なります。

○菅野座長 キシレンの含量を減らすためにそうしていたのではないかと思うのですが。

○名古屋委員 ただ、このデータで。繰り返しますが、このデータだけで規制を決めるのはつらいかなという気はします。

○菅野座長 そうしますと、現時点では危険性は十分にありますが、はっきりと結論が出せるほどデータがないということになるかと思うのですが。実際に扱っている会社等で、ナフタレンを実測されているというデータは手に入るのでしょうか。

○高村化学物質情報管理官 もし入手ができましたら、それを基にまた御検討いただくということで、きちんとそういったデータが入手できるかどうかを事務局で検討、調整させていただきたいと思います。

○菅野座長 そうしますと、1番目の「高いばく露があることが確認されているもの」については、措置の対象にするということで、現在確認されていない作業については除外してもよろしいというのが、現時点のお考えだと思います。

○唐沢委員 実質的措置でもいいですし、行政指導でも。

○菅野座長 これでナフタレンの措置の検討を終わりまして、リフラクトリーセラミックファイバーの措置の検討に移ります。本日は事業者団体の方においでいただいておりますので、まず事務局から団体の御紹介をいただきまして、その後に御説明いただきたいと思います。

○高村化学物質情報管理官 本日は、リフラクトリーセラミックファイバーの関係事業団体の、日本工業炉協会から3名の方と、セラミックファイバー工業会から3名の方にお越しいただいております。まず、日本工業炉協会様から資料3について御説明いただき、引き続き資料4-1、資料4-2の説明をセラミックファイバー工業会様よりお願いいたします。

○日本工業炉協会 本日、工業炉協会から3名が参加させていただいております。私、協会の専務理事をしておりますシマと申します。それから隣が、事務局長のササキです。技術企画委員会は技術を主に取り扱っている所ですが、その副委員長をしている大同特殊鋼のキタバヤシ氏でございます。本日の説明はササキからさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○日本工業炉協会 それでは、私、ササキから説明させていただきます。お手元のホチキス留めの資料は白黒なので、高村さんにお願いしてカラー用の別紙資料を用意させていただきました。別紙資料はパワーポイントの2つの画面を1枚にして、それぞれ右下の番号に沿って説明いたします。

 最初に、簡単に協会の紹介をいたします。2ページですが、昨年度末の実績は、弊協会は工業炉の製造販売、燃焼機器の製造販売をやっている正会員が112社、また関連機器及び電力やガス会社が入っている賛助会員の46社で構成しております。会長会社は、工業炉の専門メーカーである中外炉工業。副会長会社は、ロザイ工業から三建産業までの6社となっております。理事会社は上の7社を除いた21。前の資料が22になっていますが、私のミスがあり、訂正をお願いいたします。

3ページは、2「工業炉の現状について」です。工業炉を簡単に説明すると、工業炉の定義は、一応、囲われた空間の中で何らかの方法で被加熱物を加熱し、それによって、熱的変化を与える。例えば、硬い物を軟らかくする、金属を溶かす、あるいは材質をある目的の性質に変える、というような工業炉の製造プロセスに用いる装置です。これは、あらゆる産業のマザーマシーンと呼ばれています。そのため、エネルギーの消費量も多く、日本で使われているエネルギーの18%を占めていると言われております。

 工業炉はエネルギー的には、燃料を用いるものと、電気を用いるものがあり、基数的には約半分半分の数です。そのうちの60%ですが、事前に配った資料は70%になっていますが、60%に変更させていただきます。60%の工業炉でRCF、今言われたセラミックファイバーです。リフラクトリーセラミックファイバーを何らかの所に用いられています。また、工業炉業界のメーカー・ユーザー共に、ほぼ80%が中小企業です。今回の対応も、これらの中小企業が多く対応することになるであろうと考えています。

4ページは、3「工業炉の種類と国内の基数」です。3の表にはちょっと古いデータですが、主なものとして化学工業から精密機械までの10業種に及んでいます。その業種の中で、工業炉というものはどのようなものがあるかというと、119の種類の工業炉があります。そのうちRCFを用いているのは、4番目の鉄鋼誘導炉と、913までの炉、1619のところがRCFを何かしらの形で使っていると思われる炉です。それが先ほど言った全体の60%ぐらいを占めているという感じです。

 次ページです。4「工業炉の売上推移」です。工業炉は1年でおよそ1,000基建設されており、2013年の売上げでは、部品及び修理を含めて1,900億円弱の程度です。売上げが多かった2007年の3,000億円に対して60%ぐらいで、今現在もまた低迷している状況です。

5「工業炉のエネルギー消費比率」です。先ほども御説明いたしましたが、工業炉はエネルギーの多量消費設備の1つですが、5の円グラフはそれを示したもので、大体18%と言われています。仮にこの18%を、2010年の日本全国のエネルギー消費量から試算すると、年間の原油換算で7,070kL/年という量になります。

6「工業炉の紹介」です。6.1で代表的な連続加熱炉の写真を載せています。写真の上に白線でおおよその型を書いています。被加熱物の装入は左のほうの上から入れると、斜めに出て、抽出は右下のほうに出てくる。これを連続的に行うのが連続加熱炉です。大きさとしては、高炉メーカーの加熱炉は、長さがおよそ30mから長いもので60mあります。炉幅は大体1013mです。これが1基の炉です。通常これが複数基並列に並んで操業する場合が多く、炉の周辺には、配管や材料の搬送装置が非常に複雑に配置されています。ですので、今後、RCFの対策によっては、作業スペースの確保が1つの課題になる可能性があります。

6.2は、ビレットの連続加熱炉です。これは形鋼などに用いられているビレットという、どちらかというと棒状の原材料を連続的に加熱する炉です。この写真はビレッド加熱炉の内部を示しています。炉壁の部分と天井の部分にRCFが使われています。右のほうの写真は、抽出口からだと思いますが、カラーの写真もやはり同じように側面にRCFが使われています。

6.3は、バッチ式加熱炉です。これは連続式に対してバッチ式ということで、必要量を1回ずつ加熱するタイプで、よく使われている加熱炉です。左側がバッチ式の鋳造用の加熱炉、右側が焼成炉で、形はよく似ていますが、用途によって違います。この部分で特に、右側のバッチ式還元の焼成炉を見ていただくと、炉の内部の天井と側面に、比較的部厚くセラミックスファイバー、RCFが用いられることがお分かりかと思います。この炉の大きさは、2mぐらいあります。

6.4です。今までは直下式のものでしたが、ラジアントチューブ式熱処理炉ということで、直接火炎で被加熱物を可燃するのではなくて、筒の中で燃料を燃やして間接加熱をするタイプです。右の写真の黒いU字型の部分がラジアントチューブというものです。炉底部を除く炉壁と天井にセラミックスファイバー、RCFが断熱材として使われています。この炉の場合は、高さが6m程度です。

6.5です。「RCFの施工ヶ所と施工方法」について若干触れたいと思います。青く囲んだ写真ですが、炉の内部のいろいろな部分の写真を撮っています。これはニチアスさんのカタログから書かせていただいています。まず丸数字1の炉壁と天井については、この写真はペーパーライニングということで、非常に一般的な施工方法で、この後でも御紹介いたしますが、ブランケットタイプのものを炉の側壁や天井に層状にライニングする工法です。2番目のものは、所定幅に裁断されたブランケットを接着積層したブロックを専用の支持金具で一体化し、圧縮成形したものを用いる。この後のセラミックス工業会さんのほうからも似たような報告があると思いますので、詳しくはそちらを聞いていただきたいと思います。

3番目は、ブランケットを一定幅に裁断して、これをケーシングに固定し、垂直に並べて支持金具で串差しにします。バームクーヘンを切ってそれを縦に置いたような形で、写真では分かりにくいですが、そのような感じです。4番目はバルクファイバー、綿状のものを無機のバインダーで湿式混合したペースト状の不定形の耐火物です。工業炉ではそれほど多くは使われていませんが、このようなものもあります。それから、ソフトブロックライニングは、ブロックを接着剤で下地のレンガやプラスチックにくっ付けるようなものです。

 次の下の絵に、7がありますが、工業炉におけるRCFの代表的なライニングの構造です。今、御説明した上の前章の丸数字1が、断面図で書くと上段の左側の図のようになります。丸数字2は、上の段の真ん中部分です。このような形に断熱材は張られます。それから、上の段の丸数字5の絵が、丁度ここにある上の右端の絵になります。

 この部分で何が言いたいかというと、その下の部分に「炉壁構造と蓄熱量」が図2にまとめてあります。この炉内の温度を仮に1,000℃と仮定したときのRCFを用いた炉では、断熱材の厚みは、ここの例では大体175mm、炉体の炉壁の温度が83℃の数値になっています。これに対して、同じ炉で耐火耐熱レンガを使うと、厚みで1.5倍になります。耐火レンガでは2.1倍になります。レンガは加燃すると、当然、熱せられ蓄熱されますが、この量は、耐火断熱レンガの場合で6倍、耐火レンガの場合は37倍の蓄熱量が必要ということが、この表から分かるかと思います。したがって炉がバッチ炉のように、常時温度を上げる昇温することと温度を下げる降温を頻繁に繰り返すような炉の場合、蓄熱分のエネルギーロスが非常に多くなることを理解していただきたいと思います。

 この図の左端のほうに炉の断面図のようなものがありますが、セラミックファイバーを張ったときと、耐火レンガを張ったときの比較を半分ずつ表わしていますが、断熱材が厚くなると、その分、内容積が小さくなるということが分かると思います。

7.2です。大体、今と同じような話ですが、大型加熱炉の場合は、先ほど申した圧縮したブロック状のもので固定するケースが多く、その真ん中に「大型連続加熱炉断面図」と書いてありますが、1つの炉の中でもいろいろな方法で断熱材を取り付けています。ブロック状のものや、スタックライニングを取っている、例えばそこにウォーキングビームというのがありますが、その部分などはまた違った方法で断熱材を固定しています。

 次に、8RCFの施工方法と施工写真」です。8の左側の白黒の写真は、ブランケット状のファイバーを炉体に取り付けているときの写真です。右側の写真は、先ほども説明いたしましたが、1つの断熱材がブロック状で、工場で作られて、それを現場に持ち込んで梱包のまま炉体に固定し、固定した後、この締め付けているバンドを取り離すことによって、断熱材同士が膨らんでくるので、その膨らみの力も利用し固定する方法ですビニールのまま固定するので、この作業では粉じんを抑える効果があると考えています。

9RCFの取り扱い方法について」です。工業炉の製造工程に合わせて、5つの項目で整理しています。まず工業炉の製作の段階では、主にパーツごとに工業炉業界の場合は下請業者にお願して製作し、比較的に炉の小さいものに関しては、可能な限り炉メーカーの組立工場で仮組します。その段階で、専門業者が断熱材を取り付けることが非常に多くあります。

 工業炉の施工ですが、施工工事は基本的には受託した炉メーカーが受け持ちますが、工事を請け負い、現地にて工場の最終段階で断熱材を取り付けることになります。ただ、製作と施工を別の業者が行うことも結構多くあり、炉メーカーはスーパーバイザーとして対応する場合もありますので、実際のRCFの施工は炉メーカーがやらないことも多々あります。

 炉の補修については、操業中に断熱材や何らかの理由で落下するとか、炉の一部を改造しなければいけないとか、あるいは定期的に補修することを行っていますが、そのときの断熱材の工事は、大手ユーザーだと、ユーザーの会社の中に炉の補修や保全部隊の部署とか、あるいはユーザーメーカーの子会社で補修を専門に行う会社があり、そこで行うことも多くあります。

 工業炉の解体については、既存炉をスクラップアンドビルド、新しいものに替えて、古いものを壊し廃棄する場合は、初期の段階で断熱材を撤去します。廃棄する場合は、炉メーカーが行わないケースも多くあります。

 廃棄物については、専門業者に依頼してやっていただいています。ただ、この辺の処理を溶融処理や、土に埋める処理をしていますが、今後、RCFの廃棄が更に厳しくなると、この処理の方法も問題になる可能性があると感じています。

10「工業炉におけるRCFの使用について」まとめています。RCFが断熱材として高く評価されていることを今まで説明しましたが、具体的にどの程度の影響があるか概算で出してみました。これも条件によってですが、概算で、原油に換算して205kL/年に相当するエネルギーが増加する可能性があるという結論に達しております。この数字は、現在進めている国のエネルギー基本計画2030年度の工業炉、低炭素工業炉分の258kL/年にほぼ匹敵する数字になります。大きな規模であるということが分かりました。

 また、RCFを仮に何らかの対策が困難で使用できない場合、従来から使ってきたレンガとか、そのようなものに替えられないかというところもありますが、そもそも炉の構造がRCF用の構造になっているので、強度や形とか、そのようなものが使えないので、恐らくそっくり作り直しをしないと駄目だろうと思います。代替品の生体溶解性ファイバーについては、温度や炉内の環境等で限定されると聞いております。これについては今後、少し学習していかなければならないと思っています。

11「工業炉業界からの要望」を5項目挙げています。1つ目は、RCFは工業炉の製作に非常に重要な材料であり、今後も利用可能となる対策の検討を是非お願いしたいと思います。2つ目は、工業炉メーカーは中小企業が多いということを先ほど御説明いたしましたが、中小企業においても対応ができるような対策であっていただきたいと思います。3つ目は、既に欧州において厳しい規制があるようですが、この規制に対し、欧米の工業界がどのような対応しているのか、現地で先進事例の調査を是非していただき、できましたら、防護対策を調査の上でとっていただけないかというお願いです。

4つ目は、RCFの炉を利用している業界は、エンドユーザーという意味ですが、ここへの影響が非常に大きいだろうということを懸念しています。こういった業界へのヒアリングを是非、実施していただけないかと思っています。例えば自動車業界、鉄鋼業界、熱処理業界というのがそれに当たるかと思います。最後に、RCFの取扱いに際して作業環境の計測が重要となりますが、是非、安価に計測ができる技術を確立していただきたいと考えています。以上、報告とお願いです。どうかよろしくお願いいたします。

○高村化学物質情報管理官 セラミックファイバー工業会から資料を御説明いただいて、質疑については一緒にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○セラミックファイバー工業会 本日は、お時間を頂きましてありがとうございます。

 前回、RCF工業会の概要、セラミックファイバーの特性、製造方法、製品の用途、最後に工業会が労働衛生に関する取組の状況を御説明しました。本日は追加の資料を用意し、代表的なアプリケーションの写真を交えた御説明、これは先ほどの日本工業炉協会のものと若干ダブるところがあるかもしれませんが、御説明します。また、セラミックファイバーを使った代表的な製品ということで、その製品の構成する材料を御説明します。最後に、取扱時の作業環境濃度ということで、セラミックファイバーの成形品を扱う所の資料を御用意しました。それから、本日は実際の製品、二次製品を含めて、小さいのですが、サンプルを用意しておりますので御覧いただきたいと思います。

○セラミックファイバー工業会 それでは、セラミックファイバー工業会から説明させていただきます。私は、セラミックファイバー工業会で幹事会社を拝命している株式会社ITMのタケナカと申します。これから説明する事柄ですが、先ほど日本工業炉協会のササキさんが御説明された内容と重複する部分もあろうかと思いますが、資料に沿って御説明します。

828日の第2回検討会で、セラミックファイバーの概要について御説明しました。2枚目のスライドですが、原料のグラスファイバーから様々な二次製品が作られていきます。左の上からボード、その隣がブロック、不定形品、下にブランケット、真空成型品、ペーパーとありますが、この中で主に工業炉に使われるのはボード、ブロック、ブランケットの3点が、主に工業炉の内張材として使用されております。

3番ですが、セラミックファイバーが使われる炉はありとあらゆる産業に向けられます。セラミックファイバーは、間接的にも直接的にも多種多様な産業に関係するものです。市場として、「先端成長市場」と書いてありますが、例えば自動車ですと、車体の外板の厚さが大体0.650.9mmぐらいの亜鉛めっき鋼板が使われますが、このめっきを処理する連続式のめっき炉などに使用されております。エンジンやタイヤ、こちらはアルミですが、アルミの溶解炉といったようなものに使用されております。

 次にエレクトロニクスですが、シリコンウエファーで、LSIICを作る工程で拡散炉がありますが、それの内張材として使用されております。

 先ほど工業炉協会から説明があったように、「成熟市場」と書いてありますが、鉄鋼では圧延加熱炉、先ほど申し上げた連続式の亜鉛めっき炉、その他各種工業炉が使用されております。

 次にセラミックですが、セラミックの焼成炉です。石油化学で言うと原油を熱処理する、予熱する予熱炉、あるいは熱分解炉、改質炉といったものの内張材として使用されております。

 次に環境ですが、焼却炉、脱臭炉、火葬炉等の内張材に使用されております。

 次の写真ですが、こちらが鉄鋼の圧延加熱炉で、先ほど日本工業炉協会のササキさんから説明があったものと同じ炉です。これは大体1,3001,350℃ぐらいの、スラブといって非常に厚い鉄の板や、先ほど説明があったビレットを熱して、それを船の外板やコンクリートの鉄筋の製品を作る際に使用される炉です。

 次の写真ですが、圧延加熱炉の炉内でセラミックファイバーを取り付けている写真です。作業者は全てヘルメット、マスク、あるいは保護眼鏡を着装しております。次の写真も同じです。

 次の写真はセラミックの焼成炉です。主に1,250℃以上の炉が多くなっております。

 次の写真は、ブロックを施工している工程の写真です。

 このように、鉄鋼の炉、セラミックの炉、更にはナフサの分解炉にもセラミックファイバーが全面的に採用されております。セラミックファイバーを使用することによって軽量化が図られるわけで、現在の工業炉のほとんどと言ってもいいと思いますが、セラミックファイバー用の構造になっているので、このままレンガに置き換えるといったことは非常に難しいものと思われます。

 最後の写真ですが、電子部品の製造用の小型電気炉、あるいは半導体製造用の拡散炉にもセラミックファイバーが各種使用されております。

○セラミックファイバー工業会 続いて、セラミックファイバー取扱いの中で、その濃度レベルについて前回の御指摘で、加工のない製品についてどの程度の濃度レベルであるかという御質問があったかと思いますので、新たに取ったわけではなく、現在用いるデータということでお話します。私はセラミックファイバー工業会で環境委員会の委員長をやっておりますニチアスのトツカと申します。

RCFの代表的な製品は、ボード、ブロック、不定形、ブランケット、真空成型品、ペーパーとありますが、このうちボード、真空成型品、ペーパーにはバインダー等で固められた製品です。当然、加工する場合には、いろいろな加工器具を使うので発じんを多くするのですが、切断加工のないときには、前回工業会のモデル実験としてデータをお出ししましたが、ほかのものと比べて発じんが少ないことが分かっております。今回、そういった加工のないボードを扱う所ということで、先ほどお見せしたセラミックファイバーのハードボードを作っている製造工場で梱包作業をやっており、この作業場を定年に一度作業環境を測定している会社がありましたので、そこでの測定結果をお示しします。

59ページですが、これが梱包作業の内容です。形はもっと大きいのですが、最終製品となったボードについて、作業者が11枚取り上げて、箱の中に入れるという梱包作業の様子です。

60ページです。測定位置については、左の図にありますように梱包前のボードと梱包後のボード、その間を作業者が移動してボードを取るため、その場所で測定をしております。残念ながら、この結果は個人ばく露濃度ではなく定点測定ですが、2009年から合計8回データを取っており、0.01f/cm3、若しくはそれ以下となっております。以上です。

 

○菅野座長 それでは、2団体の御説明について、全体として御質問等がありましたらお願いします。

 私から1つお伺いします。切断加工のないセラミックファイバーを使った炉の断熱材の張付作業は、実際にあるのでしょうか。それしか用いないというか、実際にはブランケット等も一緒に用いられるのではないかと思うのです。

○セラミックファイバー工業会 切断加工のない作業というのは、大型炉ではなくて、例えば先ほど工業会から御説明した半導体用の拡散炉のようなものに組み込む作業は、あらかじめ円筒状の拡散炉用のボードを作っており、それを組み込む作業になります。そういった一部の作業と、小型炉の断熱材であったり、暖房器具内に組み込まれる断熱材など、電気製品組立て時にで行われる作業かと思います。

○菅野座長 もう1つ、梱包作業の作業環境測定データがありましたが、この測定点の高さはどのぐらいですか。

○セラミックファイバー工業会 一般的には1mから1.5m程度です。アスベストの測定法をそのまま適用しております。

○セラミックファイバー工業会 日本工業炉協会からも一言お願いします。

○日本工業炉協会 ブロックで全て施工が終わるのかという御質問があったと思いますが、実際には現場の作業で、炉が大きいものから小さいものまであるのですが、特に大きい炉の場合は寸法の誤差、製作の誤差が10mmとか何10mmとかあるものですから、その部分を埋める作業が必要になります。大抵はファイバーを挿し込んで埋めていく作業になるのですが、どうしてもそういう作業が残ると思います。

○唐沢委員 今の質問の続きですが、埋めるということですから、切断するような作業はないという理解でよろしいですか。

○日本工業炉協会 切断というか、例えば巻いた状態で届いたブランケットやロープ状になったものを、物に合わせて挿し込んでいって、最後に長さのちょうどいいところで切断するということはあります。

○唐沢委員 切断方法は、例えばハサミみたいなものですか。

○日本工業炉協会 そうですね。

○唐沢委員 チェーンソーみたいなものを使うことはないのですか。

○日本工業炉協会 ないと思います。そんなに硬いものではないですから。手でやろうと思えばスッと割れるようなものですから。

○唐沢委員 53ページに、セラミックファイバーのブロック施工ということで現場の写真が2つあります。作業者は、ちょっとはっきりしませんが、防じんマスクをしているのですかね。

○日本工業炉協会 防じんマスクです。

○唐沢委員 国家検定の防じんマスクをしているということですか。

○日本工業炉協会 そうです。

○唐沢委員 こういう作業が行われる場合には、必ず着けているという理解でよろしいですか。

○日本工業炉協会 はい。

○名古屋委員 14で梱包したまま取り付けると、多分これは発じんはないというのは分かりますが。

○日本工業炉協会 全くないかどうかは……。

○名古屋委員 ブランケットを使った左の図の作業と、全て右の作業ではなくて、左の作業もあることはあるのですよね。ブランケットを使って張り付ける作業。

○日本工業炉協会 炉によりますが、結構あります。私どもの会社で言うと、比較的小型の炉では布状のものを使って張り付ける作業が多いです。

○名古屋委員 日本工業炉協会さんのほうは梱包されているけれども、セラミックファイバー工業会さんの53の図はビニールに入っているわけではなくて、むき出しですね。

○セラミックファイバー工業会 むき出しです。

○名古屋委員 要するに、全てが大型だから梱包されているわけではないということですね。いろいろな作業が混合していますねということですね。

○セラミックファイバー工業会 ブロックで施工していますので、ブロック工場でブランケットを積層して、所定の寸法に加工していますので、現場でブロックを切ったりする作業は極力少なくするようにしております。

○名古屋委員 もう一度、日本工業炉協会さんにお聞きしたいのですが、15のパワーポイントの中で、解体するときはどういう形で飛散防止対策を取っているのですか。取っているのか取れないのか、当然マスクはするのだと思いますが、これはどのような形で飛散防止をしているのか。粉じん則に従ってやるのか、そんなことは関係なくされているのでしょうか。

○日本工業炉協会 粉じん則のところは正確には存じませんが、恐らく囲ったりといったことはやれないと思います。炉の大きさが大小ありますが、小さいものにしても高さは2m半とか、幅も3mぐらいありますので、それを囲うのは現実的には難しいと思います。どちらかというと、作業者に防護策を設けるという方向かと思います。

○名古屋委員 多の場合、炉ですと中に入ってやるという感じですよね。

○日本工業炉協会 はい。

○櫻井委員 湿らせて加工することは、なかなかできないのでしょうか。発じんを予防するために。水で湿らせる。

○日本工業炉協会 使う段階では水を嫌うものですから。

○櫻井 そうしますと、無理なのですね。

○日本工業炉協会 今の技術レベルだと難しいと思います。

○セラミックファイバー工業会 場合によって、毛布状のブランケットという製品、あらかじめ無機系のバインダーを含浸させた製品があります。それはウェット状のもので、いろいろなカーブ、曲率の所に自由に形が作れると。そういった製品ですと、発じんの心配が全くないと、そういうものです。

○櫻井委員 そこには後で高熱がかかりますが、そのときはどうなるのですか。

○セラミックファイバー工業会 高熱がかかった後は、通常の製品と同様に解体作業などでは発じんします。

○日本工業炉協会 揮発性ということでしたので、使う前に飛んでいくのかと思うのですが、使用する前に半日なりの乾燥時間が要るとか、2日間要るとか。

○セラミックファイバー工業会 そうですね。そこはユーザー様のほうで乾燥に少し時間を取っていただくとか、養生を取っていただくということがあります。

 また、ブロックを施工されて、土台の雰囲気に対して耐食性をよくするために、湿式のコート剤を吹き付けていただいたり、これは先ほど説明があったかもしれませんが、そういった場合も同じように、乾燥に養生時間を取っていただくことになります。

○櫻井委員 水を使っても、その後で乾燥に時間を取ればいいのではないかと思うのですが、どうなのでしょうか。それは難しいですか。

○セラミックファイバー工業会 できることはできるのですが、セラミックファイバーの場合、ブランケットを例に取ると、嵩密度で1立方メートル×1立方メートルの体積で大体100kgぐらいしか重量がなくて、非常に気孔率の高い製品ですので、一旦水がしみこむと、布団を湿らせたようになってしまって、なかなか水が抜けきれないという問題が出てきます。

○櫻井委員 解体のときは使いますか。

○セラミックファイバー工業会 解体のときは、業者によっては撒水して発じんを少なくするようにしているようです。

○角田化学物質評価室長 今のことに関連して、先ほど施工箇所の写真ということで、日本工業炉協会の資料の11番の御説明の中で、ファイバーキャストライニングという湿式混合したペースト状の不定形耐火物として行うとありましたが、これは今の御説明とまた違うものなのでしょうか。

○日本工業炉協会 これは違います。どちらかというと、ファイバーキャストライニングは、使用し始めて部分的に欠落したときの補修のために盛ったりするような材料です。

○角田化学物質評価室長 具体的には、コテみたいなもので塗るということですか。

○日本工業炉協会 はい。

○藤間委員 実際に炉を施工する業者ですが、メーカーが直接は手を下すことは余りないということですが、その辺りはプラント・エンジニアリングの会社の方が実際に作業されることになるのですか。

○日本工業炉協会 私どもは、どちらかというとプラント・エンジニアの会社になるのですが、私どもから専門の施工業者を雇うとか、もっと多いのは、私どもから炉の製作業者へ発注し、その製作業者からさらに築炉業者へ発注し、またさらに、築炉業者が人を雇ってくるといったことが多いですね。

○藤田委員 そうすると、その方々に対する教育は業者がいろいろやられているということですね。

○日本工業炉協会 そうですね。ですから、RCFを扱っている方々はなかなか把握できないというか、私どもの社員で日本中の全てを賄っていれば、私どもの社員を押さえればいいのですが、私どもの孫請けやもっと先の可能性があるものですから、人数がどうだとか、どの人が作業をやっているといったことは、なかなか追いきれないのが難しいところだと思います。

○藤田委員 建設と同じような状況ですね。

○唐沢委員 日本工業炉協会の資料の11番に工業炉協会からの御要望が出ていて、上から3番目の●に、既に欧州において厳しい規制があるので、この規制に関し欧米工業界はどのように対応しているか調査が必要ではないか、という御指示だと思いますが、海外の業界団体とコミュニケーションを持っておられると思いますが、欧米の業界では現にどうしていらっしゃるか。もし情報があれば教えていただければ有り難いと思います。

○日本工業炉協会 やっているという情報はあるのですが、今現在これからやっていこうという話で、余り情報が入っていないのです。したがって、日本国内でも欧米のいろいろな調査をされている所もあるようですし、当然アメリカでは日本工業炉協会と同じようにアンヒアという組織、ヨーロッパではセコフという工業炉協会が集まっている組織があって、その会合が再来週ヨーロッパであるのですが、そういった所でも情報交換できるような形で集めてみようと思っております。今日は細かいものがないので。

○菅野座長 よろしいですか。それでは、御説明ありがとうございました。これで関係事業者団体からの御説明を終わります。今日は、御多忙のところおいでいただきまして、本当にありがとうございました。

 続いて、リフラクトリーセラミックファイバーの措置の検討をします。事務局から資料の説明をお願いします。

○高村化学物質情報管理官 資料2-1、セラミックファイバーの措置の検討シートについて説明いたします。資料2-2に付けておりますのは、前回までにお出しした団体等への意見照会結果をまとめたものですので、参考までに御覧ください。19ページの1枚目の日付についても、930日ということで修正をお願いいたします。申し訳ありません。

 リフラクトリーセラミックファイバーについても、今回23ページの「必要な健康障害防止措置(事務局原案)」ということで、具体的な措置内容等の提案と課題を挙げております。前回までの議論の中で、規制の内容として粉じん則等について現在該当している作業があるというようなお話もありましたので、このセラミックファイバーに関しては特化則の管理第2類物質かつ特別管理物質に関する措置内容と、粉じん則で求めております措置内容について例示として挙げております。粉じん則については、特定粉じん作業かどうかというところで措置内容は変わりますので、今回は特定粉じん作業について記しております。

 事務局から提案しております措置内容ですが、基本的には特化則の「管理第2類物質かつ特別管理物質」で求めております措置内容を、このリフラクトリーセラミックファイバーの健康障害防止措置ということで提案しております。ただ課題として、1つは前回、工業会からのお話にもありましたが、粉じん則において特別教育によって作業者の教育がされているということで、これについて何かしら措置内容として求める必要があるのか。それから、特化則では求めておりませんが、先ほども先生から御意見がありましたが、「作業の湿潤化」で粉じん則においては湿潤化ができるところについては湿潤化を求めており、こういったものについてばく露防止措置、発じん防止対策を検討する必要があるのか。事務局からは○ということで、措置内容として提案しておりますが、この辺り、少し御議論いただきたい点です。

 その他「作業管理」では、現在の特化則においては呼吸用保護具の使用の義務付けは求めておりませんが、粉じん則においては呼吸用保護具の使用を求めております。このリフラクトリーセラミックファイバーの取扱作業については、発散抑制措置を設けることができない現場もあるということで、こういったものを義務付ける必要があるのではないかということで、○と提案しております。このような形で、今回措置の原案ということで資料として提出いたします。

○角田化学物質評価室長 資料2-3です。これは、ナフタレンと同じような形で整理したものです。今回初めて説明いたします。左端は、初回で説明いたしました「リスク評価書(抜粋)」です。特に、6番の「結論(まとめ)」で、最初のパラグラフに、リスクが高い作業としてリフラクトリーセラミックファイバーの製造作業、リフラクトリーセラミックファイバーを含む製材その他のものの製造作業が確認されたと。末尾に、製造又は取り扱う作業については、健康障害防止措置の導入が必要と判断される、とのまとめをしているところです。真ん中が「措置検討会の概要」ですが、1回目は評価書の説明と質疑が行われ、その他作業にはどのようなものがあるかというような話も出てきました。

 第2回は828日で、業界団体からヒアリングを行いました。概略をまとめておりますので、詳細については資料を御覧になっていただければと思います。セラミックファイバー工業会から幾つか御指摘があり、それをまとめております。作業全体の完全な密閉化が困難ということで、局所排気装置の増強での対応となるが設備投資も大きいと。局排の要件は、粉じん則と同様にしてほしいというようなお話でした。それから、作業環境測定は顕微鏡法のため時間・装置を要するということで、簡易測定法の確立が望まれると。健診はじん肺健診で対応するか、追加項目を設定するのであれば、そこを明確化してほしいというお話もありました。

 それから、バインダー等で固められている成形品、湿潤したRCF製品の単なる取扱いでは、当協会のモデル実験でも発じんの可能性は低いことが確認されているので、措置対象外にしていただきたいとの御意見がありました。それから、評価値の0.2f/cm3を達成するためには、平均濃度を0.1水準とする必要があり、コストもかかってくる。個人ばく露濃度測定の検討も必要ではないかとの御意見。それから、粉じん則で既に規制されていること。粉じん則の拡充も考えるべきではないかといった御意見があったところです。

 第3回の検討会は、業界団体からのヒアリング結果の説明ということで、日本工業炉協会から頂いていたものを踏まえて、ヒアリング結果ということで御意見を紹介いたしました。本日の説明ともダブる部分もありますが、RCFは工業炉の断熱材として広く普及しており、代替品の普及もないため、規制によるコストアップ等を懸念するというような記載があります。それから、炉の内部でのRCFの取付けは固定とカット作業で発じんは掃除機等で吸引しており、ばく露の程度は低く規制対象外とされたいと。防じんマスク等を使用して対応しているというお話がありました。炉全体の密閉化は広範囲となり、施工先での対応は難しいというような記載もありました。バインダー等で固めた成形品の単なる取扱いは、発じんの可能性は低いので措置対象外にしていただきたいということです。これは、セラミックファイバー工業会の2回目のものと同じです。

 御意見の概略ですが、工業炉の施工での濃度データについての御質問等がありました。これは、2回提出のセラミックファイバー工業会の資料では、0.63.4f/cm3というデータが掲載されておりました。それから、RCFが熱でクリストバライトに変化した場合も想定されるので、そういう場合の取扱いも検討が必要ではないかという御意見もありました。炉の施工においては、発散源の密閉化や局排等がなじまない場合もあり、保護具による対応も検討が必要ではないかという御意見がありました。成形品の取扱作業でも、同工業会のデータで0.050.06の繊維数でありますので、保護具等の措置も必要ではないかという御意見。それから、服に繊維が付着した場合の着脱での発じんにも考慮が必要ではないか、といった御意見が出てきたところです。

 それを受けて、「措置検討に当たっての視点」ということです。本日第4回検討会追加資料として、成形品の取扱いや工業炉における利用実態や、本日セラミックファイバー工業会と日本工業炉協会から御説明を頂いたところです。論点は、本日の議論の中でもありましたが、ばく露実態を踏まえた製造・取扱作業における健康障害防止措置の検討は、先ほどの検討シートにありますように、基本に考えていくのかなと。その他、検討が必要な作業ですが、炉へのRCFの取付け、解体等、これは施工先における作業でもありますので、保護具等の話も出ておりましたが、対応の検討が必要ではないかと。それから、成形品の取扱作業も先ほどデータなどもありましたが、発じんの可能性が低いというような御説明もあり、成形品の取扱作業をどう検討していくか。また、先ほどもありましたが、ペースト状のものを取り扱う作業について、検討が必要になってくると考えております。説明は以上です。

○菅野座長 それでは、セラミックファイバーについても、一番右側のカラムにあります視点等に沿って御議論いただきたいと思います。団体からの御説明もありましたが、実際にセラミックファイバーの製造・取扱作業においてどのような健康障害防止措置が必要であると考えられるかについて、お願いいたします。

 実際に、成形品の取扱い、切断を伴わない成形品の取扱い以外は、実際には測定データはある程度高い値が出ているということですので、先ほどの措置と重複いたしますが、挙げられている対策が必要なのではないかと思います。これ以外に何か。

○名古屋委員 先ほどの炉の所なのですが、今までの特化則の2種のときには×になっていたのが○になっているので、多分できるのではないかと思います。炉は先ほど言ったように密閉化をして対策をしてというのは、なかなか難しい作業ですよね。

○日本工業炉協会 そうですね。

○名古屋委員 

そうはいっても、0.2fとアスベストに近い発がん性の高い物質ですので、これは何も放っておけないというか、ここはできたらきちんと電動ファンがいいと思うのですが、そういう形のものを付けて対応してもらうと。解体のときはセラミックファイバーが今度はクリストバライト変わり、逆に言うと、クリストバライトで0.025というかなり有害性の高い発がん性物質に変わってきているので、そこに測定義務をかけると今度は特化則の他に粉じん則が入ってきて、分析をしたときにセラミックとクリストバライトだったら、粉じんの測定をしなければならないし、特化則の測定も行うことになり、これはなかなか複雑になりますので、そこはもう炉に関しては完璧に防じんという形で、粉じんと同じ扱いできちんとマスクをし、かつきちんとした作業着の選択をするという形で、ちょっと特化則とは違った形で運用してほしいと思いました。

 それから、もう1つは特殊教育についてもそうなのですが、特化則の教育を、セラミックファイバーを扱う作業者に課しても、こんなことを言って申し訳ないのですが、何の意味もないのですよね要するに、全然違うことを扱っているので。ですから、できたら粉じん則で扱っている教育を受けた人は特別教育を免除してあげるし、作業主任者も粉じんの特別教育を受けている人なら特化則の作業主任者をいちいち受けなくてもオーケーしてあげるというように、ある程度粉じんの所できちんとしている作業者は、特化のときは優遇して措置を取ってあげないと、もともとこれはアスベストと同じ扱いなので、特化とは違う扱いにしてあげないとかわいそうかなと思いました。あとは、成形品は多分少ないので、濃度的には、要するに切ったものをただ乗せるだけですから、それは外してもいいのではないかと思います。ですから、そういう意味では23ページの措置の所は、これでいいと思います。

○菅野座長 基本的には、アスベストの場合に倣って。

○名古屋委員 アスベストは0.15でセラミックは0.2ですから、そこを解体で出てくるところは、要するに養生してという形のものは炉ですので、やるのはちょっと難しいので、そこはやはりきちんとしたマスク、本当は電動ファンが一番いいのですが、そういった形のものにしてあげるという形で措置してあげるほうがいいのかなと思います。

○菅野座長 今、炉への取付けの話が出ましたので、全ての作業について御発言いただいてよろしいかと思います。現時点では、炉の解体作業のときに粉じんの測定はしなくてもいいということですか。規定上。

○名古屋委員 仮に測定をしたとしても、というのは、アスベストもそうだったのですが、多分測定をしていて、ではそのときに得られた結果をどう反映するかといったときに、個別の対応になってくるので、測定結果が出てきたときにはもう作業が終わっているところがありますので、そこはちょっと難しいのではないかなと。それなら、初めからきちんとマスクを着けていて、飛散防止の形で、例えば炉の中に排気ダクトを入れて、ダクトの排出側にはきちんとHEPAフィルターを付けて、排気し、作業現場の外には粉じんが飛散しないよというような形にはできると思うのですが、測定まではかけなくても全然問題ないのではないかと思います。定常的にする作業でなので、やはり解体はときどきやる作業ですので、そこで測定というのはちょっとしんどいかなと思います。測定をしても、結果的には狭い所で、炉の中で作業をしていますので、ではそこでどういう測定をするかというよりは、やはりそこはマスクでカバーしてあげたほうがより現実的かなと私は思っております。

○菅野座長 先ほどの御説明の中で、大体年間1,000基ほど炉が作られているというお話ですが、そうすると1,000基ぐらい壊されているのではないかと思うのです。そうすると、実際に解体をされる方はそういう所を回って、いろいろな所で解体をしているのではないですか。団体の方からお答えいただけると有り難いのですが。

○日本工業炉協会 私の想像も入ってしまいますが、最近の納入基数1,000基は、私ども日本のメーカーが海外のお客さん向けに入れている設備も入っているのではないかと思います。

○日本工業炉協会 もちろんそうですね。

○日本工業炉協会 そういう意味ですと、日本のお客さんへの新設が最近やはり少ないですね。ですから、そういう意味で1,000基の新設をしているからといって1,000基をつぶしているかというものでもないと思います。あとは、使わなくなったといって即壊すわけではなくて、そのまま置いておくというような事例もありますので、解体の基数というのが年間どのぐらい発生するかは、ちょっとお答えしにくいかなと思います。

○菅野座長 把握はされていないということですね。

○日本工業炉協会 全く壊されていないわけではないです。

○菅野座長 数は把握されていないのですね。

○日本工業炉協会 そうですね。

○菅野座長 直接炉を施工される企業の数は、どのぐらいあるかを伺います。

○日本工業炉協会 企業の数ですか。

○日本工業炉協会 ファイバーを扱うという意味でしょうか。

○菅野座長 はい。

○日本工業炉協会 ちょっと把握はできないのですが、例えば築炉の数ですと多分東京のエリアで30数社ぐらいあるのではないかと思います。全国規模ですと、それの数倍ぐらいではないかと思うのですが。

○菅野座長 数倍ですか。

○日本工業炉協会 ええ、だと思います。そう多い数ではないかと思います。

○藤間委員 多分解体の場合は、必ずしも築炉屋がやるとは限らず、一般の解体業者などがやる可能性もありますね。建屋などと一緒に解体するような可能性もあるのではないかと思いますね。

○菅野座長 それはそれで、相当危険ですよね。

○藤間委員 そういう意味では、その辺りに対してどのように措置を講じてもらうかが、結構重要になってくるのではないかと思います。

○菅野座長 先ほどの成形品をそのまま取り付けるという説明もありましたが、成形品を取り扱う作業については、どのようにお考えでしょうか。先ほど、名古屋先生は除外してもよいとおっしゃったのですが。

○名古屋委員 いや、ですから先ほどの成形品の所を見ていただきますと、59のような所は要するに切ったものをただ梱包する作業ですから、こういう形のものは出ないでしょうと。それから、炉の所は多分に大きいか小さいかがあるから。精密加工ではないですよね。ですから、そういう意味では充填したりしますが、先ほどセラミック工業会の方が言われたのは、要するに精密機械のようにパチッとはめる所は切ったり張ったりしないから、そのままのものを付けるから、その所は発じんしないだろうという説明でした。そうしたら、そういう加工が何もないのだとしたら、そこで出ないものは取り付けても出ないと想像しただけです。

 ただ、本当に出にくいのだろうと思うぐらいで、そうはいっても少しあったりするかもしれないと、それはちょっと分かりませんが、その確率は炉を作るときよりは遥かに少ないのではないかということは予想されますよということです。先ほどのようなかなり硬い小さいものをはめる形では、そんなに出ないのではないかと思います。炉の場合は、確かに一体型で丸くして充填をしなくてはいけないので、必ずそういう作業は入ってきて、ぴったりはいかないので。

○菅野座長 成形品だけでは作れない。

○名古屋委員 そうだと思いますので、それに比べて遥かにオーダー的にと、取扱っている量が少ないので、発じんはそう出ないのかなと想像しました。

○菅野座長 そうしますと、取扱作業とは出荷の作業と考えてよろしいのでしょうか。

○名古屋委員 そういうことになります。梱包の所とそのように加工されたものを取り付ける所ですので、その辺りは大丈夫ではないかなと思いました。

○菅野座長 最後に、ペースト状のものとあるのですが、これはバインダーが入っているものということですか。

○高村化学物質情報管理官 今日説明を頂いた、例えば資料4-257ページの、代表的な製品ということで御案内を頂いている不定形ということでペースト状になっているもので、日本工業炉協会の説明で、補修で使うペースト状のものを塗り込むといったものについては、発じんのおそれは少ない作業の1つかなと。前回までの議論で、少しそういった御意見もありましたので、検討の論点で項目として挙げております。

○菅野座長 聞いたかもしれないのですが、ペースト状のものを使って例えば炉内の断熱材が壊れたものを補修する場合に、もともとあったものを外すのではないでしょうか。

○セラミックファイバー工業会 ペースト材を使うのですか。

○菅野座長 はい。というか補修をする場合、ペースト材だけで取り外しもしないで補修できるものですか。

○セラミックファイバー工業会 それは場合にもよるのですが、例えばセラミックファイバーのブロックを例にとりますと、セラミックファイバーは1,000℃以上で収縮するのですが、その場合にセラミックファイバーのブロックのラインニングですと、ブロックとブロックの間に隙間ができる場合があります。そうした場合に、ペーストのようなもので充填する場合はあります。

○菅野座長 ペーストのみで充填するのですか。

○セラミックファイバー工業会 ペーストのみで充填することもありますし、例えばペーストとブランケットを併用する場合もあります。特に隙間の程度というか、何ミリ空いているかによりますが、1cmぐらいの隙間でしたらペースト材を充填して済ませる方法もありますし、ただブランケットやバルブみたいなものを充填する場合もあります。それは、特に決まっていなくて、例えば築炉業者や実際の施工をする作業員によって普通は判断をして決めています。

○日本工業炉協会 質問させていただきます。

○菅野座長 どうぞ。

○日本工業炉協会 23ページの表に、私から見ると、この表はどちらかというとRCFを作っている工場の工程を想定しているのかなと思うのですが、これを私どもの炉の製品現場やお客さんの補修している現場に適用することは、ちょっと難しいところもあるのかなという目で見ています。

 それから、休憩室や洗浄設備がどのぐらいの大げさなもの、本格的なものなのかは分からないのですが、例えばお客さんの所に行くと休憩室は昼御飯を食べるような部屋しかないとか、そういう所からスタートしなくてはなりません。3年に1回の補修のときのために1部屋用意するというのは、なかなか現実的ではないような気がします。これは、どういった部屋をイメージされているのでしょうか。

○名古屋委員 基本は製造の話ではなくて、炉についての適用かどうかをこれから議論するのではないですか。ですから、先ほど私が言ったように、別段そうではなくてマスクで対応するかという形のものがあって、それが特例になるのかどうかで、これは飽くまでも製造の話であって、炉については別途また考えなくてはいけないよという話で。もしこれなら炉もきちんとして密閉して測定しなくてはいけないという話になりますので、そこはちょっと大変でしょうからマスクで対応したらどうでしょうかと、粉じん則でいったらどうでしょうかというお話をしているので、これから多分議論していくのだと思います。

○日本工業炉協会 分かりました。ありがとうございます。

○小野委員 措置については、これからだとは思うのですが、資料2-3の第3回検討会の912日の2つ目のポツで、例えば「炉の内部での取付けは固定とカット作業で、発じんは掃除機等で吸引しており」というのは、これは再発じんを予防するために吸引しているのかなと。あとは、防じんマスク等を使用して対応しているということで、多分保護衣なども着ているのかもしれません。ですから、こういう炉の作業の方に対してどうするかというときに、防じんマスクをどのように管理するかとか、保護衣を着替えるとか、それをどこでやるのかということも含めて検討していかなければいけないと思います。ですから、この炉への取付けをどういう位置付けにするかがかなり重要になってくるのではないかと思われます。

○名古屋委員 これは、業者がいらっしゃって説明をしたときに、そのようにやっているという話でしたが、やはりそうはいっても濃度は0.2ですし、低いし変えて出るので、それは別途考えましょうという形です。ですから、保護衣のことを言われても付いてきますので、それはやはりいけないと、その辺りはこれから作業場とは別に措置は考えていかなければいけないと、私も正に言われたとおりだと思います。

○大前委員 先ほど梱包作業に関しては、多分濃度が低いだろうというような趣旨だ思うのですが、この梱包作業の様式という図が59ページにあるのですが、これは足跡が付いているのですよね。足跡が付いている現場というのは、そんなにきれいではない所が多いのですが、これで本当に濃度が低いのかというのは、この写真を見ますとクエッションマークなのですが。

○菅野座長 これは、サンプラーの高さが1.5mで。

○大前委員 それはいいのですが、でも粉じんばく露を考えた場合は。

○菅野座長 膝元で作業をしていますよね。ですから、低い結果になっているのだと思います。

○大前委員 いや、多分工場の中ですから、重さは余り重くないというお話ですが、いろいろなものが走り回りますしね。石綿のときなども、結構真っ白で走り回って、空中に粉じん巻き上げて濃度が高いというのがあります。それから、もう1つは、これは正に上の作業を見ていますと、口との距離が非常に近いのですよね。ですから、本当にこのレベルで濃度が本当に低いのかというのは、ちょっとこの写真を見ますと。

○大前委員 はい。

○セラミックファイバー工業会 粉じんに見えるのは、床の色です。

○セラミックファイバー工業会 白黒ではわからないので、カラー写真を見ていただいたほうがいいかと思います。別に粉じんが飛散していることではありません。

○セラミックファイバー工業会 床面の緑のペンキが一部すり減っている状況です。

○大前委員 これは、ペンキの剥がれですか。

○セラミックファイバー工業会 はがれています。

○小野委員 それと、床面が削れているということですか。先ほどサンプルを見せていただいたときに、結構袋の下に粉が。それは目に見える大きさなので、吸入性というかそういう粉じんなのかどうかはあれなのですが、全く出ていないと。ただ、それが呼吸域まで来ているかどうかは若干違うと思いますが、ちょっとこの環境測定の判断が難しいかもしれないです。

○菅野座長 そうしますと、最後の成形品の取扱作業を除外するかしないかは、まだ結論が出ないということですね。しないほうがいいという意見のほうが多いような気がするのですが。

 今まで、全部一体として御意見を頂きましたが、セラミックファイバーの場合は先ほどの御説明で、発じん防止対策等何かないでしょうかというお話だったと思いますが、それについては何かありますか。解体作業のときには、湿潤化してという御提案がありましたが。

○名古屋委員 炉の場合は、補修の場合と解体は多分違うと思うのですね。解体はかなりほこりが立つので結構養生してもらわないといけないですが、補修はまたちょっと違うので、やはりこの辺りも分けたほうがいいかもしれませんね。

○菅野座長 対策の内容としてですよね。今日は、そこまではいかないと思うのですが。もう1つだけお伺いしてよろしいですか。炉というのは、寿命はどのぐらいなのでしょうか。

○日本工業炉協会 普通の耐用年数は10年とかそんなものなのですが、実際には長いものでは20年ぐらい使っている所もありますし、15年ぐらいはざらに動いております。

○日本工業炉協会 短すぎる。もっともっとかなり長い。先ほどの話ではないですが、解体しないで置いてある炉は相当あります。そういう意味で、法定耐用年数という意味では短いのですが、実際に使われているのは数10年使っている炉もあります。

○唐沢委員 ただその場合には、修理、メンテナンスで、それこそRCFを使って例えば2年に一遍とかそのぐらいの頻度で補修をなさるのでしょう。

○日本工業炉協会 多分、ユーザーが自分の基準でやられていると思うのですが、使用頻度にもよりますね。連続で非常に使っているのか、バッチでも使っていて使用頻度が少ない場合は、それこそもう何10年も使うということですね。

○菅野座長 それでは、本日の検討はこれにて終わりたいと思います。最後に、事務局から日程等について説明をお願いします。

○高村化学物質情報管理官 御議論ありがとうございました。資料5に今後の予定ということで、第5回以降の日程として3回分予定を入れております。この日程については、委員の皆様方の予定をお伺いして、できるだけ多くの委員の方にお集まりいただける日程で予定しております。第5回として、117()1530分からです。場所は調整中です。第6回は1211()午前10時から、こちらも場所は調整中です。第7回については、予備日という扱いで日程を押さえさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○管野座長 次回、次々回について、御質問等はありますか。以上で、本日の検討会は終わりたいと思います。セラミックファイバー工業会と日本工業炉協会の皆様、おいでいただき、御説明いただきありがとうございます。

 


(了)
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